2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/12(月) 21:40:32.19 ID:PX9qNS/X0
(,,゜Д゜)「いや・・・もっと早く気付くべきだったんすよね」
ミ,,゜Д゜彡「・・・・・・・・」
(,,゜Д゜)「普通に考えて、今、このタイミングで俺に面会に来るなんてね・・・考えられませんよ。余程のチャレンジャーなのかと」

(,,゜Д゜)「それにこの街の住民がやたら素早く避難してる・・・これも、あんたが手引きしたんでしょ?権力のあるあんたなら可能な話だ」
ミ,,゜Д゜彡「・・・ほう」
(,,゜Д゜)「そもそも汚点であるこの街を「見捨てる」事自体おかしい・・・何の改善策も見出さないままに」

(,,゜Д゜)「これも、あんたの仕業・・・でしょ?」
ミ,,゜Д゜彡「・・・そうだとして」

ミ,,゜Д゜彡「お前に何ができる」
その意は、肯定か。

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/12(月) 21:41:23.40 ID:PX9qNS/X0
(,,゜Д゜)「・・・さぁ」

(,,゜Д゜)「別段何かしようって気もないっすよ」
ミ,,゜Д゜彡「・・・なら何故お前の憶測を、俺に話した?」
(,,゜Д゜)「言いたかっただけ・・・っすね。それ以上の理由はないです」
ミ,,゜Д゜彡「・・・そうか、ならば」

ミ,,゜Д゜彡「ここでお前を殺すのも、一興だな」
フサギコはポケットから拳銃を取り出す。
(,,゜Д゜)「・・・へぇ」
ミ,,゜Д゜彡「死にたいか?」
(,,゜Д゜)「別に」
ミ,,゜Д゜彡「・・・生きたいか?」
(,,゜Д゜)「別に」
ミ,,゜Д゜彡「・・・・・・」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/12(月) 21:42:10.45 ID:PX9qNS/X0
(,,゜Д゜)「・・・あのですね、もう気付いてると思いますけど」
ギコは自らが抱くしぃを見る。
(,,゜Д゜)「・・・これ、俺の妻なんすよ・・・さっき、俺が殺した」
ミ,,゜Д゜彡「・・・・・・・」
(,,゜Д゜)「そんな俺に、生きるとか死ぬとか選ぶ権利はないっす・・・つか、選ぶ気力もない」
ミ,,゜Д゜彡「ならば俺の独断で殺そうか・・・後々、邪魔になりそうだ」

(,,゜Д゜)「・・・ってことはやっぱりあんたが黒幕っすか・・・まだ、他にもいそうですけど」
ミ,,゜Д゜彡「・・・あぁ、他にもいるがな」
フサギコは笑う。
(,,゜Д゜)「そうすか・・・んじゃ」

(,,゜Д゜)「どうぞ、殺してください」
ミ,,゜Д゜彡「あぁ・・・それじゃ」

ミ,,゜Д゜彡「遠慮なく」

銃声一つ、響く。

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/12(月) 21:42:40.51 ID:PX9qNS/X0
ーーー路上ーーー
( ゜∀゜)「・・・さて、兄者は見つかったのかな」
一人ジョルジュは呟いて
意味なく前へと歩を進める。
( ゜∀゜)「もうすぐ真昼ってか・・・」

( ゜∀゜)「・・・・・・」

( ゜∀゜)「なんか嫌な予感がするよな・・・」
その予感は、的中している。


6 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:43:07.42 ID:PX9qNS/X0
ーーー別所 路上ーーー
ξ*゜-゜)ξ「・・・・・・」
彼女は走る。
刃物を片手に、どこかへ
ξ*゜-゜)ξ「・・・・・・」
追従するのは二人の少年。
ξ*゜-゜)ξ「・・・・・・」
言葉はない、おそらく、意識もない
ただ、走っている。

7 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:43:42.80 ID:PX9qNS/X0
ーーー路地裏ーーー
(´・ω・`)「ランちゃんを追いかけよう」
( ^ω^)「でもやっぱり・・・何も言えなかったお」

( ^ω^)「それにランも・・・何も聞いてくれなかったお」
(´・ω・`)「だからってあきらめるわけにもいかないよ」

(´・ω・`)「それに多分、時間が無い」
川゜−゜)レ「時間・・・」
(´・ω・`)「うん・・・」

(´・ω・`)(・・・間に合うのかな・・・)

(´・ω・`)「ともかく、行こう」
( ^ω^)「・・・・・・・」

8 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:44:19.14 ID:PX9qNS/X0
ーーー雑居ビル 屋上ーーー
(,,゜Д゜)「・・・ひどい男ですね まったく」
ミ,,゜Д゜彡「・・・・・・・」
ただの資産家ゆえに
フサギコは銃の扱いに慣れていない。
だから彼は
ギコの抱くしぃの身体に
銃弾を撃ち込んでしまったのだ。
赤黒い血が、ギコの顔に、降りかかった。
(,,゜Д゜)「・・・殺せと」
ミ,,゜Д゜彡「あ・・・」
(,,゜Д゜)「そういう事っすか?」


9 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:44:55.19 ID:PX9qNS/X0
ミ,,゜Д゜彡「待て・・・次は」
(,,゜Д゜)「いや、もうね」

(,,゜Д゜)「呆れた」

ギコはそういって、血を滴らせるしぃの亡骸をコンクリートの床に置く
そして、先程しぃに渡された拳銃を取り出す。
ミ,,゜Д゜彡「チッ・・・!」
彼はまた、発砲する

10 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:45:24.14 ID:PX9qNS/X0
今度は、ギコの左肩を撃ち抜いた。
ミ,,゜Д゜彡「な・・・ッ・・!」
(,,゜Д゜)「・・・痛ぇ・・・」

(,,゜Д゜)「痛ぇよ・・・クソが・・・!」
全ての怒りを
全ての蟠りを
ぶつけるようにして
彼は引き金を引いた。

刑事ゆえに
彼の銃弾はフサギコの胸を綺麗に貫いた。

11 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:45:55.85 ID:PX9qNS/X0
ミ,,゜Д゜彡「・・・かっ・・・」
彼はゆっくりと、仰向けに倒れる。
(,,゜Д゜)「・・・ハァ・・・」
息を吐く。
拳銃を床に勢いよくたたきつけた。
そして、笑う。
(,,゜Д゜)「これで・・・俺も」

(,,゜Д゜)「死んでもいいんじゃね?」
極上で最低の
理由付け。

12 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:46:57.21 ID:PX9qNS/X0
彼はゆっくりと屋上を囲んでいる柵に向かって歩く。
あいにく、その柵は低い。
乗り越えることは十分に可能だ。
(,,゜Д゜)「・・・えぇっと」
柵に手をかけ、足を持ち上げる。
そして柵の向こうの僅かなスペースに、着地した。
そこでつと、振り返る
(,,゜Д゜)「今から行くわ」
しぃに向かって、笑顔を見せた。

13 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:47:33.84 ID:PX9qNS/X0
前を向く。
静かな街は狂っているはずなのだが
とても綺麗に見えた。
(,,゜Д゜)「・・・・・・」
思い残すことはもう、無いはずだ。
少なくとも、現時点では何も思いつかないのだから。
(,,゜Д゜)「・・・よし」
少しだけ後生を願って。
彼は一歩を踏み出そうとした。
しかし
( ^ω^)「先輩!」
そんな声が微かに
地上から、聞こえてきた。

14 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:48:03.24 ID:PX9qNS/X0
ーーー地上ーーー
それを見つけたのはただの偶然だ。
ふと見上げた先に、小さな人影
それはほぼ間違いなく、ギコだった。
( ^ω^)「何してるんですお!?」
あたり構わず、ブーンは叫ぶ
(´・ω・`)「まさか自殺とか・・・」

何かが聞こえるような気がする
しかし、声を認識できるほどの大きさではない。
川゜−゜)レ「ともかく、放ってはおけないぞ」
(´・ω・`)「うん・・・!」
( ^ω^)「先輩!そこで待っててくださいお!」

15 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:48:28.32 ID:PX9qNS/X0
ーーー屋上ーーー
さっさと死ねばいい
(,,゜Д゜)「・・・畜生」
だが彼の声に阻まれて
ギコは惨めにただ立ち尽くしていた。
(,,゜Д゜)「あー」
死ぬ資格も生きる資格も
無いのかもしれない。
・・・
・・


16 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:48:59.73 ID:PX9qNS/X0
( ^ω^)「せんぱ・・・!」
(´・ω・`)「これは・・・」
屋上に目を向けた瞬間、3人は立ち止まってしまった。
転がる二つの死体
漂う血の匂い。

転がる死体に見覚えがある。
しぃと、フサギコ。
(,,゜Д゜)「・・・よぅ」
虚ろな目のギコがこちらを振り向き、手を上げた。
( ^ω^)「先輩・・・」

17 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:51:02.07 ID:PX9qNS/X0
(,,゜Д゜)「あー、これは、俺がやったんだ」
( ^ω^)「・・・・・・・」
(,,゜Д゜)「まぁつまり俺は3人も人を殺した凶悪殺人犯ってわけだ」

(,,゜Д゜)「裁判にかけられたら、間違いなく有罪・・・んで、死刑だ」

(,,゜Д゜)「そんなわけだから、俺に生きる価値はねえ」

(,,゜Д゜)「だから死のうと思ったんだが・・・

(,,゜Д゜)「どういうわけか、死ねない」
(´・ω・`)「それは当たり前なんじゃ・・・」
(,,゜Д゜)「・・・・・・」

(,,゜Д゜)「なぁ、ブーン」
( ^ω^)「なんですかお?」
(,,゜Д゜)「ちょっとこの背中、思いっきり押してくれないか?」

18 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:51:32.59 ID:PX9qNS/X0
(;^ω^)「な、何を言い出すんですかお!」
(,,゜Д゜)「・・・や、さすがに冗談、だ」

(,,゜Д゜)「死ぬ時ぐらい自分で死にたいもんだ」
(´・ω・`)「・・・何があったんですか?」
(,,゜Д゜)「・・・あぁ、そうだな」

(,,゜Д゜)「それも、思い残しかも知れねえ」
(´・ω・`)「?」
(,,゜Д゜)「・・・話すよ、全部」
そしてギコは経緯を話した。
・・・
・・


19 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:51:56.93 ID:PX9qNS/X0
(´・ω・`)「・・・フサギコさんが・・・黒幕」
( ^ω^)「じゃあ一件落着ですかお・・・?」
(,,゜Д゜)「いや、まだ他にもいるって話だ・・・終わっちゃいない」
( ^ω^)「・・・・・・・・」
(´・ω・`)「・・・やっぱり、時間がなくなりそうだ」
( ^ω^)「?」
(´・ω・`)「後ろ盾をなくしたとわかれば当然、相手は急ぐはず・・・」

(´・ω・`)「ぐずぐずしてる暇はないね・・・」
川゜−゜)レ「だが、笛が完成するまでは何も出来ないというのも事実なのでは・・・」
(´・ω・`)「うん・・・もどかしいな」
( ^ω^)「ラン・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・・」

20 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:52:33.08 ID:PX9qNS/X0
(,,゜Д゜)「さて」
( ^ω^)「・・・?」
(,,゜Д゜)「・・・しょぼんだっけか」
(´・ω・`)「は・・・はい」
(,,゜Д゜)「礼を言う・・・おかげで踏ん切りがついた」
(´・ω・`)「え・・・」
( ^ω^)「先輩・・・!?」
(,,゜Д゜)「ブーン・・・」

(,,゜Д゜)「お前の奥さんにも・・・何かあったんだろ?」
( ゜ω゜)「!?・・・なんで・・・」
(,,゜Д゜)「わかる、こんな時にお前と奥さんが一緒にいないはずがねえからな・・・」


21 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:53:40.41 ID:PX9qNS/X0
(,,゜Д゜)「ついでに、娘さんも」
( ゜ω゜)「・・・・・・・」
(,,゜Д゜)「・・・後悔してるか?」
( ゜ω゜)「え・・・」
(,,゜Д゜)「手遅れか・・・?」
( ゜ω゜)「・・・・・・」
手遅れなこともある。
だが、手遅れでないことも・・・ある。
だからブーンは首を横に振った。
(,,゜Д゜)「そうか・・・なら」

(,,゜Д゜)「後悔しねえように・・・な」
( ゜ω゜)「先輩!」
その瞬間、今度こそ
彼は、宙に一歩を踏み出した。

叫んでももう遅い。

彼の身体は、数秒後
アスファルトの地面にたたきつけられた。

22 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 21:54:03.78 ID:PX9qNS/X0
( ゜ω゜)「先輩・・・」
余韻のように響く声。
(´・ω・`)「死んでしまう人が言っても・・・説得力ないのに・・・」
しょぼんがぽつりと、呟いた。
・・・
・・