21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 21:58:20.13 ID:RKy+wJtF0
ブーン達は既に輪になって座り、脚本を読んでいるツン達のところへ向かった。
輪の中に混ざり、人の輪はさらに大きくなった。
(´・ω・`)「じゃあ、最初から読もうか。今日いない人の分は全部僕が代わりに読むよ。」
ショボンの合図で読みがはじまった。
ξ゚听)ξ「私が新世界の神になるっ!」
ツンの澄んだ声が第2会議室に響く。ただ本を読んでいるだけなのに感情や表情さえ頭の中に浮かんでくる。
( ^ω^)(・・・すごいお。素人の僕でも何かすごい人ってわかるお。)
隣に座っているショボンがブーンの腕を突付いて呟いた。
(´・ω・`)「次はブーンのところだよ。」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 22:07:56.55 ID:RKy+wJtF0
(;^ω^)「あ、すみませんですお。ちょっとみんなの読みに引き込まれてたお。」
ブーンは慌てて自分の台詞を読み始めた。
( ^ω^)「わ、わたしが・・・世界探偵と言われている・・・きゅ、キューですお。」
ブーンはたどたどしく台詞を読み始めた。他の者達がその台詞を受けて読みが進んでいく。
そして、またブーンの番になった。
( ^ω^)「こここ、この立ち食い疾走事件の犯人は私が捕まえるおっ!」
ブーンのたどたどしい棒読みな台詞まわしに関しては特に誰も何も言わなかった。
そして、1幕が終わったところでショボンが読みにストップをかけた。
とにかく無我夢中で必死で本を読んでいたブーンは顔を真っ赤にして汗を流していた。
そんなブーンにショボンは声をかけた。
(´・ω・`)「ブーン、やってみてどうだった?」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 22:15:06.91 ID:RKy+wJtF0
(;^ω^)「む、難しいですお。みんなすごいお。みんなの邪魔みたいでごめんだお。」
(*゚ー゚)「まあ、最初は誰だってそんなものだって。
むしろ人前で声をはっきり出して読めるだけでもたいしたものかもー。
どっくんなんて初めての読みのとき、声小さすぎて何言ってるかわからなかったもん。」
しぃはそういうとニンマリとした顔でドクオの顔を見た。
('A`)「う、うっせーな。俺はナイーブなんだよ。まあ、でも初めての読みにしてはマシだとは思うな。」
( ^ω^)「あ、ありがとうだお。」
ブーンは思っていたより評価が悪くなかったので少し安心した。
(´・ω・`)「最初からすごい読みができるなんて思ってないよ。
まずは台詞をかまないようにしっかりと大きな声を出して読むことを意識してごらん。
じゃあ、10分休憩してからもう1度読みをはじめよう。」
( ^ω^)「わかりましたですお。」
休憩時間の間、ブーンは脚本を何度も何度も読み返した。
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 22:23:23.91 ID:RKy+wJtF0
休憩が終わってから読みが再開された。
( ^ω^)「わたしが世界探偵と言われているQですお。」
ブーンは何度も読み返していたのでかむこともなく台詞をスラスラと読んでいた。
( ^ω^)(よしっ。今回はかまないで台詞しゃべれてるお。)
そして、第1幕の読みが終わったところで再びショボンが読みをストップをかけた。
ブーンは周りの反応をドキドキしながら待った。しかし、周りは予想に反して静かだった。
(*゚ー゚)「・・・。」
('A`)「・・・。」
(;^ω^)(あれ?誰もしゃべらないお・・・。やばかったのかお・・・。)
しばらく続いていた沈黙を破ってショボンが口を開いた。
(´・ω・`)「ブーン、いいねぇ。」
(*゚ー゚)「いきなりかまなくなったからびっくりしたわー。」
('A`)「すごいな。」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/10(月) 22:30:12.62 ID:RKy+wJtF0
( ^ω^)「あ、いや。その一生懸命何度も読んだからだお。」
ブーンは褒められて嬉しくてしょうがない気持ちを押し殺して話した。
(´・ω・`)「じゃあ、次は感情を入れて読んでみよう。」
(;^ω^)「・・・感情・・・ですかお?」
(´・ω・`)「そう。今までのブーンは台詞を朗読している感じなんだよね。
だから台詞に感情を入れて読んでみて。」
(;^ω^)「えーと、どうやってやればいいかよくわからないんですお。」
(*゚ー゚)「そうねえ。台詞をしゃべっている人の気持ちになってしゃべってみたらどうかしら。」
('A`)「あとは相手の台詞を受けたときにどういう感情になるかってのも考えた方がいいな。」
(;^ω^)「・・・。」
みんなが親切に教えてくれるのは嬉しかったが具体的にどうすればいいのかブーンにはさっぱりわからなかった。
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