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問合せ
( ^ω^)ブーン達はマインスイーパに集められたようです
第4話
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:20:27.59 ID:btDsFosA0
「次のプレーヤーが決まった」
「これで5人目だな」
「鬱田=ドクオ」
( ^ω^)ドクオさん…!
('∀`)俺か
('ー`)……………やってやるよ
(´・ω・`)……これ、使って下さい
ショボン君が、ドクオさんに精神安定剤「ヴィプクオリティ」を渡した。
が、受け取った彼は飲まない。
('ー`)……
「3分以内に着席せよ」
「着席しない場合……」
言い終わる前に、ドクオさんはパソコンの前の椅子に腰を下ろした。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:22:06.94 ID:btDsFosA0
「挑戦ランクは」
('ー`)……初…いや、中級
「表示画面は?」
('ー`)どうでも良いよ
「ではプレイを開始せよ」
('ー`)……
既にお決まりとなったスピーカーの声が終わって、ドクオさんのプレイが始まった。
モララーさんに続いての、中級2連発。
これをクリアするのは、かなり大きい。
だが、油断には、注意しなければならない。
中級は一度でもミスすれば失格。
リスクの高い、危険なランクだ。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:23:36.83 ID:btDsFosA0
('ー`)……
実質、このプレイ中にドクオさんの発言は無かった。
ドクオさんは指名された時から、口をつぐんで笑みを浮かべている。
もともと下唇が半開きになっていた顔だが、その隙間が閉じられている。
口を閉じれば、少し格好良く見えたが、それは言わなかった。
まあ、発言すれば失格になるんだけれども。
('ー`)……
誰も喋らない。
カチカチカチカチカチカチッ
カチカチカチカチカチカチッ
尋常ではないスピードで、旗が立てられ、盤が開いてゆく。
ただ者では、無い。
失敗を恐れていない。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:25:15.05 ID:btDsFosA0
マインスイーパをする上で大切な要素は3つと言われている。
『経験』と『勇気』と『安定』
『安定』は冷静さ、『勇気』は決断力と言い換えても良い。
言うまでも無いが、どれか一つでも無ければクリアはできない。
どれに重きを置くか、という話だ。
モララーさんや僕は経験で、クーさんは安定で、ハインさんは勇気で挑んだ。
失敗を恐れないドクオさんも、勇気で挑むタイプのようだった。
だが、勇気のタイプが強いのは、ハイスコアや良タイムを出す時。
絶対にクリアしなければならない時は、不得手になる。
('ー`)
彼のプレイに、不安が無いわけでは無かった。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:26:46.60 ID:btDsFosA0
('ー`)……
手が止まる。
行き詰まっているわけではない。モララーさんの時よりも順調かも知れない。
( ^ω^)……(中級、2コ目クリアかもわからんね)
そんな考えが頭の中をよぎった瞬間。
ドクオさんの表情にに変化が起きた。
(*'∀`#)
笑みが、変わった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:28:34.28 ID:btDsFosA0
(;^ω^)(何だお?この笑顔は)
('∀`)ニヤニヤ
残っているのは中央下の方のマスのみ。
残り1マス。
旗は残り0、つまり全ての地雷の上に旗を置いたことになる。
('∀`)ニヤニヤニヤニヤ
('∀`)ニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
ニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
ニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
彼の笑みが、消えない。
クリアを目前にした喜びでは無い、別の笑みが、ずっと貼り付いている。
黒く長い前髪から見える笑顔は、狂った人間のものだった。
(;^ω^)(精神安定剤を飲めば……いや、そんなことに気は回らないかお)
(;^ω^)(無理矢理にでも、飲ませておけば良かったお)
(;^ω^)(これじゃあ、クリアできてもドクオさんの精神は壊れてしまうお!)
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:30:08.72 ID:btDsFosA0
ドクオさんの操作によって、マウスカーソルはありえない動きをした。
残ったマスでは無く、既に旗が置かれているマスに、カーソルが動く。
つまりは、地雷があるマスに動いていく。
(;^ω^)(;゚ー゚)从;゚∀从(えっ?)(´・ω・`;)(゚∀゚;)(´∀`;)
( ・∀・)(こいつ、やっぱり)('、`#川
('∀`)ニヤニヤ
カチリ
「間違えて踏まないように」置かれていた旗のマスを右クリック。
「間違えて踏まないように」するための旗が消えた。消した。ドクオさんが。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:32:20.64 ID:btDsFosA0
踏めるように。
地雷を踏んで、失敗できるように。
失敗して、死ねるように。
('∀`)(思い出した!俺は!そうか!俺は!!!!)
カチッ
そして彼は、旗が消えたところ――地雷がある所を、左クリックした。
現れるのは、当たり前だが、地雷。
('∀`)生きててもしょうがないんだ!
地雷。
地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷
地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷
地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷地雷
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:34:30.47 ID:btDsFosA0
「鬱田=ドクオ。中級に失敗」
「執行人、連れて行け」
執行人がコンクリート部屋に入ってくる。
クーさんの時と同じ、ガタイの良い5人の黒服の男たちだ。
(*'∀`*)
取り残された8人は、ただ呆然と、閉じていく鉄の扉を見ていた。
扉が閉じても、言葉を発する者は居なかった。
ヴィプクオリティを飲ませておけば、と、後悔した。
まさか彼がプレッシャーに潰されるなんて、思わなかった。
僕は、ただ口をパクパクさせていた。
あまりにあっさりと、中級挑戦者が失格した。
部屋の中に残った8人は、皆呆気にとられていた。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:36:23.91 ID:btDsFosA0
('∀`)
暗い廊下に足音6つ!
僕とあなたとお前と君と、彼とあいつの6の音!
('∀`)なあ、あんたは何で生きてるんだ?
( ´_ゝ`)哲学か?頭が壊れてるのか?
(´<_` )……自殺するような奴だ。壊れてるんだろう
('∀`)あは!あはは!そうだね!
( ´_ゝ`)指名された時に壊れたのか?
もっと前から壊れてたか?
どっちにしても、心なんてモロいもんだな
(´<_` )……アニジャ
(;´_ゝ`)……うぐ、すまん
('∀`)怒られてやんの!怒られてやんの!
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:38:08.49 ID:btDsFosA0
(´<_` )……ゴノネガイ執行人……ダマラセロ
(`・ д・´)オトジャ執行人、監視官からの命令ですから。
きちんと執行室まで連れて行きませんか?
(´<_` )……ヤレ
(;`・ д・´)しかし、監視官がここの権限を持っているんです。
命令違反をするわけには
( ´_ゝ`)はぁ……仕方ないな
ゴノネガイにやらせるのも酷だから俺がやるか
(;`・ д・´)ア、アニジャ執行人!
この廊下でやるんですか!?
( ´_ゝ`)こうなったオトジャには、誰も逆らえんよ
(´<_` )……ハヤク
('∀`)あははははは!あは!あは?あはは!
あんた、これやるよ!
俺が持ってても仕方ないしな!
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:39:43.87 ID:btDsFosA0
(´<_` )……薬
( ´_ゝ`)あんまり変なもの飲むなよ、オトジャ。
( ´_ゝ`)最後に、何か言い残すことはあるか?鬱田=ドクオ。
('A`)…………
('ー`)…………
('∀`)バイバイ!
( ´_ゝ`)ああ、バイバイ
黒から赤へ!世界はペイント塗りつぶし!
(ドクオ・中級編終わり)
27 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:55:56.54 ID:btDsFosA0
クーさんに次ぐ、2人目の失格者が出た。
失格者は、「死亡者」とも言えるだろう。
誰も言い換える者は居なかったが。
ドクオさんの場合は、ただの失格ではなく、自ら勝利を捨てた。
目の前に転がっていた勝利を、自らの精神力に負けて、捨てた。
頼りにしていた中級挑戦者の一人だっただけに、皆の動揺は大きかった。
29 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:57:37.57 ID:btDsFosA0
(;´∀`)なぜ……わざと失敗したモナ?
ドクオさんが部屋から居なくなって、最初に口を開いたのはモナーさんだった。
実のない言葉だったが、沈黙を破るためにはなんでも良かった。
( ゚∀゚)途中までマトモにプレイしてたよな?
(;´∀`)発狂したようでしたモナ……
( ゚∀゚)ああ、気持ち悪い笑顔だった。
正気の人間には出せないぜ
ドクオさんの最後は完全に狂っていた。
精神について研究したわけでもない僕にも、容易に感じ取れた。
31 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 20:59:14.62 ID:btDsFosA0
( ・∀・)ひょっとすると、最初から死にたがってたのかもね
('、`*川 最初からって、いつから?
( ・∀・)プレイが始まった時、この部屋に入った時?
いや……もっと前から、死にたがってたのかも
('、`#川 なら中級をクリアしてから自殺すれば良かったじゃない!
なんで私達の脱出を遠ざけたの!?
ペニサスさんの言葉は、タブーだった。
僕ら8人が、今、最も言ってはいけない言葉だった。
( ・∀・)クリアしてから、自殺すれば良かった?
( ・∀・)ふざけるなペニサス。
32 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:01:05.98 ID:btDsFosA0
('、`#川 誰もふざけてないわ!
だって死ぬなら同じでしょう!?
( ・∀・)そういう問題じゃねえんだよ。
クリアした俺やブーンやハインリッヒに、死ねば良いと言ったのと一緒だ。
('、`#川 一緒じゃないわよ
死にたいなら、皆のために生きてから死ねば良い!
( ・∀・)皆のために生きて、どうなる。
それも、出会って数時間ばかりの他人のために。
('、`#川 ッ!
それでも無駄死にするより!そっちの方がマシでしょう!?
( ・∀・)俺は、死にたくなったら死ぬ。
どうせ失うモノも無い。東風部長に会えなくなるのは辛いが、それだけだ。
死ねばつらさも感じない。
('、`#川 あんたねえ!自分が何言ってるか分かってるの!?
( ・∀・)お前こそ、自分が何言ってるのか分かってるか!?
ドクオの死を踏みにじってるのはそっちだぞ
33 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:03:28.03 ID:btDsFosA0
('、`#川 ふん! (#・∀・)
(;^ω^)……二人とも、落ち着いてくださいお。
ドクオさんだって、まだ死んだとは限りませんお
(;´・ω・`)そ、そうですよ!
クーさんもドクオさんも!まだ助かるかも知れません!
僕とショボン君は、根拠のない推測で周りを落ち着かせようとした。
が、この人の言葉で、それは一蹴された。
(;゚∀゚)あー、すまねえな。
さっき鉄のドアのあっちから銃声が聞こえたんだわ。
たぶん、ドクオに向かって撃ったんだと思う。
ジョルジュさんの聴力の良さを、恨んでしまった。
34 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:05:00.09 ID:btDsFosA0
「騒いでいるところをすまないね」
「次のプレーヤーが決まった」
(#゚∀゚)来いやあ!!!
「はは、威勢が良いな、長岡=ジョルジュ」
「だが、次のプレーヤーは君ではない」
(#゚∀゚) チッ
「次のプレーヤーは、古猫」
「古猫=モナー」
( ´∀`)…………モナ
( ゚∀゚)頑張れよ
「今から3分以内に着席せよ」
「着席しなかった場合。君らを殺す」
( ´∀`)分かってる、モナ
35 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:06:26.76 ID:btDsFosA0
( ´∀`)その前に……ショボン君。
(´・ω・`)薬ですか?
( ´∀`)モナ
(´・ω・`)どうぞ
薬なので、目に見えた効果は無い。
どのくらいで効果が出始めるのかも分からない。
が、モナーさんはヴィプクオリティを飲むとすぐに着席した。
( ´∀`)始めるモナ
「ランクを、指定しろ」
モナーさんの挑戦するランクは、上級のはずだ。
上級とオリジナルは、死ぬ危険が無い。
( ´∀`)………ランクは……
37 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:07:26.60 ID:btDsFosA0
( ´∀`)……
「ランクは?」
( ´∀`)………中級
(;^ω^)ッ!
違う!あなたの挑戦するランクは上級だ!
思わず声が出そうになった。
が、出してはいけない。
(;゚∀゚)………ッ!!
(;゚ -゚)………!?
从;゚∀从………!!?
( ・∀・)………
(゚д゚;川………?
(;´・ω・`)………!
38 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:08:46.40 ID:btDsFosA0
( ´∀`)表示はこのままで良いモナ
「そうか、では始めろ」
( ´∀`)モナモナ
モナーさんは死ぬ危険が無い。
少なくとも、初回のプレイでは死なないと思っていた。
死なないプレイならばなぜ彼はヴィプクオリティを受け取った。飲んだ。
死ぬかも知れないという状況に赴くから。
中級に、挑むから。
モナーさんに、騙された。
( ´∀`)皆。そんなに驚かなくても良いモナ
中級をクリアすればもうけ者。くらいに思ってくれれば、それで良いモナよ
上級は、僕がやるよりも、ペニサスさん達にやってもらいたいモナ
モナーさんが成功すれば、かなり楽にはなるが、こんな精神では勝てるハズが無い。
少なくとも、死ぬという前提でプレイしている限りは、ロクな結果にならない。
40 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:10:48.13 ID:btDsFosA0
( ´∀`)カチッカチ
彼の手は震えていた。
モナーさんも本当は生きたいのか。
生きたいなら、なぜ上級を選ばなかったんだ。
( ´∀`)カチ
徐々にマスを広げているが、モララーさんと比べると、かなり遅い。
開いたのは20マスのみ。
中級の16×16盤の、ほんの一部。
( ´∀`)私は、とある農家で育ったモナ
モナーさんが、昔のことを語り出した。
ジョルジュさんの体が、反応するのが分かった。
( ´∀`)一人っ子だったし、いずれ家を継ぐんだとばかり思ってたモナ
( ´∀`)でも、そうはならなかったモナ
42 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:12:59.18 ID:btDsFosA0
( ´∀`)私が中学生の頃、父が1000万の借金を作ったモナ
( ´∀`)あの頃の1000万だから、かなりの高額モナよ?
( ´∀`)誰よりも早く家から逃げたのは、私だったモナ
彼の話は、僕の頭に届いては居なかった。
モナーさんのランクの選択に、まだ動揺していた。
他の皆も、きっと同じだろう。
( ´∀`)若かった私は、東京へ逃げたけれども、お金はすぐに尽きた。
( ´∀`)職業とお金が欲しかった。
( ´∀`)そんな時に、ある仕事が舞い込んできたモナ
まともに聞ける状態の人は、おそらく居ない。
が、かまわずに喋ることで、モナーさん自信が落ち着こうとしている。
生きるために必死だった。
43 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:15:16.82 ID:btDsFosA0
( ´∀`)スカルチノフ財団の専属カウンセラー。モナ
スカルチノフ財団。
カウンセラー。
それらの言葉は、全て僕の頭からすり抜けていった。
( ´∀`)もっとも、資格も経験も無い私は、正式なカウンセラーでは無かったモナ
( ´∀`)仕事は社員のグチを聞くこと。
あとはネット環境の無いパソコンでマインスイーパをやってたモナ
( ´∀`)でも、そんな私を、スカルチノフ社長は温かく見守ってくれたモナ
( ´∀`)とても、感謝してたモナ
でも、彼も昨年、私の退職と同時期に他界したモナ
( ´∀`)スカルチノフ社長が亡くなった今、私は死んでも良いと思ってる
けれど、未来がある君たちには死んでほしくない。
だからこそ、私は中級を選んだんです
(;´∀`)身勝手かも知れませんが、怒らないでくださいモナ
そこでモナーさんは話を切った。
44 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:16:44.66 ID:btDsFosA0
怒らないでください。
その言葉を最後に、モナーさんは一切言葉を発さなくなった。
61歳の弱った体が、皆の不安を背負った背中が、一層弱く見えた。
(;^ω^)(生き残ってくださいお……)
プレイ自体は順調ではある。
が、プレイしているのは中級。
いつ、何が起きてもおかしくない。
既に何かが起きていても、おかしくない。
( ´∀`)古猫=モナーにとって、
一世一代の大勝負ですモナ!
鼓舞する。
コンクリートの部屋に響いたのは、モナーさんの声だけだ。
45 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:18:05.93 ID:btDsFosA0
ここまでのプレイは順調だった。
順調だったように、見えていた。
( ・∀・)………(おいおい)
気づいた者はいたのかも知れない。
('、`*川 ……(まさか、ここで来るとはね)
気づいても、気づけていても、指摘できない。
カチカチ
プレイは進む。
僕らに不安を残して。
失敗を、残して。
47 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:19:51.97 ID:btDsFosA0
(;^ω^)……?
違和感。
地雷の数がおかしい。
旗の立て方を間違えている。
中級盤の右上あたり、安全地帯に旗が立っていた。
从 ゚∀从……!
プレイが進むにつれて、気づく者も多くなった。
現在、気づいていないのはモナーさんだけかも知れない。
( ´∀`)………
気付け!早く!
そこに旗を立ててはいけない!計算が狂う!
声に出せない。
プレイ中の発言は、特にプレイヤーへの助言は、禁じられている。
悔しい。
48 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:21:45.69 ID:btDsFosA0
( ´∀`)
失敗を残したまま、プレイは進み
カチ
地雷が現れた。
50 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:23:28.53 ID:btDsFosA0
「古猫=モナー」
「中級の挑戦に失敗」
「失敗者が連続したな」
「ははは、きつくなるが、頑張ってくれたまえよ」
( ´∀`)………
モナーさんは、しっかりと僕らを見ていた。
細い目が、優しい目が、僕ら一人一人の顔を捕らえていく。
「執行人、古猫を連れて行け」
彼は、最後まで笑っていた。
鉄の扉が開いて、次に閉じるまで
モナーさんは何も言わずに、子供をあやすような柔和な笑みを浮かべていた。
54 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:25:25.66 ID:btDsFosA0
( ´∀`)……
(`・ д・´)ほら、歩け
20台の、いかにも強そうな男が、私の足を蹴る。
この男の他にも4人の「執行人」が私の周りを固めている。
( ´∀`)執行人……
( ´_ゝ`)なんだ
( ´∀`)……
(´<_` )…チッ
私は、もう何も言い残すことは無い。
あと10歳若ければ、あんな失敗はしなかったかも知れない。
けど、もういいんだ。
悔いが残るとすれば、彼らの笑顔を見てみたかった。
だが、今の私にはその資格が無くなった。
56 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:28:03.58 ID:btDsFosA0
( ´_ゝ`)ここが執行室だ
お前はここで殺される。
( ´∀`)……
私の視線は、あるモノに釘付けになった。
( ´_ゝ`)ああ、アレか?
素直=クールと鬱田=ドクオの死体だ。
素直の方はここで、鬱田はさっきの通路で死んだ。
(`・ д・´)鬱田の死体は思ったよりも重くてな、運ぶのが大変だった。
(´<_` )ゴノネガイ……
( ´_ゝ`)あまり余計なことは言うな、ゴノネガイ執行人
(;`・ д・´)す、すみません……
淡々と死体の説明をする彼らは、異常だった。
死体を見ても動揺しなかった私も、異常だっただろうか。
58 :
◆Dti7WkoCEo
(長屋)
:2008/09/13(土) 21:30:54.94 ID:btDsFosA0
( ´_ゝ`)ま、今から死ぬ奴には、何を言ってもかまわんのだがな
その言葉で、やっと自分がこれから死ぬのだ。と確認できた。
そして執行人は遺言を聞いてくる。
( ´_ゝ`)何か、言い残すことは?
( ´∀`)……無いモナ
( ´_ゝ`)そうか、じゃあな
黒服の男の、黒い銃が私の頭に突きつけられる。
あまりにも簡単に、私の60年と少しの人生は、幕を閉じた。
(モナー・中級編終わり)
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