長岡速報

 
 
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ジョルジュ

Author:ジョルジュ
心母少女最終話更新
完結おめでとうございます。
08/03

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( ・∀・)僕と('、`*川さんのようです 2 

31 :◆px9AwdvXOg :2008/06/29(日) 23:28:55.01 ID:SHxt+jWh0
2 赤


続き →

( ・∀・)僕と('、`*川さんのようです 1 

2 :◆px9AwdvXOg:2008/06/29(日) 23:02:11.46 ID:SHxt+jWh0
1 ペニサスさん登場

続き →

( ^ω^)と無人の城のようです 六話  

5 :◆TARUuxI8bk:2008/07/14(月) 22:28:30.29 ID:xUr1GQYG0
一歩。
二歩。


肉を求めるように。血を求めるように。
地響きに似た唸り声が弱者を内側から戦かせる。

歯茎に並んだ黄色い歯が、それを奏でる器のように震える。

唸り声をより低くし、一頭が踏み出した。
前足の爪と床とが擦れて鋭い音を鳴らす。

一頭に続いて、後ろに控えていたものたちが続々と足を踏み出した。
他のどれより巨大で、赤い毛並みが艶やかなその一頭は、見るものをそれらすべての王者であると確信させる。


そして今一度、更に幅を大きくして踏み出すと、頭を斜め上にもたげ。
音高く、吼えた。



7 :◆TARUuxI8bk:2008/07/14(月) 22:32:17.51 ID:xUr1GQYG0
第六話 ― 五十二年の火蓋、命の差を天秤にかける




( ´_ゝ`)「お!」


上階から響いて来た咆哮に兄者が反応し、階段の方へ顔を向ける。

いびつに膨らんだ袖を弄っていた弟者が、少し遅れて同じ方へ目をやった。
今度は咆哮ではなく、情けない悲鳴が次々聞こえて来る。

それが聞こえると、兄者は同意を求めるかのように弟者へ笑い掛けた。
阿呆らしいと言わんばかりに、弟者はわざと表情を変えないまま兄者と目を合わせる。
暫くすると背を向け、また袖を弄くり始めた。

続き →

( ^ω^)と無人の城のようです 五話 

3 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 22:39:40.24 ID:M9saCVUi0
あの弦月の夜と同じように、城内は静まり返っている。



狭い視界だけに集中していたブーンは、不意に耳に届いたふくろうの声で、久しく聴覚を意識した。
あの夜、この城に訪れたときからまだ一日しか経っていないのに、今ではその鳴き声も恐ろしくない。

寧ろ今は、動物の声と人の声とを聞き分けるのに必死だ。

未だ耳に届かない後者を、ブーンは鉄扉の間からじっと外を覗き見て、ひたすらに待っていた。
一見、広間にはブーン以外誰もいない。
しかしブーン自身は、背後に”彼”が佇んでいる事を知っている。

”彼”は姿を消しているが、五感を研ぎ澄ましたブーンにはいつしかそれが判るようになった。


4 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 22:43:42.32 ID:M9saCVUi0
その感覚を察知する度、薄ら寒い気配に生唾を飲んでしまう。
とても不自然で、不穏で、そこに存在しているという事が異様なその気配は、どうしても慣れる事が難しい。
情けない、ブーンは自らを叱る。
それでもやはり、また皮膚の奥の血流が”彼”を感じ取れば、ブーンは本能的に恐怖を覚えた。

静寂に乗じて絡みつく、冷えた空気。
ブーンはその一連に、もしくは自分に苛立っていた。


月は城の真後ろに位置しているため、ブーンからは見えないが、その明かりは扉の外の白い石畳を煌々と照らしている。
石畳の脇に咲いた花が音を立て、吹き抜ける風に揺れた。

夜は更けていく。
遠い草原がざわめいた。遅れて鳥の喚くような鳴き声が、次々に折り重なって聞こえて来る。
羽ばたきと共に小さな点が、幾つも幾つも黒い空へと舞い上がった。


5 :◆TARUuxI8bk:2008/06/22(日) 22:47:32.87 ID:M9saCVUi0
( ^ω^)(……)

ブーンが目を凝らす。
突如、城の天辺の鐘が、重く澄んだ音を丘中に響き渡らせる。
その音は城中のあらゆる場所から反響し、音の高さを歪ませながら消えて行く。


時は来た。


あるいは笑みを濃く深くしながら、あるいは意気込みながら、あるいは茶飯事のような感覚に背伸びをしながら。
城の内側に存在するすべてのものたちが、長いような短いようなその鐘の音を聞いていた。




第五話 ― 訪れた討伐隊、塔より高いその意志を笑え無人の城主


続き →

( ^ω^)と無人の城のようです 四話 

4 :◆TARUuxI8bk:2008/06/08(日) 22:20:03.74 ID:LX8RAdDh0
第四話 ― 作戦会議後編、宴に酔歌の光あれ




( ^ω^)(もしかすると、僕が考えてるよりフクザツな事になっちゃったのかもしれないお)



柔らかな光が差し込む廊下、響く足音は二つ。


かたや擬音で表現するならば「にこにこ」と、しかし決して穏やかではない笑み。
かたやその後ろ、慣れない手触りの服を着慣らして、相も変わらず周囲を見回しながら歩く青年。
時折何かを考え込むようにしては、ふいに顔を上げてまた辺りを見回しての繰り返しだった。


6 :◆TARUuxI8bk:2008/06/08(日) 22:24:36.43 ID:LX8RAdDh0
( ^ω^)(っと、だめだめお、またやってるお。……もしかしてこれ、癖付いて来ちゃったお?)

周囲を見回すという一番簡単な状況確認を、青年―――ブーンは昨夜目を覚ましてから何度も行っていた。

それぞれの部屋に特徴がある建物、例えるなら記憶喪失で迷い込んだ見知らぬ城。
そんな場所と条件でなら状況確認の回数も増えて当然なのだが、ブーンがそれを行うとどこか間抜けなものがある。
彼自身鏡で見た自分の顔をどこかでそう自覚しているので、尚更だ。


ブーンの数歩先を行く黒いマント。
その高い襟が、ゆったりとした歩みと共に右へ左へ揺れている。

襟ですら楽しそうな動きをするものだ、ブーンはいつしかその襟に視線を集中させながら考えていた。

( ^ω^)(城主さんで吸血鬼さんで、なんだか不思議な人で、ノリがよく掴みきれないけど。
けどきっとこの人は、僕が考えているより、だいぶ遠い所にいるんだろうお)


ブーンがそう確信したのは、つい先ほど連れて行かれた応接室での事である。


続き →
 
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