1:◆/wOcNhjd4U
07/19(水) 11:16 8mcN1QxuO


僕の名前は内藤ホライズン、22歳。みんなはブーンって呼ぶけど最後に呼ばれたのは2年以上前…。







今年で3年目のひきこもりだ。


( ^ω^)「…お腹減ったお」


ゴミの山から母親に仕送りしてもらった米を発掘する。もう衛生面に気を遣うこともなくなった。


(;^ω^)「…もうなくなるお」


あとで電話で仕送り頼んどかないと





いつものように一日が過ぎていく。この調子で来年も再来年もひきこもりをやってるんだろう。










…そう思ってた。



〜プロローグにようこそ!〜

4:◆/wOcNhjd4U
07/19(水) 11:47 8mcN1QxuO


最後のご飯を食っていつものようにぼーっとする。





ぷっりてぃで〜きゅっあきゅっあ〜ふったりは〜


ぷ り き ゅ (ry


( ^ω^)「…もう古いお」



隣りから聞こえる大音量のアニソン。つっこみを入れてみても止まるはずもない。


とりあえずテレビを付ける。





ぴんぽーん


(;^ω^)「!!!!!」



呼び鈴が鳴った


いつもなら居留守を使うとこだがそういえば昨日AVを

5:◆/wOcNhjd4U
07/19(水) 12:40 8mcN1QxuO


うはwwやっちまったwww初心者だってバレるwwwww



続き

AVを注文した気がする。居留守なんか使って隣人に預けられたりしたら生きる術はない。

( ^ω^)「・・・はいはい」


それでもやはり気が乗らない。ドアに近付き覗き穴から外の様子を伺う。


(  ー )「・・・・・」



(;^ω^)「おっ、オニャノコ?!」


顔はよく見えないがあの顔付きは間違いない


(;^ω^)「なんでオニャノコがAVを?!」



既にAV以外の可能性はブーンの頭の中にはない。



( ^ω^)「そ、そうか!!これこそNHKのいんも(ry」





しかし居留守なんか使って隣人に預けられたりしたら(ry




でるしかない






( ^ω^)「・・・何かご用ですかお?」


ξ゚听)ξ「きめぇwwww」


(;^ω^)「ちょwwwキャラ違うwwwww」


ξ゚听)ξ「私以外に誰がこの役をやるっていうのよ?」


( ^ω^)「しぃとかクーとかの方がいいお。チェンジを要求するお。」


ξ゚听)ξ「・・・・・」








ξ゚听)ξ「これでフラグ立ったから帰るわ。」


(#)ω;)「また会える日を心待ちにしておりますお!」



彼女はコツコツと軽い足音をたてながら帰っていった。後ろ姿からはついさっきまでリアルに36コンボ決めた猛者だとは想像もつかない。



( ^ω^)「・・・ホントに帰るし。なんだったんだお。」


リーン、リーン



( ^ω^)「今度は電話かお。もしもし、お母さん?僕は元気だお。・・・え、仕送りしばらくできない?だ、大丈夫だお!僕だってもう一人で稼げるんだから。心配するなお。それじゃもう仕事いかなきゃだから切るお。」



がちゃ




(;^ω^)「・・・・・」



明日からバイトを探さないと





〜パラレルワールドにようこそ!〜

9:◆/wOcNhjd4U
07/19(水) 14:15 8mcN1QxuO


翌日、求人雑誌を見つめて正座しているブーンがいた。


(;^ω^)「仕送りがない以上自分で稼がなきゃなんないお・・・」


とはいえ客人相手の仕事は避けたい。なるべく人と関わらない仕事は・・・



( ^ω^)「漫画喫茶・・・」



ここなら人と話したりすることは少ないだろう。基本は一人になるための施設だ。わざわざ会話などもする必要がない。

そうと決まれば









・・・昼の外に出るのは何ヵ月ぶりか。確か正月あたりだから約半年かな。


( ^ω^)「・・・もう夏かお」



蝉の声がうるさい。体中蒸し暑い。家の中じゃわからなかったな。



そんな感情も目的地に近付くにつれて薄れていく。




履歴書ちゃんと持ったけ?




(;^ω^)「着いちゃったお」
目の前にあるのは小さな漫画喫茶。正直、儲かっているようには見えないが給料さえでればむしろその方が好都合だ。

とりあえず入らなければ

10:◆/wOcNhjd4U
07/19(水) 14:29 8mcN1QxuO


( ^ω^)「失礼しますお」


ξ゚听)ξ「きめぇwwwww」


( ^ω^)「さすがの僕も失礼されるとは思わなかったお」


ξ゚听)ξ「何か言った?」


( ^ω^)「またお会いできて光栄ですって言ったお」


ξ゚听)ξ「・・・まあ、いいわ。で、何かご用?」



(;^ω^)「あ、えっと、そのば、バイ・・・」




あれ?さっきまで普通に喋れてたのに


そうだった。僕は大学生の時、緊張してうまく喋れなくてみんなに馬鹿にされてるような気がしてひきこもりになったんだ。



ここに来たこと自体間違ってる




(;^ω^)「ば、ばバイ・・・」


ξ゚听)ξ「・・・」



(;^ω^)「ば、バイブって好き?!僕すっごい好きなんだお!!こうまたがって風を切ってイくのがめちゃくちゃ気持ちいいんだお!!よかったら今度一緒にバイブでイかない?!まあホントはまたがったこともないん・・・だけど・・・」




ξ゚听)ξ「・・・・・」


(;^ω^)「そ、それじゃ!!」



バタンっ



ドアを開けて走りだす。


またやった。



( ;ω;)「何が バイク だお!僕は大バカだお!」



終わった。またひきこもり生活に逆戻りだ。


早く家に帰ろう。僕の居場所はあそこしかない。





その頃の漫画喫茶


ξ゚听)ξ「・・・え?今、私セクハラされた?」


落ちている履歴書に気付くのはもう少し時間がかかりそうだ。





〜一文字変わると意味も変わるよ にようこそ!〜

12:◆/wOcNhjd4U
07/20(木) 08:28 bXMBoEW8O


ブーンはふらふらと放心しながら帰り、部屋に着く頃には10時をまわっていた。あれから時間は経ったものの自己嫌悪は一向に止まない。



(#;ω;)「もうヤケだお!こうなったらこの殺虫剤と黒い虫を混ぜた特製ドリンクで・・・」




( ;ω;)「・・・は危ないからサイダーと白いポカリ粉末を混ぜた特製ドリンクで死んでやるお!」





ごくっごくっ






( ^ω^)「あ、普通においしい・・・」



(#;ω;)「ってあたりまえだお!!」




結局いつも口だけの自分の小ささに更なる怒りを感じ、怒りに任せて投げたコップはどうみても割れにくいプラスチック製です。本当にありがとうございました。




 つω-)「・・・寝るお」




電気を消して布団に潜る。意識が落ちるまでの数十分。この時間がもっとも辛い時間だというのはいやと言うほどわかっている。




(  ω )「・・・うぅ」



目を閉じてるのに涙が出る。それと同時に睡魔が襲ってくる。明日またバイト探さないと・・・






ぷっりてぃで〜 きゅっあきゅっあ〜 ふったりは〜



ぷ (ry


(#^ω^)ビキビキ

14:◆/wOcNhjd4U
07/20(木) 10:31 bXMBoEW8O


(# ω )「どうやら貴様とは決着をつけなくてはならないらしいお」


壁に向かって呟く。彼がここまで怒った事が今までにあっただろうか?いや、多々ある。



目的地は部屋を出て左に約1m。今日こそ隣りのアニオタに引導を渡してくれる。



ドカっバタンっ


隣りのをドア蹴破る。こんなオンボロアパートのドアぐらいわけない。



(#^ω^)「こっのアニオタがうるせぇんだおこんな夜にアニソンなんかかけqあwせdrftgyふじこlp」



('A`)「…」



アニメ雑誌、ゲーム、フィギュアで構成された想像通りの部屋。その端で一人の男が机に突っ伏していた。



( ^ω^)「・・・ま、適任だお」


('A`)「・・・俺が主役でもよかったんじゃないか・・・?」


( ^ω^)「諦めるお。しょせん毒男は毒男だお。とりあえず消えるお。」


('A`)「俺が消えたらフラグが立たないだろ」


( ^ω^)「すべこべ言わずに消えるお」


('A`)「ちょwww」



彼の名は毒男。高校の時にちょっとしたことから知り合った数少ない友達だ。高校を卒業してから連絡はとってなかったがまさか隣りに住んでいたとは・・・



( ^ω^)「まあともかく友人との再会だお。今夜は飲むお。」


('A`)「・・・いいぜ。俺も今鬱になってたとこだ。」


( ^ω^)「毒男はいつもだお」


('A`)「ほっとけ」



こうして酒盛りは始まった。久々に楽しい夜になりそうだ。




〜毒男の部屋にようこそ!〜

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