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('A`)がジョックどもをぶっ飛ばすようです |
前スレ
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:40:53.14 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)(……)
('A`)(音はない。何も聴こえない。感覚がない) ('A`)(目は閉じている……) ('A`)(俺の渾身の天地投げは……成功したのか?) ('A`)(俺は……立っているのか?) ('A`)「……ん……」 (*゚ー゚)「……」 ('A`)(しぃか……建前上は他人だから、話しかけないようにしてるんだな……) ('A`)(ん? 俺の目線のほうがしぃより高いってことは)チラッ (,,゚Д゚)「……ファック、ファッキンジャップ……!」 ('A`)「倒れてるのは……ギコか!」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:47:27.50 ID:SC2BKzwa0
- (,,゚Д゚)「おいてめぇ、今どうやった……?」
(,,゚Д゚)「俺は……触れられてないというのに……」 ('A`)「ふっ……合気道の神髄とは、無我の境地なり」ドヤッ ('A`)「ってかちょっとは触れたって。もうちょっと俺の握力を信じて」 (,,゚Д゚)「ぐほっ、全身が傷むぜ……」 ('A`)「え、天地投げって護身術だからそんな大した技じゃないんだけど」 (,,゚Д゚)「リアリィ!? 今のが大技じゃないというのか!?」 ('A`)「えっ、そうだけど」 (,,゚Д゚)「スケアリー……東洋の魔術か……」 (,,゚Д゚)「シット、こんな奴に勝てるかよ! ファック!」タッタッ ('A`)「あっ、逃げてった……ふふふ、臆病風に吹かれたようだな!」 ('A`)「俺つえええ!」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:53:19.26 ID:SC2BKzwa0
- ガサッ...タッタッタッ...
( ^ω^)「ドクオ! 無事かお!」 ('A`)「おう、お前らか。見ての通り平穏無事だぜ」 ('A`)「それより……おい、アサピー。証拠写真は撮れたか?」 (-@∀@)「バッチリさ! 一部始終がこの中にね」 (-@∀@)「もちろんドクオくんの活躍も」 ('A`)「焼き増しよろしく」 (´・ω・`)「これがあれば、ギコの権力を奪うだけでなく」 (´・ω・`)「ナードの代表格であるドクオの株も同時に上がる」 ('A`)「だからそれ称賛なのか貶してるのかわかりづれぇよ」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:55:23.29 ID:SC2BKzwa0
- 从 ゚∀从「しぃもよくやってくれたぜ! 今日のMVPだ」
(*゚ー゚)「……ふええん、怖かったよ……」 从 ゚∀从「おお、よしよし。お姉さんの胸で泣きなさい」 (´・ω・`)「だけど凄いね、ドクオ」 ('A`)「なにが?」 ( ^Д^)「決まってんだろ! お前今どうやって投げたんだよ!」 ('A`)「ああそりゃ、合気道は力を込めずに投げるって武道だから……」 ('A`)「激流を制するは静水ってやつですか?」 ( ^Д^)「いやお前……力どころか……」 ( ><)「ギコくんに触れてすらいなかったんですけど……」 ('A`)「……へ?」 川д川「比喩とかじゃなくてよ……うふふ……」
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:58:27.49 ID:SC2BKzwa0
- (´・ω・`)「君のところに辿りつく前に、ギコは宙を舞っていたからね」
('A`)「……なーんか、凄く嫌な予感がするんですが……」 ( ^Д^)「なあなあ、マジでどうやったんだよ! マジックか?」 ('A`)「マジックだったらどれほど平和か……」 (゚、゚トソン「どういう」 ミセ*゚ー゚)リ「こと?」 ('A`)「……ちょっと時間くれ。気持ちを落ち着ける」 ('A`)「あと一度自分とも向き合ってみる」 ( ^ω^)「それには深呼吸が効果的だお」 ('A`)「わかってる。すーはー、すーはー、すーはー。よし」 ('A`)「あー……ちょっと試したいことがありまして」
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 03:03:26.61 ID:SC2BKzwa0
- (´・ω・`)「何をだい?」
('A`)「あそこに違法駐車してあるオートバイでいいか……」 从 ゚∀从「なんだなんだ」 ('A`)「……ふっ!」 フワッ...! ( ^Д^)「うおおおおお!? 浮いた!? 高度およそ十メートル!?」 (-@∀@)「まさか……ドクオくんが?」 ('A`)「はい、えーと、どうやら自分、超能力とかいうのに目覚めちゃったみたいでして」 (´・ω・`)「本気で言ってるの?」 ('A`)「嘘だとしたらこの現象は説明できねぇだろ……」 (´・ω・`)「……アメイジング」 ('A`)(やはり俺も……父さんの息子だったのか……)
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 03:09:38.56 ID:SC2BKzwa0
- ~~なんか気まずいディナー~~
('A`)「……つーわけで、血は争えないみたいです」 (`・ω・´)「ドクオよ、お前のチャンネルは父さんのものとは少し違いそうだ」 (`・ω・´)「父さんの念動力はテレキネシス」 (`・ω・´)「その背景にあるのは共感覚。物体と感覚を共有させているんだ」 (`・ω・´)「最近の父さんは目だけで大抵のことは済ませられるようになってるからな」 ('A`)「俺はなんなんだ」 (`・ω・´)「ドクオの場合、幼少から習っていた合気道の経験」 (`・ω・´)「その経験を糧にした物理的な面からのアプローチのほうが大きそうだ」 (`・ω・´)「つまりは、同じ念動力でもサイコキネシスと呼ぶべきだろうな」 ('A`)「もうオニオングラタンスープの味もよくわかんないよ」
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 03:14:01.62 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「それにしても……ドクオも発現してしまったのか」
(`・ω・´)「シャンパンでも開けようか?」 ('A`)「いらない。ダイエットコークだけ飲んでる」 (`・ω・´)「そうか」 (`・ω・´)「ああ思い出した、父さん今日」 (`・ω・´)「NASAの全権のうちの三分の一を譲渡されたよ」 ('A`)「ふうん」 (`・ω・´)「代わりに決して反目しないよう誓約させられたよ」 (`・ω・´)「そんな物騒なことを起こす気は微塵もないのにな。くわばらくわばら、だ」 ('A`)「なんかもうどうでもいいわ」
- 177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 15:06:09.91 ID:SC2BKzwa0
- ~~週明けの図書室~~
ガラッ ('A`)「よう」 川 ゚ -゚)「……」パタン 川 ゚ -゚)「珍しいな、君一人とは。初じゃないか?」 ('A`)「まあな……あー、それより」 川 ゚ -゚)「言わずともわかっている。私もスクールペーパーを読んだクチだ」 川 ゚ -゚)「驚いたよ」 ('A`)「それはなにより」 川 ゚ -゚)「詳しく語ってもらおうか。ちょうど他に誰もいないしな」
- 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 15:13:52.81 ID:SC2BKzwa0
- 川 ゚ -゚)「あの写真に映っている人物はギコで間違いないのだな?」
川 ゚ -゚)「女児と絡んでいる写真が数枚あったようだが」 ('A`)(絡むとか別の想像をしてしまうだろ……) ('A`)「そうだよ。見ての通りだ。ギコの奴の顔は鮮明に映ってただろ」 川 ゚ -゚)「まあな。女子児童にはプライバシー保護のためか修正が入っていたが」 川 ゚ -゚)「そして救援に入った男のことも写真付きで載っていた」 川 ゚ -゚)「生憎、その男の面は『うまいこと』ぼやけていた」 ('A`)「まあ、そんな感じ記事でしたね、ハイ」 川 ゚ -゚)「……あれは何もかも偶然の出来事のように書かれていたが」 川 ゚ -゚)「計算尽く……ということなのだな」 ('A`)「そうだ」
- 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 15:21:01.48 ID:SC2BKzwa0
- 川 ゚ -゚)「ギコは欠席しているから事の真相は誰も知らない」
川 ゚ -゚)「わかっているのは、記事を見たままのことのみ」 川 ゚ -゚)「これによりギコに軽蔑の念が集まっている。ただそれだけだ」 ('A`)「ジョックから転落しちまうな」 川 ゚ -゚)「他人事みたいに」 川 ゚ -゚)「……それよりだ。女児を助けた男」 ('A`)「あーそれね」 川 ゚ -゚)「あの人物が君だという噂も広がっているようだが」 川 ゚ -゚)「顔は明瞭には映っていないが、どことなく面影がある、と」 ('A`)「まあな。朝からいろんな奴に詰問されたよ」 ('A`)「全部曖昧に答えておいたがな」
- 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 15:28:55.75 ID:SC2BKzwa0
- 川 ゚ -゚)「学校中がナードがジョックをビートダウンしたと盛り上がりを見せている」
('A`)「ほう、そりゃいいことですなー」 川 ゚ -゚)「……君は私に証人になれと言っただろう」 川 ゚ -゚)「ならば顛末のすべてを知る権利が私にはあると思うのだが」 ('A`)「へいへい。教えますよ」 ('A`)「噂の通り、ギコを投げ飛ばしてる男は俺」 ('A`)「でもぶっちゃけるとあれはアクシデントだ。もしもの事態だった」 川 ゚ -゚)「アクシデント?」 ('A`)「本当はロリコン魂が我慢できずに爆発しちまった現場を押さえるだけのつもりだったんだよ」 ('A`)「あ、もちろんギコに仕向けた女の子はダミーね。うちのクラスのしぃって奴の変装」 川 ゚ -゚)「あの児童がか? 君の同級生なら私ともタメではないか」ハァハァ ('A`)「なんでちょっと興奮してるんだよ」
- 191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 15:34:49.59 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「ところが爆発したその破片がしぃに振りかかっちまって」
川 ゚ -゚)「ほう」 ('A`)「写真にもあったけど、体に触れちゃったわけだな」 ('A`)「今にも身をかぶせそうな勢いで」 ('A`)「さすがにこりゃまずいと思って飛び出したんだが……」 川 ゚ -゚)「そして君が撃退したのか」 ('A`)「まあそういうこと」 川 ゚ -゚)「よくやるよ。そんなブロッコリー・スプラウトみたいな体で」 ('A`)(俺だってまさか親父の力を遺伝しているとは思わなかった) ('A`)「でまあ、その様子も俺の仲間が撮影しててさ」 ('A`)「これらの資料をどう活用するか話し合った結果」 ('A`)「ショボンが案を出した」
- 195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 15:43:12.59 ID:SC2BKzwa0
- 川 ゚ -゚)「ショボン? 君と共に時折図書室に現れる男子か」
('A`)「そう。豚みたいなほうじゃなくてノートパソコン抱えてるほうな」 ('A`)「ギコの写真をただバラ撒くだけよりも、もっと利用価値のある方法を考えついた」 ('A`)「どのみち俺の顔はギコには割れてたしな」 ('A`)「あいつがどう行動してもこちらに都合よく運ぶようなルートを選択しなくちゃならない」 川 ゚ -゚)「それが学生紙への掲載か」 ('A`)「アサピーの奴が学生新聞の発行に携わっていたのは都合がよかった」 ('A`)「偶然記者がギコが不義を犯す現場に居合わせたということにして」 ('A`)「その上で、助けに入った俺を英雄に仕立て上げるようにもした」 川 ゚ -゚)「ほう」 ('A`)「ただ、はっきり俺だとわかったのではあまり効果がない」 川 ゚ -゚)「どういうことだ?」
- 198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 15:50:25.58 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「こっちから主張するより、見る側が己の意志で寄ってくる」
('A`)「そんな文章と写真を載せた」 ('A`)「誰だか推測できる余地を残したんだ」 川 ゚ -゚)「遠回りなことをするんだな。なんの意味があるというんだ」 ('A`)「こうしたほうが潜在意識に訴えかけられるんだよ」 ('A`)「強制的に教えられる情報より、自発的に調べた情報のほうが頭に残る」 ('A`)「勉強だって無理やりにやらされるより」 ('A`)「自らやろうとした時のほうが集中できるだろ?」 ('A`)「それと同じだ」 川 ゚ -゚)「ほう」 ('A`)「……全部ショボンの受け売りなわけですけども」 川 ゚ -゚)「だと思ったよ」
- 204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 16:00:44.68 ID:SC2BKzwa0
- 川 ゚ -゚)「しかし……偶然か。君の説明を聞いた後だと白々しい話だな」
川 ゚ -゚)「この分ならモララーの痴態画像流出も君たちの仕業らしいし」 ('A`)「まあそうですね」 川 ゚ -゚)「あれはコラの類じゃないんだろう?」 ('A`)「ええもう産地直送です」 川 ゚ -゚)「ひくわー」 ('A`)「とはいえジョックの主要メンバーはズタボロになったぜ」 ('A`)「おかげでナードの間でジョックを特別視する風潮も薄らいできている」 ('A`)「なにせジョックが変な目で見られ出してるし」 川 ゚ -゚)「まあ、変態集団という悪口まで囁かれているようだからな」 ('A`)「ヒエラルキー崩壊は目前だ」
- 207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 16:05:29.55 ID:SC2BKzwa0
- 川 ゚ -゚)「そういった予兆はひしひしと感じている」
('A`)「な? 俺がこの前宣言した通りだろ?」 川 ゚ -゚)「今のところはな」 ('A`)「……なんだよ、つれねぇな」 ('A`)「あとは親玉のジョルジュだけってところまできてるんだぞ?」 川 ゚ -゚)「おい」 ('A`)「なんだよ」 川 ゚ -゚)「君はジョックさえどうにかすればスクールカーストは終わると思っているようだが」 ('A`)「そうだ」 川 ゚ -゚)「なるほど確かに、ジョックが消えればクイーンの存在意義も失せる」 川 ゚ -゚)「最上位層は崩れ去るだろう」
- 209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 16:12:18.01 ID:SC2BKzwa0
- 川 ゚ -゚)「しかしその場合、その下の階層」
川 ゚ -゚)「ワナビーとプリーザーが一番上になるだけではないか」 ('A`)「は?」 ('A`)「確か……ジョックやクイーンの取り巻きたちの総称だったか」 川 ゚ -゚)「連中は地位の上昇を夢見る層だ」 川 ゚ -゚)「ジョックどものおこぼれにあずかりながらな」 ('A`)「つくづく情けない奴らだな」 川 ゚ -゚)「私もそう思う。上昇志向はあるが、起こす行動といえば太鼓を叩くだけだ」 川 ゚ -゚)「ところがジョックが消えた場合はどうなる?」 川 ゚ -゚)「自動的に、ジョックが吸っていた甘い汁が中間搾取なく彼らに回るだけだ」 川 ゚ -゚)「つまり彼らが新しいジョックとなる」
- 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 16:23:28.39 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「だったら、そいつらも……」
川 ゚ -゚)「ぶっ飛ばす、と言うのか?」 川 ゚ -゚)「ならば今度は、その下に属するプレップスやセクレタリーが最上位になるな」 ('A`)「なんだそりゃ」 川 ゚ -゚)「プレップスは家柄のいい優等生集団」 川 ゚ -゚)「セクレタリーはいわゆるブロンド、馬鹿だが容姿の優れた女子集団だ」 川 ゚ -゚)「これを排除すれば、次はメッセンジャー」 川 ゚ -゚)「上に媚びへつらい下をいびっていた奴らがでかい顔をしだすだけだ」 川 ゚ -゚)「この派閥までいなくなれば、もうその次は君たちナードだ」 川 ゚ -゚)「ナードが学園の頂点にくるんだ」 ('A`)「……」 川 ゚ -゚)「君はトップになりたいのか? リベラルじゃなかったのか?」
- 216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 16:31:04.90 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「俺が……」
('A`)「俺が主張しているのは、そんなことじゃない!」 ('A`)「スクールカースト自体をなくすんだ! 最初に言っただろ!」 川 ゚ -゚)「ああ。言ったな。なんとも矮小な夢……夢物語だ」 ('A`)「バカヤロー! 理想論だなんて知ってるよ」 ('A`)「でもやるんだよ、俺は! こんなふざけたもんいらねぇんだ!」 川 ゚ -゚)「なら引き続き期待しておくよ」 川 ゚ -゚)「私は観測者であり歴史を見守る者だからな」 ('A`)「そうかい」 ('A`)「……じゃあな」 バタン
- 226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 16:37:04.43 ID:SC2BKzwa0
- ~~廊下(パッセージ)~~
ハハ ロ -ロ)ハ「ああ、ドクオさん。図書室で大声は控えてくださいね」(美しいイングリッシュ) ('A`)「スワセン、スワセン……」 ハハ ロ -ロ)ハ「廊下まで聞こえてきましたから……」(小気味よい子音) ハハ ロ -ロ)ハ「何を叫んでいるのかまでは判りませんでしたが……」(伸びやかな母音) ('A`)「ハイ、スワセン……」 ハハ ロ -ロ)ハ「以後気をつけてくださいね」(完璧なブレスのタイミング) ('A`)「スワセン……」
- 229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 16:43:43.87 ID:SC2BKzwa0
- ~~教室(クラスルーム)~~
('A`)「……」ガララッ ( ^ω^)「ドクオ、遅かったじゃないかお」 ( ^Д^)「トイレなげーよ。どんだけ出してたんだよ」 ('A`)「いや、ちょっと他に用事もあって」 (*゚ー゚)「それより、今みんなでスクールペーパーを見返してたんだけど……」 (-@∀@)「いやあ、さすが僕の記事だ! よくできてるね!」 ( ^Д^)「この明らかにドクオなんだろうけど他の誰かっぽくも見える角度が絶妙だよな」 (´・ω・`)「この手の偏向報道は得意そうだもんね」 (-@∀@)「な、なんだよ、その目は」
- 233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 16:52:41.46 ID:SC2BKzwa0
- ( ^ω^)「それよりドクオ、どうするつもりだお」
('A`)「なにが?」 ( ><)「ジョルジュくんのことです」 ('A`)「ああ、最終関門か……」 ( ^ω^)「あいつ、相次いで周りの人間がジョックから脱落していってるから」 ( ^ω^)「さすがに疑念を抱いてるみたいだお」 从 ゚∀从「誰かの意思を感じてるみたいだな、どーにも」 (´・ω・`)「で、君にその疑いの目が向いているみたいだ」 ('A`)「ハァ? 俺かい」 (´・ω・`)「だって君が来てから急に起き出した事件だからね」 川д川「それに……写真でギコと対峙していた人物はドクオくんとの噂……」 (´・ω・`)「それはこちらの思惑があってのことだから仕方ないけども」
- 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 16:58:24.99 ID:SC2BKzwa0
- (´・ω・`)「彼、相当トサカにきてるっぽいよ」
('A`)「マジかよ……」 (゚、゚トソン「ただでさえナードが」 ミセ*゚ー゚)リ「ジョックを倒したって巷説が流れてるからね」 ( ^ω^)「そのナードはドクオということになってるお」 ('A`)「まあ実際俺なわけだけど……」 从 ゚∀从「ってか、全部の発端だからな」 (´・ω・`)「ジョルジュにとっては未だ予測の段階とはいえね」 (´・ω・`)「とはいえ真実に辿り着きつつある。さて……どうする?」 ('A`)「どうするって、なにがだ」 (´・ω・`)「全面抗争を起こすなら、このタイミングだと思うけど」 ('A`)「……ガチのラフファイトか……」
- 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 17:03:40.57 ID:SC2BKzwa0
- ( ^Д^)「ついにこの瞬間が訪れたか……燃えてきたああ!!」
('A`)「いやー、あの、ちょっといいですか」 ( ^ω^)「なんだお」 ('A`)「ぶっちゃけ拳と拳で殴り合いとか全然オッケーなんですけど、はい」 ('A`)「というか……負ける気がしないんですが……」 (*゚ー゚)「あの念動力があるもんね……」 (´・ω・`)「負ける要素はないよね」 ( ^Д^)「ギャハ、だったらもうジョックとナードの逆転なんか余裕じゃん」 ('A`)「逆転……」 ('A`)(そういえば……ナードの下にジョックを叩き落としてるんだったな……) ('A`)(ジョルジュの座を失墜させれば、完全に終わりか……)
- 239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 17:13:19.39 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「……あー、ちょっといいか」
(-@∀@)「なに? 僕はもう整理券の作成に着手してるんだけど」 ('A`)「小銭稼ぎに利用すんな。それよりだ」 ('A`)「ショボン、ジョルジュの奴は俺にキレてるんだろ?」 (´・ω・`)「そうみたいだ」 ('A`)「だったらいつか喧嘩をふっかけてくるよな?」 (´・ω・`)「まあ、このままならいずれそうなるだろうね」 ('A`)「そうか……だったら」 ('A`)「みんな聞いてくれ、俺は、その喧嘩ノータイムで買う」 ( ^Д^)「おお! それでこそナードの代表者だぜ!」 ('A`)「だから代表って呼び名のはやめろ。希望とかにしろ」
- 240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 17:15:52.51 ID:SC2BKzwa0
- 川д川「だけど……あなたの背中には必勝の剣……」
( ^ω^)「どう考えてもドクオが負けることはありえんお。見えてる勝負だお」 从 ゚∀从「成立しない賭けだな」 ('A`)「確かに俺は勝つよ、間違いなく」 ('A`)「で、勝った後」 ('A`)「ジョルジュに一発殴ってもらう」 从 ゚∀从「ハァ? なんのためにだよ。その歳で白痴か?」 ('A`)「俺と奴は対等だからな……観客にもそれを占めさねぇと」 (´・ω・`)「妙なところにこだわるね」 ('A`)「ああもう、いいだろ! もう! この件についての話は終わり!」 ('A`)「ショボン、今後について考えておいてくれ。それでもう今日は解散! お疲れ!」 (´・ω・`)「はいはい」
- 244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 17:28:29.60 ID:SC2BKzwa0
- ~~デリバリーのピザを囲む席~~
(`・ω・´)「父さん、ついに未来視に目覚めてしまったんだ」 (`・ω・´)「どうやら究極の能力らしいよ」 (`・ω・´)「先に起こる光景が見えてしまうだなんて父さんも驚いてる」 ('A`)「そうなんだ。チーズが山盛りでうまいね」 (`・ω・´)「だけど父さん、さすがにビジョンスキルはなるべく使わないようにしたんだ」 (`・ω・´)「未来のことが全部わかってしまったらつまらないからね」 (`・ω・´)「本音を言ってしまうと、ドクオの将来のことを知りたい欲望はあるんだが……」 ('A`)「はあ。アチッ、まだちょっと熱いな」 (`・ω・´)「父さんにも一枚くれないか。タバスコをかけてくれたら嬉しいな」
- 251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 17:37:29.05 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「そうそう、父さん、研究所での能力開発の功績が認められて」
('A`)「ピザにハラペーニョソースをつけるとまた違う味わいが……」 (`・ω・´)「報奨として臨時ボーナスをもらったんだ」 ('A`)「ちゃんと円でもらった? ドルはもう信用できないぞ」 (`・ω・´)「いや、ドルだよ。六十万ドルだったかな」 (`・ω・´)「どうも父さん、経済とかにはてんで疎くて」 (`・ω・´)「未だにドルの金銭価値がどうなってるのかわからなくてなあ」 (`・ω・´)「六十万と言われても、なんだかサラリーマン時代と変わらない気がするよ」 (`・ω・´)「あの頃の賞与は大体五、六十万円だったからね」 ('A`)「外資とか今更いらないのに……」
- 255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 17:41:29.66 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「はは、まだまだアメリカでの暮らしは続くんだから、いいじゃないか」
(`・ω・´)「父さん永住も考えてるくらいだよ」 ('A`)「俺は日本のほうが気楽だよ」 (`・ω・´)「そうか? 米国式の生活も悪くないと父さん思うんだけどな」 ('A`)「アメリカの風習ってやつがうっとうしいんだよ、俺」 (`・ω・´)「次第に馴れるさ」 ('A`)「そうかねぇ」 (`・ω・´)「うむ。父さんが保証する」 ('A`)「あんまり安心感がないな……」 (`・ω・´)「ははは。やっぱり父さんじゃ頼りないかな?」 ('A`)「そんなことないよ。このピザうまいね。出前注文してよかった」 (`・ω・´)「ああ。うまいな」
- 260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 17:49:44.41 ID:SC2BKzwa0
- ~~三日後、食堂~~
ガヤガヤ ('A`)「うっひょう! 今日は久々に野菜にありつけたぜ!」 ('A`)「器一杯のコールスロー……はああ……幸せ」 ( ^ω^)「なんでおまけに感動してるんだお」 (´・ω・`)「普通はこっちだよね。チキンを選択できたこと」 ( ^ω^)「ジョックが珍しく真面目に列に並んでてくれたおかげだお」 (´・ω・`)「彼らはいつ、自分のネタが暴かれるかを恐れているみたいだ」 (´・ω・`)「だから日頃の行いを正しているんだろうね」 ( ^ω^)「モララーやギコみたいになりたくないってことかお」 ('A`)「そんなやましいことばっか抱えてるのかよあいつら」 (´・ω・`)「誰にだって秘密はあるものさ」
- 261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 17:52:37.11 ID:SC2BKzwa0
- ザワ...
('A`)「ん?」 ( ゚∀゚)「……」テクテク ξ゚⊿゚)ξ「でねーそれでねー」 ( ゚∀゚)「ああ、うん……」 ζ(゚ー゚*ζ「ねー聞いてる?」 ( ゚∀゚)「聞いてるっての。余計な心配はすんじゃねぇ」 ζ(゚ー゚*ζ「やーん」 (´・ω・`)「ジョルジュだ」 ('A`)「まだ両サイドにクイーン二人を侍らせてるみたいだな」 ( ^ω^)「……」
- 265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:02:24.37 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「ってか、見るからにイライラしてんな、あいつ」
('A`)「うわ、もう水がねぇ。注いでくるか……」ガタン (´・ω・`)「君を探しているのかもしれない」 ('A`)「へっ?」トコトコ (´・ω・`)「いよいよなのかもね」 ('A`)「突拍子もないことを……んっ?」 ( ゚∀゚)「……」 ('A`)(うげ、ジョルジュか) ('A`)(こいつとすれ違うルートを辿っていたのかよ) ('A`)(良い子は前を見て歩こうな……) ('A`)(目が前についているのはきっとまっすぐ歩くためだから……)
- 269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:11:09.52 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)(てか目合わせたままだな……)
('A`)(お互いなんとなく足止めちゃったし) ザワ...ザワ... ('A`)「なんかもう……空気がそうなっちゃってるというか……」 ( ゚∀゚)「……おい」 ('A`)(……きたか……) ('A`)「なんだよ」 ( ゚∀゚)「あの写真に映ってた奴、あれお前だろ、ジャパニーズ」 ('A`)「知らん。仮にそうだとしてもなんだってんだよ。お前関係ねーじゃん」 ( ゚∀゚)「ハッ! ナードの分際で英雄気取りか! ハハハ!」 ( ゚∀゚)「気にくわねぇ。ずっとだ。てめぇが転校してきた初日からそうだった」
- 271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:19:40.09 ID:SC2BKzwa0
- ( ゚∀゚)「偶然だぁ? ハハ! インポッシブル!」
( ゚∀゚)「ナードがそんな都合よくヒーローになれるかよ」 ( ゚∀゚)「てめぇが仕向けたことなんだろ? ンン?」 ( ゚∀゚)「モララーがあんなことになっちまったのも、何者かの作為を感じるぜ」 ( ゚∀゚)「まあ俺も正直言うとあれにはちょっと引いたが」 ('A`)(やっぱり引いたんだ……) ( ゚∀゚)「とにかくだ、ドクオさんよ。何か隠してやがるな?」 ('A`)「イミフ」 ( ゚∀゚)「思えば、放課後教室でナードどもが固まってたのも怪しかった」 ( ゚∀゚)「噛んでるのはジャパニーズだけじゃねぇな?」 ('A`)「何を言ってるのかさっぱり。妄言蜚語はやめてください」
- 273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:26:53.82 ID:SC2BKzwa0
- ( ゚∀゚)「しらばっくれんな!」
('A`)「仮にそうだとしても、モララーとギコの性癖は真実じゃねぇかよ」 ('A`)「自画撮り漁られたモララーは言い訳の余地なんてねーし」 ('A`)「ギコだって実際に手出してんじゃねーか。あいつはロリコンだろ」 ('A`)「ずっと学校を休んでるのが何よりの証拠だ」 ('A`)「中傷されるのが怖いんだろうな。マジでチキンだぜ。今日の飯みたいにな」 ('A`)「おっと、お前は争奪戦に出遅れて、サーディンのフライなんだっけか」 クス... ( ゚∀゚)「おいそこの奴、何笑ってんだよ、ああ!?」 シィン... ('A`)「余裕ねぇな。この高校のトップを自負してるってのに」 ( ゚∀゚)「そのアスホールと変わらねぇ汚い口を閉じな、ジャパニーズ」
- 278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:34:15.74 ID:SC2BKzwa0
- ( ゚∀゚)「ヘイ、ジャパニーズ。あんまり舐めた真似してんじゃねぇぞ」
('A`)「お前から絡んできたんじゃんかよ」 ( ゚∀゚)「俺は今かなり頭にキてる。手を出しかねない」 ( ゚∀゚)「殴られたくなかったらそこをどきな」 ('A`)「上等」 ( ゚∀゚)「あ?」 ('A`)「殴りたかったら殴れよ。その代わり俺もお前をぶん殴る」 ( ゚∀゚)「ハハ! 正気じゃねぇな、ハハハ!」 ('A`)「なに馬鹿みたいに笑ってんだよ」 ( ゚∀゚)「俺を殴るって言ってくる奴なんて、シッシー野郎のフサ以来だぜ!」 ('A`)「……なに?」
- 282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:44:05.02 ID:SC2BKzwa0
- ( ゚∀゚)「あいつ、ちょっとからかっただけなのに」
( ゚∀゚)「囃し立ててたチームメイトの一人を思いっきり殴りつけてね」 ( ゚∀゚)「その後、俺も殴ろうとしてきたんだよ。今でも笑えるぜ!」 ('A`)「……で、どうなった」 ( ゚∀゚)「あん? もちろん返り討ちよ」 ( ゚∀゚)「奴のトロくさいストレートをかわして、一発腹に拳入れてノックアウトダウン」 ('A`)「……」 ( ゚∀゚)「俺さ、ガキの頃から英国式ボクシング習ってるわけ」 ( ゚∀゚)「こっちじゃ成り上がりの象徴だが」 ( ゚∀゚)「あっちじゃ紳士のスポーツだからな、ボクシングは」 ( ゚∀゚)「ジェントルマンでありつつ、スターダムにものし上がりたい俺にうってつけだ」
- 290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:50:15.97 ID:SC2BKzwa0
- ( ゚∀゚)「あれだけ図体のでかいフサでも勝てない」
( ゚∀゚)「俺に挑もうってか? ハハ!」 ('A`)「イエス、アイ、ドゥー」 ( ゚∀゚)「いきなり下手くそな発音になりやがって……馬鹿にしてんのか」 ('A`)「おい、喧嘩買ってやるって言ってんだろ。感謝しろよ」 ( ゚∀゚)「面白ぇ……」 ('A`)「ただここで戦いを繰り広げるのはさすがに脳なしのやることだ」 ('A`)「今週土曜日の正午、誰にも迷惑がかからないグラウンドで思いっきりやりたい」 ( ゚∀゚)「いいぜ。タイマンだ。ギッタギタにしてやるよ」 ( ゚∀゚)「そうだな、それも観衆の面前でだ! おい、周りで聴いてる奴!」 ザワ...ザワ... ( ゚∀゚)「お前らも全員見届けに来な! いいショーが見られるぜ!」
- 297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:55:28.62 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「二言はないな。男の約束だぞ」
( ゚∀゚)「てめぇはてめぇの心配だけしときな」 ('A`)「そうかい。じゃあな。ひとまずの戦略的撤退だ」 ( ゚∀゚)「オーケイ」 ('A`)「……」テクテク、トスン (´・ω・`)「おかえり」 ('A`)「ただいま。半端なく疲れた」 (´・ω・`)「でもよくやってくれたよ。これですべての準備は整った」 ( ^ω^)「つーかお前、よくあんな啖呵をジョルジュに切れるお……」 ('A`)「いやーなんか、母国語じゃないからな」 ('A`)「台本読んでたような気分だ」
- 303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 19:00:30.38 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「というか、ブーン、お前もなんとかしろ」
( ^ω^)「え?」 ('A`)「こんな状況になってもまだツンはジョルジュの元にいるんだぜ?」 ('A`)「俺の力だけじゃ目を醒まさせられねぇ」 ('A`)「幼馴染のお前の助力が必要だ。いや補助じゃない。メインはそっちだ」 ( ^ω^)「僕が……だけど僕は無力だお」 (´・ω・`)「偶像信仰に近い状態だ。なかなか仮想洗脳は解けないだろうな」 ('A`)「とりあえず俺はジョルジュに勝利する」 ('A`)「で、ツンの奴が呆然としてるところに、なんかかっこいい決め台詞でも吐け!」 ('A`)「それで現実に引き戻せ! 台詞考えとけよ!」 ( ^ω^)「……やってみるお。出来る限りのことは……僕も」 ('A`)「よっしゃ」
- 312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 19:07:49.00 ID:SC2BKzwa0
- ザワ.......!
('A`)「んっ、どうした? なんかざわついてるけど」 ( ^ω^)「あれ……」 (-_-)「あ……」 ( ゚∀゚)「おい、てめぇ……どこをどう見て歩いたらそうなるんだよ!」 ('A`)「なんだ……またジョルジュの奴が脅しつけてんのか」 ( ^ω^)「そうじゃないお。今回はヒッキーからぶつかっていったんだお」 ('A`)「なに?」 ( ^ω^)「サルサソースが跳ねてジョルジュのシャツに付着しちゃったお」 (´・ω・`)「ただでさえジョルジュは苛立っているのに……まずいな」
- 314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 19:15:02.38 ID:SC2BKzwa0
- ( ゚∀゚)「……おい、どうすんだよ。どう落とし前つけんだ」
(-_-)「あ、あの……えと……」 ( ゚∀゚)「はっきり喋れよ! ファッキンクリープ!」 ( ゚∀゚)「ムカつくんだよ! 何から何まで……」 ( ゚∀゚)「この……クソガキ!」 ガンッ ( ^ω^)「あっ、ジョルジュがヒッキーのトレイを蹴り上げたお!」 ('A`)「宙に浮いた!」 (´・ω・`)「このまま垂直落下すれば辺りがぐっちゃぐっちゃなことになるね」 ('A`)「……やるしかないの?」 (´・ω・`)「よろしくお願い」 ('A`)「ですよねー」
- 317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 19:18:54.69 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「それでは……」
('A`)「うおおおっ!!」 ('A`)「……とか特別気合入れなくても指先だけで出来るんですけどね」クイッ トン、トン、ストン... ( ^ω^)「食器が全部……テーブルに見事着地……」 (´・ω・`)「したねぇ。軟着陸」 ザワッ.........!! ( ゚∀゚)「おい、てめぇ、今の……!?」 ('A`)「ええと、はい、まあ、そういうことでして」 ( ゚∀゚)「サイコキネシス……じゃねぇか、おい!」 ('A`)「いやもう、こんな時僕はどういう対処をすべきなのわからないので……」 ('A`)「……当日が楽しみということで」
- 350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:33:19.88 ID:SC2BKzwa0
- ~~運命の日(ドゥームズ・デイ)~~
('A`)「やってまいりました」 ('A`)「我が校のグラウンド」 ('A`)「今日のためにクラブは皆して練習を止め、全面開放された」 ('A`)「ギャラリー多数」 ('A`)「天候良好、体調万全」 ('A`)「さて……チェックメイトをかけるか」 从 ゚∀从「もうかかってるようなもんだけどな」 ( ^Д^)「もうあとは作業みたいなもんだぜ。駒を前に出すだけだもんな」 ('A`)「まあな。さすがに持っている武器が違う」 ('A`)「触りさえすればあいつの勝ちだろうが、そもそも触れずに終わる」
- 358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:41:10.47 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「しかし遅いな、ジョルジュの奴」
(´・ω・`)「もうとっくに十二時を過ぎてるんだけどね」 ('A`)「逃げたか? まあ、それはそれで……」 バラバラバラバラバラバラ....... ('A`)「なっ、なんだこのうっせー音は?」 ( ><)「う、う、う、上を見るんです!」 川д川「……あれは……」 (*゚ー゚)「ヘリ!?」 バラバラバラバラバラバラ......プシュー ('A`)「ちゃ、着陸した……グラウンドの中央に……」 ( ^ω^)「側面の昇降口のドアが開いた……中から降りてくるお!」 ガタン、トサッ ( ゚∀゚)「ハハハ! 待たせたな、ジャパニーズ!」
- 362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:47:24.44 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「おい、なんだよこの無駄に派手な登場は」
( ゚∀゚)「いやヘリじゃないと輸送できなくて……それよりだ!」 ( ゚∀゚)「ヘイ、ドクオ。先日はてめぇの超能力を見させてもらったな」 ('A`)「そうだ。これがある限り俺は必勝。そしてお前は必敗だ」 ( ゚∀゚)「それがお前の隠し玉の力なわけだ」 ( ゚∀゚)「ならば今度は、俺が秘めていた力を見せてやる……それは」 ( ゚∀゚)「ファイナンス・アンド・コネクション! カネとコネだ」 ('A`)「はあ?」 ( ゚∀゚)「経済力と権力こそ最強の力だ! 今それを証明してやる!」 ギギギギ...バンッ! (´・ω・`)「後部ハッチが開いた……」 トサッ (`・ω・´)「あっ、どうも皆さん。本日はよろしくお願いします」
- 365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:48:16.11 ID:XyaLTQX60
- 親父wwwwwwwwwwwwwwww
- 371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:51:08.91 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「とっ、父さん!?」
(`・ω・´)「なんだ、ドクオじゃないか」 (`・ω・´)「となると……例の相手とはドクオなのか?」 ( ゚∀゚)「そういうことだ」 ('A`)「おい待て。俺にもわかりやすく説明しろ。パニック一歩手前なんだが」 ( ゚∀゚)「ハハ! まあせいぜい拝聴しな」 ( ゚∀゚)「俺のダディはNASAの所長なんだよ」 ( ゚∀゚)「そしてこのミスター・シャキンは、NASAで調査対象として雇われているエスパーだ」 ( ゚∀゚)「……てめぇらが親子だとは俺も知らなかったが」 ('A`)「じゃあ……父さんがサービスさせられてた『所長の息子』って……」 ('A`)「こいつのことかよ……」
- 375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:54:50.86 ID:SC2BKzwa0
- ( ゚∀゚)「ダディに頼んで能力者を派遣してもらった」
( ゚∀゚)「さすがに能力者の相手は能力者にやってもらわんと身が持たない」 ('A`)「卑怯だぞ! 正面からぶつかってこいよ!」 ( ゚∀゚)「卑怯? ハハハ! 何が卑怯なものか!」 ( ゚∀゚)「これも立派な『フォース』だよ!」 川д川「現代の召喚術……」 ('A`)「それっぽいことを呟くな! 納得しそうになるだろ!」 ('A`)「ってか、なんで父さんも引き受けたんだよ」 ('A`)「NASAの三分の一は父さんのものなんじゃなかったのかよ」 (`・ω・´)「研究所長は父さんにとっては直属の上司に当たるからな」 (`・ω・´)「せっかくの依頼を断るのは無礼にあたる。サラリーマン時代から続く鉄則だ」 ('A`)「最悪だ……」
- 384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:59:54.49 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「ああでも、ちゃんと休日出勤手当は出るぞ」
('A`)「いくらだ。ドルか」 (`・ω・´)「もちろんドルだよ。七百万ドルだったかな」 ('A`)「ぶはっ」 (`・ω・´)「父さん、通貨単位だとかレートだとかよく知らないけど」 (`・ω・´)「さすがにこれは結構な額だってことくらいはわかるぞ?」 (`・ω・´)「七百万というと、単位が円なら日本時代の年収とほぼ同じだからな」 (`・ω・´)「確か、一ドルは一円より大きいのだろう?」 (`・ω・´)「その時点でかなりの大金だということは父さんにも理解できたよ」 ( ^ω^)「……ドクオ、お前の父ちゃんって何者なんだお……」 ('A`)「いわく……地上最高位に属する生命体です……」 (´・ω・`)「つまり生物界におけるジョックなわけだね。そりゃ恐ろしい」
- 393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:05:23.04 ID:SC2BKzwa0
- ( ゚∀゚)「それじゃあミスター・シャキン、後のことは任せたぜ」
( ゚∀゚)「俺は観覧させてもらうんで」ツカツカ (゚、゚トソン「よくよく見ると」 ミセ*゚ー゚)リ「ヘリからツンとデレも降りてきてたのね」 从 ゚∀从「相変わらずの両手に花かよ」 ( ^ω^)「それじゃあ、ドクオ……」 (´・ω・`)「がんばってね。僕らは見守っているよ」 ('A`)「ちょっ、お前ら、観客の中に混じるな! 俺を孤立させないで!」 (`・ω・´)「息子よ」 ('A`)「なんだい父さん」 (`・ω・´)「まさか、こんなところで子が父を超える場が設けられるとはな」 ('A`)「百パー超えられないけどな」
- 403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:10:29.67 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「しかし父さん、所長の息子さんから概要は聞いたぞ」
(`・ω・´)「なんでもお前、スクールカーストとかいう慣習をなくすために」 (`・ω・´)「戦うそうじゃないか」 ('A`)「やっぱりジョルジュの奴、俺の目的察してやがったか」 ('A`)「そういうところだけ妙に目ざといな……」 (`・ω・´)「スクールカーストなるものが一体なんのことだか知らなかったから」 (`・ω・´)「父さん柄にもなくパソコンつけてグーグル使ってみたぞ」 ('A`)「よく出来たね。検索なんて」 ('A`)「いつもはソリティアしかしないのに」 (`・ω・´)「時間はかかったがな」 (`・ω・´)「それにしてもグーグルアースという機能は面白いな」 (`・ω・´)「父さん二時間くらい遊んじゃったよ」
- 408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:11:41.90 ID://wiDI9V0
- 親父の話があっちこっち行くwwww
- 410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:17:03.18 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「調べてみたらば、アメリカの学校独特の風習のようだな」
('A`)「そうだね」 (`・ω・´)「ドクオ、お前はこの高校の階層社会を破壊しようというんだな?」 ('A`)「ああ、そういう腹積もりだよ」 (`・ω・´)「つまりアメリカ自体に唾を吐きかけるようなものだ」 (`・ω・´)「……ドクオ、よく聞きなさい」 ('A`)「どうしたんだい、父さん。急に改まって」 (`・ω・´)「ドクオよ、父さんはただの人間だ」 ('A`)「違うけどな」 (`・ω・´)「ただの人間一人乗り越えられないで」 (`・ω・´)「国に刃を突きつけることは、絶対に出来んぞ!」 ('A`)「その国に警戒されてるあんたを倒せたらアメリカとか余裕だわ」
- 418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:23:57.90 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「いくぞ、ドクオ!」
('A`)「ちょい待て、待って! 勝手に話進めんな!」 ('A`)「なんなのこのイベント。ボタン押さないでもオートで進行するのか」 ('A`)「まさか……強制敗戦バトル……」 (`・ω・´)「お前も能力に目覚めたのであれば遠慮はいらないな!」 ('A`)「父さんは何個俺の上位互換の能力を持ってるんだよ!」 (`・ω・´)「はあっ!」 ......シュガンッ!!! ('A`)「うおおおっ、右手の指全部から放電!?」ザサッ! (`・ω・´)「よくぞ回避した、ドクオ。だがまだまだ序の口だぞ!」 ('A`)「死ぬ!? 殺される!?」
- 424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:29:39.23 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「最初から全開でいかせてもらう!」
シュガンッ!! バファッ!! ズバィン!! ('A`)「うごごご! 逃げることしかできねええええ!」 ('A`)「ってか火と雷を当たり前のように扱うな!」 ピロリロリン♪ ('A`)「ギャラリーも写メ撮ってる場合か!」 ドックン ピースピース ('A`)「するか!」 (`・ω・´)「ああ、すみません。撮影等は控えてください……機密事項ですので」 ('A`)「目撃されちゃった時点でもうダメだろ」 (`・ω・´)「障りないぞ。戦闘終了後に全員の記憶を消させてもらうから大丈夫だ」 ('A`)「まさかNASAの技術でか……」 (`・ω・´)「いや、マインドクライムの能力を持つ人物がヘリにまだ控えている」 ('A`)「NASAは何と戦うつもりなんだよ」
- 431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:35:14.53 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「一時的な休戦は終わった。再開!」
ドッ......グォォォォォン!!!! ('A`)「不意打ちの一撃が威力でかすぎるだろ!」 ('A`)「まだグラウンドに火柱立ってるぞ!」 ('A`)(落ち着け……俺の能力は念動力……) ガゴンッ!! ザッサ ('A`)(父さんの身体を浮かせて地面に叩きつけることができれば……) ('A`)(……まあ気絶くらいはするかな……) ヌッゾオン!! サッ ('A`)(父さんの防御面がどの程度のものかは知らないが……) シュババンッ!! ササッ ( ^Д^)「あいつ結構避けてね?」 (´・ω・`)「子は親に似るからね」
- 436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:39:21.86 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)(とにかく目は見ちゃダメだ!)
('A`)(父さんの目はこちらの感覚を支配できる……) (`・ω・´)「動きが遅い!」 シュビュゥゥゥン!! ('A`)「ぶおおおっ!? 直線状の電光!?」バタッ! ('A`)「あ、あぶねえ……とっさの判断で倒れこまなければ頭が吹っ飛んでた……」 ('A`)「父さん、俺、死んじゃうぞ?」 (`・ω・´)「お前は死なない。父さん信じてるぞ」 ('A`)「根拠は!?」 (`・ω・´)「親子の……絆だ!」 ('A`)「非科学的!」
- 442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:44:25.77 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「というか、俺身体能力とかまったく自信なかったのに」
('A`)「なんでこんな動けてるの?」 (`・ω・´)「それはドクオの念動力がサイコキネシスだからだ」 ('A`)「知っているのか父さん!」 (`・ω・´)「サイコキネシスは物理的アプローチ……」 (`・ω・´)「父さんのテレキネシスのように、対象物体との相互理解手順を介さないでいい」 (`・ω・´)「つまり自己をターゲットにもできるんだ」 (`・ω・´)「お前は今、自分自身をサイコキネスで動かしている!」 ('A`)「マジかよ完全無意識だったわ」 (`・ω・´)「意識と同時にチャンネルが自在に操れるようになるのだぞ」 (`・ω・´)「父さん、そういうふうに教わったんだ」 ('A`)「ナイスアドバイスだね」
- 448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:49:46.93 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「続けるぞ!」
シャンッ!! ('A`)「狙いが正確すぎる!」 ('A`)「父さんの目は見てないぞ! 見たらテレパシーで思考を読まれるが……」 ('A`)(そういや父さん、共感覚にも目覚めてるんだったな) ('A`)(目は鼻であり、耳であり、舌であり、皮膚でもある) ('A`)(そして他の器官も同様……どこからでも情報を得ることができる……) ('A`)(つまり今の父さんは、常人より五倍感覚が鋭い!) (`・ω・´)「まだまだいくぞ!」ババババッ!! ('A`)「なんだよこいつ化け物かよ」 (`・ω・´)「痛っ、いてて、ちょっと肩を上げすぎた……」 ('A`)「あっ、でも本体はおっさんだったわ」
- 452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:51:05.92 ID:Mmqaz2r8O
- 四十肩wwwwww
- 457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:56:22.27 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)(どうやら運動能力自体が向上してるわけじゃなさそうだ)
('A`)(ならスタミナ切れを狙えば……) (`・ω・´)「らああああっ!!」 ドザザッ!! ドガガッ!! ズクァァァンッ!!! ('A`)「……」サッ サッ ファサンッ ('A`)(でも父さんまったく移動してないからな。固定砲台じゃん) ('A`)(ってことは俺にできるのは逃げるだけ……) ('A`)(……えっ、詰み? マックスで引き分けのゲーム?) ピィィィィィン....!! ('A`)「うほあっ!? ええい、贅沢言ってられん!」 ('A`)「もう引分けでいいわ! なんとかドローに持ち込むぞ!」
- 463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 22:03:55.44 ID:SC2BKzwa0
- ~~三十分後(イン・ア・ハーフ・アワー)~~
ジュララッ!! フババッ!! チュダダッ!! サッサッサッ サッサッサッ スッスッスッ ( ^Д^)「とんでもねー鬼ごっこだな」 从 ゚∀从「鬼は追ってないけどな」 (*゚ー゚)「だけど、あれ……ドクオくん勝てるのかな? かわす一方だけど……」 (´・ω・`)「無理だね。ドクオには攻撃する気配がない」 (゚、゚トソン「やっぱり」 ミセ*゚ー゚)リ「自分のお父さんだから?」 (´・ω・`)「そういう美しい親子愛が起因しているならお涙頂戴な話だけどね」 (´・ω・`)「単に攻撃を加える隙がないんだろう」
- 466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 22:12:59.88 ID:SC2BKzwa0
- (-@∀@)「凄い光景だ……トリックなんかじゃないぞ!」
(-@∀@)「カメラに収められないのが残念だ……」 从 ゚∀从「しっかしジョルジュの野郎、とんでもねー奴連れてきたな」 (´・ω・`)「NASAが何を隠しているかなんて誰もすべてを把握していない」 (´・ω・`)「僕もまだ、一枚目のゲートすら突破できてないからね」 (´・ω・`)「ハッカーにとっての最終定理だよ」 ( ^ω^)「……おおっ!?」 从 ゚∀从「どうした? 素っ頓狂な声なんて上げてよ」 ( ^ω^)「あれ見るお。校舎の方向……」 ( ><)「校舎ですか? 野次馬がガラス越しに見てますけど……」 ( ^ω^)「違うお。中じゃなくて、外。校舎一階の前だお!」
- 471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 22:21:26.58 ID:SC2BKzwa0
- 从 ゚∀从「どれどれ……」
(-_-)「……」 ( ^Д^)「なんだヒッキーじゃねぇか……あいつも観に来たのか?」 从 ゚∀从「そういや、予定ではジョルジュがやられるはずだったんだよな」 川д川「ヒッキーくん……ドクオくんの超能力……間近で見てたから……」 ( ^ω^)「ああ、ヒッキーもジョルジュが負けると踏んでるのかお」 ( ^Д^)「それでジョルジュの敗北を笑いに来たのか。気持ちはわかるぜ」 (´・ω・`)「待って。様子がおかしい」 (´・ω・`)「いつもおどおどと震えているヒッキーが、随分……落ち着いている」 (´・ω・`)「肝が据わっているように見える」
- 475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 22:24:08.66 ID:SC2BKzwa0
- ( ^Д^)「こっからでもわかるのか?」
(´・ω・`)「様子がおかしいことくらいなら、遠目でも十分データとして信頼できる」 (-@∀@)「どれどれ、ちょっとカメラのズーム機能で望遠してみよう」 (-@∀@)「……ああっ!!」 ( ^ω^)「どうしたんだお、そんな狼狽して……」 (-@∀@)「ひっ、ひっ、ひっ、ヒッキー、のっ」 从 ゚∀从「何言ってんだかわかんねーぞ。ちょっと落ち着け」 (´・ω・`)「騒ぐ心を鎮めて話すんだ」 (-@∀@)「ハァ……ハァ……ひっ、ヒッキーの」 (-@∀@)「ヒッキーの背中に……ライフルがっ……!」 (*゚ー゚)「え……?」 バーンッ!!
- 483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 22:29:20.59 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「な、なんだ今の轟音は!?」
バーンッ!! ('A`)「まただ!」 (`・ω・´)「何があった? 父さんこんな人工的な音出せないぞ?」 キャアアアアアアアア!!!! ('A`)「悲鳴……なんだ、どうしたってんだ!」 (`・ω・´)「学生たちが蜘蛛の子を散らしたように逃げ惑っている……」 从 ゚∀从「どっ、ドクオ!!」タッタッタッ ('A`)「みんな……どうした? 何が起きたんだ?」 (´・ω・`)「大変なことになった」 ( ^ω^)「ヒッキーが……アメフト部員に向けて……発砲したんだお!」 ('A`)「なんだって!?」
- 490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 22:34:32.54 ID:SC2BKzwa0
- (´・ω・`)「ターゲットによるジョックたちの復讐だよ」
(゚、゚トソン「ジョックを消滅させようとしていたのは」 ミセ*゚ー゚)リ「どうやら私たちだけじゃなかったみたい!」 (-@∀@)「それも……こんな強硬な手段で!」 (´・ω・`)「テキサスやコロラドの再来だ」 ('A`)「いっ、今ヒッキーはどこに?」 (´・ω・`)「わからない。みんな見失っている」 (*゚ー゚)「とにかく、逃げないと!」 (´・ω・`)「校舎に残っている生徒が危ない……」 (´・ω・`)「彼らの逃げ道は限られている」 川д川「うふふ……意味深に笑ってる場合じゃないわ……」
- 501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 22:40:04.35 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「私が行こう」
('A`)「父さん!」 (`・ω・´)「他に適任者はいない。私が出るしかないだろう?」 ('A`)「父さん、俺も行くよ」 (`・ω・´)「ドクオ」 ('A`)「俺の力も何かの役に立つかもしれない」 ('A`)「だったら俺も行かなきゃダメだろ?」 (`・ω・´)「……わかった。ついてきなさい」 ( ^ω^)「まっ、待ってくれお!」 ('A`)「ブーン……」 ( ^ω^)「僕も行くお! 行かせてくれお!」
- 505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 22:46:56.35 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「なんでだよ、死ぬほど危険だぞ? 最悪死ぬぞ?」
( ^ω^)「たぶん、ヒッキーが一番に狙っているのは……ジョルジュだお」 ( ^ω^)「ジョルジュの近くにはツンがいる、だから……!」 ('A`)「……そうか。なら仕方ねぇな」 (´・ω・`)「僕もお供するよ」 ('A`)「ショボン!」 (´・ω・`)「自ら進んで乗った船だ」 (´・ω・`)「参謀は最後まで大将のそばで仕えないとね」 ('A`)「本当にお前って奴は……頭がいいのに、最高に馬鹿だな」 (´・ω・`)「そうさ。僕も君に負けず劣らずの、愚か者だよ」 ('A`)「了解したぜ。俺は考えることは苦手だ、今回もばっちり知恵を貸してくれ」 (´・ω・`)「慎んでその申し入れを受諾するよ」
- 513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 22:52:01.68 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「君たち、耳を貸しなさい」
( ^ω^)「ドクオの父ちゃん」 (`・ω・´)「会うのは今日で二回目だね」 (`・ω・´)「危なくなったら私の背後に隠れなさい」 (´・ω・`)「あなたに直撃しますよ?」 (`・ω・´)「しないさ」 ('A`)「冗談抜きに父さんに銃弾なんて命中しないから安心してくれ」 (´・ω・`)「それじゃあ、遠慮なく」 (`・ω・´)「グラウンドにいた人間は……まだ半分ほどしか避難していないようだな」 ('A`)「残った皆で手分けして先導してくれ」 ('A`)「ハイン、お前が指揮を取ってくれ! 頼りにしてるぞ!」 从 ゚∀从「任せろって、リーダーさん」
- 520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 22:57:18.36 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「じゃあな。ちょっくら出かけてくるぜ」
(゚、゚トソン「怪我のないように……」 ミセ*゚ー゚)リ「してよね! 絶対だよ!」 (*゚ー゚)「みんな……無事で帰ってきてね」 川д川「うふふ……ドクオくん、守護印を腕に書いてあげる……」 ('A`)「なんだこの禍々しいデザインは。呪術にしか思えんぞ」 川д川「これでもう安心……」 ('A`)「なんかこえーよ」 (´・ω・`)「急ごう。事は一刻を争う。早くヒッキーの居所をつかまないと」 ( ^ω^)「大至急だお!」 ('A`)「よっしゃ……それでは」 (`・ω・´)「行くぞ!」 ('A`)「俺に言わせてくれよ」
- 539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 23:03:18.12 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「……」タッタッタッ
('A`)「ん?」 ミ,,゚Д゚彡「全力で走るんだ! 正門は向こう、裏門はこの道を直進だ!」 ('A`)「フサの奴が逃走経路を開いてるのか」 (´・ω・`)「よくやるね。ブレーキを踏む役割だったとはいえ (´・ω・`)「いじめに加担した当事者の一人なんだから撃たれる率は他者より高いのに」 (`・ω・´)「私は彼の勇気に敬意を表するよ」 ( ^ω^)「だけど……逃げずに余裕かましてる学生も結構いるお」 (´・ω・`)「ジョックしか標的にされないと思ってるんだろう」 (´・ω・`)「自分の身には火の粉がふりかかってこないと、そう楽観視してる」 ('A`)「野次馬根性丸出しだな……」
- 544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 23:10:23.69 ID:SC2BKzwa0
- (´・ω・`)「だけど……」
バーンッ!! バーンッ!! バーンッ!! バーンッ!! ( ^ω^)「う、うわあっ! 血が、血がっ……!」 (´・ω・`)「やっぱりだ。無差別狙撃をしている!」 ('A`)「どういうことだよ!」 (´・ω・`)「もうヒッキーは冷静な判断力なんて、とっくに失っているんだろう」 ('A`)「なんてこった……」 (`・ω・´)「……よし、今の音の出所から脳内でマッピングできたぞ」 ('A`)「さすが父さんだ! 聴覚で『視る』ことができる!」 (`・ω・´)「あの少年は……校舎の中にいる!」 (´・ω・`)「やはり見晴らしのよさを重点に置いたか。急がないと」 ('A`)「おっしゃあ!」ダダダ!!
- 551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 23:15:48.46 ID:SC2BKzwa0
- ~~校舎近辺~~
('A`)「なんとか……ここまでは無事に辿り着いたが……」 (´・ω・`)「校舎の中にはまだ多数の学生が残っている」 ( ^ω^)「一階にいた人たちはなんとか逃げ出したみたいだけど……」 (´・ω・`)「それより上の生徒は身動きとれないようだね」 ('A`)「階段を下りている途中で鉢合わせたらもうおしまいからな……」 (´・ω・`)「うん、その場で撃たれるか、あるいは命からがら上階に逃げるか」 (`・ω・´)「しかし上に逃走したところでなんの打開にもならない……か」 (´・ω・`)「二階にいた、体力に自信のある学生は飛び降りられるけど……」 ('A`)「それでもまだかなりの人数だ!」
- 554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 23:23:12.47 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「私に任せてくれ」
('A`)「父さん」 (`・ω・´)「百人単位でいけるか……学生諸君! 聴こえるか!」 ザワ...ザワ... (`・ω・´)「聴こえたなら、窓を開けてくれ! 全部だ!」 ザワ..... ガラガラガラガラッ!! ( ^ω^)「全開になったお」 (`・ω・´)「ならば……」 フワッ...!! キャーキャー! ( ^ω^)「浮いたっ!? 二階の教室にいた人間全員が!?」 ('A`)「あーうちの父さん、俺と似た能力も駆使できるから」
- 561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 23:27:28.38 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「そして……はっ!」
フワ...フワ... ( ^ω^)「窓から出てきたお、浮遊したまま……」 (´・ω・`)「宙に浮いてるね。およそ百人」 (`・ω・´)「さらに、へやっ!」 ストン... .........ウオオオオオオオオ!! (´・ω・`)「お見事な軟着陸。歓喜の渦が出来てます」 ('A`)「百人って……一人ひとりに念動力使ってんだろ? よくやるよ……」 (`・ω・´)「父さん総量二十トンまでなら自在に飛ばせるからね」 (`・ω・´)「アフリカゾウ二頭分だ。それに比べれば、造作もないことだよ」
- 564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 23:33:19.89 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「……で、父さんの迅速な作業な末」
('A`)「教室にいた全員の批難が終わったわけですが……」 (`・ω・´)「お前も念動力が仕えるんだから手伝いなさい」 ('A`)「俺、そこまで器用に操れないから」 ( ^ω^)「だけど中にジョルジュたち一行はいないお」 (´・ω・`)「もう逃げたか、グラウンド側にいたか」 (´・ω・`)「あるいは……教室以外の場所に隠れているか」 ('A`)「それは奴らだけに限らないな。見に行こう。ヒッキーもまだ中だ」 ('A`)「父さん、急いで……」 (`・ω・´)「いや、ドクオ……聞いてくれ」 (`・ω・´)「お前だけで行くんだ」
- 570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 23:37:54.29 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「どうしてさ!?」
(`・ω・´)「父さん腰が痛くなっちゃったよ。もう一歩も動けない」 ('A`)「中年め……」 (`・ω・´)「さすがに私のガードなしに、ドクオの友人二人は任せられない」 (`・ω・´)「だからドクオだけで行くんだ」 ('A`)「んな突然……」 (´・ω・`)「えっ、僕はついていくつもりですけど」 ( ^ω^)「僕もだお! ツンがもしかしたら……!」 (`・ω・´)「さすがに未熟なドクオに二人分のお守は荷が重いよ」 ('A`)「二人……か……」 ('A`)「……なあ父さん。一人なら構わないよな!」 (`・ω・´)「む?」
- 572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 23:42:00.18 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「二人は無理とか、一人なら平気だと、そう見積もってんだろ?」
(`・ω・´)「まあ、一人分ならなんとかなるとは思うが……」 ('A`)「だったら……ブーン、来いよ」 ( ^ω^)「ドクオ!」 ('A`)「お前には目標があるからな」 ( ^ω^)「恩に着るお」 (´・ω・`)「やれやれ、見せつけてくれるね。僕の出る幕はここで終わりか」 ('A`)「感謝してるぜ、ショボンよー」 (´・ω・`)「礼はいらないから早く行っておいで」 (`・ω・´)「ああそれと、救出された学生たち」 (`・ω・´)「これ以上下手に動くと危ない。全員私の背後にいなさい」
- 577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 23:45:53.80 ID:SC2BKzwa0
- ( ^ω^)「え、そんなこと言っても人は壁にはならないお」
('A`)「いやだから、うちの父さんは」 ガガガガガガガガッ!! ('A`)「銃声!? 連続!?」 (`・ω・´)「ふんっ!」 パチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュン ( ^ω^)「全部……こちらに届く前に破裂した……」 ('A`)「父さんそういう人間だから」 ( ^ω^)「どういう人間だお」 (´・ω・`)「それより、ヒッキーがマシンガンも所持していることが判明した」 (´・ω・`)「細心の注意を払うんだよ。さすがに近距離で連射されると、ドクオといえども」 ('A`)「わかってるよ。んじゃ、行ってくるぜ」タッ!!
- 587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 23:53:43.21 ID:SC2BKzwa0
- ~~校舎二階~~
('A`)「一階には案の定誰もいなかったが……」 ( ^ω^)「二階も引き続き人の気配なしだお」 ('A`)「人の侵入できるスペースは大概洗ってみたんだがな」 ('A`)「……上がるか」 ( ^ω^)「いや、まだ探してない場所があるお」 ('A`)「どこだよ」 ( ^ω^)「盲点だったお。一階から二階に続く階段は二つある……」 ( ^ω^)「僕らはその片側から上がってきたお」 ('A`)「そうか、俺たちは二階の『フロア』しか回ってなかったのか!」 ( ^ω^)「もう片方の階段を見に行くお!」タッ!
- 593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 23:58:50.15 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「推察通りだ、中二階に人影があったぞ!」
('A`)「だけど……二人が床に伏している。血溜まりが見える……」 ('A`)「一人はその傍らに立っているな……」 ( ^ω^)「合わせて三人……まさか!」タッタッ ('A`)「おまっ、駆け下りるの早すぎ……」 ( ^ω^)「……やっぱり……」 ('A`)「ハァ、ハァ、やっと追いついた」 ('A`)「なんでこの学校無駄に、階と階の間を分厚く作ってんだよ……」 ('A`)「デブ対策か……おかげで日本より段数が……ん?」 ( ^ω^)「ツン……」 ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン、どうしてこんなところに来たのよ」
- 601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 00:03:02.72 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「お、おい、その倒れてる二人は……」
( ∀ ) ζ( ー *ζ ξ゚⊿゚)ξ「そうよ。見ての通り、ジョルジュとデレの死体」 ξ゚⊿゚)ξ「……ヒッキーに殺されたわ」 ('A`)「そんな……クソッ!」 ξ゚⊿゚)ξ「どうして悔しがってるのよ」 ξ゚⊿゚)ξ「あんたの目的って、ジョックを倒すことなんでしょ?」 ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジュから聞いたわ。万々歳じゃない」 ('A`)「それとこれとは話が違うだろ! 誰も死ねとまで願ってねーよ!」
- 609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 00:05:59.79 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「というか……なんで……お前、そんな冷静なんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「何がよ?」 ('A`)「お前の仲間が殺されたんだぞ?」 ξ゚⊿゚)ξ「ああ、それね。私ね。なんだか馬鹿らしくなったの」 ( ^ω^)「……」 ξ゚⊿゚)ξ「私ね、デレとジョルジュと一緒に逃げてたんだけど」 ξ゚⊿゚)ξ「アンハッピー。ヒッキーに見つかっちゃってね」 ('A`)「そこで……撃たれたのか」 ξ゚⊿゚)ξ「違うわ」 ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジュはね……私をヒッキーのほうに蹴り飛ばして、逃げたの」 ( ^ω^)「そんな……!」
- 618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 00:11:49.42 ID:t0f8/cFJ0
- ξ゚⊿゚)ξ「信じられる? ひどい話よね」
ξ゚⊿゚)ξ「私のことをおとりにしたのよ」 ('A`)「だが……お前は生きてるじゃねぇか」 ξ゚⊿゚)ξ「そうよ。私もそれが不思議」 ξ゚⊿゚)ξ「銃を構えたヒッキーと一対一。気絶しそうなくらい怖かったわ」 ξ゚⊿゚)ξ「でもヒッキーは私に見向きもしなかったの」 ξ゚⊿゚)ξ「それで、なんとか立ち上がって、校内をうろうろしてみたんだけど」 ( ^ω^)「そんな、危ない……」 ξ゚⊿゚)ξ「危ない? 何がよ! もっと危ない目に遭ったのよ」 ξ゚⊿゚)ξ「どうなろうと知ったことじゃないわ」 ξ゚⊿゚)ξ「私はもう、一度死んだようなものよ」
- 621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 00:13:55.57 ID:t0f8/cFJ0
- ξ゚⊿゚)ξ「で、しばらく歩き回って」
ξ゚⊿゚)ξ「ここで、二人の死体を発見したの」 ('A`)「あくまで目的はジョルジュだったってことか……」 ξ゚⊿゚)ξ「馬鹿ね。私を後回しにしただけよ、きっと」 ξ゚⊿゚)ξ「もうじきヒッキーは私を撃ちに来るわ」 ( ^ω^)「だったら早く逃げるお!」 ξ゚⊿゚)ξ「逃げる? そんなの必要ないわよ」 ξ゚⊿゚)ξ「私はここで死ぬの。ヒッキーに殺してもらうのよ」 ( ^ω^)「何をふざけたことを言ってんだお!」 ξ゚⊿゚)ξ「ふざけてないわ。もう無理。無気力」 ξ゚⊿゚)ξ「生きる希望がないわ」
- 627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 00:18:10.22 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「なあ……さっきから気になってたんだが」
('A`)「どうしてそんな平然としていられるんだ?」 ('A`)「達観しているようにさえ見えるぞ」 ξ゚⊿゚)ξ「ああそれ? なぜかしらね」 ξ゚⊿゚)ξ「たぶん絶望してるせいだわ。そのせいで何もかも諦めてるの」 ( ^ω^)「……」 ξ゚⊿゚)ξ「だってさ、私の気持ち考えてもみてよ!?」 ξ゚⊿゚)ξ「高校に入って、チアリーディング始めて」 ξ゚⊿゚)ξ「やっとの思いで女子の花形であるクイーンになれたのに」 ξ゚⊿゚)ξ「捨てられたのよ、私! 利用されたの!」 ξ゚⊿゚)ξ「馬鹿みたい!」 ξ゚⊿゚)ξ「なんだったのよ! 本当に! なんのための努力だったのよ!」
- 630 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 00:23:34.03 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)(ま、まずい……)
('A`)(今まで抑えつけていた分……感情が一気に発露してる……) ( ^ω^)「……」 ξ゚⊿゚)ξ「ふふ。久々ね。こうやって顔を合わせて話すの」 ξ゚⊿゚)ξ「……ねぇ、ブーン。知ってる?」 ξ゚⊿゚)ξ「ジョックやクイーンって、富裕層の子供ばかりなの」 ξ゚⊿゚)ξ「そういう集まりだから付き合っていくのにもお金が必要」 ( ^ω^)「僕には無縁とはいえ、そういう話は耳にはしてるお」 ξ゚⊿゚)ξ「だけど、あまりうちって裕福じゃないから、バイトしなきゃダメ」 ξ゚⊿゚)ξ「バイトしすぎたらチアの練習に行けなくなる」 ξ゚⊿゚)ξ「手っ取り早く稼がなくちゃいけなかった」 ξ゚⊿゚)ξ「だから私、センターフォールドを始めたの」
- 638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 00:26:35.80 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「な、なんだそりゃ」
( ^ω^)「……袋とじの……グラビアのことだお……」 ('A`)「うわあ……」 ξ゚⊿゚)ξ「購入しないと見られないから」 ξ゚⊿゚)ξ「通常のグラビアに載るより人に知られるリスクは低いわ」 ξ゚⊿゚)ξ「その分、過激なことも要求されるけど」 ('A`)「僕はもう何も口を挟めません」 ( ^ω^)「……」 ξ゚⊿゚)ξ「そうまでしてつかんだ地位なのに、この扱いなんだから、爆笑ものよ」 ξ゚⊿゚)ξ「笑いなさいよ。ブーン。軽蔑してるでしょう?」 ξ゚⊿゚)ξ「でも、もうどうでもいいわ。私はここで死ぬんだから」
- 651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 00:33:13.07 ID:t0f8/cFJ0
- ( ^ω^)「……笑ったりなんかしないし……」
( ^ω^)「それに、死ぬ必要なんかどこにもないじゃないかお!」 ξ゚⊿゚)ξ「必要はないわね。けどそれが望みなの」 ξ゚⊿゚)ξ「最後くらいクイーンのまま死なせてよ。ジョックの傍らで」 ('A`)「ふざけんなよ! まだそんなことぬかしてんのか!」 ('A`)「お前はそいつに崖から突き落とされたようなもんなんだぞ!」 ξ゚⊿゚)ξ「その記憶ごと消し去ればいいだけよ」 ξ゚⊿゚)ξ「最後を飾る時ぐらい、形にこだわらせてくれるかしら?」 ξ゚⊿゚)ξ「理想の自分の姿のまま死にたいの」 ('A`)(ああ、ダメだ……もう壊れてしまってる) ('A`)(自分が真実だと思って見て、聴いて、肌で触れていた世界が……) ('A`)(まやかしだって、わかっちまったんだもんな……)
- 657 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 00:37:29.76 ID:t0f8/cFJ0
- ξ゚⊿゚)ξ「女子高生にとって一番の幸せは」
ξ゚⊿゚)ξ「学校のスターであるジョックのそばに常にいること。これだけよ」 ('A`)「……馬鹿な思想だよ。女は男の傍らにいることが幸福だとか」 ('A`)「どんだけ男尊女卑な考え方だ。日本ですら時代遅れだ」 ('A`)「俺はアメリカの女はもっと自立してると思ってたんだがな」 ξ゚⊿゚)ξ「説得のつもり? それともただの悪口かしら」 ξ゚⊿゚)ξ「どっちにしてもバードソングみたいなものね」 ('A`)「……やっぱり、俺の言葉じゃ無理か」 ('A`)「ブーン」 ( ^ω^)「……」 ('A`)「お前が救ってやるんだ」 ( ^ω^)「僕も……そのつもりだお」
- 662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 00:44:38.30 ID:t0f8/cFJ0
- ( ^ω^)「ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「何よ。何を語っても無駄骨よ」 ( ^ω^)「君の夢はクイーンになることだったのかお」 ξ゚⊿゚)ξ「だからさっきからそう言っているでしょう」 ξ゚⊿゚)ξ「ジョックに近づける立場にいることが、私の夢だったの」 ( ^ω^)「それは偽りの世界だったじゃないかお」 ξ゚⊿゚)ξ「だから、それはなかったことにして……」 ( ^ω^)「なかったことになんて出来るかお!」 ξ゚⊿゚)ξ「っ……!」ビクンッ ( ^ω^)「いい加減にするお! 現実だと思っていたものが虚構だったことは同情するお!」 ( ^ω^)「だけど、君はこの期に及んでもまったく現実を直視していないじゃないかお!」 ( ^ω^)「いつまでリアルじゃないものをリアルだと思い込んで逃避してるんだお!」
- 671 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 00:54:06.37 ID:t0f8/cFJ0
- ξ゚⊿゚)ξ「何を偉そうに! あんたに私の何がわかるのよ!」
( ^ω^)「子供の頃から知ってるんだお! ツンがおかしいだなんて嫌でもわかるお!」 ( ^ω^)「あまつさえ死にたいだなんて、もうとんでもないフールだお!」 ξ゚⊿゚)ξ「フール? 今あんた、フールって言ったわね?」 ( ^ω^)「そうだお! どう考えてもツンはフーリッシュ極まりないお!」 ( ^ω^)「絶望したから死ぬ! ふざけるなお!」 ( ^ω^)「落としたら拾う! 欠けたら補う! 失くしたら、また新しく手に入れればいいお!」 ξ゚⊿゚)ξ「小馬鹿にするのも大概にしなさい!」 ( ^ω^)「気味が馬鹿なことをやめない限り、僕もやめないお!」 ξ゚⊿゚)ξ「うるさいわね、黙りなさいよ!」 ξ゚⊿゚)ξ「この……白豚!」 ( ^ω^)「白豚? 白豚だって!?」
- 677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 00:56:35.98 ID:t0f8/cFJ0
- ( ^ω^)「僕が高校進学してからそう呼ばれたのは通算三回目!」
('A`)(そのうち二度は僕ですが) ( ^ω^)「さすがに三回は許せんお! 堪忍袋の緒が切れたお!」 ( ^ω^)「目閉じて歯食いしばって堪える準備決めるお!」 ξ゚⊿゚)ξ「……えっ?」 パァン...! ('A`)「うお……平手打ちした……」 ( ^ω^)「……はあ、はあ……」 ξ゚⊿゚)ξ「……」 ξ゚⊿゚)ξ「……何するのよ」 ( ^ω^)「だからビンタだお。説明しないとわからないかお」
- 686 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:00:54.53 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「なんで二人とも一気にクールダウンしたんですかね」
( ^ω^)「部外者は口を差し挟むなお」 ('A`)「スワセン……」 ( ^ω^)「頭冷えたかお」 ξ゚⊿゚)ξ「痛いじゃない」 ( ^ω^)「頬を叩かれたらそりゃ痛いお」 ( ^ω^)「どうだお。懐かしいかお。この感覚」 ξ゚⊿゚)ξ「……」 ( ^ω^)「僕は君の悪口は大抵許してきたお」 ξ゚⊿゚)ξ「……白豚は除いてね」 ( ^ω^)「そうだお。それを三回言われた時だけ、僕はブチギレたお」
- 696 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:05:28.01 ID:t0f8/cFJ0
- ( ^ω^)「そして君にビンタをする。その後、君はどうしたか覚えてるかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「当然よ」 ξ゚⊿゚)ξ「……キエエエエエエエエエ!!」 ベシ! ベシ! ベキ! ('A`)「オー……ジスイズ、ジャパニーズカラーッテー……」 ( ^ω^)「ああ……天使が迎えに来てくれたお……」 ('A`)「死ぬなよ」 ξ゚⊿゚)ξ「あー、スッキリ!」 ( ^ω^)「……久々だから耐性薄れてたお」 ξ゚⊿゚)ξ「あは、小学校中学校と、ずっとこんな感じだったからね」 ( ^ω^)「そうだお。こんなやりとり、高校生になってから初めてだお」
- 703 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:11:08.99 ID:t0f8/cFJ0
- ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「君はもう、男を殴ったりだとかしなかったし」 ( ^ω^)「逆にチヤホヤされてるから手を上げられることもなかったんだろうお」 ( ^ω^)「僕らの日常は痛覚と共にあったのに」 ('A`)「誤解を招きそうな言い方だな」 ( ^ω^)「どうかお。思い出したかお。この痛み。忘れていた痛み」 ( ^ω^)「これが君にとっての現実だったじゃないかお!」 ξ゚⊿゚)ξ「……」 ( ^ω^)「これでもまだ、未練があるのかお!」 ( ^ω^)「ジョックだとか、クイーンだとか、そんなものにこだわって」 ( ^ω^)「なんになるんだお! ツンはツンだお!」
- 708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:14:56.83 ID:t0f8/cFJ0
- ξ゚⊿゚)ξ「……そうね」
ξ゚⊿゚)ξ「……こんな目に遭っても、まだレンズが曇っていたなんてね」 ξ゚⊿゚)ξ「私、馬鹿だったみたい」 ( ^ω^)「そうだお。フールだお」 ξ゚⊿゚)ξ「あ? まだ殴られ足りないわけ?」 ( ^ω^)「丁重にお断りするお……」 ('A`)「まあ、そんだけ元気があれば大丈夫だろ」 ('A`)「もう死にたいだなんて言わないよな?」 ξ゚⊿゚)ξ「言わないわよ。もう自分を覆っていた霧は晴れたもの」 ξ゚⊿゚)ξ「私は生きるわ。やり直すの」 ξ゚⊿゚)ξ「間抜けなブーンの幼馴染の、ツンとしてね」 ( ^ω^)「ツン……」
- 715 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:19:04.31 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「よし、じゃあ……廊下の窓を開けてっと」ガラッ
ξ゚⊿゚)ξ「何するつもりなのよ」 ('A`)「こうすんだ……よっと!」クン ξ゚⊿゚)ξ「えっ? なに、ちょっと、なにこれ? って……」フワフワ キャー....! ( ^ω^)「おい、もうちょっと丁寧に念動力で降ろせお」 ('A`)「俺、父さんみたいにそんな器用に使いこなせないから」 ('A`)「で、そっちの要件も済んだし、お前も今から降ろすぞ」 ('A`)「その体重じゃ飛び降りるのきついだろ?」 ( ^ω^)「……その通りなのがムカつく……」 ('A`)「俺はヒッキーを探す」
- 719 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:22:23.11 ID:t0f8/cFJ0
- ( ^ω^)「決して警戒を絶やすなお」
('A`)「ああ……それと」 ('A`)「ジョルジュらのことは……お前から伝えておいてくれ」 ( ^ω^)「……承知したお」 ('A`)「じゃあな」 ( ^ω^)「グッドラック」 フワ....ヒュンッ!! ('A`)「さて……行くか。いよいよホンボシだ」 『ドクオ……聴こえるか……』 ('A`)「そ、その声は父さん!」 ('A`)「当たり前のように思考に語りかけてこないでくれよ」
- 724 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:26:16.54 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「というか父さんのテレパシー能力って」
('A`)「視線が合ってないと通わせられないんじゃなかったのかよ」 ('A`)「共感覚の応用だって」 『いやな、父さん、疑似じゃなくて本物のテレパシーも発現させられたんだ』 『ついさっきドクオと話がしたいなあ、って考えたら、使えるようになっちゃって』 ('A`)「もう驚くのもアホらしいから尋ねるけど、なんの用?」 『ああ、そのことだが……まだこのテレパシーは不十分だから長時間使用すると疲れる』 『だから直接話がしたい。どこかの教室に入って、そこの窓から父さんを見下ろしてくれ』 ('A`)「わかったよ」 『待ってるぞ。ではな』ピシュン! ('A`)「……なんだってんだ」
- 729 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:30:44.53 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「やってきたわけですが……」
(`・ω・´)「ドクオ! ここだここだ」 ('A`)「おお、いたいた。ここからなら普通に声で会話できるな」 ('A`)「……肉声以外で会話するってことが、そもそもおかしいが……」 (`・ω・´)「ドクオ、心して聞いてくれ」 ('A`)「なんだい」 (`・ω・´)「今、脳内マップの解析を進めてみたんだが……」 (`・ω・´)「あ、ショボンくんにも手伝ってもらったんだがね」 (´・ω・`)「君の父さんに、口頭で内部の様子を述べてもらって、製図して」 (´・ω・`)「僕なりにヒッキーの居場所を探ってみたのさ」 ('A`)「もうお前らが親子やれよ」
- 735 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:35:00.68 ID:t0f8/cFJ0
- (´・ω・`)「それで、やっとアナライズが終わったんだよ」
('A`)「マジか。どこにいる?」 (´・ω・`)「今身を潜めているのは三階。最上階だね」 (´・ω・`)「ここでほぼ間違いはないはずだ」 ('A`)「三階か……」 (`・ω・´)「息子よ、がんばるのだぞ」 ('A`)「その前に父さん、せっかくだしさ」 (`・ω・´)「なんだ?」 ('A`)「未来視ってやつ、やってくれよ、俺に」 (`・ω・´)「……なぜだ?」 ('A`)「俺……やっぱり不安だよ。超能力と銃、どっちが上かなんてわかんねぇもん」
- 737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:40:03.08 ID:t0f8/cFJ0
- (`・ω・´)「確かに……連邦政府が算出したダイヤグラムでは」
(`・ω・´)「精練が足りないサイコキネシスと素人の扱うマシンガンでは、ほぼ五分」 (`・ω・´)「その先はメンタルの勝負だ」 ('A`)「だろ? だから、俺は安心が欲しいんだ」 (`・ω・´)「悲惨な未来が見えてしまったらどうするんだ?」 ('A`)「その時は嘘をつくくらいの思いやりを見せてよ」 (`・ω・´)「フッ……なんだ、つまりは」 (`・ω・´)「父親の口から慰めの言葉が欲しい、ということなんだな?」 ('A`)「そうだよ。悪いかよ。ガキっぽくてさ」 ('A`)「父さんはたった一人の家族なんだから」 ('A`)「その口から聞ける言葉が最高にほっとできる呪文だろうさ」
- 741 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:45:39.87 ID:t0f8/cFJ0
- (`・ω・´)「……わかった。やってみる」
(`・ω・´)「くっ……ふうう……!」シュインシュインシュイン (`・ω・´)「……見えたぞ」 ('A`)「どうだった?」 (`・ω・´)「父さんとドクオが抱き合っているイメージだ。皆が歓喜に沸いている」 (`・ω・´)「おそらくは、お前の帰還を祝福している構図だろう」 ('A`)「そうか、そりゃあ……よかった」 (`・ω・´)「父さんも安堵したよ」 (´・ω・`)「ドクオ。ブーンとツンの二人は先程合流した」 (´・ω・`)「グラウンドにいた学生も全員避難を済ませたとハインから連絡があったよ」 (´・ω・`)「もうヒッキーは、逆に追い詰められている」 (`・ω・´)「頼んだぞ」 ('A`)「……ああ!」
- 748 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:52:33.88 ID:t0f8/cFJ0
- ~~校舎三階~~
('A`)「……」テクテク ('A`)「どこにいるんだ……」 ('A`)「念のため、いつでも回避行動をとれるよう」 ('A`)「サイコキネシスを全身に作用させてはいるが……」 ('A`)「というか、普通にコントロールできるようになってることにびびるわ」 ('A`)「必要は発明の母ってやつか……」 ('A`)「とりあえず授業用の教室は全部回ってみた」 ('A`)「あとはトイレとかをシラミ潰しに……ん?」 ('A`)「ああ、図書室を見てなかったな。こっちから先にやるか」 ('A`)「……図書室か……」
- 753 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 01:56:21.05 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「……まさかそんなことはありえないだろうとは思うけど」
ガララッ 川 ゚ -゚)「……」ペラッ 川 ゚ -゚)「おお、休日に会うのは初めてだな」パタン 川 ゚ -゚)「私は平日休日に関わらず学校の図書室で過ごしているが」 ('A`)「アホかお前はああああああああ!!」 川 ゚ -゚)「何を騒いでるんだ。図書室は大声厳禁だぞ」 ('A`)「お前……今どういう状況かわかってんのかよ」 川 ゚ -゚)「知ってるよ。ヒッキーが銃を乱射しているのだろう?」 ('A`)「そうだ。しかも校舎の三階に立てこもってるそうだ」 ('A`)「このフロアだぞ! 早く逃げろ!」
- 756 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 02:00:49.50 ID:t0f8/cFJ0
- 川 ゚ -゚)「断る。私には無関係な話だからな」
('A`)「ハァ?」 川 ゚ -゚)「スクールカースト内での揉め事だろう。私には関係ない」 川 ゚ -゚)「階層外にいるブックワームの私に干渉などしてくるはずがない」 ('A`)「なに『理論上はそうです』みたいに得意げに言ってんだよ」 ('A`)「もうそんな階層なんてとっくにぶっ壊れてんだよ!」 ('A`)「俺なんかより……素早くて……強大で……」 ('A`)「暴力的な……やり方で!」 川 ゚ -゚)「死人が出ているそうだからな。なるほど効果絶大だ」 ('A`)「ジョック以外の人間も撃たれている……ヒッキーは錯乱してしまってる」 ('A`)「だから安全の保証なんてどこにもない!」
- 758 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 02:04:45.60 ID:t0f8/cFJ0
- 川 ゚ -゚)「壊れたと呼べるのか?」
川 ゚ -゚)「ヒッキーがピラミッドの頂点に上り詰めようとしているだけでは」 ('A`)「なわけねーだろ! バカヤロー!」 ('A`)「もう上とか下とか外とか内とかいう問題じゃないんだ!」 ('A`)「そんな概念きれいさっぱり消滅してんの! 俺らはただの学生だ!」 ('A`)「全員同じ、平等で、均等で、対等な、学生!」 ('A`)「君と、俺は、一緒だ!!」 川 ゚ -゚)「……」 ('A`)「だからさっさと逃げろ。俺がここからサイコキネシスで降下させるから……」 「その必要はないよ」 ('A`)「なっ……その声……っ」
- 763 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 02:09:11.87 ID:t0f8/cFJ0
- ガラッ...
(-_-)「……やあ」 ('A`)「ヒッキー……」 ('A`)(背中にライフル、腰のホルダーに拳銃) ('A`)(右手にはマシンガン……完全武装か……) (-_-)「ドクオくんの声……大きかったからよく聴こえたよ」 (-_-)「ここにいることもわかったし」 ('A`)「どこで息を潜めていたんだ?」 (-_-)「教室の用具入れさ」 ('A`)「なっ、そんなとこに……じゃあ」 ('A`)「俺が回っていた教室に……既に隠れていたのか……」 (-_-)「あそこにはよく入らされたからね。慣れてたから、落ち着いたよ」
- 770 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 02:12:52.19 ID:t0f8/cFJ0
- (-_-)「図書室は……空気が澄んでるね……」
('A`)(しかし変だ……) ('A`)(ショボンの推理だと、ヒッキーは判断力を喪失して) ('A`)(そのために見境なく狙撃しているという話だったが……) ('A`)(……冷静沈着そのものじゃないか……) (-_-)「クーさんもいるんだね」 川 ゚ -゚)「私はいつもここにいる。一人だろうと、他に誰かがいようとも」 (-_-)「それが許される君のスタンスが羨ましかったよ」 川 ゚ -゚)「そうか。すまんな」 (-_-)「別に謝らなくてもいいよ。僕の勝手な嫉妬だから」 ('A`)「……おい」
- 771 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 02:17:00.91 ID:t0f8/cFJ0
- (-_-)「なんだい」
('A`)(隙が見当たらない……) ('A`)(いつでもマシンガンの銃口を向けることが出来る体勢) ('A`)(先制パンチとばかりに念動力を発動させたとしても……) ('A`)(即座にそれに反応してトリガーを引けば……奴の勝ちだ) ('A`)(こちらからは攻められない。なら……今は会話を繋ぐしかないか) ('A`)「どうしていじめっ子以外も撃った」 (-_-)「ああ、そのこと」 ('A`)「ジョックじゃない連中はお前に危害は加えなかっただろ?」 (-_-)「そうだね。ナードたちは僕に何もしてこなかった」 (-_-)「何も……しなかった」
- 780 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 02:24:57.33 ID:t0f8/cFJ0
- (-_-)「……ドクオくん」
('A`)「なんだ」 ('A`)(ってかこの状況でよく読書を続けられるな、クーの奴……) (-_-)「君は自分たちよりさらに下の人間について考えたことがある?」 ('A`)「ターゲットはナードの下、か」 (-_-)「そうさ。僕は最下層。学校でもっとも権利がない奴」 (-_-)「はっきり言ってね、そんな僕にとっては、ジョックもクイーンも」 (-_-)「ワナビーもプレップスもメッセンジャーもナードも、全部同じにしか思えないんだよ」 (-_-)「上は上……自分よりも下位の人間を持ち、安寧を得られる者」 (-_-)「僕はみんなみんな憎いんだよ」 (-_-)「一ランク上も、二ランク上も、三ランク上も、一緒なんだ」 (-_-)「僕の左側にだけ不等号ががないんだ」
- 783 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 02:29:58.03 ID:t0f8/cFJ0
- (-_-)「そして……もう耐え忍ぶことができなくなった」
(-_-)「幸いにも、ドクオくんとジョルジュくんが決闘するって話になって」 (-_-)「学校中の生徒が集うイベントが催されたね」 ('A`)「お前……その機を利用したのか」 (-_-)「そうさ」 (-_-)「だけど正直言うと、僕は君を撃ちたくない」 ('A`)「なんでだ。俺も憎悪の対象じゃないのか」 (-_-)「一度きりとはいえ、僕の昼食を守ってくれたからね」 (-_-)「他に手を差し伸べてくれた生徒なんてフサくんくらいさ」 (-_-)「彼は見えないところでは僕を気遣ってくれた」 ('A`)「……」
- 790 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 02:34:37.49 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「なあ」
(-_-)「どうかしたかい」 ('A`)「あれ、別にお前の飯だからやったわけじゃねぇぜ」 ('A`)「ただ床とか周りの人間が汚れないようにしただけだ」 (-_-)「……」 ('A`)「だから思う存分憎んでくれよ。俺も所詮は傍観者だ」 (-_-)「どうして……そんなことを話す必要があったんだい?」 (-_-)「君にとって不利に働くことはあっても、有利には絶対にならない……」 ('A`)「そりゃあ……お前に嘘なんて吐きたくなかったから」 ('A`)「あと勘違いはやめてよね的なツンデレ風振る舞い」 (-_-)「ジョークかい? 笑えないジョークは、ただの罵倒だよ」 ('A`)(やば、冗談で場を和まそうとしたのに、結構イラっときてるな……)
- 793 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 02:40:16.31 ID:t0f8/cFJ0
- (-_-)「じゃあ……遠慮は一切いらないんだ」チャッ
('A`)「お、落ち着け。一旦息を整えるんだ。それから話し合おう」 (-_-)「落ち着いてるよ……凄く。冷静さ」 (-_-)「ヘロインをキメてきたからね……」 ('A`)「んなっ……?」 ('A`)(じゃあ普段怯えたように震えてるのって……ただの禁断症状か?) (-_-)「知ってるかい? スクールカーストの外にはギャングがいるんだ」 (-_-)「学校のはみ出し者たちさ」 (-_-)「ふふふ……彼らは意外とよくしてくれるんだよ」 (-_-)「落ち込む僕にいいものを教えてくれたからね……」 ('A`)「……マジかよ」
- 800 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 02:45:46.17 ID:t0f8/cFJ0
- (-_-)「武器を流してくれたのも彼らさ」
(-_-)「金さえ払えば……望むものはなんでもくれた……」 ('A`)(こいつ……薬だけじゃなく、いろんなものに依存してやがる!) ('A`)「優しく接してくれる人間が欲しかったんだな」 (-_-)「そうだね……たぶん、そういうことかな」 (-_-)「でも今更間に合わないよ」 (-_-)「これからは優しくしてやるとか、そういうことでも言い出すつもりなんだろう?」 (-_-)「遅いよ。知らないかい? 学校での銃乱射事件は」 (-_-)「どれも犯人の自殺で幕を閉じるのさ」 ('A`)「じゃあ、お前も……」 (-_-)「当たり前さ……たくさん人を殺しちゃってるから、もう戻れない」 (-_-)「僕も死ぬしかないんだ……・」
- 807 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 02:50:45.59 ID:t0f8/cFJ0
- (-_-)「どうやら……もう包囲網が出来あがってるみたいだし……」
(-_-)「君たちが最後のターゲットだよ、ドクオくん、クーさん」 (-_-)「それが終わったら、僕は屋上に上がって、衆目の前で派手に散ろう」 川 ゚ -゚)「え、本当に私も狙われるのか?」 (-_-)「もちろんだよ」 川 ゚ -゚)「やばいわー、心の準備とかまったくしてなかったわー」 ('A`)「なに呑気なこと言ってんだよ! もっと緊張感を持て!」 (-_-)「それじゃ……グッド・バイ」カチャッ ('A`)(やばい! 引き金に指がかかった!) ('A`)(まだサイコキネシスを自分の身体から解除していないぞ……相手に何も出来ない) ('A`)(……ここから回避することは可能だ。ただ……) ('A`)(そうすると……クーに弾丸が命中する……!)
- 812 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 02:55:46.43 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)(ならここは動くわけにはいかない!)
('A`)(クーの盾になるしかない!) ('A`)(幸か不幸かヒッキーはマシンガンではなく拳銃を構えた) ('A`)(一回の射撃で飛んでくる弾は一発だけ……) ('A`)(外れるなんてことはあまり期待しないほうがよさそうだが……) ('A`)(それでも……父さんの未来視が真実なら……) ('A`)(何が起きようとも……) バーンッ!! ('A`)「俺は……死なない!」
- 816 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:00:12.81 ID:t0f8/cFJ0
- シィン......
('A`)「……」 ('A`)「……はっ! どうなった!」 ('A`)「お、俺は生きてるぞ、生きてる! クーは……」クルッ 川 ゚ -゚)「あ、ああ……」 ('A`)「無事……か。外傷もなさそうだ」 ('A`)「じゃあ一体、どうなったんだ? どういう現象が起きたんだ?」 川 ゚ -゚)「ドクオ……前を向け……覚悟を決めてだ……」 ('A`)「え……」クルッ... (`・ω・´)「ぐっ……さすがに鉛弾は……堪えるな……」 ('A`)「父……さん……?」
- 823 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:05:35.13 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「父さん、父さん! どうしてここに!?」
('A`)「銃弾が当たってるじゃないか!」 (`・ω・´)「父さん……お前と最後に会った時」 (`・ω・´)「腕にまじないのような紋章を見つけてな……」 ('A`)「サダコが描いたやつか……」 (`・ω・´)「塗料とうまいこと波長が合って、視覚をリンクさせる媒介に出来たんだ」 (`・ω・´)「そのマークを通じて、見ていたよ……ドクオ」 (`・ω・´)「女の子を身を呈して守るだなんて、はは、男になったな……」 ('A`)「どうやって……ここまで……」 (`・ω・´)「父さん、お前が撃たれそうになる場面を見て、助けようと強く願ったんだ」 (`・ω・´)「そうしたら瞬間移動のチャンネルが開いたんだよ……本当に、よかった……」
- 832 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:12:53.96 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「よくない、全然よくなんてねぇよ!」
('A`)「あんた、地上最強だろ! こんなちっぽけな鉛弾なんかで」 (`・ω・´)「父さん、こと攻撃に関しては」 (`・ω・´)「『マス・デストラクション』とNASAの研究所で称されているほどだが……」 (`・ω・´)「防御能力に目を向けると、障壁めいたことは超能力で可能とはいえど」 (`・ω・´)「本体の抵抗力は並の中年男性と同じレベルでな……」 ('A`)「なら、今回も銃弾を破裂させたらよかったじゃないか!」 (`・ω・´)「咄嗟のことでね、頭がうまいこと回転しなかった」 (`・ω・´)「父さん、認知症の恐れがあると、渡米前から社内検診で宣告されてたんだ……」 (`・ω・´)「黙っていてすまない…・・」 ('A`)「治癒できる能力はないの!?」 (`・ω・´)「凍結のチャンネルを使えば……だかもう、そんな余力は残っていない……」 (`・ω・´)「体力も並の中年男性レベルだからな……」
- 839 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:18:39.18 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「そうだ、父さん、俺に未来視を行ってくれたじゃないか」
('A`)「あのヴィジョンはなんだったんだよ! 嘘だって言うのか?」 (`・ω・´)「はは……嘘じゃないよ……」 (`・ω・´)「今……まさに……ドクオは父さんを抱き寄せているじゃないか……」 ('A`)「嘘じゃないか! 歓喜の輪はどうなったんだよ!」 (`・ω・´)「それより……涙をぬぐって、正面を向くんだ」 ('A`)「正面?」グイ (-_-)「あ……あ……」 ('A`)「ヒッキーの奴……愕然としてやがる」 (`・ω・´)「撃たれたと同時に、あの子の持っているガンすべてに負荷を与えた」 (`・ω・´)「もう内部パーツの金属が磨滅して使い物にならないだろう……彼は無力だ」 (`・ω・´)「だから……もうこの事件は終幕だ。安心だな……」
- 845 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:25:06.25 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「全然安心なんてできない!」
('A`)「父さん、しっかりするんだ!」 (`・ω・´)「ああ……視界が霞んできたよ」 (`・ω・´)「父さん、目の良さだけがウリだったんだがな……」 (`・ω・´)「もうドクオの瞳が見られない……ドクオの考えていることもわからなくなった……」 (`・ω・´)「だけど……父さんの手の甲に落ちる、ドクオの涙の温度はよくわかるよ……」 ('A`)「父さんに弱音なんか似合わないよ!」 (`・ω・´)「ドクオ、元気でやるんだぞ」 ('A`)「寂しいこと言うなよ。やめろよ……」 (`・ω・´)「父さんは……母さんの元へ……行ってくるよ……」ガクッ ('A`)「……父さん?」 (` ω ´)「……」 ('A`)「父さああああああああああん!!」
- 855 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:30:26.80 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「うう……ぐす……ひっく、ぐす……」
('A`)「父さん……父さん……」 ('A`)「誰も父さんを殺すことなんて出来ないと思ってたのに……」 川 ゚ -゚)「ドクオ……」 ('A`)「……泣いてばかりもいられない」 ('A`)「父さんもそんなことは望んでいないはずだ」 ('A`)「クー、ここを出よう。みんなに報告しねぇと」 川 ゚ -゚)「ヒッキーはどうする?」 ('A`)「あいつはもう……無害だ。後は警察が始末してくれるだろう」 ('A`)「行こう。よいせっと……」 ('A`)「父さん、アメリカ来て少し太ったんだね。ちょっと重いよ」 川 ゚ -゚)「君の父さんを背負っていくのか? 超能力とやらで運んだ方が」 ('A`)「いや……おんぶしていきたいんだ」 川 ゚ -゚)「……そうか」
- 871 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:36:01.69 ID:t0f8/cFJ0
- ~~校舎前~~
( ^ω^)「あっ、ドクオたちだお! ドクオがシャキンさんおんぶしてこっちに来るお!」 川д川「うふふ……さすが私の守護印……」 ( ><)「その横に女の子もいるんです!」 (゚、゚トソン「あれは」 ミセ*゚ー゚)リ「クーさん?」 从 ゚∀从「あのブックワーム、まだ残っていたんかい……ようやるわ」 (-@∀@)「一件落着……かな。これで」 (´・ω・`)「急にシャキンさんが消えた時はびっくりしたけど……」 ( ^Д^)「仲睦まじい親子だな! 息子が父親を慰労してるぜ! かー!」 (*゚ー゚)「シャキンさん……疲れただろうからね……」
- 886 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:40:25.85 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「……よう、お前ら」
( ^ω^)「ドクオ! 心配したお!」 ξ゚⊿゚)ξ「……ヒッキーは!? ヒッキーはどうなったの!?」 ('A`)「ああ、あいつは……衰弱状態だ……」 ('A`)「警察の皆さんに、突入してくれって伝えてくれ……」 (´・ω・`)「それより、シャキンさんは疲れて寝てるのかい?」 ('A`)「いや……そうじゃないんだ……」 (*゚ー゚)「あれ、これ……血!?」 ('A`)「父さんはな……俺をかばって……撃たれたんだ……」 ('A`)「もう目を覚まさないんだ……」 (-@∀@)「そっ……」 从 ゚∀从「そんな……おい、タチの悪いジョークなんだろ!?」
- 893 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:45:06.82 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)「ジョークだったら……どんなにいいか……っ!」
(´・ω・`)「ドクオ……」 ('A`)「……俺、このまま帰るよ」 ('A`)「父さんを早く休ませたいんだ……」 ( ^ω^)「……そうかお」 ('A`)「じゃあな……」テク... 「おいドクオ」 ('A`)「なんだい父さん」 (`・ω・´)「父さんな、臨死体験を通じてヒーリングのチャンネルを開いたよ」 ('A`)「そう。今日の夕食はボンゴレビアンコにするよ……って」 ('A`)「……え?」
- 897 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:46:10.33 ID:7OuhyJIK0
- 親父wwwwww
- 903 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:47:22.39 ID:YmWSL0Mu0
- きたああああああああああああああああ
- 905 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:48:17.26 ID:t0f8/cFJ0
- ( ^Д^)「えっ」
( ><)「えっ」 (´・ω・`)「なにこれ? ミラクル? 不条理なんだけど」 ('A`)「と、父さん!? どういうこと!?」 ('A`)「え、なにこの瞬発力ありすぎな復活劇は!?」 川д川「蘇る死者……禁忌……うふふ……」 (`・ω・´)「なんだ、ドクオ、気づいてなかったのか」 ('A`)「なにがだい」 (`・ω・´)「お前、父さん以上の能力に覚醒してるぞ」 ('A`)「へ?」 (`・ω・´)「おめでとう。史上初の蘇生能力者だ」
- 919 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:52:50.68 ID:t0f8/cFJ0
- (`・ω・´)「父さんの死がチャンネル開放のキーになったんだなあ」
(`・ω・´)「父さん、お前の背中にずっと触れているうちに、生き返っちゃったよ」 ('A`)「なんか久々にこのぼんやりした感覚ゲットしたわ」 (`・ω・´)「ドクオ、お前は今日から史上最高位の能力保持者となったんだ」 (`・ω・´)「だが最強の座は譲る気はないぞ!」 ('A`)「いらねぇよ」 ( ^ω^)「というか、あのー……」 ('A`)「なんだよ」 (-@∀@)「一応……感動の再会なんだけど……」 ('A`)「ああ、なんかもう……どうでもよくなってきた」 ('A`)「これが現実なら非現実はどんだけ恐ろしいんだよ」
- 927 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 03:56:48.48 ID:t0f8/cFJ0
- (゚、゚トソン「でしたら……」
ミセ*゚ー゚)リ「ドクオさんが喜ばないなら……」 从 ゚∀从「アタシらが存分に!」 ( ^Д^)「うおおおお! シャキンさああん! おかえりいいいい!」 WAAAAAAAAAAAAAHHH!!!! (`・ω・´)「こらこら、復活したてなんだから、そんなに乱暴に飛びつかないでくれよ」 ξ゚⊿゚)ξ「あんたもハグしてきたら?」 ('A`)「いや、俺はいいよ……アホらしくなってきた」 ('A`)「俺の心配はなんだったんだ……」 川 ゚ -゚)「よくわからんがお前の親父さんは超越種か何かなのか?」 ('A`)「俺もたった今その仲間入りを果たしたところだ」
- 936 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 04:00:47.40 ID:t0f8/cFJ0
- ( ^Д^)「おいドクオ! そう遠慮するな!」
(´・ω・`)「思春期特有の恥じらいかもしれないね」 从 ゚∀从「そりゃよくない。思い切っていけ!」 ('A`)「ちょ、お前ら、押すな!」 (゚、゚トソン「まあまあ」 ミセ*゚ー゚)リ「そう言わずに!」 ('A`)「だからってなあ……」 (`・ω・´)「ドクオ、そんな照れなくてもいいぞ」 (`・ω・´)「こんな時ぐらいスキンシップを図るのも悪くない」 ('A`)「……じゃあ……」 ('A`)「……五秒だけな!」 ワァァァァァァアアアアア!!!
- 946 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 04:04:37.10 ID:t0f8/cFJ0
- ワイワイ
从 ゚∀从「ヒュー! 親子の熱い抱擁だ!」 (-@∀@)「これはいい画が撮れる!」 ガヤガヤ ('A`)「……なあ」 (`・ω・´)「なんだ?」 ('A`)「ぶっちゃけ、このヴィジョン見えてたんだろ?」 (`・ω・´)「さあ、どうかな」 ('A`)「未来視を信頼して動いてたな……」 (`・ω・´)「それより、今日の夕食はボンゴレなんだろう? 楽しみだな」 ('A`)「ああ、腕によりをかけて作るよ」
- 951 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 04:08:32.59 ID:t0f8/cFJ0
- ~~一ヶ月後~~
('A`)(あの後……) ('A`)(俺の蘇生能力によって、死者は皆復活した) ('A`)(無論、ジョルジュもだ) ('A`)(なんだか神様にでもなった気分だった) ('A`)(NASAの人は神を超えた能力と言っていたが、それはちょっと畏れ多い) ('A`)(その後は父さんが前もって言っていた通り) ('A`)(マインドクライムの保持者によって) ('A`)(あの日のすべての記憶がデリートされた) ('A`)(俺と、父さんと、NASA関係者と) ('A`)(……・ヒッキー以外)
- 962 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 04:12:14.94 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)(ヒッキーは現在NASAが引き取り)
('A`)(精神的治療を受けさせているらしい) ('A`)(……すべての記憶を忘却させるそうだ) ('A`)(たぶん別の人間としてやり直させるんだろうなぁ) ('A`)(さて、ジョルジュとの件だが) ('A`)(結局マインドクライムの保持者……長いからマイちゃんにする) ('A`)(マイちゃんに頼んで、俺と正攻法での殴り合いを繰り広げ) ('A`)(接戦の末かろうじて俺が勝ったという記憶を植え付けることにしてもらった) ('A`)(そう、俺の超能力に関する記憶も削除してもらったのだ) ('A`)(代償はでかかったが……まあ仕方あるまい) ('A`)(ともあれ、これにより、)計画の全てが成し遂げられたことになった
- 975 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 04:16:58.33 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)(思惑通り、ジョックたちは散り散りばらばら)
('A`)(だが俺とジョルジュがお互いを認め合ったせいで) ('A`)(観ていた学生たちの間に、平等という概念が芽生えたそうだ) ('A`)(ジョックもナードもないってな) ('A`)(マイちゃんがそんなシナリオにしてくれたようで) ('A`)(そしてスクールカーストという風習は、この高校では終わった) ('A`)(ヒッキーが起こしたかった崩壊とは、全然違うけどな……) ('A`)(ただブーンには悪いことをした) ('A`)(せっかくの一世一代の告白だったのにな……) ('A`)(ま、時間はある。ゆっくりやっていけばいいさ) ('A`)(クイーンとナードの垣根はきえたんだから)
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 04:29:28.41 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)(ただ……それは良かったんだが……)
(`・ω・´)「おおドクオ。用意は済ませたかい」 ('A`)「あ、うん、終わったよ。終わったから駐車場にいるの」 (`・ω・´)「そうか。では車に乗り込むんだ。行くぞ」バタン ('A`)「了解っと」バタン ('A`)「……」ブロロロロロ... ('A`)(結局俺はあの学校を辞めることになった) ('A`)(なんかショボンが送信してきたメールによれば) ('A`)(俺は日本から来た風雲児……カミカゼボーイとかって呼ばれてるらしい) ('A`)(今時このネーミングセンスはないと思う) ('A`)(……気のいい奴らばかりで、楽しかったんだが……)
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 04:33:45.63 ID:t0f8/cFJ0
- キキィ!
(`・ω・´)「到着したぞ。降りなさい」 ('A`)「はいよっと」バタン (`・ω・´)「今日からお前の仕事始めだからな。しっかりやるんだぞ」 ('A`)「人間関係が怖いわ……俺より年上ばっかだろ?」 (`・ω・´)「能力なんて何歳からでも発現する。ドクオより若い子もいるんだから」 ('A`)「そりゃ安息もんだよ」 ('A`)(そう……俺は転校すると皆には告げていたが……) ('A`)(実際のところは父さんと一緒に) ('A`)「ここ……NASAの研究対象として勤務することになったんだよな……」 ('A`)「それがマイちゃんとの約束だった……でかい貸しだ」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 04:39:02.34 ID:t0f8/cFJ0
- ('A`)(そして……)
ゴッ...ボォォォォォン!!! ('A`)「な、なんだ今の爆風!? そして人人人? 前方に人の群れ?」 (`・ω・´)「やや、これは困ったな」 (`・ω・´)「ドクオの勤務初日、その日程のリークでもあったようだ」 (`・ω・´)「CIAか連邦のエージェントが嗅ぎつけたに違いないな。暇な連中だよ」 ('A`)「もうちょい焦ろうぜ」 (`・ω・´)「こんなところで管巻いてはいられない! 行くぞ、ドクオ!」 ('A`)「行くってどこへだよ。研究所の入口封鎖されてんぞ」 ('、`*川「こっちよ、二人とも!」 ('A`)「マイちゃん!」 ('、`*川「誰ですかそれは。ペニサスです」
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 04:44:23.39 ID:t0f8/cFJ0
- ('、`*川「とにかく地下へ!」ガコン
('A`)「うお、凄い設計だなこの施設……」 ('、`*川「研究所内なら安全ですから……はっ、いけない!」 (`・ω・´)「どうかしたか」 ('、`*川「先程の爆発の衝撃で、地下道の支柱が倒壊してます! ルートD、進行不可能!」 ('A`)「おい、どうすんだよ。中に入るための経路がないんだけど」 ('、`*川「ならば……」 (`・ω・´)「正面突破しかないな」 ('A`)「なんとなくそう答えると思ったよ」 (`・ω・´)「行くぞ、息子よ!」 ('A`)「そうだね。お昼はサブウェイのサンドイッチにしよう」 (`・ω・´)「いい提案だな」
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 04:49:08.28 ID:t0f8/cFJ0
- ('、`*川「私の一対多における戦闘能力は大したものではありません」
('、`*川「フォローお願いします!」 ('A`)「まあ……死んでも余裕あるんだけどな、俺いるし」 ('、`*川「さすが最高の能力者ですね」 ('A`)「あんま嬉しくないけどな」 (`・ω・´)「……でえええええいっ!!」 ズッ...ドォォォォォォンヌッ!!!! (`・ω・´)「半数近くは片付いたか」 ('、`*川「一撃でこれですか……感嘆するばかりですよ、最強の能力者には……」 ('A`)「帰りたい」
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 04:54:24.91 ID:t0f8/cFJ0
- ('、`*川「これなら一点突破の成功率は現実的な数値です!」
(`・ω・´)「行くぞ!」 ('A`)「はいはい、走りますよ……念動力使って」 ('A`)(そう……俺はリカバリースキルを保有する、最高の能力者) ('A`)(地球上最強の称号をほしいままにする父さんと共に……) ('A`)(全生命体ヒエラルキーにおける……ジョックになったのだ) ('A`)(これまではそういった層をぶっ飛ばすことに全力を傾けていたが) ('A`)「これからは……自分がぶっ飛ばされる立場……」 ('A`)「あああああ!! 日本に帰りてえええ!!」 ~('A`)がジョックどもをぶっ飛ばすようです END~
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/03(水) 04:56:27.93 ID:t0f8/cFJ0
- 長時間ありがとうございました
途中から親父書きたいだけでした それだけです 眠気で大分書式が荒れてますがスルーしてください お疲れさまでした
- 119 名前: ◆zS3MCsRvy2 :2011/08/03(水) 04:59:18.08 ID:t0f8/cFJ0
- まあぶっちゃけると
VIPでどのくらい快適に投下できるかのテストのつもりでしたが 一日のつもりが三日になり 一スレどころか三スレでした 僕はファッキンギークです
- 139 名前: ◆zS3MCsRvy2 :2011/08/03(水) 05:12:17.24 ID:t0f8/cFJ0
- 次の作品っていうかいい加減現行完結させないとアレなんで
次回とか構想は特にないです なんか一発ネタ思いついたらまた計画性なくながらでやります 過去作……まあいろいろと 消える前が ( ^ω^)と夏の日のようです (´・ω・`)がメールを打つようです ( ^ω^)が嫉妬するようです 戻った後が ('A`)がバイブの訪問販売員になったようです ('A`)が入山したら案の定衆道だらけだったようです (´・ω・`)が配信中毒になったようです 完結してるのだとこのあたり ('A`)←こいつがいてスレタイがひどかったら大抵僕です
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