145 名前:お題に挑戦 :2006/03/05(日) 08:42:47.50 ID:kky6T+KC0
【お題  機械】


('A`)「マンドクセ」

( ^ω^)「おいすー」

僕がコンビニに入ると、そこにはとても具合の悪そうなドクオがいた。
いつも顔色が悪いのだが、今日はそれを通り越して土気色にさえ感じる。

( ^ω^)「ブサイク」

('A`)「は?」

( ^ω^)「なんでもないお、どうしたのかお?」

('A`)「なんか昨日から胃が痛くてよー」

( ^ω^)「ふぅん」


僕は胃が快適になるとてつもない秘密を握っていたが、それをドクオに教えようかどうかで迷った。
この秘密を知ると、ほとんどの人間が我を失ってしまう。
精神的によっぽどタフでないとその重大さに耐えられないのだ。


146 名前:お題に挑戦 :2006/03/05(日) 08:43:25.76 ID:kky6T+KC0
('A`)「お前は顔色いいな」

( ^ω^)「まぁね、だお」

('A`)「うう……ゲボリン」

(;^ω^)「うわ、こいつコンビニでもどしやがったお」

向こうからものすごい形相で店員が近付いてくるのが見える。

(;^ω^)「とにかく逃げるお!」


僕はドクオを連れてコンビニを飛び出した。
大人なんだから片付けをしたり謝罪をしなければいけなかったかもしれない。
それよりも僕は、目の前にいる親友のドクオの容態が心配だった。


(;'A`)「うう…まだ気持ち悪い…」

( ^ω^)「…………」


僕はまだ迷っていた。
秘密を教えるべきか。
この秘密を知った者は精神的なショックから免れることはできない。


147 名前:お題に挑戦 :2006/03/05(日) 08:45:53.23 ID:kky6T+KC0
( ^ω^)「…お前に耐えられるかお?」

(;'A`)「おえー」

迷っている暇はない。
ドクオの顔色はどんどんと黒ずんでいき、僕に決断の時を迫った。

( ^ω^)「黙ってついてくるお」

そして僕は、隣町のある屋敷にドクオを連れてきた。

( ^ω^)「先生、お願いしますお」

( ´・ω・`)「わかった、君はこの部屋で待っていなさい」

(;'A`)「おい、なんだよここ。それにこの人は誰だ?」

ドクオは息も絶え絶えに、僕にすがるように尋ねてきた。

( ^ω^)「これだお」

パカッ

僕はついにその秘密を明かした。


148 名前:お題に挑戦 :2006/03/05(日) 08:47:12.03 ID:kky6T+KC0
上着をまくり上げ、腹の上部にある扉を開く。
そして、そこからまた胃に取り付けられた扉を開いてみせた。

( ^ω^)「これで胃の洗浄が簡単にできるんだお」

(;'A`)「えええええ」

僕はこの秘密のおかげで、胃の不快感からは完全に開放された。
膨満感や胃酸の出すぎによる胃痛、二日酔いのむかつき、それら全ては簡単な胃の洗浄で治る。

( ^ω^)「ドクオも頑張って手術受けてくるお!」

(;'A`)「……」

ドクオは、あまりにも突然に明かされた衝撃的な出来事に言葉を失っている。


( ´・ω・`)「さぁ手術室に行こうか」

無表情の博士に引きずられるように、ドクオは部屋から出て行った。
僕はこれでドクオの具合が良くなればいいと思っていた。
ドクオはきっと精神的にも強いはずだと、僕は信じていた。


149 名前:お題に挑戦 :2006/03/05(日) 08:49:16.43 ID:kky6T+KC0
( ^ω^)「また飲んでるのかお?」

('A`)「飲んでちゃ悪いか?」

それから、ドクオは毎晩酒に溺れ、以前の気丈さを完全に見失っていた。
精神的ショックを乗り越えてくれるというのは、僕の思い過ごしだったようだ。
ショックに耐えられなかった他の者と同じように、ドクオもまた、逃げ道を求めていた。

( ^ω^)「今日は僕も付き合うお……なんでそんな風になっちゃったんだお…」

('A`)「お前はよく平気だよな」

( ^ω^)「僕はこれのおかげで快適に生活してるお」

('A`)「俺だって胃は快適だけどよ…」


150 名前:お題に挑戦 :2006/03/05(日) 08:50:03.85 ID:kky6T+KC0
( ^ω^)「そうだお、吹き出物だってなくなったお。何が不満なのかお?」

('A`)「胃はいいんだよ、ただケツがよ…」

( ^ω^)「ケツ?」


('A`)「あの謝礼代わりにってやつだよ!!お前はあんなことされて平気なのかよ!?」

( ^ω^)「謝礼? 手術は無償でやってくれるはずだお」

('A`)「え」





( ´・ω・`)「好みだったんで、つい」
                          おわり


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