29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 22:38:05.74 ID:RKy+wJtF0
それから何度か読みをやっていたがブーンの読みにはまったく変化がなかった。
しぃやドクオ、ツン達の読みは聞いているだけで存在感のようなものを感じるが、
自分が読み始めると急に場の空気がおかしくなる。
ブーンはなんとなく肌で感じ取っていたが打開策が見つからず困り果てていた。

(;^ω^)「す、すみませんですお。なんかうまくできてないようなできてるような感じだお。」

(´・ω・`)「まあ、初めてでここまで出来れば上等だよ。」

(*゚ー゚)「そうだよねー。ブーンは将来有望だよー。」

('A`)「俺たちも出来るだけフォローするからわからないこととかあったら聞いてくれ。」

(;^ω^)「は、はいですお。」

ブーンを助けようとしているショボン、しぃ、ドクオ。
その空気を壊すように今までずっと黙っていたツンがはじめて声を出した。

ξ゚听)ξ「座長、そのブーンって人にほんとにQをやらせるんですか?」


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 22:45:03.87 ID:RKy+wJtF0
(´・ω・`)「うん、ブーンにはQをやってもらうと思っているんだけど。」

ξ゚听)ξ「公演まであんまり時間がないのにもし役が完成しなかったらどうするんですか?」

(*゚ー゚)「そうならないように私達もフォローしてあげるんだよー。」

('A`)「代役探しまくって全然見つからなくて最後の1人って座長も言ってただろう。」

ξ゚听)ξ「妥協しろって言いたいの?」

('A`)「誰もそんなこと言ってないだろ。」

第2会議室の空気が一気に不穏な空気に変わった。

(;^ω^)(どうしよう・・・きっと僕のせいだお・・・。)

ブーンは自分のせいでみんなが喧嘩しているのを見るのが辛かった。
しかし、何を言えばうまくいくのかわからず、成り行きを黙って見守っているだけだった。


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 22:52:56.74 ID:RKy+wJtF0
(´・ω・`)「まあまあみんな落ち着いて。」

ショボンがみんなをなだめた。

(´・ω・`)「実はブーンには今日は稽古の見学として来てもらってるんだよ。
だから劇団VIPに入るかはまだ決まっていない。」

('A`)「えっ?」

(*゚ー゚)「あら、そーだったの?もう入るって決まったのかと思ってたー。」

ξ゚听)ξ「・・・。」

(´・ω・`)「だからブーンはどうしたいか聞いておきたい。」

全員が黙ってブーンの顔を見つめた。

(;^ω^)(みんなの視線が熱すぎて溶けそうだお・・・。)

ブーンは両手を組んで考え込んでいたがやがて口を開いた。



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 22:59:27.90 ID:RKy+wJtF0
( ^ω^)「ちょっと考える時間が欲しいお。」

(´・ω・`)「じゃあ、明日中には返事をちょうだいね。こっちも時間ないから。」

(;^ω^)(あ、明日中かおっ!もうちょっと時間欲しいお。)

(*゚ー゚)「いー返事待ってるよー。」

しぃがブーンにウィンクした。

('A`)「できればブーンと一緒に芝居を作っていきたいが。」

ξ゚听)ξ「慣れない事はしない方がいいんじゃないかしらね。」

ツンは素っ気無く言った。

(;^ω^)「・・・。」



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 23:07:56.48 ID:RKy+wJtF0
(´・ω・`)「じゃあ、今日の稽古はこれくらいにしようか。片付け開始。」

ショボンがそう言うとみんなは長机を元の場所に戻し、パイプ椅子を机の間に配置していった。
片づけが終わり、みんなが帰る準備をしているとドアを威勢良く開けて入ってくる男が居た。

( ゚∀゚)「おはようさーん!」

(*゚ー゚)「あ、ジョルジョルー。」

('A`)「おい、稽古もう終わりだぞ。」

( ゚∀゚)「え?ここって22時までじゃなかったっけ?」

(´・ω・`)「21時だよ。」

( ゚∀゚)「あーっ。そうだっけ?ま、いっか。今日も飲みに行くんだろ?」

('A`)「いかねえよ。」



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 23:17:26.43 ID:RKy+wJtF0
(´・ω・`)「ああ、ブーン、こいつはうちの劇団の役者のジョルジュって言うんだ。」

( ^ω^)「よろしくですお。」

( ゚∀゚)「おう、よろしく。で、君だれ?」

(*゚ー゚)「役者の卵のブンブンだよ。」

(;^ω^)(いつの間にかブンブンになってるお・・・。)

( ゚∀゚)「ああ、座長が連れてくるっていってた奴か。」

(´・ω・`)「今日は見学で明日中に返事をくれることになったよ。」

( ゚∀゚)「そうか。この劇団は楽しいから入ることをすすめるぜ。」

( ^ω^)「は、はい。じっくり考えてお返事しますお。」

稽古が終わったブーン達はそれぞれ帰路についた。


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