220:◆/wOcNhjd4U
10/16(月) 14:13 YvPJLLuwO


(  ^ω^)「というわけでなんでクーがいるお?」



川゚ -゚)「女性がわざわざ自宅に押しかけてるんだ。やることは一つだろう」



(* ^ω^)「……まさか」



川゚ -゚)「ツ イ ス タ ー だ」



(  ^ω^)「だが断る」



Σ川;゚ -゚)「なっ!?」




夏祭りの翌日、自宅でごろごろしてる僕のうちに急にクーが押しかけてきた。




川゚ -゚)「決闘の申し込みを断るとは……恥をしれ」



(; ^ω^)「この歳でツイスターも恥だお」



(  ^ω^)「でも、急にうちなんか来てどうしたお?」



川゚ -゚)「……実は少し辛いことがあってな」



(  ^ω^)「……クー」



川゚ -゚)「いや……何でもない。空気を悪くしてすまなかったな」



(  ^ω^)「気にするなお」



川゚ -゚)「……ありがとう」








川゚ -゚)「さ……、気をとり直してツイスターを続けy」
(  ^ω^)「なにさっきまでツイスターやってたみたいな空気にしてるお」



川;゚ -゚)「……手強いな」




懐かしいやりとりををつまみに酒を飲むブーンとクー。気がついた時には随分と時間が進んでいた。





……どうやら僕は寝てしまったらしい。一言謝ろうと壁際でうずくまってるクーに声をかける。



(; ^ω^)「クー……勝手に寝てしまって正直スマンk」

川  - )「……もうこんな生活は嫌だ」



(  ^ω^)「……」








僕はクーの何をみていたんだろう。




きっと本当は何か辛いことがあって僕を尋ねてきたに違いない。




なのに僕は……







(  ^ω^)「……ホント僕はダメな奴だお」




僕は……この人に笑っていてほしい




(; ^ω^)「……そうだお!」


Σ川;゚ -゚)「どうした急に」


(; ^ω^)「どっか遠いとこに出かけるお! そうすれば嫌なことも全部ぶっとぶお!!」



川゚ -゚)「……そうか、オフ会に一緒に来てくれるのか!!」



(  ^ω^)「……お?」



川゚ -゚)「……ありがとう。」

Σ(; ^ω^)「わっ!? ちょっ……!!」



急に抱き付いてきたクーに激しく動揺する僕。そんなことされたら……






〜〜



( ´ω`)「……寝れなかったお」

221:◆/wOcNhjd4U
10/16(月) 14:16 YvPJLLuwO

窓からは朝日が差し込んでいる。依然クーは僕に抱き付いたまま気持ちよさそうに寝息をたてていた。




(; ^ω^)「人の気もしらないで……」



川う-゚)「……あ、おはようだ、ブーン」



(; ^ω^)「やっとお目覚めかお……」



川゚ -゚)「……寝込みを襲うのはいただけないな」



(; ^ω^)「抱き付いてきたのはクーだお。とりあえず離れるお」



川゚ -゚)「……今何時だ?」


(  ^ω^)「えーと、8時半だお」



川;゚ -゚)「……マズい」



(  ^ω^)「何g」

川゚ -゚)「40秒で支度しな!!」



Σ(  ^ω^)「!!!」




クーに言われるまま急いで支度を始めるブーン。


何故だかわからないけど急いで準備をしないといけない気がする!!




川゚ -゚)「ナイフとランプは?!」

(  ^ω^)「カバンに詰めたお!!」

川゚ -゚)「飼ってるハトは?!」

(  ^ω^)「逃がしておいたお!!」

川゚ -゚)「父さんがくれた?!」

(  ^ω^)「熱い想い!!」

川゚ -゚)「母さんがくれた?!」

(  ^ω^)「あのまなざし!!」



川゚ -゚)「シィィィタァァァアアッッ!!!」


(  ゚ω゚)「パズウゥゥゥッッ!!!」












川゚ -゚)「さぁ、着いたぞ。」



(  ^ω^)「……なんで僕がシータ?」


川゚ -゚)「なんとか時刻に間に合ったようだな」




クーに連れられて来たのは小さな港町。クルーザーなどがあるところを見ると目的地までは海を渡るのかもしれない。



( ´_ゝ`)「もしかして『クー』か?」



川゚ -゚)「如何にも、私がクーだ。」



( ´_ゝ`)「そうか、よく来たな。メンバーは君で最後だ。」



(; ^ω^)「???」



当然のように現れた男性に戸惑う。誰だかわからないが荷物などをみるとどうやら目的は同じらしい。









今日はクーと二人っきりだと思ってたのに……



(  ´ω`)「……はぁ」



川゚ -゚)「どうした?早くいくぞ」



(  ´ω`)「はいはいだお……」




おざなりに返事をしてとぼとぼついていく。







これから僕たちは一体どこに向かうのだろうか……?



〜いい日旅立ちにようこそ!〜

222:◆/wOcNhjd4U
10/17(火) 03:14 L66rLOCfO


男性に連れられて小さなクルーザーの前にいくと他にも同じ目的と思われる人が待っていた。



( ´_ゝ`)「紹介が遅れたな。私は兄者。今回のオフ会の主催者だ。」



(  ^ω^)「僕は内藤ホライゾンだお。ブーンと呼んで欲しいお」



頭を軽く下げて一礼する。兄者は年齢は僕より少し上のような印象を受ける。何より裸のまま持っているノートパソコンが特徴的だ。



(´<_` )「私は弟者だ。顔を見ればわかると思うが兄者の弟を仕方なく務めている」


「仕方なくっ?!」



双子なのだろうか。弟者は外見は兄者と余り変わらない。しかし弟者には兄者にはない気品のような物を感じる。



「気品っ?!」



( =゚ω゚)ノシ「いよぅだよぅ」


こんな子供までいるのか……。本当に今回の目的は見当もつかない。しかしこの子には兄者にはない純粋さに溢れている。それは時に大人にはできない何かをやってのけるに違いない。



「純粋さっ?! え、何それ?!」



川゚ -゚)「私はクーだ」



彼女には……何かとても懐かしい印象を受ける。兄者のようなその場限りの友人ではなくまるで長年の友人のような……



「その場限りっ?!」



( ;_ゝ;)「え、初登場でこの扱いっ?! 酷くないっ?!」



(´<_`;)「兄者、時に落ち着け」




……今回の旅は一筋縄ではいかないらしい



何より溜めておいた流石といよぅの絡みネタが最近、他作品ででてしまったため非常に書きづr

(; ^ω^)「見苦しいお」




(  ^ω^)「ともかく……これからどこに向かうお?」



( ;_ゝ;)「知るかっ!!帰れ帰れっ!!」



(´<_`;)「そう言うな兄者。俺たちは兄者 だ け が頼りなんだ。」



( ´_ゝ`)「今からこのクルーザーで私有の島に向かう」


(; ^ω^)「……流石だお」



( ´_ゝ`)「海を舐めるな。いくぞ」



兄者を先頭にクルーザーへ乗り込む5人。




各々の想い載せた船はけたたましいエンジン音を響かせ大海原へと走りだした。



〜〜


その頃、ブーン宅



ξ゚听)ξ「まさか早くも盗聴器が役に立つとはね……」


ξ゚听)ξ「さて、どこにいったか手掛かり手掛かりっと……」









ξ゚听)ξ「ん、このチラシかな?」



ξ;゚听)ξ「!!?」

223:◆/wOcNhjd4U
10/17(火) 03:16 L66rLOCfO


〜〜


(* ^ω^)「すっげーおっ!! 海だお海っ!!」



(*=゚ω゚)「うみうみっ!!」


広大な景色



目の前に広がる大海は海なんて魚の糞尿と汗の混じったどぶ水だと思っていた僕の価値観を180゚変えてしまっていた。



川;゚ -゚)「海に何か恨みでもあったのか……?」



( ´_ゝ`)「ほら、そんなに騒ぐな。海を舐めてると痛い目にあうぞ。」



(´<_` )「そう思うなら早く船首からどいてくれ兄者。操縦し辛い。」




海の独特の開放感のおかげかメンバーは互いに気付かぬうちに打ち解けていた。




( ´_ゝ`)「よし、いよぅ。ゲームでもしよう。」



( =゚ω゚)「いいけど……僕強いよ?」



川゚ -゚)(進んで子供の相手とは兄者もいいとこあるな)


( ´_ゝ`)「はっはっはっ、そうか。それではお手柔らかに頼むぞ。」










( =゚ω゚)「勝ったっ!!」



(  ゚_ゝ゚)「認めぬっ!!」


(´<_`;)「30回近く負けてるんだからいい加減認めろ、兄者。」



( =゚ω゚)「僕、ゲームならなんでも得意だよ」




(  ^ω^)「みんなー、釣りするお!!」



( ´_ゝ`)「……よし!いよぅ、次は釣りで勝負だ!」



(;=゚ω゚)「僕、本物はやったことない……」



川゚ -゚)「ならば私が一緒にやってやろう」



Σ(*=゚ω゚)「ホント?ありがとう!クーお姉さん!!」



川*゚ -゚)(お姉さん……)



(´<_` )「釣具は後ろの棚に入ってる。俺は操縦してるからみんなで楽しんでてくれ」



(  ^ω^)「わかったお!!それではブーン杯釣り大会、スタートだおっ!!」







その頃、毒男宅



がちゃ


ξ;゚听)ξ「ちょっと毒男!!」



( 'A`)「なんだよ?俺はこれからエロゲの搬入で忙しいんだ」



ξ;゚听)ξ「これ見てこれ!!」



( 'A`)「えー、どれどれ」



( 'A`)「……」










(;'A`)「……マジかよ」



ξ;;)ξ「は、早くしないと!!」









「ブーンが死んじゃう!!!」


〜〜



(* ^ω^)「こんなに楽しいことがあるなら当分死にたくないお〜♪」




〜Friend Shipにようこそ!〜

224:◆/wOcNhjd4U
10/18(水) 13:22 tMcafiP+O


(  ^ω^)「……」

川゚ -゚)「……」

(´<_` )「……」

( =;ω;)「……」




(  ^ω^)「……なんで誰も兄者を助けなかったお?」



(´<_`;)「いや……、まさか兄者があんなカジキ級の大物をHITさせるとは思わなかったし……」



川;゚ -゚)「『助けはいらん、こいつは俺が釣ってみせる!!』と言っていたし……」



(; ^ω^)「まさか引きずり込まれるとは……」



( =;ω;)「ヒック……怖かったよぅ……ヒックヒック」



(  ^ω^)「……」

(´<_` )「……」

川゚ -゚)「……」

( =;ω;)「……ヒック」












(  ^ω^)「まあ、僕たちに非はないお」



川゚ -゚)「兄者が落ちたのはこの島から2kmぐらいのとこだし」



Σ(*=゚ω゚)「ならきっと泳いでこれるよ!!」



(´<_` )「潮流の関係で最悪、流れつくだろうしな」






(  ^ω^)「……」

川゚ -゚)「……」

(´<_` )「……」

( =゚ω゚)「……」











(  ^ω^)「遊びますか」



川゚ -゚)「せっかく着いたんだしな」



(´<_` )「兄者が迷惑をかけてすまなかった」



( =゚ω゚)「水着に着替えて海で泳ごうよ!!」




今さらだが僕らはとうとう目的地の島に着いたらしい。尊い犠牲を払ったものの眼前に広がる景色の前ではそんなことはどうでもよくなっていた。






川゚ -゚)「よし、着替え完了!!」



( =゚ω゚)「ブーンくんも早くいこうよ!!」









( つω ) ドクドク


( つ<_   ) ドクドク



(;=゚ω゚)「二人とも大丈夫?! 鼻血でてるよ!!」



(;つω ) ドクドク「な……なんでここで着替えるんだおクー」



川゚ -゚)「? ここは無人島なのだから他人に見られることもないだろう?」



(;つω ) ドクドク「いや……そういうんじゃなくて……」



(つ<_  ;)ドクドク(……来てよかった)



川゚ -゚)「ほら、早くいくぞ。」



( =゚ω゚)「早く早くー!!」


(;つω^)「お……、すぐいくから先にいっててくれお」







……早く落ち着け、僕の息子よ!!

225:◆/wOcNhjd4U
10/18(水) 13:31 tMcafiP+O





( =゚ω゚)「    !!」



川゚ -゚)「     !!」



波打ち際で器用にビーチボールを打ち返す二人


楽しそうに遊ぶ姿はまるで本当の姉弟のようだ




(* ^ω^)(……てかクーの水着姿ヤバス)



というかあのプロポーションは反則だと思う。



(* ^ω^)(……しかもモロ拝んじゃったし)



(;=゚ω゚)「     」



Σ川;゚ -゚)「     」



(  ^ω^)「おっおっ、クー強く打ち過ぎだお」



いよぅを通り越して沖の方に飛んだボールを見つめる。


それをいよぅが泳いで取りにいって






「!!!!??」





いよぅの叫び声が辺りに響き渡った



Σ川゚ -゚)「!!?」



(  ^ω^)「……」









(  ^ω^)「……魚でもいたかお」



なんとなくそう思う。いよぅなら足に魚が当たっても泣き出しそうだ。





クーがいよぅの元に泳いでいく。いよぅの話を聞いたあとに潜ったところをみるとやはり下に何かあったらしい







やっぱり魚かな……?













(  ゚_ゝ゚)




川゚ -゚)「兄者を見つけた」


( =;ω;)「足に……ヒック何か……ヒックヒック当たって……ヒック」



(; ^ω^)「よしよし、それは確かに怖かったおね」



(´<_` )「兄者……変わり果てた姿で……」



(  ^ω^)「で、どうするかお、これ」


(´<_` )「夜はキャンプファイヤーをやろうと思っててな」


川゚ -゚)「ならちょうどいい」


(*=゚ω゚)「キャンプファイヤー!?」





( ´_ゝ`)「一人ぐらい悲しんでもいいだろ」





(  ^ω^)「なんだ、生きてたのかお」


川゚ -゚)「役目を果たし終わったキャラほど邪魔なものはない」


(´<_` )「てか死ね、兄者」


( =;ω;)ヒックヒック




( ´_ゝ`)「……」











「うそうそ!!冗談だお!!」


「流石にそこから落ちたら本気で死ぬぞ!!」


「俺が悪かった!!だから早まるな兄者!!」


「兄者ー!!死んじゃダメだよぅー!!」






……日もそろそろ傾いてきました


〜バカンスにようこそ!〜

226:◆/wOcNhjd4U
10/19(木) 08:31 xYxkJJUIO


〜〜


ξ;;)ξ「ど、どうしよぉっ!!早くしないとっ!!」



(;'A`)「えぇいっ、泣くな!とにかくいくぞ!!!」



ξ;;)ξ「で、でもどうやって……」




泣いている場合じゃない。そんなのはわかってる。



けど……、もしブーンが死んだら私は……!!






( 'A`)]「もしもし!!じぃちゃん?!お願いがあるんだけど!!」



爪゚ー゚)]「あら毒男。どうしたの?そんなに慌てて」



(;'A`)]「実は友達が死にそうなんだ!! それでこの『流石島』に行きたいんだ!!頼むっ!! ヘリを貸してくれっ!!!!」



爪;゚ー゚)「……ごめんなさい。いくら私でも私用でヘリを出す権限は……」




爪゚ー゚)]「……」



爪゚ー゚)]「……今、どこに行きたいって言った?」



(;'A`)]「『流石島だ』!!」



爪゚ー゚)]「……どこかで聞いたような……あ」











爪 ー )「……OK。すぐに拾いにいくわ。毒男の家の近くにある駐車場で待ってて」



( 'A`)]「本当か!?恩に着る!!」



爪*゚ー゚)「他ならぬボーイフレンドの頼みだもの」



「けど……覚悟しといて…ガチャ」



(;'A`)「……何を覚悟するんだ?」



(;'A`)「ともかくツン!! 大丈夫だ!! じぃがヘリで連れてってくれるって!!」



ξ;;)ξ「……ホントっ!?  ありがとう毒男っ!!」



(*'A`)「ちょ、抱き付くな!! とりあえず駐車場に急ぐぞ!!」



ξ;;)ξ「うんっ!!」



( 'A`)(あのツンがこんなに取り乱すなんて……)



(;'A`)「……ちくしょう。ブーンのやつなんで……」











「なんで自殺なんか……!!」




〜〜



パチパチパチパチッ



(  ^ω^)「……綺麗だお」



砂浜の真ん中で赤々と燃えるキャンプファイヤーを見つめる


辺りは既に暗く、この大きな火の柱が照らしている場所だけが世界の全てのような気がした



川゚ -゚)「たくさん流木を集めた甲斐があった」



(´<_` )「たまにはこういうのもいいものだな、兄者」


( ´_ゝ`)「うむ。船のガソリンを使ったのは正解だったようだ」



(*=゚ω゚)「きれー…」

227:◆/wOcNhjd4U
10/19(木) 08:34 xYxkJJUIO


(  ^ω^)「でも兄者、船のガソリン使っちゃって帰りは大丈夫なのかお?」



( ´_ゝ`)「帰り? 何を言ってるんだ?」



(; ^ω^)「え?」



( ´_ゝ`)「よし、そろそろ頃合だ。みんな先ほど立てたテントに集まってくれ」



(; ^ω^)「何をするお……?」



( ´_ゝ`)「『メインイベント』だ」












パチパチ



七輪の中で木炭が爆ぜる

キャンプファイヤーよりも遥かに小さいその明かりはゆらゆらとテントの中を怪しく照らしていた



(  ^ω^)「で、何をするんだお」



川゚ -゚)「『メインイベント』と言っていたが……」



(´<_` )「怪談なら七輪じゃなくて蝋燭だぞ、兄者」



(*=゚ω゚)「七輪初めてみた……」



( ´_ゝ`)「おいおい、なんで俺たちが集まった目的を忘れたわけじゃないだろ?」




「それでは、そろそろ『現世を別れる』としよう」



Σ(; ^ω^)「!!??」
Σ川;゚ -゚)「!!??」
Σ(;´_>`)「!!??」
Σ(;=゚ω゚)「!!??」



( ´_ゝ`)「『自殺オフ会』に集まったんだ。みんなも死にたいのだろう?」



(; ^ω^)「僕はクーに誘われて」


川;゚ -゚)「私は格安でプライベートビーチにいけると」


(´<_`;)「兄者が船の操縦できないから俺を連れてきたんだろう」


(;=゚ω゚)「たまたま開いたチャットが面白かったから……」



( ´_ゝ`)「……」








( ´_ゝ`)「え、みんな死なないの?」



(  ^ω^)「死なないお」


川゚ -゚)「死んでたまるか」

(´<_` )「勝手に死んでろ、兄者」


( =;ω;)「僕、兄者のこと忘れないよ」



( ´_ゝ`)「……」










「だから冗談だおっ!!」


「これ以上木炭を入れたら本気で死ぬぞっ!!」


「すまないっ!! 悪ノリが過ぎた兄者っ!!」


「兄者ーっ!! 死んじゃダメだよぅーっ!!」








時刻は夜、日は完全に暮れました


〜自殺なんかしちゃダメにようこそ!〜

229:◆/wOcNhjd4U
10/21(土) 23:55 QR0SceJqO


〜〜


ξ;゚听)ξ「ここでいいのかしら……?」



(;'A`)「俺たちのアパートから一番近いのはこの100円パーキングのはずだが……あ、あれかっ!!」




パラパラパラパラッ



毒男が既に日の落ちた暗い空を指差す。そこにはこちらに向かって急接近している大きな光があった





パラパラパラッ


ガシャン




ヘリが着陸する時に鈍い金属音が響く。当然と言えば当然か。











このヘリは明らかに通常よりデカい





爪゚ー゚)「お待たせ!」



( ゚∀゚)「早くしろよ。警察に捕まるとマズい」



(;'A`)「じぃ!! てかこれ明らかに軍事用だろ」



爪゚ー゚)「細かいことは気にしないの! 早く乗り込んで!!」



ξ;゚听)ξ「あ、あの!! 初めまして!! 私は」


爪゚ー゚)「ツンね、話は聞いてるわ。私はじぃ。毒男のガールフレンドよ。」



爪゚ー゚)「今回はツンの力が必要なの。協力してくれる?」



ξ;゚听)ξ「あ、はい! 私にできることなら」



爪゚ー゚)「OK。さぁ、早くいくわよ!!」




じぃの指示通り急いでヘリに乗り込む。最後尾の毒男の足が地面から離れると同時にヘリは勢いよく空へと上り始めた。




(#'A`)「ばっ、落ちるとこだったぞ!!」



( ゚∀゚)「そう怒るなよ。1秒も惜しいのはお互い様だろ?」



爪゚ー゚)「彼の名前はジョルジュ。今回はヘリの操縦を頼んでるわ。」



(;'A`)「あ、ああ。怒ってすまない。俺は毒男だ。よろしくな」



( ゚∀゚)「こいつがじぃの彼氏か。全く、なんて運のいいヤローだ」



爪*゚ー゚)「よ、余計なことは言わないの」



ξ;゚听)ξ「初めまして、ツンデレと言います」



( ゚∀゚)「そんでこっちが『例』の女の子か。どんなゴリラ女かと思ったらとんだ上玉じゃn」

ガチッ



爪゚ー゚)「聞こえなかった? 余計なことは言わないの」



(;゚∀゚)「……ああ、少し調子にのった。謝るからその銃を早く退けてくれ」



爪゚ー゚)「全く……、あなたは優秀だけど軽率過ぎよ」



爪゚ー゚)「それで……友達が死ぬっていうのはどういうこと?」

230:◆/wOcNhjd4U
10/22(日) 00:05 uBUqygRbO


( 'A`)「ああ、実はブーンが自殺オフ会ってのに参加してるらしいんだ」



爪゚ー゚)「……自殺?」



爪゚ー゚)「ならブーンは自らの意思で死のうとしてるってことじゃないの」



(;'A`)「そ、それは……」




確かに……自殺オフ会に行ったということは自ら死にたいと思っているということだ。


そこまで思い詰めてたことに気付かなかった俺たちがどの面さげて死ぬ決心をしたブーンを止めると言うんだろう。



( ゚∀゚)「そのブーンって奴、確かひきこもりのニートなんだろ?だったら自分から死んでくれるなんて有り難い話じゃねーか」



爪#゚ー゚)「……あなたは何度言ったら」







「……させません」





爪゚ー゚)「え?」



ξ゚听)ξ「ブーンに自殺なんか絶対させません」



ξ゚听)ξ「やっと見つけたんです……」






ニートでひきこもりでショタで変態で





私なんかより100倍クズでどうしようもなくて








誰かの救いが必要な人間









『私の救い』を必要としている人間




ξ゚听)ξ「……私はブーンを救うって決めたんです」



( 'A`)「ツン……」





ξ;;)ξ「だから……」



(;゚∀゚)「あー、悪かったっ、悪かったよっ! まいったな……、冗談のつもりだったのに」



爪゚ー゚)「あなたはもう少し空気を読めるようになりなさい」



( ゚∀゚)「可愛いお嬢さんを泣かせてなんもしないってのは俺の紳士道に反するしな。お詫びに速攻で彼氏のとこまで連れてってやるよ」



ξ///)ξ「そ、そんなんじゃ……きゃ!!」




急な揺れにバランスを崩す。どうやら先ほどよりもさらにスピードが上がったらしい。


爪゚ー゚)「彼は私たちのチームの中でヘリの操縦が一番速いの。ただ、きまぐれなのがたまに傷なんだけど……どうやら本気になってくれたようね。この調子ならあと20分もすれば着くわ」



ξ゚听)ξ「ほっ、ホントですか?!」



爪゚ー゚)「ええ、彼の腕は私が保障する」



ξ゚听)ξ(……すぐにいくわ、ブーン。)







あと少し……間に合って!!



〜救いにようこそ!〜

232:◆/wOcNhjd4U
10/22(日) 19:50 uBUqygRbO


〜〜


(; ^ω^)「でもなんで自殺なんか……」


川゚ -゚)「よかったら私たちに話してくれないか?」


(´<_` )「実の弟に話さないなんて水臭いぞ」


( =゚ω゚)「兄者、元気だして!!」


( ´_ゝ`)「おまえら……」


兄者が拳を握りしめる。死を決心するほどだ。余程辛い目に会ったに違いない。








( ´_ゝ`)「実は俺のFMVが」
(  ^ω^)「把握」

川゚ -゚)「予測済みだ」

(´<_` )「みなまで言うな」

( =゚ω゚)「元気だして!! 兄者!!」


(;´_ゝ`)「……人の話を聞く気があるのか?」






(  ^ω^)「例え何があっても自殺なんかしちゃダメだお」

(  ^ω^)「自殺なんかしたらもう楽しいことは何も出来なくなっちゃうお」


( ´_ゝ`)「……」


(  ^ω^)「死にそうなほど辛いことがあったなら……きっと今度は死にそうなほど楽しいことが待ってるに決まってるお」


(  ^ω^)「それに……兄者が死んだら僕たちが悲しむお」

川゚ -゚)「せっかくこんな楽しい友人と会えたんだ」


(´<_` )「全く……、世話の焼ける兄だ」


( =;ω;)「兄者……またゲームやろう……?」


( ´_ゝ`)「……」











( ;_ゝ;)ブワッ



( ;_ゝ;)「みんな……そこまで……」













「……すまなかった」



膝をついて倒れこむ兄者。どうやら今の説得で完全に改心してくれたようだ。




(  ^ω^)「よし、そうと決まれば早くみんなで帰るお」


( ´_ゝ`)「や、それについて話があるんだが……」


(  ^ω^)「なんだお?」


( ´_ゝ`)「帰りのガソリンは先ほどキャンプファイヤーに使ってしまった」


(  ^ω^)「……ということは?」


( ´_ゝ`)「クルーザーは動かない」


(  ^ω^)「……」










(# ^ω^)「ばっっ、バーローっ!! 船無しでどうやって帰るおっ?!」


(;´_ゝ`)「し、しかし原作では確かにキャンプファイヤーに帰りのガソリンを使っていたぞ!! だから俺も役割上仕方なく……」


川゚ -゚)「この作品はこのように原作に対する矛盾点を解消する場でもあります」

233:◆/wOcNhjd4U
10/22(日) 19:53 uBUqygRbO





(  ^ω^)「……とりあえず今日はこのテントで野宿して明日対策を考えるお」



テントの中で円くなり、今後の方針について話し合う。


日が完全に落ちてる以上、下手に動くのは危険だ。それに今日の疲れから来る眠気がきっと皆を襲っているだろう。


川゚ -゚)「やむを得ないか」

( ´_ゝ`)「明日のために早く寝ろよ。」


(´<_`;)「誰のせいだと思ってるんだ……」


( =つω-)「ん……、おやすみなさい……」



テントの電球を消す。この電球さえいつまでもつか……


状況は思っている以上に悪いのかもしれない







(; ^ω^)「というのに……」


深夜の浜辺に座る自分につっこむ。空を飾る大きな月のため、外は予想以上に明るかった。



(  ^ω^)「今日はいろんなことがあったお……」



クーに元気を出してもらいたくて勇気を出して旅行に誘ったり



実は二人きりじゃなくてへこんだり



今日会ったばかりの人と釣りをしたり海で泳いだりして遊んだり





死にたいと言う友人を止めてみたり



(  ^ω^)「自殺なんかダメだ……かお」



笑い話だ。最近まで死にたいと思っていたのは他ならぬ僕の方なのに



(  ^ω^)「……あれはきっと自分に言ったんだお」









──ひきこもりの時、僕の人生はこれからも暗いままだと思っていた







ずっと独りで






死にそうなほど辛いのに死ぬ勇気すらない自分が恥ずかしかった







けど





生きているおかげで今、僕は死にそうなほど楽しい日々を過ごすことができている






たくさんの発見があった





たくさんの思い出を手に入れた





そして……





パラパラパラパラッ



ガシャン




(; ^ω^)「なっ、なんでヘリがこんなところにっ?!」



ガチャ



ξ゚听)ξ「……ブーン?」

(; ^ω^)「……ツン?! なんでこんなとこn」

ξ;;)ξ「ブーンっっ!!!」










「ちょwwいきなり抱き付くなwwwww」


「ブーン……ヒック……生きてる……ヒック…………よかった……ヒックヒック」





そして……、僕のことで悲しんでくれる大切な友人に巡り会えた





〜イ`にようこそ!〜

235:◆/wOcNhjd4U
10/25(水) 21:22 AGT8ngVSO


(* ^ω^)「ツン……」



ξ*゚听)ξ「ブーン……」




砂浜で抱き締め合ったまま見つめ合う。


この時間がいつまでも続いたら……






爪゚ー゚)「イチャついてるとこ悪いけど時間がないわ。」

(* ^ω^)「ばっ!! 」

ξ*゚听)ξ「そ、そんなんじゃないわよ!!」


(;'A`)「全く、人が心配してやったっていうのに……」





二人の冷ややかな視線に耐えきれず慌てて離れる



まあ、人生そこまで甘くはないか……



( ゚∀゚)「じぃ、ここも危険だ。急げよ」


爪゚ー゚)「わかってるわ」


(  ^ω^)「あ、じぃさん、初めましてだお僕はb」

爪゚ー゚)「お互い知ってるから自己紹介は省くわよ。とりあえず他に一般人は?」


(  ^ω^)「え? えっと僕の他にはクーとあと3人いるお」


爪゚ー゚)「わかったわ。とりあえずその3人を救出するわよ」


(; ^ω^)「救出ってなんのことだお?あと危険って……」



先ほどからバカンスに似合わない不自然な言葉が飛び交う。状況がわからず困惑している僕は











「うわぁぁぁぁ!!!?」





突如響いた叫び声でやっと『この』状況を理解した





(;'A`)「今のは?!」


(; ^ω^)「兄者の声だお!!」


爪゚ー゚)「場所は!?」


(; ^ω^)「あそこの岩を曲がってすぐだお!!」


ξ;゚听)ξ「早くいきましょう!!」




ツンの掛け声と同時に飛ぶように走りだす4人。目の前にある岩場を抜けるとそこには




( ;_ゝ;)「はぁ……はぁ……」



川゚ -゚)「ブーン、どこにいっていた?心配したぞ」




泣きながら震えている兄者と



言葉とは裏腹に刺すような視線をこちらに送るクー





そして





先ほどまではなかった大きな『得体のしれないモノ』がそこに転がっていた




(; ^ω^)「そ、それはなんだお?!」


川゚ -゚)「どうやら『虫』らしいな」


爪゚ー゚)「詳しく状況を聞かせてもらえないかしら?」

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