42 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:26:49 ID:x8W.rAo.0 [2/17]
( ^ω^)は世界樹の迷宮を踏破するようです 第二話
―ハイ・ラガード公国 広場―
ξ゚⊿゚)ξ「それで、次はどの職をメンバーにするの?」
( ^ω^)「へ?ああ職かお・・・考えてないお」
ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?阿呆なのアンタ?本気で世界樹を踏破したいと思っているのなら、パーティバランスを考えなさいよ」
(; ^ω^)「おっお、仲間になってくれる人を探すので精一杯だったんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「今からパーティバランスを考えるわよ阿呆」
( ^ω^)「・・・どっちがギルドマスターか分からないお」
~1時間後~
ξ゚⊿゚)ξ「つまり回復役の"メディック"はこのギルドに必須なのよ」
(ヽ´ω`)「わ・・わかり・・・ました・・お」
ξ゚⊿゚)ξ「後は強力な属性攻撃が使える"アルケミスト"が欲しいところね。」
(ヽ´ω`)「・・・・・がふっ」
ξ゚⊿゚)ξ「さぁ、じゃあメディックを雇いに薬施院に・・・ってブーン!どうしたの!」
(ヽ´ω`)(ああ・・・コイツ、自分が話している間相手のこと見ない人種だ)
43 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:27:24 ID:x8W.rAo.0 [3/17]
―公国薬施院―
薬施院とは、公国によって作られた医療施設のことである。
一般人は勿論、冒険者の治療も行っており、特に冒険者には保険が降りているので非常に安い値段で治療を受けることが可能である。
まぁ冒険者としてのレベルが上がるごとに保険の効果は薄れて治療費も高くなるのだが・・・
また、病人・怪我人の治療の他、新薬の開発、メディックの育成・教育なども行っている。
世界樹の樹海は危険がいっぱいなので、冒険者が一番お世話になる施設かもしれない。
(-@∀@)「次のお客さん、どうぞ。怪我ですか?病気ですか?」
薬施院に入ると、早速受け付けのメディックに話しかけられた。
地味な髪型の栗色の髪。四角いメガネ。絵に描いたようなメディックである。
(ヽ´ω`)「どちらでもないですお・・・」
(-@∀@)「ふむ・・・見たところ、精神的な影響による過労ですね。ではあちらの精神科へ」
ξ゚⊿゚)ξ「いやいや違いますから。コイツは大丈夫です。私たちは院長さんに用があるんですが・・」
(-@∀@)「院長ですか?院長なら僕ですが」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、それは失礼しました」
44 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:27:50 ID:x8W.rAo.0 [4/17]
(-@∀@)「いえいえ。で、何の用ですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「私達、新米ギルドなんですけどまだまだ人手が足りなくて・・それで、メディックを一人雇いたいんです」
(-@∀@)「メディック・・・ね」
(-@∀@)「冒険者の中で、最も高学歴で、最も資格を得るのが難しく、最も需要が高い職・・・・そのメディックを雇いたいんですね?」
ξ゚⊿゚)ξ「はい。・・・・当然タダとは言いません」
(-@∀@)「・・・幾ら出す気ですか?」
ξ゚⊿゚)ξ(ちょっとアンタ!幾ら出す気なの!?)ボソッ
(ヽ´ω`)「お・・・?そうだおね・・・」
( ^ω^)「びた一文も出さないお」
ξ゚⊿゚)ξ「はぁ!?」
(-@∀@)「・・・・・」
45 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:28:12 ID:x8W.rAo.0 [5/17]
ξ゚⊿゚)ξ(ちょっとアンタ正気なの!?この阿呆ピザ!メディックは絶対必要って言ったじゃない!!!幾ら出してでも欲しい人材を―)
( ^ω^)「仲間は、買うものじゃないお」
( ^ω^)「新人で手が空いてるメディックは何人いますかお?」
(-@∀@)「10人ほどですが・・・どうなさるんですか?」
( ^ω^)「話がしたいんだお。話し合って、お互い気に入ったら仲間になるお」
ξ゚⊿゚)ξ(まさかここまで脳味噌お花畑だとは思わなかったわ・・・)
(-@∀@)「ハハハ・・・面白い方だ。気に入りましたよ」
( ^ω^)「会わしてもらえますかお?」
(-@∀@)「ええ、では新人達を集めますので、あちらの第四治療室でお待ちください。今は空き室になっていますから」
46 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:28:55 ID:x8W.rAo.0 [6/17]
―第四治療室―
ξ゚⊿゚)ξ「全くアンタは・・・院長さんが良い人だったから良かったものの・・・」
( ^ω^)「結果オーライだお!タダで済むにこしたことはないし、仲間は買うものじゃないお!」
ξ゚⊿゚)ξ「阿呆。まだ結果オーライじゃないわよ。まだメディックが仲間になってないじゃない。ちゃんと責任取ってスカウトしなさいよ」
( ^ω^)「まかせてほしいお!」
コンコン
(-@∀@)「失礼します」
(-@∀@)「こちら、新人のメディックです。一人ずつ部屋に入れますので、じっくり話し合って下さい」
从´ヮ`从ト「はぁい、狸っていいま~す。よろしくで~す(はぁと」
( ^ω^)「よろしくだお!!僕の名前はブーン。ギルドVIPの・・・・・」
47 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:29:20 ID:x8W.rAo.0 [7/17]
―以下、ブーンと新人メディック達の会話の抜粋―
从´ヮ`从ト「えっ、契約金0・・・?ギルドメンバーが2人・・・?」
从´ヮ`从ト「またの機会に・・・」
( `ハ´)「金が出ないアルか?話にならないアル」
( ^Д^)「契約金0enwwwww乞食プギャーwwwwwww」
( ・3・)「メディック舐めてんの?」
―抜粋、終了―
( ^ω^)「・・・・・・」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタ・・・どーすんのよ」
(; ^ω^)「返す言葉もございませんお」
48 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:29:45 ID:x8W.rAo.0 [8/17]
(-@∀@)「先ほどのメディックで最後でしたが・・・やはり話し合いは成立しなかったようですね」
ξ゚⊿゚)ξ「契約金0enなんて言ってる私達が悪いんです。仕方ありません」
(-@∀@)「・・・とは言っても、メディックはどうするつもりですか?他所で雇おうとしたら薮医者くずれくらいしか雇えませんよ」
(; ^ω^)「ぐぅ・・・・」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・・」
(-@∀@)「そこで、提案があります」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・!?なんですか?」
(-@∀@)「実は公国の医療試験で、残念ながら1点足りずに不合格になった見習いメディックがいるんですよ」
(-@∀@)「両親もおらず、貧しい生活をしているので、もう一度高額の医療試験を受けることは叶いません。第一、一回目の医療試験だって髪まで売って資金繰りしたんです」
(-@∀@)「それが心苦しくてですね・・・医療試験を持ってないから正式なメディックではないのですが腕前は十分にありますし・・・」
( ^ω^)「・・・そのメディック、いや見習いメディックに会わしてもらえますかお?」
(-@∀@)「良いんですか?」
49 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:30:20 ID:x8W.rAo.0 [9/17]
( ^ω^)「ええ、これは僕が勝手に会いたいと言い出したんだお。院長さんは何も言ってないお」
(-@∀@)「・・・話の分かる方で良かった。呼んでくるのでしばらくお待ちください」
バタン
ξ゚⊿゚)ξ「アンタ・・・自分のやってること分かってるの?」
( ^ω^)「・・・・・確かに違反だお。医療資格を持たない見習いメディックをギルドに入れて世界樹にいくなんて、公国にバレたらえらい事だお」
( ^ω^)「けど難しいことは考えてもきりが無いお。とりあえず、その見習いメディックと話し合いをするお」
ξ゚⊿゚)ξ(あの院長さんもコイツも・・・底が知れない奴ね)
コンコン
(*゚ー゚)「失礼します」
第四治療室に入ってきたのは、まだ幼子と呼べるような風貌の、可愛らしい少女だった。
50 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:30:44 ID:x8W.rAo.0 [10/17]
( ^ω^)「キミが見習いメディックかお?」
(*゚ー゚)「はい。しぃと言います。」
( ^ω^)「僕はギルドVIPのギルドマスター、ブーンだお。よろしくだお」
(*゚ー゚)「こちらこそ宜しくお願いします」
( ^ω^)「では、早速だけど仕事の話をするお。まず、ギルドVIPは契約金を用意してないお。これは我慢してもうしかないお」
(*゚ー゚)「ええ。無免許のメディックを雇ってくれるギルドなんてそうそうありませんから。契約金くらいかまいません」
( ^ω^)「おっお。それは良かったお。じゃあちょっと質問したいことがあるんだけど・・・良いかお?」
(*゚ー゚)「はい。どうぞ」
( ^ω^)「君の医療の腕についてだお」
(*゚ー゚)「!!」
51 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:31:09 ID:x8W.rAo.0 [11/17]
ξ゚⊿゚)ξ(そうね・・・一番重要なことだわ)
(*゚ー゚)「・・・確かに私は医療試験には落ちましたが、実力では他の新米メディックに決して劣りはしません」
( ^ω^)「なら、見せてくれるかお?」
( ^ω^)「今からブーンは自分を斬るお。その傷を治療して、メディックとしての腕前を見せて欲しいんだお」
(*;゚ー゚)「な、何言ってるんですか!!自分で自分を斬るなんて!!!やめてくだ―」
ブシャアッ
鮮血が散る。いつの間にか抜刀していたブーンは、自身の左腕をざっくりと切り裂いていた。
(; ^ω^)「・・・・・がふっ・・・やっぱ分かってても痛いもんだおね」
ξ;゚⊿゚)ξ「アンタ何やってんのよ!!」
(*;゚ー゚)「大変です!院長先生を―」
( ^ω^)「駄目だお!!」
(*;゚ー゚)「ッ!」
52 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:31:31 ID:x8W.rAo.0 [12/17]
( ^ω^)「君が治療するんだお」
(*゚ー゚)「・・・・はい。では、失礼します」
血が噴出しているブーンの左腕に、しぃが手を伸ばす。
その手には、何本かの試験管が握られていた。
(*゚ー゚)「キュア」
この世界のメディックは、決して魔法なんかを使って傷を癒したりはしない。
あくまで薬を使っての治療である。
ただ、メディックが扱う薬品はこの世界の薬品とは少々異なっており、非常に効果が強いのだ。
そのため、切り落とされた腕を一瞬で癒着し、貫かれた胸を瞬く間に塞ぐことができる。
薬品で回復するのなら、メディックなどいらないのではないか?とお思いになるやもしれない。
しかし、肝心の薬品が非常に難しいのだ。
メディックの薬品は、基本的に複数の種類の液状薬品を、傷の種類・大きさ・毒などの有無に合わせて、その場で混ぜて作るのである。
その際に、一滴でも量を間違えれば、薬は身を焦がす劇薬に化けるのである。
その薬品を作る際の、丁寧さ、早さ、傷を見極め正しい薬を作る知識などはメディックとしてのレベルになるのである。
(*゚ー゚)「・・・治療、終わりました」
53 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:31:53 ID:x8W.rAo.0 [13/17]
( ^ω^)「おっお。たいしたもんだお。痛みもないし、全く問題なく動かせるお」
( ^ω^)「では、晴れてしぃさんはギルドVIPの仲間だお」
(*゚ー゚)「!!ありがとうございます!」
( ^ω^)「改めてよろしくだお」
ξ゚⊿゚)ξ「私はツン。今後ともよろしく。」
(*゚ー゚)「はい!無免許ですが頑張ります!」
ξ゚⊿゚)ξ(ブーンがいきなり腕切った時は驚いたけど・・・それだけ世界樹への熱意が強い、ってことなのかしら?)
ξ゚⊿゚)ξ(それにしても少し異常だわ・・・)
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ(どうして世界樹にそこまで固執するの・・・?)
54 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:32:15 ID:x8W.rAo.0 [14/17]
( ^ω^)「お?どうしたおツン。僕の顔に何かついてるのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・いえ。少し考え事してただけよ」
( ^ω^)「それなら早速次の仲間を探しにいくお。できれば今日中にギルドを結成しときたいお」
(*゚ー゚)「あの・・・その前に少し時間を頂きたいんですが・・・」
ξ゚⊿゚)ξ「・・お別れの挨拶?」
(*゚ー゚)「はい。・・・良いですか?」
( ^ω^)「当然良いに決まってるお!」
(*゚ー゚)「ありがとうございます。では、少し失礼しますね」
55 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:32:39 ID:x8W.rAo.0 [15/17]
バタン
(*゚ー゚)(・・・やっと冒険者ギルドに入れたよ。一時はもう諦めかけたけど・・・)
(*゚ー゚)(これで会いにいけるよ・・・・ギコ君)
無免許のメディックを仲間に引き入れてしまったギルドVIP。
法的に完全なブラックな旅の始まりとなったが、彼らの冒険はどうなるのだろうか?
すべては世界樹のみぞ知る・・・。
56 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:33:42 ID:x8W.rAo.0 [16/17]
オマケの職解説
メディック
タイプ:後衛
回復スキルを使える数少ない職業。
味方の回復を本分としており、他の職業ではできない蘇生スキルや全体完全回復スキルなどを使うことができる。まさに回復のエキスパート。
スキルはほとんど回復にかかわるものしか覚えず、戦闘終了時に味方全体のHPを自動で少量回復するパッシブスキル(常に何も消費せずに発動しているスキル)「戦後手当」。
状態異常を回復する「リフレッシュ」。
味方全体に確立戦闘不能予防効果(体力が0になっても中確立でHPが1残る効果)を付与する「レジストデッド」など多彩な回復・支援スキルを覚える。
また、唯一の攻撃スキル「ヘヴィストライク」は習得に苦労するものの、前衛に出て使えば回復役らしからぬ大ダメージを与えることが可能。
パーティの生命線。樹海に舞う白衣の天使。それがメディックである。
※ 原作では医療試験やら回復方法などについては一切触れられていません。薬の混ぜあいうんぬんはすべて作者の妄想です。ご注意下さい。
57 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2011/02/22(火) 21:35:26 ID:x8W.rAo.0 [17/17]
第二話投下終了。
前回の教訓を生かしてコピペを活用して一瞬で投下。
あと、支援やら色々してくれてありがとうございやした。
( ^ω^)が世界樹の迷宮を踏破するようです 3
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