第19話
('A`)守備隊がいるなんて話が違うじゃねぇか。おかげで3機やられた
('A`)だが、ヤツがいた。単身俺達に突っ込んできたヤツが
ケ゛イリー:ト゛ッキー、復讐とやらは叶ったかね?
('A`)おう、マックハ゛ーン。肝心な時に弾切れしちまったよ
ケ゛イリー:こっちは途中から援軍が来て大変だった
('A`)こっちも3機やられちまったよ。途中からFOXさえ出てこなけりゃな
ケ゛イリー:FOX?砂漠の冷たい獅子か?そりゃ災難だったな
('A`)ふん、ヤツも結構有名なんだな
ケ゛イリー:有名だとも。ところでシュヴァルベの方はどうだ?
('A`)加速はいいんだが、イマイチだな
ケ゛イリー:ドッグファイトの時に速度が落ちるからな
('A`)もっと格闘戦向きのヤツがいいんだがな
ケ゛イリー:ここにはこれしか無い。ま、馴れるんだな
('A`)しょうがねぇからな。何とかやってやるさ
ケ゛イリー:またしばらくは少数機の迎撃だけだそうだ
('A`)暇って事ね
ケ゛イリー:平たく言えばそうだな
('A`)それまでにせいぜい馴れておくか
('A`)さて、社長さんとこに行くかね
ケ゛イリー:どうした?社長は嫌なんじゃなかったのか?
('A`)俺を殺そうとしたのが誰か問い詰めに行くのさ
ケ゛イリー:何?政府軍のヤツらに撃墜されたんじゃないのか?
('A`)ちげーよ。不死鳥が俺を殺すように依頼されたんだとさ
ケ゛イリー:不死鳥チャーリーか?著名なヤツらばかり名前に出てくるな
('A`)結局相打ちで、生き残ったのは俺だけだったがな
('A`)アイツも悪いヤツじゃなかったんだがね
('A`)俺を殺すように依頼したヤツを恨んでくれよ
('A`)兄貴、か。因果なモンだな、兄弟ってのは
('A`)俺は俺を殺そうとしたヤツを知ってどうするんだろうな
兄:やぁ、ト゛ッキー。ここでの初出陣はどうだったかね?
('A`)どうもこうもねぇ。情報に踊らされて3人連れてかれた
兄:それは災難だった。もっと諜報活動を徹底させよう
('A`)そうした方がいいな。あれじゃ命が幾つあっても足りゃしねぇ
兄:それで何か用があったんじゃないのかね?
('A`)あぁ。単刀直入に聞こう。俺を殺すように依頼したのはアンタか?
兄:まさか
('A`)じゃあ誰が依頼したか知ってるか?
兄:知っているとも。今ごろは魚のエサだろうがね
('A`)なに?
兄:薄汚いマフィアの頭目だったよ
('A`)マフィアか。そんなヤツがどうして俺を
兄:ビジネスのためだと言っていたね
('A`)そういやチャーリーもそんな事言ってたな
兄:F-14をMig27が撃墜して、Mig27をシュヴァルベが撃墜する
('A`)シュヴァルベが一番強い様に見せようとしたってことか?
兄:そう言うことだろうな。実際、東も西も良く思っていない国は多いからな
('A`)どちらよりも上なら売れるってか。で、それになんで俺が入るんだ?
兄:嫉みだよ
('A`)嫉み?
兄:いきなりやってきて、彼の上の地位についてしまった私に対するね
('A`)それを俺に向けやがったって訳か
('A`)ったく、迷惑な話だな。今となってはどうでもいい話だがな
('A`)あの程度じゃ俺は殺せねぇよ。死神を殺せる死神なんて聞いた事無いしな
('A`)とりあえず、もう暗殺依頼は無さそうだな
('A`)暗殺出来るものならやってみて欲しいがね
兄:ところで、君はどうして反政府軍にいるんだね?
('A`)おかしいか?
兄:当初は傭兵として所属していたのは政府軍と言う事だったが?
('A`)あぁ、最初は政府軍にいたさ
兄:なんでまた?
('A`)どっちにつこうが傭兵なんてそんなもんだろ?
兄:そうかね?私は理由も無く仲間を捨てるとは思わないがね
('A`)ふん、俺は死神だぜ?ネイビーの同僚さえ殺した死神だ
兄:直接手を下した訳ではあるまい
('A`)俺がやったようなもんさ……
兄:それだけ気に病む程、仲間思いなのでは無いのかね?
('A`)……アンタと同じ、復讐のためさ
兄:復讐?政府軍の仲間に殺されたのか?
('A`)あぁ、フ゛ーンってヤツにな。いい奴さ
兄:いい奴か
('A`)俺の背中預けられるのはアイツを含めて世界で3人、いや、もう2人か
兄:それ程の相手に復讐すると言うのかね?一体誰を殺された?
('A`)……
兄:これはすまない。誰にだって詮索されたくない事はあるものだな
('A`)……
兄:その復讐のために君はここにいると言う訳だ
兄:私と同じではないか。ハハハ、これはいい!
兄もはや私の肉親はお前一人だ。兄弟で共に戦おう!
('A`)そう、だな
('A`)詮索されたくないんじゃない……
('A`)誰だったのか。その部分だけポッカリと抜け落ちてやがるんだ
('A`)フ゛ーンと戦り合えば思い出せると思ったが、ダメだった
('A`)その穴のせいかどうにも火がついてない感じだ
('A`)で、次の作戦は?基地を攻撃でもするか?
兄:いや、しばらくは迎撃だけでいい
('A`)そんなんでいいのか?
兄:この空母もまだ運用し始めたばかりでね
('A`)なるほど。データを集めきれてないってか
兄:次の作戦までには本格稼動出来なくてはならんからな
('A`)作戦は一応あるのか
兄:あるとも。まだまだ先の話だがね
('A`)まだまだ先、ね。どれくらい先なんだ?
兄:そうだな、一ヶ月はかかるだろうな
('A`)どうしてそんなにかかる?一体どんな作戦なんだ?
兄:戦力を増強する。整い次第、首都制圧作戦を行う
('A`)何!?一気に首都を攻めるってのか!?
兄:そうとも。こんな所でチマチマやっていてもアメリカは出てこまい
('A`)そいつは無理だろ。エリアVIPが首都に近過ぎる
兄:そのためにこの空母と君がいるんだろう?
('A`)これだけの兵器をを囮に使おうってのか。贅沢だな
兄:派手だから囮に持ってこいだろう?
('A`)まぁ確かにな。エリアVIPのヤツらはコイツに首ったけさ
兄:だが我々の戦力はこの空母には留まらんよ。次々と兵器が送られてくる!
兄:ティーガーにパンター、ドーラだって在るとも!!
兄:全て今の兵器など問題にならない程の改良がされている!!
兄:ナチスの兵器が愚かなアメリカの兵器を蹂躙するのだ!
兄:これ程胸がすく事はあるまいよ。あぁ、楽しみだ!楽しみだ!ハーッハッハッハ!
('A`)どうでもいいけど、何でそんなにナチス狂になってんだよ
('A`)大体、復讐とは関係無いだろうに。その辺も含めて狂ってるのか
( ^ω^)少しずつ地上空母との戦いも激しくなってきたお!
( ^ω^)ト゛クオ、お前はその空母に乗っているのかお!?
遂に明らかになった小国の内戦を覆い隠すほどの狂喜
兄:そうだ!これだ!これが見たかった!!ハハ、最高だ!!
その狂喜の元で火のつかない心を持て余す鎌を垂れた死神
('A`)俺は……一体誰の復讐をしようってんだ……?
与えられた一ヶ月の猶予はエリアVIPにとって幸か不幸か
FOX:私は必ず舞い戻る。あの砂漠に。あの空に。私の国に!
これまでに無い熾烈な戦いに、鋼鉄の翼は折れ、鳥たちは砂漠へと堕ちていく
次々と舞っては消えていく命を省みる事さえ、彼らは忘れねばならないのか
「血で目が見えねぇ!地上空母はどっちだ!?」
遥か向こうにぼんやりと浮かぶVIPの文字を頼りに彼らは止まり木を求める
聳える山の頂きに陽が登った時、何人がその光を見ているだろうか?
ツン:もう少し…!もう少しなのよ!負けないで、フ゛ーン!
( ^ω^)必ず生きてツンと会えるお!風は君の元へと吹いているお!
戦いを終えた彼らが降り立つのは滑走路か、それとも三途の川の目の前か!?
地獄から地獄へと旅路を行く渡り鳥達は、その羽を休める地へと辿り着けるのか!?
次回、君は砂漠の絶叫を聞く……
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