86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 01:42:30.76 ID:DQtcPt3P0
■ 蔦ヶ嶽城(三)
関所に向かう、山道。
芸人一座、座長を先頭に、無言で歩を進めている。
( ^ω^)「……」
一様に、無言である。
座長ですらも、あの口上の面影はなく。顔の笑みは変わらぬまま、ただ歩く。
そこに、追い縋る足音、みっつ。
ふと返り見れば、蓬髪の侍を先頭に、三人、足早に。
从 ゚∀从「――そこの芸人、待たれよ」
先頭の侍、声を張り。
立ち止まった芸人一座に、大股に歩み寄る。
( ^ω^)「これは、これは。
お侍様、いかがなされましたかお?」
満面の笑みで振り返る、座長。
从 ゚∀从「手前は、高岡と申す。
内藤布袋の一座と見受ける。相違は、ないな?」
( ^ω^)「いかにも、仰せの通りでございますお。高岡殿」
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 01:45:45.89 ID:DQtcPt3P0
侍、大きく頷いて。
从 ゚∀从「過日は、御苦労であった。
主らの芸、御殿はいたくお気に召しておいでだ」
座長は疑う様子もなく、愛想良い声を上げる。
( ^ω^)「滅相もない。我ら一同、御殿様にお目通り叶い、過分の幸せにござりましたお」
高岡は。
从 ゚∀从「会者定離、芸は惜しいが仕方も無し、せめてもの餞別に、駄賃を取らせよ、と。
御殿より仰せつかっておる」
そう云い、懐に手を差し入れる。
( ^ω^)「これは、また。重ね重ね、ありがたき幸せ」
愛嬌ある仕草で、ひょいひょいと歩み寄り、頭を下げる。
从 ゚∀从「なに。気にするな、ほれ――」
その手が、刹那のうちに懐から差し出され。
手首は返り、瞬く間に腰の柄に伸び――
――ぞぶり
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 01:50:15.10 ID:DQtcPt3P0
( ゚ω゚)「……!」
己の腹の中央に。
深々と突き刺さる、脇差。
小男、何事かと高岡を窺い見る。
その頭に、なさけ容赦なく。今度は、大刀が、降り下ろされた。
――がつッ
笑みの眉間に中程まで、額骨を立ち割り食い込み。
つつ、と、どす黒い血が垂れる。
(; ゚ω゚)「が――」
その柄を握りしめ。腹に足を当て、食い込んだ刃を抜きながら、高岡、号令する。
从# ∀从「やれいっ――」
そして。
控える侍たちは、木漏れ日に濃い影をおどらせた――
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 01:54:56.03 ID:DQtcPt3P0
その夕。
参じた茂名の手にある物を見るや、藩主擬古。
破顔し、稚児の如くに手を叩いて驚喜した。
(ヽ^Д^)「おう、おう、でかしたぞ。
でかしたぞ、茂名」
( ´∀`)「……」
あの、灯籠であった。
(ヽ^Д^)「さあ、寄越せ。それを、早う寄越せ」
よろめきながら立ち上がり、痩せた手をふらふら、伸ばす藩主。
それを茂名は、じ、と見遣る。
――これが、あの精悍であった御殿か
( ´∀`)「……」
茂名は、動かない。
主君の変わり様を前に、改めて、何も言えぬのである。
――殿は、このようなお人であったろうか
無辜の民を殺して奪った宝に、眼を輝かせるようなお人であったろうか――
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 01:56:34.38 ID:DQtcPt3P0
だが。
(ヽ゚Д゚)「早う、寄越さんかっ!」
あろうことか、藩主はモナを突き飛ばし。
その手から引ったくるように灯籠を奪い取ったのである。
(; ´∀`)「モ、モナっ?」
そのまま、部屋の隅に。茂名に背を向け、座り込む。
その、藩主の手で。
灯籠が――輝く。
海の底に似て青く、玄妙なる光。
それを全身に受け、藩主は喜悦の声を上げる。
(ヽ^Д^)「ああ、おお、そうじゃ、これじゃ。
儂はこれが見たかったのじゃ。これ、これを」
そう云いながらも、背中は茂名に向けたままである。
身体で庇って、絵灯籠が誰の目にも触れぬよう、隠しているのである。
(ヽ^Д^)「茂名、ご苦労であった。下がれ。
儂は忙しい、控えておれ」
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 01:59:38.75 ID:DQtcPt3P0
藩主擬古、その肌はうす蒼く、腕も肩も痩せさらばえて細く。
骨と皮ばかりになった顔の、青光を照り返し、うつろに透き通った白目。
その中心でくろぐろと据わった瞳を見開いて、灯籠を見据える。
(; ´∀`)「……殿」
家臣が、云う通りに下がらぬのを見るや。
藩主擬古、振り向き突如、豹変する。
(ヽ゚Д゚)「聞こえなんだか、茂名。
下がれ! 不忠者っ、お前の顔など見とうないわっ!」
不忠者、とまで云われては、従う他ない。
歯噛みしながら平伏し、下がる茂名の背後で。
(ヽ Д )「……ひ、ひひっ」
異様にうわずった声が。
藩主の口から、漏れた。
その、夜。
青い光だけが、いつまでも消えることなく、薄開きの襖から漏れていたのであった。
98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:03:06.66 ID:DQtcPt3P0
□ 城趾にて(4)
森は、薄暗い。
奥に進むにつれて木の密度は増していく。
ついには、木漏れ日も通さないほどになっていた。
俺はずっと考えている。
教授の様子、聞かされた絵灯籠の話。怪談、怪奇現象。そして、植物の亜種。
纏まりの取れないそれらの情報が、何の確たる答えも出ないまま。
ただ、不安の形を取って頭の中で渦を巻く。
_
( ゚∀゚)「ドクオ、なあ、ドクオ」
ジョルジュの声に、我に返る。
('A`)「ん……ああ、なんだよ。ションベンか?」
_
( ゚∀゚)「バッカ、違えよ」
そう言うと、俺の隣にぴたりと身体を寄せて、小声で。
_
( ゚∀゚)「なあ。教授……大丈夫なのかよ?」
言われて、前を進む教授を見る。
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:05:57.24 ID:DQtcPt3P0
教授は数歩進む度に立ち止まり、古地図と手記を見比べ。
いきなり地面にはいつくばり、足下の草を払い、そうかと思えば。
/ ,' 3「違う、ここでもない」
立ち上がり、忌々しげに吐き捨てる。
/ ,' 3「おかしい。方向は合っているはずじゃ。
見逃したか、それとも……」
ぶつぶつ呟いて、また猛然と歩き出す。
その繰り返しだった。
/ ,' 3「……違う、違う、違うっ。
まだか、『塚』はまだ見付からんのかっ」
その声は、荒々しい。
教授は、明らかに焦っている。
('A`)「どうだろうな。興奮してるんじゃないのか?」
確かに教授の様子は、いつもとは全然違う。
けど、それは歴史を覆すような発見の可能性から来るもので。
だから教授は荒れてるんだと、そう思っている。
他には、理由が思い付かない。
_
( ゚∀゚)「……」
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:07:38.72 ID:DQtcPt3P0
ジョルジュはまた唇を噛む。
でも、やがて意を決したように顔を上げた。
_
( ゚∀゚)「な、ドクオ。聞いてくれよ。
……山のてっぺんの広場でさ。オレ、教授の本を取ろうとしただろ?」
('A`)「……ああ」
あの時の教授の声と表情は、脳裏に焼き付いてる。
_
( ゚∀゚)「……あの時さ。
ほんのちょっとだけど、オレ……見たんだよ」
いつものジョルジュからは想像も付かない、頼りない声だ。
('A`)「何をだよ?」
_
( ゚∀゚)「ちらっとだったけど、たぶん、間違いない。
でもホントに一瞬だったし、マジかどうかは分かんないけどさ……」
暗い森の中で、ジョルジュの顔は、蒼ざめているように見える。
口ごもったその顔を、俺は見る。
_
(; ゚∀゚)「オレ……見たんだよ。
あの本に……あれ、もしかして――」
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:09:53.01 ID:DQtcPt3P0
その言葉の続きは聞こえなかった。
突然、教授が飛び上がって叫んだからだ。
/ 。゚ 3「見付けた、ついに見付けたぞっ!」
森中に、響き渡るほどの声で。
(;'A`)「教授っ?」
_
(; ゚∀゚)「センセー、っ……」
/ ,' 3「こっちじゃ、間違いない!
やはり、やはりワシは正しかったんじゃあっ!」
言うが早いか、急に進路を90度左に。
両腕を振り回しながら、高い茂みの向こうに、走り出していった。
/ ,' 3「ワシは、ワシは……ワシは、ついに見付けたぞ!
これで、これで――――……」
がさがさ、がさがさと茂みを押し退ける音が、小さくなっていく。
後には、静けさだけが残った。
_
(; ゚∀゚)「……行っちまった……」
(;'A`)「……」
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:11:57.67 ID:DQtcPt3P0
何だ。
何が、どうなってるんだ?
見付けたって、その「塚」をか?
_
(; ゚∀゚)「ドクオ、ど、どうする?」
ひどく情けない声で、ジョルジュが言う。
そんなの、決まってる。
(;'A`)「当然だ。追い掛けるぞっ」
そう大きな山じゃない。
注意深く歩いていれば、その内登山道に戻ることもできるだろう。
でも教授は、あの様子じゃそうも行かないはずだ。
あの調子で走り続けて、足を滑らせたり、斜面から落ちたりすれば。
あの老体だ。絶対にタダじゃ済まないだろう。
('A`)「ほら、行くぞジョルジュ。
いくら様子がおかしくったって、放っておくわけにいかないだろ」
_
(; ゚∀゚)「で、でもさ。オレ、見たんだよ。あの本――」
(#'A`)「本の話なんか後にしろよ! 行くぞ!」
まだ悩んでいる様子のジョルジュを半ば引きずるように。
俺たちは教授が消えていった方に、走り出した。
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:14:04.15 ID:DQtcPt3P0
(;'A`)「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……!」
_
(; ゚∀゚)「センセー……どこ行ったんだよ……」
ひたすら走る。
進めば進むほど生い茂り、背の高くなる草をかき分けて。
周囲の様子は、ほとんど藪のようだ。
膝ほどの高さだった草花は、俺たちの腰より上の高さにある。
生えている植物の種類自体が、変わってしまったようだ。
(;'A`)「しかし……どうなってんだよ、これ」
周囲を囲むのは、見慣れない葉ぶりの草木ばっかりだ。
ねじくれた枝から伸びる、左右非対称の大きな黒っぽい葉。
目の前に垂れ下がったそれを手で払う。
払って、気付く。
周りの木の枝は、こんなに低くまで垂れ下がっていたっけ?
視界の下半分は藪、上半分は木の葉。
鬱蒼と茂る植物に視界が覆われて、ひどく見通しが悪い。
湧き上がる何かを押さえ込むように。
声を張り上げる。
(;'A`)「くそ、どっちに行ったんだよ! 教授ッ!!」
_
(; ゚∀゚)「何だよ、何だよコレ……センセー、どうなってんだよこれ……!」
110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:17:46.37 ID:DQtcPt3P0
(;'A`)「くそっ――――?」
視界の隅に、何かが映る。
草を蹴飛ばしながら駆け寄って、固い草の茎に引っかかったそれを手に取る。
それは、旅行者向けのポケットサイズのガイドブックだった。
見覚えがある。教授が今朝、ホテルの売店で買ったものだ。
「蔦ヶ嶽城、別名を赤間山城(あかまやまじょう)、または岳山城(たけやまじょう)
といいます。この地は神代の昔、土着の神様が赤い馬に乗って神武天皇を迎えた事から
『赤馬(あかむま)』と名付けられました。それが転じて『赤間(あかま)』と呼ばれ、その――」
途中のページが開きっぱなしになったそれを拾って、ポケットに突っ込む。
教授は、ここを通ったのか。
('A`)「こっちだ。
行くぞ、ジョルジュっ」
_
(; ゚∀゚)「ド、ドクオっ」
ジョルジュは疲労困憊している。
その脇をひっつかんで引っ張り、茂みを突っ切った。
と――
急に、視界がクリアになる。
伸びた草も木の枝も途切れて、開けた広場のような場所。
そこに、俺たちは立っていた。
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:20:05.96 ID:DQtcPt3P0
('A`)「……!」
その中央を見て――俺たち二人とも、絶句する。
―― 一言で言えば、「花畑」。
でも、咲いているのは、毒々しい紫色をした、ヤマユリに似た大輪の花。
それが、半径5メートルほどの円形に、びっしりと群生している。
円形の広場のような、緑色の草地の中に咲く、紫の花。
花自身の重さだろうか、風もないのに、ゆらゆらと揺れる。
それは一瞬、何か大きな生物の、グロテスクな内臓のようにも見えた。
_
(; ゚∀゚)「ドクオ、あ、あれ……」
ジョルジュが震える指で、その異様な花畑の一角を指さす。
/ ,' 3「……」
荒巻教授がそこにいた。
教授は弛緩しきった表情で、手記を持った手をだらり、と下げて。
その口から。
/ 3「……ひひっ」
引きつった笑い声が、漏れた。
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:25:11.66 ID:DQtcPt3P0
■ 蔦ヶ嶽城(四)
藩主が灯籠を手にした、その翌朝。
朝餉の時間をとうに過ぎても姿を見せぬ擬古を、呼びに。
寝所を訪れのは、茂名であった。
( ´∀`)「殿、殿っ。
朝餉の支度、とうに――」
控えめに、戸を引き、声を掛け。
(; ´∀`)「と、殿っ?」
絶句する。
(ヽ Д )「――ひ」
(ヽ'゚Д。)「ひ、ひひっ」
そこにあるのは、変わり果てた姿の主君であった。
擬古は、定まらぬ目で宙を見ながら。
今や光を失った灯籠を抱え、乳飲み子の如くに喘いでいるのであった。
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:27:25.28 ID:DQtcPt3P0
(ヽ'゚Д。)「あ、ふひっ。あば、あばああ」
(; ´∀`)「殿、気をお確かに。殿っ!」
(ヽ'゚p。)「あ〜〜〜〜〜〜〜あ〜〜〜〜〜〜〜〜!」
主君の変わり様に。
駆け付けた御典医も、ただ首を捻るばかりであった。
無理もない。
憔悴していたとはいえ、他には異変の見られぬ人間が。
一夜にして、突如、狂を発したのである。
(; ´∀`)「殿……」
鬱屈した精神が、芸人を殺したことによって限界を迎えたのであろうか。
それとも、他になにか計り知れぬ出来事が、君主の身に降りかかったか。
ところで。
擬古が、討手を差し向け芸人を殺害せしめた事は、茂名の他には高岡以下、
下手人の侍自身しか知らぬ。
――言うべきでは、ない
そう判断し、固く口をつぐんだ。
実を云えば、恐ろしかったのである。
あの芸人共の怨念が黄泉返り、擬古を狂気に至らしめたのではないか。
そう思うと、口に出すことすら憚られたのである。
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:37:38.18 ID:DQtcPt3P0
結局、全てが謎のまま。
後には発狂した藩主擬古だけが、残されたのであった。
(ヽ'゚p。)「あ〜〜〜。
あばばあ、あ〜〜〜〜〜」
外様大名の藩主に跡継ぎはなく、ことが公になれば、お家取り潰しは避けられぬ。
ひとまず、お城に匿っておこうと云うことになった。
かくして。藩主は赤子同然のまま、自室に押し込められていたが。
ある日、何を思ったか。
いかにしてか、見張番の目を盗んで外に飛び出し。
お城の裏山に小さな穴を掘り、そこに首を突っ込んで窒息死してしまった。
そして。
あの夜、高岡が斬り捨てた、女を除く三人の芸人の死体。
これまでもが、忽然と姿を消していたのである。
まるで、そのような一座は、元よりこの世には居なかったのだ、と云わんばかりに。
代わりに、山道に打ち捨てられていたのは――高岡以下三人の、屍であった。
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:40:16.26 ID:DQtcPt3P0
(; ´∀`)「た、高岡の、屍がっ……それは、まことかモナっ」
(;´・ω・) 「は。検分致しましたが、いかにも相違ございません。
しかし、なぜ高岡が……」
報せを寄せた侍の言葉に、茂名は震え上がった。
あの灯籠を欲して奪った、主君。
芸人を殺し灯籠を持ち帰った、高岡。
それでは、次は。
主君の命に従い、旅芸人殺害を侍に命じた、自分の――
茂名の頭にあるのは。
あの絵灯籠の、青く光る様である。
(; ∀ )「……」
(´・ω・`) 「まずは、高岡の弔いを。
しかる後に、侍殺しの罪人を探し――」
(; ∀ )「……僧を……」
(´・ω・`) 「……茂名殿?」
(; ´∀`)「弔いなど、いいモナ!
僧を呼ぶモナ! は、早く!」
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:43:41.36 ID:DQtcPt3P0
茂名が考えたのは、己の保身。それだけであった。
主君への忠誠も、何も。とうになかった。
――その日の内に、近隣の寺社から僧侶が集められた。
あの絵灯籠の、供養のためである。
絵灯籠はあらん限りの供養を受け、山の神として。
城の裏の山の斜面に鎮守の塚がしつらえられ、そこに祀られる運びとなった。
その後数日、異変らしい異変が起こることもなく。
茂名以下、家臣は、胸を撫で下ろした――
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:45:43.66 ID:DQtcPt3P0
□ 城趾にて(5)
/ 3「ひ、ひ……ひひっ。ひひ、ひひひゃっ」
教授の笑いは止まらない。
だらしなく開いたままの口の端から、よだれを垂らしながら。
棒立ちのまま笑い続けている。
('A`)「教授!」
/ ,' 3「ひ、ひ。見付けたぞ……ここが、これこそが。
これこそが、『瑠璃絵灯籠鎮守塚』」
るりえとうろうちんじゅづか――それが、教授の言っていた「塚」?
_
(; ゚∀゚)「センセー、何だよこれっ。
オレ、全然分かんねえよ!」
/ 。゚ 3「まだ分からんのか、馬鹿者が!」
涙声を張り上げるジョルジュに、目をくわっと見開いて一喝する。
身体をわななかせて、口から泡を飛ばす。
_
(; ゚∀゚)「ひっ!」
133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:48:53.76 ID:DQtcPt3P0
/ 。゚ 3「領主が狂死した後、家臣は祟りを恐れ灯籠を供養した。
そして本丸から見えるここに塚を築き、祀ったのじゃっ」
('A`)「……」
旅芸人を殺して、灯籠を手に入れた領主。
領主はその後、発狂して、死んだ。
祟りなんて、バカげてる。
でも……目の前のこれは、何だ?
この異様な花畑を、教授の様子を、どう説明すればいい?
/ 。゚ 3「それから四百年、灯籠はここで待っていたのじゃ!
歴史から抹消されてなお、待ち続けたのじゃっ!!」
教授は、感極まって叫ぶ。
/ 。゚ 3「待っておれ。ワシが今、いまっ! ひ、ひひひっ!」
目の前に広がる、奇妙な花畑に踏み込む。
力任せに紫の花をはね除け、蹴飛ばして、その中心部に向かう。
肉厚の花びらはぶぢぶぢと千切れ飛んで、同じ紫色の液体を滴らせる。
腕も顔もその液体まみれになって、教授はまるで泳ぐように腕を振り回しながら、
花畑の中を進む。
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:52:38.30 ID:DQtcPt3P0
_
(; ゚∀゚)「せ……センセ――ッ!」
ジョルジュが背中の荷物を投げ捨てた。
教授に向かって、花畑に向かって一直線にダッシュする。
(;'A`)「ジョルジュっ?」
教授と同じように花を蹴立てて走り、後ろから教授に抱きついた。
_
( ;∀;)「もういいって! オレたちを驚かそうと思ってこんなコトしてるんだろ? な?
オレ、もう反省したよ! だから、いつものセンセーに戻ってくれよおっ!」
涙をぼろぼろとこぼしながら両腕を教授の身体に回して、力任せに引き留めようとする。
_
( ;∀;)「もういいんだよ、センセー! オレ、十分怖かったからさあ!
レポートだってちゃんと出すから、だから頼むよ、元に――」
でも、止まらない。教授より二回りも大きいジョルジュが、逆に引きずられている。
/ 。゚ 3「うるさいっ! この、糞ガキがっ!」
教授は腕を振りかざし、ジョルジュの身体を引きはがす。
_
( ;∀;)「がふッ!」
その小柄な身体のどこに、そんな力があるのか。
ジョルジュは吹っ飛んで地面に叩き付けられた。
139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:56:04.47 ID:DQtcPt3P0
(;'A`)「……教授、ジョルジュッ!!」
一瞬迷い、倒れたジョルジュの方に駆け寄る。
ジョルジュの腕の戒めから逃れた教授は、花畑の中央まで辿り着き。
そこに屈み込み、地面をまさぐる。
_
( ;∀;)「ぐ、げほっ、セ、センセー……っ!」
(;'A`)「……!」
教授は、ゆっくりと、立ち上がった。
俺たちの目の前で、両手を天に差し伸べるように、高々と掲げながら。
/ 。゚ 3「ひ、ひひ、ひっ。
見付けた、つ、ついに見付けたぞ!」
――その手に、あったのは。
木枠の六面に、青い絵を描いた和紙を貼った、直方体。
江戸時代にあったものなのに、木枠もそのまま、和紙も古びてはいるが破れていない。
なんで、こんなものが原型を保っていられるんだ?
でも、とにかくそれは――間違いない。
教授の話に出てきた、絵灯籠に違いなかった。
143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 02:57:41.16 ID:DQtcPt3P0
■ 蔦ヶ嶽城(五)
先般の通り、藩主に跡継ぎはなく、藩は取り潰しの沙汰となった。
だが、その後。
奇怪、と云うには妖異幻怪に過ぎる出来事が、次いで起こり始めたのである。
始まりは、凶作であった。
並の凶作ではない。
昨日までは青々と育っていた葉が、一夜にして枯れる。
あるいは、奇妙な色かたちにねじくれて育つ。むろん食べられたものではない。
時を同じくして、奇病が蔓延した。
全身に形容しがたいできものが広がり、あるいは生きながらに腐り崩れ。
いずれも、最後は発狂して死に至る。
城内で真っ先にこの奇病を発したのは――茂名であった。
全身を瘤のような腫れ物に覆われたその死に様は、筆舌に尽くし難いものであったという。
異変はまた、産まれる子供にも、等しく降りかかった。
手足やその指、目、口の欠けた赤子、逆に多すぎる赤子。
ひどいものになると、人の形を留めぬ肉塊。
「ひるこ」として産まれてくる者まで。
藩主、侍の死に始まり、凶作、流行り病、畸形の赤子。
それらの凶事には、一見して些かの関わりも窺えぬように見えた。
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:00:14.33 ID:DQtcPt3P0
だが。
果たして、まことの所は、どうであろうか?
思えば。
作物の異変が起こり始めたのは、芝居小屋の裏の畑からではなかったか?
病を訴えたのは、芝居小屋に足繁く通っていた者から順にではなかったか?
畸形の赤子は、その中の、身籠もった女から生まれたのではなかったか?
そうであるとするなら。
あの灯籠を供養することに、いかほどの意味があったのであろうか。
しかし、それを問おうにも、答える者は、一人とても居らぬ。
人足ははや途絶え、城下で僅かに生き長らえた者も、国を捨てた。
かくして、赤間の山城は廃墟と化した。
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:03:36.82 ID:DQtcPt3P0
□ 城趾にて(6)
/ 。゚ 3「ひ、ひひひひひ。ひひゃ、ひひっ。
ワシだけの宝、ワシのものじゃ。誰にも渡さんぞ、ワシの、ワシだけの――」
聖火ランナーのように絵灯籠を掲げ、口から泡を吹きながら。
不明瞭な言葉と一緒に、教授は笑っている。
_
( ;∀;)「なんだよ、なんだよコレ。
どうなってんだよドクオ、コレどうなってんだよ……」
地面に手を付いたままで、ジョルジュがしゃくり上げる。
(;'A`)「知りたいのは、俺の方だよ!」
俺たちは、どこにいるんだろう。
一体いつから、どこに迷い込んでしまったんだろう。
薄暗い森の中で青白く浮かび上がる、教授の笑い続ける顔。
異様な陰影を落とすその顔は、ひどく歪んだ髑髏のようだ。
(;'A`)「……っ、!」
後じさった足が何かを踏む。
首をひねり見下ろすと、それは教授がずっと持っていた手記だった。
この手記が、全ての始まりだ。
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:06:19.49 ID:DQtcPt3P0
教授はどこからかこれを手に入れて、俺たちを誘った。
俺たちはそれに従って、この蔦ヶ獄城にやってきて、そして。
(;'A`)「……」
この手記には、何が書かれてるんだろう。
教授は、ここに書かれた事を知ったせいで、おかしくなってしまったのか。
別に、深い考えがあった訳じゃない。
気付いたときには、その手記に手を伸ばしていた。
_
(; ゚∀゚)「ドクオ、こんな時に何してんだよお前っ!」
拾い上げた掌に、妙な感触が残る。
じっとりと湿って、粘るような。
(;'A`)「……?」
妙な感触に首を傾げながら、俺は本のページをめくる。
細く切った和紙が、ぼろぼろと草に落ちる。
(;'A`)「なんだ、これ……?」
152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:09:52.50 ID:DQtcPt3P0
その本は、めちゃくちゃだった。
途中のページが何枚も乱暴に破り取られ、皺が寄っている。
断面は白く、新しい。少なくとも、破られてからそう日は経ってない。
別のページには、古びた和紙に直接ボールペンか何かで線を引いたり、直接注釈を
書き込んだ後がある。しかも、あまりに強い筆圧で書き込みをしたせいで、ペン先が
紙を突き破り、インクが裏側のページにまで染み込んでいる箇所が、いくつもある。
ジョルジュが言いかけたのは……これの事か。
_
(; ゚∀゚)「おい、ド、ドクオ!
お前、今さらそんなモン!!」
ジョルジュの言葉にも構わずに、俺はひたすらページを捲る。
書き込みの密度は、後に進むにつれ増していく。
後半になると、筆で書かれた原文が読めないほどにびっしりと書き込まれ、
更にいくつかの単語がぐりぐりと、力任せに何重もの円で囲まれている。
そして、最後から何ページ目かを開いた瞬間、俺は息を呑んだ。
(;'A`)「……!」
褪色した和紙に点々と飛ぶ、大小いくつもの赤黒い染み。
真新しいそれは……恐らく、血痕だ。
153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:12:48.66 ID:DQtcPt3P0
改めて裏表紙を返して見ると、全面が同じ色に染まっている。
まるで、血溜まりにこの本を置いて、浸したように。
慌てて裏表紙から手を離し、汚れのない表の表紙を持つ。
教授は、この本を誰から、どうやって手に入れたのか、教えてくれなかった。
――どうしても欲しい他人の宝物を、手っ取り早く手に入れる方法が、たったひとつだけある。
それはどんな時代だって、誰にだって可能な方法――
(;'A`)「……まさか……」
また、本に、視線を落とす。
開いているのは、最後のページだった。
そこに、他のどんな場所よりも強く、何重にも何重にも。
赤いペンで囲みを付けられ、線を引かれ、乱れた注釈が書き殴られた単語がある。
「内藤布袋夫」。
そして「唐来閉造絵灯籠」。
('A`)「……『ないとうほていふ』。
『とうらいへいぞうえどうろう』……」
155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:16:05.80 ID:DQtcPt3P0
この単語が何を意味するかは分からないけど……ひとつだけ、分かったことがある。
それは、教授がもう、この山を登る前からとっくにおかしかった、ってことだ。
破かれ、元の文章も読み取れないほど書き込まれ、血の染みまで付けて。
こんな状態の本を、教授は何食わぬ顔で持ち歩いてたんだ。
そして何でもないような顔をして、俺たちの目の前に置いて、何度も開いて。
それは、正気でできる事じゃ、ない。
_
(; ゚∀゚)「ドクオッ!! おい、ドクオッ!
あ、あれッ!!」
ジョルジュの切羽詰まった声が、俺を現実に引き戻した。
地面にへたり込んだまま差す指の先を、見る。
(;'A`)「え――――?」
教授の手の絵灯籠が――絵灯籠が。
ぼう、と。
青い光を、発している。
周囲を染め抜くように、青く透き通った光が。
その和紙の内側から漏れて、教授を、花畑を。
そして俺たちを、周囲の森を照らす。
158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:18:59.38 ID:DQtcPt3P0
/ 。゚ 3「ひ、は……か、ぐ、げっ」
教授の笑いが止まる。
灯籠を掲げたまま、棒立ちになったまま。
喉につかえたような声を上げて、いきなり全身をぶるぶると震わせ始めた。
口に溜まった泡が、糸を引いてだらだらと襟元に流れ落ちる。
_
( ;∀;)「なんだよ、な、なんだよお。
一体どうなってんだよ、オレ怖えよ、ドクオっ!」
青い光は、少しずつ、少しずつ、強くなっていく。
踏み荒らされた紫の花の影が伸びて、俺たちの身体に掛かり始める。
(;'A`)「き、教授ッ!」
何が起こってるのか、何が起こり始めてるのか。
分からないまま、教授をなんとかしようと走る。
青い光は、もう直視するのが難しいほどに強い。
目を細めながら毒々しい色の花を掻き分け。
つんのめり、転びそうになりながら教授の所まで辿り着く。
(;'A`)「教授、教授!
しっかりして下さいっ!」
肩を掴んで揺さぶっても、教授は反応しない。
焦点の合わない目をして、地面にピン留めされたように上体をがくがく揺らす。
160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:22:05.84 ID:DQtcPt3P0
(;'A`)「教授――!」
/ 。゚ 3「あ、が、がッッ」
身体につられて、絵灯籠が揺れる。木枠が軋み、かたかたと音を立てる。
灯籠の中に、光源が見える。
いびつな球体をしたそれが、電球のように、閉じこめられた灯籠の中から強い光を発している。
(;'A`)「くそ……っ!」
これを、何とかすればいいのか?
そうすれば、教授は――
_
( ∀ )「うわああああああッッ!!」
――悲鳴は、後ろから聞こえた。
_
( ∀ )「ドクオ! な、何だよこれッ! うわ、わああっ!
何なんだよ、何が起こってるんだよ! ドクオ、ドクオッ!!」
背後のジョルジュの姿は、表情は見えない。
ただ、叫び声だけが聞こえる。
163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:24:10.84 ID:DQtcPt3P0
/ 。゚ 3「ふ――げくッ」
ジョルジュのその声と、ほぼ同時に。
教授の震えがぴたりと止まった。
俺は、その顔を見る。
驚いたような表情で固まっている教授の、涎で濡れた口元を、深く刻まれた皺を、
長い眉毛の下の瞳孔が散大した、その一杯に見開かれた瞳を、見る。
青を通り越した白光。
俺は――動けない。
教授の瞳から、目を離すことができない。
165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:26:19.37 ID:DQtcPt3P0
_
( ∀ )「ドクオ、何してんだよ! こっち来てくれよ、足が、足が痛くて立てないんだよ!
助けてくれよ! なあ、ドクオ! 聞いてるのかよおッ!!
お前まで、どうしちまったんだよ? なあっ!」
開ききった瞳孔は、何の像も結んでいない。
黒く、弛緩したその瞳は、周囲の光景をそのまま映している。
俺は、それを見ている。瞬きさえ忘れて、磨かれた鏡のようなその瞳を。
_
( ∀ )「あああ、ああ……やだ……やだよ、オレやだよ!!
ドクオ、頼むよ! なあ、おい! お願いだから、たす」
静寂。
170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:29:25.18 ID:DQtcPt3P0
俺は、ただ、教授の瞳を見ている。
灯籠の光の中に、その瞳の中に。
ふるふると震えながら、異様な形状に歪み、狭窄していく、その瞳に映る――――
――――俺のすぐ背後に迫る「もの」の、その姿を。
<終>
171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:30:20.58 ID:fE8jpNQE0
うああああああああああああああ乙
172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:30:46.11 ID:8VrWoMfoO
おわったあああああ
当然バッドエンドォォォ
174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:32:14.61 ID:pDwdM7sEO
ちょ、終わったあああああ!!
乙!
177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:34:06.57 ID:DQtcPt3P0
<あとがき>
どーもー。
クトゥルフ神話を知らない人でも楽しめて、知ってる人ならにやりとできる
そんな感じを目指して書いてみた
昔話の方は講談を意識して、語感にもちょっとだけ気を遣ってみたり
ブーンの口上とか人形劇のくだりは口に出してみても面白いかも
舞台になった福岡県宗像市周辺の話をすると……
・蔦ヶ嶽城の歴史
・犬鳴トンネル、犬鳴村
・菊姫の幽霊。オカ板の福岡スレでほんとに話題に上がってる
・「赤間」の地名の由来が「赤馬(あかむま=あかうま)」
・蔦ヶ嶽城周辺でしか見られない植物の亜種が存在する
このへんは全て事実のようです
詳しくは、書くのに参考にした↓の資料を参照
参考資料
・地理、歴史
wikipedia - 赤間 ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E9%96%93
wikipedia - 城山 (宗像市・岡垣町) ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%94%A6%E3%83%B6%E5%B6%BD%E5%9F%8E
wikipedia - 山田事件 ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E7%94%B0%E4%BA%8B%E4%BB%B6
・景観
筑紫のしろのき - 蔦ヶ嶽城 ttp://www16.ocn.ne.jp/~sironoki/100fukuoka-no-shiro/118tsutagatake/tsutagatake0.htm
城山(蔦ヶ嶽城) ttp://members2.jcom.home.ne.jp/kyukaidou/
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/04(土) 03:35:25.72 ID:8VrWoMfoO
アーカムか、気づかなかった
布袋内藤はもちろん例のアレ…だな?
181 :>>179ご想像の通り ◆XcyV9XdVHQ :2009/04/04(土) 03:39:18.09 ID:DQtcPt3P0
元ネタ。
知ってる人やじっくり考えたい人は飛ばしてね
・海底の絵を描いた瑠璃絵
るりえ → るるいえ
・赤間(あかま)
由来は赤馬(あかむま) → あかむ → あーかむ
・内藤布袋夫
ないとうほていふ → にゃるらとほてぷ
・唐来閉造絵灯籠
とうらいへいぞうえどうろう → とらぺぞへどろん
・芸人一座
日焼けした(=黒い)肌の男、嘲笑する男、中国風の女 これらの顕現を併せ持つ神性
・絵灯籠の青い光
トラペゾヘドロン → ガイガーカウンターが反応 → チェレンコフ光
→ 動植物に影響? あるいは異次元の色彩?
強引かね? まあいい
最後にひとつ
福岡県宗像市の皆様に感謝します
蔦ヶ嶽城の存在を知らなければ、このお話は書けませんでした
じゃまた