2:◆uAn5dIn1Sw
06/07(木) 21:56 xFPYOTRrO


一番乗りかな?

( ^ω^)はジェットコースターのエースパイロットのようです


安全の為の六点式のシートベルトが体を締め付ける。
僕ら競技ジェットコースター乗りに安全など必要ないのだが、
一応ルールで装着する。

( ^ω^)「ブーン、ユアンゴディワロス号、発信しますお」

カタカタと音を立てながらジェットコースターが地獄のクライムをする。

ルールは簡単だ。
コースの頂上から滑り、スキージャンプのようにコースの途切れた部分から飛び立つのだ。

そして搭乗者は射出式のシートで空に放り出される。

そして搭乗者は背中のパラシュートを開き、できるだけ遠くへ着地する。
その飛距離がスコアとなる。

( ゚ω゚)「くっ!」

顔に感じる風圧。
軋む金属製のレール。
全身を包む強烈なG。




………飛んだ。



僕はシートに弾き飛ばされ、空を舞う。
空。
僕にこの世界を教えてくれた彼女と同じ名前。

クー……

今日僕は、あなたを超えてみせる!



おしまい。




いきなりでごめんね。

次のお題は

【ブルーハワイ】

はどうだろう。

3:名無しさん
06/07(木) 21:58 xFPYOTRrO

うわっ!いけね……トリつけちゃった。

二連続でレスしてごめん。

4:少し足らなかった…
06/07(木) 23:15 m0Z3OvSGO

「ブーン君、本気でそんな所に絵を描く気かい?」

私はずんぐりと短い脚を踏み広げて真っ白な壁を見つめる小太りな少年に尋ねた

( ^ω^)「とりあえず、何か描きたい…そんな気分なんだお」

ブーンと呼ばれた小太りな少年は依然、一心にじっと壁を見つめたまま私に返事を返した。

「どうせここに絵を描いても誰かに発見されて直ぐに消されるさ…やっぱ、やめとこうブーン」

私は、持ち前の慎重さでブーン言った。


……………青


「ん?」

おやと思わざるを得ない、か細い声が聞こえた。

(  ω )「青青青あおあおあおアオアオアオAOAOAO青だお!」

狂ったかのように突如、ブーンは絵の具がたっぷりと染みた筆を持ち騒ぎ出した。

目の前の壁が…真っ白だった筈の壁が、どんどん青に乱れていく。

      そして…

(*^ω^)「完成だお」

満足気に少年は呟いた

私達の目の前には一面、青…あお…アオ…AO…青が広がっていた

私は、本日2度目となるブーンへの質問を試みる。

さっきと違い、今回は揺るぎなき眼で。

「…題名は?」

ブーンは、曇り無き眼で目の前の壁を見据えながら答えた。

( ^ω^)「…ハワイアンブルー」 

次のお題…つ【街灯】

5:名無しさん
06/07(木) 23:27 nyuBjZC4O

【ブルーハワイ】


小さなバーに女性が一人

女性「マスター、オススメちょうだい」
店主「ブルーハワイなんて
          どうですか?」
女性「カクテル?…悪くないわね、
      じゃあそれで」
店主「わかりました…」
バーの店主はブルーハワイの
レシピを確認して作り始める

シャリシャリ、シャリシャリ

店主「できましたよ、ブルーハワイです」
置かれた物を見て女性は
驚いた顔をする
女性「………これ、かき氷の
      ブルーハワイよね?」
店主「そうですよ、カクテルも
      ありますけどね」
女性「バーなんだからお酒出しなさいよ」
店主「お酒はお出しできません…
      だって……





       …未成年でしょ?梨花ちゃん」
梨花「みぃ〜☆」


ごめん、反省してる

次は【体育祭】

6:名無しさん
06/07(木) 23:29 nyuBjZC4O

うわぁ…書いてたら先こされてるよ
ごめんお題は>>4

吊ってくる

7:名無しさん
06/07(木) 23:29 MO9CqVNaO

とある町にて。
人工の灯りで照らされる町並みを歩く、1人の男がいた。

その男は、なにやら疲れているようで。
うつ向き気味にとぼとぼと歩くその姿からは、妙な哀愁が感じられる。

( ´_ゝ`)「ん? あれは……」


ほんわかと地面を照らす灯り。
男はそれを見て、ふと顔を上げた。

はじめは、街灯か何かかと思った。
だが、その出本は街灯なんかではなく、別のものだとすぐに判断できた。

顔を上げて見た、視線の先。
そこには、一台の小さな屋台があった。

( ´_ゝ`)(こんな時期に珍しいな……)

男はそう思い、屋台に向けて歩を進めてゆく。

現在、季節は夏。
季節外れではあるが、何となくおでんが食べたい気分だった。

そして、屋台に到着し――









それがおでんではなく、ラーメンの屋台である事に気付き絶望した。





おわり。
次のお題は「おでん」な

8:名無しさん
06/08(金) 00:12 EvJfweZXO


lw´-_-ノvの最期の晩餐はおでんだったようです


もうこの世の中に未練などない。
大好きなおでんと白米も食べた。

おでんの汁の染み込んだ白米の前では、
キャビアも数の子も大差ない。


lw´-_-ノv「幹の太さよし。枝の太さよし。ロープの結び目よし」

ぬかりない。このまま首を吊ってシュールに死のう。

足場にするのは自慢のPS3だ。発売日に並んで買った。

lw´-_-ノv「よいしょ」

ロープに首を通して準備完了。

最新のゲーム機を足場に首吊りか。なかなかシュールじゃないか。


lw´-_-ノv「さようなら」

……おっと、まだ靴を履いていた。
首を吊ると小便垂れ流しになるらしいからな。
靴が濡れるのは不快だ。スポッ

lw´-_-ノv「今度こそさようなら」

バチッバチバチッ

誘蛾灯に蛾が惹きつけられ、燃え尽きている。

……私の一生とあの蛾の一生。
どちらが生物として価値があったのだろう。

蛾のほうに決まっている。
蛾は子孫を増やそうとしていた筈だからな。


私はどうだ?
子孫を増やそうとしないなんて蛾以下じゃないか。 

なら。今私は死ぬべきではないな。


それに、誘蛾灯を見て自殺をやめるほうが、
ゲーム機を踏み台に自殺するよりシュールだ。


lw´-_-ノv「グッバイ誘蛾灯」



おしまい


次のお題は

【枕】

9:名無しさん
06/08(金) 14:20 2mhrmvx6O

( ^ω^)「…………」

彼の名前はブーン。今、彼の前には有名な妖怪。枕返しがいる

枕「キェー!貴様の枕を返して絶望を味あわせてやるぜ!枕!枕!」

( ^ω^)「(DQNだお…)…ん? 絶望? どういう事だお?」

枕「ヒィーハァー!俺は枕を返した相手の魂を未来にもって行く事が出来るんだ!だからお前の魂を80年後にもって行ってやるのさ!」

( ^ω^)「! それは困るお! それじゃあ童貞のままジジィになるお!」

枕「知るか!キェェェ!」

枕返しは奇声を発すると同時にブーンの枕に飛びかかった

( ゚ω゚)「させるか!」

ブーンは飛びかかってきた枕返しの腹に強力な蹴りをいれた
 吹っ飛び壁にぶち当たる枕返し。蹴った衝撃でよろけるブーン。
枕返しはその瞬間を見逃さず、素早く体制を立て直し、一気にブーンとの間合いをつめた

( ^ω^)「お!?」

枕返しはブーンの又下に手を入れ上に放り投げた

( ゚ω゚)「ブルァァア!」

叫びながら頭から着地するブーン
 そして枕返しはブーンの枕に手をかけた

( ^ω^)(や、ヤバイお、このままじゃ童t(ry

枕「イヤァァァ!これで終りだぁ!」

枕返しの指先に力が入り、ついに枕が



ひっくり返らなかった。

枕「何!?」

(  ω )「フフッ……命びろい…いや童貞びろいしたお」

ノッソリとブーンは起き上がり言った。

( ^ω^)「僕は寝相が悪いから枕と布団はボンドで固定しているんだお」

枕「!?な……」

枕返しは驚愕した。今まで何百もの枕を返してきたが、こんな馬鹿な目にあったのは初めてだった

( ゚ω゚)「次はこっちの番だお!」

ブーンは枕返しを正面から掴んだ。そして


( ゚ω゚)「巴投げ!」

枕返しは昇天した。そして巴投げにつられて枕もひっくり返った

( ^ω^)「ブヒッ!?」



終わり。お題は『豚』

10:名無しさん
06/08(金) 22:59 Rku+gHh9O


疲れの溜まった溜め息をつき、玄関を開ける。

ただいま、と習慣的に言葉を投げかけると、
部屋の奥からおかえり、と鼻歌交じりに返事が聞こえた。

ξ*゚听)ξ「ふんふふ〜ん♪」

どさりと鞄をソファーに投げ、体を預ける。

妻の口ずさむメロディに耳を傾け、自然と口元が緩んでいた。

それに気づき、やっぱり自宅が一番心地良いと思う。

毎日の冷めた仕事のことを忘れさせてくれる。

外回りで疲れた体、上司に上辺だけの付き合いで廃れた心。

その両方を回復させる魔力すらあるのだ。


( ^ω^)「お? この香りは……」

スパイスの効いた香りが鼻をくすぐる。

労いの意味の込められた言葉とともに、それは運ばれてきた。

ξ*゚听)ξ「はい、お疲れさま」

( ^ω^)「お、いただきますお!」


マンネリとした日常を、豚肉入りのカレーが温めてくれる。 


お題【歌】

11:名無しさん
06/09(土) 01:38 HWe3GfppO

私は手を胸にぴたりと当てた。

周りからは、既に喜びの声がどよめき渡っている。

しかし、私の丁度直線上に居る見るからに覇気の無い男だけは微小していた。

彼は昔私にこう言った

【歌を歌えば太陽になれる】

と。

私は充分な注意のもとに、平静を装いながら本日第一声目となる言葉を人々に向かって放った。

「皆さん…今日は私と一緒に地上の太陽となりましょう!」

発言を終えた瞬時に、一気に歓声が沸き上がる。

直線上に居る彼だけは腹の底から思いっきり笑っていた。

そんな彼を見て、私の中の胸を疼く種は消えて行く。

マイクの調子万端。

私の心も調子万端。

太陽になるまでの時間、後約10秒。



次のお題
つ【太陽】

12:名無しさん
06/09(土) 03:44 biWSnOcmO

(;^ω^)「う〜……あっついお…」


太陽<カッ!!!!


(;^ω^)「まだ六月だお…日差しがジリジリ照り付けるお…」


太陽<ジリジリ…


(#^ω^)「おい!太陽!お前有休とれお!!マジ暑いお!」


#太陽<黙れ!小僧!照焼きにされてぇか!ピザ豚!


(;^ω^)「太陽喋ったお…」


太陽<いや…ね…休みとってもいいけど…ね…自分も家庭があるからさぁ…


(;^ω^)「何この微妙で切実な想い…」


太陽<サンサン♪




お題『グダグタ』

13:名無しさん
06/10(日) 01:27 xL652mgKO

貴方は私の前から突然消えましたね

「今のグダグダとした関係は止めて、キッパリしようお」と。

貴方はそれで満足しましたか?

私は正直、後悔しています

あの時に、貴方をぶった事を

貴方の弱さを知っていたのにも関わらず無視した事を…

だから今、会いに行きます

貴方へあの時に渡せなかった言葉を渡しに…………


ξ゚听)ξ「はぁ…。」

船の甲板で、いつになったら陸地を望見できるのやら…と心配している美女の名は…いえ、名前を出すのは止めておくわ
美女の愛称はツン、そう、気付けば私は皆からツンと呼ばれていた。
いっ…言っておくけど別に私はナルシストなんかじゃないんだからね///

ξ゚听)ξ「…」

突然、視界がうねる。
海面が目前に迫る。
あぁ…落ちちゃったんだ私…
今の状況を把握した時は、時既に遅し……

私は死んだ。
船のスクリューに巻き込まれて…
最後に…最後にもう一度彼と……ブーンとお話したかったな。。。

次のお題、つ「英和辞典」

14:名無しさん
06/10(日) 02:45 dkrZ2hn0O

図書館の方からだろうか、帰り支度をしていると様々な音が響いてきた。
 金属音、打撃音、炸裂音…他にも聞こえたが、それは俺の知らない音だった。


気になり図書館の入り口、扉の前で…数時ほど、それを聞いていたが
その間、それが止むことはなかった。

     *   *   *

好奇心からか、今は珍しい、内部が覗けるほどの鍵穴が着いた扉。
そこから図書館の中を覗いてみた。

――俺は唖然とした。何故なら図書館内の机や本棚の殆どは倒れ…破砕し、本は錯乱し、視界が霞むほどの埃が舞っていた

…その中心で見つめ合う、否…睨み合う男女が一組。 男の方はうちの学校の生徒だろうか、髪は黒髪。身に着けた制服は指定のものだ。 それのあちこちは汚れ、僅かに裂けていた。

 片や女の方は、赤髪、制服は見慣れないものだ。 そちらは制服に傷や汚れは少ないものの、露出した部分、頬やら肘…膝やらに掠り傷を負っているように見える。

一体何をしたらこんな惨状に?
そんな事を考えていると、自然と男女の手元に視線が行った。どうやら互いに、似たようなものを手に持っているようだが……?…あれは…

俺は自らの目を疑い、思わず声を零してしまった。

男女の手にあったそれは



(`・ω・´)「…英和…辞典」





乱文スマソ^^;

お題「お昼寝」

15:長いので2つにします
06/10(日) 04:28 BVieGKOwO


 雲一つない空


 優しく、そして暖かい昼の太陽


 爽やかな春風が頬を撫でる


 皆徐々に少し前までの灰色の寒さから衣替えをしようと頑張っている…


すっかり新緑の色に染まった土手で川のせせらぎを聞きながら俺は昼寝をしていた


無論、服は制服のままである


俺の高校は欠席者に対しての厳しい追及はない


来ない者=やる気のない者であり、=落伍者扱いなのである


半年前からろくに学校など行ってない俺は学校長様様曰く『どこにも存在する価値のない人間』らしい

16:2/2
06/10(日) 04:34 BVieGKOwO


「…腹減ったな」


不意に俺は中学までいつも左隣にべったりくっついていた『存在』がいない寂しさを紛らわすためにそう呟いた


「じゃあ…おべんと、一緒に食べよ?」


背後からの不意な一言が俺の虚しい独り言を会話に昇格させた


「!?お、お前…学校はどうしたんだよ…いやそれより久しぶり…?」


俺の頭の中は震度6の地震と巨大台風が一度にやってきたような感覚でいっぱいだった


「久しぶり!…進学してから蓮君とまともにお話してなかったから…寂しくなっちゃって」


「で、でもこんな所で飯なんか食ってたら次の授業出れなくなるぞ?」


授業に出れなくなる…それはすなわち落伍者を意味していた


「うん、いいの。私には私の存在を認めてくれる人が一番近くにいるから…なんちゃって//」




どうやら俺の中の落伍者は守るべき者を得たナイトに成長したようだった

春風は俺達に『本当の』第一歩を踏み出すために静かにやってきたのかもしれない…



長文スマソ

次お題【お弁当】

17:名無しさん
06/10(日) 09:55 ngg6mdkSO

( ^ω^)ノ「いってくるおー」

ξ゚听)ξ「行ってらっしゃい、はいこれ今日のお弁当」

―昼食の時間―

(*^ω^)「楽しみだお」

蓋を開ける

中にはメモが一枚

【これで何か買ってねはぁと】

メモには500円硬貨が一枚貼ってあった




お題「課題」

18:名無しさん
06/10(日) 15:30 mpGvqvAx0

6月某日土曜日、自宅にて。
顔を撫でる扇風機の風を受けながら、僕はただただ
呆然としていた。

暑い。
まだ真夏ではないというのに、汗が滝のように流れる。
「水も滴るなんとやら」とうい言葉があるが、それもどうでもいい。

(;^ω^)「なんという暑さ……これは間違いなく地球温暖化」

まったく、嫌になる。

部屋の窓から望む空は、雲ひとつないほどに晴れ渡っているというのに。
僕は机に腰掛けてノートを広げ、学校で出された課題をこなさんと鉛筆を走らせている。
出された量が思いのほか多く、大分前から取り組んではいるのだが、全く終わる気配が感じられない。

そうだ。

よく考えたら、今日は土曜日じゃないか。

なにも、今これをする必要なんてないんじゃないのか――?

そう考えると、あっという間に気が軽くなった。
こころなしか、体全体が軽くなったようにも思え、僕は勢いよく腰を上げた。

そして。

言ってやったんだ。

僕の前に仁王立ちで待ち構える、「課題」という名の障壁へ。

( ^ω^)「僕達の戦いはこれからだ!」

ごめん、適当に書いた。
次の人に送る題名は「イカsummer」な

19:名無しさん
06/10(日) 16:50 X4alUWrqO

天気予報というのは詐欺師のすくつで、さらに天然パーマなんて言ったら、もう大悪党も大悪党である。

俺は誰に文句を言っているのか?
暑さである。
予報されていた最高気温はとっくに超え、脳はメルトダウン状態だ。

(;'A`)「ん? あ、あれは…」

それは無い風に靡き、僕らを誘う、そう、旗に描かれた、『こ お り』の文字!!

川゚-゚)「やあ、ドッピオじゃないか。君も、あれが食べたいのか?」
(;'A`)「(突っ込むべきなのか…?) あ、あぁ、やはり、夏だからな…」

現れたのは、奇天烈女との呼び声も高い、くぅとかいう、クラスメイツだったと思う。やけに涼しげな顔だ。マリ見てみたいに長いスカートのくせに。

(;'A`)「あっ…でも、金が……」
川゚-゚)「心配御無用だ。酷暑は好きで、気分が良いんだ。奢ってやろう」
(;'A`)「ほんと? あ、グラーチェ」

くぅは、笑いながら店へ向かった。思わぬ僥倖。彼女は、スカートの長さから見ても、正に天使だ。

川゚-゚)「ほれ、君の分だ」
(*'A`)「あっ、どう…も?」

ドサッと渡されたのは、丸々としたイカ焼き。ふてぶてしく、鎮座ましましている。

川*゚-゚)「善行は気持ちいいものだな、では、アッリヴェデルチ」
(;;'A`)「アディオース」

手を振るくぅ。
汗が、イカ焼きに滴り落ちた。
イカが、「なんだよぅ」とがなり立てている気がした。

20:忘れてたがな
06/10(日) 16:53 X4alUWrqO

次のテーマは『梅雨』

21:名無しさん
06/10(日) 17:32 oiEOz43cO

燃え盛るような太陽の輝き。

うだるような猛暑の中、僕はあるものに釘付けになっていた。

大きな荷台をつけた自転車。

その荷台には冷水が湛えてあり、中で何故かイカ数匹が悠々と泳いでいるのだ。

「やぁ、君はイカが好きかい?」

麦わら帽子を被ったオヤジが僕に気づいたようだ。

僕は普通だと答えてやった。

「普通。それはいけない。人間ってのはイエスかノーでなくちゃ」

そうしている内にイカは絡み合い、組み付き、次々とくっつき合った。

うねうね、くねくね、ねっとりと。

見る間にそれはケースいっぱいに触手を伸ばし、繋がり、一枚のノシイカへ姿を変えた。

オヤジは手に取ると胸ポケットからバタフライ・ナイフを出してその場で裁く。

「食いな。新鮮なイカソーメンだ」

僕の口の中でソイツはやたら吸い付いた。
キュウキュウ、音を立てたと思えば、すぐにパチンッと弾けた。

これ、イカソーメン?
ゴムのように噛みきれないイカを指差す。

「そうさ。夏場のイカはみんなそうなのさ」

普通はそうなのかい?

「イカにも」

他にもある?

「イカにも。君がなりたいと思えば何にでも。夏だからね」

荷台を覗くと、小指ほどのイカが忙しく泳いでいた。

これが何にでも変わるって?

「イカにも」

突然、バシャリと水が跳ねた。

飛沫で顔をはたかれた。


オレンジレンジ関係ねぇぇ!!

お題『夜行列車』

22:21
06/10(日) 17:33 oiEOz43cO

ごめんなさい。
スルーでお願い。

23:名無しさん
06/10(日) 19:07 xL652mgKO

(;^ω^)「今年の梅雨は遅れてくるそうだお」

('A`)「…梅雨なんかより、まずはこの暑さをどうにかしてほしいがな」

(;^ω^)「ガリの癖に何言ってんだお」

('A`)「ふっ…ピザには分からんだろ、ガリの辛さが」

(;^ω^)「汗一滴すらかいてない癖によく言うお」

('A`)「ピザと一緒にすんなピザ」

(#^ω^) ビキビキ

(;'A`)「と…とりあえずその握り拳は止めようじゃないかブーン君」

(#^ω^)「何を今更」

('A`)「ガリガリくん奢ってやっから」

(*^ω^)「…なら許すお」

('A`)(ったく、ピザなんてちょろいもんだぜ)

( ^ω^)「…?何か言ったかおドクオ?」

('A`)「いーや、んな事よりさっさとコンビニ行こうや」

(*^ω^)「おっ把握だお」


次のお題 【ガリガリくん】

24:名無しさん
06/11(月) 02:57 KVC6d6DqO

ガリガリ君を二人で食べた思いでは今でも忘れないよ

金が無くて、いつも外で散歩ばっか
ゴメンな?

( ^ω^)「30円…」

ξ゚听)ξ「30円…」

( ^ω^)「ガリガリ君食べるお」

ξ^‐^)ξ「うん」

―…
季節は変わり、また次の夏

悪夢のような電話。
ツンがいなくなっちゃったお

デートの待ち合わせ場所に向かってる途中で交通事故でツンは亡くなったお。その時のツンはガリガリ君を強く掴み。後で病院の人に「ガリガリ君 手から離すの大変だったんですよ」と言われたお

ツン ゴメンお?



次オダイ
ドラゴンボール

25:名無しさん
06/11(月) 20:32 e9aoGiFGO

('A`)「寒……」

高層ビルの上。
転落防止用フェンスを無視し、縁へと立つ。

眼下に広がる夜景は、無駄に美しい。

車のライト、家の照明、街路灯。
夜の街を形どる人工の光。

けど、その光に俺が照らされることはない。

今だってそうだ。
光は足下の単行本を照らしているのさ。

風でめくれたページには、神龍とかいう、願いを叶えるあいつが書かれていた。

('A`)「くだらねぇ。
実にくだらなさすぎる」

どんだけ願ったって俺は変われない。

('A`)「グッバイ。俺の人生」

体が宙に浮く。
浮遊感。
そして一気に加速して、景色は逆さま。

体が重力に従って落下していくなか、
俺はあいつを呼びだす呪文を唱えてみた。

('A`)「いでよ神龍……そして願いを叶えたまえ……」

もしも、一つだけ願いが叶うなら。 

次は俺を主人公にしてくれ。

俺の物語は終わったのだから。



終わり 
お題は【恋人】

26:名無しさん
06/12(火) 23:07 LJbinwVYO

今夜は君と二人きりだ。

何てことはない四畳半だが、学生の僕らにとって贅沢過ぎる空間じゃあないか。


僕が18。
君が16。


勿論、許される恋だとは思わない。
君の御両親に挨拶に行ったときなんて真っ青になって倒れちゃったし。

確かに、僕みたいな見知らずの男が突然、「娘さんを下さい」なんて言われたら怒るのも当然だよね。


でも、ね?

これだけは言えるんだ。

君を、永遠に幸せにしてあげる。


だから。


少しだけ、待っててよ。


……ハハハッ、ゴメンゴメン、湿っぽくしちゃったな。

ちょっと、テレビでも見ようか。






――犯人がアパートに立て籠ってから9時間が経過し、依然として人質の女性は解放されておりません。
また情報によりますと、犯人は人質になっております女性に対し以前からストーカー行為を繰り返しており――


――パァン


――あ!今、動きがありました!
犯人が…え?自殺?……え〜犯人は自殺した模様です!詳しい情報が入り次第、お伝えします!



数分後、月明かり照らす四畳半で、拳銃で頭を貫いた男性と猿ぐつわをされ怨めしげに睨む女性の首が発見された。

男は、満足気に笑っていた。


お題【テレビ番組】

27:名無しさん
06/13(水) 01:31 pGX8v7VdO

つまらない。
なんでこれほどまでにつまらない番組をつくれるのだろうか。

メロス「あの娘は人間だ。あの娘を解き放て!」

王「黙れ小僧! お前にセリヌンティウスが救えるか!」

(;^ω^)「……これはひどい」

これは流石はないだろ、と思った。
GBA版牧場物語の年始にある「餅搗き大会」には遠く及ばないが、あまりにもつまらなすぎる。

こんなものを公共の電波で流していいのだろうか。

惰性、というのだろうか。
そう思いながらも、僕はチャンネルを変えずにその番組を見続けるのだった。

次。
おだいは「らき☆すた」な

28:>>21も消化させるでよ!!
06/13(水) 11:35 fzjrWoDIO

('A`)「あ〜…オレ何やってんだろ…」

ドクオはただボーッと、テレビを眺めていた。

こなた『夏だ!』
こなた『海だ!』

('A`)「……」
[らき☆すた?あぁ…ニートの番組…違う!違う!!こなた萌え〜]

そんな事はどうでもいい…
職も無ければ彼女もいない…あるのは豊かな想像(妄想)力だけの彼にとって、アニメは最高の現実逃避の手段であり道具だが…
今の彼には何の価値も感じられない物だった。

(;A;)「カーチャン…」

母が今日
逝ってしまったのだ…

タイプミスではない。紛れも無い『事実』だった。

長い間の闘病生活の結果だった。

(;A;)「オレ…これからどうすればいいんだよ…」

唯一の肉親を失い、天涯孤独となった彼のとった選択肢…



自殺だった。


('A`)「カーチャン…オレも……そっちに逝くね…」

夜の駅のプラットホームで、特急電車が来るのをドクオは待っていた。

('A`)「…来た!」

汽笛を鳴らし、ドクオの構える構内へ進入してくる。

('A`)「アディオス!人生」

線路へ飛び込むドクオ…


しかし…痛みがない?

('A`)「……あれ?」

気付くと電車の中に、彼は居た。

('A`)「……ここは?」

唖然としながら呟く彼の横には、綺麗な女性が座っていた。

(*゚ー゚)「東京行くの電車よ♪」

…あれ…オレ…住所東京なんだけど…

('A`)「ん?…なんで外が真っ暗…あ!トンネルかぁ…」

その言葉に、女性は不思議そうに返した。

(*゚ー゚)「トンネル?…違うわよ♪今は福島の辺りよ」

あぁ…福島……福島ぁ!?

(;'A`)「こんな夜中に東京行きの列車が福島通らないだろ!」

(*゚ー゚)「え?夜行列車なら…普通通るわよ…」

新幹線が発達したご時世に……夜行列車????

(*゚ー゚)「あと4時間はかかるわ…私はもう寝るわね」

そう言い、その女性は寝てしまった。


福島から…東京まで……4時間????

…あれ?……そういえば…車内の内装も…若干レトロだぞ…………!!!!!!


(;'A`)「い…いつの……時代だ????」

夜行列車がある時代…らき☆すたは…やってない…

だってテレビもまだ無いしね♪

(;'A`)「どんなタイムスリップだよ…」

ドクオは半信半疑ながら、状況を把握しました


次のお題『ヘリコプター』

29:名無しさん
06/13(水) 12:38 xk/FaKQXO

>>28

 濁流。暴雨。風が強く、頬に当たる雨が痛い。
 ほとんど沈みかけた民家の屋根に、一機のヘリが近付いていく。

( ;・∀・)「こっちです!捕まって下さい!」

 ロープをつけた救助隊員が必至に手を伸ばす。民家の屋根の上に居るのは二人の親子。
 屋根の端が沈みかけているのを見て、父親は我が子を抱き上げる。

(,;゚Д゚)「しぃ!お前が先だ!」

(;゚ー゚)「パパ!」

 しかし、もう少しというところで届かない。流れも速く、水量も増してきている。

(#;・∀・)「おい!もう少し近付けないのか!」

(;´・ω・`)「無理です!右側にある電柱が邪魔で近付けません!これ以上近付くと…!」

(#;・∀・)「くそっ」

(,;゚Д゚)「………ッ」



(,;゚Д゚)「今から娘をそちらへ投げます!受け取って下さい!」

( ;・∀・)「な、何を言ってるんだ君h」

 ゴッと固い物が何かにぶつかる音が聞こえた。上流に顔を向けると、大量の流木が激流に乗り、こちらに押し寄せてくるのが見えた。


(;´・ω・`)「!! 間に合わなっ」





次題 暗号

30:名無しさん
06/13(水) 20:14 SCDpAu8UO

( ∀ )

目の前には携帯を持って倒れている死体

川゚‐゚)
(*゚ー゚)
( ・∀・)
(´・ω・`)

容疑者は4人

「145369.258」

死体の手の先の床には被害者が絶命前に書いたと見られる暗号



―+(-ロ∀ロ)―トゥクティン


(-ロ∀ロ)「謎は全て解けた!!」


(-ロ∀ロ)9m「犯人はあなたです!!」




б(゚o゚)「俺っすか?」

(-ロ∀ロ)「ちょwwwww」



お題「扇風機」

31:名無しさん
06/13(水) 20:55 xfvwYVsRO

( ^ω^)「もう熱くなってきたから扇風機でもだすおwwwww」

('A`)「マンドクセ」

( ^ω^)「ドクオも手伝うお、暑いままでエロゲなんかしたら愛佳に嫌われるお?」

('A`)「……しかたねぇな…」


二人で物置へと向かう。
直射日光が肌を刺し、痛いくらいに熱気が体に伝わってくる。
物置の扉を開けると埃が一気に舞い上がり、ふとドクオが顔を背ける。


(;'A`)「ゲフンゲフンッ…ぜ、喘息持ちには辛い作業だな…」

( ^ω^)「…一度掃除しないとなだお……お?」


ブーンはお目当ての扇風機を見つけた。かなり埃にまみれているが、使えない事もない。
なんなら洗ってしまえばいいだけなのだから。


( ^ω^)「ドクオ、こいつを持って行くんだおッ!!」

(;'A`)「おま、何してんだよ!!殺す気かよ!!!」


(;^ω^)「な、なんの事だかわからんが…いきなり物騒だお」


(;'A`)「てめえ今手にしてるもんをよーく見てみろ!!!」


ブーンが手にしていたもの、それは「ハロゲンヒーター」だった。


(;^ω^)「な、なんてベタな…これは間違いなくゆとり脳!!!」


(;'A`)「…いいから早く運ぼうぜ…」


お題 自転車

32:名無しさん
06/13(水) 22:55 BYrlLjHdO


('A`)「もってい〜け♪最後にわら(ry」

カフェでバイトしてる俺は
俺は職場が近いので自転車出勤している
今日も古い愛車を漕いで職場に向かう

('A`)「到着っと」

自転車をカフェの駐輪場に停めて店に入る

('A`)「おはようごさいまッス」
(´・ω・`)「おはようドクヲ君、すまない…
今日はお店休みなんだ」
('A`)「はっ?」
(´・ω・`)「急に母親が遊びに来ることに
なってね…ドクヲ君も母さんにあうかい?」
('A`)「いや、少し休んだら帰ります」

適当な席に腰をかける

(´・ω・`)「そういえばドクヲ君の自転車
もうかなり古い物だよね?」
('A`)「そうッスね、もう5年位ですよ」
(´・ω・`)「あの自転車に思い入れが
あるのかい?」
('A`)「話せば少し長くなりますよ?」
(´・ω・`)「構わない、僕も暇だ」
('A`)「そうだな、あれは…」


…五年前の事だった…

俺の家は貧乏だった…
誕生日でも何も買って貰えなかった
しかし15歳の誕生日
起きると親父が「外を見てみろ」と
言ってきた、


ごめんなさい><
書ききれそうに無いから
二つ使うんです><

33:名無しさん
06/13(水) 23:25 BYrlLjHdO

>>32


俺は窓から庭を見た

(;'A`)「親父!あれって!」
親父「あぁ!自転車だ!お前に
何も買ってやれなかったからな!
15歳の記念の誕生日プレゼントだ!」
(*'A`)「親父…」
親父「早く乗ってみろ!自転車は
乗るための物だろ?」
(*'A`)「ありがとう親父!いってきます」


…それから毎日自転車で
町を走り回った

そして15歳の誕生日から
一週間がすぎた
俺は遊びから帰るところだった

('A`)「ざーんこくな天(ry」
('A`)「んっ?なんだあれは?」

俺の家の前に人が集まってる
俺は急いで家へ向かう

(;'A`)「何かあったんすか?」
警察「君、この家の子かい?」
(;'A`)「そうですけど…」
警察「ついさっき…君の両親が
お亡くなりになった…」
('A`)「えっ……」

自殺だった…
家計がもうギリギリだったらしい

俺は後悔した…
何でもっと早く気がつかなかったのかと

その後俺は親戚の家に
引き取られる事になった
俺が引っ越す為の荷物を整理して
家を出ようとした時

つい庭を見てしまった

自転車だ…

('A`)「これは…」
(;A;)「お袋…親父…」


…そして俺は決めた…

('A`)「この自転車を大切にするって」
(´・ω・`)「そうだったのか…」
('A`)「最近色々壊れていきますけど
まだまだ使えますよ」
(´・ω・`)「なんか、その、悪かった…」
('A`)「いえ、気にしないでください
俺はそろそろ帰ります」
(´・ω・`)「あぁ、気をつけて」


俺は最初で最後のプレゼントに乗り
家へ向かった
ありがとう、お袋、親父



次のお題は「テレビ」

34:名無しさん
06/14(木) 01:09 JkBQs1lmO

テレビなんてものは、大抵真実にフィルターをかけて俺達に情報を配信している。
それは知られたくないことかも知れないし、捏造された情報かもしれない。

だから人は更なる真実を求めているんじゃないだろうか?


('A`)「ま、妄想の世界だがな…だからなんだと言われたら反論できねぇや」

( ^ω^)「そんなもんじゃないのかお?大体世界中の人がたかじんみたいな人ではないんだお?」

(´・ω・`)「またローカルなネタだね…僕は分かるけどさ…」


いつもの屋上、いつもの風景。
変わるものなど無い、いつもの昼休み。

三人は今日も飽きずに下らない話に花を咲かせていた。


('A`)「つかさ、今はPCがかなり普及されているだろ?テレビなんているもんかね?」

( ^ω^)「確かに必要な情報や知識なんかはPC一台あれはなんとかなるお…言われてみればそうかも知れないお」

(´・ω・`)「…でもさ」


ショボンと呼ばれる青年が、重い口を開いた。


(´・ω・`)「テレビって家族の絆を深めるものだと思うよ?…一緒にお笑いを見たり、共通の話題で盛り上がったり……戦後の日本が良い例だよね、力道山ってプロレスラーのテレビが放送されてたからこそ、戦後の疲弊した日本人に新たなやる気が湧いてきたんだと思うんだ…」

('A`)「家族の…団欒ってやつか…?」

( ^ω^)「……」


もう日は傾き始めていた。
夕暮れに空は赤くそまり、小学生が急いで家に帰る足音が町に響いている。


('A`)「さて…帰ってテレビでも見るかな……今日はカーチャン仕事休みだし」

(´・ω・`)「僕もバイト休みだからシャキン兄さんと野球中継でも見ようかな?」

( ^ω^)「なら急いで帰るんだお!!!」


三人は並んで歩きだす。
今まで当たり前のようにあったテレビの価値を再認識しながら、家へと向かう。

そこで待っている、共にテレビを見る人の為に。


お題【たばこ】

35:2つになります 1/2
06/14(木) 11:45 W36h19w4O

レンガの建物が建ち並ぶとある町

降り止むことのない雪のその下を一人の少女が歩いていた

衣服はボロボロになり雪よけにかぶるものもなく、肩にも頭にもうっすらと雪が積もっていた

少女は竹でできた小さなかごを腕に下げていた

少女は言った。「タバコはいりませんかー…タバコを買う人はいませんかー…」

少女はタバコをかごに入れて売っていた

病気の母と二人で一生懸命作ったものだった

しかしそのタバコは少し強すぎたためにヘビースモーカーでもなかなか手の出せる代物ではなかったのだった

少女はとうとう力尽き民家と民家の隙間にうずくまったまま一歩も歩けなくなってしまった

家では病気の母親が息も絶え絶え自作のタバコを吸いながら待っていたのだった

36:2/2
06/14(木) 12:01 W36h19w4O

「もう…動けない…。やっぱりフィルターのついてないタバコなんて誰も買ってくれないんだわ…」

少女はこの3日間、タバコしかのんでいなかった
「ああ…ニコチンが切れそう…」

少女はそう言うと、かごからタバコを1本取り出し最後のチャッカマンで火をつけ口にくわえた

「すうぅぅ…はあぁぁ」
鼻から煙を目一杯出すとその煙の中に今まで一回しか吸ったことのない葉巻が浮かんできた

「ああ…なんて美味しそうな葉巻なんでしょう…葉巻…葉巻…葉巻…」





次の日の朝少女の遺体が発見された

遺体の口には6本ものタバコがくわえられていた

          fin

次お題【木】

38:
06/16(土) 18:50 iqyOmOULO

太陽は容赦なく光を降り注ぐ。奴等にゃ家でゆったり豪勢に過ごすマダムと汗水垂れ流しで歩き回るサラリーマンの見分けすらつかないんだ。

(;'A`)「………あ゙づぃ゙」

全国一斉猛暑日である。
道に広がる量産型はおしなべて頭を垂れ、ただただアスファルトを潤すのみだ。

朝の八時から働きっ放しで、昼飯もろくに食べていない。
それと言うのも、馬鹿な部下と、阿呆な上司の所為である。部下はその場凌ぎの適当な対応で取引相手を怒らせ、上司はおべんちゃらだらけの腰砕け契約で経理を苦しめ、そのくせ専ら責任は俺にあるとか訳のわからんことをおおぉぉぉっっ!!!!!

…止めよう。空しいし、それに暑い。せっかく、木陰でゆっくりしているというのに…。
木か。そういや、寄らば大樹の陰、なんちゅう言葉があったな。あの禿野郎が如何にも好みそうな言葉だ。

そうすると、枝葉末節ってのはあの下らないやさ男に似合いそうな言葉だ。
何てこった。今まで俺が涼んでた大らかな菩提樹は、俺の嫌うものの寄せ集めだったのだ。
そう言えば、涼、という言葉もそうだ。ハルヒ厨はさっさと閉鎖空間でくたばればいいのである。

こんな悪辣なモノからは、一刻も早く逃れなければならない。

39:
06/16(土) 18:51 iqyOmOULO

俺はその木を離れた。

40:
06/16(土) 19:18 iqyOmOULO

俺はその木を離れた。
(;'A`)「お前らになんか頼るかよ、へっ、ばーかばーか」

公園の出口には、アイスの屋台があった。

(;'A`)「そうだ、こんな氷菓が、俺には相応しい」

アイスは厳しく、時に優しい笑顔を零す。その笑みは弱者を癒すし、その一粒一粒は大事にされる。
俺は迷わず向かった。

(;^ω^)「いらっしゃ…ペロペロ…うめぇw」
(;'A`)「(食うなよ…)バニラ一つ」
(;^ω^)「ぉk……チッめんど」
(#'A`)「(野郎…! ……ん?)」

屋台の側に、少女が立っていた。ツインテイルで緑のワンピを着ており、やたら紅い顔をし、熱心に覗き込んでいる。

(;'A`)「ハァハァ…食べたい?」
ξ;゚-゚)ξ「…別に」

ヤバい。
不審者全開。東京なら二秒で捕まる。

しかし。

不審者を舐めるな。確かに見たぞ、俺は。尋ねた際に、お前の目が微かに光ったのを!!

(;'A`)「もう一個くれ、おっさん」
ξ*゚-゚)ξ「………」

アイスを手渡すと、女の子は何やらモゴモゴ言った後、何処かへ走り去って行った。


(;^ω^)「ロリコン乙www」
(#'A`)「そのアイス俺のだろ」

樹の下では、先客のお年寄りが涼んでいた。

題【氷】

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