( ・∀・)色々噺するようです
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水)
22:23:07.05 ID:cBfKXuGU0
( ・∀・)
( -∀-)ペコリ
( ・∀・)「えー、よくこの、お焼餅のお笑いを申し上げます」
ξ--)ξ ジョルジュ提灯のようです
ζ(゚ー゚*ζ
(参考文献『古典落語 金馬・小圓朝集』)
( ・∀・)「俺なんかはアレですね。有り難い事に“モテ過ぎて困る”なーんてもんなんですが、すると、恋人やらなんやらが妬くわけです」
( -∀-)「ギャルゲじゃないですが、うっかり死亡フラグ乱立した暁にゃあ……色男も辛いもんですよ。ハハッ」
( ・∀・)「…ま、冗談はこれぐらいにして」
-
-
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:26:09.10
ID:cBfKXuGU0
( ・∀・)「『燐気は女の慎むところ』っつー言葉もあるわけですから、古来より、嫉妬は女のもんと相場は決まってたらしいです」
( -∀-)「……第一、男の嫉妬はみっともないしね。いや、マジで」
( ・∀・)「話をご婦人方に戻しますと、個人主義ゆとり教育の世の中、まぁ個性ってのが出ます」
( ・∀・)「性質によって妬き方、もとい焼き方が違うわけでございます」
( ・∀・)「おばあちゃんのぽたぽた焼きみたいに、ほんのあっさり狐色。とか」
( ・∀・)「中ぐらい。西洋被れに言えばミディアムレアってやつ。とか」
( -∀-)「…さて酷いのはって言うと……真っ黒焦げ。もはや単なる炭素の塊。癌誘発ってね」
( ・∀・)「こうなった日には、もう、日々命がけ」
(;・∀・)「ちょっと女友達と話しただけで……一日帰らなかっただけで……おお、怖い怖い」
( -∀-)「今で言うヤンデレです。それが好きー、って方も勿論いらっしゃるんでしょうが、」
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:29:07.37
ID:cBfKXuGU0
ξ
ー)ξ『うふ、うふふ…。今日は帰ってくると思ったのに、あの人ったら……。もう何処にも行かないように足切り落しちゃおうかしら』
( ・∀・)「こーんな風に、綺麗なお手々に似合わぬ鋸をホームセンターで選んでたりすると、たとい他人事でも背筋が冷えます」
( ・∀・)「しかし男にもプライド、自棄ってのがありますからね、」
( ^ω^)『どうもアレは束縛したがりだお……。昨日帰ってないし今日は帰らないといけないけど、また帰ると面倒だお……』
( ・∀・)「『ええい、もう一晩空けちゃえ』なんて思ってしまうわけです」
( ・∀・)「まぁ、こんなヤンデレは極端ですが、丸っきり妬かないのも駄目らしい」
( ・∀・)「男ってのは勝手ですから、」
( ^ω^)『昨日は帰ってないけど……どうせ妬かないし今日も大丈夫だお!』
( ・∀・)「なんつって……。もう、どうしていいのか分からない。さて妬いていいのか、それとも妬かない方がいいのやら」
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:32:04.88
ID:cBfKXuGU0
( ・∀・)「『綺麗な女は世間のもの、醜い女はお前だけのもの』って言葉もありますし、女側も、そうあるべきなのかもしれません」
( -∀-)「……話は変わって、今度は男」
( ・∀・)「先ほど俺が『みっともない』と評した男の嫉妬」
( ・∀・)「別に嫉妬は女の専売特許じゃありません。ちゃんと男だって妬きますよ」
ξ゚ー゚)ξ
(´∀` )キャッキャッ
( ^ω^)『……あんにゃろめ』
( ・∀・)「いやまぁパターン的に、それこそ有りがちーな展開で、話してた相手は彼女さんの兄貴だったりとかするんです」
( ・∀・)「本当、漫画じゃ見飽きたほど」
( ・∀・)「…てか実生活でもままありますけどね」
-
-
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- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:35:06.27
ID:cBfKXuGU0
ξ゚听)ξ『悪かったって言ってるじゃない。ごめんなさい。…ほら謝るから』
ξ゚听)ξ『大体男ってのは細かいことを気にしないもんでしょ。何も、そんなに怒らなくても……』
(#^ω^)『いーや、駄目だお。もー駄目だお。いっつもいっつも、親しげに話して……』
ξ--)ξ『じゃ、何?私が気に入らないって言うの?』
(#^ω^)『そうだお!お前みたいなの、さっさと出て行けばいいお!!』
( ・∀・)「…当然、内心では『ヤベェ、謝るタイミング逃した』って感じです」
( ・∀・)「亭主関白気取りも大変だ」
( ・∀・)「まぁ、こうなっちゃうと奥さんの行動なんて限られてきて、」
ξ )ξ『…いいわ。いいわよ、もうっ……』
ξ )ξ『いいもん。私、出て行くから。お世話になりました』
-
-
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:38:06.15
ID:cBfKXuGU0
(;^ω^)『お、お……』
ξう;)ξ『今までありがとう。お酒飲み過ぎちゃ駄目だよ。高カロリーのものは控えてね。洗濯は、色落ちしないように気をつけて……』
(;^ω^)『いや、あの…』
ξ;;)ξ『じゃあね』
( -∀-)「……こういう場合、改めて見てみると中々可愛かったりするんですよ。自分のやつも」
( -∀-)「普段一緒にいるから忘れがちですけどね。…まったく、どーしようもないな。どいつもこいつもよ」
( ・∀・)「しかしながら、今更引き止めるわけにもいかない。んで、」
( ^ω^)『ちょっと待つお。一体何処へ行くんだお』
ξう;)ξ『何処って……あなたが言った通りに出て行くのよ』
(;^ω^)『それはそうだけど……』
-
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- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:41:07.27
ID:cBfKXuGU0
(;^ω^)『そう!そうだお!今別れた女房に大手振って玄関から出て行かれちゃ、僕の面子は丸潰れだお』
ξ;;)ξ『…あ、ああ。そっか。……うん、気遣いが足りなかった。じゃ、裏口からこそっと』
(;^ω^)『何言ってんだお。たとえ別れたと言えど、女房を裏口からこそっと出すわけにはいかないお』
ξう;)ξ『表も駄目。裏も駄目。じゃ一体私は何処へ行けばいいのよ……』
( ^ω^)『…なぁに。行くとこないなら僕の傍にいればいいお』
( -∀-)「馬鹿ップルは死ね、って話でした」
( ・∀・)「こんな結果になるぐらいなら、まぁ最初から男は妬かない方がいいんでしょう」
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- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:44:14.69
ID:cBfKXuGU0
( ・∀・)「…対照的に、全然妬かない、って奥方の話もたまには聞きます」
( ・∀・)「これはある商人衆……今で言うブルジョワな御仁の奥さん、」
( -∀-)「その人は妬くことが嫌い。見るのも聞くのも嫌だ。妬くことは全部嫌だ……っと」
( ・∀・)「ですから食事でも焼いたものは食べない」
(;^ω^)『あのう、つかぬ事をお伺いしますが……今日の夕飯はなんでしょう』
ξ--)ξ『鮭よ。見て分からないの』
(;^ω^)『(なんで素茹でしてるんだろう……)』
( ・∀・)「こんな風にね。うまくもなんともない。鍋じゃああるまいし」
( ・∀・)「まぁそんなわけで、うちの奥さんは妬かない、ってなわけで安心したわけじゃありませんが、旦那様は気に入りました婦人を囲いました」
( -∀-)「…今じゃ、基本的に考えられないことですけど。でもこれは落語。お話なんで、どうぞよろしく」
-
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-
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:47:11.27
ID:cBfKXuGU0
( ・∀・)「だからつまり、旦那様には奥方ともう一人。愛人ができたわけです」
( ・∀・)「自宅のちょいと近場に住まわせて。女中なんかをつけてやったりしてね」
( -∀-)「…しかしまた不思議なことに二号さんも妬くことが大嫌いで……」
( ・∀・)「本妻も妬かず、愛人も妬かず、ですから家庭は凄ぶる円満。円満そのものでした」
( -∀-)「さて」
( ・∀・)っ「向かって右手、そちらの方には『ジョルジュ提灯』と題が出ていますが……まぁ『権助提灯』です」
( ・∀・)「ここからが本編です。今までのは前戯……って間違えた。前戯じゃ夜の営みになっちゃう」
( ・∀・)「…まぁ、いい具合に夜から始まる話なんですけどね」
( -∀-)「それでは。もうしばしのお付き合いを」
-
-
-
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:50:20.65
ID:cBfKXuGU0
ちょうど暮のこと。
旦那様は商人さんですから、その日も遅くまで帳尻を合わせていらっしゃいました。
…それを終えまして「さぁて寝床に入ろうか」という時。
あるいは奥方を食べてしまおうか、なんて時。
西北の風が、ビュウビュウと強く吹いてまいりました……
( ^ω^)「大変な風になったもんだお」
ξ--)ξ「ええ、まったく。火事が起こらないといいけど……」
( ^ω^)「ふぅん。…じゃ、お茶飲んで寝るとするお。一杯頼むお」
ξ゚听)ξ「ちょっと聞いていい?ご用事はすっかり全部終わったの?」
( ^ω^)「すっかり、ではないけど、大体は終わったお」
ξ゚听)ξ「なら、私言いたいことがあるんだけど」
( ^ω^)「なんだお藪から棒に」
-
-
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:53:09.79
ID:cBfKXuGU0
ξ゚听)ξ「何処に火事があってもいい、ってわけじゃないけど、少なくともうちは男手が沢山あるし大丈夫よね」
( ^ω^)「うんうん」
ξ゚听)ξ「…でもそうすると、ちょっと行ったところ横丁、あの娘の方は大変なんじゃない?」
ξ--)ξ「あちらは女中と二人っきり。この風で、ぐっすり眠ることもできずに不安を募らせていると思うと不憫不憫で……」
ξ゚听)ξ「だからね。お疲れのところ申し訳ないけど、あの娘の所に行ってやったらどうかしら」
ξ゚听)ξ「そうすれば、あの娘、安心して休むことができるでしょ?」
(;^ω^)「…ははぁ。これはどうも恐れ入ったお」
(;^ω^)「お前の懐の深さ、心の大きさと言ったら……。平たい胸に反比例するようだお」
ガスッボコッバキッ
(メメ^ω(#)「すんません。調子乗りました」
ξ--)ξ「分かればいいけど」
-
-
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:56:06.81
ID:cBfKXuGU0
( ^ω^)「いやぁ、本当にお前は自慢の妻だお。僕も鼻が高い」
( ^ω^)「よしよし行こう。行って伝えよう……『うちの家内がこれこれこう言ったわけで泊りに来た』と」
ξ゚ー゚)ξ「うん。それがいいと思うわ」
( ^ω^)「すると、夜道だ。誰か提灯を……」
と、見回してみましても、夜分、起きてるものなどいやしない。
しかし起こすのも悪い。
ってーと……
( ゚∀゚)「よぉ、旦那さんよ、なんかお困り?」
(;^ω^)「うわぁ…よりにもよってお前かよ……」
( ゚∀゚)「よりにもよって、とはご挨拶じゃん」
( ^ω^)「主に向かって『ご挨拶じゃん』とほざくお前がご挨拶じゃん」
-
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:57:14.47
ID:r0VN3ByvQ
( ・∀・ )
cく>ycく_)
(___) ∬
彡※※※※ミ 旦
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\ドッ!!/ \シエン!/
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 22:59:13.03
ID:cBfKXuGU0
出てきたのはジョルジュ。
旦那様が雇ってるもんの中でも一番年下で、最も使えず、手に負えないほどふざけた奴。
彼の素行の悪さや喧嘩っ早さは有名至極。周知のところでございます。
…しかし、起きてるのがジョルジュだけなんだから仕方がない。
あるもので我慢するしかない。
人生妥協が大事。
( ^ω^)「まぁいいか……おいジョルジュ、供するんだお。提灯の仕度してくれお」
( ゚∀゚)「仕度ゥ?供するって、奥方のかい」
( ^ω^)「なんでだお。流れから言って僕のだお」
( ゚∀゚)「いや、いい加減奥方愛想尽かしたのかと……」
( ^ω^)「お前はなんつーことを。縁起でもない」
( ゚∀゚)「チッ。おっしーなぁ。狙ってたのによ」
( ^ω^)「平然と主の女房を狙うなお。そしてそれを公言するな」
-
-
-
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:02:22.07
ID:cBfKXuGU0
( ゚∀゚)「つーか夜も更けて寒ぃのに、旦那さんは何処へ行くんだい?公園で寝泊りにゃちょい辛い季節だぜ?」
( ^ω^)「僕が追い出されるわけでもないっての。っつーか何かとつけて不仲を演出するのは止めろお」
( ゚∀゚)「へーへー。で、何処まで行くわけ?」
( ^ω^)「ちょいと行ったところの横丁、デレんとこまで。じゃあ行ってくるお。……おい、さぁ、早く歩け」
( ゚∀゚)「へぇい」
( ^ω^)「いや、だから早く歩けお」
( ゚∀゚)「歩んでます」
( ^ω^)「『歩んでます』じゃねぇお。提灯持ちは先に行くもんだお。並んで歩いてどうするお」
( ゚∀゚)「チッ。うっせー旦那だ」
…こんなグダグダ具合で、ご出発。
風に身を縮めながら二人は行くわけです。
-
-
-
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:05:06.37
ID:cBfKXuGU0
( ^ω^)【移動中】( ゚∀゚)b テクテク…
( ^ω^)「さぁ、ついた。…って当然のように閉まってるお。おい、ジョルジュ。叩いて起こしてくれお」
( ゚∀゚)「へーへー」
(#゚∀゚)「おいゴラァ!こンのアマァ!ほら、ご主人様のお出ましだぞ、さっさと尻出しやがれ……」
バキッ
( ゚∀゚)「イテッ。何すんだ、旦那さん。公務執行妨害だぞ」
( ^ω^)「そんな起こし方があるもんかお。やり直せ。あと自分で意味分かってない言葉を使うなお」
( ゚∀゚)「しゃーねーな。…おい、ちょっくら起きろ。日々の金払って下さる主人のお出まし……」
バキッ
(#^ω^)「だーかーら!普通に起こせって言ってるお!」
-
-
-
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:08:06.30
ID:cBfKXuGU0
「はぁい、どなた?」
( ^ω^)「僕だおー」
「あぁ旦那様……今開けますね」
ガラガラ
ζ(゚ー゚*ζ「お二方、今晩は。こんな夜分にいらっしゃるなんて、どちらかのお帰りがけ?」
( ^ω^)「いや家から来たんだお」
( ゚∀゚)「追い出されてな」
(^ω^;)「嘘を言うな嘘を……。とにかく、家から来たんだお」
ζ(゚ー゚;ζ「お宅からこんな遅くに?吃驚しましたわ……本当に、追い出されたわけではないんですね?」
(;^ω^)「いやいや。違うお。コイツの言うことは気にせず」
ζ(-、-*ζ「ならいいんですけど」
-
-
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:11:07.40
ID:cBfKXuGU0
( ^ω^)「…それでなんで来たかって言うと……大したことでもないお」
( ^ω^)「帳合いをしまって寝ようとする。すると、この風」
( ^ω^)「うん、いや、うちの女房が言うには、こっちは火事があっても男衆がいるので安心だお」
( ^ω^)「でもデレんとこはそうはいかない」
ζ(゚ー゚*ζ「まぁ、デレが男を連れ込まない限りは」
(;^ω^)「やな可能性を……。…だからこの風で、ぐっすり眠ることもできずに不安を募らせていると思うと不憫で不憫」
( ^ω^)「だから是非泊ってやりなさい、と、そういう訳で」
( ^ω^)「今夜ここに来る予定はなかったが、ツンに言われて泊りに来た、というわけだお」
ζ(-、-*ζ「なるほど……」
-
-
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:14:10.37
ID:cBfKXuGU0
ζ(゚ー゚*ζ「有り難いことじゃありませんか。そんなことを、ツンさんがおっしゃって?」
( ^ω^)「だお」
ζ(^ー^*ζ「嬉しいじゃないですか。…旦那様の前で言うのもなんですが、大抵の奥さんってものは旦那様を外へ出さぬよう束縛するもの」
ζ(゚ー゚*ζ「それを『この風でぐっすり眠ることもできずに不安を募らせていると思うと不憫で不憫だから是非泊ってやってくれ』なんて」
ζ(-ー-*ζ「……そんな御言葉を頂いただけで、デレは十分です」
( ^ω^)「え」
ζ(゚ー゚*ζ「ここで、左様でございますかと、御泊めしてしまうとあんまりにもものを知らない、無知な女になりまして、」
ζ(゚ー゚*ζ「この後恥ずかしさ故ツンさんにお目にかかることができなくなる。すると、デレは大変困ります」
ζ(゚ー゚*ζ「…ですから御泊めしたいところではありますが、そうすることができません」
ζ(^ー^*ζ「さ、どうかデレの為と思って、本宅にお帰りなさって下さい」
( ^ω^)「ふぅむ……」
-
-
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:17:05.32
ID:cBfKXuGU0
( ^ω^)「…や、よーく分かったお。恐れ入った、偉い!」
ζ(^ー^*ζ「えへへ」
( ^ω^)「そのことをよくツンに言うお……おーい、ジョルジュ」
( ゚∀゚)「へぇい」
( ^ω^)「供するんだお。提灯」
( ゚∀゚)「へーへー」
( ゚∀゚)「…にしても、よくよく女子に嫌われる旦那さんだ」
( ゚∀゚)「奥方の方で追い出され、追い出されて妾んとこ来たと思えば、また邪魔にされる」
( ゚∀゚)「こりゃあ、本気でホームレス生活も近いかもなぁ」
( ^ω^)「何を縁起でもないことを。さぁ、行くお」
-
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:20:08.24
ID:cBfKXuGU0
テクテク… d(゚∀゚ )【移動中】(^ω^ )
( ^ω^)「さぁ、ついたついた。……おーい、僕だお!ちょいと開けてくれおー」
「はいはい」
ガラガラ
ξ゚听)ξ「お帰りなさい。随分お早いじゃないの。あの娘のとこにはちゃんと行ってきたの?」
( ^ω^)「行ってきたお」
ξ゚听)ξ「行ってきたお、って……なんでこんな」
( ^ω^)「いやいや、それは早い訳なんだお」
( ^ω^)「行って、お前がこれこれこう言ったから泊りにきたと伝えたら、デレは大変喜んで、」
ξ゚ー゚)ξ「それは良かったわ」
-
-
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:23:07.30
ID:cBfKXuGU0
( ^ω^)「大抵の奥さんなら、旦那を他所に出さないよう束縛するのが当たり前」
( ^ω^)「それを、この風でぐっすり眠ることもできずに不安を募らせていると思うと不憫で不憫だから是非泊ってやってくれ、なんて」
( ^ω^)「旦那を遣すのは大変有り難い」
ξ--)ξ「うんうん」
( ^ω^)「有り難いが、おいそれと泊めてしまうと、」
( ^ω^)「『この後恥ずかしさ故ツンさんにお目にかかることができなくなるのは困るから泊めることはできません』と、そういうわけだお」
ξ゚听)ξ「なるほどね……」
ξ--)ξ「…なんて出来た娘なの、あの子は。私は感心したわ」
ξ゚ー゚)ξ「そんなことを言ったの?」
( ^ω^)「だお」
ξ゚听)ξ「でもね、私がおあげしたんですもん。御泊めしたって全然構わないの」
-
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:26:07.63
ID:cBfKXuGU0
ξ゚听)ξ「…だからそう言われたって、このまま私が今晩御泊めすることになれば、本妻としてしめしがつかない」
ξ゚听)ξ「そんなわけで、今晩御泊めすることはできないわ」
ξ--)ξ「今日は私の顔を立てると思って、どうかあの娘の方に行ってやって」
(;^ω^)「わかったお……」
(;^ω^)ハァ……
( ^ω^)「おーい。ジョルジュ」
( ゚∀゚)「へぇい」
( ^ω^)「提灯頼むお……」
( ゚∀゚)「へへっ、消さないで待ってたっての」
( ^ω^)「またお前は無駄を」
( ゚∀゚)「そうかぁ?俺にしてみれば今の状況、本妻と妾に振り回されてる状況の方が、よっぽど無駄だと思うがなぁ」
-
-
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:29:07.49
ID:cBfKXuGU0
( ^ω^)【移動中】( ゚∀゚)b テクテク…
( ^ω^)「あぁ、もう。扉が閉まってる……。起こせ起こせ」
( ゚∀゚)「おーい!旦那様がまた来たぞ!!」
「はいはい」
ガラガラ
ζ(-、-*ζ「まぁお二方。いらっしゃい。本当に、度々ご苦労様」
ζ(゚ー゚*ζ「それで、今度はどうなさって?」
(;^ω^)「いやぁ、それが……」
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:32:06.16
ID:cBfKXuGU0
( ^ω^)「…どうにも驚いたお。いや、行って、お前の行った通りに伝えましたとも」
( ^ω^)「それでツンが言うには、とても感心した、と」
ζ(^ー^*ζ「それは良かったです」
( ^ω^)「こっちからやったものを泊めても構わない。それを義理が立たないと返して遣すのは実に偉い」
( ^ω^)「偉いが……そのままこっちに泊めてしまうと、この後お前に何があったとしても、しめしがつかなくなる」
( ^ω^)「…そういうわけで、泊めたいところであるが泊められないから、お前の方へ帰って来たというわけだお」
ζ(゚ー゚*ζ「まぁ」
ζ(^ー^*ζ「嬉しい。本当に嬉しいです。涙が出るようです」
ζ(゚ー゚*ζ「いえ、度々仰って下さるんですし、本当に御泊めしたいんですけど……」
ζ(゚ー゚*ζ「仰って下されば下さるほど、だんだんデレも御泊めしにくくなるものです」
ζ(^ー^*ζ「…ですから、どうぞ。本宅の方にお帰りになって……」
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:35:07.77
ID:cBfKXuGU0
(;^ω^)ハァ…
( うω;)「おぉい。ジョルジュ」
( ゚∀゚)「へぇい」
( うω;)「提灯頼むお」
( ゚∀゚)「………いーや、提灯には及ばねぇよ」
( うω)ゴシゴシ「どうしたお?」
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 23:38:09.02
ID:cBfKXuGU0
(・∀・ )『…ははっ、もう夜が明けたァ』
( ・∀・)「そういうわけで、色男色女な皆様。英雄色を好む、とは言いますが……」
( -∀・)「……ゆめゆめ、あまりお調子乗らぬ方がよろしいかと」
( -∀-)ペコリ
ξ--)ξ ジョルジュ提灯のようです ζ(゚ー゚*ζ
…お後がよろしいようで?
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