101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/18(水) 20:10:02.15 ID:3HGb/JO60
一方こちらは、さっきのブーンの事件を知る由もないドクオ。
('A`)「さーて、なんかねーかな・・・?・・・・お?なんか音が・・。」
ドクオは耳を澄ました。よく聞くと、水が流れているような音が聞こえる。
('A`)「もしかして、川かなんかがあるのか?」
ドクオは、音のするほうへ行ってみる。
ドクオの予想通り、そこには川があった。それほど大きいわけでもないが、
生活するうえでは十分な川だといえるだろう。
('A`)「よっしゃよっしゃ、これで水が確保できたぜ!これで生活も楽になるぜ!」
今の時代、水が手に入って「生活が楽になる」なんていったらおかしい人と思われそうだが、
ブーンとドクオにとってはまさに「命の源」なのだ。
('A`)「よっし、じゃあ撤収するか。」
ドクオは、缶に入れた水とその川の周辺で手に入れた木の実を持って帰路に着く。


104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/18(水) 20:24:33.86 ID:3HGb/JO60
「カアー、カアー、」
空を見れば、赤く染まった夕日。もう夕飯時だ。
ドクオは、ブーンより一足先に台地に着いていた。
('A`)「はて、もうそろそろブーンが帰ってきてもいい頃だが・・・・?・・・・お?いたいた!
おーい、ブー・・・・・って、おい!どうした!?」
ドクオは、ブーンの右腕から血が流れているのを発見した。
(;^ω^)「・・・ちょっと蛇を仕留めてたんだけどお・・・・。
・・少々荒療治だったお・・・。」
一応は血は止まっているが、右のほうの服が真っ赤に染まっている。
(;'A`)「どう見たってやばい状況だろ!ほら、水と布やるから早く傷口なんとかしろ!」
(;^ω^)「・・・ちょっと、水足りないみたいだお・・・。」
(;'A`)「水が足りない!?よしわかった、汲んできてやるっ!」
そういって、ドクオは走り出した。
(;'A`)「ハァハァ・・・早く・・しねえと・・・」
ドクオは走る。そして、あることに気づく。
(;'A`)「・・・・・え・・?・・俺今、ブーンのために必死になってる・・・・・。」
ドクオは、走りながら昔を思い出していた。

すいません、次のは9時近くまで延びる可能性ありです・・・・。
すいませんがしばしお待ちを・・・。


107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/18(水) 20:50:45.48 ID:3HGb/JO60
「同窓会やらない?」「いいね!」「じゃあクラスメート集めよ!」
「ドクオはどうする?」「いいよあんな奴。」

ドクオは昔から友達づきあいも下手で、友達なんて一人もいなかった。
もちろんそんな性格では彼女ができるわけでもなく、いつも家ではゲームかPCだった。
そんな生活が続き、ついに30で家も追い出され、無一文になった。
親にさえ見放されたドクオ。誰かのために必死になるなんて考えたこともなかった。
だがそんなドクオが今、ブーンのために必死になっている。
ブーンのために、友達のために。
('A`)「・・・ハハ・・・俺も・・人のために必死になれるんだな・・・・。」
('A`)「・・・お袋・・・・昔言ったよな・・・・。
(お前はどうせ友達もできないんだから友達がどうのなんて言ってんじゃないよ!)って・・・。
・・・・・今の俺を見ても同じことが言えるか!?俺は!俺はぁ!



昔の俺とは違うんだああああああああああ!

(;^ω^)「・・・・あ、ドクオ来たお。・・・?泣いてるお?」
('A`)「な、泣いてなんかねーよ!ちょっと川で顔洗ってきただけだ!ほれ!水!」
(;^ω^)「あ、ありがとうだお。」
(´ー`)「・・・・・・・。」


108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/18(水) 21:15:09.74 ID:3HGb/JO60
( ^ω^)「おはようだお!」
('A`)「よう、おはようさん。じゃあ、飯探しにいくか。」
朝。いつもと同じ日常。今日も食料をとりに山へ行く。
その途中の川によって、彼らは今日も平和に過ごす。
( ^ω^)「この川結構魚いるお。とりまくるおーっ!おっ!」
('A`)「おいおい、なにこけてんだよ。びしょぬれじゃねーか。
まだ腕も治ってねーんだから、無茶すんなよ。」
( ^ω^)「こうなったらドクオもびしょぬれになるお!旅は道抜け、余はお酒だお!」
(;'A`)「それをいうなら旅は道連れ世は情けだーっ!うわっ!かかったっ!」
( ^ω^)「ははっ!ドクオもびしょびしょだお!」
('A`)「やりやがったなーっ!おらっ!くらえっ!」
( ^ω^)「うわっ!やられたお!なんのーっ!負けないおーっ!」・・・・・
平和そのものの生活。何にも縛られない、自由そのものの行動。この二人は、まさにそうだった。
貧しくても、金がなくても、友情で、この二人は食いつないだ。
この生活がいつまでも続いたらよかったのに。


世間は、容赦なく災難をブーンたちに吹っかけた。

今日はここで終わりです。明日くらいに完結する予定です。
では、さよなら。


158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/19(木) 20:23:48.20 ID:LLlkzkSV0
大変長らく待たせました。ただいまから、完結編までのすべてを投下します。
ただあんまり期待はしないほうが吉かも。ベタなので・・・・・。

ブーンたちがホームレスを始めてから、もう一ヶ月は経つ。だが二人は、月日の流れ関係なしに
自由な生活を楽しんでいた。まもなく、その幸せが崩れるとも知らずに。
('A`)「じゃあ今日は俺が食いもん探してくるよ。けが人を動かしちゃいかんからな。」
( ^ω^)「いってらっしゃいだお!」
( ^ω^)「・・・・さて、俺は食品加工でも進めるかお。」
ブーンは、山のキノコのだし汁をとり、それを料理に使ったり、
前のように真空パックを作ったりしていた。
( ^ω^)「ドクオは今どこまで行ったかお。」
ブーンが言う。ドクオが出て十数分経っていた。

突然、何の前触れもなく地面が揺れた。
(;^ω^)「おっ!?な、何だお!?」
揺れはいっそう大きくなる。地震だ。それも、かなり大きい。
(;^ω^)「やばいおっ!とりあえずじっとしてるお!」
ブーンはその場を動かず、じっとしていた。しかし、すぐに
もう一人の存在を思い出した。
(;^ω^)「ああっ!そういえばドクオがいたお!ドクオーっ!」
ブーンが動いてしまった。それを狙ってたかのように、大木が
ブーンめがけて倒れてくる。

ドズンッ!バギッ!


159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/19(木) 20:24:19.94 ID:LLlkzkSV0
(;^ω^)「ぎゃあああっ!」
大木が、ちょうど蛇の傷口のところめがけて当たった。しかもバギッという音までした。
右腕が折れたようだ。
(;^ω^)「ぎゃあああーっ!痛いおーーっ!」
痛みにもだえるが、腕を挟まれては動けない。そのまま絶えながら
揺れが収まるのを待つしかなかった。
(;^ω^)「・・・終わった・・・・かお?」
ブーンが身を起こす。揺れは収まったようだが、周りの状況は
もはやさっきまでの面影を残していない。
(;^ω^)「・・・くっ・・・とりあえず、この手を抜かないとお・・・・。」
ブーンが、挟まれた手を抜こうとする。しかし、そのまま抜くと確実に
腕一本が犠牲になってしまう。なんとか大木を渾身の力で持ち上げながら、抜き取った。
右腕は、関節の下のところから血と肉が出て、激痛を起こしていた。
(;^ω^)「・・・くっ・・・・はっ!ど、ドクオは!?」
ブーンは、ドクオを思い出した。まさか・・・・。
(;^ω^)「・・・・さ、探すおっ!」
ブーンは、右腕の痛みをこらえて走った。

(;^ω^)「・・・すでに土砂崩れも起きたみたいだお・・・。・・・うわっ!」
急いでドクオを探すブーン。地震で地盤が緩み、土砂崩れが起きたのだろう、
砂と石が急斜面を作っていた。
(;^ω^)「こりゃ一刻も早く探さないとやばいお!・・・・・・っ!?あれはっ!?」
見ると、木の下に何か人らしき物体がある。紛れもなくドクオだ。
(;^ω^)「ドクオ!ドクオーっ!」


160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/19(木) 20:25:10.31 ID:LLlkzkSV0
近寄ってみると、ドクオは倒れてきた木に腹を挟まれている。まさに
「木の下敷きになった」という表現がぴったりな状況だった。
土砂に巻き込まれたのか、腕や足も傷だらけだ。
(;^ω^)「ドクオ!大丈夫かお!」
('A`)「・・・・ああ・・・ブーンか・・・・ハハッ、俺、もうだめだな・・・・・・。」
(;^ω^)「何言ってるんだお!今からでもふもとの病院にいけば助かるお!」
('A`)「無茶だろ・・・・。この地震でどの病院もけが人でごった返してるさ・・・・。
それより・・・・。お礼を言っておかなくちゃな、お前に・・・・・。」
(;^ω^)「・・?お礼・・・・・?」


161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/19(木) 20:25:35.90 ID:LLlkzkSV0
('A`)「お前が食料もなくさまよってたとき、お前は食料を分けて、
友達になってくれた・・・。あのときのことはあっちの世界でも忘れないぜ・・・・。
お前のおかげで俺は一ヶ月も長く生きられ、お前と生きることができた・・・。
短い間だったが・・・・楽しかったぜ・・・・。ありが、とグボッ!」
ドクオが、微量の血を吐いた。もう長くない。
( ;ω;)「もうしゃべるなお!まだお前は死なないお!ちゃんとした治療を受ければ死なないお!
死んじゃダメだおーーーっ!」
ブーンはドクオの手を握る。その手は、驚くほど冷たい。
('A`)「・・・・・・ブーン・・・最後まで・・・あり・・が・・・・と・・・な・・・・・。」
(´ー`)「・・・・・・・・・・・・・・・。」
( ;ω;)「・・・・・・・・・・・・?」



ふいに、ブーンの握っていたドクオの手から、力が抜けた気がした。
ブーンの手から、ドクオの腕が滑り落ちる。
( ;ω;)「・・・・・・ドクオ・・・・・・?」
( ;ω;)「ドクオ?ドクオ!?ドクオっ!?」








ドクオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!





163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/19(木) 20:27:16.49 ID:LLlkzkSV0
〜エピローグ〜

「社長、10時から2ch商事と面会です。」
( ^ω^)「分かったお。今用意するお。」
あの事故から10年。ブーンは、なんと社長になっていた。
あの事故の後、ドクオと荷物を抱え山を降り、その後ふもとの復旧に向けて
精一杯働いた。その行動力が評価され、多くの仲間たちを集わせ、
会社を興した。今やブーンはその会社の重役、社長だ。
ブーンが以前ホームレスだったことは、誰も知らない。
ブーンは社長室には、直筆のこんな言葉を飾ってあるという。

「谷のない山はない。山のない谷もない。」

〜END〜

今まで読んでくれた&応援してくれた人たち、ありがとうございました。


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