8 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/09(金) 22:39:47.37 ID:Taj2nNDW0
ーーー工房ーーー
机に向かい、一本の笛を前に苦悩する兄者。
( ´_ゝ`)「・・・ふぅ・・・」

( ´_ゝ`)(・・・もう少し・・・何か、が・・・)
もう幾日寝ていないだろう。
もう幾日何も口に入れていないだろう。
( ´_ゝ`)「・・・・・・」
死に時ぐらい、心得ているつもりだった。

その時
勢いよく扉が開かれた。
( ´_ゝ`)「・・・・・・・」
扉に背を向けたまま、彼は口を開いた。
( ´_ゝ`)「・・・しょぼんか」

9 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/09(金) 22:41:50.26 ID:Taj2nNDW0
(´・ω・`)「・・・・・・はい」
( ´_ゝ`)「いや、お前だけじゃない・・・な。ブーンって奴も、いるのか」
( ^ω^)「は、はい」
( ´_ゝ`)「・・・ふむ」

( ´_ゝ`)「まったく、死に際なのかしらんがやけに勘が冴える・・・」

彼は立ち上がり、振り向く
( ´_ゝ`)「・・・ん、それにもう一人・・・か」
川゜−゜)レ「あ、初めまして・・・」

10 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/09(金) 22:42:16.69 ID:Taj2nNDW0
( ´_ゝ`)「それで、何の用だ」
(´・ω・`)「・・・子供たちが暴れています」
( ´_ゝ`)「ほう」
(´・ω・`)「目的は・・・おそらく、あなたです」
( ´_ゝ`)「・・・・・・・」
( ^ω^)「ここから逃げるべきだお!でないと、殺されちゃうお!」
( ´_ゝ`)「・・・フン」

( ´_ゝ`)「そうすると・・・笛作りができなくなるが、いいのか?」
(´・ω・`)「え・・・」
(;^ω^)「そ、それはそのええと、別の場所で作業を・・・」
( ´_ゝ`)「・・・・・・・」

11 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/09(金) 22:43:01.05 ID:Taj2nNDW0
( ´_ゝ`)「・・・断る」
(;^ω^)「!」
( ´_ゝ`)「ここを出て行けというのならば、俺は笛を作らない」
(´・ω・`)「・・・弟者さん・・・ですか」

( ´_ゝ`)「・・・正確に言うならば、作らないのではない・・・作れないんだ」
(´・ω・`)「それは・・・?」
( ´_ゝ`)「・・・不思議とな」

( ´_ゝ`)「最近、調子がいい」

12 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/09(金) 22:43:50.99 ID:Taj2nNDW0
( ´_ゝ`)「一睡もしていないから・・・そろそろ身体にガタがきてもおかしくないと思うのだが・・・な」

( ´_ゝ`)「笛作り・・・といっても、予備の部品を組み合わせて細かい調整をするだけなんだが・・・」

( ´_ゝ`)「その作業も、以前より格段に速く、緻密にできるようになった」

( ´_ゝ`)「・・・まるで、弟者が俺に憑いているかのようにな」

13 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/09(金) 22:47:10.02 ID:Taj2nNDW0
( ´_ゝ`)「笑いたければ笑え。所詮、俺の独りよがりだ」
(´・ω・`)「いえ・・・」
( ´_ゝ`)「・・・ともかく、そういうことだ。ここを離れるつもりは、ない」
(´・ω・`)「・・・・・・・・」

( ´_ゝ`)「・・・話はそれだけか?」
(´・ω・`)「・・・はい」
( ^ω^)「ちょ、しょぼん」
(´・ω・`)「・・・・・・」
( ´_ゝ`)「・・・ならばそろそろ帰ってくれ・・・今夜には、終わるからな」
邪魔だといわんばかりに
兄者はまた背を向けて座り、作業を再開した。

(´・ω・`)「・・・行こうか」
しょぼんがそう呟いて、扉を開ける
(;^ω^)「・・・・・・・」
ブーンも仕方なく、それに続いた。

16 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/09(金) 22:54:13.31 ID:Taj2nNDW0
ーーー工房前 路上ーーー
( ^ω^)「あれでよかったのかお?」
(´・ω・`)「え?」
路上 狂騒が響くような気がする、路上
( ^ω^)「もう少し粘るべきだったんじゃ・・・」
(´・ω・`)「・・・あの人は何より弟者を大事にしていた人だから・・・粘ったところで、仕方なかったと思う」
( ^ω^)「・・・・・・・」
川゜−゜)レ「確かに・・・頑固そうな人だった」
( ^ω^)「じゃあ・・・これからどうするお?」
(´・ω・`)「ランちゃんを探そう・・・それと、夜までできるだけここには近づかないようにしないとね」
( ^ω^)「・・・なんでだお?」

17 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/09(金) 23:01:12.03 ID:Taj2nNDW0
(´・ω・`)「・・・彼らの標的の中に、僕らも入ってるだろうから」
川゜−゜)レ「・・・そう言えばまだ、ジョルジュさんとモナーさんは・・・?」
(´・ω・`)「・・・さぁ・・・」
彼らはまだ、ジョルジュが黒幕であることを知らない。
(´・ω・`)(もしも、全て罠だとしたら・・・)
心の中で、いつかの兄者の台詞を繰り返す
(´・ω・`)(・・・・・・裏にいるのは・・・)

18 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/09(金) 23:04:15.05 ID:Taj2nNDW0
ーーー路地裏ーーー
(,,゜Д゜)「・・・・・・」
ギコは
しぃの亡骸を抱えて
歩いていた。
(,,゜Д゜)(あーあ・・・)
しぃは
後を追うなといっていた
しかし
後を追いたい
天国でもあるのなら
そこで、しぃともう一度、暮らしたい

(,,゜Д゜)(・・・ま、。俺の行き先は地獄か)
一人、嘲笑する。

19 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/09(金) 23:09:22.67 ID:Taj2nNDW0
見下ろすとそこに
しぃの顔
冷たいような、温かいような表情。
(,,゜Д゜)(・・・・・・・・・)

(,,゜Д゜)(・・・・・・クソが・・・)

生きのこるとした場合
もう、できることは一つしかない。

この狂騒を
解明すること・・・

22 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/09(金) 23:12:48.59 ID:Taj2nNDW0
(,,゜Д゜)(・・・誰がやったんだ?)

(,,゜Д゜)(大体、不自然なことが多い)
彼は必死に頭を回転させる
(,,゜Д゜)(あまりにも街が静かなのは住民が避難したから・・・しかしそれがそもそも不自然だ・・・)

(,,゜Д゜)(警察もいないってのに、誰が避難させたんだ・・・?)

(,,゜Д゜)(・・・警察を使わずとも人を避難させることができる・・・それほどの、権力の持ち主・・・)

その時彼の目の前を、一人の男が横切った
(,,゜Д゜)「!」

(,,゜Д゜)「フサギコさん!」


ミ,,゜Д゜彡「!・・・ギコ・・・!?」

23 : ◆xh7i0CWaMo :2006/06/09(金) 23:18:38.46 ID:Taj2nNDW0
彼は二度驚いた
ギコがこの場にいることと
彼が女性の亡骸を抱いていること

そして、焦った。

ミ,,゜Д゜彡「お、お前なんでこんなところに・・・?」
(,,゜Д゜)「・・・・・・」
ギコは答えない

一つ、考えが浮かんだからだ。

(,,゜Д゜)「・・・フサギコさん」
ミ,,゜Д゜彡「何・・・だ?」
(,,゜Д゜)「少し、聞きたいことがあるんすけどね」
ミ,,゜Д゜彡「・・・・・・・・」

ミ,,゜Д゜彡「あぁ、いいだろう」
意外にもすぐ、彼は首を縦に振った。

ミ,,゜Д゜彡「だがここは少し危ないな・・・」
(,,゜Д゜)「・・・・・・」

ミ,,゜Д゜彡「場所を、移そうか」
禍々しい何かが、両者の間で渦を巻いていた。