(´・ω・`)「く。なんだ今のは」
(,,゚Д゚)「増殖と変化を組み合わせただけだ。服を見てみろ」
ショボンが自分の腹を見ると、服に穴が開いていた。
(´・ω・`)「穴というより、焦げあとだな」
(,,゚Д゚)「当たりだゴルァ。そっから先は、自分で考えろ」
焦げあとが出来たということは、ギコの能力は火なのだろうか。
いや、火なら、炎が見えるはずだ。熱だと考えたほうがいいだろう。
しかし、何を変化させて熱を発生させたのかはわからない。
先ほどのちんぽっぽの場合は、舌を火炎放射器に変化させたものだろう。
だが、ギコが舌を変化させた様子はない。
増殖も使ったと言った。そこから導き出される答えは一つ。
( ´┏_⊃┓`)「声だろうな」
(´・ω・`)「村長!」
(*゚ー(//)「じじぃ!」
(,,゚Д゚)「今頃、戻ってきたのか」
( ´┏_⊃┓`)「ギコちゃん、ひどい!」
(´・ω・`)「遅いですよ、村長。何してたんですか?」
( ´┏_⊃┓`)「いやいや。大陸のお茶は、あっさりしていて美味しいんだよ」
ξ*゚д゚*)ξ「お茶飲んでたのかじじぃぃぃ!」
( ´┏_⊃┓`)「ツンちゃんおいすー。読者サービスが激しいよ〜wwww
可愛いよ、ツンちゃん。抱きしめたいwwww」
ξ*゚д゚*)ξ「はああ?」
(,,゚Д゚)「あっはっは。この状況を見ても、その余裕かゴルァ」
(´・ω・`)「まったく。村長にも困ったものですな」
( ´┏_⊃┓`)「いやいや。ただお茶を飲んでたわけじゃないぞ? ほら」
村長が葉っぱを投げると、ショボンとツンの額に触れた。
次の瞬間には、二人の傷が薄く、消えていく。
(*゚ー(//)「それは……復元!?」
(,,゚Д゚)「お前が復元を使えるのは知っていたが、治癒能力が上がっているようだな」
( ´┏_⊃┓`)「今までは見よう見真似だったからね。ちょっと勉強してきちゃった」
(*゚ー(//)「ふざけるな!」
しぃの体から伸びた蔓が、村長の目の前で停止した。
(*゚ー(//)「なんだ?」
( ´┏_⊃┓`)「見えない壁を具現しただけだよ」
(#゚ー(//)「コイツ……」
(´・ω・`)「簡単に言われますな。そんなものを具現できるのは、あなたくらいのものだ」
( ´┏_⊃┓`)「さてと。これで四対四になったわけかな?」
(,,゚Д゚)「はっw三対三の間違いだろう?」
( ´┏_⊃┓`)「おやおや。君は貞子とそこの若造を忘れていないかな?」
全員が一斉に村長の指差した方を見ると、ビロードが立っていた。
(*‘ω‘*)「アー!」
(><;)「ちんぽっぽさん!」
二人は抱き合って、互いの無事を喜びあった。
( ´┏_⊃┓`)「はっはっは。美しいものを見せてもらったし、そろそろ始めようじゃないか」
(,,゚Д゚)「望むところだゴラァ」
(><;)「ちんぽっぽさん。アレ、いくんです!」
(*‘ω‘*)「了解だぽっぽ」
ビロードが電気を具現化し、発生した電気をちんぽっぽが増殖する。
川д川「増殖」
貞子の足元の土が増殖し、電気との間に壁を作った。
(*‘ω‘*)「まだまだぽっぽ!」
今度は炎が土の壁にぶつかる。
川д川「増殖」
再び増殖された風が、難なく炎を押し返す。
(*‘ω‘*)「きぃー!」
(><;)「落ち着いてくださいなんです! 僕の最終兵器いくんです!」
ビロードが目を閉じて叫ぶと、大量の煙と共にドラゴンが具現化された。
(´・ω・`)「なんだと? マシンガンならまだしも、架空の生物を具現化するとは」
(*‘ω‘*)「これがこの子の実力だぽっぽ!」
ドラゴンの強力な炎は、貞子の増殖した風では返せない。
(´・ω・`)「水を具現化」
川д川「増殖」
(><;)「く、ナイスコンビネーションなんです!」
ξ;゚听)ξ「ハァハァ、く……」
(*゚ー(//)「最初っからあんなに飛ばしたら、そりゃあ疲れるよ。
それにしても、変化ってあんまバリエーションないよね」
ξ゚听)ξ「それは、あんたの使い方が悪いのよ」
ツンが葉っぱを投げた。葉っぱは風に吹かれて揺れながら、しぃの足元の落ちた。
(*゚ー(//)「遠隔操作!?」
しぃが叫ぶと同時に、地面が裂けた。
(,,゚Д゚)「増殖と変化だゴルァ!」
ギコの声が増殖され、熱へと変化する。
熱へと変化した声は、細い光線となって、村長に襲いかかった。
( ´┏_⊃┓`)「変化」
ギコの放った熱が風へと変化する。
(,,゚Д゚)「クソ。そんな使い方をするとはな」
( ´┏_⊃┓`)「頭では理解できても、使うことは不可能だ。君には経験が足りないよ」
(,,゚Д゚)「化け物か、キサマ」
(*‘ω‘*)「もう一回だぽっぽ!」
(><;)「わかったんです!」
(´・ω・`)「無駄だ」
再びショボンによって具現化された水を、貞子が増殖する。
(´・ω・`)「ふむ。我輩の考察するところ、そのドラゴンは、随分と見かけ倒しだな。
体が脆く、炎は威力がない。ちんぽっぽが、炎を増殖しなければな」
(*‘ω‘*)「ぽ、ぽっぽ?」
川д川「ナイスコンビネーションとは、よく言ったものね。こちらも言い返さないと」
(><;)「バレてたんですか!」
(´・ω・`)「ドラゴン」
ショボンの前に、黒い歪な形をしたドラゴンが具現化した。
(´・ω・`)「炎」
川д川「増殖」
(><;)「くっ、こちらも炎なんです!」
(*‘ω‘*)「増殖ぽっぽー!」
炎がぶつかり合い、凄まじい熱が周囲に拡散した。
(´・ω・`)「こんなものだ。まるでガキのおままごとだな」
(*‘ω‘*)「ドラゴンを増殖っぽ」
川д川「無駄よ」
貞子の足元で増殖した土を、ショボンが蛇に変化させる。
蛇が、増殖したドラゴンをまとめてなぎ払った。
(><;)「アー!」
(´・ω・`)「脆弱な炎を吐くだけのドラゴンなどを具現化する意味はない。
まだ腕を火炎放射器にでも変化させたほうがマシだ」
川д川「増殖」
風が二人に襲いかかる。
(*‘ω‘*)「ちんぽっぽジャンプ!」
(´・ω・`)「具現化。鉄板」
(*‘ω‘*)「ギャー!」
(><;)「ちんぽっぽさーん!」
【(*‘ω‘*)の脳内】
声が聞こえる。切ない声。私の可愛いぼうや。どうしてそんな声で鳴くの?
薄れゆく記憶の中に、ビロードの優しげな笑顔があった。
元気で……暮らすのよ?
(,,゚Д゚)「ふん、ちんぽっぽがやられたか。ビロード一人では荷が重いな」
( ´┏_⊃┓`)「ふむ。そろそろ引くことをお勧めするが?」
村長が遠くを指差した。
ギコが目wp望遠鏡に変化させて、遥か遠くで燃え上がる大陸船を視認する。
( ´┏_⊃┓`)「人間同士の争いは終わったようだ。残念だな」
(,,゚Д゚)「はっ。俺の辞書に、逃げるという字はない」
ギコが笑った。それにつられて、村長も笑顔になる。
( ´┏_⊃┓`)「ならば、私も本気を出すとしよう」
ξ゚听)ξ「村長」
( ´┏_⊃┓`)「ふむ。コイツは私に任せて、下がっていなさい」
ξ゚听)ξ「いえ。どちらにしろ、もう体が動きません」
ツンの両耳から、薔薇の蔓が垂れ下がっていた。
血が蔓を伝って地面に滴り落ちる。
( ´┏_⊃┓`)「ふっ。所詮、お前らなど、こんなものか」
ξ゚听)ξ「」
ツンが口を開いたが、なんの言葉も漏れてこなかった。
声の代わりに、大量の血が噴き出す。
血が鼻から漏れ、やがて目や耳からも零れ落ちる。
大量の血に全身を覆われたツンは、そのままの表情で倒れた。
( ´┏_⊃┓`)「……」
(,,゚Д゚)「遊びは終わりのようだな。村長」
( ´┏_⊃┓`)「ふむ。そのようだ」
村長の腕が一瞬でミサイルに変化し、弾がツンに向かって放たれた。
ミサイルはそのままツンの頭上を越え、ショボンの体に突き刺さる。
(´・ω・`)「!?」
ショボンのアバラに挟まれたミサイルは、空気を振動させながら、爆発した。
川д川「村長? あなたは何をし」
(#^ω^)「なにをしてるんだお!」
ブーンの視線の先に、血に塗れたツンが倒れている。
手に握られたままのツンの葉っぱが、淡く輝いていた。
川д川「ブーン?」
('A`)「くそ。俺もいるぞ。この、ドクオ様もよ」
( ゚д゚ )「俺がドクオの彼氏だー!」
(*´・ω・)「今の聞いた?」
(・ω・`*)「聞いた聞いた。気持ち悪いよね」
(*´・ω・)(・ω・`*)「ネー」
( ´┏_⊃┓`)「ほう。双子ちゃんまで出てきたか」
(#^ω^)「そんなことはどうでもいいお! なんでショボンを撃ったんだお!」
( ´┏_⊃┓`)「そんなこと、分かりきってるじゃないか。私が君たちの敵だからだよ」
(#'A`)「敵? だってあんた、俺をここに連れてきてくれたじゃないか!」
( ゚┏_⊃┓゚)「君たちには、才能があったからな。
わざと大人になるまで放置しておいた。
私がつくる新たな国に必要だったのだ」
(#'A`)「どういうことだ? なんでショボンを殺した?」
(,,゚Д゚)「ショボンは、私と村長の計画に気づき、それを阻止しようとしていたんだゴルァ」
川д川「どういうことですか?」
( ゚┏_⊃┓゚)「私とギコで、タヌキだけの国を作ろうという話になってね。
計画は順調に進んでいたのだが、それを邪魔したのがショボンだ」
川д川「そんな。それでは、この戦争の意味は……」
( ゚┏_⊃┓゚)「話が早いね。不必要なタヌキを排除するための、演技だよ」
(#'A`)「演技だと? このタヌキじじぃが!」
( ^ω^)「そんなことは、どうでもいいお」
ブーンがツンの手を優しく開きながら言った。
(#'A`)「あ? なに言ってんだ、お前!」
( ^ω^)「ツンが死んじゃったお。村の人たちも、たくさんたくさん死んじゃったお。
その原因は、すべて村長にあるんだお?」
赤い葉っぱを握る。血はすでに固まっていた。
( ゚┏_⊃┓゚)「私が直接手を下したわけではないがね。結果的に、ツンは死んだ」
( ^ω^)「だったら、僕は村長が許せないお」
(,,゚Д゚)「ひゃははwだったらどうするよ? 戦ってみるか?
ショボンや俺さえ敵わない相手によwwwww」
('A`)「ブーン」
( ゚д゚ )「うっ」
('A`)「コッチミンナ。どうし……うっ」
(*//)ー(//)「ハァハァ。ボクは……死なない。
ねぇギコ。ボクは強いよね? 必要だよね?」
(,,゚Д゚)「まだ生きてたのかよ。お前」
(*//)ー(//)「え?」
(,,゚Д゚)「死ねゴルァ」
ギコの口から放たれた熱が、しぃの額を貫いた。
(*//////)「ギ……コ?」
(#^ω^)「うおおおお!」
ブーンの右手の葉っぱが光りを放つ。力が全身から、葉っぱに流れていくのが分かる。
毛穴が開く。視界が白く染まる。
頭の中に浮かぶのは、数々の記憶と、顔。
ξ゚听)ξ('A`)(´・ω・`)川д川( ´ー`)(*´・ω・)(・ω・`*)
川д川「私は死んでないのに……」
(*´・ω・)「私たちも生きてるよ」
(・ω・`*)「失礼しちゃうよ」
(*´・ω・)(・ω・`*)「ネー」
('A`)「……」
(#^ω^)「くううううう」
ブーンが飛び上がった。
全身が熱い。これは、怒りだ。
この村は、自分の新たな故郷だ。
狭い部屋に引きこもって、なにをするでもなく、ただ空気を貪っていた僕を、
受け入れてくれた。唯一の、場所。居心地の良い、村。優しい、人々。
体に漲る煮えたぎるような想いを、拳に集めた。
( ゚┏_⊃┓゚)「はっ! たかが拳で、私にダメーうぼほほほほほほほほほほ」
(,,゚Д゚)「な、なんだと?」
鋼鉄と化した腕に開いた無数の穴から、大量の湯気が後方に噴き出す。
鈍く光る拳に想いを乗せ、全力で、村長の頬を目がけて振りぬいた。
村長の顔に、ブーンの拳がめり込む。
(,,゚Д゚)「ま、マジかゴルァ」
川д川「あの力は一体……」
(*´・ω・)「あれは、ツンちゃんへの想いだよ」
(・ω・`*)「それと、あのオカマへの友情だよ」
(*´・ω・)(・ω・`*)「ネー」
村長の頭が、空中で破裂した。
( ^ω^)「ドクオ……」
('A`)「んだよ、ボケ」
( ;ω;)「ちょwwなんで生きてるんだおww」
('A`)「言っただろ? 死んだお前は増殖できなくても、生きてる俺なら増殖できんだよ。
あとは、消えた俺の分身に代わって寝転んでただけだ」
(*´・ω・)「なにこれ」
(・ω・`*)「後付っぽいよね」
(*´・ω・)(・ω・`*)「ネー」
( ;ω;)「でも……ツンは……」
ブーンはツンの傍に降り立った。
体中の穴から、血を垂れ流したツン。
ドアを蹴飛ばしながら、物凄い形相で部屋に入ってきたツン。
大きな橋を嬉しそうに眺めていたツン。
ソフトクリームを口の周りにつけながら、懸命に舐めていたツン。
もう、ツンの笑顔を見ることはないのだ。
永遠に。
( ;ω;)「ツン、ツン。つっ、うええ」
ブーンの泣き声が、地面に染み込んでいった。
頭の中には、微笑を湛えたツンがいた。
おわり。