36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 02:13:40.09 ID:leANquUU0
( ´_ゝ`)「・・・言って何になる?・・・軽蔑されるだけだ」
(・∀ ・)「・・・でも、クーさんも結構やってますよ?さっきもニダーの所から薬を奪ったわけだし」
( ´_ゝ`)「彼女は・・・必死で弟者を助けようとしている・・・だから、彼女の行為は善だ」
( ´_ゝ`)「しかし私は違う。私は自殺してこの街にやってきた。ひっそり暮らしていればいいものを・・・次々と人を殺し・・・殺し屋に成り下がった」
/ ,' 3 「・・・・・・」
( ´_ゝ`)「・・・ふ、ふふ・・・所詮私も狂気の持ち主だ・・・」

( ´_ゝ`)「何故こんな世界があるのだろうな・・・もう少し、死後は楽に暮らせると思っていた・・・まさか、生きているときより死を身近に感じるとは、な」
/ ,' 3 「・・・あなたが何と言おうと」
( ´_ゝ`)「・・・・・・」

/ ,' 3 「私はあなたについていきますよ」
(・∀ ・)「あ、僕もです」

( ´_ゝ`)「・・・・・・」
( ´_ゝ`)「・・・台詞が臭すぎるぞ、お前ら・・・・・・」

 
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 02:16:41.53 ID:leANquUU0
ーーー天国 廃墟ーーー
( ^ω^)「・・・・・・静かだお」
( ゚∀゚)「この時間はな・・・皆眠れないはずなんだが・・・生きていた時の癖、みたいなもんが残ってるのかもな」
( ^ω^)「・・・・・・人はどれぐらいいるのかお?」
( ゚∀゚)「結構いるぞ・・・まぁ、大抵俺ぐらいの年齢の奴だな・・・で、男が多い」
( ^ω^)「そうかお・・・天国なんだから、もっと年寄りが多いと思っていたお」
( ゚∀゚)「まぁ所詮狂った奴の集まりだからな・・・老人はこねえよ・・・それに、来たとしてもすぐに殺されるだろうさ」
( ^ω^)「・・・怖い天国だお」
( ゚∀゚)「・・・えっと、お前名前は?」
( ^ω^)「ブーンでいいお」

( ゚∀゚)「ブーン、最初に俺と出会えたことを感謝しろよ」
( ^ω^)「お?」
( ゚∀゚)「殺し屋の目の前に現れてたら、お前確実に死んでたからな」
( ^ω^)「・・・・・・」

 
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 02:19:15.80 ID:leANquUU0
( ゚∀゚)「しかし変だよな」
( ^ω^)「?どうかしたかお?」
( ゚∀゚)「お前、殺されたんだよな」
( ^ω^)「そうだお」
( ゚∀゚)「その前に・・・何かやらかしたのか?」
( ^ω^)「・・・・・・何もやって無いお」
( ゚∀゚)「よく思い出せ。連続殺人とか、レイプとか、無差別殺人とか、通り魔とか、テロとか・・・」
( ^ω^)「そんなことしたら忘れられないお!」
( ゚∀゚)「・・・だよなぁ・・・だとしたらお前、なんでここに来たんだろうな・・・お前みたいな一般人が来たの、俺の知る限りじゃ初めてだぜ・・・」

 
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 02:23:59.93 ID:leANquUU0
( ^ω^)「・・・一般人は他のところに行くのかお?」
( ゚∀゚)「そりゃしらねえけど・・・よ あるんじゃないか?やっぱり。他にも天国が」
( ^ω^)「そっちは綺麗なところ・・・かお?」
( ゚∀゚)「・・・・・・」

( ゚∀゚)「さぁな・・・さ、寝ろ」
( ^ω^)「寝ろって・・・眠くないお」
( ゚∀゚)「こんな夜闇の中起きてても仕方ねーだろ。寝るふりだけでもいいからよ」
( ^ω^)「・・・そう言われればそうだお・・・」
( ゚∀゚)「・・・そうだな、暇つぶしにいい事を教えてやるよ」
( ^ω^)「?」

 
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 02:29:21.11 ID:leANquUU0
( ゚∀゚)「この世界にはテレビが無い」
( ^ω^)「!」
( ゚∀゚)「それだけじゃねえ。ラジオも、冷蔵庫もない・・・が、携帯電話なんて代物はあるんだ」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「ついでに船も無いな・・・電車もない」
( ^ω^)「船というと、海があるのかお?」
( ゚∀゚)「一度この街の端まで行ってみた・・・結果、この街、海に浮かぶ島にあるだってことがわかった・・・遠くを見ても、陸地は見えなかったな」
( ^ω^)「・・・・・」
( ゚∀゚)「だけどな、銃や弾丸・・・少量の薬なんかは定期的に入ってくるんだよな・・・」
( ^ω^)「・・・おかしな世界だお 滅茶苦茶すぎるお」
( ゚∀゚)「あぁ・・・俺もそう思う・・・誰も深く気にしてないがな」

( ゚∀゚)「まぁ多分・・・こんな天国でも、裏で操ってる奴がいるってことじゃねえか?」

 
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 02:35:11.19 ID:leANquUU0
( ^ω^)「・・・現実味がないお」
( ゚∀゚)「天国に現実味があっても困るだろ」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・さて、少しは眠くなったか?」
( ^ω^)「ならないお」
( ゚∀゚)「そうかい・・・ま、ちっと横になってろ、俺も、寝る」

そう言って、ジョルジュは少しはなれたところに寝転がってしまった・・・


( ^ω^)(とんでもないところに来ちゃったお・・・というか、僕は死んだ・・・)
( ^ω^)(・・・色々、遣り残したことがある気がするお・・・)
( ;ω;)(・・・・・・)

( ;ω;)(天国でも涙は出る・・・お・・・)

( ;ω;)(カーチャン・・・トーチャン・・・親友のみんな・・・)
( ;ω;)(・・・会いたいお・・・こんなの天国じゃない・・・生き地獄だお・・・)

 
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 02:36:58.19 ID:leANquUU0
( ゚∀゚)(・・・泣いてるな、ブーン)
彼のすすり泣く声は、当然、ジョルジュに届いていた
( ゚∀゚)(夜は気分が暗くなるからな・・・だから寝たほうがいいんだが・・・)
( ゚∀゚)(・・・ま、俺みたいに思い残したことが何もない奴は別だがな・・・)
( ゚∀゚)(・・・・・・)
( ゚∀゚)(まだ、朝まで長いよな・・・)
( ゚∀゚)(はぁ・・・)

夜が更ける・・・

 
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:05:58.69 ID:leANquUU0
ーーー天国 大通りーーー
あれから
幾度かの銃声を聞いた。叫び声も聞いた。その度にブーンは身を震わせた
しかし幸い、彼自身に危険が降りかかることなく・・・
天国は朝を迎えていた

ブーン達はビルの建ち並ぶ大通りを歩いていた。
若干の音が響く。車の音、人の声・・・
時々人とすれ違う。顔を隠し、俯いて通る者がほとんどだ
( ^ω^)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「あー、お前が嫌われてるわけじゃねえから安心しろ」

 
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:08:42.01 ID:leANquUU0
( ゚∀゚)「さっきから通りすがる奴は、大抵元自殺者だ」
( ゚∀゚)「自殺した奴のほとんどはここ・・・天国で後悔の念に襲われるからな・・・自分の存在が恥でしかないと思ってる奴が多いってことだ。だから人に顔を見せない」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「ここでもう一度死ぬ奴も多い・・・まったく、どんな世界なんだか」
( ^ω^)「・・・ここでもう一度・・・」
( ゚∀゚)「あぁ」
( ^ω^)「・・・死ぬとどうなるんだお?」
( ゚∀゚)「・・・・・・」

( ゚∀゚)「わからねえよ」
( ^ω^)「そうかお・・・」

 
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:12:07.69 ID:leANquUU0
( ^ω^)「というか、こんな大通りを歩いてていいのかお?」
( ゚∀゚)「太陽が出てるうちは・・・路地に入ってるよりこういうところを歩いていたほうが安全だ」
( ^ω^)「太陽が出てないときは?」
( ゚∀゚)「どこも危険だ」
(;^ω^)「・・・・・・」
そのうち彼らは、一つの薄汚れたビルの前にたどり着いた
( ^ω^)「ここは・・・」
( ゚∀゚)「この世界を容易く知ることのできる場所だ、ついてこい」
そういうとジョルジュは、地下へと続く狭い階段を下りていった。慌ててブーンもそれに続く・・・

 
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:13:46.20 ID:leANquUU0
( ^ω^)「・・・ぅ」
異臭がたちこめる
それも階段を一段おりるたびに濃度が増していく
( ゚∀゚)「あー・・・新参にはキツいかもな・・・特にお前みたいな奴には」
( ^ω^)「こ、ここはなんなんだお?」
( ゚∀゚)「阿片窟ってやつだ」
( ^ω^)「!」

( ゚∀゚)「麻薬で身体ボロボロになって死んだ奴もこの街にくる」
( ゚∀゚)「ここはそういう奴の溜まり場だ」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「麻薬で死んで、死んだ後も麻薬使うってんだからな・・・人間は案外成長しねえ」
( ^ω^)「・・・・・・」

 
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:21:53.81 ID:leANquUU0
地下室には壮絶な光景が広がっていた。
薄暗い部屋の中、多くの人々があちらこちらに座り込み、キセルのようなもので阿片を吸っている
手は震え、ぽかんとした表情で一心不乱に・・・
( ^ω^)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・ま、この街にいる奴の多くが麻薬中毒だ」
( ゚∀゚)「それをまず、覚えとけ」

( ^ω^)「・・・これは、駄目なことじゃないのかお?」
( ゚∀゚)「ん?」
( ^ω^)「麻薬なんて・・・」
( ゚∀゚)「・・・」

 
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:26:08.89 ID:leANquUU0

( ゚∀゚)「ってもなぁ・・・こいつらは好きでやってんだからな」
( ^ω^)「好きでもやっていいことといけないことがあるお!」

男「るせぇな!黙ってろ糞ガキが!」
自然と出たブーンの大声に、近くに座り込んでいた男が怒鳴り声を出した
(;^ω^)「・・・・・・」
思わずブーンはたじろぐ

???「あー、ここ・・・だよな」
( ^ω^)「?」
( ゚∀゚)「誰か来たな・・・新参か?」

 
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:29:53.57 ID:leANquUU0
('A`)「はぁ」
現れたのは少しやつれた男
( ^ω^)「・・・・・・」
('A`)「あ、そこの人」
( ^ω^)「あ、えと、僕かお?」
('A`)「そうっす・・・あの」

('A`)「阿片、どうやったら吸えるんすかね?」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「なんだお前、新参か」
('A`)「・・・あぁ、はい・・・さっき死にました」
淡々と答える男。気味の悪いほどに適応力が高いようだ
(;^ω^)「・・・名前はなんて言うお?」
('A`)「あ、ええと・・・ドクオって言いますけど」

 
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:35:10.91 ID:leANquUU0
( ^ω^)「ドクオ、麻薬なんてやっちゃダメだお!」
('A`)「は、はぁ・・・つかいきなり呼び捨て・・・?」
( ^ω^)「こっちくるお!」
('A`)「は、あ、えぇ!?」
( ゚∀゚)「おい、ちょ、ブーン!」

ブーンはドクオを引っつかみ、階段を駆け上がった。引きずられ、情けない声をあげるドクオ
( ゚∀゚)「・・・なんだ、あいつ結構、力あるんじゃねえか」

 
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:38:50.91 ID:leANquUU0
ーーー天国 阿片窟前 路上ーーー
('A`)「あいたたた・・・」
( ^ω^)「・・・ふぅ」
('A`)「まったく・・・何するんすか」
( ^ω^)「何するんすか、じゃないお!」
('A`)「・・・はぁ」

('A`)「ほっといてくださいよ・・・死んでからかまわれてもね」
( ゚∀゚)「・・・あんたは自殺したクチか」
('A`)「そうっすよ。自宅で、首吊って死にました・・・死んだはずなんですがね」

 
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:43:00.85 ID:leANquUU0
( ゚∀゚)「こんなとこに来ちまったわけだ」
('A`)「ここに阿片窟があるって聞きましてね。もう、どうせなら次は麻薬で死んでやろうと」
( ^ω^)「・・・・・・」
('A`)「つーわけですから、俺にはかまわないでください。では」
そういうとドクオはまた階段を下りていこうとする
その後ろ髪を、ブーンが掴んだ
('A`)「・・・だからなんなんすか」
( ^ω^)「・・・ちょっと話が聞きたいお」
('A`)「かま」
( ^ω^)「かまうなと言われても、かまうお」
('A`)「・・・・・・」

('A`)「・・・はぁ、わかりましたよ・・・」

 
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:48:06.65 ID:leANquUU0
ーーー天国 大通りーーー
ブーンはできるだけ阿片窟から離れるようにドクオに促し、歩き出した

('A`)「俺、こんな面してるでしょ?だから女なんておろか、男友達もできませんでした」
( ゚∀゚)「そんなにひどい顔じゃねえと思うがな・・・」
('A`)「就職したのはいいものの、すぐにクビになりまして・・・自暴自棄になってギャンブルやってたらあっという間に金なくなりまして・・・で、サラ金に手を出して」
( ゚∀゚)「典型的な転落人生だな」
('A`)「結局首が回らなくなりましてね、回らなくなった首を吊ったわけっす」
( ^ω^)「・・・・・・」
自分の人生・・・辛いはずなのに、ドクオは平坦な表情のまま語っていた。

 
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:52:33.02 ID:leANquUU0
('A`)「首吊りは楽だってどこかで聞いたんですがね・・・あれ、嘘っすね。練炭にしとけばよかった・・・」
( ^ω^)「・・・・・・」
('A`)「・・・以上っすよ、他に何か聞きたいことあります?」
( ^ω^)「・・・・・」
すぐには思いつかない
しかしここでドクオを解放してしまったら彼はまた阿片窟へと足を向けるだろう・・・
( ゚∀゚)「・・・阿片窟の場所は誰に教えてもらったんだ?」
手助けするかのように、ジョルジュが尋ねた
('A`)「・・・俺がここに来て初めて出会った男っす・・・名前は知らないっすけど・・・エラの張った・・・目の細い」
( ゚∀゚)「!・・・ニダーか」
( ^ω^)「ニダー?」

 
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 10:58:11.47 ID:leANquUU0
( ゚∀゚)「この街には二人の実力者がいる」
( ゚∀゚)「一人はさっき言ったニダー・・・こいつは結構短気な男でな・・・だがそれなりのカリスマ性を持っている。銃の腕も確かだ」
( ゚∀゚)「この街の主要な場所・・・博打場とか、商店は奴が押さえてる」
( ゚∀゚)「もう一人は兄者・・・どっちかっつーと、裏の実力者って感じだな・・・殺し屋だなんて、恐れられてるよ」
( ゚∀゚)「それぞれ部下も沢山いる・・・つーわけだから、近づかないほうが身のためだな」
( ^ω^)「・・・ジョルジュは物知りだお」
( ゚∀゚)「まぁ・・・な」

 
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 11:01:20.81 ID:leANquUU0
('A`)「あの・・・俺は無視っすか?」
( ^ω^)「あ、す、すまないお・・・・・・」
(;^ω^)(な、何も話題が思いつかないお・・・)
その時、でした。
???「きゃああああああああぁぁぁぁ・・・」
( ^ω^)「!」
( ゚∀゚)「・・・!悲鳴・・・女か!」
('A`)「あ、あの・・・」

 
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 11:07:06.49 ID:leANquUU0
悲鳴とともに響く銃声それらは徐々に近づいてきます
やがて、彼らの目の前の路地から女が走り出てきました

( ゚∀゚)「!・・・おぉ、結構美人じゃねえか・・・」
('A`)「あの、俺・・・」

その後ろから現れる二人の男。

男1「女ァ!さっさと金、返しやがれ!」
男2「もういい、さっさと殺すぞ!」
女「うっさいわね!」

( ゚∀゚)「おい、お前ら!」
男1「・・・アァ?」

 
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/07(日) 11:10:46.34 ID:leANquUU0
言うが早いか
ジョルジュは腰から拳銃を取り出し、二人に向かって躊躇無く引き金を引きました

( ^ω^)「おぉ・・・お!」
それらは
確実に男達の足を貫きました
うめき声をあげ、二人はうずくまります
( ^ω^)「・・・ジョルジュ・・・」
( ゚∀゚)「・・・ま、こういうことも日常茶飯事だ」

 
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