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No 169
Date 2008・06・07・Sat
ミセ*゚ー゚)リある雨の日のようです 第七話ミセ*゚ー゚)リある雨の日のようです 第七話
01. < 貞子宅 > ミセ*゚∀゚)リ「おかわり!」 ノハ*゚⊿゚)「私もおかわりだぁぁぁぁ!」 川ー川「はいはい、ちょっと待ってね」 貞ちゃんは私とヒーちゃんの茶碗を受け取り、ご飯をこんもりとよそう。 私とヒーちゃんのキャパをよく理解しているようだ。 まあ、ここでこうやって食事するのも数えられないくらい多いしね。 ミセ*゚ー゚)リ「この鶏天ぷら、美味いねー」 私はそう言いながら、差し出された茶碗を受け取る。 鶏の胸肉に大葉を巻いた天ぷら。 一見さっぱりして見えるが、中には少々工夫が凝らされていた。 川д川「ちょっと色々巻いてみたんだけど、どうだった?」 ノハ*゚⊿゚)「チーズのやつが美味かったぞー!」 ミセ*゚ー゚)リ「私は梅かな。ほど良いアクセントだった」 02. まあ、どれも美味しいんだけど、と言葉を続けると、ヒーちゃんも大きく頷く。 それを見た貞ちゃんは、満面の笑顔を浮かべ、ありがとうと言ってきた。 礼を言うのはこちらの方なんだけどね。 こんな美味しいものを食べさせてくれて。 川ー川「自分が作った料理を美味しいと言ってもらえる事は すごく嬉しいからね。お礼も言いたくなるんだよ」 ノハ*゚⊿゚)「貞子の料理はいつも美味しいぞー」 川*ー川「ありがとう、ヒートちゃん」 ミセ*゚ー゚)リ「しっかし、貞ちゃんはすごいよね」 川д川「え? 何が?」 ミセ*゚ー゚)リ「料理。これ、普通にお金取れる出来だよ」 川*д川「そ、そんな事ないよ。流石にこれじゃまだまだダメだよ」 貞ちゃんは焦ったように否定するが、味だけを見れば多分商売になる出来だ。 商売にするには手間やコストなど、色々考えなければならない点は多々あるから、そう簡単にはいかないだろうけど。 03. 川д川「うん、そうだよね。お店をやるんだったら、 そういうのも色々考えなきゃダメなんだよね」 ミセ*゚ー゚)リ「うん、でも、まずは料理自体の腕がなきゃ、だからね」 そういった点から見れば、やはり貞ちゃんの将来は安泰な気がする。 川*д川「そうかな? そう言われるとお世辞でも少し嬉しい」 ミセ*゚ー゚)リ「私がお世辞でそんなこと言うわけないのはわかってるでしょ?」 私達の中では一番早くから未来設計図を描いていた貞ちゃん。 料理屋をやっているご両親の仕事を間近で見てきて料理に興味を持ったと言う。 貞ちゃんは両親が大好きで、とても尊敬しているみたいだ。 それはこれまでの付き合いでよくわかった。 何と言うか、羨ましい。 両親の事、家庭の事、色んな事が私には羨ましい。 04. ノハ*゚⊿゚)「貞子がお店をやるなら私も手伝うぞー」 ミセ*゚∀゚)リ「お、早くも従業員ゲット。こりゃ幸先いいね」 川ー川「ありがとう、ヒートちゃん」 川ー川「もしそんな日が来たら、いっしょにがんばろうね」 ノハ*゚ー゚)「おー! いっしょにがんばるぞー!」 ミセ*゚ー゚)リb「じゃあ、今の内からお手伝いの練習しとかなきゃね」 ノハ*゚⊿゚)「そーだなー。毎日お皿洗うぞー!」 川ー川「よろしくね、ヒートちゃん」 ノハ*゚ー゚)「任せろー、貞子ー。これも修行の一環だー!」 ミセ*゚ー゚)リ 2人の未来は、ちゃんと道が出来ているんだと改めて思う。 私にはまだ見つけられていないそれを。 ・・・・ ・・・ 05. < ミセリ宅 > ( ^ω^)「おー……」 ミセ*゚ー゚)リ「……」 ( ^ω^)つ ソッ ミセ*゚д゚)リ「まだだよ、ブーンちゃん」 ミセ*゚ー゚)リ「時計見て。ほら、あと1分」 ( ^ω^)「お、10分からだったおね、ごめんお」 ミセ*゚ー゚)リ「もうちょいもうちょい……」 ( ^ω^)「おー……」 ミセ*゚ー゚)リ「10、9、8、7……」 ( ^ω^)「6、5、4……」 ミセ*゚ー゚)リ「3、2、1、はい!」 06. ( ^ω^)つ「お!」 ミセ*゚ー゚)リ「いよっし、ざるに上げるよ!」 ( ^ω^)「お、湯気がすごいお!」 ミセ*゚ー゚)リ「んーっと、堅さはどうかなー?」 ( ^ω^)「柔らかいお」 ミセ*゚ー゚)リ「うん、アルデンテ!」 ヾ(〃^ω^)ノシ「あるでんてだお!」 (〃^ω^)「あるでんてってなんだお?」 ミセ*゚ー゚)リ「パスタの丁度良い茹で加減って事だよ」 ヾ(〃^ω^)ノシ「おー! あるでんて出来たお!」 ミセ*゚ー゚)リ「これを、作っておいたミートソースに絡めて……」 ・・・・ ・・・ 07. ミセ*゚ー゚)リ(〃^ω^)「「「いっただっきまーす(お)」」」(゚、゚トソン ミセ*゚ー゚)リ「さ、食べてみてよ」 (〃^ω^)「食べてみてお!」 (゚、゚トソン「ええ、頂きますね」 (゚~゚トソン ツルツル (゚、゚トソン (゚ー゚トソン「美味しいですね」 ミセ*゚∀゚)リ(〃^ω^) (゚、゚トソン「初めてにしては中々のものですね」 ミセ*゚ー゚)リ「へっへーん、私にかかればパスタぐらいちょちょいのちょいだよ」 ヾ(〃^ω^)ノシ「ちょいちょいだお!」 08. (゚、゚トソン「まあ、誰でも出来る料理ですけどね」 ミセ*゚д゚)リ「んなこと言うなよ。折角私とブーンちゃんががんばったのに」 ( ^ω^)「がんばったお」 今年の梅雨は本当に雨が多い。今日も外は雨だ。 例によってトソンは家庭教師で、私が時間に余裕があったから、今日は家で晩ご飯を作る事にして2人を招待してみた。 まあ、でも、何を作るか迷っている内に2人が来ちゃったんで、トソン先生に指導を仰ぎながらブーンちゃんと2人でパスタを作る事になった。 本当は私1人だったんだけど、折角だからブーンちゃんも誘ってみた。 私の部屋の方がキッチンも広いし、いっしょに作業するには向いている。 トソンは少し驚いた様子でブーンちゃん次第だと言ったが、ブーンちゃんは快く引き受けてくれた。 トソンもまだブーンちゃんに火のそばでの作業とかはやらせた事なかったみたいで、随分と心配して背後をうろうろしてたけど、そんな危険な事はさせないっての。 ブーンちゃんはそんなトソンの心配は余所に、おっかなびっくりながらもお湯にパスタを入れたり作業をちゃんとこなしてくれた。 うん、やっぱり1人で作業するよりは楽しかった。 (゚、゚トソン「……」 09. ミセ*゚ー゚)リ「?」 ふと気付くと、何か言いた気なトソンの視線を感じた。 まあ、大体言いたい事はわかる。 何で私が珍しく料理を作る気になったか。 何でブーンちゃんに手伝わせたか。 そんなとこだろう。 ミセ*゚ー゚)リ「ブーンちゃん、自分で作ったパスタの味はどうかな?」 (〃^ω^)「美味しいお! いっぱい食べられるお!」 (゚ー゚トソン「ブーンにはいい経験になりましたね。ありがとう、ミセリ」 ミセ*゚д゚)リ「礼を言うような事じゃないでしょうが」 ミセ*゚ー゚)リ「私が手伝ってもらったブーンちゃんにならともかく」 いちいち細かいと言うか、几帳面と言うか。 私が何かしら自分の都合でブーンちゃんに手伝ってもらった事はトソンも気付いてはいるのだろう。 それでもこいつは礼を言う。そういうやつだから。 私を信用してくれているから。 ・・・・ ・・・ 10. 食事が終わり、後片付けも済んだ頃、トソンはブーンちゃんに聞こえないぐらいの声量で私に聞いてくる。 (゚、゚トソン「それで、今日は?」 ミセ*゚ー゚)リ「特に意味はないようなあるような」 (゚、゚トソン「何ですか、それは?」 厳密に言えば意味はない。 何となく、気まぐれに近いものがある。 いつも通りの話だ。 1人は寂しい、ただそれだけの事なのだ。 ミセ*゚ー゚)リ「トソンはさ、大学卒業したらどうすんの?」 つ^ω^) オッ? 私は、内緒話を打ち切るようにブーンちゃんを捕まえて膝の上に乗せる。 そしていつかは聞いておきたかった質問をぶつけてみた。 (゚、゚トソン「卒業後ですか? そりゃまあ、先生を目指しますけど……」 ミセ*゚ー゚)リ「具体的にはどこで?」 11. (゚、゚トソン「場所ですか? 正直な話をすれば、全くの未定ですね」 未定とは言え、やはり現実的になれそうなのは地元かこの辺りの2択のようだ。 (゚、゚トソン「少子化や不況などの影響もあり、中々狭き門になってますからね」 ミセ*゚ー゚)リ「確かに大変そうだね」 ミセ*゚ー゚)リ「でも、そんなの関係なしに目指すんでしょ、先生?」 (゚ー゚トソン「ええ、それが私の夢ですからね」 (〃^ω^)「大丈夫だお! トソンは絶対先生になれるお!」 私の膝の上で大人しく話を聞いていたブーンちゃんは、トソンの言葉に弾かれたように立ち上がり、トソンのそばへトテトテと走っていった。 夢見。 その言葉の意味は、トソンやペニサスさんから聞いた。 ハローさんも独自にその起源を調査したりもしているらしい。 12. 言葉の意味はさて置き、ブーンちゃんは夢という言葉に強く反応する。 元々の性質に加え、トソンから夢を叶える事の素晴らしさを教えてもらい、後押ししてもらって夢を叶えて来た経験がある。 そして今度は、ブーンちゃんは新しい夢を叶えると共に、トソンの夢を全力で応援している。 それは見ていてとても微笑ましい姿で、同時にすごく羨ましい。 夢を応援してもらえるトソンが。 夢があるトソンが。 (〃^ω^)(゚ー゚トソン 私にも夢はあるし、なりたいものもいくつか考えている。 でも、何になるかは決めかねているし、夢の方はこのままでは叶わない気がしてる。 このまま、何の心の整理もつかないまま、独りになってしまったら。 きっとずっと、幸せな未来は作れない。 ミセ*゚-゚)リ 13. (゚、゚トソン「あなたはどうするのですか? やはりご実家の……」 ミセ*゚ー゚)リ「ああ、あれは止めた」 (゚、゚トソン「そうなのですか? 何故──」 ミセ*゚ー゚)リ「あれはただの妥協だからね」 ミセ*゚ー゚)リ「考えるのを避けた結果に過ぎなかったの」 (゚、゚トソン「ですが、同じ会社にいれば多少は……」 ああ、そういう気の回し方するのか。 まあ、確かに、お父さんの会社に入れば少しは会話の機会も増え、関係もちょっとは改善されるかもってのは考えた。 でも、そんな理由で将来を決めていいのかなって思ってしまったのだ。 皆といっしょに毎日を過ごしていて、皆の姿を見ていて。 嬉しそうに皆の為に料理を作る貞ちゃん。 先生になる為、毎日沢山の授業に出てがんばってるトソン。 デレは……何やってたっけ? 兎に角毎日楽しそうなデレ。 14. 家族の仲を良くしたいってのは大前提にある。 でも、それは私自身がやりたい事、この場合は仕事としてのだが、それとは違う。 私は、私自身のやりたい事を見つけて、自分を確立したいのだ。 ミセ*゚-゚)リ(……ああ、そういう事か) 私はようやくそれに気付いた。 私が羨んでいたのは、トソン達にだけブーンちゃん達がいることだけではない。 ブーンちゃん達といっしょに、自分の夢を、将来なりたいものを見つけられた事を羨んでいたのだ。 ノミセ*>д<)リヾ「ああ、もう!」 私は自分の両頬をパァンと勢いよく叩いた。 (゚、゚;トソン「ど、どうしました、突然?」 (;^ω^)「どうしたんだお?」 ミセ#゚ぺ#リ「虫がいた」 15. (゚、゚;トソン「いや、虫って……」 ミセ*゚ー゚)リ「まあ、それはいいから」 ミセ*゚ー゚)リ「それよっかさ、就職ガイダンスっていつあるか知らない?」 (゚、゚;トソン「それもまた突然ですね」 ( ^ω^)「おー? がいだんすってなんだお?」 ミセ*゚ー゚)リ「ダンス、踊りだよ」 ヾミセ*゚ー゚)リノシ「こんな感じで」 (゚、゚;トソン「ミセリ、ウソは……って踊り出さないでください」 ヾ(〃^ω^)ノシ「おー! 楽しそうな踊りだお!」 まずは動こう。柄にもなく、悩み過ぎた。 私は私の何かを、私の道を見つけなければならない。 がんばってる皆に、負けないように。 ヾミセ*゚ヮ゚)リノシ「「レッツ、ダンシング!」」ヾ(〃^ω^)ノシ (゚、゚;トソン「わ、私は踊りませんからね?」 ~ 第七話 おしまい ~ - つづく - |
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