長岡速報 |
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新しい記事を書く事で広告が消せます。 3 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/24(月) 23:37:12 ID: dkjtdKi50 4.少女の朝 一九九五年、六月十四日。日曜日の朝九時。 梅雨に入り、連日のように雨粒が地上に押し寄せていた。 内藤家の一室にて、思い悩んでいる少女が椅子に座っていた。 ζ(゚ー゚*ζ「う~ん……」 三十分ちかく掛けてようやく髪型を作り上げているのだが、まるで顔は晴れていなかった。 ……これで髪の毛が変になったら、私の顔ももっと変に見えるだろうなぁ……。 ハァーっと溜息をついた辺りで、「コンコン」とドアの叩く音が聞こえたので、少女は振り返った。
4 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/24(月) 23:38:24 ID: dkjtdKi50 ζ(゚ー゚*ζ「はぁーい」 気持ちを切り替えて、元気な声を出す。 ('、`*川「父さんが早くしろって」 ζ(゚ー゚*ζ「あ……ごめんね、すぐ行く」 ('、`*川「……」 返事することなく、少女の妹のペニサスは扉を閉めた。 ……やっぱ嫌われてるなあ。 腰を上げ、扉に向かいながら、デレは軽く悩んだ。
5 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/24(月) 23:41:16 ID: dkjtdKi50 一階に下りると、父である内藤は、準備を終えたのか、ポロシャツ姿でソファに寝転びテレビを見ていた。 ( ^ω^)「準備できたかおー?」 ζ(゚ー゚*ζ「う、うん」 本音を言えば、もう少し髪を梳いていたかったけれど、待たせるのも躊躇われるので黙っておくことにした。 この日はデレの誕生日だった。 一九九五年……阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件など、世間を揺るがす出来事が、 内藤物産も御他聞に漏れずその煽りを受けていたが、幸いなことに ( ^ω^)「じゃ、行ってくるおー」 内藤は立ち上がると、二階に居るであろうペニサスへ声を張り上げた。
6 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/24(月) 23:43:55 ID: dkjtdKi50 返事は無かった。 デレが助手席に乗り込んだのを確認し、内藤も乗り込んだ。 車を発進させ、ガレージを出る。 しばらくはカーステレオもつけず、会話もないまま進行した。 ブウウ――――――ンンン――――――ンンンンという、蜜蜂の唸るようなエンジンの音が、
10 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/24(月) 23:45:22 ID: dkjtdKi50 特に話すこともないけれど……。 ( ^ω^)「学校はどうだお?」 と尋ねたので、デレは僅かに狼狽した。 ζ(゚ー゚*ζ「うん、そこそこ上位はキープしてるよ」 ( ^ω^)「友達の方はどうだお?」 ζ(゚ー゚*ζ「え……と、ウン、いっぱい居るよ」 「そうかお、よかったお」という、そっけない内藤の返事で、会話が途切れた。 ζ(゚ー゚*ζ「あのさ、お母さんのことなんだけど」
12 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/24(月) 23:46:51 ID: dkjtdKi50 ( ^ω^)「お?」 ζ(゚ー゚*ζ「お母さんって、小説が好きだったんだよね」 ( ^ω^)「おっおっそうだお。自分でも書いてたお。僕には見してくれなかったけど」 懐かしむような口調で、内藤はスラスラと答えた。 ζ(゚ー゚*ζ「へぇー……自分で小説も書いてたんだ……」 ( ^ω^)「といっても、デレが生まれてからはあんま書かなくなったお」 ζ(゚ー゚*ζ「お母さんって、どんな小説読んでたの?」 (;^ω^)「うーん、確か家の本棚にほとんどある奴だお。……地獄なんちゃらが、好きって確か……」 アヤフヤな記憶のまま、内藤はデレに説明したが、やはり濁った情報しか汲み取れない。 しかし、何故唐突に母親のことが知りたくなったのか、デレ自身も理解出来なかった。
17 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:01:47 ID: AMbErvC70 やや経って、二人は高島屋に到着した。 入店した途端、内装の煌びやかさにデレは目を眩ました。 自分の顔の悪さが浮き出てそう……デレは若干伏せ気味になって、内藤の後ろを歩いた。 エスカレーターに乗っても、それは続いた。 やっぱり、自分にはこういうトコは合わない……デレは誰とも分け隔てなく話せる性格を持っていたが、 この蒙古ヒダが無くなれば……この奥二重が、普通の二重になれば……そしたら睫毛も存在感を主張できるのに。
18 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:04:31 ID: AMbErvC70 あの娘は睫毛が綺麗だなぁ……親友の顔を思い浮かべると、ますます自分の顔の悪さを思い出す。 ごくごく他人に、「デレちゃんは可愛いよ」と励まされることもある。 そんなことを何度も繰り返すうち、段々と褒め言葉への反応が、本音の反応が、希薄になってしまった。 ζ(゚ー゚*ζ「………」 そのことを考えると、自分を優しいと思ってくれている人達に申し訳なくなってしまう。 ( ^ω^)「ここだおー」 内藤の言葉でデレは現実に引き戻された。 ・・ ・・・
20 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:06:15 ID: AMbErvC70 デレはあまりファッションについて、詳しくない。 「こちらの新作なんかは、~~」 ζ(゚ー゚;ζ「はぁ……」 と言われても、まるでピンと来ないので、生返事に徹してしまう。 今日は内藤が財布を持っているにしても、無駄に高いモノは買いたくない。 ζ(゚ー゚*ζ「う~ん……」 いくつかの店に足を運びながら、慎重に買うものを決めていった。 そうして昼ごろには、Tシャツを数枚、シャツスカート、サロペットスカートを一着ずつ購入した。
24 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:08:14 ID: AMbErvC70 次に、内藤が私用の靴を一足買い、それから昼食をレストランでとることにした。 まだ昼下がりなのだが、レストラン内はひどく薄暗い。 内藤も場所を間違えてしまったと思ったのか、しきりに困った顔をしている。 (;^ω^)「ちょっと間違えちゃったかお……」 ζ(゚ー゚;ζ「うん、"ちょっと"ね……」 ( ^ω^)「でも、ここはすごく高いんだお!」 ζ(゚ー゚*ζ「だねー、メニューみて驚いちゃった!」 ( ^ω^)「さて、なんで僕達はこんな高いモノを食べたり、買えたりするんでしょーかお?」 いつもの質問だった。 ζ(゚ー゚*ζ「社員さんが頑張ってくれてるから!」 ( ^ω^)「そうだお!」
31 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:09:37 ID: AMbErvC70 ( ^ω^)「だから僕達は感謝しないといけないんだお。社長なんて、そんなもんなんだお」 これがいつもの口癖で、常に内藤は娘たちにそう言い聞かせていた。 注文した品が来るまでの間、一頻りの談笑をした。 (;^ω^)「あのスカートなんでむちゃくちゃ高いんだお」 ζ(゚ー゚;ζ「なんか有名なブランドだったみたいだね……」 (;^ω^)「四万もするなんて……さっきのカンペールの倍じゃないかお」 ζ(^ー^*ζ「ありがとうございます♪」 そうして二人は笑いあった。久しぶりの親子水入らずの団欒で、デレは満足な気分になった。 ( ^ω^)「ペニサスとは……どうだお?」 ζ(゚ー゚*ζ「、、う~ん……まぁ、なんていうか」
35 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:10:41 ID: AMbErvC70 デレは言葉を濁した。 円卓のホワイトクロスに目を落としながら、ぽつぽつと、 ζ(゚ー゚*ζ「なんだろう……年頃なのかな……ちょっとペニサスからは……」 ( ^ω^)「そうかお……」 内藤は言葉を引き取るようにして、 ( ^ω^)「僕にもちょっと冷たいんだお。ペニサス……"年頃"、って奴かお?」 ζ(゚ー゚*ζ「う、うーん、もう中学生だしね……」 ( ^ω^)「ほんと早いお。……女の子の年頃かお……難しいお」 内藤は腕を組んで考え込んだ。
41 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:12:10 ID: AMbErvC70 そうしているうちに、昼食のスパゲッティが運ばれた。 冷めやんでいない湯気立った麺を、二人はおずおずと口に運んでいく。 ・・ ・・・ 内藤家はポストモダン建築の三階建てで、住宅街でも異質の建物だった。 買い物と食事を終えた二人は、真っ直ぐに帰宅した。 ζ(゚ー゚;ζ「あぁ~もぅ……梅雨とか最悪……」 ( ^ω^)「もう家についたから大丈夫だお!」
45 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:13:50 ID: AMbErvC70 ・・ ・・・ ζ(゚ー゚*ζ「ぅーん……」 デレは鏡の中の自分を凝視しながら小首を傾げた。 光加減が原因かもしれない。薄暗いデレの部屋では、輝くものも輝けないだろう。 ζ(゚ー゚*ζ「………」 唐突に、鏡の中の自分が滑稽に見えた。 ――こんなことなら、買わないほうがよかったかも……。 ああ、ダメだ、ダメだ、ダメ。
50 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:15:44 ID: AMbErvC70 いつも、こうだ。デレは自分を戒めた。 どうしてこればっかりは耐性を養えないのだろう。 デレはそう思うと、自分自身の中のジレンマを不甲斐なく感じた。 と、思い立ったあたりで、チャイムのベル音が家中に響き渡った。 「デレー! お友達が来たお―――!!」と、一階から内藤の叫ぶ声が聞こえる。
51 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:19:22 ID: AMbErvC70 ζ(゚ー゚*ζ「はーい!」 叫び返してから、最後に鏡でチェックをして、階段を下りる。 ( ^ω^)「雨なんだから待たせちゃだめだお」 ζ(゚ー゚*ζ「わかってるって!」 小走りで玄関に向かい、扉を開ける。 目の前の黒門の向こうに、来訪者の彼女が居るのだろう、開いた水色の傘の上部分が目に留まった。 濡れた門の錠を開け、待たせた友達と対面する。 川 ゚ー゚)「誕生日おめでとう。だのに君は変わらずそそっかしいね」
53 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:21:55 ID: AMbErvC70 目元を弛ませたその笑顔には、屈託がまったく感じられない……デレはその純粋な瞳に ζ(^ー^*ζ「ありがと!」 川 ゚ー゚)「ま、そそっかしいのはいつものことか」 ζ(゚ー゚;ζ「そんなことないよ! クーちゃんが冷静すぎるだけだよ!」…… のちに「クー・ルー」と呼ばれ、世界でも比類なき評価を受ける霊媒師となるであろう ζ(゚ー゚*ζ「それで、どこ連れてってくれるの?」 川 ゚ー゚)「まぁ、何も言わずに付いてきておくれ。私の嗜好なんかは参考になるかもな」 そう言い、談笑しながら二人の少女は梅雨の最中の路地を歩いて行った。 ・・ ・・・
55 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:23:55 ID: AMbErvC70 仄暗い空は、傾れ打つ雨粒の所為で、さらに視界が悪い。 内容は、クーの向かう先の推理についてだった。 ζ(゚ー゚*ζ「クーちゃんはゲーセンとか嫌いだから、それはないと思うんだよね」 川 ゚ー゚)「ほほう。ほほう」 ζ(゚ー゚*ζ「でも、まさか神社とか教会ってわけでもなさそうだし……」 川 ゚ー゚)「ふんふん」 ζ(゚ー゚*ζ「え、どうなの? 正解だったり?」 川 ゚ー゚)「いや。違う。まだまだ推理し続けてくれ」 ζ(゚ー゚*ζ「ぇ~、なんだろ、なんだろ」 川 ゚ー゚)「もっと私の思考を探ってくれよ」
56 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:25:41 ID: AMbErvC70 ζ(゚ー゚*ζ「うーん。あ! じゃあ、この向かってる方向ってのはスゴいヒントだよね!?」 川 ゚ー゚)「そりゃまぁ、そうだろう」 ζ(゚ー゚*ζ「ぇー、なんだろ……なんだろなんだろ」 そう言ってデレは推理に潜心した。 少女達が向かっている先は、都市開発から逃れた自然の集まる地域で、 およそ若者が好き好んで行く場所ではなかったが、逆にそれが絶好にヒントにもなり得た。 ζ(゚ー゚*ζ「うーん、展望台?」 川 ゚ー゚)「あそこはいい読書スポットだな。滅多に行かないし、今日も行かないけど」 ζ(゚ー゚*ζ「えーっと、じゃあ、じゃあ……」 川 ゚ー゚)「自分で出題しといてなんだけど、多分デレは当てられないよ」 ζ(゚ー゚;ζ「ええ!?」
58 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:27:04 ID: AMbErvC70 「学校の連中」という言葉に、クーは侮蔑の響きを効かせていた。 ζ(゚ー゚*ζ「……うーん、、、」 川 ゚ー゚)「結構歩くよ。だいたいあと二十分は掛かるな、ちょっと厳しいかもね」 会話はそこで一旦打ち止めとなり、暫しの沈黙が生まれた。 沈黙は長続きしなかった。 ζ(゚ー゚*ζ「そういやクーちゃんの誕生日はいつだっけ?」 川 ゚ -゚)「……えーっと、いつだったかな……」 ζ(゚ー゚*ζ「ええ! 自分の誕生日は覚えてようよ~」 川 ゚ー゚)「忘れちゃったよ。たしか誕生石がトパーズだったんだがね」
60 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:28:29 ID: AMbErvC70 ・・ ・・・ 二人の少女は、国道の路肩の上を歩く。 カーブが激しくなり、脇にスクリーンのような山々が現れてきた。 そうして曲がり、断崖の上に立った。 雨が弱まった。鉛色の雲は、白銀色に変化しつつある。 クーは足を止めた。デレもつられて停止すると、周りを見回しながら、 ζ(゚ー゚*ζ「ここ?」 川 ゚ -゚)「ん……まぁ殆どな」
61 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:30:32 ID: AMbErvC70 意味深な発言をし、クーは再び歩き始めた。 ζ(゚ー゚*ζ「もしかして……」 川 ゚ -゚)「うむ。おそらく君のイメージ通りだ」 言い終わらぬうちに、クーは身軽に切れ目の向こう側に入り込んだ。 ζ(゚ー゚;ζ「大丈夫なの? 大丈夫なの?」 川 ゚ -゚)「雨で滑りやすくなってるから、相当危険だな」 ζ(゚ー゚;ζ「ええっ!?」 川 ゚ー゚)「冗談だ。ほとんど安全だよ、私なら」
62 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:32:02 ID: AMbErvC70 草原を歩き進めると、最後の砦付近に階段めいたものを発見した。 下りた先は、出窓のような小さな崖だった。 ζ(゚ー゚*ζ「すごい……」 デレは思わず息を呑んだ。 川 ゚ー゚)「穴場だろう? 人に教えたのは君が始めてだ」 雨が完全に止んだ。傘を閉じてから、もういちど海に目を向ける。 一枚絵のような光景に、少女たちは時間を忘れて見惚れてしまった。……
63 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:33:28 ID: AMbErvC70 雲の割れ目が更に広がり、ついには分裂を開始した。 ふと、デレは自分が花だったならと想像した。 そこまで考えてデレは自分を恥ずかしく思った。 川 ゚ -゚)「すこし、いいか?」 惚けていたデレに、クーは近寄った。 ζ(゚ー゚*ζ「これは……」
65 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:35:41 ID: AMbErvC70 川 ゚ー゚)「誕生日プレゼントだ。真珠は六月の誕生石で、宝石言葉は……」 ζ(゚ー゚;ζ「ちょっ……これってスゴく高いんじゃないの!?」 言下にデレが鋭く質問した。 川 ゚ -゚)「だが、私自身の懐を痛めて手に入れたものじゃないんだ。気を重くしないでくれ」 ζ(゚ー゚*ζ「……あ、そうなんだ、ありがと! とっても嬉しい!」 クーの言葉に引っ掛かりを覚えたが、デレは喜びを前面に表した。 ζ(゚ー゚*ζ「お揃いだね」 川 ゚ー゚)「しかも誕生石同士のな」 そういうとクーは、口元をほころばせた、彼女独特の笑顔を見せ、カモメの乱舞の方を見た。
66 名前: ◆tOPTGOuTpU Mail: 投稿日: 08/03/25(火) 00:39:05 ID: AMbErvC70 慌ててデレも視線をカモメの方へ向く。 デレは心臓が高鳴るのを感じていた。 表情は太陽に照らされて赤らんでいるように見えるが、顔が赤いのは太陽のせいだけではない。 太陽じかけのオレンジに染められる空を見続けながら、デレは考えた。 私の心の内で、込み上げてくるこの鮮やかな感情は、性欲なのかしらん。と。 そう考えると、この夕焼けが、朝焼けに変化したような気さえする。 少女の朝が、幕を開けたように思われた。…… (少女の朝 終)
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