( ^ω^)ξ゚听)ξ幸せを探すようですζ(゚ー゚*ζ
542 :( ^ω^)ξ゚听)ξ幸せを探すようですζ(゚ー゚*ζ:2009/05/11(月) 15:54:42.54 ID:0cODWPtJO
ポカポカと晴れた日曜日の事。
僕は恋人のツンの家に片付けを手伝いに来ていた。
もうすぐ僕達は結婚して、僕の家で一緒に暮らす。その引越しの準備だ。

それともう一つ、

( ^ω^)「こんにちは、初めましてだお」

ζ(゚−゚*ζ「………」

ツンの連れ子のデレちゃんに会いに来たのであった。





( ^ω^)ξ゚听)ξ幸せを探すようですζ(゚ー゚*ζ
544 :( ^ω^)ξ゚听)ξ幸せを探すようですζ(゚ー゚*ζ:2009/05/11(月) 15:56:41.23 ID:0cODWPtJO
初めて会うので警戒しているのか、デレちゃんはツンの後ろに隠れている。

ξ゚听)ξ「ほらデレ、挨拶しなさい」

そうツンに促されておずおずと前に出てくるが、

ζ(゚−゚*ζ「……こんにちは」

と一言だけ言うと、どこかへ走って行ってしまった。

(;^ω^)「おー……」

ξ゚听)ξ「ごめんね。普段は人懐っこい子なんだけど……」

( ^ω^)「大丈夫、少しずつ仲良くなればいいお」

ξ゚ー゚)ξ「そうね」

焦らなくても時間はたっぷりある。
これからゆっくりと仲良くなっていこう。
そう言って僕は片付けに取り掛かった。

545 :( ^ω^)ξ゚听)ξ幸せを探すようですζ(゚ー゚*ζ:2009/05/11(月) 15:58:44.92 ID:0cODWPtJO
*****

(;^ω^)「だいぶ片付いたおね」

ξ;゚听)ξ「結構疲れたわ……」

気付けばもう夕食時。
一日中動き回っていたからお腹はペコペコだ。

( ^ω^)「そろそろご飯食べに行くお」

ξ゚听)ξ「それじゃあ、デレを呼んでくるわね」

ツンがデレちゃんを呼びに行く。
三人で食事をしながら色々話せるといいな。
そんな事を考えていると、ドタバタと騒がしい足音が聞こえてくる。
それから間も無く戻ってきたツンは、血相を変えてこう言った。

ξ;゚听)ξ「大変! デレがいないわ!」

546 :( ^ω^)ξ゚听)ξ幸せを探すようですζ(゚ー゚*ζ:2009/05/11(月) 16:00:45.00 ID:0cODWPtJO
(;^ω^)「え……!?」

ξ;゚听)ξ「家中探しても何処にもいないの……」

(;^ω^)「もしかして一人で外に……」

外はもう暗くなり始めていて、小さな女の子が一人で出歩くのは危ない。
僕達は不安を抱えながら急いで玄関に向かう。

(;^ω^)「………」

ξ;゚听)ξ「………」

そこにデレちゃんの靴は無かった。

ξ;゚听)ξ「探しに行かなきゃ!」

(;^ω^)「僕が探してくるから、ツンは家で待ってて欲しいお」

もしかしたらすぐに帰ってくるかもしれない。
そう説明し、ツンが頷くのを確認すると僕は家を飛び出した。

547 :( ^ω^)ξ゚听)ξ幸せを探すようですζ(゚ー゚*ζ:2009/05/11(月) 16:02:43.96 ID:0cODWPtJO
*****

(;^ω^)「デレちゃーん!」

名前を叫びながら辺りを見回す。
子供の足だからそう遠くには行っていない筈だ。

(;^ω^)「何処にいるだおー!」

しかし、もしもの事があったら……。
そう考えてしまい気持ちはドンドン焦っていた。

そうしているうちに辿り着いた小さな丘。

(;^ω^)「デレちゃん!」

ζ(゚−゚*ζ「あ……」

そのてっぺんにデレちゃんはいた。

548 :( ^ω^)ξ゚听)ξ幸せを探すようですζ(゚ー゚*ζ:2009/05/11(月) 16:04:40.66 ID:0cODWPtJO
座り込んでいたので怪我でもしているのかと思い慌てて駆け寄る。
が、確認するとどうやら疲れただけのようでその心配は杞憂に終わった。

ζ(゚−゚*ζ「ごめんなさい」

ホッと胸を撫で下ろしていると、デレちゃんの謝罪の声が聞こえた。

( ^ω^)「もう勝手に出て行っちゃ駄目だお。さあ、家へ帰るお」

どうして一人でここに来たのかは帰ってから聞こう。
まずはツンを安心させてあげないと。
反省はしている様だし、帰りたくないと駄々を捏ねる事は無いだろう。

ζ(゚−゚*ζ「………」

しかし、デレちゃんは無言で首を横に振った。

(;^ω^)「どうしてだお?」

ζ(゚−゚*ζ「……あのね、」

デレちゃんは家に帰りたくない理由を話し始める。
それを聞いて僕は一つの提案をした。

( ^ω^)「それなら……」

549 :( ^ω^)ξ゚听)ξ幸せを探すようですζ(゚ー゚*ζ:2009/05/11(月) 16:06:40.50 ID:0cODWPtJO
*****

ξ;゚听)ξ「デレ!」

家に帰るとツンが玄関の前で待っていた。
見つかったから安心するようにと連絡はしたが、やはり心配だったのだろう。

ξ;゚听)ξ「この子ったら、心配掛けて……」

ζ(゚−゚*ζ「ごめんなさい」

ξ゚听)ξ「どうして一人で出掛けたの?」

( ^ω^)「デレちゃん、ちゃんと説明できるおね?」

デレちゃんはこくりと頷いた。
そしてぽつり、ぽつりと話し始める。

ζ(゚−゚*ζ「あのね、二人に四つ葉のクローバーをあげたかったの」

それはデレちゃんの優しさだった。

ζ(゚−゚*ζ「おかーさんとないとーさんが結婚するから、ずーっと仲良しでいられますようにって」

550 :( ^ω^)ξ゚听)ξ幸せを探すようですζ(゚ー゚*ζ:2009/05/11(月) 16:08:44.52 ID:0cODWPtJO
ζ(;−;*ζ「でもね、どこにも無かったの」

見付けられなかったのがよほど悲しかったのだろう。
気付けば涙をポロポロと零していた。

ζ(;−;*ζ「だから、代わりにこれ……」

そう言って差し出したのは、僕とツンの幸せそうな顔をして笑っている一枚の絵。
その周りには四つ葉のクローバーが沢山描いてある。

ζ(;ー;*ζ「この絵みたいに二人で幸せになってね」

( ^ω^)「もちろんだお」

デレちゃんの気持ちが沢山詰まった絵を貰ったんだ。
これで幸せになれない筈が……

ξ゚听)ξ「それは無理ね」

(;^ω^)「!?」

ζ(;−;*ζ「!?」

551 :( ^ω^)ξ゚听)ξ幸せを探すようですζ(゚ー゚*ζ:2009/05/11(月) 16:10:42.94 ID:0cODWPtJO
ツンの予想外な一言にびっくりして一時停止する。
デレちゃんに至っては収まり掛けた涙が再び溢れ出す始末だ。

ζ(;−;*ζ「うぅ……ひっく……」

(;^ω^)「ツン、どうして……」

ξ゚听)ξ「だって……」

次に飛び出したツンの言葉は、これまた予想外だった。

ξ゚ー゚)ξ「だって、この絵にはデレがいないじゃない」

( ^ω^)「お、そうだお! 三人じゃなきゃ幸せになれないお!」

ξ^ー^)ξ「そうそう。だからデレ、この絵にデレもいれてくれるわよね?」

ζ(^ー^*ζ「うん!」

幸せの四つ葉のクローバーは見付らなかったけれど、
僕達はもっともっと素敵な幸せを手に入れられたみたいだ。

552 :( ^ω^)ξ゚听)ξ幸せを探すようですζ(゚ー゚*ζ:2009/05/11(月) 16:15:37.12 ID:0cODWPtJO
投下は以上です
読んでくださってありがとうございました
ID:0cODWPtJOさん
ありがとうございました
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