手をひくと、とろりと糸をひく感触。
それが面白くて、僕は何度もそれをためした。
( ・∀・)「ほら、こんなに糸ひいてる」
そう言ってから、しぃの顔をじっと見つめる。
彼女の顔は困惑から、赤面へと徐々にその表情を変えていく。
ああ、すぐにそんな風に赤くなって。彼女は本当に、かわいい。
(*///)「そんなに見られたら、恥ずかしいよ」
(,,;゚Д゚) ……
こちらを見ているギコについては何も言わないで、僕は赤くなった彼女に迫る。
( ・∀・)「でも、好きなんだろう?」
(*///)「好きだけど、でもっ」
真っ赤になった彼女の姿に、僕はたまらず――
(,,-Д-) ……
(,,;-Д-)「もう、その辺にしといてさっさと食えよ、モララー」
( ・∀・)「えー」
箸を置いて立ちあがろうとした僕に、ギコは言い放った。
納豆とご飯で山盛りになった茶碗を片手に、ギコは言う。
僕の納豆はといえば、パックの中でまだねばねばと糸をひいている。
ちなみにしぃの手にも同じく、納豆パック。
(,,;゚Д゚)「えーって、いくつだよお前……。
お前さっきから、納豆かき混ぜたり、しぃからかったりで食ってないじゃねーか」
しぃはご飯に納豆をのせない派らしく、箸と納豆パックだけを手に見事に静止した状態だ。
彼女は赤くなった表情をぱちくりとさせて、僕とギコを交互に見つめている。
あーあー、せっかくいい感じだったのに、台無しだ。
( ・∀・)「本音は」
(,,゚Д゚)「しぃを取られたみたいで、嫌だ」
(,,;゚Д゚)「――って、何言わせるんだよこの馬鹿ちん!」
( -∀・)「とられるのも何も、もともと君のものじゃないじゃないか。
どれだけヤキモチ焼きやさんなんだよ、君は」
ギコ、お前のことは最高の幼馴染かつ親友だと思っていたが、どうやらそれも最後のようだ。
納豆で粘つく箸を振りながら、僕は目の前のライバルに精一杯の嫌味を放つ。
しかし、好きな女の子や恋敵と同じ食卓でごはんってのも、なかなかシュールな光景だ。
まぁそれもこれも一人じゃ食べきれない量のの納豆を買い込んだ、モナーのせいなんだけど……。
(;゚ー゚)「……見られてると食べにくいよ、モララーくん」
( ・∀・)「だって、しぃちゃんかわいいじゃん」
それでも、意中の幼馴染である彼女へのアピールは欠かさない。
『流石だな、僕。』
僕は台所に醤油を取りに行ったもう一人の幼馴染兼親友に対して、心の中でつぶやく。
(*///)「でも、納豆だよ。
なかなか糸がうまくきれなくて上手に食べられないし、口から糸ひいちゃうし……恥ずかしいよ」
( ・∀・)「そんなことで、恥ずかしがっちゃうしぃちゃんかっわいー!」
(,,#゚Д゚)
(,,#゚Д゚)「てめぇ、ふざけたこと言ってないでさっさと食え!!!
賞味期限今日までなんだぞ、ゴルァ!!!」
(*・∀・)「ギコが怒ったー!!!」
(,,#゚Д゚)「ざけんな、てめぇなんだかんだ言って納豆食いたくないだけじゃねーか!!!」
( ・∀・)「だって、嫌いなんだもん、納豆」
(,,# Д )「今すぐ更生させてやるから、覚悟しやがれ!!!」
まあ恋敵と言っても、ギコは大事な親友だし、すぐには嫌いになれないわけで。
彼女たちとの幼馴染という強固な関係をあっさりと変えるのも、すぐには無理で。
僕らはこの関係をずっと続けていってしまうんだろうなぁと、なんとなく思う。
(;゚ー゚)「ギコくん、落ち着いてー」
――そこに彼女がいるのなら、それもまぁ悪くはないか。
(;´∀`) ←醤油を取りに行ってた
(;´∀`)「……」
(;´∀`)。o(一瞬、卑猥なことを想像したなんて言えないモナ)
おわり
納豆祭りが突発開催されてたのでおもいっきり便乗した。
エロで一本釣りしようと思った結果、若干不自然になったが、反省したら負けだと思っている。
毎度おなじみ
ブーン系小説総合スレ 【 裏 】 まとめさんで、他の納豆な話とともにまとめてもらいました。 →
コチラありがとうございました!