February 26, 2011
フェラーリバイクのようです
□<えにしんごーずそのこころが♪
( ^ω^)「今、バイクが熱い」
( ^ω^)「買うかお」
潤オバイク屋潤オ
川 ゚ -゚)「いらっしゃいませー」
( ^ω^)「あ、すみません。中型バイク欲しいんですけど。予算はこれくらいですお」
川 ゚ -゚)「それでしたらおすすめがございます。なんとあのフェラーリ社のバイクですよ」
( ^ω^)(フェラーリにバイクなんてあったっけ?)
川 ゚ -゚)「こちらです」
( ^ω^)「……明らかにエンブレムだけ後から貼っつけた感じだお」
川 ゚ -゚)「こちら今なら50万ポッキリとなっております」
(;^ω^)「高ッ!予算大幅にオーバーじゃないかお……ていうか」
川 ゚ -゚)「?」
(;^ω^)「ハンドルないんすけど」
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)「ふふっ。お客様。男なら真っ直ぐ自分の信じた道を行くべきですよ」
(;゚ω゚)「スタンスの問題じゃねーお!バイクとして駄目じゃねーかお!」
川 ゚ -゚)「こちら設計者のこだわりとして曲げるつもりはないようです」
川 ゚ -゚)「ハンドルだけにね(ドヤッ」
(;^ω^)「そこは曲げてくれお!ていうか曲がらせて下さい!」
(;^ω^)「あっ、ハンドルないって事はこれアクセルもブレーキもない!」
川 ゚ -゚)「そこに気付くとは……やはり天才」
(;^ω^)「そういうのいいから!……どうすんだおこいつ」
川 ゚ -゚)「エンジンを入れた瞬間にフルスロットルでスタートです。さすがフェラーリ」
(;゚ω゚)「お前の中でフェラーリはどんな会社になってんだお!フェラーリに謝れ!」
(;^ω^)「で、ブレーキは?」
川 ゚ -゚)?
(;^ω^)「いや、そんななに言ってるかわかんないみたいな顔されても」
5 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 21:08:44 ID:b0hr/ELA0
川 - )「……足です」
( ^ω^)
(;^ω^)「は?」
川 ゚ -゚)「『足で止まれない軟弱者は止まるのを諦めろ』
という設計思想のもとに余計な機能は極限まで削ぎ落としました」
(;゚ω゚)「ブレーキもハンドルも余計じゃないから!今時自転車でも足オンリーで止まらんお!
6 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 21:12:06 ID:b0hr/ELA0
(;^ω^)「……もういいお。別のやつ出して」
川 ゚ -゚)「あいにく今お売りできますのはこちらのみとなっております」
(;゚ω゚)「嘘つけお!他のバイクいくらでもあるじゃねーかお!」
川;゚ -゚)「えっ……ああ、はい。すみません」
( ´ω`)「なにその可哀想な人を見るような目は。
そういうリアクションが一番傷つくお……」
7 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 21:14:59 ID:b0hr/ELA0
川 ゚ -゚)「(笑)」
(#^ω^)「なに笑ってん……いいお。名前教えて、名前」
川 ゚ -゚)「こんなバイクと呼べないポンコツの名前なんでどうでもいいでしょう?」
(;゚ω゚)「おめーの名前を言えってんだお!!店長に文句言うから!
……っていうかさりげにポンコツって認めやがった!」
川 ゚ -゚)「ふふっ、お客様。こんな所でナンパは困ります」
(;゚ω゚)「えーいもう!名前はいいから店長呼んで!!」
川 ゚ -゚)「素直クールです」
(;^ω^)「へっ?」
川 ゚ -゚)「ちゃんと覚えておいてくださいね」
(;^ω^)「……こんだけコケにされて忘れるわけねーお、まったく」
(;・∀・)「申し訳ありませんお客様、お待たせいたしました」
(#^ω^)「ここの素直って娘はどうなってんだお。こんなポンコツ押し付けようとして」
( ・∀・)「は?素直……ですか」
( ^ω^)「ん?どうしたんですかお?」
( ・∀・)「……いえ、彼女にすすめられたなら是非このバイクを買い取っていただこうと」
(;^ω^)「え、このポンコツ押し付ける気満々かお?どんな悪徳商法だお」
( ・∀・)「いえいえ、ちゃんとハンドルもついてますよ。
こちらで業者を紹介致しますからそこで完成させてくださいね」
(;^ω^)「そこは人任せにすんなお」
( ・∀・)「それ生き霊が憑いてるらしくてあんまり触りたがる人が居ないんですよ。だから、ね?」
(;゚ω゚)「爆弾発言じゃねーかお!ね?じゃねーお!!」
( ・∀・)「格安にしときますから人助けだと思って!頑張れ!」
(;゚ω゚)「もうぜってーにここ来ねーからな!!」
( ´_ゝ`)「いらっしゃ……なんだブーンか」
( ^ω^)「まさかとは思ったけどやっぱりお前だったかお」
( ´_ゝ`)「今日は冷やかしじゃないみたいだな」
( ^ω^)「こいつを走れるようにして欲しいんだお」
( ´_ゝ`)「なんだ、ずいぶんボロいなあ。……でも結構いいもんみてーだ」
( ^ω^)「で、大丈夫なのかお?」
( ´_ゝ`)「まあ、まかせとけよ。基本的には組み直すだけだから。
……しかしお前がバイクねえ。免許あんのか?」
( ^ω^)「持ってなきゃまず買わねーお。……女の子後ろに乗せてーおな」
( ´_ゝ`)「お前じゃ無理だ。来世に期待しろ」
( ^ω^)「パソコンが恋人のてめーに言われたくねーお」
(#´_ゝ`)「てめえー!俺のFMVたんを馬鹿にすんな!!11」
( ^ω^)「はいはいブラクラブラクラ」
( ;_ゝ;)「キィーッ!悔しい!直してあげないから!!」
( ^ω^)「まあ、頼りにしてるお。じゃあの」
??????????
( ^ω^)「おいすー」
( ´_ゝ`)「ブーンか、出来てるよ」
( ^ω^)「トンクスだお……青色に塗り直したんだおね」
( ´_ゝ`)「まあバイクだしこっちのがかっこいいかなと思ってな」
( ^ω^)「しかし買ったはいいけどどう使うかお」
( ´_ゝ`)「お前電車通勤だもんな。まあ休日にでも行きたいとこ行けよ」
( ^ω^)「風まかせって奴かお」
( ´_ゝ`)「まあそういうこった。そいつならお前が行こうと思えばどこまでも連れて行ってくれるさ」
( ^ω^)「そんなもんかお」
( ´_ゝ`)「そういや名前はつけたのか?」
( ^ω^)「は?」
( ´_ゝ`)「バイクの名前だよバイクの。ボルカニック遊星号とかさ」
( ^ω^)「なんでそのチョイスなんだお。名前とかどうでもいいだろ」
(#´_ゝ`)「いかーん!いかんぞ!……よし!俺がつけてやる!
タイガーf……じゃない、そいつの名前はクウ!『空』だ!スカイブルー万歳!」
( ^ω^)「ふーん……悪くないんじゃないかお?」
( ´_ゝ`)「そうだろそうだろ。流石だな俺。……やっぱり弟者がいないとしまらんな」
( ^ω^)「ところで、ポルターガイストとかラップ音とかなかったかお?」
(;´_ゝ`)「いや、なかったが……どういう事だ?」
( ^ω^)(あのクソ店長黙ってやがったな)
(;´_ゝ`)「おい!俺がそういうの苦手だって知ってんだろ!教えろよ!」
(;^ω^)「まあ生き霊らしいから大丈夫だお。そんじゃこれで」
(;´_ゝ`)「おま、ちょ、料金余分に請求するからな!絶対に許さないよ!」
(;´ω`)(言うんじゃなかったお)
( ^ω^)「ブーン♪ブブブーン♪」
(川д川)(^ω^ )「ブブブーン♪……ぶー」
(;゚ω゚)川д川「おわああああああっ!?」
川д川「こんにちはぁ……」
(;゚ω゚)(例の生き霊かお!?どうみても亡霊に見えるお!!)
川д川「失礼ねぇ……そんなに亡霊がいいなら呼んじゃおっか?」
(;^ω^)「あ、サーセン!そんなつもりは!!」
(;^ω^)(どうしてわかったんだお)
川д川「生き霊とはいえ霊だもの。それくらいわかるわ」
(;^ω^)「あ、さいですかお」
川д川「私は……貞子とでも呼んで頂戴。あなたの名前は?」
( ^ω^)「西川ホライズンです(キリッ」
川д川「内藤ホライゾン、あだ名はブーンね。ごまかしても無駄よ」
( ´ω`)「じゃあなんで聞いたんだお……」
川д川「形式上ね。これからしばらくはよろしく」
( ´ω`)(衝動買いとかするもんじゃねーお)「……よろしく」
(<●>)(^ω^;)「……目玉ドアップやめろお!心臓止まりそうになるわ!」
(ラップ音)(;∩^ω^)「あーあー聞こえない聞こえない」
??????????
(┐´ω`)「よう兄者」
( ´_ゝ`)「ずいぶんとお疲れのようで……例の生き霊か?」
( ^ω^)「どうもそうらしいお。バイクが止まってる時にいたずらしてくるんだお」
( ´_ゝ`)「ざまあwwwwww」
(;´_ゝ`>⊂(゚ω゚#)「痛い痛い痛い!!」「あいつを成仏させる方法知らねえかなと思いましてねえ!!」
( ´_ゝ`>「生きてる人間を成仏させる方法は知らんがひょっとしたら満足はさせられるかも知れん」
( ^ω^)「kwsk」
( ´_ゝ`)「まあ簡単に説明するとその生き霊ってのが元々走り屋みたいでな。有名だったんだよ」
( ´_ゝ`)「で、事故にあったみたいなんだけどその日は特に飛ばしてたらしくてさ」
( ´_ゝ`)「なんか知らんが海に行きたかったみたいだぜ」
( ^ω^)「で、どうすりゃいいんだお?」
( ´_ゝ`)「とりあえず海に行ってみりゃいんじゃね」
d(^ω^ )「おk。流石だな」
( ´_ゝ`)b「俺達」
( ^ω^)「貞子さんとやら。僕は海に行くお。乗りたけりゃご自由にどうぞ」
川д川「…………」
??????????
( ^ω^)「着いた。案外近かったお。……っていうかなんで海に来たかったんだお?」
川д川「……私はむしゃくしゃする事があると海に来たくなるの」
川д川「事故を起こした時もそうだった。一刻も早く海に行ってすっきりしたかった」
( ^ω^)「ま、色々あるからこれ以上はきかねーお。満足したかお?」
川д川「するわけないじゃない……私の体は今も昏睡状態よ」
( ^ω^)「それもそうか」
川д川「私の体の方は家族が手入れしてくれているけど」
川д川「私の心は駄目。あの時からずっとここに縛り付けられてるの」
川д川「自分で事故を起こした癖に勝手なのはよくわかってるけど……」
川д川「別に誰か巻き込んだ訳じゃねーし。若気の至りって奴だお。
あんたを縛り付けてるのはあんた自身だお」
川д川「……言ってくれるわね」
( ^ω^)「とっととこのバイクで自由にどっか行きてーからお。
……まあ、元気になってあんたの体と一緒に来たらまた海に連れて来てやんお」
川д川「……約束よ」
川д川「この子、乱暴だからくれぐれも事故には気をつけてね」
( ^ω^)「おふこーす」
『な……目が覚めた!奇蹟か!?』
『大丈夫?自分のこと、わかる?』
『うん、わかるよ。大丈夫だよ。お母さん。兄さんも。父さんは外に居るのかな?』
『…………!』
『……こりゃ早いこと父さんも呼んで来ないとな』
??????????
「……お久しぶり、ですね。はじめましての方がいいんでしょうか」
( ^ω^)「どっちでもいいお。……乗るんだおね?」
「ええ。海までお願いします」
( ^ω^)「おk。やっぱり嫌だって言っても途中じゃ降ろしてやんねーお」
20 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 22:01:22 ID:b0hr/ELA0
さて……大幅に遅れましたがこれで終わりです
ちなみに元曲はポルノグラフィティ『ハネウマライダー』でした