February 27, 2011
(*゚ー゚)名前なんていらないようです
(,,゚Д゚)「鍋の材料もマガジンも買ったし、他に買い忘れは無いな」
(,,゚Д゚)「しかし寒い……夜のうちに雪でも降るんじゃないか?」
ザッザッザッザッ
(,,゚Д゚)「……静かな夜だなぁ」
──ニャー
(,,゚Д゚)「ん? 猫? ……空き地からか?」
(,,゚Д゚)「あらら。お前、こんなところに捨てられて……可哀想になぁ」
(,,゚Д゚)「段ボールじゃこの寒さは凌げないだろうに」
ニャー……ニャ……
(,,゚Д゚)「だいぶ弱ってるじゃねえか。心ない奴もいるもんだ」
(,,゚Д゚)「おい、お前。うちに来るか?」
56 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:27:17 ID:PJxXnfoYO
ニャーゥ
(,,^Д^)「そーかそーか。よし、温かいミルクでも──」
(,,゚Д゚)「あれ? 牛乳あったか?」
(,,゚Д゚)「まぁいいか。とりあえず寒いから早く帰ろう」
(,,゚Д゚)「ほら、抱えて行ってやる」
ニャー
(,,゚Д゚)「ははは。可愛いな……ん? お前メスか」
(,,゚Д゚)「名前付けないとなぁ。白い猫だから、しぃってのはどうだ?」
ニャッ
(,,゚Д゚)「よし、決まりだな。しぃ」
(*゚ー゚)「ニャー」
ガチャッ
(,,゚Д゚)「ただいまーっと。……おお、部屋の中も寒いな」
(,,゚Д゚)「しぃ、お前はとりあえず毛布にくるまってろ。
今暖房付けっから」
(*゚ー゚)「ニャ」
(,,゚Д゚)「あー……っと、ミルク、ミルクは……
お、あるじゃねえか。GJ俺」
(,,゚Д゚)「器に入れてレンジでチンっとな」
(,,゚Д゚)「しぃ、お待たせ。温かいミルク持ってきてやったぞー」
(*゚ー゚)「ニャー……」
(,,゚Д゚)「おお、飲んでる飲んでる」
(*゚ー゚) ピチャピチャ
(*゚Д゚)「かぁわいいなぁぁぁぁ」
──一月後
(*゚ー゚)「ニャー! ニャー!」
(,,゚Д゚)「しぃー おかえりー」
(,,゚Д゚)「散歩は楽しかったか?」
(*゚ー゚)「ニャッ!」
(,,゚Д゚)「そーか、良かったなwあれ?
お前、また花摘んできたのか」
(*゚ー゚)「ニャーン」 グイグイ
(,,゚Д゚)「何だ、俺にくれるのか? いつもありがとな」
(*゚ー゚)「ニャー!」
59 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:33:12 ID:PJxXnfoYO
(,,゚Д゚)「しっかし随分元気になったなぁ」
(*゚ー゚)「ニャ?」
(,,゚Д゚)「一ヶ月前はあんなに細くてプルプル震えてたのに……」
(,,゚Д゚)「ま、優しい俺に拾われて良かったって事だな」
(*゚ー゚)「ゥニャッ」
(,,゚Д゚)「あ、コラ馬鹿! 腕を引っ掻くな! 痛えww」
(,,゚Д゚)「ほら、しぃ。そろそろ俺は寝るんだからな。
ちょっと離れようか」
(*゚ー゚)「ニャー……」
(,,゚Д゚)「分かった分かった。
んな悲しそうな声で鳴くなよ。一緒に寝るぞ」
(*゚ー゚)「ニャー!」
(*゚Д゚)
(*゚ー゚)
──二月後
(*゚ー゚)「ニャー……ン」
ガチャッ
(,,゚Д゚)「ただいまー」
(*゚ー゚)「ニャ! ニャー!」
(*゚Д゚)「しぃ~、聞いてくれよ。俺、彼女が出来たんだ~」
(*゚ー゚)「……」
(*゚Д゚)「同じ学部のデレちゃんって言ってさ、スゲー可愛いんだよなぁ」
(*゚-゚)「……」
(*゚Д゚)「明日は帰りにデレちゃんと飯食いに行くんだぜ」
(*゚-゚)「……フニャッ」
(,,゚Д゚)「あれ? しぃ、どこ行くんだ?」
(ー゚*)「ニャー」
(,,゚Д゚)「散歩か? あんまり遅くなるなよー」
パタン
──三月後
(*- -)
(,,゚Д゚)「しぃ、しぃ!」
(*- -)「……ンニャ」
ζ(゚ー゚*ζ「うわぁ、可愛い~!!」
(,,゚Д゚)「だろ? 捨て猫だったんだぜ」
ζ(゚ー゚*ζ「ギコ君が拾ってあげたの? 優しいんだね」
(,,゚Д゚)「お、おう。まぁな」
(- -*)「……」 ゴロン
──名前なんていらないよ
君が呼んでくれないなら──
(,,゚Д゚)「デレが」
(,,゚Д゚)「デレは」
(,,゚Д゚)「デレと」
(,,゚Д゚)「デレに」
(*゚-゚)「……ニャ」
いつか崩れてしまうなら
今壊してしまって
自分のものにしてしまいたいよ
(*゚-゚)「ニャー……」
いつか壊れてしまうなら
今捨ててしまって
自分から捨てたんだって
──五月後
ピンポーン
(,,゚Д゚)「あ、デレ。いらっしゃい」
ζ(゚ー゚*ζ「お邪魔しまーす」
ζ(゚ー゚*ζ「しぃちゃん、こんばんは」
(゚-゚*) プイッ
(,,゚Д゚)「こら、しぃ!」
(゚-゚*)そ ビクッ
ζ(゚ー゚;ζ「ギコ君、いいよいいよ。私気にしないから」
(,,゚Д゚)「デレ、ごめん。
昔は自分から甘えてきたりして可愛かったんだけど」
ζ(゚ー゚*ζ「今も十分可愛いよ。
ね、それよりさ……今日何の日か覚えてる?」
(,,゚Д゚)「当たり前だろ、付き合い始めた日だもんな」
ζ(゚ー゚*ζ「正解! 今日は止まって行っちゃおうかなぁ」
(,,゚Д゚)「マ、マジ? やった!」
(*゚ー゚)「ニャー」
(゚ー゚*)「……」 トコトコ
パタン
名前なんていらないよ。
君が答えてくれないなら……
(゚ー゚*)「ニャーー……」
パアアァァァァ!!
キキーッ
ゴンッ
66 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:45:32 ID:PJxXnfoYO
(* ー )
(;゚∀゚)「うっわ、やべえ! 猫轢いちまった!」
(;゚∀゚)「おい……死んじまったのか……?」
(* ー )
(;゚∀゚)「ダメか。ごめんな、ごめん……」
(;゚∀゚)「どこか、埋めてやらないと」
(;゚∀゚)「と、とりあえずあの空き地で良いか!」
(* ー )
67 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:48:12 ID:PJxXnfoYO
──四日後
(,,゚Д゚)「今日も帰ってこねえ……。いくらなんでも遅すぎるよなぁ」
(,,゚Д゚)「デレは……
ζ(゚ー゚*ζ「猫は気ままに生きる気まぐれな動物だから、
今頃他の家に居着いてるかもよ」
(,,゚Д゚)「って言ってたけど……心配だなぁ」
──ニャー
(,,゚Д゚)そ「っ!? しい?」
ドタドタドタッ ガチャッ
(,,゚Д゚)「……いない? 気のせい、か」
(,,゚Д゚)「ん? 地面に何か……
……花?」
(,,゚Д゚)
(,,゚Д゚)「しぃ……」
(*゚ー゚)名前なんていらないようです
終
歌手:初音ミク
歌 :貴方に花を 私に唄を