ξ゚⊿゚)ξは夢を見るようです 第13話
- 2014/07/08
- 12:18
- ξ゚⊿゚)ξは夢を見るようです
213 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:31:51 ID:iCS14UEM0
214 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:33:49 ID:iCS14UEM0
( )「………」
( )「……どうして…」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
その絞り出すような声を、ツンは確かに聞いた。
.
215 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:35:03 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「それはこっちのセリフなんだけど」
( )「………」
ξ゚⊿゚)ξ「…どうしてなの…?」
.
216 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:36:14 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「どうして、あなたとこんなところで会うのかしら」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン」
( ^ω^)「………」
.
217 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:37:58 ID:iCS14UEM0
まるで人の陰気を浄化してしまいそうな、穏やかで柔和なその顔つきは、間違いなくブーンだった。
でも改めてちゃんと見えたその顔は、なんだか逞しくなったようだ。
ツンが知ってるあの広い肩幅はそのままに、ふっくらしてた体つきもやや絞まっている。
それでいてなんだか元気はなく、どこか神妙な面持ちなのは、この茹だるような暑さのせいだけではないだろう。
.
218 : 名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 18:38:43 ID:s4ZwokiY0
219 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:39:43 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「……ツン」
( ^ω^)「出会った頃のままだお」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
ξ゚⊿゚)ξ「…今は、いつなの?」
( ^ω^)「…僕らが初めて出会った頃から、ちょうど10年経ったお」
それゆえの貫禄か。とツンは密かに納得した。
.
220 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:41:16 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「…あんまり驚かないんだね」
この不思議な夢の世界において、自分自身以外の人物に出会ったのは初めてだった。
今度こそ、自分の存在を説明する必要がありそうだが、他人ともなると納得してもらえる説明ができる自信がない。
しかし、今目の前にいるブーンは、まるで動揺した素振りを見せない。
221 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:43:02 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「君はツンだお」
( ^ω^)「それだけは確かだって、わかるからいいお」
( ^ω^)「それに…」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「初めてのことでもないお」
.
222 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:44:40 ID:iCS14UEM0
ツンは静かに目を閉じた。
ツンに心当たりがあるとしたら、いつか見た、嫌な印象の夢。
うなされたことしか覚えてないが、見ないように、触れないように必死で逃げてた気がする。
( ^ω^)「…覚えてないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…あんまり…何も見えなかったし、ほとんど何も聞こえなかったから……でも」
ξ゚⊿゚)ξ「とてつもなく嫌な印象だった」
静かに、でもはっきりとツンは言った。
223 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:47:11 ID:iCS14UEM0
224 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:48:58 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「散々、本人にとって都合の良い補正ばかりされてきたはずのこの夢の中で」
ξ゚⊿゚)ξ「どうしてあたし本人に会う前にあなたに会うの?」
ξ゚⊿゚)ξ「10年後のあたしは、どうなってるの?」
( ^ω^)「………」
.
225 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:50:09 ID:iCS14UEM0
気になることを一気にぶつけられたブーンは、あまり表情の変化がない。
動揺を隠してるのか、案の定と思ってるのか、単に10年という年月で身についたどっしりとした貫禄が彼を余裕そうに見せてるのか、ツンには伝わらなかった。
.
226 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:51:16 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「……実は、僕が今の君に初めて会ったのは、昨日のことだったお」
( ^ω^)「あの時びっくりして、思わず口を滑らせちゃって」
( ^ω^)「それを聞いた君もひどく驚いて、今にも取り乱しそうだったお」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
.
227 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:52:53 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「昨日の今日でまたこうして出会ってしまったのも、さっき君の言った通り、昨日ちゃんと言えなかったことを、また改めて言わせようとしてるような…そんな機会な気もするお」
( ^ω^)「今君が覚えてなくても、これはおそらく時間の問題だお」
ξ゚⊿゚)ξ「…そうね」
同じことを、なんとなくツンも感じてた。
あの時ジョルジュが起こしてくれたから逃れられたものの、ダメならまた日を改めて見せられるなら
ツンが知るべきことを知るまで、このループは続くのだろう。そう思っていた。
( ^ω^)「だから、改めて言うけど…」
ξ゚⊿゚)ξ「…うん」
.
228 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:54:29 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「……僕が昨日あの場所にいたのは、ある人の、お墓参りだったお」
( ^ω^)「…場所が場所だっただけに、僕も一瞬誤解しちゃって」
( ω )「……あぁ、やっぱり帰ってきて、くれたんだって…思ったお……」
.
229 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:56:06 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「………!それって…」
嫌な予感がした。
真夏のこの時期。
お墓で会った、過去の姿のその人。
それを、何と『誤解した』というのか。
.
230 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:58:37 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「……ツン。君のお墓参りだったんだお」
( ^ω^)「…だから、君が一瞬帰ってきてくれたのかと思った」
( ω )「……お盆、だったからね……」
嫌な予感が、的中した。
.
231 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:00:25 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「………うそ…」
( ^ω^)「………」
ξ゚⊿゚)ξ「…10年後には、あたし、もう死んでるってこと……?」
( ^ω^)「………ツン……」
突然の死の宣告に狼狽するツンに、宣告をした本人がかけてあげられる言葉は見つからない。
ツンがどこまで想定してたかはわからないが、その選択肢の中でも最悪のものだったに違いない。
或いは、想定外の結末だったかもしれないのだ。
.
232 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:02:06 ID:iCS14UEM0
ξ⊿)ξ「…そんな……どうして………!!」
( ^ω^)「ツン……ごめんだお」
ξ⊿)ξ「…………」
ξ⊿)ξ「……なんでブーンが謝るの」
心なしか、ツンの声の震えが治まった気がした。
233 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:03:20 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「…それは……」
ξ゚⊿゚)ξ「……あたしが、無理矢理聞き出したことなんだから。いちいち謝らないで」
( ^ω^)「………」
.
234 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:05:01 ID:iCS14UEM0
掴み掛かられるかと思った。
殴られても仕方ないと思った。
なのに、彼女は涙ひとつ流さずに……
ξ゚⊿゚)ξ
そんなに、気丈でなくてよかったのに。
.
235 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:06:59 ID:iCS14UEM0
( ω )「……確かに、ああやって詰問し出したら、はぐらかすだけ無駄だったお」
( ω )「そんなので納得するわけがない。それがツンだお」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
( ω )「でも、僕は残酷なことを言ってしまったお」
( ω )「まだ若いツンが、今すぐ知るべきではなかったことを、あっさり言ってしまったお」
( ω )「……だから…」
.
238 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:09:58 ID:iCS14UEM0
(#;ω;)「もっと泣けお!!もっと僕を責めろお!!!お前はっ……いっつもそうやって…」
(#;ω;)「僕にバレないように、我慢して!!!」
(#;ω;)「……生きてる時からずっと……そうやって………」
(#;ω;)「ああぁぁあぁぁあぁぁぁ―――――ッッッ!!!!!!」
ブーンは、赤子のように泣き崩れた。
もう、彼の叫びは声になってなかった。
.
239 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:12:00 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「………」
延々と、彼の嗚咽だけが響く。
ξ゚⊿゚)ξ「………ブーン」
ツンが、ブーンの背中に手を当てながら優しく呼びかける。
そこまで近づいて初めて、泣きじゃくるブーンの左手の、薬指に光る指輪に気づいた。
.
241 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:13:17 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン、あなたまさか」
そうだお、と返事をしてから、軽く咳ばらいをして一呼吸置いた。
( ;ω;)「……ツンは、ブーンのお嫁さんだったんだお」
.
242 : 名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:14:49 ID:s4ZwokiY0
244 : 名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:16:27 ID:s4ZwokiY0
245 : 名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:22:16 ID:6U5PX.PU0
◆第13話◆
XXXX年 P月
ミ"ーーーーンミンミンミンミ"ーーーー!!!!
( )「………」
蝉の声が煩い。
( )「………」
陽射しも強い。
薄着とはいえ、今度こそ暑い。
.
XXXX年 P月
ミ"ーーーーンミンミンミンミ"ーーーー!!!!
( )「………」
蝉の声が煩い。
( )「………」
陽射しも強い。
薄着とはいえ、今度こそ暑い。
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214 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:33:49 ID:iCS14UEM0
( )「………」
( )「……どうして…」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
その絞り出すような声を、ツンは確かに聞いた。
.
215 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:35:03 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「それはこっちのセリフなんだけど」
( )「………」
ξ゚⊿゚)ξ「…どうしてなの…?」
.
216 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:36:14 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「どうして、あなたとこんなところで会うのかしら」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン」
( ^ω^)「………」
.
217 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:37:58 ID:iCS14UEM0
まるで人の陰気を浄化してしまいそうな、穏やかで柔和なその顔つきは、間違いなくブーンだった。
でも改めてちゃんと見えたその顔は、なんだか逞しくなったようだ。
ツンが知ってるあの広い肩幅はそのままに、ふっくらしてた体つきもやや絞まっている。
それでいてなんだか元気はなく、どこか神妙な面持ちなのは、この茹だるような暑さのせいだけではないだろう。
.
218 : 名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 18:38:43 ID:s4ZwokiY0
これはアカンやつや……支援
219 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:39:43 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「……ツン」
( ^ω^)「出会った頃のままだお」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
ξ゚⊿゚)ξ「…今は、いつなの?」
( ^ω^)「…僕らが初めて出会った頃から、ちょうど10年経ったお」
それゆえの貫禄か。とツンは密かに納得した。
.
220 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:41:16 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「…あんまり驚かないんだね」
この不思議な夢の世界において、自分自身以外の人物に出会ったのは初めてだった。
今度こそ、自分の存在を説明する必要がありそうだが、他人ともなると納得してもらえる説明ができる自信がない。
しかし、今目の前にいるブーンは、まるで動揺した素振りを見せない。
221 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:43:02 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「君はツンだお」
( ^ω^)「それだけは確かだって、わかるからいいお」
( ^ω^)「それに…」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「初めてのことでもないお」
.
222 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:44:40 ID:iCS14UEM0
ツンは静かに目を閉じた。
ツンに心当たりがあるとしたら、いつか見た、嫌な印象の夢。
うなされたことしか覚えてないが、見ないように、触れないように必死で逃げてた気がする。
( ^ω^)「…覚えてないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…あんまり…何も見えなかったし、ほとんど何も聞こえなかったから……でも」
ξ゚⊿゚)ξ「とてつもなく嫌な印象だった」
静かに、でもはっきりとツンは言った。
223 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:47:11 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「その時いたのも、ブーンだったの?」
( ^ω^)「……うん」
ξ゚⊿゚)ξ「……見当がつかないなぁ」
ツンは痺れを切らしたように言った。
ξ゚⊿゚)ξ「確かに、あの夢は見聞きすることを拒んでるみたいだった。それもたぶん、あたしの意識の中で」
ξ゚⊿゚)ξ「でもこうして、今度ははっきりと見せようとする」
ξ゚⊿゚)ξ「未来に来たのなんか初めてだから、どうしたらいいかわかんないんだけど…早速いろいろ気になることはあるわ」
( ^ω^)「………」
( ^ω^)「……うん」
ξ゚⊿゚)ξ「……見当がつかないなぁ」
ツンは痺れを切らしたように言った。
ξ゚⊿゚)ξ「確かに、あの夢は見聞きすることを拒んでるみたいだった。それもたぶん、あたしの意識の中で」
ξ゚⊿゚)ξ「でもこうして、今度ははっきりと見せようとする」
ξ゚⊿゚)ξ「未来に来たのなんか初めてだから、どうしたらいいかわかんないんだけど…早速いろいろ気になることはあるわ」
( ^ω^)「………」
224 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:48:58 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「散々、本人にとって都合の良い補正ばかりされてきたはずのこの夢の中で」
ξ゚⊿゚)ξ「どうしてあたし本人に会う前にあなたに会うの?」
ξ゚⊿゚)ξ「10年後のあたしは、どうなってるの?」
( ^ω^)「………」
.
225 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:50:09 ID:iCS14UEM0
気になることを一気にぶつけられたブーンは、あまり表情の変化がない。
動揺を隠してるのか、案の定と思ってるのか、単に10年という年月で身についたどっしりとした貫禄が彼を余裕そうに見せてるのか、ツンには伝わらなかった。
.
226 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:51:16 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「……実は、僕が今の君に初めて会ったのは、昨日のことだったお」
( ^ω^)「あの時びっくりして、思わず口を滑らせちゃって」
( ^ω^)「それを聞いた君もひどく驚いて、今にも取り乱しそうだったお」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
.
227 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:52:53 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「昨日の今日でまたこうして出会ってしまったのも、さっき君の言った通り、昨日ちゃんと言えなかったことを、また改めて言わせようとしてるような…そんな機会な気もするお」
( ^ω^)「今君が覚えてなくても、これはおそらく時間の問題だお」
ξ゚⊿゚)ξ「…そうね」
同じことを、なんとなくツンも感じてた。
あの時ジョルジュが起こしてくれたから逃れられたものの、ダメならまた日を改めて見せられるなら
ツンが知るべきことを知るまで、このループは続くのだろう。そう思っていた。
( ^ω^)「だから、改めて言うけど…」
ξ゚⊿゚)ξ「…うん」
.
228 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:54:29 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「……僕が昨日あの場所にいたのは、ある人の、お墓参りだったお」
( ^ω^)「…場所が場所だっただけに、僕も一瞬誤解しちゃって」
( ω )「……あぁ、やっぱり帰ってきて、くれたんだって…思ったお……」
.
229 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:56:06 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「………!それって…」
嫌な予感がした。
真夏のこの時期。
お墓で会った、過去の姿のその人。
それを、何と『誤解した』というのか。
.
230 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 18:58:37 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「……ツン。君のお墓参りだったんだお」
( ^ω^)「…だから、君が一瞬帰ってきてくれたのかと思った」
( ω )「……お盆、だったからね……」
嫌な予感が、的中した。
.
231 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:00:25 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「………うそ…」
( ^ω^)「………」
ξ゚⊿゚)ξ「…10年後には、あたし、もう死んでるってこと……?」
( ^ω^)「………ツン……」
突然の死の宣告に狼狽するツンに、宣告をした本人がかけてあげられる言葉は見つからない。
ツンがどこまで想定してたかはわからないが、その選択肢の中でも最悪のものだったに違いない。
或いは、想定外の結末だったかもしれないのだ。
.
232 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:02:06 ID:iCS14UEM0
ξ⊿)ξ「…そんな……どうして………!!」
( ^ω^)「ツン……ごめんだお」
ξ⊿)ξ「…………」
ξ⊿)ξ「……なんでブーンが謝るの」
心なしか、ツンの声の震えが治まった気がした。
233 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:03:20 ID:iCS14UEM0
( ^ω^)「…それは……」
ξ゚⊿゚)ξ「……あたしが、無理矢理聞き出したことなんだから。いちいち謝らないで」
( ^ω^)「………」
.
234 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:05:01 ID:iCS14UEM0
掴み掛かられるかと思った。
殴られても仕方ないと思った。
なのに、彼女は涙ひとつ流さずに……
ξ゚⊿゚)ξ
そんなに、気丈でなくてよかったのに。
.
235 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:06:59 ID:iCS14UEM0
( ω )「……確かに、ああやって詰問し出したら、はぐらかすだけ無駄だったお」
( ω )「そんなので納得するわけがない。それがツンだお」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
( ω )「でも、僕は残酷なことを言ってしまったお」
( ω )「まだ若いツンが、今すぐ知るべきではなかったことを、あっさり言ってしまったお」
( ω )「……だから…」
.
238 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:09:58 ID:iCS14UEM0
(#;ω;)「もっと泣けお!!もっと僕を責めろお!!!お前はっ……いっつもそうやって…」
(#;ω;)「僕にバレないように、我慢して!!!」
(#;ω;)「……生きてる時からずっと……そうやって………」
(#;ω;)「ああぁぁあぁぁあぁぁぁ―――――ッッッ!!!!!!」
ブーンは、赤子のように泣き崩れた。
もう、彼の叫びは声になってなかった。
.
239 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:12:00 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「………」
延々と、彼の嗚咽だけが響く。
ξ゚⊿゚)ξ「………ブーン」
ツンが、ブーンの背中に手を当てながら優しく呼びかける。
そこまで近づいて初めて、泣きじゃくるブーンの左手の、薬指に光る指輪に気づいた。
.
241 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/17(土) 19:13:17 ID:iCS14UEM0
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン、あなたまさか」
そうだお、と返事をしてから、軽く咳ばらいをして一呼吸置いた。
( ;ω;)「……ツンは、ブーンのお嫁さんだったんだお」
.
242 : 名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:14:49 ID:s4ZwokiY0
いったい何が……
244 : 名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:16:27 ID:s4ZwokiY0
乙乙
245 : 名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 19:22:16 ID:6U5PX.PU0
乙
10年の間に何があったんだ
10年の間に何があったんだ