( ゚∀゚)ジョルジュは妹と××するようですζ(゚ー゚*ζ
2 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:30:01.88 ID:lT9+0J9T0
俺とわたしは、他人と比べて少しだけ仲のよい兄妹。だった、はずだった。

3 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:30:47.87 ID:lT9+0J9T0
ζ(゚−゚*ζ

長岡デレは目にうっすらと涙を浮かべながら、兄である長岡ジョルジュを見上げていた。
無機的な白色の床の上に、力無く横たえられた肢体。
床とは違った、有機的な乳白色の一糸まとわぬその肌には、思春期ならではの若さと瑞々しさが満ちあふれている。

ζ(;−;*ζ「お、お兄ちゃん」

表面張力が負けて、涙がデレの頬をつたう。
顎先から垂れた水滴は、見上げる姿勢のせいかぽたりと落ちることもなく、
首筋から鎖骨に流れ、そのふくらみかけの乳房まで達した。

4 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:31:40.18 ID:lT9+0J9T0
ζ(;−;*ζ「いやだよお兄ちゃん」

デレの手足は地面に投げ出され、ふるふると小さくふるえている。
白地に、肉の赤と、青白い血管を透かした、桜色のぽっちりとした突起を持つ控えめな乳房や、
投げ出された両脚の奥の、薄茶色の髪と同じ色をしたまばらな茂みが隠されることはない。
  _
(  ∀ )「っ、デレ、ごめん」

ジョルジュは、たまらず妹の名を呼んだ。興奮からではない、無いはずだ。
そう言い聞かせ、屈辱の表情を浮かべる。

そして嫌悪だ。
視線を逸らすことのかなわないこの状況に、だ。
視線を逸らすことのできない自分自身に、ではない。

从 ゚∀从「はやくやってくれないと、こちらとしても困るんだがな」

視線を逸らすことを許さない、強制力を持つ存在への、嫌悪と憎しみ。
それが、ジョルジュの中で渦巻いていた。

5 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:33:03.93 ID:lT9+0J9T0
俺とわたしは、他人と比べて少しだけ仲のよい兄妹。だった、はずだった。
昨日までは。

7 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:34:30.29 ID:lT9+0J9T0
  _
( ゚∀゚)

ζ(゚ー゚*ζ「今日は、お兄ちゃんと一緒に帰っても良いよね?」

デレは、この春高校に進学した、一年生。
俺は同じ高校の三年生。
  _
( ゚∀゚)「ああ。良いぜ。にしても、久しぶりだよな、二人で帰るのって」

小、中、と登下校を共にしていた俺たちだったが、
俺が高校に進学してからいままでは、別の学校に通っていて、
授業時間が合わないことと、もう一つの理由があって、一緒に帰る機会がなかったのだ。

8 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:35:20.28 ID:lT9+0J9T0
ζ(゚、゚*ζ「そうよ、お兄ちゃんったら、いっつも高岡さんと帰るって」
  _
(; ゚∀゚)「当たり前だろ、ハインは俺の彼女だぜ?」

ζ(゚、゚*ζ「そーだけど! わたしの方がお兄ちゃんとずーっと長く一緒にいるんだから」

もう一つの理由、というのが、俺のガールフレンドであるハインの存在。
去年の学祭でつきあいはじめ、まだ関係は続いている。
だが、一昔前の不良めいた外見に反して、進路意識の明確なハインは、
大学進学を目指して、この夏から予備校に通い始めていた。

故に、下校時間の重なった今日、久しぶりに一緒に帰ることになったのだ。

9 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:36:39.87 ID:lT9+0J9T0
ζ(゚ー゚*ζ「ねえ、お兄ちゃん」
  _
( ゚∀゚)「なんだよ」

スクーターの後ろにむりやりひっついたデレの吐息が俺の耳にぶつかる。
かっこつけで免許をとったものの、結局バイクを買う金もなく、
家にあったスクーターを乗り回している、という状況だ。

二人乗りは当然アウトだが、免許をとったのは去年の秋だから、バイクでも同じことだろう。

ζ(^ー^*ζ「わたしね、夢だったの。お兄ちゃんと学校の帰りに、こうして……」

コツン、とヘルメットがぶつかる音がする。

免許も、スクーターも、もともとはハインのために用意したものだ。
ダサい、の一言で一蹴され、結局二人乗りもなにもできなかったのだが。
かわりに、スクーターの後ろにはデレが乗るようになった。
危ないから、と強制され、最初は恥ずかしかったヘルメットもつけるようになった。

ζ( ー *ζ「お兄ちゃんの、心臓の音がする」

無邪気に笑う妹を見て、俺は、このスクーターも報われたかな、と一人考える。

10 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:37:17.56 ID:lT9+0J9T0

ζ(゚−゚*ζ

从;゚∀从「やー、肩こったわ」

送ってくれてありがとうな、と高岡さんが笑う。
  _
( ゚∀゚)「いーぜ、別に。隣だし」

彼女だし? とわざとらしく語尾を上げて、お兄ちゃんも笑う。
わたしは、それを少し遠くから見てる。

高岡さんは、去年の春に、うちの向かいにあるアパートに越してきた。
高校に通うために、一人暮らし。
去年の文化祭、つまり夏休み前に、お兄ちゃんとつきあい始めた。
だから、つきあってもうすぐ一年になる。

スクーターでの二人乗りは、ダサいと思ってる。
わたしが知っているのは、それくらい。だった。

11 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:37:48.04 ID:lT9+0J9T0
从 ゚∀从「でもコレかっこわるいけど楽でいーな」

明日もお願いしようかな、と高岡さんが言って、スクーターを降りた。
  _
(; ゚∀゚)「おま、ずっと馬鹿にしていたくせにそれはねーよ」

お兄ちゃんは焦りつつも、嫌ではないみたいで。
二人とも、ヘルメットはしていない。
  _
( ゚∀゚)「ま、わかったよ明日も行けばいいんだろ」

じゃあな、とスクーターを押す、お兄ちゃんの肩を高岡さんが引き留めて。

从*゚∀从「なんか、忘れてねー?」

ん、と短い音が聞こえたけれど、わたしはきつく目を閉じる。

13 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:38:46.22 ID:lT9+0J9T0
  _
( ゚∀゚)「ただいまー」

ζ( ー *ζ「おかえり」

玄関に立ち、短く答える。
笑えてるかどうかはわからない。目は合わせられない。
でも側による。体温が伝わるくらい、側に。

ζ( ー *ζ「ねえ、お兄ちゃん」

そして、背伸びをしたの。

14 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:39:23.53 ID:lT9+0J9T0
長岡デレが背伸びをし、長岡ジョルジュが驚いて。
二人の唇が合わさったとき。

从 ∀从「よかった」

私、高岡ハインリッヒは、安堵した。
そしてあたりは強い光に包まれる。

15 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:41:17.28 ID:lT9+0J9T0
  _
( ゚∀゚)「ここは……?」

うっすらとした瞼の隙間から飛び込んできたのは、淡く発光する白。
あわてて目を開け胴体を起こせば、やはりそこは白。
壁もなく、天井もない、白い空間。

(  )「qあwせdrftぎゅじk」

突如飛び込んできた声に、まだ働きを取り戻さない俺の頭と耳が、一応の反応をみせる。
視線を向けるが、頭はそれを理解しようとはしない。

確定しているのは、自分が乗っている、台のようなものの感触だけだ。
冷たくもないそれが持つ温度。金属か、プラスチックか、あるいは木製。
そうやって感触を確かめているうちに、頭が働くようになってくる。

17 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:42:27.46 ID:lT9+0J9T0
( ∵)「目が覚めたようだな」
  _
( ゚∀゚)「ああ、最悪の目覚めだが」

それが、俺に語りかけてくる。俺は、それに答える。
作り物めいた白いゴムのような肌に、、目鼻のような穴が三つあいただけの簡素な顔だ。
そう認識した直後に、俺は強烈な違和感を覚えた――相手ではなく、自分の感情に。

なぜ俺は平然と、この状況を受け入れている?
目の前にいるのは、気が狂ったホラーのような、人間もどき。
ここは、不透明で真っ白な、なにもない空間。

19 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:43:54.51 ID:lT9+0J9T0
从 ゚∀从「悪い、少し頭をいじらせてもらった」

申し訳なさそうに、ハインが言った。
ゆっくりと、白い空間の向こうから現れた、姿。おそらく全裸なのだろうが、
目の前のボウリングの玉のような頭部を持つ謎の存在と同じような、白いゴムのような体をしている。

彼女の出現、存在、発言、姿に何の違和感も抱かないということは、
頭をいじられたというのが事実、ということなのだろう。
  _
( ゚∀゚)「おまえ、そんな胸なかったっけ?」

アパートのハインの部屋で、最後に体を重ねたのは、そう遠くない休日のことだった。
あのときの彼女は、グラビア誌の女性アイドルに劣らない、豊かな肢体をもっていたはずだ。

从 ゚∀从「これが本来の姿だからな」

にはは、と笑う姿は、いままで見てきたハインと何ら変わりはない。


从 ゚∀从「ビコさん、ここからは、自分が説明します」

( ∵)「だめだ。おまえはメスのほうに回りなさい」

なにやらビコと呼ばれた存在と、ハインが会話を始める。
それに何の感情も抱かない自分を、恐ろしく感じるようにもできていないらしかった。

20 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:44:48.36 ID:lT9+0J9T0
  _
( ゚∀゚)「で、俺をこんなところに拘束して、なにがしたいんだ?」

何度か言い合ったものの、ハインは結局あきらめたらしく、白い空間に紛れていった。
残ったビコ(フルネームはビコーズというらしい)に、俺はさっそく問いかける。

( ∵)「生殖方法の観察だ」

ビコーズは極めて簡潔に、答えた。無表情、というよりどうやって表情を作るのか、
いまいち想像つかないためか、よけいにそう見える。
  _
( ゚∀゚)「それって……つまり俺に誰かとセックスしろってこと?」

おまえや、ハインの前で?

21 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:45:26.77 ID:lT9+0J9T0
自分でもそんな言い回しがでてきたことに、驚きながらも、その驚きすらすぐに消えてしまう。
頭をいじられたせいだろうか。

( ∵)「君たちの言葉でいうならば、そうなる」
  _
(; ゚∀゚)「そういうのって、俺たちの中でわりと問題なんだけど」
たとえ夫婦間でも、合意のないセックスは強姦罪が適用されることがあるらしい。
ましてや、見知らぬ人と、合意もなしに、学術目的(?)で、元(?)恋人のハインの前でとは。


( ∵)「そのあたりの問題については、心配ない」

君たちの言葉を借りるなら……
ビコーズはそう前置いて、おそらくは笑って、言った。
問題は勃つかどうかだ。

22 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:46:02.15 ID:lT9+0J9T0
  _
( ゚∀゚)「いや、それに関してはよっぽどのことがない限りは」

でも相手によるな、と冗談めかして笑うことができた。どうやら感情の制御を少しはずしてくれたようだった。

( ∵)「外見の問題なら、おそらく問題ない」

( ∵)「なぜなら相手は、君も良く知るメスだからな」
  _
( ゚∀゚)「良く知る?」

俺は首を傾げる。まさかハインがあの身体で? との疑問がよぎるが、ビコーズの一言で、吹き飛んだ。

( ∵)「そうだ、今から君が生殖行為を行ってもらう相手は、おまえの妹、長岡デレなのだからな」

がつん! と殴られたような衝撃が脳内に走る。そして押さえられていた感情がほとばしった。
そのときになってはじめて、俺は自分がなにも身にまとっていないことに気づいた。

23 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:47:05.10 ID:lT9+0J9T0

ζ(゚、゚ ζ「高岡、さん?」

目を覚ました時、わたしは冷たくも暖かくもないベッドの上に裸で寝かされていた。
目の前には恋敵。姿はどこかおかしいはずなのに。憎らしさや恐ろしさはほとんどなかった。

从 ゚∀从「おはよ。デレちゃん」

よく寝れた? 優しそうに向けられる笑み。
お兄ちゃんに向けていたものとは、少し違う、刺激のない笑顔。

ζ(゚、゚ ζ「ここは、どこですか? あなたは、どうして?」

浮かぶままの疑問を口にする。


分かりやすく言うから、正確ではなくなるけれど。
そう前置きして高岡さんは話してくれた。

从 -∀从「ここは宇宙船。私は、宇宙人」

从 ゚∀从「あなたは、地球人のサンプルとして選ばれた。生殖行為観察のサンプルとして」

24 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:47:39.11 ID:lT9+0J9T0
ζ(゚−゚;ζ「そんな!」

わたしは抗議の声をあげる。高ぶらないはずの感情が、少し強さを取り戻している。

ζ(゚−゚;ζ「わたし、初めてはお兄ちゃんに捧げるって、決めていたのに」

そのお兄ちゃんの彼女に対して、わたしはなにを言っているのだろう。
でも、高岡さんの声は優しいまま。

从 ゚∀从「そう思って、私はあなたたちをサンプルに推薦したんだ」

从^∀从「だから大丈夫。あなたの初めての相手は、あなたの兄、長岡ジョルジュだから」

25 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:48:10.70 ID:lT9+0J9T0
ζ(゚ー゚*ζ「!」

なにを言われたのか、わからなかったなんてことはない。
ただ、驚いた。そしてうれしくて。

お兄ちゃんと結ばれることが、うれしくて。涙が、流れるくらいに。

ζ(;ー;*ζ「本当に!?」


从 ゚∀从「本当だよ」

高岡さんは、笑っている。
わたしも、つられて笑った。

27 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:48:44.37 ID:lT9+0J9T0


ζ(゚−゚*ζ

長岡デレは目にうっすらと涙を浮かべながら、兄である長岡ジョルジュを見上げていた。
無機的な白色の床の上に、力無く横たえられた肢体。
床とは違った、有機的な乳白色の一糸まとわぬその肌には、思春期ならではの若さと瑞々しさが満ちあふれている。

ζ(;−;*ζ「お、お兄ちゃん」

表面張力が負けて、涙がデレの頬をつたう。
顎先から垂れた水滴は、見上げる姿勢のせいかぽたりと落ちることもなく、
首筋から鎖骨に流れ、そのふくらみかけの乳房まで達した。

28 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:49:30.63 ID:lT9+0J9T0
ζ(;−;*ζ「いやだよお兄ちゃん」

肢体を投げ出したまま、デレは泣いていた。
抱いてくれなくては嫌だ、と悔しさで手足をふるわせて。
平穏に暮らしていれば、結ばれるはずのない二人。
許されることのない二人。

それが、特殊な状況とはいえ、結ばれる機会を得た。そのはずなのに。

長岡デレを抱くことを、長岡ジョルジュは拒否した。
デレの望みと、我々の思惑を、拒絶した。
  _
(  ∀ )「っ、デレ、ごめん」

謝りつつも、表情は苦々しいものになっている。
視線を固定させている故、デレをにらむ形になってはいるが、敵意は明らかに私とビコーズ主任に向けられていた。

从 ゚∀从「はやくやってくれないと、こちらとしても困るんだがな」

それに、デレもかわいそうだ。

30 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:50:20.59 ID:lT9+0J9T0
  _
(# ゚∀゚)「できるわけないだろ! 大事な妹だぞ!」

その大事な妹を、一糸まとわぬ姿ですがる妹を突き飛ばしたのは、誰だ。
だが私が何かを言う前に、ビコーズ主任が口を開く。

( ∵)「だからなんだ?」

たとえば、地形の急激な変化などで棲息域が分断された場合、多くの動物は近親交配を行って種の保存を試みる。
それとなにが違うのか、と。
  _
(# ゚∀゚)「そういう問題じゃねえよ!」

「そういう問題じゃない」のはきちんと反応をみせている彼の性器をみればわかる。

それでも、ジョルジュはデレを拒否したのだ。

床に横たわったデレはとうとう声をあげて泣き出してしまった。

31 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:51:39.25 ID:lT9+0J9T0
( ∵)「ふむ、何か対策が必要だな――とりあえず、オスのほうは拘束しておくか」

从;゚∀从「ビコさん」

( ∵)「まず、メスに鎮静処置を。おまえのほうが詳しいだろうからな。その後はオスのカウンセリングにうつれ」

関係が近いのは問題があるかもしれんが、何か進展もあるだろう。
私はうなづいて、まず泣きじゃくるデレのもとに向かった。

32 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:52:48.12 ID:lT9+0J9T0

从 ゚∀从「デレのほうの同意さえあれば、なんとかなると思ったんだがな」

デレののった寝台とともに、私は歩く。
寝台は地面とつながったままだが、ストレッチャーのごとく、滑るように動いていた。


从;゚∀从「やっぱ、1年ちょっとじゃ、地球人を理解するには時間不足だったのかねー」


それでも、この兄妹をえらんだことを、後悔はしていない。私は私なりに、この兄妹を愛しているから。

ジョルジュが私に与えてくれた愛とは、少し違うかもしれない。
なぜなら、私の愛は妹と兄それぞれに向いているから。


地球人としての私に、唯一愛情と、憎しみを向けてくれた二人だから?
そうかも、しれない。

33 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:53:52.98 ID:lT9+0J9T0

从 ゚∀从「お、時間か?」

白い空間に、ゆっくりと地球の映像が浮かんだ。



たとえ人類が滅びたとしても、二人を守りたかった。





そして、実際に、今、二人だけが生き残った。

34 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:54:48.80 ID:lT9+0J9T0

赤く染まっていく地球の姿と、大きな隕石が投影された白い空間を、俺は呆然と見つめていた。
  _
(  ∀ )「な、んだよ、コレ」

从 ゚∀从「コレが、地球の末路だよ」

俺の拘束をはずしながら、ハインが答える。
もちろん、殴りかかることはできない。物理的な拘束はなくとも、何かの力がそれを阻止していた。

从 ゚∀从「ナノマシンは私じゃどーしようもねーけど、とりあえず形だけな」
  _
(; ゚∀゚)「質問に答えろよ」

怒りが収まりつつあることに、若干の焦りを感じる。
感情が生まれるのが遅く、消えるのが早くなっている。

从 -∀从「宇宙の生物多様性の保護、が私の任務だ。で、地球が滅びようとしてて、私たちはそれを止められない」

やることは、一つ。

从 ゚∀从「地球の生物の保存、だな。全部は無理だから、クローン用にサンプルをとってデータを残す」

なんでもないことのように、ハインは笑う。それが不気味だった。

35 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:57:44.76 ID:lT9+0J9T0
  _
( ゚∀゚)「じゃあ、生殖行為のサンプルってのは?」

从 ゚∀从「クローンに学習させるための、データづくりのため」
  _
( ゚∀゚)「は? 学習?」

意味が分からず、聞き返す。

从 ゚∀从「そう、学習だ。地球でも、ジャイアントパンダなんかで行われている方法だが、
      自発的に生殖行為が行われない場合、同じ生物の生殖行為のVTRをみせると、
      繁殖率があがったりするんだ」

从 ゚∀从「AVと性教育ビデオを足して二で割った感じかな」
  _
( ゚∀゚)「そんなの、地球にいる間にいくらでも……!」

俺の反論に、ち、ち、ち、とハインは指をふる。

37 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:58:22.79 ID:lT9+0J9T0
从 ゚∀从「クローンの遺伝子は多様性に劣る。だから結果的に、近親交配、あるいはそれに近い状態にもなりうる。
      動物ならそのままでも平気だが、人間の場合、知能が高すぎて、だめなんだ」

おまえがデレを拒否したように。
一瞬、ハインの目に宿る光が、冷たい物になる。

从 ゚∀从「だから、大義名分を含めた映像が必要なんだ。俺たちは種族を守るために交配するのだと」

そのために、協力してくれないか。そんな意図がこもっているのだろう。
それに対して、俺は。
  _
(# ゚∀゚)「ふざけるな! 勝手に助けておいて、勝手にそんなことまで要求して!」

感情が解放されているらしい。だから、理にかなわない意見でも口にできる。
俺たち兄妹に、逃げ場はもうないのだ。

39 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/17(土) 23:59:23.24 ID:lT9+0J9T0
从 ゚∀从「ほんとはさ、私は、それでもいい。おまえが嫌なら仕方ない」

何かをくみ取ったのか、優しい声でハインは言った。

从 ゚∀从「でもビコさんは別だ。あの人は『仕事』でこれをやってるから」
  _
( ゚∀゚)「仕事?」

从 ゚∀从「ああ、あまり生物自体にはくわしくないし、興味もないんだ」

ハインの言い方からすれば、観察役の役人、というのに近いのだろうか。
そんなことをのんきに考える俺を、ぶちのめす一言がハインの口から漏れた。

从 ∀从「だから、生殖に不適合と見なされた生物は、廃棄されるかもしれない」

40 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:00:03.19 ID:oq/eDvTx0

ζ(;−;*ζ「おにいちゃん」

お兄ちゃんは私を抱いてはくれなかった。
ただそれが悲しくて、私は涙を流していた。

目の前の空間に、丸い何かが映し出されている。
それが地球だということは何となくわかってはいたけれど、それがなにを意味するのかなどどうでも良かった。

もうわたしとお兄ちゃんしかいない。でもお兄ちゃんには、わたしはいらない。

41 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:00:49.20 ID:oq/eDvTx0
ζ(;д;*ζ「おにいちゃん、ひどいよ」

なにも感じなかった訳じゃないのは、わたしにだってわかる。
じゃあ、わたしにはなにが足りなかったの?
お兄ちゃんを満足させるだけの魅力がなかったっていうの?

抱くに値しない、そう思われたの?

ただ、涙が流れて、思考はまとまらない。
感情をなくす技術があるんだから、そうしてくれればいいのに。



( ∵)「君は、デレちゃん、だね」

うしろから、声がした。

42 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:02:06.81 ID:oq/eDvTx0
  _
(; ゚∀゚)「ちくしょう、っざけんな!」

白い空間を、俺は走る。隣にはハイン。


从 ゚∀从「多分、あの人も大人だ。今日明日、ということはないとは思うが」
  _
(; ゚∀゚)「意志表示しろってんだろ!?」

いらだちながら、叫ぶように答えた。

从 ゚∀从「ああ。脅迫めいたことになっちまってすまねえ」

併走しているため、顔はよく見えない。
しかし、心底申し訳なさそうな表情をしているだろう、ということは、声を聞くだけでわかった。

从 ゚∀从「だが、おまえだけが拒否している場合、ビコさんはデレちゃんのほうに問題ありと見なすかもしれない」
  _
(; ゚∀゚)「あいつの命がかかってるんなら、仕方ねえ」




そう、思いこむことにした。

43 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:02:50.83 ID:oq/eDvTx0
  _
(; ゚∀゚)「デレは!?」

そこにたどり着いたとき、俺はまるで地球に戻ったかのような錯覚を覚えた。

白い空間の中に、ドアが浮かんでいる。
否、その周りだけは壁のように実体をもって、そのドアは存在していた。

( ∵)「この中で、君をまっている」


白い壁に、濃い色の木製のドア。ピンク色のドアプレート。
デレの部屋の、ドア。


( ∵)「おもったより早かったね」

感情のこもらない、ビコーズの声。


( ∵)「協力してくれるかい?」

俺は、ゆっくりと、頷いた。

44 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:04:47.28 ID:oq/eDvTx0

小さく音をたてて、長岡ジョルジュを飲み込んだ扉は完全に閉まった。

从 ゚∀从「ビコさん」

白い空間に投影したコンソールを操作しつつ、私はつぶやいた。

从 ∀从「なにを、したんです」

映し出された長岡デレの生体データ。

( ∵)「オスの感情制御ナノマシンを調整したときに、頭の中を覗かせてもらった」

意外にも答えはジョルジュに関して。それでは回答になっていない。

( ∵)「やはりメスに問題があると思うのだが、改善方法がわからなくてね」

( ∵)「逆に考えたんだよ」

从 ゚∀从「逆……」

頭の奥のほうで警鐘がなった。

45 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:05:18.97 ID:oq/eDvTx0
  _
( ゚∀゚)「デレ、入るぞ」

コンコン、と二度ノックをして、返事を待たず、ドアノブに手をかける。

返事が無くとも、ノックをしたら声をかけつつ、中にはいること。
中学校にあがった直後、デレが俺に課したルールだ。

今思えば、何かに気づいてほしかったのだろうか。
俺が勝手に部屋には行って、目撃すべきものでもあったと言うのだろうか。

どちらにせよ、わからない。
もう、二度ともとの関係には戻れないのだから。

薄暗い部屋のドアを閉めて、俺は電気のスイッチを入れた。

46 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:06:05.20 ID:oq/eDvTx0
ビコーズは白い腕と指先を投影コンソールに向けた。
長岡デレのデータが掻き消え、かわりに現れたのは、映像。

( ∵)「オスの脳内の記憶領域から、"生殖に値するメス"の身体データを採取したんだよ」

無理に取り出した記憶は抽象的で、あいまいだった。

豊満な乳房を持った、絡み合う裸の女性達。
その髪は黒髪に、茶髪に、金髪に、様々な色に変化する。
その顔は黄金比を持った白人女性や、メディアで見知ったアイドル、
そして時折、地球を調査していた時の私の顔になった。

その中に、長岡デレの顔はない。

49 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:12:27.07 ID:oq/eDvTx0
( ∵)「このデータの中から、共通事項を割り出して、それをメスに反映させてみた」

从;゚∀从「反映って、細胞改変装置を使ったんですか!?」

( ∵)「ああ、容姿の改変と、あとは三大欲求を少し強化したかな」

なんでもないことのように、ビコーズ主任は言う。
しかし、何でもないはずがないのだ。
生物の構造など良く知りもしない者が、あの装置をつかえば、どうなるか。

( ∵)「不満、という顔をしているようだが、私だって指導を受けているから、それくらい使える」

从 ∀从「……」

「事実、数値に異常はないんだろう」

从 ∀从「ええ数値に、異常はありません」

どの数値も、極めて正常だ。

実の兄とこれから結ばれるというのに、心拍数もアドレナリン濃度も、
極めて正常な値を示しているのだ。

50 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:16:40.64 ID:oq/eDvTx0

高校生にしてはやや子供じみた、桃色の掛け布団がかかった、デレのベッド。
そこに、いた。

白く、細い脚。無駄な肉のない腕。頼りないが、女性らしい骨格をもった腰。
たおやかな肩、ふわりとした茶色の髪が生えた形の良い頭。
完璧な角度を持ったおとがいと、柔らかなアルカイック、スマイルを浮かべた口元。
長いまつげを生やした瞼、大きすぎもせず小さすぎもせず、完全な比率で顔の中央に存在する鼻。
  _
(  ∀ )「なんだよ、これ」





そのすべてに、全身に、いくつもの豊満な乳房を生やして。
それは、いた。

52 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:19:10.25 ID:oq/eDvTx0
それが呼吸をするたびに、全身に生えた疣のような乳房がふるふると震える。
器官を有する部分はまばらだが、そうでない部分には密集している。

ひしめき合い、より集まって見える桜色の突起に、
以前目にした、人間の肌に蓮の種子をコラージュした写真を想起させられ
俺はこみ上げる吐き気をこらえきれず、床に胃液を吐き出した。
  _
( ;∀;)「う、あ、げほ」

なんなのだ、コレは。
たとえ、消化器官を痙攣させていなくとも、そう口にすることすらできないだろう。

なぜなら、俺は、長岡ジョルジュは気づいていたのだから。
それが、何であるのか、気づいているのだから。

膝を、手をついたまま、ただただ恐怖に耐え、顔をあげる。
それの姿を確認するために。

54 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:21:11.01 ID:oq/eDvTx0

ベッドの上でそれが転がった。

柔らかな髪が、こめかみと頬に生えた乳房にかかる。
瞼に生えた乳房が動き、隠れていた瞳があらわれる。


間違えようはずもない、妹の瞳だった。

ぐるり、瞳が動き、視線が俺の視線とかみ合って。



ζ(゜)。 )〈::ζ「い゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

長岡デレだったものは、咆哮をあげる。


妹の唇がめりめりと音をたて耳まで裂けていく様をみて、
俺は失禁した。

56 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:22:36.16 ID:oq/eDvTx0

細い脚でそれは立ち上がる。
ぼこぼこと場所を問わず生えた乳房のせいでよろめきながらも、
確実に俺のもとへ向かってくる。


ζ(゜)。)〈::ζ「お゛な゛か゛す゛い゛た゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

耳まで裂けた口が言葉を紡ぐ。俺の足は動かない。


ただ、後ずさるたび、びちゃびちゃと、胃液と小便の混じりあった液体が音を立てる。
それが不快にならない、その不快感を覆い尽くす、恐怖。

  _
( ;∀;)「ああああああああああああああ」

俺の口からは母音以外、出てはこない。

57 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:24:09.26 ID:oq/eDvTx0
胃液の中に浸かっていた右手。
小指の皮膚が溶け始め、ひりひりとした弱い痛みが走る。
痛みがきっかけになって、ようやく足が動くようになった。

すぐさま俺は立ち上がり、ニス塗りの木製の学習机まで走る。

「うああああああああああ」

椅子を掴んで、振り上げた。
揃いの学習椅子は既に体格に合わず、いまあるのはホームセンターで購入した事務椅子だ。
重さは半分以下だろう。

ζ(゜)。)〈::ζ「お゛な゛か゛す゛い゛た゛よ゛お゛おお゛こ゛は゛ん゛
        ご゛は゛ん゛た゛べた゛いよ゛おぉお゛おぉ゛おおお」

悲鳴のような、言葉のようなものを発しながら、にじりよってくる、妹に似たもの。
デレだったもの。

そう思いたくなかった。彼女だと、思いたくはなかった。
満たされない食欲を執拗に主張しているそれが、妹自身であるなら。

俺はこれから、妹に食い殺されるのだ。

58 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:25:26.51 ID:oq/eDvTx0

嫌だ。死にたくない。本能的にそう思った。
思った瞬間、椅子は振り下ろされていた。

ζ(゜)。)〈::ζ「゛おああ゛あああ゛゛ああ゛あぁあ゛っぁぁ゛ぁあ゛ぁぁぁ゛ぁ」

潰れたような悲鳴を上げて、殴られたそれは倒れた。
皮膚が極端に柔らかいのか、いくつかの乳房が裂け、赤い血を流している。

追い詰められた精神は俺に、感情が制御された時のような冷静さを与えてくれていた。

ζ(゜)。)〈::ζ「ぁぁ゛ぁあ゛ぁぁ゛ぁあぁぁ゛ぁあぁぁぁ゛ぁ」

それは、四肢を醜く投げ出して、蛙のように転げている。
全身に生えた乳房が醜く震える。

不格好に曲げられた足の根元、両太ももに生えた乳房の、丁度谷間位置には、赤い性器が覗いていた。
陰核があるべき部分にまで、小さな乳首が生えている。

俺には、それが、とてもおぞましいものに見えて、怖くて怖くて


転がるそれの腹めがけて、もういちど、いや、何度も椅子を振りおろした。

61 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:26:36.13 ID:oq/eDvTx0
ζ(::::::)。)〈::ζ

何度か殴るうちに、それは言葉を発しなくなった。

  _
( ;∀;)「はあっ、はあっ」

息を切らして、膝をつく。手放した椅子がずず、と転がる。

ζ(::::::)。)〈::ζ

それの顔は血まみれだった。
乳房が千切れ飛び、中の組織が所々ぶら下がっている。

皮肉なことに、顔を覆う乳房を失ったそれの顔は、嫌でも妹を想起させる形をしていた。

冷静さは、俺に、妹の存在を忘れさせていた。
だから、さらに、冷静になった時、俺は……

ζ(::::::)。)〈::ζ「おに゛いちゃ゛」

63 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:27:31.60 ID:oq/eDvTx0
  _
( ;∀;)「デレ……?」

それが、喋った。妹の声で、喋った。

ζ(::::::)。)〈::ζ「お゛にい゛ちゃ……わだしのこと゛きら゛い?」

ζ(::::::)。)〈::ζ「だから゛なぐるの゛……?」

妹の声で、俺を……
  _
( ;∀;)「デレ!」



ζ(゚ー;*ζ「おにいちゃんは、わたしと、ひとつになってはくれないの……?」


デレ……
いままで気づいてやれなくて、気づかないふりをしてしまって、ごめんな。
もう、いいから。おれはそばにいるから。


俺は、お前と……

66 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:30:14.24 ID:oq/eDvTx0

私が、ビコーズ主任の制止を振り切って、ドアを開けた瞬間。
長岡ジョルジュは、大きく裂けた長岡デレだったものの口の中に飲み込まれていくところだった。


あ、と声を上げる間もなく、長岡ジョルジュの顔は、砕かれ、咀嚼される。


ばりぼり、と音を立てて消えていくジョルジュの身体を見つめていると、

( ∵)「データの反映まではうまくいったんだがな」

食欲が強すぎたんだろうか、とつぶやくビコーズ主任の声がする。
すすす、と音でも立てそうな感触を伴って、私の感情が制御された。

ただ、強い感情を失った後だというのに。


飲み込まれる瞬間の、ジョルジュの笑顔が、目に焼き付いていた。

68 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:31:49.89 ID:oq/eDvTx0

( ∵)「獲物を見て興奮してるんだろうね、さっきとは大違いだ」

手招かれ、投影コンソールを覗き込む。

从 ゚∀从「生体データの数値が……」

( ∵)「失敗、だね」

いじられた感情では、ビコーズ主任を責めることはできそうにない。
だが、それでも、反論は生まれる。

果たして、そうだろうか。と。

70 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:37:57.44 ID:oq/eDvTx0

デレだったものは、ジョルジュの肉体をつま先まで食べつくして、
床に広がる血、消化液、排泄物、精液(人間は死の瞬間射精する、というのは本当だったのかもしれない)
などを舐めはじめていた。

部屋から目を逸らし、コンソールをもう一度見つめる。
デレの生体データは、異常な値を示している。
異性と結ばれる瞬間にあるべき値を、示している。

私は、ある考えに至った。地球人の頭で、思ったつもりだ。
だが、果たしてそれに多くの地球人が同意してくれるかどうかは、わからない。
もう二度と、わからないのだ。


再度、部屋の中のデレに視線を移す。
もそもそ、と這う、ひとつの肉塊。

それを見て、私は思った。



ああ、二人はやっとひとつになれたんだな、と。

71 名前: ◆bCxIqq679U 投稿日:2010/07/18(日) 00:39:01.70 ID:oq/eDvTx0

俺とわたしは、他人と比べて少しだけ仲のよい兄妹。だった、はずだった。
昨日までは。


今日からは、ひとつだ。
  _
(  ∀ ) ζ( ー *ζ

戻る