548 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 21:09:36.86 ID:5R/h8vuV0
ERでは依然としてスタッフ達によるブーンの救命処置が続けられていた
( =゚ω゚)ノ( う~ん、もしかして薬の投与量を誤ったか?)
モニュは懸命にブーンを救おうとしているスタッフ達を尻目に考え事をしていた
( =゚ω゚)ノ( やはり、あの量では多すぎるということか・・・)
ξ゚⊿゚)ξ「患者の心拍数が再び低下!
危険域まで下がっています!」
('A`)「何だと!?」
ξ゚⊿゚)ξ「だめです!
低下が止まりません!
更に心拍数低下!」
(・∀・)「まずい!」
診療部長は上着のガウンを脱ぎ、白衣の袖をまくった
(*゚ー゚)「ブーン君!!」
しぃ看護婦長は体温が低くなってきたブーンの体を必死にさすった
555 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 21:15:31.31 ID:5R/h8vuV0
( =゚ω゚)ノ( おそらくもうこの患者はだめだな・・・)
モニュは周りの喧騒と異なり、冷静だった
医者たるもの、どのような事態に陥っても常に冷静沈着であるべきなのが、彼が学生時代に描いた
医師としての彼の理想像でもあったのだ
( =゚ω゚)ノ( 医療の発展には犠牲がつきものだ
この患者は医療の進歩に貢献してくれたのだ)
モニュは今までブーンに施してきた処置を振り返り始めた
どういった経緯で、このような結果に至ったかの因果関係を検証する必要があると思ったのだ
( =゚ω゚)ノ(研修医の俺にとって、経験は何よりの財産だ)
563 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 21:25:20.13 ID:5R/h8vuV0
そのころ、まことはうまいこと潜入できた第1病棟をさまよっていた
(-_-)(なんだか入れない所が多いなあ)
扉はどこも鍵が施錠されており、開けることができない
それはエレベーターも同じだった
(-_-)(困ったなー)
まことは途方に暮れかけた
すると、前方から何やらふらふらした看護婦が歩いてきた
血の気が引いているのか真っ青になっていた
(-_-)(あの看護婦、様子が変だぞ)
まことは看護婦の様子が普通でないことに違和感を感じた
566 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 21:29:01.91 ID:5R/h8vuV0
まことは看護婦に声をかけた
(-_-)「おねえさん、どうしたの?
なんだかすごい具合が悪そうだよ」
看護婦「え・・・?
そ、そうかしら?」
(-_-)「うん
何かふらふらしてるし、顔も真っ青だよ
何かあったの?」
看護婦はまことの言葉を聞いてどきりとした様子だった
看護婦「そ、そんなことないよ」
633 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 23:55:02.96 ID:5R/h8vuV0
看護婦はまことから目をそらした
(-_-)「なんかあやしいな・・・
隠し事でもしてるの?」
看護婦「何もないよ!
こんなところをふらふらしていないで早く部屋に戻って休みなさい!」
(-_-)「そんな怒鳴らなくても・・・
あ、もしかして何か仕事でミスでもしちゃった?」
看護婦「早く戻りなさい!」
(-_-)「ちょ、怒らないでよ
もう行くからさあ」
37 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/20(月) 23:58:11.53 ID:5R/h8vuV0
明らかに看護婦の態度はおかしかった
まことは廊下を進むふりをして、そばの階段に隠れた
(-_-)(あの看護婦絶対何か隠している)
まことはあの看護婦に対して好奇心が芽生えたのだ
看護婦はまことが自分の病室へ向かったと思い、そのまま今まで向かっていた方へ歩いていった
(-_-)(あとをつけよう)
まことは見失わない程度に看護婦から距離を置いてつけた
641 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/21(火) 00:02:34.94 ID:N4axcDSu0
看護婦はしばらく歩くと、ある扉の前で止まった
扉の上には赤いランプが点灯していた
(-_-)(なんだあそこ?
なんでランプなんかついているんだ
なんかテレビで見た手術室みたいだなあ)
その扉は第1病棟の出入り口のそばにあった
何か緊急の事態が外で起きても、すぐに来れるほどの距離である
看護婦は扉の前をうろうろしていた
(-_-)(さては、あそこに何かあるな・・)
まことは直感で、看護婦のおかしな様子とあの部屋が関係していると感じた
922 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/22(水) 00:19:40.85 ID:CxJBKaQV0
看護婦は扉の前をうろうろするだけで、中に入ろうとしない
(-_-)(やっぱりあやしい・・・)
まことが柱に隠れていると、後ろから誰かが走ってくる音がした
(-_-)「おっと」
まことは見つからないように柱の影に隠れた
柱を通り過ぎた人物は男のようである
看護婦「あ、モナー看護士長、お疲れ政です」
看護婦が男に向かって挨拶をした
( ´∀`)「はあはあ
お疲れ様」
看護婦が挨拶をしたのはモナー看護士長と呼ばれる男のようだ
(-_-)(この病院の幹部かな?)
925 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/22(水) 00:23:18.98 ID:CxJBKaQV0
( ´∀`)「君はERの前で何をしているんだい?」
看護婦「いえ、その・・・」
看護婦は歯切れが悪かった
( ´∀`)「今、ここでは一刻の事態を争う患者の救命処置が行われているんだ
あまり近づかない方がいいよ」
看護婦「・・・はい、知っています」
( ´∀`)「じゃあ、早く君は自分の担当の仕事に戻って」
看護婦「看護士長
あの、私・・・」
看護婦は何かを看護士長に伝えようとしているみたいだが、言葉が途切れる
931 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/22(水) 00:28:03.53 ID:CxJBKaQV0
( ´∀`)「ん?
どうかしたの?」
看護婦「実はここの患者さんなんですが・・・」
( ´∀`)「ブーン君がどうかしたの?」
看護婦「それが・・・その・・・」
( ´∀`)「何かあるなら後で聞くよ
さっきね、今日は非番の救急科担当の流石先生を電話で呼んできたんだ」
看護士長は急いでいるようだった
看護婦「・・・わかりました」
看護士長はERの扉を開け、中に入っていった
扉が開いた時、中から騒がしい声が聞こえてきた
940 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/22(水) 00:32:31.08 ID:CxJBKaQV0
(-_-)(あそこがERか!)
まことは初めて、自分の探していたERが目の前の部屋であることが分かった
(-_-)(あそこにしぃさんがいるのか・・・)
そういえば、さっきの看護士長と呼ばれる男がERに入る時に
かすかにしぃの声を聞いたような気がした
(-_-)(間違いなくしぃさんはあそこにいるな)
まことはしぃがERにいることを確信した
看護婦「・・・」
看護婦は看護士長がERに入った後も、落ち着かない様子で扉の前をうろうろしていた
948 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/22(水) 00:37:27.09 ID:CxJBKaQV0
しばらくするとERの扉が開いた
( =゚ω゚)ノ「ん?
君は!」
看護婦「モニュ先生・・・」
( =゚ω゚)ノ「こんなところで何をしているんだ!
邪魔になるから君は自分の持ち場に戻りなさい!」
モニュと呼ばれる男は看護婦に向かって怒鳴った
看護婦「先生・・・
患者さんが危篤に陥った原因はもしかして・・・」
( =゚ω゚)ノ「君はそんなことを考える必要はない
君は医者ではなく、看護師なんだ」
看護婦「・・・はい」
964 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/22(水) 00:42:52.58 ID:CxJBKaQV0
( =゚ω゚)ノ「僕は今から薬剤課長に会いにいかないといけないんだ
邪魔だから早く戻れ!」
看護婦「・・・はい」
看護婦に向かって男はそう言うと、第1病棟の正面出入口の鍵をカードで開き、出て行った
(-_-)(アイツ・・・
看護婦の変な態度と何か関係あるな・・・)
まことはそのように推測した
看護婦はまことの隠れている柱の方に向かって歩き出した
それは、看護婦がERに来る前に歩いてきたほうである
975 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/22(水) 00:53:57.84 ID:CxJBKaQV0
看護婦はまことの隠れている柱を通り抜け、奥へと進んでいった
(-_-)(ERは入れそうもないな・・・
あの看護婦から何か調べる方が面白そうだ)
まことは、看護婦が何か重大な内容の事柄を隠していると思い、秘密を暴くことに快感を感じた
(-_-)(これは楽しそうだぞ
ククク・・・)
まことの心の中で十代特有の嗜虐性が顔をのぞかせ始めた
(-_-)(さて、どんな事を隠してるんだ、あの女・・・)
まことは引き続き、看護婦にばれないように密かに後をつけた
(ヽ゚ω゚)ブーンが精神病になったようです 第五部 第三十四話
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