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No 179
Date 2008・06・09・Mon
ミセ*゚ー゚)リある雨の日のようです 第九話ミセ*゚ー゚)リある雨の日のようです 第九話
01. ミセ*゚ー゚)リ「独りになるのが寂しい」 ずっと言えなかった事。 まだ先の事。 でも、いつかは来てしまうその時の事。 そんな事を、一旦考え出したら止まらなくなって、寂しさを堪え切れなくなった。 私は、この雨の季節にずっと考えていた事を全てトソンに話した。 (゚、゚トソン トソンは黙って聞いている。 時折見せる相槌と、まじめな面持ちから真剣に聞いてくれているのが伝わる。 ミセ*゚ー゚)リ「トソンにはブーンちゃんがいて」 いつもそばに。 ミセ*゚ー゚)リ「皆にもそれぞれいっしょにいてくれる人がいる」 いつもいっしょに。 02. ミセ*゚ー゚)リ「でも、私にはいないんだ」 誰もいない。 ミセ*゚ー゚)リ 何故か私の笑顔は崩れず、瞳が潤む事もなかった。 どうしてなのかわからない。 とても悲しいのに。 とても寂しいのに。 どうしてだろう。 (゚、゚トソン ねえ、どうしてかな? 03. どうして何も言わないの? いつもみたいにバカにしてよ。 散々バカにして、それで最後に呆れたように答えを教えてよ。 (゚、゚トソン ねえ…… (-、-トソン「そうですね」 ミセ*゚ー゚)リ (゚、゚トソン「確かに、我々は大学を出たら今までの様にはいかないでしょうね」 物理的な距離が皆を分かち、束縛される時間がそれを許さない。 でも、私達はいっしょで、離れていても友達だ。 いつかのあの夕焼けの下、ブーンちゃんに告げた同じ言葉。 04. うん、トソンの答えはわかってた。 そんな答えを出せたから、ブーンちゃんを笑って送り出せたのだ。 トソンは強い子で、自分がやるべき事をわかっている。 でも、私は…… ミセ* ー )リ「私は……」 (-、-トソン「でも、まあ、寂しい物は寂しいですね」 ミセ*゚-゚)リ「え?」 (-、-トソン「ブーンの時は絶対帰ってくると信じてましたが、 今回のはそういう話ではないですからね」 明確な意思を持って離れる。 自分の目的、夢の為、叶える為にそれぞれの道を行く。 トソンはそう言葉を続ける。 05. ミセ*゚-゚)リ「トソンは平気じゃないの?」 ブーンちゃんがいるから、寂しさも紛らわせると思ってた。 (-、-トソン「寂しいに決まってるじゃないですか」 (-、-トソン「貞子のご飯が食べられなくなるし」 それは私にとっても死活問題だ。 (-、-トソン「ヒートちゃんといっしょに走ったり出来なくなるし」 いや、お前いつも付いて行けなかったじゃん。 (-、-トソン「デレの奇行も楽しめなくなりますし」 あれ、楽しんでたんだ。困らせられてるとばかり思ってた。 (-、-トソン「ツンちゃんに助けてもらえなくなるし」 なんだかんだで一番気がつく子だよね、ツンちゃん。 (-、-トソン「そして──」 そして? 06. (゚、゚トソン「あなたとバカやって笑いあう事も出来なくなりますしね」 ミセ*゚-゚)リ (゚、゚トソン「友達と離れるのは皆辛いのですよ」 私に限らず、デレ達皆も。 トソンはそう言ってまた目を閉じた。 ミセ*゚-゚)リ ああ……。 やっぱり私はバカだな。 比較論で語って、自分だけが不幸みたいに思い込んで。 皆だって寂しい。 それが当たり前なのだ。 皆、友達だから。 私達は皆、いっしょだったから。 07. ミセ* - )リ「……ご」 (-、-トソン「──ご?」 搾り出した私の言葉を、すぐさまトソンは遮る。 どうにも見透かされているようだ。 ああ、そうだったね。 ごめん。 謝るのは心の中だけにしとくよ。 謝るような話じゃないんだよね。 私が、いつものようにバカやっただけ。 ミセ*゚ー゚)リ「ご冗談を」 (゚、゚トソン「何がですか?」 ミセ*゚ー゚)リ「トソンはバカやんないじゃんか」 08. ミセ*-ー-)リ「私やデレがバカやるのをいっつも呆れて眺めてるだけ」 ミセ*゚ー゚)リ「ノリ悪いんだよ」 (゚、゚トソン「私までバカやったら誰が収拾つけるんですか」 ミセ*゚ー゚)リ「ツンちゃんかな?」 (゚、゚トソン「……確かにまあ、ノリは悪いかもしれませんが」 ミセ*゚ー゚)リ「悪いね」 (-、-トソン「私も一応、楽しんでいるのですよ」 あなたやデレ、みんなといっしょに騒ぐ事を。 バカやって、怒って、でも、笑って。 トソンはそう言って、口の端を緩めた。 (゚ー゚トソン 09. ミセ*゚ー゚)リ「ハハ……」 (゚、゚トソン「あなたの悩んでた事はわかりました」 気付いてあげられずすまなかったとトソンは言う。 私がこういった話で謝ると怒るくせに、自分はさっさと謝っちゃうもんな、トソンは。 ずるいと言うか、そういうのがトソンなんだって納得してしまう。 ミセ*゚ー゚)リ「まあ、わかりきってた事を今更悩んでるのがあれなんだけどね」 (゚、゚トソン「確かに、寂しい話ではありますが……」 ミセ*゚ー゚)リ「うん、わかってる」 ミセ*-ー-)リ「未来に潰されて、今を楽しめないんじゃ意味ないもんね」 そう、楽しい今を。 皆がいて、私がいて、輝いている今を。 皆で笑いあえる大切な今を。 (゚ー゚トソン「そうですね……」 10. ミセ*゚ー゚)リ「よし、話したら何かすっきりした」 ミセ*゚∀゚)リ「私も色々見つけよう!」 (゚、゚トソン「夢を探す手伝いなら、私や皆も──」 ミセ*゚ー゚)リ「あったり前じゃん。最初っから当てにしてるよ」 ミセ*-ー-)リ「面白そうな話あったらじゃんじゃん持ってきてくれたまえ」 (゚、゚トソン「全く……調子のいい事ですね」 ミセ*゚ー゚)リb「それが私だもん。でしょ?」 そう言って私はトソンに親指を立てて笑いかけた。 トソンはいつもの呆れたような、でも私にはわかる笑みで返してくれる。 (゚ー゚トソン「まあ、ミセリはミセリですからね」 それがあなたなのだと。 うん、それが私なんだ。 11. ミセ*゚ー゚)リ「うん、そんなとこで私の話はおしまい」 (゚、゚トソン「実質は何も解決していないのですけどね」 ミセ*゚ぺ)リ「蒸し返すなよ」 確かに何も解決していない。 状況的には、何も変わっていないのだ。 でも…… ミセ*゚ー゚)リ「私の中ではちょっぴり整理がついたんだよ」 (゚、゚トソン「……それならばいいのですよ」 話を聞いた甲斐があったとトソンは言う。 もちろん、聞いてもらって私は助かったんだ。 甲斐どころじゃないと思って欲しい。 12. ミセ*゚ー゚)リ「んじゃ、まあ、もう1つ甘味でも」 (゚、゚トソン「まだ食べるのですか? 太りますよ?」 ヽミセ*゚ー゚)リノ「ちょっとくらい肉ついても大丈夫だと思わない?」 (゚、゚トソン「晩ご飯が入らなくなりますよ?」 ミセ*゚ヮ゚)リ「甘い物は別腹ですよ」 とは言え、そろそろトソンも帰りたいだろう。 何はなくともブーンちゃんの所へ。 それを察せられないほど無粋ではない私は、場所を借りたショボンさんへのお礼と、トソンを借りたブーンちゃんへのお礼に大量の饅頭を買って帰る事にした。 (´・ω・`)「毎度あり。お礼とか気にしなくていいのに」 □ミセ*゚ー゚)リ□「私が食べたいってのもあるんですよ」 □ミセ*゚ー゚)リ□「ブーンちゃんへのお土産も」 13. (゚、゚;トソン「……にしても多すぎでしょう。外は雨なんですし」 (´・ω・`)「あ……それなら……」 ミセ*゚ー゚)リb「チッチッチ。こういう時はね──」 私は指を振り、庶凡屋の入り口の勢いよく開けた。 (゚、゚トソン「ああ……」 ミセ*゚∀゚)リ「雨は上がってるものと相場は決まってるのだよ」 私の心の雨と共に。 空はまだ雲に覆われている。 でも、雨は止んでいた。 長い雨もきっといつかは止んでくれるのだ。 ・・・・ ・・・ 14. □ヽミセ*゚∀゚)リノ□「たっだいまー!」 (〃^ω^)「おかえりーだお!」 (゚、゚;トソン「自分の家の如く……ただいま、ブーン」 (〃^ω^)「おかえりだお、トソン!」 ミセ*゚ー゚)リ「まあまあ、細かい事はいいじゃん」 ミセ*゚ー゚)リつ□「はい、ブーンちゃんお土産」 ヾ(〃^ω^)ノシ「おー! おまんじゅういっぱいだおー!」 (゚、゚トソン「すぐご飯にしますから、1つだけにしましょうね」 (〃^ω^)「わかったお。どれにしようかおー?」 ミセ*゚ー゚)リ「やっぱりショボまん? 個人的にはこれもお勧めだけど」 (〃^ω^)「おー、もなかだお。サクサクしてておいしいおね」 (゚、゚トソン「色々買いましたね」 ミセ*゚ー゚)リ「トソンにも、ほれ」 (゚、゚トソン「餡蜜ですか? 有難いですが晩御飯前ですから、後で頂きますよ」 15. (〃^ω^)「僕はもなかにするお! おいしいお!」 ミセ*゚ー゚)リ「おうおう、食べなせえ、食べなせえ」 嬉しそうに最中を頬張るブーンちゃん。 それをいとおしげに見守るトソン。 いつもの2人を見る事が、何だか少し嬉しかった。 時間は止まらない。 限られた時間の中で、私は皆と過ごすしかないのだけど、今はとても幸せなのだ。 刹那的に考えるわけじゃないけど、今は今で楽しみながら、私は私の道を探そう。 進むべき道を、そして私の…… (゚、゚トソン「机の上は片付けておいてくださいね」 ミセ*゚ー゚)リ(〃^ω^)「「はーい(だお)」」 (〃^ω^)「ミセリは自分の席のとこ片付けてお」 ミセ*゚ー゚)リ「オッケー。ブーンちゃんはそっちね」 私の席、私の居場所。 道と共に、私は私の居場所を見つけよう。 ~ 第九話 おしまい ~ - つづく/携帯用分割第十話 - |
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