399
名前: ◆eUdBwL0zGs 2005/10/15(土) 23:37:28 ID:gbEqVqAT0
FILE〜21
地下通路はまるで洞窟だったお。
( ^ω^) 「あっ、バリーさん」
バリーさんは僕たちに気づいても驚きもしなかったお。
ジル 「バリー何か収穫はあった? クリスは?」
バリー 「いや、何も・・・」
( ^ω^) 「見てくれおwwww僕たちはこんなにもアイテム持ってるおwwww」
バリー 「ジル、この先にエンリコが死んでいる」
ジル 「なんですって!」
ジルはバリーさんに示された方へ急ぎ足で行ったお。
(;^ω^) 「こんなにも・・・アイテム・・・」
バリー 「内藤、ジルのそばに付いていてやってくれ」
(;^ω^) 「おkwwww」
( ^ω^) 「あ〜、アイテム重いお」
428
名前: ◆eUdBwL0zGs 2005/10/15(土) 23:49:26 ID:gbEqVqAT0
FILE〜22
バリーの言った通りエンリコが死んでいた。
死んだと言っても、ハンターやゾンビにやられた傷では無い。
銃弾だ。
しかも口径の大きい……。
まさか、バリー?
私が疑心暗鬼に陥っていると、いつの間にか内藤がやってきて、エンリコの体から弾薬を取り、リュックに詰めていた。
「……内藤」
「ちょwwwwこれは生きるために必要な行為だおwwwww」
「そうじゃない。バリーは?」
「そっちに居るんじゃないのかお?」
バリーの名を呼ぶが返事は無い。
苛立ちが私を襲い暴力的にさせる。
近くの壁を蹴ったつもりだった。
「痛いおwwwwジルなにするんだおwwwwあ、もしかしてそういうプレイかお?wwwwwww」
「……そうね」
「え?wwwww」
そうよね。彼らは仲間、今は前に進もう。
450
名前: ◆eUdBwL0zGs 2005/10/16(日) 00:03:27 ID:NFhLJOku0
FILE〜23
( ^ω^) 「蜘蛛だお」
ジル 「蜘蛛ね」
地下通路の番人ともいうべき巨大蜘蛛が襲ってきたお。
( ^ω^) 「意外と蜘蛛って美味しいらしいおwwww」
ジルは僕を無視してショットガンを連射してたお。
呆気なく蜘蛛は死んだお。
腹から子蜘蛛が沢山出てきたのをジルは楽しいそうに踏み潰していたお。
プチプチプチプチプチプチプチプチプチ……
ジル 「…………」
(;^ω^) 「あの、ジルさん・・・そろそろ行こうお・・・」
プチプチプチプチプチプチ…………プチ………
ジル 「一匹見つけた!」
相当ストレス溜まってそうだお。
475
名前: ◆eUdBwL0zGs 2005/10/16(日) 00:12:51 ID:NFhLJOku0
FILE〜24
地下通路を抜け、噴水のある庭園を抜けた先には研究所が存在していた。
やはり……。
ゾンビも白衣を着ていた。腐敗具合から彼らが生きていたのが最近だと分かる。
内藤と共に映像準備室でスライドを見ていた時の事だ。
「これ、ウェスカーさんだおwwww」
内藤が指した先には、確かにウェスカーが映っていた。
白衣を着たウェスカーは若々しかった。
「どうして……」
「きっとコラだおwwwwww」
内藤が励ましてくれるのは有難かったが、私の心は曇天していた。
「うまいコラだおwwwww」
本気で言っているのかもしれない。
489
名前: ◆eUdBwL0zGs 2005/10/16(日) 00:17:01 ID:NFhLJOku0
FILE〜25
ここは死体安置所・・・マジ怖いお。
ジル 「私は入り口を確保しておくから、内藤はめぼしい物を探してきて」
(;^ω^) 「ちょwwwww僕一人かお?wwwww」
ジル 「文句ある?」
( ^ω^) 「ないおwwww」
( ^ω^) 「マムナム弾! ・・・マグアム弾! ・・・んお・・・マグナム弾見つけたお!www」
ジル 「出てきたわよ」
僕の目の前からゾンビが出てきたお。
(;^ω^) 「ちょwwwwwwww」
ジル 「死体安置所だからね」
僕が右足を齧られているのを見ていたジルが、ゾンビの頭を銃で吹っ飛ばしたお。
ジル 「・・・進歩無いわね」
504
名前: ◆eUdBwL0zGs 2005/10/16(日) 00:28:44 ID:NFhLJOku0
FILE〜26
動力室をへて、培養槽の部屋に行くとウェスカーがバリーに銃を突きつけ口論していた。
内容を聞く限り、バリーはウェスカーによって弱みを握られていたようだった。それによってクリスを裏切ったことも。
「ウェスカーあなたここの人間だったのね」
ウェスカーが驚いて振り返ったのを見逃さず、バリーが銃を蹴り上げる。
私は瞬時にハンドガンの照準をウェスカーに合わせるとバリーの隣に歩み寄る。
「バリー言ってくれればいいのに……」
「……すまん」
「さあ、ウェスカーさん。あなたには死が待ってるおwwww」
内藤が低い声で言うが、まったく威圧感は無かった。
「エンリコを殺したのもあなたね。ウェスカー……。あなた一体……」
「くくく、ジル、バリー、それに……」
後ろで培養槽が割れた。
私は迷ったが、後ろに銃を向ける。
出てきたのは、
「タイラントだ」
ウェスカーの言葉に振り向くが、すでに彼は消えていた。
「ジル! 来るぞ!」
「僕も居るお!」
内藤は泣きそうな声を上げた。
523
名前: ◆eUdBwL0zGs 2005/10/16(日) 00:35:26 ID:NFhLJOku0
FILE〜27
僕は初めて本当の恐怖を感じていたお。
(;^ω^) 「なんだお? 体が震えるお」
ジル 「バリーそっちに行ったわよ!」
バリー 「まかせろ、くそっ、速い!」
(;^ω^) 「ぶ、ぶ〜ん」
ジル 「内藤! キレが無いわよ!」
(;^ω^) 「おかしいお? ぶ、ぶぁ〜ん」
結局、タイラントはジルとバリーが手傷を負いながらも倒したお。
バリー 「大丈夫かジル」
ジル 「ありがとうバリー」
(;^ω^) 「だ、大丈夫かお?」
バリー 「ジル、クリスはここだ」
バリーは地図にマーキングしたお。
ジル 「ここにクリスが監禁されてるのね」
バリー 「頼む、クリスを……。俺は彼に会わせる顔が無い」
ジル 「分かったわ。任せて」
バリー 「ここを爆破しよう。さっきブラッドと連絡が取れた。彼がヘリでこちらに向かってるようだ」
( ^ω^) 「そりゃよかったおwwwww」
僕の存在を忘れないで欲しいお。
537
名前: ◆eUdBwL0zGs 2005/10/16(日) 00:42:31 ID:NFhLJOku0
FILE〜28
クリスは疲弊していてバリーに肩を借りてなんとか歩ける程度だった。
「俺は先にヘリポート行っている」
「私は自爆装置を起動してから行くわ」
私はバリー、クリスと別れ、内藤と自爆装置を起動するべく走っていた。
「やっとここを出られそうね」
「僕は出たらどうしたらいいんだお……」
「そういえば、あんた記憶が……」
内藤は珍しく思案していた。
先程からどうも様子がおかしい。
「どうしたの?」
「な、なんでもないおwwww」
『自爆装置が起動しました』
爆発まで5分
エレベーターへと向かう通路でウェスカーが私達の前に立ちはだかった。
「貴様、何故ジルを殺らない!?」
577
名前: ◆eUdBwL0zGs 2005/10/16(日) 00:50:55 ID:NFhLJOku0
FILE〜29
ジル 「どういう事よ、ウェスカー」
ウェスカー 「くそっ、やはり失敗か・・・。いいだろう、ここで真実を話すのも悪人のつとめだ」
( ^ω^) 「ワクテカwwwww」
ウェスカー 「ホライゾン、貴様の記憶を改変したのは私だ」
( ^ω^) 「ちょwwwwwww返せおwwwwwww」
ウェスカー 「貴様は実験体だ。コードナンバー00、ホライゾン。内藤博士の傑作だったが、何者かによってそのような性格に書き換えられてしまった。それを削除するため基本的な記憶は上書きしたつもりだったが……」
ウェスカー 「私はお前達をデータ収集に使おうと思ったのだが、洋館に放置しておいたホライゾンがここまで使えないとはな」
ウェスカー 「奴らの作ったプログラムはここまで難解だったとは。……貴様は完璧なはずだった。あのタイラントは知性を持たなかったためにあの様になったがな」
ジル 「・・・まさか内藤とタイラントは・・・」
ウェスカー 「そうだ、人間で言う所の兄弟だ」
(;^ω^) 「ちょwwwwwwwww冗談きついおwwwwwwww」
ウェスカー 「冗談などではない。貴様はクリーチャーなのだよ。俺達の手によって作られたなwwwwwwww」
ウェスカーの高笑いが僕の胸を貫いたお。
そしてウェスカーの胸も貫かれたお。
弟のタイラントによって。
爆発まで3分
609
名前: ◆eUdBwL0zGs 2005/10/16(日) 00:57:14 ID:NFhLJOku0
FILE〜30
「内藤行くわよ!」
タイラントは生きていた。
巨大な爪で胸を貫かれたウェスカーは恐らく死んだだろう。
私達はタイラントを振り切り、ヘリポートへとやってきた。
内藤は作り笑いを浮かべていた。
「あれ、弟なのかお? だから攻撃できなかったのかお?」
私は答える事ができなかった。
重い空気を払うように私は信号弾を取り出し、ブラッドに合図を送る。
「来てくれればいいのだが」
「……来たお」
タイラントがエレベーターを使ってここへやって来たのだ。
「普通、地面突き破るとか、分かり易くして欲しいわね。……内藤、殺ってもいいわね?」
「僕は……、幸せだお。可哀想な弟だお……。僕が殺るお! ブーン!」
内藤はタイラントへ突進していた。
ほぼ、互角であった。
やはり、内藤は……。いや、彼は人だ。私と共にここから脱出するんだ。
その時、ヘリの爆音が轟いた。
「ジル! 遅くなってすまん! これを使え!」
バリーだ。見ればクリスも乗っている。
私の目の前に落とされたのはロケットランチャーだった。
「内藤ー! どきなさーい!」
内藤とタイラントは組み合ったままだった。
爆発まで後1分
657
名前: ◆eUdBwL0zGs 2005/10/16(日) 01:06:08 ID:NFhLJOku0
FILE〜31
( ^ω^) 「僕はこいつをなんとかするからジルは先に行ってお」
ジル 「離れなさい! 今すぐ!」
( ^ω^) 「僕ごと撃ってお」
爆発まで後50秒
ジル 「くそおおお」
ロケットランチャーの弾は僕の頭上を大きく逸れていったお。
バリー 「ジル! 何やってるんだ!」
ジル 「先に行ってバリー!」
バリー 「馬鹿な! さあ早く来るんだ! ブラッドもっと寄れないのか!」
( ^ω^) 「ジル・・・ジル、こんな僕にやさしくしてくれたお。本気で殴ってくれたお。僕の大事な大事な人」
( ^ω^) 「⊂二二二( ^ω^)二⊃ フ゛ーーーーーン!!!!」
ジル 「何するの内藤!」
僕はジルを抱え、ヘリへ向かったお。
( ^ω^) 「早く上昇してお!」
ジル 「バリー! 放して!」
バリー 「ブラッド、早く! 離脱しろ!」
( ^ω^) 「ありがとうだお」
爆発まで後10秒、僕は弟の元へと向かったお。
713
名前: ◆eUdBwL0zGs 2005/10/16(日) 01:14:39 ID:NFhLJOku0
FILE〜32
爆発からヘリは間一髪逃れた。
「彼のお陰だ」
バリーが私の肩を叩く。
「そうね、彼が居なかったら、今頃私達……」
ヘリのローターが激しく回り、私の叫びをかき消してくれる。
「……すっきりしたか?」
クリスが微笑んだ。
「ええ、そうね、結構したわね」
「火持ってるか?」
クリスが煙草を口に咥え、火を催促する。
「ちょっと待って、たしか、ここに」
ライターと取り出すと小さな物が転がり落ちた。
「なんだ?」
バリーが不思議な表情を浮かべる。
私はクリスの煙草に火をつけると、ポケットから出てきた内藤の指輪を手に取る。
その不恰好な指輪を私は、左手の薬指にはめた。
「似合ってるぜ」
皮肉の篭ったクリスの言い方は優しかった。
「私のような女にはこれぐらいでいいのよね」
私は笑って見せた。
ひとしきり笑った後、初めて薬指に存在する指輪にキスをした。
〜END〜