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155 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/05/23(月) 20:37:23 ID:0F2dSoEgO [18/29]
( ・∀・)の王国のようです
‐夢三話‐
弟者の嘆きと真実と
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156 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/05/23(月) 20:41:04 ID:0F2dSoEgO [19/29]
(´<_`;)「……クソ……。」
ついに、モラが倒れてしまった。
親友を救う方法が無いか研究室をひっくり返しながら、何かを罵倒する。
モラの命は、あと一年は持つはずだった。
しかし、それは安静に普通の生活を過ごした場合。
アトランティスについてから、モラの睡眠時間は目に見えて減っていた。
いくら安静にするよう声をかけても、頑として休もうとしない。
その無理が、モラの命を大幅に削っていった。
まるで、蝋燭が激しく燃え上がり長さをすり減らすように。
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157 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/05/23(月) 20:43:45 ID:0F2dSoEgO [20/29]
高校で出会い、大学を卒業。
その後モラの親父さんの研究グループに助手となった。
世界を巡り、様々な発見によりオレ達は歴史に名を残す。
親父さんが早くに亡くなってしまってからは、意志を引き継いだモラが研究組織のトップを担った。
そして、アトランティス研究に乗り出してすぐの事だ。
モラは命の残り時間が突きつけられた。
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158 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/05/23(月) 20:45:03 ID:0F2dSoEgO [21/29]
余命を宣告されてから、彼は魂が抜けたようになりながらも闘病生活を続けた。
ブレインを失ったチームは、足踏み状態に陥ってしまう。
そんな闘病生活の中で、モラはクーさんに出会った。
それからのモラは本当に幸せそうだった。
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159 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/05/23(月) 20:46:42 ID:0F2dSoEgO [22/29]
そして、アトランティス発見の三ヶ月前、突如モラはチームに復帰する。
彼の目には生気とある種の決意が宿っていた。
死の絶望から解放されたかのように。
( ・∀・)「約束したんだ。
それを果たすまで死ねない。
それが叶うまで死なない。」
心配するオレの目を真っ直ぐに見て、彼はそう言った。
オレは、二人の約束を叶えたかった。
二人のか細い希望を実現させたかった。
(;<_; )「まだその時じゃねぇだろ。
約束はどうするんだよ……モラ……。」
涙があふれて止まらなかった。
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160 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/05/23(月) 20:48:20 ID:0F2dSoEgO [23/29]
顔を伝った水滴が、ポタポタと横たわる石版に黒い円を残す。
(;<_; )「……なんだこれ。」
この石版は、アトランティスで栄えた王国の研究者の墓碑。
生前に残されたであろう遺書じみた文章の記された、その裏側。
何も記されていないはずの面に微かな変化が現れた。
濡れた部分が光り、模様を形作る。
いや、違う。
これは、魔力で記された古代文字だ。
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161 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/05/23(月) 20:52:15 ID:0F2dSoEgO [24/29]
近くにあったペットボトルをひっつかみ、水をぶっかける。
(´<_`;)「……!
でた……!」
全体に行き渡った水分が石版に吸い込まれ、光りの文字列をが浮かび上がる。
新発見だとかそんなの、もうどうでも良い。
藁にも縋る思いで解読を始めた。
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162 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/05/23(月) 20:55:33 ID:0F2dSoEgO [25/29]
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王が編み出した不死の魔法に違和感を感じ、私は密かに解析を行った。
あの魔法は、紛れもなく不死の魔法と呼んで差し支えはないだろう。
その代償の大きさを除いて。
その代償とは、術者ただ一人を除く他全人類の命。
膨大な量の命を一点に集め、半永久的な命を作り出す術式であった。
たった一人の不死のために行われる大虐殺が許されるだろうか?
私は兵を集め、王を止める。
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163 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/05/23(月) 20:56:53 ID:0F2dSoEgO [26/29]
きっと、私は大反逆者として歴史に名を残すことになるだろう。
私はそれでも構わない。
ただ、私の墓前で涙してくれた君のために真実を残したい。
この懺悔を知り、まだ王の最悪の悪意が残っているなら、私の志を継ぎ王を止めて欲しい。
私のために泣いてくれた、優しい君よ。
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解読が終わると同時に、オレは全てを知った。
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164 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/05/23(月) 20:57:57 ID:0F2dSoEgO [27/29]
この反逆により、戦争が起こったのだろう。
それが、アトランティスが滅んだ原因につながったのだろう。
滅亡の真実。そして何より、
王の悪意が未だ息づいていることを。
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165 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/05/23(月) 21:00:15 ID:0F2dSoEgO [28/29]
モラは常に古文書を持ち歩いていた。
アトランティスにいられるのは、明日まで。
魔法を実行するには、今しかない。
部屋を飛び出してから、嫌な予感が止まらなかった。
続く
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