64 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 19:48:38.98 ID:m9D8Id4v0
―日本のどこか
「まずは成功だな。」
「そですね・・・。」
「所詮、人間の心を動かすなど簡単なのよ。」
「・・・。」
「もちろん、思い通りにはいかん。だが、ある程度はできる。」
「なるほど・・・。難しいですがね。」
「まぁ、お前は見てればいい。ワシはこれが楽しみだったのだ。」
謎が膨らみはじめる。
―とある警察署内
「おかしくないですか?なぜ、都庁は真剣に流行のナイフについて対策を練らないんですか?法律はなんの為にあるんです?他の署員達の中にも疑問を抱いてるヤツがたくさんいますよ!!」
青年が冷静に渋顔の男に尋ねる。
「ちゃんと事件については調べてるじゃねぇか。刺した犯人も捕まったし。まぁ、犯人は正当な行為だと思ってやったみたいだがな。」
「そうじゃないです!!問題は、いつでも凶器に変える事ができる者を国民達が持っていることです。なぜ、これについては都庁は、深く考えようとしないんですか?」
青年がそういうと、渋顔の男はしばらく黙ってしまった。そして数分後やっと口を開いた。
「おまえ・・・皇民党事件って知ってるか?」
「えっと・・・も、もちろん知ってますよ。」
ちょっと焦り気味に青年が言う。
「おまえ覚えてないだろ。ちゃんと勉強しろ。つまり・・・そういう事なんだ。俺の勘だがな。もしそうなら、やらなきゃならねぇことがあるかもな。」
「・・・じゃあ調べてきます。」
「おい!!仕事は!?」
青年は渋顔の男の側から遠ざかっていった。
67 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 19:51:46.98 ID:m9D8Id4v0
( ^ω^)「うぅ・・・ぜんぜん眠れなかったお。」
病院から戻ってきてからブーンは全然、眠れていなかった。
( ^ω^)「はぁ・・・。」
溜め息をつく。そして、ブーンのマイナス思考が働きはじめた。
もう嫌だ。
( ^ω^)「なんで・・・。こんな悲しいことばかり最近起きるんだお?」
辛い。
( ^ω^)「この先もこんな風な事が続くなら・・・。」
死んだほうがましだ。
( ^ω^)「このまま・・・死のうかお・・・。」
そういえば「欝だ〜」といつもドクオが言っていた。今のブーンは欝というよりは何も考えられない。
頭の中がパンクしそうで・・・目の前にある希望でさえも闇に見えてしまう。心の闇がブーンを包んでしまう。
この先の人生・・・必ずまた悲しみがブーンを襲う。それを考えると全てが嫌になった。
次々とブーンの脳裏に辛い未来が浮かび上がってくる。楽しい事など考えられない。そんな保障がどこにある?
( ^ω^)「もう・・・いや・・・だお・・・。」
嫌だ。
73 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 20:10:13.16 ID:m9D8Id4v0
袋の中にたくさん入ったチキンラーメンを見つめる。
( ^ω^)「・・・。生きてても・・・辛いのは・・・嫌だお!!」
―ガンっ!
チキンラーメンを思い切り蹴飛ばす。
そして、ブーンが死を考えはじめていたとき、救いの天使は現れた。
―ピーンポーン
玄関のベルが鳴ってもブーンはドアを開けようとしなかった。
―ピーンポーン
2回目。それでも開けようとしなかった。
―ピーンポーン
3回目のベルの後はもう鳴らなくなった。訪問者は帰ったのだろうか?
―ガチャガチャ
( ^ω^)「?!」
玄関の鍵が開く。
78 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 20:30:23.22 ID:m9D8Id4v0
玄関の鍵を持っているのはショボンとドクオだけ・・・。ショボンは病院のはずだし・・・ドクオなのだろうか?
―キィィィィ
玄関のドアがゆっくりと開く。
ξ゚听)ξ「ブーン?」
ツンだった。しかし、ブーンはツンの呼びかけに反応しなかった。部屋の片隅でうずくまっている。
ξ゚听)ξ「あんたやっぱり・・・。落ち込みやすいから心配してたけど・・・。」
ブーンは一見、楽天家のように見えるがとても優しいが故に落ち込みやすい。それをツンは知っていた。
ξ゚听)ξ「あたしもしぃの所行ってきたわ。まだ眠っていたけど・・・。しぃの事だからそのうち元気になるわよ。」
ツンがブーンに元気になってもらおうと何度も話しかけるが、ブーンは黙ったままだ。
ξ゚听)ξ「ちょっと落ち込みすぎよ。きっと通り魔も警察が捕まえるわよ!!」
きっと。
きっと。
何度自分に言い聞かせただろう?
ブーンはツンに語りだした。今、自分が辛いという事を。吐き出したかった。
( ^ω^)「もう・・・嫌なんだお・・・。消えてなくなりたいんだお・・・。」
82 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 20:47:24.46 ID:m9D8Id4v0
ξ゚听)ξ「な、なに言ってるのよ?」
ツンは予想外の言葉に動揺する。
( ^ω^)「こんなに辛い人生なら、諦めた方がましだお。なんだか最近は嫌な事ばかり起こるんだお。」
ショボン、しぃの怪我。友人が2人も傷ついたなんて・・・相当のダメージだ。
ξ゚听)ξ「ちょっと!それはアタシだって同じよ?」
( ^ω^)「・・・。僕はそんなに強くないお。」
ξ゚听)ξ「なに言ってるの?」
( ^ω^)「もう、死にたいお。。死にたいお。。。」
ブーンはその場で泣き出した。
( ^ω^)「もう嫌だお!!!こんな世の中で毎日脅えながら暮らすなんてもう嫌だお!!」
毎日脅えながら・・・
それでも必死に希望を探しながら・・・
何度も現実に殴られながら・・・
僕らは生きている。
85 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 21:03:48.02 ID:m9D8Id4v0
ξ゚听)ξ「こんな所であんたは死ぬの?まだ、これから先の未来にあなたを待っている人たちがいるによ?」
この先、そう信じてやってきた。
だから君とも出逢えた。
だからといって、これ以上の喜びを求めていく為に傷つくのは嫌だ。
( ^ω^)「うるさいお。ツンにはわからないお。僕がどんなに悲しいかなんてツンにはわからないお!!!」
ブーンはツンに対して思い切り怒りをぶつけた。吐き出さないと、本当に駄目になる気がした。
ξ゚听)ξ「。。。」
ツンはブーンが見たこともないような悲しい顔をする。
ξ゚听)ξ「大丈夫よ。なにかあったら私も手伝うから。これからも生きている証を残していこうよ。」
( ^ω^)「もう僕は十分残したお・・・。」
そうだ、僕は十分生きた。
ξ゚听)ξ「じゃあ・・・私と一緒に生きた証を残してよ。」
ツンが・・・抱きついてきた。
この僕に。
88 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 21:14:05.73 ID:m9D8Id4v0
ξ゚听)ξ「あたしだって・・・・あたしだって・・・・・。」
ツンまで泣き出した。
何かがわかった気がした。
( ^ω^)「ツン・・・・。」
ξ゚听)ξ「あんたに支えられて・・・・生きてるんじゃない・・・・あなたがいなくなったら・・・・。」
( ^ω^)「・・・。」
ξ゚听)ξ「あんたにとって私はなんなのよ?」
ずっとずっと。
胸の中で温めていた想い。
中々、言えなくてごめんね。
( ^ω^)「ツンが・・・好きだお。だから・・・これから、僕の支えになって欲しいお。2人で一緒に生きた証を刻もうお。」
92 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 21:26:06.90 ID:m9D8Id4v0
ξ゚听)ξ「うん・・・。」
チャンスはいつでも通り過ぎている。見逃さないように。
( ^ω^)「なんだか・・・よくわからないけど、少し元気が出たお。頑張ってみるお。」
ξ゚听)ξ「よかった・・・。」
( ^ω^)「僕は少し調べた事があるから・・・これから忙しくなるかもしれないお。」
ξ゚听)ξ「うん・・・。」
( ^ω^)「あと、抱きつくのやめてくれないかお?恥ずかしいお。」
ξ゚听)ξ「あとちょっとだけ・・・。」
( ^ω^)「ちょwwwツンwww今日は全然、ツンツンしてないおwww」
ツンはしばらくそのまま抱きついていた。そして、2人はお互いに知らなかった部分を確かめあった。
触れてわかる確かなもの。
この世にはある。
ξ゚听)ξ「じゃあ、ちょっと一旦家に帰るね。ブーンもやりたいことがあるみたいだし。また来る。」
( ^ω^)「おっ!」
そして、ツンはブーンの部屋から出て行った。
すぐさま、ブーンも家を出て、自転車を漕ぎはじめた。
また再出発だ。