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('A`)たちは水の上に生きるようです

第20話

9 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 22:33:54.51 ID:ibIDXKtw0

第20話 「寝台航路」


何処までも続く静かな無限の水面

その上で、ドクオ達はベッドに乗り、波を立てて進んでいた、頭上には真っ青な空が広がっている

静なか水面に波を立てるのは、必死に水を掻く3人だけだ

(;^ω^)「流石にちょっと疲れたお・・・どこかに休める所はないかお・・・」

ξ;゚听)ξ「そんな事言っても見渡す限り水面じゃない、掴まる所すらないわよ」

(;^ω^)「ドクオがコンパス持っていくって言った意味がわかったお・・・」

(;'A`)「俺もまさかここまでとは思わなかったわ・・・正直甘かった」

ξ;゚听)ξ「どうするのよ?このまま漂流して餓死とかは嫌よ!?」

(;'A`)「待て、ちょっと今何かないか探すから!」

そう言ってドクオはポケットからオペラグラスを取り出す


12 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 22:37:37.14 ID:ibIDXKtw0

(;^ω^)「そんなものまでもって来てたのかお?準備いいお」

(;'A`)「全然準備よくねーよ、こんな事ならもっと色々もってくりゃあ良かった・・・うっわぁ、何もかも甘かった」

ξ;゚听)ξ「ぐだぐだ言ってないで何か探しなさいよ」

木が水を吸っているのか、3人が乗るベッドはどんどん浮力を失っているように感じる

(;^ω^)「流石に見渡す限り水平線だと気力もなくなるお・・・」

('A`)「お、10時の方向に立ち木を発見!あれなら休めそうだ!」

(*^ω^)「マジかお!十字の方向ってどっちだお!十字って何だお!」

ξ;゚听)ξ「やや左よ」


14 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 22:41:00.39 ID:ibIDXKtw0

5分ほど必死で水を掻いて進むと、なんとか水から突き出した立ち木に到達する事ができた

大きな木で、張り出した枝に座れそうだ

(;'A`)「おっし、休憩だ」

(;^ω^)「ドクオもっと上に登れお」

ξ;゚听)ξ「都合よく木が生えてて助かったわ」

('A`)「もう服びっしょびしょだよチクショー」

ドクオがTシャツの裾を絞ると結構な量の水が流れ出る


16 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 22:45:27.59 ID:ibIDXKtw0

(;^ω^)「いまさら絞ってもいみないんじゃないかお・・・」

('A`)「濡れた服着たままだとどんどん体力奪われんぞ・・・お前も絞っとけ」

ξ゚听)ξ「アタシも絞っておこ・・・こっち見ないでよ」

(;^ω^)「お?すまんお、でもツンはさっきからスッケスケd」

(;'A`)「黙っとけって・・・」

ドクオはブーンの肩に手を乗せ、首を振る

ξ゚听)ξ「それにしてもおかしいと思わない?」

(;^ω^)「すでに異常事態の真っ只中だお・・・」


17 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 22:48:09.47 ID:ibIDXKtw0
ξ;゚听)ξ「そうじゃなくて、いくらなんでも秘密基地まで遠くない?」

('A`)「・・・・・・」

秘密基地があるはずの方向を見るが、まだ何も見えない

ξ゚听)ξ「それにこの木だって水平線の向こうに発見したのに5分ぐらいで着いたわよ?」

(;^ω^)「うーん・・・何にも無いからいまいち距離感がわからないお・・・」

('A`)「何にもない、か・・・怖い事言うなぁ・・・」

(;^ω^)「お?」

('A`)「だってお前太平洋のど真ん中でベッドにしがみついて漂流してたら絶望するだろ・・・」

ξ;゚听)ξ「・・・・・・確かに」


21 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 22:52:25.12 ID:ibIDXKtw0

('A`)「今は水の底に道とか草とか見えてっから安心感がそこそこあるけど・・・結構ヤバイかもしれねぇ」

( ^ω^)「・・・・・・やっぱりドクオの家で待ってるべきだったかお・・・?」

('A`)「常識的に考えたらそうだったな・・・」

ξ;゚听)ξ「あんまり落ち込まないでよ、そ、そうだ、木に登ってみたら?何か見えるかも知れないわよ?」

('A`)「そうだな、ちっと登ってみるか」

( ^ω^)「木登りならブーンにまかせろおw」

ブーンがドクオの脇をすり抜けて木の幹に取り付き、枝が折れないか手で具合を確かめる

('A`)「あ、登るんならこれ持ってけ」

ポケットからオペラグラスを取り出し、ブーンに渡す


22 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 22:55:57.52 ID:ibIDXKtw0

( ^ω^)「サンキューだお、じゃあちょっとのぼってくるおw」

そう言い終わるとブーンはするすると上に登っていってしまった

('A`)「うわ早えぇ・・・豚もおだt・・・なんでもないです」

ξ゚听)ξ「豚もおだてりゃ木に登るのね・・・」

(;'A`)「別におだてては無いだろ・・・っていうかハッキリ言うなぁ」

二人は上を見上げながら言う、木の葉の隙間からブーンが木を登っていく様子が見える

しばらくすると、上のほうからブーンの声が聞こえた

「こ、これはあああ!!」

(;'A`)「何だ?何か見えたのか?」


27 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 22:57:58.52 ID:ibIDXKtw0

ξ;゚听)ξ「どうしたのブーン!?大丈夫!?」

「これは・・・ブーンが昔つけた登頂サインだお・・・・!『ブーン』って幹に彫ってあるおwww」

('A`)「・・・おk、死ね」

ξ;゚听)ξ「そんな物今はどうでもいいのよバカ!さっさと登りなさいよ!心配したじゃない!」

「おっおっ・・・すまんお・・・もう天辺近くだから望遠鏡で見てみるお」

('A`)「望遠鏡じゃなくてオペラグラスな・・・」



29 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:01:28.84 ID:ibIDXKtw0

「いちいち細かいおwwちょっとまっててくれお」

ブーンが木のてっぺん辺りでゴソゴソと動く様子が下からもわずかに見える

「お!?やや右のほうに秘密基地発見だお!」

ξ*゚听)ξ「ホント!?よかったぁー!」

(*'A`)「マジか!とりあえず助かったな!それでブーン、右ってどっちだよwww」

「お?右はお箸を持つほうだお?」

('A`)「・・・おk、死ね」




32 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:02:59.66 ID:ibIDXKtw0


カチリ、パチン、カチリ、パチン

静かな廃ホテルの中に金属音が響く

ハインは壁にもたれて座り、手の中でライターをいじっている

从 ゚∀从 (・・・・・・)

蓋を開けて、閉める、それを何回も何回も繰り返す、視線はずっとライターに向けられている

ショボンは少し離れた所に座り、その様子をぼんやり眺めていた

(´・ω・`) (・・・・・・)


34 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:05:02.54 ID:ibIDXKtw0

異変に気づいた二人は廃ホテルの中をくまなく探し、しばらくの間外を見張っていたが何も現れることは無かった

できる事もなく、ただ待ち続ける事が辛くなり、二人はどちらとも無く座り込んだ

そして現在に至る


(´・ω・`)「・・・・・・ねぇ」

从 ゚∀从「・・・・・・」

ハインは答えずにライターをいじり続ける



36 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:09:43.30 ID:ibIDXKtw0


(´・ω・`)「・・・ねぇってば」

从 ゚∀从「・・・なんだよ」

やっと少し視線を動かし、めんどくさそうに答えた

(´・ω・`)「なんかできる事ないかな」

从 ゚∀从「しらねぇよ・・・」

(´・ω・`)「そんな投げやりにならないでよ」

从 ゚∀从「なってねぇよ」

(´・ω・`)「ドクオたちなら絶対どこかにいるよ」

从 ゚∀从「・・・・・・うっせ」


39 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:13:01.97 ID:ibIDXKtw0

(´・ω・`)「そうだ」

ショボンが立ち上がる

从 ゚∀从「ああ?」

(´・ω・`)「屋上で火をたいてくるよ、3つね」

(´・ω・`)「3つ並べると救難信号になるらしいんだ、これはドクオに教わったんだけどね」

从 ゚∀从「・・・・・・」

(´・ω・`)「僕がやってくるからハインはそこで黙って待ってなよ」

从 ゚∀从「・・・わかったよ、手伝うよ」

(´・ω・`)「そう、ありがとう」


42 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:15:32.92 ID:ibIDXKtw0

从 ゚∀从「おめーも相変わらずおせっかいな野郎だな、自分も実はヘロヘロのくせによ」

(;´・ω・`)「これくらい言わないとハインは動いてくれないからね・・・」

从;゚∀从「うっせーな、ほらとっととやっちまおうぜ?」

そう言って立ち上がり、ジーンズについた砂を払う

(´・ω・`)「はいはい」

从 ゚∀从「はいは一回でいいって習わなかったか?」

(´・ω・`)「はいはい」

从;゚∀从「・・・・・・」



44 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:17:31.70 ID:ibIDXKtw0


(;'A`)「はぁ・・・はぁ・・・」

ドクオは息絶え絶えでベッドを押す

(;^ω^)「ドクオ頑張れお!死ぬお!」

ドクオたちの乗っていたベッドはほとんど水に沈んでしまい、ドクオとブーンはそれに掴まって水に浮かんでいた

ベッドの上ではツンがオペラグラスとコンパスをもって辺りをうかがっている

(;'A`)「死ぬとか・・・リアルだから・・・止めてくれ・・・」

(;^ω^)「事実だお」



47 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:23:09.76 ID:ibIDXKtw0

ξ;゚听)ξ「なんだかもう訳がわからないわ・・・水が透明すぎで空を飛んでる気分よもう・・・」

(;'A`)「あ、なんかもう沈んでも息できる気がしてきたわ・・・」

(;^ω^)「しっかりしろおwwできるわけないおww」

(;'A`)「なんか3本の煙が見える・・・」

(;^ω^)「幻覚だおww」

ξ゚听)ξ「幻覚じゃないわよ!?アタシにも見えるわ」

( ^ω^)「お?マジだお!」

('A`)「3本の煙は・・・救難信号・・・」

ξ゚听)ξ「ホント!?」

('A`)「ホント・・・」



50 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:26:56.11 ID:ibIDXKtw0

(;^ω^)「ドクオ!沈むなお!しっかり掴まれお!あっちは秘密基地の方角だお!?誰かいるお!」

(;'A`)「駄目だ、もうバタ足は無理・・・」

ξ;゚听)ξ「しっかりしなさいよ!みんなが助けを待ってるかも知れないのよ!」

('A`)「む・・・」

(;^ω^)「がんばれお!みんな待ってるお!」

(;'A`)「コン・・・チク・・・ショウがああああ!!!」

ドクオは猛然と足を動かし始める

ξ;゚听)ξ「だ、大丈夫?アタシ降りようか?」

(#'A`)「うっせー!あとどれくらいだチクショー!ちなみに俺はあと5分で死ぬぞぉー!」

(;^ω^)「だいぶ進んでるはずだお、もう少しだお!」

(#'A`)「うぁあぁあああ!!!」




52 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:28:58.26 ID:ibIDXKtw0



(´・ω・`)「ハイン、そっちは何か見える?」

从;゚∀从「なんも見えねぇ・・・ていうか煙たい・・・」

ショボンとハインは屋上から秘密基地の周囲を監視していた、

二人の後ろでは3つの大きな焚火がもうもうと白い煙を上げている

風は東から吹きつけてくるようで、屋上の上20メートルほどから立ち昇る煙は形を崩している

(´・ω・`)「煙たいくらい我慢してよ、煙を出さなきゃ意味が無いんだから」

从;゚∀从「そうは言ってもなぁ・・・燻製機にでも入れられた気分だぜ・・・」

(´・ω・`)「・・・場所変わる?僕が西側見てようか?」

从;゚∀从「・・・・・・いい、お前はそっち見てろよ」


54 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:30:50.66 ID:ibIDXKtw0

(´・ω・`)「今気づいたんだけどさ」

从 ゚∀从「何だ?」

ハインは水平線を見続けながら答える

(´・ω・`)「・・・なんか、おかしくない?」

从 ゚∀从「・・・・・・今更何言ってんだ・・・」

(´・ω・`)「うーん・・・なんていうか・・・」

从;゚∀从「おい!なんかあそこに浮かんでねーか!?」

(;´・ω・`)「え?どこどこ!?」



55 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:33:07.40 ID:ibIDXKtw0


(;^ω^)「おーい!誰かー!」

ξ;゚听)ξ「ちょっとドクオ!大丈夫なの?」

(#'A`)「うるせぇええぇええ!!イケルわぁああぁあ!!!」

(;^ω^)「おーい!」




56 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:36:13.04 ID:ibIDXKtw0

从*゚∀从「あ、お、おいアレドクオ達じゃねーか!?」

(;´・ω・`)「ほんとだ!でもなんか見た感じ大変だよ!助けに行こう」

ショボンがその声にハインのほうを見る、しかしさっきまでいた場所に見当たらない

从;゚∀从「何やってんだ!早くしろよ!」

ふと声に振り返るとハインは既に階段を降り始めていた

(;´・ω・`)「ちょ!わかったよ!」

急いで階段を駆け下りるショボン、3階まで降りると、ハインが窓から外に飛び込むのが見えた

(;´・ω・`)「えぇー・・・」



59 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:38:52.68 ID:ibIDXKtw0


(;^ω^)「誰か屋上にいたお!」

ξ*゚听)ξ「こっちに気づいてくれたみたいね!」

(;'A`)「あ、もう無理」

糸の切れた操り人形のようにドクオが水面に崩れ落ちた

(;^ω^)「ドクオ!?」

ξ;゚听)ξ「ちょっとドクオ!?」

ブーンがあわててドクオの腕を掴む、しかし顔は水に沈んだままだ

(;^ω^)「ドクオ起きろお!シャレにならないお!」

从;゚∀从「大丈夫かあああ!!」

ハインがすさまじい勢いで水を掻き分けながら近づいてくる



61 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:40:43.81 ID:ibIDXKtw0

ξ;゚听)ξ「ハイン!とりあえずドクオを何とかして!」

从;゚∀从「何ぃ!任せろ!」

ドクオの頭を力任せに引っ張り上げる

(;'A`)「ぐへ・・・・・・」

从;゚∀从「よかった・・・生きてる」

(;'A`)「人間・・・そう簡単には・・・死なないよね・・・」

咳き込みながらもドクオが小さな声で答える

从 ∀从「・・・何ふざけた事言ってんだよ・・・w」

そう言ってハインはドクオの頭を両腕で抱えこんだ



63 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:42:28.78 ID:ibIDXKtw0

(;^ω^)「ドクオ、大丈夫かお?」

(;´・ω・`)「ちょっとハイン速すぎるよー!」

少し遅れてショボンも泳いで近づいてくる、服を着たままなのでなかなかスピードが出なかったようだ

ξ*゚听)ξ「あ、ショボンも来たわよ!」

(*^ω^)「もしかしてみんな秘密基地にいるのかお!」

(;'A`)「・・・スマン、もう大丈夫だからはなしてくれ・・・」

从*゚∀从「えっ、ああ、わ、わりぃ・・・」

(;'A`)「いや・・・助かったわ、ありがとうな」

从*゚∀从「お、おう、気にスンナよ」



67 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:43:26.07 ID:ibIDXKtw0

(*´・ω・`)「ブーンにドクオ、それにツン!無事でなによりだよ」

ξ;゚听)ξ「何とかね、クーとヒートは秘密基地?」

(´・ω・`)「え・・・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・いないのかお」

(´・ω・`)「・・・・・・」

('A`)「そうか・・・あいつらも居ないのか」

从;゚∀从「とりあえずホテルに戻ろうぜ、な?」

ξ゚听)ξ「・・・そうね」

( ^ω^)「・・・とりあえずは陸地で休めるお」



68 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:45:53.41 ID:ibIDXKtw0


ドクオとブーンとツンは、ホテルにたどり着くと思い切り床に転がった

濡れた衣服に砂がつくが、そんな事は気にならないほど3人は疲弊していた

(*^ω^)「・・・やっぱり地面って素晴らしいお・・・」

ξ;゚听)ξ「ホントよ・・・疲れたわぁ」

('A`)「とりあえず二人が無事でよかったわ・・・」

ドクオが寝転がったままハインとショボンに視線を送る

从*゚∀从「何いってやがんだw死にかけだったくせに」

(´・ω・`)「だからドクオは普段からもっと動かないと駄目だって言ってたじゃん」

(;'A`)「面目ねぇ・・・」

(;^ω^)「おっおっwwホントだおww」


70 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/27(月) 23:46:34.59 ID:ibIDXKtw0

ξ゚听)ξ「でもドクオがいなかったらここにたどり着けなかったわ」

ツンが起き上がりながら言う

(;^ω^)「それもそうだお」

从;゚∀从「・・・とりあえず、着替えっか?ツンおめースッケスケだぜ?」

ξ///)ξ「ええ!?あっ!」

ツンは自分の肌に張り付いたしろいTシャツを見て顔を赤くし、あわてて腕で覆い隠す

(;^ω^)「おー・・・ツン、気にするなお」

ξ///)ξ「あ、アタシは気にするのよ!」

(;´・ω・`)「どっちみち濡れたままじゃいられないよ、着替えよう」

('A`)「動きたくない・・・」

从;゚∀从「いいから着替えろよ・・・」




102 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/28(火) 00:43:51.68 ID:jBiYwnba0


ξ゚听)ξ「やっぱり濡れてない服はさっぱりするわね!」

(´・ω・`)「都合よく着替えがあって助かったよ」

ドクオたちは濡れた服を脱ぎ乾いた新しい服に着替えた、

濡れた布がまとわりつく不快感もなくなり、気分も幾分か晴れたようだ

('A`)「濡れた服はテラスにでも干しとけば乾くか」

(´・ω・`)「これだけの日差しがあればね」

既に青空では太陽が真上近くまで昇り、強烈な真夏の日差しが降り注いでいる

ドクオたちが濡らした3階の床もほとんど乾いて来ているくらいだ


108 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/28(火) 00:46:26.01 ID:jBiYwnba0

('A`)「なぁ」

ドクオの声に他の全員が注目する

(;'A`)「おまえらちょっとお気楽すぎ・・・」

(´・ω・`)「確かに・・・まだクーとヒートが見つかってないんだけど・・・」

(;^ω^)「お・・・すまんお」

从;゚∀从「わりぃ、でもまぁドクオ達も無事だったしあいつらもどっかにいるんじゃねぇかな?」

(´・ω・`)「どっかにって何処にだい・・・?」

ξ;゚听)ξ「それは・・・」


110 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/28(火) 00:47:07.92 ID:jBiYwnba0

('A`)「俺は自宅にいた、ブーンとツンも似たようなもんだ、って事はあいつらも家にいるんじゃないか?」

(´・ω・`)「・・・だと良いんだけどさ、来るときに何か気づかなかった?」

从;゚∀从「なんだ?なんかあったのか?」

(;^ω^)「そういえば・・・距離感がめちゃくちゃだった気がしたお」

ξ゚听)ξ「確かにドクオの家からここまでがやたらと遠かった気がしたわ」

('A`)「・・・・・・」

(´・ω・`)「もっと決定的な事は無かった?」

('A`)「水平線が・・・どっちを向いても水平線が広がってた」

(´・ω・`)「・・・・・・」


112 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/28(火) 00:47:55.48 ID:jBiYwnba0

从;゚∀从「どっちを向いても?」

('A`)「ああ、何処を向いても水平線だった・・・でも」

(´・ω・`)「でもおかしいよね、水平線の向こうからここまで来たんでしょ?」

(´・ω・`)「水平線までの距離は身長165センチの僕でだいたい16キロ」

(´・ω・`)「あのベッドに乗ってたならだいたい8キロくらいかな?」

('A`)「うーん・・・だいたいそのくらいだろうな」

(;^ω^)「お?そうなのかお?」

(´・ω・`)「で、ドクオたちは8キロもベッドで漕いできたの?水平線の向こうだよね?」

ショボン窓の外を指差しながら言う


114 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/28(火) 00:49:15.51 ID:jBiYwnba0

ξ;゚听)ξ「・・・・・・」

(;^ω^)「・・・つまり何が言いたいんだお?」

从;゚∀从「・・・ここからドクオの家まで大体で500メートルも無いだろ・・・」

(´・ω・`)「そう・・・君達一体何処を泳いできたのさ!?」

ξ;゚听)ξ「・・・・・・」

(;^ω^)「・・・・・・」

('A`)「方角をコンパスで見ながら来た、7キロ以上もグネグネ無駄な所を回ってたとも思えねぇ」

('A`)「俺もおかしいと思ってたよ、いくらなんでも遠すぎる、もっともツンも少し不思議がってたがね」

(;^ω^)「それだったら早く言ってくれお・・・」

ξ;゚听)ξ「そうよ!」


117 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/28(火) 00:50:55.82 ID:jBiYwnba0

(;'A`)「だから言ったじゃん・・・太平洋の真ん中で漂流したら・・・って」

(;^ω^)「お・・・」

(´・ω・`)「・・・ドクオは無駄な混乱を避けたかったんでしょ」

ξ;゚听)ξ「うーん・・・確かにパニックになっちゃったかも・・・」

(´・ω・`)「それでだよ、500メートルのドクオん家までの道が8キロ近くになってるんだよね?」

从 ゚∀从「・・・つまり、ショボンは今の周りの状況がただ水没してるだけじゃないって言いたいんだろ?」

ハインがショボンの言葉をさえぎって言う

('A`)「お前はいちいち前置きが長い」

(;´・ω・`)「ごめん」


119 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/28(火) 00:52:28.69 ID:jBiYwnba0

(;^ω^)「そうだったのかお・・・」

ξ;゚听)ξ「どうりで疲れるわけだわ」

('A`)「早くクーとヒートも探しに行かなきゃな」

(´・ω・`)「・・・うん」



ドクオたちは何処にいるかもわからない二人を思い、窓の外を見る

そこには、青い水面何処までもが広がっていた


第20話 「寝台航路」 おわり





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