長岡速報 |
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10 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:09:00.32 ID:YYPnUt9e0
15.ステディ(第四章) 二〇一〇年。天候の不安定な、喪服の似合う五月の頃。 「心母少女」を読了した内藤は、まず困惑した。 ツンがこんな妙な創作をしていたのにも驚いたが、なにより小説の真意が掴めない。 唐突にはじまり、唐突に終了する、その奇妙な筋書きに辟易させられる。 頭を悩ませたが、わからないものはどうしようもない。 やはりデレの失踪の手掛かりには為り得ないのか。 内藤はすぐさま長岡に渡したが、その彼も、 手早く読みきると、たちまちしかめ面になった。 (;゚∀゚)「これは……」 (;^ω^)「やっぱ無関係なんかお?」 内藤の恐る恐るな質問に、長岡はしばらく沈黙し続けたが、 むつかしい顔をしながらも力強い声で、 (;゚∀゚)「……いや! 手ごたえはありますよ」 (;^ω^)「ほんとかお!?」 はい、と長岡は頷いたが、しかし思案をしきりに巡らせるふうになって、 ( ゚∀゚)「しかし……」 呟くと、また心母少女のノートをはじめから捲って、 ( ゚∀゚)「これは、どうも……手ごたえはあるんですが、なんというか……」 ( ^ω^)「? というと?」 目線を文面から内藤のほうへ上げると、かしこまった表情で、 ( ゚∀゚)「たったの一読でですが、これは解釈するたびに不安が覗くのです」 ジョルジュが言うには、この小説とクー・ルーを結び合わせようとすると、 なにやら解釈に余地が残るし、どこか忍びない気分が漂ってしようがない。 それに二人だけではどうにも荷が重い。 ましてやクー・ルーと本当に繋がっているのかも不確定なので、 さしあたってはさらに人を呼んで問題解決に取り組みたい。とのことだった。 ( ^ω^)「それは僕も考えてたお」 ( ゚∀゚)「え、はい。というわけで……部署から選りすぐりの者を呼ぼうと考えてます」 13 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:14:20.46 ID:YYPnUt9e0 たやすく内藤が同意したので、人員増加の話題は円滑にすすんだ。 流石兄弟という、結構な腕利きを推薦し、とうの彼らも二つ返事で了承した。 "心母少女"はすでにいくつもコピーしておいたので、 荒巻にすぐさま返却しようと考えたが、 内藤は、すこし行き当たるところがあったので今はやめておくことにした。 さて、そうして時は経ち、太陽の睨みも辛い五月の半ば。 すでに流石兄弟には小説のコピーと、ことのあらましは渡しているので、 旧内藤宅にお邪魔するなり、開口一番で、 (´<_` )「内藤社長、このたびは我々を選んでいただき、ありがとうございます」 ( ´_ゝ`)「つきましては、さっそく事件の解決と進みたいところです」 と、自信ありげに兄弟そろってシャッポを脱ぐのであった。…… 14 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:16:40.52 ID:YYPnUt9e0 旧内藤宅、というのはN市の住宅街にある、燃えるようなレンガ色の住居であった。 遠目からだと四角錘のようで、周りの風景とまったく同調していない。 引越してから随分たったが、内藤が未だ売却する気になれないのは、 ひとえに逝ってしまった家族のためであるらしい。 そこでの書斎は、いまや埃が層のように積み重なってい、年月の長さを感じさせた。 たとえば本棚の色ははるかにくすんでしまっているし、 肝心の書物も、日焼けして黄ばんでいる。 ことにその書物というのはツンが生前読んでいたものが多く、 ひさしぶりにこの家へ帰宅したさい、内藤はたしょう後悔したものであった。 ( ^ω^)「これはすごい自信だお」 流石兄弟の力強い言葉をきき、舌を巻いた内藤は、赤を基調としたその書斎の、 もっともクリムゾンに近い色のカーペットの上で、せわしなく足を動かしながら、 ( ^ω^)「じゃあ、さっそく聞かせてもらいたいお!」 そういって長岡を促した。 16 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:19:11.56 ID:YYPnUt9e0 内藤が安楽椅子に腰かけ、デスクに肘を置いたのを見計らってから、 長岡は手にある書類をめくって、 ( ゚∀゚)「それでは……さきに、確認をとりたいと思います」 流石兄弟が赤茶色のソファに座り、こちらに耳を向けているのを確認すると、 ( ゚∀゚)「ことのはじまりは、デレさんが十五年前の秋に失踪したことです。 書置きもなく、部屋にあるものといえば薔薇のハンカチ……。 しかし、一向に捜索しても彼女は見付からず、そうして今に至ります。…… さて、そして先日、とある事件が起こりました。 世界的に名高いクー・ルーに鑑定を依頼しましたところ、 意外すぎる、痛烈な返事がかえってきたのです」 (;^ω^)「………」 そこまで話すと、長岡は調子をだしたのか、抑揚のつけた感じになって、 ( ゚∀゚)「しかし、そのクー・ルーはデレさんの失踪について 何かを知っているに違いない。そう考え、彼女の言動から 一つのノートに辿り着きました。 それが、心母少女という小説です」 19 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:21:34.97 ID:YYPnUt9e0 心母少女という単語がだされたそのとき、空気がわずかによどんだ。 しかしまた、話が再開されると先程までの静かな緊張に充ちていった。 ( ゚∀゚)「それは荒巻家の過去の因縁をツンさんなりに解釈を加えたもの、らしいです。 しかし、この小説とクー・ルー。 ひいては、デレさんの失踪。 繋がっているのか、繋がっていないのか。 もし繋がっているとすれば、どう繋がっているのか……」 ( ゚∀゚)「それで、この場に集まっていただくことになりました」 ( ´_ゝ`)「ふぅむ……」 兄者が紫煙くゆらすような手つきをすると、互い互いに顔を覗き始めた。 だれからこのことについて意見を唱えるのか。 そう牽制しあうかと思われたそのとき、 ( ゚∀゚)「では、私から宜しいでしょうか」 不敵な声で切り込んだ。 21 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:24:10.53 ID:YYPnUt9e0 ・軌道線上の争い ( ゚∀゚)「あのパーティーでのクー・ルーの立ち振る舞いは、悪意でしかない」 いきなり突き放すようにいうと、さらに調子を崩さずに、 ( ゚∀゚)「心母少女を読んだ今でも、その説を覆すことはありませんでした。 むしろ、強まったというのがいまの心境です」 ( ゚∀゚)「クー・ルーは壮大な復讐劇を演じているという……」 (;^ω^)「……復、讐かお……」 ( ゚∀゚)「すみません……これ以外に考えられなかったのです」 目を伏せがちにすると、とつぜん重々しい感じになって、 ( ゚∀゚)「我々はなんとしてもクー・ルーに会わねばなりません。 なぜなら、彼女はデレさんの行方を間違いなく知っているはずだからです。 ……クー・ルーが誘拐犯なのですから」 (;^ω^)「なんと!」 22 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:26:28.59 ID:YYPnUt9e0 腰を浮かした内藤に身体を向け、さらに抑揚をつけながら、 ( ゚∀゚)「クー・ルーは果たして何歳なのでしょう。 ……女性だの何だの、ではぐらかされている気がしますが、 ステージで見た限りでは二十後半から三十辺りでしょう。 ところで、デレさんは今ならお幾つでしょうか。 十五年前に十五歳なのだから、三十ですよね。 それを踏まえてみると、クー・ルーはデレさんと 関係があったのでは……と進行することができます」 ( ゚∀゚)「そうして調べました。デレさんが本来受け取るはずであろう 卒業アルバムに、それらしい人物が写っていないかどうか。 すると、一人の美しい少女に行き当たりました。 顔立ちは変わっていましたが、やはり面影のある…… 彼女は素直クーといいます」 ( ^ω^)「!」 そのとき、言下に内藤は立ち上がった。 眉に深い皺をきざませながら、目を見開いて長岡と視線をあわせた。 ( ゚∀゚)「ど、どうか……?」 23 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:28:28.49 ID:YYPnUt9e0 (; ゚ω゚)「そ、そうだったのかお……」 内藤の脳髄はそのとき、十五年前もの記憶を探り当てた。 娘が失踪してすぐ、交友関係をしらべあげて、尋ねまわったあの秋を思い出したのだった。 そうか……そうだったのか。 内藤はにわかに、疑問が氷解していくのを悟った。 あのパーティーでクー・ルーと対面したさい、デジャ・ヴュを感じたのは、 十五年も昔のそれによるものだったに違いない。 とするならば、彼女の証言は重要なものだったろうと考えられる。 (; ゚ω゚)「あのときの、娘が……」 目には生気など宿っていない、虚無だけを見据えたような表情に、 内藤は本当に十五歳なのだろうか、と静かに驚いたものだった。 しかし肝心の、彼女の言葉を思い出せない。 もどかしく、いますぐ記録に手を伸ばしてやりたい気持になる。 25 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:30:29.29 ID:YYPnUt9e0 ( ゚∀゚)「……お知り合いだったのですね」 長岡の言葉も、内藤の耳には届かない。 ただただ、一つの可能性を見出してしまっていた。 (; ゚ω゚)(なら……あのグラジオラスは……) ( ゚∀゚)「当時の同級生の話を聞いたのですが、デレさんは、 その娘と大変仲がよかったとのことらしいです」 その娘に関する情報なら、失踪直後から大量に集め回った気がする。 しかし、それにしてもいままで放置したままだったのは、迂闊というよりない。 ( ゚∀゚)「さて、ここで一つの仮説を立てます! クー・ルー……当時の素直クーは、デレさんと 大親友であった。その仲により、ふと素直クーは ツンさんの書いた不気味な小説を読んでしまう。 その中で、なにかがクー・ルーを駆り立てるものがあった。 27 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:32:52.71 ID:YYPnUt9e0 ( ´_ゝ`)「ほう」 ( ゚∀゚)「件の小説にどういった闇が潜んでいるか、私には検討もつきませんが、 それのせいにより、クーは凶行をたくらむようになる」 ( ^ω^)「凶行……?」 ( ゚∀゚)「デレさんを誘拐したのです」 (;^ω^)「うう……」 (´<_` )「………」 その推理に、空気はいきなり震えた。 目を見開いておののく内藤に、謹んだ口調でなおも、 ( ゚∀゚)「あのパーティーでの、クー・ルーの言葉…… "デレさんは既に亡くなっている"とは、まさに、誘拐が完了、終了したという 宣言に他なりませんね」 (;^ω^)「というと、デレはもう死んでしまったのかお!? 誘拐が終了したとは、そういう意味なのかお!?」 28 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:35:12.16 ID:YYPnUt9e0 ( ゚∀゚)「それはまだ分かりません。あの露骨な怒張、 そう読み取れないとも言い切れませんが、 しかし"もうデレを諦めろ"というメッセージなのかも……」 (´<_` )「ハッ馬鹿馬鹿しい」 長岡の話がさらに盛り上がろうとするそのときに、弟者は鼻を鳴らして遮った。 ( ゚∀゚) ピク…… (´<_` )「どうしようもないコジツケですな。 なぜ、一つ一つの手掛かりを無理に纏め上げようとするのか? そこが理解に苦しむところだ」 いやな視線を硬直する長岡へ送ると、歯の奥から生暖かい息を押し出して、 (´<_` )「一つ一つを見ていきましょうよ? 心母少女という小説、デレ嬢の失踪、クー・ルーの過去…… これらが全て結びつくなんていうのは、空中楼閣以外の何者でもない」 29 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:37:45.47 ID:YYPnUt9e0 (´<_` )「そもそも、例の小説に一体どんな魔力があるというのか?」 断定口調ですすめると、自分を睨みつける長岡から視線を外し、 (´<_` )「いってみればあれは、ツンさんの若気の至りでしかないですな。 考えても御覧なさい。あれに触発されて誘拐を企むなど…… 再読すれば自ずとその考えの愚かさに気がつくはずです」 ( ゚∀゚) 「ずいぶんと断定しているじゃねぇか」 語気の荒くなった長岡の発言をうけると、弟者はまたもそちらを振り向いて、 (´<_` )「あの小説はただ、レズビアンがレズビアンを引き離そうとしたばかりに 天罰めいたものが下った……という、単なる因果応報の話ではないか。 くわえれば、文章も未熟だし構成だってやっつけ仕事だ。 なにより各々の名称からして若気の至りではないか」 ( ゚∀゚) 「名称?」 おうむ返しに呟く長岡をみると、弟者はいきなり声を大きくして、 (´<_` )「これは傑作だ。その小説がクー・ルーを駆り立てるといっておきながら 肝心の細部を無視しているとは」 (´<_` )「主人公の名はプルトニー、そうして残りの少女達は ドローレスにカレットだったね? そうして河の名はマイセン……まだお気づきではないか?」 31 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:41:08.33 ID:YYPnUt9e0 ( ^ω^)「……まさか」 (´<_` )「その心母少女に出てくる名称はすべて煙草と酒が由来ではないか。 だから私は言ったじゃないか。ツン様の若気の至りだ、とね。 このことも含めて言っているのだ」 酒豪だった内藤は、弟者が言い切る前に気がついたが、たしかにそれらの 由来はカクテルやウイスキー、また煙草の銘柄なことに違いは無い。 この場になってようやく思い至ったことに心を曇らす内藤をよそに、 弟者の進撃はまだまだ続いた。 (´<_` )「やれやれといいたくなるような話ではないか。 煙草と酒が元ネタの小説に、一人の少女を凶行に 走らせる魔力など……。 ま、たしかに別の意味では有害かもしれませんがね?」 ( #゚∀゚) 「………」 (´<_` )「結論をいえば、この小説とデレ嬢の失踪は無関係であろう。 パーティーの日にクー・ルーがなにやら呟いたことが おそろしい見当違いの始まりらしいが、それも聞き間違いな気がしますね」 ( ^ω^)「……」 34 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:42:43.49 ID:YYPnUt9e0 (´<_` )「しんぼ……ですか。わけのわからない単語だけに、いろいろ聞き間違いの可能性はありますが……」 内藤宛ての話だけあって、口調も柔らかになったが、それでも毒は隠されない。 (´<_` )「我々も調査しましたよ。デレ嬢とクー・ルーが同級生どころか親友だったかもしれない と行き着いたときにはさすがに驚かされたが、それも単なる偶然であろう。 むしろ、失踪の理由は、その当時ロクデナシの男にこっぴどくフラれて 不登校になった……という、この直接的な部分から探るのが妥当に決まっている」 そこまでいって一息つくと、弟者はふいに内藤のほうへ目を向けた。 雰囲気もいきなり恐縮し、申し訳なさそうなものへ変化した。 (´<_` )「内藤様……このことをどう切り出せばいいのか、私はずっと迷っておりました。 我々の結論は、デレ様は自殺なさったとものだと行き当たりました」 (;^ω^)「うっ……」 覚悟していても、さすがにショックを隠し切れない。 そんな内藤のうろたえぶりをみると、長岡は、 ( #゚∀゚) 「てめぇ!!」 いきなり激昂し、握りこぶしを作り上げた。 36 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:45:21.90 ID:YYPnUt9e0 ( #゚∀゚) 「もっと他の可能性もあるだろが! それだけで人を死んだだと……」 (´<_` )「たしかにあるかもしれない。たんなる、現実逃避の失踪など。 だが、当時十五歳だったデレ嬢は、はたして引きこもりだったというのに 十五年も世間の目から逃げきれるか? 非現実的だ……」 (;^ω^) ( #゚∀゚) 「しかし、しかし……!」 (´<_` )「もっと客観的な意見をもて、ジョルジュ」 呼び捨てにすると、沁み込むように、 (´<_` )「自分の推理、考えに主観を織り交ぜてどうする。 それはただの願望にすぎないじゃないか! どうなんだ? えっ? おれの言うことは間違いか?」 ( ´_ゝ`)「……ふん」 ( #゚∀゚) 「………」 38 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:48:48.07 ID:YYPnUt9e0 (´<_` )「人の願望ばかりが視界を曇らし、結果すべてを見失ってしまう。 どれほど悲しく、虚しいことだと思わないか? あまつさえ事実を捻じ曲げようなど、言語道断だ。 そうなればもう、人はすでに当事者ではない。 観察の側をこえて野次馬をすぎ、たんなるフーリガンと化す」 ( ゚∀゚) 「だからといって、お前は生存している可能性を切り捨てたのか? 言っておくが、おれは別に願望ばかりに頼っちゃいない。 そりゃ、おれはデレさんには生きてほしい、内藤様には安心を与えたい。 だからといって事実を捻じ曲げようなどするものか ( ゚∀゚) 「素直クーのことは調べるだけ調べた。 デレさんが失踪してすぐ、彼女は高校を辞めてすぐ家元を離れて しばらくフリーターとして生きていたらしいが、17歳からはまったく蒸発してしまった ( ゚∀゚) 「残念だが、おれの限界はここまでだった。 だが、この行動だってデレさんの存在を考えれば、わからないこともない」 (´<_` )「それは感心するよ。だが、確証としては大甘もいいとこだろうが。 自分ではわからないか? ただのコジツケだ」 39 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:52:18.53 ID:YYPnUt9e0 ( ゚∀゚) 「そっくりそのまま言い返そうか。お前だって持論が 通ってほしいという願望で可能性を見失っているじゃないか? はてしなく虚しいことだな。 ネガティヴにしか突き進められないなど……」 (´<_` )「……やれやれ。このままではイタチごっこだな」 (;^ω^)「うう……」 (; ω ) 出しっぱなしになっている新品の手紙を、内藤はただぼんやりと見つめながら 椅子に座っているしかなかった。この言い争いは内容が内容だけに、 止めようもないうえ、心身共に辛くさせる。 真っ白な便箋で視界が薄まった、そのときだった。 ( ´_ゝ`)「あー……そろそろ、いいかな?」 兄者が待ちくたびれたような声をあげて制してしまった。 40 名前: ◆tOPTGOuTpU :2008/07/23(水) 00:57:06.56 ID:YYPnUt9e0 ( ´_ゝ`)「いろいろ話は聞かせてもらった。 なかなか興味深くもあったし、じっさいに ふたりの推論だって、おれの考えでは合っているはずなんだ」 (´<_` )「なに……?」 あっという間に場を取り仕切ると、兄者は弟の方を向いて、 ( ´_ゝ`)「そう、だが、まちがっている部分だってある。 だからややこしくなってしまい、こんなことになってしまった。 なんてことはないんだ。ただ、整理するだけでいい」 ( ゚∀゚) 「整理とな……」 ( ´_ゝ`)「ああ、整理だ。…… しかしそれにしても、弟者、お前はまだまだ未熟だな。 このままでは血を分けた兄弟だと信じたくないほどだ。 暖簾だって分けようがない」 辛辣な物言いのまま、兄者はソファから立ち上がった。 ( ´_ゝ`)「ことに例の小説をばっさりを切り捨てたのは悲しいものだ。 どれ、俺がまず揉んでやろう」 もったいぶった言い回しをしてから、ついに兄者は語りに入った…… (ステディ 終) コメント
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