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658 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2013/12/30(月) 21:52:27.89 発信元:111.86.147.172 (´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ 元ネタスレ - [[シベリア特殊部隊:第71幕>http://toro.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1387027746/ ]] +[[シベリア特殊部隊:第71幕>http://toro.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1387027746/ ]] 原作 ブーン系小説シベリア図書館を題材とした作品群 659 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2013/12/30(月) 21:56:11.84 発信元:111.86.147.172 *** 爪'ー`) よお、独り酒か? シベリアにはBARが多々あって、その内の一軒のカウンターで官製ウォッカを楽しんでいたドクオは、かつての同僚に声をかけられた途端に興醒めしてしまった。 爪'ー`) ケケッ、露骨に嫌そうな顔しやがんなあ… ドクオの態度を気にすることもなく、引き締まった長躯を流れるように隣席へと収めたフォックスは、官製ウォッカ『革命』を注文する。 ('A`) なんで俺と同じ安酒なんだよ。いつも高いのばかりだったろ 受け取ったグラスを勝手にぶつけて乾杯したフォックスは、機嫌の悪さを肴にしているかのようだ。 爪'ー`) あの頃は、若かったからな ('A`) まだまだ若いじゃねーか 爪'ー`) 未熟って意味さ ('A`) 解ってるし、未だに未熟だろ、なに懐かしんでるんだよ 落ち着き、洒落た雰囲気を崩す不協和音。 662 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2013/12/30(月) 21:59:23.69 発信元:111.86.147.165 しかし店内で唯一フォックスだけは、心底楽しげな表情をしている。 爪'ー`) なあ、なあ。オマエ、今の仕事は上手くいってんのかよ? ('A`) いってるさ。なにせお前が居ないからな 爪'ー`) ヒヒッ…そうかい、そうかい。良かったぜ 我慢の限界が近付いていたドクオは、一気にグラスを仰ぐとフォックスを睨む。 ('A`) なんなんだ、なんの用だよ。いい加減にしやがれ マスターや他の客が、さり気なく警戒の眼差しを向けているのも厭わず、今にも殴りかかりそうなドクオに、フォックスも真剣な眼差しを向ける。 爪'ー`) 頼みがある ('A`) おう、なんだよ言ってみろ 爪'ー`) オレの、受取人になってくれ ドクオは、その一言で冷静さを取り戻した。握り締めていた拳から力が抜ける。 ('A`) …お前の受取人は、親御さんだったはずだ 663 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2013/12/30(月) 22:02:42.80 発信元:111.86.147.169 爪'ー`) 死んだよ。だから、オマエに頼みたい 言葉が見つからないまま、フォックスの眼を見つめていたドクオ。二人の剣呑さが薄れ、どうにか殴り合いは避けられそうだなと、感情の機微に鋭いマスターは安堵した。 爪'ー`) 頼むよ、ドクオ。今度の大仕事の前に、何としてでも成って欲しいんだ ('A`) …何でだよ。何で、俺なんだよ。お前はモテたし、友人だって山ほど居たろう。何で俺だよ 爪'ー`) 他のみんなと同じさ。尊敬しているからだ ('A`) うるせえ、軽口叩きやがって 爪'ー`) 本当だよドクオ…本当なんだ ('A`) …その大仕事ってのは、厳しいのか 爪'ー`) 知らない土地で、とある豪邸をド派手に改修工事さ。近隣住民は猛反発、裁判も辞さない。 おまけに、悪戯好きな子供が毎日ボール遊びをしているのに、ガードマンも交通整理も無しだ 666 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2013/12/30(月) 22:06:09.69 発信元:111.86.147.163 ('A`) それは…厳しいな 爪'ー`) ああ、厳しい。上司は、残業してでもノルマは達成しろ、と言う。でも部下に子持ちがいてな…定時には、あがらせてやりたいんだが…無理かもしれない ('A`) 無理かも、だと?お前、変わったな。前はそんな事言わなかったのに 爪'ー`) そうとも。オレは部下に指示する立場になってようやく…同期のくせにオレや他のみんなを引っ張らなくちゃいけなかった、オマエの苦労を知れたんだ 爪'ー`) 言ったろ?今更だが、尊敬しているんだよ、ドクオ。だから赦してくれ、確かにオマエが辞めた時、オレは馬鹿にした。 見下した。けれども今なら、賢明な判断だと思うんだ 爪'ー`) だから頼む、御願いだよドクオ…嫌われてるのは知ってる、けどオマエしか居ないんだ。 受け取ってくれるだけで良いからさ……たのむよ 667 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2013/12/30(月) 22:12:22.73 発信元:111.86.147.169 ('A`) ケッ……わーったよ、まったくムシのいい野郎だな 爪*'ー`) ホントか?良いのか!?ありがとうドクオ、今夜は奢るぜ何でも注文してくれよな!! 結局、ドクオとフォックスは朝まで飲み明かしたのだった。 BARを出てすぐにフォックスと別れ、独り歩いていたドクオは道中、うっかり寝てしまいそうになった。 シャッターが下りた花屋の前に座り込み、今にも鼾をかきそうなドクオを起こしたのは、平凡な顔立ちの若い姉弟。 川*` ゥ´) ちょいとアンタ (゙A゙) …んがっ? (`ェ´) おーい、おきろってばホラ! ('A`) お、おう…あれ?もう朝か?っていうか何処だココ? 川*` ゥ´) アタシらの職場の前だよ、あの看板が見えないかい? 姉、ヒールが指さしたのは花屋を示す看板。 668 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2013/12/30(月) 22:15:07.23 発信元:111.86.147.178 (`ェ´) ちなみにホテルシベリアのすぐそばだよ 弟、ユウヤが差し示した先には、まだ新しく立派なホテル。昇り始めた日に照らされて、純白の外壁は橙色に染められている。 ('A`;) お、おお…こんなとこまで来ちまったか 驚いているうち、眼前の通りも蒼暗い陰から陽光の色へと移ろい、モノトーンの町並みと薄く積もっている雪は早朝の清々しさに包まれた。 川*` ゥ´) まったく、シベリアは寒いから酒飲むのも良いけどさ、外で寝たら死んじまうよ 雪を頂いた建物の合間に見える、遙か地平線からの日の出に目を細めながら、ドクオは己のうかつさを自覚して完全に目が覚めた。 ('A`) いやあ…すまない、起こしてくれてありがとう (`ェ´) 立てるか? ('A`) 大丈夫だ、すぐにどくよ 669 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2013/12/30(月) 22:19:40.71 発信元:111.86.147.175 姉弟は花屋が職場と言った。ならば店の前に酔っ払いなどいては邪魔だろう、ドクオは急いで立ち上がると、残雪の多い店の前の歩道に…車道ギリギリまで下がる。 ('A`) すまなかったな (`ェ´) まあ、生きてて何よりだよ。最初は凍死してんのかと思ったからね 川*` ゥ´) …ねえ、アンタさ ('A`) うん? 川*` ゥ´) 本当に、気を付けなさいよ?人間なんてあっさり死んじゃうんだ…アンタが死んだら、悲しむ人がいるでしょう ('A`) …まあな ありきたりな台詞。しかしだからこそ、心の芯に重苦しく響いた。 姉弟は開店準備に取りかかり、ドクオは二人に感謝を述べて店を後にする。 ('A`) さてなあ…まあ財布もあるし帰れるか 所々に張った氷や固い雪の塊を踏みそうになり、何度もヒヤリとしながら最寄りのバス停を目指す。 急ぎはしていない、今日はドクオの職場であるブーン系小説シベリア図書館が休みなのだ。 671 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2013/12/30(月) 22:24:23.86 発信元:111.86.147.176 ('A`) やれやれ 長いこと待ってようやく乗れたバスに揺られながら、遠目にちらりと見えた小高い丘。 郊外にある緑豊かな霊園には、かつてドクオの同僚だった者が何人も眠っている。 フォックスは、果たしてシベリアの地に骨を埋めることができるのだろうか? ドクオは、心ではきっとできると思いながら、頭では死体の回収すら困難になるだろうと考えていた。 ('A`) …不正規の作戦って、どうしてこうも難しいんだろうなあ… シベリア特殊部隊として携わった戦闘を思い返しながら、ドクオは盛大に溜息を吐く。 やがてドクオは考えるのを止めて、うたた寝を始めた。うたた寝のできる幸せをかみしめながら。 679 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/01(水) 13:45:23.42 発信元:111.86.147.166 *** 数日後、ドクオは違う店で同僚アサピーと飲んでいた。 (-@∀@) 私達にとっての、メタな存在って、何なのでしょうかね ('A`) 神様じゃないか?随分と昔から高次の存在だろう (-@∀@) しかし私は宗教を信仰してはいません。それに、神様という概念そのものは人間が創り出したものでは、ありませんか ('A`) そういう事か…それなら、自分自身がそうなんじゃないか?言うなれば、魂ってやつだ (-@∀@) 魂、ですか ('A`) 俺は、魂、あるいはそれに酷似しているものが存在すると思っている… おいそんな目で見るなよ、良いだろ?どうせ酒飲みながら交わすような、議論にもなっていない雑談だ (-@∀@) いえ、別に否定するつもりは無いのですが、なにせ、昔からの疑問なものですから ('A`) 魂の存在が? 680 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/01(水) 13:50:39.43 発信元:111.86.147.169 (-@∀@) ええ…私達に魂が宿っていると言うのならば、それは何処にあるのか。人間という動物は、肉体を失っても、魂さえあれば人間と呼べるのか ('A`) ああ…俺も昔考えたことがある。結論なんて出せなかったがな (-@∀@) ドクオさんは、何が切っ掛けで? ('A`) 前の職場でな、人が粉微塵になったのを見て、同僚が言ったんだ 『 奴の魂もバラバラになっちまったかな 霧になって空気に混じったり土に染み込んだのかな 』 ('A`) 俺は思ったんだ…吹き飛んだ奴は、死んだら自分の魂は天に召されると信じていた… けれど、こんなに細かくなっちまったら、魂を回収するのは大変だろうな、と。思ったんだ (-@∀@)確かに…しかしそれでも、魂については信じるのですか 681 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/01(水) 13:54:28.83 発信元:111.86.147.177 ('A`) いや、とは言え巷で言われているような神秘的可能性には懐疑的なんだが… 精神の原型となる何かしらを、進化の過程で獲得していると思う (-@∀@) 人間という動物の持つ機能として存在する、自我よりも根幹的な部分が魂であると? ('A`) そんな感じだ。生き延びるために、受動的な経験則だけでなく、能動的で本能とも違う、自らの肉体すらも疑い、我が成果のみを追求するような自我でもない何かがあるように思う。 意志を発生させる因子は遺伝子に組み込まれているのだろうけど、魂があるとしたら、そういった生臭い物だと考えているんだ。SF作家が鼻で笑うネタだな (-@∀@) そう言わずに…ああ、その話を聞いていて思いついたのですが…次元を超越した人間は、死ぬのではないでしょうか? ('A`) どうして 682 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/01(水) 13:59:07.48 発信元:111.86.147.173 (-@∀@) もしも本当に、魂と呼ばれる肉体とは別系統のシステムが搭載されているとし、死んだ者の魂が召される天の国があったとしても …人類は宇宙に飛び出して尚、未だに観測できていない。死ぬ以外には、せいぜい特殊な修行を経て極一部の者しかたどり着けないとされている場所 …ひょっとしたらそれは別の次元にあるからなのかもしれない。いつか科学の発達によって、生きた人間が次元を超越する仕組みが発明されれば …それを使い、別次元に在る天の国へ進入する。言い換えれば、生きたまま死ぬことができるかもしれない。 …これも、どこかで聞いたような話なのですが ('A`) 『人間の無意識下に存在する内面世界』とかって言わないあたりが存外ロマンチストだな。 次元が違うから魂という曖昧な認識が、摩訶不思議で神秘的なメタファーとして在り続ける事ができるわけだ 683 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/01(水) 14:08:44.23 発信元:111.86.147.165 (-@∀@) そうですね。子供扱いされそうな考えですよ、こんな場でなければ口にする気にもならない ('A`) なに、考えることは皆同じさ。でも生きたまま死んだら…何的ゾンビになるんだろう?哲学的ゾンビとは違う気がする (-@∀@) はて…でも哲学はやだな。抽象的すぎて好きになれない ('A`) 学んだ訳でないから何とも言えんが、確かにそんなイメージがあるもんな。アサピーさんは、ハッキリとした事が好きなんだっけ (-@∀@) ええ…それでも、時折…曖昧なものに、逃げたくなりますがね。甘いものです ('A`) いいじゃないか、辛いだけなら地獄と変わらん。この世は確かにろくでもない、だが地獄でもない。人間なんて所詮は脆弱な獣だ、逃げてあたりまえさ (-@∀@) …そうですね ('∀`) まっ、かく言う俺も逃げたクチでな 684 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/01(水) 14:13:25.78 発信元:111.86.147.164 *** ξ゚⊿゚)ξ 最近あちこち飲み歩いてるそうね ('A`) まあね 開館準備が一通り済んだ早朝、給湯室で皆のお茶を用意していたドクオに、運ぶのを手伝おうとやってきたツンが話しかけてきた。 ('A`) このあいだ、BARで昔の知り合いに出会した。その店は気に入っていたんだが、出会した知り合いが嫌な奴でな、避けようと余所をあたってた ξ゚⊿゚)ξ はい、砂糖壺 ('A`) おっ、ありがとう ξ゚⊿゚)ξ アサピーさんが心配してたわよ ('A`) どうして ξ゚⊿゚)ξ 貴方、良くない酔い方してたから、反動でまた新聞沙汰になってしまわないか…って ('A`) 飲み過ぎて外で脱いだのは反省してるさ…でも、悪酔いはしてないはずなんだが… ξ゚⊿゚)ξ 自覚できないから悪酔いなんじゃないのかしら?あと、それ私も運ぶわ ('A`) 頼む…うーん、酔い方ね… 685 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/01(水) 14:18:47.42 発信元:111.86.147.168 ξ゚⊿゚)ξ …どんどん、悲しそうになっていったそうよ…その知り合いと、関係あるんじゃないの? ツンと二人で塵ひとつ無い廊下を歩きながら、ドクオは酔っていた自分を、なんとかして思いだそうとしていた。 …その時である。 ξ;゚⊿゚)ξ ドクオッ!! 唐突に、倒れてしまった。 しばらくして目を覚ました時は、既に休憩室のベッドだった。 ('A`) …知らない天井…ではないが… ('A`) …なんだろう、貧血か? ξ゚⊿゚)ξ ウォッカの浴びすぎじゃないかしら ('A`;) おっと、居たのかよ ξ゚⊿゚)ξ 一応ね ('A`) まいったな。そういえばツンさん、紅茶かからなかった? ξ゚⊿゚)ξ 安心して。濡れたのは床だけよ ('A`) そっか…いや申し訳ない ξ゚⊿゚)ξ 体調不良ならしかたないじゃない 686 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/01(水) 14:24:28.52 発信元:111.86.147.166 ('A`) …貧血は甘えとか言われるかと思ったよ ξ゚⊿゚)ξ 言わないわよ、そんなヒドいこと…ちょっと、いいから寝てなさい ('A`) しかし… 起きあがろうとするドクオを、押し倒すかのように、ツンはベッドに押し付けて布団を掛け直した。 ξ゚ー゚)ξ ドクオさん、あなた、疲れているのよ。館長も言ってたから…ね? ('A`*) …おう 微かに香る優しい香水と、近くで見るにはあまりに綺麗な瞳。 ドクオは何も言えなくなり、気恥ずかしさと幾らかの劣等感を持て余しながらも、無理矢理眠ることにした。 なかなか寝付けはしないだろうと考えていたが、眼を瞑ってしまえば一瞬であった。そしてそのまま夕暮れ時まで、眠ることになる。 (-A-) 合間にドクオは夢を視た。昔の、フォックスを嫌い始めた切っ掛けだ。 その日はシベリアでも指折り数えで寒い日で、しんしん雪が降り積もっていた。 688 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/01(水) 14:33:32.23 発信元:111.86.147.173 『相手はガキだぞ』 フォックスは叫んだ。 『仲間を殺す気か』 ドクオは呟く。 足下には、右手を失い頭に深紅の花を咲かせ、どす黒い蜜を流す少女。 身体に巻き付けた高性能爆薬がどこまでも似合わない、華奢な体つきだ。 『オレは手を撃った、起爆スイッチを』 薄暗い廃屋には麻薬カルテルの幹部と、彼の愛人である少女の死体。それに密売ルートを追ってたどり着いたドクオとフォックス。他の隊員は外で見張りについている。 『外れたかも知れない』 フォックスの弾頭は。 『当てたじゃないか、オレは』 起爆スイッチが握られた手に。 『今回は、な。だから、即死させろと教わったはずだ』 もし爆発していたら、ドクオたちはおろか廃屋外の仲間も吹き飛ぶ。 693 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/02(木) 21:45:03.77 発信元:111.86.147.165 『俺は、心中するつもりの奴と愛人を同時に撃つと説明した、そうだな』 フォックスは力無く頷く。 『俺は奴を射殺した。しかし彼女は手を飛ばされた』 ドクオは、見開かれたままの少女の瞼を閉じてやった。左側しか残っていなかったが。 『しかし、この子は』 『彼女は、共に死のうとしていた。俺たちをも巻き込んで。幼い頃に買い取られた彼女が、今までにどんな経験をしてきたのかは知らない、想像したくもない。しかし彼女は』 ドクオは、脇に転がる幹部の死体を見ながら言う。 『彼女は最期まで、奴との繋がりを求めた。自ら左手を繋ぎ指輪を触れ合わせ唇を重ねた。 それが本心かは知らない、奴の命令だったのかもしれない、惰性なのかもしれない。 ひょっとしたら奴が逃げようとしたのを彼女が捕まえたのかもしれない。だが少なくとも、彼女は奴の死ぬ様を、見てしまった』 694 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/02(木) 21:50:26.97 発信元:111.86.147.170 ドラマチックな話だと、他人事のようにドクオは薄笑う。 『だから俺は、同時に撃つと言ったんだ』 その夜から、ドクオはフォックスを毛嫌いするようになった。 696 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/02(木) 21:58:27.87 発信元:111.86.147.176 *** ドクオは夕方に目が覚めた。罪悪感が彼を襲う。 ( ^ω^) おっ、もう良いのかお? ('A`) はい。申し訳ありません、今からでも… ( ^ω^) なーに言ってんだお。快復して何より、今日はもうあがって休むよろし ('A`) …はい 図書館を出るまでに、皆から声をかけられた。 ('A`) … ξ゚⊿゚)ξ あら、もう大丈夫なの? ('A`) うん ξ゚⊿゚)ξ 気を付けてね。お疲れさま ('A`) ああ、お疲れさま 697 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/02(木) 22:05:08.78 発信元:111.86.147.171 ('A`) … (-@∀@) おや、今日は大変でしたね ('A`) 自分でも吃驚だよ (-@∀@) 無理なさらないでくださいね。お疲れさまでした ('A`) そちらこそ、お疲れさま ('A`) … ハハ ロ -ロ)ハ あっ、お疲れさまです。もう大丈夫なんですか?念のためにも病院行ってくださいね? ('A`) ありがとう、ただの貧血だよ。お疲れさま ハハ ロ -ロ)ハ 御気を付けて~ ('A`) … 698 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/02(木) 22:10:26.86 発信元:111.86.147.163 日が落ちたばかりの、物悲しい宵闇にドクオの溜息も吸い込まれる。 空腹とあいまって孤独感に苛まれたドクオは、酒を飲む気にも成れずに、まっすぐ家を目指した。 ('A`) …はぁ… なんてことはない、倒れたから早退、当たり前のこと。 だが帰り際に皆から言われた言葉が、なんだか自分を責めていたように思えてしまう。 これではまるで、噂に聞く日本の会社員みたいな思考だと、自嘲した。 ('A`) …ツンの言うとおりだな、疲れが溜まっているのか… 寒風に負けてしまいそうな、弱々しい足取りで住んでいるアパート前までたどり着いたドクオ。 そんな彼に、背後から忍び寄る人影。 ('A`) … ドクオが気配を察知し振り返ろうとした瞬間、人影は素早く飛びかかり、拘束しようと両腕を伸ばした。 700 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/02(木) 22:21:06.59 発信元:111.86.147.166 从 ゚∀从 あっ だが、ドクオが急にしゃがんだ為に空を掴み、逆にドクオの肘が鳩尾の辺りに食い込む。 从;゚∀从 う゛べっ! 直後、ドクオは立ち上がりつつ腕と脚を絡ませて押し倒し、服の下に隠していたナガン・リボルバーを突きつける。 回転式弾倉を持つソ連時代の拳銃は充分に手入れが施されており、握るドクオも隙などない。 从;゚∀从 まって!撃たないで!! 山にでも行くかのように武骨な服装をし、片目を銀髪で隠した若い女性は、心底焦った様子で懇願した。 ('A`) …ハイン、どういう事だ? 冷静な声色で、かつての後輩を睨むドクオも実は相応に動揺していたが、表情のひとつも変わらない。 702 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/02(木) 22:29:35.63 発信元:111.86.147.168 从;゚∀从 驚かそうと思ったんすよ!久々で、いきなりだから、どう話しかけたら良いのか分かんなかったし…すんません ('A`) なぜ話しかける、任務か? 从;゚∀从 や、ちがいます…自分、シベ特は辞めたんで… ('A`) 俺に危害を加えるつもりは無いんだな? 从;゚∀从 無い無い無い無い!! ('A`;) まったく… ドクオはハインを解放すると、拳銃を服の下のホルスターへと戻した。 从;゚∀从 やー、すんません。先輩、なんかボーッとしてたから、いけるかなって… ('A`) あんな雑な動きでいけるか、バカ…まあ、それはともかく…辞めたって言ったな 从 ゚∀从 あ、そうなんす。だから、その… 从* ∀从 先輩の家に…泊めて貰えないかなーって… ('A`;) …んあ? いまいち理解できず、ひとまず自室に上げたドクオであった。 703 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/02(木) 22:38:53.45 発信元:111.86.147.174 从*゚∀从 ウラー!ガサ入れじゃーい! ('A`#) テメエやめろクソアマ! 从*゚∀从 うっわ部屋きったね!超きたねえ!!うひゃひゃひゃひゃ!! ('A`#) どう見ても普通に綺麗だろうがっ!待てこら! 从*^∀从 きゃっ! ('A`#) 捕まえたぞこのっ!静かにしろ! 从*゚∀从 きゃーいやー!らめええええアタシこんな汚い部屋で押し倒されて汚されちゃうのおおおお!! ('A`#) 黙れコラ!通報されるだろうがコラ!本当に素面かよテメエ! 从*゚∀从 んほおおお…ん? 从 ゚∀从 先輩、あれ何すか? ('A`;) 急に戻りやがる…話したことなかったっけ? 廊下に押し付けられているハインの視線は、閉め忘れた扉へと向けられている。 小部屋に並べられた幾つかの写真と、文具や櫛、膨れた鞄や薄汚れた衣類などの荷物に興味が湧いたのだ。 704 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/02(木) 22:48:21.78 発信元:111.86.147.176 ('A`) …入れ、すぐわかる 从 ゚∀从 はーい… 从;゚∀从 えっ…これ… ドクオの後についていき、それが何か理解したハインは、無意識に敬礼していた。 ('A`) まったく、どうしてこいつら、俺を選んだのかね 从 ゚∀从 これ…遺品ですか… 人物こそ違えども、写真には軍服に身を包んだ男性が同じように写っている。 しかし、どの男も、今は居ない。 从 ゚∀从 どうして? ('A`) なぜか知らんがこいつら、俺を死後の受取人に指名しやがってな 从 ゚∀从 家族へは… ('A`) シベリアだからな…流れ者も少なくない 从 ゚∀从 そうっすよね… ('A`) 妙な話だよな。こいつら、別に故郷があるってのに、わざわざシベリアなんて最果ての地の為に、死にやがる 708 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/03(金) 19:04:18.24 発信元:111.86.147.173 ('A`) 皮肉だよな、昔の俺やハインやこいつらみたいな連中は。誰かの安寧の為にと、自分達の安寧を捧げて …知らない人を守るために知らない人を殺すんだ。平和のために殺し合うんだ。気持ちの悪い真実だよ 从 ゚∀从 …そんな言い方、あんまりっすよ… ('A`) 赦せ、そういう気分なんだ 从 ゚∀从 そっすか…自分で良ければ慰めますよ? ('A`) いらん、もう寝ろ 从 ゚∀从 相変わらずヘタレっすなー。そうだ、じゃあダブルベッド買いましょうよ! ('A`) いったい何日泊まる気だよ… 从 ゚∀从 え?年単位でしばらくですけど ('A`;) えっ? 从 ゚∀从 だってー何かあったら寝床くらい貸してやるって昔言ってたじゃないっすかー! ('A`;) いや、そうだけど! 709 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/03(金) 19:12:27.17 発信元:111.86.147.175 从 ゚∀从 日数決めなかったのは先輩っすよ。どうせ女は居ないっすよね。 あ、お金は自分も出しますから。片目潰れたんで辞めるとき沢山貰えたんすよ ('A`;) ああ、うん…えっ? 从 ^∀从 まっ、よろしくおねがいします ('A`;) お、おう ドクオは考えるのを辞めた。心境を深く訊ねるのが、なんとなく怖くなったのだ。 そのほうがハインも都合が良いようで自ら語った理由も、就寝前に、寂しかった、と一言。 710 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/03(金) 19:21:54.99 発信元:111.86.147.173 *** ハインが転がり込んできて、二日が過ぎた夜。 この日はシベリアでもとびきり寒く、音もなく落ちてくる雪の粒はとても大きい。 皆が脇目もふらずに家路を急ぐ中で、ドクオは一人、随分遠回りな寄り道をしていた。 川*` ゥ´) いらっしゃーい…おや、アンタか ('A`) あの時は御世話になりましたよ 川*` ゥ´) 良いさ。それよりどうしたんだい? ('A`) 花が欲しい。造花でも構わないが、白い百合の花を 川*` ゥ´) …あるとも。生花でね。供えるんなら花束にするから少し待ってな ('A`) いや、一輪で良いんだ。満開の奴が良い 花屋の女性はどこか哀しげに、慎重に花を選ぶと、ガラス細工でも扱うかのような丁寧さでもって新雪にも負けない白を包装して、ドクオに手渡した。僅かな硬貨と引き替えに。 ('A`) ありがとう 711 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/03(金) 19:26:44.81 発信元:111.86.147.168 川*` ゥ´) 商売さね。こちらこそ、ありがとうございました 今度こそ、ドクオは家路を急ぐ。花を庇って歩きながら。 いままでなら、ただ寂しいだけだったが、家には騒がしい居候がいる。いつもなら雪だろうと飲みに寄るが、いまは酒が無くとも暖かい。 しかし、昼頃自宅に届いたとハインから連絡のあった荷物が、ドクオを哀しくさせていた。 从 ゚∀从 おかえりなさーい ('A`) ただいま…なんでエプロンしてんだよ 从 ゚∀从 雰囲気って大事じゃないっすか ('A`) ああそうだな不覚にもドキッとした自分に苛つくよコンチクショウ 从 ^∀从 へっへっへっ 帰るなり、ドクオは喪服に着替え遺品を集めてある部屋へと入る。ハインも喪服の上に着けていたエプロンをとき、続く。 そして、部屋の中央、届いた時の状態で置かれている小包を丁寧に紐解いた。 712 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/03(金) 19:36:39.82 発信元:111.86.147.164 从 ゚∀从 意外と少ないんすね ('A`) 私物だけだからな。配偶者でも血縁者でもないんだ、こっちに全部まわってはこないさ しかし必ず一枚は、遺影が入っているので、それだけを立て掛けると他はしまい直した。 从 ゚∀从 これでよーし 部屋の片隅に、新たな遺品が加わり。 ('A`) … 中央に、新たな遺影が置かれ。それらの前に、一輪の百合が供えられた。 ('A`) まったく、フォックス。オマエは本当に、嫌な奴だったよ 从 ゚∀从 … ('A`) でも、オマエはすごく人間らしい考え方をすることができた。すごくまっすぐだった…俺は、それが羨ましかった 独り言を言い終えると、ドクオはリビングへと戻りソファーに腰を下ろす。ハインもついて行き、隣に座った。 从 ゚∀从 …酒でも飲みます? 713 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/03(金) 19:44:53.76 発信元:111.86.147.174 ('A`) …なあ、ハイン。教えてくれないか?なんで俺なんだ? 从 ゚∀从 え? ('A`) 俺は他人なんだ。なのに奴らは俺に荷物を送りつける。遺影を飾らせる。俺はひどく迷惑なんだ ('A`) 奴らの荷物が増えるたび、俺は感傷的にさせられる。もう忘れた仕事を思い出しちまう。 人間は忘れられるから強いんだ、なのに奴らの所為で弱くなる…辛くなる ドクオの声は、徐々に熱を帯びてゆく。 ('A`) 仲の良かった彼奴は、今も元気だろうか?生きていれば良いな…そう思う事すらできなくなる。 彼奴はもう居ない、その証拠だけを突きつけられて、人の死が怖くて辞めたのに、思い出しちまって、でも荷物が在るから忘れられなくて 714 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/03(金) 19:59:06.51 発信元:111.86.147.171 ('A`) …それでも、頼まれたら断れなかった。部屋に在る半分は辞める前からの約束だったし… 誰かにちゃんと受け取って欲しい気持ちは良く分かるから 从 ゚∀从 先輩 ('A`) なあ、教えてくれよ、なんで…俺なんだ ハインはドクオの手を優しく握った。小刻みな震えは暖かさに包まれると、ぱたりとやんだ。 从 ゚∀从 先輩は、優しいんです、すごく ('A`) そんなことは、無い 从 ゚∀从 ありますよ。でなきゃ、自分みたいなの泊めてくれないですよ 祈るようにドクオの手を胸元に運んだハインは、母親が子供を励ますように優しく語りかける。 从 ゚∀从 先輩は、最期まで付き合ってくれそうな感じがあるんすよ。 勝手な思いこみですけど、みんな先輩に助けられて、先輩がたくさん頑張ってるのも知ってて、みんな先輩を尊敬していましたよ 716 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/03(金) 20:12:22.24 発信元:111.86.147.172 ('A`) …上辺だけだろ 从 ^∀从 本心ですよ。自分が保証します ('A`) お前は俺が死んだらどうするつもりだったんだよ 从 ゚∀从 フォックス先輩が言ってたんすよ、ドクオ先輩は主人公タイプだから死なないって ('A`) なんだ、そりゃ 从 ゚∀从 物事を俯瞰視点で見て的確に判断できるから死なずにすむだろう、羨ましい… て言ってました。自分もよく解んないっすけど ('A`) 羨ましいのはコッチだってのに 从 ゚∀从 …ああ、さっきの、ですか ('A`) そう。フォックスはな、物凄く真っ直ぐな、人間らしい判断ができたんだ。 俺なんかよりも遙かに優しくて、涙もろくて、積極的に手助けして…よっぽど、良い人間だった ('A`) だから俺は嫌いになった。真っ直ぐすぎて、知らぬ間に他人の足を引っ張るフォックスに… 善意を疎ましく思う俺の感覚を、蔑まれている気がしてな 718 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/03(金) 20:24:02.05 発信元:111.86.147.164 ('A`) ハイン、知っているだろう、本当に皆をまとめていたのはフォックスだ。皆から慕われていたのはフォックスだ。 慕われるに値する人間、まさに主人公だった 从 ゚∀从 でも…死んじゃいましたよ ('A`) …主人公が途中で死ぬ話は、偶にある 从 ゚∀从 そしたら、他の登場人物が主人公になるじゃないっすか。 群像劇なら尚更っすよ…先輩、いい加減、胸張りましょうよ ('A`) うるさい、生来なんだ 从 ゚∀从 聞きましたよ先輩、あの図書館が廃墟になった時、最後まで残っていたのは先輩だったんすよね ('A`) 俺は何もしていない 从 ゚∀从 先輩、物語の主人公は、存在することにこそ真価が有るんすよ? だから先輩、自分やフォックス先輩たちの登場する物語の主人公で居てくださいよ ('A`) …まったく、お前が何を言いたいのか全く分からん 725 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/04(土) 13:35:03.60 発信元:111.86.147.167 从;゚∀从 いや~…ははは ('A`) だけど、まあ…ありがとな。慰めて貰ったことだし、もうしばらくは都合の良い男で居てやるよ 从;゚∀从 言い方が…いや事実そういう事なんすけど違うって言うか… 从*゚∀从 先輩? ドクオが、おそるおそるハインに縋りつく。 いつでも抵抗できるような微弱な力加減、しかしハインがふりほどく事はなく、ドクオは幼子の様に頭を撫でられた。 726 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/04(土) 13:41:08.45 発信元:111.86.147.165 *** 良く晴れた冬の日、ブーン系小説シベリア図書館の館長であるブーンは館内のトイレ掃除を終えると、利用者に混じって書架を物色する。 ( ^ω^) まったく、いつまで浣腸ネタを引っ張られなくちゃいけないんだお… ぼやきながら手に取ったのは、大好きなクッソスレ集であった。 ( ^ω^) … 書架から読書スペースへ向かう際、整然と並ぶ机と椅子を一望して、思わず足が止まる。 利用者が少ないのだ、図書館の広さがそれを際だたせている。 元々、過疎っぷりに定評のあるシベリアにおいては普段ならば気にも留めないほどに当たり前なのだが、それにしても年々減っている気がしてしまったのだ。 727 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/04(土) 13:46:11.91 発信元:111.86.147.167 ('A`) 館長、どうしたの? ( ^ω^) ドクオ…いや、別に ('A`) あー、ちょっと寂しいかもな ( ^ω^) 心読むなキメエ ('A`) 図星かよ…館長は、どう思うよ?このまま利用者が減り続けたら、どうなると思う? ( ^ω^) 変わらんお。過疎だろうと、ここは無くならないお ('A`) 自信たっぷりだな ( ^ω^) 前に決めた事だお。人が居なくなっても物語は残るお。ドクオ ('A`) なに? ( ^ω^) もしまた、あの頃みたいになったら、今度は僕も残るから ('A`) それはダメだろ。館長は全体の指揮をとる立場なんだから ( ^ω^) でも…まあ、これからも続いていけば良いだけだおね ('A`) そうそう ( ^ω^) ドクオは、どう思うんだお?いつかは…という可能性について 728 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/04(土) 13:51:46.79 発信元:111.86.147.163 ('A`) 太く短くよりも、細く長く続いて欲しいな、俺は ( ^ω^) ほう ('A`) 確かに、印象は薄いと思う。新作も余所に比べれば随分少ないしな…けどさ ('A`) 誰かが、ふとした拍子に思い返してくれればそれで良いんじゃないかな ドクオは、感想祭に来ていた少年を思い出していた。 ( ^ω^) そうだおね…ねえドクオ、僕は幼い頃、忘れることが怖かったお。 僕の存在の何もかもが何時消えてしまうのかと怯えていたお。人間は儚い、すぐ死ぬし、すぐ忘れる。 でも成長するにつれ、過去の自分に関する記憶ですら全て覚えていたら感傷で死んでしまうし、全ての他人の記憶を相互に保持したら自分という存在が消えてしまう、だからこそこれしかない… いや、これで良いと思うようになったお ('A`) 厨二乙 ( ^ω^) うるせー 730 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/04(土) 13:56:53.01 発信元:111.86.147.171 ('A`) けど分かるよ、俺も似たような事考えてた ( ^ω^) そうだお? ('A`) たとえば、少年が大人に成って此処を通りかかった時に 『嗚呼そういえば祭りの時に職員が半裸だったな。俺は行くのを止めたけど、彼らは今も脱ぐのかな』 って思い出す程度の淡さで充分かなって…確かに、全部忘れられてしまうのは怖いけどさ ( ^ω^) だからこそ、みんな物語を書くのかもしれないおね。 自分を覚えていて欲しい、知って貰いたい、共感して欲しい… といった欲求の妥協点として、何の気なしに手に取れて何処までも自由な物語を ('A`) 他人にとって俺の人生は所詮、千年どころか死後数年で跡形も無くなる代物だろうけど… 『ひょっとしたら覗き見好きな誰かさんが、今までとこれからの全てを、覚えていてくれるかもしれない』 …そう考えると怖さが薄れるよ 731 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/04(土) 14:02:28.34 発信元:111.86.147.167 ( ^ω^) ドクオは無神論者だったと思ってたお ('A`) 信仰してない、でも便利なのは認めるよ。結局神様って、無いものを曖昧なものに高めて、感情をぶつけたり整理するために生まれたんじゃないかな。こんな風にさ そう言ってドクオは天を指さし、つられて館長も仰ぎ見る。なるほど、館長は呟いた。 ('A`) ほら、見てるか?見てんだろ? mg('A`) おまえだよ、オマエ ('∀`) …なんてな ( ^ω^) ―――こうしてまたひとつ、ドクオの新たな黒歴史が誕生した――― ('A`) :・(∩A∩)・: ( ;^ω^) ちょっ、ゴメン泣くなドクオォーーー!! 733 :(´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ:2014/01/04(土) 14:10:08.08 発信元:111.86.147.166 *** (´・ω・`) 「…ふう」 ζ(゚ー゚*ζ 「あら、館長、倉庫で読書ですか?」 (´・ω・`) 「うん、ちょっとね」 ζ(゚ー゚*ζ 「その厚い本、表紙に何も記されていないのですね。いったい、どのような内容なのですか?」 (´・ω・`) 「ふふふ…超絶おもしろい大スペクタル超長編サクセスストーリーさ!」 ζ(゚ー゚*ζ 「そこまで仰られると一周まわって全米も無視しそうです」 (´・ω・`) 「ごめん」 ζ(゚ー゚*ζ 「けれども現に、真面目な館長が倉庫で夢中になってしまわれたのですから、とっても楽しいのでしょうね。私にも読ませて頂けませんか?」 (´-ω-`) 「うん、良いよ。だけどまだ僕が読んでる途中だから、いつか読み終わったら…そうだな」 (´^ω^`) 「結末を教えながら手渡してやるよ!!」 ζ(゚ー゚;ζ 「ゲスいっ!!」 *** 終 734 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2014/01/04(土) 14:13:57.29 発信元:111.86.147.177 去年の投下納めのつもりが…どうしてこうなった (´・ω・`)時を忘れて覗き見るようですζ(゚ー゚*ζ 以上で終わりです、ありがとうございました。