4 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:25:56.36 ID:
LeLgQrex0 [2/26]
とても静かな夜だった。
雲ひとつ無い夜空に浮かぶ満月が、下に広がる町並みを照らしている。
大きな傷跡のあるビル、割られたアスファルトの舗装。
そこに並ぶ車は、まるで地面に落とされた紙粘土工作のように潰され、ひしゃげている。
なにか”怪獣でも暴れまわったかのような”、その町並みのなかに人の姿は無い。
―――いや、無い、はずだった。
( ・∀・)
(,,゚Д゚)
廃墟と化した夜の町並みを、一人の少年が歩いていた。
まだ高校生といった風貌の彼の隣を、
一匹の青い毛並みの猫が、四本の足でとてとてと歩いている。
( ・∀・) キレイな月だね……
ふ、と少年が足を止めた。
彼は親指と人差し指で丸を作ると、それを頭の上まで持ってきて、
その小さな輪の中に夜空の月を収める。
( ・∀・) よくマンガとかで、ものすごく大きな月を見ることがあるけどさ、
あれってなんなんだろうね?
実際の夜空の月は、ボクの指で囲めるほどのサイズでしかないってのに
自分の指で作った輪のなかにある月を見ながら、少年は傍らの猫に話しかけた。
続きを読む