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( ^ω^)心のままに、のようです


第16話

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:13:57.75 ID:GdYm5+v70

第十六――嫌だ!止めてくれお!!うわぁぁ!!

 いないの・・・何処?何処にいるの?―z

ブーン!!ブーーン!!!

       ―お前か、お前がぁぁああ・・・!!



あはは、あははははは!!!真っ赤!真っ赤よ!!
あはh―――


―第十六話 狂乱のシンフォニー 前夜祭

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:14:57.88 ID:GdYm5+v70
ブラウン管からは、何処か別の世界のようなドラマが繰り広げられている。

('A`)「っかー、つまんねぇ、何が、『好きだ、結婚しよう』、だよ」

丁度いいところまで話が進んだとき、ドクオが口を開いた。
画面には、先ほどその言葉を伝えた男が、思い人であろう女を抱きしめている。

(´・ω・`)「・・・ちょっと、静かにしてよ。面白いところなんだから」

そんなドクオの発言に、ショボンが怒りを露にした言葉を投げかける。
それを聞いたドクオは、へいへい、と、方を上げた。

( ^ω^)(僕も、いずれ、クーにああ言いたいお・・・)


現在、僕の家。ドクオとショボンは、僕の家に遊びに来ている。
時刻は夜の九時半を指している。

('A`)「・・・それより」

ふいに、どこか真剣な声を上げるドクオ。
何だ、と思って顔を見ると、すぐさま口が動いていた。

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:15:58.46 ID:GdYm5+v70
('A`)「ツンは、まだ出てこないのか・・・?」

( ^ω^)「おっ・・・みたいだお」

答え、ふいに廊下を見る。
あの廊下を少し行けば、僕と、ツンの部屋へとたどり着ける。

( ^ω^)(・・・さて・・・)

どうなるだろうか。

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:17:00.48 ID:GdYm5+v70
 
 
ξ゚听)ξ『何で、居るのよ・・・』

('A`)『いや、まぁ・・・』

(´・ω・`)『遊びにきたんだけども・・・ねぇ?』

ツンが帰宅してきたのは、いつもより遅い七時だった。
何処かへ行っていたのか、と思うが、先ほどモララーから着信があったから、大体は見当ついている。

( ^ω^)『何か、いけなかったのかお?』

少し、強い姿勢でツンに話しかけてみた。
だが、流石はツンである。と、言うのも、全然効果など無いからだ。

ξ゚听)ξ『・・・別に』

( ^ω^)『(エリカ様うぜええええ)そうかお、んじゃぁ、飯、作ってくれお。
      今日は、ツンが当番だお』

僕がそういうと、ツンは返事もせずに、キッチンへと向かっていった。

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:17:57.84 ID:GdYm5+v70
オカシイ。
何だか、ツンの様子が、変な気がする。
だが、ドクオとショボンは、それには何の反応も示していない。
僕の、勘違いだろうか?分からない。
だが、長年の勘から、どこかオカシイと、感じた。

しばらく、僕等は料理が出来るまでリビングで寛いでいた。

(´・ω・`)『ツンの手料理か・・・初めてだなぁ』

('A`)『なぁ、ブーン。ツンの料理は美味いのか?』

二人は、ツンの料理を食べれることに、いくらか感動していたようだ。
ドクオにそう聞かれると、僕は、少しだけ自慢するように答えた。

( ^ω^)『おっ!美味いに決まってるお!小さい頃から料理してんだお!
      我ながら、いい妹をもってるお』

が、少しだけ、妙な気分になる。
いい妹、か。それは、決して今のツンを言っている訳ではない。
そう、前までのツンの事を言っているのだ。

('A`)『マジか!あぁ、早く食いてぇなぁ』

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:18:58.06 ID:GdYm5+v70
そんな僕の気も知らず、ドクオは涎を袖で拭う動作をした。
ドクオよ、君はあれほど邪険にしていたのにも関わらず、何と言う変わり身の早さだ。
それだけは、感心できてしまった。

ξ゚听)ξ『はい、どうぞ』

それからしばらくすると、机には料理が並んだ。
今日のメニューはご飯、肉じゃが、鮭の塩焼き、サラダ、味噌汁だ。
嗚呼、流石はツンだ。和食も十分に素晴らしい出来だ。だが―

(;^ω^);'A`);´・ω・)『・・・・・・』

机の上には、僕と、ツンの分しか、出ていない。

(;'A`)『あのぉー・・・ツンさん・・・』

ξ゚听)ξ『何?』

(;´・ω・)『僕達の分は・・・』

ξ゚听)ξ『あるわけないじゃない』

(;'A`);´・ω・)『あ、そうですよね。分かります・・・』

そんな彼等は、どこか寂しい顔を作っていた。
これには流石の僕でも怒れてくる。

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:19:57.46 ID:GdYm5+v70
(;^ω^)『ツン!馬鹿なこと言うなお!早く、ドクオ達にも作ってあげr―』

ξ# )ξ『五月蝿い!!』

バン、と。机を叩いたツン。

ξ# )ξ『あんた達、いつまでいる気なのよ!帰ってよ!私は、お兄ちゃんと食べるのよ!!
       帰って!帰れ、帰れぇ!!』

パシン、と。乾いた音が響く。
それは僕の手が、ツンの頬に叩きつけられたからだ。

( #゚ω゚)『っ―いい加減にしろお!!!』

ξ;凵G)ξ『っ・・・』

続けて、僕が叫ぶと、ツンはリビングを出て行ってしまった。
どこかで、バタン、という音が聞こえたので、自室に戻ったのだと分かった。

(  ω )『・・・すまんお、二人とも・・・』

場には、ただ静寂が響いていた。

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:20:58.26 ID:GdYm5+v70
 
 
それから今に至るまで。
僕は二人にも料理を作ってやると、何故か急いで食べ終え、皆でテレビを見ていた。

( ^ω^)「それより、二人とも。やっぱり、今日は止まって行くのかお?」

ドラマはいつの間にか終わっていて、CMが流れている。

('A`)「あぁ、もちろん。じゃないと―」

(´・ω・`)「―作戦の意味が、なくなるからね」

分かったお、と答えて頷いた僕。

( ^ω^)「上手く、行けばいいお・・・」

僕が呟くと、二人は、ただ、静かに頷いた。


どこかで、変な音が聞こえる。
いや、意外と近いのだ。それは、僕の心の音。
人は、危機を察知する能力があるという。それが真実かどうかは知りはしない。
ただ、何故か僕の心の中、鳴り止まない警笛が、駆け巡っている。
落ち着かない。何かがある。おかしな気分。

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:21:57.49 ID:GdYm5+v70
(( ^ω^))(?・・・何だお・・・?)

何故か、体が震えてくる。
一瞬、地震か?と思うも、家具は揺れていない。
ふいに、テレビを未だ見ているドクオとショボンを見てみるが、どこも可笑しな点は無い。
少し安心するも、それでも震えは止まらない。
いつしか、手には汗が浮かび、背中を冷や汗が満たす。
手足は氷のように冷たくなり、息も何処か不安げな音を発している。
何だ、何が起こっている。

まさか、料理に何かが入っていたのか?と、考えるも、それだけはないと思う。
と、いうのも。ツンは無闇矢鱈には、僕を危ない目には追い込まないだろう。
では、一体何だろうか。この、心を、体を不安に陥れるものは、何だろうか。
どことなく、部屋も暗く感じてきた。
いや、電気はついている。雰囲気だ。まるで、この家を覆うような、冷たい雰囲気が
所狭しと駆け巡っている。

((;^ω^))(な、何なんだお?・・・怖いお・・・)

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:22:58.27 ID:GdYm5+v70
不意に、体を動かそうとするも、まるで金縛りにあったように、動かない。
それは、恐怖という拘束具に体を縛り付けられているような、そんな感覚。


どこか、近いような、遠いようなところで。

バタン、と。扉が閉じた音が聞こえた。


ドクリ、と。心臓が早鐘を打つ。心の警笛はますますけたたましくなる。
眼が見開かれる。


トン、トン、と。歩く音が聞こえてくる。

此処を、リビングに向かってきている。


眼が、入り口に向かった。


歩く音が、止んだ。


ツンが、立っていた。

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:23:57.44 ID:GdYm5+v70
 
 
ξ゚听)ξ










ξ゚∀゚)ξ

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:24:57.65 ID:GdYm5+v70
 
 
騒がしいのだろう。うん、きっとそうなのだ。
だが、何故か音は僕には伝わらなく、それでも振動だけは感じる。

ドクオが、倒れた。
ツンを抑えようとしていた風に見えたが、唐突に倒れこんだ。
よくよく見ると、彼の腹部から何かが溢れ出ている。
呻いているのだろうか、その振動も感じた。

ショボンが、ツンに寄りかかった。
何故か、足に力が入っていないようで、ガクガクと震えている。
ツンが、ショボンを押した。
その勢いに、ショボンが倒れた。
見れば、仰向けになった彼の腹に、銀色の突起が飛び出ていた。

次第に、僕に機能が取り戻されてきた。
音が聞こえる、匂いが立ち込める、声が出る。

嗚呼、何故、こんなにも、真っ赤な部屋なのか。

震えていた体は、いつしか止まらなくなっていた。

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/26(水) 16:25:58.18 ID:GdYm5+v70
( ;ω;)「あ、あ、あ、あ」

ドクオと、ショボン。
二人から、血が、溢れ出ている。

( ;ω;)「うわぁああああああああああああ!!!!」


何処かで、割れるような、そんな音が聞こえた。
何となく、それが。僕の心なのだと、分かった。


第十六話 終


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