-VIP産小説保管庫-

( ^ω^)ブーン達は音楽好きだったようです:1

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 22:28:53.02 ID:933pgIJ70
( ^ω^)「ここはツンとの思い出の場所だお」

('A`)「よう。きてたのか」

川 ゚ -゚)「みんな、聞いてくれ。私達は解散するのか?」


――( ^ω^)ブーン達は音楽好きだったようです
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 22:36:55.71 ID:933pgIJ70

1年前――四月

( ^ω^)「暇だおー」

川 ゚ -゚)「やあ。君、バンドをやってみないか?」

( ^ω^)「バンド?」

川 ゚ -゚)「そうだ。ベースがいなくて困ってるんだ」

( ^ω^)(おもしろそうだな)

( ^ω^)「いいお」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 22:40:56.24 ID:933pgIJ70
( ^ω^)「これがベースかお」

川 ゚ -゚)「ドクオ。新しい仲間をつれてきたぞ」

('A`)「ふぅん。とりあえず弾いてみてくれ」

( ^ω^)「ブーンだお。よろしく! じゃあ曲はスタンドバイミーで」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 22:43:21.15 ID:933pgIJ70
( ^ω^)「ウィキャンザフライ。ウゥエンドスタンバイミー」

ブーンの歌と演奏が終わる。

('A`)「こりゃすごい。ぜひうちのバンドに入ってくれないか?」

( ^ω^)「頑張るお!!」

こうしてブーンはバンドの仲間入りを果たす。
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 22:47:28.14 ID:933pgIJ70
一ヵ月後

('A`)「何回間違えるんだ!!」

( ^ω^)「うるせえお!!できねえもんは仕方ないお!!」

川 ゚ -゚)「やめろ二人とも!!」

('A`)「お前とはもうやっていけない。あばよ」

( ^ω^)「こっちこそお断りだ!!」

そして、ブーンは部室に近寄らなくなった。
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 22:49:33.41 ID:933pgIJ70
その後、ブーンはほかの連中とバンドを組んだが合わなかった。
やはりドクオとのバンドが一番だったのだ。

ブーンは謝った。

ドクオも許してくれた。

そして練習を重ね、文化祭の日がやってきた。
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 22:51:20.35 ID:933pgIJ70
('A`)「よし、俺達は午後二時からだ。それまで練習しよう」

( ^ω^)「頑張るぞ!」

ガチャ

川 ゚ -゚)「おい、楽器が!!」

('A`)「なに!! 全部壊されてる!!」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 22:53:31.68 ID:933pgIJ70
( ^ω^)「そんな……」

('A`)「くそー、合唱部の奴らだな。あいつら俺らを目の敵にしてるから」

川 ゚ -゚)「このままでは演奏が出来ない。どうする?」

( ^ω^)「諦めないお!僕達は音楽を奏でるんだお!!」

('A`)「へっ。そうだな、俺達の音楽魂を見せてやろうぜ!!」

川 ゚ -゚)「……ああ!」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 22:56:17.04 ID:933pgIJ70
「次は有志バンドのスタン・エネルギーズの演奏です!!」

パチパチパチ……

合唱部A「あいつらが出てこれるわけねぇ。全部ぶっ壊したからな」
合唱部B「ああ。あいつらの醜い音楽など聞きたくも無い」

幕が開いた。

('A`)「こんにちは!!スタエネです!!今日はみんなに俺達の音楽を聴いてほしい!」

合唱部A「なんだって……? 楽器は壊したはずだ。できるわけない!!」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 22:58:41.27 ID:933pgIJ70
( ^ω^)「ワン・ツー・スリー・フォー」

('A`)「ウィーキャンフロァン! ヘイエー!」

川 ゚ -゚)「ッタ!」


合唱部A「机と箒を使ってリズムを刻むだと!?」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:01:36.90 ID:933pgIJ70
('A`)「ウィーザフロンティア――……」

「ウワァァァァッァァ!!」

('A`)「みんな、センキュー!」

( ^ω^)「大成功だお!」

川 ゚ -゚)「やったな」

文化祭ライブは大成功で終わった。
その夜、三人は公園に集まり雑談した。
最高の夜だった。
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:04:42.85 ID:933pgIJ70
('A`)「最高のライブだったな」

( ^ω^)「だお!」

川 ゚ -゚)「……二人にお願いがあるんだ」

クーが話を切り出す。
まじめな顔で。

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:06:52.39 ID:933pgIJ70
川 ゚ -゚)「私は音楽が好きだ。君達も好きだ。だから、これからも一緒にいてくれ」

('A`)「あたりまえだろ!!」

( ^ω^)「そうだお!僕達は仲間だお!」

川 つ-゚)「……そうか、ありがとう!」

三人の絆は深まった。
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:09:24.24 ID:933pgIJ70
しかし、その約束は破られた。
文化祭から1ヶ月、ドクオとクーの様子がおかしい。
よそよそしいのだ。

問いただした所、二人は付き合っていると言った。

( ^ω^)「ふざけるなお!僕に秘密で何やってるんだお!!」

('A`)「ぶ、ブーン!?」

( ^ω^)「僕は抜けさせてもらう!二度と顔を見せるなお!」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:11:13.93 ID:933pgIJ70
夜の川を眺める。

( ^ω^)「僕だってクーのことが好きだったお」

( ^ω^)「ドクオのやつ、クーとヤッたのかお?」

( ^ω^)「胸糞悪いお」

合唱部A「やあ、こんな所でどうしたんだい?」

( ^ω^)「あなたは……」

ブーンは合唱部の男子に訳を話した。
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:13:30.33 ID:933pgIJ70
合唱部A「そっか。バンドやめちゃったんだ」

( ^ω^)「あいつら裏切ったお。だからやめたお」

合唱部B「ククク……先輩、こいつを仲間にしてあのバンドつぶしましょう」

合唱部A「……」

合唱部B「お前、あいつらの写メ持ってる?コラしてネットに流してやんよ」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:16:38.68 ID:933pgIJ70
B「なんなら、学校中にばらまいて……」

A「黙ってろ!!」

B「ひぃ!」

ボスッ!ガッタッ!!!

A「ブーン、お前は間違っている。好きな女の幸せを、受け入れてやれ。
  親友の交際を祝福してやれ。……それが、男ってもんだろ?」

( ^ω^)「あ……」

( ^ω^)「僕、謝ってきます!!」

ダッ!

A「そうだ!走れ!!」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:18:48.86 ID:933pgIJ70
( ^ω^)「僕は馬鹿だお。好きな人の幸せを願えなかった……」


――――川 ゚ -゚)「私は音楽が好きだ。君達も好きだ。だから、これからも一緒にいてくれ」


(つ^ω^)つ「ブーーーーン!!!」


ブーンは走った。
風よりも早く。
まるで流星群のように。
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:22:05.92 ID:933pgIJ70
バァン!

( ^ω^)「ドクオ、クー!!」

('A`)「ブーン!?」

( ^ω^)「僕が間違っていたお……許してくれお。そして、もう一度バンドやるお!」

('A`)「バカヤロー!俺達は……仲間だろ……ヒクッ!」

川 ゚ -゚)「ブーン!」


「うわぁぁぁぁん!!」

三人は抱き合って泣いた。
青春。
それは友情と愛を感じさせた。
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:24:02.99 ID:933pgIJ70
A「ふっ……いつからだろうな。音楽魂を見失っちまったのは。
  でも、あいつらを見てて俺も頑張ろうって思えた。
  へへ、音楽ってのはいいもの……っ!?」

ガッ!

B「へ、へへ。どいつもこいつもふざけやがって……!
  あんな音楽認めねえ……! つぶしてやるぜ」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:26:43.28 ID:933pgIJ70
事件は三日後に起きた。
合唱部の生徒が2ちゃんに殺人予告スレを立てたのだ。
生徒は少年院に送られたらしい。


( ^ω^)「よし、次はどの曲やるお?」

('A`)「そうだなー」

川 ゚ -゚)「みんな、ちょっと聞いてくれ」

クーが話を切り出す
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:29:46.64 ID:933pgIJ70
('A`)「なっ! 病弱な妹に音楽を聞かせるために病院でライブをするだって!?」

川 ゚ -゚)「ああ。ツンといってな。私の唯一の妹なんだ。
     しかし、手術を受けないといいはってな」

( ^ω^)「やるお!」

( ^ω^)「音楽は人を元気にさせるお!勇気を与えるお!」

('A`)「よし、じゃあいっちょやるか!!」

川 ゚ -゚)「二人ともありがとう」

三人は準備に取り掛かる。
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:31:44.31 ID:933pgIJ70
計画はこうだ。
深夜の病院に忍び込み、ツンを屋上へ連れ出す。
そしてライブをやるのだ。

川 ゚ -゚)「よし、この窓からはいれるぞ」

( ^ω^)「見つかったら逮捕だお」

('A`)「だが、やるしかねえ」

三人は病院の廊下を進む。
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:34:42.09 ID:933pgIJ70
「誰だ!?」

('A`)「しまった、見回りだ!」

「お前達、何者……ぐわっ!」

ドクオが警備員にタックルをかます。
そのまま二人は倒れこんだ。

( ^ω^)「ドクオ!!」

('A`)「早く行けばかやろう!こいつを沈ませた後で合流する!」

川 ゚ -゚)「ドクオ、すまん……!」

階段を上る。
下からは激しい打撃音。

( ^ω^)「ドクオ……!」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:38:04.28 ID:933pgIJ70
ブーンとクーは走る。
ツンの病室は三階だ。

( ^ω^)「クー!急ぐお!このままじゃバレるお!」

川 ゚ -゚)「ああ、ツンの病室はこの先――」


(´・ω・`)「深夜に来訪者とは珍しいな」


( ^ω^)「!!」

大柄な男が立ちふさがる。
身長は2メートルほど。
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:40:17.95 ID:933pgIJ70
( ^ω^)「クー、先にツンをつれて屋上へ行っててくれお」

川 ゚ -゚)「ブーン……!?」

( ^ω^)「こいつは僕が倒すお。早くいくお!!」

川 ゚ -゚)「ブーン……必ずこい!約束だ!」

タッタッタ……


(´・ω・`)「――――ほう」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:43:13.46 ID:933pgIJ70
男の拳がクーへ放たれる。
だが、その拳の軌道をブーンの足蹴りが強引に変える。

(´・ω・`)「病院警備担当代表者、ジンドウ」

そう名乗り、男はブーンの顔面へ拳を走らせた――――
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:46:00.40 ID:933pgIJ70
――屋上

川 ゚ -゚)「ツン。大丈夫か?」

ξ゚听)ξ「はい」

川 ゚ -゚)「もうすぐ仲間がくるから、待ってろ。もうすぐ楽しい音楽の時間だよ。
     音楽を聴けば手術をうける勇気ももらえるさ」

ξ゚听)ξ「姉さん、私は……」

ガチャリ

川 ゚ -゚)「二人とも、遅――」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:48:40.61 ID:933pgIJ70
そこにいたのは、大柄な男だった。
しかし

(´・ω・`)「ぐふっ」

ボロボロだった。

その後ろからブーンとドクオが顔を出す。
そして、ぞろぞろと何十人もの人々。

――合唱部だ。

A「お前ら、音楽には合唱がつきものだろ?」

( ^ω^)「合唱部が助けてくれたんだお!!」

川 ゚ -゚)「みんな、ありがとう……」


('A`)「さあ、役者はそろった!音楽を始めよう!」
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:52:17.31 ID:933pgIJ70
Go to The My Way

作曲:スタン・エネルギーズ


('A`)    ――ジィアクワンツゥへブン♪

          タッタッタッタ♪

川 ゚ -゚)

        ――ユゥエマイゴーマイウェイ♪

( ^ω^)

      ウーララーラーラー


       ララーララー
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:55:18.38 ID:933pgIJ70
こうして、僕達の最高にスリリングなライブは幕を閉じた。
ジンドウと警備員は合唱部が口封じをしておいた。

ツンは手術を受け、無事退院した。

ξ゚听)ξ「私も元気になったら音楽をやるわ!!」


そんなことを言いながら、笑っていたとクーはうれしそうに語る。
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:57:23.72 ID:933pgIJ70


2ヵ月後。ツンが亡くなったとの知らせが届いた。



( ^ω^)川 ゚ -゚)('A`)「……」


僕達は葬式に出た。


無言のまま、葬式が終わり外に出る。


そして、三人はツンの入院していた病院へと足を運ぶ。
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/16(水) 23:59:13.87 ID:933pgIJ70
( ^ω^)「……ワンツースリーフォー」

川 ゚ -゚)「……〜♪」
('A`)「〜♪」


空に向かって、音を奏でる。
そのうち、誰かの鳴き声が混じってきた。


それは、僕達三人の鳴き声だったのだろう。
112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/17(木) 00:02:02.87 ID:PxCmmWI60
        ――――奏でよう。人々の心へ――――


         ――彼女へ送ったように、音楽を――



         「we are happy. we can music」



           僕達の音楽は永遠に

         ツンの心に残り続けるだろう



fin
119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/05/17(木) 00:06:49.10 ID:PxCmmWI60
 ―終 そして僕の残り書き―


この作品へのメッセージを、詩にしてあらわして締めようと思います。

送る詩:alive

人ってどうして死ぬんだろう?
死ぬのが怖いのかい?
それなら、音楽を聴いてごらん。
ほら、君は生きている。
喜びを感じられる。

――――それなら、生きてるってことだろう?


(本日はありがとうございました)