405:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/16 18:07:31 PpW6o8UjO
諸葛亮曰わく:おハロー

「…次のニュースです。○○町にて、男性の惨殺死体が発見されました。遺体の様子からは凶器の特定は難しく、ほぼ原型を留めないほどに引き裂かれており…」

( ・∀・)「挽肉でも作りたかったのかね」

川 ゚ -゚)「不謹慎よ、モララー」

気紛れな相談屋のようです

第十三話

「正統的カリスマ」

「…このような惨殺事件は今月に入りすでに三件目であり、警察は事件の関連性を…」

( ・∀・)「まあ関連性はあるだろうよ。こんな殺し方普通じゃないからね」

川 ゚ -゚)「大方、どこぞの低級な怪異があばれてるんでしょうね」
( ・∀・)「怖い怖い。怖いから、僕はティータイムにするよ」

川 ゚ -゚)「私ダージリンで」

( ・∀・)「あいよー」


407:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/18 10:40:12 XzM/1EbpO

ピンポーン

( ・∀・)「あいよー」

ガチャ

「おじゃまします…」

( ・∀・)「うおっ、普通の人だ!」
「は、はあ」

川 ゚ -゚)「やめなさい、モララー。今日はどのような御用で?」

「あの…テレビでやってると思うんですけど、例の惨殺事件についてなんですが」

( ・∀・)「ああ、今やってましたね」

「あの事件、僕のウチの近くでばかり起きてるんです!もう怖くて怖くて…」

( ・∀・)「ふーん」

「はい…」

( ・∀・)「で?」

「えっ…」

( ・∀・)「僕にどうしてほしいのさ」

「えっ…ここ相談屋ですよね?」

( ・∀・)「そうだけどさ、君怖いって言っただけで何をどうしてほしいって言ってないじゃん」

「はあ…」

( ・∀・)「で?」

「えっ…」

( ・∀・)「だーかーらー!僕に何をしてほしいか聞いてんの!」

川 ゚ -゚)(モララーの嫌いなタイプか)

「えと…なんとかしてください」

(#・∀・)「主語はなんだよコノヤロー!君みたいなウジウジした奴見てるとイラつくんだよ!ああ!身体に蕁麻疹が!」

「えっ…えと、事件の犯人を捕まえてください!」

( ・∀・)「初めからそう言えばいいのに」

「す、すいません」

( ・∀・)「あー、面倒だから対価は現金でいいや。調査終わったら知らせるからまた来てよ」

「は、はい…お願いします」




川 ゚ -゚)「なにもあんなにいじめなくても」

( ・∀・)「だってああいう奴嫌いなんだもん!」

川 ゚ -゚)「まあ分かるけどね」

( ・∀・)「でしょう?」

川 ゚ -゚)「で、いつから調査始めるの?」

( ・∀・)「うーん、今日はもう遅いし明日からかな」




翌日


409:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/18 16:45:34 XzM/1EbpO
諸葛亮曰わく:おハロー

( ・∀・)「あー、よく寝た。起きたのがもったいないくらいだ」

川 ゚ -゚)「昼過ぎまで寝てた人が言うセリフ?」

( ・∀・)「仕方ないじゃないか!眠気に勝とうなんて人間にゃ無理なんだよ!」

川 ゚ -゚)「はいはい」

( ・∀・)「寝る子は育つ!」

川 ゚ -゚)「まずは頭が育ってほしいところね」

( ・∀・)「むう…」

川 ゚ -゚)「お腹空いたわ。何か作ってちょうだい?」

( ・∀・)「よし、ピラフでも作るか」

川 ゚ -゚)「これは期待」

( ・∀・)「いよし!じゃあ張り切って…!」

「次のニュースです。今朝未明○○町で惨殺死体が発見されました。」

( ・∀・)「またかよ、つーか調査しなきゃかー。面倒だなあ」

川 ゚ -゚)「仕事でしょ」

( ・∀・)「だって依頼人嫌いだし」
川 ゚ -゚)「気紛れが過ぎるわよ」

「この男性は、所持していた品から○○さんと断定され、警察では一連の事件の関連性を…」

( ・∀・)「○○?なんか聞いた名前だな」

川 ゚ -゚)「昨日の依頼人じゃない」
( ・∀・)「あー、そっかー」


( ・∀・)川 ゚ -゚)「え?」


410:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/18 20:20:12 XzM/1EbpO

( ・∀・)「え!?マジであの人!?」

川 ゚ -゚)「そうみたいね。顔写真出てるわよ」

( ・∀・)「…」

川 ゚ -゚)「やられたわね」

( -∀-)「…」

川 ゚ -゚)「どうするの?モララー」
( ・∀・)「気が変わった」

川 ゚ -゚)「と言うと?」

( ・∀・)「別にあの依頼人が死のうが何されようが知ったこっちゃない。でも、『僕のところに来た依頼人を僕以外が殺す』のは許せん。どこのどいつがやらかしたかは知らんけど、必ず見つけてやる」
川 ゚ー゚)「燃えてるわね」

( ・∀・)「クーは手出ししないで。僕自身の手でやる」

川 ゚ー゚)「はいはい。頑張ってらっしゃいな」




412:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/20 00:05:25 ZKoFNsS/O

事件現場

( ・∀・)「ここか」

「おい、ここは立ち入り禁止だ。向こうに行きなさい

( ・∀・)「や、僕警察だけど」

「なにい?」

( ・∀・)「本庁から配属されたモララー警部ですが」

「し、失礼しました!」

( ・∀・)(まさかこんなので騙せるとは…)

「どうもモララー警部!」

( ・∀・)「ん、ご苦労さま。どんな感じ?」

「一連の事件と同じです。全身ズタズタで、まるで何かに食い千切られたようでした…」

( ・∀・)「目撃者は?」

「直接の目撃者は居ません。ですが、犯行時刻に何かの唸り声を聞いたと言う者が」

( ・∀・)「何処に居る?」

「今向こうで聴取を」

( ・∀・)「ん」


413:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/20 00:06:50 ZKoFNsS/O

( ・∀・)「おハロー」

「?」

( ・∀・)「本庁より参りましたモララー警部です」

「あ、どうも…」

( ・∀・)「昨夜、あなたが聞いたという声について聞かせていただきたい」

「えと…なんか犬みたいな唸り声でした。犬にしてはなんか強そうな感じでしたけど…」

( ・∀・)「ありがとう!それだけで十分!」

「は、はあ」



( ・∀・)「さて、警察が無能なおかげで簡単に情報が手に入った。」
( ・∀・)「食い千切られたような死体。さらに犬のような唸り声」

( ・∀・)「十中八九、人狼だな」

( ・∀・)「人狼か…面倒だなあ。人の姿の時は見分けがつかないなあ」

( ・∀・)「被害者はみな深夜にやられてる…」

( ・∀・)「一か八か、おとりになってみるかな」




深夜


414:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/20 00:08:27 ZKoFNsS/O

フードを深くかぶり、深夜の住宅街を徘徊する人影があった。

「…」

とある民家の屋根の上から、その人影を狙う影。姿を形容するならば、二足歩行をする狼と言ったところだろうか。口から涎を垂らし、目を血走らせている。

瞬間、狼はフードの人影に飛び掛かった。

「!」

一噛みで事が終わると思っていたのか、狼は驚いたような仕草を見せた。フードの人影が攻撃を予期していたかのように華麗に避けたからだ。

( ・∀・)「ビンゴ!まさか一回目でかかるとはね!ま、警察から深夜出歩くな令が出てたし、僕以外居なかったのかな」

「…」

仕留められなかったことに腹を立てたのか、狼は唸りながらモララーを睨み付けている。

( ・∀・)「さあて、どうしてくれようかな…!」

狼がモララーに飛び掛かった。モララーは攻撃を避けつつ、掌を狼に向けた。

( ・∀・)「焼肉にしてやんよ!」

掌から火球を発射するモララー。しかし狼はそれを易々と避ける。狼が飛びのき、着地した瞬間

( ・∀・)「残念、おしまいだ」

「!」

狼が着地した地面から、石の槍が飛び出し、狼を貫いた。

( ・∀・)「ざまあ」

身体を貫かれた狼は苦しそうにもがき、一鳴きすると息絶えた。

( ・∀・)「あっけないなあ。こんなもんか」

しかし、次の瞬間何かの気配を感じてモララーは振り返った。

( ・∀・)「こいつは予想外だ」

そこには新たに二頭の狼が居た。


415:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/20 00:10:23 ZKoFNsS/O

( ・∀・)「死に際の遠吠えは仲間を呼んだのか。にしてもまさか複数居たとはなあ…」

二頭のうち一頭がモララーに飛び掛かった。が、何処からか飛来した銃弾が狼の眼前に命中し、怯ませた。

( ・∀・)「!」

从 'ー'从「モララーさん!大丈夫ですか!」

見ると屋根の上でワタナベがモララーから譲り受けた銃を構えていた。

( ・∀・)「おー!天才ちゃん!何してんのさ?」

从;'ー'从「え、えと、お仕事です!」

( ・∀・)「おー!頑張ってんなー!ぼかぁ嬉しいよ」

「なに?その人知り合い?」

( ・∀・)「?」

从 'ー'从「あ、アイシス!」

リハ*゚ー゚リ「なんだー、ワタナベは年上好きかw」

从;'ー'从「ち、ちがうよ!あの人は前に助けてくれた人だよ!」

リハ*゚ー゚リ「またまたw」

( ・∀・)「誰?」

从 'ー'从「私の友達のアイシスです!」

( ・∀・)「ほー。しかし、危ないからこんなとこ来ちゃダメだよ?」
リハ*゚ー゚リ「心配してくれたー、ありがとー!」

リハ*゚ー゚リ「でも大丈夫。てゆーか、私はそいつらに用があるから」
そう言うとアイシスは屋根から飛び降り、狼達の前に立った。

( ・∀・)「や、危ないよ?」

リハ*゚ー゚リ「はじめまして相談屋さん。さっきはふざけてああ言ったけど、私あなたの事知ってるよー」

( ・∀・)「なんだと!」

リハ*゚ー゚リ「私たちみたいな輩の間じゃ有名だからw見所のある人間が居るってw」

( ・∀・)「?」

リハ*゚ー゚リ「あ、自己紹介がまだだったわねー」

リハ*゚ー゚リ「はじめまして、私はアイシス。人狼よ。生粋の」


416:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/20 00:13:18 ZKoFNsS/O

(;・∀・)「マジかー!」

リハ*゚ー゚リ「まあお話はまた今度しましょう。今は、人狼の名を汚してくれたこいつらにお仕置きしないと」

从;'ー'从「ちょ!二人とも!前!前ー!」

話している間に二頭の狼はアイシスとモララーに飛び掛かろうとしていた。

リハ*゚ー゚リ「うるさいな」

( ・∀・)「!」

たった一言だが、アイシスの発した声はモララーですら身構えるほどの迫力だった。

リハ*゚ー゚リ「低級中の低級人狼、とゆーか、人狼のなりそこないのくせに私に牙を向けるなんて、その度胸だけは買ってあげる。でも…」

リハ*゚ー゚リ「無礼が過ぎるわね。死んで償いなさい」

アイシスが声を発している間、終始怯えていた狼だが、最後の言葉と共に彼女が指を鳴らすと急に苦しみだし、最後には爆発してしまった。

リハ*゚ー゚リ「下衆が」

( ・∀・)「うひょー!」

从;'ー'从「うわー…」


417:◆jtHtMr3tGQ
2010/10/20 00:15:29 ZKoFNsS/O

リハ*゚ー゚リ「さて、まずはお詫びを言わないと。低級人狼とはいえ、一応人狼種カテゴライズされる奴らが迷惑をかけたわね、ごめんなさい」

( ・∀・)「や、こっちも仕事だから気にしないで」

リハ*゚ー゚リ「そ、良かった」

( ・∀・)「しかし、君は何者?」

从 'ー'从「アイシスは狼さんなんです!」

屋根から降りてきたワタナベがアイシスに抱き付きながら言った。
リハ*゚ー゚リ「あれ、あんたよく屋根から降りれたわねー」

从;'ー'从「恐かったよー」

( ・∀・)「生粋の人狼って言ってたね」

リハ*゚ー゚リ「そだよー。あなたが生まれながらに人間であるよーに、私は生まれながら人狼ー。まあパパもママも人狼だから当たり前なんだけどねー」

( ・∀・)「なるほどね…天才ちゃんとはなんで知り合ったの?」

从 'ー'从「学校の友達です!こないだから!」

( ・∀・)「こないだ?」

リハ*゚ー゚リ「転校生だよー」

( ・∀・)「ああ、なるほど」

从 'ー'从「私が相談屋さんをやるのを手伝ってくれてるんです!」
( ・∀・)「人狼が味方とかすごいなー」

リハ*゚ー゚リ「あんま驚かないんだね」
( ・∀・)「?」

リハ*゚ー゚リ「私みたいなのが人間と仲良くするの」

( ・∀・)「や、気が合えば人間とか妖魔とか関係ないじゃん?」

リハ*゚ー゚リ「なるほど…うん、噂通りだ」

( ・∀・)「僕自身、夢魔と暮らしてるし」

リハ;゚ー゚リ「夢魔!?はー…やっぱすごい人なのねあなた」

( ・∀・)「まあね!だって僕モララーだし!」

リハ*゚ー゚リ「でも変な人だ!」

从 'ー'从「ね!言った通りでしょ?」

( ・∀・)「なにぃ?」

从;'ー'从「あ、や、違うんです!」

リハ*゚ー゚リ「w」



( ・∀・)「ただいまー」

川 ゚ -゚)「お帰りなさい。どうだった?」

( ・∀・)「僕らも負けられんぞ!」
川 ゚ -゚)「?」

気紛れな相談屋のようです

第十三話 「正統的カリスマ」

おわり

inserted by FC2 system