名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[30レスくらいになった] 投稿日:2010/10/09(土) 22:51:14.77 ID:fS2fwyX20 [4/32]
気持ちよく晴れた日曜日の午前中だった。
僕は娘と外食した帰りに、飲み物でも買おうとその近所のコンビニに入った。
自動ドアをくぐるとエアコンからの温風が、
冷気にさらされて冷えた体を、包み込むようにして出迎えてくれる。
…そうだな、あたたかい缶コーヒーなんかいいな。
そう思い缶ウォーマーのあたりに視線を送りつつ娘に聞いた。
( ^ω^)「ふ~、デレはなに飲むの?」
ζ(゚ー゚*ζ「ピルクルがいいな~…お菓子も見たいんだけどいい?」
( ^ω^)「いいお、じゃあ僕はあそこの缶コーヒーのとこにいるから選んできちゃいな」
ζ(>ー<*ζ「やった!パパありがと!」
( ^ω^)「おっお、ママにも何か買ってあげると喜ぶお。
この前の買ったイチゴ味のポッキーみたいなやつってなんだっけ?
あれ気に入ってたと思ったお、たしか」
ζ(゚ー゚*ζ「あーフランかな?じゃあ見てくるね~」
デレは置いてあった小さめのカゴをもって、たたたと小走りにお菓子コーナーに向かった。
12歳のわが子は周りの子が親離れしていく中、一緒に出かけようと誘っても嫌な顔ひとつしない。
僕はそうした子を持つ世間の親バカの例に漏れず、思わずまなじりが下がってしまう。
( ^ω^)(さて…)
ウォーマーの前に立った僕は、がんばった自分へのご褒美(笑)としてよく買う
ちょっと高めのコーヒー(バリスタ…ドルチェ…インチキなイタリア語まみれの代物)
を買うことにして棚の前で品定めを始めた。
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 22:52:11.22 ID:fS2fwyX20 [5/32]
(;^ω^)(おーん…見つからない…)
僕はその商品のカードをようやく見つけ出したが、
結局そこに別の商品が詰め込まれているのを発見したのみに終わった。
(;^ω^)(品切れかお…)
しばらくして、長いことウォーマーの前から動かない僕のところに、
不審に思ったのか店員さんが近寄ってくる。
顔には、非の打ち所のないパーフェクトな接客笑顔が浮かんでいた。
(*^ー^)「いらっしゃいませ、なにかお探しでしょうか?」
( ^ω^)「ああ、すみませんこの商品って品切れですかお?」
(*゚ー゚)「はい少々…ああ、この商品ですね?」
(*゚ー゚)「ただいまこちらは新パッケージの物と入れ替える途中でして…。
もしよろしければそちらをお持ちいたしますがいかがなさいますか?」
目当てのコーヒーは倉庫か何かのなかにあるらしい。
多少手間だろうが、お願いすることにした。
(;^ω^)「忙しいとこすいませんね、お願いしますお」
(*゚ー゚)「いえいえ、…それで何本お持ちしましょうか?」
( ^ω^)「一本でダイジョブですお」
(*゚ー゚)「はい、かしこまりました」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 22:54:19.10 ID:fS2fwyX20 [6/32]
そういうと店員さんはカウンターの裏に消え、
店内には僕とデレを含めて数人の客だけになった。
それにしてもなかなか接客のいい店だな、また来てもいいかもしれない。
僕がそう思っていると、レジ=カウンターに女の客が一人やってきた。
('、`*川「ねえ、だれかー?早く来なさいよ!」
(;^ω^)(おーう…ケバっ)
態度の悪い、派手な格好の女だった。
今の時間帯からすると水商売の女が夜勤明けで…という感じか。
レジの近くにいる僕のところに、生暖かい空調に乗って濃厚な香水の香りが漂ってくる。
正直ちょっと酔ってしまいそうだった…船酔いとか車酔い的な意味で。
すぐ「はい、少々お待ちください」とよく通る声がして、
さきほどの女性店員がカウンターにやってくる。
手にはさきほど僕がお願いしたコーヒーが握られている。
店員はそれをカウンターの端に置くと、
僕にちょっと待ってねという風に目配せしてから水商売の女の対応を始めた。
(*^ー^)「こんにちは!いらっしゃいませ!バーボンマートへようこそ!」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 22:56:19.40 ID:fS2fwyX20 [7/32]
(*゚ー゚)「大変おまたせをいたしm(ry」
('、`*川「タバコ」
女は店員さんの言葉を遮って極めて簡潔に注文した。
横目で見ていた僕は、この時点で親切な店員さんにかなり肩入れしていたこともあって、
正直言ってかなりカチンときていたのだが…。
それでも店員さんのパーフェクトな笑顔は崩れる予兆はない。
(*゚ー゚)「はい、銘柄はなにになさいますか?」
('、`*川「マイセンのメンソール、それをね3カートン」
(*^ー^)「はい、かしこまりました少々お待ちください」
店員さんは再び倉庫に入ったと思ったらすぐにカウンターに戻ってきた。
だがその手にはカートンが二つしかない。
(*゚ー゚)「お客様、申し訳ございません。
カートンでは二つまでしか用意できませんでした。
バラでならあと十個ご用意出来ますが…」
('ー`#川「ハァ?…そういうのちょっと困るな~」
水商売の女はカウンターにもたれ掛かり、
背の低い女が背の高い店員さんを下から睨めつける。
傍から見ていると滑稽でしかなかったが、女は真剣そのものだった。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 22:57:52.80 ID:fS2fwyX20 [8/32]
(*゚ー゚)「申し訳ありません、ではどうなさいましょうか?」
('、`#川「どうなさいますかじゃねーよ!!
こっちは『カートンで』って旦那から頼まれてんだよ!!
あたしが亭主に殴られたっていいの!!?ねえ!」
女の大声に店内の客全員がカウンターに顔を向ける。
僕は心の中でおおきくため息をついた。
このままだと僕のコーヒーがどんどんぬるくなっていく。
(*゚ー゚)「ですから…大変申し訳ありませんがどのようにすれb(ry」
('、`#川「そんなの知らないわよ!買ってくればいいでしょ!!」
(*゚ー゚)「他の店舗からということですか?
すみませんがいま私が離れると、
店がお客様を除いて無人になってしまうもので…」
('、`*川「あーもう分かったわよ、バラでちょうだい」
(*゚ー゚)「おそれいります…では3000円が…」
('ー`*川「ちがう、ぜんぶバラでちょうだい」
店員さんがカートンのままタバコをレジに通そうとすると女がそれを止めた。
(*^ー^)「崩されますか、かしこまりました」
店員さんはカートンを崩すとレジにパッと何かを打ち込んだ。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 22:59:07.56 ID:fS2fwyX20 [9/32]
(*^ー^)「ではこちら9000円になります。
ライターは…」
('、`;川「えっちょっと待って、今ので打ち込めたの?」
(*^ー^)「はい、大丈夫ですよ」
('、`*川「チッ…」
女は露骨に頭の悪そうな舌打ちをした。
その瞬間、僕はなるほど、と女の舌打ちの意味を理解すると同時に顔をしかめた。
( ^ω^)(低脳め…)
水商売の女は30個はあるタバコを一つ一つスキャンさせようとしていたのだ。
その意図は…いわずもがなだ。
(*゚ー゚)「では…ライターはご利用でしょうか?」
('、`*川「二、三個ちょうだい」
店員さんがライターを取りにレジの奥にある引き戸の向こうにいくと、
女はグリグリとひとしきり頭をかきむしってから、携帯をいじり始める。
そんな中、デレがカゴ一杯にジュースとお菓子を入れて僕のところに戻ってきた。
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:01:38.71 ID:fS2fwyX20 [10/32]
( ^ω^)「だいぶ時間かかったみたいだけど どうしたんだお?」
ζ(゚ー゚*ζ「フランのイチゴ味のやつ、探したんだけど無くって…。
代わりにポッキーのイチゴ味持ってきたよ」
( ^ω^)「まあ、それで大丈夫だと思うお…。
…そういや昔、ママとそれで盛り上がったもんだお」
ζ(゚ー゚*ζ「…ポッキーで?」
( ^ω^)「うん、ポッキーゲームってやつだお」
ζ(゚ー゚;ζ「うわ…」
両親ののろけ話を聞かされたデレはあからさまに引いていた。
悪かったな、当時はふたりとも若かったんだよ。
ζ(゚ー゚*ζ「それはいいんだけど店員さんは?」
(;^ω^)「ああ…もうすぐ来るんじゃないかお?」
ζ(゚ー゚*ζ「わかった、じゃあパパはカゴ持ってて!
ちょっとトイレ行ってくる」
( ^ω^)「はいはい、先に会計終わってたら雑誌のところにいるお~」
ζ(゚ー゚*ζ「はーい」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:04:03.31 ID:fS2fwyX20 [11/32]
デレがトイレに行くとすぐ、僕に水商売風の女が急に声をかけてきた。
('、`*川「かわいいお嬢さんですね」
(;^ω^)「う…どうも」
よりによってこいつに話しかけられるなんて…。
あまりに急なことで次の言葉がとっさに出てこない。
('、`*川「何年生なんですか?」
( ^ω^)「一年生ですお」
('、`*川「へ~しっかりしてますね~。
うちの子もタメなんですけど、まだ箸もうまく使えなくて…」
母親だったのか…と僕は意外だった。
見かけから言うと子供は水子しかいなさそうなのに。
('、`*川「あれっ?もしかしてビップ小ですか?」
(;^ω^)「えっそうですけど…」
('、`*川「あーやっぱり!お父さんの顔…なんかどこかで見たような気がすると思ったんですよ。
たぶん入学式の時に見たんだな~、もしかして四組?」
(;^ω^)「あ~たぶんそうでしたね」
('ー`*川「じゃあ、子供同士はクラスメイトだ~。
また子ども会かなんかでお会いするかもしれないですね」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:05:06.81 ID:fS2fwyX20 [12/32]
( ^ω^)「…その時はよろしくお願いしますお」
('ー`*川「ええ、ところで…」
…そう悪い人でもないのかな。
そう僕が思い始めたところで、店員さんがレジに戻ってきた。
さっきまでつけていなかったエプロンをしている。
('、`*川「あっ、すいません…」
( ^ω^)「いや、お気になさらないでくださいお」
水商売風の女がそう言ってレジに向き直ると、
つい今と打って変わって、また陰険な雰囲気を周囲に振りまきはじめた。
(*^ー^)「それでは大変お待たせしました。
こちらの中から好きなお色をお選びください」
店員さんはそう言って、ライターの入った箱をカウンターの上に置く。
('、`#川「それにしてもちょっとおそいんじゃないの?
ライター一つで、どんだけ待たせるのよこの店は!」
(*^ー^)「いやー、申し訳ございません…」
('、`*川「…ふん」
ぶつくさ言いながらも、女はちょっと身をかがめてライターを選び始めた。
赤いやつ、青いやつ、ガス式のやつ…。
僕は、その時三つ目までは女の選んだライターを見ていた。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:06:45.86 ID:fS2fwyX20 [13/32]
だが、急に店員さんが大きな動きをしたのでそちらに気をとられてしまった。
だから僕は四つ目に女が手に取ったライターを見なかった。
('、`*川「ねえ、ちょっと…」
女が顔をカウンターの上に向けたまま何か店員さんに言おうとした。
しかし、女はそれ以上まとまった意味のある言葉を喋ることはできなかった。
(*^ー^)「しゃーっとあっぷ!」
店員さんは背中に手を回したかと思うと、
包丁を取り出し―――おそらくエプロンの紐に引っ掛けてあったのだ。
その先端を女の頭頂部に叩き込んだ。
(゚、゚*川「ばあああああっ!!!!」
包丁の種類については、僕は専門じゃないからよく分からない。
だが柳葉包丁みたいに刃の部分が細くて長いものだった。
その包丁の20センチほどの刃渡りの三分の一程度の部分が女の頭に埋まっていた。
(゚、゚;川「ぬいて!ぬいて!あああああ!」
女は僕に助けを求めていた。
でもその時、全部見ていたはずなのに、
僕には何をしていいか分からなかった。
(;゚ω゚)「え…あんた、なにしてるんだお!!!」
(*^ー^)「なにを?見ての通りです」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:08:25.37 ID:fS2fwyX20 [14/32]
店員さんは女の後頭部を掴むと顔面をカウンターに叩きつける。
女の鼻が折れ曲がり、カウンターと顔の間から窮屈そうにその頭を覗かせている。
(*^ー^)「さあ…伊藤さん…お望みどおりにして差し上げますよ…。
もうすぐ抜いてあげますからね~」
(゚、゚;川「や"め"で…な"ん"でな"ん"で」
(*^ー^)「まだ、話せますか…。
安心してください、死ぬことは怖くない。
死んでしまえば、生きていない。
意味がわかりますか?」
店員さんはそう言い終わると、
女の顔をちょっと持ち上げてまともに話せるようにしてやった。
(゚、゚;川「わがんない…わがんないよそんなの」
(*^ー^)「…つまり生きている、という地点を通過してしまえば
死んでいるわけだから苦痛を感じることはない。
従ってそれを恐れることはない…ああ…これ以上の説明するのは面倒だな」
(*^ー^)「つまりこういう事だ伊藤くん」
店員さんは暴れる女の頭をがっちり押え付け、頭に刺さった包丁をさらに押し込む。
そしてなんの躊躇も無くグイと横にひねり、勢い良く包丁を頭から引き抜いた。
血はそんなに出ていなかった。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:09:53.96 ID:fS2fwyX20 [15/32]
(゚、゚ 川「ぎ」
女の四肢がピンと真っ直ぐに伸び、クタクタとうつ伏せに崩れ落ちた。
僕は駆け寄ろうとしたが、ポンッという破裂音を耳にして立ち止まった。
女が大便を漏らしていた、程なく小便もちょろちょろと垂れ流しはじめた。
いや、女の死体から大小便が漏れていたというべきか。
店内に異臭が満ちる。
だが、店内の人間は誰も動こうとしない。
おざなりな、悲鳴にもならない声が立ち読み客の方から聞こえただけ…。
なぜ誰も逃げないのだろうか?
(*^ー^)「ふん、なかなかあなたにしては芳しい香りじゃない」
店員さんがカウンターから出て女の体に歩み寄り、その脇腹を足先で軽く小突いた。
( ^ω^)「おい、動くな」
僕は静かに言った。
(*^ー^)「ん?ああ失礼コーヒーのお客様ですか…。
あれはもう温くなっていてとてもお出しできま…」
( ゚ω゚)「動くなと言ったのが聞こえなかったのかお!」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:12:06.72 ID:fS2fwyX20 [16/32]
僕は言ったこともない、だがお決まりの文句を言った。
(#゚ω゚)「警察だ!傷害の現行犯で逮捕する!刃物を床に置け!!」
(*゚ー゚)「あああ、そうことでしたか…」
店員さんはにこやかにそう言うと、はたとそこで立ち止まった。
しかし、包丁を手から離そうとしない。
( ゚ω゚)「いますぐそこに跪いて包丁をこちらに滑らせろ」
(*^ー^)「申し訳ない、それは出来ませんね。
監視カメラ映像でしたらDVDに焼いてお渡し出来ますが」
(;゚ω゚)「…」
相手はまったく聞く耳を持たなかった。
だが、相手は女だ。恐らく僕一人でも取り押さえることが出来るだろう。
(*゚ー゚) 「私はあなたみたいな人を殺したいわけじゃない。
さっきみたいな人間のクズを殺してやりたいんですよ」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:13:10.72 ID:fS2fwyX20 [17/32]
ゆらっとした動きでカウンターの中に戻ると、
棚などの一部に使うのだろう角張った鉄パイプを片手に戻ってくる。
そして床に倒れた女の頭部めがけて鉄パイプを叩き付けはじめた。
(#^ー^)「こんな!生きる価値もない!クソ女を!
ずっと!ぶっ殺して!みたかったんですよ!」
((( *川)))
一発ごとに女の顔が大きく歪んだ。
顎のあたりに当たった一撃は、女の口を大きく裂いた。
その次の一発は半端に当たり、額から頭にかけての皮膚を大きく削りとる。
吹き飛ばされた皮膚と髪の毛の塊が、
ビシャッっと水っぽい音を立てて並べられていたキャベツの上に着地する。
そうして陵辱された女の顔は、口が裂けてしまったせいで
((( ∀ *川)))
笑っているように見えた
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:14:51.48 ID:fS2fwyX20 [18/32]
(#゚∀゚)「ふぅー…ふぅー…」
(;^ω^)「う…これ以上やったら…」
(#^ー^)「あ"あ?どうするってんですか?」
(;^ω^)「…」
これ以上、時間をかけてはいられなかった。
このまま長引けば、デレはトイレから出てきてしまう。
丸腰の状態で、彼女を守り切る自信など僕にはない。
(;^ω^)「なあ、とにかく話し合わないかお?
この人でなしもぶっころしたところだし、
おとなしく投降すれば、君の身の安全は…」
早いうちに取り押さえなければならなかった。
間合いを詰めるべく、僕はゆっくりと店員さんに近寄る。
48 名前:うつ…いやハッピーエンド[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:27:31.81 ID:fS2fwyX20 [19/32]
(#^ー^)「うるさい!うごくな!」
だめだ、完全に興奮しきっている。
店員さんは包丁をこちらに向け、じりじりとこちらに向かってきた。
(;^ω^)「わかったお…」
とにかく、落ち着かせてその隙に…。
だが、そんな僕の思惑は大きく外れることになった。
「パパ~?どこなの~?」
(;^ω^)(デレ…!)
間に、合わなかった。
(*^ー^)「あれ…あなたの娘?
ちょうどいい…こっちに来てもらいましょうね」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:30:13.99 ID:fS2fwyX20 [20/32]
店員さんが声のした方に向かって走る。
包丁と鉄パイプを手にしたまま。
僕はもう、後先を考えずに突っ込むしか無かった。
(;゚ω゚)「やめるお!」
僕はこちらを振り向いた店員さんに肩から突っ込んだ。
僕の頭が彼女の腹に強く食い込むのを感じると同時、
左肩に鋭い痛みが走った。
見ると、さっきの包丁が柄のところまで深々と突き刺さっていた。
包丁のひんやりした感触が体の中からも感じられて、全身に怖気が走る。
(; - )「ぐおっ!」
(;メ゚ω゚)「ああああああぁああああ!!」
膝を付いた店員さんの腰に抱きつき動きを封じた。
そしてそのまま引倒そうとしたがうまく行かず、
店員さんは中腰のまま、落とした鉄パイプを拾おうとする。
(#^ー^)「くっ…おまえ!」
ζ(゚-゚;ζ「パパ!」
デレは叫び声を聞きつけて、女の目の前に走り寄った。
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:31:28.27 ID:fS2fwyX20 [21/32]
(;メ゚ω゚)「デレ!こっちにくるな!店の外へ逃げるんだお!」
(*^ー^)「逃がさない」
店員さんは僕につかまりながらも、
体をひねって手を伸ばし、とうとう鉄パイプを手にした。
(#゚ 皿゚)「んああっ!」
ζ(゚-゚;ζ「きゃぁ!」
振るわれた鉄パイプはデレの服の裾を捉え、デレはその場ですっ転ぶ。
慌てた僕は、店員さんをデレから離そうと引きずろうとした。
だが、右肩を刺されたとき腱か何かが傷つけられたのか、
腕に力が入らずうまく行かない。
(#^ー^)「おらぁ!」
(;メ゚ω゚)「があっ!」
もたもたしているうちに顎に肘を食らった。
店員さんが腕の間を抜ける。
まもなく鉄パイプが僕の頭に叩きつけられた。
(メ; ω )「うっ…」
視界が揺れ、頭がグラグラする。
意識を保っているのがやっとだった。
そして店員さんを再度捕らえようとして、僕はうつ伏せに崩れ落ちた。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:32:42.54 ID:fS2fwyX20 [22/32]
(*゚ ∀゚)「あははははははは!ざまぁねえなぁ!おっさん!」
ζ( - ζ「…」
店員さんは動けなくなった僕を尻目に、
頭を打ったのか、たおれているデレの方に歩み寄った。
(*゚∀゚)「そうだな…まず足からたたき折って…。
ああもう面倒だし頭ぶち割ってやる。
おい…みてるかぁ…パパ?」
(メ#;ω;)「ぢぐしょお"…おまえ…」
殺してやる。そんな言葉が頭をグルグルと回っていた。
デレの顔を見ると、いつも眺めている寝顔と変わらない安らかな顔をしている。
店員さんはそこめがけて、まるでスイカ割りのようにパイプを頭上にかざす。
(*゚∀゚)「しね」
ぶうんと空気を切る音がして、そして…。
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:37:50.67 ID:fS2fwyX20 [23/32]
ζ(゚ー゚;ζ「…パパ!」
(;゚ー゚)「!?」
(;゚ω゚)「デレッ!?」
カン、という甲高い音がした。
なにが起こったのか一瞬わからなかった。
見ると、デレは寸でのところで鉄パイプをかわし、店員さんの足に抱きついていた。
形勢をひっくり返せるのは今しか無かった。
(#゚ω゚)「おおおぉおおお!」
(; - )「…むぐ…くっ」
僕は後ろから店員さんの首を、まだ自由のきく右手で締め上げた。
こいつはデレを殺そうとした。許さない。このまま殺してやる。
(#゚ω゚)「しねぇぇぇえぇえええ!!」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:39:02.64 ID:fS2fwyX20 [24/32]
(; - )「か…ぐが」
ものの数十秒で店員さんの手から鉄パイプが離れ、
耳障りな音を立てて硬いタイルの上に転がる。
もう抵抗する力もないのだ。
そう感じたとき、僕の全身を歓喜が包み込んだ。
ある種の憎しみが心に満ちているときにもたらされる喜び。
ζ(゚-゚;ζ「パパもういいでしょ!離してあげて!」
( - )「…」
店員さんは完全に意識を失い、だらりと両手を垂らしていた。
だが、それで本当に安心と言えるだろうか?
当然駄目だ。完全に息を止めなくては。
デレ、心配するな。
君を殺させはしない。
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:40:30.29 ID:fS2fwyX20 [25/32]
( ゚ω゚)「だめだお」
ζ(゚-゚;ζ「…パパ――なんで」
(* ー )
次の瞬間、僕の腕が女の細い気管を完全に押しつぶした。
―――――――――
―――――
――
…
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:42:57.67 ID:fS2fwyX20 [26/32]
結局、この事件の死亡者は三人だった。水商売風の女、店員、そして店のオーナー。
オーナーは事務所内に腹部をめった刺しにされた状態で転がっていたのだという。
それから、例の店員さんはあのコンビニの近くに住む大学生だった。
前々から、家族や親しい友人には「客ですごく嫌な女がいる」
「オーナーはよくあることだ、言ってとりあってくれない」
とこぼしていたらしい。
毎日毎日、積もり積もった憎しみを爆発させた結果があの事件だった。
まったく迷惑な話だった。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:45:42.95 ID:fS2fwyX20 [27/32]
これらは見舞いに来てくれた、後輩のドクオから教えてもらったことだ。
('A`)「しかし、またエラい事件に巻き込まれましたね…」
( ^ω^)「ほんと大変だったお…」
('A`)「で…ご家族は?」
( ^ω^)「いやーそれがまだ来ないんだお。
娘も相当ショックだったみたいで」
('A`)「そりゃそうですよね…あんなことがあったんじゃあ」
( ^ω^)「ま、ゆっくり待つおw」
('A`)「お元気そうで何よりです。
では傷に障ると思いますので、この辺で」
( ^ω^)「おっお、何をこれしき
すぐカムバックするおww」
僕が笑ってそういうと、ドクオは怪訝な顔をした。
(;'A`)「ほんとダイジョブですか先輩、テンションおかしいですよ?
あたま強く打ったって聞きましたし…」
( ^ω^)「ほんとに大丈夫だお。検査も全部正常だったお!」
それどころか、人生で最高に気分がいいくらいだった。
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:49:39.72 ID:fS2fwyX20 [28/32]
そうですか、ドクオはそれだけ言うとさっさと引き上げていった。
なんだったんだろうか、様子がおかしかったが…。
それにデレや、ツン、近所に住む両親が一週間経ったいまも、
いまだ姿を見せないのは解せなかった。
( ^ω^)「なんなんだお?いったい」
そう思っていると携帯にに電話が入った。
ツンの携帯からの着信だった。
( ^ω^)(ようやくかお)
通話ボタンを押し、携帯を耳に当てる。
だが、相手は無言のままだった。
(;^ω^)「おーいもしもし?」
「なんでころしたの?」
(;^ω^)「おっ?いやなんでって」
デレを助けるためだお。そう言ったのだが、
電話は途中で切れた。いや、切られたのだ。
今のは、どうやらデレのようだ。
( ω )「…」
プーッ、プーッという信号音を聞いていると
次第に怒りが湧いてきた。
一体なんだというんだ。
67 名前:( ^ω^)にとっては…ハッピーかも[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:52:05.11 ID:fS2fwyX20 [29/32]
僕はお前を助けるためにあの店員を…それなのに。
( ω )「恩知らずめ…せっかく助けたのに」
僕はいつしか掛け布団を纏めて、腕でぎゅっと締めている。
それに気がつくと僕の腕に、いや僕の全身に
店員の喉を潰したときの感覚が鮮やかに蘇ってきた。
( ω )「ふふ…なんだってんだお…。
ふひww…やってらんないおぉ…くwwくくww」
これからの人生で、あと何回あの感覚を味わえる機会があるのだろう?
だが僕にはそんな事を自問しなくとも、その回数がぼんやりと分かっていた。
そして、次はそれがだいたいいつなのかも。
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:53:37.62 ID:fS2fwyX20 [30/32]
(*^ω^)「おっおっおwwww」
鏡を見ると僕の顔には笑みが浮かんでいる。
そういえば、こんなふうに笑うのも久しぶりだった。
店員さんもこんなふうに笑ってたっけ。
(*^ω^)「うふ…ふ…」
それに気がついた僕の頭の中で、この前聞いたばかりの、あの店員さんの哄笑がはじけた。
それだけじゃない。水商売の女、デレ…。
いままで出会ったすべての女の笑いが僕の中に充満していた。
(*^∀^)「アハハハハハハハハハハハハハハハハwwwww」
(。∀。*川「アヒャヒャヒャヒャヒャハヒャハヒャヒャハwwwww」
ζ(゚∀゚*ζ「アハハハハハハハハハハハハハハハハwwwww」
(*^ω^)「ぐふ…ふふふ…」
(*゚ω゚)「たのしいなぁ」
みんなぶっ殺してやる。じゃあまずは…。
僕は、やおら身を起こすとナースコールを押した。
(*゚ω゚)「アヒュ…ふひひ…」
彼女はもうすぐ来るはずだった。
僕は布団を喉元までかけ、しっかりと目を閉じた。
クリスマスのプレゼントを置きに来る両親を待つ子供のように。
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:55:44.90 ID:fS2fwyX20 [31/32]
そうだ、靴下を使おう。
僕は興奮で湿った靴下を両手に握り締め、
やってくるナースを待ち受けた。
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/09(土) 23:57:56.66 ID:fS2fwyX20 [32/32]
終わり
もう時間も経ったし、ブログ見てる人もいないから はいおれーしておこうかな。
グロの練習に書いていたものが、ちょうどこの釣りスレにタイトルが合致していたので
ついつい見切り投下してしまった。自分で立てちゃった物は自分で消化しなきゃってのもありますしね。
完成当初、実はバイオレンスな店員さんは川 ゚ -゚)だったり、
( ^ω^)は別に精神的におかしくならなかったりしましたが、投下に際して変更を加えました。
元ネタはスティーブン・キング『ゴーサムカフェで昼食を』
もともとは総合短編として書いたものです。
何のひねりもなく元ネタをなぞるだけになってしまったので、あえなくお蔵入りとなりました。
しかし結局このような形で陽の目を見ることに…。
- 2010年11月24日 02:33 |
- 自作品まとめ
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