80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/18(水) 15:56:50.99 ID:3HGb/JO60
>>79ありがとうです。

ブーンは川に着くと、ゴミ箱からビニール袋とストローをあさりあて、
袋の中にいくつかの具を入れた。
( ^ω^)「ここにストローを差し込んで・・・。吸うお!」
ブーンは勢いよく吸い上げた。みるみるうちに袋内の空気はなくなり、
薄っぺらくなった。しかし、とたんに口で息ができないことに気づいた。
(;^ω^)「・・・・い、息ができないお・・・。」
なんとか鼻で息をしながら、袋に空気が入らないようすばやくストローを抜き、口を閉める。
これならそう簡単には腐るまい。
しばらく作業を続けていると、あっというまに即席真空パックが4つ出来上がった。
その中にはさっき作った鮭もある。
( ^ω^)「これで食料には困らないお。さて、次はなにするかお・・・・。」
とたんに、北風がブーンの顔を撫でる。ブーンは、思わず身震いする。
(;^ω^)「さ、寒いお。ダンボールの中にでも入るお・・
ブーンは、ダンボールの中の缶やらナイフやらを端にのけ、
その間に小さくうずくまる。
( ^ω^)「・・・この生活、いつまで続くんだお・・・。」
ブーンは、白い息とともに、小さなため息をついた。

たぶん次ぐらいにドクオ出演予定。


83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/18(水) 16:32:37.89 ID:3HGb/JO60
>>81-82ありがとです。
これからいちいちレスはしませんが、保守してくれるのはありがたいです。

世間はもう夕飯時だろう。しかしブーンは、時間を知る時計すらない。だが、
自分の欲望に正直な生活ができるのは利点であろう。
ブーンも、誰に縛られるでもなく、自由に生きれる。
ただそれは、もう少々満足に物資があればだが。
夕方にコンビニ弁当の残りを寂しく食べているブーンでは、
自由に生きているとは言いがたいのだが・・・。
( ^ω^)「・・・お。この白米、そのまま食べればただの飯だけど、
なんかを具にして握ればおにぎりになるお!そうすればまた違って味わえるお!」
ブーンが、また何か思いついたようだ。ホームレスになって、
今まで使ってなかった頭を使うようになり、頭が冴えてきているようだ。
( ^ω^)「うまいお〜。やっぱ頭は使うもんだお。・・・・お?」
ふとブーンは、土手の向こうに、自分と同じようにうずくまっている
人を発見した。ブーンは、近寄って声をかけてみた。
( ^ω^)「・・・・・・もし。」
とたんに、その人は振り返った。


84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/18(水) 16:33:01.85 ID:3HGb/JO60
その人はドクオだった。
('A`)「!な、なんだよ!なんか用か!?」
意表を突かれたからなのか、少々言葉遣いの悪い声が返ってきた。
( ^ω^)「どうしたんだお?俺と同じホームレスかお?」
(;'A`)「ばっ!ばかいえ!俺がホームレスなわけないだろ!さっさと消えろ!」
いきなり、石ころを投げられた。
(;^ω^)「ちょ、あ、危ないお!」
('A`)「早く消えな!俺は一人で居たいんだよ!」
ブーンは、そういわれて追い返されてしまった。
('A`)「フン!ったく、今のやつは礼儀ってもんをわきまえてねえ!」
(;^ω^)「・・・なんかあの人、いろいろワケありっぽそうだお・・・・。」
ただ休んでいたかもしれないとこに「ホームレスですか?」なんて
聞くのもおかしかったと反省しながら、ブーンはとぼとぼと自分の寝床に入った。


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/18(水) 17:04:42.15 ID:3HGb/JO60
>>85遅くなりましてすいませぬ。

ブーンはその後もドクオを見ていたが、どうも様子がおかしい。
懐から食べるものでも出すのかと思ったが、ただ財布を取り出し眺め、
ため息をつくだけだ。しかも、どこかに食べ物を買いに行く様子もない。
( ^ω^)「・・・やっぱりあの人、ホームレスなんじゃないかお?」
ブーンも、なんとなくそんな気がしてきた。

その夜。
ドクオは、骨と皮の体に限りなく近い姿だった。もう気力の限界であろう。
('A`)「・・・フッ・・・俺も・・・もうだめか・・・・・。」
('A`)「生まれて30年、彼女いない暦30年。死ぬまで童貞だったとはな・・・。」
('A`)「・・・・・誰に見取られるでもなく、ひっそりと生涯を終える、か・・・・。
・・笑っちゃうぜ、学生時代、社長になるとかいう夢抱いてたやつとは到底思えねえ・・・。」
('A`)「・・・・・寝るか・・・・。」
寝る。それは、「死」を意味していた。だがドクオは、静かに目を閉じた。

・・・・先が読めてるな・・・。激しくベタでスマソ。


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/18(水) 18:33:44.52 ID:3HGb/JO60
・・・・・・ふと、ドクオの耳に何か聞こえてきた。
「・・・・・・るお。・・・・・きる・・・!」
('A`)「・・・?・・フッ、天使の呼び声が聞こえるぜ・・・。とうとう天国に着いたか・・。」
「・・・・ん!・・・・るんだ・・!・・・・・お・・・」
('A`)「・・にしても、えらくやかましいな。しかも、なんか聞いたことあるような・・・?」
「・・起きるお!ドクオ、起きるお!」
その声は、天使の呼び声でも悪魔の呼び声でもなく、紛れもないブーンの声だった。
( ^ω^)「やっぱりホームレスだったのかお・・・。ほら!これ食うお!」
(;'A`)「な!何のマネだテメエ!消えろっつっただろうが!」
( ^ω^)「いい加減素直になるお!」
(;'A`)「!!」
( ^ω^)「ここで強がって生涯を終えてお前は満足かお!?
将来社長になるっていう夢を叶えなくていいのかお!?」
(;'A`)「だ、だが俺はもう30だし・・・・。第一、食料も友達もない・・・。」
( ^ω^)「俺が友達だお!食料もあるお!年なんて関係ないし、
40で会社興したやつだっているんだお!生きるんだお!」
(;'A`)「・・・・・・・・・・。」
( ^ω^)「不登校だったやつでも立派に働けるんだお!生きてたら努力しだいで
なんだってできるんだお!生きろ!」
(;A;)「・・・・ぅぁ・・・・うぁ・・・うあああああああ!」
( ^ω^)「・・・・・・・・・。」
・・・・・ドクオは泣いた。大の大人だとかいい年してとか、
そういうもの関係なしに泣いた。ただただ泣き続けた。
それを、ブーンは静かに見守った。優しく、そして温かく。
( ^ω^)「・・・もう、一人じゃないお。」
月が二人を見守るかのように、こうこうと輝いていた。


94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/18(水) 19:13:10.05 ID:3HGb/JO60
( ^ω^)「・・・・・・んん〜っ。朝だお〜。」
ブーンが目覚める。いつもと変わらない日常。しかし今日は、隣に人がいる。
('A`)「よお、おはようブーン。よく眠れたようだな。」
ドクオも起きたようだ。すでに意気投合し、溶け合っている。
( ^ω^)「見てのとおり、よく眠れたお。さて、飯でも食うお。」
('A`)「飯って?」
ドクオが聞く。まだこの生活は初めてだから、慣れてないのだ。
( ^ω^)「これだお。」
ブーンは、昨日作った真空パックを取り出す。
('A`)「うお!すげえ!これ、お前が作ったのか!?すごいじゃねえか!」
(*^ω^)「いやはは、そんなにほめられると照れるお。」
('A`)「これで食料は大丈夫そうだが・・・。これもなくなっちまえば終わりだな・・・。
・・・・そうだ!」
ドクオが何か思いついたようである。
('A`)「あそこにある山に住居を移そうぜ!」
( ^ω^)「?どういうことだお?」
('A`)「ここでゴミ箱をあさるより、山なら木の実とか食料もあるし、
木の枝とかの資材もここより多い!断然こっちより住みやすいぜ!」
( ^ω^)「名案だおドクオ!早速引越しだお!」
ブーンたちは、ダンボールなどの荷物をまとめ、引越しすることにした。


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/18(水) 19:45:43.53 ID:3HGb/JO60
そして数分後・・・・。
( ^ω^)「着いたお!」
ブーンとドクオは、ようやく山の中の台地に腰を下ろすことができた。
ブーンが寝っ転がる。土のにおいが鼻をつつく。
('A`)「とりあえず、寝床はここにするか。」
ドクオも座る。そして、担いでいた肩の荷も下ろす。とたんに、腹の虫が鳴る。
( ^ω^)「ドクオすごい音だお。よっぽど腹減ってるんだお。」
(;'A`)「まあな・・・・・。よし、なんか食いもん探してくるか。」
( ^ω^)「俺はこっち探してくるお。」
('A`)「じゃあ俺はこっちな。」
ブーンとドクオは、二手に分かれて食料を探すことになった。

こちらはブーン。
( ^ω^)「とりあえず食いもんを探せばいいんだお。そこら辺の木になってる実とか、
ついでに薪とかも拾っておくお。いざというとき便利だお。」
ブーンは、木の枝を拾いながら、どんぐりなどの木の実を拾っていった。
すると、なにやらぬめぬめしていつつも硬い鱗のようなものが指に絡んだ。
( ^ω^)「お?」ブーンは、自分の手を見る。



蛇だ。

(;^ω^)「ぎゃあああああああああああああああ!へ、蛇だおおおおおおおおおおおおおお!」
思わずブーンは薪だのどんぐりだのを落としてしまう。

>>95
もちろん可能ならしてもらいたいですが、
私の作品なんぞをまとめてくれるかな・・・・?


99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/18(水) 19:58:39.00 ID:3HGb/JO60
(;^ω^)「ど、どうすればいいんだお!?こういう時!」
ブーンがあわてる。そんな間にも蛇は、容赦なくブーンの腕に絡み付いてくる。
そして、まもなく口を開けて、腕に噛み付こうとしている。
(;^ω^)「!そ、そうだお!これで刺せば・・・・・。でも、ちょっと恐いお・・・・。
・・・・・・えーいっ!やるしかないおっ!たあっ!」
ブーンは近くにあった鋭い枝を取り、それを一気に自分の腕に突き刺した!


(;^ω^)「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!」
ブーンは、自分の腕にもかかわらず、枝で腕を貫いた。
ブーンの腕からは、容赦なく鮮血が吹き出る。しかし、
枝の先端はしっかりと蛇の頭を貫いていた。
後一秒でも遅くなっていたら、牙はブーンの腕に食い込んでいたというところで、
蛇は死んでいた。
(;^ω^)「・・・・と、とりあえずは助かった・・・・・お・・・・。」
助かったというが、蛇の牙の変わりに枝が腕を貫通したので、
その代償は大きい。
(;^ω^)「・・・く・・・・、い、一旦帰るお・・・。」
何とかブーンは、腕を押さえながら帰路に着く。

>>98
どうもありがとうです。明日・明後日くらいに完結だと思うけど、
それまでは全力で書くつもりです。それまで皆さんよろしくです。


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