長岡速報 |
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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:29:33.85 ID:8AukowjL0
(君に、力を与える。時間を操る力を。どうか、私達に協力してくr・・・) ( ^ω^)「・・・お」 目の前に青い風景が広がった。 風にふかれ、草がゆれている。 休み時間、校舎裏の山で本を読んでいたらいつのまにか寝ていたらしい。 ( ^ω^)「・・・夢かお。」 なんだかとてつもない夢を見た気がする。 こんな夢を見たのは正直初めてだ。 ・・・というより、普通の人でも見るものではないだろう。 ( ^ω^)「時間を・・・操るのかお?」 夢で聞いた言葉が鮮明に浮かぶ。 時間を操る。 協力する・・・。 ( ^ω^)「時間を操る・・・。」 常識的に考えて、時間を操るなんて出来るはずない。 いや、もしかしたら僕が特別に授かった? いやいやいやいや、絶対にそんな事あり得ない。 時間を操るなんて中二病でも末期症状だろう。 絶対にそんな事は・・・ ( ^ω^)「時よ、止まれええええええっ!!!!!」 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:37:15.38 ID:8AukowjL0 ざわ・・・・ 木々が揺らめいた。 心なしか雲が止まって見えた。 音が、聞こえなくなったような気がした。 その時。 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:39:11.69 ID:8AukowjL0 キーンコーンカーンコーン・・・ 無情にも、休み時間終了のチャイムが鳴った。 ( ^ω^)「・・・恥ずかしいお。」 授業に遅れないように、急ぎ足で教室へと戻った。 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:41:15.14 ID:8AukowjL0 ―教室 ('∀`)「いやいや、お前それはねーよwww」 そういってドクオは笑い出した。 ( ^ω^)「うるせーおw見たものはしょうがないんだおw」 ドクオは机をドンドン叩きながら笑っている。 そこまで笑う事ないだろう。 ('A`)「だいたいお前、なんのためにそんな力もらったんだ?」 ( ^ω^)「うーん。それが、よくわからないんだお。」 そういうと、ドクオは更に笑い出した。 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:43:16.96 ID:8AukowjL0 ('∀`)「なんだそれwそれじゃあだめじゃねぇかw」 まあよくよく考えれば、こんな話をする方もどうかしている。 ( ^ω^)「そうだおね。そんなことあり得ないおw」 心の表面では絶対にあり得ないと思っていた。 だけど、ほんの少しだけ。 心の隅に少しだけ。 不思議と時間を操ってみたいと言う願いがあった。 ('A`)(・・・。) 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:45:09.84 ID:8AukowjL0 ―放課後 ( ^ω^)「今日もつかれたお。」 ('A`)「お前は得に。変な事言うほどになw」 帰り道はドクオと同じだ。 毎日のように世間話を家に着くまで延々と続ける。 ('A`)「なあ、最近災害とか多いよな。」 ( ^ω^)「お?この前の水害のことかお?」 つい1ヶ月前ほどに、僕達の町を洪水が襲った。 僕の家は、少し高いところにあったので被害はまったくといっていいほどなかった。 同様にドクオもだ。 しかし川の近くは家が流されるやら土砂崩れやら大変だったらしい。 今もまだ復旧工事が進んでいる。 これは僕達の町だけのことではない。 洪水、地震、そして海面の上昇。 沢山の災害が世界を襲っているのだ。 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:46:55.21 ID:8AukowjL0 ('A`)「ああ、それも含めてだ。そのせいで日本も結構大変な事になってるらしいな。」 連日ニュースでやっていたのでそれは僕にもわかった。 毎年のように続く災害のせいで、世界はかなりの被害を受けている。 その中でも日本は相当な被害を出していた。 それは、あと数十年も経たないうちに日本は沈んでしまうだろうと予測されているほどだ。 ('A`)「ほんと、これからどうなんのかな。」 ( ^ω^)「・・・きっと、大丈夫だお。絶対、いつか平和になるお!」 ('A`)「・・・。」 ('ー`)「そうだな。」 正直口では言えるが、絶対大丈夫などという自信は、世界のどこを探してもなかった。 それどころか、心の中では否定的な事ばかり浮かぶ。 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:49:38.20 ID:8AukowjL0 ―本当は世界は終わってしまう運命なのではないか。 ―もう止める事は出来ないのではないか。 ('A`)「だが俺は、今はすでに手遅れだと思っている。」 もし、僕が時間を操れたなら・・・。 ('A`)「正直、今俺達にできる事はもうないぞ。」 もし、あの夢の力が本当なら・・・。 ('A`)「じゃあ俺達はどうすればいいんだ。今の現状を黙って見てるしかないのか・・・。」 時間を、操りたい。 ('A`)「おい、聞いてるのかブーン?」 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:51:16.59 ID:8AukowjL0 ( ^ω^)「!」 ドクオに呼ばれてハッとなった。 ('A`)「お前、まだ夢の事考えてんのか。」 ( ^ω^)「だってお、もし時間が戻せたなら、何か変わるかもしれないんだお!少しでも変えられるんだお!」 ('A`)「・・・あのなあ、そんな事が出来ると思うのか?それは夢だ。夢は現実じゃない。」 ( ^ω^)「じゃあアレはなんだったんだお?」 ('A`)「知らん。」 ( ^ω^)「・・・。」 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:52:55.46 ID:8AukowjL0 ('A`)「・・・お前が考えすぎてたから夢に出てきたんじゃないのか?」 ( ^ω^)「・・・。」 確かに、言っている事はもっともだった。 ('A`)「おっと、そろそろだ。あとは明日の放課後にお預けにするぞ。」 そう言うとドクオは背を向け、手を振りながら夕焼けの空に歩いていった。 夕焼けが綺麗だった。 この夕焼けを、一生失いたくない。そう思った。 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:54:39.95 ID:8AukowjL0 ―自宅 ( ^ω^)「ただいまー。」 J( 'ー`)し「おかえりー。」 くつを脱ぐと、台所からほのかにスパゲッティの匂いがした。 ( ^ω^)「おっおっwスパゲッティかおw」 台所にいる、見えないカーチャンに質問する。 J( 'ー`)し「そうよ。ブーンの大好物だからはりきって作っちゃった!」 ( ^ω^)「ありがとうだお!じゃあ先に風呂はいってくるお!」 そう言うと僕は風呂場に向かった。 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:57:47.52 ID:8AukowjL0 カーチャンとの何気ない会話が、失われてしまう日が来てしまう。 そもそも、食べることすらままならない日が来てしまう。 僕はそんな日が訪れるのが怖かった。 そんな日を迎えるまでの日々を過ごしていくのは、本当に嫌だった。 できる事なら何かしたい。 役に立ちたい。 ( ^ω^)「!」 Yシャツまで脱ぐと、ふと右手に違和感を感じた。 ( ^ω^)「・・・なんだお?これ。」 右手にはめられていたのは、淡いブルーのブレスレットだった。 ( ^ω^)「なんで今まで気づかなかったんだお・・・?」 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 20:59:27.74 ID:8AukowjL0 風呂に入るために取ろうとするが、 取れない。 (;^ω^)「あれ?おかしいお・・・。」 どんなに引っ張っても取れない。 (;^ω^)「・・・。」 ふと、何かが頭をよぎった。 なんだろう。 なんだか不思議な感覚だった。 (;^ω^)「一体なんなんだお・・・。」 ガタン! (;^ω^)「!」 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 21:01:07.62 ID:8AukowjL0 ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!」 この声は・・・。 ツン・・・? ( ^ω^)「つ・・・ツン!お久しぶりだお!中学以来だお!」 ξ゚⊿゚)ξ「そんな事いいのよ!早くついてきて!」 するとツンは急に腕を掴み、走り出した。 ツンは中学時代3年間ずっと同じクラスだった。 そして僕は3年間ずっと、ツンとドクオと、3人で過ごしてきた。 しかし、高校になるとツンは他の土地に引っ越してしまった。 それ以来、会っていなかったのだ。 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 21:02:41.87 ID:8AukowjL0 (;^ω^)「ちょwツンw久しぶりに会ったんだから何か話すおw」 ξ;゚⊿゚)ξ「今はそれどころじゃないんだってば!」 (;^ω^)「ごっ・・・ごめんお。」 少し驚いたが、焦っているのがわかった。 家を飛び出したツンは、僕を引っ張りながらどこかへと向かっている。 (;^ω^)「ツン!一体どこへ行くんだお?」 ξ;゚⊿゚)ξ「VIP公園よ!いそがなくちゃ!!」 僕のほうを見ずにそう言うと、ツンは更にスピードを上げた。 VIP公園はここから程遠くない、小さな公園だった。 あそこはまわりを山で囲まれており、人が立ち入る事はあまり無かった。 この街になにかあった・・・?それにしてもあの公園に集まるのは不自然だ。 とにかく、ツンが急いでいるのは確かだった。 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 21:04:23.00 ID:8AukowjL0 ( ^ω^)「ツン!」 ツンをひきとめる。 ξ;゚⊿゚)ξ「え・・・ちょ、ブーン・・・!」 ( ^ω^)「心配いらないお!」 そう言うと僕はツンを抱きかかえ、一目散にVIP公園へと走った。 (;^ω^)「ブー――――――ん!!!」 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 21:07:56.98 ID:8AukowjL0 ―VIP公園 5分も立たないうちに僕とツンはVIP公園に着いた。 ( ^ω^)「着いたお!」 ξ゚⊿゚)ξ「ありがとう、ブーン!」 ( ^ω^)「どういたしましてだお。」 VIP公園には、数人が円になって座っていた。 ツンと僕の気配を感じると皆がこっちを振り向いた。 川 ゚ -゚)「ツン。その男が青か?」 そう、綺麗な女の人がツンに尋ねた。 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 21:09:37.73 ID:8AukowjL0 ξ゚⊿゚)ξ「そうなの。ブーン、あとで詳しく説明するわ。」 そう言うとツンは僕を引っ張っていき、ツンと僕も円に加わった。 川 ゚ -゚)「これで全員揃ったな。」 ξ゚⊿゚)ξ「そうね。まずは能力の確認を急ぎたいところだけど・・・。」 ツンと女の人が話しているが、僕には内容がさっぱり理解できない。 すると1人の男の人が声を出した。 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 21:11:50.35 ID:8AukowjL0 ( ゚∀゚)「なあ、なんのために集まったんだ?帰りの電車が無くなったらどうすんだよ。」 (´・ω・`)「ここに呼ばれたからには理由を話してもらいたい。話してもらえないというなら、僕は帰るよ。」 川 ゚ -゚)「まて、落ちついてくれ。今から君達の特殊な能力について説明する。」 ( ・∀・)「能力?」 川 ゚ -゚)「そう。君達に夢を見せたのは私だ。」 (´・ω・`)「あなたの名前は?」 川 ゚ -゚)「私は素直=クール。クーと呼んでくれ。」 ( ^ω^)「どうして僕達が選ばれたんですかお?」 川 ゚ -゚)「それはこれから話す。よく聞いてくれ。」 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 21:15:01.00 ID:8AukowjL0 そのあとクーさんはできるだけわかりやすく説明してくれた。 時に、皆は神様というものを信じるだろうか。 世界を動かす存在・・・宇宙の上に立つ存在。 しかし、実際の神様は、僕達と同じ、人間であるらしい。 何を言っているかわからないと思うが、僕も正直何を言っているのかわからない。 その人間である神様(通称「黒」)は、地球を破壊する自分以外の「人間」を世界から消そうとしているらしい。 このままでは人類だけでなく、動物達や植物を殲滅、いやむしろ、壊れかけた地球をいっそ破壊してしまおうとしているそうだ そこで「黒」が起こしたもの。 自然災害。 それを防ぐために立ちあがったのが裏の組織、VIP。 彼らは独自で開発を進めていた「スキルブレスレッド」を完成させ、個々の生まれつきの能力が高い者にブレスレッドをはめていった。 このブレスレッドは精神力の強さに応じてスキルが大きくなっていき、僕達はその能力が高いそうだ。 精神力は更に鍛える事ができるという。 数日前から全国各地からブレスレッドの適合者を探していたらしい。 それがこの10人ほどの円。 33 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:17:14.99 ID:8AukowjL0 川 ゚ -゚)「つまり、君達は選ばれし者なのだ。」 ( ´_ゝ`)「話は理解した。だが、こっちにとって聞き捨てならないところがある。」 川 ゚ -゚)「・・・ああ。だいたい把握している。要するに、地球を汚す我々は消えたほうがよいのだという事だろう。」 ( ´_ゝ`)「わかっていらっしゃる。」 从 ゚∀从 「じ・・・冗談じゃない。神様は俺らに死ねって言ってんのかよ!」 ('、`*川「でもさ、黒が地球を壊してしまうのだとしたら、結局私達人間と同じことじゃないの?」 ざわつきはじめた。 このままだといけない。 僕は1度仕切り直さなければいけないと感じた。 ( ^ω^)「みんな、落ちついてくださいお!」 皆は静まり、僕に注目した。 35 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:19:35.41 ID:8AukowjL0 ( ^ω^)「クーさんの話を聞くお!恐らくまだ話す事があるはずだお!」 皆は静かにクーさんのほうを見た。 川 ゚ -゚)(うむ、さすが青だ。見こんだだけはある。) 川 ゚ -゚)「最後に重要な話がある。」 クーさんは僕のところにくると、僕を指差して言った。 川 ゚ -゚)「この子は青のブレスレットをつけているだろう。 青のブレスレットは時間を操る能力・・・つまり時空操作ができるようになっている。」 36 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:22:38.52 ID:8AukowjL0 ( ・∀・)「時空操作・・・今それで時を戻せばいいんじゃないのかい?」 川 ゚ -゚)「黒を生かしたまま時を戻すと同時に黒もそのまま戻ってしまう。それでは全く意味が無いのだ。」 川 ゚ -゚)「まず、私達は黒を倒さなくてはならない。黒を倒したあと、この子の能力で時を戻す。 戻った世界は恐らくまだ世界を治せる時代だ。」 川 ゚ -゚)(もっとも、この子のスキルレベルが上がらないことには意味が無いんだがな。) それを言った後、沈黙が走った。 鈴虫の声がこだまする。 ( ^ω^)「・・・。」 もしかして、僕は世界を戻す鍵になっている・・・? 37 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:24:51.08 ID:8AukowjL0 (,,゚Д゚)「ちょっと待て。よく分からない。時を戻すという事は、時間を越えて戻るんだろ?それじゃあ黒もまた復活するんじゃないか?」 川 ゚ -゚)「それは無い。今青が能力を使ったとすると、今生存している生物がそのまま過去に戻るというだけなんだ。」 ますます分からなくなってきた。 ( ^ω^)「うーん・・・。要するに、今、現在で死んでしまった人は過去に戻ったら存在が無くなっているという事かお・・・?」 川 ゚ -゚)「うむ、簡単に言うとそうなる。」 と言う事は、今死んでしまえば僕は過去に戻れない・・・。 从;゚∀从 「嘘だろ・・・。俺らは強制的に戦わなきゃいけねーのかよ!?」 川 ゚ -゚)「・・・たのむ、世界がかかっているんだ。」 すると背の高い20代ほどの男が、電灯だけが光る暗がりの空を見ながらクーさんに問い掛けた。 38 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:28:18.22 ID:8AukowjL0 ( ´_ゝ`)「ほう、それは俺達人間が言える立場なのか?」 クーさんは少し間を置いた。 そしてその背の高い20代ほどの男ほうを向く。 川 ゚ -゚)「私達には可能性がある。私達の手で、この世界をもう一度美しくする事ができる。その可能性があるのだ。」 ( ´_ゝ`)「ふむ、よくまあそんなきれいごとを。今まで地球を壊してきた俺達が、今更何をするって言うんだ。」 川 ゚ -゚)「・・・。」 そう言うと背の高い20代ほどの男が立ちあがった。 少し間を置き、クーさんを見ながら言った。 39 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:31:38.35 ID:8AukowjL0 ( ´_ゝ`)「俺は帰る。世界の再生は黒とやらにでも任せておけ。黒は神なんだろう?そのくらいできるはずだ。」 そう言うと、僕と同じ高校生ほどの人も立ちあがった。 从;゚∀从 「お、俺もごめんだ!やるならお前達だけでやってくれ!」 ξ゚⊿゚)ξ「・・・。」 そう言うと2人は背中を向けて歩いていってしまった。 僕にはひきとめられなかった。 2人の思っている事はもっともだったからだ。 ふと周りを見てみた。 地面を見つめたまま顔を上げない人。 どこか遠くを見つめている人。 クーさんを見ている人・・・ いずれの人にしても、皆不安なのだろうと一目でわかった。 すると、20代ほどのスーツ姿の女が話し出した。 40 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:33:21.07 ID:8AukowjL0 ('、`*川「とりあえず、今ここにいるという事は・・・皆決意したのよね。」 皆は黙ったままだ。 僕も心の中で頷いた。 ('、`*川「じゃあ、お互いに自己紹介しましょう。ちょっと遅すぎるかもしれないけどね。」 ('、`*川「私はペニサス=伊藤。ペニサスと呼んでちょうだい。」 (´・ω・`)「僕はショボンと呼んでほしい。」 (,,゚Д゚)「俺はギコだ。」 ( ・∀・)「僕はモララーと呼んでくれ。」 ξ゚⊿゚)ξ「私はツン=デレ。ツンでいいわ。」 みんなが自己紹介をしていき、残るは僕と、下を向いたままの人だ。 43 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:35:02.60 ID:8AukowjL0 ( ^ω^)「じ、じゃあ僕が・・・。僕は内藤=ホライゾン。ブーンと呼んで欲しいお。」 ('、`*川「ブーン?」 ( ^ω^)「はいですお。」 ξ゚⊿゚)ξ「昔からブーンって呼ばれてるの。」 ('、`*川「へえー。面白いんだね。」 ( ^ω^)「ありがとうですお。」 そう言うと少し間を置き、みんながいっせいに下を向いている人に注目した。 44 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:36:50.52 ID:8AukowjL0 ('、`*川「あの、どうかなさいましたか・・・?」 ペニサスさんがそう言った瞬間、下を向いていた人がぐらりと僕のほうに倒れてきた。 ( ^ω^)「だっ・・・大丈夫ですかお!?」 ( ‐∀‐)「zzz・・・」 うん、とても気持ちよさそうだね。 45 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:38:32.07 ID:8AukowjL0 (#゚Д゚)川 #゚ -゚)ξ#゚⊿゚)ξ(#^ω^)「寝るなああああああああああ!」('、`*川(´・ω・`#)(・∀・#) 仕組まれたかのように、皆がいっせいに下を向いていた人へと倒れこむ。 ( ゚∀゚)「ぬわーっ」 下敷きになった俯いていた人は「ギブギブ!!!」とか言っている。 世界の危機だというのに僕達は何をやっているんだろう。 しかし、今の一瞬みんなの心が通じた気がした。 少しだけ暖かくなった。 47 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:40:18.11 ID:8AukowjL0 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ('、`*川「仕切り直し。」 (#)`∀゚)「俺の名前はジョルジュです。どうぞよろしくです。」 これで一通り自己紹介は終わった。 しかし最後にみんなが聞きたい事があるだろう。 ('、`*川「ふぅ、で、クーさん、聞きたい事があるんだけど・・・。」 川 ゚ -゚)「・・・ん?」 ('、`*川「私達の能力ってどうやって出せるの?」 まさにその質問だった。 48 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:42:02.83 ID:8AukowjL0 (´・ω・`)「僕もその話には興味がある。」 ( ・∀・)「場合によっては帰るけどね。」 ふとジョルジュさんをみる。 眠ってはいないものの話しがわかっていなかいようだった。 川 ゚ -゚)「1人1人説明していく。」 49 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:43:43.03 ID:8AukowjL0 川 ゚ -゚)「まずは私。脳操作の能力を持っているが、ちょっと事情があってな、今は使えない。ブレスレッドの色は白だ。」 川 ゚ -゚)「ツンは情報検索能力・・・。頭に情報が流れ込んでくる情報を閲覧できる能力が使える。ブレスレッドの色は緑だ。」 川 ゚ -゚)「ショボンは錬金術・・・とまではいかないが、物と物を統合する事ができる。ブレスレッドの色は黄だ。」 (´・ω・`)「面白いね。」 川 ゚ -゚)「そしてモララーは瞬間移動。できるだけ特攻を頼む。ブレスレッドの色は赤だ。」 ( ・∀・)「はっ・・・。そうか。おもしろいな。」 どうやらこの場に居残るようだった。 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 21:45:27.61 ID:8AukowjL0 川 ゚ -゚)「ペニサスは治癒能力。死者を蘇生させるほど大きな力はないが、傷を回復させることができる。ブレスレッドの色は灰だ」 ('、`;川「それじゃあ私は一番・・・。」 そこまでいってペニサスさんは押し黙った。 武器が無いというのが不安だったのだろうか。 川 ゚ -゚)「・・・。すまん。ここにいる一人一人はかなり重要なのだ・・・。 できるだけ援護に回ってもらう。」 ('、`*川「はい・・・。」 川 ゚ -゚)「ギコは自然利用能力が使える。黒ほどではないが自然の力を利用できる。ブレスレッドの色は茶だ。」 (,,゚Д゚)「そうか。自然を再生する事もできるんだよな?」 川 ゚ -゚)「もちろんだ。」 51 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:47:13.97 ID:8AukowjL0 川 ゚ -゚)「ジョルジュは物体生成能力が使える。錬金術とは少し違い、さほど大きな物は作れない。 しかし、物質に関係無くさまざまなものを作る事ができる。ブレスレッドの色は紫だ」 ( ゚∀゚)「・・・よくわかんねーけどな!」 (;^ω^)「え・・・どこまで起きていたんだお?」 (;゚∀゚)「え?そりゃあお前・・・、神様がどうとかって・・・。」 だめだ、早く何とかしないと。 ( ^ω^)「でも、そこまでわかってれば早いお。簡単に言うと、神様を倒さなくちゃいけないんだお。」 (;゚∀゚)て「ええっ!」 川;゚ -゚)「話してもいいだろうか・・・。」 (;^ω^)(;゚∀゚)「あ・・・すまん(お)。」 52 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:48:52.96 ID:8AukowjL0 ジョルジュさんが早く理解してくれる事を願って、僕はクーさんに耳を傾けた。 川 ゚ -゚)「ツンは脳内で検索、ショボンは作った錬成陣にエネルギーを流す事によって、物質を分解することや再構築することができる。」 川 ゚ -゚)「モララーは時空の扉を開く事によって瞬間移動できる。脳内で移動位置をイメージするだけだ。」 川 ゚ -゚)「ペニサスは負傷者に触れ、念じる。」 川 ゚ -゚)「ギコは脳内で風景を想像するといい。何かほかにも力が隠されているようだが、見つかっていない。」 川 ゚ -゚)「ジョルジュは脳内で物質を想像するだけだ。あまり大きな物は作れない。」 皆の顔を1人づつ見ながらそう言うと、最後に僕のほうを向いた。 53 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:50:32.74 ID:8AukowjL0 川 ゚ -゚)「そして最後にブーン。先ほど話したように、君は時空操作が使える。操作方法は簡単だ。頭で戻りたい時間帯を念じるだけ。」 頭で・・・。 (;^ω^)「で、でもそれって、世界の初めまで戻れちゃいませんか?」 川 ゚ -゚)「先ほど言ったように、精神力でスキルのレベルが上がる。今のお前のスキルでは戻れて30分だろう。」 30分も・・・? (;^ω^)「えっ・・・今のレベルで30分もですかお?」 川 ゚ -゚)「お前の精神力は元が優れている。だからこそ重要な「鍵」としたのだ。まあブーンにはもっと鍛えてもらわなければいけないのだが。」 元が・・・? そんな事考えてもみなかった・・・。 55 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:52:13.40 ID:8AukowjL0 (;^ω^)「鍵・・・。」 (´・ω・`)「ひとつ質問、いいかい。錬金術というのは知っているが、僕はそのような知識はほとんど無い。・・・要するに僕は戦闘に参加できないのでは?」 川 ゚ -゚)「錬金術といっても難しいものではない。頭に浮かべたものをエネルギーとすればいい。あとはブレスレッドがやってくれるはずだ。」 (´・ω・`)「要するに思い浮かべたものをそのまま手を伝わせて錬成陣に流し込めばいいと。」 川 ゚ -゚)「簡単に説明すればそうなる。錬成陣についてはツンに聞いたほうが早いだろう。」 (´・ω・`)「把握した。」 僕は少し安心した。 自分の能力が錬金術だったら絶対に足手まといになっていた。 ショボンさんはあの短い説明でほとんど理解しているようだった。 かなり頭がいいのだろう。 56 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:53:57.13 ID:8AukowjL0 川 ゚ -゚)「黒は災害が起こる時地球に現れる。それまでにすぐに能力を使えるようにしなくてはならない。」 僕はふと疑問が生まれた。 (;^ω^)「次の災害はいつ起こるんですかお?」 こんな事を聞いている自分が恐ろしかった。 災害など起きて欲しくは無い。 だが災害が起こらなければ黒を倒す事ができない・・・。 矛盾していた。 川 ゚ -゚)「恐らくあと1週間後には起こるだろう。」 1週間・・・そんなに近く? 前回の災害から1ヶ月ほどしか立たないうちに次の災害がくるのか・・・。 やはり災害が起こる。 恐ろしかった。 58 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:55:42.87 ID:8AukowjL0 ( ・∀・)「それで、僕達は災害が起こるまで特訓をしろと。」 ('、`;川「ってことはもしかして、仕事休まなきゃいけないの?」 (;^ω^)「学校もかお?」 川 ゚ -゚)「すまない・・・今は本当に時間が無いんだ。1秒でも早く黒を倒さなければ、地球が壊れてしまう。」 木々がざわめいた。 (,, Д)「・・・。しぃ・・・。」 ギコさんはそう言って立ちあがった。 59 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:57:26.95 ID:8AukowjL0 (,,゚Д゚)「説明してもらったところに悪いが、俺には守らなきゃいけないやつがいる。帰る。」 みんながギコさんのほうを振り向いた。 ('、`#川「いまごろ何を!私だって帰りたいわよ!」 川 ゚ -゚)「・・・。」 クーさんが悲しそうな顔をしているのが見えた。 その時、ザッと乾いた草の音がした。 ξ゚⊿゚)ξ「いいかげんにしてよ!」 そう言うとツンが立ちあがった。 61 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 21:59:13.41 ID:8AukowjL0 ξ゚⊿゚)ξ「みんなは1人1人重要だってさっき聞いたでしょ!あなた達むちゃくちゃすぎるわ!」 (,,゚Д゚)「なんだと。こっちは訳もわからないことで殺されるかもしれねえんだぞ! だいたいさっきの2人はなんなんだ?さっきのタイミングで抜け出せなきゃ無しかよ!あんまりだぜ。」 そして沈黙が走った。 僕は何を言ったらいいか分からず、あっけにとられていた。 その時。 ξ;⊿;)ξ「うぅっ・・・。」 ツンが・・・。 ツンが泣いている。 僕は頭が真っ白になった。 ( ^ω^)「落ちつくお!」 62 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 22:01:32.90 ID:8AukowjL0 ( ^ω^)「みんな怖いんだお。僕だって怖いお!だけどやらなきゃいけないんだお!」 ( ^ω^)「この世界に僕達より上はいないんだお!!」 僕達より上はいない。 そうだ。 僕達10人より上はいないんだ。 「黒」以外は。 (,,゚Д゚)「・・・。」 ('、`*川「・・・。」 (´・ω・`)「・・・。」 ( ゚∀゚)「・・・。」 ( ^ω^)「・・・。」 ( ・∀・)「・・・僕達以外に地球を救える者はいないと。」 どこか矛盾していた。 その矛盾は、言いようの無いものだった。 クーさんは俯いていた。 64 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 22:03:22.93 ID:8AukowjL0 川 -)「本当に皆には悪いと思っている。だが、君達以外に黒は倒せないんだ。」 するとギコさんは少し悩んで「ああーもう。」と言った。 (,,゚Д゚)「ああーもう・・・。わかったよ。・・・だけど、電話くらいさせてくれよ。それくらいいいだろう。」 ('、`*川「そ、そうよね。よく考えたら私、仕事よりこっちのほうが大事な気がしてきた。」 ( ・∀・)「僕達は選ばれし存在。他の誰にも与えられない能力を授かった存在。」 (´・ω・`)「無駄にする事は身が腐ってもできないな。」 ξ;⊿;)ξ「みっ、みんな・・・。」 ( ゚∀゚)「ところでそれってどう言う事だ?」 (,,゚Д゚)川 ゚ -゚)ξ゚⊿゚)ξ( ^ω^) ( ゚∀゚) ('、`*川(・∀・ )(´・ω・`)「・・・。」 ( ゚∀゚)「ぬわーっ」 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/01(土) 22:05:22.28 ID:zlLgZMnmO 私は死んだスイーツ(笑) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― (,,゚Д゚)「・・・。そう言う事だ。ああ。うん。絶対戻るから。まっててくれ。」 ギコさんは携帯電話を閉じ、それを見つめながら立ち尽くしていた。 川 ゚ -゚)「皆も大切な人に連絡をとっておいてくれ。1週間近く会えなくなるだろう。」 そう言われると皆携帯を取り出し、思い思いのところに電話していた。 僕もカーチャンやドクオに連絡をとらないと・・・。 そう思い、自宅の電話番号を押した。 67 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 22:07:34.72 ID:8AukowjL0 ガチャ J( 'ー`)し「はい!もしもし!」 ( ^ω^)「僕だお!ブーンだお!」 J( 'ー`)し「ブーンなの?さっきツンちゃんが見えたけど、今どこ?」 ( ^ω^)「カーチャン!話を聞いて欲しいお!」 J( 'ー`)し「な、何よ。まさかあなた、ツンちゃんと・・・」 ( ^ω^)「違うお。」 ( ^ω^)「僕は1週間くらいカーチャンと会えないかもしれないお。」 J( 'ー`)し「えっ・・・ど、どういうこと?」 何故か、胸が苦しくなった。 69 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 22:09:34.49 ID:8AukowjL0 ( ^ω^)「・・・カーチャン!僕は絶対に戻るから!・・・絶対に大丈夫だから! 安心して、僕の分のスパゲッティ残しておいてくれお!!!」 そう言うと僕は電話を切った。 死ぬと決まったわけでもないのに、なんだか涙がでてきた。 僕はまだ、カーチャンと過ごしたい。だからここで僕が死ぬわけにはいかない。 ( ;ω;)「カーチャン・・・元気にしていてくれお・・・!」 僕は涙をぬぐい、次の電話番号を打った。 70 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 22:11:17.88 ID:8AukowjL0 ガチャ ('A`)「ん?ブーンか?今いそがしいんd」 ( ;ω;)「ドクオ!僕は・・・世界を救って見せるお!僕は必ず帰ってくるから!そしたらまた放課後に、今度は世界を救った勇者達の話してやるお!おぼえていろお!」 カチッ ツー、ツー。 ―――――――――――――――――――― ―ドクオ ツー、ツー。 ('A`)「・・・。」 ('ー`)「ああ。楽しみにしてる。」 ―――――――――――――――――――― 72 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 22:12:56.95 ID:8AukowjL0 僕は馬鹿だ。そんな事言っても何も知らないドクオが分かるはずない・・・。 目から涙が出た。鼻水も一緒に出た。 今までの不安も一緒に流してしまいたかった。 絶対にもう会えないわけじゃないのに。 何故か寂しさに涙が止まらなかった。 ξ゚⊿゚)ξ「ブーン・・・。」 ツンが背中を擦ってくれた。 ( ;ω;)「うっ・・・うっ・・うっ・・・。」 ξ;⊿;)ξ「ブーン、ごめんね・・・。ごめん・・・。」 そのままツンと一緒に泣いた。 今まで人生でためてきた分の涙が一斉に出た。 だけどなぜツンが謝るのだろうか。 ツンは悪くないのに。 ツンは選ばれた身のはずなのに。 どうして謝るんだろう。 74 : ◆TxTgpzA5JI :2008/11/01(土) 22:14:55.61 ID:8AukowjL0 ――――――――――――――――――――――――――――――― 川 ゚ -゚)「それではもう大丈夫だな。」 クーさんがそう言ったのは、僕が泣き終わって5分位した時だった。 (,,゚Д゚)「ああ。」 ( ・∀・)「僕はもう大丈夫だ。」 ( ゚∀゚)「おkおk!なんか知らないけどおkだ!」 (´・ω・`)「僕も大丈夫だよ。」 ('、`*川「大丈夫だよ。」 ( ^ω^)「もう大丈夫だお。ツン、大丈夫かお?」 ξ゚⊿゚)ξ「うん・・・。」 川 ゚ -゚)「うむ、それではこれから訓練所へと向かう。」 第1話、終わり コメント
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