シリアス
February 25, 2011
( ∀ )白痴のエデンなようです
遅刻かしら。申し訳ないですわ。
しかも直しながらの投下なので、スローペースですの。
モチーフ曲は、スコット・ジョプリンの『Maple Leaf Rag』
曲を解釈したというより、ふいーんきだけです。
ほんと、申し訳ないです。
とにかくゲリラ、行きますです。
LAST WORD「 」 のようです
LAST WORD「 」 のようです は、
RENTRER EN SOI というV系バンドの、異なる二曲の『Last word「 」』から構成されています
解散済みのマイナーバンドということで、先に曲だけ告知させていただきますが、
歌詞 原曲は、ネタばらし防止の為最後に載せたいと思います
それではご清聴願います
二曲の異なる 『Last word「 」』
それぞれが 彼らの物語
⌒*リ´・-・リ「……」
最期の季節を迎えるまで 傍に居てほしい
ずっと 手を握ったまま
鐘は鳴り響く
私は 終わる
冷たい枕と 貴方の指輪
もう明日は来ない この温もりさえ
失くしてしまう 壊れてしまう
もう 明日は 来ない…………
⌒*リ´・-・リRAST WORD「 」 のようです
February 24, 2011
浮遊追想のようです
( <●><●>)「…」
彼は 見つめている
じっと じっと
ベッドの下の、ほんの数センチの闇を
浮遊追想のようです
February 20, 2011
( ^ω^)自殺ウサギについての告白のようです
「ブーン系音楽短編フェス」参加作品です。
モチーフ曲は、
C.ドビュッシー作曲 「前奏曲第一巻 第八曲『亜麻色の髪の乙女』」
です。
本来ならば歌詞、曲にまつわるエピソード、その曲の持つ意味等々を題材とするのがセオリーだと思いますが、
この作品はそういったことを全く考えていません。
ふいんきです。ふいんき。
最初に言っておきますが、この曲の通り、落ちも薄ければ山も薄いです。
それでも宜しければ、僕のオナニーにお付き合いください。
爪 ゚Ⅳ〉禁じられた契約のようです
人の欲は尽きない
金を 富を 地位を 権力を
人を 心を 体を 命を
“永遠”という 夢物語すらも
人は欲する
人は手を出す
たとえそれが 禁じられたものだとしても
爪 ゚Ⅳ〉禁じられた契約のようです
禁じられた契約/フレディ波多江とエレハモニカ
( )彼らは人間であり、男は人間ではなかったようです
超短編集。9割洋楽。曲順に拘り有り。
「ブーン系小説音楽祭をご覧の皆様、初めまして。私、」
私は。
( )彼らは人間であり、男は人間ではなかったようです
──
January 31, 2011
(´・ω・`)朝焼けディミヌエンドのようです 第三幕
第三幕
ノハ*゚⊿゚)「今度近所で『相克』のロケがあるそうなんですよっ!
一緒に見学しにいってくれませんかっ!?」
ヒートが目を輝かせながら訊いてきた。
ヒートもジョルジュのファンなのだろう、とてもうれしそうだ。
『相克のハルカタ』。アラマキくんから送られてきた最初のコンタクトも、
『相克のハルカタ』だったなと、ショボンは思い出していた。
アラマキくんは依然、快復する兆しを見せなかった。むしろ、
症状は悪化の一途をたどっていた。ショボンが一縷の望みをかけて懇願した
あの日以来、返事がくることもなくなった。家の中からも、
生活している痕跡が見当たらなくなった。
消えてしまったわけではない。わずかとはいえ、入れ替わりはいまも続いている。
しかしそれも、時間の問題に思えた。赤色から、生命力が失われていた。
赤色は、もはや赤色と呼ぶこともためらうような、淡い、粒子的な感触へと変質していた。
否が応にも予感させられた。希望とは裏腹に、おそらくは、間違っていない。
きっとこれは、寿命のように、人の手ではどうすることもできない現象なのだろう。
そしてその先に導かれる結果もまた――。
ショボンは曖昧な返事で、ヒートとの会話を打ち切った。
家に戻っても落ち着かず、夜になってから外へでた。
息が白くなるのも、そう遠くはないと感じた。
そのときまで、アラマキくんはぼくの中にいてくれるだろうか。自信がなかった。
歩きながらも、アラマキくんのことばかり考えていた。
そうして延々と考え続けて、今更ながらに思い知った。
ショボンは驚くほど、アラマキくんのことを知らなかった。
やむをえないところもある。ショボンが何度質問しても、
アラマキくんは自分の話題を避けた。非協力的な相手から
話を引き出すのは、むつかしい。それでも強引に問い詰めるべきだったのだ。
いまとなっては、それもできない。もっと、知っておくべきだった。
無意識に静かに思考できる場所を求めていたのかもしれない。
ショボンはあの廃屋の前までやってきていた。相変わらずの、
風が吹けば崩れ飛んでいってしまいそうな外観をしている。
だが、不思議と頼もしさを感じた。
廃屋前には、ショボンより先に人が立っていた。暗くてよく見えない。
向こうも気が付いたのか、人影がショボンの方へ振り向いた。街灯が顔を照らした。
January 28, 2011
(´・ω・`)朝焼けディミヌエンドのようです 第二幕
どんなに歌いこんでも、どんなにのどを拡げても、声変わりは止まらなかった。
ゆるやかに、しかし確実に、音域は低くなっていた。
文化祭まで持つのかどうか、ショボンにはわからなかった。
ともすれば肥大化する不安に押し潰されかねない状況だった。
だが、ショボンは平生と変わらぬ毎日を過ごせていた。
(´・ω・`)「ただいま」
返事はない。しかし、聴いている者がいる。
(´・ω・`)「今日は、こんなことがあったよ」
といっても、態々報告する必要などない。
見たことも聴いたことも、すべて共有しているのだから。
気分の問題だった。そして、なによりそれが重要だった。
朝焼けのアラマキくん。携帯でそう名乗った、謎の人物。始めのうちは、
ショボンも警戒していた。助けてくれたことは事実だとしても、理由がわからない。
どういう腹積もりなのか判明するまでは、心解くことなどできないと思っていた。
直接訊いてみても、アラマキくんは答えなかった。
他の話題を引っ張り出して、答えたい質問、
話したい内容についてのみ文章を残しているようだった。
アラマキくんとの会話は、一日一回携帯を通じたやりとりのみとなっていた。
正確には一日一回発信するのはアラマキくんの方だけで、
ショボンのしゃべったことはすべて筒抜けになっている。
そして、質問するのはいつもショボンの方だった。
そのため、会話の取捨選択を主導するのは、
どうしてもアラマキくんの側になってしまう。
目的を探ろうと重ねた質問は、すべて簡単に回避されてしまった。
アラマキくんのことは、ほとんど何もわからずじまいだった。
しかし一緒に生活しているうちに、それらの謎は気にならなくなった。
モララーとの一件以来、寝不足で悩まされることはなくなった。
家の中を歩き回っている様子はあったが、外にまでは出かけていない。
深夜徘徊をしていたのは、本当にショボンのためであったらしい。
考えてみれば、体を共有しているのだから、眠気も当然共有しているはずだった。
睡魔に襲われながらも、ショボンを助けるために、夜通し動き回っていたのだ。
静まり返った夜の町で、眠気を堪えるのは至難の業だったろう。
またアラマキくんは、発声に関するアドバイスもよこしてくれた。
体の内部と声帯を一本のホースに見立てて使う方法などは、
試してみるとたしかに声が張りやすくなった。
小手先の技から根本的でいて重要な技術まで、アラマキくんはよく知っていた。
次から次へと教えてくれるので、実践するのが追いつかないほどだった。
『表現が上達する秘訣を教えてあげるよ!』
アラマキくんは好んで表現という言葉を使った。
変だとは思わない。むしろ的確だと感じた。
アラマキくんのいうことは、すべて表現するという一点に集約されているように思えた。
『それはね――』
無駄な改行スペースはお茶目心。それくらいぼくにだってわかります。
『自分をすきになることさ』
うぬぼれだって構わない。すきだから表現できる。
すきだから、もっと知りたくなる。
携帯にはそう書かれていた。飲み込めた、とは言い難かった。
ただ、昔のことを少し思い出した。携帯に表示される文章は、無機質な電子文字だ。
それなのに、読んでいるとアラマキくんという人となりが伝わってきた。
もう、疑うことはなかった。
家に帰るのがたのしみになった。
その日起こったことを、ちょっとだけ脚色して話すのが習慣化していた。
ひとしきり話し終えてから自主練習を開始するが、身は入らなかった。
九時を回るのが待ち遠しくて仕方なかった。
不気味だった赤い印象も、入れ替わりの合図だと思うと好ましくなった。
そう思って積極的に感じてみると、この赤はけして攻撃的な色では
ないことがわかった。まるで心臓の鼓動のように、生命を感じさせる感触をしていた。
アラマキくんとの共棲生活は、ショボンの生活に今までなかった刺激を与えた。
ただし、困ったこともあった。
(;´・ω・`)「解いたはずの宿題の答が消されてる!」
頭を悩ませ苦労して解いた証明問題が、きれいに消されていた。
ぎりぎり提出直前に解き直すことができたが、あやうく恥をかくところだった。
(;´・ω・`)「徳福屋のふんわりティラミスがなくなってる!」
部活の帰りにデレと徳福屋に寄った、その翌日にはもうなくなっていた。
三個買って、三個残らず食べられてしまった。
アラマキくんはとにかく、いたずらがすきで、食い意地が張っていた。
細かな被害を上げればきりがなかった。被害を受けないよう隠そうとしても、
ショボンの行動は筒抜けになっている。抑止することは不可能だった。
ショボンも当然、不満を漏らした。抗議した。咎めだてた。しかし――。
『おもしろそうだったんだもん♪』
あるいは、
『おいしそうだったんだもん♪』
と開き直るばかりだった。謝るということを知らないに違いなかった。
このように、アラマキくんとの生活は大変なことも多かった。
けれど、けしていなくなってほしいとは思わなかった。
January 27, 2011
(´・ω・`)朝焼けディミヌエンドのようです 第一幕
ありがとうと百辺書いて気持が伝わるなら、どんなに簡単なことだろう。
伝えたいことが多すぎて、何を書けばいいのかわからない。
書きたいことが多すぎて、何から伝えればいいかわからない。
猶予はない。こうして手を拱いている間にも、
刻々と残り時間は磨り減っている。とにかくゆびを動かそう。
格好つける必要はない。支離滅裂でも構わない。
ミスしたって、みっともなくたっていいじゃないか。
それも含めて、自分なんだ。
様々な記憶が甦ってくる。思い出したくない記憶も多い。
けれど、それを手放しちゃいけない。人生の実は、明るいことだけにあるのではない。
辛いことも悲しいことも、すべてひっくるめて私なのだ。
視界が滲んだ。舞台上から聴こえてくる合唱の響きが、鼻の奥をつついた。
ずっと不安だった。重ねて見ていたのではないかと。
ただ、代理の役割を押し付けていただけなのではないかと。
いまなら断言できる。それは違う。
どちらもどちらの代わりにはならない。
どちら共に、私にとっての唯一無二だ。
もう時間がない。自分の意思とは関係なしに、そのときは訪れる。
結びを書こう。正真正銘、最後の最後だ。
少しくらいわがままをいっても、許してくれるかな。
きっと、許してくれるよね――
走っていると視界がぼやけてくる。
ショボンは力を込めて目をつむり、息を吐くと同時にまた開いた。
毎朝走り続けていても、気道が収縮するようなこの感覚には慣れない。
寒くなり始めましたとテレビは言っていたが、
こうして汗を流していると大した違いは感じられない。
ジャージの下で蒸れた熱気が、襟元から漏れ出して顔にかかる。
涼気を求めて首を反らすと、のどの奥がたちまち乾ききって、余計苦しくなってしまう。
聴こえるものは自らの呼吸音と、頭の中心で鳴り響く加速した鼓動だけだった。
空はまだ薄暗い。住居にも明かりはなく、耳をそばだてれば寝息が届いてきそうだった。
無論、ショボンにそんな余裕はなかった。
アスファルトの硬い感触を、一歩一歩蹴り進める。
住宅街を抜け、坂を登り、下った。他の店がシャッターを下ろしている中、
二十四時間営業のコンビニだけが、煌々と光を放っていた。
踏み切りの前でショボンは立ち止まった。遮断機が下りている。
甲高い警報の音に合わせて、ふたつのランプが交互に点滅している。
ホームにはスーツ姿の男性が、電車が来るのを待っていた。
数えられる程度の人数しかいない。それでも、人々が目覚めるより前に
働きへ出る人が、たしかにいる。錆びたブレーキ音を響かせて、電車が止まった。
ホーム上から男性がいなくなると、電車はゆっくりと動き出した。
汗をぬぐい、また走り出した。
杣矢川を横断する杣矢川橋を渡る。橋の向こう側、他県へと渡ったらゴール。
また折り返す。ショボンは足下に視線を向けながら、石畳の歩道を踏み出した。
杣矢川橋は長い。入り口からでは向こう岸が見えないので、
前を向いていると気が遠くなる。次に歩を置くべき箇所だけを見つめた。
整然と並んだ石畳の、溝に足を取られないようただ走る。
街中とは違い、川から昇った風がたしかに肌を冷やした。
内から発する熱が皮膚面で冷やされていく感触は、心地よい気もしたが、
同時に身震いを起こす悪寒のようにも思われた。
ショボンがどっちつかずの感触に抗しかねていると、突如、石畳に影が差した。
(;´・ω・`)「わっ」
目の前に女性が立っていた。女性は橋の下を眺めたまま、
じっとその場に佇んでいた。ショボンは避けようとして無理に体をずらした。
結果、足がもつれて転びそうになった。何とか倒れずにはすんだものの、
呼吸が乱れてのどがつかえ、変な声で咳き込んでしまった。
ばつが悪くなって、ショボンは体調が回復するのも待たずにその場を去った。
呼吸を整えてから、気づかれないよう静かに振り返ってみた。
女性はいまだ、橋の下を眺め続けていた。
セーラー服を着ている。長い髪に隠れて顔は見えなかったが、
自分よりみっつ、よっつは年上だろう。おそらく高校生なのだと思う。
飾り気のないバッグから、何かのキャラクターが垂れ下がっていた。
彼女は微動だにしなかった。ときおり風が髪をさらうだけで、
動的なものがそこから抜け落ちていた。
ぶつかりそうになったときも、その後も、彼女は何の反応も示さなかった。
組んだ両腕を手すりについて、川に視線を落としていた。
ショボンは振り返るのをやめ、足を早めた。
橋を渡りきった。ここはもう、普段住んでいる街とは異なる地域ということになる。
大きく何かが異なるわけではない。
だがショボンにとって、ここから先は未知の土地であった。
もと来た道を戻ろうとして、ショボンは足を止めた。
考えた末に、行きとは逆の歩道を使うことに決めた。
ここまでで半分。ここから先も半分。
辛かろうと苦しかろうと、同じ距離を走らなければ帰れない。
肺いっぱいに溜め込んで、熱を持った膝に活を入れた。
やることは変わらない。足下に眼を向けながら、一歩ずつ着実に進んでいく。
いつもと同じことを繰り返す。毎日、毎朝、変わらず行なってきたことだった。
なるべく何も考えず、気づけば家に着いている形が望ましい。
だがいまは、思考に雑念が紛れ込んでいた。視線を足下から、
ついつい横へ滑らせようとしてしまう。先ほどの女性が気になる。
なぜ制服を着た高校生が、こんな早朝に川を眺めているのか。
このようなわかりやすい理由もある。
けれどそれ以上に、彼女の放つ得体の知れない雰囲気自体が無視できなかった。
心のどこかで、あれは見てはいけないものだと警告しているようにも感じた。
しかしその禁忌感が、なおさら好奇心を刺激した。結局ショボンは、誘惑に負けて顔を上げた。
彼女は歩道にいなかった。ゆっくりとした歩調で、車道を横切っていた。
一歩進むのに何秒かかっているのか。乱れた髪の隙間に朝陽が差し込んでいた。
地肌がそうなのか光の関係なのか、赤みがかったほほは、倒錯的にも見えた。
陽を直視しているはずなのにまぶしがる様子もなく、
眼は異様に見開かれたまま動かなかった。見つめているようにも、
何も視界に入れていないようにも見えた。眼が、顔の印象を決定付けていた。
平常な人間の喜怒哀楽からかけ離れた表情をしていた。
そしてショボンは見た。彼女と、彼女へ向かって直進するトラックを。
トラックはかなりのスピードを出していた。人がいるなど考えてもいない速度だ。
ゴムの擦り切れる音が、何度も鳴らされるクラクションと共に響き渡った。
それでも彼女は反応しなかった。
彼女の世界では、トラックも、鼓膜を破る刺激も存在していないのかもしれない。
虚空を見上げ、意識ごと別の場所に飛んでいた。
このまま何もしなければ、悲惨なことになるのは目に見えていた。
呼吸が詰まりそうになった。走っていたからではない。
胸の中心が押し潰されそうで、目と鼻の奥が痛くなった。
彼女は動かない。トラックは進む。距離は狭まり、衝突のときは近づく。
ショボンの視界に、そのときの光景が幻視された。
それは、許されるものではなかった。
ダメだ、ダメだ、ダ――
(;´・ω・`)「ダメだぁ!」
彼女に向かって一直線に駆け出した。全速力で、つんのめりそうになりながら。
ふれてもいないトラックの圧力に、側面から押し返されそうだった。
トラックは彼女の間近に迫っていた。それはショボンのすぐそばまで
来ているということでもあり、ショボンと彼女との距離がほとんど
なくなっているということでもあった。
間に合わない。そう思うよりも先に、熱を持った膝がくの字に曲がった。
重い。重力に飲み込まれる。
だがしかし、ショボンは、体重のすべてをつまさきで支えた。
重力に反発し、曲がった膝を一文字に伸ばした。勢いそのままに、彼女目掛けて跳躍した。
不恰好に突進し、ショボンは、彼女と衝突した。彼女の体は綿のように、流れのままに浮いた。
その瞬間、彼女と目が合った。彼女の目が、ショボンを見ていた。
だが。
突然、トラックの向きが変わった。
それは、ショボンと彼女が飛んだのと、同じ方向だった。
バンパーが、目の前の視界を覆った。
最後に見た景色は、赤。