第15話
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/11(金) 21:23:58 ID:c4q4MfPr0
( ^ω^)地上空母が現れたと言っても、他の基地は攻撃してくる様子は無いお
( ^ω^)地上空母を警戒しての哨戒が主な任務になってきたお
(´・ω・`)こちらショホ゛ン小隊、これより着陸する
FOX:コントロール、了解
( ^ω^)フ゛ーン小隊も着陸するお
FOX:フ゛ーンの隊は少し待て。ショホ゛ン、先に降りろ
(´・ω・`)了解
( ^ω^)待ってるおー
ラウンデル:小隊規模では地上空母は出てきませんな
FOX:そのようだな。しかし、指を咥えている訳にはいかんな
津雲:中隊では無く小隊規模での哨戒で手数を増やしてはいるのですがね
FOX:うむ。しかし……いい加減、管制官の代わりはいないのか…
シュィィィィィィィィン……
(´・ω・`):ショホ゛ン小隊、全員着陸したよ
FOX:よし、続いてフ゛ーンの隊だ
( ^ω^)分かったお。みんな順番に降りるんだお
コ゛ォォオォォォオ
( ^ω^)最後は俺の番だお。折角だから格好よく降りてやるお!
ク゛ィィィィィィィィィィン
( ^ω^)…あ、うまい棒が足元に落ちたお、拾うお…手が引っかk
カ゛チッ……ハ゛シュッ!!
コ゛ォォォォォォォォ キ゛ャイィィィィン
ナムリス:少尉が緊急用バリヤーに引っかかるなんて……少尉!!ってあれ?いない?
(;^ω^)格好よく着陸したのは機体だけだったお
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/11(金) 21:42:19 ID:c4q4MfPr0
(;^ω^)山を登って基地に入ったのは初めてだお
( ^ω^)それにしても全然地上空母は現れないお
( ^ω^)みんな集まって、何やってるんだお?
(´・ω・`)本を読んでるんだ
津雲:ドイツの古い本でね。地上空母を考えた科学者が書いた物だ
( ^ω^)そ、そんなものどうしてあるんだお!?
( ´_ゝ`)荒巻のヤツがよこしたのさ
( ^ω^)荒巻帰ってきたのかお!?こうしちゃいられないお!
( ´_ゝ`)それが届いたのはこれだけさ……ってもういないじゃないか
(´・ω・`)この本には地上空母の話は出てきていないようだね
津雲:恐らくは構想を立てる前に書いたものだろう
ラウンデル:しかし、有益な情報があるかもしれん
FOX:そうだな。とりあえず2冊あるから一冊は津雲殿、もう一冊はショホ゛ンが読んでくれ
津雲:了解しました
(´・ω・`)分かった。久々に面白そうな本を読めそうだね
( ^ω^)シ゛ョルシ゛ュー!!!
( ゜∀゜)なんだ?なんだ?
( ^ω^)荒巻が帰ってきたそうだお!!
( ゜∀゜)!!! !!!
( ^ω^)早速あれ着て行くお!!
( ^ω^)……
( ゜∀゜)……。……
ナムリス:少尉…?何やってるんですか…?
(;^ω^)荒巻が帰ってないならそう言って欲しかったお…
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/11(金) 21:56:22 ID:c4q4MfPr0
( ^ω^)今なら荒巻と心が通じ合うと思ったんだお……
( ^ω^)荒巻が帰ってきたあの服着て一緒にぐったりしてみるお!
FOX:津雲少佐とショホ゛ンが本で情報を集めてくれているが
ラウンデル:我々もそれを指を咥えている訳にはいかん
FOX:よって、戦闘機をエサにして釣り上げる
ラウンデル:この作戦をオペレーション・フィッシングと呼称する
ウォーリー:そのまんまだな
FOX:各中隊の中隊長を囮にして敵をおびき寄せる
ナムリス:ショホ゛ンさんは本読んでるんじゃないんですか?
FOX:ショホ゛ンの隊はフ゛ーンにやってもらう
( ^ω^)ちょwwwwwwwまじかおwwwwwwwwww
ナムリス:となると誰が指揮を取るんですか?
FOX:私だ。しばらくの間は私がショホ゛ンの代わりに入る
(;^ω^)だったらFOXが囮やって欲しいお……
ラウンデル:そう言うな。貴様の脱出の腕を見込んでの事だ
キム:確かにフ゛ーン少尉の脱出はお見事ですよね
FOX:うむ。脱出させたらこの基地でさえ、右に出る者はいるまい
( ^ω^)もちろんやらせて貰うお!!
ナムリス:それでこそ少尉です!!
フーバー:現金なヤツだな……
( ^ω^)ショホ゛ン、何か分かったかお?
(´・ω・`)やぁ。そうだね、結構色々書いてあるよ
キム:じゃあ、地上空母の事も何か分かったんですか?
(´・ω・`)地上空母の事は直接は書いてないんだ
ナムリス:じゃあ期待薄ですかぁ
(´・ω・`)そうでも無いかもしれないけどね
( ^ω^)地上空母なんてチョロイお!俺の脱出の腕に驚くといいお!!
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/11(金) 22:11:00 ID:c4q4MfPr0
('A`)目が覚めたら、俺はベッドの上にいた
('A`)何故か懐かしい感じがする。この雰囲気はそう、空母だ
('A`)こんな所でまさかあんたに会うとはな
男:私もお前が生きているとは思わなかったとも
('A`)この艦はあんたの物か?兄貴
男:そうだとも。さすがは空母乗りだ。よく艦と分かったな
('A`)分かるさ。しかし、何でまた俺は海の上にいるんだ?
男:ハハハ、海か。戦場暮らしは兵士を詩人にすると言うが
('A`)おかしいか?この規模の艦ともなれば空母だろう?
男:空母は空母さ。そして海の上にある
('A`)じゃあ何がおかしいんだ?
男:海は海でも、砂の海だからだよ
('A`)なんだと!?
男:ようこそ、ト゛ッキー。我が地上空母へ
('A`)またけったいな物を作り出したもんだな
男:おや、あんまり驚かんのだね
('A`)色々あったからな。もう驚く気にもならん
男:そうか、おっと電話だ。……ああ、いるとも……分かった
男:どうだね?空を飛んでみるかね?
('A`)空か。俺の体は大丈夫のようだが、機体はあるのか?
男:あるとも。先に上がって待っているそうだ
('A`)俺をか?まぁいいさ。行けば分かる事だ
('A`)よりによって兄貴と再会する事になるとはな
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/11(金) 22:30:30 ID:c4q4MfPr0
('A`)目が覚めた俺を迎えてくれたのは兄貴に砂の上に浮かぶ空母だった
('A`)毎度の事ながら墜落した後はおかしな所でばっかり目が覚めやがる
('A`)機体はどこだ?
兄:案内させよう。ちょっと待ちたまえ
兵士:どうぞ、こちらです
('A`)そうだ
兄:どうかしたか?
('A`)親父とお袋は元気か?
兄:死んだよ
('A`)なに…?
兄:この話は後にしよう。行きたまえ
('A`)後で聞かせて貰うぞ
('A`)こいつか
兵士:我が艦が誇るシュヴァルベです
('A`)シュヴァルベ…、確かナチス・ドイツの戦闘機か
兵士:えぇ。まぁ、中身はほとんど別物ですがね
('A`)ま、飛べれば何だっていいさ
コ゛ゥンコ゛ゥンコ゛ゥンコ゛ゥン
('A`)リフト、か。さて、滑走路はどうなってるんだか
('A`)結構広いな。それに確かに砂の上だ
('A`)何機か上にいやがるな。俺を待ってるのは一体誰なんだか
('A`)親父もお袋も逝ったか。今更思う所なんて無いけどな
('A`)しかし、何か大事な事を忘れている気がする…。何だっけな
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/11(金) 22:58:17 ID:c4q4MfPr0
('A`)落ちる前に何かあった気がする
('A`)思い出せないが…とても大事なことだったような
('A`)よし、出るぞ!
コ゛ォォォォォォォォォ
('A`)中々いい噴き上がりだ。中身は最新のようだな
キィィィィィィン
('A`)おわっ!?いきなり突っ込んで来やがるとは
('A`)だが、こちとら筋金入りの艦載機乗りだ!ケツ浮いた時から戦闘準備できてるんだ!
ク゛ィィィィィ…キィィィィン
('A`)あの動き……まるで俺と同じ海軍のような飛び方だな。ちょいと仕掛けてみるか
ク゛ォォォォォォォォ
('A`)間違い無いな。こいつはネイビーだ
('A`)しかし、俺のケツを取る艦載機乗りなんざ一人しか知らねぇ
('A`)ブルーエンジェルスのゲイリー・マックバーン、ヤツくらいのもんだぜ
ケ゛イリー:ご名答だ
('A`)なに!?本当にマックバーンなのか!?
ケ゛イリー:そうとも。久し振りだな、火の玉ト゛ッキー
('A`)どうしてこう顔見知りばかっりなんだ。世界は狭すぎるぜ
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/11(金) 23:14:12 ID:c4q4MfPr0
('A`)空で俺を待っていたのはアメリカ海軍での同僚、マックバーンだった
('A`)ブルーエンジェルスに指名されたアイツを羨ましく思ったもんだった
コ゛ォォォォォォォォ
ケ゛イリー:俺もお前に会うとは思っちゃいなかったがな
('A`)どうしてこんな所にいる?ブルースはどうした?
ケ゛イリー:金がいるんだ。ブルースじゃ全然足りん
('A`)辞めちまったのか。羨ましいと思ったもんだぜ、俺も入りたかったからな
ケ゛イリー:俺もお前が羨ましかったよ。何もかも持っていたお前がな
('A`)……
ケ゛イリー:俺はお前と違ってスラムの出身だからな
('A`)俺だって全てを持っていた訳じゃない……
ケ゛イリー:お前に取っちゃあの国は自由の国だったろうが、俺には自由なんて無かった
('A`)それでも綺麗な奥さんがいただろうがよ。あんなに幸せそうにしてたじゃないか
ケ゛イリー:死んだよ。麻薬中毒でね
('A`)麻薬…だと?
ケ゛イリー:ブルースは危険が伴うからな。最初は酒で紛らわせていたようだが
('A`)麻薬に逃げたのか……
ケ゛イリー:忘れ形見の娘も生まれた側から病院篭りさ
('A`)それで金がいるって訳か
ケ゛イリー:ま、そう言う事だ。お前はどうするんだ?
('A`)俺は復讐出来ればどこだっていいさ
ケ゛イリー:復讐か。深くは聞かんよ
('A`)そうさ、復讐さ……
ケ゛イリー:とにかくこれからはまた同僚だ、よろしく頼む
('A`)あぁ……
('A`)俺はアイツを落とせるならどこだっていいんだ。それこそ地獄だってな
('A`)けど……俺はどうしてフ゛ーンを落とさなきゃならない…?
('A`)復讐…俺は今、復讐と言った。思い出せない……一体誰の復讐なんだ?
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/11(金) 23:45:10 ID:c4q4MfPr0
('A`)復讐。奥底から湧き上がってくるこの言葉
('A`)だがそれを何故やらねばならないのか、それが思い出せない
シュィィィィィィン……
ケ゛イリー:お疲れさん。社長が呼んでるそうだがどうするね?
('A`)社長?誰だそいつは
ケ゛イリー:さっきまで会ってただろう?
('A`)あぁ兄貴の事か。艦長とか司令じゃないのか?
ケ゛イリー:艦長も司令も他にいる。そう呼べと言われているんだ
('A`)そうか。良く分からんが
ケ゛イリー:で、どうする?
('A`)行くよ。親父とお袋の話も聞きたいしな
兄:どうだったね、空は
('A`)まぁまぁだ。で、さっきの話だが
兄:殺されたのさ
('A`)親父もお袋もか?一体誰に?
兄:誰でもない。アメリカに殺されたんだよ
('A`)アメリカ!?どう言うことだよ!
兄:父さんはある所から取引の話を持ちかけられた
('A`)それを阻止しようとして殺されたってのか!?どことの取引だよ!
兄:南米、そこに逃げ込んだかつてのドイツの高官たちさ
('A`)ナチス……それでアメリカは黙っていなかったってことか
兄:父さんは話を受ける気なんて無かった!だがそんな事に聞く耳は持たなかった!
兄:ト゛ッキー!仇を討とう!私と一緒に父さんと母さんの復讐を!!
('A`)俺は優秀な兄貴に比べられるのが嫌で軍に、空に逃げたんだ
('A`)だが、兄貴と共に戦おうと思う。親父とお袋と、もう一人の誰かの仇を取るために
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/12(土) 00:09:45 ID:Npfb2IWB0
('A`)兄貴はおかしかった。狂喜に魅入られていた
('A`)けど、それがどうした。俺はとっくに狂喜の最中にいる
('A`)いいぜ。やってやる
兄:そうか!ト゛ッキー、お前がいてくれれば心強い!
('A`)だが、どうしてこの国なんだ?
兄:アメリカは必ず介入してくる。泥沼の内戦をしているこの国に
('A`)また他所の国にちょっかい出すってのか?
兄:そうとも。陳腐な正義を振りかざしてね
('A`)陳腐な正義、か
兄:それにここは産油国だ。利益は幾らでも湧いてくる
('A`)結局金の話か
兄:そうとも。他国の資源を掻っ攫う、とんでもない国なのだよ
('A`)とは言え、ナチスのヤツらに声かけられなきゃ良かったんだろ。恨むならそっちじゃないのか?
兄:それは違う。彼らは二人を助けようとしてくれた。私をも助けてくれた!
('A`)……
兄:どちらに正義があるかね!?国と正義のためなら国民でもお構い無しだ!
('A`)俺には正義云々は言えん
兄:私は残った財産を全て持って南米に赴いた
('A`)そしてコイツを作り上げて、はるばる砂漠くんだりまでやってきたってか
兄:派遣してきた軍をことごとく潰してやる!いずれはアメリカそのものを戦火に焼いてやる!!
('A`)アメリカを戦場にするってのか
兄:ククク…この空母を始めとした戦力ならアメリカなど蹴散らせる!!
兄:ハハハハハ!アメリカに…愚かな国にナチスの鉄槌を!!
('A`)狂ってやがる
('A`)すでに誰の仇か分からないで復讐しようとしている俺が言えた事じゃ無いか
('A`)いいさ、狂喜でもなんでも。どうせ俺は死神さ。思い出すために鎌を振るうだけだ
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