2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 18:43:16.59 ID:LYt2i0nh0
キョン「長門がどうかしたのか?」
朝倉「・・・キョンくん。ちょっと長門さんのマンションまでいいかしら?」
何か困ったような笑顔で朝倉が言う。困ってるのはこっちのほうだ。
キョン「正直、お前とは関わりたくないな。」
朝倉「そんな酷いこと言わずにきてよ。ね?」
どう考えても裏があるとしか思えんな。
というかこいつの存在自体が俺の中では裏の裏の裏。記憶の底に沈めたい人物ベスト1だ。
あ、いや・・・古泉がいたか。すまん、ベスト2だった。
朝倉「来てくれるかな?」
キョン「行ってもいいがその前にハルヒに一言言っておかないとな。」
言っておかねばまたなにか奢らされたりしたらたまらんからな。
おっと。勘違いするなよ。たまらんってのはあくまで拒否の意味合いでだな。俺はそこまで変態じゃあない。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 18:45:18.31 ID:LYt2i0nh0
朝倉「涼宮さんならいないわよ?」
キョン「へ?」
朝倉「さっき校門から出て行くのが見えたもの。」
あいつが何も言わずに団活を休むなんて珍しいな・・・
キョン「まぁいい。ハルヒがこないならどっちにしろ今日の団活も無いだろうしな。
長門のマンションに行こうか。何か話があるんだろ?」
まぁ長門のマンションに行くんだったら長門もそこにいるんだろう。
正直こいつの二人っきりで夕方の学校にいるほうが何倍も怖いね。
朝倉「意外とあっさり了解してくれるのね。」
キョン「どうせ行くって言うまで逃がしてはくれないんだろう?」
俺がいろいろと考えているうちに気づけば朝倉は扉の前に立って鍵を閉めていた。
まぁここがこいつの作った空間じゃないってことがわかっただけましだろう。
いや。危険なのにかわりはないだろうが・・・
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 18:47:55.80 ID:LYt2i0nh0
朝倉「そんなこと無いわよ。」
なにがそんなこと無いだ。白々しい。
朝倉「とにかく。来てくれるなら話は早いわ。さぁ行きましょ。」
朝倉が扉を開けながら言う。
キョン「あぁ。行くならさっさと行こう。」
面倒事に巻き込まれるのも慣れてきたもんだな。
今じゃあ逃げるよりさっさと片付けてしまったほうが楽な気がしてきた。
慣れってのはおそろしいもんだ。
ま。今回は長門も一緒なんだろうし大丈夫さ。ってのが正直なところでもある。
そんなことを考えながら朝倉の後ろを歩いていると気づけば長門の住むマンションの前についていた。
いつ見てもでかいマンションだ・・・一度でいいから住んでみたいもんだな。
ちなみにここに来るまでの間、朝倉との会話は無かった。
沈黙がやけに辛かったがそんなときは頭の中の朝日奈さんフォルダを開けば辛さもまぎれる。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 18:52:15.26 ID:LYt2i0nh0
朝倉「それじゃあ行きましょうか。」
やっと口を開いた朝倉に続いてエレベーターに乗り込む。
今考えると相当危ない状況じゃないか。こんな狭い空間にこいつと二人だと?
あぁ。やばい。変な想像が脳裏に広がる。決しいやましいほうじゃないぞ。
と。そんな心配も無駄に終わりエレベーターから降りた俺たちは長門の部屋の前まで来た。
朝倉がインターホンを押す。
トテトテトテ...
扉の向こうからやけに可愛らしい足音がしたと思ったら扉が開いた。
が、そこに長門の姿は無い。
朝倉「長門さんただいま。」
ん?朝倉の視線がやけに低い。つられて自分もその視線の先に目をやると。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 18:54:42.17 ID:LYt2i0nh0
キョン「な!ながとぉぉ!?!?」
そこには幼稚園児のごとく小さい長門の姿があった。
長門「おかえりなさい・・・」
キョン「お帰りなさいじゃないだろ!どうしたんだ長門!その姿は!」
朝倉「まぁまぁキョンくん、立ち話もアレだし中に入って話しましょう。」
そういって二人は中へと入っていった。
玄関の前に取り残された俺は頭をフル回転させながら何が起きたのかを必死に考える。
またハルヒか・・・?いや。もしかしたら情報統合なんたらに何かあったのかもしれない。
とにかくあの様子だと長門は自分に何が起きているのかは把握しているようだ。
こんなとこで一人で考えていてもらちが明かないと思った俺は取りあえず部屋に入った。
やはり面倒事には慣れることはできないようだ・・・
キョン「んで。それでこれがどういうことなのか説明はしてもらえるんだよな?」
三人でコタツに座る。正面に長門。右側に朝倉といった感じに座る。
目の前には朝倉の淹れた茶が置かれているが飲む気にはならなかった。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 18:58:07.18 ID:LYt2i0nh0
朝倉「まぁそのためにキョンくんを呼んだわけだしね。」
長門「説明は私がする。」
そういって長門が口を開いた。
いや。正確には口を開いたかどうかは見えない。コタツに隠れて鼻から上しか見えないからだ。
長門「先日、情報統合思念体に何らかのトラブルが発生した。涼宮ハルヒが関係しているかは不明。」
今回はハルヒは関係ないかもしれんってことか。
長門「情報統合思念体はそのトラブルを解決するために一時的に私という固体の情報を縮小した。」
長門「そのため一時的に私の視覚的情報が退行、このような状況になったと推測される。」
キョン「その、つまりなんだ。情報統合思念体とやらがトラブルを解決してる間は
手が回らないから一時的に長門を小さくしたってことでいいのか?」
長門「そう。」
キョン「こりゃまた面倒だな・・・」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:01:23.44 ID:LYt2i0nh0
長門もこの姿ではさすがに学校にこれないだろう。というか外を出歩くのも危ないかもしれん。
朝倉「それで、この姿じゃいろいろと不便だろうからってことで私がこのマンションに一緒に住んでるってわけ。」
キョン「そういうことか・・・ん?」
キョン「朝倉がいないと不便だってことは長門はその、情報操作ってやつも使えないのか?」
情報操作が使えるんだったら朝倉なんていなくてもどうにでもなるだろう
長門「使えないことは無い」
キョン「へ?そうなのか?だったら朝倉がいなくても・・・」
長門「ただし改変できる情報がかなり限られる」
キョン「・・・限られるって言うのはどの程度なんだ?」
長門「今の状態ではただの水を人肌程度に暖めるのが限界だと思われる」
そいつは確かに一人じゃ不便だな。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:05:36.02 ID:LYt2i0nh0
朝倉「それでキョンくんにお願いがあるんだけどさ。」
キョン「・・・お願い?」
いやな予感しかしないが一応聞こうじゃないか。
聞いたら断れないんだろうがな。
朝倉「しばらくは一緒にこのマンションで長門さんの面倒を見て欲しいの。」
キョン「はぁ!?」
こいつは急に何を言い出すんだ。
俺がお前と長門とこのマンションに住むだって?
そりゃあ確かにさっきはこんなマンションに住んでみたいとか思ったが。
キョン「そんなの無理に決まってるだろう。大体家族になんて言えっていうんだ。」
朝倉「それなら問題ないわ、わたしの情報操作で何とかするから。」
キョン「というか、お前がいるなら俺なんていなくてもいいだろう。俺には情報操作なんて芸当もできんぞ。」
これは正直な気持ちだ、俺なんていても邪魔になるとしか思えん。
と、俺と朝倉が話していると長門が口を開いた。いや、正確には口はみえn(ry
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:09:07.14 ID:LYt2i0nh0
長門「だめ・・・?」
キョン「だめかって聞かれてもだな・・・ん?」
キョン「一緒に住むってのは長門の意見なのか?」
俺はてっきり朝倉が何か変なことを考えて勝手に言っているものだと思っていた。
朝倉「正直な話をするとね。長門さんはいまのこの状態を保つのにも私の助けが必要な状態なの。」
キョン「なんだって?」
朝倉「だから私も常に力を消耗する状態になるわけ。だから全部の面倒も一緒に見るってなると大変なの。」
キョン「だから俺にも手伝えって言うわけか。」
朝倉「そういうことになるわね。まぁ無理にとは言わないけど・・・」
チラッと長門の顔(正確には鼻から上しk(ry))を見る。
なんとも言いがたい瞳でこちらを見ている。
やめてくれ、そんな澄んだ小さな瞳で見ないでくれ。頼む。許してくれ。俺の脳内朝比奈さんフォルダが浄化される。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:13:05.39 ID:LYt2i0nh0
キョン「・・・しょうがないな・・・わかった。協力しよう。」
長門「ほんとう?」
長門が若干嬉しそうな表情を見せる。
キョン「あぁ。長門には何かと助けてもらってきたしな。」
朝倉「あら。あたしは?」
軽くスルーする。
長門「たすかる。」
キョン「いや。協力するのはぜんぜんかまわないさ。だが・・・」
ここで一番気になると言っても過言ではないことを聞いてみる。
キョン「その・・・どのくらいで元に戻るんだ・・・?」
長門「不明」
朝倉「下手したら何ヶ月。何年とかかかっちゃうかもね。」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:16:44.42 ID:LYt2i0nh0
キョン「何ヶ月やら何年やら。これまたずいぶんとアバウトだな。」
朝倉「仕方が無いわよ。本当のことだもの。」
長門「できる限り早く戻るよう努力はする。」
キョン「そうか。がんばってくれ。」
まぁ長門は何も悪くは無いんだ。元に戻るまでは俺も手伝おうじゃないか。
朝倉「そうそう。キョンくんに言っておかないといけないことがあったの。」
キョン「ん?なんだ?」
朝倉「長門さんが戻るまでの間はご近所では私たち夫婦ってことになってるから。」
目の前が真っ暗になるのがわかった。
最後に見たくも無い朝倉の笑顔と共に俺の視界は黒く染まった。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:19:50.80 ID:LYt2i0nh0
キョン「・・・ん・・・」
長門「目が覚めた?」
キョン「あぁ。長門か・・・大丈夫だ。すまないな。」
長門「気にしなくて・・・いい・・・」
朝倉「あら。お目覚めかしら?あなた?」
キョン「ブフォア!!!」
思わず噴出してしまった。長門は横で驚いたのか目が少しだけ大きく開いた気がした。
キョン「なんだその"あなた"ってのは!」
朝倉「だから言ったじゃない。私たちは夫婦ってことになってるって。」
またその笑顔か。もうその笑顔は見飽きた。
キョン「だからってなにもそんな呼び方をしなくてもいいだろう!大体夫婦って、学校ではどうするんだ!」
朝倉「あら。大丈夫よ。夫婦って設定はあくまでご近所さんの中でだけだし私は一日家にいるからあなたは学校に行っても大丈夫よ。そこんとこはご近所さんが違和感を感じないように情報操作しておいたわ。」
キョン「しれっと恐ろしいことを言うな!あとあなたって言うな!」
朝倉「ふふふ♪」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:27:00.72 ID:LYt2i0nh0
ちくしょう。最悪の目覚めだ。大体なんだ。俺とお前が夫婦ってことは長門は俺らの子供か。
こんな可愛らしい子供を持った覚えは無いぞ!
長門「いや・・・?」
キョン「ゔ・・・・・・」
その瞳で見つめられると・・・・・・断れん・・・・・・
キョン「せめてあなたって呼び方だけはやめてくれ・・・」
朝倉「わかったわキョンくん。」
やれやれ・・・こいつと夫婦なんて・・・長門の頼みじゃなけりゃ絶対に断っただろうな・・・
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:31:53.45 ID:LYt2i0nh0
長門「・・・・・・」
キョン「ん?どうかしたか長門?俺らの顔を見比べて。」
長門「お父さん。お母さん。」
キョン「ッ!?」
長門「パパママ・・・?」
キョン「いや。長門。なにもそんな呼び方はしなくても・・・」
朝倉「パパママよッ!!!」
朝倉がものすごい目を輝かせながら長門に抱きついていた。
キョン「・・・やれやれ・・・・・・」
明日が休みでよかった。本当によかったと思う俺だった。
今日一日で頭の中がごちゃごちゃだからな。整理させるにはもってこいだ。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:35:59.78 ID:LYt2i0nh0
朝倉「ところでそろそろ晩御飯にしましょうか?」
キョン「そういえば飯まだだったな。」
長門「おなか・・・すいた・・・」
朝倉「それじゃあちょっと作ってくるわね」
キョン「ん?晩飯作りなら俺も手伝うぞ。」
朝倉「いいわよ。キョンくんは明日からお手伝いお願いするわ。今日はゆっくりしてね。」
そういって朝倉は台所へと向かった。
気のせいかもしれんが長門はいつもより少々感情が表に出やすいような気がする。
姿だけではなく精神も少々退行しているのだろうか。
少々試してみることにした。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:40:36.96 ID:LYt2i0nh0
キョン「長門ー。」
長門「なに?」
スカッ
振り返った長門のおでこにデコピンをする真似をしてみると、長門は少々驚いたような表情を見せて。
長門「おどろいた・・・」
やはり驚いたようだ。少々だが目に涙が浮かんでいる。
キョン「すまん。すまん。その姿でからかうとどうなるか見てみたくなってしまった。」
長門「・・・そう・・・」
やばい。少しいじけてしまったようだ。
やっぱり精神年齢も見た目相応とはいえないがいつもよりは確実に幼くなっているようだ。
と、そんなことをしていると台所のほうから朝倉の声が聞こえた。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:46:40.79 ID:LYt2i0nh0
朝倉「もうすぐ晩御飯できるわよー。」
やつが台所に行ってからまだ5分程度しか立っていないはずだが確かにいいにおいがしてきた。
これも情報操作ってやつなんだろうか。ってか力を無駄遣いするなッ!
長門「どうしたの・・・?」
キョン「い、いや。なんでもないさ。」
長門「そう・・・」
感情が出やすくなったとは言ってもやはりなかなか会話が続かないな。
朝倉「はい。できたわよ。お待ちどうさまー。」
朝倉がコタツの上に料理を運んできる。どれもなかなかうまそうだが毒なんて盛られてないだろうな。
疑心暗鬼になりながらにおいをかいで見る。うん。いいにおいだ。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:50:09.91 ID:9Os9j3Hl0
驚く長門もかわいい
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:50:59.47 ID:LYt2i0nh0
朝倉「なにしてるの・・・?」
キョン「い、いや、なんでもない。いいにおいだと思っただけさ。」
朝倉「あら。嬉しいこといってくれるんだね。」
長門「いいにおい・・・」
なんだ。これじゃあまるで本当の家族みたいじゃないか。
それになぜだろうか。あまりいやな気分ではないな。
朝倉「はい長門さん。ご飯どうぞ。」
長門「ありがとう」
キョン「・・・その体でも食べる量は変わらないんだな・・・」
小さな体の前におかれた大量のご飯の盛られた皿を見ながら
『本当にこの二人と家族だったら絶対に養っていけないだろうな。』
なんてことを考えてしまった。なにを考えているんだ俺は・・・
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:54:41.15 ID:LYt2i0nh0
長門「ご馳走様。」
キョン「ふ〜。食った食った・・・」
朝倉「お粗末さまでした。」
二人のペースにつられて少々食べ過ぎてしまった。
うっ。腹が苦しい・・・
朝倉「さてと。それじゃあそろそろお風呂に入りましょうか。」
長門「・・・お風呂。」
キョン「長門。なぜ俺の袖をつかむ。」
朝倉「あら。一緒に入りたいんじゃないの?」
キョン「いや。さすがにそれはまずいだろう。長門。朝倉と二人で入って来い。俺は後ではいるから。」
さすがに幼女化した同級生(宇宙人)と風呂に入る趣味は無いしそこまで落ちぶれてもいない。
長門「そう・・・」
少々残念そうな顔をしながら長門は風呂場の方へ行ったようだ。
朝倉も続いて風呂場の方へ行く。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 19:59:26.92 ID:LYt2i0nh0
キョン「さてと。俺はちょっくら休憩するか・・・」
朝倉の淹れた茶を飲みながら休憩する。ちなみに毒は入っていなかった。
風呂場のほうから朝倉の声が聞こえてくる。
キョン「あいつ・・・この状況を楽しんでないか・・・?」
さっきも長門のパパママ発言にやけに喜んでたしな。
なんだろうか。宇宙人にも母性本能ってのはあるものなのか。
朝倉「キャーーーッ!」
ドガシャ!ドカ!ガラガラッ!!!
風呂場から大きな音と朝倉の悲鳴が聞こえた!
なにかあったのか!?
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 20:02:37.31 ID:LYt2i0nh0
ガラガラ!!
キョン「おい!大丈夫かッ!」
風呂場の戸を開けて中の様子を見ると
朝倉「あいたたたたぁ・・・」
朝倉が盛大にすっ転んでいた。
キョン「ブフォアッ!」
思わぬ事態に噴出してしまう。
長門「・・・・・・・・・」
長門は湯船の中にいた。どうやら無事なようだが。
キョン「朝倉・・・その・・・大丈夫か〜?」
できる限り見ないように目を瞑って言う。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 20:07:17.63 ID:LYt2i0nh0
朝倉「ちょっと転んだだけ・・・だいじょうぶみたい・・・もう目開けてもいいよ。」
キョン「おぉ。わかった。」
目を開けるとそこには朝倉がこけたときに打ったのか左肘の辺りをさすりながら立っていた。裸で。
キョン「ちょ!おまえ!タオル巻け!見える!」
朝倉「見えるって何が?」
キョン「なにがってお前!裸じゃねぇか!」
朝倉「あら。そんなの気にしなくていいじゃない。私たち夫婦なんだから。」
キョン「いや。だからって!」
朝倉「長門さんこうなったらキョンくんも一緒にお風呂に入れちゃいましょうか。」
長門「一緒に入る・・・」
キョン「んな!」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 20:11:17.74 ID:LYt2i0nh0
朝倉「それ〜♪」
キョン「服が消えたッ!?」
朝倉「情報操作って便利でしょ〜♪」
キョン「扉が開かない!?」
長門「おとなしくするべき」
朝倉「ほら。長門さんもこう言ってるんだから。観念して一緒にお風呂に入りましょ。」
キョン「なんてこった・・・」
どうやら本当にあきらめるしかないらしい。
というか俺の制服は戻ってくるのだろうか・・・
朝倉「お背中洗いますよー。」
キョン「いちいち言わんでいい。早くしてくれ。」
今は一分一秒でも早くこの空間から出たい。というか長門の視線が!視線が!
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 20:33:55.63 ID:LYt2i0nh0
長門「・・・・・・」
朝倉「長門さんも一緒にパパの背中洗う?」
キョン「パパって言うな!」
長門「・・・・・・・・・洗う。」
そういうと長門が湯船を出てこっちへ来る。
よかった。長門はタオルを巻いていてくれた。
朝倉「はい。スポンジ。」
長門「・・・・・・・・・」
ゴジゴシと長門が俺の背中をスポンジで洗っている。
入れ替わりに朝倉が湯船に浸かってにやにやしながらこっちを見ている。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 20:38:57.43 ID:LYt2i0nh0
キョン「うぅ・・・・・・」
長門「・・・・・・ゴシゴシ・・・・・・」
朝倉「こうやって見てると本当の親子みたいね〜。」
キョン「言うな・・・」
長門「・・・いや・・・?」
キョン「い、いや!別にいやじゃあないぞ!」
長門「そう・・・」
朝倉「ふふふ♪」
二人して嬉しそうな顔をしている。
いや。性格には長門の表情は後ろにいるから見えないがな。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 20:43:28.62 ID:LYt2i0nh0
ザバー
朝倉「さぁ体も洗ったことだし。皆で湯船に浸かりましょう。」
長門「・・・・・・一緒」
キョン「ってかいくら広い湯船だからって三人はきついだろう。」
さすがに一緒に湯船に浸かるのは恥ずかしい。
キョン「俺は体も洗ったしもういいから。二人で浸かってろ。」
朝倉「あらキョンくん。ちゃんと湯船に肩まで浸かって100秒数えないとだめよ。」
長門「100まで数える」
キョン「いや、だがな。」
朝倉「いいから入った入った〜!」
キョン「のわ!引っ張るな!」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 20:50:43.49 ID:LYt2i0nh0
ザバーン!
頭から湯船に突っ込んだ。鼻に水が入っていたい。
キョン「わかった!わかったから!だから頭を抑えるな!おぼれる!」
朝倉「わかればいいのよ。ほら、長門さんもいらっしゃい。」
長門は朝倉に後ろから抱かれる格好で湯船に浸かる。
いくら相手は宇宙人だといっても見た目は人間だ。目のやり場に困る・・・
朝倉「夫婦なんだし見てもいいのよ?」
キョン「言うな!笑うな!さっさと100数えてあがるぞ!」
長門「1・・・2・・・3・・・4・・・5・・・6・・・7・・・・・・・・・・・・・・・」
朝倉「ふぅ。いいお湯だったわねぇ。」
キョン「疲れた・・・」
長門「コクコク・・・」
風呂から上がって三人で牛乳を飲む。
一瞬開いた冷蔵庫の中が4次元に見えたのはきっと気のせいだろう。そうだ。きっと気のせいだ。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 20:54:45.64 ID:LYt2i0nh0
長門「ケプッ」
朝倉「さてと。風呂上りの牛乳も飲んだしそろそろ寝ましょうか。」
キョン「あぁ。俺は今すぐにでも眠りたい。」
朝倉「向こうの寝室にベッドがあるから寝ましょう。」
俺は二人と一緒にあくびをしながら寝室に向かう。
キョン「・・・って!ベッドひとつだけかよ!」
いや。まぁいやな予感はしてたんだがな。信じたくなかっただけだ。
朝倉「しょうがないでしょ。もともと長門さん一人暮らしだし。」
長門「大きいから3人くらいなら眠れる。」
キョン「はぁ・・・どうせ断っても一緒に寝るって言うんだろう・・・?」
朝倉「あら。わかってるじゃない。さすが夫婦ねぇ。」
キョン「もう突っ込むのも疲れた・・・」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 20:57:29.27 ID:LYt2i0nh0
長門「・・・家族・・・」
朝倉「そうね。長門さんもいるから家族よね。」
キョン「もうどっちでもいいから寝よう。早く寝よう。寝かせてくれ。」
俺はベットへと倒れこむ。
朝倉「よっぽど疲れてたのねぇ。」
朝倉がベットの反対側の端へ寝ながら言う
キョン「誰のせいだ誰の」
長門「・・・ごめんなさい」
間に寝ている長門が申し訳なさそうに言う。
キョン「いや。長門。お前は気にするな。お前は悪くないからな。」
朝倉「あら。やさしいのねぇ。」
キョン「事実を言っただけだ。まぁ別にお前が悪いとは言わないが疲れた原因は長門じゃなくお前だしな。」
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 21:00:32.59 ID:LYt2i0nh0
本当に今日はこいつのせいで疲れた。
朝倉「まぁまぁ。細かいことは気にしない気にしない。」
キョン「細かいのか?これは細かいことなのか?」
この事態が細かいことというならば今現在の日本の不況なんて散歩中に石に躓いた程度だな。
長門「スー・・・スー・・・」
朝倉「あら。長門さんは寝ちゃったみたいね。」
キョン「姿が小さくなっているからな。疲れるんだろう。」
朝倉「でしょうね。私も今日は相当疲れたし。」
キョン「俺も疲れた。さっさと寝よう。」
朝倉「そうね。そろそろ寝ましょうか。」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 21:01:53.73 ID:LYt2i0nh0
キョン「おやすみ。」
朝倉「おやすみなさい。あなた。」
キョン「突っ込まんぞ」
朝倉「ふふふ♪」
なんというかこうやっていると本当の家族のように思えてきてしまうな。
まぁ悪くないかも知れないな。こういうのも・・・・・・
長門のこの寝顔を毎日見ながら眠れるなら。それも悪い気はしないしな・・・
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 21:07:24.48 ID:LYt2i0nh0
〜次の日の朝〜
キョン「・・・ん・・・朝・・・か?」
長門「スー・・・スー・・・」
キョン「長門はまだ寝てるみたいだな。ん?朝倉はどこだ?」
長門を起こさないようにベットから降りて寝室を出るといいにおいがした。
朝倉「あら。キョンくんおはよう。」
キョン「おはよう。朝飯か。俺も作るの手伝うぞ。」
朝倉「それじゃあ後は味噌汁だけだからお願いしちゃおうかな。」
キョン「おう。もともと手伝うためにここにいるわけだしな。起こしてくれてもかまわなかったんだが。」
朝倉「それじゃあ明日からはキョンくんに朝御飯お願いしようかな。」
キョン「おう。まかせろ。」
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 21:10:52.31 ID:LYt2i0nh0
朝倉はご機嫌そうにエプロンをはずしながら居間のほうへ戻っていった。
俺は味噌汁を作りながら時計を確認する。
キョン「7時前ってとこか。」
朝飯ができる前に長門を起こした方がいいかと思ったがせっかくの休日だ。
もう少し寝かせてやることにした。
キョン「朝倉ー。飯できたぞー。」
朝倉「あらおいしそう。」
朝倉が目の前に置かれたいかにも日本の食卓といった朝食を見ていった。
キョン「ほとんどはお前が自分で作ったもんだがな。」
朝倉「味噌汁もおいしそうよ?」
キョン「そいつはどうも。」
俺は昨日と同じ。朝倉を右側にするようにコタツに座った。
と。そのとき寝室から長門が起きてきた。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 21:14:49.55 ID:LYt2i0nh0
長門「・・・おはよう」
キョン「おぉ長門。おはよう。」
朝倉「おはよう長門さん。」
長門はコタツの上に朝食を確かめるとこちらを見ながら。
長門「ごはん・・・」
キョン「長門も一緒に食うか。長門の分も持って来てやるから座ってまってろ。」
長門「手伝う・・・」
そういって長門は一緒に台所のほうへついてきた。
キョン「それじゃあこのお盆を向こうまで運んでくれ。」
そういって朝食の乗ったお盆を渡す。
長門「ん・・・」
キョン「長門。大丈夫か?」
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 21:18:59.09 ID:LYt2i0nh0
長門「だい・・・じょうぶ・・・」
軽くふらふらする長門の後ろをいつ転んでも支えられるように付いていく。
なんとか転ばすにコタツまで運んだ長門の正面にやはり昨日と同じように座る。
長門「ふぅ・・・」
キョン「よし。それじゃあ食べるとしようか。」
朝倉「それじゃあいただきます。」
長門「いただきます。」
キョン「いただきまーす。」
三人で朝食を食べる。うん。くやしいがうまいな。
自分の作った味噌汁を飲む。まぁなかなかの出来だろう。
朝倉「うん。おいしい。」
キョン「そいつはどうも。」
長門「モグモグ・・・」
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 21:22:33.38 ID:LYt2i0nh0
キョン「長門。どうだおいしいかな?」
長門「おいしい・・・」
キョン「そいつはよかった。」
その後も三人でテレビのニュースを見ながら食べた。
途中ニュースでの話題で会話が続いたので助かった。こういう食卓も悪くないな。
しかし二人とも朝からよく食べる。
とくに長門は小さいにもかかわらずいつもより食べている気がするな。
やはりそれだけ力を使ってるってことなんだろうか。
長門「ご馳走様。」
朝倉「おいしかったわ。」
キョン「ご馳走様っと。さて。おれは食器片付けてくるから二人は休んでな。」
朝倉「悪いわね。終わったらお茶淹れるわよ。」
長門「お茶。この体じゃ淹れられない。」
朝倉「長門さんは気を遣わないでいいの。今は子供なんだから。」
長門「子供・・・」
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/20(金) 21:25:55.56 ID:LYt2i0nh0
台所で皿洗いをしているとそんな会話が聞こえてきた。
子供ってのは朝倉と俺の子供ってことだろうか。まぁそういうことになるよなぁ・・・
高校生にして子持ちか。いやではないが変な気分だな。
キョン「皿洗い終わったぞー。」
朝倉「お疲れさま。お茶淹れるわね。長門さんも飲む?」
長門「飲む・・・」
朝倉「それじゃあちょっと待っててね〜」
朝倉はそういってお茶を淹れに台所へ向かった。
キョン「そうだ。長門。今日はちょっと外に出るか?」
長門「外へ・・・?」
キョン「いくら体が小さいからって家にずっと居たんじゃつまらないだろ。図書館にでも行くか?」
長門「・・・行く。」
キョン「そうか。それじゃあちょっくら茶を飲んで休憩したらいくか。」
長門「パパママ・・・?」その2へ続く