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('A`)は聞いているようです
498 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 20:43:27.87 ID:6HsaT+npO
カチカチカチ…カチッ


重く響くバスドラム・鳴り響くクラッシュの音と共に曲が始まる。

今の私にとっては雑音にしか聞こえないのだが、
まぁ、雨が地面を打つ悲しい音ぐらいは消してくれるだろう。

Ipodの32曲目のこの曲

私がもっとも好きな曲だ。


('A`)「クソ…」

('A`)「どうしてこうなった?」

('A`)「ドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテ」

('A`)「今俺はここにいる?」

499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 20:45:04.83 ID:6HsaT+npO
妙に鼻につく雨の匂い。
そんな中私はコンクリートで囲まれる森にある一つの像の前にいた。

『捕らわれた光』

像の台座にはそのように名前が記されている。


作者は、私自身。


これでも一応名が通った芸術家として生きているのだ。


('A`)「何で俺がいる」

「久しぶりね」

('A`)「何でお前がいる」

「貴方が来たんじゃないの」

('A`)「何でここに俺がいるんだ」

「そんなの知らないわよ」

('A`)「それもそうだな」

500 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 20:46:11.98 ID:6HsaT+npO
Ipodから大音量で流れるパンク、雨に濡れてグシャグシャになったスーツ
『俺ってかっこいいかもしれないな』なんて変な考えをうかべつつ…
耳に入る雑音との会話。


('A`)「でも、どうして俺はここにいる」

「32番の私にはわかりかねるわね」

('A`)「そう…か」


カチカチカチ…カチッ

502 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 20:47:24.31 ID:6HsaT+npO
「死ね」



('A`)「ああ…そうか」

「殺す殺す殺す殺す殺す」

('A`)「そうだよな」

「貴方が」

('A`)「俺が」

「私を」

('A`)「31番を」


私はそっと、手に持っていたハンマーを振り上げる


('A`)「開放を」


振り上げたハンマーを像に叩きつける。

504 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 20:48:52.70 ID:6HsaT+npO
ガン!ガン!ガン!

ゴシャ


黒とも、緑とも、赤とも言えないものが飛び散る。
固体とも、液体ともいえないものが私にかかる。


ひどい音だ。


カチカチカチ…カチッ

505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 20:49:27.71 ID:6HsaT+npO
「あら?話は終わったの?」

('A`)「ああ…全て終わった」

「そうね。よかったわ」

('A`)「次は君の所に行かなきゃいけないな」

('A`)「ああ…」


31番は壊れた。
家に帰ったら削除しなきゃな…

32番は…

家についたら考えよう。


('A`)「32番はあの子がいい」

('A`)「埋めるのに手間取りそうだが」

('A`)「あの子はいい…とても」

506 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 20:49:56.64 ID:6HsaT+npO
31番も嫌いではなかった。
むしろ好きだったかもしれない、


('A`)「32…32…」


そんな事を考えているうちに像は、像として形をもっていなか
った。

赤黒い液体が飛び散った周辺をみてため息をつく。


('A`)「雨のせいで流れてしまう、これだから雨は嫌だ」

('A`)「32はあの子あの子あの子あの子あの子あの子あのコア
のコアのコアノコアノコアノコアノコアノコ」





…ゴンッ




('A`)は聞いているようです


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