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No 390
Date 2010・04・01・Thu
(゚、゚トソでも、いっしょのようです・外伝 第一章 第二話(゚、゚トソでも、いっしょのようです・外伝 第一章 第二話
~ 第二話 ~ (゚、゚トソン「そこの角を曲がればもうすぐですよ」 (〃^ω^)「お!」 車はさして混んでもいない道を順調に進み、実家まで目前という所まで迫っていました。 ブーンはまだ見ぬ私の実家に興味を抱いているようで、先ほどからあとどのくらいで着くのかを随分気にしていました。 (〃^ω^)「どんなお家なのか楽しみだおー」 (゚ー゚トソン「それほど面白味もない、普通の家なんですけどね」 普通の家、等という言い方をしましたが、それほど多くの家をブーンにしてみれば物珍しいものであろう事は確実でしょう。 普段はマンションやアパートといった集合住宅にいるわけですし、一軒家は馴染みがないと思います。 (゚、゚トソン(しかし……) しばらく実家を離れていた私も、この辺りがどう変わったか気にはなっていましたので、ブーンといっしょに窓の外を覗いていましたが、 やはりここも驚くほど変化がないようです。 これといって発展材料も衰退材料もないので、当然と言えば当然なのでしょうが、何だか時間が止まったような景色に言い知れぬ不安の ようなものを感じました。 -02>>>>>>>>>>> (゚、゚トソン「この辺りは全然変わってませんね」 (゚ー゚ハハ「変わりようないでしょ?」 ブーンではなく、助手席にいる母に声を掛けると、何ともつれない言葉が返ってきます。 時としてこの人は身も蓋もない言い様をしますが、それを私が言うなと言われそうなのは重々自覚しております。 私は軽く肩をすくめ、またブーンの方を見やります。 ブーンは窓にぴったり張り付いているため、どんな顔をしているか見えませんが、きっと楽しそうな顔をしているのは間違いないでしょう。 私はそんなブーンの頭を、後ろからゆっくりと撫でます。 そうする事で私の心はひどく落ち着いて、最近の考え事をする際の癖になりつつありました。 (゚、゚トソン「……」 今回の帰省に気乗りがしてないわけではありません。 大学に入って、まだ1度も帰省していませんでしたし、流石に1度ぐらいは帰っておこうと前々から思ってはいました。 しかしながらそうする場合、当然ブーンの事を考えなければなりません。 だいぶ前に帰る場合はいっしょに連れて帰ると決めてはいましたが、実際に帰るとなると色々と考えてしまう事もあります。 その最大の焦点は…… -03>>>>>>>>>>> (-、-トソン(ブーンの事を両親に話すかどうか……) 最初から見えていれば話すと決めてはいたのですが、見えなかった今、どうするべきかと考えています。 とはいえ、十中八九ちゃんと話すつもりで帰っては来ているのですが、どういう風に切り出そうとか、両親の反応とか、色々と気になる 事はあるものです。 当然、最も危惧している点は、両親がブーンの事を受け入れてくれるかどうかです。 (゚、゚トソン(受け入れてくれると信じてはいますが……) 私は視線をブーンから前方の両親の方に向け直します。 しばらく会っていませんでしたが、電話やメールでのやりとりはそれなりにありました。 元々、放任主義の様な傾向も強く、よくいえば私の事を信頼して好きにさせていてくれました。 両親に対して、何らかの確執が私にあるわけでもありません。 (゚、゚トソン(それでも……どうなのでしょうね) 私や私の周りは随分とこの状況に慣れ切っていますが、何も知らない人からすればブーン達の事はとんでもなく不思議な事です。 ここに不思議な生物がいますと言われて、はい、そうですかと簡単に納得出来る人がどれほどいるのでしょう? (゚、゚;トソン(いや、私の周りには結構いましたね……) 自分の周りの現状を考えると、さほど心配する必要もないように思えますが、うちの両親はかなりのリアリストだと思います。 果たしてどういう反応を示すか、正直全く想像出来ません。 -04>>>>>>>>>>> ( ^ω^)「どうしたのかお?」 (゚、゚トソン「え?」 いつの間にか窓の外を見ていたはずのブーンがこちらを心配そうに見ていました。 (゚、゚トソン「何でも……」 何でもない、そう言い掛けましたが、それはウソです。 悩んでいる事があるからこそ、考え込んでいたわけですから。 (゚、゚トソン「少し考え事をしていたのですよ、ブーンと、両親の事を」 ( ^ω^)「お?」 昔の私ならば、自分1人で考え、ブーンに心配かけないよう誤魔化す所でしたが、今はなるべく話せる事は話して、いっしょに 考えるようにしています。 自分1人では考えが偏る事も多いですし、心配事を話しても、今のブーンはちゃんと受け止められるぐらいには成長しているのですから。 ( ^ω^)「おー、トソンのお父さんとお母さん、僕のことわからないのかお?」 (゚、゚トソン「その様ですね」 大人になると何でもは素直には信じられなくなるものだから仕方のない事だと思います。 -05>>>>>>>>>>> (゚、゚トソン「説明して、見える様になってくれればいいのですが……」 それでも見えなかったら、少し複雑な気分です。 両親が私の事を信じていないという事ですから。 (-、-トソン(一概にそうとばかりも言えないのですが……) 私が信じられないというよりは、常識に凝り固まり過ぎている可能性もあります。 誰が何と言おうと、不思議な生き物等信じられないという様な。 生粋のリアリストの2人なら、そういう反応でもおかしくはありません。 ブーンの事を説明するのは、お化けや宇宙人を証拠もなしに信じろと言っている様なものですから。 信じてもらえれば証拠を見せられるという、何とも本末転倒な話の上ですし。 窓の外の景色が畑やまばらにある家だけと、また少し寂しげなものに変わります。 実家は町の少し外れの方にあるので、本当に見るべくものもない、殺風景な場所です。 この道を抜ければ、もうすぐ実家に辿り着くでしょう。 (゚、゚トソン「もうすぐ着きますよ」 (〃^ω^)「お! ホントかお!」 -06>>>>>>>>>>> 急な細い坂道を上がり、Uターンする様なカーブを曲がり、墓地の合間を縫ってしばらく行くと、右手に1件の白い家が見えて来ます。 (゚、゚トソン「あのお家ですよ」 ヾ(〃^ω^)ノシ「おー! あれかお! すごいお! 白いお! おっきいお!」 私が指を指すと、ブーンは窓に張り付き、目に映る家の様子を興奮して語ってくれます。 ブーンが言うほど家は大きくもなく、ペンキが剥がれてそう白くもないのですが、それでもブーンに取っては珍しいものなのでしょう。 (-@∀@)「お疲れさん」 車は家の正面口の門の横の車庫に入り、運転していた父がこちらに声を掛けてくれます。 私は頷いて、助手席側のドアを開けました。 (゚、゚トソン「さあ、ブーン、こっちに」 (〃^ω^)「お!」 ボストンバッグを肩に下げ、手招きしてブーンを呼びます。 ブーンはいそいそと車から飛び出し、私を追い越して書庫から庭に続く道を走ります。 -07>>>>>>>>>>> (゚、゚トソン「そこは狭いですし、急ぐと転びますよ?」 (〃^ω^)「大丈夫だお!」 ブーンは先を行っていた母をするりとかわし、庭に入ります。 (〃^ω^)「おー! お庭があるお!」 (゚ー゚トソン「そんなに広くはないですけどね」 私はブーンに追い着き、ブーンといっしょに庭を眺めます。 お世辞にもちゃんと剪定されていると言い難い庭ですが、やはり懐かしさが溢れます。 (゚ー゚ハハ「懐かしい?」 (゚、゚トソン「そんなに長く離れていたわけでもないですよ?」 思っていたことを言い当てられ、誤魔化しはしましたが、多分微笑んでいる所を見られていたのでしょう。 母は含みのある笑いを残し、荷物を部屋に置いて来るよう私に言って家の中に入って行きました。 -08>>>>>>>>>>> (゚、゚トソン「そうですね、まずは荷物を置いて来ますかね……」 そう思い、ブーンの方を見ると、ブーンはキョロキョロと辺りを物珍しげに眺めています。 そう言えばこの庭、今の私の部屋の近所にはないような、ちょっと変わった樹木が植えられてたりしましたね。 主に父の趣味のようですが、私にはその半分も名前がわからなかったりします。 (゚、゚トソン「私は部屋に荷物を置きに行きますけど、ブーンはしばらくお庭見てますか?」 (〃^ω^)「お? いいのかお?」 (゚ー゚トソン「ええ、いいですよ。でも、木を折ったりしちゃ駄目ですよ?」 (〃^ω^)「わかったお!」 そう答えるや否や、ブーンは目の前にある大きめの木の方に走って行きます。 あれは何の木だったでしょうかね? 私に覚えのない事を考えれば、きっとブーンにもわからなかったのでしょう。 だから気になってしょうがなかったのかもしれません。 私はボストンバッグを抱え直し、玄関の方に向かいます。 -09>>>>>>>>>>> (゚、゚トソン「ただいま」 玄関をくぐった所で、思わず挨拶をしている自分に気付きました。 本来挨拶をする相手である両親には車に乗る際に挨拶は済ませました。 ではこの挨拶は誰に対してなのかと考えると、それはきっとこの家に対してなのでしょうね。 自然に言葉が口を吐いていましたが、昔なら無言で上がっていた様な気もします。 ブーンとの生活で、玄関の扉をくぐる時は挨拶する事が癖になっているのでしょうね。 (-@∀@)「おかえり」 そんな私の考えを知ってか知らずか、玄関を上がった所にいた父が嬉しそうに声を掛けてくれます。 私はそれが少し照れ臭くもありましたが、何とか笑顔を返す事は出来たと思います。 廊下を歩き、リビングを抜け、自分の部屋に向かいます。 途中で目に入った家の中の様子は、私がこの家を出た時から全く変わっていない様にも見えました。 勿論、細部は変わっているのでしょうが、それに気付けないくらいは同じ空気で迎えてくれた気がします。 リビングを抜けた先の廊下の一番奥、突き当りが私の部屋です。 田舎故に土地だけは余っているらしく、平屋作りの家なのですが、それでも部屋は余っていたりします。 3人暮らしには広過ぎる家だったと思います。 -10>>>>>>>>>>> (゚、゚トソン(今はそんな家に2人なんですよね……) ふとそんな事が思い浮かびましたが、よく考えたら私も学校から帰って寝るまで1人だった事は少なからずありましたので、 そう心配する話ではないのかもしれません。 何と言うか、お互い様という様な。 今は両親とも、少し暇になったのか以前の様には残業もしていないらしいですが、私がいない時の2人はどうしていたのでしょうかね。 今頃になって初めて、そんな事を気にした自分は薄情なのでしょうか? 自分の事に手一杯だったとはいえ、両親に対して少し冷た過ぎたかもしれないと考えてしまいます。 私はひとまず考える事を止め、自分の部屋のドアを開けます。 (゚、゚トソン「わぁ……」 室内を一目見た途端、思わず驚きの声が自分の口から漏れていました。 見るまでうろ覚えだった部屋の様子が、目にした瞬間、まざまざと色々な事が思い出されます。 (゚、゚トソン「全然変わってないですね……」 私は部屋の中ほどまで進み、ぐるりと周りを見回します。 -11>>>>>>>>>>> 掃除だけはされていたのでしょう。 室内は埃っぽい空気もなく、まるで引っ越したその日のままの様な姿で私を迎えてくれました。 (゚、゚トソン「なんでしょう……」 湧き上がるこの感覚は。 懐かしいという気持ちでいっぱいなのはきっと当たり前の事でしょう。 それと同時に、私の心に浮かんだこの気持ちは…… (゚ー゚トソン「ありがとう……」 それはきっと感謝の気持ち。 自分の帰る場所を、ちゃんと取って置いてくれた両親への感謝の言葉が、私の口から自然にこぼれていました。 ~ 第二話 おしまい ~ - つづく - |
この記事のコメント外伝楽しみにしています
\(^-^)/ wktk
しかし(-@∀@)はミセリのマンションの守衛さんだったよなww |
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| ( ^ω^)系でも、いいっしょ? |
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