311:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/20 20:02:16
Yns7IzOIO
諸葛亮曰わく:おハロー
( ・∀・)「〜♪」
川 ゚ -゚)「キャンバスなんか出してどうしたのよ」
( ・∀・)「見て分からないかい?絵を描いてるのさ!」
気紛れな相談屋のようです
第十話 絵描き
312:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/20 20:03:41
Yns7IzOIO
川 ゚ -゚)「なんでまた」
( ・∀・)「以前言わなかったかい?物語の主人公には、おしゃれスキルが必須なのさ!」
川 ゚ -゚)「聞いたわよ。あなたチェロ始めたじゃない」
( ・∀・)「チェロは卒業しました」
川 ゚ -゚)「はい?」
(
・∀・)「ちまちました指使いとか僕に合わぬ!それよりも、あふれ出るインスピレーションをキャンバスに叩きつける!これこそが僕にふさわしきおしゃれスキル!」
川
゚ -゚)「三日坊主とはよく言ったものだわ」
( ・∀・)「よし、手始めにクーを描こう!」
川 ゚ -゚)「わ、私?」←ちょっと嬉しそう
( ・∀・)「いよし!描くぞー!」
川 ゚ー゚)「せっかく描いてくれるなら期待するわよ?」
( ・∀・)「まかせろ!タイタニックに乗ったつもりで!」
川 ゚ -゚)「沈没するのね」
313:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/20 20:05:03
Yns7IzOIO
( ・∀・)「うおりゃあああ!唸れ!インスピレーション!」
川 ゚ -゚)「やれやれ」
ピーンポーン
川 ゚ -゚)「モララー、お客様よ」
( ・∀・)「てい!てい!てい!」
川 ゚ -゚)「…私が出ればいいのね」
( ・∀・)「ぶるるるぁ!」
がちゃ
川 ゚ -゚)「はいはい、どちら様?」
*(‘‘)*「こんにちはです」
川 ゚ -゚)「いらっしゃい。どうぞ中へ」
※
※
川 ゚ -゚)「モララー、お客様よ」
( ・∀・)「ぬん!そい!たあ!」
川 ゚ -゚)「モララー」
( ・∀・)「ちょいやー!」
川 ゚ -゚)「おいタマ無し」
( ・∀・)「なっ、僕はタマ無しじゃない!モララーだ!」
川 ゚ -゚)「お客様」
( ・∀・)「ハロー!僕はモララー!相談屋さ!」
*(‘‘)*「はじめましてです。ヘリカルです」
( ・∀・)「デリヘルみたいな名前だ!」
川 ゚ -゚)「こら」
*(;‘‘)*「なんて失礼な人ですか」
川 ゚ -゚)「ごめんなさい、彼ちょっと頭が」
( ・∀・)「何を言う、僕は正常だ」
川 ゚ -゚)「それをいかれてるって言うのよ」
( ・∀・)「むう…」
314:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/20 20:06:19
Yns7IzOIO
*(‘‘)*「話していいですか?」
川 ゚ -゚)「あら、ごめんなさい。どうぞ?」
*(‘‘)*「えと、私美大に通ってるんですけど、そこの先生が変なんです」
川 ゚ -゚)「まあ美大だし」
*(;‘‘)*「それは偏見ですよ」
川 ゚ -゚)「あら、ごめんなさい」
*(‘‘)*「それで、その先生なんですけど、描く絵が変なんです」
( ・∀・)「下手くそなのか!」
*(‘‘)*「そうじゃなくて、なんか…上手く言葉に出来ないけど、すごくリアルなんです。」
( ・∀・)「…で?」
*(;‘‘)*「それだけなんですけど…とにかくおかしいんです!あれは普通の人間が描ける絵じゃないんです!」
川 ゚ -゚)「まあ本人が上手く言葉に出来ないなんて言ってるんだからしかたないわね。モララー、実際に見てらっしゃい」
( ・∀・)「クーは?」
川 ゚ -゚)「興味nothing」
( ・∀・)「うわあ…」
*(‘‘)*「あの…」
( ・∀・)「あー、はいはい。じゃあ行ってみますか」
※
※
※
※
315:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/20 20:07:40
Yns7IzOIO
*(‘‘)*「美大です」
( ・∀・)「ほう!芸術に目覚めた僕は興味津々!
*(;‘‘)*「…少し案内しましょうか?」
( ・∀・)「是非とも!」
※
※
*(‘‘)*「ここでは立体作品を作ってます。彫像とかオブジェですね」
( ・∀・)「おお…眼鏡おじさんが裸体の女の人を作っている」
おじさん「なんか卑猥な言い方だな…」
*(;‘‘)*「あの人は有名な先生です!」
( ・∀・)「あんなに丹念におっぱいの形にこだわるものなのか!」
*(;‘‘)*「失礼します!」
※
※
*(;‘‘)*「なんであんなこといったですか…」
( ・∀・)「だって事実じゃないか!」
*(;‘‘)*「そうかもしれないですが…あなたをつれ回すのは危ない気がするので案内終わりです」
( ・∀・)「えー」
*(‘‘)*「さ、先生の絵を見に行くです」
( ・∀・)「えー」
※
※
320:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/21 21:24:31
KQ2dhte0O
諸葛亮曰わく:おハロー
*(‘‘)*「ここです…」
( ・∀・)「突撃!」
*(;‘‘)*「ちょ!」
爪゚ -゚)「誰だ」
( ・∀・)「はじめまして!僕はモララー!はうあばうちゅー!」
爪゚ -゚)「私はジェイル。この大学に勤めている」
( ・∀・)「絵見せてください!」
*(;‘‘)*「あわわ、すいませんですジェイル先生!」
爪゚ -゚)「なに、かまわんさ。絵は人に見てもらわなければ意味はない。心行くまで見ていきたまえ」
( ・∀・)「いざ!さあ絵はどこだ!」
*(;‘‘)*「この馬鹿…」
( ・∀・)「これが…」
*(‘‘)*「はい…」
( ・∀・)「こいつは…」
爪゚ -゚)「どうかね」
( ・∀・)「すんばらしいですね!」
爪゚ -゚)「本当にそう思うかい?」
(
・∀・)「はい!すばらしすぎて何がいいのか分からないくらい!」
*(;‘‘)*「ばっ…」
爪゚ -゚)「見せておいてなんだがここにある絵は出来損ないだ。完成には程遠い」
( ・∀・)「ほほう」
爪゚ -゚)「まだ足りないんだ…あともう少しなんだが」
*(;‘‘)*「…?」
( ・∀・)「ありがとうございました!失礼します!行きますよデリヘル!」
*(#‘‘)*「ヘリカル!」
321:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/21 21:29:33
KQ2dhte0O
※
※
*(;‘‘)*「礼儀っつーもんを知らないですかあなたは」
( ・∀・)「えっ!僕ほど紳士な奴は居ないって言われてるのに!」
*(‘‘)*「僕ほど、『紳士な奴は居ない』って言われてるんですね」
( ・∀・)「むう…」
*(‘‘)*「で、分かってくれたですか?絵が変だって」
( ・∀・)「まあね。あれはエグい」
*(;‘‘)*「やっぱり何かあったですか」
( ・∀・)「ああ」
322:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/21 21:50:40
KQ2dhte0O
*(‘‘)*「あれはなんなんですか?」
( ・∀・)「君の言う変な感じっていうのは、絵からやけに生気を感じるってことだろ?しかもまがまがしい」
*(‘‘)*「そ、そうです!」
( ・∀・)「多分、あの絵には生物の血が使われてる。それも、絶命した瞬間の」
*(;‘‘)*「え…」
( ・∀・)「そうすることで生きてる絵を作りたかったんだと思うよ。最近この辺でホームレスが連続で殺されてるだろ?あれ多分先生の仕業」
*(;‘‘)*「そんな…」
( ・∀・)「あの先生家族居る?」
*(;‘‘)*「わかんないです…」
( ・∀・)「うーん…仕方ない」
ぴっぴっ
川 ゚ -゚)『もしもし』
( ・∀・)「あ、クー?悪いんだけどさ、ジェイルって女の情報が欲しいんだ」
川 ゚ -゚)『めんどくさーい』
( ・∀・)「もう夢食わせてあげない」
川 ゚ -゚)『5分待ってなさい』
5分後
川 ゚ -゚)『ジェイル、年齢は32歳。配偶者は無いものの、同棲している男は居る模様。家族構成は父母長女。だけど両親は5年前に事故で他界…ry
( ・∀・)「あー、もういいよ。わかった」
川 ゚ -゚)『本当に?まだまだあるわよ?』
(;・∀・)「いいって」
川*゚ -゚)『これで夢は安泰』
( ・∀・)「はいはい」
がちゃ
*(‘‘)*「なにしてたんですか?」
( ・∀・)「おそらく次にやられるのはその同棲相手だな」
*(‘‘)*「?」
( ・∀・)「赤の他人じゃ絵は完成しない。じゃあ自分に近しい人なら、って考えたと思ってね」
*(‘‘)*「な、なるほど」
( ・∀・)「よし、先回りして待ち伏せだ!」
※
※
※
※
323:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/21 22:16:10
KQ2dhte0O
( )「…」
「動くな」
( )「!」
( ・∀・)「ふはは!まんまときやがったな馬鹿め!」
*(‘‘)*「先生…本当に…?」
爪゚ -゚)「おやおや、どうやらばれたみたいだ」
*(;‘‘)*「なんでこんなことを!」
爪゚ -゚)「何かおかしいことかね?私はただ絵を完成させたいだけだ。誰も描いたことのない最高の絵を!死ぬ瞬間の最高に生を求める輝きを封じ込めてな!」
*(;‘‘)*「どうかしてるです…」
( ・∀・)「あんたにゃ絵は描けないよ」
爪゚ -゚)「何…?」
( ・∀・)「あんた、自分が描いた絵から何も感じないのかい?」
爪゚ -゚)「言ったはずだ、出来損ないだと」
( ・∀・)「死ぬ瞬間の最高に生を求める輝きとか言ったが、そんなものを残して大丈夫だと思ってるの?」
爪゚ -゚)「何が言いたい?」
( ・∀・)「人は嫉妬深い」
爪゚ -゚)「は?」
( ・∀・)「あんたの描いた絵はしきりに求めてるよ?自分達をこんなにしたあんたも、同じようにしてやりたいって」
爪゚ -゚)「はっ、馬鹿馬鹿しい」
( ・∀・)「ほら、よく見てみな」
*(;‘‘)*「絵…持ってきてたんですか」
爪゚ -゚)「そんな出来損ない…ん?」
( ・∀・)「ほーら聞こえるだろ?あんたを呼ぶ声が」
爪゚ -゚)「ば、馬鹿な…」
*(;‘‘)*「え、絵から手が!?」
爪;゚ -゚)「な、なんだこれは!放せ!放せええ!」
( ・∀・)「まあ等価交換だから、仕方ないよね」
爪;゚ -゚)「ぎゃああああ!」
*(;‘‘)*「ひいい!」
( ・∀・)「いい絵じゃん。死ぬ瞬間の最高に生を求める輝きを封じ込めてるよ」
モララーの足下には、鬼の形相で叫んでいるジェイルの姿が描かれていた
※
※
※
※
324:◆jtHtMr3tGQ
2010/09/21 22:17:11
KQ2dhte0O
( ・∀・)「ふんふんふーん」
川 ゚ -゚)「まだ動いちゃだめなの?」
( ・∀・)「もうちょい!」
川 ゚ -゚)「もう三時間も拘束されてるんだけど」
( ・∀・)「出来た!」
川 ゚ -゚)「む、期待期待」
( ・∀・)「どうだっ!」
川 ゚ -゚)「…」
( ・∀・)「…」
川 ゚ -゚)「三時間費やしてこれ?」
( ・∀・)「おかしいなあ…」
川 ゚ -゚)「がっかりだわ」
( ・∀・)「むう…」
「ちわー、宅配便ですー」
川 ゚ -゚)「何かしら?」
ビリビリ
( ・∀・)「あー、デリヘルちゃんか」
『相談屋さん、先日はありがとうでした。対価に絵描いてくれとのことでしたので送ったです。じゃあの。ヘリカル』
川 ゚ -゚)「あら素敵」
( ・∀・)「おお!すごい!」
キャンバスには、にこやかに笑う二人が描かれていた。
気紛れな相談屋のようです
第十話 おわり