375 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 06:47:57.85 ID:4/XqBIpD0
男の舌が少女の中に入ってくる。
生暖かい感触に、少女は震える。
「気持ち悪い」
それしか考えられなかった。
その場から逃げ去りたかった。
消えてなくなれるなら、そうなってしまいたかった。
でも現実は−
377 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 06:50:59.97 ID:4/XqBIpD0
( ´・ω・`)「このビルの3階に会社がある」
ξ゚听)ξ「・・・・・・はい・・・」
男に連れられて、アタシは繁華街の隅にある汚らしいビルの前にいた。
今日からアタシはここで・・・
ここで働かなくてはいけない。
( ´・ω・`)「お店の名前は SMクラブ・VIP だ」
ξ゚听)ξ「・・・・・・はい・・・」
頭がうまく働かない。
どうして今アタシはここにいるのか。
わかっているけど、なかなか理解できない。
いや、理解しているけど、それを認めたくないのかもしれない。
378 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 06:55:51.15 ID:4/XqBIpD0
( ´・ω・`)「お店の名前は外には出てないから、会社名のバーボンを探すといい」
ξ゚听)ξ「・・・・・・はい・・・」
そう言うと男は去って行った。
アタシが逃げ出さないってこと、ちゃんとわかってるのね。
そう、アタシは逃げるわけにはいかない。
ξ゚听)ξ「・・・・・・頑張らなくちゃ・・・」
頑張ろう、そう思ってみても、何を頑張ればいいのかわからない。
これからアタシはどんなことをするのか、アタシはどうなってしまうのか
そんなこと想像もつかなかった
379 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:00:17.84 ID:4/XqBIpD0
3階 【有限会社・バーボン】
ピンポーン
チャイムを押す指が震えた。
この先に何が待っているのだろう。
それは意外にも、優しい笑顔だった。
( ´ー`)y-~「あら、あなたがツンちゃんね?さあどうぞ」
そう中年女性に促されて中に入ると、そこはマンションの一室のようだった。
コタツがあって、テレビがあって、冷蔵庫があって
そして暗い雰囲気の女達が数人・・・
( ´ー`)y-~「今日から入るツンちゃんよ」
女達がいっせいにこっちを向いた。
挨拶をするべきなのだろうか?
380 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:02:54.65 ID:4/XqBIpD0
ξ゚听)ξ「・・・・・あの・・・」
( ´ー`)y-~「まだ素人だから優しくしてあげてね」
アタシの迷いを遮って、中年女性が喋りだす。
( ´ー`)y-~「まずは・・そうね、仕事の説明からしようかしら?」
( ´ー`)y-~「あなた、男性経験は?」
ξ゚听)ξ「え?・・・あ・・・あの・・・」
( ´ー`)y-~「恥ずかしくないわよ、ここはそういうお店なんだから」
381 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:05:06.86 ID:4/XqBIpD0
( ´ー`)y-~「私のことはママって呼んでちょうだい」
ξ゚听)ξ「・・・はい・・・」
( ´ー`)y-~「ここの会社を任されてるの、色々とね」
ξ゚听)ξ「・・・はい・・・」
そのママの話は、混乱していたアタシには、あまり理解はできなかった。
ただ、怖かった。
( ´ー`)y-~「いきなり仕事の話もあれよね。まぁ新人さんにはたくさん働いてもらいたいけど。
しばらくここの雰囲気に慣れてもらおうかしら?そこに座ってて」
そこに・・・。
そこと言われて座れる場所はコタツしかなかった。
四方に陰気臭い女が座っている。
アタシは何も言わずに冷蔵庫の前に腰を下ろした。
382 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:08:51.91 ID:4/XqBIpD0
ピリリリリリ
電話が鳴る。
誰かの携帯電話だろうか?
( ´ー`)y-~「はい、SMクラブバーボン」
それはお店の電話だった。
( ´ー`)y-~「ご予約ですか?はい・・・○×ホテルに・・・18時・・・ご指名は?
はい・・・・じゃあホテルに着いたらまたお電話ください」
チン
( ´ー`)y-~「ポッポちゃん、ご指名よ、いつもの荒巻さん。18時ですって」
(*‘ω‘ *)「はーい」
ご指名と言われたのにその女はコタツから出ない。
仕事じゃないのか?
383 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:09:30.54 ID:4/XqBIpD0
(*‘ω‘ *)「ツンちゃんっていうの?お名前は?」
コイツはアホなんだろうか。
ξ゚听)ξ「・・・ツンですけど・・・」
(*‘ω‘ *)「本名?」
ξ゚听)ξ「はい」
(*‘ω‘ *)「ええー?本名でやるの?」
ξ゚听)ξ「?」
( ´ー`)y-~「そうね、名前を決めなきゃいけないわね」
ξ゚听)ξ「・・・・」
(*‘ω‘ *)「あのね、本名なんか使ってると、仕事上がったあと大変だよ」
アタシは何も理解できなかった。
(*‘ω‘ *)「お客の中にはね、変な勘違いする人もいるから、自分の本当のことなんて喋っちゃダメだよ」
( ´ー`)y-~「まずはそこから教えないといけないのかしらねぇ」
ママは少しだるそうにそう言った。
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