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( ^ω^)心のままに、のようです


第8話

[154] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 17:50:11.67 ID:A6wrdSda0
第八話 僕と彼女、覚醒

( ^ω^)『クー』

昨夜、クーの家にて、行為の後。僕は、クーにお願いをしてみた。

川 ゚ -゚)『ん?何だ?』

まだ、荒い息をしながら、クーが答える。あぁ、少し激しすぎたかな―

( ^ω^)『・・・眼鏡、僕に、貸してくれないかお?』

言うと、クーはキョトン、とした眼で僕を見る。そんな顔も、可愛い。

川 ゚ -゚)『?・・・別に、構わんが・・・』

一体、どうした?、と聞かれ、僕は答えてみた。

( ^ω^)『―お守り代わり、だお』
[155] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 17:53:05.50 ID:A6wrdSda0
 
 
まだ、夕焼けが空に映ゆる時刻。
ほんの少し、温かみを感じるというのに―今、ここ、僕の家では。

( ^ω^)「・・・・・」

ξ゚听)ξ「・・・・・」

嵐が、吹き荒んでいる。

ξ゚听)ξ「・・・昨日は、どこへ行っていたの?」

ツンが、先手を取った。僕は一向に構わないんだよ、ツン。

( ^ω^)「クーの、元へ」

躊躇無く、真っ直ぐな声で答える。もう、僕は迷わないんだ。

ξ゚听)ξ「っ・・・また、あの女・・・?」

ふと、時刻を確認してみた。5時半。
今、僕達のいるリビングに、夕日が差し込んでいる。
―そろそろ、日は沈むだろうな。

( ^ω^)「悪いかお?僕は、クーの彼氏であり、クーは僕の最愛の人なんだお」

ツンの顔が、歪んだ。

( ^ω^)「海に行ってきたお。とても綺麗だったお―クーは」
[158] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 17:54:47.43 ID:A6wrdSda0
タバコを取り出す。ダンヒル、クー、力を、貸してくれ―

( ^ω^)「その後、クーの家に泊まらせてもらったお」

火をともす。口に、鼻に、肺に、煙が充満する。まるで、クーが傍にいてくれているような。
そんな、感じがした。

( ^ω^)「―ツン」

そろそろ、もういいだろう。もう、戸惑うのは止そう。悩むのは止そう。
白黒つけなくてはならないんだ。

( ^ω^)「お兄ちゃんは、ツンのことを、愛してはいないんだお」

ツン。僕の、眼を見るんだ。

( ^ω^)「僕は、ツンのことは、ただの家族としか、見てないんだお」

僕の、顔を見ろ。

( ^ω^)「―『君』は、僕の、いもうt」

ξ# )ξ「やめてよっ!!!」

突然、ツンが叫ぶ。
が、それがどうした。怖くは無い。

ξ# )ξ「『君』なんて・・・呼ばないで・・・ツンって、呼んで・・・」

声は、小さい。だが、その、眼の暗さは、何だ。
[160] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 17:55:33.83 ID:A6wrdSda0
ξ# )ξ「だって・・・お兄ちゃん、私のこと、嫌いじゃないって、言ったじゃない・・・」

ツンの体が、震え始めている。

ξ#;凵G)ξ「―セックスだって、したじゃない!!」

ツンが、テーブルを叩いた。
顔は、僕を見ている。だが、それは、見たことの無い、顔だ。

( ^ω^)「それについては、本当にすまなかったお。僕が、ちゃんと拒否すればよかっt」

ξ#;凵G)ξ「い、いやぁ!!いやよ!!―何よ、その言い方・・・なんで・・・なんでよ・・・!!」

とうとう、ツンが吼えはじめた。だが、僕は、動じない。
―少しでも隙を見せたら、喰い殺されそうだ。

ξ#;凵G)ξ「してくれたじゃない!!なんでよ!!なんでそんな事を、言うのよ!!」

( ^ω^)「ツン・・・」

ξ#;凵G)ξ「私は、私は―お兄ちゃんが、好きなの!!お兄ちゃんは、何で、好きになって―」

( ^ω^)「好きだお」

ξ#;凵G)ξ「―え?」

( ^ω^)「僕は、ツンのことが、好きだお。ただし―」
[161] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 17:57:53.17 ID:A6wrdSda0
家族と、して。

ツンの顔が、さらに歪んだ。
―駄目だ、僕。まだ、止まるな。

( ^ω^)「ツン、僕は、ツンを好きになれても―愛することは、できないお」

言うんだ。思いの丈を、一気に爆発させろ。

( ^ω^)「僕は、ツンを抱いてしまって、思ったお。嗚呼、なんて最低な人間なんだろう、と。
      僕達は、兄弟なのに、何ということをしてしまったんだろう、と。
      ―幸福感なんて、一ミリとも、ありはしなかったんだお。
      それに、正直―ツンと行為の最中―僕は、ツンではなく、クーの事しか、考えてなかったお」

ふと、部屋を見やると、いつのまにか世界は暗かった。

( ^ω^)「―ツン。好き、と、愛する、は、全然違うんだお。僕は、いつの時も、何をしている時も、
      クーのことを考えてるお。ただ、クーの声を聞きたい。ただ、クーに触れたい。
      ただ、クーと話したい。ただ、クーとキスをしたい。ただ、ただ、ただ、ただ。
      そこに、性的なことが含まれていようが、これこそが―愛することだと、思うお」

僕にとっての、愛とは。
何時、如何なる時も。相手を思いやり、忘れることの無い存在であり、無くてはならない存在であり。
不安などなく、相手を信用し、時には争い、時には体を重ね、時には笑い、時に泣き、時に悲しむ。
それこそが、愛だと考えた。

―嗚呼、今、話している間にも、クーの顔が浮かんでくる。
大丈夫、心配など無い。ダンヒルは、燃え尽き、灰皿へと落ちる。

( ^ω^)「残念だけども、ツン。もう、止そうお。諦めてくれお。このまま行けば―嫌いになるお」
[164] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 18:00:38.74 ID:A6wrdSda0
 
 
その一言が、引き金を引いたんだろうか。
ツンは、やおら立ち上がると、キッチンへと、足を向ける。

―まさか、な。

少々不安を感じた僕は、ツンを呼びながら、キッチンへと歩を進める。

( ^ω^)「―ツン?」

嫌な、予感がした。

ξ )ξ「・・・お兄ちゃん・・・」

ツンが、振り返る。

( ^ω^)「――」

体が、少し、傾いた気がした。

―いたっ。なんだ、これは?

( ^ω^)「・・・何だ、お?」

ツンが、直ぐ傍に、立っている。

ξ ゚ー゚)ξ「―愛しているの、お兄ちゃん」
[165] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 18:01:20.48 ID:A6wrdSda0
何か、ツンが、言っている。

僕は、足に、違和感がある。

ξ ゚ー゚)ξ「あ・・・ごめん、痛かったよね?すぐに、救急車、呼ぼうね」

そういうと、ツンは、携帯を取り出した。
すぐに相手が出たみたいだが、何故か、焦った声で電話している。

―あれ?この、銀色の突起は、何だ?

ふと、足へ視線を向けてみた。
よくよく見れば、これは、包丁だ。

( ^ω^)「―お?」

血が、出て、いるのか?

途端、力が抜けて、倒れこんだ僕。
通話が終了したのか、ツンは携帯をしまい、僕の傍に来て座った。

ξ ゚ー゚)ξ「ごめんね・・・でも、お兄ちゃんが、いけないんだよ?」

体が、ピクピクと、痙攣してきた。
何かが、溢れ出ているような、感覚。

―生臭い、この、匂いは・・・血だ。
[169] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 18:02:25.20 ID:A6wrdSda0
( ^ω^)「お?お?お?」

視界が、狭くなった。足が、変な感覚だ。

ξ ゚ー゚)ξ「もう、私を怒らせたら、駄目だよ?」

そう言うと、ツンは、僕にキスをしてきた。

―温かい。

( ^ω^)「―うっ、ぐ・・・」

足から、まるで、刺されたような痛みが、規則的に響き始めた。

―痛い、痛い。

( ^ω^)「―あっ」

嗚呼、なんだか、居心地が、いい。

何故か、あと少しで、僕は意識が途絶えるのだと、直感した。

( ^ω^)(クー・・・)

その寸前まで、僕は、クーの事を、ずっと考えていた。

第八話 終
[171] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 18:03:29.71 ID:A6wrdSda0
さて、ようやくの第九話です。
待っていてくださった方々、お待たせしました。
では、投下します。





どどいんどいんどいーんwwwwww

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