27 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/08(水) 23:50:56

モナー VIPブライトウィン号地下通路 4:00

モナーは逃げた男をライトで照らしながら後を追った。

男は頭から焼き焦げる臭いと煙が出てきた。モナーは何度も止まれといっているが男は一向に奥へと向かう。

武器庫ならさっき通り越して奥へと向かっている。一体どれくらい走ったのだろう…

辺りはライトで照らしている男だけしか見えない、モナーはふとこう思った。

(そういえば今どこまで走っているんだ?)

自分の体内時計では十分間くらい走っている。

今頃は行き止まりで衝突しているはずだ。それなのに自分は悠々と男を追っている。

ふと前方が急に明るくなった。モナーは瞬間的に目を閉じた。


28 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/08(水) 23:52:40



モナー ????? ??:?? 

曲 ナウシカのランランララランランラン、ランランラララン、ラランランララランランラン、ララララランランラン〜♪

モナーが目を開けた先には田畑が広がっていた。

(ここは…)

モナーはここを知っていた、かつて東京に越す前、娘のジィと妻のレモナと一緒に暮らしていた場所だ。

空は暑い太陽がさんさんと輝き、草木は生い茂り、遠くには農夫達が道を行き来していた。

(懐かしいな…)

モナーはそう思いながら歩いた。何もかもが懐かしい…

すると前から青いベレー帽を被った女の子が走ってきた。

しかし近くにあった小石につまずき転んでしまった。女の子は涙を流して泣き始めた。

モナーはその女の子に近づいた。

その女の子はジィであった。それも五歳の頃である。

モナーは少々驚いたがジィは顔を上げてモナーの顔を見た


29 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/08(水) 23:54:02

「……お父さん?」

モナーは少々考えたがこう答えた。

「いや、私は今日からこの村に配属される警官だよ。」

モナーはそう言ってジィをダッコした。

その時、後ろからレモナの声が聞こえた。

「あれ…アナタ、仕事は?」

レモナはそう私に言ってきた。

「あのー…随分と貴方の旦那さんと似ているんですか…私は?」

「え?もしかして人違いでしたか…?すいません。」

そう言ってモナーはジィをレモナに渡した。

「じゃ〜ね〜。お父さんに似ている警官さ〜ん。」

モナーはさようならと言おうとした。

――――声が出ない!!

いくら叫んでも自分の声は聞こえない。

すると後ろから誰かが肩をたたいた。

肩をたたいたのは黒髪でポニーテールをした女性であった。

女性は口を開いた。

「因果律の…法則…」

――――――モナーさん!!

ふと後ろからジョルジュの声が聞こえた。

「大丈夫でしたか!!」

ジョルジュが息を切らしながら近づいてきた。

「あ…ごめんモナ…」

「とりあえず船長室に行きましょう…」

そう言ってジョルジュは元の道を引き返した。


ジィ…

      すまんな…

仕事にしか目がない父親になってしまって…


30 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/08(水) 23:54:34

第三話 終


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