55:ハニワ軍団
2010/08/13 15:39:30 O8AsIdRFO
諸葛亮曰わく:おハロー

第三話

携帯電話が震えている。机の上にあったそれを手に取り、通話ボタンを押すモララー。

( ・∀・)「もしもし、お客さんですかー?」

気紛れな相談屋のようです

 

 

『あの…相談したいことがあって…』

( ・∀・)「そりゃあ相談屋ですからね」

『はい』

( ・∀・)「あなた今どこに居るんですか?」

『○○町ですけど…』

( ・∀・)「あー、それなら事務所近くにあるんで、直接話を伺います。住所はry」

通話を終了し、携帯を閉じるモララー。

川 つ -゚)「んー…お客さん?」

起きたばかりなのか、寝ぼけた感じのクーが目を擦りながら尋ねてきた。

( ・∀・)「そ。今から事務所来るよー」

川 ゚ -゚)「あら、大変。服着なきゃ」

そういうクーは所謂裸ワイシャツ姿であった。

( ・∀・)「全くだよ。目のやり場に困るったらない」

川 ゚ -゚)「変態」

( ・∀・)「心外だ」

川 ゚ -゚)「…」

( ・∀・)「?」

川 ゚ -゚)「こういうのはどう?」

そういうとクーはワイシャツの胸元を開け、谷間を強調するポーズをとった。

( -∀-)「僕の理性があるうちに着替えなさい

川 ゚ -゚)「もっと凄いことしてるのに」

そう言ってクーがにやりと笑う。ひどく妖艶な笑みだった。

( ・∀・)「襲っちゃうぞ!」

川 ゚ -゚)「きゃー、おかされるー」
棒読みで言いながら、クーは着替えを取りに行った。

( ・∀・)「まったく」




56:ハニワ軍団
2010/08/13 16:46:50 O8AsIdRFO

(ノ^∀^)「こんにちはー」

川 ゚ -゚)「ようこそ」

( ・∀・)「らっしゃい」

事務所を訪れたのは二十歳前後の女性だった。緩くウェーブのかかったセミロングの髪を明るい茶色に染めていた。

( ・∀・)「寝癖ですか?」

言った途端、クーに蹴られた。

川 ゚ -゚)「今日はどのようなご用件でしょうか」

(ノ^∀^)「えっと、最近身体の調子が悪いんですよー」


57:ハニワ軍団
2010/08/13 16:49:10 O8AsIdRFO

川 ゚ -゚)「はあ」

( ・∀・)「医者行けば?」

(ノ^∀^)「お医者さんには行ったんですけどー、全然悪いところはないんですよー」

川 ゚ -゚)「具体的にどのような症状が?」

( ・∀・)「しかし変な喋り方ですね!」

モララーは張り倒された。もちろんクーに。

(ノ^∀^)「えっと、身体が上手く動かなかったり、視力が急に下がったりしてるんですよー」

川 ゚ -゚)「…」

( ・∀・)「あ、自己紹介忘れてた!僕はモララー!相談屋さ!君は?」

(ノ^∀^)「えっとー、私はー…あれ?」

川 ゚ -゚)「?」
( ・∀・)「?」

(ノ^∀^)「あ、思い出した!私はレモナっていいますー」

( ・∀・)「…」

(ノ^∀^)「最近物忘れがひどくてーw」

( ・∀・)「なるほど!分かりました!具体的な調査は明日から開始しますので、明日の同じ時間にまたここに来てください!」

(ノ^∀^)「はーい」




( ・∀・)「どう思う?」

川 ゚ -゚)「頭が病気」

( ・∀・)「まあそれもあり得るねー」

川 ゚ -゚)「もしくは、『虚言癖』かしら」

( ・∀・)「ですよねー」


58:ハニワ軍団
2010/08/13 16:51:12 O8AsIdRFO

虚言癖。嘘や誇張を言ってしまう癖。最初はまだいいが、続けると嘘と本当の見分けがつかなくなる。一般人ならただの痛い人で済むが、『価値の分かる人』である場合は自然と嘘が本当になってしまう。この場合は嘘=願いとなるので、対価は後払いとなる。

( ・∀・)「無意識のうちに対価を支払ってしまってるとしたら、少々厄介だね」

川 ゚ -゚)「とゆーか今の子。典型的な虚言癖の症状よ。対価として自信の健康や記憶を払ってしまってるんでしょうね」

( ・∀・)「クー、レモナちゃんの周囲を調べてくれる?彼女の素行を知りたい」

川 ゚ -゚)「りょーかい」

( ・∀・)「『夢見』を使えばすぐだよね」

川 ゚ -゚)「まあね。じゃあ行ってきます」




59:ハニワ軍団
2010/08/13 19:10:11 O8AsIdRFO

川 ゚ -゚)「ただいま〜」

( ・∀・)「早っ」

クーが戻って来たのは出ていってから一時間後だった。

川 ゚ -゚)「誉め称えなさい」

( ・∀・)「わーすごいすごい」

川 ゚ -゚)

( ・∀・)「すいませんでした」


62:ハニワ軍団
2010/08/14 00:04:02 EgFvdNWqO
諸葛亮曰わく:遅れたサーセン

( ・∀・)「で、どうだった?」

川 ゚ -゚)「やっぱり虚言癖ね。それも重度の。彼女、四人の男と同時に付き合っているみたい」

( ・∀・)「うひゃー」

川 ゚ -゚)「加えて、援交紛いのことをやって、自らを不治の病とか偽って中年のオヤジ複数から金銭を巻き上げている模様」

( ・∀・)「最低だな。ん?不治の病?」

川 ゚ -゚)「そ。彼女、身体の不調を訴えてたでしょ?」

( ・∀・)「ゲームオーバーじゃないっすか」

川 ゚ -゚)「そゆこと」

( ・∀・)「あーらら」


63:ハニワ軍団
2010/08/14 00:20:05 EgFvdNWqO

川 ゚ -゚)「どうする?助けてあげるの?」

( ・∀・)「うんにゃ」

川 ゚ -゚)「あら、見捨てるの」

( ・∀・)「だって嘘吐きでしょ?自業自得じゃん。しかもそんな末期の状態じゃ対価も払えないだろうし」

川 ゚ -゚)「まあそうでしょうね」

( ・∀・)「ほっといても、もうすぐ死ぬんじゃないかな」

川 ゚ -゚)「ご明察」

( ・∀・)「と言うと?」

川 ゚ -゚)「調べに行った時見たんだけど、彼女ここから帰る途中で車にはねられたのよ」

( ・∀・)「あーらら」

川 ゚ -゚)「私は直接見たわけじゃないけど、目撃者の話では、横断歩道の真ん中で急に動かなくなったそうよ。そこに車が突っ込んできてドーン」

( -∀-)「対価により身体の自由を失ったか、はたまた寿命を失ったかだろうね」

川 ゚ -゚)「一応救急車が来たみたいだけど、現場の血痕からしてまず助からないでしょうね」

( ・∀・)「ふーん。ま、仕方ないよね。対価は払わなきゃならない。自分でまいた種だ。ただ運が悪かったのは、彼女が『価値の分かる女』だったってことか、しかも無意識タイプの」

川 ゚ -゚)「そういう人にとって、嘘を吐く=願いを強制的に叶えるだものね」

( ・∀・)「ふむ、まあ一応彼女が死んだのかどうか確認はしておきますかね」

川 ゚ -゚)「りょーかい。明日にでも調べるわ」

( ・∀・)「ん、ありがとう」

川 ゚ -゚)「対価」

( ・∀・)「…」

川 ゚ -゚)「はい」

そう言って彼女が差し出したのは睡眠薬。

( ・∀・)「今寝ろと?」

川 ゚ -゚)「もちろん」

( ・∀・)「僕見たい番組が」

川 ゚ -゚)「は?」

( ・∀・)「分かりましたよ寝ますよ。まったく…」




64:ハニワ軍団
2010/08/14 00:38:43 EgFvdNWqO

川 ゚ -゚)「報告」

( ・∀・)「なんの?今日のクーちゃんのパンツの色?」

踵落としがモララーの脳天に命中。かなりの痛みこそあれ、結果的にパンツの色を知ることが出来た。黒だった。

( ;∀;)「いったいなあ…」

川 ゚ -゚)「レモナのその後が分かったわよ」

( ・∀・)「ほう」

川 ゚ -゚)「結果から言うと、彼女は生き長らえたわ」

( ・∀・)「へえ!すごいな!」

川 ゚ -゚)「ただし、彼女が息を吹き返すと同時に彼女の家族、交際していた男性達が死亡」

( ・∀・)「!」

川 ゚ -゚)「加えて、彼女は廃人レベルの精神障害を患ったわ。もはや自分が人間なのかどうかも分からない」

( ・∀・)「…生き長らえたいという願いの対価か」

川 ゚ -゚)「そうみたい」

( ・∀・)「…そうまでして生きたいかねえ」

川 ゚ -゚)「はっきり言って危険ね」
( ・∀・)「うん」

川 ゚ -゚)「どうするの?」

( ・∀・)「悪いけど、レモナちゃんには消えて頂こう」

川 ゚ -゚)「まあ怖い」

( ・∀・)「生かしとくには危険すぎでしょ」

川 ゚ -゚)「方法は?」

( ・∀・)「夢殺。クー頼むよ」

川 ゚ -゚)「また私?今回働きすぎじゃない?」

( ・∀・)「頼むよ。肉体的に殺すなら僕でもいいんだけどそれじゃ意味が無い。レモナという精神を殺さないと」

川 ゚ -゚)「はいはい、分かったわよ。対価ははずんでもらうわよ?」

( ・∀・)「…具体的には?」

川 ゚ -゚)

川 ゚ー゚)「極上の淫夢」

そう言うクーの顔はひどく妖艶で、同時に、常人なら気絶するほどの殺気を孕んでいた。

川 ゚ー゚)「…久々に人間を殺せる」※



65:ハニワ軍団
2010/08/14 00:54:58 EgFvdNWqO

(ノ^∀^)「うふふあはは」

川 ゚ -゚)「こんにちは、会うのは二回目ね、レモナさん」

(ノ^∀^)「だーれでーすかー?」

レモナの精神世界には、レモナ、クーが相対していた。

川 ゚ -゚)「覚えてないならいいわ。どうせ今からあなた死ぬのだから」

(ノ^∀^)「わたしはしにませんよー。しぬのこあいからやですー」

川 ゚ -゚)「頭パーのくせに生存欲だけは人一倍ね。確かに、モララーじゃこいつを消すのは難しそうね。対価が半端じゃないわ」

(ノ^∀^)「わたしはいきたいんですーじゃましないれくださいー」

川 ゚ -゚)「そんな醜い状態で生き長らえたところで意味なんかないでしょうに。自分の大切な人まで糧にして」

(ノ^∀^)「あはははは」

川 ゚ -゚)「見てるのも不快ね。醜態らしい死を贈るわ」

クーがそう言った途端、精神世界が崩壊を始めた。

(ノ^∀^)「なんですかーこれはー」
川 ゚ -゚)「私は夢界の王クー。ここでは私が神。私がルールよ」

浮き世は様々な制約や法則に縛られている。しかし、夢界では違う。どんな空間でも、誰の精神世界でも、夢魔の王であるクーの胸三寸で如何様にも出来る。もちろん、完全消滅させることも。

川 ゚ -゚)「二つ悔やみなさい。一つは、持って生まれた『無意識タイプの価値の分かる女』という特性。もう一つは、私達に目をつけられたこと。私達相談屋は正義のヒーローじゃない。来たら必ず助かるなんてことはないのよ」

(ノ^∀「」

もはや身体の半分以上が消滅しているレモナが何か喋る。が、クーには届かない。

川 ゚ -゚)「来世では幸せになりなさい。まずはウソつきを止めることね」

世界は、崩壊した。




66:ハニワ軍団
2010/08/14 01:04:44 EgFvdNWqO

結果として、レモナは死んだ。肉体は存在するものの、中身は空っぽ。惰性で続く生命活動もじき終了するだろう。レモナの精神は、クーによって完全に消滅させられた。


川 ゚ -゚)「ただいま〜」

( ・∀・)「お帰りー、僕の手下」

そこまで言ったところでモララーの額にハサミが刺さった。言わずもがな、クーが放ったものである。

( ・∀・)「いやいや、流石に死ぬから!」

川 ゚ -゚)「大丈夫よ。対価で溜め込んだ寿命があるでしょ」

( ・∀・)「いや、そうだけども!痛みはあるんだから!正直やばいよ!」

川 ゚ -゚)「疲れたわー」

( ・∀・)「スルーっすか」

川 ゚ -゚)「消してきたわよ」

( ・∀・)「ん、ご苦労様」

川 ゚ -゚)「恐怖を抱かない人間を殺しても何も面白くないわね」

( ・∀・)「どS女め」

川 ゚ -゚)「そんなことより対価、覚えてるんでしょうね」

( ・∀・)


川 ゚ー゚)「今日は寝かさないから」

第三話 おわり


81:ハニワ軍団
2010/08/14 17:46:18 EgFvdNWqO
諸葛亮曰わく:予告

\(・∀・)/「今日の夜から第四話はっじまるよー」


川 ゚ -゚)「今回は『メリーさん』よー」

( ・∀・)「電話かけてくるやつね」
川 ゚ -゚)「所謂ストーカーね」

( ・∀・)「でもかわいい女の子ならいいんじゃない?」

川 ゚ -゚)「…」

( ・∀・)「?」

川 ゚ -゚)「メリーさんがかわいい女の子って誰が言ったのかしら?」

( ・∀・)「え!違うの!」

川 ゚ -゚)「うふふ」


本編につづく

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