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( ^ω^)ブーン達が廻るようです:7:「往々」

3 :とき(樺太) 2007/04/14(土) 19:51:29.82 ID:azJAGs5GO
7:「往々」

('A`)

 場所。体育館型アジト。
 時。とある、昼下がり。
 唐突に、鉄製のドアが叩かれた。

(;^ω^)「おっ、おぉぉおぉぉあぉ!!」

 見事に変形した「ドアだった物」がブーンの真横を通り過ぎる。
 轟音と共に、壁に当たったそれは鉄屑と化していた。
 _
( ゚∀゚)「ノックにしちゃあ、大袈裟だなァ?」

( ・ω・)「……。フルボッコしてやんよ」

―――俺達は正に襲われていた。
 _
( ゚∀゚)「久々の客だッ、たーッぷりもてなしてやんねーとなッ!!」
4 :とき(樺太) 2007/04/14(土) 19:52:19.01 ID:azJAGs5GO
 言いながら、ジョルジュは腰のホルスターに手を伸ばす。
 そこから発砲までは一瞬、いとも容易く相手を射抜いた。

(´・ω・`)「可笑しいよね……?」

川 ゚ -゚)「あぁ……だが、好都合だ」

('A`)「そう言えば、あの銃、クオリティじゃねぇの?」

 銃声や射殺に少し慣れて来ている自分に気付いて少し気が沈む。
 仕方ない事だ、と言い聞かせて気にしないよう努めた。

(´・ω・`)「あぁ、あれは本物の銃だよ。詳しくは知らないけど、ジョルジュには力ないらしいよ?」

(;^ω^)「そんな事もあるのかお……?」
5 :とき(樺太) 2007/04/14(土) 19:53:14.90 ID:azJAGs5GO
(´・ω・`)「さぁ……あるんだから、あるんじゃない?」

 確か、昨日の話だと「クオリティは一人につき一つ与えられるもの」だった筈だ。
 それでも、俺は信じるしかない。
 そもそも、この世界は何でもアリだ。
 _
( ゚∀゚)「あー、クッソ……ウゼェな」

川 ゚ -゚)「ほぅ……」

(´・ω・`)「……」

 皆が一点を見つめていた。
 そこには、やはり有り得ない光景。

(;'A`)「は……?」

( ・ω・)「……効かないんよ?」

 今し方、射殺された筈の男が何食わぬ顔で立っていた。

(;^ω^)「何、このクオリティ……」
6 :とき(樺太) 2007/04/14(土) 19:54:02.13 ID:azJAGs5GO
(´・ω・`)「……それだけじゃないよ」

(;'A`)「まだ、何かあんのかよ」

 恐る恐る聞いてみる。

(´・ω・`)「……あいつには最低でも二つ以上の力がある」

(;^ω^)「……そんな事もあるのかお?」

('A`)「はいはい、デジャヴ、デジャヴ」

 恐らくはそれは、ドアを破壊した力と、銃弾を無力化した力の事だ。
 これも「あるんだから、ある」の一つだろう。
 しかし、ショボンの答えはまるで違った。

(´・ω・`)「有り得ない……あいつは、僕が殺した筈なんだ」

 身近な人から発された「殺す」と言う言葉。
7 :とき(樺太) 2007/04/14(土) 19:54:52.31 ID:azJAGs5GO
 それは予想を遥かに超えて、重い。

(´・ω・`)「……あいつは向こうで君達を襲った奴だよ」

('A`)「あ、あぁ……」

 記憶を辿ると、僅か二日前の事だ。
 俺は自ら友人の手を、血で汚してしまったのだ。

( ^ω^)「……でも、生きてるお」

(´・ω・`)「うーん、僕にもわからないけど……」

 当たり前に、どこにでもいる高校生だった筈の俺らは気付けば消えていた。
 たった一週間前までの景色が、この上ない贅沢だと知る。

川 ゚ -゚)「……ジョルジュ、そいつは生け捕りだ。援護は?」
9 :とき(樺太) 2007/04/14(土) 20:00:30.12 ID:azJAGs5GO
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( ゚∀゚)「邪魔。殺さねェ自信はねェが」

 ジョルジュは地を蹴り、体を低く走り出す。
 対する敵に動く気配はない。
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( ゚∀゚)「っハッ!!」

 そのままの勢いで繰り出された右腕は、しかし、空を切った。
 _
( ゚∀゚)「あァッ、メンドクセェ!!」

( ・ω・)「無駄なんよッ!!」

 敵は振り向き様に蹴りを放つ。
 ジョルジュは銃を盾にし、それでも、
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(;゚∀゚)「ふゥ……!!」

 軽く吹き飛んだ。

(;^ω^)「ジョルジュッ!!」

(;'A`)「ヤベェんじゃね……」
11 :とき(樺太) 2007/04/14(土) 20:04:52.97 ID:azJAGs5GO
川 ゚ -゚)「問題無い。只の能無しなら、とうに死んでいるさ」

 壁際で踏み留まったジョルジュは、再び真っ直ぐ銃を構えた姿勢で止まった。

( ・ω・)「……潰してやんよッ!!」

 追い討ちを掛ける敵。
 ジョルジュは真っ直ぐに銃を向けたまま動かない。

( ・ω・)「――死ねっ!!」
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(#゚∀゚)「オ、マ、エ、モ、ナーッ!!」

 弧を描く軌道で迫る腕を、ジョルジュは体を反転させて交わす。
 瞬き、後。
 そのまま後ろに回り込み、敵の頭に銃を突き付けた。

( ・ω・)「チッ!!」
14 :とき(樺太) 2007/04/14(土) 20:07:32.43 ID:azJAGs5GO
 壁際に逃れた敵を目で追い、ジョルジュは不敵に笑う。
 _
( ゚∀゚)「はッ、怖ェか? 銃が……やっぱ無敵じゃーねェらしいな?」

(;'A`)「……」

 ジョルジュは、押していた。
 全くクオリティを用いず、二つ以上のクオリティを相手に。

川 ゚ -゚)「だが、侮れない……」

 銃弾には当たらなくて、殴る事は出来る力。
 やはりそれは、かなりの異例らしかった。
17 :とき(樺太) 2007/04/14(土) 20:46:09.32 ID:azJAGs5GO
(;・ω・)「……か、関係ないんよ!!」
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( ゚∀゚)「――と、雑魚が申しております」

(;^ω^)「これは酷い……」

('A`)「――あ」

 体育館の入り口。
 そこには、確かに誰かがいた。

(;・ω・)「……ガ――」

 その影が動いたと同時、
 _
( ゚∀゚)「ハ?」

(;'A`)「は……?」

 敵は、やけにゆっくりと倒れた。

从 ゚∀从「……ヨう」

7:「往々」

―fin―