1:ネオ発泡酒◆5qjwWCErJ.
02/25(日) 02:59 VZwvvI9xO

―三時―

姉「ねぇ、ねえってば起きてよ!」

お姉ちゃんが僕を起こしてます。まだ夜中の3時です。

僕「な・・・なんですかぁ?」

姉「ほら、たにし!」

満面満足のニコニコ笑顔です。

お姉ちゃんが無理矢理たにしを食べさせようとします

姉「ほら、ほらぁ食べなさいよぉ!!」

僕「ちょwな・・・たにし?なんで?え?wうわっ口入った!ちょやめ!んぅ・・ッ!」

姉「もぅ!何でたべないの!?」

僕「ペッ・・・何でって・・・」
何で僕がたにしを食べなきゃいけないのか・・・

姉「とぉ!!!!」

僕「!?」


お姉ちゃんが投げつけたたにしは、うまい具合いに僕の口に入り込み喉にぶつかり、そのまま食道へ落ちてしまったのです。

僕「あ!!!、あぁあ・・・・・」

姉「へへー!じゃお休み!」

4:名無しさん
02/25(日) 03:34 VZwvvI9xO

―四時―

僕「お姉ちゃん!・・・お姉ちゃん!!!」

僕は二段ベッドの下段で寝ているお姉ちゃんを起こしています。

姉「ん・・・んぅ・・・あぁあもう何よ!?」

僕「たにしだよたにし!!!!どうしてくれるの!?お腹の中で動いて眠れないんだよ?」

姉「何よ?たにしって?」

・・・・・・お姉ちゃんが適当にシラをきろうとします。でもココは僕も譲れません。

僕「・・・怒るよ?」

姉「ふぅん・・・」

僕「・・・・・・ごめんなさい」

お姉ちゃんは本気でぶちます。

姉「とりあえず座ったら?」

僕「ぅ、うん・・・」

姉「で、なんだって?たにし?」

僕は3時台にあったことを話しました。お姉ちゃんはふんふんと頷きます。

姉「ほぅ、アンタは私にタニシを食べさせられたあと40分間寝る努力をした、と」

僕「うん・・・こそばゆくて寝れないよ」

姉「・・・無様ね」

カッチーン・・・でも抑えます。

僕「僕あした算数のテスとなんだよ。絶対眠っちゃうよ」

姉「・・・・・・いやいや、あたし断じてタニシとか知らないよ?関係ない、夢でしょ?」

なんだか様子が変です。お姉ちゃんの目が本気です。

5:名無しさん
02/25(日) 03:42 VZwvvI9xO

―四時半―

姉「私はもう寝ていいのかな?」

僕「・・・・・・・どうぞ」

姉「一緒に寝る?」

僕「え?ぅ、うん・・」

お姉ちゃんと一緒に寝るなんて久しぶりです。


夢を見ました。お姉ちゃんと僕が大きなタニシの背中に股がって世界中の悪者と戦う話しでした。

8:名無しさん
02/25(日) 09:16 VZwvvI9xO

目が覚めました。
何か寒いです。

僕「お姉ちゃん?」

隣で寝ていたはずのお姉ちゃんがいません。
僕「・・・変な臭い」

辺りを見渡すとそこは子供部屋ではなくなっていました。何でしょうか。一面濃い緑色をした沼、でしょうか。

タガメ「おいおいこんな朝早くから人間がいるぜ!!」

げんごろう「うぉお!!人間うめぇ!!うめぇよぉ!!!!」

水すまし「ちょっと落ち着きなさいよ」

水の中から声が聞こえます。

げんごろう「人間くいてぉよぉ!!!!!!あの味が忘れらんねぇんだよぉ!!!!」

水すまし「聞こえたらどうするのよ」

怖いです。でも僕は勇敢に行動します。何があっても立ち向かいたいのです。

僕「あの・・・」

水の面に向かって話しかけて見ました。

水すまし「ほら、聞こえちゃったじゃない」

タガメ「バカだなぁ」
げんごろう「サーセンwww」

僕「あのぉ・・・お姉ちゃん知りませんか?」

水面が静かに揺れました。

げんごろう「お姉ちゃん?それは女だな」

僕「そうですよ」

タガメ「しかもまだ大人ではない。」

僕「僕よりは大人ですけど・・・」

水すまし「ふやけた人間の肉はs」

げんごろう「うお!!!!うぉお!?お前が一番ひでぇよ!!!」

タガメ「いきなり言うかよ普通」

僕はまだ小学生です。難しい内容はわかりません。

僕「お姉ちゃんは・・・どこなの?」

その時一羽の鳥が僕の目の前の水に飛込んだのです。
しぶきがあがり僕はビチョビチョになりました。
鳥はまた勢い良く翼で水を叩きとびたって行きます。チラッと見えたクチバシにタガメがくわえられていました。

波紋が沼に大きな円を作りゆっくりと消えていきます。
沼に静寂が戻りました。

10:ネオ発泡酒◆5qjwWCErJ.
02/25(日) 10:24 VZwvvI9xO

―五時前―

お姉ちゃんが動いています。

僕「何してるの?」

姉「着替えてるのよ、最近寒いから布団の中で着替えるようにしてるの、それよりアナタさっきうなされてたよ、夢?」

僕「うん、なんかお姉ちゃんが居なくなっちゃう夢だった」

姉「バカねぇ」

僕「寒いね・・・」

姉「うん・・・まるで水の中みたい」

僕「・・・・・・え?」

姉「着替終わったからまた一眠りするね」

僕「・・・うん」

お姉ちゃんのまだ温かい寝間着が僕の方に押しやられます。
僕はソレをたぐりよせて両手で抱き締めました。

たにしもタガメも今は関係ありません。お姉ちゃんの匂いが僕を包みます。

僕「・・・寒くないよ、お姉ちゃんは温かいよ」

12:名無しさん
02/25(日) 13:08 VZwvvI9xO

―五時過ぎ―

目が覚めました。僕は二段ベッドの上段にいました。
いつの間に移されたのかわかりません。
頭だけ出してお姉ちゃんのベッドを除きこみました。
布団がグチャグチャになっています。

ホッとしました。お姉ちゃんはトイレか台所にいるはずです。

僕「お姉ちゃん!お姉ちゃん!!!」

トイレを探してもいません。
台所まで行きました。
台所にもいません。
洗面所にも、お風呂にも、押し入れにもいません。

僕は焦り始めました。
僕「お姉ちゃん!!!!!どこなのお姉ちゃん!!!!」

廊下の突き当たりにお父さんの部屋があります。

とうとうそこまでたどり着きました。
僕はノックをします。
父「・・・何だい?」

急に涙が溢れて止まらなくなりました。

トビラが開きお父さんが顔をだします。

僕を見下ろす目は哀れみの目でした。

僕「・・・お父さん?」

14:名無しさん
02/25(日) 18:05 VZwvvI9xO



お腹のなかのたにしが暴れます。
必死に胃の壁を突き破ろうと頑張っています。気づついた胃の内壁が胃酸でとけはじめまた。

僕「たにしがあぁあぁああああぁぁあぁあぁあ!!!!!」

お父さんの見下ろす目が悲しそうです。

父「たにし、か・・・・・・・・・・ついて来なさい」

お父さんは子供部屋に入ってしまいました。

僕「な、なんでお父さん・・・ッ・・助けてよ・・・」

父「早く来なさい」

子供部屋からお父さんの声が廊下にこだまします。

21:ネオ発泡酒◆5qjwWCErJ.
03/01(木) 15:57 w4R2NgYUO

たどり着いた子供部屋で、お父さんが待っていました。

たにしが3匹お父さんの顔をはっています。お父さんの口からはタガメが半分顔を出しています。

お父さんの周り、いや子供部屋全体に水辺の虫が思い思いに動いているのです。

ボクはもうとても正気ではいられません。
おかしいのです。
絶対何かが狂っているのです。

お姉ちゃんが無理矢理たにしを食べさせようとします。


父「お前に何が見えているのか私からはわからないが、これでお前が発狂するのも三回目。その度に付き合わなければならないわたしの身にもなってみろ、いい加減狂いそうだ。」
頭が痛いです。もぅ何もわかりません考えたくありません

僕「わからないわからないわからないわからないわからない」

父「・・・・・わからない?」

お父さんは立ち上がり歩き出します。

スリッパでタガメを踏み潰しました。畳が汚れていきます。

父「お前はわからないんじゃない。・・・分かりたくない、だけなんじゃないのか?」

視界が揺らぎます。

父「私はもう受け入れているんだ。なのにお前だけいつまでもいつまでも引きずりやがって・・・いい加減迷惑だ。」

23:ネオ発泡酒◆5qjwWCErJ.
03/02(金) 02:11 1o/WYd2MO


お腹に挿入感がありました。
赤い血が子供部屋のフローリングをポタポタと汚します。
お父さんはボクの肩を揺さぶりながら泣いていました。
お腹に包丁が刺さっています。

僕「・・・お父さん・・・」



お姉ちゃんが読んでいます。

姉「ちょっと走りなさいよ」

僕「ここは?お父さんは?」

お姉ちゃんの目に涙が光ります。

姉「ごめんね、私のせいであなたは・・・」

よくわかりません。
お父さんはなんで泣いていたのでしょう。お姉ちゃんはなんで泣いるのでしょう。

・・・分かりたくないだけ、なのかもしれません。

  「・・・お父さん・・・」

28:ネオ発泡酒◆5qjwWCErJ.
03/02(金) 22:33 1o/WYd2MO


あぁ困ってしまいました。

どうにもならないのです。

現実は変える事ができないのです。






―深夜二時―

目が覚めました。薄暗部屋の中です。真っ白い壁がボヤけて見えます

僕「知らない天井だ・・・」


お腹がズキズキと痛みます。
お父さんはまだ怒っているでしょうか・・・


・・・・・・お姉ちゃんは本当に死んだままなのでしょうか・・・



僕「もぅ・・・・・全部終りにしたい。」



静かな病室で



現実を変えなくても良いただお姉ちゃんが側に居れば・・・・・・





お姉ちゃんが無理矢理たにしを食べさせようとします
―了―

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