162:名無しさん
08/26(日) 22:39 Io60dx0tO

 
十六重 『黒胡椒』
 
ゲームは殺し合い。
 
ときには弱い者を狩る立場でもある。
 
常に不利な状況が舞い込むか?
 
否。
 
絶対に有利なときもある。
 
ただし、どちらにとってかはわからない。
 
なぜなら彼らにはそれが現実だから。
 
このゲームでは孤独ほど恐いものはないのだから。

163:名無しさん
08/26(日) 22:40 Io60dx0tO

 
E地区 森林内。
 
(;^Д^)「くそっ…囲まれた」
 
ランクは2:。
人は不意打ちで一人殺したくらいだった。
ビビりで虚栄を張るだけの俺だから仲間もいない。
 
(#^Д^)「何時までもやられてると思うなよ!!」
 
周りの木でまきびしを造り適当に振り撒く。
 
(;^Д^)「これですこしでも時間を…」
 
「12th!!そっちから囲めお!!」
 
「ぉk!! うまく仕留めろ!!」
 
(;^Д^)「ちっ」
 
声が聞こえるが木の中で走っているため、敵の方向を掴めない。

164:名無しさん
08/26(日) 22:42 Io60dx0tO

 
(#^Д^)「やられるかよ!!」
 
適当な方向に木で造った槍を放る。
 
(;^Д^)「ちくしょうが」
 
またも走り出す。
方角なんて気にしてられない。
油断をすれば殺られるのは自分だからだ。
 
(#^Д^)「出てこいよ!!」
 
走りながら叫ぶ。
木の枝が頬や足を傷付ける。
 
「はいはい、必死必死」
 
小さな尖った物が生えてきた。
足を踏み出していたら貫かれただろう。
 
(;^Д^)「くそっ…」
 
ふざけている。
だが自分より能力は明らかに高かった。

165:名無しさん
08/26(日) 22:43 Io60dx0tO

 
(;^Д^)「俺が何したっていうんだよ…」
 
走って、走って、走り抜ける。
後ろを気にしていたら自分が死んでしまうだろう。
 
「君はルールに乗っ取ってさっき人を殺したお だから僕らも君をルール通り殺すお」
 
声が聞こえた。
その声は、冷えていた。

166:名無しさん
08/26(日) 22:44 Io60dx0tO

 
(;^Д^)「許してくれ…見逃してくれ」
 
( ^ω^)「見逃して? 何を言ってるんだお」
 
にやけ面の男が木々の間から現れた。
笑っている顔だがなぜか背筋が凍る。
 
( ゚∀゚)「おまえだってさっき人を後ろから殺したろ」
 
金髪の男がいつの間にかいた。
 
(;^Д^)「あれは…俺だって必死で…」
 
冷や汗が背中を伝う。
死が迫る。
 
('A`)「必死か…必死なら人を殺していいんだろ?」
 
木の上から落ち着いた雰囲気の男が降りてきた。

167:名無しさん
08/26(日) 22:45 Io60dx0tO

 
( ゚∀゚)「俺らも必死だ」
 
('A`)「だから殺す」
 
(;^Д^)「頼む!!まだ死にたくないんだ!!」
 
男は土下座をしだした。
 
( ^ω^)「そんなに助かりたいのかお」
 
(;^Д^)「助けてくれるのか!?」
 
( ^ω^)「無理だお」
 
(#^Д^)「死ねっ悪魔!!」
 
( ゚∀゚)「悪魔か…おまえはなんなんだよ」
 
(#^Д^)「俺はいいんだよ」
 
男の言い分は明らかに矛盾していた。
自分も人を殺した身分。
それで助けを求めるとは。
大変浅はかだった。

168:名無しさん
08/26(日) 22:47 Io60dx0tO

 
('A`)「あんなに嬉しそうに家族の事を話してる人を後ろから殺すとは」
 
( ^ω^)「それで許してもらおうなんてふざけてるのかお」
 
(;^Д^)「ふざけてなんか(#゚∀゚)「黙れ!!」
 
その場の空気が止まったように錯覚した。
 
(#^Д^)「俺は生きて神になるんだよ!!」
 
(#^ω^)「救いようのないクズだお」
 
(#'A`)「今の発言で死亡フラグが立ちました 確実に殺します」
 
落ち着いていた男は今では言葉の端々に怒気が含まれていた。
男が手を握り、開くと握っていた空間が揺らめいていた。

169:名無しさん
08/26(日) 22:49 Io60dx0tO

 
(;^Д^)「どうなってやがる!!」
 
男はまたも走り出した。
 
('A`)「空気の弾丸から逃げられやしないさ」
 
男は2、3回手を握って開いてを繰り返した後、掌を前に出した。
 
(;^Д^)「うぉ…!?」
 
見えない何かの力が枝を折っていた。
 
(;^Д^)「反撃を…!?」
 
( ^ω^)「……」
 
にやけ面の男が目の前でナイフを振り上げていた。
 
(;^Д^)「ぐっ……」
 
寸前でかわして逃げ出した。
腕を少し切られ、腕の傷口が溶けていた。
 
(;^Д^)「ふざけんな…なんで俺がこんなやつらに…」 
 
('A`)「……」
 
後ろから見えない何かの弾が放たれる。
 
( ^ω^)「アシッドクロウだお」
 
男が木を溶かしながら走っておいかける。

170:名無しさん
08/26(日) 22:52 Io60dx0tO

 
(;^Д^)「…三対一じゃ分が悪い…三?」
 
あと一人はどこへ( ゚∀゚)「いらっしゃい 死への特急です」
 
( ^Д^)「!?」
 
今まで走っていた足場が消え、空中に身を投げていた。
 
( ^ω^)「崖だお」
 
( ゚∀゚)「道があるようにしてみました」
 
ふざけんな、とでも言うように男は睨みながら落ちて行く。
 
( ゚∀゚)「崖があんまり高くないから刺錬成すんの楽だったわ」
 
(#^Д^)「偽善者どもがあぁぁ!!」
 
男は叫び、刺に貫かれた。
多量の血が流れている。
 
('A`)「偽善だからこそお前を殺すんだよ」
 
男は一言呟き、男の頭を撃ち抜いた。
 
( ^ω^)「…16thの仇は取ったお」
 
( ゚∀゚)「まぁ俺らのランクも上がるし得だな」
 
('A`)「とうとう神字か…」
 
脳内に軽い電子音が響いた。
風がざわめく。
爽やかな風が脇を抜ける。
16thがお礼を言っているようだった。

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