84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/12(水) 21:00:40.09 ID:kZVs3VGl0
ブーンが劇団VIPに入団してから数日が経った。
最初は戸惑っていたブーンも次第に稽古の雰囲気に馴染んでいった。
第2会議室。仮想舞台の椅子の上であぐらをかいて座っているブーンが台詞をしゃべる。

( ^ω^)「OとPの2人が居たから僕はここまで来れた。
彼らの犠牲なくしてはヒカル、おまえを追い詰めることはできなかった。」

ξ゚听)ξ「うぐ〜。」

ブーンの前に立っていたツンは頭を抱えて床に倒れこんだ。

(´・ω・`)「はい、ここまで。じゃあ、駄目出しするよ。」

ショボンの周りに役者達が集まる。ショボンは駄目出しを次々と役者に伝えていく。
役者達は駄目出しの内容を脚本に書き込んでいった。

(´・ω・`)「最後はブーンだけど・・・やっぱり感情が入ってないね。
それぞれの台詞には意味がある。Qがどういう気持ちで話しているか理解してそれを演技でみせて欲しい。」

(;^ω^)「・・・は、はいですお。」

台詞が棒読みで感情が入っていない。と、ブーンは毎日同じことを言われていた。

(´・ω・`)「じゃあ、10分休憩してから7幕の立ち稽古やるよ。」



85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/12(水) 21:01:26.78 ID:kZVs3VGl0
ブーンは第2会議室の壁にもたれかかって脚本を読んでいた。

(*゚ー゚)「ブンブン、どんまい。」

しぃがブーンの肩を叩いた。

('A`)「まあ、このあたりは最初の壁だろうな。」

( ゚∀゚)「とにかく脚本を読みまくることだな。がんばれよ。」

(;^ω^)「は、はい。」

皆がブーンを励ましているとツンがやってきた。そして、ブーンに冷たく言った。

ξ゚听)ξ「そろそろ諦めた方がいいんじゃない?」」



86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/12(水) 21:02:09.03 ID:kZVs3VGl0
(;^ω^)「・・・。」

(*゚ー゚)「ブンブンは役者をはじめて間もないんだからしょうがないよ。」

('A`)「ツン、それは言いすぎだ。ブーンだって一生懸命やってるだろ。」

ξ゚听)ξ「一生懸命やって演技が上達すればいいんだけどね。
もしできなかったらどうするつもり?」

(;^ω^)「・・・。」

( ゚∀゚)「おい、ツン、その辺にしとけよ。」

ジョルジュがツンをなだめようとした。しかし、ツンは発言をやめなかった。

ξ゚听)ξ「私はブーンに聞いてるのよ。本当に役者をやる気あるの?ないなら辞めた方がいいわよ。」



87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/12(水) 21:04:28.63 ID:kZVs3VGl0
ツンの発言をずっと黙って聞いていたブーンだったがとうとう我慢できなくなった。
壁にもたれかかっていたブーンは立ち上がり、ツンに向かってものすごい剣幕で声を出した。

(;^ω^)「ぼ、僕だって一生懸命やってるおっ!!本気で役者をやってるおっ!!
でも、どうやったらうまく演技できるからまだわからないんだお!!」

ブーンは自分の怒りをそのままツンに全力でぶつけた。

ξ゚听)ξ「・・・それよ。」

(;^ω^)「えっ!?」

ξ゚听)ξ「今、あなたが怒った本気の感情。それを演技でみせればいいのよ。」

(;^ω^)「・・・。」

ξ゚听)ξ「変にうまく演技してやろうとか考えずにあなたの持っている感情を全て脚本にぶつけてみたら?」

ツンはそう言うとブーンの元から去り、向かいの壁にもたれかかると何事もなかったように脚本を読み始めた。



88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/12(水) 21:05:32.30 ID:kZVs3VGl0
(´・ω・`)「じゃあ、休憩終わりだよ。そろそろ稽古はじめるよ。」

ショボンがみんなに声をかけた。第2会議室の前半分の仮想舞台に役者達が集まる。
しかし、ブーンは仮想舞台に集まらずにショボンに言った。

( ^ω^)「す、すみません。もうちょっと脚本読み込んでもいいですかお?」

(´・ω・`)「・・・うん、わかったよ。じゃあ、ブーンは代役立ててやろう。」

(*゚ー゚)「じゃ、4幕は私でないからやりまーす。」

ブーンを除いた役者達で稽古は続行された。ブーンは壁にもたれかかりながら必死で脚本を読んでいた。

( ^ω^)(さっきの本気で怒った感情・・・。あの感覚を忘れないうちに脚本を読みまくって、
本気の感情を出せるように演技を組み立てなおすんだお。)

ブーンが脚本を読み込んでいるうちに第4幕の立ち稽古は終わった。


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