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そして誰もいなくなったようです 2008.12.16
シャリ、
ジャリ、
何者かが、砥石に刃を当てている。
シャリ、
ジャリ、
にこやかに、砥石で刃を研いでいる。
シャリシャリ
シャリシャリ
どこからか音がする。
浮浪者だろうか。
それとも、ただの金欠の庶民だろうか。
みすぼらしい格好をした老人が、何かを重そうに引きながら、歩いている。
シャリシャリ
シャリシャリ
老人は、にこやかな顔を、皮膚に張り付けている。
シャリシャリ
( ・∀・)「~♪」
目の前から、若い男が歩いて来た。
シャリシャリ
( ∀ )
老人は、張り付いた笑みを一層濃くした。
シャリシャリ、シャリシャリ
目の前から来た男は、すれ違い様に老人とぶつかった。
シャリシャリ
( ・∀・)「…。 ~♪」
男は一瞬、老人の方を見たが、それだけで、再び歩き出した。
シャリシャリ
老人は、未だ、笑っている。
シャリシャリ、
シャリシャリ
笑っている。
シャリ
笑っている。
男を見て、笑っている。
シャリシャリ、
にこやかに
ジャリ
楽しそうに。
ガリ
ゴリっ
(;・∀・)「えっ…?」
男は、一瞬、腹を見て、崩れ落ちた。
男は、痛みに顔を歪めて、崩れ落ちた。
老人は笑っている。
前よりも、つい先ほどよりも、深く深く、笑っている。
男は、もう息をしていない。
老人は、笑っている。
シャリシャリ、シャリシャリ、
呼吸の音はしない、
老人は、呼吸をしない。
辺りに人影は無く、老人は歩き出し、夜の闇に消えていった。
老人は消え、
男は死に、
そして、誰もいなくなった。
誰も、誰もいなくなった。
おしまい
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