('A`)ドクオは現世に残ったようです
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4 :プロローグ ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 19:27:54.10 ID:ADHJKMBv0
- 現世――人間を初めとする生物が暮らす物質的な世界。
いつもと何も変わらない朝。
滞在期間など減っては無いのだろうか。と時々思う。
少し希望を抱いて携帯で確認するが、滞在期間は一日減っていた。
しかし、便利になったもんだ。最近は電子化が進んでいるらしい。
けど俺はいつもと同じように一日を過ごす。
永遠に続くように感じるが、そんなことは無い。
確実に、滞在期間は減っていく。
そんな事を考えていると、俺を呼ぶ声が聞こえた。
寝たふりをして無視していると、だんだん怒鳴り声に変わってきたので仕方なく行くことにする。
さて、今日もがんばろうか。
('A`)ドクオは現世に残ったようです
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6 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 19:29:22.40 ID:ADHJKMBv0
- 耳障りな機械の音で俺は夢から覚めた。
その音の原因である目覚まし時計を手で止める。
時刻は午前七時。
俺は部屋のベッドから、気怠げに身を起こした。
電気をつける代わりにテレビをつけようと、リモコンを探す。
しかし、自分の記憶に残っている場所にリモコンが無い。
仕方が無いので、テレビの前まで行き電源をつける。
映し出されたのはニュース番組。
内容は、最近各地で急増している行方不明者と死亡者について、恐らく誰もが耳にした事のある事件。
その片隅に昨日の行方不明者と死亡者数。
そして、この事件が起きてからの合計。
最近はどの番組でもオウムの様に繰り返している行方不明者と死亡者が急増する事件。
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7 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 19:30:33.96 ID:ADHJKMBv0
- 警察なども動いているらしいが、捜査当初から何も進展していないらしい。
どうにか出来るものならどうにかしたいが、俺はただの人間である。
国家権力に任せるしかないのだ。
再び眠気が襲って来る前に、洗面台へと向かう。
ため息をつきながら洗面所で歯を磨き、洗面。
洗面が終了し、顔を上げる。
当然目の前に存在する物は鏡。
現代の一般的な鏡はガラスの片面にアルミニウムや銀などの金属を蒸着したものだ。
しかし、家のプラスチックの表面に金属を蒸着したものである。
そんなどうでも良いことを考えながら、髪の毛をセットする準備にかかる。
先に朝食をとろうかと思ったが、朝食を取るほど気分は晴れてない。
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8 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 19:33:21.24 ID:ADHJKMBv0
- 時計を見ると、七時十五分。
セットが終わったら大体二十五分になるぐらいだろうか?
今日は少しゆっくりしすぎたかなと思い、セットする手を早める。
三十分にはしぃが呼びに来るはずだ。
わざわざ呼びに来てくれているのだからあまり待たせないようにしたい。
髪の毛をセットし終わり、時計を見ると七時二十五分。
丁度、予想時間だったのでしぃが来てもすぐ出られるよう完成した髪形が乱れない様に制服を着て、学校への準備を終わらせる。
三十分になったがインターホンが鳴らないので、家の前で待とうと思い家の鍵を手に取り、立ち上がる。
そして、いつもの様に玄関から部屋内に向かって一言。
(,,゚Д゚)「行って来ます」
この部屋に住んでいるのは俺だけなので、もちろん返事は返ってこない。
初めはここの大家のフサギコさんと暮らしていたのだが、中学三年辺りから俺の希望で一人暮らしになった。
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10 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 19:35:56.82 ID:ADHJKMBv0
- 扉を開けて、外に出る。
朝の光を全身に浴びたせいか、体を伸ばしたくなった。
しぃが来る間の暇つぶし程度にその欲求に従う。
体を伸ばし、大きな欠伸。
(*゚ー゚)「おはようギコ君」
目の前に現れたセーラー服に身を包んだ少女。
(;,,゚Д゚)「!?」
急に声を掛けられたため少し驚いたが彼女のしぃだと判り、落ち着きを取り戻す。
鍵を閉めていないことを思い出したので、
部屋の鍵を閉め、閉まったか確認してからしぃへと声を掛ける。
(,,゚Д゚)「おはよう」
返事の変わりにしぃは微笑んだ。
俺の部屋は二階にあるため、一階へと続く階段を下りなければならない。
十二段ほどの階段を下ると朝には珍しい人を見かけた。
どうやら、掃除しているらしい。
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11 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 19:37:50.64 ID:ADHJKMBv0
- こちらに気付いたらしく、向こうから声を掛けてきた。
ミ,,゚Д゚彡「おはよう。ギコ」
(,,゚Д゚)「おはようございます」
頭を軽く下げて、挨拶。
しぃに挨拶しないと言うことは、俺を呼びにくるときに挨拶したのだろう。
この人は、フサギコ。
ここ『房津荘』の大家である。
箒を手にしているのは玄関前を掃除していたのだろう。
俺は小さい頃からここに住んでいる。
この人が居なければ、今俺は生きていないだろう。
かろうじて生き延びれていたとしても、今以上の生活はしていないはずだ。
俺にとってこの人以上の恩人は居ない。
だが、俺との関係はよく判らない。
フサギコさんは『遠い親戚だよ』と言っていたが、本当だろうか?
年齢もあまり離れていないように見えるが。
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12 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 19:40:02.92 ID:ADHJKMBv0
- そういえば家賃だが、俺は一回も払ったことが無い。
何度か払おうとしたのだが、フサギコさんが断固として受け取らない。
ミ,,゚Д゚彡「ギコは家族からお金を取るのかい?」
毎回そう言われて俺は引き下がってしまう。
俺自身家賃を払わなくて良いならその方が良いが、俺にだって罪悪感がある。
それに加えて、『房津荘』に住んでいる住人は俺を除くと二人か三人程度しかいないはずだ。
家賃でいくらか知らないが、『房津荘』の家賃程度で生活できるはずも無い。
何にせよ、フサギコさんは収入源を持っているのだろう。
そう考えることで俺は自分を納得させた。
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13 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 19:42:35.74 ID:ADHJKMBv0
- 俺が考えている間にしぃとフサギコさんが話していた。
どのくらいの時間考えていたのか判らないが二人が退屈してなかったのなら良かった。
そろそろ時間かなと思いしぃを呼んで駅へ向かおう。
(,,゚Д゚)「しぃ。そろそろ行かないと乗り遅れるぞ」
この言葉を聞いて、しぃがフサギコさんとの話を打ち切った。
同時にフサギコさんがこちらに向かって手を振って言う。
ミ,,゚Д゚彡「行ってらっしゃい」
(*゚ー゚)「行ってきまーす」
片手を頭上で振るしぃの姿は素直に可愛いと思った。
しぃは学年でも人気が高いので、彼女にして嫌がる男はまず居ないだろう。
いろいろ考えてみると、俺は相当恵まれていることに気付く。
フサギコさんの件もあるし、数人の親友もいて、毎日の楽しみも持っている。
学年でトップクラスの人気を持つしぃが彼女。
口ではしぃとの会話をしながら、頭ではそんなことを考えていた。
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15 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 19:44:47.49 ID:ADHJKMBv0
- 他愛も無い話だが、幸せを感じる会話。
そんな会話をしている内に、俺達は駅へと到着した。
ここ、ラウンジ駅から駅二つ行った所に存在するVIP駅。
そこに俺達の通うVIP高校がある。
電車が来るまで少し時間があるため、しぃと二人で椅子に座って待つ事にした。
座ってから少し間があり、しぃが思い出した様に口を開いた。
(*゚ー゚)「ギコ君に渡す物があったんだ」
しぃが鞄を探り、縦長い箱を取り出した。
その箱が、俺に向けて差し出される。
(,,゚Д゚)「なんだこれ?」
反射的に受け取ってしまったが開けても良いかどうか迷い、開けた。
中身は、高級そうな銀色の腕時計。
何故もらえるのかと思いしぃの顔を見た。
-
16 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 19:47:02.60 ID:ADHJKMBv0
- (*゚ー゚)「誕生日おめでとう」
そうか。今日は俺の誕生日だったか。
誕生日を祝われて、プレゼントをもらった。
この高級そうな銀色の腕時計はプレゼントだったらしい。
腕時計をつけると腕に冷たい感覚が伝わり、心地良い。
(*゚ー゚)「肌に触れる物は嫌だったかな?」
喜んで無いと思ったのか、不安そうにしぃが言う。
俺がネックレスや腕時計などを着けないのは金が無いだけであって金に余裕があるものなら着けてみたい。
だから、このプレゼントはとても嬉しいものなのだが。
(*,,゚Д゚)「そんなこと無いぞ」
言葉にするのがうまく出来ないというのが俺の悪い所なのであろう。
出来るだけ意識しているのだが、困った事である。
(*,,゚Д゚)「ありがとう」
お礼の言葉を返した俺を見てしぃが微笑んだ。
電車が到着したので、人ごみではぐれないように手を握る。
こちらを見たしぃの満足そうな顔を見て俺達は電車に乗り込んだ。
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17 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 19:49:58.06 ID:ADHJKMBv0
- 先程、しぃから誕生日を祝ってもらったが今日は本当に俺の誕生日は俺にもわからない。
小さな頃の記憶が無いので、フサギコさんにしか祝ってもらったことが無い。
それなのに、何故今日が俺の誕生日なのかは昔フサギコさんに聞いたことがある。
ミ,,゚Д゚彡「七月十五日はギコを初めて世話した日だよ」
らしい。
初めて世話した日を誕生日を決めるのはどうかと思うが、無いよりはましである。
結構、七月十五日という時期は気に入っている。
もうすぐ夏休みな訳だ。
――夏休みにしたい事などを考えている間にVIP駅へと到着していた。
恐らくしぃに言われなければ気付かなかったであろう。
慌てて電車を降りて、駅を出る。
「おーい!ギコ!しぃちゃーん!」
不意に俺達の名前が呼ばれたので声が聞こえた方向へ視線を移した。
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18 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 19:52:02.62 ID:ADHJKMBv0
- 忘れてた・・・あいつらの存在のことを・・・。
俺は心の中で嘆きながら、先程俺の名前を呼んだ奴らに近づく。
いつもの俺なら恥ずかしさから手を離してから近づくだろうが、しぃとの手は握ったままだ。
( ´∀`)「今日は一段とお熱いモナね」
(,,゚Д゚)「うるさい馬鹿」
先程、駅前だと言うのに大声を出したのは他でもない、こいつだ。
このマイペースな馬鹿の名前はモナー。悪く言えば空気が読めないと言うことだ。
俺としぃの同級生で同じクラス、俺より少し背が高い、汗かきなので夏が嫌いらしく最近は毎日のように愚痴を吐いている。
かなりの面倒嫌いだ。
( ・∀・)「手繋いでるなんて珍しいじゃないか」
モナーの隣で座っていた小柄な男が立ち上がり、俺に声を掛けてくる。
小柄、と言っても大柄なモナーや俺に比べればであり、男子高校生の平均的身長には達しているらしい。いつだか忘れたが本人がそう言ってた。
この身長を気にしている男はモララー。
顔が整っており、頭が良く、気が回る。
おまけに運動全般は何でもこなすと言う超人である。
当然、毎年のバレンタインや学年人気投票などでこいつに勝ったことが無い。
いつも一緒に居る俺達と仲の良い数名以外知らないと思うがどこか抜けている所もある。
こいつも同級生で同じクラスである。
(,,゚Д゚)「今日は少し特別なんだよ」
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19 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:04:55.29 ID:ADHJKMBv0
- モララーとモナーが今日は何かあったっけ?と言った様子で頭を抱え込んだ。
俺自身、自分の誕生日を忘れていたため二人に対する怒りは無い。
二人が俺に聞こえない程度の声でやり取りしている。どうやらお互いの今日に関する情報を持ち出し、推理しているようだ。
そんな様子を見ていると、しぃが不安そうにこちらを見てきた。
現在通学中と言うことを思い出し、慌てて学校へと足を進める。
(,,゚Д゚)「お前ら置いてくぞ」
やり取りしている二人にそう告げると、小走りで俺達の近くまで来る。
俺達は駅で毎日合流し、しぃを含めた四人で会話をしながら学校へと向かう。
毎日の日常、その日その日で会話の内容が変わるどうでも良いこと。
昨日のテレビ番組や、三日前の嵐の話等をして通学。
規則性のある他愛も無い会話、それが学生と言うものなのだろう。
しかし、唐突にモナーが話題を変えた。
( ´∀`)「死亡者より行方不明者の方が増えてきたモナね」
少しの沈黙があり、モララーが口を開く。
( ・∀・)「そうだな、三日前の嵐の日にギコとしぃちゃんの住んでる市内にも出たんだっけ?」
ニュースを見ていない俺には冗談なのか本気なのかは判らない。
それでも俺は少し恐怖した。
不意に、握っているしぃの手から力が伝わってきた。
しぃを見ると、顔が蒼くなり少し震えている。
安心させるために手を握り返し、怒った口調でモララーに文句を言う。
(#,,゚Д゚)「おいモララー、冗談でもそう言うのは辞めろよな」
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21 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:06:45.60 ID:ADHJKMBv0
- モララーは不謹慎だと思ったのか、ごめんと謝りそれ以降口を開かなかった。
誰もが口を開かない気まずい雰囲気のまま俺達が通う『VIP高校』へと到着する。
下駄箱の場所で俺達としぃは友達を見つけたらしく、そちらに駆け寄った。
しぃは、別のクラスなのでどうせ階段で分かれてしまう。
俺達は三階、しぃは一階。
上履きに履き替えて、階段を駆け上がる。
(,,゚Д゚)「うぃーっす」
扉を開け、右手を上げて教室へと入る。
騒然としていた教室から何人か返事を返してくれた。正直嬉しいものだ。
しかし、俺の後ろからモララーが入ってクラスのみんなに挨拶をする。
俺とは比べ物にならないほどの返事が返されて、俺は軽く鬱になった。
モララーの人気を尻目に俺は席に着く。
そんな俺に対する同情か一人の男子が俺の肩に手を乗せて声を掛けてきた。
金髪で両耳にピアスを開けているが、恐喝や万引き等は大嫌いな良い奴だ。
_
( ゚∀゚)「まぁそう落ち込むなww」
(,,゚Д゚)「誰も落ち込んでなんかねぇよ」
ジョルジュ。俺なんかよりモナーを励ましてやれ。と笑いながら告げる。
_
( ゚∀゚)「あいつこっそり入って席についてやがるww
普段は人気者なのになぁwwww」
ニヤニヤしながらそう言ってジョルジュはモナーの席へと向かって行った。
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22 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:08:14.19 ID:ADHJKMBv0
- 学校内では、しぃの代わりにジョルジュを混ぜて会話していることが多い。
自慢じゃないが、俺、モララー、モナー、ジョルジュの四人は学年的に見てもかなり人気者の部類に入るはずだ。
昼休みなどはいつもその四人でつるんでいる。
ガラガラと音を立てて教室の扉が開いた。
ここ、二年一組の担任ショボン先生だ。受け持ちは英語。
(´・ω・`)「ほらお前ら席に座れ」
ショボン先生は怒らすと怖いのでみんな怒られる前に席に着く。
今年この先生が担任になった時、
素行が良いとは言えないこのクラスをまとめるのは無理だと思ったものだが、実際そんなことは無かった。
生徒の事は自分の事以上に大事にする良い先生だ。
先生は知らないと思うが、女子からの人気も高いし、学年のほとんどが先生を尊敬している。
VIP高校で毎年行われる人気投票では教員部門一位だし。
俺は二年生部門二位、ちなみに一位はモララーで三位はジョルジュ。
モナーは四位でしぃは八位だったはずだ。
思い出に耽っているといつの間にかショボン先生は姿を消していて、一限目が始まろうとしていた。
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24 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:11:52.85 ID:ADHJKMBv0
- ここで俺は腕を枕にして、机に顔を突っ伏し寝ることに決めた。
どうせ毎日やっていることなので授業中は英語ではない限り、誰にも注意されないので中々快適な睡眠時間を取れる。
毎日寝ている俺だが成績はあまり悪くない、常に平均点より上を保持しているので補習などは受けたことが無い。
まぁ、自分の実力では無いのだが。
俺が平均点以上を維持出来るのは学年でもトップクラスの学力を持つしぃがノート持参し、しぃ自ら教えてくれるからだろう。
しぃの教え方はショボン先生以外の教師より解りやすい。
そんなことを考えていると、本格的に眠気が襲ってきたので俺はその本能に従うことにした。
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25 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:14:20.49 ID:ADHJKMBv0
- 教室の騒がしさで俺は起きる。
どうやら、昼休みに突入したようだ。
ゆっくりと目を開けると目の前にはジョルジュが座っていた。
完全に予想外だったので身を仰け反らせ驚く。
_
( ゚∀゚)「うひゃひゃひゃwwwwwビビってやんのwww」
ジョルジュが俺の方を指差して馬鹿にする様に笑う。
実際、馬鹿にしているのだろう。
俺は目を擦り、視界をはっきりとさせてからジョルジュの鼻に軽く拳を打ち込む。
鼻は脆いので、軽く当たっただけでも結構痛い。
涙目になって屈んでいるジョルジュは置いて、モナーとモララーを誘い食堂へと向かおうと立ち上がってモナーの席へと向かう。
モナーはまだ寝ていた。
あいつは俺と同じ様に授業中は寝ているので、一緒に行くには起こさなければならない。
こいつを起こすのは結構難儀だ、なんせ寝起きが悪い、力も強いので抑えられるのは俺ぐらいのものである。
一度モララーが起こそうとして前歯が折られたからな。
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26 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:17:44.93 ID:ADHJKMBv0
- モナーの後ろから迫り、二、三回、背中を軽く叩く。
これではまず起きない、時間を掛けるのも面倒くさいので強行手段。
肩を持ち、思いっきり椅子の背に叩きつける準備に掛かる。
一度椅子ごと倒れてモナーが気絶して大事になったが、注意してやれば大丈夫のはずだ。
肩を持ち、足腰に力を入れる、椅子が倒れてきた時抑えるためだ。
オールを漕ぐ様な感じで思いっきり引いた。
モナーの首が振られ、背中が椅子の背に叩きつけられる。
椅子が倒れ掛かってきたが、俺が抑えているので、倒れることは無い。
(;´∀`)「モナッ!?」
驚きの声を上げて、モナーが意識を取り戻した。慌てて衝撃が受けた後方を見る。
後ろに立っていた俺を見た瞬間、全てを理解したように立ち上がり、ご飯モナか?と聞いてきた。
(;,,゚Д゚)「おう、よく判ったな。
モララー呼んで来い」
モナーの状況把握能力に驚きながら返答を返す。
把握したモナ、とその声を聞き
成功だな。と心の中でガッツポーズを決める。
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27 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:21:49.45 ID:ADHJKMBv0
- モナーがモララーを連れて来たので学食へと向かおうとする。
モララーが俺の席の近くでまだ屈んでいるジョルジュをちらりと見てから、
呆れた様に声を発した。
(;・∀・)「ジョルジュ、置いてくよ?」
その声を聞いた途端にジョルジュが立ち上がり、こちらに走ってくる。
痛がっている振り長いんだよ。
_
( ゚∀゚)「結構痛かったぞギコ・・・」
鼻を擦りながら俺へと文句を吐いてきた。
まぁ、殴ることは無かったかも知れないが、俺が驚いたのは事実だ。
(,,゚Д゚)「自業自得だろ」
(;´∀`)「確かにギコはちょっと乱暴な部分があるモナ」
(;・∀・)「モナー・・・君の寝起きを考えたら十分な行動だよ」
歯が折られたことを思い出しながら言っているのだろう。
モララーが歯を見せてきたが、歯の無い部分は見えなかった。
歯、入れたんだな。
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28 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:25:24.33 ID:ADHJKMBv0
- _
( ゚∀゚)「詫びとして学食奢れ」
(,,゚Д゚)「奢ってやりたいが・・・金が無くてな」
今月はピンチだ。良い品物が見つかったら誰かから借りなければならない。
見つからなくてもあと少しで夏休みだから良いが、いつもならフサギコさんに前借りを頼むところだ。
夏休みはバイトする予定なので、しばらくは金に困らないだろうが・・・
食堂に着いて、エビフライ定食【750円】を頼んで席に着く。
全員がメニューを頼み、一段落着いてから厨房で受け取ったであろう小さな携帯を持ったモララーが口を開いた。
( ・∀・)「例のお店でなんか良いのあった?」
(,,゚Д゚)「最近は無いな」
( ´∀`)「今までは何かあったモナか?」
(,,゚Д゚)「一番驚いたのは解けない氷だな」
_
( ゚∀゚)「なんかあの店陰気臭くて嫌いだぜ」
(,,゚Д゚)「余計なお世話だ」
全員の質問が終わり、俺は一息つく。
今、話した中で懐かしい単語が出てきた、解けない氷。
それを入手したのは去年の冬頃だろうか。
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29 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:27:48.01 ID:ADHJKMBv0
- 五センチ四方の透明な立方体に隔離された氷。
値段は結構張ったはずだ、俺は初め信じなくてその場で証明してもらったが、理由はまったく判らない。
箱の横に張り付いてあるテープを剥がし上に持ち上げると、箱が外れる。
氷を手に取らせてもらい。冷たさを我慢して十分ほど握っていた。
通常なら体温で溶かされてしまうだろう。
しかし、その氷は俺が手を開いても溶ける事無く掌の中心で存在を主張していた。
掌はまったく濡れていなかった。
その不思議な存在に魅了されてその氷を購入した。
夏など水筒の中に入れてお世話になったものだ。
実際、しぃ、ジョルジュ、モナー、モララーの四人も実物を見せるまでは誰一人として信じていなかったのだから。
確かまだ家にあったはずだ。
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30 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:29:40.64 ID:ADHJKMBv0
- 急にモララーが手にしていた携帯が音を立てて鳴った。
どうやら全員の料理が完成したようだ。
全員が立ち上がり厨房へと歩き出す。
料金を支払い、エビフライ定食を受け取り、盆に載せ席へと戻る。
( ´∀`)「ギコはエビフライ好きモナねー」
(;・∀・)「モナー・・・君は本当によく食べるね・・・」
モララーが驚くのも無理は無い。
俺はエビフライ定食、モララーがきつねうどん、ジョルジュが塩ラーメン。
見事にバラバラに分かれたものだ。
しかし、モナーだけはハンバーグ定食とカツ丼を盆に載せて持ってきた。
_
( ゚∀゚)「モナーお前最近太ってきたんじゃないか?」
(,,゚Д゚)「ピザ乙」
(;´∀`)「そ、そんなこと無いモナッ!」
(;・∀・)「食べる量はもう少し抑えた方が良いと思うな」
どうせ午後の授業も寝るんだろ?と俺が言ってモナー以外で笑いあう。
どうでも良い話をしながら食を進める。
全員が食べ終わり席に着いたまま雑談していると、昼休み終了を告げるチャイムの予鈴が鳴り響いた。
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31 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:33:00.70 ID:ADHJKMBv0
- その音を聞いて、盆を厨房に返して教室へと歩を進める。
途中で上級生にモララーがぶつかり文句を言われそうになったがジョルジュが睨んで黙らせた。
無事に教室へ到着する、俺は自分の机に座り、午前中と同じ様に眠りたかった。
しかし、五限目は英語なので睡眠は難しい。
モナーの席を見ると、あのモナーでさえ起きている、飯中の事を気にしているのか、授業が英語なのかは分からない。
(´・ω・`)「お前ら席に座れー」
教室の扉が開き、ショボン先生が入ってきた。
仕方ない、たまには真面目に授業を受けるとしよう。
机の上に英語の教材を出し、先生の言葉に耳を傾ける。
-
32 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:38:41.73 ID:ADHJKMBv0
- ――授業が終了した。
理解できないことは無かった。
ショボン先生は授業中に中々面白い発言もしてくれるし、説明の仕方もわかり易い。
モナーを見ると頭から煙が出ているように思えるが、気のせいだろう。
さて、と英語の教材を机の中に入れて、睡眠を開始した。
まだ完全に寝付かない前に誰かが俺の肩を掴んで揺すったせいで眠気が覚める。
その行動のせいで不機嫌な俺が出来上がった。
(;´∀`)「ギコ。さっきの英語教えて欲しいモナ」
(#,,゚Д゚)「嫌だ。俺の睡眠の邪魔しやがって」
(;´∀`)「う・・・それはすまなかったモナ」
モナーが謝ってくるが、俺の怒りは収まらない。
(#,,゚Д゚)「悪いな。ショボン先生か、モララーに聞いてくれ」
(;´∀`)「わかったモナ・・・」
ションボリとしてモララーの席へと向かうモナーを見て少し言い過ぎたかな、と心が痛んだが、過ぎたことはどうしようもなかった。
今度ジュースでも奢ってやろう、と言う結論が俺の心の中で決定したので、睡眠に専念することにする。
すぐに意識は遠のいていった。
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33 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:43:43.67 ID:ADHJKMBv0
- 俺を呼ぶ声と、背中に受けた衝撃で俺は目を覚ました。
_
( ゚∀゚)「起きろ。帰るぞ」
ジョルジュの声を聞いて、俺は鞄を掴んで立ち上がる。
後ろを振り向くと背中を叩いた本人であろうモナーがいた。
問い詰めてみると、さっきの態度のお返しだモナ。らしい。
まぁ、こんな事で怒りはしないけどな。
教科書等を鞄に入れているモララーを呼んで下駄箱へと向かう。
下校時はしぃの代わりにジョルジュが一緒に行動する。
と、言っても俺は学校の門を出てすぐにみんなと分かれるのだが。
全員が靴を履き替え終えて、門までの間に少しの雑談がある。
この時の話は大体俺が質問される。
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34 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:47:33.29 ID:ADHJKMBv0
- ( ・∀・)「ギコ。今日もあの店行くのかい?」
(,,゚Д゚)「あぁ、そのつもりだ」
_
( ゚∀゚)「あの店の何処が良いんだか・・・」
(,,゚Д゚)「お前には一生わからんよ」
( ´∀`)「最近、行く頻度上がってきてないモナか?」
(,,゚Д゚)「そのせいで小遣いがピンチだ」
じゃあ行かなければ良い、との意見をジョルジュが言ったが、軽く無視。
モララーのお昼に750円も使うからだよ、との意見は検討しておきたい。
あの店に通っているのは恐らくこの学校で俺だけであろう。
一度、俺についてきて、モララー達も来た事があるがそれ以来はないはずだ。
俺に気を使って言わないだろうが、気に入らなかったのだろう。
俺が一通り質問を返し終わると、門を出る直前だった。
門を出るとモララーのまた明日な、と言った言葉を聞いて俺は返事を返して例の店へと向かって歩く。
荒巻のお爺さんが経営しているお店へと。
-
36 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:53:00.38 ID:ADHJKMBv0
- 俺の高校の近くには変わったものが売っている店がある。
その店は荒巻と言うお爺さんが一人で経営しているのだが、地元のモナー達に話を聞くと子供の頃から店を経営していたらしい。
俺はこの店の存在高校まで知らなかった、駅二つも離れると噂すら聞かないのだろう。
今までこれほど興味を惹かれたものがあっただろうか?
高校に入学してから学校の帰りにはほとんど毎日この店に入り、商品を見て、気に入ったものがあれば購入。
俺の中でその行動はほとんど習慣になっていた。
一週間ほど前の事だ、俺はいつもの様に店に入り商品を物色していた時、
お爺さんに整理されていない箱等も開けて探すことが許可された時は心の中で喜んだものだ。
最近の俺は毎日お爺さんが店のシャッターを降ろすまで面白いものは無いものかと探していた。
しかし、俺の期待とは裏腹に、店内はほとんど探しつくしてしまったらしく、何も見つからず俺がため息を吐いているとその様子を見ていたであろうお爺さんが口を開いた。
/ ,' 3 「裏に倉庫があるぞい、
倉庫ならギコ君の興味を引くものがあるかもしれんの」
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37 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 20:57:50.53 ID:ADHJKMBv0
- お爺さんの言葉を聞いて俺は飛び上がって喜んだ。
倉庫の鍵を受けとり、急いで裏の倉庫に向かって走り出す。
鍵を開けると中はあまり整理されて無いらしく、乱雑にダンボール箱が置かれていた。
恐らくあまり使われていなかったのだろう。
店主であるお爺さんですら知らない物が存在するかも知れない。
俺は高揚した気持ちで倉庫の中を見回す、すると、一番奥のダンボール箱の上に何か光る物が俺の視界に入る。
何故か心が惹かれた、その正体を確かめるために光る物に近づいていくと、向こう側もこちらに近づいて来ているような感覚に襲われた。
その感覚に俺は、小さな恐怖と、大きな好奇心を抱き、光る物に手を伸ばす。
ガシッ!
何かに腕を掴まれて急に引っ張られた、ものすごい力に俺は怯えてしまい悲鳴を上げる。
自慢じゃないが、俺は一般の高校生程度の力では無い。学校では一番力がある。
だが、その力は俺を簡単に引っ張っていく、このままでは誰かが助けに来ても間に合わないだろう、時間稼ぎの為に俺は相手を蹴り飛ばしてやろう、と腕を掴むものに目を向ける。
我が目を疑うとはこのような事を言うのだろう。
俺があれほど興味を抱いていた光る物の正体は普通の鏡だった。
ただ、その鏡から漆黒の腕が伸びて俺の腕をものすごい力で締め付ける。
それを見た途端に俺は力が抜け、鏡へと引きずり込まれて行く。
――もう駄目だ。
/ ,' 3「大丈夫かギコ君!?」
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39 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 21:02:39.55 ID:ADHJKMBv0
- お爺さんが駆け足で俺の元へ向かって来てくれた。
思わず目が潤む、お爺さんが俺の掴まれて居ない腕を握って引っ張るが、勢いは止まら無い。
所詮お爺さんの力が加わったぐらいでは無理だったのだ。
お爺さんを巻き込むわけにはいかないので俺はお爺さんの腕を振り払い、覚悟を決めて自ら鏡へと飛び込んだ。
普段、温厚なお爺さんからは考えられない完全な怒りの感情が感じられた。
手の伸ばせば届く距離に居るのに助けられないためか、
心底悔しそうな表情でこちらを睨み付けていたお爺さんに申し訳なく思う。
――そこで俺の意識は途切れた。
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41 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 21:06:54.46 ID:ADHJKMBv0
- ('A`)「これでよしっ・・・と」
薄暗い部屋の中で一人の男が呟いた。
パソコンの画面の前で不健康そうな男の頬が緩む。
恐らく、先程の文章を投下できて嬉しいのだろう。
「終わりッスか?」
('∀`)「あぁ。今回は出来が良いぜ」
どこからか男に投げかけられた疑問文。
笑顔でそれに答える不健康そうな男。
だが、部屋の中に人影は一つしかない。
「それ、毎回言ってませんか?」
その言葉が聞こえたとほぼ同時に、不健康そうな男の目の前にあったパソコンが形を変える。
ぐにゃぐにゃと。軟体動物の様に。
やがて、それは人の形になった。
-
43 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 21:08:48.59 ID:ADHJKMBv0
- _
( ゚∀゚)「ん〜」
パソコンだった物は完全に人の形になり、体を伸ばす。
すると、男の体から骨の鳴った音が数回聞こえた。
('A`)「すまねぇな。ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「別に気にすることありませんよ」
どうせ暇ですし。とジョルジュと呼ばれた男が言う。
ジョルジュが体を伸ばしながら不健康そうな男に問いかけた。
_
( ゚∀゚)「ドクオさん。あんなの書くの珍しいですね」
('A`)「何がだ?」
ドクオと呼ばれた男が何の事かとジョルジュに質問する。
_
( ゚∀゚)「リア充嫌いなんでしょう?」
-
44 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 21:12:16.86 ID:ADHJKMBv0
- ジョルジュはドクオの話をあまり詳しく聞いたことは無いが、
ドクオはリア充達を見ると良い顔はしない。
ドクオが少し考え込み、答えた。
('∀`)「たまにはいいじゃねぇかww」
表情は明るいが、少し元気が無い様にジョルジュの目には映った。
過去に何かあったのだろうか?と思ったが、口に出すほどの勇気は無い。
だからジョルジュは少しでも空気を明るくするために、笑いながら言う。
_
( ゚∀゚)「ギコさん出すのは固定なんですねwwww」
('∀`)「あぁwwあいつは固定だwwww」
_
( ゚∀゚)「あそこから死なす気なんすかwww?」
('A`)「いや、続きは考えてない」
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45 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 21:16:23.70 ID:ADHJKMBv0
- 会話の流れが止まる。
ジョルジュはがっかりした顔になり、ドクオは何か言ったっけ俺?
と、自分のした事を理解していない。
_
(;゚∀゚)「出来が良いんじゃなかったんですか・・・?」
ジョルジュが先程までのヘラヘラとした口調では無く、
真面目な声で尋ねた。
('∀`)「出来は良かったけど続きが考え付かないから逃亡かもわからんねwwwww」
_
(;゚∀゚)「たまには完結作品書いてくださいよ・・・」
ドクオは気にしていない様にヘラヘラと笑い、ジョルジュを指差す。
('∀`)9m「プギャーwwwwwww」
さすがにジョルジュも怒ったのか、ドクオに向かって走り出す。
だが、ネット接続の時に使用していた線がまだ背中に繋がったまでだったので、転んでしまう。
それを見て、ドクオはさらに笑い転げる。
-
46 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 21:21:17.50 ID:ADHJKMBv0
- (#,,゚Д゚)「うるせぇぞゴルァ!!!!」
部屋の扉が乱暴に開け、怒鳴り込んできたのは強面の大柄な男。
これで静まるかと思ったが、
('∀`)「うるさいのはwwwwどっちだよwwwww」
さらにドクオは笑う。
そして、二人から逃げようと走り出すが、後ろから何者かに掴まれる。
(´・ω・`)「さすがにお仕置きが必要だよね」
後ろからドクオを掴んでいたのは、
ギコほど大柄ではないが背は高い。
その男の後ろから、眠そうに目を擦りながら歩いてくる男。
身長はドクオと同じぐらいだが、髪の毛は金髪で、顔は整っている。
睡眠を邪魔されたのか機嫌が悪い様だ、ドクオへ向かって容赦なく言う。
(#・∀・)「壊すぞ」
-
47 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 21:27:02.94 ID:ADHJKMBv0
- (;'A`)「ショボン!放せって!」
ショボンに後ろから掴まれながらも、
ドクオはジタバタと暴れるがショボンはまったく動じない。
(´・ω・`)「反省しないといけないよね」
むしろ、掴まれる力が強くなった。
前方からは、明らかに怒っているジョルジュがドクオに向かって歩く。
_
(#゚∀゚)「放しちゃ駄目ッスよ・・・ショボンさん・・・」
ジョルジュの横にはどう見ても堅気には見えない大柄な男。
その男が拳を鳴らしながらドクオに向かって歩く。
(#,,゚Д゚)「大体これで何度目だ・・・」
ショボンの後ろから小柄な金髪の男、表情は明らかに怒っている。
慣れた手つきでドクオの体に触れる。
(#・∀・)「どこから壊して欲しい・・・?」
-
48 :第一話 ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 21:32:43.72 ID:ADHJKMBv0
- (;'A`)「駄目だって!モララーのは冗談に聞こえないから!」
ドクオが必死に命乞いをしながら暴れるが、ショボンはしっかりと掴んでいる。
あと一歩でジョルジュがドクオを殴れる距離だったのだが、ドクオが叫んだ。
(;'A`)「滞在期間!滞在期間で手を打とう!」
この言葉を聞いて、皆の動きが止まった。
ショボンも例外では無く、ドクオを掴んでいる腕が緩んだ。
その隙を逃すドクオでは無く、ショボンの腕の中から逃げ出した。
後ろにある窓まで全力で駆け出し、振り向いて大きな声で言った。
('A`)「誰が滞在期間なんて譲るもんかバーカwwww
自分で稼げwwwニート共がwww」
それだけ言い放つと窓から飛び降りた。
今日もいつもと同じような事をして、明日もそれと同じような出来事で終わる。
たまに滞在期間を稼ぎに外へと出る。
それが俺達の日常なのだから。
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49 : ◆LbLtdVn9Cs
:2007/12/07(金) 21:35:26.17 ID:ADHJKMBv0
- 投下終了です
支援してくれた人ありがとうございました
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