17:◆/wOcNhjd4U
07/20(木) 14:28 bXMBoEW8O


(;^ω^)「甘かったお・・・」


(#'A`)「現実の女なんてみんな死んでしまえばいいんだ!!・・・ひっく」


ブーンの部屋で酒盛りを始めたはいいが毒男の酒癖は予想以上に悪かった。最初は酔っていたブーンも今ではなだめる側にまわっている。全然楽しくない。



(#'A`)「現実の女はどいつもこいつも二言目にはきもいだのうざいだの」


( ^ω^)「・・・きもいお」


('A`)「・・・」


( ^ω^)「うざいお」






('A`)「・・・できれば君とはいつまでも友達でいたかった」


毒男がゆっくりと立ち上がる。棘のような視線がブーンを貫く。


( ^ω^)「おまえもかブルータス」


それに応えるようにブーンも立ち上がる。



場が凍る。もはや二人の耳にはアニソンなど聞こえていない。



('A`)「白鳥拳!!」

毒男が勢いよく構える。手を横に大きく開くその姿は湖の上で荒々しく羽ばたくアヒルを連想させる。



( ^ω^)「蛇拳・・・」


ブーンも静かに構える。片手を前に出してゆらゆらさせる姿はまるで土の上を音もなく這っていくミミズを連想させる。


再び場が凍る。お互い構えから動かない。開始の合図が鳴ることを待っている。

18:◆/wOcNhjd4U
07/20(木) 14:37 bXMBoEW8O


アニソンが流れる部屋で二人はお互い微動だにしない。




「お兄ちゃん!朝だよ!起きて起きて!」




不意に音声が流れる。目覚まし時計だ。




( ^ω^)('A`)「!!!!!」

待っていたとお互いに走りだす。と言っても二歩も進めばぶつかる程度の広さだが。



('A`)「はっ!」

毒男が翼を打ちつけるように手を伸ばしたまま手刀を繰り出す!


( ^ω^)「・・・」

しかしそれを一歩動くだけで躱す。勢い空しく毒男の手が空を切る。



('A`)「なんの!」

次は手刀連続攻撃。しかしブーンはこれも重心移動だけでほとんど動かずに躱す。



('A`)「・・・なかなかやるな」


( ^ω^)「どんな攻撃も当たらなければ意味がないお。次は僕の番だお!」


言うと同時に音もなく間合いを詰める。攻撃の主導権がブーンに移る。


( ^ω^)「ふっ!」


ブーンの攻撃は毒男の線の攻撃に対して手先による点の攻撃。変幻自在の突きが毒男を襲う!


('A`)「おまえの言うとおりだ」


しかし毒男は手刀でその全てを捌ききる!


('A`)「当たらなければどうということはない」


二人の戦いは線か点か、避けるか捌くか・・・まさに対極である。


('A`)「・・・ここまでの使い手がいたとはな」


( ^ω^)「僕も驚いてるお・・・」


二人の戦いは続く。既に夜は明け、日が顔をだし始めていた。


〜格闘モノにようこそ!〜

19:◆/wOcNhjd4U
07/20(木) 14:40 bXMBoEW8O

ごめ。避けると捌くが逆だ。

二人の戦いは線か点か、捌くか避けるか・・・まさに対極である。


が正しい。

21:◆/wOcNhjd4U
07/20(木) 19:35 bXMBoEW8O


実力が同等なら先に集中力が切れた方が負ける。二人の戦闘が続いて一時間。お互いに避け切れず、捌き切れず着々と傷を増やしていった。


(;^ω^)('A`;)「はぁはぁ・・・」


相手から気を逸らしたら負ける。そう思った矢先に






こんこん




乾いた音が響いた



(;^ω^)「!!!!!」

(;'A`)「!!!!!」



ドアからしたノック音


それに反応してしまったのは





('A`)「もらった!!」


Σ(;^ω^)「しまっ!!!」


ドガッ!!!!


首にラリアットを食らって吹っ飛ぶブーン。


軍配は毒男に上がった。


(;^ω^)「がはっ!!!」


吹っ飛ぶブーン。その体は勢いよくドアにぶつかり・・・




貫いた



バコッッ ドカッッ ベシャ


粉塵が上がる。ドアは文字通り粉砕していた。


('A`)「・・・俺の勝ちだ」


(;'A`)「・・・ん?」





くそ。やられた・・・。僕の負けだ。

(;-ω-)「てかホントに痛いお・・・」



体中が悲鳴を上げてる。もう動くなと体が命令してる。


四つん這いだった体勢から崩れ込む


ぐしゃ

ふに

22:◆/wOcNhjd4U
07/20(木) 19:39 bXMBoEW8O


ξ////)ξ「ぁ・・・」


( -ωー)「あ、柔らかいお」


目を瞑ったまま温もりを探して抱き締める。それが何故こんなところにあるか考えるほどの力ももはや残ってない。


ξ////)ξ「ちょ・・・」


( -ωー)「ブタを抱き締めてる見たいだお」



説明しよう。
もともと友人のいないブーンにとって女の子の肌よりも小さい時に遊んだふれあい動物園の豚の方が身近なのだ。


もちろんツンはそんなことは知らない。


ξ  )ξ「・・・」


( -ωー)「お肉が気持ちいいお・・・」


ξ  )ξビキビキ




ドカッッッッッッ!!!


ブーンの体が宙を舞う。みぞおちに繰り出された正拳突きはラリアットの比ではない。ブーンの体はそのまま状況分析していた毒男を襲う。


(; ^ω^)(;'A`)「ぐはっ!」

もつれ込み倒れる二人。顔をあげたそこには





ξ  )ξ




お肉ではなく鬼が立っていた



〜真なる敵にようこそ!〜

24:◆/wOcNhjd4U
07/20(木) 22:43 bXMBoEW8O


鬼が構える。手を握りしめたまま片足を上げそのまま滑るようにゆっくり近付いてくる。速度は遅いはずなのに後ろには残像すら見える。




(((( ξ  )ξ





((((((;ω; ) ((((((;A;)




死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ




手足を動かすが統制がとれずなかなか後ろに進まない。それでもみっともなく手足を動かし続ける。既に体の主導権は理性にない。生存本能が生き延びようとがむしゃらに動かしているだけだ。



掴まったら死ぬ。確実に死ぬ。




それは約束された事実




( ;ω;)(;A;)「・・・くっ、来るな(お)っっっ!!!!」



精一杯声を搾り出す。
しかし目前の鬼は反応を示さない。ただ前へ。己が目的を果たさんとブーンと毒男に肉薄する。




そして





ドンッ



絶望の音がした

25:◆/wOcNhjd4U
07/20(木) 22:45 bXMBoEW8O


Σ( ;ω;)Σ(;A;)「!!!」


壁に辿り着いた。逃げられない。



いや、そんなことは初めからわかっている。そもそもあれから逃げる術など存在しない。


( ;ω;)(;A;)「・・・」





終わった。あとは死を待つだけだ。わかっているのにまだ手足は動き続ける。0.1秒でも永く生きていたいと・・・、ただ空しく・・・。



((((((( ξ  )ξ 







ξ  )ξ (;ω; )(;A;)









急に・・・世界が真っ暗になった











ドカッ ドカッ バキッ ゴキッ ドゴッ ブシュッ ベキッ グシャッ 












先ほどまで二人で酒を交わしながら楽しい宴を開いていたブーンの部屋。




今では血で一面は紅く染まり






その隅に




原型を止めぬ二つの亡骸と








「天」の字を背負ってたたずむ鬼神の姿があった。






〜鬼神の間にようこそ!〜

26:◆/wOcNhjd4U
07/21(金) 00:19 VQ/HS1BZO


ξ゚听)ξ「・・・全く、私は原作通り手紙だけ渡して帰るつもりだったのに。」


(;^ω^)(;'A`)「大変申し訳ありません(お)・・・」



壁際に並んで正座しているブーンと毒男は頭を下げる。


ξ゚听)ξ「アンタたちのせいで予定が狂っちゃったじゃない。」



( ^ω^)「だからって瞬極殺はないお」


('A`)「途中からホラーっぽくなっちまったじゃねぇか」






ξ゚听)ξ「・・・このままホラーでいく?」



(;^ω^)(;'A`)「ギャグでお願いします(お)!!」


ξ゚听)ξ「だったら口答えしない。ま、ここまで話してから手紙を渡すのもあれだしここで読み上げるわ。あ、私の名前はツン・デレよ。ツンでいいわ。」



ξ゚听)ξ「ちなみに、私がいいって言うまで発言は許しません。少しでも声帯が震えたら死をもって償ってもらいます。いいわね?」



(;^ω^)(;_  _) こくこく
(;'A`)(;, ,)   こくこく



ξ゚听)ξ「よろしい。じゃ、読み上げるわよ。」

ツンは手に持っていた小さな便箋を読み始めた。


ξ゚听)ξ「内藤ホライズン殿、あなたは私の『プロジェクト』に大抜擢されました。」

27:◆/wOcNhjd4U
07/21(金) 00:22 VQ/HS1BZO


黙ってツンを見つめる二人。唾を飲み込むのにすら多大な神経を使う。



(;^ω^)(;'A`)「・・・」


ξ゚听)ξ「ひきこもりを治したければ・・・」






ξ゚听)ξ「・・・」






ξ゚听)ξ「・・・私のパシリとして働くこと。」



Σ(;^ω^)(!!!原作と違うお!絶対今作ったお!!)


ξ゚听)ξ「誓えますか?」



(;^ω^)(・・・そしてここは声を出していいのかお?)



ξ゚听)ξ「無言は肯定ととらせてもらいます。」



(;^ω^)(ちょwwこれが狙いかおwwwうぇっwwうぇっwww)



ξ゚听)ξ「はい、契約完了。それじゃ今晩9時にVIP町3丁目の公園で待ってるから必ず来るように。何か異議は?」



(;^ω^)「・・・」



ξ゚听)ξ「特になしっと。」



(;^ω^)(やっぱそうきたかおwww)



ξ゚听)ξ「それじゃもう喋っていいわよ。」


(;^ω^)「はいはいはい!異議がありますお!!」



ξ゚听)ξ「その件につきましては先ほど締め切らせていただきました。」



( ^ω^)「ちょwww」



ξ゚听)ξ「うるさいわね。男のくせにしつこいわよ。」


( ^ω^)「・・・」





( ;ω;)ブワァ



('A`)「・・・泣くな。」



ξ゚听)ξ「あ、プロジェクトには関係ないけど毒男もパシリよろしく。」


Σ(;'A`)「なんで俺が?!」




ξ  )ξ




('A`)「喜んでやらせていただきます。」




こうして、ついに僕の脱ひきこもりプロジェクトが始まった。






〜(怪しい)プロジェクトにようこそ!〜

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