ブーンが死んでしまったようです【長編】〜第二章〜
一瞬、何が起きたのか理解できなかった
まさか・・・・・・・・・・・・・・・・・と、思ったが
( ^ω^) (ツンは・・・・・auショップから出てきたお・・・・・・・・!)
ということは、
( ^ω^) (弟者とは、ちがうみたいだお)
そこで、自分と、とは意地でも考えない
だが、確かに。道行く人々は、突然喋り始めた彼女を奇異の目で見ていた
ツン 「・・・・・・? どうしたのよ?」
(;^ω^) 「・・・・・・・・い・・・いや、なんでもないお!!」
嬉しい、嬉しい・・・!!
感情が、身体をつきぬけ飛び出しそうだ
だが、その前に・・・・・・・・・・・・・・・・・・
( ^ω^) 「ここじゃ・・・・・・まずいお・・・・・・」
ツン 「へ? ・・・・・・・なにがよ?」
( ^ω^) 「ちょっと、公園まできてほしいお!!」
ここだと、ツンが変人に見えてしまう。それは・・・・・・・・・・・いやだった
ツン 「え!? ・・・・・・・ちょ! まちなさいよ!?」
ブーンは静止の声も聞かず、走り出した
(;^ω^) 「ゼェ・・・・・ここなら・・・・・・・ハァ・・・・・・大丈夫、だお」
この時刻、この公園は人気が無い
いや、時刻に関わらず、この公園を利用するものは少ないのだ
普段なら、近道をするとき以外、入ることの無いところだが、今は好都合だ
と・・・・・・・・・・・・
ドゲシッ!!
( ^ω^) 「ふべらっ!?」
ツン 「ゼェ・・・・・ハァ・・・・・・・・・いきなりヒールで全力疾走させんなっ!」
そのヒールは今、ブーンのどてっぱらに食い込んでいる
・・・・・・ていうか、走ったのか? 普通はヒールが折れるので無理だろう
(;^ω^) 「ご・・・・ごめんだお・・・・・・・・・・・」
ツン 「・・・・・ま、いいけど・・・・・・・・・それより、なにやってんのよ?」
(;^ω^) 「あ・・・・・・・か、買い物・・・・・買い物だお!」
「それより、ツンこそ何をしてるお?」
腹をさすり、ブーンが聞く
するとツンは、右手の紙袋を掲げてみせた
ツン 「今日、旅行から帰ってきたの。今は、お土産配る途中」
「アンタも・・・・・そ、その・・・・・・よかったら・・・・・・・・・ついてくる?」
打ちのめされたボクサーのような足取りは、なぜか商店街へと向かっていた
駅の前のここは、むしろ繁華街と言った方がいいのかもしれない
( ^ω^) 「・・・・・・あ」
視線をめぐらせば、弟者のような人もちらほらと見える
うつむく人、はしゃいでいる人、さまざまだが、どれも誰からも相手にされない
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そして、ブーンもまた、相手にしない
相手にすれば、また・・・・・・・・・・・・・・・
( ^ω^) 「いや、いや! ・・・・・・ちがうお・・・ちがうんだお・・・・・!!」
かぶりをふり、叫ぶ
認めない、認めたくない!
叫びは悲痛で、どうしようもなく、ブーンの心を引き裂いていく
すると・・・・・・・・・・・・・・・・・
「アンタ・・・・・・なにそんなとこでシャウトしてんのよ・・・・・・・?」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」
目の前にあらわれた、愛しい人は、普段どおり、声を、かけてくれた
一瞬、何が起きたのか理解できなかった
まさか・・・・・・・・・・・・・・・・・と、思ったが
( ^ω^) (ツンは・・・・・auショップから出てきたお・・・・・・・・!)
ということは、
( ^ω^) (弟者とは、ちがうみたいだお)
そこで、自分と、とは意地でも考えない
だが、確かに。道行く人々は、突然喋り始めた彼女を奇異の目で見ていた
ξ゚听)ξ 「・・・・・・? どうしたのよ?」
(;^ω^) 「・・・・・・・・い・・・いや、なんでもないお!!」
嬉しい、嬉しい・・・!!
感情が、身体をつきぬけ飛び出しそうだ
だが、その前に・・・・・・・・・・・・・・・・・・
( ^ω^) 「ここじゃ・・・・・・まずいお・・・・・・」
ξ゚听)ξ 「へ? ・・・・・・・なにがよ?」
( ^ω^) 「ちょっと、公園まできてほしいお!!」
ここだと、ツンが変人に見えてしまう。それは・・・・・・・・・・・いやだった
ξ#゚听)ξ 「え!? ・・・・・・・ちょ! まちなさいよ!?」
ブーンは静止の声も聞かず、走り出した
(;^ω^) 「ゼェ・・・・・ここなら・・・・・・・ハァ・・・・・・大丈夫、だお」
この時刻、この公園は人気が無い
いや、時刻に関わらず、この公園を利用するものは少ないのだ
普段なら、近道をするとき以外、入ることの無いところだが、今は好都合だ
と・・・・・・・・・・・・
ドゲシッ!!
( ^ω^) 「ふべらっ!?」
ξ#゚听)ξ 「ゼェ・・・・・ハァ・・・・・・・・・いきなりヒールで全力疾走させんなっ!」
そのヒールは今、ブーンのどてっぱらに食い込んでいる
・・・・・・ていうか、走ったのか? 普通はヒールが折れるので無理だろう
(;^ω^) 「ご・・・・ごめんだお・・・・・・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「・・・・・ま、いいけど・・・・・・・・・それより、なにやってんのよ?」
(;^ω^) 「あ・・・・・・・か、買い物・・・・・買い物だお!」
「それより、ツンこそ何をしてるお?」
腹をさすり、ブーンが聞く
するとツンは、右手の紙袋を掲げてみせた
ξ///)ξ 「今日、旅行から帰ってきたの。今は、お土産配る途中」
「アンタも・・・・・そ、その・・・・・・よかったら・・・・・・・・・ついてくる?」
ξ゚听)ξ 「・・・・それでね、ホテルがすごかったの!」
(;^ω^) 「ツ、ツン・・・・も少し、こえ小さくしてほしいお・・・・・・・」
何故・・・・・今ツンの隣を歩いているのだろう・・・・・・・・・・
ξ゚-゚)ξ 「あ・・・・そう言えば、二日酔いだっけ・・・・・・・」
何故・・・・・そんなしょうもない嘘をついたのだろう・・・・・・・・・
( ^ω^) 「ううん、ぼくがわるいんだお・・・・・・・・・」
何故、何故、何故、何故、何故・・・・・・・・・・・・・・・
ξ゚-゚)ξ 「・・・・・そんなに、アタシと歩くの・・・・・・・・・つまらない?」
(;^ω^) 「え!?」
突然のツンの呟きに、我に帰る
ξ;;)ξ 「だって・・・・・・・二日酔いだって言っても・・・・・・・・・」
「その、すごい・・・・・・・いやそうな顔、じゃない・・・・・?」
ああ、違うんだ・・・・・・・・そんな・・・・・・・そんなわけじゃ・・・・・・・ない
嬉しくて・・・・・嬉しくて・・・・・・・・・・・・・
そこに甘えて、溺れてしまいそうだから・・・・・・・・・・・・・・
ふと、思う・・・・・・自分は本当に生きてるのか?
それとも・・・・・・死んでいるのか?
今、自分は自覚を持って動いている
そして、ツンにはしっかり見えてもいるし触れもする
それは、生きているということじゃないのか?
生死確認のためには、まず、意識の有無を調べる
なら意識がある弟者は生きてるんじゃないのか?
でも弟者は、そんな自分を、幽霊、と言った
死んでいるのに意識がある
意識があるのに死んでいる
それが、幽霊
自分も・・・・もしかしたら・・・・もしかしたら・・・・・・・・・・
考えて、そして、止める
今は、そんなことを考えてる時じゃ・・・・・・ないから・・・・・・・・・
( ^ω^) 「楽しいお・・・・・・すっごく、楽しいお」
ξ///)ξ 「え・・・・・・・?」
漏れ出すようなブーンの言葉に、ツンは顔を真っ赤にする
ξ゚听)ξ 「べ、別に、アンタを喜ばしたくなんかないんだからねっ!」
「ただ・・・・・ただ! あ、アタシがいやな奴みたいじゃないっ!?」
いつも通り、あまりにもいつも通りな、ツンの言葉
それが何故だか、嬉しい
( ^ω^) 「そう言えば、なんでauショップに行ってたんだお?」
もっと、ツンの話を聞きたい。何気ない、いつものツンの話を
ξ゚听)ξ 「ああ、あれね。・・・・・なんだか旅行中に電話止まっちゃって・・・」
「やっぱり、引き落としの方が楽だわ・・・・・・・」
( ^ω^) 「ふふ・・・・・ツンもまぬけだお」
ξ#゚听)ξ 「な、なによっ!? ブーンのくせに生意気よっ!?」
ゲシ、とツンがブーンを蹴る。はは、なんて、いつも通りなんだ・・・
ブーンがそうやって物思いにふけていると
ξ゚听)ξ 「あ、おじさんの家に着いたわ」
( ^ω^) 「ぼくは・・・・・ここで待ってるお」
流石に、そのおじさんとやらまでに、自分が見える保証は・・・・・・・ない
ツンに、気づかれたくは無い。どうしてか、そう思う
ξ゚听)ξ 「そう?」
( ^ω^) 「何か勘違いされても困るお?」
ξ///)ξ 「な、なにもこまらな・・・!」
ξ゚-゚)ξ 「そ、そうね、そうよねっ!? うん、確かに! 困るわ!!」
大袈裟に頷いて、ツンはおじさんの家へと向かった
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
出来れば、いっしょに挨拶がしたかった。口には出さないがブーンはそう思っていた
でも、それは出来ない。一緒に、他の誰かに会えばきっと、確信してしまうだろう
ごまかしでも何でもいい。とにかく、先送りにしたかった
ツンの後姿を見送り、壁に寄りかかり、独り言を呟く
( ^ω^) 「なんで、こうなっちゃんだお・・・・・・・・・・」
それが、今でも思い出せない
ぎぃ・・・・と、古めかしい音をたて、家のドアが開く
/ ,' 3 「おや? ツンじゃないか? ひさしぶりだね」
ξ゚-゚)ξ 「ええ、お久しぶりです。あ、旅行から帰ってきましたので、お土産です」
/ ,' 3 「おお、おお。うれしいねぇ・・・・・あんなちっちゃかったツンが」
「今じゃこうしてお土産なんぞ持ってくるw」
ξ゚-゚)ξ 「もう、いつの話をしてるんですかっ!?」
かっかっか、と笑う荒巻にツンがプリプリと怒る
その仕草が荒巻を笑わせていると気がついていないようだ
/ ,' 3 「しかし、しばらく見ないうちにいい顔になったな?」
ξ゚-゚)ξ 「え? 何がですか?」
ニヤリ、意地悪そうな笑みで荒巻は応える
/ ,' 3 「あれか? 彼氏でもできたのか?」
ξ///)ξ 「////// いやっ! そのぉ・・・・・・えっとぉ・・・・」
「か、彼氏とかじゃなくてぇ・・・・・でも、そのぉ・・・・・///」
顔を真っ赤にして、ツンはぐだぐだな調子で喋る
ξ///)ξ 「なんていうか・・・・・・・その、クリスマスに・・・・・・・・・・」
/ ,' 3 「クリスマス・・・・・? 家にでも、その子を呼ぶのかい?」
頷くツン
ξ///)ξ 「あっ! ・・・・・・やだ、アタシったらなにを!?」
のせられるままに喋ってしまったことに気づき、赤面
/ ,' 3 「そうかそうかwちびっこだったツンも、そんな歳か・・・・・w」
ξ///)ξ 「うー・・・ちがうんです・・・・・・!!」
/ ,' 3 「昔は、おじちゃんのお嫁さんになる、って言ってたのにねぇ・・・・」
ξ///)ξ 「ほんとにそれ、いつの話ですかっ!?」
あっはっはっは、と響く荒巻の笑い声の間に、奇妙な音が紛れ込んだ
ジャコンっ!!
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
/ ,' 3 「あっはっは。 ・・・・・・わしのツンに手を出すのは何処のどいつだ?」
そう言って、荒巻はショットガンを靴箱の上から取り出していた
/ ,' 3 「あっはっは、どうれ、わしのショットガンの餌食にしてくれるわ!!」
ξ゚-゚)ξ 「ちょっ!? おじさま!?」
/ ,' 3 「なぁに、せめてもの情け。一撃でしとめて見せるわ!!」
いけない、目が血走っている。マジだ!
思わずツンは素早く荒巻の背後に回り・・・・・・・・・・
ξ゚-゚)ξ 「おじさま! おちついて!!」
/ ,' 3 「ふぐっ!?」
ゴキャリっ! ・・・・・・・・・荒巻は静かになった
/ ,' 3 「そうかそうか・・・・・・それじゃあ、クリスマスが楽しみなはずだな・・・・・・」
首をさすり、どこか物悲しげな荒巻と、肩で息をし、本気で怒るツン
ξ゚-゚)ξ 「冗談でも、銃を持ち出すなんて・・・・・・・・!」
/ ,' 3 「ああ、ああ、悪かった悪かった。お詫びにこれをあげようじゃないか」
と、荒巻が取り出したのは、さらしで包まれた棒状の何かだった
ξ゚-゚)ξ 「? おじさま、これはなんですか?」
/ ,' 3 「ああ、包丁だよ。研ぎに出したばかりなんだがね、ツンちゃんにあげよう」
「そういう使い込まれた包丁があればな、料理上手に見えるよ?」
それで彼氏を驚かしてやれ、と高笑い。どこかやけくそに見えるのは気のせいだろう
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・でも・・・・・アタシはそんな・・・・・・・」
/ ,' 3 「ふむ・・・・・料理に、自信が無いのかね?」
頷く
ふむ、と頷く荒巻は、スーツのポケットから紙を二枚取り出した
それは近所のフランス料理店の無料券だった
/ ,' 3 「だったら、万が一のときのために、この招待状を上げよう」
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・いいんですか?」
/ ,' 3 「どうせわしの店だ。彼氏と二人でくればいい」
ξ゚-゚)ξ 「あ・・・・・・ありがとうございます!」
はしゃぐようにお礼を言うツンに、荒巻は、だが、と付け加える
/ ,' 3 「その・・・・ツンちゃんの彼氏を見て・・・・・・・・・・・・・」
「わしはチャッピー・・・・・・・・・・ああ、ショットガンの名前だがね」
「こいつの引き金を引かない自信が無いよ・・・・・・・・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「ちょ!? おじさま!?」
ツンの言葉を遮り、だから、と、荒巻は不敵に笑い
/ ,' 3 「必死で、料理の練習をしなさい?」
「彼氏もきっと、そっちの方が喜ぶよ? ・・・・・・・・というか」
「喜ばなかったら、わしが殺す。ぶち殺す」
ξ゚-゚)ξ「おじさま・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
荒巻の遠回りの応援は、ツンにとって一番のプレゼントだった
ξ゚-゚)ξ 「はい! アタシ、頑張ります!!」
ξ゚-゚)ξ 「ふっふーん♪ おまたせー!」
なにやら上機嫌なツンは、スキップでブーンのもとへと近寄る
( ^ω^) 「お帰り・・・・・・? どうしたお?」
ξ゚-゚)ξ 「んー? なにがー?」
( ^ω^) 「なんか、すっごくうれしそうだお?」
戻ってからずっと笑いっぱなしのツンは、いきなりブーンの腕を取り
そして、抱きしめるように組む
(;^ω^) 「ちょ!? え!? なに!? なんだお!?」
突然のツンの行動に戸惑う
そんなブーンの、さっきの質問にツンは答えた
ξ゚-゚)ξ 「ふふw ねぇ、ブーンは・・・・・・・・・・・・」
聞いて、ブーンは、何気ないその質問を、後悔した
ξ゚-゚)ξ 「ブーンは、まだ、死にたく無いもんねっ?」
( ^ω^) 「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ピキッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
空気が、一気に凍ったような気がした
何気ない質問の答えもまた、何気ない物だった
そう、この会話は、どこもおかしなとこなんてない
ぼくらは、日常的にこんなやりとりをしているはずだ
おまえ、死にたいの?
おまえ、ぶち殺すぞ?
それはきっと、死というものが身近に無いから、言える言葉だ
もし、目の前に、死にそうな人間がいたら・・・・・・・・・・・・・・・・・
もし、自分に、人を殺せる暴力があったら・・・・・・・・・・・・・・・・・
もし、今ココで、誰かが死んでいたのなら・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんな言葉は、言えないはずだ
でも、ツンにとって、荒巻にとって、それはココじゃないどこかで
それは、今じゃない、いつか、ずいぶん昔かずいぶん先の話なんだろう
でも、ブーンにとってそれは、今で、まさにココでの話だった
それだけの違いは、この一言の印象を、大きく違えた
その違いを、ツンに悟らせないため、平静を装ってブーンが答える
( ^ω^) 「死にたく・・・・・・・・ない・・・・・・・お・・・・・・・?」
ブーンの、たどたどしい台詞に、ツンはクスリ、と笑う
ξ゚-゚)ξ 「そうよねぇw 死にたくないもんねぇw」
(;^ω^) 「そうだお・・・・・・・・死にたく・・・・・・ないお・・・・」
死にたくない、それを繰り返すブーンに、しかしツンは気がつかない
ξ゚-゚)ξ 「よっし! それじゃあ、料理の練習しよっと!」
( ^ω^) 「急に、どうしたんだお・・・・・・・・・?」
ξ゚听)ξ 「アンタが死にたくないっていうからでしょっ!?」
荒巻との会話を知らないブーンにとっては、意味不明だ
気にせず、ツンは続ける
ξ゚听)ξ 「あ、アタシだって、アンタに死んでほしくないもん・・・・・・」
(;^ω^) 「え・・・・・・・・・・・・・・・ツン・・・・・・・・・・・・?」
ああ、これが、本当にいつもの日常だったなら
ツンの言葉は、どれだけ嬉しく、心躍る物だったのだろう
だが、今のブーンにとって、これほど残酷な言葉は・・・・・・・・・ない
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・ぼくは・・・・・!!」
ブーンが何か言う前、ツンは顔を真っ赤にして言わせまいと、声をかさねる
ξ///)ξ 「か、勘違いしないでよねっ!?」
「べ、べつにアンタなんかどうなってもいいんだからねっ!?」
「ただ、アタシのせいにしたくないだけなんだからねっ!!」
と、そんなときだった
ξ゚听)ξ 「あら・・・・・・・? もう、なによ・・・・・・」
ツンの携帯が鳴った。公衆電話からの着信は、誰からなのか分からない
うんざりと、面倒そうに通話ボタンを押す
ξ゚听)ξ 「はい、もしもし?」
(´・ω・`) 『あ、やっとつながった・・・・・・・・・!』
ξ゚听)ξ 「ショボン? ・・・・・何よ? 大した用事じゃないなら切るわよ?」
(´・ω・`) 『大した・・・・・!? 大事だよ!? ツンさんは何やってるんだよ!?』
今にも電話を切りそうなツンとは対照的に、ショボンは切羽詰った声を出す
ξ゚听)ξ 「今? 今は・・・・・・ええっと・・・・・・・・」
ξ///)ξ 「その・・・・・・・・でーと・・・・・・・・・してる・・・・・?」
(´・ω・`) 『デートだって・・・・・・!? こんなときに!? 誰とだよ!?』
ξ#゚听)ξ 「・・・・・・# さっきっからなんなのよっ!?」
「アタシが・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」
ブーンとデートして何が悪い、そう言う前に・・・・・・・
(´・ω・`) 『今・・・・いま!! ・・・・・・ブーンが大変なんだよ・・・・!?』
ξ゚听)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・・・・・?」
何を言っているのだろう?
今、ブーンが大変なはずはない。ココにいるのだから
今、デート、という単語を聞いて、おろおろしているコイツが大変なわけがない
ξ゚听)ξ 「・・・・・・・・・冗談にしても、たちが悪くない?」
(´・ω・`) 『冗談なんかじゃないって!! ほんとのほんとに・・・・・・・!』
と、そこで電話の向こうで誰かが、代われ、と言うのが聞こえる
('A`) 『おい・・・・・? お前が誰とヨロシクやってんのかしらんけどな』
ξ゚听)ξ 「な・・・・・・なによ? アンタも・・・・・グルになって・・・・!」
('A`) 『いいか? 現状だけを伝えてやる、よく聞いとけ』
大きく、息を吸い込む音が伝わる
('A`) 『ブーンが、大怪我で病院に運ばれた』
『時刻は昨夜だ。頭蓋骨陥没、脳挫傷の恐れもあるそうだ』
『今も集中治療室に放り込まれてる状況で・・・・・・・』
一息
('A`) 『かなりヤバイ。自発呼吸はおろか、心臓も動いちゃいねぇ・・・・』
『機械はずしゃ、それでお陀仏ってじょう・・・・・・』
ξ゚听)ξ 「う・・・・・・・・・・・うるさいっ!!!」
ブツっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ツンは、電話を切った。そして、電源も切る
こんな、悪い冗談、もう聞きたくもない・・・・・・・・・・・・・!!
(;^ω^) 「ど、どうしたお・・・・・・・?」
ξ゚听)ξ 「ううん・・・・・・・何でもない」
気分が悪い・・・・・・・・・・・・
言っていい冗談と悪い冗談が、世の中にはある
これは、悪い方の冗談だ。それも、とびっきりの
さっきの会話を、頭から振り落とすように、首を振る
ξ゚听)ξ 「行きましょ」
( ^ω^) 「え、どこへだお?」
ξ゚听)ξ 「どこだって、いいでしょっ!?」
「これから・・・・・・・デートなんだからっ!!」
ブーンの腕を掴み、ずんずんと歩くツン
( ^ω^) (さっきの電話は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
もしかして、と思う
自分の意識は昨日、家を出て、夜に弟者と会う前まで途切れている
もし、本当に、弟者のような事があったのなら・・・・・・・・
( ^ω^) (もう、ツンに連絡が行っても・・・・・・・・・・・・・・)
いや、そんなはずはない! 自分に言い聞かせる
そんなわけはない、自分はココにいる、どこでもない、ツンの横に
と・・・・・・・・・・
子供 「ままー。あのおねぇちゃん変な歩き方してるー」
ママ 「・・・・・・こら。指差さないの!」
ξ゚听)ξ 「・・・・・・・・・!?」
(;^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
やはり、ツン以外の人間に、自分は見えていない
きっと、ツンもそれに気がついているはず。でも
ξ゚听)ξ 「なによ、あのガキ・・・・・・!」
「きっと、デートしてるアタシ達が羨ましいのよ・・・・・・・!」
( ^ω^) 「つ・・・・・・・・ツン」
唇を噛み締め、ツンは、それでもただただ歩く
('A`) 「ちっくしょ・・・・・・・あんの馬鹿・・・・・・・・・!!」
ダンっ!! と、公衆電話を殴りつける
(´・ω・`) 「毒男・・・・・どうしたの?」
('A`) 「どーしたもこーしたも・・・・・・・・あいつ、電源きってやがる!!」
タバコを取り出し、口にくわえる
(´・ω・`) 「毒男、病院の中は・・・・・・・・・・」
('A`) 「わかってんよ! ・・・・・・くわえるだけだ、火はつけねぇよ・・・・」
(´・ω・`) 「・・・・・・・それにしても、誰といるんだろうね・・・・・・・・・」
('A`) 「知るかよ・・・・・・・!! ブーン以外に考えられねぇってのに・・・・・・」
ふ、と視線を治療室へと向ける。まだ、手術中のようだ
(´・ω・`) 「せっかく、やっと繋がったって言うのに・・・・・・!!」
('A`) 「まだだ・・・・・・・・まだだぞ、ショボン・・・・・・・・・・!」
(´・ω・`) 「え・・・・・・・・・?」
ギリリ、とタバコを噛み千切り、吐き捨てながら毒男が言う
('A`) 「まだ、まだアイツは死んじゃいねぇ!! アイツが死ぬわけねぇ・・・・!」
そうだろ、と問い掛けられ、ショボンは首肯する
(´・ω・`) 「うん、そうだね・・・・・・まだだ。 うん、まだなんだ・・・・・!!」
ξ゚听)ξ 「あ、ブーン! あの店、あの店に寄りましょ!!」
ツンが指差す先は、服屋だった
いや、服屋という呼び方は正しくないような、オシャレな店だ
(;^ω^) 「え・・・・・・でも・・・・・・・・・・・・」
ξ゚听)ξ 「いいから・・・・・・・・いいでしょ・・・・・・・・・・・!!」
強引に、無理矢理に、引きずるように店内へと入るツン
ξ゚听)ξ 「あ、ねぇねぇ、これなんか良くない?」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・」
そう言って、ツンは若草色のワンピースを身体に当ててこちらに見せる
しかし、まわりから見れば、ただの独り言でしかない
ξ゚听)ξ 「そうね、これにあわせるんなら、このバッグが言いと思わない?」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・!」
周りの視線が、痛い
自分ではなくツンに注がれる視線が・・・・・・・・・・・・痛すぎる
ξ゚听)ξ 「試着・・・・・・・・してみよっかな♪」
「すいませーん、フィッティングルームかりまーす」
色々と抱えたツンが試着室へと入っていく
ξ゚听)ξ 「あ、ブーン? ・・・・・覗いたら、ただじゃおかないからねっ!?」
(;^ω^) 「わ、わかってるお・・・・・」
ツンが試着室に入ったと同時、少し離れた店員達の声が聞こえる
店員1 「ねぇ、あのお客さんキモくない?」
店員2 「あ、やっぱりぃ? なんかすっごい独り言言ってさw」
店員1 「きっと彼氏いなくて寂しいのよww」
店員2 「うっわwwうけるしぃwwwwばっかみたいよねぇwwwww」
キャハハハハ、と馬鹿みたいに笑う
お前ら・・・・・お前らに、ツンの何がわかる!? 優しいツンを何故笑う!?
もう、我慢が限界だ・・・・・・・・・・!!
(#^ω^) 「ふざけんな・・・・・・・ふざけるな・・・・・・!」
無駄だと知りながら、ブーンは拳を振るう
店員1 「きっとさw自意識過剰なお嬢様てタイプよ?」
店員2 「プッ、今時はやんないってwwww」
(#^ω^) 「黙れ・・・・・・黙れって・・・いってんだろおがあああああああ!!」
振り上げた拳を、何度も何度も打ち付ける
しかし、手ごたえはまるでない。いや、手ごたえはある
ただ、それは岩よりも鉄よりも硬い感触
実体に決して影響を及ぼせないこの体は、反動はすべて自分にかえる
殴れば殴るほど、自分が痛い、痛いだけなのに・・・・・・・・・・!!
(#^ω^) 「うるせぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!」
ブーンは止まらない。止まれない
次第に、手が赤く染まっていく。それでも、止まらない
ξ゚听)ξ 「ブーン・・・・・・・・・・・もう、行こうか?」
(;^ω^) 「つ・・・・・ツン」
肩を落とし、拳を震わせるツンは、悲しんでいるのか怒っているのか・・・・・
こちらに歩み寄り、そして、おしゃべりをしていた店員二人
今は気まずそうに頭を下げているその二人に向かって
ξ゚听)ξ 「接客態度がなってないわね? これ、返すわ!」
店員 「きゃっ!?」
服を叩きつけ、ひらりと出口へと向かう
ξ゚听)ξ 「それと、アタシの彼氏・・・・・・・・・・・・・」
「あんた達には、見えないの? 眼科にでも行きなさいっ!」
手術室のランプが消える
扉が開くと同時に、二人は詰め寄る
(´・ω・`) 「先生!! ブーンは、ブーンは・・・・!?」
医者 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
('A`) 「何とか言えよ・・・! なぁ!? どうなったんだよ!?」
医者 「なんとも・・・・・言えません」
苦りきった顔で、医者が告げる
('A`) 「なんだよ・・・・・それ・・・・・・? アンタ医者だろっ!?」
(´・ω・`) 「毒男! 落ち着いて・・・・・・!!」
('A`) 「うるせぇ!! これがだまったられっか!?」
医者 「手は・・・・・・・尽くしました・・・・・・・!」
('A`) 「!? それでゆるされっとおもってんのかぁ!?」
(´・ω・`) 「毒男!!」
今にも掴みかからんばかりの毒男を、ショボンは必死でおさえる
医者 「脳の損傷が・・・・・・・激しいんです・・・・・・・・!」
「正直、脳波がまだあることが奇跡なぐらいです」
(´・ω・`) 「それじゃあ、ブーンは・・・・・・・・・?」
医者は、首を横に振った
('A`) 「ふっざけんなああああああああああああああああ!!!!!!!」
毒男の叫びが、院内に響き渡る・・・・・・・・・・・・・・・・・・
手術室のランプが消える
扉が開くと同時に、二人は詰め寄った。聞くことは唯一つ、
(´・ω・`) 「先生!! ブーンは、ブーンは・・・・!?」
医者 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
医者は口を閉ざしたまま、何も言おうとはしない
('A`) 「何とか言えよ・・・! なぁ!? どうなったんだよ!?」
医者 「なんとも・・・・・言えません」
('A`) 「なんだよ・・・・・それ・・・・・・? アンタ医者だろっ!?」
(´・ω・`) 「毒男! 落ち着いて・・・・・・!!」
('A`) 「うるせぇ!! これがだまったられっか!?」
医者 「手は・・・・・・・尽くしました・・・・・・・!」
('A`) 「!? それでゆるされっとおもってんのかぁ!?」
(´・ω・`) 「毒男!!」
今にも掴みかからんばかりの毒男を、ショボンは必死でおさえる
だが、心情としては、毒男と一緒に、詰め寄りたいぐらいだ
医者 「脳の損傷が・・・・・・・激しいんです・・・・・・・・!」
「正直、脳波がまだあることが奇跡なぐらいです」
(´・ω・`) 「それじゃあ、ブーンは・・・・・・・・・?」
医者は、首を横に振った。つまり、絶望的だ・・・・と
('A`) 「ふっざけんなああああああああああああああああ!!!!!!!」
毒男の叫びが、院内に響き渡る・・・・・・・・・・・・・・・・・
会話もなく、二人は歩く
さっきの店の後も、いくつか回ってみた
けれど、やっぱり最初の店と結果は同じ
・・・・・・・・・・・・・・ここで改めて言うのもいやな、あの結果ばかりだった
ξ゚听)ξ 「初めての・・・・・・・デートなのに・・・・・・ね」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
呟く、ツンの声は沈んでいた。でも、ブーンには何も言えない
気にするな、とでも言うのか? また次に来よう、なんて言える筈もない
そのすべては、自分の所為なのだから・・・・・・・・・・
ξ゚听)ξ 「ねぇ・・・・・・・・・・最後に、あそこ、行かない?」
( ^ω^) 「え・・・・・・・・・どこだお?」
ツンの指差すその先は・・・・・・・・・・・
(;^ω^) 「え・・・・え!? ら、ラブホかお!?」
ξ///)ξ 「・・・・・・・・・・・・女の子に、恥じかかす気・・・・・?」
( ^ω^) 「え・・・・・・・あ・・・・・いや・・・・・・・・・」
何も言えるはずもなく、ブーンはそのままついていった
ピンク色のビラビラをくぐり、二人はホテルへと入っていく
ξ゚-゚)ξ 「ね・・・ねぇブーン・・・・・・・・・?」
(;^ω^) 「な、なんだお!?」
二人ともがちがちに緊張しているが、それも当然だろう
ξ///)ξ 「あ、あたし・・・・こういうとこ・・・・・初めてなんだけど・・・・・」
(;^ω^) 「ちょ!? ぼくもだお!?」
沈黙が流れる
どうしたらいいのか、分からないのだろう
だったら来るな、と言いたくなる
ξ///)ξ 「えっと・・・・・・カウンターで聞けば、いいのか・・・・・な?」
(;^ω^) 「そ・・・・・それしか、ないお・・・・・・・?」
二人は挙動不審なぐらいにきょろきょろとしていた
ξ///)ξ 「あの・・・・すいません・・・・・」
受付 「あ、はい? なんでしょうか?」
もじもじと、緊張しているのかなんなのか分からない態度で、ツンが尋ねようとした
その前に・・・・・・・・・・
受付 「あの・・・・・・そう言うのは、困るんですけど・・・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・? そういうの・・・・・って・・・・・?」
頭をかき、めんどくさそうに、受付はため息
受付 「あのね? 一人とか、そういうのは、困るんだよね?」
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
またか、とブーンは思う
仕方ない、これまでもそうだった、自分の所為なんだ、と諦めた思考がよぎった
その時・・・・・・・
パシィンっ!!
受付 「え・・・・・・・・?」
ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・・・いい加減にして・・・・・・・・・!!」
( ^ω^) 「え!? ツン・・・・・・・・・・・・・・・?」
ツンは、思いっきり、受付の顔をひっぱたいていた
カウンターに身を乗り出し、受付の胸倉を掴むツン
ξ゚听)ξ 「あんた達って、目がホントにどうかしてんじゃないのっ!?」
(;^ω^) 「ツン!?」
驚き、ブーンが止めようとするが、それも無駄だ
ブーンの手を振り払い、叫び続ける
ξ゚听)ξ 「なんでよ・・・・・・! なんで見えないのよ・・・・・・・!!」
「ここに・・・・! ここにいるじゃない!?」
「見てよっ!? ちゃんと見てよっ!? どうして・・・・・!?」
「どうして・・・・・・・あんた達は・・・・・・・・・・!!!」
一息
ξ#゚听)ξ 「どうしてアタシの彼氏を無視すんのよっ・・・・・・・・・!!!」
最後は、涙声の、嗚咽交じりだった
しかし、そんなツンの叫びは受付には届かなかった
受付 「い・・・・いいかげんにしないと、警察呼びますよ・・・・・!」
ξ゚听)ξ 「呼ぶならよべb・・・・・・・・・!?」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・もう行くお」
叫ぼうとするツンの口を抑え、ブーンはツンを引きずり、そのまま出て行った
ξ;;)ξ 「ヒッグ・・・・・エッグ・・・・・・・・なんで・・・・よぉ・・・・」
とぼとぼと、ブーンに手を引かれながら歩くツンは、さっきからそればかりだ
ブーンのために、怒り、悲しみ、そして今涙している
それでも、ブーンには、その涙をぬぐうことさえ許されない
( ^ω^) 「もう・・・・・泣かないでほしいお・・・・・・・・」
ξ;;)ξ 「なんで・・・・・なんでよぉ・・・・・・・・・・!」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・」
ξ;;)ξ 「なんで・・・・・・みんな・・・・・・・・・」
そっと、ツンの頭を撫でる。今、自分に出来るのは、これぐらいしかない
ξ;;)ξ 「なんで・・・・・・・・なんで・・・・・こうなっちゃうのさ・・・・・・」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・本当にごめ・・・・」
ξ;;)ξ 「謝んなっ!!」
ボスっ、と力ないパンチが、ブーンの胸を二重に打つ
ξ;;)ξ 「ぁ・・・・・あたしは・・・・・・みとめ・・・・ないんだから・・・・」
「アンタが・・・・・・そんな・・・・て、認めない・・・・・!!」
「認めたくないんだからっ!!!!!!!!!!!」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・・・・・」
ξ;;)ξ 「だから・・・・・・・あやまる・・・・・・・な・・・・・・・!!」
ツンの言葉は、止まらない。まるで堰を切ったかのように流れ出す
ξ;;)ξ 「これから・・・・・・・クリスマスだよ!?」
「あたし・・・・・あたし・・・・・・楽しみ・・・・・・・なんだよ・・・・・!!」
「りょう・・・り・・・・・・・グス・・・・まだ、まだできないけど・・・・・!!」
「これから!! これからなんだよ!?」
ボスっ、と、ブーンの胸に、涙を隠すように顔をうずめる
ξ;;)ξ 「なのに・・・・・・! なのに・・・・・・・・・!!」
「なんでよ・・・・・・・!? なんで・・・・・・・・・」
「なんで、これからが・・・・・・なくなっちゃうのよ・・・・!?」
「これから、これから、これからこれからこれから!!!!!!」
声が、涙で途切れる。嗚咽が続き、そして大きく息を吸い込む
ξ;;)ξ 「いっぱい・・・・・楽しいこと・・・・・・・・いっぱい・・・・ぅぐっ・・・・」
「いっぱい・・・・・あるんじゃ・・・・ないの・・・・・・・・・!?」
「なんで・・・・・・・・・・これで、終わっちゃうの・・・・・・!!!」
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・・・・・」
泣き止まない、泣き止めないツンに、ブーンは謝ることも慰めることも出来ない
ただただ、くやしい。なぜ、ほんとうに何故こうなってしまったのか・・・・・・・・
奥歯が折れんばかりに食いしばっていると、
( ^ω^) (あれ・・・・・・・・・・・・ここ・・・・・・・・・・は・・・・・?)
周囲の景色に、何かを思い出しそうになる
確かこのアーケードを抜けると・・・・・・・・・・・
キシィっ・・・!
(;^ω^) 「うあっ・・・・・・・・・・・・!?」
頭が・・・・・・痛い・・・・・・・・・・・・・・・・・?
何か、思い出しそうなのに、何故だ、頭が痛くなる
この先・・・・・・・・この先に・・・・・・何が・・・・・・・・?
キシィっ・・・・・・・・・・・・!
(;^ω^) 「あああああっ・・・・・・・!?」
ξ;;)ξ 「どう・・・・・したの・・・・・・・・・・?」
ツンが、何か言ってる・・・・・でも、それより・・・・・・・・・・
頭が・・・・・・・・割れそうだ・・・・・・・・・・・・・・・・!!!
頭が痛い・・・・痛い・・・・・・痛い・・・・・・・・・!!
ξ゚-゚)ξ 「ど・・・・どうしたの・・・・・? ねえ・・・・・どうしたの・・・・・!?」
頭を抱え、倒れるブーンのその背中を、ツンがさする
まともな身体ではないブーンに、それが意味があるとは思えないが
それでも、ツンはつづける
ξ゚-゚)ξ 「ねぇっ!? 一体どうしたのよっ!?」
(;^ω^) 「ツン・・・・・・・・あっち・・・・・・・」
ξ゚听)ξ 「え!? 何、なんて言ったの?」
ふるふると、震える指先を、必死の思いでアーケードの端に向ける
ξ゚听)ξ 「あっち・・・・・・・?」
「あっちって・・・・・・向こうはオフィス街よ・・・・・・?」
そうだ、確か、そのあたりで、意識がもどったんだ・・・・・・・・・
そこに、何があるって言うんだ・・・・・・?
ξ゚听)ξ 「あっちには・・・・・・あとは、宝石店ぐらいしか・・・・・・」
( ^ω^) 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
それだ!
それを忘れていたんだ!!!!!!!!!!!!!
全 部 思 い 出 し た !
バシュゥゥゥゥゥッゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウッッッッッ!!!!!!!
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・? え・・・・・・・・・・!?」
蒸発するような音を立て、まばゆい光を立て
光と音のすさまじさに、ツンが目を閉じ、そして開いたとき
ブーンの姿が消えていた
ξ゚-゚)ξ 「うそ・・・・・・・・・・・・・でしょ・・・・・・・・・?」
たまらず、ツンは駆け出す。ブーンが指差した方向へと
アーケードを抜け、視線をめぐらす
記憶に、宝石店があった位置に視線を移すと
ξ゚-゚)ξ 「何・・・・・・よ・・・・・あれ・・・・・・・・!?」
『立ち入り禁止』
の文字が書かれた、黄色のテープで宝石店への道は閉ざされていた
ξ゚-゚)ξ 「どういう・・・・・・・こと・・・・・・! どういうことよおおおおお!!!?」
ツンの叫びは、夕方のアーケードに響いて、消えていった
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・
心電図の音が、部屋に響く
('A`) 「・・・・・・・・・・・・・・・」
(´・ω・`) 「・・・・・・・・・・・・・・・」
病室の中では、毒男とショボンの二人が、一言も発せず、ただ座っていた
毒男は、無意識にタバコを口にくわえ、病室だと気づいて、それを折る
ショボンは、それを拾い、ゴミ箱へと投げ込む
ただ、それを繰り返していた
('A`) 「なあ・・・・・・・いい加減、起きろよ・・・・・・・・・・」
毒男が、眠ったままのブーンに話し掛ける
('A`) 「ツンがな、誰かとデート中なんだとよ・・・・・・・・・・・」
「ふざけてんよなw・・・・・・・・・」
返事は、返らない
('A`) 「なあ・・・・・・・・・お前は、それでいいのかよ・・・・・・・・!!」
「頼むからよ・・・・・・・!! おきてくれねぇかな・・・・・!!」
返事は、返らず、ただ心電図の音だけが響く
(´・ω・`) 「まったく・・・・・・・・間が悪いにも、程があるよ・・・・・」
('A`) 「だよな・・・・・・・・・まさか、こいつが、な・・・・・・・・・」
窓の外は、もう夕暮れだ。赤い光が、まるで血のように部屋を染め抜く
('A`) 「あの時も、こんな夕日だったのかな・・・・・・・・」
(´・ω・`) 「かも・・・・・・ね」
ギリっ、と二人同時に歯軋りする
('A`) 「なんで、コイツが、珍しいとこにいるところに・・・・・・・・・!!」
「強盗なんかが来るんだよ・・・・・・・・・・・!?」
ブーンの怪我は、それが原因だった
宝石店に強盗が入り、金品を強奪
それを阻止しようとしたブーンが、金属バットで頭を殴られ、今にいたる
(´・ω・`) 「なんで・・・・・・なんで抵抗なんかしたのさ・・・・・・・・!!」
('A`) 「わっかんねぇよ・・・・・・わかるわきゃねぇだろが・・・・・・・!!」
ゴスっ! ゴスっ! ゴスっ! ・・・・・・・・・
壁を毒男が殴りつける。何度も何度も。ショボンもそれを止めようとはしない
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・
頭が・・・・・・痛い・・・・・・・・・・・・・・・・
どうしようもなく・・・・・・痛い・・・・・・・・・・・・・
もう、意識を保つことも難しいぐらい、痛みは増している
それでも・・・・・・それでも・・・・・まだだ・・・・・・・まだなんだ・・・・・
精神力、体力、その限界なんて、知ったこっちゃない
まだ、伝えなきゃいけない言葉が残っている
このまま・・・・・・・・・終わりになんて・・・・・・・・・できない・・・・・・・・!!
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・ツ・・・・・・・ン」
('A`)・(´・ω・`) 「!? ブーン!?」
突然、なんの前触れもなく、ブーンの口から声が漏れた
傍にいて、やっと聞こえる程度のその音は、衝撃をもって二人に伝わる
('A`) 「おい!? おい!? 目ぇ覚めてんのか!?」
(´・ω・`) 「・・・・・そんな・・・・・ははw・・・・・・嘘みたいだ・・・・・・!!」
ああ・・・・・・・・・・二人の声が・・・・・・・聞こえる・・・・・・・・
でも・・・・・・・・・でも・・・・・・・・・・・・・・聞きたい声は・・・・・これじゃない・・・・・・
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・ツン・・・・・・・・・・来・・・・・・て・・・・・・」
もう、決して聞く事ができないと思っていたブーンの声に
二人は一瞬の間、喜んだ
だが、その後に気がつく。まだ、ブーンの容態は回復したわけではないのだ
('A`) 「おい!? 聞こえるか・・・・・・・!? ・・・・ああ、返事はすんなよ!?」
(´・ω・`) 「そうだよ! とにかく・・・・・・喋らないで・・・・・・!!」
('A`) 「おい、ショボン! ナースコール押せ! ヤブ医者もついでに呼んで来い!!」
(´・ω・`) 「うん! わかった!!」
ベッドの上にあるナースコールに、ショボンが手を伸ばそうとした。が
ガッ! と、その手をブーンが握り、止めた
(´・ω・`) 「え・・・・・・・!?」
( ^ω^) 「いい・・・・・・・・・・・・から・・・・・・・・・・ツン・・・・・・!!」
('A`) 「・・・・・・・!? ・・・・・ばっかやろうっ!! そんなときじゃねぇんだぞ!?」
ドアへと毒男が走り出そうとする。しかし・・・・・・・・
( ^ω^) 「いい・・・・・・・!! から・・・・・・・・・!!」
体力を、振り絞り、ブーンが叫ぶ
もう、自分で呼吸すらすることも出来ないはずなのに、その声は力強い
('A`) 「・・・・・・・・・・・・ちっ!」
唇を噛み締め、舌打ち
ドアノブから手を離し、ブーンへと向き直ると、毒男は携帯を取り出した
それを見て、ショボンは焦る
ここには今、精密機器が大量にある。もし、それで影響が出たならば・・・・・・・
(´・ω・`) 「ちょ・・・・・・! 毒男! ここは病室で・・・・・・・・・!!」
('A`) 「うるせぇよ・・・・・・・・・!! こうするしかねぇだろが・・・・・!?」
構わず、電話帳を開き、ある番号へと電話をかける
('A`) 「・・・・・・・・・おい、ブーン」
「てめぇの愛しい愛しいアイツはよ・・・・・・・今、お前を見てねぇぞ・・・・・」
「それでも・・・・・・それでも・・・・・・・・・・・!!」
ブツっ、と噛み締めた唇が破裂するように血をふきだす
('A`) 「それでも・・・・・・・・・アイツに来て欲しいのかよっ!?」
何を・・・・・・・・・・当たり前のことを・・・・・・・・・・・・・・・
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・・に・・・・・・・・伝えな・・・・・・・・きゃ・・・・!!」
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・
アーケードにへたり込み、ツンはただただ、視線をめぐらす
ξ゚-゚)ξ 「ねぇ・・・・・・・・・・どこ・・・・・・・・・・・どこなの・・・・・・・?」
さっきまで、この腕の中にあった、確かなぬくもり
そして、消える直前の、怯えるような震え
それを探して、ツンは視線を彷徨わせる
ξ゚-゚)ξ 「ど・・・・こ・・・・・・? なんで・・・・・・・置いてくの・・・・・・・?」
足は、もう動こうとしない
別に怪我とか、そういうわけじゃない
身体ではなく、心がもがれたその作用で、足は鉛のように重くなっていた
ξ゚-゚)ξ 「連れ・・・・・・てってよ・・・・・・・・! どこだって・・・・・・行くから・・・・・・・!!」
重い、重い、重い・・・・・・・・・・・・・
足どころか、腕が、身体が、首が、頭が、
すべて重い・・・・・・・・・・・・・・・
ついには、視線すらも重みに耐え切れず、下へと落ちていく
ξ゚-゚)ξ 「なんで・・・・・・・・なんで・・・・・・・・・なんでよ・・・・・・・・!?」
涙は地に落ち、それと同時にツンは
自分の命すら、重く感じるようになった
抜け殻のようなツンのポケットから、不意に着信音が鳴り響いた
ξ゚-゚)ξ 「!?」
そんな、はずはない。確かに、携帯の電源は切っていたはずだ
なのに、どうして、今、ここで、携帯は鳴るのだろう
疑問に思う暇もなく、ツンは咄嗟に電話に出る
それが、ブーンに繋がる、最後の糸のように思えて・・・・・・・
ξ゚听)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・・もしもし?」
('A`) 『とっとと病院まで来い!! 急げ!!』
ξ゚听)ξ 「!?」
唐突な毒男の言葉に面食らう、ツン
ξ゚听)ξ 「なに・・・・・・・よ・・・・・・・? なんなのよ・・・・・・・!」
('A`) 『てめぇの耳と脳ミソは飾りか!? さっきっから言ってんだろうが!!』
『ブーンが大変だっつってんだろが!?』
そんなことは・・・・・・・・・知っている・・・・・・・・・・・・・!!
('A`) 『それとも何か!? 今、そこにいるデートの相手がそんなに大切か!?』
今、ここになんていないけど・・・・・・・・・・
ああ・・・・・・大切だ・・・・・・大切に決まってる・・・・!!
('A`) 『どれだけそいつがいい男かしらねぇがな・・・・・・・・・!!』
『ブーン以上に、お前を想ってる奴なんかいねぇんだぞ!?』
毒男が叫ぶ声は、携帯越しだというのに、アーケードに響き渡る
('A`) 『アイツは・・・・・・・・! 死にそうだって言うのに・・・・・・!』
『いつ、いつ死んでもおかしくねぇってのに・・・・・・・・・・・!!』
震える毒男の声は、それでも強く、血を吐くように、ツンに投げかけられる
('A`) 『そんなときでも・・・・・・・・・お前を呼び続けてんだぞっ!!!!』
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
('A`) 『聞こえてんのか!? 今、ベッドの上のアイツは、お前を呼んでんだよ!?』
『今・・・・・・今こなきゃ・・・・・・・・アイツが、死んじまうんだよ!!!!!』
ブツ・・・・・・・・・・・・・
ツンは通話を切った。もう、これ以上聞くことなんてない
ブーンは、今病院にいる。だったら・・・・・・・・・・・・
そこに行くまでだ・・・・・・・・・・・・・!!
('A`) 「ちっくしょ・・・・・・・!!」
バガンっ!! と、毒男は携帯を床に叩きつける
大して丈夫ではない携帯の外装は、粉々に砕け散り、液晶が光る粉となって舞う
(´・ω・`) 「ちょ・・・・・!? 毒男!?」
('A`) 「あんのスベタ・・・・・・・! いきなり切りやがった・・・・・・・!!」
(´・ω・`) 「え・・・・・・そんな・・・・・・・!?」
ショボンが驚き、毒男が激昂する
毒男はブーンのもとに駆け寄り、手を握り、叫ぶ。叫び倒す
('A`) 「おい! おいっ!! ・・・・・・・これで、いいのかよ・・・・・・!!」
ブーンは返事を返さない
('A`) 「こんな・・・・・・こんな奴のために・・・・・・・・・・・・・・!!」
毒男が涙をぬぐおうともせず、ただただ流しつづけ、それでも叫んだ
('A`) 「お前は・・・・・・・最後の言葉を使う気なのかよっ!?」
思わず、胸倉を掴みそうになり、そんなことは出来ないと、腕を引こうとしたとき
その腕が、つかまれた
('A`) 「え・・・・・・・・・・・・・?」
掴んだその腕を伝って、視線を上げていくと、そこには・・・・・・・・
(´・ω・`) 「え・・・・・・どう・・・・・して・・・・・・・!?」
('A`) 「うそ・・・・・・・・・だろ・・・・・・・・・?」
ξ゚-゚)ξ 「あんた・・・・・・ブーンに何をしようとしてんのよっ!!」
ツンが、立っていた
('A`) 「な・・・・・んで・・・・・・お前が、いるんだよ・・・・・・・?」
ξ゚-゚)ξ 「電話を寄越したのは、あんたでしょ!? 10分もあればつくわよ!?」
10分・・・・・・・・・?
そんなわけは、ない
たった今、そこで携帯を粉々に砕いたばかりだ
何処をどうやったって、そんなに立っているわけはない
しかし、ツンは確かにそこに立っている
それは、紛れもない、事実だ・・・・・・・・・
( ^ω^) 「ツ・・・・・・ン・・・・・・・・・・・・ありが・・・・・とう・・・・」
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・
毒男を押しのけ、ツンはブーンの手を握る
ξ゚-゚)ξ 「ねぇ・・・・・!! ねぇったら・・・・・・!!」
( ^ω^) 「あ・・・・・・・・・・・・・・・・ツン・・・・・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「なに・・・・・? 何・・・・・・? 来たわよ? アタシはここにいる・・・・・」
握り返す力は弱々しい。繋いだ手が離れないよう、ツンは殊更に力を入れる
しかし、それでもなお、ブーンの手はツンの手からほどけて落ちた
ξ゚-゚)ξ 「あ・・・・・・・・・・・・・・・・」
落ちた手は、掛け布団の中に、もぐりこむように入っていく
ツンは慌ててふとんをどけ、ブーンの手を追おうとする
ここで、ここで離したら、もう二度とつかめない気がして・・・・・・
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・これ・・・・・・・・・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・・・?」
掘り出し、再び握ろうとしたブーンの手には、いつのまにか小箱が握られていた
―――――――――時間は、遡る――――――――
ブーンは歩いていた
安物のコートは重いばかりで首筋がいやに寒い
(;^ω^) 「あたらしいのが欲しいお・・・・・・・・・・」
ぶるるっ、と身体が震える
新しいコートを買うお金は十分にある。そのために、夏から貯金をしていた
しかし、そのお金は使えない
昨日の、ツンとの会話を思い出す
ξ゚-゚)ξ 「ねぇブーン、クリスマスって、暇?」
(;^ω^) 「・・・・・それは新手の嫌味かお? どうせ暇だお・・・・・」
ふてくされるブーン
お世辞にもいい顔をしているとは言えないブーンに、クリスマスの予定などあるわけが無い
そんなことは、ツンだってわかっているはずだった
ツンはブーンの答えにニヤニヤと笑い、そうなんだ、と呟く
( ^ω^) 「それがどうかしたかお?」
ξ゚-゚)ξ 「んー? そうねぇ、それじゃあ、うちに来ない?」
(;^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・へ?」
生まれて初めての、女の子からの誘いに、ブーンは硬直してしまった
しかも、その誘ってくれたのが、密かに想っていた人ならば、なおさらだった
そんなブーンのリアクションに、ツンは顔を真っ赤にして弁明をする
ξ///)ξ 「か、勘違いしないでよねっ!?」
「ちょっと・・・・その・・・・・ホームパーティーの人数あわせなんだからねっ!」
(;^ω^) 「へ・・・・? ・・・あ、なんだ、そういうことかお・・・・・・・」
少々、がっかりする、と同時に、いくらなんでも、とも思う
( ^ω^) 「あ、でも、数合わせでもぼくがそんな、ホームパーティーなんかに・・・・・・・」
ξ#゚听)ξ 「ピキッ・・・・・なんか、で悪かったわね・・・・・・・・!!」
(;^ω^) 「いやいや!? そういう意味じゃないお!?」
なにやらブーンの言い回しを、悪い方に曲解したツンに慌てて今度はブーンが弁明すると・・・・
ξ゚听)ξ 「そういう意味じゃない? なら、文句は無いのよねっ?」
(;^ω^) 「へっ!? いや、なんで!? なんでそうなるお!?」
ξ#゚听)ξ 「やっぱりなんかいやなことでもあるのねっ!?」
(;^ω^) 「ちょ・・・・・・どうどうめぐり・・・・・・・!!」
そんなやりとりを何度か繰り返した末
ブーンはツンの家に、クリスマスにお邪魔する事となった
('A`) 「・・・・・・よし、お前がアホなのはよく理解できた」
(;^ω^) 「あ、アホって・・・・・・・・ひどいお?」
(´・ω・`) 「気がついてないんだね・・・・・・? ・・・ハァ・・・・・」
ツンの誘いのことを、ブーンは親友の二人に相談していた
結果は、上のような回答だった。ブーンはこれ以上にけなされたのだが、それは割愛する
(#^ω^) 「ぼくのどこがアホだお!?」
ぷりぷりと怒るブーンに、二人はため息混じりに、懇切丁寧に説明を開始
('A`) 「いいか? 普通はな、合コンじゃないんだからな・・・・・・・・・」
(´・ω・`) 「パーティーに、数あわせなんか普通はしないんだよ?」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・そうなのかお?」
「だったら、なんでツンは、あんなこと言ったのかお?」
またもや、二人揃って、こりゃ駄目だ、と、ため息を吐く
('A`) 「ツンのことだ、どうせ照れ隠しだろ?」
(´・ω・`) 「普通に、ただ家に呼びたかったんだってば・・・・・気づきなよ?」
(;^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・ま、まじかお!?」
('A`) 「俺達に相談してよかったな?」
(´・ω・`) 「うん。せっかくのお誘いなんだからさ、このチャンスを活かしなよ?」
( ^ω^) 「活かすって・・・・・・・どうすればいいんだお・・・・・・?」
不安げなブーンとは対照的に、自信満々というか不敵な笑いを二人は浮かべ、声をそろえる
('A`)・(´・ω・`) 「プレゼントに決まってるだろw」
そんな二人のアドバイスを受けて、ブーンは町を練り歩いていた
今まで誰かにプレゼントなんてしたことがない
二人が言うには、何か小物の方がいいらしいが、
(;^ω^) 「小物ってなんだお・・・・・・・?」
そもそもブーンはそう言った概念を持ち合わせていないらしい
とりあえず、服とか家具ではない、ということしか分かっていない
どうしたものかと、アーケードを歩いていたが、気がつけばオフィス街まで来てしまった
( ^ω^) 「・・・・・・・・・ここで探せるのかお?」
くるくると、ハトのように首をぐりぐりと回し、周囲を見回すブーン
すると、一軒の宝石店が目に止まった
(;^ω^) 「ふわぁ・・・・・・なんかすっごいお・・・・・・・・・」
初めて入る本格的な装飾品店に、ブーンは圧倒される
これまでアクセサリーなんて露店でしか見た事がなかったブーンには刺激的だろう
清潔感あふれる白い内装
ガラスケースに綺麗に陳列された指輪、ネックレス、ブレスレット
客が少なく、その少ない客一人一人につく店員
どれもこれも、ブーンには初めてみるものばかりだ
そして、これもまたブーンにショッキングだったのが
(;^ω^) 「値段・・・・・・・・・・ゼロが一つ多くないかお・・・・・・?」
露店と比べて、十倍百倍の値段の品々にひるむ
これでは降ろした貯金でも足りないかも知れない・・・・・・
店員 「なにかお探しですか?」
( ^ω^) 「ふわっ!?」
ブーン、びびりすぎだってば
(;^ω^) 「あ、その・・・・クリスマスのプレゼントを・・・・・・・・・」
もじもじと、変に緊張しながら言うブーンの様子に、店員が何か気づく
店員 「・・・・・・・彼女さんに、ですかw?」
(;^ω^) 「いや!? あ、でも、その! あくぁwせdrftgyふじこぉlp;!!」
店員 「あははwww、そんなに照れなくてもいいですよ?」
「それで、ご予算はどのぐらいで・・・・・・?」
聞かれ、ブーンが答えた数字に、店員は顔をゆがめる
店員 「うーん・・・・・それだと、ちょっと、厳しいですかねぇ・・・・・・」
(;^ω^) 「や・・・・やっぱり、無理かお・・・・・・・・・?」
大袈裟に肩を落とすブーン。その姿がよほど哀れだったのか
店員 「いや・・・・・・・うん、それじゃ、少しサービスしましょうかw」
( ^ω^) 「え!? いいのかお!? ありがとうだお!!」
店員の手を握り、ぶんがぶんがと上下に振るブーンは子供のように喜んでいた
店員 「これなんかが、一番手ごろですね」
(;^ω^) 「ゆ、指輪・・・・・・・・・?」
いくらなんでも、それはクリスマスプレゼントには重過ぎないだろうか?
店員 「はは、確かにw ・・・・・でも、そのぐらいでちょうどいいと思いますよ?」
いい歳して、こんなにウブな青年には、このぐらいのインパクトが必要だ
そう、店員は思ったのではないのだろうか
ブーンも、店員が悪戯にそれを薦めているわけではないことはわかるし
それどころか、こちらに対する気遣いすらも感じる事ができた
( ^ω^) 「わかったお! それじゃ、それくださいだお!」
店員 「はいw あ、サイズがあいませんでしたら、持って来て下さい。直しますから」
( ^ω^) 「わかったお! 本当にありがとうだお!!」
会計を済ませ、指輪をラッピングしてもらおうとした、その時・・・・・・・・・
強盗1 「騒ぐな・・・・・・! そこらにある宝石をすべて寄越せ!!」
(;^ω^)・店員 「!?」
拳銃と金属バットで武装した集団が突如乱入してきた
店内に悲鳴が上がる
店の前に黒いバンを駐車し、乗り込んできたのは三人
いずれも黒尽くめの男たちであった
拳銃を突きつけられたお客たちは、みなスミに固まって縮こまり
店員達は、ガタガタと震えていた
強盗1 「いいか? 抵抗しなければ、何もしない。保証しよう」
強盗2 「さっさとこの袋に詰め込め。・・・・・・俺らも殺しはやりたくないんでね・・・・w」
ニヤニヤと笑う男の台詞は、ハッタリには聞こえなかった
言われるがままに、店員達は、宝石を袋に放り込んでいく
強盗3 「おい、ショーケースの上に一つ残っているじゃないか?」
( ^ω^) 「!?」
次々と宝石が持ち去られる中、黒尽くめの一人が、ブーンの指輪に目をつけた
ラッピングこそされていないが、小箱にはすでに入れられているそれは
高価なものかもしれない、そう男は思ったのだろう、手にとろうとする
が、
(#^ω^) 「それはぼくのだおっ!!!!」
強盗3 「うわっ!? なんだお前は!?」
飛び掛り、男の手から指輪を取り戻そうとするブーン
だが、なぜか男は拳銃を使おうとはしない
(#^ω^) 「返すおっ!!」
強盗3 「くっ・・・・・・なんなんだよ・・・・・・・!?」
それは、絶対に渡すわけにはいかない・・・・!!
初めて、好きな人に送ろうとしたプレゼントを
店員さんが、好意からサービスしてくれた思いやりの品を
毒男とショボンが、考えてくれた、嬉しいアイデアからの品を
こんなやつらに、取られたくなんかない・・・・・・!!
(#^ω^) 「これだけは・・・・・・・・ゆずれないおっ!!」
強盗1 「バカ野郎っ! とっととずらかるぞ!!」
後ろから・・・・・・声がした、と思ったときには、もう遅かった・・・・・・・・
ゴギッ!! ・・・・・・・・・・・どさ・・・・・・・・・・・
( ^ω^) 「かっ・・・・・・・・・・・・?」
振り上げられたバットは、ブーンの後頭部を襲い
鈍い音を立て、そしてそのまま、ブーンは崩れ落ちていった
痛い・・・・・・・・・・あれ・・・・・・・・・?
なんだか・・・・・・頭が生あったかい・・・・・・・・・・・・・
ぬれてる・・・・・・・・・のか・・・・・・・・・な・・・・・・・・?
強盗3 「お・・・・・・おい、やばくねぇか・・・・・・・・・?」
強盗1 「こ! こ、こ、こいつが、わるいんだ・・・・・・!!」
なんだか・・・・・・・・慌てた声が・・・・・・・・・聞こえる・・・・・・・・・
強盗2 「ちっ・・・・・・! もういいから、とっとと車にのれ!」
強盗3 「あ、ああ・・・・・・・・・・・」
強盗1 「ち、ちち、ち、ちくしょう・・・・・・お、おれは、わるくねぇぞ・・・・・・!?」
どたどた・・・・・・・・・うるさいなぁ・・・・・・・・・・・・・
あ・・・・・・・・・ゆびわ・・・・・・・・・・どうした・・・・・・・お?
あ、よかった・・・・・・・ちゃんと・・・・・・・・・・もってた・・・・・・・・
きっと・・・・・きっと・・・・・・ツンに・・・・・・・・似合う・・・・・・・・・・
そこで、ブーンの意識は、真っ黒な闇へと、落ちていった
震える客と、悲鳴をあげる、店員達
そして、うごかなくなったブーンだけが、騒々しさから、とりのこされていた・・・・・・
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・・・・これ・・・・・・・・・・・」
そう言って、ブーンは小箱の蓋を開ける
カパッ、と開いたその中には、小さい指輪がひとつ
中心にダイヤのように水晶をあしらったそれは、決して豪華ではないが
品のある、シンプルなつくりであった
ξ゚-゚)ξ 「これ・・・・を? アタシに、渡すために・・・・・・・・・?」
( ^ω^) 「つけ・・・・・・・・・・・・て・・・・・・・・・・・・」
言われるままに、ツンは指輪を手に取るが、どの指に合うのかわからない
ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・・」
少しだけ、考え、順にためしてみることにした
人差し指・・・・・・・・・・・・・・入らない
中指・・・・・・・・・・・・・・入らない
ξ゚-゚)ξ 「あはw・・・・・・・ダイエット、した方が、いいかも・・・・・・ね」
もしかしたら、という不安がよぎる
最後に残った薬指、これで入らなければ・・・・・・・・・・・どうしよう・・・・・・
そんな不安が、頭をよぎる
何故だか、緊張する・・・・・・・・・・
ブーンがくれたプレゼントの指輪
まさか、それを、薬指にはめることになるなんて。その意味を、つい考えてしまう
状況は、決して楽観的なものではない
だがそれでも、嬉しく、そして・・・・・・・・・不安に思う
ξ゚-゚)ξ (もし、これが入らなかったら・・・・・・・)
ブーンとの、絆が切れる。そんな、予感がする
ξ゚-゚)ξ (ううん、そんなことはない・・・・・・・・・・・・!)
指輪は入るし、それに、ブーンとの絆が、切れるわけがない
自分に言い聞かせ、指輪をはめようと、爪のところへと持っていく
ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
だが、どうしても・・・・・・・・・そこから降ろせない
どうしても・・・・・・・・・・踏ん切りがつかない
だから、ツンは言った
ξ゚-゚)ξ 「ブーン・・・・・・貴方の手で・・・・・・つけてくれない・・・・・・?」
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・
( ^ω^) 「わかっ・・・・・・・・・た・・・・・・・・・・お・・・・・」
ξ゚-゚)ξ 「うん・・・・・・・・・・・お願い・・・・・・・」
ブーンは、指を震わせながら、力を振り絞りながら、指輪をつまむ
ツンは、ブーンが支えてくれる指輪の下に、自分の薬指を置き、待つ
ブーンの手から、滑り落ちるように、指輪が、ツンの指へと降りていった
しかし・・・・・・・・・・・・・・・
ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱり、ね」
指輪は、第二間接のあたりで、止まってしまった
それ以上は、多分無理矢理にでも押さない限り、入らないだろう
ツンは、力なく、ブーンに笑いかける
ξ゚-゚)ξ 「あはw・・・・・・やっぱり、ダイエット、してみる・・・・・・・・」
「それでね? ・・・・・・クリスマスには、絶対、間に合わせるから・・・・・」
そのときにまた渡して、そこまで、言い切る前に
ツンの途中で止まった指輪を見つめ、ブーンは微笑み・・・・・・・・
( ^ω^) 「ツン・・・・・・・・・キレイ・・・・・・・だお・・・・・」
「ずっと・・・・・・ずっと・・・・・・・すきだ・・・・・・・った」
パサリ・・・・・・・・・・・・・・・・・と、ブーンの手がベッドからこぼれ・・・・
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・・・・・・・・・? ブー・・・・・・ン・・・・・・・?」
ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピーーーーーーーーーーーーーーーー
ξ゚-゚)ξ 「え・・・・え・・・・・? え・・・・・・・・・・・・!?」
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」