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lw´‐ _‐ノv 虹を食べたようです |
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 22:57:13.97 ID:FNfVWPpAO
- lw´;‐ _‐ノv 「ハァ…ハァ……」
息を切らしながら、ドアを閉じて鍵をする。 町の住民から不審がられながらも、家の周りにバリケードを作った。 酷く拙い物だが何日かは保つハズだから、まぁ大丈夫だろう。 勘の鋭い人は、既に私を疑っている。 今日も町を歩いている時に、そんな視線が突き刺さっていた。 ハッキリ言って、あの目で見られるのは気分が悪い。 lw´‐ _‐ノv 「そんだけのことをしたのは、私なんだけどね」 言いながら、ドアの前にどんどんと物を積み上げて行く。 誰が来たって、開けてやるものか。 こんなに綺麗な物、貴様ら等には勿体無い。
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 22:59:13.98 ID:FNfVWPpAO
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lw´‐ _‐ノv 虹を食べたようです
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:01:05.24 ID:FNfVWPpAO
- それは、つい先日のこと。
私はいつもの様に、キラキラと様々な色が溢れかえる町を、中央にある展望台からぼうっと眺めていた。 東の方には森があり緑が茂り、西には田んぼで麦等が一面に黄金色を敷き詰め。 北に行けば薄汚れたスラムの中でネオンが瞬いて、南には砂浜や海が日光を反射して輝いている。 中央には私も住む住宅地、そんな少しおかしな町。 四季により色が変わるが、何時にしても鮮やかで、その景色はいつも私の心を奪うのだ。 毎日毎日、飽きずに通い、その景色を目に焼き付けていた。 lw´‐ _‐ノv 「やっぱり綺麗だな……」 一人で眺めながら、呟く。 その時までは、本当にいつも通りの日常だった。 ―――偶然、あの話を聞くまでは。
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:03:13.47 ID:FNfVWPpAO
- (-@∀@) 「知っていましたか」
(´<_` ) 「何がだ?」 不意に聞こえた、男性の話し声。 きっと何ともなしに、只の世間話として話していたのだろう。 いつも通り意識の外へ弾き出し、また景色に没頭しようとしたのだが、そうはいかなかった。 耳に入った内容が、私の心を鷲掴みにしたからだ。 この町が、色で溢れている理由。 明らかに他の町から見ておかしなこの町の、秘密が明らかにされようとしているのだ。 それは、もしかしたら信憑性のない噂なのかも知れない。 しかし私はそれでも構わなかった。 もしもそれが本当であるのならば――― ―――この色を独り占め出来るのだから。
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:05:09.21 ID:FNfVWPpAO
- 聞こえてきた内容は、酷く単純なものであった。
町長の家には、七色に輝く玉があるらしい。 その玉には不思議な力が込められているらしく、所有している町を鮮やかに彩ると言うのだ。 それを聞いた私は、胸が躍った。 まず七色の玉と言うのが、酷く興味をそそる。 しかし、重要なのはそこではない。 lw´‐ _‐ノv (所有する、町を……) 曖昧な範囲ではあるが、その玉がある町には鮮やかな色が塗られるらしい。 ここが重要であるのだ。 では、もしも――だ。 lw´‐ _‐ノv (もしもその玉を……) 個人で所有したら、どうなる――? 私は、胸の高鳴りを抑えられなかった。
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:07:09.70 ID:FNfVWPpAO
- それからの行動は早いもので、すぐさま展望台から出て、町長の家へと向かった。
町一番の、大きな家。 流石の私も、それを眼前にして足が竦んでしまう。 だがそれ以上に、その玉の存在が気になって。 もしもその話が出任せであったならば、私は罪に問われ何の色もない、モノクロの刑務所にぶち込まれるだろう。 lw´‐ _‐ノv 「でも、試す価値はあるよね」 敢えて声に出し、自分を奮い立たせる。 これは好機だと、開いていた窓から侵入し、その玉を探し始めた。 しかし、探せど探せど、影も形も出て来ない。 やはりあれは有り得ない噂だったのかと、肩を落とした。 その時に感じた、違和感。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:09:06.46 ID:FNfVWPpAO
- 本当に偶然だったが故に、私はそれが運命なのだと感じてしまった。
歩いた時に鳴った床の軋む音が、一カ所だけ違ったのだ。 lw´‐ _‐ノv 「……地下?」 何も考える間もなく、私は絨毯を捲っていた。 そして見えたのは、床から生える取っ手。 おそらくこれを引き上げることで、床の一部分を開けることが出来るのだろう。 鼓動が早くなるのを感じながら、私はそれをゆっくり、ゆっくりと噛み締める様に開く。 開いた床からは、階段が下へ続いていた。 lw´‐ _‐ノv 「行くしか、ないよね」 誰かに駄目だと言われても、今更引き返すことは出来ないのだが。 私は、一歩、また一歩と階段を下りていった。
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:11:19.60 ID:FNfVWPpAO
- 丁度、一階分程だろうか。
最後まで下りきったところで、ガラス張りの箱を見つけた。 lw´*‐ _‐ノv 「おぉぉ……」 思わず、ほうと溜め息が漏れた。 そこには確かに七色に輝く、それは美しい玉があった。 信じられないくらいに美しく、気高く七色に光輝く玉。 lw´*‐ _‐ノv 「これは……」 美しい。 その言葉は、吐かずに唾と一緒に飲み込んだ。 安易に声に出すと、それが薄れてしまう気がして。
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:13:37.76 ID:FNfVWPpAO
- lw´‐ _‐ノv 「何かないかな……あるじゃん」
辺りを見回していたその目が、部屋の隅にあったレンガブロックを発見する。 私はセキュリティーの甘さに乾いた笑い声を上げると、小さな手に余るそれを持ち上げた。 ガラス張りの箱のところまで運ぶと、頭上まで持ち上げる。 lw´‐ _‐ノv 「もらってくよん、町長さんありがとー」 一言だけ感謝を述べてから、中の玉を傷つけぬ様に、ゆっくりとそれを振り下ろした。 何かを破壊する音と言うのは、何故こんなにも心地よいのだろう。 水面に、大粒の雨粒が落ちたみたいに、弾ける様に生まれた音は、私の耳を刺激した。 自らの身を護るものがなくなったその玉は、脈打つ様にぽわぽわと光る。 lw´*‐ _‐ノv 「……」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:16:12.15 ID:FNfVWPpAO
- しばらく眺めていたかった。
私の様な人間が、それに触れてもいいのか分からなくて。 だから、せめて目に焼き付け様とした。 lw´‐ _‐ノv 「と、危ない危ない」 危うく、その美しさに目的を忘れるところだった。 私はそれをおもむろに、しかし傷つけぬ様、丁寧に手の中に収めると、階段を駆け上がった。 いまだに、家の中は無人である。 lw´‐ _‐ノv 「まぁ…いたら真っ先にこっちへ来るよね」 先ほど開いた床の蓋を閉め、絨毯をかけ直す。 そうして侵入した時と同じ経路で外へ出て、窓を閉めると同時に走り出した。 後ろも振り返らずに、一目散に。
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:18:11.84 ID:FNfVWPpAO
- ただただ我が家へと向かって、まだ成長しきっていない短い足を漕いだ。
道中、あまりにも必死に駆ける私を笑いながら見ている人もいたが、構うものか。 この玉を手にしてから、私の胸は高鳴るばかりなのだから。 そんなワケで、家に着いた時の私は汗にまみれていた。 小さなポケットは玉を詰め込んだせいで、パンパンに膨れている。 そっと玉を取り出し、机に優しく置いてみる。 lw´*‐ _‐ノv 「はぁぁ……」 喜びや何やらが色々と混ぜられた溜め息が、思わず漏れてしまう。 机の上で、まるで呼吸しているかの様に光がトクトクと瞬く。 lw´‐ _‐ノv 「……え?」
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:20:10.51 ID:FNfVWPpAO
- 呼吸しているかの、様に。
そう言えば、特に気にもしなかったが、触ると柔らかい。 脈打つ様に、ではなく、確かに脈打っている。 lw´;‐ _‐ノv 「…生きてんだね、これ」 そんな事実に気づいた。 しかしそんなことはどうだって良くて、私はただただその玉を見ていた。 と、ある違和感を感じる。 lw´‐ _‐ノv 「……?」 光の状態が、少し変わった。 綺麗には変わりないのだが、少しずつその輝きが、弱くなってきている。
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:23:23.46 ID:FNfVWPpAO
- lw´;‐ _‐ノv 「え、え……」
テラテラとした七色模様はその姿を絶えず姿わ変えているが、その輝きはどんどん薄れて行く。 どうしたらいいのか、どうなってしまうのか。 何度も何度も頭を廻る。 キョロキョロと家の中を見る。 ふと、その中で一つの場所が目に付いた。 そこへ行き、様々な道具が収納されている棚から、それを一本取り出す。 そのまま私は、机へと戻る。 そして、玉に突き立てた。 驚く程にスッと入る。 まるで吸い込まれる様に入り、その身を切る。 そうして、綺麗なまま、腐らせぬ様に―――――。
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:25:06.22 ID:FNfVWPpAO
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切り分けて、食べた。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:27:06.34 ID:FNfVWPpAO
- それから私の世界は少しずつ変わった。
町の景色は、徐々に色をなくしていく。 きっと、異変に気づいた町長が、騒いだのだろう。 "何者かが虹の玉を盗んだ"と言う噂が、昨日から流れ始めたのだ。 あれからも私は展望台に通っていたのだが、もうそれもしなくていいだろう。 この町にはいずれ、色がなくなるのだから。 それに気づいたから、私は今日、駆け足で展望台から逃げ帰り、バリケードを作ったのだ。 lw´‐ _‐ノv 「……フフッ」 つい、顔がにやけてしまう。 もう全ての色は、私だけの物になったのだ。 私の体の中には、七色が流れているのだ。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:29:14.77 ID:FNfVWPpAO
- それから数日が流れた。
ふと思い付き、自宅の二階から町を見てみた。 lw´‐ _‐ノv 「……!」 ギョッとした。 東の森はまるで粘土で作ったかの様になり、西の畑は土しかない様に見える。 北のスラムのネオンが輝くことはなく灰色で、南の海に至っては闇があるのかと思うくらいに真っ黒。 私の家の周りは全て灰色で塗り潰され、空はぽっかり穴を空けたかの様に太陽が白かった。 そうして私は、自分の体を見る。 lw´‐ _‐ノv 「……は」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:31:05.51 ID:FNfVWPpAO
- lw´‐ _‐ノv 「は、はは!ははは!あはははは!!」
思わず笑ってしまった。 この世界で色を持っているのは、もはや私だけだ。 手に入れた、素晴らしき、色を。 モノクロの世界の中で、私だけが鮮やかに輝いている。 lw´‐ _‐ノv 「あぁ、綺麗だな……私」 愛でる対象が変わっていたが、特に気にならなかった。 だってもう、色があるのは私だけなのだから。 lw´‐ _‐ノv 「フフ……」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:33:06.44 ID:FNfVWPpAO
- その翌日、珍しく私の元へ来訪者が。
と言っても、窓から確認しただけなのだが。 バリケードに数人集まり、何やら話をしている。 lw´‐ _‐ノv 「……」 バレたか――? 胸が一度跳ねた。 しかし何てことはなく、そのまま来訪者は帰っていた。 lw´‐ _‐ノv 「無駄に焦らせんなよ……」 それだけ漏らすと、また外と自分を見比べ始めた。 あぁ、やはり美しい。 色のない世界で、唯一色を持つ私。 この世の全てを手に入れた気分だった。
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:35:43.80 ID:FNfVWPpAO
- しかし、また翌日、更に翌日と、数日の間、彼らは訪れた。
日が増すのに比例して、その人数も増えていく。 疑いが確信に変わる。 彼らは、私を疑ってここへ来ているのだろう。 lw´;‐ _‐ノv 「…どうしよう」 今更焦ったところで、既に遅い。 一度見られれば、私が色を盗んだことをすぐに理解されるだろう。 そうなればどうなってしまう? 最悪の場合―――。 lw´‐ _‐ノv 「殺され、る……?」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:37:05.43 ID:FNfVWPpAO
- 嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ。 色を独り占めしたのに、全てを手に入れたのに。 殺されて、たまるか。 しかしながら、私が持っているのは色ぐらいしかない。 どうして抵抗出来ようか。 そうして、私は扉の前に積み上げた山を更に高くして、眠りについた。 そして三日程経ち、彼らはとうとう動き出した。 バリケードのところから私に向かって叫ぶだけなのだが、それがなかなか、私の精神を追い込むのだ。
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:39:06.98 ID:FNfVWPpAO
- (,,゚Д゚) 「おーい!出てきてくれー!」
( ・∀・) 「少し話がしたいんだ!本当に一分程でいい!」 ギャーギャーと喚くな。 そんな風に毒づいてみる。 勿論相手には聞こえないし、何かが変わるワケではない。 只、吐き出すことで少しだけ楽になった。 一時間程、バリケードの前に立ち、叫び始め、また一時間程した時に彼らはぞろぞろと帰って行った。 最低な言葉を残して。 (,,゚Д゚) 「また翌日来ますからー!」 来んな。
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:41:24.35 ID:FNfVWPpAO
- それからの日々は地獄だった。
彼らは毎日来て、最後にまた来ることを告げて消えていく。 日々やられることと、また明日来ると告げることで、私の精神は徐々に削られていった。 lw´‐ _‐ノv 「また今日も……来るのか…?」 何時からか部屋の隅から私が動くことはなくなっていた。 毎日毎日怯えているおかげで、すっかりここが定位置だ。 畜生。 憎々しげに呟くも、何も変わらない。 もしも憎しみで人が死ぬのならば、この町はとっくに壊滅しているだろう。
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:43:13.66 ID:FNfVWPpAO
- 気づけば外と自分を見比べることはしなくなっていた。
それでも、自分を見ると安心する。 私だけが色を持っている。 それだけが、心の支えだった。 ふと見上げて時計を見れば、いつも奴らが来る時間を過ぎていた。 lw´‐ _‐ノv 「……?」 とうとう諦めたのか。 それとも、今日は来ないのだろうか。 遅れて来るのかもと震えながら過ごすこと、一時間。 やはり彼らは来なかった。
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:45:08.26 ID:FNfVWPpAO
- lw´‐ _‐ノv 「そりゃ毎日来たら疲れるよねーそのまま一生来んな糞共」
ぶつぶつと呟くのが、癖になった。 久しぶりに外を眺めてみる気になり、私は窓からひょいと、顔だけを覗かす。 当然カーテンで出来る限り顔を隠しながら。 lw´;‐ _‐ノv 「……え…?」 それも、いつもの倍の人数でぞろぞろとこちらへ来る。 バリケードの前で立ち止まると、一人の男が声を上げた。 (,,゚Д゚) 「集まっていただきありがとうございます!それでは今から、このバリケードを撤去しましょう!!」 lw´;‐ _‐ノv 「!?」
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:47:19.67 ID:FNfVWPpAO
- 複数の声が重なり、それはまるで怒号の様で。
私は、改めて自分の罪の重さを知った。 その後は更に酷かった。 既に白と黒でしか表現されなくなった人間達が、大きな音を起てながら破壊活動。 次はお前だと言われている様で、私は更に追い詰められる。 lw´ _ ノv 「何でだよ……」 何でみんなは色がなくて、私だけ色があるのだ。 世界は私を爪弾きにした、私が何をしたのだ。 外から聞こえる音に混じり、色を返せと言う声が聞こえた。 黙ってろカス。
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:49:05.06 ID:FNfVWPpAO
- 孤独になる運命であったのならば、私はいたくない。
外ではみんなが集まって、楽しそうに話している。 うらやましい。 みんなして色を持っている私をいじめにくるのだ。 私がみんなとおんなじで白黒だったら、よかったのかな。 lw´‐ _‐ノv 「ほら、きょうはたくさんの道具も持っているよ」 鬼のような顔をしてぞろぞろぞろぞろと私の元へ彼らは私の家にくる。 扉の前にきたとき、いつもいるお兄さんが叫んだ。 (,,゚Д゚) 「開けてくださーい!」 扉をやさしく殴りつける。 どんどんと、私をころすために強くつよく叩く。
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:51:04.77 ID:FNfVWPpAO
- lw´‐ _‐ノv 「死にたくないからあけないよ」
小さな声でこたえてみた。 それを聞いてお兄さんは叩く音をおおきくする。 (,#゚Д゚) 「開けてください!いるんですよね!!」 絶対嫌。 だって、私はまだいきてたいから。 時間がたち、いつものように彼らが去っていく。 最後の言葉なんかはさいていだった。 無理にでもはいるだかなんだか。 私がなにかしたんだろうか。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:55:24.25 ID:FNfVWPpAO
- いつのまに寝ていたのだろう。
起きたらもう彼らがきて私の家をがんがんとたたいていた。 (,#゚Д゚) 「開けろ!この盗人!!」 ( #・∀・) 「色を返せ!!」 ( #^ω^) 「泥棒!糞野郎!」 (#'A`) 「死ね!死ね!!」 やめてよ扉が壊れちゃうから。 ひどい言葉ばかり言わないで、つらい。 つらい。
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:57:20.99 ID:FNfVWPpAO
- 何をいっても彼らはかわらなかった。
それどころかみしみしと目標たっせいがちかずいてる音がする。 壊れてなかにはいられたら、ころされちゃう。 それだけはいや。 私はふと、机においてあるものがわたしの目にはいった。 てにとると、白黒でいろどられたそれが見える。 どうしてわたしだけが色をもったんだろう。 ころされたくないな。 おなかがすいた。 まだ扉をたたくおとは強く鳴りひびく。 ざんねんながら色はなくなるよ。 ごめんね。
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 23:59:43.81 ID:FNfVWPpAO
- わたしは、それをつき立てさしてさした体を。
lw´ _ ノv 「あは、は、は!いたい!はは!」 (,,゚Д゚) 「!? 声がしたぞ!!」 関係ない。 痛みが私を少しだけ戻す。 それでも私は切り分ける。 ナイフを立てて、玉を食べた時と同じ様に、何度も何度も。 バラバラになっていく体と、白黒の床に流れる艶やかな紅。 綺麗だ。 そんなことを思いながら、切り分けた部位を口に含んでいく。
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 00:01:56.76 ID:4gttEd/2O
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群衆が扉が割った時、既に世界は色を取り戻していた。
- 50 名前: ◆kfuPUnAWpda0 :2010/11/25(木) 00:05:58.73 ID:4gttEd/2O
- ってな感じで終わりです、お付き合いいただきありがとうございます
一人称だったらどんどん消耗していく様が書きやすいんじゃね? なーんて思ったけど、もっとなんか自然な感じに移行できなきゃわざとらし過ぎる…難しい ちなみにモチーフにしたのはBIGMAMAと言うの虹を食べたアイリスって曲です なんか質問、意見、批評、アドバイスなどございましたら、どうぞお願いします
- 51 名前: ◆kfuPUnAWpda0 :2010/11/25(木) 00:07:18.87 ID:4gttEd/2O
- BIGMAMAと言うのってなんだよ…BIGMAMAと言うバンド、です
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