561 名前:ドクオに彼女ができない訳 :2006/03/15(水) 07:43:11.82 ID:VCEoiVtL0
【('A`)ドクオに彼女ができない訳】


ある日の放課後、いつものように立ち寄ったハンバーガーショップで
ドクオが真剣な顔で僕に尋ねてきた。

('A`)「なんで俺、彼女できねーんだろ」

( ^ω^)「……」

それは色々理由があると思うけど、1番の理由は顔だよ、とも言えず
僕は返答に困ってしまった。
すると一緒に店に来ていたショボンがハッキリ言い放った。

( ´・ω・`)「顔だろ」

('A`)「……」

( ^ω^)「!!!」

それはハッキリ言いすぎだろう!と僕がショボンに詰め寄ろうとした時

('A`)「やっぱりカッコ良すぎると女って引くのかな」

ドクオがとんでもないことを言い出した。

(;^ω^)「ええええ」


562 名前:ドクオに彼女ができない訳 :2006/03/15(水) 07:48:58.44 ID:VCEoiVtL0
( ´・ω・`)「そうなんじゃね?女心って難しいよな」

('A`)「俺ももう少しブサイクに生まれたかったよなー」

(;^ω^)「ええええ? ショボンも認めてるのかお!?」

どうやらドクオとショボンの2人にはドクオの顔は絶世の美男子に映っているらしい。
僕はそれまでドクオのことをとんでもないブサイクだと思っていたので
とてつもない衝撃を受けた。

しかし僕はこれは2人の勘違いだと思った。
ドクオが美男子な訳がない。

だってクラスの女子に陰で気持ち悪いと言われているのを知っていたから。
それに僕は自分の感性を信じていた。

(;^ω^)「捨てる神あれば拾う神ありだお…」


563 名前:ドクオに彼女ができない訳 :2006/03/15(水) 07:53:02.06 ID:VCEoiVtL0
それから散々ドクオのナルシスト話を聞かされ、僕らはハンバーガーショップを後にした。
僕は短時間の間にドッと疲れてしまった。
それなのにショボンもドクオもすごく楽しそうだった。

ショボンにいたっては、ドクオの話を真剣に頬を赤らめながら聞いていた。
あんなつまらない話、よく聞けるよな。
バカにしてたって訳でもなさそうだし。

(*^ω^)「今日はツンに電話で癒してもらうお!」

そう、僕には可愛い彼女がいる。
ツンという名前で、まだ付き合って3ヶ月だけど、とっても仲良しなんだ。

(*^ω^)「ドクオのことは忘れてツンと遊びに行く計画でも立てるお」

僕は家に帰って、さっそくツンに電話をかけた。


564 名前:ドクオに彼女ができない訳 :2006/03/15(水) 07:56:06.71 ID:VCEoiVtL0
プルルルルル

ξ゚听)ξ「もしもし」

(*^ω^)「あ、ツンかお?僕だお、ブーンだお」

2コールくらいでツンが出た。
いつ聞いてもツンの声は可愛いなぁ。

ξ゚听)ξ「ブーン?今友達が来てるから後でね」

ガチャン

( ^ω^)「え?」

ツンに電話を切られてしまった。
友達がいるんじゃ仕方ないよな。
僕は着替える時間も惜しんでツンの声を早く聞きたいと思って電話したけど
ツンには伝わらなかったようだ。

( ^ω^)「仕方ない、仕方ないんだお」


565 名前:ドクオに彼女ができない訳 :2006/03/15(水) 07:56:27.13 ID:VCEoiVtL0
僕は制服を脱いだ。


566 名前:ドクオに彼女ができない訳 :2006/03/15(水) 08:04:18.84 ID:VCEoiVtL0
J( 'ー`)し「ご飯食べる時くらい電話置きなさい!」

カーチャンに叱られても僕は携帯を手元から離さなかった。
もしかしたらツンからコールバックがあるかもしれない。

チラチラと待ち受け画面を見ながら、それが変わるのを待ったのだけど
結局電話が鳴ることはなかった。

せっかくツンからの着信時の待ちうけはツンの画像にしてあったのにな…

( ^ω^)「こっちからかけてみるかお」

僕は部屋に戻り、手元に 『恋人たちのデートウォーカー』 を用意して
ツンに電話をかけた。


567 名前:ドクオに彼女ができない訳 :2006/03/15(水) 08:07:40.32 ID:VCEoiVtL0

プルルルルル

ξ゚听)ξ「もしもし」

(*^ω^)「ツン!!」

また2コールでツンが出た。
やっぱりツンの声はか(ry

ξ゚听)ξ「ああ、ブーン。どうしたの?」

( ^ω^)「どうしたの?って…そうだ、友達は帰ったのかお?」

ξ゚听)ξ「ああ、あの後すぐに帰ったわよ」

(;^ω^)「ふ、ふーん」

それなのに僕に電話をくれなかったのかお?
少しツンを責めたい気持ちになったけど、仕方ない、仕方ない…と僕は言葉を飲み込んだ。

ξ゚听)ξ「ところで何の用?」

( ^ω^)「今度の日曜日にデートしたいと思ったんだお」


569 名前:ドクオに彼女ができない訳 :2006/03/15(水) 08:12:41.62 ID:VCEoiVtL0
ツンが僕に一生懸命じゃないのは仕方ないんだ。
僕から告白して付き合ったんだし、まだ3ヶ月だし、これからもっと仲良くなればいいんだ。
それに2人でいる時はすごく楽しいし、ツンがこういう子なのは知っていたから。

僕らは日曜日に横浜に行くことにした。

ξ゚听)ξ「なんか、色々考えてから行くのやだな、向こうで決めればいいじゃない」

(;^ω^)「そ、それもそうだお、じゃあ日曜日の10時に駅で…」

ガチャン

バイバイ、と言おうとした僕の声を遮って電話は切れた。

ツンはクールな子だ。
だから素直に気持ちを表せないんだ。
僕が頑張れば、いつかちゃんと言葉で表現してくれるだろう。
それまでは……仕方ないんだ。

僕はデートウォーカーをゴミ箱に捨てた。


570 名前:ドクオに彼女ができない訳 :2006/03/15(水) 08:15:45.83 ID:VCEoiVtL0
日曜日、僕が待ち合わせの駅に行くと、ツンは先に来ていた。
ただ、ツンの隣には誰か女の子がいる。

( ^ω^)「お待たせだお、その子は誰かお?」

ξ゚听)ξ「さっき偶然会ったの、友達のしぃよ」

( ^ω^)「そうですかお、こんにち…」

(*゚ー゚) 「なにこれ?ツンの彼氏?」

これ…?
これって僕のこと?
そして僕の挨拶を聞かず、その友達はペラペラと喋りだした。

(*゚ー゚) 「だからさー、すごい腹たったのー」

ξ゚听)ξ「ええ?それってサイアクー」

(;^ω^)「………」

(*゚ー゚) 「ペラペラペラペラ」

ξ゚听)ξ「マジー?ペラペラペラペラ」

そして気付くと時計の針は12時を指していた。


571 名前:ドクオに彼女ができない訳 :2006/03/15(水) 08:21:09.39 ID:VCEoiVtL0
(;^ω^)「あの……デートは………」

先に約束していたはずだったが、僕は申し訳なさそうに尋ねてみた。

(*゚ー゚) 「ああ?これからデートなの?」

ξ゚听)ξ「そうなの」

(*゚ー゚) 「ふーん、ペラペラペラ」

(;^ω^)「(止まらないのかお!)」

(*゚ー゚) 「だってさ〜ペラペラペラ…長くなりそうだからついてくね」

ξ゚听)ξ「うん、そうすれば?」

ついてく?
デートについてくるんですか?
そして僕の意見は聞かないんですか?

僕の存在に意味があるかどうかわからないデート(らしきもの)が
やっと始まった。

(;^ω^)「そんなに大事な話をしてるようには思えないんだお…」

2人は横浜に着くまでずっとネイルアートの話をしていた。


572 名前:ドクオに彼女ができない訳 :2006/03/15(水) 08:26:21.01 ID:VCEoiVtL0
──横浜到着。

(*゚ー゚) 「ペラペラペラペラ」

相変わらず2人の会話は続いている。
今度は新作のバックがどうとか言っているようだ。
そして、その輪に僕は1度も入っていない。

ξ゚听)ξ「ペラペラペラペラ…あそこにしましょう」

(*゚ー゚) 「うん、いい感じね、ペラペラペラペラ」

2人はオシャレなカフェに入ってしまった。

(;^ω^)「ちょwwww待っておwwww」

僕は慌ててその後を着いていく。
そしてまた

(*゚ー゚) 「ペラペラペラ」

ξ゚听)ξ「うんうん、ペラペラ」

2人のお喋りは続く。


574 名前:ドクオに彼女ができない訳 :2006/03/15(水) 08:31:44.48 ID:VCEoiVtL0
ξ゚听)ξ「どうしたの?帰っちゃうの?」

(*゚ー゚) 「えー?寂しい〜」

意外な言葉が返ってきた。
今まで僕を仲間はずれにしていたくせに。

(*゚ー゚) 「ツンの彼氏って素敵よね、女の子のワガママ聞いてくれるし」

ξ゚听)ξ「そうよ、すっごく優しいのよ。自慢の彼氏なんだから」

(;^ω^)「ちょwwwwいきなりヨイショwwww」

(*゚ー゚) 「あたしちょっとトイレ」

そしてしぃがトイレに行ってしまうと今度はツンが泣き出した。

ξ゚−゚)ξ「だって…2人きりだと恥ずかしいんだもん…」

(;^ω^)「そうだったのかお…」

ξ゚−゚)ξ「ごめんね、話すと長くなっちゃって…つまんない?」

(;^ω^)「そ、そんなことないお!楽しいお!」

ξ*゚听)ξ「良かった〜、嫌われたかと思った」

嫌いになるはずないお、僕はツンが大好きだお、と言おうとしたが
しぃがトイレから帰ってきてしまったので、その言葉は飲み込んだ。


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