lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです (3話目)
2011/01/13 Thu 04:50
574 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 19:23:28 発信元:111.89.140.2
****
( ´_ゝ`)開けるぞ、起きてるかハイン
从 ゚∀从 …兄者、先に起きたのか?
( ´_ゝ`)多分な
ハインは自分に割り当てられた部屋のベッドから、ゆっくりと起き上がる。
从 -д从 …くあぁっふぅ、睡い
( ´_ゝ`)…
从 ゚∀从 ん、どした?
( ´_ゝ`)いや、ちょっと立ち眩みがな
気怠そうに起き上がる様がなんかエロいなあ、と思って髪とか胸とかの動きに見とれていただけです。
从 ゚∀从 しかし、驚いたよ。奇妙な風景画を見てたと思ったら次の瞬間、シイちゃんの目線で弟者と向き合っていた
576 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 19:29:11 発信元:111.89.140.2
( ´_ゝ`)俺とほぼ同じだな。俺は弟者目線だった
从 ゚∀从 そうだ、他の三人は?
( ´_ゝ`)シイは俺のベッドで寝てる。弟者はおそらくシューさんの中だ
从;゚∀从 お前サラッと言いやがって…まて、シューの中だ?
( ´_ゝ`)確認しようか
577 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 19:32:59 発信元:111.89.140.2
弟者の部屋へ歩く。
ハインの足音も続く。
背中に衝撃が走る。
从#゚∀从 この変態が。シイちゃんと同じベッドだあ?
( ;´_ゝ`)痛い蹴るな、まずは弟者だ
ぶつぶつ言うハインからほんのり殺気を感じつつ、弟者の部屋をあける。
ノックなど不用のはずだ。
( ´_ゝ`)開けたぞ
从 ゚∀从 開ける前に言えよ
部屋のベッドは、少々の乱れがあるだけで無人だった。
うむ、予想通り。
从 ゚∀从 弟者は?
( ´_ゝ`)お前がさっき言っていたろ
从 ゚∀从 はい?
( ´_ゝ`)弟者と何処で向き合っていたよ
578 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 19:38:09 発信元:111.89.140.2
从 ゚∀从 …まじかよ
( ´_ゝ`)ああ
从 ゚∀从 なあ、こっちからできるのは、さっきのだけか?
( ´_ゝ`)らしい
从 ゚∀从 私、自分が弟者に何を言ったのか覚えて無いんだが
( ´_ゝ`)俺もだ
从 ゚∀从 うーん
( ´_ゝ`)まあ、後は若人達に任せようぜ
从 ゚∀从 まーたそんなことを。お前私より年下だろ?
( ´_ゝ`)年の話で思い出したんだが、そういえばさ
从 ゚∀从 唐突だな、なんだよ
( ´_ゝ`)お前、今年こそ彼氏はできたのか?
581 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 19:41:13 発信元:111.89.140.2
从#゚∀从 ビシッ
と彡☆)゚_ゝ゚)・:
パーン、なんて生易しいものではない。
軽い気持ちで訊いたのに、返ってきた左手は半端じゃない重みがあった。
从# ∀从 まだだよっ畜生がっ、人の気も知らないでっ!
( ;´_ゝ`)正直すんませんした!
ナックルとかだったら死んでいただろう。
从# ∀从 バシッ
と彡☆)_ゝ )・:モルスァッ!
あんぎゃーお、二度目かよ。
582 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 19:47:24 発信元:111.89.140.2
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3話目
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周囲が、色だけを変えていく。
感触や形はそのままだが明暗や輪郭が分からない、立体感のない世界へ。
(´<_` )酔ってしまいそうだな
まるで印象派の描く油彩画のようだった周囲は、更に混沌となる。
最初は明るい色ばかりがうねっていたが、混ざり合う内にどんどん暗い色ばかりになっていく。
(´<_` )ゲームみたいにマップとか無いかなあ
(‘_L’) そういった物はありません
Σ( ゚<_゚;)う゛びゃあ゛!
583 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 19:51:33 発信元:111.89.140.2
流石の俺も驚いた。突然足下から声と顔が現れたんだから、普通驚くだろう。
床の一部に、人間の顔が浮かび上がっていた。
うっわ気持ち悪っ。
(‘_L’)私はフィレンクト、フィルとお呼びください
なんとなく執事を連想する声の持ち主は、自分の名前を名乗った直後、俺が立つ床から生えるように、立体化した。
(‘_L’)はじめまして弟者様
(´<_` )はじめまして、フィルさん
フィルの外見は背広姿の人間で、ピカピカの革靴まで履いている。
(´<_` )失礼ですが、何者ですかあなた
どこかで見たことある顔だ。
585 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 19:58:02 発信元:111.89.140.2
(‘_L’)ご安心を、あなたに危害は加えません。正体については、機会を見て話します
なんなんだろうコイツ、すげえめんどくせえ勘弁して欲しい。
(‘_L’)まあ、私の事など今はどうでも良いのです
フィルは俺を指差す。会ったばかりの人に失礼な。
(‘_L’)違います、あなたの後ろです
(´<_` )後ろ?
振り向き、視界に彼女を認める。俺やフィルと同じ床の上に立つ、見慣れた制服を着た女子高生。
(´<_` )シューか
現実で眠り続けている彼女は、怒りの表情で俺を睨んでいる。…正直ゾクゾクすrげふんげふん。
lw´‐ _‐ノvなんで
(´<_` )うん?
lw´#‐ _‐ノvなんで来たんだ!!
なにも言えなかった。挨拶や冗談を言う間もなく、俺は落下した。
586 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 20:02:30 発信元:111.89.140.2
(´<_`;)おああああ!
(‘_L’)あれ、弟者様は絶叫系は苦手ですか
(´<_`;)落下するのは特にダメ!
さっきまで立っていたはずの場所には何も見えず、ただひたすら青く澄んだ空を雲海めがけて落ちて…あれ?
(´<_` )ん?なんかさ
(‘_L’)はい
(´<_` )感覚的にさ、落下じゃなくて上昇してね?
(‘_L’)当たり前じゃないですか、落ちれば落ちるほど精神の内側へ行くんですから
(´<_` )へー、そうなんだ
そりゃ、踏み込んで欲しくないなら外側へ追いやるわな。
(´<_` )でさ、上昇するなら良いけど
(‘_L’)はい
(´<_` )このままだとどうなるの?
(‘_L’)強制的に目覚めます
(´<_` )どうにかなんない?
587 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 20:06:41 発信元:111.89.140.2
(‘_L’)では、私の手を握ってください
言われるがままに手を握る。一応言っておくが、俺には自分のエクスカリバーを男に突き刺す趣味はない。
(‘_L’)では、行きます
****
少しの間、俺は意識が飛んでいた。首を動かすもフィルの姿は見えず。
(´<_` )…やたら現実味があるな
俺は1人、シューの中に立っていた。
(´<_` )ここ、また学校?
高空から一転、見覚えのある高校の廊下に景色が変わっていた。
薄汚れた壁に貼ってある、イラスト部のポスターを見て確信する。ここは俺とシューの通う学校だ。
不意に、目の前の教室のドアが開き、シューと対面。
(´<_` )あ
lw´‐ _‐ノvや
シューと会えたのは嬉しいが、片手に拳銃を持ってるのはよろしくない。
588 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 20:11:33 発信元:111.89.140.2
(´<_` )シュー
lw´‐ _‐ノvくんな
シューは拳銃を構える。ウィーバースタンスで、グローブも耳栓もシューティンググラスも、いつの間にかつけていた。
(´<_` )なあ、シュー
lw´‐ _‐ノvごめんなさい
シューは引き金を、絞るようにひいた。
589 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 20:13:39 発信元:111.89.140.2
おそらくは口径7.62mmであろう弾頭が飛翔し、俺に命中。
(´<_` )…痛くないのはありがたい
ただ、発砲音で耳が痛い。
lw´‐ _‐ノvおねがいだから、来ないで
次は痛くすると付け加えたシュー。
(´<_` )お前が起きればな
lw´‐ _‐ノv あきらめて
(´<_` )お前の事を諦めろと?なあシュー。聞かせてくれよ
lw´‐ _‐ノvなにを
(´<_` )何があった?
lw´‐ _‐ノvそれ、地雷なんだけど
590 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 20:18:12 発信元:111.89.140.2
lw´‐ _‐ノv…えれ
(´<_` )うん?
lw´;⊿;ノv帰ってよ!!
俺は地面から植物のように生えてきた対戦車兵器を向けられた。
なあシューよ。お前、RPG-27なんてよく知ってたな。しかも発射可能な状態じゃないか。
(´<_` )話してくれないのか
lw´ _ ノvごめん、弟者だけには知られたくないの
やれやれだ。
591 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/01/10(月) 20:19:10 発信元:122.24.126.254
シュー…
592 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 20:22:26 発信元:111.89.140.2
****
( ´_ゝ`)よう弟者、気分はどうだ
(´<_` )兄者?
( ´_ゝ`)飲むか?
(´<_` )あ、ああ
半身を起こし、兄者から手渡された暖かいココアを飲みながら、自分のいる場所を確認する。
隣のベッドにはシューが寝ている、自分がいるベッドの脇には兄者が立っている。
さらに、部屋の奥の椅子では先生がうたた寝をしていた。
(´<_` )変な気分だ
593 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 20:25:06 発信元:111.89.140.2
( ´_ゝ`)そうだろうよ
静寂が耳に痛い、時計の音がやけに響く。
じっとりと、汗をかいていた。
(´<_` )今度こそ、現実だろうな
( ´_ゝ`)つねってやろうか
(´<_` )…いや、いい。多分意味がない
あんな現実感のある夢(夢と言って良いのだろうか?)の後では、痛みが証左になるとは思えない。
(´<_` )…とにかく、今にも視界が歪みそうな気がするよ
( ´_ゝ`)なら、ココアを飲み干せ。それはハインが作ったんだ
(´<_` )先生が?
ならば、何か薬でも混ぜてくれていそうだ。
( ´_ゝ`)味はどうだ?
(´<_` )美味しいよ、ホッとする
594 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/01/10(月) 20:28:11 発信元:122.24.126.254
ホッとココアですね
595 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 20:28:16 発信元:111.89.140.2
空になったコップを渡すと、兄者は先生の肩を揺らす。
( ´_ゝ`)ハイン、起きろ
从 "~从 んむぅ~…
( ´_ゝ`)やれやれ
兄者はコップを指で持ち、先生を抱えあげた。
(´<_` )…二人は、いつからこの部屋にいたんだ
( ´_ゝ`)一時間ほど前からだ
部屋の時計と携帯で、今が二時過ぎだと知る。
( ´_ゝ`)歯を磨きなおして、早いとこ寝直せ。今日はもう、普通の夢しか見れないらしい
言って、先生を抱えた兄者は部屋を出る。
(´<_` )…ふう
静かに寝息を立てるシューを見てから、俺は洗面所へ向かうべくベッドを降りた。
596 :lw´‐ _‐ノv貴方だからこそ、のようです:2011/01/10(月) 20:29:52 発信元:111.89.140.2
3話目は終了です
長々と失礼しました
支援に感謝します
597 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/01/10(月) 20:33:03 発信元:122.24.126.254
連日の投下乙!
598 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2011/01/10(月) 20:39:15 発信元:202.229.176.30
おっつー
ハインかぁいいよハイン
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