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No 395
Date 2010・06・08・Tue
ミセ*゚ー゚)リ無題没短編(゚、゚トソンもう季節過ぎちゃったし、何か書く気なくなった没短編です。
例によって途中までなのでお気を付けください。 -01>>>>>>>>>>> (゚、゚トソン「……今年は桜の咲くのが遅いですね」 4月吉日、好天に恵まれ程よい陽気の最中、私は何の気なしに散歩に出かけました。 それなりに世間は多忙を極める時期なのでしょうが、大学生の私は長い春休みを満喫する所かもてあます位に暇でした。 ミセ;゚ー゚)リ「遅いというレベル通り越してる気がするな……」 同じ様に暇を持て余していたのか、近所の公園中で大学で同じクラスのミセリとばったり出会いました。 どちらかといえば現代っ子だと思っていたミセリが、特に目的もなく散歩に出かけるタイプだとは思わなかったので少し 意外に思いはしたものの、暇を持て余した者同士、特に示し合わせるでもなくなし崩し的に道を共にしていました。 (゚、゚トソン「ですね。流石に一輪も咲いていないのはどういう事でしょうね……」 そう言って私は眼前の桜の木を見上げます。 花芽らしきものは見て取れるものの、そのどれもが、間もなく咲きそうなぐらいに膨らんでいるという感じではありません。 ミセ*゚ー゚)リ「これも最近多い異常気象ってやつのせいかな?」 (゚、゚トソン「どうなのでしょうね」 周りを見渡しても、この桜だけでなく、どの桜も花が咲いていないようです。 どの桜も目の前の桜と同じ様に、花が咲く気配が全く感じられません。 -02>>>>>>>>>>> (゚、゚トソン「この陽気が続けば、咲いてもおかしくはないはずなのですが」 私の言葉にミセリは桜の木の真下に行き、木肌に手を当てて見上げます。 ミセ*゚д゚)リ「うーん、咲いてない以外は普通に見えるね……」 樹木の鑑定が出来るわけでもないのでしょうが、確かにミセリが言うように見た目にはおかしい所は見受けられません。 これがまだ真冬なら、これといって不自然さを感じなかったでしょう。 (゚、゚トソン「しかし、もう4月ですからね……」 ミセ*゚ー゚)リ「どんだけ寝坊すけな桜なんだと……」 (゚、゚トソン「錯乱したのですかね、桜だけに」 ミセ;゚ー゚)リ「……今のギャグ? 折角暖かくなって来たのにまた寒気がしたんだけど」 私の高尚なギャグセンスがわからないミセリはさておき、寝坊すけという表現はあながち間違いないかもしれませんね。 桜は前年の夏の間に花芽をつけ、一旦休眠に入ります。 それで寒い季節を経て、再び暖かくなるとそれに呼応するように目覚めて花を咲かすというメカニズムです。 -03>>>>>>>>>>> (゚、゚トソン「それを休眠打破というのですが……」 ミセ;゚ー゚)リ「眠々打破? またくだらないギャグ?」 (゚、゚;トソン「今度は冗談ではありませんよ……」 あの商品自体がそれをもじったものなのでしょうが、時として元々のものより有名になる事もあります。 とはいえ、意図が伝わっていれば些細な言葉の意味など今はどうでもよい事なので深くは追求しないで止めて置きます。 ミセ*゚д゚)リ「うーん、やっぱり見てもわかんないね……」 さも、もっともらしい仕草で調べてた割には、ただ眺めていただけの私と同じ結論に落ち着いたミセリが、こちらに意見を求めてきます。 当然、私の結論もよくわからないという所に辿り着いているので、首を傾げて返しました。 ミセ*゚ー゚)リ「知ってそうなタイプに見えたんだけど、やっぱわかんないか」 (゚、゚トソン「私がどんなタイプに見えていたのか気になりますが、残念ながら植物には詳しくないです」 精々、街路樹のいくつかの名前がわかる程度だと私が言うと、ミセリからは十分詳しいという答えが返って来ました。 その辺りは一般常識レベルだと思っていたのですが、人によってはそうでもないのでしょうか。 街路樹などはネームプレートなどが備え付けられている事が多いですし、自然に覚えそうなものですが。 -04>>>>>>>>>>> ミセ*゚ー゚)リ「そのネームプレート自体見ないと思うよ」 街路樹に注意を払って歩く事はないし、そんなものに目を向ける事はないとミセリは言います。 私はそういうものかと曖昧に頷き、注意を桜に戻しました。 (゚、゚トソン「別に、桜が咲かないからといって日常生活に差し障りが出てくるわけでもないのですが……」 私はまた桜を見上げます。 春空の下、冬の様相を呈した枝がわずかに吹いている風に揺れています。 (゚、゚トソン「それはそれで寂しいものですね……」 私の言葉に同意するようにミセリが頷いたのが気配でわかりました。 (゚、゚トソン「……」 大学生として、いえ、大学生でなくとも普通に生活する上では、桜に限らず公園の木がどうであろうとこれといって不都合がある わけでもありません。 極端な話、このまま花が咲かず、必然的に次のステップに移れずに立ち枯れしたとしても、私の日常に与える影響はないと言っても 過言ではないでしょう。 -05>>>>>>>>>>> 長い目で見れば、立ち枯れした木の撤去、新しい木の植樹等は我々が払う税金の中から負担され、木が減る事での二酸化炭素の増加など、 影響がないわけでもないのですが、この公園の桜だけなら微々たるものです。 ニュースで見ましたが、南の方の県等はもう桜は咲いており、日本全国で桜が咲いていないというわけでもないようです。 将来的に私がこの町にいるとも限りませんし、やはり影響はないと思う方が正しいのでしょう。 (゚、゚トソン「とはいえ……」 ミセ*゚д゚)リ「春に桜が咲かないとなんか物足りないなぁ……」 今度はミセリの言葉に私が頷きます。 風物詩たる桜が咲かない春など、物心ついてからは一度足りとも見た事がないからでしょうか。 春といえば桜。 この季節になれば、町を歩けば必ずどこかしらで目に入りました。 一応、テレビのニュースなどで目にはしましたから、全く見てないわけでもないのですが、やはりこの目で見ないとどうにも物足りないの かもしれませんね。 -06>>>>>>>>>>> ミセ*゚ー゚)リ「よし、じゃあ、原因を探ってみよう」 (゚、゚トソン「は?」 そんな事を話していると、突然ミセリがわけのわからない事を言い出します。 植物学はもちろんの事、気象など自然科学の専門家でもない我々がどうやってその理由を知り得るのか、深く考えなくてもわかるはずです。 それが不可能だという事は。 ミセ*゚ぺ)リ「それは調べてみないとわかんないじゃん?」 (゚、゚トソン「その、何を調べれば良いかすらもわからないのですが」 私がそう言うとミセリは言葉につまり、顎に手を当てて何事かを考え出します。 それほど親しい間柄でもありませんが、講義中の爆睡具合や試験前に手当たり次第にノートを借りていた所を見るだけでも、その人となりは 察せられます。 ミセ*゚∀゚)リ「そうだ! あの人に聞いてみよう!」 何事かを思いついたのか、ミセリは携帯電話を取り出し、電話をかけようとしています。 (゚、゚トソン「誰かこの状況を解明出来そうな知り合いでもいらっしゃるのですか?」 -07>>>>>>>>>>> ミセ*゚ー゚)リ「うん、いるよ。ほら、3年のシュー先輩」 つ】 (゚、゚トソン「シュー先輩……というとあの?」 ミセ*゚ー゚)リ「そう、あの、変人大王」 つ】 ピッ < バカサバイバー イキノコレコレ~♪ (゚、゚;トソン「え?」 ミセリが携帯のボタンを押した瞬間、背後から音楽が聞こえてきました。 それが何を意味するのかを理解するよりも早く、背後から声が届きます。 lw´‐ _‐ノv】「変人とは失礼な。馬鹿のくせに」 ミセ;゚д゚)リ】「うえ!? シュー先輩? 何でここに?」 lw´‐ _‐ノv】「何故と言われれば何故だろう。通りすがりの女子大生としか答えようがない」 (゚、゚;トソン「いや、お2人とも電話で話す意味はないでしょう?」 -08>>>>>>>>>>> 噂をすれば影がさすというものでしょうか。 あまりにも良すぎるタイミングでシュー先輩が現れました。 とはいえ、同じ大学の学生で、シュー先輩もこの近くに住んでいるであろう事を考慮すればそう不思議な状況ではないと納得はいきます。 深く考えるまでもなく偶然で片付けても問題はないと判断し、折角ですからシュー先輩に先ほどまで話をしてみようかと思います。 ミセ;゚ー゚)リ「つーか、何スか、あの着歌?」 lw´‐ _‐ノv「馬鹿からの電話だとわかりやすくしてるだけじゃないか。どこに疑問を挟む余地がある?」 意外にも、ミセリとシュー先輩はそれなりに親しい模様です。 同じ学科とはいえ、2年も違えば同じ授業になる事はまずありません。 となれば接点は、恐らくサークルかバイトかそういった類になるのでしょう。 ミセ*゚ー゚)リ「サークルの関係でちょっとね」 lw´‐ _‐ノv「この馬鹿が私のサークルに入りもしないのにだべりに来るのでな」 やはり私の予想したような関係でしたが、一部違う部分もあったようです。 頻繁に遊びに行くのならそのサークルに入れば良さそうなものですが、私がそう言うとミセリは眉をひそめます。 -09>>>>>>>>>>> _, ミセ*゚ー゚)リ「だって、何か怪しげなサークルなんだもん」 lw´‐ _‐ノv「怪しげとは失敬な。うちのサークルは3年もの伝統ある由緒正しきサークルだぞ?」 (゚、゚;トソン「設立3年で伝統あるとはあまり言わないと思いますが……」 先のミセリの言葉にもありましたが、このシュー先輩という方は一言で表せば変わった方と言う外はありません。 言動や行動が掴めないと言うか何と言うか、どうにも予測し辛い行動を取る方です。 現在話題に上がっているサークルも、確か…… (゚、゚;トソン「オカルト物理学研究会でしたっけ?」 lw´‐ _‐ノv「いんや、今は6畳1間の桃源郷を探す会だ」 ミセ;゚ー゚)リ「その、週ごとにサークル名変えるの止めません?」 考えても無駄なようなので、サークルの話はひとまず置いておき、シュー先輩が何をしていたのか聞く事にします。 lw´‐ _‐ノv「何と言われればそれはサークル活動に決まっておろう」 ミセ*゚ー゚)リ「その唐変木とやらを探してたんですか?」 (゚、゚トソン「それは私の隣にいますので、桃源郷ですね」ミセ*゚ー゚)リ ? -10>>>>>>>>>>> lw´‐ _‐ノv「この唐変木より、君との方が気が合いそうだ。確か都村君だったね」 (゚、゚トソン「トソンで結構です、シュー先輩。お噂は予々……」 私達は簡単な挨拶を交わし、先ほどミセリによって邪魔された話をシュー先輩に振ってみます。 すると、どうやらシュー先輩もその事が気になってここにいる事がわかりました。 lw´‐ _‐ノv「桜が咲かないといつまで経っても桃源郷に辿り着けないからな」 (゚、゚;トソン「桜と桃源郷とどういう関係が?」 lw´‐ _‐ノv「どうって、桃源郷に咲き誇る花といえばまず何を思い浮かべる?」 ミセ*゚ー゚)リ「桃じゃないっスか、“桃”源郷だし?」 lw´‐ _‐ノv「……」 (゚、゚トソン「……」 ミセ*゚ー゚)リ「?」 -11>>>>>>>>>>> lw´‐ _‐ノv「日本人がまず花といって思い出すのは桜、よって桃源郷に咲き誇るのも桜以外考えられないのだよ」 ミセ;゚ー゚)リ「いや、だから桃……」 珍しくまともな指摘をしたミセリの言葉を全く聞く様子もなく、シュー先輩は胸を張り、そう宣言されます。 桃源郷自体、日本ではなく中国発祥の概念ですが。 とはいえ、ここで桃である事を言い張って、シュー先輩が桜に興味を失っては意味がないので、私はミセリに首を振ってみせました。 (゚、゚トソン「それで、何かおわかりになられたのですか?」 lw´‐ _‐ノv「いや、これから調べるとこ」 そう言ってシュー先輩は先ほどミセリがしたように、木肌に手を当てて上を見上げます。 ミセ*゚ぺ)リb「別にどこも腐ってたり傷んだりしてる様子はないんですよね」 lw´‐ _‐ノv「ふむ……では、栄養が足りんのかね?」 (゚、゚トソン「栄養ですか?」 気温こそ極端に暑かったり寒かったりの異常な気象を示しましたが、天気自体はほどほどに晴れ、ほどほどに雨とそれなりでした。 日光という意味での栄養なら存分に足りてそうですが、土地自体が痩せているのならその限りではないのかもしれません。 -12>>>>>>>>>>> lw´‐ _‐ノv「うむ、土の線はあるかもしれんね」 シュー先輩はしゃがみ込み、地面を手で掘り返します。 見ただけでそれが痩せているのかどうなのかわかるのか疑問ですが、シュー先輩は掘り返した土を手のひらに乗せ、観察しています。 lw´‐ _‐ノv「……取り敢えず栄養をあげてみるか」 ミセ*゚ー゚)リ「肥料でも撒くんですか?」 lw´‐ _‐ノv「そうだな……」 そう言ってシュー先輩はおもむろに立ち上がり、履いていたスカートの下に手を入れ── (゚、゚;トソン「ちょ、ちょっとお待ちください!」 lw´‐ _‐ノv「何かね、トソン君?」 (゚、゚;トソン「今、何をなさるおつもりでしたか?」 lw´‐ _‐ノv「ん? 何って桜に肥料……」 ミセ;゚д゚)リ「いや、流石にそれは色々とまずいですから止めましょうよ!」 どうやら事態に気付いたらしいミセリも私に並び、シュー先輩を必死に止めます。 -13>>>>>>>>>>> lw´‐ _‐ノv「何故だ? どこか間違ってるか?」 間違いかと言われると厳密に間違ってると言えない気もしますが、何と言いますか、色々と人として女性としてどうかと思いますので……。 と言うか、確実にこちらにも同じ行動を求められそうなのでそれは勘弁願いたいです。 d(゚、゚;トソン「わ、わかりました、別の良い手があります」 私はなおも不服そうな顔をみせるシュー先輩に別の提案をします。 d(゚、゚;トソン「桜が綺麗に咲くのは死体が埋まってるからだという話がよくありますので、ミセリを埋めてみましょう」 ミセ;゚д゚)リ「いや、急に何言い出すの!?」 lw´‐ _‐ノv「それだ!」 ミセ;゚д゚)リ「それだ、じゃねぇぇぇぇ!」 埋める、埋めないの押し問答を繰り広げるシュー先輩とミセリを見て、ひとまずシュー先輩の注意をそらす事に成功した私は ほっと一息つきます。 (゚、゚トソン「……」 見上げると桜は、わずかに花芽らしき塊をつけた白に近い灰色の枝を風に揺らしています。 何とも寂しげな光景だと、私は改めて残念に思います。 -14>>>>>>>>>>> ミセ;゚д゚)リ「埋められてたまるかぁぁぁぁ!!!」 (゚、゚トソン「あ……」 叫び、シュー先輩を振り切るように走り出したミセリですが、2人がじゃれあっていたのは桜の木のすぐそばです。 振り向くと同時に走り出したミセリは、すぐ目の前にある桜を避けきれず── ドゴォッ!? ミセ;>д<)リ 「の!?」 見事に桜に激突し、綺麗にひっくり返ります。 リアルにこのようなギャグ漫画のような行動を取る人がいるとは、少し感動ものかもしれません。 lw´‐ _‐ノv「おー……痛そうだな……」 (゚、゚トソン「大丈夫ですか──」 ドサリ | | | (、∀,) -15>>>>>>>>>>> 倒れこむミセリに手を差し伸べた瞬間、それは現れました。 何か軽い物が落ちたような音と共に、樹上から薄いピンク色の人の形をした、人とは思えない不気味な何かが。 それは…… ('A`)「あの……」 ミセ;゚д゚)リ(゚、゚;トソンlw´ ゚ _ ゚ノv「化け物ぉぉぉぉ!?」 ('A`)「いえ、その……」 突然現れた異形の存在に一斉に叫び声を上げる我々3人。 その醜悪な姿に底知れぬ恐怖を感じ私は数歩後退りました。 |
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