48 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:39:02.02 ID:iERQbODi0
(´・ω・`)「こういうのは簡単な事なんだけど、基本が出来て始めて意味があるんだよね」

川 ゚ -゚)「めずらしく正論ですね」

( ^ω^)「そうなのかお?でも、おっさんに言われるとむかつくお」

川 ゚ -゚)「それは同意だ」

(´・ω・`)「えっと、普段たよりない人が、ちょっとカッコイイとドキッ・・・ってならない?」

( ^ω^)「うぜぇだけだお」

(´・ω・`)「じゃあ、僕はようつべでアニメ・・・」

川 ゚ -゚)「・・・申し訳ありませんが、まだランキング事情を検討中ですから」


姉がようつべをいじり出した。
さっきのショボンのを見て、もう覚えたのだろう。


( ^ω^)「というわけで、おっさんは用済みだお。壁とコミュニケーションとってろだお」

(´;ω;`)「・・・煙草買ってくる。値上げ前に吸い溜めておくんだ。いや、煙草止める気はないけ・・・」


駄目っぽい幻聴をスルーして、ランカーチェック開始。



50 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:39:36.80 ID:iERQbODi0
しばらく見たところで、昼間もらったVIPのチラシの裏に書き込んでみた。


1位>>越えられない壁>>2位=3位>>10位前後までの上位>>その他の皆様
                               ↑今ココ


( ^ω^)「ところでコレを見てくれお。コイツをどう思うお?」

(´・ω・`)「すごく・・・」

(#^ω^)「おっさん帰ってきてたのかお。壁が淋しがってるお?サボってんじゃねぇお!」

川゚ ー゚)「うむ。良く把握したな」


1位がふざけた存在で、2位3位にはまだまだ届きそうにない。
だが、それ以外の上位ランカーは結構流動的だ。
楽勝っていう奴はちょっと見あたらないが。
まあ何とかなりそうなレベル・・・僕も大したものだと思う。


( ^ω^)「おっお!じゃあ手ごろな上位ランカー見つけてぶっつぶすお!」

川゚ ー゚)「その意気や良し。闘技場のサロンで対戦相手は探せるらしいが、今から行ってみるか?」

( ^ω^)「おっお!まだ時間もあるし早速行くお!」



51 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:40:31.88 ID:iERQbODi0
再び闘技場へ、内部にあるサロンに到着。


( ^ω^)「しかし、人大杉だお。・・・どうやって申し込んだらいいんだお?」

川 ゚ -゚)「パンフレットには、詳しくは係員に問い合わせ下さい・・・と、書いてあるな」


从'ー'从「あれれー。みなさん早速来たんですかー?」

( ^ω^)「お!ナイスタイミングだお!申し込み方法をkwsk3行で希望」

从;'ー'从「えぇーとぉ・・・、3行は難しいですよー」

川 ゚ -゚)「弟には私が通訳するから普通で構わない」

从゚∀从「よっ!相変わらず仕事熱心だね、渡辺さん!そっちの人達は新顔かい?」

从'ー'从「あー、ハインリッヒさんー。はいー、対戦の申し込み方法を説明中なんですよー」


係員のぼんやりした女の子は渡辺さんっていうのか。
後から話しかけて来た、やけにテンションの高い女の人は・・・ハインリッヒ?
20代後半くらいでやけにカッコイイ・・・どっかで見た気がする・・・それもつい最近。


从゚∀从「だったらアタシが説明してやるよ。面白そうだしね」



52 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:41:02.38 ID:iERQbODi0
渡辺さんは、ハインリッヒに礼を言って走っていった。
ぼんやりしてるように見えて、案外忙しいのかもしれない。


( ^ω^)「じゃあ、よろしく頼むお」

川 ゚ -゚)「・・・いや、1位の方にわざわざ教えて頂くのは」


1位・・・思い出した。
さっきまでようつべで見てたふざけた生命体じゃないか。
試合の時のような印象がないからわからなかった。


从゚∀从「ん?いいって!面白そうだから勝手に絡んでるだけだし。特にそっちの旦那とかイイね」

(´・ω・`)「え?僕?」

(;^ω^)「うぉ!おっさんついて来てたのかお?」

(´・ω・`)「いや、その、旅先で宿に引き篭もって壁と親交を深める人とか・・・想像したら嫌でしょ?」

( ^ω^)「おっさんなら違和感ないお」

(´・ω・`)「あ、やっぱり?」

从゚∀从「何だかわからんがとにかく良し!ま、簡単な話さ」



53 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:41:30.32 ID:iERQbODi0
あまり私を怒らせないほうがいい、ってタイプじゃなさそうだ。
別にこの人に対戦を申し込むわけでもなし、せっかくだから説明してもらう事にする。


从゚∀从「対戦を申し込む時は、ここで相手を選んでから“やらないか?”」

( ^ω^)「ウホッ」

从゚∀从「何だ、知ってるのかい?それで対戦決定!後は受付に行くだけさ」

(;^ω^)「・・・それ、何てハッテン場?」

从゚∀从「アンタ達面白そうだし、アタシならいつでも受けるよ!むしろそっちの旦那やらないか?」

(´・ω・`)「え?僕?いや、その、痛いの嫌だし。そもそも参加してないし」

从゚∀从「んー?・・・そりゃ残念。そっちの2人のお師匠さんなのかい?」

( ^ω^)「違うお」
川 ゚ -゚)「違います」

从゚∀从「んー?まあイイや!気が向いたらいつでも来なよ」

(;^ω^)「近いうちにお伺いするお!」

从゚∀从「お?イイね!アタシに勝つとマスター資格とかいうの貰えるらしいし。オススメだよ!」



54 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:42:06.12 ID:iERQbODi0
何だろう?フレンドリーというか軽いというか・・・微妙に馬鹿っぽい感じもする。
目が合ったら殺されるって、思い込んでいたのだが。
ハインリッヒは豪快か下品か、微妙なラインの笑い声をあげながら去っていった。


川 ゚ -゚)「・・・想像以上に高い壁だな」

( ^ω^)「お?そうかお?全然そういう感じしなかったお?」

(´・ω・`)「君が坊やだからさ」

(#^ω^)「究極の駄目人間はだまってろだお!」

川 ゚ -゚)「ハインリッヒさんの事は置いておこう。まずは対戦相手を見つけないとな」

( ^ω^)「上位ランカーで手ごろな相手転がってないかお?」

川 ゚ -゚)「難しいだろうな。上位ランカーが新参を相手にするメリットはないらしいから」

(´・ω・`)「そうだね。面倒になって来たし、明日でもいいんじゃない?」

( ^ω^)「僕のターン!スルー発動だお!おっさんの発言はしばらくシャットアウトされるお!」


いくら人大杉でも、上位ランカーはほんの少ししかいないから上位ランカー。
かといって、下位で明らかに楽勝な相手と戦うのは効率が悪すぎる。



55 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:42:50.53 ID:iERQbODi0
川 ゚ -゚)「少しサロンをまわって見ようか」

( ^ω^)「把握したお。お?何か奥のほうが騒がしいお。行ってみるお」


酔っ払いだろうか?
やけに大声で騒いでる男がいた。


<丶`∀´>「・・・というわけで、勇者であるウリの剣術こそが、全ての剣術の起源ニダ!」


ようつべで見ただけだが、勇者発言でコイツの事を思い出した。
そういう国家資格は存在しないから、勇者とか名乗る奴は大体うさんくさい。
・・・確かランキングは10位くらいだったか?
上位ランカーの中でも、腕前は微妙、武器が剣で僕と同じ。
コイツ相手ならたぶん勝てる。

とりあえず申し込んでみよう。


( ^ω^)「やらないか?」

<丶`∀´>「見かけない顔の小僧ニダ。お前ランキング何位ニダ?」

(;^ω^)「あぅ、今日登録したところだからまだ順位もないお」

<丶`∀´>「アヒャヒャァ!それでウリに挑戦?1億年早いニダ!」



56 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:43:20.41 ID:iERQbODi0
川 ゚ -゚)「ふむ。うさんくさい職業にパクり剣術か。ブーン、相手にすると馬鹿がうつるぞ」

<#丶`∀´>「あまりウリを怒らせないほうがいいニダ」

( ^ω^)「お姉ちゃんの言う通りだお。こんなのほっといて次に行くお」

<#丶`∀´>「ちょっと待つニダ!お前らに謝罪と賠償を要求するニダ!」

川 ゚ -゚)「謝るような事を言った覚えはないな」

( ^ω^)「だおだお。格付けで勝負する度胸もない奴はスルーだお」

<#丶`∀´>「なるほど、それが狙いニダ?受けてやってもいいが条件があるニダ!」

( ^ω^)「条件かお?」

<丶`∀´>「ウリが勝ったらお前の姉ちゃん、謝罪と賠償としてウリの好きにさせてもらうニダ!」

(#^ω^)「負けフラグの固まりみたいな奴だけど激しくむかつくお」

川 ゚ -゚)「何だ、そんな事か?ありえないし構わないぞ」

( ^ω^)「ちょ、お姉ちゃん!」

<*丶`∀´>「ならばウホッニダ!しゃ・ざ・い!!ば・い・しょう!!」



57 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:43:51.94 ID:iERQbODi0
うれしくてたまらないと言った感じで受付に向かうニダー。
負けるつもりはまったくないが、姉を餌にするようなフラグはどうかと思う。
・・・ニダーには聞こえないように声をかける。


( ^ω^)「お姉ちゃん、僕は勝つけど・・・ああいうのはどうかと思うお?」

川 ゚ -゚)「済まない。プレッシャーになったか?」

( ^ω^)「そういうわけじゃないお・・・」

川゚ ー゚)「大丈夫だから。何かの事故で負けたとしても、この程度の相手は私が切り捨てる」


・・・笑顔で恐ろしい発言をされた。
そんな話をしている間に受付に到着。


从'ー'从「あれれー。早速試合ですかぁ?それにー、ニダーさんはランキング9位・・・」

<#丶`∀´>「ウリが問題ないと言ってるんだからいいニダ!」

川 ゚ -゚)「野蛮な勇者だな。渡辺さん、家の弟がこらしめてやるから勘弁してくれ」

( ^ω^)「おっおっお!任せとくお!」

从;'ー'从「は、はいー。えぇーとぉ・・・今からだと試合は明日の午前中ですー」



58 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:44:21.42 ID:iERQbODi0
手続きを終えると、ニダーは全力でファビョりながら去っていった。
闘技場で今日出来ることはもうない。
僕らもとりあえず宿に戻る事にした。


(´・ω・`)「それにしても、うまい事やったね」

( ^ω^)「おっさんまだいたのかお?存在からして忘れてたお」

(´・ω・`)「いや、ずっといたし、何度か話しかけたけど」

( ^ω^)「お姉ちゃん、本当かお?」

川 ゚ -゚)「いや、まったく気がつかなかった」

(´・ω・`)「無視されていたわけじゃないって事に安心する僕」

( ^ω^)「っつうか、おっさん、何のためについて来たのか謎だお?」

(´・ω・`)「うん?僕の事は、こういうマスコットだと思ってね」

( ^ω^)「え・・・ちょっと、それ・・・すごく・・・うざいなりぃ・・・」

川 ゚ -゚)「ブーン、ショボンさんの事は諦めて宿で明日の支度だ」

( ´ω`)「・・・把握したお。おっさんに関してはここで試合終了だお」



59 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:44:53.47 ID:iERQbODi0
宿に到着。
ようつべでニダーの試合を検索。


川 ゚ -゚)「何というか。・・・あらためて見ても微妙だな」

( ^ω^)「コイツ、なんで半端に魔法とか使うんだお?」

(´・ω・`)「漫画とかにいるじゃない。剣と魔法、両方いける勇者。影響されてるんじゃないの?」

川 ゚ -゚)「・・・それはないでしょう」


ニダーは本当に微妙だ。
剣の腕前は、一応それなり?
半端に魔法で攻撃、防御、補助とかをしたりする。

・・・戦士と魔法使い、どっちが強いとかエロカッコイイとかは難しい。
まったく別物だから。
戦士が強くなりたかったら、魔法覚えるよりも素振りでもしてたほうが効率的。
魔法使いはよくわからないが、本でも読んでたほうがマシらしい。


( ^ω^)「とりあえずコイツは中途半端って事でFAかお?」

川 ゚ -゚)「うむ。今まで道場でやって来た通りにやれば良しだ」



60 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:45:28.42 ID:iERQbODi0
川 ゚ -゚)「防具は私服で良いだろう。武器は大丈夫か?」

( ^ω^)「僕のロングソード+2は今日も絶好調だお!」

川゚ ー゚)「うむ。よく手入れしてあるな」


僕らの私服は密かに頑丈な素材で出来ている。
かなり攻撃に偏った流派だから動きやすさ重視だ。

別に適当な流派ってわけじゃない。


(´・ω・`)「せっかくだから僕の村正を貸してあげようか」

(#^ω^)「・・・いつから家の家宝はバールのようなものになったんだお?」

(´・ω・`)「あ、手放したの忘れてた。ごめん」


訂正、適当なのもいる。


( ^ω^)「まあ、あんな奴は速攻でぶちのめすお!」

川゚ ー゚)「良し。今日はゆっくり休め」



61 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:46:00.49 ID:iERQbODi0
翌朝、快晴。
姉とともに闘技場に向かう。


(´・ω・`)「やぁ、本日はお日柄も良く、その、なんだろう?うーん」

( ^ω^)「おっさんまた付いて来てたのかお?」

(´・ω・`)「うん?僕の存在に気がつかないなんて、緊張してるのかな?」

(#^ω^)「最初からアウトオブ眼中なだけだお」

川 ゚ -゚)「ブーン、くれぐれも危なくなったら・・・」

( ^ω^)「おっおっお!問題ないお!」

从'ー'从「えぇーとぉ、そろそろ控え室にどうぞー」


渡辺さんの案内で控え室に到着。
受付、サロン、案内・・・?そういえばいくつ仕事してるんだろう。
どこかのおっさんに見習わせたいところだ。


川 ゚ -゚)「ブーン、備え付けの液晶で中継しているぞ」

( ^ω^)「お、マジかお?」



62 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:46:48.34 ID:iERQbODi0
从'ー'从【ここからは10分休憩をはさんで上位ランカーの試合ですー】


(;^ω^)「って、また渡辺さんかお?」

川 ゚ -゚)「うむ。すばらしい働きぶりだ」

(´・ω・`)「珍しく2人からの視線を感じる件。何だか心が寒いよ?」


从'ー'从【えぇーとぉ、解説はニュー速警備隊長の・・・あれれー】

(,,゚Д゚)【・・・ギコだゴルァ】

从'ー'从【ギコさんー、最初の試合は、現在9位のニダーさんと、新規参加のブーンさんですけど・・・】

(,,゚Д゚)【ニダーは結構前からいるな。自称勇者で流派はキムチとか言ったか?】


(´・ω・`)「ひどい流派名だね」

( ^ω^)「おっさんが言っても説得力ねぇお」


(,,゚Д゚)【コイツはかなり微妙。以上だゴルァ!】

从'ー'从【あれれー?ブーンさんはどうですー?】



63 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:47:23.79 ID:iERQbODi0
( ^ω^)「お!僕ktkr!」


(,,゚Д゚)【・・・どうもこうも初参加じゃわからねぇよ】


(;^ω^)「あぅあぅ」

川゚ ー゚)「なあに、ニダーを倒してくればすぐ覚えられる。ブーンなら大丈夫だ」

( ^ω^)「おっお!把握したお!行って来るお!」


観客席は半分も埋まっていない。
人気以前に、この会場は広すぎるからだろう。
直径50メートルくらいの円形の試合会場に入るとちょっとした違和感。
動き自体には何の問題もないが、これがレギュレーション区域とかいう奴だろう。
ニダーはすでに中央にいる。

僕は一足で踏み込める位置まで近づき足を止めた。


<丶`∀´>「アヒャヒャ!勇者相手に良く逃げずに来たニダ!」

( ^ω^)「ざんねん!あなたのぼうけんは ここでおわってしまった!だお!」


ロングソード+2を抜き正眼に構える。



64 : ◆Brsj/lcRyc :2006/06/24(土) 19:48:08.26 ID:iERQbODi0
从'ー'从【えー、それではー、試合開始ですー】

(,,゚Д゚)【おーっし。ちゃっちゃとやれゴルァ!】


ニダーはまだ構えていない。
何を考えているのだろう?


<丶`∀´>「アヒャヒャ!どうした小僧、ビビって近づけないニダか?好都合ニダ!」

( ^ω^)「お?」

<丶`∀´>「まずは剣2本で2倍!これに魔法をかければ更に2倍、おまけにジャンプを加えると・・・」

( ^ω^)「そいやっ!」


・・・試しに踏み込んで首を突いてみたら、何かあっさりニダーはくずれおちた。
負けフラグっぽいのを熱演し始めるからこうなる。
首をはねる勢いだったはずだが、とりあえず死んだ様子はない。
これがレギュレーション区域の効果?まあ、ニダーは完全に動かないからオッケー。


从'ー'从【あれれー?】

(,,゚Д゚)【ニダーのアホっぷりもひでぇが、なかなかいい踏み込みだな。勝負アリだゴルァ!】


第3話 完