証券 K.2nd:総合短編

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ツンはブーンの嫁なようです   2008.08.06


幼いころから言い続けていた冗談を、軽々しく口に出せなくなったのは
僕がツンのことを本当に大切だと気がついた時だった。


ツンが事故に遭った。
手首を少しひねった程度で済んだ事故だったのだけれど、
それでも僕の血の気を引かせるには十分なニュースだった。

(;^ω^)「ツンッ!」

バタン、と盛大な音を立てて病室のドアを開けた僕を、ツンが軽く睨む。
「病院なんだから静かにしなさいよね、」と小さく毒づかれた。
けれど、僕にはそんなことはどうでもよくって、ただツンが無事であるという
事実が僕の心を強く揺さぶって離さなかった。

彼らは文房具のようです   2008.08.06

  _
( ゚∀゚)「いててっ! いて、いてぇよっ!」

(´・ω・`)「すまない、ジョルジュ。少しだから耐えてくれ。これが僕の使命だからね」
  _
( ゚∀゚)「んなこと言ってもよー……いでっ! おい、またかよ!」

(´・ω・`)「そんなこと僕に言われたって困るよ」
  _
( ゚∀゚)「大体よー、お前らの持ち主ちょっと誤字多過ぎなんじゃねーの?漢字ならともかく平仮名でこんなに間違える奴そうそういねーよ」


( ^ω^)「ツンのこと悪く言うなおっ!」



夏休みのようです   2008.08.02


( ><)「行って来ますなんです!」

 僕はラジオ体操のカードを持って家を出ました。
 綺麗に咲いた朝顔が僕にいってらっしゃい、と言ってるんです。
 僕が公園に着く頃にはもう町内会の人達が集まってます。

( <●><●>)「お早う、ビロード」

( ><)「ワカッテマスくん、お早うなんです!」

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」

( ><)「ちんぽっぽちゃんもお早うなんです」

 近所に住んでる二人、ワカッテマスくんとちんぽっぽちゃんはもう公園に来てました。
 この二人は入学式の日からの友達で、入学してから三ヶ月の間に何回も遊んでました。
 そんな二人との毎日はとても楽しいんです。

(´・ω・`)部屋から出ないようです   2008.08.02


 煙草の煙が部屋を白く染めていた。
 部屋にあるもの全てがぼんやりしている。iPodでさえも、幻想的なものに見える。
 電源が付かない壊れたiPodだからだろうか。壊れてしまったものに哀愁を感じているのかもしれない。
 だからiPodを窓から放り投げた。ガシャン、と音がした。ポイ捨てはいけないと思った。あとで拾いに行こう。

 一箱分のキャスター全部に火を付けて、灰皿の上に置いた。
 もくもくと立ち上る煙はますます部屋を白くした。
 キャスターのバニラフレーバーの香りが感じられない。ヤニ臭い。お香の代わりに焚いてみたのだが、効果がなかった。
 灰皿の隣にあったコーヒーをキャスターにかけた。火が消えた。机がコーヒーまみれになった。
 しかし部屋は白いままだ。換気を一切していない部屋だから仕方ない。

ζ(゚ー゚*ζ「何吸ってるの?」

(´・ω・`)「煙草」

ζ(゚ー゚*ζ「銘柄を聞いてるんですよ?」

(´・ω・`)「キャスター・マイルド」

ζ(゚ー゚*ζ「ふぅん。それはいいものなの?」

(´・ω・`)「これはいいものだ。僕の伴侶」

ζ(゚ー゚*ζ「普通、そういう時は相棒って言うものじゃない?」

(´・ω・`)「マルボロなら相棒だけど、キャスターは伴侶になるんだよ」

ζ(゚ー゚*ζ「ふぅん?」

 相変わらず視界は悪い。
 女の声は煙の中から聞こえた。もしかしたら煙が話かけてきているのかもしれない。
 綺麗な声だった。デパートのアナウンスのように聞き取りやすく、コンビニ店員のいらっしゃいませのように印象に残らない声だった

('A`)童貞は愛を護るようです   2008.08.01



 法廷には、まばらな人影しかいなかった。
 俺の姉さんは、傍聴席の後ろの方で、不安げな瞳を俺に向けている。
 隣には、二人のかけがえの無い親友の姿もあった。

 彼らの不安を和らげようと、必死に笑おうとしたけれど。
 筋肉が固まったかのように、引きつった顔しか出来なかった。

(´・ω・`) 被告人。前へ

 裁判官にせき立てられ、壇上へ上がる。
 検察官が俺を品定めするように見てくるのがわかった。

 聞かせてやるよ。俺の声を。
 見せてやるよ。俺の生き様を。


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