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問合せ
( ^ω^)ブーン達が魔法の世界で戦うようです
第5話
5 :
◆ZGuRy.Pfdg
:2006/12/31(日) 00:40:43.79 ID:dvxg/gFUO
5話
ロビー 2
7 :
◆ZGuRy.Pfdg
:2006/12/31(日) 00:45:04.46 ID:dvxg/gFUO
幼い頃から僕は兄さんの大きな、いや大きすぎる背中を見て育ってきた。
兄さんが武術をやっていたから僕も武術を学んだ。
だがすぐに挫折に襲われた。
兄さんと言う大きすぎる壁にぶち当たったからだ。
だから僕は緑魔術に手を出した。
生身の肉体では勝てないかもしれないが、身体強化魔法によって得られる強靭な肉体なら兄さんに勝てるかもしれないと思ったからだ。
8 :
◆ZGuRy.Pfdg
:2006/12/31(日) 00:45:41.27 ID:dvxg/gFUO
僕が緑魔術を学び始めた頃、兄さんは一人の小太りな男を連れてきた。
( ^ω^)「ショボン、よろしくだお」
ふざけた顔の男だ。そんな印象を持った。
彼の笑顔が妙にいらただしく思えた。
こんな大した魅力の無い男に兄さんを盗られた。そんな嫉妬からだろう、彼には悪態をついてしまった。
9 :
◆ZGuRy.Pfdg
:2006/12/31(日) 00:46:08.21 ID:dvxg/gFUO
結局、ブーンがロビーにいた一年間の間で言葉を交わしたのはほんの数回になってしまった。
ブーンがロビーを出て行った頃、時を同じくして僕の緑魔術は自分で納得がいくほどの高レベルなものになっていた。
そして僕はVIP搭乗に志願した。
兄が賢者ということもあり難無く国家にそれを認められた。
コネだと思われるのは癪に障ったが、実力からすればVIPクルーとしてもなんら問題はなかった。
VIPクルーの初顔合わせ。
このとき彼の顔を再び見ることになった。
( ^ω^)「ショボンもVIPクルーに選ばれたのかお!?」
10 :
◆ZGuRy.Pfdg
:2006/12/31(日) 00:46:54.43 ID:dvxg/gFUO
(´・ω・`)「やあ、久しぶりだねブーン」
兄さんが認めたこの男。
一体どの程度の実力の持ち主なのだろうか。そんな思いで彼に接した。
他のクルーは、仕切りたがり屋な老人、言葉にトゲのある巻き髪の少女、オッパイについて熱く語り出す若い男。
そして―――
体に無駄がなく、しなやかながらも力強い筋肉の青年。どこか暗鬱な顔がミステリアスな雰囲気をかもしだす。
僕は恋に落ちた。
11 :
◆ZGuRy.Pfdg
:2006/12/31(日) 00:47:26.86 ID:dvxg/gFUO
訓練は過酷の一言に尽きた。
肉体的な訓練ならいくらでも耐えられる。そんな自信があった。
だが実際は、敵の精神介入などの黒魔術を想定した精神的にきつい訓練だった。
来る日も来る日も心を痛め付けられる。
そんな毎日が耐えられなくなってきていた。
さらに自分以外のクルーの余裕そうな表情が、輪を掛けて僕の心やプライドを傷付けていった。
12 :
◆ZGuRy.Pfdg
:2006/12/31(日) 00:48:04.76 ID:dvxg/gFUO
ある日、とうとう僕は泣き出してしまった。
そのとき僕は、もう故郷に帰ろうという気持ちだった。
(´;ω;`)「ううっ…もう帰りたいよ…」
( ^ω^)「逃げるのかお?ここに来たってことは覚悟を決めたってことじゃないのかお?」
ブーンは決して僕を慰めなかった。
僕は自分の甘さを思い知ったのだった。
そして、彼の覚悟の強さや、兄さんがなぜ彼を認めたのかがわかった様な気がした。
( ^ω^)「覚悟の無い奴は去るといいお」
(´;ω;`)「僕は…僕は…」
(´;ω;`)「逃げないよ!!」
僕は覚悟を決めた。
13 :
◆ZGuRy.Pfdg
:2006/12/31(日) 00:48:25.42 ID:dvxg/gFUO
幼い頃から武術に励んだ。
時代のせいもあっただろう。だがこんな時代じゃなくてもきっと俺は武術にのめり込んでいただろう。
俺は心底格闘技を愛していたから。
魔術に頼らず、己の体のみを鍛えあげた。信じられるのは自分の腕だけ。そう思っていたからだ。
そんな俺が国家から賢者として認められたときは心底喜んだ。武術は魔術に引けをとらないと証明できたから。
14 :
◆ZGuRy.Pfdg
:2006/12/31(日) 00:48:55.80 ID:dvxg/gFUO
賢者としての初任務として、『国家民保護計画』に選ばれた青年、ブーンの教育係りに任命された。
初めて会ったとき、その青年の目は死者となんら変わらない冷たいものだった。
そんな彼からそれまでの経緯を聞いたときは愕然とした。
「国家は狂っているのか?」
そう、国家は正に狂っていた。
だが国家に反逆することは出来ない。国家は『絶対』的な存在なのだから。
15 :
◆ZGuRy.Pfdg
:2006/12/31(日) 00:49:47.70 ID:dvxg/gFUO
彼と初めて手合わせをしたときの、彼の両腕を広げて走る動作がなぜだか気に入った。
そして彼の名を、その走る様から『ブーン』とした。
ブーンはめきめき力を付け、あっという間に俺を抜こうとしていた。
その間、弟のショボンにはあまり構ってあげられなかった。ショボンはショボンで俺の管轄外である緑魔術にのめり込んでいたため俺にはどうすることも出来ないのだから仕方がない。
16 :
◆ZGuRy.Pfdg
:2006/12/31(日) 00:50:29.34 ID:dvxg/gFUO
ブーンとわかれる際に、一本の刀を渡した。
その刀は俺の愛刀でもあったが、ブーンになら託せると思い、餞別に送った。
俺は泣いてしまった。大切なものがどこか遠くへ行ってしまう様ですごく悲しかったから。
ブーンは、生きて帰って来ると言った。だったらそれを待つ俺も生きていなければいけないな。
生きてやろう。
そう決意して涙をとめた。
17 :
◆ZGuRy.Pfdg
:2006/12/31(日) 00:50:58.72 ID:dvxg/gFUO
その後、俺にはロビーとニューソクの戦争の最前線で指揮をとるよう指令が下った。
ショボンはこの戦いには参加せず、VIPに乗りたいと懇願してきた。そして俺はショボンを国家に薦めた。
二人を待つ身としては死ぬわけにはいかない。そしてロビーを守らなければならない。またこの地で二人に再会する。
そう決意してこれまで戦ってきたのだ。
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