ファンタジー
May 29, 2011
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 第二章 プロローグ
491 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/05/23(月) 04:11:35 ID:gyh/j6CUO
………………………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………………………
青ざめた街の中を、長剣を腰に帯びた少女が歩く。
ヨツマの朝は早い。
往来には日が昇るか昇らないかの内に人の姿がちらほらと現れ始め、店先に商品が並び始める。
ミセ*゚ー゚)リ
ミセリはこの時間が好きだった。
やがて賑わいを取り戻す街の、もう一つの静かな顔。
中央市場を抜け、入り組んだ路地を通って北へ。
見上げれば建物の隙間から高台の王城が窺え、左右の民家からは朝食のスープの香りが漂う。
目指す市議会までは、残りあと数十分と言ったところだろうか。
夏の終わりの夜明けの風が、心地よい冷たさを運ぶ。
あと数十分。数十分だけ、この最高の時を独り占めできる。
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです
第二章、霧立つ樹林
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青ざめた街の中を、長剣を腰に帯びた少女が歩く。
ヨツマの朝は早い。
往来には日が昇るか昇らないかの内に人の姿がちらほらと現れ始め、店先に商品が並び始める。
ミセ*゚ー゚)リ
ミセリはこの時間が好きだった。
やがて賑わいを取り戻す街の、もう一つの静かな顔。
中央市場を抜け、入り組んだ路地を通って北へ。
見上げれば建物の隙間から高台の王城が窺え、左右の民家からは朝食のスープの香りが漂う。
目指す市議会までは、残りあと数十分と言ったところだろうか。
夏の終わりの夜明けの風が、心地よい冷たさを運ぶ。
あと数十分。数十分だけ、この最高の時を独り占めできる。
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです
第二章、霧立つ樹林
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April 30, 2011
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 幕間α
391 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/04/22(金) 21:03:03 ID:AvRVNNLgO
……ヨツマ北西地区、貴族層居住区。
*( - -)*=3「くっはぁぁああ……」
風呂という習慣は、新世界の大部分において大きく限定された。
自宅に綺麗な水を引き込み、温め、体を浸す。
木材をはじめ様々な物資が不足しがちな中、個人でそれだけの贅沢を行うことは非常に難しい。
もちろん、そうした文化の魅力そのものは弱まっていない。
昇露苑や倉ノ屋などのヨツマを代表する高級宿泊施設では大浴場を設置しているし、
発火能力者を多く抱える国学院でも怪しげな大浴場もどきを作り上げたりもしている。
……彼女の自宅の小浴室。
磨き上げた白玉石の浴槽に膝ほどの高さの湯を張り、縁に肘を突いた少女が体を沈める。
自然と、声が漏れた。
*( - -)*「……」
一人きりの家、一人きりの浴室。
時折水の揺れる音しかしない、静かな夜の縁。
目を凝らすと、灯り一つない夏夜の黒に柔肌の白が浮かぶ。
392 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/04/22(金) 21:04:30 ID:AvRVNNLgO
傷一つ無い、染み一つ無い、美しく真っ白な肌。
誰よりも醜い、未完成の身体。
*( - -)*「……またんき、ツン。でぃ、クー……」
『最低限、自分の身は自分で守る。できるか?』
『バカ言わねーでください、できるワケ無いでしょう! だからあんた達を頼ってるんです!』
水面に雫が一粒、落ちる。
かつて少女を守っていた仲間には、──幾度となく少女の脳裏に浮かぶアホ面の身体には、
数え切れないだけの傷があった。
歌姫を、魔術師を、治療術師を。
仲間を守り通した戦士は、こんな風に白くてきめ細かいだけの肌なんかよりもずっと美しかった。
彼と並び盾と剣を振るう騎士は、華奢で柔らかいだけの身体なんかよりもずっと美しかった。
*( - -)*「まだ礼なんて言ってねーってのに。……あのバカ、また勝手に居なくなりやがって」
水面に雫が一粒、また落ちる。
小さな歌姫の小さな悲鳴は、夜の空には届かない。
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 幕間α
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……ヨツマ北西地区、貴族層居住区。
*( - -)*=3「くっはぁぁああ……」
風呂という習慣は、新世界の大部分において大きく限定された。
自宅に綺麗な水を引き込み、温め、体を浸す。
木材をはじめ様々な物資が不足しがちな中、個人でそれだけの贅沢を行うことは非常に難しい。
もちろん、そうした文化の魅力そのものは弱まっていない。
昇露苑や倉ノ屋などのヨツマを代表する高級宿泊施設では大浴場を設置しているし、
発火能力者を多く抱える国学院でも怪しげな大浴場もどきを作り上げたりもしている。
……彼女の自宅の小浴室。
磨き上げた白玉石の浴槽に膝ほどの高さの湯を張り、縁に肘を突いた少女が体を沈める。
自然と、声が漏れた。
*( - -)*「……」
一人きりの家、一人きりの浴室。
時折水の揺れる音しかしない、静かな夜の縁。
目を凝らすと、灯り一つない夏夜の黒に柔肌の白が浮かぶ。
392 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/04/22(金) 21:04:30 ID:AvRVNNLgO
傷一つ無い、染み一つ無い、美しく真っ白な肌。
誰よりも醜い、未完成の身体。
*( - -)*「……またんき、ツン。でぃ、クー……」
『最低限、自分の身は自分で守る。できるか?』
『バカ言わねーでください、できるワケ無いでしょう! だからあんた達を頼ってるんです!』
水面に雫が一粒、落ちる。
かつて少女を守っていた仲間には、──幾度となく少女の脳裏に浮かぶアホ面の身体には、
数え切れないだけの傷があった。
歌姫を、魔術師を、治療術師を。
仲間を守り通した戦士は、こんな風に白くてきめ細かいだけの肌なんかよりもずっと美しかった。
彼と並び盾と剣を振るう騎士は、華奢で柔らかいだけの身体なんかよりもずっと美しかった。
*( - -)*「まだ礼なんて言ってねーってのに。……あのバカ、また勝手に居なくなりやがって」
水面に雫が一粒、また落ちる。
小さな歌姫の小さな悲鳴は、夜の空には届かない。
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 幕間α
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ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 第一章 最終話~エピローグ
281 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/22(火) 20:14:15 ID:EUXDbcH.O
(; ↓ )「……なぜだ。三年もラウンジの闇に尽くしてきた俺が、なぜ処分される……」
(/ )「……勘違いするなよ、お前らはよく頑張ったさ。ドクオが一枚上手だっただけだ。
ハインリッヒ高岡を逃がしたのは失態だが、俺もその程度で大事な右腕を落としたりはしねーって」
只でさえ左腕が喰われたのに、フードの男がまるで感情の無い口調で言う。
……失態。
根喰いの巣穴で遭遇した二人の冒険者をみすみす取り逃がし、自らも逃亡した事。
(;・↓ )「……?」
(/ )「ま、相手が強すぎたってのは分かる。俺達も正直、ハインリッヒを舐めてた。
……ただ、俺は良くても、上と隣は許してくれないんだよね」
282 :若干、閲覧注意気味:2011/03/22(火) 20:15:44 ID:EUXDbcH.O
フードの男は、スッと片手を上げる。
闇がさざめき、その腕を覆った。
(;・↓・)「な……にを……」
(/ )「絶対に“動くな”よ。なぁに、お前に責任の取り方を教えてやるだけさ」
まるで指揮者がタクトを振るように男は腕を宵に踊らせ、纏った闇がオリッチを飲みこむ。
自らを包もうとする真っ黒な波を前に、彼はこの時初めて闇の正体を理解した。
蛾、だ。
鮮やかな夜色の、冷たい死の色の、降り注ぐ絶望の色の──
(; ↓ )「──ぎ……がぁぁああぁぁあッ……!」
283 :若干、閲覧注意気味:2011/03/22(火) 20:19:06 ID:EUXDbcH.O
頭、顔。目、耳、鼻、口、舌、喉。首、脇、腕、指。胸、腹、背。股、尻、足、腿、脛、指。
鎧の隙間を縫い全身を這い回る羽虫の感触に、オリッチの意識は溶かされてゆく。
……やがて身体を支える気力が尽き、オリッチは倒れ伏す。
「……はい準備完了ー、お疲れさん。じゃあ後は──」
今一つ緊張感のないフードの男の声は、オリッチには届いていない。
それに気付いた様子もなく男は好きなだけ喋り、満足したように踵を返した。
現れた時と逆に霧散するように消える、フードの男。
そして、夜陰に静寂が戻る。
…
284 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/22(火) 20:23:22 ID:EUXDbcH.O
(;#+↓)
( ,'3 )「うわぁ、酷い有り様ね……」
/ ゚、。 /「……」
“それ”が発見されたのは、キャラバンがルーキーを送り出してから三日後のことだ。
懐から発見された登録証から“それ”はオリッチ黒田と断定され、数日の後に荼毘に付される。
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 第一章 新緑の木立
最終話『意思』
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(; ↓ )「……なぜだ。三年もラウンジの闇に尽くしてきた俺が、なぜ処分される……」
(/ )「……勘違いするなよ、お前らはよく頑張ったさ。ドクオが一枚上手だっただけだ。
ハインリッヒ高岡を逃がしたのは失態だが、俺もその程度で大事な右腕を落としたりはしねーって」
只でさえ左腕が喰われたのに、フードの男がまるで感情の無い口調で言う。
……失態。
根喰いの巣穴で遭遇した二人の冒険者をみすみす取り逃がし、自らも逃亡した事。
(;・↓ )「……?」
(/ )「ま、相手が強すぎたってのは分かる。俺達も正直、ハインリッヒを舐めてた。
……ただ、俺は良くても、上と隣は許してくれないんだよね」
282 :若干、閲覧注意気味:2011/03/22(火) 20:15:44 ID:EUXDbcH.O
フードの男は、スッと片手を上げる。
闇がさざめき、その腕を覆った。
(;・↓・)「な……にを……」
(/ )「絶対に“動くな”よ。なぁに、お前に責任の取り方を教えてやるだけさ」
まるで指揮者がタクトを振るように男は腕を宵に踊らせ、纏った闇がオリッチを飲みこむ。
自らを包もうとする真っ黒な波を前に、彼はこの時初めて闇の正体を理解した。
蛾、だ。
鮮やかな夜色の、冷たい死の色の、降り注ぐ絶望の色の──
(; ↓ )「──ぎ……がぁぁああぁぁあッ……!」
283 :若干、閲覧注意気味:2011/03/22(火) 20:19:06 ID:EUXDbcH.O
頭、顔。目、耳、鼻、口、舌、喉。首、脇、腕、指。胸、腹、背。股、尻、足、腿、脛、指。
鎧の隙間を縫い全身を這い回る羽虫の感触に、オリッチの意識は溶かされてゆく。
……やがて身体を支える気力が尽き、オリッチは倒れ伏す。
「……はい準備完了ー、お疲れさん。じゃあ後は──」
今一つ緊張感のないフードの男の声は、オリッチには届いていない。
それに気付いた様子もなく男は好きなだけ喋り、満足したように踵を返した。
現れた時と逆に霧散するように消える、フードの男。
そして、夜陰に静寂が戻る。
…
284 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/03/22(火) 20:23:22 ID:EUXDbcH.O
(;#+↓)
( ,'3 )「うわぁ、酷い有り様ね……」
/ ゚、。 /「……」
“それ”が発見されたのは、キャラバンがルーキーを送り出してから三日後のことだ。
懐から発見された登録証から“それ”はオリッチ黒田と断定され、数日の後に荼毘に付される。
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 第一章 新緑の木立
最終話『意思』
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March 20, 2011
( ^ω^)ブーンはモンスターハンターのようです 第十四話
8 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:19:22.41 ID:/Ve8gDg/O
第十四話「集会所」
( ^ω^)「ごちそうさまだお。
じゃ、行ってくるお!」
ノリ, ^ー^)li「はい、行ってらっしゃいませ!」
( ´∀`)「モナはどうすればいいモニャ?」
( ^ω^)「とりあえず待ってて欲しいお」
( ´∀`)「だが断る」
(;^ω^)「じゃあ聞くなお……」
今日は、いよいよギルドの集会所に足を運ぶ事になったブーン。
以前一度だけ集会所から依頼を請けたが、あれは素材を集める為だけの依頼だったので、
本格的な活動は初めての事だ。
9 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/28(月) 00:21:02.60 ID:/Ve8gDg/O
ハンターズギルドの集会所の建物の前に、ドクオの姿を見つける。
( ^ω^)「おいすー、ドクオ!」
('A`)「お、ブーンも来たか。
……んじゃ、早速入るか!」
( ^ω^)「おっおっお」
軽く会釈し、集会所の入り口をくぐる。
一歩足を踏み入れたそこは、最早別世界のように感じた。
(*^ω^)「おぉ…… ハンターがいっぱいいるお!」
(*'A`)「あの武器、強そうだな……
あ、あの防具はカッコいいな……!」
ざっと見回すだけで、十人を越えるハンター達が集まっている。
今この場にいない人も合わせると、もっとたくさんのハンターが居るのだろう。
March 17, 2011
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 第一章 第三話
, ,, ,, ,,ミセ*゚ー゚)リ「よっ、とっ……」
ハインが付けた目印を辿り、樹々の枝の上をミセリが駆ける。
キャラバン付近の樹はどれもヨツマ近郊の樹々とは桁違いに大きく、太い枝を選べば飛び乗る事も容易い。
例えば地上で野犬に囲まれた冒険者が、枝々を伝って北の急流・ダット河まで逃げのびた例もある程に。
……とはいえ、やはり枝は枝。
丸みを帯びていたり捻じ曲がっていたりすると、足を滑らせてしまう事も大いにあり得る。
, ,, ,, 、ミセ|i!゚Δ゚)リ「ほっ、んがッ!?」
そう、今のミセリのように。
ミセ;゚◇゚)リ「のおぉぉおっ!?」
从 -∀从=3「……やれやれ」
長剣を幹に突き立ててなんとかしがみ付くミセリを、ハインは苦笑とともに見下ろした。
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 第一章 新緑の木立
第三話『兆しのうろ』
March 04, 2011
( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです 第十一話
雨音が戻ってくると、肌に当たる雨粒の感覚、冷たさも戻ってきた。
現実が重く心にのしかかる。
( ∋ )
_
( ∀ )(僕は、僕はまた大事なものを、失ってしまった)
涙は雨と共に流れていった。
ただ心に流れ込んでくる深い悲しみは、せき止められたまま流れていかない。
##### ガラクタ魔王のようです #####
第十一話「宿命螺旋と禁じられたお人形遊び」
March 02, 2011
( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです 第十話
( ゚∋゚)
カエラズの森にはクックルの張っている結界が何層もある。
今、その一つに何かが接触した気配を感じた。
昼食を作る手を止めて、水気のついた手を拭いた。
ミセ*゚ー゚)リ「どうしたの?」
( ゚∋゚)「少し、気になることが出来たので、外に出てきます。
もしかしたら少し遅くなるかもしれません。昼食の準備、お任せしてもよろしいでしょうか?」
ζ(゚ー゚*ζ「いいですわ。いってらっしゃい」
ミセ*゚ー゚)リ「いってらー」
王国の者と和解したおかげで、ここ最近侵入者はぱったりといなくなった。
このような形でクックルが出動するのは久しぶりのことである。
( ゚∋゚)(昼食の準備が終わってからにしてほしかったな)
王の命令以外でカエラズの森に来る者といえば、ただの冒険者か、
はたまた魔王城の財産目当ての盗賊なども考えられる。
どうにしろ、その日もまた、単なる面倒な輩が現れただけだと、クックルは考えていた。
引っかかった反応があったのは、鬼門の近くの結界であった。
そして、クックルの視界に異変が起こったのは、鬼門の近くまで飛行していったときだった。
天地がひっくり返るような悪寒、不可思議な感覚に襲われ、魔力の制御ができなくなる。
暗転した視界、混乱する思考のさなか、自分が墜落しているのをクックルは感じた。
##### ガラクタ魔王のようです #####
第十話「四天王と襲撃のティータイム」
March 01, 2011
( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです 第九話
しんと静まりかえった城内を彼女は我が物顔で闊歩していた。
元々他人となれ合うのは苦手だった。
母親が死んでからはそれがいっそう顕著になり、今では“嫌い”になっていた。
彼女は夜中眠らなかった。
かといって昼間に寝ている訳ではなく、数日に数時間ほど、目を瞑って休息を取るだけである。
眠ると必ず悪夢を見る。
全てが奪われてゆく日々を思い出す悪夢を見てしまう。
眠れるはずがなかった。
「困ったわねえ」
('、`*川「そうなの。このままじゃ計画もおじゃん」
「おまえの力で何とか出来るんじゃねえの?」
('、`*川「私は魔法使いだけど、神様じゃないの。出来ることと出来ないことがある」
「お姫様がもっと積極的だったらいいのかしら」
「そういう問題じゃねえ気がするが」
真夜中の図書館では、窓から差し込む月明かりだけが拙い光源だ。
青白く浮かび上がった人影は、ひそひそと談笑を続ける。
相談というほど深刻な雰囲気は無く、それはあくまで談笑であった。
_
( ゚∀゚)「何をしているんだい?」
('、`*川「―――あら」
暗闇から現れた魔王に対し、魔女は表情を変えずにじっと見つめ返した。
彼女の瞳に人間らしい暖かみは感じず、空に張り付いた月のように、静かに青く揺れていた。
##### ガラクタ魔王のようです #####
第九話「パルプノンフィクションと闇夜の来訪者」
February 27, 2011
魔法使いと踊るようです
('皿`#川 だぁぁれが地味かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!
ミセ*゚ー゚)リ キャー! 地味な魔女が怒ったー!
( ・∀・) 怒っても地味だ! 地味だよ!
(゚、゚トソン まぁ地味ですね
('、`#川 テメェらぁぁぁぁぁ! もう知らん! 一生日の当たらん生活でもしてろ! 夜になぁれ!
ミセ;゚ー゚)リ あぁ、魔女が何か地味な魔法を!
('、`*川 イソイソ
( ;・∀・) く、黒い布を空に張り出したぞ! スゲェ地味だ!!
('、`*川 ほい、ほい
(゚、゚;トソン そして星や月をぶら下げてますがプラスチック……これまた地味ですね……
('皿`#川 地味地味うるせぇぇぇぇぇぇッ!!
February 14, 2011
( ^ω^)ブーンはモンスターハンターのようです 第十三話
きゃらくたーてんぷれーと ※簡易版※
・( ^ω^) ブーン HR‐1
wep・ドスバイトダガー
prot・頭‐護りのピアス
それ以外‐ランポス シリーズ
〇結構お調子者
投擲が得意
・('A`) ドクオ HR‐1
wep・アイアンストライク
prot・クック シリーズ
〇ブーンがハンターになったのをきっかけに、自身もハンターへ
・(,,゚Д゚) ギコ HR‐3
wep・水剣ガノトトス
prot・頭‐ブラックピアス
それ以外‐キリン シリーズ
〇ブーンの師、その一 イケメン しぃとは恋仲
・(*゚ー゚) しぃ HR‐3
wep・スリープショテル
prot・キリン シリーズ
〇ブーンの師、その二 スタイルよくて、美人 ギコとは恋仲
・( ´∀`) モナー オトモアイルー
〇ブーンのオトモアイルー 超マイペース
溶岩地形移動可
・( ^^) 山崎 オトモアイルー
〇ドクオのオトモアイルー とても器用
戦闘不可 ハンターの道具使用可
・ξ゚⊿゚)ξ ツン
〇ブーンの親友 少しおこりんぼ?
・(#゚;;-゚) でぃ
〇ポッケ村の村長さん 若干、心配性
・(`・ω・´) シャキン
〇鍛冶屋の人 いつでもやる気全開
・( ><) ビロード
〇道具屋の人 優しいけれど、どこか抜けてる
・ノリ, ^ー^)li ジャンヌ キッチンアイルー
〇ブーン宅のキッチンアイルー
・爪'ー`) フォックス
〇ベーンの親友 イイ人
・ミ ^ω^〕 (故)ベーン HR‐9
〇ブーンの父親 生前は凄腕のハンターで、各地にその名を轟かせた
モンスターから幼い頃のブーンをかばい、死亡した
※ HRとは、『ハンターランク』というもので、ハンターズギルドから実力を認められる事で上昇していきます。
要するに強さのバロメーター。
☆話の中の括りの役割
“ ”…モンスター名
【 】…武器名、防具名
〈 〉…道具名
February 03, 2011
( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです 第八話
(;゚A゚)「うおおおおおおおおおおお!!」
ドクオは森の中を疾走していた。
後ろにはカウデビルが三頭迫っていて、絶体絶命である。
ところがドクオが魔王城の手前まで逃げると、カウデビルは立ち止まり、ドクオを見送った。
魔物というのは、あまりにも強い魔力を持つ存在がいると、そこには近づかなくなるのだ。
つまり魔王がいる限り、城の付近には魔物は存在できないのである。
('A`)「あ、どうも。自分ドクオっス。あと、百姓ッス!」
##### ガラクタ魔王のようです #####
第八話「騎士と勇者の物語」
( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです 第七話
ζ(゚ー゚*ζ「本当ですか!?」
飛び上がって喜んだデレは、そのまま話をどんどん先に進めていった。
彼らの言う見合いとは通常のそれではなく、城に住み込んで相性を見るというものらしい。
つまりは同棲だ。
( ゚∋゚)「よいのですか、魔王様」
_
( ゚∀゚)「なにか不都合なことがあるのか?」
( ゚∋゚)「彼らをあまり信用しない方がよいかと思います。
結局は帝国側の者たちですし、裏でなにを考えているかわかったものではありません」
デレたちが城に住むことを最後まで反対したのはクックルだった。
_
( ゚∀゚)「確かに怪しい者はいるが」
('ー`*川
_
( ゚∀゚)「きっと大丈夫さ」
楽天的ともいえる発言は、彼の持つ強さからくる余裕なのだろうか。
ジョルジュの考えていることがわからず、クックルは苦悩する。
##### ガラクタ魔王のようです #####
第七話「花嫁修業と幸せエックス」
February 02, 2011
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 第一章 第二話
ミセ*゚ー゚)リ「……」
──ビロード君、ちんぽっぽちゃん、お元気ですか? 私は元気です。
他の参加者の皆も、たぶん元気なんだろうなと思います。
_
( ゚∀゚)o「おーい、ミセリちゃーん! 遅れるなよー!」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、はい!」
――私達がヨツマを出発してから、もう2週間が経ちました。
10人越しの大人数での樹海探索は、それだけ獣からの襲撃も多いと聞きます。
大抵のギルドが少人数で探索を行うのは、そういう理由だったっけ。
(・∀ ・)「まあ、こいつらから離れたくなる気も分かるけどなー」
ミセ*゚ー゚)リ「いやいや、そんな」
──しかし、キャラバンの隊長さんの腕が良いのか、今のところ獣の大規模な攻撃は受けていません。
何度か出てきた獣も、他の参加者の皆さんが倒してくれています。
(実は私はあんまり役にたってないんだ)
とても順調です。
そう、進路は順調なんだけど──
爪'ー`)y‐「……フー、歩き通しだと流石に疲れるね」
ξ゚⊿゚)ξ「……ちっ。だったらその煙草止めれば?」
爪'ー`)y‐「それこそ僕の勝手だと思うが?」
ξ゚⊿゚)ξ「煙たいから止めろって言ってるのも分からないの?」
(-@∀@)「ちょ、ちょっと、ツンさん!?」
爪'ー`),,「良いさ、今回は僕が折れよう。……おい、小娘」
ξ#゚⊿゚)ξ「ああ?」
爪'ー`)「あまり調子に乗るなよ?」
ξ#゚⊿゚)ξ「……はん。なよっちいアンタが、私と戦ろうっての?」
(;-@∀@)「ツンさん!」
爪'ー`)「僕は構わないぜ。但し君のお仲間も遠慮なく巻き込むがね」
ξ#゚⊿゚)ξ「貴様……!」
从 ゚∀从「そこまでにしとけ、2人とも。仲間内でいがみあってどうする」
ξ゚⊿゚)ξ「……わかったわよ」
爪'ー`)「ああ、すまないね」
川 ゚ -)「……全く、下らないな」
(#゚;;-゚)「……ふん」
(・∀ ・)「な?」
ミセ;-ー-)リ「……いやいや、そんな……」
──どうして冒険者の人達って、ここまで反りが合わないのかなぁ。
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 第一章 新緑の木立
第二話『勇姿の在り方』
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 第一章 第一話
▼<・>(益)<・>▼「КкαααАН、……Κκυατθ!」
(*‘ω‘ *)「ちっ……!」
ミセ;゚-゚)リ「くう、」
▼<・>(益)<・>▼「ξιηεεαН! НКγηψψΑΗッ!」
ミセリとビロード、ちんぽっぽの3人は、ヨツマ近郊で大人の背丈ほどの大柄な野犬と戦っていた。
以前ミセリが戦った個体よりも大きく、素早い野犬。
もし一人で戦っていたならば、ミセリ程度の冒険者ならばすぐに殺されている。
もし、一人で戦っていたならば。
……しかし、ミセリはもう一人ではない。
( ><)「ぽっぽちゃん、ミセリちゃん、離れて欲しいんですッ!」
(*‘ω‘ *)「よし来た!」
ミセ*゚ー゚)リ「あいッ!」
▼<・>(益)<・>▼「ΓηεΙッ!?」
( ><)「食らうんです!」
2人が跳びすさった瞬間、赤の精霊によるビロードの攻撃が野犬を襲った。
▼< >(益)< >▼「、Ηηι^Δοεπ-βηψοΟ!!」
赤の精霊。その特質は、『力』。
圧倒的な破壊を司る赤の精霊は、五種類の精霊の中で最も攻撃的な色だ。
その働きは、打撃を強化し、爆炎を生み、稲妻を呼び起こす。
赤は血の色、炎の色、怒りの色――何より純粋な暴力の色。
直撃を受けた野犬の顔面が炎上し、動きが止まった。
苦悶に呻く獣をちんぽっぽのワンドとミセリの長剣が前後から叩く。
(*‘ω‘ *)「トドメだっぽッ!」
ミセ#゚ー゚)リ「ッ!」
▼<##(益)//▼「ΓγаΕββοαλΑΗαεッ、……」
2人の連撃に頭部を破壊され、野犬は巨体を地に横たえる。
ビクン、ビクンと数度痙攣した後、彼はその生命を終えた。
(*;‘ω‘ *)「ふぃぃ、なんとか倒せたっぽね……」
ミセ;゚ー゚)リ「本当、もうクタクタだよ……」
(; ><)「もうあんなのの相手は嫌なんです……」
ふらふらとその場にへたり込み、ビロードが呟く。
ビロードの持つ、特殊な親和能力。
彼は見つめた対象を精霊により発火させる事ができる。
これは彼の他に例のない貴重な能力で、そのせいで彼は幼少から天才として特別扱いされ続けてきたとちんぽっぽは言う。
ただ、普段はそう強い火力を出すことは出来ない上に時間がかかり、さらに本人が貧弱極まるという事情から、
あくまで戦闘のサポートとしての役目しか期待できないらしい。
ぐったりした様子のビロードを、ちんぽっぽが怒鳴り付ける。
(*#‘ω‘ *)「お前はもっと肉体労働しろっぽぉ!」
(; ><) そ「そんな! 僕は最初ずっと追いかけられたんです!」
(*#‘ω‘ *)「それはお前がド貧弱だからだっぽ! それが嫌なら鍛えるっぽ!」
(; ><)「無理ー! 無理なんですー!」
(*#‘ω‘ *)「じゃかぁしぃわっ! 女の子に守られなきゃ戦えないなんて、貴様本当にタマついてんのかコラ!」
(; ><)「ちょ、ぽっぽちゃん!? なんて単語口に出してるんですか!」
(*‘ω‘ *)「……ちょっと熱くなっちゃったっぽ。ごめんね、ミセリ」
ミセ;゚ー゚)リ そ「え、なんで私?」
(; ><) そ「普通は僕にじゃないですかッ!?」
(*‘ω‘ *)「さ、街に戻るっぽ。この調子なら、もう少し強い敵と戦ってもいいっぽ」
ミセ*゚ー゚)リ「そだね。ビロード君が居れば、安心して戦えるよ」
( ><) そ
(*><)「えへへ……任せて欲しいんです!」
(*‘ω‘ *)「……ミセリ、中々したたかっぽね」
ミセ*^ー^)リ
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 第一章 新緑の木立
第一話『芽吹く若木』
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです 序章
『樹海の進攻』
急速に拡大する森と、そこに住まう生物群の猛攻。
数千年の昔に発生したその大災害は、栄華を極めたヒトの前文明を徹底的に破壊した。
九割の人々が樹海に飲まれて命を落とし、九分の人々は飢えて死んだ。
旧世界の枠組みは滅び、混沌の時代に叩き込まれ、それでもヒトは滅びない。
底知れぬ苦難の中で、それでもヒトは生きる希望を無くさない。
人々は、勇気と知恵、そして『新たな力』を武器に樹海に挑む。
勝利は『生』を表し、敗北は『死』を表す。
全てのヒトの存亡を賭けた樹海との死闘が幕を開けた。
結末を知る者は、いない。
ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです