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/ ,' 3は王を見るようです 2008.11.12
この前、世界に。
田中と名乗る王が現れた。
――/ ,' 3は王を見るようです
(゜3゜)「荒巻さーん、ちょっと来てー」
/ ,' 3「何でしょうか、田中様」
その王が現れてから、世界は狂った。
(゜3゜)「コップが一人でに動いて……」
/ ,' 3「こぼしただけでは」
(;゜3゜)「……そ、そういうことにしておくか」
ニートは職業を探し、
/ ,' 3「洋服の方は大丈夫ですか?」
(゜3゜)「そっちは無問題」
スイーツ(笑)は文学に目覚め、
/ ,' 3「そちらの本は?」
(゜3゜)「え、これ? 平気だよ」
朝刊は夕方に届くようになった。
/ ,' 3「いえ、どんな本を御読みになっていらっしゃるのかと……」
(゜3゜)「あ、そっちね。
普通の本だよ本」
私、荒巻は何故かそんな王に仕えている一人だった。
いつだったか、家でのほほんと死を待つだけの私を、彼がこちらに連れて来たのは。
私よりも数倍は若く、二十歳くらいしか無さそうな王は、いつもこの世界を恐怖に陥れた者とは思えない行動をとっている。
(゜3゜)「荒巻さん、荒巻さーん」
/ ,' 3「はあ……なんでしょう」
(゜3゜)「いやさ、今度ウォータースライダーに鮭を流してみようかと思って」
/ ,' 3「かしこまりました」
(;゜3゜)「あ、待って待って! 冗談! 冗談だから!」
/ ,' 3「これは大変失礼しました」
(;゜3゜)「はあ……」
王、という彼の実態は側近の私でも深く知っている訳では無く、何故彼一人で世界を支配出来たのかは私には全く分からなかった。
同時に何故私を側近に選んだのかも。
(゜3゜)「あ、そういえばさ」
/ ,' 3「?」
(゜3゜)「俺爺ちゃん居るって前言ってたの覚えてる?」
/ ,' 3「ええ、とても良い方だと」
私には孫が居た。
けれど娘が夫と離婚してからはぱったりと連絡が途絶え、それからはどこに行ったのかも分からなかった。
(゜3゜)「俺の爺ちゃんはさ、俺がこう……王になった事を知ってるんだけど、あんまり喜んでくれないんだよね」
/ ,' 3「はあ……」
(゜3゜)「昔約束したんだよ、世界を俺の物にするって」
『大きくなったら、世界を僕の物にして、お爺ちゃんと一緒にお城に住むんだ!』
いつか孫が同じ事を言っていた様な気がして。
私は少しだけ笑った。
/ ,' 3「大丈夫です、きっとその方はお喜びになっているでしょう」
王は、一度黙って、そして。
(゜3゜)「そういう事に、しておくか」
そう、呟いた。
――/ ,' 3は王を見るようです 終わり
お題
・荒巻
・鮭
・ウォータースライダー
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