2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:06:18.05 ID:
786Pk61Z0( ´∀`)「さあ皆、さっさと仕事をするモナ。仕事しろモナ。働けモナ」
夏の大きな雲の上では、天使達がひっそりと仕事をしている。
空を見上げて一番大きな雲があれば、そこにはきっと天使達がいる。
けれどこの天使達、昔はよく働いてくれていたけど、
今までの疲れが溜りに溜まってしまい、働かなくなってしまった。
(´・ω・`)「めんどくさい」
(,,゚Д゚)「ゴルァならお前がしろよ大便使」
(#´∀`)「大・天・使!さっさと仕事をしろモナァ!!」
天使は亡くなった人達の魂を、天国へと導く為の空の使いなのです。
それはもう毎日毎日忙しいのだけど、天使達が少ししか働かないので、
更に仕事は増えるばかりで、大天使のモナーは困り果てていた。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:09:01.09 ID:
JR6xhoX90(#´∀`)「ハァー。今のところ真面目に働いているのは、ブーンだけモナ…」
たった一人働いていると言えば、太った天使のブーンだけ。
両手を広げて飛ぶという何とも奇怪な天使だったが、
それでもよく働いてくれているので、モナーはブーンに感心していた。
( ^ω^)「只今戻りましたお!」
( ´∀`)「ご苦労様。よく働いてくれているのはブーンだけモナ。これからも頼むモナ」
( ^ω^)「了解ですお!」
それでも、他の天使たちはふわふわとした雲の上で
ごろごろと転がって下界を観察したり、面白がってわいわいと遊んでいるだけ。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:10:49.75 ID:
786Pk61Z0そんな中、働くこともせず皆と一緒にいることもない、一人の細身な天使がいた。
皆と遠く離れたところで、天使が使う道具、弓矢の手入れをしている。
( ´∀`)「…ドクオ。君も働くモナ」
('A`)「……」
いつもだんまりとしていて、ブーンとは対照的な天使。
モナーは、ドクオの背中に生えている翼をちらりと見る。
見えるのは、左の翼の痛々しい傷跡。
ドクオの左の翼はボロボロで、翼として機能しなくなっていた。
( ´∀`)「……。翼のことは気の毒モナ。でも、仕事はやってもらわなきゃならないモナ」
('A`)「…仕事、かあ」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:13:11.34 ID:
786Pk61Z0天使は、下界と天界を行き来しなければならない。
その為に翼が生えているのに、翼は翼として動いてはくれない。
('A`)「俺に出来る仕事ってあるのかよ」
ドクオは自分の背中を見たが、左の翼は羽根が毟り取られた様な跡があり、
とても飛べるような翼ではなかった。
ドクオは、自分が障害を抱えているため、自分が働けないことは誰よりも分かってた。
( ´∀`)「…一つ、やってほしいことがあるモナ」
モナーはドクオに追加で矢を与え、その仕事について教えた。
それは、ドクオが働く意欲を出してくれるよう、モナーなりに考えた仕事だった。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:17:02.22 ID:
786Pk61Z0('A`)「よっ」
するとその矢は見事に男に突き刺さる。
すぐにドクオは次の矢を用意して、今度は飛び降りをしようとしている女を見つけた。
その矢を女に向けて射ったが、それもまた見事に突き刺さった。
愛の矢が突き刺さると、二人は突然自殺をやめ、
男女は吸い寄せられるように同じ場所へと向かう。
そして二人は出会い、恋に落ちた。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:18:39.62 ID:+1ruRE9U0
おおうキューピッドか?
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:19:04.30 ID:
786Pk61Z0「Oh!マイハニー!」
「ダーリン!」
「愛シテルヨ~」
「ワタシモヨ~」
そんな会話が聞こえてきて、ドクオは思わず耳を塞ぐ。
(;'A`)「効き過ぎたか?」
会話を気にしていたらキリが無いし、二人の自殺を止めることが出来たので、
ドクオはさっさと次のターゲットを探し始めた。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:20:20.16 ID:DWDCGDshO
ヒッキーが主人公とは…わかってるじゃないか
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:21:03.53 ID:
786Pk61Z0('A`)「…確かに自殺者が多いみたいだな」
次のターゲットは、すぐに見つけることが出来た。
よくよく狙いを定めて、矢を自殺者に向ける。
('A`)「くそ、よく見えない」
狙いを定めにくかったので、少しだけ身を乗り出してみた。
けれどその瞬間、
(;'A`)「えっ……?」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:23:05.06 ID:
786Pk61Z0足を滑らせ、空の下へ真っ逆さまに落ちていってしまった。
しまった、と思う暇も無く、弓と矢を手に握って落ちていく。
(;'A`)「えええええええぇぇえぇぇぇぇぇぇ……」
天使の悲鳴がこだました。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:25:14.18 ID:
786Pk61Z0赤い屋根の一軒家、その中の部屋で、今まさに彼は死のうとしていた。
(-_-)「はあ。もう生きていたってどうしようもない…」
部屋の天井にロープを吊るして、先端に輪を作り、
ロープに届くギリギリの高さの台を置き、その上に乗る。
この台を蹴れば、窒息死出来る。首吊りの準備は万全だ。
そして台を蹴ろうとした瞬間、
(;'A`)「…ぁぁぁあああ」
何かの声が聞こえてきた。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:27:11.81 ID:
786Pk61Z0(-_-)「なんだろ?」
気のせいだろうと思ったが、声はどんどん大きくなっていく。
まるで今からここに落ちるかのような…。
(;'A`)「ぁぁああああああ」
(;'A`)「うわあああぁあああああああ」
(;'A`)「あああああああああああああああああああああああああああああッ!!」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:28:01.09 ID:+1ruRE9U0
ぶつかるううううううう!!
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:29:10.55 ID:
786Pk61Z0(;-_-)「!?」
瞬時、何やら人型の、翼の生えたものが部屋に落ちてきた。
その瞬間、スローモーションのように思えた。
('A`)「ぐぶっ」
その物体は勢い良く床に顔をぶつけ、動かなくなってしまった。
(;-_-)「え…。ええー?」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:29:54.23 ID:+1ruRE9U0
ああ…
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:31:11.49 ID:
786Pk61Z0天井を見ると、穴は開いていない。どういう仕組みなのだろうか。
しかもその物体には、頭部に光る輪が、そして背中には翼が生えている。
(;-_-)「なにこれ…」
真っ白い服に身を包んだガリガリの人は、ピクリとも動かなかった。
(;-_-)「あ、あのー」
声を掛けてみるが、反応は無い。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:33:37.09 ID:
786Pk61Z0(;-_-)「ぼ、僕が死ぬはずだったのに、この人が死んじゃった…」
少し罪悪感に浸ってしまい、あたふたとする。
(;-_-)「ご、ごめいふくをおいのりしま…」
(#'A`)「んなわけねーだろオイ!!」
(;-_-)「わあッ!?」
落ちてきたものは急に起き上がって、突っ込みを入れた。
良かった、生きているようだ。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:35:34.13 ID:
786Pk61Z0暫くしてからヒッキーは落ち着いて、天井に吊るしたロープを片付け始めた。
(-_-)「はあビックリした…。急に人が降って来るなんて、これは夢なのかな…」
頭をバシバシ叩いているヒッキーを他所に、ドクオはロープを見た。
('A`)「お前、自殺しようとしてたのか」
ヒッキーは何か気が抜けた様子で、手に持ったロープをじっと見る。
そして、そのロープを力いっぱい握り、何かのモヤモヤを振り捨てた。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:37:31.30 ID:
786Pk61Z0(-_-)「はは。でもなんか自殺する気無くなっちゃった」
('A`)(…それならまあ結果オーライ、だな)
するとドクオは、一番大切なことを思い出した。
(;'A`)「ああッ!!」
(;-_-)「うわっ、何?」
(;'A`)「何でお前、俺が見えているんだ?」
(;-_-)「へ?」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:39:18.08 ID:
786Pk61Z0人間に天使は見えない。声も聞こえないはずなのに、
どうして自分の姿が見え、声も聞こえているのか。
(;-_-)「見えているって…。あなた何者なんですか」
('A`)「何ってお前、この天使の輪と翼を見て分からないのか?」
(;-_-)「えっ」
ただの天使のコスプレかと思っていた。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:41:22.13 ID:
786Pk61Z0(;-_-)「コスプレじゃないんですか?」
('A`)「〝コスプレ〟って何だよ」
(;-_-)「……」
天使がこの世にいるはず無い。
(-_-)「これは僕の夢ですか」
('A`)「現実だ」
(-_-)「二次元の出来事かと思った」
('A`)「残念現実だ」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:43:34.63 ID:
786Pk61Z0どうやら本当の出来事らしいのだが、どうも信じることが出来ない。
(-_-)「なら、証拠を見せてくださいよ」
('A`)「証拠?」
(-_-)「例えば、空を飛ぶとか」
('A`)「……」
(-_-)「出来ないんですか?」
ドクオはボロボロになった左の翼を、はたはたと動かした。
右の翼はちゃんと動く。けれど、左の翼は動かない。
ドクオは半場諦めかけていたが、もしかしたら本当は飛べるかもしれないと
淡い期待を抱いてしまって、部屋の窓に駆け寄った。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:45:15.04 ID:
786Pk61Z0('A`)「見てろ、飛んでやるからな!」
そう言って勢い良く窓枠を蹴り、ドクオは宙を舞った。
(;-_-)「…あ」
けれど、
(;'A`)「うわああぁぁあああぁあああッ」
やはり落ちた。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:47:47.68 ID:
786Pk61Z0('A`)「よしもう一回飛んでみる」
(;-_-)「いやもういいですって!」
まだ飛ぼうとするドクオを慌てて止める。
ヒッキーに止められ、しぶしぶ飛ぶのをやめた。
(;-_-)「そう言えば、何でここに落ちてきたんですか?」
するとドクオは少し顔を伏せたが、ヒッキーの方をしっかりと向いた。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:49:30.72 ID:
786Pk61Z0('A`)「………。飛べないからだよ」
(-_-)「え?」
('A`)「飛べないから、落ちてきたんだ」
ヒッキーは、しまった、と思った。もし本当に天使なら、
飛べないのはとても致命的ではないだろうか。
それなのに自分は「飛べ」と言ってしまい、悪いことを言ってしまったかもしれない。
('A`)「俺、仕事があるんだ。飛べない俺の為に、わざわざ大天使が与えてくれた仕事。
だから早く天界に帰らなきゃいけないのになあ」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:51:24.34 ID:
786Pk61Z0ドクオは窓に近づいて、遠く遠く空の方を眺める。
天界に帰らなければならないが、飛べない自分にはどうしようもない。
ドクオが落ちたことに気が付いた天使が迎えに来てくれえればいいのだが、
あの天使たちは絶対にそんなことはしないだろう。
大天使も今忙しいし、落ちたら帰れないことは、少し考えれば分かることだったのに。
気を緩めてしまい、あってはならない方向へと向かってしまった。
(-_-)「あの」
('A`)「何だ」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:53:27.62 ID:
786Pk61Z0(-_-)「天界の暮らしとか、天使の仕事とか、色々聞かせてくれませんか」
('A`)「なんだ、急に」
(-_-)「…僕の気まぐれです」
('A`)「ふーん。まあいいけどさ」
(-_-)「……ヒッキーです」
('A`)「え」
(-_-)「名前」
('A`)「…ああ。俺はドクオだ」
ヒッキーの気まぐれでドクオは天界のこと、天使の仕事など
色々なことを聞かせ、教えた。
どうせ長い間、天界へ帰れないことは分かっていたから、口が緩んでしまったのだ。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:55:24.11 ID:
786Pk61Z0('A`)「大天使が指揮をとっていて、その下で天使が働いているんだ。
まあ最近天使は働いてないけどね」
(;-_-)「それって大丈夫なんですか?」
('A`)「知らん」
何故だかは分からない。けれど、ドクオとヒッキーは似たようなものを感じた。
こうして人間と話すことができたのは、ドクオが初めてだろう。
天使は人間を見ることが出来ても、人間は天使を視覚に捉えることすらできない。
会話どころか、おとぎ話としての記憶しかないのだ。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:57:23.80 ID:
786Pk61Z0('A`)「天界は大きな雲の上にあって、天使たちはそこに住んでいるのさ」
(-_-)「じゃあ小さな雲はどうなんですか?」
('A`)「小さな雲は、魂を運ぶ為の船になる」
ドクオの説明はあまり上手くないし、詳しくもなかったけど、
それがもし作り話だとして、内容はとても興味深いものだった。
(-_-)「いいなあ…。僕も天使に生まれたかった」
けれど突然ヒッキーの顔が暗くなったから、ヒッキーがまた自殺をしようとするのではないかと
ドクオは警戒したが、当のヒッキーはそんな気は無いようで、
(-_-)「天使に生まれれば、僕はこんな暮らしをせずに済んだかもしれないのに」
窓の外を見て、そう言った。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 00:59:31.04 ID:
786Pk61Z0('A`)「……」
ドクオはその言葉にだんまりとしたが、自殺ではなかったのかと安心していた。
('A`)「…そうだ」
(-_-)「?」
('A`)「ちょっと下界の暮らしも見せてくれよ」
(;-_-)「…えっ!?」
思わぬ言葉に、ヒッキーは驚いた。
('A`)「駄目か?」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:01:18.82 ID:
786Pk61Z0さっき話を聞かせてもらったお礼はしたかったが、ヒッキーにはそんなこと出来なかった。
外に出るなんてこと、出来なかった。
(;-_-)「そ、それなら一人で行ってよ…」
('A`)「……そうか、分かった」
ドクオは下界の暮らしを観察しに、窓から飛び降りてしまった。
当然飛べるはずもないので地面に激突していたが、無事なようだった。
ドクオは少し後ろを振り向いて、本当にヒッキーは来ないのかと確認したが、
ヒッキーは出てくる様子は無かった。
天使は、下界を眺めに行ってしまった。
(-_-)「…はぁー…」
ため息しか出なかった。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:01:59.56 ID:tCXXZhKNO
面白いです
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:03:17.35 ID:
786Pk61Z0街中、道を歩く人々は、奇怪な容姿をしたドクオを、奇怪な目で見つめた。
どうして、何故だ。自分の姿が見えるのは、ヒッキーだけではなかったのか。
ヒッキーだけが特殊なんだと思ってここまで来たが、これじゃあまるで意味が無い。
(;'A`)「何で見えてるんだ?」
道行く人々がこちらを見る。目、目、沢山の目がこちらを見ている。
小さなヒソヒソ話が聞こえる。
遠くで写真を撮っているやつらがいる。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:05:26.61 ID:
786Pk61Z0('A`)「…ふーん、自分達と違う者は徹底的に笑う、ってわけか。こりゃ面白い」
今まで人間は雲の上で観察するだけで、魂にしか触れて来なかったが、
人間とは本当に不思議な生き物だ。
('A`)「それにしても、落ちた時のショックで見えるようになったのか?
いやそんなはずは無いか…」
どうして人間に、自分の姿が見えるようになったのか考えてみたが、
ふと、あることを思い浮かべる。
('A`)「………まさか、な」
それもまた、すぐに頭から消えていった。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:07:27.26 ID:
786Pk61Z0天使が出て行った後、赤い屋根の家の一つの部屋には、ヒッキーがいた。
未だにドクオが、天使なのかそれともコスプレイヤーなのか、確信できないままでいた。
(-_-)「ううん、夢なのかな」
(-_-)「いや夢だったら、そろそろ覚めてもいい頃だしなあ」
(-_-)「でも天使なんて現実にいるわけないし…」
(-_-)「ああもう訳が分からない」
もしかして自分は、とても貴重な体験をしたのではないか。
けれどもし、それが夢だとしたら、ドクオ自体が嘘の存在だとしたら、
期待してしまったときに虚しさが残るだけだ。
ただ、絶望感が残るだけだ。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:09:29.36 ID:
786Pk61Z0それならば、初めから期待しなければいい。
初めから信じなければ、それで一件落着なんだ。
(-_-)「…けど」
本当は、現実であってほしかった。
(-_-)「…はぁ、死にたい」
いつの頃だろうか、それは口癖となっていた。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:11:16.19 ID:
786Pk61Z0「ただいまー」
(-_-)「はー、お帰…り………?」
何だろう、聞いたことのある声だ。
普通に挨拶してしまったが、よくよくその声を聞いてみると、あの天使の声だった。
(;-_-)「…え?」
('A`)「よっ」
(;-_-)「ええ!?」
('A`)「警察に補導されるところだった」
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:13:17.84 ID:
786Pk61Z0出て行ったきり、帰ってこないかと思っていた。
けれど、ドクオは帰ってきてしまった。
(;-_-)「な、何で帰って来たんですか!?」
ドクオは部屋に入ってきて、ベッドの上に座った。
('A`)「んー、何かお前以外にも俺が見えてるらしくてさ、外を出歩けないんだ」
(-_-)「やっぱりあなたコスプレイヤーか」
('A`)「断じて違うと言い張るぞ」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:15:25.82 ID:
786Pk61Z0ドクオは、見ろ、と言わんばかりに壁に手をやる。その手は確かに
壁に触れているはずなのに、まるで実体が無いかのように透け、ヒッキーを驚かせた。
そう言えばドクオが落ちてきたとき、天井を突き破ったはずなのに、
天井には穴一つ開いていなかった。
(-_-)「それでも何だか疑わしいです」
('A`)「おい」
ヒッキーはそこで、初めてドクオに小さな笑顔を見せた。
つづく
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:16:50.83 ID:
786Pk61Z0つづく。つづくのか?
よく分からんけど支援とか感想とか本当ありがとう。
またいつか投下するよ!
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:17:37.42 ID:Dk0SSe+G0
乙
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:18:12.07 ID:+1ruRE9U0
いいねーいいカンジだねー好きな感じだよー
乙!!
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:19:03.45 ID:tCXXZhKNO
乙
気長にまってる
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:26:06.01 ID:Wa+Russb0
続編期待
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/10(火) 01:29:05.72 ID:Sf61OEo0O
乙 面白かった!
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