( ^ω^)特殊戦闘部隊VIPPERS!のようです


2 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:13:44.23 ID:QUGGLjpT0
 
 最初に感じたのは、鼻をつくにおいだった。
 人が焼けると、あんなにおいがする事を知った。
 
 次に見たのは、瓦礫だった。
 コンクリートがあんなにも脆く崩れ去る事を知った。
 
 次に聞いたのは、無音だった。
 人のいない街が、あんなにも静かだという事を知った。
 
 ついこの間、駆け回った公園も。
 ついこの間、お買い物をしたデパートも。
 ついこの間、みんなと通った学校も。
 
 
 何もなかった。
 
 
 
 何も……、なかった。
 
 
───────────────────────────
 
 ─── act.2
 
                         ≪party≫.Start───
 
───────────────────────────


 
3 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:18:25.57 ID:QUGGLjpT0
 
 ──ニューソク市郊外・トリケラント内・運転室──
 
 
( ・∀・)『……なるほど』
 
 兄者から聞いた一連の出来事を報告した後、モララー指令はそう言って腕を組んだ。
 モニターの中で何かを考え込む彼を見ながら、僕も思考を巡らせていた。
 
( ^ω^)「……」
 
 “ブラックダガー”は、壊滅した。
 
 ジョルジュ達を襲撃した際に退却した残党も、全て捕らえた。
 任務は、終えた。喉に大きな骨を残して。
 
 一介の盗賊風情が、僕らに策を講じてきた。
 それも、この街に入って一週間もしないうちに、だ。
 どう考えても、裏があるとしか思えなかった。
 
 そんな事を考えながら、ジョルジュ達を襲撃した別動隊の掃討を開始した。
 
 それが終わった頃に。
 兄者の報告を受け、予感は確信へと変わる。
 やはり、裏で手引きした者がいる。
 


 
4 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:23:02.95 ID:QUGGLjpT0
 
 情報源であるタカラは、口封じをされてしまった。
 
 先手を、打たれている。
 何か大きな組織が関与しているのだろうか。
 
 だとすれば、真っ先に思いつくのが軍関係だが……。
 終戦後は、どの国も壊滅的状況だった。
 あれから十五年経った今でも、自国の復旧すらまともに追いつかない状態のはずだ。
 
 最先進国のヴィップですら、大規模に軍を機能させる余裕などない。
 だから最低限の物資で活動できる精鋭部隊、VIPPERSが結成されたのだ。
 
 ならば、同じ様な考えで結成された他国の精鋭部隊……。
 わからない。そもそも、今の状況で他国を牽制するメリットが見当たらない。
 戦争をした二大国家以外は、戦争に荷担する意思を見せてもいなかったと聞く。
 
 この大陸──ニチャンには、三つの国が点在しているが、交友関係は良好だ。
 あくまで僕が知る範囲の話だが、やはり他国の軍関係、というのは考えにくい。
 
( ・∀・)『ブーン』
 
 モララー指令が、腕を組んだまま僕を呼んだ。
 短く返事をすると、彼は静かに言葉を続けた。
 
( ・∀・)『今回の件、こちらで調べておく。
      ブーンチームは当初の計画通り、任務を進めてくれ』
 
( ^ω^)「了解しましたお」
 


 
5 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:27:02.12 ID:QUGGLjpT0
 
 そこで通信は終了した。
 運転席のシートへ深く腰を預ける。
 ここがもう、自室のようになっていた。
 
( ^ω^)「ふー……」
 
 溜息を、一つ。
 
 タカラが言い残した、白い外套を着た男。
 そして、数百メートル離れた場所から正確に標的を打ち抜いた、狙撃力。
 
 前者は割りとどうでもいい。服装など、大したヒントにはならない。
 だけど後者は、問題だ。確実に、それなりの装備と実力を持ち合わせている。
 加えて、僕達の人数までタカラは知っていたようだった。
 
(;^ω^)「うーん……」
 
 情報が、少なすぎる。
 様々な可能性を考えておくにこした事はないが……。
 一先ずは、目先の事から片付いていこう。
 
 頭を切り換えて、モニターのパネルを操作した。
 モララー指令が映っていたモニターに、地図が表示される。
 ニチャン大陸で最も広い面積を持つ国、ヴィップの地図だ。
 
 ヴィップは四つの州に分かれている。
 首都のあるヴィップ州を中心に、その北、ギコチームとハインチームのいるシベリア州。
 西にロビー州とあり、南西へと伸びているのがここ、ニューソク州だ。
 


 
6 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:30:30.52 ID:QUGGLjpT0
 
 地図を拡大し、ニューソク州を表示した。
 中央よりも少し北東、ヴィップ州に近い所にニューソク市がある。
 件のラーク村は、ここから西へ向かった場所にあった。
 
 地図上ではニューソク市が点滅しており、その他に四つの市が点滅している。
 
 ニューソク市から南東へ進んだ箇所、海に面した街、エコー市。
 その西へ進んだ場所に、マルボロ市。更に西に、キャビン市。
 そして最南端、国境近くにあるのが、ウィンストン市だ。
 
 ニューソク州の治安維持にあたり、先ずしなければならないのが、通信網の確立だ。
 この四つの主要都市に簡易電波塔、ビーコンを設置することが必要不可欠だった。
 過去の通信機器は、使えない。通信衛星を維持する資源も、設備も、残されていないからだ。
 電話回線ですら使えない状態だ。手間はかかるが、これしか方法がなかった。
 
 主要都市へ移動し、ビーコンを設置。その後周囲の治安維持を図る、と言った手順を踏む。
 終戦から十五年経った今でも、未だ放置されたままの町や村はたくさんあるだろう。
 僕達が、一歩ずつ進むしかないのだ。こんな所で躓いているわけには、いかない。
 
( ^ω^)「VIPPERS、“トリケラント”前に集合だお」
 
 インカムから、全隊員へ指示を飛ばす。
 皆、車内で待機しているはずだ。
 一刻も早く、一人でも多くの人を、救わなければ。
 
 モニターの電源を切り、僕も外へと向かった。
 


 
7 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:34:14.53 ID:QUGGLjpT0
 
 外に出ると、既に全員が揃っていた。
 
( ^ω^)「みんな、兄者達の報告は既に聞いたと思うお」
 
( ´_ゝ`)「……」
 
( ^ω^)「どうやら何者かが、僕達の動きを掴んでいるらしいお」
 
(´<_` )「……」
 
( ^ω^)「でも、一先ずは任務を優先していくつもりだお。
      先々で何があるかわからないから、注意してくれお」
 
( <●><●>)「何があっても、打ちのめすのみです」
  _
( ゚∀゚)「だぜ。まーた不完全燃焼だしよ……」
 
( ^ω^)「おっおっ。力みすぎないように、だお」
 
ξ゚听)ξ「さ、ブーン。まずは主要都市にビーコンの設置、でいいのかしら?」
 
( ^ω^)「そのつもりだお。今から誰にどこへ行ってもらうか、通達するお」
  _
( ゚∀゚)「俺は、どこでもいくぜ」
 
( ^ω^)「先ずは、エコー市。ワカッテマス、ビロード、ロマネスク」
 


 
9 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:37:16.47 ID:QUGGLjpT0
 
( <●><●>)「了解です」
 
( ><)「了解なんです!」
 
( ФωФ)「了解であります」
 
( ^ω^)「次に、マルボロ市。つー、ショボン、ドクオ」
 
(*゚∀゚)「あいよっ!」
 
(´・ω・`)「了解だ」
 
('A`)「りょ、了解……」
 
( ^ω^)「最後。キャビン市には、兄者、弟者、トソン」
 
( ´_ゝ`)「了解だ」
 
(´<_` )「了解」
 
(゚、゚トソン「了解です!」
 
( ^ω^)「以上だお」
  _
(;゚∀゚)「俺は?!」
 
( ^ω^)「留守番」
 

 
10 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:39:39.19 ID:QUGGLjpT0
  _
(;゚∀゚)「そ、そんな……」
 
( ^ω^)「大丈夫だお。こっちでも、ちゃんとやることはあるお」
 
ξ゚ー゚)ξ「ジョルジュ、私だって留守番なんだからね?」
 
('、`*川「私もよー。楽できるからいいけどねー」
  _
(;゚∀゚)「で、でもよー……」
 
(*゚∀゚)「ジョルジュ! 良い子にしてるんだよっ!」
  _
(;゚∀゚)「子ども扱いすんな!」
 
( <●><●>)「その反応が既に子どもです」
  _
(;゚∀゚)「る、るせー!」
 
( ^ω^)「はーい、続けるおー」
 
( ^ω^)「……ウィンストン市については、以上三つの都市の安全を確保してから、だお」
 
 ウィンストン市は、政府でも確認がとれていない都市だった。
 危険なのだ。国境付近にある、あの都市は。
 国境を越えた先には、戦争で滅んだ国、ラウンジがあるのだから。
 
 あの亡国こそ、無法地帯と化しているだろう。
 恐らくは、ウィンストン市も。
 


 
11 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:43:35.33 ID:QUGGLjpT0
 
 そういう事情があり、ウィンストン市にはまだ手を出すなと指示を受けていた。
 他の主要都市、その周辺の安全を確保した後、ギコチーム、ハインチームと合流する予定だ。
 シベリア州の治安維持は順調に進んでいると聞く。僕らも、負けてはいられない。
 
(*゚∀゚)「ブーン!」
 
( ^ω^)「お?」
 
 僕を呼ぶ明るい女性、ツー=レッドハート。コードネーム、“つー”。
 活発で姉御肌な彼女は、僕のチームのムードーメーカー的存在だ。
 
(*゚∀゚)「“トリケラント”、使ってイイのかい?!」
 
(;^ω^)「おっ、それは困るお」
 
(*゚∀゚)「なんでさ。ケチ」
 
(;^ω^)「そう言われても……“トリケラント”の専用回線じゃないと本部と連絡できないんだお。
      全員で動くならいいけど……少人数の任務では使っちゃだめだお」
 
(*゚3゚)「ぶーぶー」
 
(;^ω^)「わかってくれお……」
 
(*゚∀゚)「はーいよ。しょーがないねっ!」
 
 VIPPERS専用特殊車両、“トリケラント”。
 その機能性、利便性は大変優秀なのだが、当然その分コストがかかりすぎる。
 生産面の問題と維持の問題を含め、一チーム一台が限界だった。

 
12 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:46:11.15 ID:QUGGLjpT0
 
(*゚∀゚)「飛行機でぱーっといけたら楽なのにねぇ」
 
( ^ω^)「だおね」
 
 空路は最も危険だった。
 大型航空機が離着陸できる滑走路はないし、ヘリでは着地点を狙われてしまう。
 通信機も使えない管理外の地域など、尚更危険を伴う。
 
 結局は、僕らが直接陸路を進むしか手がなかった。
 
 しかし、先を急いで見落としがあっては本末転倒だ。
 慎重に、確実に。それは全て、ヴィップ国民が安全に暮らせるように。
 僕らはその為に、結成されたのだから。
 
( ^ω^)「では各自、明日に備えて体を休めてくれお」
 
( ^ω^)「解散」
 
 陽は既に傾き始めていた。
 夜と呼ぶにはまだ少し早いが、夜間の移動はできるだけ避けたい。
 そうでなくとも、今日は皆良く動いてくれた。
 ニューソク州での最初の戦闘任務は、滞り無く終えたと言える。
 
 今後もこの調子で行きたいところだが、やはり、“ブラックダガー”の件が気にかかった。
 明日、本部から回収隊がやってくる前に、もう一度プギャーから話を聞いておくべきか。
 


 
13 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:49:42.54 ID:QUGGLjpT0
(´・ω・`)「ブーン」
 
 “トリケラント”内へ戻ろうとしていた時、ショボンに呼び止められた。
 顔だけを向け、それに応える。
 
(´・ω・`)「飲みに行かないか?」
 
( ^ω^)「お……まだちょっと、調べたい事があるんだお」
 
(´・ω・`)「そうか。皆行くんだが……残念だ」
 
( ^ω^)「明日に響かないように、ほどほどにしておいてくれお」
 
(´・ω・`)「わかってるさ。ジョルジュが飲み過ぎないよう、見張っておくよ」
 
( ^ω^)「頼んだお」
 
 ショボンは笑顔で小さく頷くと、皆の所へ戻って行った。
 年長者であるショボンは、こういう時に皆の面倒を見てくれる。
 屈強な外見も手伝って、年齢以上に頼りになる存在だった。
 
 と言っても、彼は僕の一つ上で、まだ二十六なのだけど。
 僕のチームの平均年齢は二十三歳。VIPPERS全体の平均年齢は、二十四だ。
 二十歳以下の者はいないが、ショボンよりも年上の者もいない。
 
 僕達は子どもの頃から共に生き、育ってきた、兄弟のようなものだ。
 地獄のようなあの戦争も、辛い訓練も、共に乗り越えてきた。
 
 僕らは同じ境遇の仲間だったのだから。
 戦争孤児と、世間は僕達の事をそう呼んだ。


 
15 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:52:50.32 ID:QUGGLjpT0
 
 尤も、一つの市どころか世界中が壊滅状態に陥った戦争だ。
 そんな者達は決して僕らだけではなく、むしろ僕らは幸福と言えよう。
 守られ、育まれ、鍛えられ、今日を迎えている。
 
 それすらも叶わなかった人々は、目のくらむ程にいるのだろう。
 
 ならば、僕達にできることは。
 目を閉じ、大きく息を一つ吐いて、僕はゆっくりと“トリケラント”内へ入った。
 
 
 
 
 ──ニューソク市・市内──
 
 
(´・ω・`)「…………」
 
 ブーンの奴、一人で抱えすぎていないだろうか。
 彼の別れ際の表情に、俺は少し不安を抱いていた。
 ただでさえ、激務をこなしているのだ。心労が重なっていないだろうか。
 
 飲みに行くのはブーンの為でもあったのだが、断られてしまった。
 正義感が強いのも、志が高いことも結構だが、自分の心配もしてほしいものだ。
 ……無鉄砲者が多いVIPPERSには、それも難しい話、か。
 
(´<_` )「着いたぞ」
 
 立ち止まる。見上げた看板には、【ニューソクデミタス】、と書かれていた。
 


 
16 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 21:56:56.01 ID:QUGGLjpT0

 ニューソク市は戦前、酒の製造が盛んだった。
 麦酒、発泡酒、葡萄酒、米酒、他、様々な種類の酒を造っていた。
 
 特に軍事施設がなかった事と、酒造において世界四割のシェアを持つこの街が欲しかったのか。
 他の都市と比べ、ニューソク市が標的にされることは少なかった。
 
 少なかった、とは言っても、街は半壊以上の被害を受けていた。
 復旧もある程度進み、ようやく市民にも酒の流通が始まったところだ。
 まだまだ、市民にとって酒は値段が高いのだろうが、それは仕方ない。
  _
( ゚∀゚)「くそ……自棄酒だ……」
 
(´・ω・`)「ジョルジュ。あまり飲み過ぎるなよ」
 
 任務を外された事がそんなにショックだったのか。
 俺の忠告など無視して飲んでしまいそうだ。
 少しは自覚を持って欲しいのだが……。
 
 戦いに身を投じる毎日とはいえ、二十一になったばかりの彼には無理な話か。
 
 だが、それでは困る。
             _
「ジョルジュ」(´・ω(;゚∀゚)「おわっ?!」
 
「羽目を外すのは良いが……     _
 外しすぎは感心しないぞ?」(´・ω(;゚∀゚)「……」
 
 耳元で囁いた俺の声に、ジョルジュはこっくりと頷いた。
 わかってくれたようで、なによりだ。

 
17 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:01:54.22 ID:QUGGLjpT0
 
 扉を押すと、味のある木の軋む音がした。
 木で出来た両開きの入り口が、昔見た西部劇の映画を思い出させた。
 そういう趣向なのか、店の内装は映画で見たそれだった。
 
 戦前のような都会には似合わないかもしれないが、荒廃的な今の世界には、
 皮肉な話だがそれがよく似合っている。店主はそれを、意識したのだろうか。
 
 ぞろぞろと少し狭い店内に入り、奧にある大きな円形のテーブルを目指した。
 一つのテーブルに六人。片方のテーブルに、五人座る。
 
(´<_` )「ツンはブーンと一緒か?」
 
(´・ω・`)「あぁ。色々と、調べることがあるらしい」
 
(´<_` )「そうか。……あまり、根を詰めないでもらいたいな」
 
 弟者も俺と同じく、ブーンの事を気にしているようだった。
 さっきも言ったが、少しは気持ちを汲んでもらいたいものだ。
  _
( ゚∀゚)「〜♪」
 
(´・ω・`)「ジョルジュ。どこへ行くんだ」
  _
(;゚∀゚)「えっ。と、隣の席に行こうかなって……」
 
 隣。
 
( ><) ( <●><●>) (*゚∀゚) (゚、゚トソン ('、`*川
 
 なるほど。

 
18 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:04:12.62 ID:QUGGLjpT0
 
(´・ω・`)「ジョルジュは、こっちだ」
  _
(;゚∀゚)「え、ちょ、なんでよ」
 
(´・ω・`)「いいだろう別に。俺と飲む酒がまずいとでも?」
  _
(;゚∀゚)「そうじゃねぇけど、ほら、華が欲しいなぁなんて……」
 
 気持ちはわからなくもない。
 だが、わかってやるつもりもない。
 
(´・ω・`)「だめだ。お前はここにいろ。羽目を外すからな」
  _
(;゚∀゚)「えぇー……」
 
( ´_ゝ`)「我慢しろ。俺だって向こうに行きたいんだぞ」
 
(´<_` )「兄者……」
 
( ФωФ)「男同士の酒の席も、なかなかオツなものであるぞ」
  _
(;゚∀゚)「あ、あぁ……」
 
 どうやら諦めてくれたようだ。
 少し悪い気もしたが、飲み過ぎてもらっては困るから、仕方がない。
 ……戦場では、俺も熱くなりすぎて迷惑をかけているし。
 
 そんな事をしている内に、店員がこちらへと歩いてきた。
 

 
19 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:07:48.67 ID:QUGGLjpT0
 
(´・_ゝ・`)「いらっしゃい」
 
 店員は、俺と兄者を足したような顔をしていた。
 いや、なんとなくだが。小柄だが筋肉質で、特徴的な鼻をしていた。
 
(´・_ゝ・`)「……軍人さんかい?」
 
(´・ω・`)「あぁ」
 
 服装でわかったのだろう。
 黒のアンダーウェアに、迷彩柄のベストとトラウザ。
 機能性を重視しただけの、わかりやすい格好だ。
 
 世が世なら、サバイバルゲーム愛好家にでも思われただろうか。
 そんな事を思い、自嘲気味に小さく、口端が吊り上がった。
 
(´・_ゝ・`)「そうかい。ご苦労様だ。だが残念な事があるんだが……。
       まだまだ酒を造るには、人手も資源も足りなくてな」
 
(´・ω・`)「……そうなのか?」
 
(´・_ゝ・`)「いいガタイして、そんなにしょんぼりした顔をしないでくれよ。
       とまぁ、そんな事情で、うちにはまだビールしかないんだ……」
 
( ФωФ)「構わんよ」
 
(´・ω・`)「あぁ。アルコールなら、なんでもいいさ」
 
(´・_ゝ・`)「そう言ってもらえると、助かる」

 
20 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:11:36.05 ID:QUGGLjpT0
 
 かつての酒造都市も、この状況だ。
 誰が彼を責める事ができようか。彼は当然、何も悪くない。
 
 責めるものは一つだけだと言う事も。
 恨めるものは一つだけだと言う事も。
 
 そしてそれが、どれほど無意味な事なのかということも。
 皆、知っている事なのだから。
 
(´・_ゝ・`)「ここのマスターやってる、デミタスだ。たまには、寄ってくれ」
 
(´・ω・`)「あぁ。寄らせて、酔わせてもらうとしよう」
 
(´・_ゝ・`)「洒落か? ユーモアな軍人さんもいるもんだな。センスはないが」
 
(´・ω・`)「そうか? 自信はあったんだけどな」
  _
(;゚∀゚)「……」
 
(´<_`;)「……」
 
( ´_ゝ`)「俺は評価しよう」
 
(´・ω・`)「ありがとう、兄者」
 
(´・_ゝ・`)「さぁ、酒を持ってこよう。狭い店だが、寛いでくれ。どうせ客はこない」
 
 そう言うとデミタスは、ツー達がいるテーブルへ向かった。
 と言っても、そう離れてはいないのだが。きっと同じ事を告げるのだろう。

 
21 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:14:55.79 ID:QUGGLjpT0
 
(´・ω・`)「客はこない、か」
 
( ФωФ)「やはりまだ、市民には遠い物なのであるな。酒は」
 
 俺の小さな呟きを、ロマネスクがニュアンスまでも掬い取った。
 軍人気質な堅い性格の男だが、意外と気配りのできる奴だ。
 特徴的な猫目を、俺に向けていた。
 
( ФωФ)「失礼な事を考えていなかったか?」
 
(´・ω・)「いや、そんなことはないさ」
 
 観察眼が鋭い、と、考えを改める事にする。
 
(´・ω・)「ドクオ」
 
(;'A`)「え、あ、はい」
 
(´・ω・)「少しは酒に強くなったか?」
 
 背に縦線を大量に背負わせているような影の薄い男。ドクオ=ウッダー。
 コードネームは、“ドクオ”。長めの黒髪が更に雰囲気を暗く、助長させていた。
 気の弱い面が多少問題だが、こと機械に関して彼の右に出る者はいない。
 
(;'A`)「だ、大丈夫、です」
 
(´・ω・)「そうか。あまり飲み過ぎるなよ」
 
(;'A`)「は、はい」

 
22 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:17:37.24 ID:QUGGLjpT0
 
( ´_ゝ`)「んー? ドクオはまだお子様なのかー?」
 
(#'A`)「う、うるせぇよ!」
 
 他の隊員達に対しては敬語でオドオドとしているが、不思議と兄者にだけはタメ口だった。
 何か自分と近い物があるのだろうか。わからないが、仲が良いのは良い事だ。
 
(´・ω・)「ドクオも今回は、少人数で前線だ。気をつけろよ」
 
('A`)「……はい」
 
(´・ω・)「と言っても、俺と一緒だ。サポートは出来る限りする」
 
('A`)「大丈夫です。足は引っ張りません」
 
 一方で、任務に対しては強い姿勢で臨む。
 気が弱いと言っても、共に同じ訓練を乗り越えてきたのだ。
 覚悟の量に、差違はない。
 
( ФωФ)「ところで、弟者」
 
(´<_` )「なんだ?」
 
( ФωФ)「“ブラックダガー”の件なのであるが」
 
('A`)「……」
 
(´<_` )「……」
 


 
23 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:21:03.83 ID:QUGGLjpT0
 
 それは当然、俺も詳しく聞きたいところだった。
 招集の前にツンから報告は受けてはいたが、やはり生の声を聞いておきたい。
 俺を含め、あの場にいなかった三人の視線が、弟者に注がれた。
 
(´<_` )「どうもこうもない、報告通りさ。一キロ……正確には、八百メートル先のビル。
      そこからズドン、だ。どうしようもなかったさ」
 
( ФωФ)「お前達が気が付かないほどの手練れであるか……」
  _
( ゚∀゚)「認めたくねぇけど、そうだ。気配も糞もなかった」
 
(´・ω・)「仮に殺気を放っていたとしても、そんなに遠くならどうしようもない。
      そんな遠距離からの狙撃が可能な事が問題なんだ」
 
(´<_` )「注意が、足りなかった。次は好きなようにはさせんさ」
 
( ФωФ)「吾輩も気をつけるとしよう」
 
(´<_` )「アンタの観察眼なら、もしかしたら気が付いてたかもな」
 
( ФωФ)「わからんさ」
  _
( ゚∀゚)「近くなら、負ける気はしねぇ。だけど、あの狙撃力はワカッテマスと……」
 
( <●><●>)「聞き捨てなりませんね」
  _
(;゚∀゚)「おわっ?! お、お前いつの間に……」
 
( <●><●>)「私と、なんですか。なんと言いかけたのですか」


 
24 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:23:48.11 ID:QUGGLjpT0
 
 向かいに座る俺からは丸見えだったが、ジョルジュの背後に仁王立ちするワカッテマス。
 “狙撃”と言う言葉が耳に届いたのだろうか。プライドを刺激されたようだ。
 
( <●><●>)「私なら、スコープの反射光で気づかれる事無く仕留めます」
  _
(;゚∀゚)「あ、あー、そうだな、うん」
 
( <●><●>)「……」
  _
(;゚∀゚)「悪かったって。そんな見るなよ」
 
( <●><●>)「わかればいいです」
 
 そう言い残して、彼は席へと戻っていった。
 隣の席はと言うと、女三人にビロードが囲まれて何やら話し込んでいる。
 
(;><)「───ッ! !  !」
 
 随分と困っている様子だ。ツーとペニサスの口がひたすらに動いている。
 あまり年下をからかわないようにしてもらいたい。
 いつの間にかデミタスは、店の奥へと戻っていったようだ。
 
(´・ω・)「…………」
 
 羽目を外す、か。
 俺も含め、ここにいる全員が青春時代を駆け抜けてきた。
 任務があるとは言え、以前よりかは自由な時間も増えた。
 ブーンとツンには悪いが、皆を見てると今日くらいはと、思ってしまう。
 


 
26 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:26:25.11 ID:QUGGLjpT0
 
 明日から恐らく、数日は全員と顔を合わせることもなくなる。
 未知の敵も、どこかで息を潜めているのだ。
 
(´・ω・`)(だけど……)
 
( ФωФ)「……この数時間だけは、な」
 
(´・ω・)「……」
 
(´・ω・)「そう、だな」
 
 
 重い腰を下ろしても、いいのかもしれない。
 
 
 
 
 
 
 ──ニューソク市郊外・トリケラント内──
 
 
 プギャーは何も知らなかった。
 尤も、嘘を吐いていなければの話だが。
 捕まる事が前提の策だったのならば、やはり伝えられていないのだろう。
 
 タカラに策を授けた、白い外套を着た男の事を。
 


 
28 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:30:44.28 ID:QUGGLjpT0
 
 運転室。毎度世話になっているシートに、また身を預ける。
 慣れた所為か、最初と比べると柔らかさを帯びたような気がする。
 
ξ゚ー゚)ξ「……お疲れ様」
 
( ^ω^)「お……。ツンもお疲れ様だお」
 
 今回の報告書をまとめ終えたツンも、運転室へやってきた。
 僕の補佐として、面倒な事務処理をこなしてくれる彼女には、感謝しなくては。
 ……いや、彼女だけでなく、全隊員に、感謝しなくてはいけない。
 
ξ゚听)ξ「はい」
 
 今日二杯目の、彼女が淹れてくれたコーヒーを受け取る。
 相変わらず、僕好みの味だった。
 
( ^ω^)「ありがとうだお」
 
ξ゚听)ξ「いいのよ。ていうかブーン、少しは休みなさいよね」
 
( ^ω^)「おー」
 
ξ゚听)ξ「おー、じゃないわよ。アンタは大事な人なんだから」
 
( ^ω^)「わかってるお」
 
ξ゚听)ξ「ほんとに?」
 


 
29 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:34:09.03 ID:QUGGLjpT0
 
( ^ω^)「わかってるお。リーダーとして、皆に迷惑はかけられないお。
      任務も滞っちゃうし、自分の事くらいは、わかってるお」
 
 それくらいの自覚はある。
 この程度の事、あの訓練の日々に比べれば、大したことはない。
 それでも心配をかけさせるわけにはいかな───
 
ξ゚听)ξ「わかってないわよ」
 
(;^ω^)「お?」
 
ξ゚听)ξ「馬鹿。」
 
(;^ω^)「……?」
 
ξ゚听)ξ「知らない」
 
(;^ω^)「ツ、ツン?」
 
 よくわからないけど、彼女はご機嫌ななめのようだ。
 名前の通り、ツンツンし出してしまった。
 
(;^ω^)「あうあう」
 
ξ゚听)ξ「……」
 
(;^ω^)「ご、ごめんお」
 



 
31 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:36:38.24 ID:QUGGLjpT0
 
ξ゚听)ξ「良い事教えてあげる」
 
(;^ω^)「お?」
 
ξ゚听)ξ「女はね、『わからないけど、とりあえず謝っておく』ってことをされるのが嫌いなの」
 
(;^ω^)「おっ……」
 
ξ゚ー゚)ξ「……ばかね」
 
 と言った彼女はもう、微笑んでいた。
 ついさっきまで不機嫌だったのに、わけがわからない。
 かつてない程頭の上にハテナマークを浮かばせ、狼狽していると、
 
ξ゚ー゚)ξ「ね、ブーン」
 
 彼女が、近づき。
 
ξ゚ー゚)ξ「コーヒーだけど、乾杯しよっか」
 
 ティーカップを、僕に差し出した。
 
( ^ω^)
 
 僕もティーカップを持ち上げ、ツンのカップに軽く当てる。
 陶器が重なり、小さな音が室内に反響した。
 



 
33 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:39:15.50 ID:QUGGLjpT0
 
 皆はもう、酒を飲み始めている頃だろうか。
 羽目を外しすぎていないか心配だけど、皆の事だ。自制はしているだろう。
 今から行っても、間に合うだろうか。
 
 
ξ゚ー゚)ξ
 
 
 ……いや。
 
 ほんの数十分、いや、数分でいい。
 皆には悪いけど、彼女の笑顔を、今は見ていよう。
 
 明日からも、生きるために。
 
 彼女の笑顔を、忘れないように。
 
 
 
 
 乾杯。
 
 
 


 
34 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:41:44.00 ID:QUGGLjpT0
 
 ──ニューソク市・ニューソクデミタス──
 
 
(´;_ゝ;`)「そうかそうか……アンタも、苦労したんだなぁ」
 
(´;ω;`)「わかってくれるか! デミタスよ!」
 
(´;_ゝ;`)「ああ! さぁ飲め! 辛い過去は酒で洗い流せ!」
 
(´;ω;`)「すまない。グビッグビッグビッグビッ……」
 
(*゚∀゚)=3「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」
 
('、`*川「いいのよ……どうせ私みたいな女はすぐにお婆ちゃんになっちゃうのよ……」
 
(# ФωФ)「まったく……最近のごろつきは腑抜け揃いである」
  _
(# ゚∀゚)「あぁ。もっと骨のある奴と戦いてぇ……!」
 
(# ФωФ)「もっとこう……血の沸き立つような熱い戦いをだ……」
  _
( ゚∀゚)「……ロマネスク」
 
( ФωФ)「なんであるか?」
  _
( ゚∀゚)「俺も不完全燃焼だったんだ。いっちょ手合わせ、してみるか?」
 
( ФωФ)「ククク……若造が……」
 


 
35 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:45:05.36 ID:QUGGLjpT0
 
(* ´_ゝ`)「だからな! 俺はトソンちゃんの健気さが良いと思うのだよ!」
 
(*'A`)「わかる! だけどツーさんのおっぱいも魅力だよな!」
 
(* ´_ゝ`)「そこに気づくとは……やはり天才か……」
 
(*'A`)「あぁ……でもハインさんの冷徹っぷりもたまらねえ!」
 
(* ´_ゝ`)「このドMが。同意見だ」
 
(´<_`;)「やれやれ……」
 
(;><)「みんな飲み過ぎなんです!」
 
(゚、゚;トソン「つ、つーさん! 落ち着いてください!」
 
(*゚∀゚)-=3「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」
 
(゚、゚;トソン「もう……あっ! ビロくん! ジョルジュさん達が!」
 
(;><)「あ! ちょっと、二人とも落ち着いてくださいなんです!」
 
( ФωФ)「手加減は……せんぞ」
  _
( ゚∀゚)「手加減したら……一瞬で終わっちまうぜ?」
 
(# ФωФ)「小僧……!」
 
(;><)「やめてくださいなんです! お店が崩壊しちゃうんです!」

 
36 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:48:54.78 ID:QUGGLjpT0
 
(゚、゚;トソン「ああもう……弟者さんも止めて下さい!」
 
(´<_`;)「俺は知らん。何も知らんぞ。めんどくさい」
 
(゚、゚;トソン「うう……」
 
(# ФωФ)「よかろう、“真紅の弾丸”よ。お前の血で赤く染めてやろう」
  _
(# ゚∀゚)「厨二病かよ、“迅雷の槍”。棒っきれじゃ俺には勝てないぜ?」
 
(;><)「す、ストーップ! ストーップ!」
 
(´;_ゝ;`)「若い奴は元気だなぁ!」
 
(´;ω;`)「俺達だってまだ若いだろ!」
 
(´;_ゝ;`)「そうだなぁ!」
 
('A`)「でもやっぱり……俺はアイツのことが……」
 
( ´_ゝ`)「ドクオ……」
 
(;A;)「うっ……ううううぅぅぅぅぅ!」
 
( ;_ゝ;)「泣け! 胸を貸してやるぞ!」
 
(;A;)「あにじゃあああぁぁぁぁぁあ!」
 
(゚、゚;トソン「な、泣き上戸だらけ……」

 
37 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:51:03.51 ID:QUGGLjpT0
 
(;><)「だめなんです! 怪我したら困るんです!」
  _
(# ゚∀゚)「どけよ、ビロード。男には、避けられない戦いがあるんだ」
 
(# ФωФ)「今が、その時よ」
 
(;><)「そんな大事な時は今じゃないんです! やめてくださいなんです!」
 
(*゚∀゚)「トソーン!」
 
(゚、゚;トソン「は、はい! つーさん正気に戻りましたか? 二人を止めm」
 
(*゚∀゚)「ロマに三千!」
 
(゚、゚;トソン「賭けた?!」
 
(;><)「! 腕相撲! 腕相撲にするんです! それなら怪我しないんです!」
 
(# ФωФ)「腕相撲……か。単純な力勝負でも面白い」
  _
(# ゚∀゚)「墓穴だな、ロマネスク。その腕、二度と使えなくしてやるよ」
 
Σ(;><)「そ、そこまでしちゃだめなんです!」
 
( <●><●>)「……」
 
(;><)「ワカッテマス! ワカッテマスも止めてほしいんです!」
 
( <●><●>)「……」


 
38 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:53:32.06 ID:QUGGLjpT0
 
( <◎><◎>)「世界がぐるぐる回って意味がわかりません」
 
(;><)「ワカッテマスー!」
 
( <◎><◎>)「でもお酒がおいしい事はわかってます」
 
(;><)「それ以上飲んじゃだめなんです!」
 
(゚、゚;トソン「これは……ブーンさんを呼ぶしか……」
 
(;><)「僕達には無理なんです……」
 
(゚、゚;トソン「明日は大事な任務なのに……」
 
(荒`口´)「おい! 酒だ! 酒もってこい!」
 
(荒`Д´)「てめぇらうっせえぞ!」
 
(;><)「他のお客さんもきたんです! 迷惑になるから皆やめて……」
 
(荒`口´)「おい! シカトすんな! 俺達を誰だと思ってんだ?!」
 
(荒`Д´)「ここいらで喧嘩自慢の荒くれ兄弟と言ったら、俺達の事だぜ!」
 
(;><)「み、皆さん落ち着いてくれなんです!」
 
(゚、゚;トソン「やめてくださいー!」
 


 
39 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:56:03.34 ID:QUGGLjpT0
 
(荒#`口´)「てめぇら……良い度胸だ。ぶっ殺してやるぜ」
 
(荒#`Д´)「やっちゃうよ? 俺やっちゃうよ? もう切れちゃったからな?」
 
(荒#`口´)「おいおい。こりゃ今日は血の雨が降るぜ?」
 
(荒#`Д´)「全員表へ……」
 
(# ><)『うるせえ!!』(゚、゚#トソン
 
(荒;`口´)「……」
 
(荒;`口´)「……」
 
(´;ω;`)「任務が終わったら……また飲みに来ていいか、デミタス」
 
(´;_ゝ;`)「勿論さ、ショボン。いつでもきてくれ」
 
(´;ω;`)「デミタスうううううぅぅぅ!」
 
(;A;)「ふぐぅぅぅぅ! うわぁぁぁぁぁぁ!」
 
( ;_ゝ;)「辛い時は泣け! 泣けドクオ!」
 
(;、;*川「あたしなんて……あたしなんてええぇぇぇぇぇ!」
 
( <◎><◎>)「くるくるくるくるくるくる」
 
(´<_` )(おもしれえ)


 
40 : ◆OJ9SDUGQ8oh9 :2010/03/22(月) 22:58:25.60 ID:QUGGLjpT0
 
 
 
( ゚ω゚)「……きてみたら……なんじゃこりゃぁ……」
 
 
 
( ゚ω゚)「全員せええれえええええええええええつッッッ!!」
 
 
 
 
 
 ────こうして、騒々しい夜は終わりを迎えた。
 
 チームには、むこう二ヶ月の禁酒令を出されたという。
 
 
( ><)「酒は飲んでものまれるな! なんです!」
 
 
 
 
 

                                act2.≪party≫──END.


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