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問合せ
( ^ω^)ブーンがガンダムを駆けるようです
[1]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:19:27.48 ID:2cFRZxd00
シーマ様とファラ少佐が大好きです
こんな俺が代理だぜ?
[2]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:19:52.36 ID:ltpypCSa0
じゃあメイ貰う
[3]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:20:26.69 ID:mCEpk0EW0
ガンダムを駆けるっておかしくね
[5]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:23:11.16 ID:lKvh7EyZO
( ^ω^)ブーンがガンダムを駆けるようです
それはある夏の日の事だった。
ニュース「大型の台風が近づいており、各地で避難勧告が出されています」
16インチのブラウン管から、
雑音混じりのアナウンスが聞こえる。
[6]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:24:28.61 ID:lKvh7EyZO
(´・ω・`)「やれやれ、台風が来るのか」
( ^ω^)「今回も無事に過ぎてくれるといいんですけど……」
(´・ω・`)「ま、出撃の出番は回って来ないだろうが……」
( ^ω^)「住民を守る立場からも、それは避けたいですお」
(´・ω・`)「そうだな……」
垂れ眉の大柄な男は、ショボン。
この基地を仕切っている所長だ。
一方、おっとりとした笑顔の青年は、
最近配属されたばかりの新人ブーン。
やる気に満ち溢れている。
[7]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:25:50.61 ID:lKvh7EyZO
(´・ω・`)「まぁまぁ、そんなに入れ込まんでもいいよ。
気楽にやるのが一番さ」
( ^ω^)「はあ……」
ポツポツと降っていただけの雨が、
やがては大粒へと姿を変え、風を伴い嵐へと変貌する。
その雨は三日三晩降り続いた。
(;^ω^)「所長!」
(;´・ω・`)「分かってる」
[8]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:27:18.26 ID:lKvh7EyZO
(;^ω^)「95%を越えましたお!」
(;´・ω・`)「だから、分かってる!」
所長はワナワナとするばかりで、
親指の爪を噛みながら小刻みに震えている。
(;^ω^)「どうするんですお!?」
(;´・ω・`)「俺達にはどうすることもできない……」
(;^ω^)「そんな……黙って住民が死ぬのを見てるだけですかお!?」
(;´・ω・`)「仕方が無いだろう……俺達だって死ぬかもしれない……」
[9]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:28:19.60 ID:lKvh7EyZO
(;^ω^)「馬鹿なっ!僕達はなんのためにここにいるんですかお!」
(;´・ω・`)「あんな巨大なものをどうしろっていうんだ!」
(;^ω^)「う……それは」
なんとかしないと。
という意識にかられ、手段については全く思い付きもしなかった。
冷たい汗が、頬をつぅっーっと伝って床に落ちる。
(;^ω^)「そ、それじゃぁ……」
(;´・ω・`)「ああ……」
[10]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:29:54.70 ID:lKvh7EyZO
(;´・ω・`)「このダムは決壊する!」
[11]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:30:58.68 ID:lKvh7EyZO
ガンダム
VIP市の全水源を担う巨大なダムである。
ニュー速川に水門を持ち、貯水量は国内1位を誇る。
ニュー速川沿いにVIP市が栄えている。
そんなダムが決壊したとしたら、
都市は全て呑み込まれてしまうだろう。
(;^ω^)「所長!96%に……」
(;´・ω・`)「……」
[13]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:32:34.07 ID:lKvh7EyZO
ダムの事務所にいるのは、ショボンとブーンの二人のみ。
応援を呼ぼうにも、大雨により氾濫した川が、
道の途中にある橋を落としてしまったのだ。
(;´・ω・`)「不味いな……」
(;^ω^)「所長?」
(;´・ω・`)「とうの昔に決壊警報を入れているが、
この台風と大雨の影響で避難が遅れている」
(;^ω^)「じゃ、じゃあ?」
(;´・ω・`)「凄まじい数の犠牲者が出てしまう……」
(;^ω^)「そんな……」
[14]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:33:46.63 ID:MIk/OEKzO
某ロボットものだったら毒吐いて速攻でスレ閉じるつもりだったが
これは期待
[15]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:34:29.43 ID:zaDkNH0rO
ダムかww
[16]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:35:41.30 ID:lKvh7EyZO
何か出来るのであれば、現地にいる自分達だけ。
僕達が諦めた時点で、死は無情にもやってくる。
考えろ、考えろ、考えろ!
( ^ω^)「……所長」
(;´・ω・`)「なんだ?」
[17]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:37:11.25 ID:2cFRZxd00
俺涙目じゃねーかwwwwwwww
[18]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:37:28.03 ID:lKvh7EyZO
( ^ω^)「決壊までの予想時刻は?」
(;´・ω・`)「この様子だと……持って一時間だ」
( ^ω^)「分かりましたお」
そう言うとブーンは作業着を着込み始め、
ヘルメットを被り出す。
(;´・ω・`)「おい、何をするつもりだ!ブーン!」
( ^ω^)「ひとつだけ……ひとつだけ決壊を免れる方法がありますお」
(;´・ω・`)「何っ!」
[19]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:39:31.81 ID:lKvh7EyZO
( ^ω^)「時間が無いので、無線で説明しますお」
(;´・ω・`)「あっ!おい!」
そう言うとブーンは事務所の扉から飛び出していった。
※
『所長!聞こえますかお!?』
ショボンが頭を抱え、下を向いてるところに、
ブーンからの無線が入った。
[21]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:41:27.21 ID:lKvh7EyZO
(´・ω・`)「ああ……聞こえてるよ」
『所長、このダムはニュー速川に流れ込んでいますお』
(´・ω・`)(そんな当たり前の事を……)
『ニュー速川と平行して流れてる川を知ってますかお?』
(;´・ω・`)「キョーアニ川だ!いいから本筋を話せ!」
『放水口をもう一個作りますお』
(;´・ω・`)「お前、何を言って……」
[24]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:43:25.54 ID:lKvh7EyZO
いくら現在の放水量が最大だからといって、
また新しい放水口を作ったりしたら、
水圧に耐えきれなくなり、ダムは崩壊してしまう。
(;´・ω・`)「馬鹿野郎!そんな事をしたら被害を早めるだけだ!すぐに戻れ!」
『放水するのはキョーアニ川にですお』
(;´・ω・`)「!?」
もはや何を言ってるのか、理解する事すらできない。
[25]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:45:32.94 ID:lKvh7EyZO
『このダムの水門は一番西の端っこにありますお。
こねダムの設計図を見た時に感じた事があるんですお』
(;´・ω・`)「端……」
『このダムの東の端は谷に接してるんですお』
(;´・ω・`)「谷……」
『その谷を辿って行くと……』
ショボンは広げていた地図を、
ブーンの言っている谷から、指でなぞっていく。
すると
(;´・ω・`)「キョーアニ川か!」
[27]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:47:34.41 ID:lKvh7EyZO
『そうですお』
キョーアニ川は都市圏を大きく外れて流れている。
この川ならば氾濫したとして、大きな被害はない。
(;´・ω・`)「しかし、どうやって……」
『ピックアクスを使いますお』
(;´・ω・`)「なっ!馬鹿な!無理だ!」
『やるしかないんですお』
(;´・ω・`)「……」
[28]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
[
sage
] : 2008/03/11(火) 22:47:57.54 ID:Wgxg6SK50
今北
これはひどい釣りwwwwwwww
[29]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:49:35.47 ID:lKvh7EyZO
『そのために、このダムを熟知している所長に、
穴を空ける最適ポイントを割り出して欲しいんですお!』
(;´・ω・`)「お前……穴を空けた瞬間に……」
『覚悟してますお』
ダムにかかる水圧というのは、とてつもないエネルギーだ。
何万トンにもなる水が貯まっているダムで、
例えば一点が脆くなり、そこに全水圧がかかったとしたら……。
(´・ω・`)「……分かった」
[31]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:51:47.09 ID:lKvh7EyZO
『所長、僕はダムを東に向かって走ってますお。
到着するまでにポイントを割り出してくださいお!』
(´・ω・`)「ああ、分かった任せろ」
『無線、待ってますお』
一度、ブツッと無線が切られる。
ショボンはすぐに設計図を広げ、ポイントの割り出しに移った。
[32]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:54:01.75 ID:lKvh7EyZO
(;^ω^)はあはあ
全長1km以上もあるダムを、全速力で駆け抜ける。
階段を降り、フロアを駆け抜け、また階段を登る。
複雑な構造になっているダムの中を、
ブーンは一心不乱に駆け続けた。
[33]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:55:47.07 ID:lKvh7EyZO
10分後
『ブーン!聞こえるか?』
(;^ω^)「聞こえ、はっ、ますおっ、はっ」
『最適ポイントはS区画フロアの丁度真ん中だ』
(;^ω^)「はっ、了解、はっ、しましたお」
今はR区画。
S区画まではすぐに着ける。
[36]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:57:31.34 ID:lKvh7EyZO
(;^ω^)「所長、穴を空けた際に、ダム施設内に大量の水が流れ込む事が予想されますお」
『……分かってる』
(;^ω^)「所長は管制塔に避難しててくださいお!」
『……分かった』
ブツッと再び無線を切った時には、
既にS区画へと辿り着いていた。
[38]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:58:22.18 ID:VP8rvIsP0
なんというグスコーブドリ
[39]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 22:58:58.46 ID:lKvh7EyZO
(;^ω^)「はあはあ」
呼吸が乱れる、足も震える。
休みたい、と心の叫びを聞くが。
『ブーン、98%だ』
死刑宣告の時間が告げられる。
(;^ω^)「所長!まだ事務所に!早く避難してくださいお!」
『これが最後の通信だ』
[40]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:03:44.00 ID:lKvh7EyZO
『頑張れ』
(# ^ω^)「うああああ!」
力の限りダムの外側の壁に向かってピックアクスを振る。
思ってはいたが、硬い。
だがしっかりと傷はつく。
手には骨に響く程の痛みが、反動で返ってきた。
[41]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:05:07.28 ID:lKvh7EyZO
(# ^ω^)「ああああああ!」
少しずつコンクリートの壁を削っていく。
ひたすらに痛みを無視して、振るい続けた。
やがて、ボロッと大きい破片が崩れ、
目の前に暗みがかった外が見え始める。
周りを削るように穴を広げた。
そんなに大きく空ける必要はない。
一度壊れればあとは水圧で勝手に壊れるだろう。
[43]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:08:07.35 ID:lKvh7EyZO
(;^ω^)「ふーふー」
手の皮は剥け落ち、ぬちゃぬちゃと血が粘り着く。
作業着で血を拭き取った。
( ^ω^)「次は逆だお」
休む間も無く、逆側を堀始める。
[44]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:10:29.87 ID:lKvh7EyZO
水圧がかかっている側の壁のため、
いつ崩壊するかわからない恐怖があるはずだったが、
今のブーンには、ただこの壁を壊す事しか考えられなかった。
『99%』
無線から聞こえた気がしたが、
意を反らさず堀続ける。
[45]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
[
sage
] : 2008/03/11(火) 23:11:08.64 ID:hka0Y3Kt0
支援
[46]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:11:43.41 ID:lKvh7EyZO
まずは、右腕が疲労で骨折し、
左腕だけでピックアクスを叩き付けた。
間も無くして、左腕もプランと力無く垂れ下がる。
( ^ω^)「……」
ぐらぐらとダム施設全体が揺れ始めている。
だがブーンには確信めいたものがあった。
次の一撃で、この壁は崩れさると。
[47]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:12:50.28 ID:lKvh7EyZO
『100%』
と聞こえた瞬間にブーンは
右足で、
思いっきり
壁を
蹴りつけた。
[50]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:14:25.97 ID:lKvh7EyZO
と、同時に壁一面に亀裂が入り、
そこから力の逃げ場を得た水という魔物が、
ブーンを飲み込みそのまま連れ去っていった。
後方の崩れた壁から、勢い良く水が吹き出し、
水圧であっというまに周りの壁を崩していく。
[51]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:16:19.92 ID:lKvh7EyZO
(´・ω・`)(ダムの水位……99%…98%…97%)
(´・ω・`)(ブーン、良くやった。お前は俺の誇りだ)
ゴォォォォォ
という音が聞こえ始め、所長が目を閉じた瞬間、
ブーンが作った放水口でさえ、収まりきらなかった魔物が、
事務所の扉を破壊して雪崩れこんだ。
[52]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:17:21.38 ID:lKvh7EyZO
二日後
ダム施設の中から、一人の溺死体が発見された。
都市の危機を救った英雄を称える意味を込めて、
国はこのダムを、ガンダムからショボンダムへと改名した。
[53]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:18:38.81 ID:lKvh7EyZO
(,,゚Д゚)「おら、新人!見回りいくぞ」
ξ゚听)ξ「はい!わかりました!」
そして新しい放水口から出来た、
新しい川。
名をブーン川という。
fin
[54]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:26:04.96 ID:jtbKad1y0
乙!
[55]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
[
sage
] : 2008/03/11(火) 23:28:28.97 ID:Wgxg6SK50
乙
でも川の名前パクるのはどうかと思う
[56]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:30:05.05 ID:zaDkNH0rO
乙
[57]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:32:16.34 ID:2cFRZxd00
乙
始まりがちょっと唐突かと思ったけど、終わりの方は良かったんだぜ
[58]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2008/03/11(火) 23:32:45.08 ID:JyurVt3cO
乙!
終わり方良いね。ぐっと来た
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