442:15◆p7NLwd/q.6
10/19(金) 18:25 d6qWnnriO
三十七重 『旅の終わり』
( ゚∀゚)「おっ…!!」
意識が戻る。
電車に乗っていたはずの自分が、黄色の天井と白い床がどこまでも続く部屋…?に立っていた。
電車はどこにもない。
もちろん線路も。
手の文字も消えていた。
不可解なのは腕が昔の自分のものと同じだということ。
自分の体をまじましと見る。
ξ(゚、゚*ξ「別に傷なんてないよ だってその体が貴方だから」
(;゚∀゚)「うひぃ!!」
真後ろに少女が立っていた。
正直、ビビった。
鼓動の高鳴りを感じる。
ξ(゚、゚*ξ「いらっしゃい、新しい地球の神様」
( ゚∀゚)「……え? 俺もう神様なの? すっごく達成感ないんだけど」
あまりにも簡素過ぎて驚く自分がいた。
443:名無しさん
10/19(金) 18:27 d6qWnnriO
ξ(゚ー゚*ξ「ないだろうねw」
少女が笑う。
( ゚∀゚)「前の神は? ぶん殴りたいんだけど」
男が拳を握る。
ξ(゚△゚*ξ「いるわけないよ 貴方が地球を食べたから」
( ゚∀゚)「は?」
意味がわからない。
ξ(゚、゚*ξ「説明しようか 私の心 世界の真実 貴方が求めた神の意味」
( ゚∀゚)「頼む」
ξ(゚△゚*ξ「その前に私の事をお話しよう 私は貴方達が月と呼んでる物に近しい…いや、同一の者」
( ゚∀゚)「ごめん いきなり訳がわからん」
ξ(゚、゚*ξ「そんなわけないでしょう 地球に神様がいれば月にも神様がいてもおかしくない そんな感じでぉk」
(;゚∀゚)「そんなノリっすか」
ξ(゚△゚*ξ「私は月 名前はデレ 貴方は地球 名前は長岡 同じ同じ」
久しぶりに名前を呼ばれても実感が湧かないな。
444:名無しさん
10/19(金) 18:28 d6qWnnriO
ξ(゚、゚*ξ「他の人が来る前に疑問の樹に跳んで説明しようか」
( ゚∀゚)「へ?」
床と天井が流れる。
そして突然目の前に大樹が現れる。
そして木を囲うように九つの円とその上には大きな…といっても木から較べれば小さな球が浮かんでいる。
その内の一つの円に男は立っていた。
それぞれには「陽」「水」「金」「火」「木」「土」「天」「海」の文字が書かれ、様々な色を発していた。
少女は男の近くの月と書かれた小さな円に立っていた。
( ゚∀゚)「…惑星の名前?」
ξ(゚、゚*ξ「ご明答ー」
( ゚∀゚)「地球は…?」
ξ(゚ー゚*ξ「…言ったでしょ? 貴方が食べたって」
少女の口の端が吊り上がる。
445:名無しさん
10/19(金) 18:29 d6qWnnriO
( ゚∀゚)「いやいや そんな俺大食漢じゃねぇし」
自分でも何を言っているかわからない。
大食漢なら食えるのか?
無理だろ、常考。
ξ(゚、゚*ξ「星の寿命は私達の寿命 星が死ねば私達も死ぬ 地球もまた然り」
少女が男のいる円に乗る。
ξ(゚△゚*ξ「その後ろのはなーんだ?」
言われて直ぐさま振り向く。
積み上げられたゴミ、ガラクタ、何かわからない物の塊。
だが、俺はこれが何か知っている。
ただ信じたくないだけ。
そして見つけたくはなかった。
一枚の透明な物に「地」の文字が黒く書かれてはいるが薄汚い印象を与える。
そしてこのゴミの山からは他の球体とは違い、生を感じられなかった。
( ゚∀゚)「これが……地球、か?」
手が震える。
ξ(゚△゚*ξ「そう それが地球…だった物」
(;゚∀゚)「嘘、だろ」
汗が止まらない。
目の前のガラクタから目を離すことが出来ない。
446:名無しさん
10/19(金) 18:31 d6qWnnriO
ξ(゚△゚*ξ「事実 そしてその命を食べたのが貴方」
少女がゆっくり言葉を紡ぐ。
ξ(゚ー゚*ξ「人も動物も地球の寿命も前の神様も、全て貴方」
少女が微笑む。
( ∀ )「……」
少女が言っていることを信じたくなかったし、信じられなかった。
ξ(゚、゚*ξ「因みに貴方が生きていた地球は全て私達が造ったデータ」
ξ(゚△゚*ξ「貴方自信がデータだったってところ」
自分が生きていた世界が崩れた。
自分が戦ってきた意味を失った。
残った物は信じたくない事実。
月は笑う。
真実を。
世界を。
戯れ事、と。