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(゚、゚トソン都村教授伝奇考のようです |
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 17:59:56.70 ID:imKBG4aP0
- 代理ありがとうございます!!
今から投下いたしますお話は ●地の文がほんのり多め ●長い ●ちょっとオカルト などの要素がありますので、苦手な方は僕のおちんちんをしゃぶってください。 お願いします お願いします!!!
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:01:33.28 ID:imKBG4aP0
- ――ガタタン、ゴトトン。
先程までビル街を映していた車窓は、いつの間にか田園風景に切り替わっていた。 薄く開けた窓から入ってくる風は、僕らが住んでいる都会とはまるで違る。 『空気がおいしい』だなんていう在り来たりな台詞に対して いささか懐疑的であった僕だが、今日この日を持って考えを革めよう。 たしかに田舎の空気はおいしかった。 夏の特有の香りと田んぼに張られている水のかすかな清涼感が胸を満たす。 しかし、僕が窓を開けている理由はおいしい空気を胸いっぱいに吸い込むためではない。 僕の座るボックス席の向かい。 その向かいで懸命に駅弁を貪っている女性が原因である。 (゚、゚*トソン「ハムッ!! ハムハムッッ!! モグモグモグーッ!!!」 彼女はかれこれ三時間に渡って18個もの駅弁を食べ続けている。 その駅弁が発する食い物の匂いに耐え切れず、僕は窓を開け放っているのである。 既にこの電車に乗り込む前に昼食を済ませていた僕にとって 食い物の匂いを嗅ぎ続けるのはあまり気の良いものではなかった。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:02:48.97 ID:imKBG4aP0
- しかしそれは彼女も同じであるはずなのだ。
というか彼女は昼食のラーメンを三杯ほど御代わりまでしていたはずなのに。 僕は彼女の華奢な体つきをマジマジと眺める。 一体その体のどこに大量の食物を吸い込んでいるのか。 そんな僕の疑惑の視線に気付いたのか、彼女は箸を止めると 口の端にご飯粒をつけたまま顔を上げた。 (゚、゚*トソン「なんですか? あげませんよ?」 (;‐∀‐) 「いらないですよ」 (゚、゚*トソン「本当に? おいしいですよこのタケノコの煮付け」 (;‐∀‐) 「いや、もう匂いだけでお腹いっぱいというか……」 (゚、゚トソン「男の子はもっと食べなきゃいけません」 (;‐∀‐)「貴方が女性の割りに食いすぎなんですよ」 ( ・∀・)「教授」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:04:37.04 ID:imKBG4aP0
- そう、この女性は僕の通う大学の教授なのだ。
名前は『都村トソン』。年齢は28歳。 僕の取っているゼミの担当でもある。 僕はその教授に連れられて、夏休みという学生にとって貴重な時間を割き、フィールドワークに行くのだ。 場所は美府村というG県の片田舎。そこで三年毎にしか催されない祭りとそれに関する民話を調べに行くのだという。 教授の専攻は民俗学である。 大学時代は柳田国男に傾倒し、いくつもの村々を渡り歩き 片っ端から民話を編纂した卒論を書いたらしい。 学生時代のあだ名は『テクテクトソン』 日本中どんな場所でもまるで散歩にでも行くように出かけていくことからその名がついたという。 その異常とも言うべき無尽蔵のバイタリティからか 彼女は大学院卒業後、あれよあれよという間に教授という座に登りついた。 そしてそんなテクテクトソンのフィールドワークに何故学生である僕がついていくのかというと それは僕のまさに悪徳とも言うべき人間性が深く関連している。 面倒なので簡潔に言うが、要は全然講義に参加しないで興味のあることだけしてたら単位が全く取ませんでした、と。 そこでせめて参加しているゼミの教授だけには単位をくれるように頼んでみようと思い立ち、 僕が教授の研究室を訪ねたのが一週間前。 なんとか、どうにか、なにとぞ単位をと土下座までして頼み込んだところ、交換条件付で承諾してくれた。 しかも通年の4単位も貰えると言う。これに乗らない手はまずない。僕は二つ返事でOKしてしまった。
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:06:26.34 ID:imKBG4aP0
- そしてその交換条件というのが、この教授のフィールドワークに助手としてついていくことだったのだ。
まぁ、その時の僕はちょっとした旅行程度に捕らえていたが実情はとんでもなかった。 今回の目的地である美府村があまりにも田舎過ぎることもさることながら、 教授の荷物は全部持たされ、教授の買う土産(全て食い物)も全部持たされ、 挙句駅に着くたびに駅弁を買ってくるように命令され、 断れば単位の件をちらつかされる。要は体の良い下僕であった。 僕はため息をつきながら窓の外に視線を投げた。 窓の隙間からは辛うじて彼女の貪る駅弁の匂いが流れ出ているらしく、 開けなかった時よりかは幾分かマシに感じる。 どこまで行っても田んぼしか見えないこの風景を眺めていると まるで世界全てが田んぼになってしまったかのように感じてしまう。 それはとても恐ろしいことのようで、しかし真の平等とはこのような情景のことを言うのではないかとぼんやり思う。 まぁ、この景色を見られて、おいしい空気を吸って、単位も貰えれば、夏休みをちょっと捧げるくらいは十分か。 相変わらずのガツガツという耳障りな咀嚼音をBGMに、僕は静かに目を閉じた。 (゚、゚トソン「モララー君」 そんな僕に気がついているのかいないのか、 彼女は僕の名前を呼ぶ。 僕は目を閉じたままその呼びかけに答えた。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:07:48.27 ID:imKBG4aP0
- ( ‐∀‐)「なんですか?」
(゚、゚*トソン「この鶏肉の照り焼きおいしいですっ!」 ( ‐∀‐)「……」 (゚、゚*トソン「ほしいですか? 私から取り上げたいですか?」 ( ‐∀‐)「……」 (゚、゚*トソン「鳥だけに……」 ( ‐∀‐)「……」 ::( 、 *トソン::「ブフゥ……鳥だけに……フフフフ……取り上げ……ウヒヒ」プルプル ( ‐∀‐)「……」 ……やっぱちょっと帰りたいかもしれない。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:09:10.26 ID:imKBG4aP0
-
都村教授伝奇考のようです 『ほらいず様/前編』
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:10:25.98 ID:imKBG4aP0
- (゚、゚トソン「もふぁふぁーふぅん(モララー君)」
( ‐∀‐)「口ん中のもの全部飲み込んでから話してください」 ( ‐∀‐)「ていうか全部喰ってから話してください」 (゚、゚トソン「ふぁい(はい)」 教授は黙々と駅弁を消費する。 僕は薄目を開けながら彼女の食い方を見ていた。 すると奇妙な点を三つ発見する。 まず一点目。 彼女は一口が異様に小さい。 ご飯なんかは10粒程度しか箸に乗せていないんじゃないかと思う。 その代わりに箸を超高速で駅弁と口の間を往復させているのだ。 ……なんかキモイ 二点目。 箸で小さく出来そうなおかずは全て細切れにしていく。 タテ4cm、ヨコ3cm程度のダシ巻き卵は48分割している程だ。 レンコンなどの硬いおかずはめちゃくちゃ小さく齧っては元の位置に戻していく。 まるでハムスターか何かの食事のようだと思う。 三点目。 同じおかずを続けて食わない。 例えばダシ巻き卵→ご飯→煮物→ご飯→鳥の照り焼き→ご飯……というように おかずの間にご飯を挟みつつローテーションさせて食っているらしい。 ……これはやる人もいるだろう。ただ前述の通り一口が小さい上に速いので やはりちょっと気持ちの悪い食い方だと思う。
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:11:46.31 ID:imKBG4aP0
- そこまで観察して、僕は何をしているのだろうと我に返った。
結婚適齢期を過ぎようとしている行き遅れの食事法の観察など 僕の人生においてなんの得も影響もないのだ。 また視線を窓の外に戻す。 日はもう落ちかけている。昼に出て、この日の落ち方という事は はやり美府村は都会から物凄くかけ離れたところにあるのだという事を実感させられる。 しかしこの電車から見ても民家などほとんど見つからないのに 果たして祭りなどが本当に行われるのか疑問に思う。 人間がいないと祭りは成立しないだろう。 そこまで考えて、僕は魑魅魍魎の類が宴会を開いている様子を想像してしまい ぞくりと背中を波打たせた。 何を馬鹿な。ゲーテじゃあるまいし、田舎=妖怪が出るなどという固定概念を自分が抱いていたなんて。 己の純真さにちょっぴりの感動と大いなる苛立ちを覚えながら、僕は教授に話しかけた。 「教授、全然民家とかないんですけど、本当にお祭りなんか催されるんですか?」 (゚、゚トソン「……ッゴクン!! お茶」 ( ・∀・)「……はい」
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:13:24.12 ID:imKBG4aP0
- (゚、゚*トソン「ゴキュゴキュ……ぷは」
( ・∀・)「……」 (゚、゚トソン「……そうですね。この風景を見ていると不安になるかもしれませんね」 (゚、゚トソン「でも大丈夫ですよ。この辺はたまたま田んぼ農家の方々が密集している土地なだけてす」 ( ・∀・)「密集……。民家の殆ど無いこの景色で使う言葉じゃない気もしますけど」 (゚、゚トソン「まぁ一つの農家が東京ドーム程度の田んぼを有しているわけですから、 密集しているのは農家の方の家というよりも田んぼの方ですけどね」 ( ・∀・)「はぁ」 (゚、゚トソン「でも、目的地の駅は温泉街のすぐ近くですから、ある程度観光地化されていて、人も多いそうです」 ( ・∀・)「温泉街ですか。いいですね」 (゚、゚トソン「ちなみに今日から三日間泊まる予定の旅館もその温泉街にありますよ」 ( ・∀・)「わぁ、それは素晴らしいですね」 (゚、゚トソン「フィールドワークは足が基本です。いっぱい歩いて汗をかきますから、温泉は欠かせません」
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:15:11.71 ID:imKBG4aP0
- ( ・∀・)「はぁ、なんだかちょっとだけ希望が湧いてきました。楽しそうですね」
(゚、゚トソン「そうです。民俗学におけるフィールドワークの重要性はかの柳田……」 (; ・∀・)「あー! いいっす! 柳田先生の話は研究室で十分理解しましたから!!」 (゚、゚トソン「……そうですか? じゃあ問題ですっ」 (; ・∀・)「おぼっ……イキナリっすか……」 (゚、゚トソン「柳田先生は何故フィールドワークが重要だとおっしゃったのでしょうか」 (; ・∀・)「え、えーっと……確か、フィールドワークが重要って言うか、定義付けが逆で……、ええーっと 文献資料に頼り切った調査は非常に真実が偏りやすくて危ないから……実際に現地に赴いて 情報のねじれを正す意味でフィールドワークを用いる……でしたっけ?」 (゚、゚トソン「まぁ、大体はそんな感じです。なんでこれから行く美府村ではしっかりと調査しましょう!」 (゚、゚*トソン「いわば我々は『都村トソン探検隊』なのですっ!」 (; ・∀・)「そんな藤岡弘探検隊みたいに言わなくても……」 (゚、゚#トソン「あの人たちはダメです!」 (; ・∀・)「何故に」
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:16:28.91 ID:imKBG4aP0
- (゚、゚#トソン「まだ日本の謎なんて全然残ってるのにやれ海外だー、宇宙だー、海底だーなどと……」
(゚、゚#トソン「日本人ならまずこの母なる日本からでしょ!」 (゚、゚#トソン「まずは足元を踏み固めてからでないと何事もっ!」 ( ・∀・)。o(右翼はいってんのかな……?) 「クスクスッ」 藤岡弘探検隊を熱く批判する教授をあきれた視線で眺める僕の耳に、女の人の含み笑いが聞こえてきた。 なんだろうと思い視線をそちらに向けると、通路を挟んで向かい側のボックス席に座る女性が口元に手を当てていた。 前には杖を突いた若い男性も座っている。 僕が二人を見ていると、女の人が僕の視線に気付いたのかバツの悪そうな顔をして口を開いた。 (;゚O゚)「あ、ご、ごめんなさい」 ( ・∀・)「いえ、うちの教授がうるさくてすいません」 僕の軽い冗談で気が解れたのか、彼女はパァと明るい表情になった。 そのまま彼女は僕に話しかけてきた。教授は既に次の駅弁に取り掛かっていた。
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:17:47.27 ID:imKBG4aP0
- (*゚ー゚)「そちらの方、教授なの?」
( ・∀・)「はい、大学の」 (*゚ー゚)「まだ若いのに凄いね。ね、ギコ君」 (;,,゚Д゚)「お、俺に話を振るのか!?」 (*゚ー゚)「クスクス。あ、ごめんね、私はしぃって言います。で、こっちの朴念仁がギコ」 ( ・∀・)「僕はモララーって言います。こっちの大食漢は都村教授です」 (゚、゚#トソン「ふぁふぇふぁふぁいふぉっふぁんふぇふっふぁ(誰が大食漢ですか)!!」 ( ・∀・)「はいはい教授。良い子ですから口にモノが入ってる時は喋んないでくださいねー」 (*^ー^)「あははっ!」 (*゚ー゚)「……で、そんな学生さんと教授がこんな片田舎に何しに来たの?」 (*゚ー゚)「ま、まさかっ!!」 (;,,゚Д゚)「お、おい、しぃ」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:19:03.36 ID:imKBG4aP0
- (*゚ー゚)「恋!? ラヴ!? 愛の逃避行!?!?」
(,,゚Д゚)「はぁ、始まった……。すまんね学生さん、モララー君だっけ? こいつそういうのに目が無くて」 (; ・∀・)「いや、まぁ、悪気は感じませんから」 (,,゚Д゚)「すまんね」 男の人は僕のほうを向かずにポリポリと頭をかいた。 そういえばこの男の人――ギコさんは一度も僕のほうを向こうとしない。 それどころか窓に視線を向けることも無く、ただ虚空を見ているようだった。 そんな人を探るような視線に気付いたのはしぃさんだった。 (*゚ー゚)「あ、ごめんね。彼、目が見えないの」 (; ・∀・)「……あ、すいませんジロジロと」 僕の悪い癖だ。 気になったものはいつまでも見続けてしまう。 観察癖というか、そういった悪癖が僕にはあった。 過去の経験から僕の視線というものがいかに存在感のあって不快なものか知っているというのに 僕からこの癖が消える様子はない。
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:20:20.35 ID:imKBG4aP0
- (,,゚Д゚)「気にすんな。どうせ生まれたときから見えないんだ。俺から言わせりゃこっちの暗闇が日常だ」
(゚、゚トソン「……で、お二人もお祭りに?」 (; ・∀・)「おわあ! 急に入ってこないでくださいよ!」 (゚、゚トソン「食べ終わったんで」 (; ・∀・)「はやっ!?」 (*゚ー゚)「ええ、そうなんです。私達、色々なお祭りにいくのが趣味なんです」 (,,゚Д゚)「まぁ俺の仕事柄ってーのもあるけどな」 (*゚ー゚)「で、ネットで調べたらこのお祭りを見つけて。こんな田舎で三日間もお祭りするなんて ちょっと気になって、丁度温泉に行きたいねーなんて話してたから、ねっ?」 (,,゚Д゚)「まぁ二人ともコッチのほう出身じゃないからどうしようか迷ったけど、しぃがどうしてもって言うんでな」 (*゚ー゚)「えー、あたしのせいなのー?」 (,,^Д^)「ギコハハハ、まぁ、三日間温泉に祭りに楽しむとするさ」 (゚、゚トソン「そうですか」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:21:39.64 ID:imKBG4aP0
- (,,゚Д゚)「そっちはあれだろ? フィールドなんたらって……」
(; ・∀・)「やっぱり聞こえてましたか……教授声おっきいから……」 (゚、゚トソン「あだ名は人間拡声器だったこともあります」 四人で笑いながら会話をしていると、それ以外の音のなかった車内にアナウンスが響いた。 次は、美府駅、美府駅。お降りのお客様はお忘れ物の無いように――。 僕らの目的の駅だ。夏のためまだ日は明るいが、結構な時間のはずだ。 これは観光などせずに旅館に直行だな。 (,,゚Д゚)「お、着いたみたいだ」 (゚、゚トソン「さぁ下僕、荷を持てぃ!」 (; ・∀・)「ついに下僕宣言!?」 (*゚ー゚)「ほい、ギコ君私に掴まるのじゃ」 (,,゚Д゚)「ああ、すまねえな」 (*゚ー゚)「おとっつぁんっ! それはいわねぇ約束だろぉ?」 (,,゚Д゚)「……俺たまにお前のノリ怖い」 (*゚ー゚)「さぁ、暗くなる前に行きましょう♪」
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:23:30.61 ID:imKBG4aP0
- 僕らは電車を降りると誰もいない改札に切符だけをおいて駅前に出た。
無人駅が初めてだった僕には衝撃だったが、教授はカウンターみたいな場所に 切符をおいてさっさと駅を出て行ったのを見て、やっぱり旅慣れしてるのだと感じる。 駅前に出ると今まで見続けた風景とは違い、ある程度の民家や、酒屋などが出迎えてくれた。 人の温もりって街灯で味わえるものなのだなとしみじみ思う。 しかし温泉街というにはちょっとこじんまりとしすぎている感は否めない。 僕は教授に尋ねる。 ( ・∀・)「教授、ここが温泉街ですか?」 (゚、゚トソン「いえ、ここから少しだけ奥に入ったところにあります」 (*゚ー゚)「お二人はどこに泊まるんですか?」 (゚、゚トソン「旅籠屋『素直』というところです」 (,,゚Д゚)「お、なんだ、俺らと一緒じゃねぇか!」 ( ・∀・)「そうなんですか?」 (*゚ー゚)「うんっ! この辺では一番いい旅館なんだって!」
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:24:52.09 ID:imKBG4aP0
- ( ・∀・)「へぇ~。教授、そんな良い旅館に泊まっていいんですか?」
(゚、゚トソン「まぁ、独り身女性なんで金は余ってますからねっ!」 ( ・∀・)「おおー!! 寂しい限りだ!!」 (゚、゚トソン「そこは頼もしい限りといいなさい」 (,,゚Д゚)「じゃあボチボチ歩いていくか」 (*゚ー゚)「えー歩きー?」 (,,゚Д゚)「しょうがねぇだろ。ネットで調べたらここのバス、二時間に一本とからしいじゃねぇか」 (*゚ー゚)「そうだけどさぁ。あんな距離歩けないよー」 (゚、゚トソン「……」 ( ・∀・)「……教授?」 (゚、゚トソン「ああ、いえ、私達は徒歩でいこうかと思って」 ( ・∀・)「そうですよねー。教授は何一つ荷物を持ってませんもんねー」
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:26:11.79 ID:imKBG4aP0
- (*゚ー゚)「ほらっ! このバス停の下のところにタクシーの広告があるよ!」
(,,゚Д゚)「なんつー隙のない構えだ……旅客からふんだくろうという魂胆が丸見えじゃねぇか」 (*゚ー゚)「まーまーそう言わずに。暗くなってきたら私がついててもギコ君危ないんだから」 (,,゚Д゚)「……そうだな。すまん、俺達はタクシー呼ぶわ」 (゚、゚トソン「そうですか、じゃあまた旅館であったらよろしくお願いします」 (,,゚Д゚)「ああ、気をつけてな!」 (*゚ー゚)「じゃあ、また後で♪」 (゚、゚トソン「さぁ行くぞ下僕っ!」 ( ・∀・)「……はぁい」ズッシリ 僕は自分のキャリーバッグと教授の旅行鞄を担いで歩き出す。 しぃさんとギコさんは僕らが見えなくなるまで手を振ってくれた。
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:27:34.96 ID:imKBG4aP0
- 僕は自分のキャリーバッグと教授の旅行鞄を担いで歩き出す。
しぃさんとギコさんは僕らが見えなくなるまで手を振ってくれた。 ちょっとした商店街を抜けると、林道に出た。 木々の間を強制的に切り取ったかのようなこの道の先は、どこかの異世界にでも繋がっているようだった。 それこそ魑魅魍魎達が大宴会でも開いているような、あの世とこの世の入り口にでも。 そう感じるものきっと今が逢魔ヶ刻と呼ばれる時間帯だからだろう。 木々を抜ける夕日は紅く。暗々とした林を怪しく引き立たせる。 一本一本がまるで動物のように枝葉を揺らし、まるで僕らをこの林道に閉じ込めようとしているようだ。 教授は何も言わず僕の前を歩く。肝っ玉の据わった人だと想う。 女の子ならこういう道は苦手そうなのに、教授は一切減速せずズンズン歩く。 ひぐらしの鳴き声と木の葉のさざめきが静寂を食らう。 それ以外は、聞こえなくて。 僕はちょっとだけ息を整えるために立ち止まった。やはり二人分の荷物は重い。 思わず下を向いて溜息をつくと、僕の足元になにかあるのに気がついた。 丁度木々の影を背にして隠れるように突っ立っていたそれは、どうやらお地蔵さんのようだった。 ( ・∀・)「教授」 いつの間にか随分離されていた教授を、少しばかり大きな声で呼び止める。 教授は面倒くさそうに振り返ると、しぶしぶといった表情を浮かべながら踵を返した。
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:28:54.73 ID:imKBG4aP0
- (゚、゚トソン「なんですか」
( ・∀・)「みてくださいよ、これ」 (゚、゚トソン「……ふむ、地蔵、ですかね」 ( ・∀・)「だと思います」 (゚、゚トソン「道祖神……ではないようですね」 ( ・∀・)「道祖神と地蔵さまってなんか違うんですか?」 (゚、゚トソン「まぁ中世以降は神仏習合で同じようなものと見なされてましたが厳密には全く違います」 ( ・∀・)「厳密に全く違う……ですか?」 (゚、゚トソン「道祖神は外界と内界を分つ結界のような役割を持っていました」 (゚、゚トソン「ほかにも恐ろしい『なにか』を祀ったりするためのものです」 (゚、゚トソン「それに比べてお地蔵様は仏教ですから基本的には信仰の対象です」 (゚、゚トソン「ちやほやされなれているんですよ。お地蔵様は」 ちやほやされ慣れている。僕はその言葉にどこと無く寂しさを感じた。
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:30:11.88 ID:imKBG4aP0
- ( ・∀・)「……あれ?」
(゚、゚トソン「なんです?」 ( ・∀・)「いや、この地蔵様、なんか変じゃないですか?」 (゚、゚トソン「……どんな風に」 ( ・∀・)「やけにボロボロっていうか。ほら、右の手と左の足がないです」 (゚、゚トソン「……風化……や壊された、という感じではないですね」 (゚、゚トソン「まるで……」 ( ・∀・)「初めからなかった……?」 途端生ぬるい風が僕達を包むようにゆったりと通り抜ける。気がつけば僕は背中にべったりと脂汗をかいている。 ミロのヴィーナスやサモトラのニケなどは腕が無かったり、首が無かったりするが、元はしっかりと付いていたのだと言う。 それが壊れたり、あるいは意図的に取り外されたりした結果が、今の僕達が見ることの出来るそれだ。 しかしこのお地蔵様は違う。 初めから手足が『なかった』 そうやって作られたように僕らは感じていた。 厭に丸みを帯びたその手足の無い部分は、まるで本当の『そういう人達』をモデルにしたようで。
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:31:27.21 ID:imKBG4aP0
- ( ・∀・)「気味悪……」
(゚、゚トソン「そうですか?」 ( ・∀・)「だって」 (゚、゚トソン「恵比寿様を知っていますか?」 ( ・∀・)「え、あ、はい」 (゚、゚トソン「有名なのが七福神ですか」 (゚、゚トソン「でも、あれは日本本来の恵比寿さまではありません」 (゚、゚トソン「日本のエビスは、蛭子《ヒルコ》と書きます」 (゚、゚トソン「イザナギとイザナミの最初の子。不具に生まれ、流された子」 ( ・∀・)「……」 (゚、゚トソン「でも蛭子様は神様になることが出来ました。意外と多いんですよ蛭子神社」 (゚、゚トソン「こんな風に『障害者』でも、信仰の対象にはなるのです。信仰に足るお話があれば、ね」
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:32:45.70 ID:imKBG4aP0
- 教授はそれだけ言うと、また林道を歩き始める。
僕は手足の無いお地蔵様を障害者の一言で括れてしまう教授にも薄ら寒いものを感じながら その小さな背中を追い始めた。 その背中はやはり女の人の狭いものだったが、今の僕には得体の知れない化け物の檻のように感じた。 林道を抜けて、更に20分ほど歩くと煌びやかな灯が目に入る。 それら全てが電気式提灯によるものだと気付くのはもう少し近づいた後だった。 お祭りの準備のためなのか、それとも温泉街という雰囲気作りのためなのかは分からないが 非常に幻想的で美しいものだなと僕は思った。 数百年前に京都に存在した遊楽街の祇園なんていうものを想起させる。 しかしそれらを完全に楽しむにはいささか僕の体力は足りていないようだ。 しぃさん。あんた正解だよ。 タクシー大正解。 たしかに距離はそんなに駅から離れているわけではなかったけど、 傾斜が物凄い。なにせ山に続く道の途中にこの温泉街はあるのだ。 おそらくこのままこの道を真っ直ぐ行ったらあの黒く聳える山に飲み込まれていくんだろう。 土産屋やこの田舎には相応しくないとさえ思えるレジャー店を尻目に僕は黙々と坂を上る。 時たま漂ってくる温泉まんじゅうの匂いだとか、焼き鳥のような匂いに ああ、僕はいつの間にか腹が減っていたのだと自覚する。
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:34:02.80 ID:imKBG4aP0
- あんなにもう嗅ぎたくないと思っていた駅弁の匂いでさえ今は懐かしく思う。
とにかくさっさと旅館について、このシシューポスのような苦行から開放されたい。 っていうか教授。その右手に持っているものはなんだ! いつの間に団子を標準装備できるようになったんだあんたは! くそう、それを一片たりとも分けてくれようとしない教授に心の中で恨み言をいいながら 僕は黙々と足を動かした。 そうして歩いていると、右手のほうに一際大きく、綺麗で、それでいて真っ赤な建物が見えてきた。 朱色に塗られた柱の間には漆喰の白壁がぴったりと嵌っており、本当に遊郭のような外観をしているなと思う。 入り口と思われる場所に暖簾がかけてあり、さらにその上にはいい感じに形成された巨大な木の板に 暖簾と同じく「旅籠屋『素直』」と彫られていた。 (; ・∀・)「こ、ここっすか」ゼヘェー、ゼヘェー (゚、゚トソン「そうです。君も休みたいでしょうからとっとと中に入りましょう」 (; ・∀・)「誰のせいだよ……」 外観はとても豪奢だったが、内装は意外にも落ち着いている。 木を基本とした温かみのある作りは、日本人であれば誰でも安らぎを感じるだろう。
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:35:41.53 ID:imKBG4aP0
-
僕がそんな風に内装を観察していると直ぐに一人の女性がやってきた。 シックな色の着物姿が良く似合う麗人だった。艶のある黒髪を腰まで伸ばし、首の辺りで一つに結わえている。 時代が時代なら天神や太夫にでもなれただろうと言う艶やかさを、落ち着きのある動作で隠している。 少し釣りあがった目には吸い込まれそうな力があり、僕はいつまでも見つめられていたいだとかそんな事を思わず考えてしまう。 普通の女性に比べれば美人の部類である教授なんかもうただのしゃもじにしか見えない程の超美人。 その人がこの旅館の女将さんであるらしかった。 彼女は静々と正座すると、三つ指を突いて僕らに告げる。 川 - -)「ようこそお越しくださいました。都村さま」 (゚、゚トソン「うむ、苦しゅうない」 (; ・∀・)「ちょ、そういうアレじゃないですから!」 ( ・∀・)「ていうか何で教授の名前を?」 川 ゚ -゚)「本日男女二人きりでご予約されているのは二組しかありませんで、そのうちのお一組様が 数分前にご到着なさいましたので」
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:37:07.80 ID:imKBG4aP0
- ( ・∀・)「しぃさん達かな?」
(゚、゚トソン「そうでしょうね」 川 ゚ -゚)「お知り合いで?」 (゚、゚トソン「ええ、まぁ」 川 ゚ -゚)「そうですか。袖摺り合うも他生の縁とはよく言ったものですねぇ」 (゚、゚トソン「それはそうと部屋に案内してほしいのですが」 川 ゚ -゚)「これはこれは申し訳ございません。こんなにお客様が入るのはこの時期だけですから、いささか気分が高揚しているようで。 では、こちらへ。お履物はそちらの札つきの下駄箱の中にどうぞ。お札はなくさないようにお気をつけくださいまし」 (゚、゚トソン「はい」 川 ゚ -゚)「お荷物、お持ちいたします」 ( ・∀・)「あ、大丈夫です。結構重いんで」 川 ゚ -゚)「さようでございますか。では、こちらでございます」
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:38:32.88 ID:imKBG4aP0
- 僕と教授はいそいそと靴を脱ぎ、それをしまうと女将さんの後についていく。
外観からしてかなりの大きさだと思ったかが、部屋数はそう多くはなく 女将さんにそのことについて尋ねると、温泉にその敷地の多くを割いているとのこと。 僕らの部屋は二階の角部屋で、窓から見える景色が一番いいらしい。 他にもこの辺の観光スポットだとか、おいしい食べ物だとか、 この旅館内の各施設の場所など そういった情報を部屋に着くまで教えてくれた。どうやら本当にテンション高いらしい。 僕はあまりその話をまじめには聞いていなかったが 教授は食い物関係の話のみ熱心にメモを取っていた。 こっそりとそのメモ帳を盗み見ると、きったない字で今回の旅の目的と それから買いたいお土産がびっしりと書かれていた。 本当にこの人の頭の中には民俗学と食い物しかないのだとつくづく思い知らされる。 川 ゚ -゚)「こちらでございます」 女将さんがスッと襖を引くと、そこに待っていたのは僕の想像をはるかに超える『良い部屋』だった。 さすが伊達に行き遅れてないだけの事はあるんだな教授。これは金が余ってるってのも強ち冗談じゃなさそうだ。 僕と教授が室内に入ったのを見計らって、後についで女将さんも入ってくる。 そして置いてあった電気ポットと茶筒の中の茶葉で緑茶を入れてくれた。 なんとも素早いもてなしであった。 それを部屋の真ん中にある大きめのテーブルにそれぞれ置くと、もう一度三つ指を突いて告げる。
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:40:35.95 ID:imKBG4aP0
- 川 ゚ -゚)「では、長旅で疲れていると思いますのでまずは温泉などいかがでしょうか。
こちらはその間に夕餉の支度をしてまいりますので」 ( ・∀・)「いいですねぇ」 (゚、゚トソン「温泉の後に夕飯かぁ。これだけいい旅館だと料理も期待しちゃいますねっ!」 川 ゚ -゚)「ふふ、私達姉妹存分に腕をふるわせていただきます」 ( ・∀・)「……姉妹?」 川 ゚ -゚)「ああ、余計なことを喋ってしまいましたかね」 ( ・∀・)「いえ、そういう訳では」 川 ゚ -゚)「この『素直』では長女の私、『素直 空』を含む素直家の四姉妹で切り盛りしておるのです。 もちろんそれ以外の従業員も雇うておりますが、基本的には私どもでお客様を持て成させて頂いております」 ( ・∀・)「へぇ、なんか凄いですね」 川 ゚ -゚)「……ええ、代々やっている家業でございますから」
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:42:23.61 ID:imKBG4aP0
- (゚、゚トソン「……あの」
川 ゚ -゚)「なんでございましょう?」 (゚、゚トソン「夕食なんですけど、ご飯はお櫃ごと貰えますか?」 川 ゚ -゚)「……ふふ」 川 ゚ -゚)「そうですね。殿方が全て荷物をお運びでしたものね、お腹も空きましょう。 やはりお若い男性は沢山食べますものね」 (; ・∀・)。o(違ぇ!! 食うのは全部この女だ!!) (゚、゚トソン「はい、そうですね。彼も食べ盛りなので」 ( ・∀・)「は?」 (゚、゚トソン「……」ツネリッ (; ・∀・)「いってぇ!! なんで内腿つねるんすか!!」 (゚、゚トソン「うるさいですよ。私はお風呂にいきますから」 川 ゚ -゚)「では、私は食事の用意を。浴衣はこちらにありますのでもし良かったら使ってください」
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:43:50.12 ID:imKBG4aP0
- ( ・∀・)「……じゃあ僕も風呂に」
(゚、゚トソン「モララー君はまず荷物整理をしておいてください」 ( ・∀・)「えー、なんでですかー」 (゚、゚トソン「女性のほうがお風呂長いんですから、男の君は荷物整理後にお風呂で丁度いいんです」 ( ・∀・)「ぶーぶー」 (゚、゚トソン「たんい」 ( ・∀・)「はいっ! しっかりと整理します!!」 川 ゚ -゚)「ふふ、では、ごゆるりと」 女将さん――空さんは音もなく静々と部屋を後にした。 僕は空さんの入れてくれた緑茶をすすりながら教授のお風呂の用意を眺めていた。 実は僕は温泉にくるのが初めてで、イマイチ何を持って行けばいいのか分からなかった。 だからそこは旅のプロである教授を見て覚えようと思った。 ……なんだバスタオルと下着だけでいいのか。 それなら僕も持ってると安心したところで、彼女がなにやら小さなポーチを持っているのに気がついた。
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:45:26.85 ID:imKBG4aP0
- ( ・∀・)「教授」
(゚、゚トソン「……なんです?」 ( ・∀・)「そのポーチには何が入っているんですか?」 (゚、゚;トソン「え゛!?」 ( ・∀・)「え?」 (゚、゚;トソン「うーわー。そういうの聞くんですか君は」 (; ・∀・)「え!? なんか聞いたら不味かったですか!?」 (゚、゚;トソン「いやーまぁ、一応合法ですけどぉー。女の子の持ってるポーチ類には男性は触れてはいけないという暗黙の了解が」 (; ・∀・)「わーごめんなさい!! 僕温泉に来るの初めてで何を持っていけばいいのか分かんなくてそれで!!」 (゚、゚トソン「……なんだ、そうですか。まぁ替えの下着とバスタオル。あと髭剃りたいなら髭剃りと後歯磨きセットとかでいいんじゃないですか?」 (; ・∀・)「あ、そうなんですか」 (゚、゚トソン「まぁ男性のほうはよく知らないですけど、女性はこんなものですよ」 ( ・∀・)「そっか、ありがとうございます」 (゚、゚トソン「じゃ、荷物整理してから温泉に行くんですよ」 ( ・∀・)「へーい」
- 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:47:19.90 ID:imKBG4aP0
- (゚、゚トソン「あーそうだそうだ。浴衣浴衣っと」
(゚、゚*トソン「やっぱり温泉にきたら浴衣を着ないといけませんっ」 教授は綺麗に畳まれ帯でくくられている浴衣を一つ抱きかかえると、いそいそと部屋から出て行った。 さぁ、僕は荷物整理か。とは言ってもやる事といえば部屋の隅に僕と教授の旅行鞄を置くだけだ。 お茶を飲み干し、立ち上がる。さ、とっとと終わらせて僕も温泉を堪能しに行こう。 そんなことを考えながら教授の鞄に近づくと、なんと開きっぱなしだった。 中からは様々な書物と、その間に挟まっている下着が見えている。 ……まったくあの人は。 僕は自分の旅行鞄からお風呂用具一式を取り出すと、博士の鞄と共に窓際に寄せておくことにした。 そのまますっと顔を上げると、夕日が山々に完全に飲み込まれていくのが見える。 夏で日が長いとは言え、午後七時にもなるとやはり都会田舎に関わらず夜の帳が降りるものか。 少しだけ開け放った窓から、むんとした熱気をはらんだ風が流れ込んでくる。 こりゃ今日も熱帯夜だぞっと。僕はぼんやりと思いながら浴衣を引っつかみ部屋を後にする。 確か一旦階段で一階に下りてそのまま右、突き当りが大浴場だったっけかな? あまり真剣に女将さんの話を聞いていなかったので曖昧だ。 でもまぁ、迷ったら従業員さんに聞けばいいか。確か一階のロビーに見取り図もあるって言ってたし。
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:49:18.41 ID:imKBG4aP0
- 足元に等間隔で置いてある間接照明にふんわり照らされた廊下はどこか物悲しげな雰囲気を湛えている。
本当に江戸やそこらの時代の旅館に迷い込んでしまったかのようだ。 見える範囲では鉄やガラスなどといった現代を思わせるようなものが無く、 細部までこだわりを感じるつくりだ。障子にぬらりと反射する僕の影が頷いた。 階段を下りるとロビーに着く。幾つかの椅子とテレビ、それに自販機などが置いてある。 自販機の中にはビンタイプのものもあり、そこには牛乳各種が詰め込まれていた。 なるほど日本人ならば風呂上りは牛乳か。僕は鞄の中にお財布を置きっぱなしだったのを少し後悔しながら右に曲がった。 二階の廊下と同じく灯は足元にある行灯を模した間接照明だけだ。 背後のロビーからの強い明かりが途切れる頃には、また江戸時代にタイムスリップした気分に囚われる。 左手はどうやら大広間や宴会場らしく、今は明かりが入っていない。 右手は結構広い中庭で、竹林と、小さな瓢箪型の池がある。 中庭には下りていけるようになっているのか、廊下の柵が途切れている場所の下にはつっかけが配置してあった。 僕はなんとはなしに中庭にでる。つっかけは僕の足よりすこし小さく、窮屈なものだった。 中庭と言っても四方を建物に囲まれているわけではなく、一辺だけは延々と竹林が続いている。 あの竹林を通り抜ければ、きっと旅館の敷地外に出てしまうのだろう。 ――ちりん。 竹林がと風が奏でるさざめきの中に、澄んだ音が小さく響く。 ちりん。小さい鈴の音だ。僕はその音がする方向へ向き直る。 ひょうたん池の方だ。黒々とした水を湛える池の縁に誰かがしゃがんでいた。 もう日が落ちてだいぶ立つのでその姿がはっきりと見えない。 ただ、その膝を丸めた姿の小ささからどうやら子供であるらしいことは辛うじて分かる。
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:53:14.92 ID:imKBG4aP0
- 他の客の子供かな。
僕はそう思いながらも、その子供から目が離せない自分に気がついた。 子供は池を指差したり、引っ込めたりして遊んでいるらしい。 きっとあの池には鯉でもいて、それをからかっているのだろう。 それは別にいい。ただ、着ている物が、明らかにおかしい。 ――――日の光の代り、天にあるは月光。 強い風が吹いた。奏でるさざめきはより大きくなり。 今まで漆黒でしかなかった中庭に光が入る。月にかかる雲が流れたのだ。 池の縁にある稚児は、真紅の着物を羽織り、薄気味悪く笑らっていた。 裸足の足首には小さき鈴が付けられ、稚児が身じろぐたびに音を鳴らした。 肩口で綺麗に切りそろえられた黒髪が風に暴れる。 が、以前顔は見えず。男か女かも分からず。 ただ、薄気味悪く笑っていた。 僕は目が離せなかった。月光の中真っ赤に映える着物に目が釘付けになっている。 ――――ちりん。 子供はやがて池の鯉に飽きたのか、紅の着物を翻しながら立ち上がると とてとてと竹林の方へ走っていった。 僕は慌てて追いかける。その時は何故そんなことをしたのか自分でも分からない。 が、今思い消してみればきっとその理由は至極単純なことで 僕はあの子をもっと観察したかったんだ。 駆ける中で池に視線をやった。なにもいなかった。ただの水溜りだったのだ。
- 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:55:21.86 ID:imKBG4aP0
- 僕はつっかけのまま竹林に飛び込んだ。目印である赤を見失わないように駆ける。
もう二十歳を超えて成長しきった僕の体では、この竹を通り抜けるのにいちいち身をくねらせなければならない。 それに対して着物の子供はまるで子天狗のようにスルスルと抜けていく。 きっとここはあの子の庭なのだ。僕は必死に喰らいつく。 数メートル後ろはあの旅館の筈なのに、もう永久に帰れないように思う。 きっとこの竹林の向こう側は黄泉の国で、あの子供は愚かな僕を引きずり込もうとする悪霊か何かで。 つっかけじゃ思うように走れず、徐々に僕と赤と差が開いていく。 さらにまた月に雲がかかったのか、辺りが暗闇に飲まれ始めた。 それでも僕は追いかける。そうしなければならないかのように。 僕にとって、気になるとは原動力の全てであるらしかった。 あの観察癖も、こうして子供を追いかけているのも全ては僕の内側に巣食う好奇心という怪物のせいであって。 この好奇心のせいで子供の頃から死にかける様な体験を何度も繰り返してきた。 大学に入り、自分自身大人になったという自負から一旦この化け物は形を潜めていたが、 今回のフィールドワークという事案と、あの不可解すぎる井出達の子供という存在が相まって きっとあの頃の好奇心が生きる全てであった頃の僕に戻りつつあるのだ。 だから僕は一心不乱に子供を追う。
- 116 名前:>>100超えたのでちょっぴ減速しますナリ:2011/04/14(木) 18:56:53.63 ID:imKBG4aP0
- 笹の葉が頬を切り裂いた。それでも僕は止まらない。
枝がぴしゃりとわき腹を打つ。それでも僕は止まれない。 夜空の雲が完全に月を覆ったのか、1m先も見えないほど 辺りは暗闇に閉ざされた。既に子供は見失っている。 それでも僕は手を前に突き出し、竹にぶつからないように注意しながら漫然と歩を進めた。 しかし前方にのみ注意を払っていたのがいけなかった。 足元の窪みにつっかかり、思わず前につんのめる。 そこに丁度よく青竹が背をのばしており、僕は鼻っ柱を強く打ち付けた。短い悲鳴。 それを合図に風が吹き、さざめきは大きくなった。 そうして鼻頭をさすっているうちに月光は再度竹林に降り注ぎ 僕一人がここに残った。 完全に子供を見失った僕は肩で息をしながら呆然と立ち尽くした。 後ろを振り返ればかすかに旅館の明かりが見える。 アレを目印にすれば普通に帰れそうだ。 旅館の竹林で遭難などとは笑えないジョーク一直線だ。それはどうやら避けられそうで。 しかし、僕は戻ることはしなかった。なんとなく、いけるところまで行こうと思った。 せめてこの竹林の向こう側だけは見ておこう。それでとりあえず僕の好奇心に区切りがつく。 先程よりもかなりゆっくりなペースで僕は歩き始める。 月明かりも入ってきてるのでそこそこ見通しが良くなっている。 それでもなお危なっかしいことには変わりないので足元には注意を払う。
- 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 18:59:16.55 ID:imKBG4aP0
- ――――ちりん。
鈴の音が聞こえた。竹の壁の先に何か見える。 僕の歩は必然的に速くなる。 息巻いて竹群から飛び出ると、目の前に現れたのは大きな蔵だった。 僕は反射的にある民話を思い出す。 確か東北の方の話で、『マヨヒガ』というものだ。 ある旅人が薄気味悪い森で遭難してしまう。途方にくれ歩き続けていた旅人だが 急に視界が開けたかと思うと、そこには大きなお屋敷があった。 あれほど生い茂っていた大樹たちもその空間だけは避けるように曲がって生えている。 旅人は一晩止めてもらおうとその屋敷に入るが誰もいない。 しかし囲炉裏では汁物が煮られ、風呂は沸いている。 先程まで誰かがここで生活していた後がそこかしこに残っている。 不気味に思いながらも旅人は誰もいないのをいい事に幾つかの値の張りそうな食器類をくすねてその屋敷を後にした。 すると不思議な事にあんなに迷い続けた森をすんなりと抜けることができた。 旅人は家に帰り、試しにその食器類を使ってみた。 そうしたら驚くことに皿からは常に上手い料理が出現し、食べても食べても無くなることが無かったという。 これに味をしめた旅人は再度あの森に入った。もちろんあのお屋敷から更に物を盗むためである。 しかしお屋敷にたどり着くことは二度と無かった。 というのがマヨヒガというお話だ。 まぁ実際に僕が見ているのはお屋敷ではなく蔵だし、対して迷っている訳でもないので この蔵が『マヨヒガ』であるわけはないのだが。
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:01:35.34 ID:imKBG4aP0
- 蔵の先はどうやら崖になっているらしく、つまりこの蔵は崖先にたった一棟だけぽつんと立っていることになる。
もう一度振り返る。旅館の明かりは小さくはなりはしたものの以前見ることができた。 旅館からそうは離れていないが竹林を経なければ来ることができないような場所に何故蔵があるのだろう。 もしかしたら薄暗くて気がつかなかっただけでもっと楽な順路がどこかにあったのかもしれない。 しかし何故崖先などという危険な場所にわざわざ? 土壁を漆喰で塗り固められた古く大きな蔵。その入り口には大きな閂がかけられ、更にその閂のサイズに見合った錠がついている。 閂も錠もだいぶ錆び付いてるらしく、赤錆が所々ささくれの様に剥げていた。 あの鈴の音はこの中から聞こえてきたのだろうか。僕はその異質な建造物を見上げる。 いつの間にかさざめきも止み、辺りには僕の呼吸音だけが薄く響いていた。 ふいに、本当に急に、大蔵を見上げる僕のうなじに視線が突き刺さった。 僕の人生において視線を感じるなんていうことは今まで一度も無かった。 鈍感なのか、それともそういうある種感覚的、霊的なことは一切信じていなかったからかは 分からないが人の視線という物質でもなんでもない不可視のものを人間が感じられる なんて言うのは妄言だと思っていた。
- 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:02:58.99 ID:imKBG4aP0
- しかし今、確かに僕は視線を感じている。
うなじに生える産毛がちりちりと震えている。 ねっとりとした感覚が背筋を上下になぞる。 時たま、じくりと首筋に何か刺さったかのように痛みが走り、 視線が刺さるという諺は嘘ではないことを知る。 振り返れない。 振り返らないじゃなくて振り返ることができない。 僕は穴が開くほど錠前を見つめているふりをした。 実際には焦点なんてどこにもあっていない。 何かとてつもなく悪い事をしたのが親にバレそうになっている子供のように 僕は体を萎縮させながら冷や汗ばかりをこめかみから流した。 「もし」 声がした。途端に僕にかけられた呪縛が解ける。 物凄い速度で振り返った僕の形相は、それはそれは不細工だったことだろう。 そこにいたのはまるで能面のような表情を貼り付けた女将――空さんだった。 竹壁の前に幽鬼のように立ち尽くした彼女を月明かりが照らしている。 また竹林のさざめきが始まり、心地よい喧騒が僕らを包んだ。 彼女はゆっくりと口を開く。
- 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:04:32.26 ID:imKBG4aP0
- 川 ゚ -゚)「お客様。なぜこのような場所に?」
( ・∀・)「すいません。中庭から見える竹林の先が気になりまして。 子供の頃は冒険者に憧れていたもので」 川 ゚ -゚)「あら、それで宝物は見つかりましたか?」 ( ・∀・)「はい、でもしっかりと鍵がかかっているんです」 川 ゚ -゚)「それは残念な事でございますね。でもそれはきっと神様の思し召し。 開けてはならぬと仰っているのです」 ( ・∀・)「そのようですね。僕もただの学生に戻りましょう」 川 ゚ -゚)「そうした方がよろしいかと。では、こちらに」 ( ・∀・)「この竹林は抜けないんですか?」 川 ゚ -゚)「ええ、危ないですし、ぐるりと回れば旅館の裏につきますので」 ( ・∀・)「あらら、完全に無駄骨でしたか」 川 ゚ -゚)「うふふ、でも危険を冒してこその冒険者でございましょう?」 ( ・∀・)「そっすね」 川 ゚ -゚)「うふふ」
- 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:06:09.36 ID:imKBG4aP0
- 僕自身、自分でもビックリするような冗談が口からでる。
冒険者って。しかしそれに空さんは軽く答えてみせる。 それからの二言三言はきっと牽制。お互いが相手の手の内を探るような会話。 きっとこの蔵にはなにかあるのだ。そう思わずにはいられない。 しかしそれについて聞いてもきっと女将は口を割らないだろうし、僕自身もそれを引き出す術を持たない。 なのでここは僕が引き下がるべきなのだ。 軽口を終わらせて、女将の後について竹林に沿って歩く。 そしてそのまま旅館に戻り一風呂浴びて夕飯にするのがきっと正しい選択だ。 ……けど、一応。 ( ・∀・)「あの蔵、中に何があるんですか?」 すっとぼけたふりをして聞いてみる。さぁヘビが出るか蛇が出るか。 そんな下衆びた好奇心を持つ僕に返ってきた答えは、模範解答というか 酷く簡素なものだった。
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:07:36.60 ID:imKBG4aP0
- 川 ゚ -゚)「知りません」
( ・∀・)「え?」 川 ゚ -゚)「あの蔵は、開けるなとの事なので」 ( ・∀・)「どのくらい前から?」 川 ゚ -゚)「知りません。そもそも今の私どもには開ける術がございませんので」 ( ・∀・)「……あーわかった。鍵を無くしたんですね?」 川 ゚ -゚)「ふふふ、その通りでございます」 ( ・∀・)。o(マジかーい。冗談だったのに) ( ・∀・)「じゃあ誰も中身がなんだから知らないんだ」 川 ゚ -゚)「そうでございますね」 ( ・∀・)「知りたくならない?」 川 ゚ -゚)「特には」 ( ・∀・)「そっか」 川 ゚ -゚)「ええ」 ( ・∀・)「……」
- 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:08:54.74 ID:imKBG4aP0
- 川 ゚ -゚)「それとお客様、今後この場所にはお近づきなさらぬよう願います」
( ・∀・)「……はい」 川 ゚ -゚)「切り立った崖になっていますので大変危ないのです」 川 ゚ -゚)「お客様の安全を護るのも当旅館の大事な役目の一つですので」 ( ・∀・)「……」 僕は『大人』を取り戻していた。 よくよく考えれば相当迷惑な客に違いない。 これは女将さんのいう事はしっかりと聞いておくべきだろう。 ただ、僕の耳にはいつまでもあの鈴の音が、うなじには視線が残っていた。
- 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:10:11.14 ID:imKBG4aP0
- ***
(゚、゚トソン「おっそ」 ( ・∀・)「すいません、色々あって」 あの後僕は女将に案内されて大浴場に行った。 そもそも階段おりて右ではなく左だったのだ。あの時の空さんの話もちゃんと聞いていなければ ロビーの見取り図すらまともに見ていなかったことになる。 そしてあの中庭、果ては蔵に行き着いたことは僕にとって幸なのか不幸なのか。 とりあえず相当の時間が経っている事を見越して、風呂に入るのは本当にこれ『鴉の行水』といった所で 温泉にまできて僕は何をやっているんだろうとちょっぴり虚しくなりつつも早々と風呂場を後にした。 しかし部屋に戻ると既に教授は大層ご立腹の様子で、 わざわざ何もせず、僕に背を向ける格好で座布団の上に胡坐をかいていた。 こんなシチュ、娘さんを僕にくださいと相手の父親に頼みに行く時くらいしか見たことが無い。 僕はとにかく謙って謝り倒し、なんとか先生の曲がったお臍を元に戻そうと躍起になった。 まったく、結婚適齢期を過ぎた女性が拗ねるところなんて誰も見たくないというのに。
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:11:47.82 ID:imKBG4aP0
- ( ・∀・)「よっ! 教授っ! 美人さんですよ!」
(゚、゚トソン「ふん」 ( ・∀・)「よっ! 教授っ! ギャグが面白い!」 (゚、゚*トソン「……そ、そうですかっ?」 ( ・∀・)「よっ! 教授っ! もう28歳! 周りはどんどん結婚とかしてて表面上はなんでもない風を装っているけど内心焦りを隠せない!」 (゚、゚#トソン「……とうっ」シュッ!! ( ∀ )「ゲボア!!」ドッゴォォオオ!!! そんな風に教授で遊んでいると、襖がトントンと叩かれる。どうやら夕食が来たようだ。 教授はすぐさま襖に向き直ると、ワクワクを抑えきれないといったように息巻いてどうぞと言った。 それに応じて襖が開かれる。そこにいたのは女将の空さんではなく、まだ顔にあどけなさを残す少女だった。 しかし格好は板前のそれで、料理はこの子が作ったのかなと考える。
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:13:47.14 ID:imKBG4aP0
- ノパ⊿゚)「まいど! お届けにあがりやしたっ!!」
(゚、゚トソン「……」 ( ・∀・)「……」 ノハ;゚⊿゚)「あ、あれ? 間違ったかも!」 (゚、゚トソン「……」 ( ・∀・)「……」 ノパ⊿゚)「どうぞ! お控えなすって!!」 (゚、゚トソン「……」 ( ・∀・)「……(可愛いな)」 ノハ;゚⊿゚)「あ、また違う!」 (゚、゚トソン「……なんでもいいので料理を……」 ノハ;゚⊿゚)「す、すいませんっ」
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:15:04.38 ID:imKBG4aP0
- 少女は廊下においてあった料理を運び入れてくる。
僕はあまり料理には詳しくないが、それでも凄いと分かる質と量だ。 胡瓜と昆布の酢の物に、刺身の盛り合わせ。 野菜のてんぷらに、味噌仕立ての鍋物。 そのほかにも小鉢で様々な料理が次々運ばれてくる。 どれもこれもと目移りしてしまうほど見た目も美しくにおいも良い。 思わずくぅと腹がなった。そういや僕は電車を降りてからずっとお腹を空かせていたんだっけ。 自分の腹を押さえながら隣をみると、教授は既に涎を垂らしていた。 (; ・∀・)「教授教授!! 涎! 28歳が垂らしていいものじゃないっす!」 (゚q゚*トソン「ふぇ?」 (; ・∀・)「拭いて拭いて!」 教授は浴衣の袖でぐいと口を拭うが、後から後から涎が溢れてくるらしくやがて彼女は拭くのを止めてテーブルに並べられる料理を再度見つめ始めた。 少女はお櫃からご飯をよそうと、僕らの前においてくれた。 ノパ⊿゚)「お飲み物はどうしましょう? もうお酒は飲まれますか?」 (゚、゚*トソン「いえっ! 食事の時にはお酒は飲まないと決めてますので!!」 ノハ;゚⊿゚)「そ、そうですか。では夕食の後にお持ちしますか?」 (゚、゚*トソン「はいっ!! ビールと熱燗を!!」 ノハ;゚⊿゚)「は、はい!! ではごゆっくりとお楽しみください」
- 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:16:44.12 ID:imKBG4aP0
-
ノパ⊿゚)「お食事が済みましたらこのボタンを押してください」 ( ・∀・)「なんかファミレスみたいですね」 ノパ⊿゚)「なにぶん従業員が少ないもので、お手数かとは思いますが、ご協力お願いいたします」 (゚、゚トソン「はい、あ、それと」 ノパ⊿゚)「なんでございましょう」 (゚、゚トソン「この旅館の従業員さんで、この辺の昔話に詳しい人はいますでしょうか」 ノハ;゚⊿゚)「は?」 (゚、゚トソン「もしくはこのお祭りに関するお話に詳しい方とか」 ノハ;゚⊿゚)「は、はぁ。それならばシュー姉が……いえ、愁という者がおりますが」 (゚、゚トソン「じゃあ、お酒はその方に持ってきてもらっていいでしょうか」 ノパ⊿゚)「はぁ、構いませんが」 (゚、゚トソン「じゃあお願いします」 ノパ⊿゚)「わかりました。では、ごゆるりと」
- 169 名前:さるったでござ候:2011/04/14(木) 19:45:42.64 ID:imKBG4aP0
- ( ・∀・)「あーちょっと待ってください」
ノパ⊿゚)「なんでございましょうか」 ( ・∀・)「あ、いや、名前を聞きたいなと」 ノパ⊿゚)「……」 ノハ;゚⊿゚)「……ナンパ!?!!??!?」 (; ・∀・)「いや……」 ノハ*゚⊿゚)「ダメですダメですお客様と恋仲になるなど料理長である僕がそんなっ! ああでもなんかそういう感じに始まる恋も悪くないんじゃないかと思いながらもでも拒否する乙女心!!?!? でもラブストーリーは突然にって言うし、ていうか今を逃せばチャンスがないっていうか、僕を連れてにげてっていうか なんていうかいっそ婿に入ってもらって一緒にこの旅館を盛り立てて行くしか僕らが幸せになる道は無いんじゃないのかあああ!!!!」 (; ・∀・)「……あの」 ノハ;゚⊿゚)「はい、なんですかアナタ!!?!?! お風呂にする!?!?! ご飯にする!!??! それとも」 (; ・∀・)「飛躍しすぎだから落ち着いて!! ただ女将の空さんから四姉妹だって聞いてたからそれで気になって!」
- 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:46:58.39 ID:imKBG4aP0
- ノパ⊿゚)「……」
(゚、゚トソン「……(お腹すいた)」 ノハ'⊿`)「……離婚ですか」 (; ・∀・)「ちゃうって! だからね、空さんから四姉妹で切り盛りしてるって聞いたから君も姉妹の一人なのかなと」 ノパ⊿゚)「なんだ、そうなんですか」 (; ・∀・)「……うん(この子、疲れる)」 ノパ⊿゚)「私の名前は素直 緋衣兎といいます! 当旅館では料理長を務めております!」 ( ・∀・)「へぇ、まだ若いのに凄いね」 ノパ⊿゚)「小さな頃から手伝っておりますので! では、私はこれでっ!!」 ( ・∀・)「うん。引き止めてごめね」 ノパ⊿゚)「いえいえ。では、ごゆるりと」 ヒートちゃんはそういうとさっさか部屋を後にした。 残された僕達は早速この豪華な夕食に取り掛かる。 もちろんしっかりと。 (* ・∀・)「「いただきますっ!!」」(゚、゚*トソン
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:48:41.24 ID:imKBG4aP0
- ***
( ・∀・)「それにしても教授」 (゚、゚*トソン「ふぁい」モクモク ( ・∀・)「もう蒐集を始めるんですか? てっきり明日からだと」 (゚、゚トソン「……ゴックン。旅館の方はお客様を楽しませる一環として話術に長けている場合が多いですからね」 (゚、゚トソン「特に地元の郷土品や地理、観光名所やそれに纏わる説話などを網羅している可能性が高いのです」 (゚、゚トソン「でもこの旅館の場合は従業員の年齢層が低そうなのでそこまで期待はしていませんが」 (゚、゚トソン「一人でも『当たり』がいれば儲けものですから」 ( ・∀・)「ほうっふは(そうっすか)」モムモム (゚、゚#トソン「あ゛ー!! それは私が最後に食べようと思っていたイモ天!!」 ( ・∀・)「あ、すんません。塩つけて喰っちゃいました」 (゚、゚#トソン「全身の毛穴から辛子出て死ねっ!」 ( ・∀・)「辛辣な……」
- 173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:49:59.35 ID:imKBG4aP0
- (゚、゚トソン「もう殆ど無いじゃないですか……」
( ・∀・)「まぁそりゃ喰えばなくなりますよ」 (゚、゚トソン「はーぁ、夕食も終わりかぁ」 ( ・∀・)「四分の三貴女が食いましたけどね」 (゚、゚トソン「じゃあ、ボタン押してください」 ( ・∀・)「へーい」 僕はヒートちゃんに渡された半球型の物体の頂点に着いたボタンを押す。 こういっちゃなんだが、ファミレスにあるこういうボタンを見るとどうしてもおっぱいを連想してしまうのは僕だけでしょうか。 しかもボタンが乳首とか、なんともいえない気分になる。 そんな阿呆なことを考えていると、襖がノックされた。 僕がどうぞと声をかけると、ヒートさんの他にもう一人見知らぬ女性が入ってきた。
- 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:51:18.99 ID:imKBG4aP0
- ノパ⊿゚)「お夕食はお楽しみいただけたでしょうか」
(゚、゚トソン「はいっ! 大満足です」 ノハ*゚⊿゚)「そうですかっ! では、食器を片付けますね」 lw´‐ _‐ノv「お酒のほうは、私がお供させていただきます」 切れ長の目をした女性は、抱えていた大量の酒瓶を丁寧にテーブルに置く。 ヒートちゃんは、なべに使った小型のコンロだけ残してその他の食器類を全て一人で持っていった。 あの子はあの子でしっかりとこの旅館の大切な一員として働いているのだなとしみじみ思う。 コンロは熱燗作りに使うのだろう。 lw´‐ _‐ノv「では、お二人ともコップの方を」 (゚、゚トソン「ちべたっ」 ( ・∀・)「コップも冷やしてあるんですね」 lw´‐ _‐ノv「ビールはそれが一番でございますから、では失礼します」 (゚、゚トソン「おっとっとっとっとっと……」 lw´‐ _‐ノv「ふふ、お上手でございますね、では殿方様も」 ( ・∀・)「ありがとうございます」
- 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:52:44.72 ID:imKBG4aP0
- lw´‐ _‐ノv「そして私もー」
( ・∀・)「え?」 lw´‐ _‐ノv「え?」 ( ・∀・)「飲むんですか?」 lw´‐ _‐ノv「飲みますとも?」 (゚、゚トソン「飲みますよねー」 lw´‐ _‐ノv「「ねー」」(゚、゚トソン ( ・∀・)「……」 lw´‐ _‐ノv「うっひょー、これだけが楽しみで働いてるんですわー」 lw´‐ _‐ノv「じゃあ、三人とも注げたところで」 lw´‐ _‐ノv「今回の旅の無事とかその辺祈りましてっ!」 lw´‐ _‐ノv( ・∀・)「「「かんぱーいっ!!!」」」(゚、゚トソン (゚、゚トソン「ゴッゴッゴッゴッゴ……ップハ!!! あーおいしー」 lw´‐ _‐ノv「うめぇよ。酒うめぇよぉおお」 ( ・∀・)「ゴクゴク……」
- 191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:56:09.60 ID:imKBG4aP0
- lw´‐ _‐ノv「あ、申遅れました。わたくし素直家次女で世話長をしております、素直 愁と申します。以後お見知りおきを」
(゚、゚トソン「貴女がシュー姉ですか」 lw´‐ _‐ノv「あら、ヒートあたりがその呼び方を?」 (゚、゚トソン「ご名答」 lw´‐ _‐ノv「いやですわあの子ったら。まだ公私の区別がつかないんだもの」 ( ・∀・)「でも、随分と若く見えましたよ」 lw´‐ _‐ノv「ええ、あの子はまだ16ですから」 ( ・∀・)「うへぇ、その若さならまだ遊びたい盛りでしょうに、偉いものだ」 lw´‐ _‐ノv「ふふ、素直家はずーっとそうでしたからねぇ」 ( ・∀・)「貴女もですか」 lw´‐ _‐ノv「ええ、わたくしももう十あまりの年になっていた頃には御座敷を駆け回っておりました」 ( ・∀・)「立派なもんだ」 lw´‐ _‐ノv「いえ……わたくし共には自由がありませんもので」 ( ・∀・)「へ?」
- 193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:57:25.94 ID:imKBG4aP0
- lw´‐ _‐ノv「ささ、グラスが空ですよ。もー一杯」
( ・∀・)「あ、ああ、どうも」 (゚、゚*トソン「私熱燗のみたいでーっすっ!」 lw´‐ _‐ノv「はいな、今ご用意致します」 愁さんはテキパキと熱燗の用意を始める。そんな後姿を見て僕は先程彼女が一瞬見せた陰りの表情を思い出していた。 自由が無い。 その意味はなんとなく分かる。こういう昔ながらの家業をやっている家系にはありがちな話だ。 強制的に跡継ぎやらそこの従業員になることを親やそれよりももっと上の親族に押し付けられるということだろう。 しかし、それだけではないもっと後ろ暗い何かを、僕はあの表情に感じていた。 思い返せばこの旅館は何かおかしい。違和感がある。 その違和感がなんなのかは、まるで霞がかかったかのようにはっきりはしないが これ以上踏み込むべきではないなにかが旅館を取り巻いているような気がした。 教授は愁さんからお猪口を手渡されると、ちびちびと飲みながら本題を切り出す。
- 196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 19:58:45.05 ID:imKBG4aP0
- (゚、゚トソン「それで、貴女はこの辺りの昔話にお詳しいとのとこですが」
lw´‐ _‐ノv「ええ、民話・説話の蒐集が数少ない趣味でして」 (゚、゚トソン「あら、それなら話が早い。私は大学の方で民俗学の研究をしてまして」 lw´‐ _‐ノv「学者先生の方でしたか」 (゚、゚トソン「ええ、まぁ。それで今回私達がこの美府村にやってきたのは明日から開催されるお祭りに関する民話を調査しようという理由からでして」 lw´‐ _‐ノv「はあ、それはまたこんな辺鄙な場所まで難儀な事ですねぇ」 (゚、゚トソン「まぁ半分趣味の様なものですから。あ、これ助手兼下僕のモララーといいます」 ( ・∀・)「……どうも」 lw´‐ _‐ノv「はい、どーも」 (゚、゚トソン「で、早速お話の方をお聞かせ願いたいのですが」ゴソゴソ 教授はそういいながら僕達にケツを向け、旅行鞄の中を漁り出した。 どうやらメモを取るための手帳を取り出そうとしているようだ。 数秒ほどで僕らの方に向き直ると、その手にはしっかしと手帳とペンが握られていた。 それを僕の方に差し出してくる。
- 199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:00:00.38 ID:imKBG4aP0
- ( ・∀・)「……なんですか」
(゚、゚トソン「助手なんですからー」 ( ・∀・)「からー?」 (゚、゚トソン「メモは君が取ってください」 (; ・∀・)「何故に!?」 (゚、゚トソン「いやぁ、私もついに助手を持ったという事で、これからはメモなんかはみーんな助手任せにしてお酒が飲めるんですねっ!」 (゚、゚トソン「今までこんな風に様々な方からお話を伺ってきました」 (゚、゚トソン「その時にご年配の方だとお酒を勧めてくださる方が多かったのです」 (゚、゚トソン「酒の席で長話はするものだという固定概念がきっとお年寄りに蔓延しているのでしょう」 (゚、゚トソン「しかし私は、あくまでも学者でありメモを取らなければなりません」 (゚、゚トソン「アルコールを過剰に摂取した状態ではまともにメモも取れなくなってしまいますから」 (゚、゚トソン「毎回、お断りさせていただいていたのです……っ!」 (゚、゚トソン「大層旨そうにお酒を飲むご老人と向かい合ってただメモを取る私」
- 203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:01:45.77 ID:imKBG4aP0
- (゚、゚トソン「……悔しかったぁ」
(゚、゚トソン「確かにフィールドワークも大事ですが、お酒も飲みたかったっ!!」 (゚、゚トソン「その夢が、今、ついに叶うのです!!」 (゚、゚トソン「君の協力によって!!」 ( ・∀・)「……脅迫の間違いじゃ」 (゚、゚トソン「たんい」 (; ・∀・)「やっぱ脅迫!? や、やりますよ! メモとりますよ!!」 (゚、゚トソン「一言一句聞き漏らしの無いように丁寧な字でお願いします」 (; ・∀・)「くそが……」 lw´‐ _‐ノv「ふふ、ではまず何からお話致しましょうか」 (゚、゚トソン「そうですね、では、このお祭りは、どの『まつり』でしょうか」
- 206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:03:12.21 ID:imKBG4aP0
- ( ・∀・)「……」
日本の祭りは大きく四つの種類に分類される。 一つは神様に祈りを捧げるための『祀り』 一つは死者や霊魂を慰める『祭り』 一つは尊に様々な物を捧げる『奉り』 一つは政治ごとなどに関する『政』 教授はこの村で行われる祭りがこの内のどれに当てはまるかを尋ねているのだ。 しかし相手は所詮素人であり、この質問はどうなのかとも思ったが存外早く愁さんは答えた。 lw´‐ _‐ノv「慰霊のためのお祭りです」 (゚、゚トソン「そうですか」
- 209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:04:42.27 ID:imKBG4aP0
- lw´‐ _‐ノv「お二方はこのお祭りの名称を知っていますか?」
( ・∀・)「たしか、『ほらいず祭り』でしたっけ?」 lw´‐ _‐ノv「そうです。このお祭りは『ほらいず様』を慰めるお祭りなのです」 (゚、゚トソン「うふふ、意外とあなたもせっかちな方ですね」 lw´‐ _‐ノv「ええ、早く本題に入りたいでしょうと思いましたので」 ( ・∀・)「……?」 (゚、゚トソン「では、その『ほらいず様』とは何者なのか、お聞かせ願えますか?」 lw´‐ _‐ノv「ええ、では、どうかおくつろぎながらお聞きくださいませ」 そういうと愁さんは熱に浮かされた病人のように浅く呼吸を始め、 その薄い唇から物語を紡ぎだした。
- 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:06:02.88 ID:imKBG4aP0
- ***
……これよりお話いたしますのは、時代が江戸に移る以前、戦国の世の少し後のお話でございます。 当時この美府の村では美府山から取れる鉱物を主とした経済体制を取っていたそうです。 村では野菜や米を作り、山では石や木を取る。そしてその石を他国に売ることで 戦国時代としてはそこそこ潤沢な生活を送れていたそうです。 そしてその鉱山主体の産業の中で、中枢となっていた人物こそ、『ほらいず様』だったのです。 ……いえ、人物と言いましたが正確にはほらいず様がなんなのかは私は知りません。 ただ村人達とはコミュニケーションを取れる存在であったことは確かなのです。 ほらいず様は不思議な力でもって鉱脈をいとも簡単に見つけ出すことが出来ました。 このお陰で村は繁栄したのです。 ところがある時を境に村に『くるみ』が多く現れることになります。 (゚、゚トソン「……くるみ、とは?」 申し訳ございません。くるみが一体なんなのかはこの村でも一部の人間しか知りませんで。 わたくしの様な旅籠の娘には知ることが出来ないのです。 あくまでも私が今お話しているのは知ろうと思えば誰でも知ることの出来る範囲でのお話です。 (゚、゚トソン「わかりました。続けてください」
- 217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:07:32.47 ID:imKBG4aP0
- はい、ええと……どこまで話したことやら。
……ああ、はい、思い出しました。くるみからですね。 くるみが沢山村に現れてから、ほらいず様はそのくるみを引き取るようになりました。 そして鉱山の一角に自分の集落を作り、くるみを使って更に採掘に力を入れるようになったそうです。 元々村において力を持っていた御三家はほらいず様の集落を快くは思っていませんでした。 荒巻の家は武家の家で、大層強い兵士を抱えていました。 蛇尾と埴野の家はそれぞれ協力して神事や政を執り行う神官と巫女の家柄でした。 この御三家が今まで村での大きな決定権を所持していたのですが、 ほらいず様の台頭によって村人の気持ちがそちらに流れるのを恐れました。 そこである噂を流すことになります。 くるみ達が出てきたのはほらいず様のせいじゃ。 ほらいず様は化け物じゃ。くるみを作る化け物じゃ。 酷く単純で稚拙な噂に聞こえますが、効果は大きかったようで。 元々ほらいず様は人かどうかも怪しい存在。魑魅魍魎の類ではないかという噂は以前からありました。 それから村人はほらいず様の集落に食い物を届けに行くのをやめてしまいました。 くるみ達が食い物をねだりにきても追い返すようになりました。 村に出たくるみは片っ端から殺すようになりました。
- 223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:09:42.30 ID:kNf4jUFw0
- これに怒ったほらいず様とくるみ達は、ある夏の蒸し暑い日、満月の夜に村を襲いました。
しかも山から降りてくるのではなく、急に村の中に現れたそうです。 きっとほらいず様の妖術に違いない、はやりほらいず様は化け物じゃ。 村人達は疑念を確信に変えて、武器を持ちほらいず様達と戦いました。 荒巻の家も屈強な兵士を何人も使い、くるみ達を殺しました。 しかしくるみ達は強かった。元々炭鉱で働かされていたせいか非常に力が強かったそうです。 戦いは三日三晩続きました。村は焼かれ、田畑は荒れつくして、女子供も殺されました。 結局この戦いは御三家がほらいず様に下ることで終結したそうです。 荒巻の家はほらいず様に永遠の忠誠を誓い、 蛇尾と埴野の家は『ふぶめ』としてほらいず様を神へと祀り、くるみ達を慰める事を誓いました。 それから三年毎に夏の満月になると、この美府祭りが開催されるようになりました。 ほらいず様を祀り、くるみの霊魂を慰める。 それはほらいず様が死んだあとも変わりませんでした。 ほらいず様を祭り、くるみの霊魂を慰める。 これがこの村に伝わるほらいず様のお話と、美府祭りの発祥のお話でございます。 ……ご参考になりましたでしょうか。
- 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:11:33.45 ID:kNf4jUFw0
- (゚、゚トソン「……ええ、とても興味深いお話でした」
lw´‐ _‐ノv「それはよかった」 ( ・∀・)「教授」 (゚、゚トソン「なんですか?」 ( ・∀・)「僕もお酒、飲みたい」 (゚、゚トソン「メモはちゃんと取りました?」 ( ・∀・)「とった!」 (゚、゚トソン「ならばよしっ!」 (* ・∀・)「うっひょー!!」 lw´‐ _‐ノv「おつぎいたしますわ」 (* ・∀・)「ありがとうございます!」 (゚、゚トソン「私もくださーい」 lw´‐ _‐ノv「はいな」
- 232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:12:49.08 ID:kNf4jUFw0
- (゚、゚トソン「……ゴッゴッゴッゴッゴ。それにしても気になる単語がいくつかありますね」
( ・∀・)「ええ、僕も思いました」 lw´‐ _‐ノv「ほらいず様、くるみ、ふぶめ、辺りでしょうか」 (゚、゚トソン「その通りです。ちなみに、それぞれどんな字を書くか分かりますか?」 lw´‐ _‐ノv「いえ、口承ですので、漢字などは分かりません」 (゚、゚トソン「ほぉ、口伝ですか。ちなみに愁さんは誰からこの話を?」 lw´‐ _‐ノv「荒巻のおばあさまからです」 (゚、゚トソン「荒巻ってさっきの話の中に出てくる御三家の?」 lw´‐ _‐ノv「そうでございます」 ( ・∀・)「へぇ、まだ残ってるんですね」 lw´‐ _‐ノv「ええ」
- 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:14:04.97 ID:kNf4jUFw0
- (゚、゚トソン「……となると、蛇尾は……素直家ですか?」
( ・∀・)「は? 何言ってるんですか教授。蛇尾と素直じゃ全然違うじゃないですか。お、しか合ってないですよ」 lw´‐ _‐ノv「いえ、教授さんの正解ですわ」 (; ・∀・)「え゛?」 (゚、゚トソン「いいですかモララー君。昔の氏というものは今の私達からしたらギャグのような付けられ方をしているんです」 (゚、゚トソン「田んぼの近くに住んでたから田原さんとか、藤沢の村に住んでたから藤沢さんとか」 (゚、゚トソン「蛇尾も恐らく大きな蛇をとっつかまえたから蛇尾さんとかそんなものでしょう」 (゚、゚トソン「しかし、そのような付けられ方をした場合、現代では受け入れられない氏も沢山あるのが当たり前です」 (゚、゚トソン「縁起悪そうだったり、なんとなく気持ち悪かったり」 (゚、゚トソン「そういう場合は時を経て徐々に苗字をいい感じに変えていくのです。漢字を変えるだけだったり、ひらがなを入れ替えたり」 (゚、゚トソン「蛇尾も恐らく不吉、もしくは恐れ多いということで少しずつ語感を変化させていったのでしょう」 (゚、゚トソン「へびお、じゃお、じゃあお、しゃあお、すあぁお、すなぁお、すなお、素直」 (゚、゚*トソン「ほら」 ( ・∀・)「……ほらって言われても、ギャグじゃん」
- 239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:15:21.19 ID:kNf4jUFw0
- (゚、゚トソン「だからそんなもんなんですって」
lw´‐ _‐ノv「うふふ、大体合ってますわ」 (゚、゚*トソン「ほ~れ」 (; ・∀・)「ぐっ、合ってるだけに何も言い返せない……」 lw´‐ _‐ノv「しかしそれだけで良く分かりましたね」 (゚、゚トソン「もちろんそれだけじゃありませんよ。こんなに立派で良い旅館を四姉妹だけで切り盛りしていくにはちょいと大変でしょう」 (゚、゚トソン「きっと地域全体の尽力、援助があって成り立っているはずです」 (゚、゚トソン「そうなると素直家は結構な名家という事が分かります」 (゚、゚トソン「そこに先程の御三家のお話。まぁ後は考えればわかります」 lw´‐ _‐ノv「うふふ、まるで探偵さんみたいですわぁ」 (゚、゚*トソン「えっへん」 ( ・∀・)「……(なんだろう。ビンタしたい)」
- 244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:18:44.21 ID:kNf4jUFw0
- ( ・∀・)「……(なんだろう。ビンタしたい)」
(゚、゚トソン「でも、結構な収穫になりました。本当にありがとうございます」 lw´‐ _‐ノv「いえいえ、わたくしもお酒が飲めましたので」 (゚、゚トソン「では、迷惑ついでにもう一つお願いしてもよろしいですか?」 lw´‐ _‐ノv「はい、なんでしょう」 (゚、゚トソン「明日、是非その荒巻さんのお宅に伺ってお話を聞かせていただきたいのですが、アポ等をとっていただけるでしょうか」 lw´‐ _‐ノv「……構いませんが、わたくしが言うのもなんですがあそこの現トップの方は相当な偏屈でして」 lw´‐ _‐ノv「まぁ、承諾いただける可能性は低いかと思いますので、それだけはご了承ください」 (゚、゚トソン「はい」 lw´‐ _‐ノv「では、明日の朝餉の時にでもお知らせいたします」 (゚、゚トソン「お願いします」 (゚、゚トソン「じゃあ」 (゚、゚*トソン「飲みますかっ!!」 lw´‐ _‐ノv「うっひょー!!!」
- 247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:20:03.72 ID:kNf4jUFw0
- ***
僕らの飲み会が終了したのは丁度日を跨いだ辺りだった。 教授は熱燗をちびちびと飲みながらいかに柳田国男先生が現代民俗学の開祖として素晴らしい結果を残したか語り、 愁さんは日本酒を一升瓶のままラッパ飲みして米がどうのこうのとぶつくさ呟き、 僕はそんな二人を尻目にテレビをつけて下らないバラエティをつけながらビールを煽っていた。 全ての酒瓶を開けるとさすがに全員が全員もう酒はいらないといった様相を呈していて。 自然な流れでお開きにすることにした。愁さんは前後不覚になっているのかふらふらとした 足取りで酒瓶を抱えて部屋を出て行った。では、また朝餉の時にでもという言葉を残して。 僕らもさすがに長旅の疲れが出てきて早々に寝ることにした。 奥の座敷にはこの部屋と同じ間取りの畳部屋があり、 どうやらここに布団を敷いて寝ろということらしい。 教授はべろんべろんの千鳥足で押入れを開けると布団一式を引っ張り出し、僕の目の前に放り投げた。
- 249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:21:21.47 ID:kNf4jUFw0
- ('q`*トソン「うふふふふ、まららぁ君は、女の人と一緒に寝るのは平気なんですかぁ?」
( ・∀・)「ええ、子供じゃないですから。さすがに布団は離しますけどね。二人とも壁際です」 ('q`*トソン「その必要わぁ、なぁ~いっ!! と思いますぅううう」 ( ・∀・)「……え?」 ('q`*トソン「だってぇ~、わたしはぁ~」 (; ・∀・)「そ、そういえば何で布団を一組しか出さないんですか!」 ('q`*トソン「うふふふ、まららぁくぅん」 (; ・∀・)「ま、まさか、そんな、教授! 僕の名前はモララーですから!」 ('q`*トソン「えーっとねぇ、そのねぇ」 (; ・∀・)「え、マジなんなんですか教授。なんでふらつきながら近寄ってくるんですか!?」
- 252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:22:37.70 ID:kNf4jUFw0
- (; ・∀・)「……」
('q`*トソン「……」 (; ・∀・)「……」 ('q`*トソン「……」 (; ・∀・)「……」 ('q`*トソン「……あのぉ」 (; ・∀・)「……はい」 ('q`*トソン「押入れを私にくださいっ!!」 (; ・∀・)「……はぁ?」
- 255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:23:59.37 ID:kNf4jUFw0
- ('q`*トソン「実は私子供の頃からあるアニメが凄く好きでですねぇ」
('q`*トソン「そのアニメにでてくる青い雪だるまみたいなキャラクターが押入れで寝てるのを見てですねぇ」 ('q`*トソン「まねしたらですねぇ」 ('q`*トソン「異様に落ち着くことに気がつきましてぇ」 ('q`*トソン「それから押入れじゃないと眠れないんですぅ~」 (; ・∀・)「……はぁ」 ('q`*トソン「だからぁ、押入れくださぁい」 (; ・∀・)「……どうぞ」 ('q`*トソン「やったー! きゃっほー!」 トテトテ モソモソ (゚、゚トソン「では、おやすみなさい。勝手に開けたら摩り下ろします」 (; ・∀・)「……」 カララ、ピシャンッ!!
- 258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:25:26.48 ID:kNf4jUFw0
- ( ・∀・)「……」
( ・∀・)「……寝よ」 僕は無造作に投げ出された布団を丁寧に敷きなおし床についた。 なんか微妙に焦って取り乱した自分をぶち殺したい気分を早く忘れるために、 とっとと寝てしまうのが一番だと思った。 こうして、僕と教授のフィールドワーク一日目は幕を閉じた。 明日からいよいよ美府の祭りが始まる。 それから荒巻さんのお宅にうかがって それから ……気付かぬうちに僕の意識は沼の底に沈んでいった。 都村教授伝奇考のようです 『ほらいず様/前編』 了
- 270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:33:10.15 ID:kNf4jUFw0
- 僕はある日満員電車の中で堂々と漫画雑誌を読むほどよくハゲ散らかした頭をした中年の後ろに阿呆面で突っ立っていた。
邪魔だなとか、人の迷惑をかんがえないのかなとかそんな偽善魂溢れる考えを抱きながら僕はちらっと彼の待つ漫画雑誌に目を向ける。 ――――おっぱいだった。今までみたどんなおっぱいの絵よりもスバラしいおっぱいがそこにはあった。 思わず釘付けになる。素晴らしいおっぱいたちは数ページに渡って躍動を続け、僕の股間を悩ましく刺激する。 僕はその漫画のタイトルが知りたかった。きっと最後のページにはタイトルがあるに違いない。そう思った僕は必死で中年の背に喰らいついた。 このポジションがベストなのだ。ここからなら彼が持つ漫画雑誌の全てを見渡せる。必死だった。僕はオッパイの虜だった。 やがておっさんは最後のページをめくる。そこには『宗像教授伝奇考』とあった。やった! 僕はついにタイトルを知ったぞ!! 家に帰り早速タイトルでぐぐる。ふむふむ、なるほど、日本の民俗学を扱った作品なのか……。 そういえば学生時代に民俗学や伝承文学を取っていたっけ。よし! あのおっぱいのために僕も民俗学ものを書こう!! それがこの作品を書き始めた理由です。 ツン荷台教信者
- 278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:39:01.38 ID:kNf4jUFw0
- 歯車さんと間違われたようですが、別人です。間違われて光栄です……でいいのかな。嬉しいです。
次回の投下は早くて一週間、遅くて二週間後です。初連載なので頑張ります。 あと、超くだらない本編とはなんの関係もないオマケがあるのですが 人を非常に不愉快にする内容なので、なんとなく上の作品の雰囲気をぶち壊したく無い人は そのままスレを閉じていただけるといいと思います。マジで下らない上に内容が最低でです。 10分後に投下します。
- 286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:49:16.45 ID:kNf4jUFw0
- じゃあ投下します。覚悟してください。
- 288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:50:41.26 ID:kNf4jUFw0
- ( 荷 台)「ハァ、ハァ、ハァ」シコシコシコシコ
( 荷 台)「ハァ、ハァ、ハァ」シャコシャコシャコシャコ ( 荷 台)「つ、ツンちゃん!!」ペロペロペロペロ ( 荷 台)「い、イク!! 僕イっちゃいます!! トンじゃいますぅうううううぁあああああああ!!!!! ヅン゛ぢゃああああああああ!!!!!!」 ( 荷 台)「ッフォルテッシモォオォオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドベチャアアアアアア!!!!!! ( 荷 台)「……っはぁ……っはぁ」フォルダトジトジ ( 荷 台)「……」ティッシュフキフキ ( 荷 台)「ふぅううああああっと」 ( 荷 台)「うー、やっぱりツン荷台フォルダ作ってよかったなぁ」 ( 荷 台)「絵スレでいっぱいツンちゃんキボンヌしたのも凄くよかった」 ( 荷 台)「これで順風満帆な僕のオナニーライフは確約されたのだ。ワハハ」
- 292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:51:56.76 ID:kNf4jUFw0
- ( 荷 台)「……でも、これでいいんだろうか」
( 荷 台)「僕のこのどうしようもなく暇な日の日曜午後よりもあったかい愛をツンちゃんは知らない」 ( 荷 台)「かあさんに手を引かれながら通る畦道、茜空にはそれより紅いアキアカネが飛んでいて」 ( 荷 台)「そういう誰の心にも普遍的に残るような愛の形を僕はツンちゃんに伝えていない……」 ( 荷 台)「それは本当に愛していることになるのか?」 ( 荷 台)「一方的な愛情とは時に害悪にすら形を変える」 ( 荷 台)「僕の愛は悪なのかな……」 ( 荷 台)「わからない……わからないよツンちゃん……」 ( 荷 台)「うう、会いたいよぅ……ツンちゃん……」
- 295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:53:34.08 ID:kNf4jUFw0
- カタンッ
( 荷 台)「……なんだろうこんな時間に配達物なんて。ガスとかかな?」テクテク ( 荷 台)「……」ヨミヨミ ( 荷 台)「こ、これは!?」 _____ / ヽ____// / / / / / / / / / / / / / / / / / /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | お知らせ | | | /  ̄ ̄ ̄ ̄ /_____ / おまんこ大前転 /ヽ__// / チキチキ町内会 / / / / レース / / ____ / / / / / / / / やります / / /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ / /
- 297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:54:49.50 ID:kNf4jUFw0
- ( 荷 台)「……」
( 荷 台)「とっても雑な作りだけど、凄く惹かれる何かがある!!」 ( 荷 台)「よし、参加しよう!!」 ( 荷 台)「きっとそこでツンちゃんへの愛が試されるはずだ!!」 ( 荷 台)「行こう!! AA町へ!!」
- 300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:56:29.93 ID:kNf4jUFw0
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(i)(i)(i)おまんこ大前転チキチキ町内会レースのようです(i)(i)(i) 作:つんにだいきょうしんじゃ
- 302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:57:50.38 ID:kNf4jUFw0
-
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、本当に出るの?」 ( ^ω^)「出るお! 優勝商品のワイハーにツンと一緒にいくんだお!」 ξ゚⊿゚)ξ「南の楽園へ!」 ( ^ω^)「レッツラドンだお!」 ξ゚⊿゚)ξ「ブーン素敵! 濡れた! 抱いて!」 ( ^ω^)「ヘイ、ベイビー。そ・れ・は・ワイキキビーチまで取っておくんだ・お☆」 ξ゚⊿゚)ξ「エメラルドスプラッシュ!!!!!」プッシャアアアアアアアアア!!!! ( 荷 台)「……」 ( 荷 台)「……あかん。地獄や」 ( 荷 台)「地獄やでぇ」 ( 荷 台)「なにが悲しゅうて好きな子が豚に潮ふかされとんの見なあかんねん」 ( 荷 台)「なんやねんこの仕打ち」 (荷 台 ミ 「なぁ?」クルッ
- 304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 20:59:05.88 ID:kNf4jUFw0
- (;'A`)「えっ?」
(#荷 台)「えっ? じゃねええよおおおおおおお!!!!!」 (#荷 台)「お前はただ壊れた人形のように首だけカクカクふっときゃいいんだよおおおお!!!」 (;'A`)「……」 (;'A`)。O(誰……? 怖い……) (#荷 台)「ああああああああああああああああああああ!!!!」 (;'A`)「あ、あの」 ( 荷 台)「あ?」 (;'A`)「え、えっと……あなたもレースに参加するんですか?」 ( 荷 台)「……そのつもりだったんだけど、なんかもうビール買って帰ろうかなって」 (;'A`)「……そうですか」 ( 荷 台)「ファッキン」 (;'A`)。o(精神障害を煩ってるのかな……?
- 307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:00:21.50 ID:kNf4jUFw0
- ピピー、ガガガガー
/ ,' 3 『あーテステス。マイクテス。あーああー。……本日は蒼井そらちゃんのAVで抜きました』 / ,' 3 『……大丈夫みたいじゃな。どうも、AA町にお集まりの皆の衆よ、町長の荒巻じゃ』 / ,' 3 『本日はチラシの通り【おまんこ大前転チキチキ町内会レース】を開催する!!!!!!』 ( ゚∀゚)「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!11」 (#´_ゝ`)「はやくしろおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」 (´゚ω゚`)「まんこ!!!! まんこおおおおお!!!!!!」 ( ゜ω゜)「ブヒいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」 (;'A`)「……」 (;'A`)。o(あ、さっきの人だけじゃなくて、全員イカれてるんだこの町) ( ゚∀゚)「おっぱい!!!! おっぱいみせいやコラァアアアアアアアアアア!!!!!」 ( <●><●>)「おマンコが実は未確認飛行物体だということはわかってます」 ( ><)「ぽぽちゃんのために頑張るんです!!」
- 309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:01:36.92 ID:kNf4jUFw0
- (´<_` ;) 「兄者、おまんことは、本当にあの『おまんこ』なのか!?」
( ´_ゝ`)「……ああ。俺達が十数年かけてもPC画面越しにしか見ることの出来なかったサンクチュアリ」 ( ´_ゝ`)「本物《マジ》ものの、おまんこさ」 ( ´_ゝ`)「このレースでは、それが拝める!!!」 (´<_` *) 「うひょー!!! 最高だぜ!!」 ( ´_ゝ`)「でも俺こないだ妹者と風呂入った時フツーに見たけどな」 (´<_` ;) 「……中まで?」 ( ´_ゝ`)「見せてって頼んだら、本気でタマを風呂の縁に叩きつけられた」 (´<_` ;) 「……だから今日内股なのか」 (#´_ゝ`)「お゛ま゛ん゛ごおおおおおおお!!!!!」
- 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:02:58.49 ID:kNf4jUFw0
- / ,' 3 『ふぉっふぉっふぉ。興奮しておるようじゃのぅ皆の衆よ』
/ 。゚ 3 『では早速ルールを説明する!!!』 / 。゚ 3 『まず、参加できるのは【男子】のみ!! 己の一本槍で戦場を駆け抜ける度胸のある奴だけじゃ!!』 / ,' 3 『次に、コースはこの町内を一周する全長約1km。もちろんショートカットは即失格じゃ』 / ,' 3 『更に、他の選手に下半身の衣服を脱がされ恥部を露出した時点で失格じゃ』 / ,' 3 『今回は市警の特別協力により、即逮捕となる』 / ,' 3 『警官のロマネスクさん、何か一言』 ( ФωФ)『脱がした方はセーフっていうのが微妙に納得いきませんが、マジで豚箱入れるんでよろしく』 / 。゚ 3 『今のでビビッたお子ちゃま《マンモーニ》はさっさとけぇんな!!!』 / ,' 3 『そして、途中のトラップに引っかかった選手も即失格にする。トラップの内容は秘密じゃ』 / ,' 3 『そしてこれが一番大事なルールじゃ』 / ,' 3 『移動は全て【前転】のみとする。徒歩はもちろん、走る、乗り物などはアウト。さらにペナルティとして一年間貞操帯を付けてもらう』
- 313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:04:20.35 ID:kNf4jUFw0
- (; ´_ゝ`)「グッ……なんて重いペナルティだ」
( ゚∀゚)「己のオメガウェポンを排尿にしか使えなくなる封印の魔具」 ( ゚∀゚)「それが貞操帯《アーディナル・ルクセルティ》……」 ( ゚∀゚)「へへっ、この俺様ともあろうものがブルっちまってやがるぜ……っ!!」 (*゚ー゚)「ギコ君。無理しないでね」 (,,゚Д゚)「ああ、任せとけ」 (´゚ω゚`)「彼女連れは帰れぇええええええええええええええ!!!!!」 (# ゚∀゚)「帰れ裏切りもの!!!!!!!!!!!!!!!!!!1」 (´゚ω゚`)「ギルティ!!!! ギッルッティイイイイイイ!!!!!!!!!!」 (,,゚Д゚)「うるせぇ!!! 俺はこのレースの優勝賞金でしぃの目の手術代をなんとしても手に入れてぇんだ!!!」 (´゚ω゚`)「……なにその理由」 ( ゚∀゚)「同情っすか? 同情をひくつもりっすか?」 (´゚ω゚`)「あーあー。完全にあんたが主人公様っすね」
- 316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:07:03.38 ID:7GdDMnWi0
- ( ゚∀゚)「でもねぇ……」
(´゚ω゚`)「おまんこレースに限っては、下衆のほうが力を発揮できるのさぁあああああ!!!!」 (´゚ω゚`)「主人公補正はお前にはかかんねぇよwwwwwwwwwwwwww」 (*゚ー゚)「ギコくん。なんかここ臭い。向こう行こ」 (,,゚Д゚)「あ、ああ」 (´゚ω゚`)「ビッチがああああ!!! 帰れ、公衆便所の国へ帰れ!!!」 (;'A`)。o(ヤバイ。この町に住んで22年……こんなキチガイに囲まれて生活してたことに恐怖を禁じえない) / ,' 3 『……盛りあがっとるようじゃのう。愛い奴らめ。それでは最後に賞品の説明じゃ!!』 / ,' 3 『まず、このレースには一位とそれ以外しかない!!!!』 / ,' 3 『二位、三位などという所詮負け犬ごときが何かを得られるとは思わぬことだ!!!』 / ,' 3 『優勝賞品その壱。とはいってもこれは賞品じゃなく賞金じゃ。500万円!!』 (; ^ω^)「ご、ごひゃ……」 ξ;゚⊿゚)ξ「く、国が買えるでぇ」 ( ´_ゝ`)「こりゃ大事や……」
- 317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:08:20.40 ID:7GdDMnWi0
- ( 荷 台)「金がなんだというのだ」
( ゚∀゚)「なに!?」 ( 荷 台)「金では真の愛は買えない!! そんなもの僕にとっては無価値に等しい!!」 ( ゚∀゚)「はっ! 大口は優勝してから叩きな!!」 ( 荷 台)「……その言葉、覚えていることだ」 (;'A`)「あ、あの」 ( 荷 台)「なに?」 (;'A`)「かえんないの?」 ( 荷 台)「……だって500万だよ?」 (;'A`)「……え?」 ( 荷 台)「500万あれば今の10年前に買ったデスクトップPC買い替えられるし、あと最近IHクッキングヒーター壊れたし」 (;'A`)「……そっすか」 ( 荷 台)「よーし、がんばるぞー」
- 319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:09:41.24 ID:7GdDMnWi0
- / ,' 3 『次に、ペア旅行券!! 場所はハワイじゃ!!』
( ´_ゝ`)「は、」 (´<_` ) 「覇猥だと……っ!!」 ( ´_ゝ`)「あの龍の巣の中にあるといわれる伝説の城」 (´<_` ) 「それとは一切の関係がない南の島」 ( ´_ゝ`)「それが覇猥!!!!」 (´<_` ) 「あいさつはアロゥハァ。ハメマクリ大王とかいう淫猥な名前の王様が統治しているらしい」 ( ´_ゝ`)「なんといってもその島のウリは」 ( ´_ゝ`)「「フリーセックス!!!」」(´<_` ) (´<_` ) 「右手をあげればセックスしましょのお誘いポーズ!!」 ( ´_ゝ`)「二秒後にはグラマラスなメリケンガールが俺のリボルバーをしゃぶっている……っ!!」 ( ´_ゝ`)「すばらしい、必ずや優勝して俺とお前で大五郎祭りや!!!」 (´<_` ) 「応!!」
- 320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:11:12.90 ID:7GdDMnWi0
- / ,' 3 『そして最後の賞品。恐らく参加者の大半がこれ目当てじゃろう……』
/ 。゚ 3 『おまんこチケットじゃあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!』 ( 荷 台)「うああああああああああああああああああ!!!!!!!」 ( ゚∀゚)「ああああああああああああああああああああああ!!!!!」 (,,゚Д゚)「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 ( ´_ゝ`)「ひぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」 (´<_` ) 「まぁあああああああああああああああああ!!!!」 (´゚ω゚`)「びゃあああああああああああああああ!!!!!」 ( ^ω^)「ぶひいいいいいいいいいいいい!!!!!」 ( ´∀`)「おべえええええええええええええ!!!!!!」 (;'A`)「あ、ああー」 爪'ー`)y‐「しょおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 ( <●><●>)「おろろろろろろろろろろろろ」 (; ><)「わ、ワカッテマス君!? なんでゲロ吐くんですか!
- 322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:12:32.99 ID:7GdDMnWi0
- / 。゚ 3 『このチケットをある女性に見せると、いついかなる場所。どんなシチュエイションでも必ずおまんこを見せてくれる!!』
/ 。゚ 3 『さすがに町全ての女子という訳にはいかんが、生おまんこを常に見ることの出来る夢のアイテム!!』 / 。゚ 3 「そして今年のおまんこレース。そのイメージガールを務めるのが、そのおまんこを見せてくれる女性じゃ!!!」 / ,' 3 『では、皆に挨拶を』 『はい』 ( ´_ゝ`)「誰だ……」 (´<_` ) 「誰が来るんだ……っ!!」 『おっはー☆ みんな元気かにゃー^^』 ( ´_ゝ`)「こ、このハツラツとした感じは!!!」 (´<_` ) 「も、もしかして」 ( ゚∀゚)「み、」 ( ゚∀゚)「ミセ!!」
- 324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:13:54.54 ID:7GdDMnWi0
-
J( 'ー`)し『カーチャンだっぞ☆』
- 325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:15:10.24 ID:7GdDMnWi0
- ( 荷 台)「……」
( ^ω^)「……」 ( ゚∀゚)「……」 (´・ω・`)「……」 (,,゚Д゚)「……」 ( ´_ゝ`)「……」 (´<_` ) 「……」 ( ´∀`)「……」 (;'A`)「……」 爪'ー`)y‐「……」 ( <●><●>)「おろろろろろろろろろろろろろろろ」 ( ><)「……はい、えちけっと袋」
- 329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:16:25.91 ID:7GdDMnWi0
- / ,' 3 『カーチャンさん(56)は未だに月に三回は生理が訪れている猛者中の猛者!!』
/ ,' 3 『いつでも妊娠OKという心意気!! これぞ賞品に相応しい人材だといえる』 ( ФωФ)『もはや人類を超越しているのである』 J( 'ー`)し『じゃあ、みんにゃがんばるんだゾ☆』 / ,' 3 『というわけじゃ。皆の衆、精進せいよ』 / ,' 3 『それでは今から30分後にレースを開始する。参加者は受付でゼッケンを貰うのじゃ!!』 / ,' 3 『熱いパトスを咲かせてみせろ!!』 ( 荷 台)「……」 (;'A`)「あ、あれ?」 (;'A`)「どこいくんですか?」 ( 荷 台)「……ちょっと用事が」
- 331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:17:40.83 ID:7GdDMnWi0
- ***
●おまんこレース本部 / ,' 3 「ふぃーアナウンスもこの年になると答えるわい」 ( ФωФ)「おつかれさまです。はいお茶」 / ,' 3 「おお、すまんのう。しかし残念じゃなロマネスク君」 ( ФωФ)「なにがである?」 / ,' 3 「今回はレースに参加できんで」 ( ФωФ)「ああ、その件であるか。まぁ、残念っちゃ残念であるが、我輩ゴミ共の手首にワッパをかけるのも好きであるから」 / ,' 3 「ふぉっふぉっふぉ利害一致というところかのう」 J( 'ー`)し「うふふ、私もこの年で賞品だなんて」 / ,' 3 「いやいや、カーチャンさんはまだお若くお美しいですよ」 J( 'ー`)し「ホントですかぁ? なら誰かにお味見される前に、一発いっとくぅ?」 / ,' 3 「そういえばロマネスク君」 J( 'ー`)し「……」 ( ФωФ)「なんであるか?」
- 332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:19:12.90 ID:7GdDMnWi0
- / ,' 3 「今回は発砲の許可もとってあるから」
( ФωФ)「クズには風穴がお似合いだと?」 / ,' 3 「……わかってくれているのならよいのじゃ」 コンコン / ,' 3 「……どなたかな?」 ( 荷 台)「こんにちわ」ガチャ / ,' 3 「ふむ、見ない顔じゃのう」 J( 'ー`)し「でも、可愛いお顔してるわぁ」 ( 荷 台)「寄るな魑魅魍魎!!」 J( 'ー`)し「なっ!!」 / ,' 3 「ふぉっふぉっふぉ、イキの良い若者じゃ、しかし」 ( ФωФ)つг「……」カチャ / ,' 3 「礼儀を知らんと見える。『逝き』が良くてもしょうもないぞ」 ( 荷 台)「礼儀なら……
- 335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:24:23.33 ID:+m/8CiVu0
- ( 荷 台)つ†「これを」スゥ
/ 。゚ 3「そ、それは!?!?!」 ( 荷 台)つ†「ふふふ、いい棒でしょう?」 / 。゚ 3「な、なんていい棒なんじゃあああ!!!!」 ( ФωФ)「あ、あんなもの持っていたらチャンバラやるときヒーローなのである!!」 J( 'ー`)し「絶対一番かっこいい子が持ってる奴よ!!!」 ( 荷 台)つ†「ここの部分が鍔っぽくなってるんですよ……」 / 。゚ 3「な、なにが望みじゃあああ!!!! くそおぉおおおおいい棒じゃああああ!!!!!」 ( 荷 台)つ†「くくく、話が早くて助かります。お願いはたった一つです」 / 。゚ 3「な、なんじゃ早く言わんか!! く、いい棒過ぎて失禁してきた」チョロロ ( 荷 台)つ†「賞品の女をそこの産業廃棄物からツンちゃんに変えるんだ」 J( 'ー`)し「な、なんですってええええ!!!!! い、いい棒を持ってるからってそんな横暴通る訳……っ!!」 / 。゚ 3「それを聞けばその棒は……」 ( 荷 台)つ†「ええ、貴方の物です」
- 337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:26:02.92 ID:+m/8CiVu0
- J( 'ー`)し「ちょ、町長!?!!?!?」
/ 。゚ 3「ええい、どけ!!!」 ●ふたたびレース会場 ピピピー、ガガガー / 。゚ 3『緊急のお知らせじゃ!!!!』 ( ´_ゝ`)「なんだ?」 (´<_` ) 「さぁ」 / 。゚ 3『おまんこチケットの対象を、例の腐れビラビラ行き遅れから……ええとだれじゃったっけ?』 / 。゚ 3『……そうじゃそうじゃ!! ツンという女子に変えるぞい!!』 ξ;゚⊿゚)ξ「え!?!!?!?!?」 (; ^ω^)「ど、どいうい事だおツン!?!!?!?」 ξ;゚⊿゚)ξ「し、知らないわよ!!!!」 (; ^ω^)「な、なにが起こっているんだお!!!」 ξ;゚⊿゚)ξ「と、とにかく嫌よ私は!!」
- 339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:27:38.91 ID:+m/8CiVu0
- 爪'ー`)y‐「お嬢さん、あんたがツンかい?」
ξ;゚⊿゚)ξ「な、なによ」 爪'ー`)y‐「へぇ、『ちっぱい』か。だがまぁいい。様があるのはおまんこだからなぁ」 ξ;゚⊿゚)ξ「ぶ、ブーン」 (; ^ω^)「寄るなお!! あっちいけお!!」 爪'ー`)y‐「はっ、彼氏がいるのに賞品とは。いやはや淫乱すぎやしねぇか?」 ξ;゚⊿゚)ξ「ち、ちが!! それは町長が勝手に!!」 爪'ー`)y‐「でも、もうあんたは賞品だ。これは決定事項。誰にも覆せない」 (; ^ω^)「そんなのおかしいお!! 抗議してくるお!!」 爪'ー`)y‐「おっと待ちなピッグボーイ。その必要はねぇ」 (; ^ω^)「なんでだお!!?!?!」 爪'ー`)y‐「あんたが優勝すればいいのさ。愛しているんだろ、彼女を? なぁら優勝できるはずだ」 (; ^ω^)「お……」 ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン……」
- 341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:29:56.41 ID:+m/8CiVu0
- ( ^ω^)「そ、そうだお。僕はツンを愛しているんだお!! きっと優勝できるお!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「そ、そうよね!! 愛の力があればきっと!!!」 (* ^ω^)「きっと僕が君を守って見せるお!!!!」 (* ^ω^)「「お!/ん!」」ξ*゚ー゚)ξ 爪'ー`)y‐「ククク……。せいぜい頑張りな……」 / 。゚ 3『とにかくそういう事になったんでよろしく』 J( 'ー`)し『ちょっと! 私は認めないわよ!!』 / 。゚ 3『黙れ裾腋臭!!! さ、さぁ言う通りにしたぞ!!! は、はやくそれを!!!』 ( 荷 台)『くくく、はーっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!』 ('A`)「ん? あの声……」 ('A`)「まぁいいか」
- 342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:31:14.41 ID:+m/8CiVu0
- ***
●スタートライン ( ´_ゝ`)「選手は全部で12人か」 (´<_` ) 「中々の猛者揃いと見える」 ☆ナンバー1/2 流石兄者/弟者 イキのあったコンビーネィションから、腐女子を八つ裂きにするぞっ!! (´・ω・`)「くふふ、この日のために僕は訓練してきたんだ……っ!!」 ☆ナンバー3 ショボン ホモだと思われてるけどバイだ。アナルには常にビール瓶が収納されているぞ!! 爪'ー`)y‐「……シケモクがうまいねぇ」 ☆ナンバー4 フォックス 嘘つきだぞ! ずるいぞ! 好きなAV女優は荻原めぐにゃんだぞ!
- 343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:32:29.77 ID:+m/8CiVu0
- (,,゚Д゚)「しぃ、待ってろよ」
☆ナンバー5 クズ 彼女持ちだ。消えろ。 ( ^ω^)「頑張ってツンを救ってみせるお!!!」 ☆ナンバー6 カス 許さん。 (;'A`)「お、俺だって頑張って、そしておまんこを……」 ☆ナンバー7 ドクオ ガリガリだぞ! 初めてオナニーを覚えたあの日から一度としてしなかった日は無いぞ! 皆勤賞だね! ( <●><●>)「優勝するのは私だとわかってます」 ( ><)「優勝したら賞金でワカッテマス君とぽぽちゃんと三人で遊園地に行くんです!!」 ☆ナンバー8/9 ワカッテマス/ビロード まだまだ子供の二人だけど、頑張ってください! 後なんでお前ら腐女子人気高いんだ死ね。
- 345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:33:50.37 ID:+m/8CiVu0
-
( ゚∀゚)「おまんこチケット、おっぱいチケットにできないかな……」 ☆ナンバー10 ジョルジュ 眉毛のりりしいお兄さん。でもまゆげズレるの嫌だから今回は無し。三度の飯よりおっぱいが好きだぞ!! ( ´∀`)「モナもついに、ついにこういうおまんこクッソスレに……」 ☆ナンバー11 モナー こう見えてズルムケだぞ!! でも短小だぞ!! タマは一個切除したんだ! ( 荷 台)「待っててねツンちゃん。きっと僕の愛を君に届けるよ!!」 ☆ナンバー12 荷台 きが くるっとる
- 347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:35:06.83 ID:+m/8CiVu0
- / 。゚ 3『さぁ全選手出揃いました!!』
/ ,' 3 『解説はわし、荒巻と』 ( ФωФ)『ロマネスクがお送りするのである』 J( 'ー`)し『わ、わたしは……』 ( ФωФ)『じゃあこのピストルやっていいのである』 J( 'ー`)し『ま、マジ!? 運動会での花形職業じゃん!!』 J( 'ー`)し『じゃ、じゃあお言葉に甘えまして……』 J( 'ー`)し『それじゃあ今からおまんこ大前転チキチキ町内会レースをはっじめまーっす!!』 J( 'ー`)し『位置についてー』 (´・ω・`)「……」ゴクリ J( 'ー`)し『よーい』 (;'A`)「……」ドキドキ J( 'ー`)し『ドーッオン!!!!!』ダッキュウウウウウウウウウン!!!!! ( ゚∀゚)「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロ (,,゚Д゚)「ああああああああああああああああああ!!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
- 349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:36:51.65 ID:+m/8CiVu0
- ( ФωФ)『さぁ、各選手一斉に転がりだしたのである!!!』
( ФωФ)『どうですか荒巻さん!! ……荒巻さん?』 J(;'Д`)し『い、いや……だって、わたし、そんなつもりじゃ……』 ( ФωФ)『荒巻さん!! 荒巻さぁあああああああん!!!!』 J(;'ー`)し『ピストルが、ピストルがぁああああ!!! イヤアアアアアアアアアア!!!!』 ( ФωФ)『荒巻さぁあああああああああああああ!!!!!』 (´・ω・`)「く、転がるっていうのも案外楽じゃないな!!」 ( ´_ゝ`)「俺のペニスより先に頭がずる向けそうだ!!!」 (,,゚Д゚)「む」 ( ^ω^)「あ、あの河原に見えるのは!!!」 ( ゚∀゚)「あの河原にあるあの本は!!!」 (;'A`)「あの河原特有のあのオーラを発してるあの本は!!」 (´・ω・`)「あの特定のページだけバリバリで開けない風情のあるあの本は!!」
- 351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:38:07.14 ID:+m/8CiVu0
- ( ´_ゝ`)「え」
(´<_` ) 「ろ」 爪'ー`)y‐「本!!」 ( <●><●>)「……」 ( ><)「……」 爪'ー`)y‐「が、ガキ共の動きが!」 (;'A`)「ま、まさか!!」 ( <●><●>)「……ろ本」 ( ><)「え……ほん」 ( <●><●>)「「エロ本じゃああああああああああああああああああああああい!!!!!!」」( ><) ( <●><●>)「わしのもんじゃ!!! 誰にもやらんきに!!!」 ( ><)「おどりゃくそワカ!! あのエロ本はわしんじゃい!!!」 ( ゚∀゚)「馬鹿が!! やっぱりガキかよあいつら!!」 (´<_` ) 「エロ本トラップとは、やれやれ先が思いやられるなぁ」
- 355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:44:32.13 ID:5rbw3u8a0
- (;'A`)「あ、あの子達失格かな」
(´・ω・`)「そうだろうねー」 ( <●><●>)「は、ハァハァハァ」 ( <●><●>)「こ、これがエロ本!!」 ( <●><●>)「私のだという事は森羅万象わかってます!!」 ( ><)「ズルいんです!! 二人で見るんです!!」 ドキドキドキドキドキドキ ペラ……
- 356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:45:48.35 ID:5rbw3u8a0
- .州;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;j! 。 u j;;;;;;;;// 〃.; u , .,; :,; ,:;, ;:, ;, :, ;:, ;ji!
ゞミ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ u j!;;;;;// // .:; i ! ,; :;, :;, :;, :;, :;, :;, :;j! ヾミミミヽ;;;;;;;;;;;/ ノ;;;;;ノ '′.: U ,; ;:, :;, ;, ;, :;, :;, :j! ヾミミ;;;;;;;;彡ゝ、、 ノ `ヽ ,.ィ彡' ....,,, '´ .:;;;;;;;;;;;;;;;;;彡' u ; :;: ;: ;: ;:リ ゝ== =彡' `ヽ、 `'''''゙゙´ `ヽ ,,r'´ ̄`ヽ,. ';:;;;;;;;;;;,ィ'´ 。 ;:; :; :; :; 彡' `ヾミ三彡'ヽ、 .:; /;;;;;;;;;;;;;;;;;/ 1 i ;:; :; ; :; :; :;彡′ 入 .:;; U j;;;;;;;;;;;;;;;;;/: : ! j! ; :;:; ;: ;:彡' / `ヽ j!;;;;;;;;;;;;;;/: : :/⌒ヽ八,. '"  ̄``ヽノ ,、、、、、,,_.'´ 。 ヽ _ノヾミ;;彡': : : / / ', i 三ミミヽ ,. -‐ '"´ ヾミミヽ . 。 `ヾ;:;;;;;;;;:;ヽ_ノ / l l .i l ;;;:;:;:;:ミミj! , '´ ji;;;;! j ,, :.、 `ー く,, ヽ;;;;;;;;;;リ U l l l ;;;;;;;;;:;:;;j! ノ! j!;;;! { lll ``ヽヽ;;;;;;;ヽ、 .:l l l ! ;:;:;;;;;;;;;;;;;/ u し' ;;;;;;! ', ll! : i `ー=' .:.:l ノノノ ;:;:;;;;;;;;;;;;;;/ .; 。 ;;;;;;;! ヽ l! :,. ll . 。 。 .:.:.:j ;:;:;;;;;;;;;;;;;;;/ .:! ;;;;;;;', 。 u u U .:.:.:.:.:j ;:;:;;;;;;;;;;;;;;;!ii! .:.:! ヾ;;;ミヽ u U .:.:.:.:.j ( <○><○>)「……」 ( ><)「……」 ワカ&ビロ ホモ雑誌により精神が瓦解する。リタイア
- 358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:47:12.08 ID:5rbw3u8a0
- ( ゚∀゚)「見ろよあの馬鹿ガキ共。失禁と脱糞しながら抱き合ってるぜ」
(´・ω・`)「よっぽど恐ろしいものを見たんだな」 ( ゚∀゚)「先は長いぜ!!」 ( 荷 台)「お次はなんだい? なんでもこいやぁああ!!!!」 ヘーイ、カッモーン ( ´_ゝ`)「なんだこのアメリカンAVの女優のような声は」 アッーッス!! アーッス!! (´<_` ) 「このアメリカ女優特有の息の吸い方は!!」 ( ´_ゝ`)「あれなんなんだろうな」 (´<_` ) 「萎えるよな」 ( ´_ゝ`)「アースって」 (´<_` ) 「地球かよ」
- 360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:48:27.57 ID:5rbw3u8a0
- ヘーイ、カッモーナゥ!!
( ´_ゝ`)「おい、あそこの路地裏見てみろよ!!」 ( ´∀`)「な、なんだモナ!!」 (´<_` ) 「あ、あれは!!」 ハハ ロ -ロ)ハ /П\ バアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!! ∧(i)∧ (* ´_ゝ`)「パツキンチャンネーの生ストリップじゃねええかああああああ!!!!!」
- 363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:49:51.56 ID:5rbw3u8a0
-
ハハ ロ -ロ)ハ「ボーゥイ、優勝なんてする必要ないネー。私がただでおまんこ見せるアルよ」 (´<_` ) 「なんて統一感のない台詞なんだ!! 一人多国籍じゃないか!!」 ハハ ロ -ロ)ハ「ボーイ。ミナインデスカー? シマッチャイマスヨー?」 ( ´_ゝ`)「お」 (´<_` ) 「おおおおお」 ( ´∀`)「おおおおおおおおおおおお!!!!!!」 ( ´∀`)( ´_ゝ`)「「「みるぅうううううううううあああああああああああああ!!!!!!!!!!!」」」(´<_` ) ハハ ロ -ロ)ハ「うふふ、イイコタチデスネー」 ハハ ロ -ロ)ハ「では、じっくりミナッサーイ」
- 367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:51:15.52 ID:5rbw3u8a0
- (* ´_ゝ`)「は、はやく!!」
(´<_` *) 「兄者!!! デジカメ!!」 (* ´∀`)「もっと良く見せてほしいモナ!!」 ハハ ロ -ロ)ハ「オーゥ、じゃあもっと近づいて……」 (* ´_ゝ`)「いいのか!?」 (´<_` *) 「ナメても!?」 ハハ ロ -ロ)ハ「カマイマセーン」 (* ´∀`)「モナが舐めるモナ!!」 (* ´_ゝ`)「俺だ!!」 (´<_` *) 「俺が先に!!!」 ハハ ロ -ロ)ハ「うふふふ、ダメな子タチデスネー」 ハハ ロ -ロ)ハ「そんなバッドボーイたちには」 ハハ ロ -ロ)ハ「お仕置きデーッス!!!!!!」
- 369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:53:38.80 ID:5rbw3u8a0
- ハハ ロ -ロ)ハ
/П\ ∧(i)∧ 3……2……1…… ,,从.ノ巛ミ 彡ミ彡)ミ彡ミ彡ミ彡)ミ彡)''" 人ノ゙ ⌒ヽ 彡ミ彡)ミ彡)ミ彡)' ハハ ロ -ロ)ハ ,,..、;;:~''"゙゙ ) 从 ミ彡ミ彡)ミ彡,,) /П\ ,,..、;;:~-:''"゙⌒゙ 彡 ,, ⌒ヽ ミ彡" ∧(i)::::::゙:゙ '"゙ ミ彡)彡''" ゙⌒`゙"''~-、:;;,_ ) ゙⌒`゙"''~-、,, ,,彡⌒''~''" ⌒''~" ゴォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!! (; ´_ゝ`)「あぎゃあああああああああああああ!!!!!!!!」 (´<_` ;) 「ま、まんこに火炎放射器だとっぉぉぉぉぉおおおぁああああああああ!!!!!」 (; ´∀`)「焼ける!! 舌が焼けるモァアアアナアアァアアア!!!!!」 ハハ ロ -ロ)ハ「バッッボーイたちには丁度いいフレイムね」 流石兄者・弟者・モナー 目先の誘惑に囚われリタイア
- 371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:56:04.94 ID:5rbw3u8a0
- ( 荷 台)「うえ……回り過ぎて吐きそうになってきた……」
( ゚∀゚)「とう!!!」ババッ!! ( 荷 台)「うわ!!」ヒョン!! ( ゚∀゚)「っち!」 ( 荷 台)「な、なにするんだ君は!!!」 ( ゚∀゚)「知れたこと!! とっとと下半身露出させい!!!」 ( 荷 台)「実力行使狙いか!!」 ( ゚∀゚)「全員脱がせちまえばあとはゆっくりゴールするだけだからな」 ( 荷 台)「ルールだから仕方ないが、なんて卑怯なやつなんだ!!」 ( ゚∀゚)「なんとでもいえ!! 俺はおま」 (´・ω・`)「それ!」ズルルッ!!! (* ゚∀゚)「ひゃぁあああはああああああああん!!!!」ポロリンコッ!!!
- 373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:57:22.75 ID:5rbw3u8a0
-
( ФωФ)「はいはーい。ちょっと通してー」 (; ゚∀゚)「ろ、ロマさんちょ、ちょっとまってこれは違うんだ!!」 ( ФωФ)「はいはい初めはみんなそういうの。言い訳は署で聞くから」 (; ゚∀゚)「くっそおおおおお!!!!」 ( ФωФ)「はやくその粗末なゾウさんしまってね」 \ ::::: \ ジョルジュの両腕に冷たい鉄の輪がはめられた \::::: \ \::::: _ヽ __ _ 外界との連絡を断ち切る契約の印だ。 ヽ/, /_ ヽ/、 ヽ_ // /< __) l -,|__) > 「ロマさん・・・、俺、どうして・・・ || | < __)_ゝJ_)_> こんなに短小包茎なのかな・・・?」 \ ||.| < ___)_(_)_ > \| | <____ノ_(_)_ ) とめどなく大粒の涙がこぼれ落ち ヾヽニニ/ー--'/ 震える彼の掌を濡らした。 |_|_t_|_♀__| 9 ∂ 「その答えを見つけるのは、お前自身だ。」 6 ∂ (9_∂ ジョルジュは声をあげて泣いた。リタイア。
- 375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 21:58:39.76 ID:5rbw3u8a0
- ( 荷 台)「あ、ありがとう」
(´・ω・`)「なんのなんの」 ( 荷 台)「君は?」 (´・ω・`)「僕はショボン。たまたまアイツの後ろががら空きだったからね」 ( 荷 台)「へへ、君って悪い奴だね」 (´・ω・`)「そうかな?」 ( 荷 台)「うん、とっても。でも、ありがと」 (´・ω・`)「いいよ。さぁ、僕らだいぶ送れちゃってる。急ごう!!」 ( 荷 台)「うん!!」
- 377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:00:06.90 ID:5rbw3u8a0
- ***
(,,゚Д゚)「ほっほっほっほ」 (,,゚Д゚)「中々疲れるぞゴルァ」 (,,゚Д゚)「ん? あれは……」 爪'ー`)y‐「やぁ」 (,,゚Д゚)「どうしたんだゴルァ」 爪'ー`)y‐「ちょっと靴紐が」 (,,゚Д゚)「そうか、悪いが先に行かせて貰うぞ」 爪'ー`)y‐「ちょちょちょ!!」 (,,゚Д゚)「なんだ?」 爪'ー`)y‐「どこいくつもりさ!!」 (,,゚Д゚)「はぁ?」
- 379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:01:23.87 ID:5rbw3u8a0
- 爪'ー`)y‐「ゴールはあっちだろ! 説明聞いてなかったのか?」
(,,゚Д゚)「え、そうだっけか?」 爪'ー`)y‐「そうだよ」 (,,゚Д゚)「そうか、そうだったな、悪いな教えてもらって」 爪'ー`)y‐「なぁに、すぐに抜かせる自信があるからさ」 (,,^Д^)「ギコハハハ。お前いい奴だな」 爪'ー`)y‐「そんなことないよ」 (,,゚Д゚)「じゃあ、さっさと抜いてみせろよな!! お先に!!」 爪'ー`)y‐「ふふふ」 爪'ー`)y‐「いい奴か」 爪'ー`)y‐「そんなこと」 爪'ー`)y‐「ないのになぁ」 ギコ、特に見せ場も無く隣町まで転がっていく。リタイア。
- 380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:02:46.67 ID:5rbw3u8a0
- / ,' 3 『さぁ、残りも半分をきったのう』
( ФωФ)『ただいまー』 / ,' 3 『おお、ロマさん。どうじゃった、ジョルジュは』 ( ФωФ)『やっぱりおまんこよりオッパイがいいだと』 / ,' 3 『何しにきたんじゃろうな』 ( ФωФ)『逮捕されに?』 / ,' 3 『……さぁ後半戦じゃぞ!!』 ( 荷 台)「コロコロ……うう、頭がいたいよぉ……」 (´・ω・`)「大丈夫?」 ( 荷 台)「あ、僕のことは気にせず先に行ってよ。これでも僕らライバルなんだから」 (;´・ω・`)「で、でも」
- 383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:04:14.32 ID:5rbw3u8a0
-
爪'ー`)y‐「おっとお二人さん。急ぐ必要は無いぜ!!!」 (;´・ω・`)「お、お前は!!」 爪'ー`)y‐「そこのアホ面の兄さんよぉ。……アホ面というかなんて形容していいか分からない顔面のあんた!!」 ( 荷 台)「ぼ、僕?」 爪'ー`)y‐「そうだ、お前だ。お前、なんでそのショボンがお前に良くしてくれてるか分かるか?」 ( 荷 台)「それは彼がいい人だから」 爪'ー`)y‐「おめでたいねぇ!! んなわけねぇだろボケ!!! そいつはなぁ、お前のケツの穴を狙ってるのさ!!」 ( 荷 台)「え!?」 (;´・ω・`)「ば、馬鹿言うな!!!」 爪'ー`)y‐「あらら? 糞ホモショボちゃんといえばこの町内では有名だぜ?」 ( 荷 台)「……そ、そうなの?」 (;´・ω・`)「ち、違う!! 僕はバイだ!!!」
- 384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:05:43.19 ID:5rbw3u8a0
-
爪'ー`)y‐「かわんねぇよホモが!! ほら、兄ちゃんよぉ、そんなホモから離れて俺と仲間になろうぜ」 ( 荷 台)「……え、えと」 (;´・ω・`)「ねぇ、僕を信じてよ!!」 爪'ー`)y‐「俺と仲間になろうぜ!!」 ( 荷 台)「……そうだ!!!」 (;´・ω・`)「……ど、どっちを選ぶの?」 爪'ー`)y‐「……さぁ、決めな」 ( 荷 台)「どっちも選ぶわけねぇだろボケ共ガァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」ズババババババババ (*´・ω・`)「あひゃあぁああぃいいいいん!!!!」モロン 爪*'ー`)y‐「すぴょろぽぺろおおおおおおおん!!!!!」マロン
- 386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:06:59.72 ID:5rbw3u8a0
- (;´・ω・`)「な、ひ、ひどいじゃないか!!!」
爪'ー`)y‐「お、お前、俺達両方とも!!!」 ( 荷 台)「よくよく考えたらツンちゃん以外いらね。選ぶとかそんなことどうでもよかったんや」 ( 荷 台)「じゃあな腐れチンポ共!! サイレンが聞こえてきたぜ!! あばよ!!」 爪'ー`)y‐「あ、柳沢伸吾」 (´・ω・`)「似てるぅ~」 ショボン、フォックス、共に警察のご厄介に。リタイア。 / ,' 3 『残すところあと三人になったのう』 J( 'ー`)し『そうねぇ。ドクオくんにブーンくんに、……誰かしらあれ』 / ,' 3 『だれだっていいわい!! 熱いソウルがあるからここまで残れたんじゃ!!』 / ,' 3 『ラストスパートじゃそい!! 頑張れ若者よ!!!』
- 388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:08:15.24 ID:5rbw3u8a0
- (;'A`)「ひぃ……ひぃ……」
(;'A`)「影が薄いお陰か、特に妨害もなくここまでこれた」 (;'A`)「今俺は何位なんだろうか」 (;'A`)「……いや、順位を気にしててもしょうがない。ともかく今は全力を出すだけだ」 ('A`)「そして、きっとおまんこチケットを、ふひひ」 ウォォォオオオオオオオ!!!!! ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!!!! (;'A`)「な、なんだあの土煙は!!」 ( 荷 台)「待たんかいコラァアアアア!!!!!」 (;'A`)「あ、あんたは!?」 ( 荷 台)「悪いなにいちゃん!! さっそくズボンを脱がさせてもらうぜ!!!」 (;'A`)「な、や、やめろ!!」 ( 荷 台)「ちょわ!!」ビョインッ!!!!
- 390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:09:36.29 ID:5rbw3u8a0
- (;'A`)「ひぃ!!」ヒンッ!!
( 荷 台)「にょれ!!」ガバッ!! (;'A`)「ぎゃぼ!!」ヌルン ( 荷 台)「動くな!!」 (;'A`)「動くよ!!」 ( 荷 台)「はぁ、はぁ」 (;'A`)「こ、今度はこっちからいくぞ!!」 ( 荷 台)「え」 (;'A`)「とう!!」シャビビ ( 荷 台)「や、やめろ馬鹿!! ツンちゃんが僕をまってるんだ!!」モゴゴ (;'A`)「く、暴れるな!! とっとと脱げ!!!」グイグイグイグイ
- 392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:10:52.59 ID:5rbw3u8a0
- ( 荷 台)「や、やめ!!」イヤイヤイヤイヤ
(;'A`)「うおおおおおおお!!!」ゴソソソソソソソソ、フニッ (;'A`)「……フニ?」 ( 荷 台)「は、離せカス!!!」ババッ (;゚A゚)「お、おま、おま、おままままままま」 ( 荷 台)「……なんだよ」 (;゚A゚)「おま、おままままままままままま」 ( 荷 台)「誰が男だといった」 ( 荷 台)「誰がこの荷台が男だと言ったぁああああああああああ!!!!!!」 (;゚A゚)「おままままままままま!!!!!!」
- 394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:12:09.30 ID:5rbw3u8a0
- ( 荷 台)「お前ら勝手に勘違いしてんじゃねーぞ!!」
( 荷 台)「なんか女AAに異常に執着してるから勝手に男だと思いやがって!!」 ( 荷 台)「女だってクリトリスという1本槍を持った立派なモノノフなんじゃい!」 ( 荷 台)「経血をたっぷり吸ったタンポンでも咥えてろや童貞が!!」ガボボボ!!!! (;゚X゚)「モガァアアアアアアア!!!!!」モゴモゴ ( 荷 台)「知ってるかぁ? 女同士でも妊娠できるんだぞぉ?」 ( 荷 台)「卵子から細胞を抜き取ってさぁ、相手の卵子に入れるんだってぇ」 ( 荷 台)「僕の卵子をツンちゃんの卵子に、ツンちゃんの卵子を僕の卵子に」 ( 荷 台)いっこうだよなぁ。好きな人の子を孕ませて孕めるんだ」 ( 荷 台)「究極の愛だとおもうよねぇ?」 (;゚X゚)「モガァアアアアア!!!!」 ( 荷 台)「ちゃんと喋れやボケカスゥウウウウ!!!!!!」
- 402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:17:12.76 ID:5rbw3u8a0
- ( 荷 台)「お前ホンマ亀頭の穴んとこにコピー用紙縦に置いてスゥーっと手前に引いたろかコラ」
(;゚X゚)「モガモガモガアアアア!!!!」 ( 荷 台)「それともアレか。シャンプーの先端部分を尿道に突っ込んで3ポンプくらいしたろかホンマに」 (;゚X゚)「モゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!」 ( 荷 台)「なに人の乳触ってくれとんじゃアホがあああああ!!!!!」 ( 荷 台)「ツンちゃんにも見せたこと無いのに!!! 触らせたこと無いのに!!」 ( 荷 台)「コロス!! 殺して二度と輪廻転生できないレベルまで魂を冒涜してやるううううう!!!!」 (;'A`)「もご、っぺっぺっぺ!!」 (;'A`)「こ、こんなことしてるばやいじゃないんじゃないですか!?!!?」 ( 荷 台)「は?」 (;'A`)「ブーンが、ブーンがゴールしちゃいますよ!!!」 ( 荷 台)「!!!!!!」
- 404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:18:30.92 ID:5rbw3u8a0
- ( 荷 台)「早く言わんか馬鹿たれ!!!」
(;'A`)「だって今までタンポンを……」 ( 荷 台)「うおおおおお!!! まっとれ塩豚がぁあああああ!!!!」 (;'A`)「……」 (;'A`)「た、助かった」 ('A`)「……経血って」 (*'∀`)「ジューシィやなぁ」 ドクオ、女の味をしり、新たな性癖に目覚めつつリタイア。
- 407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:19:56.06 ID:5rbw3u8a0
- ( 荷 台)「くっそ、時間くった!!!」
( 荷 台)「どこだ!! あの豚め、ファミチキの油だけ啜って生きてそうなのに速いじゃねぇか!!」 ( 荷 台)「……僕の行いは本当に正しかったのかな」 ( 荷 台)「色んなものを犠牲にして成り立つ愛なんて、本当の愛といえるのだろうか」 ( 荷 台)「人に迷惑をかけてまで愛を欲するなんて」 ( 荷 台)「それこそ害悪じゃないのか……?」 ( 荷 台)「……ええい、迷うのは後回しだ!!」 ブオオオオオオ!!! ( 荷 台)「見えた!!!」 (; ^ω^)「フォオオオオオオ!!!!!」 ( 荷 台)「ま、待ちやがれファッキン豚やろう!!!」 ( ^ω^)「ま、またないお!! ツンは僕が守るんだお!!」
- 408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:21:11.76 ID:5rbw3u8a0
-
( 荷 台)「大丈夫!! 代わりに僕が全身全霊をかけてじっくりしっぽり守るんで!!!」 (; ^ω^)「なんなんだおお前!! 誰なんだお!!」 ( 荷 台)「ツンちゃんの騎士《ナイト》ですよ、内藤くん!!」 (; ^ω^)「ぎゃああああ!! なんで僕の名前知ってるんだお!! 登録名はブーンにしたはずなのに!!!」 ( 荷 台)「ツンちゃんに関わることならなぁんでも知ってるのだよ」 ( 荷 台)「初めての生理はいつだったか」 ( 荷 台)「初めての恋はいつだったか」 ( 荷 台)「初めての恋人は誰だったか」 ( 荷 台)「初めてのキスはいつだったか」 ( 荷 台)「ぜぇんぶ知ってる」 ( 荷 台)「そしてその全部に」 ( 荷 台)「お前の影が落ちてるのが気にくわねぇんだよおおおお!!!!!!」 (; ^ω^)「ぶひいいいいいいいい!!!!」
- 411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:22:46.45 ID:5rbw3u8a0
-
( 荷 台)「おらあああああああ!!」 (; ^ω^)「ぬ、抜かれる!!!」 ( 荷 台)「ひゃっはあああああああ!!!!」 (; ^ω^)「ぐ、くっっそおおおお!!!!!!」 ( 荷 台)「……」ピタッ (; ^ω^)「……お?」 ( 荷 台)「止まれ」 (; ^ω^)「……」ピタッ ( 荷 台)「お前とはここで決着をつける」 (; ^ω^)「……よくわかんないけどわかったお」
- 413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:24:29.62 ID:5rbw3u8a0
- ( 荷 台)「僕はツンちゃんが好きだ」
( ^ω^)「僕もツンが好きだお。大好きだお」 ( 荷 台)「あ、ずりっ。僕もー、ていうか大好きを超えて超好きだし」 ( ^ω^)「超とかワロスwww 僕は宇宙好きだお」 ( 荷 台)「じゃあーえーっとえーっと、誰も勝てないくらい僕が一番好きー」 (; ^ω^)「あーずっこいんだお!! そういうの無しなんだお!!」 ( 荷 台)「ばーかばーか。しねー」 (; ^ω^)「クソガキがぁあああ……っ!!」 ( 荷 台)「……わかってるんだ」 ( ^ω^)「お?」 ( 荷 台)「本当は全部分かってる」 ( 荷 台)「僕がどんなにツンちゃんの事を想っても、ツンちゃんは僕のこと知らないし」 ( 荷 台)「きっと君のことが一番好きなんだ」 ( ^ω^)「……」
- 414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:25:48.94 ID:5rbw3u8a0
- ( 荷 台)「でも」
( 荷 台)「だったら」 ( 荷 台)「僕はツンちゃんを好きじゃいけないのかよ!!!!」 ( 荷 台)「こんなに好きなのに諦めなきゃならないのかよ!!!」 ( 荷 台)「そんなの!!!」 ( 荷 台)「そんなの……おかしいよ……」 ( ^ω^)「お……」 ( 荷 台)「だから、だから君を倒して認めてもらうんだ」 ( 荷 台)「僕のことを知ってもらうんだ」 ( 荷 台)「僕のことを愛してもらうんだ」 ( ^ω^)「……」 ( ^ω^)「……結局一方的に夢見てるだけなんだお、君は」 ( 荷 台)「なんだと!!」
- 416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:27:09.51 ID:5rbw3u8a0
- ( ^ω^)「いいかお、ツンだってうんこする」
( 荷 台)「そんなこと!! 今日のツンちゃんのうんこの色まで把握済みだ!!」 ( ^ω^)「ツンだって好きな奴がいる」 ( 荷 台)「なんだよ、今度は自慢かよ!!」 ( ^ω^)「でも、きっと、好きになるとか、愛するとかってそういうことじゃないんだお」 ( ^ω^)「愛してくださいと言ってもらえる愛なんてうそっぱちだお」 ( ^ω^)「そんなもの」 ( ^ω^)「僕ならいらない」 ( ^ω^)「……じゃあ、」 ( 荷 台)「じゃあどすればいいんだよぉォオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 ( 荷 台)「愛されたいのに愛されないんだから愛してくださいって頼むしかねぇだろうがよおおおお!!!!!」 ( 荷 台)「お前の意見は勝者の意見だ!!! 敗者のことはなんも考えてない!! 負け犬は惨めに地を這えって言ってるのと同じだ!!!」 ( ^ω^)「そうだお。地を這えばいいお」 ( 荷 台)「そんなの嫌だ!! なんでお前はツンちゃんから愛されて僕はダメなんだ!!! なんで僕は地面を這いずるゴキブリの糞以下の惨めさを引きずらなきゃならないんだ!!」 ( ^ω^)「それも愛なんだお!!!」
- 418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:28:26.89 ID:5rbw3u8a0
- ( 荷 台)「愛なんかじゃないよ!! こんなに辛いのはツンちゃんの愛じゃない!!」
(# ^ω^)「誰かに向ける愛にばっかり囚われるなお!! お前が人を、ツンを愛しているときは幸せじゃないのかお!!」 ( 荷 台)「幸せさ!! 僕が愛するツンちゃんのことを考えてるときはいつだって幸せだった!!」 (# ^ω^)「それが愛なんだお!! それが君がツンから貰っている愛なんだお!!」 ( 荷 台)「そんな訳ない!!! 触れられないのが愛なものか!! 喋れないのが愛なものか!!!」 ( 荷 台)「そんなものに甘んじてるのは満たされてる奴だ!!!」 ( 荷 台)「僕は飢えてるんだ!! ツンちゃんに飢えている!!!」 (# ^ω^)「だからお前はツンから愛されないんだお!!」 ( 荷 台)「もういい!! 黙れ!!」 (# ^ω^)「こっちもお前となんか喋りたくないお、このわからずや!!!」 ( 荷 台)「糞がああああああ!!!!!!」 (# ^ω^)「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
- 421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:29:55.69 ID:5rbw3u8a0
- ,,-''" ,, --''"ニ_―- _ ''-,,_ ゞ "- ズ
て / ,,-",-''i|  ̄|i''-、 ヾ { ド (" ./ i {;;;;;;;i| .|i;;;;;;) ,ノ ii | ,, ( l, `'-i| |i;;-' ,,-'" _,,-" | "'-,, `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '" _,,--''" |  ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_ __,,-''" | ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄ |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,, | ,,-''::::二-''" .--i| .|i "- ;;:::`、 ン ._,-"::::/  ̄"''--- i| |i ヽ::::i !!!!!!!!! .(:::::{:(i(____ i| .|i _,,-':/:::} `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i| .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-' "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i| .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~  ̄ ̄"..i| .|i .i| |i i| |i .i| .|i .i| |i .i| ,,-、 、 |i i| ノ::::i:::トiヽ、_.|i _,, i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、 ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::
- 423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:31:28.94 ID:5rbw3u8a0
- ***
/ ,' 3 「さて、もうそろそろ勝者がゴールに来る頃じゃろ」 ξ゚⊿゚)ξ「……」 / ,' 3 「心配かの?」 ξ゚⊿゚)ξ「……心配っていうか、いますぐあんたをぶち殺したい」 / ,' 3 「……おまわりさーん。小娘が妄言はくぅ~」 ( ФωФ)「はいはいおじいさん。暖かくして寝ましょうね」 / ,' 3 「うん、ワシ、あったかくして……ってなんでやねーん」 ( ФωФ)「おお、ノリツッコミとはやるであるな」 / ,' 3 「だてに年くっとらんよ」 ワハハハハハハハハ ξ゚⊿゚)ξ「はぁ」 J( 'ー`)し「ほら、みんな、見えてきたわよ!!」 ( ФωФ)「お」 ( ФωФ)「あ、あいつは」
- 427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:33:33.36 ID:5rbw3u8a0
- ξ゚⊿゚)ξ「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……はぁ」 ξ*゚⊿゚)ξ「おそいわよ」 ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ ( ^ω^)「おおーい! 僕が一番だおおおおお!!!」 ξ゚⊿゚)ξ「わかってるわよー。早くゴールしちゃいなさい」 J( 'ー`)し「さぁ、いま、ゴールテープを――――」 ( ^ω^)「お!」 J( 'ー`)し「切りました!! ブーン選手が一着でゆうしょうでーっす!!」 ( ^ω^)「おっおっお、遅くなったお」 ξ゚⊿゚)ξ「ホントよ。もう凄く待ったんだから」 ( ^ω^)「……お」 ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの?」 ( ^ω^)「ううん、なんでもないお」
- 430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:34:50.50 ID:5rbw3u8a0
- ξ゚⊿゚)ξ「へんなの」
/ ,' 3 「ほれ、ブーン君。賞品と賞金」 ( ^ω^)「あ、ありがとだお!」 ( ^ω^)「でも」 ( ^ω^)「このチケットはいらないお」 / ,' 3 「おや、そうかい。まぁおぬしならいつでもその子のおまんこ見れるからのぉ」 ( ^ω^)「それもあるけど、やっぱり楽して得られるものなんて大したものじゃない気がするから」 (* ^ω^)「だから僕は頑張ってツンのおまんこ見るお!!」 ξ#゚⊿゚)ξ「もう、バカ!」 ( ^ω^)「おっおっお」 ( ^ω^)「――――そうだお、楽してズルして得られるものなんて、うそっぱちなんだお」
- 432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:36:32.74 ID:5rbw3u8a0
- ( 荷 台)「あーあ、負けちゃった」
( 荷 台)「じゃんけん」 ( 荷 台)「あそこでパーかぁ……」 ( 荷 台)「負けた方は脱ぐ約束だったけど、見逃してもらっちゃった」 ( 荷 台)「パンツ三日くらい替えてないから助かったなぁ」 ( 荷 台)「あと生理でべっちょべちょだし」 ( 荷 台)「あーあ、ツンちゃんのおまんこ見たかったなぁ」 ( 荷 台)「でもまぁ」 ( 荷 台)「まだまだツンちゃんへの道のりは長いってことで」
- 434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:37:59.80 ID:5rbw3u8a0
- ( 荷 台)「僕は諦めずにツンちゃんを愛そう」
( 荷 台)「それが今の僕に出来る唯一のことだ」 ( 荷 台)「愛して、愛して、愛しきって、それでも愛されなかったら……」 ( 荷 台)「……」 ( 荷 台)「じゃあ僕はそれでもツンちゃんを愛そう」 ( 荷 台)「うん」 ( 荷 台)「そうしよう」 こうしてまた一つ僕は愛を知った。 いつかきっと、この思いがツンちゃんに届くと信じて!! フォーエバーマイラヴ!!!!!!!!!!!!! ★☆★おわり★☆★
- 437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:39:38.87 ID:5rbw3u8a0
- おわりじゃおわり。あースッキリした。地の文嫌い。死ね。
会話文楽。最高。一回真面目なの書くと中和のためにこういうの書きたくなる。 なにかあれば聞きますので!!! もちろんトソ伝奇の方も聞きますので!!!
- 439 名前: 忍法帖【Lv=3,xxxP】 :2011/04/14(木) 22:41:22.20 ID:Y3Fw+vif0
- 荒巻はいつ蘇ったの?
- 442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:41:42.85 ID:UwG3E7ys0
- わざわざ真面目な話書いた直後にこんなカオスやらんでもwwwwww
乙
- 443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:42:49.40 ID:5rbw3u8a0
- >>439
かーちゃんのオリモノで生き返りました。 >>442 こういうのはその時にやらないとダメな気がした。実際に僕はすげぇ楽しかったし。読者様にはごめんなさいしなきゃだね。
- 444 名前: 【東電 75.8 %】 :2011/04/14(木) 22:42:52.65 ID:5Oxsd+jM0
- ドクオはその後どうなったの?
- 445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:43:25.32 ID:FvZ4OtmeO
- 乙!地の文が多い時はもうちょい投下ゆっくりにしてくれると助かる
支援が追いつかなくて猿らせてしまうんだ
- 446 名前: 忍法帖【Lv=10,xxxPT】 :2011/04/14(木) 22:44:05.52 ID:doqqIzW+0
- 超面白かった
次も同じスレタイで立てる?
- 447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:45:32.20 ID:5rbw3u8a0
- >>444
都内の一角に経血バーを開いて毎晩紳士にとれたてレバーを振舞っています >>445 マジですか。気をつけます。あんまり投下経験ないんでわからんのです。 あと早く読んでほしくて気持ちが焦る。 >>446 建てる! 次回もオマケがあるかはわからないですが。 というかやっぱりシリアスよりギャグの方が伸びるな。残念。
- 449 名前: 【東電 75.8 %】 :2011/04/14(木) 22:47:28.75 ID:5Oxsd+jM0
- >>1ってほんとに女なの?
- 451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:50:36.36 ID:5rbw3u8a0
- >>449
そ れ は な い あとね、あとね! ツイッターとかいう奴を始めたんだけど使い方が一切分からないんで もうやめようかと思っています。一応投下の前日にはお知らせできる用のなんかとして 用意したけど、よくよく考えれば避難所の投下予告スレがあるんだよね。死ねツイッター。 呟くな、叫べ若者よ。
- 452 名前: 【東電 75.8 %】 :2011/04/14(木) 22:52:22.83 ID:5Oxsd+jM0
- ショボンのアナルに挿入されてるビール瓶はどこのメーカーの?
- 453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:53:53.00 ID:5rbw3u8a0
- >>452
地ビールです
- 456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 22:56:23.30 ID:FvZ4OtmeO
- 避難所にお前のスレ立ってんぞ
- 457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 23:00:19.08 ID:5rbw3u8a0
- あのスレの人たちに僕は教祖ではなく信者だといっておいてください!!
では、寝ます。読んでくれた人に心よりの感謝を
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オマケもサイコーだったけど、本編の続き見たいっす。
[2011/07/09 19:55]
URL | ナナシ #-
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