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( ^ω^)ブーンと森の木々のようです:第一話「ぼく」
- 1 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 17:58:23.43 ID:gnhv+pvO0
- 頭が痛い。
僕が初めて思ったことは、それ。
朦朧としているけど、痛みだけはしっかりと伝わってくる。
まるで拷問だ。
この苦痛が早く治らないかな、なんて考えていると、今度は額に冷たさを感じた。
気持ちいい。
「……う」
自然と、声が出た。
それにつられて、徐々に意識が覚醒していく。
- 2 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:00:46.67 ID:gnhv+pvO0
- ノパ听)「あっ!」
( ^ω^)「……お」
目の前に、女の子の顔があった。
綺麗な黒髪、女性独特のいい香り。
ああ、それだけで、僕は幸せになれる。
ノパ听)「め、目を覚ましたぁぁぁぁぁぁ――!! 兄貴――!!」
僕の意識は、その大声によって再び闇へと落ちていった。
( ^ω^)ブーンと森の木々のようです
- 4 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:04:27.61 ID:gnhv+pvO0
- 第一話「ぼく」
( ゚д゚ )「さて、問おうかヒート。何故、彼は白目で、かつ泡を吹いて倒れているのだ?」
ノハ;゚听)「えーっと、あのね。その……不幸な事故があったのよ、きっと」
( ゚д゚ )「不幸な事故、ね。私が知る限り、彼のような状態になる理由は一つしか思い浮かばんのだが」
ノハ;゚听)「あ、あ、おかゆがそろそろ出来る頃かなー、見てこなきゃー」
( ゚д゚ )「……」
ようやく天国と地獄の狭間から戻ってくると、二人の会話が聞こえてきた。
声の方を見ると、さっきの女の子に加えて体の大きい青年が座っている。
- 5 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:07:34.92 ID:gnhv+pvO0
- ( ^ω^)「あの……」
ノパ听)「あっ! 大丈夫でっ……モゴォァ!」
青年の手が女の子の口を塞いだ。
( ゚д゚ )「お前は少し落ち着いてから話せ。また気絶させるつもりか」
ノパ听)「……モガァ!」
女の子は勢いよく、首を縦に振った。
( ゚д゚ )「騒がしい妹ですまんな。もう、体は大丈夫かい?」
( ^ω^)「は、はいですお……痛っ」
体を動かそうとすると、全身に痛みが走った。
- 6 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:10:49.10 ID:gnhv+pvO0
- ( ゚д゚ )「無理をするな。まだ傷が癒えてないのだろう」
ノパ听)「……っぷは! そうだよ! ほら、横になって!」
ようやく口を開放された女の子は、やっぱり大きい声を出しながら僕を寝かせる。
僕はされるがままに、かつ女の子に体を触られていることに興奮しながら横になった。
( ^ω^)「あの、あなた達は……」
( ゚д゚ )「ああ、自己紹介が遅れたな。私はミルナ、こいつは妹のヒートだ」
ノパ听)「私はヒート! って兄貴、私の台詞奪わないでよっ!!」
- 7 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:13:48.13 ID:gnhv+pvO0
- 僕は二人のやりとりを見て、少し笑った。
微笑ましいほど仲のいい兄弟だ。
ノパ听)「で、あなたの名前は何ていうの!?」
( ^ω^)「僕の名前?」
ヒートに聞かれて、ふと気づいた。
僕の名前……?
自分の名前なんて、考えることなく出てくるだろう。
でも、どうしてだろう。
まったく浮かんでこない。
自分が誰なのか、何をしていたのか、以前の記憶がごっそりと抜け落ちている。
- 9 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:18:04.95 ID:gnhv+pvO0
- ノパ听)「……? どうしたの?」
( ω )「わからないんだお」
頭痛が、またぶり返してきた。
( ω )「名前とか……自分が誰で、何をしていたかも」
ノパ听)「えぇ!?」
(;^ω^)「……何も思い出せませんお」
( ゚д゚ )「記憶喪失、か」
- 10 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:19:53.68 ID:gnhv+pvO0
- ( ^ω^)「あの、ミルナさん」
( ゚д゚ )「うん?」
( ^ω^)「僕、何か荷物とかもってませんでしたかお?」
荷物があれば、何か手がかりになるかもしれない。
名前や職業がわかれば、連鎖的に思い出せるかもしれない。
( ゚д゚ )「いや、森に倒れている君を見つけた時は、君は全裸で
荷物はおろか、服も着ていなかったよ」
聞かなければよかった。
森の中で全裸なんて、僕は危ない人だったのかもしれない。
(;^ω^)「何をやってたんだろう……自分」
ノパ听)「旅の途中で追い剥ぎにあった、とか?」
( ゚д゚ )「そうかもしれん。あくまで憶測だがな」
僕が激しく自己嫌悪に陥っている一方、ミルナとヒートは真剣に考えてくれていた。
そして、沈黙が流れる。
- 12 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:23:38.76 ID:gnhv+pvO0
- ノパ听)「大丈夫 そのうち思い出せるよ! ね?」
沈黙を破ったのは、声の大きいヒートだった。
彼女は、僕に笑顔を向けながら言った。
ノパ听)「あ、そうだ! おかゆ食べようよ! うん、今持ってくるね!」
ヒートは勢いよく立ち上がり、部屋から出て行く。
ほんとに元気だなあ、なんて、老人のように僕はヒートを見ながら思う。
( ゚д゚ )「まぁ、あまり気にすることは無い。きっと思い出せるさ」
( ^ω^)「ありがとうございますお。迷惑かけてすいませんお」
( ゚д゚ )「なに、困った時はお互い様だ。怪我が治るまでゆっくりしていってくれ」
ミルナは笑いながら言う。
……いい人だ。
- 13 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:25:32.39 ID:gnhv+pvO0
- (*ーωー)(どうしてだろう……体が熱い……)
僕の中にある何かが目を覚まそうとしていた。
(*^ω^)「ミルナさん……」
(;゚д゚ )「な、何だ?」
ミルナは危険を感じ取ったのか、少し後ろに下がる。
(*^ω^)「フヒヒ……!」
ノパ听)「おかゆ三人前お待ちしました――っと!!」
大声と共に扉が勢いよく開けられた。
その声で、はっと我に返る。
- 14 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:28:17.93 ID:gnhv+pvO0
- ( ^ω^)(あれ? 今、僕は何をしようとしていたんだっけ?)
ノパ听)「はい、熱いうちに食べて! ね、起きられる?」
( ^ω^)「う、うん。大丈夫だお」
僕はゆっくりと上半身を起こした。
器に盛られたおかゆは、ほくほくと湯気を揚げている。
ノパ听)「ん? 兄貴、どうかしたの?」
(;゚д゚ )「いや、何でも無い……き、気にするな。食べよう」
ノパ听)「そう? それじゃ、いただきまーす!!」
( ^ω^)「いただきますお!」
食べ始めてから気付いたのだが、僕は相当お腹がすいていたらしい。
夢中でおかゆを口へ運び、あっという間に食べ切ってしまった。
- 15 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:30:10.00 ID:gnhv+pvO0
- ……
…
( ^ω^)「めちゃくちゃおいしかったですお! ごちそうさまですお!」
ノパ听)「へへっ、そう言って貰えると嬉しいな。……ん? 兄貴、どうした?」
ふと、ミルナの方を見ると、箸を止めておかゆとにらめっこをしている。
(;゚д゚ )「キュウリ……入れたのか」
( ^ω^)「?」
確かに、おかゆには一切れのキュウリが入っていた。
塩で味付けされていて、おいしく頂いたが……。
なぜか、ミルナの顔は引きつっている。
- 17 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:32:26.49 ID:gnhv+pvO0
- ノハ#゚听)「兄貴……家訓の一つ目、覚えてるよね?」
(;゚д゚ )「あ、ああ」
ノハ#゚听)「一つ、好き嫌いはせずに何でも食べること」
(;゚д゚ )「…………」
ノハ#゚听)「食べるよね?」
(;゚д゚ )「……はい」
ミルナは苦い顔をしながら、キュウリを頬張った。
その後、暗い顔をして「水を飲んでくる」と、部屋を出て行ってしまった。
ノパ听)「これも兄貴の為だから……く、うふふ」
(;^ω^)「……」
兄弟の間には、深いミゾがあるんだな……。
一瞬でも羨ましいと思った自分は、浅はかだなぁと改めて思い直した。
- 19 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:34:57.32 ID:gnhv+pvO0
- ※
食事が終わり、僕は少し眠った。
少しの間だったが、夢を見ていたような気がする。
起きた時には、夢の内容を忘れてしまっていたが、懐かしい夢だったと思う。
( ゚д゚ )「体の調子はどうだ?」
体を起こすと同時に、ミルナが部屋に入ってきた。
( ^ω^)「だいぶ楽になってきましたお」
僕はゆっくりと立ち上がる。
体はまだ痛むが、歩けないほどでは無い。
( ゚д゚ )「そうか。どれ、外に出てみるかい?」
( ^ω^)「はいですお」
僕はミルナに続き、部屋を出る。
藁で出来た扉を潜ると、ヒートがお茶を煎じていた。
- 20 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:38:49.76 ID:gnhv+pvO0
- ノパ听)「あ、もう歩いても大丈夫なの!?」
( ^ω^)「うんだお。ヒートの看病のおかげだお」
ノパ听)「そっか! よかったね、ええっと……」
ヒートは口ごもる。
何か言おうとしたが、言葉が出てこないようだ。
( ゚д゚ )「ふむ、名前が無いと何かと不便だな」
(;^ω^)「僕の名前、そういえばまだ無い状態でしたおね」
- 21 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:40:47.68 ID:gnhv+pvO0
- ( ゚д゚ )「そうだな、ブーンというのはどうだろうか?」
( ^ω^)「ブーン……?」
ミルナはふふ、と鼻で笑い
( ゚д゚ )「ブーンというのは、この村に伝わる風神様の名前だ。
どうだ? いい名前だと思うが……」
(;^ω^)「そ、そんなすごい名前、貰っていいんですかお?」
全裸で森の中に倒れていた自分に、そんな凄い名前をつけられると
もの凄い罰当たりな気がしてならない。
ノパ听)「ブーン……うんっ! いいじゃん! 呼びやすいし!」
- 23 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:42:12.97 ID:gnhv+pvO0
- ( ゚д゚ )「よし、今日からお前をブーンと呼ぶことにする」
確かに、名無しのままでは不便だし……。
風神様とやらには悪いけど、名前を少し借りるとしよう。
風神様、ごめんなさい。
( ^ω^)「じゃあ、僕はこれからブーンと名乗りますお」
( ゚д゚ )「よし、ブーン。いっちょ村でも巡ってきたらどうだ?
まだしばらくここに居るんだろう? 村の皆に挨拶もしてくるといい」
( ^ω^)「すいませんお、見ず知らずの他人なのに、世話をかけてしまって」
僕がそう言うと、ミルナは笑いながら
( ゚д゚ )「関わった時点で、俺達は赤の他人では無くなっているさ。
なーに、畑仕事に男手が足りてなかったし、元気になったら手伝って貰おうかな」
( ^ω^)「あ、ありがとうございますお!」
僕は頭を下げてお礼を言うと、ミルナは「気にするな」と言って僕の背中を思い切り叩いた。
ちょっと痛かったけど、嬉しかった。
- 25 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:49:44.07 ID:gnhv+pvO0
- 外に出ると、太陽がさんさんと大地を照らしていた。
村の中は、野菜や果物の実った畑や藁で出来た家が並んでいる。
小川が流れており、山や森に囲まれた緑豊かな土地のようだ。
( ^ω^)「さてと……」
ノパ听)「ブーン!!」
(;^ω^)「ほえぁぁ!?」
突然、背後から大声で自分の名前を呼ばれる。
ノパ听)「今から村をまわるんでしょ? 私が案内してあげるよ!」
( ^ω^)「いいのかお?」
ノパ听)「うんっ! 兄貴も畑仕事あるから一人でいても暇だしっ! じゃ、行こっ!!」
(;^ω^)「おっお!?」
僕はむんずと腕を掴まれ、引きずられるように歩き始めた。
- 27 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:52:31.29 ID:gnhv+pvO0
- 僕はヒートと一緒に村の中を歩く。
時折、気持ちのいい風が吹き抜けた。
( ^ω^)「気持ちいい風だお」
ノパ听)「うんっ!」
僕は横目でヒートの顔を見る。
肩まで伸びた黒髪が風に揺らされ、大きな瞳はまっすぐ前を見つめている。
( ^ω^)「綺麗だお……」
ぽつりと、思っていたことが口から出てしまった。
ノパ听)「うん! やっぱ自然っていいよね!
城下町なんかよりもこの村のがずっといいよ!」
( ´ω゛)「……そうだおね」
ほっとした反面、少しガックリ。
まあ、こうやって二人で歩いているだけでも十分だ。
- 28 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:54:52.67 ID:gnhv+pvO0
- ( ,,゚Д゚) 「おっ、ヒートちゃん!」
ノパ听)「ギコおじ! こんにちは―!」
クワを持ったおじさんが、ヒートに挨拶をする。
目が合ったので、僕は軽く頭を下げた。
( ,,゚Д゚) 「お、もしかして彼が噂の……」
ノパ听)「うんっ! ブーン、この人はギコさん!」
( ^ω^)「ブーンですお。えーっと、以後、宜しくお願いしますお」
( ,,゚Д゚) 「……」
ギコは何も言わず、ジロジロと僕の体を見つめ続ける。
一応、顔はとびきりの笑顔を保っているが、内心では恐怖でちびりそうだった。
- 30 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:56:15.63 ID:gnhv+pvO0
- ( ,,゚Д゚) 「……合格っ!」
( ^ω^)「え?」
ギコはそう言うと、白い歯を見せて笑いながら
( ,,゚Д゚) 「いやー、ちょっと体はひょろいけど、目が真っ直ぐだ。
ヒートちゃんにはお似合いだ! ギコハハハッ!」
ノハ;゚听)「ちょっ、ちが――う!! 誤解だからっ! 私達、そんな関係じゃ断じてないからっ!」
ヒートは叫ぶように言う。
それはもう、目いっぱいの大声で。
( ´ω゛)「……」
せめて、頬を赤くしながら言ってくれれば救いがあるのに。
( ,,゚Д゚) 「ギコハハハッ! 冗談だよ冗談!」
言い出したほうも冗談とか言い始めた。
ノパ听)「もうっ! ……あれ? ブーン、どうしたの?」
( ´ω゛)「なんでもないお……あははは……」
- 32 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 18:59:50.37 ID:gnhv+pvO0
- そんな感じで、僕とヒートは村を一通り巡る。
随所で、やれ彼氏だ旦那だ言われたが、その度にヒートは全力で拒否。
……僕はもう色々と諦めていた。
ノパ听)「ここは村長の家よ! やっぱ挨拶はしておかないとね!」
( ^ω^)「うんだお」
ノパ听)「そんちょ――! おじゃましますね――!」
家の中に入ると、一人の男性とすれ違う。
( ・∀・)「おっと失礼」
ノパ听)「……!!」
その男を見た瞬間、ヒートの顔つきが険しくなる。
( ・∀・)「おや、ヒートか。ん? そっちの人は見ない顔だね」
( ^ω^)「ブーンですお。昨日から、この村でお世話になってますお」
- 34 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 19:01:54.28 ID:gnhv+pvO0
- ( ・∀・)「ふうん、他所者か」
( ^ω^)「え……?」
男は見下すような目線で、僕を見る。
なんでだろうか、僕に対しての敵意がひしひしと伝わってくる。
ノパ听)「ブーン、こんな奴相手にしちゃ駄目」
( ・∀・)「酷い言い様だな。いつまで、こんなしけた村に執着しているんだい?」
- 35 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 19:02:53.10 ID:gnhv+pvO0
- ヒートが再び男の方を向き、睨み付ける。
ノパ听)「モララー……相変わらず最低ね! この村で育てられた恩を忘れたわけ!?
恩を仇で返すとはまさにこの事だわっ!」
( ・∀・)「仇で返す? むしろ恩を返そうとしているのだよ。
何故わからないんだろうなぁ……。せっかく我らが王に推薦されたというのに」
ヒートとモララーと呼ばれた男がにらみ合う。
僕は、どうしたらいいのかわからず、ただ阿保のように突っ立っている。
(;^ω^)「えっと……」
- 37 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 19:05:43.19 ID:gnhv+pvO0
- (´・ω・`)「はいはい、お二人さん、家の入り口で喧嘩しないでおくれ」
僕があたふたしていると、家の奥から杖を突いた老人が姿を現した。
ノパ听)「村長!!」
(´・ω・`)「ほれ、真ん中の少年が困ってるじゃないか」
村長は僕の方に視線を移し、そう言った。
モララーが軽く舌打ちをし、
( ・∀・)「……ふん、村長、また近いうちに来ます」
ばつが悪そうに出て行った。
- 38 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 19:07:11.57 ID:gnhv+pvO0
- 家を出て行くモララーの背に向かい「二度とくんな! バ―カ!」とヒートが大声をあげる。
僕は、今までの印象とかけ離れるほど激昂したヒートを見て、少し恐怖感が湧いた。
(´・ω・`)「まったく。ヒート、あんたは女の子なんだからもう少しおしとやかにできんのかね?」
ノパ听)「……だって」
(´・ω・`)「ほら、もうモララーの話はいいだろう。何か用があったんじゃないのかい?」
ノパ听)「あっ! ブーン、ご、ごめん!!」
ヒートははっとしたように僕の方を見て謝る。
存在すら忘れられていたのか、僕は。
- 40 :スレスト(神奈川県) 2007/04/02(月) 19:12:22.88 ID:gnhv+pvO0
- ( ´ω゛)「いやぁ……別に、気にしてないお」
ノパ听)「よかった! 村長、この人が森で倒れていたブーンですっ!」
そこで素直に受け取るのは、ヒートらしいというか。
まだ知り合ったばかりだが、何となく彼女の性格が掴めてきた
( ´ω゛)「……ブーンですお」
村長は、同情したような視線を僕に向けながら、肩をぽんと叩いた。
(´・ω・`)「ドンマイ」
ノパ听)「え? 何が何が!?」
ヒートは話が見えない、といった感じで僕と村長を見る。
僕と村長は、お互いに目を合わせ
( ´ω゛)(´・ω・`)「……ハァ」
ため息をついた。
僕がこの村に着てから一日目、これからの生活、不安がいっぱいのスタートだった。
第一話「ぼく」 終わり