97:名無しさん
08/23(木) 17:45 T9q0wMGBO
十二重 『名前も知らないあなただから』
川゚‐゚)「血が出過ぎてヤバイな」
('A`)「悪いな 俺らも必死だったからな」
川゚‐゚)「気にするな ルールが全てだ」
('A`)「そういってくれると安心するよ」
川゚‐゚)「私と話してないで加勢に行ったらどうだ」
('A`)「そんな必要ないだろ 一対一の戦いに手を出すほど俺は空気読めない人間じゃない」
川゚‐゚)「だが君達は凡字('A`)「そんなこと言ってるから負けるんだろ」
川゚ー゚)「そうだったな」
女は口の端を吊り上げ、ニヤニヤと笑っていた。
98:名無しさん
08/23(木) 17:46 T9q0wMGBO
(;'A`)「どうしたんだよ」
川゚‐゚)「いや、私は自分の力を過信し過ぎていたな、と思ってな」
('A`)「強大なる力は自らを滅ぼすんだぜ」
川゚‐゚)「それでも君達に完敗だよ」
('A`)「照れる」
川゚‐゚)「照れろ」
('∀`)「なんだよそれ」
川゚ー゚)「なんだろな」
二人は暗闇の中で笑う。
遠くで輝く光りと爆発を見ながら。
男は女の頭を膝に乗せて。
99:名無しさん
08/23(木) 17:47 T9q0wMGBO
川゚‐゚)「別に穴から出してくれなくてもよかったんだが」
('A`)「ただの穴で死ぬより看取られて死んだほうがかっこよくね?」
川゚‐゚)「それはない」
('A`)「ウツダ」
川゚ー゚)「君はいい話し相手だな」
('A`)「ありがとう」
川゚‐゚)「もう少し話していたかったが時間がないようだ 意識もすぐに手放しそうだ」
('A`)「……そうか」
川 ‐ )「私は君を気に入ったぞ 次会えたらもっと話を」
('A`)「ああ、もちろんだ 嫌ってほどにな」
100:名無しさん
08/23(木) 17:49 T9q0wMGBO
川 ー )「安心したよ…」
('A`)「…仲間は心配しなくて大丈夫なのか?」
川 ー )「もう子供じゃないから心配は必要ないだろ」
('A`)「…そうか」
川 ー )「死ぬ間際が1番幸せな人生だったよ 私の無意味な人生も君のおかげで輝いた」
('A`)「俺だって」
川 ー )「楽しかったよ」
女は薄い光を発して消えた。
ルール通り死んだ。
('A`)「……俺だって楽しかったよ」
男は女が寝ていた自分の膝の上に目をやり、呟いた。
101:名無しさん
08/23(木) 17:50 T9q0wMGBO
爆発音とともに崩れ落ちるビルの瓦礫。
( ゚∀゚)「相手の弾切れは俺のターン」
(;゚д゚ )「ちいぃっ」
道路から生え出す先端が尖ったおっぱい。
( ゚∀゚)ο彡゚「おっぱいおっぱい!」
さらに生えるおっぱい。
(;゚д゚ )「狙撃ばかりだったから体がうまく動かん」
(#゚∀゚)ο彡゚「おっぱいおっぱい!」
(;゚д゚ )「ぐぉっ」
9thの足に刺さる。
( ゚∀゚)「捕らえた!!」
地面に付けていた手に更なる力を入れる。
102:名無しさん
08/23(木) 17:51 T9q0wMGBO
(;゚д゚ )「だが俺も反撃を」
おっぱいの先端が伸びて体に絡まる。
(#゚∀゚)「攻撃こそ最大の防御!! 地面から手を離すわけにはいかないんだよ!!」
(#゚д゚ )「だが防御無くして俺の攻撃は止まらん」
おっぱいが9thを締め付ける。
(#゚∀゚)「逃げてばかりじゃだめなんだよ!!」
(#゚д゚ )「死ね」
(#゚∀゚)「だが断る」
9thが上部にあるスイッチを押す寸前に絡まっていたおっぱいが鋭い刃に変化した。
103:名無しさん
08/23(木) 17:53 T9q0wMGBO
(#゚∀゚)「ここだっ!!」
9thの右腕が肩から切り取られ、おっぱいに刺さっている。
(#゚д゚ )「腕が…!!」
(#゚∀゚)「俺が勝たないとお前が俺の仲間を殺す!! だから俺は逃げない!!」
さらにおっぱいだったものが刺々しく変化する。
(#゚д゚ )「うおぉぉぉ!!」
9thの体から鈍く何かが折れる音。
足の骨を無理矢理折り、足に絡まるおっぱいから足が抜け出した。
(#゚∀゚)「バケモンが!!」
(#゚д゚ )「同じようなものだろうが!!」
折れた足を鞭のように使い、切り取られた腕を蹴りあげた。
104:名無しさん
08/23(木) 17:54 T9q0wMGBO
(#゚д゚ )「…死ね!!」
言葉を発した後、蹴り上げた右腕の指を噛み留め、反動で右腕をRPGにぶつける。
(#゚∀゚)「させるかよ!!」
おっぱいからさらに刺を突き出す。
9thの体に深々と突き刺さる。
(#゚д゚ )「うごっ!!」
RPGのスイッチが入る。
弾が発射され土煙が舞う。
( ゚д゚ )「…俺の負けか」
見当違いの方向が破壊されていた。
9thの体から夥しい量の血液。
105:名無しさん
08/23(木) 17:55 T9q0wMGBO
( ゚∀゚)「……」
( ゚д゚ )「…」
( ゚∀゚)「……あんたは強かったよ」
( ゚д゚ )「そうか」
( ゚∀゚)「さらに俺が強かっただけだ」
( ゚д゚ )「そうだな」
(;゚∀゚)「冗談だよ」
106:名無しさん
08/23(木) 17:57 T9q0wMGBO
( ゚д゚ )「いや、おまえは強かったよ 真っすぐな信念に俺は負けた、気持ちいいくらいだ」
( ゚∀゚)「……」
( ゚д゚ )「鷹を落としたおまえはさながら猟師」
( ゚∀゚)「俺とおまえは好敵手ってか」
( ゚д゚ )「それもいいな」
( ゚∀゚)「そうか」
( ゚д゚ )「そろそろ俺は死ぬ じゃあな」
( ゚∀゚)「…おぅ」
( ゚д゚ )「好敵手で親友よ」
9thの体は消えていた。
おっぱいだった刺々しいものを金髪の男は見つめていた。
( ゚∀゚)「…またな親友」
一陣の風が男の横を抜け、髪をくすぐる。
久しぶりに心地のよい風を感じた。
107:名無しさん
08/23(木) 17:58 T9q0wMGBO
光の線を避ける男。
ξ゚听)ξ「速いね」
( ^ω^)「その物体と戦いし過ぎて慣れたお」
ξ゚ー゚)ξ「へぇー」
楕円形の物体の動きは直線、時折フェイントを入れる。
( ^ω^)「おっおっお」
男の手にはいくつかの石。
フォークを刺しては拾い刺しては拾いを繰り返していた。
ξ゚听)ξ「石をどうするつもり? 私には当たんないよ」
( ^ω^)「そんなことしないお」
ξ゚听)ξ「じゃあどうするの?」
楕円形の物体が輝く。
108:名無しさん
08/23(木) 17:59 T9q0wMGBO
( ^ω^)「こうするお」
物体から吐き出される光線に向けて鉄の石をばらまく。
ξ゚听)ξ「!?」
反射とまでも行かないが攻撃の方向が少し変わる。
後ろにあった信号や電柱、街灯を切り倒す。
ξ;゚听)ξ「くっ…」
( ^ω^)「逃がさないお」
倒れてくる物にばかり気をとられて、相手の動きを見ていなかった。
楕円形の物体はただの鉄と化していた。
そして鉄にした男の手にはフォークが握られている。
109:名無しさん
08/23(木) 18:01 T9q0wMGBO
ξ;゚听)ξ「しまっ…」
左手と両足にフォークが刺さる。
感覚が無くなり、冷たさのみを感じる。
ξ゚ー゚)ξ「私の負けかぁ」
( ^ω^)「おっおっお」
ξ゚听)ξ「おにーさん、ちょっとこっち来て」
( ^ω^)「お?」
ツインテールの女が右手を伸ばし1stの後頭部を軽く掴み自分の方に引き寄せる。
(;^ω^)「おぉ」
唇に柔らかい感触。
ξ*゚ー゚)ξ「…」
(*^ω^)「…」
女が口を開く。
110:名無しさん
08/23(木) 18:02 T9q0wMGBO
ξ゚听)ξ「お願いがあるんだけど」
( ^ω^)「いいお」
ξ゚听)ξ「少し後ろに下がってくれない?」
( ^ω^)「…?いいお?」
男は後ろに下がる。
女は両足が鉄のため寝たままの姿勢だった。
ξ゚听)ξ「じゃあね……ちゃんと約束忘れないでね それとありがと」
女が言葉を発し終えたと同時に女がいた場所に瓦礫が降ってきた。
先程切り倒した物体がビルにぶつかった時に脆くなっていた。
それが今降ってきた。
( ^ω^)「……ありがとう…かお」
男は女が瓦礫に潰された所を少し見て、踵を返した。
男は振り返らずに歩いて行った。