スポンサーサイト --.--.--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
七夕のようです 2008.07.11
七月七日、七夕の夜。
残念ながら、その日は雨だった。
( <●><●>)「これで良かったのは、分かってます」
吊す事も叶う事も無かった短冊を、私は破いて捨てた。
これで良かったのだ。
もし吊していたら諦められなかったかもしれない、だから、これで良かったのだ。
こんこんとドアをノックする音が聞こえた後、ドアは開いた。
( ><)「七夕出来なくて残念なんです」
( <●><●>)「そうですね」
嘘だけれど。
私とビロードは雨で歪んだガラス戸を通して曇った空を見上げた。
( ><)「そういえば僕、ちんぽっぽちゃんと付き合う事になりました」
えへへ、とビロードは笑い、空に視線を戻した。
雨音が心地良い。
( <●><●>)「ずっと分かってましたよ」
ずっと、分かっていた。
けれど、私は。
より一層大きくなった雨音の中に、掻き消えそうなくらいの小さい声で私は言った。
「彼女が好きでした」
幸いにもビロードに声は聞こえなかった。
ふと私がゴミ箱に目をやると、短冊が目に入った。
『思いが伝わりますように』
その短冊に秘められた恋は叶わぬ願いとなって雨に溶けた。
end.
お題
・雨
・ 叶わぬ願い
・秘められた恋
COMMENT
トラックバック
トラックバックURL:
(copyボタンはIEのみ有効です)