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( ^ω^)ブーンは魔法使いなようですす


第5話

151 :名無しさん:2007/02/05(月) 12:27:53
5話

ドキッ!厨二だらけの予選会(後編)


152 :名無しさん:2007/02/05(月) 12:28:23
杖を握る手はじっとりと汗を掻いていた。今にも杖から滴るほどに。
夕暮れ時にもかかわらず一向に蒸し暑い。ただ、この汗は暑さからだけではなく、自身の緊張や周囲の不人情な目に対して溢れ出たものだろう。

( ><)「…」

( <●><●>)「…」

おたがい見つめ合い、その瞳はうるっとしている。


153 :名無しさん:2007/02/05(月) 12:28:51
(;`・ω・´)「お前ら早く終わらせろ!いつまでそうしているつもりだ!!」

二人の手に握られた水色の杖は、全く同じ色をしていた。ただそれで決着がつかないようなことは普通はない。
例えば炎系同士焼きあうことは可能だし、水系同士放水しあうことだってできる。
だが今回は『普通』ではなかった。


154 :名無しさん:2007/02/05(月) 12:29:16
(;><)「なんか魔法使ってください!」

(;<●><●>)「使っても意味がないのはわかってます」

水色の杖、『ステイシス』は魔法を打ち消す魔法が使える杖。
勝つ方法としては、相手が飽きて降参してくれるのを待つという消極的かつ、いやらしいものだった。


155 :名無しさん:2007/02/05(月) 12:29:58
(;`・ω・´)「早くしないと日が沈むぞ!」

(;><)「どうしようもないんです!」

(;<●><●>)「どうしようもないのはわかってます」

(#`・ω・´)「じゃあもう二人とも失格!!」

散々時間をかけた挙句の苦渋の決断だった。

(;><)「…わかってます、一緒に帰るんです…」

(;<●><●>)「なんだか肩身が狭いのはわかってます…」

校庭を出て行く二人。その背には哀愁が漂っていた。


156 :名無しさん:2007/02/05(月) 12:30:40
(;^ω^)(まぁ…なんというか…熱も冷めたお)

この間、冷静と情熱のあいだを行き来していたブーン。結果、冷静に行き着いたのだった。

(`・ω・´)「今ので自動的にクーは決勝進出!全国行き決定!
次の試合は…ブーン対弟者だ!この試合の勝者も全国行き決定だ!」

( ^ω^)「やってやれないことはないお!」

(〇<_〇 )「それがあるんだよ…お前は俺には勝てない。
俺とお前では特訓の量が違いすぎる」

ブーンも負けじとカッと目を開く。

( 〇ω〇)(〇<_〇 )「いざ!勝負!!」


157 :名無しさん:2007/02/05(月) 13:09:16
午後五時半。日が沈み行く中、MFがはじまった。

( ^ω^)「リパルス!」

細長い竜巻が一直線に弟者に伸びる。

(〇<_〇 )「タイド!」

数時間前、ツンを襲ったそれと同じものを放つ。

( ^ω^)「おっ!」

渦と潮は互いを相殺しあう。

( ^ω^)「ウイングレッグ!」

自身の足下に空気の渦を起こし、上空まで飛び上がる。
空中で空気を操るという高度な技術をブーンは手に入れていた。


158 :名無しさん:2007/02/05(月) 13:09:47
( ^ω^)(親権ゼミのおかげでプライベートにも支障をきたさずたくさん魔法の特訓ができたお!
親権ゼミなら寝る前の十分間勉強するだけでいいんだお!)

( ^ω^)「さぁキミも今すぐ親権ゼミに電話する…」

(〇<_〇 )「ウォーターバースト!」

地上から浮いてきた巨大な水泡が、飛んでいるブーンの付近で破裂する。

(〇<_〇 )「俺だって一応受験生だ…親権ゼミの評判ぐらい知っている」


159 :名無しさん:2007/02/05(月) 13:10:15
バランスを崩し、グルグルと急降下するブーン。

(;^ω^)「ビオフェルミン!」

気状のクッションを作り、地上すれすれで地面との衝突を防ぐ。

( ^ω^)(持っててよかったビオフェルミン…)

(〇<_〇 )「ちっ!」

速攻で終わらせようと考えていただけに調子が狂う弟者。
思わず舌打ちが出る。


160 :名無しさん:2007/02/05(月) 13:10:48
その後も互いの魔法を相殺し合い、精神力が摩耗していく二人。
日も完全に暮れ、辺りは暗くなっていた。

(;^ω^)「おっおっお…兄者以上にやるお…」

(〇<_〇;)「ま…まあな…」

そろそろ限界が近付いてきている二人だったが、どちらも退かない。

( ^ω^)「この一発に全てをかけるお!!」

(〇<_〇 )「うけてやろう!!そして俺が勝つ!!」


161 :名無しさん:2007/02/05(月) 13:11:33
地を強く踏み締め唱える。そうしないと自身の魔法に吹き飛ばされてしまうから。

(#^ω^)「フォース!オブ!!ウィル!!!」

ブーンの、勝ちたい、全国に行きたいという強い意志が具現化したかの様な強大な風圧を持つ竜巻。
校舎がガタつくほどである。もはや玩具の域を越えていた。

(#^ω^)「いくおー!!」

竜巻がうねりをあげ、弟者を飲み込もうとする。

(〇<_〇#)「アグロウォーター!!」

ブーンのそれ以上に巨大な水壁が聳え立ち、全てを受け止め、包み込む。


162 :名無しさん:2007/02/05(月) 14:59:29
(#^ω^)「 ぶ ち や ぶ れ ! ! ! 」

一度は封じ込まれたかのように見えた竜巻は、水壁を中心から打ち崩したのだった。

(〇<_〇;)「なんだとぉー!!!」

飲み込まれた弟者は宙を舞い、その後、地面に叩き付けられた。

(-<_- )「…」

風に吹かれて校庭を転がる弟者はなんだかとてもかわいかった。


163 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:00:11
(`・ω・´)「勝者、ブーン!!おめでとう!全国大会出場だ!!」

(*^ω^)「ふひひwwwありがとうだお!」

(`・ω・´)「もうだれが全国に行くか決まったわけだけど決勝戦やるか?
もう暗いから俺は帰りたいんだけど…」

(;^ω^)「おまwww見てけwwww」

川 ゚ -゚)「私はブーンと戦いたいがな…」

クーが提案する。

川 ゚ -゚)「皆、帰ってくれてかまわないぞ。
ブーン、君も望むなら戦おうではないか」

( ^ω^)「もちろんやるお!」


164 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:01:18
( ´_ゝ`)「見ていっていいか…?」

つい先程目覚めた兄者が言う。
ススだらけの制服が夕日に照らされ赤黒く光っている。そしてその目は以前のものに戻っていた。

(-<_- )「…」

その隣には眠ったように目を閉じている弟者。

( ^ω^)「見ていってくれお」

快く承諾するブーン。


165 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:01:46
从 ゚∀从「あたしゃ帰るよ」

随分前から、帰りたいなーと思っていたが何となく帰れなかったハインリッヒはこのタイミングを逃すまいとする。

川 ゚ -゚)「お前、まだいたのか…」

从;゚∀从「…」

とんだ肩透かしをくらってしまった。


166 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:02:30
ξ;゚听)ξ「ごめんね。服びしゃびしゃだから私も帰るわ…夏風邪は長引くし」

いつの間にか目覚めていたツン。濡れた制服がなんともエロい。

(*^ω^)「…」

川 ゚ -゚)「…では、はじめようか。ブーン、決勝戦だ!」

(;^ω^)「おっおっお!」

夕闇の中、二人は睨み合う。だがそれは睨み合うというような殺伐としたものではなくどこか暖かみを持っていた。
尊敬と畏怖、その他諸々の念を持っていたのだろう。


167 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:25:26
( ^ω^)「クー、覚えているかお?」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

( ^ω^)「クーが転校してきた日、クーはMFで勝ったら調教してくれるって言ったお」

川 ゚ -゚)「そんなこともあったな」

(*^ω^)「このMFに、僕が勝ったら調教してくれお…ふひひwww」

川 ゚ -゚)「いいだろう!勝てたらだがな!」


168 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:25:52
いつもと同じように相手に向かって刀の先端を向けるクー。
これは彼女なりの、これから戦おうという一種の儀式なのだろう。

川 ゚ -゚)「かかってきな」

( ^ω^)「お…」

杖をかまえる姿も様になっているブーン。
いくつものMFと特訓を通して確実に成長を遂げた。


169 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:26:24
( ^ω^)「リパルス!」

毎度お馴染みの細長い竜巻をクーに放つ。
使い慣れた魔法は安心感がある。なんというか、お袋の味的な。
一瞬今は亡きドクオが顔が脳裏に浮かんだがすぐに書き消す。

川 ゚ -゚)「よっと」

さっと身を退き、あっさり竜巻をかわす。

(^ω^;三;^ω^)「おっお!」

MFに集中しようと頭を振るう。煩悩はそれだけで敗北に直結する。


170 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:27:12
川 ゚ -゚)「スウォート!」

零度の鞭がブーンの背を打つ。

(*^ω^)「らめぇっ!」

すごく…気持ちいい。
ブーンがMの境地に目覚めたようです。

(^ω^;三;^ω^)「ってちがうちがう!!」

我にかえる。

( ^ω^)「おふざけはここまでだお!勝って調教してもらうんだお!」

もはや100%の煩悩を持ってクーに挑むブーンだった。


171 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:27:43
川 ゚ -゚)(…)

ここにきてクーは何かに気付く。

川 ゚ -゚)(なんだ…これは…)

言葉にはできない違和感。

川 ゚ -゚)(今までにもあっ…)

( ^ω^)「ウイングレッグ!」

問答無用に風に乗って襲いかかってくるブーン。今にもレイープしてしまう勢いで。


172 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:28:16
川;゚ -゚)「志村!よだれよだれ!」

(*^ω^)「ぶひ!ぶひひひ!」

『醜態』の二文字に尽きるブーンだった。

川;゚ -゚)「きめぇwwwwwwww」

思わずブーンのアゴを蹴り上げる。

(;゜ω゜)「ぶるぁぁぁ!」

クーが蹴り上げたものはアナゴさんだった。
だがアナゴさんはすぐに立上がりファイティングポーズをとる。


173 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:28:51
(*^ω^)「ふぐた君、中で出していいよ…」

川;゚ -゚)「なんだこのカオスは…」

取り残されるクー。

(*^ω^)「ぐひひ…ぶひひ…」

一歩、また一歩クーに詰め寄る基地外。

川;゚ -゚)「す、スノースリープ!!」

追詰められたクーが放ったのは対象を眠らせる魔法。
淡雪がブーンを包み込む。


174 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:29:18
(;^ω^)「さ、寒いお…」

(;‐ω‐)「お…」

( ‐ω‐)「Zzz…」

不本意ながらブーンは眠りについてしまった。

川;゚ -゚)「はぁはぁ…」


175 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:29:56
( ´_ゝ`)「これはひどいgdgdだな」

(´<_` )「そうだな…」

二人は酷評する。
試合中に弟者も意識を取り戻していた。目も然り。

( ´_ゝ`)「見ないで帰ればよかった…」

(´<_` )「帰ろうか、兄者」

( ´_ゝ`)「そうだな…俺達これでも受験生だしいい加減勉強しないとな」

(´<_` )「大事な時期に山籠もりとかなにやってたんだろうな」

自分達の愚行を恥じながら兄弟は帰っていった。


176 :名無しさん:2007/02/05(月) 15:30:32
川 ゚ -゚)「私達も帰るか…」

川;゚ -゚)(って、寝かしてしまったんだった…)

仕方がないとブーンを背負う。

川#゚ -゚)「よっこらせっくす!」

ちょっと意気込んで。

川 ゚ -゚)(しかしブーンも強くなったもんだ…)

川 ゚ -゚)(しかしさっきの感じ…)

クーがいろいろと考えていることも知らず、ブーンは幸せそうな寝息をたてていた。

( ‐ω‐)「Zzz…」


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