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問合せ
( ^ω^)ブーンは魔法使いなようですす
幕間
100 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:46:03
幕間
夏のはじまり
101 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:46:36
昼間、陽に照らされたアスファルトは夜になっても熱を帯びていた。
川 ゚ -゚)「暑い…」
巡り巡って季節は夏。
セミが鳴き、ミミズが鳴き、暑さにやられた赤児が泣く。
そんな熱帯夜にクーは一人、街中を歩き回っていた。
駅前、公園、繁華街、工業団地ひと通り足を運んでみたがひとっこひとり見えなかった。
時刻は午前三時。
見えなくて当然である。
102 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:47:29
ここで最後にしようと、住宅街を歩いていると背後に気配を感じた。
川 ゚ -゚)(だれかにつけられてる…)
クーが足早に進むと、気配の持ち主も歩くペースを上げてくる。
川 ゚ -゚)「なにものだ!」
後ろに振り返ったクーの視界に入ったものは、杖を持った全裸の男だった。
103 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:48:14
???「ギギギ…」
川 ゚ -゚)「やはりな…探したぞ」
問答無用に襲いかかる全裸の男。
だが、黙って襲われるほどのか弱さをクーは持ち合わせていない。
刀を抜き、唱える。
川 ゚ -゚)「スノースリープ!」
刀の先端から飛び出す淡雪。
男は歯を小刻みにガタつかせ、その場に寝転がった。
全裸に雪とは鬼畜を極める。
???「ギーギーギー…」
淡雪に体温を奪われ、急な眠気に襲われたのだった。
川 ゚ -゚)「いったい何人いるんだ…」
男の手から杖を奪い取り、クーはその場を立ち去った。
104 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:48:39
TV「本日早朝、ニュー速市内の閑静な住宅街で、全裸の男が逮捕されるという事件が起こりました」
TV「容疑者は住所不定無職、羽出野玄(ハダシノゲン)…」
TV「全裸で寝ていたところを現行犯逮捕され…」
105 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:49:07
( ^ω^)「外で全裸はアウアウだお」
J( 'ー`)し 「暑くなると変なのが沸くわねー」
( ^ω^)「人はそれを夏厨と…」
J( 'ー`)し 「あんたも脱いで捕まるんじゃないわよ!」
(;^ω^)「…」
J( 'ー`)し 「早く食べて学校行きなさい!」
(;^ω^)「はいおー」
106 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:49:38
玄関を開けるとそこは高熱地帯。
卵を割り落とせば目玉焼きが出来るのではと思えるほどに地面は熱い。
靴越しにも熱を感じる。
(;^ω^)(この暑さなら脱ぎたくなるのもわかるお…)
直射日光に当たり続けるのは危険だと急いで学校へと向かう。
107 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:50:25
(;;^ω^)「おはようだお」
('A`)「おはよーさん」
ξ゚听)ξ「汗凄杉」
(;;^ω^)「外暑杉」
今年は例年にない程の猛暑らしい。
七月中旬でこの暑さだ。
八月はもっと暑いだろう。
だが、そんなことよりも今は気にしなければならないことがあった。
( ^ω^)「二人はテスト大丈夫そうかお?」
一学期末試験だ。
('A`)「まぁな」
ξ゚听)ξ「余裕よ」
ドクオは上の中、ツンは上の下、そんな成績だ。
もともとこの二人は成績のことで苦労したことがないような人種だった。
108 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:52:18
( ^ω^)「そういえばクーはまだ来てないのかお?」
始業のチャイムが鳴る三分前だというのに教室内にはクーの姿が見あたらなかった。
と、そのとき、
('A`)「ん?なんだありゃ?」
ドクオが指差す先には、校門付近で停まる黒のベンツがあった。
( ^ω^)「なんというベンツ…一目見ただけでわかってしまう。
あれは間違いなく金持ち!」
もしくは『や』のつく自由業の方かなと考えていると、正解は全く別のものだった。
(;^ω^)(;'A`)ξ;゚听)ξ「って、クー!!?」
窓越しに見えたのはベンツから勢いよく飛び出すクーだった。
校舎まで必死に走っている。
109 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:53:40
川;゚ -゚)「危ない…あやうく遅刻するところだった…」
(;^ω^)「クー…あれ…」
川 ゚ -゚)「寝坊してしまったから車で送ってもらったんだが…
みんなどうした?」
(;'A`)「いや…ベンツって…」
川 ゚ -゚)「ん?ベンツがどうかしたのか?」
ξ;゚听)ξ「…」
どうやらクーは自分でそうと自覚はしていないがかなりの金持ちらしい。
ちょっとした真実に軽く引く三人だった。
(;^ω^)「そ、そんなことよりテストは大丈夫そうかお?」
川 ゚ -゚)「あぁ、なんと…」
(`・ω・´)「オラー!席つけー!」
クーがいい終わるより前にシャキンが扉を開け、叫んでいた。
110 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:54:18
(`・ω・´)「んじゃ、期末テストを始めるぞー!」
問題用紙、続いて解答用紙が配られる。
今までのブーンならこの時点で戦意を喪失し、すぐにあきらめモードに入っていただろう。
だが今回は違った。
ペンが進む。
( ^ω^)(これも…これも!)
( ^ω^)(全部ゼミでやった問題だお!)
ブーンはカーチャンに頼み込んで、親権ゼミをやっていたのだった。
( ^ω^)「さぁキミも今すぐ親権ゼミに電話する…」
(`・ω・´)「テスト中にうるさいぞ、ブーン!!」
112 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:55:35
全教科のテストが終わり、皆が憔悴仕切ったホームルーム。
あの教科はだめだった。
この教科はよくできた。
愚痴と自慢が飛び交う。
(`・ω・´)「今日はみんなお疲れさんだ!」
クラス一同「やっとオワタ!!」
(`・ω・´)「あとはテスト返しが終わったら今学期もおしまいだ!
そこでだ!夏休みにwizard(株)公式の全国MF大会があるのは知っているか?」
クラス一同「知ってまーす」
夏の一大イベントだ。
それも全国区の。
113 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:57:28
(`・ω・´)「なんと!この学校から特別枠で二人出場できることになった!!」
クラス一同「おぉ〜!!」
(`・ω・´)「ってわけで代表を決める予選会を開催する!
有志の者は終業式後、校庭に集合しなさい!」
ξ゚听)ξ「でもなんでそんなすごいことにウチの学校がえらばれたんですか?」
(;`・ω・´)「ん〜そこまではよくわかんないな…
でも聞いたところによるとwizard(株)から直接要望があったらしい…
冬にもいろいろあったしな…」
ξ゚听)ξ「あぁ〜」
(`・ω・´)「まぁそういうことだから出場する奴は頑張ってくれ!
あ、あと今回だけは学校敷地内でのMFが認められている!
なんといっても全国区だからな!だけど『今回だけ』だからな!」
114 :
名無しさん
:2007/02/01(木) 22:59:16
ホームルーム終了後、四人はブーンの机を中心に集まっていた。
( ^ω^)「みんなはどうするんだお?」
('A`)「俺は出るぜ。どうせ夏の予定もないしな…」
ξ゚听)ξ「私はどうしよう…
部活もあるだろうし…」
川 ゚ -゚)「…」
( ^ω^)「クー、どうしたんだお?」
川 ゚ -゚)「いや…なんでもない。
私も出るぞ…」
('A`)「ブーンはどうするんだよ?」
( ^ω^)「僕はもちろん出るお!こんな機会めったにないお!」
ξ゚听)ξ「そうよね〜。全国大会だもんね…」
('A`)「部活の片手間じゃあ辞めといた方がいいかもしれないけどなw」
ξ#゚听)ξ「うっさいわね…出るわよ!
出て、あんたのこと丸焦げのテンパーにしてやるわよ…」
ドクオの唯一の自慢であるさらさらストレートヘアーを威圧的に指差す。
(;'A`)「…」
(;^ω^)「おっおっお…
結局四人全員参加かお…」
( ^ω^)「それじゃあさっそく、練習するおー!!」
四人の夏がはじまった。一生忘れることのない夏が。
川 ゚ -゚)「…」
ただ、クーはこの夏が忘れられないものになることをすでに知っていたのかもしれない。
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