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( ^ω^)ブーンは駆逐するようです


第3話

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/01(火) 07:05:51.54 ID:Q20amxjg0
第三話「夢乞い」

僕は彼女の日用品をそろえるために買い物に出向いていた。

ξ゚听)ξ「すごい……。まだこんなに活気が溢れている」

街の中心部にある本部からでてすぐの市場に彼女は驚いていた。
あたりは様々な店が立ち並び、買い物客で賑わっている。

( ^ω^)「ここは中心地だから特に活気があるんだお」

ξ゚听)ξ「管理通貨制度が保ててるんだ。この街は平和ね」

彼女の街だけではなく、他のほとんどの地域ではもうお金なんか何の価値もない。
蟲のために物資は配給制になっているのだ。
まだ管理通貨制が残っているこの街は、彼女の言うようにここが平和で、ある程度の余裕を持つことが出来ている証拠である。

( ^ω^)「さて、必要なものをそろえるんだお」

ξ゚听)ξ「あの、でも私お金……」

( ^ω^)「心配いらんおw 今回は僕が払ってあげるおw」

初めは遠慮していたものの、最後には申し訳なさそうな顔をしてお金を受け取った。
適当にお店を見てまわって日用品を揃えていく。下着を買うところに何気なくついていくのは
彼女の視線が厳しかったのでやめておいた。無念。

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/01(火) 07:06:37.67 ID:Q20amxjg0
最後に入った雑貨屋で彼女はノートと筆記具を購入した。

( ^ω^)「それは何に使うんだお?」

ξ゚听)ξ「えっと、日記でも書こうかなって。こういう環境だから
      自分を落ち着かせることにもなるかも知れないし」

( ^ω^)「なるほどだおw」

ξ゚听)ξ「ごめんなさい。こんな大変な状況のなかで暢気な事と思われるかもしれないけど」

( ^ω^)「そんなことはないお。君はもっと楽にしていても良いんだお」

ξ゚听)ξ「いえ、でもたださえ迷惑をかけているのに……」

( ^ω^)「嫌でなければ家族みたいなものだと思ってくれれば良いおwww家族にはそんな気遣いはいらないおwww」

ξ゚听)ξ「家族……ですか?。」

( ^ω^)「多分、これから辛いことはいっぱいあるおww君はまだ子供なんだから大人に頼っても全然おかしくないおwwwww」

ξ゚听)ξ「でも……」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/01(火) 07:07:12.34 ID:Q20amxjg0
( ^ω^)「すぐに慣れなくても良いお。肩の力を抜かないと疲れちゃうお」

ツンはしばらく無言でうつむいて、「……ありがとうございます」とだけ小さく言ってちょっと居ずらそうにしていた。
ただ僕の家、といっても防衛部隊本部の一部なのでさっきまでの場所に戻っているのだが、に帰って
他の幹部との共通の夕食を食べる彼女は来たときより和んでいて、表情には元の笑顔が戻りつつあった。

( ^ω^) (やっぱり女の子は笑ってるときの方が可愛いお)

从 ゚∀从「何にやついてるんですか?」

( ^ω^)「何でもないおwwちょっといい事があっただけだおwww」

从 ゚∀从「?」

なんだか今日の夕食はやけにうまい気がした。




48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/01(火) 07:07:45.01 ID:Q20amxjg0



(;^ω^)「……しまったお」

夕食が終わって皆が帰った後、僕達は本部の一番端のやたら生活感のある大きめな部屋にいた。
ここは僕の自室で、本部には僕らの他に数人の警備及び連絡隊員が残っているだけだ。
と、言ってもここは使われていなかった小学校を改装したのでかなり大きく、

従って僕の私生活に彼らの存在が介入することはほとんどない。
蟲も夜にはほとんど活動していない。

ξ゚听)ξ「どうしたんですか?」

(;^ω^)「君の部屋のことを考えてなかったお」

ξ゚听)ξ「部屋?」

( ^ω^)「大きさ的にはこ人間二人生活するには何の問題もないお。だけど……」

ξ゚听)ξ「いやでも大丈夫ですよ。あなたが襲うとか思ってませんから」

それは男として認定されてないということだろうか?

( ^ω^)「フヒヒwwwそれはわからんおwwwwwwww」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/01(火) 07:08:24.03 ID:Q20amxjg0
ξ゚听)ξ「……」

(;^ω^)「冗談だお、そんな怖い目で見なくてもwww」

ξ゚听)ξ「そういう冗談はやめてください。私が怖い目にあったこと知ってるんですから」

( ^ω^)「すまんお。軽率だった、許して欲しいお」

ξ゚听)ξ「いえ、そんな……」

言い過ぎたと思ったのか、ツンはちょっと申し訳なさそうにした。

( ^ω^)「そうだ、お風呂入ってくるといいお。水が自由に使えるのはこの街の自慢だお」

ξ゚ー゚)ξ「本当ですか!お風呂なんて前のとこでは時々しか入れなかったから気になってたんです」

( ^ω^)「ゆっくりしておいでお」

場所を説明すると彼女はすぐにお風呂の用意を持って部屋を出ていった。
やはりお風呂が好きなのはこの国に住む者達の共通項のようだ。

( ^ω^)「……」

なんとなく見回したいつもの自分の部屋。
彼女が出て行った後の部屋はなぜかいつもより少し広く感じる。

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/01(火) 07:09:06.12 ID:Q20amxjg0
( ^ω^)「家族……かお」

僕は、彼女の家族たるほどに信頼できる人間だろうか?

( ^ω^)「……」

さっきの一瞬の、ほんの一瞬の表情が目に焼きついていた。
本当に怯えている時の、見ていると悲しくなる瞳。

( ^ω^)「うーむ」

まぁ、それでもちょっとは彼女は元気になっただろう。
今はそれで良い。


一人の人間が他人にこうなって欲しいと思ってしてやれることは、そんなにない。
むしろ自分の意識しないところで他人は自分から影響を受けている。
だから、せめて誰かの笑顔がちょっと多くなるような生き方を。
そうしてちょっとづつ積み重ねて、その誰かが最後に幸せになってくれればそれで良い。


( ^ω^)「……そう思うのは僕の傲慢かお?」

考えるのは、やめておいた。

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/01(火) 07:09:51.08 ID:Q20amxjg0


お風呂から帰って来たツンはこぎれいになって、より可愛く見えた。
無防備ささえ感じるパジャマ姿はあえて意識しないでいたのに、

女の子独特の爽やかな甘い匂いで妙な気分を抑えるのに必死になってた。
お風呂上りで紅潮した頬と濡れた長い金髪がツンに歳不相応な妖艶さを与えていた。
これは慣れるまでに苦労すると思って、慌てて部屋から逃げるように風呂へ向かった。

――家族に。

そう言いだしたのは自分なのに。

彼女はまだまだ子供なのに。

( ^ω^) (うはwwwwwロリコンwwwwwwwwww)

そうして軽い考えに走った先には、彼女のあの怯えた瞳が待っていた。

(;^ω^)「まったく、とんだ地獄だおw」

でもなんだかうれしかった。こんなことを考えられるほど、まだこの世界は破壊されきっていなかった。


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/01(火) 07:10:22.40 ID:Q20amxjg0
ξ゚听)ξ「地獄?そんなに戦況が悪いんですか……?」

( ^ω^)「ああ、違うおwそれはこっちの話だお。さてもう寝るお。歯は磨いたかお?」

ξ゚听)ξ「はい。……あの本当に私がベッド使ちゃって良いんですか?」

( ^ω^)「構わんお。僕はソファがあるおwww あとこれを渡しておくお」

差し出されたのは一丁の小型の拳銃だった。

ξ゚听)ξ「え……あ、はい。ありがとうございます。護身用の銃まで」

( ^ω^)「護身用……まぁ、今はそれでいいお」

ξ゚听)ξ「?」

( ^ω^)「じゃ、電気消すお。明日は6時起床。おやすみツン」

ξ゚ー゚)ξ「はい。おやすみなさい」

それから、真っ暗な中で僕は落ち着かない気持ちを整理していた。
ツンがこちらの様子を伺っていたようだったけど、しばらくすると寝返りをうって整ったかすかな寝息を立て始めた。
僕はゆっくり目を閉じて、やがて息を整えた。

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/01(火) 07:10:49.67 ID:Q20amxjg0


月が明るい。ここのソファからは普段見慣れた空が良く見れる。
彼女の寝息が時々僅かに乱れる。どうやら完全に寝たようだ。
僕は静かにソファから身を起こすと、彼女の寝るベッドをもう一度覗き込んで寝ていることを確認した。

( ^ω^) (うーん……ここまで無用心なものどうかと思うおw)

彼女は気持ち良さそうに寝ている。
学生の頃はこんな美人な子が彼女だったらと妄想したような気もする。

( ^ω^) (これはひょっとして襲うフラグかお?……とか、さすがにねーおw)

その寝顔は見ているこちらがうれしくなるくらいに気持ち良さそうだった。
その無邪気な幸せさはどこか子猫ににている。

( ^ω^) (……さて、お仕事としゃれ込みますかお)

部屋の扉を慎重に閉め、僕はいつものように司令室へと向かった。



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