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( ・∀・)イ从゚ ー゚ノi空の穴のようです 2009.04.11
夕闇迫る目抜き通り。僕たちは馴染みの喫茶店へと向かっていた。
通りでは、たくさんの人がたくさんの荷物を持って歩いている。
そして、いろいろな人がいろいろな顔でいろいろな話をしていた。
建物の影を踏みながら歩く君。時折、こちらを振り返ってはいたずらっぽく笑った。
...( ・∀・)イ从゚ ー゚ノi
やがて目的地に着く。店先には顔馴染みの猫達。会釈する。ニャオ。
白く煙る十一月の寒さは厳しいらしく、それぞれが身を寄せ合っていた。
(,,゚Д゚)(*゚ー゚)ノパ⊿゚)
適度な明るさに調整された店内には、僕たちを除いて六人の客が居た。誰もが上品そうな顔つきをしている。
誰かは政治の、誰かは経済の、また誰かは仕事の話をしていた。
僕はコーヒーを、彼女はそれにレモンケーキを加えたセットを注文した。
窓から外を眺める。先ほどの猫と目が合う。僕らはしばらく交信を交わしていたけれども、ふと目を離した瞬間に居なくなっていた。
( ・∀・) | (゚Д゚,,)
( ・∀・) | disappeared...
やがて注文の品が机上に届けられる。僕はまずコーヒーを、彼女はケーキに手をつける。君が食べ、僕は飲む。
イ从゚ -゚ノi 「この店のケーキ、ちょっと味が落ちちゃったね」
と、彼女は少し残念そうに言う。そうなの、と僕は気の入っていない返事をした。
店を出た。暮れ行く空から、暮れた空に変わっていた。
行き交う人々は影となって、個性を無くしている。
ねぇ、と彼女が僕の肩を叩く。続けて、あれを見て、と天を指差す。
●
イ从゚ -゚ノi 「まるで空の穴みたいね」
空には几帳面な数学者が描いたような輝く満月。
月特有のおしとやかさは影を潜め、ささやかなミラーボールのように僕らに月光を届けた。
ねぇ、と彼女が月に見惚れる僕の肩を再び叩く。猫のような目を輝かせ、こう言った。
イ从゚ ー゚ノi 「ドライブしましょうよ、自転車で」
( ・∀・) 「月光ドライブか、悪くないね」
高校の頃はよく二人乗りしてたよね、と重ねて僕が彼女に言うと、あなたは昔はもっとスマートだったよね、と返された。
少しばつの悪そうな顔をした僕を見て、彼女は微笑む。それからお互い顔を見合わせ、笑いあった。
空には星が咲いていた。
...( ・∀・)イ从゚ ー゚ノi
end
お題
・ミラーボール
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