第12話

342 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/05(土) 22:43:32 ID:cmUybPox0

ツン:ギリシアを経って一週間経つわね
ツン:フ゛ーンは元気でやっているのかしら?

ロッキー:おや、お嬢ちゃんもかい
ツン:あら、ロッキーさん。あなたもお呼ばれ?
ロッキー:あぁ、そうらしい
ツン:海音寺のお爺様をご存知なの?
ロッキー:こう言う仕事だからね
ツン:そう言えばそうね
ロッキー:お嬢ちゃんが知り合いなのも納得出来るがね
ツン:でしょうね。さて、美鈴さんが出迎えに来たようよ

美鈴:ようこそ、いらっしゃいました
ツン:お招きありがとう
美鈴:いえ、こちらこそお呼び立てしてしまって
ロッキー:構わんさ。俺達がやらなきゃならん事があるんだろう?
美鈴:はい、お爺様がお待ちになっています
ツン:行きましょうか

〜〜〜〜〜〜

ツン:で、どう思う?ロッキーさん
ロッキー:いやぁ、正直話がでかすぎて何がなんだか
ツン:私もだわ。これからは?
ロッキー:俺は言われた通り、とりあえずアメリカだな
ツン:そう、頑張って頂戴。私はこっちで頑張るわ
ロッキー:政治家デビューか、大変だな
ツン:デビューって言わないで。そりゃこんな事になるなんて想像もしなかったわ

ツン:けど、仕方無いわね。フ゛ーンも戦っているんだもの

351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/05(土) 23:04:29 ID:cmUybPox0

ロッキー:さて、アメリカか。あんまり縁の無い国だな
ロッキー:なんせあそこは戦争はしてるが自国領内は最前線にならないからな

ロッキー:そういや、旅客機乗るのも久し振りだな
沢:向こうじゃ戦闘機ばっかりで?
ロッキー:そうだな。後は輸送機辺りかな
沢:そいつほとんど軍人と代わりませんな
ロッキー:同感。おたくは?ただのVIP航空の社員じゃ無いんだろ?
沢:そりゃ、こうやって貴方について行こうとしてる訳ですから、並じゃないですよ
ロッキー:だろうね。スキンヘット゛にク゛ラサンの社員なんて見た事無い
沢:これは手厳しい。一応これまでは普通の社員でしたよ
ロッキー:そうかい。ま、便りにしてるぜ
沢:それなりに頑張ってみますがね

スッチー:間もなく離陸致しますので、座席のベルトをご着用下さい

ロッキー:うーん、旅客機はスチュワーデスがいいね
沢:軍じゃ女性自体が珍しいでしょう
ロッキー:全く。むさい所だったよ
沢:はは。ま、到着するまでじっくり堪能して下さい
ロッキー:向こうに着いたらこんな事言ってられないだろうからな

コ゛ォォォォォォォォォ

ロッキー:案外ベルトってのは窮屈なもんだな
沢:そうですね。もう外しても大丈夫ですよ
スッチー:皆様、高度が安定しまsキャーーーーーーー!!
男:全員大人しくして貰おう

ロッキー:おいおい、ハイジャックかよ。とことん俺は乗り物運が悪いらしい

361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/05(土) 23:22:17 ID:cmUybPox0

ロッキー:どうして俺はこう、乗り物でトラブルに出くわすのかね
ロッキー:我ながら何かの才能かと思えてくる

ハイシ゛ャックC:大人しくしていれば安全は保障する
ハイシ゛ャックB:全員そのままの姿勢でくつろいでくれ
ハイシ゛ャックA:コクピットに案内しろ
スッチー:は、はい

ロッキー:ハイジャックねぇ
沢:遭遇するのは宝くじの1等当てるより確率低いそうですよ
ロッキー:へぇ、そりゃラッキーだ
沢:私たちは運がいいようですよ
ロッキー:で、どう見る?
沢:後ろに一人と正面に二人、一人はコクピットですから、一人でしたか
ロッキー:全部で3人か
沢:ロッキーさん、武術の心得か何かは?
ロッキー:これでも元ホ゛クサーなんだぜ
沢:じゃあ後ろをお任せしますよ
ロッキー:二人も相手に出来るのか?
沢:私にはこれがありますんで
ロッキー:ステッキでか?棒術か何かか?
沢:ま、そんなようなもんです。タイミングは合わせてください
ロッキー:OK。やろうじゃないか

沢:すみません!ちょっとお手洗いに行きたいんですが!!
ロッキー:(なるほどね。古典的だけどいい手だ)
ハイシ゛ャックC:我慢しろ!
沢:分かりました

ロッキー:おいwwwwwwwwwwwwwwwww

379 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/05(土) 23:40:14 ID:cmUybPox0

ロッキー:随分場慣れしてると思ったらこれかよwwwwwww
ロッキー:しかし、どうしたもんかね。この状況

ロッキー:そんなんでいいのかよっ
沢:いいんですよ。これも策の内です
ロッキー:ほんとかよ。信じるぞ?
沢:合図するんでそれまで待ってください

沢:すみません!トイレ行きたいんですけど
ハイシ゛ャックB:黙れ!我慢しろ!
沢:すみません
ロッキー:(またかよwwwwwwwwwwwwwww)

沢:すみません!!トイレ行かせて下さい!!
ハイシ゛ャックB:しつこいぞ!!我慢しろ!!
沢:さっきから我慢してるんですけど、もう限界なんですよ!
ハイシ゛ャックA:さっきからうるさいから行かせてやれよ…
ハイシ゛ャックB:仕方ない野郎だ。こっちへ来い
沢:すみません
ロッキー:(なるほど、トイレだと信じ込ませるために何度も言った訳ね)

ハイシ゛ャックB:なんだそれは!
沢:ちょいと足が不自由なもんで。ステッキでさぁ
ハイシ゛ャックA:いいからさっさと行かせてやれ
ハイシ゛ャックB:分かってる。ほら、いk
ト゛サッ
ハイシ゛ャックA:どうした?
沢:さ、さぁ?急に倒れて

ロッキー:俺には見えたぜ。ありゃあ居合いだな

386 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/05(土) 23:50:46 ID:cmUybPox0

ロッキー:どうにもこうにも喰えないヤツのようだ
ロッキー:さて、俺も久々に拳を唸らせるとするか

ハイシ゛ャックA:なんだ?
沢:わ、分かりません。とにかくトイレっ!!

ハイシ゛ャックC:おい、何かあったか?

ハイシ゛ャックA:ちょっと来てくれ

ハイシ゛ャックC:どうした?
スタスタスタ

沢:チョイチョイ(今です!)
ロッキー:よしきた!そらっ!!
カ゛ッカ゛ッ
ハイシ゛ャックC:グッ……

ハイシ゛ャックA:貴さm……
ト゛サッ

沢:スチュワーデスさん、ロープかなんかあるかい?
ロッキー:沢、あんた居合やるのか
沢:これでも免許持ちでしてね
ロッキー:免許皆伝かよ。それに仕込み杖なんて良く持ち込めたな
沢:これですか?セラミックなんで金属じゃ無いんですよ。っととそうだ
ロッキー:な、なんだ?
沢:みなさーん、もう大丈夫ですのでゆっくりとお寛ぎ下さい

ロッキー:抜けてるように見せて、随分とヤリ手だな、こいつは

404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/06(日) 00:22:09 ID:gLabxg9t0

ロッキー:なかなかどうして強力な助っ人だ
ロッキー:最初は結構不安だったが、何とかなりそうだ

ロッキー:ちょっとした英雄気分だったな
沢:そうですね。けど失敗でしたね
ロッキー:まぁ、目立っちまったしな
沢:それ程心配する事も無さそうですけどね

ロッキー:ここがニューオーリンズか。初めて来るぜ
沢:私もです
ロッキー:VIP航空では来なかったのか?
沢:私はヨーロッパ線担当だったもので
ロッキー:そうかい。じゃあナビは期待出来ないか
沢:言葉が通じれば何とかなるもんですよ
ロッキー:そうだな。英語が通じるのは助かる


ロッキー:とりあえず寝床は確保出来たか
沢:すいませんね、安ホテルで
ロッキー:なに、まだ個室なだけマシさ
沢:ハハハ、正直ですな
ロッキー:好き好んでいい年した男と同室なんざしたくないさ
沢:同感です。で、これからですけど
ロッキー:あぁ。まさかマフィア相手に動く事になるとはな
沢:マフィアだけで済めばいいんですけどね
ロッキー:なんだ?もっとデカイのがいるってのか?
沢:それは分かりませんが、今の状況は一介のマフィアで出来る域を越えてます
ロッキー:なるほど。国家レベルの敵がいるかもって訳ね

ロッキー:とうとうこの最前線くんも世界の表舞台に立つ時が来たか!?

409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/06(日) 00:39:12 ID:gLabxg9t0

ロッキー:この間まで中東で写真とってたってのに
ロッキー:気付いたらアメリカくんだりでマフィア相手か

ロッキー:南米からの物資が集まるとは聞いた事があるがね
沢:そうですよ、ニューオーリンズってのはそう言う町です
ロッキー:メキシコからも人や物が流れ込んでるようだな
沢:えぇ。中には麻薬なんてのもね
ロッキー:ほう。あんた博識なんだな
沢:一応航空会社の社員でしたから。世界情勢はそれなりに
ロッキー:ヨーロッパ線じゃなかったのか?
沢:おっとばれましたか。来る前に海音寺翁に言われてちょいと勉強を
ロッキー:なるほど。それなら納得だ
沢:マフィアの根城はある程度辺りを付けていますが、まずは聞き込みですかね
ロッキー:そうだな。とにかく足を使っていこう
沢:捜査の基本ですね
ロッキー:そういやアンタ、足の方は大丈夫なのかい?
沢:あぁ、ありゃ嘘ですよ。この方がコレを持ち歩いてても説明付くもんで
ロッキー:それにしたって動きが自然過ぎる。不自由にしか見えないぞ
沢:長年の鍛錬の賜物ですよ
ロッキー:まったく恐れ入るね。なんだって航空会社なんかにいたんだか

ロッキー:とにかく今日はもう遅いし調査は明日にするか
沢:そうですね。なんだかんだで疲れましたし
ロッキー:んじゃコレだな
沢:なんですか?
フ゜シュッ…シュワワワワワワ
ロッキー:やらないか
沢:ま、飲み過ぎない程度ならいいでしょ

ロッキー:あいつらも頑張ってるのかね?

429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/06(日) 01:32:30 ID:gLabxg9t0

ツン:まったくどうしてこう波乱万丈なのかしら
ツン:けど、やる事はやるわ。それが私の使命だから

ツン:安田さん、またお世話になるわ
安田:分かっておりますわ、お嬢様
ツン:忙しくなるわ。まずは知名度を上げないとね
安田:会社役員の秘書から政治家候補の秘書とは思いませんでしたわ
ツン:私だって驚いてるわ。けど必要なのよ
安田:国を動かす事になるとそうですわね
ツン:この国は海音寺のお爺様の方で何とかなるのだけどね
安田:外国は外交が必要ですものね
ツン:まずは立候補の準備を進めましょう
安田:そうですわね。ボランティア活動をはじめ、沢山する事がありますよ
ツン:そうね、忙しくなりそうだわ。けど、頑張らないと
安田:フ゛ーンさんも頑張ってますものね
ツン:ア、アイツのためなんかじゃないわよっ
安田:そう言う事にしておきましょうか

美鈴:凄い反響ですね、安田さん
安田:お嬢様ですもの。これくらい当然です
美鈴:財界をはじめ、マスコミもかつてない注目度です
安田:あの美貌にあの才能ですもの。素質は充分ですわ
美鈴:まったくですね。政界もお爺様の力で何とでもなりますもの
安田:良かったら美鈴さんもプロデュースしてあげますわよ
美鈴:今は…遠慮しておきます

ツン:安田さん、そう言えばスローガンは決まって?
安田:もちろん。お嬢様らしい言葉をチョイスしましたよ

ツン:まだまだこれからよ!さっさと国家レベルでの発言権をゲットするのよ!

448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/06(日) 01:59:55 ID:gLabxg9t0

ツン:それなりに自信はあったけど、これは予想外だわ
ツン:いきなり雲の上に登ったようで、ドキドキするわ

美鈴:これはさすがに予想外でした
安田:でしょう?私は予想通りで笑いが止まりませんわ
美鈴:これ程、あの人を表している言葉はありませんものね
安田:ポスター一面に踊る文字と、お嬢様のはにかみ顔
美鈴:「あ、あなた達のためじゃないんだからねっ!」ですものね
安田:本音が出てるでしょう?
美鈴:そうですね。そこに共感できるからでしょうか

ツン:ふぅ、次は何かしら?
安田:次はこの間の津波被災地の視察ですね
ツン:足は?
安田:コミューターです。報道陣と共に
ツン:久し振りに空ね
安田:そうですね。今までは陸路だけでしたし
ツン:久し振りに真っ白い雲を見たいものだわ


ツン:コミューターなんて何年振りかしら
安田:大型旅客機か自家用軽飛行機がほとんですものね
ツン:私はこのこじんまりした居住いが結構好きよ
安田:久し振りの空、楽しみながら行きましょう
ツン:そうするわ

カ゛イト゛:間もなく離陸です。お気を付けて下さい
ツン:この緊張感も久し振りね

ツン:フ゛ーン、あなたは今も同じように空を飛んでいるのかしら?

461 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/06(日) 02:29:11 ID:gLabxg9t0

ツン:自分で操縦とは行かないけど、空はいいわ
ツン:白い雲が広がるのを見るのは本当に好きだわ

記者A:津雲さん、飛行機は如何ですか?
ツン:元航空会社の役員ですのよ、飽きる程乗ってきたわ
記者A:そ、そうですか
ツン:けど、空は好きよ

ツン:到着はあとどれくらいになるかしら?
安田:そうですね、一時間くらいでしょうか
ツン:速いものね
安田:戦闘機はもっと速かったのでは?
ツン:そう言えばそうだったわ

カ゛イト゛:ど、どなたか!どなたかお医者様はおられませんか!?
ツン:どうしたの?今日はほとんど報道関係者しか乗っていないわよ
カ゛イト゛:そ、それが、機長と副機長が!!
ツン:な、なんですって!?
安田:コクピットに!男の方もどなたか一緒に!!

ツン:気を失ってるわ!誰か力のある人、機長たちを寝かせて!!
記者B:はいっ!!

ツン:安田さん、そちらは頼むわよ
安田:二人は食中毒のようで、危険な状態です。救急車の手配を
ツン:分かったわ……コントロール!コントロール!!こちら……

ツン:こんな時にいけない事だけど、操縦桿を握った時に心が躍ったわ
ツン:お父様の子なんだって改めて実感してしまったわ

467 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/06(日) 02:41:05 ID:gLabxg9t0

ツン:あの事件以来、マスコミが凄い騒ぎようだわ
ツン:予想よりずっと早く、達成できるかもしれないわね

ツン:見て、安田さん
安田:凄いですわね。ほとんどの新聞の記者がいましたものね
ツン:これも安田さんの予想通り?
安田:まさか。幾らなんでもそれは考え過ぎですわ
ツン:そうかしら?安田さんなら何でもやってしまいそうだわ
安田:必要なら何でもして見せますとも。ただ一つ、私にもままならない事がありますわ
ツン:安田さんでもさすがにあるのね
安田:結婚相手だけはどうにもなりません…ハァ……
ツン:あら、あの沢さんって人は?コワモテだけど、誠実な人だったわよ
安田:だってあの人、初対面でプロポーズですよ!!
ツン:それだけ安田さんが魅力的ってことじゃない
安田:馬鹿にするにも程がありますわっ!

ツン:けど、これなら予想よりずっと早く達成できそうね
安田:まだまだこんなもんじゃありませんよ
ツン:頼もしいわね
安田:いざとなれば日本を牛耳るだけの準備をして見せますわ
ツン:さすがにそこまではいいわ……
安田:冗談ですよ。けれど、私たちに時間が少ないのも事実ですわ
ツン:そうね。頼りにしているわ
安田:お任せください
ツン:(きっとこのスケールの大きい所が男の人を寄せ付けないのね)

ツン:さぁ、次はどこかしら?
安田:次は老人ホームの慰問です。張り切っていきましょう!

ツン:私も頑張ってるんだから、フ゛ーン、あなたも頑張りなさいよ!

474 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/11/06(日) 02:58:02 ID:gLabxg9t0

( ^ω^)ト゛クオ…今度会うときは戦いたくないお
( ^ω^)俺は生き残るんだお!

死線を越えた戦士たちに一時の休息が訪れる
地獄の一丁目と呼ばれたエリアVIPも一時の静寂に包まれた

FOX:父上!もはや我々が戦っている意味は無い!!

静かになった戦線に見え隠れする世界大戦の遺物
目に見えない所で幾つもの国をまたがって暗躍する悪意

ロッキー:ついにネタを掴んだぞ!!

それに対抗する者たちは静かに行動を開始した
そしてその力は少しずつ世界を動かす奔流となる

ツン:いい!?これはあなたの国の問題でもあるのよ!!

鈍色の翼は今日も様々な思いを載せて戦場を飛び交う

(´・ω・`)まだまだ、この戦いは続く…けど、死ねない!

死に急ぐ者、生き残る者、どちらが楽な道なのか

( ^ω^)死ねない……死ねないんだお!!
ツン:まだよ!私に会うまで絶対に死んではダメよ!!

砂漠はいずれ彼らを呼ぶ。空はいずれ彼らを呼ぶ
再び合間見えるその日まで、二人は同じ空を飛び続ける
次回、君は砂漠の哀哭を聞く……

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