50 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 16:07:17.56 ID:MhNUoWhqO


弟者の呼び掛けでロビーに集まる宿泊客。

ξ゚听)ξ「……」

( ^ω^)「……」

('A`)「……」

(´・ω・`)「……」

(*‘ω‘ *)「……」

( ><)「……」

( <●><●>)「……」

ロビーは実に静かだった。
まだなんの説明もされていないツン達は、黙っているしかなかった。

( ´_ゝ`)「待たせたな。鍵は全部閉めてきた」

(´<_` )「客もだいたいは揃った」

( ´_ゝ`)「いないのは…あのカップル客か」

 
54 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 16:12:37.16 ID:MhNUoWhqO
(´<_` )「寝てるのか?まぁいい、兄者」

( ´_ゝ`)「あぁ」

兄者は息を吸い、呼吸を整えると、ゆっくりと口を開いた。

( ´_ゝ`)「お客様の一人が、お亡くなりになりました」

兄者の一言に、ツン達に動揺が広がる。

(;'A`)「心臓発作か何かですか?」

(;´_ゝ`)「いえ……殺しです」

(;<●><●>)「そう言うだろうと、わかってました……」

皆驚きを隠せない様子だった。

(;´・ω・`)「まさか、最近ニュースになってる猟奇殺人犯じゃ…」

(((;><)))「こ、怖いんです……」

 
56 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 16:16:20.07 ID:MhNUoWhqO
ざわざわと騒ぎ出す者。

(;^ω^)「おっお…」

(;*‘ω‘ *)「ぽっぽ…」

言葉にならない声を上げる者。

(´<_`;)「そうだとしたらますます危険じゃないか」

(;´_ゝ`)「鍵は閉めてきた。みんなここにまとまっていれば、安心だろう」

ξ;゚听)ξ「あ、あの…カップルのお客さんも呼んだ方がいいんじゃないですか?」

(;´_ゝ`)「そ、そうですね」

ツンの言葉に、兄者は急いでギコとしぃが泊まっている部屋に向かった。



思いきりドアを叩く。
しかし、誰も出てくる気配がない。

 
60 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 16:19:20.71 ID:MhNUoWhqO
(;´_ゝ`)「ギコさんしぃさん!?」

何度も何度もドアを叩き、大声で呼びかける。

(´<_`;)「どうした兄者」

そんな兄者を心配した弟者や他の客が、部屋の前にやってくる。

(;´_ゝ`)「呼んでも返事がないんだ」

(´<_` )「仕方ない、予備のキーだ」

( ´_ゝ`)「すまない」

兄者が鍵を開け、ゆっくりとドアを開く。
聞こえてくるのは、シャワーの音だけ…。

( ´_ゝ`)「弟者、お前はシャワーを止めてきてくれ」

(´<_` )「御意」

( ´_ゝ`)「ギコさーん、しぃさーん」

 
62 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 16:23:14.30 ID:MhNUoWhqO
やはり、何も返ってこない。
寝室にゆっくりと足を踏み入れる。
ベッドの上に、人がいた。

( ,,゚Д゚)「……」

ξ;゚听)ξ「キャアアア!!」

ツンが叫ぶ。
ギコは、無惨な形で殺されていた。

(´<_`;)「あ、兄者!浴室で、しぃさんが殺されている……」

シャワーを止めに行った弟者が慌てて部屋に入ってくる。

(´<_`;)「あぁ…ギコさんまで……」

(;'A`)「じゃあ、もうその殺人犯はこの山荘の中にいんのかよ…」

(((;><)))「怖いんです!ぼ、僕は部屋に戻ります!」

 
68 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 16:27:33.27 ID:MhNUoWhqO
(;<●><●>)「一人でいるのが危険なのはわかってます」

(;><)「部屋に閉じ籠っていれば平気です!!」

わかってますの制止を押し切り、わかんないですは走っていった。

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ……」

( ´_ゝ`)「我々はロビーに戻りましょう」

(;^ω^)「はいだお…」



何時間経ったのだろうか。
まだ日は昇る兆候もない。
ロビーで静かに固まる彼等には、時間の経過がとても長く感じた。

ξ゚听)ξ「そういえば電話、繋がらないんですよね…」

( ´_ゝ`)「あ、はい…」

 

 

70 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 16:32:51.80 ID:MhNUoWhqO
(´・ω・`)「そうだ、携帯は?」

(´<_` )「この辺は電波が悪いので、おそらく圏外だと思います」

( <●><●>)「でも、もしかしたら繋がるかもしれません。部屋に取りに行ってきます」

( ´_ゝ`)「無駄ですよ」

( <●><●>)「駄目で元々なのはわかってます」

わかってますが立ち上がった。

('A`)「一人だと危ないからブーンも行ってやれ」

( ^ω^)「なんで僕なんだお。言い出しっぺのドクオが行けばいいお」

(´・ω・`)「ドクオはチキンなんだよ。僕がついていく」

 
72 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 16:37:09.43 ID:MhNUoWhqO
ショボンが立ち上がる。
わかってますとショボンは、ロビーを出ていった。

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ……」

ξ゚听)ξ「大丈夫ですよ」

( ^ω^)「そうだお!ショボンはチキン野郎のドクオと違って強い男だお!」

('A`)「ひでぇ」

( ^ω^)「チキンが」
ξ゚听)ξ「チキンが」
( ´_ゝ`)「チキンが」
(´<_` )「チキンが」
(*‘ω‘ *)「チキンぽっぽ」

(;A;)「うっ…」

 
75 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 16:43:15.85 ID:MhNUoWhqO


部屋でガクガクブルブルと震えるわかんないんです。
見えざる恐怖に怯え、自分も殺されてしまうのではないかと不安に襲われる。

(((;><)))「なんでこんなことになったのかわかんないんです……」

野鳥観察を楽しむためにやってきたはずだったのに。
こんなことになるなら来なければよかったと、わかんないんですは後悔した。
だが、じっとしていれば襲われないだろうと、わかんないんですは耐え続ける。

(;><)「うう…」

わかんないんですの恐怖心を逆撫でするように、ドアをノックする音がした。

 
78 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 16:47:58.27 ID:MhNUoWhqO
(;><)「だ、誰ですか!?」

声は返ってこない。
ゆっくりとドアに近付き、怖いながらもわかんないんですはドアを開いた。

( ><)「なんだ…驚かさないでください」

ドアを開いたそこにいた人物にわかんないんですは安心する。
だが、

( ><)「うぐっ…」

口を塞がれ、わかんないんですはそのまま部屋の中に押し込まれていった…。



(´・ω・`)「ただいま」

( <●><●>)「圏外なのはわかってました」

携帯で電話をしようと部屋に戻ったわかってました達は、とぼとぼとロビーに帰ってくる。

 
82 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 16:54:09.89 ID:MhNUoWhqO
( ´_ゝ`)「もうすぐ朝です。それまで待ちましょう。朝には雪も収まってるはずです」

(´<_` )「橋を越えないと民家もないからな、兄者」

( ´_ゝ`)「あぁ、明るくならないと動くに動けない」

流石兄弟は溜息をつく。
八方塞がりのツン達。

( ^ω^)「少しは眠った方がいいお」

ξ゚听)ξ「いえ、オールするくらい平気です」

( ^ω^)「そうかお。でも、眠たくなったらいつでも言うお」

ξ///)ξ「へ、平気です!」

顔を赤くしたツンは、ブーンから顔を背ける。

 
84 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 16:59:34.03 ID:MhNUoWhqO
ξ///)ξ「眠たくならないと思いますけど、眠たくなったら寝させてもらいます」

そして、恥ずかしそうにつけたした。



夜が明ける。
雪も止み、朝日が雪の地面を照らす。
皆に、希望が蘇った。

( ´_ゝ`)「よし、では山を下りましょう」

( <●><●>)「わかんないんですちゃんはまだ部屋なのはわかってます」

('A`)「早くこんなとこからいなくなりたいぜ…」

兄者がドアを開いた。

(;´_ゝ`)「これは、だいぶ積もったな」

(´<_`;)「凄いな。これは、山を下りるだけでも一苦労だ…」

 
87 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 17:03:11.52 ID:MhNUoWhqO
兄者と弟者は呆然と雪が広がる外の景色を眺め続ける。

(´・ω・`)「どうかしたんですか?」

(´<_` )「見てください。予想以上の大雪なんです」

(´・ω・`)「これは、雪に足を取られかねないね」

宿泊客達も雪原となった外を見る。

( ´_ゝ`)「…俺が下りて助けを呼んでこよう」

兄者がぼそっと呟いた。

(´<_`;)「だが兄者…」

( ´_ゝ`)「雪は慣れてる」

(´<_`;)「しかし…そうだ、猟銃があったろ!それを持っていくといい」

( ´_ゝ`)「いや…いい」

兄者は静かに言った。

 
106 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 18:42:07.41 ID:MhNUoWhqO


準備を整えた兄者が再度ドアを開いた。

( ´_ゝ`)「じゃあ、行ってくる」

(´<_` )「気を付けてな」

兄者を見送る弟者の顔は、どこか情けなく見える。

( ^ω^)「…なんかお腹空いたお」

('A`)「空気嫁」

(´・ω・`)「緊迫感ないよね」

だが、ブーンの言葉は皆の気持ちを表していた。

(´<_` )「昨日のバイキングの残りしかありませんが…」

ξ゚听)ξ「じゃあ、わかんないんですさんでしたっけ。その人も呼んで朝食にしましょう」



(;´_ゝ`)「なんてことだ…」

 
107 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 18:45:24.58 ID:MhNUoWhqO
兄者は絶望した。
やっとここまで来たというのに。

(;´_ゝ`)「橋が、焼け落ちてやがる…」



わかんないですの部屋に揃って向かう一同。

( <●><●>)「わかんないですんちゃん、朝になりましたよ」

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」ぼいんっ

助かる見込みがあり、わかってますとちんぽっぽは嬉しそうにわかんないですを呼ぶ。
しかし、返事はなかった。

(´<_`;)「開けますよ…」

皆に嫌な予感が立ち込める。
静か過ぎる部屋。
部屋の奥に、人の足が見えた。

 
111 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 18:51:14.92 ID:MhNUoWhqO
(;<●><●>)「わかんないんですちゃん…?」

わかってますが、恐る恐る部屋を覗き込む。

( ><)「……」

(;<●><●>)「わかんないんですちゃん……」

(*;ω;*)「ち、ちんぽっぽぉー!!」

ちんぽっぽはツンに抱きつき、泣き崩れる。

ξ゚听)ξ「……」

ツンはただ黙って、ちんぽっぽを優しく抱き締め続けた。

(´<_` )「もう…もう嫌だ…」

独り言のように、弟者が呟く。
そして、部屋から飛び出していった。

 
113 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 18:54:20.50 ID:MhNUoWhqO
('A`)「どうしたんだ?」

( ^ω^)「とにかく、一人は危険だお」

(´・ω・`)「追いかけよう」

三人が弟者を追う。

ξ゚听)ξ「私達も行きましょ」

(*;ω;*)「ぽっぽ……」

( <●><●>)「はい……」

落ち込む二人をなだめながら、ツンは部屋を出る。

「や、やめるお!!」
「うるせー!!」

ロビーが騒がしい。
ツン達は急いだ。

ξ゚听)ξ「何かあったんです…か……」

駆け付けたツンだが、その光景を見て硬直する。
弟者が、ブーン達に猟銃を向けていた。

 
114 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 18:57:45.27 ID:MhNUoWhqO
(´<_` )「もうウンザリだ!犯人は誰だ!?」

(;'A`)「お、落ち着いて…」

(´<_` )「うるせーっつってんだよ!!」

(;'A`)「ヒィィ」

銃口を向けられ、思わずドクオは両手を上げた。

(´<_` )「早く名乗り出ろ!!今すぐここで撃ち殺してやる!!」

弟者は、周りが見えなくなってしまっている。

(;^ω^)「僕は犯人じゃないお…」

(´<_` )「あぁもういい!全員殺せばそれで終わりだ!!」

銃口がブーンに向く。
そして、引金が引かれた。

ξ;゚听)ξ「らめぇ!!」

 
118 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 19:01:23.11 ID:MhNUoWhqO
ツンの叫ぶ声と同時、ロビーに銃声が鳴り響く。
だが、ブーンは無傷だった。

(´<_` )「あ…が……」

血濡れになった弟者が、その場に倒れた。
猟銃は暴発したのだ。

(;^ω^)「た、助かったお…」

力が抜け、ブーンはその場に座り込む。

(´・ω・`)「可哀想に」

ショボンが近付き、生死の確認をした。

(´・ω・`)「息はもうしていないよ」

('A`)「こいつが犯人だったのか?」

(´・ω・`)「いや、たぶん錯乱しただけだ」

 
122 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 19:07:01.38 ID:MhNUoWhqO
弟者の最期に、皆が憐れむ。
そんな時、ドアが開いた。

( ´_ゝ`)「……はあ」

がっくりと肩を落とす兄者。

( ´_ゝ`)「ん?煙臭い…?」

何かの異変に気付く。
皆の表情が思わしくない。
兄者は、その異変の原因を理解した。

(;´_ゝ`)「弟者……」

(´・ω・`)「錯乱して、撃とうとした銃が暴発したんです…」

(;´_ゝ`)「猟銃は手入れがしていなくて危なかったんだ…だから持っていかなったのに……」

目の前が真っ暗になり、膝をつく。

 
125 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 19:15:39.77 ID:MhNUoWhqO
(´・ω・`)「こんな時に訊くのは悪いんですけど…助けはどうなったんですか?」

( ´_ゝ`)「え?あぁ、橋は誰かに焼き落とされていました…」

すぐに助けは来ない。
見えない殺人犯。
絶望的な現実。

( ^ω^)「そ、そうだお!山は越えられないのかお!?」

( ´_ゝ`)「できることはできますが、奥になるともう道という道もありません」

(´・ω・`)「この雪も重なってとても迷いやすくなってるわけだ」

( ´_ゝ`)「はい。それに、この辺には温泉があって、時々高温の間欠泉が吹き出して危険なんです」

兄者の説明に、皆の表情が暗くなる。
助かる見込みはないのか…。

 
126 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 19:19:18.99 ID:MhNUoWhqO
(´・ω・`)「だが僕はその助かる道に賭けるよ」

('A`)「おいショボン!?」

(´・ω・`)「ここでじっとしてたって、どうせ殺されるか錯乱して自殺するかがオチだ」

ショボンがドアに向かって歩きだす。

(´・ω・`)「それじゃ」

そう言うと、ショボンは山荘を出ていった。

('A`)「待て!ショボン!」

( ^ω^)「行っちゃったお…」

('A`)「追いかけて連れ戻してくる!」

ショボンを追ってドクオが山荘を飛び出した。

 
128 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 19:24:53.05 ID:MhNUoWhqO
( ´_ゝ`)「待ってください!ここでバラバラになるのは!」

兄者も山荘を飛び出した。

(;^ω^)「なんか一気に数が減ってしまったお…」

ξ゚听)ξ「私達は、じっとしていましょう…」

ツン達は弟者の死体があるロビーから、フロントに向かった。
ツン、ブーン、ちんぽっぽ、わかってます…。
どんどん人が、消えていく。



('A`)「おーい!ショボーン!!」

( ´_ゝ`)「あんまり大きな声を出すと雪崩が起きますよ…」

('A`)「ショボンの方が心配です!」

 
129 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [('e')「うわぁ〜」] 投稿日: 2006/09/12(火) 19:29:04.58 ID:MhNUoWhqO
兄者の注意も聞かず、ドクオはショボンの名前を呼び続けた。

('A`)「ショボン…どこに行っちまったんだよ……」

「うわあああああ〜〜っっ!!!!」

山に木霊する叫び声。
ショボンの声だ。

('A`)「ショボンだ!」

( ´_ゝ`)「向こうです!」

二人は声がした方に急ぐ。
雪に足を取られそうになるが、必死に走った。
そして辿り着いたのは、崖だった。
雪で滑ったのか、足場が崩れている。

('A`)「嘘だろ…」

( ´_ゝ`)「この高さでは助かるまい…」

ショボンの絶命を覚悟する二人。

 
132 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 19:33:54.52 ID:MhNUoWhqO
( ´_ゝ`)「戻りましょう、他の皆さんが心配です」

('A`)「チクショウ…チクショウ!!」

自暴自棄になり、ドクオは走り出す。

( ´_ゝ`)「あ……勝手な奴だ」

追いかける気にもならない兄者は、とぼとぼと歩き出した。
と、その途端、後頭部に鈍痛が走った。

( ´_ゝ`)「え…?」

わけもわからず、体が雪の地面に倒れる。
見上げると、そこには人の顔があった。

(;´_ゝ`)「ま、待ってくれ…殺さないでくれ……」

頭に、二度目の殴打。

 
138 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 19:39:03.32 ID:MhNUoWhqO
(;´_ゝ`)「た、助け…」

もう一撃。
兄者は、雪の地面に伏した。



(;'A`)「はぁ…はぁ…」

走ったところでショボンが帰ってくるわけでもないのに。

('A`)「なんで、無料宿泊券なんか当たっちまったんだよ……」

こんなところに来る前は、自分はラッキーだと自惚れていた。
だが、殺人鬼に襲われ、宿泊客や友人が次々消えていく中、何がラッキーというのだろう。

('A`)「はあ…こんなことなら家でヒキってりゃよかった…」

そんな後悔にかられながら、ふとドクオは山荘の方向を見る。

 
139 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 19:43:15.11 ID:MhNUoWhqO
('A`)「ん?ありゃ…ヤベェ、雪崩だ!」



雪崩が迫っていることなど露知らず、ツン達はドクオ達の帰りを待っていた。

( <●><●>)「実は、来週結婚するんです…」

今まで黙っていたわかってますが、唐突にそんなことを言った。

(*‘ω‘ *)「ぽっぽ?」

( <●><●>)「ちんぽっぽちゃんと…わかんないんですちゃんには、帰ったら言うつもりでした」

( ^ω^)「何はともあれ、おめでとうだお!」

ξ゚听)ξ「こんな時ですから、明るい話題があっていいですね」

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」ぼいんっ

少しだけ、暗い雰囲気が晴れる。

 
143 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 19:48:45.65 ID:MhNUoWhqO
(//<●><●>)「祝福されるのはわかってました」

わかってますが照れ、皆も笑う。
だが、そんな笑顔も、すぐに消えた。

('A`)「みんな逃げろ!雪崩だ!!」

(;^ω^)「な、なんだってー!?」

ツン達は急いで山荘を出る。
雪崩はすぐ側まで迫っていた。

(;*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!!」

ちんぽっぽが転んだ。

ξ;゚听)ξ「ちんぽっぽさん!!」

ツンが立ち止まる。

(;^ω^)「ツンちゃん!!」

(;'A`)「危ねえ、ブーン!」

ブーンをドクオが止める。
雪の波が、ツン達とブーン達を遮った。

 
144 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 19:54:09.66 ID:MhNUoWhqO


ξ--)ξ「う…ん……」

ゆっくりと目が覚めていく。
体は随分雪に埋もれていた。

ξ゚听)ξ「私、助かったんだ……」

(*−ω−*)「……」

ξ゚听)ξ「ちんぽっぽさん!?ちんぽっぽさん!」

(*‘ω‘ *)「ぽ…ぽ?」

ξ゚听)ξ「良かったぁ」

ツンとちんぽっぽは無事だった。
幸い怪我もない。

ξ゚听)ξ「ブーンさん達は…どこにもいない」

辺りを見渡しても、ツンとちんぽっぽ以外は誰もいなかった。

 
145 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/09/12(火) 20:00:13.89 ID:MhNUoWhqO
ξ゚听)ξ「立てますか?みんなを探さないと」

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ…」

二人はゆっくりと立ち上がる。

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ…」

ξ゚听)ξ「え?渡したい物?」

ちんぽっぽは、一枚の写真を取り出してツンに渡した。
その写真には、ちんぽっぽとわかんないんですとわかってますが、仲良く写っている。

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ」

ξ゚听)ξ「死んだら持ってて欲しいって…縁起でもない」

ツンに写真を託すと、ちんぽっぽは先に歩き出した。
ツンは写真を大事そうにしまうと、ちんぽっぽの後に続く。
山の中を進みながら、二人はブーン達を探した。
自分達も助かったのだから、ブーン達も生きていると信じて。

 
 
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