692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 19:30:15.19 ID:4yGn1clC0
【ブーンの目には文字化けして見えるようです】

 日曜の昼の出来事だった。
 私と内藤はデートに出かけていて、私が少し早歩きになると、内藤は焦って私の後ろについてき
たし、内藤が一人で先走ると私は口を尖らせながらも笑顔でその後を追った。
 一瞬のことだ。
 私が内藤のことを無視して車道を横断すると、内藤は慌てた顔で私に追いつこう
と車道へと乗り出した。住宅街に程近いこの車道では車通りなんてほとんどないはずだった。


ξ゚听)ξ「私のせいだわ!!」
('A`)「落ち着け、ツン」


693 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 19:30:39.12 ID:4yGn1clC0
 ドクオの制止にもかかわらず、ツンは病院のベッドで寝ている内藤に泣きついた。

ξ゚听)ξ「全部私のせいなのよ!! 私が車道を渡ったりするから、周りをちゃんと見てなかったから
     内藤のことをちゃんと見てあげなかったから!!」
('A`)「ツン、内藤は安静にしてなくちゃいけねぇ。内藤のことが心配なのはお前だけじゃないし、
   非があるのもお前だけじゃねぇ、だから、ともかく落ち着いてくれ」
ξ゚听)ξ「そんなこと言ったって!!」
('A`)「なにがあったかはしらねぇ、だけど大方、お前が内藤に愛想つかした素振りをして、それに
    いつもどおり内藤が慌てて……ってところだろ」
ξ゚听)ξ「・・・・・・素振りなんかじゃ、ないわよ」
('A`)「よし、普段通りのツンだ……なに、医者だって外傷はほとんどなくて、今は車にぶつかった
    ショックで寝込んでいるだけだから、すぐに退院できるとも言ってたじゃないか」

 ドクオとの会話で少しツンに余裕ができると、病室のドアが開いた。


694 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 19:31:05.25 ID:4yGn1clC0
(´・ω・`)「内藤の様子はどうだい?」
('A`)「おう、ショボン。まぁ、可もなく不可もなくってところか。そっちはどうだ?」
(´・ω・`)「なんとも言えないね」
('A`)「おい、お前警察だろ? ひき逃げくれないちょちょっと解決してくれよ」
(´・ω・`)「そう言われてもね……ちょっと外に来てくれないか?」
ξ゚听)ξ「あ、私も……」
(´・ω・`)「ツンはここに残って、内藤の様子を見ていてくれ。一人じゃ、寂しいだろうから」
ξ゚听)ξ「……うん」

 
 病室の外に出たドクオとショボンは、病院の白さとは打って変わり、暗い影が落ちていた。
(´・ω・`)「ナンバーがわかればいいんだが、事件現場にいたのはツン・内藤・犯人と車。そのほかに通行人
      らしき人物はまるでいない。聞き込みが完全に行き詰まれば、事件自体も行き詰るだろうな」
('A`)「おいおい、ひき逃げなんて簡単な事件くらい……」
(´・ω・`)「簡単だからこそ、難しいんだよ。簡単な犯罪を完璧にやられちゃ、どうしようもない。
      どんな犯罪はかならず見つかる、なんてことはありえないんだ」
('A`)「………くそ、なんでそんな」
(´・ω・`)「けど、だからこそひっかかるんだ」
('A`)「……?」
(´・ω・`)「よく考えてくれよ。犯罪はかならず見つかることはない、けど、それと同じように完璧に
      犯罪を成し遂げる。なんてこともほとんどありえないはずだ」
('A`)「つまり、初めから内藤を?!」
(´・ω・`)「そうとは限らないが、あくまで今回の被害者が内藤ってだけで、事件自体は無差別な……」

????「な、内藤、どうしたの!!!」

('A`)「ツンの声だ!」
(´・ω・`)「どうしたんだ!」

 ショボンが素早く病室のドアを開ける。内藤はベッドの上で驚愕に目を見開いていた。


695 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 19:31:53.53 ID:4yGn1clC0
(;^ω^)「だ、誰だお!! なんなんだおコイツら!!」
ξ゚听)ξ「ど、どうしたの内藤?」

 ツンの差し伸べる手を、内藤は手元にあったコップで払った。
(;^ω^)「ち、近寄るなお!!」
ξ゚听)ξ「ど、どうしたの、内藤。私がわからないの?」
(;^ω^)「わけわかんないお、ツンは、ツンはどこだお!!」
(´・ω・`)「一体、どういうことだ?」
('A`)「おい、どうしたんだ内藤!!」
(;^ω^)「ち、近寄るなお!! ツンは、ツンはどこだお!!」
ξ゚听)ξ「内藤、ツンは私よ……」
(;^ω^)「ちちちちちい、近寄るな化け物!!!」


g@(`;[6})@「n@isodjcion;いおbkjb;;b;lk」
(;^ω^)「ちちちちちい、近寄るな化け物!!!」

にじりよってくる化け物の触手を払うと、内藤は病室の隅へと逃げ込んだ。

(;^ω^)(な、なんなんだお、コイツら)
(;^ω^)(これなんてエロゲ……じゃなくてサスペンスホラー)
@(`;[6})@「s;おksjkhdふぇんkslん」
(;^ω^)「何を言ってるのかまるでわからないお!!」
(;^ω^)「やばいお、なんか後ろに後二匹待ち構えてるし……」
([\sfs\)と(sヌr」@^:)
(;^ω^)「逃げるしかないお!!」

('A`)「内藤!!」
(´・ω・`)「……いっちゃった、ね」


706 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 20:18:25.47 ID:JGv5ayPJ0
(;^ω^)「ど、どうなってるんだお?」

 街は化け物達で溢れていた。信号待ちをすう化け物、地下鉄へと進む化け物、カップル
なのか、二人で寄り添うようにして歩く化け物。

(;^ω^)「と、ともかく走り抜けるお。自分の家に帰ればツンがいるはずだお!!」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「ブーン!!!!!」

 振り向く化け物達の中を内藤は走りぬける。家に帰れば、ツンが待っていてくれるはず……。
そう信じて、内藤はできるだけ周りを見ないようにして走った。
 赤い光が、視界の端で動いた。



707 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 20:18:42.51 ID:JGv5ayPJ0
⊂二二二( ^ω^)二⊃「け、警察だお!!」
 
 一抹の期待が胸の中で膨らんだ。けれど、それも一瞬で尽きた。
 警察官となったショボンの顔が浮かんで、すぐ消えた。
 後ろを振り向いて見えたのは(´・ω・`)ではなく(sヌr」@^:)であった。

⊂二二二二二二(;^ω^)二二二二二⊃「あー!!! どうしょうもないお!!」
(sヌr」@^:)「shlk;jソイsjォイ!!!!」
⊂二二二二二二(;^ω^)二二二二二⊃「すごい叫んでるオ……」
(sヌr」@^:)「;kンdサ;h;オジェr!!!!」
([\sfs\)「dlkンsl;kナ」q@!!!!!」
(;^ω^)(よくみたら、あれは病室にいたヤツラだお……パトカー盗んで追跡してくるなんて怖いお……)

 次第に追いついてくるパトカー。いかに内藤の足が速くても車にはおいつけない。

⊂二二二二二二(;^ω^)二二二二二⊃「でも、路地に入ればこっちのもんだお!!」


708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 20:18:57.94 ID:JGv5ayPJ0
('A`)「あ、アイツ路地に入りやがった……」
(´・ω・`)「……降りて、追跡する?」
('A`)「いや、そんなことよりも……」
ξ゚听)ξ「…………」
ξ゚听)ξ「…………」
('A`)「どうしょうもねーな」
(´・ω・`)「うん、どうしょーもないね」
('A`)「クソッ!!!! 内藤のヤロー、オレ達の紅一点を言うに事欠いて化け物だと…・・・、せっかく
   学生時代にオレ様がひいてやったのに」
(´・ω・`)「君がひこうがひくまいが、変わらないと思うけどね」
('A`)「何がかわらないんだよ」
(´・ω・`)「そりゃ、内藤とツンが付き合うことが……」
('A`)「こうなることも、昔から変わらず、決まってたっていうのか?」
(´・ω・`)「……ツン、ドクオが苛めるよ。久々に言い返せないや」
ξ゚听)ξ「…………」
(´・ω・`)「言い返してくれないか……」


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