308 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:04:50 ID:lm5L6cngO
ありがたいまとめ様
http://eksr.blog115.fc2.com/blog-category-3.html?cr=36bf2c98e9476bab3851146d0fe27fbc
( ・∀・)と六つの銃弾のようです
第八話
:騎士と病
309 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:05:20 ID:lm5L6cngO
(´・ω・`)「つまり…君のミスだ、と。」
ダイオード、ワカッテマスが殺害されてから数日後。
メタトロン城、謁見の間には神と一人の天使がいた。
( ФωФ)「は…
敵の戦力を見誤りました。
まさかあの二人が生きていたとは…。」
310 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:06:08 ID:lm5L6cngO
(´・ω・`)「十一年前、二人の殺害を担当したのは君だったね。」
間髪を入れず、神がロマネスクを責める。
( ФωФ)「確実に死亡確認をするべきでした…。
次は必ず。」
(´・ω・`)「まぁいい。今回は許してあげるよ。
だが次。相見えて殺害出来なかった場合…」
311 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:06:29 ID:lm5L6cngO
「君の大切な人の命が消えちゃうからね。」
312 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:07:46 ID:lm5L6cngO
( ФωФ)「…。」
ロマネスクは与えられた自室に戻り、うなだれていた。
( ФωФ)(次は無い…か。)
あの二人が生きていたのは知っていた。
見逃したのは、他でもない自分なのだから。
正直な所、絶対に手にかけたくない。
出来るならば今すぐドクオ達の元へ駆けつけて神を討つ側に立て。と心が叫んでいる。
313 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:08:41 ID:lm5L6cngO
( ФωФ)「シュー…。」
しかし、それは叶わない夢。
理性が必死に心の叫びを押さえつけた。
神がいるからシューが生きていて、神に従わなければシューの命はない。
あの事件が無ければ。
いや、ただの切欠にしか過ぎなかった。
314 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:09:21 ID:lm5L6cngO
('A`)「そんな無茶な条件飲まなければいけないのですか?」
315 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:10:10 ID:lm5L6cngO
ドクオが当然の疑問を投げかける。
吾が輩でも感じる疑問。
『停戦国への大天使の派遣』
それが他国からの要望であった。
( ´∀`)「この要請を無視するなら、開戦も辞さないそうだモナ。」
/ ゚、。 /「軍事力低下、技術の盗用、情報収集が目的でしょう。」
('A`)「そんな無理難題…ただ単に戦争したいだけじゃないんですか?」
実際そうかも知れない。
常識的に考えれば簡単に突っぱねるような条件。
316 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:10:56 ID:lm5L6cngO
だが、モナー様は迷っているようであった。
( ´∀`)「モナとしては、罪なき民を戦火に巻き込ませたくないモナ…。」
/ ゚、。 /「我々の力があれば、民に被害無く勝つ事も容易ですが。」
( ´∀`)「それでも、相手国の民は死ぬモナよ。」
国のために民が苦しむのは間違っている。
それがモナー様の持論であった。
317 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:11:58 ID:lm5L6cngO
( ´∀`)「極力、穏便に済むように交渉してみるモナ。」
「私の生み出してきた天使を他国に預けるなど、あってはならんのですよ。」
謁見の間に老いた声が響く。
('A`)「!
召喚師殿!」
/ ,' 3「モナー様。甘いことは言わないで頂きたい。
天使のための戦うべきです。」
318 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:13:19 ID:lm5L6cngO
召喚師と呼ばれた老人が、諭すようにモナーに言葉をかけた。
( ´∀`)「天使は民を守るためにいるモナ。
我々の都合で民を傷つけるわけにはいかんモナ。」
( ФωФ)「吾が輩達はこの国を、モナー様を裏切る事は無いのであります。
もし他国へ行こうとも心は常にモナー様と共に在ります。」
本心からの言葉であった。
モナー様は我々を、民の事を考えてくださる。
それに応えたかったのである。
319 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:13:57 ID:lm5L6cngO
( ^ω^)「僕らならどうなろうとモナー様の決定に従いますお。
ですからモナー様。貴方の思う結果を出して下さいお。」
ブーンも同調してくれた。
我等は一枚板である。
モナー様に、神に従おう。
( ´∀`)「みんな…
ありがとう…。」
/ ,' 3「…フン。」
320 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:15:18 ID:lm5L6cngO
( ФωФ)「ただいま帰ったである。」
謁見を終え、我が家へ帰りついた。
小さいながらも、大事な我が家だ。
( ФωФ)「…?」
おかしい。
いつもであれば妻が出迎えてくれるはずである。
今日はそれがない。
家に一歩入ると同時に、殺気。
321 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:16:48 ID:lm5L6cngO
上方からの気配に反応し、横に飛び退く。
吾が輩が立っていた位置に何十本もの刃が突き刺さる。
(;ФωФ)「罠か!」
典型的なブービートラップ。
後一歩遅ければ串刺しだった。
体勢を立て直そうと一気に立ち上がる。
が、床がミシリと音を立てた。
322 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:17:47 ID:lm5L6cngO
床が抜け、落とし穴へ落下。
ぐにゃり、と軟らかい嫌な感触が底にあった。
穴の中には、ツンとした生臭い臭いが充満している
湿り気を感じた手を
恐る恐る
見やる。
323 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:18:50 ID:lm5L6cngO
それは
底一面に敷き詰められた
米だった。
324 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:19:27 ID:lm5L6cngO
ニュッ
lw´‐ _‐ノv
穴の上から妻のシューが顔を覗かせる。
まさか…
326 名前: ◆Zb08y4eL/Y[ズレた…。] 投稿日:2011/01/27(木) 01:21:10 ID:lm5L6cngO
ねぇねぇ
今どんな気持ち?
∩__∩
♪ / 丶
lw´‐ _‐ノv
__ノ ノハッ
\__ > >ハッ
/ /(_/ ♪
/ /
(_⌒丶′∩__∩
`| /ヽ| / 丶 ♪
(ノ Uv|‐ _‐`wl
ハッ ) 丶__
ハッ < < __/
♪ \_)\ 丶
米にまみれて \ 丶
幸せですか? Y⌒_)
ねぇ幸せ? |/丶|
(ノ U
327 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:23:48 ID:lm5L6cngO
(;ФωФ)「くさっ!
臭いすっぱ!
酢飯かよ!」
起きあがろうとするたびネッチャネッチャと手に引っ付く。
lw´‐ _‐ノv「うわダッセェ。
けどそんなロマも愛してる。」
(;ФωФ)「愛の言葉言うタイミングじゃないである!」
lw´‐ _‐ノv「うははははゲフッ
ビチャビチャッ ダメだ死ぬぅ」
(;ФωФ)「無茶するなら血を吐くな!」
328 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:26:06 ID:lm5L6cngO
( ФωФ)「全く…。」
シューをベッドに寝かせ、椅子に腰掛けた。
シューは病を患っている。
医師に「あと二年は保たない」と宣告された時は視界が暗くなった。
(;ФωФ)「殺す気であるか。」
lw´‐ _‐ノv「ロマなら避けれると思ったから。
どんだけロマの事を熟知してると思ってる?」
329 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:26:41 ID:lm5L6cngO
lw´‐ _‐ノv「そう言えば、しぃさんから晩御飯のお誘いあったんだ。」
( ФωФ)「お、良いであるな。
家からもなにか持ち寄ろう。」
lw´‐ _‐ノv「ちらし寿司準備してるから大丈夫。」
(;ФωФ)「だから酢飯か!
」
lw´‐ _‐ノv「ついでにちょっとしたサプライズ。」
(;ФωФ)「洒落ならんサプライズだろ!」
330 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:27:34 ID:lm5L6cngO
夕焼けに染まった丘を、車椅子を押しながら歩いていく。
シューは何度も何度も吾が輩の方を振り向きながら、他愛もない話を続け道中を盛り上げてくれる。
シューが病に伏してから、度々しぃとドクオに誘われた。
お陰で家に閉じこもる事もなく明るく闘病生活を送れている。
('A`)「お、来たか。」
(*゚ー゚)「ロマさん、シューさんいらっしゃい。
待ってましたよ。」
331 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:28:13 ID:lm5L6cngO
二人の住む小高い丘にある一軒家。
いつもどおり出迎えくれた。
(*゚ー゚)「それじゃ、料理の続きしますか。
シューさん。手伝って下さいね。」
('A`)「じゃオレも…」
( ФωФ)「おっとドクオ。
昼間の続きだ。本気でやってやる。」
('A`)「…。」
いつも本気じゃん。って顔をするな。
332 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:29:10 ID:lm5L6cngO
(*゚ー゚)「よし。でっきあがりぃ。
二人もそろそろだね。」
lw´‐ _‐ノv「まぁ結果は解ってるがな。」
ズルズル
('A`)「正解だ。
しぃ。頼む。」
そう言ってロマネスクが家へ放り込まれる。
ボロ雑巾のような敗者が、力なく横たわる。
いつもの光景だ。
(*゚ー゚)「普通、こんなにボッコボコにするかなぁ…。」
('A`)「アバラ半分折れて向かってくるコイツが普通じゃねぇんだよ。」
333 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:29:52 ID:lm5L6cngO
(*ФωФ)「いやしかし、シューのちらし寿司は最高である!」
食卓にはシュー自慢のちらし寿司。
そして鶏肉をふんだんに使った豪華な料理が並ぶ。
lw´‐ _‐ノv「ふ…
コシヒカリ6、ササニシキ4の米は旨かろう。」
('A`)「いやいや。しぃの料理の素晴らしさの方が勝ってるね。」
対抗してドクオがノロケる。
頭を叩いたしぃの頬がほんのりと色付いている。
お互い良い夫婦だ。
334 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:30:32 ID:lm5L6cngO
ヒソヒソ
(*゚ー゚)「にしてもホントに懲りないね。」
ヒソヒソ
lw´‐ _‐ノv「まぁ、勝てたらロマじゃないね。」
( ФωФ)「…陰口は、陰で言うから陰口である…。」
突然コンコン。と扉がノックされる。
335 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:31:10 ID:lm5L6cngO
外から「オレだよ。」と声がした。
(,,゚Д゚)「あ、ロマネスクさんも来てましたか。
良い魚が穫れたんでどうぞ。」
('A`)「お、これで三つ巴だな。
流石にギコの焼き魚にはかなわないかもな。」
(*゚ー゚)「焼き加減が絶品だもんね。
ギコくんも晩御飯どう?」
(,,゚Д゚)「いや、オレは用事があるから…。
また明日な。しぃ。」
336 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:32:02 ID:lm5L6cngO
ギコはそう残すと、足早に家を後にした。
ギコとしぃは警備隊でペアを組んでいる。
仲良し三人組だったドクオは、時折自身の役職を悔やんでいた。
そんな時、ドクオはピアスを触る癖を持っている。
ドクオ、しぃ、ギコ。
三人お揃いのピアス。
337 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:32:22 ID:lm5L6cngO
____________
338 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:33:02 ID:lm5L6cngO
(´・ω・`)「さて、これは機会が来てしまったかもね。」
どこかにある暗い地下室。
広い室内には、数人が跪いている。
「もし、条約が通過すれば大天使の壮行会が行われるはずです。
その時に決行、ですね。」
スッと通る女性の声。
(´・ω・`)「そうなるね。
その時は頼んだよ。」
339 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:33:50 ID:lm5L6cngO
「オレの願いも、叶えて頂けるんですね?」
若い声が口を挟んだ。
(´・ω・`)「もちろんさ。
その分、しっかり働いてね。」
「はい!」
(´・ω・`)「しばらくは準備期間だ。
新たな神の誕生、楽しみにしておこう。」
340 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:34:10 ID:lm5L6cngO
‐十一年前 メタトロン城謁見の間‐
341 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:34:55 ID:lm5L6cngO
('A`)「そう…ですか。」
( ´∀`)「みんなスマンモナ…
僕の力が足りないばっかりに…。」
( ФωФ)「しょうがないであります。
それが民のためになるなら、喜んで従いましょう。」
大天使派遣の条約が、モナー様の努力虚しく制定してしまった。
342 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:35:44 ID:lm5L6cngO
/ ゚、。 /「では、壮行会の手配を。
約一週間後には。」
/ ,' 3「…。」
召喚師殿が、無言で佇んでいる。
(;^ω^)「召喚師殿。
よろしいですかお?」
ブーンの言葉に、ハッと我に帰ったように答える。
/ ,' 3「仕方のない事だからな…。
ワシはもうなにも言うまい。」
ブーンがほっ。と胸をなで下ろした。
343 名前: ◆Zb08y4eL/Y[] 投稿日:2011/01/27(木) 01:36:16 ID:lm5L6cngO
( ´∀`)「では派遣先を発表するモナ。」
壮行会が、いや、式典が後一週間まで迫っていた。
続く
( ・∀・)と六つの銃弾のようです 第九話
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