422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/14(火) 21:03:53.05 ID:ZfDLpeKi0
ほす代わりに投下しますお

VIPむかしばなし・にんぎょひめ

( ^ω^) 「やっと学校おわったお!今日はなにしようかお?」

('A`) 「昨日はゲーセンで使い込んじまったからな・・・金かかんないこと
    しようぜ。」

(´・ω・`) 「じゃあ僕んちおいでよ。お金かかんなくて楽しくてきもちいこと
      しようっ!」

(;'A`)「・・・」

たわいもない会話をしつつ街を歩いていると、ブーンのおじさんが声
をかけてきました。


423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/14(火) 21:04:54.59 ID:ZfDLpeKi0
( ^Ω^) 「や、ブーンくんじゃないか!」

( ^ω^) 「あ!おじさんお!どうしたお?」

( ^Ω^)「今日は商談がはやくまとまってね。もう帰るところさ・・・
    お、そうだ。たしか今年の正月には海外いってて、ブーン君
    にはお年玉あげてなかったね。」

( ^ω^) 「そ、そうだったお!くれお!くれお!」

( ^Ω^) 「そうだな・・・お年玉のかわりに、料亭で飯でも食わないか?
     社会人になったら商談なんかでよく使うところだからな。
     後学のためにね。君たちもどうだい?」

('A`) (´・ω・`) 「いいんですか?」

( ^Ω^)「君たちにも言えることだからね。是非一度見ておくといいよ。」

こうしてブーンたちはおじさんの誘いで料亭で食事をすることになりました。


426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/14(火) 21:06:40.22 ID:ZfDLpeKi0
(;^ω^)「うはっ敷居がたかいおww」

(;'A`)「こんなとこ初めてはいったぜ・・・」

(;´・ω・`)「お金、かかっちゃいませんか?」

( ^Ω^)「ここの店長は私の友人でね。結構安くしてもらえるんだ。
    君たちはそういうこと気にしなくていいよ。」

てんちょ「お、内藤じゃないか!さっき商談とやらで来たばっかだろ?
     忘れ物か?」

( ^Ω^)「いやいや、まだ食い足りなくてな。それにこの子達にも料亭での食事を
    体験させたくてさ。なんか良いの入ってる?」

てんちょ「おまえが帰ってすぐにな、築地から何匹か入ったんだ。
     俺の見立てでは・・・マグロと鯛はなかなか脂がのってそうだな!
     お、そうだ。珍しいネタも入ったぞ!」

( ^Ω^)「鯨か?マンボウなんかもたまにあがるらしいな・・・」


428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/14(火) 21:08:21.46 ID:ZfDLpeKi0
てんちょ「いやいや・・・こいつはな・・・そうだ、最後のメインで出してやるから、
      それまで楽しみにしてろよ!」

( ^Ω^)「おいおい。あんまり高いのはよしてくれよな・・・」

てんちょ「ふふっ。普段品書きに載らないやつだから、安く出させてもらうよ。
      おまえとはガキのころからの付き合いだしな。
      ブーン君達はこういうの珍しいだろう。是非カウンターで捌くところも見ていきなよ。」

( ^ω^) ('A`) (´・ω・`) 「はい(お)」

てんちょの包丁さばきはさすが職人といったところでしょうか。
ブーンたちは真剣にてんちょの手元を凝視します。
しかし今からお腹の中に入る物が、生き物から肉に変わっていく様は、ブーンたちの心境を
だんだん複雑にしていきました。


429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/14(火) 21:10:01.35 ID:ZfDLpeKi0
鯛「ぱくぱく」

(;´・ω・`)「ま、まだいきてるよ!?」

(;'A`)「・・・」

(;^ω^)「か、かわいそうだお・・・」

( ^Ω^)「私もね、最初は怖かったよ。でもね、会社の重役ってのはこういうのを好むんだ。
     後学のためだとおもって、食べなさい。」

不思議なもので、一度口に入れてしまうと、
みんなうまいうまいと次々に魚を平らげてしまいました。


430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/14(火) 21:11:01.08 ID:ZfDLpeKi0
( ^ω^) 「うはwwwwテラウマスwwww」

てんちょ「気に入ってくれたかい?ブーン君も大人になったらウチを使ってくれよw」

( ^ω^) 「はいお!」

てんちょ「おっしゃ、じゃぁメインと行くか!お〜いヤス、マサ、運ぶの手伝ってくれ!」

ヤスとマサ「へ〜い」

( ^Ω^)「そんなにでかいヤツなのかい?」

てんちょ「びっくりするぜwまってな!」

がらがらがら
キャスター付きの水槽が、三人がかりで押されてきました。

(;^ω^)「!!」


431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/14(火) 21:12:16.48 ID:ZfDLpeKi0
てんちょ「人魚だ。なんでも水族館の調査で水揚げされたんだけど、
     多すぎるってんで市場に出たみたいだ。
     鯨みたいに普段捕獲は禁止されてるから、なかなか食えないぞ」

ξ*゚ -゚)ξ「・・・」
水槽の中にはうつろな目をした少女が入っていました。
少女といっても腰から下は魚のような姿でした。
少女の目がブーンの目と合います・・・

(;^ω^)「こ、この子を食べるのかお・・・」

(;'A`)「・・・・・・う、うおぇええええ!!」

(;´・ω・`)「ど、ドクオ!失礼だよ!」

(;^Ω^) 「・・・」


432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/14(火) 21:13:25.83 ID:ZfDLpeKi0
てんちょ「はははww見た目は人間みたいだろ?でも結構これが旨いんだ。
      おい、ヤス、マサ、まな板の上に上げるぞ!」

ヤスとマサ「へ〜い」

ξ;゚ -゚)ξ「!?!?」

まな板の上に上げられた人魚が動揺し始めました。
これから過酷な運命が待っていることに気づいたのでしょうか?

ドクオは見てられないと言って、店を出てしまいました。
しょぼんもその後を追います。
ブーンとおじさんは、凍りついたように動けなくなってしまいました。


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