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( ^ω^)心のままに、のようです


第3話

[16] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:12:44.43 ID:A6wrdSda0
第三話 僕と彼女と病んでる彼女

昼休み。この時間帯が無ければ、もはや学校など誰も来ないだろう。
あるものは食後のおやつを食べたり、ある者は隠し持ってきたゲーム機
で友達と対戦したり、またある者は恋人とイチャついたり―

(*^ω^)「・・・・・」

カチカチとケータイを弄りながら、僕のテンションは上がっていた。
というのも、今、僕は憧れの人とメールをしているのだ。

('A`)「しっかし、どう思う、ショボン」

(´・ω・`)「どう、って・・・」

僕たち三人は、今屋上にいる。ドクオはタバコを吸いながら気味悪そうに
僕を見、ショボンはゲーム機を弄りながら曖昧に答える。

(´・ω・`)「ブーン、クー先生とメールしているのかい?」

ゲーム機から、勝利のファンファーレが聞こえて、すぐにショボンは僕に聞いてきた。

(*^ω^)「おっ!そうだお!」
[17] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:13:15.06 ID:A6wrdSda0
僕は威勢良く答えてしまった。隣ではドクオが不機嫌そうに煙を吐いた。

('A`)「まったく・・・おい、ブーン、お前吸わないのかよ」

(;^ω^)「お?あぁ・・・・げ、忘れたお!」

一本くれお、と僕はドクオに頭を下げる。
ちなみに、ここには一般の人は入れない。というよりも、屋上のカギはショボンが持っていて、
入ろうにも入れない。
おかげでここはすっかり僕等の溜まり場だ。

('A`)「仕方ねーな・・・ほれ」

ドクオからタバコをもらい、火をつける。そのまま煙を肺に押し込めて、一気に吐き出した。

(´・ω・`)「・・・いい加減、やめたら?タバコ」

ゲーム機の電源を切り、静かに僕等に言った。

('A`)「残念だが、これだけは無理だな(お)」(^ω^ )

二人同時に言うと、またも二人同時に吸い込み、二人同時に煙を吐いた。
ダビドフは、少し甘い、そんな気がした。
[19] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:14:11.04 ID:A6wrdSda0
 
 
時間は一気に流れ、気づけばもうLHRだ。
やることもないから、そのまま帰りの挨拶だけをして、教室からどんどん生徒が出て行く。
だが、この日僕は教室に残った。と、いうのも―

(*^ω^)「今日もお疲れさんだお、クー先生」

川 ゚ -゚)「ん、苦しゅうないぞ」

クー先生と話すためだ。
僕とクー先生は、それはもう普段もメールするので、タメ語の世界だ。
そのまま、僕はショボンに借りている屋上のカギを持ち、クー先生と一緒に屋上に出た。

カチッ、と音がして、振り返ると、クー先生がタバコを銜えて煙を吐き出していた。

( ^ω^)「・・・タバコ吸うとは、知らなかったお」

クー先生は、そりゃ言ってないからな、というと、タバコを僕に一本よこした。

川 ゚ -゚)「お前も吸うんだろ?」

(;^ω^)「おっ、おーっ・・・何故・・・」
[20] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:14:43.27 ID:A6wrdSda0
フフ、とクーは笑うと

川 ゚ -゚)「お前のブレザー、タバコ臭いんだ」

そう言った。
カチッ、と火をともし、僕も煙を吐き出す。
これも何かの縁なのか、ダンヒル。僕の愛するタバコの味だった。

( ^ω^)「僕も・・・」

川 ゚ -゚)「ん?」

優しい風が凪ぐ。季節は冬だが、夕日は温かみがある。

( ^ω^)「僕も、ダンヒルを吸うんだお」

そうか、と彼女は呟いた。

川 ゚ -゚)「なぁ」

( ^ω^)「ん?」
[21] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:15:18.36 ID:A6wrdSda0





僕はクー先生を見る。夕日に照らされ、眼鏡が眩しい。頬が赤いのは―

川*゚ -゚)「好きなんだ、お前が」

きっと、夕日のせいじゃないんだろう。
僕は、答えるかわりに、静かにクー先生を抱き寄せた。




[22] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:15:50.40 ID:A6wrdSda0
 
 
部屋の中で、僕は一人興奮していた。

(*^ω^)(なんてこったい・・・クー先生・・・いや、クーとついに・・・おぅふwwwwww)

ベットの上で、一人グチャグチャと暴れていると、ふいに扉の近くに誰かが立っていた。

ξ;゚听)ξ「なにやってんのよ、一人で」

呆れた顔をしながら、ツンが近づいてきた。
僕は息を整えながら、それでも興奮冷めやらぬ声でツンに、言って、しまった―

(*^ω^)「聞けお、ツン!ク ー 先 生 と 付 き 合 っ た ん だ お ! 」

一瞬、ほんの一瞬、ツンの顔がゆがんだ。
だが、それを僕は怪しがらなかった。何故なら、あんな美人と付き合えるのだ、疑わない
方がおかしいだろう。

ξ゚听)ξ「・・・へぇ、よかったね、いい夢見れて」

やはり、予想通り。こんな反応を、僕は想定していた。

(*^ω^)「くっくっくっ・・・なら、これを見ろおっ――!!」

携帯の、待ちうけ。そこには、僕と、クーの、キスの、写真があった。
[23] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:16:26.21 ID:A6wrdSda0
ξ゚听)ξ「」

ツンは、固まっていた。
やはり、衝撃的なんだろう。何しろ、こんなに綺麗な、しかも眼鏡っ娘と僕が―

ξ )ξ「っ」

瞬間、ツンが出て行ってしまった。

(;^ω^)「・・・?何だお、あいつ・・・」

どこか、胸の中がざわついた。これで、よかったのか。
いや、黙っている必要は無いじゃないか。だって、僕等は家族なんだ。
何でも話し合える仲が、家族だろう?
―いや、そういうことじゃない。もっと、別の―

(;^ω^)「・・・わけ、わかんねーお・・・」

考えるのをやめ、キッチンに足を運ぶ。今日のご飯は、作ってあるのだろうか。

(;^ω^)「・・・ない・・・」

仕方が無い、と、僕は中華なべを取り出す。
今日はご飯が大量にある。チャーハンでも作ってみよう。
[24] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:17:01.26 ID:A6wrdSda0
( ^ω^)「よっ、ほっ、はっ、ほっ」

腕を振るい、米を炒める。チャーハンはこれが一番大事だ、とショボンが言っていた気がする。

( ^ω^)「よっと・・・よし、完成だお!」

皿に盛り、ついでに卵スープ、ロールキャベルをよそう。

( ^ω^)「・・・ツン、ご飯だお、出て来いお」

僕は、ツンの部屋の前に来ている。一応、ツンの分も盛ったが、出てきてくれるだろうか。
だが、意外なことに、ツンは直ぐに出てきた―のだが

( ;゚ω゚)「・・・!ツン!どうしたんだお!」

ツンの左腕には、三本ほど、血の筋が走っていた。
リストカット―そうだ、それだ。
[25] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:17:32.69 ID:A6wrdSda0
( ;゚ω゚)「馬鹿なことするんじゃないお!」

そう言って、ツンの肩を掴み、顔を窺った。顔は、涙でも流したのか、眼が充血していた。

ξ゚听)ξ「・・・何よ」

だが、その眼には、光がさしていない。

ξ゚听)ξ「・・・何でよ、何で、お兄ちゃんが・・・」

肩が、震え始めている。

ξ;听)ξ「あんな・・・女なんかと・・・」

ついに、泣き出した。声も震えている。

ξ;凵G)ξ「いや、いやよ!!お兄ちゃんは、なんで!!」

嗚呼、何故だろう。以前、こんなゲームをやったことがあるような・・・いや、ない。
嗚呼、タバコが、欲しい。

ξ;凵G)ξ「何で気づいてくれないのよ!!」

言い切ると、ツンはついに、廊下に座り込んでしまった。
僕は、そのまま、ツンの視線に合わせて、屈む。

( ^ω^)「ツン、もしかして、ツンは―」

ξ;凵G)ξ「・・・そうよ、私は―」
[26] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:18:08.76 ID:A6wrdSda0




お兄ちゃんが、好きなの。

僕は、今、無性にタバコが吸いたくなった。




[27] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:18:56.46 ID:A6wrdSda0
 
 
あれから数分、落ち着きを取り戻したツンを、リビングに連れて行き、ご飯を食べさせた。
そして、その食事中、僕はツンに強く言い聞かせた。

( ^ω^)「ツン、僕等は兄弟なんだお。だから、好きになるとか、そういうのは有り得ないんだお。
      きっとツンのそれは、家族愛なんだお。いいかお、ツン。そういうことだお。
      それから、もうああいう自傷行為はしちゃ、駄目だお。分かったおね?」

ツンは、僕が発言するごとに、毎回話さず、ただ頷くだけだった。
今は、もう12時。先ほどまで、クーと電話をしていた。
どうやら、僕に元気がなさそうな喋り方だったようで、心配された。
だが、言うにも言えず、仕方なしに、ゲームのデータが消えた、と嘘をついた。
しかし、次の瞬間勉強しろ、と怒られてしまった。
そんなことを繰り返していると、少しだけ元気が出てきた。
最後に、電話を切るときに言ってみた。愛してる、と。
するとクーも、愛してる、と言い返してくれた。
純粋に嬉しくなって、僕はタバコに火をつけた。彼女と同じ、ダンヒルだ。

( ^ω^)「・・・ふぅー・・・」
[28] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 : 2008/03/16(日) 15:19:23.34 ID:A6wrdSda0
電話を切ってから今に至るまで、僕はただぼーっとしながら吸っていた。
考えるべきことが多いのだが、今は何も考えず、ただ静かにタバコを味わいたい。

( ^ω^)「・・・こういうパターンは、寝込みを襲われるのが鉄則だおね」

シャッフルシャッフル、と言いながら、僕は扉にタンスを移動させた。
終えると、ベットに勢いよく倒れる。

( ^ω^)「さ、寝るかお」

電気を消し、直ぐに夢の国へと進行する。

深夜、扉がガタガタ言っていたが、それは知らぬふりをした。


第三話 終

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