202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
09:37:22.47 ID:Kp2xWaTK0
大学生になり、また俺は未知の領域に放り出されることになった。
初一人暮らし、初バイト、初サークル、初バイク、初スノボ、 初宴会、初いっき、初ゲロ、初昏睡、
初再試、初レポート、初単位落とし、初再履、初実験、初実験レポ(初二徹)。 男とキスしたのも実は初か?
『ドクオー。ねぇ、きいてよぉー』
('A`)「はいはい、どうした?」
人並みに恋をして、人並みに失恋して、 人並みに努力して、人並みに挫折して、
『ギィがね、旅行の前日なのにね、麻雀行くとか言い出してさ。ありえなくない?』
('A`)「はいはい、ありえないわそりゃ」
『でしょお!?』
人の黒い部分をたくさん見たし、心から尊敬できる友達もできたし、
ケツの軽そうな女と遊べたし、朝日が昇るまで語り合うこともできた。
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206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
09:42:54.86 ID:Kp2xWaTK0
『せっかく私がさ、家まで行ってさ、準備手伝おうとしたんよ!?
バぁリむかついてさー、今家飛び出して来たんよー。家まで行っていいやろ?』
('A`)「俺んち?それはまずいやろ」
『もうギィは知らんっちぃー付き合い切れんばい』
('A`)「やけど俺んとこ来られても解決にならんやろー」
『そうやけどさー』
('A`)「……!」
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210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
09:47:28.69 ID:Kp2xWaTK0
たくさんの経験をし、恥ずかしい思いも重ねて、俺はそれなりの大人になった。
すると、ふとした瞬間に、どうしようもなく懐かしい気持ちになることがあるのだ。
('A`)(そういや…)
『でさぁー!この前もありえんことあってん!ギィが―――』
('A`)(もうすぐ……成人式じゃん)
中学を出てから、みんなはどういう道を歩み、どんな大人になったんだろう。
カレンダーに赤丸をつけ、俺は昔の思い出に浸った。
『…………ねえ、ちゃんと聞いとぉー?』
('A`)「ああ、聞いてる聞いてる」
確か生協を使えば新幹線が安かったな、と考えながら、
受験中は辞めていたたばこに手を伸ばした。
俺が吸っているのは、マル金だった。
213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
09:53:48.67 ID:Kp2xWaTK0
久しぶりの実家で、十分な睡眠を取って、当日を迎えた。
('A`)(しくったー……)
起きたとき、既に昼をかなり過ぎていて、スケジュール上では成人式はほぼ終わっていた。
前日に友達に連絡を取らなかった俺が悪いといえば悪いが、
最初から成人式自体にはあまり出る気が無かったので、別にいいかと遅刻のことは忘れることにした。
俺の目当ては、成人式のあとの同窓会だった。 モララーやジョルジュ、ショボンたちが中心になり、成人式のあとに
同窓会を開いてくれるらしいのだ。
メールにて場所や時刻を知っていたため、俺は余裕を持ちながら支度を始めた。
そろそろ日も暮れかけて、家を出ないとまずくなったとき、俺はふと思い立ち、やつに電話をすることにした。
連絡がつくかどうか、怖かった。 けれどもやつの電話番号は、あの日から変わっていなかった。
216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
09:56:42.82 ID:/5gDqFri0
『もしもし!』
('∀`)「…おお、久し…」
『今電話中!じゃない運転中だから!早くしてくれお!』
(;'A`)「ええええ…おまえ、まあいいや。今日さ、同窓会行くだろ?」
『行くお!』
('A`)「まだ現地じゃなさそうだな」
『○○谷の辺!』
(*'∀`)「全然近くじゃん!引き返して俺を拾っていけ!」
『うそ!めんどくさいお!』
('A`)「つべこべ言うんじゃねえ!俺んち集合な!三秒で!」
『マッハで行くお!』
218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
10:00:48.99 ID:/5gDqFri0
成人式は終わっているが、一応スーツに着替えていた俺は、 整髪料を使って最後の仕上げをしたあと、外に出てやつを待った。
('∀`)「…!」
ボロい軽でやってきたやつは、危なっかしいブレーキで俺の前に止まり、
窓から顔を覗かせた。
( ^ω^)「久しぶりだお!」
全く変わっていなかった。髪型からしゃべり方から、全てあの日のままだった。
変わらない素晴らしさもあるのだと知った。
('∀`)「…wwくw…w変わってねえ〜な〜おまえwwww」
( ^ω^)「うるさいお!早く乗れお!」
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220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
10:04:02.07 ID:Wsb4Hzaq0
ブーンもスーツだった。 あまりにも似合わず、七五三みたいだなと言ったら、左の裏拳で胸を突かれた。
どっしりとした感触がした。 相変わらずのデブかと思ったが、どうやらスーツを膨らませているのは脂肪ではなさそうだ。
('A`)「今なにやってんの?」
( ^ω^)「自衛隊」
(;'A`)「マジで!?」
( ^ω^)「明日も仕事だおwwwwwww」
('∀`)「かっちょええええwwwwwww教室でちんこ見せてたおまえがwwww」
( ^ω^)「え?ああwwwwうっせえwwwwあれは忘れろww」
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221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
10:06:52.96 ID:Wsb4Hzaq0
そういえばブーンは、球技とかは下手だが、マット運動が抜群にできていた、 ような気がする。
自衛隊にマット運動が関係あるのかどうか知らないが、 とにかくブーンはあの日のブーンじゃなく、でも変わってなくて、
少し頼もしい体格になって、でもナヨナヨしたしゃべり方の、
相変わらずの変人だった。
('A`)「今日、あさぴーとか来るんかな」
( ^ω^)「さあ…」
('A`)「今なにしてんだろ」
( ^ω^)「専門学校行ってるらしいお」
(;'A`)「え!?なんで知ってんの!?」
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223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
10:09:58.03 ID:Wsb4Hzaq0
( ^ω^)「夏頃に電話したら、高卒の資格取って、専門学校に行ったって聞いたおwwww
なんか経済の専門とか。ようわからんけど」
('A`)「そっかあ…頑張ったな。あいつにしては」
( ^ω^)「頑張ってるお。あいつにしては」
('∀`)「フゥウウウウウウウウウウウウウ!」
(
;^ω^)「うわキモ!なに急に!キモ!」
('∀`)「テンション上がってきたああああああ!」
(
;^ω^)「窓開けんなはずい!寒い!」
俺たちは、なんだかんだいって、大丈夫じゃんって、安心した。
あいつが悪いことやって、テレビに出るような人にならなくて、本当に安心した。
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226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
10:15:41.33 ID:Wsb4Hzaq0
('∀`)「イヤアアアアアア!よっしゃ、ちんこ出すか!」
( ^ω^)「出すなwwwwwwwwwww」
('∀`)「あ、わりぃwwww先っぽが既にwwwwwwww」
( ^ω^)「てめえwwwwww人の車だぞこらwwwwww」
('∀`)「風が気持ちいいぃ〜!wwwwwwwww」
( ^ω^)「変わってねえなあドクオぉwwwwwwwwww」
('∀`)「変わってねえなあブーンwwwwwwwwww」
今夜、何回このセリフを言えるだろう。
変わってしまったことを受け入れられるほど、俺はまだ大人じゃない。
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227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
10:20:56.89 ID:Wsb4Hzaq0
あの日と同じところを、きっと探してしまうだろう。
根っこは絶対に変わらないだろうし、なあ。
元気か、あさぴー。
('∀`)「明日三好寄ろうぜwwwww」
( ^ω^)「仕事だっつーのwwww三好のじいさんもう死んだしwwwwww」
('∀`)「マジかよwwAVダビって売ってた罰だなwwwwww」
( ^ω^)「俺の遊戯王カードパクった罰だおwwwww」
( ^ω^)「そういや今日、キューちゃん来るらしいよ」
('A`)「え」
俺は割と元気だ。 だからいつかまた同じ道を、また三人で。
ちんこでも出して歩こうぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
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229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
10:22:06.57 ID:Wsb4Hzaq0
(-@∀@)「だからそれはやめとけって言ってるだろ」
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230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月)
10:22:56.34 ID:Wsb4Hzaq0
【('A`)俺の生きる道】 終わり
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