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121 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 16:50:55
「風鈴」
ある夏の日。
縁側にて涼んでいる、とある老夫婦がおりました。
('、`*川「おじいさん、今日も暑いですねぇ」
/ ,' 3「あぁおばあさん。とても暑いのう」
('、`*川「えぇ……でも」
チリンチリーン
('、`*川「風鈴の音が、気持ちいいですね」
/ ,' 3「風が来るからのぅ」
チリンチリーン
おばあさんは思いました。
夏は何て良いものなのか、と。
122 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 16:51:15
そんな、風鈴の鳴る日がいくつか続くと同時に、
おじいさんの気分は沈んでいきました。
そして、ある日おばあさんは問いかけました。
('、`*川「おじいさん、具合でも悪いのですか?」
/ ,' 3「あぁ……おばあさん、これを……」
おじいさんは自分の懐から何かを取り出し、
おばあさんに手渡しました。
それは、手紙でした。
('、`*川「これは……?」
/ ,' 3「少し前にな……」
おばあさんは、既に開封済みのその手紙を見ました。
" うるさい "
手紙には、それしか書かれていなかった。
123 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 16:51:51
('、`*川「何か、騒がしいものでもあるのでしょうか……?」
おばあさんは、家を見渡す。
洗濯機、風呂、台所……
テレビも見ないこの老夫婦の家には、目立って"うるさい"ものは無かった。
/ ,' 3「……さぁの」
この手紙の主は、何か勘違いをしてるのではないか……
おばあさんは、そんなことを考えていた。
次の日。
おばあさんは早起きして、玄関を掃除していたところ、
郵便受けに手紙が入っているのを発見した。
あの手紙と、同じ形状のものだ―――
おばあさんは嫌な予感を感じながらも、手紙を開いた。
" うるさいと 言っているだろう "
手紙には、それしか書かれていなかった。
124 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 16:52:42
おばあさんは、段々と恐怖を感じていった。
何故、何が、 全く意味が分からないのだから。
おじいさんが目覚めたので、早速おばあさんは報告をする。
('、`*川「おじいさんおじいさん! 今日も来ましたよ」
寝ぼけ眼のおじいさんは、こう答えた。
/ ,' 3「何がうるさいのか、考えにゃぁ……」
しかし、まだおばあさんには、何がうるさいのかが分からない。
チリンチリーン。風鈴の音が響いても、おばあさんの心は癒されなかった。
昼になり、宅急便が届いた。
送り主は、不思議なことにおばあさんの実家表記だった。
もう、無いはずなのに……
おばあさんは、当惑しながらも、その宅急便のダンボールを開けた。
125 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 16:53:08
" うるさいと言っているだろう! "
ダンボールを開けるとまず、その言葉が記されてる紙が見えた。
そして、その奥には
('、`*川「いやぁぁぁああああああああ!!!!!」
目を、見開き、それは呪いを連想させるかのような表情。
血塗られた胴体、ダルマのように、手足も尻尾もない。
ネコの死体が、存在していた。
126 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 21:12:40
おばあさんは、段々と衰弱していった。
「何がうるさいのか」、「誰が送り主なのか」が口癖となるほどに。
警察に連絡しても、その犯人は分からず。
そんな、虚ろになっていくおばあさんを支えたのは、
おじいさんだった。
/ ,' 3「おばあさん、大丈夫じゃ。ワシが守ってあげるからの」
('、`*川「おじいさん……」
そして鳴る風鈴。
おばあさんは僅かながらも、救われた。
しかし、嫌がらせは止まらない。
あのネコの死体から切り取った、手足が一本ずつ家の目の前に置かれていったり
カミソリの入った封筒が届いたり。
そして、そんな異常な毎日が続くある日。
突然おじいさんは、死んだ。
127 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 21:13:30
葬儀は慎ましやかに行われた。
それはおじいさんの人生を表すかのような、葬儀だった。
死因は老衰。
おじいさんがお墓に入れられた頃から、
手紙や、嫌がらせは届かなくなりました。
しかしおばあさんは、おじいさんの死んでしまったというショックのせいで、
そんなことは忘れてしまっていました。
('、`*川「おじいさん……」
風鈴がチリンチリーンと鳴ります、まだ夏は終わっていません。
そして、ある日おばあさんは、おじいさんの部屋にて
あるものを発見しました。
128 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 21:13:51
('、`*川「これは……?」
それは、机の引き出しにありました。
大量の手紙、それも あの嫌がらせの手紙と全く同じタイプの。
そして、その引き出しの奥。
一冊のノートがありました。
('、`*川「………」
おばあさんは、震える手でそのノートを開き、
の ぞ き こ み ま し た 。
"おばあさんが、いくら言ってもあの風鈴を外してくれない。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさい。うるさい。死ね。死ね。死ね。"
129 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 21:21:01
( ゚∋゚)「っつー話なわけよ」
('A`)「あんた連続で話してたんですか」
( ^ω^)「何でおじいさん直接言わないのかお?」
(´・ω・`)「そういう人もいるさ、恥ずかしがり屋とかね」
( ^ω^)「そんなもんかお」
( ゚∋゚)「おうドクオ、酒とツマミ買ってこいや」
('A`)「あんたまだここに居るつもりですか」
( ゚∋゚)「ほんだらな、次のお題は「とある一日の生活」でどうじゃ。
それとなドクオ、俺はビール嫌いじゃけえ、買うんは日本酒な」
クックルは蝋燭に唾を吐きかけ、その火を消す。
「風鈴」
ある夏の日。
縁側にて涼んでいる、とある老夫婦がおりました。
('、`*川「おじいさん、今日も暑いですねぇ」
/ ,' 3「あぁおばあさん。とても暑いのう」
('、`*川「えぇ……でも」
チリンチリーン
('、`*川「風鈴の音が、気持ちいいですね」
/ ,' 3「風が来るからのぅ」
チリンチリーン
おばあさんは思いました。
夏は何て良いものなのか、と。
122 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 16:51:15
そんな、風鈴の鳴る日がいくつか続くと同時に、
おじいさんの気分は沈んでいきました。
そして、ある日おばあさんは問いかけました。
('、`*川「おじいさん、具合でも悪いのですか?」
/ ,' 3「あぁ……おばあさん、これを……」
おじいさんは自分の懐から何かを取り出し、
おばあさんに手渡しました。
それは、手紙でした。
('、`*川「これは……?」
/ ,' 3「少し前にな……」
おばあさんは、既に開封済みのその手紙を見ました。
" うるさい "
手紙には、それしか書かれていなかった。
123 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 16:51:51
('、`*川「何か、騒がしいものでもあるのでしょうか……?」
おばあさんは、家を見渡す。
洗濯機、風呂、台所……
テレビも見ないこの老夫婦の家には、目立って"うるさい"ものは無かった。
/ ,' 3「……さぁの」
この手紙の主は、何か勘違いをしてるのではないか……
おばあさんは、そんなことを考えていた。
次の日。
おばあさんは早起きして、玄関を掃除していたところ、
郵便受けに手紙が入っているのを発見した。
あの手紙と、同じ形状のものだ―――
おばあさんは嫌な予感を感じながらも、手紙を開いた。
" うるさいと 言っているだろう "
手紙には、それしか書かれていなかった。
124 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 16:52:42
おばあさんは、段々と恐怖を感じていった。
何故、何が、 全く意味が分からないのだから。
おじいさんが目覚めたので、早速おばあさんは報告をする。
('、`*川「おじいさんおじいさん! 今日も来ましたよ」
寝ぼけ眼のおじいさんは、こう答えた。
/ ,' 3「何がうるさいのか、考えにゃぁ……」
しかし、まだおばあさんには、何がうるさいのかが分からない。
チリンチリーン。風鈴の音が響いても、おばあさんの心は癒されなかった。
昼になり、宅急便が届いた。
送り主は、不思議なことにおばあさんの実家表記だった。
もう、無いはずなのに……
おばあさんは、当惑しながらも、その宅急便のダンボールを開けた。
125 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 16:53:08
" うるさいと言っているだろう! "
ダンボールを開けるとまず、その言葉が記されてる紙が見えた。
そして、その奥には
('、`*川「いやぁぁぁああああああああ!!!!!」
目を、見開き、それは呪いを連想させるかのような表情。
血塗られた胴体、ダルマのように、手足も尻尾もない。
ネコの死体が、存在していた。
126 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 21:12:40
おばあさんは、段々と衰弱していった。
「何がうるさいのか」、「誰が送り主なのか」が口癖となるほどに。
警察に連絡しても、その犯人は分からず。
そんな、虚ろになっていくおばあさんを支えたのは、
おじいさんだった。
/ ,' 3「おばあさん、大丈夫じゃ。ワシが守ってあげるからの」
('、`*川「おじいさん……」
そして鳴る風鈴。
おばあさんは僅かながらも、救われた。
しかし、嫌がらせは止まらない。
あのネコの死体から切り取った、手足が一本ずつ家の目の前に置かれていったり
カミソリの入った封筒が届いたり。
そして、そんな異常な毎日が続くある日。
突然おじいさんは、死んだ。
127 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 21:13:30
葬儀は慎ましやかに行われた。
それはおじいさんの人生を表すかのような、葬儀だった。
死因は老衰。
おじいさんがお墓に入れられた頃から、
手紙や、嫌がらせは届かなくなりました。
しかしおばあさんは、おじいさんの死んでしまったというショックのせいで、
そんなことは忘れてしまっていました。
('、`*川「おじいさん……」
風鈴がチリンチリーンと鳴ります、まだ夏は終わっていません。
そして、ある日おばあさんは、おじいさんの部屋にて
あるものを発見しました。
128 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 21:13:51
('、`*川「これは……?」
それは、机の引き出しにありました。
大量の手紙、それも あの嫌がらせの手紙と全く同じタイプの。
そして、その引き出しの奥。
一冊のノートがありました。
('、`*川「………」
おばあさんは、震える手でそのノートを開き、
の ぞ き こ み ま し た 。
"おばあさんが、いくら言ってもあの風鈴を外してくれない。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。うるさいのに。
うるさいのに。うるさい。うるさい。死ね。死ね。死ね。"
129 :キレイキレイ ◆tOPTGOuTpU :2007/07/20(金) 21:21:01
( ゚∋゚)「っつー話なわけよ」
('A`)「あんた連続で話してたんですか」
( ^ω^)「何でおじいさん直接言わないのかお?」
(´・ω・`)「そういう人もいるさ、恥ずかしがり屋とかね」
( ^ω^)「そんなもんかお」
( ゚∋゚)「おうドクオ、酒とツマミ買ってこいや」
('A`)「あんたまだここに居るつもりですか」
( ゚∋゚)「ほんだらな、次のお題は「とある一日の生活」でどうじゃ。
それとなドクオ、俺はビール嫌いじゃけえ、買うんは日本酒な」
クックルは蝋燭に唾を吐きかけ、その火を消す。
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