April 2011

April 30, 2011

ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 幕間γ

453以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/04/25(月) 03:06:50 ID:AKi63ZcEO
(,,’」’)「これは、喜多様!失礼ですが、通行証は?」

( `v´)「……」


王城の門を護る衛士が、仰々しい声で定型の言葉を口にする。
これらの一通りの入城手続きは、面倒ではあるものの、決して無視することはできない。

言われた喜多の方は傍らに控える取り巻きに顎で指示を下した。


「ハッ、こちらにございます」

(,,’」’)「喜多様、および部下の四名。客人。……この客人とは?」

( `v´)「この方だ。故あってフードを取ることはできないが、こうして通行証がある限り問題なかろう?」


喜多の物言いに、衛士は眉根を寄せた。

無理もないだろう。たとえ通行証があるとは言え、ここはヨツマが誇る王城。
一国の生ける象徴の住まわう城に、身体全体をフード付きの外套で覆い隠したような不審人物をおいそれと通すわけにはいかない。


(,,’」’)「し、しかし……」



454以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/04/25(月) 03:07:55 ID:AKi63ZcEO
(ΘωΘ)「構いません、お通ししなさい」


迷える衛士に助け舟を出したのは、城門前のベンチに腰かけていた白髪交じりの男性だった。
黒い直杖を突きながら、身なりの良い初老の彼は一行に微笑みかける。


(,,’」’)「は、殊能執務長がそうおっしゃるなら……直ちに門を開きます」

( `v´)「ふむ、御苦労」


豪奢な装飾の施された巨大な扉が押し開けられた。

十年ぶりに見た前庭の光景を、全身をコートで纏った客人は無感情な瞳で一瞥した。
複雑に配置された採光窓や鏡石からもたらされた光が、植えこまれた庭木と戯れる。

門に施された結界を潜ると、空気が一変する。
ヨツマ国王・バチカーヌの──王家デクレアラの持つ親和能力の気配に。

……『太陽の宮殿』。設計段階で付けられていた、それがこのヨツマ王城の名前だという。


樹海を征く者のようです 幕間γ



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ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 幕間β

414以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/04/23(土) 22:46:59 ID:7T1J403gO
纏亭。


ミセ*゚ー゚)リ「いらっしゃい! ……って、ナチにヘリちゃん?」

ハソ ゚-゚リ「ん、ミセリか? なぜここで店員を?」
*( - -)*「ナチ、聞きなさるなよ。冒険者ってのは世知辛い業界なんです」

ミセ*^ー^)リ「ちっくしょう、仕事中じゃなきゃグーの一閃なのになぁ。ほら、ここ私の家だし」

*(‘‘)*「ありゃりゃ、私はてっきり弱っちいあなたが仲間に捨てられたのかと……」


ミセ*゚ー゚)リ
ミセ*゚ -゚)リ
ミセ*´ -`)リ

*(;‘‘)* そ
ハソ; ゚-゚リ そ



415以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/04/23(土) 22:48:03 ID:7T1J403gO

ミセ*´ -`)リ「……だって、キャラバンから戻ってきたらぽっぽちゃんもビロ君も居ないし。
      聞いたら、二人とも別の任務を取ってラウンジに行ったとかだし。
      しかもその任務が延長され続けてるせいで、今もまだ帰ってきてないし。
私、一応リーダーなんだよ? 一言くらい何か言ってくれても良いじゃん。
      ……まぁ、書置きは残してくれてたけど、こんなんだしさぁ……」

ミセ*´ -`)リっ□

*(;‘‘)*「『大きなお仕事貰ったんです><』」
ハソ;゚-゚リ「『ラウンジで蜜柑の食べ比べするっぽ』」

ミセ*´ -`)リ「寂しいよぅ……心が寒い……」

*(;‘‘)*「……重傷ですね」


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ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 幕間α

391以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/04/22(金) 21:03:03 ID:AvRVNNLgO
……ヨツマ北西地区、貴族層居住区。


*( - -)*=3「くっはぁぁああ……」


風呂という習慣は、新世界の大部分において大きく限定された。

自宅に綺麗な水を引き込み、温め、体を浸す。
木材をはじめ様々な物資が不足しがちな中、個人でそれだけの贅沢を行うことは非常に難しい。

もちろん、そうした文化の魅力そのものは弱まっていない。
昇露苑や倉ノ屋などのヨツマを代表する高級宿泊施設では大浴場を設置しているし、
発火能力者を多く抱える国学院でも怪しげな大浴場もどきを作り上げたりもしている。

……彼女の自宅の小浴室。
磨き上げた白玉石の浴槽に膝ほどの高さの湯を張り、縁に肘を突いた少女が体を沈める。

自然と、声が漏れた。


*( - -)*「……」


一人きりの家、一人きりの浴室。
時折水の揺れる音しかしない、静かな夜の縁。

目を凝らすと、灯り一つない夏夜の黒に柔肌の白が浮かぶ。



392以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/04/22(金) 21:04:30 ID:AvRVNNLgO
傷一つ無い、染み一つ無い、美しく真っ白な肌。
誰よりも醜い、未完成の身体。


*( - -)*「……またんき、ツン。でぃ、クー……」


『最低限、自分の身は自分で守る。できるか?』
『バカ言わねーでください、できるワケ無いでしょう! だからあんた達を頼ってるんです!』

水面に雫が一粒、落ちる。

かつて少女を守っていた仲間には、──幾度となく少女の脳裏に浮かぶアホ面の身体には、
数え切れないだけの傷があった。

歌姫を、魔術師を、治療術師を。
仲間を守り通した戦士は、こんな風に白くてきめ細かいだけの肌なんかよりもずっと美しかった。
彼と並び盾と剣を振るう騎士は、華奢で柔らかいだけの身体なんかよりもずっと美しかった。


*( - -)*「まだ礼なんて言ってねーってのに。……あのバカ、また勝手に居なくなりやがって」


水面に雫が一粒、また落ちる。
小さな歌姫の小さな悲鳴は、夜の空には届かない。


ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 幕間α


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boonkei_honpo at 22:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)ファンタジー | 樹海を征く者のようです

ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 第一章 最終話~エピローグ

281以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/22(火) 20:14:15 ID:EUXDbcH.O
(; ↓ )「……なぜだ。三年もラウンジの闇に尽くしてきた俺が、なぜ処分される……」

(/ )「……勘違いするなよ、お前らはよく頑張ったさ。ドクオが一枚上手だっただけだ。
  ハインリッヒ高岡を逃がしたのは失態だが、俺もその程度で大事な右腕を落としたりはしねーって」


只でさえ左腕が喰われたのに、フードの男がまるで感情の無い口調で言う。

……失態。
根喰いの巣穴で遭遇した二人の冒険者をみすみす取り逃がし、自らも逃亡した事。


(;・↓ )「……?」

(/ )「ま、相手が強すぎたってのは分かる。俺達も正直、ハインリッヒを舐めてた。
  ……ただ、俺は良くても、上と隣は許してくれないんだよね」



282若干、閲覧注意気味:2011/03/22(火) 20:15:44 ID:EUXDbcH.O
フードの男は、スッと片手を上げる。
闇がさざめき、その腕を覆った。


(;・↓・)「な……にを……」

(/ )「絶対に“動くな”よ。なぁに、お前に責任の取り方を教えてやるだけさ」


まるで指揮者がタクトを振るように男は腕を宵に踊らせ、纏った闇がオリッチを飲みこむ。
自らを包もうとする真っ黒な波を前に、彼はこの時初めて闇の正体を理解した。

蛾、だ。
鮮やかな夜色の、冷たい死の色の、降り注ぐ絶望の色の──


(; ↓ )「──ぎ……がぁぁああぁぁあッ……!」



283若干、閲覧注意気味:2011/03/22(火) 20:19:06 ID:EUXDbcH.O
頭、顔。目、耳、鼻、口、舌、喉。首、脇、腕、指。胸、腹、背。股、尻、足、腿、脛、指。
鎧の隙間を縫い全身を這い回る羽虫の感触に、オリッチの意識は溶かされてゆく。

……やがて身体を支える気力が尽き、オリッチは倒れ伏す。


「……はい準備完了ー、お疲れさん。じゃあ後は──」


今一つ緊張感のないフードの男の声は、オリッチには届いていない。
それに気付いた様子もなく男は好きなだけ喋り、満足したように踵を返した。

現れた時と逆に霧散するように消える、フードの男。
そして、夜陰に静寂が戻る。






284以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/22(火) 20:23:22 ID:EUXDbcH.O
(;#+↓)


( ,'3 )「うわぁ、酷い有り様ね……」
/ ゚、。 /「……」


“それ”が発見されたのは、キャラバンがルーキーを送り出してから三日後のことだ。

懐から発見された登録証から“それ”はオリッチ黒田と断定され、数日の後に荼毘に付される。



ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 第一章 新緑の木立

最終話『意思』



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boonkei_honpo at 21:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)ファンタジー | 樹海を征く者のようです

April 17, 2011

(U)戦え!チンコーマンのようです

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/16(土) 18:42:58.47 ID:H/etGCAB0
(i)「キャァー! 助けてー!」

(@)「ヒッショッジョッショッジョ、私の名前はヒショジョンガー。 お前の処女を破いてやる」

(i)「キャァー! 助けてー!」

?「待てぇー!」

(@)「あぁん? 何者だァ?」

(U)「……幼き膜の守り神……膜を守れとの民の願い! 毛の生えぬツルペタを
   汚す悪の組織、ショジョチュウレンコを倒すため! チンコーマン! 参上」 



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/16(土) 18:52:59.35 ID:H/etGCAB0
(U)「覚悟しろ、怪人ヒショジョンガー! はぁぁぁ、変身!!!!」

ナレーター「超根戦士チンコーマンは変身する事によって、常根の30倍の力を出すのだ
       凄いぞ、超根戦士チンコーマン!」

 ∩
(  )「超根戦士チンコーマン! 貴様を成敗する! くらえ、アリスソフトビーム!!!」

(@)「グガギャー!」

(i)「ありがとう! チンコーマン!」


 ∩
(  )「気にするな、じゃまた」

ナレーター「ああ! 孤高の超根戦士チンコーマン! 負けるなチンコーマン! 日本の未来は
       君の双玉にかかっている!」

おしまい



boonkei_honpo at 11:23|PermalinkComments(1)TrackBack(0)クッソスレ | 短編

April 10, 2011

(*゚∀゚) つーはしゃっくりが止まらないようです

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/02(土) 06:28:48.71 ID:wRI6o/M80
 
(*゚∀゚)「ひっく」

(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)「あー」

(*゚∀゚)「あぁー」

(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)「気のせい…ひっく」

(*゚∀゚)「…」


ガチャ

(*゚ー゚)「つーちゃん」

(*゚ー゚)「お醤油切れちゃったの、貸してくれない?」



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/02(土) 06:32:39.45 ID:wRI6o/M80
 
(*゚∀゚)「…」

(*゚ー゚)「つーちゃん?」

(;*゚∀゚)「むぉ!?」

(*゚∀゚)「おぅ、しぃか」

(*゚ー゚)「どうかしたの?」

(*゚∀゚)「い、いやぁ?」

(*゚∀゚)「なんでも…ひっく…ない、よ」

(*゚ー゚)「…」

(*゚∀゚)「…」


(*゚ー゚)「しゃっくり?」

(゚∀゚*;)「ち、違うよ!?」

(゚∀゚*;)「全然違うよ!! 横隔膜が痙攣してるだけだよ!!」

(゚∀゚*;)「しゃっくりとは似ても似つかないよ!!」

(*゚ー゚)「それを世間一般ではしゃっくりって言うんだよ」



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/02(土) 06:34:42.92 ID:wRI6o/M80
 




(*゚∀゚) つーはしゃっくりが止まらないようです





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boonkei_honpo at 10:13|PermalinkComments(3)TrackBack(0)ほのぼの | 短編

April 03, 2011

(゚、゚トソン感謝(だけ)を伝えたようですが……

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/02(土) 01:19:45.41 ID:MtRQfJWSO
あえたら、必ず伝えなければ……

3月11日の大地震のさなか
私を、私達を救って下さった警備さんにお礼を言うチャンスを逃したまま
三週間近くが過ぎてしまいました…

(゚、゚トソン「先日はありがとうございました……でいいのでしょうか……?」

(-、-;トソン「もっと適切な言葉がありますよね……コミュ障はこれだから……」

私はいわゆる軽度のコミュ障だと自覚しており
それがゆえに、素っ気ない言葉しか浮かんできません


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boonkei_honpo at 11:24|PermalinkComments(2)TrackBack(0)感動 | 短編