January 09, 2011
( ・∀・)監禁されたようです。暗い暗い暗いクライ・・・
視界を覆っているものが布なのか、それともガムテープのようなものなのか。
もしも粘着力のあるものであれば、はがすときが心配だとモララーは思った。
冗談を考えて心を奮い立たせようとしたが、それは失敗に終わった。
心をぎりぎりと締め付けるのは、手足と視界の自由を奪われ、命の保証さえ無いこの状況だった。
暗い。室温は適度に保たれていたのはモララーにとって有り難いことであったが、なによりも心が寒く、冷たく空虚だ。
空っぽだった。
かつてない程に心が満たされておらず、視界よりも深い色で濁っていた。
監
禁
さ
れ
た
よ
う
で
す
暗い 暗い 暗い クライ
学校から帰宅している途中、何者かに後ろから襲われた記憶は残っていた。
一瞬だったが、背骨が粉々になるようなショックと、視界が黒い霧に覆われたところは鮮明に思い出せる。
おそらくスタンガンだろう、モララーはそう推測した。
委員会の仕事で日が落ちてから学校を出ることが多くなっていた。
今更だがモララーはもっと用心して生活していればよかったと反省した。
しかし今冷静になって考えてみると、この襲撃は実に綿密な計画の元に行われたのではないか、そうモララーは思う。
理由は二つある。
まずは襲撃場所の高架下だが、通学路の近道として割と有名な道であるが、学生以外はほとんど使わない道だ。
そこで犯人が襲ってきたというのは、誰かに目撃される可能性を最小限に減らすために、あらかじめ下調べしていたのではないか。
車を近くに置けば、運ぶのもたやすいことだろう。
理由はもう一つ、この手際のよさだ。
手足を縛っている縄、簡単には外れない目隠し、
綺麗に整頓された部屋(じたばたと足を動かしてもなにも触れなかった)、全てが全て整いすぎている。
じゃあ俺が襲われたのは不可抗力なのだが、という結論に達し、だからどうしたとモララーは心の中で毒づいた。
音が聞こえた。
ドアが開く音、木がしなるおと、足音、衣擦れの音、人間の音だ。
視界が無い分、聴覚が普段以上に冴えていた。
「誰だ」
数時間ぶりに声を出し、あまりの弱々しさにモララーは泣けるというよりは笑えるなと感じた。
頭に触れられたモララーは、びくっと体をしならせた。
なにも見えない状態で体に触られるのは、こうも不快で不気味なのかとモララーは驚く。
しゅるしゅると布がすれる音と感触が、頭を何周も何周もする。
やがて頭ごと覆っていた目隠しはとられ、ぼんやりと視界が浮かび上がった。
部屋は薄暗く、一人暮らしの者が住む程度の広さで、どこかのアパートなのだと思った。
視界に入るのは心と同じ空虚な部屋と、もちろん目隠しを解いた人間もいた。
比較的冷静だったモララーは、その者たちを見たとき心の底からぞっとした。
一人は筋肉質の全裸で、入れ墨だろうか、体の至るところに文字や幾何学的な模様、化け物の顔、月、十字架が描かれていた。
その者はスキンヘッドで、顔は見えない。面を被っているのだ。とてもシンプルな面だった。
口のところにぽつぽつと小さな穴が開いているだけで、他にはなにもない。どうやって見ているのかわからない。
薄暗い部屋の中でもよくわかる真っ白な、顔の無い面を被った巨大な男が、まず一人。
もう一人も男だった。
こちらは服は着ているが、同じくらい怪しい。全身を黒っぽいタイツに包んでいて、顔には黒いなにかを塗っている。
眼球の白以外、全てが黒だ。
顔が見える分まだマシなのかもしれないが、怖いことには変わりなかった。男の年齢は、四十は越えているだろうと思われた。
モララーは視界が見えているときよりも、いっそう恐怖していた。
変態、そう言い切って差し支えないような者たちだった。
モララーはこれから彼らになにをされるのか想像し、性器が縮み上がるのを感じた。
二人はモララーにじっと目を落としつつ、しかしなにもしてこなかった。
全裸の男も、タイツの男も、ただ棒立ちのまま、モララーを見つめるだけだ。
モララーにとっては数時間のような十数分が経ち、ようやくいつもの彼らしい冷静な心境を取り戻した。
なにもしてこないのであれば、どれだけ見た目が恐ろしくとも、害は無いのだ。
そう自分に言い聞かせた。
( ;・∀・)「あの」
とにかくなにか話しかけて、先に進まなければ、そう思った矢先に、モララーはとても奇妙なことに気がついた。
タイツの男は、全く瞬きをしていなかった。
『モララーくん』
声が聞こえたが、その場にいる人間は誰も喋っていないようだった。
全裸の仮面男かと思ったが、それにしては体が不動過ぎる。
また声は、部屋の天井から聞こえているように思えた。
肉声ではなく、機械で歪ませた声たったので、男なのか女なのかもわからない。
薄暗くて確認はできないが、点いていない電灯の横に、なにか機械のようなものが張り付いているのがわかる。
『モララーくん。返事はできるかな』
( ;・∀・)「はい」
『素晴らしい自由を与えられたモララーくんに、一同、拍手!』
拍手の声とほぼ同時に、全裸男とタイツ男は、一心不乱に手を叩き始めた。
普通の拍手とは違う、まるで取り憑かれたような拍手だった。
うるさいわけではないが、凄まじく不快で、再び心に芽生え始めた恐怖心をあおるように聞こえた。
『拍手、やめ!』
合図とまたほぼ同時に、二人は拍手をやめた。モララーはこのとき、一瞬だけ気が狂いそうになった。
『モララーくん。君の話を聞かせてほしい』
( ;・∀・)「え?」
床に転がったまま、反射的にモララーは二人の男を見た。
モララーに向いていた視線は、今は水平に、なにも無い壁に向かって伸びていた。
そもそも、彼らが言っていることではないので、彼らに目を向けても意味が無い。
『モララーくん。君の話を聞かせてほしい』
( ;・∀・)「話って、なにを………」
機械音声は、モララーの返事には答えてくれなかった。
二人の変態も、今は人形のようにただ突っ立っているだけだ。
時間だけが過ぎ、沈黙に耳鳴りが乗り移ったとき、モララーから口を開いた。
( ;・∀・)「話って、世間話とか、笑えるギャグみたいな?
学校で流行ってることとか、そういうの? 身の上話みたいなことでいいのかな」
一言一言を絞り出すように言った。恐怖で口が空回りしそうになるのを必死に抑えた。
おでんを三日三晩煮込み続けて、どろどろになった具から、泣きながら固形の大根を探したみたいだとモララーは思った。
いい例えだと自分を関心したが、同時に意味不明であることも反省した。
機械音声はやはり無言を貫き、仕方無くモララーは自分の話を始めた。
自分の話というのは、誰でもできる代わりに、かなり困難なことでもあるのだと実感した。
( ・∀・)「俺はモララー。高校三年生です。執行部に入ってて、ちょっと前までは生徒会長でした。
部活は野球部でセンターでした。もう引退しましたけど。今は受験生なので、勉強を頑張って……」
『君の話はつまらないな』
歪んだ機械音声が素晴らしいタイミングでモララーの話をちょん切った。
遮ったのではなく、文字通りちょん切ったのだ。
モララーは口を開けたまま、話を続けることが出来なかった。
『本当に面白い話というものを聞かせてやろう』
うろたえ続けるモララーに対して、機械音声は歪んだ音質に意気込みを乗せて、自信ありげに言ってきた。
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/09(日) 02:03:58.61 ID:EmrD7BGz0
こいつは話に自信があるのだろうか、モララーは不安でたまらなかった。
一番怖いのは、話がつまらなくて、それが表情に出てしまい、相手を怒らせてしまうことだ。
それなら本当に面白い話を聞かせてほしい。
とにかく自分には、最良の選択肢を選ばせて欲しいとモララーは思った。
『このまえスノーボードに行ったのだ。そのときは平日で、他に客はちらほらといる程度だった。
私は友人と一緒に上級コースまで行き、のんびりとボードを楽しんだ。
すると横の、雪を飛ばす装置に体が引っかかってしまってね。知っているかい。
雪を飛ばす装置だ。スキー上にはそういうものがあるのだよ。私は知らなかったが。
そしてその雪を飛ばす装置、面倒なのでスノーマシンと名付けようか。
スノーマシンから放たれる雪が私の顔面を直撃したのだ。私は即座に避難したが、不細工に転んでしまった。
その姿を友人に見られでもしたら恥ずかしいだろうなと思ったが、友人はこちらを見ていなかった。
それどころか周りには客もおらず、結局スノーマシンに雪をくらわされた私を見た人間は、誰もいなかったのだ。
そこで気づいたのだよ。そういう恥ずかしい失敗は、むしろ見られない方がむなしくて、より落ち込むとね』
モララーは色んな意味で絶句した。
話が終わったようで、部屋はまた沈黙に包まれた。
しかしすぐに、イルカの鳴き声のような声が聞こえてきたことで、沈黙は破られた。
全裸男とタイツ男が、肩を大げさに上下させながら笑っているのだ。
いや、果たしてこれは笑っているのだろうか、そうモララーは疑問に感じる。
タイツ男は無表情で、口を開けないまま、キュッキュッキュと甲高い声を発しているのだ。
全裸男は仮面のために表情がわからないが、似たような声を発し、不気味に肩を震わせている。
『大うけだ』
どうやら笑っていたらしい。
モララーは一瞬だけ自分が宇宙にいる妄想をし、意味のないことだと気がつきすぐにやめた。
『ところでモララーくん。尿意は大丈夫かな』
小便のことを言われたとたん、膀胱のことを意識し始め、たちまち尿意が襲ってきた。
手足を縛られた状態では、トイレどころか立つことすらままならない。
ようやく解いてくれるのかと、モララーは安堵する。
ふと気がつくと、全裸男が小さなポリバケツを手に持っていた。
タイツ男は自分の胸の前に両手を持ってきて、アニメのマッドサイエンティストがやるような指の運動を見せている。
( ;・∀・)「トイレに行きたいんですけど」
タイツ男がモララーの股間の辺りに腰を下ろした途端、モララーは不格好に暴れ始めた。
十八歳にもなって、それも大人の男に、小便を手伝ってもらうなんて考えることすら出来ない。
モララーはそういう少年であり、潔癖は恐怖を上回った。
しかし全裸男が加勢に加わり、あっさりとモララーは捕まった。
するすると着ているズボンを下げられ、後ろ手に縛られたまま、顔で支えている土下座のような格好をとらされた。
ぶらぶらと宙をゆれる自分の性器を見られていると思うと、一瞬だけ気が狂いそうになった。
( ;・∀・)「ああ!」
性器を触られた(!)。
感触からして全裸男の素手だとモララーはわかったが、それ以上は混乱してなにも考えられなかった。
牛の乳搾りの要領で、性器を手の中で弄ばれていた。
よだれが口から垂れ、顎を伝って床に糸を引き、それがまた顔にくっつき、モララーの口周りはよだれでべっとりと湿った。
『出ないようだね』
モララーにとって数十時間のような数分のあと、機械音声が嘆くように言った。
( ; ∀ )「ひぃ、ひぃ、ひぃ、ひぃ」
息も絶え絶えのモララーは、恥辱が心に刻まれていくのがはっきりとわかることで、気が遠くなるほどの目眩を感じた。
『それでは次のゲストの登場です』
音が聞こえた。
ドアが開く音、木のしなる音、衣擦れの音は以前よりもはっきりと、そして視界が開けているので、その者をすぐに確認できた。
( ;・∀・)「クーさん!」
執行部の書記をやっている、同じ高校で二年生、モララーとは一つ年下のクーがそこにいた。
もちろんモララーとの面識もあり、お互いが知らない関係ではない。
ドアが閉められ、一瞬だけ明るくなった部屋はまた薄暗い陰気な空間へと戻った。
明るくなった瞬間に見えたクーの表情は、まるで蝋人形のように生気がなく、感情も見えなかった。
( ;・∀・)「クーさん」
川 ゚ -゚)
クーはモララーの股間にじっと視線を落としていた。
隠したいが手足を縛られているうえに、二人の大人に体を押さえつけられているので、身動きができない。
ぷるぷると震える性器が右に揺れると、小さくクーの瞳は右に揺れ、左に揺れると、同じようにクーの瞳も左に揺れた。
( ;・∀・)「クーさん、どうした、大丈夫か? なにかされたのか? お、俺は、大丈夫じゃないけど、大丈夫………。
まだどこも怪我はないし、小便だって出していない。未遂だ! 誤解だ! 俺は変態じゃない! こいつらとは違う!」
モララーは涙目になりながら必死に叫んだ。
片思いの相手に見られる姿としては、あまりにもお粗末で、どうしようもない姿だった。
気遣っている自分の方が、彼女よりやばい状況なんじゃないかとも、気が狂いそうになっている中で、モララーは思う。
『みんなで協力すれば、難しい問題でも解決できるものさ』
まるでそれが合図のように、全裸男、タイツ男、クーは一斉に動き出した。
まずタイツ男がモララーの足枷を外し、足に引っかかっているズボンをクーが引き抜き、全裸男がモララーを部屋の隅に移動させた。
それから全裸男がモララーの両足を開いた状態で固定し、クーとタイツ男がそれぞれ片足ずつしがみつき、足が絶対に閉じないようになった。
皆、手際がよかった。
小さなポリバケツは斜めにおかれ、モララーの性器の前に倒されている。
( ;・∀・)「クー! クー! てめえなにやってんだよ!」
好きな人だろうがなんだろうが、もう関係のないことだとモララーは悟った。
狂ってる人間にかつての友情を求めても仕方のないことだ。
そう割り切る方が効率的だと。
闇が襲いかかってきた。ぞっとするほどの闇だ。
また同じ目隠しをされたのではなく、顔全体に固い感触を感じ、それがなにかわかった。
仮面だ。全裸男がつけていた仮面だ。
やはりこの仮面をつけていると、なにも見えないようだ。
口のあたりが湿っているのは、全裸男の吐息のせいだろう。
『膀胱炎になったら大変だからね。今から治療をしてみよう。手術代は三千万だ』
やや間をおいてから、今のはかの有名な漫画、ブラックジャックを真似したジョークなのだよ、と機械音声は付け加えた。
途端に、イルカの鳴き声のような笑い声が、後ろと前から聞こえ出した。
今度はそこに、しわがれた老婆のような笑いが混じっていた。
モララーは仮面の下で、泣きながら笑った。
『しかしマッサージくらいはしないとね。頼んだよ』
珍妙な笑い声が途切れ、ごそごそと人が動く気配を感じた。
モララーの両足はまだ固定されたまま、動かすことが出来ない。
「あ」
性器に違和感を感じた。なにかが当たった感触と、ぴちゃ、という水音のような音が聞こえた。
モララーは見える恐怖のあとに、また見えない恐怖にさいなまれていた。
今度ははっきりと感触がわかった。
ざらざらした、生暖かい、うねうねと動く、ヘビのようなものが性器にまとわりついている。
呼吸している生き物のように性器の表面をくすぐり、カリをなぞるそれが舌だと気がつくのに、時間はかからなかった。
生まれて初めてのフェラチオだった。
小さな舌が柔肌をするするとなぞり、敏感な部分にはナメクジがはうようにゆっくりと撫でる。
やがて舌だけでなく、すぼまった口によってモララーの性器がすっぽりと覆われた。
思っていたよりも気持ちよくないのは、この状況のせいか、それともフェラチオが下手なのか、モララーには区別がつかない。
しかし小さな舌の持ち主がクーだと確信しているモララーは、空虚だった心が満たされ、幸福の光を発しているのを感じた。
口の中で性器は舌と、頬の内側の肉によってこねくり回された。
無心になってしゃぶっているような感触だった。犬が大好物の骨をなめ回しているような、品のないエクスタシーを覚える。
淫らに聞こえる水音に粘りけが増し、前後に動いていた口がより速度を増した。
肉と肉に挟まれた肉に、つばと愛液が混ざり、音を立てる。
フェラチオというのはプレイというより、崇高な儀式かもしれない、とモララーは考え、意味不明だと自分に毒づいた。
腰のあたりがしびれてくる。射精の予感だ(!)。
太もものあたりにぞわぞわと筋肉のさざ波が起こり、やがてそれは金玉へと到達した。
脳天を貫くような快感と幸福感に包まれながら、モララーはしっかりと口内で果てた。
自分の精子は汚く、触るのも嫌だが、それを他人の、それも清楚で美人なクーの口のなかで出した。
そう思うとたまらずモララーは、自分から腰を動かし、亀頭を口の中で暴れさせた。
「ゲホッ!」
苦しそうな嗚咽が聞こえたが、無視して腰を振った。
喉に当たる亀頭の感触があまりにも快感で、理性ではとうてい制御できなかった。
『マッサージは終わったよ』
モララーの性器が口の中から放たれた。
びくびくと動き続ける性器は、モララーの体の一部ではなく、意志を持った別の生き物のようだった。
モララーは生まれてから今まで、このような幸福感を味わったことがない。
幸せとはなにか、そのような哲学があったとして、今のモララーは迷うことなく、好きな女にフェラチオしてもらうことだと答えるだろう。
ようやく理性が戻ってから、クーのことが心配になった。
いきなり自分の性器をしゃぶってきたことも、よく考えればあまりにもおかしい話だ。
「クーさん、大丈夫………?」
もはや期待していなかったモララーだが、当然のごとく返事はなかった。
もしかしたらクーは壊れているかもしれない。
彼としては考えたくないことだったが、結局のところモララーの思考はここにたどり着くこととなった。
このおかしな連中に薬かなにか飲まされたのかもしれない。
レイプされて心が壊れてしまった可能性もある。
とにかくクーは、もう普通じゃないかもしれない。
今までの彼女の様子を見て、そう考える方が妥当だとも思えた。
目隠し代わりの仮面が外された。
( ・∀・)「?」
右足を手で押さえているクーは、満面の笑みでモララーを見返した。
学校にいた頃でも見たことのないような、弾ける笑顔だった。
川 ^ -^)
きゅっと結んでいる口は口角が持ち上がっており、爽やかな笑顔になっている。
もしも学校でこの笑顔を見られれば、その度に惚れ直すのだろうが、今の状況では不気味で仕方がなかった。
声をかけようにも、どうせ無視されるのだろうと思うとかけづらい。
すると突然、クーは大きく口を開いた。
川 ゚ 0゚)
もう笑顔は消えていた。無表情のまま口を開いただけの、出来損ないの人形みたいな顔だった。
こういう顔芸をする芸人が一昔前売れていたが、モララーは嫌いだった。
精子がない。
薄暗い部屋の中で、なぜかそれだけは明瞭に見えた。
クーの口の中には精子がない。どこにもない。飲んだのだろうか。
というか、口元が綺麗すぎる気がする。あれだけなめ回せば、口元は汚れているはずなんじゃないのか。
モララーはうつむいて、自分の性器をのぞき込んだ。
全体が黒く変色している。いや、黒く汚れていた。
モララーの思考が高速で動き出し、様々な可能性を導き出しては掻き消し、そしてその繰り返しの中、一つの答えが残った。
左足を押さえているタイツ男に顔を向ける。
顔中に塗りたくっている黒色のメイクが、口元だけ大きく禿げていた。
('∀`)
無表情だったタイツ男が笑っている。声は相変わらず、イルカの鳴き声みたいに、絞り出した声だった。
モララーも笑った。目だけは真剣に、口だけ大きく開けて笑った。
二人の笑い声は共鳴するように高まりあい、狭い部屋を駆けめぐった。
それからモララーは泣き出した。
幸福感に酔っていた脳細胞は、今度は悲しみと惨めさに音を立てて壊滅していった。
四十を過ぎただろう中年の男にフェラチオされた。
これは自殺するには十分過ぎる理由だろうとモララーは思い、自分は自殺する自由さえないことにまた泣いた。
体中の力が抜けきると、性器から小便がちょろちょろと漏れだした。
バケツ男がポリバケツを用意していたので、そこにモララーの黄色い小便が少しずつたまっていった。
ちょろちょろと残尿の滴だけが落ちる頃には、小さなポリバケツの半分が小便で埋まった。
『気持ちよかったかなモララーくん』
モララーはなにも答えなかった。
しばらくすると、全裸男、クー、タイツ男は、モララーの体から手を離し、立ち上がった。
ポリバケツはタイツ男が手に持っていた。
『撤収!』
三人は、イチ、ニ、イチ、ニ、と声を合わせ、陸上部の練習のように、一列縦隊で駆け足で部屋から出て行った。
あとに残されたのは、下半身が裸のモララーと、外された足枷、そして起きっぱなしにされたズボンとパンツだった。
ドアが施錠され、三人がどこかへ行ってしまったあとも、しばらくの間モララーはずっと放心していた。
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この記事へのコメント
1. Posted by Download bitter suites to succubi December 14, 2011 15:00
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