track-3(その1
4 : ◆vecY3hbM4I :2009/02/22(日) 15:47:29.79 ID:lk4TZDMt0





            やねうらべやの おおきなかがみ

            手をのばしている 貴方はだあれ





6 : ◆vecY3hbM4I :2009/02/22(日) 15:50:41.02 ID:lk4TZDMt0
track-3 悪ノ娘


(その1)

カチカチカチ
('A`)「…………」

パラパラパラパラ
ξ゚听)ξ「…………」

('A`)「…………」

ξ゚听)ξ「…………ププッ」

('A`)「ん?」

ξ゚听)ξ「何でもないわ」

('A`)「…………そう」

ξ゚听)ξ「…………」



7 : ◆vecY3hbM4I :2009/02/22(日) 15:52:58.70 ID:lk4TZDMt0
パラパラ
ξ゚听)ξ「…………」
カタカタ
('A`)「…………」

ξ゚听)ξ「…………ご飯どうする?」

('A`)「後でいい?」

ξ゚听)ξ「そうね。あと30分くらいで本読み終わりそうだから、その後で」

('A`)「了解」

ξ゚听)ξ「…………」

('A`)「(…………何であの体勢でパンツが見えないんだろう……っと)」


('A`)「OK、ブラクラゲット」

ξ゚听)「流石ね、ドクオ」

9 : ◆vecY3hbM4I :2009/02/22(日) 15:55:18.64 ID:lk4TZDMt0

('A`)「しかし…………いいのかなぁ」

ξ゚听)ξ「ん?」


('A`)「ツンがうちに来てから一週間。二日目にデパートとカラオケに行った以外、何もしてないしさ」

ξ゚听)「夕方の散歩は毎日行ってるじゃない。昨日なんてコンビニまで一人で買いものに出かけたわ」

('A`)「……君は確か、歌う機能以外についても超高性能なロボットなんだろう?
   なのに、ただ日がな一日ゴロゴロしてるだけだし……」

ξ゚听)ξ「……貴方、それ自分を見てから言ったらどう? 」

('A`)「今のボクには仕事がない。今のツンにはやるべき使命がある。
   目標があるのなら、それに向かって全身するべきじゃないの?」

ξ゚听)ξ「何の受け売りよ、それ」

('A`)「今読んでるブーン小説……」

ξ゚听)ξ「ふーん……」

(;'A`)「…………」

ξ゚听)ξ「…………聞くけどさ」



10 : ◆vecY3hbM4I :2009/02/22(日) 15:57:18.24 ID:lk4TZDMt0

ξ゚听)ξ「ロボットの心肺機能がランニングで強化されると思う?」

('A`)「……難しいかな」

ξ゚听)ξ「十分調律されてない鍵盤で、絶対音感機能をチューニングできると思う?」

('A`)「……無理だと思う」

ξ゚听)ξ「アロマオイルで健康になるロボットがあると思う?」

('A`)「……ないと思う」

ξ゚听)ξ「そーいう事。こと歌を歌う事に関して、ここで私が得る技術は何もないわ」

('A`)「お、おっしゃるとおりで……」

ξ゚听)ξ「♪ふーふふふふふふふふふふふーん ふーふふふふふふふふふふふーん♪」

('A`)「(……ショボンさんがいってた“歌の魂”の話、ツンは知ってるのかな?)」

ピンポーン
('A`)「あ」


11 : ◆vecY3hbM4I :2009/02/22(日) 15:58:53.96 ID:lk4TZDMt0

('A`)「はーい」

   「すみませーん。ここにボーカロイドの初音ツンさんっていらっしゃいますかー」

('A`)「……」



('A`)チラッ

ξ゚听)ξフルフル

('A`)「いませんよー」

  「そうですかぁ。では失礼しましたー」


('A`)「…………行ったみたい」

ξ゚听)ξ「そう。ところで、今日の昼は中華が食べたくなったわ」

('A`)「善処してみるよ」



12 : ◆vecY3hbM4I :2009/02/22(日) 16:00:06.25 ID:lk4TZDMt0

(1時間後)
ξ゚听)ξ「ごちそうさま。冷凍のシュウマイも案外いけるものね」

('A`)「蒸すだけでも全然違うからね……あ、食器は置いといていいよ」

ξ゚听)ξ「いいからいいから。今日はあたしが片付けしといてあげる」

('A`)「…………何か下心でも?」

ξ゚听)ξ「そんなんじゃないわ。いいから任せなさい。
   こんなサービス、めったにしないんだからね!」

('A`)「(……これがいいたかっただけか)」


ピンポーン
トントントン
???「もしもーし、初音ツンさん本当にいらっしゃらないんですかぁ?」

ξ゚听)ξ「……」

('A`)「……」


13 : ◆vecY3hbM4I :2009/02/22(日) 16:01:53.14 ID:lk4TZDMt0

トントン
  「組織に戻ってハカセに聞いたんですけど、ツンさんって本当はここにいるんですよね?」

('A`)「ヒソヒソ(……知り合いじゃないの?)」

ξ゚听)ξ「ヒソヒソ(ヴィップ研究所の人間ならいちいち“ボーカロイドの”なんてつけないわ。
   耳の早いブン屋や、それこそ企業スパイかもしれない。ここは存在をアピールする場所じゃないわ)」

トントントン
  「大丈夫です。怪しいモノじゃないですよー。ただハカセの命令で、わたしがツンさんよりも優れた
   ボーカロイドであることを証明しにきただけですから」

('A`)「ヒソヒソ(……まさかのライバルキャラの登場だね。自立思考のロボットって、そんなにホイホイあるものなの?)」

ξ゚听)ξ「ヒソヒソ(ホイホイあってたまるもんですか。とりあえず無視よ無視。今はらいばるよりも昼ドラ優先)」



14 : ◆vecY3hbM4I :2009/02/22(日) 16:03:17.67 ID:lk4TZDMt0

トントントン
  「おかしいなぁ。電気がついてるから中にいるとおもったけど……仕方ないや」


シーン

('A`)「…………静かになったわね」

ξ゚听)ξ「あきらめたんでしょ。後でショボンやモナーに連絡して対策をとってもらいましょう。
   あ、手が泡まみれだからテレビのチャンネルかえてくれない?」

('A`)「了解」



('A`)「(……しかし、イヤにあっさり引き下がったなぁ)」

('A`)「……………………」



15 : ◆vecY3hbM4I :2009/02/22(日) 16:05:10.37 ID:lk4TZDMt0
    【回想】(track-1 その1より)

('A`)「あの、すいません。これ以上騒がれると」
ξ゚听)「ヘアドリルブレイク」

............... ..ヽ . ;: . / .⌒ _,,..__ ヽ  ) ;. :ノ......... .........
:::::::::::::::::::::::::::ゞ (.   (::.! l,;::) .ノ ノ ./::::::::::::::.......:::::
        ._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; − .._´,
       ._-" ,.-:''ー''l"~:|'''ーヾ  ヾ
      ::( ( .     |:  !     )  )
        ヾ、 ⌒〜'"|   |'⌒〜'"´ ノ
          ""'''ー-┤. :|--〜''""
              :|   |
              j   i
            ノ ,. , 、:, i,-、 ,..、
      _,,  ,. -/:ヽ::::::::ノ::::Λ::::ヽ::::-- 、ト、
,,/^ヽ,-''"::::\::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ:::::::::ヽ,_Λ

(;'A`)「ドアが爆発したぁぁぁぁぁぁ?!」

   【回想 ここまで】





Σ(;'A`)「ちょっとまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

バタン
从'ー'从「ふぇ?」

16 : ◆vecY3hbM4I :2009/02/22(日) 16:07:46.43 ID:lk4TZDMt0

从'ー'从「あ、こんにちは」

('A`)「……しまった」

ξ゚听)ξ「ばっ、馬鹿! 何開けてるのよ」

(;'A`)「ご、ごめん、ツン。ちょっと昔の悲劇を思い出して……」

从'ー'从「あ。あなたがツンさんですね」

ξ゚听)ξ「……全く。はいはい、私がツンよ。そういう貴女は誰かしら?」

从'ー'从「そうでした。紹介が遅れちゃった。わたしは……」


从'ー'从「わたしは悪の秘密結社『スギュラー』謹製VOCALOIDの鏡音リン。
   通称「渡辺さん」です」

从'ー'从キラッ☆



(その2 へ続く)

ξ゚听)ξ「ちなみにその登場ポ−ズはすでに私がやったわ。(投下日でいうと)20日前くらいに」

从'ー'从「ふえぇ、早速カブちゃったよぉ」


Back
inserted by FC2 system