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954 名前: ◆vUsDOjbm1w :2006/02/06(月) 13:12:02.86 ID:J3PgH/K70
(・∀・)「院長、患者は長期の治療期間が必要になると思われます
ここは、措置入院という形をとったほうがよろしいと思います」
('A`)「うむ
聞けば患者の家は母子家庭だ
生活もさぞかし苦しかっただろう
私も措置入院には賛成だ」
(・∀・)「では、さっそく手続きを取りましょう
これで、あの母子の負担はほとんどなくなりますね」
('A`)「そうだね
昔はさんざん批判された措置入院だが、やはりこの制度はまだまだ必要だ
要は我々医療に携わる者の道徳心が問題であって
悪いのは患者とその家族ではないのだ」
院長と診療部長はブーンに対して措置入院という形で入院させることにした
958 名前: ◆vUsDOjbm1w :2006/02/06(月) 13:18:45.59 ID:J3PgH/K70
その頃ブーンは第1病棟の2035室に到着した
看護士「看護部長、この患者さんは治るんでしょうか?」
まだ新米の看護士はツン看護部長に尋ねた
彼はこの大きな病院に勤務して以来、何人もの患者を看護してきた
様々な精神病と戦う患者の看護は壮絶を極めた
彼は精神病の大変さを実地で思い知らされた
ξ゚⊿゚)ξ「・・・私たちが最初から弱気ではダメよ
必ず治ると信じて、全力を尽くして患者さんを看護する
それが、患者さんに対して私達ができることよ」
ツン看護部長は強い口調で新米看護士を諭した
51 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/06(月) 16:53:56.67 ID:J3PgH/K70
ブーンは車椅子から降ろされ、ベッドに寝かされた後、落ちないように抑制帯を腰にはめられた
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ点滴を打つわよ」
看護士「はい」
看護士がブーンの左手も抑制帯で固定し、ツン看護部長がなれた手つきでブーンの左手首の内側に
点滴の針を刺した
54 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/06(月) 16:58:27.08 ID:J3PgH/K70
(ヽ゚ω゚)「・・・」
この間にブーンが暴れる事はなかった
いつもと同じように空を見つめるだけである
看護士「この患者さん、全く反応しないですね・・・」
ξ゚⊿゚)ξ「重度の昏迷状態のようね・・・
カテーテルを使って尿をとりましょう」
看護士「はい」
看護士はカテーテルの管を取り出し、ブーンの尿道に管をゆっくり入れていった
普通なら痛みが伴うか、違和感を感じるのだが、今のブーンには何も感じないようだった
57 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/06(月) 17:01:26.88 ID:J3PgH/K70
看護士「準備できました」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあいくわよ」
そういうとツン看護部長はブーンの下腹部を押し始めた
管の先から尿が出てきた
看護士は尿瓶で尿を受け止めた
看護士「じゃあ、おしめをつけます」
ξ゚⊿゚)ξ「お願い」
看護士は管を取り外し、ブーンに大人用のおしめをはかせた
59 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/06(月) 17:05:29.79 ID:J3PgH/K70
続いて、ブーンに患者用の衣服を着せた
前で着物のように重ねてしめるようになっている
最後に看護士はブーンの鼻に少し濁ったチューブを挿した
食事をとることができない為、このチューブから栄養を送るのだ
かくしてブーンの入院準備が終わった
ξ゚⊿゚)ξ「これでいいわね」
看護士「そうですね」
101 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/06(月) 19:32:07.85 ID:J3PgH/K70
ブーンが入院してから1週間が経った
ブーンは入院時と変わることなく、廃人のようにベットに横たわったままだった
左手には点滴、鼻には栄養チューブがつけられ、腰や手足は抑制帯でしっかりとベットに固定されていた
虚ろな目は冷たいコンクリートの天井を見つめたまま動かない
(ヽ゚ω゚)「かー・・・ちゃん・・・きょう・・・も・・・あつい・・・お・・・」
ブーンの口からかすかに言葉が聞こえる
今はまだ1月である
104 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/06(月) 19:39:16.86 ID:J3PgH/K70
('A`)「・・・まだ薬の効果は表れないのか?」
(・∀・)「今のところ、これといったものはみられません」
(`・ω・)「これまで3週間ルーランを処方し続けてきました
入院してからはルーランに加えて、リスペリドンを新たに処方しています」
('A`)「リスペリドンか・・・
分裂病は治るといえるようになったのはこの薬のおかげだったな」
(・∀・)「そうです
90年代に入って、この薬が出てきた事で分裂病の治療には画期的な飛躍があったと言っても
過言ではないでしょう」
106 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/06(月) 19:42:06.04 ID:J3PgH/K70
('A`)「・・・」
院長は何やら考え込んでいた
('A`)「もうしばらく様子を見て、一向に改善の傾向が見られない場合は
通電療法をとることになるかもしれんな」
(・∀・)「通電療法は時として分裂病患者に劇的な回復を見せる事があります
特に昏迷している患者には、回復の可能性が高いかと」
112 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/06(月) 20:11:40.72 ID:J3PgH/K70
真夏の今日も日差しが暑かった
ブーンは小学生だった
( ^ω^)「カーチャン、僕も買い物に行くお」
J( 'ー`)し「手伝ってくれるの?
じゃあ、一緒にいこっか」
( ^ω^)「うん!
じゃあ、おかし買ってお」
J( 'ー`)し「あー、こらー
それが目当てだなー」
115 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/06(月) 20:14:36.47 ID:J3PgH/K70
今日は日曜日でブーンの父も家にいた
J( 'ー`)し「じゃあお父さん、行ってきますね」
( )「いってらっしゃい
気をつけていくんだぞ」
父はブーンの頭をなでながら、そう話した
( ^ω^)「行ってくるお!」
ブーンは母の手を握り、急かした
J( 'ー`)し「もー、おかしは逃げないよ
ゆっくりいこ」
(ヽ゚ω゚)ブーンが精神病になったようです 第二部 第十二話
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