ξ*゚⊿゚)ξ「ひっさーつ、猫じゃらし!」
(,,゚Д゚)+
それはツンが学校にあがっても。
ギコが人間の言葉を覚えるくらい大きくなっても、ずっと変わりませんでした。
ξ*゚⊿゚)ξ「ほらギコ見て、これ家庭科の授業でつくったの!」
(,,*゚Д゚)「ふくろ! 入っていい? ペシペシしていい?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あー! ダメにしちゃった。いいわ、それギコにあげる」
ギコの言葉はツンには通じません。
それでも、ツンとギコはたくさんのおしゃべりをして遊びました。
ξ゚⊿゚)ξ「ギコ、今日はねブーンといっしょに遊んだのよ」
(,,゚Д゚)「よかったな!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ギコ、今日はねぇ……」
...(,,゚Д゚)
ξ゚⊿゚)ξ「……パパ、本当に行っちゃうの?」
( ´∀`)「そうモナ」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
(;´∀`)「ほらほら、そんな顔しちゃだめモナ。
そう、春になれば! 春になれば、ちゃんとパパは帰ってくるモナ」
ξ゚⊿゚)ξ「まだ、秋だよ」
( ´∀`)「だから、それまで頑張れるモナ?」
ξ ⊿ )ξ「……うん」
ξ;⊿;)ξ「ばいばい、パパ」
....(,,゚Д゚) ?
だけどもある日から、ツンの元気がなくなってしまいました。
いつものようにギコと遊んだり、お話をしてくれることもなくなりました。
(,,*゚Д゚)「ツン、遊べ!」
ξ ⊿ )ξ「……」
(,,;゚Д゚)「ツン、ツンー」
ギコがいくら話しても、ツンはしょんぼりとしたまま。ずっと悲しそうな顔をしています。
お家のなかもなんだか、いつもよりもしんとしているようです。
ξ゚⊿゚)ξ「……春、か」
(,,゚Д゚) !
ξ゚⊿゚)ξ「春になれば、……か」
(,,*゚Д゚)「ツン! 遊ぶか! 遊ぶのか?!」
毎日のようにツンは「春になれば」と、言います。
それから、窓の外を見るとため息を一つつくのです。
ギコはツンの悲しそうな顔を見るたびに、しょんぼりとしてしまいました。
(,,-Д-)
そんな日々が続いたある日、ギコはあることに気づきました。
ツンがしょんぼりしているのはきっと春じゃないからだ、そう思ったのです。
(,,゚Д゚)「――よしっ、春になればいいんだな!」
ギコは、ツンが昔つくってくれた袋を口にくわえました。
そして、お家の扉をカリカリとひっかきました。
ξ゚⊿゚)ξ「ギコ、どうしたの?」
(,,#゚Д゚)「春ー! どこだぁぁぁ!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「え、何? どうしたの?」
(,,゚Д゚)「外、出るぞ!」
ギコは扉をひっかくのをやめません。
ずっと扉をひっかくギコに、ツンは小さくため息をつきました。
ξ゚⊿゚)ξ「ちゃんと、帰ってくるのよ?」
※
(,,*゚Д゚)「行くぞ、ゴルァ」
青色の毛並みをフサフサと揺らして、ギコはツンのあけた扉から外に出ました。
トンっと塀の上に上り、屋根をひょいっと上り、テクテクと歩いていきます。
(,,*゚Д゚)「どこだー、春!」
(゚、゚;トソン「誰っ!?」
ギコがひらひらとした白いカーテンに興奮して飛びつくと、そこには毛皮を脱いだ女の人がいました。
人間には毛皮がありません。だから、本当は服を脱いでいるだけなのですが、ギコにはそんなことはわかりません。
(゚、゚トソン「何だ、猫さんですか」
(,,゚Д゚)「春、知らないか!」
(゚、゚*トソン「おいでー、猫さんー。こんなところで、どうしたのー?」
女の人はいきなり現れたギコにビックリしましたが、にっこりと笑いました。
着替え中の服はそのままで、窓際にあらわれたギコの元へやってきました。
(,,゚Д゚)「春にしたいんだ! どうすればいい?」
ギコは女の人にたずねました。
でも、ギコの声は女の人にはニャオニャオとしか聞こえません。
クシュン (>、<トソン
(゚、゚;トソン「……風邪?」
(,,*゚Д゚)「風だな! ありがと!」
窓の向こうからやってくる冷たい風に、女の人はくしゃみを一つ。
風邪かなと思い顔を上げた時には、ギコはひらりと窓の外へと跳んでいました。
(゚、゚;トソン「あーあ、行っちゃいましたか」
白いカーテン、小さな鉢植え、お気に入りの置物。
女の人がどれだけ見渡してもそこにはもう、ギコの姿は見えませんでした。
※
(,,゚Д゚)「風! 風! 風があればいいんだな!」
塀をぴょんぴょんと跳び下りながら、ギコは走ります。
人ではなかなか入れない道を通り、猫にしか見えない道を通り、ギコは春のあるほうへと進みます。
(,,゚Д゚)「どーこーだー」
今にも人が落ちそうな、高いビルを通り。
なんだかよくわからない生き物と、機械の人のそばを通り。
難しい顔をした二人の男がいるテーブルの下を通り。
変なポーズを決めたおじさんの横を通ります。
(,,-Д-) ぐぅ
疲れたら休んで、水を飲みます。
目が覚めたらすぐに出発。ぐうぐうとお腹がすけば、ご飯を探します。
川*゚ 々゚)「ぬこー、ぬこー」
ご飯が落ちていないかなぁと思いながら、道を歩いていたギコは箱に入った女の子を見つけました。
でも、春でもご飯でもツンでもないので、ギコはがっかりしました。
o川*゚ 々゚)o「くるうのおうちはいるですか?」
(,,゚Д゚)「やだ」
がっかりしているギコに、箱のなかの女の子は言いました。
そして、ギコの返事を聞くと、女の子は首をかしげて、また言いました。
川 ゚ 々゚)「くるうぬこすきです」
(,,゚Д゚)「オレはメシのほうが好きだ!
でも、ツンのほうがもっと好きだ!」
ギコの返事に女の子はんーとうなると、箱のなかをごそごそと動きました。
それから顔を上げると、女の子の手にはほかほかとしたご飯がありました。
ご飯の上にはニボシさんがのっていて、ギコの大好きなカツブシさんもいっしょにのっています。
川*゚ 々゚)「くるうのごはんなりますか?」
(,,*゚Д゚)「メシ!」
ご飯を食べたギコは、箱のなかの女の子と別れました。
お腹がいっぱいで、元気もいっぱい。
ギコはどんどんと先に進んでいきます。
(,,゚Д゚)「春ー、風ー」
泣いている女の子と、男の子のそばを通り。
ギコみたいな耳の生えた男が、小さな男の子を慰めている横を通り。
羽の生えた生き物と、変な二人組の間を通り。
(,,゚Д゚)「春風はどこだー」
ツンそっくりな女の子からは、ちくわをご飯にもらいました。
ちょっと悲しそうな笑顔の女の子は、ギコの袋に枝をつけて尻尾に持たせてくれました。
朝になれば休み。
昼になればご飯を食べ。
夜になれば歩く。
ギコはずっと歩き続けて、小さな魔女のもとにたどり着きました。

川 ゚ -゚)「おや、これは随分と変わった世界からのお客様だな。
……ふむ。猫の道を使って、ここまでたどり着いたのか」
とんがりボウシに、ひらひらと伸びたマント。体の大きさはギコより小さいくらい。
だけど、魔女の小さな体にはすごい力があることが、ギコにはわかりました。
すぐそばにいるだけで髭がピクピク動き、毛並みがブワッと逆立つのです。
こいつはすごいやつだと思い、ギコは小さな魔女に言いました。
(,,゚Д゚)「春風が欲しいんだ」
川 ゚ -゚)「どうして、春風がほしいんだ?」
どうしてだっけ、とギコは首をひねって。
ギコは自分の頭のなかに、ぴったりな答えを見つけました。
(,,゚Д゚)「春風をつかまえて、それを持っていけばきっと春になるはずだ」
だから、オレは春風をつかまえてこのふくろに入れるんだとギコは言いました。
ギコは自分の思いつきのすごさにシッポをブンブンとふりました。
しかし、小さな魔女はギコの言葉に首を横に振りました。
川 ゚ -゚)「帰れ。春を探して持って帰っても無駄だ。
お前の願い事はそんなものじゃない」
――――‐―‐‐‐‐‐‐‐
ギコはとぼとぼと、歩いていました。
どこをどう歩いてきたのか、はっきりと思い出せません。
それくらい、ギコはしょんぼりとしていました。
そんな落ち込んだギコを抱き上げたのは、ひろってくだちぃ。と書かれた箱に入った女の子でした。

o川*゚ 々゚)o「ぬこーくるうといっしょですー」
女の子はぎゅっとギコを抱きしめます。
ギコは逃げようとして、しっぽをふくらませ抵抗しますが、逃げられませんでした。
川 ゚ 々゚)「どうしたですか?」
(,, Д )「春を探して持って帰っても無駄だって。帰れって、言われた」
川*゚ 々゚)「じゃあくるうといっしょしますか?」
(,, Д )「やだ」
ギコの首ががくりとたれ、首輪についた鈴がチリンと音を立てました。
それは、とても大切にされていることがわかる古い首輪でした。
川 - 々-)「ぬこ。くるうといっしょちがうです」
女の子は、ギコの首輪をじぃぃっと見つめ、言いました。
ギコの首輪と自分の入っている箱を見比べて、ケタケタと笑います。
川 ゚ 々゚)「ぬこにはおうちあるです。いくです」
(,,;Д;)「でも、オレは春を――」
川 ゚ 々゚)つ=|二フ
川#゚ 々゚)「うそつきしゃみせんさんずのかわ!
うそうそうそ嘘嘘嘘ウソウソわかってないわかってないぃ!!!」
(,,;゚Д゚)「――っ!!!」
箱のなかの女の子が取り出した、ギラギラと光るものにギコは驚いて飛び上がりました。
何が何だかわからないままに、まっすぐに続く道を飛び、駆け上がり、ギコはひたすら逃げます。
箱のなかの女の子が見えなくなっても、ただまっすぐにギコは走り続けました。
※
おじさんはちょとした茶目っ気だと笑い。
難しい顔をしていた二人は笑い合い。
機械の体の人のそばには、そっくりな顔の男の人が。
落ちたかと思った人は、痛くなかったよと笑う。
そんなよくわからない世界をひたすら走り回るうちにギコは――、白いカーテンを見つけました。
(゚、゚#トソン「誰っ!?」
窓と小さな鉢植えと、白いカーテン。
ギコのよく知るツンのお家とよく似た、普通の部屋。
そこにいた女の人は服を着ようとしていた腕を止め、その顔に笑顔を浮かべました。
(゚、゚トソン「あら、久しぶり。この前の猫さんですね。
ちゃんと覚えてますよー、青い毛並みの猫さんは珍しいですからね」
(,,゚Д゚)「……」
(゚、゚;トソン「……、いくら話しかけても反応はなし」

ギコはびっくりしていました。
あわてて走ってついた先は、ツンの家のすぐそばにあるお家。
空は暗く曇り今にも雪がふりそうです。
(゚、゚トソン「猫さん、猫さん。どうしたんですか?」
(,,゚Д゚)「ここは?」
(゚、゚*トソン「あ、鳴いてくれましたね」
女の人はカラカラと窓を開け、ギコに話しかけます。
ギコは女の人が毛皮を着ていないことに驚き、それからお部屋のなかにあるものにもう一度びっくりしました。
窓のそばにある小さな鉢植え。そこには春のように、白い花が咲いています。
(,,*゚Д゚)「春だ」
(゚、゚トソン「あら、もしかして。このお花がほしいんですか?」
ギコの視線に気づいた女の人は、小さく笑うと白い花を一つ摘みました。
ギコのそばに落ちていた袋に花をそっと入れると、首輪に結びつけました
(゚ー゚トソン「……はい、どうぞ」
――――‐―‐‐‐‐‐‐‐
(,,゚Д゚)「春だ。ツンが遊んでくれる!」
ギコはウキウキした気持ちで、歩いていました。
屋根を進み塀を飛び降り、ツンとギコのお家へと向かいます。
空からふわふわと冷たい雪が降って来ましたが、ギコの心はぽかぽかと暖かくなっていました。
(,,*゚Д゚)「ツン! ツン!」
見慣れたお家を見つけ駆け寄りますが、扉はあいていません。
窓はどこも閉まっていますし、お家のなかも暗いままです。
カリカリと扉をひっかいても、誰も開けてくれません。
(,,;゚Д゚)「ツンー! ツンー!!」
誰もない。そのことに、暖かかったはずのギコの体がぶるりと震えました。
ツンはどこだろう? 春を持ってきたのに、ツンは笑ってくれるはずなのに。
そのツンが、どこにもいない。
(,,;Д;)「……ツン」
ギコはカリカリと扉をひっかきました。
爪が痛くなっても、カリカリ、カリカリとひっかき続けます。
(,,;Д;)「ツンーツンー!!! ツン!!」
ご飯にカツブシさんがかかってなくても、ちゃんと食べるから。
遊んでくれなくてもいいから。お話してくれなくてもいいから。
お布団に入れてくれなくても、髪の毛ひっかかないから。
(,,;Д;)「ツンに、あいたい」
ξ# ⊿ )ξ「この馬鹿猫っ!! 一体、いままで何処に行ってたのよ!!」
その時、大きな大きな怒鳴り声が響きました。
ギコが毛を逆立てながら振り返ると、そこにはギコが大好きな女の子がいました。
くるくるに巻いた金の髪。ひっぱると楽しい黒いリボン。
体の上には暖かそうな毛皮に、ついつい毛づくろいしたくなる赤いマフラー。
ξ゚⊿゚)ξ 「…ほんと、馬鹿なんだから…」

ツンの目からぽろりと涙がこぼれました。
涙は次から次へとあふれて、ツンのかわいらしい表情をぬらしていきます。
(,,;゚Д゚)「ツン! 花だぞ、春だぞ! 何で泣くんだ?!」
ξ ⊿ )ξ「……いままで、どこに行ってたのよ」
ツンはギコの首輪に、昔つくった袋が結び付けられていることに気づきました。
そして、その袋に飾るように入れられた白い花を見つけました。
ξ ⊿ )ξ「……私が、春になればなんて、言っていたから?
だから、ギコはいなくなったの?」
(,,*゚Д゚)「そうだぞ。だから、笑って!」
ギコの言葉はツンにはわかりません。
だけど、ツンにはギコがいなくなった理由がわかりました。
ξ ⊿ )ξ「……私は」
ツンの言葉が途切れました。
ギコの体を抱えると、ぎゅっと抱きしめます。
ξ;⊿;)ξ「ギコがいれば……それでよかったのに」
――――‐―‐‐‐‐‐‐‐
(,,-Д-)ゴルァ
ξ゚⊿゚)ξ「ママやめて! それはパパのよ!」
ノハ ⊿ )「でも、もういらない」
ξ;゚⊿゚)ξ「でも、パパは」
ノハ ⊿ )「パパはもういない。
こんなもの置いといても意味ないし、もう見たくない」
ξ#゚⊿゚)ξ「ちがう。パパは帰ってくる!
だって、パパは。パパは言ったもの!!」
ノハ ⊿ )「……ツン。母さんの気持ち、わかって」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
‐‐
‐
ξ;⊿;)ξ「春になれば……、春になればきっとパパが……」
(,,-Д-).。oO
――――‐―‐‐‐‐‐‐‐
ギコは何もわからなかったけれど、ツンは本当は知っていました。
ツンはまだ大人じゃないけど、ずっと気づいていました。
春が来たらっていうのは、パパがついた嘘で、
本当は、パパとママは「りこん」というものをしてとっくの昔におしまいとなってしまったということに……。
(,,;゚Д゚)「ツン。痛いのか?」
ギコを抱きしめるツンの体は、とても冷たくなっていました。
いなくなったギコを、毎日毎日探していたからです。
ξ;⊿;)ξ「……ギコ、もういなくならないで」
(,,゚Д゚)「……ツン」
ツンはギコがいなくなってからはじめて、自分がギコとお話をしていなかったことに気がつきました。
そして、ギコがどれだけ大切な友達だったのか、気づいたのです。
パパはもう家にはもどってこないけど、ギコは帰ってくる。
だから、ツンは毎日一生懸命ギコを探したのです。
ξ;⊿;)ξ「ギコ」
(,,;Д;)「ツン。ツン泣かないで」
そして、ギコも気づきました。
ギコが欲しかったのは、探していたのは、春でも春風でもなかったことに。
川 ゚ -゚)「帰れ。春を探して持って帰っても無駄だ。
お前の願い事はそんなものじゃない」
小さな魔女がギコに入った言葉。
あの時はわからなかったその言葉の意味が、今のギコにはわかります。
ξ ⊿ )ξ「……なんで、ギコが泣くのよ」
(,,;Д;)「だって」
ξ ― )ξ「……」
そして、そんなギコにツンはじっと目を向け。
涙を拭うと、口元を上へと上げました。
ξ*゚ー゚)ξ「……ありがとう、ギコ。
帰ってきてくれて。それから、私とずっと一緒にいてくれて」
(,,゚Д゚)「!」
ギコはニャァと声をあげて、ツンの腕に体を擦り付けました。
ツンの腕の中はとてもあったかくて、ギコはすごく幸せな気持ちになりました。
ξ*^ー^)ξ「ギコはずっと私のお友達よ」
(,,*゚Д゚)「うん!! ツンはオレのいちばんのトモダチだ!」
春風よりも、春よりもずっとずっと大切な――ギコの願い事。
ずっとずっと探していたツンの笑顔に、ギコはようやくたどりつたのでした。
∧∧
ξ*^ー^)ξ(゚Д゚*,,)
――――‐―‐‐‐‐‐‐‐
―――‐―‐‐‐‐‐‐‐
―‐―‐‐‐‐‐‐‐
それから、時は流れました。
むかしむかしというほどむかしではない時から時間は流れ、そして今。
ζ(゚ー゚*ζ「ただいまー、もう疲れちゃったよぉー。
あれ、お母さん何してるの?」
動物にひっかかれた跡のある古い扉を、若い娘が開けました。
その娘は雪の日に猫を抱えて泣いていた女の子に、とても良く似ていました。
ξ )ξ「ちょっと、アルバムの整理をね」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、お母さんかわいい! すごく若い!
えーと、これはお父さんで。あ、私とお兄ちゃんもいる!!」
母親がテーブルに広げた写真を見て、娘ははしゃいだ声を上げました。
そこに写っているのはどれも、娘にとては懐かしい写真たちです。

娘は大喜びでテーブルに近づくと、花瓶をどかして写真を机いっぱいに広げました。
今年の写真。娘が1歳の時の写真。母親と父親の結婚式の写真。母親が学生の時の写真。
そこには家族の幸せな思い出たちが、たくさん並べられています。
ζ(゚ー゚*ζ「あれ、この写真は……」
テーブルの上に広げられた、たくさんの思い出の写真。
その写真の一番下。そこに娘は見慣れない写真を見つけました。
ζ(゚、゚*ζ「お母さんと。えっと、青い猫?」
ξ )ξ「ああ、これは……」
青い猫と、それを抱え微笑む小さな女の子。
女の子の名前はツン。猫の名前はギコ。
二人はいつも一緒で、一番の仲良し。
それは、ギコの命が終わってしまっても何も変わりません。
ξ*^ー^)ξ「私の大切なお友達よ」
季節は春。
暖かい家のテーブルに飾られている花は、いつかギコが持ってきた白い花にとても似ていました。
ξ゚⊿゚)ξ春をさがすようです 了 (,,゚Д゚)
ミニラノベ祭り(リンク先は
まぜこぜブーンさん)参加作品
No.3、No.4、No.8、No.11、No.13のイラスト+αで書かせていただきました
ひさびさの短編(小ネタ・現行のぞく)ですごくたのしかったです。感想と、イラストもありがとうございました。
まぜこぜブーンさんの
こちらでもまとめていただいております
企画まとめ本当にありがとうございます。感謝。