- 結局ドクオが解放されたのは夕方6時を過ぎた頃である。
('A`)「あーぁ、無駄足食っちまったな、畜生」
(*゚ー゚)「あの!」
('A`)「うおっ!?」
背後から突然の大声。
慌てて振り向くとそこには
('A`)「あぁ・・・お前は・・・」
昨日からよく見る顔
(*゚ー゚)「しぃです!」
彼女は元気よく答えた。
- そして
いつの間にやら二人は肩を並べてまだ明るい空の下を歩いていた。
('A`)「お前も補習だったのか?」
(*゚ー゚)「うん」
('A`)「・・・課題三倍とか?」
(*゚ー゚)「・・・ぇ?そんなことないよ」
('A`)「そっか・・・・・・」
どうやら彼女はドクオの3倍の時間をかけて課題をこなしていたらしい。
('A`)(下には下がって奴か・・・?)
- そのうち二人は
とある場所に通りかかった
('A`)(あ・・・)
ドクオにとってはトラウマになりえる場所。
昨日、女不良5人にリンチされた場所である。
幸い、今日は誰もいないようだが。
('A`)(・・・・・・・・)
自分の貧弱さを改めて認識するドクオである。
そんな彼の隣で
(*゚ー゚)「・・・・・・・・」
っしぃが何かを見つめていた。
- ('A`)「?」
突っ立っているしぃにつられてドクオも足を止める。
彼女が見つめているのはただの壁だ。それ以上でも以下でもない。
('A`)(なんだぁ・・?)
('A`)「・・・・・・・なぁ」
(*゚ー゚)「・・・・・・・・」
('A`)「なぁて」
(*゚ー゚)「んぇ?」
('A`)「何見てたんだ?」
(*゚ー゚)「あ、いや、ええと、別になんでもないよ、うん」
マンガのような慌て振りを疲労しながらしぃは
(*゚ー゚)「早く行こう」
とドクオをせかす。
('A`)「・・・・・・・?」
('A`)(・・・なんか・・・親密になりすぎ・・・?)
- その後、特に会話も無く二人は歩く。
やがて分かれ道にやってきた。
(*゚ー゚)「・・・・・・・・・」
先程からしぃは黙りこくったままだ
もっともドクオはしぃが普段よく喋る方かどうかさえ知らないのだが。
('A`)「あー、じゃぁこれで」
ドクオが言う。しかし彼女は華麗に無視した。
('A`)「・・・・・・」
仕方なく、ドクオが肩を落として去ろうとしたとき
(*゚ー゚)「待って」
彼女のそんな声が聞こえてきた。
- ('A`)「?」
(*゚ー゚)「今、暇?」
('A`)「・・・は?」
(*゚ー゚)「えと、暇ならちょっとだけ付き合ってくれないかなぁって・・・思うんだけど」
('A`)「・・・・・・・・・」
女性の頼みである。
一年に一度あるかないか ドクオにとってはそれほどに希少価値のある言葉だ。
そして幸運にも彼は今、暇である。
('A`)「別にいいけど」
(*゚ー゚)「よかった」
しぃはまた、無邪気に笑った。
- 行き着いた先は近くの公園である。
しぃはベンチに腰を下ろす。
隣に座るのも気が引けるのでドクオは立ったままだ。
(*゚ー゚)「・・・・・・・・」
('A`)「・・・・・・・・」
そしてまた、沈黙。
しかしそれはすぐに破られた。
(*゚ー゚)「私、お姉ちゃんがいたんだ」
('A`)「・・・・・・・」
(*゚ー゚)「でも、殺された」
('A`)「!」
(*゚ー゚)「あの・・・・・・場所で」
あの場所
それはつまり、先程しぃが立ち止まっていた場所ということか。
- (*゚ー゚)「よくわかんないんだ」
いつかのドクオのように淡々としぃは話す。
(*゚ー゚)「誰かが見たわけでもない、夜のことだし・・・でも、死んじゃった」
('A`)「・・・・・・・・・」
(*゚ー゚)「・・・たった一人の家族だった」
('A`)「・・・そうなのかよ」
ドクオにもわかる
孤独感
それは辛いものだ。
(*゚ー゚)「・・・あ、ごめんね、暗い話しちゃって」
('A`)「いや、別に・・・つかなんでこんな話を俺に?」
(*゚ー゚)「・・・・・・」
彼女はしばらく黙り込んだ後、微笑んだ。
(*゚ー゚)「なんでだろうね?」
('A`)「・・・・・・・・・」
(*゚ー゚)「あ、そういえば」
('A`)「はい?」
(*゚ー゚)「あなたの名前、なんていうの?」
('A`)「・・・・・・・・」
道程は険しい 色々な意味で。
- ・・・・・・・・・・・
(,,゚Д゚)「例えばよ」
( ^ω^)「お?」
(,,゚Д゚)「もうすぐ死ぬとする」
( ^ω^)「・・・」
(,,゚Д゚)「でも自分には心残りがあるから死にたくない」
(,,゚Д゚)「だが死ぬのは時間の問題だ・・・こんな時、お前ならどうする?」
( ^ω^)「・・・・・・・」
( ^ω^)「わからないお」
(,,゚Д゚)「そう、か・・・」
( ^ω^)「?」
(,,゚Д゚)「・・・明日」
( ^ω^)「お?」
(,,゚Д゚)「明日こそ・・・」
・・・
・・
・
- (*゚ー゚)「それじゃあね!」
('A`)「あぁ」
元気な声で叫び
しぃは駆け去っていく。
('A`)「・・・・・・・」
頬が緩む
ニヤつきながら振り向いたドクオ。
しかしその表情は一瞬にして凍りつくこととなる。
('A`)「お前ら・・・」
そこに
しょぼんとクーが立っていた。
- 川゚−゚)レ「いい・・・身分だな」
紅潮した顔
怒気を含めた声
('A`)「・・・・・・・・」
目をそらすドクオ。
川゚−゚)レ「お前は・・・その程度の男なのか・・・?」
川゚−゚)レ「友達を見捨てて、女に走る!」
('A`)「だからあいつは友達じゃねえって言ってんだろ!」
('A`)「もう関わりたくねえんだよ、俺は!」
(´・ω・`)「・・・・・・」
(´・ω・`)「わかったよ」
川゚−゚)レ「しょぼん」
(´・ω・`)「ドクオがいやだと言うなら・・・仕方ないよ」
川゚−゚)レ「くっ・・・!」
('A`)「・・・・・・・・」
- しょぼんとクーはドクオと、この時点でほぼ縁を切ってしまった。
ドクオは独り。
かたや、クーとしょぼんも、孤独感に襲われていた。
こうしてまた、無意味に一日が終了しようとする・・・
- 薄暗い部屋に蛍光灯の明かりが映える。
ジョルジュはコンピューターに向かって何かを打ち込んでいた。
( ゚∀゚)「興味深いことばかりだ・・・実に楽しい」
( ゚∀゚)「そうだ、そろそろ・・・」
( ゚∀゚)「あいつを・・・使うか・・・」
彼は狂った笑い声が室内で共鳴した。