494:名無しさん
11/04(日) 10:44 Y8Sd5HGZO
四十一重 『零と一の住人』
目が覚めるとそこは小さな公園でした。
( ゚∀゚)「どこだよ、ここ」
くだらないことを考えてる場合じゃなかった。
ξ(゚、゚*ξ「ここはVIP ドクヲに以前旅人が戦いに適応しやすいようにフィールドを真似て作ってもらったの 前の戦いもここだった」
正直、デレがいてビビったことは秘密だ。
デレが空の一点を見つめ、指を指す。
白い大きな球体。
ξ(゚△゚*ξ「あれが冥王星 敗者への終焉」
( ゚∀゚)「そういえばアルカナってことは」
前と同じか?
でも能力無しでアルカナがあってもなぁ…。
495:名無しさん
11/04(日) 10:45 Y8Sd5HGZO
ξ(゚、゚*ξ「違う」
困った表情をされても困るわけだ。
気になることは沢山あるが从 ゚∀从と('A`)のことが特に気にξ(゚、゚*ξ「聞いてる?」
( ゚∀゚)「き、聞いてないようぅぅぅ」
ξ(゚ー゚*ξ「死ね☆」
語尾に星を付けるなんてキモいにもほどがある。
だが、ここで言うとマジで殺される可能性もあるから口に出さない。
( ゚∀゚)「スマンかった で、何?」
真面目に話を聞いておくか。
496:名無しさん
11/04(日) 10:46 Y8Sd5HGZO
ξ(゚△゚*ξ「このフィールドは狭いからすぐに相手と会うと思うからアルカナを確認しよう、とさっき言った」
( ゚∀゚)「そうするか…」
さて、能力の使い方がわからんね。
ξ(゚、゚*ξ「アルカナをイメージするの」
イメージ…ね。
とりあえず目をつむる。
……よくわからん、が今までと同じでいいか。
何が同じかわからん。
光が一番イメージしやすいな。
( ゚∀゚)「む……」
頭の隅を過ぎったのは光る…鳥……?
光るカードが二つに別れる。
497:名無しさん
11/04(日) 10:47 Y8Sd5HGZO
ξ(゚△゚*ξ「鳥ね」
青と赤。
目を開けると、二羽の鳥が自分の横で静止していた。
( ゚∀゚)「JUSTICEか」
前と同じ名前だが特になんとも思わなかった。
( ゚∀゚)「デレは?」
デレがこちらを向いて素っ気なく答える。
ξ(゚△゚*ξ「戦えるほどの力はないの だからアルカナは使わない」
なんでここにいるんだ?と聞いてみると
ξ(゚△゚*ξ「あなたが戦うのに私が安全なところに居たら不公平じゃない」
だそうだ……なんだかな。
ξ(゚、゚*ξ「戦いに慣れるために旅をして適応能力は大分高くなったと思うけど、新しい能力の練習はしたほうがいいと思う」
なんだよ、練習って。
498:名無しさん
11/04(日) 10:48 Y8Sd5HGZO
ξ(゚△゚*ξ「同時に二羽の鳥を操ることは難しい だから練習するの」
( ゚∀゚)「一理あるな」
思った通りに飛んでくれる二羽の鳥。
名前は飛燕らしい。
ただ、二つもある飛行物体を操作することは簡単ではない。
特に距離と速さ。
距離は実際に自分が近付くわけではないため、位置の特定が難しい。
そして赤と青の鳥は速さに違いがある。
赤に比べ青は遥かに速い。
と言っても赤が鈍速というわけではない。
ξ(゚、゚*ξ「とりあえず手足のように動くくらい飛ばして」
鳥を飛ばす。
試しに半球のような穴の開いた遊具へ向けて鳥を突撃させる。
速度のある青がまず貫通し、赤が崩壊させる。
どうやら青は貫通性に、赤は破壊力に優れているらしい。
499:名無しさん
11/04(日) 10:49 Y8Sd5HGZO
( ゚∀゚)「さっきの話で疑問に思ったんだが」
生まれた蟠りをぶつける。
( ゚∀゚)「なんでデレがモララーなんかをやって地球の神になってたんだ?」
ξ(゚、゚*ξ「……さぁ? 知らない やりたかったからじゃない?」
(;゚∀゚)「適当だな」
ξ(゚△゚*ξ「そう」
( ゚∀゚)「じゃあ2n……ドクヲはどうやって地球に入ったんだ?」
ξ(゚△゚*ξ「……さぁ? 知らないしわからない」
デレが少し動揺する。
感じていた違和感が大きくなっていた。
ξ(゚、゚*ξ「まぁそこら辺は今考えても仕方ないの」
仕方ないってなぁ…。
もう少しなんかあるだろ、と言える勇気が有ればなぁ。
500:名無しさん
11/04(日) 10:50 Y8Sd5HGZO
( ゚∀゚)「俺はいつ普通に暮らせるんだろうか」
遠方では土が盛り上がり、塔が次から次へと形成されていた。
そして土の塔は次々と破壊され、倒壊していく。
( ゚∀゚)「……SOS団もびっくりの俺の人生」
遠くで戦いが繰り広げられていることに気付いてはいるが、どうするわけでもない。
ただ、土の塔の頂点から小さな赤い何かが落ちたことだけは確認できた。
ξ(゚△゚*ξ「……」
鳥が滑らかな軌道を描きながら、空を舞う。
そして赤と青の鳥は混ざり合い、黄色の球となる。
球は弾けて、消えた。
ξ(゚、゚*ξ「……ロマネスク」
デレの声に気付き、公園の入り口へと目をやる。
そこには大柄な猫目の男が立っていた。
501:名無しさん
11/04(日) 10:53 Y8Sd5HGZO
( ΦωΦ)「……悪いがデレ、貴様の計画を再び潰させてもらおう 二度と後悔のないように」
ξ(゚ー゚*ξ「人の惑星を滅ぼしておいて何を」
( ΦωΦ)「……貴様が祖の試作を写したのが原因であろう」
( ゚∀゚)(祖を写した? ロマネスクは何を知っていてデレは何を隠している…?)
ξ(゚△゚*ξ「何の話?」
( ΦωΦ)「……無駄な問答は止め、息の根を止めるしかないようだな」
ξ(゚、゚*ξ「別に構わないけど長岡が相手よ?」
(;゚∀゚)「……」
マジでか……。
そろそろ勘弁して下さい。
命が足りないです。
( ΦωΦ)「そうか……あの屈辱を晴らしてくれる!!」
(;゚∀゚)「あちゃー」
また勝手に話が進んじまった。
いいよいいよ、慣れたもん。
( ゚∀゚)「JUSTICE:飛燕!!」
( ΦωΦ)「SUN:紅炎!!」
カードが自身の前で輝く。
想い(主に一方的な)が交錯し、能力がぶつかり合う。
デレが吊り上がって緩んだ頬を抑えるような崩れた表情になっていることに気付かない二人。
長岡の胸騒ぎは戦いの邪魔になるものではないが、ただただ大きく膨らんでいった。
紅い満月を頭の片隅で思い出し、鳥が二羽、空を舞った。