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問合せ
('A`)とランプの精のようです
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 18:37:58.98 ID:M8Z0w94sQ
薄暗い部屋の中、なにやらもそもそと動く人影があった。
('A`)「……はぁ」
覇気の無い顔で、うず高く積み上げられたダンボールと格闘している男が一人。
中の物を取り出して一つ一つ確認してから、なにやら紙に書き込んでいる。
('A`)「……」
一通り確認が終わると、一度出したものをまた仕舞い込み、そして次の箱へ。
まるで拷問のような作業だ。そう思いながら男は一度、大きな溜息を吐いた。
('A`)「ジイチャンも厄介なものを遺してくれたぜ…」
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 18:38:57.88 ID:M8Z0w94sQ
ダンボールの山に背を向け、男は煙草に火を点けた。
空気の淀んだ部屋にゆっくりと広がっていく煙が、ささくれだった男の心を幾分か和らげる。
('A`)「ふぅ。…コーヒーでも買いに行くか」
固まりかけた関節を摩りながら大きな伸びをひとつ。
('A`)「半日やってやっと半分かよ…」
ちらりとダンボールの山を一瞥し出て行く男の顔には、悲壮感と疲労感が張り付いて酷い――それはもう、直視したくない勢いで酷い――顔をしていた。
(#'A`)「うるせぇ!」
彼の名はドクオ。大学二年生の彼女いない暦=年齢、風俗に行く金も無ければ度胸も無いどころか、友達すらいない男g
(#'A`)「うるせぇつってんだろこの野郎!」
オホン。友達すらいない男が、ハイパーリア充な人生を手に入れるまでを綴った、ドキュメンタリーである。
(*'A`)「マジ?ねぇマジ??やっと俺の時代がk
嘘である。
(;'A`)「……」
嘘である。
(#'A`)「二度も言うな!マジで氏ねっ!」
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 18:40:23.28 ID:M8Z0w94sQ
ドクオの目下の悩みは、目の前に積み上げられた――文字通り積み上げられたダンボールを片付けなければならないことだった。
('A`)「ジイチャンもアバウトすぎるんだよなぁ。片っ端から突っ込むだけなんてさぁ」
原因をあえて産業すれば、
ジイチャン大往生
遺言「蔵と中身はドクオにあげるんだからっ///べ…別に余っちゃっただけであんたのためとかじゃないんだから///」
蔵内テラカオスwwwwwwwwwwwww
こんな感じである。
('A`)「蔵もらってもなぁ」
そう呟いて煙とともに溜息をまた一つ。
('∀`)「でも……フヒヒ」
彼を駆り立てる原動力は、漠然としてはいるものの単純な欲望だった。
('∀`)「ジイチャン酔うたびに言ってたもんなぁ。『あの蔵にはすごい宝がある』って」
そんな信憑性の欠片もない話を信じて、蔵のダンボールと戦っていたのだ。
('∀`)「なんだろうなぁ宝って。フヒヒ」
('∀`)「さてと、もう一頑張りすっか」
誰に言うでもなく気合を入れて蔵に戻るドクオの顔には先ほどまでとは違ってちょっとの疲労感と大きな希望で溢れていた。キモイけど。
(#'A`)「だからうるせえ!」
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 18:41:54.71 ID:M8Z0w94sQ
実の所、ドクオにとって宝なんて何でもよかった。
何でも良いと言ってしまうのには若干の語弊があるのだが。
ドクオの両親は彼が小学生の頃、帰らぬ人になった。
駆け落ち同然の結婚だったらしく、ドクオの手元にある両親の思い出の品は数えるほどしか無い。
この蔵にあるとするなら、親父のものしか無いのだが、それでもドクオにとっては大事な形見になるのだ。
親代りに育ててくれたジイチャンは、ドクオに色々と昔話をした。
本人曰く、『インディージョーンズ顔負けの冒険家』だったらしく、ドクオは、まるで御伽噺のような話を数多く聞いていた。
やれ単独エベレスト踏破だの、やれ埋もれたピラミッドを発見だの、やれ海賊団を蹴散らしてお宝横取りしただの。
彼にはそれが嘘だとわかっていた。
でもドクオは信じたかった。
両親が突然死んでしまって塞ぎ込んでいたドクオを慰めるためのやさしい嘘だったから。
余儀なくされた転校で友達の出来なったドクオを楽しませる暖かい嘘だったから。
まぁ、今も友達なんていないんだけど。
(#'A`)「お前は一言多いんだよ!」
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 18:43:35.12 ID:M8Z0w94sQ
('A`)「やっと最後の一箱だ…」
今までの戦利品と言えば、昔使ってた教科書だとか使いずらそうな食器類とかが殆んど。
('A`)「食器類は売ればいいか…いや、万が一を考えて鑑定団か?」
中にはドクオの欲した親父の形見もいくつかあった。
(*'A`)「ありがとう親父。このエロ本とエロビデオはありがたく使わせて貰うよ」
正直大した物は無かった。それでもドクオのとっては収穫だった。
('A`)「これで最後っと…ん?」
('A`)「なんだこの箱」
最後に出てきたのは厳重に封印された1M四方ぐらいの箱?だった。
御札らしきものがびっしりと貼ってあるそれは、御札の塊にしか見えず凄まじく気持ち悪い。
(;'A`)「……」
ドクオは息を飲んだ。
気持ち悪さからじゃない。
それはジイチャンの昔話に出てきたものだから。
(;'A`)「魔法のランプ…だったよな…」
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 18:44:20.38 ID:M8Z0w94sQ
〜ジイチャンの昔話産業〜
海賊から奪ったランプ
マジでガチだった。
色々ヤバイから封印した
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 18:45:45.39 ID:M8Z0w94sQ
(;'A`)「マジであったんだ…」
(*'∀`)「でもジイチャンの話は本当だったんだ!!」
一気にテンションの上がるドクオ。
その目は希望に満ちていて危機感など微塵も無く。
(*'A`)「俺の…俺の人生始まった!!」
自らの運命に微塵の憂いも感じず。
(*'A`)「これでっ!俺もっ!!」
あるかどうかもわからない薔薇色の未来を見つめていた。
(*'∀`)「リア充だーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
……キモイ顔してるくせに……
(#'A`)「水差すんじゃねぇ!!」
('A`)とランプの精のようです
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 18:47:25.72 ID:M8Z0w94sQ
('A`)「……さてと。冷静に考えて開けて良いもんかね、これ…」
その箱は、恐ろしいまでの数の御札に封印されていた。
('A`)「えーと、梵字かこの札は」
('A`)「般若心経だよな…」
('A`)「なんだ?英語読めねえ…」
('A`)「六芒星はちがくね?」
あまりの御札の多さに、元は箱であることすら疑わしい。なんと厳重に封印されていることか。
宗教の垣根を越えた無秩序が、まるで呪いの藁人形のような怨念さえ醸し出している。
(*'A`)「でもそんなの関係ねぇ!俺は薔薇色でピンクな未来を掴む!」
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 18:48:25.58 ID:M8Z0w94sQ
そう叫ぶや、猛然と箱の解体に取りかかるドクオ。
(#'A`)「ふんっ!」→×
(#'A`)「素手がダメならカッターで!」→×
(#'A`)「こなくそ!ちょっ錆びてるけど鉈なら行ける!君に決めた!」→×
……………
………
…
('A`)「ヴェノア」
相当な厚さで貼り付けられているであろう御札は、長い時間の中で、まるで石であるかの用な堅牢さを身に付けていた。
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 18:51:00.00 ID:M8Z0w94sQ
最終的にドクオが取った行動は、煮て柔らかくすることだった。
('A`)「うはwwwwwwwww俺天才wwwwwwwwwwwwwwwwww」
風呂に浸ける→柔らかくなったところを剥ぎ取る→また浸ける。
何度この工程を繰り返しただろう。
箱?が元の半分の大きさになったところで、ついにドクオが切れた。
(#゚A゚)「〜〜〜〜ッッッッ!玉ねぎかっつーの!!!」
怒りに任せて鉈を降り降ろす。
降り降ろされる鉈。
熱湯に浮かぶ箱?
当たる瞬間、インパクトのエフェクトと共に現れるクリティカルの文字。
割れる箱?
飛び散る熱湯。
沈む箱?の中身。
極度の怒りが、ドクオの時間の進みを遅くした。
ゆっくり迫り来る、避けきる事の出来ない熱湯の飛沫。
『あぢいいぃぃぃぃぃいいいぃいぃぃぃいぃ』
悲鳴が、見事にハモッた。
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 18:52:05.89 ID:M8Z0w94sQ
(;'A`)「誰!?」
「あっつい!あっついお!!」
ドクオは目の前で起きていることが信じられず、あまりのことに熱さも忘れていた。
(;'A`)「……(ヤカンが跳ねてる)」
「あつっ!馬鹿!死んじゃうお!」
(;'A`)「…お前がランプの精なのか?」
「ちょっ!おまっ!水寄越せ!っつーか中のお湯捨てるお!」
あまりの出来事に腰の抜けたドクオに向かって、ヤカンは勢い良く飛びかかった。
内部に侵入した熱湯を撒き散らしながら。
(゚A゚)「あぢいいぃぃぃぃぃいいいぃいぃぃぃいぃ」
悲鳴は10分ほど続いたという。
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 18:53:25.31 ID:M8Z0w94sQ
(;'A`)「ハァ…スミマセンデシタ…」
ドクオは今、必死に頭を下げていた。ヤカンに向かって。
そしてそのヤカンからは怒りを含んだ声が聞こえてくる。
ヤカン「熱湯の事情はわかったお。そこはまぁ許すお」
ヤカン「そのあと水に浸けてくれたことは感謝するお」
ヤカン「でもなかなか引き上げてくれなくて溺死させようとしたことは許せないお!」
ヤカンからはカップラーメンでも作れそうなほどの熱量を持つお湯があるかのごとく、立ち上る湯気と共にピーとけたたましくヤカンが鳴り響く。
怒り心頭のようだ。
(;'A`)「いや…あまりのことに気が動転してまして…」
ヤカン「確かにランプの精に出会う人間なんてそうそういないお。でもなんか殺意を感じたお!」
(;'A`)「いや、殺意は無いっス、ホント。ただヤカンが動いて喋ってる事があまりにm
ヤカン「ヤカンじゃなくてランプだお!お前願い叶えてやらないお!?」
(;'A`)「いや、ホントスミマセン!それだけは勘弁…(…どう見てもヤカンだろ)」
ドクオはヤカンの怒りを静めるのに小一時間ほどかかったという。
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 19:01:47.75 ID:M8Z0w94sQ
ヤカン「とりあえずブーンをここから出すお」
('A`)「あ、名前ブーンさんって言うんですね」
ブーン「本名は違うお。でも人間じゃ発音出来ないからブーンって呼ぶといいお」
ブーン「それにさん付けもいらないお。呼び捨てで構わないお。ブーンは堅苦しいのきらいだお」
('A`)「…じゃあブーン、お前の出し方教えてくれよ」
ブーン「…いきなり偉そうだけど、まあいいお」
ブーン「まずはLLのビザとダイエットコーラを2L用意するお。これが一番大事だお」
('A`)「擦るだけとか、お伽噺みたいに簡単じゃないんすね」
ブーン「そんな古典的な手で使えるほどブーンは安くないお。とにかく急いで欲しいお。ブーン小説なのにブーンの顔がまだ出てないなんて異常だお」
('A`)「…そっすね(でもなんでピザとコーラ?)」
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 19:06:49.16 ID:M8Z0w94sQ
ブーン「準備できたら上の口から全部入れるお」
('A`)「入りそうにないんだが…」
ブーン「大丈夫だお。いいから黙って入れるお」
('A`)「…はいはい」
ブーン「入れたらそのままで暫く待つお」
('A`)「じゃ、入れるぞ?」
にゅるんと一瞬あり得ない形に変形したピザとコーラが、吸い込まれるようにヤカンに消えていった。
ブーン「やっと来たお!」
('A`)「……」
ブーン「ハムッハムハフッ」
('A`)「………」
ブーン「ハムハフッ。ピザうめぇwwwwwwwwwwwwwwwwww」
('A`)「…………」
ブーン「ハフハフッハムッ。コーラもうめぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(#'A`)「ただくってるだけじゃねぇか!」
ドクオに蹴られたヤカンは、浴室のガラスを突き破り、大きめの石に着陸。
決して小さくはないヘコミになった。
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 19:08:57.80 ID:M8Z0w94sQ
( #)ω^)「悪かったお」
(#'A`)「まずピザとか何考えてんだお前。しかも三回擦ったら普通に出てきやがるし。一回殴るだけじゃ足りねぇよ、マジで」
( #)ω^)「久しぶりに出れるからちょっとはしゃぎすぎたお。ごめんだお」
自らをブーンと名乗った上半身裸の小太りの男が、ドクオに謝っている。
なんとも有り得ない光景だが、一番異彩を放っているのがブーンの下半身だった。
しっかりと大地を踏みしめているべきその両足は、太股の辺りで急にその輪郭を失い、足首に至ってはもはや煙とも言うべき状態で、仄かに光るヤカンの注ぎ口と繋がっている。
そんな物を見せられたなら本当にランプの精だと信じる以外に術はなく──まぁ、ドクオは箱が見つかった時点から信じているのだが──この有り得ない現実を受け入れるしかなかった。
('A`)「まぁ、願いさえ叶えてくれりゃあ…」
(*'A`)「そうだ!願い!やべぇ!なんにしよう!考えて無かった!」
(*'∀`)「まず外見を格好良く…金持ちに…フヒヒ…しかもモテモテに…」
(*'∀`)「いやリアルは裏切るから二次元の嫁を…俺が二次元に…フヒヒヒ…えらべねぇwwwwwwwww」
( ^ω^)「きめぇwwwwwwwww」
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 19:14:48.15 ID:M8Z0w94sQ
( ^ω^)「真剣に悩んでるトコ申し訳ないんだけど、やってもらいたいことが一つあるお」
('A`)「またピザだったら殴る」
( ^ω^)「今はお腹いっぱいだお。そうじゃなくて、こいつも外に出して欲しいんだお」
('A`)「……?」
そう言ってブーンが差し出したのはなにやら筒状の物だった。
('A`)「…竹の…水筒?」
今はもう時代劇とかでしか見ることの少ない、竹を節ごと切り取って穴を開けた、簡単な作りの水筒だった。
ドクオは、受け取った水筒をとりあえず振ってみた。
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 19:20:30.33 ID:M8Z0w94sQ
「………ょ……ゃ………」
水筒から声が聞こえる…気がする。
( ^ω^)「栓がしてあるから声が聞こえないお」
('A`)「なるほど」
言われて気が付いたドクオは、栓を抜いてみた。
?「初対面なのにいきなりシェイクするなんて、なかなかひどい人だね?君も」
聞こえてきた声は、言っている事とは裏腹に、余裕のある落ち着いた声だった。
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 19:28:42.02 ID:M8Z0w94sQ
( ^ω^)「ショボン、おいすー」
?「やぁ、ブーン。元気そうで何よりだ。」
ショボンと呼ばれた水筒は、微かに自身を震わせながら答えた。
( ^ω^)「おっおっおっ。ブーンはいつでも元気だお」
ショボン「積もる話は後にしようか。あたらしいご主人の顔も見たいし」
( ^ω^)「いきなり騙されてピザとコーラをくれた底抜けにお人好しな馬鹿だお。多分ショボンも気に入るお」
(;'A`)「…(お前お人好しは良いにしても馬鹿まで言うなよ)」
ショボン「それは楽しみだ。じゃあご主人、まずは僕を出してくれないか?」
ショボンはそう言うと、早く外に出せと言わんばかりに水筒を震わせた。
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 19:32:36.94 ID:M8Z0w94sQ
('A`)「とりあえず擦ればいいのか?」
コスコスコス
ショボン「そうじゃないんだ。こう、水筒を握るようにして」
('A`)「こうか?」
コスコスコス
ショボン「もっと強く握って…ちょっと強すぎ…そう、そのくらいがちょうどいい」
('A`)「へいへい」
コスコスコス
ショボン「もっと!もっと擦って!」
(;'A`)「コレ…なんか違くね?」
コスコスコス
ショボン「ハァ…気にしたら…ハァハァ…敗けだよ…ハァ」
コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 19:33:24.64 ID:M8Z0w94sQ
ショボン「出るっ!外に出るよっ!」
5分ほど擦り続けたところで、ショボンはいきなりそう告げた。
言うが早いか、水筒の口から、大量の白い靄のようなものが勢い良く飛び出す。
糸を引きそうな程、粘性があるようで、床にぶちまけられた靄はしっかりと水筒に繋がっていた。
さらに言うなら、水筒自体、ビクンビクンと脈打つように動いていたりする。
(;'A`)「…これって…お前」
頭に浮かんだ「あれに似てるなぁ」という想像を無理矢理打ち消して、ドクオは白い靄を見つめる。
(;'A`)「自分のものじゃないと思うとさらにキモいな…」
その言葉は、未だ脈打つ水筒に向けられたものだったか、はたまた、少しづつ形を整えつつある靄に向けたものだったのか。
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 19:38:51.64 ID:M8Z0w94sQ
ほどなく形を整えた靄は、おもむろに体を起こすと、振り向きざまに
(´・ω・`)「ようこそバーボンハウスへ。この登場は演出であって他意は無いんだ。落ち着いて欲しい」
と宣った。
(#'A`)「スッキリ顔で言われても説得力ねぇよ!」
(*'A`)「じゃあぼちぼち願いでも叶えてm
(´・ω・`)「その前にこの娘も出してあげて欲しいんだ」
そう言って差し出される米袋。
もはやランプとは言えない。
(;'A`)「…何人いるんだよ」
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/09/23(火) 19:39:44.50 ID:M8Z0w94sQ
はてさて。
これからどのような運命がドクオを待っているであろう…
ただ厄介事を背負い込んだだけなのか。
地獄の釜が口を開けて嘲笑ってるのか。
それとも『薔薇』色の未来が待っているのか。
それは誰にもわからない。
(;'A`)「ちょ、薔薇に『』付けんな!」
なぜなら彼らの物語りはこれから始まるのだから。
(;'A`)「ピンクは?よいこは見ちゃいけません的な展開はないの??」
これから始まるのだから!
(;'A`)「誤魔化さないで!」
('A`)とランプの精のようです。
終わりです。
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