899 :( ^ω^)殺人クラブ:2006/04/06(木) 23:06:27.16 ID:qb8CZv+pO
次に向かう所は、旧校舎の南階段。
ぬらりひょんが出る、というふざけた場所だ。
南階段の何処に出るのかは分からないから、僕は地面に解毒剤がないかを注意しながら、階段を上っていった。

旧校舎は、廊下がきしむので足音を立てないようにする事は難しい。

が、それは奴らだとて同じ事のはず。

「よぅ!内藤」

思ってる傍からこれか。

「ジョルジュかお」

姿は見えないが、このメリハリのある声は一度聞けば耳に残る。
上の階からだな。


901 :( ^ω^)殺人クラブ:2006/04/06(木) 23:07:53.59 ID:qb8CZv+pO
「さっさと解毒剤の在処を言うお!」

僕は自分の声で足音を消しながら、上に向かう。

「やなこった!
自分で探しな!」

声が近い。もうすぐだ。
もう一階分登れば。
僕はバットを握る手に力を籠めた。

「モナアアァァァー!」

何が起こったか分からなかった。
いきなり背後から僕は押し倒され、手の関節を極められている。

「やったモナ!先輩!」

こいつ、自己紹介もしてないくせに、僕を。

「おし!
でかしたぞモナー!」

ジョルジュがにやにや笑いながら、階段から降りてきた。



902 :( ^ω^)殺人クラブ:2006/04/06(木) 23:09:46.22 ID:qb8CZv+pO
「ジョルジュ……!」

この、クソ野郎が。

「よぅ、標的。
見事罠にかかった気分はどうだい?」

ジョルジュが僕のバットを肩に担ぎ、嫌味に言い放った。

「こんなので僕を参らせたつもりかお?
まだまだ甘いお」

僕の言葉は苦し紛れでしかない。
それをジョルジュはとっくに見抜いているだろう。

「モナー、もっとキツクしてやんな」

はいモナ、という返事と同時に僕の体に掛かる圧力が増した。
僕の口から押さえようの無い苦鳴が漏れる。
脂汗が流れてきた。

「お…まえらは…僕を、殺すつもりなんて…ないんだ…お……?」

喉の奥からなんとか絞りだした挑発は、ジョルジュの眉を寄せるという、僅かな変化をもたらした。



903 :( ^ω^)殺人クラブ:2006/04/06(木) 23:11:10.72 ID:qb8CZv+pO
「何言ってんだ、お前。
俺達は殺人クラブだぜ?
……腕を折れ。モナー」

「……あ、えぇ?」

モナーが戸惑っている。
まさか、挑発は的を得ているのか。

「折れってんだよっ!!」

旧校舎に響くジョルジュのいきなりの怒号。
驚いたのは、モナー。

一瞬の力の緩みは、捕らえた獲物を逃がした。

僕は関節を極められていた時からポケットに突っ込んでた左手を出す。

左手にはクーデレから奪ったカッターナイフ。
僕はいきなりの事態と刃物を前に、硬直しているジョルジュの喉にカッターを突き立てた。
大量の帰り血を浴びたが、気にしない。
そしてバットを奪い返し、そのままモナーに脳天を一撃。
頭は柘榴のように割れた。

「つ…疲れた…お……」

僕は二つの死体を眺めながら、しばらくの休息を味わう事に決めた。

残り時間、一時間五十分。


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