( ^ω^)ブーンの中から目覚めるようです
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5 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:12:30.31 ID:CNsmISllO
‐3‐
盲目な戦士たち
‐あと2日‐
あれから、ドクオとクーは予定通りに内藤の家を訪ねていた。
中から物音はしない。昼間から内藤が外出する時。
それは父親の月命日と、母親との面会日、それから勇気を出して買い物に行く日。
今日は、その中のどれにも当てはまらない。
だから、家に内藤がいないはずがない。居留守を決め込んでいるのだ。
('A`)「なぁクー、もう勝手に入っちゃおうぜ?」
居留守をするということは、何か後ろめたい事があるからだ。
内藤を疑う理由があるドクオにとって、これ以上の遠慮は無用だった。
川 ゚ -゚)「そうだな……ならば、これを最後にするか」
クーもいよいよ、ドクオに圧されてきた。彼女は再び扉を打ち鳴らす。
川 ゚ -゚)「おーい内藤! 居るんだろう、出てこい!」
('A`)(……ノックされてるドアが可哀相だ)
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13 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:14:36.74 ID:CNsmISllO
扉を破壊しようとしているかのような激烈な呼び出しの余韻が空気を震わす。
やがてそれも収まる。しかし、微風がゆっくり抜けていく以外、何も起こらなかった。
川 ゚ -゚)「……来ないな」
('A`)「入ろう。もう遠慮はいらないだろ?」
すっかり海老反ってしまった扉を開き、ずかずかと上がり込む。
玄関で、クーは立ち止まった。
川 ゚ -゚)(……鍵をかけていないのか?)
('A`)「どうした、クー?」
川 ゚ -゚)「……ドクオ。一応の覚悟はしておこう」
内藤が死んでいる可能性は、少なからずある。
クーはそう告げて、一階にある部屋をひとつひとつ確認していく。
('A`)「……内藤が死んでる?」
指だけの意思疎通で、クーと分かれ二階の各部屋を調べだしたドクオは、
半信半疑といった様子で呟く。
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14 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:15:12.57 ID:CNsmISllO
('A`)「……何でだ? 俺以外にもっと先に気付いた奴がいたと?」
階段を上がって三つ目の扉の取っ手を掴んで、捻る。
('A`)「……」
動かなかった。
そのまま引っ張っても、押しても、扉はガタガタ言うだけで開かない。
ドクオは腰の拳銃を取り、安全装置を外した。
('A`)「死んでるなんて許さねえぞ……内藤」
そして、鍵穴を撃ち破る。
軽い、初心者用の銃といえども、やはり強い反動があり、耳をつんざく爆音が響く。
それだけに、鍵穴のあったところは一応黒くこげた大きな穴が出来ていた。
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17 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:15:54.15 ID:CNsmISllO
川;゚ -゚)「ドクオ! どうしたんだ?」
銃声を聞いたクーが駆けあがってきた。
('A`)「別に。鍵がかかってたから……あれ、開かねーや。もう一発……」
ドクオは、先ほどより照準を少し右にずらして、また発砲した。
間近の轟音に、一瞬クーが萎縮した。両手を握り締めながら、唇が震えている。
川;゚ -゚)「ドクオ……お前、何をそんなに焦っている? 何だかおかしいぞ?」
('A`)「クー、この中に内藤はいるぞ」
再びドクオが銃を構えた、その時。
小銃は高い天井に届かんばかりに飛び、弧を描きながら床の絨毯へ落ちた。
川 ゚ -゚)「……ドクオ、教えてくれ。一体何故そんなに焦っているんだ?」
何故焦っているか。ドクオの口から言うのには、はばかられたようだ。
あと2日で何が起こるのか知らないが、それはドクオにだけ告げられている。
きっと、自分の身に降りかかる良くない何か。
('A`)「……ごめん。俺は……」
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21 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:17:16.64 ID:CNsmISllO
川;゚ -゚)「……」
ドクオの独白を、クーは黙って聞いていた。
('A`)「あさって、何が起きるかは分からない。だけど、もしもって事がある。
だから……な? 少しくらい勝手させてくれよ」
川;゚ -゚)「それは……」
ドクオの望みならば、なるべく叶えてあげたい。それが最期のものなら尚更だ。
内藤が手にかけられたとて、自分にはほとんど支障は無いだろう。
それなら、何も言わずドクオを見守るべきなのだが、もう邪魔をしているのは何故だろう。
川;゚ -゚)「それは駄目だ。私はそんな事は望まんぞ」
('A`)「クー……分かってくれよ、俺は」
川 ゚ -゚)「分からず屋はドクオのほうだろう?」
クーには理由が見つけられたらしい。
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23 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:17:56.24 ID:CNsmISllO
('A`)「どういうことだ?」
川 ゚ -゚)「分からないか。私が何故そんなにお前が内藤を殺すことを嫌うのか」
('A`)「……あぁ、全く。クーは内藤の事があまり好きじゃなかったはずだから……」
ドクオは、混乱しているようにも見えた。
何の文句があるのか、まるで理解できないというような風だ。
川 ゚ -゚)「内藤の事は、あまり関係ない。問題はお前にある」
('A`)「俺か」
川 ゚ -゚)「ドクオ。私はな、子供のころからずっとお前と一緒だった。
お前のことは誰よりよく知っているつもりだ」
('A`)「だろうな。そうじゃなきゃおかしいぜ」
川 ゚ -゚)「でも……さっきのドクオを、私は知らない。あんなに怖いドクオを
私は見たことがなかった。……それから、お前の話を聞いて分かった。
さっきのお前はドクオじゃない。他の何かだ」
('A`)「……」
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26 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:18:41.52 ID:CNsmISllO
クーは切なげに言う。
川 ゚ -゚)「ドクオ。私はお前を失うのが嫌だ。お前が、お前らしさを失うのも嫌だ……」
('A`)「……うん」
川 ゚ -゚)「だけど……ドクオはもうすぐ消えてしまうかも知れない……
だったら、私は最期の最後まで、「ドクオ」と一緒にいたいんだ。
ドクオはあんな風に、恨みで人を殺そうとする人じゃない。
私の知ってるドクオは優しくて、いつも笑いかけてくれて……」
クーは、笑っているのか悲しんでいるのかよく分からない表情になって、俯いた。
もうドクオには、鍵のかかった扉の事などどうでも良かった。
('A`)「クー……ごめん、ありがとう。もう大丈夫だ」
泣きたい気持ちを抑えて、ドクオは笑って言った。
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28 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:19:14.47 ID:CNsmISllO
川 ゚ -゚)「……分かってくれるのか?」
('A`)「ったりめーだ。クーに言われちゃ敵わねえって」
ドクオは照れくさそうに頭を掻いた。
('A`)「じゃあ……帰るか?」
川 ゚ -゚)「いや……」
そこからはもう、クーは役人らしい目つきになっていた。
川 ゚ -゚)「確かめておきたい。例のカウントダウンは何なのか、
ドクオを救える手段があるなら、教えてもらう」
('A`)「そうだな……その方が良い」
川 ゚ -゚)「開けるぞ」
クーが膝蹴りを打ち込むと、扉は飛ばされた輪ゴムのように奇妙な動きをしながら飛んでいった。
('A`)(……物理的におかしいだろ)
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30 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:20:04.34 ID:CNsmISllO
その部屋は、どうやら寝室らしい。置き去りにされた布団と、
障子紙の張られた提灯のような電球だけがある。
川 ゚ -゚)「……いないな」
('A`)「でも、もう全部の部屋を見たぞ?」
川 ゚ -゚)「出掛け中か……ますます臭いな。さっさと見つけ出して問いたださないと……」
('A`)「火急だな。ここはもう出よう」
川 ゚ -゚)「あぁ」
大きな収穫を得た二人は、再び丘を下って行った。
それと殆ど同時刻。
( ゚д゚ )「……また広場で葬式が行われているのか」
暇そうに辺りを散歩していた男も気付いた。
( ゚д゚ )「寄っていくか」
一昨日、天を舞う少女の姿を見てから、創歌についての文献を漁り続けたが、
結局役に立ちそうなものは見当たらなかった。
諦めて散歩を始めた次第、男は衝撃を覚えた。
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33 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:21:03.91 ID:CNsmISllO
(;´・_ゝ・`)「ミルナ村長!」
広場には、普段の葬式より多くの人だかりが出来ていた。
祈りを捧げるだけでは帰る人間が少ないらしい。
ミルナも死者を悼んでから、しばらく広場で時間を潰していた。
そして、その存在に気付いた一人の男がミルナに寄ってきた。
( ゚д゚ )「やあ、盛岡さん」
(;´・_ゝ・`)「村長……どうしましょう? 子供たちが……」
( ゚д゚ )「また君はそれか。……とは言え、今回ばかりはな……」
いつも村の将来のことを考えている盛岡。彼にとって未来を背負うべき
子供たちがみんな居なくなったと言うことは、ほとんど村の滅亡を意味していた。
(;´・_ゝ・`)「あぁ、そう言えば……子供を奪われた親御さんたちがみんな言うんですよ。
今まで見たことないような女の子を見たって」
( ゚д゚ )「何? どんな子だ?」
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37 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:22:37.08 ID:CNsmISllO
(´・_ゝ・`)「皆さん混乱していたので多くのことが分かった訳ではないのですが……
なんでもこの村じゃ見たことがない金色の髪をしていたと」
( ゚д゚ )「何? 本当か?」
ミルナにはその少女に心当たりがあった。
(;´・_ゝ・`)「ご存知なんですか!?」
( ゚д゚ )「ああ。私も昨日見かけたぞ。空を飛んでたな」
(;´・_ゝ・`)「……ハァ?」
まるで、空を飛んでいた事が、当たり前のようにミルナは言った。
盛岡のほうは、まるで非常識な発言に、思わず驚嘆した。
昔から何かあると、神が助けてくれるとか鬼の目覚めだとか言い出して
どこか遠くへと走り出したりするような人間であった。
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40 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:23:23.38 ID:CNsmISllO
( ゚д゚ )「村長に向かってなんだその言い様は」
(;´・_ゝ・`)「あ……申し訳ありません。ですが……」
( ゚д゚ )「なぁ、遺族たちはどういう風にその金髪の子を見たんだ?」
全く会話が繋がらないが、ミルナは何も気にしていないようだ。
(;´・_ゝ・`)「あの……いえ、何でもありません。それで、目撃のことですが、
皆さん、一様に同じような夢の中で少女を見たと言うのです」
( ゚д゚ )「夢で?」
(´・_ゝ・`)「ある一人が、内容をはっきり覚えていたんですが……
彼が語るにはですね、少女はつらそうな目をしながら
「私はみんなを殺しに行く。
あなたの大事な人から殺す」そう言っていたと」
( ゚д゚ )「……それだけしか言っていなかったのか?」
やはり、神は助けてはくれないか。ミルナは残念そうにため息をついた。
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42 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:24:02.46 ID:CNsmISllO
(´・_ゝ・`)「……それから、もうひとつ。「それが嫌なら、私を殺すことね」とも」
その言葉に、ミルナは衝撃を受けたらしい。
口がぴったりと閉じて、目は遠くを見ている。
( ゚‐゚ )「……」
(´・_ゝ・`)(普通逆だろ)
( ゚д゚ )「ハッ! しまった、つい口を閉じてしまった。
……ところで、確かにその少女はそう言ったのか? 間違いは無いのか?」
(´・_ゝ・`)「はぁ……まぁ、そうらしいです。……村長、我々はどうするべきですか?」
盛岡は呆れたようにため息をついて、それでも立場上頼れるミルナにそう訊いた。
( ゚д゚ )「むぅ……」
ミルナは少し考え込んでいた。
自分たちの未来に一縷の望みをかけ、邪使討伐としようか、
やはり全てを諦め、滅びをただ待つべきか。ミルナは分からなかった。
( ゚д゚ )「……とりあえず、村の皆を集会所に集めてくれ。そこで決める」
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44 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:25:02.47 ID:CNsmISllO
(´・_ゝ・`)「はい。分かりました」
( ゚д゚ )「頼むぞ」
ミルナは盛岡の肩を叩いて、さっさと集会所へと歩いていってしまった。
(´・_ゝ・`)「……さて」
盛岡が天に手を翳すと、そこに輝かしい光が渦巻いていく。
(´・_ゝ・`)「みんな! あれは何だ?」
盛岡が指差した先の中空に、光の塊が浮かんだ。
広場にいた人々みんながそれに目をやる。
ΩΩΩ「な、なんだあれー!」
(´・_ゝ・`)「フンッ!」
そして、盛岡が掲げた手の指先に力を込めると、強い光は爆発するように広がった。
光は、しばらく辺りに充満した後、金粉となって散っていった。
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47 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:26:02.54 ID:CNsmISllO
ΩΩΩ「……」
Ω「……僕、何だか集会所に行きたい気がする」
Ω「私も……何となくだけど」
Ω「俺も!」
≡ΩΩΩ「うおおおぉぉぉっ!!」
村人たちはしばらく互いの顔を眺めていたが、
突撃の銅鑼が鳴ったかのように一斉に駆け出した。
(´・_ゝ・`)「よし、完璧だ」
盛岡は満足そうに頷いて、軽い足取りで村人たちの後を歩き出した。
彼の行った事、なぜ彼にあのような所行が可能なのか。
それを考えられる者は、今誰もいなかった。
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50 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:27:04.62 ID:CNsmISllO
( ゚д゚ )「さて……みんな、よく集まってくれた」
上座に座ったミルナの前には、70人ほどの村人たちが詰め込まれている。
皆一様に、戸惑った顔をしているが、しんがりに陣取った盛岡は別であった。
( ゚д゚ )「もう知っているだろうが……先日、多くの尊き命が失われた」
ミルナは切り出しにそう言った。何人かが顔をしかめる。
( ゚д゚ )「しかし、悲しみばかりではなかった。決してプラスにはならないが……
幼い大切な命を奪われた者たちは、ある天啓を受けていた。
……違いないか、ビコーズ?」
( ∵)「……はい」
盛岡の言っていた、夢の事を覚えていたのは、きっと彼だろう。
ビコーズは、日頃から平静を崩さない事で有名であった。
学力も優秀、尚且つ田舎村に嫌悪を抱いていない。
「いずれ村を繁栄に導く」と、周囲、特に盛岡に期待され続けたが、
彼の惜しむらくは、積極性のなさであった。
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54 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:28:29.32 ID:CNsmISllO
結局、幼なじみと子を成して、特に大事を成すでもなく、村に留まった。
それでも、しっかりした若者として、いずれは村長を継ぐだろうと、誰もが確信していた。
( ゚д゚ )「では、その内容を話してくれるか?」
( ∵)「……はい」
ビコーズは、ミルナが盛岡から聞いた通りの事を、子供たちは少女が殺したに違いない、
という確信めいた憶測を付け加えて、みっちり詰まった皆に話した。
( ∵)「以上です」
最後にひとつお辞儀をして、ビコーズは詰め込まれた。
( ゚д゚ )「お前たちは、どうするべきだと考える?」
腕を組み、ミルナは一人一人に目をやる。
('、`*川「あの、村長。良いですか?」
一人の女性が挙手した。確か、ビコーズの妻のはずだ。
( ゚д゚ )「何だ? 言ってみろ」
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56 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:29:08.19 ID:CNsmISllO
('、`*川「はい。……私は、やっぱり娘を奪われた悲しみを、
忘れる事は出来ないと思います。ですから私は、その女を……殺しに行くべきかと。
それで滅亡が防げるなら、何の迷いも必要ないと思うのですが」
ΩΩ「そうだそうだ!」
他の数人からも、野次が飛ぶ。
( ゚д゚ )「成程……やはりそうか。そうだろうな。
だが、お前たちはあの娘が何者か知っているのか?
何処にいるのか、知っているのか?」
Ω「そんな事は二の次でしょう! まずは武器を取りましょう、村長!」
異を唱えた男もまた、子を失った父親だった。
( ゚д゚ )「まぁ待て、オメガ太郎。落ち着いて私の話を聞くんだ」
#Ω「誰がオメガ太郎だ! もう良い、俺は奴を探しに行く! 着いてくんじゃねーぞ!」
男は立ち上がると、人々を散らして外へ向かって進み出した。
(´・_ゝ・`)「……」
#Ω「……どけっ!」
無理やりに道を空けさせると、男の姿はすぐに見えなくなった。
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58 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:29:47.06 ID:CNsmISllO
( -д- )「……」
男の妻も、やがて後を追うように外へ行った。
それからしばらく、誰も口を利かなかった。
(´・_ゝ・`)「……村長、続けて下さい」
( ゚д゚ )「あぁ。……また、惜しい人を亡くしてしまうか……」
ミルナは心底辛そうに言って、それからまた話を始めた。
( ゚д゚ )「あの娘は……村の言い伝えでは、邪使創歌と呼ばれている。
神話に詳しい者ならば知っているだろうが、神の遣いが二種あるのはご存知かな?」
頷く者は一人もいない。
( ゚д゚ )「まぁ、そうだろうな。この話はちょいと長くなるから飛ばすぞ。
今は、お前たちが邪使創歌がどの位強大な存在なのか理解すれば良いんだ」
ミルナの話は、30年も昔の話であった。
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60 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:30:16.53 ID:CNsmISllO
( ゚д゚ )「かつて、救国の英雄と謳われたその剣士すら、創歌にはかなり苦戦していた。
長い戦いであったが、剣士はついに創歌に留めを刺そうとした。
しかし、その瞬間創歌は剣士の体に入り込むと、
剣士付きの僧侶に、霧のような姿だけを出して言った。
「私と戦いたいなら、剣士の命を絶つがいい」」
(´・_ゝ・`)「それで、僧侶は……?」
( ゚д゚ )「出来なかったさ。しかし創歌は、傷付いた体を剣士の魂によって癒しだした……
創歌は剣士の中で鎮まったが、剣士はそれだけで瀕死の傷を負ってしまったのだ」
('、`*川「……それなら、あの女を殺すことは無理なのですか?」
その問いに、ミルナは首を振った。
( ゚д゚ )「昔から、不可能などというものはない。
単純な話、創歌が誰かの体に入り込む前に討てば良いだけの話だ」
(´・_ゝ・`)「……ならば、大勢でかかろう。それなら、あるいは……」
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63 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:31:03.40 ID:CNsmISllO
( ゚д゚ )「だがな」
沸き立とうとする村人たちに、ミルナは最後に訊いた。
( ゚д゚ )「創歌は、英雄と呼ばれた剣士すら手こずった相手だ。それでも戦うか?」
一部から、どよめきが起こった。行き渋る者は、やはり出てきた。
そんな中で、始めに声高に言ったのは盛岡だった。
(´・_ゝ・`)「私は行きますよ。少しでも可能性があるなら、それに賭けたい……」
続いて、ビコーズ夫妻が。
('、`*川「私も戦います。恨みを晴らさなくては、私は死ねません」
( ∵)「……僕も、及ばずながら」
それを機に、沢山の人々が名乗りを上げていく。
Ω「オメガ太郎さんを一人で死なせはしません!」
Ω「このまま人生終わりだなんて、まっぴらごめんだ!」
Ω「息子の仇を取るんだ! やられっぱなしでいられるか!」
そして、部屋にいた全員が立ち上がり、勇壮に声を上げる。
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66 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:32:02.61 ID:CNsmISllO
( ゚д゚ )「お前たち!」
ミルナが厳しい声を上げた。雄叫びが止む。
( ゚д゚ )「以前、創歌が姿を現したのは丘の上の内藤の家だった。
だが、今すぐ行くのはよろしくない。きちんと武器を手入れしておき、
出撃は明日の日没後にする。その時は、私もついて行くぞ!」
再び歓声が上がった。村人たちが完全に団結した様は、一揆を決めた村のようだった。
( ´ω`)「お……? ここは……僕の家かお。……あぁ、そういえば僕は……」
('A`)「……明日も行ってみるか、一応」
川 ゚ -゚)「当たり前だ。最後まで全力を尽くすぞ」
人と邪使。最後の戦いが始まろうとしていた。
‐あと1日(最終日)‐
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68 : ◆WlNWAJKHjA
:2007/11/12(月) 03:34:49.25 ID:CNsmISllO
- 第三話、ここまで〜。
序章及び第一話ならここに↓
http://mesimarja.web.fc2.com/boon/html/200711/1194441524.html
第二話は投下するほか無いけど、要る?
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