从 ゚∀从花盛りのおまいらへ、のようです *第一話*
2011/05/26 Thu 01:47
364 : ◆9KrP3RFuVo:2011/05/21(土) 20:14:08 ID:.Tn74H66O
从 ゚∀从
おっす、あたしハインリッヒ高岡!!
この春から新高校生になるピチピチギャルだ!!
自慢じゃないが、あたし結構モテるんだよね。
小中と、貰ったラブレターは二千通をゆうに越したし、
毎日昼ご飯は何種類もの手作り弁当から選び放題だった。
バレンタインのチョコ争奪戦は毎年怪我人が出るほど白熱したなぁ……まあ用意なんてしなかったし、むしろ沢山貰っちゃったんだけどさ。
いや、自慢じゃないんだけどさ。
自慢じゃねえよ……だってこれ全部
同性からのアプローチだったんだもんよ……
365 : ◆9KrP3RFuVo:2011/05/21(土) 20:14:41 ID:.Tn74H66O
从 ゚∀从花盛りのおまいらへ、のようです
*第一話*
『教室パニック!? ハインちゃん颯爽登場! の巻』
366 : ◆9KrP3RFuVo:2011/05/21(土) 20:15:23 ID:.Tn74H66O
_,、
从 -∀从
思い返せば本っっ当に悪夢のような日々だった。
(*゚ー゚)-3『ハインお姉様一緒に帰りましょおぉおおぉおお!!』
静かに登下校することも叶わず、
川*゚ -゚)『高岡、君のためにマフラーを編んだんだ。君によく似合う格好いいデザインだぞ』
勝手なイメージを被せられ満足にガーリィな服も着れなかった。
*(*‘‘)*『ハインちゃん結婚してぇええぇえ!!』
うっさい虫が邪魔をして、男の子との出逢いも皆無に等しかった。
もう嫌だ、ちょっと男勝りな性格と中性的な外見してるからって
なんであたしがこんな目に遭わなきゃならないんだ。
あたしだって女の子なんだ。普通の女子は格好いい男子と恋の一つでも育むもんじゃないのか。
368 : ◆9KrP3RFuVo:2011/05/21(土) 20:16:21 ID:.Tn74H66O
_,
从;-∀从
あいつらは異常だ。
いくら女子校なんて男との出逢いが無い環境に身を置いてるからってレズビアンに走るかフツー。
もう女とは一生分関わった。濃淡余すところ無く、女の性は見尽くした。
連中とは二度と関わり合いになりたくない。
高校という新たな門出、あたしは今度こそ素敵な男子と出逢って少女マンガのような甘い恋をするんだ!!
369 : ◆9KrP3RFuVo:2011/05/21(土) 20:17:33 ID:.Tn74H66O
从*-∀从
ふふふ……ん?
そんなこと言ったって共学である以上女子は居るって?
そうなんだよ、そこが悩みどころでな。
女が居る以上またレズビアンどもに追っかけ回されたり、イケメンを先取りされることも有るだろうからな……
从 ゚∀从カッ
しかし! 少女漫画フリーク歴十年のあたしの脳みそはある画期的な解決策を編み出した!
共 学 じ ゃ な け れ ば い い ん だ よ !
………それじゃああたしも入学できないだろって?
むふふ、そこは考えがあるのだよ。
まあ見てなさい! 乙女の飽くなき恋愛への執念は岩をも溶かすということを!
いざ、麗しの全寮制男子校・私立雛所高校へ!!
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ヤマアラシのようです
2011/05/12 Thu 22:22
497 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/06(金) 05:45:07 ID:Y.OvCCwQO
皆さん乙なんです( ><)
出遅れもいいとこですが、短いのを一つだけ
No.22
498 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/06(金) 05:46:11 ID:Y.OvCCwQO
『ヤマアラシのジレンマ』とは
「自己の自立」と「相手との一体感」という2つの欲求によるジレンマ。
寒空にいる2匹のヤマアラシが、お互いに身を寄せ合って暖め合いたいが
針が刺さるので近づけないという、
ドイツの哲学者、ショーペンハウアーの寓話による。
但し、心理学的には、上述の否定的な意味と
「紆余曲折の末、両者にとってちょうど良い距離に気付く」という肯定的な意味として使われることもあり、
両義的な用例が許されている点に注意が必要である。
ヤマアラシのようです
499 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/06(金) 05:46:39 ID:Y.OvCCwQO
私には、尊敬している人がいる
宇都宮ヒッキーという クラスメイト
彼は孤高で、馴れ合いを好まない
年頃の子供は仲間意識が強く、異端を見つけると排除したがる傾向にある
その為、その彼らでいう『異端』である宇都宮君は、いじめの餌食になることもしばしばだ
しかし彼は気にしていない
いじめをする 相手の方をさげずんでいる
以前 一度だけ彼と会話をする機会があった時に聞いたものだ
(-_-)「群れなきゃ何も出来ない可哀想な人達なんかに興味はないよ
暴力が自分に向かないように代理をたててるだけだろう」
(-_-)「低俗な人間が何を考えて、群れて、軽蔑して、暴力を振るうのかなんて 興味ない」
彼はそう言って、話を打ち切った
最初は、彼の言っていることの意味がわからなかった
それが少しずつ解るようになったのは、私の友達関係の中でであった
「でぃってさ、うざくない?」
そんな呟きを、聞いてしまった
500 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/06(金) 05:47:11 ID:Y.OvCCwQO
僕に話しかけてきた奴がいた
まともな会話は久しぶりだと思う
でも僕と話しているところを見られたら、彼女もきっといじめの餌食になるだろう
遠ざけてあげないと
(-_-)「興味ない
でも、君も僕を理解しようとしなくていいよ。わかる?
僕に、近づかないでくれ」
これが、僕の言ってあげられる最良の言葉だった
あれ以降、彼女はことあるごとに僕に近寄ってくる
僕は知らないふりをして、彼女から遠ざかる
仲良く出来るものなら、僕もしてみたい
腹をわって話せる相手が、一人くらいいてもいいと思う
でもぼくが近づいたら、彼女にまでいじめの火の粉が降りかかるだろう
それは絶対に避けなければ
ヤマアラシのジレンマといっただろうか
正式な用語ではないらしいが、ドイツの哲学者が作った寓話の内容が、確かそうだった
寒空にいる2匹のヤマアラシが、お互いに身を寄せ合って暖め合いたいが
針が刺さるので近づけない
確かそんなお話だ
皮肉だな と思わざるを得ない
僕は大人になってしまったようです
2011/05/12 Thu 04:26
60 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 20:25:16 ID:msSdE8rQ0
んじゃ、投下する。
オーバーしたらすまん。
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-876.htmlより
№22の絵。

61 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 20:26:26 ID:msSdE8rQ0
僕らの言葉が、こんなにも刺々しくなったのは何時だろう。
誹謗も、悲観も、批難も、全部上手い具合に丸い形にして、笑顔の上にそっと乗せることを僕らが覚えたのは何故だろう。
そうすることを皮肉などとなまいきに罵るのは誰だろう。
僕らはヤマアラシ。幼いヤマアラシ。
誰からも誰よりも愛されたい、そんな思いを抱きながら近づく。
けれど。
誰からも誰よりも嫌われたくない、そんな思いを浮かべながら遠ざかる。
大好きな彼女がときたま嫌な顔をするのを見て、差し出した手を引っ込める僕。
それが僕らのジレンマなのだと教わったのは、彼女の涙を初めて見た時で。
(-_-)「さようなら」
僕が空に向けてそう呟いたのは、僕が体験した二十回目の初夏の時。
空を舞う綺麗なホームラン。近くの野球場から聞こえてくる歓声をなんとなく眺めながら、僕は背中で彼女を感じていた。
その時に、きっと、たぶん、おそらく。
彼女はまた笑いながら泣いた。
僕は大人になってしまったようです
62 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 20:26:59 ID:msSdE8rQ0
話をしようと思うんだ。
拙い、思い出話を。
63 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 20:28:04 ID:msSdE8rQ0
三年前。あれは高校二年生の夏。
僕がでぃさんと出会ったのは、三か月ぶりに高校に帰ってきた時だった。
出会った、という表現にはやや誤謬があるかも知れない。それなら、気付いた、気付かされた、と今の僕は正しく表現してみたい。
世間一般的にひきこもりと言うあの時の僕。
いつからひきこもりになったのだ? という問いの答えには諸説あるが、いじめがその答えの大半を占めるだろう。あとは、なにもかも面倒くさくなっただとか……結局いじめから来た考えが大半を占めていたはずだ。
65 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 20:29:29 ID:msSdE8rQ0
早朝。僕は教室の扉を開けた。間もなく、僕に浴びせかかる視線はとりわけることもない事実。後続した僅かな沈黙はその証明。
ああ痛い、痛い。だが、それだけだ。
特に気にする必要も感じなかったのだ。それは僕が視線と沈黙を覚えたのはその一瞬だったから。その理由は後々知ることになるのだが。
久しぶりに教室に訪れた僕が、とりあえず目にしたのは自分の机だ。それこそ丁寧に、教室の端っこに追いやられた僕の机。
そう形容するのも躊躇わられるほど綺麗な机が教室に自然に置かれているのは、何故か酷く業務的に見えた。
勿論、僕は席に着く。やや強制的なように覚えたのは、深く考えないようにした。
( ´∀`)「さあ、朝のホームルームを始めるモナよ」
そうして僕の考えを汲み取るわけでもなく、一日が始まる。
彼、担任のモナー先生は僕を学校に呼び戻した張本人だ。そのゆったりとした口調、絶えることのない笑みはモナー先生の性格を確かに表している。彼に対して多くの生徒が好感を抱いているのを僕は知っていた。
そうでも、僕はモナー先生からふと向けられた視線から慌てて目を逸らしていた。理由は微笑みの上に映えたその温かさが、何故だか気持ち悪かったから。
モナー先生が、僕が学校に来たことをクラスの生徒たちの前であえて口にしないのは、先ほどの視線と同じような優しさなのだろう。
だが、不思議と。
( ´∀`)
(-_-)
いや、相変わらず嬉しいなどとは思えなかった
66 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 20:30:44 ID:msSdE8rQ0
昼休み。
時間は何食わぬ顔で過ぎていた。
チャイム、号令の後、テンプレ通りにざわめく教室。
そこからやはり自然に追い出された僕は、何気ない様子で弁当箱を取り出す。
久しぶりの学校での食事。勿論、思い出も何も無かったから懐かしいなどと思うこともなかった。
そんな中で、僕はふと違和感を覚える。それは、前まで昼休みになる度に僕を嘲るジョルジュ君たちが目の前にいないことに対してではなかった。
(#゚;;-゚)
真横に移した僕の視線。僕は誰にも何も悟られないように、箸を握っていた。僕の瞳に映ったのは、廊下側の一番後ろの席でただ座る一人の女子生徒。背筋は伸び、これまでかというほど無表情だ。
67 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 20:31:44 ID:msSdE8rQ0
おかしいな。
僕は目をぱちくりとさせて、もう一度その彼女を見つめた。そして、ほぼ同時に悟った。
昼休み。屋上へ向かう生徒、机を向い合せて昼食と談笑に興じる生徒、そんな中で、二人のひとりぼっち。
その二人は、僕ととある女子生徒。
一方の僕は彼女を見つめ、その彼女は傷だらけの腕を擦り、何食わぬ顔で立ち上がると教室から出てゆく。
すると、時を待ったかのように、教室のざわめきに混じる笑い声。嘲笑。
「でぃ、今日も昼ご飯ないんだって」
「へえーかわいそー」
その最中で、僕が悟ったことはでぃという女子が標的なのだということ。そして。
僕はその事実から無意識に目を逸らしていたこと、だ。
皮肉にも、これがでぃさんとの出会いだった。
あの日あの時あのバス停で……のようです
2011/05/07 Sat 15:54
932 :あの日あの時あのバス停で……のようです:2011/05/05(木) 18:44:26 ID:HUZzQ.o.0
空の下に立っていると、それだけで汗がにじんだ。
(;'A`)「コーラがしみるぜ」
( ´ω`)「ううっ、ブーンはアイスだったからもうなくなっちゃったお」
ついこの前まで寒さに凍えていたのが、ついこの前まで山じゅうに桜が咲いていたのが嘘みたいだ。
あちらこちらに雲が浮いているのに、空は冗談みたいに青い。
熱い空気を切り裂くように、鳥の声が響いた。
ξ;-⊿-)ξ「せっかく休みなのに、何で文化祭の準備なんかに」
川 ゚ -゚)「まあ言うな。これが最後の文化祭じゃないか」
ド田舎の村。その中でも、俺たちの家のある集落には学校がない。
車やバイクを運転できない俺たちは、集落に一つのこのバス停から学校、遊び、買い物に出かけることになる。
( ;_ゝ;)「ううっ、弟者のケチ」
(´<_` )「半分くれてやってるだろうが。いらんのなら、返せ、寄こせ、俺が食う」
(*^ω^)ノ「いらないならブーンが食べるお!」
\(*´_ゝ`)/ヤダー アイスー(;ω; ) アキラメロ(´<_` )
933 :あの日あの時あのバス停で……のようです:2011/05/05(木) 18:45:07 ID:HUZzQ.o.0
ひとしきりふざけあうと、会話がぷつりと途切れた。
バスはまだ来そうにない。そうすると、俺たちはとたんに時間をもて余しはじめた。
川 ゚ -゚)「……来年は、もうこうしていられないんだろうな」
そんな中、素直がぽつりとつぶやいた言葉に、俺たち全員が沈黙した。
ブーンは口にくわえたアイスの棒をぼきりと噛み、流石兄は「うへぇ」と小さくつぶやいた。
流石弟はといえば、何を考えているのか分からない表情のまま首を縦に動かす。
俺はと言えば、ため息をついて辺りを取り囲む山の緑を見ていた。
('A`)「もうそんな時期か。月日がたつのは早いもんだな」
それは俺が――いや、ここにいる全員が話題にしないように、考えないようにしてきたことだった。
来年になれば、みんなでこうやって学校に通うことはない。
小学校に入った時から当たり前のように続いていた光景が、習慣が、これで終わりを告げるのだ。
∩;´_ゝ`)∩「やめろー! 現実なんて知りたくないー」
(´<_` )「あきらめろ、兄者。それが世界の選択だ」
そうすれば、こいつら流石兄者と弟者のコントを見ることも無くなって。
内藤ホライゾンことブーンと、ブロック塀をいかに美しく渡るかなんてアホ競技もできなくなって。
津出ツンや素直クールのような女子とはお近づきになることなんて皆無に等しくなるのだろう。
934 :あの日あの時あのバス停で……のようです:2011/05/05(木) 18:45:30 ID:HUZzQ.o.0
川 ゚ -゚)「春になれば卒業で、そしたらすぐに家を出なければならないなんて信じられないよ。
来年の今頃、私は何をしているんだろうな」
( ^ω^)「僕はおじさんとこでりんご育てて、バリバリ働くお!」
正直言えば、来年のことを考えるのは無性に寂しくて、悲しい。
だけど、それを言うのはガキ臭い、かっこ悪いことに思えて、俺はただ黙っていた。
ヽ( ´_ゝ`)ゞ「聞いて驚け、俺らは」
(´<_` )「従兄弟者の住んでる都会の学校に行くことになりそうだ」
流石たち兄弟のあげた名前は、新幹線も通っている大きな街の名前だ。
流石に東京とまではいかないが、それでも大きな都市名をあげれば必ず出る街。
ブーンのおじさんの家は遠いが、それよりもはるかに遠い距離だ。
('A`)「俺はまだわからん。
――でも、俺も多分どっかへ行くんだろうな」
遠い。
ブーンも、流石たちも、きっと素直も。
産まれたときからずっと一緒だったのに、こうして離れていく。
そして、それは――俺もだ。
935 :あの日あの時あのバス停で……のようです:2011/05/05(木) 18:45:58 ID:HUZzQ.o.0
川 ゚ -゚)「そうだ、ツンはどこへ行くんだ」
素直はずっと黙り込んだままの津出に話しかけた。
ξ ゚-゚)ξ「私は――」
津出は無表情だった。
笑ったり、怒ったりといつもコロコロと表情が変わる顔には、何も浮かんでいない。
見れば、津出の手にしたチョコアイスは溶けて道路を無惨に汚していた。
('A`)「津出?」
ξ;゚⊿゚)ξて「えっと、今はそんなことどうだっていいじゃない。
それよりも学校よ、文化祭! 準備! 何でバス待ってると思ってるのよ」
津出は、さっきまでの表情が嘘のように急に話しだした。
「もー、べとべとと」アイスを持つ手を見やり、残ったアイスを慌てて口をつけた。
そこにいるのはもう、口の達者ないつもの津出だ。
( *´_ゝ`)川*゚ -゚)「「液体でべとべとなツン」ツン者」 オマエラヤメロ(´<_` )
( ;゚ω゚)「あああああ、アイスもったいないお!」
937 :あの日あの時あのバス停で……のようです:2011/05/05(木) 18:46:38 ID:HUZzQ.o.0
ξ゚⊿゚)ξ「もー、アンタたちがさっきからこの世の終わりだーなんて顔するから。
こっちまでアンニュイな気分になっちゃったじゃない!
別に、卒業したって引っ越したって、死ぬわけじゃないんだから」
(;'A`)「そ、そうか?」
ξ´⊿`)ξ「鬱田なんか、こーんな顔してたわよ」
俺に向かって大げさに眉をしかめた津出は、しばらく目を閉じた後に「決めた」と、口にした。
何を言うのだろう? いつもはすぐにふざけ出すブーンや流石兄もこの時は黙ったままだった。
ξ゚⊿゚)ξ「来年のこの日この時このバス停で、また会いましょう」
('A`)「は?」
( ^ω^)? ( ´_ゝ`)(´<_` )
予想をしてなかった一言に俺は息を飲んだ。
ブーンは首を傾げ、流石兄弟はお互いに顔を見合わせ、そして素直は眉を寄せた。
川 ゚ -゚)「ツン……でも、それは……」
ξ*゚ー゚)ξ「知ってる? 言葉っていうのはね、魂が宿るのよ。
だから、こうやって口に出せば絶対に願いはかなうの」
( ^ω^)皆でバスを待つようです
2011/05/07 Sat 15:39
841 :( ^ω^)皆でバスを待つようです:2011/05/05(木) 17:25:47 ID:twqbmqGo0
('A`) あー、やっと補習終わったな…
( ´_ゝ`) 高校生の夏という、青春を過ごすためだけに与えられた期間に補習とか
(´<_` ) ラノベの読み過ぎだ、兄者
ξ ゚⊿゚)ξ ねー、どうせバス来るのまだ時間あるでしょ?
川 ゚ -゚) コンビニ寄ってかないか?
( ゚ω゚) 誰か、誰か僕にアイスを…
('A`) なんかブーンも死にそうだし、コンビニ寄るか…
(;´_ゝ`) それにしても暑いな…
(´<_`;) 太陽が全力で俺らを殺しにかかってきてるな…
ξ;゚⊿゚)ξ 暑い暑い言わないでよ、暑苦しい
川 ゚ -゚) 滅却すれば火もまた何とやら、だぞ
('A`) それ言った奴って結局焼け死んでなかったか
( ゚ω゚)
843 :( ^ω^)皆でバスを待つようです:2011/05/05(木) 17:26:26 ID:twqbmqGo0
ξ ゚⊿゚)ξ ……ねぇ
ξ ゚⊿゚)ξ この炎天下の中、全員でコンビニ行くことなくない?
( ´_ゝ`)む、ジャンケンか
ξ ゚⊿゚)ξ そう、負けた奴がコンビニにパシリ
(´<_` ) いいな、それ
川 ゚ -゚) じゃあ、やろうか
( ゚ω゚)
ξ ゚⊿゚)ξ じゃ、いくわよ!
ξ ゚⊿゚)ξ川 ゚ -゚)( ´_ゝ`) 最初はグー! (´<_` )(゚ω゚ )('A`)
ξ ゚⊿゚)ξ川 ゚ -゚)( ´_ゝ`) ジャーンケーン… (´<_` )(゚ω゚ )('A`)
ξ ゚⊿゚)ξ川 ゚ -゚)( ´_ゝ`) ポン!! (´<_` )(゚ω゚ )('A`)
844 :( ^ω^)皆でバスを待つようです:2011/05/05(木) 17:26:56 ID:twqbmqGo0
ξ ゚⊿゚)ξ グー
川 ゚ -゚) グー
( ´_ゝ`)グー
(´<_` )グー
( ゚ω゚)グー
('A`)チョキ
ξ ゚⊿゚)ξ 決まりね
川 ゚ -゚) 頼んだぞ、ドクオ
(;'A`) マジか…まぁいいけどさ
( ´_ゝ`) あ、やべえ俺所持金100円しかねえや
(´<_` ) 貸さんぞ
( ´_ゝ`) えー…
845 :( ^ω^)皆でバスを待つようです:2011/05/05(木) 17:27:23 ID:twqbmqGo0
( ゚ω゚) ガリガリくん…ソーダ味…
ξ ゚⊿゚)ξ なんか適当に、チョコとバニラのアイス
ξ ゚⊿゚)ξ あ、棒にしてね。捨てるのめんどくさいから
川 ゚ -゚) 爽。バニラ味な
川 ゚ -゚) スプーンも忘れるなよ
(;'A`) あー、棒と? カップアイスな
( ´_ゝ`) じゃあ俺らパピコでいいや
(´<_` ) どっちも金持ってないしな
(;'A`) えーと? ガリガリくんソーダと、チョコとバニラと爽とパピコな
(;'A`) くっそ、仕方ねえ行ってくっか…
ξ ゚⊿゚)ξ 行ってらっしゃい
川 ゚ -゚) 金は後で払うわ
(;'A`) 出しとけってか
( ´_ゝ`) おい、早く行かないとブーンが死ぬぞ
('A`) へいへい、行ってまいりますよ
846 :( ^ω^)皆でバスを待つようです:2011/05/05(木) 17:27:49 ID:twqbmqGo0
タッタッタ…
ξ;゚⊿゚)ξ ―――バス来るの何分だっけ?
(´<_` ) えーと…
(´<_` ) 前のやつ行っちゃったばっかりだな、次は57分だ
川;゚ -゚) 57分ってまたけっこう待つな…
( ´_ゝ`) なんか暇潰せる所があればいいんだけどな
ξ;゚⊿゚)ξ コンビニでも行って来れば?
( ´_ゝ`) あのコンビニの店員苦手なんだよ…
川 ゚ -゚) 学校戻って一人で補習受けて来るとか
( ´_ゝ`) そんな事するくらいなら今ここで死ぬ
川 ゚ -゚) じゃあ死ね
(;´_ゝ`) えー…
( ゚ω゚)
(´<_` ) それにしても、今日の課題んとこさっぱり分からんかったな…
これから、のようです
2011/05/07 Sat 14:00
260 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/05(木) 00:04:23 ID:fXilGOj.0
そしたら、投下します。
http://sogomatome.blog104.fc2.com/blog-entry-876.html
より No.13

これから、のようです
264 :これから、のようです:2011/05/05(木) 00:05:29 ID:fXilGOj.0
よく晴れた土曜の昼下がり。
そこだけ時間が止まっているかのようなバス停で、六人の男女が騒いでいた。
('A`)「ブーン、ベンチに乗るなよ。危ないだろ」
(* ^ω^)「おっおっおっ、大丈夫だおっ、と」
川 ゚ -゚)「よし、ツン。君にこのアイスを一口食べる権利をあげよう」
ξ;゚⊿゚)ξ「いらないわよ。だいたいそのカップアイス、何味なの?」
川 ゚ -゚)「ラムネチョコミント味だが?」
ξ;゚⊿゚)ξ「尚更いらないわよ!!」
(´<_`;)「時に兄者、このチューベットは、その、何だ?」
( ´_ゝ`)「ん? 新発売のチョコーラ味だが、何か不味かったか?」
(´<_`;)「ああ、兄者のチョイスがな……。コーラにチョコの甘さが凄く合わない」
(;'A`)「……。なあ、ブーン。お前が今食ってるのって」
( ^ω^)「お? ガリガリ君のスキムミルク味だお」
(;'A`)「渡辺のオバちゃんのチョイスが謎だ……」
ξ;-⊿-)ξ「私もそう思うわ」
(´<_`;)「同じく」
265 :これから、のようです:2011/05/05(木) 00:06:41 ID:fXilGOj.0
( ^ω^)「何だお? 結構美味しいお?」
( ´_ゝ`)「そうだぞ。それに何事も挑戦する意思ってのが大事だな」
川 ゚ー゚)「兄者にしては珍しく良い事を言う。
というわけで、どうだ? 君達も挑戦してみるべきではないかな?」
('A`)「謹んで」
(´<_` )「お断り」
ξ゚⊿゚)ξ「します」
( ^ω^)「何という連携プレイwww」
(;´_ゝ`)「つか、ちょい待ち。クー、お前今『珍しく』って言った?
俺、いっつも良い事言ってるよ?」
川 ゚ -゚)「ほう、そうだったのか。じゃあ聞いてやるから、さっさと言え」
(;´_ゝ`)「えっ、今!? え、ええと……『ブーンよ、大志を抱け』!」
( ^ω^)「ちょ、僕限定かおwww」
('A`)「元はクラーク博士だな」
ξ゚⊿゚)ξ「中途半端なパクリは見苦しいわよ」
(´<_` )「兄者ー、頑張れー」
266 :これから、のようです:2011/05/05(木) 00:08:09 ID:fXilGOj.0
川 ゚ -゚)「よし、次」
(;´_ゝ`)「続くの? あー、じゃあ『大きいとか小さいとか関係無しに、俺は全てのおっぱいが好きなんだ』」
( ^ω^)「乳おk――じゃない、長岡かお」
('A`)「一気に身近なヤツになったな」
ξ゚⊿゚)ξ「しかも今度は、一言一句モロパクリね」
q(´<_` )「流石だな、兄者」
川 ゚ -゚)「全く、ダメダメだな兄者」
(;´_ゝ`)「ねぇ、何このフルボッコ……俺泣いちゃうよ? あと弟者、何気に親指下に向けるの止めて」
( ^ω^)「兄者だからしょうがないお」
('A`)「まあ、兄者だしな」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、兄者だもの」
(´<_` )「兄者が兄者であるがゆえ、だな」
川 ゚ -゚)「――だそうだが、兄者?」
( ;_ゝ;)「あんまりだぁああああああああああああ!!」
268 :これから、のようです:2011/05/05(木) 00:09:21 ID:fXilGOj.0
兄者の叫び声が空に吸い込まれていく。
代わりに聞こえてくるのは波の音、カモメが鳴く声。
彼等は時折、六人の方まで影を落としに来てはまた何処かへと飛んでいく。
('A`)「……」
( ^ω^)「……」
川 ゚ -゚)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ´_ゝ`)「……」
(´<_` )「……」
皆、思い思いに空を眺めている。
それぞれが手にしていたアイスは、とうに腹の中に消えていた。
ドクオだけは、手に持っているコーラをちびちび飲んでいる。
( ´_ゝ`)「なあ、お前らさ。卒業したらどうすんの?」
突然口を開いた兄者。
その顔を、残りの面々が見る。
視線は空に固定したまま。
そんな兄者に、いつものおちゃらけた雰囲気は無かった。
親父と私と…のようです
2010/10/01 Fri 05:57
449 :親父と私の…ようです:2010/10/01(金) 02:35:42.22 ID:+6nWuWlLO
( ^ω^)「とーちゃん。ひとりでテレビはずるいおー」
(;´・ω・`)「お前にはまだはやい!これはもっと大きくなってからだ!」
私は小さい頃部屋で1人、下半身を生まれたままの姿でこちらに背を向けている親父に話かけた時にそう言われたものだ。
今ならその状況も理解出来るが、子供特有の好奇心がそうさせたのだろう。
450 :親父と私の…ようです:2010/10/01(金) 02:36:59.90 ID:+6nWuWlLO
( ^ω^)「とーちゃん。ガレージにでなにしてんだおー」
(´・ω・`)「おう。ちょっとキャブの調子がな……」
その時はガレージであった。親父は当時からバイクに乗っていた。いや、もっとずっと前からなのだろう。
( ^ω^)「おー?キャブってなんだお?」
(´・ω・`)「バイクの……うーん…」
と父は言い澱み、しばらく考えてから大事な部分だよ、と教えてくれた。
451 :親父と私と…のようです:2010/10/01(金) 02:38:08.91 ID:+6nWuWlLO
私の好奇心はもちろんその説明だけではもの足りなかったが、年端もいかぬ子供にキャブレターの構造を理解出来るハズもなく、その時はうやむやになっていたと思う。
しかし、幼い頃に見たバイクの感動は深く私の脳に刻まれていたらしく、免許を取れる年頃になると私はバイクに興味を持った。
452 :親父と私と…のようです:2010/10/01(金) 02:41:18.24 ID:+6nWuWlLO
ある時だった。私が居間でバイク雑誌を広げて読んでいると、親父が帰ってきた。
(´・ω・`)「ただいま。なに読んでんだ?」
( ^ω^)「おー。月刊オートバイだおー。なんかγが新しくなるそうだお」
(´・ω・`)「どれどれ。なんだ。最近のレプリカは同じ顔ばっかりだな」
( ^ω^)「終着点なのかも知れないお」
そんな談議を交わしながら、周囲がバイクブームに包まれていた事もあり、私のバイク熱はますます加熱していった。
( ^ω^)ブーンが『モータースポーツ』するようです
2010/07/31 Sat 14:08
472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 04:22:51.37 ID:M2wOmNB10
投下します。
2chの書き込み自体ほとんど初めてなんで、お見苦しい点があるかもしれませんが。
ちょっと長いかもだけど、批評やらもお願いします。
473 :( ^ω^)ブーンが『モータースポーツ』するようです:2010/07/31(土) 04:27:33.64 ID:M2wOmNB10
『モータースポーツ』!!
この言葉を聞いて、普通の人はどんなものを思い浮かぶだろうか。
多くの人は、F1を思い浮かべるだろう。最高のマシンとドライバーが競い合う、世界最高峰のレースだ。
ただ、モータースポーツの観戦はしても、参加を考えたことがある人は少ないのではないだろうか。
ましてや、自動車販売不振、若者のクルマ離れ、環境問題など、何かとクルマに厳しい世の中だ。
しかしこんな世の中でも、身近なモータースポーツを楽しむ若者たちがたくさんいることを忘れてはいけない。
これは、クルマを愛し、クルマに魅力された若者たちの物語である。
ブーンが『モータースポーツ』するようです
475 :( ^ω^)ブーンが『モータースポーツ』するようです:2010/07/31(土) 04:33:59.52 ID:M2wOmNB10
( ^ω^)「太陽は今日も本気だお」
学校からの帰り道、滝のような汗を流す彼の名は内藤ホライゾン。あだ名はブーン。
大学生になって初めての夏を目の前に、心はワクワク、体はベトベトだ。
ブロロロー……キッ
そんな彼の前に、一台のクルマが止まる。
('A`)「ブーンじゃねぇか、今帰りか?」
( ^ω^)「おっ、ドクオかお! どーしたんだおそのクルマ?」
('A`)「いい質問だ内藤君。まぁ立ち話もなんだし、家まで乗ってくか?」
( ^ω^)「お? でも大した距離じゃないし……」
('A`)「クルマ自慢したいんだよ言わせんな恥ずかしい」
( ^ω^)「そんなら遠慮なく乗せてもらうお!」
ゴッ
( ^ω^)「せま」
スワリッ
( ^ω^)「ひく」
ムワッ
( ^ω^)「あつ」
('A`)「フヒヒwwwサーセンwwwww」
476 :( ^ω^)ブーンが『モータースポーツ』するようです:2010/07/31(土) 04:37:50.53 ID:M2wOmNB10
ブロロロー……
( ^ω^)「で、このクルマはどうしたんだお? あまり見たことないけどかっこいいクルマだお」
('A`)「うむ、俺の彼女(19歳)を紹介しよう」
この顔面交通事故野郎の名前は鬱田ドクオ。ブーンと同じ機械学科に通う大学1年生だ。
当然、彼女いない歴=年齢。DTの意志を継ぐ、典型的なドクオだ。
('A`)「名前は180SXって書いて、ワンエイティって読む。日産ってとこの古いスポーツカーよ」
( ^ω^)「日産って、cubeとか売ってるとこかお? 聞いたことないクルマだおー」
('A`)「だろうなぁ。こいつも今年で19歳だからなー」
(; ^ω^)「僕と同い年かお! よくわからないけど、それって結構古いんじゃないかお?」
('A`)「まぁなー、俺の感覚でも古いと思うわ。エアコン壊れてるし」
( ^ω^)「車内に涼しさを求めた5分前の僕に謝れお」
などと会話していると、程なくブーンのアパートに到着。
( ^ω^)「快適なドライブありがとうだお(笑) そういえばドクオはどこかに行く途中だっだのかお?」
('A`)「あぁ、部室に用があってな、その途中だった」
( ^ω^)「お?そういえばドクオは何のサークルやってたかお?」
(*'A`)「……見に来ちゃう?」
( ^ω^)二人と星と夏休みξ゚⊿゚)ξ (仮)
2010/06/22 Tue 02:29
※タイトルがなかったので、勝手につけさせて戴きました。
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/20(日) 21:53:28.87 ID:Bd+6bNCXO
じゃあ、星と夏休みで。
日差しが容赦なく照りつける。
肌を流れる大粒の汗が、余計に暑いと思う気持ちを増長させる。
('A`)「誰だよ、キャンプに行こうとか言い始めた奴」
(;^ω^)(申し訳ないお…)
折角の夏休み。内藤ホライズンは憧れの女性…ツンにアプローチを仕掛けようと思っていた。
しかし、何とか誘ってみたは良いもの、二人っきりで何処に…と言う訳にもいかず、気付くと何人かで、キャンプに行く事になってしまった。
( ^ω^)(今は、こんな事になってるけど、ツンを誘えたから、結果オーライだお)
そう思っただけで、内藤ホライゾンは、やる気に燃えるのだが、生憎の炎天下。
皆のテンションは下向の一途を辿っていた。
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/20(日) 22:25:10.80 ID:Bd+6bNCXO
ξ゚⊿゚)ξ「暑い…」
( ^ω^)「ツン、大丈夫だお!?」
ξ゚⊿゚)ξ「何とか…大丈夫…」
( ^ω^)(でも、ツンの顔色は良くないお。心配だお…。)
内藤ホライゾンの心配をよそに、一行は歩き続ける。
歩き続けてはいるものの、一向に太陽の日差しは強くなる一方だった。
既に重かった足取りが、更に重くなっていく…一行の中に体力の限界がくる者が居ても不思議では無かった。
ξ゚⊿゚)ξ「もうダメ…」
独り言とも取れる様な声を出すと、ツンは糸の切れた操り人形の様に倒れこんだ。
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/20(日) 22:35:53.36 ID:Bd+6bNCXO
(;^ω^)「ツン?大丈夫だお!?」
ξ゚⊿゚)ξ「とりあえず…休ませて…」
('A`)「じゃあ、俺達は先に行ってるよ」
(;^ω^)「なんでだお?」
ドクオは黙ったまま、周囲を指でさす。
辺りには、何も無かった。あるのは、自分達が踏みしめている砂と、申し訳程度に生えている数本の小さな木…決して、落ち着いて休める場所では無かった。
('A`)「こんな所で休む訳にも行かないし、俺達は先に行こう」
ドクオの意見は皆の意見を代弁していた。勿論、体力の限界が近い者はいない訳では無い。
しかし、彼らはここで休むよりかは、もう少し歩く方が楽だと判断していた。
そのため、ドクオの意見に反対する者はいなかった。
('A`)の木星は( ^ω^)の太陽で輝くようです
2010/06/19 Sat 13:29
※スレ立て短編。
スレ: http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1276524602/
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 23:11:41.83 ID:frYLnZkc0
( ^ω^)「木星綺麗だおー」
('A`)「綺麗な包丁だ…」
ある夜の同時刻、二人はそれぞれの場所でそう呟いた。
('A`)の木星は( ^ω^)の太陽で輝くようです
学校も終わり、部活をしていた生徒達も皆家路につき始めた日暮れ。
ブーンは大きな筒を持って学校の廊下を歩いていた。
( ^ω^)「ふー…重たいお…よいしょっと」
何度も抱え直しながら大きな筒を持ち、ブーンは階段を上っていく。
ブーンは屋上に出る扉の前に着いた。
普段はカギが閉まっていた生徒が入ることの出来ない錆びた扉にブーンはポケットに入れていた鍵を差し込んだ。
ガチャ、ギィィ
扉の軋む音と共に屋上の扉が開く。
周りを囲むフェンス以外は何もない、コンクリート打ちの床、そして夕日に染まった赤い空。
ブーンは大きな筒を床に置き、一度深呼吸した。
( ^ω^)「んー…晴天だお、今夜は観測日和だお」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 23:13:26.33 ID:frYLnZkc0
晴天に気分を良くしたブーンは鼻唄混じりに大きな筒の蓋を取り、中に入っていた望遠鏡を引っ張りだした。
慣れた手つきで三脚を立て、望遠鏡を設置する。
( ^ω^)「これで良しだお。さ、家に帰って急いでご飯食べてくるお!」
準備を終えたブーンは両手を広げ走りながら屋上を後にした。
鍵を閉めることを忘れて。
ブーンが学校を後にしてすぐの学校。
ドクオはいつものように一人で呟いていた。
('A`)「ふぅ…死にたい…」
ドクオはいつも一人だった。
他人を避けるドクオをいつの間にか周りの皆も避けるようになっていた。
ドクオがそうなってしまったのは幼少期に両親を交通事故で亡くしたことが原因だった。
絶対的信頼を寄せる両親がいなくなったドクオは誰にも心を開けなくなっていた。
施設で暮らすことになってからも、施設の皆を家族だと思ったことは無かった。
もし自分が死んでも泣いてくれるような人間はもうこの世にいない、ドクオはそう考えていた。
そんな毎日をただ消化する日々にドクオは嫌気がさしていた。
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 23:16:02.49 ID:frYLnZkc0
('A`)「首吊りは怖いんだよなぁ…それにロープとか買うのマンドクセェし…」
ふらふらと目的もなく学校を彷徨った。
('A`)「練炭自殺とか…死ぬにも結構物入りだよなぁ…」
なんとなく階段を上がっていく。
('A`)「なんつーか、こう…眩しすぎるんだよな…同級生の奴らって…」
ゆっくりと3階、4階と上がっていく。
('A`)「なんであんな人生楽しそうなんだあいつらは…」
同級生が楽しそうにしながら下らない話で盛り上がっているのを見てドクオはいつも疑問に思っていた。
どこかで程度の低い奴らだと見下し、自分を保っていたのだ。
しかし、それすらも自分へのごまかしだということにもドクオ自身気づいていた。
('A`)「うぇ…行き止まりかよ。」
いつの間にか階段を上り切って、屋上の扉の前に来ていた。
('A`)「…」
ドクオはなんとなくドアノブに手を伸ばした。
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 23:18:09.49 ID:frYLnZkc0
ギィィ
(;'A`)「空いてるよオイ…」
ドクオは恐る恐る屋上に出た。
('A`)「おー…そういえば屋上に来るの初めてだな」
太陽も落ちかけ、辺りが暗くなってきたこともあって屋上には涼やかな風が吹いていた。
('A`)「…いいね、気持ちいい。」
ドクオは体で風を受けながら歩き、フェンスを掴み下を覗き込んだ。
('A`)「案外高いんだよなぁ…屋上って。飛び降り…とかもアリか…。」
ドクオは床に仰向けに寝転んだ。
まだ空は完全に暗くはなっていなかったが月が薄く見え始め、かすかに星が輝いていた。
ドクオのすぐ上を風がまた吹き抜ける。
('A`)「はぁ…気持ちいいな、ここ…」
しばらくしないうちにドクオはそのまま眠ってしまった。
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 23:20:18.55 ID:frYLnZkc0
( ^ω^)「おっおっおー♪」
晩御飯を食べたブーンが学校に戻った頃にはすっかり外は暗くなっていた。
家に帰った時と同じように両手を広げ軽快なステップで階段を上っていく。
屋上の扉前についたブーンは夕方の時と同じように鍵穴に鍵を差し込んだ。
カチャカチャ
( ^ω^)「お?」
ギィィ…
( ;^ω^)「か、鍵閉め忘れてたおー!」
設置した望遠鏡が誰かにいたずらされていたらという考えが脳裏をよぎったブーンは勢いよく扉を開けた。
バターン!!
(;'A`)「うおおお!?」
予期せぬ轟音にドクオは思わず飛び起きた。
( ^ω^)「良かった…望遠鏡は無事だお…」
ブーンは望遠鏡に駆け寄り、何か異変が無いかをあらゆる角度から落ちつきなく調べていた。
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 23:20:48.95 ID:5yAM4CPJ0
wktk
('A`)ドクオのシベリアサッカー物語のようです
2010/06/16 Wed 04:16
420 :('A`)ドクオのシベリアサッカー物語のようです:2010/06/16(水) 01:38:21 発信元:122.26.153.153
【喫茶店モナー】
('A`) マスター、コーラ一杯
( ´∀`) どうぞモナー
('A`) どーも
('A`) ごくごく、ぷはー!
('A`) う!?これは青酸ソーダ!
(;´∀`) やめろモナ!他の客に誤解されるモナ!
('A`) …他に客いませんけどね
( ´∀`) 閑古鳥モナー…
421 :('A`)ドクオのシベリアサッカー物語のようです:2010/06/16(水) 01:46:18 発信元:122.26.153.153
( ´∀`) ところでお客さんはシベリアの人間ではないモナね
('A`) よくわかりましたね
( ´∀`) シベリアの民でないかどうかは雰囲気で大体分かるモナー
('A`) 実は俺、デンマークのコペンハーゲンから来たんすよ
( ´∀`) それだけは絶対無いモナー
('A`) …ヴィップグラードから来ましてね
( ´∀`) そうモナか、なんでシベリアに来たんだモナ?
('A`) 聞きたいですか?
( ´∀`) 聞きたいモナー
('∀`) 教えてあ~げない!
( ´∀`) 金はいいからとっとと帰ってくれモナ
422 :('A`)ドクオのシベリアサッカー物語のようです:2010/06/16(水) 01:51:36 発信元:122.26.153.153
('∀`) エヘヘ、いわゆるユーモアってやつですよ
( ´∀`) (こいつユーモアのセンス無いモナ…)で、なんで来たんだモナ?
('A`) 実はですね
( ´∀`) モナ
('A`) ヴィップじゃ人気アニメのワーキング!が放送してないんですよ
(;´∀`) モナ!?
('A`) ヴィップに居るとぽぷらちゃんや山田に会えないんですよ
(;´∀`) (そんなくだらない理由でシベリアに来たモナか…)
423 :('A`)ドクオのシベリアサッカー物語のようです:2010/06/16(水) 01:58:47 発信元:122.26.153.153
('A`) ところでマスター
( ´∀`) なんだモナ
('A`) あそこの壁に飾ってあるサインは誰のですか?
( ´∀`) あれはシベリアFCの選手たちのサインだモナー
('A`) シベリアFC?
( ´∀`) シベリアを本拠地とするサッカークラブだモナー
('A`) あぁ、あのリーグ万年下位のシベリアFCですね
(;´∀`) 万年下位は余計だモナ!
('A`) (シベリアFCか…働き口も無いしな…)
マウンド
2010/06/16 Wed 04:14
313 :マウンド:2010/06/15(火) 18:57:48 発信元:219.125.148.11
>>159です。
お題
>>160 温かみ
>>161 ジャイロボール
>>162 サッカー
で投下します。
20数レスだと思います。
タイトル 「マウンド」
315 :マウンド:2010/06/15(火) 19:00:01 発信元:219.125.148.11
( ^ω^) お!ブーンとモララー同じクラスだお!やったお!
( ・∀・) 本当だ
( ^ω^) よし!教室行くお!
[1-1]
( ゚∀゚) よぅ
( ^ω^) お!長岡くんも1組かお!よろしくお!
( ゚∀゚) よろしくな
( ・∀・) ・・・
( ゚∀゚) モララーもよろしく
( ・∀・) ・・・あの時は本当に悪かった・・・
( ゚∀゚) シニアの最後の試合のことか・・・
316 :マウンド:2010/06/15(火) 19:02:02 発信元:219.125.148.12
※※※※※※※※
カキン
(;・∀・) !
(;^ω^) 3塁!3塁だお
パシッ!
<セーフ!
(;・∀・) (クソ!ストレートも駄目、カーブも駄目、一体どうしたら)
(;・∀・) (・・・アレしかないか)
(;・∀・)トントン
(;^ω^) (帽子のつばを2回…ジャイロボール!?ダメだお。あれは試合で使えるレベルじゃ)
(;・∀・)トントン
(;^ω^) (ダメだお。まずはカーブから・・・ってモーション入りやがった!)
(;・∀・) (・・・っあ!)
(;^ω^) (・・・あ!)
ゴッ!
318 :マウンド:2010/06/15(火) 19:04:25 発信元:219.125.148.14
( ゚∀”) うう・・・
ジョル母< キャー!ジョルジュ!
監督< おい!長岡、大丈夫か!
すぐ病院に連れて行ってやるからな!
(; ∀ ) ・・・
(;^ω^) (モララー・・・)
※※※※※※※※
( ゚∀゚) もう俺も親もあのクラブの監督だって、誰も怒っちゃいねえよ
大体、卒業式の後すぐ試合っていうのがおかしいんだよな
( ^ω^) ・・・
( ゚∀゚) とにかくもう大丈夫だよ。手術は上手くいったし
( ∀ ) ・・・ごめん
( ゚∀゚) ・・・・・・
319 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/06/15(火) 19:05:05 発信元:122.18.22.84
これまたシリアス
それでもいいようです
2010/06/08 Tue 01:18
47 :それでもいいようです:2010/06/07(月) 22:44:54.11 ID:6v05Zj/a0
土曜の夕方過ぎ、久しぶりに来たメールは
僕の気分を憂鬱にするには十分だった
件名も無く、書かれていたのは
「もう限界、別れましょう」
絵文字も何も無い本文は
僕と別れることを望んでいるらしい彼女からのものだった
( ω)……
僕はおぼつかない手付きで返事を返した
「もう、無理なのかお?」
返事は直ぐに返ってきた
48 :それでもいいようです:2010/06/07(月) 22:47:18.46 ID:6v05Zj/a0
「ブーンの陸上が大変なのはわかるけど やっぱり、寂しい
多分私は男の人と付き合う資格が無いんだろうね
今までありがとう、さようなら」
正直、ショックは少なかった
僕は大会が近いこともあって、最近は電話は愚か、メールすらしてなかったし
うすうす、予感はしてたから
そりゃ確かに辛いっちゃあ辛いけど
別れた事よりも彼女の性格からして、
また直ぐに新しい男と付き合うんだろうな、と予想し
僻んでいる自分が悔しくて堪らなかった
まぁその予想は、当たることになるんだけども
50 :それでもいいようです:2010/06/07(月) 22:52:34.78 ID:6v05Zj/a0
月曜、学校に行く道中、仲良く手を繋いで登校する彼女の姿があった
( *・∀・)ζ(゚ー゚*ζ
あぁ、わかっていた筈なのに、畜生め
よりによって手を繋いでる相手は、昔からの親友
別に彼女が誰と付き合おうと僕には関係ないはずだが
それをみたとき頭が真っ白になった
現実は直面するとつらいもんがある
どうしよう、声を掛けようか
午後4時半のトランペットのようです
2010/04/10 Sat 03:53
※性描写有り、閲覧注意
633 :午後4時半のトランペットのようです:2010/04/09(金) 01:15:05 発信元:122.25.4.44
じゅうご:さんじゅうはち
( ^ω^)「はぁ…鬱だお」
僕だって年がら年中両手を広げて廊下を走っているわけじゃない。
時には恋もするし、時には泣いたりもする。
今はとっても気分が優れないんだ。
空はこんな僕を馬鹿にするかのように、雲ひとつない綺麗な青色に染まっていた。
目の前に広がるは大海原。太陽があの海に沈むにはもう少し時間がかかりそうだ。
( ^ω^)「部活…嫌になったお」
海辺に面しているこの高校の屋上で一人、僕は呟く。
この鉄柵の中には僕以外に誰もいない。鉄柵の外では様々な運動部が掛け声を出し合って、活発に走っている。
お昼時なら沢山の人で賑わうが、放課後までここに来ようという生徒なんていないようだ。
どちらかといえば浜辺に行った方が盛り上がるしね。
僕は右手に握ったトランペットを見つめる。
この2年間ずっと共に頑張ってきた相棒。
今はシルエットすら見たくないんだ。
635 :午後4時半のトランペットのようです:2010/04/09(金) 01:18:08 発信元:122.25.4.44
僕は吹奏楽部に所属している2年生のトランペットパートだ。
中学から始めたトランペット。毎日吹き続けたおかげで、ある程度の特技として言えるものになった。
そのおかげもあって、16人もいるトランペットパートの中から、5人しかのれない夏の大会のレギュラーメンバーに選ばれた。
先輩から、同級生から、後輩から。
いろんな人が僕の技術を認めてくれたが、先生だけは認めてくれなかった。
「お前の音は張りが無い。もっと強く音を張れ」
それはトランペット奏者には最も言われてはならないミス。
音が張れないトランペッターなんて、渡辺が抜けたタッキー&翼並みに価値が無い。
ここ最近、僕はスランプに陥ってしまったようだ。
あれ以来、僕は張った音を出す為に、毎日屋上に登っては海に向かってベルを向けた。
しかしいっこうに音が出ない。このままではレギュラー落ちも考えられる。
何かが、音の進行を妨害しているかのように出てくれない。
どうしてだ?どうしてなんだろう…
( ;^ω^)「んん…とりあえずウジウジしてても始まらないお!」
僕はもう一度トランペットを構える。
16時45分から部活動開始。それまでは個人練習の時間だ。
今日こそは…良い音が出ますように。
637 :午後4時半のトランペットのようです:2010/04/09(金) 01:21:54 発信元:122.25.4.44

【( ^ω^)午後4時半のトランペットのようです】
ξ゚⊿゚)ξ春と桜とこんちくしようです
2010/04/03 Sat 13:04
882 :ξ゚⊿゚)ξ春と桜とこんちくしようです:2010/04/02(金) 22:56:06 発信元:61.44.96.211
桜が好きか嫌いかで言えば、私は嫌いな方だ。
どうしてもこの花のイメージは、別れを想起させるものが多いから。
新生活が始まる時期だし、もっとプラスに考えてもいいんじゃないか、とは思っているのに。
ξ-⊿-)ξ「これで全部ー、っと」
引越しの荷物を無理矢理ダンボールに詰め終えた。
これで明後日の今頃には、この部屋はがらんとした様相になるに違いない。
ふぅ、と疲労を投げ捨てるように息を吐いて、掃除を終えた部屋を確認する。
部屋の隅のテレビや、横にあったコンポ、そのあたりの床に散らばっているはずのコード類は消え、
その隣の本棚からベッド、向かいのタンス、ドアの横の化粧棚も何から何まで全部撤収した。
残るのは今私が倒れ込む山積みのダンボールのみで、こっちには衣類やらアルバムやらが詰められている。
ξ>⊿<)ξ「さむっ、」
ベッドしかない部屋を見回していると、ホコリ防止に開けていた窓から吹く風が、なんだか肌寒く感じた。
それは最近の妙な気象に関係しているのか、それとも、別の要因だったりするのだろうか。
ぴりりり。
そんな私を温めるために、携帯が振動し始めた。
なんて、当然そんな自意識はこの端末にはないので、誰かからの着信だけど。
ξ-⊿-)ξ「もしもしー、私ですよー」
ちょうど暇になるところだったので、着信相手が誰であるかを確認する前に取った。
そう、こいつが誰であろうと、私の長電話に付き合わせてやろう、といった感じの勢いだ。
こっちに居るのはもう長くないから、わがままを通させてもらってもいいじゃないか。
884 :ξ゚⊿゚)ξ春と桜とこんちくしようです:2010/04/02(金) 22:58:53 発信元:61.44.96.211
ξ゚⊿゚)ξ春と桜とこんちくしようです
887 :ξ゚⊿゚)ξ春と桜とこんちくしようです:2010/04/02(金) 23:02:08 発信元:61.44.96.211
『ツンかお?』
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、クッソゲロ豚野郎のカスですか」
先週まで喧嘩していた幼馴染だった。
私はそのままベッドに倒れ込み、適当に返事をする。
この野郎どの面下げて、いや電話越しだけど、私とコンタクト取ってるんですか。
『まーだ怒ってるのかお。明日で最後なのに』
『はいはい』って言いたげに、まるで私を年下のように扱っているみたいだ。
ゆったりとした、それでいて鬱陶しくは無いこの声が、電話越しでは懐かしくて逆に腹が立つ。
精神年齢が高いんだか低いんだか、こいつ普段はちゃんとしてるのに、なんで喧嘩なんか。
ξ゚⊿゚)ξ「何? その言い方だと『最後なんだから仲直りしようよ』みたいな言い草ね」
『そうだお』
ストレートに言うな。
『別にツンが嫌ならいいけど、せっかくだしみんなとも騒ぎたいんだお』
ξ゚⊿゚)ξ「あ、そういえばそうだね。別にあんたとは会わなくてもいいけど、みんなには会いたい」
『ふーん、僕とは会いたくないのかお』
ξ-⊿-)ξ「ん? ああ、会いたくてしょうがないわね。一発ぶん殴ってやりたい」
『わかったお。んじゃ、一時四十分に駅前で』
('A`)シベリアキョセイクラブのようです (後半)
2010/03/22 Mon 08:07
622 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/21(日) 00:08:17 発信元:222.149.133.16
さて、そんなこんなでツニャーナたちの卒業シーズンが迫ってきた。
ツニャーナは三連星とちょっといい仲になっていた。特にブーンとは、たまに一緒に下校するぐらいの
間柄になっていた。
そんな日々に事件が起きた。
また壁新聞によって、スキャンダルが報じられたのである。
今度の標的は、ブーンだった。
「激撮!女子更衣室を覗く出歯亀野郎」
鼻の下をのばして女子更衣室を覗くブーンがしっかりと写っていた。
しかし、先の事件ほどの反響は得られなかった。
「ブーンだったら仕方ない」
という反応がほとんどであったからである。残りは(先生方がほとんどだが)
「あいつの所業はこんなもんじゃない」
というものだった。ブーン自身は、「ネタになっておいしい」とすら思っていた。
その後もネタを変えていくつも壁新聞が貼られたが、一向に効果が無かった。
625 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/21(日) 00:11:06 発信元:222.149.133.16
ついに匿名の憎悪は、単なる中傷だけでなく身体的なものに及んだ。
ブーンは自転車通学をしていたが、彼の自転車に何者かが細工をしたのだ。
ハンドルの付け根の部分のナットが一本抜かれていた。
スピードを出したときに、ハンドルが付け根から外れた。前のめりになってブーンは道路に顔を擦った。
全治2週間の怪我である。
残る二連星とツニャーナでお見舞いに行ったら、相変わらずの調子であった。
(//ω^)「顔が命がブーンなのに、なんてこったい」
( ・∀・)「いってろいってろ」
<ヽ`∀´> 「まだ今の方が見られるツラニダ」
ξ゚⊿゚)ξ「....なんか、ごめん.....」
(//ω^)「何でお前が謝るお?」
( ・∀・)「自意識過剰なんじゃねーの?」
<ヽ`∀´>「お前なんか、東海における小日本の如き存在ニダ」
(//ω^)「そんな事より、ここの看護婦さんが美人なんだお....」
下らないおしゃべりで少し気が晴れたが、自分のまわりを狙って何者かが攻撃をしている。
ツニャーナはそう感じていた。
('A`)シベリアキョセイクラブのようです (前半)
2010/03/22 Mon 08:00
166 :('A`)シベリアキョセイクラブのようです:2010/03/14(日) 00:34:05 発信元:123.221.192.183
世の中にフェミニストと呼ばれる人々がいる。
女性の地位向上を目指し、男性優位の社会に物申す人々だ。
しかしフェミニストの団体は数あれど、こんな激しい団体名をもったフェミニスト集団はいないだろう。
「シベリアキョセイクラブ」
この過激団体の目的はこうだ。
「我々は、人の姿をした猛獣に他ならない男性の誇りを奪い去り、女性の手下とすることを目的とする。
これはシベリアの制圧からはじまり、ソヴィエト連邦全土、また世界同時革命とともに完遂される。
我々の闘争は新世代の仮借なき階級闘争である」 宣誓ー19XX年、X月
こんなことを宣言したら、いくら辺境であるシベリアといえどもクレムリンの目を免れ得まい。
だが実際にはクレムリンどころか、村役場でさえ関知しなかった。
男性の誇りを奪う儀式を彼女らは「キョセイ」と読んでいた。
陽気の良い午後の昼下がり、このシベリアの片隅で今日も陰惨なキョセイが行われようとしていた。
167 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/14(日) 00:35:25 発信元:121.2.98.95
とんでもない奴ら過ぎる
('A`)丘の上のようです
2010/01/31 Sun 04:59
674 :('A`)丘の上のようです:2010/01/30(土) 22:55:16.03 ID:cBgISVOOO
俺は、体操服の似合わない子供だった。
クラスの中ではダントツのチビで、体力も瞬発力も根性も無かった。
所謂、運動音痴というやつだ。
そんなんだから、俺は体育が苦手だし、とても大嫌いだった。
だから、毎年一月に行われるマラソン大会は、俺にとって苦痛以外の何物でもなかった。
('A`)「…走りたくねぇなあ……」
走り始めて3分後、早くもクラスメート達は遥か前方で黒い豆粒になっている。
どうみても置いてきぼりです、本当に有難うございました。こん畜生。
因みに、俺は既に歩いていて、走る気は毛程にもない。
根性無しの体力のなさ、舐めんなよ。
('A`)はスタート前に思い出すようです
2010/01/06 Wed 13:24
94 :('A`)はスタート前に思い出すようです:2010/01/06(水) 02:30:37.03 ID:DTxBG77uO
「プログラム××番、一年生100mバタフライ、決勝のコース順を申し上げます」
('A`)(遂に、俺の初の晴れ舞台か。)
「1コース、鬱田ドクオ君。VIP中学校」
('A`)ペコッ
放送が聞こえ、震えながら小さくお辞儀をする。今回ばかりは、水泳部内で緊張感が無いと定評がある俺でも身体がガチガチに固まっていた。
思えば、今まで散々な人生を送って来た。物心付く前には親父は居なくなっていて、俺はカーチャンに女手一つで育てられた。そういえば、水泳を始めたのもカーチャンに進められてだっけ。
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