10 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:10:49.82 ID:Ow43I5pw0
強者とは、どのような者なのであろうか?
私は強者を知っている。
それは例えば英雄であったり、
例えば国を失った兵士であったり、
例えば古参兵であったり、
例えば馴れ馴れしい狙撃兵であったり、様々だ。
だが、強さとは何であるかは知らない。
何故強くなれるのか、どうあれば強くあれるのか、分からない。
だだ、彼等が強いと言うことだけは分かる。
過去に、私は強くなろうとしたことがある。
強くなってみせようとしたことがある。
そうして私は一つの答えへと辿り着いた。
彼等の強さの源、強さの理由を理解した。
きっと彼等は、今なお修練を重ねている身なのだと。
9 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:09:53.88 ID:Ow43I5pw0
('A`) ドクオは亡国の兵士のようです
第6話 歴戦の訓練兵達
5 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:05:50.54 ID:Ow43I5pw0
ただひたすらに突き進み続け、戦場を駆け抜け、
その果てに俺は“オオカミ”という国に辿り着いた。
敵を殺して刻んで壊してバラし続け、敵国へと辿り着き、敗れてしまった。
………敵が多すぎる。
殺しても殺しても、湧いて湧いて湧いて出る、敵敵敵敵敵の波。
いくらなんでも多すぎる。
奴らは俺達の国にも攻め込んでいるはずで、
その分だけ戦力が割かれているはずなのだが、そこを突いた作戦だったのだが。
底知れぬ程の戦力で出迎える奴らは、技術も武器でも勝る俺達を、
俺の居た部隊を迎撃し、滅ぼした。
何とか6人だけ残ったが、全員捕虜となってしまった。
……俺も含めてな。
しかし、まぁ……面白かったな、あれは。
6 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:06:51.38 ID:Ow43I5pw0
死にかけていた俺達は研究所の一室に閉じ込められ、
身体を分解されるのを待つ身となってしまう。
だが、ある日。そこである報せを聞いた。
俺達と同じく機械の身となった仲間が、ニーソクで戦っていると言うのだ。
その時の映像を、俺達はある男に見せられた。そして、魅せられた。
ニーソクで戦う機械の戦士の力に。
銀行へとたったの一人で押し入り、瞬く間に敵を殲滅してみせる戦士。
身体には、傷一つない。
………なんだこれ……面白いぞ。面白い!楽しめそうだ!!
俺達に奴の雄姿を見せた軍服姿の初老男は、口の端を歪めて、
7 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:08:04.33 ID:Ow43I5pw0
( ω )「諸君らは何の為にその力を使うのだ? 使えるのだ?
諸君らの今見た『亡国の鬼』は、敵国の為に力を振るっている。
敵国に身を寄せて、敵国の兵士と共に、諸君らの同胞へも銃を向けた」
では、と初老は言葉を繋げて、
( ω ) 「諸君らは、何の為に力を行使するのかね? 力を行使出来るのかね?
諸君らの同胞は、同胞であったこの者は、諸君達と同じ力を用いているぞ。裏切り者としてだが、ね」
言いたいことがあるのならば早く言ってくれ。
何と言うのかはだいたい予測出来ている。
あぁ、あぁ畜生。もどかしいぞ。早く、早く俺をここから出してくれ。
あんな物を見せられたのでは、俺は収まりが効かん。
楽しみだ。今まで以上に楽しいことになる。あの戦争では敗れてしまったが、
充分に楽しめた。それでいい。全力で討って出て、敗れたのだ。最高だ。
だが、まだ俺は戦える。戦える場所があり、戦える命が残っている。
そうして今、たった今この時に、新しき戦場が与えられようとしている。
……敗れ去り死に行くのを待つだけのこの身に!
( ω ) 「諸君、我々の為に、君達の国の為に、我々と諸君らの敵を打ち倒す為に」
( ω ) 「……来ないかね?」
あぁ、やはり面白そうだ。期待どおりだ。
楽しみだ、絶対に楽しい。楽しくなるぞコレは。
10 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:10:49.82 ID:Ow43I5pw0
強者とは、どのような者なのであろうか?
私は強者を知っている。
それは例えば英雄であったり、
例えば国を失った兵士であったり、
例えば古参兵であったり、
例えば馴れ馴れしい狙撃兵であったり、様々だ。
だが、強さとは何であるかは知らない。
何故強くなれるのか、どうあれば強くあれるのか、分からない。
だだ、彼等が強いと言うことだけは分かる。
過去に、私は強くなろうとしたことがある。
強くなってみせようとしたことがある。
そうして私は一つの答えへと辿り着いた。
彼等の強さの源、強さの理由を理解した。
きっと彼等は、今なお修練を重ねている身なのだと。
12 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:12:25.87 ID:Ow43I5pw0
******
ニーソク軍中央基地の兵舎が一室。
中央に机を置き、部屋の端に本棚を一つと来客用にソファーが置かれた、
素直クールの中隊長室でそれは起こった。
川;゚ -゚) 「避けろドクオッ!!」
起こっている事態が信じられずに、
この部屋の主、素直クールは普段の能面をかなぐり捨てて、
叫び声を上げる。
冷静沈着を絵に書いたかのような彼女は、
どうやら珍しく取り乱している様子だ。
遅れて、基地内に警報が鳴り響いた
14 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:13:41.83 ID:Ow43I5pw0
(゚A`) 「――――ッ!」
気の緩み切っていたドクオは、ここで今起きている事態にやっと気付いたようで、
振りかえらずに身を低くすると同時に、彼の首を捉えていた刃は空を薙ぎ、
そのまま地面を蹴ってドクオは跳躍を行う。
彼の背後に立つ男は、既に追撃の為にナイフを振るっており、
ドクオの背中は浅く切り裂かれてしまう。
濃緑色の軍用コートの生地が、白い血液と共に宙を舞った。
だが、跳躍をしたドクオは宙で一回転をして侵入者へと振り返り、
クールが向かっていた机の上に着地すると同時に、
腰のホルスターに納められた巨大リボルバーとナイフを抜き取って、構える。
そして、鋭い視線を背後の男へと武器と共に向けた。
ダイビングスーツのようなゴム質の黒い防弾繊維に、
身体中にホルスターを装備しており、一つ一つに大小さまざまなナイフが収まれていた。
その内の二振りである小振りなナイフを、男は構えている。
(゚A`) 「チッ、強化骨格か」
彼の姿を見たドクオは、舌打ち混じりに吐き捨てたと同時、
巨大なリボルバー、スティレットの引き金を引き絞った。
16 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:15:35.05 ID:Ow43I5pw0
砲声にも似た銃声が室内に響き、コンクリートの破砕音が、
男の背後にあった壁が破片を撒き散らすのに遅れて鳴った。
( ゚д゚ ) 「ヒュウ♪」
放たれた弾丸を避けてみせ、楽しげに吹かれる口笛の音と共に、
強化骨格の男がドクオへと接近していく。
右のナイフを突きの型に構え直し、
疾走の勢いのままに、攻撃の姿勢を取る。
対するドクオは、スティレットの銃口を再び男へと向けて、発砲。
僅かに遅れて、硬い金属音が生じた。
突きの構えを取ったナイフとは、別のナイフを男は放り、
スティレットの銃身を弾いたのだ。
銃弾は天井を抉り、蜘蛛の巣状のひび割れと風穴を作り出す。
( ゚д゚ ) 「抵抗してみせろ、鬼よ。亡国の鬼よ」
言葉と共に、男は右に構えたナイフをも放り、
切っ先がドクオへと突き進んでいく。
が、長大な銃身により刀身を往なされ、宙へと弾き飛ばされる。
17 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:17:59.93 ID:Ow43I5pw0
その時には既に、男はドクオとの間合いを零に詰めていた。
脇に備えたホルスターから、ナイフを抜刀。
再び両の手には刃が構えられ、右の刃がドクオの左胸を貫こうとする。
空を裂きながら進む刃は、相手の構えた刃に弾かれ、金属音を残す。
両の手を防御行動へと回したが為に、隙だらけとなってしまったドクオ。
ほんの一瞬の無防備な状態。
男は、それを狙っていたのだ。
本命の攻撃である、左からの刺突を男が放った。
心臓を食い破らんと、鈍い光を放つ刃は左胸へと突き進む。
衝突音。
拳に手応えを得るが、男は眉を顰める。
( ゚д゚ ) 「――――ッ!」
左胸を確実にとらえていた刃は、ドクオの右腕に食らいついたのだ。
強化骨格の防護繊維を貫いた男の刃には白い液体が滴っていた。
反撃を恐れ、男が後退しようとナイフを引き抜こうとするが、
防護繊維にその動きを阻まれてしまう。
19 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:19:00.78 ID:Ow43I5pw0
喰らい付いたのは男の刃のほうであったのだが、
このゴム質の防護繊維は“咥え込んだ”刃を放そうとはしない。
隙を作るわけにもいかず、男はナイフのグリップに掛けた手を放し、後退。
追う様にしてドクオはスティレットの銃口を男へと定める。
指に力を込め、引き金を引いた。
後ろへと足を蹴った男は、その足にさらに力を込め、
背へと体重を掛けてバック宙をしてみせ、
放たれた弾丸を避けた。
壁を弾丸が貫く音と、男が着地するのはほぼ同時だ。
ここまでで、ドクオが消費した弾丸は三発。
残弾数も三発だ。
22 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:20:10.96 ID:Ow43I5pw0
('A`) (これはマズイな……)
内心に呟き、下唇を舐めるドクオ。
突然の襲撃に混乱してしまうも咄嗟に反応してみせたドクオ。
だが、後手に回ってしまったが為に、彼は防戦一方となってしまった。
どこかで反撃をしなければならない。
自分が優位に立てる攻勢に回らなければならない。
そして、それを行うのならば、相手の奇襲が失敗した今がその機会である。
と、ドクオは結論づけ、
(゚A`) 「オォ―――ッ!」
気合いの満ちた叫びをあげ、一歩を踏み込む。
力強く、思いきり爪先から地面を蹴り飛ばし、
右に構えたスティレットを腰のホルスターへと納めて、
別のホルスターからナイフを抜いて構える。
23 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:21:10.40 ID:Ow43I5pw0
【強化骨格】
――――自動変動モードより、任意固定モードへ変更。
人工筋肉稼働率、70%での稼働開始―――――
男は、突進してくる彼に備えて刃を構えなおす。
( ゚д゚ ) 「ははっ、良いぞ! 良い! これは良い!
さぁっ! 切り付け、切り裂き、切り刻みっ! 楽しませてくれぇっ!」
歓喜の色を浮かべて、興奮気味に男は吼えた。
人工筋肉による超人的な脚力で迫るドクオは、
加速の勢いを活かして、刺突の構えを取った右のナイフを押し出す。
前面へと空を貫いて進む切っ先が男の右の刃に防がれる。
次の一歩をドクオは踏み込むと同時に地を蹴り、
右へとステップを行い残る左の刃を男の首へと叩き込む。
既に男の身はそこに無かった。
しゃがみ込んだ男は前身を倒して左腕を伸ばし、ドクオの腹部を薙ぎ、
前屈姿勢のまま彼の脇へとすり抜けて行く。
が、ドクオはそれを許すわけも無く、後ろへと身を仰け反らせてみせると、
刃は肉を避けずに空振りに終わってしまう。
24 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:22:14.32 ID:Ow43I5pw0
( ゚д゚ ) 「アァ――――!」
(#'A`) 「シイィィ―――」
両者が、刃を構えなおして距離を取り、気勢を上げる。
腰を低くし、息を張りつめて睨みあう。
一歩ずつ距離を詰めたり、放したり、
相手の隙を見出そうと動きを注意深く観察し合う。
時折、攻撃に見せかけた挙動を行い、相手の誤認を誘って隙を作ろうともする。
両者を、張りつめた空気が包み込む。
('A`) 「………」
( ゚д゚ ) 「………」
どちらかが動けば、状況は開始する。戦闘が再開される。
しかし、先に仕掛けた方は必然的に相手に隙を見せることになってしまう。
一撃で相手を仕留められると言うのならば、話は別なのだが。
そんなことも言ってられない。
先に動いたのは男の方であった。
地面を後ろへと蹴り、飛びかかるかのようにドクオへと斬りかかる。
時間がたてばニーソクの増援がやってきて、不利になるのは男の方であったからだ。
25 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:23:15.02 ID:Ow43I5pw0
ドクオはじっと待ちかまえて、迎撃へと備える。
( ゚д゚ ) 「―――――ッ!」
だが、男の背後から切り掛かって来る者がいた。
初めに大声を上げた女性、
クールが腰に差していた軍刀を構えて男へと襲いかかり、
装飾の施された鞘から解き放たれた刃が振るわれ、
シャリン、と、歌の如く澄み切った高音が響いた。
殺気を読んだ男は背後へと振り返り、
辛うじて肩を薄く切られるだけに留める。
が、次いで、再び背後から攻撃を浴びせられてしまう。
不意打ちに気を取られた、その隙に放たれるナイフの斬撃。
ドクオにより、男の背に大きな二つの切り口を作られる。
黒い血潮が噴き上がり、男はバックステップをして二人から距離を取った。
川 ゚ -゚) 「軍人の一族“素直家”初代当主が愛用したと言われる軍刀、≪空海≫。
超硬合金製の我が素直家の刃は、肉であろうが装甲であろうが、区別なく断ち切るぞ」
27 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:24:24.25 ID:Ow43I5pw0
川 ゚ -゚) 「投降するがいい。なに、体に聞くこともある。殺しはせん」
軍刀“空海”の切っ先を突き付けて、クールが言う。
( ゚Д゚ ) 「はっ、はははははは! あっはっはっはっはっはっは!!」
すると、男は口を大きく開いて笑い声を上げる。
どこか狂気を孕んだ、狂笑を。
('A`) 「狂ったか? Mr.ウォーモンガー」
ドクオが油断の無い視線を浴びせながらも口を開く。
( ゚д゚ ) 「ははは、狂ってるって? 誰が? 俺が? 俺がか?
いや、いやいや。狂ってるのはお前らだよ。こんなに楽しいのにどうして素面でいられる?
戦い過ぎて、人を殺し過ぎて頭のネジが吹っ飛んでるんじゃないのか? お前等狂ってるよ」
('A`) 「敵基地を単独で突破し、暗殺を行う。
狂った奴には何が狂っていないのか分からないようだな」
( ゚д゚ ) 「強化骨格が、それを可能とさせるだけだ。俺は何も狂ってなんていない。
人工筋肉が朽ちぬかぎり、ブラックブラッドが尽きぬ限り、機械の身が錆びぬかぎり、
戦い、闘い、争い続ける。そのように俺達は作られたはずだろう?」
( ゚д゚ ) 「ならば、この世に狂っていない強化骨格の兵士など、いるはずがあるまい。
ならば、全てがそうであるのならば、俺達は誰も狂ってなどおるまい」
30 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:26:11.06 ID:Ow43I5pw0
( ゚д゚ ) 「だろう? 俺達を人間と捉えるのが間違いなのさ。
定義など当てはまらない。思うがままにしてみろよ、楽しいぜ?」
川 ゚ -゚) 「その闘争は、ここで終いとしてもらう。そろそろ、味方もやってくる頃合いだろう」
クールは、笑みを、
人間から外れてしまった狂人の笑みを浮かべる男に、そう言った。
( ゚д゚ ) 「フフ、なに。終わりやしないさ。この世は戦争で満ちたり、満ちて溢れているのだから」
男が言葉を発すると同時、
体中のホルスターから一瞬で全ての刃を引き抜いて、クールへと放った。
十を超える刃の群が彼女へと殺到する。
近距離から人工筋肉の力を以って襲いかかる刃に対応できず、
クールは上半身と頭を両の腕で咄嗟に庇う、が、守り切れるはずもない。
31 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:27:29.43 ID:Ow43I5pw0
すると、彼女の視界を濃緑色の軍用コートの背が遮り、
(; A ) 「ちっ……」
男が放った刃を、全てドクオが受け切った。
上半身をガードした両腕をすり抜けて、
首や胸などにも数本突き刺さってしまった。
白い血液が飛沫いて、衝撃と痛みでドクオは仰け反ってしまう。
だが、クールは慌てて、倒れて行く彼を抱えて、
男へと視線を戻すと既にいなくなってしまっていた。
廊下から銃声が響き、兵士達の怒声が飛び交う。
33 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:28:35.28 ID:Ow43I5pw0
川;゚ -゚) 「くっ、すまん。大丈夫か?」
額に汗を浮かべたクールは、抱え込んだドクオに問うが、
(メ A ) 「………」
身体中から白い血液を滴らせる彼は、瞼を閉じており返事はない。
首に突き刺さっている刃が、酷く痛々しく見え、クールは焦燥感に駆られ、
川;゚ -゚) 「おいっ! 返事をしろドクオ! 亡国の鬼! 亡国の兵士! 強化骨格! 返事をせんか!!」
大声を上げて呼び掛けるが、反応は無い。
クールはそれに対し、悔しみから生唾を飲み込んでしまう。
34 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:29:33.57 ID:Ow43I5pw0
【強化骨格】
――――自動変動モードより、任意固定モードへ変更。
人工筋肉稼働率、90%での稼働開始―――――
だが、遅れてドクオは目を覚まし、いきなり立ち上がって、
(メ;゚A`) 「敵強化骨格を追撃する。あいつは、放っておくわけにもいかないだろ」
その言葉を聞いたクールは、普段通りの平静さを取り戻し、
川 ゚ -゚) 「出来るのか? 満身創痍のお前に」
(メ;'A`) 「まぁ、出血は酷いけど、人間じゃないんだ。何とかなる」
川 ゚ -゚) 「では、敵強化骨格の追撃を命じる。早く行け」
「了解」と短く答えたドクオは、中隊長室を飛び出し、
逃走した男の追撃を開始した。
35 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:30:25.70 ID:Ow43I5pw0
******
コンクリートで出来た床の、あまり広いとは言えない、
細長い兵舎の廊下を疾走する者と追っていく者達が居た。
疾走する者は強化骨格であり、先ほどドクオとクールを襲った男。
追っていく者達はこの基地で働く兵士達である。
警備に当たっていた者や待機していた者達が協力し合い、
突然襲いかかって来た基地内を走破する男を追っていく。
兵士達は銃を構えており、発砲するが、
男は背中に目が付いているかの如く避けてみせる。
ξ゚⊿゚)ξ 「あんまりパンパン撃つんじゃないわよ! 味方に当たるわ!!」
カールされた金髪の女性、ツンが言った。
「あぁ、分かっている。分かってはいるが、当たらんのだ」
「さっきから一発もあたってねーぞ!」
ξ゚⊿゚)ξ 「強化骨格……か。やっかいね」
呟くツンと男の距離は、どんどんと引き離されていく。
このまま離され続ければ、いずれ敵を見失ってしまう上に、
なにより、
37 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:31:08.62 ID:Ow43I5pw0
ξ゚⊿゚)ξ (非戦闘員の多い研究所や倉庫に逃げ込まれたら、厄介ね)
心の内にのみ呟いて、ツンは視線を男へとやる。
疲れを知らぬ機械の身と、なんのパワーアシストも無い、
己の肉体と“根性”だけで追い続ける自分達。
………消耗するだけじゃない!
時間が経てば経つほど、こちらは消耗し、
男は兵舎から遠のいていく。
ならば、撃つしかあるまい。
確実に敵を撃ち抜き、足を止める。もしくは、仕留める。
必中の一撃が必要だ。
敵を行動不能にさせる、一発が。
ツンは、走るのを止めた。
走りながらでは、どうしても狙いが定まらず、
正確な射撃を行えないからだ。
片膝をついてしゃがみこみ、突撃銃“XM8”の銃床を右肩に当てて、
銃口がぶれぬようにしっかりと力を込める。
38 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:32:22.71 ID:Ow43I5pw0
ダットサイトを覗き込み、敵へと、強化骨格の後頭部へと狙いを定め、
中央にある赤点が男の背と重なり、その瞬間、
ツンは引き金を握った指を引いた。
小銃弾で防護繊維を打ち破れるかは分からない、が、
………露出した頭はどうかしらね!
銃弾が発射され、男の頭があった“はず”の空間を通過し、
コンクリート製の壁に火花が爆ぜた。
避けられたのだ。まるで、読み切っていたかのように男は頭を屈めさせていた。
ξ#゚⊿゚)ξ 「ちっ、運がいいわね!」
舌打ちを一つし、怒りの色を彼女は浮かべる。
他の兵士達も続いて発砲するが、男はひょいひょいとかわしてみせる。
体力の尽きてきた彼等の狙いはまばらだ。
銃弾はフルオートで放たれていくが男に当たる気配はない。
が、突如として兵士達を掻き分けていく者がいる。
疲れ切った兵士達とは違い、その者は素早い動きで走りの動きを作り出す。
濃緑色の軍用コートを羽織り、黒の強化骨格に身を包む、
傷だらけで白い血を滴らせたその男は、
ξ#゚⊿゚)ξ 「遅いのよ、ドクオ!!」
ツンが怒りの混じった声で男の名を呼んだ。
40 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:33:06.54 ID:Ow43I5pw0
******
「遅いのよ、ドクオ!!」
と奴の名を呼ぶ声が後ろからした。
ほう、ドクオめ。生きていたのか奴は。
ありったけのナイフを叩き込んでやったのだが、全て防ぎ切ったのか。
感嘆にも似た感情を抱くが、まぁ、当然だろう、とも思う。
………俺達はそのように作られているのだからな。
強化骨格とは、強化兵士とは、そういうものだ。
あの程度で死ぬと言う方が問題だろう。
まぁ、あれはドクオではなく、素直クールを狙ったのだが……。
その点では、俺の失態と言えるだろう。ミスなのだろう。
奴に、妨げられてしまったのだから。
だが、そんなことは関係ない。面白いのだから。
素直クールを殺せと言われたが、それだけではつまらない。
だから奴と戦えたのだから、これでいいだろう。充分に楽しめた。
それでいてなお、未だ楽しい。まだまだ楽しい。楽しめる。
41 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:34:03.27 ID:Ow43I5pw0
ふと、後ろへと振り返ってみる。
(メ'A`) 「…………」
無言で、鋭い目つきでドクオが俺を追いかけてきている。
血塗れの両の手には、ハンドガンとリボルバーを握られており、
二つの銃口が俺を覗いていた。
引き金に掛けられた指が、引かれる。
反射的にしゃがみ込み、俺の視界の端に映る壁が砕けた。
砕音が響きわたり、踏ん張った両の足を真っ直ぐに伸ばして、
右の壁へと跳躍を行う。
更に、背後から銃声。
俺が手を着いた壁が破片を撒き散らした。
ドクオは俺の動きを捉えているようだ。奴には、俺の動きが読めているのか。
しかし、そのまま壁を片足で蹴り、左の壁へと飛び移る。
次いでまたその壁を蹴って跳躍を行い、もう一度右の壁へと着地し、また蹴って、
その動作を連続して行っていき、ドクオの照準を惑わす。
43 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:34:56.72 ID:Ow43I5pw0
まぁ、この場から脱出するのが目的何だが、
このままやり返さずに逃げると言うのも癪だ。
が、ナイフは尽きてしまっており、武器は一切ない。あるとすれば、己の体のみだ。
どう反撃をしてやろうか。そう考えていると、
左の通路から敵兵士が飛び出してきた。
銃を構え、銃口を俺に向けて引き金へと指を掛けている。
銃弾が連続して発射されていく。
あぁ、武器ならここにあるな。
そう思いながらも壁を蹴り、兵士の背後へと飛び移って、
左足の関節に蹴りを食らわせてやる。
体勢が後ろへと傾き、肩を掴んで引き倒してやると、
銃口があらぬ方向を捉え、俺はそれを奪い取った。
反転し、逃走を再開する。
そして、振りかえらずに背後のドクオへと発砲。
44 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:36:26.47 ID:Ow43I5pw0
******
ドクオは、兵士が男に銃を奪われるのを見た。
兵士が倒れるのよりも早く、再び疾走の動きを作り出したかと思えば、
男は振り返りもせずにドクオへ弾丸を放った。
狙いはでたらめだが、こちらを捉えているのは確かだ。
そのまま走り続けるわけにもいかず、ドクオは、
(メ'A`) 「ちっ……」
舌打ちをしてしゃがみこむ。
大口径を超えた超大口径を誇るリボルバー、
スティレットで男の背中を狙い、撃つ。
銃声に遅れて金属音が響き渡り、突撃銃が鉄片を撒き散らして四散した。
次いで、ドクオは男を追う。
(メ'A`) 「逃がしゃしねーぞ」
呟き、両の足に思いきり力を込めて、地面を後方へと蹴った。
連続して行われるその動きは、疾走となる。
46 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:39:09.76 ID:Ow43I5pw0
全速力で行われる疾走だ。
あっという間に距離を詰めると、左への通路へと突きあたる。
男は滑り込むかのように移動して、ドクオはそれを追う。が、
(;メ'A`) 「なっ……!?」
しかし、全速を以って行われる疾走の勢いを殺せず、
ドクオは曲がりきれずに、頭から壁へと突っ込んでいってしまった。
硬い衝突音と砕音が通路に響く。
コンクリート片がばらまかれ、ドクオは頭で壁を突き破っていた。
両手を壁について、頭を引き抜くが、ダメージが大きかったようで、
ふらふらと身体を揺らして、そのまま倒れてしまう。
首に出来た大きな切創と、衝撃によって切れた頭皮から、
白い血が諾々と流れている。
息を荒くし、ドクオは立ち上がろうとするが、
(;メ'A`) 「えっ?」
地面を踏みしめた足には力が入らず、
上半身の力を使って何とか立ち上がることが出来た。
47 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:39:54.60 ID:Ow43I5pw0
(;メ'A`) (そろそろ潮時なのかね……)
内心に弱々しく呟いて、ドクオは逃亡していく男を視界に収める。
やがてその姿は見えなくなってしまい、
ドクオは味方が何とかするだろうと、そう願った。
すると、背後から声を掛けられる。
ξ゚⊿゚)ξ 「アンタがしくじるなんて、珍しいわね」
女性の声はツンの物であり、振り返ると彼女がいた。
(メ'A`) 「今までがよく出来過ぎていたんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ 「そう。私はてっきり“亡国の鬼”はそんじょそこらの強化骨格よりも、
強い物だと思っていたのだけれどね。アンタ、案外役に立たないのね」
(メ'A`) 「あぁ、悪いな。強化骨格は機械ではあっても、ヒーローにはなれないよ」
49 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:40:44.33 ID:Ow43I5pw0
ξ゚⊿゚)ξ 「機械は機械ってことかしら?」
(メ'∀`) 「まぁ、そういうことだ」
ドクオが苦笑いを浮かべると、突如、再び警報が鳴り響く。
【北方基地方面沿岸に、オオカミ国のものと思われる戦艦が出現!!
素直中隊は出撃準備を行い、現地部隊の増援へと向かえ!!】
ξ;゚⊿゚)ξ 「え、オオカミの……?」
ツンが、言葉を漏らし、次いで、
ドクオの体内に仕込まれているナノマシンが、
通信を受信し、体内通信を介してクールの声が聞こえてきた。
川 ゚ -゚) 【ドクオ。急いで通信室へ来い。モララー中将とモナー中将がお待ちだ】
50 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:41:50.26 ID:Ow43I5pw0
******
( ・∀・) 「やぁ、よく来てくれたね。初めまして、亡国の鬼よ」
画面や機材が所狭しと並ぶ通信室の中、
机の上に設けられた機械の前に立つオールバックの初老が、
クールとドクオに向かって、そう言った。
('A`) 「お待たせいたしまして申し訳ありません」
対し、ドクオはそう応える。
( ・∀・) 「何、大して待ってはおらんよ。怪我の方はどうかね?」
('A`) 「問題はありません。応急処置は致しましたので」
( ・∀・) 「そうかね。しかし、堂々と我が基地を突破し、
兵士達の囲みを走破しクール君の殺害を行おうとは、
大胆にすぎるね。無謀とも言える」
川 ゚ -゚) 「しかし、あの強化骨格の男はあと一歩の所まで踏みかかりました。
偶然、ドクオが傍にいなければ、私は恐らく殺されていたことでしょう」
件の、殺されそうになったクールが、
涼しげな表情で何の感慨もなさそうに言った。
53 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:43:08.53 ID:Ow43I5pw0
( ・∀・) 「ふむ、そこは運がいいと言えるね。君は実に運が良い。
そしてドクオ君。君は優秀な手駒だね。
身を呈して指揮官を守り、敵を追撃したのだから」
まぁ、と付け加えて、
( ・∀・) 「逃げられてしまったわけだが」
('A`) 「すいません」
( ・∀・) 「いやいや、謝罪の必要はないよ。相手も、
本気でクール君を殺しに来た、というわけではないだろうからね」
( ・∀・) 「君達が襲われたのとほぼ同時に、オオカミから宣戦布告を申し込まれたのだから」
川 ゚ -゚) 「馬鹿にされたものですね。
私は、死のうが生きようがどうでもよいということですか」
54 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:44:02.34 ID:Ow43I5pw0
( ・∀・) 「あぁ、これは挑発だね。君達は見ていないだろうから、ついでだ。
ここで宣戦布告を行った者の映像を見て貰おう」
モララーはそう言うと、機械のコンソールを叩き、
画面に映っていた初老の男、
( ´∀`) 「モナ? モララー、クール君の声が聞こえるけど、もう着いたのかモナ?」
モナーがそう尋ねるが、
( ・∀・) 「いやいや、クール君達はまだ来ていないよ」
( ´∀`) 「いやいや、何か女性の声がしたモナ。結構話し込んでたモナ」
( ・∀・) 「遂に現実と妄想の区別がつかなくなったのかね?
軍学校からの同期が、先に病にかかってしまうとは私は悲しいよ」
( ´∀`) 「僕は健康体その物モナー。というか、そんなこと言うってことは絶対いるモナね?
早く話を進めて欲しいモナ。僕の北方基地の近くにでっかい戦艦が………」
モナーはそう言い掛けるが、画面が切り替わって彼の姿が消えていく。
56 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:45:50.71 ID:Ow43I5pw0
( ・∀・) 「あぁ、すまないね。不手際で関係の無い映像が流れてしまった。こちらを見てくれたまえ」
川 ゚ -゚) 「………」
(;'A`) 「………」
ドクオとクールの二人は、無言で画面へと向かう。
すると、背後に、
狼が刃を咥えたオオカミ国の国章の描かれた旗を背景にして、
顔中に傷のある、体格の良い鋭い眼光を宿した壮年の男性が映った。
黒い軍服に銀の装飾を施した物を着ており、銀毛の狼のバッジの着いた帽子を被る彼は、
( ФωФ) 「オオカミ軍デウスエクスマキナ師団、師団長、杉浦ロマネスクである」
そう名乗り、次いで、
( ФωФ) 「我等デウスエクスマキナ師団は、これより、ニーソク国への進攻を開始する。
貴君らニーソクの軍人達は、目に余る暴虐な行為で民を虐げていると聞く。
ニューソク軍の残党達を、命を請う彼等を無慈悲なまでに殺していると聞く」
( ФωФ) 「それが、我等戦勝国のやることかね?
非人道的な振る舞いを行うことが、君達の道理かね?」
57 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:46:53.75 ID:Ow43I5pw0
( ФωФ) 「貴君らは、ニューソクと変わらぬ存在になりつつある。
我々は貴君らを止めねばなるまい。オオカミの士は暴虐を許さぬ。
自国の民を殺す暴漢を許さぬ。敗戦国の民を虐げる悪漢を許さぬ」
( ФωФ) 「許さぬ。許さぬ! よって、我々は貴君らに宣戦布告を宣言する。
我等が正義に、我等が道理に、その前に倒れるがよい。ニーソクよ。
貴君らは我々を狂った者達であると、戦争屋共と罵るであろう。貴様等に道理はないと!」
( ФωФ) 「だが、我等は! 我等は! 唯一絶対の信奉する正義を以って貴様等を打ち倒す。
打倒し、殲滅した上に、我等オオカミが貴君らの民達が住むべきに相応しき国を作り上げる!」
ロマネスクは一息を吸って、一拍の間をおいて、
( ФωФ) 「覚悟するがよい、ニーソク軍人達よ。なりふり構わぬ戦争犬共よ」
そう言い切り、画面に流れる映像は止まった。
これで、この映像は終わりのようだ。
川 ゚ -゚) 「めちゃくちゃですね」
この映像の感想を、クールは述べる。
58 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:47:41.29 ID:Ow43I5pw0
( ・∀・) 「そうだろうね。無茶苦茶だろうね。しかし、我々は予測していたはずじゃあないか。
こうなるであろうと。こうなってしまうであろうと。そうして、“こうなった”のだ」
先程まで見ていた画面が切り替わり、そこにモナーが映って、
( ´∀`) 「モナ。こうなってしまったんだモナ。強大な一国が、あまりにも強過ぎた一国が、
滅び去ってしまうことにより、世界のパワーバランスが崩れてしまう、と」
川 ゚ -゚) 「えぇ、えぇ。そうでしたね。五大国連合が結成される以前に、そのようなお話がありました」
( ・∀・) 「そうだ、私達は予測していたのだ。しかし、周囲の者は推し進めたよ。
あの国は大罪を犯した、と。あの国の暴虐に耐えきれぬ、と。
あの国が滅びることによって、何が起きるのかも予想せずにね」
( ´∀`) 「そうして僕達は今、対応に追われているモナ。
ニューソクのゲリラの対応に、ニューソク人の難民の対応に、
ニューソク人に嫌悪を覚える民の対応に、ニューソク人との戦で消耗した物への対応に」
( ・∀・) 「我々は追っ付かなくなってしまっているのだ。その対応に。
付いていくために生まれたのが、君が率いる“内紛鎮圧部隊”だ。
これは、君に以前話したと思うがね。我々は何とか追いついていった。何とか対応している」
60 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:48:30.48 ID:Ow43I5pw0
しかし、とモララーが続けて、
( ・∀・) 「しかし、だ。他者の陰謀までは食い止められんよ。
ニューソクに牙を剥きたいが、一国だけでは敵うはずもないあの国を倒す為、
五大国連合を作り上げた。そうして世界のパワーバランスを崩し、各国は各々の陰謀を横行させるようになった」
( ・∀・) 「あの野心家な国の事だ。こうなることは、安易に想像できたよ。
しかし、これだけでは些か弱いカードに思えるがね」
( ´∀`) 「ふざけた話だモナ。自由の為にと言って戦ってきたはずなのに、
僕達は今、その自由に不自由しているのだから。全く、ふざけてるモナ」
川 ゚ -゚) 「仕方の無いことなのかも知れませんがね。
野心を持たない人など、いませんから」
クールがそう言うと、モララーはふむ、と言い。
( ・∀・) 「では、行って貰おうかね。ロマネスクが居ると思わしき、北方基地に現れた艦へと。
各所に現れた他の艦隊は、私が援軍を手配しておこう。君達は旗艦の撃破に専念してくれたまえ」
61 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:49:13.10 ID:Ow43I5pw0
川 ゚ -゚) 「了解」
( ・∀・) 「ふふ、ドクオ君。君の名は、我が国では現在恐怖の象徴となっている。
君が現地に赴けば、必ず兵達の士気はあがることだろう」
( ・∀・) 「あの強国の、亡国の鬼が共に戦うことでね。そしてこの戦を乗り切った時。
君の名の示威的効果も上がり、我が国の民達のニューソク人に対する見解も改善されるかもしれぬ」
('A`) 「全力を尽くさせていただきます」
無表情でドクオは応えて、クールが次いで、
川 ゚ -゚) 「では、行こうか」
そう言うと、クールは敬礼をして、通信室を後にする。
二人の姿を見つめるモララーは、頬を僅かに釣り上げて笑みを作った。
62 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:50:18.62 ID:Ow43I5pw0
******
基地内の倉庫で、巨大な装甲車へと機械で出来たベッドを運び込む男が、二人いた。
一人は特徴的な眉をした整った顔立ちの男で、
もう一人は強化骨格を纏った、顔中に傷のある眠たそうな眼をした男だ。
_
(;゚∀゚) 「ったく、休日出勤なんて面倒なことこの上ねーぜ」
特徴的な眉をした男、ジョルジュが悪態を吐く。
('A`) 「俺の待遇よりマシだよ、ジョルジュ」
強化骨格の男、ドクオはそう返し、次いで、
('A`) 「それに、このホワイトブラッドの≪透析機≫が無いと、
俺は遠出が出来ない体になっちまったんだ。悪いけど頼むよ」
_
( ゚∀゚) 「へいへい、分かってるって。にしても、
お前人工筋肉だっつーんなら、一人で運べるんじゃないか?」
('A`) 「いや、まあ、本気出せば。人工筋肉の稼働率を上げれば楽勝だけど……」
64 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:51:20.67 ID:Ow43I5pw0
('A`) 「めんどいんだよなぁ……」
_
( ゚∀゚) 「今分かった。お前、全然俺に悪いと思ってねーだろ」
('A`) 「いやぁ、めんどいことに付き合わせて悪いな~とは思うよ」
_
( ゚∀゚) 「だったら稼働率あげろよ、本気出せよ。
生身の俺にはむちゃくちゃ重いんだよこれ」
('A`) 「まぁ、そう言うなよ。準備体操だとでも思えよ。ほら、もう着いたろ」
ドクオがそう言い、顎で目の前の大きな装甲車を差す。
「いっせーのーで」と声を二人は合わせて、車内へと透析機を押し込んだ。
_
(;゚∀゚) 「はぁー、重かったなぁー……チクショー。もう汗が滲んで来やがる」
軍服の下に着た、黒いシャツの胸元を手で掴んでジョルジュは煽る。
_
(;゚∀゚) 「ったく、便利なんだか不便なんだか、よく分からねーなお前の身体は」
('A`) 「便利なものには、欠点もあるってことさ」
返答をするドクオは、装甲車の中へと乗り込んでいった
65 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:53:18.58 ID:Ow43I5pw0
******
ブーンは倉庫の中でそわそわと銃の点検を行っていると、
渋澤がやってきて声を掛けられた。
_、_
( ,_ノ` ) 「よお、ブーン。さっきの襲撃で生き残ってたか」
( ^ω^) 「はい。僕は、ちょっとシャキンさんに呼ばれてて、
警報がなってからはずっと倉庫で警備していたんですお。
そしたら、敵に会うことがなくて……」
_、_
( ,_ノ` ) 「そいつは幸運だな」
( ^ω^) 「それはそうですけど、
僕は何の役にも立てなかったってことでもありますお」
_、_
( ,_ノ` ) 「気負うんじゃねーよ。お前はちゃんとシャキン達を守ってたんだからな
(;^ω^) 「あー……はい。分かりましたお」
ブーンは何かを言おうとしたのか、口に動きを作ったが、
その言葉は言わずに、別の言葉で取り繕う。
溜息をついた渋澤が口を開き、
_、_
( ,_ノ` ) 「あのよ、言っちまえばお前なんて役立たず何だよ」
66 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:54:01.77 ID:Ow43I5pw0
(;^ω^) 「―――――ッ!」
渋澤の暴言とも呼べる言葉に、息を詰めるブーン。
_、_
( ,_ノ` ) 「だがよ、誰しも初めは役立たずの足手まといだ。
上手く行ってる奴もいるが、そいつはボロを出してないだけで、いずれしくじる」
_、_
( ,_ノ` ) 「お前は今、現在進行形でボロを出し続けている。そいつは良い。それは良いんだ。
今の内に痛い目に遭っておけ。そうして生き残れ。生き続けろ。死ぬんじゃねえ、絶対に」
_、_
( ,_ノ` ) 「良いか、守ろうなんて思うんじゃねぇ。絶対に生き延びろ。絶対に死ぬんじゃねぇ。
実戦は訓練と同じだ。訓練は実戦に同じだ。訓練を常に頑張ってたって、
この訓練でヘマったら死んじまうんだ。だが、こいつを生き延びたら強くなれる」
_、_
( ,_ノ` ) 「だからよ、まずは必死に生き延びることだな。
結果は後から付いてくる。まずは生きると言う成果を出せ」
68 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:55:11.01 ID:Ow43I5pw0
険の走った表情を、
その言葉を聞いて少しばかり緩めたブーンは、
( ^ω^) 「渋澤さん。ありがとうございますお。僕は、まず生き延びますお」
_、_
( ,_ノ` ) 「あぁ、そうしろ。そして、俺を楽させてくれ。頑張れよ新兵」
( ^ω^) 「おっおっお、頑張らせて貰いますお! あ、そう言えば」
( ^ω^) 「ドクオさんも渋澤さんと同じようなこと言ってましたお」
_、_
( ,_ノ゚ ) 「なんだとッ」
渋澤は目を見開き、驚きの表情を浮かべ、後ろへと振り返った。
すると、その先にはドクオとジョルジュがおり、
彼等は透析機を運んでいる最中であった。
ドクオの傷だらけの顔を、応急処置を受け、
包帯の巻かれた身体を一瞥して、
_、_
( ,_ノ` ) 「なるほど。どこで戦っていようとも、
目指し辿り着くところは似通う物なのかもしれんな」
納得したかのような顔をして、
ブーンには聞こえぬような小さな声で独白した。
69 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:57:58.44 ID:Ow43I5pw0
第6話 歴戦の訓練兵達 終了
ここからはオマケとNGシーンを投下します。
70 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:58:50.14 ID:Ow43I5pw0
おまけ
*******
渋澤とブーン達は基地内にあるグラウンドで訓練を行っていた。
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iヽ`"ノ .i i:::::::::::::::::::::,::::::::::::::::::,';ノ
| " ,':::::::::::::::,:::'"::::::::::::::, '! 口からクソ垂れる前と後にSirを付けろ!!
! _,,, '" ...:::::::,:::'"::::::::::::::::::::/:.:.!
` 、::;;;__:::'"::::::::"::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.i
` 、::::::::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.| ※渋澤です
72 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/04(土) 23:59:48.25 ID:Ow43I5pw0
<Sir Yes Sir!!
_, --―- ,,,,
, "',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`' 、
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/ヾ '".:.:.:.:.:.:.:.:.`:.:.:、___;;;;;:.ヽ
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\:::::::::::::::::k/ :::ヾソ~`_ヽ、:::::::``;,;,;,,、:::::::::::::::::`':.....、
`' 、:::/ ..::::::,' ̄"::::::::ヽ:::::::ヽ;,;,;`;::、::::::::::::::::::::::::゙:....、
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l|:::::::ヽ ::::::::::::::::::::l ,...:::'";:,‐ー ''''''''''''''" ´
,'i_ -=,' ! ::::::::::::::::::::;;`"":::::::,';:/
iヽ`"ノ .i i:::::::::::::::::::::,::::::::::::::::::,';ノ 返事だけは良いようだな!
| " ,':::::::::::::::,:::'"::::::::::::::, '! ではこれから10kgの重しを入れた背嚢を背負い、
! _,,, '" ...:::::::,:::'"::::::::::::::::::::/:.:.! ライフルを抱えてランニング20週を行う!!
` 、::;;;__:::'"::::::::"::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.i 何時もの如く付いて来い!!
` 、::::::::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.|
73 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/05(日) 00:01:07.84 ID:nI9O9kcL0
<Sir Yes Sir!
_, --―- ,,,,
, "',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`' 、
, ' /:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/ヾ '".:.:.:.:.:.:.:.:.`:.:.:、___;;;;;:.ヽ
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\:::::::::::::::::k/ :::ヾソ~`_ヽ、:::::::``;,;,;,,、:::::::::::::::::`':.....、
`' 、:::/ ..::::::,' ̄"::::::::ヽ:::::::ヽ;,;,;`;::、::::::::::::::::::::::::゙:....、
,ヾ ,,,_ i、 :::::::\;:;:;:;:;:;::::::::::::::::::::::::::::::\
!/, `''":! ..:::::::::::"ヾ-、゙ヽ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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.!,´\ l :::::::::::::::::::::::: r;;,,__ ノ /:::::::::::::::::::::::::::::::_ノ
l|:::::::ヽ ::::::::::::::::::::l ,...:::'";:,‐ー ''''''''''''''" ´
,'i_ -=,' ! ::::::::::::::::::::;;`"":::::::,';:/
iヽ`"ノ .i i:::::::::::::::::::::,::::::::::::::::::,';ノ 声が小さいぞクズ共!!
| " ,':::::::::::::::,:::'"::::::::::::::, '! 貴様等の大声は女のよがり声よりも小さいと言うのか!?
! _,,, '" ...:::::::,:::'"::::::::::::::::::::/:.:.! それともテメーらは女を満足させられねーような玉無し野郎か!?
` 、::;;;__:::'"::::::::"::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.i 金玉切り取ってクズの家系を断たれてーのか!?
` 、::::::::::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.|
<Sir Yes Sir!!!!
74 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/05(日) 00:01:49.88 ID:nI9O9kcL0
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i::::::::: ,.── - _.、 / __. ` i
. i:::::: ,.. ' _,,-─-,--、 i ,--,─-,` 、 i
. i"'"ヽ. i:::: / -'--`-─'-''" i ヽ-`-'-`- .i ほほえみデブ!
i ヽ .`:: . i .i 気色悪い笑みを消せ!!>
. i . i
. { , ヽ .i
i ";;;,,, i. i i
. i .;;;; ヽ_-━-., i..━ / i
. . i " i
丶__ ,,.' 、 i
`i i i i
i i
λ _, . ' ". ` '"` .、 i がんばってますお
. i i ー'───--─---'" i ※ブーンです
. i 丶 ` ---------'" . ,'
i 、 i. , '
,'"/i 、 i /
i:::::::::i. 、 .i /\
___/ソ::::::::::\ 、 .................... ,. ' ./:::::::::、、___
76 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/05(日) 00:02:39.20 ID:nI9O9kcL0
...,,,,,シノゞ、,,...
,,-''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ、
/;;;;;;;r' ヾ;;;;;;;;;`'ー、
/";;;;;;;;/ .ヾ;;;;;;;;;;;;;ヽ
/;;,rッ;;;;;;l' ,_、 'ミ,;;;;;;;;;;;;;;;;;}
'´フシノ;;;;;;;;;i 、o, (: ,o、ヾ;;;;;ミ;;;;;{
//7;;;;;;;r'' ,r ヽ .};;;;;ミッi!;;l
,'´ {,! ゞ;;!6' `゚' '゚′ f;;;;;rッi!;;!;l
ヾ;;;`ー, /幵幵ゝ i;;;;;;ヽ)i;;;ノ
/;;;;;;;;;;i 、 '´ ̄ ̄` /、;;;;;;ヽ
/;;;;;;r‐‐! ` ー _ _ ,,./ヽ_);;;;;;;;} おい巻きグソ!女だからと言って少しでも遅れたら承知せんぞ!!>
く;;;;;;;;;i: : :h、_ /: : : : ヽ;;;;;;}
{;;;;;;;;ノ: : : : : :`ゝ'": : : : : : ゝ<__
/~7;;i,-^i: : : : : ヽ: : : : :// /^\
__/i!~7:::::::::ゝ-、__,,/ー―' / / /´~ヽ
/ i ,l l::::::::::/: : : : :/ / / / ヽ
/ r',l ノ::::::::ゝ: : r::i´ < / / .i
,/ ''>-':::::::::/: : :/:::::i___、i i! / !
,/ /:::::::::::::i: : : i:::::::::i-ャ/ ,/ ./ i Sir Yes Sir !!
ノ /::::::::::::::::}: : : !_,-‐‐t'、/__/ !
/ `'ー-,、_/i: : : :ヽ::: : : ! !
/ ,r、____,---、 i .i ※ツンです
/ r‐'"ーr‐ュ .`'ー、ヽ i'
,) .. r―'"====i !!i―i r―‐,-、 i
/ '!_ rェ、__i !!i_i_`'ー‐'ー' ヽ、 i
i 〉-―、i__ヽ `'ー‐' / ヽ ノ
ノ _,r'" =ニi i ヽ、_,,/ ` ,-'
77 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/05(日) 00:03:26.15 ID:nI9O9kcL0
<では行くぞ!!
Sir Yes Sir!!>
γ⌒丶 ファミコンウォーズが出ーるぞ!
/ =O=ヽ こいつはどえらいシュミレーション
 ̄( ,_ノ` ) ̄ のめり込め!
/”つ C′ のめり込め!!
人 Y カーチャン達には内緒だぞー!!
(( (( (__(__)
____ ____ ____ ______o
L__o__|_ L__o__|_ L__o__|_. / /
Haa Haa Haa (,, ´∀`) (,, ´∀`) (,, ´∀`) /____/
____ _( つΥ⊂_( つΥ⊂_( つΥ⊂ _ ___ ./
L__o__|_ L__o__|_ L__o__|_ L__o__|_ L__o__|__ /
~ (;^ω^) (( (((,, ´∀`) (,, ´∀`) (,, ´∀`) ξ゚⊿゚)ξ /
~( つ ⌒ つ _( つΥ⊂_( つΥ⊂_( つΥ⊂ ( つ つ
~ 人 Y L__o__|_ L__o__|_ L__o__|_ 人 Y
(__(_) (( (((,, ´∀`) (,, ´∀`) (,, ´∀`) (( (__(_)
( つΥ⊂ ( つΥ⊂ ( つΥ⊂
人 Y 人 Y 人 Y
(( (( (__(_) (__(_) (__(_)
ZUM! ZUM! ZUM!
78 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/05(日) 00:04:12.89 ID:nI9O9kcL0
('A`) 「あいつら頑張ってるな……」
クーのいる中隊長室へ向かう途中、気合いの入った彼等の訓練の様子を見て、
少し昔を思い出したドクオであった。
川 ゚ -゚) 「NGシーンへと続く」 ※ちびまる子ちゃんのキートンの声で
79 名前: ◆K8iifs2jk6 []:2009/07/05(日) 00:05:12.24 ID:nI9O9kcL0
NGシーン
*******
ξ゚⊿゚)ξ 「アンタがしくじるなんて、珍しいわね」
女性の声はツンの物であり、振り返ると彼女がいた。
(メ'A`) 「今までがよく出来過ぎていたんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ 「そう。私はてっきり“亡国の鬼”はそんじょそこらの強化骨格よりも、
強い物だと思っていたのだけれどね。アンタ、案外役に立たないのね」
(メ'A`) 「あぁ、悪いな。強化骨格は機械ではあっても、ヒーローにはなれないよ」
ξ゚⊿゚)ξ 「……ドクオは正義のヒーローにはなれないようです」
(メ'∀`) 「まぁ、そういうことだ」
ξ゚⊿゚)ξ 「……ドクオはダークヒーローのようです」
(メ'A`) 「うん、流石にあんな感じにはなれないな……」
ξ゚⊿゚)ξ 「アンタにはドクえもんがお似合いよ」
(メ'∀`) 「僕の子供生んでーな!」 ξ゚⊿゚)ξ 「アンタ付いてないでしょ」
(メ'A`) 「え?」
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2011/10/06(木) 13:25:08 |
自作品まとめ
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