331:名無しさん
09/23(日) 17:55 emNjtbY0O
三十重 『大空』
lw´‐ _‐ノv「やぁ、Wにいらっしゃい」
13、4歳ほどの少女が一人、何もない部屋に座っていた。
何もない、では誤解が生じる。
だが、確かにその地区には何もなかった。
あるのは自分達の姿と女の子、そして青い背景で雲が浮いている。
地に足が着いていて、だがしかし浮いているようにも錯覚する。
333:名無しさん
09/23(日) 17:58 emNjtbY0O
( ゚∀゚)「あー、なんて言えばいいんかな……俺達戦うんだよな?」
lw´‐ _‐ノv「それ以外に何をするんよ」
从 ゚∀从「座ってるだけじゃな…」
lw´‐ _‐ノv「まぁそう急かさないでくれ ちなみに金髪が最後の旅人」
( ゚∀゚)「俺だけ? こいつは? あんたは?」
男が女を指差す。
lw´‐ _‐ノv「僕は違う そしてその女も違う」
(;゚∀゚)「は?」
lw´‐ _‐ノv「火は穴を作り誘った 火は全てが恨めしく、今は地が憎い 僕も地は邪魔だ だから誘いに乗り侵入した」
从 ゚∀从「……」
lw´‐ _‐ノv「この世界は意識が支配している 火が強固なプロテクトを張ったし中なら月も防衛できない」
(;゚∀゚)「意味がわからん この前の奴の話も意味がわからんかった」
lw´‐ _‐ノv「この前? それは誰?」
( ゚∀゚)「59thだったかな…金の字がどうとか」
lw´‐ _‐ノv「水と金は地に友好的だから 見極めに来た 君は生きている……なぜ?」
(;゚∀゚)「なぜって…勝ったからじゃね?」
334:名無しさん
09/23(日) 18:00 emNjtbY0O
lw´‐ _‐ノv「そう、君がさがしものとやら……なら僕は全力で消さなければならない」
(;゚∀゚)「いや、だからなんでだよ」
lw´‐ _‐ノv「見るのは君と僕たち だから君を消すことは僕にとってとても優位になる……それに金が認めた君が月に会い、理想を手に入れられると厄介だ」
从 ゚∀从「でもわたしも黙ってるわけないんだが」
lw´‐ _‐ノv「時間があったから内部を少しいじらせてもらったんよ」
从;゚∀从「そんなことできるわけ」
lw´‐ _‐ノv「僕だって名を連ねた一人さ 侵入して転位したからってこれくらいはできる」
(;゚∀゚)「何がどうなってるのかさっぱりだ」
lw´‐ _‐ノv「土は厄介だからね」
白髪の女の周りが異様なほど歪む。
歪みは塊となり女の周りを覆い、半透明の何かで包んだ。
从;゚∀从「おい!!ふざけんなよ!!」
lw´‐ _‐ノv「そこからは出られない」
女が壁に手をあて、何かをするが何も起こらない。
从;゚∀从「何したんだ!!」
lw´‐ _‐ノv「だからいじらせてもらったって言ったんよ」
从;゚∀从「おい!!」
lw´‐ _‐ノv「悪いがそこで見てて欲しい」
从;゚∀从「こういう時のために私がいるんだ!! 出せ!!」
lw´‐ _‐ノv「それは無理な相談」
从;゚∀从「ふざけんなよ!!」
lw´‐ _‐ノv「ふざけてなんかない 絶対が欲しい だからこうしただけ」
(;゚∀゚)「よくわからんが俺だけでも大丈夫だぞ?」
从;゚∀从「そいつはダメだ!! この前みたくすぐに見切りをつけるやつじゃない!!」
(;゚∀゚)「話について行けないんだが」
从;゚∀从「なんでもいいから早く離れろ!!」
lw´‐ _‐ノv「無理、死んで」
( ゚∀゚)「へ?」
少女が動かずに近付いて来る。
否、自分が少女に引き寄せられている。
335:名無しさん
09/23(日) 18:02 emNjtbY0O
lw´‐ _‐ノv「何もないこの空間では僕の能力はこの上ない強さを誇る」
引き寄せられる速さが近づくにつれて加速する。
(;゚∀゚)「よくわからんがK-U ランス」
光の槍が少女の手前に現れ、そして突き刺さろうとする。
lw´‐ _‐ノv「残念、はずれ」
少女が前に出した右手を避けるように槍が逸れる。
(;゚∀゚)「ちょ…」
体が左手に吸い寄せられる。
(;゚∀゚)「A キューブ」
lw´‐ _‐ノv「残念、はずれ」
箱型の光が右手に触れる直前に弾かれた。
そして左手は握りこぶしを作っていた。
336:名無しさん
09/23(日) 18:03 emNjtbY0O
(;゚∀゚)「う…」
頬が左拳にかなりの速さでぶつかり、殴られる。
(メ)゚∀゚)「メメタァッ!!」
少女が右手を差し出すと同時に、少女と男の距離が離れる。
lw´‐ _‐ノv「ここには何もないから撲殺になるけど問題ない」
(;゚∀゚)「問題ありすぎ」
lw´‐ _‐ノv「が、あなたの意見は却下です」
またも引き寄せられる。
(;゚∀゚)「A…lw´‐ _‐ノv「無駄だと思う」
(;゚∀゚)「やらなきゃわからないだろ!! 8:seed 」
丸い光が破裂する。
lw´‐ _‐ノv「!?」
光が広がる。
少女は手を掲げるが異変に気付き、直ぐさまその場から飛びのき離れる。
(;゚∀゚)「お、もしや光明の兆しが…」
が、直後に少女の左手に引き寄せられる。
lw´‐ _‐ノv「……」
そして殴られ弾き飛ばされる。
(;゚∀゚)「うぉ…」
lw´‐ _‐ノv「…君の勝ちはないんよ」
少女は男を引き寄せ、殴る。
殴る、というよりは引き寄せられた男に拳を向けてぶつけ、弾き飛ばすが正しいが。
(メ)゚∀゚)「メメタァッ!!」
lw´‐ _‐ノv「がんがん行く」
また引き寄せられる。
(;゚∀゚)「なんとかしないとマジで死ぬ T キューブ」
少女より少し手前に現れた四角い光の箱。
lw´‐ _‐ノv「?」
(;゚∀゚)「フラグメント」
箱がばらばらに散らばり、破片となる。
lw´‐ _‐ノv「……」
(;゚∀゚)「ディフューズ」
破片が少女に向けて飛び散る。
lw´‐ _‐ノv「のーまねーでふぃにっしゅです」
少女が掲げた右手から破片が逸れる。
337:名無しさん
09/23(日) 18:10 emNjtbY0O
(;゚∀゚)「またか…」
lw´‐ _‐ノv「残念無念また来週」
が、男は引き寄せられていたためにまたも殴られる。
(メ);∀;)「うげっ…!!」
意識が向いてないときに殴られると普通より痛いよね?ってやつを男は受けた。
lw´‐ _‐ノv「油断大敵☆ってやつ?」
(;゚∀゚)「卑怯だ!!」
lw´‐ _‐ノv「卑怯? 君がゴミのようだ」
(;゚∀゚)「ムス…」
引き寄せられ、殴られる。
lw´‐ _‐ノv「年末ー☆」
(;゚∀゚)「うるせぇよ」
338:名無しさん
09/23(日) 18:11 emNjtbY0O
lw´‐ _‐ノv「やれやれだぜ」
(;゚∀゚)「同じ手ばっかり使いやがって」
lw´‐ _‐ノv「つまりマンネリは嫌と」
引き寄せられ、殴られる。
(メ)゚∀゚)「だからマンネリ」
lw´‐ _‐ノv「頑丈……君が僕に攻撃を加えれば、僕も別の行動に移る」
(;゚∀゚)「どっかのラスボスかよ」
lw´‐ _‐ノv「中ボスのほうがかっこいい」
(;゚∀゚)「へ?」
lw´‐ _‐ノv「……」
引き寄せられる。
( ゚∀゚)「一発逆転の方法を使わせてもらうぜ!!」
lw´‐ _‐ノv「……」
男が引き寄せられる方向に拳を振るう。
( ゚∀゚)「もらった」
lw´‐ _‐ノv「2点」
左手を下げ、男へと右手を向ける。
339:名無しさん
09/23(日) 18:13 emNjtbY0O
(;゚∀゚)「うぉっ」
男が弾き返される。
少女が右手を手につけ、左手を前に掲げ、かなりの速度で迫る。
男は引き寄せられている
lw´‐ _‐ノv「奥義・ドロップキック」
少女が両足を男の腹に向けて伸ばす。
男は引き寄せられ、見事に蹴りこまれた。
(;゚∀゚)「うぇっ!!」
lw´‐ _‐ノv「はっはっは、テレフォンパンチ等効かんよ」
(;゚∀゚)「俺だってまだまだ逝けるぜ」
lw´‐ _‐ノv「また強がりか ツンデレめ」
(;゚∀゚)「俺はおっぱい魔人であってそんなジャンルじゃねぇ」
lw´‐ _‐ノv「ほぉ」
( ゚∀゚)「劣勢の時こそ怪しいものを突くのが勝利への鍵なんだぜ?」
lw´‐ _‐ノv「ほぅ……」
( ゚∀゚)「J スラッシュ D ドット M クエスチョン W エクステンション」
少女の四方を囲うように1mほどの記号が乱舞する。
lw´‐ _‐ノv「無問題」
左から襲い掛かる?を右手で弾き飛ばしながら胸元を狙い撃ち抜かれた・を避ける。
(;゚∀゚)「やりずらいな」
弾かれた二つの記号が消える。
lw´‐ _‐ノv「こんな造型じゃ僕には当たらない」
回転して切り掛かった/の後ろに回り弾く。
弾いたと同時に軽くジャンプし、左手を男に向ける。
少女は男の方向に少し移動し地面から突き出た!を避ける。
340:名無しさん
09/23(日) 18:14 emNjtbY0O
(;゚∀゚)「なぬっ!?」
lw´‐ _‐ノv「愚鈍」
少女が着地した瞬間、今度は男が引き寄せられる。
(;゚∀゚)「なんじゃこ…」
lw´‐ _‐ノv「知ってる? 死とはピクニック中の遠雷のようなもの……つまるところ、自分の意識の範囲外 だがそこに確実にあるもの」
(;゚∀゚)「…?」
lw´‐ _‐ノv「姿は見えない…だけど自分を追いかけている」
( ゚∀゚)「何が言いたい?」
lw´‐ _‐ノv「絶対なる死の陰 死は全ての者に平等か? 平等ではあり、不平等 迫る速さに大いなる違いが生じる」
( ゚∀゚)「……」
lw´‐ _‐ノv「だがもしも、その死すらも退くのなら…ただ、退けるだけではなく君達の世界へ自由に訪れさせる者がいるとしたら?」
(;゚∀゚)「…神か」
lw´‐ _‐ノv「そう、だが神は本当にいるのか? 」
(;゚∀゚)「…いないのか?」
lw´‐ _‐ノv「君…いや君達にとっての神はいるのかもしれない その神は時間を、人の運命を、生死を、思いのままにできる なぜならそれは箱庭だから」
(;゚∀゚)「箱庭…!?」
lw´‐ _‐ノv「時間は止まるか? 否、流れは必然であり止まることはないし止めることもできない もし、もしも止まるとしたら物質の動きも止まる つまり動けない」
(;゚∀゚)「…は?」
341:名無しさん
09/23(日) 18:16 emNjtbY0O
lw´‐ _‐ノv「運命とは何か…? なんでもないんだ 生死をも含めた複線で伏線、ただそれだけ 誰にも自由に弄ぶことのできないものだ」
从#゚∀从「シカトすんなよ!! 出せよ!!」
lw´‐ _‐ノv「その娘とは会えなくなる……いや、それだけでは勘違いが生まれる 詳しくはその肉体とは会えなくなる つまり中とは会える」
(;゚∀゚)「わからん」
lw´‐ _‐ノv「しかし、選考に途中で参加すればいいものを10年もの間を過ごすとは……恋は人を変えるが賢者も人か、僕には理解し難い」
从#゚∀从「黙れ!!」
lw´‐ _‐ノv「ヒトが恋しくなったか?」
从#゚∀从「黙れよ!!」
(;゚∀゚)「……」
lw´‐ _‐ノv「月のように星の寿命を削って育てれば会えるよ そして彼女は今回に賭けている いや、みんな今回で最後か」
从#゚∀从「そんくらいわかってる!!」
lw´‐ _‐ノv「ほお ならなぜしないんよ」
从#゚∀从「ヒトに代わりなんてないんだ!!」
lw´‐ _‐ノv「あんなにも溺愛していたのに……今はただ生み出すだけでもいいのに」
从#゚∀从「もう私にはそんな権利ない!!」
lw´‐ _‐ノv「土の神も恋には負ける、か」
从#゚∀从「神と呼ぶな!! 私は辞めたんだ」
342:名無しさん
09/23(日) 18:18 emNjtbY0O
lw´‐ _‐ノv「冥王…いや、本当の神になるかもしれない権利を捨てるのか」
从#゚∀从「権利!? あんなものは必要ないはずだ!!」
lw´‐ _‐ノv「今は手の平を簡単に反すか」
从;゚∀从「っ!!」
lw´‐ _‐ノv「あんなにも喜んだのにか」
从#゚∀从「黙れ!!」
lw´‐ _‐ノv「届かないものを手に入れることが至福の喜びではないのか?」
从#゚∀从「身の丈を知れ!! 傲慢さは滅びしか残らない!!」
lw´‐ _‐ノv「滅びすら退けるからこその力 そして陽はそうは思っていない」
从#゚∀从「あいつは異常だ!!」
lw´‐ _‐ノv「異常? 異常とは健常という基準があるからこそだ 君は、僕は、健常者か? 違うよね 全てを追い求めたからこその理想と現実」
从#゚∀从「……!!」
lw´‐ _‐ノv「箱庭を現実にすることも可能になるんよ」
从#゚∀从「思い通りなんて虚しいだけだ!!」
lw´‐ _‐ノv「底辺より頂点のほうが楽しい それだけさ」
从#゚∀从「狂ってる!!」
lw´‐ _‐ノv「もとより僕たちは狂ってる」
从#゚∀从「だが私は気付いた!!」
lw´‐ _‐ノv「…遅いよ いや、早くても意味なかったけど」
从#゚∀从「私は」
lw´‐ _‐ノv「やっぱり話し合いの意味はないね」
( ゚∀゚)「どういうことだ?」
lw´‐ _‐ノv「君は月に行けばわかる 全てが繋がる だが今は知らなくていいこともある」
343:名無しさん
09/23(日) 18:19 emNjtbY0O
(;゚∀゚)「今知りたいんだが」
lw´‐ _‐ノv「きみの全てが壊れる時が来る だから今はきっとわからなくていいんだ」
(;゚∀゚)「……」
lw´‐ _‐ノv「ここで君を倒せば僕は近づく 全ての終焉に」
从#゚∀从「私たちは間違えていたんだ!!」
lw´‐ _‐ノv「だからこそ修正するんだ 全てを併せて」
从#゚∀从「間違ってる」
lw´‐ _‐ノv「考え方は一重には表せない」
344:名無しさん
09/23(日) 18:20 emNjtbY0O
(;゚∀゚)「今知りたいんだが」
lw´‐ _‐ノv「きみの全てが壊れる時が来る だから今はきっとわからなくていいんだ」
(;゚∀゚)「……」
lw´‐ _‐ノv「ここで君を倒せば僕は近づく 全ての終焉に」
从#゚∀从「私たちは間違えていたんだ!!」
lw´‐ _‐ノv「だからこそ修正するんだ 全てを併せて」
从#゚∀从「間違ってる」
lw´‐ _‐ノv「考え方は一重には表せない」
345:名無しさん
09/23(日) 18:24 emNjtbY0O
从#゚∀从「なんで…!!」
lw´‐ _‐ノv「それが僕の終焉だから」
从#゚∀从「それでも…」
lw´‐ _‐ノv「無駄だよ 僕は僕の考えを目指すよ それがきっと僕の心を満たすから」
少女が走りだす。
(;゚∀゚)「わからないが最後まで行かせてもらう!!」
男が飛びのく。
从#゚∀从「おい!!」
lw´‐ _‐ノv「……」
少女が右手を掲げる。
男が光で応酬する。
从#゚∀从「私は認めない!!」
lw´‐ _‐ノv「構わない」
从#゚∀从「何があろうと絶対に!!」
少女が両の手を横に伸ばす。
lw´‐ _‐ノv「ならば今一度世界に、問おう どちらが正しいか」
青く広がる背景。
流れる雲が戦いの中で流れる。
真上には月が大きく、神々しく黄に白に輝く。
そして下には今までの地区が点在する。
透き通るような青と時に吹く風、流れる雲。
W地区は広がる大空、大きな包容力。