864 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 00:11:50.41 ID:6UOwbmYE0
( ;ω;)「トーチャン!」
ブーンは目を覚ました
裸電球の照らす明かりは一層暗くなっていた
( ´ω`)(ああ、トーチャンが死んだ時のことが頭に浮かんだお
あの時は哀しかったお・・・・)
ブーンは呼吸が荒かった
( ´ω`)(トーチャン・・・
もしあの時トーチャンが事故にあわなければ僕の人生もまた違ったものだったんだろうかお・・・)
869 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 00:21:24.14 ID:6UOwbmYE0
( ´ω`)(トーチャン、何で死んじゃったんだお・・・)
ブーンは息苦しい感じがますます強くなっていた
(;´ω`)「うう・・・」
ブーンは地面に臥せた
(;´ω`)「ふう・・・
これで少しは楽だお・・・」
ブーンは仰向けになり、暗い天上をぼんやりと眺めた
(;´ω`)(カーチャン・・・
少し休んだら、迎えにいくお・・・)
871 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 00:24:43.06 ID:6UOwbmYE0
ブーンはしばらくそのままの姿勢で休んだ
だが、ますます体は辛くなってくる
(;´ω`)(うう・・・
これはもうだめかもわからんお・・・)
ブーンは薄れゆく意識の中で自分の死がまもなくそこまで来ているような感じがした
(;´ω`)(ごめんお、カーチャン・・・
もう迎えにいけないみたいだお・・・)
ブーンは死を覚悟した
意識がなくなる寸前の時だった
「ワン!」
879 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 00:30:06.76 ID:6UOwbmYE0
ふいに犬の鳴き声がした
(;´ω`)(なんで犬の鳴き声が聞こえるお・・・?)
ブーンは朦朧とした意識ではあったが、確かにはっきりと犬の鳴き声だと分かった
(;´ω`)(また、そらみみだお・・・)
ブーンは目を開けているのが辛くなり、目を閉じた
「ワンワン!」
再び犬の鳴き声が聞こえた
それもはっきりと
(;´ω`)(え?)
ブーンは力の入らない体を起こして、鳴き声のするほうを見た
(;´ω`)「!?」
1匹の動物が目に入ってきた
(;´ω`)「ポ、ポチ?」
883 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 00:33:50.22 ID:6UOwbmYE0
信じられないことに、昔死んだポチの姿があった
U゚∀゚U「ワンワン!」
ポチは尻尾をちぎれんばかりに振りながら、ブーンに駆け寄ってきた
( ´ω`)「ポチ、どうしてここに・・・」
U゚∀゚U「ワン!」
ブーンは以前にこの空間で幼い日の自分とアヤ、子犬だったポチが
自分の前を通り過ぎていったことを思い出した
( ;ω;)「ポチ・・・
僕のために戻ってきてくれたのかお」
887 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 00:38:07.70 ID:6UOwbmYE0
U゚∀゚U「ワンワン!」
ポチはブーンの頬に流れる涙を一生懸命なめた
( ;ω;)「ポチ、また僕を励ましてくれるのかお・・・
ほんとにお前は主人思いの犬だお・・・」
ブーンはずっと孤独に一人歩んできたこの薄暗い空間で辛く寂しかった
生きることを諦めかけていたブーンはポチの存在に強く勇気づけられた
( ^ω^)「ポチ一緒に行くお!」
U゚∀゚U「ワン!」
898 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 00:52:01.61 ID:6UOwbmYE0
ERでは依然として緊張感が漂っている
ξ゚⊿゚)ξ「患者の心拍数が上昇!」
('A`)「何!?」
(・∀・)「心拍数が上がったか!」
( =゚ω゚)ノ「とりあえず危機は一旦回避できましたね」
(*゚ー゚)「・・・よかった」
しぃ看護婦長はブーンの手を強く握り締めた
('A`)「しかし、まだまだ患者は危険な状態だ
引き続きERで救命処置を行う!」
(・∀・)「はい!」
956 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/19(日) 03:13:45.45 ID:xfnEqozY0
○
_ 。 o
┻┓∬ 。 /⌒ヽ ちゃんと肩まで入るお
|||。o(^ω^)(^ω^ )
( ̄ ̄o) ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄)
.i ̄○ ̄ ̄○ ̄o゚ ̄0i
(_oノ_O_゚_Oo_)
957 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:13:59.29 ID:6UOwbmYE0
ブーンはポチがそばにいてくれるだけで息苦しさが和らいだ気がした
( ^ω^)「ポチ、
また一緒になれてうれしいお
これからもずっと一緒だお」
U゚∀゚U「ワン!」
ポチは尻尾を振りながら、ブーンに答えた
( ^ω^)「ポチ、お前とならどこでも平気だお」
心なしか天井の電球の光がかすかに強くなった気がした
958 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:17:10.16 ID:6UOwbmYE0
( ^ω^)「・・・でも、ころ通路みたいなところはいつまで続くんだお」
ブーンはそもそもなぜ自分がここにいるのか、ここは一体どこなのか
その答えが出ていない
( ^ω^)(カーチャンがきっと病院で苦しんでるお
早く迎えにいかないといけないお)
ブーンは終点がどこにあるのか分からない闇に向かって、ひたすら歩き続けた
( ^ω^)「カーチャン・・・
僕は負けないお!」
ブーンは一人つぶやいた
960 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:21:22.67 ID:6UOwbmYE0
U゚∀゚U「ワン!」
今までブーンの後ろについて来ていたポチが急にブーンの前に回り込み、ほえた
( ^ω^)「ポチ?
どうしたんだお?」
U゚∀゚U「ワン!」
ポチはさらにもう一鳴きし、急に前に向かってゆっくりと走り出した
( ^ω^)「ポチ!
あんま走るとあぶないお!」
961 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:23:21.15 ID:6UOwbmYE0
ポチはブーンを置いてどんどん前を走っていく
(;^ω^)「ちょポチ!
あんま先に行くと見失うお!」
ブーンはポチを見失わないように懸命に走った
(;^ω^)「ポチー!
待ってお!」
やがてポチは闇の中に消えてしまった
962 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:26:40.52 ID:6UOwbmYE0
(;^ω^)「はあはあ・・・
ポチが行ってしまったお」
ブーンは苦しくなったので、走るのをやめ、歩くことにした
しばらく歩くとポチが待っていた
U゚∀゚U「ワンワン!」
( ^ω^)「ポチ!
待っててくれたのかお」
ブーンはポチのそばまで歩いていった
963 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:28:50.50 ID:6UOwbmYE0
するとポチが突然の右側の壁に向かって吠え出した
U゚∀゚U「ワン!」
( ^ω^)「ポチ?
そこは単なる壁だお」
ポチは壁に向かって吠え続けた
U゚∀゚U「ワンワン!」
( ^ω^)「ポチ?
そこになにかあるのかお?」
ブーンはポチの向かっている壁に近づき、目を凝らした
966 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:31:18.63 ID:6UOwbmYE0
U゚∀゚U「ワン!」
ポチが突然壁に向かってものすごい勢いで駆け出した
( ^ω^)「ポチ!
壁に激突するお!」
ブーンがあわててポチを掴もうととした瞬間、ポチは壁にスーっと消えていった
( ^ω^)「あれ!?
ポチが壁の中に入っていったお!」
ブーンは驚いて、壁に触れてみようとした
すると壁は手ごたえがなく、ブーンの手は壁の中に吸い込まれた
967 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:33:13.42 ID:6UOwbmYE0
(;^ω^)「これは!?」
ブーンは慌てて手を引っ込めた
(;^ω^)「もしかして・・・」
ブーンはもう一度壁に手を当ててみた
やはり、壁の硬い手ごたえはなく、ブーンの手は吸い込まれる
( ^ω^)「もしかしてここが出口かお!?」
ブーンはポチがここから出る道を示してくれたのではと思った
969 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:36:24.40 ID:6UOwbmYE0
( ^ω^)(ポチありがとうだお
いますぐ壁の向こう側に行くお)
ブーンは壁に向かって歩きだした
ブーンの体は壁に跳ね返されることなく、そのまま壁に溶け込んでいった
(;^ω^)(この変な感覚はなんだお?)
壁の中に吸い込まれたブーンは無重力のような変な感覚にとらわれた
また、視界は真っ暗で何も見えない完全な闇だった
ブーンは少し吐き気を催した
971 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:40:18.75 ID:6UOwbmYE0
完全な暗闇の中、ブーンは自分がどちらに向かって歩いているのか分からなくなってきた
(;^ω^)「僕はどっちにむかって歩いているんだお?」
自分がもはやまっすぐ歩いているのかどうかさえ疑わしかった
(;^ω^)(もしかして、永遠にこの中でさ迷う羽目になるんじゃ・・・)
ブーンはいやな予感がした
「ワン!」
ポチの鳴き声が聞こえてきた
( ^ω^)「ポチ!
どこにいるんだお!」
ブーンはポチに呼びかけた
「ワン!」
再びポチの声が聞こえてきた
ブーンはポチの声が聞こえたほうに向かって歩いた
973 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:42:35.65 ID:6UOwbmYE0
「ワンワン!」
ポチの鳴き声は依然として聞こえてくる
ブーンはポチの声のするほうにむかってひたすら歩き続けた
( ^ω^)「あれはなんだお?」
かすかに光の筋の様なものが見える
ポチの声はそちらから聞こえているようだった
( ^ω^)「あそこにポチがいるのかお」
ブーンは光の筋に向かって歩いた
976 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:47:18.29 ID:6UOwbmYE0
ブーンが近づくたびに光の筋は大きくなり、やがて眩いばかりに広がった
( ^ω^)(何か音楽が聞こえるような気がするお)
かすかではあるが、聖歌のような荘厳な音楽が聞こえてくる
パイルオルガンのような楽器の音も聞こえるようだった
ブーンは光に向かって歩き続けた
今まで寒さを感じていたのだが、光は暖かかった
ブーンは光の中に溶け込んでいった
第4部 完
986 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/19(日) 03:58:11.82 ID:6UOwbmYE0
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アメイジング・グレイス
ヘイリー
(ヽ゚ω゚)ブーンが精神病になったようです 第五部 第三十一話
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