3 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 22:06:06.27 ID:CxWRquD0Q
~~~~~
( ФωФ)
ζ(゚ー゚*ζ「ロマー」
( ФωФ) ニャアン
ζ(゚ー゚*ζ「あ、いたいた」
( ФωФ) ニァン
ζ(゚ー゚*ζ「ふふ、今日も可愛いねえ」
( ФωФ) ニァー
ζ(゚ー゚*ζ「ロマは何て可愛い猫ちゃんなんだろう」
( ФωФ) ニャッ!!
~~~~~
5 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 22:08:32.16 ID:CxWRquD0Q
~~~~~
( ФωФ)
ξ゚⊿゚)ξ「ロマー」
( ФωФ) ワン
ξ*゚⊿゚)ξ「あ、いたいた」
( ФωФ) ワフン
ξ*゚ー゚)ξ「ふふ、今日も可愛いわね」
( ФωФ) ワンワン
ξ*゚⊿゚)ξ「ロマは何て可愛いワンコなのかしら」
( ФωФ) ワンッ!!
~~~~~
6 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 22:11:50.14 ID:CxWRquD0Q
~~~~~
( ФωФ)
( ^ω^)「ロマー」
( ФωФ) チュン
( ^ω^)「おん、いたいた」
( ФωФ) ピチチ
(*^ω^)「おっおっ、今日も可愛いお」
( ФωФ) ピチュン
(*^ω^)「ロマは何て可愛い小鳥なんだお」
( ФωФ) チュンッ!!
~~~~~
8 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 22:20:38.25 ID:CxWRquD0Q
('A`)「おう、ロマ」
( ФωФ)「む。ドクオか」
('A`)「どうだった、あの3人」
( ФωФ)「今日も我輩を動物と勘違いしていたのである」
('A`)「そっか……」
('A`)「……それにしても」
('A`)「見てて悲しくなるな、ガキの前で這い蹲る大柄なオッサンってのは」
( ФωФ)「言うな」
( ФωФ)いつでも変われるようです
10 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 22:31:22.24 ID:CxWRquD0Q
~1年前~
( ФωФ)『人間を人間と認識出来ない?』
(´・ω・`)『らしい』
( ФωФ)『所長、よく分からないのであるが』
(´・ω・`)『僕も分からないよ。
ああ、正しくは、大人の男を人間として見られないそうだ。
まあ、世の中には色々あるのさ』
(;ФωФ)『ふむ……それで……その子供が、この研究所に預けられたと?』
(´・ω・`)『うん。世話は君に任せようと思う』
(;ФωФ)『は?』
(´・ω・`)『研究は僕らがやる。君は彼らと交流を持つ……というより、
彼らの「ペット」として仲良くやってあげてほしい』
(;∩ω )クラァッ
(´・ω・`)『どうした?』
(;∩ω )『目眩が……』
13 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 22:39:37.30 ID:CxWRquD0Q
(´・ω・`)『君ドMなんでしょ、ぴったりじゃない』
( ФωФ)
(´・ω・`)『副所長が言ってたよ』
壁|'∀`)『お前SM系のAV持ってたじゃんwwwww』
(#ФωФ)『ドォクオォオオオオオオオオ!!』
(´・ω・`)『でかい声出すな掘るぞ』
( ФωФ)
壁|'A`)
(´・ω・`)『さ、おいで。杉浦ロマネスク。君を彼らに紹介しなければいけない』
( ФωФ)(お前いつか全裸にして所長に差し出してやるである)
壁|'A`)(ごめんなさい勘弁して下さい)
~~~~~
16 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 22:47:40.52 ID:CxWRquD0Q
ノパ⊿゚)『所長が子供達と話すと、子供が「ゴリラが喋った」って泣き喚くからな。
私が紹介するぞ!』
( ФωФ)『む、ヒートか』
('A`)『大人の女なら人間と認識するのか?』
ノパ⊿゚)『そうだ! どうやら、本当に成人男性にのみ限定されているらしいぞ』
( ФωФ)『一体何故……』
ノパ⊿゚)『それを調べるんじゃないか。――さ、ここが1人目の部屋だ』
コンコン
『はーい』
ノパ⊿゚)『私だ! 入るぞ!』
『ヒートさん? どうぞー』
18 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 22:56:31.99 ID:CxWRquD0Q
ガチャッ
ノパ⊿゚)『おっす!』
ζ(゚ー゚*ζ『こんにちはー』
( ФωФ)(小学……3、4年くらいか?)
('A`)(超可愛い)
ζ(゚ー゚*ζ
ζ(゚д゚*ζ
ノパ⊿゚)『ん? どうし――』
ζ(;д;*ζ『でっかいゴキブリィイイイイイイイイ!!!!!』
ノハ;゚⊿゚)『ゴッ、ゴキ……!?』
('∀`)『はははwwwおいロマ、お前ゴキブリだってよwwwwwwwwww』
ζ(;д;*ζ『ゴキブリが喋ったぁああああああああああああああああああああ!!』
('∀`)
('A`)『え、俺?』
21 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 23:05:06.64 ID:CxWRquD0Q
ζ(;д;*ζ『ひゃああああああああああああああああああ!!』
ノハ;゚⊿゚)『で、でやっ!』
パコン
(;'A`)『ちょっ、何でスリッパで殴っ……痛っ、痛い痛い!!』
ノハ;゚⊿゚)『ほーら、ゴキブリは退治したぞ!!』
(#メ)A(#)
ζ(;д;*ζ ガタガタブルブル
ノハ;゚⊿゚)『……えっと……あ、ああー……ロマ、この子は出連デレというんだ』
(;ФωФ)『むう……』
ζ(;д;*ζ
ζ(;、;*ζ『……可愛い……』
ノハ;゚⊿゚)『へ?』
ζ(ぅ、;*ζ『にゃんこ、可愛い』
22 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 23:10:54.51 ID:CxWRquD0Q
ノハ;゚⊿゚)『にゃんこ……ロマのことか?』
ζ(゚、゚*ζ『ロマっていうの? ロマ、おいで』
(;ФωФ)『む……』
ノパ⊿゚)『ロマ、喋っちゃ駄目だぞ。
デレにとっちゃ、お前は猫なんだから』
(;ФωФ)
(;ФωФ)『……に゙ゃん』
(#メ)A(#)(泣き声がゴツいwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)
ζ(゚ー゚*ζ『すごぉい、ロマ、二足歩行出来るんだ!』
ノパ⊿゚)『おらっ、四つん這いになれや!』
(;ФωФ)『ぐうぅぅううう……!!』
24 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 23:19:58.44 ID:CxWRquD0Q
ζ(゚ー゚*ζ『よしよし』
ナデナデ
(;ФωФ)⊂ζ(゚ー゚*ζ
ノパ⊿゚)『……デレ、ロマはお前のペットになるからな』
ζ(゚ー゚*ζ『本当!? 一緒に暮らすの!?』
ノパ⊿゚)『んーっと……いつも一緒ってわけにはいかない。
毎日決まった時間に、この部屋に遊びに来るよ』
ζ(゚ー゚*ζ『やったあ! ロマー』
(;ФωФ)『に゙ぁあん』
(#メ)A(#)『鳴き声wwwww完全にwwwwwおっさんwwwwwwwwww』
ζ(;д;*ζ『ゴキブリ生きてたぁあ!!』
ノハ#゚⊿゚)『でやっ! でやっ!!』
(#メ)A(#)『あ、ごめんなさっ、あっ』
パコン ガツッ ギャリギャリギャリ
~~~~~
29 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 23:29:08.40 ID:CxWRquD0Q
ノパ⊿゚)『――この子は出連ツン。デレの双子の姉だ』
ξ゚⊿゚)ξ
(ФωФ;)rz ←四つん這い
(;ФωФ)『……にゃん』
ξ゚⊿゚)ξ『この犬、猫みたいに鳴くのね』
ノハ;゚⊿゚)『い、犬?』
(;ФωФ)『わ、わん! わん!!』
('A`)『双子でも、見える動物の種類は違うのか』
ξ;⊿;)ξ『きゃああああああああ大きいゴキブリが喋ったぁああああああああ!!』
('A`)
~~~~~
33 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 23:38:35.74 ID:CxWRquD0Q
ノパ⊿゚)『この子で最後。内藤ホライゾン』
ヾ(*^ω^)ノシ『僕のことはブーンって呼んでほしいおー』
ノパ⊿゚)『そうだったな、ブーン』
(*^ω^)『おっおー』
( ФωФ)(ツンとデレより、1つか2つほど幼いようであるな)
(ФωФ )rz ←慣れた
ノパ⊿゚)『さて、ブーン。こいつは何だ?』
(*^ω^)『! 可愛い小鳥だおー!』
(;ФωФ)(小鳥!?)
('A`)『180cmオーバーの小鳥wwwww』
( ;ω;)『わあああああ! おっきいゴキブリがぁあああああああああ!!』
('A`)
~~~~~
36 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 23:47:34.16 ID:CxWRquD0Q
(´・ω・`)『妙だな』
( ФωФ)『妙というと?』
(´・ω・`)『彼らの認識は、全て統一されていた。
たとえば3人共ドクオのことをゴキブリだと言ったんだろう?』
('A`) シニタイ
ノパ⊿゚)『流石兄弟はアメーバだったな!』
('A`)(うわ俺より酷い奴いたのか)
(´・ω・`)『そして僕はゴリラ。酷いよね、こんなダンディなイケメンなのに』
( ФωФ)(悔しいが否定出来ない)
('A`)(顔だけは良いからな所長)
(´・ω・`)『なのに、君だけはバラバラだ。
犬、猫、鳥……何故だろう』
38 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/09(日) 23:54:33.74 ID:CxWRquD0Q
ノパ⊿゚)『まあ、それは研究していけば分かる!』
(´・ω・`)『たしかにね。――とにかく、ロマネスク君』
( ФωФ)『はい』
(´・ω・`)『これから、動物になりきる訓練をしよう』
( ФωФ)
~~~~~
41 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 00:01:52.26 ID:Z/TMX+OkQ
~~~~~
(´゚ω゚`)『オラァ!! もっとやわらかに! しなやかに!
媚びずに気高く! たまにデレて!』
(;ФωФ)『にゃん! にゃん!』
(´゚ω゚`)『そんなもんじゃねえよぉおおおおお!
俺の股間の猫じゃらしでじゃらされてえのかぁあああああああああ!!』
~~~~~
(´゚ω゚`)『もっと馬鹿っぽく! 息を荒げて! 媚びて甘えて、それでいて頼もしく!!』
(;ФωФ)『わん! わん!』
(´゚ω゚`)『俺の股間のほねっこをしゃぶらせてやろうかぁあああああああああ!!』
~~~~~
(´゚ω゚`)『飛べやぁああああああああああああああああああああああああああ!!』
(#ФωФ)『それは流石に無理だろうがぁあああああああああああああああ!!』
~~~~~
48 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 00:10:39.51 ID:Z/TMX+OkQ
('A`)「――懐かしいなあ。一ヶ月で会得したんだっけか」
( ФωФ)「あれが、たった1年前の出来事であるから恐ろしい。
もうすっかり慣れてしまったである」
('A`)「はは、最近は名物だよな、お前も」
( ФωФ)「名物?」
('A`)「部屋にカメラ付けてるだろ。
それで撮ったお前の奇行を見て、所員一同大爆笑」
( ФωФ)「仕事しろ」
('A`)「『上』に研究の報告をするときも、資料として映像を見せてるんだが」
( ФωФ)「あーあー」
('A`)「大変楽しんでいただけている」
( ФωФ)「あーあー。この研究所爆破させよっかなー」
52 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 00:20:06.10 ID:Z/TMX+OkQ
('A`)「んで、これからの予定は?」
( ФωФ)「今日はもう何も無いである」
ノパ⊿゚)「ロマー!」
( ФωФ)「む?」
ノパ⊿゚)「所長が呼んでるぞ」
( ФωФ)「うむ、分かった」
('A`)「ヒート、一緒に飯食わない?」
ノパ⊿゚)「ははは」
('A`)「うわあ愛想笑いで流された」
~~~~~
( ФωФ)「失礼するである」
(´・ω・`)「ああ、うん、その辺に座って」
55 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 00:27:07.83 ID:Z/TMX+OkQ
ギシリ
( ФωФ)「……」
(´・ω・`)「悪いね、書類をまとめながら話させてもらうよ」カリカリ
( ФωФ)「構わないである。所長は一番忙しいのですから」
(´・ω・`)「助かるよ。
――彼らに何か変化は?」
( ФωФ)「我輩が見ている分には、特に無いように思われました」
(´・ω・`)「そうか。……ええと、ホッチキス、ホッチキス」
( ФωФ)「右腕の陰に」
(´・ω・`)「ああ、ありがとう」パチン
( ФωФ)「……」
(´・ω・`)「――昨日、ね」
( ФωФ)「はい」
59 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 00:39:15.91 ID:Z/TMX+OkQ
(´・ω・`)「彼らの心身の状態を全て調べ終えた」
( ФωФ)「やっとであるか」
(´・ω・`)「どの臓器にも心にも、異常は無い。脳にもだ」
( ФωФ)「……生い立ちも、至って普通」
(´・ω・`)「ああ。一般家庭で普通に育てられた。
虐待は無いし、家族の中に異常者もいない。
通っている学校にも問題は無かった」
( ФωФ)「……」
(´・ω・`)「かといって、彼ら――子供達が嘘をついているわけでもない」
( ФωФ)「それじゃあ」
(´・ω・`)「未知の病気か何かなのかもね」
( ФωФ)「病気……」
61 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 00:45:42.15 ID:Z/TMX+OkQ
(´・ω・`)「さらに調べていかなければならない。
――病気だとするなら、それは伝染するのか、とか」
( ФωФ)「……」
(´・ω・`)「君自身に、何か異常は?」
( ФωФ)「無いである」
(´・ω・`)「今は潜伏期間かもしれない」
( ФωФ)「……その可能性は、あるであろう」
(´・ω・`)「恐いかい」
( ФωФ)
(´・ω・`)「恐いなら、『ペット』をやめてもいいよ」
( ФωФ)
(´・ω・`)「ただ――『ペット』をやめるにしろ続けるにしろ、
君は、我々から隔離する必要がある」
( ФωФ)「感染、している恐れがあるから」
(´・ω・`)「ああ。……ごめんよ」
63 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 00:55:39.48 ID:Z/TMX+OkQ
( ФωФ)「……」
( ФωФ)「我輩は、彼らのペットを続けるである」
(´・ω・`)「……そうか」
(´・ω・`)「――そういうわけだ。今日から、君には研究所内の一室で暮らしてもらう」
( ФωФ)「これまでと大して違わないである」
(´・ω・`)「はは、たしかにね」
~~~~~
(0□0)「――ロマ、起きてるか。デレの部屋に行く時間だ」
( ФωФ)「誰だお前」
(0□0)「ゴキブリです」
( ФωФ)「……ドクオか!」
(0□0)「もし感染するなら、今更こんなんしても無駄だっつーのにな。
一応、念のためにって所長が」
67 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 01:05:12.29 ID:Z/TMX+OkQ
ノハ0□0)「ゴーグル! マスク! 手袋! 防護服! 完全防備!」
( ФωФ)「お前は……ヒートか。……ま、待て、何をする」
ノハ0□0)「飛沫感染防止! マスク着けろ!」
(;Ф□Ф)「むう……」
(0□0)「行くぞー。……ああ動きづれえ」
~~~~~
ζ(゚ー゚*ζ「ロマ!」
ニャン(ФωФ )rz
ζ(゚ー゚*ζ「よしよし」
( ФωФ)ゴロロ
ζ(゚、゚*ζ「……聞いてよ、ロマ」
( ФωФ)ニャン?
72 名前:>>70地味に訂正 ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 01:18:15.28 ID:Z/TMX+OkQ
ζ(゚、゚*ζ「今日から、診察の時間が増えるんだって」
( ФωФ)ニャッ
ζ(゚、゚*ζ「やだなあ。楽しくないし、たまに痛いこともするの。
そもそも、私は元気だと思うんだけどなあ」
( ФωФ)ニャア…
ζ(゚、゚*ζ「……お家に、帰りたいなあ……」
( ФωФ)…
ζ(゚、゚*ζ「お母さん達、最近は会いに来る日がバラバラなの。
ここに入りたての頃は、殆ど毎日来てくれてたのに。
……ツンちゃんは一度も来なかったけどね」
( ФωФ)(……)
ζ(゚、゚*ζ「……」
ζ(゚ー゚*ζ「でも、ロマが居るから、寂しくないよ」
77 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 01:25:27.32 ID:Z/TMX+OkQ
( ФωФ)…ニャアン
ζ(^ー^*ζ「私が元気になって、お家に帰れるようになったら……。
ロマも、連れて帰りたいなあ」
( ФωФ)ニャ…
( ФωФ)(――君が、治ったら)
( ФωФ)(『ロマ』は、いなくなってしまうであるよ。……デレ)
~~~~~
ξ゚⊿゚)ξ「やだなあ」
( ФωФ)ワフン
ξ゚⊿゚)ξ「早く、家に帰りたい」
( ФωФ)ワンワワン
ξ゚⊿゚)ξ「……」
81 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 01:33:25.24 ID:Z/TMX+OkQ
ξ゚⊿゚)ξ「でも、ロマと離れちゃうのも嫌だな」
( ФωФ)ワン!
ξ*゚ー゚)ξ「ふふ」
( ФωФ)ハッハッ
ξ*゚ー゚)ξ「ロマ、連れて帰れるかなあ。お願いしてみよう」
( ФωФ)クゥーン…
ξ*゚⊿゚)ξ「……ロマー、お手!」
( ФωФ)∩ ワフン!
ξ*^ー^)ξ「えらいえらい」
( ФωФ)キューンキューン
( ФωФ)キューン…
~~~~~
82 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 01:42:00.77 ID:Z/TMX+OkQ
( ^ω^)「僕の病気、いつ治るのかおー……」
( ФωФ)ピチチ
( ^ω^)「……でも、僕よりも、ロマに治ってほしいお」
( ФωФ)チュン
( ^ω^)「それで、早く飛べるようになればいいおね」
( ФωФ)…ピチュン
(*^ω^)「おっおっ。ロマ、よしよし」
( ФωФ)ピチチチ
( ФωФ)ピチチ…
~~~~~
85 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 01:49:58.29 ID:Z/TMX+OkQ
( ФωФ)(――彼らは、自分がどんな病気なのか知らない)
( ФωФ)(もし、全てを知ってしまったら)
( ФωФ)(彼らはどう思うのであろう)
( ФωФ)(我輩が、猫でもなく、犬でもなく、鳥でもないと知ったら)
( ФωФ)(……ショックを受けるだろうか。
騙されたと思うだろうか)
( ФωФ)(……)
( ФωФ)(彼らは優しい子だ)
( ФωФ)(我輩の心情を考えて……自分を責めてしまうかもしれない)
( ФωФ)(――どうしたら、何もかも丸く収まるのであろうか)
~~~~~
88 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 02:02:30.52 ID:Z/TMX+OkQ
(´・ω・`)「あれから一週間が過ぎたわけだけれども」
( ´_ゝ`)「いやはや、まーったく研究が進みませんな」
(´<_` )「病原体らしきものも見付からない」
ノパ⊿゚)「ロマも調べたけど、やっぱり何もおかしいところは無いぞ!」
('A`)「……まあ、満足に、充分な調査が出来てるとも言えないわけだけども」
(-@∀@)「……彼らが、死体なら……遠慮無く調べ尽くせるんだが」
川 ゚ -゚)「……生かすことを考えると、どうにも……」
( ゚∋゚)「……」
~~~~~
91 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 02:13:58.44 ID:Z/TMX+OkQ
( ФωФ)「随分物騒なことになってきたであるな」
(0□0)「勿論、今すぐ殺す気なんか無い。
が、『上』から命令されたらどうなるかね」
( ФωФ)「……酷い話である」
(0□0)「情けをかけるなよ。
もし感染する病気なら、ここで、ちゃんと対策も調べないとならないんだから。
いざってときには……やっぱり、やむを得ないだろ」
( ФωФ)「分かっているである」
( ФωФ)「――分かっているであるよ」
~~~~~
92 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 02:22:38.63 ID:Z/TMX+OkQ
ζ(゚ー゚*ζ「ロマー」
( ФωФ)ニャアン
ζ(゚ー゚*ζ「うふふ」
ζ(゚ー゚*ζ「私ね、猫が大好きなの」
ζ(゚ー゚*ζ「ツンちゃんみたい。ツンツンしてるけど、優しくて。
照れ屋さんで……」
( ФωФ)ニァ…
ζ(゚ー゚*ζ「だから、猫、好きだよ。
可愛い」
ナデナデ
( ФωФ)⊂ζ(゚ー゚*ζ
ζ(゚ー゚*ζ「ツンちゃんに会いたいな」
ζ(゚ー゚*ζ「ツンちゃんと、ロマと、一緒に遊べたら……すっごく楽しいだろうなあ」
93 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 02:28:50.11 ID:Z/TMX+OkQ
~~~~~
ξ゚⊿゚)ξ「ロマ」
( ФωФ)ワワン
ξ゚ー゚)ξ「よしよし」
( ФωФ)キュンキュン
ξ゚⊿゚)ξ「……私、犬を飼いたいと思ってたの」
( ФωФ)キュン?
ξ゚ー゚)ξ「デレみたいなんだもの。甘えん坊で、頭が良くって。
それで、傍に居ると安心するの」
ξ゚⊿゚)ξ「犬、大好き。だからロマも大好き」
( ФωФ)クゥン
ξ゚ー゚)ξ「デレも一緒だったら良かったのに」
95 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 02:39:20.84 ID:Z/TMX+OkQ
~~~~~
(*^ω^)「ロマ!」
( ФωФ)チュチュン
(*^ω^)「おっおーやっぱり、鳥って良いおー」
( ФωФ)チュン?
(*^ω^)「僕も、鳥みたいになりたいお」
(*^ω^)「空を飛んでみたいお」
(*^ω^)「ロマも、いつか飛べるんだおね。
羨ましいおー」
( ФωФ)ピチュ
(*^ω^)「おっおん」
~~~~~
96 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 02:48:32.25 ID:Z/TMX+OkQ
(0□0)「ははあ、それぞれの好きな動物に見えてるってわけか」
( ФωФ)「うむ」
ノハ0□0)「ってことは、心理的な部分に大きく関わっているな!」
( ФωФ)「……そういうことになるであるな」
(0□0)「所長に言っておく」
( ФωФ)「頼んだである」
ノハ0□0)「――それでな、ロマ」
( ФωФ)「何であるか?」
ノハ0□0)「今朝。デレが……」
( ФωФ)「……デレが?」
ノハ0□0)「――姉さんを、『ハムスター』だと言った」
( ФωФ)「……クールを……」
98 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 02:56:37.61 ID:Z/TMX+OkQ
( ФωФ)「だが、クールは女性であろう」
(0□0)「まあ、あいつを男と判断する奴はいないよな」
ノハ0□0)「……なのに、デレには姉さんが動物に見えた」
( ФωФ)「それは――」
(0□0)「――悪化してるってこった」
( ФωФ)「……!」
ノハ0□0)「昨日までは、ちゃんと姉さんを人間だと認識していた」
(0□0)「だが、今朝……急に、クールを動物だと言い始めた」
(0□0)「早く手を打たないと、いつか、周囲の人間が全て――
――……いや、最悪の場合は自分さえも」
(;∩ω )「……っ」
~~~~~
101 名前: ◆EpvQephXIa3b [ひぃ、ちょっと寝てた] 投稿日:2011/01/10(月) 03:30:43.74 ID:tJQXL3B2Q
ζ(゚、゚*ζ「変だよ。ロマ」
( ФωФ)
ζ(゚、゚*ζ「最近ね、この部屋の前を、動物がたくさん通っていくの」
ζ(゚、゚*ζ「あれかな、アニマルセラピー? とかいうの、やるのかな」
ζ(゚、゚*ζ「それと、ヒートさんが来てくれないんだ」
ζ(゚、゚*ζ「あ、そうそう。昨日オウムが部屋の中に入ってきたんだけどね、
そのオウム、ヒートさんの物真似が上手だったなあ」
( ФωФ)
ζ(゚、゚*ζ「……ロマ、今日は静かだね」
( ФωФ)…ニャ
ζ(゚、゚*ζ「――最近、あんまり人を見ないなあ……」
103 名前: ◆EpvQephXIa3b [ひぃ、ちょっと寝てた] 投稿日:2011/01/10(月) 03:42:11.33 ID:tJQXL3B2Q
(0□0)「デレも、ツンも、ブーンも。
ここ一週間で、だいぶ進行しちまった」
( ФωФ)「……」
(0□0)「もう殆どの職員が動物に見えてるみたいだ」
ノハ0□0)「――『上』から、ついに言われた」
( ФωФ)「……何を」
ノハ0□0)「……分かるだろ」
(0□0)「まずは、デレとツンのどちらかを『充分に調べられる状態』にする」
(0□0)「それから――場合によっては、ブーンも」
( +ω+)「……」
(0□0)「……やらなきゃいけないんだ」
105 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 03:56:39.44 ID:tJQXL3B2Q
( +ω+)「……ツンとデレ、どちらが選ばれるのだ」
(0□0)「恐らくは、進行が特に速かったデレ」
ノハ0□0)「だけど、デレとブーンから何も得られなかったら、多分……ツンも」
( +ω+)
(0□0)「……実はな、国内で、同じ症状の奴らが次々現れ始めた」
(0□0)「全て子供だ。ブーン達と何の関係も無い子ばかり」
ノハ0□0)「人から人へ感染することは無さそうだ」
(0□0)「さらに言うなら、大人は罹らない。……まだ確定してないが」
( +ω+)
(0□0)「……ロマ……」
( +ω+)「……分かったである」
107 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 04:05:10.17 ID:tJQXL3B2Q
( +ω+)
「――いやああああああああ!」
( ФωФ)
(0□0)「何だ?」
ノハ0□0)「悲鳴か!?」
( ФωФ)「デレ」
ノハ0□0)「は――」
ガチャッ バタバタ…
~~~~~
109 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 04:12:29.21 ID:tJQXL3B2Q
ζ(;д;*ζ「やだ! やだあ! 何で! 何で!!」
(;-@∀@)「ああ、もう! 勝手に部屋を出るなと――」
ζ(;д;*ζ「ひあっ、きゃう、あ、ああ!! 来ないでえっ!!」
川;゚ -゚)「アサピー、デレにはお前が虎に見えるんだ! 近付くな!!」
ζ(;д;*ζ「何でえ! 何で人間がいないの! 恐いよお!
誰か、誰かあっ!!」
(;゚∋゚)「む――」
ζ(;д;*ζ「ひっ、い、いやあああ!!」
(;´_ゝ`)「クックルは何だった?」
(´<_`;)「たしか馬鹿デカい百足!」
(;´_ゝ`)「化けもんサイズの百足にアメーバ、さらに虎か!
おまけに人語を話すときた」
(´<_`;)「そりゃあパニックにもなるわな――くっそ、どうする!」
112 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 04:27:04.99 ID:tJQXL3B2Q
川;゚ -゚)「とにかく職員は全員離れろ!
一部を除いて、大多数がロクなもんに見えてないんだ!」
(;-@∀@)「畜生、さっさと本人に病気のことを教えてりゃ、こんなことには……」
ζ(;д;*ζ「あああああ! 誰か来てえっ! ヒートさん、クールさん!!」
ζ(;д;*ζ「――ロマァ……」
コツン
( ФωФ)「……何事であるか」
(;-@∀@)「ロマネスクさん!」
ζ(;д;*ζ「……あ……?」
川;゚ -゚)「デレが部屋を出てきてしまって」
( ФωФ)「ふむ。それは大変であったな」
ζ(;д;*ζ「ロマ、ロマ」
( ФωФ)「……」
114 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 04:34:32.04 ID:tJQXL3B2Q
ζ(;д;*ζ「……ロマ、ねえ、ロマ……助けて……」
( +ω+)
( ФωФ)
( ФωФ)「デレ、落ち着くである」
ナデナデ
( ФωФ)⊃ζ(;、;*ζ
ζ(;、;*ζ「……ロマ?」
( ФωФ)「デレ。お前には、我輩がどう見える」
ζ(;、;*ζ「ねこ、……猫でしょ……? ……ロマ、何で、喋れるの……」
( ФωФ)「我輩は人間であるよ」
ζ(;、;*ζ「わ、分かんない、分かんない、ロマ、恐い」
( +ω+)
117 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 04:43:32.80 ID:tJQXL3B2Q
( ФωФ)「我輩は、たしかに猫で、犬であり、鳥でもある」
ζ(;、;*ζ「……?」
( ФωФ)「君達と会えば、いつでも自分を変えることが出来る。
……君達が、勝手に我輩を変えてくれるから」
ζ(;、;*ζ「ロマ……?」
( ФωФ)「……デレ」
( ФωФ)「我輩は、自分で、自分を変えたいと思う」
( ФωФ)「君に合わせて猫に変わるのではなくな」
( ФωФ)「……」
( ФωФ)「デレ」
( ФωФ)「我輩は人間である」
( ФωФ)「君と同じ、人間である――」
118 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 04:48:03.88 ID:tJQXL3B2Q
ζ(;、;*ζ
( ФωФ)
ζ(;、;*ζ
ζ(ぅ、;*ζ
ζ(ぅ、∩*ζ
ζ(゚、゚*ζ
( ФωФ)
ζ(゚、゚*ζ
ζ(゚ー゚*ζ
ζ(゚ー゚*ζ「ロマ、あんなに可愛かったくせに、結構おじさんなんだね――」
121 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 04:51:24.09 ID:tJQXL3B2Q
( ФωФ)「……我輩が何に見える」
ζ(゚ー゚*ζ「人間のおじさん」
( ФωФ)「――そうである。人間だ。おじさんだ」
( ФωФ)「ははは……変えられたであるな」
ζ(゚ー゚*ζ「……うん。やっぱり、よく分からないけど」
ζ(^ー^*ζ「猫が、人間に変わっちゃった。
あはは、変なの」
~~~~~
122 名前: ◆EpvQephXIa3b [] 投稿日:2011/01/10(月) 04:57:20.65 ID:tJQXL3B2Q
('A`)「……どういうことだ」
( ФωФ)「さてな。――ドクオ、マスクやら何やらは着けなくていいのか」
('A`)「感染力は無しと判断した。個人的に」
( ФωФ)「着けるのが面倒なだけであろう」
('A`)「うん」
ノパ⊿゚)「……けど、実際……どういうことなんだろうな。
デレ、治っちまったぞ」
( ФωФ)「3人共、我輩が『好きな動物』に見えた。
心理的なものが大きく関わっている。
――心に直接影響を与えれば、見るものを変えられるのではないか」
ノパ⊿゚)「……つったって、それにしてもアレは急すぎる」
( ФωФ)「ふむ……」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 08:34:38.19 ID:tJQXL3B2Q
('A`)「ロマだけ動物の種類が異なっていたのも気になるな。
元から特別だったのか?」
( ФωФ)「特別、か」
ノパ⊿゚)「ははっ、案外そーかもな! ロマがデレを治したのも、運命だったか!」
( ФωФ)「……」
(*ФωФ)「……だとすれば――嬉しいことである」
~~~~~
ζ(゚、゚*ζ
( ФωФ)
ζ(゚、゚*ζ「あれ」
ζ(゚、゚*ζ「ロマ。また、猫になっちゃった」
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 08:39:41.08 ID:tJQXL3B2Q
( ФωФ)「……デレ」
ζ(゚、゚*ζ「あ」
ζ(゚、゚*ζ「あう」
ζ(゚、゚*ζ「ごめん。ごめんね」
ζ(゚、゚*ζ「ロマ」
ζ(゚、゚*ζ「せっかく、昨日……」
ζ(゚、゚*ζ
ζ(゚、゚*ζ「それとも」
ζ(゚、゚*ζ「やっぱり、ロマ、猫なのかな」
( ФωФ)「デレ」
ζ(゚、゚*ζ「私のこと、化かしたんじゃないのかな」
ζ(゚、゚*ζ「ふふ」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 08:48:32.90 ID:tJQXL3B2Q
( ФωФ)
( +ω+)
~~~~~
ノパ⊿゚)「たしかに病気は心理的な部分に深く関わっていた」
ノパ⊿゚)「だから、デレの心にロマの言葉が影響を与え――
『一時的に』、症状を和らげた」
ノパ⊿゚)「……それだけだった」
( +ω+)
ノパ⊿゚)「治ったわけじゃ、なかったんだ」
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 08:59:25.68 ID:tJQXL3B2Q
ノパ⊿゚)「ロマ、落ち込むな。
お前は、重要なデータをくれたんだ」
( +ω+)
ノパ⊿゚)「もしかしたら、薬などを作らなくても
我々の言葉で治せるかもしれない」
ノパ⊿゚)「そういうわけで、体を調べる前に、心の方から対処法を探すことになった。
もし、それで治療法が見付かったら――殺す必要は無くなる」
( +ω+)「見付からなければ?」
ノパ⊿゚)「――……」
( +ω+)
ノパ⊿゚)
( +ω+)「ヒート。きっと、ほぼ確実に」
( +ω+)「治療法は見付からないである」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 09:04:11.55 ID:tJQXL3B2Q
( +ω+)「我輩で駄目だったのだ」
( +ω+)「お前達には――何も、出来ないである」
ノパ⊿゚)
ノハ-⊿-)
~~~~~
ζ(゚ー゚*ζ「ロマ、どこ行くの?」
( ФωФ)
ζ(゚ー゚*ζ「お部屋出てもいいの?」
( ФωФ)
ζ(゚ー゚*ζ「……」
コツ コツ
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 09:09:15.08 ID:tJQXL3B2Q
ζ(゚ー゚*ζ「あ!」
ζ(゚ー゚*ζ「私の部屋と同じドア」
ζ(゚ー゚*ζ「中に誰か居るの?」
ζ(゚ー゚*ζ「……ちょっと、覗いていい?」
( ФωФ)「……」
ξ゚⊿゚)ξ
ζ(゚ー゚*ζ
ζ(゚ー゚*ζ「あれは――」
ζ(^ー^*ζ「可愛い猫ちゃんだね」
( ФωФ)
( ∩ω+)
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 09:13:21.28 ID:tJQXL3B2Q
~~~~~
ξ゚⊿゚)ξ「今日のお昼さ、ロマ、私の部屋の前に来てたでしょ」
( ФωФ)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「それで……ロマの隣に居たのって」
ξ゚ー゚)ξ「ロマの子供? すごく可愛い子犬だったけど」
( ФωФ)「……」
( ФωФ)「ツ――」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
( ФωФ)
( +ω+)…キュン
~~~~~
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 09:19:29.34 ID:tJQXL3B2Q
(*^ω^)「――おっおっ! やったお! おっおっおっ!」
( ФωФ)
(*^ω^)「ほら、ほら! ロマ、見てお!」
(*^ω^)「僕、鳥になれたお!!」
(*^ω^)「手は羽になったし、足も鳥みたいだし」
(*^ω^)「ほらほら、クチバシも!」
(*^ω^)「鳥だお、僕は鳥だお」
(*^ω^)「飛べるんだお!」
( ФωФ)
( ∩ω∩)「……あ、あ」
(*^ω^)「おっおっ!」
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 09:28:46.07 ID:tJQXL3B2Q
~~~~~
( ω )「何故であるか。何故、何故」
('A`)「……」
( ω )「どんどん悪化していく」
( ω )「双子の片割れにすら気付けない。
果てには、ああ、自分自身さえも」
( ω )「……デレは、もはや我輩を奇怪な猫としか見ていない」
( ω )「我輩の言葉なぞ無駄でしかなかった」
( ω )「何故である」
( ω )「何故治らない。何故彼らがこんなことになる」
('A`)「……ロマ……」
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 09:42:29.25 ID:tJQXL3B2Q
( ω )「彼らの世界には、もはや人間は居ないである」
( ω )「何より恐ろしいのは――彼らが、それに違和感を抱かなくなっていること」
( ω )「……」
('A`)「……ロマ、聞いてくれ」
('A`)「あれからデレに何をしても、症状が抑えられることはなかった」
('A`)「そして、国内の発病者が増加し――皆、症状は悪化するばかりだ」
('A`)「急がなきゃいけない」
( ω )「……それで……?」
('A`)「……」
('A`)「デレ、を」
( ω )
( ω )「ははは」
( ω )「やっぱり、そうなったであるか」
( ω )「はは……」
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 09:57:39.48 ID:tJQXL3B2Q
ζ(゚ー゚*ζ「虎さん、どこに連れてくの?」
(-@∀@)「……」
(´・ω・`)
ζ(゚ー゚*ζ「あ、ゴリラさん、久しぶり」
ζ(゚ー゚*ζ「どこ行くのかなあ」
(´・ω・`)「……ごめんね」
ζ(゚ー゚*ζ「わっ、そっか、あなた、喋れるんだったね」
ζ(゚ー゚*ζ「あのねあのね、私のペットの猫もね、お話出来るの」
ζ(^ー^*ζ「とーっても可愛いの」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 10:12:03.20 ID:tJQXL3B2Q
( ФωФ)「……デレ……」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、ロマ!」
ζ(゚ー゚*ζ「あのね、何か、どこか行かなきゃいけないみたいなの」
ζ(゚ー゚*ζ「いい子にして待っててね」
( ФωФ)
( +ω+)
( ФωФ)
( ФωФ)…ニャァン
ζ(^ー^*ζ
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 10:13:24.82 ID:tJQXL3B2Q
「――ね、可愛いでしょ。いい子なの」
「……そうだね」
「私ね、ロマのこと、大好きだよ」
( ФωФ)
( ФωФ)…ニァ…
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 10:21:32.30 ID:tJQXL3B2Q
ξ゚⊿゚)ξ
ミセ*゚ー゚)リ「お世話に、なりました……」
(´・ω・`)「いえ。……御協力、感謝致します」
ミセ*゚ー゚)リ「……これで、良かったんです。
あの子は、人々を救うきっかけになったんですから」
('A`)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「お母さん」
ミセ*゚ー゚)リ「ん?」
ξ゚⊿゚)ξ「デレは、お迎えに来てくれなかったの?」
ミセ*゚ー゚)リ
ミセ*゚ー;)リ「ちょっ、と、体調、悪くしてて」
ξ゚⊿゚)ξ「……そっか」
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 10:28:28.17 ID:tJQXL3B2Q
ξ゚⊿゚)ξ「そうだ! あのね」
ミセ*゚ー∩)リ「……ん?」
ξ゚⊿゚)ξ「あんまり、よく覚えてないんだけど……。
犬がね、居たの」
ξ゚⊿゚)ξ「可愛い犬。家に、連れて帰りたいって思ってた」
ノパ⊿゚)「……」
( ФωФ)「――……ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
ξ゚⊿゚)ξ「なあに、おじさん?」
( ФωФ)
( +ω+)「いいや。何でもないである」
( +ω+)「元気になれて――良かったであるな」
ξ゚ー゚)ξ「ん、ありがとうございました!」
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 10:34:48.58 ID:tJQXL3B2Q
( ^ω^)「おー……」
('A`)「ブーン、調子はどうだ」
( ^ω^)「ぼーっとするおー……」
('A`)「うん、そうか。薬が効いてる証拠だ。
……あとちょっとしたら、完全に治るからな」
(*^ω^)「おっおっ、お家、帰れるお」
('A`)「ああ」
( ФωФ)「……もう少しの、辛抱である」
(*^ω^)「おーん」
(*^ω^)「そういえば――何だか、小鳥を飼ってた気がするお」
('A`)「小鳥」
(*^ω^)「だおー。可愛い小鳥だお」
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 10:42:45.13 ID:tJQXL3B2Q
( ^ω^)「でも、あんまり覚えてないんだお……夢だったのかもしれないお」
( ФωФ)
( ФωФ)「……きっと、夢であるよ、ブーン」
( ^ω^)「やっぱりそうかおー」
(*^ω^)「お家に帰ったら、お母さんとお父さんに、
鳥を飼いたいってお願いしてみるお」
( ФωФ)「――うむ、それは良いであるな」
(*^ω^)「おっおー」
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 10:47:47.01 ID:tJQXL3B2Q
パタン
( ФωФ)「……」
( ФωФ)…ワン
( ФωФ)ピチチ
( ФωФ)「……」
( ФωФ)「猫も、犬も、鳥も、必要無くなってしまったである」
( ФωФ)「……」
( ФωФ)ニァ
( ФωФ)ニャアン
( ФωФ)…クルル
( ФωФ)…ニャア…
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 10:55:56.92 ID:tJQXL3B2Q
( ФωФ)「……」
( +ω+)
( +ω+)
(。+ω+)
( ∩ω+)
( ∩ω∩)
( ∩ω∩)
ノパ⊿゚)「ロマ!」
( ∩ω∩)
( ФωФ)「――何であるか」
ノパ⊿゚)「飯食いに行くか!」
( ФωФ)「急であるな」
ノパ⊿゚)「何か一緒に食いたくなったからなー」
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 11:03:52.00 ID:tJQXL3B2Q
( ФωФ)「仕方ない、行ってやるである」
ノパ⊿゚)「おう!」
( ФωФ)「……」
( ФωФ)「ヒート」
ノパ⊿゚)「んー?」
( ФωФ)「我輩は、何であるか」
ノパ⊿゚)
ノパ⊿゚)「人間だ!」
ノパ⊿゚)「人間で、猫で、犬で、鳥だ!」
ノパ⊿゚)「それがロマだろ」
ノパ⊿゚)「デレは猫のロマが大好きだった、
ツンは犬のロマが大好きだった、
ブーンは鳥のロマが大好きだった」
ノパ⊿゚)「そして私は、人間のロマが大好きだ!」
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 11:08:44.61 ID:tJQXL3B2Q
ノパ⊿゚)「……いや、私は!」
ノパ⊿゚)「人間のロマも、猫のロマも、犬のロマも、鳥のロマも」
ノパ⊿゚)「みんなみんな大好きだぞ!」
ノパ⊿゚)「どのロマも、誰かを幸せにしているんだからな!」
( ФωФ)
( +ω+)「……うむ」
( ФωФ)「それは、良かったである――」
ノパー゚)「うん!」
ノパ⊿゚)「ちなみに今の告白なんだが」
( ФωФ)「あーあー聞こえない」
ノハ;゚⊿゚)「ぐわっ! 流すな恥ずかしいんだから!!」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 11:18:29.72 ID:tJQXL3B2Q
「いいから飯食いに行くである」
「ぐわああああ言わなきゃ良かった!」
「ははは」
「……ロマ!」
「む?」
「たまにでいいから、猫とか、犬の真似してくれるか?」
「何故」
「だって、……だから! どのロマも大好きなんだってば!」
「顔真っ赤であるな」
「もういい! 知るか! 好きだ!」
「……ははは」
「さっきの頼みだが、お安い御用である」
「! 本当か!」
「うむ。何せ――」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 11:30:17.50 ID:tJQXL3B2Q
ノパ⊿゚)「何せ?」
( ФωФ)「――いつでも変われるほど、物真似が体に染みついてしまったからな」
( ФωФ)「たまにでもやらねば、損である」
ノパー゚)「……そうだな!」
( ФωФ)いつでも変われるようです
おわり
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