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問合せ
ジョルジュのなんてことない一日のようです
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/10/10(金) 02:01:36.81 ID:JfFRo0sWO
あまりに暇なので眉毛を引きちぎった俺はそれをブーメラン代わりに投げてみた。
( ゚∀゚)「ヒャッハーーー!!」
眉毛が弧を描きながら宙を飛ぶ。なかなか面白い。
( ゚∀゚)「犬でも飼ってりゃ楽しく遊べたかもなぁ」
キャッチして再び眉毛を投げてから辺りを見渡した。
ここは公園だ。休日なので親子連れやなんやと人だけは多いのだが、残念ながら犬はいない。
( ゚∀゚)「ハハッ!アハハハハハハハッ!」
今度は一回転してから取ってみた。このブーメランってやつはなかなか奥が深いと感心したりする。
そこで遠巻きで俺を見る視線に気が付いた。ホームレス。段ボールで出来た家から覗いていた。
( ゚∀゚)「見せ物じゃねーよ」
俺が投げた眉毛は段ボールハウスを真っ二つにした。住人の頭部がカッパのようになる。
スゲー切れ味だ。俺の頭もあのぐらい切れれば仕事だって見付かったかもしれない。
川 ゚ -゚)「これこれそこの君。悪さはよしなさい」
背中越しに掛かった声に振り返ってみればナイスなパイオツのおっぱい美人がいた。巨乳だ。
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/10/10(金) 02:04:27.80 ID:JfFRo0sWO
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい!おっぱい!おっぱい!」
川 ゚ -゚)「君は女性の胸が好きなのか?」
( ゚∀゚)「わりとね」
俺は答えてから女を観察した。実にソウルフルなバストだ。
まるで初夏の雨上がり、雲の合間から日差しが差し込むようなおっぱいだ。
川 ゚ -゚)「私はクーだ。見たところ君は暇そうなのだが?」
( ゚∀゚)「忙しくはねーな。モグラをからかうぐらいしか予定はないし」
川 ゚ -゚)「そうか。なら、もし良かったら手を貸してくれないか?」
( ゚∀゚)「いいぜ。なんでもやるよ」
川 ゚ -゚)「……随分と安請け合いじゃないか。内容を聞いてから断ってもいいんだぞ」
( ゚∀゚)+「巨乳ちゃんに悪いやつはいない。それにもし騙されてもおっぱい相手なら仕方ない」
ただし、と俺は女の胸を指差した。
( ゚∀゚)「これがフェイクだったらお前を殺す」
ジョルジュのなんてことない一日のようです
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/10/10(金) 02:07:09.54 ID:JfFRo0sWO
川 ゚ -゚)「なんというか……便利な眉毛だな」
眉毛でネギを千切りにしているとビッグバストがそう言った。
( ゚∀゚)「唯一の自慢だぜ」
俺がまんじゅうおっぱいに頼まれたのはコジキ相手にする炊き出しの手伝いだった。
なんでも区かなにかのボランティアで企画されたものなのだが、
当日になって料理する予定の連中がばっくれたらしい。
まあ、気持ちは分からんでもない。
こんなよく晴れた日に無職で汚いおっさん達の相手はしたくないと思うのは自然だろう。
( ^ω^)「ブヒヒ!!ご飯はまだかブヒ!!」
('A`)「お腹と背中がくっついちゃうよぉ!!!」
(´・ω・`)「早くしろよ!!!!!!」
コジキが集まってきた。
川 ゚ -゚)「ほーら、ジャガイモだぞ。とってこい!」
コジキが散った。
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/10/10(金) 02:09:55.22 ID:JfFRo0sWO
出汁を取っていた大きな鍋に材料を入れてぐつぐつと煮た。後はしばらくほっときゃいい。
幾つも並んだ炊飯器をチェックしてみると炊けるまで時間がかかることが分かる。
手が空いた俺はおっぱいキャニオンを眺めた。労働の後の眺めパイパイは最高だ。
川 ゚ -゚)「なにか付いてるかな?」
( ゚∀゚)「おっぱいには乳首と乳輪しか付いてない。まれに毛が生えてるが、あれはなんとかして欲しい」
視線を逸らさないまま後ろ歩きしてベンチに座った。煙草に火をつけて深々と吸う。
ミスダイナマイトメロンは君のことはよく理解できないな、と言いながら俺の隣に腰を下ろした。
川 ゚ -゚)「学生かい?」
( ゚∀゚)「いいや職無しだ。プーってやつ」
川 ゚ -゚)「就職しないのか?」
( ゚∀゚)「何度もしてんだけどすぐクビになんだよ。なにがわりぃのか分からねーのが困ったとこだ」
川 ゚ -゚)「どんな仕事をしてたんだ?」
( ゚∀゚)「……どうでもいいけどさ、あんた質問ばっかじゃね?」
乳ヨークが息を飲んだ。どうやらなにか引っ掛かったらしい。
俺に向けていた顔をそらすとじっと黙ったままになる。
別に沈黙が苦手ってわけじゃない俺もそれに倣い、ぼんやり空を見た。
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/10/10(金) 02:12:08.90 ID:JfFRo0sWO
(* ^ω^)「ブヒャヒャヒャヒャ!!お芋美味かったお!!!」
(;A;)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!みんな食べちゃうなんて酷いよブーン!!!!」
(´;ω;`)「絶交だ!もう君とは一生口きかないからな!!!謝っても許してやらないからな!!!」
ホームレス達が取っ組み合いをしている。実に平和な光景だ。俺は眉毛を投げた。
川 ゚ -゚)「私は」
( ゚∀゚)「ん?」
川 ゚ -゚)「私はあまり人と接するのが上手くない」
( ゚∀゚)「そんなに豊満な胸があるのにか」
川 ゚ -゚)「君の理屈は分からんが……まぁ、そういうことだ」
(;^ω^)「な、なんか飛んで来たお!!?」
(;A;)「!!?」
(;´・ω・`)「に、逃げろーーーーー!!!」
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/10/10(金) 02:13:48.07 ID:JfFRo0sWO
( ゚∀゚)「でもボランティアって人好きで物好きな奴がやるんじゃねーの?」
川 ゚ -゚)「物好きだが人間は苦手だ。なりゆきというか、ただなんとなく始めただけなんだ」
( ゚∀゚)「ふーん」
川 ゚ -゚)「意外とやりがいはあるよ。誰かの力になれるのは楽しいことだ」
( ゚∀゚)「立派だな。おっぱいだけじゃなく」
川 ゚ -゚)「偽善者、なんて言われたこともあるけどね」
( ゚∀゚)「偽善?」
(;^ω^)「うわああああああああああああああああああ!!!!」
(;'A`)「なんだあれなんだあれ!?UFOか!!!?」
(;´・ω・`)「死にたくなきゃ黙って走るんだ!!!!」
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/10/10(金) 02:15:34.59 ID:JfFRo0sWO
川 ゚ -゚)「私は偽りの優しさで悦に入ってるらしい」
( ゚∀゚)「ひねた意見だな」
川 ゚ -゚)「まぁ人からそう見えたのは事実だ。少し落ち込んだが仕方ない。
でも、それが原因かな。もともとコミュニケーション能力に問題はあったが悪化してしまったよ」
( ゚∀゚)「そいつは繊細過ぎやしないか?敏感なのは乳首だけで充分だぜ」
川 ゚ -゚)「我ながらそう思う。さっき質問が多いって言ったろ?」
( ゚∀゚)「言ったな」
(;^ω^)「うおおおおおお!!!木が切れたお!!!ヤバすぎるおあれ!!!」
(;A;)「怖いよーーー!!!怖いよーーーーー!!!!」
(;´・ω・`)「ちくしょう……なんだってこんなことに!!!国はなにやってんだ!!!」
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/10/10(金) 02:17:40.33 ID:JfFRo0sWO
川 ゚ -゚)「あれは私の口下手のせいだ。話さなきゃと思うとついつい質問責めになってしまう。
取り調べみたいだと言われたこともあるよ」
( ゚∀゚)「婦警の格好してりゃ人気者ってわけか。デカパイポリス24時」
川 ゚ -゚)「なあ。君はどうして手伝ってくれたんだ?」
( ゚∀゚)「ああ?」
川 ゚ -゚)「炊き出しのことだよ。君はやな顔一つ見せずに黙々と働いてくれたじゃないか。
自分で頼んどいてなんだが、突然誘われたわりには精力的だったから不思議に思ってね」
( ゚∀゚)「そりゃおっぱいだよ。あんたのパイ助がオーマイコンブだったんだ」
それに、と俺は二の句を紡ぐ。
( ゚∀゚)「あれを見てみろよ」
あごでコジキ達を差した。中年ホームレスボーイズは楽しそうに駆け回っていた。
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/10/10(金) 02:19:32.33 ID:JfFRo0sWO
( ゚∀゚)「ありゃ俺の未来の姿だ。多分そうなるんじゃねーかなっていう可能性の話だけどな」
川 ゚ -゚)「…………」
( ゚∀゚)「先輩への挨拶、先行投資、なんだっていい。とにかく料理してる最中によ、
どーにも他人の気がしねーよなって思ったから親切にしてやりたくなってね」
(;^ω^)「ちくしょーーー!!!死にたくな」
(;^ω^)「うわぁっ!」
(;'A`)「ブーン!!?」
(;´・ω・`)「なにやってんだバカ!!早く立て!!!」
(;´ω`)「もう走れないお……僕を置いて逃げてくれお……」
('A`)「バッキャロー!!!ダチを見捨てられっかよ!!!」
(´・ω・`)「抱えてでも連れていくさ!!!!」
( ;ω;)「ふ、二人とも……」
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/10/10(金) 02:21:55.20 ID:JfFRo0sWO
川 ゚ -゚)「意外とペシミストなんだな」
( ゚∀゚)「そりゃできれば俺だっておっぱいのことだけ考えてたいよ。けどそうもいかんじゃないか」
川 ゚ -゚)「ずっと言いたかったことがあるんだが」
( ゚∀゚)「どーぞどーぞ。たんと聞きましょう」
川 ゚ー゚)「君の頭の中はおっぱいばかりだなw」
( ゚∀゚)「やっと笑ったか。すまし顔よりそっちのが可愛いぜ」
川 ゚ー゚)「ギャグだったのかい?」
( ゚∀゚)「半分だけな」
クーはなんだそりゃと笑い声を上げた。俺もつられて共に笑った。
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/10/10(金) 03:03:07.80 ID:JfFRo0sWO
( ゚∀゚)「さあ、もうそろそろいいんじゃねーか?」
川 ゚ー゚)「そうだな」
調理台の元へ俺達は歩いた。美味そうな匂いがする。鍋に味付けをしていると米が炊き上がった。
俺は、光れ俺の豚汁、唸れ俺の握り飯と叫びながら作業した。クーは呆れた顔でこちらを見ている。
すっかり忘れていた眉毛を中空でキャッチして沢庵を切った。コジキ達は号泣しつつ抱き合っている。
飯が待ち遠しいのかも知れない。
川 ゚ー゚)「ご飯だぞーーー!」
(* ^ω^)(*'A`)(*´・ω・`)「「「わーーーい!!!」」」
胸の内を話せたからか、会った時より元気そうに見えるクーがそう呼ぶと、おっさん達が駆け寄ってきた。
俺は煙草に火を付けて、平和だなぁと呟いた。
喜ぶべきは友達が一人増えたことぐらいの、なんてことのない一日だ。
〜終わり〜
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