198:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/28 16:48:16
Suy/+lzWO
諸葛亮曰わく:おハロー
テレビ『願いを三つ叶えてやろう。こんなこと言われたら、あなたはどうしますか?』
( ・∀・)「戯れ言だなあ」
川 ゚ -゚)「対価を考えなきゃね」
気紛れな相談屋のようです
第六話
猿
の
手
川 ゚ -゚)「ふと思ったのだけれど、桃太郎って中々怖い話よね」
( ・∀・)「えっ」
川 ゚ -゚)「よく考えてみなさい。流れてきた大きな桃の色合い…ピンクと白の表面に、中身は赤い果肉。これは人体の隠喩ととらえられるわ」
( ・∀・)「まずい、クーがおかしくなった」
川 ゚ -゚)「その桃=人体を勝ち割ると中からは…血塗れの赤子が!」
(
・∀・)「そんな猟奇な話を幼子に読み聞かせたら恐怖で寿命がマッハだよ」
川 ゚ -゚)「まあふと思っただけなんだけど」
( ・∀・)「一回クーの中を見てみたいよ」
川 ゚ -゚)「私の中を見たい…?なんというセクハラ」
( ・∀・)「しまった、『頭』っていう言葉を付け忘れた!」
川 ゚ -゚)「何度も見たでしょうに」
( ・∀・)「こら!恥ずかしい話禁止!」
川 ゚ -゚)「エロラー」
( ・∀・)「違う!僕はモララーだ!」
川 ゚ -゚)「噛んだのよ」
( ・∀・)「嘘だ!」
川 ゚ -゚)「あら?確かに私はあなたのあんなところやこんなところを甘噛んだ覚えがあるんだけど」
(
・∀・)「えっちなのはいけないと思います!あ、やっぱ思いません!がんがんやろうぜ!」
川 ゚ -゚)「何盛ってるの?まるで猿ね。ウッキーって言ってみなさいよ」
( ・∀・)「心外だ」
199:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 18:59:08
QpUT+h/DO
川 ゚ -゚)「下らない事やってないで、さっさと仕事しなさい」
( ・∀・)「釈然としないなあ…」
ピーンポーン
川 ゚ -゚)「ほら、調度良くお客さんよ」
( ・∀・)「はいはい、只今行きますよっとー」
201:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 21:07:50
QpUT+h/DO
諸葛亮曰わく:うはw200越えw
( ・∀・)「はいはい、どちら様?」
o川*゚ー゚)o「こんにちわっ!聞きたいことがあって来ました!」
玄関を開けると、一見可愛らしいが、どこか花が無い感じの若い女性が立っていた。
( ・∀・)「ま、とりあえず中にどぞ」
o川*゚ー゚)o「おじゃましまーす」
※
※
※
※
( ・∀・)「アイドルのキュー?」
o川*゚ー゚)o「はい!知りませんか?」
( ・∀・)「全然!」
川 ゚ -゚)「黙りなさい無知蒙昧。でも確かにあまり聞かない名前ね」
o川*゚ー゚)o「あんま売れてなくてー」
自己紹介によればこのキューなる女性はアイドルらしい。正確には、アイドル見習いと言った感じか。
( ・∀・)「んでんでんで、そのアイドルさんが一体何故うちに?」
o川*゚ー゚)o「これが何か知りたくてー」
そう言って鞄から何か取り出すキュー。細長い物体が紙で包まれている。
( ・∀・)「何これ?」
川 ゚ -゚)「開けていいのかしら?」
o川*゚ー゚)o「はいー」
包みを開ける。するとそこには
川 ゚ -゚)「…手?」
干からびた手が入っていた。人間のそれに良く似ていて、大きさは子供の腕くらいだった。
o川*゚ー゚)o「これは何なんですかねー」
( ・∀・)「猿の手」
川 ゚ -゚)「えっ?」
( ・∀・)「十中八九、猿の手だね。強い霊力を宿したミイラ状の腕。まず間違いない」
川 ゚ -゚)「あーらら。また面倒なものを」
o川*゚ー゚)o「やっぱり!やっぱりそうなんですね!」
( ・∀・)「?」
川 ゚ -゚)「?」
202:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 21:17:07
QpUT+h/DO
o川*゚ー゚)o「違ってたらどうしようかと思いましたー!」
( ・∀・)「ん?話が見えないよ?」
川 ゚ -゚)「あなたそれの正体知ってたの?」
o川*゚ー゚)o「確信はなかったんですよー!だからここに来たんですけど、いやー、本物で良かったー!」
(
・∀・)「どこで手に入れたのさ」
o川*゚ー゚)o「深夜番組のオカルト特集で、あるお寺に行ったんですよー。で、色々取材してるうちに見つけちゃってwパチモンの企画だし、お寺さんもヤラセの人だからまさかとは思ったけど本物なんて!」
( ・∀・)「あれあれ?さらっとプチ犯罪を暴露しちゃったよこの子」
川 ゚ -゚)「通報するべきなのかしら」
o川*゚ー゚)o「猿の手ってことは、願いを三つ叶えてくれるんですよね!」
( ・∀・)「…まあね」
o川*゚ー゚)o「やったー!じゃあ失礼します!」
( ・∀・)「待て待て待て、何するつもりだ、つか対価も無しに」
川 ゚ -゚)「いけすかない女ね。モララー、殺していいかしら?」
o川*゚ー゚)o「猿の手さん、私をここから逃がして下さい!」
瞬間、キューの姿は掻き消えた。
203:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 21:29:40
QpUT+h/DO
※
※
※
※
川#゚ -゚)「何なのよあの女!」
( ・∀・)「まあそう怒るなよクー。飴ちゃん舐める?」
川#゚ -゚)「モララー!あんなに馬鹿にされて悔しくないの!?たかが人間にあそこまでコケにされただなんてクールヴァン・ドリーター最大の屈辱だわ!挽肉にしてやらないと気が済まない!」
( ・∀・)「落ち着いて、クー。あの子は次期死ぬ。もしかしたら、僕達の眼前で」
川 ゚ -゚)「?」
( ・∀・)「猿の手は確かに願いを叶える。しかし、それには多大な対価が必要だ。等価交換の原則を無視してる産物だからね。ハイハイリスク、リターンみたいな?」
川 ゚ -゚)「じゃあ…」
( -∀-)「大方、猿の手を使って、今よりももっと有名になりたいとか、そんな浅はかな願いを叶えるつもりなんだよ、あの子」
川 ゚ -゚)「でも、なんで次期死ぬって分かるの?」
( ・∀・)「僕は価値の分かる男です」
川 ゚ -゚)「知ってるわ」
( ・∀・)「だから猿の手が要求する対価もわかる。彼女が僕らから逃げる際に払わされた対価は、寿命の六割」
川 ゚ -゚)「六割!?」
( ・∀・)「言ったじゃん。ハイハイリスク、リターンだって。しかも、彼女は対価を払わされたことを知らない。知る術がないから」
川 ゚ -゚)「逃げるだけで寿命六割ってことは…」
( -∀-)「超人気アイドルにして!なんて頼んだらどうなることやら」
204:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 21:40:35
QpUT+h/DO
※
※
※
※
o川*゚ー゚)o「さーて、この猿の手があれば日本一のアイドルになるのなんて簡単簡単!」
o川*゚ー゚)o「さっき相談屋さんから逃げるのに一回使っちゃったからあと二回。一回余分にあるなあ」
o川*゚ー゚)o「何に使おうかなw」
o川*゚ー゚)o「まあいいや、とりあえず…猿の手さん、私を日本一のアイドルにしてください!」
※
※
マネージャー「キューちゃん!ゴールデンのギュラー10本おさえたよ!あとCDも出そうって話だ!」
o川*゚ー゚)o「ちょwwwすごいwww」
プルルルル
o川*゚ー゚)o「あ、電話だ」
o川*゚ー゚)o「はい、もしもーし」
『こちら警察ですが、キューさんですか?先程、あなたの家に強盗が入り…』
o川*゚ー゚)o「え…」
パパとママが、殺された…?
マネージャー「何してるのキューちゃん!早速収録だよ!」
※
※
※
※
( ・∀・)「日本一のアイドルキューちゃんwwwいきなりテレビ出まくっててワロタwww」
川#゚ -゚)「不快だわ、捻り殺したい」
( ・∀・)「あれから一月か…そろそろ頃合いかな」
ピーンポーン
205:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 21:53:02
QpUT+h/DO
o川*゚ー゚)o「こんにちわ…」
( ・∀・)「これはこれは日本一のアイドルキューちゃん!何か御用かな?w」
o川*゚ー゚)o「あの…猿の手に願いを叶えてもらってからひどいことばかり起きて…」
( ・∀・)「あれれー!しらなかった?猿の手ってそういうものだよー?願いを叶える毎に、めちゃくちゃな対価を払わされるんだよー?w」
o川*゚ー゚)o「そんな…なんで教えてくれなかったですか!」
( ・∀・)「聞かれてねーしwww被害者ぶってんじゃねーよコソドロw」
o川*゚ー゚)o「この…!」
( ・∀・)「ちなみに、君の寿命あと一週間くらいだよ!対価でごっそりもってかれたからw」
o川*゚ー゚)o「……!」
( ・∀・)「ざまwww」
川 ゚ -゚)「無様ね」
o川*゚ー゚)o「こうなったら…」
( ・∀・)「あん?」
o川#゚ー゚)o「あんた達も道連れにしてやる!猿の手!こいつらを私の目の前から消して!」
鞄から取り出された猿の手がぴくりと動く。そして宙に浮き、次には…
o川* )o「ぎゃああ!」
キューの両目を抉りだした。
o川* )o「な、なんで…」
( ・∀・)「君の目が見えなくなれば、僕らは目の前から消えるじゃないか!合理的!」
o川* )o「く…あ…」
( ・∀・)「そういや、こないだの対価まだ貰ってなかったねー」
o川* )o「…」
( ・∀・)「何払って貰おうかなー。あ、そうだ」
o川* )o「な、なによ」
地 獄 行 き 、 な ん て ど う だ い ?
※
※
※
※
206:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 22:07:14
QpUT+h/DO
川 ゚ -゚)「哀れな子だったわね」
( -∀-)「努力すれば良かったんだよ。まだ若いんだから、猿の手なんかに頼らずにね。努力してダメなら向いてないと諦めればいいんだ」
川 ゚ -゚)「猿の手はどうしたの?」
( ・∀・)「消えたよ。三回願いを聞いたからね」
川 ゚ -゚)「安易に力に縋るとこうなるのね」
( ・∀・)「ま、教訓だね」
第六話 おわり