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ξ゚听)ξの就職戦線異常あり!のようです
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/09(木) 00:11:04.87 ID:h8iDeLL60


ξ--)ξ「ぐう…ぐう……」
ξ゚-)ξ「むにゃ……ん?」

ξ゚听)ξ「…………はっ!」

起きるだに視線を窓に移すと、カーテンからいやに明るい光が漏れていた。
慌ててその隙間を開き、外の景色を確認する。
ああ…もう肌寒いっぽ!とか昨日テレビで天気予報のおねーさん(*‘ω‘ *)が言っていたのに。
なのに外界は陽光まぶしく燦々と光に溢れて眩しかった。まだまだ夏の野郎はしぶといらしい。
涼しくなってきたかと思うと、ふっとまた暑くなる。そんなのはこの土地の常であった。
時計を見ると、無常にも針は2つとも真上を指していた。

ξ;゚听)ξ「目覚まし止めたっけ……あれ?」

大学も3年次になれば、履修表は真っ白に近くなる。
1・2年の時に、後々楽をしようとがむしゃらにコマを取り続けた結果、結構空きが出来る。
すると1日の講義数も必然的に少なくなり、それを寝過ごすと終日暇が出来てしまうのだ。

つまり。


ξ;--)ξ「やってもたあ…………」


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/09(木) 00:12:25.85 ID:h8iDeLL60

――ツン自宅(12:04)――

学校の近くに下宿しているものの、講義のない大学など行く理由が見つからない。
サークルだって去年の夏期合宿以来、周りとソリが合わなくなって途中退部したし、
アルバイト……は今はやっていない。物欲がないので仕送りだけで賄えてしまうからだった。

ξ゚听)ξ「(1日にひとコマしか入れられないんだもんな、非効率的よねえ)」
ξ゚听)ξ「(別に教職とか取らないし、資格だって……意味あるのかしら?)」
ξ゚听)ξ「(ゼミは厳しいけど、 卒論の中間発表とかSPIの対策くらいだし)」

ξ;゚听)ξ「……………」

ξ;゚听)ξ「まあいっか!今日は暑そうだし二度寝デーよ、金曜は行こっと!」

卒論テーマ発表を先日くぐりぬけ、今週に入って抜け殻になっているのである。
いわゆるニートに近い、だらけた生活サイクルが身に染み付きつつあった。
その焦りと不安を振りほどくように、まだぬくもりの残るシーツにくるまった。

しかし、そんなバイオリズムでいられるのも学生のうちだけである。
そう、この時期誰しもに平等に立ちはだかる高い壁が目の前にそびえているのだ。
それをどう乗り越えるかと頭を悩ませる人間は、自分だけでなくきっと日本全国にいることだろう。


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/09(木) 00:13:07.32 ID:h8iDeLL60

ξ゚听)ξ「(………就職活動かぁ)」
ξ゚听)ξ「(まあ私にかかればキャリアウーマンも夢じゃ……)」
ξ-听)ξ「(オシャレな服着て…仕事して、プレゼン…会議とかカッコよく……)」

意識が飛ぶ前に携帯の液晶を見る。
いつもと変わらぬグラフィックが視界を奪っていく。


ξ--)ξ「……メール……ずっと来て…ない……な」
ξ--)ξ「……………zzZ」

眠りに落ちていく彼女を尻目に、秋の気配はじりじりとすぐそこまできていた。
季節など、あっという間に変わってしまうこともしらずに………。




ξ゚听)ξの就職戦線異常あり!のようです



100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/09(木) 00:15:13.33 ID:h8iDeLL60

――VIP大学・第2講堂(08:52)――

まだ人もまばらな、やや大きめの講義室。
いささかの喧騒を通り抜け、いつものメンツの中へ入っていく。

ξ゚听)ξ「間に合った!おっはよー」

川 ゚ -゚) 「む、おはよう」

(*゚ー゚) 「おは!今日は始業前に来れたのねw」

いつも授業に遅れがちな私と、そしてそれをいつものように迎える女友達。
変わらない日常を恨み嫉む小説や映画があるけれど、こういう普遍的さはいとおしい。
というかまあ何というか、ありがたいのだ。

ξ゚听)ξ「そら来年は必修だけで楽したいもん、落とせないわ」

川 ゚ -゚) 「だな。その課目である卒論の進み具合はどうだ?」

(*゚ー゚) 「うーん…うちはゼミゆるいしぃ、提出は来年の冬でしょ?」

ξ゚听)ξ「そう言われてみればそうね……難しく考えすぎなのかな私」

(*゚ー゚) 「ネットから引っ張ってきて上手くコピペすればいいかなって」

ξ゚听)ξ「バレないように出来るのかね……」

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/09(木) 00:16:17.80 ID:h8iDeLL60

川 ゚ -゚) 「いやいや、卒論は16年間の集大成だぞ」

ξ;゚听)ξ「えっ、16年?」

川 ゚ -゚) 「小学生から数えてな。論集にも残るうえ後輩にも見られるぞ」

ξ゚听)ξ「あんたアンケートとかも取るんだっけ?」

(*゚ー゚) 「クーちゃんしっかり者だねえ」

川 ゚ -゚) 「普通だろう。卒論は自分のためにするものだし、いざ不測に恥をかくのは自分だけだ」

(*;゚ー゚) 「うー焦ってきたしぃ……」

川 ゚ -゚) 「それでなくとも就職活動と時期がカブる。1番怖いのはどっちつかずなことだな」

ξ゚听)ξ「もう就活なんだよね……はあ」

川 ゚ -゚) 「(……)」
川 ゚ -゚)「む、それにな、しぃ。この世には提出期限という恐ろしいしきたりが……」

(*;゚ー゚)「うっ…………」


102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/09(木) 00:17:07.54 ID:h8iDeLL60

ξ゚-)ξ「…………クーゥー」

川 ゚ -゚) 「む……こほん。まあ双方長いスパンを見据え準備をしっかりすれば大丈夫さ。一緒に頑張ろう」

(*゚ー゚) 「………うんっ!」

ξ゚ー゚)ξ「ったくもう……」


( ФωФ)「はいはい皆さんおはよう、我輩そろそろ講義を始めるのだからして席につけーい」


 リンゴーン ざわざわざわわ

チャイムの音と共に、蜘蛛の子を散らしたような動きで学生達は講堂を後にしていく。
朝イチの講義ほどかったるいものはないが、なんとか意識を保って板書は取れた。
しぃは小さく愛らしい背伸びをしながら先に席を立つ。

(*゚ー゚) 「うー!おっつー!私はサークル棟行くよ!」

ξ゚听)ξ「あっ定期演奏会はもう週末だっけ、緊張はほどよくねー」

(*゚ー゚)「うんっありがとーw」

川 ゚ -゚)「む……」

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/09(木) 00:18:50.66 ID:h8iDeLL60

(*゚ー゚)
川 ゚ -゚)

(*゚ー゚)ノシ マタネ
川 ゚ -゚)ノシ マタナ


ξ゚听)ξ「さーてさて」

川 ゚ -゚)「おおツン、私は暇人だ。バイトのシフトは夜からなのでな」

ξ゚听)ξ「あらそ、私も今日は終わりなのよ。カフェで話してかない?」

川 ゚ -゚)「よかろう、では移動しようか」

ξ゚听)ξ「………ちょい話したいこともあるしね」

川 ゚ -゚)「?」

ξ゚听)ξ「ほら、込む前に急ご!」

川 ゚ -゚)「………………」
川 ゚ -゚)「(……どっちの話だろうか)」


つづく



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