527:名無しさん
11/05(月) 21:32 bMPByctVO

 
四十四重 『ツンデレ』
 
从;゚∀从「ヒー…ト?」
 
目の前にいるヒートが全くの別物になっていた。
そう、者ではなく物に。
ヒートはこちらに見向きもせずに、ただただ立っているだけ。
 
('A`)「……あれからは自我が全く感じられん」
 
またんきとの戦闘中に参戦したヒートの異変に気付いて代わりに戦い、俺を見逃したビコーズ。
だが相手のまたんきも味方のビコーズも、死んでいる。
 
lw´‐ _‐ノv「ヒートに何したんよ? ワタナベ」
 
シュールのアルカナが光を反射し、鈍く輝く。

528:名無しさん
11/05(月) 21:34 bMPByctVO

 
从'ー'从「別に〜 ただ、言うことを聞いてもらうためにちょっと乱暴したくらい〜」
 
从#゚∀从「おまえら、そんなことまでしてξ(゚△゚*ξ「勝つ為には手段は選ばない……選べない ツンの……皆の……箱庭の為に」
 
lw´‐ _‐ノv「どういうkノパ听)「……」
 
視界が暗転し、上半身を無くしたシュールが倒れた。
ヒートの投げたまたんきの頭に貫かれて。
 
从'ー'从「悪いね、デレ 私が神になるから やっちゃえヒーt」
 
ワタナベのカードが目の前に現れる。
そしてカードはヒートが投げたビコーズの頭により、弾かれる。

529:名無しさん
11/05(月) 21:35 bMPByctVO

 
从;'ー'从「ふええ〜ん…どうしt」
 
ξ(゚、゚*ξ「……」
 
デレの射った矢に胸を貫かれたワタナベが地面に引っ張られるように倒れた。
 
从;'ー'从「……諮られた…」
 
ξ(゚△゚*ξ「私は誰も信じてなかっただけ あなたがヒートをいじった後に脳に制御チップを埋め込んだ 表面ではあなたに服従するように仕向けた私のマリオネット」
 
ヒートがワタナベの持っているカードと鍵を奪う。
そして弾かれたワタナベのカードとビコーズ、またんきのカードも全てデレに渡す。

530:名無しさん
11/05(月) 21:37 bMPByctVO

 
ξ(゚△゚*ξ「先に冥王を解除しようか……ヒートは二人の相手を頼むね ロマネスクみたいな妨害もいないし」
 
デレがヒートに伝え、地面に鍵を刺す。
冥王の球体の一部が開き、白い道が鍵から球体の内部にかけて現れる。
道は幅10mほど。
距離は天に届くほど。
 
ξ(゚、゚*ξ「すぐにでも実行に移したいから」
 
デレが道を歩きだす。

531:名無しさん
11/05(月) 21:39 bMPByctVO

 
从#゚∀从「待てよ!!」
 
('A`)「落ち着け……まずは目先のことからだ 一度長岡のことも忘れろ 足震えてるぞ」
 
从#゚∀从「なんでそんなに落ち着いてるんだ!!」
 
('A`)「こういう時こそ落ち着くんだ 怒りは隙を生む それじゃ相手の思う壷だろ」
 
从 ゚∀从「あ、あぁ」
 
ノパ听)「……」
 
('A`)「二方向から挟むぞ TOWER:土結晶」
 
ドクヲを囲むように15個の硝子玉が現れ、流れるように回転する。
 
从 ゚∀从「WORLD:寒結」
 
ハインの手に触れている空気が凍り、白い靄が漂う。
そして一丁の黒光りする銃。
グロックと呼ばれる銃に酷似している。
9mm口径、弾数は17発。

532:名無しさん
11/05(月) 21:41 bMPByctVO

 
('A`)「隙が出来たら俺に任せて先に行け」
 
从 ゚∀从「一人で大丈夫か?」
 
('A`)「おまえらを殺すまでは死なん」
 
从 ゚∀从「だったら私を置いてあんた一人で行けばいいのに」
 
('A`)「……」
 
从 ゚∀从「長岡が気になるのか?」
 
('A`)「……別に ただ頼まれたからな まぁ見送るぐらいしてやるさ」
 
从 ゚∀从「そうか」
 
左右にわかれ、ヒートに攻撃をする。
硝子玉の一つがヒートに迫る。

533:名無しさん
11/05(月) 21:43 bMPByctVO

 
ノパ听)「MAGICIAN:神眼」
 
ヒートの目が更に曇る。
彼女の視界には0と1の世界が広がる。
彼女の目に映る全ては鈍速でしかない。
ゆっくりと進む硝子玉を軽いステップで回避。
 
(;'A`)「一瞬で横に…」
 
ドクヲには一瞬の動作でしか見えない。
 
从;゚∀从「お前一人じゃ無理だろこれ」
 
ヒートに向けて撃つが全て最小限の動作で回避される。

534:名無しさん
11/05(月) 21:44 bMPByctVO

 
(;'A`)「その前に隙がなさそうだわ」
 
从;゚∀从「おいおい」
 
(;'A`)「冗談 だが俺のアルカナを使っても攻撃を当てられん」
 
从;゚∀从「えー」
 
(;'A`)「動きを止めるくらいは……無理かもしんが頑張ってくれよ」
 
从;゚∀从「……」
 
(#'A`)「走れ!!」
 
ドクヲが硝子玉を五つヒートに向けて飛ばすが、難無く回避される。
今までと違うのは玉がヒートを囲むように地面に埋まる。
 
从;゚∀从「!?」
 
訳もわからず、ただ道を目指して走る。

535:名無しさん
11/05(月) 21:45 bMPByctVO

 
ノパ听)「……」
 
ヒートを囲むように土が盛り上がり、10mほどのポーンを形成する。
ハインが走り抜け、冥王の球体を目指す。
白い髪をたなびかせ、白い道を駆ける。
 
ノパ听)「……」
 
土のポーンを素手で砕き、瓦礫とともに現れる。
ヒートの拳から流れるのは真っ赤な血液。

536:名無しさん
11/05(月) 21:47 bMPByctVO

 
('A`)「お前も俺も変わっちまったな……昔はみんな仲がよかったのに 殺し合うなんてな」
 
ノパ听)「……」
 
何も答えない。
それでも言葉を紡ぐ。
 
('A`)「あんなに喋ってたお前がこんなに無口だなんて」
 
肉体はそのままで、意識は支配されている姿。
 
ノパ听)「……」
 
ヒートが迫る。
ただ、歩く動作は無い。
滑るように進む。
 
('A`)「お前のそんな姿は見ていたくないんだ」
 
硝子玉はドクヲの周りを回る。
ただ回る。
だが、速度を上げて。
そして回転はヒートの目でも微かでしか捉えられない速さへと変わった。
 
('A`)「親友として止めさせてもらうぞ」
 
ノパ听)「……」
 
硝子玉がドクヲを包むように回転する。
薄い壁が張られているように。
ヒートの姿が目の前から消え、一陣の風が吹いた。

537:名無しさん
11/05(月) 21:48 bMPByctVO

 
白い球体から5mほど離れた位置に二人は立っていた。
 
ξ(゚△゚*ξ「……やっぱり来たの」
 
寂しそうに見つめる。
 
从 ゚∀从「あんたのしようとしてる事は意味の無いことなんだよ……」
 
銃をデレに向ける。
 
ξ(゚、゚*ξ「やってみなきゃわからない」
 
从 ゚∀从「わかるさ……死んだ人間は生き返らないんだ、デレ」
 
空に浮いている月は真っ赤に染まっている。
時々吹く風が髪の毛を透く。
流れる雲が月を隠し、また現れる。
現れた月は更に輝きを放っていた。

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