February 27, 2011
魔法使いと踊るようです
('皿`#川 だぁぁれが地味かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!
ミセ*゚ー゚)リ キャー! 地味な魔女が怒ったー!
( ・∀・) 怒っても地味だ! 地味だよ!
(゚、゚トソン まぁ地味ですね
('、`#川 テメェらぁぁぁぁぁ! もう知らん! 一生日の当たらん生活でもしてろ! 夜になぁれ!
ミセ;゚ー゚)リ あぁ、魔女が何か地味な魔法を!
('、`*川 イソイソ
( ;・∀・) く、黒い布を空に張り出したぞ! スゲェ地味だ!!
('、`*川 ほい、ほい
(゚、゚;トソン そして星や月をぶら下げてますがプラスチック……これまた地味ですね……
('皿`#川 地味地味うるせぇぇぇぇぇぇッ!!
< そこまでだ!
('、`*川 そのk
ミセ*゚ー゚)リ その声!
('、`*川 まs
( ・∀・) まさか!
('、`*川 h
(゚、゚トソン ハインリッヒ!
从 ゚∀从 ハーッハッハーインリッヒィー!
ミセ*゚ー゚)リ ド派手な登場に、その笑い方!
( ・∀・) どっちかっつーとコイツの方が悪役っぽい!
(゚、゚トソン 同意です!
('皿`#川 喋らせんかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
从 ゚∀从 やいやいペニス太郎
('、`*川
从 ゚∀从 テメェの悪事もここまでだぜ!
('、`*川 その前に名前を訂正しやがれこの野郎
从 ゚∀从 行くぜ! 瞬獄殺!
('、`*川 え、そんな物理ぎゃあああああああ!!
从 ゚∀从 悪は去った! 正義は勝つ!
:( 、 *川: ピクピク
ミセ*゚ー゚)リ 戦闘も地味だ!
( ・∀・) ありがとうハインリッヒ!
(゚、゚トソン ……(ヤッベ台詞ない)!
从 ゚∀从 それではな! 全員死ね!
( ・∀・) 相変わらずヒーローっぽくねぇ!
ミセ*゚ー゚)リ でも素敵! 抱いて!
(゚、゚トソン ありがとうございました!
(゚、゚トソン ……
(゚、゚トソン はぁーあ……
(゚、゚トソン 今日も、私はただの村人でした……
(゚、゚トソン しかも喋ることなくなったし……
(゚、゚トソン あんな地味な人ですら、黒い魔女……ん? 地味な魔女でしたっけ……?
(゚、゚トソン まぁどちらも変わりませんか……はぁ……
(゚、゚トソン ……変わりたいなぁ
――変わりたい?
(゚、゚トソン えぇ、変わりたいです……え?
――いいよ、それじゃあ変わろうか!
(゚、゚;トソン え? 幻聴? 幽霊?
<_プー゚)フ ちゃうわ、オレだよ
(゚、゚トソン
<_プー゚)フ エクストって言いまーす、よろ!
(゚、゚トソン
<_プー゚)フ ? おーい
(゚、゚トソン
(゚、゚;トソン ハッ
(゚、゚;トソン 捕獲しなければっ!
<_プー゚)フ 何でだよ
(゚、゚;トソン 虫取網と虫籠は……
<_プー゚)フ 虫でもねぇよ
(゚、゚;トソン あぁ! 先週カブトムシを探しに行って、どこに置いたのでしたっけ……
<_プー゚)フ 随分と若いな、おい
(゚、゚;トソン 糞、売れば高そうなのに……
<_プー゚)フ 何この人、そこはかとなく黒い
(゚、゚トソン ふぅ……
<_プー゚)フ 落ち着いた?
(゚、゚トソン まぁ、ある程度……で、
<_プー゚)フ んー?
(゚、゚トソン 貴方は、何ですか?
<_フ;゚ー゚)フ 何ですか、って……ヒデェ言い方……
(゚、゚トソン 変なふよふよ浮かぶ球体なんて、知りませんし
<_プー゚)フ ま、いっか! オレはエクスト! イレギュラーって言われる存在らしいよー
(゚、゚トソン イレギュラー?
<_プー゚)フ そ、台本から抜け出した存在
(゚、゚;トソン は? そんな存在、ありえるのですか……?
<_プー゚)フ ありえちゃってるね
(゚、゚;トソン でも、我々キャラクターは台本ありきじゃ……
<_プー゚)フ だからイレギュラーなんじゃねーの? ま、何でもいいけど!
(゚、゚トソン で、そのイレギュラーさんが何の用ですか?
<_プー゚)フ そうそう、お姉さん言ってたね
――変わりたいなぁ
(゚、゚トソン ……はい
<_プー゚)フ 叶えてしんぜよーじゃない
(゚、゚;トソン え、何で……?
<_プー゚)フ 気分だけど、イヤ?
(゚、゚トソン イヤではありませんが、貴方が信用出来るとは……
<_プー゚)フ 安心してよトソンさん、大丈夫だから
(゚、゚;トソン 逆に、口にしてなかった名前を呼ばれると信用しづらい……
<_フ;゚ー゚)フ あれ? 逆効果?
10 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/20(日) 23:06:14 ID:h9Var/8IO
<_プー゚)フ ま、いいや! いくよー
(゚、゚;トソン え、ちょっ……
<_プー゚)フ いくよー
(゚、゚;トソン ちょっと待ってくだ……
<_プー゚)フ いくって言ってるよー
(゚、゚トソン ……
<_プー゚)フ さすがにいくよー
(゚、゚トソン うるせぇぞ
<_プー゚)フ ちゃちゃっと変えちゃうよ!
(゚、゚トソン 何でしょう、スゴくイライラします
<_プー゚)フ そんなに変わりたかったのか……
(゚、゚トソン 貴方に対してですよ……
にへらと笑って、ふよふよ浮かぶ彼が窓の外にある月と被ります。
月明かりをその背に受け、球体はまるで存在しない月の様。
そうして動き出せば、それはまるで舞っているのかと思わされる優雅な動き。
彼の通ったあとには、幾つかの音符が並べられました。
一つ手に取ってみると、それはドクンドクンと脈を打っています。
<_プー゚)フ そいつがいろんな"もしも"に命を与えるんだ、オレは生命の音符って呼んでる
ぽわぽわと頼りない光が何だか優しくて、両の手でギュウと包んでしまいました。
そんな私を見てニッと笑い、それじゃあと付けてから、酷く簡単な魔法を唱えます。
――――elif。
映画のワンシーンでスポットライトが当たったかの様に、音符から溢れた白い光が私を包みました。
もしも、もしも――――。
<_プー゚)フ ほい、終わり
(゚、゚トソン
<_プー゚)フ どう?
(゚、゚トソン 何も変わってませんが……
<_プー゚)フ 変わってるよ、気づいてないだけさ
(゚、゚トソン はぁ……
<_プー゚)フ さ、報酬をちょーだいな
(゚、゚;トソン ほ、報酬……?
<_プー゚)フ うん、報酬
(゚、゚;トソン いくら程、かかるのでしょうか……
<_プー゚)フ 飴ちょーだい!
(゚、゚;トソン あ、アメぇ?
<_プー゚)フ そ、飴!
(゚、゚;トソン 飴ってあの、小さくてコロコロした
<_プー゚)フ そそ、まぁるくてあまぁいあの飴さ……イヤか?
(゚ー゚*トソン プッ……いえ、構いませんよ
<_プ―゚)フ む、笑いやがったな
(゚ー゚トソン いえいえ、少々お待ちを
< で、出たァー! 地味だ!
<_プー゚)フ お?
< 一日に二度も来るなんて、地味な嫌がらせね!
(゚、゚トソン あら
< 黙れ脇役どもがぁぁぁぁぁぁッ!
<_プー゚)フ 来たね
< オレはテンプレ1だし結構出るしー
(゚、゚トソン 来ましたね
< 私は結構主役やってるしー
<_プー゚)フ さ、行こうか主役さん
< むがぁぁぁぁぁ! コイツらムカつくなぁちくしょう!
(゚、゚;トソン え、主役……?
<_プー゚)フ そそ! ほれ、オレに掴まれ!
(゚、゚;トソン え、いや、ちょっ……
('、`#川 マジでもう許さねぇ……!
ミセ*゚ー゚)リ またキレた!
( ・∀・) カルシウム不足だな!
('皿`#川 シャラァァァァァァップ!
< そうはさせないぜ!
('、`*川 む、ハイn
从 ゚∀从 呼ばれず飛び出るハインs
エクストアターック! <_プー゚)フ)∀从・';" ブフォ
ミセ;゚ー゚)リ は、ハインリッヒ様がッ!
( ;・∀・) ちくしょう、新手か!
(゚、゚;トソン えぇ……
<_プー゚)フ さぁさ地味太郎! 勝負だ!
('、`*川 何故貴様らは太郎を付けたがる……
<_プー゚)フ さぁやってやれ! トソン!
(゚、゚トソン そして丸投げとは如何に
(゚、゚トソン しかし、やれと言われてもどうやって……
('、`*川 こちらから行かせてもらうわよ、地獄に眠る灼熱の焔よ……
( ・∀・) 地味がそれっぽい詠唱を始めたぞ!
<_プー゚)フ 右ストレートでいいじゃん
ミセ*゚ー゚)リ しかも足元が光ってる! あんなのジミーっぽくないわ!
('、`*川 私は大西かよ
(゚、゚;トソン そんな物理攻撃……
( ・∀・) うわ、変なツッコミ入れたよ……
<_プー゚)フ 世の中にはギャラクティカマグナムと呼ばれる秘技があってな
ミセ*゚ー゚)リ しかも光も消えたね……
('、`;川 く、糞! ……集中が切れたわ
(゚、゚トソン まぁ、やってみましょうか
ミセ*゚ー゚)リ 失敗理由も地味だね……
グッヘェェェェェェッ!! ('Д`*(三ニ― と(゚、゚#トソン ギャラクティカ・マグナーーーッム!
<_プー゚)フ マジでやんのか
:( 、 *川: ピクピク
ミセ*゚ー゚)リ だんだんかわいそうになってきた……
( ・∀・) 同意
<_プー゚)フ イェーイ! ナイスワンパン!
(゚、゚;トソン な、何ですかこの力……これが主役の力でしょうか……
<_プー゚)フ いや、それはアンタの筋力
(゚、゚トソン
<_プー゚)フ
ミセ*゚ー゚)リ しかしあの人、何者だろ……
( ・∀・) (いや、さっきまで隣にいましたやん)
<_プー゚)フ 殴ると帰れなくなるぞ? いいのか?
"∩(゚、゚;トソン グッ……
<_プー゚)フ とりあえず適当に決め台詞言っとけ、スゲェ見られてるから
(゚、゚トソン えあ、はい……えーっと
(゚、゚トソン 勝 ち ま し た !
<_プー゚)フ そこはかとなくダセェ
(゚、゚;トソン む
<_プー゚)フ んじゃ帰るか、掴まってくださいなー
(゚、゚トソン くそぅ……納得できん
( ・∀・) 行ったね
ミセ*゚ー゚)リ 行ったね
:从 ∀从:
ピクピク
:( 、 *川:
( ・∀・) うーん……
ミセ*゚ー゚)リ なんだろうね、この状況
<_プー゚)フ さて、さすが主役だったな!
(゚、゚トソン 正直主役っぽいことは何一つ……
<_プー゚)フ 何言ってんの、大丈夫だよ問題なしなし!
<_プー゚)フ そだ、これの台本見とく?
(゚、゚トソン
(゚、゚;トソン
<_プー゚)フ
(゚、゚トソン ……よし、見ます
<_プー゚)フ■ ほいほい
■と(゚、゚トソン ありがとうございます
(゚、゚トソン ……
つ■
(゚、゚トソン 万年村人の私が、本当に主役になってる……
<_プー゚)フ 本当に主役になるよ!
(゚、゚トソン ちゃっかり白い魔法使い役で、準主役がエクスト……
<_フ>ー<)フ だっておもしろそうじゃん!
(゚、゚トソン で、これからどうするのですか?
<_プー゚)フ 主役として生きる
(゚、゚;トソン いや、それはいいのですが
<_プー゚)フ 結局主役って言っても、台本ありきだからね
(゚、゚トソン
(゚ー゚トソン ……はは、そうですよね、全くそんな当たり前なこと……
<_プー゚)フ ……
<_プー゚)フ こっちに来る?
(゚、゚トソン え?
<_プー゚)フ こっち、イレギュラーとしてってこと
(゚、゚;トソン え、いえ、主役が抜けたら……
<_プー゚)フ 大丈夫、もともとの主役はあの馬鹿っぽい馬鹿だからさ、ね?
(゚、゚トソン ……そっか、私はもともとが、主役ですらないんですもんね
<_プー゚)フ ……
(゚、゚トソン ただの脇役なのに、私が抜けたらなんて……
( ー トソン はは、随分と滑稽ですね
<_プー゚)フ いんや、アンタは主役だよね、間違いなく
(゚、゚トソン いえ、私はただの村人ですよ
<_プー゚)フ 作品の中じゃ、ね
<_プー゚)フ でも台本のない場所、例えば今この場では間違いなくアンタが主役だよ。元がなんであろうとさ
(゚、゚トソン ……? すいません、ちょっと言ってる意味が……
<_プー゚)フ アンタの人生は、アンタのもんだって言ってんの
<_プー゚)フ 誰が書いてんのかわかんない台本に、アンタは私生活まで縛られてるワケじゃないでしょ?
(゚、゚トソン ……
<_プー゚)フ そのステージではアンタがスポットライトを受けてるんだ、脇役なんかじゃないよ絶対
(゚、゚トソン ……
(゚ー゚トソン そう、ですか
<_プー゚)フ あれ、ひょっとしてオレいいこと言ってたんじゃない!? ねぇ!
(゚ー゚;トソン それがなければ……
何の疑問も持たなかったのですが、ふと気づけば先ほどまでの球体ではなく、ちゃんと人間は形をしているエクスト。
少し大人びた顔に、まだちょっとだけ残した幼い少年の影が見えます。
へらへらと締まらない表情ですが、全てを話し終えたあとでもう一度、私に訊ねてきました。
<_プー゚)フ さ、どうする? 一緒に台本を抜け出す?
一切のしがらみから抜け出して、私に私として生きるかと。
与えられたステージではなく、その全てをステージにして踊ってみないかと。
今までは、日の当たらない役をせっせとこなしていました。
物語にいてもいなくても変わらない、そんなポジションを。
ここがバイパス、その分かれ道です。
私は、
私は――――。
<_プー゚)フ ほうほう、やっぱ主役に馬鹿が戻るんだな!
(゚、゚;トソン し、しかし大丈夫なのでしょうか……?
<_プー゚)フ 問題ないってば、オレのいた物語もなんてことなく進んでるもん
(゚、゚トソン そ、そうですか……しかし何だかソワソワしてしまいます……
<_プー゚)フ ははぁー、まぁその内慣れるよ
(゚、゚トソン はぁ……
<_プー゚)フ さて、そんじゃ行きますか! 掴まれー!
(゚、゚;トソン あ、ちょっと待ってください!
<_プー゚)フ 置いてくぜー? へいへい!
(゚、゚トソン 一息つかせてくださいよ!
<_プー゚)フ 時間は待っちゃくれないぜー、ハリーハリー!
(゚、゚トソン ふぅ、全く……
(゚ー゚トソン 仕方ないですね、行きましょうか
それから私たちは、いろいろ物語を見て旅をしました。
たまにはイレギュラーとして掻き回し、時にはイレギュラーながらもその物語の進行を助けたり。
時には戦いに参加したりして、すっかり私はその生活を楽しんでいました。
(゚、゚;トソン エクスト! 止めをお願いします!
<_プー゚)フ 任せれ!
<_プー゚)フ ベホマ!
(゚、゚;トソン 何故だぁぁぁぁぁぁぁッ!!
とにかく自由に、エクストに連れられながらたくさんの経験をしてきました。
これが台本のない、私の物語だと考えると、何だか嬉しくなります。
24 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/20(日) 23:21:50 ID:h9Var/8IO
(゚、゚トソン さぁエクスト、次は何処に向かいますか?
<_プー゚)フ うーん……
(゚、゚トソン 王女が魔女に捕らわれた話や虹を食べた女の子の話なんかもありますよ
<_プー゚)フ ……よっし
(゚、゚トソン ……エクスト?
<_プー゚)フ こっからは別行動!
(゚、゚;トソン ……え?
<_プー゚)フ いやね、せっかく自由になったのに、何だかオレが縛っちゃってる気がして
(゚、゚トソン は、いやいや、そんなことは
<_プー゚)フ いいんだよ、そうしよう!
(゚、゚;トソン そうすると私は、これからどうしたらよいのでしょう……
<_プー゚)フ 難しく考えることはないよ、好きなようにさ
(゚、゚トソン そんなことを言われても……
<_プー゚)フ トソン
<_プー゚)フ 世界はね、自分を映す鏡なんだよ
(゚、゚トソン 鏡……
<_プー゚)フ 心の持ち方一つで、何色にだって変わるんだ
<_プー゚)フ 本当は、気づいてるんでしょ? イレギュラーが何かって
(゚、゚トソン すいません、何を言っているのか私には……
<_プー゚)フ さっぱり、なぁんてことはないハズだよ、だって自由なんだから
(゚、゚トソン ……
<_プー゚)フ それは、今までの自分を否定するワケでも、責めるワケでもないさ
( 、 ;トソン うっ……
<_プー゚)フ 自分のその世界はね、、誰のでもない、自分のだ
<_プー゚)フ 結局自分次第、台本の内容も含めて何もかもね
<_プー゚)フ さぁ、ここまで言って……さっぱりはないよね?
( 、 トソン しかし、でも……
<_プー゚)フ でももだってもなし、オレが手解きするのはここまで
<_フ^ー^)フ アンタが見たその世界の真実は、悪くなかったろ?
さぁ、踊ろうか。
返事に詰まり、俯いていた私へと差し出される手は、まるで救いの手。
あぁ――彼が手を差し伸べてくれたから、私は台本から抜け出せたのでした。
だけれど自由に動ける世界が恐くて、プツリと糸が切れれば崩れる、操り人形のままの方が随分と楽で。
だから私は彼から離れたくはなかった、ただレールをなぞっていればよかったから。
ステージで踊るには広すぎて、私が小さすぎて二本の足で立つのが不安でした。
<_プー゚)フ そうそう。上手に踊れてるじゃんか、リトルダンサー
くるりくるりと、世界の流れに合わせて廻り、鼓動に合わせてステップを刻み、白い魔法使いに合わせて踊る。
いえ、少し違いますね。
私の流れに合わせて世界が廻り、そうして付いてくる様に鼓動がステップを刻み、同じ風に白い魔法使いが踊る。
世界は鏡で、自分自身で世界は変わる、何とでもなるのです。
流れる汗が心地よくて、そよぐ風がさらりと頬を撫で、月が私たちを照らし、お互いにへらと笑い合う。
糸が切れても自分の足で立って、ゼンマイが切れるまで踊ってやる。
他人の敷いたレールを走るより、自分の意思で縦横無尽に走り回る方が、格段に気持ちがいいのですから。
<_プー゚)フ 今なら、言えるかな?
彼の問い掛けに笑って返し、力強く頷きます。
そもそもそんなのはバカらしいと鼻を鳴らすと、彼はゲラゲラと大きく笑いました。
<_プー゚)フ よっしゃ、言ったれ! ぶちかませトソン!
目を閉じてスゥと空気を取り入れ、私は鏡へと放ちます。
27 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/20(日) 23:24:51 ID:h9Var/8IO
(゚ー゚トソン 台本なんて、最初からなかった
<_プー゚)フ よく言った! その通り、アンタもみんなも周りの流れに身を任せてただけ
<_プー゚)フ 作られたキャラクターなんてない、自分で己を作ってんだからな
(゚、゚トソン そうすると、当然イレギュラーなんて在りはしない
<_プー゚)フ そっそ、自分を主張してるだけの存在だよ
(゚ー゚トソン ありがとうございます、おかげで私は……
<_プー゚)フ 礼はいいよ―――あ、やっぱ欲しいな! 飴ちょーだいよ飴!
(゚ー゚トソン まったく……貴方はそればかりですね
<_プー゚)フ 好きなんだからいいじゃん、くれ!
。と(゚、゚トソン はいはい、どうぞ
<_プー゚)フ ヒャッホー! サンキュートソン! これで勝つる!
(゚ー゚;トソン 何にですか……
<_プー゚)フ 知るか! 飴をもらったと言う事実が大事なのだ!
(゚、゚;トソン そ、そうですか……
<_プー゚)フ そんじゃあな! 縁があったらどっかで会おうか!
(゚、゚トソン あ、最後に一つお聞きしても?
<_プー゚)フ んあ、仕方ない……
(゚ー゚トソン ありがとうございます、では聞かせていただきます
<_プー゚)フ バッチこーい!
――――貴方は、何者なんですか?
何でもない、そうだなぁ……ただの、白い魔法使いだよ――――
彼と別れてから、しばらくが経ちました。
私はいまだに世界の中を、のらりくらりと放浪しています。
世界中におもしろいものが溢れていて、退屈することもなくのほほんと。
自分の足で歩き始めて、自分自身でレールを作り始めてから、どれくらいが経ったのでしょう。
わかりませんが、私は私と向き合いながら過ごせている、と言うことは胸を張って言えます。
(゚、゚トソン ここらで一度、休憩しましょうかね
そこらにあった岩に腰を下ろして一息吐き、腰に掛けてた水筒に口を付けてお茶を飲みます。
動き回っていた為かノドはカラカラで、渇いた体に染み込んでいくのがとても心地よい。
(゚、゚トソン そう言えば、彼は元気なのでしょうか
ふと思い出した、私を引き出してくれた魔法使いの存在を思い出します。
しかし、縁があればまた出会うのですから、その時を待ちましょうか。
出会えなければ、縁がなかったのでしょう。
それに彼が今何をしているか、なんてのは考えずともわかりますしね。
(゚ー゚トソン どうせ、飴玉でも転がしているんでしょう
魔法使いと踊るようです おわり
以上で投下終了です、お付き合いいただきありがとうございました。
祭の中での投下もこれで終わりです、あとは祭の運営に全力を注がせていただきます。
結局何ごとにおいても、自分次第なんですよね。的な、そんなお話でした。
モチーフ曲はDirty Old Menよりelif
もしかしたら曲の解釈が間違ってるかも知れませんが、まぁそれもいいですよね。
音源はPCより貼ります、それではありがとうございました。
んが、ようつべにないんか…。
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