川 ゚ -゚)はにゃんこのようです

4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 00:54:10.61 ID:fUOue+DP0
川 ゚ -゚)「朝か…今日は何しようかな」

私はクー、ごく普通のにゃんこである。
そして、あそこで饅頭を頬張っているのは私の飼い主、内藤様である。

( ^ω^)「おっおっ、クーが欠伸してるお」

御主人様の右手が私の顎を撫で廻す。
正直に言えば私は頭を撫でられる方が好きだが、これもこれで好きだ。

川*゚ -゚)「にゃ〜ん」

( ^ω^)「猫はかわいいお、今ご飯あげるお」

御主人様は立ち上がると、近くに置いてあったスーパーの袋から缶詰を取り出す。
色からして今日は鮭の缶詰だろう。

( ^ω^)「ほら、お食べだお」

缶詰の中身が盛られた小皿を私の前に置く御主人様、私は軽くお辞儀をして
それを出来るだけ音をたてないように食べる。
一口、口に含めばその美味な味に私は虜になる。これのせいでカリカリと呼ばれる物はよほどの事がないかぎり食べたいと思わない。

全てを食べ終えた私は口周りを舌で舐め綺麗にする。
口周りに食べカスがついてるのは非常に不潔に思う。

( ^,ω^)「どうしたんだお?」

御主人様は除きますが

 
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 00:54:40.47 ID:fUOue+DP0
夏、蝉の鳴き声が四方八方から聞こえ、暑さをさらに引きたてる。

川;゚ -゚)「暑いです御主人様」

(;^ω^)「クーが暑がってるのかお?今日はやたらと鳴くお」

当然事だが私の言葉は御主人様には聞こえるはずもない、いくら暑いと告げても
理解はしてもらえないだろう。

( ^ω^)「困ったお、家には扇風機もエアコンもないお」

川;゚ -゚)「うぅ…冷蔵庫の中に入りたい」

冷蔵庫の前で私が寝転がると、ご主人様はたちあがりタンスの中を漁り始める。
しばらくすると、去年祭りで貰って来たと思われる少し色が黄ばんだうちわを取り出す。

( ^ω^)「ほらほら、これなら涼しくなるお〜」

御主人様が私をうちわで仰ぐ、涼しい風のおかげで私はとてもリラックスでき
そのまま瞼を閉じてしまった。

次に目が覚めた時、私の目の前にいたのは汗だくになって私にうちわを仰いでいる御主人様がいた。

(;^ω^)「ひぃ…ふぅ…腕が痛いお…」

川;゚ -゚)「まさかずっと仰いでくれてたなんて」

私は汗臭い男は嫌いである。
でも、今目の前にいる汗だくの御主人様は大好きです。

 
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 00:55:58.86 ID:fUOue+DP0
今日は久々に外へ出かける事にした。
正直な話、私は外に出るのはあまり好きではない、なぜならこの辺りには異性の猫しかおらず、発情期になるとそれはもう酷いとしか言えない。

(´・ω・`)「あ、クーたんInしたお」

(,,゚Д゚)「おいすー」

川 ゚ -゚)')「ちょりーす」

('A`)「くくく、クーさん…是非発情期には僕の子を」
  _,
川 ゚ -゚)「やだ」

これだから私は外に出るのはあまり好きじゃないんだ。
言い寄る雄猫を軽くあしらい私はいつもの場所、お地蔵さんの隣の石の上に横になる。
この場所は年中日陰になっており非常に快適である。

(´・ω・`)「所でさ、家の飼い主のばっちゃんが、なんかネバネバして臭い豆食ってるんだけどさ」

川 ゚ -゚)「それ納豆っていうんだ、なんか大豆を発酵させた人間の食い物らしい」

('A`)「へー、飼い猫ってのはめっちゃ物知りだな」

川;゚ -゚)「正直言ってあの臭いは私も好きじゃないんだ、あれを食べた後の御主人様の口臭はものすごくてな」

(´・ω・`)「あー、その気持ち分かるわーまじ臭いよね」

('A`)「野良には分からん話だな」

(,,゚Д゚)「まったくだ」

 
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 00:56:39.57 ID:fUOue+DP0
今日、近所に新しい人が引っ越してきた。
金髪でドリルヘアーな人で、私の御主人様は引っ越しの手伝いに行ってから
なにかと彼女の事を呟いていた。

( ^ω^)「あぁ…ツンさんかわいいお…」

川 ゚ -゚)「ご主人様、ご飯をください」

( ^ω^)「あぁ…ツンさん…ツンさん…ツンさん…」

シカトされた。
私がそこでしょぼくれていると、家の外から私をあざ笑う声が聞こえてきた。

从 ゚∀从「はーはっはっ、ダサいなぁーお前」

川 ゚ -゚)「誰だお前」

勝手に家の中に入ってきた猫は、とても美しい毛並みをしていて
私とは比べ物にならないほど気品に充ち溢れていた。

从 ゚∀从「私はハインだ!今日ここに引っ越してきたんだ、よろしく頼むぞ」

そういうと彼女は、前足で私の頭を猫パンチする。

川#゚ -゚)「痛いなぁ…なにするんだ」

从 ゚∀从「頭が高いぞ私は!雑種如きが対等の口を聞けると思っているのか?」

川;゚ -゚)「よく分からないがどうも私は格下らしい」

 
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 00:57:44.88 ID:fUOue+DP0
数日後、私は外へ外出をした。
いつもの場所にいくとハインが、わがもの顔で友人達に威張り散らしていた。

从 ゚∀从「おらぁ!肩もめやクソが」

('A`)「はい…ハイン様…」

从 ゚∀从「おい!そこのしょぼくれ!お前そこの雄猫と交尾しろ」

(´・ω・`)「……なんという横暴、これはもう恐怖政治かもしれんね」

(;゚Д゚)「とかいいながら近寄ってくんなお前」

(´・ω・`)「レッツ」 (,,゚Д゚)「クソミソ」

川 ゚ -゚)「のりいいなお前ら」

私が声を上げると、一斉に皆の視線が私に向く。
何故か私は少し恥ずかしくなり斜めを向く。

('A`)「クーじゃないか久しぶりだなぁ」

(´・ω・`)「所でこれを見てくれ、どう思う?」

川 ゚ -゚)「すごく…興味ないです」

私はショボンをはたくと、私のお気に入りの場所でふんぞり返っているハインを猫パンチする。

从#゚∀从「てめぇなにしやがる!」

 
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 00:59:24.85 ID:fUOue+DP0
石から転げ落ちたハインは、毛を逆立て私に威嚇をする。

川#゚ -゚)「ここは私の場所だ、新参者の癖に少々傲慢なんじゃないか?」

从 ゚∀从「何を言ってやがる、雑種は俺達のような優良種の者から見れば奴隷も同然なんだよ」

川 ゚ -゚)「ならば、革命を起こすしかあるまい!」

('A`)「ハイン王朝を倒し平和を手に入れる!」

从 ゚∀从「いっておくが、俺は犬と戦って勝った事あるぞ」

(;'A`)「mjd!?やべーこいつ超強そうだ」

川 ゚ -゚)「なんて名前の犬?」

从 ゚∀从「えーとね、ダックスフンドっていう細長いわんこ」

聞いた事のない名前の犬だった…細長い犬という事で私は、蛇のような長さの犬を思い描いていた。

(・∀ ・)「我は泣く子も黙るダックスフンド様だ!
     この体に締め付けられたくなければ跪き、わが命令を聞くのだ猫共よ」

恐怖が私を襲う、蛇のような犬が私に絡みつき締め上げるのだ。脳内の私が断末魔を上げると、私はハッと我に返った。

川;゚ -゚)「うぅ…悔しいけどブドウ弾一発も放たれずに鎮圧されてしまった」

从 ゚∀从「わかればいいのだ!」

ハインってすごいんだなぁ…

 
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:00:02.99 ID:fUOue+DP0
夏の平日、仕事から帰ってきた御主人様がかき氷を作っていた。
氷を削る音が止むと、ご主人様は氷の上に見慣れぬ豆を置いてそれを食べ始める。

( ^ω^)「アズキおいしいお〜」

どうやらあの豆はアズキというらしい。
私は食事をもう終えていたが、ご主人様が絶品するアズキをいうものを食べたくなってきた。

川 ゚ -゚)「御主人様、私にもアズキとやらをくださいな」

私が御主人様にすり寄ると、ご主人様はスプーンにシロップのついた氷を乗せて差し出した。
しかし、私が食べたいのはアズキである。
だけど食欲というものには勝てない、私はシロップのついた氷を舐めるとなんだか満足してしまった。

( ^ω^)「おいしかったかお?」

御主人様が私の頭を撫でる。
私はもう一度、氷の上に乗っかっているアズキを視界に収めると
いつかアズキを食べる事を心に深く誓う。

( ^ω^)「ほらっアーンだお〜」

と思ったらスプーンの上にアズキが乗って現れた。
予想以上に誓いを叶えてしまったが、私はアズキを口に含み一噛みする。

川;゚ -゚)「なんかボソボソして不味いな」

どうしてこんなのが美味しいのだろうか、人間って分からないなぁ…。

 
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:00:51.43 ID:fUOue+DP0
秋、紅葉が落ちはじめ私達のたまり場のお地蔵さんを紅く染め上げる。
この辺りは人どおりも少なく、掃除をする者もいないと言っていいほどだ。

川 ゚ -゚)「今年もお地蔵様が紅葉に囲まれてしまったな」

お地蔵さんの前で、私達は紅葉を敷布団代わりにしごろごろと横になっていた。

('A`)「そう言えば去年はショボンとこの婆様がここらへん掃除したよな」

(´・ω・`)「今年はやらないと思うよ、腰痛めちゃってるらしいから」

大きな伸びをしたショボンがお地蔵さんの前に腰を下ろし頭を下に垂らす。

('A`)「なにしてんのお前?」

(´・ω・`)「人間ってお地蔵さんを見ると、こうして拝むんだってさ」

川 ゚ -゚)「へぇ…」

私も起き上がり、お地蔵さんの前で頭を垂らす。
なにやら不思議な儀式のようだが、特に深く考えずに頭を垂らした。
…いまいち意味が分からない、人間って不思議だ。

(,,゚Д゚)「人間ってなんでこんな事すんだろうな」

('A`)「さぁ…奴らには奴らの生き方があるしな、それを全部理解なんてできこっねぇよ」

川 ゚ -゚)「私も飼い主を眺めてると、たまに理解不能の行動をしてる事がある」

私はその日の出来事を脳裏に思い浮かべながら彼等に話を始めた。

 
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:02:27.79 ID:fUOue+DP0
川 ゚ -゚)「あれは、たしか3日前の事だったかな…」

家にノートパソコンなる物が来た日の事だった。
御主人様はなにやら喜んでいて、今度はいんた〜ねっと?とやらにつなげるといい、段ボールから変なコードを取り出した。

( ^ω^)「これでインターネットにつながるお、手始めに何を見るとするか決めるお」

カタカタとキーボードとやらを打ち込む御主人様、しばらくするとやたら文字が沢山ある場所が画面に映し出される。

( ^ω^)「手始めにVIPだお、いままでは携帯だったけど、やっぱりパソコンの方がやり易いお」

しばらくは無言でパソコンとなにやらしていた御主人様だったのだが、
夜になるときゅうに御主人様の態度が変わる。

(*^ω^)「はぁはぁ…やっぱり猫耳幼女はいいお〜」

御主人様の荒い息使いで私は睡眠を妨害され続ける。
普段ならもう寝ている時間なのだが、今日に限って御主人様はまだ起きている。

(*^ω^)「はぁはぁ……」

(*'ω`)「うっ!」

今度はなにやら丸まったティッシュがごみ箱に向かって飛んで行った。
しかしティッシュはゴミ箱に入らず床の上に転がっていた。

 
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:04:47.02 ID:fUOue+DP0
川 ゚ -゚)「というような事をやっていてな…あのティッシュは一体なんなのだろうか」

(´・ω・`)「ふぅむ、人間というのはつくづく不思議な生き物だなぁ」

('A`)「猫耳幼女ってなんなんだ?俺達のような耳生えてる女の子か?」

川 ゚ -゚)「ねむくて画面を見てないがたぶんそうなのだろう」

('A`)「あいつらにだって耳あるだろうに、なんだって俺らのようなにゃんこの耳を?」

ドクオの言葉に私達はしばらく考え込み、お互い思いついた事を議論し始める。

(,,゚Д゚)「俺、聞いた事あるんだけど、人間って俺達猫に憧れてるらしいぜ?」

川 ゚ -゚)「それはまた何故だろうか」

(,,゚Д゚)「たまたま通りかかった人間がさ、俺を見て猫は気楽でいいなぁって言ってたよ」

('A`)「なるほど!だから俺達の耳に憧れるわけなんだな」

(´・ω・`)「ドクオ頭いいなぁ!」

川;゚ -゚)「その発想はなかった…ドクオ流石だな」

(*'A`)「クーたんに褒められるなんて、是非俺の子を身ごもってくれ」

川 ゚ -゚)「それはお断りする」

ドクオのこういう所がなければ私も好きなんだけどなぁ…勿論御主人様の次にだが。

 
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:07:44.57 ID:fUOue+DP0
私が昼寝から起きたその日、家の中に見慣れぬ人間がいた。
私は距離を置き、その人を眺めていると、その人の足元から一匹の猫が飛び出してきた。

ξ゚?゚)ξ「こらっハイン!暴れちゃダメでしょ」

( ^ω^)「大丈夫だおツンさん、特になにもない家だから平気だお」

どうやら、この人がいつだったか近所に引っ越してきた人らしい…
名前はたしかツンと言ったかな?

从 ゚∀从「はーっはっはっは!久しぶりだなクーよ」

川 ゚ -゚)「久し振りハイン、最近見なかったからどうしたのかと思ってたよ」

从;゚∀从「実はな、家の外に出たら毛が汚れるからって外出を禁止にされたんだ」

川 ゚ -゚)「なるほど…実に聡明な飼い主だな、君を外に出さないでくれていたとは」

从#゚∀从「なんだとてめぇ!」

川;゚ -゚)「わぁっ、冗談だよ冗談」

ハインに追いかけられた私は、御主人様の膝の上に逃げ込みハインの追撃を振り切る。
ここに居れば流石のハインも手を出してこないと思ったのだが、読みは正しかった。

从;゚∀从「ちっくしょー、人間に守ってもらうとは卑怯なり」

ハインはその真っ白な毛並みを揺らしながら、金髪の女性の許へと戻ってゆく。
犬と戦い、生きて帰ってきたハインと戦えば、私は必ずぼろぼろにされてしまうだろう…卑怯だと言われてもハインとは戦いたくないのだ。

 
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:10:00.46 ID:fUOue+DP0
その日は朝から御主人様が大騒ぎをしていた。

(;^ω^)「ちっくしょー風呂場のスイッチがいかれちまったお…
      沸いたと思ったら水風呂だなんて心臓に悪すぎるお」

ぶつぶつと独り言を言いながら携帯電話を手に取る御主人様。
私も2日に一度は御主人様に無理やりお風呂に入れられる。
水が怖い私にとっては、お風呂は嫌いな物上位5位にランクINするほどの物だ。

川 ゚ -゚)「お風呂が壊れたのか、これは嬉しいニュースだ」

心の中でバンザイをする私、2日に一度のお風呂という恐怖の白物がなくなり
私はいかれてしまったスイッチをいうものに感謝の意をこめてお辞儀をする。

川*゚ -゚)「お前が壊れてくれたおかげでお風呂に入れられなくてすむよ」

スイッチ「……」

普段ならピピピ…ピピピ…となるスイッチだが、今日はうんともすんとも言わない。

川 ゚ -゚)「おかしいなぁ…いつもならピピピって音をたてるはずなのに」

私はしばらくスイッチを眺め様々な事を考え始める。
そんな中、ギコの一言が脳裏をよぎった。

(,,゚Д゚)「生きてるものは必ず死んじゃうんだ」

川;゚ -゚)「ま、まさか!スイッチお前…」

スイッチは何も語らない、普段なら出っ張りを押すと、ピッという音を立てるがそれすらもない。

 
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:12:30.08 ID:fUOue+DP0
川 ; -;)「スイッチが死んじゃった…」

私はスイッチを悲しみの意をこめてやさしく舐める。
今まではお風呂を言うものを沸かす恐怖存在だったが、いざ死んでしまわれると悲しくなってしまう。

夕方、私は泣きつかれ部屋の隅で丸くなっていた。
そんな折、来客を知らせるインターホンなるものの音が鳴り、御主人様が慌てて駆けてゆく。

( ^ω^)「風呂場はあっちですお、そんじゃお願いしますお〜」

(-@∀@)「はいはい分かりましたよっと、だいたいこれぐらいの時間かかりますからね」

( ^ω^)「ありがとうだお」

なにやら眼鏡をかけたツナギ姿の男が風呂場へと入ってゆく、何をしているか覗きに行きたかったが
御主人様が私を抱き上げてしまったため、それは叶わなかった。

( ^ω^)「なんか最近クーが重くなった感じがするお」

川#゚ -゚)「失敬な!体重管理には気を使ってるぞ」

御主人様は私の頭を撫でながら、脇腹をそっとつまんだ。
私はつままれた場所を見ると、だいぶ肉が余っている事を窺う事ができた。

川;゚ -゚)「うぅ…テレビでやってたでぶにゃんにはなりたくないよぉ」

自分でも体重管理は行っているつもりだったが、確実に贅肉が付いていることから
私はもっと運動する事を誓った。あまり外には出たくないのだが、贅沢は言っていられない。

 
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:13:02.08 ID:fUOue+DP0
(-@∀@)「あーい終わりましたよ〜、確認のために沸かしてますがいいですか?」

(*^ω^)「おっおっありがとうだお!」

暫くすると、ピピピという懐かしい音が私の耳に飛び込んできた。

川;゚ -゚)「ま、まさかこの音は!」

私は立ち上がり、風呂場へと一直線に駆けていった。
後からきた御主人様が、風呂場のドアを開けると、そこには形は変わったが42℃という数字を現していたスイッチがいた。

川;゚ -゚)「す…スイッチが生き返った!」

人間ってすごい!死んだ者をも生き帰す事ができるなんて。

(*^ω^)「ちゃんと沸いてますお、ありがとうですお〜」

(-@∀@)「では、またなにかあったら呼んでください」

眼鏡をかけた男が頭を軽く下げると家から出ていった。
御主人様は家の鍵をかけると、すぐに服を脱ぎ洗濯機にそれを放りこんだ。

(*^ω^)「さー、ひとっ風呂あびるお〜」

御主人様が風呂へと向かい、飛びこむような形で風呂へと入る。
途端に湯船の中からお湯が溢れ、風呂おけの下にいた私に大量のお湯が襲いかかってきた。

(;^ω^)「クーが下にいたの忘れてたお…」

川 ; -;)「ひどいよ御主人様…」

 
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:16:56.59 ID:fUOue+DP0
机の上に御主人様がよく使っている携帯電話なるものが置いてあった。
普段から肌身離さず持ち歩いているため、こうして無防備に置いてあるのは珍しい事だ。

川 ゚ -゚)「ふーむ、こうして見ると結構大きいな」

私は前足で携帯電話を踏んでみる、結構な硬さがありなおかつ薄い…そう言えば前にテレビでこの携帯電話の事をやっていったけな

(-@∀@)「次に紹介するのはこちら!多機能型三色高速携帯電話です!」

(*^ω^)「おおおっすげぇお!そろそろこの携帯電話を変えるかお」

御主人様はなにやら喜んでいたが、今も変わらずこの携帯電話を使っている。
私は目の前の携帯電話を数回程叩き、なにか反応がないかしばらく待ってみた。

川 ゚ -゚)「う〜ん、なにもおきないなぁ…いつもなら変な音楽が鳴ったりするんだが」

私は首をかしげながら携帯電話をひっくり返してみた。
…なにもおきない、私は溜息を一つつくと、興味の失せた携帯から離れ床の上に寝転がった。
ダイエットを始めようと外へ出ようとは思うが、いかんせん寒いのだ。

川 ゚ -゚)「御主人様早く帰ってこないかなぁ…」

御主人様が居ればこたつなる物は温かい光を放ち、最高の居場所を作ってくれるのだが、
こいつはどうも御主人様がいないと駄目ならしい。いけすかない奴だ。

川 ゚ -゚)「あー寒いなぁ…ドクオ達とおしくらまんじゅうでもしようかなぁ」

私が立ち上がり外へ出ようとした時、御主人様の携帯電話が不思議な音楽を放つ。

川 ゚ -゚)「いまさら鳴いたって駄目だぞ、私は出掛けてくるからな…」

 
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:17:40.61 ID:fUOue+DP0
後ろを振り向くと携帯電話の音楽が止まり、哀愁漂う姿が私の瞳に映る。

川;゚ -゚)「くっ…しょうがないなぁ…今回だけだぞ」

私は携帯電話の横に座ると、携帯電話が寂しくないように隣に寝転がる。
携帯電話は何も語らないが、御主人様とはよくお喋りをしている。

男の声だったり女の声だったり、多種多様の声色を持つこいつは中々侮れない奴だが
こいつとお喋りしている時の御主人様の顔は、結構嬉しそうである。

川 ゚ -゚)「お前はいいよな…御主人様と会話できるなんて」

川 ゚ -゚)「私は、御主人様と会話は出来ない…しぐさで自分の気持ちを出来るだけ伝えようと頑張っているんだ。
     だから私はお前に憧れちゃうな…いっつも御主人様と一緒で、御主人様とよくお喋りしていて…」

川 ゚ -゚)「御主人様…早く帰ってくるといいな…」

私は瞼を閉じ、携帯電話の横で少し仮眠を取る事にした。
どれくらい時間がたったであろうか、陽は沈みかけ、空は夕焼けに染まっている…私は大きな欠伸をし、辺りを見回す。

川 ゚ -゚)「そろそろ帰ってくる時間だな」

私は携帯電話にそう語り机の上を降りた。
御主人様は私が机の上に乗っていると必ず私を叱るのだ。
だから私が机の上に乗るのは御主人様が居ない時だけ。

( ^ω^)「ただいまだお〜」

御主人様の声がした。私は玄関で靴を脱いでいる御主人様の許へ走り
御主人様の足に頬を寄せた。携帯電話のように御主人様と話せないけど、私は携帯電話と違って御主人様の許へ行く事ができる…。

 
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:20:21.45 ID:fUOue+DP0
その日は朝から雪が降り、外は一面の銀景色になっていた。
私は久々に家から出ると、いつものたまり場へと向かう。

('A`)「うーさびっ…ギコ、近くいっていいか?」

(,,゚Д゚)「おう!こういう時は皆で集まるといいんだぜ」

川 ゚ -゚)「じゃあ私も仲間に入れてもらおう」

('A`)「クーがこんな日に出歩くなんて珍しいな」

川 ゚ -゚)「今年初めての雪だからな、記念に外へ出てみた」

('A`)「ショボンの奴は寒いからって出てこないんだよ〜まいっちゃうね〜」

(,,゚Д゚)「俺達二人だと暖を取るにも限界があるからな〜」

私のそばに寄ってきた二人は、私の体を覆うように抱きつき始める。
私はしばらくこたつの中に居た影響で、体は大分温かかったが、外で暮らしているドクオとギコが私に抱きつくと、その冷えた体に、温もりを全て奪われてしまった。

川;゚ -゚)「ブルブル…お前ら冷たいなぁ…」

('A`)「飼い猫っていいよなぁ…俺達野良には雪は敵でしかねぇよ」

川 ゚ -゚)「でも犬は喜んでいるぞ」

('A`)「奴らと俺達は根本的には違うからなぁ」

そうなのか、私は近所に住んでいる犬のギヌさんの事を思い浮かべた。
雪の中で凛々しく立つ彼を思い浮かべるたびに、私は犬ってすごいなぁと思うんだ。

 
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:20:56.47 ID:fUOue+DP0
その日は久々にハインがたまり場へやってきた。

从 ゚∀从「よーぅお前らー、あたしがいなくてさびしかっただろ?」

('A`)「ひぃっ!董卓がやってきた!酒池肉林が起こるぅ!」

(´・ω・`)「ここの平和がまた乱されるというのか…神よ…」

从#゚∀从「なんだお前ら!あたしが来たのに嬉しくないのか?」

('A`)「滅相もない…とてもうれしくて涙が出ます…うっうっ」

川 ゚ -゚)「それにしても本当に久しぶりだな…いままで何してたんだ?」

从 ゚∀从「いやー、家の中でごろごろとしてたよ…他にはなにもしてねぇや」

川 ゚ -゚)「お前でぶにゃんになるぞ」

なんか一瞬、ハインのほうからピシッ!という音が聞こえた気がした。
そしてそのままハインは動かなくなり、お地蔵さんのように固まってしまう。

川;゚ -゚)「お、おいハイン!大丈夫か?」

('A`)「なんか悪い物でも拾い食いしたのかな」

私達がハインを揺さぶっていると、ハインは突然目を見開きドクオの顔を猫パンチする。

从#゚∀从「でぶにゃんになるのだけは嫌だあああああ!」

从 ゚∀从の攻撃 ('A`)に会心の一撃! ('A`)を倒した

 
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:21:49.74 ID:fUOue+DP0
ハインの猛烈な猫パンチがドクオを襲う、ドクオはごろりと地面に倒れこみなすがままである。

从#゚∀从「ふーっ…ふーっ…ダイエットしなきゃ…運動しなきゃ…戦わなきゃ…」

川;゚ -゚)「た、戦う必要はあるのか!?」

从#゚∀从「問答無用!死ねぃクー!」

ハインの爪が私の体めがけて襲いかかってきた、私はすぐに後ろへ飛びそれを回避する。

川;゚ -゚)「な、なにするんだよぉ…危ないなぁ」

从#゚∀从「女の敵は女って言うだろ?」

ハインが私に飛びかかってきた。
私はハインから逃げようとすぐに走りだすが、足下にあった小石に躓いてしまった。

川;゚ -゚)「ひっ…」

私は目を両手で覆い、恐怖に震えた。
……いつまでたっても体を襲わない痛みに、私は恐る恐る片目を開け辺りの様子をうかがった。

从 ゚∀从「冗談に決まってるだろー、何びびってんだよお前」

川 ; -;)「ひぐっ…ハインの馬鹿!」

从;゚∀从「あっ、おい!」

ハインなんて大嫌いだ!

 
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:24:04.66 ID:fUOue+DP0
テレビというものは見ているとたまに凄い事がやっている。
御主人様はよく野球と呼ばれる人間同士の遊びを、ビールなるものを片手に見ている。

( ^ω^)「あー野球負けてるのかお…見ても面白くねぇお」

目当ての球団が負けていると必ず御主人様は番組を変えてしまう。
丁度そんな時、御主人様はコアラの出ている画面で動きを止める。

( ^ω^)「コアラのマーチかお…子供のころはよく食べていたもんだお」

このコマーシャルで動きが止まるのはこれで3回目、この前はタケノコの里とかいうもので動きが止まっていた。
そして、御主人様がこういう事を呟く次の日には必ずその品物がスーパーの袋に入っている。

(*^ω^)「久々にコアラのマーチを食べる事にするお!」

御主人様はそれらを買ってくると、さもおいしそうに食べるのだ。
私が物欲しそうにそれをねだると、御主人様は必ずこう言う。

( ^ω^)「クーみたいな猫にチョコレートは毒なんだお…食べさせてあげたいけど我慢して欲しいお」

毒というのは脅し文句なのだろうが、私がチョコレートなるものを昔口に含んだ時、御主人様は大慌てで、私の口からチョコレートを無理やり奪ってしまった。

たまに御主人様は意地悪だから困る…今度御主人様がそれらを買ってきたら私は絶対食べてやろうと
心の中で決め、ガッツポーズを取る。

( ^ω^)「そうだ、たまにはクーに煮干しでも食べさせてやるとするお」

川*゚ -゚)「煮干しだって!?」

御主人様って優しいなぁ…

 
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:25:14.07 ID:fUOue+DP0
その日、私はたまり場に行く途中ギヌさんに出会った。
ギヌさんは首輪に紐をつながれ、飼い主らしき人が立ち話をしている横で何も言わずに立っていた。

川 ゚ -゚)「ギヌさんこんにちわ」

< ゚ _・゚>「クーちゃんか、こんにちわ」

ギヌさんはとても紳士的な人で、挨拶をすると必ず返してくれる。
そして、他の犬と違って私に敵意を出すことはない。

川 ゚ -゚)「そう言えばギヌさんのように犬ってどうして人間と一緒に歩くんですか?」

< ゚ _・゚>「散歩というものらしいんだ…それ以外の事は私もよく分からない・・・
     ただ、彼等と一緒に歩くのは楽しいんだ」

犬と猫は根本的に違うと昔誰かが言っていた気がする。
なるほどたしかにそうだ。私は人間に紐をつけられ一緒に歩くのは嫌いだな…
たとえ御主人様と一緒に歩くとしても。

川 ゚ -゚)「そうなんですか…私達猫には分からない事ですね」

< ゚ _・゚>「それが普通さ…猫は猫、犬は犬…君は君、私は私だ」

川;゚ -゚)「な、なんか難しいですね」

< ゚ _・゚>「いずれ分かる事だよ…」

それだけ言うと、ギヌさんは黙りこみもの思いに耽り始める。
ギヌさんは昔野良だったらしいが、そういう面も含めて全身から湧きあがりワイルドさがとても魅力的でかっこいいのだ…。

 
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:26:37.72 ID:fUOue+DP0
溜まり場、いつもなら私達猫以外いないはずなのだが、今日は珍しく珍客が来ていた。

( ><)「猫がこんなにいっぱいいてかわいいんです」

黒いランドセルを背負った少年が、ギコを抱き上げ頭を撫でていた。

川 ゚ -゚)「人間の子供だなんて珍しいな」

('A`)「子供ってうっとおしいから嫌いなんだよなぁ…執拗に触ってくるしさ」

川 ゚ -゚)「そうなのか…私は子供と接した事はないからなぁ」

( ><)「あっ、首にリボンを巻いた猫がいるんです」

いきなり子供に抱きあげられた…そう言えば、昔御主人様にリボンを巻いてもらった事があったが、まだそれがついていたのか…。

( ><)「大人しくてすっごくかわいいんです」

川;゚ -゚)「いだだだっ!もう少しやさしく撫でておくれよぅ」

正直言うと、撫でる力が強すぎて痛みしか感じない、ドクオが子供を嫌うのはこういう訳か…。
私は力いっぱいもがくと、子供の腕の中から逃れ、お地蔵さんの後ろに隠れた。

( ><)「あああ…逃げちゃったんです…」

今度はドクオを抱き上げようとしたのだが、ドクオはさっさと全速力で逃げ去ってしまった。

( ><)「猫って気難しいんです」

そう呟いた少年はとぼとぼとどこかへ歩いていき、消えてしまった…。

 
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:29:16.97 ID:fUOue+DP0
人というのは不思議である。
何故なら学校というものにいくからである。

川 ゚ -゚)「学校?」

(,,゚Д゚)「ああ…なんでも人間の子供達がいく場所らしい」

('A`)「つくづく不思議だな人間って奴らは…」

(´・ω・`)「というか学校ってどういう所なんだ?子供たちが集まるってことはなにか楽しい事してるんじゃないか?」

(,,゚Д゚)「それがな、気まぐれで後をつけていって一部始終見ていたら、みんなつまらなさそうな顔で
    大人の話を聞いていたんだよ…他にはな、カッターを片手に振り回している子供がいたりして、とてもじゃないが楽しいとは言えない所だ」

川;゚ -゚)「か…カッターをか!?なんと危険な場所なんだ…学校という場所はソルジャーを育成する場所なのか」

('A`)「という事は…この前きた子供は…」

ドクオの言葉に私の脳裏にこの前の少年の姿が映る、しかし少年は何故か無言で、いきなりカッターナイフを取り出したのだ

( ><)「ふふふ…まずは君達をやっつけてやるんです!」

少年はいきなりカッターナイフで脳内の私を突きさし、高らかな狂喜の笑い声を上げ続けていた。

川;゚ -゚)「ぶるぶる…なんと恐ろしい事だ…私達もいつか大人になった彼等に殺されてしまうのではないだろうか…」

('A`)「なんという…人間とは恐ろしい生き物だな」

(´・ω・`)「でも家のばっちゃん優しいぞ…昔学校にいってたらしいけど」


 
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:29:55.60 ID:fUOue+DP0
川 ゚ -゚)「そう言えば私の御主人様もそうだな…」

('A`)「きっと昔は平気だったのかも知れないが…今はそうとは限らないぞ」

(,,゚Д゚)「でもな、そのカッターを振り回していた子供はな、大人に怒られてカッターを取り上げられていたんだぜ」

('A`)「それを最初に言えよ…」

(´・ω・`)「なるほど…そのカッターを振り回していた子供は悪い事をしたんだね…ソルジャーたるもの
      獲物を容易に見せてはいけないと」

(;'A`)「な、なにぃ!ただ単に暴走してただけじゃないのか…」

(´・ω・`)「家の飼い主が言っていたんだが…学校という場所には体育なる肉体を鍛える事をするらしいんだ…」

川 ゚ -゚)「なるほど…肉体的訓練をして、獲物を倒すのだな…」

(,,゚Д゚)「体育か…これからは子供には出来るだけ近づかないようにしようぜ」

川;゚ -゚)「う…うむっ!殺されたくないもんな」

(´・ω・`)「でもさ…ここらへんに居る子供に襲われた事はないよ…」

('A`)「そうか…わかったぞ!人間共は戦争というものをしたと爺ちゃんから聞いた事がある
   それに備えて体を鍛えているに違いない!」

川;゚ -゚)「な…なんと、戦争というと革命より過激な事と聞くが」

(,,゚Д゚)「人間同士で戦うんだろ、俺ら関係ねぇじゃん」

 
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:30:46.07 ID:fUOue+DP0
(´・ω・`)「うん全く関係ないね…というかなんの話してたんだっけ?」

川;゚ -゚)「えーと、ナポレオンが革命を起こして…アインシュタインが時空を超えて…あれ?」

('A`)「ばっかクー、俺達は人間が体を鍛えている話をしてたんだよ」

川 ゚ -゚)「そうか、体を鍛えて健康になろうという事か」

(,,゚Д゚)「健康が一番だもんな、特に野良にとっては」

(´・ω・`)「そうだ、明日皆で遊びにいこうぜ」

川*゚ -゚)「おおっ面白そうだな!」

('A`)「そんじゃあ近くの小川いこうぜ」

(;゚Д゚)「あそこって子供よくいるからなぁ…」

川 ゚ -゚)「子供…」

何かを思い出しそうな気がした。
首をかしげて過去の記憶のあさっている最中、いつぞやに聞いた声がした。

( ><)「あっ!また猫がいるんです」

('A`)「撤収〜」

私達は一目散にその場を逃げ出した。
後ろの方から少年の声が聞こえたが、彼に触られるのは正直言ってもう嫌だ…手加減というものを覚えてから来てください…。


 
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:35:41.75 ID:fUOue+DP0
私の家にツンという人とハインがまたやってきた。

( ^ω^)「いやー、なんにもない所で本当すいませんお」

ξ゚?゚)ξ「家もこんなもんですから…気にしないでください」

私は隅の方で二人を見つめていた。

ξ;゚?゚)ξ「いたたっ!ハイン暴れちゃダメでしょ!」

ツンさんが床に座った時、ハインが彼女の腕の中から飛び出してきた。
そして、ハインはそのまま私に向かってきた。

川;゚ -゚)「な…何?」

私は少し間合いを取り、警戒心を露骨に表わした。
こうすれば少なくとも私が彼女を快く思ってない事が伝わるだろう。

从 ゚∀从「クー」

川;゚ -゚)「……なあに?」

从 ゚∀从「ごめん!」

ハインはいきなりそう言って、私に頭を下げた。
私は彼女の行動にどうしてよいか分からず、とりあえず辺りを見回した。

 
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:37:15.05 ID:fUOue+DP0
川;゚ -゚)「は…ハイン?」

从 ゚∀从「あの時はやりすぎたと反省している…だからさ、あたしの事嫌いにならないでくれよ…」

从 ゚∀从「あたしさ…生まれた時からペットショップとかいう場所にいてさ…へんなケースの中で育って来たんだ。
      そんで、御主人様に買われて、ここに引っ越してきて、初めてあたし以外の猫と会話したんだ…」

川;゚ -゚)「ふーん…そうなんだ…その割には私が雑種だから格下だーとか言ってたけど」

从 ゚∀从「ああ、あれ犬から聞いたんだよ…俺のダチのダックスフンドっていう犬から」

从 ゚∀从「あいつ曰くな〜、血統書がある奴はない奴より偉いんだってさ〜」

川;゚ -゚)「じゃあ…ハインにはその血統書があるから偉いんだな?」

从 ゚∀从「いや、もう血統書なんかどうでもいいよ…俺さ、お前が帰った後ドクオ達に怒られてさ
      目が覚めたんだ。血統書なんて他人から見たら単なる飾りでしかないんだって
      だからさ、今までの事は水に流して仲良くしてくれよ」

川 ゚ -゚)「もう、怖い事しない?」

从 ゚∀从「しないしない!誓うよ」

川 ゚ー゚)「じゃあ、お友達になろう…ハイン」

私の右手と彼女の左手が合わさった。
私達はその後、お互いの飼い主の話をして大いに盛り上がり、楽しいひと時を過ごす事が出来ました。

 
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:39:04.79 ID:fUOue+DP0
人間社会には夏休みというものがある、大人達は夏休みではなくお盆というらしいのだが…。

( ^ω^)「あー父ちゃんかお?今年は帰れそうにないんだお…
      うん…仕事がめっちゃ忙しいんだお」

携帯電話を片手に話し込む飼い主、この前ハインから聞いた話では、携帯電話とは生き物ではないらしい…
人間が使う他人との連絡手段らしいのだ…。そんな物を作るんなんて人間って凄いなぁ。

( ^ω^)「はぁ〜、ガソリンが高すぎて実家になんか帰れねぇお…」

川 ゚ -゚)「ガソリン?」

( ^ω^)「今年のお盆はクーやツンさん達と一緒に過ごすとするかお…」

御主人様が私を抱きよせてくれたけど…溜息をつきながら私の頭を撫でているのです…。
しかもうわ言のようにガソリンガソリンと呟く御主人様はどことなく恐ろしく、私は譬え様のない恐怖に襲われ御主人様の腕の中から逃れた。

( ^ω^)「おっおっ、遊びにいってくるのかお…気をつけるんだお」

どことなくさびしげにつぶやく御主人様、正直な話私は別に外へ行きたいわけでもない。
ただぶつぶつとガソリンガソリン、と呟く御主人様が怖いのです。

川 ゚ -゚)「……」

( ^ω^)「……」

(*^ω^)「クーが僕を見つめてくれてるお」

御主人様が私に抱きついてきた。
怖いと思ってたのはどうやら杞憂だったらしい…。怖いだなんて思ってごめんね御主人様。

 
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:39:59.02 ID:fUOue+DP0
人間の子供には夏に宿題というものが大量に出るらしい。

(。><)「ちんぽっぽちゃん…宿題が終わりません(><。)」

(*‘ω‘ *)「おめぇさぼりすぎだっぽ、他になにが終わってないんだっぽ?」

お地蔵様の前で子供達がキャンパスという絵をかく道具に何かを書き込みながら会話していた。
私達は出来るだけ彼等に気づかれないように、遠くから彼等を見つめていた。

( ><)「えーっと、ドリルと自由工作は終わってるんです…後は絵と自由研究なんです」

(*‘ω‘ *)「自由研究なんて楽だっぽ、ごにょごにょ」

('A`)「人間っておかしな事やってるなぁ…」

(,,゚Д゚)「自由研究ねぇ…一体なにを研究するのやら」

川 ゚ -゚)「もしかしたら私達を捕まえて実験をする気かもしれないぞ」

('A`)「どんな?」

川;゚ -゚)「えーっと…たとえば、猫鍋を作るとか…」

(;'A`)「こわっ!なにそれ…超怖いんですけど」

川 ゚ -゚)「いや、御主人様が買ってきた本に乗ってたんだけどな、土鍋の中に猫が入って寝ているのを猫鍋というらしい」

(,,゚Д゚)「なるほど…俺達にどういう土鍋が好まれるか研究したいっていうんだな」

川 ゚ -゚)「狭い所って安心感あるからな」

 
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:41:32.15 ID:fUOue+DP0
そんな事を喋っていると、子供達は立ち上がりどこかへ行ってしまった。
もしかしたら土鍋を取りに向かっているのかも知れない。

('A`)「はー…やっと人間がどっかいったよ…」

川 ゚ -゚)「帰ってきて猫鍋を研究する気かも知れないぞ」

('A`)「まあ、それぐらいだったら別にいいんだけど…」

ドクオは日陰の中でごろりと寝転がり大きな欠伸を一つする。

(,,゚Д゚)「それにしても暑いなぁ…クーの場所借りていい?」

川;゚ -゚)「だ、駄目だからね!」

私はすぐに自分の場所に乗っかり、ひんやりとした石の冷たさを体で味わう
それを見ていたギコは少し残念そうな顔をしていたが、ごろりと横になり大きな欠伸をする。

(,,゚Д゚)「あーなんかめっちゃ眠いなぁ…」

川 ゚ -゚)「こういう日は昼寝をするに限るな」

('A`)「んだんだ…夕方まで一眠りすっぺさ」

川 ゚ -゚)「そうだな…んじゃおやすー」

('A`)「おやすみー」

心地よい風が私達の毛を揺らす。
御主人様といるのも幸せだが、こうして皆でお昼寝する事も私には数ある幸せのうちの一つです…。

 
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:43:31.72 ID:fUOue+DP0
彼岸花…紅を称える色とその独特の花びらをもつ花…

田んぼの周りを久しぶりに散歩していた時、一輪の曼珠沙華を見つけた。
この花には毒があると、御主人様が言っていたっけ…。
綺麗な花には棘があると言うが、毒という名の棘というのも恐ろしい物がある。

私は、風に揺れる曼珠沙華を見つめながら、自分も体に風を感じていた。
空を見上げると、白い雲がちらほらと浮かんでいた。

川 ゚ -゚)「曼珠沙華ってちょっと言いにくい名前だなぁ…」

異名が多い花…御主人様はこの花を見ると独り言のように言うのだ

( ^ω^)川 ゚ -゚)「死人花、地獄花、幽霊花…どうしてこんなに美しいのにこんな名前がついてしまったのか(お)」

            ,  ,   ,  , , ,  ,
      i     、 |  |  / / ノ / ノ 、
     、 ヽ  ,   i l,-、ヘ /⌒、 / / /   ) ,
    ヾ`、\ヽ | /二ヽトiノ''シヽノ ノ  ノ ノ
   ,  ヾヾヾ \rヘ{/之ト l l >、ヽZ彡-'''" / ノ
   ヽ  \ニ二{ヽヾ {ヽヽl l ノ入ミ三三二ン_ノ
    \、_ヽニニ=彡トェ> o'/ヽン二フ___,,..ノ
         'ー'  ヽ| |ヽ_ノ 、_)''- ..___,.
                  | |
                  | |
                  | |
                  | |
                  | |

曼珠沙華は何も語らず、ただ風に揺れていた…。

 
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:44:18.18 ID:fUOue+DP0
誰かを好きになる事は、同時に誰かに嫌われる事になるのかなぁ…

川 ゚ -゚)「ギヌさん…ギヌさんは好きな人っていますか?」

その日、たまたま外を出歩いていた私は、散歩途中のギヌさんと出会った。

< ゚ _・゚>「昔、好きな人がいたよ、それがどうかしたかい?」

川 ゚ -゚)「ちょっとだけ気になりまして…ギヌさんが好きになった人ってどんな人なのかなーって」

< ゚ _・゚>「彼女はとても美しい犬だった…それだけにプロポーズが通った時には私は大喜びしたものさ」

意外だった。ギヌさんが大喜びするなんて…。
しかし、私は昔のギヌさんを知らない…こんな事を思うなんて私はなんて失礼なのだろうか…

< ゚ _・゚>「でもね、そのせいで私は古くからの友人を失ってしまったよ…
     私を祝福して彼等はどこぞへ行ってしまったんだ…」

川;゚ -゚)「ど、どうして居なくなってしまったんですか?」

< ゚ _・゚>「それが人を好きになるっていうものの代償なのかもしれないな…
     ただ、これは私が体験しただけの事で、君がもし誰かを好きになっても私みたいになるとは限らない」

川 ゚ -゚)「可能性としてあるという事ですか?」

< ゚ _・゚>「どうだろうね…それは私には分からない…」

ギヌさんはそれだけ語ると、瞳を閉じ静かに物思いにふけり始める。
私は御主人様が好きだけど、そのせいで誰かに嫌われているのかなぁ…
でも、そうだとしても私は御主人様が大好きなのです…そんな私を嫌いにならないでください…

 
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:46:43.82 ID:fUOue+DP0
親、それは偉大な存在なのです…それをどんなに否定しても…。

('A`)「そう言えばさー、ギコの母ちゃんって今どこにいるん?」

(,,゚Д゚)「しらねー、3か月ぐらい前に知り合いが見かけたって言ってたけどなー」

('A`)「お前の母ちゃん美人だったもんなー」

川 ゚ -゚)「へー、ギコのお母さんって美人さんだったんだ…私はお母さんの顔見たことないからどんな人だったか分からないしなぁ」

私は子猫の頃に今の御主人様の家に貰われたらしいのだ。
御主人様が作っていたへんなミルクの味を今でもかすかに覚えている。

(´・ω・`)「でもクーちゃんのお母さんもきっと美人さんなんだろうな…」

川 ゚ -゚)「どうして?」

(´・ω・`)「クーちゃん美人だもの」

川*゚ -゚)「そう言われると照れるなぁ…」

('A`)「きっとクーたんが生む子供もかわいいんだろうなぁ…是非見てみたいねぇ」

川 ゚ -゚)「……お前の子供は産む気ないぞ」

('A`)「ひどいやひどいや!こんなにもクーたんが好きなのに」

川 ゚ -゚)「ドクオが私を好きになって皆に嫌われたら困るだろ?」

('A`)「誰かに嫌われることを恐れて恋愛が出来るわけないだろうに!」

 
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:47:29.69 ID:fUOue+DP0
川;゚ -゚)「おおぅ…何時になく重い事を言うのだな…」

('A`)「惚れた?」

川 ゚ -゚)「別に…ただ珍しくいい事を言ったなとは思った」

(´・ω・`)「ドクオにしちゃ珍しいよな…失言ばっかしかしないくせに」

(,,゚Д゚)「ドクオのくせにいい事言ったよな」

('A`)「お前らの中で俺っていったいなんなんだよ」

川 ゚ -゚)「ドクオはドクオじゃないのか?」

(´・ω・`)「いい事も悪い事も含めて君は君だと思うよ」

('A`)「お前ら…」

川 ゚ -゚)「でもお前の子供を産む気はないぞ」

('A`)「やだいやだい!クーたんとセックルするんだい!」

(´・ω・`)「残念だがクーちゃんは渡さない」

(,,゚Д゚)「ドクオにクーさんは不釣り会いだからな」

川;゚ -゚)「うーん…なんといういがみ合いだ…」

もし、私が誰かの子を身ごもってその子が親になる時その子は一体何を思うのだろうか…。
私は親を知らないが、感謝しています…私を産んでくれてありがとう…。顔もしらないお母さん。

 
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:48:38.71 ID:fUOue+DP0
お酒、私には縁がないもの…でも、たまには飲みたくなるものです。

(*^ω^)「ぶっひゃー、ビールうめぇお」

最近御主人様は家に帰ってくると、缶ビールなるものをよく飲んでいる。
近所にコンビニというのが出来てからは、酒盛りをする日が増えてきている。

(*^ω^)「つまみのにぼしもめっちゃうめぇお」

川 ゚ -゚)「私にもにぼしをくださいな」

(*^ω^)「あー超うめぇ!今度はチータラでも買ってくるかお」

空っぽになった煮干しの袋を放り投げる御主人様。
私は煮干しの袋になにか残っていないか頭を突っ込んでみる。

川*゚ -゚)「欠片を発見」

煮干しの頭部が一つ落ちていた…私はそれを食べると、ビールを飲んでいる御主人様の許へと向かう。

川;゚ -゚)「御主人様、もうそろそろ寝る時間ですが」

(*^ω^)「おっおっ、クーも飲みたいのかお?」

御主人様は、自分の手の平にビールを少し注ぐと、それを私の口の前へ差し出した。
私はそれの香りをかぎ、少しビールを舐めてみた。

川*゚ -゚)「なんかぽわぽわしてきたぞ」

この感じ…またたび?

 
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:52:19.96 ID:fUOue+DP0
久々にハインがたまり場へやってきた。けど…

川;゚ -゚)「は…ハイン?」

从 ゚)∀从「おっすクー」

('A`)「こんなに丸々肥えちゃって…わたしゃ悲しいです」

从;゚)∀从「言うな、これも全て飼い主が悪いんだ…俺を外に出してくれなかったからな」

(´・ω・`)「しっかし、これはすごいメタボだね…でぶにゃんの仲間入りしてるよ」

从;゚)∀从「うむ…この姿を見て飼い主も俺をようやく外へ出してくれたんだ…
       これからは運動をたくさんして元の体系に戻る様にするよ」

川 ゚ -゚)「それが一番だな、太ってると見栄えも悪くなるし…なにより暑苦しい」

从;゚)∀从「そうなんだよ〜熱が逃げにくくってさぁ…暑いのなんのって」

('A`)「よっしゃ、ハインを痩せさせるために強化合宿を開こうじゃないか…
   お前ら2〜3日帰れなくなるから覚悟しとけよ」

川;゚ -゚)「そんな事をしたら、家の御主人様が迷い猫ポスターを貼りそうだ」

从;゚)∀从「俺の飼い主もなー」

('A`)「んだよ…これだから飼い猫ってのは」

(´・ω・`)「喧嘩売ってんのかてめぇ」

 
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:55:44.44 ID:fUOue+DP0
('A`)「仕方ねぇ…他の案を考えるか」

从 ゚)∀从「おう!痩せる為にはどんな努力だってするぜ」

('A`)「ならマイクロダイエットに電話だな」

川;゚ -゚)「我々はにゃんこだ。無理に決まっているだろう」

('A`)「じゃあ…ビリーズブートキャンプしようぜ」

(´・ω・`)「クーちゃんも言ったが我々はにゃんこだ、どうやってやるんだ?」

('A`)「俺の友人のビリーを呼ぶから、そいつと一緒に運動だ」

川;゚ -゚)「なんと…外国人の知り合いがいるのか…すごいなぁ」

('∀`)「ふははは、伊達に野良はやっておらんよ」

('A`)「じゃあ、俺ビリーを呼んでくるから…明日ここでな」

从 ゚)∀从「おう!期待してるぞドクオ」

ドクオはそのままどこかへ行ってしまった。
彼の友人のビリーとは一体なんなのか…私はそれが気になりなかなか寝付けなかった。

川;゚ -゚)「そわそわそわ…」

(;^ω^)「今日は珍しく中々寝付かないお…」

川;゚ -゚)「あぁ…外国人ってどんな感じなのだろう…早く会いたいなぁ…」

 
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:59:02.52 ID:fUOue+DP0
外国人ってどんな人だろう…テレビでたまに出るような金髪の人なのかなぁ?

('A`)「あっあ…お集まりの諸君!紹介します…私の友人のビリーだ」

(#ФωФ)「誰がビリーだ!吾輩の名前はロマネスクだ」

('A`)「というわけだ、こいつが運動の指南をしてくれるぞ」

( ФωФ)「なるほど…ドックンが言っていただけあるな…これは見事なでぶにゃんだ」

从;゚)∀从「痩せる為ならなんでもするぞ!頼むロマネスクさん」

( ФωФ)「うむ…その前に…他に参加する人は誰かな?」

ロマネスクさんは私とギコ、ショボンを見るとにまりを微笑んだ。
外国人という話を聞いてどんな人が来るか楽しみにしていたが、結構普通のにゃんこだった。
しかも外国人じゃなかった…ドクオの嘘つき。

( ФωФ)「君達全員も参加するのだな…中々骨がある若者だ」

('A`)「お前だって若いだろ」

川;゚ -゚)「えっ?私達も参加するの?」

( ФωФ)「うむ…君のような可憐な娘にはキツイかも知れないが…
       これを乗り越え真の美と力というものを手に入れてもらいたい」

(;゚Д゚)「な…なんかすごそうだなぁ」

( ФωФ)「ふふふ…吾輩の訓練は辛いが、がんばって乗り切るのだ!」

 
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 01:59:38.03 ID:fUOue+DP0
強制的にロマネスクさんの訓練に参加させられた私達は、人間の大人の握り拳ほどはある石を背中に背負わされ
田んぼ道を走っている。途中ぬかるんだ場所に足が取られて私は転んでしまい、泥だらけになってしまった。

(#ФωФ)「ええい、どんくさい雌猫め!雌犬(ビッチ)と呼ばれたくなければもっときびきびと走らんか!」

川 ; -;)「はい…ロマネスクさん」

(#ФωФ)「喋る前に走れ雑魚め」

(;'A`)「ひぃふぅ…疲れた〜」

(#ФωФ)「口応えするなゴミめ!いいか…お前らは猫の皮を被ったネズミだ!
        この程度の初歩的な訓練で音を上げるとは情けないぞ!」

(;゙Д゚)「ぜえ…ぜえ…み…水をくれぇ」

(#ФωФ)「水だと!?自分の小便でも飲んでろ!」

(;TД゙)「鬼じゃー」

(#ФωФ)「おらおらおら!早く走れゴミ共め」

(´・ω・`;)「ひぃっ!これ以上進むと川に落ちてしまいますよ」

先頭を走っていたショボンが足を止める。
たしかに先は川になっていて、とてもじゃないがこのまま進む事は不可能だった。

(#ФωФ)「情けない奴らめ…あそこで遊んでいる人間の子供は溺れてもいないぞ!」

( ><)「水遊び楽しいんです!」

 
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 02:02:46.73 ID:fUOue+DP0
見ると少年はふくらはぎぐらいの所まで水につかっていた。
たしかに人間の子供なら溺れる深さではないが…私達は人間じゃない。

(#ФωФ)「くずどもめ…吾輩がお手本を見せてくれるわ!」

ロマネスクさんが川に飛び込んだ……石を背負ったまま。
案の定ロマネスクさんは溺れ、悲鳴を上げ始める。

(;ФωФ)「わっぷ!石が重い…助けてくれー!」

ロマネスクさんはそのまま子供の所にまで流され子供に救出されたのでした。

(#><)「誰がこんな酷い事を…許さないんです」

(*‘ω‘ *)「犯人を捕まえてとっちめてやるっぽ」

ロマネスクさんを抱きかかえた子供達はそのままどかへ向かってしまった。
残された私達は、ただ見ている事しかできなかった。

从;゚)∀从「おい…これからどうする?」

('A`)「疲れたからたまり場戻って休もうぜ」

川;゚ -゚)「賛成だ、足がもうパンパンだ」

(´・ω・`;)「ロマネスク君はどうするの?」

('A`)「ほっとけよ、そのうち帰ってくるって」

ドクオの言うとおり、たしかにロマネスクさんは数日後に帰ってきた。しかし…。

 
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 02:04:55.64 ID:fUOue+DP0
川;゚ -゚)(;'A`)从;゚∀从「…………」(´・ω・`;)(゚Д゚;)
          ↑痩せた
(;Ф)ωФ)「な…なんだお前達」

今度はロマネスクさんがでぶにゃんになってしまった…。

('A`)「あれまぁ…こんなぶくぶく太っちまって…どうすんだべか」

(;Ф)ωФ)「人間共の食い物が予想以上に美味くてなぁ…ついつい食べ過ぎてしまった」

(´・ω・`;)「こりゃダイエットしかないね…ロマネスク君」

(;Ф)ωФ)「適度な運動をしていればいずれ痩せるであろう」

('A`)「いいや、ロマネスク流ダイエット方法ですぐに痩せようぜ」

(;Ф)ωФ)「な…なにぃ!?」

从 ゚∀从「そりゃ名案だ、がんばれよーロマネスクー」

(;Ф)ωФ)「ちょ…ちょっとま(#'A`)「走れks!」

(;Ф)ωФ)「は…はい…」

ロマネスクさんはドクオに尻を蹴られながら、例の田んぼ道を走っていった。
石を背負ってない分楽だとは思うけど…。

(#'A`)「声を出せゴミめ!」

走っているのがロマネスクさん一人だから逆に辛そうだなぁ…

 
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 02:27:26.97 ID:fUOue+DP0
お母さん、お母さん、お母さん…私は貴方を知らない…。

( ^ω^)「だからね母ちゃん、ガソリンがめっちゃ高くてそっちいけないんだお」

(#^ω^)「電車で行ったらクーを連れてこれないって言ってるだろ!」

(#^ω^)「預かってもらえって簡単に言うけどな、そんな事できるわけねぇお!」

御主人様にはお母さんがいる、私は子猫だった時にしか会った事がないので
いまいち覚えてはいない…。

( 'ω`)「はぁ…帰りたいのはやまやまだお…でもガソリン高すぎなんだお…」

携帯電話を置いた御主人様は、冷蔵庫からビールを取り出すと
蓋を開けてぐびぐびと飲み始める。

( 'ω`)「ガソリンって…なんでこんなに高いんだお…」

御主人様は溜息をこぼし続ける。

( ^ω^)「あっそうだお!クーをカバンに入れて連れて行けばいいんだお!」

御主人様が立ち上がり、小さなバッグを持ってきた。
そしてその中に無理やり私を詰めようとする。

川 ; -;)「痛い、痛い!」

(;^ω^)「ご…ごめんだおクー」

 
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 02:28:16.86 ID:fUOue+DP0
御主人様はバッグをしまうと大きなため息をついた。

(;^ω^)「ああ…いまのでクーをきっと怒らせちまったお…」

もう二度とやらないでください御主人様…とても痛かったです。

( 'ω`)「あーどうすりゃいいんだお…大出血覚悟でいくしかねぇかお…」

御主人様は財布を取り出し、中に入っている紙幣を数えはじめた。

( 'ω`)「野口さん4枚…五百円玉が2枚…百円玉が4枚…五円玉が1枚…」

(;^ω^)「とてもじゃねぇが無理くせぇお…」

( 'ω`)「今年も母ちゃんには会えねぇのかお…」

御主人様には御母さんが居る。私にもいる…でも、私のお母さんはどこにいるのですか?

川 ゚ -゚)「…お母さん…か…」

私は溜息混じりに独り言をつぶやいてしまった。
何故だか恥ずかしくなり頬が赤くなってしまう…。

(;^ω^)「ちっくしょー…パソコンで預金無くなっちまったし…どうすりゃいいんだお」

悩んだ御主人様はそのまま考えこみ…

( ‐ω‐)「ぐー」

寝てしまいました。

 
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 02:32:30.14 ID:fUOue+DP0
縄張り…それは侵略してはならないもの…じゃあ、それがないとどうなるの?

('A`)「おい知ってるか?最近隣町の猫共がこの街に進出してきてるんだってさ」

(,,゚Д゚)「へぇ…穏やかじゃないな」

( ФωФ)「まったくだな…縄張りの範囲拡大という所かな?」

川 ゚ -゚)「そう言えば…ここって誰の縄張りなんだ?」

私はお地蔵さんの前にたち、みんなの顔を見回してみた。

(;゚Д゚)(;'A`)「……えーと……」

(´・ω・`)「僕の縄張りは家だからここは違うよ」

从 ゚∀从「俺もそうだぞ」

( ФωФ)「吾輩は最近きたばかりだから知らん」

川;゚ -゚)「ということは…ここは誰の縄張りでもないのか」

('A`)「あ、今決まったぞ…ここはクーの縄張りだ!」

川;゚ -゚)「えっ…私の?」

('A`)「うん…だって、一番いい場所取ってるだろ…縄張り主は偉いからそういう事していいんだぜ」

そういうものなのかなぁ…

 
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 02:49:14.30 ID:fUOue+DP0
だーれも考えてない事ってどんな事?

从 ゚∀从「あ、いま面白い事思いついた!」

('A`)「どんな事?」

从 ゚∀从「むかーしむかし、ある所にロマネスクとドクオがいました」

('A`)「なんで俺が出て来るんだよ」

从 ゚∀从「ロマネスクとドクオはたいそう愛し合っておりました…そしてめくるめく
      ガチムチ、クソミソワールドへ」

('A`)「っぱねぇな…」

从 ゚∀从「はーはっはっ…こんな事誰も考え付かなかったろ」

川;゚ -゚)「というか、そんな事誰も考えてなかったと思うぞ」

从 ゚∀从「それが凄いんじゃないか!」

川;゚ -゚)「そう…なのかなぁ?」

時々ハインって分からなくなる…
でも、本当にそんな事がおこったらどうなってしまうのだろうか…

('A`)「俺はクーたん以外愛せない」

起こり得ない事のような気がする。

 
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 02:58:49.68 ID:fUOue+DP0
私達はまだ子供なのかなぁ?

('A`)「ところでさー、お前らってどんな食べ物が一番好き?」

('A`)「俺はネズミとかバッタとかが好きだなぁ〜」

(,,゚Д゚)「俺は、たまに人間が用意してくれるカリカリって奴が好きだな」

川 ゚ -゚)「私は煮干しが好きだな…あと缶詰とか」

从 ゚∀从「あー、煮干しうまいよな〜」

('A`)「お前らそんなの食ってるのかよ…本当におこちゃまだよな」

('A`)「自然の中に生きる俺達の主な主食は虫やネズミだ…たまにGも食べるんだぜ」

(´・ω・`)「ごき食った事あるのかよ…えげつねぇなぁ」

('A`)「これだからお前らはお子様なんだ!なあギコ!」

(;゚Д゚)「俺もGは食った事ねぇぞ…」

('A`)「ブルータスお前もか…ロマネスクは?」

( ФωФ)「吾輩も食った事はない」

('A`)「……ガキめ…………クスン」

なんだか可哀想だ

 
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 03:06:47.21 ID:fUOue+DP0
御主人様は月曜日が嫌い…月曜日ってなあに?

( ^ω^)「明日は月曜かお…なんか憂鬱だお…」

カレンダーをめくっていた御主人様が溜息まじりに呟いた。
月曜というのは一体なんなんだろうか…私は興味がわきカレンダーを見ようと背伸びしてみた。

川;゚ -゚)「と…届かない…」

私にも御主人様と同じぐらの背が欲しいなぁ

( ^ω^)「はぁ〜今日は酒飲んで早く寝るにかぎるお〜」

床に座り込んだ御主人様はテレビのリモコンを手に取り野球をみ始める。

(#^ω^)「ちっくしょう、また虚人負けてるお…藩神つえーお…」

川;゚ -゚)「なんかすごい名前だなぁ…嘘人って」

(#^ω^)「そして明日は月曜だ…やるせねぇお」

月曜日ってそんなに嫌なものなんだ。
きっと月曜には悪い事が起きるに違いないんだ。
でも…他の月曜に悪い事おきたっけ?

( ^ω^)「はぁ…」

御主人様には起きてるのかなぁ?

 
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 03:14:59.82 ID:fUOue+DP0
花瓶、それは花を活ける道具

御主人様が花瓶なるものを買ってきた。
どうやらこの殺風景な部屋に彩を加えたいという企みがあるらしい…

(*^ω^)「ツンさんってどんな花が好きなのかお〜」

喜びながら花瓶を手に取り、布巾で磨いている御主人様
下心がこうも丸見えになると逆にすがすがしいです…。

(*^ω^)「バラを活けるのもよさそうだお…でもお花屋さんで売ってるセットもよさそうだお…」

花瓶を拭きながら淡々と独り言をつぶやく御主人様…
恋は盲目になると昔誰かが言ってたっけな…

< ゚ _・゚>「恋というのは人を盲目にする…しかし、それは決して悪い事ではない…
     何故なら恋をしたその人は幸せになるからね」

そうだギヌさんだ!
という事は今御主人様は幸せなのかぁ…

(*^ω^)「る〜るるる〜ツンさんと…ツンさんと……あふん」

なんかちょっと気持ち悪いです御主人様
幸せすぎるのも問題なんじゃないかなぁ…ギヌさん

(*^ω^)「あああ…ツンさんツンさんツンさんツンさんツンさん(略」

 
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 03:25:19.49 ID:fUOue+DP0
平凡な日常は望めば手に入れる事ができるのだろうか…

平凡な日常は必ずしも永遠に続くのだろうか…

願いましょう…祈りましょう…平凡なのが一番です、他には何も要りません…

( ^ω^)「ところでこの話、どうも次回へ続くらしいお」

川;゚ -゚)「な、なんと…」

( ^ω^)「こういう平凡ネタで作者がまだまだ書きたい事があるらしいんだお」

('A`)「1レス形式だけど、これはこれでいい物があるって作者が思ったらしいんだ」

( ^ω^)('A`)(,,゚Д゚)从 ゚∀从ξ゚?゚)ξ「という事で」(ФωФ )(・ω・`)(>< )(*‘ω‘ *)

川 ゚ -゚)「次回に続くんじゃないかなぁ…」

 
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 04:01:37.22 ID:fUOue+DP0
とりあえず今回出てきた人達

川 ゚ -゚) クー  最初に比べると随分幼くなった人ですね

( ^ω^) 御主人様  現実的な事を言う人、ガソリン高いですよね

ξ゚?゚)ξ ツン  御近所さん、たまに( ^ω^)の家に遊びっていっています。
            彼が好きという感情を抱いているのは分かっているのでしょうか

(´・ω・`) ショボン  最近こういう人をあまり見ない気がします。

('A`) ドクオ  猫ってゴキブリ食べるんですよねぇ、たまに枕もとにGの足が落ちてたりするんですよ…

从 ゚∀从 ハイン  犬と戦って勝っているらしいですね、彼女ならどんな相手にでも向いそうですね。

(,,゚Д゚) ギコ  顔は怖そうだけど、根はとても優しい人って結構いますよね。

( ФωФ) ロマネスク  口調は偉そうな感じがしますが、態度は決して偉そうではない人ですね。たまにこんな人を見かけます。
                吾輩とは言いませんがねw

( ><) ビロード  子供の頃って猫によく嫌われたものです…触りすぎはよくないですよね

(*‘ω‘ *) ちんぽっぽ  小さい頃って異性でも気にせずよく遊んだものです。
                何時から遊ばなくなってしまったのでしょうかねぇ…

< ゚ _・゚> ギヌ  色々と悟っている人です、こういう人には幾つになっても憧れてしまいますね。

 

TOP 目次へ 次へ