39 :1:2006/05/13(土) 14:27:47.34 ID:fSm6ASnx0
ブーンはペニサス伊藤の家の玄関がギリギリ見える位置にBOONを停めた。
ブーンは車の中からペニサス伊藤の家を眺めている。

( ^ω^)「OLだから出勤するときに接触できると思ったけど・・・もう遅かったかお・・・。」

ブーンが諦めてBOONを出そうとしたとき、家からペニサス伊藤が出てきた。
ブーンはすかさず車から降りるとペニサス伊藤の後についていった。脳裏に先ほどのクーとのやりとりが思い出される。
もし、クーのように自分を知っているなら対応を変えなければならない。
その場合の計画は前もって考えているのでもう問題はないが警察と思わせたほうが話を進めやすい。
まずは相手がどうでるか。ブーンは人通りが少なくなったところでペニサス伊藤に声をかけた。

( ^ω^)「すみません。ちょっとお聞きしたいことがあるんですお。」

('、`*川「あ、はい。なんでしょうか?」

ペニサス伊藤はブーンの顔を見ても何も言わなかった。表情を見てもブーンを知らない様子だった。

( ^ω^)(よし、僕のことは知らないみたいだお。)

ブーンはいつものように偽の警察手帳を見せるとペニサス伊藤はブーンを警察と信じ込んだ。
すかさず本題に入る。

( ^ω^)「現在とある事件を捜査しておりまして、
本日の18時から22時頃くらいまでの間、あなたが何をしていたかお聞きしたいのですお。」

40 :1:2006/05/13(土) 14:28:36.48 ID:fSm6ASnx0
('、`*川「えーと、昨日は弟の誕生日だったので家族でお祝いをしていました。」

そう言うとペニサス伊藤は鞄から携帯を取り出し、写メールをブーンに見せた。
テーブルの上に置いてあるケーキをおいしそうに食べているペニサス伊藤と家族の様子が写っていた。

( ^ω^)「・・・なるほど。わかりました。ご協力ありがとうございましたですお。」

ブーンは頭を下げると足早にペニサス伊藤の元を去っていった。
BOONに戻り手帳を開くと『ペニサス伊藤:ツーの高校時代の友達(OL)』
と書いてある場所に○と上からボールペンで書き込んだ。

( ^ω^)「家族と一緒に居るんだからアリバイ成立だお。」

ブーンは再び手帳を眺める。リストに羅列されていて○も×も書き込まれてない者はあと3名。
そこにはしぃ、モララー、ジョルジュと書き込まれていた。
ブーンの復讐もあと3人で終わるはずである。

( ^ω^)「3人共社会人だけど1人暮らし・・・家に帰る夕方からが勝負になるお。」

BOONはエンジン音をあげるとブーンのマンションに向かった。

( ^ω^)「そうだお。ちょっと寄り道していこうだお。」

41 :1:2006/05/13(土) 14:30:17.14 ID:fSm6ASnx0
BOONのハンドルを切るとブーンはツンの住んでいたマンション皐月に向かった。
もう1度ツンの部屋を調べてみようと思ったのだ。犯人の手がかりを見落としているかもしれない。
マンション皐月までもう少しというところでブーンは違和感を感じた。

( ^ω^)「なんか人が多いお。」

まわりはマンション等が立ち並ぶ閑静な住宅街なのに今日は人がやけに多い。
しかも平日の朝である。そして、その人達はある方向に向かって歩いている。

( ^ω^)(ひょっとして・・・。)

ブーンはマンション皐月にゆっくりと向かった。
やがてマンション皐月が見えてきたが、そこには予想通りの光景があった。
マンション皐月の前にはパトカーが停まっており、まわりには人だかりが出来ていた。
ブーンはマンション皐月の前を通り過ぎるようにBOONを走らせた。

(;^ω^)(もう警察が発見しているお・・・予想以上のはやさだお。)

BOONはマンション皐月の前を通るとそのまま住宅街を去っていった。

42 :1:2006/05/13(土) 14:30:48.43 ID:fSm6ASnx0
そのBOONを眺める1人の男がいた。パトカーの助手席から降りたばかりの刑事のショボンだった。

(´・ω・`)「・・・。」

ミ,,゜Д゜彡「どうかしましたか?ショボンさん。」

同じパトカーの運転席から降りたフサギコが声をかける。

(´・ω・`)「閑静な住宅街の朝になんで車が通ってるんだろうね。」

ミ,,゜Д゜彡「さあ・・・出勤とかですかね?」

(´・ω・`)「出勤にしてはちょっと遅いような気がするけどね。」

ミ,,゜Д゜彡「はぁ・・・。まあ、とにかく現場に行きましょう。」

(´・ω・`)「ああ、そうだね。ツンっていうOLだっけ?」

ミ,,゜Д゜彡「はいそうです。毒殺らしいんですが詳しい結果は司法解剖してみないとわからないですね。」

2人は話しながらマンションに入っていった。

43 :1:2006/05/13(土) 14:34:08.67 ID:fSm6ASnx0
ブーンは自分の部屋に戻ると急いでTVをつけた。
まだ、昼前なのでニュースの報道は行われてはいなかった。

(;^ω^)(ツンの死んだことが警察にばれたお。報道規制がなければ昼のニュースになるかもしれないお。)

ブーンは今後の計画を考えた。正直、ここまで警察の動きがはやいとは思っていなかった。
少なくとも今日1日はもつだろうと思っていた。そして、今日ですべてが終わるはずだった。

( ^ω^)「・・・。」

警察はすぐにツンの交友関係を調べ始めるだろう。
そうなると自分がしてきた殺人がすべて明るみになってしまう。
逃げるつもりは毛頭ないので自分の殺人に関しては証拠を残しても構わないと思っている。
しかし、自分が捕まってしまっては全てが終わりになる。

( ^ω^)「とにかく残り3人と急いで接触しないと駄目だお・・・。」

44 :1:2006/05/13(土) 14:35:43.02 ID:fSm6ASnx0
ブーンが残り3人との接触方法を考え込んでいるとTVから午後12時の時報が流れた。
そして、ニュースがはじまった。ブーンは食い入るようにTVを見つめる。
ニュースの最初で『ニューソク市のマンションでOLの死体を発見』という見出しが表示された。
ブーンの鼓動が高まる。自分でも心臓の音がドクンドクンと脈打つのがわかった。

(;^ω^)「とうとう報道されたお。」

アナウンサーが淡々とニュースの内容を話していく。
「今朝9時頃、マンション皐月の505号室で女性の死体が発見されました。
女性はその部屋に住んでいるOLのツンさんと判明。
毒殺された形跡がありますが、犯人はまだ捕まっていません。
死体は上京してきたツンさんのご両親が発見した模様です。」

TVにはインタビューを受けているツンの両親が流れていた。
結婚前の最後の誕生日なのでいきなり訪問して驚かせようと思っていたが、
こんなことになるとは思ってもいなかったと涙ながらに語っていた。
車が故障しなければ昨日着けたのがとても悔やまれるとしきり言っていた。

45 :1:2006/05/13(土) 14:36:17.74 ID:fSm6ASnx0
時間は少し戻る。場所は、ツンの両親のインタビューを録画撮影しているマンション皐月の前。
TVのインタビューを受けているツンの両親を遠くから眺めているショボンとフサギコ。
涙をボロボロ流している両親を見ながら胸がいっぱいになったフサギコはショボンに話し始めた。

ミ,,゜Д゜彡「娘に会おうと上京してきて、娘がいきなり殺されてたらそりゃ悲しいですよね・・・。」

(´・ω・`)「うーん・・・どうだろうね。」

ミ,,゜Д゜彡「え?」

(´・ω・`)「あれ、嘘泣きとかじゃないよね?」

ミ,,゜Д゜彡「ショボンさんはツンさんのご両親が犯人と思っているんですか!?」

フサギコは少し怒りながらショボンに言った。

(´・ω・`)「第1発見者だからねえ。そりゃ怪しむよ。僕は。」

46 :1:2006/05/13(土) 14:37:49.88 ID:fSm6ASnx0
ミ,,゜Д゜彡「なんで両親が娘を殺さなきゃならないんですか!?」

フサギコはショボンに突っかかる。

(´・ω・`)「そりゃ、何か理由があれば殺すでしょ。」

ミ,,゜Д゜彡「・・・。」

あっけにとられてフサギコは声が出なくなった。

(´・ω・`)「まあ、君はまだ新人だから、追い詰められた人間の本当の恐ろしさってのはわからないとは思うけどね。
やる奴はなんだってやる。肉親だろうが恋人だろうが誰だって殺す。それが人間だよ。」

ミ,,゜Д゜彡「・・・。」

(´・ω・`)「さあ、行くよ。現場はもう十分に見たし。」

ミ,,゜Д゜彡「え?どこへ行くんですか?」

(´・ω・`)「ツンさんの婚約者のブーンさんのところだね。まずは。」

そう言うとショボンはパトカーに乗った。

47 :1:2006/05/13(土) 14:38:43.25 ID:fSm6ASnx0
昼のニュースを見終えたブーンは座っていた椅子から立ち上がった。

( ^ω^)「もう時間はないお。」

ブーンはTVを消すと鞄の中身をチェックし、部屋を出た。その時、ブーンは呟いた。

( ^ω^)「・・・多分この部屋に戻ってくることはもうないお。」

マンションのガレージに停めてあるBOONに乗り込む。
その時、ガレージに入ってくるパトカーが目に入った。

(;^ω^)「も、もう来たのかお!」

ブーンは車のエンジンをすぐにかけるとガレージを飛び出した。
ガレージ内ですれ違う際にパトカーの中から視線を感じたような気もするが、
その方向には決して顔は向けなかった。
幸い、何事もなくパトカーはそのままガレージに停車したようだった。

(;^ω^)「ふー。危なかったお・・・。」

ブーンはそのまま大通りに入っていった。

48 :1:2006/05/13(土) 14:39:11.29 ID:fSm6ASnx0
移動しているパトカーの中で2人の男が会話していた。

ミ,,゜Д゜彡「しかし、ブーンさんが今日会社を無断欠勤しているのは気になりますね。」

(´・ω・`)「気になるねえ。」

ミ,,゜Д゜彡「何らかの形で事件に関わっていそうですね。」

(´・ω・`)「それで、まだ着かないの?」

ミ,,゜Д゜彡「ああ、はい。そろそろ着くはずです。あ、あそこですね。
ブーンさんが住んでいるマンション神無月。
ガレージがあるみたいだからそこに停めさせてもらいましょう。」

パトカーはマンション神無月のガレージに入ろうとした。
そこで何かをみつけたショボンが声をあげる。

(´・ω・`)「あ、BOONだ。」

ミ,,゜Д゜彡「え?」

(´・ω・`)「ダイハツのBOONだよ。」

50 :1:2006/05/13(土) 14:39:52.54 ID:fSm6ASnx0
ミ,,゜Д゜彡「それが何か?」

(´・ω・`)「ガレージに停まっているよ。そして、今発進しようとしている。」

ミ,,゜Д゜彡「ああ、はい。ちゃんと避けろってことですね。大丈夫ですよそれくらい。」

ガレージの中でBOONとパトカーがすれ違った。ショボンはずっとBOONの運転手を眺めていた。

(´・ω・`)「うーん、あんまりはっきりと顔見えなかったなあ。」

ミ,,゜Д゜彡「あのー、あの車に何かあるんですか?」

ガレージにパトカーを停めたフサギコはショボンに言った。

(´・ω・`)「ツンさんのマンションでパトカーから降りたとき車見たでしょ。
あれBOON。で、今見た車もBOON。」

ミ,,゜Д゜彡「はあ・・・ただの偶然じゃないんですか?」

(´・ω・`)「まあ、ナンバープレートまでは見てないからね。
偶然かどうかはわからないけど、BOONってそんなに見かける車じゃないと思うよ。」

51 :1:2006/05/13(土) 14:40:20.29 ID:fSm6ASnx0
ミ,,゜Д゜彡「とにかく行きましょうよ。」

フサギコは車のドア開けた。

(´・ω・`)「・・・。」

ミ,,゜Д゜彡「どうかしましたか?」

ショボンは額に指を当てて考え込んでいる。

(´・ω・`)「んーちょっと先に行ってて。調べることできたから。
んで、ブーンさんがいなかったらすぐに戻ってきてよ。多分いないと思うけど。」

ミ,,゜Д゜彡「えっ?」

(´・ω・`)「さあ、行った行った。」

ショボンはフサギコをパトカーから押し出すとドアを閉めた。
数分後、フサギコは走りながらパトカーに戻ってきた。

52 :1:2006/05/13(土) 14:40:39.82 ID:fSm6ASnx0
走ってきたため、息を弾ませながらフサギコは言った。

ミ,,゜Д゜彡「ブーンさんはいませんでしたっ!」

(´・ω・`)「やっぱりね。」

ミ,,゜Д゜彡「ど、どうしてわかったんですか?」

(´・ω・`)「ブーンさんの乗っている車はBOONだってさ。
車で会社に出勤しているらしいからさっき会社の方に聞いてみたよ。
んで、マンションの管理人さんに聞いたんだけどこのガレージにBOONを停めてるのブーンさんだけね。」

ミ,,゜Д゜彡「えっ!?じゃ、じゃあさっきすれ違った車ってのがブーンさんの車ってことですか?」

(´・ω・`)「まあ、そうだろうね。ツンさんのマンションの前に来たのも多分同じ車。」

ミ,,゜Д゜彡「じゃあ、すぐに後を追いましょうよ!」

(´・ω・`)「うーん、とりあえずガレージ出て右に曲がったことしかわからないよ。」

ミ,,゜Д゜彡「わかりました!右ですね!」

フサギコはパトカーを急発進させ、ガレージを出ると右に曲がった。

54 :1:2006/05/13(土) 14:49:36.00 ID:fSm6ASnx0
ショボンとフサギコを乗せたパトカーはマンション神無月のガレージを出ると右に曲がった。
しかし、ブーンの乗っている車、BOONは当然視界にはいなかった。
パトカーはそのまま真っ直ぐ住宅街を進んでいったが、やがて大通りにぶつかった。
一旦パトカーを停止したフサギコはショボンに話しかける。

ミ,,゚Д゚彡「・・・あの、これから先はどうしましょうか?」

(´・ω・`)「どうしようかねぇ。」

ミ,,゚Д゚彡「このまま逃げられたらまずいですね。」

(´・ω・`)「そうだねぇ。でも、どこ行ったかなんてわからないよ。」

ミ,,゚Д゚彡「そうですね・・・。」

(´・ω・`)「まあ、ツンさんの交友関係を当たっていくしかないね。
ブーンさんが犯人と決まったわけでもないし、何かあればあっちから接触してくるんじゃない?」

ミ,,゚Д゚彡「・・・わかりました。じゃあ、まずはツンさんのまわりを調べていきましょう。」

再び動き出したパトカーは大通りに入っていった。