February 27, 2011

(*゚ー゚)名前なんていらないようです

55 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:25:58 ID:PJxXnfoYO

(,,゚Д゚)「鍋の材料もマガジンも買ったし、他に買い忘れは無いな」

(,,゚Д゚)「しかし寒い……夜のうちに雪でも降るんじゃないか?」


ザッザッザッザッ


(,,゚Д゚)「……静かな夜だなぁ」


──ニャー

(,,゚Д゚)「ん? 猫? ……空き地からか?」

(,,゚Д゚)「あらら。お前、こんなところに捨てられて……可哀想になぁ」

(,,゚Д゚)「段ボールじゃこの寒さは凌げないだろうに」

ニャー……ニャ……

(,,゚Д゚)「だいぶ弱ってるじゃねえか。心ない奴もいるもんだ」

(,,゚Д゚)「おい、お前。うちに来るか?」



56 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:27:17 ID:PJxXnfoYO

ニャーゥ

(,,^Д^)「そーかそーか。よし、温かいミルクでも──」

(,,゚Д゚)「あれ? 牛乳あったか?」

(,,゚Д゚)「まぁいいか。とりあえず寒いから早く帰ろう」

(,,゚Д゚)「ほら、抱えて行ってやる」

ニャー

(,,゚Д゚)「ははは。可愛いな……ん? お前メスか」

(,,゚Д゚)「名前付けないとなぁ。白い猫だから、しぃってのはどうだ?」

ニャッ

(,,゚Д゚)「よし、決まりだな。しぃ」

(*゚ー゚)「ニャー」





57 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:30:06 ID:PJxXnfoYO

ガチャッ


(,,゚Д゚)「ただいまーっと。……おお、部屋の中も寒いな」

(,,゚Д゚)「しぃ、お前はとりあえず毛布にくるまってろ。
     今暖房付けっから」

(*゚ー゚)「ニャ」

(,,゚Д゚)「あー……っと、ミルク、ミルクは……
     お、あるじゃねえか。GJ俺」

(,,゚Д゚)「器に入れてレンジでチンっとな」

(,,゚Д゚)「しぃ、お待たせ。温かいミルク持ってきてやったぞー」

(*゚ー゚)「ニャー……」

(,,゚Д゚)「おお、飲んでる飲んでる」

(*゚ー゚) ピチャピチャ

(*゚Д゚)「かぁわいいなぁぁぁぁ」



58 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:31:34 ID:PJxXnfoYO

──一月後

(*゚ー゚)「ニャー! ニャー!」

(,,゚Д゚)「しぃー おかえりー」

(,,゚Д゚)「散歩は楽しかったか?」

(*゚ー゚)「ニャッ!」

(,,゚Д゚)「そーか、良かったなwあれ?
     お前、また花摘んできたのか」

(*゚ー゚)「ニャーン」 グイグイ

(,,゚Д゚)「何だ、俺にくれるのか? いつもありがとな」

(*゚ー゚)「ニャー!」



59 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:33:12 ID:PJxXnfoYO

(,,゚Д゚)「しっかし随分元気になったなぁ」

(*゚ー゚)「ニャ?」

(,,゚Д゚)「一ヶ月前はあんなに細くてプルプル震えてたのに……」

(,,゚Д゚)「ま、優しい俺に拾われて良かったって事だな」

(*゚ー゚)「ゥニャッ」

(,,゚Д゚)「あ、コラ馬鹿! 腕を引っ掻くな! 痛えww」

(,,゚Д゚)「ほら、しぃ。そろそろ俺は寝るんだからな。
     ちょっと離れようか」

(*゚ー゚)「ニャー……」

(,,゚Д゚)「分かった分かった。
     んな悲しそうな声で鳴くなよ。一緒に寝るぞ」

(*゚ー゚)「ニャー!」


(*゚Д゚)

(*゚ー゚)



60 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:35:23 ID:PJxXnfoYO

──二月後

(*゚ー゚)「ニャー……ン」


ガチャッ


(,,゚Д゚)「ただいまー」

(*゚ー゚)「ニャ! ニャー!」

(*゚Д゚)「しぃ~、聞いてくれよ。俺、彼女が出来たんだ~」

(*゚ー゚)「……」

(*゚Д゚)「同じ学部のデレちゃんって言ってさ、スゲー可愛いんだよなぁ」

(*゚-゚)「……」

(*゚Д゚)「明日は帰りにデレちゃんと飯食いに行くんだぜ」

(*゚-゚)「……フニャッ」

(,,゚Д゚)「あれ? しぃ、どこ行くんだ?」

(ー゚*)「ニャー」

(,,゚Д゚)「散歩か? あんまり遅くなるなよー」


パタン



61 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:37:23 ID:PJxXnfoYO

──三月後

(*- -)

(,,゚Д゚)「しぃ、しぃ!」

(*- -)「……ンニャ」

ζ(゚ー゚*ζ「うわぁ、可愛い~!!」

(,,゚Д゚)「だろ? 捨て猫だったんだぜ」

ζ(゚ー゚*ζ「ギコ君が拾ってあげたの? 優しいんだね」

(,,゚Д゚)「お、おう。まぁな」

(- -*)「……」 ゴロン



62 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:38:23 ID:PJxXnfoYO

──名前なんていらないよ
君が呼んでくれないなら──




(,,゚Д゚)「デレが」

(,,゚Д゚)「デレは」

(,,゚Д゚)「デレと」

(,,゚Д゚)「デレに」




(*゚-゚)「……ニャ」



63 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:39:23 ID:PJxXnfoYO



いつか崩れてしまうなら
今壊してしまって
自分のものにしてしまいたいよ


(*゚-゚)「ニャー……」


いつか壊れてしまうなら
今捨ててしまって
自分から捨てたんだって



 

64 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:42:09 ID:PJxXnfoYO

──五月後

ピンポーン


(,,゚Д゚)「あ、デレ。いらっしゃい」

ζ(゚ー゚*ζ「お邪魔しまーす」

ζ(゚ー゚*ζ「しぃちゃん、こんばんは」

(゚-゚*) プイッ

(,,゚Д゚)「こら、しぃ!」

(゚-゚*)そ ビクッ

ζ(゚ー゚;ζ「ギコ君、いいよいいよ。私気にしないから」

(,,゚Д゚)「デレ、ごめん。
     昔は自分から甘えてきたりして可愛かったんだけど」

ζ(゚ー゚*ζ「今も十分可愛いよ。
      ね、それよりさ……今日何の日か覚えてる?」

(,,゚Д゚)「当たり前だろ、付き合い始めた日だもんな」

ζ(゚ー゚*ζ「正解! 今日は止まって行っちゃおうかなぁ」

(,,゚Д゚)「マ、マジ? やった!」



65 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:43:29 ID:PJxXnfoYO

(*゚ー゚)「ニャー」

(゚ー゚*)「……」 トコトコ


パタン





名前なんていらないよ。
君が答えてくれないなら……


(゚ー゚*)「ニャーー……」




パアアァァァァ!!
  キキーッ


     ゴンッ



66 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:45:32 ID:PJxXnfoYO

(* ー )


(;゚∀゚)「うっわ、やべえ! 猫轢いちまった!」

(;゚∀゚)「おい……死んじまったのか……?」

(* ー )

(;゚∀゚)「ダメか。ごめんな、ごめん……」

(;゚∀゚)「どこか、埋めてやらないと」

(;゚∀゚)「と、とりあえずあの空き地で良いか!」

(* ー )



67 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:48:12 ID:PJxXnfoYO

──四日後

(,,゚Д゚)「今日も帰ってこねえ……。いくらなんでも遅すぎるよなぁ」

(,,゚Д゚)「デレは……

ζ(゚ー゚*ζ「猫は気ままに生きる気まぐれな動物だから、
       今頃他の家に居着いてるかもよ」

(,,゚Д゚)「って言ってたけど……心配だなぁ」




──ニャー


(,,゚Д゚)そ「っ!? しい?」


ドタドタドタッ ガチャッ


(,,゚Д゚)「……いない? 気のせい、か」

(,,゚Д゚)「ん? 地面に何か……
     ……花?」

(,,゚Д゚)

(,,゚Д゚)「しぃ……」


68 :以下、VIPに代わりまして名無しのようです:2011/02/21(月) 05:48:46 ID:PJxXnfoYO

(*゚ー゚)名前なんていらないようです



歌手:初音ミク
歌 :貴方に花を 私に唄を



boonkei_honpo at 00:51│Comments(0)TrackBack(0)感動 | 音楽短編フェス

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