4:名無しさん
08/19(日) 02:41 CWYBSXtvO

 
一重 『1st』
 
空に太陽が昇りだす。
一人の青年が家を出る。
少し歩いた先にある線路を渡っていた。
 
( ^ω^)「今日はすこぶる運が良い気がするお」
 
にやけ面の青年は独り言を呟いた。
今朝飲んだお茶に茶柱がたっていた事を思い出し、顔には満面の笑みを浮かべていた。
 
( ^ω^)「僕の人生は呆気なかったお」
 
前から軽トラが迫ってくる。
 
( ^ω^)「運がいいと思った途端にこれだお」
 
軽トラには誰も乗っていない。
ただ真っ直ぐ青年に向かって走って来る。
 
( ^ω^)「友達、家族……僕の周りにいるくだらなくすばらしい人々、僕は先に逝かせてもらうお」
 
彼は何時もと変わらない様子で少し大きな声を発した。
 
( ^ω^)「おぉ…!!」
 
彼が独り言を呟いている間、猫を線路から助けだす努力をしていた。
猫の足が抜けた。
なぜか線路に足を挟めていた猫を持ち上げ、投げ飛ばした。
 
( ^ω^)「猫の代わりに死ぬ僕ってかなりの偽善s
 
彼が言葉を言い終わる前に数tほどの鉄の塊が彼を潰した。
撥ねられただけなら生きていたかもしれなかった。
ただし、ここは踏み切り。
反対からも軽トラは来ていた。
彼は両側から潰され、原形を留めていなかった。

5:名無しさん
08/19(日) 02:43 CWYBSXtvO

 
―――――
 
―――
 

 
白い天井、真ん中には半径10mほどの円に木製の普通の椅子が二つ。
その中心の円の端からいくつもの円が連なっている。
 
( ^ω^)「正直、死んだかと思ったお」
 
連なっている円の一つに彼は立っていた。
円の中心には“1st”の文字。
 
( ・∀・)「おまえはすでに死んでいる」
 
(;^ω^)「お……?」
 
( ・∀・)「いや…“おまえら”かw」
 
( ^ω^)「“ら”?」
 
( ´∀`)「時間モナ」
 
いつの間にか二人の男が目の前に現れた。
 
( ^ω^)「時間……?」
 
( ・∀・)「そう、時間だ」
 
( ´∀`)「モナ達を楽しませてくれモナ」
 
( ・∀・)「さぁルール説明を始めようか」
 
( ´∀`)「実はここには沢山の死んだ人間がいるモナ」
 
( ^ω^)(沢山?)
 
( ´∀`)「互いに見えないようにしているモナ」
 
右側には2nd、4th……と円が列んでいる。
左側には3rd、5th……。
人影はない。

6:名無しさん
08/19(日) 02:45 CWYBSXtvO

 
( ´∀`)「声も聞こえないようにしてるモナ」
 
( ・∀・)「黙るといいよ12th」
 
( ´∀`)「ルールと言ったからにはゲームモナ」
 
( ・∀・)「君達には僕ら二人の神の座を与えようかなと」
 
( ´∀`)「モナ達は神の期間が短いけど飽きたモナ」
 
( ・∀・)「永遠の寿命、自由な世界の改編、運命の操作、etc……」
 
( ´∀`)「まぁ永遠の寿命なんて最初の100年で全ての事をやり尽くすから4、500年でやる気無くすモナ」
 
( ・∀・)「まぁ僕らは運命の操作無しで生きたいだけだから」
 
( ´∀`)「建前モナ 本当はピチピチウハウハしたいだけモナ」
 
( ・∀・)「別にこのまま海に行ってもいいけど女の子をここに呼んじゃいけないんだ」
 
( ´∀`)「ここは神の在り処」
 
( ・∀・)「神のみ存在することを許された所在」
 
( ´∀`)「特例は候補者」
 
( ・∀・)「何故ここがあるか等の無粋な質問はよしてくれ」
 
( ´∀`)「3rd、モナたちもわからないからモナ」

7:名無しさん
08/19(日) 02:47 CWYBSXtvO

 
( ・∀・)「2nd、その質問は自ら周りに声を出して質問したいのかな?」
 
(2nd)「あぁ」
 
( ^ω^)(隣にシルエット…これが2ndかお)
 
(2nd)「運命の操作とはなんだ?」
 
声はない。
ただ脳に直接言葉が叩き込まれたように錯覚した。
 
( ・∀・)「運命の操作だよ 自由に君達の運を操作できる」
 
( ´∀`)「最初は無茶苦茶運を良くしたり酷いくらい悪くしたりしてたモナ」
 
( ・∀・)「めんどくなって産まれた時にランダムで人生の運を決めるようにしたんだけどね」
 
( ^ω^)(……)
 
二人の話が信じられなかった。
二人の男が神だなんて誰が信じられようか。
いつの間にか2ndの影は消えていた。
 
( ´∀`)「君達は神の候補者」
 
( ・∀・)「全てを統べる力を得る機会を得た人間」
 
( ^ω^)(神って……ここは独裁国家かお)
 
( ´∀`)「24th、異論は認めないモナ」
 
(;^ω^)(24?何人いるんだお)
 
( ・∀・)「ルール説明を始めるよ」
 
利口そうな男の機嫌は最高によかった。

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