9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 21:38:54.75 ID:RKy+wJtF0
『第2会議室』とプレートが貼り付けてあるドアの前まできたショボンは立ち止まった。

(´・ω・`)「ここで稽古してるんだよ。まだ17時になったばかりだから全員は集まってないけどね。」

ショボンはそう言うとドアのノブを捻り、ドアを開けた。
第2会議室はフローリングの床になっており、スチール製でキャスター付きの長机がたくさん並んでいた。
会議室の広さ自体は学校の教室の半分くらいだった。
パイプ椅子に座っているジャージ姿の数人がブーンに向かって挨拶してきた。

ξ゚听)ξ「おはようございます。」

(*゚ー゚)「おはようございまーす。」

('A`)「おはよう。」

( ^ω^)「こ、こんばんわだお。」

ブーンはなぜみんなが夕方なのにおはようと言っているのかわからなかったが、とりあえず挨拶した。



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 21:39:10.76 ID:RKy+wJtF0
(´・ω・`)「ああ、挨拶はいつでもおはようでいいよ。」

( ^ω^)「なんでですかお?」

(´・ω・`)「特に深い意味はないよ。まあ、暗黙の了解ということで。」

( ^ω^)(これが業界用語ってやつかお・・・。)

ショボンは会議室に置いてあるホワイトボードの前にまで移動してからパイプ椅子に座っている者達に言った。

(´・ω・`)「彼がさっき言ってたブーン。僕の大学時代のサークルの後輩だよ。ブーン、自己紹介して。」

( ^ω^)「あ、ブ、ブーンですお。よろしくですお。」

ブーンはぺこりと頭を下げた。



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 21:39:55.67 ID:RKy+wJtF0
(´・ω・`)「じゃあ、劇団員の紹介をするよ。みんなお願い。」

ξ゚听)ξ「私はツン。女優をやっています。よろしく。」

(*゚ー゚)「私はしぃって言います。女優やってます。よろしくねー。」

('A`)「俺はドクオ。俺も役者やってる。よろしくな。」

(´・ω・`)「最後に僕が劇団VIPの座長で脚本家で演出家のショボンだよ。」

( ^ω^)「これで全員ですかお?」

ブーンはショボンに言った。

(´・ω・`)「バイトやってる人とか今日休んでる人とかいるからまだ全員じゃないよ。じゃ、稽古はじめようか。」

ショボン達はパイプ椅子をすべてたたみ、部屋の端に運んだ。そして、長机をすべて会議室の後ろに移動させた。
会議室の開いたスペースが稽古場になる。ツン達役者組がストレッチや発声練習などをはじめた。



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 21:40:28.47 ID:RKy+wJtF0
役者の邪魔にならないように会議室の後ろまで移動したショボンとブーンは1番前にある長机を少し前に押した。
押してできたスペースにパイプ椅子を置いて座った。

(´・ω・`)「ここから演技を見るんだよね。」

( ^ω^)「なるほどですお。」

ショボンは鞄から脚本を取り出すとブーンに手渡した。

(´・ω・`)「これが今回の芝居の脚本だよ。」

( ^ω^)「・・・『VIPNOTE』?」

(´・ω・`)「そう。書くとほどよく何でも起こるノートをめぐる人達の熱い闘い。」

ブーンは脚本をパラパラと読み始めた。

( ^ω^)「えーと、僕はどの役をやればいいんですかお?」



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 21:41:12.68 ID:RKy+wJtF0
(´・ω・`)「ブーンにはQって役をお願いしたいんだよ。」

( ^ω^)「・・・えーとQ・・・。」

ブーンは脚本の中のQの台詞を探した。結構台詞が多い。

(;^ω^)(あれ?ひょっとして・・・。)

ブーンはしばらく脚本を読んだ後に1番最初のページを見た。
タイトル『VIPNOTE』の下に役の名前が書かれている。
VIPNOTE・・・・・・・Q・・・ヒカル・・・・マスダ・・・ジョバンニ・・・・駄目川・・・。
名前が書かれている順番を見てブーンは驚いた。

(;^ω^)「ええっ!?Qって主役じゃないですかお!」

(´・ω・`)「そうだよ。いちおうヒカルとQの2人が主役って感じだね。」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 21:48:48.28 ID:RKy+wJtF0
(;^ω^)「いくらなんでも主役は無理なんじゃないですかお?」

(´・ω・`)「それはやってみないとわからないよ。」

(;^ω^)(ま、まあ、無理そうなら断ればいいかお・・・。)

ブーンが冷や汗を流しているとしぃがブーン達の机までやってきた。

(*゚ー゚)「ストレッチと発声練習終わったよー。」

(´・ω・`)「じゃあ、読みやろうか。」

( ^ω^)「ヨミ?」

(´・ω・`)「読みっていうのは脚本を読むだけの稽古のことだよ。
逆に動きを取り入れながらやる稽古は立ちって言うんだ。」

( ^ω^)「なるほどですお。」


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