50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/04(日) 22:10:43.38 ID:DIiGr4xG0
( ^ω^)「何故だお!!
          どうして僕の友達ばかりが死ななければならないんだお!」

僕以外誰もいない部屋で誰かに問う
虚しくなってベッドに身を委ねる
そして起き上がり机の上のものを腕で薙ぎ払う
辺りに先ほどまで机の上にあった道具が広がる


突発的な行動だった


ふと我に返り先ほど自分で落とした道具を机に元の位置に戻す
かと思えばまた吹き飛ばす

自分が分からなくなっていた


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/04(日) 22:12:40.53 ID:DIiGr4xG0
( ^ω^)「・・・・・・・・・」
無言で制服を着る

前日は勝手に休んでしまったため今日は行かなければ不味い
ショボの死を受け入れられないまま学校へと向かった
教室に入るとすれ違い様にみんなが僕の顔を見た
いや、顔というよりは目を、真っ赤になった目を見ていた

ショボとは長い付き合いだった
途中でショボが引っ越してしまったので
中学を一緒に卒業することはできなかったものの
小学校からずっと一緒だったのだ
単に仲がいいという言葉だけでは収まりきれない仲だった

( ^ω^)「・・・あっ・・・・・・・・・」

急に体が軽くなる、力が入らない
疲れ果てた僕は、自分の机を前に



倒れた


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/04(日) 22:14:17.53 ID:DIiGr4xG0
(´・ω・`)「大丈夫かい?」

( ^ω^)「ちょっwww顔近いおwwwww」

(´・ω・`)「だいぶ滅入ってるようだね
          少し休んだ方がいい」

( ^ω^)「・・・何故・・・
          何故死んでしまったんだお・・・・・・」

(´・ω・`)「仕方ないさ、
          死を免れることは出来なかった」

( ^ω^)「どういうことだお?」

(´・ω・`)「残念だがそれ以上僕に発言権は無いようだ
          それじゃ、僕は退却するよ」

( ^ω^)「待て、待ってくれお!
          ショボには聞きたいことが

(´・ω・`)「心残りは君だけだ」

( ^ω^)「ちょwwwそれはねーよwwwww」


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/04(日) 22:17:06.56 ID:DIiGr4xG0
( ^ω^)「はっ・・・・・・」

起きるとそこは保健室の中だった
起きた瞬間、中から外に誰かが出たようでドアの閉まる音がした
保険の先生だろうか
少々寝言を言っていたかもしれない、聞かれていないように祈った

( ^ω^)「体がだるいお・・・・・・」

時計を見る
もう少しで12時か・・・通りで腹が減るわけだ
昼休みまで寝ようか、そうすれば昼食を食べるまで勉強をしないですむ

そんなことを考えていると保健室のドアが開いた

('A`)「おう」

/ ,' 3  `「起きてるか?」

( ^ω^)「見舞いに来てくれたのかお」

('A`)「そんなとこ、とりあえずパン買って来たぜ」

( ^ω^)「ありがたいお」

/ ,' 3  `「それじゃ俺学食だから行くよ」

( ^ω^)「分かったお、わざわざきてくれてありがとお」

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/04(日) 22:20:27.31 ID:DIiGr4xG0
('A`)「それにしてもどうしてこう
          嫌な事件が続くんだろうな・・・」

( ^ω^)「どうして僕らの友人が
          毎週のように・・・え?」

('A`)「どうした?」

( ^ω^)「ギコが死んだのは先々週の月曜日だお」

('A`)「あ、ああ・・・」

( ^ω^)「しぃが死んだのは先週の月曜日」

('A`)「ショボが死んだのは今週の・・・・・・」

( ^ω^)「月曜・・・だお・・・・・・」

('A`)「・・・どういうことだよ・・・・・・」


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/04(日) 22:22:52.76 ID:DIiGr4xG0
午後の授業はほとんど頭に入らなかった
帰宅途中も混乱していた

( ^ω^)「(3人とも月曜日に死んでしまうなんておかしいお・・・
          何か・・・何かがおかしいお・・・)」

結局考えはまとまらず、ベッドで横になるうちに目蓋が落ちてきた




朝起きると目が涙で濡れていた
ショボの夢でも見ていたんだろうか、全然覚えていない
ずっと手を握りしめていたのか、手の中は汗をかいている
手、だけではない、見れば分かるほどに寝汗をかいていた

尻の辺りが一番汗をかいていた
多分ショボの夢だな


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/04(日) 22:24:22.61 ID:DIiGr4xG0
そしてまた五日間の学校生活を終えた
待ちわびた休日

ベッドの上に仰向けになって目を瞑った
遊ぶ気に離れなかった
ショボが居なくなってしまったのだ、僕から、僕たちから
ドクオも同じ意見だろう
その証拠に彼から連絡は来ていな







( ^ω^)「はっ・・・・・・」
気付けばもう9時になっていた、一日寝ていたと言うのか
自分の休日の過ごし方の体たらくさには心底ガッカリした


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/04(日) 22:26:45.74 ID:DIiGr4xG0
日曜日

考えないようにはしていた
しかし嫌でも脳裏に侵食してくる“ある考え”


明日、また誰か僕の友人が死んでしまうのではないか


全身が硬直し、腕が動かない
ドクオにこれを伝えなければ、彼が、彼が死んでしまうかもしれない

その瞬間電話が鳴った、相手はドクオだ
途端に体が自由になる

('A`)「なぁ・・・思ったんだが」


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/04(日) 22:28:39.04 ID:DIiGr4xG0
('A`)「考えたくないことなんだが・・・
          明日、俺たちの仲間が死んじゃうんじゃないかって思うんだよ」

( ^ω^)「僕もちょうど同じことを考えていたところだお・・・
          だから、ドクオ、気をつけて欲しいお」

('A`)「俺を殺すなよ・・・っていっても
          俺もお前に同じことを言おうとしてたんだけどな」

そうだ、ドクオが死んでしまうかもしれないというのはあくまで僕の主観であって
観点を変えてみれば・・・ドクオの視点から見てみれば次に死ぬのは


――僕

そうだ、別におかしくはない
何故気がつかなかったのだろう
全てを僕中心として考えすぎていた
途端に怖くなり、電話を切るなりすぐに布団の中に丸まった


夜は更けていく・・・


52 :DIiGr4xG0 ◆Uy.fdqWlZY :2006/06/05(月) 22:00:04.51 ID:KfiFPdLN0
目が覚める

体中を調べ、自分が生きていることを確認する
心臓は動いてる、と言うより体はどこも動く・・・

――よかった、まだ生きてる

そもそも毎週月曜日に僕らの仲間が死んでいく、というのは考えすぎではないのか
そうだ、もともと憶測の域だったのだ
僕は、生きている


――ドクオは?

自分に落胆した
友人のことを忘れ、自分のことしか考えずに
自分が生きていたから全ては憶測だった、というのか
情けなくてしょうがない

急いで電話を・・・
携帯に手を伸ばした瞬間、携帯の着信音が流れる


56 :DIiGr4xG0 ◆Uy.fdqWlZY :2006/06/05(月) 22:02:09.14 ID:KfiFPdLN0
ドクオだ
良かった、生きてた――

('A`)「内藤、大丈夫か?!」

( ^ω^)「僕は大丈夫だお、
          ドクオも今のところは無事みたいで安心したお」

('A`)「そんな、これから死ぬような言い方するなよ・・・」

( ^ω^)「そんなつもりはないお!
          ただ月曜の朝、と言うわけじゃないから・・・不安でしょうがないお」

('A`)「そうだな・・・ショボは日付が変わってすぐだそうだし
          ギコも日は暮れてたし時間は関係ないんだろうな」

( ^ω^)「お互い、なんとしても
          生き延びて生き続けたいお」

('A`)「そうだな・・・絶対死ぬなよ」


58 :DIiGr4xG0 ◆Uy.fdqWlZY :2006/06/05(月) 22:04:36.50 ID:KfiFPdLN0
生き延びて、生き続けたい
こんな台詞を言うことになるとは思ってもみなかった
どうしてこんなことになってしまったのか
そんなことを考えながらゆっくりと制服に着替えていた

そこでやっと気付く
何も危険なのは僕やドクオだけではなかった
僕、またはドクオの友人、関わった人物はみんな例外ではないのだ
そこも憶測ではあるが、学校に行って早くみんなの危険を知らせなければ・・・
急いで自転車を漕ぐ


しかし徐々にスピードは落ちていく
みんなには何と言うのか

君は僕の友達だから危険だお、今すぐ家に帰って静かにしていた方がいいお

誰がそんな話を信じるだろう
なぁ、どうしたらいいんだ、ショボ・・・


61 :DIiGr4xG0 ◆Uy.fdqWlZY :2006/06/05(月) 22:06:50.77 ID:KfiFPdLN0
学校に着いた

つい歩幅が広くなってしまう
自分の友人が誰も死んでいませんように、と
ただそれのみを祈りながら教室に入る

視野を広げて教室全体を見る

ドクオは――寝ている

荒巻は――宿題をやってる


あ、そういえば現国のプリントやってくるの忘れてたな・・・

自分にとって大事な友人はあまりいない
というより既に3人の大切な友人が消えてしまっているため
本当に数えるほどしかいない
それを悲しく思ったが、今となってはそれは喜ばしくも思えた

これ以上仲間を死なせたくはない


62 :DIiGr4xG0 ◆Uy.fdqWlZY :2006/06/05(月) 22:09:10.43 ID:KfiFPdLN0
長岡の嫌味にも耐え、午前の授業を終える
待ちに待った昼食だったが、あまり食は進まない
一日中気が抜けなかった

午後の授業も神経を尖らせていた
帰る頃にはとても疲れていた

( ^ω^)「気が狂いそうだお・・・
          普通に授業を受けるよりずっと疲れたお・・・」

('A`)「ああ・・・しかしまぁもうすぐ一日が終わるわけだ
          あと少し、あと少しで俺らの考えすぎだったと立証されるんだ」

自分たちで考えた推測が間違っていることを立証する
おかしな気もしたが、確かにそうだった
あと数時間、もう少しなんだ
もう少し――


63 :DIiGr4xG0 ◆Uy.fdqWlZY :2006/06/05(月) 22:11:38.20 ID:KfiFPdLN0
('A`)「それじゃ、また明日な」

( ^ω^)「また明日だお」

この瞬間、またもやあの感覚に陥った
腹の底がモヤモヤとする感じ


そして脳裏に侵入する、嫌な予感――



次の日、ドクオとともに担任に呼び出されこう告げられた









荒巻が、死んだと