60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/04(土) 00:51:23.16 ID:bb/qUcgQ0
( ^ω^)ブーンがショボンと喧嘩をしてしまったです。

 原因は、実に下らないことだった。
(#^ω^)「もう分かっただお! ショボンとは金輪際口を利かないお!」
( ´・ω・`)「ブーン……」
(#^ω^)「神妙な顔をしたって駄目だお。僕は怒ってるんだお!」
( ´・ω・`)「すまない。だが――」
(#^ω^)「いい加減にしてくれお!」

 そうしてブーンは勢いよく教室のドアを閉めた。
( ^ω^)「ショボンまで、あのことを忘れてしまったのかお……。悲しいお。
      もう誰も信じられないお!」

 いつも陽気なブーン。だがその背中は酷く小さく見えた。


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/02/04(土) 00:53:30.85 ID:bb/qUcgQ0
('A`)「どうしたんだ、ショボン!? 今ブーンがすごい勢いで出て行ったぞ!」
 ドクオは情けなく取り乱していた。
ξ゚听)ξ「さてはあんた達――」
( ´・ω・`)「ああそうだ。僕はブーンをまた傷付けてしまった」

 ショボン達三人の間に、厭な沈黙が募った。もうオレンジ色の夕暮れ時だった。

ξ゚听)ξ「あんたもしかして……アレのこと、忘れてたの?」
('A`;)「えっ? ショボン、お前まさかアレを忘れてたってのか?」
( ´・ω・`)「いや、決して忘れていたという訳ではないよ。ちゃんと準備もしてあった。だが……」
 ツンがくすくすと笑った。
ξ゚听)ξ「口下手なあんたの事だもの。どうせ悪態の一つでも付いちゃったんじゃないの?」
 ショボンが自嘲した。ゆっくりとズボンのポケットに手を突っ込んだ。
( ´・ω・`)「ふふっ。ツンには敵わんな。あのブーンを尻に敷くだけの事はあるな」
ξ////)ξ「わ、私とブーンは関係ないじゃない! バカッ! あ、あんたはそう言うところが余計なのよ!」
('A`)「で、準備は出来ているわけだな? 準備が出来てるんなら……」
( ´・ω・`)「ああ、仕切直しだ。さぁ、追い掛けるとしようか」

 ショボンはもう一度よく、ポケットに手を突っ込んだ。


67 名前:60 :2006/02/04(土) 00:57:22.23 ID:bb/qUcgQ0
( ´・ω・`)「ブーンッ!」
( ^ω^)「ショ、ショボンじゃないかおッ! もうお前の顔は見たくないって云ったはずだお!」
ξ゚听)ξ「もう……許してあげなさいよ。ブーン」
('A`)「そうだぜブーン。ショボンの口の悪さは、お前が一番よく知っているはずだろ?」
 そう。ショボンの事なら僕が一番よく知っている。僕がDQNに虐められていたときに、助けてくれたのはショボンだった。
 自慢の悪態でDQNを追い払ってくれたショボンは、とてもカッコよかった。
( ^ω^)「ショボン……」
( ´・ω・`)「勘違いするな……。私は二人がどうしても、と云うから来てやっただけだ」
ξ゚听)ξ「ちょ、ショボン! あんたねぇ」
('A`)「まて、ツン……。云わせてやれ」

( ´・ω・`)「グズでノロマで、その上バカでマヌケで……」
(#^ω^)「ショボン……」
( ´・ω・`)「だがどんなときでもお前は明るく馬鹿な、内藤ホライゾン。ブーンでいて欲しい」
 そう云って、ショボンはポケットから何かを取り出した。

(;^ω^)「こ、これは――」
( ´・ω・`)「何、つまらない物だ。いらないのなら、返品してくれても結構だよ」
( ^ω^)「そ、そんな事無いお! 嬉しいお! ショボン、ありがとうだお!」
( ´・ω・`)「俺が、お前の誕生日を忘れるはずがない。そうだろ? ブーン」
( ^ω^)「ショ、ショボン、全く、君って奴は」
 今日は僕の、誕生日だったのだ。僕はショボンが忘れているのではないかと、疑った。
 でもその僕の手には、今ショボンがくれたプレゼントが夕日を受けて輝いている。
 ツンとドクオが微笑んで僕達を見ていた。
 ショボンのプレゼントは、リボンの付いた可愛らしい物だった。……嬉しかった。
 ゆっくりと僕は、リボンに手を掛けた。

 中身は――。
                                           (fin)


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