- 199 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:30:55 ID:2dIDBR8w0
- 【ダイニングバー・De‐mi】
(´・_ゝ・`)「ふぅ……」
(´・_ゝ・`)(上京してから約20年。この店を開いてから10年、か)
(´・_ゝ・`)(長いようで、短い毎日だった。初めは右往左往しながらアタフタやってたのか懐かしい……)
(´・_ゝ・`)「……」
(´‐_ゝ‐`)「……」
(´‐_ゝ‐`)「……」
- 200 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:33:40 ID:2dIDBR8w0
- (´・_・`)「ねえ、叔父さん。コーヒー」カタカタカタカタ
(´‐_ゝ‐`)「……」
(´・_・`)「コーヒー、コーヒー、コーヒー」
(´‐_ゝ・`)「……感傷に浸ってるのを邪魔しないでくれないかな? この糞ガキ。しかもパソコンもカタカタうるさいったらありゃしない」
(´・_・`)「どうせそんなもん実家に帰ってから幾らでも浸れるでしょう? あと音は仕方無いじゃない」
(´・_ゝ・`)「ムードもロマンも分かってない奴だな、本当に。って言うか毎回毎回この店でカタカタするなっつってんのに」
- 201 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:34:12 ID:2dIDBR8w0
- (´・_・`)「自宅でやるより落ち着くんだよ。叔父さんが淹れた美味しいコーヒーもつくしね」カタカタカタカタ
(´・_ゝ・`)「いやいや、つくしね。じゃなくてさ。自分で淹れなさいよ、散々に仕込んだじゃないか」
(´・_・`)「今、いいとこ」カタカタカタカタ
(;´‐_ゝ・`)「……ハァ。こんな調子で、僕が居なくなって大丈夫なのかね? この糞ガキは」
(´・_・`)「叔父さん、コーヒー」カタカタカタカタ
(´‐_ゝ‐`)「はいはい。仰せのままにっと」トクトク……
- 202 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:34:44 ID:2dIDBR8w0
- ガチャ カランカラン
ノパ听)「こんにちわ、盛岡さん」
川 ゚ -゚)「こんにちは。簡単な物ですが、手土産をお持ちしました」
(´・_ゝ・`)「やぁ。ヒートさんにクールさん、ようこそ」トクトク……
ノハー匆)「しかし本当に無理を言って申し訳無いです。既に閉店してから3日は経っているのに」
川 ー -゚)「私も姉も、最後のパーティーには都合が付かなかったからな。わざわざ私達の為だけに働かせて申し訳無い」
(´・_ゝ・`)「良いんですよ、貴女達がこうして、最後にどうしても。なんて嬉しい事を言って下さった。」
(´・_ゝ・`)「私はそれだけで幸せなんです。さあ、どうぞお好きなお席に。」
(´ ^_ゝ ^ `)「貴女達がこの『De‐mi』の最後のお客様ですよ」ニコリ
.
- 203 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:35:18 ID:2dIDBR8w0
【糞ったれBAR NEETのようです】
【OPEN】
.
- 204 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:42:42 ID:2dIDBR8w0
- 川 ゚ -゚)「やはり落ち着くな、ここは」
ノパ听)「ああ、私もクールもよく来ていたからな。思い出の店さ」
(´・_ゝ・`)「先日のパーティーでは赤羽根様やそのご友人方。それから関ヶ原様もお越しになっていただきましたよ」
川 ゚ -゚)「つーもこの店を気に入っていたからな。名残惜しそうにしていたよ」
ノパ听)「いつも繁盛している店だったからな。それだけに閉店は寂しいものだ……」
(´・_ゝ・`)「ありがとうございます。ですが私は、これで良かったんだと思っています」
- 205 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:43:37 ID:2dIDBR8w0
- (´・_ゝ・`)「母から電話で親父が倒れたと聞いた時に、こう思ったんです」
(´‐_ゝ‐`)「今まで散々心配かけて好き勝手やってきたんだ。きっとこれが、親孝行する最後のチャンスだ。ってね」
ノパ听)「盛岡さん……」
(´・_ゝ・`)「未練が無いと言ったら嘘にはなります。ですがいつかはまたこの街に戻って、1からやり直してやる。なんて野望もありますから」
川 ゚―゚)「フフッ。素直姉妹一同、その日を待っていますよ」
ノパ―゚)「キュートもシュールも。この店は気に入っていたな、そう言えば」
(´‐_ゝ・`)「……さて、湿っぽいのはオシマイにしましょうか。御注文を御伺い致します」
- 206 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:44:00 ID:2dIDBR8w0
- ノパ听)「ではこの店一押しの『アイリッシュ・コーヒー』をお願いします。勿論、コーヒーの銘柄はお任せで」
川 ゚ -゚)「なら私は『イングリッシュ・コーヒー』を」
(´ ^_ゝ ^ `)「畏まりました」ニコリ
(´・_・`)「……」カタカタカタカタ
.
- 207 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:45:37 ID:2dIDBR8w0
【アイリッシュ・コーヒー】
<参考レシピ>
・アイリッシュ・ウイスキー…30ミリ
・ホットコーヒー…適量
・角砂糖…好みで2、3個
・生クリーム…好みで適量
コーヒー・カクテルの代表格。
アルコール度数は18°だが、店によって違うことが多い。
コーヒーにアイリッシュウィスキー。
そして好みによって砂糖と生クリームを足しただけと言う比較的シンプルなレシピ。
美味しく作るポイントは予めウィスキーを温めておくこと。
アイリッシュ以外のウィスキーを入れてしまうと別のカクテルになってしまうので注意しよう。
.
- 208 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:46:09 ID:2dIDBR8w0
【イングリッシュ・コーヒー】
<参考レシピ>
・ジン…30ミリ
・ホットコーヒー…適量
イギリスで有名なジンを入れたコーヒー・カクテル。
アルコール度数は同じく18°前後で調節可能。
アイリッシュコーヒーとは違い、クリームや砂糖を入れない方が一般的。
ジュニパーベリーの香り漂う爽やかな味わいが癖になる。
.
- 209 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:46:33 ID:2dIDBR8w0
- ノハー听)「ふぅ……やはりコーヒーを使ったカクテルと言ったらこれだな。甘く、ほろ苦く」チビチビ
ノハ*ー匆)「とても落ち着く味だな……」ズズズッ……
川 ー -゚)「ジン好きの私にとっては、やはり『イングリッシュ・コーヒー』一択だ」
川*ー -ー)「ジンの爽やかな香味とコーヒーの苦味が堪らないな」ズズズッ……
(´ ^_ゝ ^ `)「ありがとうございます。ちなみに豆はそれぞれのカクテルに合わせた当店のオリジナルブランドです」ニコリ
ノパ听)「レシピ自体は自宅で簡単に再現可能だろうが……この奥深い味わいは盛岡さんの腕あってのものだな」ズズズッ……
川 ゚ -゚)「コーヒーには詳しく無いが腕のあるバリスタが淹れてくれたものは、やはり美味いな」ズズズッ……
- 210 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:48:05 ID:2dIDBR8w0
- (´・_ゝ・`)「恐縮です。と言ってもこの店を初めて直ぐの頃は素人同然だったんですけどね」
ノパ听)「おや、そうだったんですか? 私はてっきり最初からお詳しいのかと」
(´・_ゝ・`)「カクテルを模索している内に酒入りコーヒーというジャンルを知ってしまいましてね? そこからはあっという間にのめり込み……」
(´‐_ゝ・`)「3年もしない内にバリスタの講習会に講師として呼ばれる程に。下手の横好きですが、酒もコーヒーも大好きなものですから」
ノパ―゚)「妥協しないその精神、バーテンダーとして見習わせて頂きます」
(´‐_ゝ‐`)「勿体ない御言葉、有り難く頂戴致します」ペコリ
- 211 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:48:46 ID:2dIDBR8w0
(´・_・`)「叔父さーん。僕のコーヒーまだー?」カタカタカタカタ
(;´‐_ゝ・`)「はぁ……お客様のいる前でアイツは……」
川 ー -゚)「ん? 私達の他にも誰か居たのか?」
ノパ听)「奥まった角の席に隠れていたみたいだな。あの子は?」
(;´・_ゝ・`)「失礼致しました。アレは私の甥のショーンと言いまして」
川 ゚ -゚)「甥?」
(;´‐_ゝ・`)「えぇ。私のコーヒーを気に入ってくれたのは有り難いのですが、そのせいか毎日のように営業時間外に居座っていて……」
- 213 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:51:25 ID:2dIDBR8w0
(´・_・`)「叔父さ―んコーヒーコーヒーコーヒー」カタカタカタカタ
(;´‐_ゝ‐`)「ああ、分かった分かった。申し訳ありません、少々失礼致します」ペコリ
(´・_・`)カタカタカタカタ
川 ゚ -゚)(若いな。見た感じ大学生ぐらいだろうか? 一心不乱にキーボードを打ち付けている所を見ると卒論に追い込まれた……という所か?)
ノハー听)(ん―……?)
川 ゚ -゚)「?? どうした、姉さん?」
ノパ听)「いや、あの青年。どこかで見たような気がしたのだが」
- 214 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:51:50 ID:2dIDBR8w0
- 川 ゚ -゚)「この店によく居ると言っていたし、飲みに来た時にでも偶然見かけたんじゃないか?」
ノハー听)「うぅーん……そうだったかなぁ?」
(´・_ゝ・`)「ほら。これ飲んで大人しくしてろ」
(´・_・`)「人の事を子供扱いしないでくれない?」
(´・_ゝ・`)「客の前で駄々こねる男は子供じゃなくて糞ガキだっつうの」
(´・_・`)「心外だなー。あ、美味い」ズズズッ……
ノハ;゚听)(うーん……絶対にどこかで見かけた気がしたのだが……?)
- 215 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:52:18 ID:2dIDBR8w0
- 川 ゚ -゚)「ああ、ところで姉さん。ミルナは誘ってみたのか? 思い出の店に是非ミルナと。と、張り切っていたじゃないか」
ノハ;゚听)「ん? あ、ああ。ミルナか、いや、まあ」
ノハ#ー匆)「勿論誘ったさ! だと言うのにあのニートは……」
川д゚川『あぁん? 閉店寸前のダイニングバーだぁ? 思い出作りに一緒にぃ?』
川д川『……』
川д川『……あぁー』
川д川『働きたくないでござるぅー外に出たくないでござるぅー』
川д川『ってな感じでぇ、勘弁だぁ。悪ぃなぁ』
ノハ#゚听)「ったく! あの糞ったれニートが!!」ガンッ!
川; ゚ -゚)「どうどう。しかしまあミルナらしいと言うか何と言うか」
- 216 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:56:39 ID:2dIDBR8w0
- ノハ#ー听)「付き合う前からヒキオタ気質だったのは知っていたが、まさかここまでだとは思わなかった! ろくにデートも出来やしない!」
川 ー -゚)「と、言うことは普段は2人で出掛けたりはしないのか。家の中では何をやっているんだ?」
ノパ听)「大体はミルナに対してバーテンダーとしての特訓をしているな。つい最近、ようやくミルナもフルーツカットが上手くなってな」
川; ゚ -゚)「姉さんは仕事でも家でもシェイカーを振っているのか。そんなんで良く関係が破綻しないな」
ノパ听)「私も好きで教えてるし、文句言いながらもミルナは物覚えがいいからな。それにミルナと話していると退屈しない」
川 ゚ -゚)「まあヒー姉とミルナなら趣味は合うだろうな。ジン好きの私よりジンに詳しいと知った時には驚いたものだ」
ノハー听)「洋酒についてなら何でも知っているからな、ミルナは。弱点があるとしたらワインくらいか?」
- 217 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:57:15 ID:2dIDBR8w0
- ノパ听)「あとは日本酒や焼酎などの地酒ぐらいだな。流石にあの莫大な資産の殆どを酒に費やしているだけはある」
川 ゚ -゚)「以前に冗談混じりでモララーがミルナの事を『洋酒の広辞苑』と言っていたらしいが、あながち間違いでもないな」
ノハ#ー匆)「だからこそ、私はミルナとバー巡りなどのデートをしてみたいと言うのに……」
川 ゚―゚)「フフッ。前途多難だな」
(;´・_ゝ・`)「いや、御待たせ致しました。いい年をして、まだワガママな癖が治らなくて」
川 ゚ -゚)「気にしないで下さい、私達が勝手に上がり込んだようなものですから。それよりお代わりを頂けますか?」
(´・_ゝ・`)「イングリッシュ・コーヒーのお代わりですね? 畏まりました」
- 218 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:57:36 ID:2dIDBR8w0
- 川 ゚ -゚)「姉さんはどうする?」
ノハー听)「んー……なら私は『コーヒー・グロッグ』を。砂糖無しでラムは多めでお願いします」
(´ ^_ゝ ^ `)「畏まりました」ニコリ
川 ー -゚)「ふむ。やはりラムマニアの姉さんはグロッグを頼んだか」
ノハー匆)「ふん。ジン狂いに言われたく無い」
- 219 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:58:01 ID:2dIDBR8w0
【コーヒー・グロッグ】
<参考レシピ>
・ラム…30ミリ
・ホット・コーヒー…適量
・グラニュー糖…好みで少量
・バター…好みで少量
ラム酒をお湯わりにしたグロッグというカクテルのコーヒーバージョン。
アルコール度数は好みによって大きく変わるのであえて書かない。
『ホットバタード・ラム』のような濃厚な香りと甘さにコーヒーのほろ苦さが混じる新感覚。
ベースのラムをスパイスドに変えたり、マドラーをシナモンスティックにしてみたりとアレンジが光るコーヒー・カクテルだ。
.
- 220 名前:同志名無しさん :2016/02/23(火) 23:58:22 ID:2dIDBR8w0
- ノハ*゚听)「うん、やはりラムはコーヒーにも合うな。さらにバターの膨よかな香りと優しい甘さ」ズズズッ……
ノハ*゚―゚)「そしてこのコーヒーとのマッチング。奥深いコクを上手いこと引き出していて、本当に美味しいよ」
(´ ^_ゝ ^ `)「味の分かる方に楽しんで頂けて光栄で御座います」ニコリ
川 ゚ -゚)「グロッグとは砂糖を入れるものと聞いていたが、抜いてしまって味のバランスは崩れたりしないのか?」
(´・_ゝ・`)「恐れながら、ヒート様にお出しするグロッグには砂糖の代わりに甘味の強い『ディプロマティコ』を使用しておりますので」
川 ゚ -゚)「なるほど。質の良いラムなら本来の甘さだけで十分と言うわけですか」
- 221 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:06:23 ID:xS3n1vng0
- ノハー听)「風変わりなものを試したければスパイスド・ラムを使えばいい。また違った味わいが楽しめるからな」
(´・_ゝ・`)「流石は、『紅〜Beni〜』のオーナー様。お詳しい」
ノパ听)「好きこそものの、ですよ。盛岡さんもそうでしょう?」
(´・_ゝ・`)「私も、ですか?」
ノパ听)「ええ。私は酒が、中でもラム酒が大好きです」
ノハー听)「だから数ある職の中から様々な人に美味しいお酒を広める事が出来るバーテンダーという仕事を選んだ。今では道楽でラム酒専門の店まで、ね」
(´・_ゝ・`)「……」
- 222 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:07:50 ID:xS3n1vng0
- ノハー匆)「何年も通っていれば分かります。盛岡さんが、酒を。コーヒーを。そして何より……」
ノパ―゚)「この仕事が大好きで堪らないって事が」
(´・_ゝ・`)「……」
(´‐_ゝ‐`)「……ええ」
(´‐_ゝ‐`)「そうですね」
(´‐_ゝ‐`)「私は……」
(´‐_ゝ‐`)「私は、この仕事が。そして何よりも、沢山の常連さんで賑わう」
(´‐_ゝ‐`)「この店が、大好きでした」
.
- 223 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:08:26 ID:xS3n1vng0
- 川; ゚ -゚)「盛岡さん……」
(´‐_ゝ‐`)「……」
(´‐_ゝ・`)「……いや、過去形の言葉なんて、相応しくありませんね」
(´・_ゝ・`)「私は、多くのお客様に愛して頂いたこの店を」
(´‐_ゝ‐`)「今までも、これからも。ええ、きっと死ぬまでずっと……」
(´ ^_ゝ ^ `)「『De‐mi』の事を、愛し続けるんだと思います」ニコリ
.
- 224 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:09:02 ID:xS3n1vng0
- …………………………………
……………………………
……………………
……………
………
…
- 225 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:09:26 ID:xS3n1vng0
- (´・_ゝ・`)「……ふう」
(´・_ゝ・`)「最後のお客様も、お帰りになられた。か……」
(´‐_ゝ‐`)「……」
(´‐_ゝ‐`)「……」
(´・_・`)「感傷に浸ってるとこ悪いけどさあ、早く僕にもお代わりくれないかなー?」
(;´‐_ゝ‐`)「お前はほんっとうに空気の読めない糞ガキだな」
- 226 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:09:54 ID:xS3n1vng0
- (´・_・`)「読めないんじゃなくて読まないんだよ。面倒だしね」
(;´・_ゝ・`)「全く、ああ言えばこう言う。誰に似たんだか……」トクトク
(´・_・`)「あっ。ちゃんとティースプーン1杯分のテキーラ入れてね?」
(´‐_ゝ・`)「分かってる分かってる。はぁ、酒入りコーヒーの注文は数あれど、テキーラを入れる男は結局お前だけだったよ」コトッ
(´・_・`)「『マルガリータの祝福』愛読者なら普通だと思うけどね。あ、やっぱり美味い」ズズズッ……
(´・_ゝ・`)「いかがわしい漫画ばかりじゃなく新聞や小説も読みなさい。勉強になるよ」
(´・_・`)「僕、活字嫌いだもん。時間の無駄さ」
(;´‐_ゝ‐`)「はぁ……全くこの糞ガキは」
- 227 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:10:22 ID:xS3n1vng0
- (´・_・`)「……」ズズズッ……
(´・_ゝ・`)「……」ズズズッ……
(´・_・`)「ねえ、叔父さん」
(´‐_ゝ・`)「ん?」
(´・_・`)「叔父さんのコーヒーが一生お預けなんて嫌だし」
(´・_・`)「とっとと帰って来て、また店を開いてよね?」
(´・_ゝ・`)「……」
(´‐_ゝ‐`)「……ふん」
(´‐_ゝ‐`)「さあ、ね」ズズズッ
- 228 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:10:55 ID:xS3n1vng0
(´・_ゝ・`)(僕の好きなエスプレッソ)
(´・_ゝ・`)(豆はマンデリン。深くて、儚く、ほろ苦い。)
(´・_ゝ・`)(そこに、ほんの一滴の『カルーア』を入れて。ゆっくりと、浸るように飲むんだ)
(´・_ゝ・`)(……)ズズズッ
(´・_ゝ・`)(ああ……)
(´‐_ゝ‐`)(やっぱり、大好きなこの店で作る、大好きなコーヒーは格別に)
(´‐_ゝ‐`)「苦くて、美味いな」
.
- 229 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:11:16 ID:xS3n1vng0
- …………………………………
……………………………
……………………
……………
………
…
- 230 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:11:43 ID:xS3n1vng0
- 【翌日 ミルナ宅】
ノハー听)「……と言うわけで、盛岡さんに感銘を受けた私は明日、渋谷で行われるバリスタによる実技講習会に参加することにした」
川д川「はぁ。相変わらずヒートは勉強熱心だわなぁ」
ノパ听)「酒入りコーヒーも立派なカクテル。それにラム酒との組み合わせで新しい世界も広がるしな」
川д川「ふぅん。まぁ頑張ってくれぇ」
ノハー匆)「ああ。ベストを尽くし努力をするつもりさ」
ノハ^竸)「……と言うわけで早速ミルナの服を買いに行くぞ」
川д゚川「……はぁ?」
.
- 231 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:12:29 ID:xS3n1vng0
- ノハ^竸)「講習会に行くのにパジャマで行かせる訳にも行かない。かと言ってあの高級スーツだと逆に浮いてしまいかねないからな」
川;д川「待て待て待てぇ!? 何で俺までそのバリスタとやらの講習会に行かなきゃならねぇんだよぉ!?」
ノハ^竸)「つべこべ言わず、来い。な?」
川;д゚川そ「取りつく島もねぇのぉ!? なんか今日のお前おかしいぞぉ!?」
ノハ^竸)「ハッハッハッ、何を言っているんだミルナ。私はいつも通りだぞー?」
ノハ^竸)「せっかく思い出作りに私の大好きなバーに誘ったと言うのに外に出たくないとかいう下らない理由で断られた腹いせ」
ノハ#^竸)「とか、そういう理由は一切無いからなーハッハッハッハッハッハッ!!」
川;д゚川「完璧に根に持ってるじゃねえかああああぁぁ!? だから俺は極力外には出たくないってぇ……」
- 233 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:13:04 ID:xS3n1vng0
- ノハ#^竸)つ「ハッハッハッハッハッハッな〜んにも聴こえないな〜?」ガシッ
川;д川そ「おいこらぁ首根っこ掴むなぁ……って力強ぉっ!?」
ノハ#^竸)つ「さあデートだデート! 買い物デートだ!! 今日は一日付き合ってもらうからなー!!」ズルズル
川#д;川)))「引き摺るなああああぁぁぁ!! 何でこうなるんだよ糞ったれがああああぁぁぁ!!」ズルズルズルズル
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- 234 名前:同志名無しさん :2016/02/24(水) 00:14:07 ID:xS3n1vng0
【CLOSE】
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