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140 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 07:59:07.49 ID:MSvUbHhx0
第7部
桜が咲き乱れる季節
様々な新しい出会いがある季節
厳しい寒さの冬が終わり、暖かな日差しが大地を覆う4月
ここバロス精神科病院にも新たな人材がやってきた
昼過ぎ、病院の送迎用バスが病院に帰ってきた
一人の若い男が降りてくる
男は病院の門で一度立ち止まり、病院を見上げた
( ゚∀゚)(ここが医療界でも数少ない精神科救急が設置されているバロス病院か・・・)
181 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 11:45:14.95 ID:MSvUbHhx0
男は病院の敷地内に入って、病棟のほうに向かった
( ゚∀゚)(あ、あの人はここの医師かな?)
男の視線の先に白衣を着た若い男性が歩いているのが目に入った
( ゚∀゚)(あの人に聞いてみよう)
男は意思に近づき、声をかけた
( ゚∀゚)「すいません」
( =゚ω゚)ノ「何か?」
187 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 11:55:23.28 ID:MSvUbHhx0
( ゚∀゚)「私は、今度からこちらの病院に勤務することになった医師のジョルジュといいます
失礼ですが、こちらの医師の方ですか?」
( =゚ω゚)ノ「ああ、そうなんですか
私はシニアレジデントでこちらにお世話になっているモニュと申します」
モニュ研修医は頭を下げた
( ゚∀゚)「ああ、研修医の方ですか
どうりでお若いと思った
こちらではどのくらい研修期間を経たのですか?」
( =゚ω゚)ノ「今年で2年目に入りました」
( ゚∀゚)「じゃあ、だいぶ慣れてきたところですね」
( =゚ω゚)ノ「まだまだ若輩の身です
沢山、学ぶことがありますよ」
195 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 12:12:21.48 ID:MSvUbHhx0
( ゚∀゚)「で、今日は院長にご挨拶をと思い来たのですが・・・」
( =゚ω゚)ノ「わかりました
では、ご案内しましょう」
モニュ研修医はジョルジュ医師をドクオ院長の元へと案内した
ドクオ院長のいる院長室へ向かう間、二人は会話を交わした
( =゚ω゚)ノ「以前はどちらで勤務されていたのですか?」
( ゚∀゚)「ある総合病院の精神科で約10年ほど勤務していました
働くうちに総合病院内における精神科のあり方に疑問を持ちまして、
そして、精神科病院単独として精神科救急を行っている全国でも唯一のバロス病院に
関心を持つようになったのです」
( =゚ω゚)ノ「なるほど」
198 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 12:16:34.55 ID:MSvUbHhx0
やがて二人は院長室の前にたどり着いた
モニュ研修医がドアをノックし、扉を開ける
( =゚ω゚)ノ「院長
今度から新しく当院で働かれるジョルジュ先生が来られています」
('A`)「おお、モニュ君、ありがとう
ジョルジュ先生は?」
( =゚ω゚)ノ「こちらにご案内致しました」
('A`)「そうか、忙しいのにすまない」
( ゚∀゚)「おはようございます
本日はご挨拶に伺いました」
203 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 12:24:12.31 ID:MSvUbHhx0
('A`)「おはよう、ジョルジュ先生
わざわざ挨拶に来てくれるとはうれしいね」
( ゚∀゚)「前の職場を退職して、こちらにお世話になるまでに時間があったものですから」
('A`)「そうか
良かったら院内をゆっくり見ていってくれ」
( ゚∀゚)「ありがとうございます
後ほど見学させて頂きます」
('A`)「うむ
君のほかにも作業療法士1名、ケースワーカー1名、栄養士1名が新たに勤務する予定だ
仲良くやってくれ」
( ゚∀゚)「わかりました
宜しくお願い致します」
ジョルジュ医師は挨拶を終え、院長室から出て行った
207 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 12:32:08.25 ID:MSvUbHhx0
同時刻、しぃ看護婦長はブーンの入院している第1病棟の2035室へ向かっていた
ガチャ!
(*゚ー゚)「おっはよー!
朝ご飯はちゃんと食べれた?」
(ヽ^ω^)「あ、おはようございますお」
(*゚ー゚)「あー、残してるじゃないのー
ダメだよ!
ちゃんと食べなきゃー」
(ヽ^ω^)「いや、お腹いっぱいですお」
(*゚ー゚)「長いこと虚弱状態が続いたんだから、いっぱいご飯食べて
早く体力回復させないとねー」
そう言いながら、しぃ看護婦長はブーンの朝食を片付け始めた
210 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 12:35:29.03 ID:MSvUbHhx0
(*゚ー゚)「点滴の針は痛くない?」
(ヽ^ω^)「はいですお」
(*゚ー゚)「お薬はちゃんと飲んだ?」
(ヽ^ω^)「飲みましたお」
(*゚ー゚)「よしよし、いいこでちゅねー」
しぃ看護婦長はブーンの頭を撫でた
(ヽ^ω^)「ちょ、恥ずかしいですお」
ブーンはしぃの態度にちょっと困惑したような様子だった
214 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 12:38:07.05 ID:MSvUbHhx0
( ´∀`)「おいおい、ブーン君が困ってるよ」
モナー看護士長が病室に入ってきた
(ヽ^ω^)「おはようございますお」
( ´∀`)「おはよう
昨日はぐっすり眠れた?」
(ヽ^ω^)「睡眠薬飲んだので、寝れましたお」
( ´∀`)「今は睡眠薬でもいいから寝ることが大事なんだよ」
(ヽ^ω^)「はいですお」
218 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 12:41:39.18 ID:MSvUbHhx0
(*゚ー゚)「今は色んなお薬飲まなきゃいけないけど、我慢してね」
(ヽ^ω^)「はいですお」
( ´∀`)「口の渇きとか、手足のしびれとかは出てないかな?」
(ヽ^ω^)「口はよく乾きますお」
( ´∀`)「そうか
水差しを多めに置いておくから、口が渇いた時に少し水を含んだらいいよ」
(ヽ^ω^)「わかりましたお」
(*゚ー゚)「吐き気はどう?」
(ヽ^ω^)「結構ありますお」
(*゚ー゚)「そっかー
じゃあ酔い止めのお薬も飲んだ方がいいかもね」
219 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 12:45:47.72 ID:MSvUbHhx0
(ヽ^ω^)「あと、誰もいないのによく声が聞こえますお」
(*゚ー゚)「あー、それはね、幻聴なのよ
症状を抑えるお薬を飲んでいるから、徐々に良くなると思うよ」
(ヽ^ω^)「・・・僕は一体何の病気なんですかお?」
( ´∀`)「君は軽い神経症だってアヒャ先生が言ってたよ」
(ヽ^ω^)「神経症ですかお
どんな病気なんですかお?」
( ´∀`)「ストレスによる一種のノイローゼさ
ブーン君、今まで大変だったから疲れてるんだよ」
(*゚ー゚)「ゆっくり休んだらいいんだよ」
(ヽ^ω^)「はいですお」
225 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 12:52:38.70 ID:MSvUbHhx0
看護婦「看護婦長、ツン看護部長が呼んでますよ」
看護婦が病室の入り口から声をかけてきた
(*゚ー゚)「わかったー」
( ´∀`)「そういえば今日は午後から第2会議室で看護部のミーティングがあるんだ」
(*゚ー゚)「じゃあね、ブーン君」
(ヽ^ω^)「さよならですお」
しぃ看護婦長とモナー看護士長は病室から出て行った
243 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 13:48:50.28 ID:MSvUbHhx0
二人が去りブーンは病室に一人となった
(ヽ^ω^)(静かだお)
ブーンの入院している2035室は個室であった
第1病棟はブーンが入院している個室と隔離室で構成されている
隔離室と異なり、個室は患者の状況に合わせて、扉の鍵の施錠の有無が切り替えられた
現在、2035室は鍵がかけられておらず、自由に出入りできる
しかし、ブーンは満足に動くこともできないほど衰弱している為、
自力で病室からできることがまだできなかった
(ヽ^ω^)(何もすることがないお)
ブーンは暇を持て余した
248 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 13:52:32.47 ID:MSvUbHhx0
ふいに眩暈がブーンを襲った
(ヽ^ω^)(横になるお)
ブーンはベッドに横になり、目を閉じた
(ヽ^ω^)「ふー」
ブーンは大きく深呼吸をして、呼吸を整えた
(ヽ^ω^)(今、一体いつなんだお)
ブーンは時間の感覚があまりなかった
現在、何月何日何時何分なのか感覚で捕らえることができないのだ
なので、頻繁に時計やカレンダーを見る必要があった
251 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/27(月) 13:57:24.19 ID:MSvUbHhx0
(ヽ^ω^)(そうか、今は4月だったお)
ブーンは昏迷状態にあった期間の事をほとんど覚えていない
(ヽ^ω^)(僕はいつからこの病院に入院しているんだお)
ブーンは思い出そうとするが、どうしても分からない
(ヽ^ω^)(長い間、夢を見ていた気がするお)
ブーンは夢の中で眩しい光を見たり、美しい音楽を聞いたような気がしたことを
かすかに覚えている程度で、ほかの事は一切記憶から忘却の彼方へ消え去っていた
(ヽ゚ω゚)ブーンが精神病になったようです 第七部 第四十三話
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