756 名前:( ^ω^)スタートライン :2006/03/08(水) 10:16:02.03 ID:McVFkc32O
( ^ω^)「空は青いお・・・」

彼は寝そべったままの状態で小さく呟いた。
特に意味はない、なんとなく声に出してみただけだ。

いま彼がベッド代わりにしている場所は高校校舎の屋上の床。
埃や汚れも気にせず、彼はその薄汚れた床で寝そべっていた

どこか気の抜けた表情の彼は――――


ガチャッ!


('A`)「よぉブーン、おまえまたここ来てたんだな」


寝そべっている彼は内藤、愛称としてブーンという名で呼ばれている。

( ^ω^)「ドクオ・・・空は青いお」
('A`)「はぁ?どうした?ついに壊れたか?」

そしてそのブーンの古くからの親友であるドクオ

そしてもう一人

(´・ω・`)「おいおい 屋上に男が二人きりとは怪しいんじゃないかい」

同じく古くからの親友、ショボン


757 名前:( ^ω^)スタートライン :2006/03/08(水) 10:18:22.10 ID:McVFkc32O
('A`)「おまえが想像してるような事はねーよ」

一息おいてドクオはまた口を開いた

('A`)「式が終わったとたんブーンが消えちまったから探しにきたんだよ」

よく見れば3人の男の手にはそれぞれ黒い筒のようなものが握られていた。

そう、今日は彼らにとって高校最後の日。
すなわち卒業式当日だったのだ。

(´・ω・`)「まぁ僕も同じ理由でここに来たんだけどね」

ショボンはうつむき気味に小さな笑みをみせた

(´・ω・`)「で ブーン。今の話聞いてたろ?早く帰ろう」
( ^ω^)「明日から僕らはバラバラになるお」

ブーンが突然話をきりだした

( ^ω^)「明日からそれぞれの職場で働きはじめて忙しくなって、いままでのことなんか忘れるんだお」

('A`)「・・・」

( ^ω^)「・・・」



758 名前:( ^ω^)スタートライン :2006/03/08(水) 10:19:58.26 ID:McVFkc32O
ブーンはく鳥をみていた

見上げた青空に羽ばたく群れからはずれた一匹の鳥を

あの鳥もまた、友と一緒に空を走った日々を忘れてくのだろうか

('A`)「忘れねーよ」

ドクオが呟くように声を発した

その消え入りそうな声に、ブーンは顔を背けながらも必死に耳を傾けた


759 名前:( ^ω^)スタートライン :2006/03/08(水) 10:25:29.60 ID:McVFkc32O

('A`)「たどりついたゴール地点にもっかいスタートの線引けばいいじゃねぇか」

顔を背けていたブーンは知らなかったが、ドクオはもの凄く顔を赤らめて言葉を続けていた。
熱血ドラマじゃなきゃこんな事言わねーよ、と心の中で吐きすてていた

('A`)「帰ろうぜ」

ブーンが 再び、しかし今度はドクオ達の方へ顔が向かうよう寝返りをうった

( ^ω^)「うっっっはwwwwwwwwwwもうたえられねぇwwww」

('A`)(´・ω・`)・・・

( ^ω^)「マジきめえwwwくさいにもほどがあるwww金八かおwwっうぇwww」
(#'A`)「てめぇブーン・・・待ちやがれえぇぇぇぇ!!」
(´・ω・`)「金八wwwっうぇwwwwwwww」



卒業式当日にも関わらず校舎内には少年達の笑い声が響いている

これから先 何度行き止まりの壁にぶち当たってもなお
彼らは進むことをあらめず、自分達のスタートラインを引き続けていくだろう

多分



おわり


もどる