ブーン系小説をまとめて紹介しているサイトです
HOME
|
問合せ
('A`)たちは水の上に生きるようです
第5話
13 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:10:27.40 ID:B01EN2C70
第5話 「通勤風景」
夏休み5日目、まだ気温の上がりきらない午前10時頃ブーンとツンが畑沿いの道を歩いていた。
海のほうを見下ろせば、ちょうど漁にでた漁船が港に帰ってきたところのようだ
おこぼれをもらおうとカモメが船の周りクルクルまわりながらを飛んでいる。
( ^ω^)「今日はかまどを完成させるお!」
ξ゚听)ξ「そうね、早くクーたちの手伝いもしたいし」
( ^ω^)「見ておツン!かまどの実験するために新聞紙もってきたんだお!」
ブーンは両手に持った大きなビニール袋の中身をみせる、新聞紙がぎっしり詰まっていた。
ξ゚听)ξ「何かと思ってたら新聞紙だったのね」
( ^ω^)「そうだお、火をおこすのに新聞紙は必須だお!」
( ^ω^)「ツンこそその大事そうに両手で持ってる包みは何だお?」
ブーンはツンが両手で持っている手提げ袋を見ながら言った。
14 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:12:16.92 ID:B01EN2C70
ξ゚听)ξ「お昼ご飯よ、みんなの。」
その瞬間、ブーンの動きがピタリと止まる
ξ゚听)ξ「なにしてんの?ブーン」
(;^ω^)「お昼ごはんって・・・ツンがつくったのかお?」
ξ゚听)ξ「そうよ、ここのところみんな昼は菓子パンばっかりだったでしょ?」
(;^ω^) (マジかお・・・昔食べさせられた自称ホットケーキは砂の味がしたお・・・)
(;^ω^) 「ちなみに何を作ってきてくれたんだお?」
ξ゚听)ξ「ただのおにぎりよ」
(;^ω^)「おっおっw おにぎりかお?」
(;^ω^) (おにぎりだったら流石に大丈夫だお・・・助かったお)
ξ゚听)ξ「あと卵焼き」
(;^ω^) (コレはもうだめかもわからんね・・・)
ξ゚听)ξ「あとおにぎりの中身は特製よ、まだ秘密だけど」
(;^ω^) (唯一の希望すら打ち砕かれたお・・・)
15 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:15:04.57 ID:B01EN2C70
ξ゚听)ξ「なにぽけっとしてるのよ、ドクオんちの前に着いたわよ」
( ^ω^)「・・・なんでもないお、おにぎりに期待するお」
ξ///)ξ「ア、アンタいっぱい食べるからたくさん作っといてあげたわよ!」
( ^ω^) 「・・・・・・うれしいことだお」
ブーンとツンの家はホテルからドクオの家の前の道をさらに進んだところに並んで建っていて
学校に行くときも2人はいつもドクオの家に寄ってドクオと一緒に登校するのが習慣になっている。
ブーンがいつも外からドクオを呼ぶと毎回ドクオは数分後に眠たそうに目をこすりながら出てくる。
16 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:16:48.82 ID:B01EN2C70
( ^ω^)「ドクオー!秘密基地に行くおー!」
ξ゚听)ξ「アンタ秘密基地って大声で叫ばないでよ」
( ^ω^)「ドクオー!いっしょにホテルに行くおー!」
ξ;゚听)ξ「それはそれで問題発言に聞こえるわね」
( ^ω^)「ドクオの奴いないお」
ブーンが何回呼びかけてもドクオは出てこなかった。
ξ゚听)ξ「どうせまだ寝てるんでしょ、先にいきましょ」
( ^ω^)「そうだおね、そのうちくるお」
二人が一本坂との交差点まで歩いていくと、坂の上からヒートが歩いてくるのが見えた。
ノパ听)「おっはよおおおお!!!二人ともおおお!!」
ノパ听)「今日も良い天気だなぁああぁあああ!!!」
( ^ω^)「おっはよーだお!」
17 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:18:09.54 ID:B01EN2C70
ξ゚听)ξ「おはようヒート、クーはどうしたの?」
ノパ听)「お姉ちゃんはゴミ捨て場にいったぞおおおおお!!」
ξ゚听)ξ「へえー、朝早くから何してるのかしらね?」
ノパ听)「なんかドラムカンを探してるらしいぞおおおお!!!」
( ^ω^)「水道用かお?」
ξ゚听)ξ「多分そうでしょね、クーもなんだかんだ言ってのめりこんでるわね」
( ^ω^)「早くかまど作って手伝ったほうがいいかもだお」
ξ゚听)ξ「じゃあ今日は頑張るわよ?」
ノパ听)「よおおぉおおし!頑張るぞおおおおお!!!」
( ^ω^)「がんばるお!」
18 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:19:39.17 ID:B01EN2C70
3人がホテルの4階に登っていくと二つの人影があった、ドクオとハインが向き合って床に座りこみ、何かをいじくっている。
( ^ω^)「おっ?ドクオがいるお」
ξ゚听)ξ「ドクオに先をこされるなんて」
ノパ听)「ドクオぉおおおお!!!何時からきてたんだあああ?」
ヒートの声で3人に気づいたドクオとハインが顔を上げる
('A`)「おう、お前らやっと来たのか」
从 ゚∀从「ドクオはオレ様が9時前に来たらもういたぜ?」
ハインがヒートを見上げて答える
ξ゚听)ξ「・・・ハイン、アンタなんか今日大胆な格好してるわね」
ハインはジーンズに上は黒のタンクトップ一枚といういでたちで、首元からは胸の谷間がのぞいている
20 :
◆ct9JfRCXVU
[>>19 ヤメテ(;A;)] :2009/03/22(日) 00:22:52.30 ID:B01EN2C70
从*゚∀从「そーか?まぁ今日熱くなるって天気予報で言ってたしな」
ξ゚听)ξ (それにしても大きいおっぱいね・・・アタシもあれくらいあれば・・・)
( ^ω^) (ほんとにツンにもわけてあげてほしいお・・・)
从*゚∀从「それにドックンはこうゆうのがすきなんだろぉw?」
ハインが胸の谷間を強調してドクオに見せ付ける
('A`)「キノウカラソレバッカリ」
ドクオは下を向いて作業し、ハインの方を見ないように視線をずらしている
从*゚∀从「あ、いまチラっと見たろ」
(*'A`)「見てねーよ!」
从 ゚∀从「赤くなってんぞ」
22 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:24:59.68 ID:B01EN2C70
( ^ω^)「ツン・・・・・・・・ドクオは巨乳好きなんだってお」
(;'A`)「なっブーンおめぇなに言ってやがる!」
( ^ω^)「ブーンは昨日ドクオのせいでひどい目にあったお・・・」
ξ゚听)ξ「・・・・男ってみんなそうなのかしら」
ノパ听)「二人でずっと何してたんだああああ!!?」
ヒートが大きな声でたずねる、いったいドクオとハインは二人っきりで何をしていたんだろう
('A`)「昨日の夜で回路が完成したからモーターに取り付けてた」
ノパ听)「それだけかあああ!!?」
('A`)「あといろいろな」
ノパ听)「イロイロってなんだあああああああああ!!!!」
('A`)「それはちょっと言えねぇな」
从 ゚∀从「まあ後でのお楽しみってこった」
ノパ听)「気になるぞおおおお!!!」
ξ゚听)ξ「気になるわね」
23 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:26:49.89 ID:B01EN2C70
(;^ω^)「気になるお」
ξ゚听)ξ (別の部分が・・・)
('A`)「とりあえず発電機はあとは羽と土台があれば使えるはずなんだ」
('A`)「さっさとそっちを作っちまおう、テストもしたいし」
ξ゚听)ξ「アラすごいじゃないの、ブーンこっちも負けてらんないわよ!」
( ^ω^)「こっちもすっげえの作ってやるお!」
从 ゚∀从「じゃあさっさと再開するか!」
ノパ听)「アタシもがんばるぞお!」
从 ゚∀从「ところでブーンとツンがもってる大荷物って何だ?」
ノパ听)「アタシも気になってたぞおお!!」
25 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:30:47.23 ID:B01EN2C70
( ^ω^)「・・・ブーンのは新聞紙で、ツンのは みんなの 昼食だお」
ドクオの手からドライバーが滑り落ち、コンクリートの上で高い金属音を奏でる。
(;'A`)「みんなの・・・かぁ」
从;゚∀从 (前にツンが学校に持ってきたクッキーは鉄の味がした・・・)
ノハ;゚听) (前に食べたお好み焼きは黒い円盤みたいだったぞおおおお!!)
(;'∀`)「ちなみになかみは?」
ξ*゚听)ξ「後でのお楽しみよ!」
从;゚∀从「わぁ・・・すごく・・・たのしみです・・・」
ノハ;゚听)「たのしみだぞぉぉぉぉ」
27 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:32:22.98 ID:B01EN2C70
ξ゚听)ξ「じゃあアタシたちはかまどの方をさっさと終わらせるわよ!」
( ^ω^)「はいですお・・・」
ブーンはツンに促されて部屋の隅に行く、昨日作ったかまどの土台部分は窓際に据え付けてある。
昨日集めたコンクリートブロックを積み上げて、土か何かで隙間をふさげば完成だ。
( ^ω^)「早く火をつけてみたいお!」
ξ゚听)ξ「だったら早くブロック運びなさいよ」
( ^ω^)「了解だお!」
ブーンは階段脇に積んでおいたブロックをかまどの横まで何往復もして運んでいく、
ブーンが運んでツンが積み上げる、自然にこのような役割分担ができるようだ。
30分もすると暖炉を二台並べたような形のかまどの概形が見えてきた。
29 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:35:00.97 ID:B01EN2C70
ξ゚听)ξ「あとは隙間をふさぐだけね」
終わってみれば本当に簡単な作業だった、ドクオたちのやっている発電機作りに比べてなんと原始的なことか
( ^ω^)「土を詰めるだけだお、すぐ終わっちゃうお!」
( ^ω^)つ[ □ ] ぐいぐい
(*^ω^)「できたお!早く火をつけるお!」
早く早く、とブーンはツンにせがむ
ξ゚听)ξ「はいはい、試してみなさいよ」
ツンの許可を得たブーンは新聞紙をくしゃくしゃにしてかまどに放り込み、その上に拾ってきた木の切れ端を積み上げる
( ^ω^)「準備完了だお、それじゃあ点火だお!」
ブーンはポケットからマッチ箱を取り出して中からマッチを一本取り出すと、箱の側面に素早くこすり付けて着火する
しゅっとはぜる音が響きマッチに火がともる、細い木の先端で小さな火がゆらゆらと燃えている。
マッチ特有のにおいが鼻をくすぐる
31 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:36:29.36 ID:B01EN2C70
( ^ω^)「燃え上がれお!」
そういってブーンは火のついたマッチを新聞紙の隙間に押し込む、
すぐに新聞紙に黒い部分が広がっていき、火が燃え移ったことをブーンに知らせる
1分もするとかまどの中では勢い良く炎が上がっていた。
( ^ω^)「点火成功だお!」
白煙がかまどの天辺の空気穴からもうもうと湧き上がる。
ξ゚听)ξ「とりあえずかまどはこれで完成ね!」
(#'A`)「おいお前ら、すっげえ煙たいんだけど」
ドクオが口を手でふさぎゴホゴホとむせながら二人に言う
从;゚∀从「おまえら煙突外に出さなかったのかよ!発炎筒打ち込まれたみたいになってんぞ!」
見れば部屋中に白い煙が充満している、ブーンとツンは風上にいたので気がつかなかったようだ
32 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:39:26.54 ID:B01EN2C70
ノハ;凵G)「煙たくて目がしみるぞおおおお!!!」
(;^ω^)「おおっ?スマンお!すぐに火を消すお!」
火を消すといったものの水はない、砂をかけようにも砂も無い。
(;^ω^)「消火不能だお!ヤバイお!」
(#'A`)「早く消せよ!お前燻製になるぞ!」
(;´・ω・`)「何やってるんだい!」
階段からショボンがあせった顔で駆け上がってきた
(;´・ω・`)「外からみたら中で火事がおこったみたいになってるよ、早く火を消しなよ!」
(;^ω^)「消すものがないんだお」
(;´・ω・`)「じゃあそこのブロックで空気穴を塞いだらいいじゃないか」
('A`)「その発想はなかったわ、さすがしょぼくれ」
(´・ω・`)「黙れこのナナフシ人間」
こうしてショボンの機転によってかまどは無事鎮火された
33 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:41:23.63 ID:B01EN2C70
ξ;゚听)ξ「通報されたりしてなきゃいいんだけど・・・」
从;゚∀从「まぁ大丈夫じゃねーの?このへんなんかほとんど人は通らねーし」
('A`)「警察が来たらお前が「私がやりました」って自首しろよ燻製」
(;^ω^)「正直スマンカッタ」
川 ゚ -゚)「今度から気をつけるんだな」
ノハ;゚听)「おねえちゃんいつからいたんだあああ!?」
川 ゚ -゚)「ブーンが煙で涙を流しながら煙突塞いでるぐらいの時からな」
从 ゚∀从「いままで何やってたんだ?」
36 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:43:24.86 ID:B01EN2C70
川 ゚ -゚)「ショボンと材料集めにな、ちょっと大きい荷物があるから後で上まで運ぶのを手伝ってくれないか」
(´・ω・`)「ちょっと2人じゃ無理なものなんだよ」
('A`)「何持ってきたんだ?」
(´・ω・`)「それは後でのお楽しみさ」
川 ゚ -゚)「とりあえずかまどの手伝いをするとしようか」
結局ブーンとツンのかまどにはショボンとクーによって改造が加えられ、換気ダクトによる屋上までの長い煙突が装備された。
( ^ω^)「これなら煙地獄になることはもうないお!」
(´・ω・`)「火事と間違われることも多分無いだろうね」
川 ゚ -゚)「うむ、だがブーンとツンが作った部分もよい出来だったぞ」
(*^ω^)「そうかお?ブーンとツンでがんばったんだお!」
37 :
◆ct9JfRCXVU
[] :2009/03/22(日) 00:44:58.90 ID:B01EN2C70
ξ*゚听)ξ「そうね、ブーンもがんばったわ」
ξ*゚听)ξ「じゃあちょうど12時だしみんなでお昼にしない?」
(;^ω^) ビクッ
(´・ω・`)「そうだね、朝から動きまわってたからお腹がすいたよ」
川 ゚ -゚)「午後は重労働になりそうだしな」
( ^ω^) (知らぬが仏とはこのことだお・・・)
(´・ω・`)「ジャンケンでだれが荒巻屋に買いに行くのか決めようよ」
ξ゚听)ξ「あ、今日アタシがみんなのお昼持ってきたわよ」
川;゚ -゚) (なん・・・だと・・・)
(;´・ω・`) (前に食べさせられたタコヤキは食べれない草みたいだった・・・)
ξ゚听)ξ「ハインー!ヒートー!ドクオー!お昼よー!」
<ワーイ・・・・
ドクオたちの覇気の無い返事が夏の空にむなしく響いた。
第5話 「通勤風景」 おわり
第6話へ
HOMEに戻る
ニュー速VIPのブーン系小説まとめ
Copyright © 2008 Boon Novel. All Rights Reserved.