762 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/28(火) 16:32:59.36 ID:+Xz9ydR30
季節は流れ、夏真っ盛りの7月
ブーンはいつものように学校からの帰る所だった
(;^ω^)(暑いお
図書館で勉強するお)
ブーンの家には扇風機しかないので、冷房の効いている図書館へ行って勉強しようと考えた
ブーンはいつものコースを外れて図書館へ向かった
(;^ω^)(今年の夏は特に暑いお)
ブーンは額から流れてくる汗をぬぐいながら、自転車をこいだ
770 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/28(火) 16:38:41.94 ID:+Xz9ydR30
学校から20分ほどして、ブーンは図書館に着いた
自転車置き場に自転車をとめ、さっそく中に入る
( ^ω^)「フヒー、気持ちいいお」
程よい冷気がブーンの汗で濡れた肌を冷やした
( ^ω^)(・・・さて、空いてる席を探すお)
ブーンは広い館内を歩き回って空いている席を探した
( ^ω^)(なかなか空いてる席が見つからないお)
空席がなかなか見つからない
( ^ω^)(・・・お、あそこ空いてるお)
774 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/28(火) 16:45:39.89 ID:+Xz9ydR30
ブーンは図書館の奥のほうに置かれた小さな机に空席を発見した
( ^ω^)(早く座るお)
ブーンはいそいそと席に向かった
隣に座っている人に一声かけてから座ろうと考えた
( ^ω^)「すいません
ここ、空いてますかお?」
||‘‐‘||レ「・・・空いてますよ」
776 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/28(火) 16:50:08.04 ID:+Xz9ydR30
隣に座っているのは高校生らしき女の子であった
( ^ω^)(ぬ?
車イスに座ってるのかお)
隣の女の子は車イスに座っていた
||‘‐‘||レ「どうぞ」
( ^ω^)「じゃあ失礼しますお」
ブーンは机に鞄を置き、イスに座った
( ^ω^)(この子も受験生かお)
ブーンは隣の子が広げている本を見たが、大学受験用の問題集であった
( ^ω^)(ぬ?
国公立大学志望かお?)
隣の席の子の前に置いてある赤本には『VIP大学』と太い文字で書かれてあった
778 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/28(火) 16:53:10.00 ID:+Xz9ydR30
( ^ω^)「受験生ですかお?」
ブーンは隣の子に声をかけた
||‘‐‘||レ「そうですよ
アナタも?」
( ^ω^)「そうですお」
||‘‐‘||レ「まあ
奇遇ね」
( ^ω^)「国公立志望かお?
僕も国公立志望なんだお」
||‘‐‘||レ「ええ
うちあんまりお金ないから・・・」
781 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/28(火) 16:56:51.48 ID:+Xz9ydR30
( ^ω^)「うちもカーチャン一人だから、貧乏だお」
||‘‐‘||レ「そうなんだ
お母さん一人だと大変でしょうね」
( ^ω^)「二人でも楽しいお」
||‘‐‘||レ「それはいいことだね」
( ^ω^)「VIP大学志望なのかお?」
||‘‐‘||レ「ええ
色々と調べたんだけど、ここが一番いいような気がして」
( ^ω^)「ほー」
783 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/28(火) 17:00:40.51 ID:+Xz9ydR30
||‘‐‘||レ「見てのとおり、アタシ足が悪いでしょ
VIP大学だとここからも近いし、建物が新しいからバリアフリーも充実してるの」
( ^ω^)「へー」
||‘‐‘||レ「偏差値が高いけど、頑張って合格したいと思ってるの」
( ^ω^)「それはいいことだお」
||‘‐‘||レ「アナタはどこを目指してるの?」
( ^ω^)「まだ具体的には決めてないお」
||‘‐‘||レ「それなら、VIP大学なんてオススメだよ」
( ^ω^)「VIP大学よさそうだお」
786 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/28(火) 17:06:01.77 ID:+Xz9ydR30
||‘‐‘||レ「アタシはマイだよ
アナタは?」
( ^ω^)「僕はブーンだお」
||‘‐‘||レ「最近、この図書館で勉強してるの
よろしくね」
( ^ω^)「よろしくだお」
ブーンとマイは図書館が閉館になるまで、そこで勉強した
34 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 02:59:37.63 ID:Gu6qnJgB0
||‘‐‘||レ「ああ、もう閉まるね
そろそろ帰らないと」
( ^ω^)「片付けないといけないお」
ブーンとマイはそれぞれのテキストを鞄にしまった
||‘‐‘||レ「じゃあ、帰ろっか」
( ^ω^)「うんだお」
マイは自分の座っている車イスの車輪に手をかけて、出口のほうへ動かしだした
( ^ω^)「あ、僕がおすお」
ブーンはマイの後ろに回り、車イスの取っ手を持ち、前におした
||‘‐‘||レ「ありがと」
37 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 03:03:35.41 ID:Gu6qnJgB0
二人は図書館から出た
||‘‐‘||レ「ありがと
ここでいいよ」
( ^ω^)「暗いから気をつけて帰るお」
||‘‐‘||レ「アタシの家、ここから近いから大丈夫だよ
明日も図書館来るの?」
( ^ω^)「行くお」
||‘‐‘||レ「そっか
じゃあまた明日
バイバイ」
( ^ω^)「ばいぶー」
40 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 03:07:06.24 ID:Gu6qnJgB0
ブーンは自転車に乗り、家に向かった
( ^ω^)(マイちゃんの足はどこが悪いのかお)
ブーンはマイがなぜ車イスを使わなきゃいけないのか、気になった
( ^ω^)(でも、聞いちゃいけない気がするお)
やがて、ブーンは家に着いた
窓から明かりが漏れる
母が帰ってきているようだ
( ^ω^)「ただいまだお」
J( 'ー`)し「あら、おかえり
今日は遅かったのね」
43 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 03:10:37.56 ID:Gu6qnJgB0
( ^ω^)「図書館で勉強してたお」
J( 'ー`)し「ああ、そうなのね
晩御飯今から作るから、ちょっと待ってね」
母は床に広がった内職用の素材を整理し始めた
( ^ω^)「うんだお」
ブーンは母の片づけを手伝った
J( 'ー`)し「ブーン
お金のことは心配いらないからね
だから自分の行きたい大学を目指すんだよ」
( ^ω^)「うんだお」
45 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 03:13:52.29 ID:Gu6qnJgB0
母が台所で料理を作っている間ブーンは折り畳み机を広げて、食事を置けるように準備していた
( ^ω^)「これでいいお」
しばらくして台所から母が夕飯を持ってきた
J( 'ー`)し「さ、ご飯食べよっか」
母は二人分の食事を折り畳み机の上に置いた
( ^ω^)「いただきますお」
二人は夕飯を食べ始めた
53 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 03:20:17.22 ID:Gu6qnJgB0
( ^ω^)「図書館で車イスに座った女の子と仲良くなったお」
料理に箸を伸ばしながら、ブーンは話す
J( 'ー`)し「あら、そうなの
それは良かったわね」
母は嬉しそうだった
( ^ω^)「その子に色々と教えてもらって、VIP大学を目指そうと思うお」
J( 'ー`)し「そうかい
ブーンが決めたんだから、そこを受けたらいいよ」
( ^ω^)「天王山の夏休みももうすぐだから、頑張るお」
J( 'ー`)し「夏休み入ったらカーチャンも手伝うからね」
( ^ω^)「ありがとだお」
折り畳み机の上に並べられた食事は貧しいものだったが、母子二人の交わす笑顔は
豊かで暖かさに包まれていた
60 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 03:32:54.51 ID:Gu6qnJgB0
それからブーンは学校が終わるとその足で図書館に向かうようになった
||‘‐‘||レ「あら、ブーン君」
( ^ω^)「おいすー」
||‘‐‘||レ「今日はVIP大学の対策問題集持ってきたから、これ使って」
( ^ω^)「ありがとうだお」
ブーンは席に座り、テキストを広げた
( ^ω^)「・・・マイちゃん」
||‘‐‘||レ「なあに?」
マイは問題集の答えを書きながら、返事をした
63 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 03:35:26.19 ID:Gu6qnJgB0
( ^ω^)「マイちゃんの足はどうして悪いんだお」
ふいにマイのペンを握った右手が止まる
||‘‐‘||レ「・・・」
( ^ω^)「あ、別に言いたくなかったら言ってくれなくもいいんだお
ちょっと気になっただけだお」
||‘‐‘||レ「いや、いいよ
そういえば、まだ話してなかったっけ」
( ^ω^)「うんだお」
||‘‐‘||レ「そっか・・・」
67 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 03:38:29.25 ID:Gu6qnJgB0
( ^ω^)「・・・」
ブーンはマイの言葉を待った
||‘‐‘||レ「・・・アタシね」
( ^ω^)「・・・」
||‘‐‘||レ「筋ジストロフィーっていう病気なの」
( ^ω^)「キンジストロフィー?」
||‘‐‘||レ「・・・うん」
72 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 03:43:29.39 ID:Gu6qnJgB0
( ^ω^)「はじめて聞いたお
どんな病気なんだお」
||‘‐‘||レ「なんかねだんだん筋肉が固くなって、少しずつ減っていくんだって・・・」
( ^ω^)「ええ・・・」
||‘‐‘||レ「前は普通の体だったんだけど、だんだん足の筋肉が麻痺してきてね、
動かなくなってきたの」
( ^ω^)「そうなのかお・・・」
||‘‐‘||レ「最後は全身の筋肉が麻痺して、全く動けなくなっちゃうみたい・・・」
マイは問題集に目を落としたまま、哀しげな瞳で語り続けた
76 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 03:46:30.65 ID:Gu6qnJgB0
( ^ω^)「でも、病院で治療してるんだお?」
||‘‐‘||レ「・・・うん」
( ^ω^)「だったらいつか治るお」
||‘‐‘||レ「・・・」
マイは返事をしない
( ^ω^)「どうしたんだお?」
||‘‐‘||レ「なんかね、今の医学では治す事ができなんだって・・・」
(;^ω^)「え!?」
そう話すマイの声は小さくか細かった
79 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 03:53:03.93 ID:Gu6qnJgB0
||‘‐‘||レ「遺伝子の病気らしくって、進行を抑えることができないの
で、最後は内臓の筋肉も萎縮して、肺や心臓を動かす筋肉がなくなっちゃうの」
(;^ω^)「ええ・・・
じゃあ死んじゃうのかお・・・」
二人の間に重く沈んだ空気がよどめいていた
||‘‐‘||レ「・・・うん
でも、アタシは生きれる限り精一杯生き続けるよ!
今は麻痺しているの足だけだから、こうやって自分の行きたい所にも自分の力でいけるしね!」
( ^ω^)「マイちゃん・・・」
ブーンにはマイが無理に元気を装っているように見えた
83 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 03:57:48.48 ID:Gu6qnJgB0
||‘‐‘||レ「アタシには、もう限られた時間しか残されていない
もしかしたら、明日は手が動かなくなるかもしれない
明後日には顔も動かなくなるかもしれない」
( ^ω^)「・・・」
||‘‐‘||レ「でもね、こんなアタシだからこそ、今日という一日がどれほど大切かってことが分かるの
今日という日を悔いなく精一杯生きていけるの」
マイを顔をあげ天井を見つめながらブーンに話す
||‘‐‘||レ「・・・アタシね、夢があるの
大学に進学してスチュワーデスになりたいんだ
小さい頃からスチュワーデスさんに憧れてたの」
( ^ω^)「・・・」
125 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 06:04:49.64 ID:Gu6qnJgB0
||‘‐‘||レ「フフ・・・
バカみたいでしょ
こんな体でなれるわけないのにね・・・」
( ^ω^)「夢は諦めちゃダメだお」
||‘‐‘||レ「・・・」
( ^ω^)「たとえ今は治せなくても、いつか治せる日が来るかもしれないお
だから頑張って生きるんだお」
||‘‐‘||レ「・・・」
( ^ω^)「どんだけ頑張っても死んだら、そこで全ておしまいだお
病気に負けちゃダメだお
僕も頑張ってVIP大学目指すから、一緒に頑張るお!」
ブーンは懸命にマイを励ました
127 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 06:08:53.15 ID:Gu6qnJgB0
||‘‐‘||レ「・・・そうだね
諦めたら、そこで終わりだもんね・・・
アタシが生きている意味がなくなっちゃう」
( ^ω^)「僕のトーチャンは公認会計士だったお
僕はトーチャンの後をついで、立派な公認会計士になるのが夢だお」
||‘‐‘||レ「・・・」
( ^ω^)「僕は絶対に公認会計士になるお!
約束するお
だから、マイちゃんもスチュワーデスになるって約束するお」
||‘‐‘||レ「・・・うん、頑張るよ」
( ^ω^)「一緒に頑張るお!」
マイの表情は少し明るくなった
129 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 06:11:44.65 ID:Gu6qnJgB0
やがて図書館の閉館時間が来た
( ^ω^)「あ、もうでないと」
||‘‐‘||レ「そうだね」
二人はいそいそと荷物を鞄に片付けた
( ^ω^)「じゃあ、出るかお」
||‘‐‘||レ「うん」
マイは車イスの車輪に手をかけた
||‘‐‘||レ「あれ・・・」
( ^ω^)「どうしたんだお?」
||‘‐‘||レ「手に力が・・・入らない・・・」
(;^ω^)「え!?」
158 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 09:17:08.73 ID:Gu6qnJgB0
||‘‐‘||レ「とうとう・・・病気が手にまで・・・」
マイはうつむき、そのまま動かない
(;^ω^)「・・・マイちゃん」
||‘‐‘||レ「怖いよ・・・
怖いよ・・・」
マイの肩は震えていた
(;^ω^)「マイちゃん・・・
僕が家までおしていくお」
ブーンはマイの車イスの取っ手をにぎり、後ろからおしだした
162 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 09:20:05.25 ID:Gu6qnJgB0
二人は図書館から出た
( ^ω^)「マイちゃん・・・
大丈夫かお?」
||‘‐‘||レ「・・・」
マイは返事をしない
( ^ω^)「マイちゃん・・・
ちょっと休んでいくお・・・」
ブーンは図書館の隣にある公園にマイを連れて入った
( ^ω^)「あそこにベンチがあるお」
ブーンはマイをベンチの隣にとめ、自分はベンチに座った
166 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 09:26:05.96 ID:Gu6qnJgB0
しばらく沈黙が続いたが、マイは話をきりだした
||‘‐‘||レ「・・・ブーン君は筋ジストロフィーの末期の人を見たことある?」
( ^ω^)「ないお」
||‘‐‘||レ「アタシは何人か見たことあるんだけど、みんな介護用のベッドに仰向けに
寝たまま、人工呼吸器をつけて、鼻や喉や口にチューブが入ってるの
体中の筋肉が萎縮しているから、手足の細くて小さくてね・・・
それぞれの間接が変な方向に曲がったまま固まってるね
眼球すら動かすことができないで、まるで人形のようだった・・・」
( ^ω^)「・・・」
||‘‐‘||レ「ベッドの周りには沢山の生命維持装置に囲まれて、何とか生きている・・・
いっそ狂ってしまったほうが楽なんだろうけど、頭は正常のままなの・・・」
169 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 09:33:29.94 ID:Gu6qnJgB0
ブーンはマイの話に相槌を打つことさえできなかった
||‘‐‘||レ「ホーキング博士って知ってる?」
( ^ω^)「・・・知らないお」
||‘‐‘||レ「その人もね筋ジストロフィーなの
でもね、すごい賢くて偉い学者さんで、今でも病気と闘いながら、
宇宙の研究をしているの」
( ^ω^)「・・・」
||‘‐‘||レ「かすかな筋肉の動きで、言葉の発音をする機械を車イスにつけて
機械で話しているの
アタシ、あの人をテレビで見たとき、すごいって感動した
アタシもホーキング博士みたいに強く生きたいって・・・」
( ^ω^)「・・・」
||‘‐‘||レ「・・・でもダメ
怖い・・・
自分の体が徐々に動かなくなっていくのが怖いの!」
マイは叫んだ
苦しみと恐怖に押しつぶされそうなのだ
172 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 09:38:00.51 ID:Gu6qnJgB0
||‘‐‘||レ「目をつぶるとね、頭に浮かんでくるの
手足や首が変な方向に曲がったまま、全く動かないままベッドに寝ていて
生命維持装置に囲まれて生かされている自分の姿が・・・」
( ^ω^)「・・・マイちゃん」
||‘‐‘||レ「何でアタシがこんな病気にならないといけないの?
アタシがなにか悪いことしたの?
何でなの?」
マイはブーンの方を見ないで、前を見ながら話していた
( ^ω^)「・・・」
ブーンは言葉がなかった
励まそうにも、どう励ましたらいいのか分からないのだ
173 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 09:43:30.02 ID:Gu6qnJgB0
しばらく二人は何の言葉も交わさないまま、ただ人気のない公園に座っていた
||‘‐‘||レ「・・・もういくね
手に力が入るようになったし」
( ^ω^)「・・・うんだお」
||‘‐‘||レ「ごめんね、何かグチグチ言っちゃって・・・
また明日図書館で会おうね」
( ^ω^)「・・・うんだお」
||‘‐‘||レ「あ、でも明日って1学期最後の日だね
学校休みになるか・・・」
( ^ω^)「僕の学校もそうだお」
||‘‐‘||レ「じゃあアタシの家の住所と連絡先を渡しておくね
何かあったら連絡ちょうだい」
( ^ω^)「分かったお」
ブーンとマイはお互いの連絡先を書いたメモ用紙を交換した
175 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 09:51:21.12 ID:Gu6qnJgB0
参考までに筋ジストロフィーの方の闘病記をつづったHPを載せておきます
ttp://www.synapse.ne.jp/~tosichan/
181 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 10:05:50.79 ID:Gu6qnJgB0
||‘‐‘||レ「・・・じゃあね」
( ^ω^)「・・・うんだお
気をつけて帰るんだお」
ブーンは静かに夜の暗闇の中に消えていくマイの後姿を見送り続けた
もうマイとは会うことがないのかもしれない
ふと、そんな気がしたのだ
( ^ω^)「現実とは、なんでこんなに残酷なんだお・・・」
ブーンは夜空を見上げながら、呟いた
父を失い、愛犬を失ったブーンは自分の無力さを痛感していた
だから、マイがどうしようもない自分の現状を嘆く気持ちが痛いほど分かった
183 : ◆OwJQwsENTI :2006/03/01(水) 10:12:52.74 ID:Gu6qnJgB0
( ^ω^)(早く帰らないとカーチャンが心配するお)
ブーンは家で心配しているであろう母の姿を思い浮かべ、自転車に乗り急いで家に向かった
なんで、人はこんな苦く辛い思いをしないといけないんだろう
マイの疑問は高校生のブーンの胸に深く突き刺さった
( ^ω^)「僕には難しすぎて分からないお、マイちゃん・・・」
ブーンは夜の静けさに包まれた路地道を、一人自転車をこいで家へと向かうのだった
第7部 完
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(ヽ^ω^)ブーンが精神病になったようです 第八部 第四十六話
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