153:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/19 03:15:22 ikiZCPh2O
諸葛亮曰わく:続きは今日の夜かな…

( ・∀・)「ふふふ…買っちゃった」
( ・∀・)「みなさん、何故か物語の主人公は妙なおしゃれ特技もってたりしますよね?」

( ・∀・)「やたら料理上手いとか、やたら芸術センスあるとか」

( ・∀・)「中でも僕が一番かっこいいと思うのは」

( ・∀・)「楽器です!」

( ・∀・)「というわけで買っちゃったのです!チェロ!」

( ・∀・)「ギターやらベースはメジャーすぎる!バイオリンは、『安易にギターやベースやらずに敢えてバイオリンをやる俺かっこいい』って感じがするのでパス!」

( ・∀・)「え?チェロも同じだろって?」

( ・∀・)「うっさいバーカバーカ!僕の演奏に酔いしれろい!」

チェロを構えるモララー。

( ・∀・)「いざ!」

ぎごーがーがががーぎー

川#゚ -゚)「うるさいわよモララー。殺すわよ」

( ・∀・)「あれっ?」

気紛れな相談屋のようです

第五話


154:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/19 03:34:36 ikiZCPh2O

川#゚ -゚)「弾くのなら聞くに耐え得るレベルになってからにしなさい」

( ・∀・)「そのレベルになるために練習しようとしてるんじゃないか!」

川 ゚ -゚)「練習は人目につかない所でやりなさい」

( ・∀・)「えー」

川 ゚ -゚)「何よ」

( ・∀・)「寂しいじゃん」

川 ゚ -゚)「…はぁ」

( ・∀・)「さあ!練習練習!」

ぎごーがーがががー

川#゚ -゚)

川#゚ -゚)←なんだかんだで我慢するクー

(*・∀・)「♪」←自分酔い

ピンポーン

( ・∀・)「♪」

川#゚ -゚)

ピンポーン

(*・∀・)「♪

川 ゚ -゚)Σ

ピンポーン

( ≧∀≦)「♪」

玄関へと向かうクー。

川 ゚ -゚)「いらっしゃいませ」

ξ゚听)ξ「相談屋と聞いて来たんですが…」

川 ゚ -゚)「どうぞ中へ」


川 ゚ -゚)「モララー、お客様」

( ≧∀≦)「♪〜」

川 ゚ -゚)「モララー」

( ≧∀≦)「♪〜♪♪♪」

川#゚ -゚)ブチッ

電話帳を取り出し、思い切りモララーの後頭部を殴り付けるクー。
( ・∀・)「ぐは!痛い!うわ!流血!」

川 ゚ -゚)「お客様よ、さっさと仕度しなさいこのお馬鹿」

( ・∀・)「なんと!チェロってる場合じゃねえ!」


156:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/19 21:01:09 ikiZCPh2O
諸葛亮曰わく:おハロー

( ・∀・)「何処だ!客は何処だ!差し出せ!僕に差し出せ!」

ξ ゚听)ξ「ここです」

( ・∀・)「はじめましてツインドリル!僕はモララー!相談屋さ!あなたは?」

ξ;゚听)ξ「つ、ついん?私はツンです」

( ・∀・)「ツン?変な名前だ!」

川 ゚ -゚)「お黙る、モララー」

ξ ゚听)ξ(変な所に来てしまった)

川 ゚ -゚)「今日はどのようなご用件でしょうか」

ξ ゚听)ξ「は、はい。あの、なんかどうも変な感じがするんです」

( ・∀・)「抽象的!」

川 ゚ -゚)「具体的には」

ξ ゚听)ξ「不意に意識が遠退いて、気が付いたら全然知らない場所に居たり、部屋の物の配置が変わっていたり、買った覚えのないものがあったりするんです」

( ・∀・)「そこはかとなくデジャヴだなー。もしやあなた嘘吐き?」

ξ ゚听)ξ「嘘なんか吐きませんよ。嘘吐きは世界で一番嫌いです」

( ・∀・)「お、いい人だ」

川 ゚ -゚)「他には何か」

ξ ゚听)ξ「あ、そうだ。誰かと会話してたはずなのに、それが誰だか覚えていないんです」

( ・∀・)「痴呆?」

ξ#゚听)ξ「違います」

川 ゚ -゚)「ただの物忘れじゃないの?」

ξ ゚听)ξ「一回や二回じゃないんです。最近は特に増えてます。話した内容も誰と話したかも分からないけど、相手は一人で、毎回同じ人だってのは分かるんです。あと、私の知り合いには居ないっていうのも分かるんです」

( ・∀・)「よく分からないなあ」

ξ;゚听)ξ「すみません。でも本当なんです。分からない事だらけなのに、何故か確信を持っている事もあるんです。あと、その相手は何故か非常に近しい感じがするんです」

( ・∀・)「わけわかめ」

川 ゚ -゚)「ふむ…」


157:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/19 21:25:59 ikiZCPh2O

川 ゚ -゚)「その変な感じっていつから?」

ξ ゚听)ξ「半年前です。私半年前に交通事故に遭ったんですけど、その時からです」

( ・∀・)「ますます病気くさいなあ。医者には行った?」

ξ;゚听)ξ「何回も行きましたよ。でもどこも悪いところはないって」

川 ゚ -゚)「事故について詳しく」

ξ ゚听)ξ「えと、私バイクに乗るんですけど、運転中にトラックとぶつかってしまって」

( ・∀・)「よく生きてたね」

ξ ゚听)ξ「私もそう思います。かなり派手に跳ばされたのに、外傷はほとんどなかったんです。救急車で病院に運ばれて、意識が戻らなかったせいもあり入院しましたが一晩で退院出来ました」

( ・∀・)「すげー!実は男顔負けのガチムチボディとか?」

ξ#゚听)ξ「違います!」

( ・∀・)「えー、じゃあお腹見せてよ」

ξ ゚听)ξ「ほら、普通でしょ!」
そう言って服をめくりあげるツン。めくりすぎてブラジャーまで見えている。なるほど、たしかに均整のとれた体つきをしている。胸は小さめだった。


158:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/19 21:27:00 ikiZCPh2O

( ・∀・)「うひょ!」

ξ ゚听)ξ

ξ ゚听)ξ「!」

ξ;///)ξ「ちょちょちょ!何させるのよこの変態!」

( ・∀・)「いや、見せた君が悪い!」

ξ;///)ξ「変態!セクハラ野郎!」

( ・∀・)「ふはは!でも確かにガチムチではないな。おぱいはクーのほうがでか」

そこまで言ったところで、クーが机の上にあった花瓶をモララーの顔面に叩きつけた。

( ∀)「ギャア!」

ひっくり返りのたうち回るモララー。

川 ゚ -゚)「反省なさい、ゴミ虫」

ξ;゚听)ξ「あ、あの大丈夫なんですか?なんか血塗れですけど」
川 ゚ -゚)「ゴキブリは生命力が強いのよ」

ξ;゚听)ξ「は、はあ」

(自主規制)「死んだらどうする!!」

勢いよく立ち上がったモララーの顔面は筆舌に尽くしがたい様相だったので、筆舌に尽くせない。

ξ;゚听)ξ「ひい!」

川 ゚ -゚)「あら、どちらさま?」

(自主規制)「僕だよ!誰かさんのせいで顔面がー!」

川 ゚ -゚)「あら、ゴキラー。生きてたの。流石ゴミ虫、生への執着は半端じゃないわね」

(自主規制)「違う!僕はモララーだ!他にも色々ひどい!」

川 ゚ -゚)「噛んだだけよ」

(自主規制)「嘘だ!」

川 ゚ -゚)「失礼、かみまみた〜☆」
(自主規制)「馬鹿な!」


( ・∀・)つ自主規制 ヒョイ


160:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/20 00:56:43 UllWxkOqO

( ・∀・)「僕の美貌が損なわれたらどうしてくれるんだ!」

川 ゚ -゚)「まあ…どちらさま?」

( ・∀・)「モララーだよ!超速回復でいつもの爽やかフェイスになったでしょ!」

川 ゚ -゚)「モララー?私の知っているモララーは(自主規制)←こんな顔なのだけれど。あなた偽物?」

( ・∀・)「馬鹿な!」

ξ;゚听)ξ(どうしよう…頼る場所絶対間違えた)

やはりこの二人のノリについてこれる人は中々居ないようである。
( ・∀・)「ちくしょう!グレてやる!こうなったらとことんグレてやる!ポイズン!」

川 ゚ -゚)「おふざけも大概にしなさいモララー。今は仕事中よ」

( ・∀・)「あれあれ、悪者は僕だけ?」

川 ゚ -゚)「すいません、この子ちょっと残念な子でして

ξ;゚听)ξ「は、はあ…」

( ・∀・)「心外だ」


161:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/20 01:29:15 UllWxkOqO

川 ゚ -゚)「一番最近、その症状が出たのはいつ?」

ξ ゚听)ξ「昨日です。また誰かと話した感じがしました」

( ・∀・)「それさ、誰かと居る時にもなったりする?」

ξ ゚听)ξ「私は分からないんですが、友達の話を聞く限り何回かあったんじゃないかと…」

( ・∀・)「うーん」

川 ゚ -゚)「どうする?モララー」

( ・∀・)「とりあえず、僕の知り合いの病院で検査してもらって。疑うわけじゃないけど一応念のため。その間こっちも調査するから。明日の同じ時間に、またここに来て」

ξ ゚听)ξ「わ、わかりました」

川 ゚ -゚)「これ、病院の住所」

ξ ゚听)ξ「どうも」

( ・∀・)「それと、連絡先と住所教えて」

ξ ゚听)ξ「は、はい」




( ・∀・)「さて、どう思う?」

川 ゚ -゚)「事故の後遺症で頭パー」
( ・∀・)「あり得なくはない。まあ、何回も医者行って、その度に健康体って言われてるみたいだから可能性は非常に低い」

川 ゚ -゚)「となると…また嘘吐き?」

( ・∀・)「それも無くはない。でも話した感じから察するにそれも無さそうな気がするよ」

川 ゚ -゚)「じゃあ?」

( ・∀・)「多重人格じゃないかと思ってる」

川 ゚ -゚)「なるほど…言われてみれば症状は一致するわね」

( ・∀・)「だしょ?」

川 ゚ -゚)「となると、問題はその第二の人格の目的ね」

( ・∀・)「だね、あと、人格が何個あるのかも問題だ」

川 ゚ -゚)「また夢見する?」

( ・∀・)「いや、もうちょい様子を見よう。もし相手がツンちゃんに何かしらの悪意を持っているなら、下手に夢見をして感付かれても困る」

川 ゚ -゚)「その時は殺せばいいんじゃない?」

( ・∀・)「悪霊の類ならそれでいいけど、多重人格となると肉体と主人格、そして他人格との関わりが密接な場合がある。安易に殺すのは良くないよ。ましてや、クーほどの夢魔が相手じゃ、尚更さ」

川;゚ -゚)「加減は覚えてきたつもりなんだけどなー」

( ・∀・)「ゾウがアリを潰さずに踏むのは大変ってことさ」

川;゚ -゚)「むむむ」


164:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/20 13:43:58 UllWxkOqO

川 ゚ -゚)「じゃあ何を調査するの?」

( ・∀・)「彼女の生い立ちを調べよう。もしかしたら、彼女が生まれる前に姉や兄が居たかもしれない」

川 ゚ -゚)「生まれる前?」

( ・∀・)「つまり、彼女が生まれる前にすでに死去したってことさ。予想だけど、もし本当に多重人格だとしたら、一番可能性があるのは、『生まれる直前に死んだ双子の片割れ』さ」

川 ゚ -゚)「魂だけ生き残って片方の肉体に潜んでいた、と?」

( ・∀・)「そゆことー」


172:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 21:56:30 Lw5TXs0ZO
諸葛亮曰わく:遅れてすみませんです




川 ゚ -゚)「わかったわよ。やっぱり彼女には、双子片割れが居たみたい」

( ・∀・)「ビンゴ!その片割れは当然死んでるはずだ!」

川 ゚ -゚)「ええ、生まれた時には既にこときれていたそうよ」

( ・∀・)「これで九割方謎は解けた!後はその片割れの目的さえわかれば…」

突如鳴り響く電話のコール音。すかさずモララーが応答する。

( ・∀・)「はいこちら相談屋!」

『あ、どうも。ツンです。検査しましたけど何も無かったです。ってゆーか全部勘違いでしたwすいませんでしたー、忘れてください!』

そう言って、電話は切れた。

( ・∀・)「こいつは面倒なことになってきたかも」

川 ゚ -゚)「どうしたの?」

( ・∀・)「クー、ショボンの病院に電話して、ツンちゃんが来たか確認して!」


173:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 22:08:04 Lw5TXs0ZO

(´・ω・`)『もしもし?』

川 ゚ -゚)「ショボン、あなたのところにツインドリルの女の子来なかった?」

(´・ω・`)『ドリル?残念ながら来てないよ』

川 ゚ -゚)「そう、ありがとう」

(´・ω・`)『また何かあったのかい?』

川 ゚ -゚)「まあね」

(´・ω・`)『また後で聞かせておくれとモララーに伝えてくれないかな。新作の題材にするから』

川 ゚ -゚)「まだ小説書いてたの」

(´・ω・`)『まあね、気紛れな相談屋のようです、っていうんだけど』

川 ゚ -゚)「どうでもいいわ」

川 ゚ -゚)「来てないそうよ」

( ・∀・)「こいつは急がねば!ツンちゃんのとこ行かなきゃ!」

川 ゚ -゚)「探るわ、ついてきて」


174:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 22:19:28 Lw5TXs0ZO

川 ゚ -゚)「…」

( ・∀・)「どしたの?」

川 ゚ -゚)「すごく似てるけど、彼女とは異なるものを感じるわ」

( ・∀・)「そりゃ双子だからね。今何処に居る?」

川 ゚ -゚)「こっちよ」

脱兎のごとく走る二人だった。




175:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 22:31:04 Lw5TXs0ZO

川 ゚ -゚)「居たわ!」

( ・∀・)「おーい、ストップ!」

ξ ゚听)ξ「あら、何かようですか?お断りの電話をしたんですが」

( ・∀・)「あれは本当にツンちゃんが電話したのかな?」

ξ ゚听)ξ「何を言っているんですか?」

川 ゚ -゚)「もう分かってるのよ。あなた、彼女の双子の片割れね。姉なのか妹なのか知らないけど」

( ・∀・)「君には話がある。少しいいかな」

ξ ゚听)ξ「…」

突然、ツンは走りだした。裏路地に入り込み、驚くような速さで駆けて行く。

( ・∀・)「あっ!にゃろう!」

川 ゚ -゚)「行くわよ、モララー」

追い掛ける二人、しかし

( ・∀・)「ちょ、せまいよクー!」
川 ゚ -゚)「あなたが並んで走るからでしょ!縦に並びなさい!」

( ・∀・)「むぎゅ!あ、でも胸が当たって気持ちいい!」

川 ゚ -゚)

川#゚ -゚)「死ね変態」

クーに強烈な一撃をもらいその場に倒れるモララー。彼を残し、クーは一人でツンを追いかけることにした。

雑居ビルの屋上


川 ゚ -゚)「もう逃げられないわよ」
その言葉に振り向いた彼女は、少し見た目が変わっていた。

ζ ゚ー゚)ζ「まったく、しつこい人ですね」


176:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 22:48:37 Lw5TXs0ZO

ζ ゚ー゚)ζ「どうして付きまとうんですか?」

川 ゚ -゚)「あなたこそ、その子をどうするつもり」

ζ ゚ー゚)ζ「交代してもらうだけですよ」

川 ゚ -゚)「交代?」

ζ ゚ー゚)ζ「ツンはもう沢山生きたでしょ。今度は私が外で生きる番ですよ」

川 ゚ -゚)「あなたたちの事情なんざどうでもいいけど、彼女は承諾してるの?」

ζ ゚ー゚)ζ「あの子ひどいですよねー!何回も交代してって言ったのに『あなたなんか知らない』の一点張りで、あまつさえ相談屋なんていうわけのわからないところに私をどうにかするように頼むなんて!」

川 ゚ -゚)「長い、三行で」

ζ ゚ー゚)ζ「あの子には眠ってもらいました」

川 ゚ -゚)「私達も、依頼されてる以上、あなたに勝手なことされちゃこまるのよ」

ζ ゚ー゚)ζ「へー、どうするんですか?」

川 ゚ -゚)(モララーがダメって言ったから夢殺は出来ないしなー…)

ζ ゚ー゚)ζ「あなた夢魔なんですってね!じゃあ戦っても私が勝てるわけないですよねー」

川 ゚ -゚)(何を当たり前のことを)
ζ ゚ー゚)ζ「じゃあこうしようかなー」

そういうと彼女は屋上の縁に立った。

川 ゚ -゚)「なんのつもり」

ζ ゚ー゚)ζ「あなたたちに邪魔されて消されるくらいなら、いっそこの子もろとも死のうかと!」

川;゚ -゚)「やめなさい」

ζ ゚ー゚)ζ「どうせ私は生まれる前に死んだんだから、この先生きられないなら今死んでも変わらないし!」

ζ ゚ー゚)ζ「私生まれる前に死んだから名前すらないんですよ!笑っちゃいますよね!」

川 ゚ -゚)「…」

ζ ゚ー゚)ζ「よく考えれば、生きてみても誰にも名前呼ばれないんですねー、私。みじめだなあ」

ζ ;ー;)ζ「名前くらい欲しかったですねーw」

川 ゚ -゚)「…」

「話は全て聞かせてもらった!」


177:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 23:09:29 Lw5TXs0ZO

ガチッという音と共に縁にフックのようなものが引っ掛かった。程なくして、モララーが顔を出した。フックに括り付けたロープでも登ってきたのだろうか。


( ・∀・)「参上!」

川 ゚ -゚)「どこから来たのよ」

( ・∀・)「クーが非常階段を登るのが見えたから、僕は逆方面から行くことにしたのです!」

川 ゚ -゚)「あ、そう」

ζ;゚ー゚)ζ「またわけわからない人が…」

( ・∀・)「そこのやや緩やかなツインドリル!話は全て聞かせてもらった!」

ζ;゚ー゚)ζ「つ、ついん?って、聞いたらからなんだって言うんですか!」

( ・∀・)「僕はモララー!相談屋さ!」

ζ;゚ー゚)ζ「は、はあ」

( ・∀・)「君はツンちゃんと話す時にちゃんと自己紹介をしたか!」
ζ;゚ー゚)ζ「はい?」

( ・∀・)「自己紹介をしたのかと聞いてるんだ!」

ζ ゚-゚)ζ「自己紹介もなにも…私には名前もないし…」

( ・∀・)「脳無し乙www」

ζ#゚ー゚)ζ「なっ…!」

( ・∀・)「自己紹介って己を紹介することなんだぜ?名前だけ言うなら名前紹介って言うさ」

ζ ゚ー゚)ζ「…何が言いたいんですか?」

( ・∀・)「悲劇のヒロイン振る前に、まだ言うことあんじゃないの?」

ζ ゚ー゚)ζ「…」

( ・∀・)「半年前の事故、あの時君は目覚めたみたいだけど、その後のツンちゃんの超人的な回復力は、君が手助けしたからじゃないのかい?」

ζ ゚ー゚)ζ「…」

( ・∀・)「君はツンちゃんのことが大切なんじゃないのかい?」

ζ ゚ー゚)ζ「…だから、何が言いたいんですか」

( ・∀・)「何度もツンちゃんと話したみたいだけど、その時に自分が外に出たいあまりにそのことしか言わなかったんじゃないかい?」
ζ ゚ー゚)ζ「…」


178:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 23:10:27 Lw5TXs0ZO

( ・∀・)「多重人格とはいえ、主人格が他人格を認識してない場合、会話は困難だ。そんな状態で外に出せ、としか言わなかったらそりゃいい反応は帰って来ないさ」

ζ#゚ー゚)ζ「だから何が言いたいんだって聞いてるでしょ!」

( ・∀・)「自己紹介しろってんだよデコ助野郎。今からツンちゃんに会わせてやる。クー!」

川 ゚ -゚)「はいはい」

クーは指をパチンと鳴らした。たちまち夢界が形成される。

ζ;゚ー゚)ζ「これは…」


( ・∀・)「兄弟姉妹は仲良くしなきゃだめよー」

モララーの言葉が響いた。




179:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 23:36:30 Lw5TXs0ZO

ζ;゚ー゚)ζ「なんなのよ!」

彼女は真っ暗な空間に居た。何も無く、どのくらいの広さなのかも分からない。

ζ;゚ー゚)ζ「どこなのよここは…」

「誰かいるんですか?」

不意に声をかけられた。

ζ;゚ー゚)ζ「えっ?!」

とたんに、空間が明るくなる。

ξ ゚听)ξ「あ、こんにちは」

ζ;゚ー゚)ζ「こ、こんにちは」

ξ ゚听)ξ「えと、どちら様ですか?…知っているような気もするんですが」

ζ゚ー゚)ζ(会話は困難って言ってたわね…なるほど、覚えてないってわけか…。まあ、覚えられるようなことは言ってないけど)

ξ ゚听)ξ「あ、人に聞く前に自分からですよね。私はツンといいます。大学生です。あなたは?」
ζ ゚ー゚)ζ(自己紹介、か…)

ζ ゚ー゚)ζ「はじめまして。と言っても、何回も話したことはあるはずなんだけど。覚えてないかな?」

ξ ゚听)ξ「?」

ξ ゚听)ξ

ξ ゚听)ξ「!」

ξ;゚听)ξ「もしかして、最近私が感じてた人って…!」

ζ ゚ー゚)ζ「そ、私」

ξ;゚听)ξ「あなた一体なんなんですか?話した内容とか上手く思い出せないんですけど…」

ζ ゚ー゚)ζ「あー、別に思い出さなくていいよ、私はねー…あなたの双子のお姉さんだよ」

ξ;゚听)ξ「双子!?お姉さん!?」

ζ ゚ー゚)ζ「親には教えられてないみたいだから知らなくて当然だよ。あなたにはお姉さんが居たの。まあ、双子だから、お姉さんと言っても私が先に出てきたってだけだけど」

ξ;゚听)ξ「知らなかった…」


180:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 23:37:17 Lw5TXs0ZO

ζ ゚ー゚)ζ「私は生まれてすぐに死んじゃったけど、魂はあなたの身体の中に入って眠ってたの。で、半年前の事故の時に起きたわけ」

ξ ゚听)ξ「それで…」

ζ ゚ー゚)ζ「大変だったよー、あなた全然起きないから」

ξ;゚听)ξ「もしかして、私があの時助かったのって…」

ζ ^ー^)ζ「まあ私のご加護的な?」

ξ*゚听)ξ「あ、ありがとう」

ζ ゚ー゚)ζ「いいのいいの」

ξ ゚听)ξ「あ、もしかして、時々私の意識が飛んでるのも…」

ζ;゚ー゚)ζ「あー、私。たまには外出たくて…」

ξ ゚听)ξ「そうだったの…そんなの言ってくれれば身体貸したのにっ」

ζ ゚ー゚)ζ「へ?」

ξ ゚听)ξ「勝手に身体使われちゃ迷惑だけど、事前に言ってくれればいいよ?だってあなた私のお姉ちゃんなんでしょ?」

ζ*゚ー゚)ζ「お姉ちゃん…」

ζ;゚ー゚)ζ「って、本当にいいの?」

ξ ゚听)ξ「まあ永久に交代してくれ、とかは嫌だけど、割合として半々ならいいんじゃない?公平だし」

ζ ゚ー゚)ζ「…」

ξ ゚听)ξ「よし!決まり!いやー、長い間の謎も解けてすっきりした!」

ζ ゚ー゚)ζ「ありがとう…」

ξ ゚听)ξ「ん?何が?」

ζ ゚ー゚)ζ「ううん、なんでもない!行こうか!」

ξ ゚听)ξ「うん!」

ζ*^ー^)ζ「♪」

ξ*゚听)ξ「いやー、にしても私にお姉ちゃんかー…私年上のきょうだい欲しかったから嬉しい」

ζ ゚ー゚)ζ「おー、良かった良かった」

ξ ゚听)ξ「そういえば、お姉ちゃん名前なんていうの?まだ聞いてないよね?」

ζ ゚ー゚)ζ「あー…私名前ないんだ。生まれてすぐに死んじゃったから」

ξ;゚听)ξ「ご、ごめん」

ζ ゚ー゚)ζ「ああ、いいのいいの」
ξ;゚听)ξ

ξ ゚听)ξ「!」

ξ ゚听)ξ「じ、じゃあさ…」

ζ ゚ー゚)ζ「ん?」

ξ*゚听)ξ「私がお姉ちゃんに名前つけてもいいかな…」

ζ ゚ー゚)ζ「!」

ζ ゚ー゚)ζ「つけて…くれるの?」
ξ ゚听)ξ「うん!そうだなあ…」

「デレ、なんてどうかな?」




181:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 23:49:46 Lw5TXs0ZO

ζ ゚ー゚)ζ「はっ!」

( ・∀・)「おかえりー」

ζ ゚ー゚)ζ「今のは…」

川 ゚ -゚)「私が作った精神世界。あなたと彼女がゆっくり会話出来るようにね」

( ・∀・)「ちゃんと自己紹介したかい?」

ζ ゚ー゚)ζ「…」

ζ*^ー^)ζ「はい!」

( ・∀・)「ん、よろしい!」

ζ ゚ー゚)ζ「色々ありがとうございました」

( ・∀・)「まあ仕事だし」

川 ゚ -゚)「対価は頂くわよ」

ζ ゚ー゚)ζ「はい」

( ・∀・)「結局どうなったのさ」

ζ ゚ー゚)ζ「はい、ツンと二人で生きていくことにしました」

( ・∀・)「なるほどねー」

川 ゚ -゚)「大変でしょうけど、まあ頑張りなさい」

ζ ゚ー゚)ζ「はい!あ、名前もつけてもらいました!」

( ・∀・)「ほう!名乗ってもらおうか!」

ζ*^ー^)ζ「私の名前は、デレですっ!」

満面の笑みを浮かべるデレに、モララーとクーの二人の頬も緩んだ。

ζ ゚ー゚)ζ「あ、ツンと変わりますね」

 

ξ ゚听)ξ「ふう…あ、相談屋の皆さん、ありがとうございました」

( ・∀・)「まあ仕事だし」

川 ゚ -゚)「対価は頂くわよ」

ξ ゚ー゚)ξ「はい」

( ・∀・)「ちゃんと話せたかい?」
ξ ゚ー゚)ξ「はい、色々びっくりですけど、結果は大満足です」

( ・∀・)「そかそか」

川 ゚ -゚)「あなた、彼女と話したい時は鏡を使いなさい。鏡に向かって呼び掛ければ、彼女と話せるわよ」

ξ ゚ー゚)ξ「はい、ありがとうございます」

( ・∀・)「今日は疲れただれうし、積もる話もあるでしょうからもう帰りなさいな」

ξ ゚听)ξ「はい、あ、対価は…」

( ・∀・)「んー、そうだねえ」


182:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/23 23:56:51 Lw5TXs0ZO

( ・∀・)「最近金欠だから、お金にしようかな。君、バイトしてる?」

ξ ゚听)ξ「はい、一応」

( ・∀・)「じゃあそのバイトの給料の半分を3ヶ月分でいいよ」

ξ ゚听)ξ「はい、わかりました。本当にありがとうございました」

そう言って彼女は去って行った。
( ・∀・)「さあて、僕らも帰りますか、疲れちゃったよ」

川 ゚ -゚)「そうね、お腹も空いたわ」

( ・∀・)「あー、また僕は熟睡出来んのか…」



(;・∀・)「バイトの給料半額で五十万だと!」

川 ゚ -゚)「なんでも、大金持ちの家の馬鹿な小学生の家庭教師をしてるみたいよ」

(;・∀・)「ちっくしょー!もっとふんだくればよかったあああ!」
第五話  おわり


189:◆jtHtMr3tGQ
2010/08/24 23:25:58 ZpVfYzdxO
諸葛亮曰わく:予告〜

( ・∀・)「次回の話は『猿の手』らしいね」

川 ゚ -゚)「遅筆の>>1がいつ書き上げるか見物ね」

(´・ω・`)「いや、書きながら投稿するにも、ある程度考えがまとまってないと難しいんだよ」

川 ゚ -゚)「呼んでないのに何故居るのかしら」

( ・∀・)「だいたい誰だっけ?」

(´・ω・`)「…」

 

第六話、カミングスーン

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