1 名前:
◆6ZgdRxmC/6 [] 投稿日:2011/01/29(土) 22:13:29.56 ID:
jVJC8ZtT0 [1/45]
例えば、ある少年は怪獣になることを夢見ていた。
強く大きな存在の、その圧倒的な存在感にただ憧れ、自分もそんな存在になりたいと強く願っていた。
例えば、ある少女は誰かの日常を守りたいと願っていた。
自分が経験した悲しみを、他の誰にも感じさせまいと、ただひたすらに剣を振るい続けた。
例えば、ある少年は人の弱さを許したくないと思っていた。
弱さを許容されて悪の道に堕ちる人を、その道に堕ちることを許さないことで救いたいと思っていた。
例えば、ある少年は自分にできることをしたいと思っていた。
ケンカが何よりも嫌いな彼は、しかし、それが自分にできることならと、手に持つ携帯電話を武器に変え、戦い続けた。
―怪獣になることを夢見た少年は、自らの親友によってその夢を打ち砕かれた。
――誰かの日常を守ろうとした少女は、日常を守るために誰かの日常を奪うという矛盾に耐えられなかった。
―――弱さを許したくない少年は、しかし許さないことで相手を救うという彼の真の目的を実現できなかった。
――――そして、自分にできることをした少年は、最後の最後で自らの親友を失ってしまった。
―――『彼ら』は皆ちっぽけで、そして無力だった。
少々前置きが長くなってしまった。
さあ、最後の話を始めよう……
2 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/29(土) 22:14:43.05 ID:
jVJC8ZtT0 [2/45]
―――小さな『彼ら』の、話をしよう。
4 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/29(土) 22:16:07.95 ID:
jVJC8ZtT0 [4/45]
( ^ω^)彼らは携帯電話を武器に戦うようです
最終話「分雲」
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