1:ハニワ軍団
2010/08/12 21:46:19 WqiIuB7qO
某駅の情報掲示板。そこに書かれた一行の文。
「怪異についてお困りの際は ×××-××××へ」
いたずら書きにしか見えないこの文章。掲示板の隅に小さく書いてあり、普通の人は気付かないであろう。本来なら削除されてしまいそうなこの書き込みが消されないのには理由があった。
一人の男が掲示板を見て、電話をかけている。顔色は悪く、何かに怯えているようだ。
ガチャ、という音がして、通話が開始された。
(;゚∀゚)「も、もしもし!掲示板を見たんだが…」
「ああ、お客さんですね。一体どのようなご用件です?」
(;゚∀゚)「た、助けてくれ!呪われてるんだ!殺されちまう!」
「ほう…詳しく話を伺いましょうか」
気紛れな相談屋のようです
2:ハニワ軍団
2010/08/12 21:52:46 WqiIuB7qO
喫茶店
先ほど電話をかけた男性が喫茶店の前で、やはり先ほどと同じように何かに怯えながら立っていた。終始周りをキョロキョロと見回し、その目は血走っている。
(
・∀・)「やあ、どうも」
不意に声をかけられ、男は奇声を発して尻餅をついた。
(
・∀・)「先ほどは電話どうも。何かお困りのようで」
声をかけた男の方は相手を気にすることなく一人で話し続ける。
(
・∀・)「一体どのようなご用件ですかね、ああ、立ち話もなんですからコーヒーでも。そのために喫茶店で待ち合わせしたんですからね」
そういうと男は一人で喫茶店の中に入って行った。取り残された尻餅奇声男もあわてて喫茶店内に向かう。
( ・∀・)ノシ「アイスコーヒー2つ」
先に店内に入った男はすでに注文をしていた。
(;゚∀゚)「お、おい…あんた」
(
・∀・)「注文はアイスコーヒーで良かったでしょうかね、なかなか来ないので先にまとめて注文してしまいました」
(;゚∀゚)「あ、ああ。いや、そんなことより」
(
・∀・)「ああ!そうですよね、アイスコーヒーなんかよりも大切な事がありました!自己紹介がまだでした。私こういう者です」
そう言って差し出した名刺には
『モララー』
と名前だけが書いてあった。
(;゚∀゚)「あ、ああ。どうも」
(
・∀・)「あなたの名前は?自己紹介は互いに行って初めて意味を成します」
(
゚∀゚)「…ジョルジュ長岡だ」
モララーの勢いに着いていけず、長岡は苛立ちを覚えながらも答えた。
(
・∀・)「小林さんね、なんて平凡な名前だ!」
ははは、と笑うモララー。その態度にとうとう我慢出来なくなったのか長岡が立ち上がった。
(#゚∀゚)「いい加減にしろ!からかってるのか!」
(
・∀・)「は?」
(#゚∀゚)「俺は真剣に困っているんだ!」
(
・∀・)「知りませんよ、まだ詳しい話を聞いてないんですから。あ、コーヒーがきました。ここのコーヒーは旨いんです」
(#゚∀゚)「てめえ…」
(
・∀・)「物事には順序があります。あなたが何を困っているのか、それを今から伺うんですよ」
( ゚∀゚)「…」
なんとも度し難い人物である。
(
・∀・)「さあ、話してください。呪われてるとかなんとか言ってましたね」
( ゚∀゚)「ああ…」
(
・∀・)「詳しく聞かせてもらえますか」
3:ハニワ軍団
2010/08/12 21:57:20 WqiIuB7qO
ミス 小林→長岡
長岡の話をまとめると、自分には付き合っている人が居たが、喧嘩をして自分はふられてしまった。その数日後彼女は自殺。それ以降長岡の周りでは様々な恐ろしい出来事が起き、高名な僧を尋ねたりもしたものの解決しなかった。もうここしか頼れるところがない、ということらしい。
(
・∀・)「ふむ」
(;゚∀゚)「死にかけたこともあるんだ。寺で貰ったお守りを持っている間はまだ大丈夫なんだが…」
(
・∀・)「一つ聞いてもいいですか?」
( ゚∀゚)「なんだ…」
(
・∀・)「あなたの今言った話に嘘はないですか?」
(;゚∀゚)「な、何故そんなことを」
(
・∀・)「ないですか?」
(;゚∀゚)「疑われるようなことは…」
(
・∀・)「ないですか?」
(;゚∀゚)「あ、ああ…ないよ。ないさ、ないとも!俺は被害者だ!」
(
・∀・)「なるほど。その怪異は家に居る時が多いのですか?」
( ゚∀゚)「ああ、一人で居る時が多いな」
(
・∀・)「なら、今からあなたの家に行きましょう」
( ゚∀゚)「ああ…」
4:ハニワ軍団
2010/08/12 22:02:01 WqiIuB7qO
長岡のアパート
( ・∀・)「汚い部屋だなあ」
開口一番、モララーのセリフである。確かに汚い部屋だった。汚いというか、破壊されてるというべきか。
(
゚∀゚)「みんなあいつがやったんだ…!勝手に物が飛んだり、グラスが割れたり…」
長岡が言った途端、玄関のドアが勝手に施錠された。
(
・∀・)「おや」
(;゚∀゚)「ひい!」
電灯は激しく点滅し、食器棚から食器が飛び交い、本棚から本が飛び交い、部屋は阿鼻叫喚の事態に陥った。
(;゚∀゚)「うわー!やめろ、やめてくれええ!」
長岡はうずくまって泣き喚いている。
モララーはというと
(
-∀-)「対価は…そうだなぁ、寿命。僕の寿命を話した時間分くれてやる。だから少しの間僕と話しをしないか?」
等と呟いている。すると、突然、部屋の騒ぎは治まり、同時にモララーが倒れた。
(;゚∀゚)「…?おい…、おい、あんた。どうした…?嘘だろ!ちょっと待ってくれよ!おい!起きろよ!おい!おい!!」
5:ハニワ軍団
2010/08/12 22:12:36 WqiIuB7qO
何も無い真っ暗な空間。どのくらいの広さなのかも、何かがあるのかもわからない。
(
・∀・)「お話をするのに真っ暗はいただけないな」
モララーの声が響いたかと思うといきなり明るくなった。そしてよく見ると、どこかの応接室のような景観になっている。モララーが腰掛けるソファーの向かいのソファーには一人の女性が座っていた。濃い目の茶色のロングヘアーの、大人しそうな女性だ。やや長めの前髪で目許が隠れているが、中々に美人のようだ。
(
・∀・)「さて、まずはお礼を言わせてもらいましょう!よくぞ承諾してくれましたね、あなた死んでるから寿命なんてって文句言われると思ったんですが」
モララーが笑いながら言う。確かに、死んでる人相手に寿命を払っても得はない。モララーの寿命がただ単にに減っただけである。
(*゚ー゚)「…よく言うわ。あなたあの時点で寿命を一時間放棄したじゃない。応えなければ原則に反するわ」
(
・∀・)「まあね!この世は全て等価交換で成り立っていて、それには従わざるを得ない!僕が先に条件を提示して対価を払ったなら相手であるあなたは従わざるを得ない!上手く出来てますなあ!」
ははは、と笑うモララー。
(*゚ー゚)「…あなたなんなの?」
(
・∀・)「普通の人間ですよ。ただ一つ皆さんと違うのは、『価値の分かる男』だってこと。普通の人は等価交換の原則はうすぼんやり理解していても、何と何が等価なのかわからない。だから神社に願掛けしても願いは中々に届かない。でも僕は何と何が等価なのか完璧に理解している。つまり、対価さえ払えば僕はどんな願いもかなえられるわけ」
(*゚ー゚)「…いいのか悪いのか微妙な能力だわ」
(
・∀・)「まあ対価は払うわけだからね」
相手の女性はクスリと笑いながら、モララーは声を出しながら笑い、コーヒーを飲んだ。
(*゚ー゚)「で、私になんの用なの?」
(
・∀・)「ちょっと待った、まずは自己紹介から。僕の名前はモララー。微妙な能力を使い怪異専門の相談所をやっている」
(*゚ー゚)「…私はしい」
(
・∀・)「C?変な名字だ!」
(*゚ー゚)「よく言われるわ」
(
・∀・)「じゃあしいさんと呼ぼう。さてしいさん。あなたに聞きたいことがいくつかある」
6:ハニワ軍団
2010/08/12 22:18:25 WqiIuB7qO
(*゚ー゚)「何よ」
( ・∀・)「何故あの男を襲う?彼に聞く限り襲われる理由はないが」
(*゚ー゚)「…あいつは何て言ったの」
(
・∀・)「喧嘩の末自分はふられた。その後君が自殺した、と」
(*゚ー゚)「よく言うわ…ふったのは向こうなのに」
(
・∀・)「詳しく聞かせてもらえますかな」
(*゚ー゚)「喧嘩したのは本当よ。理由はあいつが浮気をしてて、その浮気相手と結婚するからって」
(
・∀・)「ふむ」
(*゚ー゚)「私にも結婚したい、いつ籍を入れるか、なんて話もしてたのに…」
(
・∀・)「なるほど、で、手酷くふられた末自殺、彼を呪い殺そうと」
(#゚ー゚)「そうよ!何か問題ある!?あんたあいつに私をどうにかするように頼まれたんでしょ!邪魔するならあんたから殺してやる!」
(
・∀・)「まあまあ落ち着いて。結論から言えば僕は彼を助ける気はない。だってまだ対価を頂いてないから。もっと言えば、彼は僕に嘘を吐いた。僕は嘘吐かれるのが一番嫌い。さらに、君みたいな美人さんを悲しませるような奴は気に入らない」
(*゚ー゚)「…ずいぶん適当な相談屋ね」
(
・∀・)「僕だって人間。助けたい奴、助けたくない奴は居る。そして今回の場合、僕は君の方を助けたい。悪霊になって現世をさ迷うのは苦痛の極みだ。早く天国に行ってもらいたいからね」
(*゚ー゚)「…協力してくれるの?」
(
・∀・)「対価をくれれば」
(*゚ー゚)「私にあげられるものなんて…」
( ・∀・)「そうだな…なら約束を果たしてもらおう」
7:ハニワ軍団
2010/08/12 22:19:06 WqiIuB7qO
(*゚ー゚)「約束?」
(
・∀・)「君が天国に行き、生まれ変わった暁には、必ず幸せになること。変な男にひっかかったりせずにね」
(*゚ー゚)「…そんなのでいいの?」
(
・∀・)「そんなのっていうけど、結構難しいよ?そもそも生まれ変わってまた人間に転生するには天国で余程頑張らなきゃならない。無事生まれ変わっても幸せになるなんて難しい話さ。現に君は現世じゃ無理だった」
(*゚ー゚)「…」
(
・∀・)「ま、だからこそ、次は幸せになる権利があると思うんだけどね」
(*゚ー゚)「うん…」
(
・∀・)「約束出来る?」
(*゚ー゚)「うん、頑張る」
(
・∀・)「いよし!契約成立!じゃあ行きますか!」
(*゚ー゚)「どこに?」
(
・∀・)「決まってるでしょ」
そう言ってモララーは笑った。その笑みは優しいようで、反面、とても冷たく、悪魔のような笑みだった。
9:ハニワ軍団
2010/08/12 22:25:57 WqiIuB7qO
( ・∀・)「!」
(;゚∀゚)「うわあああ!」
モララーが急に起き上がった事でまたしても長岡は奇声を発して尻餅をついた。
(
・∀・)「ふう」
立ち上がり伸びをするモララー。
(;゚∀゚)「あ、あんた…一体何があったんだ?急に倒れて」
(
・∀・)「ああ、すいません。持病の貧血がね、や、全く困ったもんだ!」ははは、と笑うモララー。長岡はそんなモララーを気味悪そうに見ている。
(
・∀・)「実は貧血している最中に悪霊をやっつけましてね、もう安心ですよ!」
(;゚∀゚)「な、なんだって?」
(
・∀・)「いや、だから悪霊はもう除霊しました。貧血起こしたのはそのせいなんですよ。見てください、怪異も治まっているでしょ?」
(;゚∀゚)「あ、ああ…」
(
・∀・)「さ、これにて一件落着!」
(;゚∀゚)「そ、そうなのか…」
(
・∀・)「ええ!金輪際あなたが悪霊の怪異にうなされることはありません!」
怪しいセールスマンのようなモララーの口振りに不信感を露にする長岡。
(
・∀・)「ま、ないと思いますが、今後また何かあれば連絡を下さい」
( ゚∀゚)「ああ…」
( ・∀・)「それで、対価の件なんですが」
(
゚∀゚)「ああ、いくら払えばいいんだ?一応命の恩人なわけだからな」
( ・∀・)「そうですねぇ…何をもらいますかねえ」
(
゚∀゚)「金じゃないのか?」
( ・∀・)「うーん、うーん、迷うなあ…あ」
( ゚∀゚)「決まったか?」
(
・∀・)「いや、一つ思い出したことがありましてねえ。喫茶店であなたに確認しましたよね?嘘ついてないですよね、って」
(゚∀゚)「あ、ああ」
長岡の顔色が悪くなる。分かりやすい男だ。
(
・∀・)「あれ嘘ですよね?」
(;゚∀゚)「い、いや。嘘なんか吐いて」
(
・∀・)「ショックだなあ、僕嘘吐かれるのが一番嫌いなんですよ」
(;゚∀゚)「い、いや、あれは」
(
・∀・)「ショックだなあ、とても。何回も確認したのになあ」
そう言って長岡を見るモララーの表情は笑みこそ浮かべているが、底知れぬ恐ろしさを孕んでいた。
(;゚∀゚)「わ、わかった!わるかった!許してくれ、対価は払うから!」
(
・∀・)「それは嘘を許すための対価ですか?」
(;゚∀゚)「ああ、なんでもする!だから許してくれ!詮索はしないでくれ!」
11:ハニワ軍団
2010/08/12 22:35:50 WqiIuB7qO
( ・∀・)「注文の多い人だなあ」
ははは、と笑うモララー。しかし今までの笑いとは明らかに雰囲気が違う。
(
・∀・)「それはそうと…言ったな?」
(;゚∀゚)「な、何を…」
(
・∀・)「なんでもする、と」
(;゚∀゚)「あ、ああ。だから…!」
(
・∀・)「確かに言ったね?ふふふ、なんでもするんだね?あはは!じゃあ言うこと聞いてもらおうかな!」
明らかにおかしいモララーの態度にガクガクと震えだす長岡。
(;゚∀゚)「な、なにを」
モララーがぱちん、と指を鳴らした。するとまたしても部屋中の物が飛び交い、電灯は激しく点滅し、ラジカセはけたたましく鳴り、パソコンは謎の文字列を延々と写し出した。
(
;∀;)「うわあああ!」
長岡は涙を流しながら悲鳴をあげている。
(
・∀・)「あ、長岡さん、嘘についての対価は今から払って頂きますが、怪異についての対価は結構です、なぜなら」
(;゚∀゚)「?」
(
・∀・)「悪霊、まだ退治してませんから!あははは!」
モララーが笑うと同時にしいが姿を現した。
(;゚∀゚)「ぎゃあああああ!!」
絶叫する長岡。
(
・∀・)「嘘についての対価、まだ何をもらうか言ってませんでしたね。僕があなたに要求するもの、それは…『大人しく彼女に殺される』ことですよ!」
(;゚∀゚)「うわあああ!やめてくれええ!」
(*・∀・)「自業自得ですよ、殺されるに値することをしたんですから!ましてや『なんでもするから許してくれ』なんて魔法の言葉吐いちゃって!等価交換を無視してオーケーと言ってるようなものですよ!ええ、嘘吐いたのは許してあげますとも!あーはははは!」
部屋の惨状は更に酷くなっていく。
(
;∀;)「あわわわわ」
失禁までしている長岡に、しいは話し掛ける。
(*゚ー゚)「色々あなたのわがままを聞いてきたから、最期くらいは私のお願い聞いて」
(
∀)「あ…う…」
もはや放心してしまっているようだ。
(*゚ー゚)「死んで」
しいが言葉を放つと同時にry
12:ハニワ軍団
2010/08/12 22:39:29 WqiIuB7qO
( ・∀・)「満足かい?」
(*゚ー゚)「当然でしょ。そのために悪霊になったんだから」
(
・∀・)「そっか」
(*゚ー゚)「ねえ、質問していい?私天国いけるの?人殺したのに…」
(
・∀・)「等価交換」
(*゚ー゚)「え?」
(
・∀・)「ただの殺人者は天国には行けない。ただ、君の場合はあくまで『対価としての殺人』だ」
(*゚ー゚)「ご都合主義な世の中ね」
(
・∀・)「そんなもんさ。この世はみんなが思うほど清くない。ひどく事務的に、セカイはまわっているのさ」
(*゚ー゚)「そっか…。じゃ、私そろそろ行くね」
(
・∀・)「ん、約束は守ってよ。対価なんだから」
そう言ってモララーは微笑んだ。どこか悲しみを帯びた目だった。
(*゚ー゚)「うん、頑張る」
ニコッと微笑んで、しいは旅立った。
( ・∀・)「やれやれ…難儀なセカイだねえ」アパートを出て、自販機で買ったコーヒーを飲む。ポケットで何か震えてる。携帯電話だ。
(
-∀-)「ふう」
一息吐いて、電話に出る。
( ・∀・)「はい、もしもし。お客さんですか?」
おわり
29:ハニワ軍団
2010/08/13 00:54:30 O8AsIdRFO
いいや、投下しちゃえ
第二話
( ・∀・)「たっだいまー」
川 ゚ -゚)「おかえり、モララー」
( ・∀・)「おお、我が手下のクーちゃん。ただいま帰りましたよ」
途端、モララーの目の前は真っ暗になった。それがクー靴の裏、つまり彼女が蹴りを放ったのだと認識したのは尻餅をつき、鼻血を噴いた後だった。
( ;Å;)「痛いよ!」
川 ゚ -゚)「誰が手下ですって?モララーのくすせに生意気ね」
( つ∀・)「あれ、君は僕の助手だよね?助手ってさ、僕より下に位置するんじゃないの?」
川 ゚ -゚)「馬鹿も休み休み言いなさい。私があなたより下?笑わせんじゃないわよ」
( ・∀・)「うーん、納得いかないなあ」
鼻にティッシュを詰めながら、モララーが頭を掻いた。
30:ハニワ軍団
2010/08/13 00:56:49 O8AsIdRFO
川 ゚ -゚)「そんなことより依頼が来てるわよ」
( ・∀・)「あれ、携帯に電話は来てないんだけどな」
携帯を開き確認するモララー。確かに新しい依頼の着信は無い。
川 ゚ -゚)「直接ここに来たのよ」
( ・∀・)「なるほど。で、その依頼人さんは?」
川 ゚ -゚)「応接室に待たせているわ。早く行ってあげなさい」
( ・∀・)「なんと!そりゃ急がないと!」
大して広くもない事務所を疾走するモララー。絵にはならない光景だ。応接室に続くドアを力強く開ける。
(*゚∀゚)「!」
中に居た依頼人と思わしき女性がびくりとしてモララーを見る。女性と言うにはやや幼い。高校生くらいだろうか。さっぱりとしたショートカット、片方のサイドの髪だけやや長めに伸ばし、細いリボンでまとめている。アシメアシメ。服装はブレザータイプの制服であり、よく似合っていた。
(*゚∀゚)「あ、あの」
31:ハニワ軍団
2010/08/13 00:58:23 O8AsIdRFO
( ・∀・)「ちょいと待った!まずは自己紹介から!僕の名前はモララー、見てのとおり相談屋をやっている!」
(*゚∀゚)「は、はあ」
( ・∀・)「自己紹介は互いに行って意味を成す!さあ君の名前」
とまで言ったところでクーに後ろから頭を殴られた。
川 ゚ -゚)「うるさいわ、モララー。うるさいというかうざい。少し大人しくしなさい」
( ・∀・)「なっ、僕の接客スタイルを否定するのか!」
川 ゚ -゚)「いいえ、貴方を否定しているのよ」
( ・∀・)「なんだと!」
(*゚∀゚)「あ、あの、自己紹介します」
( ・∀・)「うむ!聞きます!」
モララーの勢いに若干引きながらも、少女は答えた。
(*゚∀゚)「えと、名前はつーっていいます。高校生です」
( ・∀・)「two?変わった名前だ!」
川 ゚ -゚)「黙りなさい、人の名前を馬鹿に出来る程の名前じゃないでしょモララララァ」
( ・∀・)「違う!僕はモララーだ!」
川 ゚ -゚)「あら、初耳」
( ・∀・)「馬鹿な!」
川 ゚ -゚)「噛んだだけよ」
(*゚∀゚)「あのー…」
置いてきぼりだったつーがおずおずと呼び掛ける。
川 ゚ -゚)「あら、ごめんなさい。さ、続けて」
と言ってクーはつーの向かいのソファーに座った。
( ・∀・)「あれ、僕座れないよ」
川 ゚ -゚)「座れなければ、立っていればいいじゃない」
( ・∀・)「アントワネット!?」
川 ゚ -゚)「モララーも来たことだし、ご用件を伺います」
(*゚∀゚)「は、はい」
※
※
※
※
34:ハニワ軍団
2010/08/13 01:35:18 O8AsIdRFO
つーの話した内容をまとめると、学校で友達とこっくりさんを行った。しかし、途中で怖くなって友達のうちの一人が逃げ出してしまったらしい。それから3日経つが、怖くて仕方ないと、しかも、今日、その逃げ出した友達は学校を休んだらしい。
(*゚∀゚)「私もう怖くて怖くて…」
( ・∀・)「ばっかでえ!」
クーの拳がモララーの股関に命中。のたうち回るモララー。
35:ハニワ軍団
2010/08/13 01:38:29 O8AsIdRFO
クーの拳がモララーの股関に命中。のたうち回るモララー。
川 ゚ -゚)「ごめんなさい、彼脳ミソが無いから」
(*゚∀゚)「は、はあ…」
川 ゚
-゚)「でも、なんでこっくりさんなんてしたの?素人がやっちゃ危険だって知らなかったの?」
(*゚∀゚)「み、みんなでやってみようってなって…」
川 ゚ -゚)「まったく…後先考えずに行動したことを、まずは反省しなさい」
(*゚∀゚)「ご、ごめんなさい」
川 ゚ -゚)「私に謝ってもしかたないわ」
なんとも厳しい女である。
( ・∀・)「人の接客スタイルにけちをつけておきながら自分はそれか!このS女!」
股関のダメージから蘇ったモララーが言う。
川 ゚ -゚)「あら、生きてたの」
36:ハニワ軍団
2010/08/13 01:39:40 O8AsIdRFO
( ・∀・)「当たり前だ!で、こっくりさんだけど」
モララーが真面目な顔になる。クーもそれを察したのか、余計な茶々はいれていない。
( ・∀・)「こっくりさんってのは、キツネの霊って言われてるけど、その不完全な召喚方法から正規の、所謂こっくりさんを呼び出せるのは稀なんだ」
(*゚∀゚)「そ、そうなんですか」
川 ゚ -゚)「加えて、学校っていう霊場的に見ても不安定なところで行ったとなると、まず間違いなくこっくりさん以外の何かを呼び出してしまってるでしょうね」
( ・∀・)「そもそも、こっくりさんを呼び出せて、願いを聞いてもらったところで、対価を要求されるんだけどね。いいことはあまりないよ、あの儀式には」
(*゚∀゚)「うぅ…」
つーは今にも泣きそうになっている。
( ・∀・)「どう言った理由でこっくりさんをやろうって言い出したのかな?」
(*゚∀゚)「えっと、友達の一人…逃げちゃった子なんですけど、その子がなんか叶えて欲しい事があるって…それで、みんなでこっくりさんやってみようってなって…」
(
・∀・)「ふむ…その子学校休みなんだっけ」
(*゚∀゚)「はい」
( ・∀・)「じゃ、とりあえずその子ん家行ってみようか」
川 ゚ -゚)「行ってらっしゃ〜い」
( ・∀・)「あれあれ、クーちゃんは来ないの?」
川 ゚ -゚)「こっくりさんなら、わざわざ私が出張るまでもないでしょ」
( ・∀・)「あれあれ、君助手だよね?」
川 ゚ -゚)「違うわ、私はクーよ」
( ・∀・)「なるほど、納得だよ」
( ・∀・)「じゃ、つーちゃん。その友達の家に案内してくれるかな」
(*゚∀゚)「は、はい!」
※
※
※
37:ハニワ軍団
2010/08/13 01:54:54 O8AsIdRFO
(*゚∀゚)「ここです」
( ・∀・)「でかい家だなあ」
確かに大きな家だった。呼び鈴を鳴らす。
『はい…』
( ・∀・)「どうも、こんにちは。私…」
( ・∀・)「この子の名前教えて!」
小声で早口でつーに問うモララー。事前に聞いておくべきである。
(*゚∀゚)「ペニサスちゃんです」
( ・∀・)「ペニス?変わった名前だ!」
『あの…?』
( ・∀・)「あ、すみません。私ペニサスちゃんの学校の教師です」
『あ…はい。今門を開けます』
すると、ギギギと音をたてて門が開いた。
( ・∀・)「自動ドア!」
(*゚∀゚)「い、行きましょう!」
38:ハニワ軍団
2010/08/13 02:46:46 O8AsIdRFO
母「こんにちは…」
( ・∀・)「こんにちは。あのですね、ペニサスちゃん今日学校を欠席されたんですが、何かあったのですか?」
母「それが…部屋にこもりっきりで…」
( ・∀・)「ふむ、立ち話もなんですから、上がらせてもらえますかね」
母「は、はあ…」
(*゚∀゚)(い、いいのかなあ…)
ペニサス部屋前
母「ペニサス、先生が来てくださったわよ」
( ・∀・)「やあ、ペニサスちゃん。ドア開けてくれないかな」
(*゚∀゚)「ペニサス、大丈夫?大丈夫だよね!?」
( ・∀・)「お母さん、ここは私に任せて、リビングで待機していていただけますか」
モララーがさらっと言った。軽い感じで言ったようだが、有無を言わさぬ迫力が籠もっていた。
母「は、はい」
39:ハニワ軍団
2010/08/13 03:13:06 O8AsIdRFO
( ・∀・)「さあて…」
そう言うとモララーはドアを蹴破った。
(*゚∀゚)「ええ!?」
( ・∀・)「さあ引きこもりのお馬鹿ちゃんはどこかな」
大きな家にふさわしい広い部屋。その一角に彼女は居た。
(*゚∀゚)「ペニサス!」
駆け寄ろうとするつーをモララーが止める。
( ・∀・)「ちょっと待っててねー」
つーを制したモララーは単身ペニサスに近づく。
('、`*川「う…ぅあ…」
頭を抱え、身体を震わせながら座り込むペニサス。明らかに様子がおかしい。
40:ハニワ軍団
2010/08/13 03:17:31 O8AsIdRFO
( ・∀・)「うーん…こいつは」
('、`*川「違う…違う…私が欲しかったのは違う…違う違う」
うわごとのように繰り返している。
(;*゚∀゚)「ペニサス?大丈夫?」
( ・∀・)「来ちゃだめよ、つーちゃん」
('、`*川「違う違う違う…」
( ・∀・)「何が違うんだい?」
ペニサスに話し掛けるモララー。優しい調子の声だが、鋭いものを含んでいる。
('、`*川「私は…ただ自由になりたかっただけ自由になりたかっただけ…」
( ・∀・)「自由ね、なんと曖昧な願いだ。で、今の君は自由じゃないの?」
('、`*川「怖い怖い怖い怖い…」
( ・∀・)「何が?」
('、`*川「怖い怖い怖い怖い怖い怖い」
同じ事を繰り返すだけで質問には応えない彼女に業を煮やしたモララーは、『微妙な能力』を使うことにした。
( ・∀・)「仕方ないなあ…いくら僕がアレだからって、そうそう寿命を対価にしてられないし…じゃあ、僕の身体に乗り移っていいよ。ペニサスちゃんに憑いてる輩よ。どうせ弱みに付け込んで実体を得ようとする下等霊だろ?」
言い終わった瞬間モララーが倒れた。ペニサスもまた、一瞬身体を震わせ、力なく横たわった。
(*゚∀゚)「ペニサス!」
ペニサスに駆け寄るつー。
(*゚∀゚)「ペニサス!ペニサス!しっかりして!」
('、`*川「…ん」
(*゚∀゚)「気が付いた?私だよ、つーだよ!」
('、`*川「つー…?なんでここに…?」
(*゚∀゚)「良かった!ペニサス!」
その頃
41:ハニワ軍団
2010/08/13 03:26:58 O8AsIdRFO
(
・∀・)「さあて、僕の身体に入り込んだ身の程知らずよ。姿を現せ」
モララーの精神世界ではモララーが一人立っていた。モララーの呼び掛けに呼応するように、眼前に何かが現れた。
「うひゃひゃひゃ!新しい身体だ!」
( ・∀・)「うわー、本当にに下等な野郎かよ。つまらないなあ。大方、彼女が自由が欲しいってのを聞き付けて、その願いを叶えてやるとかいって憑いたな?」
「うひゃひゃひゃ!うひゃひゃひゃ!」
( ・∀・)「会話すら不能かよ」
「お前の身体俺のもの!お前の身体俺のもの!」
( ・∀・)「世の中は様々な決まりのもとに動いている。等価交換の原則もその一つ。そして、他にも決まりはある。例えば…」
モララーが言い終わると同時に、相手の霊体の姿がぐにゃりと歪む。元々不定形なものが更に歪む。
「ぎゃあああ!?なんだ!?なにがおきだああああ!?」
( ・∀・)「生きる力とは存在する力。存在する力とは即ち意志の力。実体を持たず、カタチすらままならない輩が、僕をのっとろうなんざ百億年早いんだよ」
「ぎゃあああ!いやだあああ!消えたくないいいい!」
(*・∀・)「なら、消さないでやろうか?対価が要るけどね」
笑いながらモララーが言う。
「消さないでええええ!」
(*・∀・)「じゃあ消さないでやる。対価は…お前の『意識』だ!」
意識を持たずに存在する。それは果たして存在していると言えるのだろうか。
(*・∀・)「唯一、『存在したい』という意識のもとに存在していたお前は、これからは消されない代償になんの意志も持たずにただ存在するのみ!永久の時間をただたださ迷い続けな!ゴミ以下の存在だね!あははは!」
「」
すでに霊体は何も言わない。言えない。感じること、考えること、望むこと、それら全てを失ったのだ。
( ・∀・)「最高に無意味な存在だね。見下す気にもなれないよ」
※
※
※
※
42:ハニワ軍団
2010/08/13 04:04:11 O8AsIdRFO
( ・∀・)「ふぁ〜、よく寝た」
(*゚∀゚)「あ!モララーさん、大丈夫ですか!?」
( ・∀・)「大丈夫よ。あと、ペニサスちゃんに憑いてた輩は退治しといたから」
(*゚∀゚)「本当ですか!」
( ・∀・)「もう大丈夫だよ。やっぱりこっくりさんに便乗して呼ばれて下級霊体だったね」
(*゚∀゚)「そうなんですか…」
( ・∀・)「これからは面白半分で軽はずみな事しないよいに」
(*゚∀゚)「はい…」
('、`*川「あ、あの…助けてくれてありがとうございます…」
( ・∀・)「ああ、いいよ。仕事だし」
43:ハニワ軍団
2010/08/13 04:05:25 O8AsIdRFO
('、`*川「何かお礼を…」
( ・∀・)「そだね。対価は頂くよ。でもその前に一言」
('、`*川「…?」
( ・∀・)「自由ってのは与えられるものじゃない。そもそも、君の中で自由ってなんなのか、それをよく考えてみな。親の言うことを聞くのが嫌になったとか、そんな感じじゃないのかい?君がこっくりさんをやろうなんて言い出した理由」
('、`*川「…はい」
( ・∀・)「君のわがままのために他の友達を巻き込んで、あまつさえ自分が率先して逃げるなんておかしいよね。正直、憑かれたのも自業自得だよ」
('、`*川「すみません…」
( ・∀・)「僕じゃないでしょ。謝るのは」
('、`*川「…つー、ごめんね。本当にごめんね…」
(*゚∀゚)「…別にいいよ。ペニサスも無事だったから私は嬉しいよ」
( ・∀・)「おやまあ、いい子だねえ」
(*゚∀゚)「モララーさん、ペニサスを助けてくれてありがとうございます。対価は…何で払えばいいですか?」
('、`*川「そんな、つーはいいよ。私がつーの分も」
44:ハニワ軍団
2010/08/13 04:05:45 O8AsIdRFO
( ・∀・)「対価を決めるのは僕だよ。そうだなあ…ペニサスちゃん、君は、これからは強く生きてもらいますか。こっくりさんなんぞに頼らなくてもいいように」
('、`*川「それだけでいいんですか?」
( ・∀・)「それだけって、出来てなかったからこうなったんでしょ」
('、`*川「あう…」
( ・∀・)「この約束を果たすことが君の対価。果たせなかったら契約違反ってことで更に対価要求するから」
('、`*川「わ、わかりました」
(
・∀・)「うむ、よろしい。約束破られるの嫌いだからね、僕は。そういう奴は殺しちゃうかもだから」
笑って言うが、ペニサスはその言葉に震え上がった。
(*゚∀゚)「私は…」
( ・∀・)「つーちゃんはねえ…そうだなあ、一番好きな食べ物って何?」
(*゚∀゚)「えっ…えと…」
( ・∀・)「?」
(*///)「ば、馬刺です…」
( ・∀・)「www」
(;///)「い、いいじゃないですか!」
( ・∀・)「いや、いいと思うよ?うまいしね、馬刺w」
(;///)「…」
( ・∀・)「じゃ、その好きな馬刺を十年食べるの我慢してもらいますかね」
(*゚∀゚)「十年ですか…」
( ・∀・)「まあ死にやしないでしょ」
※
※
※
※
45:ハニワ軍団
2010/08/13 04:19:16 O8AsIdRFO
事務所
( ・∀・)「ただいまー」
川 ゚ -゚)「お帰りなさい、モララー。早かったわね」
( ・∀・)「ただいまー、我が手下の」
そこまで言ったところで、クーね蹴りがまたしてもモララーの顔面にヒットした。
( ・Å・)「二回目だから泣かない!」
川 ゚ -゚)「あら、ご立派」
( ・∀・)「もっと誉めてもいいんだよ?」
川 ゚ -゚)「仕事はどうだったの?」
(
・∀・)「スルースキル高いな…仕事は滞りなく終わったよ。やっぱり、こっくりさんに便乗して現れた下級霊体だった」
川 ゚ -゚)「予想はついていたけど。やっぱり私が出るまでもなかったじゃない」
( ・∀・)「そうかもしれんけどさあ」
川 ゚ -゚)「夢魔である私が、そんな輩にかまってられないわ」
( ・∀・)「はいはい。…僕の夢を食べなきゃ生きていけないくせに」
川 ゚ -゚)「何か言ったかしら?」
( ・∀・)「いや?」
川 ゚ -゚)「そう、ならいいわ。あ、そうそう、モララー、そろそろ現金での対価が欲しいところね」
(
・∀・)「ん、了解。次の対価は現金にするか」
川 ゚ -゚)「よろしくー」
( -∀-)「あー、なんか疲れちゃったな。寝るか…」
川 ゚ -゚)
( ・∀・)「…」
( ・∀・)「食べますか」
川 ゚ -゚)「ええ、もちろん」
( -∀-)「また熟睡出来んのか…」
川 ゚ -゚)「不満そうね。むしろ、夢の中でも私と居られるのだから喜びなさい」
( -∀-)「はいはい」
川 ゚ -゚)「さ、早くベッドに行きましょう」
( ・∀・)「…お腹空いてるの?」
川 ゚ -゚)
川*゚ -゚)「…うん」
第二話 おわり
55:ハニワ軍団
2010/08/13 15:39:30 O8AsIdRFO
諸葛亮曰わく:おハロー
第三話
携帯電話が震えている。机の上にあったそれを手に取り、通話ボタンを押すモララー。
( ・∀・)「もしもし、お客さんですかー?」
気紛れな相談屋のようです
『あの…相談したいことがあって…』
( ・∀・)「そりゃあ相談屋ですからね」
『はい』
( ・∀・)「あなた今どこに居るんですか?」
『○○町ですけど…』
( ・∀・)「あー、それなら事務所近くにあるんで、直接話を伺います。住所はry」
通話を終了し、携帯を閉じるモララー。
川 つ -゚)「んー…お客さん?」
起きたばかりなのか、寝ぼけた感じのクーが目を擦りながら尋ねてきた。
( ・∀・)「そ。今から事務所来るよー」
川 ゚ -゚)「あら、大変。服着なきゃ」
そういうクーは所謂裸ワイシャツ姿であった。
( ・∀・)「全くだよ。目のやり場に困るったらない」
川 ゚ -゚)「変態」
( ・∀・)「心外だ」
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「?」
川 ゚ -゚)「こういうのはどう?」
そういうとクーはワイシャツの胸元を開け、谷間を強調するポーズをとった。
( -∀-)「僕の理性があるうちに着替えなさい
川 ゚ -゚)「もっと凄いことしてるのに」
そう言ってクーがにやりと笑う。ひどく妖艶な笑みだった。
( ・∀・)「襲っちゃうぞ!」
川 ゚ -゚)「きゃー、おかされるー」
棒読みで言いながら、クーは着替えを取りに行った。
( ・∀・)「まったく」
※
※
※
※
56:ハニワ軍団
2010/08/13 16:46:50 O8AsIdRFO
(ノ^∀^)「こんにちはー」
川 ゚ -゚)「ようこそ」
( ・∀・)「らっしゃい」
事務所を訪れたのは二十歳前後の女性だった。緩くウェーブのかかったセミロングの髪を明るい茶色に染めていた。
( ・∀・)「寝癖ですか?」
言った途端、クーに蹴られた。
川 ゚ -゚)「今日はどのようなご用件でしょうか」
(ノ^∀^)「えっと、最近身体の調子が悪いんですよー」
57:ハニワ軍団
2010/08/13 16:49:10 O8AsIdRFO
川 ゚ -゚)「はあ」
( ・∀・)「医者行けば?」
(ノ^∀^)「お医者さんには行ったんですけどー、全然悪いところはないんですよー」
川 ゚ -゚)「具体的にどのような症状が?」
( ・∀・)「しかし変な喋り方ですね!」
モララーは張り倒された。もちろんクーに。
(ノ^∀^)「えっと、身体が上手く動かなかったり、視力が急に下がったりしてるんですよー」
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「あ、自己紹介忘れてた!僕はモララー!相談屋さ!君は?」
(ノ^∀^)「えっとー、私はー…あれ?」
川 ゚ -゚)「?」
( ・∀・)「?」
(ノ^∀^)「あ、思い出した!私はレモナっていいますー」
( ・∀・)「…」
(ノ^∀^)「最近物忘れがひどくてーw」
( ・∀・)「なるほど!分かりました!具体的な調査は明日から開始しますので、明日の同じ時間にまたここに来てください!」
(ノ^∀^)「はーい」
※
※
※
※
( ・∀・)「どう思う?」
川 ゚ -゚)「頭が病気」
( ・∀・)「まあそれもあり得るねー」
川 ゚ -゚)「もしくは、『虚言癖』かしら」
( ・∀・)「ですよねー」
58:ハニワ軍団
2010/08/13 16:51:12 O8AsIdRFO
虚言癖。嘘や誇張を言ってしまう癖。最初はまだいいが、続けると嘘と本当の見分けがつかなくなる。一般人ならただの痛い人で済むが、『価値の分かる人』である場合は自然と嘘が本当になってしまう。この場合は嘘=願いとなるので、対価は後払いとなる。
( ・∀・)「無意識のうちに対価を支払ってしまってるとしたら、少々厄介だね」
川 ゚ -゚)「とゆーか今の子。典型的な虚言癖の症状よ。対価として自信の健康や記憶を払ってしまってるんでしょうね」
( ・∀・)「クー、レモナちゃんの周囲を調べてくれる?彼女の素行を知りたい」
川 ゚ -゚)「りょーかい」
( ・∀・)「『夢見』を使えばすぐだよね」
川 ゚ -゚)「まあね。じゃあ行ってきます」
※
※
※
※
59:ハニワ軍団
2010/08/13 19:10:11 O8AsIdRFO
川 ゚ -゚)「ただいま〜」
( ・∀・)「早っ」
クーが戻って来たのは出ていってから一時間後だった。
川 ゚ -゚)「誉め称えなさい」
( ・∀・)「わーすごいすごい」
川 ゚ -゚)
( ・∀・)「すいませんでした」
62:ハニワ軍団
2010/08/14 00:04:02 EgFvdNWqO
諸葛亮曰わく:遅れたサーセン
( ・∀・)「で、どうだった?」
川 ゚ -゚)「やっぱり虚言癖ね。それも重度の。彼女、四人の男と同時に付き合っているみたい」
( ・∀・)「うひゃー」
川 ゚ -゚)「加えて、援交紛いのことをやって、自らを不治の病とか偽って中年のオヤジ複数から金銭を巻き上げている模様」
( ・∀・)「最低だな。ん?不治の病?」
川 ゚ -゚)「そ。彼女、身体の不調を訴えてたでしょ?」
( ・∀・)「ゲームオーバーじゃないっすか」
川 ゚ -゚)「そゆこと」
( ・∀・)「あーらら」
63:ハニワ軍団
2010/08/14 00:20:05 EgFvdNWqO
川 ゚ -゚)「どうする?助けてあげるの?」
( ・∀・)「うんにゃ」
川 ゚ -゚)「あら、見捨てるの」
( ・∀・)「だって嘘吐きでしょ?自業自得じゃん。しかもそんな末期の状態じゃ対価も払えないだろうし」
川 ゚ -゚)「まあそうでしょうね」
( ・∀・)「ほっといても、もうすぐ死ぬんじゃないかな」
川 ゚ -゚)「ご明察」
( ・∀・)「と言うと?」
川 ゚ -゚)「調べに行った時見たんだけど、彼女ここから帰る途中で車にはねられたのよ」
( ・∀・)「あーらら」
川 ゚ -゚)「私は直接見たわけじゃないけど、目撃者の話では、横断歩道の真ん中で急に動かなくなったそうよ。そこに車が突っ込んできてドーン」
( -∀-)「対価により身体の自由を失ったか、はたまた寿命を失ったかだろうね」
川 ゚ -゚)「一応救急車が来たみたいだけど、現場の血痕からしてまず助からないでしょうね」
( ・∀・)「ふーん。ま、仕方ないよね。対価は払わなきゃならない。自分でまいた種だ。ただ運が悪かったのは、彼女が『価値の分かる女』だったってことか、しかも無意識タイプの」
川 ゚ -゚)「そういう人にとって、嘘を吐く=願いを強制的に叶えるだものね」
( ・∀・)「ふむ、まあ一応彼女が死んだのかどうか確認はしておきますかね」
川 ゚ -゚)「りょーかい。明日にでも調べるわ」
( ・∀・)「ん、ありがとう」
川 ゚ -゚)「対価」
( ・∀・)「…」
川 ゚ -゚)「はい」
そう言って彼女が差し出したのは睡眠薬。
( ・∀・)「今寝ろと?」
川 ゚ -゚)「もちろん」
( ・∀・)「僕見たい番組が」
川 ゚ -゚)「は?」
( ・∀・)「分かりましたよ寝ますよ。まったく…」
※
※
※
※
64:ハニワ軍団
2010/08/14 00:38:43 EgFvdNWqO
川 ゚ -゚)「報告」
( ・∀・)「なんの?今日のクーちゃんのパンツの色?」
踵落としがモララーの脳天に命中。かなりの痛みこそあれ、結果的にパンツの色を知ることが出来た。黒だった。
( ;∀;)「いったいなあ…」
川 ゚ -゚)「レモナのその後が分かったわよ」
( ・∀・)「ほう」
川 ゚ -゚)「結果から言うと、彼女は生き長らえたわ」
( ・∀・)「へえ!すごいな!」
川 ゚ -゚)「ただし、彼女が息を吹き返すと同時に彼女の家族、交際していた男性達が死亡」
( ・∀・)「!」
川 ゚ -゚)「加えて、彼女は廃人レベルの精神障害を患ったわ。もはや自分が人間なのかどうかも分からない」
( ・∀・)「…生き長らえたいという願いの対価か」
川 ゚ -゚)「そうみたい」
( ・∀・)「…そうまでして生きたいかねえ」
川 ゚ -゚)「はっきり言って危険ね」
( ・∀・)「うん」
川 ゚ -゚)「どうするの?」
( ・∀・)「悪いけど、レモナちゃんには消えて頂こう」
川 ゚ -゚)「まあ怖い」
( ・∀・)「生かしとくには危険すぎでしょ」
川 ゚ -゚)「方法は?」
( ・∀・)「夢殺。クー頼むよ」
川 ゚ -゚)「また私?今回働きすぎじゃない?」
( ・∀・)「頼むよ。肉体的に殺すなら僕でもいいんだけどそれじゃ意味が無い。レモナという精神を殺さないと」
川 ゚ -゚)「はいはい、分かったわよ。対価ははずんでもらうわよ?」
( ・∀・)「…具体的には?」
川 ゚ -゚)
川 ゚ー゚)「極上の淫夢」
そう言うクーの顔はひどく妖艶で、同時に、常人なら気絶するほどの殺気を孕んでいた。
川 ゚ー゚)「…久々に人間を殺せる」※
※
※
※
65:ハニワ軍団
2010/08/14 00:54:58 EgFvdNWqO
(ノ^∀^)「うふふあはは」
川 ゚ -゚)「こんにちは、会うのは二回目ね、レモナさん」
(ノ^∀^)「だーれでーすかー?」
レモナの精神世界には、レモナ、クーが相対していた。
川 ゚ -゚)「覚えてないならいいわ。どうせ今からあなた死ぬのだから」
(ノ^∀^)「わたしはしにませんよー。しぬのこあいからやですー」
川 ゚ -゚)「頭パーのくせに生存欲だけは人一倍ね。確かに、モララーじゃこいつを消すのは難しそうね。対価が半端じゃないわ」
(ノ^∀^)「わたしはいきたいんですーじゃましないれくださいー」
川 ゚ -゚)「そんな醜い状態で生き長らえたところで意味なんかないでしょうに。自分の大切な人まで糧にして」
(ノ^∀^)「あはははは」
川 ゚ -゚)「見てるのも不快ね。醜態らしい死を贈るわ」
クーがそう言った途端、精神世界が崩壊を始めた。
(ノ^∀^)「なんですかーこれはー」
川 ゚ -゚)「私は夢界の王クー。ここでは私が神。私がルールよ」
浮き世は様々な制約や法則に縛られている。しかし、夢界では違う。どんな空間でも、誰の精神世界でも、夢魔の王であるクーの胸三寸で如何様にも出来る。もちろん、完全消滅させることも。
川 ゚ -゚)「二つ悔やみなさい。一つは、持って生まれた『無意識タイプの価値の分かる女』という特性。もう一つは、私達に目をつけられたこと。私達相談屋は正義のヒーローじゃない。来たら必ず助かるなんてことはないのよ」
(ノ^∀「」
もはや身体の半分以上が消滅しているレモナが何か喋る。が、クーには届かない。
川 ゚ -゚)「来世では幸せになりなさい。まずはウソつきを止めることね」
世界は、崩壊した。
※
※
※
※
66:ハニワ軍団
2010/08/14 01:04:44 EgFvdNWqO
結果として、レモナは死んだ。肉体は存在するものの、中身は空っぽ。惰性で続く生命活動もじき終了するだろう。レモナの精神は、クーによって完全に消滅させられた。
川 ゚ -゚)「ただいま〜」
( ・∀・)「お帰りー、僕の手下」
そこまで言ったところでモララーの額にハサミが刺さった。言わずもがな、クーが放ったものである。
( ・∀・)「いやいや、流石に死ぬから!」
川 ゚ -゚)「大丈夫よ。対価で溜め込んだ寿命があるでしょ」
( ・∀・)「いや、そうだけども!痛みはあるんだから!正直やばいよ!」
川 ゚ -゚)「疲れたわー」
( ・∀・)「スルーっすか」
川 ゚ -゚)「消してきたわよ」
( ・∀・)「ん、ご苦労様」
川 ゚ -゚)「恐怖を抱かない人間を殺しても何も面白くないわね」
( ・∀・)「どS女め」
川 ゚ -゚)「そんなことより対価、覚えてるんでしょうね」
( ・∀・)
川 ゚ー゚)「今日は寝かさないから」
第三話 おわり
81:ハニワ軍団
2010/08/14 17:46:18 EgFvdNWqO
諸葛亮曰わく:予告
\(・∀・)/「今日の夜から第四話はっじまるよー」
川 ゚ -゚)「今回は『メリーさん』よー」
( ・∀・)「電話かけてくるやつね」
川 ゚ -゚)「所謂ストーカーね」
( ・∀・)「でもかわいい女の子ならいいんじゃない?」
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「?」
川 ゚ -゚)「メリーさんがかわいい女の子って誰が言ったのかしら?」
( ・∀・)「え!違うの!」
川 ゚ -゚)「うふふ」
本編につづく
82:ハニワ軍団
2010/08/14 21:28:56 EgFvdNWqO
諸葛亮曰わく:おハロー
从 ^ー从「もしもし、私メールさん。今○○県にいるの」
気紛れな相談屋のようです
第四話
( ・∀・)「うーん…」
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「うーん…」
川 ゚ -゚)「まだ?」
( ・∀・)「待って!まだだ…まだ終わらんよ!」
川 ゚ -゚)「終わってるわよ。チェックメイトだもの」
二人は呑気にチェスをしていた。盤上にはクーの駒が大量。対するモララーはキングのみだった。
( ・∀・)「考えるんだ!必ず打開策はある!だってキングだもの!王様だもの!」
川 ゚ -゚)「あなたチェックメイトの意味分かってる?」
( ・∀・)「待った!」
川 ゚ -゚)「別にいいけど、結果は変わらないわよ?十四手前で既にに私の勝利は確定したのよ」
( ・∀・)「馬鹿な!」
83:ハニワ軍団
2010/08/14 21:29:25 EgFvdNWqO
諸葛亮曰わく:おハロー
从 ^ー从「もしもし、私メリーさん。今○○県にいるの」
気紛れな相談屋のようです
第四話
( ・∀・)「うーん…」
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「うーん…」
川 ゚ -゚)「まだ?」
( ・∀・)「待って!まだだ…まだ終わらんよ!」
川 ゚ -゚)「終わってるわよ。チェックメイトだもの」
二人は呑気にチェスをしていた。盤上にはクーの駒が大量。対するモララーはキングのみだった。
( ・∀・)「考えるんだ!必ず打開策はある!だってキングだもの!王様だもの!」
川 ゚ -゚)「あなたチェックメイトの意味分かってる?」
( ・∀・)「待った!」
川 ゚ -゚)「別にいいけど、結果は変わらないわよ?十四手前で既にに私の勝利は確定したのよ」
( ・∀・)「馬鹿な!」
84:ハニワ軍団
2010/08/14 21:30:13 EgFvdNWqO
>>82誤爆。メールさんて誰よ
85:ハニワ軍団
2010/08/14 21:45:50 EgFvdNWqO
( ・∀・)「何故勝てんのだ!」
川 ゚ -゚)「あなたが私に勝つなんて未来永劫無理なのよ。さ、敗者は早くお茶の支度をなさい」
( ・∀・)「解せぬ…」
川 ゚ -゚)「そもそも、駒の動かし方もままならないくせに勝てるわけないじゃない」
( ・∀・)「えー、だってー」
川 ゚ -゚)「馬鹿なのね。モルラァ…名前からして知性品性の無さが滲み出てるわ」
( ・∀・)「違う!僕はモララーだ!」
川 ゚ -゚)「あら、初耳」
( ・∀・)「馬鹿な!」
ふざけたやりとりをしている中、インターホンが鳴った。
( ・∀・)「はいはい、只今」
川 ゚ -゚)「あなたはお茶の支度続けなさい。私が出るわ」
がちゃり、とドアを開ける。そこには若い女性が立っていた。
从 ゚∀从「どもども」
川 ゚ -゚)「どうぞ中へ」
応接室に案内するクー。モララーがすぐに紅茶を持ってそのあとに続いた。
( ・∀・)「さあ召し上がれ!」
从 ゚∀从「あざーす」
ごくごくと豪快に紅茶を飲み干す。実に男らしい。
从 ゚∀从「ぷはー!旨かった!」
( ・∀・)「当然!僕が淹れた」
川 ゚ -゚)「今日はどのようなご用件で?」
モララーの言葉を遮りクーが切り出す。
从 ゚∀从「あ、えと、なんか変な電話がかかってくるんすよ」
川 ゚ -゚)「電話?」
( ・∀・)「ちょいと待ったあ!まずは自己紹介から!僕の名前はモララー!相談屋さ!」
从 ゚∀从「あ、ども」
( ・∀・)「さあ君の名前は!自己紹介は互いに行うことに意味がある!」
从 ゚∀从「あ、ハインっていいますー」
( ・∀・)「パイン?変な名前だ!」
川 ゚ -゚)「耳鼻科に行きなさいモララー。もしくは脳外科」
从 ゚∀从「はは!面白い人だな!」
86:ハニワ軍団
2010/08/14 23:26:27 EgFvdNWqO
( ・∀・)「変な電話?」
从 ゚∀从「こんなやつなんすけど」
そういってハインは携帯電話の録音再生機能を起動した。
以下は電話のやりとりである。
从 ゚∀从『もしもし』
『もしもし、あたしメリーさん。今○○県にいるの』
从 ゚∀从『まーたあんたか。知らないって、あんたが何県にいるかなんて』
『だいぶ近くまで来たわよ。ふふ』
从 ゚∀从『はいはい。じゃ切るぞー』
再生終わり。
从 ゚∀从『どうすっか?』
( ・∀・)「いやいや、どうもなにもおもいっきり正体明かしてるじゃん!」
川 ゚ -゚)「名乗ってたわね」
从 ゚∀从「はあ…でもメリーなんて知り合い居ないから…」
( ・∀・)「メリーさん知らないの!?」
从 ゚∀从「有名なんすか?」
88:ハニワ軍団
2010/08/15 00:02:19 wsnGSo+DO
川 ゚ -゚)「まあ有名よね」
( ・∀・)「ふーむ…メリーさんに目をつけられたかー」
从 ゚∀从「なんすか?そのメリーさんって」
( ・∀・)「相手にだんだん近付きながら、要所要所で電話をかけ恐怖を与える妖怪だよ。最終的には相手のすぐ後ろに来ちゃうっていう」
从 ゚∀从「へー!来るとどうなるんですか!」
川 ゚ -゚)「一般的にはメリーさんに後ろに立たれた後のことは伝えられてないのよ」
( ・∀・)「まあプレゼントを持ってきたりすることはないよ、確実に」
从 ゚∀从「うーん」
( ・∀・)「○○県っていうと隣の県か。最初に電話来た時は何処に居るって言ってた?」
从 ゚∀从「××県だったかな」
川 ゚ -゚)「かなり遠いわね」
( ・∀・)「はるばるやってきたわけか。物好きだなあ」
川 ゚ -゚)「しかし、なんで××県がスタートなのかしら」
从 ゚∀从「関係あるか分からないけど、××県って俺の出身地なんすよ」
( ・∀・)「俺?一人称俺?女なのに!」
从 ゚∀从「なんかクセで」
川 ゚ -゚)「出身地ね…となると、幼少時に目をつけられたのかしらね」
93:ハニワ軍団
2010/08/15 04:48:47 wsnGSo+DO
諸葛亮曰わく:ふと目が覚めたので少し投下
从 ゚∀从「なんで目つけられちゃったんすかねー。俺なんかしたのかなー」
( ・∀・)「んー、正直メリーさんについては詳しい事は分からないんだよねー」
川 ゚ -゚)「呪いの類いなら、もっと早くに来ているでしょうしね」
( ・∀・)「ってか、これ本当にメリーさんなのかなあ」
从 ゚∀从「でも名乗ってたじゃないっすか」
( ・∀・)「まあね。でもなんか違う気がするんだよねー。だいたいスタート地点遠すぎでしょ」
川 ゚ -゚)「ただ恐がらせるのが目的なら、近所まで飛んできてからコールすればいいものね」
( ・∀・)「うーん」
川 ゚ -゚)「ふむ」
从 ゚∀从「ぬーん」
川 ゚ -゚)「ってゆーかあなた、怖くないの?」
从 ゚∀从「なんか不思議と怖くないんすよー」
( ・∀・)「危惧だね、僕もこの件に関しては危機感ゼロだよ」
川 ゚ -゚)「とりあえず、もう少し近くに来るまで待ちましょうか。あなた一人暮らし?」
从 ゚∀从「あ、はいー」
川 ゚ -゚)「なら問題ないわね。しばらくここに居ればいいわ」
( ・∀・)「うひょ!ハーレム!」
川 ゚ -゚)「お黙り、祖チン。ご飯の用意でもしなさい」
从 ゚∀从「おー、ご飯までくれるのかー」
川 ゚ -゚)「もちろん対価は頂くわよ。多分今回は現金ね」
从 ゚∀从「金以外の支払いもあるんすか?」
川 ゚ -゚)「多種多様よ」
( ・∀・)「ねぇねぇ、前にも聞いたけどさ、君は僕の助手だよね?」
川 ゚ -゚)「小さい事に拘る男は嫌いよ。器もナニも小さいなんて」
(
・∀・)「心外だ」
※
※
※
※
95:ハニワ軍団
2010/08/15 04:54:20 wsnGSo+DO
誤爆
危惧× 奇遇○
やっぱり寝起きで書くとダメだね
96:ハニワ軍団
2010/08/15 05:26:52 wsnGSo+DO
食事、食後のティータイムを終えた三人。その間もメリーさん?は着実に迫って来る。なかなかの速度なのだが、三人は適当にあしらっていた。
( ・∀・)「うーん…」
从 ゚∀从「…」
( ・∀・)「うーん…」
从 ゚∀从「まだっすかー?」
( ・∀・)「待って!まだだ…まだ終わらんよ!」
从 ゚∀从「いや、詰みっすよ」
川 ゚ -゚)「モララー…あなた脳ミソ入ってるの?」
( ・∀・)「お黙る!諦めるな…何か策があるはずだ!王だし!タマじゃないし!」
从 ゚∀从「ギョクっすね」
( ・∀・)「待った!」
从 ゚∀从「いいっすけど…多分結果変わらないっすよ?」
川 ゚ -゚)「ええ。十一手前でモララーの負けは確定してたもの」
( ・∀・)「なん…だと」
从 ゚∀从「いやー、しかし弱いっすねーw俺将棋なんて駒の動かし方しか知らないのに」
( ・∀・)「解せぬ…」
川 ゚ -゚)「マララー…哀れな子」
( ・∀・)「違う!僕はモララーだ!」
川 ゚ -゚)「噛んだだけよ」
( ・∀・)「嘘だ!」
川 ゚ -゚)「がぶ」
( ・∀・)「痛い!」
川 ゚ -゚)「失礼、かみまみた」
( ・∀・)「なんという…」
从 ゚∀从「しっかし待ち構えるのも退屈っすねー」
( ・∀・)「いっそこっちから出向く?」
川 ゚ -゚)「嫌よ。面倒くさい」
从 ゚∀从「ここまできて動くのは負けた気になるっすよー」
( ・∀・)「なんというニート」
川 ゚ -゚)「働きたくないでござる」
从 ゚∀从「働きたくないでござる」
川 ゚ -゚)从 ゚∀从「「絶対に働きたくないでござる」」
( ・∀・)「なんだこの流れは」
のほほんとしていると、またしてもハインの携帯電話に着信が来た。言わずもがな、メリーさんである。
99:ハニワ軍団
2010/08/15 12:09:26 wsnGSo+DO
从 ゚∀从「はいもしもーし」
『私メリーさん。今あなたの家に居るの』
从 ゚∀从「そっかー。でも俺今家に居ないわ」
『なっ…馬鹿な!』
从 ゚∀从「あ、動揺してる」
( ・∀・)「なんだこいつ、やる気あるのか?」
川 ゚ -゚)「寝ようかしら」
100:ハニワ軍団
2010/08/15 12:32:49
wsnGSo+DO
諸葛亮曰わく:わーい100きたー
『一体どこに…』
从 ゚∀从「相談屋だよー」
( ・∀・)「そうだよー」
川 ゚ -゚)「そうだよー」
『くっ…はっ、ということは、今は下着を漁り放題!』
从#゚∀从「ちょ、ばっ、やめろ!」
( ・∀・)「お、急展開」
川 ゚ -゚)「見物ね」
107:1
2010/08/15 12:44:39 wsnGSo+DO
从#゚∀从「ちっくしょー!なんだあの変態は!」
( ・∀・)「君を狙いに来ると思ってたけど、なんか違うみたいだね」
川 ゚
-゚)「とりあえず、あなたの家に行ってみましょうか」
※
※
※
※
从 ゚∀从「ここっす」
( ・∀・)「よし!突撃だ!」
勢いよく部屋に入る一同。すると中には…
111:1
2010/08/15 12:51:37 wsnGSo+DO
从 ^ー从「はっ!」
タンスを開け、中を物色している女がそこに居た。
从#゚∀从「何してんだてめー!」
从 ^ー从「い、いや、これは違うのよ!」
从#゚∀从「何が違うっていうんだよ!」
( ・∀・)「なんだ、ただの変態じゃん」
川 ゚ -゚)「下らない」
从#゚∀从「だいたい誰だよてめー!」
从 ^ー从「わ、私はメリーさんよ!」
( ・∀・)「メリーさんってこんなやつだっけ?」
川 ゚ -゚)「さあ?」
从#゚∀从「とりあえず下着返せ!」
从 ^ー从「断る!」
116:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/15 19:56:23
wsnGSo+DO
从#゚∀从「断る、じゃねー!」
そう言ってハインはメリーさんに掴み掛かった。
( ・∀・)「おお、自分で戦えてる」
川 ゚ -゚)「私達必要無いんじゃない?」
从;^ー从「ちょ、やめ、はなしなさい!あ…でも密着出来るハアハア」
从#゚∀从「逐一言動が気持ち悪いんだよ!」
そう言ってハインはメリーさんの顔を殴り飛ばした。
从#゚∀从「どうだこのやろう!参ったか!」
( ・∀・)「強いなあ」
从 从「うう…暴力は反対でござる…」
从 ゚∀从「ござる?」
从 'A`从「うう…今の一撃で幻術が解けてしまったでござる。でもハインさんにぶたれた…フヒヒ」
从 ゚∀从
( ・∀・)
川 ゚ -゚)
从;゚∀从(;・∀・)川;゚ -゚)「「「気持ち悪い!!!」」」
124:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/16 21:34:37
uCK1W/jAO
諸葛亮曰わく:おハロー
从;゚∀从「ななな、なんだてめーは!?」
(;'∀`)「フヒヒ…どうもお久しぶりです」
川 ゚ -゚)「警察呼んだほうがいいんじゃない?」
( ・∀・)「もうちょい様子みようよ!」
从;゚∀从「久しぶりってなんだよ!俺はお前みたいな変態白ねえよ!」
(;'∀`)「またまたご冗談をw」
从#゚∀从「俺の知り合いにてめーが居たら即刻殺してるわ!」
( ・∀・)「むむ、よくわからん展開だっ」
川 ゚ -゚)「私達帰っていいんじゃない?」
125:ハニワ軍団
2010/08/16 21:45:32 uCK1W/jAO
(;'∀`)「いやだなあ、冗談はやめてくださいよ…僕ですよ僕」
从;゚∀从「てめーみたいなキモい奴わ知らん!」
(;'∀`)「あ、あれ?もしかして本当に覚えてない?」
从;゚∀从「覚えてないんじゃなくて知らねえんだよ!」
(;'∀`)
(;'A`)
( 'A`)
( 'A`)「鬱だ死のう…」
そう言って変態は窓に向かって歩き出した。
从 ゚∀从「…」
( ・∀・)「…」
川 ゚ -゚)「…」←PSPでゲーム中
( 'A`)「…」
( 'A`)「止めてくれないの?」
( ・∀・)「うん」
从 ゚∀从「まあ」
川 ゚ -゚)「あっ」←なんかミスった
( ;A;)「ひどい!あんまりだ!あの時はあんなにも優しかったのにいいい!」
床に蹲り泣き出す変態。
( ・∀・)「わけわかんないんだけど」
从;゚∀从「俺に言われても…」
川 ゚ -゚)「あ、やった」←なんかクリアした
126:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/16 21:50:59
uCK1W/jAO
諸葛亮曰わく:酉付け忘れた
( 'A`)「僕ことドクオと、ハインさんとの出会いはもう十年以上前になります」
( ・∀・)「語り出したよ」
从 ゚∀从「鼻水と涙で顔がゾンビみたいだ」
川;゚ -゚)「ん、あれ、うわ」←苦戦中
以下ドクオの過去語り
128:ハニワ軍団
2010/08/16 22:56:23 uCK1W/jAO
( 'A`)「小学生のころ、僕は誰も友達は居ませんでした。唯一友達と呼べるのは、おじゃまじょドレミのフィギュアくらいなもんです」
从;゚∀从「うわ…」
( ・∀・)「筋金入り!」
川#゚ -゚)「…」←上手くいかずイライラ
( 'A`)「学校では空気のように扱われていました。空気ならまだよかったのですが、次第にクラスメートは僕をいじめるようになりました。『うわ、ドクオが触った!菌が感染するw』みたいな」
( ・∀・)「菌wあるあるw」
从 ゚∀从「大変だったのな」
( 'A`)「そんななか、席替えがあり、僕はハインさんの隣になりました」
( ・∀・)「あれ、同級生?」
从;゚∀从「うそ!?マジで!?」
( 'A`)「覚えてませんか」
从 ゚∀从「微塵も」
( 'A`)
( ・∀・)「ま、まあ続けてよ」
129:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/17 01:46:30
Dsp3M5rNO
諸葛亮曰わく:最高に鬱な気分だ
( 'A`)「席替えも終わり、授業が始まりました。その時、僕は消しゴムを落としてしまったんです」
( ・∀・)「ふむふむ」
从;゚∀从(やべー、まじで誰だか分からん)
川*゚ -゚)「♪」←調子がいい
( 'A`)「みんながドクオ菌だのなんだの言うなか、ハインはそれを拾って、『ほらよ』っていいながら渡してくれたんです」
( ・∀・)「お、いい話な雰囲気」
从 ゚∀从「…」
川 ゚ -゚)「…」←ムービー中
( 'A`)「すごく嬉しかった。その日から僕はハインさんが大好きになりました」
( ・∀・)「そっかー」
131:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/17 03:31:08
Dsp3M5rNO
( 'A`)「ハインさんに話し掛けようとするも、チキンなため出来ないまま小学校を卒業。そしてついこの間、僕は事故で死にました」
从
゚∀从「…」
( 'A`)「風に舞うパンティを追い掛けたばかりに車に跳ねられ…」
( ・∀・)「馬鹿だなあ」
川 ; -;)←エンディングに感動中
( 'A`)「特に未練もないのであっさり成仏するはずでしたが、やはりハインさんのことが心残りで」
( ・∀・)「なるほど」
从 ゚∀从「…質問いいか?」
( 'A`)「どぞ」
从 ゚∀从「お前が今着てる服、俺のじゃね?」
( 'A`)
(;'∀`)「ななななななにをおっしゃるやらぼぼぼ僕にはさっぱり」
从 ゚∀从「正直に言ってみ、起こらないから」
(;'A`)「mjd?」
从 ^∀从「mjmj」
(;'∀`)「はい、ハインさんのTシャツとパンティを身につけてますですw」
从 ^∀从
从 ^∀从
从#^∀从ブチッ
132:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/17 03:32:16
Dsp3M5rNO
(;'∀`)「あ、あれ?今なんか聞こえた?」
从#゚∀从「地獄に落ちろ!!!」
(;'A`)「起こらないって言ったのに!」
从#゚∀从「許すとは言ってねえ!」
( ;A;)「ぎゃああああああ!」
( ・∀・)「もう救えないよこの子」
川 ゚ -゚)←オマケシナリオやってる
从#゚∀从「まずは服返せ!」
服を脱がしにかかるハイン。
(*'A`)「いやん」
从 ゚∀从
从#@益从「○×△□☆米!!!」
( ;A;)「すいません!すいません!すいません!」
服を脱がされぼこぼこにされるドクオ。
从#゚∀从「これで終わりだ!」
( ;A;)「アッー!!!」
从 ゚∀从「ん?」
( ;A`)「?」
从 ゚∀从「お前そのTシャツ…」
(;'A`)「これは自前です!」
从 ゚∀从「いや、そうじゃなくて。それHMBのライブTシャツじゃねえか?」
(;'A`)「は、はい。HMB大好きだったからライブ毎回行ってて」
从*゚∀从「マジで!」
( 'A`)「へ?」
从*゚∀从「あんなマイナーバンド好きな奴に会えるとは思わなかった!俺もライブ行ってるぞ!」
( '∀`)「マジすか!」
( ・∀・)「なんだよこの展開」
川#゚ -゚)「まったくだわ」←オマケが気に食わなかった
133:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/17 03:51:49
Dsp3M5rNO
※
※
※
※
何故か意気投合した二人を放置して、モララーとクーは事務所に帰った。
( ・∀・)「なんだったんだろう…」
川 ゚ -゚)「まったくだわ…」←ゲームの感想
後日
川 ゚ -゚)「モララー、手紙よ」
( ・∀・)「手紙?誰からだろう」
封を破り、便箋を取り出すモララー。
( ・∀・)「なになに?」
川 ゚ -゚)「ん」←覗き込んだ
『拝啓相談屋様、先日はお世話になりました。あの後色々あり、結果として私ハインとドクオは交際することになりました。これもお二人のおかげです。これから二人でライブに行く予定です。もちろんHMBの。お礼としてHMBのCDを贈ります』
( ・∀・)「…」
川 ゚ -゚)「…」
(;・∀・)「なんじゃこりゃあ!」
川 ゚ -゚)「この世は不思議で満ちあふれてるのね」
(;・∀・)「わけわからないにもほどがあるだろ!」
川 ゚ -゚)←入ってたCDをヘッドホンで聞いてる
川 > -<)「!」
突如ヘッドホンを放り出すクー。
( ・∀・)「どしたの?」
川;゚ -゚)「これは歌…なのかしら?」
( ・∀・)「?」
ヘッドホンを拾い上げ耳にあてるモララー。次の瞬間耳に衝撃が走った。
(;・∀・)「ぐは…!なんだ?超音波?衝撃波?」
HMB…デスボイスや激しいシャウトが売り、というかそれしか行わないバンド。
川 ゚ -゚)「今回なんだったのかしら?」
( ・∀・)「さあ…」
床に放り出されたヘッドホンからは、激しいシャウトが響いていた。
第四話 おわり
153:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/19 03:15:22
ikiZCPh2O
諸葛亮曰わく:続きは今日の夜かな…
( ・∀・)「ふふふ…買っちゃった」
( ・∀・)「みなさん、何故か物語の主人公は妙なおしゃれ特技もってたりしますよね?」
( ・∀・)「やたら料理上手いとか、やたら芸術センスあるとか」
( ・∀・)「中でも僕が一番かっこいいと思うのは」
( ・∀・)「楽器です!」
( ・∀・)「というわけで買っちゃったのです!チェロ!」
( ・∀・)「ギターやらベースはメジャーすぎる!バイオリンは、『安易にギターやベースやらずに敢えてバイオリンをやる俺かっこいい』って感じがするのでパス!」
( ・∀・)「え?チェロも同じだろって?」
( ・∀・)「うっさいバーカバーカ!僕の演奏に酔いしれろい!」
チェロを構えるモララー。
( ・∀・)「いざ!」
ぎごーがーがががーぎー
川#゚ -゚)「うるさいわよモララー。殺すわよ」
( ・∀・)「あれっ?」
気紛れな相談屋のようです
第五話
154:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/19 03:34:36
ikiZCPh2O
川#゚ -゚)「弾くのなら聞くに耐え得るレベルになってからにしなさい」
( ・∀・)「そのレベルになるために練習しようとしてるんじゃないか!」
川 ゚ -゚)「練習は人目につかない所でやりなさい」
( ・∀・)「えー」
川 ゚ -゚)「何よ」
( ・∀・)「寂しいじゃん」
川 ゚ -゚)「…はぁ」
( ・∀・)「さあ!練習練習!」
ぎごーがーがががー
川#゚ -゚)
川#゚ -゚)←なんだかんだで我慢するクー
(*・∀・)「♪」←自分酔い
ピンポーン
( ・∀・)「♪」
川#゚ -゚)
ピンポーン
(*・∀・)「♪
川 ゚ -゚)Σ
ピンポーン
( ≧∀≦)「♪」
玄関へと向かうクー。
川 ゚ -゚)「いらっしゃいませ」
ξ゚听)ξ「相談屋と聞いて来たんですが…」
川 ゚ -゚)「どうぞ中へ」
川 ゚ -゚)「モララー、お客様」
( ≧∀≦)「♪〜」
川 ゚ -゚)「モララー」
( ≧∀≦)「♪〜♪♪♪」
川#゚ -゚)ブチッ
電話帳を取り出し、思い切りモララーの後頭部を殴り付けるクー。
( ・∀・)「ぐは!痛い!うわ!流血!」
川 ゚ -゚)「お客様よ、さっさと仕度しなさいこのお馬鹿」
( ・∀・)「なんと!チェロってる場合じゃねえ!」
156:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/19 21:01:09
ikiZCPh2O
諸葛亮曰わく:おハロー
( ・∀・)「何処だ!客は何処だ!差し出せ!僕に差し出せ!」
ξ ゚听)ξ「ここです」
( ・∀・)「はじめましてツインドリル!僕はモララー!相談屋さ!あなたは?」
ξ;゚听)ξ「つ、ついん?私はツンです」
( ・∀・)「ツン?変な名前だ!」
川 ゚ -゚)「お黙る、モララー」
ξ ゚听)ξ(変な所に来てしまった)
川 ゚ -゚)「今日はどのようなご用件でしょうか」
ξ ゚听)ξ「は、はい。あの、なんかどうも変な感じがするんです」
( ・∀・)「抽象的!」
川 ゚ -゚)「具体的には」
ξ ゚听)ξ「不意に意識が遠退いて、気が付いたら全然知らない場所に居たり、部屋の物の配置が変わっていたり、買った覚えのないものがあったりするんです」
( ・∀・)「そこはかとなくデジャヴだなー。もしやあなた嘘吐き?」
ξ ゚听)ξ「嘘なんか吐きませんよ。嘘吐きは世界で一番嫌いです」
( ・∀・)「お、いい人だ」
川 ゚ -゚)「他には何か」
ξ ゚听)ξ「あ、そうだ。誰かと会話してたはずなのに、それが誰だか覚えていないんです」
( ・∀・)「痴呆?」
ξ#゚听)ξ「違います」
川 ゚ -゚)「ただの物忘れじゃないの?」
ξ ゚听)ξ「一回や二回じゃないんです。最近は特に増えてます。話した内容も誰と話したかも分からないけど、相手は一人で、毎回同じ人だってのは分かるんです。あと、私の知り合いには居ないっていうのも分かるんです」
( ・∀・)「よく分からないなあ」
ξ;゚听)ξ「すみません。でも本当なんです。分からない事だらけなのに、何故か確信を持っている事もあるんです。あと、その相手は何故か非常に近しい感じがするんです」
( ・∀・)「わけわかめ」
川 ゚ -゚)「ふむ…」
157:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/19 21:25:59
ikiZCPh2O
川 ゚ -゚)「その変な感じっていつから?」
ξ ゚听)ξ「半年前です。私半年前に交通事故に遭ったんですけど、その時からです」
( ・∀・)「ますます病気くさいなあ。医者には行った?」
ξ;゚听)ξ「何回も行きましたよ。でもどこも悪いところはないって」
川 ゚ -゚)「事故について詳しく」
ξ ゚听)ξ「えと、私バイクに乗るんですけど、運転中にトラックとぶつかってしまって」
( ・∀・)「よく生きてたね」
ξ ゚听)ξ「私もそう思います。かなり派手に跳ばされたのに、外傷はほとんどなかったんです。救急車で病院に運ばれて、意識が戻らなかったせいもあり入院しましたが一晩で退院出来ました」
( ・∀・)「すげー!実は男顔負けのガチムチボディとか?」
ξ#゚听)ξ「違います!」
( ・∀・)「えー、じゃあお腹見せてよ」
ξ
゚听)ξ「ほら、普通でしょ!」
そう言って服をめくりあげるツン。めくりすぎてブラジャーまで見えている。なるほど、たしかに均整のとれた体つきをしている。胸は小さめだった。
158:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/19 21:27:00
ikiZCPh2O
( ・∀・)「うひょ!」
ξ ゚听)ξ
ξ ゚听)ξ「!」
ξ;///)ξ「ちょちょちょ!何させるのよこの変態!」
( ・∀・)「いや、見せた君が悪い!」
ξ;///)ξ「変態!セクハラ野郎!」
( ・∀・)「ふはは!でも確かにガチムチではないな。おぱいはクーのほうがでか」
そこまで言ったところで、クーが机の上にあった花瓶をモララーの顔面に叩きつけた。
( ∀)「ギャア!」
ひっくり返りのたうち回るモララー。
川 ゚ -゚)「反省なさい、ゴミ虫」
ξ;゚听)ξ「あ、あの大丈夫なんですか?なんか血塗れですけど」
川 ゚ -゚)「ゴキブリは生命力が強いのよ」
ξ;゚听)ξ「は、はあ」
(自主規制)「死んだらどうする!!」
勢いよく立ち上がったモララーの顔面は筆舌に尽くしがたい様相だったので、筆舌に尽くせない。
ξ;゚听)ξ「ひい!」
川 ゚ -゚)「あら、どちらさま?」
(自主規制)「僕だよ!誰かさんのせいで顔面がー!」
川 ゚ -゚)「あら、ゴキラー。生きてたの。流石ゴミ虫、生への執着は半端じゃないわね」
(自主規制)「違う!僕はモララーだ!他にも色々ひどい!」
川 ゚ -゚)「噛んだだけよ」
(自主規制)「嘘だ!」
川 ゚ -゚)「失礼、かみまみた〜☆」
(自主規制)「馬鹿な!」
( ・∀・)つ自主規制 ヒョイ
160:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/20 00:56:43
UllWxkOqO
( ・∀・)「僕の美貌が損なわれたらどうしてくれるんだ!」
川 ゚ -゚)「まあ…どちらさま?」
( ・∀・)「モララーだよ!超速回復でいつもの爽やかフェイスになったでしょ!」
川 ゚ -゚)「モララー?私の知っているモララーは(自主規制)←こんな顔なのだけれど。あなた偽物?」
( ・∀・)「馬鹿な!」
ξ;゚听)ξ(どうしよう…頼る場所絶対間違えた)
やはりこの二人のノリについてこれる人は中々居ないようである。
(
・∀・)「ちくしょう!グレてやる!こうなったらとことんグレてやる!ポイズン!」
川 ゚ -゚)「おふざけも大概にしなさいモララー。今は仕事中よ」
( ・∀・)「あれあれ、悪者は僕だけ?」
川 ゚ -゚)「すいません、この子ちょっと残念な子でして
ξ;゚听)ξ「は、はあ…」
( ・∀・)「心外だ」
161:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/20 01:29:15
UllWxkOqO
川 ゚ -゚)「一番最近、その症状が出たのはいつ?」
ξ ゚听)ξ「昨日です。また誰かと話した感じがしました」
( ・∀・)「それさ、誰かと居る時にもなったりする?」
ξ ゚听)ξ「私は分からないんですが、友達の話を聞く限り何回かあったんじゃないかと…」
( ・∀・)「うーん」
川 ゚ -゚)「どうする?モララー」
( ・∀・)「とりあえず、僕の知り合いの病院で検査してもらって。疑うわけじゃないけど一応念のため。その間こっちも調査するから。明日の同じ時間に、またここに来て」
ξ ゚听)ξ「わ、わかりました」
川 ゚ -゚)「これ、病院の住所」
ξ ゚听)ξ「どうも」
( ・∀・)「それと、連絡先と住所教えて」
ξ ゚听)ξ「は、はい」
※
※
※
※
( ・∀・)「さて、どう思う?」
川 ゚ -゚)「事故の後遺症で頭パー」
(
・∀・)「あり得なくはない。まあ、何回も医者行って、その度に健康体って言われてるみたいだから可能性は非常に低い」
川 ゚ -゚)「となると…また嘘吐き?」
( ・∀・)「それも無くはない。でも話した感じから察するにそれも無さそうな気がするよ」
川 ゚ -゚)「じゃあ?」
( ・∀・)「多重人格じゃないかと思ってる」
川 ゚ -゚)「なるほど…言われてみれば症状は一致するわね」
( ・∀・)「だしょ?」
川 ゚ -゚)「となると、問題はその第二の人格の目的ね」
( ・∀・)「だね、あと、人格が何個あるのかも問題だ」
川 ゚ -゚)「また夢見する?」
( ・∀・)「いや、もうちょい様子を見よう。もし相手がツンちゃんに何かしらの悪意を持っているなら、下手に夢見をして感付かれても困る」
川 ゚ -゚)「その時は殺せばいいんじゃない?」
( ・∀・)「悪霊の類ならそれでいいけど、多重人格となると肉体と主人格、そして他人格との関わりが密接な場合がある。安易に殺すのは良くないよ。ましてや、クーほどの夢魔が相手じゃ、尚更さ」
川;゚ -゚)「加減は覚えてきたつもりなんだけどなー」
( ・∀・)「ゾウがアリを潰さずに踏むのは大変ってことさ」
川;゚ -゚)「むむむ」
164:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/20 13:43:58
UllWxkOqO
川 ゚ -゚)「じゃあ何を調査するの?」
( ・∀・)「彼女の生い立ちを調べよう。もしかしたら、彼女が生まれる前に姉や兄が居たかもしれない」
川 ゚ -゚)「生まれる前?」
( ・∀・)「つまり、彼女が生まれる前にすでに死去したってことさ。予想だけど、もし本当に多重人格だとしたら、一番可能性があるのは、『生まれる直前に死んだ双子の片割れ』さ」
川 ゚ -゚)「魂だけ生き残って片方の肉体に潜んでいた、と?」
( ・∀・)「そゆことー」
172:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 21:56:30
Lw5TXs0ZO
諸葛亮曰わく:遅れてすみませんです
※
※
※
※
川 ゚ -゚)「わかったわよ。やっぱり彼女には、双子片割れが居たみたい」
( ・∀・)「ビンゴ!その片割れは当然死んでるはずだ!」
川 ゚ -゚)「ええ、生まれた時には既にこときれていたそうよ」
( ・∀・)「これで九割方謎は解けた!後はその片割れの目的さえわかれば…」
突如鳴り響く電話のコール音。すかさずモララーが応答する。
( ・∀・)「はいこちら相談屋!」
『あ、どうも。ツンです。検査しましたけど何も無かったです。ってゆーか全部勘違いでしたwすいませんでしたー、忘れてください!』
そう言って、電話は切れた。
( ・∀・)「こいつは面倒なことになってきたかも」
川 ゚ -゚)「どうしたの?」
( ・∀・)「クー、ショボンの病院に電話して、ツンちゃんが来たか確認して!」
173:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 22:08:04
Lw5TXs0ZO
(´・ω・`)『もしもし?』
川 ゚ -゚)「ショボン、あなたのところにツインドリルの女の子来なかった?」
(´・ω・`)『ドリル?残念ながら来てないよ』
川 ゚ -゚)「そう、ありがとう」
(´・ω・`)『また何かあったのかい?』
川 ゚ -゚)「まあね」
(´・ω・`)『また後で聞かせておくれとモララーに伝えてくれないかな。新作の題材にするから』
川 ゚ -゚)「まだ小説書いてたの」
(´・ω・`)『まあね、気紛れな相談屋のようです、っていうんだけど』
川 ゚ -゚)「どうでもいいわ」
川 ゚ -゚)「来てないそうよ」
( ・∀・)「こいつは急がねば!ツンちゃんのとこ行かなきゃ!」
川 ゚ -゚)「探るわ、ついてきて」
174:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 22:19:28
Lw5TXs0ZO
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「どしたの?」
川 ゚ -゚)「すごく似てるけど、彼女とは異なるものを感じるわ」
( ・∀・)「そりゃ双子だからね。今何処に居る?」
川 ゚ -゚)「こっちよ」
脱兎のごとく走る二人だった。
※
※
※
※
175:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 22:31:04
Lw5TXs0ZO
川 ゚ -゚)「居たわ!」
( ・∀・)「おーい、ストップ!」
ξ ゚听)ξ「あら、何かようですか?お断りの電話をしたんですが」
( ・∀・)「あれは本当にツンちゃんが電話したのかな?」
ξ ゚听)ξ「何を言っているんですか?」
川 ゚ -゚)「もう分かってるのよ。あなた、彼女の双子の片割れね。姉なのか妹なのか知らないけど」
( ・∀・)「君には話がある。少しいいかな」
ξ ゚听)ξ「…」
突然、ツンは走りだした。裏路地に入り込み、驚くような速さで駆けて行く。
( ・∀・)「あっ!にゃろう!」
川 ゚ -゚)「行くわよ、モララー」
追い掛ける二人、しかし
( ・∀・)「ちょ、せまいよクー!」
川 ゚ -゚)「あなたが並んで走るからでしょ!縦に並びなさい!」
( ・∀・)「むぎゅ!あ、でも胸が当たって気持ちいい!」
川 ゚ -゚)
川#゚ -゚)「死ね変態」
クーに強烈な一撃をもらいその場に倒れるモララー。彼を残し、クーは一人でツンを追いかけることにした。
雑居ビルの屋上
川 ゚ -゚)「もう逃げられないわよ」
その言葉に振り向いた彼女は、少し見た目が変わっていた。
ζ ゚ー゚)ζ「まったく、しつこい人ですね」
176:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 22:48:37
Lw5TXs0ZO
ζ ゚ー゚)ζ「どうして付きまとうんですか?」
川 ゚ -゚)「あなたこそ、その子をどうするつもり」
ζ ゚ー゚)ζ「交代してもらうだけですよ」
川 ゚ -゚)「交代?」
ζ ゚ー゚)ζ「ツンはもう沢山生きたでしょ。今度は私が外で生きる番ですよ」
川 ゚ -゚)「あなたたちの事情なんざどうでもいいけど、彼女は承諾してるの?」
ζ ゚ー゚)ζ「あの子ひどいですよねー!何回も交代してって言ったのに『あなたなんか知らない』の一点張りで、あまつさえ相談屋なんていうわけのわからないところに私をどうにかするように頼むなんて!」
川 ゚ -゚)「長い、三行で」
ζ ゚ー゚)ζ「あの子には眠ってもらいました」
川 ゚ -゚)「私達も、依頼されてる以上、あなたに勝手なことされちゃこまるのよ」
ζ ゚ー゚)ζ「へー、どうするんですか?」
川 ゚ -゚)(モララーがダメって言ったから夢殺は出来ないしなー…)
ζ ゚ー゚)ζ「あなた夢魔なんですってね!じゃあ戦っても私が勝てるわけないですよねー」
川 ゚ -゚)(何を当たり前のことを)
ζ ゚ー゚)ζ「じゃあこうしようかなー」
そういうと彼女は屋上の縁に立った。
川 ゚ -゚)「なんのつもり」
ζ ゚ー゚)ζ「あなたたちに邪魔されて消されるくらいなら、いっそこの子もろとも死のうかと!」
川;゚ -゚)「やめなさい」
ζ ゚ー゚)ζ「どうせ私は生まれる前に死んだんだから、この先生きられないなら今死んでも変わらないし!」
ζ ゚ー゚)ζ「私生まれる前に死んだから名前すらないんですよ!笑っちゃいますよね!」
川 ゚ -゚)「…」
ζ ゚ー゚)ζ「よく考えれば、生きてみても誰にも名前呼ばれないんですねー、私。みじめだなあ」
ζ ;ー;)ζ「名前くらい欲しかったですねーw」
川 ゚ -゚)「…」
「話は全て聞かせてもらった!」
177:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 23:09:29
Lw5TXs0ZO
ガチッという音と共に縁にフックのようなものが引っ掛かった。程なくして、モララーが顔を出した。フックに括り付けたロープでも登ってきたのだろうか。
( ・∀・)「参上!」
川 ゚ -゚)「どこから来たのよ」
( ・∀・)「クーが非常階段を登るのが見えたから、僕は逆方面から行くことにしたのです!」
川 ゚ -゚)「あ、そう」
ζ;゚ー゚)ζ「またわけわからない人が…」
( ・∀・)「そこのやや緩やかなツインドリル!話は全て聞かせてもらった!」
ζ;゚ー゚)ζ「つ、ついん?って、聞いたらからなんだって言うんですか!」
( ・∀・)「僕はモララー!相談屋さ!」
ζ;゚ー゚)ζ「は、はあ」
( ・∀・)「君はツンちゃんと話す時にちゃんと自己紹介をしたか!」
ζ;゚ー゚)ζ「はい?」
( ・∀・)「自己紹介をしたのかと聞いてるんだ!」
ζ ゚-゚)ζ「自己紹介もなにも…私には名前もないし…」
( ・∀・)「脳無し乙www」
ζ#゚ー゚)ζ「なっ…!」
( ・∀・)「自己紹介って己を紹介することなんだぜ?名前だけ言うなら名前紹介って言うさ」
ζ ゚ー゚)ζ「…何が言いたいんですか?」
( ・∀・)「悲劇のヒロイン振る前に、まだ言うことあんじゃないの?」
ζ ゚ー゚)ζ「…」
( ・∀・)「半年前の事故、あの時君は目覚めたみたいだけど、その後のツンちゃんの超人的な回復力は、君が手助けしたからじゃないのかい?」
ζ ゚ー゚)ζ「…」
( ・∀・)「君はツンちゃんのことが大切なんじゃないのかい?」
ζ ゚ー゚)ζ「…だから、何が言いたいんですか」
( ・∀・)「何度もツンちゃんと話したみたいだけど、その時に自分が外に出たいあまりにそのことしか言わなかったんじゃないかい?」
ζ
゚ー゚)ζ「…」
178:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 23:10:27
Lw5TXs0ZO
( ・∀・)「多重人格とはいえ、主人格が他人格を認識してない場合、会話は困難だ。そんな状態で外に出せ、としか言わなかったらそりゃいい反応は帰って来ないさ」
ζ#゚ー゚)ζ「だから何が言いたいんだって聞いてるでしょ!」
( ・∀・)「自己紹介しろってんだよデコ助野郎。今からツンちゃんに会わせてやる。クー!」
川 ゚ -゚)「はいはい」
クーは指をパチンと鳴らした。たちまち夢界が形成される。
ζ;゚ー゚)ζ「これは…」
( ・∀・)「兄弟姉妹は仲良くしなきゃだめよー」
モララーの言葉が響いた。
※
※
※
※
179:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 23:36:30
Lw5TXs0ZO
ζ;゚ー゚)ζ「なんなのよ!」
彼女は真っ暗な空間に居た。何も無く、どのくらいの広さなのかも分からない。
ζ;゚ー゚)ζ「どこなのよここは…」
「誰かいるんですか?」
不意に声をかけられた。
ζ;゚ー゚)ζ「えっ?!」
とたんに、空間が明るくなる。
ξ ゚听)ξ「あ、こんにちは」
ζ;゚ー゚)ζ「こ、こんにちは」
ξ ゚听)ξ「えと、どちら様ですか?…知っているような気もするんですが」
ζ゚ー゚)ζ(会話は困難って言ってたわね…なるほど、覚えてないってわけか…。まあ、覚えられるようなことは言ってないけど)
ξ ゚听)ξ「あ、人に聞く前に自分からですよね。私はツンといいます。大学生です。あなたは?」
ζ ゚ー゚)ζ(自己紹介、か…)
ζ ゚ー゚)ζ「はじめまして。と言っても、何回も話したことはあるはずなんだけど。覚えてないかな?」
ξ ゚听)ξ「?」
ξ ゚听)ξ
ξ ゚听)ξ「!」
ξ;゚听)ξ「もしかして、最近私が感じてた人って…!」
ζ ゚ー゚)ζ「そ、私」
ξ;゚听)ξ「あなた一体なんなんですか?話した内容とか上手く思い出せないんですけど…」
ζ ゚ー゚)ζ「あー、別に思い出さなくていいよ、私はねー…あなたの双子のお姉さんだよ」
ξ;゚听)ξ「双子!?お姉さん!?」
ζ ゚ー゚)ζ「親には教えられてないみたいだから知らなくて当然だよ。あなたにはお姉さんが居たの。まあ、双子だから、お姉さんと言っても私が先に出てきたってだけだけど」
ξ;゚听)ξ「知らなかった…」
180:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 23:37:17
Lw5TXs0ZO
ζ ゚ー゚)ζ「私は生まれてすぐに死んじゃったけど、魂はあなたの身体の中に入って眠ってたの。で、半年前の事故の時に起きたわけ」
ξ ゚听)ξ「それで…」
ζ ゚ー゚)ζ「大変だったよー、あなた全然起きないから」
ξ;゚听)ξ「もしかして、私があの時助かったのって…」
ζ ^ー^)ζ「まあ私のご加護的な?」
ξ*゚听)ξ「あ、ありがとう」
ζ ゚ー゚)ζ「いいのいいの」
ξ ゚听)ξ「あ、もしかして、時々私の意識が飛んでるのも…」
ζ;゚ー゚)ζ「あー、私。たまには外出たくて…」
ξ ゚听)ξ「そうだったの…そんなの言ってくれれば身体貸したのにっ」
ζ ゚ー゚)ζ「へ?」
ξ ゚听)ξ「勝手に身体使われちゃ迷惑だけど、事前に言ってくれればいいよ?だってあなた私のお姉ちゃんなんでしょ?」
ζ*゚ー゚)ζ「お姉ちゃん…」
ζ;゚ー゚)ζ「って、本当にいいの?」
ξ ゚听)ξ「まあ永久に交代してくれ、とかは嫌だけど、割合として半々ならいいんじゃない?公平だし」
ζ ゚ー゚)ζ「…」
ξ ゚听)ξ「よし!決まり!いやー、長い間の謎も解けてすっきりした!」
ζ ゚ー゚)ζ「ありがとう…」
ξ ゚听)ξ「ん?何が?」
ζ ゚ー゚)ζ「ううん、なんでもない!行こうか!」
ξ ゚听)ξ「うん!」
ζ*^ー^)ζ「♪」
ξ*゚听)ξ「いやー、にしても私にお姉ちゃんかー…私年上のきょうだい欲しかったから嬉しい」
ζ ゚ー゚)ζ「おー、良かった良かった」
ξ ゚听)ξ「そういえば、お姉ちゃん名前なんていうの?まだ聞いてないよね?」
ζ ゚ー゚)ζ「あー…私名前ないんだ。生まれてすぐに死んじゃったから」
ξ;゚听)ξ「ご、ごめん」
ζ ゚ー゚)ζ「ああ、いいのいいの」
ξ;゚听)ξ
ξ ゚听)ξ「!」
ξ ゚听)ξ「じ、じゃあさ…」
ζ ゚ー゚)ζ「ん?」
ξ*゚听)ξ「私がお姉ちゃんに名前つけてもいいかな…」
ζ ゚ー゚)ζ「!」
ζ ゚ー゚)ζ「つけて…くれるの?」
ξ ゚听)ξ「うん!そうだなあ…」
「デレ、なんてどうかな?」
※
※
※
※
181:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 23:49:46
Lw5TXs0ZO
ζ ゚ー゚)ζ「はっ!」
( ・∀・)「おかえりー」
ζ ゚ー゚)ζ「今のは…」
川 ゚ -゚)「私が作った精神世界。あなたと彼女がゆっくり会話出来るようにね」
( ・∀・)「ちゃんと自己紹介したかい?」
ζ ゚ー゚)ζ「…」
ζ*^ー^)ζ「はい!」
( ・∀・)「ん、よろしい!」
ζ ゚ー゚)ζ「色々ありがとうございました」
( ・∀・)「まあ仕事だし」
川 ゚ -゚)「対価は頂くわよ」
ζ ゚ー゚)ζ「はい」
( ・∀・)「結局どうなったのさ」
ζ ゚ー゚)ζ「はい、ツンと二人で生きていくことにしました」
( ・∀・)「なるほどねー」
川 ゚ -゚)「大変でしょうけど、まあ頑張りなさい」
ζ ゚ー゚)ζ「はい!あ、名前もつけてもらいました!」
( ・∀・)「ほう!名乗ってもらおうか!」
ζ*^ー^)ζ「私の名前は、デレですっ!」
満面の笑みを浮かべるデレに、モララーとクーの二人の頬も緩んだ。
ζ ゚ー゚)ζ「あ、ツンと変わりますね」
ξ ゚听)ξ「ふう…あ、相談屋の皆さん、ありがとうございました」
( ・∀・)「まあ仕事だし」
川 ゚ -゚)「対価は頂くわよ」
ξ ゚ー゚)ξ「はい」
( ・∀・)「ちゃんと話せたかい?」
ξ ゚ー゚)ξ「はい、色々びっくりですけど、結果は大満足です」
( ・∀・)「そかそか」
川 ゚ -゚)「あなた、彼女と話したい時は鏡を使いなさい。鏡に向かって呼び掛ければ、彼女と話せるわよ」
ξ ゚ー゚)ξ「はい、ありがとうございます」
( ・∀・)「今日は疲れただれうし、積もる話もあるでしょうからもう帰りなさいな」
ξ ゚听)ξ「はい、あ、対価は…」
( ・∀・)「んー、そうだねえ」
182:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 23:56:51
Lw5TXs0ZO
( ・∀・)「最近金欠だから、お金にしようかな。君、バイトしてる?」
ξ ゚听)ξ「はい、一応」
( ・∀・)「じゃあそのバイトの給料の半分を3ヶ月分でいいよ」
ξ ゚听)ξ「はい、わかりました。本当にありがとうございました」
そう言って彼女は去って行った。
( ・∀・)「さあて、僕らも帰りますか、疲れちゃったよ」
川 ゚ -゚)「そうね、お腹も空いたわ」
( ・∀・)「あー、また僕は熟睡出来んのか…」
※
※
※
※
(;・∀・)「バイトの給料半額で五十万だと!」
川 ゚ -゚)「なんでも、大金持ちの家の馬鹿な小学生の家庭教師をしてるみたいよ」
(;・∀・)「ちっくしょー!もっとふんだくればよかったあああ!」
第五話 おわり
189:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/24 23:25:58
ZpVfYzdxO
諸葛亮曰わく:予告〜
( ・∀・)「次回の話は『猿の手』らしいね」
川 ゚ -゚)「遅筆の>>1がいつ書き上げるか見物ね」
(´・ω・`)「いや、書きながら投稿するにも、ある程度考えがまとまってないと難しいんだよ」
川 ゚ -゚)「呼んでないのに何故居るのかしら」
( ・∀・)「だいたい誰だっけ?」
(´・ω・`)「…」
第六話、カミングスーン
198:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/28 16:48:16
Suy/+lzWO
諸葛亮曰わく:おハロー
テレビ『願いを三つ叶えてやろう。こんなこと言われたら、あなたはどうしますか?』
( ・∀・)「戯れ言だなあ」
川 ゚ -゚)「対価を考えなきゃね」
気紛れな相談屋のようです
第六話
猿
の
手
川 ゚ -゚)「ふと思ったのだけれど、桃太郎って中々怖い話よね」
( ・∀・)「えっ」
川 ゚ -゚)「よく考えてみなさい。流れてきた大きな桃の色合い…ピンクと白の表面に、中身は赤い果肉。これは人体の隠喩ととらえられるわ」
( ・∀・)「まずい、クーがおかしくなった」
川 ゚ -゚)「その桃=人体を勝ち割ると中からは…血塗れの赤子が!」
(
・∀・)「そんな猟奇な話を幼子に読み聞かせたら恐怖で寿命がマッハだよ」
川 ゚ -゚)「まあふと思っただけなんだけど」
( ・∀・)「一回クーの中を見てみたいよ」
川 ゚ -゚)「私の中を見たい…?なんというセクハラ」
( ・∀・)「しまった、『頭』っていう言葉を付け忘れた!」
川 ゚ -゚)「何度も見たでしょうに」
( ・∀・)「こら!恥ずかしい話禁止!」
川 ゚ -゚)「エロラー」
( ・∀・)「違う!僕はモララーだ!」
川 ゚ -゚)「噛んだのよ」
( ・∀・)「嘘だ!」
川 ゚ -゚)「あら?確かに私はあなたのあんなところやこんなところを甘噛んだ覚えがあるんだけど」
(
・∀・)「えっちなのはいけないと思います!あ、やっぱ思いません!がんがんやろうぜ!」
川 ゚ -゚)「何盛ってるの?まるで猿ね。ウッキーって言ってみなさいよ」
( ・∀・)「心外だ」
199:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 18:59:08
QpUT+h/DO
川 ゚ -゚)「下らない事やってないで、さっさと仕事しなさい」
( ・∀・)「釈然としないなあ…」
ピーンポーン
川 ゚ -゚)「ほら、調度良くお客さんよ」
( ・∀・)「はいはい、只今行きますよっとー」
( ・∀・)「はいはい、どちら様?」
o川*゚ー゚)o「こんにちわっ!聞きたいことがあって来ました!」
玄関を開けると、一見可愛らしいが、どこか花が無い感じの若い女性が立っていた。
( ・∀・)「ま、とりあえず中にどぞ」
o川*゚ー゚)o「おじゃましまーす」
※
※
※
※
( ・∀・)「アイドルのキュー?」
o川*゚ー゚)o「はい!知りませんか?」
( ・∀・)「全然!」
川 ゚ -゚)「黙りなさい無知蒙昧。でも確かにあまり聞かない名前ね」
o川*゚ー゚)o「あんま売れてなくてー」
自己紹介によればこのキューなる女性はアイドルらしい。正確には、アイドル見習いと言った感じか。
( ・∀・)「んでんでんで、そのアイドルさんが一体何故うちに?」
o川*゚ー゚)o「これが何か知りたくてー」
そう言って鞄から何か取り出すキュー。細長い物体が紙で包まれている。
( ・∀・)「何これ?」
川 ゚ -゚)「開けていいのかしら?」
o川*゚ー゚)o「はいー」
包みを開ける。するとそこには
川 ゚ -゚)「…手?」
干からびた手が入っていた。人間のそれに良く似ていて、大きさは子供の腕くらいだった。
o川*゚ー゚)o「これは何なんですかねー」
( ・∀・)「猿の手」
川 ゚ -゚)「えっ?」
( ・∀・)「十中八九、猿の手だね。強い霊力を宿したミイラ状の腕。まず間違いない」
川 ゚ -゚)「あーらら。また面倒なものを」
o川*゚ー゚)o「やっぱり!やっぱりそうなんですね!」
( ・∀・)「?」
川 ゚ -゚)「?」
202:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 21:17:07
QpUT+h/DO
o川*゚ー゚)o「違ってたらどうしようかと思いましたー!」
( ・∀・)「ん?話が見えないよ?」
川 ゚ -゚)「あなたそれの正体知ってたの?」
o川*゚ー゚)o「確信はなかったんですよー!だからここに来たんですけど、いやー、本物で良かったー!」
(
・∀・)「どこで手に入れたのさ」
o川*゚ー゚)o「深夜番組のオカルト特集で、あるお寺に行ったんですよー。で、色々取材してるうちに見つけちゃってwパチモンの企画だし、お寺さんもヤラセの人だからまさかとは思ったけど本物なんて!」
( ・∀・)「あれあれ?さらっとプチ犯罪を暴露しちゃったよこの子」
川 ゚ -゚)「通報するべきなのかしら」
o川*゚ー゚)o「猿の手ってことは、願いを三つ叶えてくれるんですよね!」
( ・∀・)「…まあね」
o川*゚ー゚)o「やったー!じゃあ失礼します!」
( ・∀・)「待て待て待て、何するつもりだ、つか対価も無しに」
川 ゚ -゚)「いけすかない女ね。モララー、殺していいかしら?」
o川*゚ー゚)o「猿の手さん、私をここから逃がして下さい!」
瞬間、キューの姿は掻き消えた。
203:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 21:29:40
QpUT+h/DO
※
※
※
※
川#゚ -゚)「何なのよあの女!」
( ・∀・)「まあそう怒るなよクー。飴ちゃん舐める?」
川#゚ -゚)「モララー!あんなに馬鹿にされて悔しくないの!?たかが人間にあそこまでコケにされただなんてクールヴァン・ドリーター最大の屈辱だわ!挽肉にしてやらないと気が済まない!」
( ・∀・)「落ち着いて、クー。あの子は次期死ぬ。もしかしたら、僕達の眼前で」
川 ゚ -゚)「?」
( ・∀・)「猿の手は確かに願いを叶える。しかし、それには多大な対価が必要だ。等価交換の原則を無視してる産物だからね。ハイハイリスク、リターンみたいな?」
川 ゚ -゚)「じゃあ…」
( -∀-)「大方、猿の手を使って、今よりももっと有名になりたいとか、そんな浅はかな願いを叶えるつもりなんだよ、あの子」
川 ゚ -゚)「でも、なんで次期死ぬって分かるの?」
( ・∀・)「僕は価値の分かる男です」
川 ゚ -゚)「知ってるわ」
( ・∀・)「だから猿の手が要求する対価もわかる。彼女が僕らから逃げる際に払わされた対価は、寿命の六割」
川 ゚ -゚)「六割!?」
( ・∀・)「言ったじゃん。ハイハイリスク、リターンだって。しかも、彼女は対価を払わされたことを知らない。知る術がないから」
川 ゚ -゚)「逃げるだけで寿命六割ってことは…」
( -∀-)「超人気アイドルにして!なんて頼んだらどうなることやら」
204:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 21:40:35
QpUT+h/DO
※
※
※
※
o川*゚ー゚)o「さーて、この猿の手があれば日本一のアイドルになるのなんて簡単簡単!」
o川*゚ー゚)o「さっき相談屋さんから逃げるのに一回使っちゃったからあと二回。一回余分にあるなあ」
o川*゚ー゚)o「何に使おうかなw」
o川*゚ー゚)o「まあいいや、とりあえず…猿の手さん、私を日本一のアイドルにしてください!」
※
※
マネージャー「キューちゃん!ゴールデンのギュラー10本おさえたよ!あとCDも出そうって話だ!」
o川*゚ー゚)o「ちょwwwすごいwww」
プルルルル
o川*゚ー゚)o「あ、電話だ」
o川*゚ー゚)o「はい、もしもーし」
『こちら警察ですが、キューさんですか?先程、あなたの家に強盗が入り…』
o川*゚ー゚)o「え…」
パパとママが、殺された…?
マネージャー「何してるのキューちゃん!早速収録だよ!」
※
※
※
※
( ・∀・)「日本一のアイドルキューちゃんwwwいきなりテレビ出まくっててワロタwww」
川#゚ -゚)「不快だわ、捻り殺したい」
( ・∀・)「あれから一月か…そろそろ頃合いかな」
ピーンポーン
205:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 21:53:02
QpUT+h/DO
o川*゚ー゚)o「こんにちわ…」
( ・∀・)「これはこれは日本一のアイドルキューちゃん!何か御用かな?w」
o川*゚ー゚)o「あの…猿の手に願いを叶えてもらってからひどいことばかり起きて…」
( ・∀・)「あれれー!しらなかった?猿の手ってそういうものだよー?願いを叶える毎に、めちゃくちゃな対価を払わされるんだよー?w」
o川*゚ー゚)o「そんな…なんで教えてくれなかったですか!」
( ・∀・)「聞かれてねーしwww被害者ぶってんじゃねーよコソドロw」
o川*゚ー゚)o「この…!」
( ・∀・)「ちなみに、君の寿命あと一週間くらいだよ!対価でごっそりもってかれたからw」
o川*゚ー゚)o「……!」
( ・∀・)「ざまwww」
川 ゚ -゚)「無様ね」
o川*゚ー゚)o「こうなったら…」
( ・∀・)「あん?」
o川#゚ー゚)o「あんた達も道連れにしてやる!猿の手!こいつらを私の目の前から消して!」
鞄から取り出された猿の手がぴくりと動く。そして宙に浮き、次には…
o川* )o「ぎゃああ!」
キューの両目を抉りだした。
o川* )o「な、なんで…」
( ・∀・)「君の目が見えなくなれば、僕らは目の前から消えるじゃないか!合理的!」
o川* )o「く…あ…」
( ・∀・)「そういや、こないだの対価まだ貰ってなかったねー」
o川* )o「…」
( ・∀・)「何払って貰おうかなー。あ、そうだ」
o川* )o「な、なによ」
地 獄 行 き 、 な ん て ど う だ い ?
※
※
※
※
206:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/29 22:07:14
QpUT+h/DO
川 ゚ -゚)「哀れな子だったわね」
( -∀-)「努力すれば良かったんだよ。まだ若いんだから、猿の手なんかに頼らずにね。努力してダメなら向いてないと諦めればいいんだ」
川 ゚ -゚)「猿の手はどうしたの?」
( ・∀・)「消えたよ。三回願いを聞いたからね」
川 ゚ -゚)「安易に力に縋るとこうなるのね」
( ・∀・)「ま、教訓だね」
第六話 おわり
232:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 00:04:51
KvcSy2agO
諸葛亮曰わく:おハロー
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「…」
二人はゲーム中。
川 ゚ -゚)「あ、チャンス。モララー、一気にたたみかけるわよ」
( ・∀・)「合点!モララートルネードアタック!!」
川 ゚ -゚)「あ」
233:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 00:06:57
KvcSy2agO
( ・∀・)「あ、ごめんごめんw」
川#゚ -゚)「いい度胸じゃないタマ無し。受けて立つわ」
(;・∀・)「ちょ、これ格ゲーじゃないから。あわわ」
川#゚ -゚)「逃がすか!」
(;・∀・)「ちょ!」
二人仲良くゲームオーバー
川#゚ -゚)「何か言うことは?」
(;・∀・)「サーセン」
気紛れな相談屋のようです
第七話 吸血鬼
234:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 00:10:52
KvcSy2agO
川 ゚ -゚)「まったく…ふざけてゲームをやるとかありえないわ」
( ・∀・) (ゲームってふざけながらやるもんじゃないのか)
川 ゚ -゚)「心構えがなってないわ。鍛練のやり直しね」
( ・∀・)「はぁ」
川 ゚ -゚)「じゃあまずはこのクエストから」
( ・∀・)「一人でやれと?」
川 ゚ -゚)「あなたの鍛練なのよ」
( ・∀・)「えー」
川 ゚ -゚)「文句なら聞きましょう。ただし聞いた後に殺すわ」
( ・∀・)「ゲームのために僕の命が危険にさらされている!」
川 ゚ -゚)「さあやりない」
( -∀-)「へいへい」
ピンポーン
川 ゚ -゚)「お客様かしら」
( ・∀・)「助かった!」
川 ゚ -゚)「何か言った?」
( ・∀・)「何も!」
235:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 00:53:32
KvcSy2agO
( ・∀・)「はいはいただいまー」
がちゃ
(゚、゚トソン「こんにちは」
( ・∀・)「はいこんにちは!僕はモララー、相談屋さ!君は?」
(゚、゚トソン「私はトソン、吸血鬼です」
( ・∀・)「なるほど!吸血鬼ね!」
( ・∀・)「へ?」
※
※
※
※
川 ゚ -゚)「あらあら、吸血鬼さんが家に来るとは」
(゚、゚;トソン「む、夢魔さんですか…すごい幼魔に会ってしまいました」
( ・∀・)「怪異の相談屋にまさか怪異そのものが来るとはねw」
(゚、゚;トソン「すみません…」
川 ゚ -゚)「いえいえ」
( ・∀・)「謝ることじゃないでしょー」
(゚、゚;トソン「すみません…謝るのがクセで」
( ・∀・)「よし、君のことは謝罪ちゃんと呼ぼう!」
川 ゚ -゚)「お黙る、モララー。トソンさんだったかしら?今日は何故ここに?」
(゚、゚トソン「はい…実は私、吸血鬼なのに血が怖くて…」
( ・∀・)
川 ゚ -゚)
236:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 00:57:57
KvcSy2agO
(゚、゚;トソン「生きるために血をある程度は接種しなければいけないのですが…小さい時からホラー系が苦手なのも相まって血自体が怖くて怖くて…」
( ・∀・)「死活問題!」
川 ゚ -゚)「普段どうしてるの?」
(゚、゚;トソン「レバーとか、亜鉛サプリとかで凌いでいます。それでも、多少は血を接種しなければいけないので、輸血パックから頑張って飲んでます」
237:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 01:08:10
KvcSy2agO
( ・∀・)「うーん…正直笑えるw」
(゚、゚;トソン「す、すみません」
川 ゚ -゚)「お黙る、モララー。この子をいじめるのは私が許さないわ」
( ・∀・)「むっ、同盟か!」
川 ゚ -゚)「なんか母性本能くすぐる子なのよ」
(゚、゚;トソン「あぅ」
( ・∀・)「とりあえず、対策を練ろうか」
どこからともなく半紙と筆ペンを取り出したモララー。
( ・∀・)「じゃーん」
さらさらと何か書いた半紙を見せる。
『謝罪ちゃん吸血大作戦!』
直撃、クーにより、謝罪ちゃんの部分はトソンちゃんに改められた。
238:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 01:16:56
KvcSy2agO
( ・∀・)「どのくらい怖いのさ?」
(゚、゚;トソン「えっとですね…」
( ・∀・)「すかさず滴る血!」スッ
(゚、゚トソン
ばたん
(;・∀・)「気絶した!」
川;゚ -゚)「早くベッドに運びなさい!」
※
※
※
※
239:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 01:38:22
KvcSy2agO
(゚、゚トソン「むう?」
( ・∀・)「起きた!」
川 ゚ -゚)「大丈夫?ごめんね、この馬鹿がひどいことを…」
( ・∀・)「まさか気絶するとは…」
(゚、゚;トソン「あ、いえ。私こそすみません」
240:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 01:51:36
KvcSy2agO
( ・∀・)「血の色がダメなのかな」
(゚、゚;トソン「とゆーか、それが血なんだと認識した瞬間に…」
川 ゚ -゚)「ショボンに血液と同じ成分の薬を作らせるとか?」
( ・∀・)「意味ないさー、吸血鬼が血を吸うのは、血液の成分を欲するってのもあるけど、一番は生命エネルギーを血液から採取するってことなんだ。作られたものじゃなくて、生物の体内を駆け巡っていたものだってのが重要なんだ」
241:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 12:25:35
KvcSy2agO
川 ゚ -゚)「うーん…じゃあ点滴で輸血するとか?」
(゚、゚;トソン「誰かの血が私の体に直接流されると思うと…」
( ・∀・)「重症だなあ」
242:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 19:36:05
KvcSy2agO
「話は全て聞かせてもらった!」
( ・∀・)「む!誰だ!」
川 ゚ -゚)「この情けない声…まさか!」
(´・ω・`)チョーン
( ・∀・)「誰だっけ」
川 ゚ -゚)「さあ」
(´・ω・`)「ショボンですよ」
(゚、゚トソン「は、はじめまして」
243:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 19:52:48
KvcSy2agO
(´・ω・`)「うむ、天才医師兼料理家の僕が来たからもう安心」
(゚、゚;トソン「は、はあ」
( ・∀・)「ここまで期待はずれな助っ人が居ただろうか」
川 ゚ -゚)「いやー、ないわ」
(´・ω・`)「要するに、血と認識しなきゃいいわけだ」
(゚、゚;トソン「お、おそらく」
(´・ω・`)つ∪
(゚、゚トソン「なんですか?」
(´・ω・`)「トマトジュース」
(゚、゚トソン「あ、いただきます」
コクコク
(゚、゚トソン「…なんか不思議な味ですね」
(´・ω・`)「実は血液なのさ!」
(゚、゚トソン
ばたん
( ・∀・)「再び倒れた!」
川#゚ -゚)「何しに出て来たのよ!」
(;´・ω・`)「いや、今のは軽いジャブだよ。本場はこれから」
※
※
※
※
244:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 21:42:24
KvcSy2agO
(´・ω・`)「どや!」
コックスーツに身を包んだショボンがどや顔で手を広げた。彼の前にあるテーブルには所狭しと豪華絢爛な料理が並んでいる。
( ・∀・)「おー、旨そう」
川 ゚ -゚)「なかなかやるわね」
(゚、゚トソン「すごいですね…」
(´・ω・`)「言ったろ、天才料理家だと!さあトソンちゃん!遠慮なく食せ!」
( ・∀・)「あれ?僕らは?」
(´・ω・`)「ほざきやがれ、これは君に食べさせるものではない!」
( ・∀・)「えー、いいじゃん少しくらい」
(´・ω・`)「具合悪くなるかもよ?」ヒソッ
( ・∀・)「?」
(´・ω・`)「あの料理、見た目も味も普通だけど実は血液が大量に混入されているんだ」
( ・∀・)「へー!」
(´・ω・`)「だから君が食べても意味ないよ。そもそも、血液の味、匂い、風味を消すために色々混入させてあるから」
( ・∀・)「それ謝罪ちゃんに食べさせて大丈夫なの?」
(´・ω・`)「まあ吸血鬼だし」
( ・∀・)「うーん…」
川 ゚ -゚)「でも美味しそうに食べてるわよ」
(゚、゚*トソン「すごくおいしいです!」
( ・∀・)「おー」
(´・ω・`)「そいつは良かった」
(゚、゚トソン「やるじゃねえか!ショボンだっけ?気に入ったぜ!」
( ・∀・)
川 ゚ -゚)
(´・ω・`)
245:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/04 21:56:17
KvcSy2agO
( ・∀・)「あれ?なんか違和感が」
川 ゚
-゚)「奇遇ね、私も感じたわ」
(´・ω・`)「えと、トソンさん?」
(゚、゚*トソン「お前気に入ったぜ!私専属の料理人にしてやんよ!」
(;´・ω・`)「誰だこいつ」
(゚、゚*トソン「さあ行くぜショボン!相談屋!世話になったな!こいつは謝礼だ!」
封筒を投げよこすトソン。中身は札束のようだ。
( ・∀・)「はあ、どうも」
(゚、゚*トソン「じゃ、あばよ!」
(;´・ω・`)「え?マジで僕も行くの?」
トソンに引きずられながら、ショボンは姿を消した。
川 ゚ -゚)「どういうことなの」
( ・∀・)「…恐らく、今までに無いくらい多量の血液を接種したせいで魔力がみなぎっちゃったんじゃないかと」
川 ゚ -゚)「はあ…つまりあれが本性?」
( ・∀・)「多分」
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「…」
※
※
※
※
後日
川 ゚ -゚)「モララー、ショボンから電話よ」
( ・∀・)「はいはい」
( ・∀・)「もしもーし」
『…助けてくれぇ、トソンちゃんがみなぎっちゃって手に負えないよ』
( ・∀・)「頑張って!」
『え…ちょ』ガチャン
川 ゚ -゚)「いいの?助けなくて」
( ・∀・)「だってこのほうが面白いじゃんw」
川 ゚ー゚)「それもそうねw」
第七話 おわり
259:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/07 17:59:53
diKvI1GdO
川 ゚ -゚)「気紛れに料理でもしてみようかしら」
( ・∀・)「これは期待」
川 ゚ -゚)「モララー、何が食べたい?カレー?肉じゃが?私?」
( ・∀・)「なんか一個違うと思う」
川 ゚ -゚)「私じゃダメ?」ウルウル
( ・∀・)「そんなふうに上目遣いされたら僕…!」
川 ゚ -゚)「何盛ってるの?まるで海水浴でさざ波の刺激にすら感じる中学生ね」
( ・∀・)「何故だ!?」
川 ゚ -゚)「さてさて、クッキングよりドッキング(肉体的)が大好きなモララー」
( ・∀・)「心外だ」
川 ゚ -゚)「本当に食べたいのはなに?作ってあげるわよ」
( ・∀・)「えーとね、じゃあカレー!」
川 ゚ -゚)「カレーね分かったわ。スパイスは…確かこの粉とこの粉をこうして…ある、こっちの粉かな?」
( ・∀・)「これは不安」
川 ゚ -゚)「これをああして、こうして…うまい!」テーレッテレー
( ・∀・)「ねるねるねるね!?」
川 ゚ -゚)「さ、遊びはおしまいにして作りますか」
( ・∀・)「遊んでたのか?」
気紛れな相談屋のようです
第八話 学校の怪談
260:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/07 18:14:15
diKvI1GdO
( ・∀・)「カレー♪カレー♪」
川 ゚ -゚)「落ち着きなさい」
( ・∀・)「いや、楽しみで!」
川 ゚ -゚)「全く…」←ちょっと嬉しそう
( ・∀・)「早く食べたいなー」
プルル
( ・∀・)「お、電話」
( ・∀・)「はいこちら相談屋」
『あの…調べてほしいことがあって』
( ・∀・)「ん?君何歳?」
『十一歳です…』
( ・∀・)「ロリキマシタタワァ!」
『えと…』
( ・∀・)「おk。まずは詳しい話を聞きたいから、何処かで会えるかな?」
『えと…じゃあ学校で』
( ・∀・)「りょーかい。では後程」
川 ゚ -゚)「ロリ?」
( ・∀・)「なんか小学生からの依頼みたい」
川 ゚ -゚)「モララー…あなたとうとう」
( ・∀・)「や、違うから。僕ロリ属性ないし」
川 ゚ -゚)「ならいいのよ。私カレー作ってるから」
( ・∀・)「あいよー。即刻片付けて帰るよん」
川 ゚ -゚)「ん、待ってる」
※
※
※
※
261:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/07 18:24:36
diKvI1GdO
諸葛亮曰わく:小学校名は、>>1の通ってた小学校からだよ。特定出来るかな?
と○の小学校
( ・∀・)「ここか」
从 'ー'从「あの…相談屋さんですか?」
( ・∀・)「いかにも!僕はモララー!相談屋さ!」
从 'ー'从「は、はじめまして!私は渡辺と言います。生徒会長ですっ」
( ・∀・)「生徒会長!?まさかいい子なのか君は!」
从;'ー'从「え、えと」
( ・∀・)「その若さで会長とか!なんたる逸材!」
从;'ー'从「小学校の生徒会長なんだから、小学生なのは当然かと…」
( ・∀・)「そこに気付くとは…やはり天才か」
从;'ー'从(変な人だなあ…)
( ・∀・)「よし!君のことは天才ちゃんと呼ぼう!」
从;'ー'从「は、はあ」
262:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/07 18:39:07
diKvI1GdO
( ・∀・)「さあ天才ちゃん!僕を呼んだ理由を聞かせてもらおうか!」
从 'ー'从「えと…最近学校で変なことばっかり起きるんです」
( ・∀・)「ふむ、具体的には?」
从;'ー'从「誰も居ない音楽室のピアノが鳴るとか、トイレで変な声が聞こえるとか、人体模型が動くとか…もちろん、これは生徒全員が見たわけじゃないです。一部の生徒が見たり体験したりしてるだけなんですが」
( ・∀・)「ふむ」
从 'ー'从「でも、日に日にその目撃報告が増えているんです。仲には寝込んじゃった子も居て…」
( ・∀・)「うーん」
从;'ー'从「そして先日、とうとう全員がその不思議な出来事を体験したんです」
( ・∀・)「と言うと?」
从;'ー'从「給食の時間なんですけど、いきなり校内放送が始まって、『百年目です』って変な声っ一言…」
( ・∀・)「誰かのいたずらではないんだね?」
从;'ー'从「はい、先生方が調べました。そんなこともあって、今学校は臨時休校です」
( ・∀・)「なるほど!丁寧な説明ありがとう!さすが天才ちゃん!」
从;'ー'从「いえいえ」
( ・∀・)「百年目か、この学校、創立百年とか?」
从 'ー'从「はい、その放送があった日がちょうど百周年です」
( ・∀・)「なるほどねー。八割犯人は分かったぞ。ま、一応校内を調べますか。案内してくれるかな?」
从 'ー'从「は、はい!」
263:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/07 19:03:39
diKvI1GdO
音楽室
( ・∀・)「あーなーたーに髪の毛ありますかーありますかー♪」
从 'ー'从「?」
( ・∀・)「小フーガト単調」
从 'ー'从「?」
从 'ー'从「ああ!ハゲハゲそんなのやーだー髪の毛消え去っていくー♪」
从*'ー'从「ですよねっw」
( ・∀・)「そうそうw」
264:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/07 19:33:09
diKvI1GdO
( ・∀・)「そういや君は何故に僕に連絡したの?」
从 'ー'从「あー、私昔から変なものが見える体質なんです」
( ・∀・)「!」
从 'ー'从「で、最近学校でそういうのを見かけるのが多くなって、これは危ないんじゃないかって…」
( ・∀・)「なるほど…」
265:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/07 19:44:39
diKvI1GdO
( ・∀・)「で、この音楽室は何があるんだっけ」
从;'ー'从「ピアノが勝手に鳴ったり、ベートーヴェンとかの肖像画が動いたりです」
( ・∀・)「あ、本当だ」
ピロピロピロリン
从;'ー'从「わわっ」
ベートーヴェン「…」ギロッ
从;'ー'从「ひい!」
( ・∀・)「よし、音楽室確認完了!よし、次!」
※
※
※
※
266:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/07 19:57:58
diKvI1GdO
( ・∀・)「理科室!」
从;'ー'从「理科室は、人体模型が動いたり、生物標本が動いたり…」
( ・∀・)「お、解剖用のメスが乱舞してる」
从;'ー'从「危ない!」
( ・∀・)「くらえっ!」
懐からエアガンを取出し、乱舞するメスをことごとく打ち落とすモララー。
从 'ー'从「す、すごいなあ」
( ・∀・)「FPSで鍛えたからねw」
人体模型「…」ソーッ
( ・∀・)「そこだ!十六連射!」
人体模型に向け乱射するモララー。
人体模型「…」ばたん
从;'ー'从「ひえー…」
( -∀-)「またつまらぬ物を撃ってしまった」
※
※
※
※
267:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/07 20:13:43
diKvI1GdO
( ・∀・)「トイレ!」
从;'ー'从「女子トイレなんですが…」
( ・∀・)「まあ気にしない気にしない」
从;'ー'从「変態さんですよ…」
( ・∀・)「下心は無いので!」
从;'ー'从「うーん…」
( ・∀・)「で、ここはなんだっけ?」
从;'ー'从「なんか変な声が聞こえるとか…花子さん的な感じですかね」
( ・∀・)「なるほど…よし」
( ・∀・)「はーなーこーさーん!!!」
『は…ぁい』
( ・∀・)「お、返事きた!」
从;'ー'从「あわわっ」
( ・∀・)「しかしトイレにひきこもってるなんて変人だねw」
『え…』
( ・∀・)「毎日毎日臭いだろうにw」
『う…』
( ・∀・)「馬鹿じゃねえのw」
『ひ…ひどい…うわあぁん』
从;'ー'从「き、消えた!」
( ・∀・)「あれ?」
从;'ー'从「怪異をいじめ倒した…」
( ・∀・)「なんだ、仲良くしようと思ったのに」
从;'ー'从(どこが…)
268:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/07 20:39:53
diKvI1GdO
( ・∀・)「うーん、色々確認したけど、いまいちだなあ」
从;'ー'从「何がですか?」
( ・∀・)「うん、こうなったらこっちから呼ぶか!屋上に行こう!」
从;'ー'从「?」
※
※
※
※
(
・∀・)「屋上!」
从;'ー'从「鍵がかかってるからって、何もドアを蹴破らなくても…」
( ・∀・)「さあ天才ちゃん!ちょっと危ないかもだから、僕から離れちゃだめだよ?」
从 'ー'从「は、はい」
( ・∀・)「さあて、百年つもりにつもったものを掃除しようか。出てきなよ」
モララーが言った瞬間、巨大な黒い靄のようなものが現れた。
从;'ー'从「な、なんですか!?あれ!」
(
・∀・)「百年の間溜まりまくった生徒達の負のエネルギー。学校って沢山の子供が集まるでしょ?しかも未熟な。そんな彼らの負の感情が貯まって、具現化したのがこいつ。ま、ありがちな妖怪だよ」
从;'ー'从「な、なんかこっちに来ますよ!?」
( ・∀・)「ああ、大丈夫だよ」
そう言う間にも黒い靄はモララー達目がけて突進してくる。
( ・∀・)「ガキの感情の残り粕の分際で僕に立ち向かう勇気だけは評価しよう」
从;'ー'从「きゃああ!」
( ・∀・)「ま、無駄なあがきだけどね」
言いながらモララーは右手を翳した。
( ・∀・)「消えちまいな」
大きな音をたて、靄は消えた。
※
※
※
※
269:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/07 20:54:24
diKvI1GdO
从 'ー'从「結局、あれが原因だったんですか?」
( ・∀・)「そ、起こってた怪異はみんなが知ってるようなものばかりだっただろ?恐らく、君達の持つ学校で起こる怪異っていうイメージに、あいつが呼応したのさ」
从 'ー'从「なるほど…」
( ・∀・)「百年っていう一区切りの周期をもって、活性化したんだろうねー」
从 'ー'从「もう大丈夫なんですか?」
( ・∀・)「今はね。でも、学校という特殊な場所にはああいう妖怪は付き物さ。また何年もたったら現れるよ、人が学校に居る限り。ま、現れるってもあと百年くらいたたないとだろうけど」
从 'ー'从「なるほど…ありがとうございました」
( ・∀・)「いえいえ」
从 'ー'从「あの、お礼は」
( ・∀・)「うーん、そうだなあ」
( ・∀・)「じゃあ、君には相談屋にってもらおうかな」
从;'ー'从「えっ?」
( ・∀・)「さっきも言ったように学校ってのはすごく不安定な場所なんだ。またおかしなことが起きるかもしれない。君は目がいいから、そういう時にみんなの助けになってほしい」
从 'ー'从「私に出来るんですか?」
( ・∀・)「まああまりに危険なものは僕みたいなやつに任せればいいさ。簡単なやつだけってこと。これを使いなさいな」
そう言ってモララーはエアガンを手渡した。
从 'ー'从「これは…」
( ・∀・)「そのエアガンは特別なものでね、そいつを使えば怪異に対抗出来るよん」
从 'ー'从「なるほど…わかりました!頑張ります!」
( ・∀・)「うむ、よろしい。君は霊力も強いみたいだからね、大丈夫だよ」
从 'ー'从「はい!頑張ります!」
※
※
※
※
( ・∀・)「ただいまー」
川 ゚ -゚)「おかえりー、どうだった?」
( ・∀・)「ダイヤの原石を見つけたよー」
川 ゚ -゚)「?」
( ・∀・)「お腹空いたなー」
川 ゚ -゚)「カレー出来てるわよ」
( ・∀・)「おー!食べよう食べよう!」
川 ゚ー゚)「はいはい、まずは手を洗いなさい
( ・∀・)「はーい」
第八話 おわり
283:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/12 19:29:51
TPXdwRg0O
諸葛亮曰わく:おハロー
( ・∀・)「…」
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「なんだこの暑さは…」
気紛れな相談屋のようです
第九話
川 ゚ -゚)「なんとかしなさいよモララー」
( ・∀・)「うーん…なんとかって言われても」
川 ゚ -゚)「そもそも何故エアコンを直さないのよ」
( ・∀・)「お金が…」
川 ゚ -゚)「稼ぎなさい」
( ・∀・)「依頼がないんだもの」
川 ゚ -゚)「ああもう暑いしジメジメするし嫌だわ!」
( ・∀・)「よし!あれを出そう!」
284:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/12 19:35:57
TPXdwRg0O
川 ゚ -゚)「…扇風機?」
( ・∀・)「涼しくなるよー」
川 ゚ -゚)「そんなものよりエアコン買い換えましょうよ」
( ・∀・)「いざ!スイッチオン!」
カチ…ブーン
( ・∀・)「ほらちゃんと動いた」
川 ゚ -゚)「なんかガタガタしてない?」
ブーンブンシャカブブンブーン
川 ゚ -゚)「やっぱりおかしいわよ」
( ・∀・)「むむ?」
ガコッ!
( ・∀・)「うわ!羽根が外れた!」
川 ゚ -゚)「きゃ!」
ブーン…ザシュッ
( ・∀・)「羽根が飛んでって壁に刺さった!」
川#゚ -゚)「さっさとエアコン買ってきなさい!」
286:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/12 19:45:48
TPXdwRg0O
( ・∀・)「追い出されてしまった…」
( ・∀・)「エアコン買ってこいって言われてもなあ…お金ないしなあ」
( ・∀・)「どこか安いところはないかなー」
从 'ー'从「こんにちはモララーさん!」
( ・∀・)「おお!天才ちゃん!」
从 'ー'从「お久しぶりです!」
( ・∀・)「久しぶりー、何してんの?こんなとこで」
从*'ー'从「新作のケーキを買いに行くんです!すっごくおいしいんです!」
( ・∀・)「そいつは羨ましいのう」
从 'ー'从「モララーさんも一緒に行きますか?」
( ・∀・)「残念ながらお金がないんだぜ…」
从;'ー'从「あらら」
( ・∀・)「僕の分までケーキを食して来なさい!」
从 'ー'从「はい!それじゃ失礼しまーす」
( ・∀・)「アディオス!」
287:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/12 19:54:12
TPXdwRg0O
※
※
※
※
( ・∀・)「ありーでべるち?ありーべでるち?べ?ヴェ?」
( ・∀・)「よう分からんわ」
(´・ω・`)「おやモララー」
( ・∀・)「やあ、誰だ?」
(´・ω・`)「ショボンです」
( ・∀・)「何してんのこんなとこで」
(´・ω・`)「トソンちゃんのご飯の材料探しさ」
( ・∀・)「あー」
(´・ω・`)「あの特殊料理には色々な材料がいるのさ…」
( ・∀・)「はーん、そんなことよりさ、エアコン余ってない?」
(´・ω・`)「ねえよ」
( ・∀・)「使えねえ奴だ…じゃあの」
(´・ω・`)「心外だ」
290:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/13 18:01:54
mIuVLzpvO
※
※
※
※
( ・∀・)「エアコンないですか?」
「ありますとも!こちらなんかはいかがですか?最新の型になってましてマイナスイオンが云々…」
( ・∀・)「はあ、ちなみにいくらですか?」
「今ならセールス対象なので三万円です!」
( ・∀・)「無理!」
※
※
※
※
(
・∀・)「エアコンないですか?」
「ありますとも!今ならこの最新型エアコンに炊飯器とパソコンがついてきます!当社推奨のプロバイダーと契約することにより実質パソコンがなんとただ!さらに今ご契約いただいた方にはPSPが三千円でついてきます!更に更に今ならこちらの車までついてきます!分割手数料はすべてジャパネ」
(
・∀・)「あ、いいっす」
※
※
※
※
292:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/13 18:05:49
mIuVLzpvO
( ・∀・)「お、このボロい電気屋ならあるかも」
( ・∀・)「こんにちはー」
(゚Д゚)「いらっしゃい」
( ・∀・)「エアコンが欲しいんですけど」
(゚Д゚)「えっ」
( ・∀・)「?」
(゚Д゚)「エアコンガ?」
( ・∀・)「はい、エアコンが」
(゚Д゚)「なにそれこわい」
( ・∀・)「えっ」
(゚Д゚)「えっ」
293:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/13 18:09:59
mIuVLzpvO
(゚Д゚)「エアコンガってなんですか?」
( ・∀・)「えっ」
( ・∀・)「なんですかって…冷気を出したり暖気を出したりするあれですよ」
(゚Д゚)「なにそれこわい」
( ・∀・)「えっ」
(゚Д゚)「ち、ちなみにどんな大きさでどんな形なんですか?」
( ・∀・)「四角い形で両手広げたくらいですが」
(゚Д゚)「四角い?名前からしててっきり猿のような外見かと」
( ・∀・)「なにそれこわい」
294:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/13 18:26:10
mIuVLzpvO
( ・∀・)「わけわかんない人だなあ。とにかく、エアコンが欲しいんですけど」
(゚Д゚)「エアコンガねえ…あなたそのエアコンガで何をする気なんですか?」
( ・∀・)「はい?」
(゚Д゚)「何かよからぬことを企んでいるんじゃ…」
( ・∀・)「エアコンで何を企めと」
(゚Д゚)「冷気に暖気を吐ける怪物でしょう!使い方次第で何でも出来ます!」
(;・∀・)「何言ってんだこいつ」
(#゚Д゚)「悪の芽は早いうちに摘まねばならぬ!出でよエアコンガ!」
(;・∀・)「まてまてまて!展開が意味不明すぎる!つかエアコンガて何!?猿の化け物!?」
(#゚Д゚)「しねー!」
(;・∀・)「ちょ、ま、うわあああ!」
※
※
※
※
(;・∀・)「はっ!」
川 ゚ -゚)「おはようモララー。この暑い中よく寝れるわね」
(;・∀・)「?…夢か?」
川 ゚ -゚)「何が?」
( ・∀・)「ああ、いや、なんでもないよ」
川 ゚ -゚)「そう。ところでモララー」
( ・∀・)「?」
川 ゚ -゚)「エアコンが壊れたままなんだけど、買ってきてくれない?」
(;・∀・)「えっ」
第九話 おわり
311:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/20 20:02:16
Yns7IzOIO
諸葛亮曰わく:おハロー
( ・∀・)「〜♪」
川 ゚ -゚)「キャンバスなんか出してどうしたのよ」
( ・∀・)「見て分からないかい?絵を描いてるのさ!」
気紛れな相談屋のようです
第十話 絵描き
312:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/20 20:03:41
Yns7IzOIO
川 ゚ -゚)「なんでまた」
( ・∀・)「以前言わなかったかい?物語の主人公には、おしゃれスキルが必須なのさ!」
川 ゚ -゚)「聞いたわよ。あなたチェロ始めたじゃない」
( ・∀・)「チェロは卒業しました」
川 ゚ -゚)「はい?」
(
・∀・)「ちまちました指使いとか僕に合わぬ!それよりも、あふれ出るインスピレーションをキャンバスに叩きつける!これこそが僕にふさわしきおしゃれスキル!」
川
゚ -゚)「三日坊主とはよく言ったものだわ」
( ・∀・)「よし、手始めにクーを描こう!」
川 ゚ -゚)「わ、私?」←ちょっと嬉しそう
( ・∀・)「いよし!描くぞー!」
川 ゚ー゚)「せっかく描いてくれるなら期待するわよ?」
( ・∀・)「まかせろ!タイタニックに乗ったつもりで!」
川 ゚ -゚)「沈没するのね」
313:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/20 20:05:03
Yns7IzOIO
( ・∀・)「うおりゃあああ!唸れ!インスピレーション!」
川 ゚ -゚)「やれやれ」
ピーンポーン
川 ゚ -゚)「モララー、お客様よ」
( ・∀・)「てい!てい!てい!」
川 ゚ -゚)「…私が出ればいいのね」
( ・∀・)「ぶるるるぁ!」
がちゃ
川 ゚ -゚)「はいはい、どちら様?」
*(‘‘)*「こんにちはです」
川 ゚ -゚)「いらっしゃい。どうぞ中へ」
※
※
川 ゚ -゚)「モララー、お客様よ」
( ・∀・)「ぬん!そい!たあ!」
川 ゚ -゚)「モララー」
( ・∀・)「ちょいやー!」
川 ゚ -゚)「おいタマ無し」
( ・∀・)「なっ、僕はタマ無しじゃない!モララーだ!」
川 ゚ -゚)「お客様」
( ・∀・)「ハロー!僕はモララー!相談屋さ!」
*(‘‘)*「はじめましてです。ヘリカルです」
( ・∀・)「デリヘルみたいな名前だ!」
川 ゚ -゚)「こら」
*(;‘‘)*「なんて失礼な人ですか」
川 ゚ -゚)「ごめんなさい、彼ちょっと頭が」
( ・∀・)「何を言う、僕は正常だ」
川 ゚ -゚)「それをいかれてるって言うのよ」
( ・∀・)「むう…」
314:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/20 20:06:19
Yns7IzOIO
*(‘‘)*「話していいですか?」
川 ゚ -゚)「あら、ごめんなさい。どうぞ?」
*(‘‘)*「えと、私美大に通ってるんですけど、そこの先生が変なんです」
川 ゚ -゚)「まあ美大だし」
*(;‘‘)*「それは偏見ですよ」
川 ゚ -゚)「あら、ごめんなさい」
*(‘‘)*「それで、その先生なんですけど、描く絵が変なんです」
( ・∀・)「下手くそなのか!」
*(‘‘)*「そうじゃなくて、なんか…上手く言葉に出来ないけど、すごくリアルなんです。」
( ・∀・)「…で?」
*(;‘‘)*「それだけなんですけど…とにかくおかしいんです!あれは普通の人間が描ける絵じゃないんです!」
川 ゚ -゚)「まあ本人が上手く言葉に出来ないなんて言ってるんだからしかたないわね。モララー、実際に見てらっしゃい」
( ・∀・)「クーは?」
川 ゚ -゚)「興味nothing」
( ・∀・)「うわあ…」
*(‘‘)*「あの…」
( ・∀・)「あー、はいはい。じゃあ行ってみますか」
※
※
※
※
315:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/20 20:07:40
Yns7IzOIO
*(‘‘)*「美大です」
( ・∀・)「ほう!芸術に目覚めた僕は興味津々!
*(;‘‘)*「…少し案内しましょうか?」
( ・∀・)「是非とも!」
※
※
*(‘‘)*「ここでは立体作品を作ってます。彫像とかオブジェですね」
( ・∀・)「おお…眼鏡おじさんが裸体の女の人を作っている」
おじさん「なんか卑猥な言い方だな…」
*(;‘‘)*「あの人は有名な先生です!」
( ・∀・)「あんなに丹念におっぱいの形にこだわるものなのか!」
*(;‘‘)*「失礼します!」
※
※
*(;‘‘)*「なんであんなこといったですか…」
( ・∀・)「だって事実じゃないか!」
*(;‘‘)*「そうかもしれないですが…あなたをつれ回すのは危ない気がするので案内終わりです」
( ・∀・)「えー」
*(‘‘)*「さ、先生の絵を見に行くです」
( ・∀・)「えー」
※
※
320:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/21 21:24:31
KQ2dhte0O
諸葛亮曰わく:おハロー
*(‘‘)*「ここです…」
( ・∀・)「突撃!」
*(;‘‘)*「ちょ!」
爪゚ -゚)「誰だ」
( ・∀・)「はじめまして!僕はモララー!はうあばうちゅー!」
爪゚ -゚)「私はジェイル。この大学に勤めている」
( ・∀・)「絵見せてください!」
*(;‘‘)*「あわわ、すいませんですジェイル先生!」
爪゚ -゚)「なに、かまわんさ。絵は人に見てもらわなければ意味はない。心行くまで見ていきたまえ」
( ・∀・)「いざ!さあ絵はどこだ!」
*(;‘‘)*「この馬鹿…」
( ・∀・)「これが…」
*(‘‘)*「はい…」
( ・∀・)「こいつは…」
爪゚ -゚)「どうかね」
( ・∀・)「すんばらしいですね!」
爪゚ -゚)「本当にそう思うかい?」
(
・∀・)「はい!すばらしすぎて何がいいのか分からないくらい!」
*(;‘‘)*「ばっ…」
爪゚ -゚)「見せておいてなんだがここにある絵は出来損ないだ。完成には程遠い」
( ・∀・)「ほほう」
爪゚ -゚)「まだ足りないんだ…あともう少しなんだが」
*(;‘‘)*「…?」
( ・∀・)「ありがとうございました!失礼します!行きますよデリヘル!」
*(#‘‘)*「ヘリカル!」
321:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/21 21:29:33
KQ2dhte0O
※
※
*(;‘‘)*「礼儀っつーもんを知らないですかあなたは」
( ・∀・)「えっ!僕ほど紳士な奴は居ないって言われてるのに!」
*(‘‘)*「僕ほど、『紳士な奴は居ない』って言われてるんですね」
( ・∀・)「むう…」
*(‘‘)*「で、分かってくれたですか?絵が変だって」
( ・∀・)「まあね。あれはエグい」
*(;‘‘)*「やっぱり何かあったですか」
( ・∀・)「ああ」
322:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/21 21:50:40
KQ2dhte0O
*(‘‘)*「あれはなんなんですか?」
( ・∀・)「君の言う変な感じっていうのは、絵からやけに生気を感じるってことだろ?しかもまがまがしい」
*(‘‘)*「そ、そうです!」
( ・∀・)「多分、あの絵には生物の血が使われてる。それも、絶命した瞬間の」
*(;‘‘)*「え…」
( ・∀・)「そうすることで生きてる絵を作りたかったんだと思うよ。最近この辺でホームレスが連続で殺されてるだろ?あれ多分先生の仕業」
*(;‘‘)*「そんな…」
( ・∀・)「あの先生家族居る?」
*(;‘‘)*「わかんないです…」
( ・∀・)「うーん…仕方ない」
ぴっぴっ
川 ゚ -゚)『もしもし』
( ・∀・)「あ、クー?悪いんだけどさ、ジェイルって女の情報が欲しいんだ」
川 ゚ -゚)『めんどくさーい』
( ・∀・)「もう夢食わせてあげない」
川 ゚ -゚)『5分待ってなさい』
5分後
川 ゚ -゚)『ジェイル、年齢は32歳。配偶者は無いものの、同棲している男は居る模様。家族構成は父母長女。だけど両親は5年前に事故で他界…ry
( ・∀・)「あー、もういいよ。わかった」
川 ゚ -゚)『本当に?まだまだあるわよ?』
(;・∀・)「いいって」
川*゚ -゚)『これで夢は安泰』
( ・∀・)「はいはい」
がちゃ
*(‘‘)*「なにしてたんですか?」
( ・∀・)「おそらく次にやられるのはその同棲相手だな」
*(‘‘)*「?」
( ・∀・)「赤の他人じゃ絵は完成しない。じゃあ自分に近しい人なら、って考えたと思ってね」
*(‘‘)*「な、なるほど」
( ・∀・)「よし、先回りして待ち伏せだ!」
※
※
※
※
323:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/21 22:16:10
KQ2dhte0O
( )「…」
「動くな」
( )「!」
( ・∀・)「ふはは!まんまときやがったな馬鹿め!」
*(‘‘)*「先生…本当に…?」
爪゚ -゚)「おやおや、どうやらばれたみたいだ」
*(;‘‘)*「なんでこんなことを!」
爪゚ -゚)「何かおかしいことかね?私はただ絵を完成させたいだけだ。誰も描いたことのない最高の絵を!死ぬ瞬間の最高に生を求める輝きを封じ込めてな!」
*(;‘‘)*「どうかしてるです…」
( ・∀・)「あんたにゃ絵は描けないよ」
爪゚ -゚)「何…?」
( ・∀・)「あんた、自分が描いた絵から何も感じないのかい?」
爪゚ -゚)「言ったはずだ、出来損ないだと」
( ・∀・)「死ぬ瞬間の最高に生を求める輝きとか言ったが、そんなものを残して大丈夫だと思ってるの?」
爪゚ -゚)「何が言いたい?」
( ・∀・)「人は嫉妬深い」
爪゚ -゚)「は?」
( ・∀・)「あんたの描いた絵はしきりに求めてるよ?自分達をこんなにしたあんたも、同じようにしてやりたいって」
爪゚ -゚)「はっ、馬鹿馬鹿しい」
( ・∀・)「ほら、よく見てみな」
*(;‘‘)*「絵…持ってきてたんですか」
爪゚ -゚)「そんな出来損ない…ん?」
( ・∀・)「ほーら聞こえるだろ?あんたを呼ぶ声が」
爪゚ -゚)「ば、馬鹿な…」
*(;‘‘)*「え、絵から手が!?」
爪;゚ -゚)「な、なんだこれは!放せ!放せええ!」
( ・∀・)「まあ等価交換だから、仕方ないよね」
爪;゚ -゚)「ぎゃああああ!」
*(;‘‘)*「ひいい!」
( ・∀・)「いい絵じゃん。死ぬ瞬間の最高に生を求める輝きを封じ込めてるよ」
モララーの足下には、鬼の形相で叫んでいるジェイルの姿が描かれていた
※
※
※
※
324:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/21 22:17:11
KQ2dhte0O
( ・∀・)「ふんふんふーん」
川 ゚ -゚)「まだ動いちゃだめなの?」
( ・∀・)「もうちょい!」
川 ゚ -゚)「もう三時間も拘束されてるんだけど」
( ・∀・)「出来た!」
川 ゚ -゚)「む、期待期待」
( ・∀・)「どうだっ!」
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「…」
川 ゚ -゚)「三時間費やしてこれ?」
( ・∀・)「おかしいなあ…」
川 ゚ -゚)「がっかりだわ」
( ・∀・)「むう…」
「ちわー、宅配便ですー」
川 ゚ -゚)「何かしら?」
ビリビリ
( ・∀・)「あー、デリヘルちゃんか」
『相談屋さん、先日はありがとうでした。対価に絵描いてくれとのことでしたので送ったです。じゃあの。ヘリカル』
川 ゚ -゚)「あら素敵」
( ・∀・)「おお!すごい!」
キャンバスには、にこやかに笑う二人が描かれていた。
気紛れな相談屋のようです
第十話 おわり
342:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/24 00:16:40
F5oA0mzIO
予告ー。次回は死神が依頼主ですー
lw´- _-ノv「…」
lw´- _-ノv「あ…ども。死神やってます。あとお米が好きです。だからお煎餅も好きです」
lw´- _-ノv「卍解は出来ません」
( ・∀・)「なんかいる!」
川 ゚ -゚)「またおかしな人が増えたのね」
lw´- _-ノv「お茶うまい」
346:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/27 02:13:05
ZamJXsJzO
( ・∀・)「ふふふ…クー!君がババを持ってるのは分かっているんだからな!」
川 ゚ -゚)「二人でババ抜きやってるんだから、そりゃまる分かりでしょうね。さ、引いて」
( ・∀・)「嫌だ!だってそれババじゃん!それ引いたら僕負けじゃん!」
川 ゚ -゚)「既にあなたの負けよ」
( ・∀・)「くそう…何故勝てないんだ」
川 ゚ -゚)「二人でババ抜きなんて、虚しいにもほどがあるわ」
( ・∀・)「うーん…ババ抜きの必勝法とかグーグル先生知ってないかな」
川 ゚ -゚)「やれやれ」
気紛れな相談屋のようです
第十一話
347:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/27 22:07:27
ZamJXsJzO
ピンポーヌ
( ・∀・)「あいよー」
ガチャ
( ・∀・)「やあ!僕はモララー!相談屋さ!あなたは?」
lw´- _-ノv「どうも、シューです。お米が大好きな死神です」
( ・∀・)「お米旨いよね!」
( ・∀・)「へ?」
※
※
※
※
川 ゚ -゚)「あらあら、死神がウチに来るなんて」
lw´- _-ノv「そういうあなたは夢魔さん。お煎餅食べる?」
川 ゚ -゚)「いただきます」
川 ゚ -゚)「バリバリ」
lw´- _-ノv「バリバリ」
川 ゚ -゚)「お茶が欲しいわね」
lw´- _-ノv「欲しいねえ」
川 ゚ -゚)「誰か淹れてくれないかしら」
lw´- _-ノv「まったく、気が効かないなあ」
( ・∀・)「僕に淹れろってか?つかなんだしこの状況。煎餅食べるなら自宅で出来るでしょ」
348:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/27 22:09:03
ZamJXsJzO
lw´- _-ノv「なんだ、君もお煎餅食べたかったのか。言えばいいのに、はい、どうぞ」
( ・∀・)「バリバリ」
( ・∀・)「…」
( ・∀・)「や、違うから」
lw´- _-ノv「?」
( ・∀・)「死神が相談屋になんの用なのさ」
川 ゚ -゚)「バリバリ」
lw´- _-ノv「ああ、そうだった。ちょっと調べ欲しいことがあってね」
( ・∀・)「なにさ?」
lw´- _-ノv「なーんかおかしい人間が居てねえ」
( ・∀・)「君におかしい呼ばわりされるとか中々の強者だな」
川 ゚ -゚)「アゴが疲れた…」
lw´- _-ノv「定期的に寿命が変動してる輩が居るのよん」
( ・∀・)「寿命が変動?」
lw´- _-ノv「そそ。尽きそうになった寿命が何故か微妙に回復するのよ」
( ・∀・)「へー!すごいな!」
川 ゚ -゚)「あ、濡れ煎餅って旨い」
lw´- _-ノv「最初は目をつぶってたけど、そろそろ死んでほしくてねえ」
( ・∀・)「死神なんだから自分で殺せばいいじゃない」
lw´- _-ノv「何か勘違いしてるな?死神は基本的には死者の管理をするだけで、魂を刈り取ったりはしないよ。事務的な仕事がほとんど」
( ・∀・)「へー!知らなかった!」
lw´- _-ノv「まあ殺しに行くこともあるけどさ」
( ・∀・)「あるんかい」
lw´- _-ノv「面倒なんだもん」
( ・∀・)「だめだこいつ」
川 ゚ -゚)「大きい煎餅だ…顔より大きい」バリバリ
lw´- _-ノv「とりあえず調べてよ」
( ・∀・)「はあ…」
川 ゚ -゚)「なくならない…」バリバリ
※
※
※
※
350:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/29 03:21:11
RuYbkqC4O
諸葛亮曰わく:ちょいと続き遅れます
( ・∀・)「んで、誰なのさ」
lw´- _-ノv「んー、お医者さんのおじさんなんだけどね」
( ・∀・)「医者ねえ…」
lw´- _-ノv「とりあえず、どうやって寿命を伸ばしてるのか知りたいのよ」
( ・∀・)「知ってどうするの?」
lw´- _-ノv「殺してよ」
( ・∀・)「さらっと言うね」
lw´- _-ノv「んー、君みたいに寿命自体を延ばしてるならまあいいんだけどね、対価としてもらってるわけだし」
( ・∀・)「そのおじさんは違うの?」
lw´- _-ノv「んー、簡単に言うと、君はゲームとかでいうHPゲージ自体を増やしてる。おじさんはゲージ自体は増えてないくせにHP残量だけが増えてる」
( ・∀・)「なるほど!」
lw´- _-ノv「普通あり得ないでしょ。だから殺してよ」
( ・∀・)「まあいいけど。対価はいただくよ?」
lw´- _-ノv「身体?」
( ・∀・)「いやいや」
lw´- _-ノv「まあそれなりにスタイルに自信はあるけど…」
( ・∀・)「何言ってるのこの子」
川 ゚ -゚)「ふがもが」
( ・∀・)「こら、お煎餅飲み込んでから喋りなさい!」
川 ゚ -゚)「ゴクン」
川 ゚ -゚)「モララーの相手は大変よ。なかなかにしぶといから」
lw´- _-ノv「おや、意外。てっきり早打ちマックかと」
( ・∀・)「わー!わー!行って来ます!」
※
※
※
※
355:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/03 19:27:05
dEK1CA4pO
諸葛亮曰わく:おハロー
( ・∀・)「名前はフォックス。数年程前に○○病院に赴任。若手ながらかなりの技術を持ち、ベテラン顔負けの貫禄がある…か」
( ・∀・)「そりゃあ転生してりゃあそうなるよね」
病院
爪'ー`)y-
( ・∀・)「あいつか」
「先生、この患者の…についてなんですが」
爪'ー`)y-「ああ、これは…」
( ・∀・)「ふーむ」
※
※
※
※
( ・∀・)「やあどうも!」
爪'ー`)y-「?」
( ・∀・)「はじめまして!僕はモララーと言います」
爪'ー`)y-「あ、ああ。そうかい」
( ・∀・)「フォックス先生で間違いありませんね?」
爪'ー`)y-「いかにも。私がフォックスだ」
( ・∀・)「少しお話を…」
「先生!急患です!」
爪'ー`)y-「すまないね。見ての通り行かねば」
( ・∀・)「あ、はい」
「早く!」
爪'ー`)y-「うむ」
( ・∀・)「…」
357:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/05 01:54:01
tSoyMSx/O
諸葛亮曰わく:おハロー
※
※
※
※
爪'ー`)y-「ふう、今日も疲れた」
( ・∀・)「お疲れのところ申し訳ないが、モララーです」
爪'ー`)y-「ああ…君か」
( ・∀・)「ども」
爪'ー`)y-「一体なんのようだい?いつ急患が来るか分からないから、休める時に休んでおきたいのだが」
( ・∀・)「少々お尋ねしたいことがありましてねえ」
爪'ー`)y-「なんだい?」
( ・∀・)「あなたの延命方法はなんです?」
爪'ー`)y-「!」
( ・∀・)「本来ならあなたは数十年前に寿命が尽きている。なのに何故あなたは今ここにいる?」
爪'ー`)y-「…なんなんだ君は」
( ・∀・)「モララー。相談屋です。とある死神から依頼を受けたんでね」
爪'ー`)y-「…」
( ・∀・)「なんか言ってくださいよ」
爪'ー`)y-「…」
( ・∀・)「言ってくれないなら当てましょうか?あなたは寿命が尽きそうになると新しい身体に転生をしている」
爪'ー`)y-「何故わかったんだい?」
( ・∀・)「あ、当たってたんですか。適当に言っただけなんですけどね」
爪'ー`)y-「嫌な奴だな、君は」
( ・∀・)「あなたの場合、寿命の延ばし方が不完全だ。厳密にいえば、寿命自体は延びているわけではない。とっくに尽きている。なのにあなたは生き長らえている。これは問題なわけですよ」
358:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/05 02:05:33
tSoyMSx/O
爪'ー`)y-「…私は医者だ。人を救う義務があるし、その力もある。私が死ねば、助けられない人が生まれる。だから私は死ぬわけにはいかんのだ」
( ・∀・)「はっはー!自信過剰だな!」
爪'ー`)y-「かもしれないな」
( ・∀・)「それに、その理屈だと矛盾してますよ」
爪'ー`)y-「?」
( ・∀・)「あなた人を助けたいから延命してるんでしょ?なのに延命するために人を殺してるじゃないですか」
爪;'ー`)y-「!」
( ・∀・)「転生するには生きた人体が必要だ。死体じゃ自分が転生した直後に死んでしまう。最も、生きた人体に転生したところで、拒否反応やらなんやらで大して長生きは出来ませんが」
爪;'ー`)y-「…」
( ・∀・)「つまるところ、あんたの場合は助けた人<殺した人なわけだ」
爪;'ー`)y-「…」
( ・∀・)「まあ正確な人数を調べるのは億劫なので止めますが、これは等価交換にしたがってないですなあ」
爪;'ー`)y-「と、等価交換というなら成り立っているんじゃないか?私は確かに延命のために人を殺したが、その分救命もしている」
(
・∀・)「知りませんよ。言ったでしょ?人数調べるのは億劫だからしないって。だいたいさっきも言ったように、転生したところで長生きは出来ない。だから短期間に転生を繰り返さなきゃいけない。つまり、短期間にそれだけの人が死んでるんですよ。それを上回る数の人をあなたが救命してるとは思えない」
爪;'ー`)y-「…」
359:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/05 02:10:44
tSoyMSx/O
( ・∀・)「仮に」
爪;'ー`)y-「?」
( ・∀・)「等価交換が成り立っていたとしても、あなたは死ぬべきだ」
爪;'ー`)y-「!」
( ・∀・)「だって成り立っているならプラスマイナスゼロ。つまり延命する要素もゼロ。むしろ今までインチキで延命したぶんマイナスですよ」
爪;'ー`)y-「…」
( ・∀・)「他者を助けるために延命したいという考え自体は立派です。しかし方法がまずかった」
爪'ー`)y-「そうか…」
( ・∀・)「というわけで、僕と一緒に来てもらえますかね」
爪'ー`)y-「わかった。ただ一つお願いがある。明日朝イチでオペがあるんだ。せめてそれをこなしてからにしたい」
( ・∀・)「ふむ、まあいいでしょう」
※
※
※
※
360:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/05 02:22:10
tSoyMSx/O
翌日
「フォックス先生なら来てませんが…」
( ・∀・)「やっぱりね」
※
※
※
※
爪;'ー`)y-「ハアハア、逃げるんだ!どこか遠くへ!」
「へい!そこの急いでるあんた!タクシー乗らないかい?」
爪;'ー`)y-「あ、ああ。どこでもかまわんから、どこか遠くへ!」
「どうしたんです?そんなに急いで」
爪;'ー`)y-「い、いや…」
「誰かに追われてるとか?」
爪;'ー`)y-「ま、まあ…」
「そのチェイサーはもしかして…」
( ・∀・)「こんな顔かな?」
爪;'ー`)y-「ぎゃあああ!」
( ・∀・)「やー、見損ないましたよ。結局あなたは自らの生に執着した小物だったと」
爪;'ー`)y-「ち、違うんだ!あれは…」
( ・∀・)「僕は嘘つかれるのが大嫌いなんですよ」
爪;'ー`)y-「す、すまない!なんでもするから許してくれ!」
( ・∀・)「どっかで聞いたようなセリフだな。ま、どうでもいいや。あなた言いましたね?なんでもするからと」
爪;'ー`)y-「ああ!金ならいくらでも!」
( ・∀・)「いりませんよ。代わりにあなたには、夢を見てもらいましょう」
爪;'ー`)y-「ゆ、ゆめ?」
川 ゚ -゚)「そう、決して覚めることのない、たとえあの世に行こうとも抜け出せない、『胎児の夢』を」
爪;'ー`)y-「な、なんだお前!?いつからそこにいた!?」
川 ゚ -゚)「さあ、あなたが醜く愛したウツシヨに別れを告げなさい
爪;'ー`)y-「うわー!いやだー!死にたくないいい!」
( ・∀・)「あんたの糧になった人達も、そう思っただろうよ」
爪;'Д`)y-「ぎゃあああああ!」
※
※
※
※
361:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/05 02:30:55
tSoyMSx/O
lw´- _-ノv「そ、ありがとー」
( ・∀・)「かるっ」
川 ゚ -゚)「お煎餅うまうま」
lw´- _-ノv「まあご苦労様だよ」
( ・∀・)「対価はいただくぞー」
lw´- _-ノv「身体かあ…まあいいけど、痛くしないでね?」
( ・∀・)「や、だから違うから」
川 ゚ -゚)「あら、なにやら濡れ場の予感」
( ・∀・)「ないから」
lw´- _-ノv「まあ冗談として、君には私のとっておきをあげよう」
( ・∀・)「wktk」
lw´- _-ノv「ほい」
( ・∀・)「ん?箱?」
lw´- _-ノv「中身は見てのお楽しみ。じゃ、私仕事あるから。またねー」
( ・∀・)「また来るんかい」
lw´- _-ノv「クーとお茶したいし」
川*゚ -゚)「お煎餅持ってきてね」
lw´- _-ノv「うぃー」
( ・∀・)「仲良くなってる!」
lw´- _-ノv「じゃ、ばーばりー」オンミョーン
( ・∀・)「消えた!」
川 ゚ -゚)「これなにかしら?」
( ・∀・)「開けてみるか…って米!?とっておきって米!?」
川 ゚ -゚)「メモがあるわ。『価値観は人それぞれなのよん』」
( ・∀・)「…や、米は嬉しいけど…なんか騙された感が…」
川 ゚ -゚)「まあいいんじゃない?お腹すいたし、ご飯にしましょう」
( ・∀・)「ほーい」
気紛れな相談屋のようです第十一話 おわり
367:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/07 00:09:32
k3JwUtJuO
諸葛亮曰わく:おハロー
( ・∀・)「いやー暇だなあ」
「ねー、ねー、知ってる?」
「またでしょ?例の昏睡症候群ってやつ?」
「そーそー、もう十人目だよ」
( ・∀・)「昏睡症候群?」
気紛れな相談屋のようです
第十二話 「出会い」
368:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/07 00:10:40
k3JwUtJuO
( ・∀・)「ねー、それって何?詳しく教えてくれない?」
「え…誰ですか?」
( ・∀・)「僕はモララー!相談屋さ!」
「…は?」
( ・∀・)「その昏睡症候群ってやつについて聞かせてくれない?」
「いいですけど…」
※
※
※
※
369:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/07 00:11:34
k3JwUtJuO
( ・∀・)「マックです!」
「誰に言ってるんですか?」
( ・∀・)「お気になさらず。さ、中に」
( ・∀・)「さ、聞かせてくれない?」
「はあ…いいですけど、詳しくは知りませんよ?」
( ・∀・)「知ってる範囲で構わんよ」
「えと、一週間くらい前からなんですけど、学校の生徒達が連続で意識不明になっているんです」
( ・∀・)「ほう!」
「原因は一切分からなくて、昏睡状態になった子達にも共通点はなくて…」
「せいぜい、みんなウチの学校の生徒達だってくらいだよね」
( ・∀・)「なるほど!ありがとう!あ、ここは僕が払っておくから!」
そう言うとモララーはテーブルに代金を置き走り去っていった。
「なんなんだろ…あの人」
「さあ…」
※
※
※
※
370:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/07 00:12:44
k3JwUtJuO
( ・∀・)「さて…こいつは面白いことに出会っちゃったかも」
嬉しそうに笑い、モララーは歩き始めた。
そう、これは、相談屋が結成される少し前のお話−
「まったく…一体どうなっているんだ」
「まるで原因がわからないなんて…もはや何かに呪われているとしか…」
「一体どうすれば…」
学校の教師陣が頭を抱える一方、距離にしてわずか数百メートル離れた所にある洋館。ソファーに座り、紅茶を飲む一人の女が居た。
「さて…」
川 ゚ー゚)「次はどれにしようかな」
※
※
※
※
371:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/07 00:13:49
k3JwUtJuO
( ・∀・)「一週間くらい前からはじまった連続生徒昏睡事件」
( ・∀・)「調査によれば、昏睡状態にある生徒達は何かしらの疾患を抱えているわけでも、突発性の病気なわけでもない。また、共通点もこれと言ってない」
( ・∀・)「強いてあげるなら、同じ学校の生徒だということか…」
( ・∀・)「うーん…」
「ままー、あのお兄ちゃん何してるのー?」
「しっ、見ちゃだめ!」
モララーは、住宅街のコンクリート塀の上にあぐらをしながら思案にふけていた。
( ・∀・)「一週間前ねえ…」
( ・∀・)「とりあえず、何か変わったことがあったかどうか聞き込みするかね」
※
※
「一週間前に何か変わったことがあったか?」
( ・∀・)「はい、何かありませんか?」
「んー…特にないわねえ」
( ・∀・)「そうですか」
「ごめんなさいね」
※
※
「お通じがあったわ」
( ・∀・)「知らんがな」
※
※
「給料日だったから旨いもの食べたよ」
( ・∀・)「うらやましい…」
※
※
「彼女ができました!」
( ・∀・)「ぶち殺すぞ」
※
※
「一週間前?」
( ・∀・)「はい、何かありませんか?」
「そうねえ…あ、そういえば」
( ・∀・)「何かありますか?」
「たいしたことではないんだけど、ほら、あそこに大きな洋館が見えるでしょ?長いこと空き家だったんだけど、一週間くらい前から誰か出入りしてるみたいなの」
( ・∀・)「マジすか!」
「ええ、確か女の人だったと…」
( ・∀・)「ありがとう!お礼にこの飴ちゃんをあげます!」
「あ、ありがとう…」
※
※
※
※
372:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/07 00:15:20
k3JwUtJuO
( ・∀・)「ここか…」
洋館の前にモララーは居た。近隣の民家の軽く二倍はあろうかという大きさで、外壁には蔦が絡んでいた。庭付きで、池が備わっていた。
(
・∀・)「うーむ…」
「あら、何か御用?」
背後からの声に振り向くと、そこには、真っ直ぐな長髪を風に揺らめかせ佇む美しい女性が居た。
川 ゚ -゚)「何か御用ですか?」
( ・∀・)「あー!いえいえ!でっかい家だなーって感心してたんですよ!」
川 ゚ -゚)「ああ、そうだったんですか」
( ・∀・)「あのー、もしやあなた一週間くらい前に越して来た…?」
川 ゚
-゚)「ええ、一週間前にこちらに来ました、クールヴァン・ドリーターと言います」
( ・∀・)「僕はモララー!相談屋さ!」
川 ゚ -゚)「相談屋?」
( ・∀・)「文字通り、誰かの相談事を解決する仕事です!」
川 ゚ -゚)「それは素晴らしいですわね。あ、立ち話もなんだから、お茶でもいかが?」
( ・∀・)「いただきます!」
※
※
※
※
373:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/07 00:16:50
k3JwUtJuO
川 ゚ -゚)「お口に合うかどうか…」
( ・∀・)「いえ!いただきます!旨い!熱い!」
川 ゚ー゚)「ふふっ、それは良かった」
( ・∀・)「何故ここに引っ越して来たんですか?」
川 ゚ -゚)「たまたまですよ。流れにまかせて生きているもので」
( ・∀・)「なるほど!」
川 ゚ -゚)「ところで相談屋さん」
( ・∀・)「モララーです!」
川 ゚ -゚)「モララーさん。相談屋って言いましたけど、今何か仕事を受けていらっしゃるんですか?」
( ・∀・)「いえいえ、中々仕事ないんで」
川 ゚ -゚)「あらあら」
( ・∀・)「今は暇潰し中です」
川 ゚ -゚)「暇潰し?」
( ・∀・)「ええ、連続生徒昏睡事件について調べてます」
瞬間、クーの動きが止まった。
川 ゚ -゚)「連続生徒昏睡事件?」
( ・∀・)「おや、ご存じない?最近起きてるんですよ。ここからすぐ近くにある学校で生徒達が次々に昏睡状態になっているんです」
川 ゚ -゚)「まあ怖い」
( ・∀・)「たしか一週間くらい前からなんですよ」
川 ゚ -゚)「ほう」
( ・∀・)「あれ?一週間くらい前ってどこかで聞いたな…なんだっけな」
川 ゚ー゚)「…ちょうど私が引っ越して来た頃ですね」
( ・∀・)「あー!そうだそうだ!いやー!偶然ですねえ!ははは!」
川 ゚ー゚)「本当に」
( ・∀・)「…」
川 ゚ー゚)「…」
( ・∀・)「さて、じゃあ僕はこれで」
川 ゚ -゚)「もうお帰りに?」
( ・∀・)「一人暮らしの女性の家に長居すはりのやよろしくない!」
川 ゚ー゚)「紳士ね」
( ・∀・)「チキンなんで!じゃ!」
川 ゚ -゚)「相談屋…モララー…か」
川 ゚ー゚)「くすっ」
※
※
※
※
374:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/07 00:18:27
k3JwUtJuO
夜
暗がりの中を一人の女子生徒が歩いていた。恐らく部活で遅くなったのだろう。
「あー疲れた」
どうやら、例の洋館の前が通学路のようだ。
「…」
洋館の屋根に佇む人影があった。
「あれでいいか…」
そう呟くとその人影は飛び降りようとする仕草を見せた。その時
「動くな」
「!」
背後からもう一つの声が響いた。
( ・∀・)「どうも、モララーです」
川 ゚ -゚)「あら、こんばんは」
( ・∀・)「こんなところで何をしてるんです?」
川 ゚ー゚)「同じ質問を返しましょう」
( ・∀・)「いや、僕はただ」
一陣の風が二人の間を駆け抜けた。
( ・∀・)「連続生徒昏睡事件の犯人を探しに」
川 ゚ー゚)「私だと?」
( ・∀・)「違います?」
川 ゚ー゚)「何故分かったの?」
( ・∀・)「いや、ほとんど勘ですよ。時期的に合ってるっていうのと、あなたが人間じゃないってことと」
川 ゚ -゚)「私が人間じゃないといつ分かった?」
( ・∀・)「会った瞬間」
川 ゚ー゚)「なるほどね…。ま、隠す気もないからいいか。いかにも、私が犯人よ」
( ・∀・)「なんでまた」
川 ゚ー゚)「若い子の夢は旨いのよ」
( ・∀・)「なーるほど…夢魔か」
川 ゚ー゚)「ご明察、で?あなたは私をどうする気?」
( ・∀・)「暇潰しついでに、とっちめますか」
川 ゚ー゚)「あはは!夢魔の王たる私に、人間の分際で戦いを挑むのね!いいわ、面白い。遊んであげましょう…!」
375:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/07 00:20:13
k3JwUtJuO
先に動いたのはモララーだった。指を鳴らし、クーの周りに火球を生み出した。
川 ゚ -゚)(大気中から炎を生み出したのか)
( ・∀・)「くらえっ!」
火球は爆発し、クーは噴煙に消えた。が、次の瞬間、噴煙から飛び出したクーは、勢いそのままにモララー弾き飛ばした。
( ・∀・)「うおっ!」
川 ゚ー゚)「そんなんじゃ私はやれないわよ?」
月を背景に浮遊しながら、クーは右手を挙げた。すると、色鮮やかな光球がいくつも現れ、クーの指先の動きに合わせてモララーに襲い掛かった。
(;・∀・)「うわわっ!」
川 ゚ー゚)「ふふっ、いつまでもつかしら!」
( ・∀・)「にゃろう!」
モララーは地面を叩いた。すると、叩いた地面から槍が生み出され、クー目がけて発射された。
川 ゚ー゚)「ふふっ」
発射された槍は次々と光球で粉砕されていく。
川 ゚ー゚)「そろそろ諦めなさいな。人間が私に勝つなんて無理な話よ」
クーが掌をモララーに向ける。すると、一際大きな光球が発生した。
川 ゚ー゚)「さようなら、多少は楽しかったわ」
( ・∀・)「!」
モララーに向け巨大な光球が発射された。
川 ゚ -゚)「!」
しかし、光球はモララーに当たる直前、いきなり進行方向を真逆にした。つまり、クー目がけて飛んできたのだ。
( ・∀・)「進行方向の力を対価に反対方向に打ち返す!」
川 ゚ -゚)「くっ」
咄嗟に防ぐクー。しかし光球は大きな音を立て爆発した。
洋館の半分が抉れる程の威力だった。
376:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/07 00:22:10
k3JwUtJuO
( ・∀・)「げほげほ。ひでえ威力だ」
瓦礫の下からモララーが顔を出した。
川 ゚ -゚)「見事ね。見くびっていたわ」
クーはモララーの十数メートル離れた位置に立っていた。ダメージは受けていないようだが、服が少し破れていた。
川 ゚ -゚)「まさか人間にここまで出来る者がいるなんてね」
( ・∀・)「いやー、誉めても何も出ないよん」
川 ゚ -゚)「敬意を表し、夢魔の王たる力をお見せしましょう」
クーを中心に半円状の力場が広がり、館を覆い尽くした。
( ・∀・)「これは…」
川 ゚ -゚)「夢現転生。幻術によって生み出した私の夢界を現実に割り込ませる術よ」
( ・∀・)「?」
川 ゚ -゚)「ここは私の世界であり現実。あなたに勝ち目はないわ」
( ・∀・)「幻術で作った世界と現実世界を入れ換えたってこと?」
川 ゚ -゚)「その解釈でいいわ」
( ・∀・)「なんというチート…要するに今あんたは神なわけだ」
川 ゚ -゚)「そうよ。あなたを生かすも殺すも私の胸三寸」
( ・∀・)「うーむ、困った」
川 ゚ -゚)「私にもプライドがあるから、悪いけどあなたには死んでもらうわ」
( ・∀・)「ストップ!」
川 ゚ -゚)「何?この期におよんで命乞い?」
( ・∀・)「いんや、警告。僕を殺すと君も死ぬよ?」
377:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/07 00:24:29
k3JwUtJuO
川 ゚ -゚)「何を馬鹿な」
( ・∀・)「気付いてるかもしれんが、僕の能力は何かを対価に、それと同価値の事象を起こすわけ」
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「つまり、君が僕を殺すと、僕の命を対価に君の命を頂く、と」
川 ゚ -゚)「たかが人間一人の命と私の命が同価値だと?」
( ・∀・)「もちろん違うだろうね。だから僕が指定した条件は、『僕が殺されたら、僕の命を対価に君を殺す。不足分の対価は周辺の人間の命とする』」
川 ゚ -゚)「!」
( ・∀・)「他の人間がどうなろうが知ったこっちゃない。僕は暇潰しをしたいだけさ」
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「いくらここが君の創造した世界といえども、等価交換の原則からは逃げられない。この勝負、引き分けかな」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ー゚)「…いえ、私の負けよ。中々やるわね」
( ・∀・)「いやいや、君、本気の半分も出してないでしょ」
川 ゚ー゚)「さあ?どうだか」
( ・∀・)「まあいいや、とりあえず、君が負けたって言うなら僕の勝ちだ。言うこと聞いてもらおうか」
川 ゚ -゚)「身体?」
( ・∀・)「いやいや」
川 ゚ -゚)「まあスタイルに自信はあるけど…」
( ・∀・)「話を聞きなさい」
川 ゚ -゚)「?」
( ・∀・)「昏睡状態の生徒達を治してあげな。あと生徒達の夢を食らうのも禁止」
川 ゚ -゚)「えー」
( ・∀・)「えーじゃない!」
川 ゚ -゚)「私が負けからって理由で言うこと聞くのは納得よ。でもそれは一個だけ。もう一つは対価がいるわよ」
( ・∀・)「うーむ…確かに」
川 ゚ -゚)「じゃあこうしましょう」
( ・∀・)「?」
川 ゚ー゚)「生徒に手出ししない代わりに、これからはあなたの夢を食べさせなさい
(;・∀・)「えっ」
川 ゚ー゚)「あなたのせいで家も壊れちゃったし、丁度いいわ。あなたの家に住ませてもらうわよ」
(;・∀・)「マジすか」
川 ゚ー゚)「マジ」
( ・∀・)「うーむ」
川 ゚ー゚)「いいじゃない、私のような美人と生活を共に出来るのよ?」
( ・∀・)「そういう問題?」
川 ゚ー゚)「うん」
378:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/07 00:27:25
k3JwUtJuO
※
※
※
※
( ・∀・)「はっ!」
川 ゚ -゚)「どうしたの!モララー」
( ・∀・)「いや、なんだかえらく懐かしい夢を見たよ」
川 ゚ -゚)「あらあら、そんなことよりお腹が空いたわ」
( ・∀・)「はいはい、何食べたい?」
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「…あっちですか」
川 ゚ー゚)「さあ、ベッドに行くわよ」
( -∀-)「はいはい」
気紛れな相談屋のようです
第十二話 「出会い」 おわり
405:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/16 18:07:31
PpW6o8UjO
諸葛亮曰わく:おハロー
「…次のニュースです。○○町にて、男性の惨殺死体が発見されました。遺体の様子からは凶器の特定は難しく、ほぼ原型を留めないほどに引き裂かれており…」
( ・∀・)「挽肉でも作りたかったのかね」
川 ゚ -゚)「不謹慎よ、モララー」
気紛れな相談屋のようです
第十三話
「正統的カリスマ」
「…このような惨殺事件は今月に入りすでに三件目であり、警察は事件の関連性を…」
( ・∀・)「まあ関連性はあるだろうよ。こんな殺し方普通じゃないからね」
川 ゚ -゚)「大方、どこぞの低級な怪異があばれてるんでしょうね」
( ・∀・)「怖い怖い。怖いから、僕はティータイムにするよ」
川 ゚ -゚)「私ダージリンで」
( ・∀・)「あいよー」
407:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/18 10:40:12
XzM/1EbpO
ピンポーン
( ・∀・)「あいよー」
ガチャ
「おじゃまします…」
( ・∀・)「うおっ、普通の人だ!」
「は、はあ」
川 ゚ -゚)「やめなさい、モララー。今日はどのような御用で?」
「あの…テレビでやってると思うんですけど、例の惨殺事件についてなんですが」
( ・∀・)「ああ、今やってましたね」
「あの事件、僕のウチの近くでばかり起きてるんです!もう怖くて怖くて…」
( ・∀・)「ふーん」
「はい…」
( ・∀・)「で?」
「えっ…」
( ・∀・)「僕にどうしてほしいのさ」
「えっ…ここ相談屋ですよね?」
( ・∀・)「そうだけどさ、君怖いって言っただけで何をどうしてほしいって言ってないじゃん」
「はあ…」
( ・∀・)「で?」
「えっ…」
( ・∀・)「だーかーらー!僕に何をしてほしいか聞いてんの!」
川 ゚ -゚)(モララーの嫌いなタイプか)
「えと…なんとかしてください」
(#・∀・)「主語はなんだよコノヤロー!君みたいなウジウジした奴見てるとイラつくんだよ!ああ!身体に蕁麻疹が!」
「えっ…えと、事件の犯人を捕まえてください!」
( ・∀・)「初めからそう言えばいいのに」
「す、すいません」
( ・∀・)「あー、面倒だから対価は現金でいいや。調査終わったら知らせるからまた来てよ」
「は、はい…お願いします」
※
※
※
※
川 ゚ -゚)「なにもあんなにいじめなくても」
( ・∀・)「だってああいう奴嫌いなんだもん!」
川 ゚ -゚)「まあ分かるけどね」
( ・∀・)「でしょう?」
川 ゚ -゚)「で、いつから調査始めるの?」
( ・∀・)「うーん、今日はもう遅いし明日からかな」
※
※
※
※
翌日
409:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/18 16:45:34
XzM/1EbpO
諸葛亮曰わく:おハロー
( ・∀・)「あー、よく寝た。起きたのがもったいないくらいだ」
川 ゚ -゚)「昼過ぎまで寝てた人が言うセリフ?」
( ・∀・)「仕方ないじゃないか!眠気に勝とうなんて人間にゃ無理なんだよ!」
川 ゚ -゚)「はいはい」
( ・∀・)「寝る子は育つ!」
川 ゚ -゚)「まずは頭が育ってほしいところね」
( ・∀・)「むう…」
川 ゚ -゚)「お腹空いたわ。何か作ってちょうだい?」
( ・∀・)「よし、ピラフでも作るか」
川 ゚ -゚)「これは期待」
( ・∀・)「いよし!じゃあ張り切って…!」
「次のニュースです。今朝未明○○町で惨殺死体が発見されました。」
( ・∀・)「またかよ、つーか調査しなきゃかー。面倒だなあ」
川 ゚ -゚)「仕事でしょ」
( ・∀・)「だって依頼人嫌いだし」
川 ゚ -゚)「気紛れが過ぎるわよ」
「この男性は、所持していた品から○○さんと断定され、警察では一連の事件の関連性を…」
( ・∀・)「○○?なんか聞いた名前だな」
川 ゚ -゚)「昨日の依頼人じゃない」
( ・∀・)「あー、そっかー」
( ・∀・)川 ゚ -゚)「え?」
410:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/18 20:20:12
XzM/1EbpO
( ・∀・)「え!?マジであの人!?」
川 ゚ -゚)「そうみたいね。顔写真出てるわよ」
( ・∀・)「…」
川 ゚ -゚)「やられたわね」
( -∀-)「…」
川 ゚ -゚)「どうするの?モララー」
( ・∀・)「気が変わった」
川 ゚ -゚)「と言うと?」
(
・∀・)「別にあの依頼人が死のうが何されようが知ったこっちゃない。でも、『僕のところに来た依頼人を僕以外が殺す』のは許せん。どこのどいつがやらかしたかは知らんけど、必ず見つけてやる」
川
゚ー゚)「燃えてるわね」
( ・∀・)「クーは手出ししないで。僕自身の手でやる」
川 ゚ー゚)「はいはい。頑張ってらっしゃいな」
※
※
※
※
412:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/20 00:05:25
ZKoFNsS/O
事件現場
( ・∀・)「ここか」
「おい、ここは立ち入り禁止だ。向こうに行きなさい
( ・∀・)「や、僕警察だけど」
「なにい?」
( ・∀・)「本庁から配属されたモララー警部ですが」
「し、失礼しました!」
( ・∀・)(まさかこんなので騙せるとは…)
「どうもモララー警部!」
( ・∀・)「ん、ご苦労さま。どんな感じ?」
「一連の事件と同じです。全身ズタズタで、まるで何かに食い千切られたようでした…」
( ・∀・)「目撃者は?」
「直接の目撃者は居ません。ですが、犯行時刻に何かの唸り声を聞いたと言う者が」
( ・∀・)「何処に居る?」
「今向こうで聴取を」
( ・∀・)「ん」
413:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/20 00:06:50
ZKoFNsS/O
( ・∀・)「おハロー」
「?」
( ・∀・)「本庁より参りましたモララー警部です」
「あ、どうも…」
( ・∀・)「昨夜、あなたが聞いたという声について聞かせていただきたい」
「えと…なんか犬みたいな唸り声でした。犬にしてはなんか強そうな感じでしたけど…」
( ・∀・)「ありがとう!それだけで十分!」
「は、はあ」
※
※
( ・∀・)「さて、警察が無能なおかげで簡単に情報が手に入った。」
(
・∀・)「食い千切られたような死体。さらに犬のような唸り声」
( ・∀・)「十中八九、人狼だな」
( ・∀・)「人狼か…面倒だなあ。人の姿の時は見分けがつかないなあ」
( ・∀・)「被害者はみな深夜にやられてる…」
( ・∀・)「一か八か、おとりになってみるかな」
※
※
※
※
深夜
414:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/20 00:08:27
ZKoFNsS/O
フードを深くかぶり、深夜の住宅街を徘徊する人影があった。
「…」
とある民家の屋根の上から、その人影を狙う影。姿を形容するならば、二足歩行をする狼と言ったところだろうか。口から涎を垂らし、目を血走らせている。
瞬間、狼はフードの人影に飛び掛かった。
「!」
一噛みで事が終わると思っていたのか、狼は驚いたような仕草を見せた。フードの人影が攻撃を予期していたかのように華麗に避けたからだ。
( ・∀・)「ビンゴ!まさか一回目でかかるとはね!ま、警察から深夜出歩くな令が出てたし、僕以外居なかったのかな」
「…」
仕留められなかったことに腹を立てたのか、狼は唸りながらモララーを睨み付けている。
( ・∀・)「さあて、どうしてくれようかな…!」
狼がモララーに飛び掛かった。モララーは攻撃を避けつつ、掌を狼に向けた。
( ・∀・)「焼肉にしてやんよ!」
掌から火球を発射するモララー。しかし狼はそれを易々と避ける。狼が飛びのき、着地した瞬間
( ・∀・)「残念、おしまいだ」
「!」
狼が着地した地面から、石の槍が飛び出し、狼を貫いた。
( ・∀・)「ざまあ」
身体を貫かれた狼は苦しそうにもがき、一鳴きすると息絶えた。
( ・∀・)「あっけないなあ。こんなもんか」
しかし、次の瞬間何かの気配を感じてモララーは振り返った。
( ・∀・)「こいつは予想外だ」
そこには新たに二頭の狼が居た。
415:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/20 00:10:23
ZKoFNsS/O
( ・∀・)「死に際の遠吠えは仲間を呼んだのか。にしてもまさか複数居たとはなあ…」
二頭のうち一頭がモララーに飛び掛かった。が、何処からか飛来した銃弾が狼の眼前に命中し、怯ませた。
( ・∀・)「!」
从 'ー'从「モララーさん!大丈夫ですか!」
見ると屋根の上でワタナベがモララーから譲り受けた銃を構えていた。
( ・∀・)「おー!天才ちゃん!何してんのさ?」
从;'ー'从「え、えと、お仕事です!」
( ・∀・)「おー!頑張ってんなー!ぼかぁ嬉しいよ」
「なに?その人知り合い?」
( ・∀・)「?」
从 'ー'从「あ、アイシス!」
リハ*゚ー゚リ「なんだー、ワタナベは年上好きかw」
从;'ー'从「ち、ちがうよ!あの人は前に助けてくれた人だよ!」
リハ*゚ー゚リ「またまたw」
( ・∀・)「誰?」
从 'ー'从「私の友達のアイシスです!」
( ・∀・)「ほー。しかし、危ないからこんなとこ来ちゃダメだよ?」
リハ*゚ー゚リ「心配してくれたー、ありがとー!」
リハ*゚ー゚リ「でも大丈夫。てゆーか、私はそいつらに用があるから」
そう言うとアイシスは屋根から飛び降り、狼達の前に立った。
( ・∀・)「や、危ないよ?」
リハ*゚ー゚リ「はじめまして相談屋さん。さっきはふざけてああ言ったけど、私あなたの事知ってるよー」
( ・∀・)「なんだと!」
リハ*゚ー゚リ「私たちみたいな輩の間じゃ有名だからw見所のある人間が居るってw」
( ・∀・)「?」
リハ*゚ー゚リ「あ、自己紹介がまだだったわねー」
リハ*゚ー゚リ「はじめまして、私はアイシス。人狼よ。生粋の」
416:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/20 00:13:18
ZKoFNsS/O
(;・∀・)「マジかー!」
リハ*゚ー゚リ「まあお話はまた今度しましょう。今は、人狼の名を汚してくれたこいつらにお仕置きしないと」
从;'ー'从「ちょ!二人とも!前!前ー!」
話している間に二頭の狼はアイシスとモララーに飛び掛かろうとしていた。
リハ*゚ー゚リ「うるさいな」
( ・∀・)「!」
たった一言だが、アイシスの発した声はモララーですら身構えるほどの迫力だった。
リハ*゚ー゚リ「低級中の低級人狼、とゆーか、人狼のなりそこないのくせに私に牙を向けるなんて、その度胸だけは買ってあげる。でも…」
リハ*゚ー゚リ「無礼が過ぎるわね。死んで償いなさい」
アイシスが声を発している間、終始怯えていた狼だが、最後の言葉と共に彼女が指を鳴らすと急に苦しみだし、最後には爆発してしまった。
リハ*゚ー゚リ「下衆が」
( ・∀・)「うひょー!」
从;'ー'从「うわー…」
417:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/20 00:15:29
ZKoFNsS/O
リハ*゚ー゚リ「さて、まずはお詫びを言わないと。低級人狼とはいえ、一応人狼種カテゴライズされる奴らが迷惑をかけたわね、ごめんなさい」
( ・∀・)「や、こっちも仕事だから気にしないで」
リハ*゚ー゚リ「そ、良かった」
( ・∀・)「しかし、君は何者?」
从 'ー'从「アイシスは狼さんなんです!」
屋根から降りてきたワタナベがアイシスに抱き付きながら言った。
リハ*゚ー゚リ「あれ、あんたよく屋根から降りれたわねー」
从;'ー'从「恐かったよー」
( ・∀・)「生粋の人狼って言ってたね」
リハ*゚ー゚リ「そだよー。あなたが生まれながらに人間であるよーに、私は生まれながら人狼ー。まあパパもママも人狼だから当たり前なんだけどねー」
( ・∀・)「なるほどね…天才ちゃんとはなんで知り合ったの?」
从 'ー'从「学校の友達です!こないだから!」
( ・∀・)「こないだ?」
リハ*゚ー゚リ「転校生だよー」
( ・∀・)「ああ、なるほど」
从 'ー'从「私が相談屋さんをやるのを手伝ってくれてるんです!」
( ・∀・)「人狼が味方とかすごいなー」
リハ*゚ー゚リ「あんま驚かないんだね」
( ・∀・)「?」
リハ*゚ー゚リ「私みたいなのが人間と仲良くするの」
( ・∀・)「や、気が合えば人間とか妖魔とか関係ないじゃん?」
リハ*゚ー゚リ「なるほど…うん、噂通りだ」
( ・∀・)「僕自身、夢魔と暮らしてるし」
リハ;゚ー゚リ「夢魔!?はー…やっぱすごい人なのねあなた」
( ・∀・)「まあね!だって僕モララーだし!」
リハ*゚ー゚リ「でも変な人だ!」
从 'ー'从「ね!言った通りでしょ?」
( ・∀・)「なにぃ?」
从;'ー'从「あ、や、違うんです!」
リハ*゚ー゚リ「w」
※
※
※
※
( ・∀・)「ただいまー」
川 ゚ -゚)「お帰りなさい。どうだった?」
( ・∀・)「僕らも負けられんぞ!」
川 ゚ -゚)「?」
気紛れな相談屋のようです
第十三話 「正統的カリスマ」
おわり