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( ^ω^)は狂気感染してしまうようです
131 :投下するべし:2008/09/06(土) 18:34:04.79 ID:H3bS7AYrO
苦しい、苦しい、苦しい。
喉奥から沸き上がる渇き。
水を飲んでもご飯を食べても喉を潤うことは出来ない。
そうか、もはや僕は人では無くなってしまったのか。
僕は……鬼神。




( ^ω^)は狂気感染してしまったようです







132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/06(土) 18:40:53.50 ID:H3bS7AYrO
異常気象に伴う地殻の変動。
局地的豪雨に、何の予兆のない大地震、大干ばつ。
人が欲望のままに汚していってこの地球。
植物、動物の四割はこの数年間で姿を消した。
その影響は人間にも深刻な事態を招いている。
食料不足だ。

(;^ω^)「腹減ったお」

都会ならばまだいいだろうが、田舎にはそうそう輸送物質は届かない。
ビッパ村も慢性的な餓えに苦しんでいる。

133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/06(土) 18:49:49.74 ID:H3bS7AYrO
既に村人の二割は餓死した。
骨と皮となった人の成れの果て。
痩せ細った烏についばまれ、無惨にも血肉をばらまかれている。

( ^ω^)「……ごくり」

極限状態に陥ると人は覚醒するらしい。
未知なる力に目覚めたり、頭が冴えたりと。だが、この男の考えていることは違った。
目の前の死体をとても食したい気分なのだ。
非人道的行為であることは本人も良く分かっている。
体が本能が欲しているのだ。

(;^ω^)「落ち着くんだお、ブーン」

自分自身に言い聞かせる。
理性があるから人間と動物とて区別されているのだろう。
理性無く、本能往くがままに行動すれば獣と変わらない。

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/06(土) 18:56:22.58 ID:H3bS7AYrO
頭では理解している。
しかし、体を理性でコントロール出来なくなっていた。
もしかしたら人間の防衛機能が働きかけているのかもしれない。
餓死するくらいなら、人肉を食せと。

( ゜ω゜)「い、いただきます」

せめてもの人間としての証に死体に一礼し、右腕をもぎ取った。

( ゜ω゜)「もぐもぐ、意外と上手いお」

内藤の思っていたよりはも骨は柔らかかく、音をたてながら止まることなく口へと運んでいった。

( ゜ω゜)「次は左足」

137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/06(土) 19:12:04.16 ID:H3bS7AYrO
内藤の頭に美味しいのか否かを判断することはもはや出来なかった。
空腹を満たしたい、その一辺だけが体を動かした。
黒く変色した血が喉を潤してくれる。

( ゜ω゜)「血……血!!」

左足の次は右足、左腕は烏に食べられていたので無く、胴体、最後に頭。
骨も臓器も血も丸ごと一人の人間を胃袋へと入れてしまった。

从;'ー'从「あ、あ、きゃああああ〜」

その様子を遠くで見ていた幼き少女。
震えを必死に抑え、声を出すことも抑えていたが、限界に達し叫んでしまった。

( ゜ω゜)「生きた人間……喰う!!」

从;ー;从「いやあああああ〜」

数日も経たないうちに村から人が消えた。
内藤が食べたのだ、家族を、親友を、長老を。

138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/06(土) 19:16:11.49 ID:rEMuKAbW0
>>136
カニバリは書きやすそうだ、落ちとかがさ
そのまま狂い続けるかその後後悔するしかないんだし
まぁ書いたこと無いけど

141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/06(土) 19:28:20.74 ID:H3bS7AYrO
('A`)「鬼神の反応あり。こいつぁ、俺らのレベルを超えてるぜ?」

ξ゚听)ξ「仕方ないでしょ。前鬼神を食べた人間なんだから」

('A`)「後処理は手抜くなってあれほど言われているのにな」

ξ゚听)ξ「……来る!!」

( ゜ω゜)「生きた人間……喰う」

('A`)「寝言は寝て言え」

二人の子供と鬼神と呼ばれる男の戦いが始まる。
しかし、それはまた別のお話で。


( ^ω^)は狂気感染してしまうようです 完


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