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( ^ω^)ブーン達が廻るようです:8:「唄う樹」

4 :講師(樺太) 2007/04/15(日) 21:28:54.00 ID:s+6wpfQ0O
8:「唄う樹」

(´・ω・`)

 沈み行く太陽はどことなく切ない。
 オレンジの尾を引いて、誰も知らないどこか遠くへ。
 再会の約束も取り付けらないまま。

(´・ω・`)「(これは良い厨二病……)」

 僕は、この世界に来て久々のゆっくりとした時間を満喫していた。
 とはいえ、特にやりたい事もなく、屋上で暇を持て余した結果、恥ずかしい病を患う事となる。
 今、下ではクーとジョルジュ、そして何故かハインとで緊急会議が行われている。
5 :講師(樺太) 2007/04/15(日) 21:29:35.28 ID:s+6wpfQ0O
 「緊急会議」と言うか、ちょうど良いタイミングで現れた「アンチ」の拷問大会だったりするのだけど。
 ハインは「アンチ」を抜けたそうだ。
 元々、良くジョルジュと戯れていたし、余り「神のご意志に反する!!」と言うタイプにも見えない。
 「ここにいさせて欲しい」と言う彼女を拒む者はいなかった。
 ヘラヘラしたブーンと複雑そうなジョルジュの顔が浮かぶ。

( ^ω^)「おっ、こんな所にいたのかお?」

(;´・ω・`)「ちょっ!! び、びっぷりさせないでよっ」
6 :講師(樺太) 2007/04/15(日) 21:30:24.71 ID:s+6wpfQ0O
 柵から身を乗り出していた僕は、慌てて大勢を崩す。
 ブーンは足場も何もない場所にいた。
 勿論、それはクオリティ「真空」のなせる技だ。
 クー曰わく、珍しい能力らしい。

(´・ω・`)「……もう完璧だね」

( ^ω^)「僕の『エターナル・フォース・グラビティ』は百人乗っても大丈夫だお!! ……乗った奴は死ぬお」

(;´・ω・`)「色々と大変な設定だね」

( ^ω^)「それより、ショボンのヤツ見せてお。さっきのがショボンのクオリティだおね?」
7 :講師(樺太) 2007/04/15(日) 21:31:22.51 ID:s+6wpfQ0O
 「さっきの」と言うは、アンチに壊された扉を修理した時の事。
 僕のクオリティは、どちらかと言えばサポート向きのものだ。
 それでも「向こう」での戦闘を許されたのは、「筋が良い」かららしい。
 クーに誉められるのは素直に嬉しかった。

(´・ω・`)「あぁ、そう言えば、まだちゃんと見せてなかったね……組み手でもする?」

( ^ω^)「そうするお!! ドクオも多分、暇してるお」

(´・ω・`)「じゃあ……見ててね」

 不思議そうに見つめるブーン。
 僕は柵から手を伸ばして、大地に呼びかける。
8 :講師(樺太) 2007/04/15(日) 21:32:41.81 ID:s+6wpfQ0O
(;^ω^)「ふぉッ!?」

 右手に意識を集める。

(´・ω・`)「これが僕の力……『創造』だよ」

 「創造」。
 僕の力は、形ある全ての物をねじ曲げる力。
 最初は触れた物にしか及ばなかったそれも、今では半径五百メートルくらいなら操れる様になった。
 僕は「地面」を階段状にねじ曲げて、下への道を作る。

(;^ω^)「ショボン最強説浮上……」

 大袈裟に驚かれて、少し照れる。
9 :講師(樺太) 2007/04/15(日) 21:40:16.95 ID:s+6wpfQ0O
 下では、ドクオが待ち構えていた。

(;'A`)「おまっ……何でもありだな……」

(´・ω・`)「二人も慣れたら色々出来る様になるよ。僕も必死だったからね」

( ^ω^)「早速、『組み手』やるお!!」

('A`)「組み手……?」

(´・ω・`)「退屈だし、ちょっとトレーニングでもしない? って事で」
11 :講師(樺太) 2007/04/15(日) 21:54:23.03 ID:s+6wpfQ0O
 僕は少し前まで、毎日の様にクーと組み手をしていた。
 つい一昨日まで高校生だった二人は、苦戦しながらも少しずつコツを掴んで行った。

('A`)「ヨッシャ、じゃあ俺は適当な枝とかでやるわ」

(´・ω・`)「えー……こんなもんで良い?」

 適当な木の枝を呼び出し、木刀の形に組み替える。

(;^ω^)「本当、何でもアリだお……」

 そろそろ本格的にやろうか、と言う時、僕らはクーに呼ばれた。

川 ゚ -゚)「状況が変わった。会議だ」

 体育館の中は、何やら重い空気に満たされている。
 何となく、良くない予感がした。

8:「唄う樹」

―fin―