64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
03:25:58.58 ID:05RwI7qo0
中学校からの親友がかつあげで退学になっていたとき、 俺は俺で、警察にやっかいになっていた。
彼がだるいから学校に行きたくないと言った理由も、ようやくわかってきた。
制服がだるい。等間隔に並んだ机がだるい。チャイムがだるい。校舎がだるい。 日常のあらゆるものが「だる」かった。
破壊的な衝動にかられた夜もあった。 頭がぐちゃぐちゃして、気持ちが落ち着かなかった。
母親のことを「クソババア」と罵った夜、俺は初めて、父親のこぶしの重さを知った。
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
03:26:42.63 ID:05RwI7qo0
('A`)俺の生きる道
【高校生編】
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
03:31:52.82 ID:05RwI7qo0
高校生になると、俺はテニス部に入った。
部活は自由参加だったが、誰一人として知り合いのいない高校で、いち早く友達を作りたかったのだ。
部活は実に楽しかった。
なんとなく楽そうだからという理由で入ったテニス部は、思った通りゆるい部活で、
乱打と呼ばれる練習が部活時間の半分以上を占めているのでほとんどお遊びだ。
(乱打とはコート内で適当に打つだけの手慣らしである)
カルチャーショックというか、少し驚いたのが、授業中に寝たり、教室を抜け出したりする者が
全くいないということだった。 おまけにほぼ全員がしっかりとノートを取っている。
中学生の頃には考えられないような授業風景だった。 俺は中学生のとき、授業中に鬼ごっこをしていたこともあるのだ。
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
03:38:00.63 ID:05RwI7qo0
(´・_ゝ・`)「やべえ、予習忘れたw」
('A`)「予習?wしたことねーしそんなのw」
( ^Д^)「英語は予習しねえとやべえだろwあと古典も」
('A`)「えーだりぃー……マジで?」
俺の名前は鬱田ドクオ。あ、い、う、の「う」だから出席番号が早い。
最初は席替えが無く、出席番号で並ぶので、俺の机は教室の前側にあった。
今でもはっきりと覚えている、世界史の時間のことだ。
ノートを広げるだけ広げて、ペンを手に挟み、頬杖をついて先生の話を聞き流していたとき、 何気なく後ろを向いた。
クラス中のやつら全員が必死にノートにペンを走らせる姿を見て、 俺は訳の分からない恐怖を感じ、戦慄した。
俺の周りだけ空気が違うような疎外感を覚えたのだ。
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
03:43:30.57 ID:05RwI7qo0
中学生の頃は上の下くらいの成績だったが、高校生になると下の下になった。
教科は難しくなったというのに、受験が終わったという安堵で呆けたまま授業に挑んでいたので、
テストで点が取れないのは当たり前のことだった。
授業についていけなくなったら、余計にやる気がなくなってきた。
そういうこともあって、授業よりも部活だと考え、テニスに精を出していた。
( ・3・)「ドクオー。今日俺とペアね」
('A`)「いいよ」
例え勉強ができなくとも、テニスさえできれば楽しかった。
そんなある日、部活の休憩中に、友達が妙なことを口走っているのを聞いた。
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
03:47:18.56 ID:kSQzxhet0
( ^Д^)「かぁいこくしてくぅださいよぉ〜」
( ゚∀゚ )「あひゃひゃひゃひゃwwwwwwwwww」
(;'A`)「???」
最初は芸人のネタかと思ったが、妙なことを口走る友人、プギャーは
俺の聞いたことの無いネタを次々と言い放った。
周りの者たちは元ネタを知っているようだ。
でなければ、ただの頭のおかしい人にしか見えない。俺のように。
('A`)「それなんー?」
( ^Д^)「ググレwww」
(;'A`)「ぐぐれ?」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
03:52:06.55 ID:kSQzxhet0
聞くところによると、彼のネタは「フラッシュ倉庫」というホームページで 公開されている「フラッシュ」というものらしい。
そういえば、中学生のとき、教室に置いてあったパソコンでそういうものを見た気がする。
「チバ!シガ!サガ!」と叫ぶ意味のわからないもので、あまり面白くなかっが記憶があるが、
周りの者がみんな知っていて、自分だけ知らないというのは、いささか気にくわない。
('A`)「父さん、ネットしたいんだけど…」
( ФωФ)「……いいぞ、部屋に繋げてやる」
うちの父さんはパソコン関係にもの凄く詳しい。
「えくせる」の?「ぶいびーえー」で?「ぼきソフト」?を自分で作ったり…。
まあとにかく、パソコンにすごく詳しかったので、ネットを見られる環境はすぐに整った。
(ちなみに俺の家にはパソコンが七、八台ある)
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
03:57:40.10 ID:kSQzxhet0
('A`)「……」
(*'A`)「………」
(*'∀`)「wwwwwwwwwww」
俺がフラッシュ倉庫のリンクを赤く染めるのに、あまり時間はかからなかった。
少少系列、流石兄弟、ペリー、紅白フラッシュ合戦、etc、etc…。
テレビでは見られないシュールな世界が、インターネットに広がっていた。
(*'A`)「ちょwwwうぇっうぇっwwwwwwww」
( ^Д^)「ありえなすwwwwwwwww」
教えてもらったサイトはフラッシュ倉庫だけではない。
「アサメグラフ」、「2ちゃんねる」、そして2ちゃんの中にある板の一つ、「ニュー速VIP」もそうだ。
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:03:17.98 ID:kSQzxhet0
勉強がつまらなかったので、家に帰ってからかなり暇な時間があった。
俺はパソコンの前に釘付けになり、毎晩遅くまでフラッシュやVIPの纏めサイトを見ていた。
この頃、私立高校にいったブーンやあさぴーとはあまり遊んでおらず、
連絡も取っていなかったので、彼らがどのような高校生活を営んでいるのか、全く知らなかった。
彼らに会おうと思い立ったのは、俺に前科がついてからである。
部活を除き、学校は本当につまらなかった。
制服を着るのが苦痛で、電車通学が苦痛で、教科書を開くと頭が痛くなり、
せっかく母さんに作ってもらったお弁当は、食欲が無い日はトイレに流すときもあった。
俺は勝手に自分を追い詰め、落第者のレッテルを貼り付け、一人でふさぎ込んでいたのだ。
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:08:14.25 ID:kSQzxhet0
俺は学校を休みがちになった。
親に頼んで休む連絡を入れるときもあれば、校門まで行ったが結局来た道を引き返し、
勝手に学校をサボった日もしょっちゅうあった。
しかし不良仲間というものはいなかったので、一人でゲームセンターやジャスコをうろつき、
コンビニで昼食を取ってから家に帰るという、なんとも無意味な平日を過ごしていた。
その内、学校をサボったとき、わざわざ電車を使って遠い場所までいき、 なにをするでもなくうろついていたりした。
毎日生きる意味について考え、哲学書を読んだり、聖書をなぞったりしていた。 俺は完全に頭がおかしかった。
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:11:40.50 ID:kSQzxhet0
頭に渦巻くもやもやの正体がわからないまま、冬になった。
学校をサボったある日、俺は普段行かないような服屋に寄った。 服を買うつもりは無かった。
ださいニット帽を見つけた。 買うつもりは無かった。
手に取った。
別に欲しくは無かった。
周りを見渡した。 俺は頭がおかしかった。
気がつけば俺は、ニット帽を学ランの下に隠し、店を出ていた。
ニット帽には万引き帽子装置がついていて、出口を通ったとき、当然装置が作動し、警報が鳴った。
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:14:08.37 ID:kSQzxhet0
頭のおかしい俺は走った。
昨晩降った雪が積もっていて、とても走りづらかった。
後ろから叫びながら追いかけて来る人がいる。
俺は恐怖と寒さでがちがちに顔を強ばらせながら、力の限り走った。
捕まったとき、俺は「ごめんなさい」をずっと繰り返していた。
この辺りが、俺が不良になりきれないところだと思う。
警察を呼ばれ、パトカーに乗せられた。
体中の感覚がふわふわして、胸の動悸がおさまらなかった。 とにかく大変なことをしでかしてしまったんだという感覚だけはあった。
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:18:07.25 ID:ZDMdXJHF0
|(●), 、(●)、|「なんで盗ったんや、ああ?」
(;'A`)「ごめんなさい…」
|(●), 、(●)、|「ごめんちゃうやろうが泥棒野郎」
警察は恐ろしい。今でもトラウマだ。
俺が連れて行かれたのは狭い取調室だった。 単なる万引き小僧相手でも取調室を使うのだと知った。
ドラマでよくあるようなマジックミラーなどは無く、小さな机とパイプ椅子が二つあるだけの小部屋だった。
取調の最中、ドアが開きっぱなしになっていたのが唯一の救いだった。
もしもあの狭い空間の中、あの体格のいい警官と二人きりで閉じ込められたら、それだけで発狂しそうだ。
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:21:59.61 ID:ZDMdXJHF0
開かれたドアから、署内の様子が少し見えた。 机が連なり、その上には乱雑に書類が置かれている。
パソコンのモニタは使用しているもの以外、全てスクリーンセイバーになっていて、
警察の標語みたいな文字列が右から左に泳いでいた。
|(●), 、(●)、|「何時に店に入った?」
(;'A`)「い…一時…?あ…十二時…かも…」
|(●),
、(●)、|「まだ嘘つく気かこそ泥があ!おまえ万引きは窃盗なんやぞ? 泥棒なんや。わかっとんのか?」
(;'A`)「ごめんなさい…」
|(●), 、(●)、|「携帯出せや」
取り調べの最中、俺は何度も死にたいと願った。 それから、目の前の相手に死んでほしいと願った。
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:27:31.81 ID:/S/lTGge0
警官は優しいとか、正義感に溢れる人だとか、 そういう評価は一般人が下すものであって、犯罪者を相手にしたときの警官は、
ただただ恐ろしい存在になるのだと、俺は思い知った。
二時間にわたる取り調べが終わり、指紋と数枚の写真を撮られたあと、俺は解放された。
俺を迎えてくれたのは、仕事中のはずである母親だった。
J( 'ー`)し「…………………」
(;'A`)「…………………」
俺は警官に、あることを言われていた。
母親の職業が何か訊かれ、俺が答えたあと、警官は「親の顔に泥を塗ったな」と言ったのだ。
本当にその通りだ。母親の職業は伏せるが、クソ万引き犯を産むような職種の人ではないことは確かだ。
俺は鬱田家の恥さらしであり、超絶劣化遺伝子の生きた汚物なのだ。
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:30:07.39 ID:/S/lTGge0
帰りの車の中、母親は無言だった。
助手席に乗った俺は、ずっとあさっての方向を見ながら、景色よりも遠い場所を見続けていた。
その日の夜、俺は両親と正座で向かい合っていた。
J( '−`)し「…なんでこんなことしたんよ」
母親の声に怒りは含まれていなかった。 ひしひしと感じたのは、「落胆」という感情だった。
J(
'−`)し「あの帽子がそんなに欲しかったの…?」
('A`)「……いや…別に…」
J(
#'−`)し「ならなんで盗んだりした!?」
(;゚A゚)「…っ!」
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:33:35.26 ID:/S/lTGge0
J( ;ー;)し「信じられん!信じられんよほんと……なんでなん?ねえ、なんで?」
(;'A`)「………………………」
死にたかった。
というか、最初から俺の存在を無かったことにして欲しかった。
俺の両親はとてつもなく出来がいい。
それはもう、非の打ち所が無い「親」だ。 そんな両親を悲しませてしまった自分が情けなく、恥ずかしかった。
しかし俺は同時に、ふつふつと怒りが沸いてくるのを感じた。 俺だって苦しかったのだ。
行きたくもない学校に無理矢理行かされ、魂をすり減らしながら日々を終えることが、辛かったのだ。
そう、死ぬよりも辛かったのだ。
今一度繰り返すが、上記のことを思うほど、俺は頭がおかしかった。
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:37:55.80 ID:X+jyYHIq0
(#'A`)「はいはい!ごめんよ!マジ悪かった悪うございました!クズだよ俺は!ああ!?」
J(
;ー;)し「なんでよ!私たちが悪かったの?気付いてあげんかったから?」
(#'A`)「うるせえよ!あんたになにがわかんだよ!
あんたみたいなやつに俺の気持ちがわかっかよ! 泣くんじゃねえよ!いまさらいい親ヅラすんじゃねえよクソババア!!」
;:*;
衝撃が走った瞬間、俺は正座したまま一回転し、畳に顔をこすりつけた。
閉じたまぶたに残っていたのは、父さんの怒張した顔と、巨大化したこぶしだった。
(#ФωФ)「ふざけんじゃねえぞコラ!」
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:41:42.51 ID:fxZFnhSK0
叱られるときは、いつも母さんからだった。 父さんは怒るのが下手だった。
元々口べただからというのもあるが、一番の理由は、子供に―――俺に優しすぎたんだ。
(#ФωФ)「家をナメるな!」
(#)A;)「……………」
痛かった。腫れあがった目元に痛みは感じなかった。
畳にこすりつけた額や頬にも、痛みなんて無かった。 胸のずっと奥に響いた怒鳴り声が、本当に本当に痛かったのだ。
頭のおかしい俺は二階の自分の部屋に駆け込み、 頭のおかしい俺はハサミを取り出し、
頭のおかしい俺は自分の顔めがけてはさみの刃を走らせ、 血がボロボロと床に垂れて、血の水模様を作った。
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:47:19.74 ID:9xE14F3S0
頭がおかしい俺はさらなる痛みを求め、利き手にはさみを持ち、もう片方の腕を切りつけた。
皮膚の上を刃が通ると、その部分だけ真っ白になり、数瞬遅れて血が垂れだした。
何度も何度も体を傷つけ、痛みを求めた。
胸の痛みが消えるほどの痛みが欲しかったが、最後には結局はさみは取り上げられ、 今度は両親にぎゅっと体を抱かれた。
痛みで覆おうとしていた胸の痛みは、父さんの広い胸と、母さんの細い腕に散っていき、
自分で傷つけた痛みだけが、後に残った。
頭のもやもやも、そのときはかき消えていた。
- 102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
04:53:37.82 ID:9xE14F3S0
- 父は強かった。
母も強かった。
次の日、父は職場を半日だけ休み、俺を連れて学校に向かった。
学年指導の教師と担任教師から、停学を言い渡され、停学中に書かなければならない 反省文の用紙を二週間分もらい、家に戻った。
( ФωФ)b「飯はチンして食えよー」
(#)A`)b「オッケー」
頭がおかしいのがようやく直ってきたので、停学中は安らかな気分で過ごした。
暇すぎてアサメグラフの漫画を全て読んでしまった。
アガサクリスティの小説を読了し、NHKのつまらない番組を見て、いいともを見て、ドラマの再放送を見る。
しかしやはり暇すぎる。 あまりにも暇すぎる日中のこと、誰かにメールをしてみようと思い立った。
-
- 106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
05:02:30.20 ID:GZ5aWx6J0
学校の連中にメールをしてもつまらない(そもそも授業中だろうし)。
ということで、授業中でもメールを返してくれそうな、あいつらにメールをすることにした。
私立の高校に行った、あさぴーたちである。
あさぴーとブーンが行った高校は、県内でも有数の不良高だ。
特進科、普通科と、もう一つ、最もアレな人たちが集まる科がある。 ブーンは普通科で、あさぴーが行ったのはアレな科である。
あさぴーにメールをするとき、もしも向こうがメルアドを変えていたらどうしようかと不安になった。
しかしメイラーデーモンが仕事をする間もなく、向こうから返事が来て、安堵に息が漏れる。
俺が送ったのは、こういう文だった。 「やべえ、停学くらった(笑)」
もしかしたら、不良だと思われて一目置かれるかもしれない。 そんなしょうもない算段が含まれているメールである。
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- 108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
05:05:52.82 ID:GZ5aWx6J0
普通なら久しぶり、とか元気?とか入れるべきだったのだが、
何だか照れくさく、それに中学生の頃は毎日遊んだ仲なのだから、そういう定型句は省略すべきだと思い、 このようなメールになった。
返ってきたのは、この内容だ。
「俺はもう学校辞めてるよ。二ヶ月に」
(;゚A゚)「…………ええええええ!?」
メールなのに声が出た。
俺の停学なんて吹っ飛ばすほどのやんちゃぶりというか、破天荒ぶりだった。 逆に俺がやつに一目置くことになってしまった。
俺は「今暇なんよ」と送ってみることにした。 なんとか会えないかと思った。なんだか仲間を見つけたような気がしたからだ。
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- 109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
05:07:18.47 ID:GZ5aWx6J0
「いいよ。家来いよ」
停学中は学校から家に電話が来ることがある。
俺が家にいるかどうかの確認の電話だ。
しかし来ないこともある。
俺は今日がその日だと願い、あさぴーの家に行くことにした。
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- 110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
05:09:57.58 ID:GZ5aWx6J0
あさぴーの家に行き、インターホンを押した。 返事が無かったので、しばらくドアの前で立ち尽くすこととなった。
すると携帯の方にあさぴーからメールが来た。 「開いてるから中入って。二階の右の部屋」
どうやら出迎えてはくれないようだ。
('A`)「…お邪魔しまーす……」
家の人は他に誰もいないようだ。 少し段差のきつい階段を上がり、あさぴーの部屋を目指した。
中学生の頃、あさぴーは自分の部屋が無いことをいつも愚痴っていた。
彼が今いるのは、元々は既に広島に出て行った彼のお兄さんの部屋である。
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- 112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
05:17:27.26 ID:9jIak8Hi0
部屋のドアにはバンド名らしきステッカーが何枚も貼ってあった。
中心にはショッキングピンクの巨大なドクロが大きく陣取っている。 そして中からは、ロックの重低音が漏れていた。
(;'A`)「……おぉー…よう」
爪'ー`)y‐「……おぉ〜……久しぶり」
以前と変わらない童顔、ニキビ顔、でもめがねは付けていなかった。
髪は伸ばし放題で、V系のミュージシャンのように金色に染まっていた。 持っていたたばこはあの日と同じマル金だ。
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- 114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
05:20:15.16 ID:9jIak8Hi0
あさぴーは変わった。 見た目だけでいえば、完全に不良だ。
(;'A`)「すっげえ変わったなおまえ」
爪'ー`)y‐「そうか?髪の長さと色だけじゃねえの?」
('A`)「まあそうっちゃあそうだけど…」
彼の背後にはギターが立てかけられてあった。
部屋の隅には「クローズ」が積み上げられている。
('A`)「学校辞めたとか…全然知らなかった」
爪'ー`)y‐「あー…そうやね。全然会ってなかったし」
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- 116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
05:22:41.11 ID:9jIak8Hi0
('A`)「ブーンとは会ってるの?」
爪'ー`)y‐「学校行ってたときは毎朝会ってた。電車だし。
でも俺夏休み前から行ってなかったしな。最近全然会ってないわ」
('A`)「そ…っかあ……。すげえなおまえ」
爪'ー`)y‐「なにが?」
(;'A`)「いや……ていうかめがねは?」
爪'ー`)y‐「かけてない。だからドクオがよく見えないんだよね」
('A`)「じゃあかけろよwwwww」
爪'ー`)y‐「外出るときだけコンタクト付けてんだよ」
('A`)「ああ…そうなんや」
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- 117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
05:25:22.84 ID:9jIak8Hi0
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- 爪'ー`)y‐「なんで停学になったん?先生殴ったりとかしたの?」
(;'A`)「は?…いやあ、万引き万引き」
爪'ー`)y‐「はwだっせえなwwwww」
(;'∀`)「いや…しくったわあ…w」
爪'ー`)y‐「学校辞めないの?」
(;'A`)「俺は…辞めない」
爪'ー`)y‐「ふーん」
フォックスの目は濁っていた。 寝癖のついた髪に、上下スウェット、頭をぼりぼりと掻く仕草、気だるそうな表情。
とっくに昼は過ぎているが、彼は寝起きなのかもしれないと勘ぐった。
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- 118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
05:28:46.90 ID:9jIak8Hi0
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- 爪'ー`)y‐「そういやさ、ドクオにも参加してほしいことあんだけどさ」
('A`)「なに?」
爪'ー`)y‐「今さ、エクストをシメようって話になってんだ」
(;'A`)「?え?なんで?」
シメるというのは、つまりリンチのことだ。 普通に生きる人にとってはこんな単語、漫画の中でしか見ないだろうが、
使う人間はやはり使うのである(実家が田舎だからかもしれないけど)。
ショックだったのは、あさぴーがそんなことを言い出したことと、
かつての級友だったエクストを相手に言い放ったことである。
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- 120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
05:33:53.30 ID:9jIak8Hi0
俺と、あさぴー、そしてブーンといういつもの三人組の中に、たまに混じる存在があった。 それがエクストだ。
よく俺の家に来て大富豪をやったり、三好に寄って一緒にゲームをしたりした。
卒業式の日だって、エクストを入れた四人で遊びながら帰ったのだ。
疎遠になった今でも、俺はエクストのことを友達だと思っている。 もちろんあさぴーも友達だ。
その二人が、どうしてそんな関係になってしまったのか、まるで理解できなかった。
爪'ー`)y‐「あいつさ、今ジョルジュとモメてんだよね。 てかま、農高のやつらとってことだけど。
んでジョルジュがタイマンしかけるから、俺もムカついてたし?一緒にボコるべーっつーことで」
農高(農業高校)とは、ここら一帯で最悪の評判を誇る高校である。
「クローズ」で例えるとするなら間違いなく「鈴蘭男子高校」に当たる高校だ。
俺たちの学年で最も悪だったジョルジュは、そこに行っていた。
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- 125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
06:02:21.97 ID:J7dJoHB+0
現実世界で「タイマン」を使う人が本当にいるんだ…などと思いながら、 さらに詳しく訳を聞くことにした。
どうやらエクストが「ジョルジュなんて怖くねー」と吹いて回っているらしく、
そこでジョルジュが直々にタイマンの場を組んで、一対一で決闘して…という流れらしい。
商業(高校)のエクスト派と、あさぴーと農高を含めたジョルジュ派の抗争ともいえる。
まあ詳しく聞いてもよくわからなかったというのが正直なところだ。
今思えばあさぴーは、単なるけんかを漫画のように美化して話そうとしていた気がする。
(;'A`)「いやあ…俺はいいや。部外者だし…」
爪'ー`)y‐「俺もじゃん?」
(;'A`)「学校もあるし…」
数学が得意で、数学教師からも特別に目をかけられてたほどのあさぴーは、
黄色い歯を覗かせながら俺を笑った。 「その程度かよ」とでも言いたげな笑い方だった。
-
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- 127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
06:05:19.99 ID:J7dJoHB+0
(;'A`)「わりぃ、俺もう帰るわ。学校から電話来るかもしれんし」
爪'ー`)y‐「おう。ばいばい」
('A`)「そうそう、そういやさ、なんで学校辞めたの?」
ふとテーブルの方を見ると、あさぴーのものらしきサイフが置いてあった。 大きなロゴが銀色に光っている。
とても高校生が持つものとは思えないそれは、シャネルのサイフだった。
爪'ー`)y‐「かつあげがばれたんよ。ジョルジュと一緒にやってた」
(;'A`)「……?」
爪'ー`)y‐「つか辞めさせられたって感じかw」
(;'∀`)「…ばいばい」
部屋に入ったときから、あさぴーは誰かに似ているような気がしたが、ようやくわかった。
彼は、彼のお兄さんにそっくりになっていたのだ。
- 129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
06:09:31.27 ID:J7dJoHB+0
バイオレンス遺伝子というものがあるらしいが、彼はそれを受け継いでしまったということか。
彼のお兄さんは、肩の辺りにタトゥーが入っている。 髪型は、ちょうど今のあさぴーのような感じだった。
停学があけてから、あさぴーと遊ぶことが多くなった。
彼と一緒にライブハウスに行ったり、たばこを吸ったりし始めた。 憧れの不良生活は、何もかもが新鮮で、心躍る出来事の連続だった。
彼と一緒にナンパをしたりもした。 勝率ゼロ%だったが、彼いわく、一人のときだと成功するらしい。
俺は邪魔らしい。
ジョルジュも混じり、三人で遊ぶこともあった。 _
( ゚∀゚)「あいつマジしょーもねえけぶち殺そうかと思ったわ」
ジョルジュも農高を退学になっており、気ままなニート生活を送っていた。
彼は「極悪武装」というストリートチームを作り、昔でいうところのチーマー的な存在であった。
(ちなみにこのネーミングセンスは絶対にクローズから来ていると思う)
-
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- 130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
06:14:16.01 ID:J7dJoHB+0
二人は一応定時制の高校に入り直すつもりでいるようだ。
俺はこのとき、二人といるときに安心感を覚えることを発見した。
というのは、自分よりも下がいることが嬉しかったというのが本音だ。
高校だと俺はどん詰まりもいいところだ。
テストで学年最下位を取るほどの俺は、学校だと居場所が無くて息苦しかったのだ。
三人で花見に行き、酒とたばこで騒ぎあったり、 乗り捨ててある自転車を使い、街の汚い場所を巡り、刹那の青春を楽しんだ。
しかし、そんな怠惰な日常を送る俺に、転機が訪れた。 高校二年生のときだ。
-
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- 131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
06:17:27.39 ID:pPeAHnon0
部活を辞め、授業を寝て過ごし、適当に過ごしていた俺だったが、 数学だけは真面目に勉強していた。
数学の授業は特別に二教室に分けて授業を行うのだが、 俺はその内、出来ない人たちが集まるクラスに分けられていた。
中間テストのとき、俺はなんとなく勉強し、比較的真面目にテストに取り組んだ。
テスト返却の日、俺はなんとなく学校が面倒になり、サボった。
その次の日のことだ。
('、`*川「あんたまた昨日サボったんね?」
('A`)「風邪っすよ」
('、`*川「せっかくクラストップだったのに。はい、テスト」
('A`)「……?え、トップ?」
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- 133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
06:22:10.04 ID:HQG6jN850
('、`*川「うん」
(;゚A゚)「俺がトップ!?」
('、`#川「ええからはよ受け取れっちゅーに!」
全体で見れば中の上くらいの点数だったが、
俺のいたクラスがたまたま点数が悪かったため、七十一点だった俺がトップの点数だったのだ。
(´・_ゝ・`)「くそー負けたわ。俺二番目らしい。六十九」
('∀`)「…マジかwwおいおい、マジかよwww」
七十一点、決していい点数ではないが、トップを取ったというのが俺に誇りと自信を持たせた。
ひょっとしたら、勉強すれば俺でもイケるのでは?と思い始めたのだ。
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- 134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
06:29:26.93 ID:HQG6jN850
この日から、俺は数学と物理だけは勉強するようになった。 これら理系教科は、うちの学校では皆あまり成績がよくなく、
ちょっと勉強すればすぐに俺でもトップクラスになれたからだ。
この頃俺は思いだしたのである。
うちの学校はしょせん、進学校では最底辺であったということを。
ただし他の科目、とりわけ英語は苦手だった。
具体的に言うと、「I am pray tenis」とか書いちゃうくらいの無知加減だった。
しかしたった二教科でも、真面目に取り組む授業が出来ると、学校の意義がわかってくる。
サボることが少なくなり、悪友であるあさぴーたちと遊ぶことも少なくなった。
これは完全に後から聞いた話だが、あの後高校に入り直したあさぴーたちだったが、
あさぴーはすぐに不登校になり、よその県の更正施設のような場所に送られてしまったようだ。
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- 135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
06:33:29.31 ID:HQG6jN850
あさぴーが二度目の高校を辞める頃に、俺にメールが来たことがあった。
「今から遊ぼうよ」
夜中の十二時を回った頃だった。 俺は「ごめん。寝る」と送った。
俺たちの会話は、これが最後となった。
後から考えれば、もう少しドラマティックな感じに仕上げてもよかったのかな、と思ったりもする。
付き合っていた彼女に別れを切り出され(フラれるのはいつも俺だ)、
いよいよ勉強しか無くなった俺は、この頃から大学受験を考え始めていた。
( ´∀`)「……国立?」
('A`)「行きたいんすけど…」
( ´∀`)「……国立?」
(;'A`)「無理っすかねぇ…?」
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- 136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
06:37:59.57 ID:OShBFgzM0
( ;´∀`)「……国立」
(;'A`)「厳しいっすよねえ…」
( ;´∀`)「………センター」
(;'A`)「やばいっすよねえ…」
俺は国立大学に入りたかった。
単純に学費が安いということもあるが、どういう訳か私立だと負けだ、 と自分ルールを決めていたのだ。
国立に受かって、級友たちから賛辞を受けたい、という浅はかな願望もあった。
ちなみに、二年生が終わる頃の俺の偏差値は、確か四十ちょっとだ。
( ;´∀`)「偏差値……」
(;'A`)「どうしようもないっすよねえ…」
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- 137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
06:42:58.33 ID:OShBFgzM0
センターで受けなければならない科目は、次の五科目だ。
数学、英語、国語、物理、科学、公民。
訂正、六科目だった。 この内偏差値が五十以上に達している科目は、物理だけだった。
そしてその物理ですら、俺の行きたい大学の偏差値には達していなかったのである。
( ;´∀`)「諦め…」
(;'∀`)「…られないっすよねえ?」
高校三年生が始まるのと同時に、大学受験に向けた本格的な受験勉強を開始した。
出遅れたスタート、頼りない装備品を身につけ、受験戦争の真っ直中に俺は特攻を始めたのだ。
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- 142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
07:11:58.03 ID:OBJipVfY0
('A`)(何から勉強を始めた方がいいんだろう…)
英語 40/200 数学 90/200
国語 100/200 物理 78/100 化学 36/100 公民 55/100
('A`)(まあ結局全部やらなあかんわな…)
三年生のとき、担任教師が受験担当の教員だった。
受験担当というのは、どこの大学を受験すればいいかの相談や、勉強の相談など、
受験のこと全般を総合的に担当しているポジションである。
相談しよう、そうしよう、ということで再び担任教師であるモナー先生のところへ訪ねた。
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- 144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
07:16:20.93 ID:OBJipVfY0
( ´∀`)「いいか、センターというのは基本的な問題しか出ないモナ」
('A`)「へーへー」
( ´∀`)「というか、センターというのは教科書からしか問題が出ないんだモナ。 つまり……あとはわかるな?」
('A`)「教科書を使って勉強しろ…?」
( ´∀`)9m「ザッツライ!ジャスッドゥーイッ!」
しかしやはり俺は途方に暮れた。 例えば数学の教科書では、章末問題は難し過ぎるし、例題などは逆に簡単すぎる。
物理や化学の教科書は問題の数が少ないし、どこを覚えればいいのかもわからない。 英語、国語、公民に至っては開く気も起こらない。
('A`)。0( ( ´∀`)「公民は新聞を読んでいれば解けるモナ!」 )
俺にはどうも、先生がとても非効率的なことを言っている気がしてならなかった。
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- 145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
07:18:54.29 ID:OBJipVfY0
(;'A`)「どうすればいいんだろう…」
母さんに訊いてみた。
J(
'ー`)し「私は国語くらいしかわかんないからなあ…」
('∀`)「国語も難しいぜ母ちゃんwww試しにこの模試やってみてよwwww」
♪ J(*
'ー`)し「自己採点したら193点あった。嬉しいわー」 つと
(;゚A゚)「脳みそ取り替えてくれ母ちゃん…」
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- 147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
07:22:17.28 ID:OBJipVfY0
母さんがその道の本職なのを忘れていた。
それはそうと、父さんにも勉強について訊いてみた。
すると、
( ФωФ)「勉強法か…」
('A`)「先生は教科書をやれとか、新聞を読めとか言うけど…」
( ФωФ)「教科書?いらんいらん。あんなもん使っても時間の無駄だ」
(;'A`)「そうなの?」
( ФωФ)「センターテストなんて完全に形式が決まっているテストだろう。
だったらその形式に対応した教材でやる方が効率がいいに決まってる。
センターが教科書を元にして作られているなら、センターを元にして作られた
参考書を使うのがいいだろう」
...φ('A`)「なるほど。参考書か…」
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- 148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
07:29:41.25 ID:OBJipVfY0
( ФωФ)「参考書は基本的に人気のあるもの、売れているものがカタい。
しかし自分に合うかどうかが一番だから、そこは吟味するように。
それともちろんセンターの過去問は解いておくに限るが、
一度だけではなく、解き方、問題の本質への理解ができるまで、
三度、四度と同じ問題をやり続けなさい。いいか?
理系科目、特に物理と数学は解き方ではなくエッセンスの理解が重要だ。
物理では具体的な事象を用いた問題を扱うから、頭の中で
力学的なイメージを描き、それを自由に数式化出来る力を。
数学では様々なアプローチから解を導けるような基礎力と
癖のあるセンター問題にいち早く慣れることを念頭に置いてやりなさい」
φ('A`;)「ちょ、いっぺんに言われてもよくわかんない…」
( ФωФ)「そしてこれは理系に進む者だけに通ずる勉強法だが、英語はひたすら単語を覚えなさい」
('A`)「単語だけでいいの?」
( ФωФ)「単語だけでいい。そして長文問題を解きなさい。
文法とかは捨てろ。熟語ももちろん覚えた方がいいが、まずは単語だ。
単語帳を毎日見るんだ。夢に出るまで見て、そして覚えろ。たぶん1400語くらいで十分だ。
それでセンターなら8割取れるだろう」
(゚A゚)「8割!マジかよ!」
- 150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
07:33:54.07 ID:OBJipVfY0
( ФωФ)「わからないことがあれば、ワシに訊きなさい。 おまえの学校の先生よりは、受験に強いだろう」
('A`)「さすがは父ちゃん…二回も大学受験をしただけはあるな」
( ФωФ)「それでおまえ、母ちゃんと知り合えたんだから結果オーライだろ」
父さんに繋いでもらったネットを使って、さっそく人気の参考書を探し始めた。
すると、あるサイトが頻繁にヒットするのを発見した。
言わずと知れた、2ちゃんねるである。
大学受験板では、各科目のお勧め参考書を挙げるスレというのがある。
そこで多数の参考書が、実際に使った人の意見も併せて載せられていた。
俺はメモを取り、さっそく次の日、学校が終わってから本屋に直行した。
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- 152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
07:42:38.14 ID:sm4HNHHa0
メモした参考書を手に取り、中身をよく吟味してから、各科目の参考書を一括で購入した。
ゆうに一万を超えたが、これで成績が上がるならと、出し惜しみはしなかった。
(*'A`)「565サーティーンおもれーwwww」
その日から、参考書を使った勉強にシフトした。
何よりも復習が大事であり、参考書は二巡してから本領を発揮するという父さんの言葉を信じ、
各教科を一日、一時間から二時間やり、基礎から知識をため込んでいった。
('A`)「学校の勉強もあるじゃん。中間テストとか、期末テストとかもあるし。
それやりながら受験勉強するの大変なんだよね」
( ФωФ)「学校のテストなんて無視しろ。あんなの受験では役に立たん。
教師だって受験のエキスパートではなく、あくまで各科目のエキスパートというだけだ。
教え方のうまい教師なんていないと思え。みんなカスだカス。参考書の方がよほどいい教師になるぞ」
('A`)「さすがだぜ父ちゃん。教師をそこまでボロクソに言う公務員は父ちゃんだけだぜ」
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- 153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
07:48:02.47 ID:uvJqjcGl0
俺は父さんの助言通り、学校の授業は完全シカトで受験勉強を進めた。
おかげで学校のテストは涙が出そうになるほど酷かったが、 模試の偏差値は相対的に上がっていった。
初めは俺の学校の成績に文句を言う教師がいたが、
俺の偏差値がずっと上り調子になってから、俺に文句を言ってくる教師はいなくなった。
俺はひたすら勉強した。
('A`)「church……教会?…よし」
通学、帰宅のとき、電車の中で単語帳を広げ、朝覚えた単語を帰りに覚えているかどうか試し、
その繰り返しで単語を覚えていった。
配点の多い国数英は毎日やり、物理と化学を交互に進めた。
公民の勉強法だけは確立することが出来ず、とりあえず寝る前に参考書を眺めるだけはしておいた。
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- 154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
07:52:08.83 ID:uvJqjcGl0
自分の勉強法が確立されると、学校の授業はただの骨休めでしかなかった。
国語の時間などは、先生に隠れてこっそりと英単語や化学式を覚えたりしていた。
夏休みになった。
級友たちは学校で開催されている勉強会というものに行っているらしい。 俺は行かなかった。
先生は尊敬しているが、受験の面では役に立たないと決めつけ、 ひたすら一人で勉強を続けた。
夏休みの間、一日に十時間から十二時間勉強した。
今まで無駄に過ごしていた時間を取り戻さないといけないと思った。
J( 'ー`)し「…夜食持ってきたよ」
('∀`)「サンキュー」
かけた迷惑の分だけ、俺には努力の義務があると思った。
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- 155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
07:56:31.11 ID:uvJqjcGl0
夏休みが終わりに近づき、模試の日がやってきた。
久しぶりに会う級友たちは、みんな白い肌をしていた。
俺は窓の傍で勉強していたため、腕の辺りを少し焼いていた。
(´・_ゝ・`)「焼けてんじゃんww勉強してたのかよwwww」
('A`)「したっつーのw」
みんな自信満々な顔をしていた。 俺は不安で仕方が無かった。受験生で勉強会に来なかったのは、数人だけらしい。
俺の努力の成果が、数字になって帰ってくる日。
とてつもなく緊張した。これで駄目なら夏休みの勉強が丸々無駄になるのだと思っていた。
俺は二年生のとき、模試で学年最下位を取った。
夏休み最後の模試、俺は学年トップ3に躍り出た。
- 157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:01:05.00 ID:DBj+gWmb0
('∀`)「母ちゃん!模試、すっげえよかった!見てよこれ!」
J(
'ー`)し「あらあ、すごいじゃない。さすがは私の子」
( ФωФ)「さすがはワシの子」
そういえば、学年最下位を取ったとき、てっきり怒られると思ったが、二人は大笑いしていた。
「これ以上落ちることが無いよ。よかったね」と俺に軽口を叩いたくらいだ。
二人は俺のことを信頼していたから、あの日の最下位を笑い飛ばしたのだろうか。
いや、無いな。たぶんこの両親はなにも考えてないんだと思う。いい意味で。
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- 158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:05:56.74 ID:DBj+gWmb0
俺は自分の勉強法に確信を抱いた。 鈴木さんの言葉を借りれば「自信が確信に変わりました」ということだ。
こうなると俺の躍進は止まらなかった。 スランプ状態もあったが、すぐに脱却し、また偏差値を上げていく。
元々底辺だったから、俺の伸び率は相当なものだっただろう。
しかし俺の目標としている大学の判定は、いつまで経ってもE評価だった。
センター直前の模試の判定も、Dという際どいもの。
( ´∀`)「目標を変え…」
(;'∀`)「…ませんよ絶対に」
( ´∀`)「強情モナー……まあ、好きにやるといいモナ」
('∀`)「はい!」
親からは、浪人しても構わないと言われている。
だが俺は、落ちたら死ぬ覚悟で、センターに挑むつもりだった。 俺はみなぎっていたのだ。
- 160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:07:26.26 ID:DBj+gWmb0
センターが終わった。
センター評価は、D判定だった。
散ってもいい。今まで逃げ続けてきたから、今度こそは。
俺は目標大学を変えることはせず、二次試験の勉強に取りかかった。
- 162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:15:29.88 ID:752fxrsX0
国立大学は前期と後期、二回試験が受けられるが、その様相は大いに異なる。
まず合格定員が違うし、受験科目も前期と後期で違う。
具体的なことは言えないが、俺の大学は後期に受かる方が難しいシステムだった(実は大概の大学がそうだが)。
つまり、俺は前期に落ちると一巻の終わりなのである。
友達には私立の滑り止めを受験する人もいたが、俺は私立受験の暇さえ惜しいと思い、 滑り止めの受験は全くしなかった。
とにかく前期一本に絞り込み、最後の詰め込みを行った。
( ФωФ)「大学の二次試験は過去問がセンターよりも重要になる。それは何故か?」
('A`)「さっぱりわかりません」
( ФωФ)「作ってるのが各大学だからだよ。つまり適した参考書が存在しないんだ。
さらに大学によっては完全に過去に出た問題を出すことがあるし、
意図的に傾向を似せることもある。二次試験は難しく、大門を最後まで解くのは至難の業だ。
だが各大門を8割、完璧にこなせるようにしていれば、カタいぞ」
('A`)「よくわからんけど、二次試験の過去問やっとけってことだな。よしきた」
- 166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:20:38.22 ID:ofMvZY6V0
センターが終わってから、全員参加しなければならない勉強会が学校で行われていた。
俺は先生にその勉強会のことを相談しようとしたのだが、
('、`*川「勉強会?どうせ出る気ないでしょw
あんたは自分で勉強できるやつだから、一人で頑張ってみんしゃい」
('∀`)「ありがとー。やっぱ結婚すると人って余裕出るんすね」
('、`*川「余計なこと抜かすな」
先生はなんだかんだ言って、俺のよき理解者だったと思う。 授業全く聞かずに別の勉強したりしてごめんなさい。
しかし俺はこのとき、とある誘惑につられ気味で、微妙に勉強が手につかなかった。
それは―――恋!―――ではなく、友!――――でもなく―――。
ニコニコ動画だった。
- 169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:25:45.59 ID:ofMvZY6V0
俺は自慢ではないがニコニコ動画を(仮)時代から見ている猛者だ。
あの頃ニコニコ動画は、総合ランキングで陰陽師が常に一位、テニミュが常に二位だった。
実に懐かしい(若干記憶があやふやなので、既に仮じゃなかったかもしれない)。
特に俺がハマっていたのはミュウツーの逆襲風の動画を、 スマブラをベースに作ったやつだった。
かなり燃える動画なので、是非検索して確かめて欲しい。
それはそうと、俺はかなりニコニコ動画にハマっていて、一日十時間やるはずだった勉強も
八時間に留め、残りの二時間をニコニコに回すほどのフリークスだった。
もちろんそんな余裕は無かったのだが、毎日新しい投稿が来ているニコニコ動画が気になり、
チェックしないと気が済まなかったのだ。
- 171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:31:03.54 ID:i5jby+Iy0
('A`)「よう兄弟、また会ったな…と」カタカタカカタ
(゚A゚)(やべえ!勉強しないと!)
数学の勉強はセンター前から徐々にこなしていたので、 あまり問題も無いようだったが、実は物理が危なかった。
センター物理というのは、個人的にいえば最も簡単なセンターの科目である。
覚える要素がかなり少なく、コツとパターンさえ掴んでおけば百点さえ狙える教科だからだ。
(実際に二度、模試で満点を取っている。俺の自慢である)
しかし二次試験の物理はかなり難しい。
実際に過去問を解いてみると、その難解さに頭を抱えるほどだ。
物理というのは実に奥が深く、面白い教科なのである。
数学もそれなりに面白いが、実際の事象を突き詰めて考える様により好感を…。
そんなことはどうでもよく、俺は明らかな物理の勉強不足を抱えたまま、 前期試験当日を迎えるハメになってしまったのだ。
- 172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:37:43.52 ID:i5jby+Iy0
大学は他県だ。
初めての新幹線は、別に新鮮でもなんでもなかった。
同じく前期試験を受けるために乗っているのだろう高校生、浪人生がごった返しており、全く席に座れないまま、
およそ三時間の間、ずっと立ったままであった。
行きの新幹線で問題を解いて暇を潰そうと思っていたため、
これにはかなり面食らった。
向こうのホテルに着く頃には、既にへとへとである。
ホテルにチェックインを済ませ、部屋に荷物を運び込むと、ひとまずベッドの上でうたた寝…。
するほど俺はテンションが低くなかった。
(*'A`)(観光しよう!)
両親からかなり多めの旅費をもらっていた。 田舎から出てきた俺には、でかいビル、でかい道路、人波の全てが真新しく、
車のクラクション、宗教勧誘、信号機のメロディ、街頭CM、雑踏の全てが心を躍らせた。
- 174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:40:59.30 ID:i5jby+Iy0
うまい飯を食い、
街を歩き回り、
タワレコで洋楽を聴き、
マックで一息つき、
ドトールでお茶をして、
夜の十二時頃、ホテルに戻った。
今でも覚えている。 「ギャグ漫画日和」を一巻から五巻まで買い、寝るまで読みふけった。
腹を抱えて笑ったのだ。
せめて……せめてドラゴン桜だったら……。
- 176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:42:43.79 ID:mwXyuvQe0
前期当日。
数学。
(*'∀`)スラスラスラスラスラスラ…
物理。
ヽ(;A;)ノ
- 178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:47:58.01 ID:M2C4NoWW0
帰りの新幹線の喫煙室で、俺は禁煙していたたばこを吸っていた。
完全に終わった。
ズタズタだった。
ギャグ漫画日和を一度ゴミ箱に投げ捨て、親の金で買ったことを思い出し、 また拾った。
今までの自分の浅はかな行為全てを呪い、両親に対する申し訳なさに泣き、
自分に対するふがいなさに怒り、どうしようもない悲しみにうなだれた。
近くに同じ大学を受けた女子がいたので、破れかぶれでナンパしてみた。 とてつもない勢いで断られ、また落ち込んだ。
また頭がおかしくなりそうだった。
- 179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:51:55.08 ID:M2C4NoWW0
地元の駅に着くと、母さんが車で迎えに来てくれた。 俺は正直に、駄目だったと話した。
母さんは予想通りの表情で、軽く笑って、今日はお鍋よ、とだけ言った。
俺はニコニコ動画を封印した。
覚悟が足りなかったのだと反省した。
後期に受ける科目に全身全霊をかけて、一日十四時間以上勉強し始めた。
食べるときも、トイレのときも、参考書を手放しはしなかった。
落ちたら終わりとか、本気で死のうとか、そんなことは考えていなかったが、 自分の全力をかけてみたかったのだ。
俺はこんなところで終わる男じゃない、そう証明したかった。
- 181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
08:57:20.90 ID:fLnugEmw0
J( 'ー`)し「夜食、作ったよ」
(`A´)「ありがとう。置いておいて」
全ての雑念を振り払い、全身の細胞に知識をすり込ませるつもりで勉強に挑んだ。
すると、今まで理解できなかった部分が、すらすらと解けていくようになった。
だが、後期まで時間が全く無かった。
一秒たりとも無駄にしたくはなかった。
( ФωФ)「ドクオ。いい予備校を見つけたぞ」
(`A´)「ありがとう。でも気がはええよ」
数式が暗闇を舞い踊る夢を見た。
自分が振り子の上に立って揺られる夢を見た。 体中が記号になって分解される夢を見た。
俺はいい感じに頭がおかしくなっていった。
- 182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
09:02:04.44 ID:fLnugEmw0
しかし、しかしやはり、やはりここで、 俺を暗闇へと誘い込む魔の手がまた意識に介入を始めたのだった。
大層な表現をしたが、要はまたニコニコ動画が見たくなってきたということだ。
(;'A`)(駄目駄目駄目駄目駄目歴史は繰り返される歴史は繰り返される…)
百%の努力、自分の限界で受験をするには、一分たりとも無駄な時間は過ごしてはならない。
実際には五分、十分息抜きしたところで、結果には響かないだろうが、 立てた誓いを破り、また弱い自分に戻るのが嫌だった。
(;'∀`)(三十分くらいならいいかな?)
俺は弱かった。
- 183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
09:09:16.66 ID:tqR8v6cg0
パソコンを立ち上げている最中にも、勉強は続ける。 デスクトップ画面になったら、最速でマウスを操作し、IEを開いた。
開いた瞬間のトップページはyahooにしてある。 ここで俺は、とてつもなく重大なことを思い出したのだ。
('A`)(そういえば今日は、前期の合格発表の日だ)
まあ重大といえば重大だが、不合格は既に自分の中で確定していたので、
一応見るだけ見ておいてさっさとニコ動を観ようと、大学のホームページを開いた。
ずらっと並んだ合格者の受験番号の中で、
自分の番号が無いことを確認し始め、番号を見つけると、俺はお気に入りのニコニコ動画を開こうとして、
手を止め、もう一度番号を確認し、やっぱり自分の番号があるのを確認すると、受験票を取り出し、
番号を確かめ、もう一度ホームページの番号を確認し、やっぱり自分の番号を見つけ、受験票を取り出し、
番号を確かめ、もう一度ホームページの番号を確認し、やっぱり自分の番号を見つけ、受験票を取り出し、
番号を確かめ、もう一度ホームページの番号を確認し、やっぱり自分の番号を見つけ、咆哮した。
- 187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
09:13:59.56 ID:tqR8v6cg0
-
- (゚A゚)
('A`)
(゚A゚)
('∀`)
(゚A゚)
('∀`)
十分ほど経ってから、父さんに電話しないといけないと思い、電話した。
父さんは出なかった。仕事中だろう。 母さんに電話した。母さんは出なかった。仕事中だろう。
ニコニコ動画を観ながら折り返しの電話を待った。 約三十分後、父さんから電話がかかってきた。
- 188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
09:17:19.20 ID:Kp2xWaTK0
『もしもし』
(*'∀`)「……父さん、受験…合格のことなんだけど、合格したんだ!(?)」
『おお、よかったなー』
('∀`)「……」
('∀`)「え、そんだけ?」
『え?』
('A`)「……うん、こっちはそんだけ」
『よかったなー』
きっと父さんは携帯を握りしめ、ガッツポーズを取り、
近くにいる女子社員から「んもう、親ばかなんですからー」とからかわれていたに違いない。 そうじゃないと俺が泣く。
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- 189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
09:20:53.21 ID:Kp2xWaTK0
母さんから一時間後に電話がかかってきた。
(*'∀`)「受かった受かった受かったよー!」
『キャー!よかったわねー!』
(*'∀`)「よかったねー!」
『今日なに食べるー?』
(*'∀`)「鍋ー!」
世界が俺を中心にぐるぐると回っていた。
脳内麻薬のせいで落ち着かず、しばらく家の中を走り回っていたが、
さすがにテンションが下がってくると、ベッドでしばらく寝た。
しかし一時間もせずに起きてしまい、両親が帰ってくるまでやっぱりニコニコ動画を観て待つことにした。
相変わらず下らない動画ばかりだったが、腹を抱えるほど面白かった。 一度捨てて薄汚れていたギャグ漫画日和も読み返した。
涙が出るほど面白かった。本当に。
- 192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
09:26:21.13 ID:Kp2xWaTK0
引っ越しも終わり、入学式を終えた頃、俺は完全に戦闘態勢に入っていた。
憧れのキャンパスライフ、死ぬほど楽しんでやると校舎に誓った。
ホームシックになるかもしれないと、マザー2をプレイしたことのある俺は心配だったが、
一人暮らしを始めて、数年が経った今でも、未だにホームシックにかかったことはない。
Q:人生で一番頑張ったことはなに? A:大学受験です
Q:人生で一番嬉しかったことはなに? A:大学合格です
これが俺の本気だ。
どうだ、参ったか。
( ´∀`)「へへー」('、`*川
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- 193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
09:27:17.77 ID:Kp2xWaTK0
【高校生編】 終わり
【大学生編】 へ続く
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