56 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 23:47:50.23 ID:PX9qNS/X0
(´・ω・`)「あ・・・」
しょぼんは死んでなかった。
かわりに、彼の右腕が綺麗に貫かれていた。
銃を取り落としてしまう
( ゜∀゜)「本当にドのつく素人だなぁ、おい」
腕をおさえて立ち尽くすしょぼんを見て、ジョルジュが呆れたような声を出す。
(´・ω・`)「・・・・・・・」
川゜−゜)レ「しょぼん・・・すまない・・・」
涙まじりの裏声でクーがただ、呟いた。
57 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 23:48:45.68 ID:PX9qNS/X0
ーーー草原ーーー
( ^ω^)「ラン・・・どこだお・・・!?」
時折つまづく
その原因が転がる死体であることぐらいは、感触で理解できる。
だからブーンはできるだけ下を見ないように、走っていた。
( ^ω^)「ラン・・・ラン・・・!」
まだ生きている子供も沢山いる
そんな子供の顔を一人ずつ確認していく
皆、無表情だった。
( ^ω^)「・・・・・・・」
それだけで、悲しくなった。
58 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 23:49:27.19 ID:PX9qNS/X0
しかしやがて
( ^ω^)「!」
彼は、ランを見つける。
ξ*゜-゜)ξ「・・・・・・・」
彼女もただ、たちつくしていた。
右手に刃物を持ったまま。
( ^ω^)「ラン・・・ラン・・・?」
そんなブーンの呼びかけにも応じることはない
( ;ω;)(・・・・・・)
( ^ω^)(・・・いや、泣いてちゃダメだお・・・!僕は、ランのおとーさん・・・なんだお・・・)
( ^ω^)(ランは・・・僕とツンの大事な大事な・・・娘なんだお・・・)
それだけは絶対に
不変。
そして彼は
笛を持ち上げた。
・・・
59 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 23:50:48.34 ID:PX9qNS/X0
( ゜∀゜)「んん・・・?」
また、下手な音色が響き渡る。
( ゜∀゜)「・・・無駄なことしてるなぁ・・・」
( ゜∀゜)「あんな拙い響きじゃ、カス程度も価値もない」
そして自らも、笛を口に咥えた。
そして、吹き鳴らす。
最上の音色を。
(´・ω・`)「・・・・・・・」
川゜−゜)レ「しょぼん・・・」
(´・ω・`)「大丈夫だよ・・・きっと・・ね」
確証は、無いが。
60 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 23:53:59.27 ID:PX9qNS/X0
二つの響きが交錯する。
そのうち
ゴロゴロと
空が唸り声をあげはじめた。
(´・ω・`)「・・・?」
川゜−゜)レ「雷雲・・・?」
子供たちは未だ動かない。
しかしジョルジュの持つ笛は強い光を持ち始めていた。
( ゜∀゜)(・・・は、はは・・・)
やがて空すらも
青白く、染められ始めた。
61 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 23:54:50.75 ID:PX9qNS/X0
(´・ω・`)「これは・・・?」
(´・ω・`)(神の・・・裁き・・・?)
一つしか存在してはならないもの
ハーメルンの笛
それが今、この世に二つ存在している
それは
神の逆鱗に触れるには
十分な理由なのだろうか。
・・・・・・・
62 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 23:55:25.59 ID:PX9qNS/X0
( ^ω^)(・・・・・・・・)
彼は何も気にしてはいない
ただ、笛を吹く
それが最善だと信じて。
やがて彼の笛も
光を帯び始めた。
紅い、光を。
63 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 23:56:58.10 ID:PX9qNS/X0
空がさらに大きく、高く唸る。
(´・ω・`)(さぁ・・・どうなる・・・!?)
そしてついに
空は草原に光を落とした。
( ゜∀゜)「!?」
その光は
ジョルジュのもとに
落下した。
( ゜∀゜)「な・・・!」
彼自身が焼き焦げることは無かった。
しかし、
小さな破裂音と共に
彼の持つ笛が破壊された。
64 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 23:57:35.36 ID:PX9qNS/X0
( ゜∀゜)「なん・・・だと・・・?」
信じられないといった様子でジョルジュは呟く。
( ゜∀゜)「どういう・・・ことだ・・・」」
( ゜∀゜)「どういうことだ!これは!」
無意味に咆哮する。
( ゜∀゜)「俺は間違っていないはずだ・・・神が笛をこの世に落として・・・俺はその期待通りに動いたはずだ!」
血を吐きそうな勢いでジョルジュは空にむかって怒鳴る。
( ゜∀゜)「見限ったのか!?裏切ったのか!?神は俺に」
(´・ω・`)「もう・・・終わりだ」
( ゜∀゜)「!?」
その呟きと共に
しょぼんは左手で引き金を、引いていた。
その銃弾は見事に
ジョルジュの頭を撃ちぬいた。
65 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 23:58:03.61 ID:PX9qNS/X0
声も無く、ジョルジュは倒れる。
(´・ω・`)「・・・・・・・」
しょぼんは、立ち尽くした。
未だブーンのものと思われる笛の音色が聞こえてくる
不思議なことに今となっては
その響きが、美しく思える。
(´・ω・`)(・・・神様は・・・ブーンを選んだ・・・?)
川゜−゜)レ「しょぼん・・・」
(´・ω・`)「!」
川゜−゜)レ「ごめん・・・私、は・・・」
(´・ω・`)「・・・いいんだよ」
(´・ω・`)「もうすぐ全部、終わるから・・・」
そしてしょぼんは彼女を抱き寄せた。
・・・・・・・
66 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/12(月) 23:59:13.19 ID:PX9qNS/X0
( ^ω^)(・・・はぁ・・・)
さすがに、吹き続けると疲れてしまう。
( ^ω^)(・・・でも、ランのために・・・)
そんな時
ちょんちょんと
背中ををつつかれた。
( ^ω^)「?」
不思議に思い笛を吹くのをやめて振り返る。
そこに
ξ*゜-゜)ξ「おとーさん・・・」
ランが、いた。
いつもの表情の
ランが。
68 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/13(火) 00:00:40.30 ID:pUEiMd+a0
( ;ω;)「ら、ラン・・・」
ξ*゜-゜)ξ「どーしたの・・・?おとーさん」
きょとんとした表情で
ランはブーンを見上げている。
( ;ω;)「・・・・」
言葉が出ず、かわりに涙ばかりが溢れる
やはり
ランに言うべき言葉が見つからない。
だから
とりあえず、ブーンは
ランを、抱きしめることにした・・・
ξ*゜-゜)ξ「おとーさん・・・?」
( ;ω;)「ラ、ラン・・・」
( ;ω;)「おかえりだお・・・」
ξ*゜-゜)ξ「・・・・・・」
ξ*^-^)ξ「うん、ただいま!」
ランは陽気に、明るく答えた。
・・・
・・
・
もう二度と
狂うことは無いだろう
神の悪戯も
終わったのだから・・・
69 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/13(火) 00:01:15.70 ID:pUEiMd+a0
ーーー???ーーー
???「これでよかったのかな?」
???「さぁなぁ・・・知ったこっちゃねえや」
???「・・・でも、ランちゃんとかもみんな無事で・・・よかった」
???「・・・まぁな」
・・・
・・
・
完