最上階「塔と民話のサーガ」
- 2014/06/28
- 18:24
- 塔と民話のサーガのようです
382 : ◆R6iwzrfs6k:2013/09/20(金) 13:27:59 ID:c3X.ALzM0サーガは、終わらない。――最上階「塔と民話のサーガ」...
断章「出入口の国」 2
- 2014/06/28
- 10:22
- 塔と民話のサーガのようです
381 : ◆R6iwzrfs6k:2013/09/20(金) 13:24:19 ID:c3X.ALzM0断章「出入口の国」ξ >⊿<)ξ「きゃあっ!」羽のざわめき。風の音。ξ;゚⊿゚)ξ(な、なに……!?)嵐のような風が吹き荒れるなかで見えたものは、光輝く無数の蝶だった。ξ;゚⊿゚)ξ(どういうこと……?)白い蝶たちは、書斎の壁をすり抜けてどこかへと消えてしまった。一人取り残された私は、ようやく気付く。書斎の本棚にしまわれていた、民話たちがすべてなくなっている...
最上階「神さまに愛された娘」
- 2014/06/27
- 18:20
- 塔と民話のサーガのようです
353 : ◆R6iwzrfs6k:2013/03/04(月) 01:53:32 ID:Qi6qAOSA0その娘の行方を、わたし以外に誰も知りません。――最上階「神さまに愛された娘」...
断章「出入口の国」 1
- 2014/06/27
- 14:19
- 塔と民話のサーガのようです
352 : ◆R6iwzrfs6k:2013/03/04(月) 01:51:22 ID:Qi6qAOSA0断章「出入口の国」静まり返った書斎。私を取り囲む背の高い本棚たち。広さは十分あるはずなのに、息が詰まって仕方がない。まるで牢獄のよう。だから子供の頃は嫌いだった。でも、デレは。ξ ゚⊿゚)ξ「あ、」ふらふらと、蝶が私のもとにやってくる。ξ ゚⊿゚)ξ「……おかえりなさい」そう言いながら、左手を差し出す。手に触れた途端、それは紙に戻る。ξ ゚⊿゚)ξ(……無事でよかっ...
第十二階層「常闇の国」にて、弟者から送られてきたバタフライエフェクトより
- 2014/06/25
- 01:20
- 塔と民話のサーガのようです
331 : ◆R6iwzrfs6k:2013/02/28(木) 17:33:57 ID:0B7VPRSo0兄者へ。前回の報告から時間が経ってしまったけど、俺は相変わらず元気です。兄者も変わらず元気でいるか?ヒートさんとはうまくやっていると俺は信じているけど。お勤めをしていると時間の感覚がわからなくなるから、二人が今いくつなのか、子どもはもう生まれたのか、そういうことが一切わからない。少なくとも多少年は取ってるとは思うんだけど。前書きが長くなってす...
第十一階層「信心深い国」に伝わる民話
- 2014/06/24
- 13:18
- 塔と民話のサーガのようです
298 : ◆R6iwzrfs6k:2013/02/23(土) 12:40:10 ID:5TUghTwk0むかしむかし、あるところに不幸せな国がありました。その国はとても荒れ果てていて、いつも争いごとばかりでした。ある日、その国に神様がやってきました。「どうして、この国はいつも不幸に満ちあふれているのですか」「信じられるものがないからです。親も、兄弟も、なにもかもが信じられないのです」「それは悲しいことだ」「ここはいつでも血と姦淫にまみれておりま...
第十階層「にぎやかな国」後編
- 2014/06/24
- 01:17
- 塔と民話のサーガのようです
265 : ◆R6iwzrfs6k:2013/01/03(木) 23:36:44 ID:rqidrRV20「なにか特別なものを与えよう」それから、神様はたくさん考えて、ヒト達に、不思議な力を与えました。けれどもけっして喧嘩が起きないように、そしてヒト達が助け合って生きていけるように、ある工夫をしました。――第十階層「にぎやかな国」後編...
第十階層「にぎやかなの国」前編
- 2014/06/23
- 15:16
- 塔と民話のサーガのようです
217 : ◆R6iwzrfs6k:2012/11/02(金) 00:35:07 ID:OF3HtC06O特別なものがなんにもなくて、これといって楽しいことも悲しいこともない国がありました。そこに住むヒト達は、なんにも感じずに生きていました。争いはなかったのですが、ヒト同士の繋がりがあまりにもなさすぎたものですから、神様はその国を見ても、なんにも面白いとは思えませんでした。――第十階層「にぎやかなの国」前編...
第九階層「透明な国」
- 2014/06/19
- 09:00
- 塔と民話のサーガのようです
195 : ◆R6iwzrfs6k:2012/10/12(金) 06:30:01 ID:7A6.zx8IOむかしむかし、好奇心旺盛な人しかいない国がありました。彼らはみんな、お互い知り尽くしていたので、知らないことはなに一つありませんでした。彼らは基本的にはお人好しで、誰かが困った時にはすぐに駆け付けて、その人の悩みを解決していました。ある時、国に初めて旅人がやってきました。みんな旅人さんにたくさんの質問をしました。旅人さんはニコニコと質問に答え...
第八階層「名無しの国」後編
- 2014/06/18
- 21:00
- 塔と民話のサーガのようです
170 : ◆R6iwzrfs6k:2012/10/11(木) 11:41:22 ID:pQO/g1JEO残滓が一つしかないって、いつ誰が言った?神様には一瞬でも、ヒトには長く感じる人生だ。生きている時間が多ければ、体に残る記憶も増える。――第八階層「名無しの国」後編...
第八階層「名無しの国」前編
- 2014/06/18
- 09:01
- 塔と民話のサーガのようです
138 : ◆R6iwzrfs6k:2012/10/10(水) 09:07:42 ID:n3lmFAa6O知ってる?名前って、神様がつけてくれたもので、その中にはその人の大切なものが詰まっている。名は体を表すっていうよね。じゃあ、それがなくなったらどうなっちゃうのかな。――第八階層「名無しの国」前編...
第七階層「はくちのくに」
- 2014/06/17
- 21:00
- 塔と民話のサーガのようです
112 : ◆R6iwzrfs6k:2012/10/05(金) 16:27:14 ID:rtFbbAeUOぼくは、よく、わからないです。――第七階層「はくちのくに」...
第六階層「見つからない国」
- 2014/06/17
- 09:00
- 塔と民話のサーガのようです
88 : ◆R6iwzrfs6k:2012/10/05(金) 00:14:18 ID:rtFbbAeUOあるところに、なくしものを見つけてくれる神様のようなヒトがおりました。彼は、どんなものでも見つけることができました。「お金をなくしたんだ」「東の木の根にあるよ」「靴下をなくしてしまったの」「西の石の下にあるよ」「玩具をなくしてしまったの」「北の井戸の底にあるよ」「チョコレートがなくなってしまったの」「南の食いしん坊のお腹の中にあるよ」けれども...
第五階層「病の国」
- 2014/06/16
- 21:00
- 塔と民話のサーガのようです
73 : ◆R6iwzrfs6k:2012/10/04(木) 11:48:54 ID:4r6PmTn6O強きをくじき、弱きを助ける。それなら、みんなが弱ければ神様に助けてもらえるんじゃないか?健康は害だ。今すぐ病め。望んでいなくとも、ヒトはみな平等なのだ。――第五階層「病の国」...
第四階層「笑顔の国」
- 2014/06/16
- 09:00
- 塔と民話のサーガのようです
56 : ◆R6iwzrfs6k:2012/10/03(水) 16:26:05 ID:SFfzYyVoO何も取り柄がなくっても、笑顔は誰にでもできる。そう、笑顔こそ神様が与えてくださった宝。どんなにつらくても、笑いさえあればそれでよし。笑う門には福来る。笑えないのなら……。――第四階層「笑顔の国」...
第三階層「くだらない国」
- 2014/06/15
- 21:00
- 塔と民話のサーガのようです
40 : ◆R6iwzrfs6k:2012/10/03(水) 13:29:30 ID:SFfzYyVoOあるところに、魔法使いの国がありました。みんな優れた魔法を使えるのですが、血の気が多くて、いつも喧嘩をしてばかりでした。神様は何度も仲良くするように言いましたが、喧嘩はますますひどくなるばかり。ですから神様は怒って、彼らから優れた魔法を奪って、代わりの魔法を与えました。それから、魔法使いは喧嘩をしなくなりました。というのも、与えられた魔法は全...
第二階層「学園都市の国」
- 2014/06/15
- 09:00
- 塔と民話のサーガのようです
24 : ◆R6iwzrfs6k:2012/10/03(水) 10:07:18 ID:SFfzYyVoO神様は全知全能の存在だと言われている。ならば、学徒は神様と同等の存在ではないのだろうか?人よ、あくなき探求心を抱け。醜悪と言われようとも、知識を食らい尽くすのだ。――第二階層「学園都市の国」に伝わる言葉...
第一階層「出入口の国」
- 2014/06/14
- 21:34
- 塔と民話のサーガのようです
2 : ◆R6iwzrfs6k:2012/10/02(火) 18:35:54 ID:pDGpqt6cOこれは、むかしのおはなし。神様に愛された娘がいて、娘もまた神様を愛していた。だけど、娘はヒトだから、神様の住う蒼空には行けなかった。そこで娘は、神様に誓いを立てた。「わたしはあなたのためにこの身をささげます。ヒトと交わることなく、千代の刻を過ごしたのなら、わたしはあなたにふさわしい、白くけがれのない女になるでしょう」そうして娘は、誰もいない森で...