('A`)ドクオはBrigade Projectにカラサワをぶち込むようです
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
04:27:00.20 ID:Yl3zxaUl0
- 人類が地球規模の大災害を逃れ、【管理者】と呼ばれる、
ただひとつの管理機構と幾つかの企業によって均衡が保たれた【レイヤード】と呼ばれる地下世界。
人類が、全て管理され予定された生活を営むようになって数世紀。
企業の勢力均衡を保つため生み出された【レイヴン】と呼ばれる傭兵が管理者を破壊して三十数年。
企業が提唱するBrigade
Project[地上再開発計画]の下、人類が再び地上を目指した時代。
それでも多くの人々は地下の暮らしから抜け出すことは出来ず、暮らしはレイヤードと共にあった、そんな時代。
だが、人々は確かに知っていた。そこに空が在ることを。
かくして運命の歯車が鈍色の機体を軋ませ始める。
('A`)ドクオはBrigade Projectにカラサワをぶち込むようです
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
04:31:41.35 ID:Yl3zxaUl0
- 【レイヤード北工業地区【VIP重工】第三会議室】
室内ではドーナツ状に組まれたを長机を挟んでVIP重工の技術者達による意見交換が盛んに行われている。
議題は先日の模擬テストで問題が発見された開発中の新型FCSに関してだ。
そのFCSには今回VIPの社運を賭けた新技術が搭載されており、
その為会議は一見殺気すらも感じられそうな緊迫した空気を醸し出していた。
(;'A`) (うーん、気持ち悪いし頭痛いよう・・・)
そんな中ドクオは、先日の酒が残した頭痛と孤独な格闘を繰り広げていた。
(#´・_ゝ・`)「目標補足動作はこれ以上の単純化は出来ません!なんですか、
貴方はこれ以上システムを原始化させて小石でもロック出来る仕様にしろとでも言うんですか!?」
( #´ー`)「んなこた誰も言ってネーんダーヨ!
このままじゃ優先順位の思考ロスを稼げねえからそっちでどうにか最適化を図れないかって聞いてンダーヨ!?」
(#´・_ゝ・`)「同じ事です!今回のFCSが目標の高速補足を従来のものより1,5倍最適化を図れているのは
新技術に加えてとことん必要最低限まで他機能の収縮を行ったからこそです!
それに補助AIの思考順位に関してはそちらの領分でしょう!?」
(
#´ー`)「こっちだって同じダーヨ!そりゃまあこっちだって削れる部分は削るし、
今日VRテストモードでドクオ君に試作2号のサンプルをテストしてもらったとこダーヨ!
おい!言ってやれドクオ君!」
(;'A`)「あ、はひ。戦闘自体は昨日よりも幾分かスムーズになりましたけど、
逆にミサイル自体を補足する精度はかなり落ちましたね。やっぱりロックが追いつけていません」
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
04:36:16.42 ID:Yl3zxaUl0
- VRテストとは、コンピューターにプログラミングされたデータを元に、仮想空間で実戦さながらの状況を作り出すシステムの俗称だ。
しかしそれも万能という訳ではなく、極めて限定された条件の下行われる実験となる。
実戦テスト等で事前に問題を細分化しておかなければ実際の使用感を演出する事は難しい。
ドクオがそう言うや否や研究員達からはドクオに向けて質問が怒濤のように押し寄せる。
(;'A`)「えっと!あnそkvn」
(;'A`)(うおおおおおおおそんなにいっぺんに来られても何言ったらいいか分からんし頭いてえええええええええ!)
その喧噪を引き裂くように、一人の男がドクオの隣りの席から腰を持ち上げた。
(´・ω・`)「・・・ふむ、なるほどね」
(;´・_ゝ・`)「しゅ、主任」
主任と呼ばれたこの下がり眉の優男は、ショボン・リップソルド。
年齢はまだ三十を迎えたばかりという若年社員でありながらこのVIP重工開発部で総合主任を勤める若き逸材だ。
その発言力は彼より一二回り年かさのある研究員達を席を立つだけで黙らせる事からも伺える。
(´・ω・`)「君たちはシステムを一つ先鋭化させる事にとらわれ過ぎているように思える。
分かっているとは思うが、残念ながら今の状況では先日までのコンセプトで仕上げる事は
我が社の地力からして困難を極める・・・つーか無理だろ?ぶち殺すぞ」
研究員達はうなだれるようにギリギリと怒らせていた肩を落とした。
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
04:41:24.02 ID:Yl3zxaUl0
- (´・ω・`)「FCSの思考ルーチンを遠近中距離で3分割する。
ミサイルロックを先鋭化させた遠距離を基盤に大型目標の接近によって事前にAIの分割作業を済ませる。
中距離に関してはまだ私も構想段階だが、近距離戦に関してはミサイルロックを完全に凍結させて完全な高機動戦のみに絞る。
勿論レーダーとの兼ね合いも問題になるだろうし、なにより従来のFCSよりは遙かに重量のあるものになると思うが・・・」
(´・ω・`)「これこそ業界革命じゃないか?」
『・・・・・・ざわっ・・・ざわざわ』
(
*´ー`)「なるほど!その手があったんだーヨ!」
(*´・_ゝ・`)「そうなると我々はそこまでのルートの最適化を計り直さねば・・・」
( *´ー`)「サイズの縛りがなくなったんなら今まで以上にミサイル迎撃機能も強化が見込めるんだーヨ!」
(*´・_ゝ・`)「主任!中距離の構想なのですが・・・!」
(´・ω・`)「おいおい君たちw待ってくれよ、重量の拡張にしたって勿論限度はあるぞ」
ショボンの提案により新型FCSは新たな段階へと進んだ。
会議室も先ほどと比べ騒がしい事には変わりはないが、
剣呑さがほぐれ、研究員達の表情からは次世代機への新構想への期待感がありありと伺えた。
(*´・ω・`)「それにだ、中距離戦のプログラムに関しては、阿部やACテスター達の意見を中心に少しづつ身の振り方を決めていこうと考えている」
ショボン自身そんな彼らを見て悪い気はしないらしく、
平静を装いつつにやける表情を隠しきれないようだ。
(´・ω・`*)「ドクオまずは現段階での君の意見を参考程度に聞いておきたい。
先日の模擬戦や今日のVRテストを思い出してみてくれ!」
(; A )「も・・・模擬戦、V・・・R?」
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
04:45:20.95 ID:Yl3zxaUl0
- ちなみに
(´・ω・`*)「そうだ!模擬戦やVRだ!」
(; A )「・・・・・・うっ」
(´・ω・`*)「う?」
VRによるバーチャル空間での訓練は、酷く
( A
)「オゲパァッ!ゲッフ!オロロロロロ・・・・・・ゴプ」
ビチャビチャ…
(´ ω ` )「」ビチャン…ポタ…
酔い易い。
ポタン…
Act02―VIP重工―
「おいてめぇ、ちょっとケツ貸せよ」
「ちょ、ちょちょ、すみ!すみませ主任っ!?主任っ!?」
「オラ、仮眠室行くぞ」
「ちょっ待って!?誰か!?タスケ・・・!」
バタン
「これは・・・」
「ネーヨ」
( ・ e ・)「・・・・・・」
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
04:47:40.39 ID:Yl3zxaUl0
- 【VIP重工演習区画、休憩所。】
( A )
(;゚д゚ )「ど、どうしたドクオ?いつも以上に顔が死んでるぞ」
( A ) ホメテクレヨオッサン…ミサオハ、マモリヌイタンダゼ…?
(;゚д゚
)「み、操?」
( A ) サイショハショッパクテ、サイゴハスゴク…ニガカッタ…
(;゚д゚
)「・・・そうだ!アリーナだドクオ!今日もそろそろアリーナの時間だぞ!」
ドクオの全身から放たれている負の空気から逃げだそうとしてか、
単にドクオを思ってか、今日はミルナがテレビのスイッチを入れた。
『この番組はグローバルコーテックスと、ご覧の各社の提供でお送りします・・・』
・
・
・
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
04:50:59.27 ID:Yl3zxaUl0
- ・ ・・かち、こち・・・かち、こち・・・
・
【レイヤード中央区画【中央第三アリーナ】登録ランカー控え室。】
・・・かち、こち・・・かち、こち・・・かち、こち・・・
胸に当てた彼女の手の中で、懐中時計がゆっくりと、しかし確実に時を刻む。
・・・かち、こち・・とくん・・かち、こち・・とくん・・・
そのリズムは、染み込むように、彼女の心臓の音色と合わさっていく。
やがて彼女は機械的な、それでいて何処か温もりを感じる調律された世界に、一人潜っていく。他に音はなく、彼女と懐中時計だけの世界へ。
深く青い海を、彼女は知らない。しかしそこは深海と良く似ていた。
淡い水泡の様に、普段は朧気な記憶達が、そこでは確かに呼吸をしていた。
― お前が遅刻しないなんて珍しいな ―
かち
うるさいな
―
そう、恐い顔をするな。冗談じゃないか ―
こち
・・・・・・
― ディリー、大丈夫だ ―
とく『コンコン!』
「ミス・ディリジェント、間もなくお時間です」
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
04:52:16.91 ID:Yl3zxaUl0
- 不意に掻き鳴らされたノック音が室内の静寂が割り、彼女は深海から引き揚げられる。
「・・・・・・」
「ミス?」
「ああ・・・」
彼女は席を立つ。
「・・・・・・時間通りだ」
手の中で、懐中時計はゆっくりと時を刻む。
それはあの頃から寸分も早さを違えず、彼女とあの頃を遠ざけていく。
―
ディリー、大丈夫だ・・・お前なら ―
(#゚;;-゚)「・・・うん」
彼女は今日も、遠ざかっていく時間を握り締める。
・
・
・
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
05:02:37.56 ID:Yl3zxaUl0
- 【VIP重工演習区画、休憩所。】
『電化製品はコジマが安い!!』
(*'A`)「ディリジェント様カッケェェェェッ!!」
アリーナ戦が終了し、ドクオは興奮冷めやらぬ様子でコマーシャルに向かい雄たけびを上げた。
( ゚д゚
)「うむ、確かに正確な射撃だった。華はないが、
大艦巨砲主義の【アイアンマン】を相手に完全に戦略で圧倒していたな」
ミサイル搭載武器腕と高性能レーダー頭部を装備し、機体をダークブルーで統一した中量級四脚AC『タイムテーブル』。
ランク自体はC−5の【ディリジェント】だが、元来企業からの依頼に重点を置いたレイヴンであり。
アリーナに出場すること事態が非常に珍しいその実態は謎に包まれている。
アリーナでは不戦敗が多く見られ、実際の実力はBクラスでも充分通用すると囁かれている。
(*'A`)「良いもん観たわぁ、やっぱアリーナは最高だなオッサン!畜生ナマで観てぇ!」
謎というのはそれだけで、人を惹きつけるものである。
( ゚д゚ )(こいつ案外タフだよな・・・)
『臨時のニュースです』
('A`)「ん?なんだろ」
『レイヤード北区画を中心に、活動を続ける治安維持団体【ラウンジ】が今回近年の犯罪悪化に伴い、
民間の自警団としては初の試みとなるACの導入を決定した事が明らかになりました』
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
05:04:44.23 ID:Yl3zxaUl0
- ( ゚д゚ )「ほう、ラウンジと言えば確かお前の友達のトコじゃなかったか?」
('A`)「ああ、うん。って、あっ!」
『 _
( ゚∀゚)
』
(;'A`)「ジョルジュだ・・・」
( ゚д゚ )「そうそう、彼だ」
『初のレイヴン以外のパイロットとなる自警団副団長ジョルジュ・フィッツジェラルド氏が搭乗する
機体【イングラム】はミラージュ社の量産型ACを基調とした各社の・・・』
('A`)「・・・・・・」
( ゚д゚ )「ん?
どうした?」
('A`;)「いや、何か知り合いがテレビに出てるのって落ち着かなくない?」
( ゚д゚ )「?
いつも阿部が出てるじゃないか」
(;'A`)「まあ、それはそうだけど」
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
05:06:26.83 ID:Yl3zxaUl0
- 『 _
( ゚∀゚) エーオホン…オッパイ!
』
(;'A`)「・・・」
(;゚д゚ )「・・・」
『 _
(;゚∀゚) ア、ヤベ!マチガエタ!?
』オイ、カメラトメロ
(;'A`)「・・・・・・」
(;゚д゚ )「・・・・・・・・」
『し、失礼しました。えー、ラウンジの発足は10年前のB17区画の高速道路上で起きました。
レイヴンによる一般市民の大量虐殺事件を発端とし、市民自身による積極的自衛手段として・・・』
「これは、確かに、落ち着かないな」
「・・・・・・」
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
05:12:32.70 ID:Yl3zxaUl0
- 【レイヤード北区画、第四倉庫街】
レイヤード全体の消灯が済んだ深夜未明、
頼りない街灯が倉庫が立ち並ぶ一帯を薄く照らしている。
普段から一部の人間を除いて人の行き来が少ないこの地域には、
現時刻人の気配はほとんど感じられない。
「いいんですか?今頃そちらは大忙しなのでは?」
( ・ e
・)「ええ、ですから早めに切り上げたいと思っているところです」
「ハハッこれは手間をとらせますね、それで開発の方は?」
( ・ e ・)「方向性が大きく変わりました。より、革新的なモノに」
そう言って男は一束の書類を手渡した。
受け取った男はそれを流し読むようにしてパラパラと目を通した。
「・・・・・・なるほど、これは確かに」
( ・ e
・)「読み終えたら処分を」
「いつも通り、ですね?」
( ・ e ・)「・・・ええ」
一心不乱に書類をめくっていた男が、不意にバツの悪そうな面持ちで彼を一瞥した。
( ・ e ・)「なにか?」
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
05:18:18.77 ID:Yl3zxaUl0
- 「いえ、私が言うのもおかしな話しですが、辛くはないのですか?事が完遂したとしても貴方は」
( ・ e ・)「裏切り者、ですね」
「・・・ええ」
( ・ e
・)「覚悟の上です。今のキサラギのVIPに対する評価はあまりにも偏っています。
これまでの貢献に対して、それはもう目に余るものがあります・・・」
「・・・」
( ・ e
・)「彼等には、もっと陽の当たる場所で生きる権利と実力があります」
「確かにそうかもしれません。分かりました、書類の処分はお任せ下さい」
書類を小脇に抱えた男がそこを去ろうとする際、彼は深々と頭を下げた。
( e )「VIPを宜しくお願いします」
「ノンさん・・・任せて下さい。ミラージュは貴方がたを歓迎しますよ」
「ああ、構想は頂戴した。確かに革新的なシステムだ」
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
05:22:03.22 ID:Yl3zxaUl0
- 『・・・宜しいのですか?』
「惜しい人材達だが仕方がない、彼の独断にVIP重工そのものが動くとは思えない。
ただでさえあの区画は昔気質の技術者が多い」
『・・・同業者として私は、彼が愚かに思えても、嫌う事が出来ません』
「私もだよ、だが、黙っていることも最早ままならない状況だ。
これには市場を動かす力がある。その作り手達もまた、同じ事だ」
知ってしまったからには、動かねばなるまい
「卑しい仕事だと思うかね?」
『いえ、卑しいというなら、私も同じ穴の狢です』
「・・・そうか。では」
『レイヴンを』
「頼むぞ」
「VIP重工、潰すには惜しいが・・・これも時代か」
携帯を切った彼は、レイヤードの夜に独りごちた。
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
05:28:25.42 ID:Yl3zxaUl0
- 【VIP重工、演習区画】
『後方熱源反応多数、ミサイル接近』
コクピットに鳴り響くCPUの電子音。
旋回、跳躍した中量級ACが次々と迫るミサイルを撃墜する。
『熱源消滅』
(#'A`)「オルァッ!次ぃ!」
『前方熱源反応多数』
ショボンが新型FCSの新構想を切り出してから2週間。
VIPでは昼夜問わず技術者達によるプログラムの改良やテスター達による模擬戦、
VR訓練が文字通り寝る間も惜しんで行われていた。
『ドクオ、S−2の使用感はどうだ?』
('A`)「今の時点では開発当初の使用感にかなり近いです!」
『よしOKだ!次はソニーの乗った【フィーンドNB】を出す!遠近中だ分かってるなゲロ野郎!?』
(#'A`)「イエッサー!了解しましたでありますサーッ!」
ドクオはFCSが現時点かなりの速度で実用化に耐えうるモノへと進化しているのを身をもって感じていた。
その感覚は研究員達にも伝染し、VIP社内は近年例を見ない男臭いテンションに満たされていた。
前方の耐火シャッターが巻き上げられ、背中に大型ブースターを装備した5m程の人型MT【フィーンドNB】が現れる。
紅い鋭角的なフォルム、肩のミサイルポッドが展開し輝る。
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
05:31:07.74 ID:Yl3zxaUl0
『いっくぞぉぉぉゲロォォォォッ!』
通信と共にフィーンドNBの大型ブースターが点火し、高速機動を開始した機体は、
上空からドクオの搭乗するACの真上から小型ミサイルをばら撒いた 。
(#'A`)「来いやぁぁぁぁ!」
中量級ACはバックブーストから後方に緊急後退、
地面にそのまま激突したミサイルの爆煙を掻き分け方向転換に成功した2発のミサイルが飛び出す。
(#'A`)「見えてんだよォ!」
引き付けるように構えられたライフルからミサイルに向かって弾丸が連射される。
ミサイルを撃墜した照準はそのまま、上空のフィーンドNBに向け掃射され被弾した機体が鈍い音を上げて跳ねる。
『――ッ!やるじゃねえかドクオォ!まだまだイくぜぇッ!?』
(#'A`)「オオヨ!」
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
05:32:57.35 ID:Yl3zxaUl0
- (#´・ω・`)「Yes!!!良いぞドクオ!その調子だ!」
演習場の上部、模擬戦を強化硝子を挟んで見下ろす形でショボンはマイクに向かって声を荒げた。
(;・ e ・)「掴んでます!掴んでますよね主任!?」
(#´・ω・`)「ああ!完成が見えてきたぞコリャ!」
o川*゚ー゚)o
「フィーンドNB!装甲がもう限界です!」
(´・ω・`#)「オッケェきゅーちゃん!ドクオストップだ!」
『了解!』
く(´゚ω゚`)/「イクゾおんまぇるぁぁぁぁっ!!バックアップだあああぁぁっ!!」
「「「「「合点承知ぃぃぃっ!!!」」」」」
部屋中が振動するような男達の掛け声と共に、硝子に張り付いていた面々はそれぞれの持ち場へと飛んでいく。
(・ e
・;)(やっぱり、こいつ等はもっと上に行ける!行けるんだ!)
ノンは自分の判断の正しさを確信していた。
(#´・ω・`)(イケル!今回のFCSはキサラギも舌を巻く傑作になる!)
ショボンはこのFCSに技術者としてのカタルシスを感じていた。
- 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
05:35:41.80 ID:Yl3zxaUl0
- 【VIP重工 演習区画、休憩所】
(#'A`)「アリーィィィッィイッナ!」
(;∴゚ з゚ )y━・~
「ドクオ、テレビ観る時くらいソレどうにかならないのか?」
('A`#)「ンゥゥゥ無理ィィィッ!!!」
ドクオは自分が携わる役割の重要性と、その充実感にこの仕事が始まって以来の高揚を感じていた。
(;∴゚ з゚
)y━・~「・・・外で吸ってくるわ」
【VIP重工 機体整備室】
(
゚д゚;)「ふう、最近MTの損傷が激しいな」
o川;゚ー゚)o「回転が速いですしね!でも何より皆あのFCSに凄い期待してるんですよ!」
( ゚д゚;)「暑苦しい程にな、モンキーを頼む」
o川*゚ー゚)o
「どうぞ!ふふっでも、やりがい感じちゃいますよね?」
( ゚д゚ )「ククッ、違いない」
ミルナは初めての経験を、戸惑いながらも心から楽しんでいた。
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金)
05:36:58.54 ID:Yl3zxaUl0
- そう
(;∴゚ з゚ )y━・~「ふぅ、あいつテンション高過ぎだろ」
全ては、順調過ぎるほどに進んでいた
(∴゚ з゚ )y━・~「まあ、でも」
ソニーはレイヤードの夜空を仰いで小さく笑った。
(∴ ー
)y━・~「気持ちは分からぁな」
(∴゚ з゚ )y━・~「ん?」
この時までは
(;∴゚ з゚
)y━・~「輸送・・・機?・・・AC!?なんd」
『ぐしゃんっ』
(∴ з )「 」
『ディリジェント、目標地点に到達。ミッションを開始する』
NEXT
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