66 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/25(土) 18:14:29
第六話 「端島」
モララー VIPブライトウィン号ショッピングモール 18:01
ショッピングモール―
ここら辺は色々茶屋や服屋があり、この船を美しく飾っている。
しかし今は辺りは停電しており、船内は暗闇の世界と化としていた。
その時、茶屋「百合」で無線を握りしめている男がいた。
「くそっ…サイレンが鳴って気づいた時から全然繋がらないなんて…」
男の名前はモララー、この船の警備員である。
「しょうがねぇ…いちど操舵室の無線が使えるか調べに行くか…」
そう言うとモララーはホルスターから9mm拳銃の弾数とマガジンを数えると胸ポケットのライトを付け、ニヤニヤしながら茶屋を出た。
67 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/25(土) 18:15:00
「しかし船内が真っ暗だってのに同業者がいねぇな…全員おねんねタイムか?」
モララーはそう言いながらカフェバロスの関係者専用通路を歩いていた。
地図 _____________________
通路 (・∀・ )→ショッピングモール
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扉 | |
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68 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/25(土) 18:15:35
……ふっふっふっ…」
すると通路の奥から声が聞こえてきたと同時にカフェのキッチンから電灯の光が出てきた。
(船員か…?やっぱり誰か警備しているのか…)
キッチンの方から誰かがドアを開ける音がしたがそんな事は気にせずモララーは前方の人影に声をかけた。
すると人影は通路に前進を露わに見せた。
服装はこの船の清掃員だ、名前バッチには「シャキーン」とかかれていた。
「おーい、シャキン!どうしたん…」
モララーはシャキーンの顔見て言葉を詰まらせた。
69 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/25(土) 18:16:05
シャキーンの肌には生気が無く、手には官給スコップとライトを持っている。
そして顔は所々が黒ずんでおり、目からは溢れんばかり血を流していた。
「ブァァァァァァァァァァァァ!!」
シャキーンは叫ぶとゆっくりとスコップを掲げてモララーに接近し始めた。
モララーは拳銃の安全装置を外して即座に発砲した。
シャキーンは撃たれた衝撃で数歩位後退した後そのまま倒れたが再び起きあがった。
モララーはその光景を見て唖然とした。
70 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/25(土) 18:16:51
「そんな…馬鹿な…」
シャキーンはさっきの遅さからはあり得ない速度で走ってモララーに押し倒した。
「んなっ…俺はホモーリな趣味はないからな…」
しかしモララーの考えとは裏腹にシャキーンは包丁を取り出した。
「なっ…くそっ!」
モララーは銃をシャキーンの口の中に入れた後、引き金を引いた。
71 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/25(土) 18:17:25
パン!
乾いた銃声の音が響き渡った後、シャキーンは奇声を発してそのまま仰向けになって倒れた。
「ハァ…ハァ…落ち着け…何がどうなってんだ…」
シャキーンの頭は近距離で撃ったのにも関わらず、銃弾は見事に頭を貫通していた。
普通は近距離で物を撃った場合、物は粉々になるが人の脳部分も同じである。
しか弾丸は粉砕せずにそのまま貫通していたのだ。
「サイレンが鳴ってからだ…こんなおかしい事が起こり始めたのは…」
モララーはそう言いながら操舵室を目指して歩き始めた。
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