99 :1:2006/05/13(土) 16:17:49.32 ID:fSm6ASnx0
('A`)「ブーンじゃねえか!どこ行ってたんだよ!」

( ^ω^)「ちょっといろいろあったんだお。」

('A`)「まあ、入れ入れ。」

ブーンはドクオのマンションにやってきていた。
ショボンの言った事を整理するとブーンが殺していない者の中に犯人がいる可能性がある。
ということだった。もちろんそれ以外にも候補は居るという考えもある。
しかし、ブーンはもう1度最初から調べなおそうと思ったのだ。
時間はもうない。次に捕まれば間違いなく逃げることはできないだろう。
だが、できるだけのことはしておきたかった。

ドクオの部屋に入りいつものように床に座っていると、ドクオが温かいコーヒーを持ってきた。

('A`)「ツンが死んだらしいじゃないか・・・。おまえのこと心配してたんだぞ。
何度も電話したのに全然つながらねえし・・・。
こっちはこっちでショボンとフサギコとか言う刑事とか来てアリバイとかいろいろ聞かれるし・・・。」

( ^ω^)「・・・ごめんだお。ちょっと携帯切ってたんだお。」

100 :1:2006/05/13(土) 16:18:58.55 ID:fSm6ASnx0
('A`)「それでおまえ大丈夫なのか?」

ドクオは心配そうな顔でブーンを見ている。

( ^ω^)「うん、もうだいぶ落ち着いたお・・・。」

ドクオの悲しそうな顔を見ているとツンは本当に死んだんだなとブーンは実感した。
今までずっと興奮状態だったが、こうしてドクオと話をしていると落ち着いた気持ちになってきていた。
ドクオが入れたコーヒーを飲む。温かい喉越しがさらにブーンの気持ちを穏やかにしていく。はずだった。

(;^ω^)「ガハッ!!!!!!」

ブーンはコーヒーカップを手から落とすともがき苦しみ始めた。

(;^ω^)「ウガアアアアアッッ!!!」

ドクオはそんなブーンを黙ってずっと睨んでいた。やがて口を開く。

('A`)「わざわざ俺のところに来るとは驚いたよ。
まあ、最後はお前を殺すつもりだったから助かったけどな。」

先ほどまでの悲しい顔とは打って変わってドクオはニヤリと笑っていた。

(;^ω^)「グウウウウッッ!!!」

ブーンはもがいている。

101 :1:2006/05/13(土) 16:20:40.83 ID:fSm6ASnx0
('A`)「俺さあ、ツンのこと大学の頃からずーっと好きだったんだぜ。
それなのにおまえと付き合って結婚だとよ。信じられないぜ。」

ドクオは1人で話はじめた。

('A`)「昨日ツンの誕生日だったから最後のチャンスでプロポーズしたけど断られてさあ。
正直もうこいつは殺して俺だけのものするしかないって思ったんだよな。
コーヒーにこっそり毒入れるのも簡単だったしな。全然バレやしない。ほんとあっけなかったよ。」

(;^ω^)「ハァッハァッハァッ・・・。」

ブーンはしゃべることもできず、ただ苦しそうにもがき、呼吸しているだけだった。
そんなブーンを無視してドクオは話を続ける。

('A`)「え?昨日は俺は後輩と飲んでたはずってか?
あんな写メール飲みに行ったらいつでも取れるだろ。かなり前のやつだよ。
アリバイ作りで酒くさいとかスーツ着てるとか面倒だったけどな。
ほんとはあのときにお前殺してもよかったんだけどさ・・・。」

ドクオはブーンの方をジロリと睨む。

('A`)「やっぱりもっとおまえを悲しませてから殺したかったんだよな。楽に殺すの嫌だったんだよ。」

(;^ω^)「グゥ・・・グ・・・。」

102 :1:2006/05/13(土) 16:23:50.69 ID:fSm6ASnx0
('A`)「で、さあ。昨日、俺がツンの部屋に入るのしぃが見てたらしいんだよ。
んで、今日の昼ツンのニュースあったじゃん。あれで俺のこと怪しんで自首しろって言ってきたんだよ。
話しつけようとおもってさっきしぃの家行ったら押し問答になっちまって思わず台所にある包丁で腹刺しちゃったよ。」

ドクオの顔はどんどん笑顔になっていった。

('A`)「最後はブーン、おまえ殺しておきたかったんだよな。ツンと結婚するなんて調子に乗りすぎだ。」

(;^ω^)「ウ・・ゥ・。」

ブーンはもはや虫の息だった。

('A`)「ツンとおまえを殺して俺の計画は全て終わる・・・。そして、あとは海外へ高飛びだ。」

ドクオは旅行カバンを押入れから取り出した。そして、カバンの中から飛行機のチケットを取り出しブーンに見せた。

('A`)「ほら、これで海外へひとっ飛びだ。」

( -ω-)「・・・。」

ブーンはもうただの肉塊になっていた。

('A`)「おっ、死んだか。じゃあな。」

ドクオは旅行カバンを手に取ると自分の部屋を出て行った。




冷たいブーンの死体は涙を流していた。

105 :1:2006/05/13(土) 16:28:44.88 ID:fSm6ASnx0
『エピローグ』

空港についたドクオはロビーで飛行機の出発を待っていた。

('A`)「さらば日本・・・だな。ツンのいない日本にはもういる必要もねえ・・・か・・・。」

ドクオは窓際に行くと滑走路を飛んで行く飛行機をボンヤリと眺めていた。
いくつかの飛行機の離陸を見たドクオは腕時計に目を落とす。

('A`)「お、そろそろ搭乗か。」

ドクオは搭乗口の方へ歩き始めた。そのとき、2人の男がドクオに向かって走ってきた。
内心かなり動揺していたドクオだが冷静さを保ちながら言った。

('A`)「あれ?ショボンさんとフサギコさんどうしたんですか?」

ミ,,゚Д゚彡「ドクオさんちょっと待ってください。」

(´・ω・`)「ちょっとお話があります。」

('A`)「い、いや。俺もう飛行機乗るんですみません。」

ドクオは2人を無視して無理やり搭乗口の方へ向かおうとした。

106 :1:2006/05/13(土) 16:30:02.09 ID:fSm6ASnx0
ドクオの手をショボンが掴む。

(´・ω・`)「逃がさないよ。さ、一緒に警察に行こうよ。」

('A`)「くそっ!」

ショボンの手を振り解くとドクオは搭乗口とは反対側の方へ走って逃げ出した。

ミ,,゚Д゚彡「逃がさない!」

フサギコはドクオを走って追いかけるとあっという間に追いつき組み伏せた。

('A`)「くそーっ、何で、何でだよ!」

(´・ω・`)「さっきドクオさんの家に行ったらブーンさんが死んでたよ。」

('A`)「・・・。」

(´・ω・`)「ドクオさんはアリバイが完璧すぎだね。計画的に毒で人殺す人間がアリバイがあいまいなわけがない。」

ミ,,゚Д゚彡「後輩のプギャーさんが昨日は一緒に飲んでないって言ってくれましたよ。」

(´・ω・`)「後輩の弱み握って口裏あわせるとかセコイけどね。
まあ、今日をしのげば高飛びできるからそのあたりは適当だったみたいだね。」

('A`)「・・・。」

107 :1:2006/05/13(土) 16:32:11.89 ID:fSm6ASnx0
(´・ω・`)「とどめは髪の毛ね。」

('A`)「髪の毛?」

(´・ω・`)「ツンさんの部屋に本人以外の髪の毛が落ちててね。ついさっき検査結果出たんだけどドクオさんの髪の毛でしたよ。
事故現場に髪の毛1本でもあれば十分な証拠になる。指紋だけが証拠隠滅の方法だと思ってたみたいだね。警察を舐めない方がいい。」

('A`)「・・・。」

ドクオはがっくりとうなだれた。

(´・ω・`)「急いでドクオさんのこと調べたら海外に行く飛行機のチケットとってるから焦ったよ。パトカー全速力だよ」

('A`)「・・・。」

ミ,,゚Д゚彡「さあ、行くぞ。」

('A`)「くそぅ・・・うまくいくはず・・・だったのに・・・。」

フサギコがドクオをパトカーに連れて行く。1人残されたショボンはロビーの窓から外を眺めていた。

(´・ω・`)「・・・ブーンさん、あなたには人を殺して欲しくなかったですよ。
悲しみは悲しみしか生まない。あなたにはもっと強く生きて欲しかった。」

ショボンはドクオが乗るはずだった飛行機が飛び立つのを見ると、
フサギコの待つパトカーへと向かってゆっくりと歩いていった。


【THE END】