February 14, 2011

( ^ω^)ブーンはモンスターハンターのようです 第十三話

4 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 21:53:27.27 ID:VZ9sgQKQO

きゃらくたーてんぷれーと ※簡易版※

・( ^ω^) ブーン HR‐1
wep・ドスバイトダガー
prot・頭‐護りのピアス
   それ以外‐ランポス シリーズ
〇結構お調子者
 投擲が得意

・('A`) ドクオ HR‐1
wep・アイアンストライク
prot・クック シリーズ
〇ブーンがハンターになったのをきっかけに、自身もハンターへ

・(,,゚Д゚) ギコ HR‐3
wep・水剣ガノトトス
prot・頭‐ブラックピアス
   それ以外‐キリン シリーズ
〇ブーンの師、その一 イケメン しぃとは恋仲

・(*゚ー゚) しぃ HR‐3
wep・スリープショテル
prot・キリン シリーズ
〇ブーンの師、その二 スタイルよくて、美人 ギコとは恋仲



6 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 21:55:03.49 ID:VZ9sgQKQO

・( ´∀`) モナー オトモアイルー
〇ブーンのオトモアイルー 超マイペース
 溶岩地形移動可

・( ^^) 山崎 オトモアイルー
〇ドクオのオトモアイルー とても器用
 戦闘不可 ハンターの道具使用可

・ξ゚⊿゚)ξ ツン
〇ブーンの親友 少しおこりんぼ?

・(#゚;;-゚) でぃ
〇ポッケ村の村長さん 若干、心配性

・(`・ω・´) シャキン
〇鍛冶屋の人 いつでもやる気全開

・( ><) ビロード
〇道具屋の人 優しいけれど、どこか抜けてる

・ノリ, ^ー^)li ジャンヌ キッチンアイルー
〇ブーン宅のキッチンアイルー



9 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 21:57:04.62 ID:VZ9sgQKQO

・爪'ー`) フォックス
〇ベーンの親友 イイ人

・ミ ^ω^〕 (故)ベーン HR‐9
〇ブーンの父親 生前は凄腕のハンターで、各地にその名を轟かせた
 モンスターから幼い頃のブーンをかばい、死亡した

※ HRとは、『ハンターランク』というもので、ハンターズギルドから実力を認められる事で上昇していきます。
  要するに強さのバロメーター。


☆話の中の括りの役割

“ ”…モンスター名
【 】…武器名、防具名
〈 〉…道具名





10 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 21:59:04.15 ID:VZ9sgQKQO

第十三話 「雪山に潜む影」



―――ポッケ村―――

( ^ω^)ノ「おいすー、ドクオ!
       って、あれ? 武器を変えたのかお?」

(;'A`)「ふっ、よっ…
    おう、ブーン。 変えた、というより強化した、だな」

槌を素振りし、軽いトレーニングをしていたドクオに話しかける。

いつの間にやら、ドクオの武器が【ウォーハンマー改】から【アイアンストライク】にまで強化されていて、
強度・威力共に大幅に強くなっている。

(;^ω^)「もう、ドクオの方が強いお…」

(*'∀`)「フヒヒ、サーセンwww」



11 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:01:29.32 ID:VZ9sgQKQO

自分も武器や防具を強化したいが、素材が手に入らず頭打ちとなっている状態だ。

( ´ω`)「【ドスバイトダガー改】には〈縞模様の皮〉…
      【フロストエッジ改】には〈雪獅子の牙〉が必要だってシャキンさんに言われたお」

(;'A`)「どっちも聞いたことない素材だなぁ…
    んー…。 ! そうだ」

ドクオが何かを思い出し、ポーチに手を突っ込む。
引き抜いた手に握られていた物は、瓶に詰められた赤い液体だ。

('A`)「これさ、何でも火竜の体液なんだと。
    とあるつてで貰ったんだが俺には使い道が無いし、お前にやるよ」



12 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:03:10.07 ID:VZ9sgQKQO

( ;ω;)「お゛ーん、ありがとうだおドクオ-!」

ドクオにとっても、この〈火竜の体液〉は貴重な素材である筈。
しかし、それを譲ってくれたドクオの優しさがブーンの身に染みた。

(*'A`)「んじゃ早速鍛冶工房に行こうぜ。
    俺も何が出来るか気になるんだ」

ただ単に、自分の好奇心を満たす為だったのかも知れない。

―――ポッケ村・鍛冶工房―――

( ^ω^)「こんにちはですお、シャキンさん」

('A`)「こんにちはーっす」

(`・ω・´)「おう、お前ら。
      今日は一体どうしたんだ?」

すかさず、先ほどドクオから貰った 〈火竜の体液〉を差し出す。



14 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:05:12.03 ID:VZ9sgQKQO

( ^ω^)「この素材を使って、何か作れませんかお?」

(`・ω・´)「お、こいつは〈火竜の体液〉だな。
      量は… 十分あるな。
      よしブーン、骨素材を沢山持って来い!」

( ^ω^)「お、分かりましたお!」

骨素材。
その名の通りモンスターの骨や身体の一部を利用した素材の事だ。

ブーンが今まで使ってきた素材は鉱石素材が中心だったので、骨素材はそれなりの在庫が残っていた。

( ^ω^)「持って来ましたお!」

(`・ω・´)「竜骨に、カラ骨に…
      よし、いいぞ。 早速取りかかろう」

(*^ω^)「お願いしますお!」


15 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:07:09.17 ID:VZ9sgQKQO

しばらく待つこと数刻、小脇に抱えられる程度の大きさの木箱を持ったシャキンが、
工房の奥から姿を現した。

(`・ω・´)「ふぅ…、待たせたな。
      だが、仕上がりは完璧だぜ」

(*^ω^)「きたこれ!」

(*'A`)「は、早く見てみようぜ!」

ドクオに急かされつつ、木箱の蓋を開く。
中には、炎色の剣。
柄を掴み、手に取る。

軽く刀身に触れる。
【フロストエッジ】は冷たかったが、この剣からは熱を感じた。

軽く振るうと刀身から火が上がり、周囲の大気がちりちり、と焼かれていく気がした。

(`・ω・´)「火竜素材を使って作られた剣、【レッドサーベル】。
      分かっているとは思うが、火属性の武器だ」



16 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:09:03.74 ID:VZ9sgQKQO

箱の奥から、火竜の甲殻を模した盾を取り出す。

(*^ω^)「これはすごいお!
      ありがとうございますお!」

(*'A`)「なんかもったいない事した気がするなぁ…」

(`・ω・´)「【レッドサーベル】を作る為に、
      まず【ボーンククリ】を作ってから【ボーンククリ改】に強化して、
      更に【チーフククリ】を経由して作ったから、素材を沢山使っちまったが…」

(*^ω^)「素材ならまた集めればいいですお」

(`・ω・´)「そうか。
      二人共、これからも頑張れよ!」

(*^ω^)「「はい(ですお)!」」('A`*)



17 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:11:40.38 ID:VZ9sgQKQO

その後、シャキンの元を離れて村を二人でぶらついていると、妙なざわつきが広がっている事に気づく。

('A`)「なんか、騒がしいな…」

気になったので、何人か集まって話していた村人に聞いてみることにした。

( ^ω^)「なんだか、村がざわついてる気がするんですけど、何かあったんですかお?」

(村;OдO)「ああ、何でも雪山の麓の村に飛竜が現れたらしい…」

(村;+⊿+)「そこだけじゃない… 雪山を挟んだ、反対側にも現れたみたいなんだ!
      そこで、この村のハンターに応援要請がきたらしい」

(;^ω^)「じゃあ、早く誰かに依頼を回さないと!」

(村;-⊿-)「…出来ないんだ」

(;'A`)「えっ…!? どうしてだよ!」

(村;OдO)「その飛竜を倒せるだけの実力を持ったハンターは、ハンターズギルドの実力検定依頼に行ってしまっているんだ…
      今、この村にいるハンターはみんな駆け出しさ。
      だから村長が依頼を回せないみたいなんだ…」



18 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:13:27.66 ID:VZ9sgQKQO

(;^ω^)そ「そんな…!
       でも、何とかしないとその村が危ないお!」

('A`)「………」

焦るブーンとは対照的に、落ち着いた様子のドクオ。
その口から、一つの決意の言葉が発せられる。

('A`)「…分かった。 俺が行こう」

(;^ω^)そ
(村;OдO)そ
(村;+⊿+)そ

驚くブーン達に、なおも話し続ける。

('A`)「今、この村には俺らみたいな新米のハンターしかいないんだろ?
    なら… 俺が行く!」

同時に、背に掛けた【アイアンストライク】の柄を握り締める。

( ^ω^)「…そうだおね。 僕も行くお!」

(村+⊿+)「そうか…
     なら、どうか無事に戻ってきてくれよ」

( ^ω^)「「把握した(お)!!」」('A` )

村人たちからの応援の声を背に受け、でぃの元へと急いで向かった。



19 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:15:02.77 ID:VZ9sgQKQO

―――ポッケ村・中心部―――

(;#゚;;-゚)「うーん、誰に任せればいいのか…」

(;^ω^)「村長さん!」

依頼の件で悩むでぃの元へと駆け付けたブーン達。

(;'A`)「はぁ、はぁ… 話は聞きました!
    今回の依頼、俺達にやらせてもらえませんか!?」

(#゚;;-゚)「! …そうだね、ブーン殿とドクオ殿なら…!」

すぐに依頼内容が記された紙を広げ、内容を伝える。

(#゚;;-゚)「今回現れたのは飛竜種だよ。
     “フルフル”というモンスターさ」

飛竜種、“フルフル”。
でぃから詳しい話を聞くと、どうやら電撃による攻撃を使ってくるようだ。



22 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:17:09.25 ID:VZ9sgQKQO

(;#゚;;-゚)「正直な所、二人にはまだ荷が重いよ…
      それでも、やるかい?」

( ^ω^)「もちろんですお!」

('A`)「このままじゃ、付近の村にも被害が出てしまいますから」

(#゚;;-゚)「分かった。
     今までで一番辛い依頼だと思うけど、よろしく頼むよ…!」

その後、二ヶ所に現れた“フルフル”のうち、どちらに向かうかを決める。

話がまとまった後、助言を伺いにギコとしぃの自宅へ足を運んだのだが、留守にしているようだった。

(;^ω^)「あ…
      ギコさん達もギルドの依頼に行っちゃったのかお」

仕方がないので、自宅に戻ることにした。



23 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:19:03.19 ID:VZ9sgQKQO

―――ポッケ村・ブーン宅―――

( ^ω^)「いただきますお!」

例え緊急時であろうと、腹ごしらえは忘れない。
程なくして食事を終えると、すぐに雪山へと向かうべく、準備を始めた。

ノリ,;^ー^)li「もう荷物を間違えたりしないで下さいにゃ…?」

(;^ω^)「も、もちろんだお。
      あの時はごめんなさいだお…」

以前、“ババコンガ”の狩猟の際、自分の荷物とジャンヌの荷物を間違えて持って行ってしまったため、注意を促される。

( ^ω^)「でも、あの〈生肉〉は役に立ったお」

ノリ,;-⊿-)li「こちらは、夕ご飯の主菜が作れなくて困りましたにゃ…」



24 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:21:03.72 ID:VZ9sgQKQO

(;^ω^)「…ごめんなさいお」

ノリ, ^ー^)li「…でも、お役に立てたのならそれで構いませんにゃ。
        次もお気をつけて」

( ^ω^)「ありがとうだお。
      じゃあモナー、今日も頼んだお」

( ´∀`)「ん、任せとけモニャ」

二人共に準備が整ったので村の入り口へ向かうと、ちょうどドクオ達も村を出るところだったようだ。

( ^ω^)「ドクオ!」

('A`)「お、ブーンも今から出発か。
    お互い、頑張ろうぜ」

( ^ω^)「おっおっお、もちろんだお!」

そして、二人はそれぞれの目的地へと向かう。



25 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:23:07.34 ID:VZ9sgQKQO

―――雪山・ベースキャンプ―――

( ^ω^)「支給品はいつもの…
      に加えて〈ホットドリンク〉や〈シビレ罠〉も入ってるお」

緊急性の高い依頼であるにもかかわらず、しっかりと支給品が用意されている。
それは、依頼を回したでぃが出来うる限りの手回しをした為だという事を、わずかながらに理解する。

( ^ω^)「〈ホットドリンク〉は幾つか持ってきたけど、あるに越した事はないおね」

( ´∀`)「もういいモニャ?」

エリア1への道の前で寝そべり、ブーンの出発を待つモナー。

( ^ω^)「よし、準備おkだお。
      とりあえず、どのエリアから見て回るかお?」

この広い雪山を全てくまなく捜す、というのはとても骨の折れる作業だ。
そこで、ブーンは“フルフル”の居そうなエリアを幾つかに絞る事にしたのだ。



26 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:25:02.66 ID:VZ9sgQKQO

( ^ω^)「雪山山頂のエリア6・7・8は一息に回るとして…
      他はどうするかお?」

( ´∀`)「後は、エリア3も怪しいモニャ。
      それ以外は別にいいモニャね」

モナーに言われたエリア3には確かモンスターの小骨が散らばった巣があった、
という事を思い出した。
可能性としては十分だ。

( ^ω^)「お、分かったお。
      じゃあ一番近いエリア3から回ってみるお」

( ´∀`)「モニャ!」



27 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:27:10.90 ID:VZ9sgQKQO

―――雪山・エリア3―――

湖に面したエリア1、氷洞のエリア4・5を抜けた先にある、エリア3。
奥は行き止まりとなっているのだが、崖を登れば別のエリアへと通じる道があるようだ。

エリアの入口の岩陰から、様子を伺うブーンとモナー。
耳をすませると、広間の奥から重量感のある足音が聞こえてくる。

( ^ω^)「いきなりビンゴだおね。
      さぁ、“フルフル”ってのはどんな奴かお…?」

岩陰から頭を覗かせ、“フルフル”の姿を確認する。

( ゚ω゚)

―――― 一言で言えば、気色悪い。
または不気味、とも言えるだろう。



29 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:29:03.42 ID:VZ9sgQKQO

真っ白な体表には毛や鱗は一切生えておらず、
ぶよぶよとした質感をもつ皮膚がむき出しになっている。
その上、表面近くを通る血管が透けて、所々に赤い線が浮き出ているのだ。

(;゚ω゚)「おおぅ…」

(;´∀`)「これはグロテスクだモニャ…」

よく見ると、目が見当たらない。
恐らくは、蝙蝠と同じように退化してしまったのだろう。



31 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:31:10.09 ID:VZ9sgQKQO

その時、ブーンに嫌な予感が過ぎる。

(;^ω^)。o(…お? 目が退化してるのなら…)



一体、“フルフル”はどうやって外敵を感知している?



それについての思考を巡らせようとしたその時。
“フルフル”が、咆哮を上げた。


(;∩゚ω゚)「み、耳が…!」

(;´∀`)「うるさいモニャ…」

大気を裂くような、おぞましい声色の咆哮。
それが、“フルフル”の不気味さをより一層強調させる。
その上咆哮の凄まじさは、あの轟竜“ティガレックス”の咆哮にも劣らない程だ。



33 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:33:23.39 ID:VZ9sgQKQO

岩影に隠れていたはずの二人に向かって歩み寄っていく“フルフル”。

ブーンはようやく耳鳴りが収まり、顔を上げると、

(ii゚ω゚)「―――ッ!!」

声にならない叫びをあげる。

ブーンの目の前には、首を伸ばし口を大きく開けた“フルフル”が迫っていた。
開かれた口から無数の小さな牙が覗き、口腔からは鼻につく悪臭が漂う。

(;^ω^)「おぉっ!」

食いつかれるその瞬間、咄嗟に盾を掲げる。
がき、と牙と盾がぶつかり合う音が鳴った。

(;`ω´)「は、離せお!」

盾を構えた腕を振るい、無理矢理“フルフル”の頭部を振り払う。


35 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:35:03.02 ID:VZ9sgQKQO

ゆっくりと収縮していく“フルフル”の頭部は、ブーンの恐怖心を煽るのには十分な効果があった。

((ii゚ω゚))。o(なんだおあれ…!?
       …ばけもんだお!)

恐怖に捕らわれた状態で、軽快に動くことの出来る者などいないだろう。
足が竦むブーンに向かって飛びかかる“フルフル”。
その身体でブーンを押し潰さんと襲いかかる。

((ii゚ω゚))「あ、うわ…」

(;´∀`)「旦那さん!? 何やってるモニャ!」

モナーもまた、ブーンの元へ駆け寄る。
そして、手にした武器でブーンを殴り飛ばした。


37 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:37:21.39 ID:VZ9sgQKQO

(; ω )「いっ…!? モナー!?」

“フルフル”の攻撃範囲から逃れることができたブーン。
しかし、ブーンをはじき出す為に全ての勢いをかけたモナーは、
“フルフル”の着地地点から逃れることはできない。

( ´∀`)「ありゃ」

そして、その小さな身体に“フルフル”がのしかかった。

(;゚ω゚)「モナー!?」

(メメメメ∀ )「モニャの事を気にかけるくらいなら、さっさとそのキモいぶよぶよを倒すモニャよ…」

そう言い残した後、地面へと潜っていった。

(;^ω^)「…あの様子なら、大丈夫そうだおね」

時間が経てば、再び共に戦ってくれるだろう。

( ^ω^)。o(…あ)

その時、ブーンは自分を支配していた恐怖心が、いつの間にか薄れていた事に気付いた。



38 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:39:02.47 ID:VZ9sgQKQO

普段とあまり変わらないモナーの様子を見て、ブーンも普段の自分を取り戻しつつあるようだ。

( ^ω^)「…モナーに二つも借りができちゃったお」

腰にかけた【レッドサーベル】を構え、“フルフル”と対峙する。
そして、駆け出した。

(# `ω´)「おっ!」

初撃は駆ける勢いを利用したジャンプ斬り。
狙う部位は翼だ。

振り下ろした【レッドサーベル】が炎を纏い、“フルフル”の翼を斬りつける。
だが、その手応えは薄い。

( ^ω^)「翼は微妙… 次いくお!」

“フルフル”が首を伸ばして噛みついてくるが、身を沈めしゃがむ込む様にそれを躱す。



40 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:41:04.96 ID:VZ9sgQKQO

( `ω´)「頭はどうだお!?」

伸びた首が収縮する前に、曲げた脚を伸ばして斬り上げる。
ブーンに確かな手応えが伝わり、“フルフル”が怯む。

( ^ω^)「頭は攻撃が通りやすいお」

しかし、頭部を斬るには正面に立たなければいけないため、大きな危険が伴う。
なるべく側面からでも攻撃が通る部位を知りたかった。

再び“フルフル”が噛みついてくるが、前転をするように転がって躱し、
“フルフル”の懐をくぐり抜け背後につく。

( ^ω^)「さあ、後ろをとったお」

“フルフル”の背後から斬りかかる。
今度の狙いは脚だ。



43 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:43:02.49 ID:VZ9sgQKQO

脚の肉質は頭ほど柔らかくは無かったが、一応刃は通るようだ。

連続して斬る度に、剣から上がる炎が“フルフル”の身を焼いていく。
すると、“フルフル”は明らかに炎を嫌がる動きを見せる。

( ^ω^)「…こいつ、多分火属性が弱点だお」

“フルフル”が身体を回転させ、尾を振り回す。
ブーンは気付くのに遅れるが、それでも難なく避ける事ができた。

( ^ω^)「慣れちゃえば、こいつの動きは遅いおね」

思い出すのは、“ババコンガ”との戦い。
“ババコンガ”は速さでブーン達を翻弄する事が出来るほどの動きを見せた。
それに比べてしまえば、“フルフル”の動きなど鈍いとさえ思える。



47 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:45:08.41 ID:VZ9sgQKQO

( ^ω^)「どんどん攻めるお!」

属性の有利と、速さの有利。
二つの利を握っているブーンが怒涛の攻めを見せる。
やがて、斬られる事の苦しみからか、地にうずくまるような体制になる“フルフル”。

( ^ω^)「おっお、効いてるお」

その時、ぱり、という聞き慣れない音を聞く。
その直後、ブーンの身体に今までに無い衝撃が走った。

(メメ゚ω゚)「うわ…ッ!?
     な…」


―――― 一体、何が起きた?

“フルフル”が何を仕掛けたのかが分からない。

(;メメ^ω^)「…とりあえず、また攻勢に出るお!」



49 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:47:02.12 ID:VZ9sgQKQO

今起きた事の真相を確かめるためにも、再び攻めるブーン。
そのうちに、“フルフル”がまたうずくまるような体制を取る。

(;メメ^ω^)「! 来た!」

すぐに充分な距離を取る。
すると、間もなく“フルフル”の周囲が青白く発光し、電撃が放たれた。

(;メメ゚ω゚)「雷!? いや、ちょっと違うけど…
      危ないのには変わりないお…!」

全身を包むように放たれる電撃は、ブーンの接近を許さない。
これで迂闊に近づくことは出来なくなった。

(;メメ^ω^)「どうしたものかお…」

少し離れた場所で困惑するブーンを正面に捉えた“フルフル”が、咆哮を上げる。



51 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:49:09.98 ID:VZ9sgQKQO

(;メメ゚ω゚)「うっ… またかお…」

必死に耳を押さえるブーン。
その時、“フルフル”が大きく息を吸い込んだ。
同時に、軽い放電音が鳴る。

(;メメ^ω^)「え、ちょっ、待っ―――」

そして放たれたブレスでの攻撃。

イャンクックの、弧を描いて着弾するようなブレスではなく、
真っ直ぐ、地面を伝って拡散しつつ迫る電撃のブレスだ。

(;メメ゚ω゚)「かわせるかお…ッ!?」

耳鳴りから解放されると同時に放たれたブレス。
大きな音を聴いたせいで、未だに視界が歪んでいる。
駆け出そうとした足がもつれ、転んでしまう。

(;メメ ω )。o(ダメだ、避けられないお…!)



52 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:51:03.68 ID:VZ9sgQKQO

電撃のブレスがブーンに命中する直前、小さな物体がブーンのそばに着弾し、小規模な爆発がおこる。

(;メメメ゚ω゚)「おおおぉぉぉぉ!?」

ブーンはその爆風によって吹き飛ばされ、結果的に電撃のブレスから逃れることができた。

今、この場にこんな事ができる者は一人しかいない。



( ´∀`)「ほんと、何やってるモニャ。
      戻ってきたら、またやられそうとか…」

(;メメメ^ω^)「おっおっお…
       でも、今からはガンガンいくお!」

再び二人が揃った事を契機に、攻めに転じるブーン。
飛びかかってきた“フルフル”をくぐり抜け、背後を取る。



53 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:53:29.00 ID:VZ9sgQKQO

(#メメメ゚ω゚)「積年の怨みぃ―――!」

ここぞとばかりに“フルフル”の脚に連続攻撃を叩き込む。

一通りの斬撃を加えた後、飛び退いた。

(#メメメ゚ω゚)「よしモナー、頼んだお!」

(# ´∀`)「おkモニャ!」

飛び退いたブーンを追い、接近していく“フルフル”の足元にタル爆弾が投げ込まれた。
爆風に脚をとられた“フルフル”が転倒する。

(メメメ^ω^)「ナイスだお!
       …今なら!」

素早く頭部に回り込み、渾身の力を込めて剣を振るった。

しかし、すぐに“フルフル”は起き上がってしまったので、大したダメージは与えられなかった。

“フルフル”は今の攻撃で身の危険を感じたのか、しきりに辺りの匂いを嗅ぎ回し始める。



56 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:55:02.89 ID:VZ9sgQKQO

(メメメ^ω^)「…? 何やってんだお、あいつは…」

その間は隙だらけだったので、不思議に思いつつも再び接近を試みる。
ブーンの接近に気づいた“フルフル”が息を吸い込み、咆哮を上げた。

(;メメメ゚ω゚)「さっきから…、叫び過ぎじゃないかお…?」

(;´∀`)「それがコイツの売りモニャ?」

必死に耳を塞ぐブーンを正面に見据えた“フルフル”が放電を始め、帯電したままブーンにとびかかった。

(;メメメ゚ω゚)「うぇ、やばいお!」

“フルフル”が単に飛びかかってくるだけならば、躱すことは容易いが、
帯電した状態では大きく距離を取る必要がある。



58 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:57:13.43 ID:VZ9sgQKQO

ダイブして大きくかわすブーン。
少し遅れて“フルフル”が着地する。

その直後から大きく息を吸い込む。
“フルフル”の口に紫電が迸る。

(;メメメ^ω^)「すごいやな予感がするお…!」

体制を立て直したばかりのブーンに向けて、電撃のブレスが放たれる。

――――先とは比べ物にならぬほどの広範囲に向かって。

:(メメメメω ):「なっ…!?
       がッ!」

電流が通り抜けた瞬間、身体の所々に裂傷が生まれ力が入らなくなる。
身体が麻痺してしまっているからだ。

(;´∀`)「旦那さん!?
      …よし!」

ブーンの危機に、モナーは密かに練習していた物を取り出す。



60 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 22:59:04.26 ID:VZ9sgQKQO

取り出した物は、薄く緑に塗られた角笛。
その笛を吹き鳴らし始めるモナー。

:(メメメメ゚ω゚):。o(こんな時に、何を呑気に笛なんか…
        お?)

奏でられる優しい音色に耳を傾けると、不思議なことに傷が少しずつ癒されていくのに気がついた。

:(メメメ^ω^):。o(そうか、〈回復笛〉かお!)

聴いた者の傷を癒やす不思議な道具、〈回復笛〉。

本来はハンター達が扱う道具だが、最近はアイルー用に作られた物もあるようだ。
ただ、アイルー用の笛は吹き鳴らす為の技術がいるため、練習を重ねなければ使うことができない。

:(メメメ^ω^):。o(モナーが練習してるとこなんて見たこと無いお)



61 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 23:01:07.43 ID:VZ9sgQKQO

〈回復笛〉自体の回復力は微々たる物で、いわば応急手当てのようなもの。
一回吹いて鳴らしただけでは、極限まで傷付けられていたブーンが、
“フルフル”の攻撃を耐えきる事は出来ないだろう。

(;´∀`)「ふぅ、終わったモニャ…!
      次は!」

“フルフル”が倒れているブーン目掛けて飛びかかる。
その時、モナーもまた樽爆弾を取り出し、放り投げていた。

先ほどと同じ様に爆風でブーンを吹っ飛ばし、“フルフル”の下敷きになるのを防ぐ為に。

:(;メメメ゚ω゚):。o(どっちもやばいお)

“フルフル”が着地する直前に樽爆弾が起爆し、ブーンはモナーの思った通りに吹き飛んだ。



63 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 23:03:05.30 ID:VZ9sgQKQO

(;メメメメ^ω^)「いちち…
        助けてくれるのは嬉しいけど、他にやり方は無いのかお?」

( ´∀`)「無いモニャ」

吹っ飛ばされた衝撃で、いつの間にやら麻痺からも解放されたブーン。

“フルフル”はモナーに気を向けたようで、体を回転させて尻尾を振り回したり、
噛みついたりなどして攻撃していた。

( ´∀`)「当たらなければなんとやらモニャ」

モナーはモナーで、器用に攻撃を躱している。
さらには、樽爆弾での反撃を繰り出してまでいた。

(メ^ω^)「…よーし、大分回復できたお。
      そろそろ仕掛けるお!」

( ´∀`)「らじゃ」



65 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 23:05:30.85 ID:VZ9sgQKQO

“フルフル”の気が逸れている間に〈回復薬〉で傷を治したブーン。
【レッドサーベル】を握り直し、気合いを入れた。

(メ^ω^)「そういえばモナー、良いこと思い付いたんだけど」

( ´∀`)「乗ったモニャ」

モナーに耳打ちするブーン。
二人目掛けて、“フルフル”が電撃のブレスを放つ。

(メ^ω^)「…という事で、頼んだお!」

( ´∀`)「頑張るのは旦那さんモニャ」

(;メ^ω^)「モナーも頑張るんだお」

二人はそれぞれ反対方向に離れ、電撃のブレスをかわす。

(メ`ω´)「おお!」

そのまま一気に距離を詰め、“フルフル”の脚を斬る。
振り下ろした剣を返すように斬り上げ、更に勢いを加えた回転斬りを繰り出す。



66 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 23:07:04.81 ID:VZ9sgQKQO

(メ^ω^)「! モナー、きたお!」

( ´∀`)「合点承知!」

“フルフル”は地に伏せる体制を取り、やがて放電を始める。
ブーンはすでに距離を取っていたため、被害はない。

その時突然“フルフル”が起き上がり、放電したままブーンに向かって歩き始めた。

(;´∀`)「う、狙いが定まらないモニャ…」

ブーンとモナーの作戦とは、まずブーンが接近し、“フルフル”の放電を誘う。
“フルフル”が放電の体制を取ったらブーンはすぐさま距離を取り、モナーの樽爆弾で攻撃を続けるというものだった。

だが、これは『放電中は移動しない』事が大前提である為、いとも容易く崩れる事になった。



69 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 23:09:07.05 ID:VZ9sgQKQO

(;メ^ω^)「うわ、おっ!」

なおも帯電しながら攻撃を仕掛けてくる“フルフル”から、距離を取って逃げ回るブーン。

(;メ^ω^)「こんなん、どーすりゃいいんだお」

帯電しているせいで、ブーンが近づく事は出来ない。
モナー達アイルーの力では、小型の樽爆弾と言えど投げたときに必ず弧を描いた軌道になってしまい、
動き回る“フルフル”に当てることは難しいのだ。

(;´∀`)「数撃ちゃ当たるモニャ」

(;メ^ω^)「ちょ、こっちに当たるお」

闇雲に投げられた樽爆弾を“フルフル”は容易く回避し、
側で逃げ回っていたブーンが樽爆弾に突っ込んでしまう。



71 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 23:11:07.67 ID:VZ9sgQKQO

(;メ゚ω゚)「そぉい!」

とっさに盾を構え、直撃を免れる。

(メ^ω^)「………ねぇ、モナー」

( ´∀`)「モニャ?」

(メ^ω^)「モナーのタル爆弾って、どれくらいまでの衝撃なら耐えられるのかお?」



―――― 相変わらず“フルフル”が帯電状態を維持したままブーンを追っている。

(;´∀`)「失敗しても、知らんモニャよ?」

(メ^ω^)「うまくやってみせるお!」

ブーンがモナーから離れていく。
“フルフル”も今はブーンしか眼中にないようで、ブーンを追っていく。

(メ^ω^)「よし、追ってきてくれたお…
      …今だお!」



73 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 23:13:27.97 ID:VZ9sgQKQO

その時、“フルフル”の電気に巻き込まれない程度に距離を取って反対方向、
つまり今“フルフル”がいる方向に駆け出してすれ違い、再び逃げる。

(メ^ω^)「なるべく距離をかせいで…!」

当然“フルフル”も追ってくるが、元々の動きが鈍いのでどんどん距離が開く。

(メ^ω^)「よっしゃ! モナー!」

( ´∀`)「了解モニャ!
      ピッチャー、振りかぶって投げました、モニャ」

ブーンの駆ける先の地点に投げられた樽爆弾。
その軌道に駆けつけたブーンが足を止め、剣を横に構えて振り向く。

(メ゚ω゚)「ジャストミートォ!!」

落ちてきた樽爆弾を、剣の腹の部分で『押し出す』ように打つ。



75 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 23:15:28.97 ID:VZ9sgQKQO

刃の部分で切ってしまったり、腹の部分でも強く打ってしまえばその衝撃で爆発するからだ。
そこでブーンは、始めは軽く、徐々に勢いを加えて剣を振った。

ブーンが打った樽爆弾は真っ直ぐ“フルフル”の脚に命中し、
その衝撃で“フルフル”が転倒する。

(メ`ω´)「おおぉぉぉ!」

樽爆弾を打ったと同時に駆けだしていたブーンが“フルフル”の頭部を斬る。
駆ける勢いを加えたジャンプ斬りからの返し斬り、左右に斬り付け盾で殴る。
とどめに真上から体重をかけて断ち斬った。

全力をかけた連撃が止んだ後の“フルフル”の頭部は、見るも無残な姿に変わり果てていた。
【レッドサーベル】の火に焼かれ、黒く炭化してしまう程に。



76 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 23:17:33.70 ID:VZ9sgQKQO

こうなってしまったら、二度と立ち上がる事は無い。

(メ゚ω゚)「やったかお…!?」

( ´∀`)「復活したりしないモニャ?」

ブーンとモナーが武器を構えて警戒するも、起き上がる様子は無い。
ブーンが近づいて“フルフル”が息絶えた事を確認したとき、ようやく安堵が訪れた。



―――ポッケ村―――

(*メ^ω^)「勝ったお! 勝ったお!!
      わひょ―――!!!」

(;メメメ'A`)「はぁ、元気だなお前…
      俺は疲れた」
(#゚;;-゚)「よくやったね、二人共! さぁ、これが報酬さ。
     雪山麓の村からの感謝も伝えられたよ!」



78 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 23:18:30.46 ID:VZ9sgQKQO

(*メ^ω^)「ありがとうございますお!」

(*メメメ'A`)「ありがとうございます」

(#゚;;-゚)「二人共、もう駆け出しのハンターなんかじゃなく、立派な一人前のハンターだね。
     これからはギルドの集会所に届く依頼もこなしていったらどうだい?」

唐突に振られた話題は、ブーン達の気持ちを高ぶらせた。

(*メ^ω^)「おっおっお、それは良い考えだお!
      ドクオは?」

(*メメメ'A`)「あぁ、俺もそれで良いと思う。
      もう、すぐにやられちまう何てことは無いだろうしな」

(メ^ω^)「…これから、よろしくだお」



79 : ◆bUYB7.cOOs :2011/02/14(月) 23:20:03.30 ID:VZ9sgQKQO

ドクオに向けて、手を差し伸ばす。

(メメメ'A`)「ああ、こっちこそな!」

差し伸ばされた手を握る。

世界で最も頼れる仲間が出来た瞬間だった――――



第十三話   end



boonkei_honpo at 23:39│Comments(2)TrackBack(0)ファンタジー | ブーンはモンスターハンターのようです

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この記事へのコメント

1. Posted by かに   February 16, 2011 12:29
この作品一番好きだから完結まで頑張って欲しいな
2. Posted by Download c-net microsoft download outlook express   December 15, 2011 10:59
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