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敵さんのお出まし
367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/13(月) 16:15:54.92 ID:phePWHcC0
('A`)「……鬱だ、死のう」

川 ゚ -゚)「死ぬのは作戦が終わってからにしろ。今死なれると迷惑だ」

(;'A`)「ひでえ」

川 ゚ -゚)「さて、そろそろ戦闘配置に着かないと……」

('A`)「あー、空から」

川 ゚ -゚)「敵さんのお出ましだ」
368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/13(月) 16:17:11.29 ID:phePWHcC0
――――視点从・∀・*ノ!リ人変更――――


( ^ω^)「何してるお?」

 ブーンは急ぎ足を止めた。
視界に入った少女。その雰囲気に昔を思い出す。

( ^ω^)「何で泣いてるお?」

从・д・。ノ!リ人「な、ないてなんかないのじゃ!」

 瞳に涙を溜めた少女は、睨むようにブーンを見つめた。

( ^ω^)(誰かさんと同じことを言うお)

从・д・。ノ!リ人「わらうななのじゃ!」

( ^ω^)「この顔は元からだお」

 幼なじみとの会話を彷彿とさせる少女に、ブーンは懐かしそうに目を伏せる。
 こちらを真正面から見つめる顔は幼く、また小柄な体は儚げに震えていた。
年は八歳くらいであろうか。

( ^ω^)「おっと、僕にロリ属性は通用しないお」

 ブーンは自分に言い聞かせるように胸に手を当てながら深呼吸した。

从・∀・。ノ!リ人「……?」
369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/13(月) 16:19:29.86 ID:phePWHcC0
 小首を傾げながら不思議そうに見上げる姿に、ブーンは心臓を高鳴らせた。
( ^ω^)「それは反則だろ………jk」

 悔しげに呟きながらブーンは少女に歩み寄る。

从・∀・。ノ!リ人「ひっ! こ、こっちこないでほしいのじゃ……」
 少女は後退りも出来ないまま、消え入りそうな涙声で懇願していた。

⊂二( ^ω^)二⊃「ブーーーン!」

 時が止まり、全世界は停止した。
風は消え、動物たちは息を潜め、少女は硬直している。

( ^ω^)
(^ω^ )
( ;^ω^)(あれ? なんかパルプンテ使われたお?)
 ブーンは周りを見渡して、取り返しのつかないことをしてしまった気になった。

从・∀・*ノ!リ人「それなんなのじゃ? もういっかいやってほしいのじゃ!」突如喜びを露わにする少女に、
( ^ω^)(やっぱり僕はおかしくないお)とブーンは内心ほっとした。

( ^ω^)「分かったお」

⊂二( ^ω^)二⊃「ブーーーン」

从・∀・*ノ!リ人「すごいのじゃ! カッコいいのじゃ! いもじゃもやるのじゃ!」

⊂从・∀・*ノ!リ人⊃「ブーーーン!」

( ^ω^)「おっおっおっ、うまいお」
371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/13(月) 16:22:17.86 ID:phePWHcC0
⊂从・∀・*ノ!リ人⊃「しょうらいゆうぼうなのじゃ?」
( ^ω^)「そんな言葉どこで覚えたんだお」

⊂从・∀・*ノ!リ人⊃「おっきいあにじゃにおそわったのじゃ!」
 少女、妹者は眩しいばかりの笑顔だった。走り回る姿に、思わずブーンは目を細めた。
( хωх)「うおっまぶし!」
( ^ω^)「……ところで妹者ちゃん、こんな所で何してんだお?」

从・∀・ノ!リ人「うむ、それはじゃ……」
从・∀・;ノ!リ人「なんでいたのじゃ?」

( ;^ω^)「駄目だこいつ早く何とかしないと……」

从・∀・ノ!リ人「なんでいもじゃのなまえしってるのじゃ?」
( ^ω^)「妹者ちゃんが自分で言ったお」

从・∀・ノ!リ人「そうだったのじゃ」

( ^ω^)「おっきい兄者って人は妹者ちゃんの家族かお?」

从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ!」
从´_ゝ`ノ!リ人「こんなかおしてるのじゃ」

( ^ω^)(この子テンション高いお)
( ^ω^)「じゃあおっきい兄者さんを一緒に探すお」
 生来お人好しの性分なブーンは、何の気なしに手伝いを申し出た。
本来の自分の目的など、この時には思考の奥底にしまわれていた。

从´_ゝ`ノ!リ人「ありがとうなのじゃ!」
( ;^ω^)「顔戻ってないお」
372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/13(月) 16:22:59.05 ID:phePWHcC0
 二人は妹者のいた場所の近く、市民公園に向かうことにした。
ここら辺は都市部から離れた、軽い休憩所なのだ。太陽が真上に昇っていることから今は昼時、兄者が休んでいる可能性もなくはない。

(# ^ω^)(でもこんな幼い子を放置するなんて許せないお)
( ゚ω゚)(あ、もしかして兄者という人は鬼畜で、放置プレイを……)
(* ^ω^)(ハアハア、なかなか高尚な趣味をお持ちだお)

从・∀・ノ!リ人「どうしたのじゃ?」

(* ^ω^)「な、なんでもないお」

( ^ω^)「そういえばまだ名乗ってなかったお。僕は内藤ホライズン、ブーンって呼ばれてるお」

从・∀・*ノ!リ人「ブーン!」

 二人はスピーカーの根元のベンチに腰掛けることにした。
 妹者は笑顔で足をばたつかせる。
 ブーンは何とはなしに空を仰いだ。

( ^ω^)「今日はいい天気だお」

从・∀・ノ!リ人「おひさまがわらってるのじゃ!」

( ^ω^)「その表現はなんか嫌だお」

 若葉は輝き、空は塗りつぶしたように青い。
公園には二人の他に誰もおらず、まるでここだけ世界から切り離したようだった。

从・∀・ノ!リ人「そらは……」
 ぽつりと呟いた声に、ブーンは何故か意識を集中してしまう。
373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/13(月) 16:23:18.44 ID:phePWHcC0
从・∀・ノ!リ人「そらはとおいのじゃ」

 あっけらかんと言い放つ妹者。そこにもの悲しさを感じる。
それが自分の夢を否定されたと感じたものかは分からなかったが。

( ^ω^)「そうだお、けど……」

从・∀・ノ!リ人「でも、がんばればとどきそうなのじゃ!」

 妹者は急に立ち上がった。かと思うと、背伸びしながら空に手を伸ばす。
その無邪気な笑顔につられて、ブーンの顔も自然とほころんだ。

( ^ω^)「……おっおっおっ! きっととどくお!」

 ふとブーンの脳裏に飛行機が浮かぶ。体が一瞬跳ね上がり、背筋を冷や汗が流れた。

( ;^ω^)「あ」

从・∀・ノ!リ人「どうしたのじゃ?」

( ;^ω^)「用事を忘れてたお!」

从・∀・ノ!リ人「ようじょ?」

( ;^ω^)「ち、違うお! 僕はなにもやってないお!
じゃなくて用事だお!」

 腕時計を見ると、約束時刻をとっくに過ぎている。ブーンは勢い良く立ち上がった。

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