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52 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:23:08
第六話『お題:太陽』
その昔のことだ。
戦や国、首を取り合うような時代。
山奥で隣国から関わりを断絶された村があったそうな。
その村には奇妙な……いや、村人には奇妙には思わないだろうが。
端から見るととても奇妙な風習があったそうな。
『太陽に生贄を捧げる』
53 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:24:25
村人達は夏のとある日を境に、木を切りだして櫓を建てる。
高く高く……太陽に近づくように。
櫓のてっぺんに生贄を向かわせ、自害させる。
頚動脈の辺りに小刀をぶすりと。そこから喉へずぶりずぶり。
当然血は吹き出し、生贄は死ぬわけだが、そこからが気持ち悪い。
生贄は狂ったように、血を搾り出すように、
自らが死に絶えるその瞬間まで小刀で体中を刺し続けるそうな。
血の一滴も残さず太陽に命を捧げる。
その後、櫓は火を点けられる。
燃えあがる炎は血の脂もあってか、勢いは強い。
まるで天を突くように……。
54 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:26:53
村人達は踊り明かし、その年の豊作を願う。
ある年のことだ。村人の一人がふと口にした。
('A`)「生贄をしてもしなくても、違いはあるんでしょうか?」
翌日、その男は姿を消したらしい。
彼について話題を出す者はほとんどいなかった。
55 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:28:47
生贄を捧げるのが村であり、太陽を崇めなければ生きていけない。
そんな風習に姿を消した男の友人も疑問を持つようになった。
(´・ω・`)「おかしいだろマジで」
今年も生贄を捧げる季節がくる。
櫓を作るのは村人総出でだ。
今回の生贄は、ツン。ブーンの妻である。
( ^ω^)「ツン、頑張って太陽様の一部となるんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ……ええ! 私頑張るわ!」
その様子に、太眉毛の男は思った。
(´・ω・`)(おかしいよ……皆)
人間は洗脳でもされないかぎり、個人個人の考え方は違う。そのはずだ。
当然この村の中にも男のように疑問に感じるものもいる。
眉毛の男はそう思った。
(´・ω・`)「ツン……」
……
…
56 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:30:17
太陽が山の中に隠れ、夜も深くなった頃。
ξ゚⊿゚)ξ(生贄かぁ……)
( ‐ω‐)zzZ
ξ゚⊿゚)ξ(呑気に寝ちゃって……)
儀式を前日に控える。
ツンはブーンの手前、頑張るとは言ったものの、
心の奥底では生贄になることに、正直疑問を感じていた。
ξ゚⊿゚)ξ(死にたくないよ……でも)
でも、ツンの母も数年前に生贄となっていた。
死を目の前にして、トチ狂ったような顔。
母の最後の姿は何かに憑りつかれたようでもあった。
母について思い出すのはこのことばかり。
それほど目の裏に焼きついて離れない記憶なのだ。
57 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:31:13
トントン
ξ゚⊿゚)ξ(?)
戸を叩く音。
ξ゚⊿゚)ξ(誰かしら?)
(´・ω・`)(僕だよ、ショボンだよ)
ξ゚⊿゚)ξ(ショボン? どうしたの?)
戸を静かに開け、外へ。
ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの?」
(´・ω・`)「いやね、君は生贄についてどう思ってるのかな、と」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
(´・ω・`)「いいんだよ。ここで話すことは口外しない」
ξ゚⊿゚)ξ「その……やっぱり、私、死にたくない」
58 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:32:44
(´・ω・`)「……おかしいよ、こんなの」
ξ゚⊿゚)ξ「おかしい、わね」
(´・ω・`)「なんであの太陽なんかに生贄を捧げなきゃいけないのさ」
と、その時だ。
「ツン……ショボン……おまえたち……」
戸の奥から声がする。やや高めで、気が抜けたような。
それでいてアンバランスさを感じさせる怒りの篭った声が近づいて、戸が開いた。
( ^ω^)「嘘だお? ツン。ツンは太陽様を貶したりしないお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン……!」
(´・ω・`)「クソ野郎め」
鈍く低い打撃音が響き、ブーンは地へ伏せた。
ξ;゚⊿゚)ξ「ショボ……」
(´・ω・`)「さぁ、逃げよう。山の奥まで入れば逃げ切れるさ」
近くにあった木の棒で思いきり額を叩き、
ブーンの血がついたそれを捨てる。
二人は静かに、そしてできる限り素早く山へと逃げ出した。
59 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:33:54
―翌朝―
村は大騒ぎだ。
気がついたブーンから様子を聞いた村人達は、
血眼になって二人を追う。
儀式を執り行う正午まで、あと一時間程。
―山中―
(´・ω・`)「ここまで逃げればもう大丈夫かな」
ξ;゚⊿゚)ξ「大丈夫かしら」
(´・ω・`)「大体ね、生贄を捧げなきゃ何が起こるっていうんだい?
不条理だよ、全く」
違う、違うのだ。
60 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:35:32
ショボンの考えは間違っていたのだ。
正午、太陽が一番強く輝く時。
村人達とショボン、そしてツンは忽然と姿を消した。
村人は知っていたのかもしれない。
太陽は生物にとって最大の神なのであると。
神は、悪魔にもなれることを。
何故皆が消えたのかは、今となっては誰も知り得ることはできない。
廃墟となった村がポツリと残っているだけだ。
61 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:37:45
('A`)「……と、いうわけでやんす」
フッ、と一息。
蝋燭の火は煙の臭いをほのかに残して消えた。
('A`)「そうな、そうなを序盤に使ったが、雰囲気は微塵もでないよね」
('A`)「次はどっちだ? 聞いてやんよ」
(´・ω・`)「そんなことよりSIRENやろうぜ」
(;^ω^)「こういう時にそんなゲームを出しちゃいけないお」
m9(^ω^)9m「ネクストコナンズヒィーンツ!!!!!!!!!!!」
('A`)「お題のことな」
(^ω^)「『灯火』だおwwwwwwっうぇwwwゲホッゲホッ」
(´・ω・`)「ムセちゃあ、だめじゃないかな」
第六話『お題:太陽』
その昔のことだ。
戦や国、首を取り合うような時代。
山奥で隣国から関わりを断絶された村があったそうな。
その村には奇妙な……いや、村人には奇妙には思わないだろうが。
端から見るととても奇妙な風習があったそうな。
『太陽に生贄を捧げる』
53 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:24:25
村人達は夏のとある日を境に、木を切りだして櫓を建てる。
高く高く……太陽に近づくように。
櫓のてっぺんに生贄を向かわせ、自害させる。
頚動脈の辺りに小刀をぶすりと。そこから喉へずぶりずぶり。
当然血は吹き出し、生贄は死ぬわけだが、そこからが気持ち悪い。
生贄は狂ったように、血を搾り出すように、
自らが死に絶えるその瞬間まで小刀で体中を刺し続けるそうな。
血の一滴も残さず太陽に命を捧げる。
その後、櫓は火を点けられる。
燃えあがる炎は血の脂もあってか、勢いは強い。
まるで天を突くように……。
54 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:26:53
村人達は踊り明かし、その年の豊作を願う。
ある年のことだ。村人の一人がふと口にした。
('A`)「生贄をしてもしなくても、違いはあるんでしょうか?」
翌日、その男は姿を消したらしい。
彼について話題を出す者はほとんどいなかった。
55 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:28:47
生贄を捧げるのが村であり、太陽を崇めなければ生きていけない。
そんな風習に姿を消した男の友人も疑問を持つようになった。
(´・ω・`)「おかしいだろマジで」
今年も生贄を捧げる季節がくる。
櫓を作るのは村人総出でだ。
今回の生贄は、ツン。ブーンの妻である。
( ^ω^)「ツン、頑張って太陽様の一部となるんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ……ええ! 私頑張るわ!」
その様子に、太眉毛の男は思った。
(´・ω・`)(おかしいよ……皆)
人間は洗脳でもされないかぎり、個人個人の考え方は違う。そのはずだ。
当然この村の中にも男のように疑問に感じるものもいる。
眉毛の男はそう思った。
(´・ω・`)「ツン……」
……
…
56 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:30:17
太陽が山の中に隠れ、夜も深くなった頃。
ξ゚⊿゚)ξ(生贄かぁ……)
( ‐ω‐)zzZ
ξ゚⊿゚)ξ(呑気に寝ちゃって……)
儀式を前日に控える。
ツンはブーンの手前、頑張るとは言ったものの、
心の奥底では生贄になることに、正直疑問を感じていた。
ξ゚⊿゚)ξ(死にたくないよ……でも)
でも、ツンの母も数年前に生贄となっていた。
死を目の前にして、トチ狂ったような顔。
母の最後の姿は何かに憑りつかれたようでもあった。
母について思い出すのはこのことばかり。
それほど目の裏に焼きついて離れない記憶なのだ。
57 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:31:13
トントン
ξ゚⊿゚)ξ(?)
戸を叩く音。
ξ゚⊿゚)ξ(誰かしら?)
(´・ω・`)(僕だよ、ショボンだよ)
ξ゚⊿゚)ξ(ショボン? どうしたの?)
戸を静かに開け、外へ。
ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの?」
(´・ω・`)「いやね、君は生贄についてどう思ってるのかな、と」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
(´・ω・`)「いいんだよ。ここで話すことは口外しない」
ξ゚⊿゚)ξ「その……やっぱり、私、死にたくない」
58 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:32:44
(´・ω・`)「……おかしいよ、こんなの」
ξ゚⊿゚)ξ「おかしい、わね」
(´・ω・`)「なんであの太陽なんかに生贄を捧げなきゃいけないのさ」
と、その時だ。
「ツン……ショボン……おまえたち……」
戸の奥から声がする。やや高めで、気が抜けたような。
それでいてアンバランスさを感じさせる怒りの篭った声が近づいて、戸が開いた。
( ^ω^)「嘘だお? ツン。ツンは太陽様を貶したりしないお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン……!」
(´・ω・`)「クソ野郎め」
鈍く低い打撃音が響き、ブーンは地へ伏せた。
ξ;゚⊿゚)ξ「ショボ……」
(´・ω・`)「さぁ、逃げよう。山の奥まで入れば逃げ切れるさ」
近くにあった木の棒で思いきり額を叩き、
ブーンの血がついたそれを捨てる。
二人は静かに、そしてできる限り素早く山へと逃げ出した。
59 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:33:54
―翌朝―
村は大騒ぎだ。
気がついたブーンから様子を聞いた村人達は、
血眼になって二人を追う。
儀式を執り行う正午まで、あと一時間程。
―山中―
(´・ω・`)「ここまで逃げればもう大丈夫かな」
ξ;゚⊿゚)ξ「大丈夫かしら」
(´・ω・`)「大体ね、生贄を捧げなきゃ何が起こるっていうんだい?
不条理だよ、全く」
違う、違うのだ。
60 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:35:32
ショボンの考えは間違っていたのだ。
正午、太陽が一番強く輝く時。
村人達とショボン、そしてツンは忽然と姿を消した。
村人は知っていたのかもしれない。
太陽は生物にとって最大の神なのであると。
神は、悪魔にもなれることを。
何故皆が消えたのかは、今となっては誰も知り得ることはできない。
廃墟となった村がポツリと残っているだけだ。
61 : 街 ◆ERGS03OiNo :2007/07/14(土) 00:37:45
('A`)「……と、いうわけでやんす」
フッ、と一息。
蝋燭の火は煙の臭いをほのかに残して消えた。
('A`)「そうな、そうなを序盤に使ったが、雰囲気は微塵もでないよね」
('A`)「次はどっちだ? 聞いてやんよ」
(´・ω・`)「そんなことよりSIRENやろうぜ」
(;^ω^)「こういう時にそんなゲームを出しちゃいけないお」
m9(^ω^)9m「ネクストコナンズヒィーンツ!!!!!!!!!!!」
('A`)「お題のことな」
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