2 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:36:26 ID:jFpsMxtY0 [2/33]
―ハイラガード公国 樹海入り口―
( ^ω^)「終わったのかお・・・」
初のミッションをなんとか達成したギルドVIP。
しかし、樹海を出たブーンが感じた感情は達成感ではなく、安心であった。
怖かったのだ。
一斉攻撃を受けても倒れず、一撃で人を殺す魔物が。
( ФωФ)「ああ、終わったのである」
(*゚ー゚)「それじゃ、早く二人を薬施院に連れて行かないといけませんね」
相変わらずハキハキと話すしぃ、だがその身体は、小刻みに震えていた。
やはり、あの樹海が、魔物が怖かったのだろう。
( ФωФ)「さあブーン、二人を降ろして・・・ん?」
ぐらり、とブーンの身体が揺れる。
3 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:37:31 ID:jFpsMxtY0 [3/33]
(*゚ー゚)「わっ!」
ガシャッアアアアアン!
甲冑が石畳に当たり、音が反響する。
ブーンが突如倒れたのだ。
( ФωФ)「ッ!!!しぃ、息は!?」
(*゚ー゚)「・・・はい。命に別状は無い・・・っぽいですが・・」
( ФωФ)「薬施院に三人、に変更であるな」
(*゚ー゚)「はい。心配ですから急がないと!」
( ФωФ)(・・・・まぁ運ぶのは我輩と衛士なのだが)
ロマネスクはブーンを心配して駆け寄ってきた衛士に、三人を運ぶ手伝いを依頼した。
4 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:38:18 ID:jFpsMxtY0 [4/33]
――そして冒険者達は傷を癒し、しばしの安息を取る
( ^ω^)が世界樹の迷宮を踏破するようです ―第六話―
ギルドVIPのステータス
( ^ω^)
職業:パラディン Lv:2
スキル:盾マスタリーLv1 フロントガードLv1 挑発Lv1 全力逃走LV1
ξ゚⊿゚)ξ
職業:ダークハンター LV:1
スキル:鞭マスタリーLv1 STRブーストLv1 アナコンダLv1
( ФωФ)
職業:ブシドー Lv:2
スキル:上段の構えLv2 STRブーストLV1 斬馬Lv1
('A`)
職業:アルケミスト Lv:1
スキル:炎マスタリーLv1 逃走率UPLv1(マスター) (余りSP1)
(*゚ー゚)
職業:メディック Lv:2
スキル:回復マスタリーLv2 キュアLv1 戦後手当Lv1
5 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:39:06 ID:jFpsMxtY0 [5/33]
( ^ω^)「ん・・・・・・?」
ξ゚⊿゚)ξ「!!目が覚めたのね!」
(*゚ー゚)「良かった・・・」
( ^ω^)「お、ツン。ここは?」
ξ゚⊿゚)ξ「薬施院よ。あんた三日も寝込んで・・・」
ξ;⊿;)ξ「ほんと・・・大変だったんだから」ボロボロ
(;^ω^)「おっおっお!どうしたんだお!」
(*゚ー゚)「ふふっ、ツンさんはブーンさんのことホント心配してて、ずっとこの病室に居たんですよ」
ξ///)ξ「あっ!コラ!何言ってんのよ!!」
( ^ω^)「ツン・・・ありがとうだお」
ξ///)ξ「ブーン・・・・」
6 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:40:54 ID:jFpsMxtY0 [6/33]
__( ^ω^)__
| 〃( つ つ |
|\ ⌒⌒⌒⌒⌒⌒\
| \ \
\ |⌒⌒⌒⌒⌒⌒|
\ |______|
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・夢、か」
ガチャ
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「おお、起きたのかい!あたしゃもう心配で心配で・・・」
( ^ω^)「チェンジで」
7 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:42:17 ID:jFpsMxtY0 [7/33]
―同時刻、鋼の棘魚亭
ξ*゚⊿゚)ξ「ガッハッハッハッ!!!!!!酒持って来い!!!」
_
( ゚∀゚)「いやぁ~良い飲みっぷりだ!!!ほい、これ追加だ!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ガッハッハッハッ!!!!!樽で持って来い!!!」
(*'A`)「オゥフ・・・・コレガカタクリコXカ・・サイコウダ・・・エッ・・・カーチャン!?」ムニャムニャ
(* ФωФ)「やはり冒険の後は酒盛りに限るな」
ξ*゚⊿゚)ξ「よねーーーー!!!!!」
ワイワイガヤガヤ
(*゚ー゚)「ツンさん・・・そろそろお酒飲むのやめtξ*゚⊿゚)ξ「聞こえませーん!!」
_
( ゚∀゚)「まぁまぁ、譲ちゃんだって酔ってるじゃないか。こういうのはお互い様だ」
(*゚ー゚)「は、はぁ」(私飲んで無いのに・・・なんで酔ってると思われてるの?)
ξ*゚⊿゚)ξ ゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュ
(* ФωФ)「そういえばブーンは大丈夫なのであるか?宿屋に置いてきたが・・・」
(*゚ー゚)「ただの疲労だそうです」
ξ*゚⊿゚)ξ「ぷっはぁぁぁぁっ!!!!あんな白まんじゅう放っておいて良いのよ!!」
(*'A`)「チガウンダカーチャン・・・コノカタクリコハ・・・ソノ・・レンキンジュツデ・・・・・」ムニャムニャ
8 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:43:13 ID:jFpsMxtY0 [8/33]
―フロースの宿―
( ^ω^)「・・・僕はどれくらい寝てたんですかお?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「え?ああ・・・確か・・・七時間くらいだね」
( ^ω^)「そうですかお・・・」(コメントしずらい時間だお・・・・)
( ^ω^)「あの、仲間が見当たらないんですがお・・・」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ああ、お仲間さん?二時間くらい前に酒場に行くって言ってたわね。ずいぶん楽しそうだったよ、ウフフ」
( ^ω^)「・・・・・そうですかお」(・・・割とヘコむな)
9 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:45:13 ID:jFpsMxtY0 [9/33]
まだ治りきってないんだから、と女将さんにベッドに拘束されたブーンは宿屋の屋根を見つめながら今日一日のことを振り返っていた。
( ^ω^)「・・・・・・・」(今日の樹海探索は散々だったおね)
( ^ω^)「・・・・・・・」(僕の指示も悪かったし、おかげで皆死に掛けてしまったお)
( ^ω^)「・・・・・・・」(あと少しでも、運が悪かったら大切な仲間を早くも失うところだったお)
( ^ω^)「・・・・・・・」(・・・・・・樹海は怖いお)
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・」(仲間も、樹海が怖かったのかお・・・?)
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・」(僕たちは、こんな調子で冒険を続けれるのかお・・・?)
と、この調子で思考したり眠りかけること二時間、
ガチャ
ようやく部屋の扉が開いた。
10 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:46:50 ID:jFpsMxtY0 [10/33]
(* ФωФ)「帰ったである」
(; ^ω^)「うおっ!!!た、ただいまだお!!!」
(* ФωФ)「おかえりでアルルゥ」
(*゚ー゚)「逆ですよ、逆」
(*'A`)「ムニャムニャ・・・・」
(*゚ー゚)「ただいまです、体調はもう良いんですか?」
( ^ω^)「お、おかげさまで元気になったお!ありがとうだお!」
(*゚ー゚)「え、ええ。どういたしまして」(私特になにもしてないんだけどな・・・)
(* ФωФ)「ほれ、ドクオ。ベッドだぞ」
(*'A`)「・・・」
11 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:47:31 ID:jFpsMxtY0 [11/33]
(*゚ー゚)「聞いてくださいよブーンさん。ドクオさんったらツンさんにお酒一杯飲まされただけで倒れたんですよ」
(* ФωФ)「我輩もここまで酒に弱い奴は初めて見たである」
宿屋に笑い声が響く。
( ^ω^)(・・・僕を放っておいて酒場へ行くのはアレだけど)
( ^ω^)(皆、こうやって笑いあって、樹海への恐怖を克服しているんだおね)
( ^ω^)(・・・・これが仲間、なんだおね。やっぱり仲間は素晴らしいお)
( ^ω^)「お、そういえばツンはどうしたんだお?」
(* ФωФ)「む?一緒に来てたはずだが・・・おっ、来たである」
12 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:48:14 ID:jFpsMxtY0 [12/33]
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと・・・のみすぎたか・・・・も・・・うぷっ」ヨロヨロ
オゲェェェェェッェェェエエエエエエ
ギャー!!!!!!
ドクオニカカッテルオ!!!!
こうして、ギルドVIPの記念すべき、最初の樹海探索の日が終わった。
13 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:54:13 ID:jFpsMxtY0 [13/33]
―翌日・フロースの宿―
( ^ω^)「さて・・・昨日に続き今日も冒険者らしく樹海探索へ・・・・みんなー起きるお!!!」
昨日のように、眠りこけている仲間を手荒く起こそうとしたブーン。しかし
('A`) ウヴェー
ξ゚-゚)ξ ウヴーン
( ^ω^)「どう見ても二日酔いです本当にありがとうございました」
(*゚ー゚)「今日は樹海探索は無理そうですね。どうします?」
( ^ω^)「むぅ・・・とりあえずロマネスクを起こすお。おーい、ロマネスクー起きるおー!」
そそくさと盾と鞘を取り出したブーン。
(*゚ー゚)(・・・・・避難しとこう)
昨日のように男と男の下らない闘いが始まるのを察知したしぃは、ツンの介護を口実にそそくさと女性部屋に逃げ込んだ。
その背後に鈍い騒音が追いかけてきた。
14 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:55:16 ID:jFpsMxtY0 [14/33]
―二十分後―
( ^ω^)「・・・さて、ようやく女将さんの説教が終わったわけですがお」
( ФωФ)「今日も良い闘いであったな」
( ^ω^)「そうだおね。そして争いは何も生まないと言う事を思い知ったお」
( ФωФ)「それでも争いを止めれないのが人間の悲しい性であるな」
( ^ω^)「おっ、やるかお?」
( ФωФ)「盾をしまえブーン。今は強敵がすぐ外にいる。やらないのが賢明である。
それより、残りの二人の姿が見えないであるが」
( ^ω^)「ああ、それなら」
('A`) ウヴェー
ξ゚-゚)ξ シーン
( ^ω^)「この通りだお」
15 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:56:59 ID:jFpsMxtY0 [15/33]
( ФωФ)「・・・」
(*゚ー゚)「しかもさっきブーンさんの音が頭に響いて余計気分が悪くなってますね」
( ^ω^)「不可抗力だお」
( ФωФ)「ふむ・・・それで樹海に行くことができないのであるな」
(*゚ー゚)「ええ、そうなんです。それでなにしようかって事になって・・・」
( ФωФ)「それなら武具屋に行くべきであるな」
( ^ω^)「武具屋!そんなのもあるのか!!」
( ФωФ)「前回の樹海探索、初めてとは言え悲惨な結果だったであろう。だからまずは武具を見直すべきである」
( ^ω^)「その通りだお!さすがロマネスクは頼りになるお!!
・・・・でも僕、店なんて全く知らないお。来たばかりだし」
( ФωФ)「奇遇であるな。我輩もである」
(*゚ー゚)「私も武具屋なんて知らないですね」
16 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:58:47 ID:jFpsMxtY0 [16/33]
@@@
@#_、_@
( ノ`)「武具屋をお探しかい!?」ガチャ
( ^ω^)そ「うわびっくりしたあ!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「武具屋ならシトト商会がお勧めだよ!なんせ職人の腕が良いからね!!」
( ФωФ)「いや別に聞いt」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ほら、アタシが地図描いたげるから!ここを右に曲がってだね・・・」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「アタシはアンタ達が出かけてる間に掃除しとくからね!じゃ、行ってくるんだよ!」
ブーンたちは部屋から追い出された!
バタン!
17 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 11:59:41 ID:jFpsMxtY0 [17/33]
( ^ω^)「・・・・・」
( ФωФ)「・・・・・」
(*゚ー゚)「・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・ま、行くかお」
(*゚ー゚)「・・・・・ですね」
18 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:00:32 ID:jFpsMxtY0 [18/33]
―シトト商会―
宿屋の女将に渡された地図を頼りに歩くと、五分程でシトト商会と書かれた看板にたどり着いた。
見ると、なかなか華やかな店であり女将の紹介という事で薄茶色のうさんくさい店を想像していた一行はひとまず安心した。
しかし、外装に騙されてはいけない。
絢爛豪華だが実用性の無い武器
美しいが性格最悪の女
表紙で「おっ」と思ったが中の絵が残念な同人誌
いくら華やかな外見でも中身、つまり店員が駄目なら意味が無いのだ。
19 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:01:25 ID:jFpsMxtY0 [19/33]
(*゚ー゚)(女将さんのオススメ・・・・)
モンスター
( ^ω^)(おそらく店員も女将さんクラスの魔物・・・!)
( ФωФ)(覚悟していかねば・・・樹海に挑む心構えで入らなければ!!)
冒険者達は唾を飲み込み、勇気を胸に店内に足を踏み入れた。
?「いらっしゃいませ!」
声がすかさず飛んでくる。
その声の主は蛇か鬼か、
20 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:02:09 ID:jFpsMxtY0 [20/33]
*(‘‘)*「 あ、ごめんなさい。 多分、初めましてですよね? 」
・・・・はたまた幼女か
*( ^ ^)*「ここは会員制冒険者用武具屋、シトト商会です。私はヘリカルと言います」ニコリ
しかも、えらくしっかりとした幼女である。
栗色の長い髪に前髪のないぴかりと光るおデコ。
そのデコにつけられたひまわりの髪飾りとひまわりのような輝く笑顔が印象的な利発そうな少女である。
*(‘‘)*「初めての方なら・・・えーと、冒険者ギルドに所属している方ですよね?」
( ^ω^)「あ、はい。そうですお」
*(‘‘)*「この店を利用するにはギルドマスターの方の署名が必要なんですが・・・」
( ^ω^)「え、はい。僕ですお」
*(‘‘)*「ならこちらに署名を・・・」
21 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:02:55 ID:jFpsMxtY0 [21/33]
( ФωФ)「・・・しぃよ」ボソボソ
(*゚ー゚)「なんですか?」ボソボソ
( ФωФ)「うちのギルドマスターが幼女の言うがままになっているぞ」ボソボソ
(*゚ー゚)「・・・・まぁブーンさんですし」ボソボソ
*(‘‘)*「はい、ありがとうございました。これで、えーと、『ギルドVIP』さんはシトト商会の会員です」
( ФωФ)「・・・会員制とはどういう事だ?」
*(‘‘)*「あ、会員制武具店も初めてなんですね。説明を聞きますか?」
(*゚ー゚)「はい」(まさか不当な契約とかじゃないですよね・・・)
22 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:03:37 ID:jFpsMxtY0 [22/33]
*(‘‘)*「少し長くなりますけど・・・
冒険者の方々は樹海から採れる素材を元に武具を作るんですが、この武具が
普通の戦争で使われるような武具とは一線を画した強さなんですよ
それで、一般の人々の手に渡ったり、未熟な冒険者が強力な武具に頼らないように
考案されたのが会員制武具店のシステムですね。」
*(‘‘)*「会員制武具店の特徴は・・・えーと、仮にAというギルドがあるとしますね
そのAが買う武具は全てAが取ってきた素材で作るんですよ。
つまり、それぞれのギルドの倉庫を作って、そのギルドの倉庫からのみ武具を作れるんです」
( ^ω^)「じゃあ素材が無いとなにも買えないのかお?それは困るお!」
*(‘‘)*「いや、一般の人たちにも売れる武具はあるのでそちらをご購入するなら素材はいりませんよ。どうぞ見ていって下さい」
( ^ω^)「お、それを見せてもらうお!」
*(‘‘)*「はい。そちらに置いている武具ですよ」
ヘリカルは少し背伸びし、カウンターから身を乗り出すようにして右側の壁あたりを指す。
その武具を品定めするかのようにじっくりと見るブーン達。
23 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:04:20 ID:jFpsMxtY0 [23/33]
( ФωФ)「ふーむ・・・」
( ^ω^)「むぅ・・・・」
( ФωФ)「む・・・・」
( ^ω^)「ううむ・・・・ロマネスク」
( ФωФ)「ん?なんであるか?」
(; ^ω^)「ぶっちゃけ全然武具の良し悪しが分からないお・・・」
( ФωФ)「・・・・全く」
溜息をつくロマネスク。
( ФωФ)「私も刀以外全く分からん」
(*゚ー゚)「冒険者がそれで良いんですか・・・私も分かりませんけど」
24 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:06:11 ID:jFpsMxtY0 [24/33]
*(‘‘)*「お悩みですか?」
ヘリカルが三人の作っていた輪に首を突っ込んできた。
いや、正確には背丈的に首は突っ込めないので、ひまわりを突っ込んできたというのが正しい。
( ^ω^)「いや、武具の良し悪しが分からないので・・・」
*(‘‘)*「そうですか・・・予算はどれくらいあるんですか?」
( ^ω^)「500en程度ですお」
*( ^ ^)*「ならこの剣とこの軽鎧がオススメです!」
*(‘‘)*「他にもアリアドネの糸もオススメですね!・・・あ、バックラーも外せません!」
ヘリカルは手早く商品をブーン達の眼前に並べていく。
*(‘‘)*「この防具も良いですし・・・定番のメディカも!」
25 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:07:16 ID:jFpsMxtY0 [25/33]
(; ^ω^)「えーと、店員さん?」
*(‘‘)*「後はやっぱり私特製の超鳥缶を・・・あ、失礼しました!なんでしょうか?」
(; ^ω^)「こんなに買えませんお・・・・」
ブーンの眼前には商品でできた巨大な山が聳え立っていた。
*( ///)*「あっ・・・すいませんっ!つい興奮してしまって・・・」
*( ///)*「え、ええと。でもどれも是非買って頂きたい商品ですから!
その、冒険者の人たちが、この前防具があったから生き延びた、とか
糸があったから助かった、とか言っていたので・・・・」
( ФωФ)「・・・気持ちはありがたいであるが我輩達はいかんせん貧乏なものでな」
*(‘‘)*「あ、ご安心下さい!シリカ商店では全品ローン可能です!」
( ^ω^)「いや、でもやっぱり・・・」
26 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:07:59 ID:jFpsMxtY0 [26/33]
ブーンが断ろうとすると、突如少女は大きな瞳からボロボロと涙をこぼし始めた!
*( ; ;)*「・・・・」
(; ^ω^)「えっ、ちょ、どうしたんだお!?」
(;゚ー゚)「えっ、えーと、ほら、泣き止んで!ほらロマネスクさんも何とかしてください!」
(; ФωФ)「子供は苦手である!」
(;゚ー゚)「ブーンさん、この子に何かしました!?」
(; ^ω^)「心外な!僕はむしろ被害者・・・」
*( ; ;)*「・・・・ですよね、やっぱりご迷惑でしたよね」
ヘリカルは頭を下げ、肩を震わせている。
窓から差し込む日差しに、涙とデコが光る。
(; ^ω^)「・・・・・」
27 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:21:41 ID:jFpsMxtY0 [27/33]
( ФωФ)「・・・・・これはブーンが悪いであるな」
(*゚ー゚)「ほら、謝って」
(; ^ω^)「・・・ごめんだお」
何故このような事に、と半ば釈然としないまま齢十歳に満たぬであろう少女に頭を下げるブーン。
*( ; ;)*「・・・・・はい」
(*゚ー゚)「えーと、なんで突然泣いちゃったの?」
しぃの優しい問いかけに少女は涙を拭きながら答える。
*( ; ;)*「それが・・・・常連だった冒険者さんが・・・・」
*( ; ;)*「アリアドネの糸を買い忘れたせいでお亡くなりになったのを思い出して・・・」
( ^ω^)「アリアドネの糸?」
( ФωФ)「樹海内からすぐに帰還できるアイテムであるな。
樹海に深く潜る際の命綱とも言える、冒険者の必須アイテムである」
28 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:22:24 ID:jFpsMxtY0 [28/33]
*( ; ;)*「それで・・・みなさんに断られて何も買わずに樹海に行っちゃったらと思ったら・・・・」
( ^ω^)「そんな、大丈夫だお!僕等はちゃんと必要な物は買うお!」
*(‘‘)*「ありがとうございます!」
*(‘‘)*「では、バックラー五つ、ククリナイフ一つ、木彫りの髪飾り3つ、厚手の手袋3つ、アリアドネの糸一つ、メディカ三つ、超鳥缶五つで」
*(‘‘)*「計1200enになります!」
先程の涙が嘘のような、まぶしい笑顔で少女は高らかに値段を宣言した。
( ^ω^)「えっ」
( ФωФ)「えっ」
(*゚ー゚)「えっ」
*(‘‘)*「え、買ってくれないんですか?」
ブーン達の反応を見て、またヘリカルの瞳に涙がうっすらと滲む。
29 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:31:51 ID:jFpsMxtY0 [29/33]
(; ^ω^)「い、いやいやいや!買うお!買わせていただきますお!」
*(‘‘)*「ありがとうございました!!」
明るい声が飛び、ブーン達はシリカ商店を後にする。
その背には大きな荷物。
ヘリカルの明るい笑顔とは裏腹に、帰った後のことを考えたブーン達は暗い気分だった。
( ^ω^)(ツンに殺される気がする・・・・いや、まだ二日酔いでいてくれお!頼むお!二日酔いの神様!!)
30 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:33:11 ID:jFpsMxtY0 [30/33]
―夜 フロースの宿
そこには二日酔いが治り、元気に食事を貪る二人の姿が!
ξ゚⊿゚)ξ'A`)「もう二度とお酒なんて飲まないよ!!」
しかし悲しいかな、こう言う人こそ次の日も酒を飲み、二日酔いになり、同じ事をまた言うのである。
ξ゚⊿゚)ξ(・・・にしてもコイツと二人だと喋る事がないわね)
('A`)(・・・・・気まずい。なんて話しかければ良いんだ・・・選択肢とかあれば良いのに・・・)
ξ゚⊿゚)ξ(まぁ別にいいか。それよりまたお酒飲みたくなってきたわね)
('A`)(くそぉおおおお!神様ァ!!!俺に勇気をくれぇええええええええ!!!!)
('A`)「あ、あの・・・」
31 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:34:31 ID:jFpsMxtY0 [31/33]
ξ゚⊿゚)ξ「ん?な( ^ω^)「ただいまだおー」ガチャ
ξ゚⊿゚)ξ「あら、おかえり・・・って何その荷物」
( ФωФ)「ちょっと武具店に行っていたのであるが・・・」
(*゚ー゚)「その・・・ちょっと買いすぎちゃいまして」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・・どんな武具を買ったの?マトモな武具よね?」
( ^ω^)「それは保障するお!ほら、試しに一つ見てみるお!」
ツンが大きな袋に手を入れ、何かを取り出す。
ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・・・・・・」
32 名前: ◆FBGlBPSpOs[] 投稿日:2011/08/21(日) 12:35:12 ID:jFpsMxtY0 [32/33]
その手には、「超鳥缶」と書かれた魔物用の缶詰が握られていた。
ξ゚⊿゚)ξ「へぇ~、これが武具なんだぁ。私知らなかったなぁ~」
(; ^ω^)「え、いや、アレ?そんなの買ってたかお?ちょ、おまっ、買いたての鞭で」
ξ#゚⊿゚)ξ「問答無用!!!」
パチィイン!!!!
今日も、ギルドVIPの泊まる部屋から悲鳴と笑い声が響く。
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