215 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 05:43:15.23 ID:/T+FM2NU0
第6部
J( 'ー`)し(まずは頼りになる弁護士を探さなきゃ)
母は父をひき殺した相手に絶対に責任を取らせたかった
J( 'ー`)し(まずは近くの法律事務所から当たるのがいいかしら・・・)
母は電話帳をパラパラとめくった
ジリリリリリン!
ふいに電話が鳴った
217 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 05:45:58.76 ID:/T+FM2NU0
J( 'ー`)し「もしもし?」
電話「内藤さんのお宅でしょうか?」
J( 'ー`)し「はい、そうですが」
電話「チェキローン会社です
いつもお世話になっております」
電話は車のローンを組んでいるローン会社からだった
J( 'ー`)し「何か?」
電話「今月分のローンのお支払い代金の引き落としができませんでしたので、お電話致しました」
J( 'ー`)し「え?」
220 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 05:50:54.89 ID:/T+FM2NU0
電話「それで、支払い用の振り込み用紙をお送り致しますので、お支払期日までに
お振込みをお願い致します」
J( 'ー`)し「・・・分かりました」
内藤家の口座は早くも残高が底をつきはじめていた
父の治療費や葬式費用など、短期間の間に色々と現金を使わないといけなかったからである
J( 'ー`)し(早くお父さんの保険金が降りないかしら・・・)
生前、父が加入していた死亡保険の保険金はまだ降りていなかった
221 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 06:08:30.01 ID:/T+FM2NU0
J( 'ー`)し(車のローン以外の支払いは大丈夫だったのかしら)
毎月、月末には様々な引き落としがある
J( 'ー`)し(来月は大丈夫かしら・・・)
母はあせりを感じ始めた
J( 'ー`)し(いや、それよりも今月の車のローン代をどうやって支払うか・・・)
自分とブーンは生きる為の生活費もいる
あまり現金は減らせない
母は悩んだ
J( 'ー`)し(仕方ないから、キャッシングでお金を借りて、それで返済しよう
保険金が入ったら、キャッシングで借りた分は返済したらいいわね)
224 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 06:11:45.24 ID:/T+FM2NU0
玄関が開く音がした
( ^ω^)「ただいまだお」
ブーンが学校から帰ってきたのだった
J( 'ー`)し「あら
おかえりなさい、ブーン」
( ^ω^)「ぬ?
何だかカーチャン元気ないお
大丈夫かお?」
J( 'ー`)し「ええ、別に平気よ
それよりおなかすいたでしょう
お風呂沸いてるから、先に入ってらっしゃい」
( ^ω^)「うんだお」
ブーンは2階にあがっていった
226 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 06:16:01.33 ID:/T+FM2NU0
母はキッチンで料理を作りながら、考えていた
J( 'ー`)し(少しでも負担を減らすためには、早く車を売ってしまおう)
母は免許を持っていない
車が所有していても、仕方ないのだ
J( 'ー`)し(でも、車ってどいうう所に売ったらいいのかしら?)
車について、全く知識のない母は車の売却先が分からないのだ
J( 'ー`)し(とりあえず買った所に売ればいいのかしらね?)
しかし、父が単独で購入した車なので、母は父がどこで買ったのか知らなかった
229 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 06:20:48.90 ID:/T+FM2NU0
J( 'ー`)し(そういえば近所に車買取って書いてある店があったわね・・・)
母は買い物に行く時に見かけた「車高価買取!」と書かれた派手な原色で彩られた看板を
見たのを思い出した
J( 'ー`)し(ああいうところに売ればいいのかもね)
肉の焼ける香ばしい薫りがキッチンに広がった
間もなく夕食ができあがるところだった
(;^ω^)「ふー、お風呂気持ちよかったお」
ブーンが風呂場から出てきた
J( 'ー`)し「今、テーブルに持っていくから
ちょっと待ってね」
231 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 06:26:20.42 ID:/T+FM2NU0
( ^ω^)「いい匂いだお」
ブーンはテーブルにつく前にリビングの隣にある和室に向かった
( ^ω^)「トーチャン
ご飯頂きますお」
ブーンは父の遺影が置かれた仏壇の前に正座し、りんを叩き、遺影に向かって手を合わせた
J( 'ー`)し「できたわよー」
リビングから母の声が聞こえてきた
( ^ω^)「はいだお」
233 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 06:29:57.78 ID:/T+FM2NU0
ブーンがリビングに戻ると、テーブルに夕食が用意されていた
ブーンは自分の席に座った
( ^ω^)「ポチ
ご飯だお」
ブーンはいつものようにポチの写真が置かれた席にドッグフードを置いた
( ^ω^)「あれ?
何だかドッグフードの量が少ない気がするお」
J( 'ー`)し「ポチもあまり多いと食べきれないでしょ
だから、少し減らしたのよ」
( ^ω^)「なるほどだお!」
234 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 06:35:03.15 ID:/T+FM2NU0
テーブルは5人が座れるようになっていた
以前は、父と母、それにブーンとポチが一同に会して食事をとっていた
しかし、今は二人である
二人で食事をするにはテーブルが少し大きかった
J( 'ー`)し「・・・」
( ^ω^)「・・・」
リビングは静かだった
陶器の食器にフォークやスプーンの当たるカチャカチャといった音だけが聞こえてくる
J( 'ー`)し「テレビつけよっか・・・」
母はテレビのリモコンを取り、電源のスイッチを押した
237 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 06:43:25.46 ID:/T+FM2NU0
テレビではニュースがやっていた
テレビ「それでは次のニュースです
今日、早朝にVIP県VIP市の国道43号線で飲酒運転による事故がありました」
( ^ω^)「あれ?
これってうちの街だお」
J( 'ー`)し「そうね
また事故があったのねえ・・・」
母は父が死んだ当日を思い出し、いやな気持ちになった
テレビ「今朝方、VIP県VIP市の国道43号線の十字路で、大型トラックと大型ロータリーによる
衝突事故があり、ロータリーは大破、炎上し、運転手は重度の火傷を全身に負い、病院に
運ばれました」
テレビでは、事故現場の映像が映し出されていた
238 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 06:49:10.06 ID:/T+FM2NU0
(;^ω^)「うわー
えらいことになっているお」
テレビ「また大型トラックに乗車していた運転手も衝突の衝撃で全身を強く打ち、病院に搬送
その後、病院に運ばれた二人はそれぞれ意識不明の昏睡状態でしたが、病院に運ばれてから
20分後、大型ロータリーの運転手は大火傷により、死亡しました」
J( 'ー`)し「ひどい事故ねえ・・・」
母は眉間にしわを寄せながら、テレビを見ていた
テレビ「また、大型トラックの運転手は意識が回復せず、危篤状態が続いており、
現在も病院による懸命の処置が行われています」
240 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 06:52:50.84 ID:/T+FM2NU0
(;^ω^)「車はあぶないお」
テレビ「警察は現場の調査を行っていますが、現在意識不明の状態が続いている大型トラックの
運転手から、事故時に強いアルコールが検出された為、飲酒運転が原因の可能性があるとして
引き続き、事故の全容を掴むべく、調査に当たっています」
J( 'ー`)し「この辺も事故が増えてきたのねえ・・・」
母はテレビを見ながら、ため息をついた
( ^ω^)「最近、車増えたお」
J( 'ー`)し「そうねえ、新興住宅地なのにねえ」
241 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 06:59:16.78 ID:/T+FM2NU0
テレビ「なお、二人の身元ですが、ロータリーの運転手は車が炎上していることから、
身元を特定できるものが見つかっておらず、現在も引き続き調査中
トラックの運転手は車内にあった運転免許からVIP県VIP市在住の
DQNさん25歳であることが判明しました」
J( 'ー`)し「え!?」
(;^ω^)「これって!?」
そう、事故を起こしたのはブーンの父を轢き殺したDQNだったのである
J( 'ー`)し「そんな・・・」
( ^ω^)「トーチャンを殺したから罰が当たったんだお!」
245 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 07:13:40.11 ID:/T+FM2NU0
テレビ「警察の調べによりますと、DQNさんは孤児で両親がおらず、また親戚もいないとのことで
現在、身元の確認をできる人を探しています」
J( 'ー`)し「・・・」
テレビには二人が初めて見るDQNの顔写真が写されていた
( ^ω^)「うわー、すごいやつだお」
DQNは茶色というよりは、黄色に近いパサパサの艶のない長髪で、黒く焼けた肌に、
金色のネックレスを首にかけていた
また人相はお世辞にもよいとはいえないものだった
J( 'ー`)し(もし、この人が死んだらこの人からお金を取ることはできるのかしら・・・)
その晩、母は嫌な予感が収まらなかった
255 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 08:49:26.87 ID:/T+FM2NU0
翌日、母は金を借りる先を探しにでかけた
J( 'ー`)し(やっぱり有名なところが信用できていいかしら)
母はスーパーに行ってみた
ここのスーパーはグループ傘下にカード会社を持っており、買い物によるポイント還元など
積極的にカードの顧客作りに力を入れている
母はスーパーの地下1階にあるカードの店に行った
J( 'ー`)し「すいません」
店員「いらっしゃいませ
どのようなご用件でしょうか?」
256 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 08:53:20.49 ID:/T+FM2NU0
J( 'ー`)し「カードを作りたいのですが・・・」
店員「かしこまりました
それでは、こちらの書類に必要事項を記載して下さい」
店員はカードの申し込み用紙を差し出した
店員「カードの申請まで30分ほどお待ち頂ければ、発行できると思います」
J( 'ー`)し「早いんですね」
店員「はい、即日発行が可能なんですよ」
母は店員と会話をしながら、申込み用紙に記入していった
J( 'ー`)し「できたわ」
257 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 08:55:36.27 ID:/T+FM2NU0
店員「ありがとうございます
それでは、ただいまより審査致しますので、しばらくお待ち下さい」
J( 'ー`)し「分かりました」
母は店内にあるテーブルに腰掛けた
J( 'ー`)し(そうだ、車も売りに行かないといけない)
母は待っている間に、やるべきことを頭の中で整理していった
やがて30分ほど経った
258 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 08:59:14.04 ID:/T+FM2NU0
店員「お客様、大変お待たせ致しました」
店員が声をかけてきた
J( 'ー`)し「できましたか?」
店員「それがですね・・・
審査の結果、お客様へのカードの発行はできかねることになりまして・・・」
J( 'ー`)し「ええ!?」
母は驚いた
J( 'ー`)し「なぜですか?」
店員「真にお話にくいのですが、カードの発行には安定した収入のある方か、もしくはそのご家族に
限りまして・・・
お客様の申込み用紙を元にお調べしたところ、この条件に当てはまらないようです・・・」
J( 'ー`)し「そうなんですか・・・」
261 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 09:02:56.84 ID:/T+FM2NU0
店員「これは私どものところだけではなく、どこのカード会社も同じだと思います」
J( 'ー`)し「てことは、今のままだとカードを作れない・・・」
店員「そういうことになります」
店員は申し訳なさそうに話した
J( 'ー`)し「そうですか・・・
どうもすいませんでした」
店員「お役に立てず、すいません
また、何かございましたら、お気軽にご利用下さい」
店員はそう言って頭を下げた
J( 'ー`)し(カードはダメなのか・・・
困ったわ)
母はカード会社からお金を借りることを諦め、他の方法を探すしかなかった
263 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 09:07:11.61 ID:/T+FM2NU0
母はスーパーを出て、ブラブラと町を歩いた
なんとなくビルにかけられた看板に目をやる
「無担保でどのような方でもお金を貸します!
1週間無利息!
信じられないほど安い金利
一度お気軽にご相談下さい!
高利金融」
ふと、このように書かれた看板に目が留まった
J( 'ー`)し(ここなら私でも貸してくれるのかしら?)
269 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 09:14:11.14 ID:/T+FM2NU0
その店は建物の3階にあるようだ
母は建物の正面玄関から中に入った
J( 'ー`)し(あ、エレベーターがあるわ)
奥に少し古びたエレベーターが1基あるのを見つけた
母は元は白かったであろうと思われる、汚れでくすんだ色になっているボタンを押した
ゴコンっと音をたてて、エレベーターのドアが開いた
母はそっとエレベーターに乗り込んだ
ギシギシといった音がエレベーターの床から聞こえてきた
271 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 09:16:59.12 ID:/T+FM2NU0
エレベーターは3階で止まった
母はエレベーターから降りた
J( 'ー`)し(暗いわね・・・)
建物の通路は狭く、ついている電灯は薄暗かった
湿って長いこと篭っているような空気が鼻につく
J( 'ー`)し(お店はどこかしら)
母は店を探した
いくつか扉があり、どれも閉まっている
272 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 09:20:11.13 ID:/T+FM2NU0
J( 'ー`)し(あ、ここかしら)
その扉には「高利金融」とかかれてあった
J( 'ー`)し(ドアを開ければいいのかしら?)
扉が閉まっている為、中の様子が分からない
J( 'ー`)し(何か薄気味悪いわね・・・
大丈夫かしら?)
母は少し心配になった
J( 'ー`)し(でも、お金を借りないといけないし・・・)
母はしばらく躊躇したが、やがて扉のノブに手をかけ、そっと開けた
278 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 09:31:33.69 ID:/T+FM2NU0
「いらっしゃい!」
声がかかってきた
母が声の主を見ると、ポマードでセットされた艶のあるオールバックの髪に口髭を蓄え、
少し色のついたレンズのメガネをかけた中年の男性だった
スーツは黒のダブルブレストのものを着用している
J( 'ー`)し「あの・・・お金を借りたいんですけど・・・」
男「もちろんいいですよ
それが私たちの仕事ですからね」
J( 'ー`)し「・・・あの、どんな人でも貸して頂けるのでしょうか?」
男「もちろんです!
世間にはお金に困っているのに、貸してもらえない気の毒な人が多い
そういった人達に救済の手を差し伸べるのが、私の理念なのです
つまりボランティア精神にたった仕事ということですな」
男は満面の笑みを顔にたたえ、母に話しかける
281 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 09:35:36.20 ID:/T+FM2NU0
J( 'ー`)し「そうなんですか・・・
あの・・・実は・・・先日主人が亡くなって、今収入がない状態なのですが・・・」
男「それはお気の毒な・・・
さぞかし奥さんも苦労されてることでしょうなー」
男は同情したような表情になった
J( 'ー`)し「それでも、お金を貸して頂けるのでしょうか?」
男「もちろんですとも!
奥さんのような方にこそ、うちのお金は使って頂きたいですね!」
J( 'ー`)し「そうですか」
286 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 09:39:42.22 ID:/T+FM2NU0
男「それで、いかほどご利用でしょうか?」
J( 'ー`)し「とりあえず5万円ほどお借りできれば・・・」
男「5万円ですか!
全然お安い御用です
奥さんのような方でしたら、50万円だって貸しますよ!」
J( 'ー`)し「いえ、そんなには・・・」
男「いや、奥さんには子供さんがおありになることでしょう?
思っている以上に生活するにはお金がかかりますよ
うちは低金利で、しかも1週間の間は無利息ですから、大変お得です
いずれ、またすぐに借りることになるなら、まとめて借りた方がお得ですよ!」
男はまくしたててしゃべってくる
288 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 09:43:54.38 ID:/T+FM2NU0
J( 'ー`)し「いえ、そんなには必要ないと思いますが・・・」
男「いえいえ、突然の出費はいきなりやってきます!
ないよりは、ゆとりがあるほうがいざという時に絶対助かりますよ
私、奥さんには大変同情しました
特別に2週間の間、無利息でお貸ししましょう!
どうですか、奥さん!」
J( 'ー`)し「は、はあ・・・」
男はどんどん詰め寄ってきて、断りにくい状態に持っていった
J( 'ー`)し「・・・で、では50万ほどお借りできますか?」
398 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 18:34:51.70 ID:/T+FM2NU0
男「わかりました!
では、書類をお持ちしますので、ちょっとお待ち下さい」
男はそう言うと、机の引き出しから何枚かの書類を取り出した
J( 'ー`)し「あの・・・
考えたんですけど、やっぱり5万円で結構です
まだ当てもあることですし」
男「何?」
笑顔の絶えなかった男の表情が一瞬曇った
J( 'ー`)し「え?」
母は男の表情の変化に驚いた
403 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 18:38:25.68 ID:/T+FM2NU0
男「そうですかー
分かりました!
5万円ですね!」
再び男の表情は元の満面の笑顔に戻った
男「すこし待って下さいねー」
男は出した書類を片付け、別の書類を新たに引き出しから出した
それを持って、男は母の座っている机にやってきた
男「すいません
お待たせしました!
では、こちらの書類に名前と住所、電話番号と捺印をお願いします」
男は書類に金額を記入し、母に手渡した
J( 'ー`)し「はい」
406 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 18:41:37.68 ID:/T+FM2NU0
母は書類を見たが、表には記入欄しか書かれてなかった
母は書類に言われたとおりに記入していった
J( 'ー`)し「できました」
母は書類を男に手渡した
男「はい、どうもー
じゃあ、現金を用意するんで、待って下さいねー」
男は書類を持って、自分の机に戻った
410 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 18:44:29.99 ID:/T+FM2NU0
男は書類を引き出しにしまうと、別の引き出しから鍵を取り出した
そして、その鍵をもって、別室に消えていった
J( 'ー`)し「・・・」
バタン!
しばらくして、男が別室から出てきた
男「はいー、これがお金です
5万円入ってますので、確認して下さい」
男は封筒を母に渡した
J( 'ー`)し「はい」
母は封筒を受け取り、中を確認する
確かに1万円札が5枚入っていた
417 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 18:55:05.78 ID:/T+FM2NU0
母はその足で、銀行に向かい高利金融から借りたお金を銀行の口座に預けた
J( 'ー`)し(これで今月分は大丈夫ね・・・)
母は今月の支払いを何とか終えることができそうなので、ほっとした
J( 'ー`)し(一旦家に戻って、次は車を売りに行かないと・・・)
母は銀行を出て、自宅に向かった
歩きながら、母は考え事をした
J( 'ー`)し(早く私も働かないと生活できなくなるわね・・・
雇ってくれるところを探さないと)
420 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 18:58:13.57 ID:/T+FM2NU0
・・・・・・・・
J( 'ー`)し「はっ!」
母は目を覚ました
病室は電気が消えていて真っ暗である
母は棚に置かれた置時計を見た
時刻は夜中の4時であった
J( 'ー`)し(・・・喉が渇いたわね)
母は上半身を起こし、棚にあるペットボトルからコップに水を注いで、ゆっくりと飲んだ
J( 'ー`)し(最近、昔の頃の夢をよく見るわ・・・)
425 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/25(土) 19:04:13.24 ID:/T+FM2NU0
母は頬に手を当てた
J( 'ー`)し(痩せたわね・・・)
また頬の肉が落ちたようだ
J( 'ー`)し(ブーンは大丈夫かしら・・・)
母はブーンの身を案じた
J( 'ー`)し「ふう・・・」
母は再び横になった
カチ・・・カチ・・・
静かな病室で時計の針の動く音だけが聞こえてくる
母は再び眠りについた
(ヽ゚ω゚)ブーンが精神病になったようです 第六部 第三十九話
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