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(-@∀@)ベルの音を響かせるようです(・∀・ ) |
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:30:57.32 ID:wahQkhKwP
- (-@∀@)「どうだモララー」
( ・∀・)「おーけい。進路は完璧だ」 モララーはオペラグラスを外すとそう言った。 (-@∀@)「よし、じゃあ行こうか」 ハンドルを握る拳に力を入れ前傾姿勢になり、ペダルを強く踏んだ。 2つの大きな車輪がゆっくりと回転する。 モララーはそれに合わせ、後ろの荷台に飛び乗った。 車輪は下り坂に乗り、僕が漕がなくてもスイスイと進む。 今日は「雪」が積もっており、足場はとても不安定だ。 けれども僕の運転は世界一。 こんなもので簡単に転倒なんかしないさ。
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:32:38.78 ID:wahQkhKwP
- ( ;・∀・)「おい、なんかすっごいスピード出てないか?」
(-@∀@)「いやこんなもんでしょ」 ( ;・∀・)「いやいやいやいやどんどんスピード上がってるじゃねーか」 (-@∀@)「大丈夫だって言ってるだろ?急なカーブでもない限りコケやしないって」 ( ;・∀・)「おい馬鹿!前見ろ前!!」 (-@∀@)「え」 自転車はガードレールに前輪を強くぶつけ、前方の崖に空高く舞い上がった。 真っ赤な自転車、眼鏡の僕と、右手に地図と左手にオペラグラスを握るモララー。 二人の背中には沢山の宛先が詰まっている。 僕らはポストマンだ。
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:34:57.51 ID:wahQkhKwP
-
【(-@∀@)ベルの音を響かせるようです(・∀・ )】
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:40:49.85 ID:wahQkhKwP
-
(´・ω・`)「…えーっとそれが遅刻の言い訳?」 (-@∀@)「しょうがないっすよ。こいつが急に話しかけるから」 ( ・∀・)「何言ってんだよ。後ろ振り向いてカーブだってことに気付かなかったのはお前だろ?」 (-@∀@)「しつけーよ。お前のグロボイスがなきゃこんなことにはならなかったっつーの」 ( ・∀・)「なんで俺が好き好んでお前のプロレタリアな顔を見なきゃならねー…」 (´・ω・`)「いいから手紙くれよ」 僕らが管轄しているのは北極に近いとても寒い地域だ。 年中「雪」が降っており、視界が悪く、音も聞こえない。 それでも圧倒的な人口の少なさからか僕らはとても広い範囲を任されることになった。 とても理不尽だがこれが仕事なのだからしょうがない。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:46:36.15 ID:wahQkhKwP
-
(´・ω・`)「それじゃあ、返事を書きたいから君たちはしばらく家の中にいなさい」 (-@∀@)「あ、ありがとうございます!」 ( ・∀・)「おっさん、ココアある?」 (#-@∀@)「立場を弁えろチンカス!お客様だぞ」 (´・ω・`)「君は公共をわきまえようか」 ( ・∀・)「ココアある?ココア」 コイツは僕の相棒、モララー。ココア大好きっ子。 ナビとベル担当だ。 きめ細かに方角を伝えてくれるが、遠慮を知らない性格だ。 僕がいないといつもお客様の前で無礼な態度をとる。 (´・ω・`)「あるよ。さあ用意するから暖炉の前で待ってなさい」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:54:24.76 ID:wahQkhKwP
- 今日はショボンさんの家に泊まることになりそうだ。
僕たちの管轄は広すぎる為、一々本部に帰って手紙を届けてられない。 本部に帰ったら溜まった手紙をごっそりとカバンに詰め込み、すぐに出かける。 返信の手紙はその場で書いてもらえるとありがたい。 すぐにカバンにしまえるから。 (´・ω・`)「さあ、あったかいのが入ったよ。」 暖炉の前のソファーに座っていたら、ショボンさんがトレイに3つのマグカップを乗せて持ってきた。 冷たくかじかんだ手でカップを触るとじんじんと熱が伝わり、すぐに熱くなって離してしまう。 中には柔らかいカカオの匂いがする甘いココアが入っていた。 猫舌の僕はマドラーでちょっとずつ掬いながら飲む。 ( ・∀・)「なんだよお前…きったねぇ飲み方するなよ」 (-@∀@)「僕がどんな飲み方をしようと勝手だろ?」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 03:03:36.04 ID:wahQkhKwP
- ( ・∀・)「違うんだよ!お前わかってねーなー」
(-@∀@)「…何がだよ」 モララーはカップを机の上に起き、ココアよりも、暖炉の火よりも熱く語り始めた。 ( ・∀・)「いいか?ココアっていうものはな?こう…手順があるんだよ。まずはじめに4回息を吹きかけるんだ。 5回はダメだぞ。5回も息を吹きかけると風味が逃げちまう。いいか?こっからが大事なんだけども …まず最初に味を感じれる量でなおかつ口に含まない量を飲むんだ。そうすると、ココアの全体的 なコクとまろやかなホットミルクの味が胃にじわーっと伝わるんだ。これがもうたまらな…」 (-@∀@)「そういえば…『雪』、さっきは止んでいましたね」 (´・ω・`)「え?ああ、そういえばそうだね」 ( ・∀・)「…うすると、カップの中にあるココアの量が半分になるんだ。いいか気をつけろよ?ここでそのまま 飲んでしまうのは素人の発想だ。玄人はまずマドラーで7回、耳掃除をするように中央の底をかき 混ぜる。何故中央なのかって?…いい質問だ。実はだな。粉末のココアパウダーはカカオの…」 (-@∀@)「うるせぇ…」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 03:12:07.77 ID:wahQkhKwP
- (´・ω・`)「みんな…二人にはとても感謝しているよ」
ショボンさんが突然話し出した。 俺達はお互いの顔の一番出っ張っているところを引っ張り合うのを止め、席に着く。 (´・ω・`)「外は連日のようにこの『雪』だ。ここらに住んでいる人はあまり遠くに行けなくね」 そりゃそうだ。 こんな雪の中、普通の人が出歩いては10000歩圏内で死ぬのが目に見えている。 自殺行為もいいとこだ。 (´・ω・`)「私も本来ならばこんな僻地まで出稼ぎに来たくはなかったが…仕事だからな」 (-@∀@)「……奥さんと娘さんでしたっけ?」 (´・ω・`)「ああ……」 ショボンさんには遠く離れた別の村に奥さんと娘さんがいる。 家族を養うためには単身でこんな人気の無いような場所まで来て、勤めなければならなかった。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 03:17:34.48 ID:wahQkhKwP
- ( ・∀・)「まあいいじゃねーか。俺らのおかげでお互いの安否はしっかりと把握できてるんだからよ」
(#-@∀@)「おい!」 ココアを飲みほしたモララーが呟いた。 相変わらず営業のセンスがない奴だ。 (´・ω・`)「ああ、まったくその通りだ。君達がいなければ私は家族と離れ離れになっていたに違いない」 ショボンさんは深々と頭を下げ「ありがとう」と一言だけ言った。 満更でもないが、改めてこう言われると素直に嬉しくなってしまう。 ( ・∀・)「ま、俺の正確なナビゲートのおかげだな」 (-@∀@)「何言ってんだよ。俺の必死のチャリ漕ぎのおかげだろ」 こいつばっかにいいとこ取られてたまるか。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 03:22:40.15 ID:wahQkhKwP
- 翌日、僕達はショボンさんから手紙を受け取り、出発することにした。
(´・ω・`)「はい、じゃあこれを内の家内に…」 ( ・∀・)「了解!任しときな」 僕は愛車の『ダニエル』にオイルを射し、メンテナンスを行っていた。 よし、今日もしっかり走ってくれよダニエル。 (-@∀@)「ショボンさん、どうもありがとうございました。ココアおいしかったです」 (´・ω・`)「いやいや…また来てくれよ」 ( ・∀・)「来ないと返事渡せないだろうが」 (´・ω・`)「あ、そうかwはっはっはっはw」 手紙を受け取ったからだろうか。ショボンさんはとても上機嫌だ。
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 03:29:05.82 ID:wahQkhKwP
-
(´・ω・`)「君達はこれからどこへ行くんだい?」 ( ・∀・)「んーと、こっからまっすぐ東にある村だな」 (´・ω・`)「ああ……そうか。あそこら辺は気をつけなさい。『森』が多いからな」 (-@∀@)「大丈夫ですよ。視界が悪いのには慣れっこですから」 ( ・∀・)「ちゃんと前を見ていたらな」 (-@∀@)「黙れ」 僕はダニエルに跨り、ハンドルを握った。 モララーも後に続き後ろに跨った。 モララーはカバンからマドラーほどの大きさのハンドベルを取り出した。 これは俺達が来て、去るという合図のベルだ。
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 03:35:45.44 ID:wahQkhKwP
- もし投函をしなければならない手紙を出し忘れている人がこのベルの音を聞けば、すぐに出しに来てくれる。
僕達の存在が大切な人々の為だ。 最初はダニエルのベルを使っていたのだが、1年前にうっかり壊してしまい、 それからは村の教会でもらった聖歌用のハンドベルを使う様になった。 音も響きも断然こっちの方が良い。 モララーはベルを握り、ショボンさんに聞こえるように大きく振った。 僕もそれに合わせペダルを踏む。 ( ・∀・)「じゃあなおっさん!!」 カラーン カラーン カラーン
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 03:47:32.90 ID:wahQkhKwP
- ショボンさんの自宅から離れること数時間、僕達は『森』に辿りついた。
森はとても視界が悪く、一歩間違えれば大惨事にもつながる。 大惨事と言うのはもちろん『雪崩』のことを言うのだが。 (;-@∀@)「おい、こっちで本当に合ってるんだろうな!!」 ( ・∀・)「俺が今までで一度も間違ったナビゲートをしたことがあるかよ!」 (-@∀@)「無いのになんでここまで不安になるんだろうな」 見晴らしは悪い癖に向かい風が多い。 おまけに強風ときたもんだ。とことんついていない。 ペダルの反発力はだんだん高くなり、手足に強く力を入れてもなかなか前に進まない。 いったいこんな辺境の地に住んでいるのはどこのどいつなんだ…。 (#-@∀@)「ふっっっ!!くおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」 ( ・∀・)「アサピー!!頑張れ!!アサピー!!」 (#-@∀@)「おおおおおおおおおおおおおおお!!ぐおっ!!うおっ!!」 ( ・∀・)「アサピーガンバ!!ファイトー!!」 (#-@∀@)「し、しねえええええええええええええええええええええええええええええ!!」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 03:55:20.86 ID:wahQkhKwP
- (;-@∀@)「どうだ!?進路は合ってるか?」
俺はチャリを止め、モララーに確認をとる。 『雪』のせいでタイヤが挟まってしまった。 ( ・∀・)「あー…進路は大丈夫なんだが…迂回しないと駄目だな」 (;-@∀@)「迂回!?なんでだよ…」 ( ・∀・)「この先、しばらく行くと禁止区域なんだよ」 (;-@∀@)「あー………マジかよ…」 禁止区域と言うのは、侵入禁止区域。文字通り中に入ることを禁止された区域のことだ。 単純にそのエリアは危険が多すぎる。 『雪崩』や『猛獣』が多い為、迂闊には近づけない。 ここは黙ってモララーに従おう。
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 04:05:31.33 ID:wahQkhKwP
- 結局、一番短い迂回ルートと、ダニエルの点検のために1時間休憩し、それから出発した。
少しだけ『雪』も降り始め、俺達にしては厄介で険しい道のりなること間違いなしだった。 ( ・∀・)「………なぁアサピー」 突然、モララーが俺に話しかけてきた。 (-@∀@)「…何だよ」 ( ・∀・)「お前…この仕事楽しいか?」 (-@∀@)「何だよ急に…こんなところで辞表出されても俺は受け取れねーぞ」 ( ・∀・)「誰も止めるつもりはねーよ…ただ…」 (-@∀@)「…?ただ…なんだよ」 ( ・∀・)「時々、なんで人の為にって思わないか?」
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 09:12:08.93 ID:wahQkhKwP
- (-@∀@)「…………」
( ・∀・)「こんなことするよりも、自分の家でまったりとココアでも飲みたくならないか?」 (-@∀@)「ココアはお前の趣味だろうが」 ( ・∀・)「俺はけっこう真面目だぜ」 (-@∀@)「…どんなに嫌でもやるしかねーんだよ」 ( ・∀・)「何で?」 (-@∀@)「俺たち以外に手紙を届けてくれる人がいないからだよ」 ( ・∀・)「…………」 (-@∀@)「そんなこと考える暇があったら地図を見な」 ( ・∀・)「うるせ」
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 09:23:27.13 ID:wahQkhKwP
- たまに考える。
僕達が普通に暮らしていたらどうなっていたのかと。 この地域の人々が手紙を受け取れなくなってしまったらどうなっていたのかと。 手紙とは送り主の化身だ。 送り主が考えたこと、思ったこと、伝えたいことを全て紙に起こし、そして僕達に託す。 その人達を僕達のわがままで切り捨てることなんて…できないよなぁ。 僕はそのことを考えながら自転車を漕いでいると、モララーが声を発した。 ( ・∀・)「もう少しで着くぜ」 僕はハッとなり前方を見る。 視界は未だに悪いが、あの屋根の群れは間違いなく村だ。 ( ・∀・)「あそこの村にはココアはあるかな」 (-@∀@)「どんだけココア期待してるんだよ」 ( ・∀・)「正直、ココア無いとこんな仕事やってられん」 (-@∀@)「気持ちはわからない事もないが、でもやれよ」
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 09:33:27.27 ID:wahQkhKwP
- 村の入り口に大きな看板が立てかけられていた。
看板には『112』という数字が大きく書かれていた。 村の中に入り、ベルを鳴らす。 近くを歩いていた人は、僕達を歓迎してくれた。 手紙を渡しに来てくれる人や、差し入れをくれる人もいた。 こう言ってはあれだが僕達は十分英雄扱いをされている方だと思う。 ( ・∀・)「それじゃあさっさと届けちまおうぜ」 (-@∀@)「ああ」 今日この村に届いた手紙は6枚。 僕達はそれを1つ1つ渡していく。 僕的には手渡しが好きだが、留守の家には仕方がない。 郵便受けにそっと投げ込んで、後で取ってもらう。 僕は、この受け渡す時が一番好きなのかもしれない。 ( ・∀・)「次は…この道をまっすぐに行って突き当りを左だな」 (-@∀@)「あいよー」
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 09:44:36.47 ID:wahQkhKwP
-
( ・∀・)「うへー…金持ちだよ金持ち」 そこはとても豪華な家だった。 敷地面積は言わずもがな。2階建てのおしゃれな装飾が施された大きな家。 こんなに豪華な家、久しぶりに見た気がする。 ( ・∀・)「今日はここに泊まらせてもらおうぜ」 (-@∀@)「奇遇だな俺も同じ事を考えてた」 ここにお世話になれば今日の食事は安泰だ。 とても上手い御馳走が食べ放題。 僕達は口の中が涎でいっぱいになりそうだった。 大きな金属製のドアを3回ノックする。 しばらく待つと、中から一人の女性が現れた。 (*゚ー゚)「…どちらさまでしょうか」 とびきりの美人だ。
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 09:52:21.46 ID:wahQkhKwP
- (*-@∀@)「……………」
( *・∀・)「……………」 僕達は運がいい。 こんな家にこんな美人の女の子がいたなんて。 よし、ここは何が何でもこの家に泊まらなければ。 (-@∀@)「あの、あなたのお父様よりお手紙を預かっていま…」 ( ・∀・)「あんたの家ココアあrグフッ!!」 僕の肘がモララーの鳩尾に入り、モララーの言葉を遮った。 ( ; ∀ )「あれ?これやばいとこ入っちゃったんじゃねーの…?やばくね?あれ?」 僕は気にせず話を続ける。 (-@∀@)「これです」 僕は悶絶しているモララーのカバンの中から1枚の手紙を取り出した。
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 09:57:00.81 ID:wahQkhKwP
- (*;゚ー゚)「お、お父様から…?」
その美人さんは僕から手紙を受け取るとその場でさっと開き読み始めた。 それよりも僕達は言わなければならないことがある。 (-@∀@)「あのー実はですねー僕達宿なしでして…」 (*;゚ー゚)□ (-@∀@)「それでちょっとこの家に一晩住ませてもらえたらな―って」 (*;゚ー゚)□ (-@∀@)「あの、この家の御主人は今います?」 (*;゚ー゚)□ 駄目だ。聞いてねぇ
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:02:12.60 ID:wahQkhKwP
-
( ・∀・)「おい、もうちょっと大きな声で話せよ!」 回復したモララーが小声で怒鳴った。 (-@∀@)「フザけんな!手紙読んでる人の邪魔なんかできるか!」 ( ・∀・)「でもこの家に泊まらないと意味ねーだろうが」 (-@∀@)「だからそんなことはわかっ……」 (*゚ー゚)「この家にですか?構いませんよ」 ( ・∀・) (-@∀@) (-@∀@)「えっ、あ、いやでも…御主人の許可は…」 (*゚ー゚)「主人は私です」 (-@∀@)「…あなた以外に住人は?」 (*゚ー゚)「いません」 (-@∀@)「帰ろう」
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:06:14.22 ID:wahQkhKwP
- 僕は回れ右して他の家を当ることにした。
( ;・∀・)「ねえちょっと待って!待ってアサピーくーん!!」 (-@∀@)「おい、早く行くぞ」 帰ろうとする俺の体をモララーは必死に止めた。 ( ;・∀・)「なんで帰るんだよ!!」 (;-@∀@)「だってお前…あんな年頃の女の子一人しか住んでない家に泊まったらあれじゃん!!」 ( ・∀・)「あれってなんだよ」 (;-@∀@)「いや、なんかこう…やばいじゃん!犯罪じゃん!」 ( ・∀・)「何ビビってんだよ…」
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:13:40.91 ID:wahQkhKwP
- (;-@∀@)「帰ろう。せめて旦那さんとかいるならよかったのに…」
(*゚ー゚)「…あの!!」 僕はモララーの肩を掴みそのまま敷地から出ようとするとその美人の女性は声を掛けてきた。 (*゚ー゚)「よかったら…ココアでもいれる( ・∀・)「行きます」るので飲んで行かれませんか?」 せめて改行してから言えよ…と思ったが僕はただただ黙って肩を落とした。 こいつにココアの話を出したらもう誰にも止められないからだ。 僕は再度モララーを引き寄せ再確認する。 (-@∀@)「いいか?ココアだけだぞ。ここにお世話になる気はないからな」 ( ・∀・)「わーってるって。ココアだけ飲んで帰ればいいんだろ?」 (-@∀@)「お前が一番心配なんだよ…」 何か問題を起こしそうで…。
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:23:26.77 ID:wahQkhKwP
-
( ・∀・)「へぇ~しぃさんって言うんだ」 (*゚ー゚)「ええ。この家に一人で暮らしています」 中は想像以上に綺麗だった。 高級そうな絨毯にソファー、テーブル、時計…。 よくこの子一人でこれだけの財産を守れたものだと感心する。 (*゚ー゚)「お二人は…配達の仕事を……?」 ( ・∀・)「そうなのよ!俺とこいつでこの地域を駆け巡ってるってわけ」 (*゚ー゚)「へぇ…あの…お二人は私の父に…?」 (;-@∀@)「え?ああ、はい!会いましたすいません!」 ティーカップを持つ手が震える。 万が一こいつがこの子を襲ったら俺が…俺が止めなければ…。 ( ・∀・)「どんだけ腰抜けてんだよ…」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:33:47.60 ID:wahQkhKwP
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(*゚ー゚)「父はどんな様子でした?」 ( ・∀・)「え?いや…とくに……元気だったけど」 (-@∀@)「ギコさんは部下に厳しいからなぁ…」 しぃさんの父はギコと言って、ここから遠く離れた町で、大きな商業ギルドを開いている。 ギコさんはとても頑固な方で、最初お会いした時は死を覚悟したが、客人には優しく接してくれたのでそれはそれでよかった。 娘がいると知った時は驚いたが、その娘さんがこんなに可愛いとはもっと驚きだ。 (*゚ー゚)「父は…自分に近い存在であればある程厳しくなるんです」 そう言われれば分からなくもない。 部下であれだけだったのだ。親族にはもっと厳格に違いない。 ( ・∀・)「まぁ、それも一種の愛情だろ」 モララーが得意気に語るのが僕の癪に障った。 (*゚ー゚)「あの……お二人は手紙だけを届けるんですか?」 しぃさんが突然話題を切り替えてきたので驚いた。
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:39:57.86 ID:wahQkhKwP
- ( ・∀・)「…まぁそんなにでかいものじゃ…小包程度なら預かったりするけど」
(*゚ー゚)「大きいものはだめなんですか?」 (-@∀@)「大きさっていうか…持ち運べるかどうかで判定してるけどね」 (*゚ー゚)「じゃ、じゃあ運んでほしいものがあるんですけど…」 (-@∀@)「ああ、構いませんよ。なんですか?」 おっ仕事の依頼だ。 さすがにこんな美人の頼みなら、できる限り叶えてあげよう。 (*゚ー゚)「あの…その…」 ( ・∀・)「?何?言えないもの?」 (*゚ー゚)「わ………………」 (*゚ー゚)「私です………」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:41:30.77 ID:wahQkhKwP
-
( ・∀・) (-@∀@) (*;゚ー゚)「無理は承知です。でも…どうかお願いです私を運んでください!」 ( ・∀・) (-@∀@) おうふ。
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 19:33:00.22 ID:wahQkhKwP
- (-@∀@)「…………………」
( ・∀・)「…………………」 (*;゚ー゚)「無茶なお願いなのは分かってます。でもどうか…」 (-@∀@)「…………………」 ( ・∀・)「…………………」
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 19:38:36.46 ID:wahQkhKwP
- 意外かも知れないが、こういうケースはよくある。
それぞれの村の人達は『雪』のせいで村から出られずにいる為、 外の世界を見たい、あの人に会いたいなど、様々な理由を持ち掛けられる。 大抵が子供だけど。 しぃさんほどの大人が…といっても俺らと同じくらいだけど、こんな事を頼むのは初めてだった。 やっかいごとが増えたぞ…と思っていたら、横からモララーが肘で突っついてきた。 しぃさんに見えないようにしてるあたり、「お前がなんとかしろ」という事だと思う。 死ねばいいのに。 俺は諦めて、しぃさんの説得に移った。 (;-@∀@)「あの…しぃさん………あなたはどこへ行きたいんですか?」 (*;゚ー゚)「この地域で一番北…海に面している町に」 それを聞くとモララーは壁に掛けてある革の鞄を取りに行った。 おそらく地図を読む為だろう。 (;-@∀@)「えーと…それは何で?」
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 19:44:06.96 ID:wahQkhKwP
- しぃさんはそっと一枚の紙を取り出した。
それはさっき俺が渡した手紙だった。 (*゚ー゚)「……今、お二人が渡してくれた父からの手紙を読みました」 しぃさんは静かに手紙の文章を朗読し始めた。 難しい言葉がたくさん使われていて、何を言ってるかよくわからなかったが雰囲気でなんとか全体を掴めた。 要するに、しぃさんの母親がその街に住んでおり、その母が現在重い病気に罹っているそうだ。 しかし、ギコさんはただ励ましの手紙を送ってやれと言ったそうだ。 (*゚ー゚)「私はあきれてしまいました。まさか父が母のことを見捨てるなんて…」 (*゚ー゚)「確かに外は危険に満ち溢れています…けど」 (*;ー;)「わ、私は…母のことを見捨てるなんてできません…」
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 19:51:54.77 ID:wahQkhKwP
- (;-@∀@)「………………」
女性の涙を見ると何も言えなくなる。 正直、ギコさんの選択は正しいと思う。 外の世界を渡るのはギコさんだろうとしぃさんだろうと危険を伴う。 悲しい現実かもしれないが、この状況が家族を守れる最大の選択だと思う。 とにかく、誰であろうと連れていくわけにはいかない。 たとえ、こんな美人であっても。 僕は脳内にしまってある、お断りマニュアルを取り出し、テンプレ通りに断ることにした。 (;-@∀@)「あの実はですね、しぃさ…」 ( ・∀・)「ねぇ!その街ってさぁ、これ?」 その瞬間、モララーが地図を広げて戻ってきた。 空気も読めないアホ野郎が。
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 19:59:39.32 ID:wahQkhKwP
-
(*゚ー゚)「えっ…あ、はい。そこです…」 ( ・∀・)「やっぱりな!ここなら…こっからそう何日もかからねえよ」 (;-@∀@)「馬鹿!!お前何言ってるんだ…」 ( ・∀・)「なあアサピー。しぃさんを届けてやろうぜ」 何を言っているんだ、この能天気男は。 (;-@∀@)「馬鹿!無理言うなよ!しぃさんにもしものことがあったらどうするんだ!」 ( ・∀・)+「良いじゃん良いじゃん彼女けっこう本気みたいだし」 (*;゚ー゚)「あ……大丈夫です!どんな事が待ち受けていても覚悟はできています!」 (-@∀@)「いやそういう問題じゃなくて…」
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 20:06:28.18 ID:wahQkhKwP
- ( ・∀・)+「良いじゃねぇかよ。人助けだと思って…」
まずい。 モララーがここまで目を輝かせる理由は一つだ。 その街までの地図がまだないんだ。 モララーは自分で地図を書き、どんどん進める場所を増やしていくのが好きなのだ。 つまり、ここで首を縦に振ってしまうと一般人の女性を連れた上に、未知なる道のりを開拓しなければならない。 そんな危険な橋を渡るのはごめんだ。 (;-@∀@)「いやだって……あ、だってホラしぃさん乗れないだろ?」 ( ・∀・)「あ?乗れるのは前の村のガキで証明済みだろ?」 (;-@∀@)「あれはあくまでも子供だろ?おとなの女性が乗れるわけがない」 ( ・∀・)「…じゃあ、試してみる?」 (-@∀@)「……………え」
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 20:24:04.93 ID:wahQkhKwP
-
(@∀@-)゚ー゚*)( ・∀・) 余裕でした。 しぃさんスタイル良すぎ。 (;-@∀@)「で、でも!こんなことがギコさんにばれたら…」 ( ・∀・)「ばれないだろ。だって外には出られないんだぜ?」 確かにそれそうだ。 しかし、しぃさんは絶対に連れていくわけにはいかない。 (;-@∀@)「でも、でも!………」 (*゚ー゚)「あ、でしたらお礼といわけではありませんが…今晩内に泊まって行きませんか?」 (-@∀@)「行きましょう!北の街!」 詰み。終了。お疲れ様です。
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 20:34:14.55 ID:wahQkhKwP
-
その日、僕達はしぃさんの家に泊まり、夜を過ごした。 やはり豪邸なだけはあって、客用ベッドまでフカフカだった。 僕はモララーがなにかしぃさんに何か仕出かすんじゃないかと思い、 ずっと見張っていたが真っ先に寝た。 結局モララーは朝まで起きなかった。 僕は朝まで寝なかった。 ( ・∀・)「それじゃあ…出発するか」 (*゚ー゚)「はい!」 しぃさんはしっかりと厚着をし、旅の支度を済ませていた。 (-@∀@)「…しぃさん。これだけは言っておきますよ」 僕はしぃさんに注意事項だけ伝えることにした。 こうなった以上、彼女を僕達で守らなければならない。 そう決めた時に、これだけは伝えておかなければいけないのだ。 (-@∀@)「僕の運転は…荒いです」
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 20:43:01.39 ID:wahQkhKwP
- (*゚ー゚)「……………」
(*゚ー゚)「……はい!」 良い返事だ。 僕はポーチから1つの布を取り出した。 (-@∀@)「これを必ず着けて下さい」 (*゚ー゚)「……これは?」 (-@∀@)「マスクです。『雪』のせいで時には呼吸が困難になる時もありますが、これを着けていれば多少は楽になります」 (*゚ー゚)「あ……ありがとうございます」 彼女にとっては生まれて初めての外の世界だろう。 僕達がいろいろと教えてあげなければいけない。
- 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 20:52:36.74 ID:wahQkhKwP
- ( ・∀・)「おい、準備が出来たぞ」
(-@∀@)「ああ、分かった」 モララーの声を合図に僕達は出発することにした。 サドルに跨り、ペダルに足を乗せる。 その後ろにしぃさんが乗り、余ったスペースにモララーが乗ることになった。 3人乗りは厳しいが、何とかなるだろう。 (-@∀@)「途中で寄らなきゃいけない街は?」 ( ・∀・)「このまま北西に進んだところにある。途中『森』があるが、何とかなるだろう」 (-@∀@)「了解」 僕はハンドルを握り、ペダルを強く押し踏んだ。 3人乗りはつらいと思っていたが、あまり2人の時と違和感がない。 この調子なら行けそうだ。 車輪はゆっくりと回転し、前に進んでいく。 これからどんな旅になるか分かったものじゃないが、気を引き締めていかなければ。
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 21:06:34.07 ID:wahQkhKwP
- 今日はいつもよりも一段と「雪」が強い。
視界は悪く、進みもあまりよろしくない。 (;-@∀@)「あー…こりゃなかなか進まないな」 僕もいつの間にか前傾姿勢になり、立ちながらペダルを漕いでいた。 風は左から吹き続き、バランスを失いいつ倒れてもおかしくない状況だった。 しかし、ここで頼りになるのがモララーだ。 僕が運転に集中できるように後方でダニエルのバランス具合を調整してくれる。 ( ;・∀・)「しぃさん、大丈夫かい?」 (*;゚ー゚)「はい!大丈夫です……なんとか」 村を出てから3時間。 彼女も最初は魅力のある外の世界を、目を輝かせて見ていたたが、 次第に現実に直面し、外の厳しさを体で知ったようだ。 自転車一つ漕ぐ事さえままならないのだ。
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 21:13:35.05 ID:wahQkhKwP
- ( ;・∀・)「!!」
その時、モララーが大声で叫んだ。 ( ;・∀・)「おいアサピー!!どっかに隠れろ!!」 僕は最初モララーが何を言っているのか分からなかったが、次の瞬間には理解し、ハンドルを右折に切る。 (;-@∀@)「なんでこんな時に限って…!!」 進行方向は向かい風になっているのでダニエルはすいすいと進む。 そのうち、近くにあった小さな崖の中に洞窟があるのが見えた。 僕は全力で走り、その傍まで近寄ると一気に急ブレーキをかけた。 ( ;・∀・)「しぃさん!あの中に入って!!」 (*;゚ー゚)「え?え?」 ( ;・∀・)「あとでゆっくり説明するから!」
- 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 21:37:46.60 ID:wahQkhKwP
- 僕はダニエルを担ぎ、洞窟の中に入る。
続いてモララーがしぃさんを連れて中に入った。 (*;゚ー゚)「あの…これから何が起こるんですか?」 (;-@∀@)「……『雪崩』さ」 (*;゚ー゚)「な…雪崩?」 ( ;・∀・)「ふぅ…危なかったー…」 遠くの方で轟音が聞こえる。 確かにここに『雪崩』が襲ってくるようだ。 (*;゚ー゚)「でも…なんで分かったんですか?雪崩が来るなんて…」 (-@∀@)「ああ、モララーは耳がいいんだよ。だから雪崩のくることを予測できるんだ」
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 21:45:23.94 ID:wahQkhKwP
-
( ・∀・)「生まれつきなんだ。音のある世界だったら目をつぶっても生きていける」 モララーの耳は天性の物だ。 どんな遠くの物でも何の音なのか聞き分ける力を持っている。 地図は読めるし耳もいい。 僕のパートナーとして絶好の人間だ。 ( ・∀・)「おっ…そろそろ来るみたいだぜ」 モララーがそう言うと、『雪崩』による轟音はどんどん大きくなり、次第に僕らの声もかき消すほどのボリュームになった。 目の前を大きな雪の津波が流れていく」。 崖の下ということもあり、僕らの位置には何の影響も及ばなかった。 (-@∀@)「大丈夫ですよ。あと少しで収まりますから」 次第に、轟音は小さくなり、『雪』の流れも遅くなっていった。 やがて、『雪』は止まり、けたたましい風の音だけが残った。
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 21:57:04.43 ID:wahQkhKwP
-
(-@∀@)「さあ出発しよう」 僕はダニエルを担ぎ、洞窟の外に出る。 『雪』は深く積もっており、このままではダニエルを走らせることはできない。 もっと『雪』が積もっていない場所を探そう。 ザクザクと『雪』を踏み潰し、脇にある道路へ向かった。 コンクリートの道路の上に立つ。 自転車を置き、二人を待つ。 (-@∀@)「え……………」 そこにはしぃさんをおぶったモララーの姿があった。 ( ・∀・)「やっぱこの『雪』はしぃさんには無理だろう」 いや、おぶるというよりはあれはお姫様d…
- 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 22:03:02.93 ID:wahQkhKwP
-
(*゚ー゚)「あ、ここでもう大丈夫です!」 ( ・∀・)「あれ、そう?じゃあ」 そういうとモララーはしぃさんをそっと降ろした。 僕は大急ぎでモララーの元へ駆け寄り頭をグイっと掴む (;-@∀@)「おい!正直に答えろ!どこまで行ったんだ?」 ( ・∀・)「は?何のはな…」 (;-@∀@)「手を出したんか?ギコさんの娘さんに手を出したんか?」 ( ;・∀・)「いや、だから………顔近っ!!」 (;-@∀@)「妊娠させたんか?何カ月だ!?」 ( ;・∀・)「何もかも早急すぎるだろ!!
- 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 22:13:27.32 ID:wahQkhKwP
- (;-@∀@)「だから女の子には手を出すなと……」
僕は頭がぐわんぐわんになり、よろよろとダニエルに寄り添った。 もう駄目だ。モララーは今後破滅の人生を送るに違いない。 (*;゚ー゚)「あの…アサピーさんは…どうかしたんですか?」 ( ・∀・)「ああ、アイツ昔女関係でトラブル合ってさ」 (*;゚ー゚)「トラブル?」 ( ・∀・)「ああ。アイツ、昔好きになった女にチャリのベル壊されたことあってさ」 (*;゚ー゚)「ベル……」 ( ・∀・)「それから恋愛恐怖症だよ。女は大丈夫なんだけどね」 (;-@∀@)「結婚はいつなんだろう……そして離婚は……」
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 22:27:32.18 ID:wahQkhKwP
- その後は少しだけ快適な旅になった。
『雪』は相変わらず降り続いているし、気温も下がりっぱなしだ。 視界は少しだけ開け、風も収まりつつあった。 だけど、それ以上に楽だと感じるのは (*゚ー゚) ( #・∀・)ノ (;-@∀@)そ (*^ー^) 人数が増えたから、だろうか。
- 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 22:43:09.24 ID:wahQkhKwP
- しぃさんの街『112』を離れてから8時間後、ようやく中継地点に着いた。
モララーは鞄の中からベルを取り出し大きく振った。 カラーン カラーン カラーン この街の番号は『42』。 僕達は街の中に入って行った。 この街は人が多く、商売がとても盛んだ。 なんでも数か月前に隣3町を繋ぐトンネルを開通したので、商業利用として発展している。 といっても僕達の担当している地域はその中ではここを含めて2つしかないので結果的にはあまり使わない。 いつかあのトンネルがこの地域全土に広がれば、僕らの仕事はなくなるのだろうか。
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 22:58:22.63 ID:wahQkhKwP
- ( ・∀・)「アサピー。ちょっとしぃさんを見といてくれ」
手紙を配り終えた後、モララーが突然僕の名前を呼んだ。 しかもそれを告げた後すぐにどこかへ行こうとした。 (-@∀@)「おい、どこ行くんだよ」 ( ・∀・)「街の中心で露店商のバザールがあるんだよ。ちょっと見てくる」 (;-@∀@)そ「何だよそりゃ!僕はどうするんだよ」 ( ・∀・)「知るか。とりあえずしぃさんと一緒に飯でも食ってこいよ」 そんな無責任な…。 僕はチラッとしぃさんの方を見る。 (*゚ー゚)「あ………よろしくお願いします」 (-@∀@)「え?ああ、よろしく…?」 しぃさんは深々と頭を下げた。 僕もつられて頭を下げる。
- 123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 23:20:34.39 ID:wahQkhKwP
- とりあえず、やることもなくなったので僕らは昼食をとることにした。
他の村や町では外食という商業は盛んではないが、この街ではいくつかレストランが存在するようだ。 街をぶらぶらする事30分、ようやくその店を見つけた。 (-@∀@)「じゃあ…入りましょうか」 (*゚ー゚)「はい!」 初めてのレストランにしぃさんも心なしかテンションが上がっているようだ。 中の物は全て木製だった。 木の床、木の壁、木の屋根、木のテーブル、木の椅子、木の食器に木のスプーン…。 なかなか落ち着いた雰囲気を持った店内だ。 僕らは適当に席に着き、メニューを注文をする。 この店はシチューがお勧めだというので僕らはそれを頼んだ。
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 23:31:58.53 ID:wahQkhKwP
-
(*゚ー゚) 店内をキョロキョロとはしゃぐ子供のように見渡すしぃさんはとても可愛らしかった。 ただ、何も話さずしぃさんを眺めるということもなんか嫌だったので僕は声をかけた。 (-@∀@)「初めての他の街はどうですか?」 (*゚ー゚)「とても素晴らしいです!感動しました」 そうか。それならよかった。 モララー以外の人間と旅をするのも悪くはないと感じた。 しぃさんはあの村で生まれた頃からずっと過ごしていたんだ。 この程度の刺激がたまにはあってもいいかもしれない。 そんなことを考えているとふと、彼女の生い立ちについて気になることがあった。
- 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 23:40:00.91 ID:wahQkhKwP
- (-@∀@)「しぃさん…」
(*゚ー゚)「何ですか?」 (-@∀@)「しぃさんはなんであの村で一人で暮らしているんですか?」 ずっと思っていた。 彼女は何故、あの村で生活をしていたのだろう。 母のことが心配ならばそばで暮せばいいのに、何故この家族はバラバラになってしまったのだ? (*゚ー゚)「…父が厳格だってことは昨日話しましたよね」 (-@∀@)「ええ。身近な人ほど叱るって…」 (*゚ー゚)「それが全ての原因なんです」 しぃさんは静かに語り始めた。 僕はそれを静聴する。
- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 23:53:21.55 ID:wahQkhKwP
- (*゚ー゚)「私が生まれた時、既に母は病気がちでした。治療法もわからない、不治の病」
(*゚ー゚)「父は母のことを心配しましたが、それ以上に仕事の方を心配していました」 (*゚ー゚)「万が一に自分に病がうつったら仕事に支障が出るという理由で母を遠くの街に送りました」 (*゚ー゚)「その後、父は仕事の為に単身で遠い街へ頻繁に行くようになり、家に帰ってくる回数も徐々に減っていきました」 (-@∀@)「その単身赴任中に、『避難令』が発令したと…」 (*゚ー゚)「ええ…その通りです」 なるほど。これで全てに合点が言った。 『避難令』というのは今この状況のことだ。 外の世界は非常に危険の為、一般人は村や町から出てはならないというものだ。 これのせいで僕達の商売は繁盛しているが、彼女たちにとっては悲劇でしかないだろう。
- 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:07:58.83 ID:8izpbdPnP
-
(*゚ー゚)「正直、母の顔はうっすらとしか覚えていません。それほど母との面識はありませんでした」 手紙だけの家族。それは一体どんな厚みを持っていたのだろうか。 届けるだけの僕には想像も及ばないだろう。 (-@∀@)「…それでもしぃさんは母親を助けたいんですね」 (*゚ー゚)「はい。紙1枚の関係でも私達は親子ですから」 彼女の眼は自信と希望に満ち溢れていた。 これを聞いたからには僕達はどうしても彼女を母親に会わせなければならない。 明日の昼頃までには必ず彼女を送り届けよう。 話しているうちに、シチューが到着した。 僕達はスプーンでシチューを掬い口に含んだ。
- 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:13:10.34 ID:8izpbdPnP
- (-@∀@)「おっ…!」
(*゚ー゚)「おいしい…!!」 口に含んだシチューはとても濃厚で美味しかった。 ニンジンやジャガイモなどの野菜は深みのある味を出し、それにクリーミーなスープが絡みこむ。 生まれて初めてこんな美味しいシチューを食べた気がした。 流石は看板商品なだけはある。 (*゚ー゚)「こんなにおいしいシチュー生まれて初めてです!」 (-@∀@)「奇遇だね。僕も同じことを考えていたよ」 僕達はにっこりほほ笑むともう一度スプーンを口へ運んだ。 その時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。 「しぃ……しぃじゃないか?」
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:19:55.42 ID:8izpbdPnP
- 僕達は振りかえるとそこには中年くらいの男性が立っていた。
忘れもしない。この男の頑固っぷりを。 (;,,゚Д゚)「何を…やっているんだ?」 (*;゚ー゚)「お、お父様…!」 何故彼がここにいる? 彼は『36』の街にいたはずでは…。 その時トンネルの存在を思い出した。 そうだ…。『36』と『42』はトンネルで繋がっていたのだ。 (;,,゚Д゚)「お前…ここまでどうやって来た?」 (*゚ー゚)「…お父様には……関係ありません!」 しぃがそういうとギコさんは僕の顔を見た。 まずい。間違いなく僕のせいだと疑われるだろう。 いやまあその通りなんだけども。
- 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:26:26.44 ID:8izpbdPnP
-
(,,゚Д゚)「…貴様かしぃを誑かしているのは」 ギコさんは鬼のような形相で僕を睨んできた。 僕に手紙を渡した時にみた顔からは全く想像できないような顔だった。 (;*゚ー゚)「止めてください!お父様!アサピーさんは私に頼まれて…」 (,,゚Д゚)「うるさい!!黙れ!」 ギコさんはしぃさんの顔を強く叩いた。 しぃさんは叩かれた拍子でテーブルの上に倒れてしまった。 ギコさんはそんな娘の姿には目もくれず僕の方を睨み続ける。 (,,゚Д゚)「貴様…こんなことをして、ただで済むとは思うなよ」 (;-@∀@)「ハハハ…御冗談をw」 よくあたりを見渡すと、ギコさんの後ろには体つきのいい男達がずらっと並んでいた。 こんな連中を相手にしてはいくら僕と言えども敵わないだろう。
- 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:52:51.46 ID:8izpbdPnP
-
(,,゚Д゚)「さあ…この件については後で詳しく聞かせてもらお…」 その瞬間、ギコさんの顔面にシチューが飛んできた。 ただでさえ真っ白のな髪と髭を持っていたのにさらに白くなった。 (*;゚ー゚)「アサピーさん走って!!」 しぃさんが大きな声発した。 僕はその指示通りに走りだす。 どうやらシチューを投げつけたのはしぃさんのようだ。 しぃさんの手をつかみ、僕達は一目散に裏手から逃げ出した。 〔}#}Д゚)「何をしている!とっとと捕まえろ!!」 ギコさんがそういうと、その周りにいた男たちは僕達を追っかけてきた。 裏から外に出て、ダニエルに跨る。 (;-@∀@)「乗って!」 (*;゚ー゚)「はい!!」 しぃさんが後ろに乗ったのを確認すると僕は無心になってペダルを漕いだ。
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:58:15.77 ID:8izpbdPnP
- 僕はとにかく全力でペダルを漕いだ。
そりゃあもう必死で。 (;-@∀@)「どう!?追手は来てる?」 (*;゚ー゚)「来てます!とてもすごい量です!」 振り向きたいが振り向けない。 1回でも振りかえってしまえば、追いつかれるような気がしたから。 後ろはしぃさんに任せ、僕はモララーを探す。 いったいあの馬鹿はどこをほっつき歩いているんだろうか。 (;-@∀@)「しぃさん!モララーを見つけたらすぐ俺に知らせて!」 (*;゚ー゚)「わ…分かりました!」 僕はペダルを漕いだ。ハンドルを切った。 街中を縦横無尽に駆け巡る。
- 144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:00:51.70 ID:8izpbdPnP
-
( ;・∀・)「な………………」 ( ;・∀・)「何だよこれ…」 ( ;・∀・)「早く二人に知らせないと……」
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:05:40.64 ID:8izpbdPnP
- (;-@∀@)「糞!全然見つからない…!!」
(*;゚ー゚)「ほ、他に見てない場所は…!」 (;-@∀@)「見てない場所だらけですよ!こんなに広いんですもの!」 いったいどこを探せばいいのか見当もつかない。 しかも探せば探すほど、ギコさんの部下に見つかる可能性も高くなる。 いったいどうすれば…。 その時、僕の耳には確かに聞こえた。 カラーン カラーン カラーン
- 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:11:42.73 ID:8izpbdPnP
-
(;-@∀@)「この音は……!!」 (*;゚ー゚)「モララーさんの…!」 僕達はそのベルの音を頼りに、走り出した。 アイツにしてはなかなか考えた発想だ。 音が大きくなれば、そっちへ進み、小さくなれば来た道を戻る。 繰り返していくうちにベルの音はだんだんと大きくなっていった。 それと比例して、追っかけてくる追手の数も多くなっていった。 おそらくギコさんがこのベルの音を目印にするように命令したのだろう。 なぜなら彼もこの音をよく聞いているからだ。 追手がどんどんと増えていったその時、やっと奴を見つけた。 ( ;・∀・)「アサピー!!」 (;-@∀@)「モララー!!」 俺は全力でモララーの横を通り過ぎる。 そのタイミングを見計らって、 モララーは後ろに乗り込んだ。
- 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:20:42.49 ID:8izpbdPnP
- ( ;・∀・)「何だよ後ろのおっさん共は!!」
(;-@∀@)「ギコさんの部下だ!僕らがしぃさんといることがばれちまったんだよ!」 ( ;・∀・)「マジかよ!」 モララーもやっとこっちの状況を理解したようだ。 このウスノロマめ。 (*;゚ー゚)「すいません…私のせいでこんなことに巻き込んでしまって…」 (;-@∀@)「いや、あれは本当に運が悪かったとしか言いようがないな」 僕は後ろにいるしぃさんをそっと慰める。 そんなことよりも僕としてはこっちよりもこいつの方に用がある。 (;-@∀@)「そういうお前はどこで何やってたんだよ」 ( ;・∀・)「だから買い物に……」 そこでモララーは会話を止めたかと思ったら突然叫び出した。 ( ;・∀・)「そう!!大変なんだよ!」 (;-@∀@)「あ?何が大変なんだ?」
- 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:23:46.91 ID:8izpbdPnP
- モララーの顔は尋常じゃないほど青ざめていた。
一体何があったというのか。 ( ;・∀・)「俺…さっき露店商で新聞買ったんだけどよ…」 (;-@∀@)「新聞?新聞がどうした」 ( ;・∀・)「いいか?よく聞け。」 (*;゚ー゚)「………?」 ( ;・∀・)「俺達が向かっているエリアは『300』~『389』までのいわゆる300番台という地区何だが…」 ( ;・∀・)「この300番台が明日の朝6時に侵入禁止区域になる」
- 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:31:14.15 ID:8izpbdPnP
- (;-@∀@)「なっ…………!!」
(*;゚ー゚)「えっ………」 どういうことだ? そんな情報聞いていないぞ? (;-@∀@)「どういうことだ!?ちゃんと分かりやすく…」 ( ;・∀・)「俺もよくわかんねえよ!!でもお前だって知ってるだろう!?侵入区域ができるまでの工程は」 もちろん知っている。 侵入禁止区域に設定されるとその時間から24時間以内にそのエリアから退避しなければならない。 その後は2ヶ月の間、その周りを政府の人間が監視する。
- 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:35:52.20 ID:8izpbdPnP
- ならば、しぃさんの母親はもう退避したというのか?
( ;・∀・)「ところがだ…。この記事の一番重要なポイントは区域になったことじゃなくて、退避した人間の名簿が乗っているってとこだ」 なるほど。それを新聞に記載すれば、自分の知り合がいた場合、どこに移転したか一目でわかるだろう。 それのどこが問題なんだろうか…。 ( ;・∀・)「しぃさん…あんたの姓は『古参』でいいのか?」 (*;゚ー゚)「…?ええ、はい。」 ( ;・∀・)「母は離婚していない?」 (*;゚ー゚)「ええ…」 それを聞くとモララーはがっくりと肩を落とした。 ( ;・∀・)「こんなかに…あんたの母親の名前はどこにもないんだよ…」
- 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:42:37.49 ID:8izpbdPnP
-
(;-@∀@) (*;゚ー゚) 僕達は絶句して声が出なかった。 まさか…しぃさんの母親は…。 ( ;・∀・)「まだ…あの区域にいる可能性が高い」 (;-@∀@)「ほ、本当なのか?その情報は…漏れがあったのかも…」 ( ;・∀・)「その可能性は低い…300番台は全部合わせても9千人に満たない人口なんだぞ。間違える筈がない」 ( ;・∀・)「しぃさんの母親はまだあの区域にいる。そして…俺の予想だと侵入禁止区域になったことも知られていないだろう」 (*;゚ー゚)「そ…そんな……」 モララーは自転車の後ろから僕の服の背中を掴んだ。 ( ;・∀・)「アサピー…急げ!!タイムリミットはもう無いぞ!!」
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:54:08.13 ID:8izpbdPnP
- 僕達はこの街を出て大急ぎで出て、300番台へ向かった。
もう時間は限られている。 しかし、相変わらず視界は悪く、雪はしんしんと降り続けていた。 そして僕達は『森』に差し掛かろうとしている。 僕は必死でペダルを漕ぎ続けた。 モララーは目を凝らしながら一番最短になる道を探した。 しぃさんは、僕の後ろで泣きそうな声で祈っていた。 ( ・∀・)「アサピー!そこを右折だ」 (;-@∀@)「了解!!」 ハンドルを切り、雪の滑りを利用してなめらかに曲がる。 僕達は何が何でも最短距離を狙うという方針で固まった。 なので僕達はルートを書き直し、進路を若干変更した。 実は、もともと途中で迂回しなければならないルートがあった。 なぜならそこは侵入禁止区域だったからだ。
- 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:04:28.71 ID:8izpbdPnP
- その侵入禁止区域こそもうまもなくで到着する『森』である。
僕達でも禁止区域の中だけは行った事がなかった。 その中に入るということはすなわち死を意味するからである。 正直、もともと人が住んでいた場所を禁止区域に変えるなんて正気の沙汰ではない。 (;-@∀@)「…………………」 (* ー )「お願い…お願い…」 そこにいる人間が生きているとは考えにくいんだ。 ( ・∀・)「おい、着いたぜ『森』」 僕はハッとなって前方を見ると、目の前に沢山の『ツリー』がそびえたっていた。 そして、その手前には侵入禁止区域とだけ書かれた看板が立て掛けられていた。 (;-@∀@)「しぃさん……大丈夫ですか?」 ( ・∀・)「……………」 僕は最後にしぃさんに確認をとる。 ここからは僕も命の保証はできない。
- 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:09:05.04 ID:8izpbdPnP
- (*;ー;)「お願い…します…お母さんを…助けたいの…」
しぃさんは僕のコートにしがみつき俯きながらそう答えた。 これが答えだそうだ。 (-@∀@)「しぃさん…それじゃあ今日の朝渡したマスクをちゃんと付けて下さい」 (*;ー;)「はい……」 泣きながらもしぃさんはマスクを取り付けた。 これで最悪の場合でも何とかなるだろう。 (-@∀@)「それじゃあモララー…行くぞ」 ( ・∀・)「おう……頑張れよ」 僕達は気を取り直して『森』に入って行った。 はじめは本当に軽い気持ちだった。 その気持ちは今でも変わらない。 彼女に涙を流させたくないからだ。
- 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:18:44.10 ID:8izpbdPnP
-
『森』の中はとても綺麗に等間隔で『ツリー』が並んでいた。 『ツリー』は視界を悪くするが、複雑に進路を妨害するもではない。 前方は霧のようにくぐもっていて見通すことはできないが、見なくても全力疾走を出せる。 急がなければならないが、この禁止区域の中は特に素早く抜けなければならない。 (;-@∀@)「しぃさん、大丈夫ですか?」 僕は逐一しぃさんの体調を窺う。 僕達は何があっても彼女を無事に母親の元まで届ける義務があるからだ。 (*゚ー゚)「ええ、大丈夫です。アサピーさんは大丈夫ですか?」 (;-@∀@)「僕も大丈夫です。残り7割ほどで抜け出せるので、頑張って下さい」 正直、辛い。 『森』の中に入ったあたりから呼吸が苦しくなり、下腹部に嫌な違和感を感じている。 これが禁止区域の禁止たる所以か。 僕達は生きてこの区域を出られるのだろうか。
- 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:30:03.72 ID:8izpbdPnP
- 急ごう。
本気で体に悪い変化が起きている。 僕が動けなくなってしまったら他に誰がダニエルを漕ぐというのだ。 ( ;・∀・)「おい大丈夫か?」 モララーが声を掛けてくれると少しだけ体調が和らぐ気がした。 それをチャンスに僕は強くペダルを踏み、スピードをあげて前に進む。 とりあえず『森』の半分まで来た。あともう半分を頑張ろう。 加速したスピードに慣れてきたのでさらにもう1段階加速しようと足に力を入れようとしたその時だった。 ( ;・∀・)「左に避けろ!!」 (;-@∀@)「!!」 あまりにもとっさの言葉だったので、僕はモララーの言葉に反応できなかった。 その瞬間、僕の頬をかすめて何かが後ろから飛んできた。 (;-@∀@)「な……なんだ!!?」 僕は後ろを振り向いた。
- 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:37:13.42 ID:8izpbdPnP
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(,,゚Д゚)「やっと見つけたぞ…しぃよ」 そこには馬車に乗ったギコさんの姿があった。 何故彼はこんなところまで追って来たのだ。 ( ;・∀・)「気をつけろアサピー!!アイツはボウガンを持っているぞ!」 モララーの声にハッとなり僕は自分の頬に触る。 微かに血が滲んでいるのが分かった。 それで僕は気付いた。 彼は…ギコさんは僕達を殺そうとしているのであると。 (,,゚Д゚)「しぃ…お前…まさか母さんのとこへ行くつもりじゃないだろうな」 ギコさんがしぃさんに向かって語りかける。 (*;゚ー゚)「え、…ええそのつもりです」 (,,゚Д゚)「ふざけるな!!母さんは今療養中なんだ。お前まで病気がうつったらどうする」
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:42:51.44 ID:8izpbdPnP
- だんだん馬車が自転車に近付いてくる。
僕は必死で自転車を漕ぐがすぐに追いつかれてしまう。 (*;゚ー゚)「そんなの構いませんわ!私は…」 (,,゚Д゚)「駄目だ!!お前はわが家の跡取りなんだ。そんなことで体調を崩してたまるか」 (*;゚ー゚)「では…お父様は…お母様を見捨てるつもりなのですか!?」 しぃさんは泣くのを堪え、必死でギコさんに抵抗する。 (,,゚Д゚)「しょうがないだろう…。母さんは…」 「『母さん…私が殺したから…』だろ?」
- 174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:49:48.32 ID:8izpbdPnP
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(;-@∀@)「え………」 その言葉を発したのはモララーだった。 ( ・∀・)「あんた…なんでしぃさんの母親を…あんたの妻を殺したんだ?」 モララーの発言にギコさんも僕もしぃさんも思考が固まってしまった。 何馬鹿なことを言ってるんだよあいつは。 (,,゚Д゚)「わ、私が殺しただと…?馬鹿らしい」 ( ・∀・)「新聞の記事を見たとき、違和感を感じたんだ。なぜしぃさんのお母さんは書かれなかったのだろうって」 新聞…。 あの禁止区域の記事のことか。 (,,゚Д゚)「禁止区域の奴か。母さんはまだ禁止区域の中にいるからだろう?」 ( ・∀・)「それなんだよ。それはありえないんだ。なぜなら300番台は全人口がとても少ないからな」
- 176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:55:36.82 ID:8izpbdPnP
- ( ・∀・)「人口が少ないのならば、必ず誰がいて誰がいないのかなんてわかるはずだ」
( ・∀・)「それなのに、逃げ遅れた人がいるという記事だって無い」 ( ・∀・)「つまり…しぃさんの母親はとっくの昔に死んでいたんだ」 なんてことだ。 まさかギコさんがしぃさんの母親を殺していたなんて…。 (,,゚Д゚)「でたらめだ。仮にそうだとしても何故そこから私が犯人にされなきゃならないんだ」 ( ・∀・)「証拠はあんただよ」 モララーはギコさんが担いでいるボウガンを指さす。 ( ・∀・)「あんた…なんでそんなにしぃさんが母親に会うのを拒むのかなーって気になっていたんだ」 ( ・∀・)「答えは一つ。もういないから。そして…」 ( ・∀・)「あんたがそれを知っているから」
- 177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:59:57.18 ID:8izpbdPnP
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(;,,゚Д゚)「違う!わ、私はしぃに危険な目に合わないようにと…」 ( ・∀・)「危険な目?だったらなんでボウガンなんか俺達に向けるんだい?」 確かに言われてみればそうだ。 実の娘が死ぬ恐れもあるのに、ボウガンなんて構えるだろうか。 そうやって辿っていくと全てに辻褄が合う。 つまり…本当にギコさんは… (*;゚ー゚)「お父様………まさか…」 (,,゚Д゚)「…………………」 (,,゚Д゚)「…………………まあ、しょうがないか」 (,,゚Д゚)「ガキなんてまた作ればいいしな」
- 179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:05:44.42 ID:8izpbdPnP
- ギコさんは降ろしたボウガンをまた構えた。
(,,゚Д゚)「ああ、そうさ。私が母さんを殺した…だが」 (,,゚Д゚)「それが何だっていうんだ?だって………」 (,,゚Д゚)「この事実を知っているのは誰もいないのだからな」 そう言ってギコさんはボウガンをしぃさんに向けて構えた。 (*;゚ー゚)「!!お…お父様…!!」 (,,゚Д゚)「さようならしぃ。君の顔を久しぶりに見れて本当によかったよ」 ギコさんは引き金に指を乗せ、ゆっくりと折り曲げた。 その瞬間だった。
- 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:12:23.02 ID:8izpbdPnP
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( #・∀・)「させるかよ!!」 モララーがオペラグラスをギコさんに投げつけ、ボウガンの狙いがずれた。 狙いがずれたボウガンは空を飛び、誰にもあたることはなかった。 モララーは鞄を外すとしぃさんに手渡した。 ( ・∀・)「しぃさん…俺からの依頼だ…どうかコイツを頼む」 (*;゚ー゚)「えっ…えっ!?」 そう残すと、モララーは隣を走っている馬車に飛び乗った。 (;,,゚Д゚)「うっ…!!貴様!!何をする!!」 モララーはギコさんの胸倉を掴み、思いっきり顔面を殴った。 (;-@∀@)「も、モララー!!」
- 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:18:26.15 ID:8izpbdPnP
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ギコさんを殴ったモララーは馬車から顔を出し僕に向かってこう言った。 ( ・∀・)「アサピー!!しぃさんをこの『森』の外に必ず送り出してくれ!!」 (;-@∀@)「お…お前はどうするんだよ!!」 ( ・∀・)「俺はちょっとこいつと遊んでから戻る」 無茶だ。 もう僕達だって限界に近いんだぞ。 今すぐ逃げなきゃ死んでしまうのに。 (;-@∀@)「フザけんなよ!!お前の地図無しじゃ俺は帰れないんだぞ!!」 ( ・∀・)「地図ならその鞄の中に入ってる」 (;-@∀@)「!!………おい!!止めろ!!今すぐ戻ってこい!!」
- 182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:23:50.80 ID:8izpbdPnP
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( ・∀・)「いいか?これは俺だけがかっこいいわけじゃねぇんだ。コンビネーションなんだよ」 ( ・∀・)「俺はここで残り、お前はしぃさんを無事に送り届ける。適材適所じゃねぇか」 (;-@∀@)「でも…!!でもっ…!!」 ( ・∀・)「とっさに判断ができないところがお前の悪い癖だぜアサピー」 ( ・∀・)「帰って来たときにココア無かったらキレるからな」 (;,,゚Д゚)「…ううっん!?」 そういうとモララーは怯んでフラフラしているギコさんを掴み、馬車から飛び降りた。 僕は顔を前に戻し、『森』からの脱出を図る。 それが僕達の仕事なのだから。
- 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:30:31.34 ID:8izpbdPnP
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(;,, Д )「ぐっ…カハッ…オエッ…ゴホゴホッ…!!」 ( ; ∀ )「ガハッ…ゲホッゴポッ…」 (;,,゚Д゚)「貴様…ふざけた真似を……!」 ( ;・∀・)「…何とでも言えよ…俺とあんたはここで『森』の『雪』に体を喰われながら死ぬんだ…」 (;,,゚Д゚)「フッ…フハハハハハハハハッ!!」 ( ;・∀・)「何がおかしい…」 (;,,゚Д゚)「貴様みたいな若造が『森』歴史も知らずに何を語っているんだ?」 (;,,゚Д゚)「いいか?この世界はな…」 (;,,゚Д゚)「一度滅んでいるんだよ!!」
- 184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:40:38.43 ID:8izpbdPnP
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(;,,゚Д゚)「よく見ろあの『ツリー』を!!」 (;,,゚Д゚)「あれらは30年前はビルという名前があった!!」 (;,,゚Д゚)「30年前は一文明を支える役目を果たしていたビルだ!!」 (;,,゚Д゚)「それがどうだ?今では人の視界を妨げる物体でしかない!」 ( ;・∀・)「なんだよ…。『森』ってのは昔は建物だったものだって事が言いたかったのか?」 (;,,゚Д゚)「『森』だけではない。『雪』も『番号』も、全てに意味がある!!」 (;,,゚Д゚)「過去に人間達が犯した過ちが、私達を苦しめているのだ!」 (;,,゚Д゚)「ゴフッ……!!知って…いたか?何故あんなにも頻繁に『雪崩』が起きるのか…」 (;,,゚Д゚)「近くで……大きな振動が…起こっているから…だ」
- 185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:44:12.71 ID:8izpbdPnP
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(;,,゚Д゚)「その振動は過去に世界を滅ぼした振動だ。」 (;,,゚Д゚)「つまり…まだ世界は滅んでいる途中なのだよ」 ( ;・∀・)「そんなの知ってたさ……ガフッ!」 (;,,゚Д゚)「何……?」 ( ;・∀・)「俺は耳がいいんだ。『雪崩』が起きる場所だって分かるし、その前に爆発音があったのも知ってる」 ( ;・∀・)「そして……その物体が近付いていることだって分かる」
- 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:47:45.86 ID:8izpbdPnP
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(;,,゚Д゚)「待て…。貴様……まさか…」 ( ;・∀・)「あんたには分からないだろうね…だんだんだんだん近づいてくるこの感じが」 (;,,゚Д゚)「ま、まさか…こ、こ、ここに……」 ( ;・∀・)「そうだなぁ…あと10秒ってところか」 (;,, Д )「なっ!!!」 ( ;・∀・)「…アサピー…………」 「後は頼んだ」
- 187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:51:13.33 ID:8izpbdPnP
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- 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:52:21.83 ID:8izpbdPnP
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―2年後―
- 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:05:42.90 ID:8izpbdPnP
- (-@∀@)「どうだ?しぃ」
(*゚ー゚)「おっけー。進路は完璧」 しぃはオペラグラスを外すとそう言った。 (-@∀@)「よし、じゃあ行こうか」 ハンドルを握る拳に力を入れ前傾姿勢になり、ペダルを強く踏んだ。 2つの大きな車輪がゆっくりと回転する。 しぃはそれに合わせ、後ろの荷台に飛び乗った。 車輪は下り坂に乗り、僕が漕がなくてもスイスイと進む。 今日は「雪」が積もっており、足場はとても不安定だ。 けれども僕の運転は世界一。 こんなもので簡単に転倒なんかしないさ。
- 191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:08:20.54 ID:8izpbdPnP
- 坂を下ると村の入り口が見えた。
入り口の看板には『72』の番号が。 今日も僕達は手紙を届ける。 それは書いた人の想い。 それは貰う人の願い。 それは届ける人の期待。 そして今は亡き友との誓い。 今僕はその彼の遺志を引き継いだものと一緒に活動をしている。 彼が落とした命にも、生き残った僕達にも、意味が存在するはずだ。 僕達はそれを証明するために、ベルの音を響かせる。 僕らはポストマンだ。 カラーン カラーン カラーン
- 192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:16:41.50 ID:8izpbdPnP
-
【(-@∀@)ベルの音を響かせるようです(゚ー゚*)】 おわり。
- 194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:20:08.81 ID:8izpbdPnP
- | \
|Д`) ダレモイナイ・・カイセツスルナラ イマノウチ |⊂ | 解説。 このスレは総合の 170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/28(火) 01:40:49.45 (p)ID:wahQkhKwP(6) 寝れないから何か書こうかな… テーマのお題ください。 171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :sage :2010/12/28(火) 01:41:51.35 (p)ID:w4nSPby10(7) >>170 とてつもない真冬 のテーマから生まれた作品です。
- 196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:25:08.48 ID:8izpbdPnP
- 【とてつもない真冬】というテーマに対して自分が真っ先に浮かんだのは「就職氷河期」でした。
たしかにそういう面では時事的にも良いだろうと思い書いてみようとしましたが何も浮かびませんでした。 しかし、寒さという表現は、戦いの中でしばし使われているのをよく目にします。 そこで自分が思いついたのは【核の冬】でした。 ・世界について この作品は第3次世界大戦の30年後の世界をテーマに書きました。 アサピーとモララーはその世界の中で、懸命に手紙を配るポストマンという役です。 この世界は一度、全ての世界が放射線物質に汚染されてしまい、人の住める場所がどんどん無くなっていきます。 そこで、その時代に生きる人々は自分達の住める最低限の場所を確保しようということで放射線物質の影響を受けてない地域を作り上げました。 それが村や、町です。 村や街に使われた番号は、【放射線物質の影響から最も遠い順】につけられていきます。 政府や国の中枢があるのは1番。普通の人が住めるのは30番以降になります。
- 197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:26:20.81 ID:8izpbdPnP
- ・単語について
『森』…これは昔高層ビルのあった都市です。 都市には沢山の人々がいた為、戦争では重点的に狙われました。 もちろん放射線物質で大量に汚染されている地域なので、誰も近寄りません。 その為、この世界では、なるべく都市から離れた場所に村や町を置くことになっていました。 『雪』…これは放射線物質を含んだ有害な雪のことです。 この雪を体内に取り込むと、体に異変が起こり障害が現れます。 『雪崩』…近くに核爆弾(あるいはミサイル)が落ち、その際に、起きる雪崩のことです。 『ツリー』…高層ビルのことです。森にあるからツリー。 ・その他 なんかモララーをカッコ良くしすぎたせいで長編の第0話みたいな感じになってしまいました。 もし、機会があればアサピーとしぃの物語を書いてみたいと思います。 誤字脱字、途中の寝落ち、用事抜け大変申し訳ありませんでした。
- 198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:28:51.58 ID:8izpbdPnP
- 以上で終了です。
何か質問があれば随時受け賜っております。 たくさんの支援、保守本当にありがとうございました。
- 207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 09:37:47.86 ID:Fz5bnWcm0
- モララーはギコがボウガン撃ってきたことでしぃの母さんが殺されたことを確信したのか?
- 208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 09:56:31.72 ID:8izpbdPnP
- >>207親子3人がバラバラに暮らしているという時点で
ある程度の違和感をもっていたのですが、 ギコの必死っぷりに疑問がわき、それで気がついたって感じですかね
- 202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 05:43:27.20 ID:JJ/F1c3S0
- ポルノグラフィティのギフトマンおもいだしたわ
多分状況は全く違うだろうけど
- 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 10:34:59.01 ID:8izpbdPnP
- >>202なぜバレたし
- 211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 11:09:12.86 ID:JJ/F1c3S0
- 参考にしたのか?
でもポストマンの方はそんなに厳しい世界じゃないよな
- 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 11:11:29.89 ID:/xZzRxPJ0
- 乙でした
終盤の展開がちょっと強引だった気がするが面白かった
- 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 11:30:43.21 ID:8izpbdPnP
- >>211そうですね。ポストマンの外見的イメージは全部参考にしました。
実際は知りません。 >>212もうながらでは絶対に書かない。
- 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 11:41:20.45 ID:IDQr4fik0
- 雪崩が起きるってことまだ戦争中なの?
- 216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 12:01:09.37 ID:8izpbdPnP
- >>214
放射線物質により世界が侵され、人間の居場所が無くなっていくとき、次に始まるのはその場所の確保です。 まだ核戦争だった時の兵器を持っている国の人々は次は自分達の脅威を奮って生きる場所を確保しようと考えます。 人が住んでいる地域がいきなり禁止区域になったのは、その脅しに政府が屈服したからです。
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