200 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 23:20:17.26 ID:WJWy5WeR0

――――第五話


(メ゚ω゚)「ぐぅううううぅうううぅうう・・・・」

ブーンは地に膝を着く。

ξ;゚听)ξ「ブーン!!」

(メ゚ω゚)「・・・・ツン、どうしてここに?」

ξ;゚听)ξ「そ、そんなことより止血よ!!」

ポケットを探り、ハンカチを取り出す。
メスを抜き、ハンカチを肩に巻く。

ξ;゚听)ξ「こ・・・これで一応応急処置はできたかしら・・・」

( ・∀・) 「応急処置なんて必要ない。その男は僕が殺すからね」

モララーはいつのまにか目の前に来ていた。

203 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 23:25:38.23 ID:WJWy5WeR0

ξ;゚听)ξ「ば・・・・馬鹿なことはやめなさいよ!!!大体なんでメスなんか持ってるのよ!!!」

( ・∀・) 「ただの護身道具さ。そんなことより・・・」

モララーは笑う。

( ・∀・) 「馬鹿なのは君だ。殺らなくては殺られるんだぞ?現に人が死んだ。いや、殺された。そいつにね」

(メ゚ω゚)「もらぁ・・・・・ラー・・・・・ッ!!」

( ・∀・) 「それにしても君はホントに馬鹿だね。仮にも幽霊なんだろ?なぜメスが刺さるんだい?」

ブーンは立ち上がる。
肩からはまだ血が流れていた。
 

206 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 23:28:35.61 ID:WJWy5WeR0

(メ゚ω゚)「僕は・・・・最後に・・・・・・」

( ・∀・) 「最後に?」

(メ゚ω゚)「最後に・・・・・人に・・・・なりたかったからかもしれない・・・・」

( ・∀・) 「ハハッ!君は人間だよ?」

手を広げる。
日の光がモララーの背に当り、今にも飛び立ちそうだった。
その姿は、不気味なほど似合っていた。

( ・∀・) 「殺人鬼という・・・・・立派な人間さ」

ξ;゚听)ξ「モララー!!それ以上何かを言うのはやめなさいっ!!」

( ・∀・) 「ツン君・・・・。君たちっていう人間は本当に・・・・・」

モララーは懐に手を入れる。

( ・∀・) 「馬鹿だな」

鋭い痛み。
どこからこの痛みを感じているのか。
わからなかった。
痛い。初めて味あうこの痛み。
できれば一回も味わいたくなかった。
その場に倒れる。

207 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 23:32:48.05 ID:WJWy5WeR0

(メ゚ω゚)「ツンッ!!!!!!!」

そのとき気づいた。
お腹にメスが刺さっていたのだ。

ブーンはさっき私が巻いたハンカチをとり、今度は私のお腹にまく。

(メ゚ω゚)「君は・・・・!!こんなところで死んではいけない!!!!」

ξ;∀;)ξ「・・・・ブーン」

時折触れる彼の手。
とても暖かかった。

(メ゚ω゚)「貴様なぜツンに手を出したああああああああああ!!!!!!!!」

手の平を前に突き出す。が、その手をモララーが押さえ込む。

(メ゚ω゚)「・・・・ぐ!!」

モララーはブーンの瞳を覗きこむ。
その瞳はとても冷たい。

 

208 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 23:36:18.01 ID:WJWy5WeR0

( ・∀・) 「恐いんだろう・・・・僕が」

ブーンの耳元でつぶやく。

(メ゚ω゚)「・・・な!!なにを!!」

( ・∀・) 「この復讐の場は僕のために設けたんだろう?」

ブーンは黙る。
どうやら図星のようだった。

( ・∀・) 「殺そうと思えばいつでも殺せた。でも君は殺さなかった」

(メ゚ω゚)「は・・・・離せお!!!」

腕をふるがモララーは離さない。

( ・∀・) 「それは僕というメインディッシュを最後に残したからじゃない。逃げていたんだ」

全てを論す口調。

212 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 23:44:43.95 ID:WJWy5WeR0

( ・∀・) 「君は・・・・どうして僕がここへ呼ばれたか知っているかい?」

ξメ゚听)ξ「し・・・・知らないわ・・・・・」

モララーは笑う。
気持ちのいい笑いでもなく、馬鹿にするような笑いでもなく。
ただ冷酷に。

( ・∀・) 「僕が彼を殺したからさ」

ξメ゚听)ξ「――――――――――――ッ!!!!」

ようやくわかった。
ドクオが彼を・・・・モララーをイレギュラー的存在といった理由を。
彼は人を、ブーンを殺していた。

ξメ゚听)ξ「嘘・・・・でしょ・・・・?」

モララーの顔をみる。

( ・∀・) 「君は今まで自分がブーンをふったから自殺したと思っていただろう?だが現実は違う」

ξメ゚听)ξ「ブーン・・・・・本当なの?」

彼は静かにうなずく。

215 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 23:48:09.46 ID:WJWy5WeR0

( ・∀・) 「だからある意味彼が僕を殺そうとしてるのも正当なんだよ」

ξメ゚听)ξ「あ・・・・・なたが・・・・・・」

悲しかった。
毎日毎日辛い虐めに耐えたブーンがこんな男に殺されてしまったのが。

( ・∀・) 「彼には生きている価値がなかった。だから僕はその手助けをしてあげた」

平気で、さらりと言ってのける。

ξメ゚听)ξ「あなたは・・・・最低よ・・・・・・」

( ・∀・) 「ふふふふ・・・・・・・・ふぅううううううッ!?」

突然、モララーがしゃがむ。
その顔はとても苦しそうだった。
 

218 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 23:52:06.65 ID:WJWy5WeR0

(メ゚ω゚)「・・・・モララー・・・・・」

( ・∀・) 「・・・・ブーン・・・・貴様ッ!!!」

手の平を徐々に握る。
その度にモララーは声を上げる。悲痛な声を。

(;・∀・) 「やめっ・・・・ろぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!」

(メ゚ω゚)「僕は・・・・・生きる価値がなかったかもしれない・・・・・」

また、握る。

(;・∀・) 「ギギギギギギギギギギギィィィィ・・・・・・・・」

(メ゚ω゚)「それでも僕は・・・・・この世界を・・・・・」

(メ;ω;)「生きたかったんだお・・・・・・ッ!!」

頬に流れる一筋の水。

(メ;ω;)「一緒に・・・地獄に堕ちよう・・・」

(;・∀・) 「いやぁっだぁぁ・・・死にたく・・・・ないっ・・・」

ブーンは拳を握り、引く。
その手にはモララーの心臓が握られていた。静かに、倒れる。
命という糸が切れてしまった。
 

220 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 23:56:08.11 ID:WJWy5WeR0

(メ;ω;)「ウック・・・・・・ヒック・・・・・・」

ξメ゚听)ξ「ブーン・・・・・」

ブーンの元へ歩く。
強制ではなく、ただただ、自然に。

(メ;ω;)「復讐は復讐しか生まない・・・・・。こんな簡単なのに・・・・・」

(メ;ω;)「僕はッ・・・・・気づけなかった・・・・馬鹿だお・・・・!!」

手の平で顔を隠す。

ξメ゚听)ξ「あなたは・・・・やってはいけないことをした」

(メ;ω;)「ツ・・・・・・ン?」

ξメ゚ー゚)ξ「でもあなたは学んだ。後悔した。なら・・・それを償えばいいじゃない。だからこそ罪滅ぼしという言葉がある」

(メ;ω;)「・・・・・・・」

顔を隠している手をほどき、握る。

220 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 23:56:08.11 ID:WJWy5WeR0

(メ;ω;)「ウック・・・・・・ヒック・・・・・・」

ξメ゚听)ξ「ブーン・・・・・」

ブーンの元へ歩く。
強制ではなく、ただただ、自然に。

(メ;ω;)「復讐は復讐しか生まない・・・・・。こんな簡単なのに・・・・・」

(メ;ω;)「僕はッ・・・・・気づけなかった・・・・馬鹿だお・・・・!!」

手の平で顔を隠す。

ξメ゚听)ξ「あなたは・・・・やってはいけないことをした」

(メ;ω;)「ツ・・・・・・ン?」

ξメ゚ー゚)ξ「でもあなたは学んだ。後悔した。なら・・・それを償えばいいじゃない。だからこそ罪滅ぼしという言葉がある」

(メ;ω;)「・・・・・・・」

顔を隠している手をほどき、握る。

222 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/08(木) 23:58:15.09 ID:WJWy5WeR0

ξメ゚ー゚)ξ「あなたは間違った答えを出した。その答えが間違っていることに気づいた。あなたは学んだ」

(メ;ω;)「でも・・・僕は・・・僕は・・・クラスメイトを・・・」

ξメ゚ー゚)ξ「その罪を償うのが・・・あなたの役目よ・・・」

(メ;ω;)「僕は・・・罪を」

涙をふく。

(メ^ω^)「罪を償うお」

彼の素顔はとても優しいかった。
虐められていた時には決してみれなかった・・・優しい顔。
なぜもっとはやくこの顔をみれなかったのだろう。
 

226 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/09(金) 00:01:16.72 ID:NuE7KZdQ0

ξメ゚ー゚)ξ「それでこそ・・・本当のブーンよ・・・」

(メ^ω^)「ツン、僕は君に言いたいことがあるんだお」

ξメ゚听)ξ「なに?」

(メ^ω^)「僕は2つの理由できたんだお。復讐と・・・・・君にあやまりに」

ξメ゚听)ξ「わたしに?」

(メ^ω^)「いままで、ツンは自分が僕を殺したと思い、今日まで過ごしていたと思うお。それを詫びにきたんだお」

ξメ゚听)ξ「ブーン・・・」

(メ^ω^)「この場を与えてくれた人が言ってたお。人間は醜い生き物だって。僕もそれに同意した。
      生きていたなかでとても人を好きになれなかったから。」

ブーンは、手をほどき、私を抱く。

(メ^ω^)「でもそれは・・・僕が気づかなかっただけだったんだお。あまりに近くにいすぎて」

(メ^ω^)「ツン、君は美しい」

ブーンの周りに闇が現れる。
その闇がブーンを取り込み、姿を消した後私は理解した。
彼は罪滅ぼしに逝ったことを。

ξメ゚ー゚)ξ「あなたなら・・・できるわ」

 

 

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