386 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:15:32.90 ID:4/XqBIpD0
17時半になってポッポちゃんと呼ばれる女が、コタツを出て着替え始めた。

( ´ー`)y-~「空いたんだから座れば?」

優しさでそう言ったのだろうか?
それならもっと早くに、誰かに場所を空けてもらうこともできただろう。
きっと、冷蔵庫の前にいるアタシが邪魔臭かったに違いない。

ξ゚听)ξ「・・・・・」

静かなまま、時が過ぎる。
この状況に慣れるためにアタシはここにいるのだろうか。


387 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:20:11.29 ID:4/XqBIpD0
ピリリリリリリ

また電話が鳴る。
さっきとは違う電話機のようだ。

( ´ー`)y-~「はいはい、今出すわね」

(*‘ω‘ *)「用意できました」

( ´ー`)y-~「行ってらっしゃい」

ポッポは、派手なスーツを着て、その上に白いコートをはおって出て行った。
手には大きな荷物を持って。

( ´ー`)y-~「こうやって、ここからお客さんのところに行ってもらうの」

ママが仕事の説明を始める。


388 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:28:18.31 ID:4/XqBIpD0
( ´ー`)y-~「まずね、お客さんが予約の電話を入れて、その時間にホテルに入ってもらうの。
          その時間に間に合うように女の子はホテルの前で待機して
           お客さんから確認の電話が来たら、ボーイと一緒にお客さんの部屋まで行くのよ」

意味がよくわからなかった。

( ´ー`)y-~「まぁ、やってみるのが1番手っ取り早いんだけどね」


389 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:30:55.29 ID:4/XqBIpD0
それから、ママはアタシに仕事の流れを教えてくれた。
必要なもの、やらなくちゃいけないこと、お客さんといる時のお店とのやり取り・・・
はっきり言って、アタシの頭にはほとんど何も入らなかった。

( ´ー`)y-~「そのうち慣れるわよ、どういうことする所かくらいは知ってるんでしょう?」

ξ゚听)ξ「・・・・なんとなくなら・・・」

( ´ー`)y-~「うちはSMクラブだけど、初心者の女の子にはMの方をやってもらうの」

ξ゚听)ξ「・・・M・・・」

( ´ー`)y-~「まぁ最初はお客さんが教えてくれるわよ、何も知らない方が喜んでもらえるしね」


390 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:33:23.89 ID:4/XqBIpD0
時間が進むのが遅い。
誰も見ていないテレビの音だけが暖かい部屋に響く。

( ´ー`)y-~「早い時間はこんなもんよ、寝ててもいいわよ」

そう言われてもアタシは眠れなかった。
眠るどころか、まともに顔を上げることすらできなかった。

重い時間が流れる。

ピリリリリリリリ

お店の電話が鳴った。

( ´ー`)y-~「はい・・・・・・・」

ママが話しながらこっちを見ている。
嫌な予感がする。

( ´ー`)y-~「・・・・ええ、今日新人が入ったのよ・・・」

チン

( ´ー`)y-~「ツンちゃん、お仕事が入ったわよ」

予感は当たった。


392 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:38:30.93 ID:4/XqBIpD0
アタシはホテルの前まで来ていた。
ボーイ、運転手と呼ばれる男と2人で車の中にいる。

ボーイ「初めてなんだって?がんばれよ」

何を頑張れと言うのだろう。

ピリリリリリリ

ボーイの携帯が鳴った。
いよいよだ。

ボーイ「じゃあ行きますか」


393 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:44:11.27 ID:4/XqBIpD0
コンコン

ボーイがドアをノックする。

ボーイ「SMクラブVIPから来ました」

アタシはずっとうつむいていた。
ドア越しに、男の声が聞こえる。

ボーイ「じゃあ、2時間後に店に電話してね」

アタシは部屋に入った。


394 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:48:12.45 ID:4/XqBIpD0
( ´_ゝ`)「初めてなんだって?」

男の顔が見れない。

( ´_ゝ`)「ふっ、そんなに緊張しなくていいから。何か飲むかい?」

アタシは何も答えられなかった。

( ´_ゝ`)「まずはリラックスしてもらわないといけないな、ソファーに座りなさい」

アタシは下を向いたままソファーに座った。

男がビールを持って隣に座った。
アタシは何も話せない。

( ´_ゝ`)「お酒は飲めるの?少し飲むかい?」

男は優しい口調で話しかける。

ξ゚听)ξ「・・・・いただきます・・・」

お酒はほとんど飲んだことがなかった。
でも、なぜか飲まないといられない心境だった。

( ´_ゝ`)「何も怖いことはしないから・・・とりあえず話でもしようか」


395 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:51:52.77 ID:4/XqBIpD0
それから、男はアタシに優しく語りかけた。
うなづくだけのアタシを可愛い、可愛いと何度も言った。
少しずつアタシの緊張はほぐれていった。

怖い世界だと思ってたけど、優しいお客さんもいるんだな。
そう思い始めていたアタシに

( ´_ゝ`)「じゃあシャワーを浴びようか」

無表情で男は言った。


398 名前: ◆MSf3aMYBGM :2006/01/17(火) 07:55:14.38 ID:4/XqBIpD0
洗面台の前に立っているだけのアタシを、男は笑いながら抱きしめた。

( ´_ゝ`)「仕方ないなぁ、今日は僕が全部やってあげるよ」

男は慣れた手付きでアタシの服を脱がせた。
お店から支給された、趣味の悪い派手なスーツ。
下着は・・・・・・・自分のものだった。


( ´_ゝ`)「僕も脱がせてもらおうかな」

最後の1枚になったところで男はそう言った。

アタシは、何も言わずにそれを下ろした。


前へ  次へ

一覧へ