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49 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 20:08:10.36 ID:YYYRwHE90
(-_-)(暇だな・・・)
まことは暇になってきたのでブザーを押した
しかし、誰もやってこない
(-_-)「(おかしいな)
まことはもう一度ブザーを押した
看護士「遅くなってごめんよ
どうかしたのかい?」
しばらくしてやってきたのはしぃ看護婦長ではなく、見たことのない若い看護士だった
50 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 20:10:44.47 ID:YYYRwHE90
(-_-)「しぃさんはどうしたの?」
まことは若い看護士に尋ねた
看護士「いや、しぃ看護婦長は今ちょっと取り込み中で・・・」
看護士は言葉の語尾を濁した
(-_-)「僕の所に来れないような事なの?」
看護士「う、うん
ちょっとね・・・」
看護士は何か言いにくそうな様子だった
51 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 20:13:04.87 ID:YYYRwHE90
(-_-)「おかしいな
何か隠してる?」
看護士「いや、そんなことは・・・」
(-_-)「しぃさんはどこなの?」
まことは看護士に詰め寄った
看護士は白を切っていたが、そのうちごまかしきれないと観念したように話した
看護士「彼女は今ERにいるよ」
(-_-)「ER?」
52 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 20:16:01.50 ID:YYYRwHE90
看護士「うん
救急救命室のことだよ」
(-_-)「ふーん
そこに行けばしぃさんに会えるんだね?」
看護士「ダメだよ!
ERは命の危険に晒されている患者さんが運ばれるところなんだ
関係ない人間が行くと、邪魔になる!」
看護士はまことがERに向かいそうな様子だったので、慌てて制した
57 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 20:31:07.56 ID:YYYRwHE90
(-_-)「・・・
いや、行かないよ」
看護士「ならいいんだ・・・」
まことの言葉を聞いて看護士はホッとしたようだった
看護士「ところで何の用だい?」
(-_-)「いや、もういいんだ」
看護士「そうかい
じゃあ何かあったらブザーを押して教えてくれよ」
そういい看護士はまことの病室から出て行った
58 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 20:36:05.48 ID:YYYRwHE90
まことは看護士が出て行って、見えなくなったのを確認してから
ベットから起き上がり、スリッパを履いて病室から出た
(-_-)「ERってどこにあるんだろう)
まことはエレベーターの側に貼られた館内案内を隅から見始めた
(-_-)(・・・ないなあ)
どうやら自分の入院している病棟にはERがないようだtった
63 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 20:41:25.03 ID:YYYRwHE90
まことは自分の入院している第2病棟の4階のナース・ステーションに向かった
(-_-)「すいません」
看護婦「はい
どうしたの?」
(-_-)「ERってどこにあるの?」
看護婦「え?
ER?」
看護婦は全く予想していなかった単語がまことの口から出てきて、驚いた
65 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 20:47:06.73 ID:YYYRwHE90
看護婦「そんなところにいってどうするの?」
看護婦はいぶかしげにまことに尋ねた
(-_-)「いや、本を読んでたらERってところが出てきて、どんなとこか見たくなって・・・」
まことにとっさに思いついた嘘を口にした
看護婦「・・・そうなの
でもあそこは勝手に入れないわよ」
(-_-)「そうなんだ
まあ、いいや
どこにあるか教えてよ」
看護婦「・・・」
看護婦は考え込んでいた
68 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 20:53:34.27 ID:YYYRwHE90
看護婦「・・・ERは第1病棟のほうにあるわよ」
看護婦は第1病棟にあることだけ教えた
(-_-)「そうなんだ
ありがとう」
まことはナース・ステーションを離れ、エレベーターのボタンを押した
しばらく待ってるとエレベーターが4階で止まった
ドアが開き、まことはエレベーターの中に入った
エレベーターのドアが閉まり、下の階へ向かって下がっていった
85 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 21:53:55.22 ID:YYYRwHE90
ある晴れた日曜の午後、暖かな日差しが真新しいブーンの家を照らしていた
ブーンの家は閑静な新興住宅街に建てられていたベージュの壁で彩られた近代的なデザインの建物だった
ブーンは母と共にペットのポチの散歩に出かけるところだった
J(‘ー`)し「ポチ
散歩に行くよ」
U゚∀゚U「ワン!」
( ^ω^)「ポチは散歩が大好きだお」
U゚∀゚U「ワンワン!」
ポチはブーンの周りをグルグル走り回っている
88 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 22:00:52.04 ID:YYYRwHE90
( )「ポチは元気だなあ
俺も見習わないと」
( ^ω^)「トーチャン
何じじくさいこと言ってるお」
( )「いやいや、俺ももういい年だよ
早くブーンに養ってもらいたいよ」
( ^ω^)「僕はまだ中2ですお」
J(‘ー`)し「まだまだお父さんには頑張ってもらわないと
ねー、ポチ」
U゚∀゚U「ワン!」
89 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 22:05:49.55 ID:YYYRwHE90
( )「ははは
ポチまで言うのか
俺ももっと働かないといかんなあ」
J(‘ー`)し「そうよ
家のローンもあるし、車のローンもあるし
ブーンの教育費もあるし・・・」
( )「おいおい
こんな天気のいい日曜日に現実的な話はよそうじゃないか
俺も羽を伸ばしてのんびりさせてくれよ」
J(‘ー`)し「フフフ
冗談よ、冗談」
U゚∀゚U「ワン!」
( ^ω^)「ポチにシードつけたお」
ブーンはポチにリードのついた首輪を取り付けていた
122 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 23:02:59.87 ID:YYYRwHE90
( )「ポチは幸せ者だなあ」
J(‘ー`)し「じゃあ行こっか」
( ^ω^)「僕がリード持つお」
U゚∀゚U「ワン!」
( )「気をつけて行ってこいよ
それとあまり遅くならないようにな
俺が出かけられないからさあ」
J(‘ー`)し「じゃあ留守番よろしくね」
( )「わかったよ」
128 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 23:12:42.24 ID:YYYRwHE90
ブーンと母はポチを連れて近所の河の河川敷に来た
J(‘ー`)し「ブーン、この間大学に行きたいって言ってたわよね」
( ^ω^)「うんだお
大学で勉強して、トーチャンと同じ仕事に就くお」
J(‘ー`)し「そう言ってくれるとカーチャンもうれしいわ
今の若い子達は、自分のやりたいことが見つからなくて
アダルトチンルドレンとかって社会現象にもなってるのよ」
( ^ω^)「アダルトチルドレン?」
J(‘ー`)し「そう
大人になりきれない大人のことをそう呼ぶのよ」
( ^ω^)「そうなのかお」
131 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 23:16:08.74 ID:YYYRwHE90
J(‘ー`)し「ブーンは自分でやりたいことを見つけてくれた
それがカーチャンは嬉しいわ」
( ^ω^)「・・・」
J(‘ー`)し「お金を事は心配しないでね
絶対に大学まで進学できるようにするから」
母はブーンに微笑みかけながら話した
ブーンは母からにじみ出る慈愛を感じたのだった
134 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 23:22:41.93 ID:YYYRwHE90
日が傾き始め、建物の影の近くまで降りた太陽が水面を赤く照らしていた
( ^ω^)「カーチャン、僕は幸せだお
ここまで育ててくれたトーチャンとカーチャンには
将来絶対恩返しするお」
J(‘ー`)し「ブーン・・・」
( ^ω^)「ここまで育ててくれて本当にありがとうだお」
J(‘ー`)し「この子ったら・・・」
母は目頭が熱くなり、涙を浮かべた
涙がこぼれない様に、上を向いた
J(‘ー`)し「・・・綺麗な夕焼けね」
136 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 23:25:08.82 ID:YYYRwHE90
U゚∀゚U「ワン!」
( ^ω^)「ポチが帰りたがってるお」
J(‘ー`)し「そうね
そろそろ帰ろっか」
( ^ω^)「うんだお」
J(‘ー`)し「ブーン・・・」
( ^ω^)「何だお?」
138 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/14(火) 23:27:45.19 ID:YYYRwHE90
J(‘ー`)し「カーチャンも本当に幸せだよ
いつまでもこの幸せが続いてくれるだけで
カーチャンは満足だよ」
( ^ω^)「カーチャン・・・」
そう語る母はどこか寂しげな笑みを浮かべていた
( ^ω^)「きっと、ずっと今の幸せが続くお!」
ブーンは力強く答えた
(ヽ゚ω゚)ブーンが精神病になったようです 第三部 第二十二話
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