20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/29(日) 23:46:32.78 ID:bvp+ZufC0
( ^ω^)ブーンが走るようです

ブーンは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。ブーンには

政治がわからぬ。ブーンはニートである。ゴロゴロして、寝て遊んでいた。けれども邪悪に

対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明ブーンはVIP町を出発し野を越え山越え、十里離れた

此のラウンジという町にやって来た。ブーンには父も、母も無い。女房も無い。

1人暮らしだが幼馴染みのツンデレの女の子がよく家にやってくる。

ツンデレは近々、ブーンの花婿として迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。

ブーンはそれゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばるラウンジにやって来たのだ。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/29(日) 23:55:45.44 ID:bvp+ZufC0
先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。ブーンには竹馬の友があった。

ドクオである。今は此のラウンジの町で、ひきこもりをしている。その友を、

これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。

歩いているうちにブーンは、町の様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、

町の暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、

ラウンジ全体が、やけに寂しい。のんきなブーンも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆を

つかまえて、何かあったのか、二年まえにラウンジに来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈だが、と質問した。


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/29(日) 23:59:36.76 ID:bvp+ZufC0
若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて猫に逢い、こんどはもっと、

語勢を強くして質問した。猫は答えなかった。ブーンは両手で猫のからだをゆすぶって質問を重ねた。

猫は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。

(,,゚Д゚)「王様は、人を殺します」

( ^ω^)「なんで殺すんだお?」

(,,゚Д゚)「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」

( ^ω^)「たくさんの人を殺したのかお?」

(,,゚Д゚)「はい、はじめは王様の妹婿さまを。それから、御自身のお世嗣を。それから、

妹さまを。それから、妹さまの御子さまを。それから、皇后さまを。それから、

賢臣のモナー様を。」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/30(月) 00:06:09.33 ID:3fTK76o90
( ^ω^)「驚いたお。国王は狂ってるのかお?」

(,,゚Д゚)「いいえ、狂ってはいません。人を、信ずる事が出来ぬ、

というのです。このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しを

している者には、人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば十字架にかけられて、

殺されます。きょうは、六人殺されました。」

聞いて、ブーンは激怒した。

(#^ω^)「呆れた王だお。ぬっ殺すお」

そして猫は思った

(,,゚Д゚)「(何で猫語を喋る事が出来るんだ?)」

ブーンは単純なのでそんな事全く気にしていなかった


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/30(月) 00:11:54.29 ID:3fTK76o90
ブーンは買い物を背負ったまま城に侵入した。センサーが反応してすぐ捕まった。

ブーンの懐からロケットランチャーが出て来たので色んな意味で大問題になった。

(´・ω・`)「このロケットランチャーで何をするつもりであったか。言え!」

暴君ショボンは静かに、けれども威厳を以って問いつめた。その王の顔は蒼白で、

眉間の皺は、刻み込まれたように深かった。

( ^ω^)「ニートを暴君の手から救うんだお!」

(´・ω・`)「ニート限定かよ!」

王はつっこんだ


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/30(月) 00:19:09.19 ID:3fTK76o90
( ^ω^)「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だお。王は、民の忠誠をさえ疑って居られるお」

(´・ω・`)「疑うのが、正当の心構えなのだと、私に教えてくれたのは、お前たちだ。人の心は、

あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ」

ショボンは落着いて呟き、ほっと溜息をついた。

(´・ω・`)「私だって、平和を望んでいるのだが」

( ^ω^)「なんの為の平和だお。自分の地位を守る為かお?それともバーボンの支店を増やすための平和かお?」

(´・ω・`)「バーボンの方は合ってる」

(;^ω^)「合ってるのかよ」

今度はブーンがつっこんだ


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