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( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです 第2話 

34 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:41:13 ID:n.kWS84w0



       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第壱話      歯車王、売るよ
              ┛               ┛


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35 :ミス:2012/04/15(日) 02:41:55 ID:n.kWS84w0



       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第弐話      出撃!歯車王!
              ┛               ┛


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36 :またミスった:2012/04/15(日) 02:42:37 ID:n.kWS84w0



       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第弐話      歯車王、売るよ
              ┛               ┛


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37 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:44:51 ID:wghgvI3cO
落ち着けwww

38 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:46:40 ID:n.kWS84w0
( ゚ω゚)「どえええええええええええええええ!!!」

(゚ω゚ )「どええええええええええええええええええええ!!!」

( ゚ω゚ )「ドエエエええエエエエエええええええええええええええええええええ!!!」

ξ゚⊿゚)ξ「こっち見んな」

(;^ω^)「ちょちょ、ちょ、マジで言ってるのかお!?」

ξ゚⊿゚)ξ「大マジよ。社長さん」

(;^ω^)「でも、歯車王がなくなったらうちは…」

ξ゚⊿゚)ξ「やっていけなくなるの、クー?」

川 ゚ -゚)「いや。むしろ右肩上がるな」

('A`)「そりゃそうだ」

ξ゚⊿゚)ξ「つーかね、このままじゃやっていけなくなるのは会社のほうよ」

(;^ω^)「うぐ…そりゃそうだけどお…」

ξ゚⊿゚)ξ「会社潰しますか?パイロット辞めますか?」

(;^ω^)「……」


39 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:53:22 ID:n.kWS84w0
('A`)「まぁ待てってツン。そう急展開にしなくてもいいだろうよ」

('A`)「お前だって歯車王に愛着とか未練とか、全くないわけじゃないはずだ」

ξ゚⊿゚)ξ「…それはもちろん、そうよ」

('A`)「クーだって同じだろ?」

川 ゚ -゚)「ああ。というか元より、私はツンに賛成した覚えもない」

('A`)「だよな。というわけで、この件は一旦保留」

ξ゚⊿゚)ξ「でも…」

( ^ω^)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「…わかったわ。保留にしましょう。私も突然こんなこと言っちゃって悪かったと思ってるし」

('A`)「もう少し早く思っててくれたら、ダメージの少ない発表の仕方もあったと思うんだが」

ξ゚⊿゚)ξ「あーはいはいすいませんでした。どうせ私は単細胞ですよ」

('A`)「言外の意思をそこまで汲み取らなくてもよろしい」

41 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:59:01 ID:n.kWS84w0
( ^ω^)「…ごめんだお。僕のせいで」

ξ゚⊿゚)ξ「あー…別にあんたのせいって言ってるわけじゃないから。そこんとこは勘違いしないでよね」

川 ゚ -゚)「ツンデレきたな」

ξ゚⊿゚)ξ「うん、黙れ?」

川 ゚ -゚)「はい」

('A`)「ま、次の定期整備まで一週間ある。まずはそこがポイントだろう」

川 ゚ -゚)「定期整備までは歯車王の維持費もかからないからな。存分に悩むといい」

( ^ω^)「おー…」

('A`)「うし、じゃ俺は出撃後整備にかかるからよ。解散解散」

ξ;゚⊿゚)ξ「げ、もう退勤時間過ぎてるじゃない。またサビ残かぁ…」

( ^ω^)

川 ゚ -゚)「ツン、このタイミングでそれを言うのはただの追い討ちだぞ」

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、ごめん…ついうっかり…」


42 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 03:04:40 ID:n.kWS84w0
('A`)「…ふー。出撃後整備完了、っと」

( ^ω^)「お疲れ様だお。ほい、コーラ」

('A`)「なんだよ、まだいたのか。サンキュー」

プシッ

( ^ω^)「…昼間はごめんだお、ドクオ。保留にしろ何にしろ、僕が言わなきゃいけないことだったのに…」

('A`)「気にしちゃいねぇよ。お前はああいうの慣れてないからな」

( ^ω^)「だお」

('A`)「まして親父さんの形見だ。そう間単に決められるこっちゃねぇ」

( ^ω^)「…でも、決めないといけないお」

('A`)「だな。それはお前に任せた。つーわけで帰って抜いて寝るわ」

( ^ω^)「抜く報告はいらんお」


43 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 03:06:26 ID:n.kWS84w0


            ┌──┐
          ∪ |::━◎┥∪
           V|    |V
            |:日 日:|
            └┬┬┘
             亠亠


( ^ω^)

( ^ω^)「歯車王」

( ^ω^)

( ^ω^)「ごめん、だお…」


44 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 03:10:20 ID:n.kWS84w0
そして一週間の月日が流れた。

('A`)「さぁやって参りました運命の進退発表ターイム!」

川 ゚ -゚) パフパフー

ξ;゚⊿゚)ξ「クー、別に律儀に鳴らさなくてもいいのよ?」

川 ゚ -゚)「鳴らしたらジュース一本と言われたので」

ξ;゚⊿゚)ξ「安いんだか高いんだかわからないわね…それ…」

('A`)「いや、一週間怪獣が出なくて良かったな。おかげで安心して考えられた」

( ^ω^)「そうだおね」

ξ゚⊿゚)ξ「…決めたの?」

( ^ω^)「うん。決めたお。売るって」

ξ゚⊿゚)ξ「そう…」

ξ゚⊿゚)ξ

ξ゚⊿゚)ξ「いや、もう少し溜めろよ。おい」


45 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 03:17:17 ID:n.kWS84w0
('A`)「えらいあっさりだなぁ」

ξ゚⊿゚)ξ「葛藤するタイミングをくれよ!『ああ、やっぱり…』とかさぁ!思う時間くれよ!見せ場作れよ!」

川 ゚ -゚)「何で怒ってるんだ?」

( ^ω^)「色々考えたけど、やっぱり皆を路頭に迷わせるわけにもいかないし…」

('A`)「いや、俺はここなくなっても知り合いの工場があるから」

ξ゚⊿゚)ξ「私もツテを頼ればなんとか」

川 ゚ -゚)「実家帰る」

('A`)「路頭に迷うのはお前だけだ」

( ^ω^)

( ^ω^)「何だそれ」

ξ゚⊿゚)ξ「まぁ決断してくれて助かったわ!さぁそれじゃ売る算段を付けるわよ!」

( ^ω^)「何だそれ」

('A`)「まぁまぁ」


46 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 03:24:38 ID:n.kWS84w0
川 ゚ -゚)「で、何かあてはあるのか?」

( ^ω^)「…ぶっちゃけ歯車王ってレトロロボだし。なかなか需要ないと思うんだけどお」

('A`)「いや、逆に高く売れるんじゃないか?その手のマニアにさ」

ξ゚⊿゚)ξ「その通り!実は取引先の人がレトロマニアでね。歯車王のことも気に入ってるらしいの」

ξ゚⊿゚)ξ「いらなくなったら是非私に!って何回も言われたわ」

川 ゚ -゚)「なるほど。逆に言えば、そのあてがあったから今回のことを考え付いたわけだな」

( ^ω^)「マニアの人なら大切に扱ってくれそうだし…」

('A`)「異論はないらしいな」

ξ゚⊿゚)ξ「オッケーオッケー。満場一致ね」

( ^ω^)「それで、その人はどこの人なんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「皆さんご存知、『荒巻製作所』の荒巻さんよ」


47 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 03:30:40 ID:n.kWS84w0
ξ゚⊿゚)ξ「ごめんくださーい」

/ ,' 3「おお、津野さん…とと、今日は皆さんお揃いでしたか」

( ^ω^)「ご無沙汰してますお」

('A`)「どうも」

川 ゚ -゚)「こんにちは」

ξ゚⊿゚)ξ「荒巻さん。歯車王が欲しいって前におっしゃってましたよね」

/ ,' 3「ええ。皆さんの前で言うのも恐縮ですがの」

ξ゚⊿゚)ξ「歯車王、荒巻さんに売るってことで可決しました」

/ ,' 3「…本気ですか?」

( ^ω^)「はい。社長以下全員の総意ですお」

/ ,' 3「…そうですか。わかりました。まさか本当にこの日が来るとは」

ξ゚⊿゚)ξ「それで、売値の方なんですけ川 ゚ -゚)「これぐらいでいかがでしょうか?」

ξ;゚⊿゚)ξ「(…さすが経理…)」

49 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 03:46:18 ID:n.kWS84w0
/ ,' 3「む…いやいや、これはちょっと。歯車王はその…やや、古い機体ですしの」

川 ゚ -゚)「ええ、そうですね。しかしあなたにとって重要なのは年代じゃないんでしょう?」

/ ,' 3「……」

川 ゚ -゚)「歯車王はかなり特殊な機体です。理由は簡単」

川 ゚ -゚)「歯車王は、『一切量産されていない』」

川 ゚ -゚)「つまり、歯車王に使われているいくつかのパーツは完全に固有の部品です」

川 ゚ -゚)「そして我が社の経営事情もあって、そういったパーツは交換歴がありません。当然生産している工場も現存しない」

川 ゚ -゚)「だからこそ価値がある。実用性度外視のコレクションとしてね」

(;^ω^)「…そうなのかお?」

('A`)「らしいな。そういうパーツって、痛みにくい部位のなんだよ。だから固有でもそんな困らないってわけ」

('A`)「(ま、本当はうちにも交換用のストックが残ってるんだけどな…黙っとくか…)」

川 ゚ -゚)「安値で買い叩くつもりなら無駄ですよ。パーツの相場は全て調べてありますから」

/ ,' 3「…ははは、参りましたなぁ。そこまでバレてちゃしょうがない。その金額で出しましょう」

川 ゚ -゚)「わかっていただけたようで何よりです。オークションで競るよりは安いと思いますよ」

/ ,' 3「その通りですな」


50 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 03:53:07 ID:n.kWS84w0
川 ゚ -゚)「と、いうわけだ。この金額でいいそうだぞ」

ξ;゚⊿゚)ξ「うお!これ私が考えてた見積もりの五倍ぐらいあるんだけど!」

川 ゚ -゚)「ナメすぎだろ…常識的に考えて…」

/ ,' 3「これはわしの方から少し上乗せして買い取ってたレベルですぞ…」

('A`)「今更だけどあいつに営業任せて大丈夫なの?」

川 ゚ -゚)「ツンは値切りの技術に長けてるからな。あと野生の勘」

( ^ω^)「後者も否定できないお」

ξ゚⊿゚)ξ「あたしを何だと思ってるわけ?」

川 ゚ -゚)「ともかく、これで成立だ。さっさと歯車王を運搬してこよう。あ、運搬費もそちら持ちということで」

/ ,' 3「…しっかりしてますなぁ…」

ξ゚⊿゚)ξ「ええ、本当に」


51 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 03:58:01 ID:n.kWS84w0
( ^ω^)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「ね、ブーン。私が聞くのもなんだけど、本当に良かったの?」

( ^ω^)「…うん。満足だお」

('A`)「嘘が下手だなお前は。そういう顔してねぇぞ」

( ^ω^)「…ごめん」

川 ゚ -゚)「謝ることはない。お前の気持ちはわかる」

( ^ω^)「クー…」

川 ゚ -゚)「安心しろ社長」

川 ゚ -゚)b「歯車王は、もっと高く売ってやる」

( ^ω^)

('A`)

ξ゚⊿゚)ξ

( ^ω^)「は?」


52 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 04:03:05 ID:n.kWS84w0
/ ,' 3「…ふむ…やはり、興味深い」

/ ,' 3「歯車王が作られたのは、もう何十年も前のはず」

/ ,' 3「にも関わらず、この機体の能力は現在の物のそれとほとんど変わらない…」

/ ,' 3「この秘密…恐らく、歯車王の最深部に…」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


/ ,' 3『最深部に…』

川 ゚ -゚)「よし、カメラ・マイク共に調子は良好だな」

ξ゚⊿゚)ξ「これって…歯車王のカメラ映像?」

川 ゚ -゚)「ああ。データをこっちにも送信するよう、ドクオに改造させておいた」

('A`)「ちょちょいとな」

( ^ω^)「でもなんでこんなことを?」

川 ゚ -゚)「今荒巻さんがご丁寧に説明してくれたんだが…まぁいい」

54 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 04:09:52 ID:n.kWS84w0
川 ゚ -゚)「歯車王はブーンの親父さんが設計・開発した機体だ。つまり何十年も前の機体になる」

川 ゚ -゚)「にも関わらず。機体スペックは妙に高い」

('A`)「そうだなぁ。現場に出さえすりゃ、怪獣もちゃんと倒せるし」

川 ゚ -゚)「しかもこのスペック、年々上がっているんだ。社外秘だけどな」

ξ゚⊿゚)ξ「え、そうなの?」

( ^ω^)「マジで?」

川 ゚ -゚)「気付けよ」

('A`)「俺が出してる社内用のスペックデータ見てないのかよ」

( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ「「うん」」

('A`)「俺の仕事って何なの?」

川 ゚ -゚)「愚痴るのは後にしろ。ともかく、だ」

川 ゚ -゚)「私はこれは、CPU周りに原因があると見ている。歯車王のCPUもオリジナルの一点物なんだ」


55 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 04:15:50 ID:n.kWS84w0
ξ゚⊿゚)ξ「なら取り出して調べてみれば良かったんじゃないの?」

川 ゚ -゚)「資金に余裕があればそうするつもりだったさ」

('A`)「分解して組み立て直すなんて無駄なことする金、うちにはねぇもん」

( ^ω^)「本当に申し訳ない」

川 ゚ -゚)「だからちょっと汚い手段に出ることにした」

ξ゚⊿゚)ξ「んん…読めてきた。つまり、荒巻さんに分解して調べてもらっちゃおうってことね?」

川 ゚ -゚)「ああ。そして本当にCPUに価値があるようなら、値段を吊り上げる」

川 ゚ -゚)「機体は引き渡したが、まだ売買契約は済んでないしな。吊り上げて断るようなら歯車王を返してもらう」

(;^ω^)「えげつない…」

川 ゚ -゚)「なんとでも言え。これも内藤重工のためだ。一応法には触れないギリギリのラインだぞ?」

('A`)「ギリギリの時点でどうかと思うけどな…ま、CPUは俺も興味あるからいいけど」


56 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 04:24:29 ID:n.kWS84w0
( ^ω^)「…それにしても、なんで荒巻さんは一人で分解を進めてるんだお?」

川 ゚ -゚)「それこそCPUに価値がある証拠だろう。頭数が増えれば分け前が減る」

ξ゚⊿゚)ξ「でも、ここまでして価値がなかったらショックでしょうね」

川 ゚ -゚)「部品のコレクションも増えるからいいんじゃないか?荒巻さんにとってはどっちに転んでもプラスだ」

('A`)「クソッ、リスクを背負って回ってるうちの会社とは大違いだぜ。なぁブーン」

( ^ω^)「そこで僕に振るのは嫌がらせの一種かお?」

ξ゚⊿゚)ξ「で、この分解作業ってどれぐらいかかるの?」

('A`)「一人でやるとなると、かなりかかるな。俺もやろうとしたけど、人員と設備がなくて諦めたぐらいだから」

( ^ω^)「カメラがバレなきゃいいんだけどお…」

川 ゚ -゚)「何、バレたら『誤作動』とでも誤魔化しておけばいい。向こうも歯車王の真の価値を黙ってたんだ、おあいこだろう」

( ^ω^)「…今更だけど、クーって金が絡むと怖いお」

ξ゚⊿゚)ξ「あたしもそう思う」

川 ゚ -゚)「褒め言葉ありがとう」


57 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 04:32:12 ID:n.kWS84w0
荒巻による分解作業は実に三日間にも及んだ。
その間、クーがカメラの映像から目を離すことは一瞬たりともなかった。

川 ゚ -゚)

ξ;゚⊿゚)ξ「ほんとこの子ってどういう神経してんの?」

(;^ω^)「金が絡むと怖いとは言ったけど、ここまでとは…」

('A`)「つーかツンよ。請求関係はいいのか?こんな後回しにしちまってよ」

ξ゚⊿゚)ξ「ああ、あれなら何回もわざとミスって書き直して先延ばしにしてるから」

(;'A`)「…人のこと言える神経かお前?」

ξ゚⊿゚)ξ「営業はしたたかじゃないとね」

(;^ω^)「したたかってレベルじゃねーお」

川 ゚ -゚)「…む。どうやら、分解が済んだようだぞ」

/ ,' 3『これが…内藤の遺産か…』

( ^ω^)「……」

59 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 04:39:59 ID:n.kWS84w0
川 ゚ -゚)「…このカメラで追えるのはここまでだな。恐らくCPUの性能試験を行うんだろうが」

('A`)「カメラが分離して自走できるようにしておくべきだったか」

(;^ω^)「そこまでしなくていいお」

('A`)「わかってるよ。どうせ予算もねぇし」

( ^ω^)← グサッ

ξ゚⊿゚)ξ「あ、刺さった」

川 ゚ -゚)「また何日かしたら、CPUのことについてカマかけに訪問してみよう」

('A`)「容赦ねぇな」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ請求はもう少し先延ばしておくわね」

川 ゚ -゚)「頼む。できるだけ先延ばせ」

(;'A`)「訴えられたら負けるな…こりゃ…」

( ^ω^)

(;'A`)「あとお前は立ち直れよ…俺が悪かったって…」


60 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 04:41:38 ID:n.kWS84w0



       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

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       ┏        ┏
         第弐話      歯車王、売るよ
              ┛               ┛


       ┏
          終
             ┛

62 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 04:45:27 ID:n.kWS84w0



       ┏
          次回
               ┛


       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第参話      遺されたCPU
              ┛              ┛


.


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( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです 第1話 

1 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:04:26 ID:n.kWS84w0



                       ― 西暦20XX年 ―



突如として地球に現れた謎の存在『怪獣』の攻撃により、人類は未曾有の大打撃を受けていた。

次々に壊滅させられていく都市。逃げ惑う人々。

絶望の日々に終止符を打ったのは、ある『兵器』の登場であった。

それは、全ての少年の夢と希望を具現化した、馬鹿げた『兵器』。


2 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:06:15 ID:n.kWS84w0





                   『巨大ロボット』である。




.


3 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:07:30 ID:n.kWS84w0



       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第壱話      出撃!歯車王!
              ┛               ┛


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4 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:11:45 ID:n.kWS84w0
<ウー…ウー…

( ^ω^)「!」

('A`)「ブーン!非常警報だ!」

( ^ω^)「聞こえてるお!怪獣が出たんだおね!?」

('A`)「いや、違う。お前の部屋にお母さんが入った」

( ゚ω゚)「うわああああああ!!!非常事態だああああああああああ!!!」

ドタドタドタ

('A`)「ふう…ブーン一家の平和はわしが守った」

ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ、いい加減自分の部屋に親が入ったら警報が鳴るってシステム止めない?」

川 ゚ -゚)「私は構わないぞ。親父が入ってきても困る」

('A`)「三対一だな。残念ながらお前の提案は却下だ、ツン」


5 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:17:12 ID:n.kWS84w0
ここは『秘密株式会社内藤重工』。
巨大ロボットの生産から操縦、果てはメンテナンスまでを担当する株式会社である。社員は以下の四名。

( ^ω^) 内藤ホライゾン

愛称ブーン。内藤重工の若社長である。担当はパイロット。

('A`) 鬱田ドクオ

内藤重工開発課課長。担当は機械整備。

ξ゚⊿゚)ξ 津野ツン

内藤重工営業課課長。担当は部品調達。

川 ゚ -゚) 素直クー

内藤重工経理課課長。担当は経理。


6 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:21:23 ID:n.kWS84w0
彼らは日夜、粉骨砕身の精神で地球の平和のために戦っているのである。

(;^ω^)「ふー…なんとか危険物の隠蔽には成功したお」

ξ゚⊿゚)ξ「危険物ねぇ…」

('A`)「アダルトグッズなんて危険物以外の何物でもないだろ」

川 ゚ -゚)「というか、何故見つかるようなところに隠すんだ?」

( ^ω^)「や、いざという時に手が伸びるところに置いてるから…」

ξ;゚⊿゚)ξ「どういう『いざ』に対応しようとしてんのよ?」

('A`)「そりゃ色々あるだろ。それこそ怪獣とかよ」

川 ゚ -゚)「もっと持ち出すべき物があるだろう」

('A`)「ねぇ」

ξ;゚⊿゚)ξ「ないのかよ!」


7 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:24:32 ID:n.kWS84w0
<ウー…ウー…

(;^ω^)「うわ!また侵入者かお!?」

(;'A`)「いや、違う!これは!」

ξ゚⊿゚)ξ「怪獣?」

(;゚A゚)「俺 の 家 の 方 だ ! ! !」

ドタドタドタ

ξ゚⊿゚)ξ「…ここからドクオの家までどれくらいだっけ?」

川 ゚ -゚)「全力で走って十五分ってところだな」

( ^ω^)「ドクオの体力じゃ倍はかかるお」

ξ゚⊿゚)ξ「もうどうしようもないな」

( ^ω^)「うん」


8 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:27:26 ID:n.kWS84w0
一時間後。

('A`)

( ^ω^)「どうだったお?」

('A`)「顔見てわかれ」

ξ゚⊿゚)ξσ「ブサイク」

('A`)「正解」

川 ゚ -゚)「どうやら死に目には会えなかったらしいな」

('A`)「それも正解」

( ^ω^)「まぁそう気を落とすなお。給料日までもうすぐだし」

('A`)「俺はこの会社に入って以来給料日が楽しみだったことがないんだが」

(;^ω^)「う…面目ない」

川 ゚ -゚)「経理担当としても面目ない」

ξ゚⊿゚)ξ「全然面目ない顔してないけど」


9 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:29:37 ID:n.kWS84w0
<ウー…ウー…

( ^ω^)「やたら非常警報の鳴る日だおね」

ξ゚⊿゚)ξ「毎日一回は必ず鳴ってると思うけど…」

川 ゚ -゚)「今度はなんだ?開発課長殿」

('A`)「うむ。怪獣だ」

( ^ω^)「ふーん」

ξ゚⊿゚)ξ「なんだ怪獣かぁ」

川 ゚ -゚)「そうか」

('A`)

( ^ω^)

ξ゚⊿゚)ξ

川 ゚ -゚)


10 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:32:42 ID:n.kWS84w0
( ゚ω゚)「怪獣じゃねぇかああああああああああああああああああ!!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「怪獣じゃねぇかああああああああああああああああああ!!!」

川 ゚ -゚)「そうだな」

( ゚ω゚)「そういう非常事態はもっと緊迫した顔と声色で言えお!!!」

('A`)「ごめん」

ξ;゚⊿゚)ξ「出動準備出動準備!!!」 グイグイ

川 ゚ -゚)「押すな。ちゃんと準備はやる」

( ^ω^)「先にコクピット乗ってるお!」

('A`)「あいよ。ほれ、起動キー」

ポイ

パシッ

( ^ω^)「受け取ったお!」


11 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:36:45 ID:n.kWS84w0
プシュー

( ^ω^)「よっ、と」

プシュー

『認証開始……認証中……認証終了』

『パイロットを内藤ホライゾンと認証』

『起動キーを挿入してください』

( ^ω^)「お!」

グイ カチャ

『起動キー認証』

『出撃命令を待ってください』

( ^ω^)「……」

13 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:41:29 ID:n.kWS84w0
('A`)「よーし、出撃準備だ」

ドサッ

『巨大ロボット出撃マニュアル ~出撃直前編~』

ξ;゚⊿゚)ξ「はぁ…相変わらずとんでもない量ね…この出撃直前点検マニュアル…」

('A`)「巨大ロボットの出撃に際しては法律遵守でお願いいたします。とよ」

川 ゚ -゚)「うちのような零細企業にとっては悪法もいいところだ、全く」

ξ゚⊿゚)ξ「愚痴ってても仕方ないわね。やりましょ!」

('A`)「はいはい」

川 ゚ -゚)「担当はいつも通りでいいな?」

ξ゚⊿゚)ξ「当然!出撃直前点検開始します!」

('A`)「オーバー」

川 ゚ -゚)「右に同じ」


14 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:43:00 ID:n.kWS84w0
( ^ω^)

『出撃命令を待ってください』

( ^ω^)

『出撃命令を待ってください』

( ^ω^)

『出撃命令を待ってください』

( ^ω^)

『出撃命令を待ってください』

( ^ω^)

『出撃命令を待ってください』

( ^ω^)

『出撃命令を待ってください』

( ^ω^)

『出撃命令を待ってください』

( ^ω^)

『出撃命令を待ってください』


15 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:46:12 ID:n.kWS84w0
~一時間後~

( -ω-) zzz...

『出撃命令を待ってください』

( -ω-) zzz...

『出撃命令を待ってください』

( -ω-) zzz...

『出撃命令を待ってください』

( -ω-) zzz...

『出撃命令受理。起動キーをONに入れてください』

( -ω-) zzz...

『起動キーをONに入れてください』

( -ω-) zzz...

『起動キーをONに入れてください』

( -ω-) zzz...

『起動キーをONに入れてください』


16 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:49:15 ID:n.kWS84w0
( -ω-) zzz...

『起動キーをONに入れてくださξ#゚⊿゚)ξ『起きろデブがあああああああああああああああああ!!!』

( ゚ω゚)「のわあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

ξ#゚⊿゚)ξ『何気持ち良さそうに寝てんのよ!!!とっくに点検完了してるっつーの!!!』

(;^ω^)「ご、ごめんだお…」

('A`)『いいからさっさと起動キー入れろって』

川 ゚ -゚)『横で騒がれてる私たちの身にもなってくれ』

( ^ω^)「了解!歯車王、出撃するお!」

ξ#゚⊿゚)ξ『帰ってきたら説教だからね!』

(;^ω^)「勘弁してくれお…」

ゴゴゴゴゴ…


17 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:53:30 ID:n.kWS84w0
ガシャン!!!



            ┌──┐
          ∪ |::━◎┥∪
           V|    |V
            |:日 日:|
            └┬┬┘
             亠亠



秘密株式会社内藤重工製造乙型巨大ロボット

形式名:BR-GK01

通称:歯車王


18 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 01:57:09 ID:n.kWS84w0
( ^ω^)「各システムオールグリーン!歯車王、目標に向けて前進!」

ξ゚⊿゚)ξ『やってやりなさい!』

( ^ω^)「あったりまえだお!」

('A`)『あー…盛り上がってるとこ悪いんだが』

( ^ω^)「なんだお?」

('A`)『目標ってどれのことよ?』

( ^ω^)「え?」

川 ゚ -゚)『周りを見てみろ』

|::━◎┥ ウィーン…

┝◎━::| ウィーン…

( ^ω^)

( ^ω^)「怪獣いねぇ…」

20 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:01:52 ID:n.kWS84w0
ξ;゚⊿゚)ξ『ちょ、どういうことよ!?』

('A`)『もちっとよく見てみろ』

( ^ω^)「スギウラの人たちが忙しなく動いてるのが見えるお…」

ξ;゚⊿゚)ξ『また!?なんなのよあいつら!』

('A`)『スギウラロボティクス。日本の巨大ロボット産業のトップを牽引する大企業様』

ξ#゚⊿゚)ξ「そーいうことを聞いてるわけじゃないっつーの!」

川 ゚ -゚)『どうやらもう事後処理に入ってるらしいな。さすがは大企業』

(;^ω^)「ていうかどんどん仕事早くなってないかお?あの会社…」

('A`)『ま、年商も右肩上がりらしいからな。羨ましいこった』

川 ゚ -゚)『とりあえず帰還しろ、内藤。邪魔だ』

(;^ω^)「了解…」

ξ#゚⊿゚)ξ『もー!!あんっっっっっっっっっっっっっなに時間かけて点検したのにー!!』

22 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:08:10 ID:n.kWS84w0



                       ― 西暦21XX年 ―



突如として地球に現れた謎の存在『怪獣』の攻撃により、人類は未曾有の大打撃を受けていた。

のは、昔の話。

世界の技術は皆様もご存知の通り目覚しい成長を遂げ、今や巨大ロボット市場は大きなマーケットとなっていた。

結果として企業間の競争も激化の一途を辿っていくこととなり、弱肉強食の様相を呈していったのである。


23 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:13:24 ID:n.kWS84w0
('A`)「オラーイ、オラーイ」

ガチャン…

( ^ω^)「ただいまー」

ξ゚⊿゚)ξ「おかえりー」

ξ#゚⊿゚)ξ「じゃ、ねーよ!!学校帰りか己は!!」

(;^ω^)「ご、ごめんなさい!」

川 ゚ -゚)「まぁそう荒ぶるな。お茶だ」

( ^ω^)「ありがとだお」

ξ#゚⊿゚)ξ「もー、ほんっと気に入らないわスギウラのやつら!ちょっとばかし右肩上がりだからって!」

('A`)「ちょっとどころじゃねぇけどな」

川 ゚ -゚)「うちも平坦ではあるんだがな」

(;^ω^)「低空飛行で平坦じゃ意味ないお…」

25 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:22:37 ID:n.kWS84w0
ξ-⊿-)ξ「…すぅ」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ…」

ξ゚⊿゚)ξ「よし。落ち着いた」

('A`)「しっかしやっぱスギウラはすげーな。怪獣出現から出動までの平均タイム三十秒だってよ」

川 ゚ -゚)「あの点検マニュアルを三十秒でか」

ξ゚⊿゚)ξ「一体何人で点検してんだって話よね…」

( ^ω^)「人数もそうだけど設備もうちとは雲泥の違いだと思うお…」

川 ゚ -゚)「ま、今更だけどな」

('A`)「そうそう。つーかこれだけ格差があるのに生き残ってるだけ俺らはマシだぜ」

( ^ω^)「ほぼ内職で生き残ってるようなもんだけどお」

ξ゚⊿゚)ξ「…あのさ。私から一つ、提案なんだけど」


26 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:24:47 ID:n.kWS84w0
( ^ω^)「なんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「うちの財政を圧迫してる一番の原因ってなんだかわかる?」

川 ゚ -゚)「当然歯車王だろ」

ξ゚⊿゚)ξ「そうよね。それはみんなわかってるわよね」

( ^ω^)「だからなんだって言うんだお?」

('A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「ほんとあんたって察しが悪いのね…要するに私が言いたいのはね、ブーン」


27 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:25:40 ID:n.kWS84w0





            ┌──┐
          ∪ |::━◎┥∪
           V|    |V
            |:日 日:|
            └┬┬┘
             亠亠




  「歯車王を売っちゃいましょうよってことよ」


28 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:27:17 ID:n.kWS84w0



       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第壱話      出撃!歯車王!
              ┛               ┛


       ┏
          終
             ┛

31 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 02:33:40 ID:n.kWS84w0


       ┏
          次回
               ┛


       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第弐話      歯車王、売るよ
              ┛               ┛


.



目次へ
第2話へ→

从 ゚∀从はヒーローになれなかったようです 第8話 

134 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 06:38:52 ID:joHtc6/k0
椅子に縛り付けられた俺は、改めて流石兄弟のアジトを見回してみた
世間一般の「流石兄弟のアジト」に対するイメージといえば、盗品で埋め尽くされた雑多な空間だろう
しかし実際はそんな事はなく、綺麗に整えられた調度品(恐らく盗品だろう)、染み一つない床etcetc……
一目見てここが大泥棒のアジトだと想像できる人間はいないだろう

(´<_` ) 「あめぞう」って知ってるか?

「あめぞう」。ニューソク建国以前に実在した国の名だ

从 ゚∀从 この国でその言葉を聞いたことがない奴なんて聾者か幼児くらいのもんだろうさ

(´<_` ) ……まあ、そうだろうな

从 ゚∀从 ……

(´<_`;) ……

从 ゚∀从 で、それがどうしたんだよ

(´<_`;) あ、いや、その

( ´_ゝ`) 女と話すの慣れてないからって遠まわしに行き過ぎだろ弟者

(´<_`;) うむ、すまん

わかった、こいつら絶対童貞だ


135 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 06:39:45 ID:joHtc6/k0
(´<_` ) あんたにはいくつか聞きたいことがある

从 ゚∀从 それはもう聞いた

(´<_`;) ……あんたを殺すつもりはない。ちゃんと答えてくれたらすぐに解放しよう

(´<_` ) あんたは何者だ?

从 ゚∀从 秘密

(´<_` ) どうしてこの場所がわかった?

从 ゚∀从 内緒

(´<_` ) 能力は?

从 ゚∀从 知らねぇな

(´<_` ) 何なのこの子全然話してくれない


136 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 06:40:43 ID:joHtc6/k0
(;´_ゝ`) (おい、しっかりしろ弟者)

(´<_`;) (そうは言っても、尋問なんてやったことないぞ)

从 ゚∀从 ところでお前ら、どうやって俺をこんな風に椅子に縛りつけることができたんだ?

(;´_ゝ`) (おい、逆に質問されてるぞ弟者)

(´<_`;) (どうすればいいんだ、これ)

从 ゚∀从 教えてくれよ。お前らが教えてくれたらこっちも質問に答えてやるよ

( ´_ゝ`)そ !! Σ(´<_` )

(´<_` ) (……どうしよう兄者)

( ´_ゝ`) (お前の能力はバレたからどうなるってもんでもないだろう)

( ´_ゝ`) (どうやってここに来たのかを聞き出すことの方が重要だ)

( ´_ゝ`) (これが分からないままだったらいつ捕まってもおかしくない)

(´<_` ) (それもそうだな)

(´<_` ) いいだろう、教えてやるよ

138 :>>137ミス:2012/04/15(日) 06:42:22 ID:joHtc6/k0
(´<_` ) 明晰夢って知ってるか?

从 ゚∀从 夢の中で意識があるってやつだろ?

(´<_` ) そうだ

(´<_` ) 俺はその明晰夢を自由に見ることができる

(´<_` ) 夢の世界の景色は俺が眠りに落ちる瞬間と全く同じ物になっているんだが……

(´<_` ) その世界での俺の行動が全て、俺が目覚めた瞬間に反映される

从 ゚∀从 ポカーン

(´<_` ) わからんか?じゃあ例に出して説明してやるよ

(´<_` ) そこのテーブルの上に林檎がひとつあるだろう?

(´<_` ) 俺が夢の中でその林檎をナイフで四等分、かわいいうさちゃんの形に皮を剥いたとする

(´<_` ) この時現実世界ではまだりんごはその形を保っている

(´<_` ) 俺が目を覚ますと同時に、テーブルの上の林檎はうさちゃん林檎に姿を変えるのだ

(´<_` ) 名付けt从 ゚∀从なるほどな、お前を襲った時に俺は止めを刺すべきだったって訳だ

(´<_` ) ……わかってくれたなら良い


139 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 06:43:39 ID:joHtc6/k0
从 ゚∀从 それにしても恐ろしい能力だねぇ、殺し屋のが向いてるんじゃねーか?

(´<_` ) 誰かに命を狙われたら俺一人じゃ戦えないんでね。命の危険は無い方がいいのさ

( ´_ゝ`) 起きてる時は一般人みたいなもんだし、俺が守るにも限度があるしな

从 ゚∀从 よしわかった、じゃあ今度はそっちのば……ん……

从ill∀从 だ……あれっ……?体……が……

(´<_`;) おいどうした……ってうわ!お前血が!

(´<_`;) 考えてみれば落ちた腕で戦ってたんだ。出血が無いわけがない

从ill∀从 無理……し過ぎちまったみたいだわ……

(´<_`;) くそっ、死なれちゃ困る。とりあえず応急処置だ

そう言うと奴は俺を拘束していた縄を解き、それを使って俺の両腕をきつく縛った
視界が霞む。流石に血を使いすぎたか


140 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 06:44:50 ID:joHtc6/k0
(´<_`;) よし、今のところはこれで大丈夫だろう。後で救急車呼んでやるから

从ill∀从 何のつもりだ?情報が手に入ったら俺は用済みなんじゃないかい?

(´<_` ) 俺等は悪人だが殺人はしない

(´<_` ) 恨みを買いたくないし、何より寝覚めが悪いからな

从ill∀从 へぇ、優しいねぇ

从ill∀从 優しいついでに足のロープも解いてくれないか?少し横になりたいんだ

(´<_` ) うーん、まあいいだろう

(;´_ゝ`) ……!!待て弟者!!

(´<_` ) 別にいいじゃないか兄者、この状態で抵抗ができるとは思えん

(;´_ゝ`) いや、駄目だ。何か引っかかる

(;´_ゝ`) 何か……何か……あっ!

(´<_` ) 何か思いついたか?


141 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 06:47:22 ID:joHtc6/k0
(;´_ゝ`) 無いんだ

(´<_` ) 無いって、何がだ?

(;´_ゝ`) ……俺がこいつと戦っていた辺りには血の跡がないんだ

(´<_`;) ッ!

(;´_ゝ`) おかしいだろ?戦闘中は出血がなくて縛られたら血を流し始める

(;´_ゝ`) こいつは念動力者だ。拘束を外させるためにわざと血を流したとも考えられないか?

从il゚∀从 おせぇよ

(;´_ゝ`) !! (´<_`;)

足のロープを解くことはできなかったが仕方ない。十分に準備はできた
拘束を解くことはあくまでついで。本当の狙いは別にあるのだ
体から流れ出た血液が流石兄弟の体を這い上がり、両手両足を拘束した

从il゚∀从 お前らの能力がわかってて良かったぜ

从il゚∀从 こうやっちまえば手も足も出ねえんだろ?

从il゚∀从 その体勢で抵抗できるならやってみな!


142 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 06:48:08 ID:joHtc6/k0
从il゚∀从 「英雄の骨」はどこだ?

血液の鎖が流石兄弟の体を締め上げる

(; _ゝ) 窓際の、金庫の中

足のロープを解かせて金庫に向かうと、確かにそこには「英雄の骨」が置いてあった

从il゚∀从 確かに返してもらったぜ……ところでお前ら知ってるかい?

(; _ゝ) ? (<_ ;)

从il゚∀从 「大怪盗」流石兄弟の指名手配は「生死問わず」

从il゚∀从 これがどういう意味を持つか、分からないわけじゃないよな?

血液の鎖に、力を込める
ぎしり、と、骨が軋む音が聞こえた


143 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 06:48:58 ID:joHtc6/k0
( ゚д゚ ) ふむ、夢の中の行為が現実になるという能力で一度は犯行を許してしまう

( ゚д゚ ) しかしその後犯人のアジトを暴き「英雄の骨」の奪還に成功

( ゚д゚ ) その他にも盗品とみられる調度品他数十点を回収

( ゚д゚ ) なお、犯人の流石兄弟は抵抗したため已むを得ず殺害

( ゚д゚ ) なるほど、報告書に間違いはないな?

从 ゚∀从 おう

( ゚д゚ ) よし、ご苦労

( ゚д゚ ) 帰還直後に出血多量で医務室に運ばれたと聞いている

( ゚д゚ ) 今度こそしっかり休むといいだろう。任務もしばらくお預けだ

从 ゚∀从 そりゃーありがたいね。腕の動かし方も忘れかけてた頃さ


144 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 06:51:03 ID:joHtc6/k0
( ゚д゚ ) さて、俺はこれから忙しくなるな

从 ゚∀从 そりゃまたどうして?

( ゚д゚ ) 流石兄弟といえば犯罪者でありながらファンクラブが存在するほどのビッグネームだ

( ゚д゚ ) それ故に彼らの逮捕……いや、死亡はそれ自身が重大な「事件」となる

( ゚д゚ ) だから今回の件は私が直接世間に一部始終を伝える必要があるのだ

( ゚д゚ ) ……お前の報告書通りにな

从 ゚∀从 ……

( ゚д゚ ) 用が済んだなら出て行け。今言った通り私は忙しいんだ

从 ゚∀从 ……了解

从 ゚∀从 失礼しましたーっと ガチャッバタン

从 ゚∀从 ……ふぅ


145 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 06:53:38 ID:joHtc6/k0
('A`) どうだった、ハイン?

从 ゚∀从 総理の野郎、全部察してやがった

('A`) へぇ、流石は「勇者」ってところだな

从 ゚∀从 全く、頭に来るくらい優秀だよあの野郎は

( ´_ゝ`) おいおい何の話してるんだ?

(´<_` ) 俺等も混ぜてくれよ、寂しいじゃないか

('A`) なるほど、あんたらがあの流石兄弟か

( ´_ゝ`) そういう君は「リビングデッド」

(´<_` ) 名前はよく聞くよ、よろしく頼む

从 ゚∀从 仲良くしろよ、これから一緒に仕事をする仲間なんだから

('A`) ああ、よろしく

('A`) ところでハイン、いつまでそんな血塗れの服を着てるつもりだ?

从 ゚∀从 ああ、それもそうだな。ちょっと着替えるわ ヌギッ


146 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 06:54:35 ID:joHtc6/k0
(;´_ゝ`) えっあのハインさん、ここで着替えんの?

(´<_`;) ほら、どっか別の部屋行ったほうがよくね?

从 ゚∀从 何言ってんだ、お前らは俺の腕の断面まで見てんだぜ? ヌギヌギ

从 ゚∀从 今更下着見られたくらいどうってことねーよ ヌギヌギ

(;'A`) いや、その理屈は

从 ゚∀从 なんだお前ら初心だな全く。ほらサービスだ、パンt

そこから先は何も覚えていない
ただ何か恐ろしい出来事があったってことしか思い出せないんだ
――流石兄者 ある日の日記

148 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 07:00:05 ID:joHtc6/k0
おまけ 仲間図鑑その1

( ´_ゝ`)

「大怪盗」流石兄者

狙った獲物は逃がさない「大怪盗」流石兄弟の兄の方
能力は弧の動きの強化。能力名は「スピーディー・ワンダー」
洋楽が好きらしい
「刑務所に入るよりは……」とハインの仲間になる


149 :名も無きAAのようです:2012/04/15(日) 07:03:20 ID:joHtc6/k0
おまけ 仲間図鑑その2

(´<_` )

「大怪盗」流石弟者

狙った獲物は逃がさない「大怪盗」流石兄弟の弟の方
夢の中の行為が現実に反映される能力を持つ。能力名は「ドリームズ・カム・トゥルー」
邦楽が好きらしい。せっかく考えた能力名をハインに聞いてもらえなくてちょっとがっかりしている
「兄者がそうするなら……」とハインの仲間になる


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