99 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:23:41 ID:tLtFezUU0 [5/48]
( ^ω^)が世界樹の迷宮を踏破するようです 第四話
―ハイ・ラガード公国 とある喫茶店―
華やかな店内にブーン達、ギルドVIPの声が響く
ξ゚⊿゚)ξ「で、最後のメンバーの職は何にするの?」
( ^ω^)「えーと・・・今は前衛二人に後衛二人だから・・・前衛か中衛職が良いんだおね?」
ξ゚⊿゚)ξ「あら、バランスが分かってきたみたいね。その通りよ」
( ^ω^)(・・・そりゃあんだけ語られたら理解できるお)
(*゚ー゚)「前衛職ならソードマン、中衛職ならレンジャー、バードってとこでしょうか」
100 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:24:02 ID:tLtFezUU0 [6/48]
ξ゚⊿゚)ξ「そうね・・・やっぱりソードマン(剣士)が無難かしら」
(*゚ー゚)「けど補助役のバード(吟遊詩人)も欲しいところですね」
('A`)「・・・迷宮探索のプロ、レンジャー(狩人)は?」
(*゚ー゚)「レンジャーは駄目です!!」
('A`)「へ!?」
ξ゚⊿゚)ξ「夢幻陣形(笑)」
(*゚ー゚)「サジタリウスの矢(笑)」
ξ゚⊿゚)ξ「採取をするだけの簡単なおしごt!!ああっと!(笑)」
(*゚ー゚)「まあとにかくレンジャーは駄目です」
('A`)「・・・ブーンさん。俺、何か悪いこと言ったかな」
( ^ω^)「違うお・・・すべてはバグが悪いんだお」
101 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:24:28 ID:tLtFezUU0 [7/48]
ξ゚⊿゚)ξ「で、結局どの職を雇うの?」
( ^ω^)「そうだおね・・・悩むけれど・・・」
( ^ω^)「とりあえず街に出て、仲間になってくれる人を雇うお!」
ξ-⊿-)ξ ハァ
ξ゚⊿゚)ξ「・・・相変わらず考え無しの阿呆ね」
(*゚ー゚)「ま、確かに悩んでもしょうがないですしね」
( ^ω^)「じゃ、早速仲間を探しに行くお!ところで・・・これはなんだお?」
立ち上がったブーンにツンが一枚の紙を渡す
102 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:24:42 ID:tLtFezUU0 [8/48]
ξ゚⊿゚)ξ「あ、ああ。それは代金表よ。払っといてねギルドマスター」
(*゚ー゚)「すいませんギルドマスター。ここのお茶美味しくてついつい・・・」
今更だが、この世界の通貨『en』について説明しよう。
形状は中世の西洋で使われていたコインに似ており、この世界の万国共通通貨として使われている。
また、1enは現代の日本円に換算すると100円である。
(; ^ω^)「だ・・・代金は・・・100en!?ちょっと待つお!ツン!出て行くなお!!しぃ!!!あっ、ドクオまで!!!!!」
つまり、100enは一万円である。
103 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:24:58 ID:tLtFezUU0 [9/48]
ブーンが泣く泣く財布を開いているころ、時を同じくして一人の男がハイ・ラガード公国に入国していた。
( ФωФ)
男の名はロマネスク。長い黒髪に引き締まった巨体。そして目に特徴的な傷がある。
変わった服を着て、腰には異様に細く、いささか頼りなく見える剣を下げている。
この男もまた、世界樹の迷宮に惹かれ、ハイ・ラガードにやってきたのである。
・・・・・半裸で
( ФωФ)(少し寒いな・・・)
104 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:30:00 ID:tLtFezUU0 [10/48]
―ハイ・ラガード公国 広場―
( ^ω^)「ツン・・・しぃ・・・初任給を覚悟しておくことだお」
ξ゚⊿゚)ξ「あらあら給料でしか自分の怒りを示せないなんて小さな男ね」
(*゚ー゚)「まぁまぁ。早く次の仲間を探しにいきましょう。もう日が暮れてしまいましたよ」
しぃが言うとおり、街はすっかり闇夜に包まれている。
('A`)「そうだな。早く五人目を仲間にしてギルドを結成しないとな」
( ^ω^)「お!じゃあ・・・やっぱり・・・酒場にでも行くかお?」
105 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:30:24 ID:tLtFezUU0 [11/48]
ξ゚⊿゚)ξ「うーん、酒場も良いけど情報料取られるからあまり良くは無いわね。多いとこだと500en取ったりするわよ」
( ^ω^)「お?でもツンを仲間にするときは5enで済んだお?」
ξ゚⊿゚)ξ(・・・・・あの酒場の主人。いつか殺す)
('A`)「どこかに新人冒険者が転がってないもんかね」
(*゚ー゚)「まさかそんな旨い話が・・・アレ?」
向こう側の道から誰かが歩いてくる。
闇夜を切り分け歩いてきた男は・・・・
106 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:30:40 ID:tLtFezUU0 [12/48]
( ФωФ)
ロマネスクであった。
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ
('A`)
(*゚ー゚)
・・・・・半裸の
107 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:31:08 ID:tLtFezUU0 [13/48]
(*゚ー゚)「へ、へんt」
('A`)「待て!通報はまだだ!上半身だけならセーフだ!きっとなにかしらの事情であんな格好をしているんだよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「やけに変態の肩を持つじゃないドクオ。あなたも露出癖があるの?」
('A`)「違う!・・・ただ、昔飲みすぎて全裸で街を徘徊したことがあるだけだ」
( ^ω^)「おまわりさんコイツですお」
ξ゚⊿゚)ξ「ギルドVIPの恥晒しめ」
(*゚ー゚)「変態」
('A`)(くっ・・・・しぃちゃんに罵ってもらえるなんてッ・・・たまらん!!!)
( ФωФ)「すまないである」
( ^ω^)「うおビックリしたぁ!」
いつの間にか半裸の男がブーンの後ろに立っていた。
108 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:31:24 ID:tLtFezUU0 [14/48]
( ФωФ)「驚かせてしまったようであるな・・・。すまない」
( ^ω^)「いや、大丈夫ですお。どうしたんですお?」
( ФωФ)「世界樹の迷宮への入り口が何処にあるかを知りたいのであるが・・・知っているか?」
( ^ω^)(この人・・・冒険者かお?いや、道を尋ねるってことは新米冒険者。しかも一人・・・)
( ^ω^)(つまり・・・スカウト対象!!!)
( ^ω^)「世界樹の入り口ならこの広場からあの道を垂直に飛び上がってうんぬんかんぬん・・・」
( ФωФ)「ふむ・・・ありがとうである」
( ^ω^)「いやいや困ったときはお互い様だお」
半裸の男はブーンに教えてもらった道を歩いていく。
恐らくこれから世界樹に挑むつもりなのであろう。
109 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:31:40 ID:tLtFezUU0 [15/48]
( ^ω^)「さっきの男の職・・・なんだと思うお?」
(*゚ー゚)「えーと・・・腰に剣を下げていたし・・・ソードマン?でもそれにしては軽装でしたね」
ξ゚⊿゚)ξ「軽装というか、半裸だったわね。ただの変態じゃないの?」
( ^ω^)「ふむふむヘンタイかお・・・前衛職かお?」
(*゚ー゚)(ここはツッコムべきなの・・・?)
('A`)「・・・・・たぶんだが、"ブシドー"って奴じゃないかな」
(*゚ー゚)(スルーが正解か・・・)
110 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:32:02 ID:tLtFezUU0 [16/48]
( ^ω^)「知っているのかドクオ!」
('A`)「ああ・・・ブシドーとは東洋から来た剣士でな。ここら国で使われている剣とは違う、変わった形状の『刀』っつー武器を使うらしい」
('A`)「まあそれぐらいしか知らんが・・・剣士だから前衛職なんじゃないか?」
( ^ω^)「ならスカウト決定だお!早速世界樹の入り口に向かうお!」
('A`)(チッ・・・あのオッサンを雇うのか・・・どうせならサラシ巻いた女ブシドーとかが良かったな・・・)
ξ゚⊿゚)ξ「追いかけてスカウトするの?」
( ^ω^)「ふっふっふ、ただスカウトするんじゃあないお。僕に考えがあるんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・・アテになるのかしら」
(*゚ー゚)「ちょっと望み薄ですね」
( ^ω^)「ひどいお!仮にもギルドマスターなのに!!!」
ギルドVIPは賑やかに喋りながら、先程の男が進んだ道を歩いく。
111 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:32:46 ID:tLtFezUU0 [17/48]
―世界樹の迷宮 入り口―
| ^o^ |「ここはじゅかいのいりぐちです」
| ^o^ |「わたしはけいびのえいへいです」
| ^o^ |「なんというかいせつてきなひとりごと」
| ^o^ |「おや、もうよるのはちじですか」
| ^o^ |「ねむいですね」
| ^o^ |「ねましょう」
| ^o^ |「はたしてわたしがとうじょうしたいみがあるのか」
| ^q^ |zzzZZZ
112 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:33:02 ID:tLtFezUU0 [18/48]
ガサッ
( ФωФ)「ふむ・・・寝たか」
( ФωФ)「一人でぶつぶつ言ってるときはどうしたものかと思ったが・・・ザラな警備であるな」
( ФωФ)「では・・・いざ樹海へ、参る!」
113 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:33:15 ID:tLtFezUU0 [19/48]
― 迷宮内部 ―
~第一階層 古跡の樹海 1F~
( ФωФ)(ここがハイ・ラガードの樹海)
( ФωФ)(・・・・あの樹海とさして違いなないようであるな)
緑に包まれた樹海。これが世界樹の迷宮。
静かに歩みを進めるロマネスクに、魔物の影が立ちふさがった
( ФωФ)「・・・早速出たか」
針ネズミが二体現れた!
114 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:33:34 ID:tLtFezUU0 [20/48]
―その頃、樹海入り口では―
('A`) 「・・・あの男はもう樹海に入っちまったようだな」
(*゚ー゚)「追跡失敗ですね」
( ^ω^)「いや、計画通りだお」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・計画ねぇ。で、その計画ってなんなのよ?」
( ^ω^)「ふっふっふ、それはだおね・・・」
115 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:33:52 ID:tLtFezUU0 [21/48]
―古跡の樹海 1F―
( ФωФ)(ふむ・・・見たことのない魔物だ)
黄色い皮に包まれた小さなネズミのような魔物。
その体表には小さな体に不釣合いな大きく、鋭いトゲが無数に生えている。
( ФωФ)(あのトゲが奴の得物か・・・)
二匹の魔物は小さく、高い声で鳴くと、左右から同時に襲い掛かってきた!
( ФωФ)(ぬるい!)
ロマネスクは、瞬時に細すぎる剣・・・ドクオいわく"刀"を抜き、右から迫り来る魔物に切先を向ける。
相手の体当たりの勢いを、そのまま利用して体を貫くのだ。
116 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:34:09 ID:tLtFezUU0 [22/48]
ザシュウ
肉が切れる音がする。
刀が、魔物の体表に刺さる。
しかし、断ち切れてはいない。
( ФωФ)(このまま・・・貫く!)
ロマネスクは刀に力を込めるが、いくら力を込めても硬いトゲが刀を通さない。
(;ФωФ)(なっ・・・馬鹿な!)
その時、左から来ていた魔物の体当たりが、ロマネスクに炸裂する。
直撃。鋭いトゲが腹部に刺さり、血が吹き出る。
(メ ФωФ)「がはぁっ・・・・」
117 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:35:07 ID:tLtFezUU0 [23/48]
―樹海入り口―
( ^ω^)「なに、策と言っても大したものじゃないお。簡単な話。」
( ^ω^)「さっきの男は世界樹の入り口を聞いてきた・・・ってことは今から樹海に挑む新米冒険者ってことが分かるお」
(*゚ー゚)「その通りですね」
( ^ω^)「けど、あの男は新米にも関わらず、一人で樹海に向かったお・・・その結果はどうなるお?」
ξ゚⊿゚)ξ「間違いなく失敗・・・」
( ^ω^)「そこでボロボロになって樹海から出てきたところを、しぃが回復してあげたり、ブーンが協力を申し出たりして、仲間にするんだお!名づけて『傷ついた犬を助ける作戦』!」
('A`) 「成るほどな・・・」
ξ゚⊿゚)ξ「まぁアンタにしては良く考えたじゃない。けど問題は・・・」
(*゚ー゚)「生きて出てくることができるか・・・ですね」
ブーン達は、深く、暗い樹海の入り口を見つめた。
118 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:35:21 ID:tLtFezUU0 [24/48]
―古跡の樹海 1F―
(メ ФωФ)(こやつら・・・強い!吾輩の力が通じないとは・・・!)
(メ ФωФ)(いや・・・こんな強い魔物が1Fに出てくるのはおかしいである・・・もしや)
(メ ФωФ)(この樹海では吾輩が今まで鍛えた剣術は通用しないのであるか!?)
魔物が赤い舌をチロチロと出し入れしながら、後ろに飛び退く。
刀に刺さっていたほうの魔物も、刀を掴むと、勢い良く刀を引き抜き、自由の身となっていた。
(メ;ФωФ)(この状況・・・マズイである)
119 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:35:38 ID:tLtFezUU0 [25/48]
(メ ФωФ)(いや、焦ってはならぬ。先程の攻撃で学んだ事を冷静に分析するのだ)
針ネズミが再び体当たりをしてきた!
(メ ФωФ)(・・・皮のトゲは硬く、切れない。ならば)
(メ ФωФ)(皮に包まれていない腹を狙う!)
ロマネスクは身をかがめ、針ネズミの体当たりをかわす。
そして、頭上を通り過ぎようとしている針ネズミの白い腹部に刀を一閃、切り裂いた。
魔物が断末魔を上げ、血を撒き散らしながら地に伏す。
120 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:35:54 ID:tLtFezUU0 [26/48]
(メ ФωФ)(まずは一匹・・・)
しかし、ロマネスクが片方の魔物を相手にしている間に、もう一匹の魔物が眼前まで迫っていた!
ザクシュ
魔物の鋭いトゲがロマネスクの左肩を貫いた!!
(メメФωФ)「がっはぁ!」
肩から血が噴出す。
(メメФωФ)「くっ・・・かはっ」
口から血が漏れる。
(メメФωФ)(あと一撃喰らえば・・・死ぬな)
121 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:37:01 ID:tLtFezUU0 [27/48]
(メメФωФ)「・・・・・・クックック」
なにがおかしいのか、シャブでもキメたのか、ロマネスクは笑い始めた。
(メメФωФ)「このような命の賭博、奪い合いこそが吾輩の求めていたもの!やはり樹海探索は止められん!」
大音声で叫び、ロマネスクは刀を動かした。
カチャリ
刀を眼の高さまで上げ、胴より下をがら空きにする、攻めの構え。
"上段の構え"である。
122 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:37:39 ID:tLtFezUU0 [28/48]
魔物ががら空きになった胴をめがけて飛びかかる!
(メメФωФ)「――――斬馬」
刀を、上段の構えから一気に振り下ろす。
高度をつけ、勢いのついた刀身は魔物の硬いトゲをも容易く切り裂いた。
(メメФωФ)(終わったか・・・・)
魔物の体は二つに両断され、少し痙攣した後動かなくなった。
ヨロッ
(メメФωФ)「ぐっ・・・がふっ・・・」
再びロマネスクの口から血が噴出す。
二つの傷口からも血が止まることなく溢れている。
123 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:37:55 ID:tLtFezUU0 [29/48]
(メメФωФ)(無念だが・・・一度・・・・・引く・・・である)
ロマネスクは刀を鞘にしまい、杖がわりにして倒れそうな体を支え、後ろに歩き始める。
(メメФωФ)(いかん・・・前が見え・・ん・・・・これでは・・まるで・・)
(メメФωФ)(あの時のよう・・・だ)
124 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:38:08 ID:tLtFezUU0 [30/48]
―樹海入り口―
ξ゚⊿゚)ξ「あっ、出てきたわよ!」
ザッザッザッ
(メメФωФ)
刀を杖に、体を引きずるようにして男が樹海から出てきた。
バタン
男が倒れる
( ^ω^)「しぃ!早く薬を!」
(*゚ー゚)「ええ!既に調合を始めています!」
125 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:38:29 ID:tLtFezUU0 [31/48]
(*゚ー゚)(刺突による傷口が二つ・・・また、胴への攻撃による内臓の損傷による吐血・・・)
(*゚ー゚)(処方すべきは・・・この薬品!)
しぃが薬を混ぜ合わせ、傷口にかけると、男の傷がみるみる回復した。
( ФωФ)「・・・・ここは」
男が眼を開ける。
( ^ω^)「ここは樹海の入り口だお。僕たちはギルドVIP。一人で樹海に向かったあなたが心配で待ってたんだお」
( ФωФ)「そうか・・・それはすまないである」
126 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:39:21 ID:tLtFezUU0 [32/48]
^ω^)「困ったときはお互い様だお。僕の名前はブーン、あなたは?」
( ФωФ)「ロマネスクと申す。世界樹を求めて、はるか東より来たブシド-だ」
ロマネスクと名乗った男は立ち上がり、ブーンたちに頭を下げた。
( ^ω^)「おっお!気にしなくて良いお!それより、ロマネスクは一人なのかお?一人で樹海に潜るのは危険だお」
( ФωФ)「ああそうであるな。吾輩の剣術であればいけると思ったのであるが、どうもあの樹海では通用しないようである」
( ^ω^)「そう。一人で樹海に潜るのが危険なら、仲間と行けば良いんだお」
( ^ω^)「というわけで、ロマネスク。僕たちのギルド『ギルドVIP』に入らないかお?」
127 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:40:47 ID:tLtFezUU0 [33/48]
( ФωФ)「・・・・・」
( ^ω^)「新米ギルドで知識も経験も実力も無いけれど、一人で冒険するより五人で冒険した方が楽に決まってるお」
( ФωФ)「・・・・・」
沈黙。
(; ^ω^)(うう・・・スカウトのこの瞬間は何度経験してもなれないお)
( ФωФ)(ギルド、か。久しく聞いていなかった言葉だ)
( ФωФ)(このような新米ギルドを見ると昔を思いだすである)
( ФωФ)(・・・・・これぐらいは許してくれるな?ハイン)
128 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:41:03 ID:tLtFezUU0 [34/48]
( ^ω^)「・・・駄目かお?」
( ФωФ)「・・・謹んでお受けいたす」
( ^ω^)「ありがとうだお!歓迎するお!」
ξ゚⊿゚)ξ「よろしく、ロマネスク。私はダークハンターのツン」
(*゚ー゚)「よろしくお願いします。ロマネスクさん。先程治療さしていただいた、メディックのしぃと申します」
( ФωФ)「よろしくである」
129 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:41:21 ID:tLtFezUU0 [35/48]
( ^ω^)「お?ドクオも挨拶するお」
('A`) (えっ、こんな厳ついオッサンに話しかけるなんてハードル高いって!ちょっ!)
( ^ω^)「ほら、早く」
('A`) 「・・・・は、ハヒュッ!アリュケミシトのドッドドド、ドクオれす!よ、よろしく!ふ、フヒヒ!!」
( ФωФ)
ξ゚⊿゚)ξ
(*゚ー゚)
( ^ω^)(あー、こっちのパターンで来たか)
130 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:41:35 ID:tLtFezUU0 [36/48]
そして、その日。
ギルドVIPが正式に結成され、ブーンは冒険者になった。
いよいよ、彼ら、『ギルドVIP』の冒険譚が幕を開ける。
彼らの行く末はどうなるのか、すべては世界樹のみぞ知る。
131 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:42:41 ID:tLtFezUU0 [37/48]
第四話投下終了。
AAミスが目立つ回でした。死にたい。
続きまして解説コーナーでございます。原作やってる人は見なくても良いです。
132 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:42:58 ID:tLtFezUU0 [38/48]
('A`) 「さて、オマケの解説コーナーだ」
('A`) 「物語が良い感じに進んできたのでそろそろ正式にいろいろと解説していこうと思う」
('A`) 「原作をやったことがある人には必要無いだろうが、作者がぜひ原作を知らない人にも分かるように、と言っているのでな」
('A`) 「というわけで、ドックンのドキ☆ドキ解説コーナーだ」
('A`) 「まずは恒例の職解説だな。チラッと最初の方ででた職の解説もしよう」
133 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:43:19 ID:tLtFezUU0 [39/48]
ブシドー
タイプ:前衛
紙装甲高火力職。殺るか殺られるか、そんな職。
素早さと力が抜きん出て高く、敵に先手を打って大ダメージを与えることができる。
しかし、その分防御力は低く強めの攻撃を喰らうと一撃で死んだりする。
スキルはさまざまなものを覚える、器用な職である。
属性攻撃・全体属性攻撃・即死攻撃・連続攻撃とより取り見取りなのだが、スキルの習得には『構え』というスキルを覚えなければならない。
炎属性攻撃スキルと、強力な連続攻撃スキル『ツバメ返し』の習得に関わる攻撃的な構え、『上段の構え』。
雷属性攻撃スキルと、腕封じ効果のあるスキル『小手打ち』の習得に関わる防御的な構え、『青眼の構え』。
氷属性攻撃スキルと、即死効果のあるスキル『首討ち』の習得に関わる変則的な構え、『居合いの構え』。
この構えを極めることでブシド-は真価を発揮するのである。
134 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:43:32 ID:tLtFezUU0 [40/48]
ソードマン
タイプ:前衛
いわゆる戦士。もっともポピュラーな職であり、バランスの取れた職である。
武器は剣と斧の二つを扱うことができ、剣を持つときは素早く、攻撃範囲が広い。斧を持つときは遅く、攻撃範囲が狭いが強力な一撃を繰り出すことができる。
剣は雑魚用、斧はボス用といった感じだろうか。
スキルも剣用と斧用で分かれており、剣スキルでは、旋風を起こして三体の敵に攻撃する『トルネード』。素早く駆けて複数の相手(2~4)を切り裂く『ハヤブサ駆け』などがある。
斧スキルでは、行動が最も遅くなる代わりに、力を込め、単体に強力な一撃を行う『パワーゲイン』。相手の頭を狙い、攻撃し、さらに中確立で頭封じ状態を付与する『ヘッドバッシュ』などがある。
また、味方が敵に属性攻撃をした時に、自分もその属性に合わせて追撃する『チェイス』スキルもソードマンの特徴である。
例えば『チェイスファイア』を発動すると、味方のアルケミストが敵に炎の術式を当てたとき、ソードマンもその敵に炎属性攻撃をするのである。
癖が無く、味方と協力できる剣士。それがソードマンである。
ハヤブサ駆けがあるのを思い出し、今更ブーンをソードマンにすべきだったのではないか?と作者は悩んだりしている。
135 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:43:48 ID:tLtFezUU0 [41/48]
レンジャー
タイプ:中衛
いわゆる狩人。弓の扱い得意とする。迷宮探索のプロであり、素早い身のこなしを誇る。
迷宮探索に役立つスキルが複数あり、敵とのエンカウント率を下げる『警戒歩行』や敵と遭遇したときの先制攻撃成功率を上げる『先制ブースト』、逆に敵に先制される確立を減らす『危険感知』などが役立つであろう。
戦闘スキルは弓を使った攻撃の他、華麗なステップで味方をサポートしてくれる。
弓スキルでは2回攻撃を行う『ダブルショット』や、上に向かって矢を放ち、3ターン後に矢を降らし大ダメージを与えるいわゆる時限爆弾スキル『サジタリウスの矢』などがある。
ステップスキルでは自身の回避率を上げつつ、敵の攻撃を自身にひきつける『チェインダンス』や、味方一人を最速行動にする非常に便利なスキル『アザーズステップ』などがある。
補助も攻撃も探索もできる便利な職・・・・なのだが、Ⅰに比べての明らかな弱体化と、残念ながらバグの餌食になり、人気は著しく低い。
>>97も言ってる通り、バグはベスト版なら修正されているのでそちらをどうぞ。
136 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:44:15 ID:tLtFezUU0 [42/48]
バード
タイプ:中衛
吟遊詩人。歌を歌って味方を鼓舞し、味方全体のステータスを強化する。
味方全体の攻撃力を上げる『猛き戦いの舞曲』や味方全体の防御力を上げる『聖なる守護の舞曲』などで味方をサポートする。
また、属性の強化もでき、味方一人の通常攻撃に火属性を付与する『火劇の序曲』、敵全体の炎属性耐性を下げ、味方全体の炎属性耐性を上げる『火幕の幻想曲』なども扱える。
後、全職の中で唯一所得経験値を増やすスキル『ホーリーギフト』を覚えることができる。
バードがパーティにいると、自分に有利な状況を作りだすことができるので、非常に有益である。
138 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:44:28 ID:tLtFezUU0 [43/48]
ドクトルマグス
タイプ:中衛
魔女やシャーマンのような格好をした、不思議な力を扱う職。
メディックには及ばないが回復スキルと、バードには及ばないが単体強化スキル、そして敵が状態異常のときに大きな効果を発揮する剣スキルを覚える。
単体よりも味方との連携で力を発揮するタイプといえる。
そこそこの攻撃力・そこそこの防御力・なかなかの素早さを持つ。他のゲームで言えば赤魔道師ポジション。
回復スキルはメディックとは違い、中級回復魔法までを覚えるが、蘇生スキルや最大回復スキルは使えない。が、メディックよりも迅速な行動が可能なので、ピンチの時の回復を行うことができる。
剣スキルでは、相手が眠り状態のときに大ダメージを与える『睡攻大斬』や、テラー状態の相手が対象の場合、与えたダメージに応じてHPを回復する『恐吸大斬』などがある。
単体強化スキルは攻撃力アップの『鬼力化』 、防御力アップの『皮硬化』、素早さアップの『駿足化』など一通りそろっており、単体のステータスを大きく上げることができる。
支援に特化するも良し、支援を受けて攻撃をするも良し、器用な職である。
139 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:44:48 ID:tLtFezUU0 [44/48]
('A`) 「では、職解説が終わったところで、RPGの基本、『ステータス』について解説していきたい」
('A`) 「世界樹の迷宮におけるステータスは七つ、以下のようになっている」
HP(体力)
TP(MP)
STR(物理攻撃力)
VIT(物理防御力)
TEC(属性攻撃力・属性防御力)
AGI(素早さ・命中率・回避率)
LUC(運)
('A`) 「()内の説明で大体分かるだろう。ツンなんかはSTR・AGIが高い、俺はTECやTPが高い、ブーンはHP・VITが高い」
('A`) 「それぞれの職によって上がりやすいステータスに差があるのだ」
('A`) 「LUCは確立に影響する。LUCが高ければ、クリティカルが出やすかったり、スキルの追加効果の発動率が上がったりする」
('A`) 「そんなところだ」
140 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:45:32 ID:tLtFezUU0 [45/48]
'A`) 「さて、ではいよいよ『スキル』についての解説だ」
('A`) 「職によって所得できるスキルは決まっており、スキルはSP(スキルポイント)をつかって覚えていく」
('A`) 「レベル1の時点でSPは3所得しており、それ以降レベルが1上がる度にSPが1手に入る」
('A`) 「つまり、レベル5になればSPは7ポイントあるわけだな」
('A`) 「スキルを使えるようにするためには、そのスキルの前提条件を満たしていることと、SPが振り分けられている必要がある」
('A`) 「例えば『火の術式』の前提条件は『炎マスタリー』という『マスタリースキル』に1SP振り分けている必要がある」
('A`) 「基本的にこの『マスタリースキル』が前提条件となる。パラディンなら『盾マスタリー』、ダークハンターなら『鞭マスタリー』といった具合だ」
('A`) 「そして、炎マスタリーに1SP振り分け、火の術式にもSPを振り分けることで『火の術式』を使えるようになるのだ」
チャラーン(スキルを覚えた音)
('A`) 「強力なスキル程前提条件が難しく、さまざまなスキルを所得していくことが必要となる」
141 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:47:27 ID:tLtFezUU0 [46/48]
('A`) 「また、スキルにはレベルがあり、そのスキルにSPを振り分けることで威力や効果を高めることができる」
('A`) 「先程『火の術式』を所得したな。今の段階では『火の術式』はレベル1だ」
('A`) 「これにさらにSPを割り振ることで、『火の術式』のレベルを上げることができる。1SPを振る毎に1レベル上がる」
チャラーン
('A`) 「これで火の術式の威力が上がった。まぁ消費TPも増えたが」
('A`) 「基本的にスキルのレベルの上限は10だ。10ポイント振れば、初期術式の『火の術式』でもかなりの威力になる」
('A`) 「どのスキルにSPを割り振っていくか、で冒険者の力量は激変する」
('A`) 「非常に重要なシステムだ」
142 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 17:47:53 ID:tLtFezUU0 [47/48]
('A`) 「以上で解説コーナーを終わる」
('A`) 「最後にひとつ」
(;A;) 「こういうオマケコーナーっていろんなAAが出てきてワイワイやるもんじゃねぇの?なんで俺一人なの?死ぬの?」
(;A;) 「それでは今度こそ終わりだ」
( ^ω^)が世界樹の迷宮を踏破するようです 5
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