29:ハニワ軍団
2010/08/13 00:54:30 O8AsIdRFO
いいや、投下しちゃえ
第二話
( ・∀・)「たっだいまー」
川 ゚ -゚)「おかえり、モララー」
( ・∀・)「おお、我が手下のクーちゃん。ただいま帰りましたよ」
途端、モララーの目の前は真っ暗になった。それがクー靴の裏、つまり彼女が蹴りを放ったのだと認識したのは尻餅をつき、鼻血を噴いた後だった。
( ;Å;)「痛いよ!」
川 ゚ -゚)「誰が手下ですって?モララーのくすせに生意気ね」
( つ∀・)「あれ、君は僕の助手だよね?助手ってさ、僕より下に位置するんじゃないの?」
川 ゚ -゚)「馬鹿も休み休み言いなさい。私があなたより下?笑わせんじゃないわよ」
( ・∀・)「うーん、納得いかないなあ」
鼻にティッシュを詰めながら、モララーが頭を掻いた。
30:ハニワ軍団
2010/08/13 00:56:49 O8AsIdRFO
川 ゚ -゚)「そんなことより依頼が来てるわよ」
( ・∀・)「あれ、携帯に電話は来てないんだけどな」
携帯を開き確認するモララー。確かに新しい依頼の着信は無い。
川 ゚ -゚)「直接ここに来たのよ」
( ・∀・)「なるほど。で、その依頼人さんは?」
川 ゚ -゚)「応接室に待たせているわ。早く行ってあげなさい」
( ・∀・)「なんと!そりゃ急がないと!」
大して広くもない事務所を疾走するモララー。絵にはならない光景だ。応接室に続くドアを力強く開ける。
(*゚∀゚)「!」
中に居た依頼人と思わしき女性がびくりとしてモララーを見る。女性と言うにはやや幼い。高校生くらいだろうか。さっぱりとしたショートカット、片方のサイドの髪だけやや長めに伸ばし、細いリボンでまとめている。アシメアシメ。服装はブレザータイプの制服であり、よく似合っていた。
(*゚∀゚)「あ、あの」
31:ハニワ軍団
2010/08/13 00:58:23 O8AsIdRFO
( ・∀・)「ちょいと待った!まずは自己紹介から!僕の名前はモララー、見てのとおり相談屋をやっている!」
(*゚∀゚)「は、はあ」
( ・∀・)「自己紹介は互いに行って意味を成す!さあ君の名前」
とまで言ったところでクーに後ろから頭を殴られた。
川 ゚ -゚)「うるさいわ、モララー。うるさいというかうざい。少し大人しくしなさい」
( ・∀・)「なっ、僕の接客スタイルを否定するのか!」
川 ゚ -゚)「いいえ、貴方を否定しているのよ」
( ・∀・)「なんだと!」
(*゚∀゚)「あ、あの、自己紹介します」
( ・∀・)「うむ!聞きます!」
モララーの勢いに若干引きながらも、少女は答えた。
(*゚∀゚)「えと、名前はつーっていいます。高校生です」
( ・∀・)「two?変わった名前だ!」
川 ゚ -゚)「黙りなさい、人の名前を馬鹿に出来る程の名前じゃないでしょモララララァ」
( ・∀・)「違う!僕はモララーだ!」
川 ゚ -゚)「あら、初耳」
( ・∀・)「馬鹿な!」
川 ゚ -゚)「噛んだだけよ」
(*゚∀゚)「あのー…」
置いてきぼりだったつーがおずおずと呼び掛ける。
川 ゚ -゚)「あら、ごめんなさい。さ、続けて」
と言ってクーはつーの向かいのソファーに座った。
( ・∀・)「あれ、僕座れないよ」
川 ゚ -゚)「座れなければ、立っていればいいじゃない」
( ・∀・)「アントワネット!?」
川 ゚ -゚)「モララーも来たことだし、ご用件を伺います」
(*゚∀゚)「は、はい」
※
※
※
※
34:ハニワ軍団
2010/08/13 01:35:18 O8AsIdRFO
つーの話した内容をまとめると、学校で友達とこっくりさんを行った。しかし、途中で怖くなって友達のうちの一人が逃げ出してしまったらしい。それから3日経つが、怖くて仕方ないと、しかも、今日、その逃げ出した友達は学校を休んだらしい。
(*゚∀゚)「私もう怖くて怖くて…」
( ・∀・)「ばっかでえ!」
クーの拳がモララーの股関に命中。のたうち回るモララー。
35:ハニワ軍団
2010/08/13 01:38:29 O8AsIdRFO
クーの拳がモララーの股関に命中。のたうち回るモララー。
川 ゚ -゚)「ごめんなさい、彼脳ミソが無いから」
(*゚∀゚)「は、はあ…」
川 ゚
-゚)「でも、なんでこっくりさんなんてしたの?素人がやっちゃ危険だって知らなかったの?」
(*゚∀゚)「み、みんなでやってみようってなって…」
川 ゚ -゚)「まったく…後先考えずに行動したことを、まずは反省しなさい」
(*゚∀゚)「ご、ごめんなさい」
川 ゚ -゚)「私に謝ってもしかたないわ」
なんとも厳しい女である。
( ・∀・)「人の接客スタイルにけちをつけておきながら自分はそれか!このS女!」
股関のダメージから蘇ったモララーが言う。
川 ゚ -゚)「あら、生きてたの」
36:ハニワ軍団
2010/08/13 01:39:40 O8AsIdRFO
( ・∀・)「当たり前だ!で、こっくりさんだけど」
モララーが真面目な顔になる。クーもそれを察したのか、余計な茶々はいれていない。
( ・∀・)「こっくりさんってのは、キツネの霊って言われてるけど、その不完全な召喚方法から正規の、所謂こっくりさんを呼び出せるのは稀なんだ」
(*゚∀゚)「そ、そうなんですか」
川 ゚ -゚)「加えて、学校っていう霊場的に見ても不安定なところで行ったとなると、まず間違いなくこっくりさん以外の何かを呼び出してしまってるでしょうね」
( ・∀・)「そもそも、こっくりさんを呼び出せて、願いを聞いてもらったところで、対価を要求されるんだけどね。いいことはあまりないよ、あの儀式には」
(*゚∀゚)「うぅ…」
つーは今にも泣きそうになっている。
( ・∀・)「どう言った理由でこっくりさんをやろうって言い出したのかな?」
(*゚∀゚)「えっと、友達の一人…逃げちゃった子なんですけど、その子がなんか叶えて欲しい事があるって…それで、みんなでこっくりさんやってみようってなって…」
(
・∀・)「ふむ…その子学校休みなんだっけ」
(*゚∀゚)「はい」
( ・∀・)「じゃ、とりあえずその子ん家行ってみようか」
川 ゚ -゚)「行ってらっしゃ〜い」
( ・∀・)「あれあれ、クーちゃんは来ないの?」
川 ゚ -゚)「こっくりさんなら、わざわざ私が出張るまでもないでしょ」
( ・∀・)「あれあれ、君助手だよね?」
川 ゚ -゚)「違うわ、私はクーよ」
( ・∀・)「なるほど、納得だよ」
( ・∀・)「じゃ、つーちゃん。その友達の家に案内してくれるかな」
(*゚∀゚)「は、はい!」
※
※
※
37:ハニワ軍団
2010/08/13 01:54:54 O8AsIdRFO
(*゚∀゚)「ここです」
( ・∀・)「でかい家だなあ」
確かに大きな家だった。呼び鈴を鳴らす。
『はい…』
( ・∀・)「どうも、こんにちは。私…」
( ・∀・)「この子の名前教えて!」
小声で早口でつーに問うモララー。事前に聞いておくべきである。
(*゚∀゚)「ペニサスちゃんです」
( ・∀・)「ペニス?変わった名前だ!」
『あの…?』
( ・∀・)「あ、すみません。私ペニサスちゃんの学校の教師です」
『あ…はい。今門を開けます』
すると、ギギギと音をたてて門が開いた。
( ・∀・)「自動ドア!」
(*゚∀゚)「い、行きましょう!」
38:ハニワ軍団
2010/08/13 02:46:46 O8AsIdRFO
母「こんにちは…」
( ・∀・)「こんにちは。あのですね、ペニサスちゃん今日学校を欠席されたんですが、何かあったのですか?」
母「それが…部屋にこもりっきりで…」
( ・∀・)「ふむ、立ち話もなんですから、上がらせてもらえますかね」
母「は、はあ…」
(*゚∀゚)(い、いいのかなあ…)
ペニサス部屋前
母「ペニサス、先生が来てくださったわよ」
( ・∀・)「やあ、ペニサスちゃん。ドア開けてくれないかな」
(*゚∀゚)「ペニサス、大丈夫?大丈夫だよね!?」
( ・∀・)「お母さん、ここは私に任せて、リビングで待機していていただけますか」
モララーがさらっと言った。軽い感じで言ったようだが、有無を言わさぬ迫力が籠もっていた。
母「は、はい」
39:ハニワ軍団
2010/08/13 03:13:06 O8AsIdRFO
( ・∀・)「さあて…」
そう言うとモララーはドアを蹴破った。
(*゚∀゚)「ええ!?」
( ・∀・)「さあ引きこもりのお馬鹿ちゃんはどこかな」
大きな家にふさわしい広い部屋。その一角に彼女は居た。
(*゚∀゚)「ペニサス!」
駆け寄ろうとするつーをモララーが止める。
( ・∀・)「ちょっと待っててねー」
つーを制したモララーは単身ペニサスに近づく。
('、`*川「う…ぅあ…」
頭を抱え、身体を震わせながら座り込むペニサス。明らかに様子がおかしい。
40:ハニワ軍団
2010/08/13 03:17:31 O8AsIdRFO
( ・∀・)「うーん…こいつは」
('、`*川「違う…違う…私が欲しかったのは違う…違う違う」
うわごとのように繰り返している。
(;*゚∀゚)「ペニサス?大丈夫?」
( ・∀・)「来ちゃだめよ、つーちゃん」
('、`*川「違う違う違う…」
( ・∀・)「何が違うんだい?」
ペニサスに話し掛けるモララー。優しい調子の声だが、鋭いものを含んでいる。
('、`*川「私は…ただ自由になりたかっただけ自由になりたかっただけ…」
( ・∀・)「自由ね、なんと曖昧な願いだ。で、今の君は自由じゃないの?」
('、`*川「怖い怖い怖い怖い…」
( ・∀・)「何が?」
('、`*川「怖い怖い怖い怖い怖い怖い」
同じ事を繰り返すだけで質問には応えない彼女に業を煮やしたモララーは、『微妙な能力』を使うことにした。
( ・∀・)「仕方ないなあ…いくら僕がアレだからって、そうそう寿命を対価にしてられないし…じゃあ、僕の身体に乗り移っていいよ。ペニサスちゃんに憑いてる輩よ。どうせ弱みに付け込んで実体を得ようとする下等霊だろ?」
言い終わった瞬間モララーが倒れた。ペニサスもまた、一瞬身体を震わせ、力なく横たわった。
(*゚∀゚)「ペニサス!」
ペニサスに駆け寄るつー。
(*゚∀゚)「ペニサス!ペニサス!しっかりして!」
('、`*川「…ん」
(*゚∀゚)「気が付いた?私だよ、つーだよ!」
('、`*川「つー…?なんでここに…?」
(*゚∀゚)「良かった!ペニサス!」
その頃
41:ハニワ軍団
2010/08/13 03:26:58 O8AsIdRFO
(
・∀・)「さあて、僕の身体に入り込んだ身の程知らずよ。姿を現せ」
モララーの精神世界ではモララーが一人立っていた。モララーの呼び掛けに呼応するように、眼前に何かが現れた。
「うひゃひゃひゃ!新しい身体だ!」
( ・∀・)「うわー、本当にに下等な野郎かよ。つまらないなあ。大方、彼女が自由が欲しいってのを聞き付けて、その願いを叶えてやるとかいって憑いたな?」
「うひゃひゃひゃ!うひゃひゃひゃ!」
( ・∀・)「会話すら不能かよ」
「お前の身体俺のもの!お前の身体俺のもの!」
( ・∀・)「世の中は様々な決まりのもとに動いている。等価交換の原則もその一つ。そして、他にも決まりはある。例えば…」
モララーが言い終わると同時に、相手の霊体の姿がぐにゃりと歪む。元々不定形なものが更に歪む。
「ぎゃあああ!?なんだ!?なにがおきだああああ!?」
( ・∀・)「生きる力とは存在する力。存在する力とは即ち意志の力。実体を持たず、カタチすらままならない輩が、僕をのっとろうなんざ百億年早いんだよ」
「ぎゃあああ!いやだあああ!消えたくないいいい!」
(*・∀・)「なら、消さないでやろうか?対価が要るけどね」
笑いながらモララーが言う。
「消さないでええええ!」
(*・∀・)「じゃあ消さないでやる。対価は…お前の『意識』だ!」
意識を持たずに存在する。それは果たして存在していると言えるのだろうか。
(*・∀・)「唯一、『存在したい』という意識のもとに存在していたお前は、これからは消されない代償になんの意志も持たずにただ存在するのみ!永久の時間をただたださ迷い続けな!ゴミ以下の存在だね!あははは!」
「」
すでに霊体は何も言わない。言えない。感じること、考えること、望むこと、それら全てを失ったのだ。
( ・∀・)「最高に無意味な存在だね。見下す気にもなれないよ」
※
※
※
※
42:ハニワ軍団
2010/08/13 04:04:11 O8AsIdRFO
( ・∀・)「ふぁ〜、よく寝た」
(*゚∀゚)「あ!モララーさん、大丈夫ですか!?」
( ・∀・)「大丈夫よ。あと、ペニサスちゃんに憑いてた輩は退治しといたから」
(*゚∀゚)「本当ですか!」
( ・∀・)「もう大丈夫だよ。やっぱりこっくりさんに便乗して呼ばれて下級霊体だったね」
(*゚∀゚)「そうなんですか…」
( ・∀・)「これからは面白半分で軽はずみな事しないよいに」
(*゚∀゚)「はい…」
('、`*川「あ、あの…助けてくれてありがとうございます…」
( ・∀・)「ああ、いいよ。仕事だし」
43:ハニワ軍団
2010/08/13 04:05:25 O8AsIdRFO
('、`*川「何かお礼を…」
( ・∀・)「そだね。対価は頂くよ。でもその前に一言」
('、`*川「…?」
( ・∀・)「自由ってのは与えられるものじゃない。そもそも、君の中で自由ってなんなのか、それをよく考えてみな。親の言うことを聞くのが嫌になったとか、そんな感じじゃないのかい?君がこっくりさんをやろうなんて言い出した理由」
('、`*川「…はい」
( ・∀・)「君のわがままのために他の友達を巻き込んで、あまつさえ自分が率先して逃げるなんておかしいよね。正直、憑かれたのも自業自得だよ」
('、`*川「すみません…」
( ・∀・)「僕じゃないでしょ。謝るのは」
('、`*川「…つー、ごめんね。本当にごめんね…」
(*゚∀゚)「…別にいいよ。ペニサスも無事だったから私は嬉しいよ」
( ・∀・)「おやまあ、いい子だねえ」
(*゚∀゚)「モララーさん、ペニサスを助けてくれてありがとうございます。対価は…何で払えばいいですか?」
('、`*川「そんな、つーはいいよ。私がつーの分も」
44:ハニワ軍団
2010/08/13 04:05:45 O8AsIdRFO
( ・∀・)「対価を決めるのは僕だよ。そうだなあ…ペニサスちゃん、君は、これからは強く生きてもらいますか。こっくりさんなんぞに頼らなくてもいいように」
('、`*川「それだけでいいんですか?」
( ・∀・)「それだけって、出来てなかったからこうなったんでしょ」
('、`*川「あう…」
( ・∀・)「この約束を果たすことが君の対価。果たせなかったら契約違反ってことで更に対価要求するから」
('、`*川「わ、わかりました」
(
・∀・)「うむ、よろしい。約束破られるの嫌いだからね、僕は。そういう奴は殺しちゃうかもだから」
笑って言うが、ペニサスはその言葉に震え上がった。
(*゚∀゚)「私は…」
( ・∀・)「つーちゃんはねえ…そうだなあ、一番好きな食べ物って何?」
(*゚∀゚)「えっ…えと…」
( ・∀・)「?」
(*///)「ば、馬刺です…」
( ・∀・)「www」
(;///)「い、いいじゃないですか!」
( ・∀・)「いや、いいと思うよ?うまいしね、馬刺w」
(;///)「…」
( ・∀・)「じゃ、その好きな馬刺を十年食べるの我慢してもらいますかね」
(*゚∀゚)「十年ですか…」
( ・∀・)「まあ死にやしないでしょ」
※
※
※
※
45:ハニワ軍団
2010/08/13 04:19:16 O8AsIdRFO
事務所
( ・∀・)「ただいまー」
川 ゚ -゚)「お帰りなさい、モララー。早かったわね」
( ・∀・)「ただいまー、我が手下の」
そこまで言ったところで、クーね蹴りがまたしてもモララーの顔面にヒットした。
( ・Å・)「二回目だから泣かない!」
川 ゚ -゚)「あら、ご立派」
( ・∀・)「もっと誉めてもいいんだよ?」
川 ゚ -゚)「仕事はどうだったの?」
(
・∀・)「スルースキル高いな…仕事は滞りなく終わったよ。やっぱり、こっくりさんに便乗して現れた下級霊体だった」
川 ゚ -゚)「予想はついていたけど。やっぱり私が出るまでもなかったじゃない」
( ・∀・)「そうかもしれんけどさあ」
川 ゚ -゚)「夢魔である私が、そんな輩にかまってられないわ」
( ・∀・)「はいはい。…僕の夢を食べなきゃ生きていけないくせに」
川 ゚ -゚)「何か言ったかしら?」
( ・∀・)「いや?」
川 ゚ -゚)「そう、ならいいわ。あ、そうそう、モララー、そろそろ現金での対価が欲しいところね」
(
・∀・)「ん、了解。次の対価は現金にするか」
川 ゚ -゚)「よろしくー」
( -∀-)「あー、なんか疲れちゃったな。寝るか…」
川 ゚ -゚)
( ・∀・)「…」
( ・∀・)「食べますか」
川 ゚ -゚)「ええ、もちろん」
( -∀-)「また熟睡出来んのか…」
川 ゚ -゚)「不満そうね。むしろ、夢の中でも私と居られるのだから喜びなさい」
( -∀-)「はいはい」
川 ゚ -゚)「さ、早くベッドに行きましょう」
( ・∀・)「…お腹空いてるの?」
川 ゚ -゚)
川*゚ -゚)「…うん」
第二話 おわり