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問合せ
('A`)たちは水の上に生きるようです
第7話
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:18:27.24
ID:72LGN7EC0
第7話 「水道工事」
ボートを屋上に引き揚げる作業を終えたショボンたちは、午後2時という一番気温の上がる時間帯に山を登っていた。
照りつける太陽の光は木々の葉っぱが防いでくれるが、濃密な藪の中には熱気とすさまじい草いきれが充満している。
ショボンとブーンは重いホースなどの資材を担ぎながら道なき道を進んでいた。
(;^ω^)「ここの山の中に入ったのなんて久しぶりだお」
(;´・ω・`)「昔はよく探検とかしたもんだけどね」
(;^ω^)「ここのてっぺんにある旧軍の砲台跡を魔王の城とか言ってたお」
(´・ω・`)「そんなこともあったね、ブーンが勇者で僕が魔法使い、魔王がドクオでそしてツンがお姫様」
( ^ω^)「懐かしいお、クーは敵の魔法使いだったお、ヒートが一人しかいない四天王でハインは悪の科学者。」
(´・ω・`)「いま考えると恥ずかしいなぁ」
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:21:12.22
ID:72LGN7EC0
( ^ω^)「子どものすることだお、しょうがないお」
(´・ω・`)「僕たちまだ15歳だよ」
( ^ω^)「そうだったお、まだまだ子どもだおw」
二人は笑いあいながら藪を書き分けていく、10分ほど木や草を掻き分けて進むと開けたスペースに到着した。
崖の際まで進むと視界が一気に広がり海まで見渡すことができた、水平線のあたりに船のんびりが浮かんでいるのが見える。
(;´・ω・`)「ふう、やっとついたよ」
そういいながらショボンは肩から荷物を地面に下ろす
(´・ω・`)「見て、みんなが見えるよ」
ショボンに促され視線を下にずらすとドクオたちがホテルの屋上で風車の土台をすえつけているんのが見えた。
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:22:46.70
ID:72LGN7EC0
(*^ω^)「ほんとだお」
二人は屋上のドクオたちに手を振る
( ^ω^)ノシ「おーい!だお!」
(´・ω・`)ノシ「おーい!」
ノパ听)そ
ノハ*゚听)ノシ
(*^ω^)「おっ!気づいてくれたお!」
(*´・ω・`)ノシ「おーい!」
崖の上からはヒートが傍らのドクオとハインに崖の上の2人のことを教えている様子が見える
('∀`)ノシ
从 ゚∀从ノシ
( ^ω^)「ツンとクーがいないお?」
(´・ω・`)「中で作業してるんじゃない?こっちも早く終わらせよう」
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:25:03.14
ID:72LGN7EC0
(´・ω・`)「そこの藪の中に湧き水が出てるところがあるんだ、そこにこの一斗缶を設置する」
ショボンが指差した場所を良く見ると、確かに小さな流れができている
( ^ω^)「了解だお」
(´・ω・`)「そのあとは担いできたホースを缶につないで水が流れるようにしたら、全部落っこちないように固定して」
(´・ω・`)「あとはホースを崖の下に放り投げるだけさ」
( ^ω^)「簡単な任務だお」
(´・ω・`)「じゃあさっさと終わらせちゃおうか」
2人は湧き水がたまった小さな池に缶を設置する、苔むした岩の隙間から染み出て来る湧き水は真夏だというのに驚くほど冷たい
( ^ω^)「冷たくてくもちいいお」
(´・ω・`)「湧き水だからね、もっともこの島は熱い水も沸いてくるけど」
( ^ω^)「夏は温泉なんて入らなくていいお」
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:27:01.65
ID:72LGN7EC0
(´・ω・`)「湧き水だからね、もっともこの島は火山島だから熱い水も沸いてくるけど」
( ^ω^)「夏は温泉なんて入らなくていいお」
(´・ω・`)「よし、これでだいじょうぶだと思うよ、ホースをおろそう」
ショボンが一斗缶を手際よく小さな沢に固定した
( ^ω^)「湧き水は気持ち良いけどやぶ蚊が凄いお、ささっと落として帰ろうお!」
(´・ω・`)「そうだね、じゃあ放り投げちゃってよブーン」
( ^ω^)「じゃあいくお!そおおおおおおおおい!!」
何本かのホースを繋いだ長いホースが崖の下のホテルまで落ちていく
(´・ω・`)「長さは足りたみたいだね、じゃあ戻ろう」
( ^ω^)ノシ「おーい!今から戻るおー!」
('A`)ノシ
屋上のドクオたちが手を振って答える
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:29:10.89
ID:72LGN7EC0
(´・ω・`)ノシ
(´・ω・`)「じゃあ降りようか」
(;^ω^)「またあの藪の中を突っ切るのかお・・・」
ブーンとショボンがホテルに戻ってくるとちょうどツンとクーが屋上からホースを降ろしているところだった
川 ゚ -゚)ノシ「おーい」
(´・ω・`)ノシ「おーい!」
ξ゚听)ξ「ブーンー!あんた達ちょうど良いからホースつなげといてくれないー?」
屋上からツンが手でメガホンを作りながらブーンに呼びかける
( ^ω^)「了解だおー!任せるおー!」
ブーンとショボンがホテルの裏の崖下にまわると、屋上からするするとホースが降ろされて来ている他に
もう一本先刻自分たちが崖の上から放り投げたホースが地面に横たわっていた。
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:31:51.19
ID:72LGN7EC0
(´・ω・`)「みなよブーン、僕たちが上から落としたホースから水が出てきてる」
ブーンが地面に転がっているホースを見ると先端から水がちょろちょろと流れ出し、赤土のうえに黒い水のしみが広がっている
(*^ω^)「おっw水が出てるおw成功だおww」
(´・ω・`)「思ってたより水の勢いも良いね、あとは上までホースを延長してタンクにつなげるだけさ」
( ^ω^)「ホースが下まで来たお!早速つなげるお!」
(´・ω・`)「そんなに急がなくてもすぐできるよ」
ショボンはそういってしゃがみこむと接続作業を開始した。
まず両方のホースに鉄パイプを差し込んで接続、そして抜けないように針金でホースをぐるぐる巻きにして
ポケットから取り出したペンチで余った部分をねじって縛り上げた
(´・ω・`)「はいオッケーっと」
さっきまで地面に流れ出ていた水が緑色のホースのなかをゆっくりと登っていく。
手際よく作業を完了したショボンは手についた土を払いながら立ち上がった。
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:34:12.54
ID:72LGN7EC0
(*^ω^)「じゃあ早く上にいくお!水が出るところをみたいお!」
(´・ω・`)「そうだね、クーたちも手伝わないといけないし」
2人が4階まで階段を登るとツンとクーが1斗缶の中に砂を詰め込んでいた
( ^ω^)「ホースをつなぎ終わったお!水が出てくるおw」
( ^ω^)「お?2人はなんでドラムカンに砂なんて詰めてるんだお?」
ブーンは缶の中に砂を流し込んでいる2人を見ながら不思議そうに尋ねる。
川 ゚ -゚)「ろ過装置を作っているんだ、さすがに湧き水とはいえそのままは飲みたくないからな」
ξ゚听)ξ「砂とか砂利を重ねて敷いてフィルターを作るのよ」
( ^ω^)「砂なんか入れたら水に混じるんじゃないかお?」
川 ゚ -゚)「上からフィルター、小石、小砂利、川砂、木炭、川砂、ガーゼの順に重ねて積んでいくんだ、ガーゼがあるから砂は入らない」
(;^ω^)「じゃあ炭で水が黒くなったりしないのかお?」
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:36:25.89
ID:72LGN7EC0
ξ゚听)ξ「炭は洗ったから大丈夫よ、砂と小石もクーが洗ったのを持ってきたのよ」
(´・ω・`)「炭は汚れを吸着してくれるんだよ、あとフィルターは僕の熱帯魚水槽に使ってる奴だよ」
(;^ω^)「魚のお下がりかお?」
(´・ω・`)「新品に決まってんだろボケ」
ξ゚听)ξ「とにかくこれを通したら汚い水も飲めるようになるのよ」
( ^ω^)「そいつはすげぇお」
(´・ω・`)「そろそろ水が出てくるんじゃないかな、屋上に行こうよ」
4人が屋上まで行くと、屋上のふちにガムテープで止められたホースから裏山から送られてきた水が流れ出て
コンクリートの屋上の床に薄く広がっていた。
( ^ω^)「水が出てるお!すごいお!」
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:38:53.05
ID:72LGN7EC0
(´・ω・`)「予想以上に勢いがいいね、その辺のドラムカンに貯めておこう」
ドラムカンにホースを入れると、山から送られてきた湧き水は水音を缶の中に響かせながら着々と中の水位を上げていく
川 ゚ -゚)「後はろ過器につなげてしまうだけだな」
ξ゚听)ξ「これだけ水が出てくるならわざわざあのボートを改造して貯水槽にすることないんじゃない?」
ツンが水の貯まっていくドラムカンを見ながら言う。
川 ゚ -゚)「そうかもしれないな、ドラムカンもあと2個もある」
(´・ω・`)「わざわざ屋上まで持ってきたんだけどね、まぁ暇があったら改造すれば良いんじゃないかな」
(;^ω^)「無駄な労働だったお」
('A`)「お、すげー水でてんじゃん」
ノパ听)「おおぉぉおお!!凄いなぁ!」
从 ゚∀从「やるじゃねーか!これで水は確保できたな」
屋上の隅で発電機の取り付けをしていたドクオたちが水が出たことを知って寄ってきた
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:40:38.33
ID:72LGN7EC0
(´・ω・`)「まだろ過器につないでないんだけどね、ホースをつなげるにはドラムカンに穴開けなきゃいけないし」
('A`)「まぁでもすぐだろそんくらい」
ξ゚听)ξ「あんた達のほうはどうなのよ」
从 ゚∀从「オレ様たちか?すげーぞこっちも!」
ハインがニヤリと笑いながら答える。
('A`)「まぁ見てみてくれよ」
ドクオに案内されて階段裏の屋上の角まで行くと、鉄パイプを組み合わせた土台の上で布張りの風車が勢い良く回っていた。
風車の軸の部分にはビニールで防水加工が施された洗濯機のモーターが設置されている。
川;゚ -゚)「コレは凄いな・・・電気は取り出せたのか?」
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:42:22.95
ID:72LGN7EC0
('A`)「まぁ見てなって」
そういいながらドクオは床に置かれた車用のバッテリーに土台の下から伸びた2本の電気コードをつなげる、
すると風車の回転速度が風の強さは変わらないのに、風車の回転速度が少し緩くなる
('∀`)「この通り発電成功だ」
(*´・ω・`)「へぇ〜凄いじゃないか!」
从 ゚∀从「苦労したぜぇ〜?そのままじゃ回転数が足りなくてギヤを組み込まなくちゃいけなくなったりなぁ」
ξ゚听)ξ「? なんでコレで発電成功だってわかるわけ?」
(;^ω^)「そうだお、何も変わってないお?」
从 ゚∀从「あ〜、風の強さは変わってないのに風車の回転がちょっと遅くなったろ?」
( ^ω^)「確かにそうだお?」
从 ゚∀从「つまりその分風車が回りにくくなったって事だ」
( ^ω^)「なるほどだお」
从 ゚∀从「その回りにくくなった分の力が発電に使われてるってこった」
( ^ω^)「意味不明だお、何訳のわからないことをいっているお?」
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:45:08.84
ID:72LGN7EC0
从#゚∀从「まぁお前に理解できるとは思ってなかったがな」
('A`)「アレだ、クーロンの法則がd」
川 ゚ -゚)「いいかブーン、 な る も の は な る !」
( ^ω^)「なるほどだお・・・」
ノパ听)「その通りだぞおおお!!!!」
(´・ω・`)「でも確かにもうちょっと発電してるって実感が欲しいね」
('A`)「しょうがねぇなぁ」
ドクオは風車の下においてあるダンボール箱の中からゴゾゴゾと何かを探している
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:48:15.06
ID:72LGN7EC0
('A`)「あ、あった」
|
\ __ /
_ (m) _ピコーン
|ミ|
/ `´ \
('A`)
('A`)「はい、電球」
ドクオはダンボールから取り出した電球を差し出す
ξ゚听)ξ「確かにこれならわかりやすいわね」
( ^ω^)「早速試してみるお!この線につなげばいいんだお?」
('A`)「ああ、でも一応それ発電機から直接でも30Vあるから気をつけろよ」
ブーンが電球にビニールの被覆を剥かれたコードを押し付けると、電球がぼんやりとオレンジ色に光りはじめる
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:50:11.42
ID:72LGN7EC0
( ^ω^)「点いたお!コレは凄いお!」
ノハ*゚听)「おぉぉおぉおお!!点いたなあぁああぁあ!!」
川 ゚ -゚)「これで発電機は完成か?」
('A`)「まぁ、大体はね」
从 ゚∀从「もっとも普通に使うときは電圧上げてからだけどな」
(´・ω・`)「僕らの水道も開通したし、電気も確保した」
( ^ω^)「かまども作ったお!」
ξ*゚听)ξ「ライフラインは全部揃ったわけね?」
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:51:40.37
ID:72LGN7EC0
从*゚∀从「どうする?明後日あたり泊まるか?ウチの親は実験で明日の夜から泊まりって言ってたぜ?」
川 ゚ -゚)「ウチの親も明日から泊まりと言っていたな」
(´・ω・`)「僕の親もさ、じゃあ例によってみんな同じかな?」
ドクオたちはうなずいて肯定する
(*'∀`)「泊まろうぜ!せっかく都合が良いんだし」
(*^ω^)「ブーンも賛成だお!」
ノハ*゚听)「アタシも賛成だああああ!!」
从*゚∀从「じゃあみんな賛成だな?」
从*゚∀从「明後日はここに泊まるぉおぉおおおおお!!!」
(´・ω・`)川 ゚ -゚)ノパ听)('∀`)从 ゚∀从( ^ω^)ξ゚听)ξ「おおー!」
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◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:53:29.97
ID:72LGN7EC0
('A`)「泊まるとなると色々といるもんが出てくるな」
川 ゚ -゚)「まずは食事だな」
( ^ω^)「ブーンはトランプを持って行くおwwwww」
从 ゚∀从「『秘密基地』だからな、食料は常に置いておきたいなw」
(´・ω・`)「あとは寝袋とかかな」
ξ*゚听)ξ「着替えも持っていかなきゃ」
( ^ω^)「UNOも持って行くおwwww」
ノハ;゚听)「あっ!トイレはどうするんだぁ!?」
('A`)「その発想はなかったわ」
(´・ω・`)「いつもみたいに誰かの家にいちいち行くってのもねぇ・・・」
30
◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:54:45.37
ID:72LGN7EC0
川;゚ -゚)「君たち男はどうにでもなるとして、私たちはちょっと困ったな」
( ^ω^)「その辺ですればいいお?」
ξ#゚听)ξ「そんなことできる訳ないでしょ?」
('A`)「簡易トイレくらいなら作れるけど・・・それでいいか?」
_,
从 ゚∀从「ん〜・・・ちょっとなぁ?」
('A`)「土に埋めちまえば大丈夫だって、男女別に作ってやるよ」
ノパ听)「アタシはそれでいいぞおおおおおお!!!」
川 ゚ -゚)「まぁそれくらいは我慢だな」
ξ゚听)ξ「まぁ仕方ないわね」
( ^ω^)「ブーンもそれで問題ないお!」
('A`)「いやお前に聞いてねーし」
31
◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:56:31.19
ID:72LGN7EC0
(´・ω・`)「とりあえずそれでいいよね」
从 ゚∀从「じゃあ各自持参してくるものは着替えと寝袋ってところだな」
ξ゚听)ξ「ご飯の材料はみんなで買いに行きましょ!」
川 ゚ -゚)「調理器具は私とヒートが持ってくるとしよう」
('∀`)「楽しみだな」
ノパ听)「その前に明日はお祭りだぞおおおおおおお!!!!」
从 ゚∀从「3時にここに集合だっけ?」
(´・ω・`)「そうだね、遅刻したら置いてくよ」
( ^ω^)「遅れるわけがないおwwwお祭りだおww」
川 ゚ -゚)「じゃあ今日は暗くなってきたしもう解散するか?」
気がつけば太陽はもう水平線に半分ほどその姿を隠し、空は茜色に染まっていた。
32
◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 00:57:50.70
ID:72LGN7EC0
('A`)「そうだな、残りの作業は明日の午前にでもやるとすっかショボン」
(´・ω・`)「まぁ暇だから良いよ、それじゃあ今日は帰ろうか」
ドクオ達はまた明日、と挨拶を交わすともう薄暗くなった道を各々の家のほうに歩いていった。
第7話 「水道工事」 終わり
36
◆ct9JfRCXVU
2009/03/27(金) 01:05:28.61
ID:72LGN7EC0
休憩がてら画像うp
http://lovestube.com/up/src/up7059.jpg
廃ホテル
http://lovestube.com/up/src/up7057.jpg
一本坂
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素直家
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ハインの家
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