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09/04(火) 16:15 pbsjyjTdO
二十重 『遊園地』
入園口は無人。
入園口だけではなく、この遊園地自体が無人なのかもしれない。
先に進むと噴水のある広場、周りには古い町並みを象った建物が立ち並ぶ。
上を見上げると道が通っており、誰も乗っていない機関車が走っていた。
ただ、所々に熔けた跡や細く長く続く跡が建物を傷付けていた。
('A`)「戦闘の後が最近だな」
( ゚∀゚)「まだ綺麗だからな」
( ^ω^)「てかここがJ地区かお」
('A`)「いや、地図を見ると性格にはG・H・I地区の集まりをまとめてJ地区なんだ」
( ゚∀゚)「三つの地区にしては小さいな」
('A`)「よくはわからないがかなり小さい地区の集合ってことだな」
215:名無しさん
09/04(火) 16:16 pbsjyjTdO
( ^ω^)「どこに行けばいいか迷うお」
('A`)「高い所から様子を見るか」
( ゚∀゚)「高いのは……あの山だな」
( ^ω^)「アホっぽいでかさだおw」
道なりに坂を進む。
湖の上の橋を渡りながら遠くを見ると他にも橋があることがわかり、遊園地としての大きさはかなりあることがわかる。
216:名無しさん
09/04(火) 16:17 pbsjyjTdO
('A`)「乗り物が勝手に動いてるな」
( ゚∀゚)「てかいろいろと電気が通ってるからな」
( ^ω^)「そろそろ夜かお ここでの夜戦はキツイお」
('A`)「建物の並びを把握しておきたいところだな」
( ゚∀゚)「だいたい飛び越えればいいんじゃね」
( ^ω^)「いつも逃げるから身体能力の強化された意味が無かったお」
('A`)「肉弾戦なんてあんまりしないからな」
( ゚∀゚)「素手で能力触ったら死ぬ場合もあるしな」
('A`)「動態視力が上がってるのは助かる」
( ^ω^)「てか結構広いお」
( ゚∀゚)「そろそろか」
山の頂上が赤く光る。
白い煙が上がる。
日が落ちた。
周囲の外灯が光る。
さっきまでの風景。
違うのは男二人、女二人が目の前にいたことだ。
女の一人は眠っているようだった。
体が痩せこけていて目は開いている。
心が体から離れた、そんな感じだ。
一人の男が口を開いた。
217:名無しさん
09/04(火) 16:19 pbsjyjTdO
(,,゚Д゚)「ここらのやつらは全員殺したはずだが……おまえらは?」
('A`)「入り口開いてた」
( ゚∀゚)「入場券買ってないやw」
( ^ω^)「遊びに来たお」
ミ,,゚Д゚彡「遊び?わざわざ殺されるために来るとはご苦労な事だ」
('A`)「穏便に済ませたいんだが」
(,,゚Д゚)「勝つのは一つのパーティのみ 話し合いや馴れ合いは愚かだ」
(*゚∀゚)「あるのは生と死の二つだけw」
( ゚∀゚)「死ぬのはおまえらか?」
ミ,,゚Д゚彡「おまえらに決まってるだろ」
( ^ω^)「できれば御免被りたいお」
ミ,,゚Д゚彡「これ以上の話しは無駄だな」
(*゚∀゚)「死ぬと良いw」
ショートカットの女が手を地面に向ける。
細長いコンクリートの紐のような物が女の周囲を回る。
218:名無しさん
09/04(火) 16:20 pbsjyjTdO
(;゚∀゚)「紐?」
(*゚∀゚)「だが別の物w」
女の周りを回っていた紐が細く伸びる。
伸びた紐が細く細くなる。
紐が12thに向かい伸びる。
( ゚∀゚)「俺には当たらない」
地面から刺を錬成し、紐を裁ち切る。
(*゚∀゚)「これで終わらないw あたしの能力は細く綴り続けるからww」
切断された紐に向け地面が伸びる。
(;゚∀゚)「遠隔とは違うな」
伸びた紐が12thの周りを回る。
(*゚∀゚)「威力はないけどその代わり丈夫さには自信あるんだよねw」
12thを中心に円となった紐が小さく迫る。
紐は12thを束縛した。
茶髪で長髪の男が両の拳をぶつけ合いながら向かってくる。
手は緑色の丸い斑点に覆われていた。
219:名無しさん
09/04(火) 16:21 pbsjyjTdO
ミ,,゚Д゚彡「一人死亡だな」
5mほど手前で男が拳で空を殴り飛ばす。
歪んだ塊が拳から放たれ、空気を震わせる。
( ^ω^)「詰めが甘いお」
にやけ面の男が口を開くと同時に固まりが白い本に飲まれた。
ミ,,゚Д゚彡「…!?」
黒い剣が12thごと切り裂く。
切られたのは紐だけ。
紐が消え12thが解放される。
( ゚∀゚)「助かったわ」
(*゚∀゚)「しぶといねw」
('A`)「笑っていられるのも今のうち」
2ndが周囲に小石を放つ。
小石が四人の目の前で表面が凍った白い雲に防がれた。
220:名無しさん
09/04(火) 16:22 pbsjyjTdO
('A`)「氷…?」
(,,゚Д゚)「それは心だ」
男が言葉とともに雲に手を入れる。
1stに向かって白い靄がかかっていた。
( ^ω^)「心…かお」
(,,゚Д゚)「心だ」
男の手が光る。
白い雲が一瞬光り、1stへと光が走る。
空気を切る轟音が周囲に轟く。
( ^ω^)「心の意味はわからないけど雷はずるいお」
1stの目の前では十字架が地面に刺さり、光を消していた。
221:名無しさん
09/04(火) 16:23 pbsjyjTdO
(,,゚Д゚)「珍妙だな」
( ^ω^)「ほめことば?」
(*゚∀゚)「単に馬鹿にしてるだけw」
細い紐が一カ所に集まり編み込まれる。
太く繊細な糸になる。
糸は速く進みながら広がる。
まるで意識を持った手足のように。
( ゚∀゚)「馬鹿に馬鹿はほめことばなんだぜ」
壁で糸の先端を防ぎ、壁を動かし、押し切る。
糸に砕かれた壁の裏には12thの姿はなかった。
(*゚∀゚)「…?」
( ゚∀゚)「厄介な錬成は根本から錬成のし直しが基本だろ」
糸の根本に手を触れた男が糸を錬成し直し、丸めてしまった。
222:名無しさん
09/04(火) 16:25 pbsjyjTdO
(*゚∀゚)「やるねぇwでもよそ見はダメだよw」
長髪の男が拳を振るう。
歪んだ塊が空気を震わせながら進む。
(;'A`)「波動拳かよ」
包を一カ所に集め、塊に向けて放ち相殺する。
(;'A`)「威力が高いな」
握っていた小石をばらまき、装填し放つ。
ミ,,゚Д゚彡「ちっ…」
一回だけ両拳を打ち鳴らし、小石に向けて、拳を振るう。
塊に小石の8割は蹴散らされてしまった。
(;'A`)「!?」
またも氷の雲に阻まれていた。
(;゚∀゚)「反則だな」
ミ,,゚Д゚彡「能力を使ってるから問題ないだろ」
(;'A`)「おまえらは別の能力だろ」
(*゚∀゚)「あたし達じゃなくてその娘の能力w」
一人のロングの女が目を開いたまま宙の一点を見つめていた。
(*゚ー゚)「……」
表情は変わらない。
木に体を預けている女は動かない。
ただ、周りの空気が白く霞んで見えるだけだった。
空気がひどく冷えて、息が白く見える。