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6: ◆xh7i0CWaMo :2009/04/14(火) 22:36:01.91 ID:jRo/zMdi0
虚無は虚無の色をしている。知覚しようにも不可能な色。 そして音と空間。死者よりも感覚を失ってしまったかのように、何も感じられない世界。 三人はその中で佇んでいる。立っている感覚も寝ている感覚もなく、 あえて言うならば、わずかに浮沈伸縮しているような錯覚はある。 何もかも消えてしまった。全部自分が殺したのだろうか。ブーンには分からない、 ただ、消えてしまったことだけは確かだ。全て。時間も音も、空間も。 残ったのは自分たち三人と、異次元媒体としての文字のみ。 川 ゚ -゚)「……夢・特殊性夢遊病・集合的無意識・身体醜形障害・批評 主観的時間・客観的時間・記憶・妄想・メタフィクション・スターシステム」 クーが言葉を一つ一つ、ゆっくりと並べていく。 彼女の声は反響しない。消え入りもしない。音波の傷跡はいつまでも空間に残り続けた。 川 ゚ -゚)「……この物語で語られてきたことだ。 導入部を終えた後は、ほぼ首尾一貫であると言って良い」 ( ^ω^)「きみは、やっぱり主人公なのかお?」 川 ゚ -゚)「違う。私は狂言回しの役割にすぎない。強いて言えば、 物語の中で出てきた不必要なフラグメントを、適宜『魔法で』処理していくという役割か。 たとえば、そこにいる女のような断片を」 言われてブーンはハインを見た。 それは、さっきまで無数にいたハインの中で、間違いなくこの物語の登場人物としてのハインだ。
3: ◆xh7i0CWaMo :2009/04/12(日) 22:39:37.09 ID:rdhGop0Q0
快楽のせいで、視界がぼんやりと霞んでいる。 上下左右にうごめく、色彩豊かなモザイクたちを、彼は丁寧に分類していった。 あそこで駆けているのは逃げまどう記者たちだろう。 転んでる奴もいる。鈍くさい奴だ。単純反応すぎてつまらない。 ストロボを炊いている奴もいる。記者根性万歳。ヒロイズムが疼いているのがよくわかる。 こちらへ向かってくる勇猛果敢な奴らが数人いた。ブーンを取り押さえようと言う魂胆なのだろう。 ブーンは短くケケと笑った。雨に悦ぶ蛙のような笑い声が吐き出された。 ちょっとひしゃげた金属バットを持ち直す。じりじりとブーンを囲う人間たちを眺望。静寂。 集団が一斉にブーンへ飛びかかった。軽く体を浮かせて迫りきた奴の側頭部を殴ってたたき落とす。 その勢いでバットを振るった。その先端が面白いように襲撃者の頭や顔面、 つまり致命的部分にヒットしていく。まるで彼らは自殺志願者だ。 あえてバットにぶつかろうとしているようだ。時代劇ドラマで見るような殺陣シーン。 三十秒もたたぬうち、ブーンの周りに即死したものや, 死にきれなかったものの横臥する肉体が十数人、積み上がった。バットはもう使いものにならない。 ブーンは壁に向かってそれを投げつけ、床に落ちていたAK-47を拾い上げた。
4: ◆xh7i0CWaMo :2009/02/10(火) 22:12:20.12 ID:gNPPOJmN0
( ´ω`)「……」 虚空に浮かんでいる四つのアラビア数字を、ブーンはぼんやりと眺めている。 いつの間にか自分は、これほどに長い物語を歩んできたらしい。 しかし、その記憶は無い。植物人間となって意識を断絶していたかのように、 遥か昔であるらしい時から、今この瞬間までの経過がほとんど一瞬であったように思える。 重たい頭を動かして、ブーンは自分の身体を見下ろした。 一瞬ほど前、自分は高校生だったはずだ。我が肉体は若者らしい、壮健な肉体であるはずなのだ。 だが、どうだろう。今ブーンが纏っている肉体は、とても十代のそれとは思えない。 曲がった腰、直立しているだけで震えてくる足、錆びたブリキ玩具のように軋む節々。 視界の上側に、少しばかりの前髪が映り込んでいる。指でつまんでつくづく眺めてみるとそれは、 ほとんどが色素の抜け落ちた白髪なのだ。黒髪を探してみてようやく一本だけ、掴むことができた。 恐る恐る、両手の平で頬を、頭を撫でてみる。張りなどとうに失われ、幾重の窪みがある顔面、 顎や鼻の下からは、沙羅沙羅とした髭が伸び放題に伸びている。頭髪の量も失われ、 僅かに残った髪は脂ぎり、四方八方へ、まるで静電気を当てられたかのように伸び散らかしている。 そんな重たく傷んだ身体を、ブーン老人は随分と着古しているらしい、色褪せた背広で包んでいる。 それによって、少しばかりはきちがいじみた外見が軽減されてはいるが、 乞食と間違われてもおかしくない恰好であることは間違いなかった。 ( ´ω`)「……」 ここはどこだろう、とブーン老人は考える。 それまで聴覚と視覚は外界との接続を完全に遮断していたが、ブーンが自覚することによって、 その機能は回復していく。都会の景色、雑踏の喧騒が徐々に現実感を伴ってブーンを包んだ。
3: ◆xh7i0CWaMo :2009/01/21(水) 21:34:17.60 ID:1tc0vRol0
今ここにある全ての事物がどのようにして始まったのか、ハインは知らない。 そもそもあらゆる事物に対して何時を『始まり』と定義すれば良いのだろうか。 例えば、人間は何時始まるのだろうか。 ある一人の人間の始まりから終わりまでを記すとする。その場合、 その人間の始まりとは彼の両親が性交を行い精子が卵子に着床するところから描写すべきか、 或いは全て道徳的な人間がそうするであろうように、母親の性器より排出され、 産婆に抱え上げられた瞬間を始まりとすべきだろうか。 例えば、物語は何時始まるのだろうか。 ある世界観によるストーリーの始まりから終わりまでを思うとする。その場合、 その物語の始まりとはそのストーリーが語られ始めた瞬間、つまり小説であれば、 一段落目の一文字目、映画であれば最初のシーンの一秒目を思えばいいのか、 或いはその物語が語られる以前、ストーリーのキャラクターたちが歩んできたであろう、 歴史さえをも思うべきか。更にはその世界観の背景、文体や作者に対しても思うべきだろうか。 流浪するハインの思考の大半がそれら、衒学的な疑問に支配されていた。 意味は無いだろう。必要もないだろう。義務すらも、無いだろう。 しかしハインには同様に自由も無かった。 彼女はただただ上下左右も知れない不可思議な空間を流浪するだけの存在である。 いつからこうなったかをハインは覚えていない。 もしかしたら、生まれたときからハインは空間を流浪しているのかも知れなかった。 普段見る夢が突然明晰夢に切り替わったかのように。ハインは今になって初めて、 自分が空間を流浪するだけの不合理な存在だと自覚したのかもしれなかった。
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/16(金) 23:11:42.57 ID:qzN73Fqn0
(;´_ゝ`)ガサガサ 「あああああああ、ここもいない」 「妹者ぁあああああ」 (´<_`;)「落ち着け兄者」 「自動販売機の飲み物がでてくるところをガサガサしても、妹者はいないぞ、おそらく」 (;´_ゝ`)「いやあ、わからんぞ妹者ときたら、ひよこ豆のように小さいからな」 「そしてかわゆい、同じくひよこ豆のように」 「その小ささと、かわいさで、どこに入り込むかわかったもんじゃないぞ」 (´<_` )「あいや、確かに!成るほど、一理ある」 「その可愛らしさといったら、俺らの心にまで入り込むほどだからな!なるほど」 (´<_` )「だとしたら、飲み物がでてくる所だけじゃなく、 つり銭が出てくる部分も見るべきじゃないか?兄者」 (;´_ゝ`)そ 「ハッ、確かに!」 ( ´_ゝ`)「よし、じゃあ俺は自動販売機の飲み物がでるところを」 「弟者は、つり銭が出るところを、探していこう」 (´<_` )「そうだな、かわいい妹の為だ、町中はいずりまわろうぞ」 ( ´_ゝ`)b 「「流石だよなおれら!」」d(´<_` ) |
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