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('A`)たちは水の上に生きるようです

第21話

6 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:14:28.43 ID:UZc5Tu970

第21話 「窓辺晩餐」



( ^ω^)「ショボンも食べるお、腹が減っては戦もできぬだお」

(´・ω・`)「うん・・・」

ショボンは座ったまま差し出された菓子の袋を受け取る、目はどこか空ろで視線が定まっていない

ドクオたちは思い思いの場所で、静かに昼食を取っていた


8 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:17:22.37 ID:UZc5Tu970

('A`)「・・・ハインと見張り交代してくる」

ξ;゚听)ξ「まだアンタは休んでなさいよ、あれだけ泳いできたんだから」

('A`)「あれくらいなんでもねぇよ、何もしてないほうが・・・疲れるんだよ」

(´・ω・`)「そうは言っても実際疲れてるでしょ、ベッドを引っ張りながら泳いできたんだから」

( ^ω^)「そうだお、最後にダウンしたくせに何言ってるんだお」

(´・ω・`)「どうせ僕達にできる事はもう無いんだ、休んでなよ」

('A`)「・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・見張りなら僕が代わるよ、僕は特に何もしてないし」

ショボンが木の椅子から立ち上がる


9 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:20:16.71 ID:UZc5Tu970

( ^ω^)「・・・ショボン」

(´・ω・`)「なんだい」

( ^ω^)「その・・・あせるなお、きっと二人とも無事だお」

(´・ω・`)「・・・・・・上に行ってくるよ」

ショボンはコンクリートの薄暗い階段を登っていく

屋上ではハインがオペラグラスを覗き辺りを見張っていた

(´・ω・`)「交代するよ」

背後からハインに声をかける


12 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:22:34.48 ID:UZc5Tu970

从;゚∀从「ショボンか、まだ交代しなくても大丈夫だぜ?」

(´・ω・`)「やる事がなくてね・・・何かやってた方が落ち着くんだ」

从 ゚∀从「そうか・・・じゃあ焚火に木でも放り込んどいてくれよ」

(´・ω・`)「わかった」

ショボンは黙って焚火に木をくべていく

从;゚∀从「うーん・・・」

ふと階段の降り口から声がした、見るとドクオたちが階段を登って来ていた



14 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:24:04.19 ID:UZc5Tu970

('A`)「おーい、やってるか?」

( ^ω^)「何かすることはないかお」

ξ゚听)ξ「すごい煙たいわねここ」

从;゚∀从「なんだオメーラみんな来たのかよ」

(´・ω・`)「休んでた方がいいって言ったじゃん」

('A`)「そうはいっても落ちつかねぇんだよ」

( ^ω^)「みんなで居たほうがいいんだお!」


15 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:27:00.28 ID:UZc5Tu970

ξ゚听)ξ「それで何か仕事はないの?」

从;゚∀从「いや特には・・・」

('A`)「周りを眺めてるだけでも役には立つだろ?少しは」

( ^ω^)「じゃあブーンはあっちの方を見てるお!」

ξ゚听)ξ「アタシは岬のほうかしら?あっちを見てるわね」

ブーンとツンはそれぞれの方向を見やすい場所に歩いていく

('A`)「よっと」

ドクオはショボンの足元に腰を下ろす


20 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:29:31.18 ID:UZc5Tu970

(´・ω・`)「ごめん・・・」

(;'A`)「何謝ってんだよ」

(´・ω・`)「いやなんかここは謝っておくところかなーと思って」

ショボンが申し訳なさそうな顔をして、こめかみの辺りを指で掻く

('A`)「謝る必要はねぇだろ、誰だって今の状況じゃどこかしらおかしくなるさ」

(´・ω・`)「おかしくなってる?僕」

从 ゚∀从「まぁ普段とは違うわな」

ハインがオペラグラスを覗いたまま言う


21 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:33:04.89 ID:UZc5Tu970

(´・ω・`)「・・・そっか」

('A`)「あいつら何処にいるんだろうな」

从 ゚∀从「んー・・・まぁあの二人なら大丈夫だと思うんだけどなぁ」

('A`)「今はヒートとクーを信じようぜ?」

(´・ω・`)「うーん・・・」

('A`)「わかってるだろ、何処にいるかもわからないヤツラを探しに出るのがどれくらい危険か」

(´・ω・`)「・・・・・・」

少しの間無言の時間が続く、後ろでは焚火にくべられた木がパチパチと爆ぜている

('A`)「・・・今はここで煙を上げてるのがベストだよな、悔しいけど」


26 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:39:43.24 ID:UZc5Tu970

('A`)「今は情けないが俺が無理、体力的に」

从;゚∀从「ドクオは死にかけたしな」

(;´・ω・`)「体力面だけじゃなくて、遭難とか、さっき言ったじゃないか!距離がおかしいって」

('A`)「確かに危険だな、でもいつかは何とかしなきゃいけないだろ?」

从 ゚∀从「その通りだな」

('A`)「でだ、この屋上にはおあつらえ向きのもんが都合よくある」

ドクオが階段裏の方を顎で示す

(;´・ω・`)「それ本気で言ってるの?」


28 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:43:04.42 ID:UZc5Tu970

从;゚∀从「水がたまるんなら、水が入ってこないって事じゃね?」

('A`)「何かやってないと落ち着かないんだろ?ちょうどいいじゃねーか」

ドクオが立ち上がり、ショボンの方を向く

(´・ω・`)「・・・うーん」

('A`)「とりあえずでいいからやってみようぜ?」

(´・ω・`)「・・・わかったよ、とりあえずやってみよう」

从 ゚∀从「何でも頭のなかで結論出しちまうのがショボンの悪い癖だな」

(;´・ω・`)「う・・・」

('∀`)「ちょっとはブーンを見習ったほうが良いんじゃねーのwww」

(;´・ω・`)「うぅ・・・」


30 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:45:52.38 ID:UZc5Tu970

从 ゚∀从「さっそくブーンと一緒に『ブーン』って言いながら走り回ってきたら何か変わるんじゃね?ww」

ハインがくっくっく、と笑いながら言う

(´・ω・`)「・・・そうだねぇ、僕にはいきなり窓から飛び込んでいくなんて真似はできないからねぇ」

从*゚∀从「う、うっせーなバカ!」

('A`)「何の話?」

(*´・ω・`)「ああ、それがねぇ、ドクオたt」

从;゚∀从「うわあああああああああああああああああああああ!!!」

(;'A`)「なんだよ、急に大声出すなよ」


31 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:48:36.65 ID:UZc5Tu970
从;゚∀从「あ、わりぃ」

(;'A`)「心臓が止まったじゃねーか」

从;゚∀从「それお前死ぬんじゃね?」

(´・ω・`)「心臓に悪い、でしょ」

('A`)「ギャグだよギャグ」

从;゚∀从「もうお前らくだらねー事言ってないでさっさと取り掛かれよ」

(´・ω・`)「ふふ、まぁあの事は黙っておいてあげるよ、じゃあドクオ早速ボートの修理に取り掛かろうよ」

('A`)「?まぁ、そうするか、ハインここは任せた」

そう言ってショボンとドクオは並んでボートの方に歩いていく

从;゚∀从「あの野郎・・・」

(;^ω^)「ハイン、大声あげてたけど何か見えたのかお!」

ξ;゚听)ξ「何かあった!?」

从;゚∀从「あー・・・なんでもない」




34 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:51:20.21 ID:UZc5Tu970



まぶしさを感じてそっと目を開ける

ヒートが目を覚ますと、視界には青空がいっぱいに広がっていた

その真ん中では太陽が燦々と輝いている

ノハ;゚听)「あっれええええ!??」

勢いよく起き上がり、辺りを見渡すヒート

周囲には古びた神社と、そして何処までも続く水平線

ノハ;゚听)「なんだこれええええ!!?」

驚愕の眼差しで辺りを見渡す

ノハ;゚听)「と、取りあえずここは海神さんだよなああ!?」


36 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:53:52.16 ID:UZc5Tu970

ズキズキと痛む頭をさすりながら建物をよく見てみると、庇の下の看板に「海神神社」と書いてある

しかし周りには一面水が広がっていて、低い石垣の上の神社の敷地だけが水面に出ている状態になっていた

海神神社に来ると必ずいるカモメや野良猫の姿も無い

ノハ;゚听)「うーん・・・まだ酔ってるのかぁああ?」

色々と考えるがなぜ自分がこんなところにいるのか分からない

昨日は確かに秘密基地でみんなで寝たはず、とヒートは思う

ノハ;゚听)「昔おねいちゃんにお前は寝相が悪すぎて異次元まで転がっていきそうだ、とか言われたけど・・・!?」


38 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:55:41.81 ID:UZc5Tu970

少しの間、腕を組んで考える

ノハ*゚听)「そうか!これは夢だあああ!!!」

納得して、ぽんと手を叩く

ノパ听)「それにしても変な夢だなあああ!」

石垣にそって四角く神社の周りを一周してみるが、やはり何処を見ても水平線が広がっていた

ノハ;゚听)「・・・暇だなぁ!」

辺りを眺めるのに飽きたヒートは、拝殿の階段に座り、足元の小石を投げてみる

水に落ちた小石はきれいな丸い波紋を何重にも水面に作っていった

ノパ听)「・・・・・・おお・・・」


40 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:57:35.46 ID:UZc5Tu970

しばらくそうして遊んでいたが、やがてそれも飽きたようで、ヒートは薄暗い拝殿の中を覗き込んでいた

ノパ听)「昔から中が気になってたんだよな!」

古びた木の扉を開くと、中からすえたホコリの匂いが漂ってくる

ノハ;゚听)「おお・・・!」

拝殿の奥には大きな赤い布が敷かれた台があり、その上に鈍く輝く円い鏡が置かれていた

中に入り部屋の中を見渡すと、壁の上のほうには大きな絵馬が飾られていたり、古い漁具が奉納されていたりした

ノハ;゚听)「なんか・・・」

背筋に冷たいものを感じたヒートは足早に外に出て、拝殿の扉を閉める


42 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 21:59:46.12 ID:UZc5Tu970

ノハ;゚听)「駄目だ、なんか駄目だ!」

一度深呼吸をして息を整える

もう一度周りを見ると、空が茜色に染まって来ていた

赤い太陽が、分からないほどゆっくりではあるが、水平線に近づいていく

ノハ;゚听)「うーん・・・?夢の中で寝たらどうなるんだぁ!?」






44 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:02:07.91 ID:UZc5Tu970



(´・ω・`)「さて、この廃船をどうやって修理したらいいと思う?」

('A`)「とりあえずは何処に穴があるか探さないとな、あとは船体の補強だ」

風呂代わりにしていたボートから水を掻き出し終えた二人は、ボートの修理について話していた

辺りは既に日が落ち、空には大きな満月が昇っていた

屋上では一つだけ残された焚火の明かりが二人とボートを照らしている

(´・ω・`)「中に水を入れて大丈夫だったんなら、そんなに大きな穴とかは無いんだよね」

('A`)「でも万が一にも途中で沈まれたりしたら事だからなぁ」

(´・ω・`)「うーん・・・とりあえず中のビニールはがしてみる?」

('A`)「そうだな、そうすっか」


45 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:05:25.00 ID:UZc5Tu970

ボートの内側に敷いてあった黒いビニールをはがす

所々に擦れてできただろう穴が開いてしまっていた

('A`)「あー、これはまずいな」

(;´・ω・`)「やっぱり穴探ししないと駄目だね、ビニール取ってから水を出せばよかったよ・・・」

('A`)「んー・・・まぁでっかい穴は見当たらないからな、何とかなるとは思うんだが」

从 ゚∀从「おう、お前ら、食いもんもって来たぜ」

ハインが階段を登ってくる、手には缶詰を載せた板を持っていた



47 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:07:48.13 ID:UZc5Tu970

(´・ω・`)「ブーンの缶詰だね」

从 ゚∀从「まさか役に立つとはなw」

(´・ω・`)「ひょうたんから駒というかなんというか・・・」

从 ゚∀从「ドックンー、豪華ディナーだぞー」

('A`)「んー・・・穴・・・穴が」

ドクオはハインに気づかずに、船体の表面を調べている

从;゚∀从「おい、スルーすんなよ、恥ずかしいだろ」

(;'A`)「お、ハインか」


48 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:10:35.81 ID:UZc5Tu970

从;゚∀从「お、ハインか、じゃねえよ、ほら食いもん」

ドクオに缶詰と割り箸を押し付ける

('A`)「おぉ、サンクス」

从 ゚∀从「何ブツブツ言ってたんだ?」

('A`)「いやー、船の何処に穴が開いてるのかよく分からなくなっちまってな」

(´・ω・`)「先に水を出しちゃったしね」

从 ゚∀从「なるほどな、そんじゃあもう一回水汲めばいいんじゃね?」

('A`)「だが断る、いったいバケツ何杯持ち上げればいいと思ってやがる」

(´・ω・`)「水入れてたら作業もできないしね」


51 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:13:05.78 ID:UZc5Tu970

从 ゚∀从「ふーん・・・、とりあえずメシ食えよ」

そう言ってハインは床に座りこみ、缶詰を開ける

('A`)「なにお前もここで食うの?」

そういいながらドクオもハインの向かいに座る

从*゚∀从「な、なんだよ別にいいじゃねーかよ、それに」

ハインは階段のほうをチラリと見る

从 ゚∀从「ブーンとツンに気ぃ使ってやったんだよ」



52 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:16:07.54 ID:UZc5Tu970

('A`)「ああ、なるほどな、あいつらいつも夜は一緒に食ってるらしいしな」

从 ゚∀从「ちょっとした日常をプレゼントしてやった訳だ」

(´・ω・`)「日常ねぇ・・・で、僕もここで食べていいんだよね?」

ショボンが二人を見下ろしながら言う

从;゚∀从「お、おう、ゆっくりしてけよ・・・」

('A`)「タクアンの缶詰は無いかね」

从;゚∀从「そんなもんはねーよ」

('A`)「そうか・・・うまいらしいのに、タクアンの缶詰」

ブーンの缶詰は普通のみかんの缶詰や、鯖の缶詰だった



54 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:17:35.55 ID:UZc5Tu970

(´・ω・`)「まぁあるだけましさ、ありがたくいただこうよ」

そう言ってショボンがみかんの缶詰を箸で食べ始める

从 ゚∀从「お前ら食い終わったら今日はもう寝たほうがいいぞ」

('A`)「だが断る」

ドクオが箸を止めて言う

(´・ω・`)「・・・クーとヒートは夕食すら取れてないかもしれないんだよ」

从 ゚∀从「・・・だからってお前らが体調崩したら助けに行けるもんもいけなくなんだろうが」

ハインが諭すように言う、いくらか怒気も混じったような声だった



56 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:20:23.92 ID:UZc5Tu970

('A`)「・・・キリのいいとこまでやったら寝るわ」

(´・ω・`)「そうだね、せめて船体の穴くらい塞ぎたい」

从 ゚∀从「・・・お前ら・・・」

(´・ω・`)「お願いだよ、これだけはやらせてよ」

少しの間、沈黙が続く

从 -∀从「・・・・・・わかった」

从 ゚∀从「但しお前らがちゃんと寝るかオレ様が監視しとくからな」



57 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:22:19.16 ID:UZc5Tu970

('A`)「お前は寝れ」

从 ゚∀从「だが断る」

(;'A`)「寝r」

从 ゚∀从「だが断る」

ハインが遮って言う、その瞳にははっきりとした決意が込められていた

(´・ω・`)「ドクオ、言っても無駄だと思うよ」

('A`)「・・・ほんとにしょうがねぇ奴だなお前は・・・」

うなだれながらドクオはため息をつく

从;゚∀从「お前に言われたくねーよ」



60 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:25:14.76 ID:UZc5Tu970




ξ゚听)ξ「ハイン遅いわね」

( ^ω^)「上でドクオ達と食べてるんじゃないかお?」

ξ゚听)ξ「そうかもしれないわね」

ブーンとツンは月明かりの差し込む窓辺で食事を取っていた

( ^ω^)「ブーンの秘蔵の缶詰だお、ありがたくいただけおwww」

ξ゚听)ξ「はいはい、ありがとうございますー」

ツンは長い円筒形の缶を手に取る、ラベルを見てみると「パンの缶詰」と書いてあった

脇には茶色のおいしそうなパンの写真がプリントされている


62 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:26:57.59 ID:UZc5Tu970

( ^ω^)「おっおっwwそれは秘蔵中の秘蔵の一品だおww」

プルトップを引き、金属の蓋を開けてみると中にはやわらかいパンが詰まっていた

( ^ω^)「ブーンも中身を見るのは初めてだお」

ξ゚听)ξ「うっわーほんとに普通のパンじゃない、凄いわね」

( ^ω^)「早速食べてみるおwww」

缶の中からパンを引きずり出し、半分にちぎる

( ^ω^)「どうぞだお!」

ξ*゚听)ξ「ありがと」


64 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:28:56.46 ID:UZc5Tu970

( ^ω^)「おいしいお!」

ξ゚听)ξ「これ何処で買ったの?」

( ^ω^)「Amazonで買ったおwww」

ξ;゚听)ξ「通販で缶詰買うやつもなかなかいないわよ」

( ^ω^)+

ξ;゚听)ξ「ほめてないから」

(;^ω^)「そうですかお」


65 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:31:31.87 ID:UZc5Tu970

ξ*゚听)ξ「なんか、こうやってアンタと二人で夕食を食べるのも久しぶりね」

(;^ω^)「そうかお?一昨日も一緒に食べたお?」

ξ*゚听)ξ「そ、そうだったかしら?」

(;^ω^)「そうだお、きっといろいろあったからすっごく前に感じるんだお」

ξ゚听)ξ「そうかなぁ」

( ^ω^)「きっとそうだお」

ξ゚听)ξ「・・・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・」

ξ;凵G)ξ「またブーンの家で、いっしょにご飯食べられるかなぁ」

突然、堰を切ったようにツンの大きな目から涙が溢れ出す



68 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:33:16.77 ID:UZc5Tu970

(;^ω^)「ちょ、ツン・・・?」

ξ;凵G)ξ「・・・・・・」

ツンはひざに顔をうずめて静かに泣き続ける

(;^ω^) (ドクオー!ショボンー!助けてくれおー!)

心の中で助けを求めるブーン、しかし助けが来る様子は無い

(;^ω^)「ツン?ツンちゃーん?泣かないでおー、泣き止まないとツンの缶詰食べちゃうおー?」

ξ;凵G)ξ「死ね・・・」

(;^ω^) (・・・・・・死ねって言われたお・・・)


70 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:36:21.96 ID:UZc5Tu970

ブーンは改めて泣いてるツンの姿を見る

気の強い彼女が泣いているところなんていつ振りに見ただろうかと思った

( ^ω^)「お・・・・・・」

ブーンには小柄な幼馴染が、普段よりもずっと小さく見えた

( ^ω^)「ツン、大丈夫だお、ブーンが何とかして見せるお!」

ツンの前にしゃがみ、綺麗な金色の髪をやさしくなでる


72 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:38:57.72 ID:UZc5Tu970

ξ;凵G)ξ「なんとかって何よ・・・」

( ^ω^)「何とかは何とかだお!ツンはブーンに任せておけばいいんだお!」

ξ゚听)ξ「・・・・・・」

( ^ω^)「どんとこいだお!」

ブーンは自分の胸を叩いて見せる

(;^ω^)「グハっ!水月に入ったお!」

自分の拳でむせるブーン

ξうー゚)ξ「何やってんのよ、アンタはw」

ツンが涙を手でぬぐいながら笑う


75 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:40:43.40 ID:UZc5Tu970

( ^ω^)「お、ツン元気出たかお!流石のブーンに任せろおwww」

( ^ω^)+

ξ゚ー゚)ξ「そんなんじゃちょっと任せられないわねぇw」

(;^ω^)「お?失礼なwww」

ξ゚听)ξ「やっぱりアンタにはアタシがついててあげないと駄目なようね!」

(;^ω^)「ブーンを舐めるなお・・・やればできる子だお」

ξ;゚听)ξ「やればできるって言う奴が一番駄目なのよ・・・」


77 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:44:12.77 ID:UZc5Tu970

(;^ω^)「ぬぅ・・・」

ξ*゚ー゚)ξ「でも・・・」

( ^ω^)「お?」

ξ*゚ー゚)ξ「ありがとうね、ブーン」

(*^ω^)「おー・・・・・・」

ツンの笑顔に一瞬見惚れてしまう

(*^ω^)「・・・・・・なんだか照れるおww」

ξ///)ξ「そ、そうねw」






80 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:46:48.28 ID:UZc5Tu970



ドクオたちが廃ホテルで夕食を取っている頃、ヒートは一人夜空を見上げていた

ノハ;゚听)「眠れないぞおぉ」

既に太陽は沈み、月明かりだけの暗がりで、ヒートは一人地面に転がっている

日が沈みかかってきた頃からこうして眠りにつこうと努力していたのだが、一向に眠れる気配が無い

それどころか目がさえてきたような気さえする

ノハ;゚听)「おっかしぃなぁー?」

夢のはずなのに・・・とヒートは思う

ノハ;゚听)「・・・・・・夢、のはず・・・」



83 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:50:50.88 ID:UZc5Tu970

夢でなければこんな事がありえるはずが無い

自分に言い聞かせるようにもう一度繰り返す

ノハ;゚听)「へ、変な夢だなぁ!」

急に自分の周りに広がる景色が怖くなり、寝返りをうってうつぶせになってみる

ノパ听)「ん?」

ポケットの中に何か固い感触があり、手を入れてみる

中から出てきたのは小さなキャラメルの箱だった

ノパ听)「これは・・・!」



85 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:54:50.13 ID:UZc5Tu970

ノパ听)「ドクオから貰ったキャラメル・・・?」

箱を調べてみると、中身はしっかり入っていた

起きてから何も口にしていなかったので、ひとつ取り出して包装紙をはがし口の中に放り込む

ノパ听) (・・・・・・おいしい)

口の中に甘いキャラメルの味が広がる

ノパ听)「・・・・・・」

甘いキャラメルが、ヒートの心にいっとき広がった不安を抑えてくれた


86 : ◆ct9JfRCXVU :2009/05/03(日) 22:57:28.60 ID:UZc5Tu970

ノハ*゚听)「なんとかなるだろおおおおお!!」

大きな声で寝転んだまま空に向かって叫ぶヒート

ノパ听)「よし!とりあえず寝よう!」




空には無数の星が瞬き、大きな満月が浮かんでいた


第21話 「窓辺晩餐」 おわり



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