46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 11:28:41.73 ID:lhhi4eEd0
周りの喧騒はより一層激しくなった。
ある者は悲鳴を上げ、ある者はパニックを起こし皆散り散りに逃げ出した。
手をかざし放たれる黒い球体。
ブーンはしゃがんでソレをかわした。
「ぎゃっ!!」
「あぐっ!!」
(;^ω^)「!!」
('A`)「ハハッ!! そうかお前もか!!」
ドクオは両手を使い、次々と球体を放ってきた。
「いやあああああああっ!!」
「ぐえっ!!」
(;^ω^)「ドクオ!! やめるお!!」
('A`)「見せてみろよ!! お前はどんな能力なんだ!?」
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 11:29:21.17 ID:lhhi4eEd0
ドクオは胸の前で手のひらを合わせた。
そしてゆっくりと離していく。
その中心に黒く光り輝く、一回りも二回りもでかい球体が出現した。
('A`)「ハッハァ!!」
(;^ω^)「うわっ!!」
黒い球体はブーンをかすめ、ロータリーを飛んでいく。
そのままビルの壁に激突し、爆発を起こした。
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 11:30:00.09 ID:lhhi4eEd0
駅前は見るも無残な有様だった。
そこかしこでうめき声が聞こえる。
(;^ω^)「……クオ…………」
('A`)「あ?」
(#^ω^)「ドクオーーーーーーッ!!!!!!!」
('A`)「!! っぐ!!」
思い切り加速のついた拳を受け、ドクオはまたふき飛ばされた。
(#^ω^)「何トチ狂ったことしてんだお!! いい加減にしろお!!」
('A`)「く……ふふ」
(#^ω^)「何がおかしいんだお!!」
('A`)「いいじゃねえか別に。一般人が何人死のうが知ったこっちゃねえ。そうだろ?」
(;^ω^)「……!! お前……!!」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 11:30:32.36 ID:lhhi4eEd0
('A`)「俺らは選ばれた人間なんだよ。特別な存在なんだ。自分の力を好きなように使って何が悪い!!」
(;^ω^)「……目を覚ますおドクオ!! こんなこと間違ってるお!!」
('A`)「いい子ぶってんじゃねえよ。お前にも力があるならわかるだろ? この高揚感……」
('A`)「お前なら分かるだろブーン!! コレは復讐なんだよ!! 俺らを追いやった社会に!! 世界に!!」
そう言って黒い球体を四方八方に乱射するドクオ。
(;^ω^)「ドクオ……ドクオ目を覚ませお!!」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 11:31:49.03 ID:lhhi4eEd0
∞「やれやれ……大変な事になってるね」
(;^ω^)「!! ムゲン!!」
∞「このままだと被害は拡大する一方だよ。早くなんとかするんだ」
(;^ω^)「なんとかったって……ドクオは友達だお!! 殺すことなんて出来ないお!!」
∞「ちょ、君はなかなか考え方が物騒だな。気絶させるなりなんなり、方法はあるだろう」
(;^ω^)「そ、そうか!! 把握したお!!」
気絶させるつもりで放った右の拳。
しかし、それはドクオに届くことなく、突如現れた男によって止められた。
ブーンの右腕を掴む男。
無表情なその男は、
(´<_` )「何をやっとるんだドクオ」
親友の名前を口にした。
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 11:32:42.80 ID:lhhi4eEd0
(´<_` )「おふざけがすぎるぞ。お前、顔合わせもまだだろう」
('A`)「弟者……さん」
(;^ω^)「だ、誰だお貴様!!」
弟者と呼ばれたその男は、ブーンの腕をつかんだままドクオに話しかけた。
(´<_` )「勝手な事をされちゃ困るんだよ」
('A`)「すいません……」
(#^ω^)「無視すんじゃねえお!!」
弟者の腕を振り払う。
予想外の怪力にたじろいだ弟者は、しかし冷静にドクオに言った。
(´<_` )「なんだこの白豚は……おいドクオ、お前の友達か?」
('A`)「は、はい。それで弟者さんにお願いがあるんですが……」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 11:33:19.36 ID:lhhi4eEd0
(´<_` )「……この男も入れてほしいってか?」
('A`)「お願いします。コイツも能力者みたいなんです」
(#^ω^)「何勝手に話し進めてんだお!! なんのことだお!!」
('A`)「なぁブーン……お前も来いよ。一緒にこの世界を変えるんだ」
(;^ω^)「……っ!?」
∞「……」
∞「(……違う……コイツじゃ……ない)」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 11:33:50.97 ID:lhhi4eEd0
(;^ω^)「まだ言うのかお……いい加減目を覚ますお!!」
('A`)「俺ら能力者が協力すれば、不可能なんて事はないさ」
(;^ω^)「なに!?」
('A`)「組織を作るんだよ。選ばれた人間だけの組織だ」
(´<_` )「……やめとけドクオ。コイツはそんな気は更々ないようだ。それに……」
∞「!!」
(´<_` )「この蝿はなんだ? お前の仲間か白豚」
弟者はムゲンを捕らえ、握りつぶした。
開かれた手の平からは潰された蝿の死骸が落ちてきた。
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 12:28:22.27 ID:lhhi4eEd0
(;^ω^)「ムゲン!! 貴様ァッ!!」
(´<_` )「身の程を知れ豚が……」
(;゜ω゜)「うぐっ!!」
次の瞬間。
弟者の顔を殴ろうとしたブーンの拳は空を切り、体は上空へと吹き飛ばされた。
(;゜ω゜)「なんだ……お……今のは……」
(´<_` )「おいドクオ。早く撤収するぞ」
('A`)「はい……」
(;゜ω゜)「待つお……クソッ……」
(´<_` )「兄者も今頃はカンカンだ。多少のお叱りは覚悟するんだな」
('A`)「……」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 12:30:43.49 ID:lhhi4eEd0
(;゜ω゜)「ドクオ!! 行っちゃダメだお!!」
ブーンにはわかっていた。
弟者の下へ行ってしまえば、ドクオはもう戻ってこれない事。
そして今の自分ではドクオを取り戻す力がない事。
(;゜ω゜)「……クソッ、もっとだ!! もっと強く、もっと早く!!」
ブーンが加速する。
(;゜ω゜)「もっと強く!!」
腹までだった紋様は上半身を覆い、腕や顔にまで現れた。
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 12:31:32.22 ID:lhhi4eEd0
(´<_`;)「なっ!? 速
(#^ω^)「うおおおおおおおお!!」
ブーンの能力は明らかに黒い紋様の量に比例していた。
そう思わせる程、スピードは先程との比ではなかった。
(´<_`;)「っぐふぅ!!」
ガードした腕ごと吹き飛ばされる弟者。
('A`)「弟者さん!!」
(´<_`;)「っぐぅ……貴様……豚の分際で……っ!!」
「うわぁ〜」
(;^ω^)「!! 誰だお前ら!!」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 12:31:54.02 ID:lhhi4eEd0
(’e’)「うわぁ〜」
「フハハ!! だから仕事は全部ウリに任せろって言ったニダ!!」
<ヽ`∀´>「情けないニダ!!」
「弟者何してるモナ」
(´<_`;)「む……」
( ´∀`)「ドクオの暴走を止めにきたお前が暴走してどうするモナ」
(´<_`;)「……くっ」
(´<_`;)「白豚!! この痛み……覚えておくぞ!!」
(;^ω^)「あ、待てお!!」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 13:27:10.08 ID:lhhi4eEd0
( ´∀`)「モナー……」
<ヽ`∀´>「ニダー……」
(’e’)「うわぁ〜……」
(;^ω^)「ま、待つお!!」
('A`)「ブーン……」
('A`)「お別れだ……お前もいつか気づくだろ。その能力を無駄使いしてるってコト」
( ;ω;)「ダメだお!! ドクオ行っちゃダメだお!!」
('A`)「いつでも来いよ。待ってるぞ」
( ;ω;)「ドクオーーーーッ!!」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 13:27:33.85 ID:lhhi4eEd0
( ;ω;)「クソッ、ドクオ……お前は……」
ざわ……ざわ……
いなくなった5人の跡は、倒れこむ人々のうめき声。
周りを10人以上の警官に囲まれていた。
( ;ω;)「……」
「……ーン……」
( ;ω;)「……?」
∞「ブーン!!」
( ;ω;)「ムゲン!? お前潰されたんじゃ……」
∞「言ったろう。この姿は本体じゃないって」
∞「それより早くこの場から逃げたほうがいい」
( ;ω;)「お……」
(;^ω^)「……わかったお」
思い切り空高く飛び上がる。
上空からは、ドクオが引き起こした惨劇が一望できた。