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問合せ
( ^ω^)ブーンが神様決定戦に選ばれたようです
第3話
43 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 21:08:14.52 ID:KvXGx4S1O
ドアを開けるとそこは辺り一面流砂に覆われた砂漠。
ところどころ、地盤沈下した後の様なビルが建ち並ぶ荒廃した世界が広がっていた。
振り返るとそこにはドアもビコーズも存在しなかった。
広がるのは前方と何一つ変わらない荒廃した世界。
44 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 21:08:34.20 ID:KvXGx4S1O
今自分が確認した状況がこの試合の過酷さを物語っているようで身震いが止まらない。
先ほどまでの勢いはなくなってしまった。
(;^ω^)「これはだめかもしれんね…」
自分の肩を抱き、必死に自らを奮い立たせ歩き出す。
他の候補者を見つけないことには話が進まない。
45 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 21:08:55.83 ID:KvXGx4S1O
――――
―――
――
―
どれだけあるいただろう?
時間にしても距離にしても―――
陽は沈まない。
おそらくラウンジ内には時間という概念は無いのだろう。
46 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 21:10:19.22 ID:KvXGx4S1O
そう言えば空腹を感じない。
これは正直ありがたい。空腹では頭はまわらないから―――
そして気付く。
誰かに会って戦わなければ自然と死ぬことはない。
逆に考えると誰にも会えなかったらこの砂漠を永遠に歩き続けることになる。
孤独がブーンを支配する。誰かに会わなくては。
―――
――
―
47 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 21:11:19.80 ID:KvXGx4S1O
盲目的に走り回り、ついには疲労で足が動かなくなってしまった。
現役ニートにはやはり走り回るのはきついものがあった。
廃ビルの物陰に入り、壁にもたれてしばしの休息を取る。
まぶたを閉じると睡魔に襲われ眠りについた。
48 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 21:11:47.51 ID:KvXGx4S1O
―――
――
―
中学生の頃の自分だ。
(#^ω^)「あーうざってーお!さっさといくお!」
J('ー`)し 「はいはい、それじゃあ留守番よろしくね」
――
―
カーチャン、行っちゃダメだお
――
―
次に見たのは家族みんなの黒焦げになった死体。
――
―
あぁぁぁぁぁ僕がさっさといけなんて言ったから…
――
―
そこで目が覚めた。
久しぶりに涙を流した。もう出し尽くしたと思っていたのに。
49 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 21:12:41.90 ID:KvXGx4S1O
涙をぬぐい、腰を上げ歩き出そうとしたところで気付く。
だれかいる
遠目で見る限り老人の様だった。
ぼろぼろのローブを来て、杖を持ち、長い白髭をたくわえている。
まるで魔術師だ。
とりあえず人を見つけたことに安心して駆け寄る。
――
―
が、なにかの塊が右脚腿を打った。
54 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 22:17:57.85 ID:KvXGx4S1O
なんだ?なにが当たってるんだ?
さらに連続して体を打つ目に見えない塊。
魔術師が近付いて来る。
(;^ω^)「あんた…一体なにをしたんだお?」
空気
/ ,' 3「空気の密度を高め、それを飛ばす。それがわしの能力じゃ」
今までよりも強大な力塊をくらい大きく吹っ飛んだ。
56 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 22:24:55.92 ID:KvXGx4S1O
くそっ、もっと話が聞きたい。情報が欲しい。
さらに連続して迫る無数の空気の弾丸。
この能力をなんとかしなくては
―――
――
―
ん、『能力』?
自分にもあるじゃないか。
(#^ω^)「守ってくれ!!」
地面に手を置き叫ぶ。
流砂が舞い上がりブーンを覆う。
空気の塊は舞い上がる砂に埋もれ、ブーンには届かない。
57 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 22:32:27.36 ID:KvXGx4S1O
( ^ω^)「戻るお!」
砂の盾を地に戻す。
/ ,' 3「なかなかやっかいな能力じゃな…」
どうやら話が出来そうな雰囲気になってきた。
( ^ω^)「あなたはなんでこの戦いに参加しているんだお?」
/ ,' 3「むこうでの生活に耐えられなくなったからじゃよ…」
哀しい目をして老人が語り出す。
58 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 22:39:20.44 ID:KvXGx4S1O
/ ,' 3「わしのこの格好を見れば分かるだろう?わしはむこうではホームレスじゃ」
/ ,' 3「来る日も来る日もゴミを漁って生活してきた…」
/ ,' 3「そんなときにわしのもとに使徒が来た」
/ ,' 3「使徒はわしに神にならないかと言った」
/ ,' 3「しかもその話は本当らしい。願ってもないチャンスじゃ」
/ ,' 3「そしてわしはこの戦いに参加した。あんな暮らしにはもうまっぴらなんじゃぁぁぁぁぁ!!」
60 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 22:43:55.80 ID:KvXGx4S1O
ローブに見えたものはボロ切れだったのか。
ホームレス
職も家もない。
この老人はもしかしたら僕の未来の姿かもしれない。
そんな男と僕は戦っていいのだろうか?
そんな自問自答を繰り返していると周囲の空気が変わったことに気付く。
62 :
◆5nfcOAFgGU
:2006/12/21(木) 22:53:06.86 ID:KvXGx4S1O
これはやばい。
何百
いや何千は来る。
そうとっさに判断して腰を落としてかがむ。
地に手を置き叫ぶ
(#^ω^)「飲み込めぇぇぇぇぇぇ!!!!」
先ほどの砂の壁よりもはるかに巨大な砂の竜。
球を、老人を、自らの未来かもしれないものを飲み込み竜は消えた。
後には魔術師のローブが舞っていた。
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