ξ゚⊿゚)ξは夢を見るようです 第5話
- 2014/07/04
- 09:33
- ξ゚⊿゚)ξは夢を見るようです
60 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:09:31 ID:13/3WS560
61 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:10:38 ID:13/3WS560
三年前登校した時は、車椅子だった。もちろん学校中が物珍しいものを見るような目だった。
中には気を利かせて名も知らぬ上級生が車椅子を押してくれたり、階段の上り下りを親や先生がおぶって助けてくれたり、誰かしらの協力があって成り立ってた学校生活だった。
…でも、あの先生はまだいるのだろうか?あの上級生は卒業してしまってないか?
自分の足で歩ける以上、親の付き添いもない。
ζ(゚ー゚*ζ(一人だ)
同級生がみんな当たり前にしてる学校生活を、これからは一人でやらなきゃいけないんだ。…いや、できるようになったはずなんだ。
62 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:12:54 ID:13/3WS560
ξ*゚⊿゚)ξ
あの女性の顔が浮かぶ。
まさか自分自身とは知らなかったので、最初は綺麗に化粧して垢抜けた印象だった。
あまり覇気は感じなかったけど、何故か説得力と年不相応の貫禄があって、でも時々見せる落ち着きのない動作や綻びが、『絶対的』でも『全知全能』でもない人間くささを感じさせる。
そうだ。あの人も、これを経てきたはずなんだ。
自分自身だといい加減理解しなきゃいけないとは思いつつも、一人じゃない。そんな気がしてきた。
63 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:15:04 ID:13/3WS560
ζ(゚ー゚*ζ(それぐらいは、いいよね…)
この期に及んで、まだ疑ってるわけじゃないんだよツンさん。
でも今だけは、もう少しだけあたしの背中を押してください………
.
64 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:16:57 ID:13/3WS560
65 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:18:12 ID:13/3WS560
66 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:19:38 ID:13/3WS560
ζ(゚ー゚*;ζ「…ぉ、おはよっ!」
それでも、デレは屈しなかった。
こんなのは想定の範疇。
でもそれでも、年頃の女の子がみんなしてるように友達を作って輪になって、たわいもない話に花咲かせて笑い合いたかった。
今までできなかったから、これからはそうしたかった。
本当はずっと憧れてたのだ。
67 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:25:12 ID:13/3WS560
从 ゚∀从「…デレちゃん、足治ったの?」
('、`*川「よかったね!」
o川*゚ー゚)o「もう痛くない?」
从'ー'从「おめでと~!」
次々に降ってくる歓迎の言葉。
もとより人見知りをしないデレは、殻さえ破ってしまえばあとは何も怖くはなかった。
68 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:26:43 ID:13/3WS560
ζ(^ー^*ζ
それから火が点いたかのようにいろいろ話した。
同級生が経験してない苦労話も、あっけらかんと話せば興味持ってくれた。
その邪心のない興味が嬉しかった。
忘れられてたと思ってた、自分を見てくれるその目をずっと求めてた。
69 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:28:15 ID:13/3WS560
o川*゚ー゚)o「デレちゃん、大変だったね。でもよかったね」
グループの中心的存在の女子が穏やかな口調で言った。柔らかい笑顔だった。
o川*^ー^)o「おかえり」
ζ(^ー^*ζ「…ただいま!」
その一言で、全てが報われた気がした。
それが後の薬物、売春、恐喝など素行不良の問題児にしてメンヘラ、キュートと繋がりを持つルーツとなった。
◆第5話◆
XX12年 Y月
三年振りの登校。緊張しないわけがない。
ただあの不思議な女性の言う通り、その緊張を包み隠さずにいればそれはそれでただ挙動不審な気もする。
ζ(゚ー゚;ζ(……でも、仕方ないじゃない。)
そう言い聞かせて改めて、自分の置かれた状況を静かに飲み込んだ。
XX12年 Y月
三年振りの登校。緊張しないわけがない。
ただあの不思議な女性の言う通り、その緊張を包み隠さずにいればそれはそれでただ挙動不審な気もする。
ζ(゚ー゚;ζ(……でも、仕方ないじゃない。)
そう言い聞かせて改めて、自分の置かれた状況を静かに飲み込んだ。
61 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:10:38 ID:13/3WS560
三年前登校した時は、車椅子だった。もちろん学校中が物珍しいものを見るような目だった。
中には気を利かせて名も知らぬ上級生が車椅子を押してくれたり、階段の上り下りを親や先生がおぶって助けてくれたり、誰かしらの協力があって成り立ってた学校生活だった。
…でも、あの先生はまだいるのだろうか?あの上級生は卒業してしまってないか?
自分の足で歩ける以上、親の付き添いもない。
ζ(゚ー゚*ζ(一人だ)
同級生がみんな当たり前にしてる学校生活を、これからは一人でやらなきゃいけないんだ。…いや、できるようになったはずなんだ。
62 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:12:54 ID:13/3WS560
ξ*゚⊿゚)ξ
あの女性の顔が浮かぶ。
まさか自分自身とは知らなかったので、最初は綺麗に化粧して垢抜けた印象だった。
あまり覇気は感じなかったけど、何故か説得力と年不相応の貫禄があって、でも時々見せる落ち着きのない動作や綻びが、『絶対的』でも『全知全能』でもない人間くささを感じさせる。
そうだ。あの人も、これを経てきたはずなんだ。
自分自身だといい加減理解しなきゃいけないとは思いつつも、一人じゃない。そんな気がしてきた。
63 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:15:04 ID:13/3WS560
ζ(゚ー゚*ζ(それぐらいは、いいよね…)
この期に及んで、まだ疑ってるわけじゃないんだよツンさん。
でも今だけは、もう少しだけあたしの背中を押してください………
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64 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:16:57 ID:13/3WS560
ガラッ。と予想外に響いた音がした。自分の手で初めて開けた扉だった。
从 ゚∀从「!」
o川*゚ー゚)o「!………」
从'ー'从「あっ……」
('、`*川「……」
同級生は、疎らにいる。
一瞬驚いたような目で見るが、話しかけて来ようとはしない。
既に完成されてしまってる友達グループの囲いは予想以上に頑丈らしい。
从 ゚∀从「!」
o川*゚ー゚)o「!………」
从'ー'从「あっ……」
('、`*川「……」
同級生は、疎らにいる。
一瞬驚いたような目で見るが、話しかけて来ようとはしない。
既に完成されてしまってる友達グループの囲いは予想以上に頑丈らしい。
65 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:18:12 ID:13/3WS560
ζ(゚ー゚;ζ「………」
デレは心のどこかで、退院を祝う同級生側から歓迎してくれるんじゃないかと密かに期待してた。
しかし三年間の溝は一瞬では埋まらないものだ。
小学生にとっての三年間は、成長が著しい。デレはデレがいた環境で、同級生は同級生と過ごす学校生活の中で身についた知恵の質が違うのは当然のことだった。
違う環境で過ごした人間に対して、どうしてあげれば誰も嫌な思いをしないで済むか。
なまじ人間関係には神経質な女子達には、年相応にまだうまく立ち回る術がないらしい。
満場一致で触れないのが一番。
そこに悪気がなかったとしてもだ。
デレは心のどこかで、退院を祝う同級生側から歓迎してくれるんじゃないかと密かに期待してた。
しかし三年間の溝は一瞬では埋まらないものだ。
小学生にとっての三年間は、成長が著しい。デレはデレがいた環境で、同級生は同級生と過ごす学校生活の中で身についた知恵の質が違うのは当然のことだった。
違う環境で過ごした人間に対して、どうしてあげれば誰も嫌な思いをしないで済むか。
なまじ人間関係には神経質な女子達には、年相応にまだうまく立ち回る術がないらしい。
満場一致で触れないのが一番。
そこに悪気がなかったとしてもだ。
66 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:19:38 ID:13/3WS560
ζ(゚ー゚*;ζ「…ぉ、おはよっ!」
それでも、デレは屈しなかった。
こんなのは想定の範疇。
でもそれでも、年頃の女の子がみんなしてるように友達を作って輪になって、たわいもない話に花咲かせて笑い合いたかった。
今までできなかったから、これからはそうしたかった。
本当はずっと憧れてたのだ。
67 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:25:12 ID:13/3WS560
从 ゚∀从「…デレちゃん、足治ったの?」
('、`*川「よかったね!」
o川*゚ー゚)o「もう痛くない?」
从'ー'从「おめでと~!」
次々に降ってくる歓迎の言葉。
もとより人見知りをしないデレは、殻さえ破ってしまえばあとは何も怖くはなかった。
68 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:26:43 ID:13/3WS560
ζ(^ー^*ζ
それから火が点いたかのようにいろいろ話した。
同級生が経験してない苦労話も、あっけらかんと話せば興味持ってくれた。
その邪心のない興味が嬉しかった。
忘れられてたと思ってた、自分を見てくれるその目をずっと求めてた。
69 : ◆7mt.DZ.sYo :2013/08/13(火) 05:28:15 ID:13/3WS560
o川*゚ー゚)o「デレちゃん、大変だったね。でもよかったね」
グループの中心的存在の女子が穏やかな口調で言った。柔らかい笑顔だった。
o川*^ー^)o「おかえり」
ζ(^ー^*ζ「…ただいま!」
その一言で、全てが報われた気がした。
それが後の薬物、売春、恐喝など素行不良の問題児にしてメンヘラ、キュートと繋がりを持つルーツとなった。