82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 01:55:16.47 ID:ELy62sMc0
( ^ω^)「おっおっおっ。お待たせだお。道具を揃えるのに時間がかかっちゃったお。許して欲しいお」
ブーンはにかみながら近付いてくる。
( ^ω^)「ジャーン! おかげさまでバッチリだお。心待ちにしてたお?」
そう言うとブーンは右手に持っている袋をツンに見せた。ツンを殺すための道具達だ。
ツンは吐き気がした。猿ぐつわをされていなければ罵倒し唾を吐きかけてやりたい気分だ。
( ^ω^)「じゃあ、早速だけど」
そう言うが早いが、ブーンは袋の中をガサゴソとやり始めた。
( ^ω^)「本当はこういう時はこれで」
そう言ってブーンが取り出したのは、鉈と見間違えるような大きなナイフだった。刃渡りは25センチ程もあり、厚さは5ミリほどもあった。
短剣といった方がしっくりくる。
( ^ω^)「逃げられないように足の腱を切るのがいいんだけど」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 01:57:11.01 ID:ELy62sMc0
ツンは眩暈を覚えた。予想していたが獲物を前にすると恐怖を覚える。
( ^ω^)「僕はこっちの方が言いと思うお」
そう言ってブーンは爪楊枝を見せてきた。
( ^ω^)「じゃあやるおね」
そう言うとブーンは爪楊枝の中ほどに瞬間接着剤を塗り始めた。
何をする気だろうか。ブーンの手がツンの左の目元に伸びる。
強引に瞼を閉じさせ、接着剤を塗りつけた爪楊枝をまつげ付近の瞼に押し付ける。
瞼と爪楊枝がくっついた。そしてそれを器用にくるくると上部に向かって巻きだした。
瞼は爪楊枝に巻き取られ、もう閉じることが出来なくなってしまった。
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 01:58:49.98 ID:ELy62sMc0
( ^ω^)「ね? こうするともう目を閉じれないお?」
ブーンは嬉しそうにそう言うと、右瞼も同じように巻き上げていった。
( ^ω^)「おっおっおっ。ツン、瞼に爪楊枝なんかくっつけちゃって、お間抜けさんだお」
ブーンが笑う。
なんだこれぐらい。ツンは心の中で嘯いた。どうせ私が恐怖で目を閉じないようにと思ったんだろうけど、お生憎様。もう覚悟は出来てるの。そう思った。
( ^ω^)「さらにジャーン!」
ブーンはさらに2本の爪楊枝を取り出した。それぞれの手で根元を持ち、
( ^ω^)「えい」
ツンの眼球に、瞳に突き刺した。
ξ゚?゚)ξ「ん――――――――――――――ッ!!」
ツンの喉から声が漏れる。視界が赤く染まる。
しかし瞼を巻き取られているせいで目を閉じることが出来ない。
最早誓いは破られた。痛い。怖い。助かりたい。こんなにひどい目に合うとと思わなかった。
眼球を刺されたせいか、または恐怖と痛みのせいか、ツンの目から血混じりの涙が流れた。
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:03:11.65 ID:ELy62sMc0
( ^ω^)「おっおっおっ。怖くても目を閉じられないお? 目が見えないお? 逃げられないお?」
ブーンは楽しそうに笑う。
楽しそうにツンの眼球に刺さった爪楊枝を指でつまむ。そして左右不規則にぐりぐりと動かした。
強制的に動かされたツンの眼球は、普通では考えられないような動きでくるくると回る。目は、閉じられない。
ブーンは心ゆくまでツンの眼球を回すと、左目は左に、右目は右にそれぞれ向かせた
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:04:40.68 ID:ELy62sMc0
(*^ω^)「ぷ―――――ッ、くすくす。ツン、今、目がロンドン・パリだお。歌舞伎みたいだお」
ツンは何も答えられない。ただただ喉からうめき声が漏れるだけだった。
(♯^ω^)「歌舞伎みたいだって言ってるんだお!!」
ブーンはいきなりそう激昂するとツンの頬を力任せに殴った。
(♯^ω^)「クソがっ! クソが! 歌舞伎みたいだって言ってるんだお! 言ってるのに! そう言ってるのに!」
何度も何度も殴り続けた。
既に腫れ上がっているツンの頬は、最早痛みを感じなかった。
ブーンは殴りつかれたのか肩で息をしている。少しの間呼吸を整えると、また嬉しそうに言った。
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:06:19.40 ID:ELy62sMc0
( ^ω^)「しばらく放っておけば目が乾いて使い物にならなくなるお。まぁ、今でも使い物にならないけど」
ブーンはナイフを取り出した。ツンにはそれを確認することが出来なかったが。
( ^ω^)「だからテープをほどくお。もう逃げられないからおね」
ブーンはまずツンを木に縛り付けているテープを切った。
ツンの体が地面に倒れる。もう立ち上がる気力も体力もない。
(;^ω^)「抵抗しちゃ、やーよ」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:08:23.47 ID:ELy62sMc0
今度はツン自身に巻かれたテープを切る。数時間ぶりにツンは自由を手にした。
その自由を行使できるかどうかは別問題として。
( ^ω^)「じゃあコートを脱いで欲しいお」
そう言ってツンが着ているコートを脱がせた。
元々は真っ白だったコートは、土と血でどす黒く汚れている。
インナーとして着ていたボーダーのニットタートルの袖をブーンは捲り上げた。
今度は何をされるんだろう。真っ暗な視界の中でツンは思った。
左手の指先に何かが触れるのを感じた。冷たく硬い感触だった。
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:09:45.94 ID:ELy62sMc0
ブーンは両手にペンチを持っている。ツンの左手の人差し指と中指をそれぞれで挟み、外側に思い切り広げた。
ゴキゴキ、と嫌な音がする。その音はペンチが触れている両指の第2関節と、
力の作用点である指の付け根から聞こえた。どうやら指の骨が折れたようだった。
ブーンは納得がいかない様子で首を傾げている。
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:12:36.56 ID:ELy62sMc0
(;^ω^)「おかしいお……。もっとビリビリっといくかと思ったお」
どうやら指の股を引き裂きたいようだった。
しかし指は力を加えた方向に折れるのみで、一向に裂ける気配はない。
それがブーンの気に食わなかったらしい。
ブーンはいい考えはないかと辺りを見回し、あるものを見つけた。
「そうだ」と短く呟くと、先ほど使用したナイフを手に持って、ツンの指の付け根に切れ込みを入れた。
そして行われる先ほどと同じ作業。違う点は、ツンの指が裂かれていったことだった。
ξ ? )ξ「んっ!」
ツンは短い悲鳴を上げた。体が小刻みに痙攣している。開かれたままの目は、どうやら乾燥しているようだ。
( ^ω^)「おっおっおっ。うまくいったお。切れ込みを入れれば平気だと思ったお。醤油入れの袋と同じ原理だお」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:14:04.86 ID:ELy62sMc0
ブーンは満足そうに頷いた。
ツンの左手は、親指と人差し指の間を残して手首まで裂かれていた。
ξ ? )ξ「んっ! んっ! んっ――」
ツンは体大きくのけぞらせ、悲鳴を上げた。
手に感覚が、ない。どうなってしまったのだ。ただただ痛みと喪失感だけが感じられる。
(;^ω^)「あらら」
ブーンがツンの股間に目をやった。どうやら失禁してしまったようだ。
ツンの股座からチョロチョロと水が流れ、そして水溜りを作る。
辺りに臭気が立ちこめた。
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:16:34.55 ID:ELy62sMc0
(;^ω^)「ツン、だめだお。いい年してお漏らしかお」
ブーンはそうツンをたしなめたが、ツンの耳には聞こえていない。びくっ、びくっと細かな痙攣の合間に大きく震えていた。
( ^ω^)「僕が処理してあげるお」
ブーンはそう言うと、たった今出来た水溜りに顔を近づけた。
( ^ω^)「近付いてみるとすげぇ臭いだお」
舌を出し、犬のようにチロチロと舐めとる。ぴちゃぴちゃという音が聞こえてくる。
ひとしきり舐めとると顔をあげ、尿で濡れた口元を袖で拭う。
( ^ω^)「しょっぱい」
ブーンの感想。
ツンの太ももが、尻が、自分から出された尿で濡れている。月明かりに照らされてキラキラと光っていた。
( ^ω^)「じゃあ、続けるお」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:20:27.66 ID:ELy62sMc0
ブーンはそう言うと、ナイフを右手に持った。薄暗い中でもそれは妖しい鈍色であるとわかった。
( ^ω^)「今手をやったから今度は足だお」
通常よりもかなり大型のそれを、ツンの左の太ももにあてがう。
ふぅ、と一呼吸おいて、まるで鋸でそうするかのように大きく前後に押し引きした。
まずツンのタイツが破れた。続いて皮が破れ、鮮血がほとばしる。
肉に刃が食い込み、骨に達する。厚みがあるそのナイフは切れ味がよく、
骨を難なく両断すると裏側の肉を切り裂き、やがて空を切った。
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:22:24.00 ID:ELy62sMc0
わずか数秒の間に、ツンは左足を失った。
それはかつての主の下から離れ、今はブーンの手中に収まっていた。
ブーンはツンの左足を両手で抱える。
人の足とはこれほど重いものだったのか。妙な感動を覚えた。
自分が抱えているそれの切断面を見てみる。
真っ赤な血がぽたぽたと垂れている。表面はなんだか水っぽくて、そう……まるでトマトを切ったみたいだ。
ブーンはやおらに切り離した左足からブーツを脱がせる。その足の先に鼻を近づけ、臭いをかいでみる。
( ^ω^)「くせぇ」
それは自分のそれとさして違いがない臭いだった。
( ^ω^)「ブーツだから、蒸れるんだおね。僕は別に怒ってないお、ツン」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:23:39.12 ID:ELy62sMc0
そう優しくツンに微笑みかけた。返事はない。そういえば、とブーンは思う。
さっき足を切ってあげた時には、声を出さなかった。我慢強くなったのか? まさか。
視線を向けると痙攣も治まっているようだ。
( ^ω^)「ありゃりゃ」
死んだのか? ブーンはそんな疑問を抱いた。
いくらなんでも早すぎる。まだ目と手と、それに足しか手を加えていない。
失血死か? ショック死か? こんなもので死んでしまうのか?
ブーンは一気に興を殺がれた。もう死んでしまうとは、情けない。
どの道反応がなければ面白くもない。
ブーンは嘆息を漏らすとナイフを握りなおし、ツンの髪を掴み顔を持ち上げる。
( ^ω^)「もう死んじゃったんなら、確実に殺すお? いいのかお?」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:26:14.92 ID:ELy62sMc0
返事はない。「では」と呟いてブーンは足にやったときと同じ動作を、ツンの首にもしてあげた。
やはり時間はかからなかった。むしろ足より細い分、時間はかなり短縮されていたように思う。
ツンの頭部は、その胴体と別れを告げた。ツンは首と胴体、二人になっていた。
ブーンは首のほうのツンに目をやる。さっき見たときと変わらない表情。僕の、可愛いツン。大好きだった、ツン。
そのツンが、死んでしまった。首を切られて生きている人間などいやしない。
そう、この瞬間、ツンは死んでしまったのだ。確実に。
ツンが死んでしまった。ツンが死んでしまった。
ブーンは目頭を押さえた。胸から熱いものがこみ上げる。頭がくらくらする。そして、
( ;ω;)「あ―――――――――――、あ――――――――――――」
ブーンは泣いた。慟哭した。
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:27:54.51 ID:ELy62sMc0
ツンを、失った。大好きなツンを、失った。
そのことが耐え切れないほど悲しかった。
ツンを失った。
ツンを失った。ツンを失った。
ツンを失ったツンを失ったツンを失ったツンを失ったツンを失った
ツンを失ったツンを失ったツンを失ったツンを失ったツンを失ったツンを失ったツンを失ったツンを失ったツンを失ったツンを失ったツンを失ったツンを失ったツンを。
( ;ω;)「ツン……」
ブーンはツンだったものの頭を抱え、うずくまって、泣き声をあげた。
子供のような、計算など全くない泣き声。
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:29:57.19 ID:ELy62sMc0
誰かが言った。愛する人を失うのは、愛する人を手に入れることの次に良い。
誰がそんなことを言った。ちっとも良くなんかない。だって、こんなにも悲しいじゃないか。
ブーンはその時、確かに世界で一番不幸だった。
僕の大好きだったツン。僕を愛していてくれたツン。
そのツンはもうこの世にはいない。もう二度と会うことは出来ない。
なんでこんな事に。どうしてこんな事に。
山の奥深くに、ブーンの泣き声が響いていた。
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:31:12.06 ID:ELy62sMc0
涙が涸れることってあるんだ。ブーンはそう実感した。
涙はもう出ない。目がぼってりと腫れている。明るいところで見たら鼻も赤いだろう。
心にぽっかり穴が開いている。空虚だ。
ブーンはおもむろに立ち上がり、ツンの胴体の近くに窪みを作り始めた。
深さ約5センチ。直径は10センチ程だろうか。ツンを埋める墓にしては明らかに大きさが足りない。
ブーンは自分で掘った穴にツンの首を垂直にねじ込み、立てる。
まるで地面からツンの首が生えているようだった。ツンの視線はツンの胴体を見ていた。
( ^ω^)「さすがにいつまでもこれじゃ可哀相だおね」
ブーンは無表情にそう言うと、ツンの眼球に刺さっていた爪楊枝を抜いてやる。
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:32:27.42 ID:ELy62sMc0
( ^ω^)「うん、やっぱりそんなものないほうが可愛いお」
そう言うとブーンはツンの胴体のスカートに手をやり、下着を脱がし始めた。
片足だったので楽に脱がせられた。初めて生で見るそれは、写真で見るよりも興奮を覚えさせた。
そして自分のズボンと下着を脱ぎ、下半身があらわになった。ペニスが、すでに怒張していた。
( ^ω^)「初めてだから、ぎこちなくても勘弁して欲しいお」
そう言って自分のペニスに手をあてがい、ツンの性器に近づけた。
男性器の先端が女性器に触れる。しかし、入れるべきところが分からない。
(;^ω^)「おっおっ?」
ブーンは混乱した。そして指先でそこを確認すると、ほっと胸を撫で下ろした。
ツンの恥部に自分のそれを入れようとする。しかし、やはり入らない。なぜだ?
( ^ω^)「あぁ」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:34:07.16 ID:ELy62sMc0
少し考えるとブーンは得心がいった。要するに水分が足りないのだ。
ブーンは自分の唾液を男性器に垂らし潤滑油にした。もどかしい。
( ^ω^)「お待たせだお」
ブーンは恥ずかしそうに言うと、一気に体を突き上げた。今度はしっかりと挿入できた。
(*^ω^)「僕は、僕は、今ツンと一緒になってるお! 感激だお!」
ブーンは初めて体験する快感に酔いしれていた。
愛する人と一つになる、これ以上の幸せがあるだろうか。
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:35:47.91 ID:ELy62sMc0
ブーンは夢中で腰を振った。
途中で何度か乾燥したが、その都度唾液を垂らし事なきを得た。
ふと目線をあげて見る。僅かな距離の先にいるツンの頭部と目が合う。
(;^ω^)「嫌だおツン、そんなに見て。ツンの前で女の子とセックスしてるのがやなのかお?
妬いてるのかお?大丈夫だお。僕はツンのことが一番好きだお。だから安心するお。
でも今僕はツンとセックスしてるお。それをツンが見てて……あれ?」
そして、そこで果てた。なんとも締まらない終わり方だった。
ブーンは満足そうに自分の男性器を引き抜き、
さっきまでそれが入っていたツンの女性器に目をやった。
白濁液がどろりと出てくる。..
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:37:58.75 ID:ELy62sMc0
(;^ω^)「うぇ、気持ち悪いお」
思わず目をそらす。よくAVなどで膣に出してそれを喜んでいるが、あれは嘘だと思った。趣味が悪い。
ブーンの胸には強く心地よい満足感があった。初めての相手がこの世で一番愛する人だったのだ、その歓びは計り知れないだろう。
そういえば、とブーンは思った。
自分は初めてだったがツンはどうだったのだろう?
自分の乏しい性知識を総動員して考えてみる。確か女性は処女膜というのがあって、
それは処女にしかなく、初体験をする際にその膜は破れてしまうと記憶している。ツンにはそれがないように思えた。
いや、実際には分からない。なにせ経験がないのだ。
しかし、ツンに膜のようなものがあったかと問われればそれは限りなく疑わしい。
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:41:19.42 ID:ELy62sMc0
つまり、ツンは初めてではなかった。
なんだ、それ。何で自分が初めてなのにツンは初めてではないのだ。こんな理不尽なことがあっていいのか。
ツンは、自分ではなく、他の誰かと既に性交渉をしていた。
あばずれ。
ブーンの脳裏にその一語が生まれる。なんというあばずれ。軽々しく純潔を捨てやがって、この、あばずれ。
ブーンは激昂した。それは深い悲しみを伴った強い怒りだった。
涙が出る。自分が情けない。こんな売女にたぶらかされて、惚れて、自分の大切な最初を捧げてしまった。
そのことは許せない。自分は騙されたのだ。
(♯^ω^)「おおおおおおおおおおおおお!!!!」
ブーンは動かぬツンの腹部にナイフを突きたてた。つい先ほどまで愛し合っていたツンの腹部に。
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:42:59.92 ID:ELy62sMc0
(♯^ω^)「クソッ! クソッ! よくも騙したお! 裏切り者!」
落涙しながらブーンは何度も何度もナイフを突き立てた。
ふと視線を上げてみる。そばに置かれたツンの首が自分を見ている。滑稽だと笑っている。
(♯^ω^)「見るな! 見るんじゃねーお!」
拳ででたらめに殴りつける。ツンの首は1メートルほど吹き飛ばされて半円を描くようにコロコロと転がった。
(♯^ω^)「おお、お前もブーンを馬鹿にしてるお!? なんだその目つきは! そんな目が出来ないようにしてやるお!」
そう言ってツンの髪の毛をわし掴むと、胴体のそばに放り投げた。
ブーンはナイフを逆手に持ちツンの鳩尾らへんに刺すと、下腹部に向かって直線に切りつけていく。
深さは背骨まで達し、長さは恥丘のそばまで達した。
その割れ目のような傷に、ツンの頭をうつぶせに埋め込む。
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:44:53.54 ID:ELy62sMc0
( ^ω^)「ざまー見ろ! これでもう生意気な目が出来ないお! 間抜け!
腹に顔が埋まってるってどんな生き物だお! プ―――ッ、げらげら!」
そしブーンは袋からビンを取り出した。
( ^ω^)「ハチミツだお」
そう静かに一人ごちて、ツンの体に、埋まった頭部に、切り離された左足に丁寧にハチミツを塗っていく。
( ^ω^)「これでしばらくしたら虫さんたちが集まってお前を食べてくれるお。後始末は虫さんたちがしてくれるって寸法だお」
ブーンはツンに背中を向け、車に向かって歩き出した。一度振り返り、
( ^ω^)「ブーンは車で寝させてもらうお。しばらくしたら様子を見に来るから、寂しいけど我慢するお」
言って車のドアを開き、滑り込むようにシートに座るとドアを閉め目を閉じた。
今日は疲れた。すぐさまブーンに睡魔が襲い掛かり、深い闇の中へ意識が消えていった。
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:46:58.71 ID:ELy62sMc0
寒さで目が覚める。エアコンをつけておくのを忘れたようだ。
時刻を見てみると、2時間ほど寝ていたようだ。不自然な体勢で寝ていたため体が痛い。東の空が白んできている。
ツンはどうなっただろうか? そう思い視線を向ける。
絶句した。
何とツンの体に大小たくさんの虫がたかっているのだ。
ブーンは慌てて車から飛び出すと、手で虫たちを追い払った。
(♯^ω^)「お前ら何してるお! ツンに何するんだお!」
愛する人に比喩ではなく虫がたかっている。
そんな状況を目の当たりにして冷静でいられようはずもない。
多少微細な虫は残っているが、もうほとんど追い払えた。ブーンは胸を撫で下ろす。
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:48:50.02 ID:ELy62sMc0
(;^ω^)「はぁ、びっくりしたお。ツンは僕がいないと何も出来ないおね」
そう言ってツンに微笑みかける。
( ^ω^)「じゃあ、僕は帰るお」
ブーンはツンを一瞥すると、車に乗り込み、元来た道を帰っていった。
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:51:26.99 ID:ELy62sMc0
ドクオ捜査課長はそこまで読むと、深く嘆息した。
(;'A`)「お前、本当にこんなことしたのか?」
目の前にいる男に聞いてみる。
( ^ω^)「僕とツンは愛し合っていましたお」
男はにこにこしながらそう答える。
ドクオ捜査課長は薄気味悪さを覚えた。異常者――。
それがこの男を表現する唯一にして最高の言葉だと知る。
一人の女子高生がいなくなったという通達を受けたのと、
血と泥で薄汚れた男が逮捕されたという報告を聞いたのはほぼ同時だった。
男はかなり大きなナイフを持っており、最初は銃刀法違反の現行犯で検挙された。
血がついているところを見ると、大方誰かを刺したのだろう。
傷害罪、殺人未遂、状況によっては殺人罪も適用できる。
ドクオ捜査課長は部下に男を調べさせた。捜査は男の一言によって進展した。
男はこう口ずさんでいた。「ツン」と。
それは行方不明になっていた女子高生の名だった。
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:54:16.55 ID:ELy62sMc0
すぐに男を捕らえた近辺を調べさせた。すると通常では入り込まない山中に、
行方不明者の、今となっては殺人被害者の女子高生が異様な姿で死んでいるのが発見された。
その余りに異様な姿は、殺人の手段を想像させるのに困難を極めた。
ドクオ捜査課長は男を取り調べたが、男は何も喋らず要領を得ない。
進展のなさにイライラしだしたとき、男はおもむろに紙とペンを欲した。
なにか進展があるかもしれない、とドクオ捜査課長は男にそれを与えてみた。
男はせっせと何か文章を書き始めた。三人称の、小説のような拙い文章だった。
ドクオ捜査課長は余興ならすぐに止めさせようと思ったが、文章の中に男の名前と、
被害者女性の名前が出てきたことに気付くと、制止することを止めた。
つまり、これは喋ろうとしない男からの報告書なのだ。
ドクオ捜査課長はそう理解すると、男が文章を書き上げるまで待った。
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 02:58:38.53 ID:ELy62sMc0
そして今、その文章を読み終わり、戦慄した。
('A`)「お前、本当にこんなことをしたのか?」
もう一度尋ねてみる。男は笑うばかりで答えない。
頭が痛くなった。こんな吐き気を催すおぞましいことを出来るのはまともじゃない。いかれてる。
しかし、取調べとしては、容疑者の供述としてはすんなりいった方だ。
だが、と。 ドクオ捜査課長はいくつか不明な点があると思った。
文章の節々と現実との間に整合性に欠ける部分がいくつかあるのだ。
例えば、被害者女性の服装。文章の中には、今が秋である表現と夏であるという表現があった。
今は、夏だ。それはいい。それだけならばこのいかれ野郎の矛盾した文章として納得できる。
しかし、被害者女性の服装は文章中に表記されていた通り、秋のような少し厚着の格好をしていた。なぜだ?
他にも文章中の矛盾、そして現実と文章中での矛盾、いくつもの齟齬が確認できる。
ドクオ捜査課長は再び嘆息した。やれやれ、もう少し取り調べが難航するな、と。
そして、冷静さを取り戻し、一番不可解な事を聞いてみる。
167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 03:02:13.37 ID:ELy62sMc0
('A`)「あなたの文章を読ませていただきました。捜査していく上で大変、役に立ちます。
しかしいくつか気になる点がありましてね。まぁ、細かい部分はおいおい聞いていくとして、一つ。
一つだけ今教えてください。この文章はあなたが書いた三人称形式の文章です。
たまに視点が変わりますが……。気になる点は、被害者視点の部分。
つまり、あなたが書いた文章なのに、なぜ被害者の、
被害者しか知りえないような、恋愛模様やバイトを始める動機が書かれているのですか?」
その問いにブーンはにっこりと答える。
( ^ω^)「僕とツンは愛し合っていましたお」
( ^ω^)は狂人のようです 了
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/04(水) 03:03:47.03 ID:ELy62sMc0
ここまで長々とお付き合いいただき有難うございました。
思ったより長くかかってしまいましたが。
また何か書いたときは、ご一読いただけるようお願いします。
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- 2009/02/08(日) 22:10:59|
- ブーン系小説(短編)
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