91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:17:00.10 ID:08VZqtnU0
(;゚A゚)「うおおおおおおおおおおお!!」
ドクオは森の中を疾走していた。
後ろにはカウデビルが三頭迫っていて、絶体絶命である。
ところがドクオが魔王城の手前まで逃げると、カウデビルは立ち止まり、ドクオを見送った。
魔物というのは、あまりにも強い魔力を持つ存在がいると、そこには近づかなくなるのだ。
つまり魔王がいる限り、城の付近には魔物は存在できないのである。
('A`)「あ、どうも。自分ドクオっス。あと、百姓ッス!」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:18:43.80 ID:08VZqtnU0
##### ガラクタ魔王のようです #####
第八話「騎士と勇者の物語」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:21:32.59 ID:08VZqtnU0
( ;・∀・)「どうして外に出たりしたんだ」
勝手に外に出て傷だらけになったドクオを、仕方なくモララーが手当する。
('A`)「すまねえ。迷惑かけるな」
( ・∀・)「おまえ、ペニサスとか魔王さんには丁寧なくせに、なんか俺にはタメ口だよな。
言っとくけど俺も貴族だからなおい」
('A`)「それはそうとモララーの旦那に頼みたいことがあるんだ」
( ・∀・)「なんだよ」
('A`)「この城には大浴場がある」
( ・∀・)「知ってるよ。てか毎日入ってるからな」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:25:35.34 ID:08VZqtnU0
('A`)「大浴場はかなり開けた部屋だ」
( ・∀・)「ああ。じゃないと湯気のせいでカビが生えやすくなるからな」
('A`)
( ・∀・)
('A`)「奇しくもこの辺鄙な城に美女が三人いる。あとは……わかるな?」
( ;・∀・)「わかるな?じゃねえよ! 何考えてんだ!
ま、まさか外に出たのは風呂を覗くためだっていうのか!?」
('A`)「そのまさかだ!」
( ;・∀・)「アホかー!! 風呂覗こうとして死にそうになってんじゃねえよ!」
('A`)「もう少しで姫様の究極ボディラインが拝めたのになぁ」
( #・∀・)「ひひひひひひひ姫様の風呂を覗こうとしたのか貴様ァ―――!! ゆるさん!! 斬る!!」
('A`)「しかしこのままだと、誰かに覗かれちまう可能性があるなあ」
( #・∀・)「あぁ!? なんだってぇ!?」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:29:58.78 ID:08VZqtnU0
('A`)「大浴場は城の外から見ると丸見えだ。双眼鏡さえあればそれはもう見放題」
( ;・∀・)「け、穢れなき姫様の麗しき裸体が危ないということか!?」
('A`)「そうだ」
( #・∀・)「っておまえくらいしか覗くやつはいねえだろうが!! やはり斬る!!」
('A`)「そうか、見たくないのか。姫の裸」
( #・∀・)
('A`)
( ・∀・)
モララーの脳裏にデレとの楽しい(?)日々が蘇ってくる。
幼なじみである彼らは、小さい頃からお互いをよく知っている仲だ。
そんな彼がデレを異性だと認識し始めたのは、十歳を超える頃。
他の子供と違いデレの発育は抜群で、その頃既に彼女には男の目を惹くものがあった。
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:32:08.47 ID:08VZqtnU0
( ; ∀ )「クッ、う、ぐぅう……っ!」
('A`)「俺は、自分に正直に生きられないやつは大嫌いだ」
( ; ∀ )「うぅ、ううううぐうぐ!」
( ∀ ; )「おおぉ……おぉぉおおぉおぉぉおぉぉ!」
( ; ∀ )「みいぃぃぎぎぎぎ……ぐおおおおお!」
( ∀ ; )「ふぅっ! ぐっ、ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
( ;∀;)「見たいです……」
('A`)(泣くほどなのか)
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:35:01.04 ID:08VZqtnU0
('A`)「女の裸が見たいか!」
( ;∀;)「違う!」
('A`)「ただの巨乳好きか!」
( ;∀;)「違います!」
('A`)「姫は好きか!?」
( ;∀;)「はい!」
('A`)「姫の裸は好きか!?」
( ;∀;)「はい!!!」
('A`)「姫の裸が見たいか!?」
( ;∀;)「はい!!!!!!!」
男たちは感極まって抱きしめあった。
ただ欲望に忠実に、堪えきれぬリビドーを貫くことを覚悟した。
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:40:16.54 ID:08VZqtnU0
(#・∀・)「うおおおおおおおお!」
モララーの強靱な肉体は魔物との戦闘においていかんなく発揮された。
かつてここまで気迫のこもった彼がいただろうか。
全身にみなぎる胆力はあらゆる魔物を凌駕し、彼の行く手を阻めるものはいなかった。
('A`)「流石だぜダンナ」
( ・∀・)「いえ、これくらい、なんてことないっす!」
('A`)「おいおい、いいんだぜ、敬語なんか」
( ・∀・)「私は騎士です。誰かの下につき、闘う者。あなたは私に光を与えてくれた。
この命、あなたになら捧げられる。さあ、行きましょう。聖地へ!」
小高い丘の上が、大浴場を覗ける最高のスポットである。
女たちが風呂に入る、月が空高く浮かぶ頃、彼らは聖なる地へとたどり着いた。
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:43:27.33 ID:08VZqtnU0
('A`)「ここから覗けるぞ」
( ;・∀・)「既に誰か入ってるみたいだ! は、早く双眼鏡をよこせ!」
('A`)「既に敬語やめてんじゃねえか。あと双眼鏡は一つしかない。まずは俺だ」
( #・∀・)「ならん! もしも今入っているのが姫ならどうするつもりだ!」
('A`)「どうもこうも……目に焼き付けるけど」
( #・∀・)「姫様の裸体を愛でていいのは俺だけだ! よこせ!」
(;'A`)「あぁん強引なお人……」
無理矢理取り上げた双眼鏡で、わくわくしながらモララーはレンズをのぞき込んだ。
( *・q ・)「ひ、姫様ぁ~」
('A`)「モララー、放送事故レベルの酷い顔になってるぞ……」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:47:09.78 ID:08VZqtnU0
大浴場の壁ははめ込みの無い窓がいくつもついていて、そこから中の人間が簡単に覗ける。
湯船に足をちゃぷちゃぷとつけて、子供のようにはしゃいでいるミセリの姿が見えた。
( ・∀・)「チッ、ミセリちゃんか」
(*'∀`)「よ、よこせ!」
( ・∀・)「痩せてるなあ。
しかし胸はそれなりに……うぅむ、しかしやはり俺はちょっとぽっちゃりした子の方が好みだな」
(;'A`)「おまえの好みなんか宇宙一どうでもいいわ! 早くよこせ!」
( ・∀・)「いいよ。はい」
(*'∀`)「フヒヒ! ミセリちゃん!」
('A`)「あれ?」
意気揚々と双眼鏡を覗くが、大浴場には誰もいなかった。
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:50:39.97 ID:08VZqtnU0
(;'A`)「み、ミセリはどこに!?」
( ・∀・)「もう出ちゃったのかもね」
(;゚A゚)「おまえが早く渡さなかったからだぞ!
どうしてくれるんだこの手持ちぶさた間!?」
( ・∀・)「そんなにがっつくなよ。まだペニサスがいるだろ」
('A`)「そうだな。姫様もいるしな」
( ;・∀・)「だからおまえに姫様の裸体は見せられねえんだよ!」
(#'A`)「一体なんの権限があって俺の覗きを邪魔するんだ!」
( ;・∀・)「もろに法律違反だよ!」
(#'A`)「おまえが言うかそれ!?」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:53:53.28 ID:08VZqtnU0
(;'A`)「はっ! 女の裸の気配がする!」
( ・∀・)「おまえたまに凄いな」
(;゚A゚)「よこせ! 今度は俺が確認する!」
( ;・∀・)「待てよ! まずは俺が姫様かどうか確認して……」
(;゚A゚)「寝言はセイアフタースリープだ! そら!」
( ;・∀・)「ま、待て!」
モララーの制止を振り抜きドクオは双眼鏡を覗く。
レンズがとらえた人間は、体にタオルを巻いたペニサスであった。
( ;・∀・)「姫様か!?」
('A`)「いや、ペニサスだ」
( ・∀・)「ああそう。姫が来そうになったらすぐに代われよ」
('A`)「おまえ姫を守る側近だったはずだよな……いや、まあいいんだけどさ」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:56:47.98 ID:08VZqtnU0
('∀`)「いやあ、それにしても女の裸ってのは、なんていうか癒しだよなあ」
( ;・∀・)「なにをしみじみと……」
('∀`)「あのタオルの下に何があるのか想像しただけで、ご飯三杯はいけるぜ」
ペニサスを覗くドクオは幸せそうだった。
(;'∀`)「お、き、来た!」
( ;・∀・)「姫様か!?」
(*'∀`)「ペニサスがタオルを取るぞ!」
( ・∀・)「そ、そうか」
タオルの下に広がる世界、それはまだドクオが知らない次元の話である。
艶めかしい手つきで、ついにペニサスの体からタオルが取られようとしていた。
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 22:58:19.71 ID:08VZqtnU0
(;'A`)「―――!?」
タオルを取るとペニサスの小振りな胸が露わになった。
しかしドクオの目を引いたのは彼女の体そのものではなく、
(;'A`)「なんだ、ありゃあっ」
( ・∀・)「どうした?」
その体に刻まれたものだった。
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 23:02:11.93 ID:08VZqtnU0
タトゥーというより、それはナイフのようなもので彫られた傷に見えた。
『馬鹿』『阿呆』などの意味を表す低俗な言葉や、とても言葉に出来ないような卑猥な言葉が、
体の至るところに書き殴られていた。
たとえばそれは、子供が子供にやるようないじめで、持ち物にラクガキされるそれと同じレベルだった。
違うのは、彼女の体そのものに、深い傷として刻まれているということだ。
(;'A`)「ありゃあ、一体―――あ!!」
( ・∀・)「今度はどうした?」
('A`)「姫様が入ってきた」
( ;・∀・)「なあぁにいいいい!?」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 23:07:19.15 ID:08VZqtnU0
ペニサスの体に彫られていた文字も気になるが、今はそれどころではなかった。
双眼鏡を取り合ってモララーとドクオがもつれ合う。
( ;・∀・)「よこせ!!」
(;'∀`)「やーだね! 姫のヴァージン視姦は俺がもらった!」
( ;・∀・)「なんたる外道! やはり貴様はここで斬る!!!」
(;゚A゚)「わーばかばか!! 剣を振り回すな! 危ないだろ!!
わかったよ、二人で仲良く一緒に見ようぜ。こう、片目ずつ」
「なにを見るのでしょうか?」
( ;・∀・)「そんなの姫様の裸に―――――――」
(;'A`)「決まってるだ――ろ――――――――」
背筋が凍り、足が震えた。
背中に感じる重圧はまさしく、魔獣そのものであった。
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/02(水) 23:12:30.78 ID:08VZqtnU0
(#゚∋゚)「お二方、少し悪ふざけが過ぎたようですね」
ガラクタメモ:
<クックルの一番嫌いなこと>
隠れて誰かを傷つけるような卑怯なこと
( ;・∀・)(;゚A゚)「すいませんでしたあああああああああ!!!!」
|||||||| |||||||||||
|||Φ(;・∀・ )Φ||Φ('A`;)Φ|||||
ガシャーン
モララーとドクオ、城の地下牢に、投獄。
次回、一回休みとして二人は本編には出ません。
( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです 9
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