104 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 16:39:35.70 ID:5vOeWsfT0
看護婦「・・・」
J( 'ー`)し「ふう
眠たくなってきたわ・・・」
看護婦「だいぶ長時間しゃべられましたから
少しお休みになったほうがいいですよ」
J( 'ー`)し「そうね
少し眠ることにしますわ」
看護婦「続きはまた調子のいい時に伺わせて頂きますよ」
J( 'ー`)し「あら、聞いて下さるのね
じゃあ、また今度続きをお話するわ
よろしくね」
看護婦「喜んで
じゃあ、お休みなさい」
看護婦は母に布団をきちんとかけ直した
母は眠りについたようだ
看護婦は静かに病室から出て行った
108 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 16:45:35.69 ID:5vOeWsfT0
('A`)「ブーン君の様子がおかしい?」
(*゚ー゚)「はい
危篤状態から回復して以来、コニュニケーションをとることができたのですが、
最近、急激に私達に対して反応しなくなったのです」
('A`)「ふむ・・・」
ドクオ院長は考え込んだ
('A`)「・・・ブーン君がなぜ昏迷を抜け出せたのか
その原因がはっきり分からない
死からの生還がきっかけだろうと推測はできるが、医学的根拠をまだ見つけれていない状態だ」
(*゚ー゚)「はい」
('A`)「だから、私達が予想だにしない事態がいつ起きてもおかしくない
ブーン君に対してはより注意深く様子を見る必要があると私は思う」
112 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 16:51:24.82 ID:5vOeWsfT0
(*゚ー゚)「・・・」
('A`)「もしかしたら今の状態が普通なのかもしれない
こうだからこうすると断定的に判断しない方がいいと思う
看護部に負担がかかってしまうが、ブーン君に対してはより細心の注意を持って
頻繁に様子を見に行ってくれ」
(*゚ー゚)「分かりました」
( ゚∀゚)「院長、どの患者のことを言っているのですか?」
('A`)「ああ、第1病棟の2035室に入院しているブーン君という重度のトウシツ患者のことだ」
( ゚∀゚)「一度死にかけているというのは?」
ξ゚⊿゚)ξ「私が説明しましょう」
117 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 16:59:22.38 ID:5vOeWsfT0
( ゚∀゚)「お願いします」
ξ゚⊿゚)ξ「患者が初めて来院した時、患者は重度の昏迷状態にあり、完全に外界との意思の疎通が
不可能な状態でした
食事、排泄など生命維持の為の必要最低限の生理行動も全くできない状態の為、点滴及び
チューブによる栄養摂取を行い、私達が強制的に排泄させていました」
( ゚∀゚)「なるほど」
ξ゚⊿゚)ξ「投薬療法により、治療を試みていましたが、依然として患者の昏迷は続いており、
改善が見られない状態が続きました
しかし、数日間の高熱が続いた後、急激に心拍数や脈が弱くなり、 危険な状態になったため
ERにて救命処置を行いました」
( ゚∀゚)「ふむふむ」
123 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 17:08:32.98 ID:5vOeWsfT0
ξ゚⊿゚)ξ「しかし努力も虚しく、心拍停止になってしまいました
そこで、救急部長による蘇生処置を施したところ、患者は息を吹き返しました
体力的に非常に弱っていた為、しばらくは自分で動くことができませんでしたが、
蘇生してから、急速に昏迷状態から抜け出したのです」
( ゚∀゚)「・・・なるほど
患者が昏迷を抜け出した原因が一体なぜなのかがつかめないわけですね」
('A`)「その通りだ」
( ゚∀゚)「私もこのような臨床例は初めて聞きました」
('A`)「人間の脳は実に不思議だと改めて思ったよ
まだまだ精神科医療は人間の奥の深さに追いついていない」
( ゚∀゚)「確かに我々の理解を超えた現象が患者に起こることはありますね」
('A`)「内科や外科よりも、より人間の根底の部分を扱う分野だからな
もっと精神科医療は進歩しないといけない」
124 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 17:15:09.37 ID:5vOeWsfT0
( ゚∀゚)「確かにその通りだと思います」
('A`)「私なりに色々とアプローチは起こしているつもりだ
今も診療部長に頼んで、ある脳科学者に協力の打診をしている
今後は科学的な角度からも精神病を解析していこうと考えているのだ」
( ゚∀゚)「ああ、それでこの病院には精神科にないような様々な機器があるわけですか」
院長の話からジョルジュ医師がバロス病院に来た初日に感じた疑問が解けたのだった
('A`)「うむ
精神病患者の脳の中で一体何が起きているのか
それが分かれば、新たな治療法を確立できる可能性を模索できると思ってね」
( ゚∀゚)「それは素晴らしい考えだと思います」
127 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 17:27:40.93 ID:5vOeWsfT0
ナース・ステーションにモニュ研修医が入ってきた
( =゚ω゚)ノ「院長
第2病棟の1012号室の患者のことで少しお話があるのですが」
(*゚ー゚)(1012というと、まこと君ね・・・)
( =゚ω゚)ノ「では、あちらの休憩室でよろしいでしょうか?」
('A`)「わかった
すぐに行くから、先に行っててくれ」
( =゚ω゚)ノ「わかりました」
モニュ研修医はナース・ステーションを出て、休憩室に向かっていった
132 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 17:31:48.56 ID:5vOeWsfT0
(*゚ー゚)(まこと君がどうかしたのかしら?
最近、特に問題もなく順調に回復しているように見えるけど)
まことは第1病棟に移ってきて以来、しぃが直接担当している患者の一人だった
(*゚ー゚)(容態が変化したのかしら?
もしかしたら回復期だから、自殺願望が出始めているとか・・・)
しぃ看護婦長は色々と考えるが、やはりおかしな所が見当たらない
ξ゚⊿゚)ξ「しぃさん、ちょっとミーティングしたいんだけど」
(*゚ー゚)「あ、はい
わかりました」
139 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 17:41:51.58 ID:5vOeWsfT0
ツン看護部長はしぃ看護婦長と共にナース・ステーションから出て行った
部屋に残っているのは新人医師のジョルジュだけとなった
( ゚∀゚)(確かブーン君という名だったかな?)
ジョルジュ医師は、ブーンの症状を詳しく調べる必要があると感じた
( ゚∀゚)(患者の現在に至る過程を検証して、原因を突き止めないと、この患者の治療は
前進できないだろう)
ジョルジュ医師はブーンのカルテを探し出した
( ゚∀゚)(俺が必ず原因を突き止めてみせる)
ジョルジュ医師は強い決意を胸に秘めていた
142 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 17:42:54.72 ID:5vOeWsfT0
>>132
訂正
第1病棟→第2病棟
158 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 17:51:37.56 ID:5vOeWsfT0
「みんなはお前を落としいれようとしているんだ
だから、あいつらと話してはいけない」
(ヽ^ω^)「わかったお」
「俺は悪魔だ
お前は俺の命令に絶対服従しないといけない
命令に逆らったら殺す」
(ヽ^ω^)「はいですお」
看護婦「・・・」
ブーンに夕食を届けにきた看護婦はブーンの様子を伺っていた
161 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 17:55:40.58 ID:5vOeWsfT0
看護婦は第1病棟の2035室から出て鍵をかけた後、隣の1病棟のナース・ステーションに戻り、
遅番の人達への引継ぎ用のノートに何か書き始めた
『2035号室のブーンさん、本日、独語が発生
内容に関しては意味不明の為、わからず』
看護婦は連絡事項を書き終え、ナース・ステーションを後にした
第8部 完
163 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 17:57:47.02 ID:5vOeWsfT0
推奨エンディングBGM
アメイジング・グレイス
ヘイリー
171 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/03(金) 18:01:53.64 ID:5vOeWsfT0
独語はトウシツ患者に見られる一人で誰かと話しているように見える状態のことです
主に幻聴と会話していると思われます
『独語』は看護婦などが、現場で使う合言葉みたいなものです
(ヽ^ω^)ブーンが精神病になったようです 第九部 第四十九話
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