5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 20:48:06.83 ID:y9/mMCTbO [2/48]
( ^ω^)
ぼくの住む町は、田舎。
飼い犬と走り回るには、困らない世界だった。
今は昼。
ぼくは君と、近くの砂利道ではしゃぎまわる。
( ^ω^)「ほら、こっちこいおビーグル!!」
▼・ェ・▼「わん!」
その飼い犬の首輪には、「Beegle」の文字。
これはぼくが間違えて彫ってしまったものだ。
カーチャンに、
「これじゃビーグルじゃなくてベーグルじゃない」
と笑われたのも覚えている。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 20:50:36.40 ID:y9/mMCTbO [3/48]
▼・ェ・▼「わん!わん!」
( ^ω^)「くすぐってえおwwちょwwやめwww」
▼・ェ・▼「わんわん!」
( ^ω^)「やめろwwwwやめろってwwwwやーめーろってwwww」
(#^ω^)「やめろってんだろうがお!!」
▼;・ェ・▼「わふ」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「はは」
犬に通じるわけもないのに
誰にも聞かれないように小さく呟く。
「はは、幸せだなあ」と。
それは懐かしく響く、僕だけの物語。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 20:54:00.08 ID:y9/mMCTbO [4/48]
▼・ェ・▼犬とぼく、のようです
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 20:58:27.26 ID:y9/mMCTbO [5/48]
――――――2年前。
出会いは単純だった。
その時ぼくは、確か学校の帰り道だったと思う。
(・∀ ・)「また明日なー」
( ^ω^)「お、また明日だおー!」
そう言い、揺らすランドセル。
お母さんに無理矢理つけられたワッペンには、「VIP小学校1年1組 内藤ホライゾン」の文字。
確か、親友のまたんき達とのドッヂを終わらせて
いつもの裏道を抜けて
後は家に帰るだけ。
そんな時だったなぁ。
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 21:00:30.55 ID:y9/mMCTbO [6/48]
( ^ω^)「今日のおやつはなにかな?まなかな?」
( ^ω^)「……ん?」
▼・ェ・▼ キューン
ヾcUUっ
( ^ω^)
( ^ω^)「犬だ」
砂利道の脇の茂みに捨てられた君を、
たまたま目にした。
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 21:03:11.48 ID:y9/mMCTbO [7/48]
( ^ω^)「一人なのかお」
▼・ェ・▼
( ^ω^)「カーチャンはいないのかお?」
▼・ェ・▼
( ^ω^)「……」
「……可哀想だなお前」
「わん」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 21:05:31.38 ID:y9/mMCTbO [8/48]
( ^ω^)
小学生成り立て。
物の善悪も分別しにくいお年頃だ。
でも。
どちらにしたって馬鹿な僕は
この光景を、野放しに出来なかったと思う
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 21:08:10.21 ID:y9/mMCTbO [9/48]
( ^ω^)「……よし」
( ^ω^)「お前」
「うちで飼ってやるお」
そう言ってこの犬に差し伸べらるた僕の手は
▼・ェ・▼
▼・ェ・▼「ばぬぅ!!」
思いっきり噛まれた。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 21:10:33.46 ID:y9/mMCTbO [10/48]
( ^ω^)
( ^ω^)「……あれ?」
▼・ェ・▼「がじがじ」
右手かまれてやばい。マジやばい。右手やばい。
( ^ω^)
( ^ω^)「……お」
( ;ω;)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!いてえ!!いてえおおおおおおおおおお!!!」
思いっきり泣いた。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 21:18:36.01 ID:y9/mMCTbO [11/48]
――――――自宅。
家が近かったのが幸いし、ぼくの泣き声と犬の鳴き声を聞いたカーチャンは、すぐにかけつけてくれた。
「……まったく」
J( 'ー`)し「アンタはホントに馬鹿なんだから。犬に上から撫でに行っちゃそりゃ噛まれるでしょ」
( ;ω;)「なんでだお!ブーンは悪くないお!」
▼・ェ・▼「わん」
そう言いながらもちゃんと連れて帰ってきた当たり、ぼくはホントに馬鹿なんだと思う。
J( 'ー`)し「あのねぇブーン。動物はね、上を見にくいの」
J( 'ー`)し「だからね、上から手を出したりしたら攻撃されたと思って、自分を守る為に噛んじゃうのよ」
( ;ω;)「お……」
( ;ω;)「じゃあ、怖がらせたブーンが悪いのかお?」
J( 'ー`)し「そうよ」
( ;ω;)「うう……なら反省するお。ごめんお犬」
▼・ェ・▼「わん」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 21:22:10.74 ID:y9/mMCTbO [12/48]
J( 'ー`)し「……もう泣き止んだわね」
( ^ω^)「お」
J( 'ー`)し「じゃあこのわんちゃんは返して来なさい」
( ^ω^)
( ^ω^)「え?」
J( 'ー`)し「捨てられてた場所に、返して来なさい」
(;^ω^)「ちょ、待って欲しいおカーチャン!」
J( 'ー`)し「なに?」
( ^ω^)「ぼく、こいつを飼いたいんだお!」
▼・ェ・▼「わん!」
J( 'ー`)し「だめ」
(´^ω^)
▼´・ェ・▼
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 21:27:59.69 ID:y9/mMCTbO [13/48]
(;^ω^)「え、な、なんでだお?」
J( 'ー`)し「ブーン」
( ^ω^)「え?」
J( 'ー`)し「あなた飼うって軽々しく言ったけど、それがどういう事かわかってるの?」
( ^ω^)
J( 'ー`)し「例えばご飯はどうするの?」
(;^ω^)「え、そ、それはブーンのを分けて」
J( 'ー`)し「馬鹿いいなさんな。カーチャンはあなたの為に作ってるの。それに、トイレは?それに変な病気持ってるかも知れないわよ?」
(;^ω^)「う……」
J( 'ー`)し「あのねブーン」
J( 'ー`)し「ペットを飼うって事は、その一生を愛情かけて見守ってあげるって事なの」
J( 'ー`)し「一つ間違ったら、あなたの良心がこの子の一生を狂わせるかも知れないのよ?それを、わかってる?」
( ^ω^)「お……」
▼・ェ・▼
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 21:31:52.73 ID:y9/mMCTbO [14/48]
J( 'ー`)し「あなたが思ってるほど簡単じゃないのよ」
(;^ω^)「お……」
ちらりと、犬の方を見る。
▼・ェ・▼
至って普通だ。
喜怒哀楽がない顔。
だけど僕にはなんだか
何かを訴えられている気がして。
J( 'ー`)し「だから早く、返して来なさい」
(;^ω^)「……」
(;^ω^)「待って欲しいお!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 21:36:03.40 ID:y9/mMCTbO [15/48]
J( 'ー`)し「なに?」
(;^ω^)「ぼくは……ぼくはそれでも、こいつを飼いたいお!」
J( 'ー`)し「……あのねぇ」
(;^ω^)「ちゃんと世話するお!見守ってやるお!」
J( 'ー`)し「……」
(;^ω^)「ご飯だってちゃんとあげるし!散歩にもつれてくお!庭先が邪魔なら、僕の部屋に住ませるお!」
J( 'ー`)し「……」
(;^ω^)「だから、お願い!」
J( 'ー`)し「……はぁ」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 21:38:57.08 ID:y9/mMCTbO [16/48]
J( 'ー`)し「ねぇブーン」
(;^ω^)「お?」
J( 'ー`)し「確認するわね。ご飯は?」
(;^ω^)「!!……ぼ、ぼくがあげるお!」
J( 'ー`)し「トイレは?」
(;^ω^)「ちゃんと教えて、僕が掃除する!」
J( 'ー`)し「噛んじゃうかも知れないわよ?」
(;^ω^)「……そ、それもかまないようにさせるお!」
J( 'ー`)し「絶対?」
(;^ω^)「絶対!」
J( 'ー`)し「……」
J( 'ー`)し「仕方ないわね」
(;^ω^)「!!」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 21:56:38.13 ID:y9/mMCTbO [17/48]
J( 'ー`)し「いい?世話はちゃんとあなたが見るのよ」
( ^ω^)「!うん!うん!」
J( 'ー`)し「ちゃんと世話が出来てなかったら、すぐにまた捨てにいきますからね」
( ^ω^)「大丈夫だお!ちゃんとやるお!」
J( 'ー`)し「ホントに、口だけは達者なんだから……」
▼・ェ・▼「わふぅ?」
こうして
僕には家族が増えた。
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 22:01:07.64 ID:y9/mMCTbO [18/48]
( ФωФ)「ふうん。雑種か」
▼・ェ・▼「?」
( ^ω^)「ざっしゅってなんだお?」
夜。
犬を飼うことに対して、父ちゃんはすんなり許してくれた。
それどころか、拾ってきたぼくより触りまくっている。
ぼくが拾ってきたのに……。
( ФωФ)「んーとなぁ。雑種ってのは……まぁ、犬の種類なんだが。なんというかな」
( ФωФ)「よくわからないやつ、って事だ」
▼;・ェ・▼「!?」
(;^ω^)「お!?父ちゃんでもわからない事ってあるのかお?」
( ФωФ)「そうだ。犬はな、凄いんだよブーン」
(;^ω^)「犬、すげぇ……!!」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 22:15:26.19 ID:y9/mMCTbO [19/48]
( ФωФ)「雑種とは言ってもあれだな。ビーグル犬の血が混ざってるみたいだな」
( ^ω^)「ビーグル犬?」
( ФωФ)「そうだ。人懐っこくて頭の良い。そんな種類の犬がいるんだ。」
( ^ω^)」
( ^ω^)「決めた!」
( ФωФ)「ん?」
( ^ω^)「この犬の名前だお!ビーグルって名前にしてやるお!」
(;ФωФ)「ん……んん?なんでだブーン?」
( ^ω^)「そのビーグル犬ってのは人懐っこくて頭が良いんだお?なら、僕がそのビーグル犬と間違えるくらいにこいつを育ててやるお!」
(;ФωФ)「だからって……名前がビーグルじゃなくても良くないか?他にもいろいろあるだろう」
( ^ω^)「お?例えば?」
( ФωФ)「例えば?そうだなぁ」
( ФωФ)「ココ・ジャンボとk」
( ^ω^)「却下」
(´ФωФ)
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 22:17:42.08 ID:y9/mMCTbO [20/48]
( ^ω^)「まぁいいお。とりあえず、お前は今日からビーグル!なっ!」
▼・ェ・▼「?」
( ^ω^)「お前の事だお、ビーグル」
▼・ェ・▼
▼・ェ・▼「わん」
( ^ω^)「そう!」
そうして、僕の初めてだらけの生活が始まった。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 22:23:40.15 ID:y9/mMCTbO [21/48]
始めは、とにかく大変だった。
(;^ω^)「ああああああ!!!」
▼・ェ・▼「?」
(;^ω^)「こら、ビーグル!!お前なんでこんな玄関先にうんこしてんだお!!思いっきり踏んじまったじゃねーかお!!」
▼;・ェ・▼「……わふ」
(;^ω^)「うう、靴どうしよう……」
~~~~J( 'ー`)し「ちゃんと世話が出来なてかったら……」~~~~
( ^ω^)
(;^ω^)「……とりあえずこのうんこを片付けてから考えるかお……」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 22:28:44.94 ID:y9/mMCTbO [22/48]
( ^ω^)「散歩?」
J( 'ー`)し「そうよ。犬はちゃんと毎日散歩しないと行けないの」
( ^ω^)「どこに行けばいいんだお?」
J( 'ー`)し「あなたが決めなさい」
( ^ω^)「わかったお」
J( 'ー`)し「……迷子にはならないようにね?」
( ^ω^)「大丈夫だお!!いくおビーグル!」
▼*・ェ・▼「わんわん!わんわん!」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 22:31:37.94 ID:y9/mMCTbO [23/48]
(;^ω^)「ちょ、ビーグル!力強い!そっちじゃなくてこっちいくお!」
▼・ェ・▼「ばううう!」
(;^ω^)「あーもう!」
▼・ェ・▼「……」
(;^ω^)「……うわ!お前、電柱に小便すんなお!怒られるお!」
▼・ェ・▼
(;^ω^)「まったく……」
▼・ェ・▼「わん!」
(;^ω^)「ん?そっち行きたいのかお?」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 22:34:29.18 ID:y9/mMCTbO [24/48]
( ^ω^)
( ^ω^)
( ^ω^)「迷った」
▼;・ェ・▼
( ^ω^)
( ^ω^)「やばいなきそう。早く家にかえりてぇ」
▼;・ェ・▼
( ^ω^)「……う」
( ;ω;)「ううううう!!!」
▼;・ェ・▼ !
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 22:39:40.53 ID:y9/mMCTbO [25/48]
( ;ω;)「おおおおおおん!!帰りてえおおおお!!」
▼;・ェ・▼……
▼・ェ・;▼ 三 ▼;・ェ・▼
▼・ェ・;▼「!!」
▼;・ェ・▼「わん!わんわん!!」
( ;ω;)「お?」
ビーグルが向いている先には、電柱。
そして、それは確か。
(;^ω^)「あ!これ、お前が小便かけた電柱だお!」
( ^ω^)「でかしたビーグル!家に帰れるお!!」
▼*・ェ・▼「わん!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 22:42:50.32 ID:y9/mMCTbO [26/48]
J( 'ー`)し「なんでこんなに遅かったの?」
(;^ω^)「う」
▼;・ェ・▼「わぅ」
こっぴどくしかられたけどね。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 22:46:57.60 ID:y9/mMCTbO [27/48]
( ^ω^)「しかしあれだな」
▼・ェ・▼「がふがふ!」
( ^ω^)「お前、めっちゃ食うなぁ」
( ^ω^)「ドックフードってそんなにうまいのかお?」
▼・ェ・▼「がふがふ」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「ちょっともらうお」
▼;・ェ・▼「!?」
( ^ω^)「……」かりっ
( ^ω^)
( ;ω;)「おええええええええええ!!」
月日は、どんどん過ぎる。
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 22:55:31.75 ID:y9/mMCTbO [28/48]
―――――ペットショップ。
(;^ω^)「……」
(;^ω^)「この緑のドックフードと黄色のドックフードはどう違うんだお?」
(´・ω・`)「それは栄養の違いだね。黄色の方はやんちゃな子用で、緑の方はおとなしめな子用だ」
(;^ω^)「ほ、ホントかお?」
(´・ω・`)「ああ」
(;^ω^)「凄いお!おじさんは、なんでも知ってるんだお!」
(´・ω・`)「はは。そりゃあペットショップをやってたらね。毎日見てると覚えちゃうのさ」
(;^ω^)「ほお……」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 22:57:34.78 ID:y9/mMCTbO [29/48]
J( 'ー`)し「あ、いたいた。もう帰るわよ、ブーン」
( ^ω^)「あ、カーチャン!」
J( 'ー`)し「あらショボンさん。いつも割安にしてくれてありがとうね」
(´・ω・`)「いえいえ。こちらとしてもありがたい限りですよ。ビーグルくんだったかな?大切に育ててやって下さいね」
J( 'ー`)し「それをやるのは、ブーンですよ」
( ^ω^)「僕だお!」
(´・ω・`)「はは。頼もしいね」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:00:23.66 ID:y9/mMCTbO [30/48]
(´・ω・`)「あ、そうだブーン君」
( ^ω^)「お?」
(´・ω・`)「帰る前に、これはどうだい?」
( ^ω^)「……お?ジャーキーかお?」
(´・ω・`)「そうそう。黒ジャーキーって言ってね。ペットに食べさせたらもう大変。なつかれる事間違いなし」
( ^ω^)「まじかお!?買ってかえるお!」
(´・ω・`)「498円だけどね」
( ^ω^)
J( 'ー`)し
( ^ω^)
J( 'ー`)し「……いや、そんな目をされてもね、ブーン」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:04:14.74 ID:y9/mMCTbO [31/48]
▼*・ェ・▼「ハムッ!!ハフハフ、ハフッ!!」
(;^ω^)「えげつない勢いで食うなお前……」
黒ジャーキーは大成功だったみたいだ。
今度からごほうび上げる時は、これを使おう。
▼*・ェ・▼「わんわん!ワンワン!!」
( ^ω^)「もうあげないお。ちゃんとおとなしくしてないとね」
▼*・ェ・▼
▼・ェ・▼「わん」
効果てきめんらしい。
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:09:42.64 ID:y9/mMCTbO [32/48]
そして
半年が過ぎた時。
( ^ω^)
▼・ェ・▼
( ^ω^)
▼・ェ・▼
( ^ω^)つ「……お手!」
⊂▼・ェ・ ▼「わん!」
( ^ω^)つ⊂▼・ェ・ ▼
( ^ω^)「……ついに」
( *^ω^)「お手ができたああああああ!!よくやったお、ビーグル!黒ジャーキーあげるお!!」
▼*・ェ・▼「わん!」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:12:44.05 ID:y9/mMCTbO [33/48]
( ^ω^)「今度は、フリスビーだお!!」
▼・ェ・▼「わん!」
( ^ω^)「そぉら!とってこおおおおい」
▼・ェ・▼
▼・ェ・▼ ?
( ^ω^)「……」
残ったのはむなしく空に回る、円盤だけ。
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:15:06.80 ID:y9/mMCTbO [34/48]
ぼくはしっかり言いつけを守り続け
ビーグルは立派に成長した。
人には噛みつかなくなったし、トイレも覚えた。ご飯も散らかさずに食べる事が出来る。
そして何より
僕らは、仲良くなった。
( ^ω^)「はは」
▼・ェ・▼「わん」
僕らは、絆を育んでいった。
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:18:51.75 ID:y9/mMCTbO [35/48]
( ^ω^)「ほら、ビーグル!!こっちまで来てみろお!!」
⊂ニニニニニ( ^ω^)ニニニ⊃「追い付けるもんならな!ブーーーーーン!!」
三▼ ・ェ・▼「わおおおおおおん!!」
⊂ニニニニニ(^ω^;)ニニニ⊃「うわ、早あああああ!!ちょ、ぶつかる!ぶつか……」
(;^ω^)「ひでぶっ!!」
▼;>ェ<▼「きゃうっ!!」
(;^ω^)「ビーグル!!スピードには気をつけろお!!」
▼;・ェ・▼「……わん」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:21:12.29 ID:y9/mMCTbO [36/48]
( ^ω^)「いててて……ちょっと擦りむいたお」
▼・ェ・▼
▼・ェ・▼ぺろぺろ
(;^ω^)「おおお!?く、くすぐってえ!!」
幸せだった。
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:23:20.25 ID:y9/mMCTbO [37/48]
ぼくはこう思った。
( ^ω^)「いつまでも、お前といてぇお!」
▼・ェ・▼「わん!」
幸せは終わらないと思っていた。
世界はもっと、自分に都合よく出来てると信じてた。
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:26:04.36 ID:y9/mMCTbO [38/48]
( ^ω^)「ビーグル!晩ごはんだお!」
( ^ω^)
( ^ω^)「ビーグル?」
▼ ェ ▼
( ^ω^)「寝てるのかお?ほら、起き……」
( ^ω^)
(;^ω^)「……え?」
▼; ェ ▼「きゅぅう……」
(;^ω^)「お!?ビーグル!?どうしたんだおビーグル!?」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:28:53.72 ID:y9/mMCTbO [39/48]
▼; ェ ▼「……ごへっ」
(;^ω^)「!!」
「た、大変だおカーチャン!!ビーグルが、動かない!!!」
「なんか吐いたお!!すぐ来てくれお!!カーチャン!!カーチャンってば!!」
「ビーグルが!!」
世界はもっと、自分通りに回ってくれていると信じてたんだ。
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:33:15.49 ID:y9/mMCTbO [40/48]
「病気……ですね。野良犬にはよくある事です」
お医者さんは言った。
「野良時代に食べた細菌が蓄積され、老化と共に姿をあらわすんです。残念ながら、対処法は……」
なんだそれ。
( ω )「なんだお、それ……」
じゃあなんだよ。
あの時、僕が助けても、例え助けなくても。
ビーグルは、病気で死んじゃってたって事?
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:36:25.12 ID:y9/mMCTbO [41/48]
▼; ェ ▼「…ぅぅ……」
ぼくの家の庭先で
丸まって震えるだけの、ビーグル。
時々動こうとしては
▼; ェ ▼「…かっ……こへっ…」
何か白黄色の液体を吐いてる。
嘘だろお前。
僕にも追いついたその足。
なんで骨が浮きはじめてるんだ。
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:39:54.50 ID:y9/mMCTbO [42/48]
翌朝になっても
ビーグルはずっと、そのまんまだった。
▼; ェ ▼「……わぅ」
(;^ω^)「ビーグル……」
J( 'ー`)し「……」
(;^ω^)「カーチャン!ぼ、僕は……どうすればいいんだお!?」
J( 'ー`)し「……」
カーチャンはただ
黙って、首を横にふった。
そして、一言。
J( 'ー`)し「祈ってあげなさい。ビーグルが、天国でも幸せになれるようにって」
なんだよそれ。
カーチャン。
ビーグルはまだ、死んでなんかいないんだぞ。
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:43:18.62 ID:y9/mMCTbO [43/48]
(;^ω^)「ほら!元気出すんだおビーグル!!」
▼; ェ ▼
J( 'ー`)し
(;^ω^)「だってまだお前、『おかわり』出来てないじゃないかお!お手はうまくなったけど、おかわりはまだ出来てないじゃないかお!」
(;^ω^)つ「ほら、ビーグル!やるんだお!『おかわり』!」
▼; ェ ▼「……わぅ」
(;^ω^)「うっ……」
▼; ェ ▼
(;^ω^)「……そ、そうだ!カーチャン!アレだお!黒ジャーキー!!ビーグルの、大好物だお!あれ食べたら、ビーグルも元気になるお!」
J( 'ー`)し「……ごめんね、黒ジャーキー、もう無いの……」
(;^ω^)「……うう!!」
三(;^ω^)「なら、自分で買いにいくお!」
J(;'ー`)し「あ、ブーン!待ちなさい!」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:46:38.06 ID:y9/mMCTbO [44/48]
机の引き出しの一段目。
そこにしまわれてある、豚の貯金箱。
なんのためらいもなく、床に僕は叩き落とした。
(;^ω^)「ひゃくさんじゅう……えっと、ひゃく……はちじゅう……!!」
ぜんぶで506円。
なんだよ。たくさん入れたはずなのに
まったくたまってないじゃないか。
これじゃ新しいサッカーボールは買えないな。
でも、今はどうでもいい。
(;^ω^)「良かった!黒ジャーキー、買えるお!!」
⊂ニニニニニ(;^ω^)ニニニ⊃「ブーーーーーーーン!!!」
全速力で、走る。
きっと、ビーグルだって追いつけない凄いスピード。
目指すは、いつものペットショップ。
この道を抜ければ、あとはまっすぐに行くだけだ。
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:49:34.60 ID:y9/mMCTbO [45/48]
(;^ω^)「……あ……」
そして僕はうなだれる。
そうだ。
今日は、日曜日じゃないか。
(;^ω^)「……空いてないお……」
日曜日は、お休みだったんだ。
おじさんが言ってたじゃないか。
夢中になってて、忘れてた。
(;^ω^)「……どう、しよう……!」
でも、ここまで来たら
諦めたくなんかない。
(;^ω^)「おじさん!おじさぁん!!いるかお!!ブーンだお!!」
扉をがんがんと叩きながら、がむしゃらに叫んだ。
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:52:43.97 ID:y9/mMCTbO [46/48]
(;´・ω・`)「……?な、なんだい!?どうしたんだい!?」
(;^ω^)「……あ!」
良かった。
いた。
店にいる時とは違って、フツーの服をきたおじさん。
(´・ω・`)「ブーン君じゃないか。どうしたんだい?あいにく、今日はペットショップはお休みd」
(;^ω^)「お願いだお!黒ジャーキー、売ってくれお!!」
(´・ω・`)「へ?」
(;^ω^)「ビーグルが!大変なんだお!」
「早くしないと……ビーグルが!!」
僕は全てを、おじさんに話した。
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:56:48.09 ID:y9/mMCTbO [47/48]
(´・ω・`)「……それは、大変だね」
(;^ω^)「そうだお!だから早く、治してやりたいんだお!」
(´・ω・`)「わかった。ちょっと待ってなさい…………ほら、これだろ?黒ジャーキー」
(;^ω^)「……あ、ありがとうだお!これ、お金!」
(´・ω・`)「いらないよ」
(;^ω^)「お?」
(´・ω・`)「お金なんか、後でいい。今はとにかく、ビーグルくんにそれを届けてあげなさい。お金は、それから返しにきたらいい」
(´・ω・`)「ビーグルくんと、一緒にね」
(;^ω^)「……」
(;^ω^)「ホントにありがとうだお!おじさん!」
⊂ニニニニニ(;^ω^)ニニニ⊃「いそげええええええええええ!!!」
(´・ω・`)「……」
「……やれやれ。ホントに、これで良かったのかな」
その悲しい大人の言葉は、がむしゃらな少年の耳には届かなかった。
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/05(火) 23:58:51.24 ID:y9/mMCTbO [48/48]
(;^ω^)「ただいま!カーチャン!ビーグルは?」
J( 'ー`)し「お帰りなさい、ブーン。ビーグルは……」
▼ ェ ▼
(;^ω^)
ビーグルはもう、声すらあげられない状態だった。
ああちくしょう。
こんなの見たら、もう駄目だよ。
ぼくだってわかるよ。
もう長くない事が。
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:01:04.48 ID:M3dlY6OiO [1/18]
(;^ω^)「ほら!!お前の大好きな、黒ジャーキー!!おじさんがくれたんだお!!だから早く食べて元気になって」
(;^ω^)「二人でお礼、言いにいこう!!」
▼ ェ ▼
食べる気配はなかった。
だから無理矢理、口に押し付けてみたけど
色の薄くなった歯茎が見えるだけで
口を開く事すらしなかった。
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:04:17.90 ID:M3dlY6OiO [2/18]
(;^ω^)「……なんだお」
(;^ω^)「ふざけんなお。仲良くなったばっかりじゃんかお。これからまだまだ楽しい事するんだお!ビーグル!なぁ!ビーグル!」
J( 'ー`)し「ねぇブーン」
(;^ω^)「お?」
J( 'ー`)し「カーチャンが前に言った言葉、覚えてる?」
(;^ω^)
J( 'ー`)し「ペットを飼うって事は、その一生を見守ってあげるって事。だから、あなたは最後まで見ていてあげなさい」
J( 'ー`)し「大好きなビーグルの為に、ね」
(;^ω^)
(;^ω^)「う、うううう……!!」
▼ ェ ▼
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:07:17.93 ID:M3dlY6OiO [3/18]
「そんなの、絶対嫌だお!!!!」
J(;'ー`)し「あ!!!」
ブーンは、飛び出した。
耐えられなくって。
信じたくなくって。
責任なんか
感じたくなくって。
(; ω )「……うううううう!!!」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:09:57.12 ID:M3dlY6OiO [4/18]
なんでだよ。
まだこれからだ。
僕はもっと大きくなる。
そしたらもっと足が速くなって追いかけっこも楽しくなる。
これからなんだ。
やれる事はまだまだあるじゃないか。
だのに。
お前はなんでそんなに早くいなくなるんだ?
そんなお前なんか。
ビーグルなんか。
( ;ω;)「ビーグルなんか……」
「大ッッ嫌いだああああああああ!!!!」
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:12:56.33 ID:M3dlY6OiO [5/18]
そんな僕の声をかきけしたのは
大きなトラックの、クラクションの音。
( ;ω;)「あ……」
……どうやらぼくは、ホントに動揺してたらしい。
まさか
車道に飛び出してるのにも、気付いてなかったなんて。
トラックが、迫ってくる。
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:14:59.74 ID:M3dlY6OiO [6/18]
( ;ω;)
もう駄目だ。
間に合わない。
……ん?
……はは、面白い話だ。
今から自分が死ぬってのに。
( ;ω;)「……ビーグル……」
なんで僕は直前まで
さっき大嫌いって言ったばかりの
ビーグルの事ばっかり考えてんだろう。
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:17:11.58 ID:M3dlY6OiO [7/18]
痛みはなかった。
ごがぁん、と大きな音が聞こえて。
僕の体全身に大きな衝撃が走って……
それで……
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:20:03.95 ID:M3dlY6OiO [8/18]
(; ω )
(; ω )
(; ω )「……」
……あれ?
(;^ω^)「えっ……僕……」
生き、てる……?
え?
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:23:42.16 ID:M3dlY6OiO [9/18]
え?
あれ?
(;^ω^)
(;゚ω゚)「……え……」
▼ ェ ▼
なんで
お前が
そこにいるんだ?
ビーグル。
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:26:45.59 ID:M3dlY6OiO [10/18]
(;゚ω゚)「……お」
( ;ω;)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
嘘だろ。
お前、動けなかったんじゃなかったのか。
ビーグル。
なのに。
ビーグル。
僕を。
守る為に。
ビーグル。
( ;ω;)「びーぐるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
「うあああああああああああああああああああああああああ!!!」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:29:28.95 ID:M3dlY6OiO [11/18]
そこでやっと、僕は全てをちゃんと理解した。
僕が突き飛ばされたのはビーグルで。
聞いたのは、ビーグルが跳ねられた音。
僕の変わりに。
ビーグル。
なんで、お前は……
( ;ω;)「うっううううう!!!うううううう!!!」
トラックの運転手が出てきた。
僕に何かを言っている。
でも聞こえない。
それより、ビーグル。
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:32:12.00 ID:M3dlY6OiO [12/18]
お前は最後まで
こんな僕の為に。
でもぼくは、
お前に何もしてやれてなかった。
助けてやりたかった。
助けてやりたかったのに、逆に助けられた。
その、ビーグル。
もう動かない、薄汚れた体。
▼ ェ ▼
それでも、僕は見た。
( ;ω;)
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:34:32.75 ID:M3dlY6OiO [13/18]
▼^ェ^▼
( ;ω;)
最後の一瞬、確かに笑った。
僕の方を見て。
確かに、笑ったんだ。
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:38:20.73 ID:M3dlY6OiO [14/18]
「君といれて良かった」。
そう、言いたかったんだろう。
( ;ω;)「うう……ううううううう!!!」
僕だって同じだよ。
大嫌いなんか嘘だよ。
まだまだいっぱい言いたい事はあるけど。
うまく出てこない。
だから。
( ;ω;)「ありがとうビーグル…………」
それ以上は
声にならなかった。
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:40:25.07 ID:M3dlY6OiO [15/18]
……そうして
月日は流れていく。
確かにいたはずの僕の家族
ビーグルだけを、置き去りにして。
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:42:32.32 ID:M3dlY6OiO [16/18]
\( 。^ω^)/「ふああ……」
僕の住む町は、都会。
走り回るには窮屈な、理詰めの世界だ。
今は、朝。
僕は一人、寝ぼけ眼で頭をかきながら、とある写真を見つめる。
( ^ω^)「おはよう、ビーグル」
写真立には、「Beagle」の文字。
あの時間違えた名前も、ちゃんと書けるようになったよ。
僕は大人になったんだ。
なぁ、ビーグル。
君のおかげだよ。
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/06(水) 00:45:49.81 ID:M3dlY6OiO [17/18]
( ^ω^)「……さてと。会社、行ってきますか」
( ^ω^)「……」
誰に聞かれるわけでもないのに
誰にも聞かれないように小さく呟く。
「僕は幸せだお」と。
それはいつまでも心に生きる、僕だけの物語。
▼・ェ・▼犬とぼく、のようです
終わり。
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