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母親に別れの挨拶を済ませて、クーとしょぼんは各々の帰路につこうとする
(´・ω・`)「家出なのかな・・・まさかブーンが・・・」
川゜−゜)レ「許さない」
(´・ω・`)「え?」
川゜−゜)レ「私を置いてどこかに行ってしまうなど・・・許せるものではない・・・!」
(´・ω・`)「・・・・・・・」
川゜−゜)レ「探しに行く」
(´・ω・`)「え・・・どこに?」
川゜−゜)レ「わからない!・・・手当たり次第だ」
(´・ω・`)「・・・・・」
いつのまにか、クーの目は潤んでいた。
(´・ω・`)(・・・いいなぁ、ブーン)
- ・・・・・・
(,,゜Д゜)「半年前、俺は死んだ」
唐突にそんな言葉を出したギコ。
そんな彼を、ブーンは黙って見つめていた。
(,,゜Д゜)「自殺しようとしたんだ。高層ビルからまっさかさま……普通、死ぬだろ?」
( ^ω^)「・・・・・・」
(,,゜Д゜)「だが俺は死ななかった。運悪くな・・・だが、瀕死だった」
(,,゜Д゜)「血はダラダラでてるしあちこち骨折していた。だから絶対に死ぬと思ってたよ……だが、そんな俺を」
(,,゜Д゜)「一人の男が拾いやがった」
(,,゜Д゜)「どこの誰かもわからねえ……いや、あの時はわかってたのかもな。だが今は記憶にない」
(,,゜Д゜)「そいつの手で・・・俺は、生き返った」
(,,゜Д゜)「この模型みたいな身体とともにな」
- (,,゜Д゜)「だが、それからが地獄だ」
(,,゜Д゜)「俺は無意味な衝動に駆られるようになった」
(,,゜Д゜)「殺人の衝動に、な」
狭い部屋にギコの声だけが響く
ブーンが今何を思っているのか、ギコにはわからない。
(,,゜Д゜)「最初は我慢していた……あぁ、我慢したさ。だは数日前ぐらいから、ついに耐えられなくなっちまった」
(,,゜Д゜)「それで、通り魔事件を起こした」
(,,゜Д゜)「驚いたか?お前の目の前の男、連続殺人犯だぜ?」
返事は、ない
- (,,゜Д゜)「殺すぐらいなら死にたい。最初はそう思った。だがな」
(,,゜Д゜)「俺にはまだ、死ねない理由がある」
(,,゜Д゜)「……自己満足な理由だがな」
(,,゜Д゜)「それが済んだら今度こそ、俺は死ぬつもりだ」
(,,゜Д゜)「だから、教えろ」
(,,゜Д゜)「俺が殺人をしなくても済む・・・術を」
その時だった。
突然、ブーンが頭を抱え、狂ったようにのた打ち回り始めたのだ。
( ゜ω゜)「ォォ・・・ぉ・・・おお・・・!」
(,,゜Д゜)「おい、お前」
( ゜ω゜)「ウワアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァ」
絶叫が、轟いた。
- 突然のことだ
腕を振り回し、脚をばたつかせ、狂うブーンに、ギコは畏怖すら感じた。
( ゜ω゜)「アァ、ウアァァァァ・・・」
(,,゜Д゜)「なんだよ・・・おい・・・お前・・・」
( ゜ω゜)「グァァァァァアアアアアアア!」
血が噴き出そうなほどに
彼は雄叫びを上げる。
彼の目には
古びたアパートの風景とは違うものが映っていたのだ。
- それは、炎であり、煙である。
熱さは感じない
だが何故か、
自分の身体が焼かれ、溶けていくような感覚を覚えた。
ざくろのように割れる膝
白い骨がむき出しになる
全て自分の身体
痛みはない
ただ、朽ちていく・・・
・・・
・・
・
- ( ゜ω゜)「カハッ!」
最後に一言叫んで、ブーンは上体を跳ね起こした。
(,,゜Д゜)「お前・・・?」
( ゜ω゜)「・・・・・・・・・」
( ^ω^)「・・・ここは、どこだお?」
(,,゜Д゜)「何・・・」
( ^ω^)「こんなところに来たのは初めてだお、おかーさん、ここはどこ?」
(,,゜Д゜)「・・・・・・・」
ブーンはフラフラと立ち上がり、何故か天井を見上げていた。
(,,゜Д゜)「頭おかしくなっちまってんのか・・・?」
( ^ω^)「おかーさん・・・」
見上げるという動作
それは、幼少の頃において、母親を視認するための動作。
今ブーンが行っていることは、まさにそれなのだ。
(,,゜Д゜)「どういうことだよ、おい・・・」
- ( ^ω^)「・・・・・・・・・・」
突如、ブーンは天井を見上げることをやめて、ギコを見た。
(,,゜Д゜)「・・・・・・・・・」
( ^ω^)「あなたは、誰ですかお?」
(,,゜Д゜)「あ、お、俺はギコだ」
( ^ω^)「わかりましたお・・・でも僕は、あなたの身体を治す術を知りませんお」
(,,゜Д゜)「な・・・」
今頃になって、ブーンは先程のギコの疑問に答えていた。
( ^ω^)「ご主人様には何も聞かされていないお」
(,,゜Д゜)「そ、そうなのか・・・へぇ」
(,,゜Д゜)(なんだよ・・・コイツ今、正気なのか・・・?)
ギコもまた、混乱し始めていた。
- (,,゜Д゜)(・・・これが)
やがて、一つの結論に達する
(,,゜Д゜)(これが・・・成れの果てだってのか・・・?)
(,,゜Д゜)「お前」
( ^ω^)「?」
(,,゜Д゜)「いつ、お前はその身体になった?」
( ^ω^)「一年ほど、前ですお・・・多分」
(,,゜Д゜)「・・・・・・・」
(,,゜Д゜)(俺も・・・こうなっちまうのか・・・?)
記憶も思考も感覚も
何も保てなくなる
それが、末路。
ギコは改めて、恐怖を覚えた。