(´・ω・`変態! 川 ゚ -゚ 変態! ( ^ω^ 変態! のようです

1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 19:49:48.34 ID:VnguCMx50

(´・ω・`)

クソスレだと思ってこのスレを開いてくれたVIPPERのみんな
すまない ここは俺が書いたブーン系小説のスレなんだ

ジャンルは倒錯エロというか、錯誤エロというか、お預けエロというか
……まあ、変態かな
興味がある人は覗いていってほしい
でもいくら興味があっても、R指定で変態なお話だから、
お子様や淑女、綺麗好きの方はスレを閉じて近づかない方が良い

それじゃあ、始めます


 
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 19:50:43.03 ID:VnguCMx50

 テーブルの上には、アルコール飲料の空き缶と空になったグラスが転がっている。
 その周りには、おつまみやらスナック菓子やらの空き袋と、
 ゴミが入れられたコンビニ袋が散乱している。
 ただでさえ狭いアパートの六畳間も、この惨状では更に狭く感じてしまう。

 飲み会があったのだ。参加者は男2人に女が1人。
 参加者の内訳で十分に理解できるだろう。
 あったのはもちろん、下心ありの飲み会だ。

 参加者の1人が酔い潰れた後、僕と首謀者は酔い覚ましに専念していた。
 酔い覚ましを始めてから、もうそろそろ1時間が経過する。
 アルコールに混ぜた睡眠薬も効いてきて、そろそろ眠りも深くなった頃だろう。

 僕は五分ほど前に全裸になって、愚息をおっきさせようとしていた。
 アルコールの臭いが充満した六畳間に、聞き慣れた肉を擦る音が響いている。

(;´・ω・`)「うっ、……くっ」

 鈍い快感はあるのだが、僕のマサムネ(未使用・美品)は全く反応しない。
 五分もの間あれこれイジッてはいるものの、無反応なのだ。

 そりゃあそうだ。

 目の前に半裸の美女(二次元画像)とか、甘えてくるロリっ子(二次元画像)が
 あるならば別だけど、今ぼくが眼にしているのは男の半ケツだ。
 しかもケツ毛にイボイボと、最強武装でハッキリ言って汚い。汚らしい。
 これじゃ自慢の逸物(皮が余る事がありますが、品質には問題ございません)も
 屹立しないはずだ。


 
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 19:51:46.50 ID:VnguCMx50

川 ゚ -゚)「どうしたショボン。まだ準備できないのか?」

(;´・ω・`)「クーさん、無茶なこと言わないでよ」

 首謀者の素直クールさん(通称クーさん)がキッチンから戻ってきた。
 これから開始する事もあり、クーさんには飲み会の片付けをお願いしていた。
 放置されていた空き缶も、あと数往復で片付け終わるだろう。
 頼んでおいた仕事に飽きてきたのか、
 クーさんは倒れこんでいるブーンの顔を覗き込む。

川 ゚ ー゚)「フフッ」

(;´・ω・`)「ど、どうかしたの?」

川 ゚ ー゚)「いや、寝ている間に処女喪失する男の心情を察すると、
     自然とね、笑みがこぼれてしまうんだ」

(;´・ω・`)(うわぁ……)

 クーさんは変態だ。言わずもがな僕も変態なのだけれど。
 ただ変態としての格が違う。

 クーさんがバルゴのシャカだとするなら、僕は精々ユニコーン邪武程度。
 ……ごめん、聖闘士星矢のたとえじゃ判りにくいかな。

 クーさんが孫悟空だとするなら、僕は精々ヤムチャ程度。
 ……ドラゴンボールなら、大丈夫だよね。


 
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 19:53:17.38 ID:VnguCMx50

 クーさんは、嬉しそうなニヤニヤ顔でブーンの寝顔を見下ろしている。
 僕は僕で、そんなクーさんを見ながら、必死に股間の如意棒を擦っている。
 変な構図だ。
 変な構図になっていると気づいてしまった。
 その途端、今まで一切反応しなかったマイサンが、わずかな反応を示した。

(;´・ω・`)(あ……)

(;´・ω・`)(こんなので、僕、反応しちゃうんだ)

 想像もしていなかったシチュエーションと自分僕自身の性癖に、
 思わず思考までエレクトし始める。

川 ゚ -゚)「……じー」

(;´・ω・`)(え、ちょっと待ってよ)

川 ゚ -゚)「……ジー」

(;´・ω・`)(普通より、ずっと、気持ち……良い?)

川 ゚ -゚)「……凝」

(;´・ω・`)「っく……ハァハァ」

(;´・ω・`)そ「……ハァ……ってえぇぇ、なに見てるんですか!?」

川 ゚ -゚)「ふむ。気にするな、続けたまえ」


 
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 19:55:01.39 ID:VnguCMx50

 クーさんは、事も無げにさらりと流す。
 いや、見られてしまった僕の気持ちも斟酌してくれるとありがたいんですけど。

川 ゚ ー゚)「しかしまあ、フィクションのように都合良くないか」

(;´・ω・`)「な、なにがですか?」

川 ゚ ー゚)「私はさほど経験豊富ではないけれどな。うん、分相応だ」

(;´・ω・`)「だ……、だからなにがですか?」

 別に僕は空気嫁ないわけじゃない。
 というか、クーさんが股間を凝視しているのだから、ナニの話題だとすぐに判った。
 でもって、僕のナニが自慢できるような代物じゃないと言っている事も。

 いや……少しは自覚はしていたけれど。
 女性にそれを指摘されるのは、悔しいっ!

(;´・ω・`)(…………でも感じちゃう。ビクビクッ!!)

 僕のポークビッツ(お買い得品)は徐々にスタンドアップしていく。
 クーさんのような美人に股間を凝視されるのが、
 これほどの快感を生んでくれるだなんて思ってもいなかった。

 この先にクソミソが待ち構えていなければ、びっくりするほどユートピアだ。


 
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 19:57:03.67 ID:VnguCMx50

川 ゚ -゚)「そろそろ準備も終わっただろう、ホラ」

 僕は名残惜しさを感じながらも、イチモツから右手を離す。
 今までウィンナーをシゴいてたその手で、
 クーさんが差し出してくれた男性用避妊具を受け取った。

(;´・ω・`)(……ゴクリ……や、やるしかないのか)

 その答えはイエス。僕に退路は残されていない。
 現状を打破するためには、前進するしかないんだ。

(;´・ω・`)(!! あっ、駄目だ……)

(;´・ω・`)(手を離した途端、光の剣から力が失われていく……)

(;´・ω・`)(耐えろ、堪えるんだ!
        お前はヤレばデキる子(性的な意味で)!!)

 耐え抜こうと下半身に力を込めるものの、時は既に遅かった。
 雄々しい応援団員の如く勃ち誇っていたそれは、今では軟弱ボーイそのもの。
 可愛らしいという言葉が相応しくなってしまった。

 嘆いたって今は昔だ。
 僕には、再起する他に選択肢は残されてないのだから。
 涙目の僕を尻目に、クーさんはブーンの上着へと手を伸ばす。
 白い指先がシャツのボタンを一つずつ外してく。


 
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 19:58:39.32 ID:VnguCMx50

(´・ω・`)(くそっ! ブーンの奴、羨ましすぎるっ!!)

 クーさんの指先を凝視しながら、僕は幾度もコッキングして弾丸の装填を行う。

(;´・ω・`)(服を脱がされたついでに胸を触ってもらってる!?)

(;´・ω・`)(悔しいっ! 僕だって乳首を撫でて貰いたいんだっ!)

 マイサンの復活は思っていたよりも早かった。
 クーさんが、目の前でリビドーを刺激してくれたからなのかもしれない。

 萎えてしまう前に、はやくコンドームの装着を済ませなくては。
 しかし、僕はコレを使ったことが一度も無い。
 と言うか、見たり触ったりするのも今日が初めてだ。

 包装を破り中身を取り出す。
 手早く済ませようと焦ったからか、上手く装備できない。

(;´・ω・`)チラッ

川 ゚ ー゚)フフン

 クーさんを盗み見た。
 クーさんは、僕が手間取っている様をニヤニヤと嬉しそうに見ている。
 手伝ってくれるかなって期待した僕がバカだった。

 多少手間取りながらも、僕はコンドームの取り付けを終える。
 クーさんが見ていてくれたから、硬度を持続させられた。


 
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:00:17.27 ID:VnguCMx50

川 ゚ -゚)「さて、準備万端といった所か」

(;´・ω・`)「あ……。はい」

 返事をした僕には目もくれず、
 クーさんは嬉々とした表情でブーンの割れ目にローションを塗付していく。

 スムーズに入れられる様に親切心を発揮してなのか、
 それとも僕に宛て付ける単なるサディズムなのか、
 ローションを塗り込む手付きは異常なほど熱が篭ってる。

( -ω-)「…………おっ……お」

川 ゚ ー゚)「フフッ。じっくりと準備させて貰うよ、ブーン」

 ブーンの体がピクリと動いた。
 良く見ると、クーさんの親指がブーンの体内へと侵入していた。
 あの手付きだと人差し指と中指の先は、袋に接触しているかもしれなかった。
 クーさんは不意に親指を抜いた。
 そして入れ違い様に人差し指と中指をブーンの出口に突き刺す。

( -ω-)そ「おおおっ!?」

(;´・ω・`)(ザマぁなんだけど、なんか羨ましい。妙な気分だ)

 僕はゴムで梱包されたソーセージを握り締めながら、
 その光景を凝視する事しか出来なかった。


 
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:02:29.41 ID:VnguCMx50

 クーさんに色々弄って貰えるブーンは確かに羨ましい。
 たとえそれが、これから行うプレイの為であってもだ。

川 ゚ -゚)「そろそろ覚悟は決めたか? 私は出来ている」

(´・ω・`)「覚悟って、クーさんは見てるだけでしょ?」

川 ゚ ー゚)「だからジックリ見る覚悟が出来ているんだ」

 なんでこんな事になったんだろうと思いながら、
 僕はゆっくりとブーンへと歩み寄っていった。


 
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:05:17.11 ID:VnguCMx50



   ******************
   *ここからは濃厚な回想シーンとなります*
   ******************





 
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:07:38.06 ID:VnguCMx50

 あなたは性に目覚めた時期を憶えているか?
 僕は憶えてる。
 これが早いのか遅いのかは判らないけど、
 僕が性に目覚めたのは、小学校4年生の時だった。

 端的に説明すれば、親父が持っていたエロ本を読んだのがきっかけだった。
 初めて、独力で、成人指定の書籍購入を行った中学1年生になるまで、
 僕のエロ知識は親父のエロ本から得たものだった。

 小学校では、同級生と猥談で盛り上がる、なんてイベントが起こるはずない。
 当然と言っては何だが、知識を共有出来る場もない。
 そのため、こんな素晴らしい知識を与えられる僕は、
 ヴェスタースオリジナルを貰える位特別な存在だと思っていた。

 それからの僕は、手当たり次第、悪戯(性的な意味で)を行った。

 具体的な例をひとつ挙げるのなら、たとえばこんなのはどうだろうか?
 深夜の小学校に忍び込んで、可愛い女子の机や笛に、
 おっきくなった自分自身を擦り付ける、とか。

 次の日、純真無垢な笑顔でそれらに触れたり、口を付ける女子を見ては、
 一人で悦に入っていたものだ。
 ただ残念な事に、僕はまだ精通していなかったから、ぶっかけだけは出来なかった。

 中学校に上がる頃になると、知識が増えてくる。
 口にしなくても、同級生がエロ知識を持っていると判る様になる。
 僕は、特別な存在ではなくなってしまったけれど、そのかわり……


 
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:11:07.02 ID:VnguCMx50

('A`)「以上で、終わります……」

 普段どおりの無気力さで講義を終え、ドクオ教授が席を立った。
 ドクオ教授の講義は、ハッキリ言ってしまえばつまらない。
 基本的には生徒に無干渉で、常に無駄な時間を使っていると無気力さを漂わせる。
 これでは、どんな授業内容だとしても興味を抱けるはずが無い。
 そして、興味が無いものとは得てしてつまらないものだ。

 それでも僕は彼の授業を受けている。1年からずっと彼の講義を選択している。
 彼の研究テーマが、僕の興味を惹いたからだ。

 変態心理

 彼はたった1度だけ、それを口にして、

('A`)「生涯を掛けるに値する研究テーマだ」

 と、評した。

 僕は何度かドクオ教授に話し掛けようかと考えたが、
 彼が持っている「人生マンドクセ」オーラに阻まれてしまっていた。
 機会を伺っているだけで1年が過ぎた。更に1年過ぎようとしている。

 もうそろそろ3回生になってしまう。進路も考えなければならない。
 だから今日こそはと、意を決して話し掛ける事にした。
 僕は急いで授業の片づけを終わらせて、講義室を抜け出したドクオ教授を追った。


 
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:13:02.90 ID:VnguCMx50

(´・ω・`)「あの……ドクオ教授」

('A`)「?」

 小さく丸まった背中に向かって声を掛けると、ドクオ教授は人生に
 疲れたかの様な緩慢さでゆっくりと振り返った。
 嘗め回す様に僕の姿を確認すると、ややしてから彼は口を開いた。

('A`)「……君は、ショボ君だね?」

(´・ω・`)「!! は、はい」

 驚いた。
 まさかだ。
 まさか生徒に対して無関係でありたいと態度で示していたドクオ教授が、
 一生徒である僕の名前を憶えているだなんて、考えてもいなかった。

('A`)「何を驚いているのかい? 私が生徒の名前を憶えているのは不自然かね?」

(´・ω・`)「……と、とんでもな……」

('A`)「……無理もない。不真面目な教師だとしか思えない行動しか取ってないからな。
    実際、私は講義が嫌いなんだ。面倒だし時間の無駄だ」

(;´・ω・`)(しょ、初対面に近い人間に、そこまでぶっちゃけますか?)


 
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:14:37.38 ID:VnguCMx50

('A`)「そんな私が、後進の指導に熱心な教授と同じ様に、
    生徒の名前を憶えているのは余りに不自然だろう?」

('A`)「どうだい?」

(;´・ω・`)「は、はっきり言わせて頂けるなら、そうです」

('∀`)「そうだろう」

(;´・ω・`)(何でそこで満面の笑みを浮かべるんですか!?)

('A`)「ま、廊下で立ち話も何だ。私の研究室にでも行こう」

 それだけ言うと、教授は僕に背を向けてゆっくりと歩き出した。

 教授の研究室は、考えていた通りカオスな部屋だった。
 まず、物が整理されていない。適当に机や棚が並べられ、
 ありとあらゆるプリントや本などの資料が散乱している。
 その上で、脱ぎ散らかした白衣やら靴下、飲食物のゴミが捨て置かれてる。

('A`)「コーヒーはいるかい?」

(;´・ω・`)「いえ、結構です」

 教授が手にした半透明ガラスのコーヒーメーカーを見て、脊髄反射的に断った。
 ガラスが半透明になる位の水垢って、どれだけなんだろう?


 
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:16:11.75 ID:VnguCMx50

('A`)「なかなか手に入らない、良い豆なんだけどなぁ」

 教授は「君は実に勿体無いな」と言わんばかりの表情をしているが、
 僕から言わせてもらえば、そんな物に注がれたコーヒーの方が実に勿体無い。

('A`)「適当に掛けてくれ」

(;´・ω・`)「いえ、結構です」

('A`)「? ……立ち話が好きなのか? まあ、良い」

 いえ、と言うか。
 得体の知れない物が乗っかっている椅子に座りたくないだけです。
 部屋の惨状に目を白黒させている僕を尻目に、
 教授はマグカップを片手に椅子へと腰掛ける。

('A`)「さて、本題に入ろうか」

(´・ω・`)「あ、はい」

 居佇まいを直したドクオ教授には、独特の緊張が見られた。
 値踏みする様に僕の顔をしばらく見つめると、ようやく口を開いた。

('A`)「私が君の名前を憶えていたのは、君が私好みの青年だからだよ」

(´・ω・`)「…………」

(;´・ω・`)(……え。ええぇぇぇぇー――!)


 
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:18:09.22 ID:VnguCMx50

 予想もしてなかった言葉を掛けられて狼狽する僕を見て、
 教授はまたもや

('∀`) にっこり

 と満面の笑顔を浮かべた。

('∀`)「冗談だよ……悪いけど、私には男色の趣味は無いよ」

(;´・ω・`)「……そ、そうですか」

(;´・ω・`)(つーか、悪いけどって何だよっ!?
        僕だって、そんな趣味無いよ!!)

('A`)「私が研究テーマを口にした時、君は興味を示したね?」

(´・ω・`)「え……? そ、そうです」

('A`)「自分で言うのは何だがね、私の研究テーマは少しばかり特殊だろう?」

(´・ω・`)「変態心理、ですからね」

('A`)「そう。誰もが少しは持っているが、否定してしまうものだ」

 それだけ喋り、教授はマグカップに口を付けた。


 
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:19:32.79 ID:VnguCMx50

('A`) グビリ

('∀`)「うん、良い香りだ」

(´・ω・`)(この人、躁鬱の入れ替わりが激しそうだな)

('∀`)「で、君は私の研究テーマに興味を示した、数少ない人間なんだ」

('∀`)「だから、私が君に興味を抱くのも当然だろう?」

(´・ω・`)「そう……ですね」

 ドクオ教授に関心を持たれていたという事実は、
 今は少しばかりありがたかった。
 僕が聞きたい事とは、そのものズバリ、教授の研究テーマなのだから。

('∀`)「……君が、私に声を掛けてきた理由とは、私の研究テーマについて」

('∀`)「そうじゃ、ないのかな?」

(´・ω・`)「そうです。教授の研究に、興味があります」

 ハッキリと断言した。
 今まで、自分の変態性を隠し通す為に暮らしていた僕にとっては、
 ありえない位の決断だった。
 僕の返事を聞くと、ドクオ教授の顔から気持ち悪い笑みが消える。


 
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:21:16.96 ID:VnguCMx50

 彼は僕に背を向けて机に向かうと、普段どおりの生気の無さで、
 机に広げっぱなしだったノートに何やら書き込み始める。

('A`)「……はい」

 何かを書き終えた教授は、ノートを破った切れ端を僕へ差し出した。
 受け取って確認してみると、それには簡単な地図が書かれていた。
 サークル棟の最東端に印が付けられている。

(´・ω・`)「教授、これは?」

('A`)「うん。サークルへの案内状を兼ねた地図だよ」

(´・ω・`)「サークル、ですか?」

('A`)「うん。お喋り交流サークルみたいなものだよ」

(´・ω・`)「……つまり、ここへ行けと?」

('A`)「うん」

 教授はあっけらかんと肯定した。

 この時、僕は教授に失望したものだった。
 この人は特殊なんじゃなくて、単なる面倒くさがりではないのかと、
 そう考えて、自分勝手に失望してしまった。


 
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:22:37.78 ID:VnguCMx50

('A`)「仲良しサークルだからね、気楽に構えて良いよ。
    サークルのみんなには、私から事前に連絡しておくから」

(´・ω・`)「……取り合えず、顔は出してみます」

 それだけ言い返し、僕は教授から受け取った切れ端をポケットへねじ込んで、
 教授に背を向ける。

 研究室のドアノブに手を掛けた時、
 教授が「そうそう」と声を掛けてきた。

('∀`)「言っておくがね、そのサークルの会長は私のゼミ生だよ」

(´・ω・`)「え?」

('∀`)「まあ、顔を会わせてみて、話をしてみるのが一番だよ」

 それだけ言って、教授はくるりと椅子を回転させて僕に背を向けた。

(´・ω・`)(……なるほどね……)

 教授の研究テーマに興味を抱いて、
 その興味を持続させ続けられる人間なんて
 つまりは、僕みたいな変態だけだ。
 このサークルの会長は、変態なのだ。

(´・ω・`)(くそっ、面白そうじゃないか)


 
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:24:21.45 ID:VnguCMx50

 教授の研究テーマについて詳しく聞かせて貰えなかったのは残念だったけど、
 このサークルに関しては素直に面白さを感じた。

 教授の研究テーマは変態心理。

 その変態心理を持った人間を、サークルの会長にして何をするかというのだろう?
 もしかしたら、教授の研究テーマに深い関わりを持っているのかもしれない。

 それだけで、十分面白そうじゃないか。

(´・ω・`)「失礼しました」

 僕は教授の背中に向かって、深々と頭を下げてから研究室を後にした。
 ドクオ教授から地図を頂いたその日に、サークル棟へと向かった。
 その東端に、目的の部室がある。

『特定心理研究会』

 サークルの名前は、思いの外あっさりとしていた。
 名前を聞いただけでは、少しお堅いイメージを与えてくれる。
 それでいて『特定』『心理』とか、具体的な判断材料は与えてくれない。
 だが、その内情を知る物にとっては判り易すぎる。

 特定心理ってのは、変態心理の事なんだろう?

 僕は意気揚々と研究会の扉を開いた。


 
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:25:49.11 ID:VnguCMx50

(´・ω・`)「お邪魔しまーす」

 扉を開けると、室内に居たちょいピザな男が振り返って僕を見上げた。

( ^ω^)「おっお。いらっしゃいだお」

(´・ω・`)そ「ブーン!? なんで?」

 こんな場所で顔見知りに出くわすなんて思っていも居なかった僕は、
 ブーンの登場に少し焦ってしまった。

 でも、考え直せばこれは想定外とは言えない。
 ブーンはドクオ教授の講義を受けている。
 だから、彼がこの場所に居るのはそれ程不自然じゃないのだ。

( ^ω^)「クーさんから、新しいメンバーが増えるって聞いていたけど、
      ショボンの事だったのかお!」

(´・ω・`)「うん。僕もこんな場所でブーンと顔を合わすだなんて、
      思っても居なかったな」

 内心の動揺を悟られない様に、普段どおりの笑顔を浮かべて、
 僕は室内へと入った。
 特定心理研究会の部室は、サークル棟の2部屋をぶち抜いて作ったものらしく、
 それなりに広い。角部屋って事もあって、窓も多く室内も明るい。

 思っていたよりは快適に過ごせそうな部屋だった。


 
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:27:17.56 ID:VnguCMx50

 広い部屋を確保しているからだろうか、室内には様々なものが置かれていた。
 まずテーブルが二つ。その一つには灰皿と空気清浄機が置かれているから、
 喫煙者用のスペースなのだろう。

 それとテレビとパソコン。
 パソコンは大きな巻き髪をした綺麗な女性が使用していて、
 ブーンはコンシューマーゲーム機を接続したテレビを占領していた。

 その他には本棚とかスピーカーとかが雑多に置かれている。
 確かに、適当に散らばってはいるものの、それほど汚らしさは感じられない。
 整理はされてないが、整頓はされているって奴なのだろう。

 僕が部室内を見回している間に、奥の給湯室から女性が顔を見せた。
 ストレートヘアが、遠心力に引っ張られて、まるで扇のように広がる。

 ふわり。

 まるで、ドラマや漫画の1シーンじみた登場だった。
 彼女の姿には、清楚さと、その裡に隠された妖艶さがあった。
 彼女の瞳には、確かな知性と、微かな狂気が存在していた。

 こんな女性がいるだなんて、僕は今まで考えた事が無かった。

川 ゚ ー゚)「ようこそ特定心理研究会へ。教授から話は聞いているよ」

 これが、僕とクーさんとの出会いだった。


 
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:28:24.92 ID:VnguCMx50

 こうして僕は特定心理研究会に入会したのだが、
 期待していた変態心理関連の研究は行われなかった。
 ドクオ教授の言葉どおり、仲良しお喋りサークルそのままで、
 思い思いにメンバーが集まり、雑談をするだけだった。

 居心地は悪くなかったものの、過剰な期待を抱いていた僕は、
 少しがっかりとしてしまった。
 やっぱり、面倒くさがったドクオ教授に騙されただけなのだろうか?

 そういった不満を抱えつつも、僕は出来るだけサークルに顔を出した。

 この日も、クーさんと巻き髪の女性……ツンさんは、二人してゲームをしていた。
 結構前に流行った、キャラクターの可愛い落ち物系のパズルゲームだ。

ξ#゚?゚)ξ 「ちょっとクー、少しは手加減しなさいよ」

川 ゚ ー゚)「おや? 手加減無用だと言っただろう?」

 この部室にゲームソフトを供給するのは主にブーンで、
 僕もこの部屋のゲームを借りる事もあった。

 たまたまなのか、今日はこの二人以外に誰も顔を見せない。
 僕はパソコンでブラウザを立ち上げながら、二人の対戦を後ろから眺めていた。


 
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:29:44.64 ID:VnguCMx50

ξ゚?゚)ξ 「あっ駄目! 駄目! あ……ああああぁぁぁぁぁぁああ……」

 不意にツンさんの情けない絶叫が室内に響いた。
 これで20連敗。よくも飽きないものだ。

 僕はネット巡回に飽きてきて、女性二人の背中を眺めていたが、
 不意にバッグの中に入れた「あるもの」を思い出した。
 最近は妙につまらない。
 なら、昔みたいに自分から動いてみたらどうだろう?

 意を決して、僕は二人に声を掛けた。

(´・ω・`)「二人とも」

ξ゚?゚)ξ 「ショボ君、なに?」

 二人とも僕へと振り返ったものの、声を掛けてきたのはツンさんだけだった。
 ショタ系の外見が幸いしてか、僕はツンさんに気に入られている。
 基本はイジラレ役なのだけれども、時折フォローも入れてもらえる。
 ツンさんに好意を抱いているブーンには、度々愚痴られるものだ。

 女性二人は僕の発言を待っている。
 僕はなるべく平静を保つ様に努力しながら、手にしたバックを持ち上げた。

(´・ω・`)「いや。旅行好きのオジさんから珍しいお茶を貰ったんだけどね。
      どうしても口に合わないんだ」

川 ゚ -゚)「それで?」


 
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:31:14.81 ID:VnguCMx50

(´・ω・`)「うん。淹れてみるからさ、取り合えず飲んでください。
      捨てるのも何だし、気に入ったらあげますよ」

 珍しいお茶という言葉が効いたのか、二人の食いつきは予想以上に良かった。

川 ゚ ー゚)「珍しいお茶か、面白そうだな」

ξ゚ー゚)ξ 「そうね。クー、頂きましょ」

 計画どおり。
 思わず、キラ染みた笑顔(デスノート的な意味で)を浮かべそうになる。
 僕は腹黒さを浮かべない様に爽やかさを意識しながら笑顔を浮かべて立ち上がる。

(´・ω・`)「淹れてくるから、二人はゲームの続きをどうぞ」

ξ゚?゚)ξ 「お茶菓子とかは無いの?」

(´・ω・`)「アハハッ、適当に見繕ってきます」

 特定心理研究会の部室には、給湯室が設けられている。
 何でこんな良い部屋を、こんなサークルが占領しているのか不明だ。
 僕が思っているよりも、ドクオ教授の人脈は強いのだろうか。
 ともかく、今はお茶を淹れなければならない。

 給湯室の扉を閉めると、ゲーム音と二人の声が小さくなった。
 換気扇を付けると、完全にシャットアウトされる。
 ヤカンに少量の水を入れてから、ガスコンロに掛けた。
 前準備はオッケー、これからが本番だ。

 
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:32:48.65 ID:VnguCMx50

(;´・ω・`)「……よ、よしっ!」

 僕は再度気合を入れ直すと、おもむろにズボンとパンツをずり下げた。
 今から僕が淹れるお茶は特製ショボ茶。

 特製ショボ茶は、僕の急須(排泄物処理的な意味で)から注がれる。

 急須に僕のナニを入れて、ゆっくりと下腹部の力を抜く。
 あまり音が立たないように角度や勢いを調整しつつ、ショボ茶を注ぐ。
 給湯室に、お小水のアンモニア臭が立ち込めるものの、
 いずれ換気扇がこの臭いを消してくれるだろう。

(;´・ω・`)(ふ、ふう……)

 ひとしきり放出を終え、僕は一度小さな溜め息をついた。
 茶棚代わりに使われているカラーボックスから、
 クーさんとツンさんのマグカップを取り出して、一度水ですすぐ。

 そして一旦綺麗にしたマグカップに向かって、急須を傾ける。
 久しぶりに行う「綺麗なものを汚す悪戯」は、僕に軽い興奮を与えてくれた。

(;´・ω・`)(んっ……んんっ)

 気付けばフル勃起していた。

 
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:34:23.07 ID:VnguCMx50

 ついでに精子でも追加してやろうかと思ったが、

(;´・ω・`)(どう誤魔化しても精子です)

 本当にありがとうございましたな結果になりかねないから止めておく。

 二人のマグカップの半分ほどショボ茶を注ぐ。
 と言っても、これで作業が完了した訳ではない。
 このままで差し出せば流石にバレてしまう。
 少しでも誤魔化しておく必要があるのだ。

 ショボ茶を注いだ急須を急いで洗うと、
 近くに放置してあった紅茶のティーバッグを2つ取り出す。
 ティーバッグを破り、洗った急須に中身を入れて、
 コンロに掛けたヤカンからお湯を注いだ。茶葉が開くまで待つ。
 出来上がった渋めの紅茶をマグカップに注ぎ、ティースプーンで軽くステアする。
 これで、本当の意味での特製ショボ茶の完成である。

 証拠になるティーバッグの残骸を処理するため、僕はバッグを開く。
 ジッパー付きでポケット状になっている場所に残骸を隠し、
 そして中から茶筒を取り出す。
 この中には、古くなったウーロン茶にアンモニア臭をつけた
 偽装ショボ茶の茶葉が入っているのだ。

 偽装ショボ茶を急須の中に放り込み、茶葉が開くまで放置する。
 その間に、給湯室に適当な茶菓子があるか確認しておく。

(´・ω・`)(お茶菓子はないみたいだな)


 
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:35:38.24 ID:VnguCMx50

 まあ、お茶菓子は無いほうが良い。
 特製ショボ茶の正体が見破られない為にも、
 彼女達の手元に長時間カップを置いておきたくない。

 急須に残った茶葉を処理し、僕は換気扇を付けっぱなしにしたまま、
 給湯室から出た。

ξ゚?゚)ξ 「あーっ、また負けたぁ!」

 給湯室から出ると、丁度ツンさんが負けたところだった。
 ナイスタイミングと言うべきだろうか。

川 ゚ ー゚)「お? お茶が出来たのか?」

(´・ω・`)「はい。お茶菓子は無かったみたいですけど」

 いかにも、残念って笑顔を浮かべておく。
 これだけで、二人の顔に柔和な笑顔が浮かんだ。

ξ゚ー゚)ξ 「一旦、休憩にしましょ」

川 ゚ ー゚)「ああ。異議なしだ」

 テーブルに戻ってくる二人に、僕はそれぞれマグカップを渡す。
 マグカップを受け取った途端、ツンさんが顔をしかめた。

 
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:36:52.73 ID:VnguCMx50

ξ;゚?゚)ξ 「……ショボ君、これ?」

(´・ω・`)「臭いでしょ? だから苦手なんです」

ξ;゚?゚)ξ 「うん、臭い。トイレの臭い、みたいな感じがする」

(´・ω・`)「オジさんは、ハーブを発酵させた茶って言ってましたよ。
      インドあたりで作られているらしいです」

ξ;゚?゚)ξ 「……あんたのオジさんって、怖いものなしね」

(´・ω・`)「ははっ、そう思います」

 ツンさんは、実に僕好みの反応を返してくれるものの、
 クーさんはマグカップを見つめるだけで無反応だった。

川 ゚ -゚)「…………」

(;´・ω・`)(まさか……バレたのかな?)

川 ゚ -゚)「ショボン、この臭いは茶葉の時からするのか?」

(´・ω・`)「え? しますよ」

 どうやらバレたのではない様だった。
 僕は胸を撫でおろしながら、バッグから偽装ショボ茶の茶筒を取り出す。

 
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:38:26.33 ID:VnguCMx50

(´・ω・`)「確認します? するなら、どうぞ」

川 ゚ -゚)「ふむ、開けるぞ?」

 クーさんは差し出した茶筒を当然のように受け取り、慣れた手付きで開ける。
 すると、アンモニア臭が室内に広がった。
 思わずといった風に、ツンさんが顔をしかめる。
 納得したのか、クーさんは茶筒を閉めて、僕へと差し出してきた。

川 ゚ -゚)「なるほど、酵素発酵ではないのだな。プーアル茶みたいなものか。
      それにしても、乾燥状態でここまで臭いのキツいものは珍しい」

(´・ω・`)「そうなんですか?」

 クーさんから茶筒を受け取って、質問し返す。

川 ゚ -゚)「そうなんですかって、紅茶やウーロン茶も発酵茶だろう?」

(´・ω・`)「え? 知りませんでした」

川 ゚ -゚)「茶は茶葉を発酵させて作るんだ。まあ、緑茶は無発酵だがな。
      インドあたりで作られたものだったか?
      ともあれ、興味深いな」

 どうやら、クーさんはこのお茶に知的興味を示したらしい。
 ここで、特製ショボ茶ですとカミングアウトできれば、どれだけ爽快だろう。
 妄想するだけで、股間が反応してしまった。

 
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:39:37.14 ID:VnguCMx50

川 ゚ -゚)「ともあれ、ツン。頂こう」

ξ;゚?゚)ξ 「え? 飲むの? これを!?」

川 ゚ -゚)「発酵食品には旨いものが多い。納豆やチーズ、くさやしかりだ」

(´・ω・`)(おっ、良いぞクーさん。その調子だ!)

 クーさんの声に背中を押されたのか、ツンさんはマグカップに口を付ける。

ξ゚ -゚)ξ 「ん………………」

川 ゚ -゚)「ぐびり………………」

(´・ω・`)(二人とも行ったー―――!!)

ξ;゚?゚)ξ 「………………うぇ」

川 ;゚ -゚)「………………むっ」

 口を付けずに拒否されると思っていただけあって、
 二人が口を付けてくれたのは流石に嬉しい。
 それだけで、股間がはちきれんばかりに屹立してしまった。

 ツンさんはゲンナリとした表情を浮かべる。
 クーさんは、何やら凍った表情でマグカップを見つめていた。

 
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:41:03.27 ID:VnguCMx50

ξ゚?゚)ξ 「ショボ君、マズイ。濃い紅茶みたいに渋いし」

(´・ω・`)「やっぱり、口に合いませんか」

ξ゚?゚)ξ 「あんたのオジさんって、これ飲んで買ってきたのよね?」

(´・ω・`)「飲んでないと思いますよ。あの人、適当ですから」

 ツンさんが、いち早く特製ショボ茶ショックから立ち直った。
 彼女の文句に対応していると、クーさんもゆっくりと動き出した。

川 ゚ -゚)「ふむ。興味深い」

 一言感想を述べると、ゆっくりとマグカップを口へと近づけ、

川 ゚ -゚)ぐびぐび

ξ;゚?゚)ξ 「え?」

(;´・ω・`)「え?」

 特製ショボ茶を一気飲みをし始めた。

 
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:42:48.28 ID:VnguCMx50

川 ゚ -゚)「ぬるめで淹れるんだな。猫舌の私には丁度良い」

川 ゚ -゚)「渋みは……発酵茶葉だろうな。その他は、はて、何だろう?」

川 ゚ -゚)「思い当たるハーブが浮かばないな……もしや、複数のハーブか?」

川 ゚ -゚)「何種類かのハーブと紅茶をブレンドして発酵させたのだろうな」

川 ゚ -゚)「ともあれ、興味深い」

 そこまで喋り終えると、クーさんはツンさんのマグカップを覗いた。

川 ゚ -゚)「どうしたツン、飲まないのか?」

ξ;゚?゚)ξ 「え? ええ」

川 ゚ -゚)「口に合わなかったらしいな。なら、私が貰って良いか?」

ξ;゚?゚)ξ 「ど、どうぞ」

川 ゚ -゚)「すまないな。この埋め合わせはきっとする」

 そして、再度一気飲み。

 どうやらクーさんは、特製ショボ茶にいたく興味を惹かれたらしい。
 本日二杯目の特製ショボ茶を飲み干し、僕へとゆっくり振り返った。

 
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:44:22.53 ID:VnguCMx50

川 ゚ -゚)「ショボン」

(;´・ω・`)「え? あ、はい?」

川 ゚ -゚)「頂こう」

(;´・ω・`)(……え?)

 一瞬、クーさんが何を言っているのか理解できなかった。
 そして理解すると同時に、一気に冷や汗が出てきた。

(;´・ω・`)「こ……このお茶をですか?」

川 ゚ -゚)「ああ。正直、旨いとは言えないが、興味を惹かれた」

(;´・ω・`)「ど、どうしてもですか?」

川 ゚ -゚)「? なぜ不思議がる? お前はコレを処分したかったのだろう?」

 僕には逃れる手段が残っていなかった。
 最初の気の惹き方からして、僕にはミスがあったのだ。
 味ではなく、興味で欲しがる人間がいると考えなかった僕のミスだ。

 茶筒を見せてしまったから、持ち合わせが無いと言って、逃げる事も出来ない。
 欲しければ差しあげるなんて言わずに、
 先約が居るけど試しますかって話を振っておけば良かった。

 
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:45:40.66 ID:VnguCMx50

 ともあれ、今更クーさんの申し出を断るのはあまりに不自然だ。
 僕はおずおずと茶筒をクーさんへと差し出した。

川 ゚ ー゚)「すまないな。謝礼は、また後日で良いか?」

(;´・ω・`)「いえあのっ……、処分して頂くだけで十分ですから」

川 ゚ ー゚)「まあそう言うな。面白いものを用意しておく。
     期待していてくれ」

(;´・ω・`)「あ、携帯が鳴ってる……すいません」

 ホクホク顔のクーさんを見ていられず、
 僕は携帯が鳴ったかの様に振舞って部室から逃げ出した。
 結局、部室に戻らず、急用が出来たと言い訳して、
 その日は逃げるように家へ帰った。

 家に帰ってから、僕はクーさんに茶葉を捨てさせる計画を練っていた。
 今日中に、それも早いうちに組み上げなければならなかった。

 偽装ショボ茶のアンモニア臭は、香料を使って付けたものだ。
 本来は薄めて使う香料を原液のまま、大量に降りかけたのだ。
 香料の原材料にアンモニアが使われている恐れがある。
 アンモニアは危険物だ。液状のものが眼球に入れば失明するかもしれない。

 本物のアンモニアを使ってなかったとしても安心は出来ない。
 原液の香料を多量に摂取すれば何かしら影響があるかもしれないからだ。
 最悪、クーさんが病院に運び込まれる恐れがある。

 
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:47:55.89 ID:VnguCMx50

 早く捨てさせなければならない。
 プランが出来上がった今、覚悟を決めてクーさんに電話をするだけだ。

 事前に聞いてあったクーさんのケータイへ電話を掛けた。
 何回かコール音が響いた後、『はい』とクーさんと繋がった。

(;´・ω・`)】「あの……ショボです」

『ああ、判っているよ。それで、何の用だ?』

(;´・ω・`)】「……あの茶、飲みました?」

『うん? ……ああ、なるほど……』

 たったそれだけの会話でクーさんは何かを悟った様だった。
 彼女は小さく笑った。

『……君は、私を心配してくれたんだ?』

(;´・ω・`)】「え?」

(;´・ω・`)】「あの、クーさん?」

『いやいや。それにしても、随分と都合が良い』

(;´・ω・`)】「だから、あの、クーさん?」

 
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:49:08.40 ID:VnguCMx50

『……ああ。話を無視している様ですまないな、ショボン』

(;´・ω・`)】「……ですから……」

『うん。君の最初の質問に端的に答えよう。飲んではいない』

(´・ω・`)】「あ……、そうですか」

 ようやくクーさんに返事を貰った事と、
 その返事が望んでいた通りの言葉だったため、
 僕はクーさんの変調には気付かず、安堵してしまった。

(´・ω・`)】「それで、あの茶葉なんですけど……」

『ああ』

(´・ω・`)】「家に帰って調べてみたんですけど、賞味期限が切れてたんです」

『それで?』

(´・ω・`)】「良く調べもせずに、あんなもの飲ませちゃってすみません」

『ふむ』

(´・ω・`)】「出来れば、あの茶葉は捨ててください」

『なるほど……判った』

 
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:50:29.73 ID:VnguCMx50

 賞味期限切れで捨てちゃってください作戦は、考えていたよりもスムーズに進んだ。

 クーさんの事だから、興味を抱いたものに関しては
 食い下がってくるかなと考えていたのだけれど、
 あっさりと同意してくれた。怖い位に上手く事態を運べた。

(´・ω・`)】「それで、茶葉の名前はオジさんに確認しておきます」

『何だ? パッケージはないのか?』

(´・ω・`)】「ありますけど……消費期限の日付シールが張ってある
       単なるビニール袋ですよ?」

『ふむ……、それじゃオジさんが憶えていなかったらアウトだな?』

(;´・ω・`)】(やべっ! オジさんのズボラな性格を強調しすぎたかな?)

(;´・ω・`)】(やっぱり残しとこうって話になったらどうしよう)

『だが、まあ、仕方ない。茶葉は捨てるとしよう』

(;´・ω・`)】(ほっ……)

(´・ω・`)】「それが良いと思います」

 
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:52:06.22 ID:VnguCMx50

 これで、計画通りに話が進んだ。
 この後は、旅行に出てしまったオジさんと一ヶ月は連絡が付かない予定だ。
 流石に一ヶ月もすれば、オジさんも茶葉の名前を忘れてしまっても仕方がない。

 それに、万一アンモニア臭のするお茶が本当にあったとしても、
 消費期限切れで味が変化していたと言い訳も出来る。

 我ながらホレボレするぐらいの完璧なプランだ。

 僕は電話口でクーさんの世間話に相槌を打ちながら、
 綿密に組み上げたプランを思い返して、ニヤニヤとしていた。

『それでな、ショボン』

(´・ω・`)】「何ですか?」

『言っていた、面白いものが用意が出来た』

(´・ω・`)】「は?」

(´・ω・`)】「あの……、面白いものって?」

『言っていただろう? お茶のお礼に、面白いものを用意すると』

(´・ω・`)】「でも、お茶は駄目でしたし……」

『遠慮するな。こっちも用意してしまったから無駄にはしたくない』

 
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:53:29.18 ID:VnguCMx50

 断るのは簡単だが、好意を踏みにじるのは気分が良くない。
 ここは頂くというのが筋と言うものだろう。

(´・ω・`)】「……判りました。僕もお詫びに何か持って行きます」

『そうか? ……いや、いらないな』

(;´・ω・`)】「え?」

『うん。考えてみればショボンの歓迎会がまだだったな』

(´・ω・`)】「え? いや、まあ、そうですけど」

『それじゃ、今回用意したものを歓迎会代わりとしよう』

(´・ω・`)】「……はあ」

 思いがけない方法へと話が進んでしまった。
 断る理由も無いし、ありがたく受けようと思う。

『それじゃ。また明日』

 それだけ言って、クーさんは電話を切った。

 
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:55:15.73 ID:VnguCMx50

 クーさんとの電話が終わっても、僕は胸騒ぎを覚えていた。
 何だか、悪い予感がする。
 悪い予感に限っては、外れたりしないものだから困りものだ。

(´・ω・`)(この胸騒ぎの原因は何だろう……?)

(´・ω・`)(考えてもラチが明かないな……)

 風呂に入ってサッパリしても、お気に入り音楽を聴いても、
 布団には入って一晩寝た後でも、この胸騒ぎは消えてくれなかった。
 僕は、沈んだ気持ちのまま、大学へと出かける他なかった。

 
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:56:26.67 ID:VnguCMx50

 本日最後の講義が終わってケータイを確認する。
 メールが一通届いている。差出人はクーさんだ。
 詳しく話したい事があるから、ドクオ教授の研究室に来てくれと書いてあった。
 呼び出し先がサークル棟でない時点で、僕は確信を抱いてしまった。

 昨日から続いている悪い予感。
 お茶を捨てる事にすんなりと同意しても続ける、要領を得ない会話。
 状況証拠としては、もう十分だろう。
 恐らくクーさんは、ショボ茶の正体に思い当たったのだ。

(´;ω;`)(グッバイ、我が青春)

 名実共に変態の烙印を押される事になってしまった。
 呼び出し先が教授の研究室と言う事もあり、下手すれば退学もあり得る。
 覚悟を決める間もなく、僕は諾々と研究室へと足を進めた。

(´つω・`)「失礼します」

川 ゚ -゚)「ああ。入ってくれ」

 意を決して扉を開く。
 この間とは打って変わって、研究室は綺麗に整理整頓されていた。
 室内にはクーさん一人きり。マグカップを片手にパイプ椅子に座っている。

 
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:58:24.87 ID:VnguCMx50

(´・ω・`)「…………?」

川 ゚ -゚)「どうした? 早く入るといい」

(´・ω・`)「えっと、教授は?」

川 ゚ -゚)「予定があるとかで、外出してらっしゃるよ」

 つまり、室内には僕とクーさんの二人きりになると言うわけで。
 彼女が何を考えているのか、僕にはサッパリと判らなかった。

 一瞬、邪な考えが脳裏を過ぎった。

(´・ω・`)(でも、後味悪い)

 暴行を加えて、それをネタに脅迫ってやり方は、僕が最も嫌うやり方だ。
 後味悪いし、それに僕は相手に知られず悪戯する事に美学を感じている。
 それに、悪質な嫌がらせだけでなく、
 暴行罪まで付いてしまったら完全に社会から抹殺されてしまう。

 
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 20:59:55.80 ID:VnguCMx50

川 ゚ -゚)「まあ、自由に掛けてくれ」

(´・ω・`)「はい。それじゃ失礼して」

 手頃なパイプ椅子へと腰を下ろした。

 神妙に従う僕の姿を見て、彼女は微笑を浮かべながら口を開いた。

川 ゚ ー゚)「予想通り、キミは頭が回るタイプだな。それに勘も良い」

(´・ω・`)「そう評価された事はないですけどね」

川 ゚ ー゚)「隠すのも上手いからね。……ああ、外見も一役買ってるのか」

(´・ω・`)「……それで、お話は何ですか?」

川 ゚ -゚)「色々とあってね。さて、どれから切り出そうか……」

(´・ω・`)「どれ?」

川 ゚ ー゚)「言っただろう? お礼に面白いものを用意するって」

 そう言って、彼女はニヤリと笑った。
 この時初めて、僕はクーさんの暗い笑顔を見たのだ。

 
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:01:44.29 ID:VnguCMx50

川 ゚ -゚)「さて、まずはキミの不安を取り除く事から始めよう」

川 ゚ -゚)「コレなんだがな……」

 喋りつつも、彼女はカバンから茶筒を取り出して、テーブルの上に置いた。
 何なのかは一目で判る。偽装ショボ茶の入った茶筒だ。
 謝ろうと椅子から腰を浮かべたが、クーさんがそれを片手で制した。

川 ゚ -゚)「……理学部の友人に成分分析を行って貰ったんだ」

(´・ω・`)「始めから疑っていらしたと?」

川 ゚ -゚)「まあ。少々茶にはうるさくてね……」

 言いながら、彼女は腕組みをする。

川 ゚ -゚)「アンモニア臭のする茶というものは、存在しない」

川 ゚ -゚)「それは流石に言いすぎか。だが、少なくともインド周辺には存在しない」

(´・ω・`)(ああ……前提からバレてたのか)

川 ゚ -゚)「しかしまあ、悪くない方便だったよ。荒削りだけどね」

(´・ω・`)「悪くない?」

 
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:03:11.48 ID:VnguCMx50

川 ゚ -゚)「お小水を飲ませる嘘としてはね。及第点をあげても良い。
     茶葉に関しては失敗だし、その後のフォローもズボラだ。
     ま、『フォローの必要がない』が、最上だけどね」

(´・ω・`)そ !!

(;´・ω・`)「…………」

(;´・ω・`)「そ、そこまで判っていて、飲んだんですか?」

 搾り出す様に答えると、クーさんは再び暗い笑顔を浮かべた。

川 ゚ ー゚)「やはりオシッコか」

(´・ω・`)そ !!

(;´・ω・`)「や、やはり!?」

川 ゚ ー゚)「カマを掛けさせて貰ったよ。
      流石に飲んだものの成分分析は出来ないからね」

 そして彼女は、暗い笑顔のまま僕を見る。
 初めて彼女と出会った時、瞳の奥に潜んでいた狂気が、今は膨れ上がっている。
 それは僕に、確信を与えてくれた。

 
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:04:43.06 ID:VnguCMx50

川 ゚ -゚)「久々に、ビリビリと頭にキたよ。
      ああ……これだと怒っているみたいな言い方だな。
      キたんだよ、刺激が。脳髄にね。
      平凡な日常にはあらざる刺激だった」

(´・ω・`)「それで……僕を罰するんですか、『会長』さん?」

川 ゚ -゚)「見抜いたか、やはり鋭い。教授から推薦を受けるだけある」

 そう僕を評し、クーさんは右手を差し出してきた。

川 ゚ ー゚)「改めて歓迎しよう。ようこそ特定心理研究会へ。
      私が会長の素直クールだ」

 そして僕は、無言で彼女と握手を交わした。

 
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:06:13.70 ID:VnguCMx50

 それからクーさんは、特定心理研究会のあらましを語ってくれた。

 変態性欲の持ち主が集まって出来たサークルである事。
 変態性欲を充足させるために、仲間内で悪戯じみた行為を行っていた事。
 いつしかそれも廃れていってしまった事。

 長々とした話だったがクーさんの脚色が面白く、つい聞き入ってしまった。

川 ゚ -゚)「悲しいかな、何時だって我々はマイノリティーだ」

(´・ω・`)「お蔭様で、それを隠しておく知恵はつきましたけれど」

川 ゚ ー゚)「確かにな」

川 ゚ -゚)「しかしだ。逃げる隠れるでは現状維持も出来ない。
      だから教授は、心理学といった分野で世間と戦っているんだ」

(´・ω・`)「結果は芳しくないって聞いてますけど」

川 ゚ -゚)「世間が革新的な思想が受け入れるのは時間の掛かる事だよ。
      何時だってそうさ」

(´・ω・`)「ところで、話変わりますけど、質問いいですか?」

川 ゚ -゚)「何だ?」

 
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:08:31.40 ID:VnguCMx50

(´・ω・`)「今の研究会の中に、僕らの様な人間は後、何人位居ますか?」

川 ゚ -゚)「そんな事か。さっきも言っただろう?
      我々はマイノリティーだと」

(´・ω・`)「なるほど」

 どうやら、あの研究会メンバーの中でも変態は僕とクーさんしか居ないらしい。
 クーさんとの共通項を発見し、僕は少しハシャギたい気持ちになってしまった。

川 ゚ -゚)「さて、変態談義はコレ位で良いだろう?
      本題に入らせてもらうぞ」

 そう言ってクーさんはカバンから小瓶を取り出した。

(´・ω・`)「これは?」

川 ゚ -゚)「睡眠導入剤の失敗作、有態に言えば麻酔モドキだ」

(´・ω・`)「は?」

川 ゚ -゚)「まあ、物事には順番が有る。まあ聞きたまえ」

(´・ω・`)「はぁ……」

 
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:10:55.32 ID:VnguCMx50

川 ゚ -゚)「私の伯父は製薬会社に勤めていてね。
      新しい睡眠導入剤を作っているんだ」

(´・ω・`)「睡眠導入剤って、睡眠薬みたいなものですか?」

川 ゚ -゚)「そのものだよ。無理やり眠らせるんじゃなくて、
      眠りを促すから、睡眠導入剤って言い方が正しいんだ」

(´・ω・`)「その失敗作って、効き目がないんですか?」

川 ゚ -゚)「いや、あり過ぎるんだ」

川 ゚ -゚)「人の睡眠には二種類があるんだ。レム睡眠とノンレム睡眠って奴だ。
      聞いた事はあるだろう?」

(´・ω・`)「詳しくは知りませんけど、名前ぐらいは聞いた事あります」

川 ゚ -゚)「なら、簡単に説明しよう。人は睡眠時にレム睡眠とノンレム睡眠を
      90分から120分の周期で交互に行っているんだ。
      レム睡眠は激しい眼球運動、ラピッド・アイ・ムーブメントを起こす事が特徴で、
      外部状況を認知して現象を夢へと反映させる夢への取り込み現象が
      行われるとされ……」

(;´・ω・`)「あの……」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

 
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:12:39.78 ID:VnguCMx50

(;´・ω・`)「もう少し判りやすく説明してもらえませんか?」

 説明してもらっている立場でこんな事をいうのは悪いけど、
 クーさんの解説には専門用語が当たり前の様に登場し、
 しかも、それを当然知っている前提で行われている。

 判りやすい、にくいで言えば、ものすごく判りにくい。
 そりゃもう圧倒的に。

(;´・ω・`)「なるべく専門用語控え目でお願いします」

川 ゚ -゚)「了解した」

川 ゚ -゚)「人が寝ている時、熟睡状態と半覚醒状態を繰り返しているんだ」

川 ゚ -゚)「そして眠りの深さも存在している。ステージ?とか言われている奴だ」

川 ゚ -゚)「そしてこの薬は、眠りの深い半覚醒状態を引き起こすんだ」

(´・ω・`)「すごい薬じゃないですか」

川 ゚ -゚)「全然すごくない。失敗作だと言っただろう?
      眠りの深い半覚醒状態ってのは外部刺激を夢に取り込んでしまうんだ」

(´・ω・`)「はぁ」

川 ゚ -゚)「つまりだ。半覚醒状態は体は寝てても脳は起きている状態だから、
      たとえ長時間取ったとしても疲れは回復しないんだ」

 
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:14:02.59 ID:VnguCMx50

川 ゚ -゚)「と同時に、起こそうとして刺激を受けても、それを夢にしてしまう」

(´・ω・`)「? どういう事ですか?」

川 ゚ -゚)「つまりだ。寝ている状態でSEXしたとしても、
      その刺激を夢に取り込んで『誰かと性行為をしている夢』に
      してしまって、覚醒に繋がらないんだ」

(´・ω・`)「つまり、どんな事をしても起きないと?」

川 ゚ -゚)「絶対にとは言い切れないが、殆どはそうなる。
      拳銃で撃たれても目覚めなかったケースも存在しているからな」

(´・ω・`)「なるほど、だからその薬は睡眠薬としては失敗なんですね?」

川 ゚ -゚)「ああ、その通りだ」

(´・ω・`)「そして、刺激を受けるから麻酔としても不出来」

川 ゚ ー゚)「だが、悪戯のオモチャとしては、なかなか面白いだろう?」

 確かにと、頷くしかなかった。

(´・ω・`)「クーさんは、それで何かをしようとしている?」

川 ゚ ー゚)「その通り。それをキミに手伝って貰いたいんだ」

 
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:15:19.07 ID:VnguCMx50

(´・ω・`)「……お断りです」

川 ゚ -゚)そ !!

(´・ω・`)「寝ている相手に悪戯を仕掛けても、僕は面白くもありません」

(´・ω・`)「それとは知らない相手に仕掛ける悪戯こそ至高であると、
       僕は信じています。その様を観察する事こそが快楽なのです」

(´・ω・`)「一口に変態と言っても、その嗜好と志向は異なるんです」

(´・ω・`)「僕に何の益もない挙句、非常にリスキーな悪戯に参加する事は
       愚かな行為であると断じざるを得ません」

川 ゚ -゚)「………………」

(´・ω・`)「………………」

 室内が緊張と沈黙で満たされた。
 それは当然の結果ではあるのだけれど、
 あまり居心地の良い雰囲気であるとは言えない。
 僕は溜息をつき、言葉を続ける事にした。

(´・ω・`)「ですが、参加せざるを得ません」

川 ゚ ー゚)「よろしい。やはりキミはバカではないな」

 
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:16:40.81 ID:VnguCMx50

(´・ω・`)「同好の士とは言え、脅迫のネタを握っている相手に逆らう事は
       あまり賢いとはいえないですから」

川 ゚ -゚)「確かにな……しかし、これは余り面白くないな。
      よし、アンフェアな立場はコレっきりとしよう」

(´・ω・`)「?」

川 ゚ ー゚)「何を不思議そうな顔をしている?
      私は、取引を終えたら忘れると言っているんだ」

 何を今更としか思えない。
 たとえ言葉どおりに忘れたとしても、何時か思い出すかもしれない。
 これから先、僕とクーさんとの関係は、アンフェアで成立するのだ。

川 ゚ ー゚)「よろしく頼むよ、ショボン」

(´・ω・`)「よろしくです」

 保たれたままの暗い笑顔、瞳の中に同居する知性と狂気。
 彼女から優位な立場を手放す事は無いと、それらが証明している。

 しかし、悪戯の対象は誰なのだろうか?
 したたかなクーさんの事だ。事を荒立てないように身内……
 研究会のメンバーを選ぶだろう。
 それでいて、研究会の女性メンバーは粒ぞろいだ。
 クーさんを筆頭に、個性的だが外見だけは整っている女性しかいない。

 
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:38:20.13 ID:VnguCMx50

 ツンさんだろうか?
 クーさんと仲の良いサークルメンバーの筆頭だ。
 クーさんであれば、手間を掛けず策を弄さずとも、彼女を騙しきれるだろう。
 二人の友情、信頼関係はそれほどのものなのだ。
 あのプライドの高そうな女性が、本人の知らぬ間に陵辱される。
 陵辱やら強姦やら、そちらには興味が無かったけれど、確かにソソられる。

 いや待てよ、クーさん自身の可能性も捨てがたい。
 彼女なら、寝ている間の性交に興味があるとか言い出してもおかしくない。

 あらぬ妄想が頭の中を駆け巡り、何時しか僕は股間を屹立させていた。

川 ゚ -゚)「それと、事前に確認したい事がある。
      ショボン、キミは女性経験があるか?」

(;´・ω・`)「ありますよ」

 とは強がってみたものの、実のところ僕は童貞だ。
 自らの変態性癖を隠す事で精一杯で、女性と付き合うどころじゃなかったのだ。

川 ゚ -゚)「ふむ。では、男性経験は?」

(;´・ω・`)「はっ?」

川 ゚ -゚)「だから男性経験だよ。入れたり入れられたり、アーッ! って奴だ」

(;´・ω・`)「そりゃ普通、ありませんって……」

 
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:40:30.27 ID:VnguCMx50

 苦笑いを浮かべながら否定すると、彼女は再び暗い笑顔を作る。

川 ゚ ー゚)「よろしい。それは好都合だ」

(;´・ω・`)「はっ?」

川 ゚ ー゚)「この一件は、キミにとっても貴重な体験となるだろう」

 クーさんの笑顔からは、不安以外が感じ取れない。
 気付けば、背後が崖だった。そしてそこに突き落とされ様としている。
 そんな感じだった。

川 ゚ ー゚)「キミにね、ブーンを掘って貰いたいんだ」

 満たされ様とする知的欲求を目の前にした、
 これ以上は無いほど愉悦と快楽に溺れた表情をしたクーさんに、
 底の見えない崖へと、まっ逆さまに突き落とされた。

 
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:43:33.83 ID:VnguCMx50



   ******************
   *これで濃厚な回想シーンは終わりです*
   ******************

 


 
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:45:35.71 ID:VnguCMx50

 熱い熱いと表現されてはいるものの、そこは思ったよりも熱くはなかった。
 むしろ生暖かいと言うべきで、それらファンタスティックな感覚は、
 肉体的に与えられているというよりも、精神的な充足感がもたらしているのだろう。
 そう、解釈せざるを得なかった。

 僕は奥歯を噛み締めながら、抽入を繰り返していた。
 気を引き締めていなければ、何時果ててしまってもおかしくないのだ。

 ブーンの裡は想像以上に気持ち良かった。気分が悪くなるほどだ。
 これが女性器だったらと、引き抜く度に思い、突き入れる度に願った。

(;´・ω・`)「……っく……ハァハァ」

川 ゚ ー゚)「どうだい? 初めての男は?」

(;´・ω・`)「こっ……コメントはっ……控えさせてぇ、頂きます」

川 ゚ ー゚)フフフ

 クーさんはイヤらしい笑みを浮かべつつ、僕とブーンの痴態を眺めている。

川 ゚ ー゚)「しかし……これは、愉快だな」

 満面の……邪悪な笑顔を浮かべつつ、クーさんはスカートの中へ右手を差し入れた。

川 ///)「……んんっ」

 
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:49:28.04 ID:VnguCMx50

 彼女はしばらく自分の手で性器をいじると、スカートから右手を引き抜いた。
 指先に何やら、キラキラと光る滴が付着している。
 何を思ったのか、クーさんは指を擦り合わせて、ゆっくりと離した。

 粘度の高い愛液が、糸を引きつつ伸ばされて……千切れた。
 ぬちゃりという音まで、聞こえてきそうだった。

川 ゚ ー゚)「しまったな。本気で濡れてしまったぞ」

(;´・ω・`)「それは……ハァハァ……良かったです、ね」

( ゚ω゚)「オウ! オウ! オウ! オウ!」

川 ゚ ー゚)「ほら、ショボン。口を開いて……」

(;´・ω・`)「……ハァハァ……あ、ああ」

( ゚ω゚)「オウ! オウ! オウ! オウ!」

 僕は彼女に指図されるがまま、素直に口を開いた。
 すると彼女は、愛液が付着したままの指を、大きく開いた僕の口へと差し入れた。

 予備知識として知ってはいたけれど、それは想像以上に生臭かった。
 たったそれだけで、僕の中に存在していた女の子に対するファンタジーは、
 一瞬で砕けてしまったけれど、却って女性に対する執着というか……。

 いや。繕うのはやめよう。

 
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:51:41.44 ID:VnguCMx50

 僕はこの瞬間。素直クールという女性に魅入られてしまったのだ。
 彼女の、悪質というべき性癖に、邪なる肉体に、魅入られたのだ。

川 ///)「……今から、オナニーする……」

 僕とブーンの痴態から視線を逸らさず、彼女はスカートへと手を突っ込み、
 パンツだけを引き抜いた。
 シンプルなレースだけの、白いパンツだった。
 彼女はそのままベットの上に腰掛け、両手を股座へと差し込む。

 幾ら僕に女性経験がないとは言え、
 このネット社会で女性器を見たことがないなんて事がある訳がない。
 エロ動画の一つや二つダウンロードした経験ぐらいあるし、
 無修正画像なんて、探そうと思えば幾らでも見つけられる。

 でも、目の前に実在する女性の、知り合った女性の、
 それを見る事なんて、ありえない話だ。
 少なくとも、今までの僕にとっては、ありえない事だった。

川 ///)「……っん! んん……っあ!」

 クーさんの、噛み殺した嬌声が聞こえてくる。
 それには脳髄に直接染み込んで来るような、強制的な力があった。

 もう、いつ爆発しても、不思議じゃなかった。

 
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:53:49.05 ID:VnguCMx50

 時折、クーさんの股が大きく開き、微かに恥毛が見えた。
 時折、クーさんの手が股間から離れ、刹那の間、女性器が見えた。

(;´・ω・`)(クーさんを押し倒したい!)

(;´・ω・`)(ブーンから引き抜いて、今すぐにでも彼女に入れたい!)

 そう思うものの、時折こちらへと向けられるクーさんの視線が僕の思いを阻む。
 それは、しちゃいけない約束だよと、そう伝えてくる。

 だから、僕は我慢しなくちゃいけなかった。
 クーさんの言うことをキチンと聞いて、我慢しなければならなかった。

川 ///)「ハァハァ……良い子だな、ショボンは……」

川 ///)「ちゃんと言う事聞くから……、これはご褒美」

川 ///)「目を閉じて」

 言われた通り、瞼を閉じた。
 視界が暗転し、世界があやふやになって、二つの感覚だけが、確かになった。
 触覚と、聴覚。それだけが存在する世界になった。

『良いかな? 今ショボンは私を抱いているんだ』
『ブーンじゃなくて、私だ。素直クールを抱いている』
『素直クールとSEXしているんだ』

(;´-ω-`)「くっ……クーさんっ! クーさんっ!」

 
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:56:31.48 ID:VnguCMx50

 僕は、彼女の囁きに引き込まれるように、暗闇の中でクーさんの身体をむさぼった。
 さっきまでは生暖かいと感じていたそこも、クーさんのだと判れば、熱さを感じた。
 まるで、僕自身を食いちぎろうと引き締まるそこに、愛着さえ感じていた。

『ほら、顔』

(;´-ω-`)そ

 不意に、顔に柔らかいものが押し当てられた。
 もしかすると、これは……。

『おっぱい。口に含んで、優しく、ほら愛撫して……』

(;´-ω-`)「く。クーさぁぁぁん!」

 僕はガムシャラになってソレへと顔を押し当て、先端部分を探し出した。
 そして見つけた先端を口に含んで、思い切って吸い込んだ。
 皿に残った僅かなソースを舌で抉り取るようにクーさんの頂点を舐り、
 時には歯で挟んで、甘く刺激した。

『ん……っんん! 中々、上手なものだな』

(;´-ω-`)「く、クーさんのだから、丁寧にやってるんだよ!」

『そうか、私のだからか……。良い子だな、ショボンは』

 クーさんに褒められ、僕は嬉しくなってより丁寧にネチッこく、
 彼女の先を舌とクチビルと歯で愛撫した。

 
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 21:58:23.83 ID:VnguCMx50

 僕は口で彼女の片方を攻め、もう片方へと右手を伸ばした。
 がっちりと掴んだが、クーさんは僕の手を振り払おうとしない。
 僕は、彼女に怒られなかった、拒絶されなかったという事だけに安堵して、
 それから右手での愛撫を開始した。

『っん! フフ……いけない子だな、ショボンは』

(;´-ω-`)そ「ゴメン! ゴメンなさいっ! クーさん!」

 不意に聞こえた彼女の声に反応し、僕は右手を急いで離す。
 彼女に挿入したままだった男性器も引き抜き、胸から顔も引き離す。

(;´-ω-`)「も、もうしないよ!」

『怒っている訳じゃないよ。ほら、もう一度いれて』

 クーさんの優しい囁きが聞こえた。
 すると、僕自身に誰かの指先が触れた。

『導いてやろう。ほら、ここだぞ、ここ』

 その指先は僕自身をしっかりと掴むと、進むべき方向を定めてくれた。
 だから、僕は安心してそこに突き入れた。
 やっぱり、クーさんの中は熱い。溶けてしまいそうな位だ。

『ほら、口と手がお留守だ』

 
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 22:00:22.76 ID:VnguCMx50

 僕はクーさんへの愛撫を再開する。
 常に響いている、オウオウという響きも、気にならなくなってきた。

(;´-ω-`)「でちゃう! もうでちゃうよ、クーさん!」

『……っんん、そうか。なら、出しなさい』

(;´-ω-`)「うん、出すよ! いっぱい出すよ、クーさぁぁぁん」

 ……。
 …………。
 何も考えられないほど、思考が空白になるほどの快感の波が去る。
 僕は全身の緊張を解いて、ブーンの体へと倒れ込んだ。

川 ゚ ー゚)「しかし、キミは時折、たまらなく可愛くなるな」

(;´・ω・`)「……さっきのって、もしかして催眠術ですか?」

 じゃないと、あそこまでブーンの身体をクーさんだと錯覚できない。
 彼女は僕の質問に答える事無く、
 何時になく優しい微笑を浮かべて服を正し始めた。

 さっきまで感じていた充足感も失って、僕はブーンの体から離れる。
 思えば、彼が一番の被害者なのだ。

( -ω-)「お……おっ、おっ、おっ」

 という想いも、満足そうな表情をした彼を見て、あっけなく霧散したのだけれども。

 
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 22:02:31.80 ID:VnguCMx50

 彼女が生み出した幻想で抱いていたのは、確かにクーさんじゃなかったけれども、
 いましがたまで目の前に差し出されていた乳房は、確かに彼女のものだった。
 それだけは、嬉しかった。

 しかしながら、クーさんは普段通りのクーさんに戻ってしまっていた。
 その落ち着きは、ほんの少し前まで嬌声を上げていたとは思えないほどだ。

川 ゚ -゚)「ショボン、先にシャワーを浴びると良い」

(;´・ω・`)「お言葉に甘えさせて頂きます」

川 ゚ ー゚)「ああ。ゆっくりと体を休まさせろ。その間に片付けておく」

(;´・ω・`)「何から何まで、すみません」

川 ゚ ー゚)「気にするな。元々私が言い出した事だ」

 こうして、僕の歓迎会を兼ねた、クーさんの実験が終わったのだ。

 
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 22:04:46.49 ID:VnguCMx50

( ^ω^)「おっおっおっ。おはようだおー」

(´・ω・`)「朝っぱらからテンション高いね」

 次ぐ日、ブーンのテンションは朝っぱらからクライマックスだった。

( ^ω^)「おっ? そういえばクーさんはどこだお?」

(´・ω・`)「キミが酔い潰れている内に帰ったよ」

 あの後、終電の時間を過ぎてしまっていると気付いたクーさんは、
 始発が動き出すまでこの部屋に居たのだけれども、説明としては間違っていない。
 少なくとも、嘘はついていないしね。

( ^ω^)「しかし、昨日は良い夢を見たお」

(´・ω・`)「ぶっ!!」

 夢という単語に思わず噴出してしまった。
 が、彼はそんな僕にお構いなしで言葉を続ける。

( ^ω^)「ディルドー付けたクーさんに、ガリガリ掘られる夢だったお」

(;´・ω・`)「……へ、へぇ」

 いや、僕がそのディルドーだから、あながち夢は間違っていないよ。
 とは、口が裂けても言えるはずがない。

 
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 22:07:03.36 ID:VnguCMx50

(´・ω・`)「ブーンって、結構マゾっ気あるんだ?」

( ^ω^)「おっ? ショボンはこの手の話をしても引かないのかお?」

(´・ω・`)「まあ、方向性は違えど、似たようなものだしね」

 居たよ。居ましたよ。身近なところに変態が。
 探してみれば、もっと至る所に変態が居るんじゃないかって思えてきた。

( ^ω^)「とりあえず、朝ごはんを食べに行くお!」

(´・ω・`)「そうだね。でも、朝マックは禁止」

( ^ω^)そ「おっ! それを抜かしたらブーンの朝食は消滅してしまうお」

(´・ω・`)「取り合えず、冷蔵庫にあるもので、簡単なもの作るよ」

( ^ω^)「おー。ショボンは良いお嫁さんになれそうだお!」

(´・ω・`)「お嫁さん……ね」

 なんか、笑えない冗談だなって思った。
 形容しがたい寒気が、背筋を這い登ってくる。

『川 ゚ -゚)「取り合えず、キミは女の子の格好をしろ」』

 言いかねない。あの人ならば、言い出しかねない。
 頭を過ぎった妄想にゲンナリとしながら、僕は冷蔵庫を開いた。

 
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 22:10:52.85 ID:VnguCMx50



    *後日談*





 
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 22:12:46.08 ID:VnguCMx50

 二日掛けてまとめたレポートを教授に渡した。
 今、内容を確認して頂いている所だ。

 レポートのタイトルは
『異性愛男性に同性愛を強要した場合の心理的抵抗』

 サークルの新人として入ってきたショボンが実に面白い反応をしてくれたお陰で、
 割かし楽しみながらレポートをまとめられた。

 初めのプランでは性行為を行うのはショボンとブーンだけであり、
 私は観察するだけだったのだが、
 異性愛者であるショボンが同性を相手に興奮を維持出来るはずもないので、
 私はあの手この手を使って彼に性的興奮を与え続ける事になり、
 さらには、彼らの目の前で自慰を公開すると言う、
 滅多に出来ない経験をさせて貰った。

 その時、ショボンの心理状態が限界になりつつあると気付いた。
 触れたくもない同性の体を愛しているという状態と、
 目の前に触れられない異性の体が晒されている状態に、
 彼の心理状態は擦り切れる寸前にまで追い込まれていたのだ。

 あのまま続けていたら、私は彼にレイプされていただろう。
 まあ、それもそれで面白そうではあったが。
 しかし、その結果が研究テーマとはかけ離れたものとなっては意味が無い。

 そこで、私は彼に逃げ道を用意してあげる事にした。

 
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 22:15:18.89 ID:VnguCMx50

 逃げ道と言っても大したものではない。
 視覚情報を遮断して、私と性交渉をしていると囁いただけだ。

 結果は、笑えるほど顕著に現れた。

 彼は本当に「私とSEXしている」と錯覚したのだ。
 どれだけ強力なストレスに晒されていたのか、私には判断出来ないのだが、
 私が用意した逃げ道に、彼は全力で飛び込んで来た。

 彼は現実を否定し、甘美な妄想へと逃げ出したのだ。

 その効力はすさまじく、ショボン自身も「催眠術を使ったのか?」と、
 私に問い掛けて来たほどだ。
 私も催眠術に否定的だったのだが、今回の一件で見直してみようかと
 思わされたほどだ。

 ともあれ、今回の研究は実に有意義なものだった。

('A`)「うん。今回も良い出来そうだ。後でゆっくりと見させて貰うよ」

川 ゚ -゚)「はい。お願いします」

 ドクオ教授はレポートを机へと置き、マグカップを持ち上げた。

 
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 22:17:53.61 ID:VnguCMx50

('A`)「それで、あの子はどうかね?」

川 ゚ ー゚)「面白いですよ」

('A`)「ふむ。どんなタイプの変態なのかは、この前のお茶会事件では知っていたが」

川 ゚ ー゚)「伸びます。絶対に」

('A`)「キミにそこまで言わせるか」

川 ゚ ー゚)「ええ。私が、個人的な興味を抱きましたから」

 それだけを伝えると、教授はうっすらと微笑を浮かべた。

('A`)「なるほどね、それなら理解できる。
   常識人である私にしてみれば、とんだ災難だけれどもね」

川 ゚ ー゚)「変態の彼にとっては、幸せですよ」

 私も教授に微笑み返した。
 その私の意見に、後ろから「えー」と非難が上がった。

ξ゚?゚)ξ 「一人でショボ君独占なんて、ズルいわよ」

川 ゚ ー゚)「そうか?」

ξ゚?゚)ξ 「だって私、彼がオシッコ入りのお茶を差し出して来た時、思わず濡れちゃったもの」

 
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 22:20:11.85 ID:VnguCMx50

ξ゚ー゚)ξ 「何時、問い詰めて。どんなお仕置きしようかって、想像しただけで、ね」

 親友であるツンは、生粋のサディストだ。
 普通、親愛の表現となればキスやらハグなどが上がるが、
 彼女にとって緊縛やスパンキングはそれらと同等の行為なのだ。
 それらを好むのではない。それらが当たり前、なのだ。

( ^ω^)「おっおっお。僕なんかインサートされたお!」

 満々の笑み浮かべながら、ブーンが会話に入ってきた。
 両性愛者、いわゆるバイセクシャルであるブーンにとっては、
 あの日ショボンと行った行為は、むしろバッチコイカモーンな事なのだ。

( ^ω^)「薄目で見ていたけれど、一生懸命に腰を振るショボンは
      とっても可愛かったお!」

 そう。あの時ブーンの意識はあったのだ。
 彼に説明したとおりの都合の良い睡眠薬なんて、この世にあるはずがない。
 少し考えれば、もう少し注意深ければ、彼はあの時点で私の企みに気付けたのだ。
 素直に私に従ってしまいながらも、表面だけは反抗の振りをする。

 私はツンの様なサディストではないけれど、確かにカラカイがいのあるショボンを
 前にすると、多少イジメてしまいそうになる。

 
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 22:23:04.40 ID:VnguCMx50

川 ゚ ー゚)「フフフ。面白くなってきたな」

 彼ら同様に私も変態だ。
 多少、特殊であることは否めないが。
 私の場合、知的好奇心の充足がエクスタシーに直結する性癖がある。
 分類的には自己愛者となるのだろう。まあ、ナルシストであっても構わない。

 ここでは、変態である自分を否定されないのだから。

ξ゚?゚)ξ 「ねえクー。ショボ君可愛らしいし、女装させて責めましょうよ」

川 ゚ ー゚)「……なるほど、それも面白そうだな。
    『変身願望を抱かぬ成人男性が女装した場合の心理的抵抗について』
    うん。次のレポートも面白くなりそうだ」

 楽しそうに変態談義を行う私達を見て、教授は疲れたように

('A`)「私としては資料さえ貰えれば満足なんだがね。
   まあ、適当にやりなさい」

 と呟いた。そんな教授を尻目に、私達は次なる作戦を練りながら研究室を後にする。

ξ゚?゚)ξ 「そういえば、彼に私達のことバラしてないんでしょ?」

( ^ω^)「おっおっお。変態はクーさんと自分しか居ないって思ってるお」

川 ゚ ー゚)「そう勘違いしているだけだ」


 
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/27(水) 22:25:54.82 ID:VnguCMx50

 あの時、私は「我々」と言った。我々マイノリティーと言った。
 そして私と彼は「我々」の定義を異なって解釈した。
 まあ、勘違いするように誘導はしていたけれど。

ξ゚?゚)ξ 「じゃあ、私達も変態だってバラす所から始めましょ」

川 ゚ ー゚)「ふむ。その案、イタダキだな」

 しばらくの間は、私の知的好奇心は充足されそうだ。

 この後も、世間的には些事な、私達にとっては興味深い事件が起こるのだが、
 それはまあ、次の機会があれば紹介させて頂こうと思う。

 それでは、いずれ機会があれば、また。


 

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