( ^ω^)が歌手になりたいようです-第五部-前編

( ^ω^)「できたお・・・できてしまったお!!!!」 

2006年夏。ついに自分史上最高と呼べる曲ができてしまった。 
この事にブーンは喜びを隠せない。 

( ^ω^)「さっそくドクオに電話だお!」 

「あっ・・・らめぇ!そこっ・・・そこ通話ボタンなのお!!通話ボタン押しちゃらめえええええええ!!」 

('A`)「おっ・・・電話・・・。なんだ、ブーンからか。」 

ガチャ 

('A`)「ハーイもっこりもこみち?」 

( ^ω^)「ドクオ!!できたお!!僕史上最大の名曲ができたんだお!!」 

嬉しそうに話すブーン。それにドクオは答える。 

('A`)「マジか?やったじゃん。・・・実は俺もすっげえインスト作っちゃたんだ・・・」 

( ^ω^)「うはwwwwキタコレwwwwwじゃあ早速ドクオん家で発表会だおwwwwwwww」 

('A`)「やっぱり俺ん家なのかよ・・・」 

しばらくしてブーンがドクオのアパートに到着した。 

( ^ω^)「じゃ、僕から先に聴いてもらっていいかお?」 

('A`)「ああ。」 

ブーンはラジカセにカセットを入れ、再生を押す。 
ブーンの曲が終わると、今度はドクオがギターを用意しその場で曲を弾きだす。 
こうして、突如行われた二人の発表会は終わった。 


( ^ω^)「ドクオ!!そのインストめちゃめちゃカッコいいお!! 
感動したお!またギターの腕あげたんじゃないかお!?」 

('A`)「おめえの曲もすげえ良かったぞ!特にサビ前のファルセット、俺鳥肌たっちまった!」 

お互いがお互いをこれでもかという程褒めあう。 

( ^ω^)「これはもうマジで立派に商品として成り立つんじゃないかお?」 

ブーンは嬉しさのあまりそんな事を口走る。 

('A`)「そうだブーン、ちょっとコレ見てくれ。」 

そう言ってドクオはあるチラシを取り出した。 

( ^ω^)「?なんだおコレ?」 

('A`)「この前さ、バイトの帰り暇だったからイマキタにあるCD屋に寄ったんだよ。 
そしたらこのチラシがあって持ってきたんだ。ちょっとよく読んでみろ。」 

( ^ω^)「ええ・・・僕3行以上はちょっと読めないお・・・」 

('A`)「じゃ3行でいい。とにかく読め。」 

ドクオにそう言われ、ブーンはしぶしぶチラシに目を通す。すると・・・ 

( ^ω^)「アッー!」 

ブーンは思わず声をあげる。 
チラシには大きく「あなたの音源がすぐ商品に!未発表音源大募集」と書かれていた。 

('A`)<以下、チラシの内容です。 

当店では皆様の作った未発表音源を大募集しています。 
未発表であればどんなジャンルの音楽でも構いません。 
また、オーディション等も一切行っておりません。 
視聴用の音源(カセット、CDまたはMD)を一つ、 
それから商品として販売するための音源(初めての方のみ最大五つまでとさせて頂いております。) 
を当店に持ってきて下さい。 
後は納品書に必要事項を記入するだけでOK! 

なお、音源を承るのは毎週水曜のみとさせて頂きます。 

( ^ω^)「ここ、これはラッキーだお!!すごいお!! 
イマキタはちょっと遠いけど背に腹は帰られないお!! 
今すぐにでもこのテープをダビングして水曜に持っていくお!! 
あっ、折角だからこれ以外にもあと5曲程入れて全6曲のミニアルバムにするお!」 

('A`)「おう、頑張れ。」 

意外にもあっさりドクオは答える。 

( ^ω^)「え、頑張れってドクオはやらないのかお?」 

('A`)「ああ。俺はデモテープ作るより先に人前で弾く事に慣れようと思ってさ。 
・・・しばらくストリートやってみようと思うんだ。」 

( ^ω^)「おお!すごいおドクオ!!とりあえずカツアゲには気をつけるんだお!」 

('A`)「おまwww人がやる気になってる時にそんな事いうなよ・・・」 

( ^ω^)「でもとりあえず水曜は僕のデモテープを持っていくのに付き合ってくれお! 
そんでその夜にそのままイマキタでドクオの路上ライブデビューだお!!」 

('A`)「勝手に決めるなよ・・・」 

二人は嬉しかった。 
どんどんと夢が現実へと変わっていく気がした。 
希望に胸が高鳴るとは、こういう事を言うのだろう。そう思った。 

そして水曜日・・・ 

('A`)「わり、遅れた。」 

待ち合わせ時間から20分後。ドクオは待ち合わせ場所にやってきた。 
誇らしげにギターを背負って。 

( ^ω^)「遅いおドクオ! 
これから僕らは歴史的第一歩を踏み出すというのにお前は何をしてるんだお!」 

珍しくドクオより早く着いていたブーンがそう言う。 

('A`)「お前に言われたくねえよ・・・」 

( ^ω^)「とにかく行くお!早く行くお!走るおドクオ!!」 

よほど興奮しているのだろう。ブーンは全力疾走で街を駆け抜ける。 

('A`)「ちょ、待て、お前場所知らねーだろ!」 

ドクオは慌てて後を追った。 

( ^ω^)「ここがそのCD屋かお・・・」 

('A`)「はあ・・・はあ・・・お前のせいで無駄に体力使っちまったじゃねえか・・・」 

( ^ω^)「ごめんだお。後で粉ジュース奢るお。」 

('A`)「これ以上喉渇かせる気かww」 

( ^ω^)「さあ、入るお・・・」 

意を決して、二人は自動ドアを潜り抜けた。 

(・∀・)「いらっしゃいませ。こんにちはー」 

店に入るとすぐ、店員が挨拶をしてきた。 

( ^ω^)「こここここんにちは。ああああのあの・・・」 

緊張の為か、ブーンはうまく口が回らずどもってしまう。 

(・∀・)「はい?何でしょうか」 

( ^ω^)「こ、ここここれを、お、置いてもらいたいんですけお・・・」 

ブーンはおずおずとデモテープを差し出した。 

(・∀・)「ああ、インディーズの方ですね。 
それではこちらの納品書に必要事項をお書き下さい。」 

( ^ω^)「インディーズ・・・」 

メジャーデビューしてる人達意外は誰だってそう呼ばれるのだが 
ブーンはその言葉にひどく感動する。 

(・∀・)「ペンはこちらにある物をお使いになって下さって結構です。 
それでは書きあがりましたらまたお声をお掛けください。」 

店員は納品書の書き方をざっとブーンに説明した。 

('A`)「どれどれ・・・」 

ドクオがひょいっと納品書を覗き込む。 

('A`)「ふうん・・・納品書って初めて見たけどこんな感じなんだ・・・。」 

( ^ω^)「僕もこんなの初めてみるおって、え!?値段まで自分で決められるのかお!?」 

納品書を見てブーンは驚く。値段は店員が買ってに決めてくれるものと思い込んでいた。 

('A`)「どうやらそうらしいな・・・こういうのっていくら位が相場なんだろな。」 

( ^ω^)「うーん・・・よく分からないお・・・ 
でも僕の才能と将来性からいって八万ぐらいが妥当かお?」 

('A`)「氏ね。」 

( ^ω^)「・・・冗談だお。うーんと・・・」 

結局二人で考えた末、値段は400円に決定した。 
これなら自分を全く知らない人でも購入を決意しやすい額だと思ったからである。 

( ^ω^)「すみませーん。終わりましたおー。」 

(・∀・)「あ、はーい。」 

店員がブーンの元にやってきて納品書の確認をする。 

(・∀・)「では、視聴用音源のカセットが一つ、販売用のカセットが五つ、 
合計六つお預かり致します。」 

( ^ω^)「はいですお。」 

ブーンは店員に音源を渡した。 

(・∀・)「はい、確かに承りました。価格設定は400円という事よろしいですね? 
続いてこちらの委託販売同意書に目を通して頂きます。 
同意書の内容に納得して頂きましたら下の欄にサインをする場所がありますので、 
そこにサインをお願いします。」 

( ^ω^)「分かりましたお。」 

店員から同意書を受け取り、ブーンは目を通す。 

( ^ω^)「う・・・難しくてよく分からないお・・。ドクオ読んで説明してくれお。」 

ブーンはドクオに同意書を渡し、ドクオはそれを読む。 

('A`)「んー・・・かいつまんで言うと、委託販売には期間が設けてあって、 
お前みたいに初めて音源持ってきたやつは一ヶ月間。 
その間に1枚も売れなかったら全て返品となる訳だ。 
また、音源が一つ売れるたびにお前には利益が発生する。 
それは設定価格の二割、つまりこのテープが1個売れる度お前は80円貰えるって事。 
何で2割しか貰えないかというとそれはなんやかんや理由があるそうだ。」 

( ^ω^)「なんやかんやの理由ってなんだお?」 

('A`)「お前に説明した所で理解しないだろうから言うの面倒くさい。 
まあ、大人の諸事情とでも思っていてくれ。」 

( ^ω^)「成るほど。バカは社会に搾取され続けても気づかないって 
女王陛下の教室でマヨ先生が言ってたし大人の事情と知れただけでも良かったと思う事にするお。 
それにいくらだってとにかく貰えれば僕はそれで嬉しいお。」 

('A`)「そうだ。そう思っとけ。 
てかそんな卑屈になるくらいだったらちゃんとコレ読めよ。 
納得のいく理由が書いてあんだから。」 

ドクオに最もな事を言われつつもブーンは同意書にサインをした。 

(・∀・)「はいそれではこの内容で納得されたという事でよろしいですね? 
ではこちらの商品が完売致しましたらこの納品書に書かれている電話番号の方に連絡致します。 
ただし完売しない限りこちらからは連絡致しませんのでこまめに来店する事をオススメします。 
どうもありがとうございました。またよろしくお願いします。」 

( ^ω^)「こちらこそ、よろしくお願いしますですお。」 

そう言って、ブーンとドクオはこの店を後にした。 



('A`)「ふう・・・意外とあっさり終わるもんなんだな・・・」 

( ^ω^)「僕もこんなに簡単にお店に置いて貰えるもんだとは思わなかったお。 
ああ、もしかしたらもう1個くらい売れているかもしれないお。 
確かめに行ったほうが良いかお?」 

('A`)「俺らが店出てってまだ30秒たったかどうかも微妙なのにもう売れてる訳がねえだろ。 
ま、来週あたりに一度行ってみたらどうだ?1つくらいは売れてるかもな。」 

( ^ω^)「そうするお。さ、僕の用事はもう終わったから 
次はいよいよドクオのストリートデビューだお!!」 

('A`)「あ・・・そうだったな・・・ヤベエ・・・緊張してきた。」 

今日の夜、この街で自分はギターを弾く。 
自分の音楽は人々の耳に届くだろうか? 
ちゃんと伝わるだろうか? 
何より間違えたり、失敗したりしないだろうか? 
正確な、安定した演奏が出来るだろうか? 

様々な不安がドクオの中で駆け巡る。急に肩のギターが重くなったような気がした。 

( ^ω^)「そりゃ人前で弾くんだから多少緊張するのはしょうがないお。元気だすお。 
とりあえず日が暮れるまでイマキタ探索でもしながらストリートできそうな場所探すお。」 

('A`)「そうだな。」 

そして二人は場所探しをするついでに古着屋に寄ったり、楽器屋に立ち寄るなどして時間を潰した。 
気がついたらいつの間にか時刻は17時過ぎを迎え、街は夕焼けに染まっていた。 

( ^ω^)「そろそろ良い時間帯になってきたお。 
とりあえず今日は僕がサクラとしてずっと聴いていてやるから安心するお。 
ドクオ、今の気分はどうかお?」 

('A`)「なんつーか、完全に密閉された部屋に入って、練炭と睡眠薬用意したい気分だ。」 

( ^ω^)「ちょwwwつまり死にたいって事かおwww滅多なこと言うもんじゃないお。 
そんなんで死んだらこれから命いくつあっても足りないおwww」 

('A`)「そうだよな・・・それはそうなんだけど・・・」 

ドクオはどうやら相当緊張しているらしい。 
よく見たら歩くとき手足が一緒になっている。 

( ^ω^)「(これは駅前なんかでやったらドクオは本当に死ぬかもしれないお。 
死因が緊張なんてちょっと小心者すぎるお。・・・そうだ。) 
ドクオ!ストリートの場所は僕に決めさせてくれないかお!?」 

('A`)「え?良いけど・・・」 

( ^ω^)「ありがとだお!」 

そう言ってブーンは人通りの少ない方へ少ない方へと歩いていった。 
やがて、小さな公園を見つける。 

( ^ω^)「ドクオ!初めての路上ライブはここでやると良いお!!」 

('A`)「でもここじゃたまにしか人通らなくね?」 

( ^ω^)「だから良いんだお!ドクオはちょっと緊張しすぎだから 
まずはこういう人通りの少ないところから徐々に慣れていくべきだお!! 
そうすればやがて駅前でライブをやってドクオが演奏中音楽に興味のない人から 
「オナニーなら家でやれよクズが。」 
とまるでゴミでも見るような目つきで言われたとしてもきっと耐えられるお!」 

('A`)「ええ・・・俺駅前でやったらそんな事言われんのかよ・・・やっぱり死にたくなってきた・・・。」 

( ^ω^)「今のはあくまで例えだから大丈夫だお!余程の事がない限りそんな事言われないお! 
ただ、そう言われる可能性もゼロではないと言う事をよく頭に叩きこんでおくんだお!」 

('A`)「それはフォローのつもりなのか?」 

しかし確かにブーンの言う通りかもしれない。まずはこういう所からスタートして、 
それから段々と人通りの多い場所へ移っていくといったやり方のほうが自分には向いていそうだ。 

('A`)「・・・じゃ、ここでやってみるか・・・」 

( ^ω^)「うんうん。それが良いお!!ここからドクオの歴史は始まるお!」 

('A`)「よし・・・。今日はあったかいし、1時間くらいやってみるか。そんな持ち曲ないけど・・・」 

ドクオは近くにあったベンチに腰掛け、ケースからギターを取り出しチューニングを合わせ始めた。 
ブーンは地べたに体育座りをしながらそんな様子を見ている。 

('A`)「じゃ、・・・やる。」 

( ^ω^)「いよっ。待ってましたお。」 

ブーンがパチパチと拍手をする。拍手が終わると、ドクオはゆっくりと弾き始めた。 

('A`)「(今のところはブーンしかいないけど、音を聴いて誰か来てくれるかもしれないし、 
間違えないようにしないと・・・)」 

ドクオは音を間違えないように真剣に、しかしもたつかないよう一生懸命ギターを弾いた。 
そして10分過ぎ、20分過ぎ、あっという間に1時間が経とうとしていた。 
しかし、未だに聴いている者はブーン一人だけであった。 

('A`)( ^ω^)「(今日はもう誰もこないのか・・・?)」 

二人が不安を感じていた、その時だった。 


(・Д・)「パパー?」 

幼稚園くらいの小さな男の子が、そう言ってドクオ達の元に駆け寄ってきた。 

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・パパ?」 

('A`)「ねーよwwwwwwwww」 

(・Д・)「あ、パパじゃなかった・・・」 

男の子はそう言ってガッカリした顔をする。 

( ^ω^)「君、どうしたんだお?」 

(・Д・)「あのね、僕のパパもギター弾いてるの。 
さっきお昼寝から起きたらギターの音が聞こえたからパパが帰ってきて弾いてると思ったの。 
パパいつもこの公園で弾いてるから。でも間違えちゃったの。ごめんなさい。」 

男の子はそう言ってぺこっと二人に頭を下げた。 
すると向こうから息を切らした女の人がやってくる。 

(*’ー’)「良かった、ここにいたの・・・。 
しゅう君!突然家飛び出したりしてびっくりするじゃないの!」 

どうやらこの女の人は今ドクオ達の前にいる「しゅう君」のお母さんらしかった。 

(・Д・)「ごめんなさい。ギターの音がしたからパパだと思ったの。」 

(*’ー’)「パパは今日残業でまだ帰ってこないわよ。 
・・・ごめんなさい、あなた方にも迷惑かけてしまって。」 

しゅう君のお母さんは本当に申し訳なさそうにドクオ達に謝る。 

('A`)「いや、全然いいっすよ。」 

( ^ω^)「そうですお。」 

二人がそう言うと、お母さんは少し安心したような顔をする。 

(*’ー’)「本当にすみませんでした・・・。さ、しゅう君、帰りましょ。 
そろそろご飯の時間よ。」 

(・Д・)「ママちょっと待ってー。 
僕、このお兄ちゃんのギターとお歌聴きたい。」 

(*’ー’)「ダメよ。迷惑でしょ。帰るの。」 

(・Д・)「やだー!ちょっとだけ!ちょっとで良いからー! 
ねえお兄ちゃん、僕めいわくじゃないよねー?」 

しゅう君はそう言ってドクオの足を掴む。 

('A`)「ちょww足掴むなwwうん。迷惑じゃねーよ。」 

(*’ー’)「あの、無理にそう言って頂かなくとも・・・」 

('A`)「いえ、本当に全然迷惑ではないっすよ。」 

(・Д・)「ほらー!お兄ちゃんめいわくじゃないってー!」 

しゅう君のお母さんはやれやれという感じでしゅう君を見た。 

(*’ー’)「じゃあ・・・すみませんが一曲お願いできますか?」 

('A`)「もちろんです。」 

(・Д・)「やったー!」 

ドクオの言葉に、しゅう君は手を叩いて喜んだ。 

( ^ω^)「しゅう君は何のお歌が聴きたいんだお? 
こいつ歌は歌わないから僕が代わりに歌ってあげるお。」 

(・Д・)「本当ー?お兄ちゃん、お歌上手なの?」 

( ^ω^)「まあぼちぼちだお。で、何の歌が良いんだお?」 

(・Д・)「んとね、マンガの歌ー。」 

( ^ω^)「って事はアニメかお?じゃ笑うサービスマンのエンディングテーマなんてどうかお? 
それともズブリ映画、漆黒の豚のエンディングが良いかお?」 

('A`)「ちょ、幼稚園くらいの子がそんな渋い選曲に喜ぶ訳ねーだろww」 
今の子ならアブエリオンとかドーゼンメイレンとかに決まってるだろ。」 

( ^ω^)「幼稚園児がそんなコアなアニメ見るかおwwwwww」 

そんなブーン達の会話にしゅう君は首を振って言う。 

(・Д・)「んーん。ちがーう。そうゆんじゃなくてね、あのねえ、 

ノドえもんの、映画ピッグスターウォーズの挿入歌になっている 
松田鉄也の青年期をお願いします。」 

( ^ω^)('A`)「渋wwwwwwwwww」 

しゅう君の選曲に二人は多少驚いたものの、 
昔からよく知っている曲だったのでどうにか演奏する事ができた。 
演奏中、しゅう君は目をキラキラと輝かせて二人を見ていた。 

(・Д・)「お兄ちゃんたち、すごいねえ!ギターもお歌も、すっごく上手だね!ねっ、ママ!」 

しゅう君は息を弾ませてお母さんに言う。 

(*’ー’)「そうね。とっても上手ね。 
・・・お二人とも本当に素晴らしかったです。 
あの、もしかしてプロの方なんですか?」 

しゅう君のお母さんの言葉に二人は照れて顔を真っ赤にした。 

('A`)「い、いえ、そんなんじゃないですよ全然! 
ストリートだって今日が初めてでしゅう君が来るまでお客さんなんて誰もいなかったし・・・」 

( ^ω^)「ドクオの言う通りですお!僕らなんてただのズブの素人ですお!!」 

(*’ー’)「えっ?そうなんですか?でも本当に感動しました。 
きっとお二人ならすぐにプロになれますよ。」 

( ^ω^)('A`)「いやそんな亜wせdrftgyふじこlp;@:」 

(*’ー’)「ふふっ、では私たちはこれで帰ります。 
どうもありがとうございました。これからも頑張って下さい。 
息子と二人で応援してます。ほら、行くわよ、しゅう君。」 

(・Д・)「うん!ばいばーい!またねー!!」 

そしてしゅう君とお母さんは公園から出て行った。 

( ^ω^)「いやー!ドクオのストリートライブは一日目にして早くも大成功に終わったお! 
すごいお!やっぱりお前は才能があるんだお!」 

二人と別れた後、ブーン達は夕飯を食べに駅近くのファーストフード店で 
改めて今日の喜びを語り合っていた。 

('A`)「まあ、客はあの親子だけだったけどな。でもちょっと自信がついた。 
来週はもっと人が通るところでやってみようかな。」 

( ^ω^)「そうすると良いお! 
僕も来週またCD屋に行って今日持ってった音源の売れ行きを見てくるお! 
もしかしたら1つくらい売れてるかもしれないし。」 

('A`)「ああ。売れてると良いな。」 

それから1週間後のブーン・・・ 

( ^ω^)「(あー、ドキドキするお。果たして僕のテープは売れてるかお?)」 

ブーンは先週ドクオに言った通り例のCD屋にやってきた。 
ドキドキしながら店に入る。 

( ^ω^)「(どうなってるかお・・・あ、あった、僕のコーナーだお。)」 

ブーンはカセットの数を指で追って数える。1個、2個・・・ 

( ^ω^)「あ・・・」 

ズキっと、胸の奥で音が鳴る。 

( ^ω^)「(一つも、売れてないお・・・。)」 

一方、こちらは1週間後のドクオ・・・ 

('A`)「(よし、今日はここでしてみるか・・・)」 

ドクオはイマキタ駅近くの店が商店街に来ていた。 

('A`)「(さすがに駅前ほどとは行かないけどここも結構人が通るし・・・ 
この前みたいにちゃんとやればきっと誰か立ち止まってくれる。)」 

そしてドクオは適当なところに腰を下ろしギターを弾き始める。 
失敗しないように、正確に・・・。 

それから二時間後。 

('A`)「(結局、誰も最後まで聴いてってくれなかったな・・・)」 

ドクオが弾いてる時、途中ちらほら立ち止まってくれる人はいたのだが、 
どの人達も一曲弾き終わらない内に立ち去ってしまっていた。 

('A`)「(今日はもう帰るか・・・)」 

それから毎週ブーンはカセットが売れてるかを確認しにCD屋に足を運んだ。 
視聴してくれていた人こそ何度かみかけたものの、カセットが売れているという事はなかった。 

ドクオも毎週商店街で路上ライブを行ったが、やはり最後まで聴いてくれる人は現れなかった。 

やがて一ヶ月が過ぎ、ブーンのカセットは返品され、ドクオも再び自信をなくしてしまった。 

( ^ω^)('A`)「(どうして・・・?)」