川 ゚ -゚)はにゃんこのようです

6 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:22:42.70 ID:B+iDF70L0
注意*このお話はSF(少し不思議な)お話です。

今回の主な登場人物

川 ゚ -゚) クー
彼女は御主人様が大好きだ。
その感情は恋愛にも似てるところがある。
小さな女の子が父親のお嫁さんになると言うのと似てるかも知れない。

ハハ ロ -ロ)ハ&ζ(゚ー゚*ζ ハロー&デレ
デレはチョコを食べても中毒をおこさない。
元が人間だから平気なのでしょうか?教えてくださいハローさん

( ^ω^) ブーン
猫というのはたまに一日二日帰ってこないものです。
それでも猫を探しにいく彼は、クーが大好きなのでしょうね。
家出した娘を心配する父親に似てるかも知れない。

 
8 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:23:40.10 ID:B+iDF70L0
从 ゚∀从 ハイン
彼女はとっても物知りだ、でもその知識が少しズレてても
彼女の気迫で力説されれば、信じてしまうかもしれない。
まるで政治家のような感じだ。

< ゚ _・゚> ギヌ
彼は日夜、様々な事を考えている。
それはまるで一種の哲学なのかもしれない。
けれど、その哲学を語らないのもギヌさんなのだ。

('A`) ドクオ
彼はクーが大好きだ。
その感情は完全に恋愛対象としてだ。
その姿はまるで、僕は××ちゃんをお嫁にするんだ!と力説する小さな男の子のようだ。

(*゚ー゚) ギコのお母さん
こういう人と一緒にいると、色々と愉快な体験をしそうです。
けれど、その楽しさの倍は疲れそうです。


 
9 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:24:33.06 ID:B+iDF70L0
猫は眠る。

ζ(゚ー゚;ζ「博士…この子どうしましょうか」

ハハ ロ -ロ)ハ「うむー、病院に連れていくか…それとも様子を見るか…」

ζ(゚ー゚;ζ「この子がかぶった薬品が分かりませんし、ここは様子を見たほうが」

ハハ ロ -ロ)ハ「じゃあそうするか」

オニギリを頬張りながら答えるハロー、その目線の先にはタオルに包まれ
静かに寝息をたてるクーがいる。

ζ(゚ー゚*ζ「この子リボン付けてますし、飼い猫ですね」

ハハ ロ -ロ)ハ「だが、野良にリボンをつけただけなのかもしれないな」

そう言うとハローは、眠っているクーの頬をやさしくさする。
するとクーは、「にゅぅ…」という切ない声を出す。

ハハ ロ -ロ)ハ「寝言か?」

ζ(゚ー゚*ζ「ですね、お母さんと言ってましたよ」

ハハ ロ -ロ)ハ「母親の夢でも見ているのだろう…まあ、しばらくそっとしておいてやろう」

ζ(゚ー゚;ζ「薬品の害に会ってなければいいのですが」

ハハ ロ -ロ)ハ「ほとんどの薬品は混ぜてないから無毒なのだが…一部少し有毒な奴もあった気がする」

 
10 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:25:49.20 ID:B+iDF70L0
ハローの言葉に心配になったデレは、クーの頬をやさしく撫でる。
閉じられた瞼は開く事がなく、ただすやすやと静かに寝息をたてているだけだった。

ハハ ロ -ロ)ハ「そろそろ、夕方か…」

オニギリの袋をゴミ箱にいれると、ハローは立ち上がり部屋のカーテンを閉める。
そのまま部屋の明かりをつけると、テレビをつける。

ハハ ロ -ロ)ハ「うーむ…デレのようになにか障害を負ってなければいいのだが」

ζ(゚ー゚*ζ「そうですね、仮にこの子が飼い猫だったら大変な騒ぎになってそうですし」

ハハ ロ -ロ)ハ「うむ…器物損害罪で賠償金ものだ」

ζ(゚ー゚*ζ「それにしても、この子はどこから入ってきたのでしょうか」

ハハ ロ -ロ)ハ「部屋の窓を開けっ放しにした奴がいるらしくてな、そこから入ってきたらしい」

ζ(;ー;*ζ「ごめんなさい…ハロー博士」

ハハ ロ -ロ)ハ「おk、許そう」

テレビのチャンネルをかちかちと変えるハロー、やってる番組はどれも彼女の興味をひくものはなく
天気予報の終わったニュース番組を切り替えるとテレビの電源を切る。

ハハ ロ -ロ)ハ「あー、最近のテレビは本当につまらんね」

 
11 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:26:26.28 ID:B+iDF70L0
夜7時半、その日とある一軒の家では一人の男が泣いていた。

( ;ω;)「うおーん!クーがどっかにいっちまったよお〜」

普段、暗くなる前には必ず帰ってくるクーだが、この日だけは帰って来ない。
家の中を探してみたが、クーらしき気配はなく、男はただ一人うろうろしていた。

( ;ω;)「クー、出てきておくれだお〜…大好きな煮干しもやるから早く出てきておくれお〜」

再度家の中を探して回るが、やはり反応はない。
男は家の外に出ると隣の家へと向かい、インターホンを押す。

ξ ゚?゚)ξ「はい…」

ξ;゚?゚)ξ「ぶ…ブーンさんどうしたんですか!?」

ツンの目の前にいたブーンは、涙で頬を真っ赤に腫れさせたブーンだった。
一方、ブーンの瞳に映るツンの姿は、運動着の短パンとTシャツ、そしてハチマキを額に巻いていた。
そして、家の奥から時折「ワンモアセッ!」という声が聞こえる。

 
12 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:27:37.44 ID:B+iDF70L0
( ;ω;)「家のクーがお邪魔してないかお?」

ξ ゚?゚)ξ「いないけど…クーちゃん居なくなったの?」

( ;ω;)「そうなんだお…いつもならこの時間帯には必ず帰ってたのに、今日だけは帰ってないんだお」

ξ ゚?゚)ξ「分かったわ!私も探してみるからブーンさんもがんばってね」

(*;ω;)「おっおっ…ありがとうだおツンさん」

ツンの家を後にするブーン、次に向かったのは最近近所に越してきたハローの家
家の前にたどりついたブーンは、インターホンを押し、鼻をかむ。

ハハ ロ -ロ)ハ「はいはい、なにかご用ですか?」

ハハ;ロ -ロ)ハ「わ、わっつはっぷん?」

玄関に出たとたんにハローもツンと同じような反応をする。

( ;ω;)「家のクーがお邪魔してませんかお?」

ハハ;ロ -ロ)ハ「クー?はて…」

 
13 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:29:05.65 ID:B+iDF70L0
( ;ω;)「これぐらいのちっこい猫なんですお…首にはピンク色のリボンを巻いてますお」

ハハ;ロ -ロ)ハ「なるほど…ん?」

ハローの脳裏に一匹の猫がよぎる。

ハハ;ロ -ロ)ハ「あー、たぶんお宅の猫だとは思うのですが…一応一匹程こちらで預かっている猫が」

( ;ω;)「ほ、本当かお!?」

ハハ ロ -ロ)ハ「とりあえずついてきてください」

ハローに招かれ、家の中に入るブーン。
不思議な外見の家とは裏腹に、家の中は案外普通で、意外と狭かった。

ハハ ロ -ロ)ハ「えーと、この猫ですかね?」

ハローが手渡した猫は、タオルに包まれ眠っているが間違いなくクーだった。

( ;ω;)「勝手にお邪魔してて申し訳ないお」

ハハ;ロ -ロ)ハ「まあ、それはいいんですけどね」

 
14 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:31:00.31 ID:B+iDF70L0
ブーンの腕の中で眠る猫は、先ほどからどんなに荒く揺らしても目覚める事がなかった。
デレいわく、とても酷い悪夢を見ているとのことで。
それがハローにとって心配だった。

( ;ω;)「さあクー…おきるんだお!クー!」

ゆさゆさとクーを揺らすブーン。
一方のクーは、それでも目を覚ます事無く、昏々と眠り続けている。

ハハ;ロ -ロ)ハ「あ、あんまり揺らさない方が」

( ^ω^)「大丈夫だお、クーが赤ん坊のころはこうして起こしたもんだお」

再度ゆさゆさと腕を揺らすブーン。
口からは、絶えずクーと呼び続けていた。

 
15 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:31:43.66 ID:B+iDF70L0
クー…クー…起きるんだおクー。

誰かの声が聞こえる。
最初に聞こえた声とは違う声…
でも、この声を私はとてもよく知っている。

クー、早く目を覚ますんだお

えーと、誰だろう…よく思い出せないの…
とてもとても大切な人だというのは覚えてるのだけれど…。

 
17 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:33:36.55 ID:B+iDF70L0
( ^ω^)「クー…どうしたんだお、なんで起きてくれないんだお」

ハハ;ロ -ロ)ハ「やはり薬害が…」

( ;ω;)「クー!起きるんだお!」

ブーンが必死にクーを揺らしていると、ハローの家のインターホンが押され、ハローが向かってゆく。

ハハ ロ -ロ)ハ「ワッツ?」

ξ;゚?゚)ξ「ブーンさんはどこ!?まだ出てこないから何かあったのかと」

川;д川「もしかして猫を口実に、あんなことやこんなことを!?」

ハハ;ロ -ロ)ハ「誤解しないでくれ、ブーンさんなら私の部屋にいるが」

ξ;゚?゚)ξ「勝手にあがらせてもらうわよ!」

ハインを抱いたツンが、家の中に上がりこむと
同時に、ドクオを抱いた女性も家の中に入る。
その強引さに肩をすくめるハローだが、扉をしめ鍵をかけると自分も部屋へと向かう。

 
19 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:36:48.22 ID:B+iDF70L0
クー!寝てちゃダメだお!おきるんだお!

でも、とってもとっても眠いの…それに、とっても懐かしい声が聞こえるの。
もっともっと、この声を聞いていたいの…

クー…起きておくれお…

おいクー!起きろよクー!
クーたん!おきろよクーたん!

この声は…私はこの二人の声を知ってる…

クーたん!一緒に結婚するって約束したんだろ!起きろよクーたん

いや、結婚の約束とかしてないし…
そうだ…こんな馴れ馴れしい事を言うのは……えーと、思いだせないや。

クー!起きろお!約束を破るのかお!?

やくそく?

 
20 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:37:28.95 ID:B+iDF70L0
約束、それは他人と他人が結ぶ、決して破ってはならない誓いの事。

J( 'ー`)し「ほらブーン、猫を貰って来たわよ、クーちゃんて言うのよ」

(*^ω^)「とってもかわいいお!」

J( 'ー`)し「あらあら、思いっきり抱きしめちゃダメよ、その子まだ生まれて間もないんだから」

(*^ω^)「わかってるお!」

川 ゚ -゚)「むぎゅー」

(*^ω^)「とってもかわいいお、よーしよしよし」

川*゚ -゚)「くすぐたーい」

(*^ω^)「おっおっ、喜んでるのかお?」

男は子猫を優しく撫でる。
それに応えるかのように、子猫はちいさく「ミィ…」と鳴く。

(*^ω^)「クー、約束だおー!僕と君は天寿を全うするまで生きるんだお!」

川 ゚ -゚)「てんじゅー?まっとー?」

(*^ω^)「約束だお」

J( 'ー`)し「まあまあ、そんな約束するなんて、よっぽどその猫が気に行ったのね」

川 ゚ -゚)「やくそーく、やくそーく」

 
21 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:39:18.75 ID:B+iDF70L0
ああ…そうだ、私は…

約束したんだ…御主人様と…

そうだ、私はこんな所で寝ていられないや。

ドクオ、ハイン…御主人様…心配かけてごめんね。

 
22 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:41:42.49 ID:B+iDF70L0
川 ゚ -゚)「ん…おはよう皆」

( ;ω;)「クー!!」

(;A;)「クーたああああああん!」

从 ;∀从「クーーー!!」

川;゚ -゚)「わ…わぁ、なんか沢山人がいるなぁ」

从 ;∀从「馬鹿野郎、心配したんだぞ!」

川 ゚ -゚)「あっそうだ、ドクオ!お前が言ってた人間と会話する猫を見つけたぞ!」

私は体を起こし、御主人様の腕の中から飛び出すと、ツンさんの近くにいた猫を指さす。

('A`)「え、本当?」

ζ(゚ー゚;ζ「……」

('A`)「あー!そうだよこの猫だよ!人間と会話してたの」

从 ゚∀从「え、マジなの?ネタじゃないの?」

ζ(゚ー゚;ζ「……」

 
23 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:42:31.16 ID:B+iDF70L0
私の目の前にいる猫は、顔じゅうに汗をびっしりとかき、口をもごもごと動かしていた。

('A`)「なんとか言えよー、黙ってたらわかんねぇぞ」

ζ(゚〜゚;ζ「もごもご」

やはり目の前の猫は口をもごもごさせている。
何かを言いたそうなのだが、言う事ができない、そんな状態だった。

从 ゚∀从「人間と会話できるならしてくれよー」

川;゚ -゚)「おっかしいなぁ…あの人と一緒の時には喋ってたのになぁ」

('A`)「期間限定なの?」

dζ(゚〜゚;ζb「……」

身振り手振りで何かを始める。
正直何をやってるのかわ分からなかったが、なんとなく今は喋れない
という事を伝えようとしてるんじゃないかなぁ?

 
24 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:45:21.58 ID:B+iDF70L0
ζ(゚〜゚;ζ「ふ…ふみぃ」

('A`)「ふみぃ?なんかの暗号かしら」

从 ゚∀从「さあ…分からんわ」

川;゚ -゚)「ひょっとして、今は喋れないんじゃないかなぁ?」

ζ(゚〜゚;ζ コクコクコク

('A`)「まじか…なんかがっかりだ」

从;゚∀从「まさか本当にいたとは…疑ってごめんなドクオ」

('A`)「ふっ、言っただろ?俺は狼少年ではないと」

川;゚ -゚)「そうえいばそんな事ショボンが言ってたな」

('∀`)「狼少年はあいつのほうだったな」

ニパァと満面の笑みを浮かべるドクオ、残念だけどちょっと気持ち悪い。

 
25 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:45:50.99 ID:B+iDF70L0
川д川「それにしても良かったですねぇ、クーちゃん目を覚まして」

(;^ω^)「一時はどうなることかと思ったお…迷惑かけて御免だお貞子ちゃん、ツンさん」

ξ ゚?゚)ξ「お隣さんだもの気にしなくていいわよ」

ハハ;ロ -ロ)ハ「盛り上がってるところすまないが、君達はずっとここにいる気か?」

(;^ω^)「あっ、もう9時かお!?夕食喰ってねぇお」

ξ ゚?゚)ξ「じゃあ家に来てよ!御馳走するわよ」

ハハ*ロ -ロ)ハ川*д川(*^ω^)「まじ?」

ξ;゚?゚)ξ「え…えぇ…ごちそう…するわ…」

川 ゚ -゚)「どうやら帰るらしいな」

从 ゚∀从「家の御主人様が飯つくんのかー」

('A`)「うまいもん食えるといいなぁ」

 
26 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:48:00.85 ID:B+iDF70L0
ブーン一向がハローの家を後にしツンの家へと向かった頃。

ζ(゚ー゚;ζ「おいてかれちゃった…でも、よかったかも知れないなぁ」

ζ(゚ー゚;ζ「他の人の前で喋ったら、ハロー博士が大変な目にあっちゃうかも知れないし」

ζ(゚ー゚*ζ「さて…今日は何を食べようかな?たしかカリカリが残ってたような…」

部屋の隅に置いてある戸棚を開けるデレ、その中には丸まった袋の中に
カリカリと呼ばれるドライフードが置いてあった。
それを器用に手に取り、器に盛ってゆく。

ζ(゚ー゚*ζ「さて、いただきまーす」

デレの夜はまだまだ続く。

 
27 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:48:46.20 ID:B+iDF70L0
母、それは偉大なる存在。だって、私達をこの世界に生み出してくれたんだもの。

クー、おはよう…

川 ゚ -゚)「おはよう…ねぇ、貴方は私のお母さんですよね」

クー、今日はいい天気ね

川 ゚ -゚)「お母さん、私はとても元気です。
     周りの人間や猫も、とても優しくてとってもいい人です」

クー、おやすみなさい

川 ゚ -゚)「だから、今度は声だけじゃなくて、実際に貴方と会いたいです…」

お母さん、大きくなった私の姿を見てください。

だから、その時まで待っていてください…

川 ゚ー゚)「御休みなさい…お母さん…」

 
29 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:53:16.16 ID:B+iDF70L0
あの一件で、御主人様は私をお外に出してくれなくなった。
けど、ようやく外出できるようになり、私はたまり場に向かったのだ。

川 ゚ -゚)「やあやあ諸君、久しぶりだー」

('A`)「おひさー」

(´・ω・`)「久しぶり、話しは聞いたよ」

川 ゚ -゚)「うむ、心配かけたようですまないな」

( ФωФ)「まあ、元気そうでなによりだな」

川*゚ -゚)「当り前じゃないか、子供は風の子なんだぞ」

('A`)「かぜのこ?カズノコの知り合いか?」

(´・ω・`)「馬鹿だな、かぜのこはつちのこの関係者だよ」

(,,゚Д゚)「なるほど反属性だな、土のこ、風のこ、水のこ、火のこってわけか」

川;゚ -゚)「そんなに沢山あるのか」

( ФωФ)「まてまて、ツチノコは蛇の事だぞ」

(;'A`)「なにぃ!?じゃあかぜのこはやっぱりカズノコの親戚なのか?」

(´・ω・`)「ばっか、かぜのことは人間を現して、みずのこは猫だひのこは犬っていう定義しらんのか?」

 
30 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:53:53.43 ID:B+iDF70L0
从 ゚∀从「おいすー、なんの話してんだおめぇら」

(´・ω・`)「いあちょっと、かぜのこについて話し合いを」

从 ゚∀从「ああ、子供は風の子な」

('A`)「ツチノコは蛇で人間はかぜのこ、ひのこは犬で俺らはみずのこというらしい」

从 ゚∀从「あ?なんぞそれ」

川;゚ -゚)「いや、ショボンから聞いた話なのだが」

(´・ω・`)「僕は違う野良猫から聞いたけど」

从 ゚∀从「おめぇらな、風の子ってのは生まれたカズノコに使う言葉だよ!
      カズノコは卵の塊!んで風の子ってのは、生まれたカズノコのように風のように元気に生きろって意味だよ!」

( ФωФ)「なるほど、だから子供は風の子というのか」

(,,゚Д゚)「すげーなハイン…おまえ物知りだなー」

从 ゚∀从「えっへん!凄いだろう」

今日はハインの知識の深さに驚いた。
私もいつかハインみたいに物知りだなーって言われたいなぁ

 
31 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 01:56:58.19 ID:B+iDF70L0
縄張り、それはその人がそこの持ち主という証明

从 ゚∀从「なー、そういやここの縄張り主ってクーだろ?」

('A`)「ああ、一応そういう事になってるけど」

( ФωФ)「うむ、お地蔵さんの横の石はクーの指定席だからな」

从 ゚∀从「最近、ギヌさんから聞いたんだけどさー、隣町の野良猫が縄張り拡大してて
      このへんにも姿表すようになったんだとさ」

(,,゚Д゚)「ああそうなの…ていうかこんな所、縄張りというよりただのたまり場だしな」

('A`)「ぶっちゃけ誰の持ち物でもねぇしな」

从 ゚∀从「それもそうかー、じゃあ他の野良猫きても平気だなー」

('A`)「むしろ、こんな所欲しがる奴いんのかよ…だってここは」

( ><)「あっ!ちんぽっぽちゃん!にゃんにゃんとそのお友達がいるんです!」

(*‘ω‘ *)「ほんとだっぽ、にゃんにゃんおいでおいでだっぽ」

('A`)「このように人間の子供がやたら来る所だからな」

ビロードに抱きあげられたドクオが、非常に不快そうな顔をして撫でられながら答える。

从 ゚∀从「縄張りってむずかしーな」

('A`)「そんなもんだ…いちち、もっと優しくなでろよ」

 
32 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:02:41.44 ID:B+iDF70L0
それはそれはとても綺麗なお姉さんでした。

冬、雪がちらほらと降る中、何時ものように私とドクオ、ギコはおしくらまんじゅうに精を出していました。

川;゚ -゚)「ぶるぶる、なんでお前らはこうも冷たいんだ」

('A`)「クーたんが暖か過ぎるんだよ」

(,,゚Д゚)「そうそう」

ドクオとギコに抱き締められるような形で挟まれた私は、頭の上に乗っかった雪を払い、くしゃみを一つ。

「あらあら、風邪ですか?健康には気をつけたほうが良いですよ」

突然、声が聞こえ私達は声の方を向いた。
そこには雪のように真っ白な毛並みをした猫がちょこんと座っていた。

('A`)「誰だあんた?」

(*´ー`)「名乗るほどの者ではございませんが、私はモナーと申します、隣町からやってきた者です」

(,,゚Д゚)「へー、隣町ね」

(*´ー`)「ええ、知人の話ではこちらは田園風景がとても美しいと聞いて、やってきたのです」

川 ゚ -゚)「でも、今は冬だけど…稲刈りが終わって、もう何も見るものないよ」

(*´∀`)「そうですね、でも…この町の風景はとても綺麗ですよ、私の住んでいた町はこういう風景はありませんでしたから」

(,,゚Д゚)「そうか、俺達見慣れちまったしなぁ、見慣れてないあんたには綺麗に見えるんだろうな」

 
33 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:03:10.23 ID:B+iDF70L0
川 ゚ -゚)「でも、モナーさんが言うの少し分かる気がするなぁ…」

川 ゚ー゚)「だって、秋の夕焼けの光に刈り入れ前の稲穂の海が照らされて、とっても綺麗だったし」

('A`)「あー、ありゃ綺麗だよなー」

(*´∀`)「それは是非とも拝見したいものですね」

川 ゚ -゚)「でも秋限定なんだけどね」

(,,゚Д゚)「なあ、あんたも暇ならおしくらまんじゅうしてかねぇか?」

(*´∀`)「私なんかが参加してもよろしいのですか?」

('A`)「人数が増えてこそのおしくらまんじゅうよ」

川;゚ -゚)「こいつら冷たいから気を付けてね」

(;´∀`)「私も冷たいので…逆に迷惑をかけるかもしれませんが」

おしくらまんじゅうが開始される。
モナーさんが言ってた通り、モナーさんもとても冷たかったが。
その日はなんだがとても楽しかった。

おしくらまんじゅうを続けモナーさんはお礼を言って街中へ向かった。
その後ろを姿を、ドクオとギコに抱き締められる形で眺めていると
私の目の前を雪が通過し、地面へと落ちる。

今年も、御主人様は雪かきに大忙しになるんだろうなぁ

 
34 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:05:30.88 ID:B+iDF70L0
銀色銀色、真っ白真っ白まっしろしろ

川*゚ -゚)「うわー、真っ白だぁ」

それは朝起きた時の事だった。
寝床から起き出して居間へと行き、ガラス窓から外を見ると、辺り一面は雪景色だった。

川 ゚ -゚)「今年も一杯つもってるなぁ」

私がガラス窓に張り付いていると、御主人様がパジャマ姿で現れ、ストーブをつける。

(;^ω^)「げぇ!雪つもってんのかお…洒落にならんお」

御主人様は急いで服を着替えると、雪かき用のスコップを持って外へと飛び出す。

(;^ω^)「あー、結構つもってるお…」

長靴をはいた御主人様がけんめいに雪かきを開始する。

川*゚ -゚)「よぉし、私も雪で遊ぼう」

玄関の猫用出口から出た私は、御主人様の許に向かおうと第一歩を踏み出した

川;゚ -゚)「ひゃっ!?」

はずだった。
今年は予想以上に雪が積もっていて、始めの第一歩で私の半身が埋もれてしまった。

川;゚ -゚)「助けて御主人様ー」

 
35 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:05:58.69 ID:B+iDF70L0
(;^ω^)「お?クーの声がするお…どこだお?」

御主人様が振り向く

(;^ω^)「ぶほっ、なんでこんな所にクーが埋まってるんだお」

雪に半身が埋もれ身動きが取れなくなった私を御主人様は掬いあげてくれた。
そのまま体についた雪を払ってくれると、御主人様は私を玄関に置き、雪かきを再開する。

(;^ω^)「まったく今年の雪はいつもより多いお…」

ザッ!
雪かきをする時に、必ずと言っていいほど耳にするいつもの音が響く。
雪が沢山乗ったスコップを持った御主人様が、雪を捨てようとスコップを持ち上げた。

(;^ω^)「へっ…へっ…」

(;'ω`)「ぶぇっくしょん!!」

刹那、雪の塊が私めがけて飛んでくる。
突然の事に私はなにもできず、雪の塊に埋もれてしまった。

(;^ω^)「クーーー!!」

すぐに御主人様に掘りだされた私。
そして…

川;゙ -゙)「くしゅん!」

くしゃみをひとぉつ

 
37 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:09:21.19 ID:B+iDF70L0
犬と人と餌と

私はギヌ、犬である。
世の中には犬種なるものがあるが、生憎と私はただの雑種だ。

< ゚ _・゚>「やれやれ…今日も食事の時間に食事は出ずか…」

私を飼っている一家…名を流石一家といい、結構な大家族である。

l从・∀・ノ!リ人「ギヌー、遅れて御免なのじゃー!ご飯もってきたのじゃ〜」

この子は妹者、一家の末娘。

l从^∀^ノ!リ人「お食べなのじゃ」

私は彼女が持ってきた器に乗った食事を食べ始める。

l从・∀・ノ!リ人「よしよしなのじゃ」

食事をする私の背中をさする彼女、彼女が私の食事を持ってくる時
必ず彼女は私が食事が終わるまでの過程を見つめる。

l从・∀・ノ!リ人「おいしかったのじゃ?」

そして食事が終わると必ずこう聞いてくる。
だから私は

< ゚ _・゚>「美味でした」 (わん!)

と答えるのだ。

 
38 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:09:57.98 ID:B+iDF70L0
仕事?そりゃ忙しいお、でも家に帰ってクーの顔を見るだけで疲れなんか吹っ飛ぶんだお

川д川「ブーンさーん、こっちの書類終わったら届けてくださーい」

( ^ω^)「あいあい、了解したお貞子ちゃん」

書類を受け取ったブーンは、すぐにそれに目を通すと軽く文字を記入する。
そして、もう一度文字に目を通すと、貞子にその書類を渡す。

川д川「ありがとうございます」

( ^ω^)「他に書類はないかお?」

川д川「はい大丈夫です」

渡された書類に目を通す貞子

( ^ω^)「そろそろ仕事は終わりかお…そんじゃ先に上がらせて貰うお」

川д川「お疲れさまでーす」

同僚と貞子の声を背に、ブーンはスーツの上着を鞄と一緒に抱えると、務めている事務所の出入り口から出る。
そして、そのまま階段を降り、駅へと向かう。

この辺は過疎という二文字が似合う場所で、電車の数も少なく、一本乗り遅れると30分も次の電車を待たなければならない。
そのため、あの事務所で働く人達は時間とタイミングを見計らって帰るのだ。

電車に乗り15分程揺られると、ブーンの住んでいる町につく、ここから歩いて5分の所にブーンの家は存在する。
さらにもう5分近く歩いて、墓場の近くを通ると貞子の家がある。

 
40 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:13:01.62 ID:B+iDF70L0
( ^ω^)「そういや、クーに煮干しでも買って帰ろうかお」

駅付近のコンビニの前で少し考え込むブーン。
しばらく考えた後、彼はコンビニの中に入り、つまみコーナーを見る。

( ^ω^)「二袋買ってけばいいかお」

ブーンがカゴの中に煮干しの袋を入れ、弁当やパンのコーナーに移ると、そこに見慣れた人がいた。

ハハ ロ -ロ)ハ「おや、こんばんわ」

( ^ω^)「こんばんわですお」

見るとハローは、ペペロンチーノと野菜を片手にパンを見ていた。

ハハ ロ -ロ)ハ「まあデレにはこれでいいか」

そう言ってハローがとったのはチョココロネ

( ^ω^)「デレってお宅の猫の事ですかお?」

ハハ ロ -ロ)ハ「ん?ああ、あいつはチョコ好きだからな…」

(;^ω^)「ち、中毒おこしたりしませんかお!?」

ハハ ロ -ロ)ハ「あいつは平気だ、酢の物は食べないが」

(;^ω^)「そ、そうなんですかお」

 
41 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:13:36.08 ID:B+iDF70L0
会計に並ぶハローとブーン、順番が来るまで、お互い他愛のない雑談をしていた。

ハハ ロ -ロ)ハ「うむ…最近どうも眼鏡の調子が悪くてな…そろそろ買い替え時じゃないのかとは思うが」

( ^ω^)「そうなんですかお、でも眼鏡を取ったハローさんなんて見たことないですお」

ハハ ロ -ロ)ハ「ふむ…」

ハハ ゚ -゚)ハ「こんな感じですが」

眼鏡を取るハロー
想像以上にかわいらしい顔をしていたが、すぐにハローは眼鏡をかけてしまう。

(*^ω^)「めっちゃ美人さんですお」

ハハ ロ -ロ)ハ「別に美人だろうとブスだろうと、私にはそんな事関係ないですけどね」

会計を終えたハローは、ブーンに手を振るとコンビニを先に後にする。
ブーンも会計を終えると、そのまま家へとまっすぐ向かう。

その途中、夜空を見上げるブーン

( ^ω^)「今日は、星がとっても綺麗だお」

輝く星を見つめた彼は、そのまま家へと帰り、家の扉を開ける。

(*^ω^)「ただいまだお、クー」

彼の声に、ピンク色のリボンを巻いた猫が「ミー」と一言、呟くように鳴いた。

 
42 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:17:39.57 ID:B+iDF70L0
誰かを好きになる…でも、好きって感情には幾つかの種類あるらしいのだ

(´・ω・`)「突然ですが、クーちゃんとハインに質問」

いつものたまり場でごろごろしていた時、突然ショボンが質問をしてきた。

(´・ω・`)「ぶっちゃけ、ここの中にいる連中の中で誰が一番好きよ」

从 ゚∀从「好きねー、消去法でいけば、お前かロマネスクかなー」

(*´・ω・`)「クーちゃんは?」

川 ゚ -゚)「私は皆好きだけど…誰が一番とかは決めにくいなぁ」

(,,゚Д゚)「その好きじゃなくて、誰を恋愛対象にできるか?っていう意味の好きだと思うけど」

川 ゚ -゚)「好きは好きじゃないのか?」

('A`)「違うよ、好きには種類あるんだよ、俺やクーたんが飼い主を好きだと思うのと、
   俺達の中で誰を恋愛対象にするかの好きっていうのがあるんだ」

川 ゚ -゚)「よく分からんな…とりあえず、私がお前達全員を好きって思ってるのと、誰か個人を好きになるのとは
     違うってことなのかな?」

('A`)「まーそんなとこ…でっ、誰がクーたんの好みなの?」

川 ゚ -゚)「うーん…しいて言うなら…ハイン?」

从*゚∀从「ク…クー!駄目だぞ…俺達はその…女同士なんだから…で、でもクーがそうしたいって言うなら…」

 
44 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:18:11.34 ID:B+iDF70L0
(´・ω・`)「いや、あのねクーちゃん…たぶん君がハインを好きっていう意味は
      尊敬とかそのへんが込められた好きなんじゃないのかい?」

川 ゚ -゚)「うん、ハインは色々知ってるし大好きだよ」

从*゚∀从「嬉しい事言ってくれるじゃないの…俺、攻められるの好きじゃないけど、クーなら…」

(*'A`)「うはっwww百合プレイっすかwwwそれもそれでいいなwww」

(*゚Д゚)「今日のオカズは決まったな」

(;ФωФ)「この変態どもめ」

(´・ω・`)「話戻すけど、僕の言ってる好きはね、こいつの子なら産んでもいいよっていう好きだよ」

从;゚∀从「なにぃ!?そんな意味の好きだったのか?」

(´・ω・`)「うんそうだけど」

从 ゚∀从「てゆーかさ、お前ら俺より弱いじゃん…なんでそいつらの子なんか産まなきゃならねぇんだよ」

(;´・ω・`)「か、返す言葉もない…」

川 ゚ -゚)「そうだなー、私は御主人様みたいな人の子なら産んでもいいかなー?」

(;ФωФ)「クーの御主人様ってどういう人なのだ?」

从 ゚∀从「なんか少しメタボってて、語尾におをつけるにやけ顔の男だな」

 
45 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:21:49.36 ID:B+iDF70L0
('A`)「御主人様のような人って具体的にどんな人よ?」

川 ゚ -゚)「なんだろ…私を守ってくれる人?」

私がそう言うと、突然ドクオの態度が豹変する。

('A`)「俺はいまから、クーたんのナイト様になる!」

(#'A`)「クーたんに近づく奴は俺がぶちのめす!」

(;ФωФ)「わぁ、よさないか!」

爪をたてたドクオが、突然ロマネスク達に襲いかかる…

(´・ω・`)「ドクオよわすwwwwww」

けど、すぐに三人がかりで反撃されてやられてしまった。

('A`)「無念…俺は…愛する人も守れないのか…」

从 ゚∀从「ドクオなんかに守られてたら命が幾つあってもたりねぇわ」

川*゚ -゚)「でも、気持ちは嬉しかったぞドクオ」

(*'A`)「く…クーたん!」

ドクオが私に抱きついてきた。
私は小さく溜息をつくと、ドクオの頬に軽く猫パンチをし、彼を払う…
ああ、またこの季節がやってきたのか…彼等の発情期が…

 
46 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:22:34.78 ID:B+iDF70L0
発情期?でも…なんか違うんだ

川*゚ -゚)「なんか最近体が火照るぞ」

ふと私は気付いた。
こんな体の火照りはいままで経験したことがない…なんだか目眩までするのだ。

川*゚ -゚)「うーん…これは病気なのかなぁ…ハインに聞いてみよう」

私は立ち上がろうとすると、体に力がはいらず床に一度転倒する。
が、すぐに体に力をこめ立ち上がり、家から飛び出した。

川*゚ -゚)「おーいハイーン!」

从 ゚∀从「あっ?クーじゃないか」

川*゚ -゚)「ハイン聞いてくれ!最近体が妙に熱いんだ」

('A`)「え?それってもしかして…」

川*゚ -゚)「なぁ教えてくれ!私は病気なのか?」

从;゚∀从「あー…まああれだ、その…び、病気ではないが…その、生理現象だ」

川 ゚ -゚)「せいりげんしょー?」

( ФωФ)「早い話が発情期…さあ吾輩の子を身ごもってくれたまえ」

('A`)「馬鹿言うな、クーたんは俺の子を身ごもるんだ」

 
47 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:25:19.59 ID:B+iDF70L0
从;゚∀从「まてまてまて!たしかにクーは発情してるが、本人の合意をえてやるものだろ」

川;゚ -゚)「うー…なんかハインの顔がぐにゃぐにゃしてるぞ…」

突然大きな目眩に襲われ、私はその場に蹲る。

('A`)「クーたんどうした!?」

川;゚ -゚)「なんでもない…ちょっと目眩がしただけ…」

(;ФωФ)「だ、大丈夫か?顔色もよくないが…」

川;゚ -゚)「う…うん、だって私は発情期なだけなんだろ?」

从;゚∀从「なあ、ひょっとしてお前さ…風邪ひいたんじゃないの?」

川;゚ -゚)「風邪?そ、そうなのか?」

('A`)「まあ、風邪ひくと体火照るしな…」

川;゙ -゙)「そ、そうなのか…どうりで、最近なんかだるいなぁとは思ってたんだけど」

(;ФωФ)「途中で倒れそうだな…家まで送っていこう」

川;゙ -゙)「ありがとう…ロマネスク」

ロマネスクに背負われる私、彼は私を背負うと、全速力で私の家まで向かってくれた。
そして家についた私は、いつもの寝床の場所で横になる。

 
48 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:25:45.05 ID:B+iDF70L0
( ФωФ)「風邪をひいた時は寝てるのが一番だ」

川;゙ -゙)「ありがとう」

ロマネスクが私の頬を撫でてくれた。
実の所、私はいままで風邪をひいた事がなかった。
そして、今日初めて風邪をひいたけど…風邪ってこんなに辛いんだね…

川;゙ -゙)「うぅ…なんか頭痛がしてきた…」

(;ФωФ)「だ、大丈夫か?」

川;゙ -゙)「うん…大丈夫だよ…」

(;ФωФ)「あまり無理はしないほうがいい」

川;゚ -゚)「私、無理なんかしてないよ」

( ФωФ)「それならいいが…元気になったら、溜まり場に顔を出してくれたまえ」

そう言うとロマネスクは後ろを向き、「早くよくなれ」と一言つぶやき、
その場を去って行ってしまった。

そんな彼の後ろを姿を見て、何故か私の胸の鼓動は早くなるのです…

川;゚ -゚)「これもきっと…風邪のせいなのかなぁ?」

私の胸の鼓動は、とても大きかった…。

 
49 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:31:03.93 ID:B+iDF70L0
海…それは湖を超える程の水溜りの事…

私は今、車というものに乗っている。
御主人様が運転する車の中…普段なら私と御主人様以外乗らないのだが…
その日はちょっと違った。

( <●><●>)「もうしわけないんです、乗せてもらって」

( ^ω^)「気にしなくていいお」

御主人様の隣の席には、動物病院に居るワカッテマスさんが乗っていた。
その後ろの席には彼の子供達と…

川д川「ぐー」

ドクオを抱えたまま眠る貞子さん…そして、私達の後ろからついて車には
ツンさんと、ハローさんが乗っている。

( ><)「この子大人しくって、とってもかわいいんです」

私は今、ビロードという男の子に玩具にされている。
先ほどから耳を弄られたり、しっぽを掴まれたりと散々な目に会っている。

(;ФωФ)「ビロード!吾輩達、猫の尻尾はむやみに掴んじゃいかん」

ロマネスクが何度言っても、ビロードには通じない…それはそうだ。
だって私達はにゃんこ、相手は人間…デレさんじゃないと人間とおしゃべりはできないんだもの。

(*‘ω‘ *)「おめーはしゃぎすぎだっぽ」

 
50 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:32:16.14 ID:B+iDF70L0
ペシンと、ちんぽっぽちゃんという女の子に頭を叩かれるビロード
ちんぽっぽちゃんは、私をビロードから奪い取ると、私を撫で始める。

( ><)「あっ、ちんぽっぽちゃんずるいんです!」

川 ; -;)「痛いよー、尻尾ひっぱらないでよー」

ビロードが私の尻尾を掴んで引っ張る。
爪を立ててビロードを引掻こうとしたが、先日御主人様に爪を丸く切られたばかりだ。

('A`)「はっ!クーたんの一大事だ!話してくれ御主人よ」

ドクオが貞子さんの腕の中でもがいている。
しかし、貞子さんの腕は硬いらしく、ドクオは中々抜けだす事ができない。

(#'A`)「ぬおおおお!!!」

('A`)「むりぽ」

とっても諦めがいいドクオ…私は相変わらず、子供たちのおもちゃになっている。

( ><)「僕がクーちゃんを抱っこするんです!」

(*‘ω‘ *)「おめーはにゃんにゃんでも抱っこしてろっぽ」

川 ; -;)「いたいよぅ…」

 
52 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:37:27.79 ID:B+iDF70L0
車は途中で休憩のために止まり、サービスエリアなるものの所に到着する。
車から降りた私は、すぐに御主人様の許に駆け寄ろうとしたが、今度は貞子さんに捕まった。

川*д川「クーちゃんふかふかしててかわいー」

私を優しくなでてくれる貞子さん、やっぱり大人の人っていい…子供みたいに乱暴じゃないもん。

( ><)「僕にもクーちゃん貸して欲しいんです」

川*д川「えー、ハインちゃん抱っこしなよ〜デレちゃんもいるよ〜」

( ><)「ハインちゃんは引っ掻くから嫌なんです、デレちゃんは、ハローさんから離れないんです」

川д川「じゃあ、にゃんにゃんと家のドクオは?」

( ><)「にゃんにゃんは気難しいんです、迂闊に触ると引っ掻かれるんです…
      ドクオはなんか触らせてくれないんです…僕が近寄るとすぐ逃げちゃうんです」

うん、だって君の扱いは結構乱暴だもの…

川д川「しょうがないなー、あんまり強く撫でたりとかしちゃ駄目だよ」

川;゚ -゚)「うぅ…猫は天下の回り者なりや…」

再度ビロードに抱き締められる。
その力が強く、私は少し息苦しいのだ。

川;゙ -゙)「もうちょっと、力緩めて…苦しいの」

 
53 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:38:02.31 ID:B+iDF70L0
猫の言葉は人間には聞こえない、所詮私が言うだけ無駄なのだが…

ハハ ロ -ロ)ハ「ビロード君、クーちゃんが苦しがってるから、もう少し力を弱めてあげたらどうだい?」

( ><)「わかったんです!」

私がハローさんを見ると、彼女の足元にいたデレさんが微笑みかけてくれた。
どうやら彼女が助け舟を出してくれたらしい。

从 ゚∀从「おーいクー!そんなガキ引っ掻いちまえよ…何もしないでいるともっと酷い目にあうぞー」

川;゚ -゚)「そう思うんだったら助けてよー」

从 ゚∀从「他力本願はよくねぇぜ…まあしょうがねぇ…助けてやるよ」

ハインが爪をたててビロードに近寄る…が…

ξ*゚?゚)ξ「ハイン、一緒に景色見ましょう」

ツンさんに抱き抱えられ、どこかへ連れていかれてしまった。

川;゚ -゚)「あああ…ハイーン…」

('A`)「クーたんのピンチ!ここは俺がいくしかない!」

ドクオがビロードに飛びかかろうと体制をたてた…

川д川「ドクオー、車に乗ろうねー」

 
54 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:39:01.49 ID:B+iDF70L0
結局サービスエリアでの休憩は、ドクオが飛びかかろうとした時に終わり、私達は車に乗る事になった。
そのまましばらくは、私は子供の玩具になっていたが。
いつしか子供たちは熟睡し、近くで寝息を立てていた。

川;゚ -゚)「ほっ…眠ってくれた」

('A`)「災難だなクーたん」

( ФωФ)「うむ…少しばかり噛みついてもよかったのだが」

川;゚ -゚)「そんな事したら、彼等が可哀想じゃないか」

('A`)「甘いぞクーたん…その優しさが命取りになる…子供はいつでも狼なのよ!」

川;゚ -゚)「おおおおおお、狼!?」

('A`)「そうだ!天照大神じゃないぞ…狼だ!」

川;゚ -゚)「わ、ワオーンとか鳴いたりするのか?」

('A`)「そんな事はしないが…奴らの無邪気さというのは時には無慈悲なる一撃にもなるのだ」

ドクオが食らった無慈悲なる一撃

('A`)「なーご」

( ><)「鳴き方がなんか気持ち悪いんです」

('A`)「しどい…でも感じちゃう」ビクンビクン

 
56 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:43:10.77 ID:B+iDF70L0
私はドクオの顔に猫パンチを食らわせる。
これが私の精一杯の攻撃です。

(*'A`)「クーたんの猫パンチ、全然痛くないぜ」

川 ゚ -゚)「じゃあ本気で殴ってみる」

(;'A`)「えっ?ちょ…」

川#゚ -゚)「えいやぁ!」

パフン…なんだかそんな感じの、気の抜けた音がしたような感じがした。
ドクオの顔面を直撃した私の肉球、まるで私とドクオの時が止まったかのように、私達は止まっていた。

川;゚ -゚)「ど…ドクオ?」

恐る恐る私は手をどける。

(*'A`)「クーたん…やっぱり君は僕の事を…」

そういうドクオの鼻から鼻血が出てる…。
音は情けなかったけど、本当はかなり強い衝撃を受けたのかなぁ…。

(*'A`)「やべー、興奮して鼻血でてきたwwwwうぇwwww」

き…気持ち悪い…鼻血を出しながら迫りくるドクオ、私はじりじりと追い詰められドアに激突する。

川;゚ -゚)「や、やめてドクオ…」

 
57 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:44:09.87 ID:B+iDF70L0
(*'A`)「はぁ…はぁ…お、俺…クーたんと、クーたんとまぐわれたら」

(;ФωФ)「ドックン!それは死亡フラグだ!」

(#'A`)「死亡フラグがなんだ!いいかよく聞けお前ら…フラグはな…立てるものでもなり…叩き折るものでもあるんだよおおお!!!」

そうドクオが叫ぶと私めがけて突進してきたのだ。
私はドクオの突進を避けると、貞子さんの膝元に逃げる。

川д川「あっ、クーちゃんが自分から来てくれるなんて」

(;A;)「クーたん、戻ってきておくれよー」

川 ゚ -゚)「やだ、そこで少し反省してなさい」

(;ФωФ)「ドックン…言い難いが、これ以上そういう事をすると、本気でクーちゃんに嫌われるぞ」

嫌いにはならないと思うけど…ちょっと距離を置くかもね

('A`)「わかった…目が覚めたぜロマネスク!童貞じゃクーたんに釣りあわねぇよな」

(;ФωФ)「もうやだこいつ」

川*д川「クーちゃん、かわいいな〜」

川 ゙ー゙)「貞子さんあったかいなぁ…」

貞子さんの温もりに触れながら私はそのまま、うとうとと過ごしていた。
そして、いつの間にか私は眠っていたらしい…
気づいたらそこは部屋の一室で、水着姿の御主人様がいた。

 
58 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:47:16.13 ID:B+iDF70L0
( ^ω^)「いやー、ワカッテマスさん家の実家って大きいですおね」

( <●><●>)「そうですね…私も昔からこの家が大きかった事はワカッテました」

ξ ゚?゚)ξ「ブーンさん、一緒に泳ぎましょうよ」

( <●><●>)「行ってくるといいですよ、私は父と買い物に行ってくるので」

(;^ω^)「なんか、泊めて貰っちゃってもうしわけないですお」

( <●><●>)「いえいえ、普段は電車で帰ってるので、車で連れて来てもらって感謝しています」

( ><)「ブーンさん!一緒に海にいこうなんです」

( ^ω^)「おっおっ、わかったお!」

ビロードに腕を引っ張られ、海へ向かっていく御主人様。
私は、窓にたってそこから外を窺う。
すぐ前に広がっていたのは下り坂と、下り坂の下に広がる道路、そして道路の近くにある階段を降りた先に広がる沢山の水

川;゚ -゚)「な、なんか物凄い量の水があるなぁ」

从 ゚∀从「ありゃ海だ、TVで見たことあるが…すげーな」

(;ФωФ)「うむ…遠くから見ているというのに、とても大きいものだな」

('A`)「つーかさ…なにする?めっちゃ暇だけど」

从 ゚∀从「この畳だっけ?ここで昼寝しねぇか?」

 
59 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:47:47.71 ID:B+iDF70L0
そういえば、家の床とはちょっと違うのだ。
家の床は木の板で出来ているんだけど、この家の床は畳というもので出来ているのだ。
その畳は、日光の温かさを吸ったのかほのかに暖かく、昼寝をするには絶好の温度だ。

川 ゚ -゚)「じゃあ、横になろうかな」

私が横になると、その隣にハインがごろんと腹這いになる。

从 ゙∀从「あー、あったけー」

( ФωФ)「どれ、吾輩も横になるとするか」

('A`)「お前らは気楽だな…こういう初めて来た場所で横になれるとか考えられないぜ」

川 ゚ -゚)「なんで?」

('A`)「ここは俺達の知らない場所だ、どこにどんな危険が潜んでいるか分かったものじゃない」

从 ゚∀从「じゃあさお前が見張りな」

(;'A`)「え?」

( ФωФ)「それはたのもしいな…よろしく頼むである」

('A`)「ぐすん…いいよいいよ、わかったよ」

川;゚ -゚)「ドクオも意地なんてはってないでさ…一緒に寝ようよ」

('A`)「クーたん…」

 
60 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:48:26.25 ID:B+iDF70L0
川 ゚ー゚)「皆で寝るほうが楽しいじゃないか」

('∀`)「クーたあああん!」

从#゚∀从「おめー、クーの隣で寝るなよな!」

('A`)「どして?」

从 ゚∀从「車の中での一件を聞かさせてもらったからな…そんな奴をクーの隣で寝させるわけにはいかねー」

(;ФωФ)「すまないなドックン、君を止めるのは、吾輩一人では無理そうなのだ」

('A`)「わぁってるって…そんな変な気起こすかよ、俺もクーたんには嫌われたくないし」

从 ゚∀从「それならいいんだ!さあ寝ようぜー」

ハインがそう言い、私達は一眠りを始める。
私は車の中で既に昼寝をしてしまったせいか、中々寝付けず、少しの間起きていた。

川;゚ -゚)「みんな寝ちゃったかあ…」

私が小さく呟いても、誰も反応しない。

川 ゚ -゚)「うーん、皆熟睡してるなぁ」

私が辺りを見回すと、そこには丸くなったハインとロマネスクがいた。
ドクオは私から少し離れた所に転がっていた。

川;゚ -゚)「なんか、ドクオが寂しそうだなぁ」

 
62 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:50:28.61 ID:B+iDF70L0
私は少しだけドクオとの距離を縮める。
そして、その場に横になり、大きな欠伸をひとつ。

川 ゚ -゚)「みんな、おやすみ」

私は瞳を閉る。
瞳を閉じて数十秒後、私のしっぽになにかがあたり、私は尻尾の方向を見る。
そこには、寝がえりをうったドクオの尻尾が私の尻尾の上に乗っかっていた。

川*゚ -゚)「尻尾の動きって、見てると面白いんだよなぁ」

ドクオの尻尾は少し上下に動いていて、時おり大きく上に持ちあがる。
私はそれをしばらく眺め、大きな欠伸をすると頭を畳の上に乗せ瞳を閉じた。

 
63 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:50:52.58 ID:B+iDF70L0
(*‘ω‘ *)「ただいまだっぽー」

突然ガラガラと戸が開く音がしてちんぽっぽちゃんの元気な声が響いてきた。

从 ゙〜从「うーん…うるせねぇなぁ」

ハインが大きな欠伸をし、立ちあがる。

川 ゚ -゚)「おはようハイン」

私も大きな欠伸をしながら起き上り、ハインを見る。

从 ゚∀从「ん?どしたクー」

ハインと目があった。

川 ゚ -゚)「なんでもないよ、ただちょっと目があったなぁって」

从 ゚∀从「俺は結構御主人様と目があうぞ」

川 ゚ -゚)「私はあんまりないなぁ」

从 ゚∀从「俺の御主人様は観察してるとおもしれぇからなー」

私はハインの言葉を聞き、御主人様を観察してみようと心に誓った。
ハインが言うには、いつもと違う一面がよく見れるという話なのだ。
御主人様のいつもと違う一面ってなんなんだろう…
私は、すこし胸をわくわくさせ御主人様が帰ってくるのを待つ。

いつもと違う一面…それはきっと、私が見たことない御主人様の顔なのだろうか?

 
64 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:54:13.95 ID:B+iDF70L0
海……そこに私達は行ってきた。けど、特になにも覚えてないのだ。

車の中、私は貞子さんの腕の中でふとある事に気付いた。

川 ゚ -゚)「なぁなぁ、私達って海いったんだよな?」

('A`)「いったよ?それがどうしたの?」

川;゚ -゚)「そこで私達何をしたんだっけ?」

('A`)「なにしたってそりゃ……」

(;'A`)「あれ、何してたんだ俺達?」

川;゚ -゚)「寝てた記憶はあるんだが、他にはなんにも覚えてないんだ」

(;ФωФ)「実を言うと吾輩もなのだ」

(;'A`)「おっかしいなぁ、ガキ共や御主人様達はあんなに楽しそうに思いで話してるのに」

ドクオの目線の先には、楽しそうに思いで話をする御主人様とワカッテマスさんが、
二人は、先ほどからばーべきゅーとか、うみのいえとか楽しそうに思いで話をしている。

('A`)「まあ、いいじゃん…俺らには俺らの思いでがあるんだし」

川 ゚ -゚)「そういえば、畳が気持ちよかったな」

('A`)「そうそう、それでいいんだよ」

そうか、思いでってそういうもんなんだ…ドクオの言葉を聞いて私は少し安心した。

 
65 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:55:12.32 ID:B+iDF70L0
焼き芋、それは御主人様の大好きな食べ物の一つです。

( ^ω^)「クー、焼き芋食べるかお〜?」

カリカリを食べていた私に御主人様が、焼き芋の欠片をてのひらに乗せて
私の目の前に差し出した。

川 ゚ -゚)「焼き芋だなんて、ひさしぶりに食べるなぁ」

私は焼き芋が好きだ。
一口口に含み、噛むと広がるなんともいえぬ甘みがいいのだ。

( ^ω^)「熱いから気を付けてたべるんだおー」

川 ; -;)「あつ!」

うぅ…舌を火傷してしまったみたいだ…。

川;゚ -゚)「くっ…手ごわい相手だ…」

私はイモの欠片に息を吹きかけ少し冷まし、一気に口の中に頬張った。

川;゚ -゚)「あちあち、あちち!」

口の中で芋が回る。

川;゚ -゚)「ごくん…ふう、手ごわい相手だった」

私は鼻息を鳴らし、前を見た。
そこには御主人様の手の平にのっかった、新たなる敵がいた。

 
66 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:55:43.49 ID:B+iDF70L0
ごろごろごろ…あぁ寝るのっていいなぁ

川 ゚ -゚)「あー、やっぱりいつもの場所で横になると眠くなるなぁ」

(´・ω・`)「そういえば、クーちゃん達海いってきたんでしょ?どうだった?」

川 ゚ -゚)「んーよく覚えてないなぁ…ずっと寝てたし
     御主人様達は喜んでたけど」

(´・ω・`)「へー、海の寝心地はどうだった?」

川 ゚ -゚)「畳という床が気持ちよくてね、とってもよく眠れた」

(´・ω・`)「寝るのっていいよねぇ」

川 ゚ -゚)「うん、やっぱり寝るのは最高だと思うんだ」

(´・ω・`)「僕なんて前に一日眠り続けた事もあるよ」

川;゚ -゚)「さ、流石ショボンだ…私なんか最長で7時間ぐらいだ」

(´・ω・`)「でもさー、一日ねたくせにさ、まだ寝たりない感じしたんだよねぇ」

川 ゚ -゚)「あるある、その後に二度寝すると、もっといいよね」

(´・ω・`)「二度寝の後の三度寝も最高だよ」

川 ゚ -゚)「なんだか眠くなってきた」

(´・ω・`)「じゃ、少し寝ようかクーちゃん」

 
67 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 02:59:31.24 ID:B+iDF70L0
< ゚ _・゚>「……また知らないにおいのする猫が来たか…」

鼻を鳴らすギヌ、知らないにおいは幾つか固まっていて、その中に昔嗅いだことのあるにおいも混じっていた。

< ゚ _・゚>「縄張りをここまで広げているということなのか…それとも」

ギヌはふと考えた。
鳥達の噂では、隣町のボス猫が縄張りの範囲を大きく拡大させていると聞いていた。

< ゚ _・゚>「さてさて…騒動がおきなければよいが」

この街にも結構野良猫が存在している。
ドクオ達のように、縄張りという固定概念をあまりもたない者達もいれば
縄張りを頑なに守る者達もいる。

l从・∀・ノ!リ人「ギヌ〜ご飯なのじゃ」

目の前に出された食事に目をやるギヌ
彼は一度考えを中断させ食事を取り始める。

l从・∀・ノ!リ人「よしよしなのじゃ」

妹者がギヌの背中をさする。

< ゚ _・゚>「御馳走様」

ギヌは食事を終え、自分の頬を撫でる妹者の手を優しく舐める。

縄張り…それは、それをめぐって争いが起きるもの…
でも…

 
68 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 03:00:15.34 ID:B+iDF70L0
ねこまんま

(;^ω^)「やっべー、クーの餌が全部きれてたお」

(;^ω^)「と…とりあえず、猫まんまで我慢して欲しいお…」

突然私の前に出された物、それはねこまんまと呼ばれるもので
ご飯の上に味噌汁をぶっかけただけのシンプルなご飯である。

川;゚ -゚)「こ…これを食えと!?」

流石の私もこれはひく…
汁を吸いこみべちょべちょになったご飯、そして所々に浮いている小さなワカメ

川;゚ -゚)「そしてこのにおい…これはいつも御主人様が朝に飲んでいる『あさげ』のにおい!」

つまりはインスタントである。

川;゚ -゚)「うぅ…お腹はすいてるし…背に腹は代えられないかぁ」

私は一口猫まんまを口に含んだ。
そして思った。味噌汁ってしょっぱい…

(;^ω^)「ほっ、なんとか食べてくれてるお…よかったよかった」

川;゚?゚)「げふぅ…ご飯ってお腹にたまるなぁ…」

なんとか全て食べ終えたのだが、口臭が味噌汁の臭いになってしまった。

川;゚ -゚)「猫まんま…できれば当分食べたくないなぁ」

 
69 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 03:04:01.77 ID:B+iDF70L0
その人は…

('A`)「はぁ〜いい天気だなー今日も」

(,,゚Д゚)「まったくだ…こういう日にゃ…勿論」

('A`)(,,゚Д゚)「寝る!」

('A`)「んじゃおやすみ〜」

(,,゚Д゚)「おう…ん、なんか変なにおいしないか?」

('A`)「におい?確かにするな…なんか懐かしいにおいだ」

においをかぎ始める二人、においのする方向を探っていると、
女性の声が地蔵の後ろから聞こえた。

(*゚ー゚)「久し振りだねギコ」

(;゚Д゚)「うわぁ!あんたは!?」

(;'A`)「うわ、ギコのかあちゃん…」

(*゚ー゚)「久々にこっちに寄ったから顔を見にきたんだよ」

(,,゚Д゚)「へー、このとおりぴんぴんしてるぜかあちゃん」

(*゚ー゚)「みりゃ分かる」

('A`)「流石ギコのかあちゃんだな」

 
71 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 03:05:29.45 ID:B+iDF70L0
ヽ(*゚ー゚)ノ「どんなもんじゃーい」

('A`)「その喜び方はオーバーです」

(*゚ー゚)「巷で今流行ってるって聞いて」

(,,゚Д゚)「ねーよ…つうかそんなのどこで聞いてくるんだよ」

(*゚ー゚)「隣町に行ったとき聞いたんだよ」

(,,゚Д゚)「ああそう…で、これからどうするの?」

(*゚ー゚)「また旅にでるよ、今度は東の山にいこうかなって思ってる」

('A`)「東の山ですか…シィさんて冒険好きですね」

(*゚ー゚)「ドクオ君は冒険しないの?」

('A`)「冒険まんどくせ…」

(,,゚Д゚)「まあかあちゃんは冒険が好きすぎなんだよ…少し尊敬するよ」

ヽ(*゚ー゚)ノ「どんなもんじゃーい!!」

(;'A`)「それ、気にいってるんですね」

(*゚ー゚)「うん」

(;゚Д゚)「……」

 
72 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 03:06:17.40 ID:B+iDF70L0
(*゚ー゚)「ああでも、しばらくはここにいるよ〜羽根休めしたいしさ」

('A`)「だいたいどのくらいですか?」

(*゚ー゚)b「ここに飽きたら」

(; Д )  ゚ ゚

(; A )  ' `

(;゚Д゚)「なんというか…かあちゃんらしいな」

ヽ(*゚ー゚)ノ「どんなもんじゃーい!!!!」

('A`)「っぱねぇ」

(*゚ー゚)「そういえばさ、クーちゃん大きくなった?」

('A`)「そうですね、少し大きくなりましたよ…というかクーたんの事知ってたんですか?」

(*゚ー゚)「知ってるよ〜ガラス窓ごしに見ただけだけど」

(,,゚Д゚)「あの時のクーちゃんは、まだちっこかったよな」

(*゚ー゚)「他にはなんか起きた?」

('A`)「あとは俺の友達のロマネスクが来たぐらいかな…ああそう言えば、人間と話す猫も来ましたよ」

(;゚ー゚)「人間と話す猫!?やべー面白そうじゃん…」

 
73 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 03:07:45.11 ID:B+iDF70L0
(*゚ー゚)「ちょっとあたし会ってくる!場所教えて」

('A`)「ええと…かくかくしかじか」

(*゚ー゚)「おk行ってくるぜ」

('A`)「おまえのかあちゃん、相変わらずだよな」

(;゚Д゚)「だな…正直ついていけんわ」

('A`)「あ、ハインの事教えるの忘れてた」

(,,゚Д゚)「平気だろ」

('A`)「だといいんだがなぁ…」

从 ゚∀从「おーっすおまえらー」

(,,゚Д゚)「おーハイン、元気かー?」

从 ゚∀从「おうよ!俺様はいつもカズノコ、風の子よ!」

('A`)「数の子食いたいなぁ…御主人様買ってきてほしいなぁ…」

从 ゚∀从「ところでさっきいた、やかましい猫は誰だ?」

(;゚Д゚)「俺のかあちゃん」

从; ∀从  ゚ ゚

 
74 ◆Uw.NAoYekE :2008/10/01(水) 03:08:28.37 ID:B+iDF70L0
青い海…広く広く広がる大海原…
ワカッテマスの実家へ出かけた一向。

その時、ショボン達は一緒に行く事ができなかった…
しかし、もしもが存在したら?

もしも…皆で海へと出かけたのなら…

ただいま全力で書き溜め中。

 

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