34 名前:ブーンがモデル事務所 :2006/01/14(土) 17:13:09.05 ID:ZADY7iuZ0
ξ◎凵)ξ 「着替え終わりました」

( ^ω^)「いい感じで撮れたお!頑張ったお!」

ξ◎凵)ξ 「それはどうもありがとう」

( ^ω^)「他にも仕事をやってみる気はないかお?」

ξ◎凵)ξ 「他にもお仕事があるんならぜひやりたいです!」

( ^ω^)「じゃあ明日またここに来て欲しいお」

ξ◎凵)ξ 「明日・・・ですか?今日はもうダメなんですか?」

( ^ω^)「もう暗くなってきてるし、さっきの子が待ってるんじゃないのかお?」

ξ◎凵)ξ 「さっきの子は、きっとホストクラブに行くから・・・」

( ^ω^)「君もホストクラブが好きなのかお?」

ξ◎凵)ξ 「私は・・・・それより仕事がしたいんです」


35 名前:ブーンがモデル事務所 :2006/01/14(土) 17:13:47.33 ID:ZADY7iuZ0
( ^ω^)「友達も大事だお?」

ξ◎凵)ξ 「あの子はそんなに仲良しじゃないから・・・」

( ^ω^)「(何か理由がありそうだお)」

( ^ω^)「(でもそういう話は面倒くさいからスルーで)」

ξ◎凵)ξ 「今日中に5万円欲しいんです!」

(;^ω^)「やけに具体的な金額だお」

ξ◎凵)ξ 「今日中に家に5万円振り込まないといけないの」

(;^ω^)「(うう・・・この子は上玉だし・・・)」

( ^ω^)「わかったお!先に5万円あげるお」

ξ◎凵)ξ 「え?」

( ^ω^)「その代わり、明日も必ずお仕事をしてもらうお」

ξ◎凵)ξ 「あ、ありがとうございます!!!!」

( ^ω^)「でも、今日は会社でとったホテルに泊まってもらうお」


36 名前:ブーンがモデル事務所 :2006/01/14(土) 17:16:03.78 ID:ZADY7iuZ0
ξ◎凵)ξ 「ホテル・・・まさか・・・」

( ^ω^)「安心するお、1人で泊まってもらうお」

( ^ω^)「明日の朝ホテルに迎えに行くお」

ξ◎凵)ξ 「どうしてそんなに待遇がいいの?」

( ^ω^)「うちの事務所の大事な女の子だお!」

ξ◎凵)ξ 「グスン・・・」

(;^ω^)「ちょwwwwなんで泣くんだおwww」

ξ◎凵)ξ 「大事なんて言われたの初めてで・・・」

( ^ω^)「お仕事してくれる女の子はみんな大事なんだお!」

ξ◎凵)ξ 「それでも・・・ありがとう・・・」

( ^ω^)「・・・・」

('A`)「じゃあ明日も張り切って頑張ってプー!」

(#^ω^)「(空気嫁)」


37 名前:ブーンがモデル事務所 :2006/01/14(土) 17:17:23.98 ID:ZADY7iuZ0
とりあえず僕は経理の権限で、彼女に今日の報酬とは別に5万円あげた。
そしたら彼女、泣きながら喜んでた。
こんな純粋な子、まだいるんだなぁ。
世の中も捨てたもんじゃないなぁ。

シャワーの報酬は彼女に内緒で安く叩いて1万5千円だけあげた。
それでも彼女は満面の笑みに涙を浮かべて喜んでたんだ。

その後、仕事は早目に終わりにして彼女をホテルまで送った。
その途中で彼女は銀行に寄って、家に送金していたようだ。
「もらったお金、全額送っちゃった」 なんて言うから
ついつい食事に誘ったんだ。

「泊まるところまで用意して頂いて、お食事までご馳走して頂くなんて・・・」
と、彼女はまた涙を浮かべた。

そんなこと気にしなくていいから好きなものを頼んでいいよ、と言うと
厚底メガネの奥の目が、とても可愛らしく微笑んだんだ。


39 名前:ブーンがモデル事務所 :2006/01/14(土) 17:18:51.90 ID:ZADY7iuZ0
彼女を繁華街のど真ん中のVIPホテルまで送っていったんだけど
初めて夜の都会の繁華街を歩いたようで、彼女は震えていた。

可愛いなぁ。
でもこの子はうちの事務所の商品。
それ以上の感情は持ってはいけない。
これはこの業界にいる全ての人の暗黙のルールだ。

ξ◎凵)ξ 「今日はどうもありがとう」

( ^ω^)「明日は10時にここに迎えに来るお」

ξ◎凵)ξ 「本当にありがとう」

( ^ω^)「?気にすることないお。じゃあおやすみだお」

ξ◎凵)ξ 「おやすみなさい・・・ぁ・・っ・・」

最後の彼女の言葉は、小さくて僕にはよく聞き取れなかった。
それでも僕はいい気分で家路についたんだ。


41 名前:ブーンがモデル事務所 :2006/01/14(土) 17:21:22.57 ID:ZADY7iuZ0
翌朝10時

(;^ω^)「やばいおww遅刻だおwwww」

大急ぎで彼女の泊まるVIPホテルに向かう。
朝の繁華街は酔っ払いのホストやホステスがたくさん溢れている。

(;^ω^)「きっと彼女、怖がってるお」

(;^ω^)「あれ?いないお?まだ寝てるのかお?」

【VIPホテル・受付】

( ^ω^)「あの、昨日ここに泊まったワロスモデル事務所の女の子は・・・」

(・∀・)「お客様の個人的なご質問にはお答えできませんが」

( ^ω^)「ワロスモデル事務所の者ですが」

(・∀・)「失礼いたしました、え〜、403号室にお泊りの女性は・・・」

(・∀・)「早朝にチェックアウトされてます」

(;^ω^)「な、なんだってぇぇ!!!!!」

事務所に向かう僕の足取りは重かった。

( ^ω^)「ぼくはやっぱり人を見る目がないお」


42 名前:ブーンがモデル事務所 :2006/01/14(土) 17:22:38.77 ID:ZADY7iuZ0
【事務所】

('A`)「逃げられたのか?」

(;^ω^)「すみませんお」

('A`)「ふぅん、まぁいいけど」

( ^ω^)「ありがとうだお」

('A`)「昨日払った5万はお前の給料から天引きな」

(;^ω^)「ちょwwwwそれはないおwww」

('A`)「どうしようもねーだろ」

( ^ω^)「確かにその通りだお・・・」


嘘ばかりが飛び交う世界。
こんなの日常茶飯事だ。

騙された方が悪いのだ。
それでも、なんとなく僕の心にはあの子の涙が残っていた。

それからその出来事は日々の忙しさの中に埋もれていった。


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