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172 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 18:50:37.99 ID:9D56nxtO0
(6 ・ 」・)「まさか本当に結婚するとは思わなかったなー」
(σ_σ,)「それはひどいですー」
(6 ・ 」・)「はは、冗談だよ
あとは子供が授かるのを待つだけだな」
('A`)「子供か・・・
まさか俺の子ができるなんて考えたこともなかったよ」
(6 ・ 」・)「子供はいいぞー
うちのは男だが、やんちゃざかりで手におえないけどな」
(σ_σ,)「アタシは女の子が欲しいなー」
174 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 18:55:02.12 ID:9D56nxtO0
しかし、二人の間にはなかなか子ができなかった
(σ_σ,)「・・・なかなかできないね、赤ちゃん」
('A`)「まあ、そんなに慌てることもないだろう」
(σ_σ,)「・・・うん」
月日は流れ、二人が結婚してから2年が過ぎた
しかし、依然として二人には子ができなかった
(σ_σ,)「もしかしたらアタシの体に何か欠陥があるのかも・・・」
けいこりぃは妊娠しない理由は自分の体にあるのではないかと疑うようになっていた
176 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 18:59:04.53 ID:9D56nxtO0
その日、ドクオは休日だった
(σ_σ,)「ねえ、アナタ・・・」
('A`)「ん?
なんだ?」
(σ_σ,)「アタシって不妊症かも・・・」
けいこりぃは深刻な表情だった
('A`)「バカな・・・
そんなこと考えるじゃない」
(σ_σ,)「でも、アタシ達結婚してもう2年よ!
それなのに妊娠しないなんて!」
178 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 19:02:05.67 ID:9D56nxtO0
('A`)「そんなに心配するな」
(σ_σ,)「でも、アタシもいつまでも若くはいられないわ!
高齢になったら、出産がとても危険になるし・・・」
('A`)「・・・」
この頃、けいこりぃは少しヒステリー気味になっていた
('A`)(気の済むようにさせてやったほうがいいかもしれないな・・・)
ドクオはそう考え、けいこりぃに産婦人科に行って、不妊治療を受けてみるように薦めた
179 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 19:05:54.10 ID:9D56nxtO0
けいこりぃは定期的に産婦人科に通い、不妊治療を受けるようになった
不妊治療は辛く苦しいものだった
(σ_σ,)「アナタ・・・
アタシ辛いわ・・・」
あまりの苦しさにけいこりぃはドクオに思わず、ぐちをこぼした
('A`)「無理しなくてもいいぞ
俺は別に子供ができなくても、お前が一緒にいてくれればそれでいい」
ドクオは優しく、けいこりぃをなだめた
('A`)(俺も一度検査を受けてみよう)
ドクオは自分のせいかもしれないと思い、検査を受けた
しかし、結果は正常とでたのだった
181 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 19:10:24.77 ID:9D56nxtO0
忍耐強くけいこりぃは産婦人科に通い、不妊治療を受け続けた
しかし、妊娠の兆候は見られないまま、月日は過ぎ去って言った
やがて、二人が結婚してからもうすぐ5周年になるところだった
結婚記念日の今日、二人はホテルのレストランで夕食をとっていた
('A`)「早いものだな
俺たちが結婚してもう5年か・・・
俺ももう45だよ」
(σ_σ,)「そうね・・・
月日の流れはあっという間だわ
183 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 19:12:36.94 ID:9D56nxtO0
('A`)「さあ、乾杯しよう」
ドクオは紅いワインの入ったグラスをかざした
(σ_σ,)「ええ」
けいこりぃもグラスを手にとった
('A`)「じゃあ乾杯」
(σ_σ,)「乾杯」
チンッと透き通った音が響いた
187 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 19:16:10.98 ID:9D56nxtO0
('A`)「今日言おうと思って、ずっと言ってなかったことがあるんだ」
(σ_σ,)「なにかしら?」
('A`)「今度、新しく病院を建てるんだ
俺が理想とする医療をできる病院をね」
(σ_σ,)「まあ!
そうなの」
('A`)「ああ、俺の理想を実現する病院を建てるのは長年の夢だった
遂にそれが実現できる」
ドクオは珍しく興奮気味にしゃべった
(σ_σ,)「よかったわね、アナタ・・・」
けいこりぃはそんなドクオを微笑みながら見つめた
189 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 19:21:49.70 ID:9D56nxtO0
('A`)「俺は長年精神科医をやってきたが、残念ながら日本の精神科医療は
欧米と比べて遅れていると言わざるをえない状況だ
完治できないまま、何十年も苦しみ続けている患者があまりにも多すぎる
もっと日本の精神科医療は発展しないといけない時期にきている」
ドクオは真剣な目つきで語る
('A`)「俺は必ず、自分の病院で多くの患者を治してみせる!」
(σ_σ,)「すばらしいわ」
ドクオの話を聞くけいこりぃはどことなく寂しげだった
191 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 19:28:14.48 ID:9D56nxtO0
けいこりぃはすでに30の半ばを過ぎていた
(σ_σ,)「先生、アタシの不妊は治るんでしょうか?」
けいこりぃは通院している産婦人科の医師に聞いた
医師「・・・なんとも言えません
ただ、不妊治療にもタイムリミットがありまして、40~43歳ぐらいまでが治療可能な年齢ですが
これ以上は命の危険がある為、治療できないのです」
(σ_σ,)「・・・そうなんですか」
けいこりぃは医師の言葉を聞いて、焦りを感じた
(σ_σ,)(もうあと数年しかないわ・・・)
192 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 19:30:59.03 ID:9D56nxtO0
残された時間はあまりない
それがいつも頭の片隅にあり、結婚記念日の今日という日も心から喜ぶことができなかった
('A`)「・・・元気がないな
どうかしたのか?」
(σ_σ,)「いえ、なんでもないわ
おめでとう、アナタ
お仕事、頑張ってね」
('A`)「ああ、お前の為にも頑張るよ」
200 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 19:41:15.50 ID:9D56nxtO0
そんなある日、けいこりぃは吐き気を催した
(σ_σ,)(もしかして・・・)
けいこりぃは産婦人科に行った
医師「おめでとうございます
2ヶ月目に入ったところですよ」
医師は笑顔でけいこりぃにそう話した
(σ_σ,)「あ、ありがとうございます・・・」
けいこりぃは思わず涙をこぼした
(σ_σ,)(ついに赤ちゃんが・・・
アタシのお腹の中に赤ちゃんがいるのね・・・)
そう思うとけいこりぃは飛び上がりたくなるほどの嬉しさがこみ上げてくるのだった
204 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 19:44:10.32 ID:9D56nxtO0
辛く苦しかった不妊治療を何年間も受け続けてよかった
途中で何度もうやめようと思ったことか・・・
けいこりぃはなんだか報われたような気持ちがした
(σ_σ,)(元気な子が生まれてきますように・・・)
けいこりぃは腹をさすりながら、注意深く病院から家に帰った
その晩、ドクオが仕事から帰ってきた
('A`)「ただいま」
(σ_σ,)「おかえりなさい、アナタ」
208 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 19:46:39.59 ID:9D56nxtO0
ドクオはスーツのジャケットを脱いで、ハンガーにかけていた
(σ_σ,)「ねえ、アナタ・・・」
('A`)「ん?
なんだ?」
ドクオはジャケットの皺を伸ばしながら、返事をした
(σ_σ,)「アタシね・・・
赤ちゃんできたみたいなの・・・」
('A`)「おお!
本当か!?」
ドクオは驚いて思わず、手にしていたジャケットを落としてしまった
215 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/07(火) 19:50:11.72 ID:9D56nxtO0
(σ_σ,)「ええ
今日、病院に行って確かめてきたわ」
('A`)「よかったじゃないか!
お前、すごい心配していただろ
本当に良かった!」
ドクオは彼にしては珍しく感情をあらわにして喜んだ
(σ_σ,)「アタシ頑張って元気な子を産むわ」
('A`)「ああ、これからは家事はおいといて体を大切にしてくれ!
お前はもう一人の体じゃないんだからな」
ドクオはけいこりぃを抱きしめてそういった
(σ_σ,)(ああ、幸せってこういうことなのね・・・)
けいこりぃはドクオの腕の中でそう思った
(ヽ^ω^)ブーンが精神病になったようです 第九部 第五十四話
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