6 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:19:09.56 ID:t6ow/Oe7O
前回までのあらすじ
世界を支配する神へ復讐するため、天使の力を持つ者を殺し続けるモララー。
モララーには協力者であるドクオとブーンいる。
「次の標的はダイオードだ。」
ドクオは言った。
しかし、神はそれに気付いていた。
10 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:25:05.78 ID:t6ow/Oe7O
( ・∀・)と六つの銃弾のようです
第三話
:罠
7 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:21:55.30 ID:t6ow/Oe7O
一の弾
???
モデル:?
能力:?
兵装:?
二の弾
???
モデル:?
能力:?
兵装:?
三の弾
( Φ ..Φ)
モデル:蛇
能力:エネルギー操作
兵装:レヴィアタン・スタッフ
9 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:23:09.08 ID:t6ow/Oe7O
四の弾
???
モデル:?
能力:?
兵装:?
五の弾
???
モデル:?
能力:?
兵装:?
六の弾
???
モデル:?
能力:?
兵装:?
11 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:27:04.18 ID:t6ow/Oe7O
VIPの遙か南、海沿いに存在する都市「ラウンジ」。
首都と同様に、中心には巨大なサンダルフォン城がどっしりと構えている。
メタトロン城とは違い、高さは無いが広大な敷地と中庭を有する。
ラウンジは観光都市、貿易の主要港としての機能に特化している。
13 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:29:02.62 ID:t6ow/Oe7O
南側には大規模な船のドックや、海浜公園が広がっている。
街の中心には歓楽街が広がっており、宿泊施設やカジノ、商品を売る市場や国営の「特別商品市場」が存在する。
(―@∀@)「んん~!
っあぁ…」
伸びをすると同時に、塩の香りが鼻腔をくすぐった。
汽車を乗り継ぎ、馬車に揺られる事数日の旅。
座りっぱなしで抑圧された腰はパキパキと音を鳴らす。
14 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:31:11.48 ID:t6ow/Oe7O
初めて訪れる有数の観光地に彼の心は高揚するはずだった。
しかし残念ながら、モララーはそんな心持ちではなかった。
ラウンジで果たすべき目的と
(―@∀@)
川
('m`)
川ー●ω●)
この変装のせいで。
16 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:33:14.22 ID:t6ow/Oe7O
モララーは眼鏡のみだが、ドクオとブーンはかなり力を入れて変装している。
(;@∀@)「おじさん。さっさと街に入りましょうか。」
早く落ち着く場所を探したいがために先に進もうとした。
ブーンの店を出た瞬間からこの変装を続けているため、肩がこってしまった。
モララーに反して二人はゆったりと構えていた。
17 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:35:28.43 ID:t6ow/Oe7O
('m`)「これこれモーリー。
そんなに急いでもバカンスは逃げないさ。なぁホライゾン?
はっはっはっはっはっ」
川ー●ω●)「そうだぞ。
急ぐだけ損。ってもんだぜ?
boy?」
金持ちの友人二人と甥っ子の設定らしい。
僕の持つ金持ち像が間違っているのだろうか?
19 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:38:06.08 ID:t6ow/Oe7O
街に足を踏み入れると、まず目に付いたのは貧富の差だった。
客として買い物を楽しむ富豪達やごますりに忙しい店主は、新品のような煌びやかな服に身を包んでいる。
反対にこき使われる店員や、富豪の後ろで荷物を持つ奴隷達はボロ布を纏っているだけだ。
宿へ向かう途中で「特別商品市場」を見かけた。
「しっかり見とけ。これがこの街の本質だ。」
ドクオがボソッと耳打ちした。
20 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:40:52.61 ID:t6ow/Oe7O
キレイな舞台の上に十数人の男女がならんでいる。
人種も年齢もまちまちの老若男女が手枷足枷をつけて並ぶ。
一人一人の前にある札には数字がいくつも書き足されている。
一番高額を付けた客が買い取れるシステムのようだ。
特別商品とは、はっきり言って奴隷だ。
22 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:42:52.94 ID:t6ow/Oe7O
街を一通り見回した後、奇妙な事実に気付いてしまった。
笑顔の住人しか見かけていない。
観光に来た金を落とす客達。彼らに対して物を売りつける商人は勿論のこと。
食事もろくに貰えずに棒のような手足の奴隷達も、数ヶ月後にはそうなるであろう舞台上に並ぶ商品達も、絶えず笑顔を浮かべていた。
「奴隷として尽くしゴミグズのように捨てられる事は喜ばしい」
ダイオードが定期的に行う洗脳により、その考えが当然の如く受け入れられている。
24 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:44:13.08 ID:t6ow/Oe7O
一握りの富裕層の娯楽の足元は、その何百、何千倍もの貧民の肉で敷き詰められている。
街の美しさに騙されてはいけない。化けの皮が剥がれれば、ここは地獄だ。
( ・∀・)「腐り切ってますね。」
宿に着き、部屋に入って第一に口からこぼれたこの街の印象がそれだった。
25 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:46:12.68 ID:t6ow/Oe7O
川
('m`)「これがあのクソ神様が作り上げた世界だ。
昔はこんなんじゃ無かったんだがな。」
ドクオが珍しく悲しそうな目をして答えた。
そのせいでモララーは変装にツッコめなかった。
川;●ω●)「さすがに能天使が多かったお…
変装は正解だったお。」
26 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:48:11.01 ID:t6ow/Oe7O
( ・∀・)「…能天使?」
モララーは聞き慣れない単語に首を傾げた。
('m`)「一般常識なんだが…まぁお前は仕方がないか。」
ドクオは紙を取り出し、文字を連ね始めた。
('m`)「この十年間、お前は社会勉強する暇無かったからな。
今のうちに勉強しとけ。」
28 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:50:12.97 ID:t6ow/Oe7O
モララーはこの十年間、ドクオによる修行と召喚術の研究に明け暮れていたため、社会について学ぶことは出来なかった。
('m`)「政府に所属する者を『天使』と呼ぶんだ。」
紙にはいくつかの天使が並んでいた。
('m`)「まず一つめ、大天使。まぁ天使の能力を持つヤツらをそう呼ぶ。
こいつらは別格だ。」
( ・∀・)「殺害対象ですよね?
…リストでは七人とそれ以外に分かれてますけど、それは?」
29 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:52:06.46 ID:t6ow/Oe7O
資料にあった殺害対象。
そのリストでは現在の第二段階での対象になる七人と、今までモララーが殺害してきた天使と別にされていた。
川ー●ω●)「あぁそれは七大天使って呼ばれてるヤツらだお。
他の天使とは段違いなんだお。」
( ・∀・)「あれ?昔は四大天使じゃありませんでしたか?」
小さい頃の記憶の片隅から、モララーは単語を引っ張り出した。
('m`)「ちょうどお前の村が消される数ヶ月前に変わったんだ。
面子も一部変わった上で七大天使になったんだ。
大天使以外天使は宿ってない。」
30 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:54:09.72 ID:t6ow/Oe7O
('m`)「さっき言った能天使は憲兵だな。
神による法を犯した者や、神に敵対する者を取り締まる。まぁ戦闘部隊だな。
他に熾天使が政治をしたり、主天使が地方を管理してたり、色々だ。」
川ー●ω●)「実際に戦う相手は大天使と能天使だから十分だお。」
その時、
ポーン
と部屋に備え付けられたスピーカーから電子音が流れた。
31 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:56:22.55 ID:t6ow/Oe7O
『ピー…ガガ…
ガブリエル様による宣教の時間まで、残り一時間となりました
…ガ…
作業を中止し、スピーカー前で準備をして下さい…』
34 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/01(土) 23:58:42.97 ID:t6ow/Oe7O
/ ゚、。 /「……お聞きの通り、あと一時間ですよ。
まぁ七大天使最強の貴方がいれば問題ないと思いますが。
…『ミカエル』ロマネスク殿」
サンダルフォン城応接室。そこには天使の力を宿した者が四人控えていた。
( ФωФ)「まぁ場内広場には二千人の兵が控えている。
…これだけいればお前の『能力』でどうとでもなりそうだがな。
私は保険だ。」
七大天使最強と呼ばれた男が答えた。
35 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:00:09.19 ID:H9is0mUGO
「いざとなったらウリもいるニダよ。」
部屋の壁にもたれていた、弓を背負った男が言った。
<ヽ`∀´>「ウリに宿った『ハニエル』の力ででどんなヤツでも射止めてやるニダ。」
彼はサンダルフォン城に配属されている大天使だ。
背にあるのは弓のみで、矢はどこにも見当たらない。
37 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:02:54.97 ID:H9is0mUGO
( <●><●>)「ニダー。君は私の護衛任務であることはワカッテマスか?
私のそばを離れる事のないように。」
ワカッテマスが釘を刺した。
ニダーはその言葉に一瞬体を強ばらせたが、不満が勝っているのか返事をしなかった。
( ФωФ)「ワカッテマスは戦闘向きでは無いからな。
回避能力なら最強であるが、いかんせん攻撃はな。」
39 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:05:44.58 ID:H9is0mUGO
/ ゚、。 /「君達の任務は敵の姿を見ることです。
視界に収め、どうあってもワカッテマスが生き残る事。
貴方はその立場がいかに重要であるか考えなさい。」
ワカッテマスに宿る『ラグエル』は監視を司る。
彼の能力を使えば、一度見た対象の姿をいつでも視認し、位置を知る事が出来る。
また、半径三メートルに対象がいる場合、筋肉の動きを的確に把握して相手の動きを予測する事が可能だ。
40 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:07:42.48 ID:H9is0mUGO
神の予測が当たれば、ダイオードが狙われる。
言わば、ダイオードは反逆者をおびき寄せる餌。
餌を守る最強の天使が反逆者を返り討ちにし、わざと泳がせて敵の情報を掴む作戦だ。
<ヽ`∀´>「捕獲するべきじゃないニカ?
捕獲ならウリが適任ニダ。
護衛なら大天使様の方が向いてるニダよ。」
( ФωФ)「相手が複数犯である以上、メタトロン城を手薄にする訳にはいかん。」
口調に少し怒気を込めて、ロマネスクは言葉を続ける。
43 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:09:35.62 ID:H9is0mUGO
( ФωФ)「これは神の考えである。…神の決定に反逆する気なら、今消してやっても構わんのだが?」
これにはニダーも押し黙るしかなかった。
( ФωФ)「主を信じるのであれば与えられた役職を果たせ。
さぁ持ち場に着こう。我らが主のために。」
ロマネスクは扉を開いてズカズカと部屋を後にした。
45 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:11:15.30 ID:H9is0mUGO
『…これよりダイオード様よりお言葉があります…
…聞き漏らしの無いよう心して聞くように…』
日の光が注ぐサンダルフォン城の、庭園に面したバルコニー。
そこに設置されたマイクの前にダイオードは立っていた。
46 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:14:02.01 ID:H9is0mUGO
マイクからは電線が何本も伸び、蜘蛛の巣状に張り巡らされ街中のスピーカーに声を届けることが出来る。
庭園には二千を超える能天使達が武装し、直立不動で整列していた。
ダイオードは庭園に並ぶ兵達を一通り眺めた。
ダイオードはこの景色が気に入っている。
自らの言葉に従う愚民を見下ろす優越感が、彼の心を満たしていた。
マイクの前に立つと、ロマネスクがダイオードの隣へ歩を進めた。
49 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:17:37.59 ID:H9is0mUGO
ロマネスクが隣に立った事に気付くと、視線を送った。
ロマネスクは胸を張って雄大な姿で虚空を眺めていた。
ロマネスクへ送った視線を外すと、背後にそびえる城の上階を見上げた。
( <●><●>)「…。」
城全体を見渡せる最上階の展望台にワカッテマスが待機している。
弓を構えたニダーも、真剣な眼差しで周囲に目を凝らしているようだ。
50 名前: ◆Zb08y4eL/Y [訂正] 投稿日:2011/01/02(日) 00:19:13.16 ID:H9is0mUGO
ロマネスクが隣に立った事に気付くと、視線を送った。
彼は胸を張って雄大な姿で虚空を眺めていた。
ロマネスクへ送った視線を外すと、背後にそびえる城の上階を見上げた。
( <●><●>)「…。」
城全体を見渡せる最上階の展望台にワカッテマスが待機している。
弓を構えたニダーも、真剣な眼差しで周囲に目を凝らしているようだ。
52 名前: ◆Zb08y4eL/Y [訂正] 投稿日:2011/01/02(日) 00:21:21.77 ID:H9is0mUGO
反逆者のために用意された布陣を確認し、ダイオードは再びマイクへ体を向けた。
さぁ、至福の時間の始まりだ。
おもむろに片手を天へ向ける。
ダイオードから淡い光が漏れだし、その中でもより一層光る喉から声が発せられた。
それが、『ガブリエル』の洗脳能力が発現した瞬間だった。
55 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:23:07.38 ID:H9is0mUGO
/ ゚、。 /『ラウンジの民衆よ!
我は『神の人、ガブリエル』!
我の言葉は神の言葉!
我の言葉に従え!
我の言葉を命を賭して守れ!』
56 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:25:04.60 ID:H9is0mUGO
ダイオードの言葉が電気信号となり街中のスピーカーへ伝わる。
電気信号になれど魔力は衰えず、民衆の耳を通り脳へ浸透する。
脳は抗う術を持たず、ダイオードの言いなりになった。
一度言葉を切ると、次の言葉を発するために大きく息を吸い込んだ。
それは、大きな音を立てて城外へ続く庭園の門が開かれるのと同時だった。
57 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:28:37.56 ID:H9is0mUGO
/ ▲)「どうもーガブリエルさん。元気ですかー?」
魔術師のマントの中から、若い大声が響いた。
彼の出現により城内の空気が一変した。
/ ゚、。;/「…!
出たか!」
( ФωФ)「貴様か…。
神に仇なす反逆者よ。」
ロマネスクとマントの男の視線が合わさった時、また空気が変わった。
59 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:30:55.08 ID:H9is0mUGO
/;▲)「え…!?
なんでロマネスクが!?」
余裕綽々だった彼の声色が焦りにそまった。
そう言いながらマントの男はバルコニーに背を向け、城外へ走り出した。
( ФωФ)「ほう…
我が輩から逃げられると思っているのか。」
そう言うと、ロマネスクの脚部に光り輝く鎧が姿を表した。
そして反逆者へ向けて『空中』を走り出した。
60 名前: ◆Zb08y4eL/Y [] 投稿日:2011/01/02(日) 00:31:46.31 ID:H9is0mUGO
さぁ。罠にかかったネズミを潰してやろう。
続く
( ・∀・)と六つの銃弾のようです 解説 巻の一 ( ・∀・)と六つの銃弾のようです 第四話
スポンサーサイト