-VIP産小説保管庫-
ミ,,゚Д゚彡彼への依頼はV・I・Pのようです:一話「始末屋 ギコ・フッサール」
- 12 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 12:48:57.57 ID:wkW+d3yY0
- ここはチャンネル2番街、略して2チャンと呼ばれ
説明すると長いので色々省けば要するに、とても大きな街である
大都市には付き物である犯罪のありふれたこの街の一角
ビルに挟まれた中にある一つの寂れたマンション
この場所に一人の女性が足を踏み入れた
「おーい」
「…」
「起きろーい」
「……」
「ああ、もういい加減起きろってのに!」
「………あと、五分」
「………」
- 13 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 12:50:03.47 ID:wkW+d3yY0
- 幸せそうに眠る男と、その傍らには一人の女性
白衣をイメージさせる様なコートを羽織り
その下には豊満な胸がこれでもかと自己主張している
彼女は表情こそ笑っているが、額には青筋が浮かび、明らかに苛立っている様子
やがてどこから取り出したのか大きなハンマーをその手に握り、大きく振りかぶった
「起きやがれこのアホーーーーー!!」
銃声にも似た爆発音が響き、地震でも起きたかの様な振動が怒る
ちなみに彼女の乳も盛大に揺れている おっぱい!おっぱい!
ミ,;゚Д゚彡「うぉわぁぁぁぁ!! なになになにー!?」
あと情けない悲鳴も聞こえた
从♯゚∀从「やっと起きやがったか…」
ミ,;゚Д゚彡「はっ!ハイン!?」
从 ゚∀从「めぇ覚めたかぃ?」
- 14 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 12:52:01.01 ID:wkW+d3yY0
- ミ,;-Д-彡「いえっさー、それはもうしっかりきっちり速やかに!!」
从 ゚∀从「いよぉーし、なら聞くが…私は昨夜、電話で9時にここに来ると言った
そしてお前は了承した、おーけい?」
ミ,;゚Д゚彡「イエス・マム、ネガティブ!」
从;゚∀从「それは否定だ、肯定ならアフアーマティブ」
ミ,;゚Д゚彡「アイ・マム!」
从 ゚∀从「で、今何時?」
ミ,,゚Д゚彡「はっ、現時刻は12時であります!」
从 ゚∀从「おーし、分かってるなら話は早いな」
ミ,,゚Д゚彡「と言われますと?」
从 ゚∀从「…何で寝てた?」
ミ,;゚Д゚彡「え、えーと、えーと…その目覚ましが狂ってまして」
从;゚∀从「そっかぁ、そりゃしょうがねえなぁ…」
ミ,;-Д-彡(通じた!?)
- 15 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 12:53:00.67 ID:wkW+d3yY0
- 从♯゚∀从「んなわけあるか!」
ミ,;゚Д゚彡「なんで聞こえたの!?」
从 ゚∀从「…ま、いいや、それよりフサ」
「依頼きたぞ」ハインと呼ばれた彼女が軽やかにそう言った
その言葉に目つきを変え、男が口を開く
_
,
ミ,,゚Д゚彡「はて」
从♯゚∀从「毛ぇむしったろか」
ミ,;゚Д゚彡「ごご、ごめんなさーい!!」
从 ゚∀从「とにかくそう言う事、さっさと行くよ」
ミ,,゚Д゚彡「…ハイン、一つ聞いておく」
从 ゚∀从「なにさ?」
- 17 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 12:55:07.09 ID:wkW+d3yY0
- ミ,*゚Д゚彡「依頼者は幼j……女の子だったりしない?」
どうやら彼はロリコンのようです
从♯゚∀从「…」
ハインは再び先のハンマーを手にした
果たして目の錯覚か、アメリカ人もビックリサイズの巨大ハンマー
そもそもどこから出したのかも分からないが、軽々と持ち上げ振りかぶる
从 ゚∀从「…ゴキリ」
ミ,; Д 彡 ゚ ゚「ちょ!? ごめ!」
「よいしょーっ!」
「パンッ!!」
景気の良い音が響く
彼ごと階下までめり込む巨大ハンマー、床に大きなひび割れが出来た
- 18 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 12:57:22.53 ID:wkW+d3yY0
- 軋む木の音と共に
すぐさまその下からひょっこり男が顔を出す
ミメメ;Д;彡「今が苦しいからこそおおォ! 明日が輝くのさあああァ!」
ミ,,゚Д゚彡b「ちなみにサイバーフォーミュラーのEDだ、いい歌だぜ?」
(ttp://www.youtube.com/watch?v=ZqZxlMMwXYs)
从;゚∀从(タフな奴…)
从 ゚∀从「んで、場所はいつもの公園な
もー、誰かさんのおかげで大遅刻だよ、とっとと行こうぜ」
ミ,,゚Д゚彡「イエス・アイマム」
男は勢いよく立ち上がると壁に掛けられたコートを羽織り
ベッドの横の引き出しから何かを懐に仕舞った
从 ゚∀从「おし……ああ、そうそう」
ミ,,゚Д゚彡「?」
男に背を向け歩き出した女性が一度立ち止まり、ゆっくりと振り返る
从 ゚∀从「…そのふざけた口調を今すぐに止めなきゃ
そのうざったい髪の毛を全て焼いてやる」
ミ,;゚Д゚彡「!?」
- 19 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 12:59:04.86 ID:wkW+d3yY0
- こうして二人は玄関へと足を進み、男が気付く
ミ,;゚Д゚彡「…なんでドアが無いの?」
从 ゚∀从「鍵閉まってたから…」
从 ∀从「消した」
ミ,;゚Д゚彡「どこに!?」
……。
【ヤーウェイ公園】
从 ゚∀从「さーて着いたっと、えーと、確か…
黒の鞄持ってそこらのベンチに座ってるって話d…」
从;゚∀从「ってフサ!? あんにゃろ、どこ行った!?」
- 20 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 13:00:25.50 ID:wkW+d3yY0
- ミ,*゚Д゚彡「幼女がいっぱい…うへへへ…」
从;-∀从(…あいつは牢獄にぶち込んだ方が世の為かもしれない)
休日の昼下がり、元気に遊ぶ子供達をニヤニヤ視姦する変態は置いといて
とりあえずハインは依頼主を探し始めた
从 ゚∀从「お?」
すると、それはすぐに発見する事ができた
一人ベンチに座り、傍らに見えるのは黒い鞄
从 ゚∀从「…あれかな?」
その場所へ、ハインはゆっくりと近づいていく
「…?」
从 ゚∀从「失礼、掲示板に書いたのはあんたか?」
('、`*川「え!?」
从 ゚∀从「VIP、依頼人はあんたで間違いないな?」
('、`;川「あ、じゃあ、あなたが…?」
- 21 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 13:02:04.23 ID:wkW+d3yY0
- 从 ゚∀从「うん、間違いないね…ちなみに私はアレの相棒ってやつだ」
('、`*川「で、では、お受けして頂けるんですか…?」
从 ゚∀从「そいつは依頼内容を聞いてからな、とりあえず場所を変えよう」
('、`;川「は、はい」
从 ゚∀从「おk、ちょっと待ってろ」
从 ゚∀从「フサーーー!! 行くぞーーーー!!」
ミ,,゚Д゚彡b「おーいぇ!」
その名を呼ぶと、くるりとこちらへ向きなおし、親指を立てた
('、`;川「ぶっ!?」
そして後方で吹き出す音
从;゚∀从「おお? 何だ!?」
('、`;川「あ…あの人が?…さっきからずっとあそこに突っ立って
ニヤニヤしていた何かいかにも危なそうなあの人がフッサール!? 」
从;゚∀从「あ、ああ…一応、な」
- 23 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 13:03:59.36 ID:wkW+d3yY0
- ('、`;川(…どうしよう、実は間違えた? それともガセだったのかしら?)
ミ,*゚Д゚彡「いやごめんごめん、つい夢中になっちゃって」
ミ,,゚Д゚彡「ん?」
('、`*川「あ…こんにちわ、フッサールさん…ですよね?」
ミ,,゚Д゚彡「……」
('、`;川「あの…」
男は女性を上から下へと探るように見つめる
('、`;川(この鋭い眼…やはりこの人が)
ミ,,゚Д゚彡「84…か」
ミ,;-Д-彡「はぁ…」
何かの数字を呟き、がっくりと肩を落とす
('、`*川(84…?)
- 24 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 13:05:17.68 ID:wkW+d3yY0
- ('、`;川「はっ!?」
それが自分のバストサイズだと気付くや否や
頬を赤らめ、手で胸元を覆い隠す
だが男は既に関心を無くしたのか俯き、どこか遠い目で物々と何か呟いていた
从♯ ∀从「こ、の…」
ミ,;-Д-彡「せめて小さければなぁ…80台は駄目だろ、常識的にさ」
从♯゚∀从「変態ロリコンやろおおおおおおォ!!!」
ミ,, Д 彡 ゚ ゚「ひでぶっ!!」
大きなハンマーが男の後頭部に直撃、そのまま地面に顔面から突っ込む
頭が半分地面に埋まり、小さなクレーターが出来あがった
(゚、゚;川「…え?」
何やらヒクヒクと痙攣を繰り返している
('、`;川「…………」
ミメメ-Д゚彡「いててて、死ぬかと思った」
(゚、゚;川「キャッ!? ゾンビ!!」
从♯゚∀从「しねばいいのに」
- 26 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 13:07:04.91 ID:wkW+d3yY0
- 从 ゚∀从「さ、それじゃあ馬鹿は放っておいて行こう」
('、`;川「え、と、はぁ…」
ミ,;゚Д゚彡「え、置いてっちゃやだよ!」
从♯゚∀从「ならとっとと来い!!」
('、`;川(どうしよう…不安だわ…)
………。
ミ,,゚Д゚彡「へぇー! すげー綺麗な所住んでるんだね!」
その後、自らをペニサス伊藤と名乗った女性に連れられ
いかにも高そーな高層マンションの5階へとやって来た
('、`*川「では、とりあえず中へどうぞ、詳しいお話はそれから…」
从 ゚∀从「おじゃましまーす」
ミ,,゚Д゚彡「しまーす」
- 28 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 13:09:21.89 ID:wkW+d3yY0
- リビングへ通され、ペニサスはお茶を淹れると言い、席を立った
そして男はじろじろと部屋を見回し、立ち上がり、歩き回ったり…
とにかくせわしない、子供かこやつは
从;゚∀从「頼むからじっとしててくれよ…」
_
,
ミ,,゚Д゚彡「……」
从 ゚∀从「ん?」
ハインが声をかけると急にその場で立ち止まり、今度はじっと窓の外を眺め始める
窓の外には小さなベランダがあり、その奥にはまた同じ様にマンションが並んでいた
从 ゚∀从「どうしたフサ?」
ミ,*゚Д゚彡「いい眺め…」
从;-∀从「あーそうかぃ」
- 30 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 13:11:22.91 ID:wkW+d3yY0
- ――【???】――
(??)「ちょろいもんだぜ」
長髪の男が一人、スコープ越しに離れたマンションの一室に照準を合わせ
十字の線が走る視界で室内を覗き見る
('、`*川
あれが例のガキの母親だ、立ち上がり奥へと消えていく
(??)「ん?」
見た事の無い人間が二人見える
ミ,,゚Д゚彡
从 ゚∀从
(??)「なんだ、こいつら…」
しばらく見ていると、やたらふさふさした男の方が立ち上がり、ふらふら歩き回っている
(((ミ,,゚Д゚彡
ミ゚Д゚,,彡)))
(??)「なんだありゃ、ただの馬鹿か」
- 31 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 13:13:19.99 ID:wkW+d3yY0
- そんな様子を嘲笑いながら見つめている
と、不意に男の全身を寒気が襲った
_
,
ミ,゚Д゚,彡
(??)「なっ!?」
真っ直ぐにこちらを睨んでいる
慌ててスコープから顔を離した
気付かれた!?
(??)「いや、そんな馬鹿な事があるか…どれだけ離れてると思ってるんだ」
ただの偶然だ、そう思うも微かな不安感が離れない
自分でも信じられないが、奇妙な確信があった
あれは明らかにこちらを見て、いや
それ以上に…殺気を感じた
(??)「……」
男の額を静かに冷や汗が伝った
- 34 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 13:18:09.98 ID:wkW+d3yY0
- ……。
('、`*川「お待たせしました」
从 ゚∀从「それじゃ、早速聞かせてもらいますか」
('、`*川「はい、実はボディーガードをお願いしたいんです」
从 ゚∀从「ていうと…あなたの?」
その問いに、静かに首を左右に振り
('、`*川「…私の息子です」
ミ,, Д 彡「ちっ」
从♯゚∀从「…」
ミ,;゚Д゚彡「息子さんのですか! えーと、やっぱり
依頼するくらいだし誰かに狙われてる訳ですよね?」
('、`*川「ええ、実は…」
2週間前の事です
- 54 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 15:11:15.47 ID:wkW+d3yY0
- その日、今年で小五になる息子が泣きながら帰ってきました
私は心配になり問い詰めた所、知らない男の人に襲われそうになったっと
ミ,,゚Д゚彡「なるほど、変質者か」
从 ゚∀从「それはお前」
ミ,;゚Д゚彡「え?」
从 ゚∀从「それで、襲われそうになったって事は…
特に何かされた訳じゃないんですよね?」
('、`*川「はい、その時はただ泣いて殺されるとか言っていましたけど
後でもう一度聞いた所、肩を掴まれて妙な事を聞かれたとか」
从 ゚∀从「妙な事、と言いますと?」
('、`*川「なんでも…」
- 55 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 15:13:33.81 ID:wkW+d3yY0
- (離せ!!なんだよ!!やめろよ!!)
(キーホルダーを拾っただろ!? 黄色い犬の!どこにある、教えてくれ!)
(知らないよ!)
(いや! 間違いなく君だ! お願いだ、返してくれ! あれが無いと私は!!)
(うわああああん!!ころされるよおおおお!!!)
(!?)
('、`*川「そうして怯んだ所を逃げ出したそうです」
从 ゚∀从「キーホルダー…ねえ」
ミ,,゚Д゚彡「ちなみにその子はそれについて何て言ってるんです?」
('、`*川「それが…知らないの一点張りで」
从 ゚∀从「取り付く島もないって感じかい?」
('、`;川「はい、お恥ずかしながら…その通りです」
- 56 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 15:15:46.50 ID:wkW+d3yY0
- 从 ゚∀从「ふーむ、んでその後どうなんだ?」
('、`*川「あれから2週間の間、ずっと付き纏われてるそうです」
从 ゚∀从「警察には頼らなかったのか?」
('、`;川「それはもちろん! 連絡はしました、ですが」
ミ,,-Д-彡「ろくに相手してくれなかった、だろ?」
('、`;川「え!? は、はい、そうです…連絡をしてから一度だけ張り込みをして
何も居なかったと言われて、まるで相手にはされませんでした」
ミ,,-Д-彡「そんなもんさ、この街は荒んでる、犯罪なんてあり過ぎて
向こうも何でもかんでも対応してられないんだろうさ」
('、`;川「それは…そうかもしれません、でも私は!
私はもしあの子に何かあったらと思うとっ…」
- 58 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 15:17:25.74 ID:wkW+d3yY0
- ミ,,-Д-彡「だから警察なんざここでは役に立たない」
(;、;*川「ですからっ!」
ペニサスはテーブルの上で手を組み、俯く
その声は掠れ、聴く者を悲しくさせる声だった
(;、;*川「あの子を、どうかあの子を助けてください!!」
ミ,;-Д-彡「あ、いや、だからさ…」
(;、;*川「お願いします、お礼は幾らでもお支払いしますから!」
从;゚∀从「ペニサスさん…」
ミ,,゚Д゚彡「…だから俺みたいな人間が必要なんだよね」
(;、;*川「ぇ…?」
ミ,,゚Д゚彡「そして俺はその為に居る」
- 59 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 15:19:29.63 ID:wkW+d3yY0
- (;、;*川「で、ではっ!」
从 ゚∀从「…」
ハインが笑顔で頷く
ミ,,゚Д゚彡b「始末屋としてこの依頼、確かに承った!」
親指を立てて、突き出す
(;、;*川「あ、ありがとうございます!!!!」
ミ,,゚Д゚彡「ペニサスさん、安心してください
子供の笑顔を泣き顔に変えるような奴は絶対に俺がとっちめてやりますよ」
(;、;*川「はい……っ!」
- 60 :声優(栃木県) 2007/04/03(火) 15:21:14.43 ID:wkW+d3yY0
- ミ,,゚Д゚彡「それで、実は一つだけ聞きたい事があるんです」
(;、;*川「何でも言ってください、私にも力になれるなら何でもお話します!!」
その言葉に男は優しく微笑み、こう言った
_
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ミ,,゚Д゚彡「その息子さんとやらは幼女とよく遊ぶ子だったりしませんk」
('、`;川「はっ、……え?」
从♯゚∀从「死ねええええええェ!!!」
「ぎゃべしっ!!」
('、`;川(勢いに任せちゃったけど…本当によかったのかしら)
……。
一話 終