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川 ゚ -゚)は向かい側にいるようです

1 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 03:03:41 ID:I.OdBD3AO
ながらで。

2 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 03:12:20 ID:I.OdBD3AO
土曜日の夜の事だった。
僕、モララーは恋人のクールから話があると、突然に、唐突に伝えられた。

( ・∀・)「一体、なんだい?」

彼女との付き合いは五年程にはなる。
そんな五年の間で、これ程畏まったクーを見たことはなかった。

川 ゚ -゚)「ああ、まあ、なんだ」

非常に、非常に切り出しにくいのであろう。
いつもなら、思ったことをすっと放る彼女が、口ごもっていた。

( ・∀・)「どうしたんだい?いいこと?悪いこと?」

川 ゚ -゚)「そうだな……」

もごもごと、何やら反芻をしてから、クーは僕に目を向けた。

3 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 03:22:33 ID:I.OdBD3AO
川 ゚ -゚)「君は。向かい側にいるんだ」

ようやく聞き出した言葉は、意味が分からなかった。

( ・∀・)「え?向かい側?」

呆気に取られた僕が、何とか返す捻りの無いおうむ返し。
それに相槌を打つ、クー。

川 ゚ -゚)「そう、向かい側」

僕の混乱を余所に。

川 ゚ -゚)「わかりやすい言葉だと、パラレルワールドが一番近いのかな」

クーは、どんどんと話を進める。

川 ゚ -゚)「君から見れば、向かい側にいるのは私だけどね」

4 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 03:32:40 ID:I.OdBD3AO
正直に言って訳が分からない。

( ・∀・)「よく、分からないな」

川 ゚ -゚)「そんなものさ」

そう言ってクーは笑った。

( -∀・)「仮にだ」

僕は問い掛ける。

川 ゚ -゚)「なんだい?」

( -∀・)「もし君が、本当に向かい側にいるのだとしてさ」

川 ゚ -゚)「もし、も何も実際にいるんだけどね」

( -∀・)「茶化さないでくれよ」

( -∀・)「ともかく」

( -∀・)「向かい側だとしたら、何がどうなんだい?」

川 ゚ -゚)「また、えらく抽象的だな」

( -∀・)「問題が問題だから、ね」

5 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 03:40:04 ID:I.OdBD3AO
川 ゚ -゚)「そうだね……」

ふむ、と顎に手をやり考え込むクー。

( -∀-)「……」

僕は、黙っているしかない。

川 ゚ -゚)「君以外」

ひどく小さな囁き。

( -∀・)「……?」

川 ゚ -゚)「君以外、私を知らないし、見れない、触れないってとこかな」

( -∀・)「まさか」

有り得ない。
だって、そうだろ?

( -∀・)「君とこの五年で、何回デートした思っているんだい」

( -∀・)「その中で、僕の友達や知り合いに何回か会っているじゃないか」

( -∀・)「そうだろ?」

6 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 03:47:37 ID:I.OdBD3AO
川 ゚ -゚)「0回だ」

( -∀・)「……?」

川 ゚ -゚)「表でデートしたことも、君の知人に会ったことも」

川 ゚ -゚)「今までに一回もない」

嘘だろ。
そんなはずがない。

( -∀・)「…………」

              ・・・
川 ゚ -゚)「君は、そういう風に出来ていたのさ」

・・・
出来ていた?
何がだ。

川 ゚ -゚)「簡単に言おう」

クーの言葉は。

川 ゚ -゚)「君は」

空虚に響いた。

川 ゚ -゚)「ただのプログラムさ」

川 ゚ -゚)「シュミレーション用な、な」

7 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 03:51:14 ID:I.OdBD3AO
クーの言葉は続く。

川 ゚ -゚)「もう、十分にデータは取れた」

川 ゚ -゚)「一週間、なかなか楽しかったよ」

川 ゚ -゚)「それじゃあ、ね」

カチリ、小さな音がなって。
世界が暗転していく。

8 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 03:58:11 ID:I.OdBD3AO
川 ゚ -゚)「ただいま」

lw´‐ _‐ノv「はい、お疲れさん」

lw´‐ _‐ノv「今回のはどうだった?」

川 ゚ -゚)「そうだな……外見なんかは申し分なかったけど」

lw´‐ _‐ノv「けど?」

川 ゚ -゚)「内面が脆いかな。もう少し打たれ強い方が大衆受けはいいはずだ」

lw´‐ _‐ノv「成る程、成る程。じゃ、その辺いじったら次に行きますか」

川 ゚ -゚)「次はしぃにでもしてくれ。少し、疲れた」

lw´‐ _‐ノv「はいよー」

川 ゚ -゚)「じゃ、私はもう帰るよ」

lw´‐ _‐ノvノシ「ばいちゃー」

9 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 04:06:05 ID:I.OdBD3AO
人々はいつだって、愛や恋を求めてきた。
けれど、それは平等に与えられることなんてない。

種の優劣故か、与えられるのは常に優側の者達だけ。
劣側は、与えられることもなく。
夢に見ることすらなく、朽ちて行く。
しかし、それは。
あまりにも理不尽な事だ。
だから。

とある男が言った。

限りなく現実に近い物を造りだせば、それは最早現実なのではないか、と。

そして、一つの会社が。
全ての人々に恋愛を。
その言葉と共に、立ち上がった。

10 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 04:10:43 ID:I.OdBD3AO
それが、10年程前の事。
事業の拡大は早かった。
需要は、腐る程あった。

拡大した会社は、やがて。
女性向けの開発に着手し。
今日に到る。

川 ゚ -゚)は向かい側にいるようです

モララー編、終。

11 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 04:11:36 ID:I.OdBD3AO
とんでもないとこに着地したけど、なんとか頑張るが。
今日は寝る。

12 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 08:04:12 ID:8rDiR4M.0

興味深い

13 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 10:02:58 ID:NFtRLrcwO
ニーイチさんなにしてはるんですか

14 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/26(火) 16:55:18 ID:fCe4dtx.0
こういう雰囲気好きだわ


15 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/07/29(金) 08:40:19 ID:bq1rt/C20

これからどう広げていくのか


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