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931 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 19:30:07.33 ID:aNKCkxA00
ブーンは家に戻り、薬を飲んで再び横たわった
( ^ω^)(寒いお)
真夏の平日の午後は暑かった
しかし、ブーンは熱で少し寒く感じた
しばらくすると薬が効いたのか熱がひいてきたようだった
938 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 19:35:21.06 ID:aNKCkxA00
気がつくと、部屋は暗くなっていた
どうやらうたた寝してたようだ
( ^ω^)「たまにはご飯食べるかお」
ブーンはいくぶん楽になったので、晩飯を 食べようと思った
起き上がり、電気をつける
心なしか電球が暗くなったようだ
ブーンはあまり食欲はなかった
( ^ω^)「インスタントラーメンでも食べ るお」
冷蔵庫には生物がなかった
しばらく買い物に行ってないため、調味料などし か残っていないのだった
941 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 19:39:56.57 ID:aNKCkxA00
ブーンは簡単に晩飯を済ませ、テレビをつけてみた
バラエティー番組が放送 されており、賑やかな笑い声が聞えてくる
( ^ω^)「・・・」
ブーンはし ばらくそのまま観ていたが、やがて電源を消した
テレビを観ていると、だんだんしんどくなって きたのだ
(;^ω^)(目の奥がズキズキするお)
どうやら眼精疲労らしかっ た
(;^ω^)(痛いお
頭が割れそうだお)
目の奥の痛み はやがて後頭部まで広がっていった
945 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 19:42:38.09 ID:aNKCkxA00
痛みは心臓の鼓動に合わせてリズミカルに襲ってきた
(;^ω^)「痛 いお!
誰かどうにかしてお!」
ブーンはあまりの痛さに叫んだ
横になり目をつぶったが、痛みはおさまらない
ブーンは頭を地面に繰り返し叩き付 けた
こうすれば痛みが止まるように感じたのだ
951 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 19:46:01.08 ID:aNKCkxA00
ブーンは激痛に耐えながら、近所の薬局屋に頭痛止めの薬を買いに行った
それを飲み、横になって頭を抑えて目をつぶった
(;^ω^)(何で僕はこんな目に あわないといけないんだお!)
ブーンはあまりの激痛に誰かを怨みたい気持ちだった
しかし、怨む対象がなかった
959 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 19:52:07.59 ID:aNKCkxA00
真っ暗な部屋の中でブーンのうめき声だけが響いた
(;^ω^)「おー 、おー」
うめき声を出しても、救いの手を差し伸べる者は誰もいない
夜の静寂の中 、鈴虫の鳴き声がかすかに聞えてきた
966 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 19:55:51.89 ID:aNKCkxA00
やがてブーンはそのまま眠りについた
いや、痛みで気を失ったと言ったほう が適切かもしれない
その日、ブーンは夢を見た
父と母がブーンに向かって、 微笑みかけていた
ブーンは父をあまり覚えていない
そのせいか、父らしき人の顔は ぼやけていた
しかしブーンにはそれが父だと感じる事が出来た
( ^ω^)( トーチャン、カーチャン久しぶりだお)
971 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 19:58:45.80 ID:aNKCkxA00
ブーンは両親のぬくもりを感じた
それは懐かしい感触であった
( ^ω^)(僕は幸せだお)
両親はただ微笑んでいるだけで、何も話さない
しかし 、ブーンはそれだけ幸せな気分に浸れた
( ^ω^)(ずっと3人でいたいお)
ブーンは思った
977 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 20:02:50.93 ID:aNKCkxA00
ブーンは目が覚めた
( ^ω^)「・・・夢かお」
いつもの部 屋にブーンは一人だった
( ^ω^)(寂しいお・・・)
ぬくもりのある夢を 見た後の静寂な部屋はブーンを一層寂しくさせた
( ^ω^)(カーチャンは順調によくな ってるのかお?)
ブーンは母のいる病院を思い浮かべた
984 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 20:19:58.89 ID:aNKCkxA00
頭痛は治まっていた
ブーンは起き上がろうとした
(;^ω^)(なんだか肩と首 がすごいこってるお)
昨晩の頭痛のせいか、首と肩が重かった
ブーンは自分の手で 肩を揉みほぐし、薬を飲む為に起き上がった
( ^ω^)「最近、病院以外の用事で外に出 てないお
たまには本屋でもいってみるお」
ブーンは昨晩の夢を忘れる 為にも、出かけようと思った
一人で部屋にいると、寂しさで潰されてしまいそうに感じたのだ
986 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 20:22:45.16 ID:aNKCkxA00
ブーンは駅前の大型店舗に向かった
熱も下がっているようなので、自転車を漕ぐ事が苦痛で はなかった
ただ、大勢の人ごみに行くのは少し気後れした
( ^ω^)(こん な姿を見られるのは恥ずかしいお)
ブーンは今の異様な姿をあまり人に見られたくなかっ たのだ
989 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 20:26:43.54 ID:aNKCkxA00
ブーンは人目を避けるように裏路地を走った
20分ほど自転車を漕ぎ続けると、目的の 本屋が見えてきた
2階もある、その本屋は広く、様々な専門書まで揃っていた
平日 なので、それほどお客はいないようだ
( ^ω^)(医学のコーナーがあるお)
ブーンは普段なら気にならなかったであろう、医学書のコーナーの前でふと足を止めた
22 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 20:34:00.12 ID:aNKCkxA00
ブーンは何気なくいくつかの本を広げて読んでみた
そばでは何かの本を読んでいる男性が立っていた
店内の電気が暗いのか、ブーンは文字が読みづらかった
少し読むだけでめまいがしてくる
(;^ω^)(立ち読みはきついお
図書館に行って借りるお)
ブーンは広場のベンチで少し休んだ後、再び自転車に乗り、図書館へ向かった
30 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 20:38:23.29 ID:aNKCkxA00
残暑の暑さが厳しい8月の午後だというのにブーンは薄暗く感じた
(;^ω^)「見えてきたお」
ブーンは服の背中に汗を滲ませながら、自転車を図書館まで走らせた
中に入ると弱い冷房が効いており、冷機を帯びた風が汗をかいたブーンには心地よかった
( ^ω^)(やっぱり図書館は静かだお)
人が少ないわけではなかったが、図書館はひっそりした雰囲気に包まれていた
35 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 20:43:39.09 ID:aNKCkxA00
ぶーんはさっそく医学書の並んだ棚へ足を運んだ
( ^ω^)「くしゅんお!」
体温が平常になり、汗が冷たくなってきたのだ
( ^ω^)「もうくしゃみは慣れたお」
そう呟くと、ブーンは自虐的な笑みを浮かべた
0 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 20:46:36.83 ID:aNKCkxA00
医学書は様々な種類があり、難しいようなタイトルのものが多かった
(;^ω^)(やっぱ病気の本は難しそうだお)
ブーンはタイトルを左から右へ眺めた
( ^ω^)(お
何か面白そうだお)
ブーンは1冊の書籍のタイトルに興味をひかれた
52 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/02(木) 20:53:09.40 ID:aNKCkxA00
それは「ある神経病者の闘病記」といったタイトルの本であった
ブーンはこのところ神経に関わる症状が多いような気がしていたのだ
めまい・吐き気・頭痛・眼精疲労・手の震え・筋肉のひくつきなどは神経が
関係しているのではないかとブーンは考えていた
( ^ω^)(神経症なんて病気があるんだお)
ブーンは神経症という病名を初めて目にした
神経にも病気があることはブーンにとって意外であった
( ^ω^)ブーンが精神病になったようです 第一部 第五話
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