33 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/16(木) 21:58:40
第四話「サイレン」
ブーン VIPブライトウィン号256号室 9:05
××島は本土とは近く、船で行くと一日足らずで島内の沖に到着する。
そのころブーンは自室で寝ていた。
「ぐー…ぐー…」
そのとき、いきなりツンがドアを思いっきり開けてブーンを殴った。
ブーンは殴られた衝撃でベッドから落ちた。
「うーん…一体何だお?」
「何だおじゃないわよ!!もう朝よ、さっさと起きて。」
ブーンはツンに言われるがままに着替えて甲板に行った。
34 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/16(木) 21:59:16
ブーン VIPブライトウィン号甲板 9:10
甲板からは塩の風が気持ちよく体を包み込む。
甲板には昨日とは比べて客が異様に多かった。その原因はすぐにわかった。
客達が見つめるその先には××島が大きく見えている。
「ん?よう、やっと起きたか。」
毒男がブーンとツンに近寄ってきた。手には週間アトランティスが握られている。
「お?それはなんだお?」
ブーン毒男が持ってる週間アトランティスに目をやった。
「これか?結構おもしろいぞ。」
毒男はブーンに週間アトランティスのある一面を見せた。
「美浜つーの失踪事件の全貌が今明らかになる?」
「ああ、この特集が一番おもしろくてな。今呼んでる途中なんだ。」
そう言いながら毒男はカフェの方へと行った。
35 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/16(木) 22:22:19
ツン「私たちはどうする?」
ツンはブーンに言った。
ブーン「僕はちょっと船内を歩き回っておくお。」
そう言ってブーンは客が大勢居る甲板とは逆の甲板へと向かった。
ツン「あらそう。」
ツンはブーンにそう言って部屋へと戻っていった。
ブーン 後部甲板通過通路 9:15
ブーンは薄暗い通路を一人で歩いていた。辺りからは人々の声が聞こえず機械音だけが静かに聞こえる。
ブーン「ここにはほとんど人がいないのかお…なんか寂しいお。」
そしてだんだんと奥を進んでいくと途中半開きの扉があった。人は誰でも半開きの扉の中を見たい物である。
ブーンはこっそり中を見てみた。そこにあったのは―――
青いシートから顔を出した死体だった――――――――――――
ブーン「?!」
ブーンは少し身を引いたがそのとき誰かに当たった。
どうやら後ろにはいつのまにか警備員がいた。体つきが妙に細い、メダルに「ワカンナイデス」とかかれている。
( ><)「こら!誰ですかあなたは >< 困ります >< 」
ブーン「す…すみませんだお…」
ブーンがしゃべり終えた後、ワカンナイデスは死体を見て急に顔が青ざめていった。
後ろを見てみると赤黒い霧が死体の中に入っていった。
その瞬間、死体はものすごい勢いで起きあがり、チンポッポを見た。
チンポッポは絶叫を上げると一目散にどこかへと行ってしまった。
死体だった物は次にブーンを見て口に笑みを浮かべた。よく見ると顔からは大量の血の涙を流していた。
37 名前: 10の人 ◆TySE9jrDkw 投稿日: 2006/03/16(木) 23:25:40
「ウヒ…ウヒャヒヒヒ…」
死体だった物は微かに笑っているような声を出した後、近くにあった鉄パイプを取るとブーンめがけて振り下ろした。
ブーンはとっさに落ちてあった角材を取って攻撃を防いだ後、2、3歩下がって体制を整えた。
ブーン「く…来るんじゃないお!!近づくとぶち殺すお!!」
ブーンは威嚇で角材を振り回したが死体だった物はそんな事お構いなしに鉄パイプを掲げてブーンに近づいてくる。
ブーン「うわぁぁー!!」
ブーンは思いっきり角材を死体だった物の頭に叩きつけた。
「うげ…」
男はうめき声を上げるとそのままうつぶせに倒れてしまった。
ブーン「あら…本当にやっちゃったお…」
ブーンは少々罪悪感があったがとりあえずこの部屋を出ようとした瞬間。
外からもの凄いサイレンの音が聞こえた、ブーンは思わず耳を閉じた。
そのとき、ブーンの胸に激痛が走った。後ろを振り向いてみるとさっきの死体だった物が起きあがって拳銃を片手に持っていた。
ブーンはそのまま崩れ落ちた船の床から落ちていった。
ブーンは意識が無くなる直前に死体だった物の声が聞こえた
「ば…ばらいぞ…開く…」
第4話前半 終
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