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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/16(月) 02:06:25.45 ID:
rHemQn9b0 まったくもって、厄介なことになった。
畳が返され、壁に穴は開き、襖が破れ、布団が切られて焦げ、食器やコップもいくつか割れた。
現在の私の部屋の内装はまるで慈悲の一片もない悪漢が蹂躙しつくしたあとであった。
ただでさえ薄い隣との壁を更に削り、空間を同一化させようとでもいうのか。敷金が心配である。
人気のない場所で戦闘をしていた胡散臭い笑いを浮かべた「自殺志願者」と、猪突猛進な自称「ヒーロー」。
前者はまったく死に向かうその姿勢が顕示されないため私は虚言であろうと踏んでいるが、問題は後者であった。
自分自身が正義だと思い込んでおり、我々悪人を一個体残さず殲滅させる気でいた。視線が合い直後、戦闘の結果が私の部屋の現在である。
状況を整理しようと思う。
私と笑顔の男性は破壊の顕現と言える少女が怒り狂うあの場に居ては大怪我をするぞと察して逃げ出した。
そのすれ違い様、私はシュールの名前を呼んだ。幼い彼女の外見ならば親しみやすいと推定したためである。
「彼女に説明して納得させてやってくれ。分別と、自分の犯罪行為を。できるだけ穏便に!」こういった意味を込めて。
するとどうだろう? 私の思い通りにことが進んだであろうか?
否、断じて否であった。現実とは常に予想もしない遥か斜め上の事態を私に向けてくるのだ。
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