89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/12(水) 21:06:18.13 ID:kZVs3VGl0
(´・ω・`)「さて、じゃあ、次は5幕いこうか。」

皆が5幕の準備をしていると、壁にもたれかかっていたブーンが立ち上がった

( ^ω^)「お待たせしてすみませんですお。僕も立ち稽古に参加しますお。」

(´・ω・`)「お、いけるかい。じゃあ5幕はブーンを入れてやろう。」

( ^ω^)(よしっ、やってやるお!)

ブーンをいれて5幕の立ち稽古がはじまった。
ブーンは自分の出番が来るまで目をつむり集中をはじめた。
頭の中にあった台詞がただの言葉ではなく体になじんでくるという今までにない感覚がブーンにあらわれた。
そして、ブーンの出番が来た。目を開いたブーンは仮想舞台に飛び込んだ。



90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/12(水) 21:07:45.37 ID:kZVs3VGl0
( ^ω^)「そうです。私がQです。」

ブーンが台詞を発した瞬間、場の空気が急に張り詰めた。
それは明らかに今までと違うブーンが舞台上にいることに対する他の役者達の驚きだった。
そして、ツンはそのブーンに対して全力の演技で応える。

ξ゚听)ξ「おまえが世界探偵と言われているQか。私はヒカル。」

張り詰めた緊張感はまるで実際の舞台公演のそれだった。
役者全員がブーンとツンの演技に引き込まれるように演技をし、そのまま5幕の立ち稽古は終わった。
立ち稽古が終わってもしばらく静かな第2会議室。その沈黙に耐えられなくなったブーンが声を出した。

(;^ω^)「・・・あ、あの、どうだったですかお?」

(´・ω・`)「・・・。」

(;^ω^)(何かみんな黙ってる・・・ヤバス・・・。)



91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/12(水) 21:08:24.27 ID:kZVs3VGl0
(*゚ー゚)「ブンブン、よかったよ!すごーい。急に演技が変わったよー。」

('A`)「壁は乗り越えられたみたいだな。」

( ゚∀゚)「やべー。台詞全然覚えてない俺が1番完成度が低いことになるぜ。」

ξ゚听)ξ「・・・。」

(´・ω・`)「ブーン、よかったよ。まだまだ荒削りだけど感情が入ったいい演技だった。
ここまでできれば後は細かい調整でいける。ほんとによかったよ。」

(;^ω^)「あ、ありがとうですお。よかったお。
みんな黙ってるから何かやっちゃったのかと思ったお・・・。」

ブーンは床にへたり込んだ。

(´・ω・`)「じゃ、休憩入れて次は6幕ね。」



93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/12(水) 21:10:15.99 ID:kZVs3VGl0
役者達は各自休憩をしていた。
壁にもたれかかって脚本を読んでいたツンの元にブーンがやってきた。

ξ゚听)ξ「何?」

( ^ω^)「あ、ありがとうだお。ツンのおかげでうまく演技ができたお。」

ブーンは頭を下げた。

( ^ω^)「それとさっきは怒ってごめんだお。
僕に演技のヒントを教えてくれるためにわざとやってくれたんだお?」

ξ////)ξ「べ、別にブーンのためにやったんじゃないわよ。
あなたが演技できないと芝居が完成しないからやっただけよ。」

( ^ω^)「ありがとうだお。ほんとに感謝してるお。」

その後は大きな問題もなく稽古は続けられ、その日の稽古は無事に終わった。


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