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問合せ
悲しいお話
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/08/27(水) 19:31:11.53 ID:CJCizHysO
騒がしい教室が僕の目の前にある。入るのに少し躊躇してしまうのだが、僕に興味を示す者は誰一人として居なかった。
1ヶ月ぶりに感じた匂い、音、空間。そろそろ卒業の時期である。ほとんど学校に顔を出さない僕は卒業が待ち遠しかった。
( ^ω^)「……」
僕の机にはしなびた茎、枯れた花びら。彫刻刀で彫られた罵倒の言葉に少し胸が痛い。
( ^ω^)「久しぶり…だお」
クラスメイトは見向きもしない。相変わらず無視の上手い奴らだ。
どうして僕は嫌われたのか。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/08/27(水) 19:32:29.16 ID:CJCizHysO
僕が人を信用できないからだろうか。友達が欲しいからだろうか。僕がツンを好きだからだろうか。気付いていないふりをするからだろう。か。
僕はどこに夢を落としてしまったのか。夢は確かにあった。思い出せないのだ。
教室からは外が見えた。5階…ぞくりとして前を見た。思い出せないのだ。
気が付くと教室が静かになっていた。ジョルジュ先生が前に立って話をしている。配り物があるようだ。
前の席から順番に回るプリント、僕は一番後ろの席で前は親友のドクオなので無事にプリントは行き渡るはずだ。
('A`)「………」
( ^ω^)「……?」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/08/27(水) 19:34:26.41 ID:CJCizHysO
静まり返った教室、視線はドクオに集まった。ドクオはずっと俯いたまま2枚のプリントを離さないでいる。
気付いた先生はドクオに声をかけた。
( ゚∀゚)「ドクオ、すまん枚数間違え――」
先生が言い終わる前に、ドクオは俯いたままプリントを僕の席に置く。かさりと揺れる枯れた花びら、頭の中でガラスが割れたような感覚。気分が悪い。
教室の生徒は皆ぼんやりとした目でドクオを見る。先生は少し見た後、皆に声をかけた。
(;゚∀゚)「…え、あ。じゃあ授業、始めようか。号令。」
( ^ω^)「………」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/08/27(水) 19:36:28.29 ID:CJCizHysO
長い授業が終わり、給食も食べ終わり、昼休みの時間がくる。教室にいた生徒は皆運動場や図書室に移った。
退屈なこの時間、読書でもしていようか、昼寝でもしていようか。
( ^ω^)「一人だと気が楽だお。…ん?」
ドアに付いた窓にチラチラと金髪が映る。誰かがいる。
ドアの端に見えた、くるくると巻いた縦巻きロールの隣には可愛い丸い目がこちらを覗く。見覚えのある姿。夢ではない。
|听)ξ「………」
( ゚ω゚)「…ツン!!!!」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2008/08/27(水) 19:37:27.34 ID:CJCizHysO
ツンは僕の机をじっと見た後、がくんと床に崩れ落ちた。すすり泣く声が教室に小さく響いてくる。
泣いている。僕の大好きなツンが泣いている。僕はツンに向かって走った。
ξ;;)ξ「…ブーン!あんたどこ行ったのよ!あんたの家も訪ねたし、学校中探したのになんでいないのよ!置いて行かないでよ!!大好きなのよ……!」
(;^ω^)「ツン!僕はここにいるお!僕も、僕も好きだお!ずっと好きだったお!」
僕はたまらなくなりツンを強く抱きしめようとした。腕の中で暖めてあげたかった。この大きすぎる好きを伝えたかった。
ツンの小さな体をすり抜ける僕の腕。拭えない涙はただ目の前をぽたぽたと落ちる。
( ^ω^)「ごめん、お」
夢はとっくの昔に叶っていたのだ。
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