823 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:00:58.42 ID:ldy6p8610
【第7話】
運動会が終わってから数日後、ショボンがブラックシャドーのアルバイトになった。
そして、僕達はひたすらスリーマンセルのフォーメーション練習に時間を費やした。
今日もVIP市の施設であるVIP体育館で練習をしている。
仮想ドクオファイアー役の戦闘員にジョルジュとショボンが攻撃をしている。
( ゚∀゚)「オラオラオラオラ〜!!!」
(´・ω・`)「チェストー!!!」
ジョルジュのパンチとショボンの蹴りを主体とした攻撃に仮想ドクオファイアーは防戦一方だ。
しかし、ショボンのハイキックをギリギリでかわした仮想ドクオファイアーが、
ショボンの顔に反撃のパンチを叩き込もうとする。
( ^ω^)「ブーン!!」
そこへ僕がラリアットで攻撃する。
ショボンに気を取られていた仮想ドクオファイアーは僕のラリアットをくらって倒れた。
そこにジョルジュが上から馬乗りになる。
825 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:01:50.89 ID:ldy6p8610
( ゚∀゚)「ボラボラボラボラ〜!!!」
ジョルジュは馬乗りの状態からパンチを連打する。
( ^ω^)「そこまでだお。」
僕はジョルジュにストップをかける。
(´・ω・`)「結構スムーズに連携できたね。」
( ゚∀゚)「でも戦闘員同士の練習だからなあ。ドクオファイアーは遥かに強いぜ。」
( ^ω^)「まあ、それでも僕達はひたすら練習するしかないお。」
( ゚∀゚)「・・・そうだな。やるしかない。」
( ^ω^)「そろそろお昼だから休憩にしようかお。」
僕達はお昼休憩をとることにした。アルバイトのみんなが床に腰を下ろす。
826 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:02:56.63 ID:ldy6p8610
(´・ω・`)「ブーン、コンビニにお弁当買いに行かない?」
( ^ω^)「うん、行こうだお。」
僕とショボンが体育館から出ようとするとツンがやってきた。
ξ゚听)ξ「あ、もうお昼休みですか。」
( ^ω^)「そうですお。午前中の練習は終わりましたお。
今からコンビニへお弁当買いに行くところですお。」
ξ゚听)ξ「あ、じゃあ、私おにぎり作ってきたんでみなさんで食べてください。」
( ^ω^)「えっ!おにぎりですかお。」
ツンは大きな鞄からおにぎりの入ったタッパーをいくつも取り出した。
ξ゚听)ξ「そんなにたくさんはないんですけど・・・。」
( ^ω^)「いえいえ、お気持ちが嬉しいですお。」
僕はアルバイトを集めるとツンのおにぎり差し入れの話をした。
みんな喜んでおにぎりを食べ始めた。
827 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:03:24.57 ID:ldy6p8610
( ^ω^)「うめぇぇぇええ!!!」
( ゚∀゚)「うーむ、うまい。」
(´・ω・`)「おいしいねえ。」
( ^ω^)「ツンさん、おいしいお。」
ξ////)ξ「そ、それはよかったです。」
おにぎりを食べた戦闘員達は残った休憩時間を休んでいた。
ジョルジュ達と雑談していた僕をツンは体育館の端に呼び出す。
( ^ω^)「何ですかお?」
ξ゚听)ξ「来週に新しい作戦が実行されます。
スリーマンセルのフォーメーションの方はどうですか?」
いよいよ決戦の時が来た。思わず拳に力が入る。
828 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:03:55.31 ID:ldy6p8610
( ^ω^)「今のところ問題はないですお。連携とかはかなりスムーズになりましたお。」
ξ゚听)ξ「そうですか。それでは、引き続き練習をお願いします。」
( ^ω^)「はいですお。」
ξ゚听)ξ「では、詳しい日程が決まり次第また連絡します。」
ツンが立ち上がって体育館を去ろうとした。
( ^ω^)「あっ、ニダーさんはどうしてますかお?」
ニダーは運動会が終わった後、ドクオファイアーに連れ去られたが、途中で逃げ出したそうだ。
しかし、運悪く逃げている最中に車とぶつかったらしい。いわゆる自爆という奴だ。
ξ゚听)ξ「もうしばらくは入院になると思います。
来週の作戦は私が代わりに作戦実行隊長をやります。」
829 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:04:43.61 ID:ldy6p8610
(;^ω^)「えっ、ツンさんが現場に来るんですかお?」
ξ゚听)ξ「はい、そうですが。何か問題はありますか?」
(;^ω^)「あ、いえ・・・。」
スリーマンセルがうまくいくかどうかはまだわからない。
もし、失敗したらツンはきっと悲しむだろう。
僕はツンの悲しむ顔を思い浮かべると胸がチクリと痛くなった。
ξ゚听)ξ「では、ブラックシャドーに戻ります。」
ツンはそう言うと体育館を出て行った。ツンの小さな背中を眺めながら僕は思った。
( ^ω^)(絶対にドクオファイアーに一矢報いるお!)
僕達はより一層、スリーマンセルのフォーメーション練習に力を入れた。
そして、作戦決行の日がやってきた。
831 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:05:52.78 ID:ldy6p8610
作戦自体は汚職でお金を儲けている政治家を採石場に連れて来て汚職ネタで強請るといったいつもの感じの作戦だった。
副首領ツンとスズメバチ男が政治家に黒い布袋に金目のものをいれさせていた。
ξ゚听)ξ「あなた達が不正な行為で手に入れたお金は私達が有効に使います。」
スズメバチ男「ハチハチハチィ〜!!」
その時、採石場の砂利が高くなっているところに人影が現れた。
('A`)「この世に悪がいる限り、正義の炎が焼き尽くす!!灼熱の戦士!!ドクオファイアー!!」
ドクオファイアーがいつもの決め台詞を言うとドクオファイアーの後ろで爆発が起こる。
( ^ω^)(いよいよだお。)
僕の体に緊張が走る。そして、ジョルジュとショボンの顔を見る。2人共黙って頷く。
ジョルジュも僕と同じで今まで本気でドクオファイアーと闘ったことはない。
ショボンは空手マスターとしてドクオファイアーに自分の力がどれだけ通用するのか興味津々らしい。
つまり、今の僕達は初めてドクオファイアーと全力で戦うのだ。
そりゃ僕達だけではドクオファイアーには勝てないかもしれない。
しかし、他にもスリーマンセルのバイト仲間がいる。そして、その後ろには怪人もいる。
今日こそはドクオファイアーに一泡吹かせることができるはずだと思っている。
832 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:06:45.44 ID:ldy6p8610
('A`)「トウッ!」
ドクオファイアーは採石場の砂利が高くなっている所からジャンプして僕達の前に降りてきた。
( ^ω^)「行くお!!!」
( ゚∀゚)「おう!!!」
(´・ω・`)「オス!!!」
僕はドクオファイアーに向かって猛ダッシュを始める。ジョルジュとショボンが僕に続く。
( ^ω^)「ブーン!!」
僕は両手を水平にしてドクオに1番に戦いを挑む。
( ^ω^)「ドクオファイアー覚悟!!」
僕はいつもの台詞を吐くと広げた両手でドクオファイアーにラリアットをする。
ドクオファイアーはいつものように僕のラリアットをかわす。
ラリアットをかわされた僕はそのままドクオファイアーの横を走り抜ける。
そして、ジョルジュとショボンがドクオファイアーに攻撃をはじめた。
( ゚∀゚)「無駄無駄無駄無駄ァ〜!!!」
ジョルジュがジャブとストレートのコンビネーションでドクオファイアーを攻める。
833 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:07:24.50 ID:ldy6p8610
('A`)「・・・。」
しかし、ドクオファイアーはその攻撃を片手ですべてさばく。
( ゚∀゚)「クッ。」
そこへドクオファイアーの後ろへ回り込んだショボンが飛び蹴りを仕掛けた。
(´・ω・`)「チェストー!!!」
('A`)「・・・。」
ドクオファイアーは後ろに目でもあるのか振り向きもせずにショボンの飛び蹴りをかわした。
(´・ω・`)「デキル!!」
( ゚∀゚)「オラオラオラオラ〜!!!」
ジョルジュが再びドクオファイアーにパンチの連打を浴びせる。
834 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:08:28.90 ID:ldy6p8610
僕はジョルジュとショボンがドクオファイアーと闘っている様子をずっと眺めていた。
ジョルジュとショボンが作ってくれるドクオファイアーの隙に僕が攻撃するからだ。
しかし、ジョルジュとショボンの猛攻に対してドクオファイアーは冷静に対処している。
それでいてドクオファイアーには隙が全くなかった。
( ゚∀゚)(くそっ!全然攻撃が当たらねえ・・・。)
(´・ω・`)(このままではまずい。)
ドクオファイアーにすべての攻撃を対処されているジョルジュとショボンの動きに焦りが見えてきた。
(;^ω^)(まずいお。焦りで連携が大雑把になってきてるお・・・。)
ドクオファイアーがその隙を逃すわけがなかった。
('A`)「フンッ!」
ドクオファイアーのボディーブローがジョルジュの腹にヒットした。
( ゚∀゚)「ガハッ!」
ジョルジュは地面に崩れるように倒れた。
835 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:09:08.22 ID:ldy6p8610
(´・ω・`)「チェストー!!!」
ショボンがすかさずハイキックをドクオファイアーに放つ。
ハイキックをしゃがんでかわしたドクオファイアーは足払いでショボンの足を刈り取る。
(´・ω・`)「アッ。」
('A`)「セイッ!」
背中から地面に倒れたショボンの腹にドクオファイアーがパンチを入れる。
(´・ω・`)「グフッ。」
地面に倒れたジョルジュとショボンは腹を抱えて呻いている。
僕は我慢できずに両手を広げてドクオファイアーに突っ込んだ。
(;^ω^)「くそおおおお!!!!」
('A`)「・・・。」
しかし、僕のラリアットは簡単にかわされ、僕は腹にドクオファイアーのボディブローをくらう。
(;^ω^)「うぐ〜。」
腹にすごく重い衝撃が走る。たまらず僕は地面に両膝をつく。
情けないことにおなかが痛すぎて動けなかった。
837 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:11:15.44 ID:ldy6p8610
('A`)「・・・。」
ドクオファイアーは動けない僕達3人を放置して次のスリーマンセルに向かって走っていった。
その後は言うまでもなく他のスリーマンセルもあっけなく全滅。
スズメバチ男もドクオバーニングキックでやられてしまった。
ξ゚听)ξ「ぜ、全員退却します!急いでワゴンに乗ってください!!」
ツンの掛け声が採石場に響く。
僕達、アルバイト全員はよろよろと歩きながらワゴン車に乗り採石場を後にした。
僕達が一生懸命練習してきたスリーマンセルのフォーメーションは完敗だった。
帰りのワゴン車の中はまるでお通夜のように静かで重苦しい空気だった。
( ^ω^)「・・・。」
( ゚∀゚)「・・・。」
(´・ω・`)「・・・。」
誰もが黙ったままだった。今までの努力が無になってしまったのだ。
かなり練習をしてきたはずなのに全く意味がなかったとなるとショックはかなり大きい。
やはり戦闘員の努力などは無駄なのだろうか?さっさとやられた振りをしていた方がよかったのだろうか。
僕は答えの見つからないまま黙ってぼんやりと虚空を眺めていた。
【第7話おわり】
839 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/13(火) 23:11:44.15 ID:ldy6p8610
【次回予告】
ドクオファイアーに完敗した戦闘員達。
スリーマンセルのフォーメション攻撃ではドクオファイアーに勝てないのか?
ブーンの運命やいかに?
※都合により次回予告の内容が本編と異なる場合があります。ご了承ください。