(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようですその4
(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようですその3の続き
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 05:00:23.88 ID:oWhQ8Bi/O
(*‘ω‘ *)
彼女は朝早くから家を出て歩いていた。
行き先は全く決めていないしこの先に何があるのかも知らない。
(*‘ω‘ *)(寒いけど仕方無いっぽ)
自分から出る白い息を見つめながら、また大きく溜め息を吐いた。
何でこんな事をしてるんだろう、と。
403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 05:04:11.71 ID:oWhQ8Bi/O
考えてみれば、こんな事をして一体何になると言うのか、無駄なだけじゃないか。
しかしちんぽっぽは、そうせずには居られなかったのである。
(*‘ω‘ *)(恩返しなんて言っておきながら)
(*‘ω‘ *)(まだ何にも、満足に出来て無いんだっぽ……)
既に今日で五日目、時間は無いと分かっていながらも、ちんぽっぽはこんな行動に出た訳であって。
(*ぅω‘ *)
404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 05:09:31.15 ID:oWhQ8Bi/O
(*ぅω‘ *)(そもそも、私は……恩返しだけの目的じゃなかったんだっぽ、きっと)
(*ぅω‘ *)(……私は)
普通なら、例えどんな恩でもそれを十年以上も忘れずに、死ぬまでの一週間だけでもこんな目茶苦茶な形で恩返ししようなんて思わない。
もっともっと、そこには違う感情があるからなんだ、とちんぽっぽはやっと気付いたのだ。
(*ぅω‘。*)「う、ぅ……」
(*ぅω‘。*)(こんなの、今更過ぎるっぽ……)
406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 05:12:38.06 ID:oWhQ8Bi/O
彼女は泣きながら道を歩く。
その先に一人の老人がいる事に気付かず、泣き続ける。
そしてどん、とぶつかった。
( ФωФ)「お、おぉ、これは失礼した」
老人は目が悪いのか、衝突してから目の前に人がいた事を知って、慌てて謝った。
しかし、返事は来ない。
(*ぅω;*)「う、うぁ、ああぁ……」
(;ФωФ)「ん?」
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 05:17:28.51 ID:oWhQ8Bi/O
(*ぅω;*)「好きなんだっぽ……っく……ワカッテマス、が……」
(;ФωФ)「え!? だ、大丈夫か?」
返事が来る代わりに、泣く声が聞こえて、老人はあたふた。
彼女はと言うと収まらない涙がどうしてこうも暖かいのか、と。
(*ぅω;*)「ご、ごめ……ん、なさい……っぽ……」
(;ФωФ)「い、いや謝る事じゃ無いさ……とりあえず泣きやめ泣きやめ」
408 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 05:21:42.76 ID:oWhQ8Bi/O
(*ぅω;*)
(*ぅω⊂*)ゴシゴシ
(*‘ω‘ *)「……あれ?」
ちんぽっぽは視界がはっきりして、改めて老人を見た。
それは自分のよく知る杉浦で、あの日から急に離れて行って、自分でもどうしてるのか心配した老人だった。
( ФωФ)「泣きやんだなら結構結構、家へ来なさい、大した物は出せないが」
(*‘ω‘ *)「は、いっぽ……」
410 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 05:26:30.64 ID:oWhQ8Bi/O
途端、ちんぽっぽは不安になった。
杉浦が、自分の事をどう思っているのかと、それを考えると、彼女はとても不安になった。
(*‘ω‘ *)「お、お邪魔しますっぽ」
( ФωФ)「ほら、上がりなさい」
(*‘ω‘ *)(…………)
( ФωФ)「それにしても、君はこの辺りじゃ見掛けない顔だ、名前は?」
(*‘ω‘ *)「……ちんぽっぽ、ですっぽ」
413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 05:30:42.49 ID:oWhQ8Bi/O
早速緑茶の準備を始めていた杉浦が、一瞬ぴくりと反応した。
彼女にはそれに対する良い嘘も何も思い付かなかったので、正直に名前を言ったのだ。
そりゃあ、何かしらの反応はあるだろうと覚悟していた……けれど。
( ФωФ)「……そうか、それで、一体何故こんな朝早くから、しかも泣きながら歩いていたんだ?」
杉浦はほんの少し反応を示しただけで、猫のちんぽっぽについては何も言わなかった。
(*‘ω‘ *)「それは、話せば色々と長くなりますっぽ……」
414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 05:34:25.23 ID:oWhQ8Bi/O
( ФωФ)「ほう、話してみなさい」
(*‘ω‘ *)「私は……その、恩返しをしたいんですっぽ」
( ФωФ)「恩返しとは、また何で」
(*‘ω‘ *)「詳しくは、話せないんですっぽ、でも、命を救われたんですっぽ、その人には」
( ФωФ)「なるほど……」
(*‘ω‘ *)「それで、今、恩返ししようって毎日頑張ってるんですっぽ……なのに」
415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 05:37:41.96 ID:oWhQ8Bi/O
(*‘ω‘ *)「上手く、いかないんですっぽ、いつもいつも」
( ФωФ)「ふむ……」
(*‘ω‘ *)「それに、気付いたんですっぽ」
( ФωФ)「気付いた?」
(*‘ω‘ *)「私はただ恩返しがしたいってだけじゃ無かったんですっぽ」
(*‘ω‘ *)「……きっと、その人の事が好きだから、役に立ちたかったんですっぽ…………」
( ФωФ)「難しいな」
(*‘ω‘ *)「難しいですっぽ」
418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 06:00:22.39 ID:oWhQ8Bi/O
(*‘ω‘ *)「それに、それに、私はその為にとても大切な人を捨ててしまったんですっぽ……」
( ФωФ)「それは、仕方の無い事だったのか?」
彼女は少し考えて、こくりと頷いた。
( ФωФ)「なら、君が全部悪いなんて思わなくて良いさ」
( ФωФ)「むしろその大切な人からすれば、その恩返しが出来ないまま戻って来られる方が辛いだろう」
(*‘ω‘ *)「そう、ですかっぽ」
( ФωФ)「あくまで私からすればだがな」
419 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 06:05:06.80 ID:oWhQ8Bi/O
( ФωФ)っ旦「まあ、まずはお茶でも飲みなさい」
(*‘ω‘ *)っ旦~「あ、ありがとうございますっぽ」
ちんぽっぽは杉浦から緑茶を受け取ると、ちまちまそれを飲み始めた。
猫舌なのであまり一気には飲めない訳だ。
( ФωФ)「何にせよ、私は君がちゃんと恩返し出来る事を祈ってるよ」
(*‘ω‘ *)「ど、どうもっぽ……」
420 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 06:09:09.57 ID:oWhQ8Bi/O
从'ー'从
从 ゚∀从
从'ー'从「ハインちゃんどうしたの〜?」
从#゚∀从「ちょっと渡辺お前何した」
从'ー'从「何もしてないよ〜?」
从#゚∀从「嘘吐け! だったらこいつはなんだこいつは!」
从'ー'从「あ、ちんぽっぽちゃんだ〜、上手くやってると良いな〜」
从#゚∀从「わ、た、な、べ!」
从;'ー'从「な、何かなハインちゃん……」
421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 06:14:00.78 ID:oWhQ8Bi/O
从#゚∀从「神様だからってこんな事していいと!?」
从;'ー'从「じゃ、若干思ってます……」
从#゚∀从「ンだとコラァっ!!」
从;'ー'从「そ、そんなに怖い風に言わないでよぉ〜……」
从 ゚∀从「よし、決めた」
从'ー'从「へっ?」
从 ゚∀从「オレちょっくらちんぽっぽをどうにかしてくる」
从;'ー'从「えっ? ちょっと待って! ハインちゃーん!」
422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 06:18:14.70 ID:oWhQ8Bi/O
( <●><●>)
朝起きた時、既に彼女は何処にもいなかった。
長い長い夢でも見ていたのだろうか、と自分で自分を疑ってしまう。
ただ、これによって予想していなかった事が一つ。
( <●><●>)(何故、こんなにも寂しいのでしょうか)
423 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 06:22:35.64 ID:oWhQ8Bi/O
ワカッテマスが彼女と過ごしたのは、たったの四日間で。
しかもワカッテマスからしたら彼女は正体不明の存在。
だが、それにも拘らずワカッテマスはそんな彼女が居なくなって寂しい、と思っていた。
( <●><●>)(今日は、火曜日……ですか)
( <●><●>)(風邪も治りましたし、学校行かなきゃマズいですね)
( <●><●>)「……行って来ます」
返事は無かった。
昨日ならあった返事は、無かった。
424 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 06:26:53.65 ID:oWhQ8Bi/O
( ФωФ)「……それにしても、君を見ていると猫を思い出すよ」
(*‘ω‘ *)「……猫ですかっぽ」
( ФωФ)「ああ、変な鳴き声の猫だ」
(*‘ω‘ *)「……」
( ФωФ)「最近、急にいなくなってしまってな……愛想を尽かされたのかもしれん」
(;*‘ω‘ *)「そ、そんな事はありませんっぽ!」
( ФωФ)「え?」
425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 06:33:10.34 ID:oWhQ8Bi/O
(;*‘ω‘ *)「う……そ、そんな事無いですっぽ、絶対、きっと十年以上も一緒なんですから…………」
( ФωФ)「いや別に変に疑っている訳じゃ……それと君は何で十年以上も私と猫が一緒だと知って……」
(;*‘ω‘ *)「わ、忘れて下さいっぽ……」
(;ФωФ)「……」
(;*‘ω‘ *)「で、でもきっと、愛想を尽かしたとか、そういうのじゃ無いはずですっぽ」
( ФωФ)「……ああ、ありがとう」
426 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 06:37:08.42 ID:oWhQ8Bi/O
(*‘ω‘ *)(でも、杉浦さんに会えて良かったっぽ)
(*‘ω‘ *)(ちょっとだけ、安心したっぽ)
( ФωФ)「……そういえば、私の親戚にも、君くらいの歳の子がいたな」
(*‘ω‘ *)「……親戚?」
ちんぽっぽは、親戚という言葉に反応した。
ついこの前、ワカッテマスから聞いたクーの話の中に、それはあった。
427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 06:41:42.87 ID:oWhQ8Bi/O
(*‘ω‘ *)(確かクーさんの親戚のお爺さんが体調を崩しているとかどうとかで……)
(;*‘ω‘ *)(……まさか)
( ФωФ)「どうかしたか?」
(;*‘ω‘ *)「そ、その親戚ってもしやクーさんでは……」
( ФωФ)「なんだ、君もクーを知っているのか」
(;*‘ω‘ *)(やっぱりかっぽ!)
(*‘ω‘ *)「い、一応知ってますっぽ」
429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 07:00:13.04 ID:oWhQ8Bi/O
( ФωФ)「そうかそうか……クーは変わってるだろう」
(;*‘ω‘ *)「いやそんな事は……」
( ФωФ)「いやいや、気は遣わなくて良いんだよ、それがクーでもあるからな」
(;*‘ω‘ *)「は、はいっぽ」
( ФωФ)「でも、それだからかあまり仲の良い人がいないらしくてな」
(*‘ω‘ *)「……」
( ФωФ)「よく、私の所へと来ていたものだ」
430 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 07:04:49.77 ID:oWhQ8Bi/O
( ФωФ)「だからまあ、時々で良いんだ、会ったら何かしら話してやってはくれないか」
(*‘ω‘ *)「は、はいですっぽ! クーさんにはお世話になってますっぽ」
( ФωФ)「ほう、そうなのか」
そこでようやくちんぽっぽは緑茶を飲み切って、立ち上がった。
(;*‘ω‘ *)「あ、朝っぱらからお邪魔しましたっぽ、そろそろ行きますっぽ」
( ФωФ)「おお、そうかいそうかい、ならこれでも持って行きなさい」
(*‘ω‘ *)「……蜜柑?」
432 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 07:09:17.66 ID:oWhQ8Bi/O
( ФωФ)「多少腹の足しになると思ってな」
(*‘ω‘ *)「な、何から何まで……ありがとうございますっぽ」
( ФωФ)「気にするな気にするな、じゃあまたな」
(*‘ω‘ *)「はい、また…………あ」
( ФωФ)「?」
(*‘ω‘ *)「今まで、ありがとうございましたっぽ!」
ちんぽっぽはそう言うと、杉浦家から走って出て行った。
( ФωФ)「……ふむ、やはりそうなのか」
433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 07:12:52.49 ID:oWhQ8Bi/O
(*‘ω‘ *)(これからどうしようっぽ…………とりあえず公園で蜜柑頂くっぽ)
|゚∀从))
(*‘ω‘ *)「ぽっ?」
|彡 サッ
(;*‘ω‘ *)「……?」
|゚∀从 ソー
(;*‘ω‘ *)(ば、バレバレっぽ……)
434 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 07:16:23.09 ID:oWhQ8Bi/O
(*‘ω‘ *)(声を掛けてみるべきかっぽ……)
道端で、電柱からちょくちょくこちらの様子を伺ってくる少女。
声を掛けようか掛けまいか、悩みどころである。
(*‘ω‘ *)「あ、あのー……」
結局、放っておくのもアレなので、声を掛けてみる。
すると。
| ミ 从 ゚∀从「よお」
436 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 07:20:42.34 ID:oWhQ8Bi/O
(*‘ω‘ *)「ど、どうもですっぽ」
从 ゚∀从「オレはハインリッヒ高岡だ、よろしくな」
(;*‘ω‘ *)「は、はあ」
そんな急に自己紹介されましても。
ハインリッヒ高岡と名乗った少女は、銀髪に少々乱暴な言葉遣いが印象的な少女である。
从 ゚∀从「とりあえず、戻れ」
(*‘ω‘ *)「は、はい?」
438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 07:25:00.20 ID:oWhQ8Bi/O
从 ゚∀从「いやだから戻れって」
(*‘ω‘ *)「戻る……?」
从 ゚∀从「元の姿にだよ」
(;*‘ω‘ *)「なっ……貴女誰ですかっぽ……」
从 ゚∀从「よーくぞ聞いてくれました!」
(;*‘ω‘ *)
从*゚∀从「アンタ何様閻魔様! ハインリッヒ高岡でーっす!」
(*‘ω‘ *)(テンション高いっぽ……)
440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 07:30:52.90 ID:oWhQ8Bi/O
(;*‘ω‘ *)「って閻魔様!?」
从 ゚∀从ノシ「そーそー、オレ渡辺の相方」
(;*‘ω‘ *)「そ、その相方さんが何かご用で…………」
从 ゚∀从「ん? あ、そうそう、ウチの渡辺が勝手な事したからねー君には悪いけど消えてもらうよ」
(;*‘ω‘ *)(消えてもらうって何処の中二バトルの台詞っぽ……)
(;*‘ω‘ *)「……え? 消える?」
从 ゚∀从b「ィェァ」
441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 07:34:56.91 ID:oWhQ8Bi/O
从 ゚∀从「まあそんな訳だから……」
と言うとハインは何処からともなくチェーンソーを取り出した。
なかなか様になるのは気のせいか否か。
从 ゚∀从「ごめーんねっ!」
(;*‘ω‘ *)「に゙ゃっ!?」
チェーンソー特有の音と共に、ハインはちんぽっぽに向かって突っ込んで行った。
464 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 11:33:28.41 ID:oWhQ8Bi/O
川 ゚ -゚)「こんな所で何をしてるんだ? ワカッテマス」
( <●><●>)「貴女がここにいるだろうと思って、やってきました」
川 ゚ -゚)「ふむ、何か用か」
( <●><●>)「ええ」
学校の昼休み、ちょうどハインとちんぽっぽが出会っている頃、ワカッテマスはワカッテマスで問題を抱えていた。
川 ゚ -゚)「大した物は無いぞ、図書室だからな」
466 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 11:36:24.45 ID:oWhQ8Bi/O
昼休みの図書室は、図書委員のクーと、クーに会いに来たワカッテマスしかいない。
( <●><●>)「最近、困ってるんです」
川 ゚ -゚)「kwsk」
( <●><●>)「何て言えば良いのでしょう、自分でも自分がよく分かりません」
川 ゚ -゚)「お前名前の割にそんな事言うなよ……」
( <●><●>)「良いじゃないですか……」
467 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 11:41:24.62 ID:oWhQ8Bi/O
( <●><●>)「気になる人が、いるんです」
川 ゚ -゚)「ふむ、女か」
( <●><●>)「そうですけど……最初はただ心配なだけだったのに、段々放っておけなくなって……」
川 ゚ -゚)「ほう、実に興味深い」
(;<●><●>)「からかわないで下さいよ……でも、その人とはまだ会ってから一週間も経ってないんです」
川 ゚ -゚)「だから?」
( <●><●>)「だから……まあ何だか自分がおかしくなったんじゃ……」
468 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 11:45:19.71 ID:oWhQ8Bi/O
クーには、言いたくても言ってやれなかった。
それはもう、その人の事が好きなんだ、と。
しかしクーはその反面、無自覚であろうと人を好きになったワカッテマスに、嬉しさが込み上げた。
川 ゚ -゚)「よし、お祝いだ」
(;<●><●>)「はっ?」
川 ゚ -゚)「だからお祝いだ、小岩井じゃないぞ」
(;<●><●>)「そ、そういう問題では……」
469 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 11:49:24.35 ID:oWhQ8Bi/O
川 ゚ -゚)「じゃあ今日お前ん家な」
(;<●><●>)「え、ちょっクーさん!?」
クーがそう言って帰ろうとした瞬間、予鈴が鳴った。
川 ゚ -゚)ノシ「んじゃまた」
(;<●><●>)「……」
ワカッテマスは一人取り残され悶々としていた。
471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 11:54:08.38 ID:oWhQ8Bi/O
从#゚∀从「ちんぽっぽちゃん待ってー!」
(;*‘ω‘ *)「いっいいいいやですっぽー!!」
ハインは猫撫で声でチェーンソーを振り回しちんぽっぽを追い掛けていた。
昼間なので人通りの少ない住宅地はハインにとってまさに絶好の場所。
从#゚∀从「ちょっと消すだけだからさー! 良いよねー!?」
(;*‘ω‘ *)「良くないですっぽ――!! しかもそれ消すっていうか殺す方面ですっぽ!!」
472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 11:57:41.18 ID:oWhQ8Bi/O
(;*‘ω‘ *)「そ、それに私は恩返ししなきゃいけないんですっぽ! まだ消える訳にはいかないんですっぽー!」
从#゚∀从「恩返しィ!?」
(;*‘ω‘ *)「そ、そうですっぽ! ワカッテマスさんがいなかったら死んでたんですっぽ!」
从#゚∀从「…………」
ちんぽっぽが振り返って止まる。
ハインもチェーンソーを持ちながらその場で止まった。
473 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 12:01:05.65 ID:oWhQ8Bi/O
(;*‘ω‘ *)「そ、それに今日やっと気付いたんですっぽ! 私はワカッテマスさんが好きなんだって!」
从 ゚∀从「……」
(;*‘ω‘ *)「だ、だけどワカッテマスさんは私の事覚えて無いし、あと三日四日くらいしか時間が無いんですっぽ…………」
从 ゚∀从
从 ;∀从 ブワッ
(;*‘ω‘ *)「!?」
从 ;∀从 イイハナシダナー
474 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 12:04:36.59 ID:oWhQ8Bi/O
(;*‘ω‘ *)「……え?」
从 ;∀从「感動したっつってんの! オレは感動した!」
何か急に泣き出した閻魔様。
案外涙脆い良い奴なのかもしれない。
ハインはチェーンソーをしまうと、ちんぽっぽの肩をがしっと掴んだ。
从 ;∀从「よし! 頑張れよ!」
(;*‘ω‘ *)「は、はいっぽ」
475 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 12:08:21.60 ID:oWhQ8Bi/O
从ぅ∀从 ゴシゴシ
从 ゚∀从b「じゃあ閻魔様はいつも何処かから見守っているぞ! さらば!」
(;*‘ω‘ *)「えっ!?」
じゃあ何で来たんだよ、と突っ込みそうになった時。
从 ゚∀从「と言いたいところだが腹が減った! ちょっと何か食わせて!」
(;*‘ω‘ *)「えー…………」
477 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 12:13:18.18 ID:oWhQ8Bi/O
(*‘ω‘ *)「……どうぞっぽ」
从 ゚∀从「おー、林檎だ!」
(;*‘ω‘ *)(これしか作れないとは言えないっぽ)
从 ゚∀从「いっただっきまーす!」
結局ちんぽっぽはハインを家に呼ぶはめになった。
しゃくしゃくと林檎を頬張るハインを見て閻魔様って自由だなと感じる。
478 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 12:18:17.39 ID:oWhQ8Bi/O
从 ゚∀从「はー食った食った、ありがとー」
(;*‘ω‘ *)(食べるの早いっぽ……)
从 -∀从「さて、閻魔様はさっさと去るとしようじゃないか」
時は既に三時、学校もそろそろ終わる頃である。
ワカッテマスもきっともうすぐ帰って来る。
(;*‘ω‘ *)(出て行こうって決めたのに結局これだっぽ…………)
从 ゚∀从「……お?」
483 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 12:27:27.71 ID:oWhQ8Bi/O
と、ハインが玄関のドアを開けるとそこには学校から帰ってきたワカッテマスとクーがいた。
( <●><●>)「……ど、どちら様で……」
川 ゚ -゚)「お祝いだお祝いだー……って誰だ」
从 ゚∀从「え、閻魔様かなー?」
从 ゚∀从(ん? この男の方がワカッテマスか?)
从∀゚ 从「ちんぽっぽー、こいつがお前のワカッテマスー?」
(;*‘ω‘ *)「ちょっ、ハインさん!」
485 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 12:32:57.30 ID:oWhQ8Bi/O
(;<●><●>)「は?」
川 ゚ー゚)(なるほどな)
从∀゚ 从「あ、その反応は当たりかー!」
从*゚∀从b「初めまして! 閻魔様ことハイン様です! よろしくな!」
(;<●><●>)「は、はあ……」
川 ゚ -゚)「ああ、よろしく」
从 ゚∀从「ではお邪魔虫は華麗に去って行くんだぜ! またな!」
486 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 12:37:24.64 ID:oWhQ8Bi/O
そう言うとハインは家から飛び出して行った。
(;<●><●>)「え、あの人何しに来てたんですか……」
川 ゚ -゚)「いやあ面白い人だったな」
(;*‘ω‘ *)「ちょ、ちょっとそこでばったり出会って昼飯をご馳走したんですっぽ……」
(;<●><●>)「閻魔様とばったりって……」
487 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 12:42:07.25 ID:oWhQ8Bi/O
川 ゚ -゚)「……さて、どうやらお祝いは今度になりそうだ、またな」
( <●><●>)「え? い、いや有り難いんですが……」
川 ゚ -゚)「有り難いとは失礼な……しかし私はそれでも帰る、急用ってやつだ」
(;<●><●>)(今日は厄日なんだか何なんだか……)
川 ゚ -゚)「じゃ、またな」
クーはこの後の二人に期待しながら、ハインと同じ様に去って行った。
( <●><●>)「で、結局残されたのは私達二人と……」
(;*‘ω‘ *)「…………」
490 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/24(月) 13:00:56.86 ID:oWhQ8Bi/O
(;*‘ω‘ *)「きゅ、急に出て行っちゃってごめんなさいっぽ……」
(;<●><●>)「い、いえ気にしてませんよ……無事で何よりですが」
(;*‘ω‘ *)
(;<●><●>)
玄関先の沈黙。
お互い何を話せば良いのやら、と必死で思考を巡らせる。
(*‘ω‘ *)「……ワカッテマスさんおかえりなさいっぽ」
( <●><●>)「ただいま、ちんぽっぽさん」
(*‘ω‘ *) 猫と恩返しのようですその5に続く
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