472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 03:47:47.63 ID:26QM+wYD0
( ^ω^)がぬこを拾ったようです


学校の帰り道のブーン。

( ^ω^)「今日も元気よくブーンして帰るお」

( ^ω^)「っと、そういえばフリスク切らしてたお」

コンビニを探し辺りを見るブーン。
ふと、視界に薄汚れたダンボールが写った。

( ^ω^)「…あれなんだお?ぬこでも捨ててあるのかお…」

近づくブーン。予想通り、中には小さな猫が1匹、丸くなって体を震わせていた。
見たところ生まれて間もないほどの大きさだ。

( ^ω^)「…」

ブーンは無言で大事そうに猫を抱きかかえ、急ぎ足で帰宅した。


473 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 03:49:21.41 ID:26QM+wYD0
(;^ω^)「勢いで拾ってきてしまったお…とりあえずどうすればいいお」

( ^ω^)「まずは暖かいミルクだお…あと毛布とかもいるお」

猫が大分弱っていたのは抱いたときの様子で分かっていた。
とても小さくて軽くて、消えてしまうように感じた。

( ^ω^)「ミルクだお。飲めるかお?」

ミルクを飲む元気もあるかどうか疑わしかったが、次第に口を付け始めた。

( ^ω^)「…よかったお。思ったより元気みたいだお」

ミルクを少し飲むと、猫は安心したのか眠そうにしていた。毛布で寝床を作ってやった。


翌朝、ブーンが学校へ行くときも猫は同じ場所にうずくまっていた。
ちょっとつついてミルクを出してみた。少し飲んでまた丸くなった。

(;^ω^)「本当に大丈夫かお…やっぱりちゃんと食べ物もやった方がいいかお」

心配しつつ、学校へ向かった。



474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 03:49:49.05 ID:26QM+wYD0
昼食の時間に、ツンに猫の話をした。

ξ゚听)ξ「…ふーん。優しいのね」

( ^ω^)「だってかわいそうだお…あのままじゃ死んじゃうお」

ξ゚听)ξ「かわいそうってだけで拾えちゃうのがいいわね…したくてもうちはダメだわ」

( ^ω^)「家出るときも大人しすぎてちょっと心配だったお…」

( ^ω^)「そうだ、今日ちょっと猫の様子一緒に見てもらえないかお?第三者の客観的意見が聞きたいお」

ξ;゚听)ξ「…!!…べ、別にいいけど?……でもあたしペットとか飼ったことないわよ」

( ^ω^)「構わないお。とりあえず僕ひとりだと不安だお」


475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 03:50:42.27 ID:26QM+wYD0
( ^ω^)「ただいまーだおー」

ξ゚听)ξ「お、お邪魔します…」

猫はやっぱり同じ場所で丸くなっている。暖房の心地よさが眠気を誘っているのだと解釈したい。
気のせいか昨日よりもさらに小さくなったように見えた。

( ^ω^)「やっぱり元気なさそうだお…」

ξ゚听)ξ「…さ、触ってみてもいい?」

( ^ω^)「どうぞだお」

ツンの手がそっと猫の背をなでる。猫が少し目を開けたが、またゆっくり閉じた。

ξ゚听)ξ「本当に大人しいわね…」

ツンが今度は猫の鼻先に触れた。また目を開ける猫。
ふいに、猫がツンの指をくわえた。

ξ;゚听)ξ「ひゃっ…!」

だが、その力はあまり強くなかった。少しの間噛んでいたが、またすぐに目を閉じた。

( ^ω^)「また寝ちゃったお…でもかわいいお」

ξ゚听)ξ「…そうね」

その後ツンと軽く保護の方法について話し、別れた。


476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 03:51:25.68 ID:26QM+wYD0
( ^ω^)「まだちっちゃいから食べさせるのはダメかもしれないお…今日もミルクだお」

(;^ω^)「でも今日もあまり飲んでくれないお…寝る子は育つってほんとかお」

夜も遅くなってしまったのでブーンも寝ることにした。

( ^ω^)「おやすみだおー」

明かりを消し、ベッドにもぐる。部屋が静寂と闇に包まれた。
すぐそばで小さく息をしている猫の存在が、ブーンには暖かく感じられた。

翌朝、ブーンが起きたときには、小さな息は途絶えていた。


477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/15(日) 03:51:56.53 ID:26QM+wYD0
( ^ω^)「死んじゃったかお…」

昨日とまったく同じ姿勢のまま冷たくなっていた。
亡骸にブーンは尋ねた。

( ^ω^)「…君の命ってなんだったんだお。生まれてきてミルク飲んだだけだお…」

( ^ω^)「他は何もしてないお…捨てられるようなこともしてないはずだお…」

亡骸は山に埋めてやった。その後学校へ向かった。
ツンの指をくわえたのは、お母さんのお乳だと思ったのかもしれない。
暖房器具じゃなくて、お母さんの体温が欲しかったのかもしれない。
そんなことを考えながら登校した。

ξ゚听)ξ「…そう、死んじゃったのね」

ξ゚听)ξ「でも仕方ないわ、大分弱ってたから…」

( ^ω^)「…」

ξ゚听)ξ「…元気出しなさいよ」

何の変哲も無い一日が過ぎた。下校途中に買い忘れていたフリスクを買って帰った。
部屋に残された空っぽの寝床を見て、少し泣いた。

終わり


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