( ,,゚Д゚)が一週間を繰り返すようです
-
5 :プロローグ
:2008/01/25(金) 21:02:12.85 ID:DdLfFhlqO
世界が、反転する。
辺りには、赤く光る無数の線しか見えない。
……いや、ただ一つだけ、はっきりと見えるものがある。
それは、
全てを包み込むように存在する、灰色の大地。
-
9 :1-1日目@
:2008/01/25(金) 21:04:19.69 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) (……ん?)
( ,,゚Д゚) (あれ? 俺、何してたんだっけ?)
川 ゜-゚) 「おい、ギコ。何ぼーっとしているんだ?」
( ,,゚Д゚;) (!!!)
川 ゜-゚) 「……? なんだ? 馬鹿な顔がより一層馬鹿っぽくなってるぞ?」
(*゚ー゚) 「どうかしたの?ギー君」
( ,,゚Д゚) (クー……。それにしぃまで……。これは……?)
-
10 :1-1日目A
:2008/01/25(金) 21:05:53.15 ID:DdLfFhlqO
- 川 ゜-゚) 「ふむ、これは駄目だな。あれか? 若年齢アルツハイマーとかいう奴か?」
( ,,゚Д゚) (夢?)
川 ゜-゚) 「そうなると即入院だな。なに、家の事は心配するな。私としぃで管理しておこう」
( ,,゚Д゚) (………)
川 ゜-゚) 「いや、いっその事私たちが此処に住むというのもアリだな」
( ,,゚Д゚) (……ていうか)
川 ゜-゚) 「よし、善は急げだ。早速作業に移ろう。まずはこの部屋にあるものの処分から……」
( ,,゚Д゚) 「ちょっと待て」
(*゚ー゚)「あ、反応した」
( ,,゚Д゚) 「何勝手に人のものを捨てようとしてんだゴルァ!」
川 ゜-゚) 「……ちっ」
( ,,゚Д゚) 「そこ!舌打ちすんな!!」
(*゚ー゚)「……ふふっ」
-
15 :1-2日目
:2008/01/25(金) 21:07:35.56 ID:DdLfFhlqO
- 「おはようございます。◯月×日お昼のニュースをお伝えいたします。―――」
( ,,゚Д゚) (……やっぱり『ここ』は過去か。それに何となくだが夢ってのも確信できるな)
( ,,゚Д゚) 「………………………………ところで」
川 ゜-゚) (*゚ー゚) 「「ん?」」
( ,,゚Д゚) 「なぜ当然の様に俺の家にいるんだ!?」
川 ゜-゚) 「何を今更。暇だからに決まっているだろう」
(*゚ー゚) 「学校も春休みだからね。あと家の鍵閉めないで寝る癖治したほうがいいよ」
( ,,゚Д゚) 「暇なのははクーとしぃだけだろ」
川 ゜-゚) 「昼前まで寝ていた男のセリフとは思えんな」
( ,,゚Д゚;) 「うっ……ごめんなさい」
川 ゜-゚) 「大体お前は少しは光栄に思った方がいいぞ。私たち姉妹と幼なじみで、しかも毎日の様に家に来ている」
( ,,゚Д゚) 「頼んだ覚えは無いぞ。そんなに来られたら俺の心が安らげない」
川 ゜-゚) 「その辺は私の心の安らぎのために諦めろ」
( ,,゚Д゚) 「あぁ……、もういいや。諦めよう」
-
16 :1-3日目
:2008/01/25(金) 21:09:02.53 ID:DdLfFhlqO
- (*゚ー゚) 「来たよー」
( ,,゚Д゚) 「なんで毎日のように来るんだよ」
川 ゜-゚) 「毎日のように家にいるお前もどうかと思うぞ」
( ,,゚Д゚) 「そりゃあ俺はインドア派だからだな」
川 ゜-゚) 「ものは言いようだな、ヒッキー」
( ,,-Д-)「ヒッキー言うなゴルァ!」
-
18 :【1-4日目】
:2008/01/25(金) 21:10:51.36 ID:DdLfFhlqO
- (*゚ー゚) 「今日のお昼どうしようか?」
( ,,゚Д゚) 「えーと確かうどんの買い置きがあったな」
(*゚ー゚) 「それじゃ作るね」
( ,,゚Д゚) 「うんうん。しぃは良い奥さんになれるよ」
(*゚ー゚) 「ねぇギー君」
( ,,゚Д゚) 「どうかしたか?」
(*゚ー゚) 「このうどんに付いている茶色いまだら模様は……」
( ,,゚Д゚;) 「!!!」
(*゚ー゚) 「…………」
( ,,゚Д゚) 「…………」
(*゚ー゚) 「……ご当地特産?」
( ,,゚Д゚) 「断じて違う!!」
-
19 :【1-5日目】
:2008/01/25(金) 21:12:20.40 ID:DdLfFhlqO
- 川 ゜-゚) 「なぁ、ギコ」
( ,,゚Д゚) 「なんだ?」
川 ゜-゚) 「このマンションは7階建てだよな」
( ,,゚Д゚) 「ああ、それが?」
川 ゜-゚) 「それなのに何でお前は2階に住んでいるんだ?」
( ,,゚Д゚) 「……は?」
川 ゜-゚) 「何故7階にしなかったんだ?」
( ,,゚Д゚) 「え? いや、7階はいちいち上行くの面倒だろ」
川 ゜-゚) 「この高さでは景色が楽しめない」
( ,,゚Д゚;) 「はぁ?」
川 ゜-゚) 「ここはなかなか良い場所なんだ。さぁ今からでも遅くない。私の心の充実のために7階に引っ越せ」
( ,,゚Д゚) 「お前はどこの王女様なんだ」
-
20 :【1-6日目】
:2008/01/25(金) 21:13:50.08 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) (明日……、明日は……)
( ,,゚Д゚) (……………)
( ,,゚Д゚) (たとえこれが夢でも……)
( ,,゚Д゚) (もう……あんな………)
( ,,゚Д゚) (……………)
-
21 :【2-1日目】
:2008/01/25(金) 21:15:35.09 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) (………………)
( ,,゚Д゚) (…………!?)
( ,,゚Д゚) (これは……また……?)
( ,,゚Д゚) (……………)
( ,,゚Д゚) (また……繰り返すのか……)
( ,,゚Д゚) (……いや、今度は……)
-
22 :【2-2日目】
:2008/01/25(金) 21:17:12.22 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「ちょっと買物に出るけど、何かいるものあるか?」
(*゚ー゚) 「じゃあお菓子」
川 ゜-゚) 「土地」
(*゚ー゚) 「あとジュースも」
川 ゜-゚) 「プール付きの家」
川 ゜-゚) 「あとは大型の白い犬がいれば完璧だな」
( ,,゚Д゚;) 「…………」
( ,,゚Д゚;) 「……ところでクー、本当に欲しいのかそれ」
川 ゜-゚) 「いや、正直いらん」
( ,,゚Д゚) 「傍若無人にも程があるぞゴルァ!」
-
23 :【2-3日目】
:2008/01/25(金) 21:18:37.98 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「ああ、お茶がうまい」
川 ゜-゚) 「ジジくさいな」
( ,,゚Д゚) 「何を言う。緑茶は日本人の心だろ」
(*゚ー゚) 「私は紅茶のほうが好きだな」
( ,,゚Д゚) 「紅茶はあの独特な後味が苦手だ」
川 ゜-゚) 「私はコーヒー派だ」
( ,,゚Д゚) 「基本的に俺は甘党だからな。コーヒーは砂糖とミルクがないと飲めない」
川 ゜-゚) 「女々しいな。ブラック以外など邪道だ」
( ,,゚Д゚) 「ブラックか……。中学のときカッコつけて缶のブラックを買ってはみたものの、あまりの苦さに涙目になったな」
(*゚ー゚) 「そんな事があったんだね」
( ,,゚Д゚) 「男なら誰もが一度は通る道だな」
川 ゜-゚) 「何にせよ情けない事は確かだな」
-
24 :【2-4日目】
:2008/01/25(金) 21:20:18.53 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「昨日はコーヒーのブラックについて話したが」
(*゚ー゚) 「うん」
( ,,゚Д゚) 「最近、カカオ◯%のチョコ、ってあるよな」
(*゚ー゚) 「あるね」
( ,,゚Д゚) 「あれもかなり苦い。一度70%ぐらいのを食べた事があったんだが」
( ,,゚Д゚) 「これまた涙目になった。とても食えたもんじゃなかったから、ドクオにあげたんだけど」
( ,,゚Д゚) 「あいつはおいしそうにパクパク食っていたよ」
( ,,゚Д゚) 「……ありえなくね?」
川 ゜-゚) 「有り得るか有り得ないかはさておき、やっばり情けないなお前」
(*゚ー゚) 「でも、制作側もよくあんなの発売したよね。確かに話題性はあったけど……」
-
26 :【2-5日目@】
:2008/01/25(金) 21:22:06.52 ID:DdLfFhlqO
- (*゚ー゚) 「暇だね」
( ,,゚Д゚) 「そうだな」
(*゚ー゚) 「じゃあしりとりでもしようか」
( ,,゚Д゚) 「ずいぶん唐突だな。まあいいけど」
(*゚ー゚) 「いくよ。『しりとり』」
( ,,゚Д゚) 「『リス』」
(*゚ー゚) 「『スイートピー』」
( ,,゚Д゚) 「『ぴ』? えーと……『ピクニック』」
(*゚ー゚) 「『クーピー』」
( ,,゚Д゚) 「またかよ!? えーと……、うーんと………『ピクルス』!」
(*゚ー゚) 「『スヌー◯ー』」
( ,,゚Д゚;)「また!? あと、それ伏せ字の意味が無いぞ!!」
-
29 :【2-5日目A】
:2008/01/25(金) 21:23:42.45 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「…………………………『ピースメーカー』」
(*゚ー゚) 「『柿ピー』」
( ,,゚Д゚;) 「だあああああああ!!何で『ぴ』ばっか持ってくんだよ!!!!」
(*゚ー゚) 「定石だよ」
( ,,゚Д゚) 「大体何だよ『柿ピー』って!? 『柿』でいいだろ『柿』で!! ……あっ、そうか! 『ピーナッツ』!!!」
(*゚ー゚) 「……『釣り糸』」
( ,,゚Д゚) 「はっはっはw とうとうそっちのネタも尽きたようだな。……えーと、『と』か。『とうもろこし』」
(*゚ー゚) 「『神秘』」
( ,,゚Д。)「ちっっくしょおおおぉぉおぉおおぉぉぉおおおお!!!!!!」
- ※管理人注釈
『ピースメーカー』→『ペースメーカー』
-
-
33 :【2-屋上】
:2008/01/25(金) 21:25:33.07 ID:DdLfFhlqO
- ??? 「……『来週』」
??? 「『来週』、彼に会うとしようかな」
??? 「…………」
??? 「あと5かい、か」
-
35 :【3-1日目】
:2008/01/25(金) 21:27:02.31 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) (やっばりまた最初からなのか)
( ,,゚Д゚) (もしかしてこのまま現実に戻れないって訳じゃねーよな……)
( ,,゚Д゚) (ん……?)
( ,,゚Д゚) (なんだ? 何か違和感を覚えたような……?)
( ,,゚Д゚) (気のせいか? まあいいや。そんな事よりも……、何とか出来ないのか……?)
-
36 :【3-2日目】
:2008/01/25(金) 21:28:27.43 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,‐Д‐)「zzz……」
( ,,゚Д゚;) 「………………………のわぁぁっっ!!」
川 ゜-゚) 「なんだなんだ。寝ていたと思ったら急に情けない声を出して」
( ,,゚Д゚) 「え? あ、いや……、どっかから転落した夢を見た」
(*゚ー゚) 「あーあるよね、それ」
( ,,゚Д゚) 「最近よく見るんだよな」
川 ゜-゚) 「何かの警告かもしれないな」
( ,,゚Д゚) 「警告ねぇ……。例えば?」
川 ゜-゚) 「転落死」
( ,,゚Д゚;) 「ずいぶんとストレートだな」
(*゚ー゚) 「じゃあもっと現実的に……、単位とか?」
( ,,゚Д゚;) 「本当にリアルだからやめてください」
-
37 :【3-3日目】
:2008/01/25(金) 21:29:56.55 ID:DdLfFhlqO
- (*゚ー゚) 「ねぇギー君」
(*゚ー゚) 「電車内ってさ」
(*゚ー゚) 「携帯電話の電源消さないといけないじゃない?」
(*゚ー゚) 「ほら、ペースメーカーの人とかいるからね」
(*゚ー゚) 「でもね」
(*゚ー゚) 「そうはいっても消さない人もやっぱりいるわけじゃない」
(*゚ー゚) 「それは判ってるはずなのにそれでも電車に乗り込もうとする人ってチャレンジャーだと思わない?」
( ,,゚Д゚;) 「よし、そこまでにしようか、しぃ。それ問題発言だから。あと内容が黒過ぎる」
(* ー )
-
39 :【3-4日目】
:2008/01/25(金) 21:31:40.28 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「今日は暖かくていい天気だな。こんなときは布団を干すしかないね」
( ,,゚Д゚) 「これでよし、っと」
――数分後
川 ゜-゚) 「ギコ。緊急事態だ」
( ,,゚Д゚) 「どうしたんだ?」
川 ゜-゚) 「私の布団がない」
( ,,゚Д゚) 「……は?」
川 ゜-゚) 「このままではこの暖かな陽気を最大限に活用することが出来ん」
( ,,゚Д゚) 「いや、そもそもこの家には布団は一組しか……」
川 ゜-゚) 「くっ……。どうしたらいいんだ……。私は一体何処で惰眠を貪ればいいんだ……?」
( ,,゚Д゚) 「帰れよ」
-
41 :【3-5日目】
:2008/01/25(金) 21:33:04.71 ID:DdLfFhlqO
- 「――――――、―――――――――――。―――――――」
( ,,゚Д゚) 「しぃはバラエティよく見るよな。好きなのか?」
(*゚ー゚) 「うん、好きだよ。ギー君は嫌いなの?」
( ,,゚Д゚) 「嫌いって訳じゃねーけど、進んで見る程じゃないな」
(*゚ー゚) 「ふーん、そうなんだ……」
( ,,゚Д゚) 「ところで、しぃに聞きたいんだが」
(*゚ー゚) 「何?」
( ,,゚Д゚) 「男の芸人がつまらなかった場合はまだ耐えられるんだが」
( ,,゚Д゚) 「女の芸人となると途端に直視できなくなるのは何でだろうな?」
(*;゚ー゚) 「え、えーと……ごめん、よく判らない」
( ,,゚Д゚) 「そう思うの、俺だけかなぁ……」
-
47 :【3-6日目】
:2008/01/25(金) 21:39:53.15 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「さて、明日は二人とも俺の家には来るな」
(*゚ー゚) 「え、なんで?」
( ,,゚Д゚) 「ちょっと明日は部屋にバ◯サンを焚いておこうと思ってるんだ。昨日の夜に台所にゴキb……」
川 ゜-゚) 「よし、しぃ。今すぐ帰るぞ」
(*゚ー゚) 「え?急にどうしたの?」
川 ゜-゚) 「いいから。さぁ早く!」
(*゚ー゚) 「あ、そうか。お姉ちゃん苦手だったね、ゴk」
川 - ) 「しぃ。あれほど私の前で奴の名を呼ぶなと言っただろう。もし言い切ってしまったら、たとえ義姉妹の契りを果たしたお前といえども……」
( ,,゚Д゚) 「クー!正気に戻れ!! 大体何だ、義姉妹って……。お前たちはホントの姉妹だろうが……」
(*゚ー゚) 「あはは……。じゃあ今日は帰るね。お姉ちゃんもこんなだし……」
川 - )「ΣЁЛЮЩбξ~Ж♯¶!!!!!!!!!」
( ,,;゚Д゚)「もはや日本語……、てゆうか人語ですらねーぞ……」
(*゚ー゚) 「それじゃ、またね」
( ,,゚Д゚) 「おう」
-
50 :【3-屋上@】
:2008/01/25(金) 21:42:10.09 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「…………」
( ,,゚Д゚) 「……ん? ここは……?」
( ,,゚Д゚) 「俺んちのマンションの屋上か?」
??? 「こんにちは」
( ,,゚Д゚) 「!?」
(´・ω・`) 「ここには僕が呼んだんだ」
( ,,゚Д゚) 「呼んだ……?誰だ、あんた?」
(´・ω・`) 「おっと、ごめん。僕の名前はショボンだ。君は……ギコ君だったね」
( ,,゚Д゚) 「えっと、はじめましてだよな。どうして俺の名前を?」
(´・ω・`) 「君の事はよく知っているよ。もちろん、彼女たちの事も」
-
52 :【3-屋上A】
:2008/01/25(金) 21:43:47.81 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「!! ……あんた、何者だ?」
(´・ω・`) 「そうだね……、『設定し、観察し、執筆する者』、かな」
( ,,゚Д゚) 「?」
(´・ω・`) 「ごめんね。あんまり詳しい事は言えないんだ。なら、この世界を創っている者、って言ったらわかるよね?」
( ,,゚Д゚) 「何っ!?」
(´・ω・`) 「……今日はここまでにしようか。じゃあ、また来週」
( ,,゚Д゚) (!? 急に……意識、が………)
(´・ω・`) 「あ、そうだ。言い忘れてた」
「あと、4かい、だよ」
-
54 :【4-1日目】
:2008/01/25(金) 21:46:35.32 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) (…………!)
( ,,゚Д゚) (また、最初からか……)
( ,,゚Д゚) (さっきのは夢、じゃねーよな。まあ、この世界が夢みたいなもんだが)
( ,,゚Д゚) (なんだったんだ、あいつ?)
( ,,゚Д゚) (あいつがこの世界を創った? 何だよ創るって?)
( ,,゚Д゚) (……そういえば最後に)
『あと、4かい、だよ』
( ,,゚Д゚) (とか言ってたな)
( ,,゚Д゚) (何の事だ? ……もしかして、この一週間の繰り返しの事なのか?)
( ,,゚Д゚) (……ああもう何がなんだかわかんねーよ)
( ,,゚Д゚) (あ、また来週、とも言ってたな)
( ,,゚Д゚) (そん時に聞くか)
( ,,゚Д゚) (もう今日は寝よう……)
-
56 :【4-2日目】
:2008/01/25(金) 21:48:25.85 ID:DdLfFhlqO
- 川 ゜-゚) 「しかしギコは酒もタバコもしないのか。つまらん男だな」
( ,,゚Д゚) 「俺はまだ19なんだけどな」
川 ゜-゚) 「何を言っているんだ。酒やタバコを嗜んでいる人間が本当に20越えてから始めているとでも思っているのか?」
( ,,;゚Д゚) 「姉妹そろって問題発言をしやがって……」
( ,,゚Д゚) 「ところでクーは酒飲まないのか? 一応20だろ?」
川 ゜-゚) 「私か? 弱い訳ではないが、飲まんな」
( ,,゚Д゚) 「なんだ。人に言う割に自分は飲まないんじゃねーか」
川 ゜-゚) 「ああ、それはだな……」
川 ゜-゚) 「酔いつぶれてあられもない姿となったお前を見て楽しみたいな、と」
( ,,゚Д゚) 「……前々から思ってたんだが、俺はお前のおもちゃか何かか?」
川 ゜-゚) 「違うのか?」
( ,,;゚Д゚) 「違うわ! 本気で不思議そうな顔をするな!!」
-
57 :【4-3日目】
:2008/01/25(金) 21:53:54.01 ID:DdLfFhlqO
- 川 ゜-゚) 「よし、たまには私が昼食を作ってやろう」
( ,,゚Д゚) 「そりゃ珍しい。というか初めてじゃないか?」
川 ゜-゚) 「そういえばそうだな。まあ、有り難く頂くがいい」
川 ゜-゚) 「よし、出来上がったぞ」
( ,,;゚Д゚) 「……何これ?」
川 ゜-゚) 「何って目玉焼きとトースト、コーヒーに決まっている」
( ,,゚Д゚) 「なぜ朝食みたいなメニューなのかはまあ置いといて」
( ,,;゚Д゚) 「なんで全部真っ黒なんだ?」
川 ゜-゚) 「お前の深層心理を表してみた」
( ,,゚Д゚) (これは素なのか? それともいやがらせ?)
川 ゜-゚) 「食わんのか? ……ああ、そうか」
( ,,゚Д゚) 「?」
川 ゜-゚) 「はい、しょうゆ」
( ,,゚Д゚) 「いるか! てゆうか食えるか!!」
-
60 :【4-4日目】
:2008/01/25(金) 21:55:26.11 ID:DdLfFhlqO
- (*゚ー゚) 「つぶあん!」
( ,,゚Д゚) 「こしあん!」
(*゚ー゚) 「つぶあん!!」
( ,,゚Д゚) 「こしあん!!」
川 ゜-゚) 「……」
(*゚ー゚) 「つぶあん!!!」
( ,,゚Д゚) 「こしあん!!!」
川 ゜-゚) 「別にどっちも変わr」
( ,,゚Д゚)(*゚ー゚) 「黙ってろ(黙ってて)!!!」
川;゜-゚) 「あ、はい……」
( ,,゚Д゚) 「こしあん!!!」
(*゚ー゚) 「つーぶーあーん!!!」
川 ゜-゚) 「……………」
-
61 :【4-5日目】
:2008/01/25(金) 21:57:04.53 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「ところで二人とも。ここ数日の予定は?」
(*゚ー゚) 「無いよ」
( ,,゚Д゚) 「じゃあこれ、プレゼント」
川 ゜-゚) 「ん、これは?」
(*゚ー゚) 「『VIP温泉2泊3日の旅』って書いてあるね、このチケット」
川 ゜-゚) 「どうしたんだ、これ?」
( ,,゚Д゚) 「ああ、こないだ懸賞で当たってな」
(*゚ー゚) 「なんで私たちに?」
( ,,゚Д゚) 「そのチケット、期限が明日までなんだが、明日は用事があって行けないんだ」
( ,,゚Д゚) 「と、いうわけで二人で行ってきてくれ」
川 ゜-゚) 「それは有り難いが、本当にいいのか?」
( ,,゚Д゚) 「俺の事は気にするな。たまには姉妹水入らずでいいだろう」
(*゚ー゚) 「どうする、お姉ちゃん?」
川 ゜-゚) 「そうだな。じゃあ遠慮無くもらっておこうか」
( ,,゚Д゚) 「決まりだな。明日の朝に出るといいよ」
-
62 :【4-6日目】
:2008/01/25(金) 21:58:31.61 ID:DdLfFhlqO
- 川 ゜-゚) 「それじゃ、行ってくる」
( ,,゚Д゚) 「おう。お土産よろしくな」
(*゚ー゚) 「でも本当にいいの?」
( ,,゚Д゚) 「気にするなって。どうせタダで手に入れたんだし」
( ,,゚Д゚) (まあ本当は自腹なんだがな)
(*゚ー゚) 「……うん、わかった。ありがとう。楽しんでくるね」
( ,,゚Д゚) 「ん。気をつけてな」
( ,,゚Д゚) (……………)
( ,,゚Д゚) (気をつけて、か)
-
65 :【4-屋上@】
:2008/01/25(金) 22:00:33.57 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「……………」
(´・ω・`) 「やあ、こんにちは」
( ,,゚Д゚) 「……あんたか。たしかショボン、だったな」
(´・ω・`) 「覚えていてくれたんだ。うれしいよ」
( ,,゚Д゚) 「……まあな」
(´・ω・`) 「元気が無いようだね」
( ,,゚Д゚) 「悪いな。しばらく放っておいてくれ……」
(´・ω・`) 「それは困ったな。君ともっと話したいんだけど……」
(´・ω・`) 「……そんなに悲しいかい? 彼女たちが死んだ事が」
-
66 :【4-屋上A】
:2008/01/25(金) 22:03:13.48 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,;゚Д゚) 「! てめぇ……」
(´・ω・`) 「ごめん。ちょっとデリカシーが無かったね」
( ,,゚Д゚) 「……お前なんなんだ? もしかして死神ってやつか?」
(´・ω・`) 「死神? まあ君の立場から見たらそう感じるかもしれないけれどね。僕はれっきとした人間だよ」
( ,,゚Д゚) 「……」
(´・ω・`) 「さて、そろそろ時間だ。あと3かいだからね」
( ,,゚Д゚) 「待て。それはこの一週間があと3周するって事か?」
(´・ω・`) 「まあ、そういう事だね」
(´・ω・`) 「それじゃ、また来週」
-
67 :【5-1日目】
:2008/01/25(金) 22:05:07.18 ID:DdLfFhlqO
- ( ,, Д ) (あと、3週か)
( ,, Д ) (どうしたら、二人は死なずに済む?)
( ,, Д ) (わからない……)
( ,, Д ) (それに……怖い)
( ,, Д ) (二人が死ぬのが怖いし、なにより)
( ,, Д ) (……俺のせいで二人は死んでいるんじないのか?)
( ,, Д ) (俺が余計な手を回しているから……)
( ,, Д ) (そもそも、俺そのものが原因だとしたら?)
( ,, Д ) (俺と関わることが二人の死に繋がっているとしたら?)
( ,, Д ) (………)
( ,,゚Д゚) 「遠くに行こう。どこか遠くに……」
-
68 :【5-2日目】
:2008/01/25(金) 22:06:46.95 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) (電車には乗ってみたものの)
( ,,゚Д゚) (行き場所が無いな)
( ,,゚Д゚) (観光って気分でもねーし)
( ,,゚Д゚) (ゲーセンで時間潰しでもするかな)
( ,,゚Д゚) (………)
( ,,゚Д゚) (何も言わずに出てきちまったからな……)
( ,,゚Д゚) (メールでも送っとくかな?)
( ,,゚Д゚) (……いや、やめとこう)
( ,,゚Д゚) (向こうから電話かかってきても取らないようにしないと)
( ,,゚Д゚) (できるだけ接さないように、な)
( ,,゚Д゚) (……案外、俺が死神なのかもな)
-
69 :【5-3日目@】
:2008/01/25(金) 22:08:46.98 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) (うーん。とは言えだ)
( ,,゚Д゚) (このままじゃ行方不明者になりそうだな)
( ,,゚Д゚) (しょうがない。あいつに連絡しておくか)
♪〜〜〜♪ ピッ
('A`) 『うぃーす、ギコか?』
( ,,゚Д゚) 『ひさしぶりだな、ドクオ』
('A`) 『まったくだ。たまには俺のトコに来いよ。てゆーか今すぐ来い』
( ,,゚Д゚) 『悪いな。今、そっちを離れてるんだ』
('A`) 『んあ? なんだ、旅にでも出てるのか?』
( ,,゚Д゚) 『まあ、そんなとこだ』
('A`) 『なんだよー、せっかくお前にもカカオのすばらしさを語ってやろうと思ったのに』
( ,,;゚Д゚) 『……お前、まだカカオチョコレートにハマってたのか』
('A`) 『あたぼうよ! もはやカカオ99%じゃ俺のパッションを止める事はできん! はやく100%が発売されないかなー♪』
( ,,゚Д゚) 『それ、ただのカカオだからな』
-
70 :【5-3日目A】
:2008/01/25(金) 22:10:50.29 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 『まあいいや。そんな事より、もしクーやしぃから俺の事聞かれたら、旅に出てるって言っといてくれ』
('A`) 『ん? 二人は知らないのか? いっつも三人でいるくせに、珍しいな』
( ,,゚Д゚) 『まあな。急に思いついて、そのまますぐ家を出たからな』
('A`) 『じゃ直接言えよ』
( ,,;゚Д゚) 『まあ、そうなんだけど、ちょっと、な』
('A`) 『……ははーん、フラれたな? どっちだ?』
( ,,;゚Д゚) 『違うわ! とにかく頼んだぞ』
('A`) 『あ、ちょい待ち。実はお前に重要な話があるんだ』
( ,,゚Д゚) 『なんだ?』
('A`) 『実は俺、カカオ教に入ろうかなーって思ってるんだか、どうs』
( ,,゚Д゚) 『じゃあな、カカオ』 ピッ
( ,,゚Д゚) (これでよし、と)
-
72 :【5-7日目】
:2008/01/25(金) 22:13:10.44 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) (いよいよ7日目、か)
( ,,゚Д゚) (大丈夫かな……)
( ,,゚Д゚) (………)
( ,,゚Д゚) (無責任だな、俺)
♪〜〜〜♪
( ,,゚Д゚) (っと、電話か)
( ,,゚Д゚) (ドクオからか。なんの用だろ?)
( ,,;゚Д゚) (! まさか……!?) ピッ
('A`;) 『おい! お前まだ旅に出てんのか!? 今すぐ帰ってこい! 大変なんだ!! ―――』
-
73 :【5-屋上@】
:2008/01/25(金) 22:15:26.61 ID:DdLfFhlqO
- ( ,, Д ) 「……………」
(´・ω・`) 「……………」
( ,, Д ) 「……………なあ」
(´・ω・`) 「……なんだい?」
( ,, Д ) 「二人は……、クーとしぃはなぜ死ぬんだ?」
(´・ω・`) 「……二人は現実の世界ではこの日に死んでいる」
(´・ω・`) 「それは事実であり、この世界でも、過程が違っていようが最終的には同じところ、つまり死に行き着くんだ」
( ,, Д ) 「……よくわかんねーけど、お前がこの世界を創ってんだろ。だったら二人を死なないようにできるんじゃないのか?」
(´・ω・`) 「……それは無理だ。死んだ人が生き返ることなんてできない。ここが夢の中であっても、ね」
( ,, Д ) 「……………」
-
74 :【5-屋上A】
:2008/01/25(金) 22:17:09.27 ID:DdLfFhlqO
- ( ,, Д ) 「……じゃあ、もういい」
(´・ω・`) 「何がだい?」
( ,, Д ) 「こんな夢はもう見たくない」
(´・ω・`) 「悪いけど、それもできない」
( ,,゚Д゚) 「なんでだ!」
(´・ω・`) 「この夢はある意味強制的に存在しているんだ。時間を止める事ができないのと同じように、この夢は途中で覚めることはない」
( ,,゚Д゚) 「……………」
(´・ω・`) 「君が望まなくても、この夢はあと2かい。何をするかは君の自由だよ」
(´・ω・`) 「それじゃ今週はここまでで。また来週」
-
75 :【6-1日目】
:2008/01/25(金) 22:18:47.76 ID:DdLfFhlqO
- ( ,, Д ) (何をしても二人は死ぬ)
( ,, Д ) (俺が必死にあがいても、何も変わらないんだ)
( ,, Д ) (嫌だ)
( ,, Д ) (もう嫌だ、こんな悪夢)
( ,, Д ) (もう、嫌だ……)
-
77 :【6-2日目@】
:2008/01/25(金) 22:21:56.63 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) (……………ん、俺いつの間に眠って……)
川 ゜-゚) 「お、起きたか」
( ,,;゚Д゚) 「!!」
(*゚ー゚) 「あれ、どうしたの? なんか顔色悪いよ?」
( ,,;゚Д゚) 「あ………うぁ……………」
( ,,;゚Д゚) 「っ………帰れ!!!」
川;゜-゚) (*;゚ー゚) 「!!」
( ,,;゚Д゚) 「あ……」
( ,,;゚Д゚) 「いや……その………ごめん。ちょっとどうかしてた」
川 ゜-゚) (*;゚ー゚) 「……………」
( ,,゚Д゚) 「えっと……お願いがあるんだが、しばらくは家に来ないでくれないか?」
(*;゚ー゚) 「え……?」
( ,,゚Д゚) 「ああ……。ちょっと一人で考え事がしたいんだ」
( ,,゚Д゚) 「落ち着いたら連絡するから……」
川 ゜-゚) 「……わかった」
-
79 :【6-2日目A】
:2008/01/25(金) 22:23:47.05 ID:DdLfFhlqO
- (*゚ー゚) 「お姉ちゃん……」
川 ゜-゚) 「ただし、何か相談したい事があったらいつでも来い」
( ,,゚Д゚) 「……………」
( ,,゚Д゚) 「ああ……、ありがとう」
川 ゜-゚) 「それじゃ私たちは帰る。行くぞ、しぃ」
(*゚ー゚) 「あ、うん……」
(*゚ー゚) 「……ギー君、元気だしてね」
( ,,゚Д゚) (……俺は)
( ,,゚Д゚) (何をしているんだろう……?)
-
80 :【6-7日目】
:2008/01/25(金) 22:27:31.68 ID:DdLfFhlqO
- ( ,, Д ) (一週間、経った……)
( ,, Д ) (もう、いつ連絡が来てもおかしくない……)
( ,, Д ) (嫌だ。嫌なんだ……)
( ,, Д ) (もう耐えられない……)
( ,, Д ) 「……覚めろ」
( ,, Д ) 「覚めろ、覚めろ」
( ,, Д ) 「覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろっ!」
( ,,゚Д゚) 「こんな夢なんてさっさと覚めろよ!!」
( ,,゚Д゚) 「俺にどうしろっていうんだよ!!!」
( ,, Д ) 「……くそっ」
♪〜〜〜♪
( ,,;゚Д゚) 「!!」
♪〜〜〜♪
♪〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜―――――
-
81 :【6-屋上@】
:2008/01/25(金) 22:29:26.23 ID:DdLfFhlqO
- ( ,, Д ) 「……………」
(´・ω・`) 「……こんにちは」
( ,, Д ) 「……………死んだ」
(´・ω・`) 「……………」
( ,, Д ) 「何度も、何度も死んだ」
( ,, Д ) 「死ぬ度に俺は悲しんだ」
( ,, Д ) 「悲しくて、苦しくて。目の前はぐにゃぐにゃしてて、何も聞こえなくて、何も考えられなかった」
( ,, Д ) 「だから、俺は止めたかった。この悲しみを。そして二人の死を」
( ,, Д ) 「それでも、俺がどんなに願っても、最後には二人は死んだ」
-
82 :【6-屋上A】
:2008/01/25(金) 22:31:11.80 ID:DdLfFhlqO
- ( ,, Д ) 「車にひかれた。通り魔に刺された。電車が脱線した。トラックの下敷きになった!」
( ,,゚Д゚) 「何度も! 何度もだ! 二人は何度も苦しみながら死んでいった!!」
( ,,゚Д゚) 「なんで! なんでクーとしぃなんだ! なんで二人が死ななくちゃいけないんだ!!」
( ,,゚Д゚) 「お前がこの世界を創ってんだろうが!! 答えろ!! 答えろよ!!!!!」
(´・ω・`) 「……………」
(´・ω・`) 「前にも言ったけど、彼女たちは死んだんだ。その事は変えられない」
(´・ω・`) 「第一……。こんな事を僕が言える立場じゃないと思うけど」
(´・ω・`) 「君は、彼女たちに何をしてあげられたの?」
-
85 :【6-屋上B】
:2008/01/25(金) 22:35:36.28 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,;゚Д゚) 「え……?」
(´・ω・`) 「君がした事といえば前回とは違う状況にセッティングしただけ。肝心なとこは人任せにしている」
( ,,;゚Д゚) 「そ、そんなことは……」
(´・ω・`) 「無い、と言える? 言えないよね。現に君は、」
(´・ω・`) 「一度も彼女たちの死に居合わせた事が無い」
( ,,;゚Д゚) 「!」
(´・ω・`) 「さっきの事故の内容も結局は他人から聞いたものだろう?」
( ,,゚Д゚) 「……………」
(´・ω・`) 「君は逃げてたのさ。おそらく無意識の内にね」
(´・ω・`) 「彼女たちが死ぬ事が信じられない。認めたくない。そんな思いから君は逃げた。これ以上、傷つかないために」
-
86 :【6-屋上C】
:2008/01/25(金) 22:39:17.47 ID:DdLfFhlqO
- ( ,, Д ) 「……じゃあ」
( ,, Д ) 「じゃあ、どうしろっていうんだ。教えてくれ……」
(´・ω・`) 「それは僕が決める事じゃない。他の誰かが決める事じゃないんだ」
(´・ω・`) 「それを決めるのは君自身だ。君が何をするかは自由なんだ」
( ,, Д ) 「……………」
(´・ω・`) 「次が最後の1かい。あと一週間でこの悪夢は消える」
(´・ω・`) 「僕は最後まで君を見ている。君が何をしようとも」
(´・ω・`) 「……無責任な事を言うけど」
(´・ω・`) 「頑張って、ね」
-
87 :【7-1日目@】
:2008/01/25(金) 22:41:11.28 ID:DdLfFhlqO
- ……もはや、慣れてしまったこの感覚。また、いつものように一週間が始まる。
でも、いつもと違う事もある。それは、今週で最後だという事。
( ,,゚Д゚) 「……………」
先程、ショボンに言われた事を思い出した。
君は逃げている、と。
( ,, Д ) 「……っ」
何も言えなかった。それは違う、とは言い返せなかった。なぜなら、
それは事実だ、と心の奥で気付かされたから―――
-
89 :【7-1日目A】
:2008/01/25(金) 22:42:56.80 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「……ぅおおおおっっ!!」
右の拳を床に叩きつける。
乾いた音が部屋に響く。今の俺には、その音にすら気に障った。
いや、そんな考えもごまかしだ。何よりも俺は、俺自身に腹が立っていた。
( ,, Д ) 「俺は……」
( ,, Д ) 「俺は何をしていたんだっ……!」
後悔と怒りが頭の中を占拠する。
俺は、自分を責めずにはいられなかった。
-
90 :【7-2日目@】
:2008/01/25(金) 22:44:54.77 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「朝、か……」
いつのまにか、窓の外がうっすらと明るくなっている。どうやら一晩中考えていたようだ。
( ,,゚Д゚) 「……シャワーでも浴びるか」
一度、頭の中をリセットした方がいい。そう思いった俺は、風呂場に向かう事にした。
( ,,゚Д゚) 「さてと」
熱い湯を浴びてさっぱりした。改めて、思考を巡らせる。
( ,,゚Д゚) 「過ぎた事をこれ以上グダグダ考えてもしょうがない。それよりもこれからの事だ」
-
91 :【7-2日目A】
:2008/01/25(金) 22:46:47.26 ID:DdLfFhlqO
- これからどうするのか。そんな事、考えるまでもない。
( ,,゚Д゚) 「二人の、そばにいる」
そう。もう逃げない。できるだけ二人の近くにいる。それが答えだ。
( ,,゚Д゚) 「そして、二人を守るんだ」
『絶対に死ぬ』。そんなの関係ない。未来に絶対なんてあるものか。
( ,,゚Д゚) 「そうだ。俺が二人を守るんだ。なんとしても。例え俺の……」
その続きの言葉を、
もう逃げないと誓うはずの言葉を、
俺は少し考えた後、飲み込む事にした。
-
92 :【7-5日目】
:2008/01/25(金) 22:48:42.04 ID:DdLfFhlqO
- (*゚ー゚) 「え、旅行?」
( ,,゚Д゚) 「ああ。どうせ二人とも暇なんだろ? だったら、と思ってな」
川 ゜-゚) 「ふむ、なるほどな。しぃ、どうする?」
(*゚ー゚) 「うーん、そうだなぁ……。楽しそうだし、私は行きたいな」
川 ゜-゚) 「なら決まりだな。で、どこに行くんだ?」
( ,,゚Д゚) 「ああ、実は前から目をつけてた所があってな……」
……旅行に行く事にしたのは理由がある。
第一に、場所を移す事で事故が起こる可能性を変化させる。
これは前にもやったから意味が無いのかもしれないけど、今はわずかな事にもすがりたい。
そして次、これが本命なんだが、旅行に行く事で、二人と一緒の時間を増やす、という事。
以上が、旅行に行く理由だ。
これで準備は整った。あとは当日を待つだけだ……!
-
93 :【7-6日目@】
:2008/01/25(金) 22:51:43.20 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「えーと、ここだな。泊まる旅館は」
ガラガラ
(´・ω・`) 「ようこそ、バーボンハウスへ」
( ,,;゚Д゚) 「!!」
( ;´∀`) 「あーもう店長、何度言ったらわかるモナ! ここは『モナー旅館』だモナ!」
(*゚ー゚) 「え? えーと……」
( ´∀`) 「あ、申し訳ないモナ、お客様。えっと、ご予約のお名前は?」
( ,,;゚Д゚) 「……………」
( ´∀`) 「お客様?」
( ,,;゚Д゚) 「え? あ、えーと、名前、ですね。ギコです」
( ´∀`) 「はい、ギコ様モナね」
( ,,゚Д゚) (あいつは……ショボン? でも少し雰囲気が違う……。他人の空似か?)
-
95 :【7-6日目A】
:2008/01/25(金) 22:54:49.26 ID:DdLfFhlqO
- 川 ゜-゚) 「どうした? ギコ」
( ,,゚Д゚) 「あ、いや、なんでもない」
( #´∀`) 「店長! 何回旅館の名前を間違えたら気が済むモナ!」
( #´∀`) 「仏の顔も、って言うけど、もう許してやろうとは思わないモナ!」
(´・ω・`) 「まあまあ、オーナー落ち着いて。はい、テキーラ」
( #´∀`) 「今は勤務中モナ!」
( ´∀`) 「ああもう、大声出したらのどが乾いたモナ」
ひょいっ
んぐんぐんぐっ
ぷは――――っ
( *´∀`) 「まったく……、あんまり仕事をナメるなモナ」
(´・ω・`) 「お前もな」
( ,,;゚Д゚) 「……部屋、行こうか」
-
97 :【7-6日目B】
:2008/01/25(金) 22:57:01.38 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「よし、明日に備えて今日はゆっくりするか」
川 ゜-゚) 「そうだな。いろいろ見て回りたいものもあるからな」
(*゚ー゚) 「……それにしても」
( ,,゚Д゚) 「ん?」
(*゚ー゚) 「三人でこうやって過ごすのって、あとどれぐらいだろうなぁ、って」
( ,,゚Д゚) 「……………」
(*゚ー゚) 「私も二人と同じ地元の大学に進もうと思ってるけど、お姉ちゃんは来年は就活だし……」
(*゚ー゚) 「三人で出掛けられるのも、もう少なくなるのかな……」
川 ゜-゚) 「……そう気に病むことはないさ、しぃ」
川 ゜-゚) 「確かに私が就職したら、今までの様にギコの家に入り浸る事も少なくなるだろう」
川 ゜-゚) 「だが、完全に無くなる訳では無い。休みの時には、またギコの家でダラダラ出来るし、今みたいに旅行に来てもいい」
-
98 :【7-6日目C】
:2008/01/25(金) 22:58:57.75 ID:DdLfFhlqO
- 川 ゜-゚) 「それはいずれ二人が就職しても同じ事だ。私たちの絆が無くなる訳じゃ無いんだ」
(*゚ー゚) 「うん……、そうだね。そういう時間を私たちで作っていけばいいんだね」
川 ゜-゚) 「ああ、その通りだ」
(*゚ー゚) 「うん。なんかごめんね。余計な心配しちゃったね」
(*゚ー゚) 「これからも三人でいろんな所に行って、たくさん思い出つくろうね。ね、ギー君」
( ,, Д ) 「……………」
(*゚ー゚) 「あーっ! 今の話、聞いてなかったでしょ、ギー君!」
( ,,;゚Д゚) 「あ、いや、ちゃんと聞いてた」
( ,, Д ) 「そう、だな。また三人で一緒に旅行しよう……」
-
99 :【7-6日目D】
:2008/01/25(金) 23:00:59.01 ID:DdLfFhlqO
- 何も、言えなかった。
ささやかな、きっと叶うであろう願いにもならない願いは、その実、叶わない事を俺は知っている。
疑問は、尽きない。なぜ彼女たちは『明日』、死んだのだろうか。
一度は決心した心が折れそうになる。どうしようも無い絶望に身を沈めたくなる。
でも、逃げない。逃げちゃいけない。
ただの自己満足なのかもしれない。彼女たちを救えたところで、ここは所詮夢の中。現実の彼女たちは死んだままだ。
それでも……
俺は二人を守りたい。
その思いは、俺が背負うべきものなんだから。
-
100 :【7-7日目@】
:2008/01/25(金) 23:03:51.67 ID:DdLfFhlqO
- とうとう、この日が来た。
7周目の7日目。この夢の世界での最後の日。
例え、俺が二人を助けられたとしても、この夢は終わりを告げ、現実へと戻るだろう。
既に二人とも死んでしまった、現実の世界へ。
それでも、俺の意志は揺るがない。
今日は近くの観光地を巡る予定だ。
……外に出ずに、旅館の中にいる方が安全かもしれない。
だが、その程度で回避できるものだったら、既に何度か助ける事に成功していただろう。
だったら、外に出て常に二人の近くにいた方がいい。そう思った。
いずれにせよ、もう油断はできない。この一秒後には事故が起こるかもしれないのだから。
-
102 :【7-7日目A】
:2008/01/25(金) 23:05:26.92 ID:DdLfFhlqO
- (*゚ー゚) 「それにしても、今日はいい天気だね」
川 ゜-゚) 「うむ。まさに絶好の観光日和だな」
( ,,゚Д゚) 「……………」
(*゚ー゚) 「何だか眠そうだね、ギー君」
( ,,゚Д゚) 「んー、まあな。俺、枕変わると寝れないんだよな」
まあ、本当は夜通し警戒していたんだけどな。
川 ゜-゚) 「おいおい。今日は一日中、観光地巡りをするんだぞ。そんな事で大丈夫なのか?」
( ,,゚Д゚) 「大丈夫だって。ほら、最初はここに行くんだろ。さっさと出発しようぜ」
俺は手に持った観光ガイドを二人の前に広げながら、そう問い掛けた。
-
103 :【7-7日目B】
:2008/01/25(金) 23:07:40.26 ID:DdLfFhlqO
- 川 ゜-゚) 「よし。これで予定してた観光スポットは全部制覇したな」
(*゚ー゚) 「うん。楽しかったねー」
( ,,゚Д゚) 「……………」
川 ゜-゚) 「なんだ、ギコ。げっそりして。一日中歩いただけで疲れたのか」
( ,,゚Д゚) 「……まあな。普段はこんなに歩かないからな」
夕方の五時か……。今のところは、何も起きていない。しかし半日、いや、夜中からだからそれ以上、ずっと気を張り続けていたのだ。さすがに疲れる。
だが、俺に休む余裕なんて無い。むしろ、着実にその瞬間は近づいているのだから、より一層警戒しなくては……。
川 ゜-゚) 「さて、後は旅館に帰るだけだが……、今晩はパーッとやるか」
(*゚ー゚) 「パーッと?」
川 ゜-゚) 「ああ。確か旅館の近くにデパートがあったな。そこで買い出しをしよう」
(*゚ー゚) 「面白そうだねっ。よーし、じゃあ出発!」
-
105 :【7-7日目C】
:2008/01/25(金) 23:10:55.90 ID:DdLfFhlqO
- (*゚ー゚) 「うわ。人多いね」
( ,,゚Д゚) 「ああ、そうだな」
……これだけ人が多かったら、変な事も起こらないかな?
( ,,゚Д゚) 「ごめん。ちょっとトイレに行くから、先に買っといて」
川 ゜-゚) 「解った。さっさと帰ってこいよ」
( ,,゚Д゚) 「ふう……」
……観光地を巡ってた時には、おちおちトイレにも行けなかったからな。このチャンスを逃す手は無い。
( ,,゚Д゚) 「っと。のんびりしてる場合じゃ無いか。早く戻らないと……」
ジリリリリリリリリリリリリリリッ!!!
( ,,;゚Д゚) 「!!」
『ご連絡いたします。只今、当店一階で火災が発生致しました。係員の指示に従って……』
店内アナウンスが終わる前に俺はトイレを飛び出した。
-
108 :【7-7日目D】
:2008/01/25(金) 23:13:37.47 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,;゚Д゚) 「くそっ、何やってんだっ……!」
自分に悪態をつく。その間も足は止めない。
店内は混乱していた。皆、我先にと出口に向かっている。
この店は、一階に出口が二ヶ所ある。しかし、一方の出口の近くから出火したらしく、そこから出る事はできない。
つまりもう一方の出口から出るしかないのだが、その事がさらに大きな混乱を生み出していた。
( ,,;゚Д゚) 「まずいな、もうこんなに煙が回ってる……」
店内は煙に覆われ、深い霧の中に迷いこんだような錯覚をうける。
……どうやら大部分の客が避難したようだ。おそらくはクーとしぃも既に外に避難しているだろう。それにこれ以上は俺も危ない。
だが、不安がよぎる。なにせ二人は今日死んでしまうような事態に巻き込まれる。だとしたら、この状況は非常に危険なのだ。
だからこそ、俺は走り回る。二人を守るために。
-
109 :【7-7日目E】
:2008/01/25(金) 23:16:33.87 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「……これで、一階は全部回ったか」
二人は見つからなかった。店外に避難したのだろう。
ならば、早く外に出て探さないと。二人のそばにいないと安心できない。
そう思い、再び駆け出そうとしたが、
( ,,;゚Д゚) 「うおっ、と……」
足がもつれる。思わず手をついた。
( ,,゚Д゚) 「煙を吸いすぎたかな……? 気をつけてはいたんだけど」
ただでさえ今日は疲労していたのだ。ふらつくのも当然だ。
俺は立ち上がり、気合を入れると、出口に向かって走り出した。
-
111 :【7-7日目F】
:2008/01/25(金) 23:18:29.70 ID:DdLfFhlqO
- 店を出る。外は野次馬であふれていた。これでは二人を見つけるのは困難だ。
( ,,;゚Д゚) 「くっ……、どうすれば……、って、そうだ」
携帯電話があるじゃないか。何で今まで気がつかなかったのか。急いで電話をかけた。
二人は無事なようだ。だが、この目で見るまでは安心できない。二人がいるという場所まで再び駆け出す。
もう、ずっと走りっぱなしだ。自分の体が重い。それでも、全力で向かう。
-
114 :【7-7日目G】
:2008/01/25(金) 23:21:35.92 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,;゚Д゚) 「えっと、多分この辺に……」
周りを見渡す。いない。見つからない。焦る。不安で塗り潰される。
( ,,;゚Д゚) 「どこだ……。どこにいるっ……!」
何回も人にぶつかりながら前に進む。もはや、まともに足が動いていなかった。
くそっ……、どこに……、
( ,,;゚Д゚) 「!!」
いた!! 見間違うもんか! あれは確かに二人だ!
( ,,;゚Д゚) 「クー! しぃ!!」
二人がこっちを見る。間違いない。二人だ。よかった、無事だった。
俺は二人に近づこうとして数歩踏み出し、
そして、その場に再び手をついた。
-
116 :【7-7日目H】
:2008/01/25(金) 23:24:19.20 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,;゚Д゚) 「あ、れ……?」
どうやら限界をとっくに迎えていたようだ。だが、今は立って行かなければ……
「馬鹿っ! 下がれ!!」
「危ないっ、ギー君!!」
二人の叫び声が聞こえる。何事かと思ったが、ふと、自分が光に包まれている事に気がついた。
そして、辺りに鳴り響く大きな音が聞こえる。
そう、これは、
クラクションとブレーキの音。
呆然と立つ俺の胸に、ふいに感じる衝撃。
あれ? おかしいな?
トラックは右から来ているのに、どうして前から衝撃を受けるんだ?
俺は後ろに突き飛ばされ、しりもちをつく。
目の前を通り過ぎるトラック。
辺りに響く、悲鳴。
-
118 :7-7日目I
:2008/01/25(金) 23:27:45.54 ID:DdLfFhlqO
- 俺は、生きている。
『なぜ?』
突き飛ばされたからだ。
『何に?』
おそらく、そこに横たわる二つの物体に。
『それは何?』
それは、何だろう……?
『わからない?』
わからない。それが、赤く濡れている事しかわからない。
『本当に?』
わからない。それが女性である事しかわからない。
『本当にわからない?』
本当にわからない。それが、俺が守ろうとしていた二人である事しか―――
( ,,;Д;)
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
-
121 :【7-屋上@】
:2008/01/25(金) 23:32:20.85 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「……………」
( ,,゚Д゚) 「……よう」
(´・ω・`) 「こんにちは」
(´・ω・`) 「……意外と落ち着いているね。もっと取り乱しているかと思ったんだけど」
( ,,゚Д゚) 「ああ、そうだな。自分でも不思議だ」
( ,,゚Д゚) 「……なあ」
(´・ω・`) 「なに?」
( ,,゚Д゚) 「俺は、間違っていたのか?」
(´・ω・`) 「……………」
(´・ω・`) 「彼女たちの死は絶対だ。だから、君の行動に正解なんてないよ」
(´・ω・`) 「でも、僕は間違ってないと思うよ」
( ,,゚Д゚) 「そうか……」
-
122 :7-屋上A
:2008/01/25(金) 23:34:37.73 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「でも、俺がした事は結果的に何の意味も持たなかった。それは、何もしていないのと同じだ」
(´・ω・`) 「意味ならあるよ」
( ,,゚Д゚) 「?」
(´・ω・`) 「だって、君は逃げなかったじゃないか」
(´・ω・`) 「君はこの一週間、逃げずに立ち向かった。どうしようも無い結末にね」
(´・ω・`) 「以前の君は逃げていた。彼女たちの死から」
( ,,゚Д゚) 「……………」
(´・ω・`) 「さらには現実の世界からも逃げた。夢の中でも逃げ続けた。そして……」
( ,,゚Д゚) 「そして、自分が自殺をしたという事でさえも、か?」
-
125 :【7-屋上B】
:2008/01/25(金) 23:43:30.74 ID:DdLfFhlqO
- (´・ω・`) 「……………」
(´・ω・`) 「いつ、気付いて……、いや、いつの間に思い出したの?」
( ,,゚Д゚) 「……俺は二人を守ろうと決意した」
( ,,゚Д゚) 「そのためにはどんな手を使ってでも、例え俺の命が無くなろうとも守ろうと思った」
( ,,゚Д゚) 「でも、その時同時に気付いたんだ。俺はもう死んでいたという事に」
( ,,゚Д゚) 「……………」
( ,,゚Д゚) 「俺は、現実の俺は二人が死んだという事を認めなかった」
( ,,゚Д゚) 「だから、二人の葬式にも出なかった。その間はずっと家にいたな」
( ,,゚Д゚) 「でも、時間が経ち、周りはだんだん普通の生活に戻っていった。二人の、クーとしぃのいない日常にな」
( ,,゚Д゚) 「もはや俺と周りとの矛盾は決して無視できるものじゃなくなっていた」
( ,,゚Д゚) 「俺の逃げ場は無くなっていたんだ」
-
126 :【7-屋上C】
:2008/01/25(金) 23:45:29.29 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「そして俺は自殺した。現実から逃げ切ることができなかったから」
( ,,゚Д゚) 「そう、ここから、このマンションの屋上から飛び降りたんだ」
(´・ω・`) 「そう、その通りだ。でも、君は一つ、勘違いをしている」
( ,,゚Д゚) 「?」
(´・ω・`) 「君はまだ死んではいないよ」
( ,,;゚Д゚) 「えっ!?」
(´・ω・`) 「正確には、今、君は自殺をしている最中なんだ」
( ,,;゚Д゚) 「……!」
(´・ω・`) 「そう、この夢は君がここから飛び降り、そしてアスファルトに叩きつけられるまでの間、君が見ているものなんだ」
-
128 :【7-屋上D】
◆UFgI27WXIo :2008/01/25(金) 23:49:02.07 ID:DdLfFhlqO
- ( ,,゚Д゚) 「……………」
(´・ω・`) 「そして、君が1階分下に落ちると、夢の中では一週間分の時間が経過していた」
( ,,゚Д゚) 「……なるほど。だから七週間なのか。ここは、7階建てだからな……」
(´・ω・`) 「うん、そういう事。そして、現実の君はもうじき地面に達する。そうなればこの夢も終わりだ」
( ,,゚Д゚) 「そう、か……。なら、やる事は一つだな」
(´・ω・`) 「残りの時間、何をしようとも君の自由だけど……」
(´・ω・`) 「どうやら、答えは出ているようだね」
( ,,゚Д゚) 「ああ、そうだな」
-
130 :【7-屋上E】
◆UFgI27WXIo :2008/01/25(金) 23:51:27.41 ID:DdLfFhlqO
- (´・ω・`) 「……最後に、君に聞きたい事があるんだ」
( ,,゚Д゚) 「何だ?」
(´・ω・`) 「君は、彼女たちを愛していたの?」
( ,,゚Д゚) 「……………」
( ,,゚Д゚) 「ああ、愛していた」
( ,,゚Д゚) 「それが家族としてなのか、女性としてなのかは、自分でもわからないけれど」
( ,,゚Д゚) 「俺は、確かに、クーとしぃを愛していた」
(´・ω・`) 「……そう」
(´・ω・`) 「さて、僕はここでお別れだ。」
( ,,゚Д゚) 「……………」
(´・ω・`) 「ずっと君を見ていたけれど、とても勉強になった。感謝するよ」
(´・ω・`) 「それじゃ、良い夢を」
-
131 :【7-屋上F】
◆UFgI27WXIo :2008/01/25(金) 23:53:41.07 ID:DdLfFhlqO
- そう言って、ショボンは俺の目の前から消えた。
( ,,゚Д゚) 「良い夢を、ね」
結局、最後までよくわかんねー奴だったな。
ふと、思い立ったように空を見上げる。
時刻は夕時。街はオレンジ色に染まっていた。
( ,,゚Д゚) 「ああ、そうだ。やる事なんて一つしかねーよ」
そう呟き、俺は以前にも立った場所に移動する。
下を見る。今は見る事ができないが、俺はそこにいるんだろう。
( ,,゚Д゚) 「そうさ。俺はもう逃げないって決めたからな。なら―――」
( ,,゚Д゚) 「さっさと俺を追い掛けないとな」
右足を、空に踏み出す。
-
133 :【7-屋上G】
◆UFgI27WXIo :2008/01/25(金) 23:55:18.88 ID:DdLfFhlqO
世界が、反転する。
辺りには、赤く光る無数の線しか見えない。
……いや、ただ一つだけ、はっきりと見えるものがある。
それは、
全てを包み込むように存在する、灰色の大地。
-
134 :【7-屋上H】
◆UFgI27WXIo :2008/01/25(金) 23:58:42.13 ID:DdLfFhlqO
- 一階、また一階と落ちていく。今までの軌跡をたどっていく。
あれだけ長く感じた一週間も、実際はこんなにも一瞬。
その間に、俺の思考が入り込む余地は無い。
……やっぱり、意味が無かったのかも、しれない。
でも今は、
目の前にいる、俺に追いつかなくちゃ。
―――ああ、なんだ。
俺はずっと現実に戻りたいと思っていたけれど、
ほら、すぐそこに
俺の、1p先に―――
そして俺は、一つになった。
〈了〉
-
136 :エピローグ@
◆UFgI27WXIo :2008/01/26(土) 00:00:37.53 ID:MExbWOfcO
- (´・ω・`) 「……………」
(´・ω・`) 「……ふぅ」
??? 「お、ようやく終わったか?」
(´・ω・`) 「ああ、君か。ようこそ、『バーボンハウス』へ」
??? 「『ハウス』ねぇ……。『ルーム』の間違いじゃねーのか?」
(´・ω・`) 「まあ細かい事は気にしないで」
??? 「まあいいや。んで、今回は誰を『観察』したんだ?」
(´・ω・`) 「君だよ」
??? 「って俺かよ!? 勝手な事しやがって……」
(´・ω・`) 「別にいいじゃないか」
??? 「う〜ん、やっぱいい気分じゃ無い事は確かだな」
(´・ω・`) 「まったく。向こうの君はあんなに真面目で一途な好青年だったのに、こっちの方は……。やれやれ」
-
140 :エピローグA
◆UFgI27WXIo :2008/01/26(土) 00:02:19.06 ID:MExbWOfcO
- ??? 「あ!? なんか言ったかゴルァ!」
(´・ω・`) 「何も言っていないよ」
(´・ω・`) 「そんな事より、次は君が『バーボン』を使うんだろう?」
??? 「ぐっ……。くそっ、次の話はお前の『設定』を変なのにしてやる」
(´・ω・`) 「あんまり負荷をかけさせないでね。じゃあ僕は『執筆』に移るから」
??? 「おう。終わったら俺に一番に読ませろよ」
(´・ω・`) 「はいはい。じゃあ頑張ってね」
(´・ω・`) 「よし、じゃあ書くとしようかな」
(´・ω・`) 「えっと、タイトルは……」
( ,,゚Д゚)が一週間を繰り返すようです
-
145 : ◆UFgI27WXIo
:2008/01/26(土) 00:05:43.11 ID:MExbWOfcO
- あとがき
これで以上です。ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
誤字が目立ってすみません。今後、精進いたします。
支援してくれた人、ありがとー
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