February 27, 2011
枕物語のようです ―偶然が重なって運命の人ようです―
偶然が重なって運命の人ようです
('、`*川「バス来ぃへんね。」
(´・ω・`)「えっ
そうみたいですね。」
('、`*川「あれ?
関西の人ちゃうんや。」
(´・ω・`)「出張ですよ。
貴方は学校帰りですか?」
('、`*川「デートの帰りやねん。」
(´・ω・`)「制服でデートなんて、青春ですね。」
('、`*川「えぇやろぉ~
おっちゃんは嫁さんとかおれへんの?」
(´・ω・`)「いえ僕は…
恥ずかしながらバツイチでして。」
('、`*川「おっちゃんしょぼくれた顔しとるもんなぁ…。」
(´・ω・`)「それは関係ないでしょ。」
('、`*川「お。バス来たわ。」
ピー
…………………………
('、`*川「おっちゃんまた会うたな。」
(´・ω・`)「こないだの。
こんな夜遅くまで危ないですよ?」
('、`*川「えぇねん。彼氏が守ってくれとるし。」
(´・ω・`)「今は一人じゃないですか。」
('、`*川「バス停家の目の前やから大丈夫やねん。」
(´・ω・`)「でも気を付けないと、何があるか解りませんよ。」
('、`*川「え、おっちゃん襲うつもり?
怖いわぁ。」
(´・ω・`)「そんなつもりじゃありませんよ。
スミマセン。」
('、`*川「イヤイヤ。
しっかりツッコんでや。
ノリツッコミすらされんと淋しいわ…。」
(´・ω・`)「ごめんね。
まだ関西のノリは難しいんですよ。」
('、`*川「そんな関東の人みたいな事言って。」
(´・ω・`)「イヤ関東人ですから。」
('、`*川「それや。
ツッコミ出来てるやん。」
(´・ω・`)「そ、そうですか?」
('、`*川「エェ感じやで。」
(´・ω・`)「…!
バス来たましたね。」
ピー
…………………………
(;、;*川「…。」
(;、;*川「…グスッ
ズビッ」
(;、;*川「なんでやねん…。」
(´・ω・`)「ひとりでツッコミしてどうしたの?」
(;、;*川「おっ…ちゃん…ズズ。」
(´・ω・`)「言ってごらん。
楽になるかもよ。」
(;、;*川「あんな…エグッ
彼氏がな。二股、しててん。」
(;´・ω・`)「それは…ショックだったね。」
(;、;*川「アタシ女テニやねんけどな。
彼氏は男テニやねん。」
(´・ω・`)「テニ…テニス部か。」
(;、;*川「せやねん…
でな。二股相手やねんけどな。」
(´・ω・`)「うん。」
(;、;*川「…ダブルスのペアの子やってん。」
(;´・ω・`)「それは…。
またややこしいね。」
(;、;*川「せやろ?
二年間ペア組んどったのに…
なんで気付けへんかったんやろ。
アホみたいや。」
(´・ω・`)「近すぎると解らないもんかもね。」
(;、;*川「イヤ普通解るもんちゃう?」
(´・ω・`)「…僕も、妻の浮気に気付かなかったしね。」
(;、;*川「おっちゃんダッサ。」
(´・ω・`)「おっちゃんはアホだからね…
ってキミもだよ。」
(う、;*川「ノリツッコミ出来とるやん。
ふふ。」
(´・ω・`)「…バス来たね。
君は笑ってる方が似合ってるよ。」
('ー`*川「へへ。ありがとうな。おっちゃん。」
ピー
…………………………
('、`*川「おっちゃーん!」
(´・ω・`)「お。元気そうだね。」
('、`*川「あんな。彼氏振ったってん!」
(´・ω・`)「キリ付いたんだ。よかったね。」
('、`*川「なんであんな男好きやったんやろ…。
『オレを捨てんといてや!』
やってさ。どっちが悪いねんwww」
(´・ω・`)「うわっ。女々しい…。
よかったね。」
('、`*川「へへ…。
なんで浮気なんかするんやろね。
頭イっとると思うわ。」
(´・ω・`)「僕もされた側だから解んないよ。」
('、`*川「アタシら似たモン同士やな。」
(´・ω・`)「残念な共通点だけどね。」
('、`*川「浮気された心当たりとかあるん?」
(´・ω・`)「…あるよ。」
('、`*川「なんなん?」
(´・ω・`)「遠慮無いね。」
('、`*川「えぇやんえぇやん。
アタシかて色々言ってんから。」
(´・ω・`)「…うん。多分だけどね。
仕事にかまけすぎたんだ。」
('、`*川「何?嫁さんは寂しかったとか言ったん。」
(´・ω・`)「そうだね。一言一句そのまんま。」
('、`*川「んなモン言い訳にすらなっとらへんわ。」
(´・ω・`)「でも…事実だと思うからさ。」
('、`*川「おっちゃんあんま優しなかってんな。」
(´・ω・`)「僕は優しくないよ。」
('、`*川「アタシは優しい思うねんけどなぁ。
うん。アタシが言うから間違いないで。」
(´・ω・`)「根拠になってないよ。
…ありがと。」
('、`*川「あ…
バス来てもた。またな。」
ピー
…………………………
ひんやりとした吊革を掴み、体重を預ける。
バスの揺れに合わせて見慣れ始めた景色が揺れる。過ぎ去る。
頬が少し熱を帯びている事に気が付いた。
彼女の笑顔に当てられたからではない。
『優しい』と言われた事が恥ずかしかった。
僕は、優しくなんか、ない。
21 : ◆Zb08y4eL/Y:2011/02/22(火) 00:13:26 ID:gfH7EHsEO
仕事が忙しい。
それはただの言い訳に過ぎない。
自由を許されない家庭という環境が、窮屈で仕方が息が詰まった。
一度愛した人を、自分の自由のために、見捨てた。
そんな男が優しいと言えるだろうか?
…それでも、彼女は優しいと言ってくれた。
これはなんなのだろう。
ただの罪滅ぼしのつもりかもしれない。
それとも、本当に優しくなれたのだろうか。
彼女の涙を見て、僕は自然と寄り添わなければいけないと思った。
あの時、『助けて』と声が聞こえた気がした。
自己満足の気持ちなんて、なかった。
そう思った瞬間、気付いたんだ。
彼女と話すだけで、心はカーニバルのようにキラキラ光り輝いていた。
か細い彼女の手をギュッと握りたくなった。
そう。僕は彼女に恋をした。
…………………………
(´・ω・`)「やぁ。」
('、`*川「おっちゃん!
今日スーツちゃうんや。どないしたん?」
(´・ω・`)「うん。今日は引っ越しの準備をしてたんだ。」
('、`*川「引っ越し!?また転勤なん!?」
(´・ω・`)「そうなんだ。次は東北さ。」
('、`*川「そっかぁ…寂しなるなぁ…。」
(´・ω・`)「…。
そうだね。」
('、`*川「仕事ちゃうんやったらなんでこんな時間におるん?」
(´・ω・`)「君に、お礼がしたくて。」
('、`*川「なんやねんお礼ってw」
(´・ω・`)「うん。
君がいたお陰で楽しく仕事が出来たし、学べる事もあったからね。」
('、`*川「さすがアタシやろw
尊敬して。」
(´・ω・`)「イヤ、調子に乗りすぎでしょ。」
('、`*川「せやなw
まぁ東北行っても頑張ってや。」
(´・ω・`)「ありがとう。
頑張るよ。」
('、`*川「バス来たな。
じゃ、またな。」
(´・ω・`)「だから東北に行くって。」
('、`*川「知っとる知っとるw
頑張ってな!」
(´・ω・`)「うん。」
ピー
バス停に残され一人、呟く。
(´・ω・`)「君のお陰で頑張れるよ。」
「貴方のことが好きでした。」
彼女と僕は偶然出会えた。
乗り換えの駅が偶然一緒になっただけ。
僕らの進むターミナルは別なんだ。
それでも、君の笑顔が、僕の心を照らしてくれた。
強い光で。色を変えてしまうほどの大きな光で。
まるで、ストロボのように。
ジョニー・ストロボ
今出会った
未来を擦り減らして
出会えたんだ 戻れない旅の途中
傷になって治らないままの
愛の深さなんてわからない
手と手を伸ばして合わせたんだ
ギュッと握ってみたい
永遠じゃなくたって価値がある夜
カーニバルみたいな光を放つ
苦手だった
優しく振る舞うなんて
嘘をついた後の気分 逃げ出したい
キミはちょっと僕を油断させる術を
身にまとった猫のよう
そっと寄り添って聞こえたんだ
声無き声
偶然が重なって運命の人
ターミナルはきっと別だとしても
一瞬で燃え尽きる流れ星でも
何かを照らしたんだ
ストロボのように
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この記事へのコメント
1. Posted by fuseok December 07, 2011 01:40
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