ブーン系小説をまとめて紹介しているサイトです
HOME
|
問合せ
('A`)たちは水の上に生きるようです
第15話
8 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:05:41.12 ID:0BgVEozn0
第15話 「夕餉炊爨」
日が暮れていく中、ドクオたちは夕食の準備をしていた、廃墟の中に心地よいリズムで包丁の音が響く
しかし、その傍らには涙をぬぐう茶髪の少女の姿があった
从 ;∀从「うぅ・・・ぐ・・・」
ハインはタマネギを切りながら号泣していた
(;'A`)「何ベタな事やってんだよ・・・」
かまどに薪をくべながら呆れた声でドクオが言う
从 ;∀从「う、うるせー!こっち見んなぁ!」
10 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:06:27.20 ID:0BgVEozn0
川;゚ -゚)「ハイン大丈夫か?」
从 ;∀从「大丈夫に見えるかぁ!?なんだよこのタマネギ!」
川;゚ -゚)「ごく一般的なものだと思うが・・・そんなに顔を近づかせて切るからだと思うぞ?」
从 ;∀从「慣れてないんだからしかたねーだろ!」
川;゚ -゚)「そうか、じゃあ私がタマネギをやるからハインはトマトとレタスでも切っていてくれ」
从 ;∀从「わかった・・・」
そういってハインは包丁を木の俎板にに置き、両手の甲で涙をぬぐう
12 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:08:06.12 ID:0BgVEozn0
('A`)「お前が泣いてる所とか久しぶりに見たわ、5回目くらいか?」
从;゚∀从「うっせーよ、今のはノーカンに決まってんだろ!?」
('A`)「はいはい、ノーカンノーカン」
从;゚∀从「なんかむかつくなぁ・・・」
川 ゚ -゚)「じゃれあってないで仕事をしてくれないか、ヒートなんか凄いぞ?」
ノパ听)「うおおおおお!!!とおおおお!!!」
テーブルの端に目をやると、ヒートがものすごい勢いでニンジンの皮を剥いていた
剥かれたオレンジ色の細長い皮はひらひらと足元のゴミバコに吸い込まれるように落ちて行く
13 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:09:19.27 ID:0BgVEozn0
从;゚∀从「おお・・・」
(;'A`)「なんか昔あった『中華一番』みたいだな」
从;゚∀从「あの蓋を開けると料理が発光するアニメか」
川;゚ -゚)「あのアニメは素晴らしかったな、というかどうでもいいから仕事をしろ」
从 ゚∀从「じゃー上からオレ様は野菜取って来るわ」
そういってハインは階段を駆け上ってく
('A`)「釜を監視するぜ!」
川 ゚ -゚)「釜というか・・・ツンを監視して欲しいんだがな・・・」
クーが小さな声でドクオに囁く
14 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:10:20.86 ID:0BgVEozn0
(;'A`)「うーん・・・でも見たところ水の量とかは普通だったし、大丈夫だろ」
川 ゚ -゚)「そうか、じゃあ私はタマネギを切ってこよう」
そういってクーもテーブルに向かう
('A`) (やることねぇな)
ノパ听)「とあああああ!!!せりゃあああ!!!」
15 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:13:06.31 ID:0BgVEozn0
ノパ听)「はああああ!!!」
('A`) (うわー、ホントすげぇな・・・)
ノハ*゚听)「たあああ!・・・その・・・ドクオ」
目にも留まらぬ速さで動いていたヒートの手の動きが突然止まる
(;'A`)「え?何?」
ノハ*゚听)「その…あんまりじっと見られると緊張しちゃうぞぉ・・・!」
(;'A`)「ああ、悪いあんまりヒートの包丁捌きが凄かったんでな」
ノハ*゚听)「そ?そうかぁ?」
ヒートが照れくさそうに耳を掻く
17 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:16:42.57 ID:0BgVEozn0
('A`)「ヒートは料理うまいんだな、知らなかったわ」
ノハ*゚听)「そそそそれほどでもないぞおお!!!」
そういいながらヒートはまたせわしなく包丁を動かし始める、今度は鼻歌まで聞こえてくる
ノハ*゚听)「フフフフーンフーン♪フフフフーンフーン♪」
(;'A`) (ワルキューレの騎行だと・・・)
(;'A`) (っていうかまな板まで切れてねーか!?)
19 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:17:35.39 ID:0BgVEozn0
ショボンとブーンは五階で寝床を作る作業をしていた
ガラスの無い窓からはもう茜色になった光が部屋の奥にまで差し込んできている
( ^ω^)「蚊帳って使ったことないお」
(´・ω・`)「まぁ大体の人はそうだろうね」
( ^ω^)「なんでクーはこんなもの持ってたんだお」
(´・ω・`)「クー達の家は昔から島に住んでる家だからね、倉にでもあったんじゃない?」
( ^ω^)「たしかにクーとヒートの家は年季が入ったお屋敷だお」
(´・ω・`)「庭に池まであるくらいだしね、さあ、早く終わらせようよ」
( ^ω^)「了解だお」
21 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:19:51.81 ID:0BgVEozn0
从 ゚∀从「お、やってんな!」
( ^ω^)「ハイン何しに来たお?」
从 ゚∀从「ちょっと上に野菜を取りにな」
(´・ω・`)「なんか目が赤くない?」
从;゚∀从「そ、そうか?ちょっとタマネギ切ってたからな」
( ^ω^)「タマネギは目にしみるお」
从 ゚∀从「そうなんだよ・・・まったくひどい目にあったわ」
(´・ω・`)「それは大変だったね」
从 ゚∀从「まったくだぜ・・・泣き顔見られちまうしよ・・・」
ハインがポツリともらす
23 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:22:37.83 ID:0BgVEozn0
从;゚∀从「じゃ、オレ様野菜とってくっから!」
そういってハインは屋上への階段を登っていった
(´・ω・`)「・・・さて、仕切りなおしてはじめようか」
( ^ω^)「了解だお!やっとこさ蚊帳だお」
床には既にビニールシートを広げてその上に畳を並べて敷いてある、あとは上に蚊帳を張るだけだ
( ^ω^)「・・・ショボン」
(´・ω・`)「なんだい?」
( ^ω^)「・・・蚊帳って一つしかないお、ってことはみんな一緒に寝るのかお?」
(;´・ω・`)「う〜ん・・・、男は外で寝ろ、とか言われなければ一緒じゃない・・・?」
25 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:24:47.03 ID:0BgVEozn0
(*^ω^)「・・・一緒かお」
(;´・ω・`)「何顔を赤らめてるんだよ・・・いいからそっちのはじっこ持ってよ」
(;^ω^)「わかったお」
クーの持ってきた蚊帳は10畳ほどもある大きなもので、深い緑色をした麻糸で編まれている
ショボンとブーンは蚊帳の角についている釣り下げ用の紐をビニール紐で延長し、コンクリートの柱に結び付けていく
10分ほどで畳の上に直方体の蚊帳が張り終えられた
( ^ω^)「さっそく入ってみるおww」
ブーンが細かい網目の麻布をめくり、蚊帳の中に入る
(;^ω^)「お?仕切りがついてるお?」
(´・ω・`)「どれどれ?」
27 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:28:23.48 ID:0BgVEozn0
ブーンの言う通り、蚊帳の真ん中には外側と同じ布で仕切りがつけられていた
(´・ω・`)「ほんとだ・・・でもこれなんか・・・?」
(;´・ω・`) (あきらかに素人が縫った跡があるんだけど・・・)
(;´・ω・`) (って言うかこの蚊帳って二個を一個につなげてある!?)
( ^ω^)「どうしたお?」
(;´・ω・`)「え?なんでもないよ、蚊帳も張り終えたし下に行こうか」
( ^ω^)「そうかお?じゃあ下に行くお」
(´・ω・`)「カレー作りでも見てようよ」
(´・ω・`) (誰がやったんだかねぇ)
ショボンは蚊帳を振り返り、一人クスリと笑っていた
29 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:30:58.46 ID:0BgVEozn0
ノパ听)「タマネギを!炒めるぞおおお!!」
ヒートはかまどの上の大きな鍋に油を引き、みじん切りのタマネギをまな板から落とす、
隣の釜からはボコボコと米が沸く音が聞こえてくる
('A`)「火加減ってどんくらいにしたらいいんだ?」
川 ゚ -゚)「最初はタマネギをじっくり炒めたいから弱火だな」
ξ゚听)ξ「へー、そうだったのね」
(;'A`)「・・・そうだった・・・ね」
川;゚ -゚)「まぁあまり触れてやるな」
32 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:33:49.35 ID:0BgVEozn0
( ^ω^)「いいにおいがするお!」
(´・ω・`)「蚊帳、張り終わったよ」
ノパ听)「お疲れ様だぞおおお!!」
ξ゚听)ξ「お疲れ様」
从 ゚∀从「野菜取ってきたぜー」
ハインがざるに野菜を載せて戻ってくる、水で冷やされていたレタスとトマトの表面には水滴が輝いていた
川 ゚ -゚)「ハインもありがとうな、さて、私とサラダを作ろうか」
从 ゚∀从「サラダか・・・まぁそのくらいなら」
34 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:36:23.09 ID:0BgVEozn0
( ^ω^)「ハインの料理とか見たことないお、これは見ものだお」
从;゚∀从「ジロジロ見るんじゃねーよ、野菜切るだけだろうが」
('A`)「血まみれのサラダとかは止めてくれよ」
从 ゚∀从「ドックンの皿にだけサービスしてやるよ、アタシの血まみれレタス」
(;'A`)「何処の部族のサービスだよ」
川;゚ -゚)「ドクオ、遊んでないで火加減を見ておいてくれ、油断は死を招くぞ」
('A`)「ういーす」
37 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:38:34.01 ID:0BgVEozn0
( ^ω^)「ドクオキビキビ働けおwww」
('A`)「あ、ブーン?薪が足りないから持ってきてくれない?2トンほど」
(;^ω^)「ブーンはフォークリフトじゃないお・・・」
(´・ω・`)「夕食ってあとどれくらいでできそう?」
川 ゚ -゚)「あと40分って所だな、今のペースだと」
クーはチラリとヒートの方に視線を移す、ヒートとツンはかまどの脇で鍋に材料を入れているようだ
ノパ听)「次はニンジンとジャガイモと肉を投入だああああああ!!!」
ξ゚听)ξ「なるほどなるほど」
40 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:40:44.80 ID:0BgVEozn0
ノパ听)「いいかぁツン!料理に必要なのはあああ!!」
ξ゚听)ξ「愛情ね!」
ノハ#゚听)「気合だああああああああ!!!」
ξ;゚听)ξ「そうか・・・そうだったのね!」
ノハ*゚听)「そうだぞ!気合でおいしくなるんだぞ!」
('A`) (ツンが気合とか悪化するとしか思えねぇ・・・)
ξ*゚听)ξ「じゃあ気合でファンタグレープ入れてみるわね!」
ノハ;゚听)「それは違う!」
カレーの鍋にファンタを入れようとするツンをヒートが制止する
42 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:44:26.52 ID:0BgVEozn0
(;'A`)「むしろ何でファンタ入れようと思ったんだよ・・・」
ξ゚听)ξ「なんとなくよ!気合よ!」
ノハ;゚听)「なんとなくは駄目だぞおお!!」
('A`) (無邪気さで人は死ぬことが立証されたわ・・・)
( ^ω^)「薪持ってきたおー!」
ブーンがビニール紐で束ねられた廃材を両手に抱えて持ってきた
('A`)「お、サンキュー、そのへんに置いといて」
( ^ω^)「了解だお、カレー順調のようだおね」
('A`)「苦労あっての順調さと平和だということを理解したまえブーン君」
(;^ω^)「・・・なんかあったのかお?」
44 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:46:25.31 ID:0BgVEozn0
ノパ听)「次は水を入れるぞおお!!!」
( ^ω^)「ブーンが持ってこようかお?」
ノパ听)「じゃあ頼んだぞおおお!!」
ξ゚听)ξ「じゃあアタシも手伝うわ」
そういってツンもブーンの後を追う
('A`)「・・・・・・ファンタは無いよな」
ノハ;゚听)「ちょっとびっくりしたぞおお」
46 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:48:15.81 ID:0BgVEozn0
('A`)「カレーって材料炒めてればいいんだっけ?」
ノパ听)「そうだぞ!炒めてから煮るんだぞおお!」
ヒートは鍋の中の材料を焦げ付かないようにかき混ぜながら答える
('A`)「ヒートって料理慣れてるみたいだけどいつもやってんの?」
ノハ*゚听)「おねいちゃんと交代でやってるぞおお!」
('A`)「ふーん、ヒートはいい嫁になれそうだな」
48 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:49:01.43 ID:0BgVEozn0
ノハ*゚听)「そ、そうかあああ!?」
ベキッ!
何かが折れる音が聞こえる、どうやら張り切りすぎたヒートが持っていた木べらをへし折ったようだ
ノハ;゚听)「あ、お、おれちゃった」
(;'A`)「大丈夫か?」
ノパ听)「大丈夫!ちゃんとおねいちゃんが予備を持ってきてるぞおおお!!」
(;'A`) (予備とは・・・さすがクー・・・)
49 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:52:20.88 ID:0BgVEozn0
( ^ω^)「水汲んできたお!」
ξ*゚听)ξ「あとはこれを入れて煮るだけよね!」
ノパ听)「そうだぞ!そっと入れてくれよおお!!」
( ^ω^)「把握だお!」
ブーンはカレーの鍋にボウルに汲んできた水をゆっくりと注ぎこむ
('A`)「さて、これでしばらくは暇だな」
( ^ω^)「クー!ハインー!サラダはできたかおー?」
川 ゚ -゚)「こっちも終わったぞ」
从 ゚∀从「オレ様が本気をだしゃあこれくらい余裕だって」
53 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:55:43.13 ID:0BgVEozn0
(´・ω・`)「確かにハインは普通にできてたよね」
川 ゚ -゚)「うむ、日ごろからやっていないとああはいかないな」
('A`)「しばらく暇だな、なんか無いか?」
( ^ω^)「フヒヒ・・・ついにブーンのモノポリーの封印を解くときがきたようだお」
ブーンが何処からか平たいモノポリーの箱を持ち出してきていた
(´・ω・`)「いや、そこまで暇じゃないから」
ξ゚听)ξ「アンタそんなものまで持ってきてたわけ?」
ノハ;゚听)「モノポリーは苦手だあああああああ!!どうしよおおお!!!」
从;゚∀从「いや、やらねーから」
55 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 21:58:13.50 ID:0BgVEozn0
途中に雑談を交えつつも何とか夕食は無事完成し、ドクオたちはテーブルを囲み夕食を取っていた
ブーンはスプーンを口に運び、カレーを頬張る
( ^ω^)「カレーおいしいおwww」
ξ*゚听)ξ「おかわりたくさんあるからどんどん食べなさい」
(´・ω・`)「ほんとにおいしいね、これ」
川 ゚ー゚)「流石私だろう?」
('A`)「何この空気、流石の俺も警戒色を発しちゃうぜ」
57 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:00:37.60 ID:0BgVEozn0
ドクオがテーブルの真ん中にあるランタンのポンプをしゅこしゅこと押し込みながら言う
ホワイトガソリンに空気圧をかけ終えると、ランタンは光を一気に強める
('A`)「ちっとマントルが焦げちまった」
从;゚∀从「なんだかなぁ」
ノハ*゚听)「ドクオ!カレーおいしいかああ!!!」
ヒートの声にドクオは一口目のカレーを口に運ぶ
('A`)「おいしゅうございます」
( ^ω^)「おかわりするお!」
ξ*゚听)ξ「はいはいそこで待ってなさい」
(´・ω・`)「さて、夕食後はどうしようか」
ノハ*゚听)「花火だあああ!!!」
从 ゚∀从「そういえば買いに行ったんだったな」
63 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:03:54.49 ID:0BgVEozn0
川 ゚ -゚)「人に炎天下の中歩かせておいて・・・」
从 ゚∀从「いやいや、のんびりしてきやがったくせに」
('A`)「花火するにしろとりあえずメシを食わねばなるまい」
( ^ω^)「カレーの消費なら任せておけお!」
(´・ω・`)「ブーンだけ食べ終わっても意味無いんだよ」
ξ*゚听)ξ「いろいろやりたいこともあるし、早く食べちゃいましょ」
川 ゚ -゚)「うむ、そうするか」
ノパ听)「早食いなら負けないぞおおお!!」
(;´・ω・`)「そこまで急がなくてもいいよ」
65 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:08:04.97 ID:0BgVEozn0
从 ゚∀从「花火って何買ってきたんだ?」
川 ゚ -゚)「そうだな、適当な詰め合わせと・・・あとはロケット花火とかだな」
( ^ω^)「ロケット花火キタコレww」
('A`)「花火って上でやんの?下でやんの?」
ξ゚听)ξ「屋上で打ち上げ花火とかはまずくない?森に落ちたらヤバイわよ・・・」
(´・ω・`)「じゃあ食べ終わって片づけが済んだら下に集合で」
ノパ听)「ドクオおおお!!食べるの遅いぞおお!!」
('A`)「ああ、悪い、ランタンいじるのに夢中になってたわ」
从 ゚∀从「ランタンって結構明るくなるんだな」
('A`)「ガラスんとこめちゃくちゃ熱くなってるから触るなよ」
川 ゚ -゚)「そうなのか、気をつけておこう」
67 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:10:57.70 ID:0BgVEozn0
ノハ*゚听)「ドクオ、カレー!」
('A`)「はいはいただいま」
ドクオがカレーのスプーンを手に取った瞬間、ランタンに何かがぶつかりドクオのカレーにポトリと落ちた
カレーの中で蠢くそれは、ひっくり返ったカナブンだった
从 ゚∀从「うわ・・・カナブン混入したよ」
川;゚ -゚)「光に集まってきたんだな」
カナブンはドクオのカレーの中で足をばたばたさせてもがいている
(;'A`)「なんの!軍人たるものカナブンくらい!」
(´・ω・`)「食べるの?」
(;'A`)「カナブンは食わねーよ!」
69 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:13:34.77 ID:0BgVEozn0
( ^ω^)「流石のブーンもそれは引くお」
('A`)「良いこのみんな?食べ物は粗末にしちゃいけないんだぜ!」
そういってドクオはカナブンを取り除き、カレーを食べ始める
ノハ*゚听)「ドクオありがとうなあああ!!」
('A`)「当然のことをしたまでですたい」
从 ゚∀从「野菜も食べなきゃ駄目だぞドックン」
('A`)「良いこのみんな!野菜も食べなきゃ駄目らしいぞ!」
ξ;゚听)ξ「もうそのネタはいいわよ・・・」
70 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:14:49.11 ID:0BgVEozn0
川 ゚ー゚)「さて、はじめるとするか」
夕食とその片づけを終えたドクオたちは、1階のロビーの前で各々花火を手にしていた
( ^ω^)「ロケット発射準備完了www」
ノハ*゚听)「準備おっけーだぞおお!!」
(´・ω・`)「じゃあ火をつけるよ?」
ショボンが花火のパックに入っていた小さなろうそくに火を灯す
それと同時にみんながろうそくに殺到する
ノハ;゚听)「燃え移らないぞおおおお!!」
川 ゚ -゚)「花火につけばそこから移せるのだがな」
72 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:20:09.13 ID:0BgVEozn0
('A`)「愚民どもめ、俺にはライターがあるのだよ」
ポケットから銀色のジッポライターを取り出し、花火に火をつける
ドクオの花火から一足先に鮮やかな緑色の光がふきだす
(*'A`)「おお・・・」
从 ゚∀从「アタシのにも火ぃ分けてくれよ」
(*'A`)「おお・・・」
ハインはドクオの隣にしゃがみ、ドクオの持つ花火の先にそっと自分の花火を近づける
从*゚∀从「お、ついた」
ハインのもった花火からはオレンジ色の光が流れ出した
从*゚∀从「・・・花火っていいな」
花火の光に照らされて、夜の闇に浮かび上がるハイン
('A`)「・・・・・・」
从*゚∀从「・・・なんだよ、花火消えてんぞ・・・」
75 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:23:42.26 ID:0BgVEozn0
(;^ω^)「ライターとは卑怯だお!」
ノハ*゚听)「ライター貸してくれえええええ!!」
(;'A`)「え?あー、ホレ、持ってけ」
( ^ω^)「テンキューだお!」
_,
从 ゚∀从「・・・・・・」
ξ゚听)ξ (・・・・・・・)
ツンがハインの隣にちょこんとしゃがみこみ、ハインの耳元でささやく
ξ;゚听)ξ「ごめんね、邪魔しちゃって」
从;゚∀从「じゃ、邪魔って何の?」
78 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:25:39.61 ID:0BgVEozn0
ξ*゚听)ξ「とりあえず、アタシはハインのほうを応援してるわw」
从;゚∀从「ちょww」
そういうとツンは立ち上がり、ブーンのほうに歩いていってしまった
从;゚∀从「なんだよ・・・もう」
('A`)「何ひそひそ話してたんだよ」
从*゚∀从「・・・ドックンには教えねーよwwホレ、花火」
(;'A`)「なんだそりゃ・・・つーかドックンはヤメレ」
82 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:29:09.87 ID:0BgVEozn0
( ^ω^)「ロケット発射ー!www」
ノパ听)「おおおおお!!結構飛ぶなあ!」
ξ゚听)ξ「これなんか回転しながら飛ぶんだって」
ノハ*゚听)「ホントかあああ!!やってみよおおお!!」
( ^ω^)「マジかおwwwやってみるおwww」
ξ;゚听)ξ「ちょっと周りに気をつけなさいよ」
ブーンが地面に置いた小さな円筒に羽の生えた花火に火をつける
ノハ*゚听)「おおおおお!!!飛んだなあああ!!」
花火は勢いよく飛び上がり、上空で爆発した
ξ゚听)ξ「ヘリコプターみたいになってるのね、へぇー・・・」
84 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:33:12.12 ID:0BgVEozn0
从 ゚∀从「おっす、面白そうなもんもってんじゃねーかww」
( ^ω^)「トンボ花火だおwwハインもやるかおwww」
从 ゚∀从「やるやるー」
ノハ*゚听)「すっごい飛ぶぞおお!!」
( ^ω^)「ドクオはどうしたお?」
_,
从 ゚∀从「なんかあっちでドラゴン花火分解してるぞ」
ξ;゚听)ξ「何してんのよアイツ・・・」
ノハ*゚听)「分解かああ!!」
从 ゚∀从「ショボンとクーは?」
( ^ω^)「あっちにいるお」
ブーンがホテルの方を指差す、どうやら二人はエントランスでのんびり小さな花火をしているようだ
从 ゚∀从「ふーん・・・」
86 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:35:04.86 ID:0BgVEozn0
( ^ω^)「さてwwwいよいよロケット連射だおww」
ξ;゚听)ξ「連射はよしなさい」
从 ゚∀从「いやいや、連射こそ漢のロマンじゃね?」
( ^ω^)「その通りだお!ハインはわかってるお!」
ξ;゚听)ξ「意味がわからないわ・・・」
88 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:37:57.11 ID:0BgVEozn0
川;゚ -゚)「ブーン達はもっと風情とかないのか?」
(´・ω・`)「予想通りだったけどね」
川 ゚ -゚)「まぁ楽しそうだからいいんだけどな」
(´・ω・`)「僕らはじみーにやってようよ」
川 ゚ー゚)「だから地味ではなく風情とか趣があるとか言ってくれないか?」
(´・ω・`)「どうせなら風鈴とかも欲しかったね」
川 ゚ -゚)「風鈴か、それもいいな」
二人の手元では線香花火が静かに細い火花を散らしている
90 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:40:51.15 ID:0BgVEozn0
ショボンの花火から赤く光る火種が足元にポトリと落ちた
川 ゚ -゚)「ふふふ・・・私の勝ちだな」
(;´・ω・`)「いつのまに勝負になってたの!?」
川 ゚ー゚)「罰ゲームは何にするかな?」
(;´・ω・`)「しかも罰ゲーム付きなの!?」
92 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:42:29.45 ID:0BgVEozn0
ドクオは一人地面から突き出した石に座って花火を分解していた
('A`)「やはり・・・思ったとおりだ・・・!」
('A`)「ドラゴン花火を外側の箱から出すと・・・ダイナマイトっぽくてかっこいい!」
ドクオは手のひらに取り出した花火を載せてしげしげと眺めていた、
ドラゴン花火の中身は短いラップの芯から導火線が突き出たような形で、たしかにどこと無くダイナマイトに似ている
('∀`) (なんかこれいっぱい並べて木箱に詰めてぇ・・・)
95 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:46:33.87 ID:0BgVEozn0
ノハ*゚听)「ドクオおおおお!!何してるんだああああ!!」
(;'A`)「ん?いや別に何も」
ノハ*゚听)「お?なんだそれえええ!!」
('A`)「ドラゴン花火の中身だよ、ちょっとダイナマイトっぽいだろ?」
ノハ*゚听)「たしかにそれっぽいなあああああ!!」
('A`)「コイツに火をつけて・・・ってライター貸したんだった」
ノハ*゚听)「じゃあブーン達の所に行くぞおおお!!」
96 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:47:47.26 ID:0BgVEozn0
( ^ω^)「ダイナマイトだお」
ξ゚听)ξ「花火の中身ってこんなのだったのね」
从 ゚∀从「中身取り出すなんて変な奴なんてそうそういねぇからな」
('A`)「お前に言われたくないわ」
ノハ*゚听)「早速火を貸してくれええ!!」
('A`)「っていうか俺のライターだし」
( ^ω^)「着火はまかせろおww」
そういってブーンはドクオの手のひらの上のドラゴン花火に火をつける
97 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:50:24.63 ID:0BgVEozn0
(;'A`)「ちょ!!バカかお前ええええ!!」
あせったドクオはあわてて火のついた花火を遠くに投げ捨てる
花火は地面に落ちると横向きに倒れ、火花を激しく噴出してクルクルと回転した
(;'A`)「おお・・・」
ノハ*゚听)「おおおおおお!!」
ξ;゚听)ξ「危機一髪ね」
(#'A`)「手持ち花火じゃねーんだよ!手の上で火をつけんなや!」
(;^ω^)「ついテンションが上がってしまって」
从;゚∀从「危うく火傷するとこだぞ」
(;^ω^)「正直スマンカッタ」
100 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:52:52.18 ID:0BgVEozn0
ξ゚听)ξ「アンタはもっと物事を考えてから行動しなさい」
ノハ*゚听)「でもなんか凄かったなあああ!!グルグルーってなってたぞおおお!!」
从 ゚∀从「確かに面白い動きではあったなw」
( ^ω^)「じゃあ早速もう一回ためしてみるおwww」
ブーンは袋の中から花火を探す、ふと背後に誰かが立った気配がした
(#´・ω・`)「・・・だれだい?花火を投げ込んでくれたのは」
川#゚ -゚)「常識というものを教えてやらねばならないようだな」
(;^ω^)「ドクオがやりました」
(#'A`)「どう考えても悪いのお前じゃね?」
102 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:55:37.77 ID:0BgVEozn0
ξ゚听)ξ「ブーンがやりました」
ノパ听)「ブーンが火をつけたぞおお!!」
从 ゚∀从「まぁブーンだな」
(;^ω^)「・・・・ブーンがやりました」
川#゚ -゚)「ブーンは今度罰ゲームだな」
(´・ω・`)「過酷な奴を用意しておくよ」
ξ゚听)ξ「ほんとにこのバカがすいません」
('A`)「ツンってなんかもうブーンの保護者みたいだよな・・・」
从;゚∀从「ツンがいなかったらブーンは色々ヤバイな・・・」
104 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/17(金) 22:59:40.51 ID:0BgVEozn0
ノハ*゚听)「気を取り直して花火するぞおおおお!!!」
(´・ω・`)「そうだね、そろそろ打ち上げとかもしよっか」
( ^ω^)「打ち上げやるおwww」
川 ゚ -゚)「お前は駄目」
廃ホテルには花火の煙がたなびき、晴れ渡った夏の夜空には大きな満月が静かに佇んでいた
しかしドクオ達の夜はまだまだ騒がしくなりそうだ
第15話 「夕餉炊爨」 おわり
第16話へ
HOMEに戻る
ニュー速VIPのブーン系小説まとめ
Copyright © 2008 Boon Novel. All Rights Reserved.