mesimarja
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(´・ω・`)ショボンは姉上との約束を果たすようです
1 名前:西本:2008/11/16(日) 16:24:49.72 ID:+vakDLZP0

 プロローグ


 森の中を、走っていた。
 背後から聞こえる怒号と悲鳴に押しつぶされないように、姉上の手をしっかりと握った。
 僕の手を引いて先を走る姉上は、ふと足を止めて自分の方へ顔を向けた。

(;´・ω・`)「どうしたの? 姉上」

 姉上は、悲しそうな表情を浮かべ、そして僕を抱きしめた。
 突然の抱擁に、頭が真っ白になった。姉上は力強く、ぎゅ、と僕を抱いた。

「ショボン。今から私が言う事をよく聞いて」

 すぐ後ろから、爆音が聞こえてきた。
 立ち止まっていないで、はやく逃げた方がいいと僕は思った。
 でも、姉上の声はいつになく真剣だったので、僕は黙って頷いた。

「この森を抜ければ、レーヌ川があるわ。
 その川に沿って下っていけば街に着くはずよ。
 私が囮になって、追っ手をひきつけるから、その間にあなたは逃げて」



2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 16:25:04.11 ID:a1LOz9Pe0
西本wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 16:26:19.69 ID:zzPZ4Uc2O
西本ガンバ

4 名前:西本:2008/11/16(日) 16:27:00.30 ID:+vakDLZP0
  
 僕は首を横に振った。

(;´・ω・`)「そんな、姉上を置いていくなんて出来ないよ!」

「追っ手はすぐ後ろまで来ているわ。このままじゃ、二人とも助からない。
 せめて、貴方だけでも逃げ切って欲しいの」

 姉上は、僕の肩をしっかりと掴んで言った。
 僕は涙を堪えながら、それでも首を横に何度も何度も振った。

(;´・ω・`)「嫌だよ、そんなの嫌だ。
       それに、グルガ族のサムライは敵に後ろを見せちゃいけないんでしょ?
       最後までブシドーを貫いて、死ぬ時は美しく散れって、よく父上に言われてたじゃないか!」

「わかってるわ。でも……ショボン。
 あなたには、例え一族の信念を破ってでも、生きて欲しいの。
 生きて、生きて、生きて……そして、幸せになってほしいの」

 姉上の目尻から、涙が頬を伝って地面に落ちた。

「愛する人と所帯を持って、どこか平和な町でただ幸せに生きて欲しい。
 これは、私の最初で最後の我が侭」

 いつも気丈で厳しい姉上が、すがるように言った。
 卑怯だと思った。そんな我が侭を言うなんて卑怯だ。
 いつも自分の事は後回しで、他の人の世話ばかり焼いていた姉上の、最初で最後の我が侭。

 最後くらい、自分の事を考えればいいのに、それでもやっぱり、姉上は最後の最後まで世話焼きだ。


5 名前:西本:2008/11/16(日) 16:28:15.76 ID:+vakDLZP0
 
 怒号と、剣の打ち合う金属音がいよいよ背後に迫ってきた。
 弓の飛び交う音や、炎で焼かれた人の悲鳴が、耳に入ってきた。

(;´・ω・`)「姉上……!」

「もう、時間が無いわ」

 姉上は、もう一度僕の体を抱いた。
 姉上の温かさが伝わってきて、でも、同時に姉上の寂しさも伝わってきて、僕は溢れ出る涙を止める事は出来なかった。

「ショボン、最後に一つだけ……世の中を正々堂々と生きていても、誰も護れないわ。
 あなたは、狡猾になって。大切な人を護れる知恵を持って生きなさい。
 ……さよなら、私の可愛い弟」

 姉上が、僕の体から離れて、走っていく。
 憎悪と、血と、死が入り混じった喧騒の中へ。

(´;ω;`)「姉上――っ!」

 僕の叫びは、戦の音にかき消されて、二度と姉上へ届く事は無かった。


プロローグ ―了―

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 16:28:52.99 ID:7gQ+t69q0
駄目だwww西本で吹いてしまうwwww
支援

7 名前:西本:2008/11/16(日) 16:29:59.24 ID:+vakDLZP0


   (´・ω・`)ショボンは姉上との約束を果たすようです


          第一章 『娘』


 

8 名前:西本:2008/11/16(日) 16:31:54.71 ID:+vakDLZP0

(´・ω・`)「こりゃ、まいったな」

 ショボンはテーブルに頬杖を着き、深いため息を吐いた。
 ホントにまいった。まだ夕暮れ時だと言うのに、野菜の在庫が切れてしまったのである。
 これでは『竜王亭』の人気メニューであるイノシシ鍋が作れないのだ。

(´・ω・`)「酒場は夜からが本番だって言うのに。はぁ~~」

 ショボンはもう一度、ため息を吐いた。
 昼時に来た若い娘の一行が、あんなにサラダを食べるとは予想外だった。

 話を聞くに、何でもサラダダイエットだとか何とかが、王都の方では流行っているらしく、
 昼食はサラダだけで済ませるのが王都の若い娘の常識らしい。

(´・ω・`)「美貌の為には、努力を惜しまぬ、か。こわやこわや」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 16:33:08.64 ID:63j6IO4sO
真面目な話なのに西本で吹いてしまった

10 名前:西本:2008/11/16(日) 16:33:14.31 ID:+vakDLZP0

(´・ω・`)(なんて、文句を言っていても始まらないか)

 ショボンは腰を上げて、野菜の調達へと向かう事にした。
 夕暮れ時は客足もほとんど無いので、閉めて行っても大丈夫だろう。

 二階に上がり、壁にかけられているカタナを手に取る。
 用心の為だ。森に獣人が住み着いている、という噂を耳にしたのも記憶に新しい。

(´・ω・`)「あまり、カタナを持ち歩きたくはないが……やむなし」

 ショボンはカタナを腰に差し、
 店の扉にかけられている看板をひっくり返して、森へと向かった。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 16:34:17.81 ID:bjMXg3mh0
西本支援

12 名前:西本:2008/11/16(日) 16:35:53.39 ID:+vakDLZP0



 バレノンは、山間に位置する小さな商店街である。
 北には王都アバンテ、南には港町ペターニがあり、その中間にあるバレノンは、
 旅人や騎士団、商人からドワーフまでありとあらゆる人種が旅の疲れを癒す、休憩地点のような町だ。

 ショボンは、バレノンで『竜王亭』という小さな酒場を一人で切り盛りしている。
 お世辞にも綺麗とはいえない店だが、味と値段には定評があり、
 そのせいか客の大半は傭兵や商人などの、平民層がほとんどである。

 いわゆる、大衆酒場というやつだ。

 そして当然、お上品でない客はしばしば店内で喧嘩をおっぱじめたりもする。

 その理由は、大半がくだらないものであり、当然、ご注文の品は切らしております、
 などというのも揉め事の火種になったりする。

(´・ω・`)(事実、店を始めた頃にそれでひと悶着あったからなぁ)

 あまり思い出したくない思い出の一つある。
 いやはや。

14 名前:西本:2008/11/16(日) 16:39:01.04 ID:+vakDLZP0

 その前例があるからこそ、ショボンは店を閉めてまで、
 山菜を採りにわざわざ森まで歩を運んだのだ。

(´・ω・`)「さて、摘むとするか」

 ショボンは手馴れた手つきで、山菜をかごの中に入れていく。
 ついでに、薬草も見つけたのでかごに入れておいた。

(´・ω・`)「薬は市場で買うと高いからな。自分で調合した方が安上がりだし」

 そんな独り言をぼやきつつ、一時間ほどが経過した。
 かごの中には十分な量の山菜の山が出来ていた。

(´・ω・`)(よし。日が落ちる前に山を下りるか)

 そう思い踵を返した時だった。

(;´・ω・`)「あれ? ……人?」

 大樹の根元に、人がぐったりとした様子で座り込んでいた。
 ショボンはかごを置いて、近寄ってみた。


15 名前:西本:2008/11/16(日) 16:42:01.56 ID:+vakDLZP0
 
ξ-⊿-)ξ「……」

 それは、小柄な少女だった。
 金色の巻き髪に、雪のような白い肌。
 まるで、神話に出てくる妖精のような風貌であった。

(;´・ω・`)「おい、大丈夫か?」

 ショボンは少女の顔を覗きこんで、声をかけた。
 返事はない。
 僅かに胸が上下しているので、死んでいるという訳では無さそうだ。

(´・ω・`)「む……酷い怪我をしているな」

 少女の腕や足には、細かい切り傷や打撲の跡があった。

(´・ω・`)(追いはぎにあったか、山賊に誘拐された所を逃げてきたのか……)

 どちらにせよ、このまま放って置く訳にはいかないだろう。
 ショボンは、かごを背中に背負い、少女を両手で抱き上げた。

 少女は、見た目以上に軽かった。
 見ると、腕や足は、およそまともな食事をしてきたとは思えぬほどやせ細っていた。


16 名前:西本:2008/11/16(日) 16:45:07.93 ID:+vakDLZP0
 
ξ゚⊿゚)ξ「ん……。え?」

 少女が目を覚ました。
 ぱちぱちと何度かまばたきをした後、ショボンと目がばっちり合う。

(´・ω・`)「起きたか」

ξ゚⊿゚)ξ「――っ! いやっ!」

 少女はすぐに自分の置かれている状況を理解したのか、
 ショボンの手の中で暴れた。

(;´・ω・`)「うわっ。わかった、わかったから暴れるな。落ちるぞ。
       今、おろすから」

 慌てて、ショボンは少女を地面に降ろした。
 途端、少女はショボンから距離をとって、木の裏に体を隠す。

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(´・ω・`)「おーい」

ξ゚⊿゚)ξ「……ッ!」

(´・ω・`)(ううむ。随分、警戒されているな。余程、酷い目にあったのだろう)


17 名前:西本:2008/11/16(日) 16:46:49.05 ID:+vakDLZP0
 
(´・ω・`)「大丈夫だ。私は敵じゃない」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

 手を広げて、敵意がないということを表現した。

(´・ω・`)「私はショボン。この山のふもとにあるバレノンという街で、酒場をやっている。
      今日は、ここに山菜を取りにきたんだ」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

 少女は口元をきつく結んで、じっとショボンの目を見つめる。
 まるで野生の獣だな、と思った。

(´・ω・`)「これから、少しは早めの夕食をとろうと思うのだが、もしよければ君もどうだ?
      山菜と肉を煮込んだ、粗末な鍋だが、一人で食うにはいささか多すぎるのでね」

 恐らく、少女は腹をすかせているだろう。
 ならば、食べ物で釣るのが一番だ。

 あの怪我では、山を降りる事すらままならないだろう。
 放っておけば傷が化膿し、行き倒れになるのが目に見えた。
 流石に見捨てるのは、寝覚めが悪い。


19 名前:西本:2008/11/16(日) 16:50:19.82 ID:+vakDLZP0
 
 少女は食べ物、という言葉に反応した。
 こそこそと木の陰から出てきて、ショボンの前に現れる。

ξ゚⊿゚)ξ「食べ物……」

 ぽつり、と呟いて、それから糸の切れた人形のように、少女は倒れた。

(;´・ω・`)「……ふぅー。こわやこわや」

 息をついて、再び少女を抱き抱える。
 ぴょこん、と音がして、少女の頭から紐が落ちた。

(´・ω・`)「ん?」

 髪を縛っていたのか? と思った瞬間、少女の頭の上に、獣の耳のようなものが生えた。

(´・ω・`)「……なるほどね」

 それで、あんなにも警戒していたのか。この耳を見られたら、マズイから。
 この子はヒューマンじゃない。

 頭の上に獣耳の生える種族は、この大陸ではたった一つ。
 フェザーフルック族だけだ。


21 名前:西本:2008/11/16(日) 16:52:52.89 ID:+vakDLZP0


 ショボンは酒場に戻ると、まず少女を二階のベッドに寝かせた。
 次に薬草をすりつぶして作った傷薬を少女の傷に塗り、間髪いれず山ほどの山菜を入れた鍋を作った。
 鍋をベッドの隣に置いて、今度は店の開店準備に取り掛かった。

(;´・ω・`)「いかん。もうじき客が来る時間帯じゃないか」

 日が暮れると、遠征や討伐に出かけていた兵が、
 王都に戻る前に一杯こしらえようと酒場に立ち寄るのである。

 案の定、開店と同時、店内は遠征帰りの兵士達で溢れ帰った。

「おぉーい、肉のサラダ巻きとカンピ酒をくれ!」
「こっちは野菜と魚の炒め物と、キツイ酒!」

(´・ω・`)「かしこまりました。ありがとうございます」

 頭を下げて、慌ててキッチンに向かう。
 一人で切り盛りしているので、料理を作るのも運ぶのも全て自分でやらなければならない。
 これが、中々しんどいのだ。

 料理といっても、たいした物ではない。
 切って炒めて、ちゃっちゃと盛り付けて完成である。
 料理に時間をかけなければ、一人でも案外なんとかなるものだ。

 決して手抜きではない。
 兵士達はこじゃれた見栄えのいい料理よりも、栄養があり味の濃い料理が好きなのだ。
 ……と、勝手に解釈している。


22 名前:西本:2008/11/16(日) 16:53:59.24 ID:+vakDLZP0
 
(´・ω・`)「あっ!」

 ブラックソースをかけすぎてしまった。
 これは流石に濃すぎるだろう。
 作り直すか。いや、あの巨漢の兵士はこらえ性がないタイプだ。
 貧乏ゆすりをしている。作り直していたら、痺れをきらしてしまうだろう。

(;´・ω・`)「……多少濃くても大丈夫だろう。兵士だし」

 勝手な解釈をし、料理と酒をテーブルに運んだ。
 巨漢の兵士は、空腹も伴ってか真っ黒に染まった肉のサラダ巻きをうまいうまいと頬張った。

(´・ω・`)(ま、料理なんてものは、多少アバウトなくらいが丁度いいんだ)

 ショボンは都合よく解釈して、その日も閉店まで一所懸命働いた。


23 名前:西本:2008/11/16(日) 16:55:09.44 ID:+vakDLZP0

 深夜。
 店内の片づけを終えて、ショボンが二階に上がると、少女はベッドから体をおこしていた。

(´・ω・`)「もう、大丈夫なのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

 少女は小さく頷いた。
 テーブルの上には、まだ手付かずの鍋があった。

(´・ω・`)「食べてなかったのか」

 少女は気まずそうに頷く。

(´・ω・`)「食欲がないのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

 少女は首を横に振った。否定。


24 名前:西本:2008/11/16(日) 16:56:06.62 ID:+vakDLZP0
 
(´・ω・`)「そうか。……まあ、無理して食べる必要はない」

 少女は、はっとしたような顔をして言った。

ξ゚⊿゚)ξ「あ、ち、違うんです。口に合わないとか、そういうのじゃなくて」

(´・ω・`)「うん?」

ξ゚⊿゚)ξ「その……毒で安楽死させようと、そのお気遣いは嬉しいです。
     でも、私は森で生まれて森で育ちました。だから、死ぬ時はせめて、森の中で死にたいんです」

(;´・ω・`)「毒? 何を言ってるんだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「だから、この鍋は毒入りなんでしょう?」

(´・ω・`)「まさか!」

 ショボンは手を大げさに振った。


26 名前:西本:2008/11/16(日) 16:57:31.89 ID:+vakDLZP0
(´・ω・`)「ただのごっちゃ煮の鍋だ。毒なんて入ってない」

 そう言って、ショボンは木製のフォークで鍋をつつき、一口食べた。
 冷えてしまっていたが、ダシの味がよく出ていて美味かった。

(´・ω・`)「ほら」

ξ゚⊿゚)ξ「え……? じゃあ、この料理は、ほんとに……?」

(´・ω・`)「君の為に作ったんだが、毒入りと疑われるとは悲しいな」

 悲しそうな顔つきをすると、少女は自分の誤解に気付き、
 勢いよく頭を下げた。

ξ;゚⊿゚)ξ「え、え。あ、あの! ごめんなさい!
      私、てっきり悪い人かと思って……」

(´・ω・`)「気にするな。色々、事情があるんだろう?」

 少女は、一転暗い表情を浮かべて俯く。
 ショボンは、ふぅ、と一息ついてから言った。

(´・ω・`)「名前、教えてもらってもいいかな?」

ξ゚⊿゚)ξ「私……ですか?」

(´・ω・`)「他に誰がいるんだ?」

 ショボンは雰囲気を和ませようと、笑ってみせた。
 が、少女から緊張が消えた様子は無かった。

27 名前:西本:2008/11/16(日) 16:59:24.12 ID:+vakDLZP0
 
ξ゚⊿゚)ξ「私はツンっていいます。あの、ショボン……さん?
     助けていただいて、どうもありがとうございました。
     それと、誤解しちゃって、すいませんでした」

 ツンはもう一度、頭を下げた。

(´・ω・`)「誤解するのも無理はない。
      ツン、君は誰かに襲われて、逃げ出してきたのだろう?」

ξ゚⊿゚)ξ「……はい」

(´・ω・`)「もしかして、フェザーフルック狩り、か?」

 ツンは驚いたのか、目を見開いてショボンへ視線を向けた。

ξ゚⊿゚)ξ「え? どうして、私がフェザーフルックだって……?」

(´・ω・`)「あたまあたま」

 指差してやる。
 と、ようやく気付いたツンは、はっとして獣耳を手で押さえた。


28 名前:西本:2008/11/16(日) 17:03:21.05 ID:+vakDLZP0
 
(´・ω・`)「つい先日、フェザーフルック族の領地を、賊が襲ったと風の噂で聞いた。
      君はそこから逃げてきたのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

 ツンは表情を曇らせた。
 シーツをぎゅ、と握る手は、がたがたと震えている。
 ショボンの推測は、どうやら当たりのようだった。

 フェザーフルックは、北東の森に住む少数民族だ。
 頭に生えている獣耳が特徴で、礼儀を重んじる平和主義の種族である。
 だが、その耳を煎じて飲むとどんな万病にも効くと言われており、闇市では高額で取引されている。

 あの傷から見て、命からがら、ここまで逃げてきたのだろう。
 ツンは、見た所まだ幼い。齢十六か、十七といったところか。

(´・ω・`)(ショックは、大きいだろうな。少しずけずけ言い過ぎたか)

 ショボンは、深く聞きすぎたと反省した。


30 名前:西本:2008/11/16(日) 17:04:55.24 ID:+vakDLZP0
 
(´・ω・`)「すまない」

ξ゚⊿゚)ξ「いえ、いいんです。それは事実なんですから……」

 重苦しい空気が、部屋を支配した。
 気の利いた冗談のひとつも出てこない、自分の機転のなさが恨めしい。

 しかし、その重い空気はぐぅ、というツンの腹の音で払拭された。

(´・ω・`)「積もる話は、明日にしよう。ほら、腹が空いているのだろう?
      毒など入っていないから、遠慮なく食べろ」

ξ;゚⊿゚)ξ「……は、はい。いただきます」

 ツンはフォークを手にとって、鍋をつつき始める。
 羞恥心からか、ツンの頬は赤く染まっていた。


31 名前:西本:2008/11/16(日) 17:08:14.38 ID:+vakDLZP0



 翌日。ショボンはカーテンの隙間から漏れる日の光で目を覚ました。
 窓際の壁にもたれかかって寝ていたので、腰が痛い。

(´・ω・`)(ん? どうして自分は、こんな所で寝ているんだ?)

 疑問を浮かべ、やがて昨日の出来事が頭の中に蘇ってきた。
 そうだった。ベッドは、ツンという少女に明け渡していたのだ。

(´・ω・`)「ツン?」

 ベッドを見ると、そこにもうツンの姿は無かった。
 立ち上がり、一階に降りてみる。
 と、丁度ツンが店の入り口に手をかけている所だった。

ξ゚⊿゚)ξ「あ……おはようございます、ショボンさん」

 ショボンに気付くと、ツンはばつが悪そうに挨拶をした。


32 名前:西本:2008/11/16(日) 17:10:06.39 ID:+vakDLZP0
 
(´・ω・`)「傷はもういいのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「はい。傷薬が効いて、だいぶ楽になりました。
     あの、本当にありがとうございました。
     このご恩は、いつか……どんな形でかはわからないけど、必ずお返しします」

 どうもツンは、早々にこの場から離れたいらしい。ショボンは腕を組んだ。

(´・ω・`)「しかし、黙って行こうなんて酷いじゃないか」

ξ゚⊿゚)ξ「……すいません。でも、私がここにいたら、ショボンさんにご迷惑をお掛けしてしまうと思って」

 なるほど。フェザーフルックは、裏では今や高額な商品として扱われている。
 その存在が知れれば、瞬く間に賞金稼ぎや兵が金の匂いをかぎつけ、やってくるだろう。

 足早に去るのは、地位も故郷も奪われた、追われる者の精一杯の気遣い。
 その健気でいと哀しき姿に、ショボンはため息を吐いた。

(´・ω・`)(……全く、優しさと悲しさは、どうしてこうも隣りあわせなのだ)


34 名前:西本:2008/11/16(日) 17:11:43.97 ID:+vakDLZP0

(´・ω・`)「行く当てはあるのか?」

 少々、意地悪な質問をぶつけてみた。ツンは顔をしかめる。

ξ゚⊿゚)ξ「それは……歩きながら考えます」

(´・ω・`)「金は持っているのか?」

ξ;゚⊿゚)ξ「うっ……。そ、それはこれから稼ぎます」

(´・ω・`)「その耳、隠さなくていいのか? 
      そんな姿で外を出歩けば、三歩と歩かないうちにお縄になるぞ」

ξ;゚⊿゚)ξ「うううう……」

 ツンは唸って、その場にしゃがみ込んでしまった。
 やれやれ。自分一人で何とかしようと思うから、八方塞になってしまうのだと言う事に、
 何故気付かないのだろうか。

 仕方ない。一芝居打つとしよう。

(´・ω・`)「そういえば」

 ショボンは、棒読み気味に言った。


35 名前:西本:2008/11/16(日) 17:13:19.68 ID:+vakDLZP0
 
(´・ω・`)「この店も繁盛してきたし、給仕の一人でも雇いたいと思っていたのだが」

ξ゚⊿゚)ξ「……え?」

 ツンの耳が、ぴくんと動いた。

(´・ω・`)「給料はあまり弾めないが、まかないと寝床付きだ。悪くない条件だろう?」

ξ゚⊿゚)ξ「でも、そんな、悪いです。そこまでお手を煩わせるわけには」

 ショボンは、頭の後ろで手を組みながらそっぽを向いた。

(´・ω・`)「あの傷薬、なかなかいい値段だったなぁ」
ξ;゚⊿゚)ξ「うぐっ」
(´・ω・`)「鍋も、店で食べたら三十エルはするんだがなぁ」
ξ;゚⊿゚)ξ「うぐぐ」

(´・ω・`)「別に見返りを求めていた訳じゃないが、終いに黙って出て行かれたんじゃあ、
      ショックだなあ。良心を踏み潰された気分だなあ」


36 名前:西本:2008/11/16(日) 17:14:38.64 ID:+vakDLZP0
 
 ……我ながら、芝居心がないと思う。
 だが、ツンは見事に術中にはまったようで、唇をきゅっと噛んでいた。

ξ゚⊿゚)ξ「でも、でも。この耳を見られたら、フェザーフルックだってばれちゃうし」

(´・ω・`)「おっと、そういえばこの間、商人から帽子を買ったんだった。
      しかし、少しサイズが小さくて頭に入らなかったんだよなぁ。
      どうしようかな、捨てるのももったいないな」

ξ;゚⊿゚)ξ「はっ! ぼ、帽子。その手がありましたかっ……!」

 ツンは、それは予想外だったと言わんばかりに獣耳を触った。
 そして、しばし沈黙した後、決心したようにぐ、と拳を握り締めた。


37 名前:西本:2008/11/16(日) 17:16:41.59 ID:+vakDLZP0
 
ξ゚⊿゚)ξ「ショボンさん、私を、ここで働かせてください!
     もちろん、、お給料はいりません! 
    お返しもせずに立ち去ったんじゃ、フェザーフルックの名が泣きます! 
    どうか、心行くまで私を使ってください! お願いします!」

(;´・ω・`)「うおっ!」

 ツンが、ずざざ、とショボンの足元へ滑り込むように土下座をした。
 ううむ、ここまで術中にはまられると、罪悪感で胸が痛むな。
 しかし、これで両者の意見は一致した。

(´・ω・`)「頭を上げてくれ、ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「はい!」

(´・ω・`)「いや、なんだ。そんなに、かしこまらなくていい」

ξ゚⊿゚)ξ「はい! かしこまらないようにします!」

(;´・ω・`)「……ま、まあいいか」


39 名前:西本:2008/11/16(日) 17:18:33.40 ID:+vakDLZP0
 
 ツンは目を輝かせ、やる気満々と言った様子だった。
 フェザーフルックは礼儀を重んじる種族だと聞いていたが、これほどまでとは。

 だが、もう一つだけ、彼らの特性の箇所に付け加えておきたい。

(´・ω・`)(彼らは単純だ。物凄く)

 いや、これはツン個人の性格なのだろうか。

(´・ω・`)「それじゃ、開店準備を始めようか。まずは、床の掃除から……」

ξ゚⊿゚)ξ「はい! 私、頑張ります!」

 机の上に置いてあった布きれを掴むと、ククルはごしごしと床をこすりはじめた。

(;´・ω・`)「あ、それはボトルを拭く用の布なんだけど……。
       というか、水に濡らしてから床を磨かないと意味がないと思うんだけど……」

ξ゚⊿゚)ξ「え、あ。す、すいません」

 無理も無いか。
 森で育ったのだから、こういった場で働いた経験がないのだろう。
 一から教えないといけないな。


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 17:44:01.13 ID:L3Gaa+e50
なんで西本なんだよwwww

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 18:10:53.24 ID:fDsTQjNjO
西本何してんだ西本

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 18:11:35.14 ID:ZqkqZEBl0
ニシモト・ザ・シエン

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 18:12:13.06 ID:NUJS+JjU0
西本ってなんぞwww

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 18:28:08.47 ID:jgz5FIs/O
西本で笑ってしまった

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 18:32:35.33 ID:BLws/bih0
どうした西本

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 18:36:36.26 ID:YxdGsWMfO
西本まだかよー

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 18:41:50.04 ID:LaKMmGpIO
西本頼む。オレの股間を早く鎮めてくれよ

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 18:47:41.44 ID:vZAkq8wYO
にしもとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ…おおう…あオエッ…ぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 18:59:46.63 ID:+H8u59OfO
俺が西本を支援する(`・ω・´)

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 19:06:12.17 ID:DRn268/6O
西本ってシンプルなところがまた

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 19:32:27.75 ID:t4s0vOe7O
西本wwwww

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 19:37:23.30 ID:gLXe6BOYO
西本がんばれ西本

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 19:40:51.60 ID:TQUEYcR30
西本支援

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 19:42:00.17 ID:LaKMmGpIO
西本ォォォオ!

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 19:49:03.01 ID:1V+cA5Wc0
にっしもと!にっしもと!

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 20:34:42.91 ID:PQXXYBXMO
(´・ω・`)西本さんマダーー?

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 20:44:41.79 ID:PQXXYBXMO
(∪^ω^)西本さんマダーー?

(∪^ω^)早くきてくれおん。チソチソ寒いお…‥

(T_T)え。な、なな何を!?

(∪^ω^)な、泣きチャン!?どうして僕の家に!?

(´・ω・`)出前もってきたんですけどね。泣きチャン、帰ろうか。

(T_T)…………はい………

(;∪^ω^)ま、まってくれ!誤解だ!西本さんが!

(´・ω・`)人のせいにするんですか?最低ですね。

(T_T)コクッコクッ

(∪^ω^)ぶわーん!保守だおーーーん!わ゛んわ゛んお゛ーん!

保守

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 20:45:43.94 ID:IdxB/f85O
西本はようせえ!!!

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 20:47:51.10 ID:tLz1ULjG0
西本びびって逃げたか!!明日からあいつは東本じゃ!!

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 21:02:26.02 ID:fDsTQjNjO
西本…

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 21:18:20.36 ID:BLws/bih0
まだか西本!

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:01:32.95 ID:TQUEYcR30
西本まだ?

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:31:37.62 ID:fDsTQjNjO
西本ー!はやくきてくれー!

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:52:36.75 ID:LaKMmGpIO
西本が!書くまで!保守るのを!止めない!

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 00:16:57.65 ID:2OCfmd/rO
(´・ω・`)はくしゅんっ

(;_;*)か、格好いいです……
(´・ω・`)え?何?

(;_;*)い、いえ……!何でも!

(´・ω・`)はくしゅんっ!はくしゅんっ!

(;_;*)(ショボンさん……(人´∀`)ステキ)

保守

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 01:37:41.93 ID:4c4XJo1WO
西本

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 07:01:53.28 ID:kBdLeY0E0
西本保守

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 08:55:33.30 ID:DDKQPvTWO
にしもとぉぉぉぉぉぉ~んぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおえいあああおうあああ……ぉぉぉおおおおおお

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 09:19:44.69 ID:UHhpx1iPO
にしもとーおはよう

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:43:35.70 ID:pOtvovYmO
西本が くるまで 保守を やめないッ!!!!

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:48:36.09 ID:dnSkUGeo0
(´・ω・`)西本まだ寝てんのかな…
まさかこんなに期待されてるなんて
本人も思ってないんだろうな

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 11:01:53.80 ID:Y/9YKkBjO
西本(´・ω・`)

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 11:18:44.82 ID:DDKQPvTWO
(´・ω・`)西本は続きを書くようです

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 11:42:36.17 ID:pOtvovYmO
西本が かくまで 保守を やめないッ!!!

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 11:56:53.73 ID:hbIhtK2LO
西本ォォオ!

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 16:42:46.58 ID:pOtvovYmO
まだかい?西本や

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:30:09.48 ID:pOtvovYmO
西本絶対このスレ忘れてるだろ

197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:25:57.22 ID:jnIht6Hi0
こんなにも愛されている西本に泣いた(´;ω;`)

213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:54:31.33 ID:snt5SuYOO
西本 愛されすぎだろ…

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:11:12.09 ID:WzqYDglRO
西本マダー(´;ω;`)

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:58:35.81 ID:Y/9YKkBjO
(´・ω・`)西本まち。

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:14:44.04 ID:e/AaCMbMO
(´・ω・`)西本マダー?

228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 04:58:58.53 ID:ttuYh5k0O
西本マダー?

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:04:01.56 ID:e/AaCMbMO
西本

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:52:00.06 ID:NF923i4iO
にしもと

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:52:13.19 ID:GMfnBRpV0
西本保守

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 08:56:50.69 ID:NF923i4iO
にしもとぉ…

238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:44:28.62 ID:DkA89gxHO
西本こねーじゃん

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:04:08.64 ID:VCw1fk3qO
西本

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:18:07.91 ID:tEkVSure0
結構面白かったのに残念だな

244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:27:44.16 ID:TvAZr/bJO
西本と名前欄になかったら一日で落ちてたな

246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:46:36.12 ID:MEZu7gfc0
西本カンバァーック

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:22:17.37 ID:DkA89gxHO
まじ西本はよこいって……

252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:20:22.29 ID:fn6Q9lnkO
西本ハヤクハヤク

263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:51:14.86 ID:G1ZX9MboO
異常な保守率

281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:02:08.68 ID:VL1BIv5oO
にっしーおはよう

284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 09:07:41.17 ID:tK43lfOX0
三日落ちルールなくなったし西本帰ってくるまで保守

286 名前:( 罪) ◆TUMIVeseaQ :2008/11/19(水) 10:21:24.26 ID:oLQ8/gBO0
久しぶりに見たな、こんなに愛されるスレは

288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:13:25.65 ID:VL1BIv5oO
にっしーにしにし

304 名前:西本:2008/11/19(水) 18:55:00.24 ID:cjW+6hG7O
携帯から失礼します…
すいませんがPCが壊れてしまったので
小説を投下することが出来なくなってしまいました…^^;
保守がこんなにたくさんあるのに投下出来ない自分が悔しいです…orz

なのでもう落としてください、もう充分です;;本当に、保守してくれてありがとうございました。

305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 18:56:29.20 ID:l3ULynpzO
>>304
また機会があったら頼むぜ!

309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 19:15:54.91 ID:v2ON4K/p0
本物なら続きを書けるはずだ

310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 19:39:38.42 ID:tK43lfOX0
>>304
お前偽物だろ

311 名前:西本:2008/11/19(水) 19:43:12.57 ID:GoDHLxfx0

 どちらにせよ、美しい給仕を一人、賃金タダで雇う事が出来た。
 これで、竜王亭の回転率もあがるだろうし、何より看板娘として、集客効果を期待できる。
 酒場には、いつの時代も美しい娘がいなければ流行らないのだ。

 その代わり、自分はツンに寝床と食事を与える。お互いに利のある取引だ。

(´・ω・`)(こんな欲を出した考えを、昔ならばブシドーに反するといって頑なに拒否しただろうな)

 ショボンは、自分も随分と狡猾になったものだな、と思った。


312 名前:西本:2008/11/19(水) 19:44:01.97 ID:GoDHLxfx0


   (´・ω・`)ショボンは姉上との約束を果たすようです


          第二章 『バレノン』




314 名前:西本:2008/11/19(水) 19:45:21.70 ID:GoDHLxfx0
 
「おおい、ツンちゃん。お酒のおかわりお願いしまーす」

ξ;゚⊿゚)ξ「はい! ただいま参ります!」

「ツンちゃーん、俺もお酒おかわり!」
「俺も俺も!」
「あ、てめえ俺のが先だぞ。割り込むんじゃねえ」
「こういう時は隊長の俺様が最優先だろーが。下っ端はすっこんでろ!」

 ツンを雇い始めてから七日。
 店内はいつも以上に蜂の巣を叩いたような騒ぎであった。

 店の外には行列まで出来ており、通りがかった人々も何だ何だと気になって、
 馬車に乗った大商人ですら足を止まるほどの盛況振りであった。

 ショボンの思惑通り、竜王亭に美しい娘がいる、という噂は人から人を伝って瞬く間に広がった。
 戦で疲労した兵士達は、可愛らしいツンの姿に癒しを求めて竜王亭へ足を運ぶ。

 独り身が多い商人達も、またしかり。
 その姿を一目見てやろうと、冷やかし半分でやってきた客でさえ、ツンの美しさに見惚れて常連客の仲間入りするほどであった。
 ツンは、愛嬌のある美しい娘であった。
 外見だけでなく、その礼儀正しい態度も、男達のツボにはまったのだろう。

 おかげ様で、竜王亭はここ数日、以前の三倍近い売上を弾き出していた。


316 名前:西本:2008/11/19(水) 19:46:32.79 ID:GoDHLxfx0

ξ゚⊿゚)ξ「お待たせしました。お酒のおかわりでございます」

 ツンは酒のボトルを傾け、木製のコップへと注いだ。

「おおう、安い酒も美人に注がれると、一段とうまそうに見えるってもんだ。なあ、店主!」

(´・ω・`)「安い酒は余計ですよ、兵士さん」

 ショボンがそう言うと、店内は男達の笑い声で溢れかえった。
 ここにいる兵士達は、皆、平民あがりの下級兵士がほとんどである。
 その所得は微々たるものだが、皆、気のいい連中だった。
 以前、ツンが若い商人にしつこく絡まれた時、彼らは商人をひっ捕まえて、つまみ出してくれた。

 ショボンは彼らと話を交わすのも好きだったし、
 何より店の治安を守ってくれるというのが、大きなメリットであった。


317 名前:西本:2008/11/19(水) 19:47:49.45 ID:GoDHLxfx0

(´・ω・`)「ツン、リベロフィッシュの刺身を三番テーブルに持っていってくれ」

ξ゚⊿゚)ξ「はい。ショボンさん」

 ツンは軽快な足取りで、三番テーブルへと料理を運ぶ。

(;´・ω・`)「おい、そんなに急ぐと」

 どたんっ!
 危惧したとうり、ツンは自分の足につまづいて転んだ。
 その音に、店内にいた兵士達は雑談をやめ、どうしたどうしたとツンの方へ視線を向けた。

(;´・ω・`)(ああもう、言わんこっちゃない)

(´・ω・`)「大丈夫か?」

ξ゚⊿゚)ξ「うう……痛い、けど大丈夫です。それより、お料理は……?」

 ツンは鼻を押さえながら立ち上がった。
 そして、床にぶちまけられた刺身を見て、顔を青ざめた。


319 名前:西本:2008/11/19(水) 19:48:46.37 ID:GoDHLxfx0

ξ;゚⊿゚)ξ「す、すいませんっ! 私、何て事を!」

(´・ω・`)「気にするな。また作ればいい」

ξ;゚⊿゚)ξ「で、でも。私」

 また、ツンの悪い癖が出たな。
 ツンはどうも、失敗をすると自分を責める癖がある。
 泣き出されては困るので、ショボンはどう取り繕ってやろうかと考え始めた。

( ,,゚Д゚)「おう、待ってたぜ。これだよ、これ。うまいんだよなあ」

 と、三番テーブルの若い兵士は、フォークを持って床に座り込んだ。
 そして、埃にまみれてしまった刺身をひょいと突き刺すと、口に運んだ。

( ,,゚Д゚)「うん、うまい。埃がいいスパイスになって、いい味出してらあ」

 兵士はそう言って、にこりと微笑んだ。
 それをきっかけに、店内に再び笑いの渦が巻き起こった。


321 名前:西本:2008/11/19(水) 19:49:59.08 ID:GoDHLxfx0

「ギコの言うおりだ! 埃の旨みを知ってこそ、一人前の兵士ってもんだよなあ!」
「埃なんて、スパイスの一つよ! 砂粒一つで大騒ぎする貴族や富豪どもとは、舌の鍛え方が違うぜ俺達庶民はよぉ!」

 それから、騎士団への愚痴や貴族、王族への不満など、
 酒に酔った兵士達は思い思いに愚痴を笑いあった。
 終いには、肩を組んで歌を歌い始めた。

 全く、随分と心優しい酔っ払い共だ。

(´・ω・`)「ほら、ツン」

 ショボンは、ツンを立ち上がらせて、肩をぽんと叩く。

ξ゚⊿゚)ξ「あの、あ、ありがとうございました!」

( ,,゚Д゚)「なーに。礼を言われるほどの事じゃないさ」

 そう言って、ギコと呼ばれた兵士は、刺身を全て平らげ席に戻った。


322 名前:西本:2008/11/19(水) 19:51:14.98 ID:GoDHLxfx0

「おおい、ツンちゃんも一緒に歌おうではないか! 
 落ち込んだ時は、歌を歌えば気分も明るくなる! 楽しくなるぞ!」

ξ゚⊿゚)ξ「え? あ、あの、私は仕事中ですから……って、うわわわっ」

 酔っ払った兵士に引っ張られ、ツンは兵士達の輪の中に入っていった。
 ツンを加えて気合が入ったのか、兵士達の歌声は各々競うように大きくなっていく。

 乙女の歌声聞こえれば 男は笛持ち奏で始める
 魔物の声が聞こえれば 男は剣持ち戦行く
 愛する家族を守るため 愛しき故郷を守るため
 男は今日も旅路を行く 女は子供に愛注ぐ
 空にのぼりし太陽は  今日も我らを見守るさ

 野太い声で歌う兵士達と、それに混じって楽しそうにしているツンを見て、ショボンは暖かい気持ちになった。

(´・ω・`)「今日くらい、酒を飲んでもいいかな」

 ショボンは席について酒を呷った。


323 名前:西本:2008/11/19(水) 19:53:06.32 ID:GoDHLxfx0

( ,,゚Д゚)「いい娘を雇ったもんだな、店主」

 対面に座ったギコが、人のいい笑みを浮かべながら言った。

(´・ω・`)「ええ。自慢の看板娘です」

 ショボンは敬語で答えた。
 恐らく、ギコという兵士の方がショボンよりも二つか三つ年下であるのだろうが、
 客は誰であろうと平等に敬うのがショボンの主義、しいては商売の基本でもあった。

( ,,゚Д゚)「確かに、彼女の美しさと素朴な笑顔には人を引き付ける魅力がある。
     しかし、店主の作る変わった料理も、また十分に魅力的だと思うぞ。
     刺身という料理など、俺はこの店に来るまで知らなかったし」

(´・ω・`)「刺身は、私の故郷で好まれた料理ですから。
      この辺じゃ、こういう料理は作らないみたいですけれど」

( ,,゚Д゚)「そりゃそうだ。魚を生のまま食うなんて、考えた事も無かったぜ。
     あんた、一体どこの生まれなんだい?」

 ずい、とギコはテーブルの上に身を乗り出した。


325 名前:西本:2008/11/19(水) 19:54:13.10 ID:GoDHLxfx0

(´・ω・`)「エルー大陸の、小さな村の生まれです」

( ,,゚Д゚)「あっちの大陸の出身か。なるほどな、どうりで見たことの無い料理ばかりだと思った」

 ギコは、納得したように頷いた。

(´・ω・`)「ギコ殿は、エルー大陸に行かれた事はあるのですか?」

( ,,゚Д゚)「ん、まあ何度かな」

(´・ω・`)「では、グルガ族という種族をご存知でしょうか?
      エルー大陸の東に住んでいた民族なのですが」

( ,,゚Д゚)「グルガ族?」

 ショボンが問うと、ギコはしばし顎に手を当てて黙り込んだ。
 心当たりがあるのだろうか? こみ上げる期待に、自然と胸が高鳴った。
 やがて答えが出たのか、ギコは顔を上げる。

( ,,゚Д゚)「すまないが、そのような民族は耳にした事が無いな」

(´・ω・`)「そうですか……」

 胸の中に灯った希望の光は、しゅるしゅるとしぼんでいった。
 また空振りか、と肩を落とす。
 だが、肩透かしには慣れたもので、ショボンはすぐに明るい表情を浮かべた。


326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 19:55:35.97 ID:rzGi+fe7O
にしもとぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお…おぇっ…ゲホゲホ……おおおおおおおおおお

328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:00:35.44 ID:z3o7N1g30
こんなすごいスレ、久しぶりに出会ったわ…マジで涙出てくる

329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:09:56.81 ID:deg0dVUa0
待ってて良かった
>>1頑張れ!

333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:22:37.00 ID:vPib8zSvO
西本はやっぱり格が違うな

341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:39:24.88 ID:LD5WVKUUO
けっこう面白いから続き気になるなー
西本ぉぉぉ!!!!!!!

342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:10:25.70 ID:ognp/Tbt0
俺達は西本の掌で泳がされてるだけなのか・・・?

343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:18:13.11 ID:cmlPrXu5O
西本がムカつく。ムカつくけどほしゅしちゃう

せめて投下終了のレスぐらいよこせ

346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:57:17.41 ID:eZY99OZuO
西本さん面白いです。続き楽しみにしていますのでまた書いて下さいね。

356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 23:53:09.48 ID:ognp/Tbt0
西本にとっては・・・遊びかもしれない
でも俺は・・・本気なんだ!!!!

357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 23:56:16.29 ID:VL1BIv5oO
にっしー そんなひと ちがう
わたし にっしー しんじるね

369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/20(木) 06:46:28.38 ID:OP66fqyyO
にっしーおはよう

379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/20(木) 12:40:03.91 ID:OP66fqyyO
にっしー

380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/20(木) 13:03:44.73 ID:F0im/ZPVO
にっしっしっ

381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/20(木) 14:32:05.48 ID:AEvl/YrEO
にしもと

382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/20(木) 15:03:50.44 ID:OP66fqyyO
にっしー

384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/20(木) 16:48:44.66 ID:OP66fqyyO
にしにし

385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/20(木) 16:52:32.94 ID:bECzwC4nO
さすが西本

386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/20(木) 17:36:50.33 ID:mepbKJn+0
に!し!も!と!

394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/20(木) 20:23:03.78 ID:tizRJylwO
西本さん

402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/20(木) 22:22:53.54 ID:xqeA/BjL0
西本まだ帰ってこないの?

407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 00:01:35.86 ID:Hd9lAqBhO
にっしー

408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 00:21:01.70 ID:T5utP2AeO
にし

409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 00:52:00.91 ID:Hd9lAqBhO
にっしーおやすみ

414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 03:30:16.30 ID:w3RzZqWz0
にっしー


415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 06:56:33.82 ID:Hd9lAqBhO
にっしーおはよう

417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 07:48:55.58 ID:LqA6oY5WO
おはいおおまいら

418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 09:49:40.39 ID:Hd9lAqBhO
にしにし

419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 11:06:18.60 ID:Hd9lAqBhO
にっしー

421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 13:31:38.61 ID:T5utP2AeO
にし

422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 14:32:46.48 ID:T5utP2AeO
にしもと

423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 14:53:22.99 ID:GlTod428O
にしっしっ

424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 15:20:17.37 ID:r0TRcCt4O
書き手もいないのにここまで残るとは

425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 16:14:25.60 ID:2FdHjTqhO


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