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( ^ω^)それぞれの決意のようです
488 :1/7:2008/09/24(水) 14:20:37.43 ID:Ntrpf5Ng0

――――Rrrr……Rrrr……

( ^ω^)「もしもし、ブーンですお」

      『おう、俺だ。久しぶりだな』   

( ^ω^)「おー!元気かお?仕事上手くいってるかお?」

      『それがな……、仕事辞めることにした』 




   ( ^ω^)それぞれの決意のようです




490 :2/7:2008/09/24(水) 14:21:46.44 ID:Ntrpf5Ng0
――――( ^ω^)「おはようだお」

――――('A`)「遅せーぞ」

――――( ^ω^)「まだ朝学活50分前だお」

――――('A`)「ギコとプギャーはもう来てて、今トイレだ」

――――(;^ω^)「まじかお」

中学校。
誰もが一度は通る思春期の頃、僕らは不思議といつも教室の隅に集まっていた。

特に共通点があったわけでも、共通の趣味があったわけでもない。
集まることを強制されたわけでもなく、ただ馬が合った。
それだけ。


491 :3/7:2008/09/24(水) 14:23:34.70 ID:Ntrpf5Ng0
――――(,,゚Д゚)「おい、ショボンがまた期末テスト1位だぞ!」

――――(´・ω・`)「いやぁ、('A`)「運が良かっただけだよ」

――――( ^ω^)「だんだんパターンが決まってきたお、あとギコは上目指せお」

――――(,,゚Д゚)「うるせぇ、理科はすげーんだよ」


集まってはダベって、オチも無い話を延々とする。
昨日のバラエティ番組がどうだ、明日の避難訓練がどうだとか。
ホントにそれだけ。

そこにいつもの5人が居る。それが毎日の日課になる。
気が付きゃみんな親友だ。なくてはならない存在になった……

492 :4/7:2008/09/24(水) 14:25:08.28 ID:Ntrpf5Ng0
――――( ^ω^)「卒業式までにプギャーはあの娘に告白しなくていいのかお?」

――――( ^Д^)「いや、好きじゃねーし」

――――('A`)「うそつけ。席前後のときいっつも後ろ向いてたろ」

――――(;^Д^)「いや、あの、その……」

――――(´・ω・`)「いいわけくらい考えておくべきだね」


高校に入ってからはみんなばらばら、「見えない絆」って言葉が胸をよぎる。
夏冬休みとかに集まる程度。片手で数えられるくらいしか集まってない。
でも、会って数秒であの頃に戻れる。
そんな親友達が最高だった。

高校卒業後はさらにばらばら。
全員が集まるのに何時間を要したこともあった。
だけど、やっぱりいつもの僕達がいた……

493 :5/7:2008/09/24(水) 14:26:28.78 ID:Ntrpf5Ng0
ギコからの電話は突然で、
ショボンは更に知識を深めるため国立の大学に進み、
ドクオは好きだからという理由で理科系の大学へ行き、
プギャーは地元で就職を決め、
それぞれの生活が軌道に乗ってきたところできて、

そして僕は、やや遠くの都市の試験に合格し内定をもらったところだった。



( ^ω^)「……なんか、問題でもあったのかお?」

      『ちょ…っと…な……。んで、地元帰ることにしたんだ
       それで、高校に入りなおすことにしたんだ。』

( ^ω^)「そうかお……」


重たい沈黙。
空気が痛い。


496 :6/7:2008/09/24(水) 14:27:48.27 ID:Ntrpf5Ng0
ギコは高校を卒業してはいなかった。
就職先が決まったから、というのが1番の理由らしいが、
どうやら、心につっかかっていたらしい。

      『……お前、就職決まったよな?』

( ^ω^)「決まったお」

      『俺みたいに辞めんなよ?』

(  ω )「…………ないお」

      『……ん?』

(  ω )「や……、辞めない…お……」

      『泣いてんの?』

(  ω )「泣いてなんかないお」
      
      『………………』

(  ω )「誓うお。
       今日。今、この瞬間僕は絶対に辞めないと誓うお!!
       絶対に簡単には帰ってこないお!!だから……」

( ^ω^)「だから、ギコもがんばれお。応援するお」     

      『……おう、ありがとな』


497 :7/7:2008/09/24(水) 14:29:08.71 ID:Ntrpf5Ng0
あとはどんな内容を話したかはほとんど覚えていない。
覚えているのは、僕が必死に目を抑えていたことと、
受話器から鼻をすする音が聞こえていたこと。

あと、またみんなで必ず会おうと約束したこと。
そしてあの頃と同じように笑おうと。



( ^ω^)「……………」

ギコが地元に戻るのが10月。僕が働き出すのも10月。
一人は前進、一人は後退かもしれない。
だけど、僕は信じたい。
二人とも、またみんなで笑いあうための前進であると。

もうすぐ10月。
新たな決意で僕たちは歩き出す。

      
    
( ^ω^)それぞれの決意のようです おわり








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