- 358 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:03:02 ID:9379VCKw0
- ( ´_ゝ`)「……」カチ
( ´_ゝ`)「……」カチカチ
( ´_ゝ`)「ぉkブラクラゲット」
ガチャン
∬´_ゝ`)「流石ね兄者」
( ´_ゝ`)「図ったようなナイスタイミングだな姉者」
∬´_ゝ`)「それは偶然よ。まあアンタに用事はあるけどね」
( ´_ゝ`)「ほう。このネオニート予備軍の俺に一流デザイナーの姉者様が一体全体どんな用事があると言うんだい?」
- 359 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:03:50 ID:9379VCKw0
- ∬´_ゝ`)「ニート予備軍という自覚はあるのね。あと私はデザイナーじゃなくてスタイリストだからいい加減覚えなさい」
( ´_ゝ`)「スタイリストがどんな職業か全く分からないのだから間違えても仕方あるまい。ときに姉者よ、肝心の用事とは一体なんなのだろうか?」
∬´_ゝ`)「よくぞ聞いてくれたわね兄者、何を隠そう今の私はとても落ち込んでいるの」
( ´_ゝ`)「ほうほう」
∬´_ゝ`)「だから1発殴らせろ」
( ´_ゝ`)「えっちょっと待って前後の文脈が破綻しててリアクションが追い付かないんだけどえっちょっ!?」
- 360 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:04:30 ID:9379VCKw0
- ( ´_ゝ`)「酒の肴は馬鹿話のようです」
12杯目
- 361 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:05:11 ID:9379VCKw0
- (#)_ゝ`)「理不尽な暴力程心が痛いものは無いと思うの」
∬´_ゝ`)「ニートの分際で稼ぎ頭に文句言うの止めてくれるかしら?」
(;´_ゝ`)「まだ学生だからね!?というか姉者こそ今日は仕事の筈じゃなかったのか?」
∬´_ゝ`)「落ち込んでいたからアシスタントに押し付けて帰ってきたわ」
( ´_ゝ`)「理不尽な上司を持つと部下もさぞかし大変だろうな」
∬´_ゝ`)「ちなみに私の評判落としたら半殺しにするとも言っておいたわ」
( ´_ゝ`)「理不尽な脅迫までされるとはそろそろ大変とかいう問題では済まされないな」
∬´_ゝ`)「そんなことはどうだっていいわ」
( ´_ゝ`)「どうだっていいで片付けられるアシスタントの人生が不憫極まり無いな」
- 362 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:06:14 ID:9379VCKw0
- ∬´_ゝ`)「私は凄く落ち込んでいるのよ兄者」
( ´_ゝ`)「まあその件については正に身をもって『痛感』しているぞ姉者よ」
∬#´_ゝ`)「……あの糞男が!私と別れたいって言い出しやがったのよ!!信じられないわ!!」
( ´_ゝ`)「ああ、また彼氏と別れたのか」
∬#´_ゝ`)「こんな完璧な女を手放すなんて有り得ないって思わない兄者!?」
( ´_ゝ`)「まあ完璧云々はともかく、ルックスもよくて仕事も出来て、なおかつ料理も上手い姉者がどうしてこうも失恋ばっかりするのかは俺も不思議に思っていた所だ」
∬#´_ゝ`)「ほんの2、3回気絶するまでバラ鞭で遊んであげただけなのに!!」
( ´_ゝ`)「お―け―姉者。ツッコミ所が多すぎるから一言で言わせて貰おう。逃げられて当然だろうがこの暴力糞女が」
- 363 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:07:04 ID:9379VCKw0
- (#)_ゝ#)「理不尽な暴力は身体にも着実にダメージが溜まるのよ?」
∬´_ゝ`)「もう1発行っとく?」バラ鞭装備
(#)_ゝ#)「死んでしまいます」
∬´_ゝ`)「ふぅ……まあ、別にアンタを殴りに来ただけじゃ無いのよ」
( ´_ゝ`)「散々殴ってからならどうとでも言えるな」
∬´_ゝ`)「私は落ち込んでいる。さらにそろそろ涼しくなってもおかしくないこの季節にもかかわらず糞暑くて喉が渇いているのよ」
( ´_ゝ`)「流石なスルーだな。して姉者よ、そこから導き出される結論は如何に?」
∬´_ゝ`)「愚弟よ。たまには姉弟水入らずで家でゆるりと酒でも飲んでみないかしら?」
( ´_ゝ`)「ほほう。それは有り難いお誘いだな。だが家には鏡月と一刻者しか置いていないぞ?確か姉者は洋酒派だっただろうに」
- 364 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:07:55 ID:9379VCKw0
- ∬´_ゝ`)「そこら辺は心配ご無用よ。知り合いから安いジンを貰ってきたのよ。ほらこれ、なかなか綺麗なボトルでしょ?」
( ´_ゝ`)「ん……?それは確か何とかサファイアとかいう名前じゃなかったか?」
∬*´_ゝ`)「あら!洋酒にはあまり興味が無い兄者がボンベイサファイアを知ってるとは思わなかったわ」
( ´_ゝ`)「友人に酒に詳しいやつがいてな。そいつに色々教わったんだよ」
∬*´_ゝ`)「あらそうなの。是非その人とも一緒に飲んでみたいわね」
( ´_ゝ`)「確かその酒はトイレの芳香剤の味がするのだろう?」
∬´_ゝ`)「さてさて、ライムは冷蔵庫にまだ入っていたかしら」
(#)_###)「さも何も無かったかのように準備してるけどそろそろ死にそうなのでこれ以上の暴力は勘弁して下さい」
- 365 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:08:40 ID:9379VCKw0
- ∬´_ゝ`)「あんたが変な事言うからでしょ……あら?ライムはあるけどトニックウォーターが無いわね。兄者あんた買って来なさい」
(#)_###)「いや、俺既にボロボロな上に今夕方の5時だよね?気温30度後半なんですけど」
∬´_ゝ`)「Shopping or Die?」バラ鞭装備
(;´_ゝ`)「あいらぶしょっぴ―んぐ!!行ってきま―す!!」
∬´_ゝ`)「はいこれお金ね。あっ、ついでにエビスのロング缶2ケース買っといてね」
(;´_ゝ`)そ「えっそれついでとかいうレベルの注文じゃないじゃん!?」
∬´_ゝ`)「ちなみに私はかなり喉が渇いてるから10分以内に帰ってこなかったから半殺しね」
(;´_ゝ`)「行ってきま――――――す!!!」
- 366 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:10:31 ID:9379VCKw0
- 10分後
∬´_ゝ`)「さて、早く乾杯しましょう。兄者は早くグラスを用意なさい」
((; _ゝ ))「あ……あねゲホッ姉者よ!……もう少し弟を労ってくれよ」ゼーハーゼーハー
∬´_ゝ`))))「あなた汗臭いわ。近寄らないで」スススッ
( ;_ゝ;)「終いには泣くぞこんちくしょう!」
∬´_ゝ`)「冗談よ。まずはエビスで乾杯しましょう。あなたが頑張ってくれたおかげでまだ冷えてるみたいだし」
( ´_ゝ`)「ああうん、もう何でもいいや。乾杯」プシュッ
∬´_ゝ`)「乾杯。……うん、やっぱりビールはエビス以外考えられないわね」プシュッゴクゴク
( ´_ゝ`)「ブルジョワめ!そもそも姉者は洋酒派じゃなかったのか?」ゴクゴク
∬´_ゝ`)「海外のビールは口に合わないのよ。ビールだけは日本のエビスに限るわ」ゴクゴク
( ´_ゝ`)「日本のビールは確かに美味いな。まあ俺はスーパードライ派だが」ゴクゴク
- 367 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:11:45 ID:9379VCKw0
- ∬´_ゝ`)「ふぅん。まあ好みはあるしね、いいんじゃないのかしら?それより兄者、あなた今日もまた学校サボったでしょ?」ゴクゴク
(;´_ゝ`)「いや、サボったとかそう言うのじゃなく、起きたら少々腹が痛くてだな……」ゴクゴク
∬´_ゝ`)「小学生並みの言い訳は止しなさい。サボり過ぎて卒業出来ないなんて事になったら大変な事になるわよ」ゴクゴク
( ´_ゝ`)「家から追い出されて流石家から卒業なんて事にはなりたくないからな。まあ頑張るよ」ゴクゴク
∬´_ゝ`)「むしろ母者の手で人生卒業するハメになるんじゃないかしら?」ゴクゴク
(;´_ゝ`)「明日から死ぬ気で頑張ります!!」ゴクゴク
∬´_ゝ`)「母者の名前を出すと本当に素直になるわよねあなた。……ふう、御馳走様」ゴクゴクカラン
( ´_ゝ`)「相変わらずペース早いな」ゴクゴク
∬´_ゝ`)「あなたが遅いだけよ。さてジントニックの準備をしましょう」
- 368 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:12:51 ID:9379VCKw0
- ( ´_ゝ`)「俺も仲間内では早い方なのだが。それにしても姉者は本当にジントニックが好きだな」ゴクゴク
∬´_ゝ`)「簡単に出来て美味しいじゃない。本当はギムレットが一番好きなのだけど家にはシェイカーなんで気の利いたものは無いしね」
( ´_ゝ`)「ギムレット?なんだそれは?」ゴクゴクカラン
∬´_ゝ`)「……あなたも漫画ばかりじゃなくたまには小説でも読みなさい。冷蔵庫からトニックウォーター取ってきてちょうだい」
( ´_ゝ`)「?? 分かった」
∬´_ゝ`)「まずはグラスに氷をたっぷり入れて」ガラガラ
∬´_ゝ`)「ボンベイサファイアを適量ね。まあ濃いめでいいでしょう」トクトク
( ´_ゝ`)「持ってきたぞ姉者」
∬´_ゝ`)「ありがとう。……そしてトニックウォーターをグラス伝いにゆっくりと注ぐ」トクトク
( ´_ゝ`)「なあ姉者、ど―してわざわざそんなに地味に注ぐんだ?ドバドバ入れてしまえばいいじゃないか」
- 369 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:13:41 ID:9379VCKw0
- ∬´_ゝ`)「それじゃあ炭酸が抜けちゃうじゃない?せっかくのジントニックが台無しになっちゃうわ。さて、最後にカットライムを添えて」
( ´_ゝ`)「おぉ……普通にジントニックだな」
∬´_ゝ`)「Simple is bestよ。この安定感と手軽さがジントニックの魅力じゃないの」
( ´_ゝ`)「まあ確かに。俺も居酒屋では確実に飲むよ」
∬´_ゝ`)「あら?居酒屋のそれよりは美味しく仕上がっている筈よ。カクテルっていうのはね、ベースのお酒を代えるだけで全く別物になるものよ」
( ´_ゝ`)「ふ―ん。そんなものかね?まあ人生初のボンベイサファイアを頂くとするよ」ゴクゴク
∬´_ゝ`)「私も頂きます」ゴクゴク
- 370 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:14:29 ID:9379VCKw0
- ( ´_ゝ`)そ「……っ!?なんだ!?いつものと何かが違うぞ!?何なんだ!?」
∬*´_ゝ`)「……うん。やっぱり美味しいわね。この華やかな風味が癖になるのよ」
(*´_ゝ`)「あっ風味か!?なんか後味?がいつもより甘いぞ!?柑橘系!?」
∬*´_ゝ`)「まあ、難しい事はいいじゃない。とにかくボンベイで作ったジントニックもなかなか美味しいでしょ?」
(*´_ゝ`)「ああ……正直ここまで違うとは思わなかったぞ」
∬*´_ゝ`)「トニックウォーターやライムによっても味は変わるみたいだけどね。どうせ1本空かないだろうから後でストレートで飲んでみたら?」
( ´_ゝ`)「うむ、そうするよ。やはり酒っていうのは奥が深いものだな」ゴクゴク
- 371 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:15:50 ID:9379VCKw0
- ∬´_ゝ`)「私も若い頃は色々なお酒を飲んでみたものよ。まあ結局は楽で美味しいジントニックに落ち着くんだけどね」ゴクゴク
( ´_ゝ`)「若い頃っつったって姉者はまだ28だろ?まだ若い方じゃないか」ゴクゴク
∬´_ゝ`)「ふふっ馬鹿ね。『もう』28なのよ。歳を取るっていうのはね、あなたが想像している以上にあっという間で残酷な事なのよ、兄者」ゴクゴク
( ´_ゝ`)「ふ―ん」ゴクゴク
∬´_ゝ`)「……本当にあっという間なのよ。だからこそ早い内から自分自身についてキチンと考えなきゃいけないの」
( ´_ゝ`)「……」ゴクゴク
∬´_ゝ`)「ねえ兄者。せっかくのお酒の席で無粋かもしれないけど、それでもきくわよ?」
∬´_ゝ`)「あなた将来の事は考えているの?」
- 372 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:16:56 ID:9379VCKw0
- ( ´_ゝ`)「……」ゴクゴク
∬´_ゝ`)「……」
( ´_ゝ`)「……」ゴクゴクゴクゴク
∬´_ゝ`)「……」
( ´_ゝ`)「……」カラン
∬´_ゝ`)「……私だってあなたの年頃に明確な将来のビジョンを持っていた訳じゃないわ。スタイリストなんてなれると思ってもいなかった」
∬´_ゝ`)「この年で、こんな責任ある仕事を任される立場になるなんて運が良かっただけだもの。まあ水商売時代のコネクションは侮れないって事ね」ゴクゴク
( ´_ゝ`)「……」
- 373 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:18:34 ID:9379VCKw0
- ∬´_ゝ`)「そんな私の年でもこの道うん十年のベテランから言わせればまだまだ『ひよっこ』。まあ仕事ってそんなものでしょうけどねw」
∬´_ゝ`)「でもね。そのひよっこの私から見たあなたの年代はただの『赤ん坊』なのよ。まあひよっこも似たような意味なのかもしれないけど」
∬´_ゝ`)「兄者。あなたは今まさに人生のスタートラインに立ったところなの。楽しいモラトリアムはそろそろ終わり。優しい夢からはもう覚めなくてはいけないの」
∬´_ゝ`)「これからの1年、1月、1週、1日。あなたは異常なスピードで大人に成長していくのよ。決して望んでなんかいないでしょうけど」
∬´_ゝ`)「それは誰にも止められない。私も、母者も。もちろんあなた自身だって……あなたはいつまでも子供ではいられないの」
- 374 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:19:49 ID:9379VCKw0
∬´_ゝ`)「大人になりなさい。兄者」
- 375 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:21:09 ID:9379VCKw0
- ( ´_ゝ`)「……」
∬´_ゝ`)「……グラス空よ?作ってあげるわ」
( ´_ゝ`)「……濃い目で頼むよ、姉者。目が覚めるような、思いっきり濃いやつを」
∬´_ゝ`)「分かったわ」トクトクカラカラ……
( ´_ゝ`)「……」
∬´_ゝ`)「どうぞ」
( ´_ゝ`)「ありがとう」
∬´_ゝ`)「……」
( ´_ゝ`)「……」ゴクゴク
∬´_ゝ`)「……」
( ´_ゝ`)「……美味いな」
∬*´_ゝ`)「ふふっ。流石でしょ?」
( ´_ゝ`)「……ああ。流石だよ」
- 376 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:22:08 ID:9379VCKw0
ゴクゴク…
ゴクゴク…
「……本当に流石だよ。姉者」
ゴクゴク…
ゴクゴク…
カラン……
- 377 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:23:01 ID:9379VCKw0
- 翌日
(;´_ゝ`)(あ―……くっそ頭痛い!昨日あれからかなり飲んだもんな―)
(*´_ゝ`)(今日も学校サボろ!うん!さあ二度寝二度寝!!)
( -_ゝ-)(……)
( -_ゝ-)(……)
(;-_ゝ-)(……)
(;´_ゝ`)(……はぁ)ムクリ
(;´_ゝ`)「まあ、人生卒業するのは嫌だしな。とりあえず準備すっか」
( ´_ゝ`)(さ―て今日も1日頑張りますか)
- 378 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:23:44 ID:9379VCKw0
- 今日の一杯
ヱビスビール
種類…ビール
ちょっと贅沢なビール。でお馴染みのサッポロが製造しているビールシリーズ。
他のビールよりも少々値段が高いが、そのアドバンテージをものともしない圧倒的な高級感とその贅沢かつバランスの良い味わいで数多くのファンを魅了する。
ちなみにラッキーヱビスというものが存在し、数百本に一つの確率で後ろの魚籠にも鯛が入っている。
∬´_ゝ`)b「日本ビールの王道極まりって感じね。流石よね、エビス」
- 379 名前:名も無きAAのようです :2014/06/04(水) 14:24:33 ID:9379VCKw0
- 今日のもう一杯
ボンベイ・サファイア
種類…ジン
インドの都市の名ボンベイがその名の由来。
美しい青いボトルに華やかな香りが有名で主に若者などに人気の逸品。
その秘密は主材料の他に加えられる9つの香料と植物。これらが生み出す味わいと香りは複雑ながら甘味。そして何よりも『華やか』。
インテリアにも最適で、意外にもコスパ面でも優秀。ただしその圧倒的な華やかさは好みが別れるので注意が必要。
( ´_ゝ`)「ジンマニアからはカクテルに使うには勿体無いと言われる名品だ。冷凍庫でトロっとしたところを頂くのも美味そうだな」
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