36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/30(月) 00:23:52.38 ID:3fTK76o90
(´・ω・`)「まぁともかく、口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え
透いてならぬ。お前だって、いまに、磔になってから、泣いて詫びたって聞かぬぞ。」
( ^ω^)「ああ、王は悧巧だお。自惚れているがいいお。僕は、ちゃんと死ぬる覚悟で居るんだお。
命乞いなど決してしないお。ただ、――」
と言いかけて、ブーンは足もとに視線を落し瞬時ためらい、
( ^ω^)「ただ、僕に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さいお。幼馴染
みとの結婚式があるんだお。三日のうちに、僕は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ますお」
王は少し言葉をためらった。が
(´・ω・`)「ばかな。とんでもない嘘を言うな。逃がした小鳥が帰って来るというのか」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/30(月) 00:31:19.90 ID:3fTK76o90
( ^ω^)「きっと帰るお。約束するお」
ブーンは必死で言い張った。
( ^ω^)「僕は約束を守りますお。私を、三日間だけ許して下さいお。幼馴染みが、僕の帰りを
待っているんだお。そんなに僕を信じられないならば、ラウンジにドクオというひきこもりが
いますお。僕の無二の友人だお。あいつを、人質としてここに置いて行くお。僕が逃げてしまって、
三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さいお。頼むお、そうして下さいお」
それを聞いて王は、残虐な気持で、そっと北叟笑んだ。生意気なことを言うな。どうせ帰って来ないに
きまっている。この嘘つきに騙された振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの男を、三日目に
殺してやるのも気味がいい。人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの男を磔刑に
処してやるのだ。世の中の、正直者とかいう奴輩にうんと見せつけてやりたいものさ。
(´・ω・`)「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その
身代りを、きっと殺すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやる」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/30(月) 00:41:12.62 ID:3fTK76o90
(#'A`)「おい内藤、そんな事言って。お前いつも学校遅刻してただろう!」
(;^ω^)「今度は大丈夫だお」
(#'A`)「今度は大丈夫って、テメェそう言って遅れて来るつもりだろう」
いきなり王が話に入って来た
(´・ω・`)「よろしい。遅れて来ても殺さない事にしよう。ただ遅れた場合君には肉奴隷になってもらう」
('A`)「 え?」
(´・ω・`)「3日後が楽しみだ。レッツくそみそ」
(#'A`)「おい、内藤、帰って来い!」
(´・ω・`)「あいつはもう行ったぞ」
(;'A`)「3日後が恐怖だ」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/30(月) 00:49:00.02 ID:3fTK76o90
ブーンはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、翌る日の午前、陽は既に高く
昇って、村人たちは野に出て仕事をはじめていた。メロスの幼馴染みも、きょうはブーンの代りに家の番を
していた。よろめいて歩いて来るブーンの、疲労困憊の姿を見つけて驚いた。そうして、うるさくブーンに質問
を浴びせた。
(;^ω^)「なんでも無いお。ラウンジに用事を残して来たお。またすぐラウンジに行かなければ
ならないお。明日、結婚式を挙げるお。早いほうがいいお」
ξ///)ξ「は、早いから嬉しいって言うわけじゃないからねっ」
( ^ω^)「うれしいかお。綺麗な衣裳も買って来たお。さあ、これから行って、町の人たちに知らせて来て
ほしいお。結婚式は、明日だと。」
ブーンは、また、よろよろと歩き出し、家へ帰って神々の祭壇を飾り、祝宴の席を調え、間もなく床に
倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/30(月) 00:57:23.91 ID:3fTK76o90
ξ゚听)ξ「ブーン、起きて。もう結婚式始まるよ」
眼が覚めたのは昼だった。昼夜逆転の生活が慣れているため早く起きれなかったようだ
(;^ω^)「もう昼かお?」
結婚式は、その後すぐに行われた。新郎新婦の、神々への宣誓が済んだころ、黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨
が降り出し、やがて車軸を流すような大雨となった。祝宴に列席していた村人たちは、何か不吉なものを
感じたが、それでも、めいめい気持を引きたて、狭い家の中で、むんむん蒸し暑いのも怺え、陽気に歌を
うたい、手を拍った。ブーンも、満面に喜色を湛え、しばらくは、王とのあの約束をさえ忘れていた。
祝宴は、夜に入っていよいよ乱れ華やかになり、人々は、外の豪雨を全く気にしなくなった。ブーンは、
一生このままここにいたい、と思った。この佳い人たちと生涯暮して行きたいと願ったが、今は、
自分の体で、自分のものでは無い。ままならぬ事である。
( ^ω^)「このままここにいるのもいいかもしれないお」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/30(月) 00:57:46.20 ID:3fTK76o90
その時だった
(#'A`)「テメェ、約束忘れてんじゃねぇぞ!こっちの童貞がかかってるんだ。早く来い!」
( ^ω^)「わざと遅刻して行こうと思うお。って何でドクオがここにいるんだお?」
(#'A`)「夢の中から話し掛けてんだよ」
( ^ω^)「と、言う事は今は夢の中かお?」
('A`)「まあそういう事だ」
( ^ω^)「でもこのままツンと一緒に暮らしたいお。死ぬのはやだお」
('A`)「じゃあ俺はどうなる?」
( ^ω^)「あきらめてほしいお」
('A`)「畜生、もし来なかったらお前に借りたゲーム10本全部売っちまうぞ!」
(;^ω^)「ちょww、あの中にはプレミア物も入っているんだお。わかったお。行くお」
('A`)「よし、それでいい」
ドクオは思った
('A`)「命よりゲームの方が大切なのか」
しかしブーンはブーンは単純なのでそんな事全く気にしていなかった
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