17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/07(金) 22:55:14.40 ID:9QQsoGUh0
第2話「追跡」




ブーンの目の前でツンが黒服達にさらわれた。
ブーンは黒い車を追おうとしたがあっという間に街の中に消えていった。

( ^ω^)「ツンを助けるお!」

ブーンは携帯端末を取り出すと地図を表示させた。
液晶に表示された地図の上を赤いマークがゆっくりと移動していた。

( ^ω^)(仕事柄、荷物がいつ盗まれてもいいように発信機つける癖があってよかったお。)

ブーンはサドルに跨ると自転車のペダルを漕ぎ出した。

( ^ω^)「先回りだお!この街で僕からは逃がさないお!」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/07(金) 22:56:31.37 ID:9QQsoGUh0
その頃、黒い車の中。

ξ゚听)ξ「私をどこへ連れて行くのよ。」

( ´_ゝ`)「どこにも連れて行きはしない。しばらく我々とドライブするだけだ。時間がくれば解放する。」

ξ゚听)ξ「・・・なるほど、そういうことね。」

( ´_ゝ`)「ただし、大人しくしていないとその綺麗な顔に傷がつくことになる。」

そう言うと兄者はスーツの内ポケットからナイフを取り出した。

ξ゚听)ξ「・・・。」

( ´_ゝ`)「それでいい。」

ξ゚听)ξ(・・・さてどうしたものかしらね。)


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/07(金) 22:59:24.85 ID:9QQsoGUh0
車の移動先を予測し、先回りして歩道橋の上にやってきたブーンは自転車を止めていた。

( ^ω^)「ここだお。」

携帯端末の地図をチェックするブーン。
赤いマークがブーンのいる歩道橋に近づいてきていた。
ブーンは歩道橋の上から車道を眺めていた。やがて黒い車が交差点を左折してきた。

( ^ω^)「よし、きたお。」

左折した黒い車は歩道橋を通過しようとしていた。

( ^ω^)「いくおおおお!!!!!」

ブーンは歩道橋を自転車に乗ったまま飛び降りた。
自転車は黒い車のボンネットに上に落下した。
ボコンッ!という音と共に車のボンネットがへこんだ。
黒い車の運転手はいきなり落ちてきた自転車に視界を遮られブレーキを踏んだ。



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/07(金) 23:01:14.79 ID:9QQsoGUh0
急停止した黒い車から黒服達が降りてくる。
ブーンはボンネットから降りると車の中にツンがいるのを確認した。

( ^ω^)「ツン、すぐに助けるお!」

ξ゚听)ξ「・・・。」

自転車が上から落下してくるというあまりにも非現実的な出来事に驚いていたツンは言葉が出なかった。
車から降りた兄者がブーンの前に立ちふさがった。

( ´_ゝ`)「またお前か。どうやら痛い目にあわないとわからないようだな。」

そう言うと兄者はブーンの腹に拳を叩き込んできた。
ブーンは避けることもできずに腹を殴られた。

( ^ω^)「ぐふっ。」

ξ゚听)ξ「弱っ!」

ツンは思わず車の中で叫んだ。ブーンはずるずるとその場で膝を折ってしゃがんでいく。

( ´_ゝ`)「これに懲りたらもう2度と俺達の前に現れるな。」



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/07(金) 23:03:14.32 ID:9QQsoGUh0
倒れながらもブーンは左手で兄者の腕を掴んで離さなかった。

( ^ω^)「残念ながらその程度じゃ僕は倒せないお。」

ブーンは右手でズボンのポケットからスタンガンを取り出すと掴んでいる兄者の腕に喰らわせた。

( ´_ゝ`)「ぐはぁっ。」

体中に電気の流れた兄者はその場で倒れた。
ブーンがスタンガンを持っていることに気づいた残りの黒服達がたじろぎ始めた。
ブーンは残った黒服達全員をスタンガンで気絶させていった。

( ^ω^)「運び屋を舐めるなだお。」

ブーンは黒い車のドアを開けるとツンを助け出した。

( ^ω^)「ツン、大丈夫かお。」

ξ゚听)ξ「・・・大丈夫よ。ありがとう。」



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/07(金) 23:03:49.33 ID:9QQsoGUh0
( ^ω^)「今のうちに行こうだお。」

ブーンは黒い車の上に載ったままの自転車を降ろした。
サドルに跨ろうとしたブーンだったが自転車の異変に気づき、しゃがんでタイヤを見た。

( ^ω^)「ああっ!スポークがいっぱい折れてるお!」

ブーンはがっくり肩を落とした。

( ^ω^)「ジェバンニ・・・無茶しすぎてごめんお。」

ξ゚听)ξ「ジェバンニって何?」

( ^ω^)「自転車の名前だお。一晩あればどんなことだってできる素晴らしい自転車なんだお・・・。」

ξ゚听)ξ「自転車壊れちゃったみたいだし、どうするの?」


前へ  次へ

一覧へ