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(,,゚Д゚) ここは解決屋『シルバー&ブラック』本社のようです 第7話-a

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:03:20.63 ID:fJF0QQunO




クーはゆっくりと立ち上がる。

クーがいた場所にはガナーが倒れている。
ガナーの髪の色は黒に戻っていた。

川 ゚ -゚)「さて……」

ギコは大丈夫だろうか。
クーはそう思い、階段へ足を向けようとしたが。

川 ゚ -゚)「む、」

バランスを崩し、片膝を付く。すぐに起き上がろうとしても、体に力が入らない。

川 ゚ -゚)「……流石に、キツいなこれは」

クーは一息付くと、その場に座り込んだ。


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:05:03.14 ID:fJF0QQunO

川 ゚ -゚)「気が抜けて一気に疲れが噴出してしまったようだ」

体育座りをするクー。

川 ゚ -゚)「この状態で加勢に行っても、返って足手まといになるだけだ。
     大人しく小休止しておこう」

川 ゚ -゚)「まあ、それに向かったところでギコ嫌な顔するだろうし」

川 ゚ -゚)「『俺の楽しみを邪魔すんなー』とか言い出して」

川 ゚ -゚)「ふっ、さすが私。その優しさ、懐の深さといったら田舎のおばあちゃんクラスだな」

川 ゚ -゚)「…………」

川 ゚ -゚)「何一人でブツブツ言ってるんだ私」

川 ゚ -゚)「暇なのが悪いんだな。よし、帰りにギコ殴っとこう」

川 ゚ -゚)「…………」

川 ゚ -゚)「…………」



川 ゚ -゚)「……顔に付いた血が乾いてきて異様に気持ち悪い」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:07:03.02 ID:fJF0QQunO




(=゚д゚)「ヒァオォッ!」

(,,゚Д゚)「うおっと!」

男は両腕に持った二本のトンファーで絶え間なく攻めてくる。
それに対しギコは、基本守りに入り、稀に出来る隙間を狙って攻撃を返す。

しかし、互いに決定打を当てられずにいた。

(,,゚Д゚)「ったく、……しつけえっての!」

ギコが相手を押し出すような蹴りを放つ。
相手がたたらを踏んだのを見て、ギコは後ろに下がった。


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:09:05.43 ID:fJF0QQunO

互いの距離が開いた。どちらとも申し合わせたかのように手を下ろし、一息つく。

(,,゚Д゚)「おうおう、随分とチマチマした動きが好きじゃねえか?」

ギコが挑発するかのような発言をする。
ただ、これは相手を怒らせようとして言ったのではなく、
単にギコ本人がイライラしたが為のものだ。

(,,゚Д゚)「もっと男ならガツンと一発デカいのを狙わんかい!」

相手に向けて、ピンと中指を立てる。

しかし、言われた方の男は涼しい顔をしている。気にもとめていないようだ。

(=゚д゚)「と言うか、アンタもチマチマ鎖とか使ってるラギ」

言い返すべき事はしっかりと言い返してはいるが。


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:11:02.43 ID:fJF0QQunO

(,,゚Д゚)「うっさい! 俺は大きいのを当てるためにやってんだから良いんだよ! ばーか!」

(=゚д゚)「それがチマチマしてるって事なんじゃ……。あとバカって言った方がバカだラギ」

(,,゚Д゚)「ええい、そんな小学生みたいな水掛け論はどーでもいい」

(=゚д゚)「そっちが先に言い出したんだろラギ」

(,,゚Д゚)「だまらっしゃい!」

ギコが右手で鎖をぐるぐると縦方向に回しだす。

風切り音がうるさいくらいにその存在を主張してくる。



(,,゚Д゚)「とにかくっ! 俺が言いたいのは……!」

鎖がギコの手から離れて―――


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:13:04.49 ID:fJF0QQunO

                                  .









(,,゚Д゚) ここは解決屋『シルバー&ブラック』本社のようです 川 ゚ -゚)



第7話-a
「これでも喰らってぶっ倒れとけ!」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:16:07.47 ID:fJF0QQunO

鎖がうねりを上げて前方の男に襲いかかっていく。

男はトンファーを使い鎖を逸らそうと試みるが、

(=゚д゚)「!?」

鎖が蛇のようにトンファーに巻き付く。

(,,゚Д゚)「ハッハァー! ちょーっとこっち来いやぁ!」

ギコが両手で鎖を引っ張った。トンファーを手放さない男は空中に投げ出される。

だが、男は体が宙に浮く前に自分で地を蹴り出していた。


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:18:02.79 ID:fJF0QQunO

男は鎖の力も燃料にして天井まで飛び上がり、
そこから天井を蹴ってギコに一直線に向かってくる。

(,,゚Д゚)「むおっ!」

ギコが身を引く。彼のすぐそばを男が両足で踏みつけるように着地した。

男はそれと同時に屈み、そして一気に立ち上がってトンファーをアッパー気味に繰り出した。
狙いはギコの顎先だ。

ギコは男に向かって体を横にしてトンファーを躱した後、反転。
その勢いでバックブローを放つ。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:20:32.66 ID:fJF0QQunO

(=゚д゚)「おっと」

男は上体を反らして、それを回避する。
だが、ギコの攻撃はここで終わらない。

(=゚д゚)「!」

気がつくと男の周りで、鎖が取り囲むように螺旋を描いている。
ギコはバックブローが躱されるのを前提にして、鎖を仕込んでおいたのだ。

ギコが鎖の端を一気に引いた。
螺旋は細くなり、男の全身を捕らえようとする。

(=゚д゚)「おお!!」

男は慌てて垂直に飛び、鎖の輪の中から逃れた。


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:22:42.24 ID:fJF0QQunO

上に逃れた男に、更なる追撃が走る。

(,,゚Д゚)「『蜂』っ!」

ギコが気合いの声と共に鎖を投げつける。
鎖は一直線に男の顔面へと伸びる。

(=゚д゚)「……!!」

それに対し男は両手のトンファーを顔の前に持ってきて防御態勢を取る。

鎖の先端の分銅と、二つのトンファーが激突する。
無数の小さな火花が散った。

(=゚д゚)「っぅ……!?」

反動で体が後ろに持っていかれる。
男の体格はあまり大きくは無いとはいえども、只の鎖とは思えない重さだ。


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:25:02.89 ID:fJF0QQunO

男が着地。再び場の動きが止まる。



(,,゚Д゚)「どうだ? 俺の鎖はチマチマしたものか?」

(=゚д゚)「…………」

手でジャラジャラと鎖を弄びながらギコが問い掛ける。
その顔は「スゲーだろ!?」とでも言いたそうな笑みだ。

(=゚д゚)「まだ気にしてたラギか? チマチマって言われた事」

(,,゚Д゚)「おうともさ! 俺はセコいとか思われんの嫌いなんだよ!」

(=゚д゚)「戦いにセコいもへったくれも無いと思うラギ……」


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:27:10.27 ID:fJF0QQunO

しかし、だ。
実際問題として、あの鎖の威力は無視できない。少しくらいは当たっても大丈夫だという考えは改めなければならないだろう。

男はそう思った。



(,,゚Д゚)「さーて……、コイツの危険性は判ってくれたかな?」

ギコは鎖を持ち直し、分銅を手の中に収める。

(,,゚Д゚)「だが、まだだ。まだまだコイツの恐ろしさ、知ってもらうぞ!」



(,,゚Д゚)「行くぜ! 『蜂』!」

大きく振りかぶり、投擲。
標的を定めた蜂の針は他を省みず、ただ前だけを見て猛進する。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:29:14.66 ID:fJF0QQunO

男はそれを見て、自身も前に飛び出す。

(=゚д゚)「確かに威力はかなりのものだけど……、
     バカ正直に真っ直ぐ飛んでくるものに、誰が当たるラギか!」

男は飛来する鎖と軸をズラし、ギコの懐に入らんと駆け出す。
鎖は男の横を通り過ぎていく。





(,,゚Д゚)「『乱蜂(みだればち)』」



軌道が、変わった。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:31:56.42 ID:fJF0QQunO

(;=゚д゚)「!!?」

隣を通過したはずの分銅が急に方向を変え、男の後頭部に襲いかかる。
直撃するギリギリにそれに気づいた男は、前に向けていた足を無理矢理横に持っていく。

(;=゚д゚)「うわああっ!」

地面に倒れる。
分銅が掠ったようで、彼の耳の辺りから血が流れる。

(;=゚д゚)「くっ……! お前っ、何を……!」

耳を手で抑えながら、男はギコを睨む。
当のギコは前方から向けられている殺気を全くものともせず、呑気に鎖を回収していた。


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:34:19.79 ID:fJF0QQunO

(#=゚д゚)「答えろぉ!! 答えるラギ!!」

怒鳴り散らす男。その目は憤怒の炎に揺れている。

(,,゚Д゚)「はっは、そんなにカッカすんなよ。カルシウム、足りてないぜ?」

男とは反対にギコは余裕。してやったりの顔を見せる。

(#=゚д゚)「なんだとっ!」

(,,゚Д゚)「はいはい静かに。つっても教える気にはなれんな。でも可哀想だからヒントをあげよう」

ギコは人差し指を立て、ウインクするような顔を相手に見せている。

(,,゚Д゚)「大体な、バカ正直なのはお前の方なんだよ」



(,,゚Д゚)「この鎖が……、元『COLOR's』である俺が使うこの鎖が
     何の仕掛けもない普通の鎖だとでも思ってんのか?」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:37:02.68 ID:fJF0QQunO

(=゚д゚)「―――っ!」

それは、つまり。

(,,゚Д゚)「ヒントはここまでだ。後は自分で考えな。……ま、考えなくても判るだろうけど」



(=゚д゚)(あの鎖も『COLOR's』製……。仕掛けがあるという事ラギか)

(,,゚Д゚)「そういうこった」

(=゚д゚)「…………」

ギコは男の考えを読んだかのような発言をする。

(,,゚Д゚)「まあ、そういう訳だから……」



(,,゚Д゚)「そろそろお前の方も教えてくれねえか?」


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:39:12.41 ID:fJF0QQunO

(=゚д゚)「!」

男は一瞬その言葉に反応し、それからゆっくりと自分の手にあるものを見る。

そして、一言。

(=゚д゚)「使ってもいないのに教える訳ないし……、
     そしていつ使うかはオイラの好きにさせてもらうラギ」

(,,゚Д゚)「出し惜しみか? 別に構わんが……」



(,,゚Д゚)「自分が倒れる前には出せよ!」

銀色の鎖が敵を貫かんと疾走する。


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:42:08.68 ID:fJF0QQunO

(=゚д゚)「っ!」

男は横に大きく避ける。
しかし、鎖も直角に曲がり男に追従する。

更に男は前に逃れるが、

(;=゚д゚)「くおっ!?」

鎖はもう一度曲がり、男の肩口をかする。

その際に足が止まった男の隙を突いて、ギコは鎖を回収。間髪入れずに投擲した。

再度、迫り来る鎖。

(=゚д゚)「避けても追ってくるならば……」

男はトンファーを強く握り締め、

(=゚д゚)「叩き落としてやるラギ!」

タイミングを合わせてそれを振り下ろした。


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:44:04.70 ID:fJF0QQunO

鎖とトンファーの軌道が交わろうとする。

だが、その二つが重なる直前。



突如、鎖が上に跳ねる。

(;=゚д゚)「なっ!?」

そして今度は垂直に落下。狙いは男の頭頂部。

無心で身を引いて躱すも、男の額から血が流れ出してしまった。


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:46:02.68 ID:fJF0QQunO

変幻自在。
その鎖はまるで自分で考えて行動しているかのように、男をホーミングする。

男は、自分が無数の蜂に囲まれているような錯覚を受けた。



(,,゚Д゚)「さあ、ガンガン行くぜ。気張れよ?」

(;=゚д゚)「っ―――!!」

蜂の大群が、一斉に男に襲いかかる。


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:48:02.81 ID:fJF0QQunO

それから先は一方的なものだった。

いくら躱しても鎖は追いかけてくる。
いくら弾こうとしても鎖は身を翻す。

そして男の体を抉っていくのだった。

当たる直前に身を引いて急所を外したり、間にトンファーを持ってきて
クッションにしたりはするが、それでも傷は増えてくる。

傷は重なり、蓄積する。

時間がしばらく経過した後、男の体からはあちこちから血が流れ、痣だらけになっていた。


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:50:03.07 ID:fJF0QQunO

(= д )「ハアッ、ハアッ……」

男は肩で息をしている。
だいぶ体力を消費したようだ。

(,,゚Д゚)(そろそろ仕上げか……?)

ギコが何十回にもなる投擲をする。

男はふらつく体で避けようとするものの、体がついていけないのだろうか。
分銅が背中に当たり、よろめく。

(,,゚Д゚)(ここだっ!)

それを好機と見たギコは体を捻り、勢いをつけて鎖を投げた。

鎖の進路方向を自在に変える技(ギコは『乱蜂』と名付けているが)は
どうしてもパワー不足になる。決め手に欠けるのだ。

だからこそ勝負を決めたい時は、一直線にしか動けないがその分威力も増す『蜂』を使用する。

今ギコが放ったのは『蜂』。

強烈な一刺しが男に迫った。


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:52:30.16 ID:fJF0QQunO

鎖は寸分の狂いもなく男へと向かい―――





金属同士がぶつかった、甲高く、聞き苦しい音が辺りに広がった。



(,,゚Д゚)「!!」

男は手にしていたトンファーの片方を使って鎖を弾いたのだ。
そして、疾走。グングンとギコに近付いてくる。



一方、ギコの脳裏には様々な疑問が沸き上がっていた。


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:54:04.07 ID:fJF0QQunO

(,,゚Д゚)(ふらついてた癖にまだ抵抗できるのか?)



違う、それは重要ではない。



(,,゚Д゚)(俺の渾身の『蜂』を片手で弾いた?)



違う、それは重要ではない。



じゃあ何が重要なのか?



重要なのは―――





(,,゚Д゚)(この左手の痺れはどこから来たんだ?)

鎖を通して感じた、痛みの発生場所。


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:56:03.65 ID:fJF0QQunO

男が突進してくる。
迎撃しなくてはいけない。

だが、左手の動きが鈍い。

(,,゚Д゚)「ちっ」

左腕に鎖を巻きつける。

男がもう目の前に来ている。

(,,゚Д゚)「オラァッ!」

右足を前に突き出す。

だが、男はそれを楽に躱す。


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 21:58:02.79 ID:fJF0QQunO

(,,゚Д゚)(スピードがさっきより上がっている……)

男が更に踏み込む。
右のトンファーを振りかぶり、降ろしてくる。

ギコは鎖に覆われた左腕で防ごうと構えた。



不意に、今まで俯き気味だった男の顔が上がる。





目が合った。


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:00:07.29 ID:fJF0QQunO

その目は―――





『黄』色くて―――





何時の間にか―――





髪の色も『黄』色に―――





トンファーが、ぼんやりと白く光ったように見えた。


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:02:17.16 ID:fJF0QQunO

トンファーとギコの腕がぶつかる。

その瞬間。





(;゚Д゚)「があああああああっっ!!!!」



ギコの全身に激痛が走る。
力が抜け、膝から崩れ落ちる。

隙だらけのギコに男の追加の横蹴りが入り、ギコは力無く後方に吹き飛んだ。


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:04:13.85 ID:fJF0QQunO

(=゚д゚)「…………」

髪も目も黄色く変化した男は、ギコが吹き飛んだ方向をじっと見ている。
その顔は真剣そのもの。少しの油断も無い。



(,,゚Д゚)「っ……、つつつ……」

ギコがのっそりと立ち上がる。体が痛むのか、顔をしかめている。

(,,゚Д゚)「今のは……」

ギコが男に問いかける。



(,,゚Д゚)「電撃、だな?」


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:06:21.19 ID:fJF0QQunO

(=゚д゚)「……ああ、そうラギ」

男は答えつつ、右手に持っているトンファーを前に突き出す。

(=゚д゚)「今の電撃がオイラの……、
     『COLOR's』の『黄』を冠するトラギコ=イエローサンセットの持つ武器」

(=゚д゚)「双旋棍『ミール&ニール』の能力ラギ」

言葉が一気に吐き出され紡がれる。あらかじめ言うべき文字を決めていたかのように感じられる。
機械的だな、ともギコは思った。



(,,゚Д゚)「説明乙」

取りあえず相手をねぎらっておく。その言葉は軽いが。

しかし内心は軽くなく、むしろ焦りを感じていた。

(,,゚Д゚)(こんなもんを隠していやがって……。ちぃーとキツいぜこれは)


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:08:23.10 ID:fJF0QQunO

ギコが考えるその危険性。
一番の理由としては、『電撃ははね除ける事が出来ない』という点が挙げられる。

敵の攻撃がトンファーやナイフといった形あるものであれば、
ある程度なら捌ききれる自信がギコにはある。

だが今回の相手は固形物ではない雷。
捌くどころか受けも許されない攻撃。
それをやり過ごすには避け続ける他無い。

(,,゚Д゚)(だってのに敵の獲物は小回りの利くトンファー。しかも二つ。
     ……全てを避けきるのは困難だ)

避けきれなくては、あの電撃を喰らってしまう。
その威力は先程、身にしみて体験した。
あんなのをもう一度受けたいと思うような特殊な性癖なんて、ギコは持ち合わせていなかった。


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:10:13.77 ID:fJF0QQunO

(=゚д゚)「さあ、お望み通りオイラの能力を教えてやったラギ。……続き、やるラギ」

トラギコが地を蹴る。狙いは正面のギコ。
手に持つトンファーには青白い光が見え隠れしている。

彼が近づいてくる度に、バチバチとコンセントがショートしたような音がより明確に聞こえだす。

(,,゚Д゚)「クソがぁっ!」

ギコは手にした鎖を投げつける。

だがトラギコは避けるでも、弾くでも無く、
ただそっと、トンファーを鎖に添えるかのように差し出す。


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:12:22.54 ID:fJF0QQunO

(;゚Д゚)「つあっ!!」

ギコの手に刺すような痛みが走る。
鎖を通して電撃がギコの下へ流れたのだ。

(,,゚Д゚)「ちっっくしょう!! 面倒な性質してるぜ!」

ギコが怯んでいる間に、トラギコは一気に距離を詰める。
そして突進の勢いそのままに、右手のトンファーを横薙ぎに振り回す。

ギコはそれを薄皮一枚の差で避けようとするが、

(;゚Д゚)「つっっ!」

腹部に微かにだが痛みが生じる。当たってないにも関わらず、だ。


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:14:39.92 ID:fJF0QQunO

トラギコは更に左のトンファーを下から斜めに振り上げる。
ギコはとっさにその場でバック転。後ろに逃れる。

しかしすぐさま距離を詰められ、トラギコは攻め続ける。

(,,゚Д゚)(まじぃ……。こんな狭い室内でこんだけ体ごと突っ込まれたら躱し切れねぇって)

それでも何とかして避け続けるしかないのだが。



トラギコが左のトンファーで袈裟に降ろそうとしている。

(,,゚Д゚)(斜めの攻撃はキツいな……。受けが出来ない以上、後ろに引くしかない)

ギコは右足を引いて、トンファーを躱そうとした。


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:16:58.73 ID:fJF0QQunO

しかし、トンファーは途中で止まる。

(,,゚Д゚)「!?」

フェイント。
未だ前に出ているギコの左足に、トラギコの右ローキックが叩き込まれた。

(;゚Д゚)(しまった! トンファーにビビり過ぎちまった……!)

膝が折れる。
トラギコは当然その隙を逃さない。

自分の腕に沿うようにして掴んでいた右のトンファーを反転。棍の先をギコに向ける。
そしてそのまま刺すかのように、ギコの胸に向かって突いた。

(;゚Д゚)「うおっ……!」

ギコは鎖を巻き付けた腕でガードしようとするも、

(=゚д゚)「そんなモノ、無駄ラギ!」

(;゚Д゚)「うああああああっ!!!」

ギコは痛みによる絶叫をあげながら、数メートル後方に飛ばされた。


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:19:18.03 ID:fJF0QQunO

(=゚д゚)(やったか?)

いくらギコとはいえ、この電撃を何度も受けて平気な筈は無い。
トラギコはそう思いつつも、注意深くギコの方を見る事は止めなかった。

(;゚Д゚)「ぬうう……」

ギコが巻き上がる埃の中から現れた。
その身体にはかなりの被害を受けているようだが、
行動不能といったところまではいっていないようだ。

(=゚д゚)「……?」

ギコが予想外に元気なのを見て、トラギコは疑問に思う。
先程の一撃で決まっていたとしてもなんらおかしくなかったはずなのだが、と。


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:21:13.62 ID:fJF0QQunO

(,,゚Д゚)「痛てて……。ったく、ギリギリで悪あがきが間に合って良かったぜ」

(=゚д゚)(悪あがき?)

どうやらギコが存外に平気なのは何らかの行為をしていたからのようだ。

(=゚д゚)(しかし奴がした事と言えば鎖でガードしただけ。
     そんなものでは何の足しにもならないはずラギ……)

トラギコが疑念を抱いていると、ふと地面にあったあるものに気がついた。

(=゚д゚)(なにラギ? この穴)

トラギコが気にかかったのは直径3㎝程の穴だ。

今までの戦闘で地面は穴だらけの傷だらけであったのだが、
トラギコがその穴だけに引っかかったのは理由がある。
その穴だけやたら小さく、しかも綺麗な円を形づくっていたからだ。


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:23:02.72 ID:fJF0QQunO

まるで機械か何かでくり抜いたかのような穴。
一体どのようにして出来上がったのだろうか。

(=゚д゚)(この穴の大きさ……、どこかで……)



(=゚д゚)(! そうだ、奴の鎖の先に付いてある分銅と同じ大きさラギ! という事は……)

トラギコが目線を上げる。

(=゚д゚)「成程、『アース』ラギか」

(,,゚Д゚)「お、御名答。よく判ったな」

ギコがパンパン、と両手で二回音を鳴らし賞賛の意を示す。


70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:25:12.97 ID:fJF0QQunO

つまり、ギコがした行為とは次の通りだ。



トラギコがトンファーを突き出す少し前。
ギコは鎖を腕に巻き、先端の分銅を地面へと投げつけた。
分銅はアスファルトに穴を開け、埋まる。

そして電撃がギコにヒットする。
しかしギコは地面と繋がった鎖でそれを迎えた。
すると電撃は鎖から地面へと流れ、発散する。
これによりギコの体に電撃は流れないのだ。



(,,゚Д゚)「……つっても、それはこの鎖が電気が流れやすい導体の場合だったら、の話なんだが。
     実際のところ、この鎖はそれほど電気伝導率が高い訳じゃ無いから、
     ちっと体にも流れちまったけどな」


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:27:04.48 ID:fJF0QQunO

(=゚д゚)「確かに悪あがきラギ」

じっとギコの説明を聞いていたトラギコは、一笑に付した。

(,,゚Д゚)「いや、まあ、その通りなんだがよ。とっさの思いつきにしちゃあ良くね?」

ギコはどことなくションボリしている。何気に自慢の策だったらしい。

(=゚д゚)「所詮はその場しのぎ。たった一回防いだだけじゃオイラには勝てないラギ」

(,,゚Д゚)「むう……」

確かに、と言い掛けたが引っ込める。口に出すのは何か悔しかったからだ。

(,,゚Д゚)(でもホントにどーしようか)

ギコは悩む。上手い打開策が思いつかない。


72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:29:09.89 ID:fJF0QQunO

(,,゚Д゚)(こっちから攻撃出来ねぇってのが一番痛い。
     でも倒す以上はアイツを殴らないといけないし……。でも電撃は痛いし……)

(,,゚Д゚)(となると、アレだ。電撃をどうにかして無効化しないといけない訳だ)

(,,゚Д゚)(電撃を消すには……、ショートさせればいい)

(,,゚Д゚)(でもあれトンファーだしなぁ……。そんな脆く出来てる訳ねーよな)

(,,゚Д゚)(ショートさせるのは無理。だったら残る方法は)

(,,゚Д゚)(電気を通させなくする、だな)


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:31:10.68 ID:fJF0QQunO

(,,゚Д゚)(そうするには絶縁体をトンファーに被せるか、自分が身につけるか)

(,,゚Д゚)(被せるのは……、まあ無理だから身につける方だな)

(,,゚Д゚)(絶縁体といえば代表的なのは、ゴムだ。という訳でゴム手袋を装着しよう)





(,,゚Д゚)「って、んなもん持ち歩いてる訳無いだろ常考……」

(=゚д゚)「何をブツブツ言ってるラギ?」

(,,゚Д゚)「ぬお!?」

ギコの目と鼻の先にトラギコ。その両手にあるトンファーを振り回してくる。


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:33:10.73 ID:fJF0QQunO

(;゚Д゚)「ぐあっ!」

スレスレで避ける。しかし少量の電撃が体内に流れた。

(,,゚Д゚)「人が悩んでる時に突っかけて来るんじゃねえ! もっと俺を労れよ!」

(=゚д゚)「お前がオイラにやられたら丁重に労ってやるラギ」

(,,゚Д゚)「本末転倒という言葉を知れ!」



(,,゚Д゚)(くそっ! 他にねーのか絶縁体の物質はよ!?)

(,*゚Д゚)(そうだ! コンクリを砂より細かく砕いて空中にバラまけば……)

(,#゚Д゚)(ってそんな手間暇かけた匠の技みたいな作業出来るわきゃねーだろ!
     あーもうイライラしてきた!!)


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:35:06.85 ID:fJF0QQunO

ギコが自分からは何も仕掛ける事が出来ないという今の状況にイラついていると―――



(,,゚Д゚) ゾクッ



(;゚Д゚)(つっっ! 何だ今……! 急に、寒気が―――?)



ギコが前方に焦点を合わせた。
するとそこには背中を見せていたトラギコがいる。

(,,゚Д゚)(コイツ、戦闘中に何で後ろ向いて……)



(,,゚Д゚)(違う! 後ろを向いているんじゃない! これは)



(,,゚Д゚)(振りかぶっている……?)


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:37:02.94 ID:fJF0QQunO

ギコが鎖を投げる時と同じような格好を、トラギコは見せていた。

最も投げるのは鎖ではなく、彼が手にしている―――



(=゚д゚)「ヒョオオオオッ!!」

トンファーだ。
バチバチと音を鳴らしながら、弧を描いてギコに肉薄する。



(;゚Д゚)「何だとォ!!?」

驚愕に目を見開く。鎖のような武器ならともかく、
近接武器であるトンファーを投げつける行為など普通はしない。
ギコはこのトラギコの行動を全く予想だにしていなかった。

既にトンファーは目の前にある。躱す事は出来ない。


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:39:05.12 ID:fJF0QQunO

(;゚Д゚)「畜生がっ!」

とっさに先程と同じく、鎖を腕に巻き、分銅を下に投げる。

(,,゚Д゚)「てあっ!」

そして腕を振り上げ、トンファーを後方に弾いた。

(;゚Д゚)「くうっっ……!」

いくら軽減しているとはいえ、この痛みはなかなか慣れることが出来ない。
本当なら片膝でもつきたい気分だが、それは駄目だ。

(=゚д゚)「ああああ!」

トラギコは投擲と同時に、上体を低くして這うように近付く。
この隙を逃すまいとしているのだろう。


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:41:03.02 ID:fJF0QQunO

下からもう一つのトンファーを振り上げる。
心なしか電撃が更に強力に、武器の表面で暴れまわっているように見える。

今にも爆発しそうなそれは、ギコの腹部へと進む。

(=゚д゚)「オオオオオオオオ!!!」

トラギコがより一層猛りだす。トンファーに纏わる光が膨れ上がる。
やはり、その力が増大しているようだ。

(,,゚Д゚)(本気出してきたか? この辺の空気全体に電気が流れているみたいだ……!)

音が段々と大きくなってくる。その音はどうにもギコの心に恐怖を植え付けようとしてくる。



(,,゚Д゚)(……?)

ギコがある事に気付いた。


82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:43:08.42 ID:fJF0QQunO

(,,゚Д゚)(あれ? 音が……)



微かな疑問。
ギコの心臓が急速に鼓動を早める。



(,,゚Д゚)(二重に、重なって……)



全身が総毛立つ。汗で体が急激に冷える。



(,,゚Д゚)(音、が……)





(゚Д゚;)(後ろからもっ!?)



(=゚д゚)「気付くの、遅いラギ」


83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:45:02.62 ID:fJF0QQunO

ギコに襲いかかるもの。
それはギコが弾いた最初のトンファー。

がら空きの背中に、強大な電撃を身につけたそれが突き刺さった。

(,, Д )「がっ―――」

ギコの体がビクンと一回大きく跳ねる。



(=゚д゚)「これで終わり。MAXで行くラギ」

そして前からも、電気が飛び回っているトンファーで思い切り殴りつける。
部屋内に爆発が起こったかのような音が響き、
ギコは体から煙を巻き上げながら吹き飛んでいった。


84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:47:23.40 ID:fJF0QQunO

ギコは倒れたまま起き上がる気配は無い。体からは依然白い煙が立ち上っている。

トラギコは落ちていたトンファーを拾い上げて、付着していた埃を拭った。

そして前。
ギコが倒れている方を見る。ギコは動かない。



トラギコはギコに話し掛ける。

(=゚д゚)「不思議に思ったラギ? 投げたトンファーが、
     まるで意思が有るかのように戻って来たのを」

(=゚д゚)「今のは言わば奥の手。
     電撃のパワーを極限まで高めることにより磁力を発生させたラギ」

(=゚д゚)「そして磁力が生まれた二つのトンファーは互いに引き合った……。
     弾かれたトンファーが戻ってくるように見えたのはそういう事ラギ」



そこまで言って、トラギコはギコに背を向ける。

(=゚д゚)「ま、説明したところで聞こえていないラギね」

そう言葉を残してトラギコは歩き出す。向かう先は上。ガナーたちのところだ。


85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:49:13.99 ID:fJF0QQunO

部屋のドアを開ける為に、ノブに手をかけようとした。

しかし手が止まる。

(=゚д゚)「……?」

そして振り向く。微かに物音が聞こえたような気がしたからだ。
だがそこには変わらずギコが倒れているだけだ。

(=゚д゚)「ふぅ。気が立ちすぎラギ。オイラの全力の一撃をマトモに受けて意識がある訳無いラギ」

自分に言い聞かせる。



まるで心の奥底から湧き上がってくる不安を抑えるかのように。

(;=゚д゚)「……くっ」

それでも一度芽生えたこの感情は拭いきれない。


88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:51:24.35 ID:fJF0QQunO

相手は―――あのギコという男は元『COLOR's』No.2である『銀』の称号をもつ者。
その力は強力無比。『銀弾』と評された彼は他のメンバーとは一線を画した存在だと言われていた。

その男が今自分に敗れ、ボロ雑巾のように伏せている。



だが、本当に。

奴は倒れているのだろうか―――。



(;=゚д゚)「ちっ! ああもういい!
      万一気付いても起き上がれないように四肢の骨をグチャグチャにしてやるラギ!」

トラギコは追い討ちをかけようと決意し、ギコに向かって一歩踏み出す。

その時。



(;=゚д゚)「っっっ!!」

はっきり見えた。
ギコの右手が一度、震えた。

そしてゆっくりと、スローで再生しているかのように少しずつ上体を起こし、ギコは立ち上がった。


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:53:04.60 ID:fJF0QQunO

(;=゚д゚)「バ、カなっ……。立ち上がれるラギか……?」

トラギコは驚きに身を凍らせる。



(,, Д )

立ち上がったギコは、例えれば幽霊のように存在感を持たなかった。
今の彼には生気が無く、目はどこにも焦点が合っていない。
まさに、ただ起きあがっただけ、といったところだ。

(;=゚д゚)(いや、もしかしてコレは……。 まだ意識が戻っていない?)

ひょっとしたら立ち上がったのは無意識の内。
先程まで戦闘中だったから、体が倒れていたままという事実を拒否したのかもしれない。



もしそうであるのならば。

(;=゚д゚)(攻めるなら今……! 完全に立ち直る前に仕留めなければ……っ!)


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:55:30.13 ID:fJF0QQunO

トラギコはそう結論づける。今ならちょっと押すだけで倒れる筈だ。
逆に今行かなければ、かなり危険な状況に陥る。
何となくだが、そう感じた。

(;=゚д゚)(だがっ……!)

足が、動かない。
今すぐ飛び出さないといけない、と頭では思っている筈なのに、動いてくれない。
ただ、小刻みに震えているだけだ。

(;=゚д゚)(恐怖……。畏れているのか? オイラが? あの満身創痍の男に?)

自分の足を見る。
よく見たら、震えは足だけでなく全身に広がっている。
先程から汗も止まらない。

(;=>д<)(ふざけるなっ! オイラが、選ばれた人間であるこのオイラが
      恐怖で足が竦むなんてあっちゃいけない……!)

トラギコはふるふると震える両手を上げて―――



(;=゚д゚)「あっちゃいけないラギィ―――――っ!!」

自分の両足に向けてトンファーを叩きつける。

(;=゚д゚)「おおおっ!」

そして前を向いて飛び出そうとした。


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 22:57:40.25 ID:fJF0QQunO

だが、踏み出せなかった。

(;=゚д゚)「!!!」

前を向いたそこにはギコの姿。
それは既に死人のような彼ではなかった。

ギコの体から強烈な殺気が吹き荒れている。
その激しさは、まるで視認できるかという程だ。



(,, Д )「…………ォ」





(,# Д )「オオオオオオオオオオオオオオオオ―――――ッッ!!!」



(;=゚д゚)「っぅ!?」

急にギコの口から獣のような咆哮が吐き出された。

ギコの目に、光が蘇る。
その目は己の意志を―――途方もない怒りを訴えていた。


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/19(日) 23:00:26.67 ID:fJF0QQunO

(,#゚Д゚)「テメエ……、よくも好き勝手にやってくれたなっ……!
     流石の俺もブチキレたぜ……!」

ギコが更に殺気を増大される。

(,#゚Д゚)「いくら考えても電撃を防ぐ方法も思いつかねーし、
     只でさえイライラしてたんだよ……!」

(,#゚Д゚)「だがもうそんなの必要ねえ!」

(,#゚Д゚)「思い知れ! 俺を敵に回した事が、どれほど愚かな行為だったのかを!!」

(,#゚Д゚)「テメエのチョロチョロした下らねえ小細工なんぞ……!」





(,#゚Д゚)「力で! ぶっっ潰すっ!!!」

剥き出された牙が、標的を捉えた。



第7話-a おわり


→第7話-bに続く?



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