499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/18(土) 03:10:42.02 ID:59dgPuEx0
━水スペ━
藤岡隊長「我々にとって身近でありながら、遠い存在であった人魚・・・我々は彼らのことを
     もっと知らなければならないのではなかろうか?そう考えた我々は
     関東某所にあるこの街にやってきた・・・」

隊員A「隊長!この近辺です!」

隊長「うむ。む!?あれは!!いかん!よけるんだ!!」

ナレーター「その時である!探検隊を巨石が襲ったのだ!
我々と人魚のコンタクトを快く思わない何者かの仕業なのだろうか!?」

隊員B「うわ〜〜〜」

隊長「大和!大丈夫か!!」


(;^ω^)「う〜ん・・・テロ朝の水スペはいつも大げさだお・・・」

ξ*゚听)ξ「もう!まじめに聞いて欲しいのに!」

('A`) 「はは・・・それにしてもまた大和隊員は負傷者枠かよwww」



500 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/18(土) 03:11:45.74 ID:59dgPuEx0
ナレーター「・・・こうして我々はB氏との接触に成功した!」

(´・ω・`) 「もうすぐツンがでるね!」
( ゚∀゚)o彡「さっきおれも映ったぞ!見てたか!?」

隊長「あ、あなたが・・・人魚!?」

隊員A「おおおっ美しい!!」

隊長「まつんだ!第一コンタクトは慎重でなくてはならんっ!」
こうして白々しい演技がしばらく続きました。

ξ*゚ -゚)ξ「(もう・・・私が怖いみたいじゃん・・・)」

隊長「あ、あ、あなたが・・・人魚・・・?」

ξ*゚ -゚)ξ「・・・そうです・・・」

隊長「おおおおおおお!!」

ナレーター「なんと、人魚は人語を解するのである!この衝撃の事実は、
   未だほとんどの者がしらない!!我らが探検隊は、人類史上初めて、
   異種間による協議に成功したのだっ!」


501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/18(土) 03:13:09.53 ID:59dgPuEx0
隊長「・・・でツンさんは人魚の人権のために戦っているというわけですね?」

ξ*゚ -゚)ξ「そうです。でも私一人じゃありません。」

隊長「他にもツンさんのような人魚がいるということですか?」

ξ*゚ -゚)ξ「それは知りません。でも、ここにいるブーン君や、彼の友達が協力してくれています。
いえ、ことのきっかけはブーン君だったんです。彼は人間なのに、
私よりよっぽど熱心に人魚のことを考えてくれてるんです。」

(;^ω^)「そんなことないんですお!ツンが一番がんばってるんですお!こうしてテレビに出たりね!」
ξ*゚听)ξ「違うよ!ブーンに会わなかったら、私は現状をただ受け入れて、
     人間を恨みながら、逃げ回ってたと思うの!でもブーンに会えた!
     今なら料亭に卸されたことにすら感謝できるんだよ!」

( ;ω;)「ツン・・・」

隊長「君たちの間には種族を超えた愛があるんだねぇ!」

ξ(゚、 ゚*ξ「そ、そういうわけじゃないんだからね!!」

ξ*///)ξ「ぁ・・・でも・・・そうかもしれなぃ・・・・」

この特番は大きな反響を呼び、世間では人魚にも人権を適用すべしとの声が広がりました。


502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/18(土) 03:14:07.91 ID:59dgPuEx0
━茨城県・大洗水族館━

館長「おい、今朝の新聞みたか?」

研究員「見たもなにも、昨日のテロ朝の特番関係でいっぱいですよ!
    産軽まで好意的に扱ってます!」

館長「おい、日立港の工業品積み出しポートは、今日は搬入の予定、入ってないだろ?」

研究員「ちょっとまってください・・・ん・・・っと・・・無いようですね。」

館長「イルカ用の輸送車を準備してくれ!」

研究員「・・・調査用の人魚を移送するんですか?」

館長「うん。この辺りは岩場が多いからな。深度のあるところで逃がさなくてはならん。」

研究員「わかりました!すぐに手配します!」

こうした世論の声の広がりにより、ついに安保闘争以来となる規模で、
国会が取り囲まれるまでにいたったのです。


503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/18(土) 03:15:40.45 ID:59dgPuEx0
官僚「総理、われわれもこの条約に署名すべきですぞ!」

少泉「しかし・・・アメリカが・・・」

官僚「アメリカがなんです!これは安保とは違います!なんの後腐れもなく署名できる条約です!!」
日本が当該条約に署名したことは、世界を揺るがしました。なにしろ、初めての大国による署名です。
日ごろいがみ合っている、特定アジア三国までもが、日本に同調しました。

韓国官僚「大統領閣下!イルボンに遅れてはならないニダ!」

ノムピョン「う、うむ。ドクト周辺域には、人魚の生息が確認されているニダ・・・
      この条約の署名で、日本に先んじられては・・・」

韓国官僚「なに薄汚いこと言ってるニダ!それとこれとは別問題ニダ!さっさと国会を召集しる!」

こうした中で、頑強に署名を拒否する国家への批判は強まり、ついに欧米各国も
署名に応じるようになります。国連安保理常任理事国がすべて条約に名を連ねるに至り、
世界の趨勢は決まりました。

そして一年後・・・


504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/18(土) 03:17:17.78 ID:59dgPuEx0
アナウンサー「国連のアナル事務総長は、準人権適用種策定国際条約の条文を受けた上で、
        国連総会の席で次のように述べました・・・」
アナル「一年前のあの日、日本の署名が契機となり、われわれ人類は偉大な一歩
    を踏み出すことになった。その偉大さは、当該条約が人類のためのもの
    ではなく、異種に対する人権の拡大といところにあり・・・」

ξ*゚听)ξ「おーい!ブーン!!朝よー!!起きてー!!」

(;^ω^)「うう・・・そんなに大声で・・・」

ξ*゚听)ξ「あんたが朝になったら起こせっていったんじゃない!」

(;^ω^)「はいはい・・・ん?いいにおいだお!」

ξ*゚ -゚)ξ「今日はね、あたしが朝ごはんつくったのよ!お母さんに教えてもらってね!」

ξ(゚、 ゚*ξ「べ、べつにあんたのために作ったわけじゃないけどね!」

( ^ω^) 「うはwwwwそれは楽しみだお!台所いこうかお!」

ξ*゚ー゚)ξ「うん!」

僕のうちはまだ海辺に立ってるわけじゃないお。でもツンはずっと家にいてくれて、
毎朝僕を起こしてくれるようになったお。思えば一年前あんなにも儚かった幸せが、
今は確固たるものになってる・・・たしかに人魚と人間の間の垣根は完全に取り払われたわけではないけど、
それでもなんとかうまくやっていけると思うお。ツンと僕のようにね!

どこまでも広がる青い空の下の小さなお話でした。

                    ━happy end route Fin━


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