スポンサーサイト |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書く事で広告が消せます。
|

( ^ω^)ブーンは月になるようです |
- 1 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:36:45.192 ID:43r5CNEjM
- ぷろろーぐ
煌めく星空の下で男は一人項垂れている 細やかな風が冷気を誘い男の体を突き抜く 頬がこけ、瞳の下は黒く濁り、生気を失っている男の瞳はただ一点だけを見つめていた 「これで、やっと、僕は同じところに行けるお」 男は目尻を下げ笑う その瞳に光はない 暗く淀んだ瞳に何が映るのか 血まみれの右手をかかげると同時に顎を上げ視線を変える 煌めく星空の中にひときわ輝きを放つものがあり、 男はそれに視線を奪われた とても綺麗で優雅で、男は懐かしい物でも見るように口元を緩ませ見つめていた 男は表情を動かし、そして呟く 「これでいつまでも一緒だお」
- 2 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:39:15.282 ID:43r5CNEjM
- 第一話
「ラッスンゴリライ、ラッスンゴリライってなんですの~」 ( ^ω^)「うはwwwww原西おもれーおwwwwww」 J( 'ー`)し「ブーン!そろそろお風呂に入りなさい!」 ( ^ω^)「わわ、もうこんな時間なのかお!」 急くようなセリフを吐きながら男は動かない コタツの中で固まった体が動かないようだ ( ^ω^)「は~でもコタツから出たくないお~」 J( 'ー`)し「もー早く入って明日の学校の準備しないと!また遅刻するよ!」 ( ^ω^)「…そーだおね。入ってくるお」 機敏とは言えないまでも、しっかりとした足取りで風呂場に向かう
- 4 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:40:58.857 ID:43r5CNEjM
- ( ^ω^)「ひかるーかぜー追い越したら~ららら~」
髪も洗い終え湯船につかり、お世辞にも上手いとは言えない歌を歌う ( ^ω^)「あいわなびーびっぷすたー!」 ( ^ω^)「あ"ー気持ちいいお~」 数曲歌って気持ちよくなったのか、 とろける様な表情で湯船の枠に頭をのせる ( ^ω^)「ふぅ…」 ( ^ω^)「…」 ( ^ω^)「…今日は見えないお」 頭を横に傾けて浴室にはめられた窓を見つめる ( ^ω^)「…」 ( ^ω^)「ふぅそろそろ出るかお」
- 7 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:42:36.697 ID:43r5CNEjM
- J( 'ー`)し「あ、ブーン。梨向いてあげたから食べなさい」
( ^ω^)「おっありがとうだお!」 J( 'ー`)し「勉強がんばるんだよ!」 ( ^ω^)「…うん、ありがとうだお」 乾いてない髪をそのままに、 形が崩れ黒ずんだ梨が入った皿を手に持ち自分の部屋に向かう ( ^ω^)「ふう」 戸を閉め暗い部屋に入ったまま男は少しの間佇む 大きく空気を体内に吸い込み、そして吐き出す その動作に飽きた時に部屋の入り口についてあるスイッチを押した 部屋が明るくなり男は勉強机の前に迷うような足取りで歩をすすめる 机の上に皿を置き、男はまた佇む。 傷跡が無数にもあり、シールの剥がしあとがいくつもあった 油性のペンでかかれた落書きもある。 男はそれに視線を落とす ( ^ω^)「…」 何かを考え男はすぐに顔を上げる ( ^ω^)「ふー寝るかお」 男はベッドに倒れ込む すぐに眠気がきたのか寝息の音が立ち始めた
- 9 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:44:18.843 ID:43r5CNEjM
- 「おい、ブーンお前気持ち悪いから席端っこにいってくれない?」
「えっ…」 「えっじゃねーからwwwwww お前の場合、おっだろwwwwww」 「あはは、だお…」 「あはは、じゃねーよきめーんだよ!いいから隅の方でも行けよカス!」 「ガッは…んぐ…」 「ギャハハハ、なんて声出してんだよwwwwww ちょっと蹴っただけだろwwwwww」 「はぁはぁ…」 「喘ぐなよwwwwwwいいからさっさと行けって言ってんだろ!」 「ぐっ…。」 「あーあ、だから行ったのによう」 「馬鹿だねーこいつ。頭はいいけど馬鹿なんだよwwwwww」 「なんそれウケるwwwwww」 「ぐっ…はぁはぁ…」
- 11 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:46:07.633 ID:43r5CNEjM
- 視界が変わる
周りは暗く目の前には見慣れた天井 胸の鼓動が激しくなり上半身を持ち上げる ( ^ω^)「はぁはぁ…」 ( ^ω^)「またかお…」 ( ^ω^)「喉が乾いたお」 喉の乾きを潤すためにキッチンに向かおうとするが体が動かない ( ^ω^)(でも疲れたお) 男はそのまま体を倒し瞼を閉じた ( ^ω^)(ん…ん) 窓から朝の日差しが部屋に入り込む ( ^ω^)(眩しいお…カーテン…) 顔に布団を被せながら手を空にかかげ振り回す。 ( ^ω^)(あ、そういえばカーテンなかったお…) 男は諦め布団を頭全体に被せる そしてまた眠りに落ちようとしてた時に携帯から音が鳴る
- 14 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:47:52.644 ID:43r5CNEjM
- ( ^ω^)(誰だお…?)
( ^ω^)(あぁ…) ディスプレイを見ながら毎週ラインをくれる友の顔を思い浮かべる 「ラッスンゴリライ!ラッスンゴリライ! ラッスンゴリライってなんですの~!」 ( ^ω^)「こいつも昨日テレビ見てたおねw」 パクリですお~っと返事を返す すぐに既読マークがつき返事が返ってくる 「完全本家超えだよなあれ!爆笑してたわw」 ( ^ω^)「ほんとだお!てか体のキレがはんぱないお!」 「それなwゴリラのきぐるみに入ってあの動きは反則だわw」 ( ^ω^)「まじそれだおwあの年であの動きは神だお!w」 「髪はないけどなw」 ( ^ω^)「だだだれがハゲやねんだお!w」 「お前じゃねーからwww」 ( ^ω^)「てへぺろぷんぷんまるだお!w」
- 15 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:49:37.728 ID:43r5CNEjM
- 「可愛くねーから!w完全にパクリだから!w」
( ^ω^)「ドクオは朝っぱらからテンション高いお~w顔色悪いくせに」 「お前のせいだよ!wてか顔色はほっとけ!w」 「てかお前も元気そーじゃんwこんな朝っぱらから返事帰ってくるなんて珍しいな!」 ( ^ω^)「今日は朝の日差しに攻撃されたおかげで目覚めたお…」 ( ^ω^)「痛恨の一撃だお…」 「朝の日差しくらい楽勝じゃねーか!」 「俺なんてかーちゃんに目覚し時計投げつけられたぞ!」 「どんな目覚し時計の使い方だよ!朝っぱらからHP0になりそうだったぞ!」
- 16 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:51:02.240 ID:43r5CNEjM
- ( ^ω^)「なにそれkwsk」
「話すと長くなるからなーw学校で会った時にでも話すよw」 先ほどまでよどみなく動いてた手の動きが止まる ( ^ω^)「…」 今度はゆっくりと、確かめるように入力していく ( ^ω^)「そーなのかおwじゃあまた今度でいいおw」 送信し終われば既読がすぐにつくと同時にディスプレイの画面を落とした その後にもう一度言葉を反芻させる ( ^ω^)(これでよかったかお?大丈夫だおね…。) 返事はなかなか帰ってこない 電源を落としたわけではないので、返事があればすぐにコールがなる 返事を待ってる間にまた言葉を反芻させた 不安が襲いかかり心臓の鼓動が早くなる
- 17 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:52:27.294 ID:43r5CNEjM
- 男が曖昧で抽象的な不安に苛まれている最中に手に持っていた携帯から音が鳴る
すぐにアプリを開き内容を確認した 「あーそうだなwまた今度なw」 ( ^ω^)(ふ~) 自然と口から空気が漏れ肩から力が抜けた はいおwと適当に返事をして携帯をベッドに投げ捨てる ( ^ω^)「…」 部屋の中で乱雑に散らばってる参考書に一瞥をして、男は項垂れ何かを考える そして顎を上げ光が差し込んでくる窓に目を向ける ( ^ω^)「ツン…」 男の一日が始まる
- 18 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:54:12.862 ID:43r5CNEjM
- 第二話
「⊂二二( ^ω^)二⊃ぶーん」 「ハァハァ…ちょっと待ちなさいって!」 「なんだお、もう疲れてるのかお?」 「あっ、当たり前でしょーが!アンタと違って私はか弱い乙女なのよ!」 「か弱い…?」 バッチーン 「い、痛いお!」 「何よ!」 「ご、ごめんだお…(どうして叩かれた僕が怒られるんだお?)」 「いい?私はか弱くて貧弱なの! だから困った時は男のあんたが助けるのよ!」 「えっでも、」 バッチーン 「いい?」 「わ、わかったお…」 「はい、ならよろしい!」 とても綺麗で眩しい笑顔だった
- 19 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:55:41.062 ID:43r5CNEjM
- 男は電車に揺られながら半透明に映る自分の顔を見つめる。
目の端には木々や家屋が通り過ぎることを確認しながら自分の顔を見つめている そして視界に入っていないもう一人の男にため息混じりに話しかける ('A`)「そんなに俺の顔って顔色悪い?」 (´・ω・`)「うん」 話しかけられた男は視線を携帯に落としながら端的に質問に答える (;'A`)「あのさショボンさぁ、もう少し言葉ない? そんなことないよ、とか。何でそんなこと聞くの?とか」 (´・ω・`)「んーないね」 ショボンは考える素振りもせずにそう答えた (;'A`)「うわひっど!友達が悩んでるのにさぁ!」 (´・ω・`)「どうせあれでしょ?さっきブーンに何か言われたんでしょ?」 ('A`)「ななななぜ分かったんだ!!??」 (´・ω・`)「そりゃ分かるでしょ…。何で分からないのか逆にドクオに聞いてみたいね」 ('A`)「何でだろうね、今度聞いといてよ」 (´・ω・`)「分かった聞いとくよ。その際に僕がイラッとして君を叩いたらごめんね」
- 20 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:57:09.651 ID:43r5CNEjM
- ('A`)「暴力反対!暴力反対!」
ドクオは気分の悪そうな顔色と比べ朗らかに喋る (´・ω・`)「で、ブーンはなんだって?」 ('A`)「あっブーン?やっぱあいつもテレビ見てたよ!」 ('A`)「ラッスンゴリライ!ラッスンゴリライ!」 (´・ω・`)「ラッスンゴリライってなんですの~!って違うから!」 ('A`)「えっなに?目覚し時計のせいで目覚めずに永眠しそうになった話?」 ('A`)「まじいてーんだよ!頭腫れてるだろ?馬鹿になったらどうすんだよ!」 (´・ω・`)「全然晴れてないし、元から馬鹿だって」 質問を無視して馬鹿みたいに騒ぐ友人を見ながら思う (´・ω・`)(今日も駄目だったんだな) ('A`)「誰が馬鹿だよ!馬と鹿の区別くらい分かるっつーの!」 (´・ω・`)「いやいや、でも芸能人のマナカナの違いはわからないでしょ?」 ('A`)「余裕余裕!俺に任せれば余裕だって!」
- 21 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 20:58:48.165 ID:43r5CNEjM
- (´・ω・`)「まなじゃないかなは無しだよ」
('A`)「(´・ω・`)」 (´・ω・`)「それは僕だよ」 二人は他愛もない話をしながらひたすら電車に揺られている ただ運命に流されてるように、自身で何もせずその場の流れに身を任せる ('A`)「あーだりーなぁ」 机に突っ伏しながら吐き捨てるように言う (´・ω・`)「もー体育のある日は毎回言うよね」 困ったように宥める ('A`)「毎回じゃねーよ! こないだはやだなーで、その前はダルダルビッシュで、つぎは…」 (´・ω・`)「分かった分かったもういいから」 ('A`)「なんだよ~話し聞けよ~言論の自由だ!」 (´・ω・`)「もーめんどくさいなぁ」 また、困った顔になるが口元は緩んでいる
- 22 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:00:41.166 ID:43r5CNEjM
- ('A`)「あ"ーーー」
('A`)「う"ーーー」 「ど、どうしたんだドクオは?」 奇声を発してる顔色の悪い学友を心配したクラスメイトが声をかけてきた (´・ω・`)「あぁ、気にしないでただの発作だよ」 ('A`)「お"ーーー」 「壊れてない?」 (´・ω・`)「大丈夫もとからだから」 「あ、そういえば」 合点がいったかのように納得したようだ ('A`)「あ"ーお"ーんーわー」 (´・ω・`)「えー何何?ショボンてめー何が元から壊れてるだよー?」 ('A`)「あーいーうーえーお」 (´・ω・`)「えーっと愛すべき友に何いってんだてめ~?」
- 23 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:02:10.498 ID:43r5CNEjM
- ('A`)「しゃおらー」
(´・ω・`)「こちとら久々の全力運動で疲れてんだよ~?」 ('A`)「ぶははは!」 (´・ω・`)「だから気にしなくていいよ~だって」 「…ショボンエスパー?」 怪訝な顔でしょんぼり顔のクラスメイトを見つめる ('A`)「あーやっと体力回復したぜ!」 (´・ω・`)「というよりご飯が早く食べたいんでしょ?」 ('A`)「まじそれだよ。お腹とお腹がくっつきそうなんだよ」 (´・ω・`)「それ意味わかんないから」 談笑で騒がしくなってる教室で、机を挟み向かい合ってる ('A`)「ショボンはまぁたパンか」 (´・ω・`)「好きなんだよ、コッペパン」 二人共机に置かれた食べ物を見つめる
- 24 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:03:33.772 ID:43r5CNEjM
- ('A`)「やっぱり男は米だろ!」
そう言いながら机の横にかけてあるかばんの中から弁当箱を取り出す (´・ω・`)「ごはんもいいんだけどね~」 ('A`)「パンばっかりじゃ痩せるぜ! ブーンだって昔は太ってたけどパンにしてから痩せてたし!」 (´・ω・`)「う、うん…そーだね…」 ('A`)「あ、すまん…」 (´・ω・`)「いいよいいよ、昔は太ってたもんね~」 ('A`)「…ははは。とりあえず飯食うか飯!」 ('A`)「必殺かーちゃんスペシャルは超うめーからな! 少しくらいなら分けてやるぜ!」 (´・ω・`)「うん、ドクオのお母さんの料理は美味しいもんね~。 僕のお母さんも見習ってほしいよ」 ('A`)「あははwだろーwさぁーて今日のご飯はなんだろなっ!」 ('A`)「」 威勢よく弁当箱の蓋を開けたドクオが信じられない者を見るように目を見開き固まってる
- 25 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:05:12.156 ID:43r5CNEjM
- (´・ω・`)「ど、どうしたのドクオ…?」
視線を弁当箱に向ける 弁当箱の中身はほぼ一面真っ白で埋まり、中心に赤い粒が寂しく置かれていた ('A`)「」 (´・ω・`)「昔こういう弁当流行ったみたいだね、日の丸弁当って言うんだっけ」 ('A`)「」 (´・ω・`)「あーもしかして今朝怒られたのが問題だったんじゃないの?」 ('A`)「」 (´・ω・`)「さすがにバイブをアナルでユートピアは駄目だよ」 ('A`)「」 (´・ω・`)「ドクオ…?」 ('A`)「」 男は動かない 何か大切なものを失っように、 彼の顔は衝撃からか貼り付いたかのように動かない
- 26 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:06:40.456 ID:43r5CNEjM
- ('A`)「」
(´・ω・`)「ド、ドクオ大丈夫?」 ('A`)「ふ」 (´・ω・`)「ふ?」 ('A`)「ふっざけーじゃねー!!!!!」 声を荒立て怒声をあげる ('A`)「こんなん思春期の男の子にこの仕打ちはねーし!!」 (´・ω・`)「どんまい」 ('A`)「うがあああああああ!!!」 ドクオが叫んでる最中、何人かがこちらを見ながら何かを話してる (´・ω・`)「ドクオそろそろ恥ずかしいからやめて」 ('A`)「ぐおおおお!!!これはとめらんねぇー!!」 ショボンがどうすれば宥められるかを考えてた時に男が一人やってきた
- 27 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:08:33.520 ID:43r5CNEjM
- 「おい」
('A`)「なんだよ!!!こっちはなあ…あ…」 「お前うるせーんだよ!」 ドクオが椅子ごと地面に横たわる ('A`)「いった…」 (´・ω・`)「あ、…」 ドクオが蹴られたと分かった時一気に体が固まった 「たくよ~教室ではお静かにってな」 「お前がうるせーってギコハハハハハ、 しかも俺らのクラスじゃねーんだしさぁw」 男はドクオ達から離れ、教室のはしにいる仲間のもとに戻っていった (´・ω・`)「ド、ドクオ大丈夫?」 ('A`)「お、おう、大丈夫。ありがとな」 小声で話しながらドクオは立ち上がり椅子に座り直す (´・ω・`)「別の場所で食べよっか」 ('A`)「そうだな…」
- 28 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:10:11.676 ID:43r5CNEjM
- 二人が立ち上がりこの場所から離れようとした時に、ショボンが声を上げる
(´・ω・`)「あれは…」 二人の男女が教室に入ってきたと同時に、先ほどドクオを蹴った男が大声をあげた 「ヒッキーちゃんじゃーん!」 「なにしに学校きたの~?wwwwww」 「お前が呼ぶっつたんだろうがよギコハハハハハ」 「あーそーだっけ?wwwサンキューなギコとしぃwwwwww」 教室に入ってきた女性のほうが怒ったように声をあげる 「あーはいはい、もーちゃんと何かおごりなさいよ~?」 一緒に入ってきた伏し目がちで陰気な男が、目を見開きながら隣にいる女の顔を見た 「あーごめんね、私もちょっとほしいものがあってね」 「えっ…」 「あーもうだから嫌って言ったのに!ジョルジュなんとかしなさいよ!」 女はそう言うとギコと呼ばれた男の隣にたつ
- 29 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:11:59.323 ID:43r5CNEjM
- 「そーだぞージョルジュ、しぃちゃんは頑張ったんだからな」
ギコは笑いを噛み殺すように喋りながら、隣にいるしいの肩に手を回す 「わーったわーったwwwwww ちゃんとラブホ代出してやっからwwwwww」 「おーサンキュー!」 「いや、そんなんじゃなくてほしいピアスがあるんだって!」 「おいおい、しぃ、俺と行きたくないの?俺のこと嫌いになったの~?」 「いや~そんなんじゃないけどさ~、やーもうギコ君駄目だって…」 二人は向かい合い囁くように顔を近づけ話し合う。 肩においてある手は背中に周り、どんどん下にずれていく。 「おっぱいおっぱい!じゃねーし!wwwwww 二人共それはホテルの中でやってくれwwww」 「ヒッキーちゃんが寂しそうじゃんwwwww」 ジョルジュは心底楽しそうな顔でヒッキーに目を向ける。
- 30 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:14:00.789 ID:43r5CNEjM
- 「ギコハハハハ」
「もー子供なんだから~」 先ほどまで見つめあっていた二人も楽しいおもちゃを見るようにヒッキーを見つめる。 蛇に睨まれた蛙のように男は立ちすくみ、脂汗を頬ににじませ、 体は硬直しその瞳はただひたすら彼ら三人を見つめていた (´・ω・`)「…ドクオもう行こうよ」 話しかけるも声はかえってこない 男はずっと一人の男を見つめている つねにおどけて、苦労や怒りを見せない男が 顔を歪め憎悪に満ちた表情をしながら呟く ('A`)「ヒッキー…」
- 31 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:16:26.147 ID:43r5CNEjM
- 第三話
「まったくもうあんたは最近ふさぎ込んでばっかね!」 「うう…だって…」 「聞いたわよ、お母さんが病気なんだって?」 「…」 「あんたそれをどうして私達に言わないの?」 「言ったって意味ないお…」 「何が意味ないのよ! 私達に話したらなんとかなるかもしれないじゃない!」 「だって…」 「だってじゃない!叩くよ!」 「や、やめてお…どうしてそんな事するんだお…」 「だってあんたが…」 「…泣いてるのかお?」 「べ、べつに泣いてなんかないんだからね!それに泣いてるからって何?文句ある?」 「おっ…?おっ…?」
- 32 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:17:34.282 ID:43r5CNEjM
- 「あんたが!あんたが私たちになんでも話せばいいでしょ!?」
「私たちはそんな大事なことも話せないほどの仲なの!?」 「そ、そんなに怒んないでほしいお…」 「怒ってない!」 「ちょ…じゃあもう泣かないでお…」 「だってあんたが何も話さないから」 「わっ、わかったお!何でも話すお!」 「絶対よ!私だけじゃないのよ!ドクオくんにもよ!」 「も、もちろんだお。ショボンにも話すお」 「絶対よ!あとで確認するからね!」 涙で顔がくしゃくしゃだったが素敵な笑顔だった
- 33 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:18:59.135 ID:43r5CNEjM
- ( ゚∀゚)「ひっさしぶりだなーヒッキーwwwww」
( ゚∀゚)「なつけー覚えてる?wwwww」 (,,゚Д゚)「むしろ忘れてたら脳に問題があるよなぁヒッキー」 話しかけられた男は視線を泳がし答えに困ってるようだ ( ゚∀゚)「だまってんなって!」 (-_-)「いった…」 太ももを蹴られ苦痛に顔が歪む ( ゚∀゚)「いったじゃねーだろ?俺はもとからいます~wwwww」 (,,゚Д゚)「そっちのいったじゃねーだろギコハハハハハ」 ( ゚∀゚)「じゃあどういう意味なんだよ~w」 (,,゚Д゚)「やっぱ男のスペルマてきなイッた?」 (*゚ー゚)「やだーもーギコくんきたなーい」 (,,゚Д゚)「おいおい、お前はその汚いの好きって言ってたろ~」 (*゚ー゚)「やだー恥ずかしいからやめて~」 ( ゚∀゚)「しぃちゃん俺のスペルマも吸い取ってみない?」
- 34 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:20:41.165 ID:43r5CNEjM
- (*゚ー゚)「も~バカばっかり!」
(,,゚Д゚)「ギコハハハハハ」 (-_-)「あはは…」 硬い表情で乾いた笑いを浮かべる ( ゚∀゚)「何がおもしれーんだよ!」 ( ゚∀゚)「あぁ?!」 机を蹴りとばし静かな教室内に緊張感が走る (-_-)「あ、…い…やなにも…」 ( ゚∀゚)「あぁ?何が何もだよオラァ?」 (-_-)「ぐっ…」 ( ゚∀゚)「おいなんか言えよこらぁ!?さっきみたいに笑えや殺すぞ!?」 胸ぐらを捕まれ、怒声を浴びせ威圧してくる男の目をまともに見れない ( ゚∀゚)「笑えって言ってんだろがぁ??」
- 35 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:22:28.309 ID:43r5CNEjM
- (,,゚Д゚)「ギコハハハハハ。だそーだぜヒッキーさん!おらよっと!」
ギコのつま先がヒッキーの脇腹に突き刺さる (-_-)「ぐっは…ぐっ……」 痛みを我慢できずに歪んだ顔を気にせずうめき声をあげる (,,゚Д゚)「ギコハハハハハ」 (*゚ー゚)「もーみんなやめなよー」 屈託のない目を細くして、 無邪気にニコニコと微笑み続けながら周りを宥める (,,゚Д゚)「しぃも蹴ってみろって楽しいぜ?」 ( ゚∀゚)「そーだそーだやってみ?ほら」 掴んでいた胸ぐらをを離し、 痛みで膝を地面につけうずくまろうとするヒッキーの頭を下から蹴り上げる (-_-)「アガッ!…」 (,,゚Д゚)「ないっしゅー!」 ( ゚∀゚)「いえーい!ジョルジュジャパン一点先取です!」 (*゚ー゚)「その日本代表よわっちそ~」
- 36 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:23:50.100 ID:43r5CNEjM
- (-_-)「いっつ…。」
鼻から血を流し顔を抑えながらうずくまる (,,゚Д゚)「あっこいつ鼻血だしてるぞ!」 ( ゚∀゚)「エロすけだエロすけ! しぃちゃんのパンツ見てるんじゃない!?」 (*゚ー゚)「えー、やだー!」 しぃは楽しそうに一歩下がる (,,゚Д゚)「こいつ、しぃちゃんのパンツ見やがって!」 一発、そしてもう一発、うずくまるヒッキーの背中に暴力がふりかかる (-_-)「…」 (,,゚Д゚)「ちっ!こいつほんと喋んねーよな!」 ( ゚∀゚)「ほんとだよな~、なんか反応あったほうが楽しいのによ」 (,,゚Д゚)「その点内藤は面白かったな!」 ( ゚∀゚)「ほんとかお!やったお!」
- 37 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:25:13.429 ID:43r5CNEjM
- (,,゚Д゚)「ギコハハハハハそっくりそっくり!」
(*゚ー゚)「僕内藤ホライゾンだお!」 (,,゚Д゚)「しぃはそれ駄目だな」 ( ゚∀゚)「そーだな、可愛すぎる」 (*゚ー゚)「えーやだーw」 ( ゚∀゚)「ほんとほんと、今度やらせてよしいちゃんw」 (*゚ー゚)「ばーかw」 (,,゚Д゚)「ギコハハハハハ」 三人が楽しく談笑してるなか教室に声が響き渡る 「一体何の騒ぎモナ!?」 ( ゚∀゚)「やっべモナー先生じゃん!」 (,,゚Д゚)「逃げろ逃げろ」 二人は慌てて教室を飛び出す
- 38 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:27:12.565 ID:43r5CNEjM
- (*゚ー゚)「待ってよ~」
二人を追いかけ走り出そうとするが、腕を掴まれる 「さーて逃さないモナ」 「何があったか説明するモナ」 「あっヒッキー、大丈夫モナか?」 しぃの腕ををひっぱりヒッキーに駆け寄る (*゚ー゚)「いたたた、いたーいモナー先生」 しぃの猫なで声を無視してヒッキーに問いかける 「あらら、顔中血だらけじゃないモナか」 「えーっとハンカチハンカチと」
- 39 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:28:49.311 ID:43r5CNEjM
- ジャケットの内ポケットに入ったハンカチを取り出しヒッキーの目の前に差し出す
「とりあえずこれで顔をふくモナ」 ヒッキーがハンカチを受け取ると、モナーは立ち上がり回りを見渡し呼びかける 「え~っと誰か事情を説明できるものはいるモナか?」 教室内は何人かはいたが声が上がらない その時二人の男が目に映った 「ドクオくんとショボンくん、こっちへ来てくれないかモナ?」 (´・ω・`)「あ、はい…」 ショボンが返事をして駆けつけようとすると ('A`)「そいつの自業自得っすよ先生」 (´・ω・`)「えっ…」 驚いた表情でドクオの顔を見る ('A`)「そいつが悪いんすよ」
- 40 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:29:47.556 ID:43r5CNEjM
- (-_-)「…」
「どういうことモナ?」 ドクオがヒッキーに近づく ('A`)「痛いかヒッキー?」 ('A`)「でもブーンも痛かったと思うぞ」 ('A`)「俺も人のことは言えないけど、お前は最低だよ」 言うやいなや踵を翻し教室から出ていく (´・ω・`)「ちょ、ドクオ!」 呆然と見送るショボン 「…何があったか分からないけども、」 「また、彼の事が原因モナか?」 うずくまるヒッキーの右手が、何かを耐え忍ぶかのように強く握りしめられていた
- 41 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:31:23.627 ID:43r5CNEjM
- 第四話
「私が死んだらどうする?」 「おっおっ…?死ぬのかお?…死んだら嫌だお…」 「ちょっ!急に泣きそうな顔にならないでよ!例えばよ!」 「おっ…おっ…死んじゃ嫌だお…ずっとそばにいるお…」 「もう…ほんとアンタってバカねぇ…大丈夫!死なないわよ!」 「ホントだお?…」 「ハイハイ、だから泣き止んでシャキッとしなさい!」 「わ、わかったお!」 「もーホントにアンタはアタシが居ないと駄目ね!」 「おっ…」 「もし二人共老けておじいちゃんおばあちゃんになって、 そのまま寿命で二人共亡くなってもあんたはずっとメソメソするんじゃない?」 「死んで離れ離れなんて嫌だお…」
- 42 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:33:12.249 ID:43r5CNEjM
- 「ふふっ、知ってる?」
「何をだお?」 「人ってね、死んだら月に行くのよ」 「おっ!?そうなのかお?」 「うん、地球で育ててもらって死後は月でのんびり暮らすの。 青い地球を見ながら生きてた時の思い出話を笑いながら話すのよ」 「お~楽しそうだお!とてもロマンチックで似合わない事を言うお!」 「あ、アンタ似合わないってどういうことよ!」 「おっおっ…?」 「アンタが急に泣きそうな顔になるからこっちは励まそうとしたのに!」 眉を吊り上げながら怒る顔がとても綺麗だった
- 43 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:34:48.938 ID:43r5CNEjM
- ( ´∀`)(ふう)
溜まっていた何かを吐き出すように口から空気を吐き出しため息をついた 肉付きがよく眉と目尻が下がっていて温和な雰囲気を醸し出してるが、 目元の隈と眉間の皺が疲れを感じさせる ( ´∀`)「とりあえずヒッキー君は保健室に行くモナね」 観客の中に目を丸くしながら見つめる彼女を指差す ( ´∀`)「じゃあそこの君、ヒッキー君を保健室に連れて行ってくれるかな」 「えっ…は、はい!」 女は驚き戸惑いながらも、生来の元気の良さなのか大きく返事をした ( ´∀`)「鼻血が出てるのであまり頭を動かさないようにお願いするモナ」 「分かりました!」 (-_-)「…」 ヒッキーはふらつきながらも立ち上がり、女の体にもたれかかりながらそのまま教室を後にした ( ´∀`)「それじゃあしぃちゃんとショボン君は先生と一緒に職員室に来るモナ」
- 44 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:35:39.121 ID:43r5CNEjM
- (*゚ー゚)「えー」
心底嫌そうな顔で口を尖らせながらモナーを見つめる ( ´∀`)「ショボン君は状況説明できるモナか?」 しぃの反応を無視してショボンに語りかける (´・ω・`)「あ、はい」 先ほど出ていったドクオを追い駆けたい気持ちもあったが、先生に止められ素直に頷く ( ´∀`)「わかったモナ。 じゃあ他のみんなは倒れた机や扉や地面についた血を拭き取ってくれモナ」 周りの生徒は苦いものをかんだような嫌な表情をしてたが 先生はあまり気にならないようだった
- 45 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:36:32.872 ID:43r5CNEjM
- ( ´∀`)「さて、説明してくれるモナ?」
職員室の片隅、モナー先生の机の近くで三人は円をかくように椅子に座っていた (*゚ー゚)「えっと~説明っていっても~」 肩まで伸びた綺麗な茶色の髪を弄り、視線を泳がしながら喋る ( ´∀`)「じゃあショボン君に聞こうか」 (´・ω・`)「あ、はい」 ショボンはヒッキーが教室に入ってきてからの事をかいつまんで説明する ( ´∀`)「なるほどモナ」 ( ´∀`)「しいちゃん、何でそんなことをしたモナ?」 (*゚ー゚)「うーん分かんないよ~ジョルジュたちが勝手にやったんだも~ん」 そんなに長い時間でもないが座りっぱなしで落ち着かなくなったのだろう、 足をバタつかせ身振り手振りが大きくなった ( ´∀`)「ふう、とりあえずはジョルジュ君達に話を聞いてみるモナ」
- 46 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:37:27.841 ID:43r5CNEjM
- ( ´∀`)「じゃあ君たちはもう戻っていいモナ」
体を翻し自身の机に体を向けた (´・ω・`)「えっ、もういいんですか…?」 (*゚ー゚)「やったー!終わり~!」 体を伸ばすように立ち上がり顔を綻ばせる (´・ω・`)「じゃあ失礼します」 しぃに続いて立ち上がる (´・ω・`)(しぃに甘いんじゃないかな?もう少し追求すればいいのに) (´・ω・`)(だからブーンも…いや、よそう) 担任ではない先生の態度に少し不満を覚えるが、 一瞥をくべそのまま職員室を出た
- 47 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:38:17.521 ID:43r5CNEjM
- ( ´∀`)「えー、で西暦514年に…」
モナーは午後の授業を説明しながら頭の片隅で考える ( ´∀`)(皆どうして仲良くなれないモナか) 先ほど別のクラスで起こった出来事を思い浮かべる ( ´∀`)「みんなも知ってると思いますが、アルファベットを扱えない場合発熱するモナ」 このクラスの生徒は皆先生の話に耳を傾けしっかりと自分を見据えている いいクラスだな、そう肌身に感じる ( ´∀`)(僕の言うことを絶対聞いてくれる生徒ばかりなら疲れないはずモナ…) 有りえない想像をしながら、すぐに首をふる ( ´∀`)(駄目だ駄目だ先生がしっかりしないと駄目だモナ) 教壇に立ってもう20年 酸いも甘いも知っている彼が使う処世術は、 どんなきつい事や苦しいこと、悲しいことがあって自分を鼓舞をして奮い立たせる事 そしてすぐに忘れ、物事を流すことだ ( ´∀`)(今日は帰ったら何を食べるかモナ~?) もう彼の頭には先ほどの出来事は消え、 身近に起こった出来事のニュースなどしか覚えてないだろう
- 48 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:39:23.588 ID:43r5CNEjM
- (-_-)「いてて…。」
「もう鼻血は止まったみたいね」 「痛そう…大丈夫?」 (-_-)「う、うん…」 養護教諭と先ほど連れ添ってくれた女の子が心配そうに彼を見つめている 「鼻血以外は目立った外傷はないわね。 つーちゃんはもう帰っていいわよ」 「あ、はい!分かりました!それじゃあペニサス先生お先に!」 つーと呼ばれた女は快活な返事をしたが心配そうな顔でヒッキーを見つめ、 名残惜しそうに保健室から出ていった 「喧嘩?ってわけじゃないわよね」 ヒッキーの顔を見つめながらため息混じりに問いかけた 「何があったの?」
- 49 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:40:13.267 ID:43r5CNEjM
- (-_-)「別に…」
足元をずっと見つめ表情を変えずに呟く 先ほどまでの状況を思い出しては、思考を消し去る ずっとこの繰り返しをしていた 「じゃあまあいいけどさ」 そういうとヒッキーに興味がなくなったのか体を翻し机に肘を置く (-_-)「…」 ヒッキーはそれを合図だと言うかのように、立ち上がり奥に置いてあるベッドに体を預ける (-_-)「…」 薬品がまじった様な独特な匂いがする保健室の空気を吸いながら考える 漠然とした不安と恐怖の中で (-_-)(死にたい) その言葉を頭の中で呟いてる時に声が聞こえた
- 50 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:41:05.451 ID:43r5CNEjM
- 「死ぬなんてもったいないよ~、
そんな事するくらいなら嫌いな奴に仕返しをしたほうがいいよ」 突然聞こえてくる声に驚く 「だって折角の人生なのよ?なんて事ない赤の他人に邪魔されるなんて嫌じゃない?」 ペニサス先生の声だ なぜ考えてたことがわかるのか そんな疑問も思いつかないほどに 自然と言葉が体に入り込んでくる 「自分が死んでも、自分をこんな風にした人間は何も気にせずのほほんと過ごしてるわ」 (-_-)(だろうね…) 三人の楽しそうに笑う顔を思い浮かべ自嘲的な笑みを浮かべる 「だから死ぬんじゃなくて仕返しをするべきよ」 (-_-)(別にそんな事をしなくても…) 最初は共感を覚える発言も、だんだん聞いているうちに的外れのように聞こえてきた 意識をそらそうとしてたが次に聞こえてくる言葉にヒッキーの表情が強張った 「君の人生をぶち壊したブーン君をね」 (-_-)「えっ…?」 予想だもしてない言葉に思わず口から音が漏れた
- 51 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:42:06.892 ID:43r5CNEjM
- 「彼がいなければあなたは家に引きこもらなかった」
「彼がいなければあなたは心を吐き出せず悩まなくても良かった」 (-_-)「あっえっ…えっ…」 戸惑いうろたえる、どうしてそんな話をするのか、 何で彼の話が出てくるのか、意味がわからなかった そして否定をしたかった。だが何を否定したいのか彼の頭の中には答えが出てこない 頭の中に疑問が走り回りうろたえる中、そんなヒッキーの心中を気にせず淡々と語る 「彼がいなければ彼女もあなたと出会わなかった」 (-_-)「あっ…あっ」 彼女という単語を聞いて心臓の鼓動が早くなり、額に汗がたまる 彼女の顔を思い浮かべ胸が締め付けられるような気持ちになった 痛い、苦しい、そんな単純な言葉では言い表せられない不快感が体中に襲いかかる 「そして彼女が死ななければあなたは死ぬほど苦しまなくなったのに」 (-_-)「やめろ!!!」 耐えきれなくなって叫ぶ 自分の過ちを声でかき消すかのように
- 52 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:42:59.986 ID:43r5CNEjM
- (-_-)「どうしてそんなことを!」
ベッドから立ち上がり声の主の元へ歩み寄る 声の主は机に体を向けたまま、背中越しに声をかける 「事実、でしょ?」 (-_-)「あっ、くっ…」 言い淀み言葉に詰まる 「あなたが思ってそうなことを代弁してるんだけど、違う?」 相変わらずこちらに背を向けたまま淡々と喋る 「彼があなたに構うから彼女は目をつけられた、そしてあなたは」 (-_-)「やめてくれ!!」 声を遮りヒッキーは叫ぶ (-_-)「僕が悪いんだ全て!」 (-_-)「僕が彼のすべてを奪ってしまったんだ!」 (-_-)「だからそんな事を言うのをやめてくれ!!」 鼻息を荒くし拳を強く握りしめ、体中の空気を怒りとともに全て吐き出す
- 54 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:44:32.073 ID:43r5CNEjM
- 「そうだね。悪かったよ」
謝りながら振り返りヒッキーの顔を見つめる 「とても良い顔だね。どう?まだ死にたい?」 怒気を含んだヒッキーの顔とは対照的に、女の顔は目尻を下げて微笑んでいる (-_-)「えっ…」 「あんた見たいな陰気な子はねぇ、少し怒ってるくらいがちょうどいいよよ」 悪戯をする子供のような笑みを浮かべる 状況が理解できないヒッキーは間を開けて問いかける (-_-)「えっ、じゃあ今のは…?」 「あー嘘嘘、私があんな事思ってるわけ無いでしょう」 (-_-)「…いや、嘘にも限度があるでしょ…」 どっと体中の力が抜け近くにある椅子に腰を掛けた
- 55 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:45:38.658 ID:43r5CNEjM
- 「あはー、まぁあの嘘は相当心が痛かったけどね~。
で、もう一度聞くけどまだ死にたい?」 (-_-)「…」 ずっと微笑みを絶やさない女の顔を見ながら、 先程まで感じていた倦怠感は無くなっていた (-_-)「まぁ、そうですね。もう思ってません」 嘘ではなかった 体に残っているのは先程大声で怒鳴ったせいか疲労感だけだ 「でしょ?そういう時は怒ったり運動したりで発散しなきゃ駄目だよ」 「そうそうあなた部活入ってないでしょ?なんか入りなさい」 「あ、でもこの時期は駄目ね、 とりあえず朝でも夜でもいいからランニングしなさい、気持ちいいわよ」 どうして自分の気持ちが分かったのか聞きたい気持ちでいっぱいだったが、 ひたすら喋り続ける姿を見ていたらあまり気にならなくなってきた
- 56 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:46:37.966 ID:43r5CNEjM
- 「あ、そうそうあなたに丁度言いたいことがあったのよね」
矢継ぎ早に喋っていたことを切り上げ、ヒッキーの顔を見つめる (-_-)「…なんですか?」 「いやね、あなたと話したいけど連絡先知らないから教えてくれって言われちゃってさ」 「あ、これさID教えればいいのよね?送られてきたんだけど」 (-_-)「連絡…?誰からですか?」 怪訝な顔で顎に手を添える 「ん、あぁブーン君だよ」 (-_-)「ブ、ブーンが?」 先ほどまでの脱力しきっていた体に緊張感が走り、一気に硬直する 漠然とした不安に襲われながら、 目の前にいる無邪気な笑顔を浮かべる先生を見つめていた
- 57 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:47:24.996 ID:43r5CNEjM
- 四話目終わり
あーしんどい、心が折れそう…。 ちょっと休憩
- 58 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:52:54.506 ID:43r5CNEjM
- 第五話
「最近オムライスを作ったんだお!」 「…」 「でもなかなか卵が綺麗に包まらないんだお…」 「…」 「かーちゃんみたいな綺麗なオムライスを作ってみたいお…」 「…」 「まぁでもツンのオムライスよりは上手く出来る自信はあるお!」 「…」 「ツンのオムライスは緑色だおね。何を入れたらあんな色になるんだおw」 「…」 「はっ!また平手が飛んでくるかと思ったおw」 「…」 「ツンは今日とっても静かだお」 「…」 「ブーンは賑やかなツンのほうが好きだお…」
- 59 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:54:05.504 ID:43r5CNEjM
- 「ツン~何か喋ってほしいお…」
「おい、ブーン…もういいだろ…」 「えっ?でも、ツンが寂しそうにしてるお?」 「ブーン…ツンはもう…動かないんだよ…」 「ぶふwショボンは何を言ってるんだお?w頭がおかしくなったかおw」 「動かないって時計じゃないんだお?」 「動かなくなったって死んだみたいじゃないかおw」 「ツンは絶対死なないお。僕と約束したんだお!」 「ね、ツン。ツンがそう言ってくれたんだおね」 「もーツンが喋ってくれないから皆が勘違いしてるお~」 「早く起きるおー!」 「じゃないと皆が退屈だお!」 「周りのみんなも暗くなってるお!」 「ツンがいつも見たいに明るくさせるお!」 「ツン…」
- 60 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:55:06.267 ID:43r5CNEjM
- ( ゚∀゚)「ヒッキーから?」
金属バットを片手に持ち、腰を使いながら遠心力で素振りをする (,,゚Д゚)「殴られ足りなかったりしてな」 ( ゚∀゚)「おいおいwwwww あいつマゾっけマックスバリューだなwwwww」 (,,゚Д゚)「ギコハハハハハおもんねーwwwww」 (*゚ー゚)「えーで、どうするの~?」 退屈なのかハードカバーを模した形の携帯ケースを、 開いたり閉じたり手遊びをしている ( ゚∀゚)「とりまオッケーで!こいつの出番がなかったしな!」 今度は両手でバットを持ち大きく身体を捻って振り抜いた (,,゚Д゚)「あー、そういやそうだったなw」 (*゚ー゚)「はーいじゃあ送るね~」 わかった!いいよ!と文字が携帯のディスプレイに一瞬で表示され、 可愛らしい絵文字と共に送信された
- 61 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:56:01.513 ID:43r5CNEjM
- ( ゚∀゚)「てかお前何でヒッキーのライン知ってんの?浮気?」
(,,゚Д゚)「あ、しぃまじかよ!」 (*゚ー゚)「違うから!って、あんたらが最初に言ったんでしょ!」 ( ゚∀゚)「えっそうだっけ?何が?」 目を丸くして聞き返す (*゚ー゚)「えーまじ…面白いことやるから ヒッキー君にアドレス聞いとけって言ってたじゃん!」 ( ゚∀゚)「あ~…そうだったな…」 ばつが悪そうに頬を掻きながら視線を泳がせる (*゚ー゚)「そーだよー! だから今日もこのまえもヒッキー君たちを呼び出せたんじゃん!」 興奮をしているのか肩を震わせ語気を強める ( ゚∀゚)「あー分かった分かった…」 面倒くさくなり投げやりに答える だが、対照的にしぃは少し体を前傾的にさせ怒気を含みながら喋る
- 62 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:57:04.042 ID:43r5CNEjM
- (*゚ー゚)「ホントに分かったの!?
ツンちゃんの事だってジョルジュがよびださな」 ( ゚∀゚)「分かったって言ってんだろ!!」 (*゚ー゚)「!…」 ジョルジュはしぃの言葉を遮り怒鳴り散らす 驚いたしぃは体を萎縮させ項垂れる (*゚ー゚)「ご、ごめん…」 (,,゚Д゚)「お、おいジョルジュ…」 ( ゚∀゚)「わり…」 三人の間に気まずい空気が流れる それを吹き飛ばすかのようにおどけて問いかける ( ゚∀゚)「あ、で結局どこに行けばいいんだっけ?女子風呂?w」 (,,゚Д゚)「それお前がはいりてーだけだろギコハハハハハ」 ( ゚∀゚)「あっ、バレた?wwwww」
- 63 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:57:56.932 ID:43r5CNEjM
- (*゚ー゚)「ふふふ」
空気が軽くなったのを肌身に感じている最中に着信音が鳴り響く その音にまず反応したのはジョルジュだった ( ゚∀゚)「あ、もしかしてヒッキーじゃね?」 (*゚ー゚)「んっとね~」 喋りながら携帯を操作して着信音の相手を確認する (*゚ー゚)「あーうんヒッキー君だったよ~!」 (,,゚Д゚)「で、なんだって?」 (*゚ー゚)「あのね~、○△の高架橋のところに来てくれってさー」 (,,゚Д゚)「お、おいその場所って…」 口を閉じるのを忘れ驚いた表情でジョルジュを見つめる ( ゚∀゚)「あの野郎どういうつもりだ…」 苦々しい表情をしながら右手に持ったバットを強く握りしめる
- 64 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 21:59:17.861 ID:43r5CNEjM
- 放課後になり校内にいた生徒は部活や帰宅で人数が減り、
二人のいた教室では人数がまばらになっていた 一人は机に頬をくっつけ、一人は近くの机に腰掛け話しかけていた (´・ω・`)「もう帰る?」 ('A`)「あぁ…」 (´・ω・`)「大丈夫?ドクオ?」 ('A`)「あぁ…」 この問答をあれから何回したのだろうか 何度話しかけても空返事が続き会話が全く成立しない (´・ω・`)(今日はもう話をしても無駄かな) 近くにある椅子を手繰り寄せ腰を下ろす (´・ω・`)(ふう) 少し離れた位置にある窓に目を向ける (´・ω・`)(今日はいい天気だなぁ) (´・ω・`)(こんな日なら彼は外に走り回ってたかな?ふふっ) (´・ω・`)(いつもみたいにブーーーンって叫びながらさ…)
- 65 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:00:20.878 ID:43r5CNEjM
- (´・ω・`)「ふう…」
在りし日の友の姿を思い浮かび自然と笑みが溢れる そう遠くない過去、皆が笑顔で語り合っていた情景を (´・ω・`)(ドクオ…) 凋落した友を励まし、自分自身の力量不足に苦悩しながらそのそぶりを見せずに明るく振る舞う友を見つめる (´・ω・`)(僕たちはどうすればいいんだろう…) (´・ω・`)(ツン…僕たちは…) 答えの見えない迷宮に入り込み、 出口を探しながら同じ道を何度も行き来する、そんな虚無を感じる ('A`)「ショボン」 負の悪循環に入り込んでいる時に友が目を覚めた
- 66 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:01:12.925 ID:43r5CNEjM
- (´・ω・`)「あ、ドクオ。もう帰る?」
思考を停止し気持ちを切り替える ('A`)「ヒッキーって保健室に行ったんだよな?」 (´・ω・`)「う、うん。そのはずだよ」 (´・ω・`)(急にどうしたんだろう) 先ほどまで一度もヒッキーの話をしなかった友の顔を怪訝な顔で見つめる ('A`)「じゃあちょっと行ってみるか」 (´・ω・`)「えっ!急にどうしたの?」 ('A`)「ん、まぁ思う事があってさ」 (´・ω・`)「そうなんだ…でもまだいるかなぁ?」 ('A`)「じゃあ行ってみようぜ」 (´・ω・`)「あ、待ってよ!」 席から立ち上がり歩みを進める友の背中を追いかける (´・ω・`)(さっきまですごい怒ってたけど、もしかして…) 一抹の不安を覚えながら早足で歩く友と肩を並べる
- 68 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:02:00.744 ID:43r5CNEjM
- (´・ω・`)「あの…」
('、`*川「あーでねーこないだ行ったところがさー」 (*゚∀゚)「また美味しくなかったんじゃないですか~?」 ('、`*川「そーなのよ~よく分かったね!」 (*゚∀゚)「いやーだって先生いっつもじゃないですか~!」 (´・ω・`)「(´・ω・`)」 保健室に入りヒッキーがいるか確認しようとしたが、話しかけるタイミングが掴めず佇んでいる ショボンが二度足を踏んでる中ドクオが声をはりあげて問いかける ('A`)「すみません!ヒッキーはいますか!?」 ('、`*川「わわっびっくりした」 ('、`*川「入ってきたなら何か言ってよ~」 (´・ω・`)「言ったのに…」 (*゚∀゚)「ヒッキー?あぁ、さっきの鼻血の子ね!」 ('A`)「そう、そういやつーが連れて行ってたな。今いるかな?」
- 69 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:03:08.394 ID:43r5CNEjM
- (*゚∀゚)「そうだよ!私もそれを聞きに来たんだよ!」
つーが視線をペニサスに向けると釣られてドクオも視線を向ける ('、`*川「あ、つーちゃんそうだったんだ。 てっきり私のグルメ日記を聞きたくなったのかと。しょんぼり」 (*゚∀゚)「あ、すみません!めっちゃ気になります!なんとか日記!」 ('、`*川「…絶対興味ないよね」 ('A`)「あ~、で、いるんすか?」 呆れたような表情で問いかけた ('、`*川「ん~やもう居ないよ~。何か用だった?」 (´・ω・`)「そうなんですね。遅かったみたいだねドクオ」 ('A`)「あぁ…」 残念そうに項垂れる (´・ω・`)「そういえば何を話したかったの?」 ('A`)「ん…」 ('、`*川「んん?君らヒッキー君に何か用があるの?」
- 70 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:04:15.301 ID:43r5CNEjM
- ('A`)「そっすね…少し」
('、`*川「そういえばブーン君もヒッキー君に話があったみたいだね」 ('A`)「えっ!?」 (´・ω・`)「ブーンが!?」 二人共声をあらげて驚いた ('、`*川「ん?あぁ、君らブーン君の友達なんだね。 なんだ聞いてなかったの?」 ('A`)「い、いえ何も…」 (´・ω・`)「えっ、というかブーンは学校に来てたんですか?」 ('、`*川「んーや、前にラインがきてた。ヒッキー君の連絡先を教えてくれってさ」 ('A`)「ヒッキーの…?どうして?」 (´・ω・`)「ブーンが…でも先生は何でブーンのラインを知っていたんですか?」 ('、`*川「私は学校のマドンナだからね。口説かれたのよ」 (*゚∀゚)「…」 反応に困り呆然とペニサスを見つめる
- 71 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:05:19.134 ID:43r5CNEjM
- ('、`*川「まぁほんとはね、彼はよく保健室にきてたからさ。
知ってるでしょ?だから教えてもらってたのよ」 (´・ω・`)「あ…」 ('A`)「…」 一人は目を泳がせ困った顔を、もう一人は眉間にシワを寄せ苦々しい顔をした ('、`*川「??だから同じく保健室によく来てたヒッキー君のラインも私は知ってるからね。 それで私にきたんでしょう」 ('A`)「ブーンはヒッキーになんて?」 ('、`*川「う~んそれは分かんないね~、 生徒のプライベートを尊重する優しい先生だからね」 (*゚∀゚)「私は話がわからないけど、先生が空気を読めてないのは分かるよ」 ('A`)「おいショボン、なにか話を聞いてるか?」 (´・ω・`)「いや、僕も初耳だよ。いったい何が…」 ('A`)「とりあえずブーンに電話してみるか」 ポケットから携帯を取り出し耳に当てる ('、`*川「あー先生に見つかったら没収されるよ~」 (*゚∀゚)「あなたは誰なの?」
- 72 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:05:53.765 ID:43r5CNEjM
- ('A`)「…出ないな」
(´・ω・`)「寝てるとか?」 ('A`)「とりあえずライン送っとくか」 ('、`*川「ん~でもさっきヒッキー君に教えた時は、 ここでブーン君とやり取りしてたみたいだけどねぇ」 (´・ω・`)「ほんとに先生はやり取りを見てないんですか?」 ('、`*川「う~ん、そうなのよ。ごめんね力になれなくて」 (´・ω・`)「そうですか…なんかやな予感がするな…」 ('、`*川「んーでも大丈夫じゃないかな?」 (´・ω・`)「そうですか?」 ('、`*川「うん。ヒッキー君がね、 ここを出ていく時にありがとうございますって言ってたからね」 (´・ω・`)「…それが?」
- 73 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:06:57.176 ID:43r5CNEjM
- ('、`*川「あぁ、分かんないよね。言い方っていうのかな?
ブーン君は分かんないけど、喧嘩みたいのは無いと思うけどな」 (´・ω・`)「それならいいんですけど…」 ('A`)「とりあえずブーンの家に行ってみるか…」 (´・ω・`)「そうだね。それじゃあ先生失礼します」 二人は声をかけるやいやなすぐに背中を向け外に出ていく ('、`*川「ブーン君にはあんなに心配してくれる友達がいたんだね」 (*゚∀゚)「みたいですね。 ブーン君のことは知りませんけど小学校からの幼なじみって聞いてますよ」 ('、`*川「そーなんだね、知らなかったよ。 ブーン君はあまり自分のことを話さなかったから」 (*゚∀゚)「…ツンちゃんの彼氏ってのは知ってましたけど」 ('、`*川「…うん、そうだね」
- 74 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:07:34.517 ID:43r5CNEjM
- (*゚∀゚)「あっすみません!じゃあ私部活に戻りますね!」
空気の悪さを感じたのか、逃げるように部屋から出ていった ('、`*川「はーい頑張ってね!」 すぐに飛び出した相手に向かって、聞こえたか分からないが別れの言葉を口にした 静かになった部屋でペニサスは机に肘を置き夕焼けが差し込んできた窓に目を向ける まだまだ肌寒い中、肌をさらしボールを追いかける学生が目に映る 彼らを見ながら小さく、誰にも聞こえ様な声で呟く ('、`*川「ヒッキー君は頼れる友人もいなかったけど、まだ壊れずに自分を保ってる」 ('、`*川「ブーン君、君はあんなに心配してくれてる友人がいるんだよ」 ('、`*川「道を踏み外すなよ」 冷たい風が窓を揺らしている
- 75 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:08:47.525 ID:43r5CNEjM
- 最終章
「うんうん、それでドクオが何て言ったと思うお?」 「…」 「あー惜しいお、HP0になりそうだったぞ!だお!」 「…」 「ほんとだおね~昔っから変わらないおねw」 「…」 「ショボンも全然だおね!いっつも困った顔をしてるお!」 「…」 「そーなんだお!周りをよく見てて気が利くんだお!」 「…」 「ブーンとドクオが遊んでてクラスの花瓶を壊した時とかショボンが助けてくれたお!」 「…」 「だおだお!困ったときのショボン頼みだお!」 「…」
- 76 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:09:37.373 ID:43r5CNEjM
- 「そう言われたらそうだおねwドクオもいいところいっぱいあるお!」
「…」 「まずは面白いところだお!」 「…」 「ふふwだおねw、それに優しいんだお!」 「…」 「うんうん、そうだお!ずっと昔からあの優しさには助けられてきたお!」 「…」 「そーなんだおね~、自分のことを二の次にしちゃうんだお」 「…」
- 77 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:10:09.833 ID:43r5CNEjM
- 「すごい良い奴なんだお、二人共!」
「…」 「そんな事ないお!ツンも大事だお!」 「…」 「もーそんな意地悪言わないでほしいお…」 「…」 「だってツンが困らせるからだお…」 「…」 「えっいいのかお!?」 「…」
- 78 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:10:45.754 ID:43r5CNEjM
- 「えっとだお~、じゃオムライス!」
「…」 「そうだお!オムライスを作ってほしいお!」 「…」 「久しぶりに食べたくなったんだお!緑オムライス!」 「…」 「い、いたいお!馬鹿になんてしてないお!」 「…」 「ほんとだお!無性に食べたくなったんだお!」 「…」 「そんな事ないお!ツンの愛情が詰まってるから美味しいお!」 「…」 「やった!絶対だお!」 「…」
- 79 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:11:28.905 ID:43r5CNEjM
- 「いつにしおうかな?じゃあ二人で月に行った時にするお!」
「…」 「そうだお!もうすぐ僕ツンのところに行くから待っててほしいお!」 「…」 「あ、でも少しだけ遅くなるお!」 「…」 「やり残したことがあるんだお!」 「…」 「せっかく二人でのんびりするんだから邪魔されたくないじゃないかお」 「…」 「だから月に来ないように、僕が地獄に送ってくるお!」 「…」 「ありがとだお!いいこにして待ってるんだお!」
- 80 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:12:54.285 ID:43r5CNEjM
- J( 'ー`)し「はーいどちらさま?
あらドクオ君とショボンじゃない!いらっしゃい!」 (´・ω・`)「お久しぶりです」 ('A`)「こんばんはおばさん、ブーンはいます?」 J( 'ー`)し「あ、ブーン?ちょっと待ってね、呼んでくるわ」 家の扉を開けっ放しにしたまま、息子の部屋に歩き出す ('A`)「うっ…」 (´・ω・`)「なんだこの匂いは…」 顔を歪ませ鼻に手を当てる ('A`)「おばさんは今何も出来ない状態なんだよな?」 (´・ω・`)「あぁ、そうだね。 だから普段はブーンが炊事洗濯を全てやっていた」 視線を下に下げると乱雑に散らばった靴、そして脱ぎ散らかされた靴下の数々 その奥にある廊下には衣服なのかゴミなのか分からないものが散乱していた ('A`)「ブーン…」 呆然と家の中の惨状に目を奪われると、スリッパの足音が聞こえてくる
- 82 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:15:29.679 ID:43r5CNEjM
- J( 'ー`)し「ブーンはね、いなかったわよ」
('A`)「居ない…?どこにいったんすか?」 J( 'ー`)し「そうねぇ、まだ学校じゃないの?」 (´・ω・`)「…そうですね」 J( 'ー`)し「うーんごめんね、また遊びに来てね」 残念そうな顔をしながら扉を優しく閉める (´・ω・`)「これは…何度も思うけど、辛いね…」 ('A`)「あぁ…こんな毎日俺なら耐えられない」 握った拳をさらに握りしめる (´・ω・`)「どうしよっか、でもブーンはどこに行ったんだろう」 ('A`)「どうするか…あいつはずっと家にいるものだと思ってたから」 (´・ω・`)「日ももう落ちてきてるし家の前で待ってる?まだ返事来ないんでしょ?」 ('A`)「そーなんだよ…どうするか…」 呟きながら携帯のディスプレイをぼんやりと見つめていた
- 83 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:16:35.464 ID:43r5CNEjM
- ( ゚∀゚)「ちっ、あいつこんな所に呼び出しやがって」
吐き捨てる様に呟く (,,゚Д゚)「あぁ、洒落になんねーよな」 高架橋のガード下 日も落ち住宅街から少し離れた場所にあり 街灯の数も少なく人の顔も暗い表情に映る (*゚ー゚)「何か、看板が立ってるね」 ( ゚∀゚)「危険なので近づかないでください、ってそれだけだと意味ね~っての」 苛立ちげに答える (,,゚Д゚)「たしかにな。この立入禁止のロープも簡単に跨げるからな」 ( ゚∀゚)「税金の無駄遣いだっての」 (*゚ー゚)「でもここほんと暗いね、少し怖いよ」 ギコの隣でしぃは両肩を抱く
- 84 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:17:22.527 ID:43r5CNEjM
- (,,゚Д゚)「…」
( ゚∀゚)「…」 自然と口数が減り周りから風以外の音が消える 不安を悟られないかのように眉間にシワを寄せ、 顎をひき憮然とした表情で二人は同じ場所を見つめている 見つめる先は全てを飲み込むかのごとくに無機質な大きな川だった せせらぎを感じさせないほど深く、暗く、色を感じさせないその様は、 闇夜に現れる地獄への扉のようだ 足音がなり人影が現れた (-_-)「やぁ」 いつも通りの暗く陰気な表情で彼は現れた ( ゚∀゚)「てめーどういうつもりだ…」 (,,゚Д゚)「こんな所に呼び出して何がしたいんだ?」 二人の男は語気を強めてヒッキーに詰めよる 彼は憑物が落ちたかのように落ち着き払い話しかける (-_-)「話がしたいんだ」
- 85 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:18:09.158 ID:43r5CNEjM
- ( ゚∀゚)「話だと…?」
(-_-)「うん」 ( ゚∀゚)「ふざけんじゃねーよ!何でわざわざこんな所に?何で呼び出してんだよ!?」 (-_-)「それは…」 (,,゚Д゚)「てめー何を企んでやがる?」 (-_-)「企んでなんかないよ、ただ話しを聞いてくれ」 ( ゚∀゚)「あ?なんだよてめ~」 (-_-)「もし、このままなら君らは殺されるよ?」 ジョルジュとギコの顔に動揺が走る ( ゚∀゚)「はぁ?誰にだよてめーにか?!」 (-_-)「ブーンにだよ」 (,,゚Д゚)「どういうことだ」 ( ゚∀゚)「はぁ!?あんなクソ雑魚に殺されるだと?」 (-_-)「ブーンは狂っていったんだよ」 (-_-)「人としてね」
- 86 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:19:04.740 ID:43r5CNEjM
- (,,゚Д゚)「…だからなんだよ」
(-_-)「僕と君たちで彼に謝ってほしい」 (-_-)「彼にしたことを」 ( ゚∀゚)「ざけんなよ」 (-_-)「それでもちろん彼に許されるかどうかは分からない」 (-_-)「でもやってみる価値はあると思う」 (-_-)「でも何もしないとこのまま殺されるよ」 (,,゚Д゚)「何を知ってんだてめー?」 (-_-)「君たちを呼んだのは僕じゃない」 (-_-)「ブーンさ」 ( ゚∀゚)「は?」 (,,゚Д゚)「どういうことだ?」 今にも襲いかかろうとしていた二人は目を丸めてヒッキーを見つめていた
- 87 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:19:48.225 ID:43r5CNEjM
- (-_-)「ブーンが何を考えここに君たちを呼んだのかは分からない」
(-_-)「でも、一つ言えるのは彼は異常だ」 (-_-)「恨みがある僕たちをまとめて殺しに来るかもね」 (*゚ー゚)「私は関係ないよ!もう帰るね!」 (,,゚Д゚)「おい、待てって!」 先ほどまで黙って聞いていたしぃが 痺れを切らしたかの様に叫び足を動かす この場を離れようとするしぃをギコは追いかけるが、 その時人影がすぐ近くに来ていることをギコは気付かなかった (,,゚Д゚)「ぐっ…」 人影とギコが重なった後にギコは足を抑えうずくまる
- 88 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:20:45.238 ID:43r5CNEjM
- (*゚ー゚)「ぎ、ギコ君?」
( ゚∀゚)「おい!どうした!」 心配そうに見つめる二人 そしてギコとぶつかった人影がジョルジュの眼前に迫る ( ゚∀゚)「てっ、てめ!」 とっさに目の前に腕を出し、後ろに飛び逃げようとしたが、相手のほうが早かった 右肩に焼けるような熱さがともった瞬間、即座に激痛に襲われた ( ゚∀゚)「いった…てめーまさか…」 痛みで立ってられなくなり膝を折り曲げ地面に膝をつける 力が入らなくなり手に持っていたバットが音を立てて地面に転がる そんなジョルジュを嘲笑うかのように男は見下ろす 被っていたフードを外し、右手に持った赤く塗られたナイフを見せつける ( ^ω^)「こんばんはだお」
- 89 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:21:29.925 ID:43r5CNEjM
- ('A`)「まだ帰ってこないな…」
(´・ω・`)「でも何で帰ってこないんだろ…?」 月夜が周りを照らし出した中 沈痛な面持ちで二人は佇む ('A`)「やっぱりヒッキーに会いにいったのかな?」 (´・ω・`)「かなぁ、でもヒッキーの家知らないしねぇ」 ('A`)「そうだよなぁ」 二人が頭を抱えて悩んでいた時にドクオのポケットから着信音が鳴り響く (´・ω・`)「もしかしてブーン!?」 ('A`)「いや、違う。知らない番号だ」 携帯に表示された番号を見て落胆しながら答えた そして電話の通話ボタンを押し電話に出る ('A`)「もしもし?」 「あっもしもし、ドクオ君の携帯かモナ?」 思いがけない相手だったのかドクオは少し緊張して会話を進める
- 90 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:22:19.626 ID:43r5CNEjM
- ('A`)「そうっすけど、なんすか?なんで俺の携帯知ってるんすか?」
( ´∀`)「君と同じクラスの子に聞いたんだモナ。…つーちゃん?だモナ」 ('A`)「あぁ、つーか。で、なんすか?」 ( ´∀`)「んーっとモナ。少し気になったことがあってモナ」 ( ´∀`)「しぃちゃんが○△の高架橋に呼ばれたらしいモナ」 ('A`)「しぃが?何でってかそこってまさか…」 ( ´∀`)「そうだモナ。ツンちゃんが死んだ場所モナ」 その言葉を聞いてドクオの表情が強張る ('A`)「おいおい、どういう事っすか?誰から呼ばれたんすか??」 語気を強め鼻息が荒くなる ( ´∀`)「しぃちゃんがつーちゃんにメールを送ったそうモナ。 今知り合いに呼ばれてジョルジュ君達と三人でそこにいる、とモナ」 ( ´∀`)「誰に呼ばれたかは分からないモナ。 返信もそこからこなくなったらしいモナ」
- 91 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:23:20.530 ID:43r5CNEjM
- ( ´∀`)「ヒッキー君の家に電話をしたモナが、
家には帰ってないみたいだったモナ。…そしてブーン君も…」 ( ´∀`)「それで私は少し不安になって、 つーちゃんに聞いてドクオ君に連絡してみたモナ」 ('A`)「…」 携帯を握りしめる手に汗が吹き出し力も強くなる (´・ω・`)「ドクオ…?」 様子が一変した友の顔を心配そうに見つめる ( ´∀`)「それで何か知らないモナ?」 ('A`)「全然分かんないっすよ!!俺はすぐにそこに行きます」 電話を一方的に切り走り出す (´・ω・`)「あ、ドクオ待ってよ。いったいどうしたの?」 ('A`)「行きながら説明する!今は急ぐぞ!」
- 92 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:24:02.045 ID:43r5CNEjM
- (*゚ー゚)「ギコくん!」
(,,゚Д゚)「つぅ…」 溢れ出る血を抑えながら呻く ( ゚∀゚)「てめー一体どういうつもりだ…?」 痛みで肩を抑えながら睨みつけるように見上げる ( ^ω^)「どうやって殺したら君たちは地獄にいくのかお?」 ( ^ω^)「間違って僕と一緒に月に来たら迷惑なんだお」 ( ゚∀゚)「こいつ…キチガイか…」 ( ^ω^)「同じ溺死だとツンは嫌がるだろうから違う殺し方はするお」 (-_-)「ブーンやめろ!」 ( ^ω^)「お?ヒッキーいたのかお?」 突然の大声に男はヒッキーに振り向く (-_-)「ブーン、もうやめてくれ」 ( ^ω^)「ヒッキー、君も殺されたいのかお?」 男の顔に表情はなかった
- 94 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:25:24.992 ID:43r5CNEjM
- ( ^ω^)「君は来ないでくれって言ったはずお?」
( ^ω^)「君のことはまだ理解ができるお」 ( ^ω^)「ただ、君は言われた通りに行動しただけだお、 悪いことはしてないお」 ( ^ω^)「こいつらにいじめられ、 こいつらに言われるがままツンをこの場所に呼び出した」 ( ^ω^)「そしてこいつらに突き落とされ溺れて死んだ」 ( ゚∀゚)「落としたわけじゃねーよ…」 呼吸を荒くしながら声をあげる (,,゚Д゚)「そうだ…あいつが勝手にバランスを崩して…」 ( ^ω^)「ふざけるなお!ツンが悪いっていうのかお?」 男は地面に転がるバットをを手にしジョルジュの頭に振り落とす ( ゚∀゚)「ぐっ…」 ガードした左手に衝撃が走り口から音がもれる ( ^ω^)「はぁはぁ…」
- 95 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:26:06.492 ID:43r5CNEjM
- ( ^ω^)「何が殺してないんだお?」
( ^ω^)「実際にお前らは溺れるツンを置いて逃げたお」 ( ^ω^)「そしてツンはそのまま死んだお」 確実に怒りを押さえ込んだその言葉からは恐怖が感じられた (,,゚Д゚)「くっ…」 ( ゚∀゚)「…怖かったんだよ」 肩の痛みに耐えながら淡々と言葉を並べる ( ゚∀゚)「最初は脅かすだけだった」 ( ゚∀゚)「お前とあいつがヒッキーの味方をするのがムカついてな」 ( ゚∀゚)「脅かすだけだったのに、足を滑らせて…」 ( ゚∀゚)「そんで怖くなっちまったんだよ」 ( ゚∀゚)「お前の顔を見てるとツンに責められてるようでイライラしちまって」 ( ^ω^)「ふざけるなお!!」 ( ゚∀゚)「ぐっ…」 振りかぶったバットがジョルジョの頭を打ち抜く
- 96 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:26:44.916 ID:43r5CNEjM
- (-_-)「ブーン!もうやめてくれ!」
( ^ω^)「離すお、ヒッキー」 ( ^ω^)「さっきはまだ君に理解ができるから殺さないとは言ったお」 ( ^ω^)「でも理解できない事もあるお」 ( ^ω^)「なぜ逃げた?」 (-_-)「…」 歯を噛みしめて苦々しい表情になる ( ^ω^)「ツンが死んだと聞いた時は辛かったお」 ( ^ω^)「世間的には事故死と判断されたが、こいつらが、こいつらが殺したんだお」 ( ^ω^)「ツンが助けを求めていた時にこいつらは…」
- 98 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:27:54.684 ID:43r5CNEjM
- ( ^ω^)「その話を聞いた時は気が狂いそうになったお、そして皆殺そうと思ったお」
( ^ω^)「ジョルジョ、ギコ、しぃ。そしてお前もだおヒッキー」 ( ^ω^)「君もこの場所にいたはずだお。 君が助けていればツンは助かったはずだお」 ( ^ω^)「だから君のことは殺したいほど憎い」 ( ^ω^)「でも僕も同じようにいじめられて君の気持ちは分かった」 ( ^ω^)「だから殺すつもりはなかったお」 ( ^ω^)「だけど君は僕の目の前に現れた」 ( ^ω^)「そーなると僕は君への殺意を抑えられないお」 (-_-)「…」
- 99 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:29:18.649 ID:43r5CNEjM
- ('A`)「ちっ、こっから徒歩じゃ時間がかかるな…」
(´・ω・`)「でもほんとにブーンたちはいるのかな?」 ('A`)「わかんねーよ!でも、もしいたとしたら悪い予感しかしねーよ!」 (´・ω・`)「あぁ、そうだね…」 その時すぐ近くでクラクションが鳴り響く ( ´∀`)「早く乗るモナ!」 ('A`)「先生?」 車に乗りこんだ後に疑問をぶつける (´・ω・`)「どうして先生が?」 ( ´∀`)「やはり私も気になったモナ。 だから学校を抜け出してきたモナ」 ('A`)「…」 ドクオは何かを考えるかのように口を真一文字に結んでいる
- 100 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:30:09.328 ID:43r5CNEjM
- ( ´∀`)「渋滞モナ…早くいかないと…」
( ´∀`)「大事にならなければいいモナが…」 ('A`)「いつも後で心配するよなアンタ」 (´・ω・`)「ド、ドクオ」 ('A`)「ブーンの時だってそうだ! ツンが死んでもあいつは学校に来てくれた!」 ('A`)「あんたがブーンのいじめに気づいていれば!」 ('A`)「それにもっと前を言えば あんたがヒッキーのいじめを止めていればツンも死ななかった!」 ('A`)「全部アンタが悪いんだ!!!」 (´・ω・`)「ドクオ…」 ドクオの叫びに眉一つ動かさずに口を開いた ( ´∀`)「言いたいことはそれだけモナ?」 ('A`)「てめぇ!」 今にも殴りかかるような表情で睨みつける
- 101 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:31:26.412 ID:43r5CNEjM
- ( ´∀`)「…」
その時、モナーの瞳から雫が垂れる ('A`)「…おい」 ( ´∀`)「私だって後悔してるモナ」 視線を真っ直ぐ前に向けながら淡々と語る ( ´∀`)「あの時ああすればよかった、この時こうすればよかった」 ( ´∀`)「ずっと…ずっと…」 ( ´∀`)「ツンちゃんが死んだ時も、 テレビから流れるニュースが耳から離れないモナ」 ( ´∀`)「ブーン君の様子がおかしい事も目にしてたモナ。 制服の襟がくしゃくしゃになってたり」 ( ´∀`)「学ランを脱いで授業に出てたモナ。 彼の暑いからと、笑いながら答える顔が頭から離れないモナ」 ( ´∀`)「ヒッキー君の事だってそうモナ。 保健室に逃げ道を作ってやることで満足してたモナ」 ( ´∀`)「状況に満足して新たな火種を見落としてたモナ」
- 102 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:32:31.125 ID:43r5CNEjM
- ( ´∀`)「ツンちゃんが死んだと聞いて以来夜も禄に寝られた覚えがないモナ」
( ´∀`)「ツンちゃんは誤って転落して事故死。 そう言われたから私もまだ罪を問われず教師を続けてるモナ」 ( ´∀`)「本当はもう教壇には立ちたくないモナ」 ( ´∀`)「ドクオ君が私を責めるのならずっと責めてくれモナ。 社会的に罰せられてない私を君は責める資格があるモナ」 ( ´∀`)「私は、これ以上…」 (´・ω・`)「先生…」 ('A`)「すまねぇ先生…」 ('A`)「俺もそうだ…」 ('A`)「ただ自分の責任だと思いたくなかったんだ」 ('A`)「だからヒッキーや先生にやつあたりしてたんだ…」 ('A`)「あいつの親友なのにあいつの辛さに気づいてなかった」 ('A`)「いや、気づいたつもりでいたんだ…」 ('A`)「だからツンが死んだあともいじめられていて苦しむあいつに気づかなかった…」 ('A`)「本当は俺があいつを助けるべきだったのに…」
- 103 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:33:22.122 ID:43r5CNEjM
- (´・ω・`)「それを言うなら僕もだよ…」
(´・ω・`)「ブーンと顔をあわせるのが辛くてドクオばかりに任せてた」 (´・ω・`)「僕もブーンの親友なのに…彼と向かい合うことを恐れてた」 (´・ω・`)「僕は弱虫だ…」 三人が涙を流し懺悔し終わると車内はエアコンの稼働音だけが響渡る 幾ばくかの時が過ぎ、躊躇いがちに口を開く ( ´∀`)「…私が言うことではないモナが、ブーン君は幸せモナ」 ('A`)「?」 (´・ω・`)「えっ?」 ( ´∀`)「こんなに心配をしてくれてる友達がいるモナ」 ( ´∀`)「だからブーン君は立ち直れるはずモナ」 ( ´∀`)「君たちと一緒ならモナね」 ('A`)「…」 (´・ω・`)「…」 周りの車が動き出しそれに釣られてアクセルを踏み込む ( ´∀`)「やっと車が進めるモナ。急ぐモナ」
- 104 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:34:36.465 ID:43r5CNEjM
- (*゚ー゚)「も、もう止めて…」
涙でメイクは崩れ顔がぐしゃぐしゃになったしぃの目の前には 力なく地面に横たわる三人の体 ( ^ω^)「はぁはぁ…」 ( ^ω^)「ふぅ、こんなにバットで殴るのって疲れるんだお…」 ( ^ω^)「最初の予定通りナイフで刺し殺せばよかったかお?」 ( ^ω^)「ん~でも体を壊してから殺したほうが 僕たちがいる月に来ないような気がするんだお…」 ( ゚∀゚)「ぐぅっ…」 (,,゚Д゚)「はぁはぁ…」 (-_-)「…」 息も絶え絶えな男たちを尻目に女の元に歩み寄る (*゚ー゚)「あ…あ…ぶー」 手でガードされた頭ごとバットで力いっぱい振り抜き、 言葉を最後まで言わせずに地面に吹き飛ばされた
- 105 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:35:52.534 ID:43r5CNEjM
- 横たわる人間たちを見下ろして少し満足したのか男は呟く
( ^ω^)「これで、やっと、僕は同じところに行けるお」 ( ^ω^)「これでずっと一緒だお」 僅かに光る街灯が彼の表情を映し出す 唇は静かに合わさり、頬から力が消えた 全ての障害が消え去り、 不安感が一切残らないような安堵の表情を浮かべていた ( ^ω^)「じゃあそろそろサヨナラだお」 手に持っていたバットを手放し、ポケットに入れていたナイフを取り出す ナイフを片手にジョルジョに近づき、とどめを刺そうとした時彼の動きが止まった (-_-)「や、やめろ…」 ヒッキーが立ちあがりブーンの腕を掴んでいた ( ^ω^)「何するんだお!話せお!」 (-_-)「や、やめろ…」 痛みと疲労で動かない体を叱咤し、ブーンの腕と体を押さえ込む
- 106 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:37:14.856 ID:43r5CNEjM
- ( ^ω^)「くっ…なら先にお前からだお!」
体を押さえつけるヒッキーと、 喉笛にナイフを突き刺そうとするブーンが体を組合いゆっくり動きあう。 (-_-)「ブーン…もう止めてくれ…殺したって何も変わらないだろ…」 力なき声は相手の耳には届かない ( ^ω^)「ツン…ツン…もうすぐだお…」 その時、二人の身体が一気に傾く 足を滑らせたブーンがヒッキーもろとも背中から地面に倒れる (-_-)「いって…」 体勢を立て直そうと、すぐ地面に手を置き上半身を持ち上げる ブーンがすぐに起き上がってくるかと警戒をしたが、彼は横たわったまま動かない なぜ動かないのか、疑問を解消しようと彼の顔に視線を向けるが、 暗がりのおかげで表情を確かめられない そんな時ふと手のひらに何か違和感を感じた 右手をかかげ街灯の光を頼りに確認する (-_-)「…血?、血!?」 手のひら全体にまとわりつく赤黒い液体 ヒッキーはとっさに立ちあがり自身の体をまさぐる
- 107 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:39:17.260 ID:43r5CNEjM
- (-_-)「ぼくじゃない…?」
自身の負傷じゃない事に安堵しつつブーンに視線を下ろす 先ほどとは違い顔から下へとどんどん視線を下げていく その時腹部に何かが垂直に立っているのを視認する 何があるのか確認するために膝を曲げ手を伸ばした 固く冷たいものが腹部に突き刺さっており、目を凝らすとそれを中心に液体が溢れ出ていた (-_-)「こ、これは…」 (-_-)「あ…しっかりしろ!」 ( ^ω^)「はぁはぁ…」 (-_-)「大丈夫か!?」 ( ^ω^)「ツン…ツン…」 かすれるような声で大事な人の名前を呼ぶ ( ^ω^)「これで…いつまでも一緒だお」 男は瞼を閉じて意識を失うまで、 煌めく星空の中でひときわ輝くものをずっと見つめていた
- 108 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:40:26.660 ID:43r5CNEjM
- 「ちょっとアンタ何してるの!?」
「…」 「バッカじゃない!?アタシがこんな事で喜ぶと思ってるの!?」 「…」 「昔っからアンタは的はずれなことばっかりするんだから!」 「…」 「あいつらを殺してアンタも死ぬ!?ふざけないで!!」 「…」 「そんな事でアタシが喜ぶわけないでしょ!?」 「…」 「アンタはそんなくだらない事をしてまたドクオ君たちを悲しませるの?」 「…」 「アンタは馬鹿みたいに何も考えずに笑いながら走り回ってるのがちょうどいいの!」 「…」
- 109 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:41:31.813 ID:43r5CNEjM
- 「それにそんなに急がなくたってアタシはゆっくり待ってるわよ」
「…」 「アンタがドクオ君たちと一緒に年をとって、 みんなで仲良く寿命を全うしたらまたきなさい」 「…」 「そしてみんなでアンタの馬鹿話をしながら盛り上がるのよ」 「…」 「後あんたは同じように苦しんでる人をちゃんと許してあげるのよ」 「…」 「人の痛みが分かる。それがアンタの唯一のいいところなんだからね!」 「…」 「だからそれまでアンタはこっちに来なくていいから!」 「…」 「それじゃあブーン!そろそろね!」 「…」 「またね!」
- 110 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:42:17.152 ID:43r5CNEjM
- ( ^ω^)「…ここは…」
目が覚めると見知らぬ場所が目に映り困惑する ( ´∀`)「ぶ、ぶーんくん!?目覚めた!目覚めたモナ!!」 ( ´∀`)「えーっとどうするモナ!どうするモナ!」 ( ´∀`)「あっそうだ先生をよんでくるもな!」 ( ^ω^)「…」 ('、`*川「そうとう慌てちゃってるわね、ナースコールを押しせばいいのに」 ( ^ω^)「ペニサス先生」 ('、`*川「よっ、元気?」 ( ^ω^)「ここは…?」 ('、`*川「病院だよ、覚えてない…?」 男は考える、腹部の痛みが現実を思い出させる ( ^ω^)「…皆を…殺して…僕も…」 ('、`*川「ふっふっふ、ざーんねんでした」
- 111 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:43:19.231 ID:43r5CNEjM
- ( ^ω^)「えっ?」
目を丸めて見つめる ('、`*川「あいつらはちゃーんと生きてるよ。 ジョルジョは相当重症だけどまぁ命には別状ないみたい」 ( ^ω^)「…」 ('、`*川「がっかりした?」 ( ^ω^)「い、いえ…」 ('、`*川「ヒッキー君がねえ、痛みを抑えてずっと叫んでたよ」 ('、`*川「ブーンは悪くない、悪いのは僕だ、絶対死なせないでくれって」 ('、`*川「逃げてごめん、逃げてごめん、怖かったんだ、ほんとにごめんってさ」 ( ^ω^)「そう、だったんですかお…」
- 112 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:43:59.664 ID:43r5CNEjM
- ('、`*川「あとそんでねー君の友達もいたよ」
( ^ω^)「…ドクオたちかお?」 ('、`*川「そうそうそれそれ。顔色悪いのとしょんぼり顔」 ('、`*川「ずっとすごい顔で叫んで疲れたのか今は仲良く寝てるけどね」 ('、`*川「でも君、なんていうんだろうね。顔色は悪いけど、少し憑物が落ちたみたい?」 ('、`*川「復讐してスッキリした?」 ( ^ω^)「そういう訳ではないですお…でも何ていうのかお…」 ('、`*川「?」 ( ^ω^)「自分の過ちに気付いたっていうのかお?」 ('、`*川「おーそれはよかったね。いい事だ」
- 113 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:44:58.980 ID:43r5CNEjM
- ('、`*川「それにしてもモナー先生たち遅いね。あの人絶対迷子になってるよ」
「先生!早くきてくれモナ!早く早くモナ!」 ('、`*川「やっと来たね。さて、じゃあ私はそろそろ学校に行くかな」 ( ^ω^)「あ、はいだお」 ('、`*川「とりあえず友達にあなたが起きた事を伝えておくね、 あーでも医者達が来たら少しの間病室に入れないのかな?」 ('、`*川「なんか彼らに伝えとく事ある?」 ( ^ω^)「そうだおね…」 ( ^ω^)「それじゃあ目覚し時計の話を聞かせてくれって伝えといてくださいお」 視線を上げ窓の外を見つめる 周りを明るく染めた太陽がとても綺麗だった 終わり
- 114 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:45:38.683 ID:PCY7gMNh0
- ごめん……
やっぱつまらないや…… 自分にウソを付くことができないレヴェルのつまらなさ キミ、作者やめたほうがいい・・・(優しさの忠告)
- 115 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 22:58:37.523 ID:FgozXPbF0
- おつおつ
いや面白かったとも 伝わるか分からんけど客観視して作品を見る事に何のメリットもありはしないよ ただ、終わりが雑だったような……終わり良ければ全て良しの逆を行っちゃったかな また次の作品も期待してる
- 117 名前:以下、転載禁止でVIPがお送りします:2015/04/03(金) 23:22:17.130 ID:43r5CNEjM
- おーありがと!
次はもっと面白いのを書いてくるから期待してろよ!
|
|
|
|
|
|