531 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/30(火) 23:14:39.78 ID:oSrJwYHL0
ーーー工房ーーー
(´・ω・`)「・・・・・・・・・」
('A`)「なんだったんだ?」
(´・ω・`)「また子供達が暴れてるって」
('A`)「!」
(´・ω・`)「ジョルジュさんが来てくれるみたい・・・」
( ´_ゝ`)「・・・・・・」

(´・ω・`)「それで・・・その・・・兄者さん」

(´・ω・`)「造ってはくれませんか・・・?もう一本・・・新しい笛を・・・」

532 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/30(火) 23:18:08.24 ID:oSrJwYHL0
( ´_ゝ`)「・・・・・・俺はもうすぐ死ぬ」
(´・ω・`)「・・・・・・」
( ´_ゝ`)「死ぬ人間にとってはこの世のことなどどうでもいいことだ」
('A`)「けど・・・その・・・」
( ^ω^)「弟さんを超える気には・・・なれませんかお?」
( ´_ゝ`)「今更俺が弟者を超えても仕方ないだろう・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・・」

('A`)「・・・弟者さんが今のあなたを見たらがっかりすると思いますけどね」

533 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/30(火) 23:24:48.05 ID:oSrJwYHL0
( ´_ゝ`)「・・・・・・・・」
('A`)「ヘタレた兄の顔を見たい弟なんて、いませんよ」
(;^ω^)「ちょ、ドクオ・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・・」

( ´_ゝ`)「・・・フン」
('A`)「・・・・・・」
( ´_ゝ`)「そこまで言われると正直、癪に障る」
('A`)「あ・・・その・・・」

( ´_ゝ`)「・・・俺に造れるかどうかわからんぞ?」
(´・ω・`)「!」
( ´_ゝ`)「それでもいいなら一日・・・いや、二日待て」
兄者は事も無げにそう呟いた。
(´・ω・`)「・・・ありがとうございます」
三人は深々と頭を下げた。

535 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/30(火) 23:31:12.32 ID:oSrJwYHL0
( ´_ゝ`)「・・・まぁその前に俺が死にそうな気がするが」
(´・ω・`)「・・・・・・・」
( ´_ゝ`)「弟者に笑われては立つ瀬が無い。手は尽くす」
そういって兄者はゆっくりと立ち上がった
まだそれだけの力は残っているようだ。
('A`)「・・・・・・・・・」
( ^ω^)「じゃあ僕達は・・・どうすればいいお?」
(´・ω・`)「ジョルジュさんが来てくれるはずですから・・・ここで待ちましょう」

536 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/30(火) 23:35:43.95 ID:oSrJwYHL0
ーーー名も知らない山 中腹ーーー
( ・∀・)「・・・はぁ」
<ヽ`∀´> 「・・・あ」
( ・∀・)「なんだぁ?どうした」
<ヽ`∀´> 「今から行う実験・・・」

<ヽ`∀´> 「別に山頂まで行かなくても実行できるニダ」
( ・∀・)「・・・・・・お前なぁ・・・」

538 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/30(火) 23:40:49.06 ID:oSrJwYHL0
<ヽ`∀´> 「いやはや、すまなかったニダ」
( ・∀・)「・・・・・・・・」
そこでニダーは振り返り、後ろに続く子供達を見る。
<ヽ`∀´> 「・・・・・・」
( ・∀・)「で、どうするんだ?」
<ヽ`∀´> 「休憩がてら、あそこで実験を行うニダ」
そういって彼は、少し広くなっている平地を指さした。
( ・∀・)「・・・わかった」

539 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/30(火) 23:46:10.76 ID:oSrJwYHL0
その平地にニダーは、自分が中心となるように子供達を集める。
<ヽ`∀´> 「んー・・・誰にしようニダ・・・」
ゆっくりと子供達を見回し、なにやら選定を始めるニダー。
<ヽ`∀´> 「よし、お前」
やがて彼は一人の少女を選び出した。
<ヽ`∀´> 「こっちに来るニダ」
言われるがまま少女はニダーに近寄る。
<ヽ`∀´> 「お前ら、よく見ておくニダ」
彼は他の子供達にそう言い放った。

540 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/30(火) 23:50:43.98 ID:oSrJwYHL0
そしてニダーは銃を取り出す
( ・∀・)「・・・・」
そして少女に向けて、引き金を引いた。
響く乾いた銃声。
血しぶきをあげて倒れる少女。
声にならない悲鳴が響いた・・・ようだ。

しかし、ニダーの凶行は止まらない。

541 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/30(火) 23:55:18.73 ID:oSrJwYHL0
ニダーは次々と、周囲にいる子供達に向かって発砲し始めたのだ。
何も抵抗せずに次々と倒れていく子供達
( ・∀・)「お、おい、ニダー何してんだよ」
さすがにモララーが止めに入ろうとした。しかし
<ヽ`∀´> 「これも実験の内・・・ニダ」
ニダーはそう言って聞こうとしない。
彼が発砲をやめたのは、十数人の子供が亡骸と化してから、だった。

543 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/31(水) 00:00:44.50 ID:kLHZ4bS20
<ヽ`∀´> 「・・・・・・・」
血の匂いが充満する。
( ・∀・)「・・・ニダー、これは」
<ヽ`∀´> 「・・・・・・・」

<ヽ`∀´> 「誰か、逃げ出したニダ?」
( ・∀・)「はぁ?」
言われてモララーは周囲を見回す
( ・∀・)「いや・・・誰も逃げてないと思うが」
<ヽ`∀´> 「・・・ふふ」
( ・∀・)「?」
<ヽ`∀´> 「実験成功ニダ」

その時やっと
モララーは実験の意味を解した。

545 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/31(水) 00:05:34.17 ID:kLHZ4bS20
( ・∀・)「つまり死を切迫させてみたってわけか」
<ヽ`∀´> 「そうニダ・・・本当に操れているのなら、逃げ出したりなどしないはずニダ」
( ・∀・)「で、逃げ出した奴はいないようだから・・・」
<ヽ`∀´> 「実験は成功、ニダ」
( ・∀・)「・・・・・・・・」

その光景を
木陰から監視する男がいた。

548 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/31(水) 00:09:38.77 ID:kLHZ4bS20
( ´∀`)(・・・やっぱり、ここにいたモナ・・・でも)

( ´∀`)(あれだけ子供が取り囲んでいたら・・・ニダーを狙撃しようにもできないモナ)

片手で拳銃を弄び、モナーは歯軋りする。

( ´∀`)(・・・でも、今の銃声で何人かの子供が・・・)

( ´∀`)(・・・・・・・)

( ´∀`)(いや、焦って失敗したら元も子もないモナ・・・慎重に・・・)

550 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/31(水) 00:14:56.60 ID:kLHZ4bS20
<ヽ`∀´> 「・・・よし、最終実験も成功したニダ」
( ・∀・)「・・・・・・・」
<ヽ`∀´> 「このまま一気に山頂まで行くニダ!」
( ・∀・)「・・・わかった」
・・・
( ´∀`)(・・・そろそろ、チャンス到来モナ)
ゆっくりと茂みを移動し、ニダーに接近する。
ニダーと子供達はまた行列をつくり、先へと進み始めた。

( ´∀`)(・・・よし!)
モナーが走り出す。

553 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/31(水) 00:18:51.69 ID:kLHZ4bS20
( ´∀`)(・・・・・・・・)
見つからないように茂みを駆ける
油断無くニダーを目で探す。
( ´∀`)(・・・!あそこだモナ!)
予想通りニダーは先頭を歩いていた。
彼はゆっくりと拳銃を構えて照準を合わせる。

( ´∀`)「・・・!」
彼はついに、引き金を引いた。

555 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/31(水) 00:22:48.83 ID:kLHZ4bS20
銃声が聞こえた。
( ・∀・)「!?」
モララーが振り返った時には、時、すでに遅し
<ヽ`∀´> 「・・・・・・に・・・」
その銃弾は彼の頭部を破壊していた。
( ・∀・)「・・・ッ!」
<ヽ`∀´> 「・・・・・・・」
ゆっくりと、その場に倒れるニダー。歩くのをやめ、立ち尽くす子供達。
( ・∀・)(しまった・・・油断したか・・・チッ!)
モララーは自身の身の保全を第一に考えていた。
次の瞬間、彼は銃声がした方向とは逆方向の茂みの中に飛び込んでいた。

557 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/31(水) 00:26:42.92 ID:kLHZ4bS20
( ´∀`)(・・・やった・・・)
狙撃に成功したことを確認したモナーはその場にへたり込んだ。
( ´∀`)(案外・・・呆気なかったモナ・・・)
その表情はほころんでいる。

( ´∀`)(・・・さ、ぐずぐずしてられないモナ)

彼はすぐに立ち上がり、茂みから抜け出ようとする。
( ´∀`)「・・・子供達を保護しないといけないモナ・・・」

558 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/31(水) 00:30:08.16 ID:kLHZ4bS20
子供達は未だ呆然とした表情で立ち尽くしたままだった。
( ´∀`)(・・・催眠状態が解けたからかモナ・・・?)

( ´∀`)(でもまぁそのうち、正気に戻るはずモナ・・・)
彼はニダーの亡骸に近づき、身体を調べる。

( ´∀`)(・・・あった、これだモナ!)
次の瞬間
彼の手には、血で薄汚れたハーメルンの笛が握られていた。
その時だ。
???「よぅ」
彼方から、声がした。

559 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/31(水) 00:33:19.14 ID:kLHZ4bS20
子供たちの更に向こうから現れたのは
( ´∀`)「!・・・ジョルジュ!」
( ゚∀゚)「悪いな、遅くなった」
彼はモナーのところに駆け寄る。
そして、地面に転がっている亡骸を見つけた。

( ゚∀゚)「・・・もう、終わったのか」
( ´∀`)「あっさりした終わり方・・・だったモナ」
( ゚∀゚)「ま、ニダーだからな、所詮」

561 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/31(水) 00:43:34.67 ID:kLHZ4bS20
そこに、殺意。
( ´∀`)「子供達はたった今、催眠状態から解き放たれたばかりモナ」
モナーは笛を眺めたまま、呟く。
( ´∀`)「今は放心状態だけど・・・すぐに元に戻るはずモナ」

( ゚∀゚)「あぁ、そうだな・・・」
ゆっくりと、モナーの背後に忍び寄る。
( ´∀`)「そうすれば事件は終わりモナ。子供達を連れ帰れば、万事終了モナ」
ゆっくりと、ポケットに手を入れて拳銃を取り出す。
( ´∀`)「それにしても・・・美しい笛モナ・・・血で汚れてなければ・・・もっと・・・」
( ゚∀゚)「そうだな・・・じゃあ、お前は」
( ´∀`)「モナ?」
その瞬間、モナーの後頭部に冷たい感触。
( ´∀`)「!?」
( ゚∀゚)「お前は、美しいままに、終わらせてやるよ」
ジョルジュの冷たい声。
そして一瞬の後、
その場に、銃声が響いた。

562 : ◆xh7i0CWaMo :2006/05/31(水) 00:46:36.11 ID:kLHZ4bS20
モナーは即死だった。
その場・・・ニダーの隣に、彼の躯が転がる
( ゚∀゚)(信じられない・・・とか、あの世で言ってんだろうな、こいつのことだから)
冷たい微笑を浮かべるジョルジュ
そして彼の手からハーメルンの笛を取り上げた。
血を袖で拭う。
そして、子供達の方へと向き直った。
( ゚∀゚)「お前ら・・・よく、聞け」

( ゚∀゚)「たった今から、この俺が、お前達のご主人様、だ」
そして彼は笛を吹く。
奇妙な音色が、その場を包んだ・・・

( ゚∀゚)(さて、あの女は・・・)

( ゚∀゚)(上手くやってるかねえ・・・)