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( )は例えばの話をするそうです
1
:
◆mGYBMWZ/Jg
:2011/06/30(木) 20:32:11 ID:vO7PlgSMO
空が濁り、大粒の涙が地に降り注がれる。
空に少しでも近づこうと、マンションの屋上に佇む1つの人影。
悲しいと涙を流す空を見上げれば、頬に流れる一筋の滴。
これは、空の涙なのだろうか。
それとも──
『セカイなんて消えてしまえばいいのに』
切実な想いが込められた呟きは、雨音によりかき消されてしまった。
同時刻。
一人の少女が、自分の部屋の窓から外の景色を見つめていた。
少女は、小さく溜め息を溢し窓から視線を反らした。
テーブルに肘をつき、両手で頬を支える。
視線の先には、テーブルの上に置かれた一枚の紙とペン。
何も書かれていない紙を見つめ、少女はもう一度溜め息を溢した。
『…明日になったら───』
一筋の雷が空中を裂く。けたたましい音が鳴り響き、近くに落ちた事を知らせた。
雷の音にかき消され、少女の言葉は最後まで彼女の耳に届くことは無かった。
2
:
◆mGYBMWZ/Jg
:2011/06/30(木) 20:33:56 ID:vO7PlgSMO
地に叩きつけるように、大粒の雨粒が降り注がれる。
すっかり人気の無くなった外の風景は、まるでゴーストタウンのようだ。
市内の中心地にそびえ立つ、白い大きな建物。
その最上階から、街全体を見下ろす1つの人影があった。
歪んだ口元に指を添えながら、男は一面ガラス張りになった室内から外の風景を一望する。
彼の斜め後ろには、厚みのあるファイルを抱えたスーツ姿の女性が立っていた。
「いよいよ、計画を実行する時がきた」
男が一歩足を踏み出し呟くと、女性は口角を微かに釣り上げ小さく頷いた。
「見てみなさい。この大雨は、まるで汚れきったセカイを洗い流しているようではないか」
男は不気味な笑みを浮かべたと思えば、今度は胸を張り上げ高々と笑った。
「いよいよ、長年の夢が叶う時が来たのだ」
男の叫び声は、薄暗い室内にこだましていった。
3
:
◆mGYBMWZ/Jg
:2011/06/30(木) 20:35:04 ID:vO7PlgSMO
雨足が増す中、市内中心部から離れた海沿いにある公園に、一人の女性の姿があった。
ピンク色の中に黄色い花柄のワンポイントが入った傘をさし、赤いベンチに腰かけている。
誰かを待っているのだろうか。
時折、辺りを見回しては、小さな溜め息を吐く。
雨足が激しいことや俯き加減になっているせいで、女性の表情までは伺えない。
しかし、大袈裟に落とされた肩を見る限り、彼女の落胆ぶりは見てとれる。
時折、雨音に紛れ、船の音が聞こえてくるのは気のせいだろうか。
「お前は何時になったら迎えに来てくれるのだ…──」
女性の哀愁を漂わせた呟きは、届いて欲しい相手に届くことは無かった。
4
:
◆mGYBMWZ/Jg
:2011/06/30(木) 20:36:01 ID:vO7PlgSMO
手紙を書きました。
ずっとずっと、返事を書くのを躊躇っていたけれど、ようやく決意が固まりました。
今ポストに入れてもいいのだけど、待たせてしまったのだもの。
今度、貴方に直接渡しにいきます。
手紙を書き終えた年配の女性は、白いベッドに横たわり、白い天井を見つめ──まるで少女のような笑みを浮かべた。
「こんなにドキドキするのは、久し振りだわ」
女性は頬をピンク色に染め、口元を手で覆い込み上げる笑いを抑えた。
「…恋は、何時でも素敵ね」
窓越しから見える外は、少しだけ雨足が緩くなっていた。
5
:
◆mGYBMWZ/Jg
:2011/06/30(木) 20:36:52 ID:vO7PlgSMO
港には、一人の男が佇んでいた。
雨足は緩まったのか、すっかり小雨となっていた。
緩やかに波を打つ海に、時折小さな波紋が生まれては波にかき消されていく。
男は傘もささず、港から海を一望していた。
天候の影響か、海には霧が立ち込め奥には闇しか存在しない。
時々、霧の向こう側に黒い影が写し出される。
その度に、男は握りしめた手に力を込めた。
ふと胸元に手を入れ、胸元のポケットから小さな箱を取り出した。
その小さな箱は、ベルベットの生地のように光沢を放ち、とても高級感溢れている。
「…これを君に渡せないのが辛い」
男の呟きは、波の音にかき消されてしまった。
──ポッポー!
船の音が聞こえ、男は顔を上げ霧の向こう側に視線を向けた。
まるで男が見るのを待っていたかのように、大きな船が霧を割き港に向かってきた。
男は小さな箱を再び胸元のポケットにしまうと、足元に置かれた鞄を手に取り歩き始めた。
「さよなら…どうか幸せになってくれ」
6
:
◆mGYBMWZ/Jg
:2011/06/30(木) 20:39:35 ID:vO7PlgSMO
(´・ω・`)
はじめまして。
僕は、この物語の語り部だったりします。
ボク程度の者が、皆々様に名前を名乗るのはおごましいと思い名乗りません。
お許しください。
この物語は、ぼくが見てきた人間達のほんの一時です。
拙い語り部ではありますが、何卒最後までお付き合い戴けたら光栄です。
おや
すっかり雨も止んだようで、まん丸お月様が空にあがっていますね。
中心部の巨大なビル最上階では、何やら怪しい動きがあるようで──
それが何の影響に出るか。
それは、また明日のお話になりそうです。
では、おやすみなさい。
───
──
─
7
:
◆mGYBMWZ/Jg
:2011/06/30(木) 20:40:37 ID:vO7PlgSMO
─
──
───
不思議な夢を見た。
暗闇の中に浮かび上がる、人の形をしたもやが一生懸命話をしている。
内容までは、鮮明に思い出せないが、何故か懸命に喋るもやが愛しく感じられる。
「…………………あれ?」
寝心地のよい布団から起き上がり、僕は自分でも随分腑抜けたと思える声を出していた。
「何で僕は此処にいるんだ?」
返事はない。
当たり前だ。この部屋には、僕しか居ない。
( )「…僕は誰だっけ?」
さぁ、お話のはじまりはじまり
8
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/01(金) 11:31:37 ID:lpl8ApWgO
(i)<ぼクパァ誰だっけ…
9
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2011/07/02(土) 18:09:25 ID:arF83jIwO
>>8
わろす
10
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2014/09/27(土) 08:13:33 ID:gqfZtXx.0
+ ;
* ☆_+
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く '´::::::::::::::::ヽ
/0:::::::::::::::::::::::', 爆破オチ逝きまーす
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し"~(__)
ヽ`
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