◆ゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇
17 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:22:00.14 ID:yeq7+w0q0
- 1日目
―11:27:41―
バン、っと扉の強く開く音が聞こえた。
その音に反応して、この部屋にいた十数人の人間が音の発信源へ顔を向ける。
_
( ;゚∀゚)「はぁ…はぁ…はぁ…」
そこに立っていた男の、顔や真黒なスーツは汗でビショビショになっており、途切れ途切れになる荒い息が、ここまで死に物狂いで来た事を物語っていた。」
その場にいる、誰一人として、なぜそんなに急いでいるのか?、と問うものはいなかった。
今回も再会を楽しむ暇はないようだ。
爪'ー`)「やぁ、久しぶりだね。ジョルジ…」
_
( ;゚∀゚)「オヤジはどこだ!!」
私のあいさつを無視して彼は怒鳴り声をあげた。
一瞬、見違えるほど成長した姿になったなぁと思ったが、彼も相変わらずのようだ。
18 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:25:11.68 ID:yeq7+w0q0
- 爪'ー`)「…ああ。隣の部屋にいる。会ってくるといい」
言い終える前にジョルジュは隣の部屋まで駈け出して行った。
しばらくしてモナーさんが眠っている部屋からわんわんと泣き声が聞こえてきた。
心配になって見に行ったら、そこには4日前の私がいた。
静かに眠るモナーさんの横で泣き崩れる背中。
爪'ー`)「心筋梗塞だ。もう…限界だったんだろうなぁ…」
ジョルジュの肩を2回叩きながら私はうんうん、と頷いた。
_
( ;;∀;)「う゛ぅ…おやじぃ…なんでだよぉ〜…」
お別れを言うことは良いことだが、あまりこちらにも時間はない。
これからがホントに忙しくなるんだ。
爪'ー`)「さぁ、ジョルジュ。これから葬儀が行われる。行こうか」
19 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:29:32.97 ID:yeq7+w0q0
- 泣きじゃくる彼に肩を貸し、部屋から出る。
先ほどいた部屋を見渡すと、すでに同士はそろっていることに気が付いた。
爪'ー`)「おお、10年ぶりに集まったな。みんな」
しかし、互いに互いの顔を見ようともしない。
私は心の中で大きく溜息を吐いた。
どうやら、再会を楽しみにしていたのは私だけのようだ。
21 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:32:53.17 ID:yeq7+w0q0
- 1日目
―20:34:11−
無事に葬儀も終わり、後片付けも難なく済ませた。
私たち一行はモナーさんのご自宅に移動し、そこで夕食を取ろうということに決めた。
もちろん、反対する声もなかったので夕食の手配も素早く納めることができた。
案内された部屋は小洒落た赤い壁のレストランで、縦に長く広い。
縦に長いテーブルには真っ白なクロスがかけられその上にはデザインの良い燭台にろうそくが3本飾られ、
芳醇な香りを漂わせたワイン、一流シェフによる豪華なフルコース。
こんなに満足な食卓になったのだ。せっかくだし、この機にみんなと仲良く喋りたかったが、そうもいかないようだ。
爪'ー`)「いやぁ…みんな立派に成長したなぁ…。最近はどうだい?」
( ^ω^)「………」
( ・∀・)「………」
(´・ω・`)「………」
22 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:34:35.16 ID:yeq7+w0q0
爪'ー`)
爪'ー`)「お?このサーモンは旨いな。そう思わないか?」
川 ゚
-゚)「………」
('A`)「………」
( ФωФ)「………」
爪'ー`)
爪'ー`)「今日はやけに静かじゃないか。何か悲しいことでもあったのか?」
( ´_ゝ`)「………」(´<_` )
(*゚ー゚)「………」
_
( ゚∀゚)「………」
ξ゚听)ξ「………」
爪'ー`)
24 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:36:24.46 ID:yeq7+w0q0
- ダメだこりゃ。仲の悪さは10年たった今でもご健在か。
この話は、食べ終えてからゆっくり言おうと思ったんだけど…しかたない。
爪'ー`)「…モナーさんのことなんだが」
全員がビクッ、っと反応を示した。
私にはわかる。君たちが考えていることが。
やっぱり君たちは生粋のこちら側の住人のようだね。
爪'ー`)「実は、…手紙を預かっている」
みんな一斉にこっちを向いた。
今まで無反応だった君たちでもそんな表情を作れるんだな。
( ;・∀・)「フォックスさん…い、遺書には何が書いてあったんですか?」
25 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:38:31.93 ID:yeq7+w0q0
- 最初に返してくれたのはモララーだった。
彼の考えていることも全てわかってしまう。
その考えの元でその座まで上り詰めたのだろう?
君と会うのは10年ぶりだが、最近君の姿を見たのはつい4日前だ。
爪'ー`)「まぁ、落ち着けモララー。これは遺書とはいっていない。今から読み上げるから安心しろ」
私は内ポケットから一通の封筒をを取り出すと、その中に収まっている手紙を取り出した。
この部屋にゴクリと唾を飲み込むような音が響いたような気がした。
私は紙の左上から綴られている言葉をゆっくりと読み上げる。
27 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:43:57.57 ID:yeq7+w0q0
- ―親愛なる「Player」へ。
私がこの組織を作り上げてからもう数十年になる。
君たちには其々の訓練、教育を与え、立派に世界へ飛び立つことができた。
最後に君たちの顔を見れないのは残念だが、手紙という形で言葉を残すので我慢してほしい。
「Player」は言わずと知れた世界最高峰のギャング集団だ。
私が立ち上げ、メンバーはわずか11人という、ギャング集団としては甚だ心細い人数だが君達はそれを様々な分野で圧倒的に凌駕する仕事っぷりを発揮してくれた。
毎月振り込まれるマネーが8桁未満になったことを私は見たことがない。素晴らしい。
死んでしまって言うのもあれだが感謝している。ありがとう。
(中略)
さて、私が抜けることによって「Player」は統括する人間がいなくなってしまった。
そうなると必然的に後を継ぐ者が必要となってくる。
私は、君達11人の中から選出したいと思うのだが、君達と最後に会ったのも10数年も前だ。
10年の月日は人を変える。誰がふさわしいかなど私に判るわけがない。
そこでだ。私は一つ君達にゲームを与えたいと思う。
私が送る、最後の任務だ。心して聞いてほしい。
このゲームは全てフォックスに指揮をとってもらう。
私はもちろん、君達も信頼できる人物だ。任せても問題ない。
もっと書きたいことはあるが、これ以上ダラダラと書いても仕方がないのでここでペンを置こうと思う。
直接的な血は繋がっていないが、君達は私の家族だ。コードネームの我が息子達よ。
28 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:48:36.55 ID:yeq7+w0q0
- 爪'ー`)「『お前たちになら任せられるモナ。[Player]初代取締役 モナーより』…以上だ。」
手紙を読み終え、紙を封筒にしまう。
11人はまた沈黙に飲まれてしまったようだ。
いくら国の財政に損害を叩きだす屈強の彼らも、大切な恩人の言葉には感極まるようだ。
今まで家族同然に接してくれた恩師の死に目にも会えなかったのだ。無理もない。
_
( ゚∀゚)「………うっ!」
_
( ;;∀;)「お…おやじぃ…!!」
そしてジョルジュはまた泣き始めてしまった。
君は本当に二十歳を超えたのか?
たしかに故人の最後の言葉とは涙を流すべき代物だが、そこに書かれていることは別の意味を示すものだ。
その情報の不透明さに苛立つ者もいた。
( ∀ )「………が…だろ」
小さなうめき声が聞こえた気がしたので、声のもとへ首を向けるとその正体はモララーだった。
彼は俯きながら両手に握りこぶしを作り、わなわなと震えている。
29 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:51:48.45 ID:yeq7+w0q0
(#・∀・)「違うだろ!?なんでみんな疑問に思わないんだよ!!」
モララーは部屋一面に声が届くほど叫んだ。
テーブルの上に
瞳孔は開き、怒りで声が震え、息が上がっている。
(#・∀・)「結局、次のボスは誰になるんだよ!何も明確になっていないじゃないか!」
ξ゚听)ξ「相変わらずねwモララー…いえ」
ξ゚ー゚)ξ「大・統・領♪」
(#・∀・)「あ゛あ!!?」
31 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:56:00.73 ID:yeq7+w0q0
- おちょくる様に割り込んできたのはツン。10年前は大人しく華奢な少女だったのが
今ではスタイルの良い目力のある美しい女性になっていた。
まぁ、胸の成長は残念ながら変わっていないようだが。
ξ゚听)ξ「声を荒げるほどボスの座が欲しいの?まさか同僚が椅子フェチだとはね」
(#・∀・)「ビッチが…!国家テロとしてこの場で捕まえてもいいんだぞ…!」
ξ゚听)ξ「よっぽどあんたはこの組織を解体したいらしいわね」
この二人は子供の頃からいっつも喧嘩してたなそう言えば。
口達者なツンと、普段は冷静だけどすぐに逆上するモララー。
('A`)「お前ら少しぐらい黙れよ。めんどくせぇな」
そう言うと二人のこめかみに向かって両手に銃を構えた男がいた。
彼はドクオ。貧相な顔立ちは10年たっても変わらない。
だが、その佇まいは威厳を放っており、部屋の空気が瞬時に凍りつく。
喧嘩なら後でやってほしいのに。
33 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:58:31.81 ID:yeq7+w0q0
- (#・∀・)「なんだ?ドクオ…お前も死刑希望か?」
('A`)「お前が5秒後までに生きていられたらな」
ξ゚听)ξ「馬っ鹿みたい。男ってどうしてこう下らない発想しかできないのかしら」
('A`)「お前も上半身は男だろうが」
ξ#゚听)ξ「上等だテメ―!!お前は今すぐ轢き殺す!!巨大戦艦で原型とどめねぇほど潰す!!」
( ФωФ)「アホ共が…。場をわきまえるである」
('A`)「!!……ロマネスク」
眼つきの鋭い男がドクオの横を通り過ぎた瞬間、ドクオが手にしていた銃がバラバラに分解された。
彼はロマネスク。独特の語尾は幼少時代からの名残だ。
35 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
00:59:59.96 ID:yeq7+w0q0
- ( ´_ゝ`)「俺も、モララーの言わんとしていることはわかる。その手紙は次期ボスを決める遺書じゃないのか?」
(´<_` )「まぁ正確には財産分与等ではないから遺書ではないな」
いがみ合う輪に入ってきた二人は流石兄弟。正真正銘の双子だ。
先に発言したのが兄、後者が弟だ。
この二人は常にずっと一緒に行動している。今でも仲がいいのだろう。
川 ゚ -゚)「…まったく。葬儀の後ぐらい黙れないのか」
文句を言いながらも一人淡々と料理を口に運んでいるその女性はクー。
葬儀用の真黒なドレスは彼女にとても似合っており、そのグラマラスなスタイルをより引き立たせていた。
_
(
;;∀;)「おやじぃ…!おやじぃ…!」
そのクーの隣ではジョルジュは未だに泣きやまない。
クーはグラスに残ったワインをジョルジュの顔面にぶちまけた。無表情で。
ぐしょぐしょになった顔がさらに崩れていく
37 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:01:58.52 ID:yeq7+w0q0
- (´・ω・`)「そんなことよりフォックスさん」
名前を呼ばれたほうにはっ、と振り向く。
声の主はしょぼくれた眉毛に愛嬌のある青年だった。
名はショボン。
爪'ー`)「なんだい?ショボン」
(´・ω・`)「その手紙から察するに…僕たちは何か仕事をする必要があるわけだよね。その指揮を任されているのフォックスさん。違うかな?」
爪'ー`)「…ああ。その通りだ。みんな、どうか静かに聞いて欲しい。」
(´<_` )「やっと本題か」
(#・∀・)「ぐっ……!!」
('A`)「……」
ξ゚听)ξ「ふん……」
( ФωФ)「フォックス。続けるである」
38 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:04:25.20 ID:yeq7+w0q0
- ( ´_ゝ`)「さぁ読んでくれ」
殺伐とした食卓も、一時的に停戦となった。
私は、グラスに入った赤い液体を口に一口含んで飲み込んだ。
そして背広のポケットに入っていた2つ目の封筒を取り出す。
爪'ー`)「…今、君達に読んだのがモナーさんから君達宛ての手紙。そしてこっちが」
私は、グラスに入った赤い液体を口に一口含んで飲み込んだ。
そして椅子の横に立てかけた鞄の中からB5サイズの2つ目の封筒を取り出す。
爪'ー`)「私に宛てられた『ゲーム』に関する手紙だ」
ゲーム。あまり気分のいい響きではない。
しかしこれを発案したのも、実行を決断したのも、全部あの方だ。
私はただプレイヤーの為のディーラーにすぎない。
爪'ー`)「今から、君達にこれを配る」
私は封筒から10枚の小さな封筒を取り出す。
その封筒は黒く、中が透けて見れないようになっている。
席を立ち、一人ひとりに手渡しで封筒を渡す。
39 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:05:52.68 ID:yeq7+w0q0
- (*゚ー゚)「ふふっ…封筒から封筒ってなんだかマトリョーシカみたい」
私の手から封筒を受け取ったしぃがほほ笑んだ。
20歳を超えているはずなのに、その風貌はまだ世間を知らない無垢な少女そのものだ。
彼女の健気な発言も私が見てきた彼らの年少時代をフラッシュバックさせてくれる。
爪'ー`)「いいか?みんな貰ったな?」
( ´_ゝ`)「おい、俺は貰ってないぞ」
爪'ー`)「ああ、君たち兄弟には二人で1枚だ」
( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`)「えっ、なにその差別」
皆が封筒を開けると、中には1枚のカードと通帳が入っていた。
( ^ω^)「これは…キャッシュカードかお?」
真っ先に封を開けたのはブーン。中肉中背の男。
彼のテーブルにある食器は綺麗に無くなっていた。
相変わらずの食い意地。
爪'ー`)「その通り。そのカードはキャッシュカード。このゲームの参加証になる。大事に保管してくれ」
全ての封筒を配り終え、ゆっくりと元の席に着く。
40 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:07:51.05 ID:yeq7+w0q0
- ξ゚听)ξ「ゲーム?ギャンブルでもするつもり?」
爪'ー`)「いや、ギャンブルとは違う。…ただ金を使うという点では一緒だな」
(*゚ー゚)「面白そう。いったいどんなことをすればいいの?」
まったく…女性は先を急ぎたがるなぁ。
爪'ー`)「仕事だよ。君達は普段通り仕事をしてくれ」
さらに話を続けようとしたら、ショボンが割り込んできた。
(´・ω・`)「ふっ…わかりましたよ。このゲームのルールが」
テーブルの視線が一気にショボンへ向かう。
(´・ω・`)「これから稼ぐ報酬を全てこの口座に振り込み、一定期間内に一番多くの額を振り込んだ人が…ってことですよね」
爪'ー`)「……ああ、その通りだ」
いやはや…彼は本当に何もかもお見通しなのか。
爪'ー`)「期間は10日。その間にこのカードの残高を一番多くした者が」
爪'ー`)「次期『Player』のボスだ。」
42 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:10:18.91 ID:yeq7+w0q0
- (;*゚ー゚)「一番稼いだ人が…」
(;・∀・)「次期…ボスに…」
( ^ω^)「………」
( ^ω^)「フォックスさん。それだけじゃよくわからないから、情報は正確にお願いするお」
爪'ー`)「あぁそうだな、すまない。それじゃあ手紙の全文を読もう」
私が創立し、13年間ともに育ってきた「Player」。
もし私がこの世から離れる時が来た場合、この組織をまとめる人間が必要になる。
そこでフォックス。私はひとつゲームを催してみようと思う。
もちろんそのテーブルに呼ぶ参加者は私の息子達だ。
ルールは簡潔にする。10日間で一番多くの利益を出した者と、私はバトンタッチしよう。
ただし、今までに稼いだ金は使うことはできない。
そのために私は仮設の銀行を建てた。
同封の封筒にはその銀行の入園パスポートである、キャッシュカードが入っている。
稼いだマネーはその中に注ぎ込ませてほしい。
つまり、最終日、その残高で勝敗を決めようと思う。
全国に設置されてある全てのATMで使えるようにした。一度に振り込める上限も、このカードに限り取り払った。
もちろん、キャッシュカードだから引き出すことも可能だ。
有効的に使うようにバカ息子たちに言い聞かせてほしい。
頼んだモナ。親愛なる友人フォックス―
43 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:12:30.17 ID:yeq7+w0q0
- _
( ;;∀;)「お…お゛や゛じいいいいいいいい!!」
さすがにこの顔も飽きてきた。いい加減うるさいな。
( ФωФ)「…なるほど。よくわかった。」
(´<_` )「それで?」
(´<_` )「フォックスさん。この徒競争はいつからやるんだ?」
爪'ー`)「ああ…それなんだが」
少し間を空け、息を少しだけ吸いこむ。
爪'ー`)「今日からにしようと思う。」
参加者が勢いよく私の顔を見る。
中にははぁ?という声を漏らした者もいた。
45 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:15:15.23 ID:yeq7+w0q0
- (;*゚ー゚)「ちょ…ちょっと待ってよ!今日ってもう20時過ぎてるのよ!?」
すかさず突っ込みが入る。
爪'ー`)「ああ。だから今日は後3時間。それに加えて9日間となるな。」
なんだか煙草が吸いたくなったなぁ…
一本取り出し、ろうそくから火をもらう。
('A`)「こんな話をしてる場合じゃねえな。俺はもう準備に取り掛かるぜ。」
ξ゚听)ξ「そうね。一秒でも無駄にはできないわ」
爪'ー`)y-「まぁ急ぐなドクオ。ツン。最後にするべきことがある。」
('A`)「?なんだよ」
爪'ー`)y-「参加表明だよ。ここはスポーツマンシップにいこうじゃないか」
もしかしたら、このような競い合いを好まない奴もいるかもしれない。
これは私なりの最終警告だ。
46 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:20:00.61 ID:yeq7+w0q0
- ´・ω・`)「なるほど。まぁそれぐらいならしょうがないね。あとちょっとぐらい残ろうじゃないか」
そわそわしていた連中も、しぶしぶと僕の話に従い元の座っていた席に着く。
僕は煙を灰皿に押し付け、灯を消した。
指を鳴らし、ウェイターを呼び、ワインをグラスに注いでもらう。
トクトクと音を立て、グラスの中に少しずつ溜まっていく。
爪'ー`)「みんな、自分の名前を言ってから注がれているワインを飲みほしてくれ。そうしたらこの部屋から出ることを許可しよう」
彼らは自分の口をつけたグラスを見つめた。
まだたくさん残っている者、もおう一口分しか残っていない者、いろいろだ。
そしてゆっくりと持ち上げる。持ち上げた振動で揺れるワインは赤く、黒く染まっていた。
50 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:27:06.03 ID:yeq7+w0q0
- ('A`)「ああ。わかった。」
そういってドクオは高らかにワイングラスをあげ、その手の先を見つめる。
('A`)「俺はドク…いやコードネーム【エース】。このゲームに参加する」
そう言い放つやドクオはグラスの酒を飲み干した。
そして早々にこの部屋から飛び出していった。
ξ゚听)ξ「じゃあ私も。これ以上遅れをとるわけにはいかないわ。
ツンもドクオと同じようにワインをグラスが空になるまで口に含む。
ξ゚听)ξ「コードネームは【クイーン】。同じく参加で」
そう言い終えると上着を羽織り、部屋から出て行った。
51 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:28:22.81 ID:yeq7+w0q0
- それに続き、
( ・∀・)「コードネーム【キング】。同じく」
(´・ω・`)「コードネーム【スペード】。同じく」
モララーとショボンがこの部屋を後にした。
( ФωФ)「やるからには本気をだそうか。コードネーム【ダイヤ】。同じく」
ロマネスクもワインを飲む。
(*゚ー゚)「コードネーム【ハート】。参加します♪」
( ^ω^)「まぁここまで来たら後には引けないおね。コードネーム【セブン】。参加するお」
しぃ、そしてブーンが部屋を出て行った。
52 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:29:49.26 ID:yeq7+w0q0
- ( ´_ゝ`)「ふぅやれやれ…めんどくさいことになったな」
(´<_` )「まぁ、いつも通り気楽にいこうぜ」
( ´_ゝ`)「ああ。俺ら二人でPlayerのツートップだ」
(´<_` )「流石だな俺ら」
( ´_ゝ`)b d(´<_` )
( ´_ゝ`)「「コードネーム【ポケットテン】。ゲームに参加する」」(´<_` )
二人はカチンとガラスを合わせ、飲み口を口へ運ぶ。
コートを羽織った双子は颯爽と部屋から出て行った。
_
(
つ∀;)「うぅ…おやじぃ…俺、頑張るよ。ぜってー勝ってみせる」
泣き上戸は手で目をこすった後、その手をグラスに伸ばした。
_
( ゚∀゚)「コードネーム【ジャック】。必ずボスになってやる!!」
彼は飲みほした後、いきなり走り出し扉を強く叩いた。
53 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:31:42.48 ID:yeq7+w0q0
- これで10人の人間が部屋を飛び出していった。残るは…
爪'ー`)「クー。君はいかないのかい?」
この広い部屋には私と一人の美人がいた。
グラマラスな美人はカチャカチャと音をたて、油の乗ったステーキを切っていた。
川 ゚ -゚)「私はもともとトップなどに興味は無い。それに…」
爪'ー`)「それに?」
川 ゚
-゚)「さっき、馬鹿に中身をあげてしまってな、グラスの中は空なんだ」
爪'ー`)「なるほど。ではおかわりはいかがかな?マドモアゼル」
54 : ◆4972gaB/9o :2010/03/16(火)
01:34:07.65 ID:yeq7+w0q0
- ボトルを掴み、クーに押し付ける。
せっかくのビンテージもののワインだ。最後に一口ぐらい飲んでも罰は当たらないだろう。
川 ゚
-゚)「だから私は………」
彼女はなにか思いついたように顔をしかめる。
その10秒後。
川 ゚
-゚)「いや、やっぱり貰おう。」
そう言ってグラスを私の元へ持ってきた。
その顔は心なしかとても喜んでいるようにも見えた。
爪'ー`)「女性に酒を注ぐ時は名前を聞くようにしている。君の名前は?」
私は彼女に尋ねる。
川 ゚ -゚)「【クローバー】だ」
ワイングラスに赤い宝石がゆっくりと流れていく。
跳ねる液体。それは、トランプに描かれたマークにも見えた。
◇:ソリティア〜END〜 To be Continued―
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