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76 :料理人 ◆.B2lcGiYSA :2007/07/17(火) 23:05:34
(´・ω・`)『次はそうだな……子どm』
その声が終わるか終わらないかのタイミングであたしは立ち上がり、手を挙げていた。
勢いで、目の前に置かれた【お~い きゅーかんばー】のペットボトルがひっくり返るが
そんな事は気にしていられない。
誰かの話を只聞かされるだけなんて、あたしの沽券に関わる問題さっ。
(*゚∀゚)『ハイハイハイ!! 次あたし!! あたしがやるっ!!』
(´・ω・`)『まぁ…いいけどさ』
ショボンが『なんでこの喧しい馬鹿女がココにいるんだ? ぶち殺すぞ』とでも言いたげな目で
あたしを見る。
(´・ω・`)『お題は 子供 だよ。ちゃんと話は出来るんだろうね?』
(;*゚∀゚)『…うっ!!』
( ^ω^)『wktkだお』
(;*゚∀゚)『…ううっ!!!』
('A`)『秒速で支援しないとな』
(;*゚∀゚)『…うううっ!!!!』
この期に及んで『勢いで挙手しました』なんて言える雰囲気じゃない。
あ、ちなみに『ふいんき』だと変換できないよっ!!
正確には『ふんいき』だからねっ!!
77 :料理人 ◆.B2lcGiYSA :2007/07/17(火) 23:06:36
(*゚∀゚)『ば、馬鹿を言うんじゃないよっ!! 口先の魔術師と言われたつー様の実力を見せてやるさっ!!』
言いながらあたしは必死に脳細胞をフル活動させる。
(;*゚∀゚)。oO(そうだ。これで行こう!!)
知人から聞いた体験談。
その知人が丸一日部屋に閉じこもるほどの恐怖体験。
あたしはゆっくりと口を開いた。
(*゚∀゚)『…これは本当にあった話。日常に潜む闇に纏わるお話さっ…』
(´・ω・`)『日常の中の恐怖か…。意外だね。君にしては本格的じゃないか』
('A`)『茶化すなよ、ショボン』
ふざけ合う2人だけど、その目は笑っていない。
心臓の鼓動すら聞こえるような静寂の中で、
ドクオが指に挟んだ煙草の灰が引き寄せられるように…ぽとりと落ちる。
(*゚∀゚)『あたしの友達がね。先週デパートに買い物に行ったさ。
夏用の下着…ちょっとチラ見せなんてありきたりなのを買おうと思ったらしくてね』
ξ゚⊿゚)ξ『……』
(*゚∀゚)『そこで彼女は近所に住む女の子(小学4年生)とバッタリ遭遇してね。
その時。彼女は。見てしまったのさ。何を? …なんだと思う?』
誰かが生唾を飲む音が聞こえた。
78 :料理人 ◆.B2lcGiYSA :2007/07/17(火) 23:07:59
あたしの問いに答える者は誰もいなかった。
沈黙を解答と判断したあたしは言葉を続ける。
(*゚∀゚)『その女の子が持っていたのは、Bカップサイズのブラ…。
なんと驚く事に、彼女は小学4年生に乳サイズを追い越されr』
ξ∩>⊿<)ξ『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
突然ツンが両耳を押さえ、大声をあげたさっ。
嫌々をする様に激しく左右に首を振って…。
( ゚ω゚)『ツンッ!!』
ブーンがツンに駆け寄り、肩を抱きかかえた。
ちっ。見せ付けるんじゃないよっ!!
( ゚ω゚)『酷いお!! ひんぬー設定がデフォのツンにはあまりにも恐ろしい話だお!!』
从;゚∀从『あぁ…だが、これはちょっとした恐怖だぜ…』
川 ;゚ -゚)『うむ…。最近の子供の成長の早さには目を見張る物がある。
いつ私達も同じ体験をするとも限らんぞ』
恐怖に顔を引きつらせる女性陣に満足したあたしは、悠々と蝋燭の火を消す為に立ち上がる。
が。
(´・ω・`)『待ちたまえ』
あたしの肩をショボンが掴んだ。
(´・ω・`)『まさかとは思うけど…こんな自虐ネタで場を濁らせて終了とか…考えてないよね?』
(;*゚∀゚)『…ななななななな何を言ってるさ、この垂れ眉毛はっ!!
第一、自虐ネタとか意味が分からないよっ!!』
79 :料理人 ◆.B2lcGiYSA :2007/07/17(火) 23:10:17
(´・ω・`)『そんなんでリーダー? 口先の魔術師? ふざけるな。ぶち殺すぞ』
いつの間にか。その拳にはメリケンサックが装備されている。
やばい。
このままじゃ、血の惨劇をこの場で展開しちまうよっ!!
本能的に察したあたしは、後頭部を掻きながら座りなおす。
(;*゚∀゚)『あ、当たり前さっ!! 今のはちょっとした前振りだよっ!!』
从 ゚∀从『なんだそりゃwww』
(´・ω・`)『ですよねー。当然ですよねー』
その拳から凶器は消えていた。
でも、油断は出来ない。
一つ間違えたらあたしは『東京湾か? 歌舞伎町の特殊浴場か?』
沈む場所を選ばなくちゃならなくなるさっ…。
(;*゚∀゚)。oO(次からは、行動に出る前に3秒でいいから物事考えるようにしないと駄目さ…)
身の危険を感じ取ったあたしは、本当に合っためがっさ怖い話を語り出す。
誰にも話した事の無い。
あの夏の日の出来事を。
(*゚∀゚)『これから話すのはあたしの体験談。
さっきの友達と肝試しに行った時の話さ』
閉めきった部屋。
どこからともなく風が吹き、蝋燭の火が揺れた。
80 :料理人 ◆.B2lcGiYSA :2007/07/17(火) 23:12:24
幽霊が出るトンネル。
自殺者が多発する森。
写真に霊が現れる神社。
そんな心霊スポットはどこにでもあると思う。
(´・ω・`)『…どこにでもあってたまるか』
ショボンの冷静なツッコミをスルー。
あたしは続けた。
(*゚∀゚)『あたしらの地元じゃ、火災で廃止された病院ってのが有名でね。
乳幼児から老人まで。複数の死者を出しながらも…
何故か壊されずに放置されている病院が肝試しスポットだったんだよっ』
金網を潜り、一部踏み固められた雑草を掻き分けて進むと…その建物の入口に着く。
そこにあった筈の自動ドアは、その存在の形跡すら残してなかった。
その代わりと言っちゃなんだけど、ゴミの詰まったコンビニ袋。空き缶。
花火や煙草の燃えカス。何故か当然のように下着や使い終えた避妊具があたりに散らばってたさ。
あ、そう言えば海岸にいちじく浣腸の容器が打ち上げられているのは何でだろうねっ!!
(*゚∀゚)『メンバーはあたしを入れて女4人、男3人。
当時のあたしらは思慮分別なんてまるで無い年頃だったからねっ。
全く躊躇せず中に入っていったさ』
(´・ω・`)『まるで今は思慮分別があるみたいな言い方だね』
( ;^ω^)『…ショボン。ちょっと静かにするお』
2人のヒソヒソ声が止んだのを確認してからあたしは話を続ける。
81 :料理人 ◆.B2lcGiYSA :2007/07/17(火) 23:13:18
(*゚∀゚)『入口を潜ると、まずそこはロビーだった。
やっぱり荒れ放題で…場違いな鈴虫の声が綺麗だったのを今でも覚えてるさっ』
一人が準備良く持ってきた懐中電灯の灯りを頼りに探検が始まった。
入口付近は荒れ果てていたけど、奥に進むに連れゴミの量は減っていったさ。
意外なのがね。
建物は放置されてるくせに、その中の機材は殆ど残ってなかったんだよっ。
(*゚∀゚)『所々、ロッカーが倒れてたりするだけでさっ。
ベッドなんかの類は全く残ってなかったんだっ。
知ってるかいっ!? ベッドもカーテンも無い病院って…全く病院っぽくないんだよ』
あの特徴的な消毒液の匂いもない。
鼻につくのは誰かの汗の匂いと、濡れた雑草の匂い。
(*゚∀゚)『…ここは死んでいる病院なんだなぁ。あたしは、ふっとそう思ったさっ』
そこであたしは、自分の喉がやけに粘りついているのを感じた。
目の前の【お~い きゅーかんばー】の蓋を開け、
一口流し込む。
お茶の持つタンニンの渋みと、胡瓜の爽やかな苦味が口の中で踊った。
不愉快だ。
(*゚∀゚)『まぁ、実際そん時感じたのは…慣れちゃえば只の人気が無い建物なんだよねっ。
調子に乗ったあたしらは階段を登り、奥へ奥へと探検を続けたさっ。
やがて、小さなベッドが散らばった部屋に辿り着いてねっ。
あたしらはそこでちょっと休憩しようと思いついたさっ』
♂『ちゃんとしたベッドがあればそこでセクロスktkrだったんだけどよwww』
♀『ねーよwww』
♂『あ、俺分娩台プレイしたかったwwwナースの制服つきでwww』
♀『死ねwww』
緊張の糸が切れた事に由来する異常なテンションの高まり。
全く面白くないはずのネタに盛り上がったよっ。
(*゚∀゚)『…異常が起こったのは。その時だったさ』
にゃぁ…。
どこかで猫が鳴いたのを、そこにいる誰もが聞いたのさ…。
82 :料理人 ◆.B2lcGiYSA :2007/07/17(火) 23:14:19
( ;^ω^)『ぬこ?』
('A`)『ど、ど、どどこかに住み着いてたってオチだろ?』
ドクオが落ち着き無く煙草をもみ消す。
(*゚∀゚)『いや、違うさ。
当時のあたしらには【猫】としか表現できなかったけど、それは全く違う物だったんだっ』
言いながら、あたしの両腕は鳥肌で覆われていた。
少し前まで汗でべたついていたのが、まるで嘘のように。
にゃぁ…。 にゃぁ… ゃぁ…。
にゃ…。
ふにゃぁ…にゃぁ…。 にゃあ…。
(*゚∀゚)『なんとなく聞こえただけだった筈の【猫の声】は何時しか部屋中に響き渡るほどになっていたさ』
な、なんだよコレ…
やべえよココ!! は、早く逃げ…
男達が口々に騒ぎ立て始めた時。
にょろっ!!?
あたしの口からは我知らず悲鳴が漏れていたさ。
何故かって?
(*゚∀゚)『誰かが…いや。何かがあたしの髪を引っぱったからさ』
83 :料理人 ◆.B2lcGiYSA :2007/07/17(火) 23:15:59
それを感じたのは、あたしだけじゃなかった。
あたし以外にも、髪や服を引っぱられたり掴まれた様に感じた人が沢山いたんだ。
あの力は…なんて言うんだろう。
強くないけど、強い力。
非力な小動物が加減無しに組み付いてきた時のような。
どことなく甘えるような。
自分の存在を精一杯知らせようとするような。
チワワなどの小犬を飼った経験がある人なら、その感じが分かるかもしれないさっ…。
(*゚∀゚)『気付いた時には。あたしらは逃げるように走ってたよ。
途中どこかでサンダルが脱げちゃったし、
裸足で割れたガラスの上を走るハメになったけど、気にしていられなかったさ』
必死に逃げて逃げて。
車の中に走りこんでから大声でわんわん泣いたさっ。
それから?
いや、期待に答えられず申し訳ないけど何もないよっ!!
(*゚∀゚)『これであたしの話は終わりっ!!
満足したかい?』
あたしは周囲を見渡す。
みんなの顔は完全に固まっていた。
あたしは今度こそ蝋燭の火を吹き消す為に立ち上がる。
沈黙の中、歩を進めて蝋燭の前に立った。
(:´・ω・)『わ、悪くない話だったよ。でもちょっとオチが弱いかな?』
ん?
なんだいショボン。負惜しみかいっ!?
(;´・ω・)『そ、それにその話のどこがお題 子供 なのさ?
ちゃんとルールは守ってくれないと困るよ!!』
あたしはにやりと笑って答えた。
『小さなベッド』が散乱した部屋。
【猫の様な】泣き声。
『加減を知らない。それでいて弱く、甘えるような』力の入れ具合。
そして。『乳幼児』から老人まで死者を出した火災事故。
(*゚∀゚)『全てはあたしの憶測でしかないよっ。
でも、これがあたしの答えさっ』
あたしは、ふっと蝋燭に息を吹きかける。
炎が消えた蝋燭から、名残を惜しむかのように一筋の煙が立ち上がった。
(*゚∀゚)『次のお題は 虹 だよっ!! 二次じゃないからねっ!!
さぁ、チャキチャキ行こうじゃないかっ!!』
あたしはずーんと沈みきった場を盛り上げようと、必死に明るく振舞って見せる。
さぁっ!! 次は誰の番なのかねっ!?
にゃぁ…。
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