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686 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/08(水) 04:39:41.05 ID:QPqUeopm0
( ´_ゝ`)ロープのようです(´<_` ) '、: :ヽ、 ゙、: ゙l ゝ: : ゙l ゙l: : | ゙l: : .i | : | |: : ! ,l゙: .," ,": .," ,/: ,/ _,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__ _,,-'": : ,/ ,/゛: : : : : : : : : : ~^''''''''''"゙″: : : ,`′ /: : : : ,,,、---、、,,,,_、: : : : : : : 、,-'` .,/`: : .,r'"  ̄"''''''''''''‘ ,i´: : : : │ /`l ,.-┐ /: : : : : : | r‐、 { { l / .| : : : : : : .゙i、 ヽ. \ヽ. ヽ } ./ .゙l : : : : : │ r-、 \ ヽ}、 V { .゙l: : : : : ,! \ `ー-′ __ ! / : : : : : l゙ `丁 - ´ { ーヽ=⌒) /: : : : : :/ ヽ、__廴_,─='-‐' 从;∀;ノ!リ人「えーん! えーん! 崖下に落ちちゃったのじゃー!」 流石 妹者は、断崖絶壁の出っ張りに腰を降ろして泣いている。 崖の上では、二人の兄がおろおろと彷徨っていた。 (´<_`; )「大変だ兄者! どうにかして引き上げないと!」 ( ;´_ゝ`)「んな事言ったってなあ! 俺はロッククライミングなんて出来やしないし…」 枯れ枝に止まった鴉が、そんな二人を見て阿呆と啼く。 流石 弟者は鴉に向かって唾を吐いた。 (´<_`; )「なんかロープとかないのか? こう、紐状のものとか」 ( ´_ゝ`)「すまん、包丁しかない」 兄者は手に持った刃物を、きらりと光らせた。 688 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/08(水) 04:44:23.53 ID:QPqUeopm0 (´<_`; )「なんでそんなものしかないんだよ!」 ( ;´_ゝ`)「んな事言ったってな」 从;∀;ノ!リ人「ウワァアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!」 (´<_`; )「そ、そうだ。取りあえず服脱いで、それで俺らの服を切って…」 ( ;´_ゝ`)「え、お前そんな趣味あったん…」 (´<_`# )「ちげーよバカ! 俺らの服を繋ぎ合わせて、ロープ作れないかって話だよ!」 ( ´_ゝ`)「んー…そうか、にしても」 流石 兄者は、絶壁にしがみ付く妹を見下ろした。 ( ´_ゝ`)「無理じゃないか? 切って結んだら強度がかなり落ちるから、途中で千切れかねんし 切らずにそのまま結んでロープのようにしても、あそこまでかなりの距離があるし…」 (´<_`# )「じゃあどうすんだよ!」 689 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/08(水) 04:47:24.20 ID:QPqUeopm0 怒りに任せて、弟は不甲斐無い兄を殴り飛ばした。 恨みがましい視線は軽くスルーする。 (#)´_ゝ`)「ロープ…ロープ…紐…紐さえあれば……紐状のもの?」 ふっと兄者の動きが止まる。 (´<_`; )「何かいい案でも思い付いたのか?」 从;∀;ノ!リ人「早く助けて欲しいのじゃー」 (´<_`; )「ああ、ごめんよ妹者」 弟者が崖下を覗いた隙に、銀色の軌跡が首筋を走り抜けて行った。 (´<_` )「え?」 ぶしゅう、と鮮血が散る。 690 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/08(水) 04:51:02.96 ID:QPqUeopm0 何が起こったのか理解出来ず、それでも体は流れる血を止めようとしたのか。 無意識の内に、右手が首の傷へと当てられる。 (´<_ ; )「な、にが…」 どすっと鈍い音がし、背中に激痛が走った。 与えられた慣性のまま、弟者は地面にどうと倒れた。 ( *´_ゝ`)「紐あるじゃないか! なあ弟者!」 うつ伏せに倒れた弟の体を、思い切り蹴り上げて仰向けにさせる。 弟者は、既に罵倒を吐く体力も気力も余裕もなかった。 代わりに、肺に溢れた血液をごぽっと吐き出す。 ( *´_ゝ`)「お前みたいなクズだって、人の役に、それも妹者の為に役に立てるんだもんなあ!」 ざぐりと腹に包丁を突き刺す。 692 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/08(水) 04:54:06.43 ID:QPqUeopm0 ( <_ i|)「ッ──! …─!!」 声にならない悲鳴があがる。 かっと目を見開いて、手足を痙攣させて、痛みを訴える。 その視界が捉えたものは、にやにやと歪んだ笑いを浮かべる己の兄だった。 ( ´_ゝ`)「お前の紐で足りなかったら、俺のを使ってやるよ」 そう言って、ずるっと弟者の内臓を引き摺り出す。 正確には、紐状の器官を。小腸と、大腸を。 ずるずるずると引っ張り出す。 ( <_ i|)「……」 兄者が、意外と長いな、と呟いたのが聞こえた。 そりゃそうだ、保険や理科の授業で習ったとは言え、 教科書の挿絵だけで、実際に見た事などないのだから。 694 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/08(水) 04:57:20.56 ID:QPqUeopm0 ( ´_ゝ`)「妹者ー後少しだから待ってろよー」 从・∀・ノ!リ人「わかったのじゃー」 二人の声が遠い。 同時に、自らの意識も遠退いて行く。 ( ´_ゝ`)「これに掴まれ、引き上げるから」 从・∀・ノ!リ人「はいなのじゃー」 ずるり、と最後に残っていたものまで抜けてゆく。 弟者が最期に感じたものは、心と体の酷い喪失感と、孤独と絶望だった。 从・∀・ノ!リ人「ねばねばべとべとして汚いのじゃー」 ( ´_ゝ`)「帰ったら洗ってやるから、早く上がれー」 695 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/08(水) 05:01:08.15 ID:QPqUeopm0 从・∀・ノ!リ人「助かったのじゃー」 可愛らしいその手は、真っ赤な血と、薄汚れた黄色い脂肪にまみれている。 僅かな時間で、その手についた内容物は乾燥し、固形化していた。 从・∀・ノ!リ人「汚いのじゃ」 異臭が酷い。胃の中の未消化の物体も、付着してしまったのだろうか。 その手で、スカートについた土を払い、一緒に手についた内容物も服に拭う。 ( ;´_ゝ`)「ちょ、服が汚れるって」 从・∀・ノ!リ人「お洗濯したらいいのじゃ!」 嘘だ。この汚れは落ちる事はない。 だけども、妹者なら落とせる気がした。 根拠も、確証も、何もないけど。 697 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/08(水) 05:03:13.97 ID:QPqUeopm0 从・∀・ノ!リ人「帰るのじゃ!」 妹者が、兄者が持つ包丁を鷲掴みにした。 ぷしゅっと可愛らしい音を立てて、鮮血が散る。 ( ´_ゝ`)「あーあ、また汚して、母者に怒られても知らないぞ」 从・∀・;ノ!リ人「それは嫌なのじゃ!」 妹者は兄の手から包丁を奪い取ると、血でべとべとになった手を掴んだ。 夕日が二人を照らし、歪なアーチの影を作る。 从・∀・ノ!リ人「そもそも、兄者があんなロープを使うから汚れたのじゃ」 ( ´_ゝ`)「それ言ったら、妹者が崖下に落ちなきゃあんなロープを使う必要もなかったんですー」 从・∀・;ノ!リ人「む、むむぅ」 妹者が、反論に詰まる。 698 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/08(水) 05:05:08.78 ID:QPqUeopm0 この話は続けても仕方ないと、早々に切り替えた妹者が、新たな話題を出す。 从・∀・*ノ!リ人「帰ったら、お洋服のままお風呂に入るのじゃ!」 ( ´_ゝ`)「や、それは流石に止められると思うが」 从・∀・ノ!リ人「なんでなのじゃ? お洋服も一緒に洗えて、一石二鳥なのじゃ」 ( ´_ゝ`)「ちゃんとした洗剤で洗わないと、血とかは落ちないんだよ」 从・∀・ノ!リ人「ふーん」 ( ´_ゝ`)「取り敢えず、帰ったら、久し振りに一緒に入ろっか」 从・∀・*ノ!リ人「やったのじゃ!」 兄妹は、仲良く雑談をしながら、連なって家路に着く。 その後ろ姿を、一人取り残された弟の萎びた眼球が見ていた。 恨みがましく涙を流し、夕日に染まる二人を見ていた。 ずっとずっと、見ていた。 ( <●><●>)ブーン系小説総合案内所のようです ttp://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1246792299/ コメント
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