( ・∀・)は暴虐の限りを尽くすドラゴンのようです
- 1 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 19:42:13.72 ID:mdMetfQi0
- 注意。
・このお話は、猟奇短編祭参加作品です。
・このお話には、捕食要素が含まれます。
→参考URL ttp://www18.atwiki.jp/vorelove/ (vore@wiki)
・このお話には残酷・グロテスクな描写が含まれます。
・このお話には、猟奇的な表現が含まれます。
・このお話には、暴虐的な表現が含まれます。
・暴虐的なこのお話には、暴虐的な表現が含まれます。
・暴虐的なドラゴンが暴虐の限りを尽くす暴虐的なこのお話は、暴虐的な表現を含む猟奇短編祭参加暴虐です。
( ・∀・)注意ここまで。
( ・∀・)以下本編。
( ・∀・)はーじまーるよー。
- 2 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 19:43:22.69 ID:mdMetfQi0
- ( ^ω^)
その日の夜は、なんだかいつもより暗い気がした。
青年、内藤ホライゾンは大学生である。
その日はたまたま(彼の名誉のためにそういうことにしておく)、帰りが深夜になってしまい、
暗い夜道を一人歩く彼の脳裏には、そんな疑念が湧いたという。
とはいえ、その疑念はあまりにも些細な物であったために、彼が自覚的に意識する事はなかった。
その疑念はきっと、沈む船から逃げ出すネズミの感覚であり、
そして、平々凡々な人間足りうる彼には、その感覚を捉えられるほどの鋭敏は知覚は備わっていなかったのだ。
( ;^ω^)
その日の闇は、なんだかいつもより暗い気がした。
夏も間近であるというのに、東京郊外の夜は暗かった。
多摩地区に存在する某私立大学に通う彼は、さらにそこから下った先の安いアパートを借りている。
そんな訳で、東京とは言えども辺りは暗い。
生来の臆病な気質にも由来して、彼は暗闇を恐れる。
だがしかし、歩みを止めれば帰宅する事はできない。
だから彼は歩く。びくびくと警戒しながら、歩く。
- 4 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 19:48:08.90 ID:mdMetfQi0
-
( ; ω )
なんだかいつもより暗いその日の”闇”は、その日の夜にはそぐわなかった。
ごくごく当たり前に存在する異常に、彼は気付く事ができなかった。
しかし、そのことによって、彼は責められるべきではない。
恐らく、誰一人として気付く事はできないだろう。
ただ普通に生きている人間が、足元の「地球の回転」を意識する事ができようか?
ただ普通に生きている蛙が、自分が井戸によって「囲われている」ことを意識する事ができようか?
ただ普通に生きているアリが、「水槽に入れられて観察されている」と意識する事ができようか?
その日の”闇”は、ごくごく当たり前な異常だった。
ただ……、もしかしたら、彼には気付く事ができたのかもしれない。
彼が、タイタニックに乗り合わせたネズミだったなら、気付く事ができたのかもしれない。
そして、彼は気付くべきだったのである。
夜に溶け込まない”闇”の存在に。
明滅する街頭の光も、薄れゆく星明かりも、行く末に見ることのできない”闇”の存在に。
そうとも知らず、彼は歩く。歩く。
全ての光を吸収する”闇”に向かって、歩く。歩く。
- 5 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 19:52:36.95 ID:mdMetfQi0
-
そして。
( ; ω )
歩を進めた先で。
......( ; ω )
彼は。
............( ; ω )
闇と。
........................( ; ω )
衝突する。
................................................( ; ω )ドンッ
( ; ω )「!!」
( ・∀・)「あ、すみません」
- 8 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 19:57:37.11 ID:mdMetfQi0
- , ´j
, ´ , _ノ
/´ , '´ 〈
, イ ∠ ---一┴ 7
↓モララー // ´ _/
∠テー-、 _ ∠ イ , - ブ
/ヒ'恁へ、 _`,´、r┴` l ∠__∠_
すみません> 《/,-─┴ミ穴「 ̄ ` j ______/
ヾ 〉 ヾ> _ ,-‐〉 _ノ
二ヾ〈 hヽ<_ゝ´ '┘/
/`-六A 〉V/ \__/r‐、──-- 、
/ イ ,イ〈l 〉´7´\__/ /`´レ-′、 i
`´く彡' ィ ハY └-、 ,二ィミ-┤ { ヾ⌒l __ l
´,'y〈 _ ノ j `ヘ _ゝ-¬7′丶厂
j 人/ ヾ´ / , >`=ー´ 、 `7
_」ノ 丿ヾ| l ̄j、 / - / ゙、 | \ 辷イL_
,. '_´ ̄ 爪ブ 川/) ト V´ _⊥ 」 l__」/ヾヽノlj/
/r▽フ , '´ ハY′/ j ヾヾ彡三ヲ└┬' t _」洲}} /
〈,ィ尺,寸′ 小|| / \\一 〃癶─く l〃イ
└'゙゙'-′ ,. '"/|| |l、 ヘ '、 川川 | 以_」
, " ,. ヘt| |lヽ 厂¬、|ノ刄リ |丿
,イ , ' ヾ、、ヾヽヽ/ 丶l 杉ヅ、 / /
t }´ _, -一゙ ‐--=ヘヘ 〉< ノ/
`ヾ ̄ ヾフ ヾ / `<
ノl ,.へ `ーく丶 '、
r‐く j ⊥-'" '、 /′丶、 '、
 ̄´´ ̄ /′ 丶!
/ `i;;/ ヾ / ヾ
j |l || i
※AAはイメージです。 └¬⌒ー-一⌒ー┘
- 9 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:00:02.27 ID:mdMetfQi0
-
その日の”闇”は、
まるで夜を纏ったかのように真っ暗な鱗で全身が覆われたドラゴン、であった。
( ・∀・)は暴虐の限りを尽くすドラゴンのようです
( ・∀・) いち。暴虐のドラゴンさんとあそぼ!
- 11 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:05:50.49 ID:mdMetfQi0
- ( ;゚ω゚)「くぁwせdrftgyふじこlp」
( ・∀・)「もう、そんな驚かなくてもいいじゃあないですか」
( ;゚ω゚)「だ、だってちょ、ええ!?」
( ・∀・)「どーも、暴虐のドラゴン・モララーですっ☆」
( ; ω )「夢だ夢だ夢だお、ドラゴンなんているわけないお……」
( ・∀・)「つねってあげましょーか?」
( ^ω^)「そんな鉤爪でつねられたら死んじゃうお……」
( ・∀・)「あは、それもそーですね」
( ;^ω^)「あんた、なんなんだお!」
( ・∀・)「暴虐のドラゴン・モララーですっ☆」
( #^ω^)「それはもう聞いたお! ふざけてるなお!」
( ・∀・)「もう、ふざけてなんてないですってば」
- 13 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:10:13.10 ID:mdMetfQi0
- ( ;^ω^)「だって、現実にドラゴンなんているわけないお!」
( ・∀・)「じゃあボクが暴虐のドラゴン以外の何かに見えますか?」
( #^ω^)「見えないから困ってるんだお!」
( ・∀・)「あは、そんなあなたに魔法の呪文を差し上げましょう」
( ^ω^)「お?」
( ・∀・)「”いたら、素敵だと思いませんか?”」
( ^ω^)「…………」
( ・∀・)「誰だって一度は憧れるものなのでしょう?
現実だったら、と夢想するものなのでしょう?
まるで、物語のような世界を!
血沸き肉踊る冒険活劇、豪華絢爛な舞踏会、
恐竜の世界へのタイムスリップ、喋る動物とのほのぼのライフ……、
それから、ファンタジーなドラゴンとの邂逅」
( ^ω^)「そりゃあ、そうだけど……」
- 15 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:15:00.25 ID:mdMetfQi0
- ( ・∀・)「それでは、”今”、”あなたが”、”ボク・ドラゴンと”、”出逢っている”現実は素敵じゃあないですか?」
( ^ω^)「そう、かもしれない、お……?」
( ・∀・)「でしたらそんな無粋なことは言わないで下さいよ。
もっと現実を楽しみましょう?
もしかしたら、今この現実はただの夢で、
醒めてしまえば二度と見ることがかなわないかもしれないじゃないですか」
( ^ω^)「よくもまあ、口の回るドラゴンだお」
( ・∀・)「人間をたぶらかす時はこう言いなさい、って学校で習うんですよ」
( ^ω^)「お? ドラゴンに学校なんてあるのかお?」
( ・∀・)「そりゃあありますとも。ドラゴンだってけっこう大変なんですよ?
特にボクみたいな【暴虐のドラゴン】コースともなればなおさらです」
( ^ω^)「【暴虐のドラゴン】コース?」
( ・∀・)「コース制なんです。
【ドラグーン】コースとか、【けもりゅう】コースとか、分野によって履修科目が違うんですよ。
ボクはその中の【暴虐のドラゴン】コースに所属していました」
( ^ω^)「なんか人間みたいだおね」
- 17 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:20:38.89 ID:mdMetfQi0
- ( ・∀・)「あは、そうですね。もしかしたら全然まったく人間と変わらないのかもしれません」
( *^ω^)「ホントにファンタジーの世界だお!」
( ・∀・)「あ、ちなみにちゃあんと卒業もしましたので、【暴虐のドラゴン】免許もありますよ。見ます?」
( ^ω^)「免許とかあるのかお……。見ます」
( ・∀・)っ「ほら、このブレスレットが免許です。
色によってコースが違うんですよ。【暴虐のドラゴン】コースは黒です」
( ^ω^)「体の色と相まって、全然目立たないおね」
( ・∀・)「そうなんです、それは少し残念なところです」
( *^ω^)「アクセサリーをするドラゴンなんておしゃれだお! 格好良いお!」
( ・∀・)「あは、ありがとうございます☆」
- 19 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:24:09.74 ID:mdMetfQi0
- ( ^ω^)「ちゅうか君は、どこから来たのかお?」
( ・∀・)「そうですね……。
”物語の深淵から”とでも言っておきましょうか」
( ^ω^)「? どういうことだお?」
( ・∀・)「言ってはいけないことになってるんですよ」
( ^ω^)「お?」
( ・∀・)「ドラゴンは個体数がそんなにいませんからね……。
人間に数で踏み込まれちゃったら、絶滅しちゃいます」
( ^ω^)「ふうん、ドラゴンも大変なのかお」
( ・∀・)「そりゃあ大変ですよ。
学校だってありますし、ときどき人間界にきたりもしてますし。
それに、1頭1頭が強いですからね、ケンカひとつで山が吹き飛ぶ勢いです」
( ;^ω^)「……そりゃあ、大変だお」
( ・∀・)「まあ自分の力くらい、自分で理解してますからね、そうそう大事件は起こりませんよ」
- 20 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:27:11.52 ID:mdMetfQi0
- ( ^ω^)「火は吹けるのかお?」
( ・∀・)「吹けますよ」
( *^ω^)「やってみて欲しいお!」
( ・∀・)「んーと、やってもいいんですけどね……。
この辺一体が、燃え尽きちゃいますよ? いいですか?」
( ^ω^)「やめておくお」
( ・∀・)「それが賢明です」
( ^ω^)「他にはどんなことができるのかお?」
( ・∀・)「そうですね、ボクはブレス攻撃が得意ですよ。一応ブレス科のテストではだいたいトップの成績でしたし」
( *^ω^)「すごいお! どんなブレスだお!?」
( ・∀・)「そうですねえ。
まずは普通に火のブレスでしょ、氷のブレスもできますね。
あとは石化ブレスもできます。
そういえばこれはボクの学年だと、できるのは結局ボクひとりでしたね。
ああ、酸のブレスも吹けます。ドラゴンの鱗以外の大抵のものはどろどろのどっろどろです。
毒のブレスも一応吹けますが、ボクはコレは苦手です。催眠ブレスの方が簡単ですね。
麻痺ブレスは、最近使ってないからなあ、どうだろう?
フレグランスブレスも吹けますが、これはぶっちゃけ使い道がありません。
……他にもいろいろありますが、とりあえずはこれくらいで」
( *^ω^)「本当にファンタジーみたいだお!」
- 22 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:31:22.03 ID:mdMetfQi0
- ( ・∀・)「でしょう? まあボクはあんまり特殊能力に富んだタチではないんですけどね」
( ^ω^)「お? お仲間さんの話かお?」
( ・∀・)「そうですよ、興味あります?」
( *^ω^)「もろちん!」
( ・∀・)「そうですねえ。ああ、ボクの友人にギコってやつがいましてね。
こいつは熱を操ることができるんですよ」
( ^ω^)「ほえー、すごいおー」
( ・∀・)「すごいですよね。羨ましい限りです。
ほかに面白いやつだと、鱗の一枚一枚が全部楽器みたいになっていてですね、
そこから音を出してイロイロ暴虐的なことをするやつもいますよ」
( ^ω^)「音?」
( ・∀・)「そうなんですよ。音は振動でしょ?
ヤツによると、その音を縒り合わせてロープみたいにして、何かを縛る、とかもできるらしいです。
まあできるやつの話なんかサッパリですけど」
( ^ω^)「音を操るのもものっそいファンタジーだお……」
( ・∀・)「あ、ツッコミ損ねたけど、言い間違い自重」
( ^ω^)「てへ」
- 23 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:36:00.11 ID:mdMetfQi0
- ( ・∀・)「他には……、あは、そうだ。
光学迷彩を搭載してるやつとか、大きさを自由自在に変えられるやつもいますよ」
( ^ω^)「ホント、すっごい非現実的なお話だお……。」
( ・∀・)「つねってみましょーか?」
( ^ω^)「今ならつねられてもいいかもしれないお」
( ・∀・)「あは、やりませんけどね」
( *^ω^)「他にはっ? 何か面白い話はないのかお? その羽根で飛べるのかおっ?」
( ・∀・)「ええ、飛べますよ。ボクはそんなに飛行が得意ではないですけど。
そうですね、夜はまだまだ長いです。
あは、そんながっつかないで、ゆっくりいっぱいお話しましょうね」
―――
――
―
- 25 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:39:16.25 ID:mdMetfQi0
- ( *^ω^)「うをー、まじですごいおー! もうほんと嘘みたいだおー!」
( ・∀・)「嘘だったらどうします? 今ごろ夜道で倒れてるかもしれませんよ」
( ^ω^)「それはそれで一興だお!」
( ・∀・)「あは、変な人ですね」
( ^ω^)「おーん。……あ、でももうこんな時間だお」
( ・∀・)「すっかり夜も更けましてしまいましたね」
( ^ω^)「余も老けた?」
( ・∀・)「丑三つ時なんかきれいさっぱり記憶の彼方ですね。もはや夜すら明けるんじゃないですか?」
( ^ω^)「お! そろそろ帰るお! 今日はありがとうだお!」
- 27 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:42:11.78 ID:mdMetfQi0
- ( ・∀・)「はあ。それじゃあ、さようなら?」
( ^ω^)「……」
( ・∀・)「……」
( ^ω^)「そこ、どいてほしいお」
( ・∀・)「あは」
( ^ω^)「帰れないお……」
( ・∀・)「え? 帰れませんよ?」
( ^ω^)「お?」
( ・∀・)「あなたはどこにも帰れません」
( ;^ω^)「お?」
- 28 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:45:00.09 ID:mdMetfQi0
- ( ・∀・)「あなたは、家になんて、帰れませんよ」
( ;^ω^)「いや、そこどいてくれれば帰れるお?」
( ・∀・)「ボクはどきませんから」
( ;^ω^)「いやいやそれじゃあ帰れないお?」
( ・∀・)「あは、そーですね」
( ;^ω^)「そうですねって……、おー!?」
モララーの鉤爪が内藤を掴んだ。
そのまま持ち上げて、眼前まで引き寄せる。
( ・∀・)「もう、なんのためにここまで楽しくおしゃべりしたと思うんです?」
( ;^ω^)「いや、ちょ、放せお!」
( ・∀・)「冥 土 の 土 産 に決まってるじゃないですかぁ★」
- 29 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:48:12.36 ID:mdMetfQi0
- ( ; ω )「めいど、ひっ」
モララーは内藤の顔をべろりと舐めあげた。
粘着質な唾液が糸を引き、内藤の顔を伝う。
( ・∀・)「いやあ、夏場は薄着だし、丁度いいなあ」
( ; ω )「や、やめ、」
内藤は必死に抗うも、拘束を解くことはできない。
モララーはがっちりと内藤を握り締め、決して放さない。
憔悴にとらわれる内藤には気付く由も無いが、
内藤を掴むその手には、内藤を傷つけないようにする配慮があった。
( ・∀・)「ボクがなんだか知ってます? ちゃあんと自己紹介しましたよね?」
( ; ω )「はな、きもちわる、はあ」
( ・∀・)「ボクは、【暴 虐 の ド ラ ゴ ン】モララー、ですよっ★」
( ・∀・)「暴虐のドラゴンですもの。暴虐的に、あなたを食べます」
- 32 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:51:34.98 ID:mdMetfQi0
- ( ; ω )「た、たべっ!」
( ・∀・)「ああ、でも痛くしたりなんやかんやは無しの方向でいきます。
今日は、そういう気分じゃないんです。
最近、猟奇だかなんだかで両者の和解を得ないような行為が横行してますからね」
( ; ω )「や、やだ! 助け」
( ・∀・)「win-winの関係でいきましょう?
ボクはおいしくあなたを食べる。あなたは楽しくボクに食べられる。
あは、幸せですねっ★」
( ; ω )「たべな、たすけっ」
( ・∀・)「そのための力がボクにはあるんですねー。すぐ幸せになれちゃいますよ?」
( ; ω )「あああああああっ」
( ・∀・)=3「はい、幸せブレス〜」
( ω )「あ、あ、あ、……」
( ・∀・)「ほら、幸せになってくるでしょう? 脳内麻薬ですよ?」
( * ω )「ああああぁぁぁぁ……」
( ・∀・)「これでボクは抵抗されなくて済むから楽ちんですし、
あなたもとっても気持ちよくボクに食べられられるはずです。
あは、言葉って難しい」
- 35 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:55:02.97 ID:mdMetfQi0
- モララーはそっと内藤を口元まで引き寄せた。
それから、もう一息を内藤に吹きかける。
なんともいえない香りが一瞬漂った。
それは、幸せの香りか、死遭わせの香りか。
肌を揺らす吐息の感覚に、内藤は一瞬身を捩る。
( * ω )「あ、あ、ふぅ、……」
( ・∀・)「あは、おいしく食べてあげましょうね。それが礼儀ってものですから」
モララーは内藤の顔に、もう一度その舌を這わせる。
分厚くやわらかい舌が、ぴちゃ、と音を立てた。
少し熱を帯びた舌は、内藤の皮膚をくすぐる。
( * ω )「ぁ、ああぁ……」
( ・∀・)「もうすっかりブレスが効いているようですね。ボクの友人曰く、”催淫ブレス”……」
そのまま内藤を頭から咥えこんだ。
少しずつ唇で手繰り寄せ、全身を頬張った。
それから、舌の上で内藤を転がす。
( * ω )「ふぁ、ああ、んっ……」
( ・∀・)「……なーんか、萎えてきちゃうなあ。やっぱ女の子を待てばよかったかなあ。
男に喘がれてもなんにも嬉しくないや。どうせみんなもそう思ってるだろうし……」
- 37 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 20:58:15.09 ID:mdMetfQi0
- 口の中には唾液のプールができあがっていた。
その中に内藤を沈める。
( * ω )「あふ、や……」
( ・∀・)「それに”催淫ブレス”ってなんだよ……。できの悪いエロゲかよ……。
竜姦ってか。竜姦しろってか。ないわwwwwwww
ボクが主人公である限りそれはないwwwwwww
でも別にホモってわけでもないけどwwwwwww
壊しちゃったら悪いでしょうがwwwwwwwww」
内藤を舌で抱え、口蓋へ押し付ける。
圧力は舌の弾力に吸収され、内藤はすっぽりとモララーの舌に埋まりこむ。
ぎゅうぎゅうと押し付けられてはいるものの、内藤にはそれすら快感にしか感じられなくなっている。
ただでさえ酸素の薄い空間で、感度が高められており、
暖かく柔らかな舌で嬲られ、内藤の体に快感が募ってくる。
( * ω )「ぁ、にゃうっ、! ……」
( ・∀・)「…………」
( * ω )「ふぁ、ぁぅ、ああぁ……」
( ・∀・)「……もーホント、これだから男はいやなんだって。まじ誰得」
- 38 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:00:31.21 ID:mdMetfQi0
- ( ・∀・)「もういいや、それではこれで最後です」
ごっくん、という音が聞こえそうなほど、それはそれは立派な嚥下だった。
モララーの喉仏が一瞬大きく上がり、そして、下がる。
内藤も一瞬強く体が締め付けられ、また声をあげたようだったが、それはもはやモララーには届かなかった。
( *-∀-)「あは」
いつだって、どんな場合だって、食べた”モノ”が食道を降りてくる感覚は心地が良かった。
モララーはその一瞬の感覚が好きだった。
( *-∀-)「イノチが食事に変わる瞬間」
食事がイノチに変わる瞬間。
モララーはうっとりと目を閉じる。
余った唾液を口内で巡らせ、続いてごくりと飲み干す。
もしかしたら腹の中の内藤に降りかかったかもしれない。
( ・∀・)「胃液と唾液のフルコース、たっぷりご馳走しますよ」
そして一息。
( ・∀・)「ふう」
「… … ご ち そ う さ ま で し た」
- 40 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:04:36.17 ID:mdMetfQi0
-
その日の”闇”は、その日の夜に融けて消えゆく。
暴虐のドラゴンなど、もはやそこにはいなかったかのように。
全ての光を吸収する闇は、どこかへ飛び去り、消えた。
青年、内藤ホライゾンはその後、謎の失踪を遂げたとして紙面を揺らす事になる。
しかし、彼の行方・顛末が知られる事は一切無かった。
( ・∀・)いち。暴虐のドラゴンさんとあそぼ! おしまい。
- 42 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:07:13.55 ID:mdMetfQi0
-
('、`*川「それじゃあママはお買い物に行ってくるからね」
「うん、わかったよ」
('、`*川「お留守番よろしくね」
「うん、大丈夫だよ」
('、`*川「知らない人がきても、玄関を開けたらだめだからね」
「大丈夫だってば、ママ」
('、`*川「それじゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃい、ママ」
( ・∀・) に。暴虐のドラゴンさんとあそぼ!
- 43 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:09:36.86 ID:mdMetfQi0
-
( ・∀・) Knock,knock!!
「だれですか?」
( ・∀・)「暴虐のドラゴンさんですよ」
「嘘だ! 暴虐のドラゴンさんは丁寧語なんて使わないんだ!」
( ・∀・)「なるほど」
- 46 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:12:00.70 ID:mdMetfQi0
-
( ・∀・) Knock,knock!!
「だれですか?」
( ・∀・)「暴虐のドラゴンさんだよ」
「嘘だ! 暴虐のドラゴンさんはやさしくノックなんかしないんだ!」
( ・∀・)「なるほど」
- 47 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:15:06.81 ID:mdMetfQi0
-
( ・∀・) ガンガン
「だれですか?」
( ・∀・)「暴虐のドラゴンさんだよ」
「嘘だ! 暴虐のドラゴンさんはそんな魅惑のバリトンボイスじゃないんだ!」
( ・∀・)「なるほど」
- 49 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:18:00.14 ID:mdMetfQi0
-
( ・∀・) ゴンゴン
「だれですか?」
( ・∀・)「暴虐の゙ドラ゙ゴン゙ざん゙だよ゙」
「嘘だ! 暴虐のドラゴンさんは人語を喋るわけないんだ!」
( ・∀・)「な゙る゙ぼど」
- 51 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:22:20.83 ID:mdMetfQi0
-
( ・∀・) ガスガス
「だれですか?」
( ・∀・)「グギュグバァッ!!!」
「嘘だ! 暴虐のドラゴンさんはもっと破壊の限りを尽くすはずなんだ!」
( ・∀・)「ぱるぱるぅ」
- 54 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:24:56.08 ID:mdMetfQi0
-
( ・∀・)ダンダンバキィッ! バラバラ...
「だれですか?」
( ・∀・)「きりゅりりゅりしぃぃぃ!!」
「嘘だ! 暴虐のドラゴンさんはぼくのリクエストに答えてくれるわけないんだ!
( ・∀・)
- 55 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:25:33.33 ID:mdMetfQi0
-
( ・∀・)「めんどくせえ」
- 57 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:29:29.52 ID:mdMetfQi0
-
暴虐のドラゴンさんはそう呟くと、
ノックもせずに太い尻尾で玄関を薙ぎ払い、
グオオオと野太い声で咆哮し、
家の中にある障害物という障害物をぶち壊し、
そしてあっけにとられた子供を見つけると、
涙も悲鳴も命乞いも無視して、
その鉤爪で頭から鷲掴み、
足から口に押し込んで丸呑みにしてしまいましたとさ。
めでたしめでたし。
( ・∀・)「げぇーっぷ」
( ・∀・) に。暴虐のドラゴンさんとあそぼ! おしまい。
- 59 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:38:48.52 ID:mSWliIW00
-
( ・∀・) テレレッテッテ、テレレッテッテ
( ・∀・) テレレッテッラッタ、タララララーン
( ・∀・)(ry
( ・∀・)「ドラゴン3分クッキングのお時間です」
( ・∀・) さん。暴虐のドラゴンさんとあそぼ!
- 60 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:41:35.59 ID:mSWliIW00
-
( ・∀・)「用意する材料はこちら」
( ・∀・)っ*(‘‘)*「孫」
( ・∀・)っ/ ,' 3 「爺」
( ・∀・)っlw´‐ _‐ノv「米」
( ・∀・)「以上です」
( ・∀・)「観客はちゃんと観客として見ててよ」
lw´‐ _‐ノv「いやあ、米ときいてつい」
*(‘‘)* オジイチャーン
/ ,' 3 ヘリカルー
- 61 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:45:13.65 ID:mSWliIW00
-
( ・∀・)「それではまず米を研ぎます」
( ・∀・)「できる限り暴虐的に研ぎましょう」
( ・∀・)「研げたら炊飯器に入れてスイッチ・オン」
lw´‐ _‐ノv「炊き上がったものがこちらになります」
( ・∀・)「ボク準備してなかったんだけどそれ」
lw´‐ _‐ノv「うん、あると便利かなあと思って」
( ・∀・)「便利だった、ありがとう」
lw´‐ _‐ノv「いいえ、どういたしまして」
*(‘‘)* オジイチャーン
/ ,' 3 ヘリカルー
- 64 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:50:59.57 ID:mSWliIW00
-
( ・∀・)「どんぶりにご飯をよそいます」
( ・∀・)っ*(‘‘)* 「そしてその上に孫を載せます」
( ・∀・)=3 「酸のブレスを一吹き」
*(‘,';,';,', ドロドロ
,';,';,',,';,';,', グチョグチョ
( ・∀・)「はい、まごかけごはんの完成です」
- 65 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 21:55:21.76 ID:mSWliIW00
- 。 _|\ _
。 O / 。 u `ー、___
゚ 。 \ヽ / u ⌒'ヽ゛ u / ゚
- ・。 / ; ゚(●) u⌒ヽ i @ 。
, ゚ 0 ─ { U u r-(、_, )(●) .| / 。 ,'´ ̄ ̄`',
゚ ,,、,r-'⌒l u //トェェェ、 ) 。゚ / o ,! ハ ハ !
。 ゚ r-'⌒`ー-'´ヾ,. ir- r 、//u / 。 ・゚ l フ ム l
ヾヽ、_,,,、-、/ミ,ヽヽ/ ノ_, -イ-、\ ∠ ハ ッ j
ー = ^〜、 ̄r'´ ̄`''jヽ、 〃ヾ ゚ 。 ヽ フ /
jヽjvi、人ノl__ / / ヽ´{ミ,_  ̄`'''-ヽヾ ` ̄ ̄
) ハ 7 / / `'='´l  ̄i'-、_,,ン ノ 。
) フ て / / !。 l l - ニ
7 ッ ( __ヽ、__l ___ .!。 l__l__,-=-,___
) !! ( ,-=-, ∠ヾゞゝヽ ,-≡-,l l-=二=-,
^⌒~^⌒^~⌒^└==┘  ̄ ̄ ̄ ヽ==ノヽ=ノ\__/
( ・∀・)「どうぞかっこんで召し上がってください」
( ・∀・)「爺は適当に丸呑んでいただくとよいでしょう」
( ・∀・)「それではさようなら」
( ・∀・) テレレッテッテ、テレレッテッテット、
( ・∀・)テッ、テッ、テッテレレレレッターン
( ・∀・) さん。暴虐のドラゴンさんとあそぼ! おしまい。
- 68 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:00:26.63 ID:mSWliIW00
-
がたん、ごとん。
がたん、ごとん。
しゅー……。
線路を伝うように響いてきた音が私の前で止まった。
空気の抜ける間抜けな音がして、銀色の扉が開く。
(-、-トソン(この扉の向こう側は、光り輝く不思議な世界……)
まあ、そんなわけはないのだけれど。
疲れた顔をしたおじさんたちが座席に座り、ちらほらと立っている人がいるくらいである。
行く先は、めいめいの我が家。そこが天国か地獄かは私は知らない。
ただ私の場合は、どうせ帰って寝るばかりの地である。
疲れた顔をした私たちをつれて、電車は駅を発つ。
がたん、ごとん。
がたん、ごとん。
( ・∀・) よん。暴虐のドラゴンさんとあそぼ!
- 69 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:05:00.13 ID:mSWliIW00
-
周りを見わたしても、座れそうな場所はない。
まあ、大して期待をしていたわけではない。いつもこうである。
適当に入り口付近に立ち、吊り革に手を伸ばす。
(-、-トソン「…………」
吊り革はなんだか温かかった。
まあ、誰かが私の前にこの吊り革に掴まっていたのだろう。
おじさんの体温の残滓である。
前に誰かが座っていた椅子のぬくもりのようなものだ。きっと。
きっと。
(-、-トソン(さっきの駅、誰も降りなかったよなあ……)
そっと吊り革から手を離す。
なんだか、気のせいだとは思うんだけど、温度以外にもおかしなところがあったような気がする。
吊り革に一瞥もくれず、もう一度掴んでみる事にした。
ぐにゃり。
はい。違和感の原因かくにーん。
そうだ。なんだか柔らかかったのだ。
うん、一瞬柔らかいんじゃないかなあ、とは思ってたんだけど、ちょっと認める勇気が無かっただけである。
だって、柔らかくて、温かい吊り革って、その、
……まるで、生きているみたいではないか。
- 71 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:10:02.13 ID:mSWliIW00
-
(-、-トソン(ないない、生きてるとか絶対ない)
そんなファンタジーじゃああるまいに。
そもそもね、そういう非現実的な出会いとかそういうものは、
モラトリアムな青少年に与えられるべきものなの。
さすがに、そろそろ親に見合いを勧められる年頃になったOLのもとにやってきても、ねえ?
とりあえず、吊り革を力いっぱい握ってみた。
「いたい」
(゚、゚トソン(はいしゃべったー!!)
生きてる。本当に生きているかもしれない。まさか。
……おーけー、落ち着け私。そもそもお前が掴んでいるソレは本当に吊り革なのか?
もしかしたら、網棚の上に乗るのが習慣の人がいるかもしれないぞ?
その人の腕が、だらりとぶら下がってきているだけかもしれないぞ?
私は、そんな誰とも知らぬ変人の腕を掴んでいるのかもしれないぞ?
……おーけー、私。そろそろ現実を見ようか。
電車に乗った瞬間からなんか変な気はしたんだよね。
なんちゅうか、目を上げてはいけないような感覚?
一生懸命目を伏せて電車に乗ってはみたけど、ここらが限界なのではなかろうか?
(-、-トソン(せーの、)
- 73 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:12:18.52 ID:mSWliIW00
-
(゚、゚トソン カツモクッ
( ・∀・)「どーも、絶賛吊り革のアルバイト中。暴虐のドラゴン・モララーですっ★」
- 74 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:15:35.21 ID:mSWliIW00
- そのドラゴンは、全身が黒かった。
体の前面、お腹の方は白い鱗で覆われていたものの、
そのほかの場所は、真っ黒な――むしろ、真っ暗な――鱗で覆われていた。
夜道で後ろから見たら、そこにいることすら気付かないかもしれない。
精悍な(ドラゴンにこの形容はいかがなものかとは思うけれども)顔つきで、すみれ色の瞳が美しい。
蛇や鰐のような攻撃的な鋭さを持ち合わせておらず、どこか柔和な雰囲気すら漂わせている。
確かに格好良いドラゴンではあるのだが(少々低俗な表現をするなれば、イケドラ?)、なんだか可愛らしい印象でもある。
瞳は温厚な光――全身の鱗から吸収した光を発しているような錯覚を覚える――を湛え、
微笑むように、そのドラゴンはそこにいた。
そのドラゴンは網棚の上に寝そべっていた。
腹這いに網棚の上で横になって、翼を器用に折りたたみ、丁度吊り革の辺りに尻尾の先端を垂らしている。
私が掴んだのは、そして力いっぱい握り締めたのは、どうやらその尻尾らしい。
体長を同じくらいの長さの尻尾は、根元にいくにつれてどんどんと太くなり、
なぎ払えば、大木すら一撃で倒せそうなほどの迫力がある。
翼は背中から生えており、どうやら前足とは別モノのようである。
そう考えると、このドラゴンは肢が3対あることになる。不思議だ。
そして、これは私の悪い癖だとは思うのだけれど、
どうやら私は自分の理解を超えたことに遭遇すると、そのまま周囲の状況に目が向いてしまうのである。
それから、その詳細について内心で描写して見せたりする癖があるのだ。
……要するに、この思考は私の現実逃避の賜物である。
それでも、今回ばかりは私は私を少し褒めてあげたい。
普段であれば、描写するのは今日の天気であったり、そばにいる人の様子だったり、
三人称視点で見た私の様子の想像であったりするのに、
今回は”ドラゴンの尻尾を掴んでいる”という現実に対して、そのドラゴンの描写をしているのだ。
これは少し、私の成長の証だと思う。そう、私はいつまでも成長をやめない女、都村トソン。
- 75 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:18:47.73 ID:mSWliIW00
-
(゚、゚トソン「そう、私はいつまでも成長をやめない女、都村トソン!」
( ;・∀・)「うわ、この人やばい人だ!」
(゚、゚トソン「だって問題に直結することを考えてるもんね!」
( ・∀・)「大丈夫ですか? ボクは暴虐のドラゴン・モララーですよっ!」
(゚、゚トソン「これはこれは。私は、いつまでも成長をやめない女、都村……」
( ・∀・)「いえ、結構です。人の名前は聞かないことにしているので」
(゚、゚トソン「都村トソンと申します」
( ・∀・)「…………あは」
(゚、゚トソン「よろしくお願いします」
- 77 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:21:30.47 ID:mSWliIW00
-
( ・∀・)「それで、ボクは暴虐のドラゴンなわけですけれども」
(゚、゚トソン「はあ」
( ・∀・)「驚いたりしないんですか?」
(゚、゚トソン「まあ、なんというか、驚き終わってしまったもので」
( ・∀・)「なるほど」
(゚、゚トソン「むしろそれよりも気になることがあるというか」
( ・∀・)「はい、なんでしょう? 先回りして答えておくと、ドラゴンっていうのは実在する存在ですよ!」
(゚、゚トソン「いえ、それは見てわかります。
聞きたいことというのは、”網棚の上、狭くないですか?”ということです」
( ・∀・)「ボクのドラゴン的に暴虐的な能力として、
”体の大きさを自由に変えられる”というものがありますので大丈夫です」
(゚、゚トソン「ふむ、便利ですね」
( ・∀・)「ええ。
捕食対象と同じくらいの大きさになれば海外需要の大きい、お腹ぱんぱん萌えにも対応できますし、
むしろ逆に超大きくなってサイズフェチの需要も満たせます。
部分的にサイズチェンジも一応できますので、竜姦派の方にもご満足いただけるかと」
(゚、゚トソン「サービス精神旺盛なのですね。そういうの、嫌いじゃないですよ」
- 78 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:25:06.91 ID:mSWliIW00
-
( ・∀・)「そんなわけで、今ボクは吊り革のアルバイト中なのです」
(゚、゚トソン「勤労の義務とやらが、ドラゴンにもあるのですか?」
( ・∀・)「あは、これはボクの趣味みたいな物です。まあ、ないわけでもないですが」
(゚、゚トソン「もうかりまっか?」
( ・∀・)「ぼちぼちでんな」
(゚、゚トソン「時給はおいくらくらい?」
( ・∀・)「そうですね、日給一人くらいです」
(゚、゚トソン「それは、分のいい仕事なのですかね?」
( ・∀・)「人間をみてると退屈しないので、まあまあですかね
夏は匂いが辛いことも有りますが、フレグランスなブレスで凌げるのでなんとかなっています」
(゚、゚トソン「あ! 朝、匂いの酷い人の隣に立ってしまって凹んでいると、
急にフレグランスな香りが漂ってきたのですが、それってまさか」
( ・∀・)「あは、たぶんボクのフレグランスブレスです」
(゚、゚トソン「その節はお世話になりました」
( ・∀・)「お安い御用ですよ」
- 80 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:30:01.92 ID:mSWliIW00
-
(゚、゚トソン「ふと思ったのですが」
( ・∀・)「なんでしょう?」
(゚、゚トソン「あなた、人にばれないんですか?」
( ・∀・)「ああ、なんだかようやくやっとまともな質問をされた気がします」
(゚、゚トソン「ばれても大丈夫なんですかね?」
( ・∀・)「まあ、ボクに気付ける人があんまりいないのですよ」
(゚、゚トソン「ふむふむ」
( ・∀・)「人間というのはすばらしいものです。
自分で”ない”と認識したものを、本当に”なかった”ことにできるのです。
大抵の人間はドラゴンなんて信じませんから、ボクを見ても”いなかった”ことにしてしまうのですよ」
(゚、゚トソン「掴んでも?」
( ・∀・)「そもそも掴むためにはボクに気づかないといけないので、その質問は意味を為しません」
(゚、゚トソン「そうなのですか」
( ・∀・)「あは、ボクはそんな”人間”が大好きですよ」
(゚、゚トソン「ありがとうございます」
( ・∀・)「あなたはあんまり好きじゃあないです。けっこうかなりとってもやりづらすぎます」
- 81 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:33:21.68 ID:mSWliIW00
-
(゚、゚トソン「つまり、あなたは一般人には認識されていないわけですよね?」
( ・∀・)「そうなりますね」
(゚、゚トソン「じゃあ、あなたとおしゃべりしてる私は、どういう目で見られているのでしょうか」
( ・∀・)「誰にも見られていないと思いますよ」
(゚、゚トソン「なぜ?」
( ・∀・)「あは、周りを見ればわかりますって」
(゚、゚トソン「……ああ、なるほど」
( ・∀・)「あなたとおしゃべりはじめたあたりで催眠ブレスをしましたからね。
乗客みぃんなぐっすりおやすみです」
(゚、゚トソン「私は眠くないのですが」
( ・∀・)「がんばりました」
(゚、゚トソン「その一言で片付けにかかるなんて暴虐的ですね」
( ・∀・)「あは、暴虐のドラゴンは暴虐的なので暴虐的に”何でもアリ”なのですよ」
- 83 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:36:05.00 ID:mSWliIW00
-
(゚、゚トソン「ああ、どうやらそろそろ電車が止まるようです」
( ・∀・)「止まりますね」
(゚、゚トソン「そしてそこは私の家の最寄駅のようです」
( ・∀・)「そうなのですか」
(゚、゚トソン「それではそろそろお暇させていただこうかと」
( ・∀・)「それは無理な相談です」
(゚、゚トソン「ですよねー」
( ・∀・)「あは、わかってるじゃないですか」
(゚、゚トソン「普通、こういうシチュエーションのオチは『生きて返すと思ってるのかー』ですもの」
- 85 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:40:03.91 ID:mSWliIW00
-
( ・∀・)「ボクは一日働き詰めでしたので疲れています」
(゚、゚トソン「吊り革の振りして網棚で寝転がってるだけなのに?」
( ・∀・)「ですからあまり暴れないでくれると助かります。
そろそろhardvoreをお好みの名無しさんが訪れてもおかしくない頃合な気もしますし」
(゚∀゚トソン「だが断る」
( ・∀・)「ですよねー」
ヾヽ(゚∀゚トソン ノシ「だれがwwww死んでwwwwwwwたまるwwwwもんですwwwwwかwwwwwwww」
( ・∀・)=3「はい、麻痺ブレス〜」
ヽ(゚∀゚トソン ノ カチーン
( ・∀・)「さて」
( ・∀・)「ハ イ パ ー 捕 食 タ イ ム 、はじまるよー」
- 87 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:42:33.63 ID:mSWliIW00
-
ドラゴンが網棚を降りて、私の隣に立ちました。
とはいっても、首が動かないので本当にそうであるのか、確認する術はありません。
わき腹に何かの感触を感じます。ドラゴンが爪で私を小突いているのだと思われました。
それから、私の胴を握ったようです。力が込められ、とても痛くそして苦しいです。
ですが、私の体は身じろぎ一つできず、声すらあげることがかないません。
「あは、ちゃあんと良く効いているみたいですね。麻痺ブレス」
ドラゴンの声が耳元で聞こえました。染み渡るような、優しいテノールです。
しかい、その魅惑のバリトンボイスは私の心を落ち着かせることはせず、ただただ焦りを募らせるばかりです。
どうしましょうどうしましょう。私はこのまま、電車の中で暴虐のドラゴンに殺されてしまうのでしょうか。
どうしましょうどうしましょう。私はこのまま、アホ面こいて死ぬのでしょうか。
どうしましょうどうしましょう。焦りのあまり、私が最初どんなモノローグをしていたのか、全然全く思い出せません。
一人称敬語でしたっけ、そもそも一人称でやってましたっけ、日本語であってますか、ドラゴン対応言語とかの方がいいのでしょうか。
「麻痺ブレス、便利なんですよね。対象の”随意運動”のみを麻痺させるブレスです。
内臓の運動まで麻痺させてしまわないので、死ぬ事がありませんから」
私の体が急に解放されます。どうやら手を放したようです。
息が目いっぱい私の肺を満たします。握られた際に吐き出してしまった分の外気です。
ドラゴンが私の体を掴みなおしました。
また力いっぱい――ドラゴンにとっては赤子の手をひねるような物かもわかりませんが――やられるかと思って心構えてしまいます。
身構えることはできません。体が動かないのですから。
ですがその心配は杞憂だったようで、ドラゴンはそっと優しく、人形を掴むような手つきで私を掴みました。
- 89 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:46:21.40 ID:mSWliIW00
-
ドラゴンが私を抱え、自身の顔へと近づけました。
私の体はいとも容易く宙へ浮いてしまいます。
その容易さといったら、人形遊びのようでした。
私の体を使ってする、ドラゴンの人形遊び。
それが危険でないものだったらどれだけ良いでしょう。
( ・∀・)「あは、今度は女の子で良かったです」
ドラゴンの顔は、近くで見れば見るほど、凛々しい顔でした。
ただし、柔和だと思った雰囲気はほとんど消えうせ、
代わりにそのすみれ色の瞳に浮かぶのは、欲望の色です。
……女の子で、良かった?
その想像に、辿り着いてはいけない。
せめて心だけは強く持たねばならないと思うのです。
心の奥まで想像が辿り着いてしまえば、私は負けてしまいますもの。
いけない。いけない。
それとも、発狂してしまえば心は楽なのでしょうか。
ドラゴンが口を開きました。
鮮やかなピンク色の口内が覗きます。
象牙のように白く美しく、そして石器のような形をした牙が整然と立ち並んでいます。
ぬらぬらと光る舌は分厚く、艶かしく動きます。
巨大ななめくじが這うような気持ちの悪い動きでいて、
決して明るみに出ることの無い神秘的な内臓のような、魅力ある動きでした。
- 90 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:48:48.26 ID:mSWliIW00
-
( ・∀・)「どぉですか? 怖いですか? あは、でも今回その恐怖を取り除いてあげる事はしません」
ドラゴンが口が迫ります。目を瞑ろうにも、目蓋は私の意思ではありません。
もしも私がお人形になってしまったら、こんな感じなのでしょうか。
子供が放り出して、床に投げ出されたお人形。
その人形を犬が見つけたのです。
犬は人形を咥えようと口を開いて……。
ぶにゅ、という擬態語がこれ以上ふさわしいものはない、という感触が顔全体を覆いました。
何か柔らかいものが、私の顔に押し付けられたのです。
まるで私の顔の形をとるかのように、ソレにずっぽりと私の顔は埋まっていきます。
しっとりと濡れそぼち、とても温かいもの。
それはドラゴンの舌でした。
( ・∀・)「やっぱり、女の子の方がヴィジュアル的にきれいだよね」
私から口を離したドラゴンは、にたり、と笑いました。
まるで花を散らしたかのように、禁忌的で卑猥な微笑みに見えました。
その口から垂れた舌から、唾液が滴り落ちます。
ざらざらとした表面の舌は、私との間にも一本の糸を渡していました。
ぬらりとした動き、つやつやとしたきらめき、私は舌から目が離せなくなりました。
そして、ねっとりと糸を引きながら、唾液はどこかへ零れて行ったのです。
- 92 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:51:59.78 ID:mSWliIW00
-
続いてドラゴンは、あんぐりと口を開けます。
吐息が私にかかります。
生臭い、といいますか、ケモノくさい、といいますか、とにかくそのような匂いがします。
ですが、そのにおいには、一切不快なところが無く感じられました。
( ・∀・)「あーん」
ドラゴンは上を向いて口をあけました。
それと共に私の体は持ち上げられ、丁度口の上にぶら下げられる形となります。
私は下を見ることが叶いませんが、状況の想像ができないほど愚かではありません。
足元には、きっとドラゴンの口が広がっているはずです。
血色のいいピンク色の空間。
庭園に立つ彫像のように牙が立ち並んでいて、その中央から舌が伸ばされています。
ニクアツで柔らかな舌は、私の足先をくすぐるようにちろちろと動いています。
その奥に広がる、黒い黒い闇。深淵へと繋がる、洞窟の入り口。
そんな光景が脳裏へと浮かびます。
自由に動けない私には見ることができないので、想像する事しかできないのです。
( ・∀・)「あは、そろそろ大丈夫ですかね? 力を抜いて、深呼吸するといいですよー」
ドラゴンが喋るたびに、彼の口はぬらぬらと動きます。
それから、その指が離されました。
- 94 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:54:26.41 ID:mSWliIW00
-
私の体は重力に従って落ちます。もちろん行き先はドラゴンの口の中。
ぶにょ、と私の体を受け止めたのは、例の如くその舌です。
舌で良かったというべきなのかもしれません。もしも落ちた先が牙だったならと思うと、……寒気がします。
ドラゴンの口が閉じられます。
あ、という声すら出せず、私はただその光景を見送ります。
そしてドラゴンは、まるで飴玉を舐めるように、口の中で私を転がし始めました。
転がされるうちに、私はドラゴンの口の中の、いろいろなところに体をぶつけました。
柔らかい舌なら、最高です。頬や口蓋でも、そこまで痛くはありません。
牙にぶつかってしまうと、受身を取っても、これがけっこう痛かったりします。
どこからともなくあふれ出る唾液が私の体を濡らしていきます。
もう既に服はべっちゃりと唾液まみれで、気持ちが悪いです。
全身から、ドラゴンの匂いがします。まるで私という存在が、においから消えていくかのような、そんな錯覚に陥ります。
いえ、その表現は少し間違っているでしょう。
私という存在が、ドラゴンに塗りつぶされていく感覚なのです。
( ・∀・)「あは、おいしっ★」
- 95 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 22:57:10.36 ID:mSWliIW00
-
全身という全身が、唾液まみれでぬるぬるします。
口内でもてあそばれて、すっかり疲れ果ててしまいました。
いつの間にかドラゴンの口は、わたしをすっぽりと包み込む大きさとなっていました。
そこに、光が差します。
ドラゴンが口を開いたのです。
真っ暗な口の中で、私の顔が、細く映し出されます。
ドラゴンの口の向こうに、外の光景が見えました。
人々の眠りこける車内。スーツ姿の男たち。ぶら下がる吊り革。窓。扉。
( ・∀・)「ほら、外ですよー。見えますね?」
ドラゴンの声が、文字通り体全体に響き渡ります。
( ・∀・)「今なら出れますよ? ボクは口をあけてますから」
銀色の扉が開かれました。
その向こう側に、見慣れた景色が映りました。
アスファルトの駅のホーム、看板に描かれた文字は、毎日通う、最寄駅の名前を指し示しています。
一歩踏み出せば、そこに日常が広がっているのです。
ドラゴンの口と、電車の扉。二重の門をくぐれば、すぐそこに!
私は疲れた体に鞭を打ち、足に力を込めました。
踏み出した一歩も舌に吸収され、ろくに歩を進められません。
ですが、それでも、私は前へ進むのです。
一歩! あと、少し!
- 97 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 23:00:06.78 ID:mSWliIW00
-
しかし、無常にも。
扉は、ぷしゅうと間抜けな音を立てて。
隙間を細めていきます。
それから。
( ・∀・)「ばくん」
ドラゴンの口も閉められてしまったのです。
( ・∀・)「あは、残念。時間切れー★」
- 101 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 23:03:03.82 ID:mSWliIW00
-
( ・∀・)「ごっくん」
そして、ドラゴンは私を呑み込みはじめました。
いつの間にか、口の中は狭くなり、もうぎちぎちです。
私を呑み込もうにも、途中でつっかえて止まってしまいます。
( ∀ )「う、へぇ……」
ドラゴンが苦しそうに息を吐きました。
そして、もう一度ごくんと喉を鳴らします。
それでも私の体は喉から落ちずに、その場に留まります。
( ∀ )「ぐぐ……」
外から、何か硬いものが私の体を押さえつけます。
きっと、ドラゴンの喉仏です。
それは戻ったかと思えば、何度も何度も押し付けてきて、とても苦しいです。
……ですがきっと、ドラゴンはもっと苦しいのかもしれません。
( ∀ )「ぅ、はぁ……っ」
それが何度か繰り返された後に私は、それからドラゴンは、その苦しみからようやく解放されました。
私の体がどんどん、どんどんと闇を纏うドラゴンの深淵へと落ちていきます。
- 103 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 23:06:03.04 ID:mSWliIW00
-
ぬるぬるとした壁を滑って落ちていき、
体感的にしばらくの後、少し開けた場所で、私の体は落下を止めました。
( * ∀ )「あは」
そこはなんだか空気が薄く、呼吸もままなりません。
湿度も高く、とても不快ではありました。
( * ∀ )「さいっ、こうだ……」
そこは、なんだか不思議な匂いのする空間でした。
半分くらいは私の体に纏わりついたドラゴンの匂いで、もう半分はドラゴン以外の者の匂いでした。
半分くらいは散々浴びてきた唾液の匂いで、もう半分はなんだかすっぱい匂いでした。
半分くらいは生きていて生きていく者の匂いで、もう半分は死にいく者の、それから死んだ者の匂いでした。
( * ∀ )「イノチが食事に変わる瞬間……」
食事が、イノチに変わる瞬間。
半分くらいは、イノチの匂い。半分くらいは、食事の匂い。
私が、イノチに変わる匂い。
- 105 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 23:09:11.30 ID:mSWliIW00
-
( * ∀ )「あは、あは、あはは」
そこは、不思議ととても気持ちの良い空間に思われました。
とても温かく、柔らかな肉が私を包みます。
ドラゴンの心音が、血流音が、とても身近に聞こえます。
まるで、母親の胎内にいるかの如くに。
朦朧とした頭に、しっとりと響きます。
どくんどくんどくん、とくんとくんとくん。
さらさらさらさら、ざーざーざーざー。
肉の襞が、私に密着しました。
それがまたなんだか心地よくて、うっとりとしてしまいます。
そういえば、私は疲れているのでした。
仕事帰りで、電車では座れなくて。
ああ、なんだかとても気持ちがよくて、
すぅっと、
- 107 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 23:12:05.62 ID:mSWliIW00
-
「ご ち そ う さ ま で し た」
- 108 名前: ◆Qs5BtNLYzU 投稿日:2010/07/19(月) 23:14:17.38 ID:mSWliIW00
-
( ・∀・)よん。暴虐のドラゴンさんとあそ
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/07/19(月) 23:28:53.32 ID:DKL5k6zc0
- こんばんは。
( ・∀・)は暴虐の限りを尽くすドラゴンのようです、をお読みくださり、ありがとうございます。
◆Qs5BtNLYzU 代理の者です。
早速ですが、本題に入りたいと思います。
代理ではなはだ失礼かとは思いますが、読者の皆様に、お詫び申し上げます。
私が先ほど◆Qs5BtNLYzU のもとを訪れると、暴虐のドラゴンと名乗るドラゴンが現われました。
その暴虐のドラゴンに◆Qs5BtNLYzU は、自ら望んで、PCともども食べられてしまったのです。
そのときの◆Qs5BtNLYzU の嬉しそうな顔を、私はとてもよく覚えています。
その後、暴虐のドラゴンと名乗るドラゴンは、どこかへと飛んでいってしまいました。
その際、作者と共に書き溜めが失われてしまい、続きの投下が困難な状況となっております。
従って、( ・∀・)は暴虐の限りを尽くすドラゴンのようです、は以上で終了とさせていただきます。
読者の皆様には大変申し訳ございません。ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。
それでは、失礼いたします。
皆様のご健勝の程、お祈り申し上げております。
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