38 :【( ^ω^)ブーンとドクオが喧嘩して画鋲が刺さったあげくビー球なようです】:2006/04/03(月) 17:53:44.88 ID:9d/k6k64O
( ^ω^)「…帰るお」

ドクオの汚い部屋

散らかったエロゲや本を避け歩き、ブーンは玄関の扉を
必要以上に強く、叩くように閉めた。

('A`)「…はあ」

異臭のする汚い部屋。

テレビの上にはフィギュアが綺麗に並んでいる。
そうゆう所だけ綺麗であとは散らかりっぱなし。

('A`)「…ビー球」

ドクオが引き出しから小さな緑色のビー球を取り出した。
酷く透き通っていて、その綺麗さは何か特別なものにさえ見えた。


39 :【( ^ω^)ブーンとドクオが喧嘩して画鋲が刺さったあげくビー球なようです】:2006/04/03(月) 17:55:17.07 ID:9d/k6k64O
自宅 カーチャンはまだ帰っていない。
部屋にぽつんと、やることもなく佇む自分

(;^ω^)「痛っ!痛いお!」

グサッ

足の裏にトゲのようなものが刺さる。
それを頭で理解した瞬間痛みが広がりだし、少しだけ涙が出る。

(;^ω^)「うう…血出たお…テライタス」

ブーンは数秒の間、そこで蹲って怪我をした部分に
息を吹きかけたりさすったりしていた。

( ^ω^)「・・・」

改めて"トゲ"の正体に目をやると、見慣れない
金色がキラリと光った。針のような部分には僕の赤い血が付いている。

( ^ω^)「画鋲…かお」


40 :【( ^ω^)ブーンとドクオが喧嘩して画鋲が刺さったあげくビー球なようです】:2006/04/03(月) 17:56:14.67 ID:9d/k6k64O
ブーンは特にイラだつ様子もなく、小さな画鋲を見つめると
不思議なことに小さく笑みを見せた。
普通ならば少しは頭にくるようなその状況を、笑ってみせたのだ。

( ^ω^)「…懐かしいお」

画鋲をヒョイと手にとり見つめる。
その眼はどこかうっとりしているようにさえ見えた。


41 :【( ^ω^)ブーンとドクオが喧嘩して画鋲が刺さったあげくビー球なようです】:2006/04/03(月) 17:57:18.74 ID:9d/k6k64O
( ^ω^)「ドクオ!また拾ったお!」

小さい体。

今と違って体は自ら動く事を求める。せわしく動き回り、泥で濡れる。
純粋だった小学生時代。今思えばこの時代が一番楽しかったな。

('A`)「おお!こっちも沢山あるぞブーン!」

( ^ω^)「大佐!ここは宝の山ですねwwww」

('A`)「うむ。もっと沢山あるから探そうぜwww」

小学生というのは実に純粋でそれだけに馬鹿だ。
新しい知識を取り入れては自慢したり、誇らしげに語ったり。
今の僕が見たら「消防きめぇ」と思うだろうけど。

僕らは意味もなく、ネジやボルトといった部品や、画鋲やビー球などを
学校の裏で拾っては家に持ち帰った。

なんで集めてたのかは今だ自分でも理解できない。
その、少し貴重な輝きに魅せられていたのかもしれない。



42 :【( ^ω^)ブーンとドクオが喧嘩して画鋲が刺さったあげくビー球なようです】:2006/04/03(月) 17:58:30.04 ID:9d/k6k64O
( ゚∀゚)「コラー!こんな時間に子供が何やってる!チンコ千切るぞ!!」

('A`)「やべ、逃げるぞブーン!」

(;^ω^)「フヒヒッ、スミマセン!」


熱中しすぎて帰る頃にはいつも夕方を過ぎていた。
泥まみれになって帰るその時間が楽しかった。

中学になったらすぐに下らない行為だと気付いたけど。

( ^ω^)「大量だお」

('A`)「おー。ブーン、これやるよ」

そう言ってドクオは 金色の物体をブーンに渡した。
その金色は酷く鮮やかで、珍しく泥がなく、眩しく光り輝いていた。

( ^ω^)「そんなに綺麗なの…悪いお」

('A`)「なんだよ、俺らの仲じゃん。…そうだな、じゃあコレと交換な!」

ドクオは僕の手から緑色のビー球を手に取って笑った。
僕もつられて笑う。この金色は一生持ってよう、そう思った。


43 :【( ^ω^)ブーンとドクオが喧嘩して画鋲が刺さったあげくビー球なようです】:2006/04/03(月) 17:59:36.53 ID:9d/k6k64O
( ^ω^)「まさか…今足に刺さったのって…」

今更

今更気付いた。足に刺さった金色は埃を被りつつも
よくみれば眩しいほどの光りを帯びていた。

( ^ω^)「…ドクオ」

僕は光の速さでドクオに電話をかけた。

なんとなく思い出した親友の意味

この画鋲のお陰で明日からはまた笑って過ごせそうだ


おわり


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