March 20, 2011

( ^ω^)ブーンはモンスターハンターのようです 第十四話

8 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:19:22.41 ID:/Ve8gDg/O

第十四話「集会所」





( ^ω^)「ごちそうさまだお。
      じゃ、行ってくるお!」

ノリ, ^ー^)li「はい、行ってらっしゃいませ!」

( ´∀`)「モナはどうすればいいモニャ?」

( ^ω^)「とりあえず待ってて欲しいお」

( ´∀`)「だが断る」

(;^ω^)「じゃあ聞くなお……」

今日は、いよいよギルドの集会所に足を運ぶ事になったブーン。
以前一度だけ集会所から依頼を請けたが、あれは素材を集める為だけの依頼だったので、
本格的な活動は初めての事だ。



9 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:21:02.60 ID:/Ve8gDg/O

ハンターズギルドの集会所の建物の前に、ドクオの姿を見つける。

( ^ω^)「おいすー、ドクオ!」

('A`)「お、ブーンも来たか。
    ……んじゃ、早速入るか!」

( ^ω^)「おっおっお」

軽く会釈し、集会所の入り口をくぐる。
一歩足を踏み入れたそこは、最早別世界のように感じた。

(*^ω^)「おぉ…… ハンターがいっぱいいるお!」

(*'A`)「あの武器、強そうだな……
    あ、あの防具はカッコいいな……!」

ざっと見回すだけで、十人を越えるハンター達が集まっている。
今この場にいない人も合わせると、もっとたくさんのハンターが居るのだろう。





10 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:23:10.25 ID:/Ve8gDg/O
 _
( ゚∀゚)「……おい、入り口で突っ立ってんじゃねぇよ。
     邪魔だ」

(;^ω^)「うわ!? すみませんでしたお」

また数人のハンターがやってきたようだが、ブーン達が入り口を塞いでいたようで、
怒られてしまう。

 _
( ゚∀゚)「チッ……
     ……ん? 見ねえ顔だな」

(;'A`)「は、はい! 最近ハンターになったドクオです」

(;^ω^)「同じく、最近ハンターになったブーンですお」
 _
( ゚∀゚)「! ブーン、だと……?」

(;^ω^)「は、はいですお……」

ブーンの名を聞いた途端に様子が変わったハンター。
彼はそのまま言葉を続ける。




11 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:25:05.02  ID:/Ve8gDg/O
 _
(#゚∀゚)「……名前だけは教えてやる。 俺はジョルジュだ。
     覚えたらさっさと失せろ。 目障りだ」

(;^ω^)「なっ……!?」

(#'A`)「あんた、自分の方が実力あるからってそれは無いんじゃないか!?」

突然突きつけられた辛辣な言葉にそれぞれの反応を見せる二人。
 _
(#゚∀゚)「ヒヨッコの癖に俺にモノ言うか、面白れぇ。
     なんなら、ケンカの相手してやっても良いんだぜ?」

(;^ω^)「……」

沈黙が集会所を包み、周りにいたハンターもブーン達に注目していた。
そこに、一人の老人が現れ、両者の間に割り込んだ。

/ ,' 3「これ、ジョルジュ、皆が迷惑しておる。
    暴れるなら表に出てから暴れてくれんかの」



13 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:27:04.40  ID:/Ve8gDg/O
 _
(#゚∀゚)「チッ……」

舌打ちと共に歩き始め、真っ直ぐ受け付けへと向かっていくジョルジュ。
ブーンとのすれ違いざまに、一言耳打ちを残して。

( ^Д^)「……」
ミ,,゚Д゚彡「……」

受け付けを済ませたジョルジュは、他二人のハンターと共に依頼をこなしに集会所を発っていった。

(;'A`)「とんだ言い掛かりだったな……
    大丈夫か?」

(  ω )「……僕は、何かあのジョルジュ…さんに、何か悪い事したのかお……?」

('A`)「何言ってんだ。
    あれは、誰がどうみても向こうが悪いぜ」

(  ω )「じゃあ、何で……」


――――何で、『俺はテメェを許さない』なんて言われたんだお……?



15 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:29:27.14  ID:/Ve8gDg/O

('A`)「はぁ? そんな勝手な……
    第一、初対面だろ」

(  ω )「そう、何だけど……」

心のどこかに引っ掛かる物がある。
その事実が、全くの無関係ではないという事を示している。

(;'A`)「あ゛ー、やめやめ!
    ほら、さっきのおじいさんにお礼しに行くぞ!」

( ^ω^)「……分かったお」

いくら考え込んでも物事は進展しない。
今は、ドクオの不器用な心遣いに甘える事にする。

('A`)「はじめまして。 最近ハンターになったドクオです。
    さっきは、ありがとうございました」

( ^ω^)「ブーンですお。
      お騒がせして、申し訳ありませんお……」


 
17 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:31:14.69  ID:/Ve8gDg/O

/ ,' 3「ん? おお、気にする事はないぞ。
    あやつにはほとほと困ったもんじゃわい…」

おじいさんの口調から、ジョルジュはギルドのトラブルメイカーという事が伺える。

/ ,' 3「おっと、紹介が遅れたの。
    儂は、ハンターズギルド・ポッケ支部のギルドマスター、荒巻じゃ」

(;'A`)そ「いっ、ギルドマスター様ですか!?」

(;^ω^)「ギルドに迷惑かけてすみませんでしたおッ!」

ギルドマスター。
その名の通り、ギルドで一番偉い人。
ポッケ村のハンターは全員、この人の許可を得てハンターとなることができる。
逆を言えば、この人の意に沿わない者を処分する事も可能だ。



18 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:33:03.18  ID:/Ve8gDg/O

/ ,' 3「確かに儂はギルドマスターという立場におるが、かしこまらんでくれ。
    おしゃべりが楽しく無くなるからの」

(;^ω^)「は、はあ……」

じゃあ、と話に区切りをつけた荒巻。

/ ,' 3「この集会所がどうなってるか知りたいか? 知りたいよな?
    よし、儂が教えてあげちゃおう」

(;'A`)「お、お願いします」

荒巻が持つ独特の雰囲気に呑まれた二人に対し、一方的に話し始める。

/ ,' 3「入り口の側にギルドマネージャーがおる。
    その隣には依頼を請ける受け付けがあるぞ。
    そこには受け付け嬢が三人いて、それぞれ『下位』、『上位』、そして『G級』と呼ばれるランクに分かれて紹介しておるのじゃ」


  
20 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:35:26.53  ID:/Ve8gDg/O

(;^ω^)「おっおっお」

/ ,' 3「まだまだあるぞ!
    狩猟具を販売しているハンターズストア。
    共に狩りに向かう仲間を募集する掲示板。
    皆で酒を飲み交わす宴席もあるし、一風変わった依頼を紹介してくれるバルケンさんもおるぞ」
    ξ
(;@ω@)「おおーん……」

(;'A`)「充実してますね……」

これだけの事を一息に話されてもすぐに理解できるはずもなく、よくわからない事の方が多く残った。

/ ,' 3「そうじゃろう、そうじゃろう。
    そんな施設で、君たちのハンター生活が始まるのじゃ!
    考えただけでわくわくしてこんか?」



21 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:37:17.67  ID:/Ve8gDg/O

言われてみると確かに全てが新鮮で、好奇心が溢れ出してくる。

(*'A`)「はい……!」

(*^ω^)「うはww
      夢が広がりんぐwww」

/ ,' 3「うんうん。 気に入ってもらえたようで何よりじゃ。
    じゃあ、儂は一旦失礼するよ。
    詳しい事はそれぞれの所で聞いてみるのが一番じゃろうしな」

そう言って、嬉しそうな様子のまま立ち去っていく荒巻。

( ^ω^)「さて、先ずはどこに行くかお?」

('A`)「んなもん、決まってるじゃねぇか。 やっぱ……」

(*^ω^)「「受け付けからだ(おね)!」」('A`*)

これから最も利用する事になるであろう、受け付け窓口。
二人の興味は、まずそこに向けられた。



23 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:39:03.38  ID:/Ve8gDg/O

―――ポッケ村・集会所受け付け―――

( ^ω^)「こんにちはですお」

(゚ー゚トソン「あら、こんにちは。
     さっきのやり取り、見させてもらいましたよ。
     早速この受け付けの利用方法を教え――――」

『いっけー、ハソン・イリュージョン!』

(;^ω^)「!?」

(>、<トソン「きゃあ!?」

受け付け嬢の一人から教えてもらおうとしたその時、掛け声と共に緑色の煙が発生する。
煙が晴れた先には、先ほどの受け付け嬢の姿が消えてしまっていて――――

(゚∀゚ハソン「ふふん、大成功!
     こんな面白そうな事、トソンに任せちゃ勿体ないよね!」



24 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:41:26.07  ID:/Ve8gDg/O

―――代わりに、先ほどの受け付け嬢によく似た別の受け付け嬢が立っていた。

(;゚ω゚)
(;'A`)

(゚ヮ゚ハソン「ちゃお♪
     あたしはギルドの受け付け嬢、上位ランク担当のハソンよ。
     これからよろしくね、新顔くん!」

呆気にとられる二人をよそに自己紹介を始める受け付け嬢、ハソン。

(;゚ω゚)「……えっと、名乗る前に一つ良いですかお?」

(゚ヮ゚ハソン「いーよいーよ、どんとこい!」

(;゚ω゚)「さっきまでいた方はどこ行っちゃったんですお……?」

(゚、゚ハソン「どこだろうね?」

(;゚ω゚)「は?」

(゚ヮ゚ハソン「ごめん、嘘うそ。
     〈モドリ玉〉をぶつけただけだから、多分自宅に戻ったんだよ」


 
25 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:43:16.78  ID:/Ve8gDg/O

(;^ω^)「〈モドリ玉〉……?」

(゚ヮ゚;ハソン「え、ハンターなのに〈モドリ玉〉を知らないの?
      ちょっと勉強不足じゃないかな……?」

こほん、と軽く咳払いをするハソン。

(゚ヮ゚ハソン「〈モドリ玉〉とは!
     地面にぶつけると発生する煙に触れると、なんか知らないけどベースキャンプまで一瞬で戻れる道具だよ!」

更に話を聞くところ、慣れないモンスターと戦う時は、一つは持って行くのが常識らしい。

(゚ヮ゚ハソン「でもここは狩猟区域じゃないし、戻った場所は自宅のはず。
     遠出したときとか便利だね~」


26 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:45:07.49  ID:/Ve8gDg/O

そこまで話したハソンが、思い出したように話を切り出す。

(゚ヮ゚ハソン「で、君たち名前はなんて言うの?」

( ^ω^)「ブーンですお」

('A`)「ドクオです」

(゚ヮ゚ハソン「おkおk、ブーンくんにドクオくんね。
     じゃあ、続いて本題入ろうか!」

ハソンの言う本題とは、二人が先ほどの受け付け嬢から聞こうとしていた受け付けの利用法だ。

(゚ヮ゚ハソン「集会所受け付け、って言ってもそんなたいしたものじゃ無いんだよね。
     基本的には私達が依頼を紹介して、良いのがあったら君たちがそれを請ける、って感じね。
     ここまではいい?」


27 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:47:16.49  ID:/Ve8gDg/O

( ^ω^)「でぃさんから依頼を請けるときと余り変わんないですおね」

(゚ヮ゚ハソン「でも、次から集会所ならではの流れがあるんだよね。
     依頼を請けた後、最大で四人までメンバーを集める事ができるんだよ!」

('A`)「四人っていうのは、依頼を請けた人も含めてですよね?」

(゚ヮ゚ハソン「当然!
     メンバー募集の方法は簡単で、専用の用紙を渡すから、そこにちょいちょいっと記入事項を書いたら、掲示板に貼るだけ」

ハソンは説明しながら、募集用紙を二人に渡してみせる。

( ^ω^)「お?
      じゃあ掲示板に貼ってあるメンバー募集に参加するときはどうすればいいんですかお?」


28 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:49:04.49  ID:/Ve8gDg/O

(゚ヮ゚ハソン「それも簡単。
     まずはメンバー募集をかけたハンターに声を掛けて、許可を取ったら受け付けに用紙を持ってくれば良いだけ。
     後はあたしたち受け付け嬢の仕事ね」

('A`)「なるほど、割と単純な流れなんですね」
 ,,_
(゚д゚ハソン「ごちゃごちゃした手順踏んでまで、メンバー募集したいと思う?」

(;'A`)「な、なるほど……」

一通りの説明を終えたのか、ふぅ、と軽く息をつくハソン。

(゚ヮ゚ハソン「ん~、じゃあそろそろトソンも戻ってくる頃だろうし、あたしは持ち場に戻るよ。
     上位目指して頑張ってね~」



 
30 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:51:08.71  ID:/Ve8gDg/O

そう言って、持ち場に戻っていくハソン。
そして下位ランクの受け付け前に二人取り残される形になる。

( 、 ;トソン「はぁ、はぁ……
      や、やっと戻ってこれました……」

そこに、集会所入り口から声が聞こえてきた。
振り向いた先には、先ほど消えてしまった受け付け嬢。
どうやら自宅から走って戻ってきたようだ。

( 、 ;トソン「はぁ、はぁ……
      全く……もう…………」

ふらふらとおぼつかない足取りを見るに、全力で駆けてきたようだった。

(;^ω^)「だ、大丈夫ですかお……?」

( 、 ;トソン「んっ……
      すみません……、ちょっと、受け付けまで、引いていってくれませんか……?」



31 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:53:32.63  ID:/Ve8gDg/O

言うと同時に力無く腕を伸ばす受け付け嬢。

('A`)+「任せて下さい」

それに対してドクオが了承するが、何か邪なものを感じ取ったので、ブーンが素早く受け付け嬢の手を取る。

受け付け嬢の手を引く後ろで、ドクオが呪いの言葉を呟いていたが、聞き流す事にした。

(゚、゚;トソン「すー……、はー……
      ……ありがとうございます。
      見苦しい姿をお見せしてしまい、申し訳ありません」

深呼吸で息を整えた受け付け嬢。
そこからの切り替えは早く、丁寧に話し始める。



33 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:55:03.85  ID:/Ve8gDg/O

(゚、゚トソン「はじめまして。
     ハンターズギルド・ポッケ支部、下位ランク受け付け担当のトソンです。
     どうぞ、宜しくお願い致します」

(;^ω^)「ぶ、ブーンですお」

(;'A`)「ドクオです」

礼儀正しく頭を下げるトソン。
つられた二人もたどたどしく頭を下げた。

(゚、゚トソン「では、先ほどの話の続きを―――」

(;^ω^)「あ、受け付けの利用法なら一通りハソンさんに教えてもらいましたお」

(゚、゚;トソン「あら、そうですか?」

( 、 ;トソン「……もしかして、それだけの為にあの人は…………」

(;^ω^)「?」
(;'A`)「?」



34 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:57:16.90  ID:/Ve8gDg/O

二人から不思議そうな視線を向けられている事に気づいたトソンは、何でもないです、とだけ言う。

(゚、゚トソン「それなら、もう私から話すことも無いですね。
     他の所も見て回ってみてはどうでしょう?」

( ^ω^)「お、そうさせてもらいますお!」

二人はトソンに礼を告げ、続いてハンター達が集まっている宴席に向かう。

そこには、ブーンには見慣れた二人が談笑する姿があった。

( ^ω^)「ギコさん、しぃさん!」

(*゚ー゚)「こんにちは!」

(*゚Д゚)「お、ようやく気づいたか!
     ジョルジュの奴にえらく突っかかられてたな」

(;^ω^)「見てたなら助けて欲しかったですお」



35 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:59:06.71  ID:/Ve8gDg/O

(;-Д-)「自分から面倒事に首突っ込む奴がどこにいるかよ」

(*゚ -゚)「……」

( ^ω^)「それもそうです……お?
      二人の腕のそれって……」

酒が入っているであろう器をつかんでいる腕、
――――厳密に言えば手首にかけられた、特殊な金属でできたブレスレット。

この金属の精製技術はハンターズギルドのみが所有している。
そんな金属製のブレスレットを二人が掛けている理由は一つだけ。

(*^ω^)「遂に上位ランクに上がったんですかお!?」

(*゚Д゚)「へっ、まあな!」

(*゚ー゚)「しかも前とは違って、割と楽にこなせたよ!」



36 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:01:02.38  ID:/Ve8gDg/O
ブーンは以前、伸び悩むギコの姿を見たことがある。
スランプを乗り越えた今後は、更に腕を上げていくのだろう。

(*^ω^)「すごいですお!」

(*゚Д゚)「サンキューな。
     で、うまくいったのはほんの少しはお前のお陰でもあるからな。
     こいつをやろう」

(*^ω^)「?」



(*゚Д゚)⊃■  ⊂(^ω^*)

:(* Д ):  ■⊂(^ω^;)
        _, ,
(*;Д;)   (^ω^) !?
       ⊃■⊂



39 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:03:28.53  ID:/Ve8gDg/O

渡された物は、どうみても素材にも使えそうにない錆びの塊だった。

(*;Д;)「ガハハハハ!
     悪いなブーン。 処分は任せた!」

(;^ω^)。o(普段のギコさんじゃないお……)

(;゚ー゚)「ギコくんったら…… ごめんねブーンくん。
     でも、本当に感謝はしているの。 だから……
     許してあげてね?」

( ^ω^)「許すも何も……」

ギコの普段の振る舞いから、素直に感謝の気持ちを伝えられるような人ではない事は容易に伺える。

照れ隠しと酒に酔った勢いから妙な形になってしまってはいるが、
ブーンにはちゃんと、ギコの感謝の気持ちが伝わっていた。



41 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:05:19.21  ID:/Ve8gDg/O

(*^ー^)「……うん、ありがとう!」

恋仲でもある二人の時間を邪魔するわけにもいかないので、軽く会釈しその場を離れる。

(;'A`)「ギコさん、酔うとあんな感じになるんだな……」

( ^ω^)「意外な一面だお」

話しながら、集会所内にある狩猟具店、ハンターズストアへとやってきた。

品揃えはビロードの店とは少し違っていて、ビロードの店は〈回復薬〉や〈解毒薬〉といった薬品を中心に扱っていたが、
こちらのハンターズストアは、ボウガンの弾や狩猟弓に使うビン、
モンスターの生態が書かれた本などが販売されていた。



42 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:07:04.29  ID:/Ve8gDg/O

( ^ω^)「お? モンスターの生態書なんてあるお」

('A`)「生態を知れば戦う時に便利そうだな」

しばしの間、店の品揃えを見て回る。
しかし今は持ち合わせのお金が少なかったので、購入はしなかった。

('A`)「そういえばさ、さっき荒巻さんが言ってた『バルケン』ってどんな人なんだろうな?」

( ^ω^)「確か、変わった依頼を紹介してくれるとか言ってたおね」

('A`)「よし、直接話を聞いてみよう」

( ^ω^)b「把握したお」

話がまとまった所で、集会所を見回しそのバルケンなる人物を捜す。
だが、特徴も何も知らない二人が見回すだけでわかるはずがなかった。


44 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:09:30.89  ID:/Ve8gDg/O

結局、一人のハンターに教えてもらい礼を伝えつつバルケンのもとへ近づく。

( ^ω^)「こんにちはですお。
      貴方が、バルケンさんかお?」

( ,'3 )「いかにも。
     このワシが『トレジィ』ことバルケンじゃ。
     で、ワシになんか用か?」

( ^ω^)「荒巻さんから、少し変わった依頼を紹介してくれると聞いたんですけど……」

( ,'3 )「うむ。 『トレジャークエスト』の事じゃな。
     お前さんたちもやってみるか?」

バルケンから、『トレジャークエスト』なるものを勧められる。
ハンターとして、興味が湧かない筈がなかった。



45 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:11:03.04  ID:/Ve8gDg/O

('A`)「俺たちにも出来るんですか?」

( ,'3 )「もちろん。
     決まりは2つじゃ。
     まず一つ目は、最大で二人まで。
     普通の依頼の半分じゃな」

( ^ω^)「それじゃ、一人で請けることは出来るんですかお?」

( ,'3 )「一応できるぞ。
     じゃが、二人の方が効率的にお宝を探してこれるというものじゃ」

('A`)「お宝を探す……?
    って事は、トレジャークエストは狩猟が目的ではないんですか?」

( ,'3 )「その通りじゃ。
     確かに大型モンスターも現れるが、慣れない内は無理に倒さんでもお宝は集まるぞ」



47 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:13:14.48  ID:/Ve8gDg/O

どうやら、トレジャークエストの目的は狩猟区域に散らばるお宝を探して来ることが目的らしい。

お宝として重宝されている物は普段の狩猟では邪魔になるものなので、
お宝を集める為だけの依頼が設けられたのだとか。

( ,'3 )「さて、話を戻そうか。
     二つ目の決まりだったな。
     それは道具の持ち込み禁止、じゃな」

(;^ω^)「それじゃ、〈回復薬〉とかもですかお?」

( ,'3 )「無論じゃ。 ま、安心せい。
     最低限の道具は支給品として用意するのでな」

道具の持ち込み禁止、ということは道具の持ち帰り禁止、と同じである事を知っていたドクオが一つの疑問を抱く。



48 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:15:24.99  ID:/Ve8gDg/O

(;'A`)「あれ……?
    それじゃハンター側の利がないんじゃ……?」

( ,'3 )「何を言うか。
     ちゃんと報酬は用意するぞ!
     たくさんのお宝や、貴重なお宝を集めて来るほど報酬もたんまり貰えるのじゃ!」

( ^ω^)「モンスターの素材……ではないんですおね?」

( ,'3 )「そこはさっきも言った通り、モンスターの狩猟が目的ではないからの。
     だが、狩猟に便利な道具類を報酬として用意しておるぞ。
     〈強走薬〉や、〈水光原珠〉といったものじゃ」

(;^ω^)「〈水光原珠〉……?」

(;'A`)「お前な……
    装飾品の素材だよ。
    詳しくは、今度シャキンさんに聞け」



49 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:17:06.04  ID:/Ve8gDg/O

半ば呆れられてしまったブーンが、慌てたように話を振る。

(;^ω^)「つ、つまりお宝を見つけてくれば、いろんな道具を報酬として貰えるんですおね?」

( ,'3 )「ま、簡単に言えばそうじゃな。
     さぁ、この話を聞いた君たちはもうトレジャーハンターの同士じゃ!
     トレジャークエストを請けたい時はいつでも来るといいぞ!」

( ^ω^)「「分かりました(お)!」」('A` )



その後、バルケンのもとから離れた二人。
集会所の主な施設は、もう殆ど回ってみたはずだ。



50 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:19:05.26  ID:/Ve8gDg/O

( ^ω^)「さて、もう見てない所は無いおね」

('A`)「まだ簡単にしかみてないけどな」

( ^ω^)「うーん……
      これからどうするかお?」

('∀`)「狩りに行くに決まってるだろ!」

(*^ω^)「おっおっお」

ようやく狩猟に向かう準備を始めた二人。
〈回復薬〉等の準備を済ませ、下位ランクの受け付けを訪れた。

( ^ω^)「早速、依頼を請けさせてもらいますお」

(゚ー゚トソン「分かりました。
     では、今紹介できる依頼はこちらになります」



53 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:21:21.90  ID:/Ve8gDg/O

トソンが広げた依頼の用紙を吟味する二人。

( ^ω^)「“ランポス”20頭の討伐はどうだお?」

('A`)「そんなん、一人でも簡単だろ……
    ……お、これなら良いんじゃないか?」

そう言って、ドクオが選んだ依頼は“イャンクック”1頭の狩猟が目的の依頼だ。

('A`)「こいつなら戦いがいもあるし、でも負けることは……もう無いと思うしな」

( ^ω^)「お、良いと思うお!」

(゚、゚トソン「では代表者が依頼を請け、他の方を募集する……
     という流れでお願いしますね」

(;'A`)「はい、分かりました。
    んーっと、この用紙に書くんだよな」


55 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:23:21.86  ID:/Ve8gDg/O

掲示板に貼り付け、ハンターを募集する為の用紙を記入していくドクオ。

('A`)「……ん? この募集人数って何だろう?」

(゚、゚トソン「そこには、依頼を請ける時の最大募集人数を記入するんですよ。
     無記入なら記入者を含めて4人。
     3、と記入すれば記入者を含めて3人まで募集します、という形になります」

('A`)「分かりました。
    なら、俺とブーンで2人っと」

ドクオが『2』と記入しようとしたその時。
集会所の入り口から聞こえてきた、待って、という女の子の声。
その声は、ブーンとドクオには聞き慣れた声だった。



56 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 01:25:28.27  ID:/Ve8gDg/O

(;^ω^)「え……!?」

('A`)「……ようやく来たか」

2人の視線の先には金の巻き毛が特徴的な、2人の友人が立っている。

ξ;゚⊿゚)ξ「ぎ、ギリギリね……
      その狩り――――あたしも一緒に行くわ!」


その少女は他でもない、武具を身に纏ったツンだった。





第十四話   end


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この記事へのコメント

1. Posted by 名無し   March 21, 2011 13:45
3 相変わらずゲームに忠実過ぎるのがイマイチ面白くなれない原因
読むけど忠実にやりたいなら独自解釈なりで理由付けした方がよさげ

世界観に入りにくい
2. Posted by 名無し   April 01, 2011 06:14
5 いよいよツン参戦か!
3. Posted by 名無し   July 21, 2011 22:38
15話は無いんだかね?もしかして津波・・・
4. Posted by 名無し   August 29, 2011 07:05
ツンは弓装備かな?
5. Posted by バイアグラ 激安|バイアグラ 使用   December 01, 2011 08:34
ありがとうございます!私服めっちゃ可愛い\(^o^)/
6. Posted by ザーメンぶっかけ画像   December 03, 2011 00:57
~同人道~
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