ブーン系小説をまとめて紹介しているサイトです
HOME | 問合せ
( ^ω^)白い塔のようです

第3話

2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2008/02/27(水) 19:38:53.76 ID:aRNlSdVo0

あらすじ


ブーン将軍は度重なるキメラ(合成獣)による被害を止めるべく、
発生源とされる、テラ山脈へと向かう。

同行するは、VIP7神将と言われる豪傑達。

果たしてブーン達はキメラを止める事ができるのか?



まとめ
http://booooonovel.web.fc2.com/cyu-ni/cyu-ni.html

注)
この内容には、過度の厨ニ表現が含まれています。
筆者自身初の挑戦になるので、見苦しい点は御容赦の程よろしくお願いします。



3 1 2008/02/27(水) 19:41:25.04 ID:aRNlSdVo0


夜は交代で見張りを立てた。

安眠などできる状況ではないが、体力にも限界はある。


( ^ω^)「そうかお……モナーが」

( ,,゚Д゚)「ええ、惜しい奴を失いました」


初の死者に戸惑いを覚えながらも、事前に覚悟はしておいた。

犠牲を出さない事など無理なのだ。



5 1 2008/02/27(水) 19:43:13.50 ID:aRNlSdVo0

( ^ω^)「それにしても、多様なキメラが出てきたおね」

('A`)「こっちは、昆虫型でしたね。
    あの装甲には苦労しましたよ」

( ,,゚Д゚)「今までのように、一筋縄じゃいかないな」

('A`)「ジョルジュに探らせて、先手を取るしかないな」


空からの視点を活用できるジョルジュは、この部隊にとって要だ。
破壊力のあるキメラに先手を取られたら、致命的になりかねない。


( ^ω^)「よし、今後の行動はジョルジュをサポートする形で動くお」

('A`)「そうですね、つー以外にも近接で戦闘できる人物が必須かと」



6 1 2008/02/27(水) 19:45:32.94 ID:aRNlSdVo0


( ФωФ)「……その役目、我輩にお任せ頂けまいか?」

( ^ω^)「ロマネスク……」

('A`)「……」

( ФωФ)「必ず、この命に代えてもジョルジュ様をお守りします」

( ^ω^)「……なら任s」

('A`)「ダメだな」

(;ФωФ)「!」(^ω^;)



8 1 2008/02/27(水) 19:48:10.04 ID:aRNlSdVo0


突如、ドクオの口から出た言葉は完全否定。


(;ФωФ)「な、何故ですかドクオ殿!」

('A`)「何故もこうも無い、単なる力不足だ」

(;ФωФ)「ッ!」

('A`)「いいか、想像してみろ」


つーがキメラを引き付け、ジョルジュが弓を絞っている。

この時点でジョルジュは、鷹眼を使用し対象に集中している。

その時、ジョルジュの後ろにキメラが現れた。



9 1 2008/02/27(水) 19:50:31.91 ID:aRNlSdVo0

('A`)「お前は一人で退けられるのか?」

(;ФωФ)「……」

('A`)「そう言うこった」


この行軍に参加してから、まだ何もしていない。
ドクオとブーン将軍の見事な連携プレーを、見ていただけだ。

何故、今回志願したのか?

将軍の役に立ちたかったから。



11 1 2008/02/27(水) 19:52:50.23 ID:aRNlSdVo0


( ФωФ)「それでも……任せてください!」

(#'A`)「……てめぇ」

ミ,,゚Д゚彡「なら私も彼と一緒に行動しましょう」

('A`)「!」


休んでいたフサギコが、体を起こしそう言った。


ミ,,゚Д゚彡「僕と彼なら、倒せなくともジョルジュ様が逃げる時間は稼げます」

('A`)「……」


12 1 2008/02/27(水) 19:54:34.88 ID:aRNlSdVo0

( ^ω^)「でもギコはどうするんだお?」

ミ,,゚Д゚彡「……元々、モナーがいたからこそ、私もそれなりに戦えていたんです。
      モナーが居なくなった今、ギコにとっても邪魔なだけでしょう」

('A`)「だが……しかし」


「俺ぁ、構わねーぜ」

( ^ω^)「!」


後ろから聞こえてきた声は、はっきりとそう言った。

  _
( ゚∀゚)「そこまでの意思があるんだったら、俺の背中も任せられる」

('A`)「ジョルジュ……」


13 1 2008/02/27(水) 19:58:47.58 ID:aRNlSdVo0

( ^ω^)「ドクオ、本人もこう言ってるお」

('A`)「……将軍が許可するなら」


ブーン・ドクオ

ギコ・ビロード・ツン・オワタ

ジョルジュ・つー・フサギコ・ロマネスク・シィ

という編成で落ち着いた。


16 1 2008/02/27(水) 20:02:35.25 ID:aRNlSdVo0

  _
( ゚∀゚)「鷹は夜目が利かないからな、見張りは任せた」

ミ,,゚Д゚彡「私とギコで見張りを継続します。皆さんは休んでください」

( ,,-Д-)「う〜ん、むにゃむにゃ」


キメラも夜に行動できる種類が少ないのか。

森の中では静かに、寝息が立てられた。




17 1 2008/02/27(水) 20:04:06.60 ID:aRNlSdVo0


翌朝


( ^ω^)「今日で山脈に入り始めて、7日目だお。
       食料も考えて行動するお」


街で用意してきた食料は、約10日分。

それでも、森の途中で獣を狩ったり、食草を取ったりと
食物の節約は努めてきた。

しかし、7日間立ってもテラ山脈は全貌を見せる気配は無い。
思っていたより長期での探索になると思われた。


( ,,゚Д゚)「しかし、このまま闇雲に探すのか?」


19 1 2008/02/27(水) 20:05:55.01 ID:aRNlSdVo0

('A`)「検討は付いてるのか?ビロード」

( ><)「調査によれば、標高3000mより上ではキメラの被害・目撃は無いんです!
      推測になるんですが、2500m〜3000m付近を広域に探るしか方法は無いと思うんです!」

( ^ω^)「現在地の標高は1500m……まだまだ登る必要があるお」

('A`)「そうですね、ただ2500mじゃ心もとない、2000mを越えた時点で入念に探るべきです」
  _
( ゚∀゚)「どっちにしても、俺が鷹眼で発生源を特定してやるよ!」

('A`)「任せる」



20 1 2008/02/27(水) 20:06:54.20 ID:aRNlSdVo0

やがてザァーという音が聞こえ始め、眼前に川が立ちふさがった、

水は勢い良く流れ、濁流と化している。


( ,,゚Д゚)「これは……」

( ^ω^)「馬じゃ渡り切れんお……」


川幅も広く、上流は滝。

これ以上馬を引いていくのは不可能だった。


( ^ω^)「分かってた事だお、ここで馬を捨てる」

('A`)「了解」


22 1 2008/02/27(水) 20:08:18.52 ID:aRNlSdVo0

( ^ω^)「荷物は、動きに支障が出ない程度に留める事」

ξ゚听)ξ「大分厳しくなるわね」
  _
( ゚∀゚)「バストに狩りもさせるか」


馬を置き、川を渡り一直線に中腹を目指す。

森を抜け平原に差し掛かったところで、ドクオはふと足を止めた。


('A`)「……」

( ^ω^)「お?ドクオどうしたお?」

('A`)「何か……聞こえないか?」



23 1 2008/02/27(水) 20:10:06.75 ID:aRNlSdVo0


( ,,゚Д゚)「何も……聞こえないが?」

('A`)「シッ!」



ズ


ミ;,゚Д゚彡「む」


ズズズ


(;ФωФ)「こ、これは……」


ズズズズズズズ

24 1 2008/02/27(水) 20:11:02.92 ID:aRNlSdVo0

(;^ω^)「なんだお……この音」

ξ;゚听)ξ「近づいてくるわ……」

('A`)「地震?いや違う!」
  _
(; ゚∀゚)「500m四方にはキメラはいないぜ?」


ドドドッ


音が突然やみ、辺りは一変静けさに支配される。


(;^ω^)「構えろお!」


ブーンの声に呼応し、全員が武器を手に身構える。


25 1 2008/02/27(水) 20:11:43.37 ID:aRNlSdVo0
すみません、ちょっと離席します。

仕事ができちゃいました……。

30分で戻ります。

31 1 戻りました 2008/02/27(水) 20:59:20.10 ID:aRNlSdVo0

(;'A`)「……」

(;,,゚Д゚)「……」

ξ;゚听)ξ「……」



上空にいるバストが「ピュイー」と鳴いた瞬間だった。


シィの足元が大きく盛り上がり、そして裂ける。


((*;"ー"))「ッ!」


その裂目から現れた大きな物体に、
シィは下半身を呑み込まれ、そのまま地中へと引きずり込まれて行った。


32 1 2008/02/27(水) 21:00:12.22 ID:aRNlSdVo0


(;'A`)「んなっ!」

ξ;゚听)ξ「あっ!」


一同、何が起こったのか理解できずに唖然としてしまった。

そして、やっと状況が飲み込めたのか、
ブーンが大声で叫んだ。


(;^ω^)「全員、岩の上に退避!」


ここは平原。
森のように登れる木は、周りに無い。

そして全員、はっとし前方の大きな岩へと飛び乗った。


33 1 2008/02/27(水) 21:01:04.26 ID:aRNlSdVo0

ξ;凵G)ξ「シィ!シィィィ!いやぁぁぁ!」

(;^ω^)「ツン!駄目だお!」


ツンは、ブーンに無理矢理引っ張られ、岩の上へと連れて来られた。


(;,,゚Д゚)「なんなんだ……ありゃ」
  _
(; ゚∀゚)「ミミズ……のような姿をしてた」

(;'A`)「ミ、ミミズ……」

\(;^o^)/「ガクガクブルブル」


地中を履い、しかも高速て襲いかかる。

ジョルジュの鷹眼で見極める事もできない。

35 1 2008/02/27(水) 21:01:49.67 ID:aRNlSdVo0

('A`)「とりあえず、この岩の上にいれば、安全だが……」


見渡す周りは平原。

ここで立ち往生するわけにもいかない。


( ,,゚Д゚)「……」

('A`)(どうするか……)


こんな狭い岩の上で、尚且密集している状態で、
飛行系のキメラにでも襲われたら危険だ。

この状況を長く続ける事はできない。


36 1 2008/02/27(水) 21:02:07.88 ID:aRNlSdVo0

( ,,゚Д゚)「……将軍、提案があります」

( ^ω^)「なんだお?ギコ」

( ,,゚Д゚)「私が囮になります」

ミ;,゚Д゚彡「ッ!」

( ,,゚Д゚)「私の猫脚なら、あの攻撃も避けれるはずです」


ギコの猫脚。
通常の人間であればジャンプしたり、走る際には
必ず準備をしなければならない。

それは筋肉の緊張であったり、収縮であったり。

だがギコの場合、ノーモーションで行動を起こせる。


37 1 2008/02/27(水) 21:02:50.59 ID:aRNlSdVo0

( ,,゚Д゚)「そして、奴が顔を出した瞬間、ドクオが一撃を入れる。
      ドクオの技量なら可能でしょう」

( ^ω^)「……ドクオ?」

('A`)「可能……だと思います」



現状を打破するには、奴を倒さなくてはならない。

7神将軍の中でも、最速を誇る二人。
これしか打開策は無いように思われた。



40 1 2008/02/27(水) 21:04:04.08 ID:aRNlSdVo0

( ,,゚Д゚)「行ってくる、任せたぞドクオ」

('A`)「あぁ、心配するな」


ギコが岩から飛び下り、数メートル離れた所で、
ピョンピョンと跳び跳ねる。

これで地下にいる、「ヤツ」にも伝わっただろう。


(,,-Д-)


ギコは双剣を納め、集中するかのように目を閉じた。

一方ドクオは岩の上で剣を抜き、いつでも飛び出せる体制を取る。


しばしの沈黙が、周囲に広がった。

41 1 2008/02/27(水) 21:05:00.99 ID:aRNlSdVo0



瞬間、ギコが足元に違和感を感じる。


( ,,゚Д゚)(来たっ!)


ギコは猫脚を使い、瞬時に空中へと跳び跳ねる。

と、同時に地中から巨大なワームが突き出してきた。


(;^ω^)「ドクッ……」


ブーンがそう叫んだ時には、既にドクオは隣にいなかった。



44 1 2008/02/27(水) 21:05:42.35 ID:aRNlSdVo0

(#'A`)「らあぁぁぁ!!」


ドクオの渾身の一撃が、無防備に晒されたワームへと叩き込まれる。





だが


ゴムのような弾力とヌルヌルした粘液が、
ドクオの剣を弾き返した。


(;'A`)「なっ!」



47 1 会社閉めるんで時間ないんです…… 2008/02/27(水) 21:06:41.80 ID:aRNlSdVo0

体制を整え着地したドクオだったが、
その一瞬でワームに再び地中へと潜り込まれてしまった。


(;,,゚Д゚)「……」

(;'A`)「……」


残されたのは立ちすくんだドクオと、
フワリと着地したギコ。


(;'A`)(不味い……)


ギコは猫脚でワームの攻撃を避ける事ができるが、
自分にそれができるか?


49 1 2008/02/27(水) 21:07:27.25 ID:aRNlSdVo0

(;^ω^)「ドクオッ!」


その状況をブーン達も察し、絶望感が襲ってくる。


(# ><)「ドクオ隊長ーー!!」


動けないブーン達をよそに、ビロードが岩から飛び下り、
ドクオに向かって走って行く。


(;'A`)「馬鹿!来るな!」

(# ><)「隊長!逃げて下さいなんd」


三度地面からワームが突き出し、
ビロードがその顎に捕獲された。

52 1 2008/02/27(水) 21:08:33.51 ID:aRNlSdVo0


(; ><)「ごふっ」


口から血が吹き出し、ベキベキと骨の砕ける音が聞こえる。


(;'A`)「ビロードッ!」

(; ><)「たい…ちょ……に…げ」




「凍!」



54 1 2008/02/27(水) 21:09:46.77 ID:aRNlSdVo0

(;'A`)「!」


その言葉が聞こえた瞬間、地面とワームが接している部分が凍りついた。

ワームは地中に戻ることができなくなり、
ビロードをくわえたままうねり続けている。


( ・∀・)「……」

('A`)「モララー……」

( ><)「……モララー…さん。僕は…もう…ダメなんです…このまま…一緒に…」

( ・∀・)「……」


56 1 2008/02/27(水) 21:11:17.99 ID:aRNlSdVo0
コクリと小さく頷いたモララーは、
杖を高くかざし、そして振り降ろした。


( ・∀・)「炎!」


ワームの体から業火が立ち上がり、
ビロードもろとも赤い炎に包まれた。


( ><:.「ドクオ…隊長の元で……」

( >::..,「戦えて……うれしかった……んです」

( ::::...,,



('A`)「ビロード……」


数秒後、残されたのは真っ黒な炭だけだった。

58 1 2008/02/27(水) 21:11:53.43 ID:aRNlSdVo0

( ^ω^)「……」

ξ゚听)ξ「……」

( ,,゚Д゚)「……」


全員が言葉を出さずに、ビロードの死を惜しんだが、


('A`)「先を急ごう」


ドクオがスタスタと歩き出す。

その後を追うように全員が歩き出した。


59 1 2008/02/27(水) 21:12:35.63 ID:aRNlSdVo0

忠実な兵だった。

信頼も寄せていた。

この行軍に加入させたのも、本当は嫌だった。

常人には生き残れない、だろうと。

だが、ここで彼を外す事は彼を裏切る事になる。

信用していないと。


なんてことは無い。

想定内の結果だ。

だから

60 1 2008/02/27(水) 21:13:04.09 ID:aRNlSdVo0




だから

必ず、仇は取る。





('A`)(必ずだ)




第3話  〜fin〜


第4話へ


HOMEに戻る ニュー速VIPのブーン系小説まとめ
Copyright © 2008 Boon Novel. All Rights Reserved.
inserted by FC2 system