423 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/24(水) 22:00:45.89 ID:OEAgBIKT0
日が落ちて、いくらか時間が経てば、田舎の夜は真っ暗だ。
電球の切れかかった街灯に、コンビニのしょぼい明かり。
地元で3番目に大きい駅でも、月明かりがやたら寂しく包み込む。
日が落ちて、いくらか時間が経つ、だけど田舎の夜にも今日だけは明かり満ちる。
豪華で眩しいイルミネーション。
しょぼい駅の、しょぼい飲み屋やファミレスに、
着飾ったカップル達が、イルミネーションよりも眩しい笑顔で街を照らす。
('A`)「今日はクリスマスイヴか……」
目映い明かりと、笑顔に満ちたその街を、ドクオは一人、帰路に付く。
ドクオにとっても、いつもは暗くて寂しい帰り道。
だけど今日だけは違う。
明かりと笑顔の満ちる、クリスマス・イヴ。
ドクオにとっては、今日は暗くて寂しい帰り道。
('A`)「今日の夕食どうしようかな………」
425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/24(水) 22:01:57.01 ID:OEAgBIKT0
いつもはスーパーにでも寄って、閉店間際の割引惣菜を漁るドクオだが、
今日は世界の特別な日、そんな気分にはなれなかった。
('A`)「ケン○ッキーでも買っていくか…………」
クリスマスにはチキン。
由来も知らない伝統だけれど、雰囲気だけでも味わおうと、ドクオは店に入った。
从'ー'从「いらっしゃいませー、ただいま込み合っておりますので少々お待ち下さいー」
ドクオは言われるがまま、順番待ちの椅子に座る。
ふと、前に並ぶ客の会話が聞こえてくる。
(*゚ー゚)「借りてきたDVD観るの楽しみねー、これずっと観たかったの」
(,,゚Д゚)「ケンタ喰いながら家でゆっくり見るぞゴラァ」
426 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/24(水) 22:03:00.03 ID:OEAgBIKT0
順番は進み、ドクオの後ろにも新たに客が並び始める。
ふと、後ろに並ぶ客の会話が聞こえてくる。
( ^ω^)「ケン○ッキーなんて久しぶりだお、たくさん食べるお」
ξ゚?゚)ξ「あんたは太り過ぎなんだからちょっとは控えなさいよ!」
( ^ω^)「太っちゃったのはツンの料理が美味し過ぎたからだお」
ξ*゚?゚)ξ「な、何よ!変な言い訳してるんじゃないわよ!」
427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/24(水) 22:03:38.45 ID:OEAgBIKT0
クリスマスにはチキン。
由来も知らない伝統だけれど、雰囲気だけでも味わおうと、ドクオは店に入った。
@@
@ ´ノ`)「あら、いらっしゃい。売れ残りの惣菜安くなってるよ」
('A`)「あ、はいどうも……」
クリスマスという事で作り過ぎたらしく、チキンが割引で並んでいた。
ドクオはおにぎりを二つと、チキンの惣菜を手に、レジへ向かう。
@@
@ ´ノ`)「はい、毎度どうも。えーおにぎり二つ、二割引きで160円」
@@
@ ´ノ`)「チキン50円引きで210円ね」
('A`)「あ………」
@@
@ ´ノ`)「うん?どうかしたかい?」
('A`)「あ、いえ」
('A`)。o(50%引きだと思ったら50円引きだった………)
428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/24(水) 22:04:37.86 ID:OEAgBIKT0
ドクオは、店を出て家へと向かう。
馴染みのスーパーから家までは目と鼻の先だ。
ここまで来ると、もう街の明かりは差し込まない。
電球の切れかかった街灯に、コンビニのしょぼい明かり。
やたら寂しく辺りを包む、月明かりを頼りに家路に着く。
早速買ってきたおにぎりとチキンをレンジで温め、小さなテーブルに広げる。
('A`)モシャモシャ
('A`)「……………………」
('∀`)「メリークリスマス!」
('A`)の一人のクリスマスイヴのようです 完
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- 2008/12/26(金) 04:27:38|
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