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問合せ
('A`)人形のようです
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:04:52.79 ID:QA9ql7ru0
いつからだろう。
あいつ等が現れたのは。
いつからだろう。
それが判るようになったのは。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:06:16.64 ID:QA9ql7ru0
人で溢れる街、Tokyo
24時間365日、周りを見渡せば、人が必ず目に写る。
だが俺にとっては、その目に写る「者」が必ずしも人間であるとは限らない。
いや、外見は人であるに違いないのだが、
俺にとっては「人間」に見えない。
よって俺は奴らをこう呼んでいる。
『人形』 と
('A`)人形のようです
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:07:56.34 ID:QA9ql7ru0
( ^ω^)「おいすー」
こいつの名前は内藤。
「人間」だ。
強がりで泣き虫。
ちょっと可哀想なヤツ。
( ^ω^)「お?どうしたお、ジロジロ見て」
「いや見れば見るほどブサイクな面だなーって」
(# ^ω^)「いい度胸だお、お前とは決着着けなきゃと思ってたところだお」
( ,,゚Д゚)「やめとけ内藤。また泣くだけだぞっと」
こいつは喜古(きこ)
「人間」だ。
「っと」が口癖のツッコミ担当
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:08:52.56 ID:QA9ql7ru0
(# ^ω^)「うるせーお!今日こそは……」
(´・ω・`)「統計上9割9分、内藤が泣く事になるね」
こいつは諸本(もろもと)
「人形」だ。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:09:54.34 ID:QA9ql7ru0
( ;ω;)「諸本まで……酷いお」
( ,,゚Д゚)「あ……」
「泣いた」
(´・ω・`)「また次回の確率が上がったね」
( ;ω;)「えぐっ、えぐっ」
「まぁ、悪かったよ内藤」
( ,,゚Д゚)「どっか遊びに行こうぜ!っと」
(´・ω・`)「内藤と毒島も行こうよ」
( つω;)「しょ、しょうがないから毒島も連れてってやるお」
「はいはい、光栄でごぜーます」
ま、いわゆる仲良しグループってやつだ。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:11:20.41 ID:QA9ql7ru0
ん?俺か?
俺は毒島(ぶすじま)
勿論「人間」だ。
いつからかは分からないが、こんな能力が付いちまった。
おかげで人間関係も苦労してる。
(´・ω・`)「毒島?」
('A`)「ん?あぁ、なんだ?」
(´・ω・`)「どうしたのボーッとしちゃって」
('A`)「ん、いや何でもねぇよ。それより内藤・喜古、何処に行く?」
( ^ω^)「鮫島ランドへ行こうお!」
( ,,゚Д゚)「死亡フラグ立てんなよっと」
俺から見れば人間3人と、人間を装っている「者」の会話だ。
どれだけ普通の事を話していようが、そう見えてしまう俺には
どうしても意識してしまう。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:12:30.01 ID:QA9ql7ru0
(´・ω・`)「……」
お前は人間じゃねぇ!
と、面と向かって言える程の度胸も根性もありゃしない。
人間同士でさえ不信感が拭いきれないのに、相手が人間じゃ無かったら
一緒にいるだけで不安感を覚えちまう。
( ,,゚Д゚)「よし、じゃぁ行くか」
鮫島ランド
都内にあるゲームセンター。
トイレで人が首を吊ったとか、乱闘騒ぎで人が死んだり、
経営してる人が宇宙人だとか。
そんな噂は無い。
至って普通のゲームセンターだ。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:13:48.87 ID:QA9ql7ru0
( ^ω^)「今日こそ諸本に勝つお!」
(´・ω・`)「統計上、10割は内藤の負けだね」
(; ^ω^)「終わってるお……」
(´・ω・`)「ちなみに毒島も10割負け、喜古だけが8割かな」
(*,゚Д゚)「フフン」
('A`)「マニアの喜古はいいとして、お前何やらせてもすげーのな」
(´・ω・`)「……」
そう、『人形』共はとにかく性能がいい。
何をやらせても突出して成績がいい。
勉強は勿論、運動もゲームも性格も。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:19:58.89 ID:QA9ql7ru0
最近気付いた事なんだが、政治家や芸能人。
いわゆる『目立つ者』は『人形』である場合が多い。
間接的に、人間が人形に操られている。
俺にはそう見える訳だ。
結局、今回のゲーム勝負も諸本の全勝で終わった。
('A`)「あー負けた負けた」
( ^ω^)「諸本、相変わらず強すぎだお」
(||,゚Д゚)「今回は1回も勝てなかった……っと」
(´・ω・`)「なんか……ごめんね」
('A`)「人間と勝負してる気がしねぇな」
(´・ω・`)「……」
やべ……失言だったか
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:20:52.96 ID:QA9ql7ru0
(´・ω・`)「冗談キツいよ毒島、あはは」
セーフ?
('A`)「わりぃわりぃ、あ、俺塾あるから先帰るわ」
( ^ω^)「乙さん」
( ,,゚Д゚)「乙だぞっと」
(´・ω・`)「……」
本当は塾なんか行ってねぇけど、
この変な能力が付いてから諸本と一緒にいるのが苦痛になっちまった。
まぁ、ぶっちゃけちまうと離れる口実だわな。
内藤と喜古には悪いが、あまり4人で行動してても楽しめねぇ。
俺は1人自宅へと向かった。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:23:09.87 ID:QA9ql7ru0
自宅への道は住宅街を抜けて、少し離れたマンションエリアだ。
俺が帰る時間は人通りも少ないが、逆に7時以降になるとサラリーマンの帰宅ラッシュになる。
俺は携帯をピコピコいじりながら下を向き歩いていた。
「ねぇ」
後ろから声が聞こえたが、俺を呼ぶ声じゃないだろう。
ここで迂闊に振り向いてみろ?
俺じゃなかった時の気まずさと言ったら、形容しようがねぇ。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:24:22.74 ID:QA9ql7ru0
「ねぇ、毒島」
あ、自分でしたか
('A`)「んー?」
(´・ω・`)「やぁ」
('A`)「諸本……」
諸本の家は逆方向だ。
十中八九、俺をつけてきたんだろう。
(´・ω・`)「塾、行かないんだね」
('A`)「あ、あぁ。ダルくなっちまってな。
それより何の用だ?お前の家は全くの逆だろう?」
(´・ω・`)「……」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:25:14.31 ID:QA9ql7ru0
しばしの沈黙。
これは要するに俺に用があると、暗に認めたようなもんだ。
諸本の事だ、また当たり障りの無い言葉を探してるんだろう。
(´・ω・`)「最近……?いや違うな」
('A`)「あ?」
(´・ω・`)「いつからか、毒島に違和感を感じるようになった」
不味いか……。
思ったよりストレートに来やがった。
どう切り返す?
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:26:17.34 ID:QA9ql7ru0
('A`)「……よ」
(´・ω・`)「え?」
('A`)「違和感を感じてるのは俺の方だよ」
興味が無い。
と言ったら嘘になる。
常々思っていた。
奴らの正体は?目的は?
(´・ω・`)「毒島が違和感を?それは僕らに対してかい?」
少しの恐怖心を、好奇心が塗り重ねていく。
出来ることなら知りたい。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:27:11.89 ID:QA9ql7ru0
('A`)「いや……お前に対してだよ、諸本」
(´・ω・`)「……へぇ」
特に驚いた様子も見受けられない。
さっきの「僕ら」に対して、俺が「お前」と名指しする事も予想してたんだろうな。
普段の諸本を知っていれば、そこまで読まれたとしても不思議な事じゃない。
(´・ω・`)「毒島が僕をねぇ」
('A`)「……」
(´・ω・`)「おかしいなぁ、僕はどこも変わってないはずなんだけど」
('A`)「そうだろうな」
(´・ω・`)「?」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:28:12.72 ID:QA9ql7ru0
('A`)「変わったのは俺だからよ」
(´・ω・`)「変わったね。うん、変わった」
もういいや、ここまで来たら全部言ってやろう。
物はついでた。
('A`)「初めに言っておく、内藤や喜古の事じゃねぇぞ?」
(´・ω・`)「うん?」
('A`)「分かっちまうんだよ」
(´・ω・`)「話が見えないよ」
('A`)「『お前ら』の存在がよ」
(`・ω・´)「!!」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:29:43.43 ID:QA9ql7ru0
おっ!反応あり、だ。
どうやら意図は伝わったみてーだな。
明らかに顔が恐ばったぜ?諸本。
(`・ω・´)「はは、お前らって僕ら3人の事かい?」
('A`)「初めに言ったろ?内藤や喜古はそれに含まれてねーよ」
(`・ω・´)「ど、どういう事……だ?」
何故あんな事を言っちまったのか。
普段、落ち着き払ってる諸本の、動揺した姿を見たからだろうか。
俺は精神的優位の立場にいると錯覚したのかもしれねぇ。
この言葉は不味かった。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:31:43.46 ID:QA9ql7ru0
('A`)「うちの学校で言やぁ、茂羅(もら)とお前。
プラスで言うなら、政治家の麻生や、体操選手の室伏。
俺が言う『お前ら』だ」
(`・ω・´)「お、驚いた……」
('A`)「まだまだいるだろう?『お前ら』は」
(`・ω・´)「そこまで分かっているのか……初めてのケースだ」
('A`)「なぁ、お前らはなんなんだ?
聞きてぇ事はいっぱいあるが、まずはそれだ」
(`・ω・´)「……ブツブツ」
('A`)「おい、諸本!聞いて…」
(´・ω・`)「毒島、君はもう帰った方がいい」
('A`)「あ?ざけんなよ、質問に答えろ!」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:33:15.81 ID:QA9ql7ru0
(´・ω・`)「君は……危機レベルランクSに登録された」
('A`)「レベル?ランク?なんだそりゃ」
(´・ω・`)「今に分かるよ」
('A`)「は?分かんねーよ!あっ、おい、待て!」
速えー……。
足が速いのは前から知ってたが、あの速さは尋常じゃねーぞ……。
追い掛けるまでもなく、視界から消えちまった。
('A`)「……んだよランクSって」
俺は仕方なく自宅に戻ったが、
両親は帰って来なかった。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:34:49.12 ID:QA9ql7ru0
※ 「決行」
都内で通り魔が凶行。
夫婦2人が犠牲。
犯人をたまたま通りかかった、体操選手の室伏が取り押さえる!
室伏お手柄!
流石室伏!
室伏ガチムチ!
室伏アッー!
紙面は犯人を取り押さえた室伏を称える記事のみ。
殺害された夫婦の事など犠牲者の、
三文字で片付けられていた。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:36:59.66 ID:QA9ql7ru0
(;^ω^)「毒島……元気出すお」
……
(;,,゚Д゚)「今回は……その……残念だったな……っと」
……
(;^ω^)「諸本は用事でどうしても来れないってお」
(;,,゚Д゚)「あいつから伝言、お悔やみ申し上げます。との事だ」
諸本……
まさかここまで組織的だなんて、思いもしなかった。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:39:06.27 ID:QA9ql7ru0
恐怖心はずっとあった。
だが、同じ『人の形』をした者同士、どこかで気を許していたのかもしれない。
だがもう始まっちまった。
ランクS、なるほど。『お前ら』にとって最高に危険って事か。
俺もそのうち消されるんだろう。
だが恐怖心はもはや無い。
やることは一つだ。
通夜が終わって親戚も全員が帰っていった。
改めてゆっくり両親の仏壇を見る。
殺された原因は俺が作り出した。
好奇心が逸り、草藪をつついたらヘビどころか、悪魔を出しちまった。
ほんとすまねぇ。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:40:55.96 ID:QA9ql7ru0
俺もすぐに逝く事になると思うけど、タダじゃあ逝かねぇ。
時刻は0時を回り、周りは静まりかえっている。
二階の窓から外を見ると、玄関付近に人影が見えた。
('A`)「チッ、やっば張ってやがるか」
視認できたのは2人。
恐らく、3・4人はいるだろう。
('A`)「なめんじゃねーぞ」
あらかじめ、昼のうちに物置から出しておいた鉈を片手に、
俺は明かりを付けずに、トイレの窓から隣の家の敷地内に降りた。
良し、気付かれて無い。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:42:55.51 ID:QA9ql7ru0
隣の家の庭を裏口方向へ移動する。
裏口付近には誰もいないようだ。
('A`)(良し!)
俺は走った。
目的地は学校を挟んで反対側。
鉈を持っている時点で、見付かれば即通報だったろうが、
夜の暗さが俺を隠してくれた。
奴との付き合いは高校に入ってからだが、
家には何度か行った事がある。
家賃の高そうなアパートで一人暮らしをしている。
確かオートロック式のアパートだったはずだ。
一階には監視カメラも着いてるだろう。
俺は最低でも部屋まで上がる必要がある。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:43:58.78 ID:QA9ql7ru0
アパートの入り口手前で、
とりあえず俺は鉈をズボンに隠し、呼び出しボタンを押した。
ビーッ
反応が無い。
もう午前一時にはなってるだろう。
学生とは言え、寝てる可能性は高い。
俺はもう一度ボタンを押した。
「なんだい、こんな夜中に」
奴の声だ。
('A`)「わりぃ……毒島だ。会って話がしたい。
入れてくれないか?」
「……」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:45:08.73 ID:QA9ql7ru0
ダメ……か
そう思った瞬間、目の前の自動ドアが開いた。
っし!第一段階クリア
俺はエレベーターに乗ると八階のボタンを押した。
エレベーターを降りたら、ズボンから鉈を出し後ろに隠して持つ。
801号室、奴の部屋のベルを鳴らした。
右手に思わず力がこもる。
|ω・`)「やぁ」
やっぱりチェーンがかかっていやがる。
これじゃ手が出せねぇ。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:46:24.35 ID:QA9ql7ru0
( A )「諸本……」
溢れ出る殺意を抑え込み、諸本に問掛ける。
(;A;)「諸本!俺は……どうしたらいい?
死にたくねぇ!助けてくれ……助けて」
|ω・`)「……」
(;A;)「なんでも……する……から」
|ω・`)「……待ってて」
(;A;)「……はぃ」
一度扉がしまり、カチャカチャとチェーンを外す音が聞こえる。
第二段階クリア!
すうっと、扉が開かれる。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:50:51.96 ID:QA9ql7ru0
(´・ω・`)「毒島……両親はざ……」
(*゚A゚)「ヒャッハーー!」
あらかじめ振り上げておいた、右手をおもいっきり降り降ろす。
鉈が諸本の頭部に深く食い込み、回りには赤と黄色の液体が飛び散った。
諸本は声をあげる暇も、痙攣する事すらできずに、
その場に倒れた。
(*゚A゚)「ははっ……ははははは」
一弓報いた?いや違う。
両親の仇?それも微妙。
倒した、俺の敵、人類の敵、化け物を!
ゲームでいうモンスターを倒した感覚に近い。
毒針一撃でゾーマを倒した。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:52:55.63 ID:QA9ql7ru0
('A`)「終りか?あっけねぇ」
いくら罵っても諸本が立ち上がる訳はない。
目に飛込んでくるリアルがそれを伝えていた。
罪悪感はこれっぽっちも無い。
相手は人間じゃない。
そう思えてる分、せいぜい動物を殺した、程度にしか感じない。
('A`)「なんだよ……こんな楽勝なら、あと数匹はいけるな」
諸本を殺ったら自殺したっていいと思ってた俺に、
小さな目的が産声をあげた。
もっと人形共を狩ってやる
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:55:00.46 ID:QA9ql7ru0
となればここに長居するのは不味い。
俺は血のこびりついた鉈を再びズボンにしまうと、
諸本の体を部屋の奥へと引きずっていく。
そして明かりを消し、中から鍵をかけ、
窓からバルコニーへと出る。
ひょぅ!流石は8階、デンジャーな高さだぜ。
801号室、角部屋なのが幸いした。
バルコニーから非常階段には飛び移る。
そのまま2階まで降りて、後は飛び降りた。
('A`)(まずは手始めに、家を張ってる奴らをカチ割ってやるか)
毒喰わらば皿まで。
俺の中では諸本の死体が見付かるまでに、何匹狩れるか。
そんな思考になってた。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:56:31.72 ID:QA9ql7ru0
('A`)「毒島は諸本を倒した!レベルアップ!」
無駄にテンションが上がっちまった。
鉈をブンブンと振り回しながら家に向かう。
だが俺のやる気はカラ回りに終わった。
張ってた奴らは一人残らず居なくなっていた。
('A`)「ッチ、なんだよ。帰っちまったのか」
俺は正面から堂々と鍵を開け中へと入る。
('A`)「とりあえず、後処理はしておくか」
血の着いた鉈を風呂場で洗っていると、
ふと目の前の鏡に目が行った。
そこには顔中に返り血を浴び、半笑いで鉈を洗う自分がいた。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:57:49.68 ID:QA9ql7ru0
('A`)「うわっ」
ガランと鉈が音を立ててタイルに転がる。
(;'A`)「……」
俺はシャワーを全開にすると、服を着たまま頭から被った。
(;'A`)(諸本を殺した……この手で)
今更になって、恐怖と不安が沸々と沸いてきた。
返り血を全て洗い流し風呂を出る。
これからどうするか。
目的はあるが、手段が無い。
やみくもに出会った人形を殺して回る訳にもいかない。
色々考えたが、答えが出ないまま眠りについてしまった。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 21:59:04.29 ID:QA9ql7ru0
俺は人殺しじゃない。
でも、その理屈は俺にしか適応されない。
他人から見れば、俺は立派な殺人鬼。
そう、分かってる
俺にしか認識できないんだから。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:00:03.39 ID:QA9ql7ru0
※ 「絶望」
ピンポーン
( ^ω^)「毒島〜」
ピンポーンピンポーン
( ,,゚Д゚)「毒島〜っと」
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
ん……うるせぇなぁ。
なんだよこんな時間に……。
もそもそと布団から手を伸ばし、携帯をパカッと開く。
【8:05】
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:01:35.45 ID:QA9ql7ru0
(;'A`)「げぇっ!」
やべぇ、遅刻しちまう。
ドタドタと階段を降り、台所のドアを勢い良く開ける。
('A`)「母ちゃん!なんで起こしてくれなかったんだよ!」
だがその言葉は、いつも料理していた主の居ない台所にむなしく響いた。
('A`)「……あ」
そうだ、母ちゃんはもう居ない。
そして遅刻も何も、喪中で3日学校休みなんだった。
……もう1回寝ようかな。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:02:32.18 ID:QA9ql7ru0
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
(#'A`)「マジ切れした」
ドアを蹴り開け、見えた人影に殴りかかる。
(#'A`)「おぅらぁぁぁぁ!」
(; ^ω^)「え?」
バチン!
という乾いた音が耳に入ってきた。
( ,,゚Д゚)「危ないぜ、兄ちゃんよっと」
喜古が俺の拳を、内藤に当たる前に掴んでいた。
しかもスカしてやがる。
蹴りを入れてやった。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:04:19.52 ID:QA9ql7ru0
('A`)「んだよてめーら、何の用だ?」
(; ^ω^)「いや、学校行こうお」
(;'A`)「お前……俺は喪中だぞ?学校も休み貰ってるよ」
( ,,゚Д゚)「いたたたっと、でもよ休んでてもすることねーだろ?」
そう言えば学校には茂羅がいたな。
どうせあいつも諸本と繋がってんだろ。
情報を聞き出してから殺ってやろう。
('A`)「わかった」
昨晩あんなに考えても、出なかった策が、
あっさり目の前に降りてきた。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:05:28.84 ID:QA9ql7ru0
俺は鉈を少し大きめのバックにしまい、
玄関を出る。
( ^ω^)「おk、じゃあ行くお」
内藤、喜古と他愛もない話をしながら登校する。
こいつらなりに両親を亡くした俺に、気を使ってくれてるんだろうな。
少し涙が出そうになった。
(; ^ω^)「ギリギリセーフ!」
('A`)「悪ぃな」
( ,,゚Д゚)「間に合ったんだし、気にすんなよっと」
教室に入ったのはベルが鳴るのと同時。
一応確認だけしてみたが、諸本は来ていない。
そりゃそうだ、人形は壊れてるんだから。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:06:39.77 ID:QA9ql7ru0
( ^ω^)「諸本は遅刻かお」
( ,,゚Д゚)「珍しいなっと、あいつが遅刻なんて」
俺は授業そっちのけで、どうやって茂羅から情報を聞き出すか。
そしてどうやって殺すかを考えていた。
結論、昼休みに話がある。
と、手紙で呼び出すことにした。
諸本と同じだ、最初は敵対心が無さそうに話をして、
油断したところで一発お見舞いしてやる。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:07:54.05 ID:QA9ql7ru0
昼休み
屋上には気持のいい風が吹いている。
俺は鉈をまたズボンに潜ませ、茂羅が来るのを待った。
('A`)(まずは奴らの規模、そしてネットワークを聞き出す。
諸本から聞けなかった目的も、押さえておきたいな)
今後、動きやすくするためにも、情報は少しでも多い方がいい。
シュミレーションをしながら茂羅の対策を考えていたが、
最初から破綻する事になった。
ガチャッ
と、屋上のドアが開かれ男が一人入ってくる。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:08:58.67 ID:QA9ql7ru0
('A`)(来たか……)
だがそれは、茂羅じゃ無かった。
(´・ω・`)「やぁ」
(;'A`)「んなっ!」
諸本!
(;'A`)「な、なんでお前がここに……いやなんで生きている!?」
(´・ω・`)「やってくれるね、あれは流石に痛かったよ」
(;'A`)「馬鹿な……確かに頭をカチ割ったはず……」
(´・ω・`)「ぼくらを人間と一緒にしてもらっちゃあ困るな」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:10:23.58 ID:QA9ql7ru0
ジリジリと近寄ってくる諸本。
俺は震えを抑えれずに、後ずさるしかできなかった。
(´・ω・`)「もう分かったろう?何をやっても無駄なんだよ」
(;'A`)「く、来るな!」
なんでだ?植物のように再生でもするってのか?
(´・ω・`)「どうした?あの時の威勢の良さは何処に行った?
毒島らしくもないね」
(;'A`)「あ、あぁぁぁ……」
あれで死なないならどうすりゃいいんだ。
俺は鉈を構えてはいるが、これが脅しになっていない事に気付く。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:11:35.02 ID:QA9ql7ru0
(´・ω・`)「さぁ、もういいだろう?それも捨てなよ」
(;'A`)「う、う、う、うるせぇぇぇ!」
でも俺にはその鉈を振り回す事以外に、
何も無かった。
鉈が諸本の足に当たるが、諸本は意にも介さない。
(;'A`)「ダメだ、逃げるしか……」
鉈を諸本の足に残したまま、俺はドアへと一直線に走った。
しかし
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:12:51.95 ID:QA9ql7ru0
俺が開ける前に、ドアが勝手に開き出す。
そしてそこから出てきたのは。
( ・∀・)「おや?」
最悪だ。
(;'A`)「うっ」
( ・∀・)「はは、諸本。またやられたのかい?」
(´・ω・`)「いいからそいつ、殺っちまえよ」
( ・∀・)「オーケー」
(;'A`)「ヒッ……」
やばい、やばい、やばい
殺される、死ぬ、死……
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:14:39.80 ID:QA9ql7ru0
(#゚A゚)「ガァァァァ!」
(; ・∀・)「うおっ!」
茂羅に思いっきりタックルし、吹き飛ばす。
俺は少しだけできた隙間を抜けると、
そのまま屋上から、学校から逃げ出した。
後ろからは怒号が聞こえたが、振り返らずにひたすら走った。
どうすればいい?殺されたくない、死にたくない。
でもあんな殺しても死なない奴らを相手に俺は……。
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:15:50.73 ID:QA9ql7ru0
心臓が止まるほどの勢いで、家の近くまで走ってきた。
だが家の前に警察の服を着た男が二人見える。
そうだ、保護して貰おう。
こうなったら命が一番大事だ。
('A`)「お、おーい」
声を掛けて、振り返ったその男二人は。
(-_-)「ん?」
「人形」だった。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:16:52.22 ID:QA9ql7ru0
(-_-)「貴様……毒島だな?」
(;'A`)「うわぁぁぁぁ!!」
急ブレーキで止まり、また逆方向へと走り出す。
(-_-)「待て!」
捕まったら殺される。
父さんや母さんのように。
人形を見分けられる俺は、解剖とかされるに違いない。
( A )「嫌だ……嫌」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:17:56.00 ID:QA9ql7ru0
だけど、既に学校から全速力で走ってきた俺には、
もう一度走る体力は、残ってなかった。
服を捕まれ、二人がかりで取り抑えられる。
(-_-)「おとなしくしろ!」
手錠をはめられ、両わきから腕を捕まれる。
(゚A゚)「嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
(-_-)「この餓鬼が!」
ズルズルと足を引きずられながら、
俺は人形共の研究所へと、連れていかれた。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:19:15.43 ID:QA9ql7ru0
※ 「視点」
( ^ω^)「おいすー」
( ,,゚Д゚)「よぉ内藤」
(´・ω・`)「もう帰れるの?」
(; ^ω^)「説教、キツかったお……」
クラスの仲良し三人組。
内藤、喜古、諸本。
その三人をジーっと凝視している男がいた。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:19:59.64 ID:QA9ql7ru0
('A`)「……」
(; ^ω^)「……」
(;,,゚Д゚)「……」
(;´・ω・`)「……」
(; ^ω^)「毒島……なんか用かお?」
('A`)「……ブツブツ」
( ,,゚Д゚)「きめぇwwwww」
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:20:49.91 ID:QA9ql7ru0
(#^ω^)「用があるならはっきり言えお!」
(´・ω・`)「内藤、やめなよ。いじめにしか見えないよ。放っとこう」
( ,,゚Д゚)「そうそう、ゲーセンでも行こうぜっと」
(# ^ω^)「けっ!諸本に免じて許してやるお」
そして彼等の日課、鮫島ランドへと遊びに行くのだった。
('A`)「……ブツブツ」
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:21:45.47 ID:QA9ql7ru0
※
(; ^ω^)「きょ、今日も負けまくったお」
(;,,゚Д゚)「一回も勝てなかった……」
(´・ω・`)「ふふふ、甘い甘い」
(# ^ω^)「明日こそ絶対にリベンジしてやるお!」
( ,,゚Д゚)「また明日なーっと」
(´・ω・`)「ばいばい」
諸本の家だけが逆方向で、いつもここで別れている。
だが今日は予想外の人物に出会った。
(´・ω・`)「ん?あれは……毒島?」
('A`)「……ブツブツ」
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:22:34.41 ID:QA9ql7ru0
普通なら毒島なんて無視してしまうのだが、
慣れない場所で会ったからだろうか、
何故か今日は声を掛けてみようと思った。
(´・ω・`)「おーい」
('A`)「……ブツブツ」
振り返る気配がない。
仕方なくもう一度呼んでみる。
(´・ω・`)「おーい毒島」
('A`)「!!!」
今度は振り返った毒島だったが、諸本の顔を見た途端、
おどろいた表情を見せた。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:23:29.37 ID:QA9ql7ru0
('A`)「……ナニ?」
(´・ω・`)「あー、用って程じゃないんだけどね。
毒島って変わった奴だよねー」
('A`)「……クク」
(´・ω・`)「?」
('A`)「オレハ……オマエガ人間ジャナイッテ、知ッテルゼ」
(;´・ω・`)(うわー本物だこいつ……)
('A`)「ナニガ目的ナンダ?」
(;´・ω・`)「毒島……君、危険だよ」
('A`)「ナニ?」
(´・ω・`)「じゃ、じゃあね」
('A`)「……」
諸本は不気味に感じ、声を掛けた事を後悔しながら、
その場を後にした。
('A`)「……ブツブツ」
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:24:41.50 ID:QA9ql7ru0
※
J( 'ー`)し「あなた!またこの子塾サボったのよ?
なんか言ってやって頂戴」
_、_
( ,_ノ` )「何?本当なのか?」
('A`)「……」
_、_
( ,_ノ` )「いいか!お前はただでさえ暗い上に、口ベタなんだからせめて勉強位は
出来るようになってもらわなきゃ困るんだよ!」
('A`)「……」
_、_
( ,_ノ` )「おい!聞いてるのか!?」
('A`)「……」
毒島はスクッと立ち上がると、無表情のまま部屋を出ていった。
_、_
( ,_ノ` )「おい!何処へ行く?話は終わってないぞ!」
その言葉もまるで聞こえないかのようだった。
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:25:53.56 ID:QA9ql7ru0
_、_
( ,_ノ` )「まったく……」
J( 'ー`)し「困ったものね」
_、_
( ,_ノ` )「塾にはお詫びの電話を入れておきなさい」
J( 'ー`)し「もう入れておきましたよ」
_、_
( ,_ノ` )「見捨てられたらおしまいだからな」
その瞬間、部屋のふすまがダンッと勢い良く開けられる。
そこには鉈を持って立ち尽くす毒島がいた。
_、_
( ,_ノ` )「?……お前、何を持っ」
(*゚A゚)「ヒャッハー!」
なんとも形容し難い音と共に、赤い液体が四方八方に飛び散った。
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:27:07.39 ID:QA9ql7ru0
J( 'ー`)し「……あれ?」
突然の出来事に、声を出すのも忘れ、
目の前の光景を理解しようとする女。
J( 'ー`)し「……き……きゃ」
再び聞き慣れない音が響いた。
('A`)「父サン、母サン……遅イナァ」
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:27:59.93 ID:QA9ql7ru0
※
翌日、毒島は一日中自分の部屋に閉じ籠っていた。
部屋の隅に体育座りで、ブツブツと呪文のような独り言を繰り返し、
たまに思い立ったかのように、鉈をを振り回していた。
学校
担任「おーい、内藤」
( ^ω^)「お?なんですかお?」
担任「悪いが、明日朝に毒島の家に寄ってきてくれないか?」
(; ^ω^)「えー?なんで僕が?」
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:29:03.50 ID:QA9ql7ru0
担任「お前が一番、家が近いからだ。
今日休んだから毒島の家に電話してみたんだが、誰も出なくてな」
(; ^ω^)「面倒くせぇお……」
担任「また説教喰らっとくか?」
( ^ω^)「寄ってきますwwwwwwwww」
( ^ω^)「あー、かったりぃお」
( ,,゚Д゚)「ご愁傷様っと」
( ^ω^)「何言ってんだお喜古。お前も強制的に同行だお」
(;,,゚Д゚)「え?そうなの?」
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:30:01.44 ID:QA9ql7ru0
翌朝
ピンポーン
( ^ω^)「……」
ピンポーンピンポーン
( ,,゚Д゚)「……」
( ^ω^)「出ねぇお……」
( ,,゚Д゚)「こんな朝早くだったら、親くらい出るだろJK」
( ^ω^)「でも中から物音は聞こえてくるお」
ピンポーンピンポーンピンポーン
ピンポーンピンポーンピンポーン
(# ^ω^)「早く出ろお!僕らまで遅刻しちまうお!」
内藤は連続でボタンを押し続ける。
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:31:07.01 ID:QA9ql7ru0
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
('A`)「うるせぇぇぇぇ!!!」
(; ^ω^)「おっ」
突然扉が開き、飛び出てきた毒島が殴りかかる。
しかし、その動きは緩慢で誰にでも避けれるようなものだった。
( ,,゚Д゚)「よっと」
喜古がそのまま腕を掴み、
(# ^ω^)「よいしょー!」
内藤が蹴りを入れた。
蛙のように後ろへ転がる毒島。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:31:57.79 ID:QA9ql7ru0
(# ^ω^)「んなろう!わざわざ迎えに来てやれば」
( ,,゚Д゚)「内藤、行こうぜ」
(# ^ω^)「先生がよ、学校に来いってよ。じゃあな」
('A`)「……」
内藤と喜古はそのまま毒島を置き去りに歩いていく。
毒島はブツブツと呟きながら家の中へと入っていった。
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:32:56.20 ID:QA9ql7ru0
※
(# ^ω^)「あー朝からムカ付くお!」
( ,,゚Д゚)「まぁまぁ」
ガラッ
('A`)
( ^ω^)(なんだよ、結局来たのかお)
毒島はいつものように、ブツブツと呟いたまま席に座る。
周りをキョロキョロ見回していたが、薄笑いを浮かべて頷いていた。
(;^ω^)(あぁはなりたくないお)
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:34:05.41 ID:QA9ql7ru0
屋上
('A`)「……ブツブツ」
狂気を抱いた男が一人、屋上でたたずんでいる。
そして、午前の授業をサボった男がもう一人。
(´・ω・`)y-~~(あれは……毒島?)
声を掛けようかとも思ったが、
先日の気味悪い印象がよみがえり、そのまま出口を出ようとしていた。
が
次の瞬間、後方から奇声が上がった。
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:35:20.75 ID:QA9ql7ru0
(;´・ω・`)「な、なんだぁ?」
振り返った諸本が見たものは、凄まじい形相で鉈を振り上げ
自分に向かって突進してくる毒島が写った。
(゚A゚)「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
(;´・ω・`)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
毒島が鉈を振り下ろす。
咄嗟に諸本は顔を腕でカバーするが、毒島の鉈の行き先は
自分の左足へと向かっていた。
ガッ
錆びた鉈は、切り込むというより、叩き込むといった感じに
諸本の太ももの半分辺りまで食い込む。
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:36:31.31 ID:QA9ql7ru0
(´゚ω゚`)「あぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁ」
(゚A゚)「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
(´;ω;`)「痛ぇ!!!痛ぇぇぇっぇぇぇぇっぇ!!」
(゚A゚)「……効かねぇ……化け物が」
転げまわる諸本を見下ろしながら、後ずさりする毒島。
そのまま走って、出口から出ようとするが、
同時に扉が開いた。
( ・∀・)「!おや?」
(゚A゚)「ああっ!あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
茂羅が見た光景は、大声を上げて叫ぶ毒島と
血まみれになりながら転がっている諸本だった。
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:38:10.42 ID:QA9ql7ru0
(;・∀・)「お、おい。諸本君、大丈夫か?一体何が……」
(´;ω;`)「そ、そいつを捕まえろ!ぶっ殺してやる!!!!!」
その台詞に反応したかのように、毒島が更に大声を上げて茂羅に突進していく。
(#゚A゚)「がぁぁぁぁぁっぁ!」
(;・∀・)「うぉっ!!」
ぶつかられた茂羅は、よろよろとフラつく。
その隙を縫って、毒島は出口から走り去って行った。
(´;ω;`)「うぅっ……クソッ。…痛ぇよぉ……」
(;・∀・)「諸本君!大丈夫か!救急車……それと警察!」
・・・
・・
・
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:39:10.85 ID:QA9ql7ru0
(;'A`)「ハァッハァッ!」
どうすればいい?殺されたくない、死にたくない。
でもあんな殺しても死なない奴らを相手に俺は……。
心臓が止まるほどの勢いで、家の近くまで走ってきた。
だが家の前に警察の服を着た男が二人見える。
そうだ、保護して貰おう。
こうなったら命が一番大事だ。
(;'A`)「お、おーい」
声を掛けて、振り返ったその男二人は。
(-_-)「ん?」
「人形」だった。
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:40:12.95 ID:QA9ql7ru0
(-_-)「貴様……毒島だな?」
(;'A`)「うわぁぁぁぁ!!」
急ブレーキで止まり、また逆方向へと走り出す。
(-_-)「待て!」
捕まったら殺される。
父さんや母さんのように。
人形を見分けられる俺は、解剖とかされるに違いない。
( A )「嫌だ……嫌」
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:40:53.12 ID:QA9ql7ru0
だけど、既に学校から全速力で走ってきた俺には、
もう一度走る体力は、残ってなかった。
服を捕まれ、二人がかりで取り抑えられる。
(-_-)「おとなしくしろ!」
手錠をはめられ、両わきから腕を捕まれる。
(゚A゚)「嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
(-_-)「この餓鬼が!」
ズルズルと足を引きずられながら、
俺は人形共の研究所へと、連れていかれた。
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:41:32.43 ID:QA9ql7ru0
※
(゚A゚)「ブツブツ」
鉄格子の中でひたすら呟く男。
彼の家からは、両親の惨殺死体も発見され、凶器も持っていた鉈と一致した。
【世間では高校生の凶行!両親惨殺、同級生にも切りかかる】
との見出しが躍った。
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2008/01/28(月) 22:43:18.34 ID:QA9ql7ru0
( ◆ω◆)「いつかはやると思ってましたお」
( ,,◆Д◆)「いつも独り言を言ってました」
('゚'A'゚')「嫌……だ、解剖……殺され……」
('A`)人形のようです 〜fin〜
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