第1話「はじまり」

  
   
202 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 21:54:29.51 発信元:125.0.139.44

4月12日:朝 >…シベリア高校 2年B組

(*゚ー゚)「今日さ、転校生が来るらしいよ」

('A`)「それマジソース。男?女?」

(*゚ー゚)「男子だって。ソースは職員室でのロマ先生の話」

('A`)「チッ。そこは美少女だろ常識的に考えて…」

(,,-Д-)「転校生=美少女とか何処の都市伝説だよ。現実にはありえねーぞ」

('A`)「いーや、俺はどっかにそんなシチュエーションが転がってると信じるね。で、さっきお前なんて言った?」

(,,゚Д゚)「『転校生=美少女とか何処の都市伝説だよ。現実にはありえねーぞ』と言ったが」

('A`)「それだよ。それはつまり、『都市伝説が実在すれば、そんなシチュも実在する』ということだろ?」

(;゚Д゚)「……お前頭大丈夫か?いい病院を紹介するぞ?」

('A`)「大丈夫、いたって正常だ。つーわけで俺は『例の都市伝説』が本当か試してみる」

(,,゚Д゚)「『例の都市伝説』?なんだそりゃ?」

(*゚ー゚)「女子の間では有名だけどねー。一応聞いとくけど、」



203 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 21:55:14.95 発信元:125.0.139.44







           「『マヨナカテレビ』って知ってる?」









204 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 21:55:57.70 発信元:125.0.139.44




( ^ω^)はマヨナカテレビの謎を追うようです



第1話「はじまり」



205 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 21:56:50.31 発信元:125.0.139.44

( ^ω^)「………お?」

気が付くと、真っ青な部屋の中にいた。

いや、部屋ではない。窓やエンジンの音、そして自分が座っている柔らかな革張りの椅子に伝わる、微かな振動。

他にもよく見ると、ブランデーのような酒瓶や、グラスのようなものも見える。

乗ったことはないが、ここから想像できるのものは――

( ^ω^)(……リム……ジン?)

/ ,' 3「お目覚めのようですな…」

ハハ ロ -ロ)ハ「…………」

(;^ω^)「……!?」

いつの間にか、目の前のシートに老人と若い女性が座っていた。

老人は鼻が異常に長く、女性はリムジンの内装と同じ真っ青な服を着ている。

そして――

/ ,' 3「ようこそ、ベルベットルームへ」



207 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 21:58:29.56 発信元:125.0.139.44

/ ,' 3「私の名はアラマキ…お初にお目にかかります」

ハハ ロ -ロ)ハ「私はハロー。アラマキの助手を務めさせていただいております」

老人と女性は丁寧に自己紹介をし、軽く頭を下げた。

( ^ω^)「内藤……ホライゾンですお」

とりあえず自分も自己紹介しておく。

/ ,' 3「ここは、夢と現実…精神と物質の狭間にある場所…」

/ ,' 3「そして、本来は何らかの形で『契約』を果たされた方のみが訪れる場所でもあります」

/ ,' 3「しかし、あなたはまだ『契約』をなさっていない様子。おそらく、近いうちに何か『契約』をされるのでしょう」

( ^ω^)「………」

正直、わけがわからない。だが、老人…アラマキの話に、不思議と聞き入ってしまう。



209 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 22:00:03.67 発信元:125.0.139.44

/ ,' 3「ところで内藤様、『占い』は信用されますかな?」

( ^ω^)「……一応、それなりに」

朝のニュースの占いが一位ならテンションが上がる程度だが。

/ ,' 3「ふむ、左様でございますか…」

いつの間にか、アラマキの手に何かカードのような物が握られており、それを彼の前のテーブルに慣れた手つきで並べていく。

/ ,' 3「まずは、近い未来を表すカード…」

裏向きに伏せられていたカードが開かれる。出てきたカードは、何かの建物と、それを壊す雷のようなものが描いてある。

/ ,' 3「『塔』の正位置…『災難』や『試練』を表すカードですな」

/ ,' 3「貴方は何らかの大きな『良くないこと』に関わることになるようでございますな…」


212 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 22:02:08.47 発信元:125.0.139.44

/ ,' 3「そして、そのさらに先の未来を示すカードは…」

再び、カードが開かれる。今度のカードに描かれていたのは、『月』だった。

/ ,' 3「『月』の正位置。『混迷』や『謎』を表すカードでございますな…」

/ ,' 3「『塔』と『月』この二つを合わせて考えますと」

/ ,' 3「どうやら貴方はこの先、何か大きな『災難』を被られ、『謎』を解くことを課せられるようでございます」

ふう、とアラマキが短く息をつく。

/ ,' 3「近く、貴方は何らかの『契約』を果たされ、再びこちらにおいでになることでしょう」

/ ,' 3「それでは、また会う時まで、ごきげんよう…


213 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 22:04:41.43 発信元:125.0.139.44

4月11日:昼間 >…VIP発、ラウンジ行き快速電車内

( -ω-)zzz…

<まもなく終点、ラウンジー、ラウンジです。シベリア本線にお乗換えのお客様は…

( -ω^)「…おっ?もうラウンジかお…?」

座っていた座席からのろのろと立ち上がり、網棚に置いておいた荷物を取る。

そしてその足で扉の前まで行き、扉にもたれて立っておく。

( ^ω^)(なんか、変な夢を見ていた気がするお…)

変な夢を見たことは覚えているのだが、その内容自体は思い出せない。

そんなことに非常にモヤモヤしているうちに、電車はラウンジ駅のホームに到着した。


215 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 22:07:02.87 発信元:125.0.139.44

電車から降り、シベリア方面行きの鈍行に乗り換える。

鈍行はいかにも地方のローカル線といった感じの少しレトロな3両編成だった。

しかし、何より驚いたのは

(;^ω^)「だーれも乗ってねーお…」

前後の車両を見てみるが、誰一人として乗客はいない。後ろの方の車両に車掌がいるのがちらりと見える程度だ。

もしかしたら乗客は自分一人しかいないのかもしれない。都会育ちの自分には新鮮な感覚だった。

( ^ω^)(とりあえず座るか……)

四人がけのボックスシートに荷物を置き、腰掛ける。


216 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 22:09:40.54 発信元:125.0.139.44

( ^ω^)「おっ?」

座席と壁の間の隙間に何かが落ちている。拾ってみると、週刊誌だった。

( ^ω^)(暇つぶしに読んでみるか…)

パラパラとページをめくっていく。

( ^ω^)(大人気アイドルのツンデレの初写真集が発売決定…)

( ^ω^)(伊藤アナの不倫…相手は議員秘書の東風 ミルナ…)

( ^ω^)(UMA?妖精?「ちんぽっぽ」の謎…)

しばらく週刊誌を見ていると、後ろから声が聞こえた。

「ちょっといいかな?」


218 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 22:12:25.89 発信元:125.0.139.44

( ^ω^)「おっ?」

振り返ると、先程チラリと見えた車掌がいた。

( ・∀・)「君、あんまし見ない顔だね。観光かい?」

( ^ω^)「違いますお。今日、シベリアに引っ越してきたんですお」

( ・∀・)「へえ…。よりにもよってこんな田舎に引っ越さなくてもいいのに」

車掌は窓の外の景色を見やると、ため息をついた。

窓の外には、所々雪が残っている平原が広がっていた。

( ・∀・)「まあでも、いい所だよ。シベリアは」

車掌が右手を差し出してくる。

僕はその手をとり、握手する。


219 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 22:15:53.04 発信元:125.0.139.44







( ・∀・)「ようこそ、シベリアへ」








221 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 22:18:29.71 発信元:125.0.139.44

手を離すと、車掌は腕時計を見た。

( ・∀・)「もうそろそろシベリア駅だね。僕は戻るよ」

そういって背を向け、去っていった。

それにしても、

( ^ω^)(ずいぶんフレンドリーな車掌だったおね…)

田舎の人は皆こうなのか?と考えていると、ふと体に違和感を感じた。

(; ω )(……?)

心なしか、気分が悪い。少しだが、吐き気もする。

(;^ω^)(乗り物酔いかお…?)

車内で雑誌――本なんか読んでいたためだろうか。

(;^ω^)「シベリア駅まで我慢するかお…」


224 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 22:22:17.06 発信元:125.0.139.44

そしてシベリア駅に到着し、叔父と待ち合わせしていた場所に向かう。

だが、(ii ω )「うぉぇぇ…」

吐き気がひどい。目の前がぐらぐらして、足元もおぼつかない。

そんな状態だったが、叔父との待ち合わせ場所までふらつきながらも歩いていく。

そして――「おーい、こっちだ。こっち」

(ii´ω`)「お…?」

ミ;゚Д゚彡「おう、写真よりだいぶ血色がわr――って、大丈夫かお前!?」

ミ;゚Д゚彡「でぃ、ちょっと水かなんか買ってきてくれ」

(#゚;;-゚)コク


226 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 22:27:13.38 発信元:125.0.139.44

立っているのも辛くてその場に座り込んでしまったが、でぃと呼ばれた女の子が買ってきた水を飲むと、だいぶ楽になった。

(#゚;;-゚)「だいじょうぶ…?」

(;^ω^)「おー…、まだちょっと気持ち悪いけど大丈夫だお」

立ち上がり、尻についた砂をパンパンと払う。

ミ ゚Д゚彡「それにしても……」

( ^ω^)「お?」

叔父さんに全身をしげしげと見られる。

ミ ^Д^彡「でかくなったなあ、お前。俺がおむつ替えてた頃とは大違いだ」

おじさんはギコハハハ、と昔を懐かしむように笑った。


234 :そろそろいいかな?:2011/10/06(木) 22:51:51.32 発信元:125.0.139.44

ミ ゚Д゚彡「まあでも、そんな小さい頃のことなんて覚えてないよな」

確かに、物心つく前のことなんてまったく覚えていない。

ミ ゚Д゚彡「つーわけで、改めて自己紹介するぜ。でぃ、ちょっと来い」

でぃがとてとてと叔父さんの元へ駆け寄ってくる。

ミ ゚Д゚彡「俺は『房木 康平』。お前の母さんの弟だ。『フサ』『フサギコ』ってよく職場では呼ばれてる」

ミ ゚Д゚彡「まあ好きなふうに呼んでくれ。よろしくな」

( ^ω^)「よろしくですお、フサさん」

(#゚;;-゚)「……」

ミ ゚Д゚彡「んで、こっちは俺の娘のでぃ。お前の従妹にあたるわけだ」

(#゚;;-゚)「……よろしく」

( ^ω^)「よろしくだお、でぃちゃん」


235 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 22:56:03.17 発信元:125.0.139.44

挨拶すると、恥ずかしいのかフサさんの後ろに隠れてしまった。

ミ ^Д゚彡「ははっ、照れてんのか?」

(#゚;;-゚)ムッ

でぃちゃんの蹴りが、フサさんの脛に直撃した。

ミ; Д 彡「ぐおっ…ちょ…地味に……」

(#゚;;-゚)フン

悶絶するフサさん。拗ねるでぃちゃん。

(;^ω^)(……なんか、不安になってきたお…)

前途多難。そんな言葉が頭をよぎったが、気にしないことにした。


240 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 23:01:24.31 発信元:125.0.139.44

ミ;゚Д゚彡「いつつ…とりあえず、車はこっちに止めてあるかr――あっ」

(;^ω^)←さっきまで乗り物酔いしてた人

ミ;゚Д゚彡「車…大丈夫か?」

(;^ω^)「…たぶん大丈夫…だと思いますお」

ミ;-Д-彡「…出来るだけゆっくり行くけど、吐きそうなら言えよ」

(;^ω^)「了解ですお」

そんなやり取りを交わしながら、銀色のワンボックスカーに乗り込む。

そしてそろりそろりと、車が発進した。


243 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 23:06:33.78 発信元:125.0.139.44

しかしやはり、また少し吐き気が沸いてくる。

(;^ω^)「ちょっと、窓開けますおね」

窓を開けると、仄かに冷えた春の風が車内に吹き込んでくる。

( ^ω^)(ふぅ…)

冷風のおかげか、少しは吐き気も和らいだようだ。

そして、窓の外を眺める。どうやら商店街の中を通っているようだ。

心なしか喫茶店やバーが多い気がするが、至って普通の商店街だった。

しかし、所々シャッターが下りている店も目立つ。

今はもう夕方と言っても差し支えない時刻である。それなのにシャッターが閉まっているということは、やはり店じまいした店なのだろうか。

ミ ゚Д゚彡「昔はもっと栄えてたんだがなあ。やっぱりジュネスの進出と引っ越してくる人間の減少が痛いな」

ま、時代の流れだしそれも仕方ない事だがな、とフサさんは付け加えた。

ジュネスと言えば、全国チェーンの大型スーパーだ。僕が以前住んでいたVIPにもあり、よく利用していた。

(#゚;;-゚)(エヴリディ・ヤングライフ・ジュ・ネ・ス♪)

…微かにジュネスのCMソングが聞こえたような気がした。


247 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 23:14:40.45 発信元:125.0.139.44

そして商店街を抜けて10分弱。

ミ ゚Д゚彡「ん、着いたぞ。今日からここが、お前の家だ」

「房木」と書かれた表札と、少し歴史を感じさせる木造の2階建ての一軒家。

かなり大きく、なかなかの風格を感じさせる。しかも庭付き。

ミ;-Д-彡「…ボロくてすまんな」

(;^ω^)「いや、思っていたより立派でびっくりしましたお」

ミ ゚Д゚彡「ただ古いだけだと思うんだが…」

まあ入れ、とフサさんに促され、僕は房木家に足を踏み入れた。

( ^ω^)「おじゃましますお」

ミ ゚ー゚彡「違う。やり直しだ」

(;^ω^)「えっ……」

ミ ゚Д゚彡「だって今日からここは『お前の家』なんだぞ?」

ああ、そういう事か。

( ^ω^)「それじゃ、改めまして――」


248 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/10/06(木) 23:16:15.81 発信元:125.0.139.44




       『ただいま』



       『おかえり』




第一話 終


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