- 7 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:24:15.42 ID:lpDBgokG0
〜第1話〜
フィィィ・・・・・ィィィン
機械音が響き渡り周りのモニターや設備が目覚める。
ノノ'A`)「システムオールグリーン、起動開始」
?「起動開始・・・オールクリア」
ガタガタと機体が揺れるが男は動じずレバーを引く。
一瞬の轟音と共に、男を乗せた機体は空気も音も無い世界へ飛び立った。
・
・・
・・・
ノノ'A`)「マザー、回線を『トレジャー』に繋げ」
- 8 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:24:50.94 ID:lpDBgokG0
この男の乗る船には、電脳コンピューターが搭載されている。
何もこの船に限った事だけでは無い。
現在稼動している船のほとんどはこの電脳コンピューターが搭載されている。
ただ、普通2人で船を飛ばすのが普通なのだが
この男は1人ですべてを操っていた。
マザーCP「回線20465、トレジャーとの接続成功」
ノノ'A`)「こちらレオパルト、ギコ聞こえるか?」
「「あぁ、聞こえるぜ」」
- 9 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:25:38.20 ID:lpDBgokG0
ノノ'A`)「この前言ってた、遭難船の座標を頼む」
「「ドクオさん、情報料はたけぇぜ?」」
ノノ'A`)「ふっ、変わらんな。いいだろう、前回回収した
C-60型のエンジンをくれてやる、倉庫のキー認証は20161224だ。」
「「!!マジか最新型じゃねぇか!あんたあんなもん回収してたのか。
自分の船に付けなくていいのかい?」」
ノノ'A`)「必要無い。俺には俺の道がある」
「「そうか、それならお釣りが来るほどの報酬だ。
座標を言う、γー30971・10273だ」」
ノノ'A`)「了解、それじゃぁな」
「「待て待て、あんなオンボロ船、何も回収するものは無いと思うぞ?」」
ノノ'A`)「いいんだよ、個人的な興味だ。
そうそう、そのうちドクをトレジャーに乗せてやってくれ」
- 10 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:26:36.14 ID:lpDBgokG0
「「ちょ・・待て。この船はしぃしか乗せないんだよ!」」
ノノ'A`)「エンジンのお釣りだ。頼んだぞ」
「「ちょ・・・」」
マザーCP「回線20465遮断致しました」
ノノ'A`)「よしマザー、座標をγー30971・10273に合わせろ。
多少は移動してると思うが、周辺でソナーをかける」
マザーCP「座標γー30971・10273セットしました。到着予定時刻は28時間後です。」
ノノ'A`)(・・・何か残ってるといいが・・・)
無音のままレオパレトは飛び去った。
- 13 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:30:02.98 ID:lpDBgokG0
- ----コロニー----
(#'A`)「あんの糞親父ぃぃぃぃぃぃ!!」
少年が地団駄を踏みながら叫ぶ。
/ ,' 3 「まぁまぁ、ドク君。お父さんも色々考えた結果なんだよ」
(#'A`)「っ・・けど先生、次は連れて行ってくれるって言ってたんすよ!?」
/ ,'
3 「今回は長いフライトになりそう、って言ってたから最初は簡単なフライトに
連れて行きたいんじゃないかね?」
(#'A`)「俺だって・・・ガキじゃないんだ・・・『外』だって飛べる!」
/ ,'
3 「まぁ、今回は僕の顔を立てると思って、許してやってくれないか?」
- 14 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:30:57.84 ID:lpDBgokG0
少年はこれ以上何も言えなくなり急にしおらしくなる。
('A`)「先生がそう言うなら・・・でも俺だってギコさんみたいに・・・ブツブツ」
(`・ω・´)「お父さん、指令部の監査が来ました」
/ ,'
3 「分かった。シャキンはドク君を連れて遊びに行って来なさい」
(`・ω・´)「・・・わかりました」
('A`)「先生、お仕事頑張ってください」
/ ,' 3 「うむ、ドク君。早くお父さんの手伝いをしたいんだったら、
ショボンのところにでも行って来るといい。色々ためになる話も聞けると思うぞ」
('A`)「分かりました〜」
2人が研究所から出て行く。
それを見計らってか、軍服のような服を着込んだ男が入ってくる。
- 15 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:32:12.03 ID:lpDBgokG0
( ・∀・)「やぁ、教授」
/ ,' 3 「取り込んでてすまなかったねモララー君」
( ・∀・)「いえ、構いませんよ。それより研究の最終段階の進捗はどうです?」
/ ,' 3 「・・・こちらへ」
荒巻はカードキーを挿し込み、暗証キーを入力する。
開いた部屋は、息子のシャキンさえ入室を許可されない
本当の意味の『研究所』だった。
- 16 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:32:56.39 ID:lpDBgokG0
/ ,' 3 「この実験結果を見ていただきたい」
( ・∀・)「ふむ、死生児によるクローン化実験の結果か」
/ ,' 3 「やはりまだ、終わりと始まりの年以降に産まれた者のクローン化が成功しない。」
( ・∀・)「やはり、この劣悪な環境で産まれる命には異常が・・・あるか」
/ ,'
3 「えぇ、あの時期に生きていた者もこの異常に該当するため、
現在の技術では生存する人類のクローン化はまだ見通しが付きません」
( ・∀・)「ふむ・・・終わりと始まりの年に地球に存在せず、
尚且つそれ以前に産まれていた者・・・か」
- 17 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:34:14.75 ID:lpDBgokG0
/ ,' 3 「当時の宇宙飛行士などのDNAが手に入ればあるいは・・・。」
( ・∀・)「相当難しい注文だね。すでに当時存在していた船やステーションは
我々が把握している限りでは、すべて消滅している」
/ ,' 3 「そうですか・・・。」
ハァと2人でため息を付く
( ・∀・)「まぁ、諦めることは人類の滅亡を示唆する。
引き続き研究を進めてくれ」
/ ,' 3 「了解しました。」
- 18 :◆3m0SptlYn6:2006/12/31(日) 17:34:47.35 ID:lpDBgokG0
2038年現在
子供の出産率が著しく低下。
劣悪な環境にも関係しているのであろう、妊娠した女性の流産率は75%。
それに加え、男子の出生率がこれまた75%と異常に高く、
世界は慢性的な子供不足、女性不足に苛まれている。
それが意味するもの、人類の存続の危機。
この局面でクローン技術の開発が最重要項目として挙げられている。
だが、第1認者である荒巻教授がこの課題にぶつかり、
研究は暗礁に乗り上げていた。
第1話 〜完〜
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