48 名前:蜘蛛のブーン :2006/03/26(日) 13:45:54.67 ID:DfwZNmtt0
【蜘蛛のブーン( ^ω^)】



( ^ω^)「今日も元気だ空気がうまい」

木から木へと飛び移り、せっせと巣を張る蜘蛛のブーン。

( ^ω^)「おいしい獲物がかかるといいお」

ふと見上げると、明けかかった空にキレイな蝶が見えた。

(*^ω^)「キレイだお〜、どうせ叶わぬ恋だけど、いつかお話してみたいお」

ブーンは時々見かけるキレイな蝶の子に恋をしていた。
ブーンの張った巣には、時々蝶がかかる。

(;'A`)「うわ、やべっ!引っかかっちった」

( ^ω^)「おいしそうだお!いただき!!」 パクッ

そしてそこにかかる生き物を、ブーンは食料としていた。
それでも、あのキレイな蝶の子がかかった時は逃がしてあげようと心に決めていた。

(*^ω^)「好きだって気持ちだけでお腹イッパイだお!」

ブーンは幸せだった。


49 名前:蜘蛛のブーン :2006/03/26(日) 13:46:17.40 ID:DfwZNmtt0
しかしある日、お腹がすいて自分の張った巣を見に行ったブーンは
そこでとんでもないものを目にしてしまう。
あのキレイな蝶の子が巣にかかっていたのだ。
幸い、まだ夜は明けきっていなかったので、ブーンは暗闇からその姿を確認した。

(;^ω^)「どうするかお?とりあえず、えーっと糸をほどいて・・・」

しかし戸惑っている間に、蝶の子はブーンの姿を発見してしまう。
それに気付いたブーンは

(;^ω^)「今すぐ助けるお!」

そう言おうとしたのだが、それより先に

ξ;凵G)ξ「助けて・・・」

蝶の子が小さな声で言った。

(;^ω^)「!!!!」


50 名前:蜘蛛のブーン :2006/03/26(日) 13:46:36.55 ID:DfwZNmtt0
ブーンは蜘蛛。
目の前には自分の恋したキレイな蝶。
巣にかかった時は、逃がしてあげようと心に決めていた蝶。

しかし、それは彼女には伝わっていなかった。

ξ;凵G)ξ「助けて・・・助けて・・・」

彼女は泣きながら繰り返す。
ブーンは蜘蛛。
蝶は蜘蛛の食料。

(;^ω^)「・・・・・・」

ブーンは迷っていた。
『どうせ叶わない』と、この恋を捨てて空腹を癒すべきか。
それとも・・・

ξ;凵G)ξ「助けて・・・助けて・・・」

ブーンは思い出していた。
彼女を想うだけで胸がいっぱいになっていた日々を。
そして・・・


51 名前:蜘蛛のブーン :2006/03/26(日) 13:47:13.66 ID:DfwZNmtt0

彼女は何も言わず逃げるように飛び去っていった。
ほどけた巣の上で、その姿を見上げながらブーンは呟いた。

( ^ω^)「これで正しかったのかお・・・」




蜘蛛のブーンはこれからも巣を張り続けるのだろうか。


               おわり   マッキー


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