185 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/16(月) 04:03:47.22 ID:nInbMMKu0
(*゚ー゚)「3・・・2・・・1・・・スタート!」

放送が始まった。
ブーンの様子は全国ネットで日本中に流れている。
マジック人気の高い昨今、この手の番組は視聴率がいい。

( ^ω^)「(ツンも見ているかもしれないお!)」

ブーンは勢いよく舞台の中央へと走っていった。

( ^ω^)「こんばんワイーン!」


188 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/16(月) 04:09:12.98 ID:nInbMMKu0
観客がざわめく。
それを全く気にしていない様子のブーンは言葉を続けた。

( ^ω^)「今日はこの布の中から僕の大事なものを出すお!!」

それはツンのカバンだった。

( ^ω^)「これは今は破れて半分しかないけど、それでも頑張るお!」

観客はさらにざわめく。

(;'A`)「おい、アイツ何やってるんだ!!生放送だぞ!!」

( ^ω^)「スリー!ツー!ワン!」

布の中からは何も出てこない。

( ^ω^)「もう1回いくお!スリー!ツー!ワン!」

何回やっても何も出てこない。


189 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/16(月) 04:10:12.92 ID:nInbMMKu0
( ^ω^)「おかしいお?スリー!ツー!ワン!」

(;'A`)「おい、誰かアイツを止めて来い!!」

( ´._ゝ`)「・・・・」

( ^ω^)「スリー!ツー!ワン!」

( ^ω^)「スリー!ツー!ワン!」

( ^ω^)「おかしいお?僕の大事なツンが出てくるはずだお?」

( ^ω^)「スリー!ツー!ワン!」

( ^ω^)「スリー!ツー!ワン!」 

( ´._ゝ`)「・・・・」

(;'A`)「おい、CMに行け!いいからCMだ!!!」

( ´._ゝ`)「その必要はありません、私が行きます」


190 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/16(月) 04:14:21.42 ID:nInbMMKu0
( ^ω^)「スリー!ツー!・・・」

( ´._ゝ`)「ワン!ほらこんなにキレイな花が出ました!!」

( ^ω^)「!!」

会場から拍手喝采が起きる。

( ´._ゝ`)「この花を上に放り投げると・・・・ハイ!鳩になりました!!」

観客は大喜びだ。

( ´._ゝ`)「彼は僕の付き人で、まだ新人なんです、彼にはまだこういう技は難しいんですよ。
             マジックはそう簡単にできないってこと、わかってもらえましたかー?」

観客は更なる拍手で彼の言葉に応える。


191 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/16(月) 04:14:53.97 ID:nInbMMKu0
( ´._ゝ`)「・・・・もう行きなさい・・・」

( ^ω^)「!!」

( ´._ゝ`)「私が君を出すように許可した手前、こうするしかなかった」

( ^ω^)「・・・・」

( ´._ゝ`)「君は私の顔に泥を塗った。もうこの世界で生きていけると思うなよ」

ここでCMに入る。

(#'A`)「おい!アイツをつまみ出せ!!!!」


193 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/16(月) 04:22:38.98 ID:nInbMMKu0
(メ^ω^)「・・・・本当はちゃんとしたマジックをするつもりだったんだお・・・」

とぼとぼと歩きながらブーンは呟いた。

(メ^ω^)「・・・・でもツンが見てるかもしれないと思ったら・・・無意識のうちにツンを出そうとしてたんだお・・・」

(メ^ω^)「これで僕は全てを失ったお・・・」

真っ暗な部屋に着く。

( ^ω^)「これからどうしたらいいんだお・・・・」


197 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/16(月) 04:37:44.46 ID:nInbMMKu0
ξ゚听)ξ「また1から頑張ればいいじゃない!」

( ^ω^)「!!!!」

ξ゚听)ξ「あんたって本当にバカね。せっかくのチャンスだったのに。せっかく夢をつかみかけたのに」

( ;ω;)「ツン!!!!!」

ξ゚听)ξ「本当にバカよ・・・あんなに・・・・あんなにマジシャンに憧れてて・・・せっかくの大舞台だったのに・・・」

( ;ω;)「僕にはツンがいてくれれば、もうそれだけでいいんだお!!!」

ξ゚听)ξ「バカ!!!!」

( ;ω;)「!!!」

ξ゚听)ξ「アタシは夢に向かって頑張ってるアンタが好きだったのよ!!!」


198 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/16(月) 04:38:17.45 ID:nInbMMKu0
ξ;凵G)ξ「それなのに・・・・アタシの名前なんて呼んで・・・・せっかくの・・・・グス・・・・」

( ;ω;)「ごめんだお!!でも僕はツンがいないと何もできない男なんだお!!!」

ξ;凵G)ξ「アタシだって・・・アタシだってアンタがいないと生きてる意味なんてないわよ!!!
            でもアンタのお荷物になると思って出て行ったのに・・・これじゃ意味がないじゃない!!」

( ;ω;)「でも帰ってきてくれたお!!!」

ξ゚听)ξ「それは・・・・それは・・・・アンタのマジックを成功させようとして・・・」

( ;ω;)「!!!???」

ξ゚听)ξ「アンタがあんな大舞台でアタシを呼んだんだから、失敗させちゃいけないと思って・・・」

( ;ω;)「ツン!!!!!」

ξ;凵G)ξ「ちょっと痛い・・・そんなに強く抱きしめないで・・・」

( ;ω;)「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん」

ξ;凵G)ξ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」

2人の泣き声は夜明けまで止むことはなかった。


199 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/16(月) 04:40:37.68 ID:nInbMMKu0
( ^ω^)「行ってくるお!」

ξ゚听)ξ「行ってらっしゃい」

( ^ω^)「いつものちょうだいだお!」

ξ゚听)ξ「はい、いつものお守りと・・・・」

ξ////)ξ「チュ」

(*^ω^)「うはwwww今日も頑張るお!!!!」




(*‘ω‘ *)「それにしても、よく彼を使う気になりましたね」

( ´・ω・`)「彼も心を入れ替えて頑張っているようだしね」



( ^ω^)「それではこのハットから鳩を出しますお!!」

ブーンの手にはいつものハットと、破れたカバンと。


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