******
試験官の声がスピーカーから発される。
HMD(ヘッドマウントディスプレイ)から鼓膜へとそれは突き刺さり、
緊張しきった俺の脳を揺さぶった。
『試験開始。このミッションを達成した時、
君達は"VIP"に登録され、レイヴンとして認められる』
『このチャンスに二度目はない。失敗する時は死ぬ時だ』
『諸君の奮闘を期待する』
二度目はない。
失敗すれば死ぬ。
受ける前から覚悟していたことが現実としてぶち当たることで、
俺の緊張感は最高潮に達していた。
だが、HMDの画面には既に敵が映っている。
逆関節型MT。訓練で何度も相手をしたことのある機体だ。
クレスト社製の安価で頑強なそれは、こちらを捉えている。
画面にLOCKと警告文が表示されているので、何時撃たれても可笑しくはない。
117 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2010/03/13(土) 00:45:04