684 名前:( ^ω^)がおじさんにさよならをするようです :2006/02/14(火) 02:45:29.38 ID:d5im6ue10
( ;ω;)「お、おじさん!!」


ポツポツ歩くおじさんに追いつくには時間はいらなかった。



('A`)「・・・お?」


( ;ω;)「こ、これ・・・」



('A`)「・・・あぁ、一緒に袋に入れちゃってたのか」



('A`)「ありがとう」


おじさんはヒラヒラと手を振りながらまた家路についた。


685 名前:( ^ω^)がおじさんにさよならをするようです :2006/02/14(火) 02:45:55.01 ID:d5im6ue10
( ;ω;)「あ、ああ、あ、あの・・・」




声がかすれる。


( ;ω;)「・・・あ、あ」



涙がまた出てきた。



( ;ω;)「あ、あの!!!」




('A`)「・・・なんだい?」



トコトコとおじさんの近くに歩み寄る。


686 名前:( ^ω^)がおじさんにさよならをするようです :2006/02/14(火) 02:46:14.47 ID:d5im6ue10
( ;ω;)「ぼ、僕、も、もう二度と」


('A`)「・・・」






( ;ω;)「に、二度と万引きなんかしませんお!」



('A`)「・・・」






('A`)「・・・いいよ」


( ;ω;)「・・・え」


('A`)「わかってくれてるならいいんだ」


687 名前:( ^ω^)がおじさんにさよならをするようです :2006/02/14(火) 02:46:31.63 ID:d5im6ue10
( ;ω;)「お、お金だってなんとかして払いますお!」


('A`)「・・・もういい」






ギュ。


( ;ω;)「・・・・・・・・・・」



もさっとしてて、少し肌触りの悪いセーターだった。


でも暖かかった。







( ;ω;)「うわああああああああああああああああああああああん!!!!!」


688 名前:( ^ω^)がおじさんにさよならをするようです :2006/02/14(火) 02:46:55.12 ID:d5im6ue10
('A`)「・・・」



・・・あいつも生きてたらこんな歳なんだよな。







おじさんは、優しかった。


僕は優しくなかったのに。





('A`)「・・・寒いだろ、鍋、食うか?」


( ;ω;)「うわあああああああああああああん!!!!!」



('A`)「・・・・・・よしよし」


689 名前:( ^ω^)がおじさんにさよならをするようです :2006/02/14(火) 02:47:15.56 ID:d5im6ue10
('A`)「そこのお玉取ってくれ」


( ;ω;)「・・・はいだお」



('A`)「ほら、海老食いな」


( ;ω;)「・・・ありがとう」


おじさんの家に来た。


一人暮らしにはでかすぎる家だし、キレイと言える家ではなかった。



('A`)「いっぱい食えよ」


( ;ω;)「・・・・・・ハムハフ」




暖かい。


690 名前:( ^ω^)がおじさんにさよならをするようです :2006/02/14(火) 02:47:42.18 ID:d5im6ue10
('A`)「名前は?」


( ;ω;)「・・・ブーン」


('A`)「いい加減無くのやめれ」


( ;ω;)「・・・」


('A`)「・・・ほら、風呂できたからゆっくり浸かってこい」



( ;ω;)「・・・ありがとうだお」





ふらふらとした足取りで風呂場まで歩いていった。


脱衣所にはバスタオルが山積みになっていた。


691 名前:( ^ω^)がおじさんにさよならをするようです :2006/02/14(火) 02:48:03.64 ID:d5im6ue10
( ;ω;)「・・・なんで、」


( ;ω;)「・・・なんで、僕は泣いているお?」



鏡からは答えは返ってこない。


( ;ω;)「・・・・・・」


バシャバシャと顔を勢い良く洗った。





よくもまぁ、ろくに飲み食いしてないくせにいつまでも出てるお。







風呂から出ると、大きめのパンツと部屋着が置いてあった。


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