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( ^ω^)ブーンはデジタルワールドを救う勇者のようです

第3話

72 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 13:59:21.32 ID:BnY+NOmx0
第三話 「パートナー」

川д川「さて、勇者よ。なんでも質問してくれ」

( ;^ω^)「はいですお」

結局あの後、ブーンはデジモン達に連れられて始まりの街に来ていた。
そして今いる、ジジモンの家とかいうとてもわかりやすい名前のボロ屋に連れ込まれたというわけだ。

( ^ω^)「早速ですけど、あんたら何者?」

 川д川「デジモンじゃ」

( ;^ω^)「……」

 川д川「聞きたいことはそれだけかのぅ?」

( ^ω^)「じゃ、じゃあなんで僕はここに呼ばれたんですお?」

 川д川「デジタルワールドを救ってもらうために、わしが呼んだ」

( ;^ω^)「……そうですかお……」

73 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:00:04.94 ID:BnY+NOmx0
このままじゃ具体的には何も教えては貰えなさそうだ……

ブーンはこの後どうしようか真剣に考え始めた、そのときだ。
ケンタルモンが助け舟をだしてくれた。

 (<●>)「ジジモンさん、それでは少年に対して何の説明にもなっていませんよ」

( ^ω^)(馬にしてはGJ!)

 川д川「そうかのぅ、じゃあケンタルモン。わしの代わりに説明してみてくれんか?」

 (<●>)「お安い御用ですよ」

( ^ω^)(wktk!)
74 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:01:16.80 ID:BnY+NOmx0
 (<●>)「ええとまずこの世界について説明するとだな、ここはデジタルワールドと呼ばれる
     インターネット上に自然発生、形成された世界だ。
     どうやって自然発生したかは私には説明できない。君も何故無からビッグバンが起こり
     宇宙が誕生したのか説明できないだろう? 同じことだ。
     で、我々はそのデジタルワールドに住む生命体――デジタルモンスター
     略してデジモンだ。我々の存在についても説明は難しいな。
     ネット上のデーターのカスが集まって出来たという者もいれば、
     誰かがプログラムを書き、生み出したという者もいるからな。
     とまぁこの辺で世界観については説明出来たのかなと思う。どうかな少年?
     とりあえずここはわかったということにして、話を進めよう。
     少年、君は多分何故自分がここに呼ばれたのかを知りたいんだろう?
     それについてはまずムゲンドラモンについて話さなくてはならない。
     ムゲンドラモンは究極体と呼ばれる、とんでもなく強いデジモンなんだが、
     彼は突然デジタルワールドを支配すると言い出し、ムゲンマウンテンとよばれる
     ここ、ファイル島の中心部に位置するとんでもなく高い山を根城にし、
     デジタルワールドを侵略し始めたのだ。
     無論我々はムゲンドラモンの身勝手を黙って見ている気は無い。
     すぐさまムゲンマウンテンに攻め込もうとした。
     しかし困ったことに、ムゲンマウンテン登山道入り口には何故か結界が張ってあったのだよ。
     色々と調べた結果、その結界を破れるのはデジヴァイスのみであり、
     デジヴァイスを使えるのは人間だけ。
     そこで我々は掲示板を使い、人間を集め、さらにその中からデジヴァイス自身が、
     素質のある人間だけをここに呼び出したというわけだ。
     ちなみにデジヴァイスについてだが、これも我々にはよくわからない。
     君たちでいう神器のようなものかな。
     デジヴァイスについて説明するとこれがまた一大歴史小説が一本書けそうなほど……」

 ( ゚ω゚)「……」

75 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:03:09.59 ID:BnY+NOmx0
( ;^ω^)「あの……」

 (<●>)「ん? 何かな?」

( ;^ω^)「もういいですお……」

 (<●>)「いや、しかしだなぁこれから話が盛り上がるところなんだがなぁ。
     それに私としても少々説明不足な気がしてならない。
     そうそう、デジヴァイスについてだが古い文献を読むとだなぁなんと……」

( ;^ω^)「いやいや、もう 本 当 によく説明して頂きありがとうだお。
       ですからもういいですお。まじで」

この馬……放っておいておくと説明だけで10レスくらい消費しかねない。
そう判断して、ブーンはさっさと話を切り上げることにした。

( ^ω^)「で、ジジモンさん。つまり僕にムゲンドラモンを倒して来いってことかお?」

 川д川「うむ、つまりそういうことじゃ」

( ^ω^)「ちなみに拒否権は?」

 川д川「元の世界に帰りたくないんだったら、ある」

( ^ω^)「じゃ拒否しますお」
76 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:04:02.54 ID:BnY+NOmx0
 川д川「は?」

( ^ω^)「あんな世界、二度と帰りたくないですお」

そのとき、突然ブーンの腹が怪音を鳴らした。

( ^ω^)グキュルルルル

( ;^ω^)(いい加減腹減ったお……)

 (<●>)「少年よ……」

(^ω^ )「クルッ」

 (<●>)つ肉   (^ω^ )「……」

     肉 ヒョイ
 (<●>)∩ ⊂(^ω^ )

     肉 
 (<●>)∩ ⊂(^ω^ )「僕、ムゲンドラモン倒すよ!」


ブーンの冒険の始まりだった……

77 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:04:56.13 ID:BnY+NOmx0
 川д川「では少年、まずは他のテイマーを探してくれんか?」

( ;^ω^)「え、他にテイマーがいるのかお?」

 川д川「当然じゃ。ムゲンドラモンはとてもじゃないが一人と一匹の力では倒せん」

( ;^ω^)「なんでテイマー全員ここに呼び出さなかったんだお?」

 川д川「お主は分割ファイルうp主に、一つにまとめろと文句を言うのか?」

( ;^ω^)「……わかりましたお」

 川д川「デジタルワールドを頼んだぞ!」

ブーンはよろよろと、ジジモンの家を後にした。


ジジモンの家を出ると、そこにはあのヒトカゲが立っていた。
78 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:05:33.46 ID:BnY+NOmx0
( ^ω^)「あ、あんたはヒトカゲ」

( ,,゚Д゚)「おう、どうやら話がついたらしいな。つか俺はアグモンだ」

( ;^ω^)(話がついたとは認めたくないお……)

( ,,゚Д゚)「よし、早速街を出るぞ」

( ;^ω^)「え?」

( ,,゚Д゚)「え? って他のテイマーを探しに行くんだろ?」

( ;^ω^)「そ、そうだけどぉ」

 (゚W゚)「こらこら、アグモン。そうせっつくな」

( ^ω^)「あ、メラモンさん」

なんだかようやく話のわかりそうな人が出てきたような気がしたブーンであった。

 (゚W゚)「テイマー、どうだこっちの世界は? もう慣れたかい?」

( ^ω^)「まぁぼちぼち……」

人型だからどちらかといえばメラモンは、ブーンにとって親しみ易い。

( ,,゚Д゚)「おうおう、そんな世間話よりもよう、早く行こうぜブーン。
     俺は早く成熟期に進化してみてぇんだ」
79 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:06:06.01 ID:BnY+NOmx0
 (゚W゚)「だから、アグモン。そう無理に進化する必要は……」

( ^ω^)「あの……」

 (゚W゚)「ん?」

( ;^ω^)「クワガタに襲われてるときも思ったんですけど……成長期だの成熟期だのって?」

( ,,゚Д゚)「頼むぜブーン、そんなことも知らないなんて……」

アグモンは最後まで言葉を発せられなかった。
メラモンに頭を叩かれたのだ。

 (゚W゚)「ちょっとは頭を冷やせ。アグモン。少年はこの世界に来たばかりなんだ」

( メ,,゚Д゚)「冷やすんだったら殴らないで……あちぃ」

 (゚W゚)「そうだな。これから先相手と自分の実力の差がわからないのは致命的だからな。
     ここは一つ私が説明してやろう」

 (゚W゚)「まずデジモンは大まかに五段階で成長段階が分けられる」
80 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:06:35.57 ID:BnY+NOmx0
 (゚W゚)「まずは幼年期。人間でいう赤ちゃんだな。
     幼年期デジモンは、想像の通り戦えない。だから敵としては多分出てこないし、
     万が一パートナーデジモンが幼年期に退化したら注意しないと駄目だ」

 (゚W゚)「ちなみに君が多分知っているであろう幼年期デジモンは
     トコモン、タネモンだな」

( ^ω^)(( ・ω・)に(-_-)のことかな?)

 (゚W゚)「タネモンは肉畑の管理人でもある。腹が減ったりどこか遠出するときは寄ってみると良い。
     ただしなかなか厳しい数量制限があるから注意してくれ」

( ;^ω^)「に、肉の畑!?」

 (゚W゚)「ん?どうした? 肉でも食べたくなったか?」

( ;^ω^)「いや、そうじゃないですお」

( ;^ω^)(こちらにはこちらの常識もあるみたいだお)

 (゚W゚)「次に成長期。人間でいう子供だな。
     成長期ともなれば戦闘も行える。ただし、そこまで強くない。
     この後説明する、成熟期にはまず勝てないと考えて良い」

 (゚W゚)「ちなみに君が多分知っているであろう成長期デジモンは
     クネモンに、パートナーのアグモンだ」

( ^ω^)((Z▲Z)に( ,,゚Д゚)か)

81 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:07:27.42 ID:BnY+NOmx0
 (゚W゚)「そして成熟期。人間でいう大人だ。
     戦闘能力は並だな。といってもデジモンの大部分は成熟期だ。
     大抵のデジモンと互角に戦えるはずだ」

 (゚W゚)「ちなみに君が多分知っているであろう成熟期デジモンは
     ケンタルモンにクワガーモン。そして私だ」

( ^ω^)((<●>)と(Z{}Z)に(゚W゚)か)

 (゚W゚)「いよいよ完全体。人間でいうと……達人かな?
     まぁ成熟期よりも強い人ってところか。
     完全体は強く、みんなの憧れでもある。私も進化してみたいものだ」

 (゚W゚)「ちなみに君が多分知っているであろう完全体デジモンは
     まだいないみたいだ」

( ^ω^)(そんなおっかない奴とは会いたくないお)

 (゚W゚)「最後に究極体。人間でいうと……金メダリストみたいなものか?
     全てのデジモンの頂上に君臨する、洒落にならないほど強いデジモンだ。
     究極体ならどんな奴にも勝てるくらい、強い存在だ」

 (゚W゚)「ちなみに君が多分知っているであろう究極体デジモンは
     ムゲンドラモンに、ジジモン様だ」

( ;^ω^)(あのジジイがムゲンドラモン倒せwwwwwwww)
82 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:08:03.59 ID:BnY+NOmx0
 (゚W゚)「さてと、説明はこんなものかな?」

( ^ω^)「わかりやすい説明どうもだお」

 (゚W゚)「ははは、まぁアグモンと一緒に頑張ってくれ」

その時、街の広場から突然悲鳴があがった。

( ・ω・)「た、大変だー! クワガーモンが報復に来たぞー!」

 (゚W゚)「なに! それは大変だ!」

( ;^ω^)「あ!ちょっとま……」

広場に走るメラモンの後を、ブーンも慌てて追う。

( ,,゚Д゚)「あ!ブーン! パートナーを置いてくなぁ!」



広場にはクワガーモンが突っ立っていた。
どうやらクネモンはいないらしい。

83 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:08:42.15 ID:BnY+NOmx0
(♯Z{}Z)「おらぁぁ!メラモンにケンタルモン!そしてピザと耳長でてこいやぁ!」

 (゚W゚)「バーニングフィスト!」

メラモンが即座に現れ、すがぐさま炎の拳をクワガーモンに打ち込む。

(メメZ{}Z)「痛い痛いつか熱い! 許してぇぇ!」

 (゚W゚)「なんだあっけない」

(メメZ{}Z)「って違ーう! 今回のお前らの相手は俺じゃねぇ!」

 (゚W゚)「まだバーニングフィストを喰らいたいようだな」

再度、メラモンがクワガーモンに拳を打ち込む。
クワガーモンは崩れ落ちた。

(メメメメZ{}Z)「せ……先生……お願いします……」ガク

 (゚W゚)「先生?」

すると上空から突然巨大な緑色の鳥が、奇声と共に広場に舞い降りた。

ミ(◎)>「ギャピーーー!」

 (゚W゚)「こ、こいつは!」
85 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:10:08.22 ID:BnY+NOmx0
意図的に離れて見ていたブーンとアグモンも、その姿を見て驚いた。

( ;^ω^)「なんなんだお。あの馬鹿でかい鳥は」

( ,,゚Д゚)「ぱ、パロットモン」

( ;^ω^)「知っているのか! アグモン!」

( ,,゚Д゚)「完全体デジモンだ……」

( ;^ω^)「え、mjd?」



 (<●>)「メラモン、君一人でなんとかなりそうだと見守っていたが、どうやら無理そうだね?」

メラモンの横には、いつの間にかケンタルモンが立っていた。

 (゚W゚)「いや、今は加勢はいい。早く街の成長期と幼年期のデジモンを避難させて、
     成熟期以上の、戦力になりそうなデジモンを……」

 (<●>)「いや、成熟期以上は君と私だけだ」

 (゚W゚)「は?」

 (<●>)「みんな出払っている」

 (゚W゚)「こういうときに限って……」

 川д川「究極体がここにいるぞ」
86 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:10:43.54 ID:BnY+NOmx0
 (<●>)(゚W゚)「ジジモン様!」

 川д川「久々にわしも活躍してみようかのぅ」

ミ(◎)>「グギャーーー!」

パロットモンが甲高く叫び、それが勝負の始まりの合図だったかのように、両者が動き出す。

ミ(◎)>「ソニックデストロイヤー!」

パロットモンが高速で飛び回り始めた。
そのあまりの速さに、衝撃波が発生し広場を破壊する。

 川д川「ふん! そんな大雑把な攻撃がわしにあたるものか!」

そしてジジモンは動物の手が先端にくくり付けられた、一本の杖を取り出す。

 川д川「……」

目にも留まらぬ速さで動き回るパロットモンの動きを見極め、そして

 川д川「そこじゃ! ハング・オン・デッ!」

杖を振り上げたジジモンの動きが止まる。
そしてその場に倒れこんだ。
87 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:11:25.73 ID:BnY+NOmx0
 (゚W゚)「ジジモン様!」

慌ててメラモンが駆け寄る。

ジジモンは、残った力を振り絞るように弱々しい声で言った。

 川д川「腰を……捻った……」

 (゚W゚)「……」

 (<●>)「アグモン、ジジモン様を家に運んでやってくれ」

( ,,゚Д゚)「……わかった」

( ;^ω^)「ああ、僕も手伝うお」

アグモンとブーンは、ジジモンを家へと運ぶ。


 (゚W゚)「さてと、行くぞ。ケンタルモン」

 (<●>)「そうだな」

ミ(◎)>「ギャピー!」
88 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:12:03.50 ID:BnY+NOmx0
即座に二匹は、二手に別れパロットモンを間にはさんだ。

 (<●>)「ハンティングキャノン!」

ケンタルモンは黒いエネルギー球を連続発射する。

 (<●>)「連続して使うと反動がきついな……」

黒いエネルギー球が、パロットモンを襲う。
しかしパロットモンも素早く動き、それをかわす。

ミ(◎)>「グギャー!」

 (゚W゚)「ハンティングキャノンに気をとられたな。バーニングフィスト!」

しかしそのメラモンの奇襲を予期していたかのように、
難なくパロットモンはメラモンの攻撃を上空に飛びかわす。

ミ(◎)>「ミョルニルサンダー!」

今度はパロットモンの反撃だ。
パロットモンの額から強力な電撃が発生し、メラモンとケンタルモンを襲う。

 (メ<●>)「くっ」

 (メ゚W゚)「流石完全体。強い!」

 (メ゚W゚)「しかし!負けられん!」

再度メラモンがパロットモンに突っ込む。
89 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:12:39.07 ID:BnY+NOmx0


 川д川「い〜つもすまないのぉ〜」

ジジモンを床に降ろす。

( ,,゚Д゚)「それは言わない約束だぜ! ジジモン」

 川д川「おお、流石アグモン。わかってるのぅ」

( ;^ω^)(何だろう、このお決まりの会話)

( ,,゚Д゚)「よし! ブーン行くぞ!」

( ;^ω^)「え? どこに?」

( ,,゚Д゚)「決まってんだろ! パロットモンを倒すんだよ!」

( ;^ω^)「いや、でも成長期の君が行っても足手まとい……」

( ,,゚Д゚)「いいんだよ! ブーンが俺を進化させてくれればそれで解決だぜ!」

その台詞を聞いて、ブーンの前々から溜め込んでいた感情が湧き出す。

(♯^ω^)「初めて会ったときから思ってたけど、あんた僕を進化するための道具としか思っていないんじゃないかお?」

( ,,゚Д゚)「なにぃ?」

90 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:13:27.45 ID:BnY+NOmx0
(♯^ω^)「言っておくけどあんたに使われるくらいなら、誰が決めたんだか知らないけど
       あんたのテイマーだなんてお断りだお」

( ,,゚Д゚)「……黙って聞いてりゃぁ」

( ♯,,゚Д゚)「俺だってな、パートナーを成熟期にすら進化させられないテイマーだなんてお断りなんだよ!」

(♯^ω^)「なにぉぉ、そもそも成長期の雑魚なんかパートナーにしたくないお!
       どうせならもっと最初から強い成熟期がパートナーが良かったお!」

 川д川「おいおい、二人とも止めんか……」

ジジモンが二人をなだめようとするが、それはあまり意味を成さない。

( ♯,,゚Д゚)「もういい! 俺一人でパロットモンもなんとかするし、
      ムゲンドラモンの野郎も、のしてやるよ!」

そう吐き捨て、怒った足取りでアグモンは家を出て行った。

(♯^ω^)「ふんっ!」

 川д川「勇者よ……いや、ブーン」

(♯^ω^)「なんだお。どうせあんたも僕を利用したいだけなんだお」

92 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:14:16.06 ID:BnY+NOmx0
 川д川「突然一方的に君をこの世界に呼び出し、その上ムゲンドラモンを倒せだの
     無茶なことを頼んですまないと思っている。わしを憎んでも良い」

(♯^ω^)「……」

 川д川「ただ、アグモンのことは許してやってくれないか?
     あれは不器用だから誤解されがちだが、根は良い奴なんじゃ」

(♯^ω^)「根は良い奴……都合の良い言い訳だお」

 川д川「……アグモンはテイマーとパートナーが組めることをとても喜んでおったよ。
     そりゃもうデジヴァイスがアグモンに反応したときの喜びようといったら」

 川д川「『やった!人間と一緒に戦えるんだ!』といってなぁ。
     いつも『テイマーはどんな奴かな?だちになれるかな?』って」

(♯^ω^)「……」

 川д川「ブーン、お主も友達と些細な誤解が原因で喧嘩したことはないか?
     あるんだったら、今のアグモンの気持ち、わかるじゃろ?」

93 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:15:37.00 ID:BnY+NOmx0
(♯^ω^)「……」

( ^ω^)「……」

友達……

誤解……

喧嘩……

あるある。とっても些細な誤解が。
とっても大きな溝となってしまったことが自分にはある。

そいつとは、結局取り返しのつかないことになった。

そしてそれが原因で今の自分がいるのだから……

( ^ω^)「僕、アグモンと一緒に闘ってくるお。そしてこの街……
       いや、デジタルワールドを救って見せるお」

ブーンは勢いよくジジモンの家を飛び出した。

 川д川「頼んだぞ……ブーン……」


94 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:16:17.46 ID:BnY+NOmx0


 (メメメ゚W゚)「バーニングフィストォォォォ!」

メラモンの炎の拳がパロットモンに向かう。

しかしパロットモンはその羽で拳を受け止める。

 (メメメ゚W゚)「なっ!……」

 (メメメ<●>)「離れろ!メラモン」

しかし、傷を負っていたメラモンはとっさに動けず、そのままパロットモンは羽をふるう。
メラモンは勢いよく地面に叩きつけられた。

 (メメメメ゚W゚)「がはっ……」

 (メメメ<●>)「メラモン!」

 (メメメメ゚W゚)「……」

ミ(メ◎)>「ピギャー!」

 (メメメ<●>)「くそ! ハンティングキャノン! 最大出力!」

ケンタルモンの右手に力が集まる。一瞬にして黒いエネルギー球が形成される。

95 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:17:42.96 ID:BnY+NOmx0
 (メメメ<●>)「まだまだぁぁぁぁぁ!」

黒いエネルギー球はさらに大きさを増す。

そのエネルギーに耐え切れず、右手に亀裂が走り始める。
ケンタルモンは左手で右手を押さえつける。

 (メメメ<●>)「くっ! まだ壊れるなよ……」

とうとう黒いエネルギー球はケンタルモンよりも大きく膨れ上がった。

ミ(メ◎)>「ミョルニルサンダー!」

パロットモンも、さすがに身の危険を感じ、ミョルニルサンダーで向かえ撃とうとする。

 (メメメ<●>)「そんな電気ショックが効くかあああああぁぁぁぁ!」

轟音と共にエネルギー球が発射された。
エネルギー球は、電撃とぶつかりすさまじい圧力を周囲に発生させた。

そしてエネルギー球は、電撃を四散させそのままパロットモンに突っ込んだ。

ミ(メ◎)>「ッ……!」

辺りが光に包まれる。



96 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:18:26.21 ID:BnY+NOmx0
( ,,゚Д゚)「メラモン!ケンタルモン!」

アグモンが広場に駆けつけたとき、それはもう悲惨な状態だった。

広場は荒れ、メラモンとケンタルモン、そして忘れられがちなクワガーモンも地に伏しており。
ただパロットモンだけが暴れまわっていた。

ミ(メメメ◎)>「グギャラピギャー!」

手負いのパロットモンは、すっかり我を忘れひたすら破壊活動を行っていた。

今はケンタルモンが経営する病院を破壊している最中だ。

( ,,゚Д゚)「くっ! なんて酷いことを……」

そのとき、パロットモンは何かを発見した。
97 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:18:55.75 ID:BnY+NOmx0
ミ(メメメ◎)>「ピギャ?」

( ・ω・)(´・△・`)/(*_*)\「ガクガクブルブル」

( ,,゚Д゚)「!!!あのチビ達、逃げ遅れたのかっ!」

ミ(メメメ◎)>「ミョルニスサン……」

( ,,゚Д゚)「やめろおおおぉぉぉ! ベビーフレイム!」

アグモンの吐き出す炎の弾が、パロットモンに当たる。

それは到底パロットモンの皮膚を傷つけるには足りない威力だったが、
パロットモンの注意をアグモンに引き付けるには十分だった。

ミ(メメメ◎)>「グギャー!」

( ,,゚Д゚)「俺が相手だああああぁぁぁぁ!」



98 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:19:50.54 ID:BnY+NOmx0
( ^ω^)「はぁ、はぁ、こ、これは……」

ブーンが広場に駆けつけると、真っ先に倒れたメラモンとケンタルモンの姿が目に飛び込んできた。

( ;^ω^)「ど、どうしたんですお!」

ブーンはメラモンに駆け寄り、尋ねる。

 (メメメメ゚W゚)「……すま……ない」

( ;^ω^)「そ、そういえばアグモンはっ!」

丁度そのとき、何かがブーンの方へ飛んできた。

(メメメ ,,゚Д゚)「ぐあぁぁぁぁ!」

 ( ;゚ω゚)「アッアグモン!」

(メメメ ,,゚Д゚)「くぅぅ、ブーンは……黙って見ててくれ……」

ミ(メメメ◎)>「グギャー!」

再びパロットモンの注意が、幼年期デジモン達に移ろうとする。

( ・ω・)(´・△・`)/(*_*)\「ガクガクブルブル」

(メメメ ,,゚Д゚)「さ、させるかよおお!」

アグモンは力を振り絞り、立ち上がる。
そしてパロットモンに取り付く。
99 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:20:29.11 ID:BnY+NOmx0
ミ(メメメ◎)>「ミギャー!」

パロットモンはアグモンを振り落とそうと身を揺する。
しかし、アグモンは落ちない。

(メメメ ,,゚Д゚)「離してたまるかあああ!」

 ( ;゚ω゚)「……」

ブーンはジジモンの言葉を思い出す。




 川д川「ただ、アグモンのことは許してやってくれないか?
     あれは不器用だから誤解されがちだが、根は良い奴なんじゃ」




 ( ;゚ω゚)「……」

100 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:21:03.09 ID:BnY+NOmx0
ジジモンの言葉は間違ってなかった。
確かにアグモンは身勝手な発言が多い。

でもそれはただ不器用なだけ。
本当は他人を思いやる、優しい奴だった。


このままではアグモンがやられてしまう。
街が壊される。

この街にはまだなんの愛着も無い。
でもこの街に住むデジモン。

ちょっと偉そうな態度のケンタルモン。

普通に良い人なメラモン。

ちょっぴりお茶目なジジモン。

そして、不器用だけど根は良い奴のアグモン。

悪い奴はだれもいない。
いや、良い奴ばかりじゃないか!




 川д川「ブーン、お主も友達と些細な誤解が原因で喧嘩したことはないか?
     あるんだったら、今のアグモンの気持ち、わかるじゃろ?」

101 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 14:21:44.04 ID:BnY+NOmx0



結局あいつとは喧嘩別れしてしまった。
自分は今アグモンと、同じことをしようとしている。

それでいいのか?
絶対駄目だ。
自分はアグモンを救わなければ、仲直りしなければ。


( ^ω^)「ん?」

ポケットが暖かい。
確かこのポケットにはデジヴァイスが入れてあったはずだ。

デジヴァイスを取り出して見る。

( ^ω^)(+□::) ピカー

デジヴァイスは暖かな光を放っている。
これは、行ける!

109 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 15:04:35.16 ID:BnY+NOmx0
(メメメ ,,゚Д゚)「ぐあ!」

とうとうアグモンが振り落とされた。
そこへパロットモンが追撃にかかる。

巨大な足を振り上げ、アグモンを踏み潰す気だ。

(メメメ ,,゚Д゚)(体が動かない……ここまでか……)

アグモンが死を覚悟したそのとき!

( ^ω^)つ(+□::)「アグモンッ! 進化だああああぁぁぁぁ!」

ブーンは腹の底から叫んだ。
それと共に、デジヴァイスから凄まじい光が放たれる。

(メメメ ,,゚Д゚)「この光は……」

アグモンはその光が、自分に力を与えている気がした。
事実今この体には、急速に力が集まっているのを感じる。
体が熱い。
自分の内から何かが浮かび上がってくる。

(メメメ ,,゚Д゚)「うおおおおおおぉぉぉぉぉ!」

( ^ω^)つ(+□::)「行けええええぇぇぇぇ!」

(メメメ ,,゚Д゚)「アグモン進化あああああぁぁぁ!」

(   )「カッ」
110 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 15:05:35.53 ID:BnY+NOmx0
湧き上がる力。
自分の体が急激に盛り上がる。

そして膨大な光を放出し、その後巨大な恐竜が姿を現す。

  △
( ,,゚Д゚)「グレイモン!」

オレンジの体色。荒々しさを際立てる青い縞模様。
するどい鉤爪。頭を覆う甲殻類の兜。

成熟期デジモン。グレイモンだ。

 ( ゚ω゚)「し、進化……した?」

  △
( ,,゚Д゚)「溢れんばかりの力感じるぜ! これは勝てる!」

グレイモンはパロットモンに思い切り体当たりをかます。

ミ(メメメ◎)>「ギャオオ!」

パロットモンをとりあえずチビ達のいない方へと吹っ飛ばす。

ミ(メメメ◎)>「ソニックデストロイヤー!」

パロットモンもまけじと、ソニックデストロイヤーを繰り出す。
111 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 15:06:22.08 ID:BnY+NOmx0
  △
( ,,゚Д゚)「ぐ……ちょこまかと……」

しかも音速で飛ぶことにより発生する衝撃波は、体の大きなグレイモンに確実にダメージを与える。

( ^ω^)「グレイモン!落ち着いて敵の攻撃を見極めるんだお」

  △
( ,,゚Д゚)「よし、わかったぜ!」

高速で移動し、姿を捕捉することすら難しいパロットモンの動きを、必死に目で追う。

  △
( ,,゚Д゚)(く、目で追うことすら出来ないほど速えぇ。でも!)

パロットモンが常に音速で飛べるとは限らない。
そう、たとえば方向転換時……





ミ(メメメ◎)> スッ 

  △
( ,,゚Д゚)「そこだああああぁぁ!グレートアントラー!」

グレイモンの頑固な甲殻類の兜。
そこから伸びる角を使いパロットモンにぶち当てた。
112 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 15:07:15.51 ID:BnY+NOmx0
ミ(メメメ◎)>「グギョォォォォ!」

パロットモンは、広場を取り囲む林に吹っ飛ばされ、
木々を薙ぎ倒していく。

  △
( ,,゚Д゚)「追うぞ!」

( ^ω^)「おう!」

二人は吹っ飛ばしたパロットモンの後を追う。

林を駆け抜ける。
すると多少見慣れた景色が広がってきた。

( ^ω^)「こ……ここは」

初めてアグモンにあった場所。
クワガーモンと闘った場所だ。

みるとパロットモンは橋の上に倒れこんでいる。
もっとも橋はパロットモンが突っ込んできたせいで、原型を留めていないが。

ミ(メメメ◎)>「グ……ガ……」

( ^ω^)「グレイモン!とどめだお!」
113 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 15:08:10.85 ID:BnY+NOmx0

  △
( ,,゚Д゚)「おうよ!」

グレイモンは深く息を吸い込んだ。
そして炎を口の中に溜め込む。

口の端から灼熱の炎が漏れる。

  △
( ,,゚Д゚)「くらえ! メガフレイム!」

超高熱の火炎球が吐き出された。
火炎球は真っ直ぐにパロットモンへ向かう。

ミ(メメメ◎)>「ガ……ガ……」

必死に体を起こし、逃げようとするが
もうパロットモンにはそれだけの体力も、時間も無い。

ミ(メメメ◎)>「ガーーーーーー!」
114 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 15:08:37.33 ID:BnY+NOmx0
火炎球がパロットモンを直撃した。
火炎球はパロットモンの体を焦がしながらも進み続ける。

パロットモンはそのまま火炎球と共にお空へと飛んでいった。

( ^ω^)「……」

  △
( ,,゚Д゚)「……やったな。ブーン」

( ^ω^)「おっおっ」

お互いにごめんなさいは言わない。

そんな言葉は、必要無かった。



119 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 15:15:03.28 ID:BnY+NOmx0

広場で一匹のデジモンが立ち上がる。

 (Z{}Z)「イテテテテ、くそ!メラモンの野郎……ん?」

クワガーモンは辺りを見回す。

破壊された建物。

そして地面に倒れたメラモンとケンタルモン。

 (Z{}Z)「おお!パロットモン先生がやってくれたんだな! 流石だ!」

そのときクワガーモンは後ろに気配を感じた。

 (Z{}Z )「お、先生!やりましたね!」クルッ

  △
( ,,゚Д゚) (Z{}Z )

  △
( ,,゚Д゚) (Z{}Z; )「……」

  △
( ,,゚Д゚) (Z{}Z; )「……」
120 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 15:17:47.95 ID:BnY+NOmx0
( ^ω^)「グレイモン」

  △
( ,,゚Д゚)「おう!」

( ^ω^)q ビシッ

 (Z{}Z; )「ちょwwwwww許してぇぇぇぇ!」

  △
( ,,゚Д゚)「メガフレイム!」

グレイモンから繰り出される灼熱の火炎球。
クワガーモンもまた、大空へと飛び立っていった。

( ^ω^)「よしっ悪は滅びたお!」

  △
( ,,゚Д゚)「……」

( ;^ω^)「グレイモン?」

(   )カッ

( ,,゚Д゚)「つ、疲れた……」

グレイモンは一瞬光ると、みるみる縮んでアグモンに戻ってしまった。

( ^ω^)「退化した!?」
121 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 15:29:00.77 ID:BnY+NOmx0
 川д川「デジヴァイスは一時的に力を与えてくれるだけだからのぅ」

( ;^ω^)「ジ、ジジモン!」

この老人、もう腰は大丈夫なのだろうか?

 川д川「ブーン、そしてアグモン。よくぞやってくれた」

(* ^ω^)「いやぁ」

(* ,,゚Д゚)「それほどでもぉ」

 川д川「デジヴァイスの力は一時的でも、デジモンの力を最大限まで引き出すからのぅ
     パロットモンに勝てたのもそのおかげじゃ」

 川д川「しかし」

ジジモンの表情が引き締まる。

ように感じた。実際は髪で隠れて表情は見えない。

 川д川「それだけではなく、二人が心を通わせたおかげでデジヴァイスもまた、
     力を発揮できたのじゃ。本当に良くやってくれた」

 川д川「そこでブーン、改めてお願いしたい」

(* ^ω^)「なんだお」

 川д川「今このデジタルワールドは、少しずつムゲンドラモンに支配されつつある。
     どうかわし達をムゲンドラモンの魔の手から救ってくれないか?」
123 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 15:33:55.65 ID:BnY+NOmx0
そんなこと、ブーンは考える必要も無かった。

(* ^ω^)「僕とアグモンに任せるお!」

(* ,,゚Д゚)「任せろジジモン!」

 川д川「ありがとう……少年……」

( ^ω^)「行くお!アグモン!」

( ,,゚Д゚)「おうよ!」

二人は並んで走り始めた。


 川д川「……若いっていいなぁ」


124 :愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 16:02:05.00 ID:BnY+NOmx0


 (メメメメ゚W゚)「そんなことよりジジモン様」

 (メメメ<●>)「早く私達を介抱してくれないか?」

 川д川「ああ、すまんすまん。お主らもよく頑張ってくれた」

ジジモンは二匹を引っ張り起こそうとした。

 川д川「はうっ!」

 (メメメメ゚W゚)「どうしましたか!?」

 (メメメ<●>)「ま、まさか……」

 川д川「こ……腰が……」

三匹は助けが来るまで、しばらくそのままでしたとさ。

第三話 完

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