211 名前:ブーンの家に死体がいるようです。 :2006/04/16(日) 22:43:48.49 ID:V8LCfL8y0
もしかしたら新手の悪戯かも知れない。
自分が驚いている所をビデオで撮って、
適当なところで「ドッキリ」と書いた板を持ってテレビ局のスタッフが来る。
そんなことを考えたが、すぐに打ち消した。
第一何故、しがないサラリーマンの俺が、ドッキリなんてされるのだろう。
そう思ったからだ。
もしかしたら死体は良くできた人形なのかも知れないとも思った。
友人が死んだふりをしているのかも知れないとも思った。
しかし目の前にいるのは本物の死体。
人形や悪戯でここまでリアルにはできない。
では夢なのかも知れない。
しかし頬をつねってみたら痛かった。
もしかしたら何者が彼を殺してこの家に隠したのかも知れない。
そう思ったが部屋の鍵はかかってるし、死体の血痕も死体の周りにしか見つからなかった。
(;^ω^)「・・・・・・・」
ブーンは更に混乱にした。
212 名前:ブーンの家に死体がいるようです。 :2006/04/16(日) 22:44:46.38 ID:V8LCfL8y0
一体この死体はなんなのだろうと。
しかし何時まで考えても意味がないので、ブーンは部屋を出ることにした。
もしかしたら外に何か手がかりもあるかも知れないし、
何よりも死体のある部屋から出たかったからだ。
そして部屋を出て彼は気づいた。
( ^ω^)「ここってツンの部屋じゃないか!?」
そう、自分が寝ていた部屋は、ブーンの妻、ツンの部屋だったのだ。
ブーンは頭の中のもやもやが取れた気がした。
( ^ω^)「だんだんと昨日のことが思い出してきたお・・・!」
213 名前:ブーンの家に死体がいるようです。 :2006/04/16(日) 22:45:34.32 ID:V8LCfL8y0
ブーンは昨日酔っぱらって家に帰宅すると、ツンの部屋で物音がするのが聞こえた。
帰宅したときは深夜遅くだったので、不審に思ったブーンがツンの部屋に行くと、
見知らぬ男とツンが、キスをしていたのだ。
要するに、ツンは浮気をしていたのだ。
それに逆上したブーンは浮気相手に殴りかかろうとした。
浮気相手は、いきなりブーンが襲いかかってくるのに驚き、瞬時に護身用のナイフを突き出しよけた。
いや、一番驚いたのはツンであった。
まだ帰ってこないと目論んでいた主人が帰ってきて、そして浮気現場を目撃され、
挙げ句の果てに、浮気相手が主人を殺そうとしている。
ツンは悲鳴を上げ、どこかへと逃げてしまった。
浮気相手はツンが逃げたのなど道でも良いと言った表情で、扉の鍵を閉め、ブーンに襲いかかった。
それをうまくかわして、もつれ込む二人、そして何かの拍子にブーンは浮気相手を刺してしまった。
そしてうまく返り血を浴びずに済んだ、
ブーンは浮気相手を殺したところで満足し、そして眠ってしまったのだ。
214 名前:ブーンの家に死体がいるようです。 :2006/04/16(日) 22:45:58.95 ID:V8LCfL8y0
( ^ω^)「・・・・・・・」
真実を思い出したブーンは、人を殺してしまった罪悪感も妻に対する怒りもなかった。
ただ純粋に、謎がとけた充実感で一杯だった。
( ^ω^)「・・・ようやく謎が解けたお!」
彼にとって理不尽な状況が解明されただけでもう十分なのだ。
( ^ω^)「今から言っても遅刻かも知れないけど、会社にいこうかお」
ブーンは元々近所つきあいが悪かった。
だから、彼の家の異常など気づく者などいなく、ツンももう家には帰ってこないだろう。
( ^ω^)「では行ってくるお」
誰もいない、いや、死体だけしか居ない家を後にし、会社に出勤するブーン。
彼にとって、死体など自分の好奇心を満たす道具にしかならない。
215 名前:ブーンの家に死体がいるようです。 :2006/04/16(日) 22:46:28.73 ID:V8LCfL8y0
永遠に見つからない死体をのぞき、今日もいつもと変わらない日々を人々は過ごすだろう。
以上です。
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