長岡速報 |
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2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 15:42:20.88 ID:1MB4KLmm0
( ・∀・)「君がジョルジュくん?」 _ ( ゚∀゚)「ハイ!よろしくお願いします!社長!」 ( ・∀・)「まあそう硬くならないで、評判は聞いてるよ? 今年の新入社員の中では抜きん出てるんだってね」 _ (*゚∀゚)「こ、光栄です!」 ( ・∀・)「……でね、ジョルジュくん」 _ (*゚∀゚)「はい!」 ( ・∀・)「君にちょっと頼みがあるんだけど」 _ (*゚∀゚)「なんでしょうか!なんでもやります!」 ( ・∀・)「あ、そう?じゃあさ、きみ、……ちょっと捨て駒になってくれない?」 _ ( ゚∀゚)「………………え?」 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 15:43:59.59 ID:1MB4KLmm0 ('A`)逆磁石開発研究所のようです 今の世の中大不況だ。 派遣は切られアルバイトは労働時間を減らされ正社員だって余っているこのご時世 社長直々の命令を断れば首になるのなんて目に見えていること、んなもん誰だってわかる。 例えば俺がその命令を断ったとしたら田舎の母ちゃんはせっかく大手企業に就職したのにクビだなんて……、と泣くだろう。 妹はバカにした目で俺を見るだろう。兄貴は笑って応援してくれるかもしれないが、それは俺のプライドが許さない。 だから多少理不尽な命令でも、俺は遂行してみせるのさ、だって男は出世が命 多少顔が悪くても金と権力があれば男は大丈夫だ、安泰だ 逆に顔が良くても金と権力がなければ男はダメだ、女はそうでもないけど。 なんの話だったっけ、ああそう、あのクソ社長に頼まれた"仕事"だ。 ('A`)「ああ、ジョルジュくん、そこにあるコーヒーをとってくれないか」 _ ( ゚∀゚)「はい、ドクオさん!」 俺はもっさい無精ひげを生やした男ににっこりと笑顔で答え、近くにある白いティーカップに手を伸ばした。 元は白かったであろうそれは若干黄ばんでいて吐き気がする。 いやだいやだ、こんな奴と一緒にいたら俺までこんなになっちまいそうだ。 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 15:48:39.03 ID:1MB4KLmm0 ('A`)「ありがとう、ところでジョルジュくん」 _ ( ゚∀゚)「はい、なんでしょうか!?」 ('A`)「君、なんでこんなところにきたの?」 _ ( ゚∀゚) 俺だってきたくなかったよ、こんちきしょうが。 + + + + + + そもそもの話は社長に呼び出された時まで遡る やったら美人な秘書がお茶を淹れている間、俺はマヌケな表情で社長を見ていたのを良く覚えてるよ 豪華な椅子に座りながら、優雅に笑う社長は絵になるけれど、俺はそれどころじゃなかった、なんせ言われたことがアレだったからな _ (;゚∀゚)「す、捨て駒とは……一体どういう意味でしょうか……?」 もしかしてクビってことだろうか と、内心気が気じゃなかった 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 15:50:08.66 ID:1MB4KLmm0 俺はもしかして、何かやばいことをやってしまったんだろうか、と しかし社長はそんな俺の様子を見て朗らかに答えた ( ・∀・)「ああいや、そんな大げさな意味じゃないんだよ?君も我が社の大切な社員だからね」 _ (;゚∀゚)「はぁ」 ( ・∀・)「この近くに、うちのライバル会社があるのは知っているだろう?」 _ (;゚∀゚)「ああ、モナー製薬ですね」 ( ・∀・)「そう、そいつがさ、なんかよくわかんない研究に手を出してるみたいなんだよね」 _ ( ゚∀゚)「はぁ……」 ( ・∀・)「だからさ、それ、ちょっと調査してきて欲しいのよ」 _ ( ゚∀゚) _ (;゚∀゚)「はぁっ!?」 一瞬、止まってしまった 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 15:51:45.39 ID:1MB4KLmm0 だってそれはつまり、ライバル会社を俺にスパイをしてこいということだろ? 冗談じゃない、まだ入ったばかりで、ロクに会社のことも知らないのに、どうしてそんなことをしなくちゃいけないんだ! そう思っていると、社長はこっちの考えなど見透かしたように笑った ( ・∀・)「会社のことをまだあんまり知らない君だからこそ、いいんだよ」 _ (;゚∀゚)「はぁ……?」 ( ・∀・)「知りすぎてたら逆に怪しいだろう?」 _ (;゚∀゚)「でも、なんで僕なんでしょうか」 ( ・∀・)「君が新入社員の中で優秀って聞いたからさ」 _ (*゚∀゚)「い、いやぁ……そんなことは……」 ( ・∀・)「謙遜しなくてもいいんだよ! 優秀な人に任せたいんだって、こっちもね!」 _ (*゚∀゚)「いや、でも……」 川 ゚ -゚)「私もジョルジュさんの活躍、見てみたいです」 女秘書が、俺にの前に茶を置いて、上目遣いでうっすらと笑った その女秘書はもう本当に美人で、俺は常日頃からチャンスがあればそのたわわな胸に顔を埋めたいと思っていたほどだ 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 15:54:05.99 ID:1MB4KLmm0 そんな女が、俺の活躍を望んでいる そのおっぱいが、今俺の前でたゆんたゆんと揺れている 見てみたい、という台詞が彼女の赤い唇から零れた瞬間、気がつけば俺はやります!と叫んでいた + + + + + + + _ ( ∀ )(…………バカか俺は!!おっぱいに釣られるなんて!バカなのか!?) ('A`)「?どうしたの」 _ ( ∀ )「いえ……おっぱいのことについて考えてました」 (;'A`)「あ……ああ、そう……」 社長の命令は、このモナー製薬の研究開発所にもぐりこみ 彼らが新たに考え計画しているであろうことを暴き伝える事 そして目の前にいるこの男、欝月ドクオが、その研究開発所のトップリーダーである そう、聞いていたのだが…… _ ( ゚∀゚)「あの、ところでドクオさん」 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 15:55:22.05 ID:1MB4KLmm0 ('A`)「ん?」 _ ( ゚∀゚)「他の研究員はいないんですか?見た感じ、ドクオさん一人みたいですけど」 ('A`)「あぁー……なんかねえ……」 _ ( ゚∀゚)「?」 ('A`)「僕と一緒にいるのが耐えられないって言って、皆出て行ったよ」 _ ( ゚∀゚) ('A`)「だからまあ、君もすぐ出て行くとは思うけど、一応よろしくね」 _ ( ゚∀゚)「はい……」 なんか、聞いちゃいけないことを聞いた気がする っていうか聞きたくなかったよ、そんな事実 どんだけのことをしたんだこの人は? 見た目は……年齢不詳の無精髭男で、ちょっと鬱陶しいが、それを除けばまあ普通の人だとは思うんだがな ('A`)「それに、研究員じゃないが、出入りする奴もいるしね」 _ ( ゚∀゚)「はぁ?」 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 15:59:38.81 ID:1MB4KLmm0 その時、まるでタイミングを見計らったかのように、研究室の扉が開いた ζ(゚ー゚*ζ「こんにちはぁ」 現れたのは、金色の髪をくるくると巻いた美女 色白で、ややぽっちゃりした体系は肉欲をそそる _ (;゚∀゚)(で、でかい……!) だが、問題はそこではなく、彼女の胸だ キャミソールの中に納まっているその豊かな胸は、形も大きさも完璧である 揺れたらポヨンという音がしそうで、俺が今まで見てきた中で、理想形と言ってもいい!! 彼女は舌っ足らずな口調で喋りながら、ドクオさんに近付いて言った ζ(゚ー゚*ζ「あれ~? ドクオ博士ぇ、お客さんですかぁ?」 ('A`)「デレくん、君はどうしていつもここに来るかな、ここは一応研究者意外は立ち入り禁止だよ」 ζ(゚ー゚*ζ「えぇ~~? 関係ありますよぉ、だって私、ドクオ博士のお嫁さんじゃないですかあ!」 ('A`)「悪いけどね、僕にそのケはないんだ、他を当たってくれないか そこにいる若者なんてどうだい」 その言葉に、初めてその彼女は俺に気づいたようで、振り返って キョトンとした表情でこっちを見てきた 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:02:28.78 ID:1MB4KLmm0 ζ(゚ー゚*ζ「……どちらさまですかぁ?」 _ (*゚∀゚)「あっ、あの俺……!今日からここに配属になりました……」 ζ(゚ー゚*ζ「まぁ、どうでもいいや。博士~、ケーキ買ってきたので、一緒に食べませんかぁ~?」 俺が自己紹介を終える前に、デレと呼ばれていた彼女は、ケーキの箱を持ち上げて、ドクオさんの方に向かった _ (#゚∀゚)(く、くっそぉ……!) 正直、腹立つ、だってどう考えてもドクオさんより俺の方がイケてるのに! 顔とか、服装とか、その他モロモロの面で俺の方がかっこいいのに、やっぱあれか? 経済力的な?顔はそうでもないけど、やっぱり金って重要だよな ('A`)「ジョルジュくん、君も食べるだろう、ケーキ」 _ (;゚∀゚)「あ、はい……!」 ζ(゚ー゚*ζ「ドクオ博士、どれがいいですかぁ?って言ってもわかってますけど」 ('A`)「なら聞かなくてもいいじゃないか」 畜生、イチャイチャしやがって! 俺は棚からちょっと黄ばんだ食器を取り出すと、三人分研究テーブルの上に並べた 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:05:36.85 ID:1MB4KLmm0 箱の中にはラズベリーのタルトと、苺のショートケーキ、スフレチーズケーキが保冷剤の間に並んでいる ドクオさんはその中の苺ショートを取り出すと、やや嬉しそうな顔でフォークを刺した ('∀`)「僕は甘いものが好きでね、疲れたときは甘いものというけれど、別に疲れてなくても 甘いものは食べるべきだ」 _ ( ゚∀゚)「へぇ~、そうなんスか……」 ζ(゚ー゚*ζ「特に苺ショートが好きなんですよぉ!」 _ ( ゚∀゚)「ああ、そう……」 俺はチーズケーキを食べながら、そんな情報は別にどうでもいいなあ、とか思っていた 早いとここの人が何の研究してるか暴いて、会社に戻って報告して、そんでもって何らかの褒美を貰ったりとか 昇進とか、そんなことを考えてたんだ だってそうだろ、せっかく一流企業に就職したのに、なんでいきなり俺はスパイをやってるんだよ 映画か! そんな展開はまったく望んでないっつうの! _ ( ゚∀゚)「ところでドクオさん、研究は……」 ('A`)「ん~~、僕は基本的に研究は夜やるんだよ、日の光って苦手でさあ」 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:08:23.39 ID:1MB4KLmm0 _ ( ゚∀゚)「えっ、じゃあ昼間は何してるんですか?」 ていうか一日中研究室にいる気か?この男 ('A`)「まぁ主に甘い物を食べて寛いだり、寝たり、テレビ見たり」 ニートか! いや、働いてるから、そうじゃないんだろうけど……ニートに見えるのはこの人の風貌のせいだろうか っつか、他の研究員が出てったのってそれが原因じゃないのか?いくらなんでもずっとこの研究室に 一日中いるとか、心も体も腐っちまいそうだ ('A`)「というわけで、ケーキも食べ終わったし、僕は寝るよ」 ζ(゚ー゚*ζ「添い寝します?」 ('A`)「やめてくれ」 ζ(゚、゚*ζ「ちぇー」 _ ( ∀ )「………………」 ζ(゚ー゚*ζ「ま、いいや、また来ます!じゃあね博士!」 そういって、デレさんは投げキッスをドクオさんに飛ばすとスキップで帰っていった リアルでスキップする人って久々に見たな、いや、今はそんなことどうでもいい 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:09:51.29 ID:1MB4KLmm0 _ (;゚∀゚)「ド、ドクオさん!本当に寝るんですか?」 ('A`)「寝るよ?眠いからね」 研究所の端に小さく設置されているベッドの中へ、白衣を脱いでもぐりこんでいく おいおい、ちょっと待ってくれよ! じゃあ俺は何をしていればいいんだ!?っていうか何のためにここに来たんだ!? _ (;゚∀゚)「あの!俺、今日来たばっかりで全然この辺のことわかんないんですけど、よかったら案内してもらえません!?」 ('A`)「世の中とは便利なモンでね、部屋出たところに案内板があるから、それを見るといいよ」 _ (;゚∀゚)「あ、え、えーと!さっきのデレさんってすごい可愛かったですね!ドクオさんの彼女ですか!?」 ('A`)「……ジョルジュくん、君は何か勘違いしているようだけど」 _ (;゚∀゚)「は、はい?」 ('A`)「彼は男だよ」 _ ( ゚∀゚) ('A`)「お休み」 そういって布団に潜ると、すぐにいびきが聞こえてきて 俺は、いろんな意味でその場に立ち尽くしていた 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:14:55.62 ID:1MB4KLmm0 + + + + + + 研究室の外の椅子に座り、俺は煙草を吹かしていた _ ( -∀-)y-・「何やってんだろ、俺……」 結局あの後ドクオさんは本当に眠っちまったから、俺は仕方なくその辺をぶらついて、夜になるのを待つことにした といっても、結構小さな研究所なんて、見回るところなんてあまりない そもそも俺は研究開発なんて興味がないから、見ても全然面白くない 結局無為に時間だけが過ぎていった _ ( ゚∀゚)y-・「せっかく、いい会社入ったのに、その途端これか……」 あのクソ社長は調査とかいってたけど、これってやっぱりクビなんじゃないだろーか この現状を見ていると、そんな考えが浮かんでくる _ ( ゚∀゚)「そろそろ起きたかな……」 腕時計を見ると午後8時、微妙な時間だが、ここでいつまでもこうしているわけにはいかない _ (;-∀-)「早くおわんねーかな、この仕事……」 俺は腰をあげ、無理やり仕事と言い聞かせると、再び研究室へと戻っていく 仕事じゃなけりゃあ、やってらんねーよ そんなことを呟きながら これが最後の人間の時になるとも知らずに 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:17:19.44 ID:1MB4KLmm0 ・ ・ ('A`)「やあ、お帰り」 _ ( ゚∀゚)「お、お早うございます」 意外にも、というか、当たり前というか、ドクオさんは起きていた やや煤けた白衣を着こんで、テーブルの上に記号の書かれた大きな紙を広げている ζ(゚ー゚*ζ「あれえ?君、まだいたのぉ?」 _ ( ゚∀゚)「あ……」 しかも、その隣にはデレさんまでいた なんだよ、帰ったと思ってたのに、また来たのか? 俺はこの二人の関係性がよくわからなかったが、まぁ関係のないことなのでその場は流した _ ( ゚∀゚)「ええ、まぁ……」 ζ(゚ー゚*ζ「ふぅん……でも、これから帰りたくなると思うよぉ っていうか、帰ったほうがいいと思うけどなぁ~」 彼女は俺の言葉ににんまり笑うと、その大きな胸をテーブルの上に載せながら顎に手をあて椅子に座る ……何が言いたいんだ、この人は 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:19:26.62 ID:1MB4KLmm0 ('A`)「デレくん、あまり脅かさないように、……ああ、それとジョルジュくん」 _ (;゚∀゚)「は、はいっ!?」 ('A`)「あんまりうろちょろしたら危ないから大人しくしてるんだよ?僕は忠告したからね」 _ (;゚∀゚)「は、はぁ……?」 そりゃあ確かに俺はこれから何をやるかも知らないし 研究とかも全然わからないけど、いくらなんでも動くなってのは酷いんじゃないだろうか 一応俺はここの研究職員なワケだろ(スパイだけど) _ (;゚∀゚)「でもそれじゃあ俺、なんのために来たのか……」 ζ(゚ー゚*ζ「シィッ……」 _ (;゚-゚)「むぐっ……」 デレさんの指が、俺の唇に当てられた、細く柔らかい、女性のような指だ _ (;゚-゚)(な、何を……?) ζ(゚ー゚*ζ「喋ったらダ・メ……集中力、切れちゃうでしょ?」 妖艶な笑みで耳元で囁くと、その指はすっと離れていく すると、俺は魔法でもかけられたかのように、口を開くことが出来なくなっていた 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:23:46.31 ID:1MB4KLmm0 _ (;゚∀゚)(一体、何が始まるっつうんだよ……) 研究室の電気がジジッと揺らぐ 電球が切れかけなのかもしれないが、この空気の重さに拍車をかけるようで、俺はちょっとだけ 震えた ( A )「これで37回目……」 _ (;゚∀゚)「…………?」 俺が息を潜めていると、ゆらりとドクオさんが手を上げた 作業台の上に開かれた紙の上をゆっくりとなぞって行くと、そのなぞった後が僅かながら光っているのが見える _ (;゚∀゚)(なんだ……!?) ( A )「フエライト……鉄、合金、コバルト、アルミニウムとニッケル、さらにランタノイドのサマリウム、 ネオジムを足して、プラスするケイ素に……」 俺には良くわからない化学記号、とでも言うんだろうか、そんな言葉をブツブツ呟き出した 傍目には完全に関わりたくない危ない人だ _ (;゚∀゚)「…………」 ζ(゚ー゚*ζ デレさんは何も言わずに、それを見つめている。むしろ、少し嬉しそうに、口元が歪んでいるようだった 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:25:54.43 ID:1MB4KLmm0 _ (;゚∀゚)(あ……?なんだ?) そのとき、なぞっていた紙ぐにゃりと歪み始めた ……これは俺の錯覚か?いや、違う、確かに動いている _ (;゚∀゚)「…………!?」 ( A )「成功、成功、成功、精巧に作って今度こそ……失敗の母は成功に導く ための鍵なんだよ……」 まるで意思を持ったように、紙がうねうねと、ぐにゃぐにゃと動き始めた そもそもアレは本当にただの紙なのだろうか? 生き物のように動き回る紙を、俺はただじっと見つめていた ( A )「ふふ……ははははははあはは、クロムと銅にゲルマニウム、セレン、クリプトンイットリウムにニオブ モリブデンパラジウム、カドミウムアンチモン、テルル……!」 パンッ!!と研究室の窓ガラスが割れた _ (;゚∀゚)「ひっ……!」 散らばった破片が、研究室の外に飛んでいく、まるで何かに耐え切れなくなったみたいに 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:29:47.73 ID:1MB4KLmm0 _ (;゚∀゚)「なっ……!?何だよもう……!?!」 たまらなくなって、俺はその場を動いてしまった ガタン、と後ろにあった椅子がひっくり返る ζ(゚ー゚;ζ「あっ」 その途端、ドクオさんがこっちを向いた、生気のない、白目を向いた顔で、不気味に笑う。 まるで幽霊にでも出会ってしまったような気分だった 彼はニタニタ笑うように、ゆっくり近付いてきて 情けなくも足がガクガクと震え、俺はその場にへたり込んだ その、瞬間 ( A )「なあ、ジョルジュくん、だからぁああぁぁぁ……」 _ (;゚∀゚)「あ、あぁぁあ……!」 (゚∀゚)「だから、動いたらいけないよって、いったのにいぃぃいいいいいいいいい」 _ ( ∀ )「うわぁああああああああああああ!!」 作業台の紙が、いや、作業台の上の何かが、俺の方に襲い掛かってきた 白色かと思っていたそれは、良く見ると人の皮膚の色に近い 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:33:13.21 ID:1MB4KLmm0 嫌な音が耳に響いた 蛍光灯がバチバチと音を立てて、部屋を闇へと導いていく _ (; ∀ )「あっ!?あぁがぁぁああああああ!!?」 ζ(゚ー゚*ζ「あーあ、だから、帰った方がいいって言ったのにぃ……」 暗闇の中、含んだような笑い声が聞こえる う、うるせえええ!! なんだよこれ!?腕がなんかみしみしいってやがる!! 張り付いてきたその"何か"が、俺の腕を覆うようにして、浸透していく 侵食していく 熱くもないし、冷たくもない、痛くもないし、痒くもない だけど肌が圧縮されていく、そんな感覚 _ (; ∀ )「はぁっ……はぁっ…………!!あ、あああああ!!」 腕の中に何かが"棲み着いた" そう感じた瞬間、俺は意識を手放していた 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:38:05.37 ID:1MB4KLmm0 ・ ・ 気がつくと、俺は布団の中にいた 暖かい布団の中に包まりながら、ああ、よかったやっぱり全部夢だったんだ と幸せな気分に使っていると、ぬぅっともっさい男が顔を出した ('A`)「やぁお早う、気分はどうだい?」 _ ( ゚∀゚) 夢だったら、よかったのになぁ _ (;゚∀゚)「俺……」 ('A`)「人格に問題はないようだね、ごめんね」 _ (;゚∀゚)「はぁ……?」 ('A`)σ「いや、腕」 目の前にいるドクオさんは俺の腕の方を指差す 気が付けば研究室には渦巻くようなあの感覚も、不気味な空気も綺麗サッパリ消えていて ドクオさんも、さっきまでの鬼気迫ったような顔ではなくなっていた 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:41:41.52 ID:1MB4KLmm0 _ ( ゚∀゚)「腕……?」 そういえば、さっきから腕に妙な違和感がある 俺は自分の手を見ると同時に _ ( ∀ )゚ ゚ やっぱり、これは夢だと思い込んだ ζ(゚、゚*ζ「また失敗でしたねぇ、博士ぇ」 ('A`)「そうだね、でも近付いているとは思うんだ」 _ ( ∀ )「お、俺の……腕……」 なんだ、こいつらは?さっきから何言ってんだ 頭がぐるぐると回る そんな横でデレが朗らかに言い放つ ζ(゚ー゚*ζ「次はがんばりましょうね!」 ('A`)「ああ、そうだね」 俺の!腕がこんなになってるっつーのに!! 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:43:33.99 ID:1MB4KLmm0 _ (#゚∀゚)「じょっ……」 ('A`)「ん?」 _ (#゚∀゚)「冗談じゃねぇえええええ!!なんだよこの腕はぁ!!?」 だらん、と伸びた俺の腕は形は変わっていない ただ、変わっていたのは、長さだった およそ常人の二倍から三倍の長さに伸びた腕は、立ち上がった俺の身長でも尚 床にべたりとくっついている 動くことは動く、が、こんな姿じゃ生活も何もできたもんじゃない ('A`)「うん、失敗してしまったんだ、ごめんね」 _ (#゚∀゚)「はあぁぁあ!?ふっざけんな!!ごめんですむと思ってんのかぁ!?」 ζ(^ー^*ζ「うふふ、だから言ったじゃない、帰ったほうがいいって」 _ (#゚∀゚)「テメェは黙ってろよこのオカマ野朗!」 ζ(゚皿゚#ζ「あぁ!?もっぺん言ってみろよこのゴン太眉毛!チンコ引っこ抜かれてえのか!!」 ('A`)「デレくん、声色が元に戻っているよ」 ζ(゚∩゚*ζ「あらやだ」 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:46:57.59 ID:1MB4KLmm0 _ (#゚∀゚)「んなあことより説明しろ!説明!さっきのアレはなんだ!俺の腕はどうした!? っていうかもう……なんなんだよこれっ!!ここは化粧品の開発所じゃねーのか!?」 俺が怒鳴っても、ドクオさんは顔色一つ変えることなく、作業台の上にあるコーヒーを啜った ('A`)「君、もしかして何も聞いてないの?」 _ (#゚∀゚)「はぁ!?」 ('A`)「ここはモナー製薬の裏の研究所、略してモナ裏」 ('A`)「主に人体実験を行うところだよ」 _ ( ゚∀゚) ('A`)「そんでもって僕が実験主、ま、最近被験者がいないから自分でやってたけど ……なんだ、君、何も知らされてなかったんだね」 ζ(゚ー゚*ζ「おかしいと思いましたぁ」 実験体? 何、え、何?こいつら何いってんの?っていうか略した意味って何? 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:52:45.79 ID:1MB4KLmm0 ('A`)「まあでも、腕が長いと色々便利だよ、高いところに手が届くし」 ζ(゚ー゚*ζ「そうですよぉ」 二人はにこやかに笑う が、こっちはそんな心境じゃないし、ましてや笑えるわけがない _ (# ∀ )「ふっ……ふっ……!」 _ (#゚∀゚)「ふざけるなぁあああああ!!」 本日何回目かになる俺の叫び声が、研究室内に木霊した 畜生、やっぱり体のいいリストラだったんじゃねえか! 騙された!あのクソ社長め! 殺す!絶対殺す!! ('A`)「やっぱりその体、嫌かい?」 _ (#゚∀゚)「当たり前だぁああ!俺は手長猿か!どっかの芸人か!?」 ζ(゚ー゚*ζ「手の長いジョルジュさんの方が、魅力的ですよぉ」 _ (#゚∀゚)「オカマ野朗に好かれても嬉しくもなんともねーんだよ!!」 ζ(゚∀゚*ζ「はぁ!?あんま調子に乗ってると殺すぞ!?」 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 16:59:30.56 ID:1MB4KLmm0 ('A`)「やれやれ……」 _ (#゚∀゚)「やれやれ、じゃねーよ!アンタが原因だろうが!」 ('A`)「そう怒らないでくれよ、治らないわけじゃないんだから」 _ (;゚∀゚)「え、そうなの?」 俺はてっきり、この思い腕を一生引きずって生きていかなくちゃいけないのかと思っていたが どうやらそれは勘違いだったようだ ('A`)「ま、完全に治るとは言いがたいんだけどね、少なくとも、普通の腕の見てくれにはできる 貸してごらん」 _ (;゚∀゚)「はぁ……」 俺は、3m近くに伸びた腕を、ドクオさんの方に差し出した ドクオさんは薬品棚を漁ると、なにやら黒い石のようなものを取り出し、俺の肩へと取り付ける その瞬間、物凄い重力にでも引っ張られたように、俺の腕が凝縮していった _ (; ∀ )「!?痛ぇえええええええ!!!」 ('A`)「あっ、言い忘れたけど、これつけたらすごく痛いよ」 _ (; ∀ )「言うの遅ぇえぇええええええ!!!」 みしみしと骨が歪んでいくように、腕全体が悲鳴をあげた 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:04:46.79 ID:1MB4KLmm0 ('A`)「コレが僕達の開発してるものでね、"逆磁石型皮膚"といって……」 _ (; ∀ )「痛ぇえええええ!!ちょっ!待って!!」 なんで今説明するんだよ!もっと説明するシーン他に沢山あっただろうが!! 俺が腕を押さえてのた打ち回っていると、デレが俺の肩を穿いていたミュールで抑えた ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫ですかぁ?」 _ (; ∀ )「ぎゃぁぁぁああああ!!てめぇええええええええ!!」 ζ(^ー^*ζ「こうしたら、くっつきが早くなるんですよぉ」 そういって、俺の肩をミュールのカカトでぐりぐりと圧縮していく 痛い、マジで痛い つうかこれ俺の肩が異常じゃなくても、普通に痛い行為だろ このオカマ野朗、絶対後で殺す!! ('A`)「まぁ、痛いのは最初だけだから、我慢してね~」 _ (; ∀ )「あぁぁぁあああああああ!!!」 地獄か、ここは? 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:12:36.14 ID:1MB4KLmm0 ・ ・ ('A`)「落ち着いたようだね」 _ ( ;∀;)「てめぇら絶対殺してやるからな……絶対に許さねぇ!絶対にだ!」 漸く普通のサイズになった俺の腕に包帯を当てながら、ドクオさんは苦笑した なんでそこで苦笑? 苦笑したいのはこっちだよバカヤロウ! デレは紅茶でも淹れているらしく、研究室内には紅茶の香が漂っていた ('A`)「さて、説明が遅れたけどね、今君の腕にくっついているのは逆磁石という代物だ」 _ ( ゚∀゚)「ギャクジシャク……?」 ('A`)「君は頭が悪そうだけど、磁石くらいは知っているだろう?」 _ ( ゚∀゚)「理科の実験とかに使うあれ?」 ('A`)「そう、僕が研究しているのはその磁石を利用したものだ」 _ ( ゚∀゚)「化粧品の会社なのに?」 ('A`)「化粧品の会社だからさ」 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:19:53.97 ID:1MB4KLmm0 そういって、持っていたコーヒーをまた一啜り っていうか、今さり気なく頭が悪そうとか言わなかったかこの人 確かに俺は頭はそんなによかねえけど、磁石くらいは知ってるよ!S極とN極のあれだろ! _ ( ゚∀゚)「その、磁石でどうして俺の腕がこんなファンタスティックになるんだよ!」 ('A`)「もともとこの磁石はね、移植用の皮膚、もとい染みやそばかすを隠す人工肌として作ろうと思ってたんだよ」 _ ( ゚∀゚)「?」 ('A`)「磁力を含んだ粒子を目に見えないほどに小さくして、皮膚に近い材質と混ぜ合わせるんだ そうして肌に埋め込むことによって、ハリをつくり、更に粘糸の……」 _ ( ゚∀゚)「?すみません、わかりやすくお願いします」 ('A`) ζ(゚ー゚;ζ(あ、頭悪っ……!) ('A`)「うん、だからね、簡単に説明すると、君のに付いたその磁石肌はもう取り除けない」 _ ( ゚∀゚)「へぇー……」 _ ( ゚∀゚) _ (;゚∀゚)「……えっ!?」 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:27:07.86 ID:1MB4KLmm0 ('A`)「これの悪いところはね、完全に皮膚に付着してしまうところなんだ 無理に剥がす事は不可能、とろうとすれば、本来の皮膚も剥がれてしまうだろうね」 _ (;゚∀゚)「グ、グロ……」 ('A`)「まぁそんなに悪いこともないさ、腕としての機能はちゃんと果たすし、その肩のコントロール磁石を 取り除けば、伸びて高いところにも手が届く、便利だろう?」 _ (;゚∀゚)「そういう問題じゃねえんだけど!!」 ζ(゚ー゚*ζ「慣れると平気ですよぉ」 _ (;゚∀゚)「テメエに何がわかるんだよ!」 ζ(゚ー゚*ζ「わかりますよぉ、だってデレも、"逆磁石肌"の持ち主ですもん」 _ (;゚∀゚)「は……?」 デレが徐にキャミソールを脱ぐと、白い肌の上にくっついたたわわな胸がぼよんと揺れた _ (*゚∀゚)「な、なんのつもりだ!?騙されねーぞ、こんにゃろう!」 ζ(゚ー゚*ζ「そうじゃねーよ、太眉ごときが勘違いすんな」 ドスの聞いた声で言うと、彼女(?)は肩についた磁石を取り外す 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:33:35.31 ID:1MB4KLmm0 そうして、裏返しに磁石を取り付けると、バチン、と音がして、デレの胸は消えた _ ( ゚∀゚) ζ(゚ー゚*ζ「ね?デレは胸にこの逆磁石が取り付いちゃったんです、納得しました」 _ ( ゚∀゚)「事実は知ってても、見たくなかったよ……」 男ということは除いても、理想的な顔立ちと胸だと思っていたのに、まがい物だったなんて…… 世の中嘘ばっかりだ 俺は絶望にくれていっそのこと放火でもしたい気分だった ('A`)「まあ、慣れれば結構楽しいから、そう悲観しないで」 _ ( ∀ )「うるせぇ……」 ('A`)「それに、これくらいで悲観してたら、これから知る事実に更に打ちひしがれちゃうよ」 _ (;゚∀゚)「……は?」 まだ、何かあるっていうのか? いい加減にしてくれよ ('A`)「君は、あの光景を見て、不思議に思わなかったのかい?」 _ ( ゚∀゚)「あの、光景」 確かに、異様な光景だった 大体、あんなただぶつぶつ呟いているだけで窓ガラスが割れるなんてあるのか? 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:39:12.09 ID:1MB4KLmm0 ('A`)「アホのジョルジュくんでも解るかもしれないが、原理がわかっても、今の科学じゃこんなものを作るのは不可能なんだ」 _ ( ゚∀゚)「ドクオさん、さっきから俺のこと頭悪いと思ってますね」 ('A`)「ああ、思っている。それで、僕は考えたんだ」 _ ( ゚∀゚)「はぁ……?」 もう、頭のことはいいや、否定しないでおこう。面倒だし ('A`)「黒魔術に、お願いしようと」 _ (;゚∀゚)「科学者!!落ち着けよ!!」 ζ(゚ー゚*ζ「デレがアドバイスしたんですよぉ」 _ (;゚∀゚)「お前のせいでこんなことに!?」 ('A`)「ジョルジュくん、君はわかっていないかもしれないが……」 _ (;゚∀゚)「はぁ」 ('A`)「世界は君が思っているよりも、結構不思議に溢れているんだよ」 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 17:47:30.50 ID:1MB4KLmm0 _ (;゚∀゚)「………………」 ダメだこの研究所、早くなんとかしないと っていうかさっきの良くわかんねー説明はなんだったんだよ! しかも黒魔術で願いかなっちゃうのかよ! ('A`)「世界って結構面白いだろう?」 _ (;゚∀゚)「面白いのはアンタの頭ですよ!大丈夫ですか!?」 現に俺の腕が今イリュージョンだし、この人のわけのわからん理論と、黒魔術とやらで こんなことになったのは、まぁ認めよう でも、それなら _ (;゚∀゚)「っていうか、それだったら、俺の腕も黒魔術とやらで治せるんじゃないですか?」 ('A`)「それは無理だよ」 _ (;゚∀゚)「どうして!?」 ('A`)「何か物事を叶えたいときは、代償が必要になるからねえ」 そういって、今度はドクオさんが服を脱ぎ始めた どうしてここの人たちは唐突に服を脱ぎ出すんだよ、戸惑うわ 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:35:09.40 ID:1MB4KLmm0 ('A`)「僕は研究を成功させる代わりに、自分の体を悪魔に明け渡した」 _ (;゚∀゚)「は……?あ……!」 服を脱いだドクオさんの体は、痩せすぎた細い皮膚の上に、無数の目や鼻、口が浮かんでいた _ ( ;∀;)「ぎゃぁぁああああああ!!怖いぃいいいい!!」 ('A`)「僕の体には沢山の何かが取り付いているそれ「ぎゃぁあああああああああああ!」がどんな奴らで これからどんな方向「怖いよおぁあああああああああ!!」に向かうのか、僕は知らない」 ('A`)「……聞いてよ」 _ ( ;∀;)「すんません。でもグッ、グロ注意ならちゃんとそう言ってくださいよぉ……」 俺が泣き出した瞬間、ぎょろり、と体に張り付いた目玉が一斉にこっちをみて 張り付いた口は不気味な笑いを漏らしだした 異形、というのはこういうことか 厚い服を着ていれば解らないかもしれないが、正直お近づきになりたいとは思わない ('A`)「君はこんなになってまで、その腕を治したいのかい?」 _ ((;゚∀゚)) ブルブル 冗談じゃない、誰がそんな怪物みたいな体になりたいもんか ('A`)「だったら、諦めることだね」 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:37:11.59 ID:1MB4KLmm0 そんな…… と俺がうな垂れた時、降りかかってきたのは更にきつい言葉だった ('A`)「……と、言おうと思ったんだけど、どうやらそれすらも無理みたいだ」 えっ? _ (;゚∀゚)「無理ってどういう……?」 ('A`)σ「肩」 _ ( ゚∀゚)「肩?」 指差されたで、俺は自分の肩を見てみた そういえば、さっきからやけに肩が重いような…… _ ( ∀ )゚ ゚ 両肩に目をやった瞬間、今度こそ俺は夢の中に迷い込んだのだと思った こんなこと、現実であってたまるかってんだよ _ ( ∀ )「な……なっ……」 指された両肩には、腕が一本ずつ生えている つまり俺は、腕四本の化け物になっているってことだ _ ( ;∀;)「あぁぁぁぁぁああああああああ!!」 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:39:11.11 ID:1MB4KLmm0 ('A`)「ごめんね、なんか手違いがあったのかも、君の腕にも僕と同じ”何か”が あの実験で取り付いちゃったかな」 ζ(゚ー゚*ζ「うっかりですねぇw」 _ ( ;∀;)「うっかりですむかバカヤロー!さっきまでならともかく もう俺社会的に終わったじゃねえか!うわあああぁぁあああ!!」 ('A`)「スパイダーマンみたいで格好いいよ」 _ ( ;∀;)「そんなフォローいらねえ!戻せ!もどせぇええ!!!」 ('A`)「無理」 もどせえぇええええええええええええ!! 俺の叫び声が、夏の夜空に木霊した + + + + + + + 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:41:52.18 ID:1MB4KLmm0 それから、数日後 俺は再びあのクソ社長の部屋へと訪れていた 社長は例の美人秘書と結婚したらしく、女秘書の苗字が変わっていた 二人揃ってくたばれ ( ・∀・)「やあ、いらっしゃいジョルジュくん、久しぶりだね、そっちの様子はどうだい?」 _ ( ゚∀゚)「どうもこうも、見てわかんねーのかよ、この様ですよぉー」 四本の手を振り上げた ( ・∀・)「スパイダーマンみたいで格好いいよ」 _ (;゚∀゚)「そんなフォローいらねーよ!っていうかそのフォロー流行ってんの!?」 ( ・∀・)「ふふ、まあいいじゃない、それで、何の用かな?まぁなんとなくわかっているけど」 _ ( ゚∀゚)「…………」 俺は二本の腕で腕を組みながら、もう一本の腕で茶を啜り、さらにもう一本の手で胸から辞表を引き抜き 机の上に置いた _ ( ゚∀゚)「あんたさぁ……最初から、俺がこうなるってわかっててあそこにスパイとして入れただろ」 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:47:48.68 ID:1MB4KLmm0 ( ・∀・)「……なんのことかな?」 社長は、妻の入れたコーヒーを飲みながら、表情を崩さずに笑う その笑顔が返って癪に障った _ ( ゚∀゚)「いいよもう、大体捨て駒って言われた時点で、怪しいと思ってたんだよ」 ( ・∀・)「へぇ」 _ ( ゚∀゚)「それに、もう諦めはついてんだ」 ( ・∀・)「おやおや、諦めがいいねえ、君は」 _ ( ゚∀゚)「うるせえ、ともかく、俺は此処を辞めますよ、それでいいんでしょ?」 ( ・∀・)「ふふっ……」 にこやかに笑う社長の顔を殴り飛ばしたい衝動に駆られたが、これからの俺の人生の保障を してくれたんだから、それは勘弁してやろう ただ、と俺は立ち上がる _ ( ゚∀゚)「ただ、一つ聞きたいことがあるんだけど」 ( ・∀・)「なんだい?」 _ ( ゚∀゚)「なんで、俺だったんだ?」 あそこに送られるのがスパイじゃなくて、元からドクオさんの研究の被験者として送られる 予定だったのは、もうわかっていた 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:51:28.87 ID:1MB4KLmm0 だって、社長の名前は、欝月モララーだから 川 ゚ -゚)「そんなこと、聞いてどうしますか?」 女秘書、もはや社長と同じ苗字を共有している奴が面倒そうに言った うるせえな、お前のおっぱい爆発しろ _ ( ゚∀゚)「別に、ただ、聞きたいだけさ」 ( ・∀・)「簡単だよ、それは」 _ ( ゚∀゚)「あん?」 ( ・∀・)「君が、新入社員の中で一番頭が悪かったから」 俺は社長をぶん殴った 四本の腕で殴ったら、社長は綺麗に飛んだ _ ( ゚∀゚)「とりあえずこれで勘弁してやるよ」 (#)・∀・)「ジョルジュくん、カイリキーみたいで格好いいよ」 _ (;゚∀゚)「もういいよフォローは!」 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 18:58:31.09 ID:1MB4KLmm0 (#)・∀・)「ちなみにさっき言ったスパイダーマンみたいでカッコイイよって言ったのは 君がスパイに行ったこととかけてて……」 言い終える前に社長室を飛び出した もう面倒くさかったし、あんなアホ社長に付き合ってられっか 貰えるもんは貰ったし、俺はその足で研究所へと向かった 研究室は夜だというのに、いや、夜だからこそ煌煌とした明かりが灯っている 中にはドクオさんとデレがいつものように、研究台の上に紙を広げていた _ ( ゚∀゚)「ただいまっす」 後で聞いたのだが、あの元素記号の書いた紙は、ただの紙ではなく、実験に使う材料と 黒魔術を呼び出すのに使うものだったらしい。 つくづく、変な研究所だ ('A`)「やぁ、お帰り。兄さんはどうだった?」 _ ( ゚∀゚)「言っちゃあ悪いけど、バカみたいだったぞ」 ('A`)「うん、まぁそれは致し方ないことだ、でも、お金はくれただろ?」 _ ( ゚∀゚)「まぁ……」 93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:04:11.73 ID:1MB4KLmm0 弟の研究材料になった俺に、社長はとりあえず膨大な金を俺に寄越した それが幸せなのかどうかはわかんねーけど、まあ世の中金だしな 貰えるもんは貰っとくさ ζ(゚ー゚*ζ「はぁーあ、せっかく二人きりだと思ってたのに」 ('A`)「君と同じ境遇なんだから、そんなに喧嘩しないでくれよ」 ζ(゚ー゚*ζ「はぁい」 そして、信じられない話だが、デレも元はあの会社の社員だったらしい しかも、その頃はまともな男だったとか 何がどうなって、今のこいつが形成されたのかは知らないが、とりあえず、怖いから知らないでおこうと思う 知らないほうが幸せだった、そういうことが、この世の中には溢れているんだ ('A`)「ジョルジュくん、その棚にあるやつ取ってくれるかい?」 _ ( ゚∀゚)「ああ、はい」 今では俺も自由に腕の伸縮は自在になった もしかしたら細胞が作り変えられているのかもしれない、ちょっとした形なら 新たに生えた腕の形状を変えられるようになってきた ('A`)「いやあ、便利だね、それ」 _ ( ゚∀゚)「そうですか」 ('A`)「うん、便利便利、君にそれがついててよかったよ」 95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:08:42.47 ID:1MB4KLmm0 と、まったく嬉しくもない台詞を吐いて、ドクオ博士は笑った この人は、自分の研究が終わるまで、この実験を続けるんだろうか ……まあ、続けるんだろうな そんで俺は、きっとこの人のそばでその研究を手伝うことになるんだろう、デレみたいに いつか自分の体を取り戻すまで _ ( ゚∀゚)「博士、また実験するんですか?」 ζ(゚ー゚*ζ「デレもいれてください~」 ('A`)「あまり騒がないでくれ、とりあえず、皆でケーキでも食べようじゃないか」 そうして、優雅なティータイムを終えると、狂気に満ちた夜が始まる 終わり 100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:11:17.04 ID:1MB4KLmm0 勢いでスレ立てしてみるとロクなことにならねーぜ!! 支援ありがとうございました! 元々は総合でもらったお題で書いた話なんだけど、ちょっと長くなったからスレ立て! 貰ったお題は ・捨て駒になってくれないか ・逆磁石 でした >>51 世の中には、ながらじゃないと投下できない性癖の持ち主もいるんだ…… ところで、ちょっとお題貰って書いてみたいから、お題ください 110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:28:32.15 ID:1MB4KLmm0 お題:デレの過去 _ ( ゚∀゚)「なぁデレ」 ζ(゚ー゚*ζ「なぁにぃ?」 それは優雅な昼下がり 当たり前のようにドクオ博士が研究所のベッド眠っていると、デレはこれまた当たり前のようにドクオ博士の寝顔を うっとりと見つめていた ドコがいいんだ?この鬱陶しい髭男の と、何度も言おうとしたが、その後の自分がどうなるかなんとなくわかったので言うのはやめておいた _ ( ゚∀゚)「お前さ、昔俺と同じくモララー社長の会社にいたんだって?」 ζ(゚益゚ζ「……あぁ?」 _ (;゚∀゚)「えっ、なんか初めて見る顔してる!? 俺聞いちゃいけないこと聞いた!?」 ζ(゚皿゚*ζ「……そんなんだからジョルジュくんは空気の読めない若者って皆に呼ばれるんだよ」 _ (;゚∀゚)「俺そんな風に呼ばれてるの!?やべっ、ショック!」 ζ(゚ー゚*ζ「乙女の過去を暴こうとするなんて、正直最低だと思う」 _ (;゚∀゚)「お前男じゃん……」 111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:29:34.80 ID:1MB4KLmm0 ζ(゚ー゚*ζ「フフン、見た目は完璧な女の子だからいーの! それに……ドクオ博士は私をいつか完璧な女の子に してくれるって、信じてるんだから!」 表情だけは夢見る乙女のような顔で、デレは天を仰ぐように、祈りを捧げるように、うっとりと目を閉じた _ (;゚∀゚)「博士は別にお前を女にしようとは思ってないと思うぞ?っていうかあの人、他人に興味無さそうじゃん」 ζ(゚ー゚*ζ「何よ、自分がモテないからって妬かないでよ」 _ ( ゚∀゚)「少なくともお前には妬かねぇよ」 ζ(゚ー゚*ζ _ ( ゚∀゚) ζ(゚ー゚*ζ「デレがドクオ博士と仲良しなのが羨ましいんでしょ」 _ ( ゚∀゚)「なんでだよ、俺はお前とは違ってノーマルだよ」 ζ(゚ー゚*ζ「デレだってノーマルだもん」 いや、だからお前男じゃん! そういうと、今度こそデレの逆鱗に触れたようで、俺は肩目掛けて足を振り下ろされた しかもこいつ、わざと磁石入ってるところ狙ってきやがった、マジありえないこの女 肩に埋め込まれていた磁石が外れて、俺の腕は3mのサイズに戻ってしまった 112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:32:31.30 ID:1MB4KLmm0 _ (#゚∀゚)「っ……お前なぁああ!!痛ぇだろがこの偽乳野朗がぁあ!!」 ζ(゚皿゚#ζ「んだよやんのかこの手長猿!」 _ (#゚∀゚)「るっせーブース!」 ζ(゚皿゚#ζ「殺す!!お前を苦しませて殺す!ドクオ博士なんてね、初めて会ったとき『女の子みたいな顔だね』 って言ってくれたんだからね!」 _ (;゚∀゚)「それ俺だったら普通に失礼だと思うぞ!?」 初対面の男にそんなこと言ってんのかよあの人! ζ(-∀-*ζ「その時デレは運命を感じたの!!デレのお婿さんはあの人しかいないって思ったの!!」 _ (#゚∀゚)「だっから!てめーは男だっつってんだろぉおおお!!」 ζ(゚皿゚*ζ「それは禁句だろぉがぁああああああ!」 ガチャン、だとか、パリンだとか、色んな壊れる音が不協和音を奏でていたが そのときの俺たちは気づいていなかった 後に、起きたドクオ博士に怒られたことは、言うまでもない 113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:43:12.34 ID:1MB4KLmm0 お題:ペニサスが出ればなんでもいいよ 醤油の空ボトル 私の名前はペニサス伊藤 実はこの研究所で働く女、だけど存在感が薄いせいか、誰も気づいてくれない ('、`*川「ドクオ博士、いらっしゃいますか」 ('A`)「…………」 どうやら研究に没頭しているようだ この人は時折私の理解を超えた行動に出るので、私自身あまり関わりたくないとも思っている ペニサス伊藤は、普通の女でいいのだ _ ( ゚∀゚)「あー、博士ー、またなんか作ってるんですかー?それより腹減りません? なんか出前とりましょうよー!」 ζ(゚ー゚*ζ「それより、私が何か作りましょうか?」 そんなことを考えているうちに、他の人たちが帰ってきた 一人は、結構前からいる女の人、かなり可愛いけど、私はあまり好きじゃない そしてもう一人は、何故か腕が四本ある男、新顔だ どちらも私の存在には気づかない ……せっかく、食事を持ってきたのに 114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:44:40.54 ID:1MB4KLmm0 存在アピールとして、毎日醤油の空ボトルを部屋の前に置いたりしているのに どうして彼らは私に気づかないのだろう ('A`)「僕はいいよ、君たちだけ食べるといい」 _ ( ゚∀゚)「なんで俺がこいつと食べなくちゃいけないんですか」 ζ(゚ー゚*ζ「吐いちゃうじゃないですか」 ('A`)「君たち、いつの間にか仲悪いな」 ('、`*川「…………食事、ここにおいておきますね」 三人分の食事の乗ったお盆を、見えやすいところにおいておく それから、静かに外に出た。きっと、匂いで気づくだろう そう信じて、私は今日も来たことアピールとして、醤油の空ボトルを部屋の前においておいた 別に、目立つことはないけれど、それでもちょっとは気づいて欲しい そんなペニサス伊藤でした 117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:55:20.07 ID:1MB4KLmm0 お題:祭囃子 研究室の外から、祭囃子が聞こえてくる どうやら、今日は夏祭りらしい _ ( -∀-)「祭り……か」 俺はちょっとだけ羨ましそうに外を見ながら、ため息をついた 腕が四本になってからは、あまり一目のあるところは歩けない ましてや祭りなんて、人が沢山来るところ、行ける訳がない そんな風に感傷的な気分になっていると ζ(゚ー゚*ζ「ただいま~、ねえ、夏祭りやってますよ~!腕男はほっといて、博士~一緒に行きましょうよ!」 KY来た ('A`)「悪いけど、僕はちょっと人ごみが苦手でね、二人で行ってきたらどうだい」 ζ(゚ー゚*ζ「なんの意味があって?」 _ ( ゚∀゚)「絶対に嫌ですけど、どの道行けませんよ俺は。腕4つだし」 ('A`)「あぁ……そうか」 ドクオ博士は、自分が原因で俺が夏祭りにいけないことをちょっと申し訳なく思ったのか 目を伏せて、悪いね、と呟いた 正直今更そんなこと言われてもって感じだが…… 118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:57:04.06 ID:1MB4KLmm0 しかしこんなにうな垂れると、若干気分が悪い 俺はこう提案することにした _ ( ゚∀゚)「じゃあ、博士、行ってきてくださいよ、俺にお土産とか買ってきてください」 ('A`)「いや、でも……」 _ ( ゚∀゚)「俺は行けなくても、雰囲気味わえるし」 ('A`)「ジョルジュくん……」 そのとき、研究台の上に載っていた何かが落ちる。なんだ?藍色の……これは…… ('A`)「浴衣?」 _ (;゚∀゚)「しかも、なんか俺の腕が隠れそうな感じに作られてる……」 落とされた藍色の浴衣は、袖の中に俺の隠れた腕が入るように作られていて、コレをきれば、人々に 驚かれることなく祭りにいけるだろう おまけに、藍色の布地が、更に闇に紛れ込ませて、気づき辛くしてくれる 一体誰がこんなものを……? 119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 19:57:54.72 ID:1MB4KLmm0 _ ( ゚∀゚)「ドクオ博士、妖精って、いるんですね……」 ('A`)「そうだね」 ζ(゚ー゚*ζ「素敵……」 ('、`*川「よかった、気づいてる……」 ペニサス伊藤でした 122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:06:35.14 ID:1MB4KLmm0 お題:村に伝わる伝承 ζ(゚ー゚*ζ「知ってる?ジョルジュくん、古い村にはね、四本腕の人間がご神体として崇められてるところがあるんだって」 _ ( ゚∀゚)「へぇ~……そうなんだ」 ζ(゚ー゚*ζ「うん、だから行ってきなよ」 _ ( ゚∀゚)「意味がわかんねーよ」 ζ(゚ー゚*ζ「いい加減デレと博士の邪魔をするのは忍びないと思わないの?」 _ ( ゚∀゚)「お前こそ、結ばれない恋に縋るのは虚しくならないのか?」 ζ(゚ー゚*ζ _ ( ゚∀゚) ・ ・ ('A`)「どうして君たちはいつも喧嘩するんだ?」 123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:07:59.91 ID:1MB4KLmm0 ζ(゚ー゚*ζ「そこにジョルジュくんがいるから」 ('A`)「そんなそこに山があるからみたいに言われても……ジョルジュくん?」 _ ( う∀;)「お、俺は悪くないですもん!!うわぁあああん!」 (;'A`)「めちゃくちゃ泣かされてる!悪くなくても恥ずかしいぞ君!」 ζ(゚ー゚*ζ「いいからさっさと行ってきなさいよ、八つ墓村に」 (;'A`)「デレくん!?」 _ ( ゚∀゚)「うるせぇ!お前が行け!姥捨て山に!」 (;'A`)「どうして君たちはさっきからそんな怪談っぽい村に行かせたがるんだ!?」 ζ(゚ー゚*ζ「博士はどっちと一緒に行きたいですか?」 (;'A`)「どっちも嫌だよ!」 自分達が一番怪物じみていることに気づいていない三人 125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:15:34.78 ID:1MB4KLmm0 お題:ジョルジュの家族 それはオレが居間のテレビで、ニャンマゲのかっこよさにメロメロになっているときだった (*゚∀゚)「ニャンまげにとっびつっこぉ♪ニャンニャー!」 「ただいまー」 玄関から声が聞こえてきた オレはすぐさまテレビを消して、立ち上がる。この声は!! 兄ちゃんだ!兄ちゃんが帰ってきた! (*゚∀゚)「兄ちゃん!!おかえりーー!」 _ ( ゚∀゚)「おう!ただいま妹よ!」 (*゚∀゚) 兄ちゃんは、カイリキーになってた _ (;゚∀゚)「ごめんなつー、いきなりこんなこと言われてもビックリするかもしれないけど 兄ちゃん実は……」 (*゚∀゚)「……かっけー……!」 _ (;゚∀゚)「え……?」 (*゚∀゚)+「にーちゃん超かっけー!スパイダーマンみたい!」 127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:16:44.98 ID:1MB4KLmm0 _ (;゚∀゚)「そ、そうか?ありがとう……?でもそのフォローは……」 帰ってきた兄ちゃんは、かっこいいヒーローみたいになってた 昔から兄ちゃんはオレのヒーローだったけど、更にかっこよくなった! すげぇ!同級生の兄ちゃんには、こんな兄ちゃんいないもん!さっすが、オレのにーちゃんだ!! (*゚∀゚)「かーちゃーん!かーちゃん!にーちゃんが帰ってきた!トランスフォームして帰ってきた!」 「あらそう?カーチャン仮面ライダーの方が好きだけどねぇ」 _ (;゚∀゚)「ちょ、ちょっと待てつー!」 J( 'ー`)し「あらあら、ジョルジュ、すっかりイケメンになって……昔のトーチャンみたいだねえ」 _ (;゚∀゚)「俺の記憶の中のとーちゃんは腕四本なかったよ!」 J( 'ー`)し「そうかい?カーチャンあんまり物覚え良くないからねぇ……」 (*゚∀゚)「にーちゃん!遊ぼう!遊ぼう!つーと遊んで!腕すげぇ!!」 _ (; ∀ )(我が家族ながら、能天気だな……) 休日のことでした 128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/23(木) 20:17:46.00 ID:1MB4KLmm0 これでお題は全部消化したかな! 支援ありがと!オラ、嬉しかったゾ! じゃあな! ('A`)逆磁石開発研究所のようです ttp://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1248331260/ コメント
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