lw;‐ _‐ノvつ―3 ブチャブチャブチャ
竜のどでかい足に布団タタキで斬り付けるが、まったく応えている様子がない。
布団タタキが絵の具まみれになるばかりで素通りしてしまう。
( ^ω^)「はっ!? これは高額の領収書を切るチャンスだお! 前回に続いて炸裂、巨大化!」
内藤の体が風船のようにムクムク膨れて行く。
竜と内藤が同等のサイズになると、お互い対峙した。
(#゚ω゚)「オンドリャアア!!」
藤は竜に向かって突っ込んだ。
38 :
愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/14(土) 23:08:27.55 ID:jQecCfZx0
20.
まさに内藤の必殺の拳が放たれようとした時、竜は彼の目の前で両手を叩き合わせた。
猫騙しだ。
(;+ω+)「ギャ―――!!!」
視界を奪ったところですかさず三つの頭を巡らせ、長い首でもって絡み付く。
燃える闘魂ことアントニオ猪木のフィニッシュホールド・卍固め、英語名オクトパスホールド。
(;^ω^)「ひぎいい! ギブアップ、ギブアップだお!!」
lw;‐ 皿‐ノv
ヘッポコな外見のくせに細かい技を使う怪物だ。
シューの手を借りて絵の具のゲロから抜け出したまたんきが声援を送る。
.∧ ∧
(・∀ ・)「内藤、自爆だ! 奴もろとも自爆しろ!」
lw´‐ _‐ノv シロー
43 :
愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/14(土) 23:10:25.25 ID:jQecCfZx0
21.
(;^ω^)「うっさいお! お前もちょっとは手伝えお!」
.∧ ∧
(・∀ ・)「それどころじゃねーよてめー、鼻の穴が絵の具で詰まっちまったんだよ。
乾いたらカピカピじゃねーか、カラフルな鼻クソ取れちゃうよてめー」
( ^ω^)「乾いたら……あ、そうかお!」
(#゚ω゚)「フンヌ!」
捻じ曲げられている腰の力を使って竜を床に投げつけると、内藤は掌を中空に向けた。
( ^ω^)「出て来い、ドライヤー! ぱぱらぱー!」
何もない空間がポンと弾けて、どでかいドライヤーが現れる。
セレクターを温風に会わせて内藤はスイッチを押し込んだ。
( ^ω^)「カラカラに乾き切ってしまうがいいお! 食らえ!」
カチッ!
46 :
愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/14(土) 23:12:44.46 ID:jQecCfZx0
22.
( ^ω^)「……」
lw´‐ _‐ノv「……」
.∧ ∧
(・∀ ・)「あのさ、コンセント入ってないんじゃね?」
内藤が持っているドライヤーから下がったコードの先で、コンセントがぷらぷら揺れている。
(;^ω^)「ひぎい! またんき、コンセントはどこだお!?」
.∧ ∧
(・∀ ・)「そんなデカいのねーよ」
いいようにフルボッコにされている内藤を尻目に、シューは方策を練った。
奴の姿がどこかで記憶に引っかかっているのはとりあえず置いておくとして、
乾かして倒すのは無理そうだ。
ならば逆に……
lw´‐ _‐ノv「!!」
.∧ ∧
(・∀ ・)「ん? 何だてめー、何かいい案でも思いついたか」
48 :
愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/14(土) 23:14:24.85 ID:jQecCfZx0
23.
あのアレがある場所と言えば……
lw´‐ _‐ノv ボソボソ
.∧ ∧
(・∀ ・)「ん? そいつの家の押入れと繋げばいいのか? 別に出来るけど」
またんきは懐からハサミを取り出し、何もない空間をジョキジョキ切った。
ぱらりとくり抜かれた部分が剥がれ落ち、どこかに続く通路が現れる。
.∧ ∧
(・∀ ・)「急げよ、内藤がサンドバッグになっちまうぞ」
lw´‐ _‐ノvb
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その頃、シューのクラスメイトでこの町一番のお金持ち、ツンの豪邸。
広々とした自分の部屋で、ツンは大きなベッドにうずくまっている。
ξ ‐⊿‐)ξ「ZZzz……むにゃむにゃ、ショボンくぅん……」
49 :
愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/14(土) 23:16:23.66 ID:jQecCfZx0
24.
シューはその部屋のクローゼットから転がり出てきた。
廊下に出ようと真っ暗な部屋をうろうろするうちに、何かを踏み付けた。
ξ ゚ o゚)ξ「おぶぼっ!!」
lw;‐ 皿‐ノv「!」
ツンのお腹だった。
ξ;゚⊿゚)ξ「ななな何!? 何事!?」
ベッドから転がり落ちたシューはどうにか廊下に続くドアを見つけ、飛び出した。
常夜灯を頼りにあたりを見回すと案の定、消火用ホースのボックスがある。
それを開いてホースを繋げ、バルブを開き、ホースを担いで来た道を駆け戻る。
ξ;゚⊿゚)ξ「あれ、シュー?! あんた何でこんなとこにいんの!?」
よく考えれば別にツンの家でなくても学校にもあったような……まあ、いいか。
50 :
愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/14(土) 23:18:28.97 ID:jQecCfZx0
25.
怪物の巣に戻ると、地面に引き倒された内藤が逆エビ固めを食らっていた。
(;^ω^)「ギャ―――!! 背筋が伸びてしまう―――!!」
.∧ ∧
(・∀ ・)「だからもう自爆しかないって! ……お、戻ったか。それは?」
lw´‐ _‐ノvつ=
シューが手にしたホースの口から怒涛の勢いで水が噴き出す。
それを食らった怪物はみるみる溶けて小さくなり、やがては消えてなくなった。
後には床におびただしい量の色水が残った。
lw´‐ _‐ノv フゥ
.∧ ∧
(・∀ ・)「やるじゃねーかてめー。内藤大丈夫か」
(;^ω^)「何とか。うう、痛いお」
普段のサイズに戻った内藤は腰をさすりながら答えた。
51 :
愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/14(土) 23:20:23.81 ID:jQecCfZx0
26.
足元を流れる色水に乗って、何かがシューのところへやってきた。
画用紙に水彩絵の具で描かれた絵だ。
( ^ω^)「そりゃ何ですかお」
.∧ ∧
(・∀ ・)「あっ! この絵、あの怪物じゃねーか」
確かにそうだ。
画用紙の隅にはシューの名前が書いてある。
どこかで見たことがあると思ったら、これはずっと昔に学校の自由課題で描いた絵だ。
しかし何故自分の絵がこんなとこで怪物に……?
.∧ ∧
(・∀ ・)「そりゃてめーあれだよ、多分悪霊か何かが依代(ヨリシロ)にしたんだよ」
疑問にまたんきが答えた。
.∧ ∧
(・∀ ・)「この空間にはな、行き場のねー恨み妬み憎しみがどんどん集まってくんだよ」
53 :
愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/14(土) 23:22:32.00 ID:jQecCfZx0
27.
.∧ ∧
(・∀ ・)「そういうのがたまに異次元通路のどっかから吹き零れて幽霊になったりすんだよ。
まあ、そういうことだ。とにかく一件落着だな、礼を言うぜ」
( ^ω^)「良かった良かった……ん? ちょっと待つお」
.∧ ∧
(・∀ ・)「何だよ、早く帰ろうぜ」
( ^ω^)「あの怪物が依代にしたお嬢さんの絵は、お嬢さんの部屋の押入れにあった筈だお。
でもまたんき、お前は怪物に仕事を邪魔されたからゲートが開いたとか何とか……
lw´‐ _‐ノv
.∧ ∧
(・∀ ・)「え?」
( ^ω^)「……」
lw´‐ _‐ノv「……」
.∧ ∧
(・∀ ・)「そりゃお前……」
lw´‐ _‐ノv
.∧ ∧
(・∀ ・)「メタルギアソリッド4が発売したんだよ、仕事なんかしてる場合じゃねーんだよ」
55 :
愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/14(土) 23:24:38.56 ID:jQecCfZx0
28.
.∧ ∧
(・∀ ・;)「ととととにかく礼をすんよ! 何でも言ってみろよ!
異次元通路の管理人は義理堅いんだぜ」
(;^ω^)「どうしようもない奴だお……」
lwσ‐ _‐ノv「……」
礼か。シューは紙を取り出し、何かを書き付けて彼に渡した。
lw´‐ _‐ノvつ□
.∧ ∧
(・∀ ・)「ん? 何だこりゃ。請求書?」
『請求書……今回の助力に対して以下の金額を請求します
¥1000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000』
.∧ ∧
( ∀ ) ・ ・
57 :
愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/14(土) 23:26:23.33 ID:jQecCfZx0
29.
.∧ ∧
(・∀ ・;)「ちょっと待てよ、何だよこの金額は! プレステ3が月まで届くくらい買えちまうぞ!」
(;^ω^)「これでお前も僕の仲間かお……」
lw´‐ _‐ノvb
こうしてシューに新たな下僕が誕生したのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
翌朝、寝不足でフラフラになりながらシューは学校に向かった。
ツンが怪訝な顔で近付いて来る。
ξ ゚⊿゚)ξ「おはよう、シュー。ねえ、ちょっと変なこと聞くけど……」
lw´‐ _‐ノv
ξ;゚⊿゚)ξ「あんた昨日の夜、私の部屋のクローゼットから突然飛び出して私のお腹を踏ん付けて
消火ホースを引きずってクローゼットに戻ってそのまま消えてなくなったりしてないわよね」
58 :
愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 :2008/06/14(土) 23:28:27.49 ID:jQecCfZx0
30.
lw´‐ 皿‐ノv
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、ううん、いいの。何でもないわ、今言ったことは忘れてちょうだい。
夢よね、うん……」
ツンは首を傾げながら、早足に学校に向かった。
#6はこれでおしまい。
#7へ続く。
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