139 : ◆080mxUe5zE :2009/01/03(土) 19:33:58.89 ID:r8AbnZwaO
――工事現場――

( ^ω^)「そこ! さっさと運ぶお!」

工事現場で怒声を飛ばすのは、現場主任となったブーン。

(;ФωФ)「はい!」

飛ばされるのは、下っ端のロマネスク。

同い年の二人だが、境遇の違い、もしくは性格、或いは能力の差により、立場が違っていた。

( ^ω^)「よーし、今日はこれくらいで終わりだお」

指示を出すのが役目であるブーン。
現場全体に指示を出す、それだけの仕事なので、汗ひとつかいてはいない。

(;ФωФ)「ふぅ、やっと終わったか」

指示を出され、それを実行するのが役目であるロマネスク。
僅かな休憩のみで重労働を繰り返す仕事なので、冬場だというのに汗だくである。
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/03(土) 19:35:43.89 ID:r8AbnZwaO
( ФωФ)「今日もきつかったな……」

現場近くの更衣室で汗を拭い、着替えるロマネスク。
他の仲間と談笑したりして、時間は過ぎていく。

そして、更衣室の扉が開かれた。

( ^ω^)「おっおっ、ロマネスク帰るお!」

現れたのは、ブーン。

( ФωФ)「おっ、やっと終わったか書類整理」

「「お疲れ様っすブーンさん!」」

ブーンが現場で汗を流す者たちとは違う苦労をしているのは、皆わかっていることだ。
なので、上司ということもあり全員が敬意を払っていた。

( ^ω^)「今日も皆よく働いてくれたお」

いつの間にやら上に立つ仕事に就いてしまい、戸惑いを覚えていた時代が懐かしかった。
今でこそ皆ついてきてくれているが、初めなどは目も当てられなかった、と自分でも思うブーン。

142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/03(土) 19:38:14.32 ID:TlYrpylh0
( ФωФ)「早く帰ろうぜ」

仕事での出来事も、勤務時間内だけ、と割り切る職場。
居心地が良いと感じるのは皆同じであり、ブーンもロマネスクも例外ではなかった。

肩を並べ、社宅へと歩く二人の姿は、上司と部下の関係とは思えないほどに仲が良さそうだ。

( ^ω^)「いやー今日は寒いおね」

( ФωФ)「はは、お前はそうだろうな、俺はむしろ涼しいくらいだ」

( ^ω^)「羨ましいお」

( ФωФ)「ははは」

143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/03(土) 19:40:05.63 ID:TlYrpylh0
 社宅の階段を上り、二階へ。
お隣同士の部屋の扉を開き、二人は言う。

( ^ω^)「じゃな」

( ФωФ)「じゃな」

短い挨拶を交わし、中へ。
そこには、それぞれの人が待っていた。

「ブーン、お帰りー!」

「お帰り、ロマ!」

流れる風は、人の体温を奪う。
低く倒れる太陽は、人の心をも冷たくする。
それでも、実る恋はある。

( ^ω^)「今年も寒いおねー」

(゚、゚トソン「今年も寒いねー」

それぞれの家庭で響く笑い声は、寒空にどこまでも響き渡った。



( ^ω^)(゚、゚トソン冬の恋はもの悲しいようです
fin

,
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/03(土) 19:44:07.46 ID:TlYrpylh0
と、変わった形式で投下してきましたが、これでおしまいです。
途中からの反応から考えるに、投下順を間違えたか、と反省。

もの悲しい

クラッシャー

気づく

もの悲しいfin

と繋げれば明るい雰囲気で終われたかな、と。
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