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問合せ
ξ゚听)ξツンがお預けなようです
[1]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 11:08:04.81 ID:grtdHddmO
何も見えない。
当たり前だ。
目隠しされているのだから。
聞こえるのはしとしとと降り続ける雨の音と、少し荒くなった私の息遣い。
はっ、はっ、と規則正しく呼吸して心臓の鼓動を緩やかにしていく。
けど今は高ぶった興奮を治めようとする身体作用が凄く恨めしかった。
もっとそのままでいたかった。
いや本音を言えば、もっとのその先へ行きたかった。
だから普通に戻る事は私には苦痛なのだ。
( ^ω^)「ちょっと休憩だお」
私の痛みを知らないようなのんきな声で告げられる。
しかし私は抗議の声をあげる事は出来なかった。
それをしても望み通りにいかないのを私は知っていたからだ。
何回も何回も却下されれば自然とそうなる。
目の前のコイツもそれを分かっていて、わざと口に出しているのだ。
そうする事でコイツは私を服従の道へ連れ込みたいのだ。
だから反抗しないのは、その道へ一歩踏み出した事になるかもしれない。
けど私の息はまだ荒かった。
[2]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 11:12:22.19 ID:grtdHddmO
( ^ω^)「雨が強くなってきたお」
タバコの匂いがする。
その匂いが体に染み付いては困るのだが、逃げ出す事はできない。
私の両手は手錠にくくり付けられていて、手錠は天井から伸びる鎖にくくり付けられている。
つまりは万歳をしたまま立たされているというような感じ。
そう、奴隷が鞭打ちされるような格好だ。
だから、逃げられない。
( ^ω^)「ツン、トイレ大丈夫かお? もしお腹空いたら言えお」
はぁ……ムカツク。
私がホントに欲しいものは絶対にくれないのに、どうでもいいものばかり満たそうとしてくる。
でも私が欲しいものもコイツに満たしてもらいたくはない。
私は、コイツが嫌いだ。
[3]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 11:16:45.33 ID:grtdHddmO
( ^ω^)「そろそろいいかお」
近くに寄ってくる気配。
そして手が私の体を撫でる。
頭、耳、頬、唇、顎、首、肩、腕、手、胸、腹、股、尻、腿、膝、臑、足。
私の体の隅々まで、ゆっくりと指を滑らせる。
再び高まっていく興奮。
そして嫌悪感。
私の心だけは絶対に触らせないと誓いながらも、体はどんどんとコイツを求めていく。
次こそは、次こそはとその手の動きを必死に追い続ける。
( ^ω^)「どこ、触って欲しいかお?」
陰毛に悪戯するように指を絡めながら聞いてくる。
もう少し下が私の弱点だ。
そこをククッと押し潰して左右に小刻みに揺らすと私の体はすぐに極まる。
でも私は残された理性の力を振り絞り、胸と答えた。
[4]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 11:23:09.56 ID:grtdHddmO
( ^ω^)「分かったお」
素直に胸をイジりだす。
クーやヒートのように大きくない私の胸がコイツの指で微かに形を変えていく。
揉み甲斐のない乳を愛おしそうに揉まれるのは何だか複雑な気持ちだった。
やがて乳首へと指は伸びる。
硬く勃起した乳首がさらに引っ張られ、弾かれて、こね回されて。
ピクピクと反応するのを禁じ得ない。
( ^ω^)「ツン可愛いおツン」
嫌いキライきらい。
触らないで。
私はアンタにイカされたくない。
もうイキたいのに。
声を掛けないで。
私はアンタを意識したくない。
もう邪魔しないで。
嫌いキライきらい。
[8]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 11:29:03.35 ID:grtdHddmO
( ^ω^)「好きだお、ツン」
唇と唇、息と息、舌と舌、唾液と唾液、その全てが混ざり合う。
違う誰かに置き換えて妄想してしまえれば快楽だけに溺れられるのに、
コイツの囁きが全てを台なしにする。
そんなのいいから私をイカせる事だけを考えろ!!
( ^ω^)「……」
そんな私の願いが通じたのか、手が私の股に伸びてくる。
私の弱点に二本の指が添えられ、ククッと押さえ付けてくる。
はあっ…! と私の口から一際大きな期待のため息が漏れた。
そう、そう!
もっと強く、変化をつけて、もっと揺らして!
あっ、来た来た!!
イクよ? 私、イクの? あぁ! イッ…イッ…イク!?
[10]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 11:35:10.24 ID:grtdHddmO
( ^ω^)「ちょっと休憩だお」
何で!! そこで止めたらダメなのに!!
馬鹿じゃないの!! 最低男!!
頭の中で、考え得る限りの汚い言葉で、罵るだけ罵る。
そして私の目からは涙が零れた。
一度快楽の波を取り逃がしてしまうと、再度引き寄せるのに時間がかかってしまう。
しかも今日はもう何度も何度も取り逃がしているのだ。
もうやめたい……
もう……
( ^ω^)「そうだ、雨がやんだらデートいくお。
だから泣くなお」
また優しい言葉をかけられて私は少し正気に戻る。
そうだった。
コイツが与えてくる一時の快楽に負けてはいけない。
負けたら後は本当に奴隷になるしかない。
私がコイツの愛撫でイッてしまうのは絶対にイケナイ事なんだ。
私は私の心を無くしたくない。
大好きな人に私の心を捧げるまでは。
だから私はイッてはいけないんだ。
[11]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 11:40:49.16 ID:grtdHddmO
( ^ω^)「そろそろいいかお」
もう何度目になるか分からない最低な愛撫が始まる。
私はもうコイツを誰かに見立てて妄想したりしない。
親の敵とばかりに憎みきる事で嫌悪感を高めていく。
感情を抑え、皮膚の感覚から逃れ、全身でコイツを拒否する。
自由になったら真っ先にコイツを殺す。
絶対に。
( ^ω^)「無駄だお」
そんな言葉と共に私の中に右手の指が侵入してくる。
グリグリと私の膣内を掻き分け、私の体を犯してくる。
人差し指と中指で確実にGスポットを刺激してきた。
さらに余った親指でクリトリスを押し潰して快楽を供給してくる。
[13]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 11:49:00.61 ID:grtdHddmO
右乳首は口に含まれ歯で甘噛みされ、そのまま引っ張られる。
左乳首は背中から回した手でギュゥと抓られる。
小さい私の体の気持ち良い場所をどう触れば良くなるのかコイツは熟知しているようだった。
それに対して一気に私の体は波を呼び寄せてしまう。
ダメダメダメダメ!!!
そんなにグチュグチュ掻き回さないで!!
イッたら負けだイッたら負けだイッたら負けだ!!!
そんなに乱暴にしたら感じちゃうじゃない!!
だからもう攻めないで!! 止めないでよっ!!
ふっ! はあっ!
来ないで!! 絶対にイヤっ!!
あぁっ!! んぅ! イッ……!! だめぇ!!
もう無理もう無理!!
これ絶対イク! 絶対イクよ!!
あっあっあぅっあっあっはぁっ!!
イキたくないのにッ!! イキたくないのにぃッ!!
イヤイヤッ! いやぁーーっ!!
[15]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 11:52:35.70 ID:grtdHddmO
( ^ω^)「あ〜あ、イッちゃったかお。
ツン、おもらししちゃったお」
……
……
……
……
( ^ω^)「また触ってほしいかお? またイきたいかお?」
……
……
……
……
……
……絶対にイヤ。
( ^ω^)「だからツンは可愛いんだお。
もっともっと愛してあげるお」
雨の音はもう聞こえなくなっていた。
終わり
[20]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 12:00:18.05 ID:grtdHddmO
ゴメンなさい。
もし小説を読みたいと思ってこのスレを開いたのなら、謝るしかありません。
つい勢いで書いた。
今は反省している。
ネタがあれば書くんだけどな…
ほのぼのか…
[22]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 12:06:08.33 ID:grtdHddmO
ξ゚听)ξ「……」
雨という字には4つの水滴しかないが、
窓の外には無数の雫が曇天から落ちてきている。
ξ゚听)ξ「はぁ〜あ、またお預けか〜」
今日はブーンとのデートの日だったのに。
いや、正確に言えば先週も、先々週もな訳だが。
約束が雨で伸ばし伸ばしになっているのだ。
今日こそは、と思っていたのだけれど……
4号のバカヤロー!!
[23]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 12:13:20.11 ID:grtdHddmO
ξ゚听)ξ「ん…?」
携帯が震える。
ブーンからのメールだ。
( ^ω^)(雨だお)
分かってんのよこのバカ!
もっと何かあるでしょ普通……
イヤになった私は携帯を放り出した。
は〜あ……せっかくの遊園地がぁ……
これで来週も雨だったら神様がイタズラしてるに違いないわ。
と、居もしない神様を恨んでいるとまた携帯が鳴った。
( ^ω^)(しりとりするお)
私は携帯をブン投げた。
[24]
ヌくには長編がいいよね
: 2007/07/15(日) 12:20:48.95 ID:grtdHddmO
ベットの上で跳ねた携帯にまたメールが。
私はさすがに無視して昨日買った雑誌を読み耽る。
次のデートの予習だ。
暇潰しのはずが以外に妄想が膨らんでしまい、一時間が経過してしまった。
ふと思い出してずっとほったらかしだった携帯を開いてみる。
( ^ω^)(じゃあブーンからだお。『台風』!
ツンは『う』からだお)
正直イラっとした。
ブーンはデート出来ない事を何とも思ってないんだろうか……
私は『うどん』と打って返信してやった。
[25]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 12:24:58.54 ID:grtdHddmO
するとすぐに返事が来る。
ずっと待ってたのかな?
暇人だなぁ。
( ^ω^)(一時間考えて『うどん』かおwww
ツンの負けだおwww)
ちょっと泣きたくなった。
( ^ω^)(しょうがないからブーンの奥の手を出すお!
『ンジャナメ』!!!)
泣いた。
[30]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 12:38:59.76 ID:grtdHddmO
しかし私もどうせする事がないのだ。
仕方なくブーンに付き合ってやる事にする。
メールでしりとりという恋人同士とは思えない言葉のやり取りを交わす。
語尾を常に『い』や『り』にして攻めたりしてると、
子供の頃を思い出して面白くなったが、ブーンには言わなかった。
( ^ω^)(ん〜……『あじさい』だお!)
『い』かぁ……
もうたいていは言い尽くしてしまったしなぁ……
そうだ。
ξ゚听)ξ(『家に来ない?』)
どうせだから、やっぱり一緒にいたいよね。
メールだけじゃ何か味気ないし。
雨降ってるけど、今日はワガママ聞いてもらおう。
( ^ω^)(うはww文章はwwwダメにwwww決まってるおwwwww)
泣いた。
[35]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 12:51:28.48 ID:grtdHddmO
ξ゚听)ξ(馬鹿馬鹿!!もう知らない!!)
ホントに怒って、怒りマークの絵文字を100個付けたメールを送る。
ブーンは私の気持ちなんか分かろうともしないんだ…
私はこんなにも寂しいっていうのに……
ずっと雨が続いてるのは絶対ブーンのせいだ!
ブーンのバカァ!!
( ^ω^)(『うましか』かお……ツン恐るべし……
じゃあブーンは『E』だお!
括弧で括ったEだからカッコイーだおwww)
何と言う柔軟性…
これは間違いなくワギャンランドのしりとり並
[41]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 13:04:27.36 ID:grtdHddmO
こんなに脳天気なヤツだったなんて……
きっとブーンの頭の中はいつも晴れ晴れとしているに違いない。
ξ゚听)ξ(何がカッコイーよ!!
E加減にしてよね! もう知らない!!)
メール送信と共に電源を切ってしまう。
これで完全シャットアウトだ。
ボフッとベッドに体を投げ出し、無駄な時間を過ごしてしまった事を嘆いた。
ξ゚听)ξ「もうダメなのかも……」
思いを口に出すと、余計にブーンとの関係が辛いものに感じられた。
心のすれ違いは苦しい。
だから少しだけ泣いて、考えないで済むように眠りについた。
雨の音がうるさかった。
[44]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 13:18:14.60 ID:grtdHddmO
???「……ン……ツ……ツン……」
ξ゚听)ξ「え? あ、え?? 誰?」
俯せから顔を上げるとそこには――
( ^ω^)「おは〜」
ブーンがいた。
ξ゚听)ξ「……何でいるの?」
( ^ω^)「愛という名の鍵で入らせて頂きましたおwww」
ξ゚听)ξ「はぁ?」
( ^ω^)「遊びに来ちゃったお!
ツンの寝てる姿カワユスwww」
ξ゚听)ξ「!!」
( ^ω^)「痛い!! 何で殴るんだお!!」
ξ゚听)ξ「死ねっ!!」
バシバシとブーンを殴る。
それは勝手に部屋に入って来たからでも、寝てるところを見られたのが恥ずかしかったからでもなく、
来てくれたのが嬉しかったからだ。
でもブーンには言わない。
顔にも出さない。
それをブーンに知られる方がよっぽど恥ずかしい。
[45]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 13:20:14.19 ID:grtdHddmO
( ^ω^)「おっおっおっ! ツン遊ぶお!!
雨だけど遊ぶお!!」
ξ゚听)ξ「ったく……仕方ないわねぇ」
( ^ω^)「やったお!!」
ブーンが嬉しそうにはしゃぐ。
その脳天気な笑顔を見て私は安心してしまった。
大丈夫、やっていける、と。
そして来週こそはきっと晴れなのだと確信したのだった。
( ^ω^)「次はツンの番だお!
カッコイーの『イ』からだお!!」
泣いた。
終 わ り
[48]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 13:27:14.74 ID:grtdHddmO
短編と言っても結構時間かかるものなのね……
1時間半もかかってるw
いかがでしたでしょうか。
ネタないかな〜
[54]
今からPCで書くお
: 2007/07/15(日) 13:46:50.03 ID:F0ChusBY0
ξ゚听)ξ「雨雨降れ降れ母さんが〜」
こんにちは、ツンです。
例によって今日も雨です。
( ^ω^)「ピチピチジャブジャブランランラン♪」
だけど今日はちゃんとデートするのです!
遊園地はさすがに無理なので、映画館に行く事にしました。
私、ちょっと浮かれてますw
( ^ω^)「今日はこれを見るお!!」
ξ゚听)ξ「サイコホラーデート?」
( ^ω^)「そうだお! 面白そうだお!」
ブーンはそう言うけど……
どう見ても恐怖系です。本当にありがとうございました。
デートだったら普通恋愛モノ見るだろ……
常識的に考えて……
[55]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 13:54:32.79 ID:F0ChusBY0
ξ゚听)ξ「ねぇ、ホントにこれにするの?
違うのにしようよぉ……
ほら、『('A`)の恋物語』なんて良さそうじゃない?」
( ^ω^)「もう決めてあるからダメだお。
はい、チケットだお」
私の意見は軽々と却下されてしまいましたとさ。
何だよぉ……
映画見てる間に何となく良い雰囲気になって、
手を繋いだりするのをちょっぴり期待してたのに……
今日の目標は、久し振りのキ……キス、だったのにぃ……
( ^ω^)「ツン! コーラ買うお! ポップコーンも買うお!」
ダメだ。
コイツにロマンチックなものを期待した私が馬鹿だった。
またお預けかなぁ。
[58]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 14:05:38.35 ID:F0ChusBY0
('A`)『ふふふ……これだから女の肉はやめられん』
映画が始まった。
いきなり食事のシーンで、男が美味しそうにお肉を頬張っている。
今、女の肉って言わなかったか……?
ξ゚听)ξ「ねぇブーン……」
( ^ω^)「上映中は静かにするお!」
ブーンは真剣な目でスクリーンを眺めている。
好きなものには夢中になるタイプだからなぁ。
その割にポップコーンを食べる音やコーラを飲む音がうるさいんですけど…
よっぽど人気の無い映画なのか、
私たちの他に客は誰もいないので迷惑するのは私だけなんだけどね。
ξ゚听)ξ「ポップコーンもらうね」
聞いてるか聞いてないか分からないけど、一応ブーンに了解を得る。
早く時間が過ぎてくれないかなぁ、と思いながら袋に手を突っ込んだ。
ヌルッとした感触が私の手の平を撫でた。
[62]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 14:15:22.15 ID:F0ChusBY0
ξ゚听)ξ「え?」
思わず手を引っ込める。
最初はポップコーンが濡れてるのかと思ったが、
もっと生暖かくて柔らかかった。
館内は暗いので袋の中がどうなっているのかは分からない。
濡れた手の匂いを嗅いでみる。
これは、血の匂いだ。
ξ;゚听)ξ「ブ、ブーン……ポ、ポップコーンが……」
( ^ω^)「ツン、黙ってるお。今良い所なんだお」
映画の中では男が綺麗な女性のふとももに齧りついていた。
キメ細やかな皮膚を剥ぎ、噴き出す血を残さず吸い取り、
その肉を食していく。
女性の顔は恍惚としていた。
ξ゚听)ξ「うっ……気持ち悪い……」
[63]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 14:23:52.73 ID:F0ChusBY0
ジュースを手に取り、思いっきり吸い込む。
さっぱりとした炭酸が喉を潤してくれるのを期待したが、
私が思い描く味とは程遠かった。
これも、血だ。
ξ゚听)ξ「うっ……げほっ……」
口の中が、鉄の味で満たされる。
血を見るのには慣れていても、飲む事には慣れていない。
前の座席が汚れるのも気にせずに吐き出してしまう。
ξ゚听)ξ「ブ、ブーン……何か変だよ……もう出よう?」
( ^ω^)「ツンどうしたお。もうすぐクライマックスだお」
ブーンが生肉らしきものをポップコーンの袋から取り出しているのが、
スクリーンからの明かりで私の目に映る。
肉を食べるブーンの顔に映画の主人公の顔がダブって見えた。
[68]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 14:33:36.44 ID:F0ChusBY0
( ^ω^)「ツン……」
ξ゚听)ξ「ひっ……来ないで……」
ブーンが私の頬に血で濡れた手を添える。
そしてそのまま自分の方へ引き寄せようとした。
( ^ω^)「ツン……好きだお……」
私はイヤイヤと首を横に振り、ブーンを拒む。
けれど体に力が入らず、逃げる事が出来ない。
ブーンの顔が近づいてくる。
これはキスする時の顔だ。
映画の途中で恋人とキスをする、
そんな少女チックな場面を期待していたのは確かだ。
なのに怖くて仕方なかった。
怖い、怖いよブーン……
( ^ω^)「泣いた顔も可愛いお。
ツンがそんなに嫌ならもう出るお」
ξ゚听)ξ「え……? ホント……?」
[70]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 14:40:25.95 ID:F0ChusBY0
( ^ω^)「ホントだお。
でもその前にツンのお肉を食べさせてくれお」
ξ゚听)ξ「ブ、ブーン……!」
ブーンの口が大きく開き、私の首筋にガブリと噛み付いてきた。
何かブーンって吸血鬼みたいだ、
と私はノンキに考えながらブーンにされるがままだった。
( ^ω^)「ツンとデートできて嬉しいお。
こんな美味しい思いは久し振りだお。
ありがとうお」
ブーンが私の血を飲み干していく。
だんだんと意識が薄れていく。
きっと私はこの後ブーンに食べられてしまうんだ。
でもブーンならいいか。
私はブーンの事が好きだから。
ニッコリと笑いかけ、私はブーンにキスをした。
[76]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 14:50:22.58 ID:F0ChusBY0
???「……ン……ツ……ツン……」
ξ゚听)ξ「え? あ、え?? あれ?」
( ^ω^)「ツン、起きたかお。もう映画は終わっちゃったお」
キョロキョロと辺りを見回す。
暗かった館内も今は明るく照明が入れられている。
( ^ω^)「寝ちゃうなんてツン、もったいなかったお」
ξ゚听)ξ「え、あー寝ちゃってたのか……」
( ^ω^)「これじゃあ映画の感想言い合えないお……」
ξ゚听)ξ「ゴメンね……」
夢、か。
良かった……
食べられちゃうところだった……
( ^ω^)「いいおいいお。帰るお、ツン」
ξ゚听)ξ「う、うん」
ブーンの手に引かれ席を立つ。
あ、でもキスも夢って事になるのか。
ちょっと残念かも……
( ^ω^)「次回はちゃんと食べさせてくれお」
ξ゚听)ξ「え……?」
終 わ り
[79]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 14:54:47.74 ID:F0ChusBY0
サイコホラーってあんまり分からない〜……
ただグロいだけになってしまいました。
('A`)が主人公か…
一応スレタイに絡ませたいので、ちょっと考えますね。
[84]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 15:09:34.45 ID:F0ChusBY0
ξ゚听)ξ「こんにちは、ツンです」
台風が猛威を振るっている暇な日曜日、
カーチャンが見知らぬ女の子を家に連れてきた。
J( 'ー`)し「それじゃあドクちゃん、ヨロシクね」
ヨロシクって何だよ。
何にも聞いてないんですけど……
と、kwsk聞こうとする前にカーチャンは家を出て行ってしまった。
ξ゚听)ξ「いってらっしゃい」
女の子が少女らしい明るい声でカーチャンを見送る。
つまり、今この家には俺とこの女の子の二人っきり、だ。
ξ゚听)ξ「……」
小学生、かな?
[89]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 15:18:12.62 ID:F0ChusBY0
('A`)「こ、こんにちは。名前、何だっけ?」
普段あまり女と話したりしない俺は、
相手が少女と分かっていても何故か緊張してしまう。
仕方ないだろ? 俺はモテないんだからさ。
ξ゚听)ξ「……」
少女がこちらに振り向く。
綺麗にカールした髪が美しく跳ねる。
顔は少しキツめだが、将来必ず美人になるだろうと分かる。
少女の澄んだ目が俺の心を見抜いているような気がして少しドキッとした。
ξ゚听)ξ「あのさぁ……」
('A`)「え? あ、なに…?」
ξ゚听)ξ「さっき名前言ったよね?
それに普通そっちから名乗るものじゃない?」
('A`)「そういうモンなの?」
ξ゚听)ξ「ふぅ……これだから……」
あれ?
さっきと雰囲気が違うな……
[92]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 15:24:26.18 ID:F0ChusBY0
('A`)「俺はドクオ」
ξ゚听)ξ「私はツンよ。そんな事より女の子に立ち話させる訳?」
('A`)「あ、あぁ……じゃあリビングに――」
ξ゚听)ξ「あんたの部屋、上?」
ツン、と名乗った少女は俺の返事も聞かずに階段を上っていった。
短いスカートからスラリと伸びる足。
そしてその奥の……
いやいや、ダメだぞドクオ。
さすがにそれは犯罪だ。
ξ゚听)ξ「飲み物ちょうだいね」
……分かりましたよ、お嬢さん。
いったい何なんだ……
これなんてエロゲ?
思わずそう言いたくなってしまった。
[95]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 15:31:53.77 ID:F0ChusBY0
冷蔵庫の麦茶をコップに汲み、二階へと上がる。
ツンは何故俺の部屋が分かったんだろう?
あ、電気つけっぱなしだったか。
('A`)「持ってきたぞー…って! ヤベッ!」
ξ゚听)ξ「……」
ツンは椅子に座り、PCを操作していた。
PC上ではさっきまでやってたエロゲが起動されている。
しかも、モロあのシーン。
こんなもの見せたってカーチャンにバレたらヤバいぞ!!
('A`)「ほ、ほら、お茶持って来たからさ! 飲めよ!」
慌ててウィンドウを閉じようとしたが、ツンはマウスを放してくれなかった。
ξ゚听)ξ「これ何てエロゲ?」
は?
ξ゚听)ξ「男ってこういうの好きだよね〜馬鹿みたい」
そう言ってツンはテキストを読み進める。
声優さんの艶かしい声がスピーカーから流れる。
勘弁してくれよ……
少女とエロゲとかテラシュールwwwwwwwww
みたいなノリは好きじゃないんだぜ。
[102]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 15:42:35.37 ID:F0ChusBY0
ξ゚听)ξ「何で麦茶なの! お客様なんだから紅茶くらい出しなさいよね!」
('A`)「こ、紅茶? そんなのウチにあったかな……
リプトンとか……?」
ξ゚听)ξ「話にならないわ。もういい」
心底呆れたという風にツンは大げさなアピールをしてPCの前から退いた。
さっとマウスを取り、エロゲを閉じる。
口止めしとかないとな……
ξ゚听)ξ「安心しなさい。別に誰にも言わないから」
ビクッと体が反応する。
何で考えてる事が分かるんだ…?
エスパー魔美か?
ξ゚听)ξ「ちょっとアンタさー、さっきから挙動不審過ぎ。
絶対モテないでしょ?」
('A`)「う、うるせぇなぁ……」
しかも名前で呼んでくれないし。
あ〜もうイヤになってきた。
[107]
10分くらいかかるようです
: 2007/07/15(日) 15:51:38.03 ID:F0ChusBY0
('A`)「な、なぁ。何でウチに来たんだ?」
ξ゚听)ξ「そんなのどうでもいいじゃない。
アンタは今日一日私の相手をすればいいって訳。
ね、簡単でしょ?」
ツンがニヤリと笑う。
ちょっと小悪魔チックな感じがツンに似合ってるな、と思った。
こういうのって狙ってやってるのかな?
('A`)「そうは言ってもなぁ……何すればいいんだ?」
ξ゚听)ξ「何かゲームないの?」
('A`)「プレステか? 格ゲーとか音ゲーとか出来る?」
ξ゚听)ξ「何それ? もっと私が出来るようなヤツ無いの?」
俺が持ってるゲームを挙げてみたが、ツンが出来るようなヤツは一つも無かった。
ξ゚听)ξ「しょうがないわねぇ〜お金あげるから買って来てよ」
('A`)「は?」
ξ゚听)ξ「ぷよぷよね。はい、これ」
('A`)「ぷよぷよかよ……ってか金はいいから」
ξ゚听)ξ「そう。早くね。あ、後コンビニでデザート買って来て」
ってかワガママ言い過ぎだろ……
一応服を着替えたのだが、案の定ダサいと言われてしまった。
どうせ(ry
[109]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 16:02:35.07 ID:F0ChusBY0
早くね、と言われたのでチャリを飛ばしてぷよぷよを買いに行った。
そして帰りにファミマに寄ってデザートを。
何が良かったのか聞いてくれば良かった……
気に入らないのを選んだらまた文句言われそうだな。
とりあえず新商品が出ていたので買っておく。
不味くても俺は知らんぷりだ。
ξ゚听)ξ「遅い」
('A`)「はいはい、すいませんね……」
だんだんとツンへの接し方がおざなりになってきてる気がする。
が、嫌うなら嫌えばいいさ。
嫌われるのは慣れてる。
ξ゚听)ξ「クーさん、突然のお手紙お許し下さい。
居ても経ってもいられなくて、僕の気持ちをここに書き記す――」
('A`)「ちょ! 何勝手に読んでんだよ!」
クーに宛てたラブレター、結局出せなかったヤツだ。
俺が出てる間に見つけたのだろう。
ξ゚听)ξ「ふふ、僕はずっと前からあなたの事が気になっていました」
('A`)「おい! やめろって!!」
ξ゚听)ξ「キャッ!!」
('A`)「あっ……」
気恥ずかしさから思いっきり力を込めて取り返してしまった。
その際にツンを突き飛ばすような形になった。
ツンはベッドに投げ出される。
[113]
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: 2007/07/15(日) 16:09:06.15 ID:F0ChusBY0
('A`)「わ…わりぃ……大丈夫…か?」
ξ゚听)ξ「……」
ツンは答えない。
顔を伏せたままの姿勢で動かない。
('A`)「ゴ…ゴメン! どっか痛いか?」
ξ゚听)ξ「女の子突き飛ばすなんてサイテー……」
言葉上では先程と変わらなかったが、その声は確かに震えていた。
泣いてる……?
ツンの肩が時折ピクンと跳ねた。
('A`)「悪かったって……ゴメン。何でもするからさ。
あの手紙読んだっていいからさ……
泣かないでくれよ……」
ξ゚听)ξ「……ホントに?」
('A`)「あ、あぁ……ホントさ」
ξ゚听)ξ「ふふ」
ツンが顔を上げた瞬間に分かった。
嘘泣きだ。
ξ゚听)ξ「じゃあ買い物に行きましょ」
と、またあの小悪魔スマイルで俺にワガママを言うのだった。
でも逆らえない俺って……トホホ。
[116]
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: 2007/07/15(日) 16:16:48.18 ID:F0ChusBY0
駅前で貯金を下ろし、少し大きなショッピングモールへとたどり着いた。
子供用の服を売っている店が何件かあるだろうと踏んで来たが、正解だったな。
けどやっぱり女性服の店に入るのは少し、というかかなりイヤだ。
ξ゚听)ξ「あ、これカワイー♪」
ツンは少しはしゃぎながらあれこれと手にとっていく。
その後ろを情けなくついていく俺。
店員さんに怪しまれないだろうか……
ξ゚听)ξ「ねぇ、これどう思う?」
('A`)「え? あ、あぁ、いいんじゃないか?」
ξ゚听)ξ「そうじゃないって……」
('A`)「え? 何?」
ξ゚听)ξ「これが私に似合うかどうか聞いてるの!
服が可愛いのは分かってるんだから!」
何故か怒られてしまった。
そんなの分かる訳ないだろう?
ツンだって俺がセンスないのもう知ってるくせに……
けど、そうは抗議できない悲しさよ。
ξ゚听)ξ「ちょっと試着してみよ〜っと。
あ、それとこれ、持って来てね」
えぇ〜? 俺が〜?
もう帰りたい……
ってか金足りるのかな……
[118]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 16:25:45.22 ID:F0ChusBY0
ξ゚听)ξ「どう?」
('A`)「……」
似合ってる……
ツンの細い体には何を着ても似合うだろうと思うが、
これはツンの為に作られたんじゃないかってくらいに、似合う。
('A`)「に、似合うよ」
ξ゚听)ξ「ふ〜ん、アンタこういうのが好きなんだ?
でもこっちも試してみよっかな」
俺が見ているにも関わらず脱ぎだすツン。
慌てて頭を引っ込ませる。
思わず赤面してしまった。
何やってんだ俺……相手は子供だぞ……
ξ゚听)ξ「いいよ〜」
('A`)「ちょ! 下着……!!」
試着室のカーテンに頭だけを突っ込んでいる姿は想像しなくても間抜けだろう。
その上何だかんだと悶えていたのだから、きっと店員にはマークされたと思う。
もう絶対この店には来れないな。
まぁ来る機会もないだろうけど……
結局俺はこの後一時間もツンの試着につき合わされ、
彼女の気に入った服を購入してやった。
金は尽きた。
[120]
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
: 2007/07/15(日) 16:34:39.98 ID:F0ChusBY0
ξ゚听)ξ「はぁ〜面白かった〜」
('A`)「それは良かったですね……えぇ……」
身も心も懐も真っ白に燃え尽きた俺は机にガックリとうなだれた。
ツンはよほど気に入ったのか、鼻歌を歌いながら買った服をチェックしていた。
('A`)「もうすぐ五時だな」
ξ゚听)ξ「え? もう?!」
ツンがすっとんきょうな声をあげる。
少し寂しそうな表情なのは気のせいだろうか。
('A`)「何時に帰るんだ?」
ξ゚听)ξ「五時……」
('A`)「そうか、やっとお別れできるな。
ツンもせいせいするだろ?」
ξ゚听)ξ「……」
皮肉交じりに聞いてみたが、ツンは返事をしなかった。
何だよ、何の沈黙だよ。
ξ゚听)ξ「アンタってさぁ」
名前で呼んでくれないし……
ξ゚听)ξ「何でも言う事聞くのね」
仕方ねぇだろ、カーチャンに頼まれたんだからさ。
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