長岡速報 |
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3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/07/11(金) 21:49:26.61 ID:Nn0yOgKv0
prologue ξ;゚⊿゚)ξ「ちほふしはふー!(遅刻しちゃうー!)」 物語の始まりは、蒸し暑い一日を予感させるような6月の朝。 一人の少女が、パンを口に咥えて学校へと走っていた。 突き当りを曲がった向こう、誰かとぶつかれば、どこかで見たようなドラマの始まり。 しかし、そんな偶然あるはずもなく、少女は乾いたアスファルトを蹴っていく。 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/07/11(金) 21:52:30.35 ID:Nn0yOgKv0 ξ;゚⊿゚)ξ(…相変らずここのラッシュはすごいわね) ξ;゚⊿゚)ξ(早く青になーれ青になーれ…) 角を曲がって、少女は信号待ちの人の群れに混ざる。 車の流れに飛び込もうとする、小さな姿を少女は捉えた。 「あ、ぶーぶーが…」 「危ない!!」 13 :1:2008/07/11(金) 22:41:05.92 ID:0InVJDpn0 ξ゚⊿゚)ξ「!?」 母親らしき人物の絶句を、少女は聞き取った。 子供は道路へと流されていくミニカーを追って、中腰のままふらふらと歩道を出て行く。 その左方、途切れていた車の列が再びグループを成して突っ込んでくる。 先頭は大型トラック。あくびをしながら朝のラジオを聴くガテンに、道路に飛び出してきた子供など見えるはずもない。 母親は全身を凍らせた。 そして反射的に目を閉じる。 14:1:2008/07/11(金) 22:42:41.77 ID:0InVJDpn0 次にその瞳が開いたとき、子供はなぜか向こう側の歩道で少女に抱えられていた。 15 :1:2008/07/11(金) 22:44:18.84 ID:0InVJDpn0 ξ゚⊿゚)ξ「もー、あぶないじゃない。道路に飛び出したら」 「あ… れ…?」 ξ゚⊿゚)ξ「あ、ミニカー。 はい」 「あり、がと… あれー?」 16 :1:2008/07/11(金) 22:46:01.68 ID:0InVJDpn0 少女は子供を降ろしたあと、再び道路に目を遣る。 タイヤの跡が付けられた食パンが、無残に転がっていた。 ξ;゚⊿゚)ξ「はー。 今朝はついてないわね…」 視線を上に向ける。子供の母親は、瞳に涙を溜める暇なく唖然としていた。 少女はニコッと可愛らしい笑みを見せ、少しだけ乱れてしまったご自慢のツインロールを整える。 そしてまた、トタトタと走り出した。 ξ゚⊿゚)ξはジェットのようです 1 超速少女 雲に覆われた太陽は、ただただ不快感をグラウンドに集まる生徒達に与える。 黄金の光が心地良く降り注ぐにはまだ早く、朝から晩まで雨が地を濡らす時期でもなかった。 ツンは体育座りをして、今にも落ちてきそうな灰色の空を眺めていた。 「今日は100メートルのタイムをはかるからな。 男子はいないんだから、かわいこぶらないで真面目に走れよ」 20 :1:2008/07/11(金) 22:52:34.34 ID:0InVJDpn0 从'ー'从「男子はもう先週計ったから、体育館でバスケするらしいよ~」 ツンの口からやるせない溜息が出る。 ξ;-⊿-)ξ「はあーっ… まじだるっ」 从'ー'从「でも男子がいないほうが私はやりやすいなあ…」 ξ;-⊿-)ξ「…ふぅーっ」 ツンは隣の生徒の大きく張りがある乳房を見つめた。 そして、わざとらしくまた溜息をついて、空を眺めるのだった。 21 :1:2008/07/11(金) 22:56:49.78 ID:0InVJDpn0 *** 教師の笛の音が鳴る。 並ばせられた女子生徒たちが、一斉に教師のいるラインまで走り出す 从;>-<从「!!!――」 「わたなべさんがんばれー♪」 「わたっち腕ふれー!」 ξ゚⊿゚)ξ(めちゃくちゃ揺れてまんがな) 「わたなべさんファイトー だおー!」 ξ゚⊿゚)ξ「だお?」 ツンは上を見上げた。 体育館の窓から、見飽きた気もする幼馴染のスケベ面が飛び出していた。 22 :1:2008/07/11(金) 23:00:21.63 ID:0InVJDpn0 ( ^ω^)「むっはー! やっぱり渡辺さんのおっぱいは最高だお」 ( ゚∀゚)「はぁはぁ…」 (^ω^ )「ジョルジュ、ポケットに手ぇつっこんで何やってるお?」 ( ゚∀゚)「な、なにも…! んんっ!」 盛りのついたブーン達を見て、ツンは声をあげる。 ξ゚⊿゚)ξ「こらー! 渡辺さんをやらしい目でみるんじゃない!!!」 ( 嬲ω嬲)「何言ってるお!」 ツンはグラウンドに転がっていたソフトボールを拾う。 ξ#゚⊿゚)ξ「これぶん投げるわよ!」 23 :1:2008/07/11(金) 23:01:48.04 ID:0InVJDpn0 「ちょwwwかんべんwwww」という台詞を置いて、窓はぴしゃりと閉まった。 色んな意味で腹が立ってきたので、ツンは足元の石ころを蹴飛ばす。 石は綺麗に浮き上がり、向こうから歩いてきた女の子の脛に当たった。 「あだっ!」 ξ゚⊿゚)ξ「あ、ごめんっ!」 ξ゚⊿゚)ξ「…なぁんだ、つーじゃん」 (*゚∀゚)「なーにむしゃくしゃしてんだー? んんっ? おじさんに相談してみなさい んんっ?」 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/07/11(金) 23:02:54.93 ID:0InVJDpn0 小柄で髪の毛をマッシュボブにしたそばかすの女の子は、 腕を組んでいたずらにツンに話しかける。 ξ゚⊿゚)ξ「別になんでもないよー! つー、あんたの走り見てたよ 激遅っ! カタツムリのほうが速いんじゃない!」 (* ∀ )「…」 (*゚∀゚)「そうですかー! いきなり嫌味ときますかー! あひゃひゃひゃ! あんたの口の悪さは全盛期のリアム兄弟並っ!」 ξ゚⊿゚)ξ「誰よそれー!」 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/07/11(金) 23:04:54.02 ID:0InVJDpn0 キャッキャとはしゃぎながら、二回目のタイムを計るため彼女等はグランドの校舎側へ戻った。 そんな二人の若い姿を、ジョルジュが窓の隙間から熱心に見ていたことは誰も知らない。 ( ゚∀゚)(ツンちゃんの細い足と… つーちゃんのロリ体型も… イイっ…) ( ゚∀゚)「ううっ…」 ( ゚∀゚)「性のスリーポイントシュートが入ってしまいそうだよッ!」 *** 「位置についてー」 ξ゚⊿゚)ξ「はーあ」 「よーい」 ξ゚⊿゚)ξ「…」 「ドン!」 29 :1:2008/07/11(金) 23:08:46.99 ID:0InVJDpn0 体が風を切る感覚。ツンは嫌いではなかった。 ただ、走るという行為自体はあまり好きにはなれない。体力など余りない。 彼女はごく一般的な女の子。或ることを覗いては。 「おりゃー! きばらんかーい!」 ξ;゚⊿゚)ξ「んっ?」 ツンは目を横に配った。 にやにやと笑うつーの姿。 ξ゚⊿゚)ξ「あんた、何で…」 足が縺れ、身体は地に落ちた。 「ありゃ… 横向いて走ってるからだよ」 30 :1:2008/07/11(金) 23:09:59.61 ID:0InVJDpn0 *** ξ゚⊿゚)ξ「し…しみ、染みるっ! バカつー! もっと優しくしなさいよ!」 (*゚∀゚)「こんくらい我慢せーよー」 ツンは、保健室の窓に苦悶する自分の表情が写っているのを見て、少し嫌になった。 しかし、それよりも哀しくなったのは、自分の運動神経の乏しさである。 ξ゚⊿゚)ξ「100メートルで余所見してコケちゃうとかどんだけよー あたし… いつつっ…」 (*゚∀゚)「あんたちょっと走り方変なのよ。私がコーチングしてあげようか?」 ξ゚⊿゚)ξ「いいよぉ… 別にぃ… かけっこなんて社会に出たら必要ないよっ」 (*゚∀゚)「いやー、あるかもよ? ストーカーから逃げ切るときとか」 ξ゚⊿゚)ξ「えーっ…」 32 :1:2008/07/11(金) 23:14:07.25 ID:0InVJDpn0 保健室の扉が、ガラッと開いた。 廊下の雑踏の音が忽ち入り込んでくる。 入り口に立っていたのは、ブーンだった。 ( ^ω^)「おいすー」 ξ゚⊿゚)ξ「なによっ、ブーン。からかいにきたの?」 ( ^ω^)「うん」 ( ゚ω゚)「ぶひゃひゃひゃwwwwww なぜ100メートル走でこwwwけwwるww」 ブーンの額に包帯を切るためのハサミが直撃した。 (;^ω^)「…というのは冗談だお。あの、先生が放課後グラウンドに来いって」 ( ^ω^)「ツンだけ二回目のタイムを計っていないみたいだお!」 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/07/11(金) 23:15:42.47 ID:0InVJDpn0 (*゚∀゚)「あんたハサミおでこに刺さってるわよ」 ( ゚ω゚)「あせghgyふじこlp」 ξ゚⊿゚)ξ「…はあっ、めんどいなあ」 ξ゚⊿゚)ξ「大体、何でわざわざ二回計るんだろーね」 「そーよねそーよねー」などとつーは適当に相槌を打つ。 そんなやり取りを交わしているうちに、昼休みの終わりを告げるチャイムは鳴った。 34:1:2008/07/11(金) 23:17:10.13 ID:0InVJDpn0 放課後。 「いいかぁー。ツン。徒競走の途中で余所見してコケるなんてな! うんたらかんたら以下省略」 ξ゚⊿゚)ξ(はぁー もう。 一人だけグランドに呼び出されて、ジャージって結構恥ずかしいもんがあるわね しかも、何なのよこの小言は) 「…というわけだ! いいか! 本気で走れよ! ほ、ん、き、で」 ξ゚⊿゚)ξ「私が本気で”加速”したら、大変なことになりますよー」 「…?? 何言ってるんだ? とにかくっ! 真面目に走れよ! ほら、ラインに立て!」 ξ゚⊿゚)ξ(真面目に… かぁ) 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/07/11(金) 23:18:27.96 ID:0InVJDpn0 ツンは色褪せた白線を足で踏む。 沈もうとしている太陽は未だ雲に包まれ、オレンジの柔らかな光だけが届く。 ξ゚⊿゚)ξ(――加速、参) オレンジに染まったグラウンドをツンは走り抜ける。 いや、瞬く間に移動したというほうが正しいのかもしれない。 教師はストップウォッチを止め、そこに印されたデジタルの数文字に驚愕する。 ξ;゚⊿゚)ξ(ちょ、ちょっと飛ばしすぎたかも…) 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/07/11(金) 23:18:55.21 ID:0InVJDpn0 「お、おまえ…」 ツンは、教師が展開してくるであろう会話の流れを一瞬にして予測した。 それだけで煩わしくなって、そそくさと校舎へと戻っていく。 「14秒03…。 部活に所属していない女子のタイムじゃねーぞこれは…」 「なんだ、あいつは?」 40 :1:2008/07/11(金) 23:25:33.07 ID:0InVJDpn0 ツンは教室へ戻った。窓から夕陽が差し込んでいる。 スカートから飛び出している携帯、ランプが光っている。 ξ゚⊿゚)ξ「うっ、緑色…」 ~~~~~~~~~~~~~ 本文: "JET"へ、"SKELT"が暴れている。 夜21時に落ち合いたい。 From 茂等 ~~~~~~~~~~~~~ (1 おわり) コメント
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