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小さな灯火
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 22:12:54.08 ID:oHfmGnjLO
( ^ω^)「場内注意、制限35」

いつもと変わらぬ風景が、フロントガラスに飛び込んできては流れてゆく

( ^ω^)「出発進行、制限35」

夜の渓谷を、黒煙を吹き列車は進む

( ^ω^)「制限25」

そんなありふれたルーチンワークだった…

( ^ω^)「もうすぐで今日も終わり…かお」

( ^ω^)「…帰ってビールでも飲みに行くかお」

そんな事を考えてる間にも、ゆっくりと列車は進む

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 22:14:17.03 ID:oHfmGnjLO
( ^ω^)「制限30」

(;^ω^)「ってちょwwwwwタンマあぁぁぁっ…!」

金属が擦れ音をたて、車体を大きく揺らし止まる列車
ブーンの目の前には…あるはずの橋が無かった
昼間の豪雨で流されたのだろうか、跡形も無くなっていたのだ

(;^ω^)「…」

(;^ω^)「セフセフ」

しかし不幸は重なるものだ

(;^ω^)「うっはwwwwwエンストうめぇwwwww」
( 凸)「エンコ?橋没落?今俺しか居ないから駅空けられねーんだわ」
(;^ω^)「ちょwwwwwストwwwwwうめぇwwwww」

ここの所ストライキが頻繁し、真面目に働いていたブーンにしわ寄せが来たのである
当然ろくにメンテする人間もおらず、さっきまで動いていた列車はただの鉄屑と化してしまった

(;^ω^)「…これからどうしようかお」

運転席のドアを開け、車内を見渡す

( ^ω^)「怪我人は居ないかお?」
「…その声、ブーンか?」
( ^ω^)「ドクオ…なのかお?」

どうやら乗客が居たらしい…一人だけだが

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 22:15:57.95 ID:oHfmGnjLO
('A`)「おいおいどうなってんだよこれ…」
(;^ω^)「アウアウ…」

ブーンはドクオに橋とストの事について説明した

('A`)「ビバ国鉄」
( ^ω^)「やってくれるおまったく…」
('A`)「こりゃ朝まで身動きとれそうにないな…」
( ´ω`)「おっお…やけ酒すらできないお」
('A`)「しょーがねーな…ほれ」

そう言いながら袋から大量の缶ビールを出すドクオ

('A`)「まあ…その…あれだ」

('A`)「今日が命日なんでな、付き合えよ、ブーン」
( ^ω^)「ドクオ…」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/05(日) 22:17:33.92 ID:oHfmGnjLO
今日は偶然にもドクオの両親の命日である
ドクオの両親は列車の暴走事故で死んだのである

('A`)「トーチャンもカーチャンも…あの下り坂で転がり落ちるように死んでったんだよな…」

('A`)「あの日…ブレーキさえ故障しなければ…」
( ^ω^)「…」

( ^ω^)つ日

ブーンは何も言わずに形見のオイルライターをそっと差し出した
正確には何も言えなかったのだろうが…

('A`)y-~~「火…ありがとな…」
( ^ω^)y―~~「…気にするなお」

漆黒の闇が二人を包み込む…
二人を癒してくれるものは…他にない…

( ^ω^)y―~~「俺もこの間親父を亡くしたけど…畳の上で死なせてやれて本当によかったお…」
('A`)y-~~「…」
( ^ω^)y―~~「墓参り…そろそろ行かなきゃいけないおね…」
('A`)y-~~「…今夜は朝まで付き合えよ」
( ^ω^)y―~~「おっお…」

静かな夜の山中、小さな灯火は朝まで消えることは無かった…


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