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427 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 18:17:29.17 ID:gXTJcpnV0
その頃、バロス病院に送迎用バスが到着した
ドアが開くと、数人の人が降りてきた
(´・ω・`)(ここが、ブーン君が入院している病院か・・・)
工場長はバスから降りると、以前にブーンの母から受け取ったメモをポケットから取り出した
(´・ω・`)(うむ
やはり、ここであっている)
工場長はメモを再びポケットにしまい、病棟の外来用の出入口に向かった
433 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 18:22:11.51 ID:gXTJcpnV0
工場長は中に入り、受付の所にいった
(´・ω・`)「すいません」
受付「はい、どのようなご用件でしょうか?」
(´・ω・`)「こちらの病院にブーンという者が入院していると聞いたのですが・・・」
受付「少々お待ち下さい」
受付は右に置かれたパソコンのほうを向き、何やらキーボードを打ち出した
受付「お待たせ致しました
第1病棟の2035室に入院している内藤ブーンさんですか?」
(´・ω・`)「そうです
彼の見舞いに来たのですが」
受付「そうでしたか
それではあちらのナース・ステーションの方で、そのことをご説明下さい
ナースの者がご案内致しますので」
(´・ω・`)「ありがとう」
439 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 18:25:27.13 ID:gXTJcpnV0
工場長は受付に言われたナース・ステーションに向かった
(´・ω・`)「すいません」
看護婦「はい、なんでしょうか?」
(´・ω・`)「ブーン君の見舞いに来たのですが・・・」
看護婦「ああ、わかりました
じゃあ、私の後についてきて下さい」
看護婦は机の引き出しから鍵を取り出し、ナース・ステーションから出てきた
工場長は看護婦の後をついていった
看護婦「こちらがブーン君の部屋です」
看護婦は扉にかけられた鍵をはずした
看護婦「ブーン君
お見舞いの方がいらっしゃったわよ」
看護婦は扉をあけ、中に向かって声をかける
442 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 18:30:14.61 ID:gXTJcpnV0
看護婦が工場長に声をかける
看護婦「・・・どうぞ」
工場長は病室の中に入った
そこにはやせ細ったブーンがいた
ブーンはベッドに上半身だけ起こして、なにやらブツブツつぶやいている
(ヽ^ω^)「・・・もうすぐ世界が滅びるお」
(´・ω・`)「・・・ブーン君
久しぶりだね
体の具合はどうかな?」
(ヽ^ω^)「もうすぐ世界が滅びるお
早く逃げないとアナタに死ぬお」
ブーンは鬼気迫る表情で工場に話す
447 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 18:33:42.53 ID:gXTJcpnV0
(´・ω・`)「ん?
何を言ってるんだ、ブーン君」
(ヽ^ω^)「悪魔が世界を滅ぼすと言ってるお!
早くしないと、みんな焼け焦げになって死んでしまうお!」
ブーンは叫びだした
(´・ω・`)「ちょ、ブーン君
言ってる意味が分からないんだが・・・」
工場長はブーンの支離滅裂な対応に面食らってしまった
(ヽ^ω^)「悪魔が世界を滅ぼすお!
もう何もかもおしまいだお!」
ブーンが起き上がり、暴れだそうとした
看護婦「ブーン君!」
後ろで見ていた看護婦がふいにブーンに駆け寄り、ベッドに押さえつけた
448 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 18:36:25.66 ID:gXTJcpnV0
看護婦「ブーン君!
悪魔なんていないから!
それは全部幻聴なのよ!」
看護婦は必死にブーンを落ち着かせようとする
(ヽ^ω^)「違うお!
悪魔が僕にささやくんだお!」
ブーンは看護婦を振り払おうともがく
看護婦「きゃっ!」
看護婦が弾き飛ばされた
(´・ω・`)「ブーン君!
落ち着きなさい!」
すかさず工場長がブーンを抑える
454 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 18:40:00.31 ID:gXTJcpnV0
( ´∀`)「どうした!?」
喧騒を聞きつけて、近くにいたモナー看護士長が病室に駆けつけた
看護婦「看護士長!
ブーン君が」
( ´∀`)「ブーン君!
落ち着け!」
体格のよいモナー看護士長が工場長と共にブーンを抑えつけた
(ヽ^ω^)「なんで、邪魔するお!
離すお!」
ブーンはなおも暴れ続ける
(´・ω・`)(な、なんて力だ!
ブーン君はこんな怪力だったか!?)
工場長はブーンから伝わってくる異様な力に驚いた
455 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 18:43:26.30 ID:gXTJcpnV0
( ´∀`)「何しているんだ!
僕らが抑えているうちに早く応援を呼んでくれ!」
モナー看護士長がブーンを必死に抑えながら、倒れている看護婦に叫ぶ
看護婦「は、はい!」
看護婦はすかさず病室を出ていった
( ´∀`)「ブーン君!
悪魔が世界を滅ぼすことはないよ!
だから、安心するんだ!」
(ヽ;ω;)「今も悪魔がいってるお!
僕も死ぬんだお!
怖いおー!」
ブーンは泣き叫びながら、二人を振りほどこうと必死にもがいた
462 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 18:50:23.93 ID:gXTJcpnV0
しばらくして、数人の看護士と医師がやってきた
看護士達はすかさずブーンの手足を抑え、残った者がブーンの手足と腰に抑制帯を巻きつけ
素早く締め付けた
(ヽ;ω;)「ひー!
助けておー!
うぎゃあああああああ!」
ブーンはベッドに縛り付けられながも絶叫をあげ、暴れ続ける
(・∀・)「ハロペリドールとロヒプノールを注射して!」
看護婦「はい!」
看護婦が注射器に薬を注入し、ブーンに注射した
469 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 18:54:47.76 ID:gXTJcpnV0
しばらくして、ブーンは静かに眠った
さっき注射した鎮静剤と睡眠剤が利いてきたのだ
( ´∀`)「・・・ふう」
モナー看護士長は息をきらしながら、額ににじんだ汗を手でぬぐった
(´・ω・`)「ああ・・・ああ・・・」
工場長は目の前で展開された修羅場を目のあたりにして放心状態だった
(・∀・)「大丈夫ですか?」
診療部長が工場長に声をかけた
(´・ω・`)「・・・え?
・・・ああ、すいません」
声をかけられ、工場長は我を取り戻した
472 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 18:59:52.41 ID:gXTJcpnV0
(´・ω・`)「いや、あまりのことに驚いてしまいまして・・・」
工場長はまだ少し落ち着かない様子で話した
(・∀・)「ブーン君のお知り合いの方ですか?」
(´・ω・`)「・・・はい
彼が学生時代にアルバイトをしていた所の責任者です」
(・∀・)「そうでしたか
さぞ驚かれたでしょう?」
(´・ω・`)「はい、正直に言ってこのようなブーン君は今まで見たことなかったので・・・
まるで、別人のよう・・・」
(・∀・)「全ては病気から起こっている行動なのです
彼は今、自分が今まさに焼け殺されようとする恐怖を味わっていたのです」
(´・ω・`)「焼け殺される・・・」
477 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 19:03:58.15 ID:gXTJcpnV0
(・∀・)「そうです
彼は妄想と幻覚症状と戦っているのです」
(´・ω・`)「はあ・・・」
(・∀・)「彼は先ほどから、悪魔が世界を滅ぼす、みんな焼け死ぬと叫んでいたでしょう」
(´・ω・`)「はい」
(・∀・)「私達からすれば、そんなことありえるはずがないと思います
しかし、彼にとっては、今まさに自分が置かれた事実なのです
彼は現実として悪魔が自分を殺そうとしていると感じていたのです」
(´・ω・`)「・・・」
480 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 19:09:50.30 ID:gXTJcpnV0
一段落したので看護士達は部屋から出て行った
(・∀・)「今のブーン君は狂ったように見えるかもしれません
しかし、これは彼の本当の姿ではありません
精神病というれっきとした病気によって引き起こされているだけなんです
そこの部分はきちんと認識して下さい」
工場長は複雑そうな顔をして、診療部長の話を聞いていた
(´・ω・`)「・・・わかりました
これ、見舞いの品なんで、ブーン君が目覚めたら渡してやって下さい」
工場長は持ってきた紙袋を診療部長に渡した
(・∀・)「わかりました
責任を持って、お預かりいたします」
(´・ω・`)「・・・じゃあ、ブーン君によろしく」
そういうと工場長は病室から出ようとした
482 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/05(日) 19:12:26.50 ID:gXTJcpnV0
(・∀・)「またこれからもお見舞いに来てあげて下さい」
診療部長は立ち去ろうとする工場長の背中に向かって声をかけた
(´・ω・`)「・・・」
工場長は一瞬立ち止まったが、返事をせずに病室から出て行った
(・∀・)「・・・」
診療部長は少し悲しげな目で、静かに眠っているブーンに布団をそっとかけた
(ヽ^ω^)ブーンが精神病になったようです 第九部 第五十一話
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