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( <●><●>)半分の月のように生きていくようです |
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:04:32.30 ID:9TN9OV8e0
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――ねえやさしい恋人よ 私の惨めな運命をさすっておくれ ――萩原朔太郎 『薄暮の部屋』
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:06:54.17 ID:9TN9OV8e0
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( ´∀`)「おーいビロード、ちょっと頼みごとがしたいモナ」 ( ><)「何ですか、モナー先生?」 ( ´∀`)「ちょっと資料室から次の授業の教材、教室まで運んでおいていて欲しいモナ」 ( ><)「ガッテンなんです!!」 ( ´∀`)「結構量多いから、誰か一緒に手伝ってもらうといいモナ。それじゃよろしく」 ガラガラ…… ( ><)「困ったんです。誰に頼みましょうか……。ちんぽっぽちゃんは見当たらないし」 ( <●><●>) ( <-><->) ( <●><●>)「ビロード」
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:09:01.95 ID:9TN9OV8e0
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( ><)´ ( ><)「ワカッテマス君!」 ( <●><●>)「手伝いが必要なのはワカッテマス。行きましょう」 (* ><)「ありがとうなんです!」 ( <へ><へ>) テクテクテク (* ><)「いやぁ~助かっちゃったんです。僕、身長低いから」 ( ><)「一人で取りに行ってたら、あの棚の高さに絶望していたところなんです!」 ( <●><●>)「そうと分かっているなら、モナー先生もビロードに頼むのはちょっと判断ミスですね」 ( <●><●>)「本当にビロードは小さいですから」 (; ><)「うぅ! 自虐しつつも面と向かってそう言われると辛いんです!」
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:11:14.20 ID:9TN9OV8e0
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( ><)「でもでも! ワカッテマス君は背も高くて羨ましいんです!」 (* ><)「はぁあぁ、僕もそのくらいノッポさんなら女の子にもモテそうなんです!」 ( <●><●>) ( <へ><へ>) ( <へ><へ>)「小さいのは小さいので、きっとモテますよ」 (* ><)「そ、そうですか? へへへ」 (,,゚Д゚)「そんでよー、先輩の彼女がさー……」 ( ・∀・)「マジかよ! それ超エグイなー!」 ドカッ (;<●><●>)「あっ」
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:13:28.51 ID:9TN9OV8e0
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バサバサ (#,,゚Д゚)「いってーなゴラァ! どこ見てんだよ!」 ( ・∀・)「っておいおい、ワカッテマスじゃんかよ」 ( <●><●>)、「す、すいません」 (#,,゚Д゚)「お前かよ! ったく図体デカいとノロマで邪魔くさいってーの!」 ( ・∀・)「仕方ないよー。ワカッテマスは愚図だもんな。眼はデカいくせに前が見えてないし」 ( <-><->)、 (# ><)「酷いんです! そっちが不注意なのがいけないんです!」 (,,゚Д゚)「何だお前までいたのか」 ( ・∀・)「こっちは小さすぎて気が付かなかったwwwww」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:15:47.81 ID:9TN9OV8e0
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ヽ(# ><)ノ「きょえええええ! いいから黙って落ちた教材を拾いやがれです!」 (,,゚Д゚)「やだよ、バーカ。行こうぜ」 ( ・∀・)「じゃあな凸凹」 ゲラゲラゲラ…… (# ><)「ムキ――っ! 何たる暴挙! 許し難いんです!」 ( <●><●>)「いいですよ、ビロード。僕がよそ見していたのが悪いんです」 (; ><)「そんなこと言ってちゃダメです! よそ見してたのは向こうなんです!」 (# ><)「今度あいつらの下駄箱をボンドで固定してやるんです! 仕返しです!」 ( <へ><へ>)、
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:17:54.27 ID:9TN9OV8e0
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( <●><●>)「ビロードは本当に、勇ましいですね」 ( ><)「そんなことないんです。ただ昔からこうやってからかわれてきたから耐性が付いただけなんです」 (# ><)「ヒヒヒ、ボンド塗れの下駄箱の前で地団駄を踏む奴らの顔が浮かんでくるようです……!」 ( <●><●>)「僕も昔から嫌な事されたりはされましたけど、未だに慣れません」 (; ><)「そうなんですか? 酷い話です! ワカッテマス君をいじめるなんて!」 ( ><)「こんなカッコよくてスマートなのに! きっとそいつら全員嫉妬してたんです!」 ( <●><●>) ( <へ><へ>)、「買いかぶりすぎなのはワカッテマス」 (* ><)ノシ「またまたそんな~!」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:20:32.39 ID:9TN9OV8e0
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* * * ( ´∀`)「えー、であるからして、この時代にはこんな戦争が――」 ( <●><●>) ( <-><->) カリカリカリ ( <●><●>) ポコッ ポコッ (;<●><●>)´ (;<●><●>) (何か、背中にぶつけられてる?) (;<●><●>) (消しゴムかな……) (;<●><●>) チラッ
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:22:58.04 ID:9TN9OV8e0
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(,,゚Д゚)「へへへ……」 ( ・∀・)「おいおい、こっち見てるぞw」 (,,゚Д゚)「うるせぃ。次はあの女顔な。命中したら五十点。今んとこオレが百点リードだぜ」 (; ・∀・)「待て待て、まだ消しゴム千切ってない……」 (;<●><●>) (また……ギコ君とモララー君) ( <-><->)、(無視しておこう。ほっといたらきっと、やめてくれる……はず) ポコッポココッ ポコッ ii|i||(# ><)|i||ii ガタッ (# ><)ノ「先生!! さっきからギコ君とモララー君が真面目に授業受けてないんです!!」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:25:09.38 ID:9TN9OV8e0
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( ´∀`)「なん……だと……?!」 (;,,゚Д゚)「び、ビロードてめえ!」 ( ´∀`)「モナの授業を真面目に聞かなかった奴は全員……」 (# ´∀`)「チョークで額に風穴開けた伝説は嘘じゃないモナ!!」 ビビビッ スココン! (; ・∀・)「いてええええええ!!」 (;,,゚Д゚)「くそ! マジで投げやがった!!」 (* ><)「ざまぁみやがるんです!」 (# ´∀`)「お前モナ! 授業中によそ見するんじゃない!」 (; ><)「ぎゃあ! 何で?!」
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:27:24.58 ID:9TN9OV8e0
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( <●><●>)、(ビロード……) チョンチョン ( <●><●>)´ (*‘ω‘ *) チョンチョン ( <●><●>) (ノートの切れ端……手紙ですか?) ( <●><●>) パラ…… ( <●><●>) (き、にす、るなっぽ) ( <-><->) (ちんぽっぽちゃん……) ( <●><●>) (あ、りが、とう――と) ( <●><●>) チョンチョン (*‘ω‘ *)´ ( <へ><へ>) (*‘ω‘ *)「ぽぽぽ」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:29:12.94 ID:9TN9OV8e0
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キーンコーンカーンコーン ( ´∀`)「よーし、じゃあ三時限目は終わり。次は体育だから着替え急ぐように」 (; ><)「酷い目に遭ったけど、やってやったんです」 (*‘ω‘ *)「でも自分まで被害こうむってちゃカッコわるいっぽ」 (; ><)「面目ないんです」 ( <●><●>)「カッコ良かったですよ」 ( ><)´ ( <へ><へ>)「ありがとうございます、ビロード」 (* ><)「へへへ~、当然のことをしたまでですよぅ」 (*-ω- *)-3 フー (*‘ω‘ *)「やれやれだっぽ」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:31:52.49 ID:9TN9OV8e0
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ガヤガヤガヤ…… ( ><)そ「ハッ!」 (; ><)「ちんぽっぽちゃん! 早く女子の更衣場所に行った方がいいんです!」 ( ><)「ここはもうすぐ見るも無残な男の園と化してしまうんです!」 (*‘ω‘ *)「言われなくても退散するっぽ」 ( <●><●>) ゴソゴソ ( ><)「ワカッテマス君は今日もおトイレでですか?」 ( <●><●>)「あ、はい」 ( <●><●>)「すぐ着替えてきますから。待ってなくていいですよ」 (* ><)「ワカッテマス君は恥ずかしがり屋さんなんです! ゆっくりしてきていいですよ!」 ( <へ><へ>)、 (*‘ω‘ *)「…………」
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:33:57.18 ID:9TN9OV8e0
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(,,゚Д゚) ・∀・) ガチャ ( <●><●>) (( ( <●><●>) )) キョロキョロ ( <-><->) (誰もいない、良かった) ( <●><●>) (どうしよう。用を足したいけど) ( <●><●>)、 チラッ ( <-><->) (たまには、個室じゃない方で。いつもは人がいて恥ずかしいから) ジィー チョボボボ……
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:36:46.92 ID:9TN9OV8e0
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( <●><●>)、(トイレも落ち着いて出来ない……嫌だな) ( <-><->) (でも、もう慣れたし) ガチャ! (;<●><●>)そ (え!) (,,゚Д゚) ・∀・) ニヤニヤ (;<●><●>)、(ギコ君とモララー君?) (;<●><●>) (何しに、来たんだろ) (;<-><->) (いや大丈夫、用を足しているだけ、大丈夫、大丈夫……) (;<●><●>)、(早く終わらせて、水を流して、手を洗って、個室に入って――)
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:38:52.72 ID:9TN9OV8e0
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(,,゚Д゚)「おい」 (;<●><●>)そ (;<●><●>)「な、なんですか? 今、お手洗いの最中なんですけど」 ( ・∀・)「あ、いいよいいよー。別にそのままで」 ( ・∀・)「俺らちょっと見物に来ただけだから」 (;<●><●>)「見物……?」 ( ・∀・)「うん、見物wwwww」 (,,゚Д゚) ・∀・) ニヤニヤ (;<●><●>)「…………」 (,,゚Д゚)「お前着替えの時とかいつもここだし、トイレも個室ばっかだろ」 (,,゚Д゚)「他の男子と話していてよ。もしかして“あそこ”に自信がないから隠してんのかなーって」
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:40:57.31 ID:9TN9OV8e0
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(;<●><●>)、「あ、あそこ……?」 (;<-><->) (早く、早く終わって! どうしてこんな時に、長い、どうして!) (,,゚Д゚)「わっかんねーかな。チンコだよチンコ!」 (;<●><●>)「え……」 ( ・∀・)「だからー、ちょっと覗きに来ただけー」 ヒョイッ (;<○><○>)、「え、ええ、えっ、え、え? え、あ、あ!」 (,,゚Д゚) (*,,゚Д゚)-3 「ぶほwwwww」
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:42:55.62 ID:9TN9OV8e0
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(* ・∀・)「うはwwwwwちっせ! マジちいせ! これ短小包茎って奴かwwwww」 (*,,゚Д゚)「全然図体に似合ってないwwwwこれはwwwwwwマジでヤバいwwwww」 (* ・∀・)「小指だよwwwwww足の小指かもしれんwwwwww」 (;<○><○>) (み、見られただけ。見られただけだから) (;<○><○>) (な、泣くな、泣いちゃダメ。もう、もう終わった……このまま黙って、個室に……) (;<-><->) (いき、詰まりそう……苦しい) (* ・∀・)「おいおいwwwww手洗うの忘れるなよwwwwwww」 (*,,゚Д゚)「もほっwwwぶははははははwwはひひwwwwひひ」 (;<○><○>) (ゆっくり息吸って、吸って、手、洗って、個室、個室、鍵……) ガチン
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:45:48.47 ID:9TN9OV8e0
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(;<●><●>) ハーハー (;<-><->) フー (;<●><●>) (外、まだいるかな?) (;<●><●>) (早く着替えよう。着替えて、ビロードのとこに) ガサガサ モソモソ (( ( <●><●>) )) ( <-><->)、(また小さくなってる。買い替えないと) ( <●><●>) (体ばっかり大きくなって、不便だ……ホント) ピチャ (;<●><●>)´(水……? 上から?)
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:47:56.94 ID:9TN9OV8e0
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バシャアッ! (;<●><●>)「あっ?!」 (* ・∀・)「シャワー攻撃じゃ! そぉおおおい!」 (*,,゚Д゚)「ぶはははははははははは、おま、少しは加減しろwwwwww」 ( -∀-)「ワカッテマスの短小チンコに水をやりましょ~ぉ、ってなぁ!」 (*,,;Д;)「ぶひょはひ! ぶひょおお! や、やばい笑いすぎて! 息がががが!」 キーンコーンカーンコーン ( ・∀・)「おっと、もう授業か」 (*,,゚Д゚)「あーおもろ。さっさと行こうぜ。またどやされるのは勘弁」 ガチャ
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:50:17.72 ID:9TN9OV8e0
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( <○><○>) ポタッポタッ ( <○><○>)「あ、体操服……濡れて」 ( <○><○>)「替え……無い……」 ( <○><○>) ( <○><○>)。 ポロッ ( <-><->)。(どうして? どうしてあんなことするんだろう……?) ( <-><->)。(私の背が高いから……? のろまだから?) (( ( <-><->)。 )) 「う、うぅ、駄目、泣いちゃダメだ……」 ( <○><○>)。(でも……泣きたくてたまらない……) ( <-><->)。「う、うう、うぅぅううう~……――」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:52:05.03 ID:9TN9OV8e0
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* * * ミ,,゚Д゚彡「なに、体操服忘れたのか?」 ( <●><●>)、「すいま、せん」 ミ,,゚Д゚彡「うーん、なら仕方がないなぁ。お前大きいから借してやれそうな予備もないしなぁ」 ミ,,゚Д゚彡「見ててもつまらないだろうし、教室の鍵返すから戻って予習でもしてろ」 ( <●><●>)「見学はいいんですか?」 ミ,,゚Д゚彡「どうせ見学レポート出されても大概出席点はあげるし、俺もめんどくさいしいいよ」 ( ・∀・)「先生ー! ワカッテマスはサボりですかー?」 ミ,,゚Д゚彡 ピピー! つσ ミ,,゚Д゚彡「バカモーン! 黙って走れー!」 (,,゚Д゚) ・∀・)「うぇーい」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:54:16.71 ID:9TN9OV8e0
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ミ,,゚Д゚彡「ということだ。真面目に勉強してろよ」 ( <●><●>)、「ありがとうございます……」 ガチャ ガラララ ( <●><●>) ( <-><->) スーッ ( <●><●>) (教室、男子の臭いがする……) カタン ( <-><->) (どうしよう……予習、もう家でやっているし。もう一回やっとこうかな) ( <●><●>)´ ( <●><●>) (ビロードの席……)
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:56:06.98 ID:9TN9OV8e0
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ガサゴソガサゴソ ( <●><●>) (ビロードの制服……小さい、本当に小さい) ( <●><●>) )) グッグッ (;<●><●>) (私じゃ袖も通せなさそう。当り前か) ( <●><●>) ( <-><->) スーッ ( <●><●>) (他の男子とはちょっと違う匂いがする) ( <-><->) (少しだけ、甘い感じ……) (*<●><●>) ( <●><●>)、(もう一度、だけ)
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 22:58:06.75 ID:9TN9OV8e0
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ガララー ( ><)´「あ、ワカッテマス君!」 (;<○><○>)そ ガタっ (;<●><●>)「び、ビロード? どうしました?」 (;<○><○>) (今の、見られた……?) (; ><)「いやぁ、今日はキーパーやる手筈だったのに軍手をここに置き忘れたんです」 ( ><)「先生に言ったらワカッテマス君が鍵を――ってそれ僕の制服ですか?」 (;<●><●>)「こ、これは、その」 (; ><)「あ――――っ!!」 (;<○><○>)そ ビクッ
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:01:07.90 ID:9TN9OV8e0
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(; ><)「制服! これ、脇のとこほつれてるじゃないですか!」 (|i| ><)「うわぁあん、兄ちゃんのお古だからこんなことになるんです! あんまりなんです!」 ( ><)´ ( ><)「もしかして、ワカッテマス君。これに気付いて?」 (;<●><●>)「あ、あ、そ、そうです。その、予習するつもりないし、暇だったから」 ( <●><●>)「び、ビロード。その制服、良ければ僕が直しましょうか?」 (* ><)「え、本当ですか?」 (; ><)「あ、いやいや、そんな、朝から助かりっぱなしなんです。ワカッテマス君に悪いんです!」 ( <●><●>)「いいですよ、気にしないで」 ( <●><●>)「ビロードには、むしろ僕の方がいつも世話になっていますから」 ( ><)ξ「うーん……」
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:04:17.51 ID:9TN9OV8e0
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(* ><)「……じゃ、じゃあお願いできますか? さすがに脇に穴が空いてたらカッコ悪くて」 ( <へ><へ>)「ワカッテマス」 カチャカチャ (* ><)「お裁縫道具を持ち歩いているんですか?」 ( <●><●>)「ええ、持っていたらいざという時に役立ちますし」 ( <-><->)「とりあえず布を当てて――応急処置ですけど、幾分マシになるかと」 (* ><)「すごいんです! ありがとうなんです!」 ( ><)「朝の教材といい、ワカッテマス君にはお礼に何か奢らなくちゃいけないですね!」 (*<●><●>)「そんな、いいんですよ。当り前のことです」 ( <●><●>)
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:06:32.02 ID:9TN9OV8e0
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( <へ><へ>)「だって友達じゃないですか」 ( ><)「そうですよね。僕たち友達ですもんね!」 (* ><)「僕はワカッテマス君と友達になれたことを誇らしく思うんです!」 ( <-><->)「そんな大げさな……」 (;<●><●>)´「アイタッ!」 (; ><)「あ、あ、大丈夫ですか? 気を付けてくださいね!」 ( <へ><へ>)、「大丈夫ですよ。ちょっと、指を刺しただけだから」 チクチク、チクチク
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:08:31.96 ID:9TN9OV8e0
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* * * ガチャ ( <●><●>)「ただいまです」 ('、`*川「あら、おかえり」 ( <●><●>) カタン ,(・)(・),「おー、ワカ! お帰りナリだす」 ( <●><●>)´「お父さん? 今日は早かったんですね」 ,(-)(-),「そうナリだす。やっぱり残業のない日はラクチンナリだすね~」 ,(・)(・),「こんなことなら公務員でも目指していればよかったとしみじみ思うナリだす」
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:10:28.69 ID:9TN9OV8e0
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('、`*川「お父さんじゃ学が無いから、どっちみち無理だったわよー」 #,(・)(・),「母さんひどいナリだす!!」 ,(-)(-),「おいどんは日々の精進を忘れない男ナリだすよ? 今だって世情を見極めるため黙々と……」 ('、`*川「はいはい、もうご飯だから。新聞は片付けてね」 #,(・)(・),「ムキャー!!」 ( <-><->) カタカタ 「「いただきまーす」」 ,(・)(・),「ワカ、学校の方はどうナリだす?」 ( <●><●>)´「どうって……?」
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:12:44.49 ID:9TN9OV8e0
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,(-)(-),「そりゃ楽しいとか、つまらーんとか、色々あるナリだすよ」 ('、`*川「お父さん、なかなかワカとそういう話する機会無かったからねー」 ,(・)(・),、「そうナリだすよ。親として責任感じちゃうナリだす」 ('、`*川「でも、正直どんな感じ? 私だってあまり聞いたりしないけど、上手くやれてるかは心配なのよ?」 ('、`*川「ただでさえあなた、そういうこと話したがらないんだもん」 ( <●><●>) ( <●><●>)「別に……普通です」 ;,(・)(・),「フツー? もっと具体的に無いナリだすか?」 ( <●><●>)、「で、でも普通です。友達もいるし、勉強も付いていけているし」 ,(ノ)(ヽ),「えー……なんか面白くないナリだす」 ('、`*川「どーゆー答えを求めていたのよ、あんたは」
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:14:31.01 ID:9TN9OV8e0
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;,(・)(・),「いや、問題ないならいいけど、大事な子供が学校できちんと生活できているか気になったわけで」 ,(-)(-),「最近はイジメとか結構怖いケースがあるナリだす。おいどんは心配なだけナリだす!」 ( <●><●>) モソモソ、パクパク (;<●><●>)´(そういえば、イジメ……) (;<-><->) (別に、アレはいじめじゃないし……言う必要は、ないよね) (;<●><●>) (でも今日の、トイレのアレとか……正直、度が過ぎるし) ('、`*川´ ('、`*川「どうしたの、ワカ? 黙り込んじゃって」 (;<●><●>)「いえ、何でもないです」 ,(・)(・),そ 「ももももしや! イジメられた覚えがあると?!」
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:16:50.39 ID:9TN9OV8e0
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(;<●><●>)、「ち、違います。あれは、その、からかわれただけで」 (;<○><○>) (あ――) ,(・)(・),そ ガーン! ,(;)(;),「や、やっぱり! 実は話したくても話せなくて悶々としていたナリだすね!」 ,(ヽ)(ノ),-3 「許せんナリだす! どこのどいつナリだすか? そのいじめっ子はぁあああ!!」 ('、`;川「ちょ、お父さん憶測でものを言いすぎ。ワカの話を――」 #,(;)(;),「いいやいいやー! これはゆゆしき事態ナリだす! 学校に抗議文を送らなくては!!」 #,(・)(・),「母さん! 電話! 電話ナリだす!」 ('、`;川「落ち着きなさいってもー!」 ( <●><●>)「も」 (#<●><●>)「もういい加減にしてください、お父さん!」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:18:54.13 ID:9TN9OV8e0
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ガタンッ! ;,(・)(・),そ 「ナリだす?」 (#<●><●>)「そんな大袈裟に騒がないでください! もう子供じゃないんです、自分で何とか出来ます!」 (#<●><●>)「大体、お父さんがそんなギョロ目じゃなきゃ、私の眼もこんな大きくならなかったんです!」 ,(;)(;),「えええ? ナニ突然? ていうか、ひどいぃ……」 ('、`;川「ちょっとワカ」 (;<●><●>)、 (#<●><●>)「お、お母さんも! 背が高いから私の身長もこんなに伸びて!」 (#<●><●>)「学校じゃ図体がデカくてノロマだって! 眼が大きいから女顔だって! からかわれるんです!」 (;<●><●>)「それに、それに、もっと、もっと嫌なこといっぱい……ある」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:21:13.27 ID:9TN9OV8e0
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( <-><->)。「もっと普通の、他の人と同じ体に生まれたかったのに!」 ('、`;川「わ、ワカ! どうしてそんなこと言うの!」 ( <●><●>)。「二人のせいです!」 タタタッ ('、`;川「ご飯の途中でしょ?! どこ行くの?!」 「自分の部屋です!」 バタン! ('、`;川「…………」 ,(-)(-),「…………」 ,(・)(・),「おいどんが、騒ぎ過ぎたナリだすなぁ……」
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:23:42.07 ID:9TN9OV8e0
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('、`*川「いやぁ、うん、それはいいんじゃない?」 ('、`*川「でも、そうよね……普通の体なんて言われちゃ……」 (;、;*川「こっちの責任よねぇ……うん。何も言えないなぁ……」 ,(・)(・),、「母さん、気に病んじゃ駄目ナリだす」 ,(・)(・),「おいどんら二人が悪いわけじゃないし、ワカのせいでもないナリだす」 ,(-)(-),「ただ、色んな偶然が重なっただけナリだすよ」 (;、;*川「でも責任感じちゃわない? 産んだのって私たちよ?」 (;、;*川「無理だなぁ、あたし。謝っても謝り切れないよ、あの子に」 ,(・)(・),「…………」 ギッシギッシ、ギッシギッシ ( <-><->) ギュゥウ つ( ^ω^)O
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:26:16.11 ID:9TN9OV8e0
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( <●><●>)「ねぇ、ブーンちゃん。私、どうしたらいいんでしょうね」 ( <-><->)「色んな事が煩わしいのに、なんだか、何もかも後回しにして」 ( <●><●>)「後から後から辛くなるばかりなんて、分かっているのにね」 ( ^ω^)『ボク、ブーンだお! ボク、ブーンだお!』 ( <●><●>) ( <-><->)「ぬいぐるみに聞いても、返事はないよね」 ( <●><●>) (二人に酷いこと言っちゃった……) ( <-><->) (あとでちゃんと謝ろう) ( <-><->) (でも、いまは一人になりたい……)
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:28:22.80 ID:9TN9OV8e0
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( <-><->) (最初から一人ぼっちなら、何も気にする事なんてなかったのにな……) ( <●><●>) ( <-><->) (どうしよう……なんだか寂しくなったら、ビロードの匂いを思い出しちゃった) ( <-><->) (ちょっと甘くて、他の男子とは違う感じの、服の匂い) ( <●><●>) (ビロード……) ( <-><->) (ビロードぉ……)
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:31:01.29 ID:9TN9OV8e0
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「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ、あ、く」 「あっ」 「んふー、んふー」 「ビロード、ビロード」 「ひぁっ」 「う、く、あ、くぅ……あっ」 「くひっ、あ、ぁ」 「んっ」 「はぁ、あ、ああ、はぁあ」 「ひぐっ」 「あぁー、あ、あ」 「んんー、ん、ん、んーっ」 「ビロードぉ」 「はぁ、はぁはぁはぁ、はぁあ、あっ」 「はひっ、ぃぃ、い、ぁ」 「は、ぅ、ぅ、あ、ああ、ぁ」 「んく、んー、んぁ、あ、あぁ、ぁ、ひ、ひき」 「ぐ、ん、んん~……っあ、あく、くぅう」 「ん、く」 「んん」 「ふぅ、ふ、ふあ」 「あ、あ、あ、あ、あっ、あぁ、あ」 「ふあぁ、あ、びろ、ど」 「あぁ、ぁ、ぁぁ」 「い、いぃぃ」 「ぃくぅ」 「っ」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:33:23.78 ID:9TN9OV8e0
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―――――― ―――― ―― その日、夢を見た。 私が月になった夢だ。 蒼い蒼い夜空に、ぽっかりと浮かんだ私。 黄金色に輝いて、眠りに落ちる街を見下ろす私。 でも、私は半月。 半分の月。 満月のように見るも艶やかに煌めくことも出来ず。 新月のように夜の帳へ溶け込むことも出来ず。
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:35:22.76 ID:9TN9OV8e0
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下限の月となった私は中途半端に。 闇を臨んで。 一人で浮かんでいた。 嗚呼、寂しい、なんて寂しい夜なんだろうと。 私は泣いてしまいそうで。 どうして満月に、新月に生まれることが出来なかったのだろうと。 私は泣いてしまいそうだった。 ―――――― ―――― ――
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:37:41.56 ID:9TN9OV8e0
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* * * ( <-><->) モソモソ…… ( ><)「ワカッテマス君?」 ( <●><●>)´ ( <●><●>)「どうしました? ビロード」 (; ><)「あ、いやぁ、何だかお弁当食べながらずぅっと黙りこんでいるから」 ( ><)「なにか悩みごとですか?」 ( <へ><へ>)「大丈夫です。なんでもありませんよ」 ( ><)「そうですか……ならいいんですけど」 (*‘ω‘ *)「ぽぽぽ」 ( <-><->) モソモソ……
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:40:04.39 ID:9TN9OV8e0
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( ><)´ (* ><)「おおお! ワカッテマス君のお弁当、すごいんです!」 ( <●><●>)´「はい?」 ( ><)「おかずもいっぱいあるし、見栄えも綺麗なんです」 ( ><)「今まであまり気付かなかったけど、良く見たらすごく凝ってますね!」 (|i|><)「それに比べて僕のお母さんはセンスないんです! のり弁に唐揚げだけとか!」 ( ><)「ワカッテマス君のおうちが羨ましいんです!」 ( <●><●>)、「そ、そんな褒められたものじゃないのはワカッテマス」 ( <-><->)「それに、これ作ったのは僕ですし」 (; ><)そ 「え――っ!! ワカッテマス君が――っ!!」 (;<●><●>)、(あ……やっぱり、変だったかな?)
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:42:23.41 ID:9TN9OV8e0
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(* ><)「すごいんです! お料理上手なんです!」 ( <●><●>) (*<●><●>)、「いや、そんな」 (* ><)「謙遜することないんです! すごいんです、カッコいいんです!」 (* ><)「ご飯のとこなんか、さくらでんぶでブーンちゃんの絵になっているんです!」 (*‘ω‘ *)「キャラ弁だっぽね」 (* ><)「ブーンちゃん好きなんですか?」 (*<●><●>)「……子供の頃から」 (;<●><●>)「あ、でもどっちかっていうと女の子に人気のキャラだし」 ( ><)ノシ「そんなことないですよ。僕だって子供の頃はブーンちゃんのタオルケットでお昼寝していました!」 (*‘ω‘ *)「でも、確かによく出来てるっぽ。食べるのがもったいないっぽ」
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:44:30.86 ID:9TN9OV8e0
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(*<●><●>)「ありがとうございます、です」 ( ><)「ちんぽっぽちゃんはお料理下手ですもんね……」 (#‘ω‘ *)ノシ「ぽっぽぉい!!」 (; ><)「痛いんです!」 キーンコーンカーンコーン ( <●><●>)「もうお昼休みも終わりですか」 (*‘ω‘ *)「また体育なんだっぽ」 ( ><)「ご飯食べた後に運動はちょっとキツいんです」 (; ><)「これが冬のマラソンとかだったらみんな酷い目に遭っていたんです!」 (*‘ω‘ *)「文句を言っている暇があったら、早く着替えに戻るっぽ」 ( ><)「ちんぽっぽちゃんたちは荷物取りに帰らないんですか?」
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:46:46.44 ID:9TN9OV8e0
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(*‘ω‘ *)「そんなのあらかじめ持って来ているっぽ。男子の着替え中に突撃するのは勘弁だっぽ」 ( <●><●>)「僕もです」 ( ><)「二人とも用意周到なんです!」 ワイワイガヤガヤ ( ФωФ)「おや、ビロードなのである」 (-_-)「ビロード君、まだ着替えてないの?」 ( ><)´「ロマっちにヒッキーなんです! もう着替えてたんですか?」 (-_-)「もうって、そりゃあ」 ( ФωФ)「今日は男子が準備を任されたから、ちょっぴり早く集合なのである」 ( ФωФ)「急がないとフサ先生に怒られるのである」 (; ><)「聞いてないんです! 一体いつそんな話が!」
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:48:32.03 ID:9TN9OV8e0
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( ФωФ)「体育係のギコとモララーが、さっき教室で」 (-_-)「ビロードとワカッテマスにはもう教えたって、二人は言っていたんだけど……」 ヽ(# ><)ノ「聞かされてないんです! ちくしょう、あのDQNども!」 (|i|><)「ってそんなこと言っている暇ないんです。お先に失礼します!」 (*‘ω‘ *)「ぽぽぽ、急ぐがいいっぽ」 ( ><)「ワカッテマス君も急いだ方がいいんです!」 ( <●><●>)、「そうですね」 ( ФωФ)「ほい、教室の鍵なのである」 (-_-)「二人が最後だと思うから、施錠は忘れないでね」 ( ><)b「わかり申したんです! 行きましょう、ワカッテマス君!」 ( <●><●>)「あ、僕はトイレに――」
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:50:40.20 ID:9TN9OV8e0
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グイッ ( ><)「トイレだと遠回りになっちゃうんです! いま誰もいないし、恥ずかしくないですよ!」 (;<●><●>)「え、え、でも、そんな」 (; ><)「遅刻したらフサ先生に尻をスパンキングされちまうんです! 走りましょう!」 (;<●><●>)「ま、待ってビロード、僕は――」 タタタッ ( ФωФ)「ワカッテマスは相変わらず恥ずかしがり屋なのである」 (-_-)「そうだね。いっつもトイレで着替えているし」 (*‘ω‘ *)「ぽぽ……」 (;‘ω‘ *) (心配だっぽ、ワカ……)
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:52:41.29 ID:9TN9OV8e0
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カチャ、ガララ…… ( ><)「急ぎましょう、ワカッテマス君! 今ならまだ間に合いますから!」 (;<●><●>)、「ええ、えっと、そうですね……」 (;<○><○>) (どうしよう、どうしよう、ビロードの前で着替えるわけにもいかないし) (;<○><○>) (でも本当に遅刻しそう……仮病使って休んだ方が) (;<○><○>) (いや、見学でも結局着替えなくちゃ……あああ、どうしたら) (;<-><->) (お腹痛い……なんか、本当に気分が悪くなってきた……) ゴソゴソ (( ヽ( ><)> )) ヌギヌギ (;<○><○>)そ (<●><●>;)彡 サッ ( ><)「よっし! 着替え終わったんです! ワカッテマス君は――」 (; ><)そ 「え――っ!! まだ制服じゃないですか――っ?!」
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:54:57.51 ID:9TN9OV8e0
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(;<●><●>)「ぼ、僕の事はいいんです。着替えたならビロード、先に行って下さい」 (; ><)「そんな薄情な事できません! 今なら大丈夫です! 遅れたら一緒に謝りますから」 (;<○><○>)「じゃ、じゃあせめて外で待っててください!」 <(; ><)>「ぬわ――っ! わかりました! 急いでくださいね!」 ガラピシャー (;<●><●>)-3 ホッ (;<-><->) (良かった。これでとりあえず着替えられる。急がないと……) (( (;<●><●>) )) ゴソゴソ (;<●><●>) (そうだ、体操服小さくなってきてたんだっけ) (;<●><●>) (焦って、上手く入らない……。急がないといけないのに)
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:57:01.83 ID:9TN9OV8e0
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( <●><●>) ( <-><->) (胸の方も大きくなってきたかな) ( <●><●>) (サラシ、苦しいから嫌なのに……最悪だ) ガラッ! ( ><)「ワカッテマス君! もう終わりましたか!?」 (;<○><○>)そ ビクッ (;<●><●>)「大丈夫です! あ、あ、あとは上を着るだけだから!」 (; ><)「つっかえてるんですか? お手伝いします!」 (;<○><○>)「いや! いい、いいから! 大丈夫!」 (; ><)「そんなこと言ってる場合じゃないです!」 グイグイ
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/18(土) 23:59:52.47 ID:9TN9OV8e0
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(# ><)ノノ「むがー! もうちょっとなんです!」 (;<○><○>) (み、見られないように背中向けて、何とかごまかそう) (<○><○>;) )) モゾモゾ (# ><)ノノ グイグイグイ ( ><)´「あれ、何か胸に巻いてます?」 ( ><)「ランニングですか? いや、もっと短いし」 ( ><)ノノ ペタペタ (<○><○>;)そ ビクッ (<○><○>;) (ひっ、背中、触られて、る!) ( ><)ξ「うーん何なんですかね、これ? ワカッテマス君?」 (<○><○>;)「あ、あ、その、これ」
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 00:01:15.23 ID:qBeuVuyj0
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(<○><○>;)「お、お腹、その、あれ、お腹に巻くのが、その、ズレて……」 ( ><)「お腹?」 ( ><)´「あー! 腹巻ですね! なぁんだ」 (* ><)「だとしたらズレすぎですよー。全然お腹に巻けてないじゃないですか!」 (<○><○>;)「え、はは、そ、そうですね。後で直して、おきます」 キーンコーンカーンコーン ( ><)そ ハッ <(; ><)>「ぎゃあああああチャイムが! ヤバいんです! ワカッテマス君!」
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 00:03:02.96 ID:qBeuVuyj0
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(;<●><●>)「大丈夫です。着替え終わりましたよ」 (; ><)「だったら早く行きましょう!! 怒られない僅かな希望に賭けて!」 タタタッ (;<●><●>) (良かった、上手く誤魔化せられたのかな?) (;<-><->)そ グッ (;<●><●>) (安心したら、何だかお腹の痛みが戻ってきた……) (;<-><->) (大丈夫、大丈夫、少し我慢すれば治るよ、きっと)
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 00:05:04.67 ID:qBeuVuyj0
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* * * ミ,,゚Д゚彡「というわけで今日は季節外れのマラソンといこうか」 (; ><)「え――っ!」 (-_-)「聞いてないよ……」 (; ・∀・)「そりゃあんまりだぜ、先生!」 (; ФωФ)「酷いのである!」 (#,,゚Д゚)「謝罪を要求する!!」 ミ#,,゚Д゚彡「ファック! 黙りやがれこの糞ガキども……!」 ミ,,゚Д゚彡「俺がやりたいと思ったからやるだけだ。文句を付ける毎に周回をプラスするぞ!」 ミ,,゚Д゚彡「それに喜ぶがいい。今日は女子も一緒にマラソンだ」 (;,,゚Д゚)「マラソンじゃ全然嬉しくねーよ!」 (; ・∀・)「サッカーにしようぜえ!」
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 00:07:47.46 ID:qBeuVuyj0
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ミ,,゚Д゚彡「ならば貴様だけボールを蹴りながらマラソンするか? あぁン?」 (; ・∀・)「それも勘弁……」 (; ФωФ)「絶対に誰か一人は吐く奴が出てくるのである」 (-_-)「僕、お腹痛くなってきたよ……」 (;<-><->) キリキリキリキリ ( ><)´ (; ><)「ワカッテマス君も顔が青いんです。お腹痛いんですか?」 (;<●><●>)「ちょっとだけ……」 (; ><)「無理することないんです。見学しちゃった方がいいです。ていうか僕も見学したいです!」 (;<●><●>)「でも、この前休んじゃったし、少し我慢すれば治るから……」
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 00:09:53.65 ID:qBeuVuyj0
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(;<へ><へ>)「大丈夫ですよ。ありがとうございます」 (; ><)ξ ミ,,゚Д゚彡「よし、じゃあ始めるぞー! 今日は軽く校庭二十周といこうか!」 つσ (; ФωФ) フゥフゥ (;-_-) ハヒハヒ (; ・∀・) エッホエホ (;,,゚Д゚) ハァハァ ξ;゚⊿゚)ξ「マジあの剛毛教師ムカつくわー」 ζ(゚ー゚;ζ「ご飯食べさせた後に長距離とか舐めてるよねー」 从;'ー'从「私、もうお昼ごはん戻しそうだよ~」
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 00:11:45.92 ID:qBeuVuyj0
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ζ(゚、゚;ζ「あー、今日が生理と重なればよかったのにー」 ξ;゚⊿゚)ξ「生理も嫌だっての! マラソンよりはマシだけど」 ミ,,゚Д゚彡 ピピッ つσ ミ,,゚Д゚彡「そこー! おしゃべりしてると余計にしんどいぞ!!」 (;<-><->) ハァ……ハァ…… (; ><) フゥフゥ (;‘ω‘ *) ボインボイン (;<-><->) (足も……お腹も重くて、しんどい) (;<-><->) (倒れそう……辛い……) (; ><)´ (; ><)「ワカッテマス君、顔が真っ青なんです」
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 00:14:01.13 ID:qBeuVuyj0
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(;<○><○>)「だい、じょう、ぶです」 (;‘ω‘ *)「ぽぽ……」 (; ><)「全然大丈夫じゃないんです! もう休んだ方がいいんです!」 (; ><)ノシ「先生ぇ――! ワカッテマス君が――!」 (;<○><○>)「い、いいから、きにしない、で、くだ――」 ( < >< >) (あ――) バタッ (;‘ω‘ *)「ぽっぽぉ?! ワカ、しっかりするっぽ!」 (; ><)「え、ワカッテマス君? ワカッテマス君!」 ミ,,゚Д゚彡「どうした!」
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 00:16:38.77 ID:qBeuVuyj0
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(; ><)「ワカッテマス君が、ワカッテマス君が倒れたんです!」 ミ,,゚Д゚彡 スッ つ(<-><->;) ミ,,゚Д゚彡「うむ……少し熱もあるな。分かった、先生が保健室に運ぼう」 (;‘ω‘ *)「ぽぽ! ウチも付き添うっぽ!」 (; ><)「じゃ、じゃあ僕も」 (#‘ω‘ *)「ビロは来なくていいっぽ!」 (; ><)「えぇえぇえ、何で」 ミ,,゚Д゚彡「お前はいい。ちんぽっぽ、付いて来るなら支えてくれ。俺一人じゃこいつは――」 ミ,,゚Д゚彡´「ん? なんだ、見た目よりずっと軽いんだなこいつは」 (;‘ω‘ *)「…………」
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 00:19:37.23 ID:qBeuVuyj0
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( ・∀・)「ふぅふぅ、先生! ワカッテマスはまたサボりですか?」 (,,゚Д゚)「女に付き添われて情けねー奴!」 (#‘ω‘ *)「ぽぽぽ!!」 ミ,,゚Д゚彡「いいから他の連中は続けてろ! サボるなよ!」 (;<-><->) ガララッ ミ,,゚Д゚彡「素直先生っ」 川 ゚ -゚)´ 川 ゚ -゚)「フサ先生、どうしました?」 ミ,,゚Д゚彡「体育でワカッテマスが倒れまして、どうも熱があるみたいです」 川 ゚ -゚)「……そうですか」
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 00:22:04.60 ID:qBeuVuyj0
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(;‘ω‘ *)「ぽぽ、クー先生……ワカは」 川 ゚ -゚)「うむ、わかっている」 川 ゚ -゚)「フサ先生、あとは私が診ておきますので授業に戻ってください」 ミ,,゚Д゚彡「すいません、終わったらまた伺います」 ミ,,゚Д゚彡「ちんぽっぽはどうする?」 (;‘ω‘ *)「ここにいたいっぽ」 ミ,,゚Д゚彡「わかった、ワカッテマスをよろしくな」 ガララ (;‘ω‘ *)「先生! カーテン閉めて!」 川 ゚ -゚)「わかっている。ワカをベッドに寝かせてくれ」 (;‘ω‘ *)「ぽぽ……」
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 00:24:17.76 ID:qBeuVuyj0
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川 ゚ -゚)ノ シャッ 川 ゚ -゚)「ほら、カーテンは閉めた。戸にも一応鍵をかけておくから」 (;<-><->)「う……」 川 ゚ -゚)「ワカッテマス、気分はどうだ? どこが痛いか言ってみろ?」 (;<-><->)「おなか……むねも、いたい……苦しい」 川 ゚ -゚)っ「熱はそれほど高くないな。胸はサラシがキツすぎるのかもしれん」 川 ゚ -゚)「ちんぽっぽ、引き出しからタオルとハサミを取ってくれ。あとお湯を沸かしてもらえるか?」 川 ゚ -゚)「赤い蛇口を捻ればすぐに出る。結構熱くても構わん」 (;‘ω‘ *)「ぽぽーっ!」
- 92 名前:さるでした:2010/09/19(日) 01:00:32.70 ID:qBeuVuyj0
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ジョキ、ジョキ、ジョキ…… 川 ゚ -゚)「悪いけど、サラシは切ったぞ。少しは楽になったか?」 (;<-><->)「おなかが、まだ、おもい……」 川 ゚ -゚)「ちょっと待っていろ」 川 ゚ -゚) ギュー っ∽o )) ! : 川 ゚ -゚)「お腹に当てておけ」 (;<-><->)「…………」 (;‘ω‘ *)「ぽぽ、先生、ワカは……」 川 ゚ -゚)「あとは様子を見るしかない。まぁ、少しはマシになると思うが」
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 01:03:10.22 ID:qBeuVuyj0
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川 ゚ -゚)「ちんぽっぽがずっといる必要はないんだぞ。授業に戻ってもいい」 (*‘ω‘ *)「ここにいたいんだっぽ」 川 ゚ -゚)「そうか」 (;<-><->) カチッカチッカチッカチッ…… (*-ω- *)「ぽ……」 川 - _-)「…………」 ( <-><->) ( <●><●>) パチッ ( <●><●>)「クー先生……」 川 ゚ -゚)´「起きたか」 (*‘ω‘ *)´「ぽぽー! ワカ、大丈夫かっぽ?」
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 01:06:26.97 ID:qBeuVuyj0
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( <●><●>)「ありがとう、大丈夫」 (*‘ω‘ *)「ぽー」 ( <へ><へ>) 川 ゚ -゚) 川 ゚ -゚)「ワカッテマス、私はお前の主治医じゃないから突っ込んだ事は言えんが」 川 ゚ -゚)「生理薬は飲んでいないのか? それともやはり飲める体質ではないのか?」 ( <●><●>)、「飲んで、ません。持ってなくて」 (*‘ω‘ *)「先生、ワカは先月初めて生理が来たんだっぽ」 川 ゚ -゚) (随分遅いな……。症例自体、ほとんど見聞きしてない私じゃ上手く判断できんが) 川 ゚ -゚)「親御さんに説明は?」 ( <-><->)、「してないです。前は我慢してたら治まったから……」 川 ゚ -゚)「ということは、ちんぽっぽも知ってて黙っていたのか」
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 01:08:55.02 ID:qBeuVuyj0
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(;‘ω‘ *)、「ぽ……」 川 - _-)「お前の場合、他の子よりデリケートな問題なんだ。先月の時点で話すべきだったな」 川 ゚ -゚)「とにかく、もう今日は帰れ。フサ先生やモナー先生には、私が適当に話をしておく」 川 ゚ -゚)「ただし家に連絡はさせてもらうからな。無論、生理の事もだ」 ( <●><●>)、「それは……」 川 ゚ -゚)「文句は言わせん。将来に関わることだ」 川 ゚ -゚)「ご両親と主治医、双方とよく相談して今後の事を決めろ。話は以上だ」 川 - _-)「楽になるまで寝てていい。その間に電話を済ませてくる」 (;‘ω‘ *)「先生、タクシーも呼んであげて欲しいっぽ」 (;‘ω‘ *)「ワカ、下着の替えを持って来てないんだっぽ。このまま歩いて帰すのはかわいそうだっぽ」 川 ゚ -゚) 川 - _-)「わかった、少し待ってろ」
- 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 01:11:18.98 ID:qBeuVuyj0
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ガララ ( <-><->)、 (*‘ω‘ *)「ワカ、ごめんだっぽ」 ( <●><●>)「ちんぽっぽちゃんが謝る理由なんてありません」 ( <●><●>)「むしろ私がお礼を言いたいくらいです」 (*-ω- *)、「でも、ウチは事情を知ってても何にもしてあげられないっぽ」 ( <へ><へ>)「ちんぽっぽちゃんが優しいことはワカッテマス」 ( <●><●>)「でもいいの、本当に。傍に事情を知ってる人がいるだけで、安心できるから」 (*‘ω‘ *) (*‘ω‘ *)「ワカ、お医者様やご両親にこのことを話したら」 (*‘ω‘ *)「手術をするかって、絶対に聞かれるって言ってたっぽね」 (*‘ω‘ *)「だとしたら、ワカはどうするんだっぽ?」
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 01:13:21.23 ID:qBeuVuyj0
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( <●><●>) ( <●><●>)「はにわり……」 (*‘ω‘ *)´ ( <●><●>)「知ってます? 私みたいなのを、“半月”って書いて“はにわり”って呼ぶらしいです」 ( <●><●>)「上手い言い回しですよね。確かに私、満月でも新月でもない」 ( <-><->)「どっちにもなれなかった。半端に産まれたできそこないです」 (#‘ω‘ *)「そんなことないっぽ! できそこないじゃないっぽ!」 (*‘ω‘ *)「それにワカにはまだ選ぶことが出来るっぽ!」 ( <●><●>)「ちんぽっぽちゃんは」 (;‘ω‘ *)´ ( <●><●>)「どっちがいいですか? 女の“私”か、男の“僕”」 ( <●><●>)「どっちのワカッテマスなら、受け入れてくれます?」 (*‘ω‘ *) (*‘ω‘ *)「ワカは――」
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 01:15:05.29 ID:qBeuVuyj0
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(*-ω- *)「ワカだっぽ……。男でも女でも、ワカはワカだっぽ」 (*‘ω‘ *)「もちろん、今のワカだってワカに違いないっぽ」 (*‘ω‘ *)「ウチに選べなんて言うなっぽ。そんなん無理だっぽ……」 ( <●><●>) ( <-><->)「ごめんなさい」 (*-ω- *) (*‘ω‘ *)「きっとビロも同じだっぽ」 (*‘ω‘ *)「今のままでも、男でも、女でも、受け入れてくれるっぽ」 (*‘ω‘ *)「大切なのはワカがどうしたいかだっぽ」 ( <●><●>)「ビロードは、私の事を男だと思ってますよ」 ( <-><->)「ビロードは男のワカッテマスしか知らないんです……」 (*‘ω‘ *) (*-ω- *)
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 01:17:31.63 ID:qBeuVuyj0
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ちんぽっぽちゃんは私を黙って抱きしめてくれました。 小さな彼女に力いっぱい抱かれると、何だか目頭が熱くなって。 私はとても嬉しく、でも少し哀しくなりました。
- 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 10:21:39.60 ID:qBeuVuyj0
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* * * ( "ゞ)「そうですか、初潮が先月に」 ('、`;川「はい、そうです」 ,(-)(-), ( <-><->) ( "ゞ) カリカリカリ…… ( "ゞ)「一応、ワカッテマス君の主治医としてお話させてもらいます」 ( "ゞ)「ワカッテマス君、ご両親の前で恥ずかしいかもしれないけど、昔と比べると随分胸も大きくなったよね」 ( <●><●>)「……はい」 ( "ゞ)「二次性徴自体は割と早熟な傾向でしたが、彼――いや、彼女の場合は難しい」 ( "ゞ)「これまで初潮が無かったことは、ホルモンバランスのズレが原因なのかもしれません」
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 10:24:55.94 ID:qBeuVuyj0
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( "ゞ)「とは言え、他に目立った変化はないし、至って健康です」 ('、`;川「はい」 ( "ゞ)「しかしまぁ……長い目で見ていく予定でしたが、決めるならある程度急ぐべきでしょう」 ('、`;川「手術をするかどうか、ということですね」 ( "ゞ)「はい、そうです」 ( "ゞ)「ワカッテマス君」 ( <●><●>) ( "ゞ)「君もご両親も、僕も良く理解しているが、君の身体は特別だ」 ( "ゞ)「男性と女性の性器を二つ持っている。俗に言う性分化疾患の一種だ」 ( <-><->) ,(・)(・), ,(・)(・),「あの」
- 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 10:28:13.92 ID:qBeuVuyj0
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( "ゞ)´「何でしょう?」 ,(・)(・),「お医者様の言うことですし、無学な私が口を出すのも失礼ナリだすが」 ,(-)(-),「あんまり、その“疾患”て呼び方はしてやらんで下さいナリだす。それじゃまるで、ワカが病を患ってるみたいで……」 ( "ゞ)、「……すみません。こちらこそ無神経でした」 ( <●><●>)「先生、続きを」 ( "ゞ)「うん、悪いね」 ( "ゞ)「まぁ、言い方を変えれば半陰陽、ふたなりと呼称することもある」 ( "ゞ)「特に君の場合は真性半陰陽というタイプで、精巣と卵巣を片方づつ持ち合わせている」 ( "ゞ)「幸いなことに、両方とも機能は正常だ」 ( <●><●>)「知っています」 ( "ゞ)「うん、そうだね」 ( "ゞ)「だから、いつも言っているように君はどちらでも選べる。男の子でも女の子でも」 ( "ゞ)「無論、選ばないということも出来る。全ては君次第なんだ」
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 10:31:57.29 ID:qBeuVuyj0
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( <-><->) ( "ゞ)「今のままの身体でも充分に生活できる。子供を作ることも産むことも可能だろう」 ( "ゞ)「でも、それはそれでハンディキャップを背負うこともありえる。見た目や、将来を考えるとね」 ( <●><●>)「……先生は、手術するべきだと思いますか?」 ( "ゞ) ( "ゞ) カリカリカリ ( "ゞ) ( "ゞ)「ごめんね、僕は医者だ」 ( "ゞ)「あくまで客観的立場からしか、意見出来ない」 ( "ゞ)「若い君には、人生の行く末を決める判断材料は少ないだろう。大人の言葉はそれだけ重要だ」 ( "ゞ)「僕としても力になってあげたい。出来る限り」 ( "ゞ) ( "ゞ) カリカリカリ……
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 10:37:53.11 ID:qBeuVuyj0
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( "ゞ)「それでも、やっぱり僕は医者で、赤の他人なんだ」 ( "ゞ)「すまない」 ( <●><●>) ( "ゞ) ( "ゞ)「私的な意見を、可能な限り省いて言わせてもらえば」 ( "ゞ)「僕は女性になることをお勧めする。君は、見た目も心も女の子寄りみたいだからね」 ( <●><●>) ( <●><●>)「体に傷が残ったり、とかは?」 ( "ゞ)「それは……いや、そうだね」 ( "ゞ)「僕たちも全力を尽くす。可能な限り手術の痕は残さない」 ( "ゞ)「でも、自分の身体にメスが入れられることに抵抗があるのも分かる。不安だよね?」 ( "ゞ)「あとは君の気持ち次第だ。技術的な面での心配は、そこまでしなくていい」 ( <-><->)
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 10:41:08.39 ID:qBeuVuyj0
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( "ゞ) ( "ゞ) カリカリ…… ( "ゞ)「今日はこのくらいにしましょう」 ( "ゞ)「あとは本人とご両親でよく話し合って、その上で答えをお待ちしています」 ('、`*川「はい、ありがとうございました」 ,(-)(-),「お世話様ナリだす」 ('、`*川「行きましょう、ワカ」 ( <●><●>) ガラララ ('、`*川 ( <-><->) ,(-)(-), ,(・)(・),「母さん、今日のご飯はどうなってるナリだすか?」
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 10:44:43.94 ID:qBeuVuyj0
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('、`*川´「え? あぁ、ちょっと考えてなかったかな」 ,(・)(・),「じゃあこのまま外食で済ませてもいいんじゃないナリだすか?」 ('、`*川「あー……」 ('、`*川「ワカ? どうする、外ご飯にする?」 ( <●><●>)、「わたしはどっちでもいいですよ」 ('、`*川「だって」 ,(・)(・),「じゃあ、いっちょ豪華なディナーにでもするナリだすか! たまには!」 ( <●><●>)「そんな、お祝いでもないのに」 ,(-)(-),「まーたまには贅沢しなきゃ、日々の倹約が勿体ないナリだすよ」 ('、`*川「うそうそ、じゃあどこ行く? お寿司? ステーキ? まさかフレンチとか?!」
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 10:46:40.27 ID:qBeuVuyj0
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,(・)(・),「え、いや、餃子の玉将にしようかと……」 (;<●><●>)「えー……?」 ('、`;川「何ソレ全然豪華じゃねーじゃん!!」 ,(・)(・),「でもカウンターが埋まるくらい大量に注文してもいいナリだすよ?」 ('、`*川「量があれば豪華ってもんじゃないし。やめやめ、金の皿に行くわよ」 ;,(・)(・),「えー! 寿司ナリだすか! 厳しい!」 ('、`*川「回転寿司だし、そんなお高いものじゃないんだから。行きましょ行きましょ」 ( <●><●>)「お父さんに決定権が無いのはワカッテマス」 ( <へ><へ>)
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 10:49:38.91 ID:qBeuVuyj0
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* * * ('、`*川「ふー、洗い物が無いのって楽でいいわ―」 ( <●><●>)「そうですね」 ( <-><->)「あ、でもお弁当箱は洗っときますね」 ('、`*川「あーあー、ごめんごめん。お父さんの分もお願いできる?」 ( <-><->)「ワカッテマス」 ジャー…… ('、`*川 ('、`*川「ねえ、ワカ。明日も学校行く?」 ( <-><->)´ ( <●><●>)「気を使ってくれてるのはワカッテマス」 ( <-><->)「でも大丈夫。明日もちゃんと学校に行きます」
- 129 名前:さる怖いお:2010/09/19(日) 11:00:41.84 ID:qBeuVuyj0
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('、`*川、「うん、そうよね」 ('、`*川 ('、`*川「ワカ、少しストレートすぎるかもしれないけど」 ('、`*川「手術の話、どうする? もうあなたの中では答えは決まっているの?」 ('、`*川「お互い色々話し合ってきたけど、決めるのはあなただから」 ('、`*川「今までは答えを聞かずにいたけれども」 ( <-><->) ( <-><->)「正直なところ、まだ具体的には」 ('、`*川「そう、そうなの」 ('、`*川「もちろん、明日明後日に答えを出さなくちゃいけないわけじゃあないし」 ('、`*川「でも、早く決断できればそれはそれでいいことだからね?」 ( <-><->)「ワカッテマス」
- 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 11:05:31.88 ID:qBeuVuyj0
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('、`*川「…………」 ('、`*川「ごめんね。なんか、急かしてるみたいで」 ('、`*川「ただ、やっぱり、責任感じちゃうのよ」 (;、;*川「産んだのは私だし、その後も、男の子みたいな育て方をしたのも、私、だし……」 (;、;*川「ワカ、やっぱり恨んでるのかなぁ、って」 ( <●><●>)、「お母さん、そんな、泣かないで」 (;、;*川「お父さん、やめろって言ったのよ。あの人、ワカの本心は女の子だって分かってたし」 (;、;*川「でも、でもね、お父さんも私もやっぱりどこかで、ワカが男の子として、大きくなって……」 (∩∩*川「そ、そだってくれたら、いいなって! でも、でも! ごめんなさい! ごめんなさい!」 (∩∩*川「う、うぅうううぅ……ごめん、ごべんなさい、ほんとうに!」 ( <●><●>) ( <-><->)
- 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 11:10:55.12 ID:qBeuVuyj0
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( <●><●>)「お母さん、確かに私は」 ( <●><●>)「女へのギャップを抱きながら、男としてこれまで生きて――生かされてきた」 ( <-><->)「とても辛いこともあったけど、それも大切な人生だった。楽しいこともいっぱいあった」 ( <へ><へ>)「女の私じゃ一生関わりあえなかったような人と、友達に――」 ――僕はワカッテマス君と友達になれたことを誇らしく思います! ( <○><○>) ( <-><->)「友達に、なれたし」 (;、;*川 (ぅ、;*川 グスッ ( <●><●>)「だから、泣かないで。謝らないでください」 ( <へ><へ>)「むしろお礼を言わせて。ありがとう、私をふたなりに産んでくれて」
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 11:18:35.28 ID:qBeuVuyj0
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('、`*川 ('、`*川「……うん」 ( <へ><へ>) ( <●><●>)「その代わり、っていうのは変かもしれないですけど」 ( <-><->)「私がどんな選択をしても、受け入れて欲しい。男でも女でも」 ( <●><●>)「それでも、いいですか?」 ('、`*川「当り前じゃないっ」 ('、`*川「男でも女でも、ワカはワカよ。変わらない、私とお父さんの子供」 ('、`*川「うん、そう、なら私もお願いよ――絶対に後悔しない選択をしてね」 ('、`*川「ワカの人生だから、ワカが好きなように生きて頂戴」 ( <へ><へ>)「ワカッテマス」 ('ー`*川
- 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 11:21:13.79 ID:qBeuVuyj0
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ガシャーン! <ギャーナリだす! (;<●><●>)そ 「?」 ('、`;川「ちょ、ちょっとちょっと何ごと? お父さん! どうしたの?」 ドタドタドタ ,(;)(;),「はイタタタタタ! 小指! 足の小指を打ったナリだす!」 ('、`;川「こんな夜中に物置に入るからよ……暗くて足元おぼつかないのに。何してたの?」 ,(;)(;),「と、トイレのドアノブが緩んでたから、ドライバー探しに来たナリだすが、こんな目に」 ( <●><●>)「ぶつけたのはこれですか? 野球のバット、かな」 ,(;)(;),「バット?」 ,(・)(・),「あぁ……なんだ、それに突っかかったナリだすか」
- 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 11:24:34.72 ID:qBeuVuyj0
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('、`*川「あら懐かしい、こんなところに仕舞ってたんだ」 ('、`*川「グローブとボールもあるじゃない。まとめてここに置いていたのね」 ,(・)(・),「おいどんもすっかり忘れていたナリだすよ」 ( <●><●>)「?」 ( <●><●>)「それ、お父さんのですか? 野球なんてやってたんだ」 ,(・)(・),「ん? んん、そうナリだすなぁ」 ('、`*川「下手の横好きよ。すぐやめちゃったんだから」 ,(ヽ)(ノ),-3 「おいどんはそんな下手くそじゃないナリだす!」 ('、`*川「またまたぁ」 ( <●><●>)「…………」 ( <●><●>) (お父さんって、野球してんだ。全然似合ってないのに……)
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 11:28:50.07 ID:qBeuVuyj0
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カポーン ( <-><->)-3 フー ( <●><●>) (今日は色々あって、ちょっと疲れちゃったかな) ( <-><->) (お風呂、気持ち良い) ( <-><->) チャプ… ( <-><->) (男として生きてきた私) ( <-><->) (そう、お母さんもお父さんも悪くない。二人からすれば、そうするしかなかったんだ) ( <-><->) (どれだけ見た目が女みたいでも――) ( <●><●>) (……男性器が生えていたんじゃ、女としては生きていけない) ( <●><●>) (周りの人が、世間が、決して認めてはくれないんだ。このままじゃ) ( <-><->) ザブン
- 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 11:34:25.53 ID:qBeuVuyj0
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( <-><->) (やっぱり先生の言うように、女の子を選ぶ方向で手術をするべきなのかな) ( <●><●>) (でも私が女になったら、これまで面識のあった人たちはどう思うだろう) (;<●><●>) (気味が悪いと思うかな? それとも……気持ち悪いかな?) (;<-><->) (ギコ君たちに、余計にイジめられたりするかも) ( <●><●>)、(それに、ビロードは――) ガチャ ( <○><○>)そ「!?」 ,(-)(-),「うぃー、お風呂頂くナリだすよー」 ,(・)(・),「って、え? ワカ?」 (;<○><○>)、「ちょ、ちょと、そんな」 (#<●><●>)。「お、お父さん! 何で入って来るんですか!?」
- 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 11:37:46.08 ID:qBeuVuyj0
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(;<-><->)「早く出て行って下さい! 私があがるまで入らないで!」 ;,(・)(・),「わー! ちょ、ちょ、ゴメンナリだす! ゴメンナリだす! 叩かないで欲しいナリだす!」 ,(ノ)(ヽ),「で、でもそんな邪険にしなくても……。親子なんだしぃ」 ,(・)(・),「ちょっと背中を流しっこするくらい――」 (#<○><○>)「お父さん!!」 ,(;)(;),「痛い! 痛いナリだす! 冗談ナリだすよ。い、いま出るから!」 < 早く! 出てって!! <ギャーナリだす! <ちょっと! お父さんもワカも静かになさい!
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 11:41:38.29 ID:qBeuVuyj0
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* * * キーンコーンカーンコーン (*‘ω‘ *)「ぽぽ、ワカ」 ( <へ><へ>)「おはようございますです」 (*‘ω‘ *)「学校来ても良かったのかっぽ? 一日くらい欠席しても……」 ( <●><●>)「大丈夫ですよ。もう元気です。授業受けなきゃ」 (*‘ω‘ *)「ぽぽ……」 (*‘ω‘ *)「それで、昨日お医者に行ったっぽね? やっぱり手術の話、出たっぽ?」 ( <●><●>)、「一応」 ( <-><->) ガタッ ( <●><●>)「でも、まだ私自身ちゃんと決めていないから、話は先送りで」
- 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 12:00:46.23 ID:qBeuVuyj0
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(*‘ω‘ *)「そうかっぽ」 (*-ω- *) (*‘ω‘ *)「いま思うと、中学の頃が懐かしいっぽ」 (*‘ω‘ *)「最初にワカと会った頃、女の子みたいな奴だとは思っていたけどまさか――って感じだったっぽ」 ( <へ><へ>)、「ちんぽっぽちゃんがお腹痛めて、保健室飛び込んできた時ですよね?」 ( <●><●>)「ああして着替えを見られなかったら、こうして友達にはならなかったかもしれません」 ( <●><●>)「ホント、あの頃からちんぽっぽちゃんにはお世話になりっぱなしです」 (*‘ω‘ *)、「ウチは友達をほっとけないだけだっぽ。そんな大袈裟なもんじゃないっぽ」 (*‘ω‘ *) (*‘ω‘ *)「ねえ、ワカ。ビロにはやっぱり話さないのかっぽ?」 (*‘ω‘ *)「ずぅっと隠してきたけど、その、やっぱり」 (*-ω- *)「ワカは……」
- 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 12:05:57.39 ID:qBeuVuyj0
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( <●><●>) ( <●><●>)「あのね、ちんぽっぽちゃん。そのことで、お願いしたい事があるんです」 (*‘ω‘ *)´「お願いしたい事?」 ( <●><●>)「はい、でもここじゃ何なので――」 ガラッ ( ><)ノシ「やーやー皆さんおはようなんです」 ( ・∀・)「ようチビスケ。相変わらず小さいな」 (,,゚Д゚)「小学生が迷い込んでるぞー。誰か追い返せ!」 (# ><)「あんまりうるさいと僕も容赦しないんですよ!」 ( ФωФ)「ビロード、そんなことより今日は一時限目からテストなのである。聞いていたか?」 <(; ><)>「ぎょえぇぇええぇぇえ!! 何その話?!」
- 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 12:10:29.75 ID:qBeuVuyj0
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( <●><●>)、 ( <-><->) (続きはまた後でしましょう。できれば、ビロードがいない所で) (*‘ω‘ *) (わかったっぽ) ( ><)ノシ「お二人ともおはようなんです!」 ( <●><●>)「おはようございます、ビロード」 (*‘ω‘ *)「相変わらず挨拶だけはしっかりしてるんだっぽ」 (; ><)「そんなことより聞いてください! 今日は抜き打ちテストがあるらしいですよ! サイアクです!」 (|i|><)「はぁぁぁあぁあ……終わったんです。英語は何も勉強してないんです」 ( <●><●>)「そんなこと言ってないで、今から復習しましょう」 (*‘ω‘ *)「ウチも手伝ってやるっぽ」 (; ><)「助かるんです!」
- 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 12:16:27.14 ID:qBeuVuyj0
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キーンコーンカーンコーン ( ´∀`)「帰りのホームルームは以上だモナ」 ( ´∀`)「そしたらみんな気を付けて帰るモナ。また来週だモナー」 ガララッ ( ><)「終わったんです! 帰りましょう、ワカッテマス君! ちんぽっぽちゃん!」 (*‘ω‘ *)「ぽぽぽ、ちょっと今日は用事があるっぽ」 ( <●><●>)「僕もです」 (; ><)「お二人ともですか? それなら仕方ないんです」 (*‘ω‘ *)「悪いっぽ」 (*‘ω‘ *) チラッ ( <●><●>) )) ( <●><●>)「ビロード、ちょっといいですか?」
- 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 12:20:57.29 ID:qBeuVuyj0
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( ><)´「何です?」 ( <-><->) (明日、暇じゃありません?) ヒソッ ( ><) (えっと? 一応暇ですけど……) ( <●><●>) (それじゃ、うちの家に遊びに行きませんか? たまには) ( <-><->) (その、明日は両親もいないから、気兼ねなく何でもできるし) (*<●><●>) (前に! 前に話してたブーンちゃんの漫画とかあります。読みに来ませんか?) ( ><)´ (* ><)「本当ですか? 行きます行きます! 楽しみです!」 (* ><)「ワカッテマス君のおうちにお邪魔するの初めてなんです! ワクワクなんです!」 ( <へ><へ>)、「ありがとうございます」 ( <●><●>)「そしたら、詳しい時間とかはまたメールで」 (* ><)ノシ「了解しました! お待ちしてるんです!」
- 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 12:25:36.82 ID:qBeuVuyj0
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タタタッ ( <へ><へ>) (*‘ω‘ *)「大丈夫そうかっぽ?」 ( <●><●>)「はい、大丈夫です」 (*‘ω‘ *)「よし! じゃあ早速行くっぽ! 手持ちはそれなりにあるっぽ?」 ( <●><●>)、「溜めた分を少しは。駅前に行くんですか?」 (*‘ω‘ *)ノシ「ダメだっぽダメだっぽ! 駅前じゃ大したお店も美容院もないっぽ!」 (*‘ω‘ *)「隣町まで行くっぽ。あそこなら可愛くて安い服売ってるとこにあてがあるっぽ」 ( <●><●>)「そこのところはちんぽっぽちゃんにお任せしますよ」 (*‘ω‘ *)「ぽぽぽ」
- 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 12:30:35.25 ID:qBeuVuyj0
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(*‘ω‘ *) (*-ω- *)「なんだか、こういうのっていいっぽね」 ( <●><●>)「?」 (*‘ω‘ *)「ワカと一緒に服を見に行ったり、美容院連れてったりなんて、ずっと出来ないもんだと思ってたっぽ」 (*-ω- *)「だから、なんかじわーってきて……嬉しいのかなっぽ?」 (*‘ω‘ *)「胸の奥のところが、温かくなっちゃって」 ( <●><●>) ( <●><●>)「私も、ちんぽっぽちゃんと女の子のお店に行けるなんて、思ってもみませんでした」 ( <へ><へ>)「嬉しいですよ、すごく。ちんぽっぽちゃんが友達で良かった」 (*‘ω‘ *)「ぽぽ……」 (*-ω- *)「また、行けるかなっぽ? 二人で買い物」 ( <へ><へ>)「行けますよ。例え男になっても、お付き合いします」
- 159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 12:35:44.08 ID:qBeuVuyj0
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(*;ω; *) (*;ω; *)「うん、行こうね」 ( <●><●>)、「ほらほら、そんな泣いていたら可愛いお顔が台無しですよ」 ( <へ><へ>)「楽しくお買い物しましょう」 (*;ω; *) (( (*ぅωと*) )) ゴシゴシ (*‘ω‘ *)「ぽぽ! 行くっぽ!」 ( <へ><へ>) その日、ちんぽっぽちゃんと初めてお買い物に行きました。 服や、アクセサリーを二人で見て回るのはとても楽しくて。 こんな時間がいつまでもいつまでも続けばいいなと、思いました。 欲を言えば、ビロードとも一緒に……なんて。
- 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 12:41:23.65 ID:qBeuVuyj0
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* * * ~ 翌日 ~ (( ( ><) )) キョロキョロ ( ><)「うーん、ワカッテマス君のメールによるとここらへんなんでしょうけど」 ( ><)「似ているおうちが多いんです! もしかして迷っちゃったんでしょうか……」 ,(・)(・), ...)) ( ><)´ ( ><)ノシ「あ、あのすいません。この辺りにお住まいの方でしょうか?」 ,(・)(・),「ん? そうナリだすが」 (* ><)「良かったんです! 実は友達の家に行こうとしてたら、道に迷っちゃって」 ( ><)「もしよろしければ、大体の場所でいいから教えていただけませんか?」 ,(^)(^),「おお、構わんナリだす、構わんナリだす。住所は分かるナリだすか?」
- 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 12:48:47.66 ID:qBeuVuyj0
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( ><)「VIP町の総合通り1-2-1なんですけど……」 ,(・)(・),´「それ、ウチの住所ナリだす。え? じゃあ君、もしかしてワカの……」 ( ><)「?」 ガチャー ( ><)「お邪魔しますなんです……」 ,(・)(・),「どうぞどうぞ、ナリだす」 ,(・)(・),「いやぁ、しかしワカに男の子の友達がいるなんて」 ( ><)´「え?」 ,(^)(^),「ワカがウチに友達を呼ぶなんて初めてナリだす。ははは、いや安心」 ,(-)(-),「おいどんら親には、学校のこと全然を話してくれないから友達がいないかもと思ってて」 ( ><)、「そうだったんですか……」
- 165 名前:すまぬ、おさるのせいで一時間に10レスが限界のようだ:2010/09/19(日) 13:03:52.00 ID:qBeuVuyj0
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( ><)「でも、ご心配する必要はないんです!」 (* ><)「ワカッテマス君とは知り合って以来、ずっと親友同士なんです!」 (* ><)「あと、ちんぽっぽちゃんって女の子もお友達で、いつも三人一緒なんです!」 ,(・)(・),「ほうほう」 ,(^)(^),「良かった良かった。ビロード君、でしたっけ? どうもありがとう」 ,(^)(^),「宜しければ、今後もワカと仲良くしてあげて下さいナリだす」 ,(・)(・),「親のおいどんからは、こんなことくらいしか言えないけれど」 (* ><)ノシ「そ、そんな。もちろんなんです、おじさん!」 ( ><)「僕こそ、ワカッテマス君とお友達でいれて光栄なんです! ありがとうございますです!」 ,(^)(^), (素直でいい子ナリだすなぁ。ワカはいいお友達に恵まれてるみたいナリだす)
- 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 13:09:00.09 ID:qBeuVuyj0
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,(・)(・),´(ん? でも、よく考えたら男の子。ウチに招くほど仲が良い……) ,( )( ),そ (あれ?! ま、まさか、この子はどっちかと言うと、か、か、彼氏とか?!) ,( )( ), (で、でも本人は友達って言ってるし、女の子のお友達もいるみたいだし) :,( )( ),: (し、しかしワカがどう思ってるのか! 何の因果かおいどんらはウチを留守にするし!) :,(;)(;),: アワワワワワ ( ><)「???」 ('、`*川「あら、お父さんのお客さん?」 ('、`;川「って、あぁ! もしかしてビロード君かしら? ワカのお友達の?」 ( ><)「お、お邪魔していますなんです」 ,(・)(・),「母さん、どうしてビロード君のことを?」 ('、`;川「昨日ワカが話してたじゃないの! 友達が家に来るって!」
- 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 13:13:26.16 ID:qBeuVuyj0
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ちょっとご飯食べてきます
- 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 13:28:39.49 ID:qBeuVuyj0
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('、`*川「だから邪魔にならないように、私ら二人は外でご飯食べに行くんでしょうが」 ,(・)(・), (し、知らんかった。てっきり母さんの気分でそうなったんだと) ,(;)(;), (というかやっぱり、家族内で除け者にされてる気がしてならないナリだす……) 「お母さん? もしかして、ビロードが来ているんですか?」 ('、`*川「そうよー。今玄関でお父さんと話してる最中」 「な、何でお父さんと!」 ,(・)(・),「近所を散歩してたら偶然……」 「お父さん! 空気読んでください! 恥ずかしいです!」 ,(;)(;),そ ガビョーン ('、`*川 (ビロード君) ( ><)´(あ、はい?)
- 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 13:34:51.29 ID:qBeuVuyj0
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('、`*川 (ワカはあんなだし、私たちはそろそろお暇させていただくわね) ('、`*川 (お茶とお菓子はワカに用意させますから、どうぞくつろいでいって) ( ><)、(あ、ありがとうございますなんです) ('ー`*川 ('、`*川「さ、お父さん。私たちも行きましょ」 ,( )( ),「く、空気読めない……おいどん、KY……」 ガチャー ( ><) (行っちゃったんです。なんだか、賑やかなご両親でした) ( ><) (でもお父さんの目とか、お母さんの髪質とか背丈とか、ワカッテマス君にそっくりなんです) 「び、ビロード? います?」 ( ><)´ ( ><)ノ「いますよ! えっと、お部屋ですか? 二階ですよね、今行きます!」
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 13:40:25.20 ID:qBeuVuyj0
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「あの、ごめんなさい。今ちょっと、調子が悪くて」 「実は今もお手洗いの中にこもりっぱなしなんです。お腹が痛くて」 (; ><)「え? 大丈夫なんですか?!」 「もうちょっとしたら落ち着くと思います。だから、先に部屋で待ってて下さい」 「二階の廊下の突き当たりです。漫画でも読んで、のんびりしてていいですから」 ( ><)「は、はぁ……」 トントントン、ガチャ ( ><)「えっと、突き当たりの部屋……」 (; ><)「あれ? ワカッテマス君にしたら、何かすごく女の子っぽい部屋ですね」 ( ><) (間違えたんでしょうか? お母さんのお部屋かも……) 爪<●><●>) ガチャ ( ><)そ「!?」
- 173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 13:45:57.06 ID:qBeuVuyj0
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爪<●><●>)「あら、どちらさま? ワカのお客さん?」 (; ><)「え、え、え、あ、あ」 (; ><)「そ、そそっそ、そうです!」 (; ><) (も、ものすごい美人さんなんです! 誰なんでしょう?) 爪<へ><へ>)「あ、ごめんね。ここ、私の部屋なの。ワカのと間違えちゃったかな」 爪<●><●>)「挨拶が遅れちゃったね。私、ワカの姉です。君は?」 ( ><)「ぼ、僕はビロードなんです。その、ワカッテマス君とは学校のお友達で」 ( ><) (お姉さん! 道理でそっくりなはずです。目が大きくて背が高いとこも良く似ていらっしゃるんです) (* ><) (はぁ~、長くて綺麗な髪なんです。スタイルもいいし。ワカッテマス君が羨ましいんです) ( ><)´ ハッ (; ><)「ごめんなさい、勝手に部屋に入って! 今すぐ出ていきます!」 爪<●><●>)っ(; ><)ノノ グィッ
- 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 13:52:18.54 ID:qBeuVuyj0
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(; ><)「な、何ですか?」 爪<●><●>)「ワカに待ちぼうけ食らっちゃってるんでしょ?」 爪<へ><へ>)「あの子、まだトイレから出れそうにないし、せっかくだからもうちょっとお話しましょうよ」 (; ><)「え、えぇぇ、いや、でも」 爪<●><●>)「まぁまぁ、そう言わずに」 (; ><) アワワワワ カチッ カチッ カチッ カチッ (* ><)ノ「そこでちんぽっぽちゃんが言ったんです!」 ( ><)「『それはピロシキじゃなくてマツモトキヨシだっぽ!』って」 爪<へ><へ>) クスクス (* ><)「いやぁ、さすがに僕もあの時は参っちゃいましたよ~」 ( ><)´ ハッ (; ><)「ご、ごめんなさい! なんだか調子に乗って長話しちゃいました」
- 177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 13:55:49.37 ID:qBeuVuyj0
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( ><)、「学校の話ばかりだし……。面白くないですよね」 爪<●><●>) )) フルフル 爪<へ><へ>)「ワカの学校の話を聞けるなんて、滅多にないもの。楽しいよ?」 爪<●><●>)「出来ればもっと聞かせて欲しいな、お姉さん」 ( ><)、「あ、ありがとうございます。でも」 (>< ) チラッ ( ><)「ワカッテマス君、もう三十分くらい出て来ないんです。大丈夫でしょうか……」 ( ><)「さすがに、ちょっと気になります。少し様子を」 爪;<●><●>)「あ、い、いや、ちょっと待って」 ( ><)「?」 爪;<へ><へ>)「様子なら私が見に行くから。ビロード君は座って待ってなよ」 爪<●><●>)「お客様なんだし、ね?」
- 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 13:58:43.35 ID:qBeuVuyj0
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( ><)「は、はぁ……」 爪<へ><へ>) ニコッ 爪<●><●>)「じゃあ、ごゆっくり」 タタタッ ( ><) ( ><)‐3 フー ( ><) (それにしても、とてもおしゃべりで気さくなお姉さんです) ( ><) (もの静かなワカッテマス君とは正反対な人なんです) (* ><) (いやー、それにしても年上の女の人って魅力的です……) ( ><)´ ( ><)「これ、本棚……『ブーンちゃん』の漫画が全巻揃っているんです」 ( ><) (ワカッテマス君も持ってるって言ってたし、ご姉弟でブーンちゃんが好きなんでしょうか?) (* ><) (大人っぽいけど、お姉さんにもお茶目な所もあるんですね~)
- 179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 14:02:14.37 ID:qBeuVuyj0
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爪<●><●>) チラッ 爪<-><->)-3 フー ( <●><●>) バサッ っ爪彡 ( <●><●>) (一応、バレてないのかな……) ( <-><->) (良かった。化粧して、カツラかぶれば結構分からないんだ) (<●><●> )彡 クルッ ミ( <●><●>) クルッ (*<●><●>) (久しぶりだな、こんな可愛い服着られたの。スカートだってご無沙汰だったし) (*<-><->) (サラシじゃないから胸も苦しくない。すごく解放された気分だ) ( <●><●>) (自分でもびっくりする。いつもは嫌になるくらい口下手なのに、今日はすごく話がはずむ)
- 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 14:04:41.17 ID:qBeuVuyj0
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(*<-><->) (ビロードと二人っきりだからかな? いや、それだけじゃないよね) (*<●><●>) (何だか今の自分が、すごく自信に満ち溢れてる気がする) ( <●><●>) ( <●><●>)、(普段から、こんな恰好出来たらいいのにな) ( <-><->) (そうしたらきっと、毎日……毎日が楽しいんだろうなぁ) 「おねえさーん、ワカッテマス君は大丈夫そうですかー?」 (;<●><●>)そ (;<●><●>)「あ、ご、ごめんね。ワカ、もうすぐ出られるそうだから」 「そうですか! あ~、良かったんです」 「僕てっきり、お手洗いの中で倒れてるかと」
- 182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 14:07:15.33 ID:qBeuVuyj0
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( <●><●>) (忘れちゃいけない、今日の目的) ( <●><●>) (こうやって女の子っぽい私を見せた上で、きちんとビロードに話すんだ) ( <●><●>) (今までのこと、私の身体のこと、全部) ( <-><->) (全部、話して。それで、聞こう) ( <●><●>) (ビロードが、女の私を受け入れてくれるかどうか) 爪<●><●>)? )) モゾモゾ 爪<●><●>) (それで、決めるんだ。自分がこれから、どう生きていくかを) 爪<●><●>) (手術の、ことも) ガチャー 爪<へ><へ>)「ごめんね、待ったかな?」 ( ><)、「いえ! 全然です」
- 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 14:09:28.00 ID:qBeuVuyj0
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( ><)「あの、それでワカッテマス君は」 爪<●><●>)「うん、もうちょっとかかりそうだって。心配ないよ」 爪<●><●>)´ 爪*<●><●>)「それ、ブーンちゃん? 本棚に置いてあったの気付いたんだ?」 (; ><)「あ、あ、ごめんなさいです。つい手に取っちゃって」 爪<へ><へ>)「いいのいいの。気にしないで」 爪*<●><●>)「ビロード君、ブーンちゃん好きなんだ。私もワカも好きなの!」 爪<へ><へ>)「可愛いもんね、ブーンちゃん。アニメも観てたし」 (* ><)「で、ですよね! 僕も大好きです! 漫画も全部持ってますし」 爪<へ><へ>) クスクス 爪*<●><●>) (ビロード、可愛いなあ。あんな嬉しそうに話して) 爪*<-><->)、(私服も可愛い。私のためにおめかししてくれたのかな、なんて)
- 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 20:30:04.53 ID:qBeuVuyj0
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爪<●><●>) スー 爪*<●><●>) (またあの匂い……ちょっと甘い、男の子の匂いだ) 爪*<-><->) (ビロードの、匂い) ( ><)「でも、今さらですがホントに驚いたんです。ワカッテマス君にお姉さんがいるなんて」 爪<●><●>)´ 爪<●><●>)、「そ、そう? ワカ、ビロード君に私のこと話したりはしなかった?」 (; ><)「覚えが無いです。うぅーん、もしかしてちんぽっぽちゃんなんかはご存知なんでしょうか」 ( ><)「お姉さんは知ってます? ちんぽっぽちゃんのこと」 爪<●><●>) )) コクコク 爪<●><●>)「ちんぽっぽちゃんはね。ワカとも中学以来のお友達だから」 爪<へ><へ>)「引っ込み思案なあの子が、女の子の友達なんてって当時は思ってたけど」
- 207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 20:35:46.33 ID:qBeuVuyj0
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( ><)「そうなんですか……」 (* ><)「確かに、ワカッテマス君は今でも恥ずかしがり屋さんですし」 ( ><)「その反面、お姉さんはお話し上手で気さくですから、僕としてはビックリです!」 爪<●><●>)「あんまり似てない?」 (; ><)ノシ「せ、性格だけですよ? 見た目はビックリするくらいそっくりなんです!」 (* ><)「きっと、ワカッテマス君が女の子に生まれていたら、お姉さんみたいな美人になっていたんです!」 爪<へ><へ>)「ま、お上手ですこと」 (* ><)?「え、えへへ~」 爪<●><●>) 爪<-><->)「ねえ、ビロード君」 爪<●><●>)「もしね、もしの話で……ワカが女の子だったらさ」 ( ><)「?」
- 208 名前:保守ありがとうございました:2010/09/19(日) 20:38:17.07 ID:qBeuVuyj0
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爪<-><->)「ビロード君、今みたいに……今以上に仲良くなってくれたかな」 ( ><) ( ><)、「えっと? お話がよく、わかんないんです……」 爪<●><●>) 爪<●><●>)「その、もしかしての話ってだけで」 爪<●><●>)「ワカが、男の子じゃなくって女の子だったら、ビロード君は」 爪<●><●>)「どうなってたかな、って」 爪<●><●>)「友達とか……恋人とかになってくれたかな、って」 爪<-><->) ( ><) ( ><)「女の子、ですか」
- 209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 20:41:22.74 ID:qBeuVuyj0
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( ><)「えと、やっぱりよくわかんないんですけど」 ( ><)「多分、お友達になれたと思います!」 爪<●><●>) 爪<●><●>)「恋人は?」 ( ><)、 ( ><)「わ、わかんないんです」 爪<○><○>) ( ><)「ごめんなさいなんです。ちょっと、想像がつかなくて」 ――あぁ、ダメだ。どうしよう。何も聞こえない。 (* ><)、「きっと女の子になったワカッテマス君は美人さんでしょうけど、僕には荷が重いっていうか」 ――こんなの、こんなの分かり切っていたのに。
- 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 20:44:24.81 ID:qBeuVuyj0
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(* ><)「で、でもきっとまたお友達にはなれます! ちんぽっぽちゃんと三人で大親友です!」 ――もしかしたら、もしかしたらって。そんな、淡い期待で。 (* )「だから、例えワカッテマス君が女の子でも僕たちはきっと変わりません! 変わらずに仲良しです!」 ――でも、だって、私は、私は彼のことが、彼のことが。 (* ><)「ワカッテマス君は大切なお友達、僕の親友なんで――」 爪<○><○>)。「そんなのじゃない! 私は、違う! 私の気持ちは!」 ( ><)そ ビク (; ><)「えっ?」 :爪<○><○>): (; ><)「お、お姉さん? どうかしましたか?」
- 211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 20:47:18.09 ID:qBeuVuyj0
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爪<○><○>) 爪<○><○>)「お姉さん? お姉さん、なんて」 爪<○><○>)「そんなの嘘に決まってるじゃないですか……。気付かないんですか?」 爪<○><○>)「声や、仕草とか!!」 :爪<○><○>):「分かるでしょう? 普通、分かりますよ」 :爪<-><->):「分かって下さいよ、分かってくれなきゃ、くれなきゃ……」 (; ><)「え、え、あ」 (; ><)「あの……僕、何か怒らせるようなことを?」 爪<○><○>) 爪<-><->)> )) ゴソゴソ ( <-><->)。 バサッ っ爪彡
- 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 20:50:02.53 ID:qBeuVuyj0
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(; ><)そ 「え、え、カツラ?!」 (; ><)「っていうか、ワカッテマス君?! な、何が、え?」 ( <○><○>)「ねえ、ビロード! ビロード!」 ガバッ (; ><)「うわ、ちょっと、何を」 ( <○><○>)「見て下さいビロード! 私、ワカッテマスです。私がワカッテマスなんです!」 ( <○><○>)「お姉さんも、お手洗いもウソ! 全部ウソ、ウソだったんです」 グイッ (; ><)「ひぇっ……?」 ( <-><->)「触ってください! 分かるでしょう? 私、胸があるんです! お尻が大きいんです!」 ( <○><○>)「生理でお腹を痛める! スカートを履きたい! 髪を伸ばしたり、化粧だってしたい!」
- 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 20:54:19.88 ID:qBeuVuyj0
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:( <○><○>): ( <○><○>)。「そして、恋がしたい……男の子を好きになって、結ばれ、たい」 ( <-><->)。「でも……無理。私、本当に嘘ばかり。嘘しかない」 ( <-><->)。「この身体も、心も、人生も、嘘で出来た……不良品なんです」 ゴソゴソ、ジジー… (; ><)「わ」 (; ><)「ワカッテマス君、なんですか? その、よくわかんないんですけど」 (; ><)「そんな、なんで、スカートを下ろしちゃ――あ、わ」 ( < >< >) )) スルッ、パサッ ( < >< >)「可愛い下着……ちんぽっぽちゃんが選んでくれたの」 ( < >< >)「でも、私にこんな物、履けない。履く資格がない」
- 215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 20:57:59.38 ID:qBeuVuyj0
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ズルッ ( < >< >)「見えますよね、私の……これが」 (; ><)「ひゃ、あ、そ、んな」 ( < >< >)「ギコ君たちに、短小ってバカにされました。ハハ……本当にそうです」 ( < >< >)「でもね、見て分かるでしょう? 女の子の部分もあるんです。キモチ悪いですよね……」 ( < >< >)「どうかしてる、私はビョーキなんです」 ( < >< >)「男でも女でもない、中途半端な生き物なんです……」 (; ><)、 (; ><)「そんな、でも、僕は」 (; ><)「なにが、何だか……」 ( < >< >)「いつも、いつも、ビロードのこと考えて、私……ここを触ります」 (; ><)「!?」
- 217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 21:02:49.10 ID:qBeuVuyj0
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( < >< >)「擦ったり、指を入れたり、両方一緒に触ったり」 ( < >< >)「すごく気持ちが良いんです。気持ちが良くて、でも」 ( < >< >)「ビロードが触ってくれたら、もっと気持ち良いんだろうなぁって、いつも思ってました」 ( <○><○>)「すごく、汚らわしいですよね。最悪です。本当に、おぞましい」 (; ><)「わ、ワカッテマ――」 ( < >< >)「ねぇ、ビロード」 ギシッ ( < >< >)「触って、いいですよ? 好きなところを、いくらでも」 ( < >< >)「いまなら、お父さんもお母さんもいないし」 ギシッ
- 218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 21:07:01.86 ID:qBeuVuyj0
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( < >< >)「男の子だから、興味ありますもんね?」 ( < >< >)「胸も、お尻も、私きっと普通の女の子よりも大きいですから」 ( < >< >)「女の子の方も、まだ誰にも触られてません。綺麗ですよ。“新品”です」 ( <○><○>)。 ボロッ ( <○><○>)。「でも、不良品、だから……余計なもの、付いて、ます、けどっ」 ( <-><->)。「それでも、もう、いらないっ。好きな人に、受け入れてもらえないなら、もう……」 ( < >< >)。 グスッ グスッ ( ><) ( ><)「あ」 ( ><)「あぅ、あぁ、そんな」
- 219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 21:09:23.11 ID:qBeuVuyj0
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( < >< >)。 グスッ グスッ ( <○><○>)´ ( <○><○>)「あ」 :( <○><○>): (あれ、あ、なんで) :( <○><○>): (私、服、脱いでるんだろう?) :( < >< >): (下着まで脱いで、私、ビロードの前で、ナニ、言ったっけ……?) :( < >< >): (なんだか、寒い……すごく、寒い) ( ><)、「ご」 (; ><)「ごめんなさい! ごめんなさい!」 (>< ;)彡 ダッ (;<○><○>)「あ、ビロ、待っ」 (>< ;)⊂(<○><○>;) ガシッ
- 220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 21:12:34.39 ID:qBeuVuyj0
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(; ><)「離してください!」 (;<○><○>)。「いや、行かないで! 待って、待って!」 (;<○><○>)。「ごめんなさい! 変なこと言って。取り消します、だから!」 (; ><)「ごめんなさいなんです! でも、でも何もわかんないんです!」 (; ><)「ワカッテマス君の言ってることも考えてることも、……自分が見ているものだって!」 (;<○><○>)。「もう言わない、何も言いませんから、話を聞いて!」 (;<○><○>)。「嫌いにならないで! 私のこと嫌いにならないでください!」 (; )「わかんないんです! わかんないんです、何も!!」 (; ><)「だから、離して、離してください!」 (; ><)ノノ =三(<○><○> )そ ドンッ
- 221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 21:16:43.26 ID:qBeuVuyj0
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( <○><○>) )) ドタッ ( ><)ノノ (; ><)ノノ「あ、そ、そんなつもり、じゃ」 ( <○><○>) ( <○><○>)「あ゛、いや゛、おねがい」 ( <○><○>)。「きらわないで、きらわないでください……」 ( <○><○>)。「おねがい、キライにならないで、え、ぅう、う」 ( < >< >)。「きらわないで、おねがい、おねがいですから、うぁ、あ、あ……」 ( < >< >)。「あぁぁあぁあぁああぁぁ――っ! うぁあぁぁあああぁぁあ、あっあぁあん!」 (; ><) )) (; ><)、「ごめんなさい、なんです……」 (>< ;)彡 ダッ
- 222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 21:20:22.91 ID:qBeuVuyj0
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ダダダダッ ガチャン、バタン ( < >< >)。「あ、ぐ、あ、いかないで、きらいに、ならないで……」 ( <○><○>)。「ビロ、ビロー……ォド」 ( <○><○>)。 (ひとりだ。私、一人ぼっちだ) ( <○><○>)。 (どこにも、何もない。私なにもない、空っぽだ) ( <-><->)。 (違う、初めから空っぽだったんだ。私は、何もない) でも消え失せることもかなわない。 なんて、なんて半端な生き方。 ――まるで半分の月のようだ。
- 225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 21:26:30.31 ID:qBeuVuyj0
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* * * キーンコーンカーンコーン ミ(*‘ω‘ *) キョロ (*‘ω‘ *)彡 キョロ (;‘ω‘ *)「ワカがいないっぽ」 (;‘ω‘ *)「普段から遅刻したことないワカが……もうすぐ一限始まるのに」 (;‘ω‘ *)「メールも返事がない……」 (*‘ω‘ *) (やっぱり、一昨日……ビロを家に呼んだ日に、何かあったんじゃ) ――ちんぽっぽちゃん、私、明日ビロードに気持ちを伝えます。 ――だから、応援してくれませんか? 私にとって、ちんぽっぽちゃんは大切な人ですから。 ――ビロードと同じくらい、大好きな人ですから。 (*-ω- *)
- 226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 21:30:21.10 ID:qBeuVuyj0
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ガラガラ (*‘ω‘ *)「!! ワカ――」 ( ><)、「お、おはようございます」 (;‘ω‘ *)「あ、ビロ……」 (; ><)「ど、どうかしましたですか、ちんぽっぽちゃん?」 (;‘ω‘ *)「いや、その」 ゲラゲラゲラ…… (,,゚Д゚)「おいおい何だ何だ、小学生が遅刻かぁ?」 ( ・∀・)「幼稚園からやり直してきたらどーだ?」 (# ><)ノシ「う、うるさい! 黙ってるんです!!」 (*‘ω‘ *)、
- 228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 21:33:03.87 ID:qBeuVuyj0
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(*‘ω‘ *)「ビロ、ちょっとこっちに」 (; ><) ))「わ、わ、な、何なんですかいきなり」 ガラララ (; ><)「も~! 授業始まっちゃいますよ? 突然なに――」 (*-ω- *) フー (*‘ω‘ *)「ビロ、率直に聞くっぽ。一昨日何があったっぽ?」 ( ><) (; ><)、「え、え、な、どういう、ことです?」 (#‘ω‘ *)「ウチは知ってるっぽ! 一昨日、ワカの家に行ったっぽね?」 (#‘ω‘ *)「そこで何があったんだっぽ! ワカはどうなったんだっぽ!」 (; ><)「…………」 (; ><)、「そ、それはその、えっと」 (>< ;)「別に、何もなかった、です」
- 229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 21:36:17.53 ID:qBeuVuyj0
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(*‘ω‘ *)「……やっぱり」 (#‘ω‘ *)ノシ「しらばっくれてもダメだっぽ! 何かあったっぽね!」 (;‘ω‘ *)「ワカの、ワカの身体のこととか聞いたんだっぽ? ワカから直接!」 (>< )´ ミ( ><)「身体のことって」 (; ><)「じゃ、じゃあちんぽっぽちゃんは知っていたんですか? ( ><)「ワカッテマス君が、ワカッテマス君が本当は……男じゃないって」 (;‘ω‘ *)「違うっぽ! ワカは女であって、でも男でもあって……」 (;‘ω‘ *)ノシ「ややこしいんだっぽ。一口じゃ説明できない!」 (# ><)「そ、それより知っていたってことですよね? 今まで? ずっと?!」 (;‘ω‘ *)そ ビクッ (# ><)「そんな、僕ずっと騙されてたんですか? 騙してたんですか?!」
- 232 名前:さるでした:2010/09/19(日) 22:02:35.30 ID:qBeuVuyj0
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(;‘ω‘ *)「ちがうっぽ! 騙すつもりなんてなかったっぽ!」 (# ><)「じゃあどうしてなんですか? なんで教えてくれなかったんですか?」 (;-ω- *)「…………っ」 ( ><)「僕は信用できなかったから? 二人でずっとずっと、隠してきたんですか?!」 ( ><)「教えてくれてたら、話してくれてたら……こんな、こんなことには」 (*‘ω‘ *) (*‘ω‘ *)「そんな、そんなの」 (*;ω; *)「決まってるっぽ……ワカは、ワカはビロが好きだから」 ( ><) (*;ω; *)「だから嫌われたくないように我慢して、自分の本当の気持ちを言えなくて」 (*;ω; *)「身体のことも全部、隠してきたんだっぽ。ずっと、ずっと」 (; ><)
- 233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:09:24.97 ID:qBeuVuyj0
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(; ><)、「ぼ、僕だって…… (; ><)「驚きました。だって、ワカッテマス君はずっと、大切な男友達でした! それが、その」 (; )、「は、半分は女の子で、僕が好きって、いきなりすぎます……わかんないんです」 (; ><)「わかんないんです、わかんないんですよぅ!」 (*;ω; *) グスッ (*;ω; *)「ワカは、これが怖かったんだっぽ。その一言が怖かったんだっぽ」 (; ><)「?」 (*;ω; *)「本当のことを言っても、受け入れてもらえなくて、理解されなくて」 (*;ω; *)「わかんない、ってビロードに言われることが……拒まれることを一番怖がっていたんだっぽ」 (*;ω; *)「だから、好きだけど、本当の事なんて何一つ言えない」 (*;ω; *)「本当に辛かったのはワカだっぽ」 (; ><)
- 234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:15:13.30 ID:qBeuVuyj0
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(*;ω; *)「ねぇ、ビロ。教えて欲しいっぽ。ちゃんと話して欲しいっぽ」 (*ぅωと*) ゴシゴシ (*‘ω‘ *)「一昨日、何があったかを」 (*‘ω‘ *)「その代わり、ウチが知ってるワカの秘密は全部話すっぽ」 (*-ω- *)「本当はきっと、ワカが伝えたかったんだろうけど……話すっぽ。これは私の責任でもあるっぽ」 (*‘ω‘ *)「わからないって言う前に、ちゃんと話を聞いて、その上で考えて欲しいんだっぽ」 ( ><) ( ><)、 ( ><)「わかりました……話します。だから、その、教えて下さい」 ( ><)「ワカッテマス君のこと、全部」 ( ><)「僕が知らないこと、全部」
- 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:20:48.64 ID:qBeuVuyj0
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* * * ('、`*川 コンコン ('、`*川「ワカ? ワカ? 起きてるの? ご飯、食べないの?」 ('、`*川「お願い……返事して頂戴」 (< >< > ) ('、`;川 ,(・)(・),「母さん」 ('、`*川「お父さん、まだいたの? もうとっくに出なくちゃいけない時間じゃない!」 ('、`*川「ここはいいから会社に行って。今からでも出発すれば、まだ……」 ,(-)(-), )) フルフル ,(・)(・),「こんなんじゃ、仕事に行っても身が入らんナリだす」 ,(・)(・),「おいどんだって、ワカのことが心配でたまらんナリだすよ……」
- 237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:25:10.21 ID:qBeuVuyj0
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('、`*川「……もう、大黒柱がそんなこと言っててどうするのよ」 ,(・)(・),「ワカは、あれから何か食べてるナリだすか?」 ('、`*川「何も。あれから丸一日、きっと水もろくに飲んでないわ」 ('、`;川「どうしましょう……もしかしたら、中で倒れているんじゃないかと思うと……」 ,(・)(・),「でも、足音とか物音はするナリだす? ならまだ元気ナリだすよ」 ,(-)(-),「それでも早く出てきて欲しいナリだすが……」 ('、`*川 ('、`*川、「やっぱり、あの……お友達と何かあったのかしら?」 ('、`*川「申し訳ないけど、それ以外考えられないし……」 ,(-)(-),「ふむ」 ,(・)(・),「ワカ? ワカ! 出てきて欲しいナリだす! ご飯だけでも食べなさい!」
- 238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:31:00.87 ID:qBeuVuyj0
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,(・)(・),「学校はどうするナリだす? ワカ、返事するナリだす!」 (< >< > ) ,(-)(-),、 ('、`;川「もうずっとこんな調子で……どうしたらいいのかしら……」 ,(・)(・),「とりあえず、ドアの前にご飯と飲むものでも置いておいてやるナリだす」 ,(・)(・),「あとは、ワカが自分から出るまで待つか……」 ('、`;川「無理矢理ドアをこじ開けるの?」 ,(-)(-),、「んん、出来ればそんなことはしたくないナリだすが……」 ,(・)(・),「とにかく学校に連絡しよう。こんな調子じゃあ、出てきても学校なんていけないナリだす」 ('、`*川「そうね、分かった。病欠の連絡を入れて来るわ」 ,(-)(-), ,(・)(・),「ワカ。いつでもいいから、出てきてくれナリだすよ?」
- 241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:34:47.30 ID:qBeuVuyj0
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(< >< > ) ( <○><○>) ( <○><○>) (お父さんたち、行っちゃったかな……) ( < >< >) (そっか……もう、月曜日なんだ……あれから、一日飲まず食わずで) ( < >< >) (泣き通してたんだ……。もう、水分枯れちゃって、何も出ないけど) ( < >< >) ( < >< >) (学校サボっちゃった……、授業、遅れちゃうかも) ( < >< >) (ちんぽっぽちゃん、心配してるかな?) ( < >< >) (ビロードも、ビロードも……) ( < >< >) (何か、思ってくれているかな……?)
- 242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:41:01.37 ID:qBeuVuyj0
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――ごめんなさいなんです! でも、でも何もわかんないんです! ――ワカッテマス君の言ってることも考えてることも、……自分が見ているものだって! ――わかんないんです! わかんないんです、何も!! ――だから、離して、離してください! ( < >< >) (違う、もう、終わったんだ) ( < >< >) (ビロードはもう、私の事なんて考えてはくれない。考えたとしても、きっと) ( < >< >) (気味が悪いとか、もう二度と会いたくないとか、そういうのだ) ( < >< >) (もう、あの時に、私の恋は終わったんだ……) ( < >< >) (取り返しのつかないことをして、ビロードを傷付けた報いだ) ( < >< >) (彼を騙し続けてきた罰だ) :( < >< >):。 グスッ グスッ ( < >< >)。(最初から、私は、幸せになる資格なんてなかった、なかったんだ……) ( < >< >)。(出来損ないに生まれたのに、人並みの幸せなんか望んだから……)
- 243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:47:24.17 ID:qBeuVuyj0
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:( <○><○>):。 :( <○><○>):。「どうして、どうしてなの」 ( <○><○>)。「なんで、私、こんな苦しくて、辛くて」 ( <○><○>)。「どうして私、生きてるの? どうして私、生まれたの?」 (#<○><○>)。「どうして? どうして?! 私、どうしてこんなに苦しまなくちゃいけないの?」 ( <○><○>)「私、生まれてはいけなかったの……?」 ( <-><->)。「ここにいることが間違いだったの……?」 ( <○><○>)。 ( <○><○>)。「辛いよ……」 ( <○><○>)。「苦しいよ……どうして、こんなに」 ( < >< >)。「――生きているのが、間違いなら……生きていても嘘ばかりの人生なら」 カチャ ( <○><○>) っ8×o
- 245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 22:51:24.69 ID:qBeuVuyj0
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* * * キーンコーンカーンコーン ( ´∀`)「じゃあこれで授業は終わりだモナー。気を付けて帰るモナー」 ( ><) ( ><) (ふたなり、半陰陽) ( ><) (男の人と女の人、ふたつの要素をちょっとずつ持ってる人たち) ( ><) (知らなかった。テレビや本でしか聞いたことのないような人が、こんな身近にいたなんて) ( ><) (ワカッテマス君は生まれてからずっと男の子として育って、でも、心は女の子で) ( ><)、(僕が、僕が好きだった……) (; ><)ξ <(; ><)> (でも、でもやっぱりわかんないんです) (; ><) (僕、僕どうすればいいんでしょう? 僕は、どうすれば……) (; ><) (ワカッテマス君には手術が迫っている。男になるか女になるか)
- 246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:01:07.34 ID:qBeuVuyj0
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(; ><) (それは、もしかしたら僕の答えにかかっているかもしれない) ( ><) (仮に、どちらかになったとして、僕は今まで通りワカッテマス君と接していけるんでしょうか) ( ><) (男の子の彼と、また一緒に遊んだり勉強したり?) ( ><) (女の子の彼女と、付き合ったり……好きになったり?) ( ><)、 ( ><)「自信がないんです……」 ミ(*‘ω‘ *)「ビロ」 (; ><)そ「のわっ、と、な、何ですかちんぽっぽちゃん!?」 (*‘ω‘ *)「考えはまとまったかっぽ?」 (; ><)、 (; ><)「えっと、正直、まだ整理が付いていないというか」 (; ><)「やっぱり、改めて聞いても驚くばかりで」 (*-ω- *)「うん、うん。まぁ、分からないでもないっぽ」 (*‘ω‘ *)「でも、出来れば急いでまとめて欲しいっぽ。今から、二人でワカの家に行くっぽ」
- 248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:05:46.05 ID:qBeuVuyj0
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(; ><)、「え、え? わ、ワカッテマス君のおうちに?」 (*‘ω‘ *) )) コク (*‘ω‘ *)「今日、結局ワカは顔を見せなったし、何かあったに違いないっぽ」 (*‘ω‘ *)「絶対に、ビロとのことで思い悩んでいるっぽ。このままじゃ、ダメになっちゃう」 (*‘ω‘ *)「みんな、みんなダメになっちゃうっぽ!」 (; ><)、「え、えええ、ええ」 (; ><)「そ、それはまだ心の準備が……。それに、いきなり押しかけてもワカッテマス君が迷惑じゃ……」 (#‘ω‘ *)「ウジウジするなっぽ! いい加減、腹を括るっぽ」 (*‘ω‘ *)-3「ビロが嫌でもウチが無理矢理連れて行くから覚悟するっぽ!」 ( ><)、「そ、そんな無茶苦茶な――」 (*‘ω‘ * )っ(; ><)そ ガシッ (#‘ω‘ *)「急ぐっぽ!」 (; ><)「ま、待って、待って下さい! まだ僕は、僕は!」 ( ´∀`)「おーい、そこ廊下は走るなー」
- 249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:11:18.50 ID:qBeuVuyj0
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* * * ピンポーン、ピンポーン (*‘ω‘ *) (; ><)、 (; ><)「あの、やっぱり……」 ('、`*川 ガチャ ('、`*川「あら、あなたたち……確かワカのお友達の」 ミ(*‘ω‘ *)「お久しぶりですっぽ」 (; ><)「あ、あ、その」 ミ( ><)「こ、この前はお邪魔しました……」 ('、`*川「…………」 ('、`*川「とりあえず、どうぞあがってください。ワカの様子を見に来て下さったんですよね?」 (*-ω- *)「お邪魔しますっぽ」 ( ><)「…………」
- 250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:16:17.54 ID:qBeuVuyj0
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('、`*川 カチャン ('、`*川「ワカの部屋は二階に上がって突き当たりですから」 ('、`*川「あとで、何か飲み物を持って行きますね」 (*‘ω‘ *)「そんな、イイですっぽ。ウチら、そんな長居するつもりじゃないし」 ('、`*川「そう? それならいいのだけど……」 ('、`*川 ('、`*川「あと、ビロード君?」 ( ><)´「はい……」 ('、`*川「多分、私や夫が言って聞かせるより、あなたの方がワカは話を聞くと思うから」 ('、`*川「ごはん食べに来なさい、ってだけ、お願いできるかしら?」 ( ><) ( ><)「わかり、ましたっ」 ('ー`*川「ありがとう」
- 252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:20:48.12 ID:qBeuVuyj0
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トン、トン、トン…… (*‘ω‘ *)「ワカ。ワカ? 中にいるっぽ?」 (< >< > ) (*‘ω‘ *) (*-ω- *)「ごめんね」 (*‘ω‘ *)「ウチが何か言っても、きっとワカには何の解決にもならないと思うから」 (*‘ω‘ *)「ビロを、連れてきたっぽ」 (< >< > )「っ!」 ガタッ (*‘ω‘ *)「だからお願い、ウチはいいからビロだけでも」 (*‘ω‘ *)「中に入れてあげて。それで、話を聞いてあげて欲しいっぽ」 ( < >< >) ( < >< >)、「ビロード? そこに」 ( < >< >)「いるんですか? 会いに、来てくれたんですか?」
- 256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:25:26.10 ID:qBeuVuyj0
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( ><) ( ><)、「います、ここに」 ( ><)「あの、その、僕……色々、謝りたいこと」 (; ><)「多くて、何だか言いたいこともまとまってくれないけど。でも、話したいんです」 ( ><)「入れて、くれませんか?」 ( < >< >) カチャ ( ><)「!」 ( ><)「ちんぽっぽちゃんっ」 (*‘ω‘ *) ))「うん、行って来るっぽ。ウチは廊下で待ってるから」 (*‘ω‘ *)「ビロと、ワカのことを待ってるから」 ( ><) ミ( ><)「ありがとうございますなんです!」
- 258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:30:02.55 ID:qBeuVuyj0
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( ><) ソッ ( ><)「ワカッテマス君、いますよね? 入りますよ……」 ( ><) (真っ暗だ。カーテンも閉め切ってて、足元がおぼつかない) ( ><)「ワカッテマス君、ワカッテマス君。どこですか?」 ( <○><○>) ( <○><○>)「ここです。こっち、ベッドの上です」 ( ><)´「ワカッテマス君、良かった。元気で――」 (; ><)そ「あ、ごめんなさい! 身支度も出来ていないのに押しかけて」 ( <-><->) ( <○><○>)「いいんです……。いまさらパジャマを着替えても、髪を梳かしても、意味無いです」 ( <○><○>)「怖くて鏡見てないんですけど、今きっと、酷い顔してますもんね」
- 259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:36:42.56 ID:qBeuVuyj0
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( ><)、 ( ><)「ずっと、ご飯も食べてないんですよね? お母さん、心配してましたよ」 ( ><)「外に出ましょう、ワカッテマス君。みんな心配してます」 ( <-><->) )) フルフル ( <○><○>)「出れません。私、もう胸を張って外を歩けない」 ( <○><○>)「怖くてたまらないんです。自分の心の醜さ、身体の醜さが嫌になって、それが見透かされてしまいそうで」 ( ><)「そんな……」 ( <○><○>)「ビロード、責任を感じてここまで来てくれたんでしょう?」 ( <○><○>)「でも違います。悪いのは、全部、私ですから。私が全部間違いだったから」 ( ><)「…………」 ( ><)´「あれ、その腕――右の手首、なんか」 (|i|><)「あ、血? あ、そ、そんな、血が出てるじゃないですか! どうして!」 (; ><)ノ「な、何かで抑え付けて……、ど、どうしてこんなことを」
- 262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:42:38.33 ID:qBeuVuyj0
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( <-><->) ( <-><->)「もう、辛くて、嫌なんです」 ( <-><->)「私、最初から生まれてきたのが間違いだったんです。間違いだったから、体も心もねじ曲がって」 ( <○><○>)「出来損ないで、だから、死んでしまった方がためになるのかなって」 ( <○><○>)「でも、案外難しいんですね。手首にハサミを滑らせたくらいじゃ、全然……ダメで」 ( <-><->)「し、死ねない、死ぬこともできない、なんて、う、う……」 ( ><) ( ><)「そ」 (# ><)「そんなことをして! 何考えてるんですか! どうかしてます!」 (# ><)「そんな、死のうだなんて! 何で、何でそんな安っぽく、自分を軽んじて!」 (;<○><○>)「? だ、だって、そんな」 ( <○><○>)。「そんなの、しょうがないじゃないですか。私、本当に、苦しくて」 ( <○><○>)。「ビロードには分からないでしょう?! 分からないのに、安っぽいとか、言わないでください」
- 266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:50:09.54 ID:qBeuVuyj0
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(# ><)「わかりません、全然わかんないんです! わかんないに決まってる!」 (# ><)「でも君が一番分かってない! ワカッテマス君が死ぬことがどれだけのことなのか」 (#<○><○>)。「私なんか、死んだって誰も悲しんでなんかくれない!」 (# ><)「お母さん!!!」 :(;<○><○>):。 ビクッ (# ><)「お父さん!! ちんぽっぽちゃん! モナー先生!! ロマっち、ヒッキー! あと、あと、ギコとモララーもきっと!」 (# ><)「親族の方みんな! クラスのみんな!! 日本中のひと! 世界中のひと!!」 (;<○><○>)。「そんな、それ、言いすぎ――」 ヾ(# ><)ノシ「僕、僕、僕、ぼくぼくぼく! 僕、僕が悲しい!! 僕が一番悲しい!」 ヾ(# ><)ノシ。「僕が悲しむんです!! ワカッテマス君が死んじゃったら、僕が、いっちばん悲しい!!」 :( ><):。「きっと、きっと悲しくて死んじゃいそうになる。このまま、ワカッテマス君が死んじゃったら、きっと……」 ( <○><○>)
- 271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 23:57:52.35 ID:qBeuVuyj0
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( ><)。「僕、まだ何も言えてないのに、死んじゃったら卑怯なんです」 ( ><)。「僕に助ける余地を下さい。ワカッテマス君を助けてあげる時間をください」 :( ><):。「だから何も考えずに死んじゃったりしないで。どんなにワカッテマス君が辛くても、苦しくても」 :( ><):。「ワカッテマス君は生きていて、いいんですよ?」 :( ><):。「ワカッテマス君が生まれたことを間違いだなんて思う人は、いないんですから」 ( <○><○>) ( <○><○>)。「嘘、嘘言わないで、ください」 ( <○><○>)。「私が苦しかったのは、事実なんです。本当のことなんです」 ( <○><○>)。「なのに、そんな――」 :( ><):。 ( ><)「なら、僕がまた……モナー先生に告げ口します」 ( <○><○>)´「?」
- 275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 00:04:34.33 ID:RZbJp2nn0
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( ><)「誰かがワカッテマス君の悪口を言ったら、モナー先生に告げ口します」 ( <○><○>) ( ><)「廊下でぶつかってきたら、そいつの下駄箱をボンドで固めてやります」 :( <○><○>): ( ><)「叩かれたら叩き返す。水をかけられたらかけ返す」 ( ><)「全部僕がやり返して、ワカッテマス君を守ります」 ( ><)「だから、ワカッテマス君は自由に生きて下さい。好きなように生きて、ください」 ( ><)「お化粧して、髪伸ばして、スカート穿いて、ちんぽっぽちゃんとお買い物に行っていいんです」 ( ><)「そしたら、もう苦しくないですもんね?」 ( ><)、「あと……生まれた時から、守ってあげられなくてごめんなさい」 ( ><)「でも、その分これからずっと一緒にいますから」 :( <○><○>):。
- 278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 00:12:05.75 ID:RZbJp2nn0
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:( <○><○>):。「どうして? どうして……」 :( <○><○>):。「どうしてそんなことを言ってくれるんですか? 出来損ないの私に」 :( <○><○>):。「女でも男でもない、中途半端で気持ちの悪い、私に」 ( ><) ( ><)「僕は、会った時からずっとワカッテマス君のことを尊敬してますよ」 ( ><)「スラッと背が高くて、目が大きくて、頭が良くて、真面目な君のことを」 ( ><)「でも、今はお弁当を作ったり、ブーンちゃんが好きだったり、恥ずかしがり屋さんなワカッテマス君――」 ( ><) ))「いや、ワカッテマスちゃんのことを、もっとずっと好きになりたいなって思ってます」 :( <○><○>):。 ( ><)「男の子でも女の子でも、ふたなりさんでもワカッテマスちゃんはワカッテマスちゃんです」 ( ><)「僕は“ワカッテマス”ちゃんが今もこれからも、大好きです。そして、もっと大好きにならせてください」 :( <○><○>):。「う、ぐ、そんな、こと、いって、びろ、う、ぐ、ぅっ……」
- 282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 00:20:18.76 ID:RZbJp2nn0
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( ><)「だから、部屋の外に出て」 ( ><)っ「一緒にお母さんのご飯、食べましょうっ」 ( <●><●>)。 ( ><)っ⊂(<●><●>。) 僕は、細くて長い、でも温かい彼女の手を取った。 その時見上げた彼女は、いつもと変わらず見上げるほどに背が高かったけど。 あの日、教材を棚から取ってくれた日と、変わらずに背が高かったけど。 今は何だか、僕たちは同じような目線で同じような世界を見ている。 そんな気がして、ならなかった。
- 284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 00:23:41.37 ID:RZbJp2nn0
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~ E p i l o g u e ~
- 285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 00:32:34.56 ID:RZbJp2nn0
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あれからあと、ご飯を食べるワカッテマスちゃんはご両親にこっぴどく怒られていた。 でも、二人はたくさん彼女を怒った後で、同じくらいたくさん泣いて、また、笑っていた。 あとで僕はお父さんに個人的な呼び出しを受けて、何か言われるのかとビクビクしながら待っていると。 野球のグローブとボールを渡された。 ,(・)(・),「おいどんの夢は、野球選手でしてなぁ。でも、根っからの運チでトンと縁が無かった」 ,(・)(・),「腐って忘れかけた夢を、ずっと子供に目指してもらおう目指してもらおうと、結婚した手の頃は息巻いてて」 ,(-)(-),「その心残りとかが、色々ワカを苦しめたのは言うまでもない」 ,(・)(・),「結局、あの子にはこのグローブも、ボールも触らせてやれんかった。いや、触らせなくて良かったナリだす」 ( ><)「…………」 ,(^)(^),「たまにでいいナリだすよ。こうやって――」 ,(・)(・),ノシ シュッ ヾ(>< ) パシン ,(^)(^),「おっさんとキャッチボールをしてくれると、嬉しいナリだす」 僕はこれから先も、このお父さんと上手くやっていけるだろうなぁと、そう思った。
- 288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 00:36:32.93 ID:RZbJp2nn0
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ちんぽっぽちゃんはいつの間にか先に帰ってしまったらしい。 あとで電話越しに今までのこと、これからのことを話した。 彼女は時おり喉をつまらせながらも、「うん、うん」と嬉しそうに返事をしてくれた。 (*‘ω‘ *)「ビロがやりたいようにやるといいっぽ」 (*‘ω‘ *)「結局ウチは、何もしてないし出来ない。何かやれるのはビロだけ」 (*‘ω‘ *)「ワカのことよろしく頼むっぽ。そんで」 (*‘ω‘ *)「また、三人で学校に行くっぽよ」 僕は、心からのありがとうと、また明日を彼女に告げて、電話を切った。
- 289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 00:42:31.92 ID:RZbJp2nn0
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僕はご両親に断りを入れてから、ワカッテマスちゃんとお散歩に出かけた。 二人は最初、心配そうにしていたけど彼女の「大丈夫」の応酬に負けて、僕たちを送り出してくれた。 ひと気も無くなった夜の道を、僕たちは並んで長い間歩いた。言葉は少なかったけど、多分、色々通じ合っていた。 無理矢理連れだした形で、ワカッテマスちゃんの支度は簡単なものだった。 パジャマの上から赤いパーカーを羽織って、でも、下履きはズボンからスカートに代わっていた。 聞けばちんぽっぽちゃんに選んでもらった、お気に入りとのことだそうだ。 ご飯を食べて血気の戻った彼女の頬は、嬉しそうに桃色に染まっている。 ( ><)「似合ってますね」 (*<へ><へ>)「――うん」 しばらく星空の下を歩き詰めていると、ワカッテマスちゃんは、ぽつぽつとこれからのことを話してくれた。
- 291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 00:50:34.45 ID:RZbJp2nn0
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手術は、女の子になることを――精巣の摘出を考えているということ。 でも、生えている男の子の“アレ”は残したい、ということ。 理由を聞いても、教えてくれなかった。でも、別に僕も嫌じゃなかったから、多くは聞かなかった。 あと、学校には女子の制服で行くと決めたこと。 それを聞いた時、もしギコとモララーが見たらどう思うのだろうと話した。 彼女は、「すごく驚くのはワカッテマス」と嬉しそうに言ってくれた。 勉強のこと、学校のこと、他愛ない話を繰り返しながら、僕たちは夜の中を歩いて。 ふっと見上げた空は雲が晴れ、黒い空にぽっかりと、型抜きで抜いたようにくっきりとした月が浮かんでいた。 その時僕たちは、きっと同じような事を考えていたに違いない。
- 292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 00:54:01.99 ID:RZbJp2nn0
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見上げた下限の月は、透き通るほど明るく、未完成だけど美しくて。 何故だかそんな僕らに、ふっと優しく微笑みかけているようだ――と。 ( <●><●>)半分の月のように、ふたりで、生きていくようです(>< ) おわり
- 298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 01:00:55.01 ID:RZbJp2nn0
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お疲れさまでした ここまで保守、支援、他いろいろとありがとうございます 数えたら160レスを超えていました そりゃしんどいわ そりゃ死にたくなるわ 一応書き溜めありなのでしたがラストはながらでした お粗末な流れはそのせいです 申し訳ない ともかく途中中断とかいっぱいやっちゃったくせに、最後まで書き切れたのは皆さまのおかげです 重ね重ねありがとうございました ぶひぃ あと>>276うるちゃい
- 296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 00:58:43.76 ID:P2HVkrN70
- 何でチンコ残すの?
ビロードとホモセックスしたいから? 一生銭湯にもプールにも行けないけどいいの?
- 299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/20(月) 01:05:55.35 ID:RZbJp2nn0
- >>296
そこまで深く考えていなかったんですけど……すいません でもビロは女でも男でもなく、ただありのままのワカッテマス自身が好き、だからワカはそれに応えた。という感じで。 あとは、ワカは最初は男友達としてでも、ビロードと出会えた思い出を大切にしたいからちむちむ残した、そんな解釈でお願いします。
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