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( ^ω^)ブーン達が魔法の世界で戦うようです

第2話

23 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 21:51:54.09 ID:oEAa3PzbO
2話
ラウンジ

24 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 21:53:43.69 ID:oEAa3PzbO
聖なる土地『ラウンジ』。
だがはるか上空のVIPから眺めるそれは、国土のほとんどが暗黒に呑まれ、腐敗し、とても『聖なる土地』と言えたものではなかった。

(;^ω^)「こ…これは…」

国家の上層部から報告を受けていたものの、それ以上の被害状況を目にすると言葉は何も出なかった。



25 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 21:54:08.59 ID:oEAa3PzbO
自らがそう遠くない将来に統治するであろう国の有様に言葉を失っている者もいる。
 
ξ;゚听)ξ「…」

父は、いや、王は何をしているのかと思っていると、それを知ってか知らずか荒巻が提案する。

/ ,' 3「とりあえず城に行ってみよう。王と話し合わないことには作戦も立てられんからな」

指揮官である自分が戦意を喪失しているのでは話にならないと自らを奮い立たせる。

( ^ω^)「よしっ!城にむかうお!」




26 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 21:54:55.55 ID:oEAa3PzbO
城下に近付くにつれて被害が少なくなっていることが確認できたが、それでも国の約八割は侵略されている光景は絶望に値している。

ξ゚听)ξ「…」

現状を把握したツンは黙っていた。周りのクルーもかける言葉が見つからない様子で終始黙っていた。
 
城の兵に誘導され、屋上にVIPを着地させて一行は城内に案内される。
城内の守備兵の少なさからも国がいかに憔悴しているのかがうかがえた。




27 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 21:55:15.59 ID:oEAa3PzbO
王室に通されると王座には疲弊した顔の王が鎮座していた。

(゚听)「ようこそみなさん。私がラウンジの王、ツンツンです」

( ^ω^)「VIPの指揮官を務めてるブーンですお。よろしくだお。この国の現状をkwsk話して欲しいお」

(゚听)「…見ての通りこの国にはもはや戦う力は残されていない…残念だが…」



28 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 21:55:43.98 ID:oEAa3PzbO
ツンツンの様子に激昂する者が一人。

ξ#゚听)ξ「ふざけんじゃないわよ!!あなた国王でしょ!自分の父親が国王で、その国王がこんなんで!あ〜もうよくわかんないけど最低よ!!」

それだけ言うと、ツンは走って王室を出て行ってしまった。



29 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 21:56:08.37 ID:oEAa3PzbO
( ゚∀゚)「あーあ、国王がツンのこと怒らしちまったよ〜」

(´・ω・`)「そうだね。国王はツンにごめんなさいしないとだね」

ツンの言いたかったことを理解した二人が王を責める。

(;゚听)「すまないことをしたな…」

謝罪する王。
もはやその姿に威厳はなかった。

37 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 22:01:30.02 ID:oEAa3PzbO
城下の繁華街は賑わっているとはお世辞にも言えないが人通りの多いものだった。
 
( ゚∀゚)「おぉ…なんというオッパイ。あのオッパイは間違いなく巨乳!」

「キャー!!」
 
(*´・ω・`)「うほっ!いいオトコ…や ら な い か 」

「ギャー!!」
 
二人はツンのことを忘れて遊び狂っていた。



ザッザッザッ―――

都市にニューソク軍が迫って来ているとも知らずに。



30 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 21:56:38.75 ID:oEAa3PzbO
( ゚∀゚)「それじゃあ俺、ツンのこと探してきてやるよ!多分城下に行ったんだろうしよっ!」

( ゚∀゚)「それにこの国のオッパイも見たいしな!」

(*´・ω・`)「それなら僕も付いて行くよ。この国のオトコも見たいしね」

それにしてもこの二人、欲求のおもむくままである。

(´・ω・`)「もちろんドクオも来るよね?」

('A`)「俺はパス…VIPで寝てるわ」

(;^ω^)「それじゃあ残った僕と荒巻と国王で作戦立てるから行って来るといいお…」

そしてジョルジュ、ショボン、ドクオの三人は王室から出て行った。



32 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 21:57:24.59 ID:oEAa3PzbO
(#゚;;-゚)「ここを堕とせばラウンジは我々のものだ。生きとし生けるもの全てを殺戮せよ」

「ウォー!!」

ザッザッザッ―――



城下にニューソク軍が侵入した。
ラウンジを手中に治めるために。



33 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 21:57:53.05 ID:oEAa3PzbO
「キャーlp;@!!!!」

「ギャーあqせdrftgyふじこ」

人々は逃げ惑い、辺り一面血に塗れていく。
そんななか抵抗する者が二人。

(;´・ω・`)「くっ、数が多いよ〜」

(;゚∀゚)「ふ、防ぎきれん」

ショボンは身体強化をし敵兵を倒すのは容易いものの、倒しても倒しても現れるため切りがなく、またジョルジュも抵抗魔法で応戦するものの次から次へと魔法を連発されるため追い込まれていた。



52 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 23:10:56.27 ID:oEAa3PzbO
(;゚∀゚)「くっそ…切りがないな。ショボン!いったん城に戻るぞ!!」

(;´・ω・`)「で、でもここの人達はどうするのさ!?」

(;゚∀゚)「命あってのものだねだ!ここは退くのが得策だ!」

(;´・ω・`)「…わかったよ…」

繁華街を背に向け一気に走り去る。
決して後ろを振り返らないように、後ろを見たら迷いが生じるから。



53 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 23:11:26.81 ID:oEAa3PzbO
( ^ω^)「ぶっちゃけVIPのガトリングは弱いと思うんだお」
 
/ ,' 3「しかし重量の面では非常に重宝しているんじゃよ」
 
(゚听)「いや、やはり威力を重視した武器は重要ですよ」
 
王室で武器談義に花を咲かせている三人は外の状況に気付いていなかった。

バン!
と、突然扉が開く。
 
(;゚∀゚)「やばい!ニューソクがそこまで攻めて来やがった!」

(;´・ω・`)「すまない。僕達だけで倒すにはきつかったから戻ってきてしまったよ」



55 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 23:11:52.77 ID:oEAa3PzbO
二人の話を聞いている内にブーンの頭に不安がよぎった。

( ^ω^)「…ツンはどうしたお?」

(;゚∀゚)(;´・ω・`)「あ…」

ブーンは二人の顔を見ただけで、二人がツンのことを今の今まで忘れていたことに気付いた。

(#^ω^)「おまえら…ビキビキ」

(#^ω^)「ツンを探してくるお…ksk!!」

両腕を広げ尋常でないスピードで走っていく。
そして王室を出る際に一言残していった。

(#^ω^)「ツンと僕が戻ったら出撃するお!全員VIPに戻って配置に着いておくお!」

彼は間違いなく指揮官だ。その場に残された全員がそう実感していた。



56 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 23:12:18.77 ID:oEAa3PzbO
城下は屍であふれていた。もはや生き残っている人はほとんどいない。
こんな断末魔の中からツンを探すのか、最悪の事態を考えずに、いや、考えないようにして繁華街をニューソクの兵を愛刀で斬りながら走り回った。

あまりに速く走っていたため地面にちらばる崩れ落ちた建物の瓦礫に足を奪われ転倒してしまった。

(;^ω^)「あう〜、いたただお…」

倒れた拍子に瓦礫の山の中から漏れる薄明るい光に目を奪われる。

(;^ω^)「ツ、ツン!!大丈夫かお?」

光の発生源はツンだった。


57 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 23:12:52.22 ID:oEAa3PzbO
瓦礫の山を退けてツンを引っ張り出し、意識を確認する。

(;^ω^)「ツン!生きてるかお?僕だお!ブーンだお!」

ξ--)ξ「ん…ブーン…?だい…じょうぶ…よ。ちょっと防御陣を使いすぎたみたい…」

(;^ω^)「とりあえずよかったお。僕がツンのこと背負ってくから休んでていいお」

ξ--)ξ「ありがとう…ブーン…それから…」

(;^ω^)「それからなんだお?」

ξ--)ξ「あんなこと言っちゃって…お父さんに謝りたい…」

( ^ω^)「生きて帰ればいくらでも謝れるお!だから今は寝ておくといいお」

ξ--)ξ「ありがt…zzz」

( ^ω^)「ゆっくり休むといいお…」

ブーンはツンを背負って城までkskしていった。



58 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 23:13:32.49 ID:oEAa3PzbO
/ ;' 3「まずいな…ニューソクのこの軍勢」

(;´・ω・`)「もう生きてる人いないんじゃないかな…」

(;゚∀゚)「早いとこでないとこの城どころかVIPも乗っ取られるんじゃね?」

(;'A`)「時間がないな…」

ブーンとツンを待つ四人はVIPのメインモニターに映る城下の状況に絶望しきっていた。



59 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 23:13:55.68 ID:oEAa3PzbO
(゚听)「ラウンジもここまでか…私は何一つ守れなかった。王失格だな…」

王室のモニターから城下の状況を見て、ツンツンもまた絶望していた。

バン!
勢いよくドアが開き、そこには傷だらけのブーンとそれに背負われたツンの姿があった。

( ^ω^)「はぁ…はぁ…ツンから伝言だお…『謝りたい』だそうだお」

(゚听)「そうか…」

( ^ω^)「あなたもVIPに来るんだお。このままじゃここもやばいお」

(゚听)「いや…私に考えがある。君達だけでVIPでラウンジを出るんだ…出来るだけ急いでな」



60 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 23:14:16.82 ID:oEAa3PzbO
ツンツンは決意していた。
王として。
父として。
男として。

ブーンはわかっていた。ツンツンが何を考えていたのか。
だからこそ止めなかった。いや、止められなかった。

( ^ω^)「把握したお…」

ツンツンに背を向け王室を出るブーン。

最後に聞こえたツンツンの声は『ツンを任せたぞ』だった。



61 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 23:15:04.73 ID:oEAa3PzbO
/ ;' 3「限界じゃ…」

(;´・ω・`)(;'A`)(;゚∀゚)「…」

もはや四人に言葉はなかった。すでに城内にまでニューソク軍が侵入している。

「ただいまだお〜!!」

聞き慣れた声が響く。

/ ,' 3「まったく…心配させおって」

艦内には安堵のため息がこだました。



62 :神所謂ゴッド:2006/12/28(木) 23:18:52.41 ID:oEAa3PzbO
(;^ω^)「説明してるヒマはないけどとりあえず急いで出発するお!!」

/ ,' 3「わかった!詳しいことは後で聞くとしよう!ksk!!」

VIPは超高速で飛び立って行った。

ラウンジがどんどん小さくなっていくのを見てブーンは泣いていた。

( ;ω;)「…」



63 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 23:19:16.67 ID:oEAa3PzbO
王として民を守れなかった。
父としてツンからの信頼を守れなかった。
男として妻、デレデレを疫病から守れなかった。
 
そんな私が唯一守れるものそれは『プライド』だ。
 
「生けとし生けるものに捧ぐ死を我が身を対価にもたらしたまえ」



ラウンジ全域が光に包まれ、後には何も残らなかった。



64 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 23:19:42.83 ID:oEAa3PzbO
爆風で傾くVIP。だがその程度の被害で済んだ。
なんとかラウンジからは脱出していたのだった。
/ ;' 3「あの男…ラウンジもろとも爆発しおったのか?」

(;゚∀゚)「なんつー王様だよ…」

(;´・ω・`)(;'A`)「…」

( ;ω;)「…」

ブーンは一人泣いていた。いや、一人ではなかった。
今の爆発による艦内の揺れで目を覚ましたツンもまた泣いていた。


65 : ◆ZGuRy.Pfdg :2006/12/28(木) 23:20:10.14 ID:oEAa3PzbO
ξ;;)ξ「生まれ故郷も両親も失った私に何があるっていうのよ?…もう死にたいよ」

( ;ω;)「死にたいなんて言わないでくれお…僕はツンのお父さんに頼まれたんだお…『任せたぞ』って」

( ;ω;)「ツンのお父さんは自分の命と引換えに『プライド』を守ったんだお。そんな覚悟が出来るすばらしい人だったんだお」
 
( ;ω;)「なにもないなんて言っちゃいけないお。ツンにはそんな人の血が受け継がれているんだお」
 
( ;ω;)「ツンはそれだけすばらしいものを持っているんだから死ぬなんて僕は認めないお」

ξ;;)ξ「…」

( ;ω;)「生きて…くれお…」

ξ;;)ξ「…うん…」






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