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45 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 08:45:03
第五話「お題:三番星」
見渡す限り田んぼと山、緑に囲まれるという言葉そのものの村で私は育った。
木造の家では、夏は蚊だらけの熱帯となり、冬は突き刺すような寒さだった。
外灯が一つとして無いその田舎では、夜の光というのはまさに子供心に憧れだった。
大きく視界いっぱいに広がる空を眺めながら無数の星を拝むのだ。
何も無い田舎では、何も無いなりにそういったものへの興味は都会とは比べ物にならないほど奮った。
いつかあの星を旅したいと、本気でそれを夢見ていた。
都会へ引っ越すことになったのは小学2年の頃か、父親の転勤が切欠だった。
都会では田舎と違い、空はただの漆黒だった。
目印となるものが一つもなく、白い靄のかかった黒の世界がそれだ。
しかし田舎で培われた私の好奇心は、都会でもいかんなく発揮された。
Ξ*゚⊿゚)ξ「いちばんぼーしーみーつけた!」
父と手をつなぎながら変える夕暮れ時、星が少ない都会では都会なりに私は星を拝んだ。
田舎の空を懐かしく思うも、幼少期当時は空が変わってしまったのだと思っていた。
まさか地上の明るさで星が見えないなんて考えやしない。
そしてそこでようやく一番星の存在に私は気付いたのだ。
46 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 08:46:52
星が常に数多とある田舎ではまずなかった、都会でいち早く一際に輝く星。
ふいに顔を上げると見つかるそれは、まるで宝石のように私の目には映った。
他と比類無い輝かしさが、とても魅力的だった。
しかし都会にきてからと言うもの、生活体系は一気に変化し、私の視力はみるみる低下していった。
テレビすら見ることの無かった田舎と違い、都会は夜も明るく私の目には随分応えたようだ。
中学に挙がる頃には早々めがねをつけることとなっていた。
少し話は変わるが、最近は本当に視力の悪い人ばかりだと思う。
私もコンタクトだから外観では判断付かないだろうけれど、
実際コンタクトが存在しなければほとんどの人はメガネをかけることになるのじゃないのか、そう思う。
つまりは、私が特別なのではなく、視力の低下は当然のことだと言いたいのだ。
ただのいい訳だ、聞き流してもらって構わないけれど。
目ざとく蛍を探していた田舎が懐かしい、今ではテレビの中の映像を追いかけるばかりだ。
それでも私は、一番星だけはすぐに見つけた。
日に日に視力は悪くなり、メガネ無しでは外出できないまでなっても一番星だけは例外だった。
裸眼であっても誰よりも早くそれを見つけた。
都会の人は皆空に興味がなかった、ただそれだけなのかもしれないけれど。
47 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 08:49:48
相変わらず空を見上げる時以外は都会人と化してしまい、
休日や夜なんかは寝る時間を惜しんでインターネットやテレビに暮れた。
それだけを見れば、何の例外もない都会人の一人だった。
さて、その日は深夜までテレビをつけながら傍らでインターネットをしていた。
テレビは何となく家に帰るといつもつけている。
興味がある番組の時だけ見て、他は視界に入っているだけ、景観の一つとなるのだが。
『都市伝説特集』
そこで私の耳の飛び込んできた言葉、思わずインターネットを止め、テレビに見入ってしまった。
ξ゚⊿゚)ξ「都市伝説ねぇ……」
馬鹿にしながらも興味津々といった様子で見ていると、その中にこんなものがあった。
『奇跡の三番星伝説』
ξ゚⊿゚)ξ「三番星……? 聞いたこと無いわね」
概要はこうだ。
都会には時たま、普段見えないはずの星が通常以上の輝きを発し、夕方にも拘らず見ることが出来る。
それを俗に一番星といい、順に二番星、三番星と呼ぶわけだが、その三番星を見ると奇跡が起こるというもの。
星がたくさん見える日ではなく、通常星が見えない夕方の三番星というのが重要だそうだ。
48 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 08:52:13
何食わぬ顔をして聞いていたが、そのままインターネットで検索をかけると僅かではあるが同じ内容の事項がヒッ
トした。
都会に埋もれ、一番星を見ることはあっても星への興味が薄れきっていた私が再び星への興味を手に入れた瞬
間だった。
都市伝説、三番星。
ξ゚⊿゚)ξ(拝んでやろうじゃないのよ、その奇跡とやらを!)
次の日、私は学校が終わると一際明るい繁華街のベンチに腰掛け、雑踏を無視しながら空を眺めていた。
空はいい、永遠だ。
まるでこの雑踏も吸い込み、そこ一体が虚無であるかのような錯覚に陥る。
夕方が近づくと、左右に覗ける大きなビルが空を遮り邪魔に感じて、私は繁華街を抜けて大通りに出た。
一番星はまだ見えない、空を眺めながら歩道を歩いていた。
ξ゚⊿゚)ξ「あれって……」
そんな私の正面に、一際大きく輝く星が見えた。
一番星だ、間違いない。
オレンジ色の世界で、唯一それは光を出して存在を強調していた。
しかし次第に暗みを帯びていく一帯、二番星はどこを探しても見つかりはしない。
ξ;゚⊿゚)ξ(どこに、二番星……! 今日は無いのかな、せっかく探しているのに……)
49 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 08:53:51
空を仰いだ。
私には絶対に発見できるはずだ、今までもそうだった。
誰よりも早く一番星を見つけていたじゃないか。
だから大丈夫だ、きっと二番星も見つけられる、私には発見できる。
ξ゚⊿゚)ξ(あ……)
願いが通じたのかは分からないが、私はとうとう二番星を見つけることに成功した。
一番星の少し右となりで、それも煌々と輝いていた。
しかし段々と暗みを帯びていく世界、このまま私は三番星を発見できないのか?
夜になってしまい、時間切れとなってしまうのか?
ξ;゚⊿゚)ξ(え、これって……)
違う、これは太陽が隠れて暗くなっているのではない。
もちろんそれもあるのだろうけれど、辺りのビルだって車のライトだって眩しくなんか無い。
本当に世界が暗くなっているんだ、間違いない、それはこれから起こらんとする奇跡の前兆だった。
50 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 08:55:04
ξ゚―゚)ξ「三番星……みーつけた」
真っ暗な世界で三つの星だけが輝いており、三番星を無事発見することが出来た。
その星だけが輝く世界、その他は真っ暗な、まるで宇宙にいるような感覚になった。
たくさんの車も、人も、ビルも飲み込まれた漆黒の世界で、それらは希望の光と言わんばかりに輝いていた。
ここが都会の中心であるということなど、とうに忘れていた。
これが……三番星の奇跡なんだ。
後に分かることだが、これは星が亡くなる瞬間に発生する爆発的な光が見えているそうで、
人間の知覚出来ない帯域の光を強烈に発していて、一度に3つも見れば瞬間的に視力を失ってしまうそうだ。
これは私が盲目になってから4年後に判明した話、その直後に車に撥ねられて死んだ私には関係の無い話だ。
そのノーベル賞受賞者は、死んだ私の眼球にメスを入れた、ただそれだけの話だ。
51 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 09:00:23
( ^ω^)「という話だお」
息を吹きかけると、また一つ、一帯を照らす光が消えた。
( ^ω^)「ここも蝋燭の光が眩しくてよく周りが見えないけど、
互いの姿が確認できなくなったら気をつけんとあかんね」
(´・ω・`)「盲目と残光か、随分悪趣味な話だよ」
('A`)「厨二病くせぇ。ってかコピペミスの多さをどうにかしてくれ」
( ^ω^)「それがMSワードクオリティ」
(´・ω・`)「普段メモ帳で書いているから、慣れないことはするもんじゃないよね」
('A`)「物語が一層味気なく見える」
(;^ω^)「うるさいお、とっとペース上げていくお!
次はドクオかお、それじゃお題は……夏らしく、『太陽』だお」
第五話「お題:三番星」
見渡す限り田んぼと山、緑に囲まれるという言葉そのものの村で私は育った。
木造の家では、夏は蚊だらけの熱帯となり、冬は突き刺すような寒さだった。
外灯が一つとして無いその田舎では、夜の光というのはまさに子供心に憧れだった。
大きく視界いっぱいに広がる空を眺めながら無数の星を拝むのだ。
何も無い田舎では、何も無いなりにそういったものへの興味は都会とは比べ物にならないほど奮った。
いつかあの星を旅したいと、本気でそれを夢見ていた。
都会へ引っ越すことになったのは小学2年の頃か、父親の転勤が切欠だった。
都会では田舎と違い、空はただの漆黒だった。
目印となるものが一つもなく、白い靄のかかった黒の世界がそれだ。
しかし田舎で培われた私の好奇心は、都会でもいかんなく発揮された。
Ξ*゚⊿゚)ξ「いちばんぼーしーみーつけた!」
父と手をつなぎながら変える夕暮れ時、星が少ない都会では都会なりに私は星を拝んだ。
田舎の空を懐かしく思うも、幼少期当時は空が変わってしまったのだと思っていた。
まさか地上の明るさで星が見えないなんて考えやしない。
そしてそこでようやく一番星の存在に私は気付いたのだ。
46 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 08:46:52
星が常に数多とある田舎ではまずなかった、都会でいち早く一際に輝く星。
ふいに顔を上げると見つかるそれは、まるで宝石のように私の目には映った。
他と比類無い輝かしさが、とても魅力的だった。
しかし都会にきてからと言うもの、生活体系は一気に変化し、私の視力はみるみる低下していった。
テレビすら見ることの無かった田舎と違い、都会は夜も明るく私の目には随分応えたようだ。
中学に挙がる頃には早々めがねをつけることとなっていた。
少し話は変わるが、最近は本当に視力の悪い人ばかりだと思う。
私もコンタクトだから外観では判断付かないだろうけれど、
実際コンタクトが存在しなければほとんどの人はメガネをかけることになるのじゃないのか、そう思う。
つまりは、私が特別なのではなく、視力の低下は当然のことだと言いたいのだ。
ただのいい訳だ、聞き流してもらって構わないけれど。
目ざとく蛍を探していた田舎が懐かしい、今ではテレビの中の映像を追いかけるばかりだ。
それでも私は、一番星だけはすぐに見つけた。
日に日に視力は悪くなり、メガネ無しでは外出できないまでなっても一番星だけは例外だった。
裸眼であっても誰よりも早くそれを見つけた。
都会の人は皆空に興味がなかった、ただそれだけなのかもしれないけれど。
47 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 08:49:48
相変わらず空を見上げる時以外は都会人と化してしまい、
休日や夜なんかは寝る時間を惜しんでインターネットやテレビに暮れた。
それだけを見れば、何の例外もない都会人の一人だった。
さて、その日は深夜までテレビをつけながら傍らでインターネットをしていた。
テレビは何となく家に帰るといつもつけている。
興味がある番組の時だけ見て、他は視界に入っているだけ、景観の一つとなるのだが。
『都市伝説特集』
そこで私の耳の飛び込んできた言葉、思わずインターネットを止め、テレビに見入ってしまった。
ξ゚⊿゚)ξ「都市伝説ねぇ……」
馬鹿にしながらも興味津々といった様子で見ていると、その中にこんなものがあった。
『奇跡の三番星伝説』
ξ゚⊿゚)ξ「三番星……? 聞いたこと無いわね」
概要はこうだ。
都会には時たま、普段見えないはずの星が通常以上の輝きを発し、夕方にも拘らず見ることが出来る。
それを俗に一番星といい、順に二番星、三番星と呼ぶわけだが、その三番星を見ると奇跡が起こるというもの。
星がたくさん見える日ではなく、通常星が見えない夕方の三番星というのが重要だそうだ。
48 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 08:52:13
何食わぬ顔をして聞いていたが、そのままインターネットで検索をかけると僅かではあるが同じ内容の事項がヒッ
トした。
都会に埋もれ、一番星を見ることはあっても星への興味が薄れきっていた私が再び星への興味を手に入れた瞬
間だった。
都市伝説、三番星。
ξ゚⊿゚)ξ(拝んでやろうじゃないのよ、その奇跡とやらを!)
次の日、私は学校が終わると一際明るい繁華街のベンチに腰掛け、雑踏を無視しながら空を眺めていた。
空はいい、永遠だ。
まるでこの雑踏も吸い込み、そこ一体が虚無であるかのような錯覚に陥る。
夕方が近づくと、左右に覗ける大きなビルが空を遮り邪魔に感じて、私は繁華街を抜けて大通りに出た。
一番星はまだ見えない、空を眺めながら歩道を歩いていた。
ξ゚⊿゚)ξ「あれって……」
そんな私の正面に、一際大きく輝く星が見えた。
一番星だ、間違いない。
オレンジ色の世界で、唯一それは光を出して存在を強調していた。
しかし次第に暗みを帯びていく一帯、二番星はどこを探しても見つかりはしない。
ξ;゚⊿゚)ξ(どこに、二番星……! 今日は無いのかな、せっかく探しているのに……)
49 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 08:53:51
空を仰いだ。
私には絶対に発見できるはずだ、今までもそうだった。
誰よりも早く一番星を見つけていたじゃないか。
だから大丈夫だ、きっと二番星も見つけられる、私には発見できる。
ξ゚⊿゚)ξ(あ……)
願いが通じたのかは分からないが、私はとうとう二番星を見つけることに成功した。
一番星の少し右となりで、それも煌々と輝いていた。
しかし段々と暗みを帯びていく世界、このまま私は三番星を発見できないのか?
夜になってしまい、時間切れとなってしまうのか?
ξ;゚⊿゚)ξ(え、これって……)
違う、これは太陽が隠れて暗くなっているのではない。
もちろんそれもあるのだろうけれど、辺りのビルだって車のライトだって眩しくなんか無い。
本当に世界が暗くなっているんだ、間違いない、それはこれから起こらんとする奇跡の前兆だった。
50 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 08:55:04
ξ゚―゚)ξ「三番星……みーつけた」
真っ暗な世界で三つの星だけが輝いており、三番星を無事発見することが出来た。
その星だけが輝く世界、その他は真っ暗な、まるで宇宙にいるような感覚になった。
たくさんの車も、人も、ビルも飲み込まれた漆黒の世界で、それらは希望の光と言わんばかりに輝いていた。
ここが都会の中心であるということなど、とうに忘れていた。
これが……三番星の奇跡なんだ。
後に分かることだが、これは星が亡くなる瞬間に発生する爆発的な光が見えているそうで、
人間の知覚出来ない帯域の光を強烈に発していて、一度に3つも見れば瞬間的に視力を失ってしまうそうだ。
これは私が盲目になってから4年後に判明した話、その直後に車に撥ねられて死んだ私には関係の無い話だ。
そのノーベル賞受賞者は、死んだ私の眼球にメスを入れた、ただそれだけの話だ。
51 : 植物 ◆7at37OTfY6 :2007/07/10(火) 09:00:23
( ^ω^)「という話だお」
息を吹きかけると、また一つ、一帯を照らす光が消えた。
( ^ω^)「ここも蝋燭の光が眩しくてよく周りが見えないけど、
互いの姿が確認できなくなったら気をつけんとあかんね」
(´・ω・`)「盲目と残光か、随分悪趣味な話だよ」
('A`)「厨二病くせぇ。ってかコピペミスの多さをどうにかしてくれ」
( ^ω^)「それがMSワードクオリティ」
(´・ω・`)「普段メモ帳で書いているから、慣れないことはするもんじゃないよね」
('A`)「物語が一層味気なく見える」
(;^ω^)「うるさいお、とっとペース上げていくお!
次はドクオかお、それじゃお題は……夏らしく、『太陽』だお」
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