January 02, 2011
( ^ω^)ブーンはモンスターハンターのようです 第9話
第九話「大地を泳ぐモンスター」
―――ポッケ村―――
('A`)「俺も、そろそろ“ドスギアノス”に挑もうと思う」
(;^ω^)「なんだおいきなり…
…それで、自信の程は?」
('∀`)「自信? ある訳無いだろ!」
(;^ω^)「じゃあ、まだ挑まない方がいいと思うお…」
村のとある一角にて他愛もない雑談を楽しむ、ブーンとドクオ。
ドクオは、以前のちょっとした手違いによる共闘の後、どんどんと実力を伸ばしてきているようだった。
武器も、【ウォーハンマー改】へと強化させている。
( ^ω^)「今のドクオなら勝てるはずだお」
('A`)「そうか、ありがとよ」
ふと、ドクオを視線からところ、そこには荷物を抱えた、見知った女の子の姿。
( ^ω^)「あ、ツンだお。
おいすー!」
ξ゚⊿゚)ξ「あら、ブーンにドクオも。
二人とも、今日は狩りには出ないのかしら?」
('A`)「ブーンは知らんが、俺はこれからクエスト受注に行くさ。
ブーンに追い付け、追い越せってな」
( ^ω^)「ブーンも負けてらんないお」
ブーンとドクオは、互いが互いを刺激しあい、高みを目指していく事の出来る、良い間柄となっていた。
( ^ω^)「ツンの方は、これから何するんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ん。 これよ、これ」
そう言って荷物をほどくと、一つの弓矢が現われる。
ふと、ドクオを視線からそらしたところ、そこには荷物を抱えた、見知った女の子の姿。
( ^ω^)「あ、ツンだお。
おいすー!」
ξ゚⊿゚)ξ「あら、ブーンにドクオも。
二人とも、今日は狩りには出ないのかしら?」
('A`)「ブーンは知らんが、俺はこれからクエスト受注に行くさ。
ブーンに追い付け、追い越せってな」
( ^ω^)「ブーンも負けてらんないお」
ブーンとドクオは、互いが互いを刺激しあい、高みを目指していく事の出来る、良い間柄となっていた。
( ^ω^)「ツンの方は、これから何するんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ん。 これよ、これ」
そう言って荷物をほどくと、一つの弓矢が現われる。
( ^ω^)「あぁ、弓かお」
ξ゚⊿゚)ξ「そう。
弦を引いて矢を射って、的に当てる。
単純な遊びみたいなものだけど、気分転換になるのよね」
('A`)「ん?
ツン、確かお前、もう弓道ってやつは辞めたんじゃ…?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あー、その、ね!
情けない事に、まだ弓に未練が残ってたみたいなの…」
_,,_
(;^ω^)「?」
('A`)「………」
どうやら、三人はそれぞれ違った心境のようだ。
ξ;゚⊿゚)ξ「それじゃ、私はもう行くわ!
ブーン! 無茶して大怪我なんかするんじゃないわよ!」
(;^ω^)「なんでブーンだけ…
そんなに弱そうに見えるかお…」
('∀`)「……w」
少し慌てた様子のツンに、困惑するブーン。
ドクオは腕を組んで、ニヤニヤと二人の様子を眺めていた。
―――ポッケ村・中心部―――
ドクオに負けじと、一度準備を整え、依頼を請けにでぃの元を訪れるブーン。
( ^ω^)「こんにちはですお!
今日も依頼を請けに来ましたお」
(#゚;;-゚)「よく来たね、ブーン殿。
今日は、砂漠地域の依頼が届いているよ」
(;^ω^)「砂漠…
場所からして暑そうだお」
(#゚;;-゚)「暑いだけじゃないよ。 地下の洞窟はいつでも寒いし、外も夜になれば寒くなる。
厳しい環境だから、今までは依頼は紹介しないようにしてたけど…
もう、大丈夫だと思ったんだ」
( ^ω^)「お、頑張りますお!」
(#゚;;-゚)「それで、今回の狩猟依頼は“ドスガレオス”だね。
『砂竜』と呼ばれるモンスターたちのリーダーさ」
( ^ω^)「『砂竜』、ですかお」
ブーンの知らないモンスターの名。
後で、寄り道をする必要ができた。
(#゚;;-゚)「うん、そんなところかね。
〈クーラードリンク〉を忘れないようにね」
( ^ω^)「お、分かりましたお!」
依頼を受注し、すぐさまギコ達の家に向かった。
―――ポッケ村・ギコ、しぃ宅―――
二人の家に着いたブーンは、扉をノックしようと腕を伸ばす。
その時、扉のすぐ向こう側から、話し声が聞こえてきた。
『そ…な身…でなんて、無…だよ、…コ君!』
『うるせぇ、俺は諦めねぇぞゴルァ!
俺は、なんとしてでも…!』
しぃの声は聞き取り辛かったが、ギコの声ははっきりと聞こえた。
その会話の雰囲気は決して和やかな物ではなく、伸ばした手をそっと戻す。
その瞬間、目の前の扉が開かれる。
(メメ゚Д゚)「んお!? …ブーンか、何の用だ?」
(;^ω^)「あうあう、その、えーっと、ちょっと聞きたいお話があったので来たんですけどお…」
(メメ゚Д゚)「………しぃに聞け。
じゃあな」
ブーンの横を通り過ぎようとするギコ。
涙ぐむしぃが扉の前に立ち尽くしているのが視界に映り、どうしていいのかが分からなかった。
だが、思考とは関係なく、気が付けばギコの前を遮っていた。
驚いた様な表情を見せる、ギコとしぃ。
ギコの表情は、すぐに怒りの籠ったものになるが。
(#メメ゚Д゚)「テメェ…
何の真似だゴルァ?」
普段のブーンならば、竦んでしまうような威圧の籠った言葉だったが。
今のブーンは、不思議と落ち着いていた。
( ω )「ギコさん、何があったかは知りませんけどお…
しばらくは身体を休めた方がいいと思いますお」
(#メメ゚Д゚)「ほぅ、言う様になったな…
だが俺も、こればかりは引けねぇんだよゴルァ!」
ギコが背に掛けたヒレのような大剣、【水剣ガノトトス】の柄に手をかける。
(;゚ー゚)「ギコ君、止めてッ!」
(#メメ゚Д゚)「ゴルァァァ!」
振り下ろされる大剣。
その先には、ブーン。
( ω )「!」
直後、金属同士がぶつかりあう音が鳴る。
遅れて、質量のある物が落ちる音。
(;メメ Д )「ぐっ…」
ギコの手から大剣はなくなっていて、ブーンは盾を構えた腕を真横に、めいっぱい伸ばしている。
盾の面で、振り下ろされる大剣の腹を殴った。
そして、その衝撃に耐え切れずに、ギコは大剣を手放したのだ。
( ^ω^)「………普段のギコさんなら、こんな簡単に武器を取り落とすなんて事、しないですおね?」
(;メメ Д )「あ、当たり前だ!
馬鹿にするのも対外に――――」
( ^ω^)「じゃあ、今は『普段のギコさん』じゃあないんですおね?
例えば……怪我をしてるとか」
(メメ Д )「!」
一瞬だけ身を硬直させるギコ。
( ^ω^)「……しぃさんは、泣いていますお」
その言葉を聞いたギコは、すぐに後ろを振り返る。
( ^ω^)「そんな身体で狩りに出たって、勝てるはずがありませんお。
いや、悪くすれば、死んでしまいますお…」
――――父さんのように。
はっとした表情で、再びブーンに向き合うギコ。
先ほどまでの怒りは、すっかり静まったようだ。
(;メメ-Д-)「…済まねぇな」
( ^ω^)「気にしなくて大丈夫ですお。
ブーンは、ギコさんにまで死んで欲しくは無いんですお」
(*゚ー゚)「わ、私も!
ギコ君が傷つく所なんて、見たくない…!」
(メメ-Д-)「……」
二人の声に耳を傾け、静かに考える。
(メメ-Д-)「……俺は、焦り過ぎてたかも知れないな…」
追いつき、そして見返してやりたい者がいるから。
(メメ゚Д゚)「…もう少しだけ肩肘張らずにいってみるか」
(*゚ー゚)「ギコ君…!」
ギコの言葉を聞くやいなや、ギコに駆け寄り、抱き付くしぃ。
ギコも、振り払ったりはせずに、優しく抱き返す。
(;^ω^)。o(…これは、話しかけられる雰囲気じゃないお)
今もなお抱き合う二人を見て一人、除け者状態のブーン。
この空気の中に切り込んでいく図太さは、ブーンは持ち合わせてはいない。
(;^ω^)。o(いいお、もう…)
結局、“ドスガレオス”についての話を聞くこと無く、二人の家の前から静かに立ち去る。
( ^ω^)「よし、そろそろ出発するお」
村を出て、ブーンは砂漠地域へと向かって行った。
―――砂漠・ベースキャンプ―――
じりじりと、強烈な日差しが照り付ける、昼の砂漠。
砂からの照り返しもあり、辺りの気温は体温に近いものになるという、砂漠地域。
(;^ω^)「あ、暑い…お……」
ベースキャンプに設けられていた井戸を覗いてみるが、そこには暗闇が拡がるばかりで、水の一滴も見当たらない。
だが、冷たい風が中から吹き抜けてきたので、多少涼む事ができた。
( ^ω^)「お…?
ま、いいかお」
些細な違和感も湧いてくるが、狩りには関係の無い事と、すぐに思考の隅に寄せる。
( ^ω^)「支給品チェックだお!
……あ、〈クーラードリンク〉あったお」
最早お馴染みである青い箱、支給品ボックスからこれまたお馴染みとなった〈応急薬〉、〈携帯食料〉、〈携帯砥石〉に加え。
今回は〈クーラードリンク〉や〈紐のついた小さな樽〉、〈ピンがついた球体〉が入っている。
(;^ω^)「こんなもの、いったい何に使うんだお」
支給される道具は、基本的には狩りに必要だからこそ支給される物であるため、
これらのアイテムも、何らかの形で使う事になるのだろう。
( ^ω^)「……とりあえず行こうかお」
ブーンは、岩影となっているベースキャンプを出て、灼熱の砂漠へと繰り出していった。
―――砂漠・エリア2―――
岩場を抜け出せば、そこには砂の海が広がっている。
(;゚ω゚)「天然サウナだお…」
周囲の気温は既に体温を超えてしまっていて、興味本位で持ってきた温度計は40度を超えた値を指していた。
(;゚ω゚)「〈クーラードリンク〉…
〈クーラードリンク〉はどこだお…」
ポーチを漁る事も億劫だった。
目的の品を見つけると、すぐに栓を開け、一息に中身を飲み干す。
材料として使われている〈氷結晶〉の粒子が、喉を通り、胃に収まっていく様子が冷気という感覚ではっきりと分かる。
そして間もなく、その冷たい感覚は全身へと回っていった。
( ^ω^)「ふぃー、これはすごいお!」
〈クーラードリンク〉の効果と速効性に感心する。
( ^ω^)「さぁ、ぼちぼち行くお!」
軽く気合を入れ、広い砂漠を駆け出した。
しばらく走っていると、不自然に砂埃がまき上がる場所を見つける。
( ^ω^)「…? なんだお、あれ…」
砂埃は絶えず移動をしていて、なおかつ一点だけの物だった為、風では説明がつかないのだ。
( ^ω^)「もっと近くに…
おっ!?」
突如、砂埃の下から何かが飛び出してくる。
―――モンスターの、頭部だった。
(;^ω^)「ちょ、なんだおこいつ!?」
突然の襲撃だった為に、咄嗟に武器を構える事が出来なかった。
そんなブーンに、モンスターの攻撃が襲いかかった。
一瞬、視界に火花が走る。
強い衝撃を受けた瞬間に現われる物だ。
(メ ゚ω゚)「な、なんだお今のは…」
直接殴られたりした訳では無かった。
現に、ブーンとモンスターとの間は二丈ほどの距離が開いている。
砂に潜ったモンスターが再び顔を出し、ブーンに攻撃を仕掛ける。
(メ ^ω^)「そう何度も…!」
今度は、十分に警戒していた為、すぐに気付いて、モンスターの正面から離れる。
245 : ◆bUYB7.cOOs:2010/09/17(金) 23:54:57 ID:tegKfEMEO
直後、ブーンのいた地点の砂が破ぜる。
その原因は、モンスターの攻撃によるもの。
(;メ^ω^)「こいつ、砂を吐き出したのかお!」
先ほどブーンが受けた攻撃も、これのようだ。
砂を飲み込み、十分に圧縮して吐き出す、砂のブレス。
(;メ^ω^)「って事は、こいつが……
―――砂竜、“ガレオス”かお!」
ブーンが叫んだ瞬間に、砂の中から飛び出し、全身を現した“ガレオス”
(メ ゚ω゚)「………でけぇお!!」
“ガレオス”の外見は、どこか魚の様な印象を受ける。
腕はヒレの様に形を変えていて、腹ビレの位置についた脚には水掻きが。
尾ヒレや背ビレまでついている。
直後、ブーンのいた地点の砂が破ぜる。
その原因は、モンスターの攻撃によるもの。
(;メ^ω^)「こいつ、砂を吐き出したのかお!」
先ほどブーンが受けた攻撃も、これのようだ。
砂を飲み込み、十分に圧縮して吐き出す、砂のブレス。
(;メ^ω^)「って事は、こいつが……
―――砂竜、“ガレオス”かお!」
ブーンが叫んだ瞬間に、砂の中から飛び出し、全身を現した“ガレオス”。
(メ ゚ω゚)「………でけぇお!!」
“ガレオス”の姿形は、どこか魚の様な印象を受ける。
腕はヒレの様に形を変えていて、腹ビレの位置についた脚には水掻きが。
尾ヒレや背ビレまでついている。
また、その独特な見た目の他にブーンが驚いた事は、その大きさ。
流石に“ティガレックス”には及ばないものの、次点につく大きさはあるだろう。
体長は、三丈ほどと言ったところか。
(;メ^ω^)「どこを攻撃すればいいんだお…!?」
今までの相手は、ただ斬りかかっていれば倒す事ができた。
しかし、これだけ大きいと攻撃する部位も大切になってくる。
戸惑うブーンに、“ガレオス”の尾ヒレが迫る。
身体を回転させ、遠心力を加えた尾ヒレで打ちつけようとしているのだ。
(;メ^ω^)「やば―――」
身構える事もできず、衝撃に備えて身を強張らせる事しか出来なかった。
だがその瞬間に、身体が勝手に動き出す。
“ガレオス”の尾ヒレの打ちつけは、ブーンの盾によって衝撃は緩和された。
何故、自然に身体が動き、盾を構える事ができたのか。
ブーン本人も分かっていなかったのだが、一つ心当たりが浮かんだ。
(メ ^ω^)「…! 【護りのピアス】かお!」
防具を新調した際、ギコのアドバイスにより、選んだ物だった。
防具には、特殊な力が宿る事がある。
ハンター達の間では、『スキル』と呼ばれる特殊効果だ。
疲れにくくなったり、身体が丈夫になったり。
中には、モンスターの急所を的確に狙える様になる『スキル』も存在する。
今回の現象もまた、この『スキル』によるものだった。
『オートガード』――――
ハンターに危機が迫った時、『強く意識した行動』を取っていなければ、自然と攻撃を防御してくれるスキルだ。
(メ ^ω^)「ギコさん、これを見越して―――」
僕に【護りのピアス】を勧めたのか、と心で呟く。
(メ ^ω^)「複雑な心境だ――――おっ!」
“ガレオス”の攻撃を躱し、首の横につく。
(#メ^ω^)「とりあえず攻撃するお!」
今、必要なのは敵の情報を集める事以上に、敵に攻撃を加える事だ。
【ドスバイトダガー】を抜き、首を斬りつける。
思ったよりも刃はすんなりと通り、“ガレオス”の首に一筋の斬り傷を作る。
“ガレオス”が再び身体を回転させ、尾ヒレを打ちつけようとするも。
(メ ^ω^)「おっ!」
身を屈め、難なく躱す。
余った勢いを御する“ガレオス”の腹の下に潜り込み、斬り上げる様に剣を振るう。
腹部もまた、何ら抵抗なく刃が通る。
振り上げた腕を下ろす様に、立て続けに斬撃を加える。
今度の狙いは、脚。
刃が通らない事はないが、首や腹に比べると斬り辛かった。
(メ ^ω^)「……狙うなら、首か腹、だおね!」
頭を狙えばブレスが。
尾を狙えばヒレ打ちがそれぞれ待っているため、現実的ではない。
ダメージの通りにくい脚もまた然りだ。
狙う場所さえ分かってしまえばこっちのもの。
ブレスやヒレ打ちを躱しつつ、隙が生まれれば次々と斬撃を叩き込む。
20ほどの攻撃を加えた辺りで、“ガレオス”は力尽きる。
(メ ^ω^)「む、やけにあっさり倒せたお」
ということは、こいつはリーダー格の“ドスガレオス”ではないのだろう。
(;メ^ω^)「…もっとでかいのがいる事を覚悟しとかないと駄目だおね」
目の前に倒れている“ガレオス”の亡骸から牙を折り取り、ポーチにしまう。
ついでに〈携帯食料〉をポーチから取り出し、胃に納めつつエリア1へと進んで行った。
―――砂漠・エリア1―――
オアシスがあり、少量の草木が茂るこのエリア。
エリア1と番号付けられてはいるが、ベースキャンプと隣接はしていない。
エリア2よりも狭いエリアで、目的のモンスターの姿は見当たらないため、特に気にとめずに先へ進んで行った。
―――砂漠・エリア5―――
エリア2と遜色ない広さである、エリア5。
ここにも、数体の“ガレオス”が砂を泳いでいる。
しかし、ブーンはそのうちの一体に違和感を覚える。
良く観察してみると、違和感の原因が分かった。
体色が、違うのだ。
ガレオス達は淡い――――むしろ、白に近い黄。
だが、あの個体は濃い黄色をしている。
(メ ^ω^)「あいつだけ色が違うお…?」
理由は、考えずともすぐに分かった。
ブーンは、突き出た濃黄の背ビレに駆け寄って行く。
すると、ブーンの接近を察知した個体が砂から姿を現した。
(;メ゚ω゚)「………うっそぉ」
砂の下から全身を現した“ドスガレオス”。
体長だけなら、あの“ティガレックス”にさえ勝るとも劣らない程の体格を持っていた。
しかし。
(メ ^ω^)「身体の作りは、“ガレオス”と同じだおね」
ならば、“ガレオス”達と同様の部位が脆いだろう、と考える。
即ち、首か、腹部。
腹を括ったブーンは、まずは“ドスガレオス”の首元へ狙いをつけ。
“ドスガレオス”に接近するべく駆け出した。
もちろん、“ドスガレオス”もむざむざ接近を許すはずも無い。
ブーンを迎え撃つべく、体内に蓄えている砂を圧縮し、吐き出す。
(;メ^ω^)「ちょっ!」
“ガレオス”の砂ブレスとは、規模が桁違いだった。
身体を大きく反らせての回避をとったために、前進の勢いは止められてしまった。
“ドスガレオス”が、砂のブレスを連続して放つ。
ブーンはただ、その一発一発を大きな動きで避ける事しか出来ない。
しかし、一度下がってしまえば再び距離を詰めるのは至難となるだろう。
(;メ^ω^)「打つ手なし、かお…」
攻撃を躱し続ける事は、驚く程に消耗する。
ブーンのスタミナももう保ちそうになかった。
その時だ。
不意に、砂のブレスが収まったのは―――
(;メ^ω^)「!? 止んだ、お?」
一体どうした、と考えていると、自分の頭上を飛び越えて行く“ドスガレオス”。
それは、飛び込む様な形で。
砂の中に、潜り込んでしまう。
(;メ^ω^)「逃げて行ったのかお…?」
いや、それはないだろう。
少なくとも、“ドスガレオス”は無傷だ。
それならば、逃げる理由が思い浮かばない。
続いて、攻撃を止めた訳について思考を広げると―――
(メメ゚ω゚)「おおお!?」
突然、砂の中から背ビレが突き出し、ブーンの足をかすめる。
背ビレは鋭いようで、足の防具には傷が入っていた。
(メメ^ω^)「少しずつなぶれるって事かお…」
時折迫る背ビレに注意を払いつつ、再び思考に戻る。
攻撃は、砂のブレスの連続攻撃だった。
(メメ^ω^)。o(………考えてみれば、単純な理由だお)
単純な理由。
それは、体内に蓄えた砂がなくなってしまったから、と考えれば筋が通る。
(;メメ^ω^)「おっお」
なおも背ビレの刃を躱した時、この状況を打破できうる、一つの疑問が浮かぶ。
(メメ^ω^)「……砂の中に潜ってるのに、どうやって僕の場所を知るんだお…?」
それは、“ドスガレオス”の索敵方法。
砂の中にいる今、視覚は当然使えない。
嗅覚は考えられなくもないが、常に砂の中を泳ぎ続ける“ドスガレオス”が匂いを辿るとは思えない。
触覚は、視覚と同じ理由で却下だろう。
味覚は論外だ。
残る一つは。
(メメ^ω^)「『音』、かお…!」
こちらの位置を割り出す方法が分かったのはいいが、対抗策が分からない。
(;メメ^ω^)「どうすりゃいいんだお」
“ドスガレオス”は、砂の中から頭だけをのぞかせ、砂ブレスの連射を始める。
(;メメ゚ω゚)「それは反則じゃないかおぉぉ!?」
砂ブレスの弾幕をなんとかくぐり抜け、“ドスガレオス”に接近を果たすブーンだが。
斬撃を加える前に、“ドスガレオス”は砂の中へと姿を消す。
(#メメ^ω^)「ああもう! なんか!? なんか無いのかお!?」
乱暴にポーチに手を突っ込み、中身を漁る。
すると、支給された球体が手に触れる。
(メメ^ω^)「お? そういえばこれ、何なんだお?」
出発前にギコ、しぃの二人から話を聞きそびれてしまった為、どんな物かは分からない。
(メメ^ω^)「わざわざ支給するくらいだから、役立つ物だお!」
球体についたピンを引き抜き、前方に放り投げる。
その球体は、地面に落下する前に破裂。
同時に、周囲にきぃん、と甲高い音が鳴り響く。
するとどうだろう。
砂の中から奇襲を仕掛けようと接近していた、“ドスガレオス”が砂から飛び出してきたではないか。
(;メメ^ω^)そ「わお!? 何事!?」
突然の事態に驚き、戸惑うブーンだが、
砂の上でばたついている“ドスガレオス”の様子を確認すると、落ち着きを取り戻した。
(メメ^ω^)「チャーンス!」
【ドスバイトダガー】を手に、駆け寄る。
そして、首もとにジャンプしてからの斬撃を繰り出す。
“ガレオス”と同じく、抵抗なく斬れる。
やはり、基本的な身体の作りは“ガレオス”と変わりはないようだ。
(#メメ`ω´)「おおぉぉぉぉッ!!」
今まで攻めあぐねていた分を全てぶつけるかの如く、次々と剣を振るった。
やがて、体勢を立て直した“ドスガレオス”はブーンを払いのける為に、身体を回転させ、尾ヒレを振り回す。
(#メメ`ω´)「おっ!」
前転をする様な形で、“ドスガレオス”の股下をくぐり抜ける。
上手く尾ヒレを躱したブーンは、腹部に攻撃を仕掛けた。
(#メメ゚ω゚)「食らえお!」
腕を突き出し、剣を突き刺す。
そのまま裂く様に剣を動かす。
しかし、“ドスガレオス”も必死で抵抗する。
ふと、身体に浮き上がる感覚が訪れる。
(;メメ^ω^)「…こいつ、このまま砂に潜り込むつもりかお!?」
砂の中に引きずり込まれてしまえば、息ができず、熱も酷い。
数刻と待たずに死ぬだけだろう。
(;メメ^ω^)「死んでたまるかお!」
力任せに剣を引く。
ず、と少し刃が引き抜かれる。
しかし、刀身の六割程は依然として突き刺さったままだ。
“ドスガレオス”が砂に潜り込む。
続けて、剣の柄を掴んで離さない、ブーンの腕が砂に沈む。
(メメメ>ω<)「ぎゃふんっ!」
腕が埋もれた直後に、ブーンの身体が砂に叩きつけられる。
その衝撃で、“ドスガレオス”に突き刺さっていた剣は抜けたようで、砂に埋もれるのは腕のみで済んだ。
(;メメメ^ω^)「げほ、げほっ…
口がじゃりじゃりして気持ち悪いお…」
つい愚痴をこぼすブーン。
だが、それはまだ元気な証拠。
(メメメ^ω^)「…“ドスガレオス”、見失っちゃったお…」
砂に潜ったまま、別のエリアへと逃げて行ってしまった様だ。
幾ら辺りを見回せども、砂埃の立つ場所が見当たらない。
(;メメメ^ω^)「面倒な事になったお…」
これからは、モンスターに遭遇したらすぐに〈ペイントボール〉をぶつける事を心掛けよう、と強く思うブーンだった。
―――砂漠・エリア6―――
エリア5に存在する、地下洞窟の入口から進入できるこのエリアはとても広い。
また、一日中、日が当たらない為。
((メメ゚ω゚))「さぶぶぶぶぶぶぶ…!」
とても寒いのだ。
それも、雪山の洞窟と変わらない程に。
今は〈ホットドリンク〉を持っていない為、さっさとこの洞窟を通過してしまうことにする。
―――砂漠・エリア7―――
近くを流れる川のおかげで、幾らか涼しいこのエリアの隅に、“ドスガレオス”の姿を見つける。
頭を軽く垂れたまま動きがない。
眠りを取って、体力の回復を計っているのだ。
(メメメ^ω^)「眠ってるのかお…」
(メメメ^ω^)つU「カイフクスルナラ…」
+.(メ^ω^)*「イマノウチ!」
ブーンもまた、支給された〈応急薬〉で傷を癒す。
(メ^ω^)「武器も研がないとだめだおね」
ポーチから〈携帯砥石〉を取り出し、【ドスバイトダガー】の刀身を研ぐ。
切れ味を取り戻したところで、軽く息を整える。
そして。
(メ^ω^)「一気に……決めるお!」
未だ眠り続ける“ドスガレオス”に向かって行った。
(#メ`ω´)「おおぉぉ!」
先ずは、一番威力の大きく攻撃できる、ジャンプ斬りを繰り出す。
狙いは、腹部。
大きく腹部を斬り裂いた。
“ドスガレオス”が飛び起きるが、尚も攻撃の手は緩めない。
(#メ゚ω゚)「まぁぁだまだぁぁぁぁ!!」
縦に、横に、斜めに点に、あらゆる角度から斬り続けた。
(メ ゚ω゚)「ッ!」
尾ヒレの一撃が振るわれる。
この攻撃を察知したブーンは盾を構えて防ぐものの、勢いは削げきれず、後方にのげぞってしまう。
すると、待ってましたと言わんばかりに。
“ドスガレオス”の放つ砂ブレスの弾幕がブーンに襲いかかった。
(;メ^ω^)「うっ…攻め切れなかったお…」
“ドスガレオス”は瀕死となっている。
とどめを刺せれば良いのだが、この状態では近付く事は出来ない。
(;メ^ω^)「砂の粒子なんて盾で防いでもあんまり意味無いし…
どうしたら…」
近付かずに攻撃する方法は、あるにはある。
ただ、リスクも大きい。
本来、遠距離攻撃は出来ない片手剣なのだから当然ではあるが。
(メ ^ω^)「しょうがない、じり貧でやられるよりマシだお!」
剣の柄を強く握った。
それからのブーンは、タイミングを伺った。
砂ブレスに、攻撃を妨害されない瞬間の訪れを。
(メ `ω´)「! 今だお!」
振りかぶり、剣を投げ付けた。
剣は“ドスガレオス”の首を目掛けて真直ぐ向かっていく。
しかし、その瞬間に“ドスガレオス”は頭を下げてブレスを放ったため、“ドスガレオス”の首は射線から外れてしまう。
結果、ブーンの放った剣は、“ドスガレオス”の背ビレを切り落とすが――――
(;メ^ω^)「…………」
\(メ^ω^ )/「オワタ」
武器である剣を手放してしまった為に、剣を回収するまで攻撃が出来ない。
しかし、“ドスガレオス”が剣を拾いに行く時間をくれるはずも無い。
ブーンの頭の中が諦めの一語で埋め尽くされたその時、事態は思わぬ方向へ進んでいく。
“ドスガレオス”が、倒れたのだ。
(;メ^ω^)「えっ… おー…?」
最後の攻撃は、背ビレを斬り落としただけだ。
とてもじゃないが、とどめになるとは思えない。
だが、実際に“ドスガレオス”は地に伏せている。
そっと様子を伺う。
息が無い。
“ドスガレオス”はもう、死んでしまっていた。
(;メ^ω^)「もしかしてこいつ、背ビレが弱点だったのかお」
鋭さを備え、ハンターの脅威となったヒレはまた、弱点でもあった。
そこを斬り落とされてしまえば、“ドスガレオス”にとってはひとたまりもない。
(;メ^ω^)「うーん…
ま、結果オーライだお」
先ずは、投げた【ドスバイトダガー】を回収。
続いて、倒れた“ドスガレオス”から鱗や牙を剥ぎ取る。
切り落としたヒレもちゃっかり拝借していくブーンだった。
―――ポッケ村―――
(#゚;;-゚)「戻ったかい、ブーン殿。
という事は、狩猟は成功したんだね?」
(;メ^ω^)「まぁ成功したにはしたんですが…
正直、消化不良ですお」
(#゚;;-゚)「ほう、それは、ブーン殿に実力がついてきたからじゃないかな?」
手渡された報酬を受け取りつつ、でぃの言葉に答える。
(;メ^ω^)「そう言う事じゃ無いんですけどお…」
(#゚;;-゚)「おや、余裕だったって事じゃなかったのかい?
まぁ、無事に帰ってこれたのだから、それでいいじゃないか。
次も、頑張っておくれよ。」
(メ ^ω^)「はいですお!」
でぃに礼を告げ、自宅へと戻るブーン。
その途中、一足先に戻ってきていたらしいドクオの姿を見つける。
(メ ^ω^)「おいすー、ドクオ!
狩猟はどうだったお?」
('A`)「ん? そりゃもちろん…」
(メ ^ω^)「失敗かお?」
(;'∀`)「成功させたよ、こんにゃろう」
(メ ^ω^)「おっおっお、よかったお!」
(*'A`)「これで俺も新しい地域に行けるぜ!
んでブーン、お前に追いついてみせるぜ」
(メ ^ω^)「ブーンも頑張るお!」
('A`)「ああ!
んじゃ、今日は帰って装備の手入れするわ。 じゃあな!」
(メ ^ω^)ノシ「ばいばいだおー」
ドクオが帰宅していった後、ブーンも自宅へと戻っていった。
―――ポッケ村・ブーン宅―――
(メ ^ω^)「よっと」
武器や防具を取り外し、椅子に腰を下ろす。
武器の手入れをしながら、ドクオの様子を振り返っていた。
ドクオは、自分よりも遥かに早いペースで依頼をこなしてきている。
少し気を抜けば、あっという間に実力は並ばれ、そして追い抜かれてしまうだろう。
(メ ^ω^)「…負けないお!」
後々は、共に戦う仲間であるが、今は凌ぎを削り合う好敵手。
ドクオには負けたくない。
いつしか狩りに対する思いは、このような気持ちの比重が多くなっていた。
第九話 end