5 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/27(土) 23:42:07.13 ID:CoGrugTjP
俺の名前はドクオ。座右の銘は「一日一善」。
そう、俺はブルマーが大好きなのだ。
('A`) 「さて、今日も一善するか……」
とりあえず俺は腹が減ったので、公園に行くことにした。
8 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/27(土) 23:44:48.38 ID:CoGrugTjP
公園は素晴らしい。公園には、なんでもある。
喉が渇いたら、そこには水道水がある。
汗をかいたら、そこには水道水がある。
人恋しくなったら、そこには水道水がある。
('A`) 「ここは楽園だぜ……」
そう、今まで俺はそう思っていた。
これからも、そうであると思っていた。
「果たして、本当にそうかな?」
(;'A`) 「だ、誰だっ!?」
9 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/27(土) 23:46:40.00 ID:CoGrugTjP
,r'"⌒ヽ
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/Y ,r 、 `ー r'"^〃 、 つヒヽ
,ノ '^` i! =テミ i' 天ニ ミ、 ='"^ヾ }
,/ ''=''" ノ-‐'ヾ-人,,__ノnm、''::;;,, イ
i! ,∠-―-、、 `ー'フヾ、 j
f'´ ノし `丶、 ー=ミ-JE=- /
ヾ=ニ- 彡^ 〃 ,,>、、`''ー-::,,_,,ノ
``ー--┬:, ''"~´フ ソ´`7'' ''"´
,に (`゙゙´ノ f^ヽ
,ハ ,ィ' ,;-ゝ、
/ミ`ーt!,_,ィ-‐彡''"^ヽ
/ ヾ::::::::::::::::r''" ぃ ;}
l t:::::::::::/ ノ /
l! `'T7′ / /
俺の目の前に現れた男は、ブルマーしか身につけていなかった。
11 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/27(土) 23:48:25.93 ID:CoGrugTjP
( ^ω^) 「君は、ここを楽園だと言う……」
('A`) 「なにが言いたい?」
( ^ω^) 「ふふ……気になるかい?」
('A`) (こいつ……俺を試しているのか)
今思うと、不自然なことが多かった。
第一に、なぜこの男は平日の昼間から公園にいるのか。
普通の人間ならば、学校や会社へ行くはずである。
12 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/27(土) 23:50:24.05 ID:CoGrugTjP
( ^ω^) 「ふふ……気になるかい?」
('A`) 「……」
第二に、なぜ俺がここにいるとわかったのか。
俺を探してここへ来たのだとすれば、あまりに不自然すぎる。
まるで俺が普通の人間ではないからここにいる、ということを知っていたかのようだ。
( ^ω^) 「ふふ……気になるかい?」
('A`) 「……」
まさかこの男、俺が「一日一善」に生きる特殊な人間だと気づいている?
13 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/27(土) 23:52:20.38 ID:CoGrugTjP
( ^ω^) 「ふふ……気になるかい?」
('A`) 「……くっ、教えてくれ」
( ^ω^) 「ふふ、君ならそう答えると思っていたよ」
('A`) 「!?」
俺はそのときの男の笑顔が忘れられない。
そう、あたかも俺が「教えてくれ」と答えることを知っていたかのような。
( ^ω^) 「では、ついてきたまえ」
('A`) 「……ああ」
15 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/27(土) 23:54:24.61 ID:CoGrugTjP
( ^ω^) 「君は、ここが楽園だと言ったね?」
('A`) 「ああ、なにが違うのか教えてほしい」
( ^ω^) 「その前に……君はこれからあることをしようとしていたね?」
男は不適に微笑む。
全てを見透かされているかのような瞳。
俺は動揺を隠しきれなかった。
16 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/27(土) 23:56:41.71 ID:CoGrugTjP
自分でも体が震えているのがわかる。
必死になって喉から搾り出した返事は、情けないものだった。
('A`) 「……な、なに」
( ^ω^) 「そう、君はこの公園にやってくる女児達を……」
('A`) 「やはりあんた、俺が一日一善に生きる男だと気づいてたのか?」
( ^ω^) 「え、あ、はい」
やはり見透かされている。
どうやら、俺は恐ろしい男に出会ってしまったようだ。
17 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/27(土) 23:59:03.42 ID:CoGrugTjP
( ^ω^) 「さて、君は一日一善しようとしていた」
('A`) 「ああ」
( ^ω^) 「しかし、この公園ではなにもしていない」
('A`) 「だって、ここにはなにも……」
( ^ω^) 「君はここは楽園だと言った」
( ^ω^) 「その言葉には、ここには誰も困っている人はいない。みんなが笑顔で素晴らしい、まるで楽園のようだ」
( ^ω^) 「という、意味が込められている。と考えていたが、違うかね?」
('A`) 「……!!」
('A`) 「……それに気づけたのは、あんたが初めてだ」
( ^ω^) 「ふふ、君ならそう言うと思っていたよ」
気づけば、俺はこの男を認め始めていた。
20 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:01:28.95 ID:lQuI9rhwP
( ^ω^) 「だが、果たして本当にそうだろうか?」
なんだ。この男は、なにを言おうとしているんだ。
俺の頭が警鐘を鳴らしている。
「これ以上、この男と関わってはならない」、と。
よく言うじゃないか。
普通に見える人間こそ、中には魔物を飼っているのだ。
この男は、まさにその典型的な例なのだ。
22 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:03:46.44 ID:lQuI9rhwP
( ^ω^) 「続きを、聞きたくはないのかい?」
(;A;) 「……勘弁してください」
気づくと、俺は男のブルマーにしがみついて泣いていた。
膝はガクガクと震え、今にも体が崩れ落ちてしまいそうだ。
( ^ω^) 「現実から逃げていて、それでいいのかい?」
(;A;) 「ぐぼあぁっ!」
その言葉が、俺に止めを刺した。
ブルマーを掴む手に、力が入る。そうしていないと、心が潰れてしまいそうで。
そして俺の膝がガクッと地面に落ちると、自然の摂理に従って男のブルマーも地面に落ちた。
24 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:05:49.82 ID:lQuI9rhwP
( ^ω^) 「……それが君の答えか」
男は残念そうに、かつ愛おしそうにブルマーをはきなおす。
俺はただそれを、呆然と眺めているだけだ。
( ^ω^) 「明日、またここへ来る」
( ^ω^) 「選択の自由は、君にある」
( ^ω^) 「この公園の現実を見たくば……」
男はそこで言葉を切り、ゆっくりとブルマーをおろした。
そして生温かいブルマーを、俺の手に握らせる。
( ^ω^) 「あとは、言わなくてもわかるな」
男の逞しい背中が夕暮れに消える。
俺は敗北感に打ちひしがれながら、携帯電話を取り出しとりあえず通報した。
27 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:09:29.32 ID:lQuI9rhwP
その日から、俺は一日一善をやめた。
来る日も来る日も男の言葉に悩まされた。
ときには「I Love You !!」と叫び、ときには盗んだブルマーと走り出す。
俺はもはや、壊れかけのDokuo(デュクオ)だった。
('A`) 「……」
男との出会いから一年がたったある日、俺はふとあの公園に寄ってみることにした。
そして……俺はそこで奇跡の再会を果たした。
29 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:11:35.79 ID:lQuI9rhwP
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一年ぶりに再会した男は、進化していた。
34 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:16:03.49 ID:lQuI9rhwP
( ^ω^) 「君は……」
('A`) 「!! ……俺のこと、覚えていてくれたのか」
( ^ω^) 「ふふっ、私が忘れるわけないだろう」
('A`) 「一体、何があったんだ!? この一年、ずっとあんたを待っていたんだよ!!」
( ^ω^) 「……私としたことがヘマをしてしまってね」
( ^ω^) 「一年前、君と別れた直後、私は警察に逮捕されてしまったのだよ」
('A`) 「なんで! なんでそんな……」
男は寂しそうに呟いた。
「ブルマーをはいてなかったからさ……」
36 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:18:28.11 ID:lQuI9rhwP
( ^ω^) 「日本は変わってしまった。ブルマーをはいていないと、逮捕される時代になってしまったのだからな」
('A`) 「!!」
俺は、衝撃の事実を聞かされた。
ブルマーをはいていないと、逮捕される……だと……。
そこで俺は一年前の出来事を思い出し、再び衝撃を受けた。
('A`) (確かあのとき……、この男は俺にブルマーを握らせた)
('A`) (もしかして、ブルマーをはいていなかった俺が逮捕されないように)
('A`) (自分の危険もかえりみず、俺を助けたというのか!?)
そういえば男と別れた後……。
あのときの出来事は、まだ鮮明に思い出すことができる。
38 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:20:34.78 ID:lQuI9rhwP
* * * * * * * * * *
男と別れてから、俺はしばらく公園のベンチで呆然としていた。
「そろそろ帰らないと」と思ったときには、もう夜の九時を過ぎていた。
そのときだった。
(,,゚Д゚) 「あー、ちょっといいかな」
青い制服を身に着けた警察官が、俺に話しかけてきた。
('A`) 「はい、なんでしょう?」
(,,゚Д゚) 「いや、近所の方から通報があってね……」
どうやら、これは職務質問らしい。
39 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:23:28.84 ID:lQuI9rhwP
(,,゚Д゚) 「年齢は?」
('A`) 「三十五歳です」
(,,゚Д゚) 「職業は?」
('A`) 「無職です」
警察官の質問に、俺は淡々と答えていく。
(,,゚Д゚) 「えーと、それでなんでブルマーを持っているのかな?」
('A`) 「!!」
俺は右手に握られているブルマーを見る。悲しみの涙と手汗で、もうふやけてしまっていた。
しかも屈強な男がはいていたために、もうビロンビロンに伸びきってしまっている。
これではもう、ただのテルマーだ。
42 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:27:11.79 ID:lQuI9rhwP
('A`) 「これは……知人から託されたものです」
(,,゚Д゚) 「え?」
(;A;) 「これは……あいつとの約束の証なんです!!」
(,,゚Д゚) 「ちょ、ちょっと落ち着きなさい」
(;A;) 「あの人の誘いに、俺はブルマーを脱がせることしか出来なかった!
そんな弱気で何も出来ない俺に、これを託してくれたんです!!」
(,,゚Д゚) 「十分強気で行動力あると思いますから、ちょっと落ち着いて、ね?」
結局、俺はそのまま自宅へ帰された。
そしてそのまま布団に入ると、ブルマーを抱いて寝たのだった。
明日への決断も出来ずに。
ブルマーは次の日、生ゴミに出しておいた。
* * * * * * * * * *
46 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:30:22.49 ID:lQuI9rhwP
あのとき、ブルマーが無ければ俺は逮捕されていただろう。
この一年、温かい布団で寝ることなど出来なかっただろう。
この男に、俺は救われたのだ。
('A`) 「……それにしても、どうしてそんなに背が伸びたんだい?」
( ^ω^) 「この頭のことかい? これはね……成長期だから、さ」
('A`) 「なるほど……成長期!?」
俺は耳を疑った。
成長期には誰にでもある。それは構わない。
ただ、成長期はある一定の時期にしか訪れないのだ。
50 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:34:05.41 ID:lQuI9rhwP
俺はそれを口に出すか出すまいか、迷った。
だが聞かずにはいられない。この男には、不思議な魅力がある。
('A`) 「失礼だが……歳はいくつだい?」
( ^ω^) 「……」
('A`) 「……」
( ^ω^) 「……」
('A`) 「……」
( ^ω^) 「……18歳だ」
たっぷりの間をもたせた後、男はそう答えた。
俺は驚かずにはいられなかった。
この男は俺のわずか半分しか生きていないのに、ここまで徳を積んだ生き方をしているのか。
52 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:37:53.80 ID:lQuI9rhwP
俺が18歳のときといえば、アナルの開発にいそしんでいた。
キュウリ、ニンジン、ナスと色々試したが、結局冬虫花草でギブアップしたのは苦い思い出だ。
( ^ω^) 「さて……私の記憶が正しければ、君は一日一善に生きる男だったはずだが」
('A`) 「……くっ」
これまた苦い記憶が蘇る。
俺はあの日以来、一日一善をやめてしまった。
男の瞳は、全て見透かしているようでいて、そんな俺を叱っているようだった。
( ^ω^) 「その様子を見ると……ふふ」
( ^ω^) 「あれからも続けていr (;A;) 「一日一善さえできなくて、すいませんでしたぁっ!! 」
( ^ω^) 「ふふ、君ならそう言うと思っていたよ」
( ^ω^) 「素直に謝れて、偉い偉い」
57 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:41:52.11 ID:lQuI9rhwP
俺は地に頭をつけて、ぐりぐりと擦りつけた。
この男に、嘘はつけない。
(;A;) 「あれからずっと、引きこもってばっかで……」
( ^ω^) 「……」
(;A;) 「あんたになぜついていかなかったんだろうと後悔の日々ばっかだった!」
( ^ω^) 「……ふふ」
( ^ω^) 「君のことだから、そんなことだろうと思っていたよ」
('A`) 「はは。……あんたには、かなわねぇよ」
俺らは、堅い握手をかわした。
そこには、確かに熱い友情があった。
59 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:46:15.86 ID:lQuI9rhwP
( ^ω^) 「さて、じゃあトレーニングから始めないといけないな」
('A`) 「ちょ、ちょっと待って。その前に、一年前のときの答えを教えてくれないか」
( ^ω^) 「……」
('A`) 「あのとき、俺は不甲斐ない返事しかできなかった。だが、今なら受け入れることができる!」
('A`) 「頼む!」
俺は両手を合わせて、男に懇願した。
あのときの答えを知りたい。ここが楽園ではないと言った、あの続きを――。
( ^ω^) 「……」
( ^ω^) 「……さて、トレーニングを開始しよう」
('A`) 「!!」
しかし、男の答えは非情なものだった。
62 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:50:20.99 ID:lQuI9rhwP
('A`) 「どうしてだよ! なんで教えてくれないんだよ!!」
( ^ω^) 「……そんなことも、わからないのかい」
('A`) 「……?」
( ^ω^) 「まだ、君はそのレベルには達してないということだよ」
('A`) 「!!」
なるほど、答えを聞いてなにかを選択する以前に、答えを聞く権利さえないということか。
それほど、この一年間のブランクは大きいと男は言いたいのだ。
64 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:53:11.67 ID:lQuI9rhwP
( ^ω^) 「だが、チャンスをやらないこともない」
('A`) 「……え?」
( ^ω^) 「そのときの答えに対する……えーと、つまり問題的なもの?」
('A`) 「……」
( ^ω^) 「とりあえず、それを言ってみなさい」
('A`) 「なんでだよ?」
( ^ω^) 「いいから早く言いなさい」
男の様子が、なんか変だった。
67 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 00:57:05.37 ID:lQuI9rhwP
そのとき、俺の脳裏に一抹の不安がよぎる。
もしかしてこの男――あのときのことを忘れてしまった?
どうする? 言ってしまおうか?
心臓の鼓動がいつもより速い。もし、これで間違っていたら――
俺は、決心した。
( ^ω^) 「そんな簡単なことも言えないのかい?」
('A`) 「もしかして……忘れたのか?」
( ^ω^) 「……」
('A`) 「えーと、忘れた?」
( ^ω^) 「そそそそなんわけあるかい。わわ、忘れたんとちゃうわ」
俺と出会って以来、男の動揺を見たのは初めてだった。
それと同時に、俺の怒りが噴出する。
72 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:01:06.92 ID:lQuI9rhwP
(#'A`) 「あんたが忘れた? 冗談じゃない!!」
(#'A`) 「俺はずっとその答えだけを追っていたんだぞ!」
(#'A`) 「あんたには失望した!!」
俺は踵を返して、公園から出て行こうとした。
そのときだった。
( ^ω^) 「待ちなさい!!」
男が初めて、!マークを使った。
その不測の事態に、俺は足を止めざるをえなかった。
74 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:05:08.46 ID:lQuI9rhwP
( ^ω^) 「そこまで言うなら、最後に私を試してみてほしい」
( ^ω^) 「それでもまだ信頼できないというなら、この場を去ってくれても構わない」
('A`) 「……いいだろう。どのような方法で試そうか」
( ^ω^) 「私は、君に関することならなんでも知っている」
('A`) 「うーむ」
( ^ω^) 「私は、君に関することならなんでも知っている」
('A`) 「……うーん」
76 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:08:13.61 ID:lQuI9rhwP
('A`) (どうすれば、こいつを信頼できる……?)
( ^ω^) 「私は、君に関することならなんでも知っている」
('A`) (俺だってこいつを信用したい。でも……!!)
( ^ω^) 「私は、君に関することならなんでも知っているよ?」
('A`) 「よし、俺に関する質問に答えてもらおうか」
俺は悩みに悩んだ末、この方法でこの男を試すことに決めた。
俺のことをよく知っている人間ならば、信頼できると踏んだのだ。
男は澄んだ瞳で俺を見つめ、コクリと頷いた。
78 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:12:08.74 ID:lQuI9rhwP
('A`) 「じゃあまず……初歩的なものからいこうか」
( ^ω^) 「いいだろう」
俺は唾をごくりと飲み込む。
この男を信用できるかどうか、ここで判断しなければいけない。
そう思うと、適当な質問はできないのだ。
('A`) 「俺の名前は……?」
出会ってから、俺らは互いに名前も知らない関係だ。
だがこの男はなんでも知っているという。
79 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:15:03.68 ID:lQuI9rhwP
('A`) 「……」
( ^ω^) 「……」
しばらくの間、沈黙が流れた。
男は腕を組み、ベンチに腰をかける。
そして、こう言った。
( ^ω^) 「もちろん、知っている」
(;'A`) 「!!」
男の返答に、やはり俺は動揺を隠しきれなかった。
それを誤魔化すかのように、俺は息せき切って質問をくり出す。
80 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:18:47.19 ID:lQuI9rhwP
(;'A`) 「俺の初恋の相手は!?」
( ^ω^) 「知っている」
(;'A`) 「俺のカーチャンの誕生日は!?」
( ^ω^) 「知っている」
(;'A`) 「俺が初めてオカズにした子の名前は?」
( ^ω^) 「ふふ、もちろん知っているとも」
(;'A`) 「……!!」
やばい、やはりこの男はやばい!!
俺は今とんでもない男を、試しているのだ!!
83 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:22:05.35 ID:lQuI9rhwP
もう俺の精神は追い詰められていた。
早く「参りました」と叫んでしまいたいくらいに。
(;'A`) (くそ、なら次の質問が最後だ)
(;'A`) (最後でいて、飛びっきりの質問だ)
俺は肺いっぱいの酸素を吸い込むと、ゆっくりと吐く。
それを何度か繰り返すと、俺は思い切り叫んだ。
(;'A`) 「俺を、弟子にしてくれないか!?」
( ^ω^) 「……」
(;'A`) 「……」
( ^ω^) 「ふふ、君がそう答えることも知っていたよ」
(;'∀`) 「……!!」
こうして、俺はこの男に弟子入りをした。
84 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:25:30.47 ID:lQuI9rhwP
( ^ω^) 「さて、一日一善をするためには、一善ポイントを探さなければならない」
※一善ポイント……困っている人や、不測の事態に陥っている場所。
('A`) 「おう!」
( ^ω^) 「君はこの公園の風景を見て、どこに一善ポイントがあるか探して欲しい」
('A`) 「おう!」
( ^ω^) 「さあ、探したたまえ。私は助言をするために、この場を離れよう」
('A`) 「おう!!」
促されるがままに、俺は視界に公園の景色を取り込んだ。
86 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:31:17.76 ID:lQuI9rhwP
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二llil|l l!|二二二二二二二二二二.`┳━ ?ヽ ^) )━と~ ノ┳二二二二二`┳ヽ ) ) / / (´━┳
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δο 彡ミ ))_) (__)`J @@@@ || l四l} ||三三|__
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89 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:37:32.49 ID:lQuI9rhwP
(;'A`) 「ぬぐぐ……」
落ち葉をはくおじいちゃん、コーヒーを飲むおじさん、焼き芋を売るおばさんとおっちゃん、
いちゃつくカップル、いちゃつく兄弟。
一善ポイントらしきものは見当たらない。
不審な点も一切ない。
(;'A`) 「……わからない」
( ^ω^) 「愚かな……」
草むらから男が俺に向かって頭を突き出す。
俺はそれをマトモにくらい、思い切りしりもちをついてしまった。
91 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:40:16.82 ID:lQuI9rhwP
(;'A`) 「そ、そんなところにいたのかよ!!」
( ^ω^) 「こんな簡単なものもわからないのか? 困っている人や、不測の事態に陥っている場所があっただろう」
( ^ω^) 「おじいちゃんは腰を痛めてなかったか? コーヒーが熱すぎて困ってなかったか? 値段でトラブルはなかったか?」
( ^ω^) 「怪しいところは、常に見ていなければならない」
(;'A`) (こいつ……。やはり、俺の遥か上をいっている)
厳しい修行は続いた。
93 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:42:57.04 ID:lQuI9rhwP
そんなある日、俺は男に聞いた。
('A`) 「なぁ……結局、あのときの答え教えてくれないのか?」
( ^ω^) 「……」
男は黙って立ちあがり、こう言った。
( ^ω^) 「あのときの答えが知りたければ、スイッチを押してみろ」
('A`) 「スイッチ?」
( ^ω^) 「お前がそのレベルに達してれば、自然に見えるはずだ」
俺はとりあえず男の両乳首をプッシュした。
しかし何も起こらなかった。そのとき、俺は大きな挫折を味わった。
97 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:46:37.03 ID:lQuI9rhwP
それから俺は、更に厳しい修行の日々を送っていた。
己の才能に限界を感じ、悩みに悩み抜いた結果、俺がたどり着いたのはブルマーであった。
自分自身を慰めてくれたブルマーへの限りなく大きな恩。自分なりに少しでも返そうと思い立ったのが 一日一万回 感謝のブルマーはき!!
しわを整え、香りをかぎ、構えて、はく。
一連の動作を三回こなすのに当初、最低一回は警察官に補導された。
はき終えれば倒れる様に寝る 起きてまたはきを繰り返す日々
1年が過ぎた頃 異変に気付く 一万回はき終えても通報されない。齢40を迎えて世間の冷たい目に打ち勝つ。
感謝のブルマーはき一万回 朝ズバで特集を組まれる!それと同時に住む場所を追われる。
101 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:51:35.55 ID:lQuI9rhwP
,r'"⌒ヽ
/ ^ω^ \
, .-‐- くJ( ゝ-rr- 、、
/Y ,r 、 `ー r'"^〃 、 つヒヽ
,ノ '^` i! =テミ i' 天ニ ミ、 ='"^ヾ }
,/ ''=''" ノ-‐'ヾ-人,,__ノnm、''::;;,, イ
i! ,∠-―-、、 `ー'フヾ、 j
f'´ ノし `丶、 ー=ミ-JE=- /
ヾ=ニ- 彡^ 〃 ,,>、、`''ー-::,,_,,ノ
``ー--┬:, ''"~´フ ソ´`7'' ''"´
,に (`゙゙´ノ f^ヽ
,ハ ,ィ' ,;-ゝ、
/ミ`ーt!,_,ィ-‐彡''"^ヽ
/ ヾ:::::'A`::::r''" ぃ ;}
l t:::::::::::/ ノ /
l! `'T7′ / /
気づけば俺はもう、ブルマーとなっていた。
103 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:55:47.79 ID:lQuI9rhwP
それから様々なことがあった。
二人で色々な場所を旅し、ときにはテントで野宿することもあった。
そんなときは好きな子の言い合いをしたり、枕投げなんかもした。
そして、あっという間に二年の時が過ぎた。
川 ^ω^) 「びっくりしたわ。あなたがこんなに変わるなんて」
('A`) 「俺、そんなに変わったかなぁ」
川 ^ω^) 「二年前なんかとは、まるで違うわよ」
('A`) 「お前なんか全然変わってないもんなwww」
川 ^ω^) 「もう! さあ、見てみなさい。あなたの顔を」
('A`) 「……おう」
俺は自分の顔を、鏡に写した。
106 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 01:59:13.38 ID:lQuI9rhwP
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108 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 02:01:51.94 ID:lQuI9rhwP
俺は自分の姿に驚愕した。
以前のように紺色でもなければ、伸びるゴムもない。
俺は、進化した。
(*'A`) 「これが……俺?」
川 ^ω^) 「うふふ……」
(*'A`) 「これが俺なのか!?」
川 ^ω^) 「いい顔をしてるわよ」
(*'A`) 「なあ……」
川 ^ω^) 「……なに?」
109 : [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/12/28(日) 02:05:16.42 ID:lQuI9rhwP
――結婚しよう
――……え?
――ずっと、好きでした
――……私もです
僕らは甘いキスをかわした。
その行為が僕が探し続けていた、スイッチだったのかもしれない。
彼女を毎日大事にしていくこと。これこそが、一日一善なのだ。
そんな僕は今とても幸せです。
おわり
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- 2008/12/28(日) 05:04:20|
- ブーン系小説(短編)
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