(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようですその1の続き
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 11:38:48.55 ID:MmiTHfycO
(*‐ω‐*)zzz
( <●><●>)(…………)
次の日、朝。
ワカッテマスは起きると炬燵の中で寝ているちんぽっぽを見付けた。
尻尾は時々ぱたぱた、と動き何処からかごろごろと喉を鳴らす様な音が聞こえた。
( <●><●>)(そういえば、そうでした)
ワカッテマスはそれを見て、昨日起きた事を思い出す。
今でも、信じられない様な出来事を。
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 11:41:54.31 ID:MmiTHfycO
(*‘ω‘ *)『えっと、その、詳しくは言えないんですっぽ、どうしても……』
あれから二人は、ワカッテマスの家に帰り炬燵で向き合って話をしていた。
ちんぽっぽはどうしても話せない事情をどう上手く説明しようかと考えて、うんうん唸っている。
(*‘ω‘ *)『そういえば、ワカッテマスさんの家族は……』
( <●><●>)『ああ、いませんよ』
(;*‘ω‘ *)『え?』
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 11:44:43.40 ID:MmiTHfycO
( <●><●>)(あれ、そういえば何故私の名前を……)
(;*‘ω‘ *)『そ、それならっ!』
(;<●><●>)『は、はいっ?』
ちんぽっぽはその言葉を聞くと、深くは聞こうとせずに炬燵をばんと叩いて立ち上がった。
これにはワカッテマスも圧倒されて少々驚き気味である。
(;*‘ω‘ *)『それなら、手伝わせて下さいっぽ!』
(;<●><●>)『え?』
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 11:48:07.79 ID:MmiTHfycO
(;*‘ω‘ *)『ひ、一人暮らしなんて大変ですっぽ、現にほら、部屋が!』
そう言うとちんぽっぽは辺りを見回してもう一度ほら、と言う。
部屋は足の踏み場もあるんだかないんだか、色んな物が散乱していてお世辞にも綺麗とは言えない。
(;<●><●>)『た……確かにそうですが……』
(*‘ω‘ *)『ならお任せ下さいっぽ! このちんぽっぽが一生懸命掃除しますっぽ! あとほらなんか、家事とかも!』
(;<●><●>)『は、はい……』
140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 11:51:00.02 ID:MmiTHfycO
(*‘ω‘ *)『だ、だから……』
ばたり。
(;<●><●>)『……え?』
ちんぽっぽは急に、炬燵に身体を半分入れたまま意識を失った。
というか、寝た。
(;<●><●>)(追い出す訳にはいきませんし……家に上げましたし……)
(;<―><―>)
143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 11:54:16.30 ID:MmiTHfycO
( <●><●>)
そして、今に至る。
恐らくあれから起きる事は無かったであろう彼女は、ぐっすりと幸せそうに眠っていた。
( <●><●>)(おっと時間ですね)
土曜日の午前、ワカッテマスはコートにマフラー、手袋を身に付けて、家から出て行った。
所謂バイトの時間である。
(*‐ω‐*)zzz
(*‐ω‘ *)「ぽっ?」
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 11:57:08.01 ID:MmiTHfycO
(;*‘ω‘ *)「あ、あれっ?」
ちんぽっぽが目を覚ましたのは午後、お昼時で。
ワカッテマスが家から出て行った何時間も後だった。
(;*‘ω‘ *)「うぅ……昨日はどうしたんだっぽ……?」
ちんぽっぽは昨日自分がどの様な経緯でここまでに至ったのかを思い出そうとする。
(;*‘ω‘ *)「そういえば寝ちゃったんだっぽ…………」
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 12:00:36.46 ID:MmiTHfycO
(;*‘ω‘ *)(ってもうそれで一日経ってるんだっぽ、時間が無駄に……)
(;*‐ω‐*)「うぅむ……」
残り六日間、果たしてちゃんと恩返しが出来るのだろうか。
そして、ワカッテマスは自分の事を、思い出してくれるのだろうか。
彼女の中では、その二つの不安が尻尾の様に揺れていた。
(*‘ω‘ *)(公園でも行くっぽ)
気分転換、とちんぽっぽも家から出て行った。
149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 12:03:29.15 ID:MmiTHfycO
(*‘ω‘ *)(人が少なくて良かったっぽ)
耳を隠して尻尾隠せず。
しかし幸いにも公園には人が少なかったので何とかなりそうだ。
『お姉ちゃん、誰?』
『見掛けない顔だゴルァ!』
『尻尾がある人間なんて初めて見たよ』
『猫人間モナー』
(;*‘ω‘ *)「!?」
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 12:06:42.80 ID:MmiTHfycO
何処からか声が聞こえる。
それが人間の声では無いとちんぽっぽは無意識の内に感じ取っていた。
(*‘ω‘ *)「っぽ?」
(*゚ー゚),,゚Д゚)・∀・)´∀`)
(;*‘ω‘ *)「にゃっ!?」
それはベンチの後ろにいる四匹の猫のものだった。
猫達はじっとちんぽっぽを見ている。
152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 12:09:33.06 ID:MmiTHfycO
( ・∀・)『あ、やっぱり人間じゃないぞ!』
(,,゚Д゚)『怪しい奴だぜ』
( ´∀`)『おねーちゃん何者モナー?』
(*゚ー゚)『まあまあ皆そう言わずにさ』
(*‘ω‘ *)(猫が喋ってる……?)
ちんぽっぽは一度そう思った、しかしそれにしては何処か不自然な声で。
⌒*リ´・-・リ「あ、猫……」
*(‘‘)*「猫さんだー!」
153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 12:12:14.93 ID:MmiTHfycO
⌒*リ´・-・リ「可愛いねー」
(;,,゚Д゚)『あ、ちょ、撫でるな! 撫でるな!』
*(‘‘)*「何処で飼ってるのかなー?」
( ´∀`)『モナ達は野良猫モナ』
(*‘ω‘ *)「?」
ちんぽっぽには猫の言ってる事が分かり、この二人には分からない。
ふと、頭についた自分の耳を触る。
(*‘ω‘ *)(もしかして私が猫だからなのかっぽ?)
154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 12:15:04.28 ID:MmiTHfycO
(*゚ー゚)『そうみたいだね、おねーちゃんは何て名前?』
(*‘ω‘ *)「ち、ちんぽっぽですっぽ」
横で撫でられている二匹を気にする様子も無く、一匹がちんぽっぽに話し掛ける。
( ・∀・)『へー、僕はモララー、であっちの語尾が変なのはモナー』
(*゚ー゚)『私はしぃ、であっちの撫でられて困ってるのはギコ、よろしくね』
(*‘ω‘ *)「ど、どうもっぽ…………」
157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 12:19:25.87 ID:MmiTHfycO
(;,,-Д-)『死ぬかと……思った……』
( ・∀・)『撫でられたくらいで猫は死なないよ、ギコ』
( ´∀`)『全くだモナー、もうちょっとは喜べモナ』
(*゚ー゚)『ギコったら怖がりね』
(;*‘ω‘ *)「…………」
やがて撫でられていた二匹も戻ってきて、四匹全員が揃った。
( ・∀・)『それじゃあ詳しく話を聞かせてもらおうか』
159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 12:22:34.47 ID:MmiTHfycO
(;*‘ω‘ *)「詳しくって言われても…………うーん……」
(*゚ー゚)『何か事情があるのかな?』
しぃの言う通りである。
神様との約束で本当の事をべらべらと喋る事は出来ないのだ。
しかし四匹にはちんぽっぽが猫である事はバレていて、下手に誤魔化したりは出来ない。
(*‘ω‘ *)「詳しくは話せないっぽ……ただ恩返ししなきゃいけないんだっぽ……」
( ´∀`)『恩返しモナ?』
(,,゚Д゚)『猫の恩返しだゴルァ』
160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 12:26:54.79 ID:MmiTHfycO
(*‘ω‘ *)「色々、事情があって……どうしてもしたいんだっぽ、でも……」
( ・∀・)『ほうほう、話せる限り僕らに話してもらおうじゃないか』
(;*‘ω‘ *)「とりあえず恩返ししようとしてるんだっぽ、でもなかなか上手くいかなくて……」
ちんぽっぽはそこで言葉に詰まり、黙り込む。
(*゚ー゚)『上手くやろうとしないで、とにかく相手の為になれる様な事を一つ一つしていけば良いんじゃないかな?』
そこでしぃが一言、ちんぽっぽに言った。
(,,゚Д゚)『おう、しぃの言う通りだゴルァ!』
( ´∀`)『ギコはただ真似しただけモナー』
163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 12:31:50.14 ID:MmiTHfycO
(*‘ω‘ *)「……そうしたら、ちゃんと恩返しに……」
( ・∀・)『なれるさ、きっと』
(*゚ー゚)『そうそう、自信を持って頑張って!』
しぃや、他の三匹も同じ様に大丈夫、と声を掛ける。
ちんぽっぽは今まで悩んでいた事も馬鹿らしく思えて、ベンチから立ち上がった。
(*‘ω‘ *)「あ、ありがとうっぽ、早速やってみるっぽ!」
( ・∀・)『お、頑張ってね』
(*゚ー゚)『ちゃんと恩返し出来ると良いね』
(,,゚Д゚)『また来いよ!』
( ´∀`)『ばいばいモナー』
167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 13:00:25.14 ID:MmiTHfycO
(*‘ω‘ *)「まずは掃除するっぽ!」
彼女は家に帰って早速、掃除を始めた。
しかし何にせよ初めての掃除なのでそれはもう目茶苦茶なものだったのは言うまでも無い。
というよりも部屋が部屋なのだ。
(;*‘ω‘ *)「うわっ、埃だらけっぽ!」
(;*‘ω‘ *)「虫が! 何かが! にゃぁああぁぁ!!」
(;*‘ω‘ *)「こ、これも捨てるっぽ……」
* * *
(*‘ω‘ *)「…………終わったっぽ」
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 13:04:34.34 ID:MmiTHfycO
とりあえず部屋は綺麗になっていた。
床に散乱していた物はほとんどが捨てられて、他にもキッチン等は溜まっていた皿が洗われている。
多少というよりもかなり無茶苦茶なのは突っ込んだら負けである。
(*ぅω‘ *)「動き回ったせいで疲れたっぽ……」
(*ぅω‘ *)「ちょっとだけ寝るっぽ…………」
・
・
・
170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 13:07:32.12 ID:MmiTHfycO
・
・
・
がちゃり、ばたん。
( <●><●>)「ただい……」
( <〇><〇>)
その後、ワカッテマスが綺麗になった部屋を見て、色んな意味で驚いたのは言うまでも無い。
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 13:40:14.40 ID:MmiTHfycO
(*ぅω‐*)「んー……」
(*ぅω‐*)
(;*‘ω‘ *)「あぁぁまた寝過ごしちゃったっぽ! 時間!」
ちんぽっぽが目を覚ましたのはまたしても炬燵の中だった。
窓から差す日の光をこれ程に憎らしいと思った事があるだろうか、とちんぽっぽは心の中で悪態をついた。
( <●><●>)「あ、起きましたか」
(;*‘ω‘ *)「ご、ごめんなさいっぽ……」
181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 13:43:01.65 ID:MmiTHfycO
( <●><●>)「いえいえ、気にしなくても良いのですよ」
(*‘ω‘ *)「でもそれじゃあ悪いですっぽ……」
( <●><●>)「それに部屋の掃除をして下さって、とても助かってます」
(*‘ω‘ *)+「ほ、本当ですかっぽ!?」
( <●><●>)「なんかいろいろなくなりましたけど…………」
ワカッテマスがそう小さく呟いたが、今のちんぽっぽにそれは届かない。
185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 13:46:17.31 ID:MmiTHfycO
(*‘ω‘ *)「ほ、他に何か出来る事ってありますかっぽ?」
( <●><●>)「他に、と言われましても」
(*‘ω‘ *)「例えば料理とか、洗濯とか……あと掃除機使ったり……」
実際にやってみた。
(*‘ω‘ *)「料理は火が、洗濯と掃除は音が怖くて無理でしたっぽ」
( <●><●>)「マジですか」
(;*‘ω‘ *)「一応猫なんですっぽ……」
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 13:50:44.80 ID:MmiTHfycO
猫、と言われてワカッテマスはふと気付く。
今まで馴染み過ぎていたせいか、あまり意識していなかったのだ。
ちんぽっぽはドジっ子な神様のせいで中途半端な人間になってしまった訳で。
( <●><●>)「……これ本物ですか?」
(*‘ω‘ *)「くすぐったいですっぽ……」
(;<●><●>)(なんというもふもふ、これは間違いなく本物……)
突然始まった同居人との生活はとても変わっているなあとワカッテマスはしみじみ思うのであった。
189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 13:54:07.52 ID:MmiTHfycO
( <●><●>)「何故こんな事に……」
(*‘ω‘ *)「え゙……っとそれはですねっぽ……」
(;<●><●>)「…………」
(;*‘ω‘ *)「実は私、に、二次元からやって来たんだっぽ……」
嘘が下手なのは今更な事だ。
(;<●><●>)「とりあえず深くは聞かない事にします」
(;*‘ω‘ *)「た、助かりますっぽ……」
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 13:57:54.64 ID:MmiTHfycO
(*‘ω‘ *)「あ、今日は暇なんですかっぽ?」
( <●><●>)「ええまあ、日曜日なので」
(*‘ω‘ *)「じゃあ……何か予定とかありますかっぽ?」
( <●><●>)「特に……無いですね」
(*‘ω‘ *)「な、なら公園行きましょうっぽ、公園!」
( <●><●>)「公園、ですか? 良いですけど……」
(*‘ω‘ *)(よし)
192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:03:01.44 ID:MmiTHfycO
* * *
(*‘ω‘ *)「うーんちょっと寒いっぽ」
( <●><●>)「風が強いですからね」
からからと落ち葉が風に乗って舞い上がる。
ちんぽっぽが辺りを見回しても昨日出会った猫達はいなかった。
少し残念である。
(*‘ω‘ *)(確かここらへんっぽ)
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:06:19.36 ID:MmiTHfycO
ちんぽっぽは何処からともなく段ボールを座っているベンチの近くに置いた。
そしてその中で体育座り。
( <●><●>)「…………あの」
(*‘ω‘ *)「はい?」
( <●><●>)「つかぬ事をお聞きしますが……それは一体?」
(*‘ω‘ *)「……見て分かりませんかっぽ?」
(;<●><●>)「分かる方が凄いと思いますが……」
196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:09:24.01 ID:MmiTHfycO
ちんぽっぽの考えている事はこうだ。
あの日と同じ様に姿形は違えど、段ボールの中にいれば、ワカッテマスも何かしら思い出してくれるだろう、という馬鹿馬鹿しい作戦である。
(*‘ω‘ *)(…………)
( <●><●>)「……もしかして」
(*‘ω‘ *)+「はい?」
( <●><●>)「段ボールの中が好きだとか、そういう……」
(*‘ω‘ *)
作戦は大失敗に終わった。
200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:12:03.15 ID:MmiTHfycO
(*‘ω‘ *)「…………」
( <●><●>)「…………あの、ちんぽっぽさん?」
(*‘ω‘ *)「?」
(;<●><●>)「怒ってますか?」
(*‘ω‘ *)「そんな訳無いですっぽ」
(;<●><●>)「なら、何で無言でこっちを……」
(*‘ω‘ *)「…………」
203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:15:35.21 ID:MmiTHfycO
ちんぽっぽは先程と同じ姿勢のまま、横でベンチに座るワカッテマスをじっと見つめていた。
無言で、無表情に。
怒っているのかと誤解されても無理は無いだろうに。
(*‘ω‘ *)「……怒ってませんっぽ」
(;<●><●>)「…………」
(*‘ω‘ *)「怒ってなんかいませんっぽ」
(;<●><●>)「な、何故二回も……」
(;*‘ω‘ *)「だ、大事な事だから二回言いましたっぽ」
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:19:01.45 ID:MmiTHfycO
と、その時。
( <●><●>)「あ、あれは……」
(*‘ω‘ *)「?」
( <●><●>)「誰か居ますね」
(*‘ω‘ *)「え? あ、本当だっぽ……」
( <●><●>)「こちらからではよく見えませんね……ちょっと行ってみましょうか」
(*‘ω‘ *)「そうしますっぽ」
210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:22:56.79 ID:MmiTHfycO
川 ゚ -゚)「……ん?」
( <●><●>)「あ、クーさんでしたか」
川 ゚ -゚)「なんだ、ワカッテマスじゃないか」
( <●><●>)「どうも、珍しいですね、こんな所に……」
そこにいたのは素直クールことクーだった。
ワカッテマスとは知り合いで、何でも素直に言う事で多少変わった人として周りから認識されていた。
川 ゚ -゚)「ところでそちらの女の子は誰かな?」
217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:27:24.59 ID:MmiTHfycO
クーはワカッテマスを、正確にはワカッテマスの後ろを指差した。
ワカッテマスが振り返ると、そこにはワカッテマスにしがみついて警戒心丸出しでクーを睨むちんぽっぽが。
( <●><●>)「大丈夫ですよ、クーさんは悪い人じゃありません」
_,
(#*‘ω‘ *)
(#*‘ω‘ *)
(*‘ω‘ *)「……」
川 ゚ -゚)「難しい子だな」
221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:30:43.59 ID:MmiTHfycO
ちんぽっぽはいつもよりフードを深く被ると、ワカッテマスの後ろからもっと顔を出した。
川 ゚ -゚)「私はクーだ、よろしくな」
(*‘ω‘ *)「……よろしくお願いします、っぽ」
クーから差し延べられた手を、ちんぽっぽも握り返す。
川 ゚ー゚)「なんだ、可愛いじゃないか、フードなんて勿体ないな」
(*‘ω‘ *)「そ、そんな事無いですっぽ」
223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:34:16.65 ID:MmiTHfycO
クーは一瞬だけ笑うと、すぐにいつもどおりの表情に戻った。
川 ゚ -゚)「しかしあれだな、ワカッテマスにいつの間にこんな可愛い女の子がな……時代とは変わるものだ」
( <●><●>)「何だか凄く嫌味を言われてる気がします……が、生憎ちんぽっぽさんとは別にそういう仲じゃありません」
川 ゚ -゚)「え? 違うのか?」
( <●><●>)「違います」
(*‘ω‘ *)「…………」
226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:37:33.97 ID:MmiTHfycO
ちんぽっぽは何故か、それを寂しく感じた。
当たり前の事だし間違ってもいないというのに。
川 ゚ -゚)「なんだ、つまらないな」
( <●><●>)「貴女を楽しませたくないのでそれで良いです」
川 ゚ -゚)「ちっ……じゃあ私は行くよ、またな」
( <●><●>)「えぇでは、さようなら」
(*‘ω‘ *)「さようならっぽ」
229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:41:03.79 ID:MmiTHfycO
( <●><●>)「はあ、ちんぽっぽさん、クーさんはあれでも良い人ですから」
(;*‘ω‘ *)「そ、そうですかっぽ」
(;<●><●>)「まあ初対面の人からすれば信じがたいとは思いますが……何とか仲良くやって下さると嬉しいです」
(*‘ω‘ *)「ワカッテマスさんはクーさんと友達なんですかっぽ?」
( <●><●>)「幼馴染みとやらです、年齢はあちらの方が二つ程上ですが」
(*‘ω‘ *)「なるほど…………」
( <●><●>)「最近は、元気が無いんですよね」
231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:44:26.50 ID:MmiTHfycO
(*‘ω‘ *)「あれで、元気が無い……?」
( <●><●>)「元々感情が表に出ないタイプなので何とも言えませんが……最近は確か親戚のお爺さんの調子が悪いとかで」
(*‘ω‘ *)「……」
ちんぽっぽは、直接関係していない筈なのに、それに何処かとても不安な何かを感じた。
(*‘ω‘ *)(そういえば杉浦さん……、何も言わないで行っちゃったけど、大丈夫っぽ……?)
232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:47:09.97 ID:MmiTHfycO
( <●><●>)「さて、そろそろ帰りましょうか」
(*‘ω‘ *)「そうしましょうっぽ、今日はわざわざ……」
(;*‘ω‘ *)「に゙ゃっ!」
お礼を言おうとしたまさにその瞬間、ちんぽっぽの額に冷たい冷たい雨粒がぽつり。
( <●><●>)「あ、雨が降って来ましたね……急ぎましょう」
(*‘ω‘ *)「は、はいですっぽ」
234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 14:50:33.45 ID:MmiTHfycO
(*‘ω‘ *)(何でだろっぽ……)
降り出した雨の中を二人で走りながらちんぽっぽは思う。
(*‘ω‘ *)(ずっとこんな生活が続けば良いのにって思ってるっぽ……)
けれどそれは叶わない、だからこそ彼女は強く思ったのかもしれない。
答えは雨に溶け込んでいく。
きっと雨が止む頃にはもう、見付からなくなってしまう。
(*‘ω‘ *)(今は、それでも良いっぽ)
雨は止まない。
(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようですその3に続く