23 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:56:30.50 ID:PX9qNS/X0
ーーー工房ーーー
日が暮れてきているような気がする
元々薄暗いからよく分からないのだが。

( ´_ゝ`)「・・・・・・・できた・・・これで」
兄者が呟く。
( ´_ゝ`)「・・・ふふ・・・やはり無駄だがこれで俺も・・・弟者に近づくことが出来たか・・・」
そう、満足げに笑った瞬間
彼の身体がぐらりと、揺れた。
( ´_ゝ`)「あ・・・」
そんな声を漏らして、彼は椅子から転がり落ちた。
( ´_ゝ`)「・・・さすがに・・・げんかいか・・・」

( ´_ゝ`)「・・・だがまぁ・・・いい」

( ´_ゝ`)「心置きなく・・・逝けるか・・・」

( ´_ゝ`)「・・・は・・・はは・・・」

・・・

・・



24 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:57:10.54 ID:PX9qNS/X0
ーーー路上ーーー
( ゜∀゜)「・・・何、まだ戻っていない?」
苛立った声で電話の向こうの相手に問いかけるジョルジュ
/ ,' 3 「は、はい・・・随分前に出かけたんですが・・・」
( ゜∀゜)(・・・死んだな・・・あのバカ)

( ゜∀゜)「わかった・・・」
そういって、電話を切って
勢いよく、逆に畳んだ。
バキッと、小気味よい音をたてて
電話は破壊される。
彼はその残骸を彼方に放り投げる。
( ゜∀゜)「最期まで余計な奴だった・・・感謝はもう、使い切ったぜ・・・」

( ゜∀゜)(・・・とすると・・・いそがねえとな)

そう思案して彼はゆっくりと笛を口に咥え
吹き鳴らした。

( ゜∀゜)「作戦は完遂できなかったが・・・もういい」

( ゜∀゜)「さっさと・・・やっちまうか」
・・・
・・


33 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 22:38:14.08 ID:PX9qNS/X0
ーーー工房ーーー
(´・ω・`)「兄者・・・っ・・・!」
3人が見たもの
横たわる兄者と机の上においてある完成されたハーメルンの笛。
(´・ω・`)「・・・・・・」
川゜−゜)レ「彼は・・・」
(´・ω・`)「うん・・・」

しょぼんがゆっくりと近づく。
彼の顔は
笑顔だった。
安らかな、笑顔。
(´・ω・`)「・・・・・・わからない」

(´・ω・`)(これで・・・よかったのかな・・・?)

彼は兄者の遺作を手に取った。
(´・ω・`)「兄者さん・・・ありがとう」
そして、静かに頭を下げた。


35 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 22:39:55.45 ID:PX9qNS/X0
ーーー工房前 路上ーーー
( ^ω^)「・・・行くアテはあるのかお?」
(´・ω・`)「うん・・・」
しょぼんの達した結論。
それは、いつかモナーがたどり着いた結論と同じものだった。
モララーからもらった拳銃は
ポケットの中に。
・・・
・・


36 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 22:41:04.43 ID:PX9qNS/X0
ーーー路上ーーー
( ゜∀゜)「・・・集まった・・・か」
とある大通りに全ての子供を集めて
ジョルジュは頷いた。
( ゜∀゜)「・・・行こうか」
彼らは向かう。
擬似的な
処刑場へ。

陽が落ちて夜が来る。

今度こそ全てが解決するはずだ。
・・・
・・


37 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 22:42:49.66 ID:PX9qNS/X0
ーーー草原ーーー
いつかの草原
ニダーが複数の子供を殺した場所
ジョルジュはそこを、かのコッペン近くの処刑場に見立てていたのだ。
暗い場所
( ゜∀゜)「・・・さて、始めるとするか」
ジョルジュが呟き、笛を、口に咥えた。

奇妙な音色が鳴り響く
直後、子供たちが行動を始めた。
右手にもつ刃物を自らの首に当て
その肉を、掻き切った。

38 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 22:43:25.11 ID:PX9qNS/X0
そんな行動を
次々と、様々な子供たちが起こす。
噴きあがる血液は宵闇のお陰で確認できない。
ただ、ドサッ、ドサッと。
肉体が草原に倒れる音だけが聞こえる。
( ゜∀゜)「いいぞ・・・もっとだ・・・」
そして
ジョルジュの持つ笛が、輝き始めた。
( ゜∀゜)「きた・・・!」
それは青白く、何かに呼応するかのように明滅している。
( ゜∀゜)「・・・さぁ、もっと死ね・・・もっと、死ね!」
感情を剥き出しにして、彼は叫ぶ。

これから何が起こるのかなど、ジョルジュは知らない。
だから彼は、無限大の期待を抱いているのだ。

39 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 22:45:49.54 ID:PX9qNS/X0
そんな、時
???「待てお!」
( ゜∀゜)「!・・・」
声が響く、そしてその後
また、笛の音が響いた。

それはお世辞にも上手とはいえない音調だ。
ただ強く、大きい響きを持っている。
だがその音色に反応したかのように
未だ生きている子供たちが、自らを殺そうとする手を止めた。
( ゜∀゜)「・・・へぇ」
少し感心したかのような声を漏らす。

40 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 22:46:53.56 ID:PX9qNS/X0
ザリッと、草を踏みしめる音が聞こえた。
そして現れたのは
笛を手に持ったブーンと
それに続くしょぼんとクーだった。

(´・ω・`)「ジョルジュさん・・・あなたが・・・!」
( ゜∀゜)「・・・・・・・」

( ゜∀゜)「よぅ」
いかにも余裕そうに
ジョルジュは手を上げて応じた。

41 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 22:47:34.65 ID:PX9qNS/X0
(´・ω・`)「あなたが全て・・・?」
( ゜∀゜)「あぁ・・・まぁ、俺だけってわけじゃないが」
(´・ω・`)「フサギコさんですか?」
( ゜∀゜)「・・・・・・・」
(´・ω・`)「彼なら、死にましたよ」
( ゜∀゜)「・・・へぇ」

( ゜∀゜)「まぁ、別にかまわないがな。俺が笛を手にした今となっては」
(´・ω・`)「・・・・・・・・」

42 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 22:48:21.20 ID:PX9qNS/X0
( ^ω^)「ジョルジュ・・・!」
( ゜∀゜)「おぅ、確かブーン・・・だっけか?」

( ゜∀゜)「あぁそうだ、お前の娘さん、有効に使わせてもらったぜ」
( ^ω^)「!」
( ゜∀゜)「この面子を見ると・・・死んだのはお前の、嫁さんか」
( ^ω^)「お前ぇ!」
たまらずブーンが殴りかかろうとする。

43 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 22:49:32.68 ID:PX9qNS/X0
( ゜∀゜)「あぁ、そうだ・・・お前の娘」
( ^ω^)「!」
( ゜∀゜)「まだこの中にいるかもなぁ」

( ゜∀゜)「もっとも、早くしないと死んじまうかも知れないが」
( ^ω^)「・・・ラン・・・!」
その瞬間、彼は我を忘れた。
そして血みどろの中に飛び込んでいった。
しょぼん達の視界から消えるまで、さほど時間はかからなかった。

44 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 22:50:03.10 ID:PX9qNS/X0
(´・ω・`)「ジョルジュさん・・・いや、ジョルジュ・・・!」
( ゜∀゜)「おう、呼び捨てか?いいご身分なこった」
(´・ω・`)「お前だけは・・・許さない・・・!」
彼はそこでポケットに手を入れた
素早く、俊敏に
( ゜∀゜)「!」
その行動に自らの危機を見出したのか
ジョルジュも、ポケットに手を入れる

直後、その場に
銃を突きつけ合うしょぼんとジョルジュの姿があった。

45 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 22:51:40.54 ID:PX9qNS/X0
( ゜∀゜)「・・・いいのか?このままだと多分、お前も死ぬことになるが」
(´・ω・`)「お前を殺せるなら・・・かまわない・・・!」
( ゜∀゜)「・・・へぇ、そうかい」

川゜−゜)レ「・・・・・・・」
クーがしょぼんの傍にいる。
そんな彼女をギコがチラリと見やる。
(,,゜Д゜)「・・・けど・・・かまわなくないやつもいるみたいだぜ?」
(´・ω・`)「え・・・」
言われてしょぼんはクーを見る。
川゜−゜)レ「・・・いやだ・・・」
彼女は拳をつくり、震えていた。


55 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 23:46:24.04 ID:PX9qNS/X0
川゜−゜)レ「いやだよ・・・しょぼん・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・・」
彼女の言いたいことはわかる。
しょぼんは言った。
もう誰も死なないと
しかし
ギコが死に、しぃが死んだ。
しょぼんも・・・死にたくは・・・ない
生まれるのは、不安。

( ゜∀゜)「ド素人」
そんな声が聞こえた時はもう遅かった。
銃声一つ。
・・・