613 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 00:38:56.31 ID:jxAQEt550
ーーー路上ーーー
( ゚∀゚)「・・・・お嬢さん」
ξ゚听)ξ「え・・・?」
目的地へと向かう道の途中
小走りのままジョルジュがツンに話しかける
( ゚∀゚)「・・・ブーンのこと」
ξ゚听)ξ「!・・・」
( ゚∀゚)「・・・もし、あいつが暴走・・・狂っているとしたら」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
( ゚∀゚)「止められるの、お嬢さんだけだと思うぜ」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
ξ゚听)ξ「どうして?」
( ゚∀゚)「いや、なんとなく・・・そんな気がした」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
614 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 00:40:25.46 ID:jxAQEt550
ーーー路地裏ーーー
(,,゚Д゚)「にしてもどこに行っちまったんだか・・・」
川゚−゚)レ「とにかく探してみよう・・・」
(,,゚Д゚)「・・・まだ、しぃがうろついてるかもしれねぇ・・・油断するなよ」
川゚−゚)レ「あぁ」
・・・
・・
・
ーーー別所 路地裏ーーー
( ゜ω゜)「・・・・・・」
( ゜ω゜)「・・・・・・」
( ゜ω゜)「・・・・・・」
( ゜ω゜)「・・・・・・」
・・・
・・
・
615 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 00:41:50.48 ID:jxAQEt550
数分後
ギコ達は見つける
道をふらふらを歩く、ブーンを
(,,゚Д゚)「ブーン!」
( ゜ω゜)「・・・・・・」
背後からギコが呼びかけた
ゆっくりと、ブーンが振り返る
川゚−゚)レ「!・・・」
(,,゚Д゚)「・・・お前・・・」
彼の腕や脚には、飛び散ったものと思われる血がこびりついていた
617 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 00:48:50.49 ID:jxAQEt550
( ゜ω゜)「・・・・・・」
(,,゚Д゚)「あの男を殺したのはお前なのか!?」
だが答えない
目を半分閉じ、虚ろに二人を見つめている
(,,゚Д゚)「どうしちまったんだ・・・?」
川゚−゚)レ(・・・彼・・・まずいかもしれない)
そのクーの思いはけして杞憂ではなかった
( ゜ω゜)「・・・・お」
(,,゚Д゚)「あ?」
( ゜ω゜)「・・・・・・・・ねお」
(,,゚Д゚)「なんだよ」
次の瞬間、彼は右腕を振り上げた
( ゜ω゜)「死ねお!」
(,,゚Д゚)「な・・・」
次の瞬間、銃声
その弾丸は確実に
ギコの左胸を貫いた
620 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 00:53:02.94 ID:jxAQEt550
川゚−゚)レ「・・・!」
( ゜ω゜)「お前も敵だお・・・!全部、全部・・・殺してやるお!」
川゚−゚)レ「どうしたんだ!ブーン!」
( ゜ω゜)「うるさいお!」
さらにもう一つ、銃声
川゚−゚)レ「クッ」
間一髪でクーはそれを回避する
ギコはもう・・・息をしていない
川゚−゚)レ(何があった・・・?)
悪夢を見ているような気分だ
つい先程までうじうじと人を殺したくないとのたまっていた男が、躊躇いも無くギコを殺した・・・
川゚−゚)レ「くそっ!」
クーは身を翻し、走り出す
そして、ブーンの発砲の前に、横道へと逃げ込む
川゚−゚)レ(・・・・待てよ)
川゚−゚)レ(・・・どうせならここで殺してもらおうか・・・?)
621 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 00:55:25.81 ID:jxAQEt550
川゚−゚)レ(いや・・・だめだ・・・まだ、私は・・・)
川゚−゚)レ(このことをジョルジュ・・・たちに知らせないと・・・)
( ゜ω゜)(ここかお?)
ブーンの狂気に満ちた顔が見える
クーは振り返ることなく、路地を駆けた
川゚−゚)レ(ブーン・・・やはり・・・)
川゚−゚)レ(狂ってしまったのか・・)・
685 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 14:31:35.29 ID:jxAQEt550
ーーー路地裏ーーー
(*゚ー゚)「・・・もう、誰もいなくなった・・・?」
(*゚ー゚)「・・・・・・」
(*゚ー゚)「もっと・・・欲しいのに・・・」
(*゚ー゚)「・・・・・・」
ーーー路上ーーー
背後から迫る恐怖を感じつつクーは走る
川゚−゚)レ(・・・ブーンが・・・・・・)
川゚−゚)レ(もしかしたら・・・)
川゚−゚)レ(ブーンを殺さないといけないのかも・・・しれない)
686 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 14:32:10.31 ID:jxAQEt550
ーーー街路ーーー
約90分後
ジョルジュとツンは目的の場所へと到達していた
( ゚∀゚)「まだ・・・しぃは来ていないみたい・・・だな」
ξ゚听)ξ「・・・ブーンは・・・」
( ゚∀゚)「ま、あいつ結構生命力高そうだから、生きてんじゃね?」
できるだけ陽気に聞こえるように、ジョルジュは答えた。
( ゚∀゚)「とりあえず、待とうぜ」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
687 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 14:32:53.63 ID:jxAQEt550
その十分後
すでに太陽が真上に近づいていた
一人の女が走ってくる・・・
( ゚∀゚)「クーさん!」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
川゚−゚)レ「はぁ・・・はぁ・・・」
( ゚∀゚)「どうしたんだ?そんなに走って・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・ギコは?」
川゚−゚)レ「はぁ・・・」
今まで全力で走ったのだろう
クーはひざを折り、地面につける
( ゚∀゚)「クーさん・・・」
688 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 14:33:18.84 ID:jxAQEt550
その時、背後から幾つもの銃声
ξ゚听)ξ「!」
( ゚∀゚)「きた・・・しぃか・・・!」
川゚−゚)レ「・・・ちが・・・う」
( ゚∀゚)「何・・?」
川゚−゚)レ「あれは・・・あれはしぃではない・・・あれは・・・」
川゚−゚)レ「ブーン・・・だ」
( ゚∀゚)ξ゚听)ξ「!?」
川゚−゚)レ「とにかくここを離れよう・・・今の、今のあいつは・・・」
必死に訴えるクー
ジョルジュは少し考え込み・・・頷いた
( ゚∀゚)「わかった・・・話は逃げてから聞く」
ξ゚听)ξ「ジョルジュ・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・」
( ゚∀゚)(ギコは・・・どうした)
( ゚∀゚)(まさか・・・な)
現実はあまりにも儚く、呆気ない
689 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 14:33:40.72 ID:jxAQEt550
ーーー路地裏ーーー
ξ゚听)ξ「・・・・・・・・・」
( ゚∀゚)「ギコ・・・が・・・?」
川゚−゚)レ「あぁ・・・」
川゚−゚)レ「ブーンに・・・殺された」
ふらり、と
ジョルジュの身体が揺れる
ビルの壁に手をつき、なんとか姿勢を保つ
( ゚∀゚)「そりゃねーよ・・・あいつが・・・あんな奴に・・・」
川゚−゚)レ「ギコも・・・私も、ブーンが撃ってくるなんて思わなかった・・・油断・・・していたんだ」
( ゚∀゚)「・・・・・・・」
( ゚∀゚)「あぁ・・・そうか」
ジョルジュが誰にとも無く呟き、壁から手を離す
そして、手に持った拳銃を空に向け・・・撃ち放った
ξ゚听)ξ「・・・ジョルジュ・・・?」
( ゚∀゚)「・・・それじゃあそろそろ」
( ゚∀゚)「俺も、狂うか」
690 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 14:34:04.25 ID:jxAQEt550
川゚−゚)レ「何・・・?」
( ゚∀゚)「・・・俺とギコはブーンを守ると決めていた・・・何を差し置いても、な」
ξ゚听)ξ「・・・・・」
( ゚∀゚)「だが・・・その必要もないらしい・・・あいつ、強いみたいだからな」
ジョルジュは歩き出す
( ゚∀゚)「俺は・・・」
( ゚∀゚)「ギコの仇を討つことにするぜ」
川゚−゚)レ「・・・・・・」
川゚−゚)レ「少し、待て」
( ゚∀゚)「・・・止める気か?」
川゚−゚)レ「いや・・・止める気はない・・・だが」
川゚−゚)レ「その前に・・・私を殺していけ」
皆、どんどん狂っていく
692 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 14:34:49.88 ID:jxAQEt550
( ゚∀゚)「・・・・・・・」
川゚−゚)レ「・・・約束、しただろう?」
( ゚∀゚)「あぁ・・・そうだった」
ξ゚听)ξ「やめて・・・」
か細い、声
( ゚∀゚)「・・・ま、俺がブーンに殺されたら、約束果たせないからな」
川゚−゚)レ「あぁ」
ξ゚听)ξ「やめてよ!・・・まだ、そうよ、まだしぃを倒してないじゃない・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・」
川゚−゚)レ「そうだったな・・・しぃは・・・まだか?」
( ゚∀゚)「あぁ・・・」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
ξ゚听)ξ(・・・怖い・・・)
冷たく、狂って
693 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 14:35:42.78 ID:jxAQEt550
ーーー街路ーーー
( ゜ω゜)「・・・・・・」
銃声が鳴り響く 人が崩れる、壊れていく
躊躇いを失った彼は最早、冷徹な鬼そのものだった
( ゜ω゜)「敵・・・全部敵・・・僕を殺そうとする・・・敵・・・」
自らの身体が赤黒く汚れるのも気にせず
ただ、人を殺す
( ゜ω゜)「・・・あそこにも・・・敵が・・・」
すでに足取りはおぼつかない
ただ目だけをギラギラさせて、獲物を狙う
その時、排気音
( ゜ω゜)「・・・・・・」
一台の車がブーンに迫る
車は彼の近くで止まった
乱暴にドアが開かれ、中から銃を片手にした女が降りてくる
694 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 14:36:12.71 ID:jxAQEt550
(*゚ー゚)「・・・この匂い・・・」
しぃ、だ
ブーンがなんとなく立ち止まり、彼女を観察する
(*゚ー゚)「この匂い・・・彼の匂い・・・」
(*゚ー゚)「あなた?彼を殺したの」
しぃがブーンにたずねる
その空間には彼ら二人しかいないようだ
ブーンは肯定も否定もしなかった
彼女が銃をブーンに向ける
だが、ブーンも動いていた
発砲 しかし、当たらない
695 :
◆xh7i0CWaMo :2006/05/13(土) 14:37:40.21 ID:jxAQEt550
(*゚ー゚)「あなたがぁ、殺したのね・・・・えぇぇ」
狂人同士の戦い
しぃの撃つ弾丸はブーンに一つとして当たらない
ブーンが強くなったわけではない
しぃが弱くなったのだ
片恋の相手との再会、そして死別
それが彼女を狂わせ、弱らせたのだ
そしてすでに
彼女の精神は限界に達していた
人の精神など、簡単に崩れるということだろう
ブーンも彼女を撃つ
しかし走りながらの発砲ではなかなか直撃しない
それでも弾丸は、彼女の腕を掠め、脚を掠める
699 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 14:47:40.07 ID:jxAQEt550
(*゚ー゚)「・・・・・・」
彼女の僅かな理性が思考回路を刺激する
(*゚ー゚)(・・・あぁぁぁ・・・)
しぃが壁の陰に隠れた
ブーンがここぞとばかり攻めに転じようとする
しかし
ブーンが飛び出した瞬間
彼女は、銃身で彼の後頭部を殴りつけた
彼はうつぶせに地面に叩きつけられたかのように倒れた
しぃが彼の背中に馬乗りになる
そして、血の流れる彼の後頭部に銃口をあてがった
(*゚ー゚)「死ね・・・死ね!」
銃声
701 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/13(土) 14:53:05.04 ID:jxAQEt550
だが、それはしぃの銃から発せられたものではなかった
(*゚ー゚)「・・・・・・!」
しぃが、彼の上に折り重なって、倒れた
( ゜ω゜)「・・・・・・・」
何が起こったのか理解できないまま、ブーンはしぃを振り払って起き上がる
( ゚∀゚)「・・・・・・」
彼方に
銃口をこちらに向けて立っているジョルジュが見えた。
(*゚ー゚)「・・・ぁ・・・」
しぃが悶える・・・いや
(*゚ー゚)「ぁは・・・・あはははははあははは・・・」
彼女は笑っていた
( ゜ω゜)「・・・・・!」
やはり
ブーンには何が起こっているのか理解できない
しかし
一つわかっていることがあった
自分を殺そうとした敵が、未だ生きている
彼は銃口をしぃに向けた
そして引き金を引く
笑い声が、途切れた