ブーン系小説をまとめて紹介しているサイトです
HOME
|
問合せ
( ^ω^)ブーンが復讐の感染をさせるようです
第7話
2 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/20(水) 23:36:59.99 ID:fsxYSS7P0
生存
( ・∀・) ( ´∀`) ('A`)
从゚∀从( ´_ゝ`)川 ゚ -゚)
死亡
教員 ( ゚д゚ ) / ,' 3
生徒 从'ー'从 (=゚ω゚)ノ( ><)( ,_ノ` )y━・~~~
( ,,゚Д゚) <ヽ`∀´>ξ゚听)ξ( ゚∀゚)
( ´ー`) (’e’) ( ^Д^) (*゚ー゚)
('、`*川ミ,,゚Д゚彡(-_-)(*‘ω‘ *)
(´・ω・`)(´<_` )
憑依(内藤が中にいる者)
\(^o^)/
6 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/20(水) 23:39:46.27 ID:fsxYSS7P0
そいつは既に内藤に支配されたものだと思い込んでいた。
何故か俺はそいつに殴り飛ばされた。
そいつは俺を睨む、睨みたいのは殴られたこっちだ。
俺がお前に何かしたのか?
ドクオ。
外野は最後まで引っ込んでおけば良かったじゃないか。
ここに来て、
何で、
俺の前に立ち塞がる?
…………………………………………せっかくだから俺も言わせて貰おうか。
邪魔なんだよ クズ
8 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/20(水) 23:43:51.96 ID:fsxYSS7P0
血の混じった唾を吐き捨て、モララーはゆっくりと立ち上がった。
眼は冷たく人間のそれかと疑うほど。
対するドクオの息は荒い。
人など殴った事の無かった拳は震えている。
( ・∀・)「あ――――くそ、口切った」
親指で唇を拭うと、赤く染まり指紋が浮き出ているのが分かる。
――血――
生命の『赤』だ。
( ・∀・)「宣戦布告と受け取っていいんだな?」
('A`)「宣戦?違うな……俺が一方的に殺すだけだ」
こういう事態でもなければ、そんな残虐な台詞一生口に出す事など無かったであろう。
舐められては駄目だ。
口先だけでも負ける訳にはいかなかった。
生まれてこの方、ドクオは殴り合いの喧嘩などした事が無い。
なるべく関わらないようにと極力避けてきたのだ。
ドクオは今更だが、自分を変えたかった。
だから研いでもいない牙を向けたのだ。もう逃げない。
9 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/20(水) 23:50:41.14 ID:fsxYSS7P0
( ・∀・)「一方的にねぇ……どっからその自信が――――――」
構えられた拳。
眼には殺意が宿る。
(#・∀・)「来るんだよ!!」
('A`)「ッ!」
大砲のように飛んでくるパンチは紙一重で回避される。
しかしほぼマグレと言っても過言では無い、何しろドクオが開戦のファンファーレを
放ったお陰で、二人には大分距離があったのだから。
したがって次の瞬間からは本当の接近戦となる。
言い直せばただの殴り、蹴り合いになる事この上ないが。
( ・∀・)「殴りっこだったら負ける気はしねぇぞ」
そう言って炸裂させたのは――――
(;'A`)「アばぁ!」
上段回し蹴りだ。
真っ白。
モララーを殺す事で頭がいっぱいだったドクオは前しか見ていなかった。
それは目を見ればモララー本人にも分かる事。
その溢れる闘志を逆手に取り、ほぼ真横からの蹴りがヒットした訳だ。
相手の目線は様々な事を語る情報源である。
12 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/20(水) 23:57:34.68 ID:fsxYSS7P0
(;'A`)「ごぁ……ぺ」
変な声が出る。
頭が重い。
倒れる。駄目だ。倒れる。駄目だ。倒れる。駄目だ。倒れる……駄目だ!
(;'A`)「っと……」
執念で持ち堪えた。
二本の足はしっかりと地面を踏んでいる。
( ・∀・)「よく耐えたな……コイツは褒美だ」
ドムッ
漫画みたいだが本当にそんな音がした。
ドクオの腹に重い一撃が被さる。
他でもないモララーの拳が深い所までめり込んでいる。
(;'A`)「……ぁ……ぅ……」
( ・∀・)「一方的になんたるかってセリフ、ありゃ俺の台本だったわ、悪ぃ」
(;'A`)(俺は……俺は…………!)
(;・∀・)「っと、こんな所で遊んでる暇無かった!!さっさと内藤の馬鹿を……」
14 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 00:04:30.38 ID:nsErVg1j0
遊び……?
遊びだったのか……?
俺の決意は……なんだったんだろうか……
結局コイツ……モララーの言う通りだったのか……
(;'A`)「違う!」
(;・∀・)「なっ……テメェまだ……!!」
(;'A`)「お前は……俺が……」
(;・∀・)(ズボンの裾を……!……どこまでこの馬鹿は……!!)
(;'A`)「離さねぇ……全部ここで終わらすんだ!!」
17 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 00:06:39.30 ID:nsErVg1j0
(^o^ω^)「全部ここで終わらせてやるお」
从゚∀从「テメーが死ねば全部終わるぞ」
内藤の猛突進、引き摺られる元ちんぽっぽは緑色の肉を撒き散らす。
狙いは言わずとも糞生意気な高岡である。
从゚∀从「随分グロテスクな武器だな、何処に売ってんだ?」
(^o^ω^)「この剣は非売品ですお」
从゚∀从「剣だったんかい」
その剣とやらは高岡目掛け、振り回された。
するとスプリンクラーの様に腐肉の散弾が飛んでくる。
触れれば感染、感染すれば死ぬ。
(;´∀`)「セイ!」
モナーが盾に選んだのは下駄箱の真下、敷かれている絨毯だ。
高岡、モナー、抜け殻兄者、謎の女 計四人は軽く包み込む。
川 ゚ -゚)「おお」
从゚∀从「気が利くな」
(^o^ω^)「図に乗るなお」
21 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 00:11:40.07 ID:nsErVg1j0
从゚∀从「謎の女、お前さんはそこの馬鹿( ;_ゝ;)引っ張って逃げろ、
最初は一緒に戦って貰おうかと考えたが乗り移られたら元も子もねぇ」
やや焦るような口調で言い放つ高岡、それに対しクーが応える。
川 ゚ -゚)「そうか?私はあいつに勝つ自信があるぞ、
だって私が車で撥ね飛ばした奴なんかよりも全然――――……」
(;´∀`)「僕と、この高岡でケリを着けるから大丈夫だモナ」
ただでさえ命が懸かっている。
そこまで言われるとクーも従わざるを得なくなった。
川 ゚ -゚)「分かった、おい勝手に引っ張るぞ兄の方」
(^o^ω^)「まずは僕の許可を取れお」
もう目の前には内藤の姿。
迫る悪魔に対抗すべき力は無い。
力は無くとも人間には知恵と道具がある。
モナーは懐からビンを取り出すと悪魔へと投げつけられた。
最初から緩められていた蓋が空中で開く。
丁度内藤の顔、目の前で。
22 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 00:19:21.62 ID:nsErVg1j0
(^o;゚ω゚;)「っがぁぁあ!?」
焼けるように熱く
溶けるように苦しく
痺れるように痛む
紛れも無く酸である。
モナーがここに訪れる前に、理科室から勝手に持ち出したのだ。
(;´∀`)「高岡ァ!」
从゚∀从「合点!」
今度は鈍痛だ。
しかも頭、意識が持って行かれそうになる。
衝撃に脳が追いつかない、何をされたのかも把握し切れない。
殴られた事は確かだ。
では何で?
記憶が正しければ手ぶらだったはずである。
内藤は考える。
しかし痛みが思考を遮って何も閃かない。
从゚∀从「お前の言う通り……確かに転がってたぜ、空っぽの消火器!」
( ´∀`)「無かったらどうしようかと考えていたとこモナ」
26 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 00:25:19.77 ID:nsErVg1j0
完全に高岡、モナーのペースで事が進む。
しかしここからだ。
内藤はピクリとも動かない。
死んだのならそれに越した事は無い、が、二人――特にモナーは鮮明に覚えている。
『死』を受けた者が、他の者の『生』を奪い取るその瞬間を。
次は誰に化けるか分からない。
从;゚∀从「モナー……俺の夢は?」
(;´∀`)「ピ、ピアニスト!じゃ、じゃあ僕の夢は?」
从;゚∀从「副々AV男優!!」
(;´∀`)「ノ――――――ン!!」
どちらでもない、それがはっきりしただけでも安心だ。
内藤は死んだという事になる。
念には念を、うつ伏せになっているオワタを消火器で何度も何度も
脳味噌が出てくるまで殴りつけた。
30 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 00:28:33.72 ID:nsErVg1j0
その時――――悲鳴。
「ぎゃあああああああああああああああああ!!!!」
从;゚∀从(;´∀`)『――――――!』
先程この場を去った兄者の声だ。
まさか謎の女に内藤が取り憑いたというのか、
距離はともかく視界に映らない人間にまでも被害が及ぶというのか。
川;゚ -゚)「と、止まれ兄の方!!」
( ;_ゝ;)「弟者と……弟者と一緒に死ぬんだああああああああああああ!!」
二人の前に戻ってきた二人。
クーが必死に兄者の腕を引っ張るが非力故、強引に兄者が戻ってきてしまったのだ。
( ;_ゝ;)「何で死んだんだよだよだよだよだよだよだよだよだよだよ……」
お互い触れているので内藤じゃない。
兄者が異常なのは置いといて高岡はホッと一安心した。
从;゚∀从「良かった……」
( ;_ゝ;)「何でし、し、し、し、し、し……あ……女、お前だ……」
川;゚ -゚)「わ、私がどうした?」
35 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 00:37:19.92 ID:nsErVg1j0
( ;_ゝ;)「お前がっウッ、お前が車のっ鍵をっ……早く渡していればっ……
こんなっ!こん、こんこんなっとっにはっ!ならならならっ!」
川;゚ -゚)「う……」
もはや呂律も回らない兄者の言葉が痛かった。
今更後悔しても遅いが、自分は少し身勝手過ぎた。
(;´∀`)「内藤が死んでも……めでたしめでたしじゃ済まないみたいモナね……」
从゚∀从「……それにあとどれくらいの人間が生き残っているのかも分からないしな」
38 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 00:40:17.91 ID:nsErVg1j0
「皆さん落ち着いて下さい!」
「これ以上近づかれると困ります!!」
「お子さん達の安否が分かり次第……」
川;^o^)「何か動いているのは分かりますが……誰?誰なの!?
誰が何をしているの!!?」
川;´∀`)「モナーは無事なのおおおおおおおおお!?」
J( 'ー`)し「ドクオ……無事でいて……!!」
祈る者の願いや叫びも、場所が離れれば『キャーキャー』や『ギャーギャー』だ。
それでも自分達生徒を心配しているという事は分かる。
从゚∀从「またうっさくなってきたな……ここは一つ応答してやるか」
緑の沼は校舎から校門前まで気味悪い程広がっている。
しかし、外には出られなくとも大声で叫べば外野にも届くであろう。
(;´∀`)「うん、生きてる事を知らせたいモナ」
从゚∀从「第一声はどうしようか、無難な所で『おーい』か?
『ヤッホー』もいいかもしれんな」
(;´∀`)「『おーい』にしておこうモナ……」
41 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 00:45:20.04 ID:nsErVg1j0
(;´∀`) 从゚∀从「お――――――――い!!!」
喉が裂けんばかりに叫ぶ。
『声』。
生きている証を届けたい。
自分はここにいる。
その思いは風に乗って大勢の人間に伝わった。
川;´∀`)「モヌァ――――のごえがするよぉおぉ!!よがっだぁぁぁ!!!」
从从从;∀从从从「ウム、それでこそ我が娘!!」
J( 'ー`)し(何だこのオッサン……)
生きている子供がいる。
大人はそれだけで湧き上がった。
希望が持てた気がして、信じる思いが強くなる。
川;´∀`)「モナーが生きてるんですからモララー君も生きてますよぉ!
希望を持って下さい奥さぁん!!」
ξ;∀;)「うん!うん!」
44 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 00:47:21.18 ID:nsErVg1j0
ξ;∀;)「あいつら最高に輝いてるお!
感動し過ぎて……感動し過ぎて……」
川;´∀`)「え?」
ξ ・∀・)「ちょっと殺してくるおwwwwwwwwwwwww」
「あの……奥さん!この先に足を踏み入れちゃ……」
ξ ・∀・)「うぜwwwwwwwww」
掌を覆い被された警官は見る見るうちに、景色に溶け込んでいってしまった。
ざわめきをBGMに母は走る。
息子とその友人の息の根を止めに。
ξ ・∀・)「ヒャッホオオオオオオオゥ!!」
緑の沼を駆けて行くマダム、シュールな絵だが現実問題そいつが迫ってくるのだ。
从゚∀从「しまっ……内藤……畜生!!」
(;´∀`)「モララーのお母さん……!!」
やられた。
高岡とモナーは心底悔しかった。
マリオの残り人数は無限と考えるべきだった。
54 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 00:58:15.82 ID:nsErVg1j0
从;゚∀从「兄者!謎の女!緊急事態だ!!」
事態は一刻を争う。
高岡は振り返るとすぐさま逃げるように指示をした。
兄者と女に言ったつもりだったが、そこに立っていたのは女だけだ。
川;゚ -゚)「……すまん……止められなかった……」
从;゚∀从「んな……!」
兄者は弟者を包み込むようにして眠っていた。
自ら選んだ感染。
そっくりな顔に体型、やがて二人は一つの屍になった。
二人で一つだったのだ。
最初から最後まで二人は絆を護り切ったのである。
从;゚∀从「馬鹿か……生きなくちゃ何にもならねぇじゃねーか!!」
川;゚ -゚)「止められ……なかったんだ……私の責任だ……」
(;´∀`)「内藤がっ……内藤がもうそこまで……!!」
前に絶望、後ろに絶望。
過去に絶望で未来も絶望か。
希望が絶望だったのだ。
60 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 01:05:34.06 ID:nsErVg1j0
ξ ・∀・)「授業参観でぇすお、遅れてすみませんフヒヒ!」
今の自分は無敵そのもの、内藤は意気揚揚と登場する。
こんな芸当見せられて戦意を喪失しない奴はいないであろう。
この期に及んで歯向かうがいなくなるのかと思うと少し寂しいが。
『ゴッ』
砕けるような音。
ξ ・∀ω^)「お……ま……」
歯向かう者…………
从;゚∀从「……まいったかよ…………」
高岡の生身の拳は内藤の鼻を直撃していた。
噴き出る大量の血液、一方加害者の腕は緑に蝕まれていく。
从;゚∀从「どうせ死ぬんなら……花火くらい打ち上げてみろってんだ……馬鹿兄者」
生きなくちゃ何にもならない……しかし生きていても何にもならないのがこの状況。
内藤の鼻から真紅の花を咲かせた、高岡の命の炎は消えた。
67 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 01:16:31.24 ID:nsErVg1j0
ξ;・∀ω^)「お花……や……お鼻様ぎゃあああ!!
いだいだいだい……血ぃ止まんないおおお……!!」
川;゚ -゚)「くっ!」
(;´∀`)「高岡……ウソだモナ……」
天晴れな人生の幕引きだ。
生きる事を蹴ってまで敵に一発与えた。
たった一発、それも無意味なものになると分かっていて。
ある意味無責任だ。
高岡らしいと言えばそれまでだが、残された方はその怒りを買わなくてはならない。
ξ;・∀ω^)「これは……大罪だお……つか痛ぇ……」
痛みから逃れる方法はただ一つ。
身体を捨てる事だ。
ξ;・∀ω^)「貰うお!!」
(;´∀`)『
――――――!!
川;゚ -゚) 』
71 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 01:20:31.63 ID:nsErVg1j0
(;´∀`)「……僕じゃない……」
だとすれば
川;゚ -゚)「っ……うぅ……」
そうなる
川;゚ -゚)「ぁっ……???」
???
???
気味が悪い。
この身体は今までと違う。
『愛』とか『友情』とか下らないものは『憎悪』でねじ伏せて身体を奪った。
それは元の身体の持ち主が少しでも抵抗、対抗しようとする意思があったからだ。
では……今回のケースはどうだ?
73 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 01:25:01.77 ID:nsErVg1j0
川;゚ -゚)「こんな簡単に……?」
『するり』と、入ってしまった。
抵抗が感じられない。
自分の『憎悪』の魂を素直に受け入れたという事か。
川;゚ -゚)「それならそれでやり易いけど……ヘンな気分だお」
(;´∀`)「うっ……うぁ……」
あれだけいた周りの人間が一気に消えてしまった。
自分一人、モナーは『ひとり』が極端なまでに嫌だった。
ひとりはいやだ。
だれもまもってくれないから。
ひとりはいやだ。
だれもたすけてくれないから。
ひとりはいやだ。
なかまがいないから。ひとりじゃなにもできないから。
いままでずっとひとにくっついてきたんだから。
(;´∀`)「ひとりは……ひとりは……」
ひとりは…… 自分は一体何を呟いているのだろうか。
内藤はずっとひとりだったんだ。
今になって内藤の強さが分かった。
そんな事今分かった所でどうにもならないけど。
76 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 01:30:25.10 ID:nsErVg1j0
(;´∀`)「ごめん……なさい……」
どうにもならないけど謝った。
本当にどうにもならないだろう、それでも言わなきゃならない気がした。
川 ゚ -゚)「…………ごめんなさい?」
(;´∀;)「ごめんなさいだモナ……だって内藤はずっと一人で……
ぶつける相手がいなくて……苦しかったはずモナ……」
命乞いで言っているのではない、心からの謝罪である。
小一の時からモナーは『ひとり』を卒業した。
厳密に言えば卒業した気になっていただけだ。
その時からだ。
自分の苦しんだ分を人にも味合わせてやりたかったのは。
他人の不幸は蜜の味というか。
しかし今、モナーはひとりだ。
再び自分が不幸になった事で、自分の不幸を改めて痛感したのだ。
(;´∀;)「僕が……内藤の立場だったら……中二までなんて耐えられないモナ……
いじめに……ここまで立ち向かえなかったモナ……」
川 ゚ -゚)「いじめ……?なるほど、そういう事があったのか」
(;´∀;)「は?」
78 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 01:40:58.47 ID:nsErVg1j0
川 ゚ -゚)「いじめが原因でこんな惨事が起きたという訳か……
しかし科学的にありえんな、触れて死ぬ、身体を乗っ取るなど……」
ブツブツと独り言ばかりが口から漏れる。
モナーはタレ目を丸くして目の前の女を凝視した。
(;´∀`)「アレ……内藤……?」
川 ゚ -゚)「内藤?あぁ今入り込んできた奴か」
川 ゚ -ω^;)「おまっ……どういう事なんだお!!」
川 ゚ -゚)「私にも分からんぞ、ただお前を一目見た時も
全然怖くなかったし、負ける気もしなかったがな」
川 ゚ -ω^;)「馬鹿な……お前っ……いや無い無いありえんお!!」
川#゚ -゚)「実際有り得てるんだからしょうがないだろ!!諦めなさい!!」
川 ゚ -ω^;)「す、すみませんお」
(;´∀`)「?????」
何だコレ?
正直な感想だ。
82 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 01:46:38.40 ID:nsErVg1j0
川 ゚ -゚)「理由はあまりハッキリしていないがこれはチャンスだぞタレ目」
(;´∀`)「……はぁ?」
川 ゚ -ω^;)「クソが!身体が動かねーお!!一体どうなってるんだお!!」
川 ゚ -゚)「アレ」
と言って、指差したのはショボンの無惨な死体。
しかし重要なのはショボンではない、そいつに刺さっているものだ。
(;´∀`)「カ、カッターナイフ……?」
川 ゚ -゚)「弟の方が私を助けるために使ったカッターだ、
そいつの首から引っこ抜いて私を刺せ」
川 ゚ -ω^;)「バッ……やめるお!!クソッ離せお!!」
『離せ』という言葉のチョイス。
二人にしか分からない世界で、内藤はクーに腕でも掴まれているのだろうか。
とにかく内藤は自由がきかない状態にある。
このままクーの言う通りにすれば、内藤にとってはまさしくゲームオーバーだ。
川 ゚ -ω^;)「モナァ!!僕が可哀相じゃなかったのかお!!
苦しかったって……分かってくれたんじゃなかったのかお!!?」
(;´∀`)「そ、それ以前に人をナイフで刺すなんて……んな生々しい事……」
88 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 01:51:18.51 ID:nsErVg1j0
川#゚ -゚)「『いじめ』は出来て『殺し』は出来ないのか!?
私から見ればどっちだって大差はないぞ!!」
(;´∀`)「大差大有りモナァ〜!出来るかモナ……」
声が情けない。
彼は所詮自分一人じゃ何も出来ない人間だった。
川#゚ -゚)「話を聞く限りじゃお前がいじめに関与していたんだろう?
だったら責任を取れ!それでも男か!!」
川 ゚ -ω^;)「離せ!離せおおおおっ!!」
他の肉体に取り憑く力も封印された。
内藤はこれまでにない焦りを感じている。
(;´∀`)「僕は……っ」
言葉が詰まる。
何を伝えたいんだろう?
『僕は』何だ?
川#゚ -゚)「お前はお前だ!!」
川 ゚ -ω^;)「違う!違う!そうじゃそうじゃないお!!
これは僕の身体なんだお!支配するのは僕だお!!」
(;´∀`)「僕は……っ」
97 :
◆R38CE/IWYU
:2006/12/21(木) 02:04:13.54 ID:nsErVg1j0
(;´∀`)「人も殺したくないし自分も死にたくないモナァ――――――!!」
川#゚ -゚)「ふざけんなボケェ!!」
ふざけた回答に思わず手が出てしまった。
『パチィン』
心地の良い渇いた音が響く。
モナーの頬には綺麗な手形が残されている。
川#゚ -゚)「それじゃ何の解決にも……………………ん?」
ビンタの跡から徐々に腐っていくモナーの身体、間違いなく感染だ。
川 ゚ -ω^;)「あちゃー……お姉さん何やってんすか……」
川 ゚ -゚)「こ……殺したのか……私が……」
川 ゚ -ω^;)「感染の能力が染み付いている事を推測できなかったアンタのミスだお」
『人も殺したくないし自分も死にたくない』
改めて考えたら人間として当然の願望だ。
モナーは何一つ間違ってはいなかったのだ。
川 ゚ -゚)「私が――――……」
最終話へ
HOMEに戻る
ニュー速VIPのブーン系小説まとめ
Copyright © 2008 Boon Novel. All Rights Reserved.