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('A`)たちは水の上に生きるようです

第11話

4 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:14:45.85 ID:xxGWRpL60
第11話 「露店行脚」

日が傾き辺りがだんだんと薄暗くなってきたが、ドクオたちはまだまだ祭りを楽しんでいた

('A`)「第1回金魚乱獲選手権大会〜!」

ノパ听)「ぉおおおおお!!!」

('A`)「さぁ始まりましたね、解説のショボンさん」

(´・ω・`)「そうですね、やはり優勝候補は自称『金魚すくいの魔女』こと素直クー選手でしょうか」

('A`)「はたしてその異名にふさわしいパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか?」

ξ;゚听)ξ「アンタたち何やってるのよ」

( ^ω^)「早くお金払ってポイもらえお」 (※ポイ:紙製の掬い網)


7 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:16:34.61 ID:xxGWRpL60
川 ゚ -゚)「フッフッフ、見せてあげようじゃないか、金魚すくいの魔女の力をな・・・」

从;゚∀从 (微妙な中二病?)

(´・ω・`)「ちょっとふざけてみただけだよ、じゃあ早速勝負といこうか」

('A`)「俺金魚すくいって苦手なんだよなぁ」

( `ハ´)「ウチの金魚は活きがいいアルヨ!頑張るアル!」

金魚すくいの露店には長さ2メートルほどの白い生簀が地面においてあり、沢山の赤い金魚達が群れをなして泳いでいて

生簀の端では空気ポンプからは泡がポコポコと吹き出している。

ノパ听)「がんばるぞおお!!怪しいおっちゃん!」

ヒートが浴衣の袖をたくし上げながら言う

(;`ハ´) (怪しいおっちゃん・・・・)


9 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:18:02.11 ID:xxGWRpL60
川 ゚ -゚)「ポイが破れるまでに何匹掬えるかで勝負だ」

川 ゚ -゚)「ではスタートだ!」

ドクオたちは一斉に金魚を眼で追い始める、時間制限は無いのでゆっくり掬いやすそうな金魚を見つけたほうが得策だろう、

みんながそんなふうに考えている間に、既にクーは3匹の金魚をお椀の中に入れていた

从;゚∀从「なん・・・だと・・・」

(;'A`)「魔女の異名は伊達じゃなかったのか」

川 ゚ -゚)「だから言っただろう?私は金魚掬いの―」

ボスっ

(;^ω^)「あ、ごめんだお」


11 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:20:03.56 ID:xxGWRpL60
クーが自慢げにドクオとツンに話しかけている間に、ブーンが掬いかけて落とした金魚がクーのポイを直撃した

川#゚ -゚)「おい燻製・・・」

自分のポイを破かれたクーは怒りに肩を震わせている

(;^ω^)「正直スマンカッタ・・・」

从 ゚∀从「クーは3匹で脱落だなwww、よっと!2匹目GETだぜww」

(´・ω・`)「クーは残念だったね、せいぜいブーンに怒りをぶつけるといいよ」

('A`)「ハインも意外とうまいな、俺もまけてらんねぇ」

ノパ听)「見えた!そこだぁあああぁあ!!!」

勢いよく狙いをつけた金魚を掬いにいくヒート、まだ彼女のポイは一回も水に触れていなかった

勢いよく入水したポイは水しぶきを上げながら金魚をすさまじいスピードで追い立てる、そして
  _,
ノパ听)

そして、当然破れる


12 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:21:56.85 ID:xxGWRpL60
ξ゚听)ξ「当たり前でしょ・・・」

('A`)「なかなか難しい・・・っと、1匹GET」

(´・ω・`)「まぁこのショボン様はもう5匹GETしてるんだけどね」

(;メ^ω^)「ショボンは地味にうまいお・・・さすがに地味キャラだお・・・」

(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」

そういいながらも無駄の無い動作で6匹目を掬い上げる。

从 ゚∀从「ショボンうまいな、オレ様は4匹で終了だ」

ハインが穴の開いたポイを見せながら言う、

(*´・ω・`)「ふっふっふ、どうやら僕がトップみたいだね、ドクオは何匹?」

(;'A`)「まだ2匹だよチクショー!あ、破れた」


16 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:24:07.62 ID:xxGWRpL60
(*´・ω・`)「残念だねwツンは何匹?」

ξ゚听)ξ「え?25匹だけど?」

(;´・ω・`)「え?」

ノパ听)「ツンすごいなあぁあああ!!!」

川;゚ -゚) (こいつ・・・できる!)

(メ^ω^)「ツン凄いお!」

('A`)「何その無駄な特技」

从;゚∀从「おわんの中ぎっちぎちじゃねぇか」

(;`ハ´)「こんなに獲ってく人は久しぶりに見たアル・・・」


17 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:24:55.38 ID:xxGWRpL60
結局成績はツンが28匹でぶっちぎりのトップを奪っていき、ショボンが6匹、ハインが4匹、クーが3匹、ドクオ2匹、

そしてブーンとヒートがそれぞれ0匹という結果に終わった。

('A`)「ちょっと金魚獲りすぎじゃないか・・・?」

川 ゚ -゚)「合計で43匹もいるな」

ξ゚听)ξ「秘密基地で飼うんでしょ?」

(´・ω・`)「まぁそうなんだけど、屋上にでも金魚の池を作らなくちゃね」

('A`)「まぁどうせ水は溢れてるくらいだしな」

( ^ω^)「次は何処にいくお?」


18 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:27:41.54 ID:xxGWRpL60
从 ゚∀从「次こそヤキソバ!ヤキソバこそ祭り!」

ノパ听)「綿アメだあああ!!!」

ノパ听)从 ゚∀从「ドクオはどっちがいい!」

(;'A`)「え、じゃあフライドポテトで」
  _,
ノパ听)
  _,
从 ゚∀从

川 ゚ -゚)「まぁ定番だな」

ξ゚听)ξ (ドクオの回避スキルはAね)

(´・ω・`)「じゃあフライドポテト食べようか」


19 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:29:20.75 ID:xxGWRpL60
フライドポテトの屋台には、なぜかドクオ達の担任のモナー先生がいた。

( ´∀`)「いらっしゃいだモナ」

('A`)「え、モナー先生何してるんですか?」

( ^ω^)「ついにクビになったんですかお?」

(;´∀`)「失礼な事言うなモナ、町内会の手伝いだモナ」

川 ゚ -゚)「それはご苦労様です」

( ´∀`)「モナ?素直さんたちも来てるモナ?」

( ´∀`)「若いってのはいいもんだモナ、うらやましいモナ」

(;^ω^)「いや先生、別にそういうわけじゃないですお?」


20 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:31:55.80 ID:xxGWRpL60
( ´∀`)「大丈夫モナ、先生だまっとくモナ」

从;゚∀从「人の話を聞けよ・・・」

( ´∀`)「モナ!ハインまで浴衣着てるとは思わなかったモナ、でも似合ってるモナ」

ノパ听)「先生アタシもだぞおおお!」

( ´∀`)「モナモナ、みんな似合ってるモナ」

( ´∀`)「それでお前たちフライドポテト食べるモナか?」

ξ゚听)ξ「えーと、じゃあ大2つお願いします」

( ´∀`)「わかったモナ、盛るぜぇ〜?超盛るぜぇ〜?モナ」

そういいながらモナーは大き目の紙コップにポテトをぐいぐいと詰め込んでいく。

( ´∀`)「はいだモナ、大二個で1000円だモナ」


22 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:34:22.60 ID:xxGWRpL60
モナーが差し出したカップには限界までポテトが詰め込まれたうえに、その隙間にもポテトが突き刺してあった。

(;'A`)「うわぁ、なんかもうブロッコリーみたいになってるじゃねーか」

从;゚∀从「火山が噴火したみたいだな」

ξ゚听)ξ「じゃあ千円です、先生ありがとうございました」

( ´∀`)「まいどありだモナ、じゃあデート楽しんで来いだモナ」

川;゚ -゚)「先生、だからデートじゃないです、しかも私たち7人ですよ?」

( ´∀`)「こまけぇことは気にするなモナ」

ノハ*゚听)「それじゃあ先生さようならぁあああ!!!」

ドクオたちはモナーに一礼してその場を去る


23 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:36:15.18 ID:xxGWRpL60
(´・ω・`)「ほんとに神出鬼没だよね、モナー先生」

川 ゚ -゚)「まさか屋台にまで出没するとはな」

('A`)「とりあえずこのアホみたいな量のポテト食おう」

从 ゚∀从「じゃあソコの石垣んとこに座って食べようぜ」

ノパ听)「ちょうどいいな!」

ドクオたちは並んで鳥居の脇の石垣に腰を下ろす、前の道路では沢山の人たちが行き交っている

ξ゚听)ξ「おいしいわね、このポテト」

( ^ω^)「おいしいお!おいしいお!」

('A`)「ブーン自重しろ」

川 ゚ -゚)「モナー先生もやるもんだな」


25 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:37:28.69 ID:xxGWRpL60
('A`)「そういえば明日って何時に集まるよ」

从 ゚∀从「オレ様は別に何時からでもオッケーだぜ?」

ノパ听)「アタシもいつでもこおおおおおい!」

(´・ω・`)「僕も大丈夫だね」

('A`)「じゃあいろいろ買い物とか行かなきゃ行けなそうだから、午前10時くらいが妥当かな」

ξ゚听)ξ「十時集合ね、わかったわ」

从 ゚∀从「ここんとこなんか毎日充実してんなー」

( ^ω^)「やっぱり何か集中することがあると違うお」

('A`)「秘密基地はいい考えだったわ」

ノパ听)「明日が楽しみだあぁああぁ!!」


26 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:39:07.64 ID:xxGWRpL60
(´・ω・`)「そうだね、でもその前に今日はもっと夜店を回ろうよ」

川 ゚ -゚)「じゃあそろそろ次の店に行こうか」

ノパ听)「よおおおおし!次はぁああ! おぉ?」

ふと自分の足元を見つめるヒート

川 ゚ -゚)「どうかしたか?」

ノパ听)「鼻緒がきれたぞぉ・・!」

( ^ω^)「不吉だおww」

川 ゚ -゚)「下駄なんか履きなれていないからな、変な力が過かってたんだろう」

ξ゚听)ξ「どうする?このままじゃ歩けないわよ」

('A`)「ちょい貸してみ、俺工具持ってるから」

そういってドクオが座っているヒートの足元にしゃがみこむ


28 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:40:55.38 ID:xxGWRpL60
ノハ*゚听)「ど、ドクオ、直せるのかあああ!?」

('A`)「まぁ応急処置くらいならな、いいから脱げよ」

(*^ω^) (いいから脱げよwww発言だけテライケメンwww)

ドクオはそういいながらヒートの白い足から鼻緒の切れた下駄を抜き取る

('A`)「ちょうど電源コードのあまりがポケットに入ってたからな、ちぎれたところを抜き取って代わりにコイツで止めれば大丈夫だろ」

ドクオはそういいながらヒートの下駄を修理する

从 ゚∀从「・・・」

ハインはその様子をしげしげと眺めている

('A`)「よし、できたぞ」

修理の終わった下駄をヒートの足元に置く

ノハ*゚听)「おぉお!!ドクオ、ありがとう!」

ヒートは頬を赤らめながら嬉しそうにドクオに礼を言い、しげしげと修理された下駄とドクオを交互に見る


29 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:43:02.64 ID:xxGWRpL60
('A`)「いいってことよ」

ドクオは少し照れくさそうに頭を掻きながら返事をした

从 ゚∀从「・・・次は何する?」

( ^ω^)「次はチョコバナナだおwww」

(´・ω・`)「ブーン、あれだけフライドポテトをむさぼっておいて・・・」

ショボンがやれやれといった動きを交えながら呆れたような声でブーンに言う

( ^ω^)「甘いものは別胃袋だおww」

('A`)「お前は牛かなんかかよ」

ξ゚听)ξ「そんなんだから太るのよ」

川 ゚ -゚)「私はかまわないぞ、さっきのポテトはほとんどブーンが食べてたしな」

( ^ω^)「じゃあ次はチョコバナナだおwwww」


31 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:46:11.40 ID:xxGWRpL60
ブーンに先導されて、甘い匂いの漂うチョコバナナの屋台に向かう一行

('A`)「なぜ一発で見つけられる」

( ^ω^)「匂いでわかるお」

(´・ω・`) (トリュフを探すブタみたいだ・・・)

ξ゚听)ξ「ジャンケンに勝ったら一本おまけですって」

川 ゚ -゚)「100円で1本が100円で2本になるわけか、それは大きいな」

( ^ω^)「ブーンが最初に挑戦するお!」

∬´_ゝ`)「いらっしゃい」

( ^ω^)「チョコバナナ一つくださいお!」

∬´_ゝ`)「はい100円ね、ジャンケンに勝ったら1本おまけだから!」

ブーンと店のお姉さんがジャンケンをする、ブーンがチョキでお姉さんがパー

( ^ω^)「勝ったッ!!!第一部完wwwwww」


38 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:54:32.92 ID:xxGWRpL60


∬´_ゝ`)「はいおめでとう、もう一本プレゼントね」

そういって店のお姉さんはにこやかに二本のチョコバナナを両手で差し出す

( ^ω^)「ありがとうだおww」

( ^ω^)「ツン、一本あげるお!」

ξ*゚听)ξ「え?い、いいの?」

( ^ω^)「もちろんだお!」

ξ///)ξ「ありがとう、ブーン」

(*´・ω・`) (これは・・・!面白くなる・・・!)


39 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:56:12.62 ID:xxGWRpL60
(´・ω・`)「じゃあ僕も買ってこようかな」

∬´_ゝ`)「はい100円ね、ジャンケンに勝ったら1本おまけだから!」

∬´_ゝ`)「じゃあジャンケンポイ!」

(*´・ω・`)「勝ったッ!第二部完!!!!」

ブーンに続きジャンケンに勝ったショボンが2本のチョコバナナを手にして戻ってくる

川 ゚ -゚)「お、また勝ったな」

从 ゚∀从「あのお姉さん最初はパーしか出して無くないか?」

見ているとショボンの後ろに並んでいた男の子も、チョキを出して二本目のチョコバナナを受け取っている

ノパ听)「ほんとだあああああ!!!」

(´・ω・`)「はい、クーにあげるよ」

ショボンがにこやかにクーにチョコバナナを手渡す、最後にチラリとドクオのほうを見て不敵に笑った

川*゚ー゚)「私にくれるのか?ありがとうショボン」

クーは笑顔でチョコバナナをショボンの手から受け取った。


41 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 21:58:38.82 ID:xxGWRpL60
川 ゚ー゚) (そういうことか・・・これは見ものだな )

(´・ω・`)「で、ドクオは買わないの?チョコバナナ」

(;'A`)「え?」

川 ゚ -゚)「買わないのか?」

( ^ω^)「買わないのかお?」

(;'A`)「なんなのお前ら?まぁ買ってもいいけど」

(´・ω・`)「なら早く買ってきなよ」

('A`)「わかったよ・・・なんなんお前ら」

从*゚∀从

ノハ*゚听)


43 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:00:03.44 ID:xxGWRpL60
ドクオは店の前に立って気づく、ハインとヒートどっちに2本目を渡せばいいんだ?

(;'A`) (これ詰んでね?計ったな・・・!あのしょぼくれ野郎っ・・・・!)

('A`) (もらえなかったほうが怒るに決まってるだろjk・・・しかもハインとヒートって・・・)

ちらりと後ろを振り返ると、こちらを注視するハインとヒート、そしてその後ろでほくそ笑むショボンとクーの姿

(;'A`) (いまさら買わないってのも無理だし・・・)

('A`) (そうだ、ジャンケン負ければいいんじゃん、最初はパーしか出さないんだし)

('A`)「チョコバナナください」

∬´_ゝ`)「はい100円ね、ジャンケンに勝ったら1本おまけだから!」

('A`) (最初にグーを出すっ!)


45 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:01:54.24 ID:xxGWRpL60
∬´_ゝ`)「じゃあジャンケンポイ!」

ドクオは迷うことなくグーを出した、店のお姉さんが出したのは・・・・・・


チョキだった、しかも田舎チョキ

(;'A`) (な、何ぃいいいいいい!!)

∬´_ゝ`)「はいおめでとう、もう一本プレゼントね、 色 男 さん」

(;'A`) (色男?)

∬´_ゝ`) (フフフフ・・・若いって良いわねぇ)

2本目のチョコバナナを受け取ったドクオの意識は混乱していた、

予定では1本だけで済ませるはずだったのに彼の両手には計2本のチョコバナナが存在する。

(;'A`) (どっちに・・・?どっちに渡すんだ俺!?)


47 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:03:19.62 ID:xxGWRpL60
(*´・ω・`)「ドクオなにしてるんだい?早くこっちにきなよ」

(#'A`) (あのしょぼくれ野郎があああ!!!)

川*゚ -゚) (だ・・・だめだ・・・まだ笑うな・・・こらえるんだ・・・し、しかし・・・)

(;'A`)「えーっと・・・えーっと・・・」

从*゚∀从

ノハ*゚听)

('A`) (何あの二人のwktkな顔・・・そんなにチョコバナナ好きなのか?)


48 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:04:47.17 ID:xxGWRpL60
('A`)「ハイン、やるよ」

ハインの前に立ち、右手のチョコバナナを差し出す

从*゚∀从「お、え、い、いいのか?」

('A`)「いいからもらっとけって、好きなんだろ?」

从*゚∀从「そ、そうか?ありがと・・・・・な?」

ハインは照れくさそうに笑いながらも、ドクオの手からそっとチョコバナナを受け取った

ノパ听)

川 ゚ -゚) (む、ハインを選んだか・・・)

('A`)「ヒートもいるだろ?」

ドクオはヒートの方に向き直り、左手のもう一本を差し出す

ノハ*゚听)「く、くれるのかぁああああ!?」

('A`)「ああ、俺の奢りだ」


49 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:06:24.54 ID:xxGWRpL60
ノパ听)「でもドクオの分がなくなるぞおおお!??」

(;'A`)「それはアレだ、急にチョコが食べたくなくなってな」

ノハ*゚听)「そうなのかぁあああ!!!じゃあもらうぞおおお!!!ありがとうなぁああ!!!」

('A`)「いいってことよ」

(´・ω・`) (なんという事なかれ主義・・・)

川 ゚ -゚) (つまらんが、まぁ良しとするか)

ξ゚听)ξ (ドクオ、やさしいじゃない)

( ^ω^) (ブーンにもくれお・・・)

50 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:08:09.09 ID:xxGWRpL60
( ^ω^)「次は何処にいくお?」

('A`)「祭りといったら男にはやらなければいけない事がある」

ξ゚听)ξ「何よそれ」

('A`)「射的」

( ^ω^)「射的かお」

('A`)「必殺スナイパードクオ様の腕前を見せてやんぜ」

从 ゚∀从「そんな異名あったか?」

ノパ听)「とりあえず射的に行くぞおおおお!!」

(´・ω・`)「そうしようか」


52 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:10:37.51 ID:xxGWRpL60
('A`)「さて、射的屋の前に来たわけだが」

ドクオたちはひなびた射的屋の前にいた、店の奥には赤い布の敷かれた棚があり、その上にさまざまな景品が並べられている

手前のテーブルの上には木製グリップのついたコルク銃が10艇ほど横たわっている

(-_-)「いらっしゃい、5発で300円だよ」

('A`)「ブーン、ショボン、勝負しようぜ」

( ^ω^)「望むところだおwww」

(´・ω・`)「このショボン様に勝てるかな」

3人はお金を払い、銀色の灰皿に入ったコルクの弾を受け取る

(-_-)「真ん中の段が狙い目だよ」


53 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:12:10.77 ID:xxGWRpL60
('A`)「見てろよ・・・?」

ドクオはそういいながら銀色に鈍く光る銃口にコルクをぐいぐいと詰めていく、バネ式のボルトを引き下ろし、射撃の準備を整える

('A`)「ターゲット、インサイト」

(;^ω^) (またドクオの軍オタがはじまったお・・・)

ドクオが引き金を引き絞ると、ポンとはじけるような音を立ててコルクが勢いよく飛んでいく、

ドクオの銃から放たれたコルク弾は、銀色に鷹の刻印の入ったジッポライターに当たり、見事それを叩き落した

ノパ听)「おおおぉぉおおお!!」

从 ゚∀从「何だドクオ、ほんとに得意なんじゃねーか」

ξ゚听)ξ「まさか一発で獲るとは思わなかったわ」

川 ゚ -゚)「しかし・・・ジッポライターなど何に使うんだ?タバコを吸うわけでもないし」

(;'A`)「何に使うかとかは良いんだよ!男のロマンなんだよ!」


54 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:14:35.67 ID:xxGWRpL60
( ^ω^)「ブーンも負けてらんないお!」

ブーンはドクオと同じく黄色いジッポライターに狙いをつけて引き金を引く

しかし放たれた弾はむなしく跳ね返されてしまう

(;^ω^)「なん・・・だと・・・」

ξ゚听)ξ「ぜんぜん動かないわね」

('A`)「あー、普通に狙っても落ちないぞあれは」

(´・ω・`)「じゃあ次は僕が狙うよ」

ショボンが同じライターを狙う、だがしかし同じくはじかれてしまう

(´・ω・`)「絶対両面テープだよ・・・」

(;-_-)「そんなことないよ、現にそこの子は取れたじゃないか」


57 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:17:46.83 ID:xxGWRpL60
('A`)「実力の差ってこった、お前らなんか欲しいもんあるか?」

ドクオが後ろを振り返って女子達に尋ねる

从 ゚∀从「えー?じゃ、ライターで」

(;'A`)「使い道無いんじゃなかったのかよ・・・」

ドクオはそういいながらもさっき取ったものと同じ銀色のライターに銃口を向け、コルクを放つ

弾の当たったライターはクルクルと回転しながら下に落ちる

(-_-)「はい、おめでとう、お兄さんうまいね」

射的屋が落ちたジッポライターをドクオに手渡しながら感心したように言う。

('A`)「どうも」

('A`)「ホレ、ライター」

ドクオがハインの手のひらに獲ったライターを放る

从*゚∀从「お、サンキュー」


59 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:20:26.92 ID:xxGWRpL60
(´・ω・`)「なるほど、角を狙えばいいんだ」

川 ゚ -゚)「回転させて落とすわけだな」

( ^ω^)「なるほどだお、ていっ!」

ブーンが再度ライターを狙う、ライターの角には当たったが、少し動かしただけで落ちはしなかった

(´・ω・`)「そのライターもらった!」

ブーンが動かしたライターをショボンが狙う、ブーンが動かしていたのもあり、ライターは棚から落ちた

(´・ω・`)「よっし!」

(;^ω^)「ショボン卑怯だお!」

(´・ω・`)「これも戦略さ」

(;^ω^)「ぬう、卑怯者には負けないお!」

ブーンは再度ライターを狙う、

ライターに当たったコルクは跳ね返り、横にあったキャラメルを一つ下に落とした


60 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:22:31.37 ID:xxGWRpL60
(-_-)「はい、キャラメル」

ξ゚听)ξ「あんたほんとに食べ物ばっかりね」

(;^ω^)「狙ってやってるわけじゃないですお」

('A`)「ブーンには射撃の才能は無いな・・・」

そういいながらドクオはまた景品を落とす、今度はキャラメルを一気に4箱もだ

(;^ω^)「そんなもん無くても問題ないお・・・」

('A`)「ヒートたちに1箱ずつやるよ」

ノパ听)「おお!ありがとうドクオおおお!!」

川 ゚ -゚)「ありがとうドクオ」

ξ゚听)ξ「ありがと」

从 ゚∀从「どーもな」

( ^ω^) (何このイケメンっぷり・・・最近のドクオからはなぜかイケメンオーラを感じるお・・・ナナフシ人間なのに)

(´・ω・`)「あれ?僕には無いのかな?」

(;'A`)「おめーは自分で取れよ・・・」


63 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:25:41.70 ID:xxGWRpL60
みんながドクオからもらったキャラメルの包みを開けているとき、ブーンは射的の景品の最上段、左端のゾーンを注視していた

( ^ω^) (・・・・AVがあるお・・・・)

( ^ω^) (・・・なんで射的ってAVとか景品になってるんだお・・・しかも大体最上段にあるお・・・)

( ^ω^) (・・・みんながドクオに注目している今ならあるいは・・・)

ブーンはそっと銃口の向きをAVの方に向けた

ξ゚听)ξ「ブーン今度は何狙ってるの?」

( ゚ω゚) ビクッ

('A`) (あいつAV狙ってやがったな・・・アホか・・・)


65 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:27:49.86 ID:xxGWRpL60
(;^ω^)「え、えーと・・・あれだお!」

苦し紛れに適当に棚を指差してみる、その指先が指し示したのは

・・・・・さらに18禁な玩具だった

(;^ω^)「お・・・」

「ソレ」を確認したツンの顔から色が失せる。

ξ )ξ

从;゚∀从「うわ・・・」

(*´・ω・`) (バカだ、バカがいるよwwww)

ノハ*゚听)「ぉお・・・・・」

川;゚ -゚)「ブーンはおませさんだな・・・・・・・はは・・・」

('∀`) (テラバカスwwwwバッカスwwwww)

事情を知るドクオは、一人顔を隠して笑いを必死にこらえている

68 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:30:04.44 ID:xxGWRpL60
ξ )ξ「ブーンあんた・・・・」

(;^ω^)「ちちちちちちちちがうんだおおお!!」

ξ#゚听)ξ「黙れこのド変態がああぁあああぁあ!!!」

ブーンの抵抗空しく、白い浴衣が翻ったかと思うと、既にツン渾身の右ストレートがブーンのこめかみにめり込んでいた


70 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:32:08.95 ID:xxGWRpL60



( ^ω^)「チョコバナナ食べてからの記憶がないお・・・」

( ^ω^)「それになぜか側頭部がひどく痛むお・・・」

( ^ω^)「ドクオ、いいかげんに何があったのか教えてくれお・・・」

もう日も傾き薄暗くなった一本坂を登りながら、ブーンは悩んでいた

(*'∀`)「だから俺の口からは言えねぇなwww」

ξ゚听)ξ「アンタは知らなくていいのよ」

(´・ω・`)「知ったらきっと自殺しちゃうから」

(;^ω^)「余計気になるお」


74 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:33:56.95 ID:xxGWRpL60
从 ゚∀从「教えてやろう、ブーンは射的でバイ

言いかけるハインの口をドクオが手でふさぐ

(;'A`)「女の子がそんなこと言っちゃいけません!」
  _,
从*゚∀从「えー」

川 ゚ー゚)「まぁ気にしないことだな・・・フフ・・・プッ・・・」

ノハ*゚听)「そうだぞおおお!!」

( ^ω^)「・・・もうどうでもいいお・・・」

そんなやり取りを繰り返すうちにドクオたちは廃ホテルの下にたどり着いた

あたりは緑の木々に囲まれ、時折何処からか微かな虫の音が聞こえる以外は静寂が支配している


76 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:35:45.77 ID:xxGWRpL60
(´・ω・`)「さて、早いところこの大量の金魚を何とかしないとね」

ショボンが金魚の入った袋を掲げて言う

('A`)「とりあえず屋上のドラム缶にでも入れとけばいいんじゃね?」

川 ゚ -゚)「そういえば午前中ドクオたちは何をしてたんだ?」

(´・ω・`)「僕とドクオは水道の工事とトイレをね、ブーンは・・・・」

('A`)「ブーンは・・・・」

(*´・ω・`)9m「水浸しwwwwwwwwwwwwww」

(*'A`)9m「不審者wwwwwwwwwwwwwww」

(;^ω^)「うるせぇおwww」

ξ゚听)ξ「まったくアンタ午前中もそんなことしてた訳?」

(;^ω^)「も、ってなんだお!?」

80 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:39:04.66 ID:xxGWRpL60
从 ゚∀从「トイレまで作ってたのか、そりゃーご苦労だったな」

('A`)「ちなみに一応水洗式だ」

ノパ听)「すごいなあぁあああぁ!!」

(´・ω・`)「金魚は僕が何とかしておくからみんなは先に帰っててよ」

('A`)「どうせ暇だから俺も手伝うよ」

从 ゚∀从「明日のこともあるし一回みんなで上に行こうぜ?」

川 ゚ー゚)「うむ、まだ祭りの余韻を楽しみたいしな」


83 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:40:52.24 ID:xxGWRpL60
4階のテラスからは町の家々の明かりがよく見え、夜の風がドクオたちには心地よく感じられた

ξ゚听)ξ「結構暗くなっちゃったわね」

(´・ω・`)「もう7時過ぎてるからね、今日は早く帰ったほうがいいよ」

从 ゚∀从「明日は10時だっけ?」

川 ゚ -゚)「覚えてないが・・・10時でいいんじゃないか?」

( ^ω^)「たのしみだお、何を持ってくればいいお?」

ノパ听)「まずは・・・寝袋だなああ!!!」

('A`)「あとは・・・着替えと洗面用具?」

从 ゚∀从「料理の道具はクー達が持ってくるんだっけ?」

川 ゚ -゚)「うむ、任せておけ」


85 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:42:25.51 ID:xxGWRpL60
ノパ听)「まっかせろおおお!!!」

ξ゚听)ξ「買出しはみんなで行くわよ」

( ^ω^)「ブーンは・・・UNO持って来るお」

(´・ω・`)「他にも懐中電灯とかランタンとかあればいいね」

('A`)「あ、ランタンなら確かうちにあったから持って来るわ」

从 ゚∀从「じゃあ各自持ってくるのは着替えと寝袋と洗面用具、それに懐中電灯とおやつだな!」

ノパ听)ノシ「はいはーい!質問だああああ!!!」

从 ゚∀从「なんだー?」

ノハ*゚听)「先生!おやつはいくらまでですかああああ!!!」

从 ゚∀从「おやつは無制限です」

ノハ*゚听)「おおおおおおおお!!!!!」

(*^ω^)「おおおおおおおお!!!!!」

ξ;゚听)ξ「ブーン、アンタは自重しなさい」


87 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:44:25.35 ID:xxGWRpL60

('A`)「じゃあ明日10時な」

川 ゚ -゚)「食料代を忘れるなよ」

( ^ω^)「了解だお!じゃあツン、ドクオ、一緒に帰るお!」

('A`)「あ、俺ちょっとやることあるから先に帰っといて」

( ^ω^)「そうかお?じゃあツン、二人で帰るお!」

ξ*゚听)ξ「そうね、それじゃあお先に失礼するわ」

从 ゚∀从「気ぃつけろよー」


89 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:45:40.47 ID:xxGWRpL60
ノパ听)「またあしたなあああ!!!」

( ^ω^)「じゃあバイブー!だお!」

川*゚ ж゚) :;*.':;ブッ  

( ´゚ω゚):;*.':;ブハッ  

(*;∀`)「ちょwwwwブーンwwwじゃーなwwww」

从*;∀从「まwwたwっあしたwwwバwwwwイwwブーwwww」

ノハ*;凵G)「またwwあしたなああああwwwwww」


91 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:48:45.31 ID:xxGWRpL60
ブーンとツンがいなくなったあとも残ったドクオたちはまだ笑い続けていた

('∀`)「いやー・・・腹筋がねじ切れるかと思ったね」

从*゚∀从「あそこでバイブー!はないよな、バイブー!は」

川 ゚ー゚)「まぁ本人には記憶が無いわけだからなw」

(*´・ω・`)「それにしてもあのタイミングは神懸り的だったねwww」

ノパ听)「ツンの顔がひきつってたぞおおおwww」

('A`)「じゃあ俺達もドラム缶に金魚入れてさっさと帰るか」

(´・ω・`)「そうだね、明日は泊まりなわけだし」

('A`)「ヒートとクーとハインは先に帰ってていいぜ?」

川 ゚ -゚)「そうか?じゃあ私達も帰るとしよう」


93 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:50:12.45 ID:xxGWRpL60
ノパ听)「また明日なあああああ!!!」

从 ゚∀从「じゃーなー」

階段を下りていく3人、しかしハインがふと何かを思い出したようにドクオのところに戻ってきた

('A`)「何?忘れもん?」

从*゚∀从「いやその・・・ライターありがとな」

ハインが巾着袋からドクオがあげた銀のライターを取り出して言う

('A`)「ん?いや、あれくらい良いってことよ」

从 ゚∀从「じゃあ、また明日な!寝坊すんなよ!」

('A`)「お前こそな」

そういうとハインはまた階段を下りていった


95 : ◆ct9JfRCXVU :2009/04/04(土) 22:51:26.53 ID:xxGWRpL60
(´・ω・`) (ふーん)

('A`)「さて、さっさと終わらせて俺達も帰ろうや」

(´・ω・`)「そうだね」


廃ホテル「VIPオーシャンホテル」の上には雲ひとつない夜空に綺麗な月が浮かんでいた


第11話「露店行脚」 おわり



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