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問合せ
('A`)たちは水の上に生きるようです
第19話
135 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/25(土) 23:52:49.20 ID:B4kwYQq90
第19話 「無限水平」
ドクオは妙な寝苦しさに眠りから目を覚ました
うっすらと目をあけるとあたりは薄暗い
('A`) (まだ夜明け前・・・?ってかなんか頭いてぇ・・・)
ふと違和感を覚えたドクオは半開きのまぶたをより開く、目の前には見慣れた天井が広がっていた
('A`) (・・・・・・?)
何かがおかしい、そう感じたドクオはベッドから起き上がり、床に下りようとする
('A`) (・・・ベッド?)
ざぶんと音をたてて、ベッドから下ろされたドクオの左足は水の中に沈んだ
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2009/04/25(土) 23:53:05.88 ID:DNPwLxCvO
青春支援
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2009/04/25(土) 23:53:19.73 ID:ridi3qs7O
魔女裁判にも目が離せないのに
興奮してたら鼻血でたが白い血の出しすぎでティッシュ無い俺おわた
138 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/25(土) 23:55:10.55 ID:B4kwYQq90
(;'A`)「は?」
あわてて飛び起きて自分の足を確認する、すねの真ん中ほどまでがどっぷりと水に浸かっていた
(;'A`)「なんじゃこりゃあああああ!!!」
あたりを見回すと、自室が床上30センチほどまで水没している
(;'A`) (何だコレ・・・何?洪水?ドッキリ?地球温暖化?)
さまざまな考えがドクオの頭のなかでぐるぐると回る、しかしどれも納得できる答えを出してはくれない
とりあえず天井の照明から伸びる紐を引っ張って電気をつけてみる
('A`) (当然点かない・・・電子機器全滅だろ・・・)
今度はベッドの脇の厚い遮光カーテンを開けて窓の外を見る
139 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/25(土) 23:58:46.17 ID:B4kwYQq90
・・・・・・そこには、何処までも伸びる水平線が広がっていた
('∀`) 「あ、夢だこれ」
しばし呆然としてその光景を眺めていたドクオはそう結論付けた
('A`)「そういえば秘密基地で寝てたはずだもんな・・・夢にきまってるだろjk・・・」
ドクオはベッドの縁に座り、水に浸かった自分の両足を眺める
カーテンの開けられた窓から入り込んだ朝日が水面に反射してキラキラと輝いている
不意にベッドの下から小さな魚の群れが飛び出して、半分浮かび上がったテーブルの下に逃げ込んでいった
(;'A`)「魚までいるとか・・・リアルな夢だな・・・これが噂に聞く明晰夢ってやつか・・・?」
改めて水に沈んだ自分の部屋を眺め回してみる、本棚の本はびしょぬれになり、
飲みかけのペットボトルがぷかぷかと浮いていた
141 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:01:55.28 ID:zedqMUqg0
('A`)「どうすんだこれ・・・あ、夢だからどうでもいいのか」
水が邪魔で開けにくいドアをあけて階段を見てみる、見事に水没している
今度は窓からもう一度外を観察してみる、やはり水平線が広がっていた
水は驚くほど透明で、下を見てみるとドクオの自転車が沈んでいるのがはっきり見えた、
それどころかいつも歩いている道が砂利の一粒まで見て取れるほどだ
('A`)「明晰夢すげぇ・・・ん?」
微かに声が聞こえたような気がして遠くに目をこらす
(;^ω^)「ドクオー!ドクオー!」
ξ;゚听)ξ「ドクオー!」
(;'A`)「なんじゃありゃあ・・・」
ほぼ沈んでいる木のベッドに乗って必死に水の上を進んでいるブーンとツンの姿が見えた
144 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:04:38.74 ID:3FAT4HDd0
(;'A`)「うーん・・・明晰夢とはいえマジでリアルだなぁ・・・」
(;^ω^)「ドクオー!なにボーっとしてるおー!助けてくれおー!」
ξ;゚听)ξ「ちょっとブーンあんまり動かないでよ!バランスが崩れるでしょ!」
二人はベッドのボートの上でわたわたと動いている、どうやら手で水を掻いて進んできたようだ
(;'A`)「夢の中でまでうるさい奴らだな・・・もういいや、寝よ」
ドクオはカーテンを閉めて、ふたたびベッドに横になる
(;^ω^)「ちょwwwww助けろおwwwww」
ξ;゚听)ξ「ちょっとドクオー!?」
('A`) (うっわーまだ何か言ってるよ・・・俺あいつらにそんなイメージ持ってたのか・・・)
147 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:07:56.11 ID:3FAT4HDd0
しばらく外から聞こえる声を無視して横になっていると、窓の下の壁に何かがぶつかる音がした
(;^ω^)「ドクオー!開けろお!中に入れてくれお!」
ξ;゚听)ξ「ドクオ何してんのよ!ふざけてる場合じゃないのよ!」
窓を激しく叩く二人
(;'A`)「なんなんだよもう・・・」
仕方なく起き上がり、カーテンと窓を開ける
(;^ω^)「もっと早く開けろおwwwもう限界だおwww」
ξ;゚听)ξ「とりあえず中に入らせてもらうわよ!」
開いたとたんにブーンとツンがなかになだれ込んできた
148 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:12:21.75 ID:3FAT4HDd0
( ^ω^)「ふぃー、やっと休めるお!」
ξ;゚听)ξ「もう腕がパンパンよ・・・」
ドクオはその様子を呆然として眺めていた、ふと上を見上げたブーンと視線が合う
(;'A`)「なぁ・・・お前ら何なの?」
(;^ω^)「こっちのセリフだお、見殺しにする気かお」
ξ゚听)ξ「まったくよ、こっちは必死だったのよ?」
('A`)「えぇー・・・だって夢だし・・・めんどくさいし」
(;^ω^)「何寝ぼけてるんだお・・・」
149 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:13:44.67 ID:3FAT4HDd0
ξ゚听)ξ「・・・・・・まず夢じゃないって事をわからせないといけないみたいね」
そういいながらツンがドクオの頬を思い切りつねる
(;'A`)「いででででで!!超いてぇ!千切れる!」
ξ゚听)ξ「夢じゃないでしょ?」
( ^ω^)「超痛いお?」
(;'A`)「いやだってありえないだろ・・・」
(;^ω^)「訳がわからないけど現実なんだお、必死こいてここまで来たんだお」
ξ;゚听)ξ「正直アタシ達も何が起こったのかわからないのよ、秘密基地で寝てたはずなのに」
(;'A`)「うーん・・・」
もう一度窓の外を見てみる、やはり何処までも水が広がっている
151 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:15:58.12 ID:3FAT4HDd0
('A`)「するってぇとお前らも自分の部屋で寝てたと?」
( ^ω^)「違うお、なぜかブーンのウチの台所のテーブルに転がってたお」
ξ゚听)ξ「そうなのよ」
('A`)「意味不明だな・・・やっぱ夢だ」
(;^ω^)「ブーンも実は夢だと思ったんだお・・・でもツンに思いっきりつねられたんだお・・・」
ξ゚听)ξ「ブーンが寝ぼけてるからよ」
152 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:19:13.41 ID:3FAT4HDd0
( ^ω^)「痛かったお・・・それで、とりあえず水びたしになってるのを見て、周りの家に助けを求めにいったんだお」
ξ;゚听)ξ「でも、何処の家にも誰もいなかったのよ・・・」
(;'A`)「・・・・・・」
( ^ω^)「それで、とりあえず別のところに行こうってことになってベッドに乗って移動してたんだお」
ξ゚听)ξ「そしたらアンタが窓からひょっこり顔を出してきたのよ」
('A`)「とりあえずお前らがベッドに乗って漂流してた理由は把握した・・・」
(;^ω^)「漂流じゃねぇお」
('A`)「だが・・・水に沈んでる理由がまったくわからん、というか意味がわからん」
ξ゚听)ξ「そんなのアタシ達だってわからないわよ・・・」
154 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:22:25.89 ID:3FAT4HDd0
ドクオのベッドに座って頭を悩ませる3人
('A`)「・・・・・・とりあえず・・・どうする?」
( ^ω^)「わからないお・・・」
ξ゚听)ξ「右に同じよ・・・」
気まずい沈黙が訪れる
('A`)「ラジオ・・・」
(;^ω^)「お?」
('A`)「携帯型のラジオなら・・・」
そう言ってドクオはベッドから立ち上がり、学習机の引き出しをゴソゴソとあさる
158 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:25:58.58 ID:3FAT4HDd0
ξ゚听)ξ「ラジオあるの?」
('A`)「防災用の手回しのが・・・あった!」
ドクオの手にはオレンジ色のラジオが握られていた
( ^ω^)「なるほどだお!それなら電気が無くても大丈夫だお!」
ξ゚听)ξ「もっと早く気づくべきだったわね」
('A`)「待ってろ、いま充電するから」
そう言ってドクオはラジオについているハンドルをまわし始める、ブーンとツンがその様子を期待のまなざしで見つめる
162 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:28:24.37 ID:3FAT4HDd0
やがて充電もおわり、ドクオはラジオのスイッチを入れた
('A`)「どれ・・・」
ダイヤルを回し、チューニングをする
ξ;゚听)ξ「・・・・・・」
ツンとブーンは静かにその様子を見つめる
('A`)「・・・・・・駄目だ、このラジオ壊れてるわ」
全ての周波数を試してみたが、ラジオからは音声は発せられず、雑音しか出てこなかった
( ^ω^)「・・・そうだおね、壊れてるおね」
163 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:32:12.66 ID:3FAT4HDd0
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
再び気まずい沈黙が訪れる
('A`)「・・・・・・現実を見よう」
(;^ω^)「なんだお」
('A`)「少なくとも島のラジオ局の機能は停止している・・・かもしれない」
ξ゚听)ξ「・・・そうね」
( ^ω^)「さっきも話したけど、これからどうするお」
164 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:35:00.72 ID:3FAT4HDd0
ξ゚听)ξ「そうよ、まずは目先の事を考えましょ」
('A`)「・・・・・とりあえず俺はあいつらを探しに行く」
( ^ω^)「あいつらってショボン達のことだお?」
('A`)「・・・まぁ」
ξ゚听)ξ「そうね」
('A`)「お前らはどうする?何も一緒に行動しなくても」
( ^ω^)「なめんなお、ブーンも探しに行くおw」
ξ゚听)ξ「当たり前よ」
('A`)「・・・そうか?でもぶっちゃけここに残って助けを待ってるほうが賢明だと思うが」
169 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:47:46.45 ID:3FAT4HDd0
( ^ω^)「ここまでベッドで泳いできたブーンを舐めるなおwwドクオ一人じゃ溺死するおww」
ξ゚听)ξ「たしかに溺死しかねないわね」
(;'A`)「お前らの中で俺はどんだけひ弱な人間なんだよもう・・・」
( ^ω^)「とにかくこんなむさい部屋から出るおww」
そういってブーンはベッドから水の中に飛び降りる、大きな波紋が広がり、ドクオの部屋の中で反射する
ξ;゚听)ξ「ちょっとブーン!水がかかるでしょ!」
ブーンの上げた飛沫がドクオとツンにふりかかる
( ^ω^)「おっおっwwwどうせツンはすでにびしょぬれだお?」
ξ#゚听)ξ「そういう問題じゃないでしょ!?」
(#'A`)「っていうか俺は濡れてなかったんだけど」
170 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:51:39.82 ID:3FAT4HDd0
( ^ω^)「こまけぇことは気にするなお」
ξ゚听)ξ「まったくもう・・・アンタってやつはw」
('A`)「で、とりあえず何処に向かうかね」
ドクオは窓から身を乗り出してあたりを伺う
(;^ω^)「うーん・・・とりあえず皆のウチかお?」
ξ゚听)ξ「そうね・・・アタシ達もなぜかブーンの家に居たわけだし・・・」
(;'A`)「待て待て、ウチの2階の俺の部屋がここまで沈んでるんだぜ?」
( ^ω^)「それがどうかしたお?」
175 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:55:42.81 ID:3FAT4HDd0
(;'A`)「一本坂の下にあるハインとかショボンの家に行けるわけないだろ?沈んでるんだから」
(;^ω^)「その発想はなかったお・・・」
ξ゚听)ξ「言われてみれば確かにそうね・・・大丈夫かしら・・・ハインとショボン」
3回目の重い沈黙
('A`)「・・・とりあえず探しに行くほかないだろ・・・・・・!」
( ^ω^)「その通りだお!早速出発するお!」
ξ゚听)ξ「そうね!考えても始まらないわ!」
('A`)「じゃあ早速出港だ!舫い解け!機関始動!」
(;^ω^)「舫い綱なんてないしエンジンもついてないお・・・」
('A`)「え?舫いも?」
177 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 00:59:25.33 ID:3FAT4HDd0
ξ゚听)ξ「あ」
あわてて外を見ると、ブーン達が乗ってきたベッドは窓から20メートルほど所まで流されていた
('A`)「行け!ブーン!」
(;^ω^)「しょうがないお・・・とって来るお・・・」
ブーンが窓から外に飛び込む、そもまますいすいとベッドの方まで泳いでいった
('A`)「そういやお前ら手で漕いでたな」
ξ゚听)ξ「そうよ?」
('A`)「手で漕ぐよりは他のもん探したほうが良いな・・・なんか無いかな」
ドクオは部屋の中を見渡して使えそうなものを探す
178 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 01:01:17.43 ID:3FAT4HDd0
('A`)「お、これとかちょうど良いな」
そう言って本棚から本を抜き取り、棚板を外す
ξ゚听)ξ「なるほどねぇ、それなら手よりは大分効率がよさそうね」
(;;;^ω^)「ベッドもって来たお!」
ずぶぬれのブーンが窓辺まで泳いでベッドを引っ張ってきた
('A`)「早いな」
ξ゚听)ξ「お疲れ様、じゃあ早速行きましょ」
('A`)「とりあえずは・・・秘密基地の方を目指すか、一応は方位磁石も持っていこう」
180 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 01:02:34.38 ID:3FAT4HDd0
( ^ω^)「コンパスなんかいるかお?」
('A`)「迷いたくないからな」
ξ゚听)ξ「いっつも歩いてる道じゃない?」
('A`)「一応だよ一応、あとは十得ナイフとかも持っていくか・・・」
( ^ω^)「備えあればうれしいな!」
ξ゚听)ξ「うれいなしよバカ」
('A`) (あいつら無事なのか・・・?)
181 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 01:04:55.30 ID:3FAT4HDd0
同じ日の朝、ショボンは背中に違和感を感じて目を覚ました
なにやら背中の下が妙にゴツゴツとしている
(´・ω・`) (何だ・・・?)
目を開けると視界には斜めになった天井が飛び込んでくる
一瞬混乱したが、どうやら自分は階段に寝かされているらしい事に気づいた
ショボンは起き上がり辺りを見渡す、周りには誰もいないようだ
(´・ω・`) (ドクオとブーンのイタズラか・・・)
(;´・ω・`) (それにしてもこんなところに運ばれても気づかないとは僕も酷いな・・・)
(´・ω・`)「うわっ・・・っていうか背中砂だらけじゃん」
184 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 01:07:11.55 ID:3FAT4HDd0
自分の背中が砂埃で白くなっている事に気づき、とりあえず手で払い落とす
(´・ω・`) (流石にこれは無いわ・・・せめてなんか敷いておいてよ・・・)
(´・ω・`)「ドクオー!ブーン!」
呼びかけるが返事が無い、不審に思ったショボンは階段を登っていく
途中で4階のフロアを見回すが、やはり誰もいない
(´・ω・`)「何これ・・・大規模ドッキリ?」
5階に登る、昨日張った蚊帳はそのままになっていた、よく見ると中で誰か寝ている
186 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 01:08:24.92 ID:3FAT4HDd0
(;´・ω・`)「もしもーし!ハイン起きてー!」
从 -∀从「ん〜?あと5年・・・」
(;´・ω・`)「ベタなボケは今いらないから!いいから起きてよ!」
从;゚∀从「あー?なんだよもう・・・」
頭を掻きながらハイン起き上がる
(;´・ω・`)「なんかみんながいないんだよ!」
从 ゚∀从「はぁ?先に起きてなんかやってんだろ?」
(;´・ω・`)「それが探したけどいないんだよ!」
从;゚∀从「なんでそんなに動揺してんだよ・・・いいから落ち着けよ」
188 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 01:10:58.87 ID:3FAT4HDd0
(;´・ω・`)「だってさぁ!僕いつの間にか階段に寝かされてたんだよ!?」
从 ゚∀从「何お前、そんな事されて気づかなかったのかよ、ダッセーw」
(;´・ω・`)「く・・・」
从 ゚∀从「どうせどっかに隠れてるんだろ?屋上とか探したか?」
(´・ω・`)「まだ探してないや」
从 ゚∀从「じゃあ屋上じゃね?それにしても今日も晴れたなー、見ろよ外、はっきり水平線が見えるぜ?」
(´・ω・`)「ホントだ」
从 ゚∀从「あんがい外にいるかも知れねーぞ?」
そう言ってハインは蚊帳から出て、窓から顔を出す
从;゚∀从「はぁ?」
190 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 01:12:47.12 ID:3FAT4HDd0
(´・ω・`)「どうしたの?」
ハインの奇妙な声にショボンも隣の窓から下を見下ろす
(;´・ω・`)「えぇ!?」
廃ホテルの下にはキラキラと光る水面が広がっていた
从;゚∀从「な、なにこれ・・・どうしちゃったの?」
(;´・ω・`)「・・・・・・さぁ?」
从;゚∀从「さぁじゃねーよ・・・」
いつもなら木の茂った地面が広がっているはずの場所が水の中に沈んでいる
よく見てみると背の高い木のてっぺんが所々水面から飛び出していた
191 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 01:15:32.79 ID:3FAT4HDd0
从;゚∀从「洪水?」
(;´・ω・`)「こんな小さい島で洪水なんか起こらないよ・・・それに雨も降ってないし」
从;゚∀从「地盤沈下?」
(;´・ω・`)「だったら中にいた僕達が気づかないはず無いでしょ・・・」
从;゚∀从「と、とりあえず落ち着こう、な!?」
(;´・ω・`)「そっちこそ落ち着こうよ」
从;゚∀从「わかった、わりぃ」
ハインが深呼吸を数回繰り返す
194 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 01:17:06.23 ID:3FAT4HDd0
从 ゚∀从「・・・殴っていい?」
(;´・ω・`)「なんでさ!?」
从;゚∀从「痛くなかったら夢だろ!?」
(;´・ω・`)「僕が痛くてもハインはわからないでしょ!?」
从;゚∀从「殴ったオレ様の拳も痛い」
(;´・ω・`)「ふざけてる場合じゃないんだよ・・・」
从;゚∀从「そうか、リラックスさせようと思って」
(;´・ω・`)「どんなリラックス法だよ!」
198 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 01:18:55.50 ID:3FAT4HDd0
从;゚∀从「OKOK・・・とりあえず他のヤツラを探そうや」
(;´・ω・`)「そうだね、僕は下をもう一度探してくるよ!」
从;゚∀从「じゃあオレ様は屋上探してくるわ!」
そういってそれぞれ階段を別方向に進む
从;゚∀从「おーい!ドクオー!ツンー!クー!ヒートー!」
屋上で名前を呼びかけるハイン、しかし返事は無い
あらためてホテルの周囲を見渡す、裏山はそのままだかその麓はやはり水に沈んでいた
海側は何処までも水面が続いている
从;゚∀从「これじゃあウチも水の底じゃない・・・」
从;゚∀从「何があったんだよ・・・ドクオ・・・」
199 :
◆ct9JfRCXVU
:2009/04/26(日) 01:21:14.39 ID:3FAT4HDd0
一方下の階を探しに行ったショボンは誰も見つける事ができずにあせっていた
(;´・ω・`)「みんなこんなときに何処にいっちゃったんだよもう」
4階、3階をくまなく探したつもりだが、誰もいなかった
(;´・ω・`)「次は2階・・・」
階段を下りて2階へ行こうとする
しかし2階への階段は既に水の中だった、窓ない暗い階段で水面が揺れている
(;´・ω・`)「みんな何処にいっちゃったんだよ・・・クー・・・」
暗い水面は何も答えない
廃ホテルの周りにはただ静かな水面がどこまでもどこまでも無常に広がっていた
第19話 「無限水平」 おわり
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