( ^ω^)は人助けをしたいようです
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:03:25.60
ID:mutndw7h0
春。改造していない真新しい制服を着て学生達が登校します。
はるうららな陽気に当てられ、初日にいじめと言うものは発生しません。
一週間経てば大体のグループが作られます。
それに入れらなかったコミュ力皆無のクズは集団からハブられます。
絶好のいじめターゲットです。標的です。的です。獲物です。
顔がグロかったりキモかったり、雰囲気が根暗だったりすると更にヒット。
一ヵ月経つと、もういじめは開始されています。
最初はシカトだったり、廊下でわざとぶつかってきたり。
半年経つと、お金を要求したり、クラス全員がいじめに協力したり。
服に隠れているところを殴ったり、筆箱を隠したり、教科書を捨てたり。
靴の中に画鋲を入れたり、体育館裏に呼び出してフルボッコにしたり。
教師までもがいじめを黙認して、いじめっ子達が更にヒートアップします。
( ^ω^) +
待っていました。僕はこれを待ち望んでいました。
僕の目の前には屋上の鉄柵から身を乗り出している人がいます。
きっと、新世界へ行こうとしているのでしょう。
今こそ、僕が人助けをする時です。
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:05:27.18
ID:mutndw7h0
@新世界へダイビング
( ^ω^)「あいや待てェい!」
僕は彼を背後から呼びかけました。
がりがりに痩せ細った体は、僕の呼気にすら吹き飛びそうです。
('A`)「んあ?」
振り返った顔はキモいです。グロいです。顔面崩壊しています。
心の中でうわぁと言ってしまいました。心の中なので、キモ面には聞こえていません。
街角インタビューで100人に「こいつキモい?」と聞いたら100人がYESです。
これでは屋上に立っていても、告白シーン待ちと思う奴はいないでしょう。
もし見つけても、人助けをしたいと思う人でなかったら写メを構えてしまいます。
飛び降りる瞬間を撮影する為に。
('A`)「何か用?」
おっと、自分の世界にトリップしていました。
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:09:45.65
ID:mutndw7h0
( ^ω^)δ「君ィ、命は粗末にするモンじゃないお」
('A`)「お前に俺の何がわかるってんだよ」
来ましたテンプレ。どうやらこいつはテンプレなようです。
まずはその幻想をぶち壊、テンプレをぶち壊します。
( ^ω^)「じゃあ、僕の何が君にわかるってんだお?」
(;'A`)「え?」
くっくっく、圧されていますね。
僕が素直に自殺を止めるよう言うと思ったのですか?
( ^ω^)「あと、さっきの君の言葉もおかしいお」
このまま自分のペースに持ち込んでやります。
( ^ω^)「『命は粗末にするモンじゃない』に『俺の何がわかる』って会話が成り立ってないお」
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:13:11.86
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「君は簡単な会話のキャッチボゥルもできないのかお? もしかして知障?
支離滅裂な会話ほどウザいものはないんだおwwwもしかして自覚なし?
だったら君がいじめられるのも当然だおねwwwwwwその顔だしwwww」
('A`)「…お前、何しに来たんだよ」
( ^ω^)「人助け」
('A`)「……」
あれ? あれれれ?
ブサ面がすごい陰湿な目で睨んできます。どうしてでしょう。
そこは「メシアが舞い降りた!」と叫びながら鼻水を垂らし、失禁するところです。
そして、救世主に抱きつこうとして僕の華麗なカウンターを食らい、鉄柵の向こうへ。
空中にきらきらと体液を撒き散らし、涙で虹を作りながら地面へ行きます。
救われたと思い込んだ幸福の絶頂のまま、新世界へ行くことができるのです。
('A`)「別に、飛び降りる気なんてないぞ」
( ^ω^)「えー」
('A`)「今日のは下準備みたいなものだよ」
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:15:49.29
ID:mutndw7h0
('A`)「人助けなら、俺が飛び降りたいと思う前に助けてみろよ」
( ^ω^)「なら僕の胸に飛び込んでおいで、救ってあげよう」
('A`)「誰が喜んで野郎の胸に飛び込むんだ」
そう言って、彼は鉄柵を乗り越えました。
向こう側から、こちら側へ。これから青春を謳歌する側へ。
('A`)「でもまあ、助けてくれるの期待してるぞ」
( ^ω^)「へ?」
なんでコイツこんな偉そうなんだ。
去り際に、肩をぽんと叩かれました。
まるで上司が部下に「期待してるぞ」と言いながら肩に重圧をかけるアレです。
彼はそのまま階段のほうへ行き、彼は段を踏み外して落ちました。
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:18:13.76
ID:mutndw7h0
ξ;゚听)ξ「いっ、いやぁあああああああ!!
おやおや、どうやら女子に見られてしまったようです。
一応言っておきますが、僕が突き落としたんじゃありませんからね。
って、聞いてません。
肉食獣もびっくりの瞬発力で走り去って行きます。
彼女に弾き飛ばされた男子生徒が壁に陥没して動かなくなりました。
( ^ω^)「どれ」
向こうで壁に頭をめり込ませて生死の境を彷徨っている男子生徒はよしとします。
問題は、階段の踊り場で首を奇妙な方向に向かせている根暗野郎です。
( ^ω^)「ふむ、脈は…ないな」
一人でやっておきながら何ですが、当たり前です。
素人目で見ても、即死ですもん、これ。
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:21:28.35
ID:mutndw7h0
骨格を無視したアレで、ジョジョを思い出してしまいました。
彼の今のポゥズは、明らかにジョジョです。骨格を無視しています。
折れ曲がった首とか、歪んでピースサインをしている両手とか。
がに股とか、マトリックスばりの仰け反り具合とか。まさにジョジョ。
そう思ったら、僕は笑いが止まらなくなりました。
( ^ω^)「ぶひょひょひょひょひょwwwwwおひゃひゃひゃひゃひゃびゃるぁ」
笑いながら、静かに涙を流します。
彼は、屋上から地面へ飛び降りれませんでした。
たった13段の階段の一番上から、踊り場までしか落ちれなかったのです。
きっと、スカイダイビングのような気分を味わえなかったでしょう。
走馬灯すら見ることはできなかったでしょう。
いじめっ子達を呪い殺す念を飛ばす暇もなかったでしょう。
ああ、また尊い命を一つ、救うことができませんでした。
@ 終
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:24:11.69
ID:mutndw7h0
Aぶっち切りバーサーカー
1人のいじめられっ子が消えてしまった。
油性ペンで悪口が書かれまくった机の上には、菊の花が咲いている。
比喩ではない。実際に咲いているのだ。
( ^ω^)「うーむ、これは」
机の上にある、いじめっ子達が彫刻刀で掘った大きな穴は中庭の土で塞いだ。
教師の「ついでだから」の言葉で、花瓶の代わりにそこが鉢植え代わりにされた。
菊の花が机から直に咲いている光景は、ある意味幻想的だ。
( ^ω^)「中々に独創的だおね」
菊の花が枯れないよう、緑色の液体の詰まった栄養剤を刺してやる。
きっと彼が幽霊になってそこにいるとしたら、呆然としている事だろう。
誰だってそうだ。
僕だってそうだ。
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:25:19.72
ID:mutndw7h0
ξ゚听)ξ「あら、手入れをしているの?」
( ^ω^)「んん? 君は」
記憶の中を検索する。
がりがり、ぎゅいぎゅい。
かしゃかしゃかしゃ、チーン。
( ^ω^)「ツンさんかお」
ξ゚听)ξ「まだクラスメイトの名前覚えてないの?」
呆れた様子で溜め息を吐かれる。
覚えていないのではなく、顔と名前が一致しないだけだ。
ξ゚听)ξ「意外ね、あなたってそういうのしないと思ってたわ」
( ^ω^)「そういうの?」
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:26:20.46
ID:mutndw7h0
ξ゚听)ξ「死んだ奴の机の上の花なんて、先生とかがやるものじゃない」
( ^ω^)「あの教師がやると思うかお」
ξ゚听)ξ「体裁だけは」
ふーんと鼻を鳴らす。興味ない。
ξ゚听)ξ「それにアンタ、いっつも毒男のことを後ろから笑って見てたじゃない」
マジかよ。他人からはそんな風に見られてたのか。
( ^ω^)「この顔はいつもだお」
ξ゚听)ξ「どーだか」
両手を肩の辺りにまで上げて、やれやれと言う。
このアマ。
不良共をけしかけてマワしてやろうか。
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:29:23.98
ID:mutndw7h0
ξ゚听)ξ「あ、そう言えば」
( ^ω^)「何だお」
ξ゚听)ξ「…最近、下駄箱で変な事が起きるの」
イライラしてきた。
それがどうしたって言うんだ。
( ^ω^)「で?」
ξ゚听)ξ「話は最後まで聞きなさい」
ξ゚听)ξ「なんか、日ごとに、縦一列ごとに、変なことされるのよ」
( ^ω^)「変なこと?」
ξ゚听)ξ「虫の死骸を入れられたり、水浸しになってたり、泥だらけになってたり」
ξ゚听)ξ「軽い時だと、靴が左右逆になってたり、靴が逆さまになってるだけだったわ」
ξ゚听)ξ「酷い時だと、猫の死骸が入ってたり、靴が滅多刺しにされてたり…」
ξ;--)ξ「先生達は『学生の問題は学生で解決すべきだ』で取り合ってくれないし…」
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:32:43.27
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「それはつまり…」
集団いじめならぬ、個人いじめ。
こう書くと個人がいじめられているように見えるが、個人が集団をいじめているのだ。
いじめとは、学校と言う枠内に置いて個人を差すものかもしれない。
だったら、これは何と表せと言うのだ。嫌がらせか? テロか?
取りあえず、いじめと言う事にしておこう。
( *^ω^)「いじめか! いじめだおね!」
ξ;゚听)ξ「えっ、あ、うん。どっちかと言うと悪戯じゃない?」
あ、そーか。
( ^ω^)「ともかく、君はそれで困っているのだおね?」
ξ゚听)ξ「私ではなく、私達よ。何か心当たりない?」
( ^ω^)「何も。初めて知ったお」
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:36:12.03
ID:mutndw7h0
ξ゚听)ξ「あなたはまだなのね…羨ましいわ」
それじゃあ、さよなら。
んなことを言って、教室から出て行く。
( ^ω^)「僕、疑われてたのかお?」
さっきのは尋問誘導みたいなものだったんだろうか。
色々と不可解なフラグが立ちまくりだ。
どうしよう、これから一人で頑張れるか?
僕には味方はいないが、奴隷はいる。
肩を並べれる奴でも作っておこうか。近いうちに。
( ^ω^)「君は毒男と言う名前だったんだおね、応援してくれお」
菊の花は風に揺られて左右に揺れた。
僕は腹が立って、それをぶちりと引っこ抜いた。
A 終
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:42:05.34
ID:mutndw7h0
B下駄箱のサタン
( ^ω^)「あ」
(-_-)「あ」
早朝パトロールをしていたら、下駄箱に不審な男を見つけた。
いくら何でもフラグ回収早過ぎるだろ。
こら、僕の上履きからその手を放せ!
(-_-)「いいかい内藤君、これは重要な儀式の過程なのだよ」
( ^ω^)「お前クラスメイトか」
なんか名字を呼ばれた。
しかし、いくらこの顔を検索しても海馬にヒットしない。
(-_-)「僕は引き篭もりだからね…始業式にも出席してないから当たり前さ」
( ^ω^)「心を読むな」
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:43:14.69
ID:mutndw7h0
奴の左手には、僕の愛用している上履きがある。
だが、奴の右手には悪魔の鋏が。
どうする。
この距離じゃ僕があいつを殴るより、鋏が僕の上履きを切るほうが早い。
( ^ω^)「儀式か何か知らないけど、それは僕の上履きだお。返すお」
(-_-)「ごめんね。これはどうしても必要なんだ」
このシザーマンめ。
いい加減、鋏を会話の合間に動かすのやめろ。
ちょきちょきうるせえ。
(
#^ω^)「なら自分の上履きを使うといいお! なんで僕の上履きを切るんだお!」
(-_-)「……」
( #^ω^)「……」
沈黙。
選択肢を間違えたか?
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:48:13.67
ID:mutndw7h0
どうしよう。
自費で学校の上履きを買うなんて嫌だぞ。
あれシンプルなデザインなのに、妙に高いんだ。
(゚_゚)「…」
奴の目がゆっくり見開かれる。
何、覚醒イベント? 逃げていい?
(;゚_゚)「…盲点だった」
( ^ω^)「へ?」
(;゚_゚)「そうだよ…最初から自分の使えばよかったじゃん…何も朝早く来て
危険な目に会いながら靴を切り刻まなくてもよかったんじゃん……」
( ^ω^)「はあ」
深呼吸して、シザーマンはその場にがくりと崩れ落ちた。
取りあえず、悪人らしきものを倒したので勝利。
いぇーい。ガッツポーズ。
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:49:22.74
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「つーかお前、なんでこんなことしてたの?」
(-_-)「下駄箱の神様を呼び出す為さ」
色んな意味でくさそうな神様だな。
訝しげな顔をしたら、シザーマンから本を渡された。
下駄箱の神様とやらの聖書みたいなものらしい。
なんとなく読む。
( ^ω^)「ふむふむ…」
ざっと流し読みをしてみたが、神様の生まれが履き古した上履きってのが嫌だ。
それって九十九神じゃないかってツッコミは野暮なんだろうな。
しかし、上履きに虫を投入したり、切り刻んだり、小動物の血塗れにしたり、
自らのう○こまみれにするとは、池沼教育を進めてるとしか思えない。
( ^ω^)「正直、何の神々しさも感じないお」
(-_-)「ふふふ…信じるものは救われるってね」
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:51:58.61
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「へぇー…それで、救われた?」
(-_-)「いや、まださ。これからだよ」
シザーマンは、開いていた鋏をちょきんと閉じた。
この本はあげるよと言われた。
間違っても、僕は信者になったりはしない。
今度ブックオフにでも売ってしまおう。
それよりも気になることがある。
( ^ω^)「君は救われたいのかお?」
(-_-)「…? まあ、そうだよ。でなきゃ神頼みなんてしないしね」
( *^ω^)「いじめかお? それとも引き篭もりスキルでついた対人恐怖かお?」
(;-_-)「いきなり何々だよ君は…似たようなものだと言っておくよ」
ほうほう。
そうか、そうか!
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:53:16.60
ID:mutndw7h0
( ^ω^) +「君、実は僕は、人助けが趣味でね」
(-_-)「ダイエットが趣味じゃなかったんだ」
黙れ。その顔その鋏で切り裂くぞ。
( #^ω^)「気に入らない奴がいると言うならば、僕が粛清してやろう」
(-_-)「強いて言うなら、君も含めて全員気に入らないけど…」
こめかみの辺りがぴくつく。
( #^ω^)「出血大サービスだ。そいつらを君の目の前でボコボコにしてやろうじゃないか」
(-_-)「1年A組出席番号7番女子素直ヒート同じクラスの出席番号26番女子ヘリカル…」
( ^ω^)「待てこら早口やめろ、メモが追いつかん」
(-_-)「聖徳太子を見習えよ」
いつかお前にシーザーサラダならぬシザーサラダをプレゼントしてやるよ。
トマトの代わりに立ち切り鋏や高枝切り鋏や色んな鋏を混ぜたサラダをな。
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:56:19.46
ID:mutndw7h0
(-_-)「1年A組の出席番号7番、女子、素直ヒート、あと姉の素直クール、番号は4番
同じクラスの出席番号26番、女子、ヘリカル沢近…あとはもういいや」
僕はメモした手帳を見て言う。
( ^ω^)「見事に女子ばっかりなんだけど、お前のリョナ趣味対象者じゃないだろうな」
(;-_-)「いやそんな、まままままっさかー」
図星か。
( ^ω^)「まあ、対象者なんてどうでもいいお。問題はお前だお」
(-_-)「?」
( ^ω^)「引き篭もりの場合、そいつが無事に学校に来れるようにするのが人助けだお」
(-_-)「何それ」
( ^ω^)「自分に課した、人助け俺ルールだお」
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:57:23.25
ID:mutndw7h0
僕は鞄を盾にしながらシザーマンに近付き、上履きを奪い返した。
シザーマンは無抵抗だった。
( ^ω^)「1つ、約束してほしいんだお」
(-_-)「内容によるよ」
そう来るだろう。
( ^ω^)「簡単だお、そいつらをボコにしたら、普通に登校して来てほしいんだお」
(-_-)「え…」
( ^ω^)「簡単だお」
シザーマンは所在無さ気に鋏を開閉している。
迷ってる。
うろたえてる。
考えてる。
さあ、早く結論を出せ。
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:58:25.42
ID:mutndw7h0
(;-_-)「うう…」
( ^ω^)「ん〜? どうかな? 簡単だと思うんだけどお」
(;-_-)「う、でも…」
さっきの異常者のような雰囲気が嘘のようだ。
もう、こいつはただのいじめられっ子の1人に過ぎない。
(;-_-)「もし、また何か言われたりしたら…」
( ^ω^)「引き篭もるってかお?」
(-_-)「うん…」
( ^ω^)「なんだそんな事なら簡単だお」
(-_-)「え」
( ^ω^)「また僕に言えばいいお。ボコボコにしてやるお」
ただし、お前のリョナ趣味にはもう付き合わないと付け足す。
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:01:46.45
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「あ、あとボコす奴らの人数は最大5人まで、多過ぎると怪しまれるお。
今回は初回サービス特典で、カウントしないでおいてやるお」
(-_-)「なんか…やけに気前がいいね…」
( ^ω^)「高校に来てから、初のオーダーだからだお」
そんなわけで、明日から来いよ。
部下にリストラ宣言する上司にように、肩をぽんと叩く。
そのまま上履きを履いて教室に行こうとする僕に、後ろから声がかかった。
(-_-)「ど、動画を取ったら君にあげるよ!」
なんだ、そんなことか。
( ^ω^)「写真は焼き増ししてくれお」
(-_-)「…お安い御用さ」
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:02:52.91
ID:mutndw7h0
元いじめられっ子が、僕のほうに歩いてくる。
僕らは、朝日の中でハイタッチをした。
( ^ω^)「ところで、お前の名前はなんて言うんだお?」
(-_-)「古森 ヒッキー」
( ^ω^)「まるで引き篭もる為に名付けられた名前だおね」
B 終
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:05:21.87
ID:mutndw7h0
C生贄インパクト
_
( ゚∀゚)「ハァ…」
おやおや、何やらいじめっ子の一人が花壇に腰掛けて黄昏ています。
周囲にいつもの取り巻きはいません。裏切られたのでしょうか。
( ^ω^)「どうしたんだお、毛虫眉毛君?」
_
( ゚∀゚)「いっつも思うんだけど、お前って根っからのいじめっ子だよな…」
ななな何を言っているんだこのゲジ眉は。
そんな事を言ってると、この花壇のブロックで後頭部を強打しますよ。
_
( ;゚∀゚)「いや待て、俺が悪かった」
( ^ω^)「ふん、だったらさっさと誰かをけちょんけちょんにしたらいいお」
そうして、その誰かがぎったんぎったんにされているところに登場する僕。
後光を背負い、マフラーを靡かせ、爆発音と共に颯爽と登場するヒーロー。
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:06:25.18
ID:mutndw7h0
正義の味方の出現にうろたえる不良達、それをばったばったと倒して行く。
そして全ての不良を地に捩じ伏せた僕に、一陣の風が。
呆然としているいじめられっ子に救いの手を差し出す僕。
いじめられっ子からは、真上にある太陽のお陰で僕の顔が陰になってよく見えない。
震える手を差し出し、僕はそれをしっかりと握り締める。
そのまま手を引き、腕の中へ。んで、お姫様抱っこへ移行。
背景に咲き乱れる花。
どっかでクラッカーがパァン。
まさにハッピーエンド。
僕の描いた理想の世界。
( ^ω^)「ああ、素晴らしきかな!」
_
( ;゚∀゚)「……」
またもトリップしてしまった。
眉毛が若干引いている。
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:09:58.26
ID:mutndw7h0
- _
( ゚∀゚)「前から思ってたんだけど、お前矛盾してるよな」
( ^ω^)「何がだね」
_
( ゚∀゚)「平和を齎したいなら、虐めなんて示唆するべきじゃないだろ」
こいつ、見掛けは不良なのに、妙に難しい言葉を使う。
漢字の上にルビでもふってやろうか。
( ^ω^)「僕は君を勘違いしているね、僕は平和などどうでもいいのだよ」
_
( ゚∀゚)「…?」
( ^ω^)「僕は人を助けたいのだ。人助けをしたいのだ。救いたいのだ。救済したいのだ」
両手をばっと大きく広げ、大空を仰ぐ。
そのまま、左足を軸に回転する。世界が回る。
ああ、透き通った青空の向こうから届く太陽の光がとても眩しい!
おお、花壇に腰掛け蹲る毛虫から届く視線が背中と心に痛い!
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:11:18.38
ID:mutndw7h0
- _
( ;゚∀゚)「お前、」
( ^ω^)「それ以上言葉を発するな、虫」
虫の言葉に、毛虫はびくりと背を震わせた。
虫とは、この毛虫が中学生の時に言われていた悪口だ。
片眉だけ、人より太く醜いから。
今では凄味の一つと化しているが、弱かった時はそれを理由にいじめられた。
まあ、人間なんてそんなモンだ。
_
( ; ∀ )「な、内藤、内藤」
( ^ω^)「お前は強がってればいいんだお、1人なんかで居たら駄目だお」
汚いが、毛虫の肩を掴んで目を合わせる。
( ^ω^)「グループは必ず2、3人以上。授業中や昼休みも必ずつるんでいること。
あとなんかシルバーアクセの一つでもつけとけお。近くの露天とかで買えお。
喋る時は『マジで!?』連呼で頭悪く見せろお。テストの点は好きにしたらいい。
あと仲間には何があっても絶対になめられるな。体は鍛えておいて損はないお。
運動系の部活に入れ。確か、人が少な過ぎると陸上部が嘆いていたお」
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:15:00.34
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「そうすればいじめられないお。いじめる代わりに、いじめられなくなるお」
ぱっと毛虫の体を放す。
僕が突き飛ばした勢いのまま、花壇にどさりと倒れ込んだ。
おいおい、真面目に体鍛えとけよ?
( ^ω^)「まあ、周囲で静観してるグループから陰口くらいは叩かれるだろうけど」
_
( ゚∀゚)「……」
毛虫は何も言わない。
仰向けに倒れたまま、空を見ている。
( ^ω^)「そんな場所にぶっ倒れてると、怪しまれるお」
_
( ゚∀゚)「…」
シカトかよ。いい度胸だな。
( ^ω^)「示唆しておいてやるお。ここになんで倒れてるのか聞かれたら、
『昼寝してたで』貫き通せ、間違っても気絶したなんて言うな」
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:16:06.13
ID:mutndw7h0
聞いているのか聞いていないのかわからない。
せめて頷くくらいの反応はしてほしかったが、仕方ないか。
立ち去ろうと背を向けた瞬間思い出した。
( ^ω^)「虫、1年A組の貞子って知ってるかお?」
_
( ∀ )「…」
何か喋れ。
( ^ω^)「あの子、友達って友達もいないし、結構いい感じだお」
( ^ω^)「手は出すなお、陰口だけで追い詰めろお」
( ^ω^)「もし貞子が先生に逃げ込んだら、さっさと逃げるお。厄介だから」
聞いていないのなら、聞こえていないのなら。
また明日、明日じゃなければ次の日。
1人の時を捕まえて言ってやろう。
もう長岡に用はない。
次は移動教室だから、早めに準備しよう。
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:19:06.85
ID:mutndw7h0
1人、花の中に取り残された人型の毛虫。
毛虫こと、ジョルジュ 長岡。
_
( ∀
)「……………さだ、こ」
C 終
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:21:04.40
ID:mutndw7h0
D机のファンタジスタ
(;-_-)「ねえ、フルボッコまだ?」
( ^ω^)「ヒッキーかお。少しは待てお」
あれから登校するようになったヒッキーは、よく僕といる。
連れションをする趣味は僕にはないが、暇があれば僕と一緒にいる。
つーか、僕を視界の中に入れた瞬間すごい勢いで走って来るのだ。
お前はどこのハンターだと言いたい。
(;-_-)「なんか…さ、僕、2年に目をつけられたみたいなんだよ」
( ^ω^)「ぬ?」
ヒッキーが学校に復帰してから一週間。
このマンモス校で、2年生にそんな早く情報は行くモンだろうか。
早いな。と僕は思った。
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:23:33.39
ID:mutndw7h0
ならば、前にオーダーされたものを早く済ましておいて損はない。
素直姉妹と沢近を誘い出す描写は面倒だしつまらないので省く。
両手足を背でまとめて海老のようにしたあと、ヒッキーの前に差し出す。
殺すとまずいので、「手加減しとけよ」と声はかけた。
それでも、やはり溜まっていたものは我慢できないらしい。
木製バットを渡した瞬間、鬼気迫る顔で3人を滅多打ちにし始めた。
その様は、横からカメラ撮影している僕も爽快感を覚えるほどだ。
ヒッキーはどこかにトリップしているらしく、殴りながら何かを呟いている。
恨みの言葉かもしれない。呪いの言葉かもしれない。謝罪かもしれない。
どれも、僕には興味がない。
最後にヘリカルの頭を叩いた時、叩いたものと叩かれたものが合い打った。
失敗したスイカ割りのように砕ける頭部、折れるバット。
その様がモーターサイクル女版に見えたので、写メで撮りまくった。
( ^ω^)「お疲れ様、いい殴りっぷりだったお」
(*-_-)「いやーなんかスッキリしたよ」
僕が差し出したタオルを受け取りながら、ありがとうと言う。
その感謝の言葉は、いつ聞いても背中がむず痒くなる。
この言葉を聞く為だけに人助けをしていると言っても過言ではない。
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:24:40.88
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「ってオイ、そのタオルで血まで拭くな」
(-_-)「あ、ごめん。洗って返すよ」
汗を拭き終わった後、ヒッキーはそのタオルを自分の首にかけた。
(-_-)「んで、この死体どうする?
うっかり殺っちゃったけど…」
( ^ω^)「何の為に焼却炉前でやったと思ってるんだお」
(-_-)「ああ、そっか」
僕が下半身を持ち、ヒッキーが上半身を持つ。
死体を振り子のように揺らして勢いをつけ、焼却炉の中に投げ込んだ。
(;-_-)「おあっつ! あっつ!」
( ^ω^)「水膨れになったら面倒だから、水道で洗って来るといいお」
(;-_-)「ごめん、そうさせてもらうよ。すぐ戻るからね」
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:26:01.96
ID:mutndw7h0
水場に駆けて行くヒッキーを確認して、折れたバットも焼却炉へ投げ込む。
脱げていたヘリカルの上履きも、ヘアピンも、全部焼却炉へ。
( ^ω^)「さて…と」
ぱんぱんと手についた土埃を掃いながら、残る2人を見る。
神経、筋肉、骨をがたがたにされたにも関わらず、2人はびくりと体を震わせた。
それなりに整っていた顔は見る影もない。
目の上は腫れ、地面に何本か歯が落ちている。
女がぼこぼこにされるシチュエーションとは、中々下半身に来るものだ。
…まあ、紳士の嗜みは家に帰ってからとして、今はこいつらだ。
( ^ω^)「ふふーん、どうしてやろうかお」
2人がヒッキーに何をしていたのか知らない。
が、ここまで殴られるほどの何かをやったんだろう。
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:29:47.20
ID:mutndw7h0
ヒッキーが戻って来てから、2人で協力してビッチ共を運んだ。
何処へ? 勿論、公衆便所さ。どうなったかは知らない。
ただで放置したわけではない。
スカートを捲り上げて小用便所に固定して、太股や胸などに、
「1発100円」「雌豚」「中田氏可」「マゾなので乱暴に扱って下さい☆」等々
エロ漫画の煽り文句のようなことを落書きしてきた。
金が置いてあるのを期待してはいない。
元より金儲けなど眼中にすらないのだ。
だから、その辺の金無ホームレスの為に、
「1発だけなら誤射になります」
と看板に書いて首からぶら下げておいた。
( ^ω^)「教師のハゲ頭に反射した日光が目に痛いおー」
(;-_-)「こ、声でかいよ」
そんなことをしてからもう3日。
学校に来ないところを見ると、大体予想はつく。
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:33:02.51
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「ところで…あの後、2年はどんな感じだお?」
授業が終わってから、2人で屋上に行く。
購買で飲み物を買いたいところだが、昼時になると列がすごいのだ。
(;-_-)「変わらないよ…昨日も校門で待ち伏せされて、カツアゲされそうになったしさ…」
( ^ω^)「どうしたお?」
(-_-)「走って逃げたよ。過呼吸になるなんて体力測定の長距離以来だ」
( ^ω^)「体は鍛えておいて損はないお」
(-_-)「そうしとくよ…」
ヒッキーは弁当の中に入っていた最後の唐揚げを一口で食べた。
なんだ、こいつも好きなものは最後に取っておくタイプだったのか。
ますます気が合いそうだとほくそ笑みつつ、次の標的を確認しておく。
( ^ω^)「で、その2年生の名前と顔はわかるかお?」
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:34:44.12
ID:mutndw7h0
(-_-)「全員はわからないけど、確か弟者とかシャキンとかプギャーって聞こえたよ」
( ^ω^)「最後のは嘲笑かもしれんおね。ってか、全員って、どれぐらいに囲まれたんだお」
(-_-)「16人かな?」
( ^ω^)「マンモス校だからってそりゃないお」
僕は、弁当の苺を素手で抓み、へたを取った。
好きなものは、最後に残しておく派なのだ。僕は。
D 終
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:36:22.29
ID:mutndw7h0
E上にあるゴールとボール
宿題をやってこなかったことによるペナルティ、体育館清掃。
普段なら教師に悪態を吐きながら箒を振り回すが、今回は違った。
宿題をやってきていなかったのが僕1人だけだったとかではない。
( ^ω^)「ん、んん〜?」
がらがらと扉が開かれる音がしたので、首だけを動かして入口を見る。
(( ( ミセ*゚ー゚)リ
なんか、今風な女の子が入って来た。
手には縄跳びの紐を持っている。
人気のなくなった体育館でダイエットにでも励むのか?
制服のままだからそれはないか。
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:38:09.95
ID:mutndw7h0
ブオン
,_,. --一ー-- ,., ブオン
,、-'",,. -一ー-,、,ミ、, !
r' 〃/ ( ) ノ〃,ノ
ゝ, ,ゝゞ-__ ̄- ,,,_,、-'´ ブオン
`'ー---一''"~`ヾ、
η
( ミセ*゚ー゚)リ
なんか縄跳びの紐をカウボーイ、いや、カウガールよろしく回し始めた。
||‘‐‘||レ
` /'⌒`' 、
l'〃,、-,、 ヽ
ブンッ 、 i! i'r'~`',ミ ヽ
i, ,i〃´` 'i, ',
i,' i,'i, ( ) i i
`i, 'i、、 i !
i、 、`ー''" i i
,ゝ、 `-,、,,ノ ,i'
/ `-,、,,_,,,ノ
ミヾ' 冫'
ミセ#゚ー゚)リゞッ'
全力でぶん投げた。
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:42:46.81
ID:mutndw7h0
ぶん投げられた紐は、バスケットゴールにぐるんぐるんと巻きついた。
投げた手に残る紐の片端をぎゅぎゅっと絞り、きつく締める。
鮮やかな手並みだ。涎が出る。
思わず拍手をしそうになったが、見つかりそうなのでやめておいた。
今更だが、僕は片付けられていない跳び箱の中にいる。
η─
ミセ*゚ー゚)リ 三
今度は、パイプ椅子を積み上げている。
大きなトランプタワーを作ろうとしているのか。
ヨイショ
ミセ*゚ー゚)リ
/|,ヘ
/ 三゙
違う。その上に乗った。
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:44:23.66
ID:mutndw7h0
||
||
||
||
||
||
ミセ*゚ -゚)リ ,ミ
/|ヽ
∧
さん
||
||
||
||
パ パ ||
η ソ パ
ミセ*゚ー゚)リシ'
レ'ヾっ パ
∧ パッ
三
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:45:31.07
ID:mutndw7h0
おいおいおい、ちょっと瞬きした隙に何がどうなったんだ。
パイプ椅子でトランプタワーをしていたカウガールは何処へ行った。
||
||
||
||
||
ソ
ミセ*゚ー゚)リ/ヽ
/|ヽ し'
∧
三
僕の目がおかしいのか。いつの間にか幻覚剤でも吸い込んだのか。
バスケットゴールから縄跳びの紐を吊るし、旅立とうとしている乙女がいるではないか!
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:47:00.16
ID:mutndw7h0
||
||
||
||
||
ソ
ミセ/;>-)
_/し- ̄
从 /
\ _そ バッ
─`
!?
いけない!
( ;^ω^)「やめるお!」
人助けが趣味の一善人として、これは放っておけない!
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:50:41.67
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「待つんだお!」
ミセ; Д )リ「グフェッ?!」
/
/
/
/ ブラーン
/
/ 彡
ミセ; Д )リ
//|
(∩ )<早まるんじゃないおー!
ヽ ヽ_
\ ,_」
Lノ `
`
、从/
- 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:52:19.21
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「確かに君は誰にも必要とされていないかもしれない!」
ミセ; Д )リ「カッ─! ──! グヴェッ!」
( ;ω;)「でも、僕以外の誰かはこれから必要としてくれるかもしれない!」
ヽ
ヽ
ヽ
ブラーン ヽ
ヽ
ヽ
ミ リ(p゚ セミ
∩レ∩
(^ω^ノ |<きっとー!
ミ |_ /
(__ノ
(_ノ
ミセ,.。p゚)リ「………」
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:54:15.93
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「だから」
( ^ω^)「新世界へ」
/ / | ヽ \
/ / |
ヽ \
/ / | ヽ \
ミセ,.。p゚)リ /
| ヽ ミセ,.。p゚)リ
∩/∩ / | ヽ ∩ヽ∩
/
|^ω^) / | ヽ (^ω^| ヽ<逝くなんて
( _ノ ミ / .
| ヽ ヽ_ )
ヽ_),) / | ヽ 彡 し' l_ノ
ミセ,.。p゚)リ .| ミセ,.。p゚)リ
∩,∩ ミ ミ | 彡 ノ
∩'∩
(| |^ω) ミセ,.。p゚)リ (^ω^/ |<楽しいこと
| _ノ
∩|∩ | ノ
ヽ_),) ( ^ω^ ) し'^l_ノ
/ ヽ
(_/\_)
∧
僕は神山満月ちゃん!
( ^ω^)「やめるんだおー!!」
- 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:57:16.37
ID:mutndw7h0
\
\
\
\
\
\ 从/ ブチッ
_冫、そ
_/ヽ ' ,
| ` ミセ,.。p゚)リ
∩ソ∩
||^ω^)
| _ |
ヽ__)ノ
し'
彡
ミη.。p゚)リ
||^ω^)
| _ |
ヽ__)ノ スタッ
\_ し' _/
' `
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 01:59:38.12
ID:mutndw7h0
\
\
\
\
\
\
彡
_冫、
_/ヽソ
|
ミη.。p゚)リ
||^ω^)
| |
| |
Lノ Lノ
- 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 02:00:44.38
ID:mutndw7h0
彡
彡
ミη.。p゚)リ
||^ω^)
| |
| |
Lノ Lノ
- 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 02:02:22.34
ID:mutndw7h0
\
\
\
\
\
\ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
彡 _冫、
| やべェな |
_/ヽソ |_ ____|
| |/
ミη.。p゚)リ
||^ω^)
| |
| |
Lノ Lノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
E 終
- 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 02:03:22.29
ID:mutndw7h0
F草刈り機のモザイク
校庭で草刈りをしていた公務員のおっちゃんほど不幸な人はいないだろう。
草刈りをしていたら学生が突っ込んで来るなんて、夢にも思わなかったはずだ。
その学生も、何をどう思って草刈り機で自殺しようと思い立ったのか。
( ^ω^)「うーむ」
手押しの草刈り機の刈り口は小さい。
それに地面に近いから、スライディングしてそこに頭を突っ込まなければいけない。
両手から突っ込んだら、そりゃもうすごいことになるだろうな。
痛みでショック死できるかもしれないけどね。
( ^ω^)「とにかく、鬼才現る」
(-_-)「その発想はなかったわ」
僕らはパッキングテープに黒字でKeep outと書かれたものを乗り越える。
その草刈り機はまだ洗浄していないらしい。
なんだかよくわからない糸のようなものや、白い小石みたいなものが付着している。
茶色いのは酸化した血液なのか、もとから付いていた泥なのか、判断はつかない。
- 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 02:05:29.52
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「また1人、救えなかったお…」
(-_-)「気を落とさないでよ」
( ^ω^)「どうせなら、この草刈り機で嫌いな奴らを全員狩ってから死ねばよかったのに」
(-_-)「…内藤君、君、それで自分が狙われることを懸念しないの?」
( ^ω^)「え、何が?」
(-_-)「……」
ヒッキーはそれきり黙ってしまった。
グロ画像耐性がないんだろうか。
( ^ω^)「ヒッキー、グロと言う同じジャンルがあっても、二次と三次は別物だお」
(-_-)「ああ…うん」
( ^ω^)「お勧めのグロ画像収集サイトを教えてやるお、これを見て耐性つけるお」
僕はアドレスを書いた紙をヒッキーに渡した。
シャープペンシルとメモ用紙はポケットに常備している。
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 02:08:27.50
ID:mutndw7h0
(-_-)「そうだ。内藤君」
( ^ω^)「んん?」
(-_-)「昨日の放課後、家庭科室で包丁を首にあててる女の子が」
( ^ω^)「今すぐ教えろさあ教えろやれ教えろぶち殺すぞさっさと教えろ」
ヒッキーの首を握り締めてがくがくと揺さぶる。
襟首を持とうにも、こいつは一番上までボタンをしっかり止めてるから持てないのだ。
ええいもう。
引き篭もり、根暗、邪気眼、優等生と言う人種は何故そんな窮屈そうなことをする。
全員が全員とは言わないが、一番上のボタンをかけてる率が高過ぎだ。
(; _ )「ちょっ、すと、ストップ! Stop!」
( ^ω^)「ほら放してやる、放してやるからすぐに言うんだ」
ああ、この瞬間にも、女の子は包丁でネックカットしているかもしれない!
昨日も人を救えない、今日も人を救えないなんて。
趣味:人助けが失格じゃないか!
- 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 02:10:03.74
ID:mutndw7h0
(;-_-)「げほっえほっ、上履きの色から見たら、多分3年生だと思うだけど…」
( ^ω^)「知ってることはそれだけかお?」
(-_-)「学年が違うと学校生活で一度も顔を見合わせることがないくらいなのに、
一度僕が見ただけのその人を、知ってるはずがないじゃないか…」
( ^ω^)「役立たずめ!」
突き飛ばされたヒッキーは、予想に反して草刈り機の激しい求愛を受けなかった。
直前に地面に片手をつき、そこからバク転のように後ろに飛んだのだ。
先に誰かを受け入れた中古の草刈り機には入りたくないのだろう。
(#-_-)「いきなり何するんだよ!」
( ^ω^)「お前処女厨だったんだな」
(;-_-)「会話して」
ストリートダンス用語ではマカコとか言うアクロバットだっけ?
- 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 02:13:03.68
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「ついイラッとして」
(-_-)「イラッとしたら人を突き飛ばしていいんだ…次からは僕もそうするよ」
( ^ω^)「僕を突き飛ばしたら3倍にして返してやるお」
中古に慣れてもらう為に、ヒッキーを草刈り機と二人きりにする。
KEEP OUTのテープがあるから、誰も入っては来れまい。
二人だけの世界で、存分に愛を育んでくれ。
( ^ω^)「はっ! もしやこれがキューピッド!?」
なんてことだ。
二人の将来を結婚と言う墓場に突っ込んでしまうとは。
僕はなんて残酷なことをしてしまっていたのだ。
助けに行こうと振り返ると、ヒッキーは竹刀を持った体育教師に叱られていた。
勝手にテープを乗り越えて入ったことを怒られているんだろう。
僕はヒッキーに黙祷を捧げた。
- 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 02:14:58.24
ID:mutndw7h0
( ^ω^)「迷いましたお」
家庭科室はどこでしょう。
その前にここはどこですか。
窓からは、校庭で球を蹴り股間の球を蹴る場外乱闘が起きているのが見えます。
ゴミのようまでは行きませんが、それなりに小さく見えるので1階ではないですね。
近くの教室のプレートを見ると、3年C組と書かれています。
3階でした。最悪の場所でした。
( ^ω^)「やばいお」
中学校高校は、1年は上の学年の教室の前に居たらまずいものがありませんでした?
小学生なら、低学年は高学年の教室の前を通ってはいけない、と言った暗黙の了解が。
(
<●><●>)「誰ですかアナタ」
( ^ω^)「キタコレ」
やたら目がデカい人が来ました。怖いです。
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 02:16:56.21
ID:mutndw7h0
( <●><●>)「あれ? アナタもしかして…」
( ^ω^)「おわっ」
目が大きい人がずずいっと近寄って来ました。
あなたはどこの少女漫画から出て来たんですか。目がデカ過ぎです。
あまりにも大きな目に見つめられると、なんだかちょっと寒気がします。
(
<●><●>)「西川さんの弟さんですか?」
( ^ω^)「に、西川?」
誰ですか。脳内検索をかける。検索結果0件。誰ですか。
(<●><●>
)「西川くーん」
:( ^ω^): ゾワッ
鳥肌が立つ声だ。
- 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 02:19:49.78
ID:mutndw7h0
ガラッ
( ^ω^)「なんだよ若升、今俺宿題写して…」
( ^ω^) (^ω^ )
( ^ω^)「え」
( ^ω^)「え」
(
<●><●>)「ご兄弟じゃないんですか?」
( ^ω^)「俺は正真正銘一人っ子だよ!」
( ^ω^)「すごい他人の空似だお」
( ><)「すごーいそっくりなんです!」
(*‘ω‘
*)「すごいっぽ! 写メ撮るっぽ!」
( ^ω^)「えっ」
( ^ω^)「えっ」
- 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 02:59:11.78
ID:DEFC/MWp0
(*゚ー゚)「すっごー! 生き別れの兄弟!?」
( ^ω^)「お兄ちゃん!」
(,,゚Д゚)「お前ら何やってん…うわ、なんだこれ気持ち悪」
( ^ω^)「ちょ」
(;´・ω・`)「ど、ドッペルゲンガー…!」
( ^ω^)「違うわ、落ち着け、話を聞け」
ああ、家庭科室の乙女よ。
助けれなくてごめんなさい。
適当なフラグを乱立させて、今日はここから逃げることに専念するとします。
F 終
-
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