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('A`)こどもぶきやドクオのようです
1
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 13:36:23 ID:mjwfzgmsO
('A`) 「竹槍、中空の槍かぁ……」
そうきたか
ギコのちょっと変わった注文に、ドクオはしかめ面をしながらも
内心、わくわくしていた
(,,゚Д゚) 「おう。竹槍は俺達日本人の魂。かも知れない」
(,,゚Д゚) 「戦国時代の農民だけじゃなく」
(,,゚Д゚) 「航空戦力飛び交う第二次世界大戦中ですら、まともに竹槍の訓練をした国なんだぜ」
('A`) 「馬鹿馬鹿しいね。でも、それが正しい事だと、国を守る事に繋がると信じたんだね」
m9っ(,,゚Д゚) 「そこで今、現代人の「こどもぶきや」のお前が」
ギコはドクオを指さす
(,,゚Д゚) 「竹槍を作ってみろよ」
('A`) 「……」
ドクオはちょっと考えて、答えた
('A`) 「いいよ。やってみよう」
('A`) 「でも、ギコ君はそれを使って一体誰とケンカするの?」
2
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 13:41:31 ID:mjwfzgmsO
('A`) こどもぶきやドクオのようです
そのいち
('A`) 中空槍「日本号」のようです
3
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 14:12:48 ID:mjwfzgmsO
('A`) 「ギコ君が使いやすいようにするために、いろいろ寸法を測らせてね」
ドクオはギコを柱に立たせ
メジャーを引き延ばしては、ぶつぶつ言いながらあれこれ考えている様子
(,,゚Д゚) (こどもぶきを考えている時だけは、いきいきしたいい目だな。ドクオ……)
(,,゚Д゚) (本気で楽しそうだな)
('A`) 「なにをニヤニヤしてんのさ?」
(,,゚Д゚) 「いや、お前がどんなものを作りあげるのか楽しみでさ」
('A`) 「竹槍だからね。簡単に作れて、ちゃんと戦えて、その上でギコ君にとっては特に使いやすいのを……」
ドクオはすでに、これから作ろうとしている槍の事で頭が一杯のようだ
実に、楽しげだ
4
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 14:22:56 ID:mjwfzgmsO
3日後
('A`) 「できたよ」
(,,゚Д゚) 「おお!早いな。早速見せてくれよ」
('A`) 「持ち歩いたらじゅうとうほう違反だからね。うちの倉庫に置いてきたよ。見においで」
(,,゚Д゚) 「おう!お代は……」
('A`) 「うまい棒サラミ味。二本でいいよ」
(,,゚Д゚) 「二本かよ。欲張りだなあ。ドクオは」
('A`) 「なに言ってんの。一本はギコ君のぶんだよ」
('A`) 「うちで一緒にたべよう」
(,,゚Д゚) 「おう!」
5
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 14:32:35 ID:mjwfzgmsO
('A`) 「これだよ」
ドクオは銀色に輝く、2メートル程の鉄の棒を差し出した
(,,゚Д゚) 「ただの棒じゃん。鉄の」
('A`) 「槍だよ。よく見て」
ギコはドクオの説明を聞くにつれ、鉄の棒としか思えなかったそれが
実は相当な業物、恐るべき槍だと分かっていく
最終的に、それを「日本号」と名付けたのはギコだった
6
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 14:51:06 ID:mjwfzgmsO
材料
・ゴミ捨て場にあった壊れたステンレスパイプ椅子1脚
・絶縁ビニールテープ
使用した工具類
・鍛造用ハンマー
・金切りノコ
・ドリル
・金ヤスリ
('A`) 「簡単に造れたよ。うまいことパイプ椅子が手に入ったからね」
(,,゚Д゚) 「竹じゃないじゃん……」
('A`) 「竹槍の最大の弱点は、やはり脆い事だよね?」
(,,゚Д゚) 「そりゃな。竹だし」
('A`) 「じゃあ逆に、竹槍のいいところは?」
(,,゚Д゚) 「安上がり、あと簡単に作れるってことかな」
('A`) 「まだ他にもあるよ。もう一つくらい思い付かないかな?」
(,,゚Д゚) 「まだ何かあるのか?」
('A`)ニコニコ 「あるんだ」
ドクオは本当に楽しげだ
サラミ味のうまい棒をサクサク噛みしめ、自分のアイディアを明かしていく
7
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 15:03:38 ID:mjwfzgmsO
('A`) 「まず軽いって事。中空だからね」
(,,゚Д゚) 「あ、そうだな。同じ長さの木の槍よりはずっと軽いよな」
('A`) 「例えば鉄の槍だったら、ぼくらこどもには重すぎて使えないじゃない?」
(,,゚Д゚) 「そんなことないぞ!俺の力なら!」
強がるギコ。確かにギコの腕力はこどもにしてはなかなかのもの
('A`) 「ギコ君。ちょっとこれ、持ち上げてみて?」
倉庫に転がっていた鉄筋棒……今回作ったドクオの槍と同じ2メートル程……を、ドクオは指さす
(,,゚Д゚) 「げ!重すぎ!こんなに重いのかよ!」
('A`) 「材質の違いはおいといて、中空じゃない金属の棒は、とても重いんだ」
(,,゚Д゚) 「これじゃ、確かに俺でも戦うのは無理だな」
8
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 15:24:39 ID:mjwfzgmsO
('A`) 「竹は脆い。鉄棒は重い。なら」
('A`) 「中空のステンレス材ならちょうどいいと思って」
('A`) 「拾ったパイプ椅子をバラして、ハンマーで叩いて真っ直ぐにしてみた」
(,,゚Д゚) 「いや、この槍?長さと硬さはまあ、いいんだけどな?」
ギコは疑問をぶつける
(,,゚Д゚) 「槍の穂先は、竹槍と同じで突くしかないのか?」
('A`) 「うん。あくまでもコンセプトは竹槍だからね。凪ぎ払いには向かない」
('A`) 「ただ、切っ先として竹槍のようにナナメにカットして」
('A`) 「しっかり研いであるから、突くには竹槍よりずっと効果が高いはずだよ。突き味が落ちても研げばまた蘇るし」
(,,゚Д゚) 「うーむ」
ギコはまだ少々不満気
9
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 15:31:24 ID:mjwfzgmsO
(,,゚Д゚) 「なんていうか、こう……」
(,,゚Д゚) 「日本の魂がない。って言うかさ……」
('A`)ニコニコ
ドクオはニコニコしながら頷く
('A`) 「うん。ギコ君の言いたい事、わかるよ」
('A`) 「じゃあ、ちょっと握りのとこ、見てくれないかな」
ビニールテープがぐるぐる巻きになっている
滑り止めの為か
(,,゚Д゚) 「この握りをせめて麻縄にするとか。日本風なアレンジをだな」
('A`)ニコニコ 「ビニールテープをぜんぶ剥がしてみて?」
(,,゚Д゚) 「?」
10
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 15:45:29 ID:mjwfzgmsO
ぐるぐる巻かれたビニールテープを剥がしていくギコ
剥がし終わったそこには小さな穴。縦にならんでポツポツと3つ空いている
(,,゚Д゚) 「直径4ミリくらいの穴が、1センチ間隔に空いてるぞ?」
(,,゚Д゚) 「なんだよこの穴。穴を塞ぐのにビニールテープを巻いたのか?」
('A`)ニコニコ 「ふふふ。それがぼくのひみつのアイディアなんだよ!」
得意げに語り出すドクオ
('A`) 「槍の穂先じゃなく、石突き……ええと、お尻の方からさ」
('A`) 「息をフーッて吹いてみて!」
(,,゚Д゚) 「!もしかして縦笛になってるのか!?この槍!」
11
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 15:56:22 ID:mjwfzgmsO
♪ひょーーーう……
♪ひょおおぉーーーーーう……
金属のパイプを通して、澄みきった音がする
それは金管であるにも関わらず、まるで……
(,,゚Д゚) 「すげえ!竹笛そっくりな音がするぞ!」
('A`)ニコニコ
(,,゚Д゚) 「ドクオ!これ、これはすごいぞ!槍なのに楽器でもあるのか!」
('A`)ニコニコ「面白いだろ?」
(,,゚Д゚) 「おう!おもしろいなこれ!」
ギコはどうやら、やっとこの笛槍を気に入りだしたようだ
12
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 16:12:11 ID:mjwfzgmsO
(,,゚Д゚) 「日本人の魂を竹笛みたいな音で表現したのかぁ!」
('A`) 「日本の伝統工芸品。って、おもしろいし、すごいよね」
('A`) 「ぼくなんかじゃ、なかなかいい音が出せないけどさ」
('A`) 「きっと、本物の職人さんなら、すてきな芸術品に仕上げられると思うんだよ」
(,,゚Д゚) 「……」
ギコは感心しきりの様子
(,,゚Д゚) 「さすがだな!「こどもぶきやドクオ」!」
('A`)ゞニコニコ「いやいや……」
(,,゚Д゚) 「この笛槍に、格好いい名前をつけたいな」
('A`) 「うれしいな。そんなに喜んでくれて」
(,,゚Д゚) 「そうだ!「日本号」ってどうだ?」
ギコは知らない
日本号という槍が実在し
しかもそれが日本三大名槍の一本であることなど
ドクオは知っていたので……
('A`) 「え、いや、それは……さすがに……」
でも
('A`)ニコニコ
うれしいので、黙っていた
13
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 16:33:25 ID:mjwfzgmsO
「日本号」スッペク
ステンレス鋼材
全長185?p
太さ直径20?o
手元側にある3つの穴の押さえ方を変えながら、石突きから息を吹き込むと
あたかも竹笛の様な音がする
また、3つの穴を全て押さえて弾を込めれば吹き矢として使えるよう加工してある
効果
槍として使用した場合、その円状の傷口はかなり治りにくく
刺さったままにしておいても、その管状の柄の内部を通って血が流出し続ける為危険極まりない
14
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 16:38:26 ID:mjwfzgmsO
そのいちおわり
('A`) 「全話でぼくが作成した「こどもぶき」は、
すべて責任もって廃棄しましたので心配しないでくださいね」
15
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 16:48:16 ID:mjwfzgmsO
('A`)こどもぶきやドクオのようです
そのに
('A`)ぼくのかんがえたむてき忍者手裏剣
16
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 17:40:06 ID:mjwfzgmsO
ドクオはテレビの三流時代劇を見ている
場面
月夜、武家屋敷の庭にて、剣術の修行に励む正義の剣士
設定
その名も「眉堕ショボ丸」
「ショボ丸」を邪魔と考えた幕府は、彼を亡きものにせんと、密かに暗殺者を放った
(´・ω・`) 「隠れてないで、出てきたらどうだ?」
('A`) 「いや出ないでしょ」
(忍・∀・) 「フフフ。さすがは眉堕のショボ丸よ……」
('A`) 「あっさり出ちゃったよ忍者……暗殺者だろ君は」
(´・ω・`)「拙者を「ショボ丸」と知っての狼藉か?」
(忍・∀・)卍チャキ「幕府のため、死んでもらう!」
('A`) 「聞かれてないのに、バックに幕府がいることまでバラしちゃったよ忍者」
(忍・∀・) 卍「くらえっ!」
(忍・∀・)っ≡≡≡卍シャッ
('A`) 「暗器の手裏剣を、わざわざゆっくり構えて見せてから投げるとか」
('A`) 「しかも、くらえっ!とか発声して投げるタイミングまで教えちゃったよ」
17
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 17:52:10 ID:mjwfzgmsO
≡≡≡≡≡≡卍
サッ(・ω・` ) 「見切ったわ!」
('A`) 「ああ忍者さん逃げてー!」
スチャ卍(・ω・` ) 「これは……鍵十字手裏剣か……伊賀者だな?」
(忍・∀・)「そうよ!」
('A`) 「ああもう!鍵十字手裏剣なんてフィクションのさんぶつだし!」
('A`) 「忍者!自分が伊賀者だって認めてるし!伊賀の人はそんなにまぬけじゃないだろう!」
('A`) 「謝れ!伊賀の人にあやまれ!て言うかサッサと逃げろよ忍者!」
18
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 17:59:39 ID:mjwfzgmsO
卍(・ω・` ) 「手裏剣とは、こうして投げるものだ!」
シャーッ卍≡≡≡≡≡と(・ω・` )
(忍・∀卍≡≡サクッ
('A`) 「え、なんでまともに顔で食らったの?殺陣なの?しぬの?」
(忍・∀卍 「む、無念」
('A`) 「ああ、無念なのか。やはり無念なのか……」
19
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 18:20:51 ID:mjwfzgmsO
('A`) 「……」
('A`) 「……」
('A`) 「……手裏剣、作ってみようかな」
20
:
同志名無しさん
:2014/05/26(月) 23:30:31 ID:WarEj0e.0
支援
21
:
同志名無しさん
:2014/05/27(火) 00:02:03 ID:uZhjFJXAO
ドクオにとっては、こどもぶきを作るための資材を集める穴場
……いろいろなゴミが打ち捨てられている場所。つまり、ゴミ置き場
今日は、こどもぶきとしての手裏剣の素材を探しに来た訳だが
('A`) 「うーん。なかなか思うような素材がないなぁ……」
鋼材などは豊富にあるが、それらはどうやらドクオの眼鏡には叶わないようで
('A`) 「ただの手裏剣を作るだけじゃ、あの伊賀忍者さんは浮かばれないよね……」
('A`) 「しかし……つくづくテンプレ死だよね。自分の手裏剣を投げ返されて死ぬなんて」
('A`) 「ん?」
('A`) 「手裏剣を投げ返されての死……?」
('A`) 「そうか!だったら!」
「こどもぶきや」たるドクオは、何か閃いた様子
('A`) 「確か、さっきちょうどいい素材があったぞ!?」
22
:
同志名無しさん
:2014/05/27(火) 00:12:03 ID:uZhjFJXAO
3日後
(,,゚Д゚) 「やあドクオ。また新しい「こどもぶき」を発明したんだって?」
('A`) 「うん。手裏剣なんだけど」
(,,゚Д゚) 「手裏剣かぁ!投げ武器だな」
(,,゚Д゚) 「ドクオのことだ。何か変わったやつなんだろ?」
('A`) 「うんまあ。でもさ、今回はあんまり出来に自信がなくて」
(,,゚Д゚) 「とにかく見せてくれよ。良さそうならちょっと欲しいし」
('A`) 「じゃあ、またうちに来てみて」
('A`) 「でもさ?その手裏剣でギコ君は」
('A`) 「一体誰を暗殺するの……?」
23
:
同志名無しさん
:2014/05/27(火) 00:51:53 ID:Rce7l2js0
おもしろいね
24
:
同志名無しさん
:2014/05/28(水) 21:34:53 ID:ua./tYf.O
('A`) 「これなんだけど……」
(,,゚Д゚) 「ん?これはただの平べったい四角形の板だろ?」
ドクオがギコに差し出したそれは、厚さ1ミリ弱、一辺が約8センチの正方形の黒い板にしか見えない
('A`) 「だよね。そう見えると思う。仕方ないんだ」
(,,゚Д゚) 「???」
('A`) 「なんというか、効果を求めた結果」
('A`) 「手裏剣らしさっていうか、「こどもぶき」のおもしろさっていうか……醍醐味がなくなっちゃってさ」
(,,゚Д゚) 「と言うことは、武器としての効果はバッチリなんだな?」
('A`) 「そのはずだよ」
25
:
同志名無しさん
:2014/05/28(水) 21:42:20 ID:ua./tYf.O
(,,゚Д゚) 「ふうん?」
しげしげとその手裏剣?を見つめるギコ
手裏剣?は、艶消し黒で塗装されていて
飾り気がまるでなく、ひたすら地味
(,,゚Д゚) 「うーん。一応、これについてのドクオのアイディアを聞かせてくれないか?」
('A`) 「うんわかった。そこで、ちょっとこれも見て欲しいんだけど……」
新たにドクオが取り出したのは
キラキラと輝く、透明な十字手裏剣だ
(,,゚Д゚) 「お?なんだよ。ちゃんとした手裏剣……しかもキラキラしててカッコいいのがあるんじゃないか」
26
:
同志名無しさん
:2014/05/28(水) 21:52:15 ID:ua./tYf.O
材料
・捨てられていた窓ガラス・黒マジック
使用した工具類
・ガラス切りカッター
('A`) 「二つ目を見てもらって、すぐにわかったんじゃないかな」
('A`) 「ガラスで出来てるんだ。その手裏剣」
(,,゚Д゚) 「ああ。でも、なんでガラスで?投げたら割れちゃうじゃん」
('A`) 「割れちゃって欲しいんだよ。バラバラに」
(,,゚Д゚) 「???」
27
:
同志名無しさん
:2014/05/28(水) 22:00:23 ID:ua./tYf.O
('A`) 「手裏剣ってさ?暗器な訳じゃない」
(,,゚Д゚) 「そうだな」
('A`) 「で、投げて使うでしょ?」
('A`) 「普通の手裏剣だと、かわされたら投げ返される危険があるじゃない」
(,,゚Д゚) 「割れちゃえば、投げ返されないってことか」
('A`) 「そう。だからガラス。そして黒マジックで塗ったのは」
('A`) 「透明なままのガラスじゃピカピカして、目立っちゃうからだよ」
(,,゚Д゚) 「なるほどなー黒く塗って、かわされる確率を下げたのか」
('A`) 「そのせいで、なんか地味になっちゃって……」
28
:
同志名無しさん
:2014/05/28(水) 22:13:17 ID:ua./tYf.O
今度はギコから質問
(,,゚Д゚) 「せっかくカッコいい十字手裏剣を、ただの正方形の板にしたのはなんでだ?」
('A`) 「投げて割れる。つまり使い捨て手裏剣なんで、一つ一つの加工に手間をかけるのがもったいないなーと思ったんだよ」
('A`) 「いっそ生産性を上げる方向で考えてみた結果」
('A`) 「正方形が一番無駄なく大量生産できると思い付いたんだ」
('A`) 「投げたとき真っ直ぐ安定して飛ぶしね」
(,,゚Д゚) 「うーん」
29
:
同志名無しさん
:2014/05/28(水) 22:26:46 ID:ua./tYf.O
('A`) 「何枚か作ったから、ちょっと試しに投げてみて?」
('A`) 「的はそこの空き缶でいいかな?小さい?」
(,,゚Д゚) 「いける。まあ、とりあえず投げてみるよ」
(,,゚Д゚)ノ■チャキ
(,,゚Д゚)ノシ≡≡≡■シャーッ
スカコーン!
小気味いい音を立て、手裏剣は20メートルも離れた位置にある空き缶に突き刺さる
(,,゚Д゚) 「お、空き缶にちゃんと刺さったな!切れ味は確かにいいみたいだ」
('A`) 「え、いや、普通外れない?」
('A`) 「外れて床に当たって、バラバラになる所を見て貰おうと思ったんだけど……」
(,,゚Д゚) 「あ、そうだったのか。じゃ次はわざと外すよ」
('A`) 「……ねえギコ君……君はぼくと同じ小学生だよね?」
('A`) 「初めて投げた手裏剣を当てるなんて……」
('A`) 「一体どんな修羅場をくぐり抜けて生きてるの?」
30
:
同志名無しさん
:2014/05/28(水) 23:06:17 ID:ua./tYf.O
(,,゚Д゚) 「だけどさ。手裏剣だから仕方ないのかもしれないけど……」
(,,゚Д゚) 「一撃必殺とはいかないよな。威力的に」
('A`) 「そこはほら。忍者なんだし毒を塗るとか……そういう」
(,,゚Д゚) 「あ、そうか。そうだよな」
('A`) 「……」
ドクオはため息をついた
ギコに対してではなく、自分にだ
「こどもぶきや」としての矜持を思い出して
('A`) 「今回あまりうまくできてないけど、それでも一応「こどもぶき」を作ろうとしたから……」
(,,゚Д゚) 「すまん俺が悪かった。「こどもぶき」なんだものな」
('A`) 「ぼくこそごめんなさい。先にそこを見失ってしまったのはぼくなんだよ」
(,,゚Д゚) 「……」
31
:
同志名無しさん
:2014/05/28(水) 23:18:28 ID:ua./tYf.O
(,,゚Д゚) 「なあ」
('A`) 「ん?これで説明は終わりだよ。他はないよ」
ドクオは落胆した様子
(,,゚Д゚) 「うまくいかないこともあるさ」
('A`) 「うん……」
(,,゚Д゚) 「お前にはすごい才能が眠ってる。「こどもぶき」発明の才能が」
('A`) 「そう思っていたんだけどね……」
ギコはおもむろに、自分の担いでいたリュックをがさがさと漁りだす
醤油せんべいの袋。ギコがいつも好んで食べているおやつを取り出し
ドクオに差し出す
(,,゚Д゚)ノ□ 「あんまり落ち込むなよ。せんべい、食うか?」
('A`) 「ありがとう」
('A`)バリボリ 「おいしいね」
(,,゚Д゚)バリボリ 「だろ?好きなんだこれ」
('A`)バリボリ 「あ!」
(,,゚Д゚)バリボリ 「どした?」
32
:
同志名無しさん
:2014/05/28(水) 23:24:11 ID:ua./tYf.O
('A`) 「いや、」
(,,゚Д゚)バリボリ 「?」
('A`)バリボリ 「やっぱり、なんでもないや」
(,,゚Д゚) バリボリ 「なんだよ?変なやつだなあ」
ドクオは、もらったせんべいから新たな「こどもぶき」を思い付いたのだが
こどもなりに
それは今は無粋だと
ギコと一緒にせんべいを食べる楽しみ、嬉しさを優先するべきだと
なんとなく、そう思ったのだった
33
:
同志名無しさん
:2014/05/28(水) 23:31:59 ID:ua./tYf.O
「ぼくのかんがえたむてき手裏剣」スッペク
黒く塗ったガラス
効果
普通の手裏剣と同じように使用可能だが、わざと敵の足下を狙って投げ砕くことにより
破片でマキビシのような効果を生むことができる
たんなる正方形のガラスなので、生産性がよい
さらに、敵に当たった時もその衝撃で砕け散るように、わざと十字に傷を入れておくと非常に危険
34
:
同志名無しさん
:2014/05/28(水) 23:33:17 ID:ua./tYf.O
そのにおわり
35
:
同志名無しさん
:2014/05/29(木) 00:25:01 ID:tK3s9P520
乙
こいつら何者なんだろう、続きが読みたくなる
36
:
同志名無しさん
:2014/05/29(木) 22:57:04 ID:FS.uD1.Q0
ドクオの突っ込みがいちいち面白いwwww
いいね、好きだよこういうの
37
:
同志名無しさん
:2014/05/30(金) 12:06:50 ID:P7VCRbEcO
(,,゚Д゚) 「なあ?俺も作ってみたいんだけど」
('A`) 「こどもぶき?」
(,,゚Д゚) 「そう。ちょっとしたもので、俺にも自作できないかな?」
手裏剣の失敗から、ドクオは少々凹みぎみだったので
ギコはなんとかドクオを励まし、元気付けようとしたのかもしれない
(,,゚Д゚) 「あんまり難しいのは勘弁な!俺はぶきっちょだから」
(,,゚Д゚) 「でも、何か一緒に作ってみようぜ」
ドクオは、自分を気遣おうとしてくれるギコの優しさを感じとり
そして、少々嬉しく、面白みもあって
('A`) 「どんなのがいいかな……」
やる気が湧いたのだった
38
:
同志名無しさん
:2014/05/30(金) 12:18:20 ID:P7VCRbEcO
('A`)こどもぶきやドクオのようです
そのさん
('A`)釘ナイフ「束ね爪」のようです
39
:
同志名無しさん
:2014/06/02(月) 17:19:47 ID:FuurOM/o0
支援
40
:
同志名無しさん
:2014/06/04(水) 22:03:43 ID:lWs9Bk1U0
待ってるぜ
41
:
同志名無しさん
:2014/06/04(水) 22:16:50 ID:S7Dmyf.g0
面白い
42
:
同志名無しさん
:2014/06/06(金) 08:52:45 ID:oUNx8sEk0
面白い支援。なんかゴーリーの絵本読んでるみたいな不気味さを感じる
43
:
同志名無しさん
:2014/06/07(土) 01:21:09 ID:0z5qntc2O
('A`) 「ここがぼくのひみつの場所だよ。こどもぶきの材料集めの」
(,,゚Д゚) 「普通にゴミの不法投棄場だな」
(,,゚Д゚) 「役所の人がここを見つけたら、黙っちゃいないだろうな」
ギコが言う通り、そこは明らかに産業廃棄物や粗大ゴミが不法かつ大量に投棄されていて
('A`) 「うん。だからこそいろいろ手に入るんだよ」
(,,゚Д゚) 「うーん「こどもぶきやドクオ」にとっては宝の山なわけか」
('A`) 「ギコ君。君はこんなのを作りたい。とか希望あるの?」
(,,゚Д゚) 「あ、まあな」
(,,゚Д゚) 「前に作った槍と手裏剣で、遠近の攻防は賄えると思ったんだけど」
(,,゚Д゚) 「槍の間合いより詰められると、ちょっと苦労したんで」
('A`) 「ねえギコ君。苦労した。ってどういうことなの……」
(,,゚Д゚) 「至近距離でも使えて、かつ槍を手離さなくてすむような奴があればいいと思った」
44
:
同志名無しさん
:2014/06/07(土) 01:34:05 ID:0z5qntc2O
(,,゚Д゚) 「で、俺なりに考えてみたんだけど」
('A`) 「鈎手甲かい?」
(,,゚Д゚) 「さすが「こどもぶきやドクオ」俺の考えくらい読めるか」
('A`) 「いやいや。正直あんまり読めないよ。ギコ君が一体何者なのかとか」
(,,゚Д゚) 「鈎手甲なら手のひらは槍を掴んでいられるし、甲の部分でちょっとした刃物に対しての盾代わりにも使えるかなって」
('A`) 「前半はその通りだね。でも後半はその使い方ができたられっきとした達人だよ」
(,,゚Д゚) 「とまあ、ここまで思い付いたんだが、具体的な形がなかなか浮かばないんだよなぁ」
('A`) 「なるほどね。じゃ、二人で考えてみよう」
(,,゚Д゚) 「うん。頼むよ」
45
:
同志名無しさん
:2014/06/07(土) 01:50:54 ID:0z5qntc2O
('A`) 「ギコ君は、忍者なんかがよく時代劇で装備してるやつ、あれをイメージしてると思うんだけど」
(,,゚Д゚) 「そうそう。アレだよ」
('A`) 「いくつかの弱点があるよね?あれ」
(,,゚Д゚) 「ん?そうか?」
ギコは鈎手甲の良いところばかり考えて(槍を掴んだまま装備できる、便利な至近戦用ぶき)いたので
弱点が直ぐには思い付かない様子
('A`) 「着脱がわりと手間なんだ。たとえばさ?」
('A`) 「利き手に装備するときは、止め具は利き手じゃないほうの手で止めることになるよね」
(,,゚Д゚) 「あ!なるほど!それはやりにくいな」
46
:
同志名無しさん
:2014/06/07(土) 02:08:48 ID:0z5qntc2O
('A`) 「それと、壊れた時に換えがない。というか、換えを沢山持ち歩けないような形状だよね」
(,,゚Д゚) 「まあな。壊れた時の事まで考えるなら、ナイフとかの方がいい気もする。隠し持ちやすいし」
('A`) 「だから、そういう弱点をカバーする方法で考えてみたいんだ」
(,,゚Д゚) 「鈎手甲自体はボツにせず、あくまでも弱点をカバーした鈎手甲を作るのか」
('A`) 「うん。だって」
ドクオは楽しそうだ
('A`) 「鈎手甲が「こどもぶき」として、面白く生まれ変わるチャンスかもしれないんだよ?」
('A`) 「わくわくしてくるじゃない!」
(,,゚Д゚) 「……」
ギコはドクオのキラキラした目を見て
(,,゚Д゚) (やっぱりドクオは根っからの)
(,,゚Д゚) (「こどもぶきや」なんだなぁ)
と感心したり、あきれたり、また
……妙に嬉しくなったり、した
47
:
同志名無しさん
:2014/06/07(土) 13:51:59 ID:OBGjU2Yk0
>>42
ワクワク面白いが不気味とな?
怪人の誤爆?
48
:
同志名無しさん
:2014/06/08(日) 00:35:24 ID:6Uey.9hQ0
('A`)の知識・技術や「ぶき」の殺傷力、中空とはいえ2mの鉄パイプを振り回す(,,゚Д゚)の腕力と、「こども」って単語とのちぐはぐさが薄気味悪いな。
49
:
同志名無しさん
:2014/06/08(日) 15:13:31 ID:xe10dj/A0
うおお、焦らすね。
待ってるぜ
50
:
同志名無しさん
:2014/06/08(日) 15:43:59 ID:4c595Dgg0
なななんという展開…
51
:
同志名無しさん
:2014/06/12(木) 13:44:47 ID:k3HLiAOQO
(,,゚Д゚)ノ 「これ使えよ」
('A`) 「軍手?」
ギコは背負ったリュックから軍手を二組取り出し、一組をドクオに渡す
(,,゚Д゚) 「がらくた漁りするってドクオに聞いてたから、手を切らないように持ってきたんだ」
('A`) 「ありがとう。気が利くね」
(,,゚Д゚)ゞ 「いやいや」
('A`) 「そうか……これはいいぞ……」
じっと軍手を見つめるドクオ
(,,゚Д゚) 「どした?」
晴れ晴れとした顔で、ドクオはギコに言う
('A`) 「閃いたよ!」
52
:
同志名無しさん
:2014/06/12(木) 13:56:18 ID:k3HLiAOQO
(,,゚Д゚) 「ん?「こどもぶき」のアイデアを思い付いたのか?」
('A`)ニコニコ 「うん。しかも、わりと簡単に作れそうなんだ」
(,,゚Д゚) 「ほへー。それじゃあ教えてくれよ」
('A`) 「いいけど、先に材料を集めよう。もう日がくれちゃうから」
(,,゚Д゚) 「もったいつけるなぁ。ま、いいか」
(,,゚Д゚) 「どんな素材を探したらいいんだ?」
('A`) 「できるだけ長いネジか釘、50本ぐらい集めてくれないかな」
(,,゚Д゚) 「よしきた!」
('A`) 「僕は鉄板と……あと、アレ、あるかな?」
その日、二人は暗くなるまでゴミ置き場で宝を探しながら
埃まみれになったお互いの顔を笑いあった
53
:
同志名無しさん
:2014/06/12(木) 14:30:13 ID:k3HLiAOQO
3日後
ドクオの家の倉庫からは、ハンマーで鉄を叩く小気味いい音が響いている
(,,゚Д゚)ノシ 「トテカントテカン!」
('A`)ノシ 「トテカントテカン!」
鉄道のレールを金床がわりに
二人はハンマーを振るい、釘を叩き伸ばしていく
(,,゚Д゚) 「釘ナイフかぁ!これなら俺も作ったことあるぞ」
('A`) 「以前工作の時間、自作ペーパーナイフ作りをやったよね」
('A`) 「アレを、鈎手甲の爪に使おうと思うんだ」
(,,゚Д゚)ノシ 「なるほど。だけどドクオ?」
ギコは見逃さない
(,,゚Д゚)ノシ 「お前、手がとまってるぞ?くたびれたんだろ?」
('A`) 「ばれちゃったかw」
('A`)ノシ 「トテカントテカン!っと。僕はギコ君みたいに腕力はないからさー」
54
:
同志名無しさん
:2014/06/12(木) 15:44:18 ID:k3HLiAOQO
読者諸兄は、「釘ナイフ」というものをご存知だろうか?
知らない読者もあろうから、筆者がごく簡単に説明させていただくとしよう
材料
「五寸釘」と言われる、長めの釘がよろしかろう
使用する工具類
鍛造用ハンマー (必須)
金ヤスリ (必須)
金床 (別のもので代用可。ドクオのようにレールの切れ端や、鉄アレイの平面等でも)
七輪 (鉄は赤く熱してから叩くとは楽に伸びる。あと焼き入れして硬度を求めるなら。常温鍛造には必要ない)
プライヤー (熱した釘を掴むため。常温鍛造には必要ない)
55
:
同志名無しさん
:2014/06/12(木) 15:54:39 ID:k3HLiAOQO
釘ナイフとは
要するに、釘の先をハンマーで叩き潰してナイフのように平たくし
金ヤスリで切れ味鋭く磨ぎあげたものだ
用途は、ペーパーナイフなどだが
磨ぎしだいでは、剃刀代わりにもなるだろう
ちょっとした鍛冶屋気分が楽しめる、お手軽工作物である
自分の手で作ったナイフはなかなか愛着が湧くものだ
筆者も子供の頃たまに作っては
刃物好きの友人達に、100円くらいで譲り渡したものである……
56
:
同志名無しさん
:2014/06/12(木) 18:23:17 ID:g9YujsoI0
いよいよの同時進行!
wktkがとまらん!!
57
:
同志名無しさん
:2014/06/12(木) 20:33:24 ID:RKmKgbNE0
俺が親だったら止めるわ
58
:
同志名無しさん
:2014/06/14(土) 15:31:56 ID:9znvtwaw0
しえーん
59
:
同志名無しさん
:2014/06/18(水) 19:22:15 ID:ScYuxqiUO
そして
(,,゚Д゚) 「作ったな〜」
('A`) 「作ったねぇ〜」
手製の釘ナイフ。その数実に35本
素人鍛冶のため形は不揃いで不恰好だが
('A`) 「なんかそれぞれがいかにも手作り!って感じでいいよね」
(,,゚Д゚) 「だなぁ。でも、さすがに俺の作った奴よりドクオの作った奴の方が」
(,,゚Д゚) 「丁寧な仕事をしてる感じだぞ」
ドクオは返す
('A`) 「ギコ君の生産性の高さには敵わないよ。パワーが違うよね」
('A`) 「僕の倍のスピードで叩き上げるなんて」
(,,゚Д゚) 「ぶきっちょな分、数こなしてみたwww」
('A`) 「www」
60
:
同志名無しさん
:2014/06/18(水) 19:40:34 ID:ScYuxqiUO
(,,゚Д゚) 「この釘ナイフを磨ぎ上げるのは任せていいのか?」
('A`) 「うん。電動グラインダー(研磨機)を使うから、たいして手間じゃないし」
(,,゚Д゚) 「ドクオはそういう難しいきかいも使えるのか。本当にぶきやみたいだな」
('A`) 「いやぁそんな」
「こどもぶきやドクオ」にしてみればそれは手抜きなのだが
素人のギコにとって機械を使うと言うのは、むしろ本格的かつ手間を掛けているように感じるようだ
(,,゚Д゚) 「なあ、鈎手甲のアイディアというか、出来上がりの形をぼちぼち明かしてくれよ?」
('A`) 「うーん。そうだね。ギコ君の寸法も測らないといけないし。そうすると結局分かるしね」
('A`) 「じゃ、説明するよ」
(,,゚Д゚) 「wktk」
61
:
同志名無しさん
:2014/06/18(水) 19:53:18 ID:ScYuxqiUO
('A`)ノ ジャーン「これです!」
ドクオが取り出したのは、電気屋が作業に使う作業用革手袋だ
(,,゚Д゚) 「?」
ギコは怪訝な顔
(,,゚Д゚) 「……手袋じゃん」
('A`)ニコニコ 「そうだよ。これは電気屋さんの作業用手袋だね」
(,,゚Д゚) 「鈎手甲じゃないじゃん?これに爪を付けるのか?」
('A`)ニコニコ 「ま、いいからいいから。とりあえずこの手袋をはめてみてよ」
(,,゚Д゚) 「うーん。じゃあまぁ……」
手袋をし、その手を握りしめたり開いたりを繰り返して感触を試すギコ
('A`)ニコニコ 「どう?掴みにくいとか、サイズが合わないとかそんな違和感ある?」
(,,゚Д゚) 「いや、作業するのにはいい感じの手袋だと思うけどさ」
(,,゚Д゚) 「これ大人用か?結構長いな。俺のヒジまで隠れるぞ」
62
:
同志名無しさん
:2014/06/18(水) 20:16:07 ID:ScYuxqiUO
('A`) 「長さはちょうど良かったみたいだね。……ちょっとごめんね……」
ドクオはギコの手袋をはめたままの左腕を取り
メジャーを当てては寸法を取っている
('A`) 「ギコ君さ、前に鈎手甲の利点について言ってたよね」
(,,゚Д゚) 「ん?」
('A`) 「装備しても槍を持っていられる」
('A`) 「あと、ちょっとした刃物を防ぐのにも使える……って」
(,,゚Д゚) 「ああ。そうだな」
('A`) 「で、僕は後者については達人じゃないと難しいって言った。覚えてる?」
(,,゚Д゚) 「覚えてるぞ」
('A`) 「そこが問題だったんだよ。僕はその瞬間、自分で考えるのをやめていたんだ」
('A`)ゞ 「自称「こどもぶきや」の癖にね」
ドクオはちょっと恥ずかしそうに頭を掻いてみせる
63
:
同志名無しさん
:2014/06/18(水) 20:38:07 ID:ScYuxqiUO
('A`) 「あ、でもでも!すぐに閃きを得たんだ!ちゃんとギコ君の要望に応えられるようなやつ」
('A`) 「それはね……」
(,,゚Д゚) 「ちょいまち!」
ギコはドクオの話を遮る
さっきまでは聞きたくて仕方なかった「鈎手甲」の全容は
今や逆に聞かずに楽しみにしておく方が良さそうだと、そう思ったからだ
(,,゚Д゚) 「よくわからないけどさ」
('A`) 「?」
(,,゚Д゚) 「なんか、最後までわからない方が楽しめる気がしてきたぞ」
('A`) 「そ、そう?」
(,,゚Д゚) 「お前がすごくいろんな事を考えていそうだ……ってのだけはわかる。伝わってきた」
(,,゚Д゚) 「多分、いや、絶対、今は出来上がった形聞かない方がいい」
('A`) 「僕の閃きに全部任せてもらえるのかい?」
(,,゚Д゚) 「もちろん。期待していいよな?「こどもぶきやドクオ」!」
('A`)ニコニコ 「ありがとう」
ドクオはギコの信頼が嬉しくてニコニコしていたが
('A`) (あれ?これはつまり)
('A`) (ギコ君が僕に、体よく作業の全部を押し付けたのかな?)
などと考えたりもしたが
(,,゚Д゚) 「wktk」
ギコの目は期待に満ちているだけに見えて
('A`) (まあ、いいや!)
と思った
64
:
同志名無しさん
:2014/06/18(水) 22:11:16 ID:ScYuxqiUO
その日の夜。ギコの自宅
ギコは夕飯に使った食器を洗いながら
まだ見ぬ「こどもぶき」鈎手甲について想像を膨らませていた
今使用している食器洗い用ゴム手袋。それを見て
昼間の電気屋の作業用手袋を思い出す
(,,゚Д゚) 「手袋……手袋か……」
(,,゚Д゚) 「例えば、この手袋の甲の上に直接釘ナイフの爪をくくり付けたとしたら、どうなる?」
それでは敵の筋肉を貫いて爪が刺さらない。きっと手袋の方が破れる
(,,゚Д゚) 「とすると……?」
(,,゚Д゚) 「あと、ドクオは俺の意見を容れるつもりだったみたいだけど」
手袋にナイフを付けたものでは、刃物は受けられまい
(,,゚Д゚) 「うーむ……」
いつの間にかギコは洗い物をする手を止めてしまっていた
(,,゚Д゚) 「むう。いかんいかん」
そんな妄想よりも
ギコには現実にやらねばならないことがある
妹の弁当箱を洗い、妹の明日の弁当の下ごしらえをし
そして宿題の事は忘れて寝なければならないのだ
明日も早く起きて、妹を幼稚園に送らねばならないのだ
65
:
同志名無しさん
:2014/06/18(水) 22:54:22 ID:ScYuxqiUO
さらに3日後
('A`)ニコニコ 「できたよ。今回はかなりの自信作だよ」
ドクオはあいさつそこのけで
ギコに「こどもぶき」の完成報告をする
(,,゚Д゚) 「おお!できたのか」
報告を受け、ギコはやや興奮気味
('A`) 「うん。例によってじゅうとうほう違反だから……」
(,,゚Д゚) 「倉庫に置いてあるんだろ?見に行くぞ」
('A`)ニコニコ 「きっと、アレを見たら、ギコ君は驚いてくれるんじゃないかな?と思うよ」
(,,゚Д゚) 「そんなに自信ありなのかー!楽しみだなあ」
確かにそれは、ギコの想像をはるかに超えたものであるしその上
いかにも「こどもぶき」なのであった
66
:
同志名無しさん
:2014/06/19(木) 01:13:42 ID:13xrim5E0
気になるところで切りおって!
しかしこれほどニコニコという擬音が似合わないAAもないな……
67
:
同志名無しさん
:2014/06/19(木) 13:20:43 ID:UgI6VkK60
ひとまず乙
この焦らし上手さんめ
68
:
同志名無しさん
:2014/06/21(土) 00:26:46 ID:.o5tpRuQO
('A`) 「最後の最後まで、形は悩んだんだ」
(,,゚Д゚) 「こ、これは……」
ギコは己の左腕に装備されたそれを見て、思わず絶句
('A`) 「どうかな?」
例の電気屋の作業用革手袋の二の腕の部分に、厚さ4?o直径約25?pの金属円盤が、革紐によってしっかりくくり付けられている
金属円盤は縁が鋭く磨ぎあげられ、かつ、肘から手の甲までを完全にカバー
さらにその円盤には二人が叩き上げた釘ナイフが、手の先を越えて伸びるように5本、並んで備わっていた
(,,゚Д゚) 「武装盾……!」
クローバックラー……とでも言うべきそれは、もはや鈎手甲とは呼べない
見た目は小型の丸盾だ。ただし
敵を切り裂く爪つきの
('A`)ニコニコ 「ちょっとした刃物なんか、こいつなら充分に捌けるとおもうよ」
それはそうだろう。盾なのた
69
:
同志名無しさん
:2014/06/21(土) 00:37:39 ID:.o5tpRuQO
(,,゚Д゚) 「……」
ギコは驚愕しているため、言葉を発することができない様子
興奮で小さく震えているようでもある
ドクオは説明を続ける
('A`) 「これを作るのに、どうしても電気屋さんの手袋が欲しかった。左手だけでも壊れてないのが落ちていて良かったよ」
('A`) 「実は鈎手甲の弱点はもうひとつあってね?」
('A`) 「それはスタンガン、スタンロッドに弱いってこと」
ギコは聞いているのか聞いていないのかただ無言
('A`) 「至近戦の時、せっかく丸盾で防いでも、金属では電気を通してしまうだろ?」
('A`) 「だから、電気工事用手袋がベースに欲しかったんだ」
(,,゚Д゚) 「な、なるほど……」
やっと口を開ける程には落ち着いたギコ
そうなると今度は黙っていられなくなる
たくさんの質問をぶつけるのだ
70
:
同志名無しさん
:2014/06/21(土) 01:09:36 ID:.o5tpRuQO
(,,゚Д゚) 「この丸盾は、エッジが立っているけど……」
('A`) 「そう。言わば刃物だから、切りつけるのにも使える」
('A`) 「革手袋とは革紐でむすんで固定してあるだけだから、ほどけばフリスビーのように投げつけることもできる」
(,,゚Д゚)ゴクリ 「……」
('A`) 「ギコ君。盾の裏を見てみて?」
言われるがままギコは盾の裏を確認
そこには20本の釘ナイフが、並べて隠されていた
('A`)ニコニコ 「ナイフなら隠し持ち易いって、ギコ君言ってたよね?」
('A`)ニコニコ 「いいアイディアだと思って、盾の裏にたくさん隠してみたよ」
('A`) 「ガラス手裏剣&20本の釘ナイフの投擲連打で遠距離を制し」
('A`) 「中空槍「日本号」で中距離戦をこなし」
('A`) 「そして至近戦ではこの鈎手甲……いや、「武装盾」の出番になるってわけ」
ドクオは早速ギコのつけた名前を使いだし
それはその瞬間から「武装盾」と呼ばれることなった
(,,゚Д゚) 「……盾の表のこの模様……」
('A`) 「ダーツの的みたいだろ?」
確かにダーツの的そっくりに赤と黒に塗りわけられ、ご丁寧に点数まで書き込まれている
('A`)ニコニコ 「ど真ん中に百点って書いたのは」
('A`)ニコニコ 「敵がつい、盾の中心であるそこを狙っちゃうことを期待してさww」
('A`)ニコニコ 「そうしてくれたら、ギコ君の身は絶対安全だよね?w」
(,,゚Д゚) 「ドクオ……お前はやはり、すごいぞ……」
71
:
同志名無しさん
:2014/06/21(土) 01:31:12 ID:.o5tpRuQO
(,,゚Д゚) 「お前のその「こどもぶき」の発明力は、きっと俺を救うと思うぞ」
('A`)ゞ 「いやあそんな……って」
('A`) 「いやいや救うとかないよ?だってギコ君は僕と同じ普通の小学生じゃない」
('A`) 「この「武装盾」を実際に君が使うことはない訳で……」
(,,゚Д゚) 「革手袋の感触もいいな。手のひら側にゴムのイボイボがあって、槍を掴んで滑らない」
('A`)ニコニコ 「でしょでしょ?手袋にもとからついてたんだけど、いいよねそのゴムイボ」
なにかをはぐらかされていることに気づかないドクオ
気づけなかったふりをしているドクオ。と言い直そうか
(,,゚Д゚) 「まさか忍者の鈎手甲が、こんな形に生まれ変わるとはなあ」
('A`)ニコニコ 「ギコ君の何気ない意見のおかげさ。君の協力で、こんなにもすごいものができたよ」
(,,゚Д゚) 「俺も「こどもぶきや見習い」ぐらいにはなれたのかなあwww」
('A`)ニコニコ 「立派な「こどもぶきや」になれたさ!だってこれは僕らの合作だもの!」
(,,゚Д゚) 「へへへ……」
('A`)ニコニコ 「えへへ」
二人は心底嬉しそうに笑っている
それは決して
ドクオの母親が、おやつにドーナツを持ってきたからではな……
……というのも、まぁ、あろう
72
:
同志名無しさん
:2014/06/21(土) 02:03:36 ID:.o5tpRuQO
釘ナイフ「束ね爪」改め「武装盾」
材料
長い釘、ネジなど50本程
電気作業用革手袋一組(左手のみそのまま使用。やぶれていた右手袋は裂いて革紐にする)
鉄板
使用する工具類
鍛造用ハンマー
金床(の代わりの鉄道用レール)
金物用ドリル
金ヤスリ
金切りノコ
「武装盾」スッペク
左の二の腕を中心にした、鈎爪つきバックラー
5本並んで植え込んだ爪には、釘ナイフを使用してあるが
元が少々不揃いのため、これで傷つけられると傷口は治りにくくなる
さらに毒を塗っておく事で殺傷力が増す
円盤状の盾部分も刃そのものであり、切りつける刃物として使用可能
又、盾部分を手袋から取り外すのも手間がかからないため投げつけることも容易
当たれば敵の腕くらいはその自重と鋭さで楽にはね飛ばす
裏には大量の釘ナイフを収納し、隠し持てるようになっている
盾(バックラー)であるので、敵の武器の受け流しにももちろん有効
電気作業用革手袋の上に「武装盾」を事前に革紐で留めておけば
いざ装備する時は、「革手袋をはめるだけ」で済むのでスピーディー
電気作業用革手袋のおかげで、通電式武器に対しても強い
73
:
同志名無しさん
:2014/06/21(土) 02:06:32 ID:.o5tpRuQO
そのさんおわり
74
:
同志名無しさん
:2014/06/21(土) 08:41:35 ID:.o5tpRuQO
('A`) 「鎖分銅?」
(,,゚Д゚) 「そう。万力鎖とも言うらしいな」
('A`) 「ふむぅ……鎖鎌みたいな刃物つきじゃなく、万力鎖がいいのかい?」
(,,゚Д゚) 「殴打するタイプのぶきがひとつあればなーと」
ドクオはちょっと考えてみる
そしてすぐにその訳を理解する
('A`) 「刺突と斬撃は、だいぶカバーされてるからだね」
('A`) 「そして、これまでの全ての攻撃軌道が直線的なものばかりだから。かな」
(,,゚Д゚) 「そうそう。変わり玉がひとつ欲しいんだけど」
75
:
同志名無しさん
:2014/06/21(土) 08:48:40 ID:.o5tpRuQO
('A`) 「今思いついたんだけどさ」
('A`) 「すでに中空槍と武装盾を構えている。とすると、装備箇所がないよ?」
(,,゚Д゚) 「だいじょぶ」
('A`) 「?」
(,,゚Д゚) 「こどもぶきやドクオ」なら、なんとかしてくれるだろ?」
('A`)コクリ 「わかった。なんとかしてみよう」
ドクオはちょっとおだてられただけで、簡単に乗せられたかのようだが
実はもういくつか、案が浮かんでいたのだ
(,,゚Д゚) 「さすがに話が早いなあ」
76
:
同志名無しさん
:2014/06/21(土) 12:56:31 ID:.o5tpRuQO
('A`) こどもぶきやドクオのようです
そのよん
('A`) 万力鎖「最後の鎖」のようです
77
:
同志名無しさん
:2014/06/22(日) 00:18:12 ID:Hx7XAA520
来てたのか、乙&支援
78
:
同志名無しさん
:2014/06/22(日) 13:40:48 ID:uzahygx60
いいねいいね
79
:
同志名無しさん
:2014/06/25(水) 14:18:12 ID:5WGOO43U0
乙 小学生がなんつーもん作って使ってんだよ…
80
:
同志名無しさん
:2014/06/26(木) 00:50:14 ID:sWg4icHcO
('A`) 「……」
ドクオは自室で悩んでいた
発想が枯渇したためではなく
逆に色々といくつも思い付いてしまい、決めきれないのである
('A`) 「鎖武器には色んなのがあるけど……」
確かに鎖を利用した武器は昔からある
鎖自体を武器として捉えたものとしては、チェーンウイップがあるし
鎖の先端に凶器をつけたものは、鎖分銅、モーニングスター、鎖鎌、ヌンチャクなどなど
竿の先に可動部として鎖をつけたタイプには、フレイル、多節棍……
それら全てについて、ドクオには独自のアイデアがあったのだ
81
:
同志名無しさん
:2014/06/26(木) 01:09:31 ID:sWg4icHcO
もちろん全てを作る訳にはいかないし
既に槍と盾を装備しているという前提条件もあるから、あまりかさばる物はいただけない
('A`) 「……」
('A`) 「そうなんだよな。槍と盾の邪魔にならない形で考える必要がある」
('A`) 「んだけど、多分ギコ君が望む鎖ぶきは……多分……」
ドクオはいつでも客が「こどもぶき」を有効に使用できるよう作っているし
かつ客の要求に添う努力をしている
('A`) 「お客様のニーズにはとことん応えたいよなぁ。ぼくは「こどもぶきや」なんだもの」
ドクオは
ギコが今回、何故鎖分銅を指定してきたのかという理由を
「打撃ぶきが欲しい」と言葉で言われたからでなく
ギコが話さなかった部分までちゃんと汲み取った上で理解しているのだ
根底まで理解しているのだ
82
:
同志名無しさん
:2014/06/27(金) 17:50:40 ID:qg4hlHE.0
来てたのか、支援
83
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 17:14:05 ID:L81izVjkO
一週間後
('A`) 「できた。と、思う」
(,,゚Д゚) 「?」
ドクオは神妙な顔でそう言った
(,,゚Д゚) 「思う?って?」
('A`) 「今回の「こどもぶき」は、「完成はしない」んだ……」
ギコは怪訝
(,,゚Д゚) 「うまく行かなかったのか?」
('A`) 「うまくはいった。はずなんだ」
('A`) 「とことん考えた。考え抜いたら、逆に「完成しないのが完成」だと思い至ったんだ」
(,,゚Д゚) 「よくわからないなぁ。とりあえず見に行ってもいいのか?」
('A`) 「うん。是非ギコ君の意見を聞きたい」
('A`) 「ぼくの考えが正しいのかどうか、わからなくなってるから」
(,,゚Д゚) 「おk」
84
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 17:35:17 ID:L81izVjkO
公園
(,,゚Д゚) 「ん?お前の家に行くんじゃないのか?」
('A`) 「うん。今回の「こどもぶき」は、じゅうとうほう違反にはならないから」
('A`) 「実は既に装備してきたんだ」
(,,゚Д゚) 「鎖分銅だから、暗器みたいに隠して持てるのか」
('A`) 「隠してっていうか……堂々と装備してきたんだけどもね」
ドクオが上着のGジャンを脱ぐと
ギコはすぐに理解した
('A`) 「これ」
ドクオは己の腰のベルトを指差す
いや、それはベルトではない
ベルトのように巻き付けられた鎖
バックル代わりに、大きめな南京錠がついている
(,,゚Д゚) 「……それ?」
('A`) 「ちょっと腰から外してみるね」
85
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 17:51:43 ID:L81izVjkO
南京錠を外して、伸ばした鎖の長さはおよそ1メートル弱
ドクオは鎖の先端に南京錠をつけ直してギコに差し出す
('A`) 「これが今回、ぼくの考えた「こどもぶき」の……」
('A`) 「鎖分銅なんだけど……」
(,,゚Д゚) 「いや、ただの鎖じゃん……」
(,,゚Д゚) 「どっかの倉庫の入り口とか縛ってる南京錠つきの鎖にしか見えないぞ?」
(,,゚Д゚) 「説明してくれよ。これについてのお前の考えをさ」
('A`) 「うん」
86
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 18:13:19 ID:L81izVjkO
('A`) 「まずはぼくからギコ君に聞きたい事があるんだけど」
(,,゚Д゚) 「おう?」
('A`) 「今回、刃物じゃなくて打撃ぶきを指定してきた、本当の訳」
(,,゚Д゚) 「……するどいな……お前は俺が答えなくてもちゃんとわかっていそうだぞ」
('A`) 「相手を殺してしまわないように。じゃないかい?」
(,,゚Д゚) 「……ハハ」
(,,゚Д゚) 「お前がこれまで作った「こどもぶき」を、実際に俺が使って、誰かと戦ってるとか思ったのか?」
('A`) 「……」
(,,゚Д゚) 「……」
(,,゚Д゚) 「そんなわけ……ないだろ」
('A`) 「……だよね」
87
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 18:21:53 ID:L81izVjkO
('A`) 「手加減は油断の元だよ?ギコ君」
(,,゚Д゚) 「馬鹿だな……そんなんないって……」
('A`) 「鎖分銅で敵を打ち据え、かつ殺さず弱らせるまでに止める」
(,,゚Д゚) 「……」
('A`) 「一見ただの小学生にしか見えないギコ君なのに」
('A`) 「ギコ君にはそれが普通にできるんじゃないかな?そんな気がする」
('A`) 「……」
(,,゚Д゚) 「……」
('A`) 「だとしたら、ぼくがギコ君の為に作る「こどもぶき」は」
('A`) 「この、「ただの鎖に南京錠をつけたもの」が一番いいと思えるんだ」
(,,゚Д゚) 「……なんでだ?」
88
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 18:28:50 ID:mr/BJlQs0
怖いこと言ってやがるな……
89
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 18:49:36 ID:L81izVjkO
ドクオはギコから間合いを取るように数歩、後退る
目の色がおかしい
雰囲気がおかしい
何かが圧倒的におかしい
('A`) 「ギコ君」
('A`) 「……」
急変し、ただならぬ様子のドクオ
目が座っている
(,,゚Д゚) 「まさか、お前……!」
(,,゚Д゚) 「やめろ。何を考えてる?ドクオ!」
ドクオはギコをまっすぐに指差す
('A`)9m 「ギコ君。ぼくと一勝負してもらう」
('A`) 「ぼくを倒してみせてほしい」
(,,゚Д゚) 「何を言ってる?俺はお前とケンカする理由なんかない!」
('A`) 「ぼくの今回の「こどもぶき」の本質を知るには」
('A`) 「君はぼくを倒さなきゃならないんだ」
90
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 19:13:27 ID:L81izVjkO
(,,゚Д゚) 「いや意味わかんないぞ!そんなんなら、別にその鎖のことは知らなくても……」
('A`) 「問答……無用!うおりゃあ!」
ギコに向かって走り出すドクオ
ケンカなどしたこともない少年が、何故突然の暴力に走るのか
片やギコはその動きを見ただけで、ドクオが繰り出そうとしている攻撃が読める
パワー、体格、体重、経験、戦闘知識、テクニック。全てギコが上。実力差は比べるべくもない
(,,゚Д゚) (ドロップキック……だな)
ドロップキックを予測
横抱きにキャッチしてやらねば、無茶ドロップキックを出したドクオは着地でケガをするだろう。と考えたギコは
考えの通り、見事かつ軽々と飛んできたドクオをキャッチ
そっと下ろす
('A`) 「さすがに……でも、まだだよ」
(,,゚Д゚) 「もうよせ。お前とケンカなんかしたくない」
91
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 19:35:21 ID:L81izVjkO
('A`) 「えええーい!」
ドクオは両腕をぐるぐると回し
いわゆる「こどもパンチ」「ぐるぐるパンチ」をでたらめに繰り出す
(,,゚Д゚) 「やめ、ろって」
言いながら、すかさずドクオの両手首を捕らえるギコ
関節を取ったり抑えつけたりはしない
ただ防いだだけ
('A`) 「そう。この状態」
(,,゚Д゚) 「?」
ドクオは普段のように語りだす
('A`) 「ぼくを構って、今ギコ君の背中はがら空きだ」
ドクオは続ける
('A`) 「君は油断する。優しいから。ぼくをなぐらないから」
('A`) 「今君が後ろから他の誰かに攻撃されたら、どうなると思う?」
('A`) 「ではあらためて。鎖を見て欲しいんだ」
92
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 19:46:07 ID:L81izVjkO
(,,゚Д゚) 「……なるほど」
やっとギコは理解したようだ
この、「鎖に南京錠をつけたもの」が
どういう意図で作られたのか
('A`) 「ギコ君は多分、できるだけ敵を殺さずにおきたいんじゃないかな?」
(,,゚Д゚) 「……」
('A`) 「南京錠をつけたのはね」
('A`) 「つまり、それで縛って、南京錠で固定して」
('A`) 「動けなくしてしまえばいいんじゃないかって」
('A`) 「つまり、敵を殺さず生け捕りにする為のアイデアなんだ」
('A`) 「君の戦いの最後の締めとして使えるようにって」
('A`) 「例えば今、ぼくを縛って動けなくすれば、君の両手が空くだろ?」
('A`) 「そうすれば次の敵へ安心して当たれるよね?」
93
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 19:53:39 ID:L81izVjkO
(,,゚Д゚) 「そうか!これは「最後の鎖」……か!」
('A`) 「いつもながら君のそのネーミングセンスはどこからくるのさ?wwww」
(,,゚Д゚) 「だめか?www」
('A`) 「いや、いいと思うけどさww」
二人はすっかりいつもの二人に戻り
楽しげに笑いあっている様子
(,,゚Д゚) 「考えさえ変えれば、普通に鎖分銅だよな。これ」
('A`) 「そうだよ。分銅が南京錠になってるだけだしね」
(,,゚Д゚) 「ちょっと短い気がするけどな」
('A`) 「言うと思った。南京錠なんだから、鎖を繋げればいいじゃない」
(,,゚Д゚) 「あ!そうだよな!便利だな南京錠!」
('A`) 「でしょww」
94
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 19:57:17 ID:L81izVjkO
('A`) 「分銅じゃ繋げられないだろ?」
(,,゚Д゚) 「ふむう」
ギコは感心しきりだ
('A`) 「しかも、ぼくみたいにベルトがわりにすれば」
('A`) 「ちょっと変わったアクセサリーみたいなイメージで、気軽に身に付けられる」
('A`) 「けいさつにも捕まらないよ?多分www」
(,,゚Д゚) 「www」
95
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 20:21:29 ID:L81izVjkO
('A`) 「正直言うとね……」
ドクオは本音を語る
('A`) 「この「最後の鎖」はさ」
(,,゚Д゚) 「ん?」
('A`) 「多分、ギコ君位、強くてテクニックのある人でないと、まともに使えない」
('A`) 「ぼくも試してみたんだけど、全然ダメ。動かない的にすら当てられない」
('A`) 「逆に自分がケガしちゃうレベルで取り回しが難しいんだ」
(,,゚Д゚) 「そうかー?鎖だろ?普通に……」
('A`)ニコニコ 「じゃあ、また缶を的にして狙ってみて?」
ドクオは公園の隅に、空き缶を立てる
(,,゚Д゚)ノ ブンブン「これを……こうだろ?」
カィーン!
('A`) 「いや、だからおかしいから。普通当たらないからね?」
(,,゚Д゚) 「手応えは充分。も少し練習すれば、かんたんに頭骨くらいは砕けるかな」
('A`) 「いや本当に君は何者なの……?」
96
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 20:37:32 ID:L81izVjkO
「最後の鎖」
材料
一メートル弱の鎖数本
大きめの南京錠数個
使用した工具
なし
「最後の鎖」スッペク
長さは南京錠を介して継ぎ足すことが容易にできる
分銅と同じように使用可能
敵を縛って南京錠をかければ、捕縛することもできる
また、単なる鎖と南京錠なので
普通の鎖分銅よりは官権に捕まりにくい
「最後の鎖」真のスッペク
(,, Д ) 「みせてやる!「こどもぶき」がったい!」
(,,#゚Д゚) 「アルティメット・バスターァァァァッ!」
97
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 20:38:36 ID:L81izVjkO
そのよんおわり
98
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 20:41:23 ID:L81izVjkO
('A`) (そう、この「最後の鎖」はつなぐんだ)
('A`) (すべての「こどもぶき」を……)
('A`) (そして、ギコ君とぼくを……)
99
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 21:12:13 ID:/1e1mC9U0
乙
100
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 21:16:55 ID:L81izVjkO
('A`) 「これにて「こどもぶきやドクオ」ぜんぶおわりました」
('A`) 「これらは過去に、実際に作者が作ったものです」
('A`) 「他にも、ステンレスソードとかエクストリーム釘バットとか殺人ワイヤーも作りました」
('A`) 「とはいえ、海に行ったとき遊びでスイカ割りに使ってみたぐらいですし」
('A`) 「また、すべてきちんと処分しましたので」
('A`) 「心配いりませんよ」
('A`)b 「アイム・ノット・ギルティです」
('A`)ノシ 「ではまた。次は怪人で」
101
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 21:17:21 ID:DnYivMHo0
なんかさらっと恐ろしいことになってるのに平然としてる二人が怖い
乙乙
102
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 21:23:07 ID:DnYivMHo0
終わりか。怪人との接点は終わってからもあるのかな
103
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 21:33:42 ID:.LEGLP2I0
乙
あとがきこえぇよ
104
:
同志名無しさん
:2014/07/03(木) 23:31:13 ID:Ylt/faLs0
怪人の人だったんか
乙。おもしろかったよー
105
:
同志名無しさん
:2014/07/04(金) 23:27:31 ID:xK6zdNmA0
怪人が更新されなくて寂しいんやで
106
:
同志名無しさん
:2014/08/13(水) 14:08:19 ID:mXH8AQ7k0
やっと読み終わった。こういうのワクワクしたなあ
タオルにオイル染み込ませてファイヤーパンチとか
107
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 07:12:02 ID:gg08KaP.O
('A`) こっちはこっちで何かやっちまえと思ったので
('A`) やるわ。どぎついの
('A`) 大人ちんぽドクオのようです
108
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 07:20:27 ID:mazLXk760
なんかハジマタ
109
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 07:23:14 ID:gg08KaP.O
('A`) 大人ちんぽドクオのようです
そのいちもつ
('A`) いたいけな少女にイタズラするようです
110
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 08:15:28 ID:gg08KaP.O
('A`) つべこべ言わせずに、問答無用でちんぽ入れたい
('A`) 少女の未だ汚れをしらぬまんこに、力づくで己の怒張を捩じ込みたい
('A`) 挙げ句の果てに、溜めに溜めたドロッドロの白濁液を
('A`) 少女が白眼むいてピクピクと痙攣するまで
('A`) おもっくそ中出ししたい!
('A`) と
('A`)m9 一度でも思った事のある奴、手を上げなさい
111
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 08:44:41 ID:gg08KaP.O
('A`) そう言われて、手を上げるのに躊躇する気持ち。俺には痛いほどわかります
('A`) 私は変質者的妄想癖の持ち主です!
('A`) とは、なかなか言えない。社会的に問題がありますものね
('A`) 第一、それをカミングアウトしても何のメリットも頭皮のフケと痒みを抑えてくれないじゃないか!アポジカ!
('A`) と。ついつい抜け毛を心配してしまいますが抜け毛?
('A`) いや、どちらかと言うとまん毛が生えていない少女が対象ですから、抜けていいんですよ毛は
('A`) しばし、「俺は少女でしかエレクチオンしない」という勇者が来るのを待ちましょう
('A`) いやそんな勇者はいらん。少女をよこせちんぽ入れるから
112
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 08:58:14 ID:gg08KaP.O
('A`) あの子です。そう。あの子
('A`) たまたま隣の席に座った、笑顔で挨拶を交わしたあの子
('A`) プールから上がったスク水の胸のポッチが、一際あなたの心をえぐったあの子
('A`) あなたがついつい縦笛を盗んでケツにぶっ刺し
何食わぬ顔で戻しておいた
その笛の持ち主のあの子
('A`) いつも図書館で見かける、華奢で色白だけど
眼鏡の良く似合うおかっぱ頭のあの子
('A`) あの子です
(#'A`)∩モッコリ ぶち犯してえ!
113
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 09:00:25 ID:gg08KaP.O
('A`) 犯します
('A`) ではやります
114
:
同志名無しさん
:2014/09/30(火) 17:40:03 ID:1CZQfgRA0
捕まったか・・・
115
:
同志名無しさん
:2015/09/08(火) 06:05:19 ID:2lzQ8RGw0
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