760 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 22:41:06.60 ID:Ka+eS7xFO
( ^ω^)ブーンが鶏を買ったようです
むーん……
ガバッ!!
(;^ω^)「3時…」
(;^ω^)「…また遅刻だお…しまったお…」
(;^ω^)「と、とにかく急ぐお!」
タッタカタ
(#=〇ー〇)「ガミガミ…また商談が遅れたガミガミ…次遅れたら首ガミガミ…」
(;^ω^)「…ご、ごめんなさいだお…」
彼はブーン。普通の会社員だ。
仕事も人当たりも人並み以上な彼だったが、致命的な弱点があった。
それは……
(;^ω^)「…うぅ、これで二週間連続遅刻だお…」
そう、朝に以上に弱いのだ。
遅刻さえなけりゃ今頃は同僚の誰より出世してると言われてるのに、
これのせいで毎回リストラ候補の筆頭なのだった。
(;^ω^)「…なんとかしないとダメだお」
762 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 22:50:56.26 ID:Ka+eS7xFO
しかし、目覚まし等では彼の眠りを妨げる事は出来ないのだった…。
(;^ω^)「うーん…困ったお…」
(;^ω^)「こうなったら朝になったら上からタライでも落ちてくる装置でも作るかお…」
と、思い詰めた表情で近くの商店街に寄った時でした。
( ^ω^)「…こんなトコにペットショップが出来たんだお…?」( ^ω^)「……ちょっと寄ってみるお」
(´・ω・`)「やぁ、いらっしゃい。何かお探しですか?」
( ^ω^)「朝の決まった時間になったら水かけてくれるようなペットは居ないかお?」
(´・ω・`)「…そんな器用な動物はおらんがな。」
( ^ω^)「……だおね。失礼したお…。」
(´・ω・`)「…待って。鶏じゃダメなのか?」
( ^ω^)「鶏…?」
( ^ω^)「……そだお、時計じゃ起きれないけど鶏だったら行けるかもしれないお!」
(*^ω^)「鶏ちょっと見せて下さいだお!」
(´・ω・`)「よしきた。ちょっと待ってな。」
ゴソゴソ
(´・ω・`)「さ、好きなのを選ぶんだ」
763 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 22:56:46.16 ID:Ka+eS7xFO
( ^ω^)「んー…なんか良さそうな…」
ξ゚听)ξ「………コケッ」
(*^ω^)(ピーン!)
(*^ω^)つξ゚听)ξ「おじさん!この鶏を下さいだお!」
(´・ω・`)「ふむ、中々お目が高い。そいつは優秀な鶏だよ」
(´・ω・`)「一生懸命世話しなさい。そしたらキチンと君を起こしてくれるだろう。」
(*^ω^)「そうするお!ありがとだお!」
(´・ω・`)「お代は…と、確かに受け取った。何か問題が出来たらまた来なさい」
(*^ω^)「ありがとだお!じゃあまただお!」
765 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 23:04:42.43 ID:Ka+eS7xFO
そして、ブーンは一生懸命に鶏を世話しました。
餌も最上級のを、場所も庭を全部鶏の為に空けてやり、毎日入念にブラッシング等をしてやりました。
―そう、恋人に世話をするように。
鶏の方も最初は機嫌悪かったのですが、次第になつき、朝には絶対ブーンを起こす用になりました。
ブーンはその様子を時々ペットショップの店員に話に行ったりも…。
(*^ω^)「こんにちはだおー!」
(´・ω・`)「ハハハ、またあの鶏の話題かい?」
(*^ω^)「そうなんだお!聞いてくれお!昨日いきなり歌を唄い出せるようになったんだよ」
(´・ω・`)「全く…君みたいな人に飼ってもらって鶏も幸せだよ。」
(*^ω^)「ブーンもあんな鶏を飼えて幸せだお!」
766 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 23:14:57.79 ID:Ka+eS7xFO
朝起きれないと言う弱点を克服したブーンは、会社でも絶好調。
瞬く間に、係長まで出世し時期重役。将来の社長も噂されるようになりました。
そんな事になってもブーンは以前のように鶏を愛し、慈しんだのでした。
そして、これがまとまれば一気に部長か、と噂される商談を引き受けたのでした。
ゴシゴシ…
(*^ω^)「ほんっとにありがとうだお」
ξ゚听)ξ「…コケッ」
(*^ω^)「君のお陰で、ここまで凄く順調に来れたお…。」ゴシゴシ
ξ゚听)ξ「コケケ…。」
(*^ω^)「明日はブーンの勝負の日だお。朝早いけど、飛行機に乗ってイギリスまで行くんだお!」
ξ゚听)ξ「コケ……。」
(*^ω^)「…連れて行けなくてごめんだお。でもちゃんと出来た後輩に世話を頼んどくから大丈夫だお!」ザーー
ξ゚听)ξ「コケケケ…。」
(*^ω^)「…っと、綺麗に出来たお!今度は部長になって帰ってくるから期待しててお!」
(*^ω^)「…じゃ、おやすみだお〜」
ξ゚听)ξ「………。」
768 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 23:18:55.54 ID:Ka+eS7xFO
翌朝
うーん………
( ^ω^)「……ぼー」
( ^ω^)「…あれ?」
(;^ω^)「なっ!!も、もう昼の三時だお……」
(;^ω^)「…な、なんで…?」
(;^ω^)「…鶏…どうなったお!?」
ブーンが庭に行くと…鶏は既に冷たくなっていました
( ;ω;)「う……わ………わぁああああ!!!!」
771 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 23:28:24.20 ID:Ka+eS7xFO
(´・ω・`)「やぁ…残念だったね…」
( ;ω;)「…店員さん……おおお…」
(´・ω・`)「…三日前の検診では何にも無かったのに…ほんとに残念だよ…。」
( ;ω;)「………悲しいお……」
[ラジオ]<ガッ…今日朝…ガッ…発着のJAB245便……
( ;ω;)「…そうそう…この飛行機に乗る予定だったんだお…」
( ;ω;)「…鶏がまだ元気なら…おお……」
(´・ω・`)「…本当に残念だ。君があの鶏大事に思ってただけに…」
(´・ω・`)「…このバーボンでも飲んで気分落ち着けるんだ…」
( ;ω;)「…ありがとだお…。でも…悲しくて落ち着かないお…。」
この時、ブーンが余りにも取り乱して居た為に二人は続きのニュースを聞いていませんでした。
[ラジオ]<…ガッ…が、エンジントラブルの為に日本海に墜落しました…ガッ…乗客248人の生存はいずれも絶望的で……ガッ……
おしまい
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