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17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/08/06(月) 23:34:43.52 ID:z5Jv2gdr0
流れ読まずに投下する
お題
・箱
・犬
・空
19 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:36:56.46
ID:z5Jv2gdr0
('A`)「おー、綺麗なもんだな」
星の輝く夜。
胸騒ぎの収まらないドクオは、一人庭先で夜空を見上げていた。
都会ではもう見られないと思っていた星空。
それが今夜はくっきりと見えている。
('A`)「あー、やっべ、寝られねぇなこれは」
髪の毛を掻き毟りながら独り言を漏らすドクオ。
落ち着きのない様子で、ぐるぐると辺りを歩きまわる。
庭に一本だけ植えられた大きな松の木。
幼い頃から自分を見守っていたこの家のシンボル。
彼はそれに手を付いて、小さな溜息をついた。
22 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:38:53.16
ID:z5Jv2gdr0
ミセ*゚ー゚)リ「兄さん、こんな所にいたんだ」
後ろから聞こえてきた声。
ドクオははっとして、慌てて振り返った。
ミセ*゚ー゚)リ「早く寝ないと式の時間までに起きられないよ?」
('A`)「んあぁ、大丈夫だって。普段もあんま寝てねぇし」
声の主であるミセリ―――妹に返答する。
ドクオを悩ませる原因。
それは明日行われる妹の結婚式のせいだ。
箱入り娘として家族の愛を一身に受けた妹が、あと数時間後には嫁いでいく。
そう考えるとドクオは不安で仕方がなかった。
('A`)「お前こそ寝た方がいいんじゃないか? 式の主役だぜ」
ミセ*゚ー゚)リ「平気だよー。もう子供じゃないもん」
('A`)「いやいや、ここは万全を期してだな……」
ミセ*゚ー゚)リ「兄さんは相変わらず心配症だねw」
25 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:41:01.08
ID:z5Jv2gdr0
無邪気に笑ってみせるミセリ。
ドクオはそんな妹の顔を見て、少し照れくさくなる。
('A`)「しかしあれだな、とうとうこの日が来ちまったんだな」
空を見上げたままミセリに話しかける。
('A`)「少し前まで子供だったような気がするのに、今や人様の嫁になるのか」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、変な感じ?」
('A`)「……ああ、そうだな」
幼き頃の日々を思い出す。
何も知らずに二人であちこち走り回った。
そして今。
あの屈託のない笑顔の少女が、こうして立派に成長して立っている。
ドクオは綺麗になった妹の姿を見て、感慨深げに思い出に浸った。
27 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:43:12.42
ID:z5Jv2gdr0
人並の家庭で人並の生活を送ってきた。
そんな彼の人生を彩ってきたのは、大事な大事な、たった一人の妹。
('A`)「……結婚、か」
ぼそりと呟くドクオ。
ミセ*゚ー゚)リ「寂しい?」
('A`)「うるせぇ、そんなんじゃねぇよ」
ミセ*゚ー゚)リ「本当かな~?」
('A`)「俺だっていつまでも子供じゃねぇんだぞ」
何気なく吐いた言葉。
だがそれは本心とは遠く離れたものだった。
本当は寂しくて。
心にぽっかりと穴が空いたような気分に陥っていた。
29 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:45:22.07
ID:z5Jv2gdr0
('A`)「そういや、お前は昔は俺にべったりだったよな」
ミセ*゚ー゚)リ「え~、そうかな?」
('A`)「そうだって。毎日『お兄ちゃん、お兄ちゃん!』って俺の後ろを追いかけてたぞ」
ミセ*゚ー゚)リ「うーん、そう言われるとそうだったかも」
仲の良い兄妹。
それが二人に対する周囲の印象だった。
いつもミセリは兄に付いていき、ドクオは可愛い妹を優しく扱っていた。
それが今では立場は逆。
ミセリのことを引きずっているのはドクオの方だ。
('A`)(……俺が、妹離れ出来てねぇんだろうな……)
ミセ*゚ー゚)リ「―――ねぇ、兄さん」
('A`)「ん? 何だ?」
30 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:47:13.85
ID:z5Jv2gdr0
ミセ*゚ー゚)リ「兄さんは、私が結婚して寂しくないの?」
突然の一言にドクオは一瞬戸惑った。
('A`)「……お前はどうなんだよ」
結局答えることは出来ず、話題をミセリに振る。
ミセ*゚ー゚)リ「私は……やっぱり、寂しいな。兄さんと離れ離れになっちゃうから」
('A`)「ばかやろう、盆と正月になったら会えるだろうが」
ミセ*゚ー゚)リ「それはそうだけど……」
('A`)「大体、もうお前は妻になるんだぞ? そんなことでどうする」
自分の心に嘘をつきながら、ドクオはミセリを諭す。
寂しいのは、俺もだよ。
彼の思うことはそれだけだった。
32 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:49:20.66
ID:z5Jv2gdr0
ミセ*゚ー゚)リ「……うん、そうだよね」
暗い表情を消し去って、再び笑みをこぼす。
('A`)「ああ、そうだ。やっぱりお前は笑っているのが一番だよ」
ミセ*゚ー゚)リ「兄さんはいつも不機嫌そうだけどねw」
('A`)「うっせぇw」
くすくすと笑い合う二人。
けれども、ドクオは心の中では泣いていた。
この穏やかな時間は、すぐにでも過ぎ去ってしまうから。
('A`)(こんなことじゃ、披露宴の挨拶では号泣しちまうな)
そんな事を考えながら、ドクオはぽりぽりと頭を掻く。
ミセリは星を眺めていた。
兄妹はいつまでも兄妹のままなのだろう。
そう思えてくるほどに、二人が並んでいる姿は微笑ましかった。
33 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:51:42.13
ID:z5Jv2gdr0
ミセ*゚ー゚)リ「……兄さん」
これまでと少し違う口調でミセリが兄に語りかける。
('A`)「なんだ? 急にかしこまって」
ミセ*゚ー゚)リ「兄さん、今まで有難うございました」
('A`)「っ……」
ミセ*゚ー゚)リ「私、ミセリは明日をもって嫁いでいきます。
……ここまで何事もなく平和に生きてこれたのも、
父さん母さん、そして兄さんのおかげです。
本当に、お世話になりました」
それはミセリの巣立ちの挨拶。
一つ一つの言葉がドクオの胸を打つ。
ミセ*゚ー゚)リ「そして……」
ミセ*;ー;)リ「……そして、私は幸せになります。
兄さんと過ごした日々のように、楽しい毎日を過ごせるよう、願い続けます。
だから、兄さんに、感謝の気持ちを一番に伝えます。
……ありがとう、お兄ちゃん」
37 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:53:52.35
ID:z5Jv2gdr0
込み上げてくる想いで一杯になるドクオ。
涙腺が緩みそうになるのを、ぐっと我慢してミセリに答える。
('A`)「……泣くんじゃねぇよ、ばかやろう」
兄として出来ることは、一つしかなかった。
('A`)「幸せになるんだろ? だったら笑えよ。
お前が泣いていたらこっちまで悲しくなっちまうぜ。
だからよ、笑いな。
言っただろ、お前は笑顔でいるのが一番だ」
そう言って、そっとミセリの肩に手を置く。
('A`)「それによ、今生の別れみたいに言うんじゃねぇ。
……お前はいつまでも俺の妹だよ」
ミセ*うー゚)リ「兄さん……」
('A`)「辛かったら、いつだって甘えてくれよ。
俺はまだお前にべったりなんだからな」
39 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:56:00.91
ID:z5Jv2gdr0
('A`)「あー、なんか湿っぽくなっちまったな!」
両手を上げて空元気な声を上げるドクオ。
そんな兄の姿を見て、ミセリも笑顔になる。
晴れやかな、心の底からの笑顔だった。
('A`)「おい、星を見ろよ! すげぇ綺麗じゃね?」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、本当だね」
('A`)「ほら、夏の大三角形だ。……つっても、それしか分からねぇけどな」
ミセ*゚ー゚)リ「私知ってるよ。
夏の大三角形はシリウス、ペテルギウス、プロキオンから成ってるんだよね」
('A`)「ほぉ、そうなのか」
ミセ*゚ー゚)リ「それでね、プロキオンはこいぬ座を形作る二つの星のうちの一つなんだよ」
('A`)「……全然分かんねぇ」
ミセ*゚ー゚)リ「でも、凄い綺麗だよね~」
('A`)「そうだな、綺麗だ」
40 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:57:48.97
ID:z5Jv2gdr0
煌く夜空が眼前に広がっている。
何よりも美しい自然のパノラマを、ドクオは満喫していた。
ミセ*゚ー゚)リ「……そういえば『プロキオン』って名前、ちゃんとした意味があるんだよ」
('A`)「ん? 何て意味なんだ」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、それはね。
『先立つ者』って意味だよ」
('A`)「……」
ミセ*゚ー゚)リ「お兄ちゃんも早くお嫁さん見つけた方がいいよw」
('A`)「うっせ、余計なお世話だw」
また二人、幾数もの星の下でけらけらと笑いあった。
ドクオは思う。
言葉にするのは恥ずかしいから、心の中でそっと言うよ。
結婚おめでとう、ミセリ。
総合に投下されたものです。
川 ゚ -゚)ブーン系小説練習+読み物&イラスト総合案内所のようです
流れ読まずに投下する
お題
・箱
・犬
・空
19 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:36:56.46
ID:z5Jv2gdr0
('A`)「おー、綺麗なもんだな」
星の輝く夜。
胸騒ぎの収まらないドクオは、一人庭先で夜空を見上げていた。
都会ではもう見られないと思っていた星空。
それが今夜はくっきりと見えている。
('A`)「あー、やっべ、寝られねぇなこれは」
髪の毛を掻き毟りながら独り言を漏らすドクオ。
落ち着きのない様子で、ぐるぐると辺りを歩きまわる。
庭に一本だけ植えられた大きな松の木。
幼い頃から自分を見守っていたこの家のシンボル。
彼はそれに手を付いて、小さな溜息をついた。
22 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:38:53.16
ID:z5Jv2gdr0
ミセ*゚ー゚)リ「兄さん、こんな所にいたんだ」
後ろから聞こえてきた声。
ドクオははっとして、慌てて振り返った。
ミセ*゚ー゚)リ「早く寝ないと式の時間までに起きられないよ?」
('A`)「んあぁ、大丈夫だって。普段もあんま寝てねぇし」
声の主であるミセリ―――妹に返答する。
ドクオを悩ませる原因。
それは明日行われる妹の結婚式のせいだ。
箱入り娘として家族の愛を一身に受けた妹が、あと数時間後には嫁いでいく。
そう考えるとドクオは不安で仕方がなかった。
('A`)「お前こそ寝た方がいいんじゃないか? 式の主役だぜ」
ミセ*゚ー゚)リ「平気だよー。もう子供じゃないもん」
('A`)「いやいや、ここは万全を期してだな……」
ミセ*゚ー゚)リ「兄さんは相変わらず心配症だねw」
25 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:41:01.08
ID:z5Jv2gdr0
無邪気に笑ってみせるミセリ。
ドクオはそんな妹の顔を見て、少し照れくさくなる。
('A`)「しかしあれだな、とうとうこの日が来ちまったんだな」
空を見上げたままミセリに話しかける。
('A`)「少し前まで子供だったような気がするのに、今や人様の嫁になるのか」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、変な感じ?」
('A`)「……ああ、そうだな」
幼き頃の日々を思い出す。
何も知らずに二人であちこち走り回った。
そして今。
あの屈託のない笑顔の少女が、こうして立派に成長して立っている。
ドクオは綺麗になった妹の姿を見て、感慨深げに思い出に浸った。
27 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:43:12.42
ID:z5Jv2gdr0
人並の家庭で人並の生活を送ってきた。
そんな彼の人生を彩ってきたのは、大事な大事な、たった一人の妹。
('A`)「……結婚、か」
ぼそりと呟くドクオ。
ミセ*゚ー゚)リ「寂しい?」
('A`)「うるせぇ、そんなんじゃねぇよ」
ミセ*゚ー゚)リ「本当かな~?」
('A`)「俺だっていつまでも子供じゃねぇんだぞ」
何気なく吐いた言葉。
だがそれは本心とは遠く離れたものだった。
本当は寂しくて。
心にぽっかりと穴が空いたような気分に陥っていた。
29 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:45:22.07
ID:z5Jv2gdr0
('A`)「そういや、お前は昔は俺にべったりだったよな」
ミセ*゚ー゚)リ「え~、そうかな?」
('A`)「そうだって。毎日『お兄ちゃん、お兄ちゃん!』って俺の後ろを追いかけてたぞ」
ミセ*゚ー゚)リ「うーん、そう言われるとそうだったかも」
仲の良い兄妹。
それが二人に対する周囲の印象だった。
いつもミセリは兄に付いていき、ドクオは可愛い妹を優しく扱っていた。
それが今では立場は逆。
ミセリのことを引きずっているのはドクオの方だ。
('A`)(……俺が、妹離れ出来てねぇんだろうな……)
ミセ*゚ー゚)リ「―――ねぇ、兄さん」
('A`)「ん? 何だ?」
30 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:47:13.85
ID:z5Jv2gdr0
ミセ*゚ー゚)リ「兄さんは、私が結婚して寂しくないの?」
突然の一言にドクオは一瞬戸惑った。
('A`)「……お前はどうなんだよ」
結局答えることは出来ず、話題をミセリに振る。
ミセ*゚ー゚)リ「私は……やっぱり、寂しいな。兄さんと離れ離れになっちゃうから」
('A`)「ばかやろう、盆と正月になったら会えるだろうが」
ミセ*゚ー゚)リ「それはそうだけど……」
('A`)「大体、もうお前は妻になるんだぞ? そんなことでどうする」
自分の心に嘘をつきながら、ドクオはミセリを諭す。
寂しいのは、俺もだよ。
彼の思うことはそれだけだった。
32 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:49:20.66
ID:z5Jv2gdr0
ミセ*゚ー゚)リ「……うん、そうだよね」
暗い表情を消し去って、再び笑みをこぼす。
('A`)「ああ、そうだ。やっぱりお前は笑っているのが一番だよ」
ミセ*゚ー゚)リ「兄さんはいつも不機嫌そうだけどねw」
('A`)「うっせぇw」
くすくすと笑い合う二人。
けれども、ドクオは心の中では泣いていた。
この穏やかな時間は、すぐにでも過ぎ去ってしまうから。
('A`)(こんなことじゃ、披露宴の挨拶では号泣しちまうな)
そんな事を考えながら、ドクオはぽりぽりと頭を掻く。
ミセリは星を眺めていた。
兄妹はいつまでも兄妹のままなのだろう。
そう思えてくるほどに、二人が並んでいる姿は微笑ましかった。
33 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:51:42.13
ID:z5Jv2gdr0
ミセ*゚ー゚)リ「……兄さん」
これまでと少し違う口調でミセリが兄に語りかける。
('A`)「なんだ? 急にかしこまって」
ミセ*゚ー゚)リ「兄さん、今まで有難うございました」
('A`)「っ……」
ミセ*゚ー゚)リ「私、ミセリは明日をもって嫁いでいきます。
……ここまで何事もなく平和に生きてこれたのも、
父さん母さん、そして兄さんのおかげです。
本当に、お世話になりました」
それはミセリの巣立ちの挨拶。
一つ一つの言葉がドクオの胸を打つ。
ミセ*゚ー゚)リ「そして……」
ミセ*;ー;)リ「……そして、私は幸せになります。
兄さんと過ごした日々のように、楽しい毎日を過ごせるよう、願い続けます。
だから、兄さんに、感謝の気持ちを一番に伝えます。
……ありがとう、お兄ちゃん」
37 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:53:52.35
ID:z5Jv2gdr0
込み上げてくる想いで一杯になるドクオ。
涙腺が緩みそうになるのを、ぐっと我慢してミセリに答える。
('A`)「……泣くんじゃねぇよ、ばかやろう」
兄として出来ることは、一つしかなかった。
('A`)「幸せになるんだろ? だったら笑えよ。
お前が泣いていたらこっちまで悲しくなっちまうぜ。
だからよ、笑いな。
言っただろ、お前は笑顔でいるのが一番だ」
そう言って、そっとミセリの肩に手を置く。
('A`)「それによ、今生の別れみたいに言うんじゃねぇ。
……お前はいつまでも俺の妹だよ」
ミセ*うー゚)リ「兄さん……」
('A`)「辛かったら、いつだって甘えてくれよ。
俺はまだお前にべったりなんだからな」
39 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:56:00.91
ID:z5Jv2gdr0
('A`)「あー、なんか湿っぽくなっちまったな!」
両手を上げて空元気な声を上げるドクオ。
そんな兄の姿を見て、ミセリも笑顔になる。
晴れやかな、心の底からの笑顔だった。
('A`)「おい、星を見ろよ! すげぇ綺麗じゃね?」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、本当だね」
('A`)「ほら、夏の大三角形だ。……つっても、それしか分からねぇけどな」
ミセ*゚ー゚)リ「私知ってるよ。
夏の大三角形はシリウス、ペテルギウス、プロキオンから成ってるんだよね」
('A`)「ほぉ、そうなのか」
ミセ*゚ー゚)リ「それでね、プロキオンはこいぬ座を形作る二つの星のうちの一つなんだよ」
('A`)「……全然分かんねぇ」
ミセ*゚ー゚)リ「でも、凄い綺麗だよね~」
('A`)「そうだな、綺麗だ」
40 名前: ('A`)は祝福するようです 投稿日: 2007/08/06(月) 23:57:48.97
ID:z5Jv2gdr0
煌く夜空が眼前に広がっている。
何よりも美しい自然のパノラマを、ドクオは満喫していた。
ミセ*゚ー゚)リ「……そういえば『プロキオン』って名前、ちゃんとした意味があるんだよ」
('A`)「ん? 何て意味なんだ」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、それはね。
『先立つ者』って意味だよ」
('A`)「……」
ミセ*゚ー゚)リ「お兄ちゃんも早くお嫁さん見つけた方がいいよw」
('A`)「うっせ、余計なお世話だw」
また二人、幾数もの星の下でけらけらと笑いあった。
ドクオは思う。
言葉にするのは恥ずかしいから、心の中でそっと言うよ。
結婚おめでとう、ミセリ。
総合に投下されたものです。
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