3 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 22:40:08.32 ID:TbsmPByq0
朝。
いつも通り太陽が昇る、朝。
変わらない空を見せる、朝。

ーーーブーンの家ーーー
( ;ω;)「・・・・・・」
彼は何かを再認識したかのように
またひたすら、涙を流していた。

ランを探しにいかなければならない。
しかし、今、自分がランを見つけることができたとして
何を言うことができる?
何をすることができる?
そんな答えを見出せない問答に陥った時
彼は何も行動できなくなってしまったのだ。
しょぼんとクーが周囲を捜索したものの
ランの痕跡すら、見つけることはできなかった。

5 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 22:41:11.52 ID:TbsmPByq0
(´・ω・`)「ブーン・・・」
ツンの亡骸は綺麗にしてあげることができた。
今は元通り
白い布団の上に寝かせてある。
川゜−゜)レ「・・・だが、いつまでもこうしているわけには・・・いかないのでは・・・」
(´・ω・`)「うん・・・だから」

(´・ω・`)「早く、終わらせないと」
しょぼんはツンの傍に座り込んでいるブーンの背中を見つめて、呟いた。

その時、玄関のチャイムが響いた、。
( ;ω;)「・・・・・・」
(´・ω・`)「ブーン・・・出ても、いいかな?」
( ;ω;)「・・・・・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・・」

どうやら返事はもらえないようだ。
しょぼんは黙って玄関へと向かう。

6 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 22:42:22.66 ID:TbsmPByq0
ーーー玄関ーーー
(´・ω・`)「はい?」
(,,゜Д゜)「・・・ありゃ」
そこに立っていたのは、ギコ。
(´・ω・`)「あ・・・いや、僕はこの家の住人ではなくてですね」
(,,゜Д゜)「ぁ、ああ、そうなのか」
(´・ω・`)「・・・・・・・」
(,,゜Д゜)「・・・・・・」

(,,゜Д゜)「ブーンは・・・」
(´・ω・`)「はい?」
(,,゜Д゜)「ブーンはいますかね?俺、ギコって言うんですけど」
(´・ω・`)(ギコ・・・?確か、逮捕されたって・・・)
しょぼんがギコについて知っているのは逮捕されたという程度のことで、
顔を合わせたのはこれが初めてなのである。
(´・ω・`)「・・・少し、まっててください」
・・・
・・


7 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 22:43:33.68 ID:TbsmPByq0
(´・ω・`)「ブーン、お客さんだよ」
( ;ω;)「・・・・・・・」
(´・ω・`)「・・・ギコって人」
( ;ω;)「!」

( ;ω;)(ギコ・・・先輩・・・?)
よろり、とブーンは立ち上がった。
そのまましょぼんとクーの前を通り、玄関へと向かっていく・・・

8 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 22:44:24.08 ID:TbsmPByq0
川゜−゜)レ「・・・・・・」
その姿を見送ったクーが不意に、しょぼんの背中にすがりついた。
(´・ω・`)「クー?」
川゜−゜)レ「・・・不安だ・・・何か、今になってすごく・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・」

(´・ω・`)「大丈夫・・・もう、誰も死なないから・・・」

さすがに
僕も不安だ、とは
言えなかった。

9 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 22:46:00.73 ID:TbsmPByq0

・・
・・・
( ^ω^)「ギ、ギコ先輩・・・」
涙を見せないように愛想笑いを浮かべてブーンは応対した。
(,,゜Д゜)「よう・・・・・・ブーン?」
( ^ω^)「な、なんですかお?」
(,,゜Д゜)「目が赤いぞ?」
(;^ω^)「!そ、そんなことないですお、そ、空耳ですお」
(,,゜Д゜)「空耳って・・・いやまぁ、そんなことより・・・」

( ^ω^)「用があるのなら、中で聞きますお?」
(,,゜Д゜)「あ、あぁ・・・」
何かを躊躇っているギコ。
どうやら、靴を脱ぐことに躊躇しているようだ。
( ^ω^)「どうかしたんですかお?」
(,,゜Д゜)「いや・・・な」

10 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 22:47:30.86 ID:TbsmPByq0
(,,゜Д゜)「俺みたいな殺人者が足を踏み入れていいのかって・・・」
( ^ω^)「!」
殺人者
どんな理由があろうとも、人を殺せばその瞬間、その人物は殺人者。
ならば、ランは・・・


( ;ω;)「そんなこと関係ないお!」
(,,゜Д゜)「ブーン・・・?」
( ;ω;)「・・・あ」

( ;ω;)「ちょ、ちょっと待っててくださいお」
急いで奥へと引っ込むブーン
(,,゜Д゜)「・・・・・・」
ただ、見送るギコ。

11 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 22:48:33.49 ID:TbsmPByq0
・・・数分後
ギコはリビングへと案内された。
勿論、ツンの眠っている部屋への扉はしっかりと閉められていた。
初対面のクーとしょぼんが軽く自己紹介を済ませた。
そしてギコは今、自分がここにいる理由を、話し始めた・・・
・・・
・・


( ^ω^)「そ、それで・・・何の用事なんですかお」
なんとか、涙を収めることができていた。
(,,゜Д゜)「いや、そんなに大した用事じゃねえんだが・・・」

(,,゜Д゜)「うちのしぃ、しらねえか」
川゜−゜)レ(´・ω・`)( ^ω^)「!!!」

12 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 22:50:13.10 ID:TbsmPByq0
(,,゜Д゜)「・・・ん?」
(;^ω^)「あ、いや・・・」
(,,゜Д゜)「・・・いやな」

(,,゜Д゜)「さっき家に行ってみたんだが鍵が開いてて・・・でも、中には誰もいなかった」
( ^ω^)「・・・・・・・」
(,,゜Д゜)「荒らされた跡がなかったから事件とかじゃねえと思うんだけどな・・・こんな朝っぱらからどこに行ったのかって」

(´・ω・`)(・・・・・・・)
真実を言うべきなのだろうか。しょぼんは考える。
目の前のギコは平静を装ってはいるものの内心非常に焦っている。
今にも、外に飛び出しそうな勢いだ。

話せば当然、彼はショックを受けるだろう。
しかしそのうち、必然的に知ってしまうに違いない。
ならば、早く話した方がいいのではないか。
そんなことを考えていたが。
先に行動に移したのは、ブーンだった。

13 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 22:51:22.37 ID:TbsmPByq0
( ^ω^)「・・・しぃさんは・・・」
(,,゜Д゜)「んん?」
( ^ω^)「・・・・・・・」
彼はゆっくりと話した。
その意図を読み取ることは、しょぼんにはできなかった。
・・・
・・


14 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 22:54:31.39 ID:TbsmPByq0
(,,゜Д゜)「つまりよ・・・」
焦って椅子から立ち上がるギコ。
(,,゜Д゜)「あいつは・・・俺のせいで・・・?」
声はかすれて、裏返っている。
( ^ω^)「・・・・・・」
3人とも、何も答えることができない。
(,,゜Д゜)「・・・ッ!」
ギコは舌打ちして
それ以上言葉を吐かずに、玄関へと走っていった。

ドアの閉まる音が、壊れそうなほどに大きく、響いた。

(´・ω・`)「・・・ブーン」
( ^ω^)「・・・・・・」

19 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 23:03:11.17 ID:TbsmPByq0
(´・ω・`)「正しい判断なのかな・・・今、彼にそれを言うのは」
( ^ω^)「・・・・・・・」

( ^ω^)「わからないお・・・ただ」

( ^ω^)「手遅れにはならないようにって・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・・」

川゜−゜)レ「・・・私達は、これからどうする?」
(´・ω・`)「うん・・・ブーン」
( ^ω^)「・・・・・・」
(´・ω・`)「決心はついた?」
( ^ω^)「・・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・ランちゃんを探しに行こう」

20 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 23:07:35.11 ID:TbsmPByq0
( ^ω^)「・・・・・・・・でも・・・ランに会って・・・何を言ったらいいのか」
(´・ω・`)「・・・・・・・」
( ^ω^)「・・・僕はもう、親としての資格を失ってるんだお・・・」

川゜−゜)レ「何を言えばいいか、何をすればいいか、なんて・・・」

川゜−゜)レ「後で考えればいいんですよ」

川゜−゜)レ「・・・ランさんを見れば、自然と言葉も出てくるはずですから」
( ^ω^)「・・・・・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・・わかった・・・お・・・」

21 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 23:10:59.53 ID:TbsmPByq0
ーーーブーンの家周辺 路上ーーー
(´・ω・`)「でも、まったくアテがないんだよね・・・」
川゜−゜)レ「・・・手当たりしだい探すしかないと思う」
(´・ω・`)「・・・手分けして探すのもいいかもしれないね。幸い、子供達もいない・・・」

しかしその時
しょぼんは彼方から迫る
不穏な影を、見つけた。

23 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 23:15:35.67 ID:TbsmPByq0
それは子供の大群
幾十、幾百の・・・

(´・ω・`)「・・・しまった・・・また、活動を再開したのか・・・!」
しょぼんは半ば舌打ちして、ブーンとクーを見る。
(´・ω・`)「とりあえずここは、逃げたほうが」
だが
その中でブーンが一人、フラフラと。
子供達の方向へと、歩き出していた。

24 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 23:20:56.83 ID:TbsmPByq0
(´・ω・`)「ブーン!」
慌ててしょぼんが呼び止めようとする
しかし、ブーンは止まろうとせず、逆に制止を振り切ろうとしていた
(´・ω・`)「何を考えてるのさ!」
( ^ω^)「あの中に・・・ランがいるかもしれないお・・・」
(´・ω・`)「!・・・でも、今あの子達に近づくのは危険すぎる」

(´・ω・`)「子供でも、沢山いたらとても対処できないよ」
( ^ω^)「・・・・・・・」

(´・ω・`)「くっ!」
ほぼ無意識のブーンの腕をしょぼんは引っつかむ。
そして、無理やり後方へと引きずっていった・・・
・・・
・・


25 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 23:25:00.48 ID:TbsmPByq0
ーーー某所ーーー
ミ,,゜Д゜彡「アァ、胸糞悪い!!」
/ ,' 3 「ふ、フサギコさん・・・どうかしたんですか?」
ミ,,゜Д゜彡「・・・・・・」

ミ,,゜Д゜彡(アイツになめられるのはどうも腹が立つな・・・)
/ ,' 3 「ふ、フサギ」
ミ,,゜Д゜彡「荒巻」
/ ,' 3 「は、はい?」
ミ,,゜Д゜彡「・・・・・・・」

ミ,,゜Д゜彡「出かけてくる」
/ ,' 3 「は、はぁ・・・」

26 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/08(木) 23:27:45.20 ID:TbsmPByq0
ーーー路上ーーー
( ゜∀゜)「・・・さて、ここらで複数のグループに分けるとするか」
数百の子供達を前に、ジョルジュは呟いた。
( ゜∀゜)(・・・あぁ、そういや・・・)

( ゜∀゜)(・・・・・・・)

( ゜∀゜)(あいつを、探さないとな・・・)