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( ^ω^)ブーンが剣の道に踏み出すようです

幕間

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/07(金) 19:13:45.51 ID:ldQsz8PE0
夕焼けの中で、翁はすぅっと一つ伸びをした。
自身の立つ道の先にいる一団など、目にも映らないと言う風に。

ブーンとドクオは眠っていた。
三日に及ぶ荒行の果て、極限の疲労と確かな満足感を抱えて。

132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/07(金) 19:14:02.90 ID:ldQsz8PE0
男たちは見ていた。
一人の悪魔のような老人が、自分たちに向かって歩んでくるのを。

そしてそんな小さな短辺達の狭間で、一人の少女はその食物を手に取る。
それは名を、エンゼルフレンチ、と言った。

閑話休題 壱

133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/07(金) 19:15:30.12 ID:ldQsz8PE0
川 ゚ -゚)「……」

……私は素直冷淡。なぜかクーと呼ばれている。
昨日まではただの田舎娘だった。

135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/07(金) 19:16:09.10 ID:ldQsz8PE0
今日からは、山賊への供物の内の一つということになった。
いくら助かるためとはいえ、女子供まで差し出すとは村長もえげつないことをする。

選ばれたのが私じゃなかったら、可哀相なことになっているところだった。

まぁ、私が選ばれたことによって、可哀相なのは私以外の詩辺利亜の里全体、と言うことになったがね。

139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/07(金) 19:18:21.19 ID:ldQsz8PE0

   〃∩ ∧_∧
   ⊂⌒(  ・ω・)   「……時間だ、クー。……すまんな、本当に……」
     `ヽ_っ⌒/⌒c

川 ゚ -゚)「いやいいよ村長。だって、」

だって、

141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/07(金) 19:19:13.23 ID:ldQsz8PE0
川 ゚ -゚)「里で一人身の若い女なんて私くらいしかいないし」

私は里の宝エンゼルフレンチ、そのこの貧相な里で唯一の宝物、それを

川 ゚ -゚)「これが一番良いんだよ。だから村長は謝るな」

もって一人で、
逃げるつもりだもの。

142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/07(金) 19:19:33.04 ID:ldQsz8PE0
……笑うな。ここはまた、私が笑うべき時じゃない。
ばれてしまうだろう?

でも口が釣りあがるのを、止めることは出来なかった。

川 ゚ ー゚)「……」



……そう。だって私は素直冷淡。自分の欲望に忠実な女……


144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/07(金) 19:21:57.06 ID:ldQsz8PE0
計画は簡単だ。
供物は村人たちに運ばれて山賊たちの山門まで運ばれる。
そしてそこからさらに頭のいる山城へ。

ここからは雑魚は付いてこない。頭のお楽しみ邪魔するわけにはいかないから。

146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/07(金) 19:22:51.98 ID:ldQsz8PE0
私は、今まで供物にされてきた他の女たちの話から、以上の情報を知った。

知っていれば後は簡単だ。雑魚が引き上げた後、さらにその先の苦行もぐっと耐えて、
後は頭の寝首を掻いてから逃げ延びればいい。

十六の小娘が一人で生きていくのは難しいだろうが、何、このすべてが終われば
私の元にはエンゼルフレンチが残る。あれを利用すれば……。

147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/07(金) 19:24:46.47 ID:ldQsz8PE0
金持ちのぼんぼんのドクオが言っていた。
戦わなきゃならないって。

侍気取りのブーンが言っていた。
守るべきものを守るって。


149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/07(金) 19:25:56.43 ID:ldQsz8PE0
私は、嫌だ。
私は逃げ延びる。
私は生き延びる。
戦いたくない。
守りたくない。
責任なんてコリゴリだ。

だから逃げてきたのに。今回だってきっと――

――なのになんで、こんな光景を見せられなくちゃならないんだろう。

閑話休題 壱 了

三話はできるだけ早いうちに書き上げるね。
今日読んで下すってありがとうございました。


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