38:名無しさん
08/19(日) 16:00 CWYBSXtvO

 
六重 『左右』
 
日が二度ほど昇り、二度落ち、また昇る。
山道を道なりに歩く男が二人、目的地が見えないことに段々と歩くことに飽きていた。
 
(;^ω^)「まだ着かないのかお もう三日目だお 歩くのだるいお」
 
('A`)「あと5分くらい」
 
( ^ω^)「それは5分前に聞いたお」
 
('A`)「地図見れ」
 
( ^ω^)「現在地が山の中」
 
('A`)「山を越えればすぐに街だ」
 
( ^ω^)「気付いた事があるお」
 
('A`)「全部でZ地区まであるらしいぞ」
 
( ^ω^)「そうじゃなくて、ここはB地区」
 
('A`)「B地区は細く長いからな」
 
( ^ω^)「C地区遠いお」
 
('A`)「いや着いたぞ」
 
( ^ω^)「いっと いず みらくる」
 
('A`)「何人いんのかねぇ」
 
( ^ω^)「わからんお でもわらわらとはいないと思うお」

39:名無しさん
08/19(日) 16:02 CWYBSXtvO

 
('A`)「戦いの跡がすげぇな」
 
様々な造形物と破壊の跡。
積み上げられた瓦礫。
不自然に開いた小さな穴。
おっぱい。
 
( ^ω^)「コンクリートおっぱいだお」
 
('A`)「でかいおっぱいだな 派手にやったなぁ」
 
( ^ω^)「この威力、僕らはランク低すぎかもだお」
 
響く建築物が砕けた音。
上がる土煙。
 
(;'A`)「戦闘中のようだな」
 
(;^ω^)「おっおっお」
 
( ゚∀゚)「やべぇw死にそうwww」
 
(;'A`)「ちょwwwwおまえ誰だ」
 
( ゚∀゚)「俺はあれだ、バッテンd(;^ω^)「んなわけないお 僕たちと戦いたいのかお」
 
(;゚∀゚)「ふざけんな こちとら二対一で困って…」
 
(;'A`)「?」
 
( ゚∀゚)「おまえら俺と組め それで三対二→( ΦωΦ)ロマー」
 
( ^ω^)「わけわか(´_ゝ`)「それは俺らの獲物なんだが」
 
(´<_`)「ついでにおまえらも殺して俺らほくほく」
 
(;'A`)「狙われたじゃねぇか、てめぇ」
 
(;゚∀゚)「すまんかった だから首掴むな」

40:名無しさん
08/19(日) 16:03 CWYBSXtvO

 
(;^ω^)「やるしかないお」
 
( ゚∀゚)「ほら、俺と組むと逝けるぜ」
 
(;'A`)「字が死に向かってる」
 
(´_ゝ`)「そろそろ相談は終わりかな」
 
(´<_`)「パーティ組まれる前に殺し( ^ω^)「よし、これで君も僕らの仲間入り」
 
( ゚∀゚)「助かるぜ」
 
(´<_`)「……ランクが一つ無駄になったぞ、兄者」
 
(´_ゝ`)「特に問題ないぞ」
 
走り出す左右対象の双子。
 
(;'A`)「とりあえず逃げるぞ」
 
( ゚∀゚)「俺は12th 能力は錬」
 
( ^ω^)「僕は1st 能力は刺 あっちは2nd 能力は(;'A`)「自己紹介してる場合じゃねぇ」
 
( ゚∀゚)「そうだな 壁造って逃げるか」
 
12thは手をビルに付ける。
盛り上がるビル、出来上がる巨大なおっぱい。
三人の目の前に出来上がった壁によって二人は足止めくらっていた。
 
( ゚∀゚)「ビルだから固いのが難点だな」

41:名無しさん
08/19(日) 16:06 CWYBSXtvO

 
(´<_`)「この程度で我々が止まるとでも」
 
(´_ゝ`)「40番台の常識を外れる能力見せてくれる」
 
言葉とともにビルの陰へと手を伏せた。
集まった黒い固まりは広がり、おっぱいを包み圧縮しだした。
 
( ゚∀゚)「俺のおっぱいが…」
 
(;'A`)「1st、フォークをおっぱいに投げろ」
 
( ^ω^)「把握」
 
変形したビルに一本のフォークが刺さる。
 
(´_ゝ`)「…固くなった」
 
(´<_`)「12thとは別の能力か 厄介だな」
 
( ^ω^)「追加だお」
 
二本、三本と突き刺さり、銀色に輝くビルのおっぱい。
 
( ゚∀゚)「煌めくおっぱい」
 
('A`)「とりあえず話は後だ ここを離れるぞ」
 
( ^ω^)「おっおっお」
 
走り出す三人。

42:名無しさん
08/19(日) 16:07 CWYBSXtvO

 
(´_ゝ`)「おっぱいがここまで憎いとは思わなかったな」
 
(´<_`)「つるぺた派だから関係ない」
 
(´_ゝ`)「弟者が能力使えばいいんだ」
 
(´<_`)「兄者が形をうまく造れば越えられるんだが」
 
(´_ゝ`)「不器用ですまんな」
 
(´<_`)「全くだ」
 
(´_ゝ`)「不毛な問答はやめないとそろそろ日が真上に来るぞ」
 
(´<_`)「それは困る」
 
男は自分と瓜二つの男の後ろに周り込み、地に手をつけた。
黒い塊が二人の足を包む。
 
(´_ゝ`)「痛いんだよなぁ、これ」
 
(´<_`)「我慢が大事だ」
 
黒い塊が周囲に爆ぜた。
二人の体は容易におっぱいを飛び越えた。
 
(´_ゝ`)「足がしびれた」
 
(´<_`)「奇遇だな、俺もだ」
 
(´_ゝ`)「じゃあ行くか」
 
(´<_`)「まだ遠くに逃げてないだろ」
 
(´_ゝ`)「だが歩いて行くと追い付けん」
 
(´<_`)「走るのか」
 
(´_ゝ`)「あぁ」
 
二人の姿は消え、呟きが少し残り消えた。

43:名無しさん
08/19(日) 16:09 CWYBSXtvO

 
( ゚∀゚)「あの二人は双子なんだよ」
 
走りながら12thは声に出した。
 
('A`)「見ればわかる」
 
( ^ω^)「名前ないのに兄者と弟者って呼んでたお」
 
( ゚∀゚)「記憶残ってるし兄弟だからじゃね」
 
('A`)「あいつらの番号は?」
 
( ゚∀゚)「44、45thだ」
 
( ^ω^)「能力は?」
 
('A`)「黒い塊を操ってたが」
 
( ゚∀゚)「あれは“かげ”だ」
 
( ^ω^)「“かげ”かお」
 
( ゚∀゚)「兄者と呼ばれてたのが陰、つまり物体の陰を操る」
 
('A`)「弟は?」
 
( ゚∀゚)「弟者は影だ 人の影を操る」
 
(´_ゝ`)「俺らの秘密を勝手に話すなんておちゃめさん☆」
 
(´<_`)「12thと戦闘中に話したのが間違いだったな」
 
目の前には件の双子。

44:名無しさん
08/19(日) 16:11 CWYBSXtvO

 
(;^ω^)「いつの間に」
 
(´_ゝ`)「君達がちんたら走ってる間にな」
 
(´<_`)「全力でビルの屋根を走ってきた」
 
(;゚∀゚)「お速いこって」
 
(´_ゝ`)「まぁ俺らは勝つ自信があるからな」
 
(´<_`)「ハンデとして君達の能力は聞かないでおこう」
 
(;'A`)「偽善だな」
 
(´_ゝ`)「偽善で結構だ だが」
 
(´<_`)「飽くまでも楽しむためだ」
 
(;゚∀゚)「ランクは?」
 
(;'A`)「俺も1stも2:だ」
 
(;゚∀゚)「俺も2:だ ちなみに奴らは3:だ」
 
(;^ω^)「二人とも厄介この上ないお」
 
(´_ゝ`)「ガンガン行こうぜ」
 
兄者が地に手を付ける。
そこに陰はない。

45:名無しさん
08/19(日) 16:16 CWYBSXtvO

 
( ^ω^)「どういう…」
 
(´<_`)「俺を無視してよそ見とは余裕だな」
 
すでに弟者が1stの影に手を付いていた。
 
(´<_`)「影、もらうぞ」
 
(;'A`)「1st、離れろ!!」
 
(;^ω^)「しま…」
 
動き出す自分の影。
 
( ゚∀゚)「うおりゃあぁぁぁ!!」
 
(;^ω^)「おぉぉぉ」
 
1stの足元が盛り上がった。
 
( ゚∀゚)「2nd、影に攻撃を」
 
(;'A`)「おぉ」
 
地面を跳ね、軽い爆発、加速。
スーパーボールによって撃ち抜かれた影は1stの足から離れ、消滅した。
 
(´<_`)「流石だな」
 
( ゚∀゚)「まあな 影と陰の対処法は物体から引きはがせば消える」
 
( ^ω^)「わかったお」
 
('A`)「兄のほうは?」

46:名無しさん
08/19(日) 16:17 CWYBSXtvO

 
(´_ゝ`)「君達が遊んでる間に悪いがビルの隙間の陰を持ってきた」
 
(;^ω^)「持ってきたって」
 
(;'A`)「大きめのサイズだな」
 
(;゚∀゚)「二人の効果はかげの自由だ」
 
(;^ω^)「サイズ伸ばしすぎだお」
 
(;'A`)「陰を伸び縮みさせるのは反則だろ」
 
(;゚∀゚)「俺は相性悪くてな、逃げてばっかりなんだわ」
 
(;'A`)「だろうなぁ」
 
スーパーボールを放り出し、陰の手前に投げる。
 
(;'A`)「ksk」
 
弾は加速する。
陰を貫いた。
 
(;^ω^)「やったかお」
 
(´<_`)「甘い甘い」
 
兄者の前には弟者が造ったであろう影が伸びていた。

47:名無しさん
08/19(日) 16:19 CWYBSXtvO

 
(;'A`)「防がれたか」
 
( ゚∀゚)「1st、これにフォーク投げろ」
 
(;^ω^)「おぉ」
 
12thが指差す大きめの瓦礫にフォークを刺した。
 
( ゚∀゚)「錬は二つの合成も行えるんだぜ」
 
右手を地に付け左手を銀色に輝く鉄に付ける。
薄く伸ばされた鉄が周囲に伸びて広がる。
 
(;´_ゝ`)「光の反射で陰が」
 
(´<_`;)「焦るな、まだその陰がある 」
 
( ^ω^)「……」
 
余っていたフォークを陰に投げ付けた。
刺さるフォーク、銀色に固まる陰。
 
(;´_ゝ`)「……」(´<_`;)
 
(;'A`)「……」
 
投げ付けたスーパーボールは手前で跳ね、加速し、銀色の塊を貫く。
派手な音とともに砕ける塊。
周囲に舞う破片。

48:名無しさん
08/19(日) 16:20 CWYBSXtvO

 
( ゚∀゚)「形勢逆転だな」
 
(;´_ゝ`)「日がもう少し沈んでいれば」
 
(´<_`;)「勝てたんだが」
 
(;゚∀゚)「日……」
 
12、44、45thは同時に真上を見上げる。
 
(;'A`)「どうしたんだよ」
 
( ^ω^)「空に何かあるのかお?」
 
(;゚∀゚)「戦ってる場合じゃない!! 散れっ!!」
 
焦る12th。
 
(´<_`;)「鷹の目だ!!」
 
(;'A`)「鷹?」
 
(;´_ゝ`)「狙撃手だ 真昼になると動き出す」
 
(;゚∀゚)「ランクは俺らより遥かに上だ」
 
(;^ω^)「おぉ…」
 
躓いてしまった。
前のめりになる。
乾いた発砲音。
目の前の地面は砕けていた。

49:名無しさん
08/19(日) 16:21 CWYBSXtvO

 
(;^ω^)「危なかったお」
 
(;'A`)「とりあえず建物の中に入ってからだ」
 
( ゚∀゚)「壊し過ぎてごめんちゃい 入り口ないね えへっ☆」
 
(;^ω^)「早くしないと次来るお」
 
( ゚∀゚)「威力が高いから装填に時間がかかるらしい まだ大丈夫だ」
 
('A`)「とりあえずそこのビルは入れそうだ」
 
( ^ω^)「そこで話し合いだお」
 
('A`)「双子は?」
 
( ゚∀゚)「知らん」
 
( ^ω^)「逃げたお」
 
三人はビルの内部、自販機前で話し合い。
さっきまで殺し合いをしていたとは思えないほどだ。

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