mesimarja
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o川*゚ー゚)o この糞ガキ のようです
2 名前:>>1ありがとう!:2010/12/23(木) 18:49:25.21 ID:lEZ9Z/8P0
――――おお。

寒くて目が覚めたらやっぱりこれだ。


('、`*川「こりゃすごいや・・・」


一面の銀世界。
あそこの小学校も、公園も、駐車場も。

窓が結露しててあんまりよく見えないけども、そうに違いない。


スウェットの袖で拭いてやろうかとも思ったけど、やめた。

・・・・・・景色みたいけど、たぶん冷たいし。
うん、やっぱりよそう。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 18:51:14.78 ID:lEZ9Z/8P0
それにしたって寒すぎるので、暖房を入れることにした。
朝から暖房をつけるのは、多少なりとも抵抗があるがしょうがないだろう。


前から思ってたけど、このマンションは寒すぎる。
滅多に使ってなかった暖房が今では大親友だ。


ベッドから起きてリモコンを探す。
クソ寒い。



('、`*川

('、`*川

('、`*川「どこにもねぇ」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 18:52:37.52 ID:lEZ9Z/8P0
そういうときって一気にやる気無くす。

まぁもともと何のやる気もないけど。


第一、今日から三連休だし。

こんな日は、家にこもって2ch見てクソスレ探したり、ニコ動みたり、ようつべ見たり。
うーん。私の愛するダム板の繁栄に力を尽くすのも良いかもしれない。


家でごろごろしながらまったりと過ごす。
これほど最高なことがあるだろうか。


・・・・・・・・・あ。

*************


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 18:54:05.14 ID:lEZ9Z/8P0
('、`*川『・・・そう考えると久しぶりの連休ですね』

(*゚ー゚)『あの「VIP☆クオリティ」の専属モデルさんだものね。毎日忙しかったんでしょう?』

('、`*川『うーん。私なんかより忙しい子は沢山いますよ』


('ヮ`*川『奥さんこそ忙しいでしょう。この所帰り遅いみたいで』

(*゚ー゚)『あはは』

(*゚ー゚)『そうね。急に忙しくなっちゃって』


(*゚ー゚)『おかげでこの子と一緒にいる時間がね』

o川*゚ー゚)o 『別に寂しくないよ! ペニちゃんとかお父さんとかいるもん!』


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 18:56:01.03 ID:lEZ9Z/8P0
('、`*川『だからその呼び方は・・・』

(*^ー^)『あらあら。ずんぶん気に入られちゃってるみたいね』

o川*^ー^)o 『うん! ペニちゃん大好き!』

('ヮ`*川『あはは・・・』


(*゚ー゚)『この三連休はうちのキュートがお世話になっちゃうかも知れないわね』

('ヮ`*川『構いませんよ。三連休って意外と長いですし』

o川*゚ー゚)o 『わーい! 毎日遊びに行くから!』


('ヮ`*川『参ったな・・・』

(*^ー^)『うふふ・・・』

*************


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 18:58:08.72 ID:lEZ9Z/8P0
・・・・・・・・・・・・あー・・・・・。

そんなこと昨日話したっけ。

まあ、キュートも連休初日から来ることもないだろう。


・・・・・・待てよ。

雪、積もってるよね、今日。


('、`*川「もしかして来るんじゃね?」


――――ピンポーン。

来やがった。


('、`*川「あんの糞ガキ・・・」


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:00:51.51 ID:lEZ9Z/8P0
ちなみに今何時だ?

・・・・・・7時半?!
早すぎだろ!

もう馬鹿かと。阿呆かと。

たまたま寒くて早く起きたからいいものも、寝てたらたたき起こされてたって訳か。
相変わらず根性が据わってるガキだな。


('、`*川「まだご飯も食べてないんだけど」

しぶしぶと重い足を上げて玄関へ。


玄関のほうが全然寒い。
なんか羽織ってからにすればよかったかな、とか思いながら扉を開けた。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:02:45.34 ID:lEZ9Z/8P0
扉を開けた瞬間、冷たい風が体中に当たる。

マジ糞寒い。
すでに死にそうだ。


o川*゚ー゚)o 「ペニちゃん雪ー! 遊ぼー!」

('、`*川「だからその呼び方は卑猥だからやめい」


朝早くから来ておいて、このなんも悪びれていない笑顔。

子供って良いね。
畜生。


    o川*゚ー゚)o この糞ガキ のようです


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:04:10.41 ID:lEZ9Z/8P0
('、`*川「あたしが寒いから早く入れ」

o川*^ー^)o 「わーい」


キュートを家に入れてすぐに扉を閉める。
おー。寒かった寒かった。


入るなりすぐに靴を脱ぎ始めた。

ピンクのかっこいいスニーカー。
最近のガキはお洒落だな。

・・・っておい。
靴はちゃんと並べて入れっていつも言ってるでしょうが。


そんなことも全く気にするそぶりを見せずにテクテクとリビングまで歩いていってしまった。
この糞ガキめ。


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:05:35.84 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o 「あっ。『VIP☆クオリティ』」


おっと。机の上に置きっぱなしだったか。


ちっちゃな体を限界まで伸ばして、その雑誌に手をかける。
そのままキュートお気に入りの白いソファに座って、ペラペラと読み始めた。

お前さんが見たってわかんないからやめときなさいよ。


o川*゚ー゚)o 「知ってた?これにペニちゃんが写ってるんだよ」

知ってる。


o川*゚ー゚)o 「ほらほら、これ」

そう言って、雑誌の中の私を指差して、私に見せてきた。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:07:39.63 ID:lEZ9Z/8P0
・・・・・・んー。これは、そこそこかわいく撮れてるんじゃなかろうか。
服のチョイスもgoodでしょう。
うん。


('ー`*川「かわいいでしょ?」


o川*゚ー゚)o

o川*゚ー゚)o

o川*゚ー゚)o 「普通」

('ー`*川





('ー`*川「この糞ガキ」

もうこの糞ガキだけは絶対に許さん。
何があってもだ。

涙目だよ、私は。


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:09:46.76 ID:lEZ9Z/8P0
飽き始めたのか雑誌をポイッとソファの上に投げ込む。

そのまま結露した窓を眺め始めた。
なかなか景色が見えないだろう。


キュートはテトテトと窓に近寄って、手に取ったカーテンで結露を拭いた。
こんにゃろう。


('、`*川「あほたれ。これは拭くもんじゃないでしょうよ」

そう言って私はキュートの頭をバシッと叩く。

良い音が響いた。
脳みそ空っぽなんじゃなかろうか。


o川*>-<)o「痛い・・・」

反省しろ。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:12:08.34 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o「ねえ、早く外出ようよ! 雪だよ!」


反省する様子も無く、後頭部を押さえてニコニコと私の顔を見る。

相変わらず反則の笑顔だ。
畜生。


キュートに急かされてので、しぶしぶ着替えることにした。
まあ、遠くまで行くこともないと思うので、適当なものに着替える。

スウェットを脱ぐと、やっぱり寒い寒い。
リモコン探して、付けてから着替えるべきだったか。


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:14:23.82 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o「ペニちゃんってお母さんよりずっと背が高いのにおっぱい全然無いね」


('、`*川

('、`*川

('、`*川「・・・貴様、言うてはならんことを」


もう一度ぶん殴ってやろうかと思ったけど、やめた。

この気持ちは怒りとかじゃない。
ああ、虚しさだよ。これは。

全身の力が抜けるというか・・・。


いちいち子供の言ったことに傷ついてるようじゃ、立派な人にはなれないぜ。

うん。そうだな。
・・・うん。


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:16:22.31 ID:lEZ9Z/8P0
('、`*川「よし」


自分の姿を鏡で確認した。

完璧。
シックな感じでかっこよく決まってる。


('ー`*川「どう?」

側にいたキュートに感想を聞く。

黒いカーディガンを広げて私らしく無くおどけて見せた。
俗に言うかわいいポーズである。


o川*゚ー゚)o

o川*゚ー゚)o

o川*゚ー゚)o「普通」


('ー`*川

聞いた私が馬鹿だったよ。

シーンとした部屋の中で私のかわいいポーズだけが異質な空気を放っていた。


45 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 19:38:30.44 ID:lEZ9Z/8P0
コートを羽織って外に出る。
ブーツを履いてるときにキュートに急かされたけど、耳が聞こえないふりをして事なきを得た。


――――・・・うーん。やっぱり寒い。
手袋でもしてきたほうが良かっただろうか。


よく見たら雪も降り始めてるじゃないの。
もう外で遊ぶの、やめません?

o川*゚ー゚)o「やだ」

でしょうね。


あきらめてマンション特有の小さな門を開け、廊下に出る。
キュートはぴょこぴょこと走って、先にロビーに下りてしまった。

すぐにでも外で遊びたいらしい。

47 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 19:42:32.81 ID:lEZ9Z/8P0
私も歩き始めると、同じタイミングでキュートのお父さんと鉢合わせた。
まあ、お隣さんだから珍しくも無いだろう。



(;^ω^)「おはようお。キュートがこんな朝早くから迷惑じゃないですかお?」

('ー`*川「おはようございます。別に迷惑じゃないですよ。私も楽しいですし」


キュートのお父さんは顔が良くて、お母さんもかわいい。
お似合いの夫婦と言ったところだろうか。


何よりも、キュートのお父さんは私のお父さんとは全然違って気遣いがすごい。

うちのお父さんにも見習って欲しいところだ。


*************


48 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 19:44:46.35 ID:lEZ9Z/8P0
( ^Д^) 『おーいペニサス。今日の屁はさわやかだぞ』

( ^Д^)

( ^Д^)パタパタ

('、`*川『やめ・・・』

('、`*川『くっせえ!こんもりくっせえ!』


( ^Д^)『こんもりってことは無いだろう。なあ、お母さん』

从'ー'从 『知りません』

( ^Д^)

( ^Д^)パタパタ

从´-`从 『来た、くっさ。くっさ。こんもりくっさ』

*************


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:46:10.70 ID:lEZ9Z/8P0
キュートのお父さんみたいなお父さんがよかったかな。

うん。


(;^ω^)「なら良かった。では、遅刻しそうなんで失礼するお」


右手のゴミ袋を持ってそそくさと走って行ってしまった。


よれよれスーツの後姿が哀愁を漂わせる。
休日なのに出勤とは大変だ。


・・・私も休日なのにこんな朝早くから大変だ。


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:49:04.17 ID:lEZ9Z/8P0
さっさと階段を下りてしまったキュートをほっといて、私はエレベーターでロビーへ。

七階から階段を使う荒業、20超えたおねいさんにはできません。



一階に着くと私がエレベーターを使うことがわかっていたのか、キュートはエレベーターの
目の前に立っていた。

君のお父さんと話してたとはいえ、すんごく早いです。


o川*゚-゚)o「遅い!」

('、`*川「ごめんごめん」

私は聞き流すように二つ返事をした。
だって君が早すぎるだけなんだもの。


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:51:03.89 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚-゚)o「悪いことしたらちゃんと謝らないとだめだよ」


なん・・・だと・・・?
この糞ガキ・・・!
もう遊んでやらんぞ畜生。


('、`*川

('、`*川「ごめんなさいド畜生」

o川*゚ー゚)o「よし」

いいのかよ!!

子供の思考回路はまったく判らない。
特にこの子。


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:53:15.92 ID:lEZ9Z/8P0
キュートに手を繋ぐようにせがまれたので、手を繋いだ。


o川*゚ー゚)つ⊂('、`*川


かわいい毛糸の手袋。
体温は伝わらないけど、こっちも暖かくなった気がする。


よく見たら今日のキュートは白いダウンと厚手のジーパン。
しかも、さっきブーツ履いている時、さり気無くカイロを振っていたな。

完全防備なことこの上なしと言った格好だ。

雪の中遊ぶ気満々。


私は完全防備とは言えない状態で、早くもギブアップしそうです。
カイロぐらい持ってくれば良かったかしら。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:55:37.94 ID:lEZ9Z/8P0
マンションの外に出た。

自動ドアが開いた瞬間からクソ寒かったけど、完全に外に出たらもっと寒かった。
まあ、当然なんだけど。


o川*^ー^)o「わー!」

キュートは握っていた手を離して白いキャンパスに駆けていった。

道路を越えて駐車場へ。


全く車が通ってないのか、何の跡もついていない。
まっさらなキャンパスにどかどかと足跡をつけるキュート。


テンションアゲアゲ(笑)なキュートに対して、すでに凍死しそうな私。
雪が小降りだから良いものも、すでに挫けそうだ。


私はコートの袖に手を入れあって、中国人みたいな格好のままガチガチと震えた。


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 19:57:51.37 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o「早く早くー!」


しばらく一人ではしゃぎまわっていたキュートが、未だにマンションの前で突っ立っていた私を呼んだ。
ようやく一人でいたことに気づいたか。


その手には雪球。
嫌な予感がする。
近づきたくない。


o川*゚ー゚)o「早くってば!」

('、`*川「わかった、わかったから」


観念した私は重い足を上げて駐車場に向かう。
全く車の気配が無い道路を越えて駐車場へ。


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:00:00.74 ID:lEZ9Z/8P0
ギュッギュッと雪を踏みしめながら、ニヤニヤを隠しきれてないキュートの元に向かう。


この糞ガキ。
魂胆見え透いてるぜ。


o川*゚ー゚)o「そーい!」

予想通り。
小さな巨人は雪球を投げてきた。

意味のわからない掛け声を上げながら。


しかし、こちとらモテカワスリムの23才スイーツ(笑)

お前さんとは場数がちげぇ。場数が。



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:02:22.92 ID:lEZ9Z/8P0
('д`*川「ふぇーい!!!!!」


意味のわからない掛け声に対抗してもっと意味のわからない掛け声を放つ。

より、元気に。
そして華麗に避けるのだ。


私は蝶のように舞った。

誰もがこの光景に釘付けになるだろう。


('、`*川「決まった」


最後に立て膝で決めて見せた。
自分で言うのもなんだが、すごかったと思う。

足場の悪さを感じさせない足取り。

9.5点はいっただろうな。

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:05:57.56 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚-゚)o「ちっ」

糞ガキも相当悔しそうだ。
してやったぜ!


伊藤ペニサス23才。

初めてこの子に勝った気がする。
ありがとう。ありがとう。


( ゚д゚ )

('、`*川

しまった。

知らない人と目が合ってしまった。
最初から見ていたんだろうか。

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:08:29.92 ID:lEZ9Z/8P0
( ゚д゚ )

('、`*川


( ゚д゚ )

('、`*川


( ゚д゚ )

( ゚д゚ )

( ゚д゚ )

やばい。
めっちゃ見てる。


(////*川


恥ずかしい。

そうだ、私は伊藤ペニサス23才なのだ。
ふぇーい!!!!!とか言っちゃってる歳ではないのだ。


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:11:40.87 ID:lEZ9Z/8P0
( ゚д゚ )

( ゚д゚ )

( ゚д゚ ) 「ふぇーい・・・」ボソッ


(///*川 そ


聞こえた。
聞こえたぞおっさん。



そのまま、知らない人はどこかへ行ってしまった。
ああ、死にたい。


72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:14:19.59 ID:lEZ9Z/8P0
(///*川

(○。川「ベフォッ!」


怯んだ私に雪球が直撃した。

わかってる人も多いとは思うが、雪球っていうのは当たると結構痛い。
意外と硬いんだ。

これが顔に当たったんだよ。顔に。


o川*^ー^)o「わーい」

喜んでやがる。
この糞ガキ。
元はといえばこいつのせいで恥ずかしいことになってしまった訳で。


o川*゚ー゚)o「冷たい?」

(○。川「火照った体に良い塩梅だぜ」

畜生。


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:16:50.89 ID:lEZ9Z/8P0
雪の付いた顔をバシバシと叩く。
化粧してなくて良かった。


('、`*川「てめぇこの糞ガキ、もう許さん」

o川*゚ー゚)o「それにしても二人だけってつまんないね」


('、`*川 そ


話すり替えた上に、この私と二人っきりという状況に不満垂らしやがった。

寒さ以上に挫けそうです。
まあいつもなんですが。


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:19:26.51 ID:lEZ9Z/8P0
たしかに、私一人だとこの子の相手は荷が重い。

特にこんな雪の日は。
・・・ふむ。


キュートがまた雪球を握り始めた。
さっきみたいな攻防が延々と続くのか。

事は一刻を争うようだ。


('、`*川「ハインでも呼ぼうか」

o川*゚ー゚)o「わーい」


しょうがないからハインを呼ぶことにした。

ハインは高校の頃から一緒にいることも多く、大学も一緒に通った仲だ。
家も近いからすぐ来るだろう。

ちなみに絶賛留年中である。


78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:21:43.48 ID:lEZ9Z/8P0
【'、`*川[プルルルルル・・・・・]

从 ゚∀】「もっしー」

【'、`*川「おっす。あんた今暇でしょ?マンションの前の駐車場来て」

从 ゚∀】「えー。まだ九時じゃねぇか。めんどくせえよ」

【'、`*川


【'、`*川「よろしく。あとご飯買ってきて。お金後で渡すから」

从;゚∀】「おい。俺はまだ行くなんていってねぇよ」

【'、`*川


【'、`*川「ほいじゃ、またあとでー」

从;゚∀】「うおーい、ちょっとま[プツッ]


これでよし。
流石は優しいハインちゃん。


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:24:56.45 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o「ハインちゃん来るって?」

('ヮ`*川「今すぐ来るって」

o川*^ー^)o「わーい」

('ヮ`*川


(○。川「ベフォッ!」



なぜそのタイミングで私に投げる。

雪球ってめちゃくちゃ痛いんだぞ。

服の中入った。
冷てぇ。


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:26:49.34 ID:lEZ9Z/8P0
――――ハインが来るまで私は地獄を見た。

迫り来る雪、雪、雪。


服の中に雪を入れられた時はマジで死ぬかと思った。
その上、雪の上をのた打ち回っちゃったもんだから体中が真っ白。


前から思ってたけど、この子は容赦というものを知らない。

夏に花火をした時だって、秋に焼き芋をした時だって、季節ごとに違う地獄を見せてくれる。
この子のおかげで私はちょっとやそっとのことでは挫けなくなった。


やったね!


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:29:52.67 ID:lEZ9Z/8P0
(○。川

(○。川「私、この顔がデフォルトになり始めてるんですけど」


o川*゚ー゚)o

o川*゚ー゚)o「お化粧」


(○。川「うるせえ!!」


くっそ。
マジで早くハイン来てくれ。
頼むから。


82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:32:07.43 ID:lEZ9Z/8P0
从 ゚∀从「おーい。来てやったぞー」


突如後ろに人の気配。
そして、独特のハスキーボイス!
この声は!


(○。川「ハイィイィイイィィイン!!!!」

从;゚∀从「誰だこの化けもんは」

ひでぇもんだぜ。
親友に抱きつきにかかれば化け物扱い。

泣くぞ。
泣いちゃうぞ。


o川*゚ー゚)o「ペニちゃんだよ」

从 ゚∀从「あぁ。ペニスちゃんか」

挙句の果てに肉棒扱いかよ。


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:35:42.51 ID:lEZ9Z/8P0
ああ。嫌なこと思い出す。

背が高いのとペニサスという名前をもじられたあだ名の数々。


巨根、ビッグペニス、亀頭ペニサス...etc


(○。川「畜生」

从 ゚∀从「ほら、掃ってやるよ」


そういって私の顔をパシパシと叩く。

痛い。痛い。
顔、真っ赤なんだろうな。

('、`*川「サンキュー」

从 ゚∀从「oh...ノーメイクですか」

良いんだよ。
どうせ誰も見やしないんだから。
そういうお前さんだって、かなり薄めじゃないの。


88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:39:51.32 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o「ねぇねぇ」

('、`*川「ん?」


o川*゚ー゚)o「ペニスってなあに?」



('、`;川 そ

从;゚∀从 そ


おい。
どうするんだよハイン。

お前のせいだぞ。お前の。


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:42:53.05 ID:lEZ9Z/8P0
从;゚∀从「ペニスって言うのはな・・・」


なんて答えるんだ?

お前の腕の見せ所だぞ!


私は神妙な顔をしてハインを見た。
頼むから野暮なこと言うんじゃないよ。




从;゚∀从「にょ、如意棒だ」

3点。


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:45:56.58 ID:lEZ9Z/8P0
('、`*川「で、ご飯は何買ってきたの?」

从 ゚∀从「駅前のマックで買ってきたよ。念のためキューちゃんの分も買ってきた」

o川*^ー^)o「わーい」


从 ゚∀从「おっ?」

o川*^ー^)o「えいっ」

从*゚∀从「おお、おっと。抱きつくなって。この野郎」


ほほえましい光景だ。
こういうときはキュートもかわいい。


o川*^ー^)o「そーい!」

从;゚д从「つめてぇ!」


あいつも服の中に雪を入れられたか。
キュート、恐ろしい子。

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:48:56.82 ID:lEZ9Z/8P0
――――雪が強くなってきた中で、キュートとハインと三人で一緒にご飯を食べた。


私とハインがロビーで食べようって言ってるのにキュートは外で食べたいらしく、
わがままなお嬢様の言うことを聞いて、駐車場の石の上で食べた。


むちゃくちゃ寒かったけど雪の上で食べるご飯もいいもんで。
ハインなんかはコーヒーに雪入れられてたけど。


ちなみに私はフィレオフィッシュが好きだ。

あのタルタルソースが私のつぼをピンポイントで刺激する。
まずマックにいけばフィレオフィッシュを頼む。
ハインもそれを知っていてフィレオフィッシュを買ってきてくれていた。


95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:51:58.56 ID:lEZ9Z/8P0
キュートがチーズバーガーを食べ終わると同時に勢い良く立ち上がった。

ゴミをポイッと投げ捨てて。
あほたれ。


o川*゚ー゚)o「雪だるま作ろ!」

('、`*川「ゴミを地面に捨てるんじゃない」

手のひらで糞ガキの頭をパシッと叩く。

うん。
いい音だ。
やっぱり脳みそ空っぽなんだろうな。

ハインはこの様子を見て、ニヤニヤしながらゴミを拾っていた。


o川*>-<)o「痛い・・・」

反省しろ。


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 20:55:30.08 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o「ねぇねぇ。大きいの作るの!みんなで作ろ!」

後頭部を押さえてニコニコと私を見る。
絶対反省してないよねこの子。


从*゚∀从「おっ。雪だるまか!いいねいいね!」

ハインは前からこういうのが大好きなようだ。

プラモデルとか、ジグソーパズルとか。
私には無縁のものが部屋中に飾られていたような気がする。

とてもこういう風には見えないんだけどね。


('、`*川「えー・・・」

从 ゚∀从「なんだよ。嫌だとは言わせねーぞ」


だって手が冷たくなるし。
一刻も早く暖房の効いた部屋に戻りたいよ私は。

あ。リモコンないんだっけ。


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:00:03.62 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚-゚)o「ペニちゃんも作るの!」

从 ゚∀从「ほらほらペニスちゃん!」

o川*゚ー゚)o「ペニスちゃん! ペニスちゃん!」


二人は男性器を口ずさみながら私の手を引く。

キュート。
それはお母さんやお父さんの前では言ってはだめだよ。
まず私が疑われるから。



('ヮ`*川「しょうがないなー」

o川*^ー^)o「わーい」

从*゚∀从「よっしゃー」


観念した私はすでに赤くなっている手で雪をつかむ。

こうやって小さい玉から転がして大きくしていくんだっけ?
やるんだったら飛び切り大きいのにしないと。


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:04:01.31 ID:lEZ9Z/8P0
('、`*川「くっそ。超つめてぇ!」


しばらく雪球作りに精を出す。

ところが、手が冷たいだけでなかなか大きくならない。
りんごサイズまでに大きくしたところで根を上げてしまった。


从 ゚∀从「なっさけねーなペニサス」

('、`*川

('、`*川「おお。ハインすごいね」


私と同じくらいに作り始めたハインの雪球はそこそこ大きかった。
だいたい私の膝くらいまでの大きさ。


これは負けてられないな。


102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:06:24.52 ID:lEZ9Z/8P0
これは負けてられないな。

んでもってキュートのはどれくらいだろうか。

側にいるかと思ったら意外と遠くのほうで雪球を転がしていた。
うーん、良く見えない。


o川*゚-゚)o「よいしょ、よいしょ」


でも、ひたすら雪球を転がしているようだ。
多分、三人の中で私の雪球が一番小さいと思う。


しかし、ハインはいいとしてキュート。
お前はチートだ。
手袋とか卑怯すぎる。

モテカワスリムの23才はとてもじゃないけど、素手でのこの地獄の作業は絶えられないです。

雪球を転がすたびに手が悲鳴を上げます。
あいたたた。


無理な体勢で転がすもんだから腰まで痛くなってきた。
いや、別に冷えたから痛くなってきたわけじゃなくて。

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:07:49.18 ID:lEZ9Z/8P0
――――休み休み転がしていたら、結構時間が経ったみたいだ。

果たしてみんなの進み具合はどうだろうか。


('ー`*川「へへっ」

私のほうはなかなか大きくなった。
顔四つ分くらいはあると思う。

なんといってもこの円。
これに自信がある。


死ぬほどやめたかったこの作業も、こうして大きくなった雪球を見るとうれしくなってくるものだ。
でも、もう一生やりたくないかな。

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:10:45.13 ID:lEZ9Z/8P0
どれ、キュートのほうはどうなっているだろう。

さっきまで遠くに居たけども、気づかないうちに近くまで来ていたようだ。


o川*゚-゚)o「よいしょ、よいしょ」

未だに雪球を作るのを続けている。
とんだタフガールだぜ。


('ー`*川「キュートのちいさなお手手でどのくらいのが出来上がったかな?」

('ー`*川

('д`*川


で、でかい。
私の二倍くらいはある。


114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:41:59.36 ID:lEZ9Z/8P0
くっそ。どうやったら同じ時間でこれほどのものが作れるのだろうか。
正直悔しい。

畜生。


o川*゚ー゚)o「ペニちゃんの小さいねー」

いや、待て。
お前の手袋はずるい。
そのせいだ。絶対。

o川*゚ー゚)o「ペニちゃんのおっぱいと同じ」


・・・ああ。
この気持ちは何だろう。
虚無。虚無だ。


胸のことを言われるとなんだか心が白くなっていくよ。
ちょうどこの降りしきる雪のように。

淡く、儚く。

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:45:11.90 ID:lEZ9Z/8P0
从 ゚∀从「二人ともちいせえな!」


後ろから嫌な台詞が聞こえた。
まさか、貴様はキュートの上を行くと申すか。


嘘だ。

世界が、世界がこんなに遠いわけねぇ!!


私は勢い良く振り返った。
全力で。妥協のない振り返り。ベスト・オブ・振り返り。

雪にぬれた茶色い髪がしなって揺れる。

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:46:50.76 ID:lEZ9Z/8P0
从*゚∀从 ドヤッ



('д`*川「でっけえ」

o川*゚ー゚)o「すごーい」


むちゃくちゃでかかった。
私の雪球の三倍くらいはあるだろう。

私たちがいくら夢中になっていたとは言え、こんな化け物サイズの雪球が側でゴロゴロしていたのに
全く気が付かなかったことに危機感を覚える。

キュートと同じくらい頭が空っぽなんだろうか。
やべぇ。


ハインは腰に手を当ててニヤニヤしている。
今日のところは負けを認めてやろう。

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:49:03.22 ID:lEZ9Z/8P0
o川*^ー^)o「これだけ大きかったらしっかりとした土台になるね」

从*゚∀从「そうだな! でかいのが出来るぜ!」


そうか!
私たちは雪だるまを作っているんだった。

ただ大きな雪球を作るために手を冷やしていたわけではなかったのだ。


私は馬鹿だ。
精神的向上心のない奴は馬鹿だ。


大きな雪だるまを作ることに夢を広げる二人をよそに、私はほんのり落ち込んだ。
私が一番頭空っぽじゃないか。

一番雪球小さいし。


123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:51:10.90 ID:lEZ9Z/8P0
从 ゚∀从「じゃ、乗っけていこうぜ」

('、`*川「おっす」


順番としてはハインのが一番下で、その次にキュート、顔が私の雪球だろう。

さすがにキュートでは雪球を持ち上げることが出来ないため、私が持ち上げようと手をかける。


('、`*川「重いし冷てえ! 無理! 無理!」


予想通りむちゃくちゃ重かった。

真っ白なキャンパスの上で、尻を突き出した格好のまま雪球を持ち上げようとする、へっぴり腰の私。
なんと滑稽な姿だろうか。

しかも、誰も手伝ってくれない。
畜生。

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:52:45.69 ID:lEZ9Z/8P0
从;゚∀从「ほんとこういうのセンスないよなー」

うるせえ。
手伝え。


从;゚∀从「ちょっと退いてな」

('、`*川「ほーい」

o川*゚-゚)o「ペニちゃん使えなーい」


('、`*川






('、`*川

おい。キュート。
どこでそんなひどい言葉覚えたんだ?
マジで傷つく。


127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 21:54:52.03 ID:lEZ9Z/8P0
从 ゚∀从「おっしゃ」

ハインは気合を入れて雪球を転がした。


私は何で転がすのだろう、とか思ったけどちょっと経ってようやくわかった。
でかい雪球にぶつけて持ち上がらせるわけだ。

超頭いい。
やるなハイン。


('ヮ`*川「こうやって乗せるんだ。ハインすごい」

从 ゚∀从「常識だ」

o川*゚ー゚)o「常識だよ!」



常識だったらしい。


128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:01:00.31 ID:lEZ9Z/8P0
でかい雪球に中くらいの雪球が乗っかった。
二つが合体すると異常な迫力を帯びる。

予想以上に大きな雪だるまが出来そうだ。


从 ゚∀从「さっ。最後はペニサスが乗っけろよな。今までサボってたんだから」

o川*゚ー゚)o「ペニちゃんファイト!」

('、`*川「よっしゃ」


从 ゚∀从「ペニス! ペニス!」

o川*゚ー゚)o「ペニス! ペニス!」

手拍子をしながら男性器を口ずさみ、私を鼓舞する二人。


こんな光景見られたらどんなに悲しいだろうか。
いや、見られなくても、悲しいな。

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:04:43.56 ID:lEZ9Z/8P0
('、`*川「このくらいなら持ち上がるでしょ」


最後に残った私の雪球。
すでに一つ乗っかっているので持ち上げるしか無さそうだ。
それでも、二人のより、大分小さいので不可能ではないはず。

冷たい体に鞭を打って全身の力を込める。




('、`#川「ぬおぉぉおぉおぉおおぉおおおお!!」



持ちあがらねぇえ!!!!
てんで持ちあがらねえ!


さっきよりもへっぴり腰の私を見ないで!
見ないで!

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:06:57.90 ID:lEZ9Z/8P0
从;゚ -从「まじかよ・・・」

o川;゚-゚)o「ペニちゃん使えなーい」


後ろから何か聞こえる。
駄目だ、挫ける・・・・・・。






――――――――――最後まで・・・ 希望を捨てちゃいかん。

              「あきらめたらそこで、試合終了だよ」







ふと、心の中でわが師の言葉が響いた。
そうだ、あきらめたらそこでおしまいなんだ。
使えない女のままで、おしまいなんだ!


134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:09:55.91 ID:lEZ9Z/8P0
('д`#川「そいやあぁぁあぁぁあぁああああぁああああ!!」



重力から開放される雪球。
ついに持ち上がったのだ!

悲鳴を上げる掌。
今はこんなこと気にしてる場合ではない。

手が張り裂けようと、被れようと、構わない。


蟹股へっぴり腰で雪球を持ち上げた私。
その格好のままピコピコと体を揺らさないように垂直に移動する。


後はこれを乗せるだけだ。


135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:12:18.40 ID:lEZ9Z/8P0
('д`#川「でやあぁぁあぁぁぁあ!」


蟹股だった足をピンと伸ばして雪だるまの頭部を完成させた。
みごとなダンクシュート。

ズシリ・・・。
ああ。いい音だ。


('ー`*川「や・・・やった・・・!」






―――――――――――そろそろ自分を信じていい頃だ・・・・・・。

               「今の君はもう十分あの頃を越えているよ」





・・・はい。安西先生。
私は自分に・・・自分に勝ったんだ!


136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:15:35.67 ID:lEZ9Z/8P0
o川;゚-゚)o

从;゚∀从

・・・・・・なぜ、黙ってるし。



ようやく雪だるまの形が完成したので、後は顔を書く作業だ。

なかなか大きな雪だるまになった。
それゆえに最後の仕上げも気合が入る。


o川*゚ー゚)o「見てー。石とか枝とか拾ってきたの」

大小様々な石。
いつの間に拾ってきたんだろうか。



まさか、私が自分に挑戦しているときに・・・。
いや、考えるのはよそう。


139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:18:27.10 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o「おんぶ!」

ああ、自分で顔を作りたいのね。
了解。


('、`*川「よいしょ」

キュートを私の背中に乗っける。

雪球に比べたら大したこと無いな。


o川*゚ー゚)o「こうして、こうして」

私は横を向いているのでどういう顔を作っているのかわからない。
わからないがどんな印象の顔かはわかる。

从;゚∀从

ハインを見れば。

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:22:57.55 ID:lEZ9Z/8P0
从;゚∀从「おーい。バランス悪くないか?」


バランスが悪いのか。

それは嫌だな。
せっかく自分たちで作ったのだから、イケメンがいいな。


o川*゚ー゚)o「いいの」

どうやら、良いらしい。

まあキュートが良いなら私はそれで構わないけどね。
うん。

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:24:57.01 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o「出来た」


出来たというのでキュートを降ろす。
同じ体制をキープしていたので多少腰が痛い。

私は腰を右手で叩きながら雪だるまを見た。




('、`*川

('、`;川

从;゚∀从




(・∀ ・)

バランスが、悪い。

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:30:02.85 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o「ふんふん♪」


キュートは私たちの反応を気にせず、雪だるまのボタンを作り始めた。
ここまで凝るんだったら顔も凝ろうぜ。


('、`*川「キュート。バランス悪くないか?」

o川*゚ー゚)o「いいの」


良いの、とは言われたが、やっぱり気になる。

さり気なく目の石をずらしてみた。


(・∀・ )

うん。こっちのほうがしっくり来る。

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:33:05.09 ID:lEZ9Z/8P0
('、`*川「こっちのほうがいいよね?」

从 ゚∀从「そうだな。自然だと思う」


ハインも同意見だ。
さっきのはバランスが悪いのも相まって、なんかむかつく顔をしていた。


('、`*川「キュート、こっちのほうがかわいいよ」

o川*゚ー゚)o「ん?」


o川*゚ー゚)o

o川*゚-゚)o

o川*゚-゚)o「かわいくない」


まじか。
子供って言うのは本当に良くわからん。


147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:36:29.68 ID:lEZ9Z/8P0
キュートがかわいくないというので、さっきのバランスに戻してみた。


(・∀ ・) ババーン!


やっぱりなんかムカつく。
これで良いならいいんだけども。


从;゚∀从

从;゚∀从「なんかムカつくよな、この顔」


ハインは私が思ったことをボソッと口にした。

やっぱりそう思うよなあ。
うーん。


148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:38:14.01 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o「できた!」

('、`*川「おー」

从*゚∀从「ようやく完成だな」


雪だるまの体に腕を作り終えたキュートが叫ぶ。
正直なかなかの雪だるまが作れたと思う。
顔以外は。


('、`*川「で、名前は?」

o川*゚ー゚)o「んーとねぇ・・・」

問題は名前だ。
名前次第で全てが決まると言っても過言ではない。
飛びっきりセンスの良い名前を頼むぞキュート。


o川*゚ー゚)o

o川*゚ー゚)o「またんき」

三点。


150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:41:51.52 ID:lEZ9Z/8P0
キュート命名の巨大雪だるま「またんき」が完成した。

これは是非とも写真に収めとかなくては。
記念だし。

何しろこんなものもう作れない気がする。


从 ゚∀从「で、誰が撮んのさ」


そりゃごもっともな意見で。
朝方知らない人に恥ずかしいところを見られてしまった程度で人通りは全く無い。

まあ年末だし納得がいく。

どうしようか。


151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 22:43:33.87 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o「ねえ」

('、`*川「ん?」

o川*゚ー゚)o「さっきのおじさん、来た」


さっきのおじさん?
あのずっとこっちを見てきたおっさんのことか。


( ゚д゚ )


道路を見ると遠くから自転車を走らせてこっちに向かってくる。

しかもこっち見ながら。
なんか怖いよ、あのおっさん。

しかも雪の日なのに自転車ってどんな根性だよ。


156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:05:58.94 ID:lEZ9Z/8P0
从 ゚∀从「知り合いなのか?」

o川*゚ー゚)o「うん」

嘘付け!


从 ゚∀从「じゃああの人に撮ってもらうか」

おいおい、マジかよ。
あの人の前でふぇーい!!!!とか言っちゃってんだぜ? 私。




从 ゚∀从「すんませーん」

ハインが両手を広げて勢い良く道路に出る。


( ゚д゚ ) そ

・・・ほらおっさんビビッてるじゃないの。


158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:07:30.91 ID:lEZ9Z/8P0
自転車をスリップさせながらハインの前に止まるおっさん。

スタントマン並みのアクションをしておきながら顔色一つ変えない。
すげえなおっさん。


从 ゚∀从「写真撮ってほしいんですけど」

断れ!断れ!
頼む断ってくれ!





( ゚д゚ )

( ゚д゚ )

( ゚д゚ )「いいよ」

承諾しちゃったあああ!


161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:10:21.54 ID:lEZ9Z/8P0
おっさんは自転車を止めて駐車場に向かってくる。
私は何とか目が合わないように下を向く。


( ゚д゚ )

o川*゚ー゚)o「ありがとうございます!」

おお。
キュートはしっかり礼を言える子で偉いな。
うん。偉い。


( ゚д゚ )

( ゚д゚ )

( ゚д゚ )「いいよ」

おっさんも結構律儀な奴だ。
しっかりと子供に目を合わせて会話する。


( ゚д゚ )

そして私を見た。

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:13:47.17 ID:lEZ9Z/8P0
目が合ってしまった。
目が合ってしまったら何も言わないわけにもいかない。


('、`;川「あ、ありがとうございます」


( ゚д゚ )

( ゚д゚ )

( ゚д゚ )「いいよ」

私にはわかる。
少し、ほんの少しだけ口角が上がったぞ!

くっそくっそ!
恥ずかしい!


从;゚∀从「なんで俯いてんだお前」


おっさんにデジカメを渡しながら私に話しかける。
その件については触れないでくれ。

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:16:23.30 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚ー゚)o「さ、並ぼ!」


写真なんて撮らずにいち早く家に帰りたい。

しかし、そういうわけには行かないので「またんき」といっしょに写真撮っていち早くこのおっさんと
お別れしよう。
それしかない。


(///*川「早く並ぼう!早く!」

从;゚∀从「なんで急に気合入れちゃってんだ」


聞かないでくれ。


          
从*゚∀从o川*^ー^)o(・∀ ・)('ヮ`*川

整列は完了。
さあ、おっさん早く撮ってくれ。

それで終わりにしよう。
こうしてる今も恥ずかしくて死にそうだ。


167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:18:57.16 ID:lEZ9Z/8P0
( ゚д゚ )「撮るぞー」

カメラを構えるおっさん。
なかなか様になっている。


o川*゚ー゚)o「はーい!」

このバランスの悪い雪だるまと親友とかわいい糞ガキ。
いい写真になるんだろうな。
あとでハインに送ってもらおう。



( ゚д゚ )

( ゚д゚ )

( ゚д゚ )「ふぇーい! チーズ」


(////*川 そ


169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/23(木) 23:22:17.28 ID:lEZ9Z/8P0
【从*゚∀从o川*^ー^)o(・∀ ・)(///*川 】カシャ




おっさんおぼえてろよ。
畜生。


170 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 23:24:35.29 ID:lEZ9Z/8P0
――――写真を撮り終わった頃には暗くなり始めていたので、お開きにした。
何しろ寒すぎて死にそうだ。

ハインとご飯でも食べに行こうかと思ったけど彼氏がなんとかかんとか。

独り身は辛いよ。
まったく。



キュートと一緒にエレベーターに乗って七階へ。

o川*^ー^)o「今日は楽しかったね!」


キュートがニコニコしながらこっちを見る。

本当に楽しかったんだろうな。
私は大変だったけど。

173 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 23:27:27.56 ID:lEZ9Z/8P0
('ー`*川「楽しかったね」


私もキュートに微笑み返す。
うん。大変だったけど楽しかったのかな。


家の前でそのままキュートとお別れをした。
まだ四時半くらいだし。

鍵っ子のキュートは首から下げている鍵で部屋に帰っていった。



私はというと、ぶっちゃけとんでもなく疲れてしまったので、風呂に入って、リモコン探して、
ダム板の繁栄に少しだけ力を尽くしてから寝てしまった。

この休みの日にこれだけ疲れたのは初めてかもしれない。

いい夢見れそうだ。

おやすみ。


175 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 23:30:11.66 ID:lEZ9Z/8P0
――――次の日の朝。
というかもう昼だ。

目が覚めたのは一時過ぎ。
大分寝てしまった。


寝ぼけた頭を起こして、昼食の用意をする。
といっても面倒くさいのでトーストだけ。


私は片面だけ焼いたトーストが好きだ。
理由は特に無いかな。
片面だけ焼いたトーストを食べると、なんかいいことが起こる気がする。

そんなジンクスを昔からずっと続けてるわけで。

178 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 23:32:40.32 ID:lEZ9Z/8P0
食べ終わってコーヒーを飲んでいたら外の景色が目に入った。

昨日よりも雪が積もっている。
夜のうちにまた吹雪いたのだろうか。



一番目に付いたのは、昨日の雪だるまの前で突っ立っている少女。
キュートだ。

何やってるんだろう?
何もすることなくぼけーっと立っているだけ。


あんまりにも気になるので、駐車場に行ってみることにした。

180 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 23:39:33.49 ID:lEZ9Z/8P0
外に出てみると、幸い雪は振ってない。
雪が降ってないと気温は変わらなくても、そこそこ暖かく感じる。


('、`*川「おーい。なにやってんのさ」

雪の中で立ち尽くしている少女に声をかける。





o川*゚-゚)o

o川*゚-゚)o


oh...シカトですか。
心配して見に来てやったのに酷いです。

全く動こうとしないキュート。
どうしたんだろうか。


183 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 23:41:53.33 ID:lEZ9Z/8P0
('、`*川「ん?」


(・∀ ;;,...



('、`*川「あー」


ふと「またんき」を見ると顔がぼろぼろと崩れていた。

昨日の風が強かったせいか、はたまた私の雪球が脆かったのか。



まあ、とりあえずキュートがだんまりしている理由はわかった。
雪だるまが壊れたくらいでだんまりしちゃうなんてかわいいこった。

184 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 23:44:45.94 ID:lEZ9Z/8P0
('、`*川「まあ、また作ればいいじゃない」

もしかしたら私の雪球の作りが甘かったかもしれない、なんてことは無いだろう。
しっかり作れていたと思う。

あんなダンクシュートしても壊れなかったからその線は無い。
んじゃないかなー。

風で壊れるなんて聞いたことないし。


大方、近所の子供が面白がって壊したんだろうな。
顔だけ壊れているって言うのも、納得できる。



('、`*川「そう落ち込むなって!」


私はキュートの頭をぽんぽんと叩く。
しかし、キュートは何の反応も無し。

そんなにショックだったのか。

188 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 23:50:29.08 ID:lEZ9Z/8P0
('ヮ`*川「さっ! そうと決まれば作ろうぜ!」


そういって私は手をパンパンと叩く。
なんてったって今日は手袋をしてきた。

これさえあれば昨日のような失態を犯すことは無いはずだ。

23才の底力見せてやんよ。


o川*゚-゚)o

o川*゚-゚)o「やだ」


('ヮ`*川

('ヮ`*川


やる気満々の私に対してこれは酷い。
満面の笑みが白の世界に虚しく輝く。

なんだい、なんだい。
昨日に引き続き挫けそうだよ私は。


189 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 23:54:08.69 ID:lEZ9Z/8P0
o川*゚-゚)o

o川*゚-゚)o

o川*゚-゚)o

('、`*川


うーん。
全くその場から動く気配が無い。

どうしようもないので駐車場の石に腰を落とす。


('、`*川「ねえ~。元気出してよ~」

o川*゚-゚)o

やっぱり反応なし。


('、`*川「お~い。キューちゃーん」

o川*゚-゚)o


駄目だこりゃ。
思ったよりも重症のようです、ドクター。

191 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/23(木) 23:57:07.65 ID:lEZ9Z/8P0
――――それからというもの、私の問いかけにオール無視を決めるクールガール。
日が暮れ始めているというのにいつまでも声をかけ続ける健気な女。


どうしたと言うのだろうか。
こんなしおらしい彼女を見るのは初めてで、私も戸惑いが隠せない。


('、`*川「ねぇ、帰ろ? 寒いよー」

またキュートの頭をぽんぽんと叩く。


('、`*川「壊れたまたんきはきっと新しい命を授かって・・・・・・」

('、`*川「なんてね」

やっぱり動じない。
と、思ったんだけど、

194 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/24(金) 00:02:24.22 ID:STLh+ylX0
o川* - )o「・・・しってる。輪廻でしょ?」

うん。

そうなんだけど、どこでそんな言葉覚えたんだ?
最近のガキは本当に良くわかんないね。


('、`*川「だから、またんきは大丈夫だよ。さ、帰ろ」

そう言ってキュートのほっぺを後ろからぺちぺちする。


あったかいし柔らかい。

ずっとこうしてれば良かったかな。
暖も取れたし。



o川* - )o「・・・・・・だって」


197 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/24(金) 00:05:37.79 ID:STLh+ylX0
川う-;)o「せっか、く、・・・・・・みん、なで、作った、のに」


川う-;)o「ベニ、ちゃんも、バイ、ンぢゃん、、もがんば、っだ、のに」



ぺちぺちしてたら泣き始めてしまった。
キュートの泣き顔なんて滅多に見ないもんだから、私も困惑してしまう。

('、`;川「わー。泣くことないのに」

私はぺちぺちを早める。
泣き止んでー、といった感じで。


川う-∩)「・・・だっで。だっで」

川う-;)o「ぞん、だど、だだよ。ぜっがぐ、じゃ、じんどっだ、どぢ」


もう何言ってるかわからない。
全く理解できないよ。
キュート。

198 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/24(金) 00:09:53.91 ID:STLh+ylX0
o川*;-;)o「ふえぇぇぇぇ・・・・・・」


泣き声を上げて私のおなかに顔を埋めてしまった。
私の腰をギュッと締め上げて。
結構力強い。



・・・・・・キュートは私とハインのために泣いてくれたんだね。
糞ガキだけど、優しい子。

ありがとう。


('ー`*川「おー。よしよし」

顔を埋めているキュートの頭を撫でる。
泣いているせいかめちゃくちゃ暖かい。


もー。
ほんとに。
こんなことで泣くことないのに。

201 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/24(金) 00:13:17.82 ID:STLh+ylX0
o川*;-;)o「ゆるじで、ぐれる?」


壊れちゃったことに責任も感じてたんだ。
別に怒ってもないし、キュートのせいでもないよ。




私もこの子の泣き顔を見ていたら、胸の奥のほうがキュってなった。

目には涙が浮かんでたかもしれない。


('ー`*川「キュートのせいじゃないよ。よしよしよしよし」


私が恥ずかしいからか、がむしゃらにキュートの頭を撫でる。
ごしごしと。
もしかしたら痛かったかも知れない。


202 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/24(金) 00:16:48.17 ID:STLh+ylX0
このまま日が暮れるまでキュートは泣き続けた。


暗くなった瞬間に雪が降り始める。
酷く冷え込んできたので、急いでロビーに入って、そこのストーブで二人一緒に暖を取った。


休日二日目はこんな感じ。
何もしてないような一日だったけど、充実したような気がする。

なんか矛盾してるけど。

これからもキュートと一緒に遊んだりするんだろうな、とか思うと少し疲れる。、
疲れるんだけど、何だかうれしいような。


でも、服の中に雪を入れたり、打ち上げ花火を私に向けたりとかはやめてほしい。

これは美人のお姉さんとのお約束だ。

頼むよ?
かわいい糞ガキちゃん。



o川*゚ー゚)o この糞ガキ のようです   おしまい

207 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/24(金) 00:25:32.86 ID:STLh+ylX0
あとがき

前回は厄姫、今回はあらチー。
私、被ることに関しては大変長けていると思います。
おかげでさる中は苦労しません。


支援ありがとうございました。
皆様方の支援のおかげで最後まで投稿することができました。

凝った設定も無いので、質問等無いかとは思いますが、ありましたら答えていきたいと思います。

210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 00:31:50.58 ID:dx+JnrPG0
ペニサスの仕事はなんでモデルにしたのかはちょっと気になった

211 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/24(金) 00:35:58.37 ID:STLh+ylX0
>>210
若くして一人でマンションに住んでいる、という設定が欲しかったからですかね。
それだけだったら何だっていいのですが、私の好みも入っています。

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 01:07:12.93 ID:STLh+ylX0
沢山の乙ありがとうございます。
それではいつかまたお会いしましょう。

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