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268 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 02:45:24.43 ID:5R/h8vuV0
第5部
ブーンは眩しい光に包まれた
それはブーンが今まで感じたことがないほどの明るさだった
(;^ω^)(ちょ、眩しすぎるお)
しかし、不思議とブーンの目に飛び込んでくる光からは優しさを感じた
ブーンは強烈な光に包まれているにもかかわらず目を開けている事ができた
( ^ω^)(なんだか暖かくて気持ちいいお・・・)
ブーンは光に包まれてから、今までの息苦しさがなくなり、
幼い日に感じた母に抱かれたぬくもりに近い暖かさが光から伝わってきた
276 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 02:49:46.78 ID:5R/h8vuV0
( ^ω^)「ポチ、どこに行ったんだお?」
ブーンは光だけの空間の中でポチを探した
「ワン!」
ポチの声が聞こえてきた
( ^ω^)「ポチー
そっちかおー」
ブーンはポチの声が聞こえる方へ歩いた
「フフフ・・・」
ブーンはふいに隣を誰かが笑いながら通り抜けていったように感じた
それは自分が知っている者である気がした
277 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 02:53:26.65 ID:5R/h8vuV0
( ^ω^)(・・・今の笑い声は聞き覚えがあるお)
「ワン!」
ポチの声に向かってブーンは歩き続けた
しかし、不思議とポチの姿は見えてこない
そもそも自分がどれくらい歩いたのか、この光に包まれた空間では分からないのだ
(;^ω^)「ちょ、ポチ
いい加減に出てきてくれおー」
ポチの声は自分のすぐそばから聞こえてくる
しかし、姿が見えないのだ
278 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 02:56:24.01 ID:5R/h8vuV0
「ハハハ・・・」
ブーンは再び自分の横を人影が通り抜けた感じがした
( ^ω^)(今のも僕の知ってる人だお)
姿は確認できなかったが、ブーンは自分が会った事がある人間だと直感した
( ^ω^)(ここは一体なんなんだお?)
ブーンはまるで宙を歩いているような感覚だった
283 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 03:21:57.37 ID:5R/h8vuV0
しばらくすると周囲よりも一層強烈な光のかたまりが近づいてきた
( ^ω^)(あの光のかたまりはなんだお?)
光のかたまりはブーンの目の前まで迫ってきた
(;^ω^)「ちょ、ぶつかるお!」
ブーンは光のかたまりに包まれた
(;^ω^)「おおお!」
ブーンの視界は強烈な光によって遮られた
291 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 03:41:30.57 ID:5R/h8vuV0
( ^ω^)(まぶしいお!)
ブーンは思わず目をつぶった
さきほどから相変わらず合唱のような音が聞こえてくる
どうもグレゴリオ聖歌のようであった
ブーンは何かの気配を感じた
それは今までに感じたことのないものであった
それが人間なのかどうかさえ分からない
「・・・」
誰かが頭の中に直接話しかけてくるような感じがした
しかし、なんと言ってるのかは分からなかった
しばらくすると光が弱まってきてように感じた
293 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 03:50:03.35 ID:5R/h8vuV0
「ワン!」
ふいに犬の鳴き声が聞こえた
ブーンは目を開けた
その瞬間、視界に入ってきたのは辺り一面に広がる鮮やかな黄緑色の野原だった
野原は地平線まで広がって、果てしなく続いているようだった
「ワン!」
ブーンの右下から再び犬の鳴き声が聞こえた
ブーンが下を向くと、そこにはポチが尻尾を振っていた
294 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 03:54:00.07 ID:5R/h8vuV0
( ^ω^)「ポチ・・・」
ブーンは突然の景色の変化に戸惑い、辺りを見渡した
空はどこまでも澄んだ薄水色で、小さな雲が浮かんでいた
雲は全く動いていないようだった
太陽は見当たらなかった
風は吹いていないようだ
ブーンは耳をすました
先ほどから続いている合唱が聞こえてくる
一体どこから聞こえてくるのかは分からなかった
不思議と騒音のような不快な音は全く聞こえなかった
300 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 04:06:42.41 ID:5R/h8vuV0
( ^ω^)「ポチ・・・
僕はどこへ向かえばいいお?」
U゚∀゚U「ワン!」
ポチは尻尾を振りながら、ブーンにじゃれてきた
( ^ω^)「ポチ・・・
どこまで一緒に行くお」
ブーンはしゃがみこんで、ポチの頭を撫でながらつぶやいた
( ^ω^)「ずっとずっと一緒だお」
302 : ◆WgwqLenSNM :2006/02/20(月) 04:18:22.20 ID:5R/h8vuV0
( ^ω^)「ポチ・・・
もう僕から離れたらだめだお」
U゚∀゚U「ワン!」
ポチは無邪気にブーンにじゃれ続けた
ブーンはしばらくその場でポチと寄り添いながら、一面に広がる野原を眺めた
( ^ω^)(なんてきれいな景色だお・・・
それにものすごく穏やかだお)
ポチはブーンにくっついて静かに座っていた
ブーンはまるで時が止まったかのように永遠の時間の中にいるように感じた
聞こえてくる合唱は絶え間なく変わり続け、今は賛美歌のようなものに変化していた
(ヽ゚ω゚)ブーンが精神病になったようです 第五部 第三十二話
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