スポンサーサイト --.--.--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ブーンは走るようです 2009.03.08
( ^ω^)「……」
僕は今、100m走を観戦している
競技場はしで補強運動をしているのは
「ブーン選手には、今日も期待がかかってますね」
( ^ω^)
僕だった
ブーンは走るようです
~~~3年前~~~
僕は100m走の選手だった
「ブーン選手、世界記録を破りました!!」
(;^ω^)「やったおぉぉぉぉ!!!」
日本人達「ブーンさいこぉぉぉぉぉぉ」
僕は走る事が生きがいだった
新しい記録を叩き出す事に快感を感じ
観客の声援を気持ちいいと感じた
ただ、時代は変わりつつあった
~~~~~~
「人工筋肉」
とうとうこれが許可されたのだ
時代が進むにつれ、世界はプレー自体より
記録を重視するように変わって行ったのだ
人々は世界記録が塗り替えられないことに退屈し、
ついにはドーピングに限りなく近い
人工筋肉の使用まで許可されたのだ
素の筋肉では、計算されつくした人工筋肉に敵うはずもなく
世界記録は塗り替えられていった
( ω )「僕はもう時代遅れなのかお?」
マネージャー「ブーン、あんたに会いたいという人が来ているぞ」
~~~~~~
研究者らしき人物「あなたに、新たな技術を試してもらいたいのです」
( ^ω^)「……僕にかお?」
より性能の良い人工筋肉が世界で考案さ始めた中
この国はさらに上を行った技術を発明していたのだ
それは選手の体から脳を取り出し、遠隔操作することで
脳の重さ、体力の限界を考慮しないプレーができるというものだった
その効果は絶大で、《僕の体》は世界記録を手にした
脳だけとなった僕は
その姿をただじっと見ているだけでよかった
~~~~~~
僕は、新技術の第一人者に選ばれたわけだ
それは、僕が適任のプレイヤーだと認められているという事で
当然、喜ぶべきことだった
でも
( ω )「何か違うお」
何が違うのだろう
分からないが、心に引っかかるものがあった
( ω )「……」
頭に浮かんだのは、半月の下の緑の丘
これは10年も前の景色だ
今はもう、この丘は無い
(*^ω^)「ブーーーーーン」
(;´^ω^`)「待ってくれよブーン」
父ちゃんだ
父ちゃんはもう死んだんだ
なぜいまさらこんな記憶……
(;^ω^)「ごめんお、父ちゃんは車椅子だったお…」
(*-ω-)「もう二度と走れないなんて
父ちゃん、かわいそうだお」
(´^ω^`)「心臓が悪くなってしまったんだからしょうがないさ
そんな事よりブーン、お前は走るのが好きか?」
(*^ω^)「大好きだお!!この風を切る感覚が大好きなんだお!!」
(´^ω^`)「よかった、だったらもうバトンは渡せたな」
(*^ω^)「バトン?父ちゃんは短距離の選手だお?」
(;´^ω^`)「そういう意味じゃなくてだな
まあこの感覚、お前にもいつかきっと分かるよ」
~~~~~~
( ω )「……」
( ^ω^)「……そうだお、僕が走る理由は
観客のためとか、記録のためなんかじゃなく
好きだから、それだけなんだお」
僕は僕の脳を、あるべき場所に返した
マネージャー「な、何をする気だ!?ブーン!!」
邪魔な人工筋肉も取り払う
僕の体だけで十分だ
ピストルが鳴る
僕は強く地を蹴った
全力で走る
ただ全力で
人工筋肉の千切れ目から血が出ているが、気になどしない
「ブーン選手、速い、速いです!!」
(´・ω・`)「鉄棒ってなんか卑猥だよね」
「ショボンさん、今は陸上の実況中です!!」
~観客席~
(;゚Д゚)「すげえ……」
観客も緊張感で静まりかえった
ブーンは、ゴールラインを切る
「ブーン選手!!堂々の1着です!!!」
ゴールした瞬間、彼は倒れた
医者が駆けつけた時には、彼はすでに死んでいたそうだ
でも、その死に顔は、満面の笑顔だったという
~~~数年後~~~
ルールは改正され
陸上は再び正々堂々の競技の場に戻った
あの時ストップウォッチの指した数字は、世界記録には程遠かったそうだが
彼の名は歴史に、人々の心に強く刻み込まれた
そしてここはとある中学校
(,,゚Д゚)「陸上部に入りたいんです!!」
部長「今までの陸上競技の成績は?」
(,,゚Д゚)「たいした成績はありません、でも、走るのが好きなんです」
ブーンのバトンはちゃんと受け継がれているようです
fin
お題
・半月
・緑の丘
・(´・ω・`)「鉄棒ってなんか卑猥だよね」
・ストップウォッチ
COMMENT
トラックバック
トラックバックURL:
(copyボタンはIEのみ有効です)