2 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 00:34:04.24 ID:33TZxhQf0
ーーー留置所 面会室ーーー
(,,゚Д゚)「・・・フサギコさん」
ミ,,゚Д゚彡「よぅ、久しぶりだな、ギコ」
暗くじめじめとした狭い部屋。
分厚いガラスの向こう側。フサギコは手を上げてギコに合図する。
(,,゚Д゚)「それに・・・ブーンも」
(;^ω^)「せ、先輩・・・」
(,,゚Д゚)「は・・・」
強く、短く
ギコは息を吐いた。
(,,゚Д゚)「みっともねえかねえ、俺」
(;^ω^)「いや、そんなこと・・・」
ミ,,゚Д゚彡「マジにやっちまったのか、お前が」
(,,゚Д゚)「・・・そうっすよ」
少し不機嫌そうに、彼は呟いた。
ぽつりぽつりと、しかし全てを。
ギコはフサギコに話す。
ミ,,゚Д゚彡「へぇ・・・」
無感動そうに、フサギコは呻いた。
(,,゚Д゚)「・・・まぁ、そういうことですよ。軽蔑でも絶縁でもなんでもしてください」
彼は半ば、自暴自棄になっていた。
・・・当然かもしれないが。
しかしそんなギコに、ブーンは多少の不快感を覚えていた。
( ^ω^)「・・・・・・・」
4 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 00:35:27.00 ID:33TZxhQf0
数瞬の静寂の後、フサギコは弱く、長く溜息をついた。
ミ,,゚Д゚彡「絶縁も軽蔑でもしねえよ・・・したところで何になるってんだ」
(,,゚Д゚)「むしろしないといけないんじゃないですか?」
ミ,,゚Д゚彡「おいおい・・・」
(,,゚Д゚)「フサギコさん、大金持ちですしね」
(;^ω^)「え、そうなんですかお?」
ほんの少し、衝撃だった。
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・」
(,,゚Д゚)「フサギコさん、こう見えてすっげえ資産家なんだぜ?」
ミ,,゚Д゚彡「だからそれを軽々しく言うなっての・・・壁ができちまうだろ、壁がよ」
(;^ω^)(た、確かにお金持ちに無礼なことは言えないお・・・)
ギコが先程から従兄弟であるフサギコにブーンが聞いたことのないほど馬鹿丁寧な敬語を使っているのもそれと関係しているのだろうか。
(,,゚Д゚)「まぁそりゃそうかもしれませんけどね・・・いいじゃないですか。金持ちの道楽ってことで」
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・・」
(,,゚Д゚)「ほら、裏での取引もやりたい放題でしょ?」
またフサギコは、深く溜息をついた。
5 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 00:36:32.79 ID:33TZxhQf0
(,,゚Д゚)「噂じゃ最近は何かの伝説についての研究に没頭してるんですって?」
陽気にギコは話しかける。自分が捕まっていることなど忘れているかのように。
ただの現実逃避かもしれないが。
ミ,,゚Д゚彡「あ、あぁ・・・まぁ」
(;^ω^)「研究?」
ミ,,゚Д゚彡「あぁ、そうだ」
ブーンの問いに対して彼はそこで言葉を切る。
それ以上話すつもりはないようだ。
(,,゚Д゚)「・・・そういえば」
少し、ギコの口調が真面目なそれに戻った。
(,,゚Д゚)「ブーン」
( ^ω^)「?なんですかお?」
(,,゚Д゚)「どうなってる・・・例の事件は」
( ^ω^)「・・・・・・・」
7 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 00:38:02.23 ID:33TZxhQf0
(,,゚Д゚)「いやすまねえな・・・俺はもう関わることができねえし、それ以前に関わる資格もないんだが・・・せめて・・・な」
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・」
( ^ω^)「・・・今、この街は大変なことになってるお」
(,,゚Д゚)「らしいな・・・ここにいる奴らの空気も半端なく重い・・・それに」
(,,゚Д゚)「人手不足なんだってよ」
( ^ω^)「・・・・・・」
彼はさらりと言ってのけたがその真意は言わずもがな
多数の警官が、殺されたということである。
(,,゚Д゚)「とりあえず、詳しく聞かせてくれるか?」
( ^ω^)「わかったお」
・・・
・・
・
8 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 00:39:40.05 ID:33TZxhQf0
(,,゚Д゚)「・・・へぇ、本当にあったのかよ、ハーメルンの笛」
( ^ω^)「街中の子供達が暴徒・・・猛獣と化してますお。でも今は、行方不明になってますお」
(,,゚Д゚)「行方不明・・・?」
( ^ω^)「そうですお」
(,,゚Д゚)「百人単位で行方不明・・・まったく、警察は何やってんだか」
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・あれだ」
不意に、フサギコが口を挟んだ。
(,,゚Д゚)「ん?」
ミ,,゚Д゚彡「今回の事件、お偉いさんは見逃してるよ」
(,,゚Д゚)「見逃す・・・?」
ミ,,゚Д゚彡「面子ってやつだ。子供達が暴徒化して大量殺人なんざ・・・客観的に見れば恥でしかねえ。今朝辺りからマスコミの報道も規制されてる」
その世界の人間だからだろうか、彼はやけに詳しかった。
ミ,,゚Д゚彡「だから警察の増強も無い。そのうち、隔離されるかもわからんね、この街」
その時
ガン、と鈍い音が響いた。
ギコが目の前のガラスの壁を、殴りつけたのだ。
(,,゚Д゚)「は・・・はは・・・」
そして、笑う。
ブーンは悪寒を覚えた。
その笑い声は、ヒッキーを殺した直後のそれと、酷似していたからだ。
慌てて静止しようとする監視員を彼は押しとどめる。
(,,゚Д゚)「はぁ・・・ったく・・・」
(,,゚Д゚)「色々腐ってるねえ、やっぱり」
9 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 00:40:34.45 ID:33TZxhQf0
ーーー留置所 廊下ーーー
もう時間だと監視員に告げられ、フサギコとブーンは渋々と面会室を後にした。
ミ,,゚Д゚彡「・・・ハーメルンの笛ってのは?」
出口へと向かう廊下の途中で、フサギコはブーンに話しかけた。
( ^ω^)「この街で起きている異変の・・・原因だお」
ミ,,゚Д゚彡「なんでそんなこと、お前が知ってるんだ?」
( ^ω^)「え・・・」
思わずブーンは言葉に詰まる。
その声がいやに、重苦しかったからだ。
ミ,,゚Д゚彡「どうなんだ?」
(;^ω^)「その・・・あ、ある人に聞いたんだお」
ミ,,゚Д゚彡「聞いた?」
(;^ω^)「そうだお」
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・」
その言葉を聞いたきり、フサギコは黙り込んでしまった。
なんとなく冷たい雰囲気を漂わせつつ、足音を響かせながら廊下を進む。
やがて外への扉・・・という時に
???「すみません!」
妙な口調の言葉が、聞こえてきた。
10 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 00:41:42.64 ID:33TZxhQf0
( ^ω^)「・・・?誰だお?」
( ><)「じ、自分、刑事の、わかんないです!」
(;^ω^)「わ、わかんない?」
( ><)「わかんないっていう、名前なんです!」
(;^ω^)「は、はぁ・・・」
( ><)「よろしくお願いします!」
(;^ω^)「よ、よろしくお願いしますお」
ミ,,゚Д゚彡「やたら元気だなおい・・・」
( ><)「げ、元気じゃないです!街がこんな状況になってて、ビックリしてます!」
ミ,,゚Д゚彡「あ、あぁ・・・そうか」
ブーンもフサギコも、気圧されっぱなしだ。
(;^ω^)「で、なんの用ですかお?」
( ><)「は、はい・・・ええと」
( ><)「こ、この街から早く、逃げたほうがいいと思います」
(;^ω^)「え・・・」
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・お前、お偉いさんの決定、知ってるのか」
( ><)「は、はい。小耳に挟んじゃいました」
(;^ω^)「やっぱり・・・この街は見捨てられちゃうのかお?」
( ><)「見捨てられるというか・・・すでに、見捨てられています」
(;^ω^)「!」
( ><)「事情を知っている警察官のほとんどがもう、郊外に逃げ出す準備を始めています・・・事態は深刻なんです」
11 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 00:42:31.40 ID:33TZxhQf0
事態は深刻・・・そんなことはわかっている
しかし
(;^ω^)「あまりにも無責任過ぎないかお?警察なのに・・・」
( ><)「・・・それは僕も思います」
(;^ω^)「・・・・・・・」
ミ,,゚Д゚彡「しかしまぁ・・・お偉いさんは何を考えてるんだろうね。このまま事態が終息するとでも・・・まさかねえ」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ><)「と、とにかくそういうことなので、逃げるなら今のうちです!というか、逃げてください!」
(;^ω^)「わ、わかったお・・・」
( ^ω^)「そういえば、あなたは逃げないんですかお?」
( ><)「じ、自分は・・・その・・・」
( ><)「大事な用事を残してますから」
ミ,,゚Д゚彡「へぇ・・・命より大事な、か?」
( ><)「そ、そういわれると悩んじゃいます・・・でも・・・」
( ><)「大事な、用事なんです」
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・」
(;^ω^)「・・・そうかお」
( ^ω^)「頑張れお」
( ><)「はい!」
何故かその時
ブーンの心に光が芽生えた。
わかんない刑事の熱意のようなものに引かれたのだと言えば
ただの青臭い心情変化で片付けられてしまうのだろうか。
12 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 00:44:16.81 ID:33TZxhQf0
ーーー路上ーーー
/ ,' 3 「・・・実はですね」
(´・ω・`)「はい?」
ブーンの家へと向かう道の上で
荒巻が独り言のように呟いた。
敏感に反応するしょぼん
/ ,' 3 「私、フサギコさんと同郷の仲とかではないんですよ」
(´・ω・`)「そ、そうなんですか?」
/ ,' 3 「彼の下で働いてるんですよね、私」
事も無げに彼はそういった。
しかし何ゆえ今頃になってそんな事を言い出したのだろうか
・・・と、考えれば答えは明らかだ。
この沈黙に耐えられなかったのだろう。
事実、ここまで歩いてくる途中に会話は一切無かった。
何か話題をと求めた先に行きついたのがこれだったのだろう。
しょぼんはなんとも言えない複雑な気分になった。
(´・ω・`)「でも、さっきはなんであんなことを?」
/ ,' 3 「深い理由は無いですよ・・・ただ、フサギコさんは自分が偉いということが気に入らないみたいで」
(´・ω・`)「偉いんですか?あの人」
/ ,' 3 「随分な資産家で・・・結構有名な人なんです・・・ここだけの話、政治家ともつながってたり」
(´・ω・`)「は、はぁ・・・」
13 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 00:45:26.74 ID:33TZxhQf0
(´・ω・`)(そこまでしゃべっていいのかなあ?)
そんな事をしょぼんが思ってしまうのも当然のことだろう。
ペラペラと饒舌に、目を輝かせて荒巻は話している。
しょぼんと出会えた嬉しさで見境が無くなっているのかもしれない。
/ ,' 3 「まぁそんな人ですから余裕もあるわけで・・・ですから、私のような者を雇って私的に研究などを行っているわけです」
(´・ω・`)「は、はぁ・・・ええと、その」
/ ,' 3 「それで・・・あ、どうかしましたか?」
なんとか流れを変えなければと、彼も何か話題を探す。
(´・ω・`)「その・・・フサギコさんの下で、ハーメルンの研究をしていたんですか?」
/ ,' 3 「・・・・・・」
途端に彼は黙り込んだ。そしてその表情が、みるみるうちに硬くなっていく。
/ ,' 3 「・・・そうですよ」
(´・ω・`)「フサギコさんがハーメルンの笛に興味を?」
/ ,' 3 「え、えぇ」
(´・ω・`)「・・・・・・」
(´・ω・`)(タイミングがよすぎるような気がする・・・)
そんな思念がポコリと浮かび上がる
(´・ω・`)「それで・・・僕に何を話そうとしてたんです?」
/ ,' 3 「・・・・・・・」
/ ,' 3 「もう少し落ち着いた場所でお話したかったんですけどね」
溜息混じりに荒巻は言う。
(´・ω・`)「は、はぁ・・・それはどうも・・・」
/ ,' 3 「・・・まぁいいですよ。あそこで話しませんか?」
そう言って荒巻は、彼方に見える公園を指差した。
18 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 00:52:39.11 ID:33TZxhQf0
ーーー公園ーーー
夕暮れももうすぐ終わり夜が訪れようとする公園
さすがに、誰もいない。
(´・ω・`)「この公園・・・」
/ ,' 3 「?」
(´・ω・`)(事件のあった・・・あの・・・)
(´・ω・`)(立ち入り禁止とかにしなくていいのかな・・・)
感慨に浸る暇も無く、荒巻が話しかけてきた。
/ ,' 3 「どうかしましたか?」
(´・ω・`)「あ、いいえ、別に・・・」
/ ,' 3 「・・・あ、あのベンチにしましょうか」
・・・
・・
・
/ ,' 3 「・・・私がこれから話すことは仮説でしかありません」
(´・ω・`)「・・・・・・」
/ ,' 3 「しかし、真実に限りなく近いという自信はあります」
19 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 00:59:05.54 ID:33TZxhQf0
/ ,' 3 「ネズミ退治をしたのに報酬がもらえず、怒った笛吹きが子供達を連れ去った・・・これが、語り継がれているハーメルンの笛吹きの概要です」
彼は語り始める
/ ,' 3 「しかしこれでは物語の範疇を超える事はできません。笛で連れ去るなんて、あまりにも非現実的ですから」
(´・ω・`)「・・・・・・・・」
このときしょぼんは気付いた。
荒巻は、本当の事実を知っているわけではないということ。
つまり、彼の話すことはどう転がっても真実ではないということになる。実際に、笛は存在するのだから。
しょぼんは半分がっかりし、半分ホッとしていた。
20 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 01:04:13.28 ID:33TZxhQf0
/ ,' 3 「しかし、その時代にハーメルンで子供達がいなくなったというのは紛れも無い事実です・・・これは、記録として残っています」
なおも彼の言葉は続く
いや、これからが本番なのだろうか
/ ,' 3 「そこで考えられるのは当時の時代背景と照らし合わせた様々な仮説・・・例えば」
/ ,' 3 「植民、十字軍、伝染病などです」
/ ,' 3 「・・・しかし私はこれらは全て真実ではないと考えています」
/ ,' 3 「どれをとってみても、子供だけが大勢、それも一人残らず完全に消失できるような事象とは考えにくいからです」
(´・ω・`)「・・・・・・」
知識人というものは、かくもややこしく説明したがるものだ。
21 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 01:08:48.11 ID:33TZxhQf0
(´・ω・`)「ではあなたは、どのような仮説を立てているのですか?」
/ ,' 3 「・・・ハーメルンでとある碑文が発見されました」
/ ,' 3 「1284年、ヨハネとパウロの日
6月の26日
あらゆる色で着飾った笛吹き男に
130人のハーメルン生まれの子供らが誘い出され
コッペンの近くの処刑場でいなくなった」
(´・ω・`)「・・・・・・」
/ ,' 3 「・・・と、碑文に書いてある文章を訳するとこんな感じになります」
(´・ω・`)(どこかで見たような・・・)
23 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 01:14:00.49 ID:33TZxhQf0
/ ,' 3 「ちなみにヨハネとパウロの日とは、祭りの日を意味するようです」
(´・ω・`)「・・・・・はぁ」
/ ,' 3 「まぁそれはどうでもよくて・・・この碑文の文章で私が注目したのは」
/ ,' 3 「処刑場」
(´・ω・`)「・・・・・・・」
/ ,' 3 「この文章をそのまま読み取ると、処刑場で突然、消失したということになります」
(´・ω・`)(処刑場・・・処刑・・・)
(´・ω・`)(処刑・・・悪を裁いて・・・正義を示す・・・場所・・・)
(´・ω・`)(・・・!)
(´・ω・`)(もしかして・・・!)
彼の頭の中で、複数の欠片が繋がった。
24 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 01:17:56.88 ID:33TZxhQf0
/ ,' 3 「もしもし?しょぼんさん?」
(´・ω・`)(この考えが正しければ・・・)
(´・ω・`)(ハーメルンの・・・本当の意味・・・)
/ ,' 3 「聞いてますか?」
そこですくっと、しょぼんは突然立ち上がった。
/ ,' 3 「うわっ、ど、どうかしまし」
(´・ω・`)「荒巻さん」
/ ,' 3 「は、はい?」
(´・ω・`)「ありがとうございました」
そして頭を下げるしょぼん。
/ ,' 3 「え、あ、いや、その、まだ話は終わってな」
その言葉を最後まで聞くことなく
しょぼんは反転し、その場を去ってしまった。
/ ,' 3 「えー・・・」
ぽつりと独り残された荒巻
/ ,' 3 「・・・・・・・・」
知識人とは、かくも理解しがたいものである。
25 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 01:23:02.16 ID:33TZxhQf0
ーーー路上ーーー
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・」
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・・」
(;^ω^)「・・・・・・・」
こちらもまた、重苦しい雰囲気が漂っていた。
しかし突然、フサギコが口を開いた
ミ,,゚Д゚彡「・・・一つ、聞きたいことがあるんだが」
(;^ω^)「え」
ミ,,゚Д゚彡「さっき言ってたハーメルンのこと・・・しょぼんって奴も知ってるのか?」
(;^ω^)「あ、あ、はい、知ってると思いますお」
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・・」
眉間にしわがよっている
そしてその直後、フサギコは足を速めた。
(;^ω^)「わ、ちょ」
ミ,,゚Д゚彡「急ぐぞ」
まるで自分に言い聞かせるかのように、彼は呟いていた。
26 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 01:25:06.42 ID:33TZxhQf0
ーーー公園前 路上ーーー
ミ,,゚Д゚彡「あ」
そこで彼は、座り込んでいる荒巻を見つけた。
(;^ω^)「あれ?荒巻さん一人だけかお?」
ブーンがそんなことを呟いている時には既に
フサギコは走り出していた。
(;^ω^)「あぁ、待ってくださいお!」
・・・
・・
・
27 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 01:27:58.30 ID:33TZxhQf0
ーーー公園ーーー
ミ,,゚Д゚彡「おい、荒巻!」
必要以上に肩を揺さぶり、怒鳴るフサギコ
/ ,' 3 「うわっぷ・・・き、聞こえてます聞こえてます」
なんとか答える荒巻。
ミ,,゚Д゚彡「しょぼんは?」
/ ,' 3 「・・・知りませんよ、なんか私の話の途中で、どこかに行っちゃって」
ふてくされたように荒巻は答える
どうやら今まで落ち込んでいたらしい。
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・・ッ!」
( ^ω^)「・・・・・・・あの、どうかしまし」
ミ,,゚Д゚彡「ブーン、ここでわかれようか」
(;^ω^)「え」
ミ,,゚Д゚彡「荒巻としなきゃいけねえことがあったんだ」
その口調は高圧的で、有無を言わそうとは毛頭考えていないようだった。
28 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 01:31:51.97 ID:33TZxhQf0
(;^ω^)「わ、わかりましたお」
ブーンとしても、拒否する理由は無い。
ミ,,゚Д゚彡「それじゃぁな」
フサギコはそれだけ言った。
ブーンは足早に、その場を後にする
(;^ω^)(なんか・・・変な人たちだお・・・)
そんなことを
思いながら
29 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 01:34:50.89 ID:33TZxhQf0
・
・・
・・・
ミ,,゚Д゚彡「おい」
ブーンが完全に見えなくなってから、フサギコは口を開いた。
/ ,' 3 「はい?」
ミ,,゚Д゚彡「しょぼんと何を話した?」
/ ,' 3 「私の仮説を披露していただけです・・・それも、途中まで」
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・・・」
/ ,' 3 「・・・フサギコさぎゅむっ!?」
呼びかけようとした荒巻の頭に何故か、フサギコの拳が落下した。
/ ,' 3 「いだ・・・」
ミ,,゚Д゚彡「・・・クソ馬鹿が・・・」
・・・
・・
・
30 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 01:37:30.20 ID:33TZxhQf0
ーーー???ーーー
???「言い訳ですか?今更」
???「言い訳?俺が何か言い訳しなきゃいけねえことでもあるってのか?」
???「そうは言ってませんがね・・・こうやって電話をしてきたってことは何か失態を犯したんでしょう?」
???「・・・・・・・・」
???「・・・まぁいい。こちらは順調ですし、ね」
???「俺だって、十分にやってきたつもりだが?」
31 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/04(日) 01:39:12.34 ID:33TZxhQf0
???「わかってますよ・・・正直、手持ち無沙汰だったもので、あなたからの指示がいただけるとわかって安心しています」
???「・・・・・・・・・」
???「さぁ、気まぐれな人・・・失態の報告と、命令をどうぞ」
???「・・・・・・・あぁ」
・・・
・・
・