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2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:08:17.53 ID:BqOO3Rvt0
第四話『禍焔』 从 ゚∀从「うおォるァッ!!」 サラマンダー ハインリッヒが愛用の特殊大剣『火吹き竜』を振り上げ、ギコ目掛けて突進した。 (,,゚Д゚)「!!」 ギコが身構える。 あの大剣――どういう仕組みかは知らないが、 刀身から炎が吹き出ている。 だが、今ここで重要なのはそれではない。 最も考慮すべきは、その重量。 ギコの持っているロングソードの、軽く2倍の重量はありそうなあの大剣―― まともに受けても、その重量で防御を弾かれてしまうだろう。 最悪、自分の剣が一方的に破壊されてしまうことも有り得る。 (,,゚Д゚)(だったら――) 受ける、のではなく、避ける。 あれだけの大きさの剣、 一撃を繰り出してすぐ次の攻撃に移る、という訳にはいかないだろう。 ならば、相手の一の太刀をかわしたその瞬間こそ、 唯一にして絶対の勝機がある……! 从 ゚∀从「らァッ!!」 ハインリッヒが大剣を勢い良く振り下ろした。 炎の赤が空中に軌跡を描き、 火と熱を振り撒きながらギコへと襲い掛かる。 (;,,゚Д゚)(速いッ……!) まるでその重量を感じさせないような、高速の一撃。 だが、見切れない程ではない。 大きく右に横っ跳びし、ハインリッヒの斬撃をかわす。 从 ゚∀从「チッ!」 ギコが避けた直後、ハインリッヒの大剣が空を切ってその切っ先が地面にめり込んだ。 (,,゚Д゚)「……! 貰った!」 地面に両足が着くと同時に、ハインリッヒに向けて踏み込んだ。 そこから、横薙ぎに剣を放つ。 从;゚∀从「しまッ――」 ハインリッヒが目を見開き―― 4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:12:14.35 ID:BqOO3Rvt0 从 ゚∀从「なーんて、な」 口元を歪め、ガチン、と大剣の引き金を絞った。 (;,,゚Д゚)「なッ!?」 そこから、ハインリッヒの大剣が信じられない軌道を見せた。 大剣の刀身が爆炎を放ち、その反動で大剣が地面から跳ね上がる。 そのまま大剣は炎を吹き上げながら、 ギコの胴体へと吸い込まれるように襲い掛かった。 (;,,゚Д゚)「くッ!!」 ギコは咄嗟に斬り掛かっていた剣を戻し、 ハインリッヒの大剣を受けた。 (;,,゚Д゚)「くあッ!!」 だが、受け切れなかった。 大剣そのものの重量と、炎の爆発の加速による重撃が、 ギコの体を紙人形の様に吹き飛ばす。 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:14:35.97 ID:BqOO3Rvt0 (;,,゚Д゚)「ぐうッ!」 十数メートル吹き飛ばされた後、ギコは背中から地面に叩きつけられた。 何て一撃だ。 まさか、あの剣にあんな大使い方があったなんて……! 从 ゚∀从「まだ終わってねえぞ!!」 倒れたギコに向かって、ハインリッヒが突進して来た。 从 ゚∀从「爆炎剣!!」 ギコ目掛けて大剣を突き下ろす。 (;,,゚Д゚)「うおおッ!」 ギコが即座に体を起こし、後ろに跳ね飛んだ。 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:16:13.67 ID:BqOO3Rvt0 が、それがまずかった。 从 ゚∀从「アホが――」 ハインリッヒがニヤリと笑い、再び大剣の引き金を引いた。 (;,,゚Д゚)「!!?」 次の瞬間、ギコの足元から火柱が立ち昇る。 何だこれは。 まさか、あの剣の―― (;,,゚Д゚)「ぐああああァッ!!」 まともに火柱での攻撃を受け、ギコの体が炎に包み込まれた。 比喩でなく焼ける様な痛みが全身を襲い、 肉の焼ける臭いが周囲に立ち込める。 (;,,゚Д゚)「ぐうううッ!」 地面を転がりながら、何とか炎を掻き消す。 これは、かなりまずいぞ。 あの剣をどうにかしないことには――こちらが、かなり不利だ。 8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:17:55.70 ID:BqOO3Rvt0 从 ゚∀从「おいおいどうした少年。 それで仕舞いか? 情けねえ声上げて逃げ回ってばっかじゃ、こっちもつまんねえんだけど」 (#,,゚Д゚)「…………ッ!」 ハインリッヒの挑発に、ギコが睨み返す。 (,,゚Д゚)「…………ッ!」 チラリと、ギコは自分の剣を見た。 さっきのハインリッヒの一撃を受けたことで、 刃の一部が大きく欠けている。 両腕も、まだ痺れが残っていて感覚が完全に戻ってきていない。 だけど―― だからって―― (#,,゚Д゚)「だからって、ここで尻尾巻いて逃げ帰れるかよ!!!」 ギコは叫んだ。 そうだ。 ここでこいつを見逃す訳にはいかない。 こいつはこの町を―― 先生達を、殺した奴らなのだ。 そんな連中を、生かして帰すなど出来るものか……! 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:19:48.38 ID:BqOO3Rvt0 (#,,゚Д゚)「魔神剣!!」 剣を振り上げ、地面を駆ける衝撃波をハインリッヒに放った。 从 ゚∀从「おお?」 ハインリッヒが一瞬驚いたような顔を見せ、大剣で衝撃波を防ぐ。 (#,,゚Д゚)「おおおおおおおおおおおおおおおお!」 その瞬間には、既にギコはハインリッヒに向かって走っていた。 (#,,゚Д゚)「虎牙――」 間合いに入った所で、剣で斬り上げながら跳躍する。 从 ゚∀从「フン」 ハインリッヒが僅かに身を仰け反らせてそれをかわす。 だが、本命はここからだ。 (#,,゚Д゚)「破斬!!」 跳躍が頂点に達したところで、今度は逆に剣を振り下ろした。 重力による落下を剣の速度と威力に加えた必殺の一撃。 アルベイン流剣術の技であり、 ネーノが得意としていた技の一つ、虎牙破斬。 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:21:36.74 ID:BqOO3Rvt0 从 ゚∀从「ッ、つゥ――!」 ハインリッヒが、大剣でその一撃を受けた。 が、その顔に先程までの余裕は無い。 从 ゚∀从「ッだらあッ!」 ハインリッヒはギコの剣を受け止めたまま、 膂力で強引に剣を振るい、ギコを弾き飛ばした。 (,,゚Д゚)「…………ッ!」 ギコが後方に飛ばされながらも、 両足で着地してすぐさま構え直す。 決められなかったか。 ギコは、舌打ちをした。 こいつ―― 厄介なのは剣だけじゃない。 こいつ自身も、一流の剣の使い手だ……! 13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:22:55.39 ID:BqOO3Rvt0 从 ゚∀从「お前――」 だが、そんなギコの焦りを他所に、 ハインリッヒは間延びした声で言った。 从 ゚∀从「お前のその剣技―― ひょっとして、ネーノ=アルベインから習ったのか?」 (;,,゚Д゚)「!!?」 ハインリッヒの口から発せられたその名前に、 ギコは動揺を隠せなかった。 (;,,゚Д゚)「師匠を、知ってるのか?」 思わず、ギコは訊ねていた。 从 ゚∀从「マジかよ…… あのおっさん、弟子を取る様な柄じゃあねえと思ってたんだがな……」 ギコの質問などそ知らぬ素振りで、ハインリッヒは呟いた。 (;,,゚Д゚)「答えろ! 師匠の事を知ってるのかって聞いてるんだ!!」 ハインリッヒの態度に業を煮やしたギコが、再び大声で訊ねた。 从 ゚∀从「あー…… まあ、な。 知ってるさ。 よォく、な。 そうか。 ネーノのおっさんの、弟子か。 そうか――」 ハインリッヒが含み笑いを漏らしながら言った。 15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:24:48.64 ID:BqOO3Rvt0 从 ゚∀从「通りで、そこそこやれる訳だ。 辺鄙な田舎町の、糞つまんねー仕事だと思ってたが―― 存外、見っけものがあるじゃねえか」 (;,,゚Д゚)「…………」 ギコは剣を構えたまま、動けないでいた。 ハインリッヒが、どうしてネーノのことを知っているのか。 どこまで、知っているのか。 その考えが、彼を混乱させていたからだ。 从 ゚∀从「ハン。 だがな、少年。 敵であるオレがこんな事言うのも変な話だが―― 多分、お前アルベイン流に向いてないぜ?」 (;,,゚Д゚)「――――!?」 ギコは硬直した。 こいつ、今、何て。 自分が―― 自分には、師匠の剣は向いてないだと!? 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:25:53.68 ID:BqOO3Rvt0 从 ゚∀从「ネーノのおっさんの剣術、アルベイン流は、 正統派も正統派、王道を絵に描いた様な剣術だが―― お前の剣は、真っ直ぐを通り越してぎこちねえんだ。 だから、剣筋も鈍るし動きも読まれやすい」 (;,,゚Д゚)「…………!」 ギコは無意識の内に、剣の柄を固く握り締めていた。 从 ゚∀从「まあ簡単に言うと、出来の悪い猿真似でしかねえ、ってことだ」 ハインリッヒがせせら笑いながら、ギコに指摘した。 (,, Д )「……お前に――」 从 ゚∀从「あア?」 (#,,゚Д゚)「お前に、何が分かる!!」 叫びながら、ギコは突進していた。 ふざけるな。 ふざけるな。 ふざけるな。 猿真似でしかないだと? アルベイン流に、向いていないだと? 自分が―― じぶんがどれだけ、師匠の下で血と汗を流してきたか、知っているのか。 20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:27:09.65 ID:BqOO3Rvt0 (#,,゚Д゚)「瞬迅――」 師匠の事が、大好きだった。 だから、少しでも近づきたくて―― 近づきたくて、必死に同じ剣を身に着けようとしたのだ。 身に着けたかったのだ。 それを、出会ったばかりの奴に ましてや、敵に―― そんな事を言われる筋合いなど無い……! (#,,゚Д゚)「――剣!!」 大きく踏み込んで一気に間合いを詰めての突き技。 薄い鎧ならそのまま貫いて相手を死に至らしめる程の一撃。 その一撃が―― 从 ゚∀从「だから、動きを読み易いって言ってンだろうが」 その一撃が、いとも容易く受け流された。 22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:29:57.38 ID:BqOO3Rvt0 (;,,゚Д゚)「……ッ!」 しまった。 ギコは焦る。 突きを外したこの体勢からでは、まともに反撃出来ない。 そして―― ハインリッヒが、その絶好の隙を逃す筈も無い……! 从 ゚∀从「ハア…… ったく。 もうちィっとは楽しめるかと思ったんだが、この程度か」 ハインリッヒがつまらなそうに溜息をついて、大剣の引き金を引いた。 从 ゚∀从「もういいや。 お前、取り敢えず死んどけ」 大剣が、火炎に包まれる。 (;,,゚Д゚)「――――」 ギコはその様子を、ただ見ているしか出来なかった。 これを喰らえばやられることは分かっていても、 体が、それに反応し切れていなかったのだ。 从 ゚∀从「魔王炎撃波ァ!!」 ハインリッヒの剣から、紅蓮の炎が放たれ―― 24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:31:47.90 ID:BqOO3Rvt0 li イ ゚ -゚ノl|「フォトン!!」 从 ゚∀从「!!?」 叫びと共に、ハインリッヒの眼前でマナが凝縮し、 光という姿で形を成す。 从;゚∀从「うおおォッ!?」 光が、弾けた。 強烈な閃光と共に、熱と衝撃が乱れ舞い、 ハインリッヒに襲い掛かる。 从 ゚∀从「くうッ!」 直前に大剣の刀身で防御し、ハインリッヒは何とか直撃は回避した。 が、ここで深刻なのは直接的なダメージではない。 強い光を目にしてしまったせいで、ハインリッヒの視界が僅かにしろ奪われたのだ。 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:33:09.14 ID:BqOO3Rvt0 从#゚∀从「糞が! 今やったのは、手前か!!」 まだ完全に視力が戻らない状態の目で、 ハインリッヒが遠くにいたルシオラの姿を捉えた。 今のは――魔術。 それも、かなり強力な。 こんな辺境の町に、それだけの魔法の使い手がいたというのか――? 从 ゚∀从「――――!?」 そこで、ハインリッヒはようやくある事に気が付いた。 ギコの姿が、彼女の前から消えていたのだ。 从 ゚∀从「なッ――どこに!?」 右、いない。 左、いない。 前、いない。 後ろ、いない。 下、いない。 となると―― 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:34:45.47 ID:BqOO3Rvt0 从 ゚∀从「――上か!!」 ハインリッヒは、咄嗟に頭上を見上げた。 (#,,゚Д゚)「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 真上から落下しながら、ギコがハインリッヒの頭部目掛けて剣を振り下ろす。 (#,,゚Д゚)「らああアァッ!!」 从 ゚∀从「チッ!」 ハインリッヒは頭上に剣をかざしてギコの剣を受けた。 剣と剣とがぶつかり合い、周囲に甲高い音と火花を散らす。 (#,,゚Д゚)「ッだあ!!」 だが、ギコの攻撃はそこで終わりではなかった。 剣が受けられた部分を支えに、 左足でハインリッヒの側頭目掛けて蹴りを放つ。 从 ゚∀从「なめんな!」 ハインリッヒは右手を剣の柄から放して、右腕でギコの蹴りを防御した。 (#,,゚Д゚)「…………!」 蹴りを受けられたギコが、体の右横から地面へと落下していく。 その間、ギコは無防備な姿をハインリッヒに対して晒け出す事になる。 从 ゚∀从「死ィ――」 落下していくギコに、ハインリッヒが剣を向ける。 そのまま、空中でギコを串刺しに―― 29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:35:56.58 ID:BqOO3Rvt0 (#,,゚Д゚)「死ぬのはお前だ!!」 落下しながら、ギコは下から剣を振り上げた。 その一撃が、吸い込まれる様にハインリッヒの顔面目掛けて襲い掛かる。 从;゚∀从「――――ッ!」 ハインリッヒが咄嗟に顔を逸らせた。 从;゚∀从「!!!」 しかし、完全には間に合わない。 ギコの剣がハインリッヒの左頬を捉え、深く肉を斬り裂く。 ハインリッヒの頬に赤い線が走り、 鮮血が地面に舞った。 从;゚∀从「…………!」 ハインリッヒは舌を巻いていた。 普通、あんな無理な体勢からあれだけの速さの斬撃は放てない。 だが、ギコの弛まぬ努力と反復練習、身体能力及び平衡感覚の高さが、 どんな体勢からでも剣撃を可能としていたのだ。 30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:38:02.30 ID:BqOO3Rvt0 (#,,゚Д゚)「…………!」 剣撃を放ち終えると、ギコは受身を取りながら着地し、 反撃を受けるのを防ぐ為すぐさまハインリッヒから距離を取った。 そして、ルシオラを護るように彼女の正面に立って剣を構える。 从 ゚∀从「……やるじゃねえか」 頬の血を拭いながら、ハインリッヒはギコを見据えた。 从 ゚∀从「お前、やっぱアルベイン流は合ってねえよ。 さっきみたいな汚え剣の方が、断然怖かったぜ」 (#,,゚Д゚)「…………」 ハインリッヒの言葉に、ギコは何も答えない。 从 ゚∀从「ハン、まあいいや。 そういや――」 ハインリッヒが、今度はギコの後ろのルシオラに視線を移した。 从 ゚∀从「さっきの魔術――ありゃ何だ? 今までに、何度か魔術師ともやり合ったことはあったが…… あんな魔術、一度も見た事無かったぜ?」 li イ ゚ -゚ノl|「…………」 ルシオラも、ハインリッヒからの問いを黙殺した。 从 ゚∀从「二人してガン無視かよ…… 愛想悪ィな」 幾らか気分を害した様に、ハインリッヒは呟いた。 32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:39:25.35 ID:BqOO3Rvt0 li イ ゚ -゚ノl|「あなたは――」 从 ゚∀从「あン?」 と、ルシオラがゆっくりと口を開いた。 li イ ゚ -゚ノl|「あなた達だけは――許せません。 罪も無い人々を一方的に傷つけて―― この報いは、必ず受けてもらいます」 カツ、と、杖の柄で地面を叩いて、ルシオラが構える。 その瞳の奥では、怒りの炎が静かに燃え盛っていた。 从 ゚∀从「んだァ、手前? 許せなかったらどうするって言うんだよ」 大剣の柄を握り直し、ハインリッヒがルシオラに言った。 li イ ゚ -゚ノl|「――殺します」 凡そその可憐な外見には似つかわしくない言葉を、さらりと口に出した。 しかしその言葉には、脅しでも何でもない、確固たる本物の殺意が宿っている。 33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:40:09.64 ID:BqOO3Rvt0 从 ゚∀从「ハッ――」 ハインリッヒが鼻で笑った。 そして、大剣の引き金を引き絞り、 从 ゚∀从「上等だよ、手前ら。 本気で勝てると思ってんなら、まとめてかかって来やが――」 「ハインリッヒ様!!」 ハインリッヒの言葉を、駆けつけて来た彼女の部下らしき黒衣の男が遮った。 从#゚∀从「んーだよ! 今いい所なんだから邪魔してんじゃねえ! KYかお前は!!」 「も、申し訳ありません! しかし、『封印』を発見した際は、即刻報告せよとのご命令でしたので……」 黒服が、申し訳なさそうに報告する。 从 ゚∀从「あァ? 『封印』が見つかったのか?」 ハインリッヒが抜きかけた剣を収めて、黒服に問いただした。 「はッ! この先の広場にある噴水に――」 黒服が敬礼しながら肯定の返事を返す。 35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:41:42.03 ID:BqOO3Rvt0 li イ;゚ -゚ノl|「『封印』―― ――ッ、まさか!!」 ルシオラが、明らかに動揺して表情を変えた。 (,,゚Д゚)「……ルシオラ?」 ギコだけが、得心しかねる様子で会話から取り残される。 从 ゚∀从「ク――ククククク……」 ハインリッヒが、不気味な笑みを浮かべながらギコ達を見た。 从 ゚∀从「どうやら、オレの仕事もここで終わりみたいだな。 だがまあこれではいさようならってのも、味気無ェしな…… 最後に、良い土産をくれてやるよ」 そう言うと、ハインリッヒは黒服の言っていた方向に向かっておもむろに走り出した。 (,,゚Д゚)「なッ――! 待て、逃げる気か!!」 ギコが、慌ててハインリッヒを追いかける。 li イ;゚ -゚ノl|「いけない! この先には――」 ギコより更に鬼気迫った様子で、ルシオラもハインリッヒの後を追いかけた。 だが、ハインリッヒは背中にあれだけ大きな剣を背負っているとは思えない俊足で、 二人を追いつかせない。 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:42:30.12 ID:BqOO3Rvt0 从 ゚∀从「ここか――」 タナシン町の中央広場の噴水の前で、ハインリッヒは足を止めた。 噴水の中央には、この田舎町には不釣合いな程、 大きくて立派な彫像が備え付けられている。 (,,゚Д゚)「…………!」 li イ;゚ -゚ノl|「…………!」 数秒送れて、ギコ達がハインリッヒの所へと追いついた。 从 ゚∀从「よおォ、遅かったなァ」 ハインリッヒが、二人に振り返る。 li イ;゚ -゚ノl|「まさか――まさかあなた達は、これが目的で――」 ルシオラが、息を切らせながらハインリッヒに訊ねた。 从 ゚∀从「あン? どうしてお前が、『封印』の事を知ってんだ? さっきの魔術といい――お前、何者だよ?」 ハインリッヒが不思議そうに首を捻る。 (,,゚Д゚)「『封印』、って――」 ギコは未だに訳が分からなかった。 この町では長い事暮らしていたが、 この噴水に何か秘密がある、などといった話は一度も聞いたことがない。 なのに―― どうしてルシオラやハインリッヒは、何かを知っているのだ? 38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:44:04.76 ID:BqOO3Rvt0 从 ゚∀从「まあいいや。 オレは仕事を済ませて、さっさと帰るだけだ」 ハインリッヒが、懐から奇妙な形の鍵を取り出す。 li イ;゚ -゚ノl|「――――ッ!! それは『ソロモンの鍵』!! どうして――何故あなたが、それを!?」 ルシオラが取り乱した様子で叫ぶ。 从 ゚∀从「ヒャハハハハ! さあて、いよいよ御開帳だ! 出でよグラシャラボラス! その姿、見せてみな!!」 li イ;゚ -゚ノl|「待――」 ルシオラが静止させようとしたが、間に合わなかった。 ハインリッヒが鍵を彫像に差し込むと、 噴水を中心にして魔法陣が浮かび上がる。 (;,,゚Д゚)「!!?」 それに併せて、地響きが大地を揺るがした。 何だ。 一体、何が起ころうとしている!? 40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:45:11.41 ID:BqOO3Rvt0 从 ゚∀从「ク――ククククク。 ヒャーッハッハッハッハッハッハァ!!」 ハインリッヒの高笑いと共に、彫像に亀裂が入った。 そして魔法陣は更に輝きを増し、 禍々しい空気が周囲を包み込む。 li イ;゚ -゚ノl|「そんな――」 ルシオラが半ば呆然と呟いた。 まさか。 どうして。 どうしてこの時代の人間が、この『封印』の事を知っているのだ? (;,,゚Д゚)「!!!」 閃光と共に、彫像が砕け散った。 そして、魔法陣の底から―― (;,,゚Д゚)「…………ッ!!」 li イ;゚ -゚ノl|「…………ッ!!」 底からは、巨大な黒き猛獣が、姿を現していた。 セーブしてゲームを終了しますか? →はい いいえ 42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/07(金) 21:46:23.56 ID:BqOO3Rvt0 ステータス (,,゚Д゚) ギコ=アベルワード レベル:6 クラス:剣士 称号:人殺者 術技 ・魔神剣 ・瞬迅剣 ・虎牙破斬 スキル ・アタック ・ディフェンド 装備 メイン武器 ロングソード サブ武器 なし 頭 レザーヘルム 体 レザーアーマー 装飾 なし li イ ゚ -゚ノl| ルシオラ=スノウベリー レベル:8 クラス:ソーサラー 称号:帰らずの森の魔女 術技 ・フォトン ・シャドウエッジ ・インスペクトアイ スキル ・マジカル ・マジックガード 装備 メイン武器 ロッド サブ武器 ブロンズブレスレット 頭 カチューシャ 体 クローク 装飾 ポイズンチャーム コメント
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