76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 15:53:40.24 ID:lhhi4eEd0
( ^ω^)「ムゲン……」
∞「ん?」
( ^ω^)「あいつら……一体なんなんだお」
∞「わからない。目的も規模も……危険な存在であることは確かだ」
( ^ω^)「そうじゃないお」
(;^ω^)「一体……この力はなんなんだお」
∞「……?」
(;^ω^)「ブーンもムゲンもそうだお。一体なんのためにこんな力を手に入れてしまったんだお」
(;^ω^)「ブーン達は一体なんなんだお……なんのために……」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 15:53:56.79 ID:lhhi4eEd0
∞「それは……わからないが……」
∞「……少なくとも奴らを放っとくわけにもいくまい」
∞「それに恐らく僕の目的の相手もあの中にいるはず……」
( ^ω^)「……そういえば聞いてなかったお。その男と何があったんだお?」
∞「……話すようなことじゃない。ただの……復讐さ」
( ^ω^)「……」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 15:54:15.63 ID:lhhi4eEd0
この黒いシミが出来た時、自分は自殺しようとしていた。
きっかけは偶然だとしか思えない。
あの日から夜の空に魅せられ、自殺なんてすっかり忘れていた。
そういう意味では、僕はこの力に感謝するべきなのかもしれない。
ドクオは……力に魅せられた。
力を行使しているんじゃない。
力にとり憑かれてしまった。
きっともう戻ってこれない。
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 15:54:33.11 ID:lhhi4eEd0
( ^ω^)「……ブーンは……ドクオを止めるお」
友として、してやらなくてはいけないコト。
∞「そうか……」
それが例え友との決別だとしても。
( ^ω^)「待ってるお……ドクオ」
固く結んだ口を夜の闇に隠して。
ブーンは月に向かって跳ねた。
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 16:18:57.64 ID:lhhi4eEd0
今は使われていない、町外れの工場。
人間だった頃、モヒャと呼ばれていたその男は、ここを「食堂」と呼んでいた。
いつものように人気のない道を歩く女を殺してさらってきた後、ここで晩飯にしようとしたのだが、
突如現れた闇の中の男に邪魔されることになった。
自慢の牙も通用しない闇の男は、モヒャが抵抗するにはあまりにも格が違いすぎた。
顎に一発。
腹に一発。
それだけでモヒャは完全に戦意喪失してしまっていた。
(;´⊇`)「ひゃあああっ!! 許して!! 許してぇっ!!」
「……」
「お前はそうやって助けを求めてきた相手に何をしたお?」
(;´⊇`)「助けてくれ……か、金をやろう!! 全財産出すから!!」
「ダメだお」
闇から顔を出した男は、瀕死の懇願をきっぱり切り捨てた。
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 16:19:57.95 ID:lhhi4eEd0
(;´⊇`)「あぎゃっ!!」
(;´⊇`)「あああ〜!! 内臓が〜!! 俺の腸が出てきちゃったよぅ〜」
「……お前、『ドクオ』という男を知ってるかお?」
(;´⊇`)「し、知らねぇよぅ……助けて……」
「そうかお……じゃあお前が殺した人達に」
(;´⊇`)「っうぎゅぅ!!」
( ^ω^)「あの世で謝罪してこい」
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 16:43:15.58 ID:lhhi4eEd0
∞「荒れてるね」
( ^ω^)「ムゲン……」
∞「最初に会った夜が嘘みたいだ」
( ^ω^)「うっさいお。それよりそっちはどうなんだお? なんか情報は掴んだかお?」
∞「すまない。それがさっぱりなんだ。尻尾もつかめない」
( ^ω^)「テラショボス……」
∞「……」
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 16:43:55.43 ID:lhhi4eEd0
肉塊と化した二つの死体を尻目に、二人(一人と一匹)が工場を後にしようとしたそのとき。
( ^ω^)「!! ムゲン、この気は……」
∞「……ああ、どうやらそのようだね」
( ^ω^)「……能力者かお」
能力者だけに共有・反応する感覚。
その感覚が、今夜二人目の能力者が近づいていることを二人に告げていた。
( ^ω^)「近いお!!」
∞「……来るぞっ!!」
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 17:36:26.83 ID:lhhi4eEd0
<;ヽ`∀´>「ニダアアアアアアアッ!!」
( ^ω^)∞「!!」
工場の天井を突き破って落ちてくる人間。
その姿はボロボロだった。
血を流す顔。
破けた衣服。
どうやらすでに「交戦中」らしい。
<;ヽ`∀´>「クソ、とんでもない野郎ニダ……!!」
(;^ω^)「!! お前は!!」
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 17:37:11.84 ID:lhhi4eEd0
<;ヽ`∀´>「だ、誰ニダ!?」
(;^ω^)「あの弟者とかいうヤツの一味だおね!! ドクオはどこだお!!」
<;ヽ`∀´>「ドクオ……? あ、お前あのときの白豚!!」
(#^ω^)ビキビキ
∞「落ち着けブーン!! まだ他にも……」
「逃げてんじゃねぇぞゴルァ……」
<;ヽ`∀´>「クソ!! もう来やがったニダ!!」
(;^ω^)「!? 誰だお!?」
声がしたほうを振り向く。
そこには銀髪の髪を携えた少年が立っていた。
( ,,゚Д゚)「……殺してやっからそこ動くなよテメエ」
<;ヽ`∀´>「っく!!」
(;^ω^)「(なんだおあの男……!!)」
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 17:37:50.98 ID:lhhi4eEd0
( ,,゚Д゚)「鬼ごっこはもう終わりだぞゴルァ」
少年は悠々と近づいてきた。
行きつけの飲み屋に行くように。
近所を散歩するかのように。
しかし姿形からは想像出来ないほどの気迫を持っていた。
((<;ヽ`∀´>))「くぅ……!!」
(;^ω^)「……!!」
震えている。
あの弟者の一味の者が。
年は自分と同じほどだろうか?
モデルのような容姿の少年が、能力者を畏怖させる程の力を持つというのか。
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 17:38:22.23 ID:lhhi4eEd0
( ,,゚Д゚)「フン……」
<;ヽ`∀´>「き、消え
<;ヽ`∀´>「うげ!!」
(;゚ω゚)「お!?」
三人の視界から忽然と姿を消した少年は、次の瞬間、隣の男の腹に重い一撃をめり込ませていた。
(;゚ω゚)「(速っ!!)」
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 17:39:04.45 ID:lhhi4eEd0
( ,,゚Д゚)「こーのクソ野郎がぁ……」
<;ヽ`∀´>「うぐぁっ!!」
( ,,゚Д゚)「キムチ臭えんだよ!! オラ!!」
わめき散らしながら床に転がる男の腹を蹴り続ける少年。
そのさまは、かなり基地外じみていた。
( ,,゚Д゚)「死ね!! 死ねチンカス!!」
(;^ω^)「!! や、やめるお!!」
( ,,゚Д゚)「あんだテメーは!! コイツの仲間か!?」
(;^ω^)「違うお!! コイツには聞きたいコトがあるんだお!! 殺してもらっちゃ困るお!!」
( ,,゚Д゚)「知るか!! コイツは俺にキムチを……ああおぞましい!!」
(;^ω^)「(なにがあったんだお……)」
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 17:39:43.17 ID:lhhi4eEd0
<;ヽ`∀´>「なっ」
<#ヽ゚∀゚>「なめやがってええええええええええ!!」
(;^ω^)「お!?」
<#ヽ゚∀゚>「ぶち殺してやるニダアアアア!!」
( ,,゚Д゚)「!? ちっ!!」
けたたましい雄たけびを上げ、男は突如巨大化した。
<#ヽ゚∀゚>「ニダー砲F5アタック!!」
変てこな技名を叫び、何十個もの火の玉をばら撒いた。
(;^ω^)「ちょ、巻き添えかお!!」
( ,,゚Д゚)「フン」
逃げ惑うブーンを鼻で笑い、少年は火の玉を手で弾いた。
<#ヽ゚∀゚>「!!」
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 17:40:15.79 ID:lhhi4eEd0
( ,,゚Д゚)「この俺様に火遊びだと……」
( ,,゚Д゚)「おふざけも大概にしろゴルァ!!」
そう言って、少年は天を仰いで咆哮を上げた。
ざわざわと伸び始める毛髪。
口から覗き見える犬歯。
指から伸びる爪は「捕食側」のソレだった。
ミ,,゚Д゚彡「いっぺん死んで来いゴルァ!!」