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( ^ω^)ブーンは魔法使いなようですす


第1話

2 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:28:50
プロローグ

玩具


3 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:29:19
舞台はほんの少し先の未来。
コンビニもスーパーマーケットもデパートもある。
住宅街もあるし電車も車も走っている。
唯一現代と違うところがあるとすれば『魔法使い』がいるくらい。


4 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:29:55
超古代の貝塚から大量に発見された『魔法石』。
理論や常識にとらわれない夢のような力を持った石。
人間はこれを利用しようと様々な考察をした。
しかし超古代の物ということか、いかんせん魔力が弱かった。
そのために用法が限られていた。
紆余曲折を経てひとつの道にたどり着いた。
そう、『玩具』である。


5 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:30:35
魔法石をwizard(株)の開発した杖に搭載し、様々な魔法を使って戦うというものである。
その斬新なアイデアが世の子供達の心を掴んだのだった。
はじめこそ、過保護な大人達からの反発が強かったが、懐古厨な大人達は「俺(私)も昔は魔法使いに憧れてたなぁ…」という意思のもと、子供につられてはまり出していった。


6 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:31:08
魔法使い同士による戦い、通称『MF』のルールは非常に簡単なもので、『対戦相手が気絶したら勝ち』『対戦相手が降参したら勝ち』基本的にはこの二つのみである。
もしも大怪我などをした場合にはwizard(株)安心保険まである。
この保険の存在によって大人達の大半は魔法使いのことを認めていた。
世はまさに魔法使いブームである。



プロローグ    〜完〜

7 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:37:04
1話

名もない魔法使い


8 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:37:39
TV「今日はwizard(株)の新作守護系杖、『サウンドガーディアン』の発売日とあってトイざうらーは長蛇の列です」

TV「ちょっと並んでる人に話を聞いてみましょー。
こちらのお兄さんはいつから並んでるんですか?」

TV「四日前からテント張ってですよ…」

TV「…ちょっと…姿慎めよwwwwwwwwwwww
ではスタジオにお返ししまーす」


9 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:38:23
( ^ω^)「僕にもそろそろ杖買ってくれおー」

J( 'ー`)し 「ブーンがもうちょっと大人になったらねw」

( ^ω^)「僕はもう立派な大人だお!童貞だってこの前捨てたんだお!」

J( 'ー`)し 「はいはいワロスワロスw
だったらその股間の杖で十分でしょwww」

(#^ω^)「このケチくしょおぉぉぉぉぉ!!」

J( 'ー`)し 「さっさと朝ご飯食べて学校行かないと遅刻するわよ!」

( ^ω^)「あっ!やばいお!ご飯食う時間ないお!」

ブーンは仕方なく食パンをくわえて家を出た。


10 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:39:12
見通しの悪い角を曲がったところでブーンは何者かにぶつかった。

( ^ω^)「いてっ!」

???「いっつー」

( ^ω^)「食パン…曲がり角…ということは…
ペロッ…これはフラグ!とうとう本当に童貞卒業!?」

???「なに言ってんだよブーンw」

( ^ω^)「って、ドクオかお。おいすー」

('A`)「おはよーさん」

ドクオとは小学校で知り合い、中学生となった今でも親友として付き合っている。
彼もまた童貞であり、杖を買ってもらえないでいた。
そんな彼が信じられないことを口にしだした。


11 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:40:03
(*'A`)「おいブーン、とうとう俺も魔法使いデビューだぜwww」

( ^ω^)「Why?」

(*'A`)「今日発売の杖、ママンに買ってもらうんだーフヒヒ」

(;^ω^)「な、なんだってーAA(ry」

そんなこんなで中学校へ着いた。
しかしブーンは授業に集中できないほどに殺気立っていた。


12 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:40:38
(#^ω^)(ドクオに裏切られたお…ピキピキ)

(;'A`)(あーあ、ブーン怒らしちゃったよ…あいつ微妙に根に持つタイプだからなー

…あーあマンドクセ…) おたがいの様々な想いが錯綜し、気まずい感じになってしまった二人はその後、会話を交わすことなく自宅へ帰っていった。


13 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:41:20
('A`)「ただいまー」

川'A`)「おかえりなさい。今日は早かったわね」

('∀')「ママンの顔が早く見たくてね!」

('∀')「それはそうと買ってきてくれたの!?」

川'A`)「はいはい、買ってきたわよ。ちゃんと勉強もするんだからね!
はい、杖」

('∀')「やったー!もちろんだよ!大好きだよママン!
それじゃあさっそく遊びいってくるね!ヒャッホイ」


15 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:42:50
(;゜ωΣ)「バカな…スカウターの故障だと!?」

( ;ω;)「カーチャンのアフォー!!」

ブーンは涙を流しながら家を走って出て行った。
しかしカーチャンはすっぽりと自分の世界にハマっていたためブーンに気付くことはなかった。


16 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:43:47
( ;ω;)「わーん、カーチャンがぁぁぁぁぁ!」

( ^ω^)「ん?ちょっと待つお…
杖を持ってるってことはカーチャン自分だけ…」

(#^ω^)「許せないお!!」

ブーンは、どいつもこいつも裏切り者だと怒りに身を任せ、kskして走り出した。

???「かんべんしてくれよー!」

公園の近くに差し掛かったところで聞き慣れた声がしてきた。

( ^ω^)「ん?ドクオ…?」


17 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:44:37
( ´_ゝ`)「俺達と戦って、お前が負けたらその新作の杖をよこせ」

(´<_` )「弱そうな奴と戦って杖をふんだくるなんて流石だな、兄者」

(;'A`)「かんべんしてくれよ…
今日買ってもらったばっかりなんだぞこれ…」

MFには、純粋に魔法使い同士の実力を比べ合う、『フリーバトル』と、己の杖を賭け合って戦う、『賭けバトル』の二種類がある。
ちなみにwizard(株)は賭けバトルを推奨している。
理由は、社長いわく『その方が燃えるから』という単純なもの。
もちろん商業的な理由もあるのだが、それはまた別の話…


18 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:45:24
(;^ω^)「うっわ…ドクオかわいそうだお…
よりによってあんなDQNにからまれるなんて…」

二人組のDQN、通称流石兄弟は、ブーンの通うVIP中学校でも有名な魔法使いである。
もちろんそんな奴等にからまれたドクオは…

( ^ω^)「ドクオオワタお…」

( ^ω^)「まっ、僕を裏切ったからだお。
いいきみだお…」

少し心苦しいが、その場を立ち去ろうと後ろを向いて走り出すと、またしても何者かにぶつかった。


19 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:46:30
(;^ω^)「いててだお…今度こそフラグ?」

(´・ω・`)「うん、すまない。
フラグじゃないんだ」

( ^ω^)「すみませんだお」

(´・ω・`)「この公園がハッテン場と聞いて来てみたんだが…
カツアゲまがいのことをしているガキがいるね。
そこでキミにお願いがあるんだ」

(;^ω^)「おじさんウホッかお?僕にそういう趣味は…」

(´・ω・`)「まぁ僕の趣味のことはいいんだ…
キミが尻を差しだすというなら話は別だがね…」

(;^ω^)「えっ…と、で、なんだお?」

(´・ω・`)「あのDQNを退治してくれないかい?」


20 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:47:26
(;^ω^)「かんべんしてくれお…
だいたい僕は杖を持ってないからMFには参加出来ないお」

(´・ω・`)「それならこれを使わないか?」

そういって男がブーンに手渡したものは無色透明なデザインの杖だった。

(;^ω^)「で…でも僕初心者だし…
そ、それにそんなにいうならおじさんがあいつらを退治したらいいお」

(´・ω・`)「さすがに大人の僕が厨房をこらしめたらタイーホものだよ…
そうだ!あいつら退治したらその杖をプレゼントするよ。
ちなみにその杖、『テンペスト』は新作で、まだどこにも売っていないものなんだが…」


21 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:47:57
( ^ω^)「やるお!是非やらしてくれお!」

『新作』
『どこにも売っていない』
このふたつの言葉は中学生のブーンにとっては、ものすごく魅力的だった。
こんな素晴らしいものをもらえる自分はきっと特別な存在なんだと…


22 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:53:59
(;A;)「うぅっ…痛いよ…ママン…」

( ´_ゝ`)「降参すればいいものを…」

(´<_` )「さっさと気絶させよう、兄者」

兄者が赤い杖を振りかざそうとした瞬間…

( ^ω^)「ちょっと待つおー!!」

ブーンもまたステッキを振りかざそうとしていた。


23 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:54:49
( ´_ゝ`)「なんだお前は?」

( ^ω^)「名もない魔法使いだお」

(´<_` )「きもっw
あっ、兄者あいつの持ってる杖、見たことない色をしているぞ」

( ´_ゝ`)「ついでだ…あいつのも奪うぞ」

兄者が杖を振り下ろすと炎が飛び出し、ブーンに迫って来た。

(;^ω^)「ひぃっ!」

ブーンは驚いた拍子に後ろへよろけて尻餅をついてしまった。
ブーンが先程立っていた場所は、黒く焼け焦げていた。


24 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:55:28
( ´_ゝ`)b「おk、杖ゲト」

余裕をかまし、勝利宣言をしつつ、連続して炎を繰り出す兄者。

(´<_` )「とんだ腰抜けだな…」

その数歩後ろであきれ顔で観戦している弟者。

(;^ω^)「くそっ!いくお!僕の魔法!」

ブーンもなんとか杖を振り下ろす。
が、しかしなにも起こらない。


25 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:56:02
( ´_ゝ`)「お前魔法の出し方も知らないのか?
弱いってレベルじゃないぞ」

(;^ω^)「う、うるさいお!」

(;^ω^)(えっ?なんで魔法出ないんだお?死亡フラグかお?)

内心はテンパっているブーンを尻目に兄者はとどめの一撃を決めようと、杖に神経を張り巡らせていた。


26 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:56:33
( ´_ゝ`)「 こ れ で お わ り だ ! ! 」

杖を振り下ろすと同時に、先程繰出されてきた炎の約三倍の大きさ(wizard比)はあろうかという火炎がブーン目掛けて一直線に迫って来た。
そのとき…


27 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:57:58
(#'A`)「ブーンを守れー!!」

ドクオの叫びと同時に、ブーンを取り囲む白い結界が現れた。

(;゜ω゜)「うげぇぇぇぇぇ!!」

(;^ω^)「って、あれ?熱くないお…」

兄者の放った火炎は結界を焼くことなく消沈していた。

(#´_ゝ`)「ちっ!まだ動く力があったか!ぶち殺す!」

(´<_`;)「兄者、落ち着け!」

(#´_ゝ`)「うるさい!決めた!あっちのチビから始末するぞ!」

('A`)「…」

兄者がステッキを振りかざし、

(;'A`)「…」

振り下ろした。

(゚A゚)「…」

ドクオの目の前が真っ暗になった。


28 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:59:02
(#^ω^)「ドクオー!!」

ブーンが叫び、杖を振り下ろすと先程はなにも起こらなかったが今回は違った。
轟く強音と共に激しい風が発生し、それが小型の竜巻となって兄者がドクオへ向けて放った火炎をかき消した。
さらに竜巻は風力を増し、兄者を飲み込み公園のはるか外へ吹っ飛ばしてしまった。

(´<_`;)「ちょ!兄者待ってくれ!」

弟者は兄者を追って、公園を走り去っていった。


29 :名無しさん:2007/01/31(水) 14:59:59
(;^ω^)「うっわ…スゲーお…」

( ^ω^)「これって初勝利かお?あっ!兄者のステッキ貰い忘れたお」

(゚A゚)「…」

(;^ω^)「あっ!ドクオ!大丈夫かお?」

(゚A゚)「へ?」

( ^ω^)「僕があいつらをやっつけたお!」

('A`)「mjd?」

( ^ω^)「mjd」

(;A;)「怖かったよ〜ママン」

( ^ω^)「よしよしだお」

堅く抱き合う二人の背を夕日が赤く照らしていた。
アーッ!


30 :名無しさん:2007/01/31(水) 15:01:03
( ^ω^)「そういえばあの人にまだお礼してなかったお」

('A`)「あの人って?」

( ^ω^)「僕にこの杖くれたんだお」

('A`)「へー、不思議な人もいるもんだな」

( ^ω^)「しかもこれどこにも売ってない新作らしいお」

('A`)「色は違うけどお前も新作だったのかよ」

( ^ω^)「ふひひwww」

( ^ω^)「でもなんであの人どこにも売ってない杖を持ってたんだお?
それにもう公園にもいないお…」

('∀')「まぁいいじゃねえか!今度会ったらお礼言おうぜ!
今日はもう遅いから帰ろうぜ!」

( ^ω^)「そうするお!」

二人はすっかり仲直りして家路についた。


31 :名無しさん:2007/01/31(水) 15:02:42
( ^ω^)「ただいまだおー」

公園での一件で、ブーンは忘れていた。

J( 'ー`)し 「あらおかえりなさい。今日は遅かったじゃない」

しかし、カーチャンの姿を見るなり思い出した。

(;゜ω゜)「え…お…」

悪夢の再来だった。
カーチャンに気付かれてはいないものの真実を知ってしまったブーンはなんとも気まずい。
まさか自分の母があんなことを…


32 :名無しさん:2007/01/31(水) 15:03:38
J( 'ー`)し 「ん…どうしたの?様子おかしいわよ?
顔も制服もススだらけじゃない!
あらっ!なにその杖!どうしたの?」

(;^ω゜)「えっ!あぁ、知らないおじさんに貰ったんだお」

J( 'ー`)し 「知らないおじさんってあんた、最近あぶない人が多いらしいから変なことに首突っ込んじゃダメよ!!」

(;^ω^)(あぶない人はあんただお…)

J( 'ー`)し 「まぁあんたも魔法使いデビューしたならこれは見たほうがいいわよ」

そういってカーチャンはブーンに一冊の本を手渡した。
『魔法使いってなんだろう?よい子のQ&A』


33 :名無しさん:2007/01/31(水) 15:04:29
ブーンは寝る前にカーチャンにもらった本を見て、少し勉強してみることにした。

( ^ω^)(なんではじめめは使えなかったのに急に使えるようになったんだお?)

魔法を使うには、『魔力』、『念』、『気』などが親密に関係しています。
魔法はそれらを『掛け算』したもので、どれかひとつでも『0』なものがあると機能しません。

( ^ω^)(だからかお…)

ブーンはひさしぶりに机にむかったせいか、たったこれだけ読んで、そのまま突っ伏して寝てしまった。
なんとも堕落した学生である。

( ‐ω‐)「Zzz…」


34 :名無しさん:2007/01/31(水) 15:05:12
薄暗い部屋で不審な密談する者が二人。

(´・ω・`)「渡しましたよ」

???「ちゃんとデータをとってくださいね」

(´・ω・`)「もちろんですよ」

???「僕達の未来がかかってますからね」

(´・ω・`)「…ですね」




第1話    〜完〜


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