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( ^ω^)心のままに、のようです


第2話

[9] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:08:33.03 ID:A6wrdSda0
第二話 朝と彼女と恋

―朝。眼が覚めると同時に、どこからか香ばしい匂いが漂ってくる。
この香りをたどっていけば、きっとこの眠気から逃げきれるだろう。
僕はいそいそと布団から出ると、寝巻きから学校のブレザーに着替える。
僕はこのブレザーを大変気に入っていた。このブレザーのために美腐高校を受験した
といっても過言ではない。シャツ越しに感じる、この気だるい重みも、僕は好きだ。

( ^ω^)「お早うお、ツン」

少し見えるキッチンからは、スカートのヒラヒラと揺れる姿が見える。
相変わらず、ツンのスカートは短い。
はぁ、とため息を吐きながら、テーブルに座る。

ξ゚听)ξ「お早う。はい、コーヒー」

コトッ、と音を立てて置かれたのは、ミルク大目のコーヒー。
ありがとう、とだけ言って僕はソレを啜った。熱い。僕は猫舌なんだ。
コーヒーは後に飲もう。ご飯はいつごろ出来るのだろうか。

( ^ω^)「・・・よっこらセックス」
[10] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:09:04.65 ID:A6wrdSda0
不意に立ち上がると、僕はベランダに出た。
そのまま懐から―タバコを取り出した。高校生の癖に、と言うかもしれないが、
酒とタバコは十代のうちに覚えるもんだ、と友人が言っていたのを思い出す。
だが、ひとつ言わせてもらうのなら、僕は不良なんかじゃないということだろう。

( ^ω^)「―ふぅ・・・」

煙を吐く。季節はまだ冬。体はどこかしら震え、指先も冷たい。

( ^ω^)「・・・冷え性になるのは、考えようだお」

タバコを吸ってれば血の巡りは当然悪くなる。僕の手足はもう氷のようだ。

ξ゚听)ξ「うらぁ!」

( ゚ω゚)「野生の太陽!!」

ふいに、尻を蹴られた。またか。昨日に引き続き、今日も尻が痛みそうだ。

(;^ω^)「いてて・・・ツン、お兄ちゃんを蹴るなとあれほど・・・」

ξ゚听)ξ「煩いわねぇ。タバコなんか吸ってるからよ!ほら、ご飯できたよ」

そういい残して、ツンはパタパタと行ってしまった。
僕も、最後に一吸いだけして、タバコを消した。
[11] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:10:00.84 ID:A6wrdSda0
ξ゚听)ξ「ほら、早く。冷めちゃうよ」

(;^ω^)「すまんこ。いっただきm」

突如、レバーに激痛が走る。ヤバイ、これヤバイ。

ξ///)ξ「なななな、なにいってんのよ!!変態!!」

((;゚ω゚))「ゴ・・ガハッ!・・・ヒューッ・・・ハッ・・・ハハッ・・・ゴヒュッ!!」

左わき腹、これは折れているんだろうか。大丈夫だろうか。
そんなことを考えるも、なんとか立ち上がると、ご飯を平らげた。
急いで歯を磨き、なんとか痛みが引いてきたとき、時刻は7時を指していた。

(;^ω^)「なん・・・だと・・・?」

僕とツンは前回説明されたように、同じ高校に通っている。
だが、その高校も少し離れた位置にあり、電車で通っているのだ。
ここから最寄の駅まで10分。電車が出るのは12分だ。
いつも遅刻ギリギリに登校している僕達は、これを逃すと先生方に怒られる始末だ。

(;^ω^)「ツン!急ぐお!」

ツンも時計を見て察したのか、急いで荷物を持ってきた。あ、パンツ見えた。
僕はマフラーを首に、カバンを肩にかけて家を飛び出した。
僕とツンは急いで駐輪場へ行き、僕の自転車に乗った。
[12] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:10:36.21 ID:A6wrdSda0
(;^ω^)「しっかりとつかまれお、ツン!」

答えを聞く前に、僕は自転車をかっ飛ばした。
後ろでツンが僕の腹に腕を回しながら、呻いている気がするが、構っている時間は無い。
幸いにも、大きな通りに出ることが無いから、車との接触はない。
体力が限界に近づいたとき、ようやく駅についた。
急いでツンを二台から下ろしてやると、カギを即座に閉めて足早にホームに躍り出た。
改札からは、もう電車が到着してるのが見える。

(;^ω^)「うぉぉおおおおぉおおお!!!」

ツンの手を引きながら、思い切り駆けた。

ピリリリリリ、と音がし、電車の扉が閉まる。なんとか乗り込めた僕とツンは、肩を上下させていた。

(;^ω^)「ま、間に合ったお・・・・・ん?」

ふいに、ツンを見てみると、何故か顔が赤かった。

( ^ω^)「ツン、どうしたお?」

訊いてみると、ツンは少し俯きながら答えた。

ξ///)ξ「・・・手、離してよ」

(;^ω^)「え?」
[13] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:11:13.48 ID:A6wrdSda0
見ると、僕とツンはまだ手を繋いだままだった。無我夢中で全然気づかなかったのだ。
しかも、自然と僕の手は強く握ってしまっているようで、ツンの方が痛そうに見える。
慌てて手を離すと、ごめんお、とだけ言って謝った。

(;^ω^)(っていうか、自分で離せお・・・)

ガタン、ゴトン
電車は目的地に向かい、ただ走っていく。

(;´ω`)「ふぃー、到着だおー」

ガラッと教室の扉を開ける。既に多くの生徒は先生の登場を待機しており、やはり自分が最後のようだ。

('A`)「おう、ブーン。今日も遅いな」

(;^ω^)「いやー、今朝は焦ったお」

自分の机に座りながら、隣の席の生徒に今朝の顛末を話した。
この生徒の名は欝田ドクオ。僕の友達だ。前髪が長くて顔を窺いにくいが、それでもいつも
顔色が悪い。彼曰く生まれつき弱い身体なのだそうだ。

( ^ω^)「―ということがあったんだお。まったくツンは駄目な奴だお」

とりあえず、今朝の出来事を全部ツンのせいにしてみた。
僕を起こしに来なかったツンが原因だろう、と勝手な思いに馳せた。

(´・ω・`)「しかし、君とツンちゃんは本当に仲がいいよね」
[14] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:11:42.14 ID:A6wrdSda0
くるり、と前の席の生徒が僕の方を向いた。
この生徒は緒歩ショボン。彼も僕の友達だ。童顔で背も小さいから、女子によく可愛がられる。
だが、忘れてはいけないのは、彼が実はホモだということだ。

('A`)「あぁ、確かにな。つーか、周りからみりゃ普通にカップルに見えるわ」

(;^ω^)「ちょwwwwねーおwwww・・・・・・」

少し、ほんの少しだけ、ドキッとした。
というのも、やはりツンは兄目線から見てもずば抜けて可愛いのだ。
好き、という感情もあるとは思う。だがこれは、家族愛なのか、はたまた異性愛なのか―

(;^ω^)(・・・馬鹿言うんじゃないお。僕達は兄弟なんだお)

ブルブルと頭を振る。

ガラッ、と音を立てて引き戸が開いた。

(´・ω・`)「おっ、ようやく来たか」
[15] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:12:11.08 ID:A6wrdSda0
ツカツカと結構早い足取りで教壇の前に移動するその先生は、見た目は20代前半で、眼鏡のよく
似合う、綺麗な女教師だ。

川 ゚ -゚)「すまん、皆。遅れたな」

号令、と呟くと、誰かが起立、礼。続けてお早う御座います、だ。
面倒なのでボーッと立ちながら、先生―素直クール、呼ばれ名はクー先生だ―を見つめていた。

(*^ω^)(綺麗だおー・・・)

そう、僕こと内藤ホライゾンは、クー先生が好きなのだ。


第二話 終

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