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('A`) その花言葉は「 」のようです 从 ゚∀从 2008.08.01
明かりを灯せば、純白に包まれるその部屋も
今は漆黒が部屋を染めている。
ただ、唯一色を持っているのは
花瓶挿された白の花だけ。
なあ、ハイン。
この花の名前って何だっけ?
('A`) その花言葉は「 」のようです 从 ゚∀从
lw´‐ _‐ノv「NASAより報告します。先日のビッグバンの異常停止により宇宙の収縮が進行中。
現在、銀河の20%が消失した模様。
繰り返します…… やばいってレベルじゃねーぞ」
(*゚ー゚)「はい、ありがとうございます。
どうやら、地球が巻き込まれるのは明日中とのことです。
皆さん、明日は悔いのない一日をお過ごしくださいね。
以上、ニュースを終わります」
('A`)「なぁ、ハイン?」
从 ゚∀从「あ?」
('A`)「明日で地球も死んじゃうんだってよ……」
从 ゚∀从「そっか…… そいつは残念だな……」
('A`)「ちょうど、よかったよ。
これでハインともお別れせずにすむ」
从 ゚∀从「けけけ…… それはいいな。 でも、地球が終わる前に俺の方が死んじゃうかもしれねえ……」
('A`)「……ハイン?」
从 ゚∀从「もう…… さ…… 頭がくらくらしてて ははは 俺ももう限界かなって?」
('A`)「……」
从 ゚∀从「けけけ 冗談だよ。俺が死んでたまるかっつーの」
('∀`)「あははは!! そうだよな、天下のハインリッヒ高岡が死ぬわけないよな」
从 ‐∀从「悪い、俺ちと寝るわ……」
('A`;)「おい、ハイン?大丈夫だよな……」
从 ‐∀从「当たり前…… だろ…… つか……」
从*^∀从「起こしたらぶっ殺す」
そして、ハインは小さく寝息を立てて安らかに眠った。
その寝顔は、全ての業から解き放たれたような優しい天使のような笑顔だった……
从 ー从「………」
しかし、心電図は短い音を刻んだ後に、長く残酷な音を響かせ続ける。
純白に輝くその花が散ると共に、ハインの命もまた儚く散り去っていった……
涙は出なかった。
だって、俺も明日には死ぬんだから。
ハインはいつもせっかちだから先に行っただけの事。
なに、いつもの事さ。
なあ、そうだろ?
……ハイン?
从 ゚∀从「おせーよ、ドクオ!! 先に行っちまうぞ!」
('A`)「待ってよ…… いたっ!?」
从 ゚∀从「おいおい、何やってんだよ。 ったく、ほら捕まれ」
('A`)「ありがとう!」
从 ゚∀从「へへ、そのドジっ娘特性そろそろ捨てろ。いい加減キモイぞ」
(;A;)「キモイって言うな馬鹿!」
从 ゚∀从「んだとゴラッ!!」
(;A;)「ふえええん!!!」
从 ゚∀从「ばっ…… 泣くなよ」
俺はハインの遺体は引き取った。
最後の一日と言う事で病院も家族も了承してくれたんだ。
よし、ハイン。どこに行こうか?
俺はハインを後ろに乗せバイクを走らせた。
ハインの小さくて冷たい体が時折風で飛ばされそうになる。
俺はその度にハインの手を握った。
するとハインは一瞬だけ照れて怒った気がした。
('A`)「おいおい、しっかりつかまらねえと落ちるぞ?」
从 ゚∀从「けけけ この俺が落ちるかってーの! それより事故ったら殺す」
('A`)「任せろ! つか、ちゃんと捕まってろよ。ほら」
从///从「ばっ……、なに人の手握ってんだよ!?」
('A`)「何照れてんだよ、きめえな…… ほら、飛ばすぞ!!」
从#゚∀从「バイク降りたら、速攻殺す」
ほら、海なんてどうだ?
青い海に白い砂浜……
んだよ、俺の肌見んじゃねーよ
从 ゚∀从「肌白っ! キモイな~ けけけ」
('A`)「だから海なんて嫌なんだよ…… 暑ぃ~……」
从 ゚∀从「ほらこっち来いよ!泳ごうぜ!!」
('A`)「マンドセク…」
从#゚∀从「ゴラッ!!」
('A`;)「わかったって……」
ハイン……
次はどこに行こうか?
そうだ、今度はあそこに行ってみないか?
ほら、俺がハインに告白したあの公園に。
从 ゚∀从「んだよ。こんな所に呼び出して……」
('A`)「あ、あのさ…… ハインは今好きな人とかいるか?」
从 ゚∀从「あ~? 俺がそういうの興味ねえってのは、お前が一番知ってるだろ?」
('A`;)「そ、そうだったな…… ははは……」
从 ゚∀从「まぁ、どっちにしろ。こんな俺に愛の告白する野郎なんてどこにもいないがな」
('A`)「あ、あのさ……」
从#゚∀从「んだよ!? もじもじうぜえぞ!!」
(#'A`)「俺はハインの事が好きだッーーー!!!!」
从 ゚∀从「……は?」
('A`;)「えっと……だからその……」
从;゚∀从「つか、何で逆ギレしてんだよ」
('A`)「あー、もういい!! 何でもねえよ!!」
从 ゚∀从「なぁ、頼む。 もう一回言ってくれ」
('A`)「だから、俺は……」
从 ゚∀从「うん」
(#'A`)「お前の事が好きだって言ってんだよ!!」
从///从「冗談言うな! 殺すぞ……」
('A`)「冗談じゃねぇよ…… 俺は、だいぶ本気だ。 昔からずっと……」
从*゚∀从「じゃあ、何で今更言うんだよ…… 馬鹿」
('A`)「馬鹿って言うなよ。 ただ、幼馴染って関係がもう嫌だったんだよ……」
……ハイン、着いたよ。
俺はハインを抱き上げ公園のベンチに座った。
ああ、懐かしいな。
俺はハインにそこで愛の言葉を告げたんだよな。
ぷっ、お前照れてキレてやがんの。
ほら、この匂いも懐かしい……
この花の名前何て言うんだっけ?
从 ‐∀从「なぁ、ドクオ…… この花、いい匂いだよな……」
('A`)「ん? ああ、いい香りだな」
从 ‐∀从「この花の名前は『くちなし』って言うんだ……」
('A`)「へー、そうなんだ。 お前にも女の子らしいとこあるんだな?」
从#゚∀从「あ? なんか悪いか?」
('A`;)「え~いや…… それより、返事くれないのか?」
从#゚∀从「お前なんかに語る口無しだ 馬鹿!!」
('A`)「お、おい…… どこ行くんだよ ハイン……」
从#゚∀从「帰るんだ馬鹿!! それと、くちなしの花言葉調べるんじゃねーぞ! 絶対だぞ!!」
ああ、そうだ。くちなしだ……
甘くていい香りだよな、ハイン。
ふふふ……
あの時、ふられたと思ってがっくりしてたな……
ったく、素直じゃないんだよ ハインは。
まさか、花言葉で返事くれるなんてさ。
ねぇ、本当にハインは幸せだった?
俺と一緒に居れて、
ハインは幸せだった?
あれ…… 何だろこの感覚……
あははは……
俺も眠くなってきちゃった。
ハイン……
おや す み ……
从 ゚∀从「おい、おせえぞ…… 待ちくたびれたっつーの」
('A`)「うるせー お前はせっかち過ぎなんだよ!」
「なんだって!?」
「ああ、言ってやるよ!!」
「ほう、随分とえらくなったな~ ドクオちゃんよ~」
「ひぃ、なぐらない………
「ははは! よ……
………
……
…
ドクオはそっと瞼を閉じた。
今度目を開けた時に彼女がいつものように輝く笑顔で迎えてくれると信じて……
だが、本当にドクオはハインに会えたのだろうか?
このNASAの発表した宇宙が収縮したという説。
これが、嘘か真かなど今を生きる私には知る由もない。
果たしてドクオが目を開けた時、
そこにはあったのは
ハインの笑顔か
ハインの骸か……
ただ、一つだけ分かっている事がある。
それは純白に輝く
くちなしの香りが
いつまでも彼らを包んでいた
と言う事だけ――
薄月夜 花くちなしの 匂ひけり
正岡子規
~おしまい~
お題
・銀河の20%が消失
・ビッグバン
・明日で終わり
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