281:◆/wOcNhjd4U
12/10(日) 14:12 3MBfjsvfO
「約束は……守ったわよ」
焦げた地面に背中から倒れる。体中の火傷はもう二度と手足を動かさせてはくれそうになかった。
ξ;゚-)ξ「ブーン……」
十メートルほど先で横たわるブーンを見つめる。この距離ではわからないがおそらく……
ξ;--)ξ「……私も……すぐにいくわ……」
静かに目を綴じる。火も既に消えておりツンの頬を爽やかな風が撫でた。
そろそろ……
「ツンっ!!」
ξ;゚-)ξ「……みんな」
(;'A`)「しっかりしろっ!!」
爪゚ー゚)「よかった……!! まだ生きてる!!」
川゚ -゚)「ミルナは?」
馴染みの顔ぶれが口々に声をかける。
全く……死にかけの人にそんなまとめて話されてもわかるわけないじゃない。
ξ;--)ξ「……ミルナは倒したわ。けどブーンは……それに……私も……」
「おいっ!! こいつまだ息してるぞ」
遠くから毒男の声が響く。
普段から聞き飽きたその声が
今は天使の歌声のように感じた。
(;'A`)「でも……もうわかるかわからないかぐらいしかしてない!! このままじゃ……!!」
爪;゚ー゚)「そんな……折角生きてたのに……」
再び暗い空気が辺りを包む。
自分たちは横たわるブーンを看取ることしかできないなんて……
川; - )「……治療を始める!!」
Σξ゚听)ξ「なっ……!!」
Σ(;'A`)「胸に穴が空いてるんだぞ?!!」
爪;゚ー゚)「そんなの」
川;゚ -゚)「時間がないっ!! いいからブーンから離れろ!!」
クーが声を張り上げる。普段は見せない一面にみんな戸惑いながらもすぐにブーンのもとを離れる。
(;'A`)「ツン大丈夫か?!」
ξ;゚听)ξ「おぶってくれてありがと!」
爪;゚ー゚)「クーは一体何を……」
三メートルほど先でクーがブーンの前に立つ。
袖から出したのは木製の光輝く杖。
(;'A`)「まさか、魔術の類いか?!」
クーは杖を両の手でそれを天に掲げ
爪;゚ー゚)「そんなのが……」
強く握り締めると
ξ;゚听)ξ「でもっ……、ブーンが助かる!!」
川゚ -゚)「チェストォォォォォォォッッ!!!!」
ブーンの胸部へ思い切り殴りつけた。
282:◆/wOcNhjd4U
12/10(日) 14:16 3MBfjsvfO
ξ゚听)ξ「……」
( 'A`)「……」
爪゚ー゚)「……」
スポポポポポポーン!!!
。 。 。 。 。 。
/ / / / / /
爪 Д ) Д) Д)ξ
川;う-゚)「……ふぅ」
ξ;う竸)ξ「……ふぅ」
ξ##゚д゚)ξ「じゃないでしょおぉぉぉっ?!!!」
(##'д`)「あああんた何してまんねんんんっっっ!!」
爪##゚д゚)「い、い、今のはいくらなんでもっ!!」
「……いた……いお……」
Σξ゚д゚)ξ
Σ( 'д`)
Σ爪゚д゚)
(;;^ω^)「確かに……今のはあんまりだお……」
川゚ -゚)「間に合ってよかった」
ξ;;)ξ「ぶっ、ブーン!!」
爪;゚ー゚)「……どうなってるの?」
川゚ -゚)「『癒しの杖』だ。対象が生きていれば殴るだけで傷を回復させる」
( 'A`)「ああ、あの低レベルクリアでお世話になる奴な」
爪゚ー゚)「……でも、ブーンはまだ動けないようよ?」
川゚ -゚)「ダメージが大き過ぎた。今のではまだ命をとりとめただけだ」
(;#)A`)「なら早くブーンと後ろのじゃじゃ馬娘にも……だから痛いつってんだろ!!」
ξ;;)ξ「ブーン!! ブーン!!」
依然手足をばたつかせてブーンのもとへ行こうとするツン。もはや自分を背負ってる毒男は眼中にない。
川゚ -゚)「ダメだ。私の能力は一つの武器は一回の戦闘につき一回しか使えない」
爪;゚ー゚)「どうすれば一回の戦闘は終わるの?」
川゚ -゚)「精神的な問題だ。私がリラックスすれば戦闘終了と扱われる」
川゚ -゚)「つまり……」
〜
川゚ -゚)「茶」
( 'A`)つ旦~「どぞ」
川゚ -゚)「お菓子」
爪;゚ー゚)つ□「どうぞ」
川゚ -゚)「踊れ」
○
\('A`;) ハッ ホッ ハッ
) ノ)
((( <○< )))
爪;゚ー゚)「あの……クー」
ハッ ホッ
川゚ -゚)「なんだ?」
ホッ ハッ
爪;゚ー゚)「……まだダメなの?」
ハッ ホッ
川゚ -゚)「……あと少しな気がする」
爪;;゚ー゚)「毒男っ! 頑張って!!」
オーウ
〜…あくまで治療のためだ にようこそ!〜
285:◆/wOcNhjd4U
12/12(火) 21:52 pPvzN4hJO
川゚ -゚)「よし……いける」
爪;゚ー゚)「はぁはぁ……ホント……?」
(;'A`)「ぜぇ……ぜぇ……息子が風邪ひいちまうとこだった……」
切り株の上に座るクーの横でうちわを扇ぐじぃと正面で踊っていた毒男の顔に希望の表情が浮かぶ。
少し離れたところで寝息をたてるブーンに膝枕をしていたツンの耳にも届いたらしい。その場を動かないまま急かすように声をあげている。
ξ;゚听)ξ「は、早くブーンをっ!!」
川゚ -゚)「いや、先にツンだ」
ξ;゚听)ξ「なんで?私は」
川゚ -゚)「効率の問題だ。この杖は殴る力に比例して回復量が増える仕組みでな。私がやってたのでは切りがない」
爪;゚ー゚)「と言うより……なんでツンは平気なの?」
ξ゚听)ξ「え?」
(;'A`)「おまえさっきまで死亡フラグたってただろ?」
ξ゚听)ξ「……」
ξ///)ξ「……ブーンみたら治った」
( 'A`)「バカスwwww」
川゚ -゚)「それでもまだ完璧ではあるまい」
胸元から先ほどの杖を取り出すと膝枕しているツンの前まで歩いていく。
川゚ -゚)「いくぞ」
ξ;゚听)ξ「え、ちょ」
川゚ -゚)「飛天御剣流……」
クーは声を発すると同時に高く跳躍し
川゚ -゚)「龍槌閃!!」
落下しつつツンの脳天を殴りつけた。
Σξ;;)ξ「〜〜!!?」
川゚ -゚)「安心しろ。峰打ちだ」
(;'A`)「元から刃なんかねーだろ」
爪;゚ー゚)「とても痛がってるように見えるのだけど……」
ξ;;)ξ「痛いわよ!!」
涙ぐみながらもブーンが起きないようにしっかり膝を固定してるところに愛を感じる。
川゚ -゚)「この杖は痛覚はそのままあるんだ。当然怪我はないのだが……」
ξ゚听)ξ「……そういえばホントに治ってる」
川゚ -゚)「あとはツンが癒しの杖でブーンを殴れば解決だ」
(;'A`)「なら早く」
川゚ -゚)「ダメだ。私の能力は一つの武器は一回の戦闘につき一回しか使えない」
爪;゚ー゚)「……やっぱり……」
(;'A`)「またか……」
〜
川゚ -゚)「茶」
以下(ry
〜
286:◆/wOcNhjd4U
12/12(火) 21:55 pPvzN4hJO
川゚ -゚)「よし……いける」
爪;゚ー゚)「はぁ……はぁ……」
(;'A`)「ぜぇ……ぜぇ……」
ξ゚听)ξ「ブーン、少し我慢してね」
川゚ -゚)「この杖を持ってくれ」
ブーンを地面に寝かせて立ち上がるツンに背中から取り出した杖を渡す。
(;'A`)「てかホントにどっからでもだせるのな」
川゚ -゚)「これで全力で殴ればいいだけだ。同時に何か言うと力が入りやすい」
ξ゚听)ξ「……わかったわ」
光る杖を力強く握り締め、ブーンの横に立つ。
( -ω-)「……」
ξ゚听)ξ「ブーン……」
今……私が治してあげる
ξ#゚听)ξ「死ねええぇぇぇぇぇぇっ!!!」
爪;゚ー゚);'A`);゚ -゚)
「ちょwwwwww」
(;;゚ω゚)「ひでぶっっ?!!!」
炸裂する爆音。それと同時にブーンの体は強く光り、体中の傷は跡形もなく消え去った。
ξ゚听)ξ「殺ったわ!!」
(; ゚ω゚)ピクピク
(;'A`)「やったの字が違うっ!!」
爪;゚ー゚)「それにブーンが目を覚さないのだけど……」
川゚ -゚)「……ショック死……か」
Σξ;゚听)ξ「!!??」
〜
(; ^ω^)「死んだと思ったお……」
ジョルジュの操縦するヘリの中でゴチる。
あのあと奇跡的に一命を取留めたブーンはそのままみんなとクーが呼んだヘリに乗り込んだ。
ξ;゚听)ξ「だから何度も謝ってるじゃない!!」
( ^ω^)「これは償ってもらわなきゃダメだお」
ξ;゚听)ξ「え?」
(* ^ω^)「ふっふっふっ、僕の言うことをなんでも一つだけ聞くお」
ξ゚听)ξ(……なんでも)」
ξ///)ξ「い、いいわよ。」
( ^ω^)「それじゃ……」
ξ///)ξドキドキ
( ^ω^)「またみんなで遊びにくるお」
ξ゚听)ξ「……へ?」
(; ^ω^)「……ダメかお?」
ξ゚听)ξ「……」
ξ゚ー゚)ξ「いいに決まってるでしょ」
島は既に豆粒ほどになっている。
けど
僕は忘れない。
豆粒ぐらいの島に詰まった
大きな大きな思い出を
〜キメラアント編・完 にようこそ!〜