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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:34:27.80 ID:jfGNXyN80
( ´・ω・)「(また変わらない1日が始まる…)」 この物語は 誰も知らないただ一つの物語――。 北欧のとある街『ニューソク』。古くからある街並みはオレンジや黄色の光陽とした色の屋根、赤レンガの塀や道路、賑やかな市場、芸術性のある噴水。 音楽の街と呼ばれるニューソでは陽気なアコーディオンやクラリネットの音色が街全体を包み込んでいる。 僕ははその街にある唯一の酒場を経営している。 客A「お~い、酒をくれぇ~。」 客B「こっちにも2本!」 ( ´・ω・)「了解しました。」 客A「サンキュー。そういえばまた盗賊が暴れだしたらしいな。」 客B「あ~マジかよ。」 ( ´・ω・)「それは困りますよね~。ニューソにだけは来ないで欲しい…」 客A「ハハハ。だな!」 一見、平和に包まれ、穏やかな街のようだが、ここにはある奇妙な秘密がある。 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:35:16.63 ID:jfGNXyN80 ( ´・ω・)「…」 ( ´・ω・)「…(やっぱり毎日と何も変わらないや…)」 秘密と言っても、夜な夜な人が死ぬわけでも、財宝が眠るという都市伝説が蔓延している訳じゃない。 その秘密とは 「毎日同じ事を繰り返し続けていること」 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:35:34.25 ID:jfGNXyN80 それは毎日似たような事をしているように感じると言うもの精神的なではなく、人々の行動から言葉、表情、 その日に起こる出来事、雲や水の動きまで全てが毎日と一緒だった。 ( ´・ω・)「(コイツさえなければきっと…)」 …ジャラ 僕の背中と両手足からは黒く長く太い鎖が天まで果てしなく繋がっている。 この鎖はこの街の人間全てに付いている。 この鎖が縛るのはその人間の行動の全て。 だからこの街は住人はもちろん、犬や鳥、馬、全ての動物が鎖によって各それぞれの決められた動きをする。 当然、決められた行動だけをするので、鎖を外すという行為すらできなかった。 ( ´・ω・)「(それにしても、まだ頭と体が別々の生活は慣れないな…)」 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:35:47.83 ID:jfGNXyN80 ただし思考だけは鎖に縛られはしなかった。 体がどんなに規則的に動かされていても、意思だけは鎖によって支配されない。 だから鎖は支配のできる物だけを束縛した。 逆に言うと、植物や物質など思考のない物は鎖で繋がることはない。 つまり食欲や物事を脳で意識している動物だけ、鎖が繋がれているのだと僕はそう思う。 ( ´・ω・)「(この鎖を外す方法は無いのだろうか…)」 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:36:46.46 ID:jfGNXyN80 僕は毎日この街を脱出する事だけを考えていた。 いや、できなくても構わない。 僕は真実が知りたい。 こんな操り人形みたいな生活を繰り返す意味が知りたい。 しかし、体が支配されている以上、何もできなかった。 他の人々も僕と同じ事を考えているかもしれない。 しかし、それを知る方法はなかった。 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:37:10.83 ID:jfGNXyN80 ´・ω・)「(僕は知ってる。この後に何が起こるのか…。)」 ダダダダダダッ 客A「なっ、なんだなんだ?」 客B「これは馬の足音か?…し、しかも大勢だぞ…!」 ( ;´・ω・)「何か来る!!(やれやれ、また来た…)」 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:38:03.82 ID:jfGNXyN80 盗賊A「この街は俺らがいただいたぜぇ!!」 盗賊B「痛いのが嫌だったら、さっさと金目のもんを出すんだな!!」 ボス「それと、この街で一番美しい女を用意しろ!!」 街人A「うわぁ!盗賊だ!」 街人B「お願いします!お金は渡しますから!」 ( ;´・ω・)「うわああぁ!(さすがに慣れたな…)」 心に余裕があってもこの表情と声は変わらない。 この時間になると必ず盗賊がこの街を襲う。 取られた金や物はなぜか次の日には戻っている。 ( ;´・ω・)「(今気付いたけど、盗賊にも鎖が付いてる…)」 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:38:26.79 ID:jfGNXyN80 数時間後―――― ボス「さてと…金はこんなもんか…」 盗賊「ボス!こんな女がいました!」 川;・-・)「は、離して…!」 彼女の名前はレナ。この街一番の美少女…らしいけど、僕はこの街で会う女性は3人しかいない。 しかし僕から言っても彼女は美しい。 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:38:58.85 ID:jfGNXyN80 盗賊「イエッサー!!」 川;・-・)「いやっ…誰か、誰か助けて!」 ボス「うるさい奴だ。それ、行くぞ!」 ダダダダダダッ 川;・-・)「助けて――!」 ( ;´・ω・)「行っちゃった…(レナさん…)」 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:40:06.49 ID:jfGNXyN80 レナ母「あぁ・・・!!・・・誰かあの子を、あの子を助けてやってください!あの子がいないと私は…!」 街人C「けど、相手は盗賊だ…助けたところで死体が増えるだけさ…」 レナ母「そ、そんな……」 ( ´・ω・)「無事なのを願うしかないですよ」 僕はこの人にいつまでこんな酷い言葉を浴びせないといけないのだろうか。 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:40:33.81 ID:jfGNXyN80 レナ母「お願いです…お願いです…ウッ…グスッ」 そして、ここで彼が登場する。 ( ^ω^)「大丈夫だお。僕が助けに行くお。」 レナ母「あ、あなたは?」 ( ^ω^)「僕の名前はブーン。街の外れに住んでいる者だお。娘さんは必ず僕が助けるので任せて欲しいお。」 レナ母「あ…ありがとうございます!娘をよろしくお願いします!」 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:41:04.28 ID:jfGNXyN80 自己紹介もしていたが、彼の名前はブーン。町外れの牧場の跡取り息子だ。 勇敢で頭も良く、腕っぷしも中々の物だと聞く。 街人A「ブーン!頼む。お前だけが頼りだ!」 街人B「頑張って来てくれ」 ( ´・ω・)「レナさんを助けてあげて下さい!」 彼は人望も備えていた。けれど、所詮は鎖が作り出した言葉。中身までは誰にもわからない。 ( ^ω^)「皆さん、ありがとうだお。レナさんを必ず連れて帰りますお!」 タタタタタッ… ブーンが街をでて見えなくなった。 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:42:45.79 ID:jfGNXyN80 ( ´・ω・)「(…………う!)」 ドサッ 彼が見えなくなった途端なぜか僕の体の力が抜け、意識が飛ぶ。これも毎日の事だ。 意識を失うまでもが全て鎖の作り上げる支配なのだ。 理由はわからない。 僕が目覚めるのはそれからしばらく経った後。 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:43:50.74 ID:jfGNXyN80 ( ´・ω・)「(ん……………)」 そして目覚めた時に見るのは、レナさんを助けて帰ってきたブーンの姿。 ( ^ω^)「皆さん、レナさんを助けてきたお!!」 街人A「すごいぞブーン!よく無事で帰ってこれたな!」 街人B「お前は街の英雄だ!」 彼は歓喜に包まれ、人々の尊敬の眼差しを受けた。 僕たちは彼らを見届けた後、また力が抜け、意識を失う。どうやら僕は彼がレナさんを助けた事を確認するためだけに目覚めるらしい。 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:44:18.86 ID:jfGNXyN80 これがこの街の一日。 もう、何日、同じ日々を過ごしたのか覚えていない。 盗賊が来てレナさんを連れ拐い、ブーンが助ける。 こんな毎日を僕は送り続ける。 僕は耐えられなかった。 けれど、どんなに願ってもどうすることもできない。 辛い 悔しい そういった感情だけが心の中で積み上げられていく。 僕は一体…… 何なんだ? 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:44:48.87 ID:jfGNXyN80 また朝が来た。 開店早々店に入る、常連客。 そして、現れる盗賊たち。 捕らえられたレナさん。 盗賊「ボス!こんな女がいました!」 川;・-・)「は、離して…!」 ボス「ん~…ほぅ、こいつはいい女だな…よし、連れてけ。」 盗賊「イエッサー!!」 川;・-・)「いやっ…誰か、誰か助けて!」 (・-・;川 ( ´・ω・)「(…ん?)」 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:45:25.99 ID:jfGNXyN80 ボス「うるさい奴だ。それ、行くぞ!」 ダダダダダダッ 川;・-・)「助けて――!」 あれ? 今、確かにレナさんは… ( ´・ω・)「(僕に向かって助けを・・・呼んだ…?)」 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:45:54.55 ID:jfGNXyN80 信じられなかった。 けど、これは気のせいでも何でもない事実だ。 僕とレナさんは今まで目が合うような角度で会ったことがなかった。 それが鎖の縛りだから。 けど僕は確かに見た。 真っ直ぐと、正面から見た彼女の悲しい瞳を。 僕に向かって助けを呼んだかと言えば、確証はない。 奇跡なのか…? 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:46:16.39 ID:jfGNXyN80 翌日、同じ時間に彼女が助けを呼んだが、普段と同じ方向を向いていた。 次の日も、そのまた次の日も、確かめたが、やっぱり目線は普段と変わらなかった。 ( ´・ω・)「(やっぱり僕の見間違いだったのだろうか?)」 冷静に考えれば、今まで普段と動きが変わるようなことは、何一つなかった。 やっぱり見間違いだったのか…そんな気がしてきてた。 ( ´・ω・)「(けど・・・・)」 ( ´・ω・)「(けど、僕はもう一度見たい。レナさんのあの瞳を。もう一度だけ奇跡を・・・信じたい!!)」 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:46:49.41 ID:jfGNXyN80 僕は彼女の瞳に、吸い寄せられるようになっていた。 あの透き通った混じりけの無い悲しい目をたった、一度だけでいい。 それから僕はレナさんを見る機会があればその姿を目に焼き付けるようになった。 僕はこの街を脱出するという目的を忘れ、ただレナさんを見る事だけに毎日を潰していた。 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:47:20.00 ID:jfGNXyN80 ( ´・ω・)「(…彼女と話したい。)」 これが僕の叶わぬ夢であり生き甲斐だった。 こんな街でも生き甲斐を見つけられるのかと今、思えばすごい考えだったと思う。 彼女のおかげでこの日常に対する文句は無くなった………… 訳ではなかった。 僕にはどうしても、納得がいかなかった。 ブーンと言う存在が。 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:47:58.51 ID:jfGNXyN80 僕はレナさんをこんなに愛している。 なのに彼が何故彼女を救う者なのだ? 鎖は何故彼を選んだのか? 単に気まぐれなら僕はどうしても彼が許せなかった。 彼女は僕に助けを呼んだんだ。 ブーン…君なんかじゃない!!! 彼女を思う気持ちが膨らむと共に、ブーンに対する憎悪が増していった。 ( ´・ω・)「(神様あなたがこの鎖を付けた意味は問いません。でも…どうかお願いします… 僕は…僕は…どうしてもレナさんと話したい!願いはそれだけです!どうか叶えて下さい…」 どんなに願いを言っても、それが鎖に届くことはなかった。 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:48:28.40 ID:jfGNXyN80 ある日、ブーンがレナさんを助けた後、みんなに囲まれたときに僕は恐ろしい物を見た。 川 ;-;) ( ´・ω・)「(・・・!!)」 ( ´・ω・)「(レナさんが…泣いている…?)」 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:49:02.63 ID:jfGNXyN80 それは、鎖の事象をひっくり返す出来事だった。 鎖のせいで僕は…いや、僕たちは涙を流すことができなかった。 しかし、彼女は泣いた。 どうやって・・・? 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:49:30.43 ID:jfGNXyN80 もし…もしかしたら、彼女は知っているんじゃないだろうか。 この街を出る方法を。 鎖の謎を解く方法を。 けれど鎖のせいでその知を使うことができないのかもしれない。 あの涙はそんな気がした。 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:50:22.55 ID:jfGNXyN80 僕は馬鹿だった。 彼女を想うのならば、彼女をこの街から抜け出させなければならない。 神様…いつかどこかで願った言葉を撤回してくれますか? ( ´・ω・)「(僕は…)」 ( `・ω・)「(彼女を助けたい!)」 この願いが誰かに通じたのかわからない。 ただ僕はこの願いのおかげでこの後 鎖と闘う機会を得ることができた。 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:50:52.31 ID:jfGNXyN80 翌日、ブーンがレナさんを助けて連れ帰ってきた。 その時だった。 グルルルルッ 普段聞いたことのない呻き声が街全体に響いた。 なにか、獣のようなう呻き声・・・ 僕の視界になにか馬鹿でかいものが入ってくる。 そして、目の前にいたのは、 街のどの建物よりもでかい 怪物… 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:51:20.72 ID:jfGNXyN80 無数の牙が備わった口を大きく開け、茶色の毛を奮い立たせていた。 犬や狼の類いに見えた。 僕は恐怖よりも、鎖の支配を越えた世界に感嘆としていた。 そしてまた響いた呻き声。 その瞬間、周りの人々が一気にバタバタと倒れた。 この感覚はブーンが旅立った後の感覚に似ていた。 そして自分の体から力が抜けていく事も感じた。 そして、蘇る恐怖。 とにかく、震える事しか出来なかった。 ( ;´・ω・)「うわあぁ…………………!」 あれ? 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:51:56.01 ID:jfGNXyN80 あれ? 今 喋れたような… ( ;´・ω・)「……あっ・・・・・・」 声が・・・・・・・・・・!! なぜか涙がこみ上げてきた。 嬉しさと悲しさが混ざったような気持ちが・・・・!! ( ;´;ω;)「・・・・・・・・・・…あぁ…ああああ!!」 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:52:27.53 ID:jfGNXyN80 鳥肌が立った。 紛れもなく自分の意思で喋る声。 一度も出したことのなかった涙。 僕は初めての自由を手に入れた。 何度も何度も叫んだ。 よく見ると、鎖が背中と左手の部分が外れている。 鎖が外れたのはあの怪物のせいなのか? よく見ると怪物はすでに消えていた。 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:53:06.79 ID:jfGNXyN80 まだ理解が追いついていないことが多いが・・・涙は拭っておく。 ( ;´・ω・)「これで…動ける!」 僕は前に進んだ。 初めての感触。 自分の体を自分で動かす喜び。 まだスピードは出せない。 それでも進まなくては。 彼女の元へ。 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:53:35.85 ID:jfGNXyN80 周りが倒れこむ中、彼女は一人だけ立ち続けていた。 鎖はまだ繋がっている。 つまり、鎖は彼女を立たせていることになる。 僕はたった2mの距離を必死に進んだ。 体が重い。 右手に付いている鎖が僕の足枷となり、思うように前に進まない。 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:54:03.07 ID:jfGNXyN80 進め。 進め。 鎖が右手を連れ込もうとする。 右手から止め留めなく血が吹き出た。 かまわない。 僕は彼女を救うんだ。 そのためならこんな体なんか。 あと少しだ……! ( ;´・ω・)「レナさん!!」 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:54:35.76 ID:jfGNXyN80 ガシッ 彼女の肩を掴んだ。 僕は彼女に触れることができた。 そして引っ張って彼女を思いっきり抱き締める。 こんなにも美しい人だったのか…傍に寄って改めて知った。 繊細で、清楚で、近寄ることすら罪に思えるほど。 ( ;´・ω・)「ハァ・・・ハァ・・・レナさん…この街を出ましょう!」 川;・-・)「……」 僕はレナさんの鎖を掴みありったけの力を入れて外した。 …バキン!バキン! 両手の鎖が切れた。 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:55:08.15 ID:jfGNXyN80 川;・-・)「…」 背中の鎖を強く掴んで、千切った。 …バキン! やった… …ついに 彼女に自由を… 川;・-・)「……あ…」 彼女から言葉が漏れた。 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:55:37.91 ID:jfGNXyN80 この時をどんなに待ちわびたことか。 彼女は鎖から僕の顔のほうに目を向けた。 また、見ることができた。 あの瞳に。 しかし、あの時見た、悲しい瞳はもうなかった。 川・-・) 川^-^)「ありがとう。」 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:56:51.47 ID:jfGNXyN80 彼女の声が、心に澄み渡った。 足りなかった物が、こみ上げてきた。 僕は… 僕は彼女を救えた! あなたと話したいことがたくさんある。 僕の気持ちを!! 僕は英雄だ!! 全てを・・・・・・全てを・・・!! ( ;´・ω・)「さぁ、一緒にこの街を出…」 グイッ その瞬間、僕の右手は鎖に引っ張られた。 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:58:27.26 ID:jfGNXyN80 右腕の痛みを思い出した。 畜生・・・ あと少しだったのに・・・ レナさん・・・ 僕は・・・ 本当に僕はあなたをを救えましたか?…… 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:58:57.98 ID:jfGNXyN80 僕は真実を知ることができなかった。 鎖の意味は? 毎日繰り返される理由は? あの怪物は? 鎖を切ったその先は? レナさんの無事は? ( ;´・ω・)「レナ…さ…」 僕の気持ちを声に出す前に 僕は静かに眠りについた。 さ・・・よ・・・な・・・・・・・・・・・・ 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:00:01.37 ID:jfGNXyN80 エピローグ 少女「おじいちゃん、レナちゃんの紐切れちゃったよ~?」 じい「はは、もうその紐は痛んでたからね~この人形と絡まっただけで、すぐ切れちまった。」 少女「そっちの男の子の人形は何で切れてるの?」 じい「ほら、さっき、野良犬が暴れて人形劇をめちゃくちゃにしただろ?その時、背中と左手の紐が切れたみたいだ。お嬢ちゃん、怪我はないかい?」 少女「さっきちょっと転んじゃったけど平気だよ。」 じい「そいつは偉いな。御褒美にその人形をお嬢ちゃんにあげよう。」 少女「えっレナちゃん貰っちゃっていいの?」 じい「ああ、いいとも。その代わり大事にするんだよ。」 少女「うん。わ~い。おじいちゃんありがとう。」 じい「ハハハ。さて、また今度来なさい。人形劇の続きを見せよう。」 少女「は~い。明日も来るの?」 じい「ああ、来るとも。毎日来るよ。同じ事をしてるから、いつ来ても大丈夫さ。」 少女「わかった。じゃあバイバイ~。」 じい「ハハハ。さてと、コイツの紐を直すか。」 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:00:52.58 ID:jfGNXyN80 また朝が来た。 開店早々店に入る、常連客。 【( ´・ω・)僕は不思議な街の住人のようです】 終わり。 ( ´・ω・)僕は不思議な街の住人のようです ttp://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1224851667/ コメント
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