- 4 名前:>>1 ありがとう:2012/01/09(月) 00:45:07.09 ID:CaiavFKo0
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金の玉が浮いていた。 といっても、それは考え事をしながら家を出た男が、 直感でそう思っただけ。 正確には、満月が夜空に浮いていた。 若干、雲に覆われている。 _ ( ゚∀゚)「さーてと」 二階建ての一軒家から出た男――ジョルジュは背伸びをすると、 ゆっくり歩きだした。
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 00:47:16.36 ID:CaiavFKo0
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人気のない道路を歩いていると、夜風が吹きつけ、 ジョルジュは身を震わせた。 _ ( ゚∀゚)「さみー」 現在は深夜1時。 木枯らし吹く季節の寒さ、冷たい風。 体は防寒着で防ぐことは出来ても、顔はどうしようもない。 なんとかならないものかな、と思いつつ、我慢しながら歩みを進める。 ジョルジュの自宅から、徒歩で約十分程。 国道沿いにある、小ぢんまりとした居酒屋の前でジョルジュは足を止めた。 かじかむ手で、引き戸を開ける。
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 00:48:58.75 ID:CaiavFKo0
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「いらっしゃいませ」 足を踏み入れると、左にカウンター、右に座敷が見えた。 橙色の照明が店内を照らし、温和な雰囲気を醸し出している。 客は、片手で数えられる程しかいない。 ジョルジュは自然な動きで、カウンター席に腰かけた。 「ご注文は?」 男が、ジョルジュに訊く。 _ ( ゚∀゚)「そうだなー……ビール生、小で」 メニューを開いたまま答えた。 「かしかまりました。ビール生、小ですね」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 00:50:46.76 ID:CaiavFKo0
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男は背を向け、そそくさと準備を始めた。 _ ( ゚∀゚)(うーん…他には…) メニューにある『おすすめ』には、たこわさや軟骨のから揚げなどが、 鮮やかな写真を添えて書かれている。 思わず食欲をそそられた。 「ビール生、小です。どうぞ」 考え事をしていると、 ビールの注がれた小振りのグラスがジョルジュの前に置かれた。 ジョルジュはメニューを閉じ、グラスを手にとって口を付けた。 ごくりと飲む。 程良い苦みと爽やかな喉越しに、「ふー」と溜息を吐く。
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 00:52:28.16 ID:CaiavFKo0
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( ゚∀゚)「あんたは店長?」 「そうですよ」 男は笑みを浮かべ、答える。 _ ( ゚∀゚)「そうか……今、楽しい?」 「楽しいですね。こうやって、居酒屋でお客さんと話す時が」 _ ( -∀-)「そうか……」 _ ( -∀-)「俺は……『楽しい』って感じる時が、前よりだいぶ減ったなー。 青春時代と比べて」 友人と騒いで、遊んで、バカなことをして、時々勉強して。 楽しく、充実した毎日を送っていた青春時代。
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 00:54:12.16 ID:CaiavFKo0
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高校を卒業した後は、苦しい就職活動を経て、なんとか採用されて。 それからは、仕事に追われる毎日。 休日は友人との予定もなかなか合わず、一人でぶらぶら。 空っぽな日々を送っているような、そんな気がしていた。 _ ( -∀-)「俺の昔話を聞いてくれるか? なんてことない、短い昔話だけど」 「勿論。いいですとも」 _ ( ゚∀゚)「ありがとよ」 もう一度ビールを飲み、ジョルジュは口を開いた。 _ ( ゚∀゚)と青き良き時代のようです
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 00:56:14.84 ID:CaiavFKo0
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― ― ― ― ― ― ― ― ― ― じゃあ話すか。 俺はビップ高等学校ってとこに通ってたんだ。 あれは高校3年の時。夏も終わりに近付いてきた頃で、体育祭の前日。 俺のクラスはその1年前、隣の3組に大敗を喫しててな。 リベンジに燃えてたんだよ。 そりゃもう、熱意が目に見える程に。 ◇ 「今年こそはあいつをぶちのめすお!」 「なんとしてでも勝ってやるんです!」 「俺達は黄色か……流石だよな」 「やるぞおおおおおおおおおおお!!」 ◇
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 00:57:52.30 ID:CaiavFKo0
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あれは凄かった。 ブーンって奴なんか、プロテインを学校に持って来て飲むくらいだったよ。 俺も燃えてた。 そいつら程じゃないけどな。 そうそう、俺の友人は違ったんだ。 ギコって奴なんだけどさ。男ね、一応言っとくけど。 そのギコはめちゃくちゃ足が速くてさ。 校内でもトップクラスだったんだ。 100m10秒ちょい?とにかく早かった。 疾きこと風の如しってあるけど、本当に風みたいだったよ。 なんでギコが燃えてなかったって言うとな…… まあ説明した通り、すげー足が速い。校内でも敵なし。
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 00:58:54.95 ID:CaiavFKo0
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つまりギコは、強敵に飢えていた。 より速い奴と会って、自分の力を試したいと思っていたんだ。 ……少なくとも、当時の俺はそう考えてた。 後で話を聞くと、外れてたみたいなんだけどさ。 ◇
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:00:07.41 ID:CaiavFKo0
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(,;゚Д゚)「おー……あいつらすげぇな」 _ (;゚∀゚)「勢い余って相手を殺しちまいそうだ」 (,,゚Д゚)「まあ俺は楽しんでいくか」 _ ( ゚∀゚)「そう言いながらリレーじゃ1位になるんだろー」 (,,゚Д゚)「仕方ないだろ、なっちまうんだから」 _ ( ゚∀゚)「ギコの親父、オリンピックに出てたよな?」 (,,゚Д゚)「……まぁな」 ◇
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:01:39.07 ID:CaiavFKo0
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うーんと、たこわさ1つ。と、タコのから揚げ1つ。 今のところは以上で。 ……で、続き。 ギコの親父は有名なランナーだったんだ。 フサっていうんだけどさ、聞いたことあるだろ? 最高記録は100m走10秒……04、だったっけか。 その親父は、ギコにもオリンピックに出て欲しかったらしくて。 小さい頃から、きつーいトレーニングを続けてたそうだ。 でも高校の途中くらいから、なかなか身に入らなくなってきたようでね。 親父との仲も、あんまり良くなかったらしい。 ◇
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:03:21.00 ID:CaiavFKo0
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( ゚∀゚)「やっぱりお前もオリンピック目指すのか?」 (,,゚Д゚)「……どうだろうな。最近、迷ってんだよ」 _ ( ゚∀゚)「迷ってる?」 (,,゚Д゚)「俺のやりたい事は本当にこれなのか? ってさ」 (,,゚Д゚)「まだ小さい頃は、走る事は楽しかったよ。快感もあった」 (,,゚Д゚)「だけどな……最近になって、揺らいできてるんだよ」 _ ( ゚∀゚)「押しつけられてる感?」 (,,゚Д゚)「言葉は悪いけどな、そんな感じかも知れない」 ◇
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:04:58.21 ID:CaiavFKo0
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ま、トップスプリンターの息子だ。 周囲からの期待やプレッシャーも、存分にあったんだろうよ。 羨望の眼差し、妬みとかもな。 親父のスパルタも凄かったらしい。 そんなだから、ギコは思っちまったんじゃないかな。 『俺は本当に走りたいのか?』って。 今まで走り続けてきたのは、単なる義務感からだったんじゃないか、ってね。 んで、体育祭当日。俺はいつものように、日の出を見て。 それから準備運動をしまくって、それだけで疲れそうになってた。 ◇
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:06:20.96 ID:CaiavFKo0
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(;゚∀゚)「ぬおおおおおお」 (,,゚Д゚)「……何やってんだ?」 _ ( ゚∀゚)「準備運動あと10回!!」 (,;゚Д゚)「もはや準備じゃないだろそれ」 _ (;゚∀゚)「今日だけは絶対に活躍しないといけないんだよ!」 (,;゚Д゚)「何かあるのか?」 _ (;゚∀゚)「お前には秘密だ!」 ◇
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:07:43.18 ID:CaiavFKo0
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ぷはー。 っと。 やっぱり別の居酒屋で飲むのも良いなー。 あ、俺の親父も居酒屋を経営してて。 ……その話は置いとくか。 俺が体育祭で燃えてるのには理由があったんだ。 どうしても、活躍したかった。 何の為かって、そりゃあ……
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:09:08.44 ID:CaiavFKo0
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女だよ。 好きな子がいたんだ。 近寄りがたい雰囲気だったけど、割と綺麗な顔してたし、正義感もあったし。 ちょっと男勝りなところもあってさ、そういう所に魅かれたんだ。 高校最後の体育祭で大活躍して、アピールして、 そんでもって告白しようと思ってた。 ◇
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:10:39.85 ID:CaiavFKo0
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( ゚∀゚)「よーしやるぞ!」 (,,゚Д゚)「結局何なんだ? リベンジか?」 _ ( ゚∀゚)「誰でも鍵を掛けておきたい秘密はあるものだよ、ギコ君」 (,,゚Д゚)「そうか。んーと、最優秀選手には……ポカリスエット50本分!?」 (,,゚Д゚)「ふざけてやがる」 _ ( ゚∀゚)「よーし! じゃあ俺がそのポカリを掻っ攫って置き土産にしてやんよ!」 (,,゚Д゚)「なんか間違ってないか、それ」 ◇
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:12:16.58 ID:CaiavFKo0
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高校最後の体育祭。 なんかいい響きだよな、そう思わないか? まあ体育祭に限らず高校最後の○○ってやつ、俺は好きだけど。 体育祭は初っ端から、クラス対抗リレーだった。 なんでだろうな。 最初からリレーとかあり得ない、普通は。 だって疲れるじゃん、思いっきり走るわけだから。 まあそんな事を気にしても仕方ないか、 と思いながら俺もリレーに参加してたよ。 最初の種目で活躍すれば、印象に残りやすいだろ? それも、リレー。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:13:53.39 ID:CaiavFKo0
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綱引きや騎馬戦とも違って、一人一人が注目される。 そんな狙いもあって、俺はアンカーに出る事にしたんだ。 一応、クラスでは100m走で3位だったしな。 で、リレーが始まった。 白熱した戦いが繰り広げられた。 応援にも熱が入ってた。 俺の所までバトンが来た時、俺のクラスは1位。 2位3位は俺より早い奴だったけど、このままなら逃げきれる。 何もかもが順調だ。 全部上手くいく。何の問題もない。 そう思った矢先に、事件は起きたんだ――。 ◇
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:15:16.41 ID:CaiavFKo0
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( ゚∀゚)(いける、このままなら……くく、まだ笑うな。し、しかし……) _ ( ゚∀゚)「いやっはああああああ1位もらいいいいい ごっ!?」
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:16:47.64 ID:CaiavFKo0
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(,,゚Д゚)「あ」 「コケたー! 黄組のジョルジュ選手がゴール目前で盛大にコケたー!」 _ (メ;゚∀゚)「ちょ……ま……」 「1位青組! 2位赤組! 緑も追い付いてきます!」 _ (メ゚∀゚) _ (メ;∀;)「嘘だろおおおおおおおおおおおおお」 ◇
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:18:03.85 ID:CaiavFKo0
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うん、コケたんだ。 そりゃもう、思いっきり。 頭も打って流血してた。 タンカも持ってこられた。 散々だった。 その後はもう、病院に行って、家に帰って。 泣きながら寝っ転がってわんわん泣いた。 黒歴史に近かったよ、もう。 いや。 黒歴史は、その後か。 ◇
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:19:40.89 ID:CaiavFKo0
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(メ゚∀゚)(放課後の教室で二人きり……最高のシチュエーション) _ (メ゚∀゚)(コケてもめげねぇ。思いは伝わるはず!) _ (メ゚∀゚)「あの、ツンさん」 ξ゚⊿゚)ξ「……何?」 _ (メ;゚∀゚)「あの、その」 _ (メ;゚∀゚)(ぐ……何を躊躇してる! 言うんだ! 言え!)
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:20:51.84 ID:CaiavFKo0
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(メ゚∀゚)「好きです! 付きだっで下さ」 _ (メ゚∀゚) ξ゚⊿゚)ξ「……ごめんなさい」 _ (メ゚∀゚) _ _ ( ゚∀゚ ) _ (メ;∀;)「何なんだよおおおおおお!!」 ◇
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:22:13.58 ID:CaiavFKo0
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俺は玉砕した。 玉砕したんだ。 粉々に。 跡形もなくなる程に。 コケた上に、告白に失敗したんだ。 俺は教室を飛び出した。 学校も飛び出した。 んで、ギコの家に行ったんだ。 ◇
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:23:43.77 ID:CaiavFKo0
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(メ;∀;)「ギコおおおおおおおおおお」 (,;゚Д゚)「うお! どうしたんだ!? 失敗か? 失敗したのか?」 _ (メ;∀;)「噛んだんだよおおおおおおおおおおお」 (,;゚Д゚)「……まあとりあえず入れ」 _ (メ;∀;)「おっぺけぺぇえええええええええええええ」 (,;゚Д゚)「意味が分からん」 (,,゚Д゚)の部屋 _ (メ゚∀゚)「ふー……んあ? ああ、ポカリか」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:25:05.78 ID:CaiavFKo0
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(,,゚Д゚)「最優秀選手になっちまったからな……どうすりゃいいんだ、50本も」 _ (メ゚∀゚)「……」 | \ __ / _ (m) _ピコーン |ミ| / `´ \ (゚∀゚) ノヽノヽ くく _ (メ゚∀゚)「ポカリ風呂作ろうぜ!」 (,;゚Д゚)「はぁ!?」
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:26:35.35 ID:CaiavFKo0
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(,,゚Д゚)宅の風呂場 _ (メ゚∀゚)「ふぃーっと」 (,,゚Д゚)「これは……」 (,,゚Д゚)「ポカリで……海が出来た……」 _ (メ゚∀゚)「さあ入ろうか」 (,;゚Д゚)「!?」 _ (メ゚∀゚)「風呂なんだから入らねーと意味ないだろ?」 (,;゚Д゚)「いや無理だこれには入れんマジで」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:28:16.23 ID:CaiavFKo0
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(メ゚∀゚)「さあ!」 (,;゚Д゚)「無理無理」 _ (メ゚∀゚)つ「っさあ!」 (,;゚Д゚)つ「無理だって言ってんだろ!?」 ガッ _ (,;゚Д゚)つ (゚∀゚メ) _ (メ゚∀゚)「え」 (,;゚Д゚)「あ」 バシャアアアアン
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:29:19.61 ID:CaiavFKo0
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(メ;゚∀゚)「ちょおおおおおおおお」 (,,゚Д゚)「正直すまんかった(棒)」 (,,゚Д゚)の部屋 _ (メ゚∀゚)「いやー酷い目に遭った」 (,,゚Д゚)「まあなんだ、不可抗力だ。許せ」 _ (メ゚∀゚)「はいはい……ったく、パンツにもポカリが染み込んだじゃねーか」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:30:50.89 ID:CaiavFKo0
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(メ゚∀゚)「……あ、そうだ。お前、これから先どうすんだ?」 (,,゚Д゚)「突然だな」 _ (メ゚∀゚)「何とかはいつも突然に、ってな」 (,,゚Д゚)「……お前の父さん、居酒屋経営してただろ」 _ ( ゚∀゚)「ああ。お前も連れていったことあったよな」 (,,゚Д゚)「あそこに行った時から、だんだん思い始めたんだよ」 (,,゚Д゚)「俺が本当にやりたい事は何なのか、ってな」 _ (メ゚∀゚)「……」 (,,゚Д゚)「俺はあんまり友達がいない。知り合いは何人かいるがな」 (,,゚Д゚)「おまえくらいなもんだよ、腹割って話せるのはな」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:31:57.06 ID:CaiavFKo0
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(,,゚Д゚)「あの居酒屋に行って、凄いなと思ったよ。お前の父さん、誰とでも気軽に話してたからな」 (,,゚Д゚)「俺もあんな風になりたい、と思い立ったんだ」 (,,゚Д゚)「だから俺は――」 ◇
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:32:47.97 ID:CaiavFKo0
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ま、この話はこれでおしまい。 ……うお、そろそろ閉店か。 じゃ、ラストオーダーいいか?
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:34:49.76 ID:CaiavFKo0
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ポカリスエット頼む。 500mlの、な。
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:35:55.29 ID:CaiavFKo0
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― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 閉店後、ジョルジュは名残惜しむように店を出た。 夜風が吹く中を歩き出す。 すると。 _ ( ゚∀゚)「おぶっ!?」 ジョルジュに、何かが投げつけられた。 縮れた、布のようなもの。 心なしか、妙な臭いがする。 「忘れもんだ! また来いよ!」
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:36:58.92 ID:CaiavFKo0
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投げてきたのは、居酒屋の店主だった。 嬉々とした顔で手を振っているのが、良く見えた。 _ ( ゚∀゚)「ありがとよ! また来るぜ!」 _ ( ゚∀゚)ノシ 力強く手を振り、再会を約束。 その内、店主が店内に戻ると、ジョルジュも踵を返して歩き出す。
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:38:32.91 ID:CaiavFKo0
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居酒屋「擬古」。 国内で唯一、ポカリスエットを注文できる居酒屋。 また来よう、絶対に。 ジョルジュはそう誓い、空を見上げる。 _ ( ゚∀゚)「あー」 まだ、満月は見えていた。 _ ( ゚∀゚)「どうすっかな」 今日の予定は何も決まっていなかった。 案の定、他の友人との予定は合っていない。 _ ( ゚∀゚)(そうだ、久し振りに……)
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:40:05.27 ID:CaiavFKo0
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日の出でも、見に行くか。 あの鮮やかで、美しい夜明けを。 たまには、良い景色でも見てみよう。 そうやって、心を洗っていこう。 そんな方法も、ありだよな。 清々しい気分で、ジョルジュは家路についた。 ( ゚∀゚)と青き良き時代のようです おわり  ttp://image.blog.livedoor.jp/number18_ichihachi_/imgs/0/8/08738aad.jpg
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/09(月) 01:41:27.85 ID:CaiavFKo0
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お題は 15 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2012/01/07(土) 20:07:09.31 ID:ct4WyYLg0 >>14 ポカリの染み込んだパンツ 17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2012/01/07(土) 20:10:17.33 ID:C1rwWOGp0 >>14 青き良き時代 18 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2012/01/07(土) 20:10:36.08 ID:8iCSxDWn0 >>14 オッペケペー でした。 お題をくれた人、見てくれた人、ありがとう。
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