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609 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 20:40:26.26 ID:CVribECx0
翌日もブーンは何とか工場に出勤した
作業を始めると手が震える
隣の従業員達はブーンのまねをして、手を震わせて、備品を落としたりしながら笑いあっていた
( ;ω;)(くやしいお!)
ブーンは悔しくて涙が出てきた
それを見た従業員たちは、今度は泣くまねを始めたのだった
ブーンはこの場から走り去りたい気持ちで一杯だった
しかし、そんなことをすればクビになってしまう
工場をクビになるとブーンは収入が全くなくなってしまうのだ
ブーンは歯を食いしばって耐えた
636 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/03(金) 21:43:59.83 ID:CVribECx0
バイトを終えフラフラになりながら、ブーンは帰途に着いた
アパートのブーンの部屋の窓はいつものように暗かった
ブーンはドアを開け、電気をつけた
「おかえりなさい、ブーン」
( ^ω^)「!?」
光が灯った瞬間、聞きなれた声がブーンの耳に入ってきた
639 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 21:47:38.40 ID:CVribECx0
( ^ω^)「カ、カーチャン!?」
J( 'ー`)し「今日も遅かったわね、ブーン」
部屋には病院で入院しているはずの母がいた
( ^ω^)「カーチャン、なんで家にいるんだお!?」
J( 'ー`)し「何言ってるの、ブーン
カーチャンが家にいたらおかしいのかい?」
そういうと母はにっこり微笑んだ
640 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/03(金) 21:48:12.64 ID:DJvoUbR80
これは・・
641 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 21:49:22.10 ID:CVribECx0
( ^ω^)「でも、カーチャンは入院してるお
もう退院できたのかお?」
J( 'ー`)し「何言ってるの
カーチャンは入院なんてしてないよ」
母は肌につやもあり輪郭もふっくらしており、確かに健康そうに見えた
650 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 21:52:45.68 ID:CVribECx0
( ^ω^)「?
よく分からないけど、カーチャンが戻ってきてうれしいお!
やっとひとりぼっちじゃなくなるお!」
ブーンは久しぶりに楽しい気分に浸ることができた
J( 'ー`)し「疲れたろうから、早くお休みブーン」
( ^ω^)「ヘロヘロだお
薬飲んだら、横になるお」
ブーンはコップに水を注ぎ、薬を取り出し飲んだ
その間、母はただ座って微笑んでいるだけであった
653 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 21:55:32.75 ID:CVribECx0
( ^ω^)「またカーチャンと一緒に暮らせてうれしいお
これで明日からも頑張れるお」
J( 'ー`)し「ほほっ
何言ってるの、この子は
カーチャンはずっとブーンと一緒だよ」
( ^ω^)「うん!
一緒だお!」
ブーンは布団をひき、布団に潜った
母は相変わらず座りながらブーンに微笑み続けるだけであった
663 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 22:01:54.76 ID:CVribECx0
その晩ブーンは久々にぐっすり眠る事ができた
朝目を覚ますと、母の姿はなかった
電気はついたままであった
( ^ω^)「カーチャン、どこに行ったのかお?」
ブーンは変に思ったが、きっと買い物にでも出かけたのだろうと思い、バイトへ行く準備を始めた
( ^ω^)「カーチャンにメモを書いておくお」
ブーンは母へメモを書き綴った
内容は“バイトへいってくるお
なるべく早く帰るお”
といったものであった
664 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 22:04:40.13 ID:CVribECx0
ブーンの手の震えは止まらなかった
いや、徐々にひどくなっているようだった
(;^ω^)(作業ができなくなってきたお)
ブーンは何とか必死に業務をこなした
周りからは嘲笑のあざけりが聞えてきたが、今のブーンにはそれほど気にならなった
やがて、終業時刻となり、ブーンは母の待つ自宅へと足早に急いだ
669 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 22:06:31.87 ID:CVribECx0
アパートの前につくと、部屋の電気はついておらず、真っ暗であった
( ^ω^)「あれ?
カーチャンまだ帰ってないのかお?」
ブーンはおかしく思い、扉を開け、電気をつけた
すると声が聞えてきた
「おかえりなさい、ブーン」
674 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 22:09:28.89 ID:CVribECx0
( ^ω^)「カーチャン、いたのかお?」
J( 'ー`)し「いたわよ
ブーンの帰りを待ってたんだよ」
( ^ω^)「そうだったのかお
電気がついてなかったから、てっきりいないのかと思ったお」
J( 'ー`)し「電気はちゃんとついてるよ」
( ^ω^)「そうなのかお?
まあいいお
頭が痛いから、薬飲んで横になるお」
676 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 22:11:53.72 ID:CVribECx0
ブーンは台所にいき、コップを取った
その時、今朝書いたメモが残ったままであることに気付いた
( ^ω^)「カーチャン、メモ見てないのかお?」
J( 'ー`)し「見たよ
バイトに行ってたんだね
ご苦労様」
ブーンは母と話せる事が嬉しかった
680 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 22:14:39.80 ID:CVribECx0
( ^ω^)「じゃあ、しんどいから先に寝るお」
J( 'ー`)し「ゆっくり休むんだよ」
ブーンは布団を敷き、横になった
( ^ω^)「カーチャン、昨日と同じ服着てるのかお?」
母は昨日と同じ服を着用しているのだった
J( 'ー`)し「・・・」
母は何も話さなかった
さがて、心地よい眠気がブーンを包んだ
685 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 22:21:14.59 ID:CVribECx0
ブーンが目を覚ますと、またもや母はいなかった
電気は昨晩と同じようについたままであった
( ^ω^)「またどっか行ったのかお?」
ブーンは母にメモを書き、工場へ向かう為、扉を開けた
( ^ω^)「?」
不意に視線を感じた
691 : ◆vUsDOjbm1w :2006/02/03(金) 22:24:30.53 ID:CVribECx0
視線の先をおうと近所の主婦二人がブーンを怪訝な顔つきで見ていた
( ^ω^)(なんで僕を見てるのかお?)
ブーンは不思議に思ったが、それほど気にせずに自転車に乗り、軽快な足取りで工場のほうに向かっていった
「あの子どうしたのかしら?」
「夜になると一人なのに話し声が聞えるけど」
主婦達の会話はブーンの耳に届いていなかった
( ^ω^)ブーンが精神病になったようです 第一部 第七話
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