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問合せ
( ^ω^)ブーンは冤罪のようです
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愛のVIP戦士
: 2007/02/26(月) 21:29:55.80 ID:Q/jb0yU+0
東京の満員電車は異常だ。
( ^ω^)「…」
狭い空間に幾多もの他人が押し込められ、誰も文句を言うことなく揺らされている。
ξ゚听)ξ「…!」
僕は忘れていた。
いつだって、トラブルは突然起こるということを。
ξ゚听)ξ「痴漢!」
(;^ω^)「…え?」
( ^ω^)ブーンは冤罪のようです
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1
: 2007/02/26(月) 21:31:40.02 ID:Q/jb0yU+0
('A`)「ふー、あんたがやったんだろう?」
( ^ω^)「…違いますお」
('A`)「でもねえ、被害者がはっきりあなただと言ってるんですよ」
ξ゚听)ξ「…」
('A`)「話は署でききましょう」
(;^ω^)「そんな…」
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1
: 2007/02/26(月) 21:34:40.89 ID:Q/jb0yU+0
VIP警察署
( ,,゚Д゚)「あんたがやったんだろ? 吐けば楽になるぜ?あぁ!?」
( ^ω^)「ち、違うって言ってるお! 僕じゃないお!」
('A`)「ギコさん、中々しぶといホシですね」
( ,,゚Д゚)「ったく、あんたがクロだってのはわかってんだ。ほら、言っちまえよ」
( ^ω^)「べ、弁護士を…」
( ,,゚Д゚)「弁護士だぁ? てめえにつける弁護士なんかいねえよ。
自分の非を認めないと一生留置所ですごすことになるぞ?」
(;^ω^)「…」
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1
: 2007/02/26(月) 21:37:09.16 ID:Q/jb0yU+0
(;^ω^)「…」
僕は焦っていた。
もし、ここで自白すれば騒ぎにならずにすむかもしれない。
騒ぎが大きくならなければ、運が無かったとして妥協できる。
(;^ω^)「…僕が」
( ,,゚Д゚)「ん?」
('A`)「…」
(;^ω^)「…僕が、やりましたお」
言ってしまったのだ。
僕は、この行動を後に後悔する事になる。
嫌というほど、ね。
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1
: 2007/02/26(月) 21:38:54.89 ID:Q/jb0yU+0
僕を待っていたのは留置所だった。
色々な検査をされ、書類を書き、暖房も無い独房に押し込められた。
( ^ω^)「…話が違うお」
釈放など夢のまま、3日が過ぎる。
(;^ω^)「…」
( ,,゚Д゚)「おい、面会だ。こい」
(;^ω^)「…面会?」
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1
: 2007/02/26(月) 21:41:23.73 ID:Q/jb0yU+0
J( 'ー`)し「ブーン…」
( ^ω^)「カーチャン!」
J( 'ー`)し「あんたって子は、なんてことをしたんだい…」
(;^ω^)「…え?」
J( 'ー`)し「どうして、う…うっ…」
(;^ω^)「カーチャン、違うんだお! 僕は、僕は痴漢なんてやってないお!」
J( 'ー`)し「…」
( ,,゚Д゚)「時間だ。戻れ」
(;^ω^)「カーチャン! 待ってくれお! 信じてくれお!」
ガチャン、とドアの閉じる音が、僕の心に響いた。
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1
: 2007/02/26(月) 21:43:43.47 ID:Q/jb0yU+0
僕に残っていたのは絶望感だった。
カーチャンの、あの悲しそうな目。
( ^ω^)「…」
もはや、僕に生きる力など無く、ただ時間だけが過ぎていった。
( ,,゚Д゚)「おい、面会だ」
( ^ω^)「…」
力なく歩く。
僕の心を占めているのは虚無、それだけだった。
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1
: 2007/02/26(月) 21:46:18.63 ID:Q/jb0yU+0
( ´∀`) 「どうも、弁護士のモナーと申します」
( ^ω^)「…どうも」
( ´∀`) 「あなたのお母様から依頼がありまして、あなたの弁護をさせて頂きます」
( ^ω^)「え!?」
( ´∀`)「痴漢による冤罪、そう聞きました。…あなたは、無罪を主張していると」
( ^ω^)「カーチャンが…」
信じられなかった。
カーチャンは僕を信じてくれていたのだ。
涙が、自然と目から流れる。
( ;ω;)「…お」
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1
: 2007/02/26(月) 21:47:54.73 ID:Q/jb0yU+0
( ´∀`)「一緒に無罪を勝ち取りましょう」
( ^ω^)「…はい!」
一度は諦めた自分の罪。
だが、それは架空の罪なのだ。
助かるかもしれない。
僕は、希望の光をモナー弁護士に見たのだ。
( ^ω^)(僕は…やってないお!)
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1
: 2007/02/26(月) 21:52:18.29 ID:Q/jb0yU+0
―――…
それから、モナーさんは何回か僕の話を聞きに来た。
カーチャンもしばしば会いにきて、励ましてくれた。
僕は、刻々と暗い部屋で裁判の時を待つ。
そして、時は訪れる。
( ^ω^)「…」
(´・ω・`)「被告人は、前へ」
初めて訪れた裁判所は、広々としていた。
弁護側には、モナーさんが構えており、検察側には例の刑事が睨みを聞かせている。
[30]
愛のVIP戦士
: 2007/02/26(月) 21:57:44.66 ID:Q/jb0yU+0
(´・ω・`)「あなたは、電車内において痴漢行為を行ったことに対し、この行為を認めますか?」
( ^ω^)「…」
一度、深呼吸する。
落ち着け、落ち着け。
( ^ω^)「…僕は」
「待った!!」
低い声が、裁判所に響き渡る。
ミ,,゚Д゚彡「その問いの必要性はありません」
検察側に立っている男が声を発した。
[31]
1
: 2007/02/26(月) 22:00:44.09 ID:Q/jb0yU+0
(´・ω・`)「どういうことですかな? フサギコ検事」
ミ,,゚Д゚彡「被告はすでに行為を認めています。よって、この質問は必要ありません」
(;^ω^)「なっ…!?」
フサギコと呼ばれた検事はものの見事に出鼻を挫く。
正直、言い返そうと思った。
だが、自分の言葉を思い出す。
自分がやったと、確かに警察署で自白してしまっていたのだ。
(;^ω^)(しまったお…)
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1
: 2007/02/26(月) 22:04:10.09 ID:Q/jb0yU+0
(´・ω・`)「ふむ…」
ミ,,゚Д゚彡「よって、この裁判で決めることは一つ…」
ミ,,゚Д゚彡「被告の罪の重さ…それだけです」
裁判所に沈黙が流れる。
(;^ω^)(いきなりこんな流れかお…どうしよう、どうすれば)
少ない脳味噌を回転させるが、頭は真っ白になり何も浮かんでこない。
(´・ω・`)「では――
「異議ありっ!!」
( ´∀`)「ちょっとお待ち頂きたい」
モナーさんが、その小さな身体に似合わず大声で叫んだ。
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1
: 2007/02/26(月) 22:09:35.81 ID:Q/jb0yU+0
( ´∀`)「被告人の意見を聞く必要は…ありますモナ。
彼には発言する権利があるはずモナ」
ミ,,゚Д゚彡「異議あり! 被告はすでに罪を認めている。
今さら被告に聞く必要は無い!」
( ´∀`)「…」
裁判長が、ゆっくりと顔をあげる。
(´・ω・`)「検察側の異議を却下します。被告人に、もう一度問いましょう」
( ^ω^)(よしっ!)
モナーさんの方を見る。
モナーさんは、ゆっくりと頷いた。
そうだ、僕は――
( ^ω^)「僕は、そんな行為はやってないですお! 何かの間違いですお!」
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1
: 2007/02/26(月) 22:13:35.42 ID:Q/jb0yU+0
その一言に裁判所がざわめき始めた。
(´・ω・`)「静粛にっ!」
( ,,゚Д゚)「ふん、往生際の悪い奴だ…」
裁判所が再び静粛に包まれる。
そして、ゆっくりと裁判長の口が開かれた。
(´・ω・`)「尋問に入りましょう。検察側は準備を」
ミ,,゚Д゚彡「はい」
フサギコ検事は、冷静さを失うことなく返事をする。
( ´∀`)(あの検事…どこかで)
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1
: 2007/02/26(月) 22:16:36.25 ID:Q/jb0yU+0
――…
(´・ω・`)「検察側、準備はできましたか?」
ミ,,゚Д゚彡「はい。被害者のツン・デーレさんです」
裁判所に足音が響く。
その攻撃的な足音の主は、まっすぐに法廷に立ち、姿を現した。
ξ゚听)ξ
( ^ω^)「あの女…!!」
その金髪ツインテールと、青い瞳を忘れるものか。
僕をこんな目に合わせた張本人、その人であった。
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1
: 2007/02/26(月) 22:20:01.20 ID:Q/jb0yU+0
(´・ω・`)「では、名前と職業をお願いします」
ξ゚听)ξ「ツン・デーレ。…大学生よ」
(´・ω・`)「失礼ですが、お名前からして外国のお方でしょうか?」
ξ#゚听)ξ「失礼ね! 日本人よ!」
ツンは耳が張り裂けるな声で裁判長の言葉に噛み付く。
その声に、フサギコもモナーも耳を両手で塞いでいた。
(´・ω・`)「み、耳が…っ! 迷惑条例禁止法! 迷惑条例禁止法!」
(;><)「裁判長、落ち着いてください! そんな法律ありませんです!」
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: 2007/02/26(月) 22:23:26.81 ID:Q/jb0yU+0
裁判官の人がなんとか場を収め、再び裁判が再開される。
(´・ω・`)「失礼しました。いや、あれですね。最近は変わった名前も増えて…」
咄嗟に、法廷にいる全員が耳を塞ぐ。
ξ#゚听)ξ「なんですってぇぇっぇえ!! 私の名前のどこが変ですって!?」
強烈な声に観賞用植物の葉が大きく揺れる。
耳を塞いでいなかった裁判長の目が大きく見開かれた。
(´・ω・`)「…さよなら、みんな」
(;><)「サイバンチョ―――!!!」
裁判長の魂は、寸前の所で引き戻された。
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: 2007/02/26(月) 22:28:09.08 ID:Q/jb0yU+0
――…
ミ,,゚Д゚彡「…そろそろ話を進めてもらいたいのだが」
(´・ω・`)「はい、もう余計なことはいいませんごめんなさい」
(;^ω^)(こんな人に僕の判決を任せて大丈夫なのかお?)
不安が過ぎるが、これも運命だと諦めた。
(´・ω・`)「おほん、ではツンさん。あなたが被害にあったことを話してください」
ξ#゚听)ξ「わかったわよぉぉぉおおお!!!!」
キーン、という耳鳴りがした。
これは予想できなかったのか、法廷にいる者は頭を抱えて倒れこんだ。
ξ゚听)ξ「あ、ごめんなさい。今のは叫ばなくてもよかったわね」
ミ,,;゚Д゚彡「…いいから、早く証言を」
フサギコ検事は耳を押さえながら言った。
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: 2007/02/26(月) 22:33:36.09 ID:Q/jb0yU+0
――ツン・デーレの証言――
ξ゚听)ξ「私はちょっとした私用で大学へ向かっていたんです。
普段は各駅の電車にのるんですけど、その時は急いでいたので急行に乗ったんです」
( ´∀`)(…)
ξ゚听)ξ「ちょうどラッシュの時間で、もうほんとに最低でした。
髪のセットは乱れるし、お気に入りの服にはしわがついちゃうし…」
(´・ω・`)「…ふむ、確かにそれは辛いだろうな。
私も朝のラッシュにはよく泣かされる」
ξ゚听)ξ「ちょっと、私が喋ってるんだから口挟まないでよオッサン」
(´・ω・`)「オッサン…オッサン…オッサン…」
ミ,,;゚Д゚彡「気にしないで、続きをお願いします」
(;^ω^)(裁判長カワイソス…)
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1
: 2007/02/26(月) 22:37:04.11 ID:Q/jb0yU+0
ξ゚听)ξ「ちょうどラウンジ駅を通り越した辺りでした。
その、私のお尻を誰かの手が…撫でたんです」
(´・ω・`)「それは、どういうふうに撫でられたのですか?」
ξ゚听)ξ「…変態」
(´;ω;`)「…だって、だって僕は必要ある質問だと思って! ねぇ、そうでしょ?」
( ´∀`)「弁護側は必要ありません」
ミ,,゚Д゚彡「検察側も必要ありません」
※裁判長が暴れ出した為、しばらくの間お待ちください
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: 2007/02/26(月) 22:40:38.90 ID:Q/jb0yU+0
ξ゚听)ξ「それで、私怖くて…でも、それ以上に怒りが沸いたんです。
だから…その撫でる奴の手を握ってやりました!」
ミ,,゚Д゚彡「その手の主は、誰でしたか?」
裁判所を静寂が支配する。
多少の沈黙の後、ツンの指がある人物を指した。
ξ゚听)ξ「あの男です!」
(;^ω^)「なっ…!!」
その指先は、やはり自分に向けられた。
「ざわ…
ざわ…」
(´;ω;`)「静粛にぃっ!静粛に!!」
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: 2007/02/26(月) 22:44:20.77 ID:Q/jb0yU+0
ミ,,゚Д゚彡「間違いはありませんね?」
ξ゚听)ξ「はい、間違いありません!」
(;^ω^)「ま、待ってくれお! 僕じゃないお!!」
反射的に声が出てしまう。
検察側は冷たい目線をこちらに向けている。
(´・ω・`)「はい、静粛! 弁護側、この証言に対して異議はありますか?」
( ´∀`)「…」
(;^ω^)「モナーさん…っ!」
僕は助けを求めるような視線送る。
だが、モナーさんはただ真っ直ぐとツンの方を見ているだけだった。
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: 2007/02/26(月) 22:46:49.60 ID:Q/jb0yU+0
(´・ω・`)「この証言が間違いなければ、判決を下すことになりますが」
(;^ω^)「そ、そんな…」
こんなの、全然納得できない。
僕はまだ何も喋ってない、なのに彼女の証言だけで僕は罪を…
(´・ω・`)「では、判決を――」
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
いやだいやだいやだいや――――
「異議あり!!」
[93]
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: 2007/02/26(月) 22:51:53.32 ID:Q/jb0yU+0
ミ,,゚Д゚彡「!?」
ξ゚听)ξ「!?」
(;^ω^)「!?」
( ´∀`)「ちょっとよろしいですかね、裁判長」
異議を唱えたのは、紛れも無い。
――モナーさんだった。
(´・ω・`)「弁護側、どうぞ」
( ´∀`)「ツンさんの乗った電車は満員状態だったんですよね?
それこそ、服もしわくちゃ、髪もめちゃくちゃにされるくらいに」
[95]
1
: 2007/02/26(月) 22:56:51.99 ID:Q/jb0yU+0
モナーさんは静かに喋る。
その質問にツンは動揺しつつも答える。
ξ゚听)ξ「そ、そうよ。そんなとこで痴漢にあうし・・・最低だわ。朝の電車って」
(´・ω・`)「そうですよね、その気持ちよくわかりま…」
( ´∀`)「裁判長、ちょっと静かに」
(´・ω・`)「…一人ぼっち〜♪ どなどなどーなー」
(;^ω^)(裁判長…)
裁判長の発言がまるで無かったかのようにモナーさんは続ける。
( ´∀`)「そうですか。もう一つだけ、触られた箇所は尻のみですか?
おっぱいや大切なところは触られましたか?」
その発言に、どなどなを歌っている裁判長以外人間が耳を両手で塞ぐ。
ξ#゚听)ξ「その質問に何の意味があるっていうのよ変態弁護士ぃぃぃ!!!!」
[101]
1
: 2007/02/26(月) 23:00:19.98 ID:Q/jb0yU+0
強烈な一声。
手の上からでも耳鳴りを起こすほどの威力だ。
だが、モナーさんはその声にもまったく動じない。
( ´∀`)「重要な質問です。答えてください」
ξ;゚听)ξ「う・・・」
まったく身を引かないモナーさん相手に、ツンもたじろいだ。
ξ゚听)ξ「そ、そうよ。お尻だけよ! ふん、これで満足?」
( ´∀`)「ほう・・・?」
気のせいだろうか、僅かだがモナーさんの顔が微笑んだ気がした。
( ´∀`)「奇妙ですね。実におかしい」
(´・ω・`)「何が・・・でしゅか?」
裁判長はさっきのダメージが残っているのか、口調がおかしい。
[113]
1
: 2007/02/26(月) 23:06:55.17 ID:Q/jb0yU+0
( ´∀`)「いいですか、内藤君の身長は175センチほどです。
対してツンさんの身長は150センチ弱です」
ミ,,゚Д゚彡「それが何だというのだ? モナー弁護士」
( ´∀`)「内藤君は見ての通り、足が長い。彼が満員電車の中で
ツンさんのお尻を触ろうとしたらどのような体勢になりますか?」
ミ,,゚Д゚彡「体勢・・・?」
不意に、フサギコ検事が唇を噛む。
( ´∀`)「裁判長、私とあなたなら彼らと身長差が似ている。
ちょっと私の尻を触ってみてください」
(*´・ω・`)「い、いいのかい? よーし、張り切ってやるぞー!」
裁判長がモナーさんの隣に立ち、ゆっくりと手を尻に向ける。
(;^ω^)「ああ!!」
ξ;゚听)ξ「!?」
[125]
1
: 2007/02/26(月) 23:13:14.89 ID:Q/jb0yU+0
ミ,,゚Д゚彡「膝を・・・曲げている?」
(*´・ω・`)「ふふふ、ふふふ」
( ´∀`)「裁判長、もう結構です。それ以上やったら訴えますよ?」
(´・ω・`)「…ごめん」
180センチ近い裁判長が165センチほどのモナーさんの尻を触る時、たしかに膝を曲げていたのだ。
( ´∀`)「ご覧の通り、ツンさんの証言が正しければ内藤君は膝を曲げて
尻を撫で回してた、ということになります」
ミ,,;゚Д゚彡「ぐっ・・・だからと言って、それがなんだと…いうのだ!」
フサギコ検事の顔に初めて焦りの色が出始める。
ちなみに、僕はその論弁をただ聞いていることしかできない。
( ´∀`)「朝のラッシュ時、膝を曲げるほどの余裕があるはずが無い!」
ミ,,゚Д゚彡「ぬ、ぬうううううああああぁぁ!!!」
[135]
1
: 2007/02/26(月) 23:19:50.23 ID:Q/jb0yU+0
「ざわ・・・ざわ・・・
ざわ・・・阿部・・・」
(´・ω・`)「静粛に!」
法廷の流れが一気に傾く。
検察側の顔には動揺が隠せない。
( ´∀`)「裁判長、もし彼が満員電車でツンさんの尻を撫で回すなら
膝を大きく曲げるか、よほど身体を傾けていないと不可能です」
(´・ω・`)「た、確かに。朝のラッシュで、しかもラウンジ駅辺りでは膝を曲げるほどスペースはありませんねぇ」
ミ,,゚Д゚彡「い、異議あり! きっと、ツンさんの勘違いでしょう。そうですよね?」
ξ;゚听)ξ「え!?えっと、その・・・」
検察側は一気にあたふたと冷静さを失っていく。
だが、ツンの口からは再び別の証言が現れた。
ξ;゚听)ξ「そ、そうだわ! 勘違いよ! 痴漢にあったのはラウンジ駅じゃなくてニュー速駅だったわ!
あそこなら、そこまで混雑していないわ!」
[142]
1
: 2007/02/26(月) 23:23:55.89 ID:Q/jb0yU+0
(´・ω・`)「なるほど、それなら納得が…」
「異議あり!!!」
( ´∀`)「おかしいですねぇ。内藤君が乗ったのは、もっと先のヤルオ前駅だったはずです。
これ、ちゃーんと●カードにも表示されてますよ?」
駅を利用する時に、タッチだけで利用できる●カード。
それには、確かに記録されていた。
( ´∀`)「当日の日付、時間つきで…ヤルオ前駅から、とね」
ミ,,゚Д゚彡「うひょぉぉぉおおおおおお!!!」
ξ;゚听)ξ「きゃぁぁっぁぁぁあああ!!!」
[158]
1
: 2007/02/26(月) 23:29:32.87 ID:Q/jb0yU+0
――…
(´・ω・`)「どうやら、結論は出たようですね」
ミ,,ーДー彡「…」
ξ;゚听)ξ「…」
検察側は完全に沈黙している。
裁判長は、それを確認すると僕の方を見た。
(´・ω・`)「内藤ホライゾン、証拠不十分により……
(´・ω・`)「 無 罪 ! 」
[164]
1
: 2007/02/26(月) 23:32:52.39 ID:Q/jb0yU+0
( ^ω^)「やった…お?」
無罪、その一言で、裁判所は歓声に包まれた。
僕はというと、本当に無罪を勝ち取った現実味が無く、ふとモナーさんの方へ視線を動かした。
( ´∀`)b
モナーさんは、微笑みながら親指を立てていた。
僕も、そっと親指を立てる。
「無罪だ――内藤ホライゾン、無罪だぞおぉぉおおおお!!」
外へ走りながら去っていく人。
気づけば、傍聴席にいた人々は総立ちになり、拍手を僕に送っている。
「おい、冤罪だってよ!!」
「すげぇ…俺、冤罪なんてはじめて見たよ…」
傍聴席では感動のあまり、ウェーブが起こった。
( ;ω;)「みんな・・・ありがとう、ありがとうだお!」
[180]
1
: 2007/02/26(月) 23:39:21.30 ID:Q/jb0yU+0
ミ,,゚Д゚彡「モナー…」
( ´∀`)「フサギコ」
フサギコは、ふっと息を吐き
ミ,,゚Д゚彡「俺の完敗だ。まさか、お前との初勝負で冤罪とはな」
( ´∀`)「まだまだ甘いモナ。小学校の時、君がうんこ漏らし事件の容疑者になった時
君を弁護した以来モナか…法廷で会うとは予想外モナ」
二人の男は向かい合い、しみじみと語る。
その二人の間には、同じ戦場で戦った友情のようなものが存在していた。
ミ,,゚Д゚彡「また…会えるか?」
( ´∀`)「君が法廷に立ち続ける限り、僕はまた君と会うかモナー」
そういい残し、モナーは法廷を去っていった。
フサギコは、その背中をいつまでも…見つめていたのだった。
[195]
1
: 2007/02/26(月) 23:43:17.12 ID:Q/jb0yU+0
一方の僕はというと、外に出るなり報道陣にもみくちゃにされていた。
近くのマンションからは紙吹雪が舞い、無罪と書かれた垂れ幕まで下がっている。
( ^ω^)「みんな、ありがとう、ありがとうだお!」
頭を下げ、必死にお礼を言う。
何故僕がお礼を言っているのかはわからない。
けど、嬉しいんだ。僕は、嬉しい。
「ニャーオ…」
( ^ω^)「ジジ・・・」
ふと、肩に飼い猫のジジが飛び乗る。
――本日も、裁判所の空は雲ひとつ無い快晴だった。
fin
冤罪を回避するには?
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