255:名無しさん
09/07(金) 14:55 /tk5tZwWO
二十四重 『仲間の左腕と左手の文字』
金髪の男が暗闇の中、走って向かってくる。
(;゚∀゚)「1st!!」
(;^ω^)「12thは無事かお」
(;゚∀゚)「2ndが血だらけで…おまえ腕がないじゃんか!!」
(;^ω^)「生きてるだけで儲けだお」
(* ー )「みんなの声…聞こえてたから」
(;^ω^)「…お!?」
今までただ雲を出して立っていた女が立ち上がる。
256:名無しさん
09/07(金) 14:56 /tk5tZwWO
(*;ー;)「私の大事な人達を返してよ!!」
女が叫ぶ。
(;゚∀゚)「ぐあぁぁぁっ!!」
12thの左腕が凍り形を成した雲に切り取られていた。
左手は凍り付き、砕けた。
(*;ー;)「大事な大事な友達なの!!親友なの!!彼氏なの!!仲間なの!!」
(;-A`)「…!!」
雲は2ndの腹を貫通していた。
(*;ー;)「あなたたちのせいでみんなどこかに行っちゃった!!私だけ残して!!」
(;^ω^)「……ぉ…」
1stの腹を雲が通り過ぎ、自分の血の海の中に倒れた。
257:名無しさん
09/07(金) 14:57 /tk5tZwWO
(;゚∀゚)「おい!!しっかりしろよ!!」
( ^ω^)「僕はここでゲームオーバーだお」
(;゚∀゚)「そんなこと言うなよ!!」
( ^ω^)「痛みとか感じなくなってるお 君の左腕無くなっちゃったお」
(;゚∀゚)「そんなこと今はどうでもいいだろ!!」
( ^ω^)「僕の残ってる左手を君の左手に錬成するお」
(;゚∀゚)「するわけないだろ!?しかも仲間同士じゃ能力は使えない!!」
( ^ω^)「僕の左腕はもう取れるお ボロボロなのに使いすぎたお 一度取れれば障害物扱いだお」
(;゚∀゚)「だからって…!!」
(#^ω^)「早くするお!!」
(;゚∀゚)「…!!すまねぇ…」
にやけ面の男の左腕はかんたんに取れた。
こんな状態で動いていた左腕はとても綺麗だった。
1stの左腕が12thに付く。
「天」の文字が輝く。
258:名無しさん
09/07(金) 14:59 /tk5tZwWO
(*゚ー゚)「何…?その能力…気持ち悪い!」
(;゚∀゚)「!?」
右手の皮膚が凍り、文字ごと剥がされた。
(;゚∀゚)「右手が」
('A`)「俺の使え、俺の まだ左手使えるし」
(;゚∀゚)「喋ると傷が」
('A`)「死ぬ直前は元気なんだぜ?」
(;゚∀゚)「右手が使えない」
( ^ω^)「一度だけなら使えるはずだお 文字を「天」の上に乗せて錬成しろお」
(;゚∀゚)「無理だろ…」
( ^ω^)「ここは想像が支配する世界だお 大事なのは心だお」
('A`)「早くしないと俺ら消えちまうだろ」
( ∀ )「……あぁ」
2ndの甲から「宙」を剥がす。
「天」に重ねた「錬」が輝く。
信じる。
今までで一番輝く。
259:名無しさん
09/07(金) 15:00 /tk5tZwWO
('A`)「大事に使えよ?」
( ^ω^)「しかも僕らの神字だお 神様にもなれるお」
( ゚∀゚)「絶対に神になる 約束する」
('A`)「約束だかんな」
( ^ω^)「守んないと針飲ますお」
( ゚∀゚)「大丈夫だ 俺は嘘つかないからな」
1stと2ndが輝く。
('A`)「頑張れよ」
( ^ω^)「僕らは仲間だお 辛いときは思い出すといいお」
('A`)「楽しかったよ」
( ^ω^)「楽しかったお」
( ∀ )「…俺も楽しかった」
「じゃあな」「また今度だお」という声が聞こえた後に二人は消えた。
( ;∀;)「…ありがとう 俺、絶対に…絶対に約束守るから」
暗闇だった空。
山の端は白み、明るくなり始めていた。
男が流した涙の粒が手の甲に落ち、「宙」と「天」の文字が輝きを増す。
雨は降っておらず、空には雲すら一つも無く、だが女と男の顔は濡れていた。