ブーン系小説まとめ。いまやブーン系だけに特化したブログに。 |
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まとめブログを武器に掲示板-
指摘・要望スレ
2009年07月05日
(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」〜助け屋ギコ〜のようです
- 1 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 22:40:09.78 ID:vR7fO2MS0
- 立ったら投下しましょうか
まとめは、ブーン速。さん、面白蛇屋さん、ブーンがまとめブログを武器にさん、そしてくるくるくーるさん
…もう漏れはないよね?
シゲキ的な某殺し屋を出すかどうか検討中
まぁ、今日彼の伏線出ますが
出すとすればクウガの「愛憎」みたいにギコがブチ切れる話かなぁ…
…では、いきましょう
- 2 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 22:43:15.56 ID:vR7fO2MS0
- 困った時は助けを呼ぼう。
電話のボタンをプッシュして、あの番号にかけるんだ。
彼が出たらこう言うのさ。
「もしもし○○ですか?今すぐ助けに来てください」
…ってね。
歳月は人を変えるというが、まぁ、変わらない奴もいる。
ギコール・ハニャーンという人間はその典型で、ほとんどなにも成長していない。
「変わらないモノこそ大事」…なーんて免罪符が発動中。
(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」〜文芸部ギコ〜のようです
四日目 午前
『ハイスクールデイズ!人間その時その時を必死で生きてる……のかも?』
- 3 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 22:46:13.49 ID:vR7fO2MS0
- どこかの世界の、いつかの時間。
とある国の、とある町の、とある学校の通学路。
そこでギコール・ハニャーンと朝比奈そよは出会った。
川fд川f ノロマース
(,,゚Д゚)「………」
(-@∀@)「………」
(,,゚Д゚)「……見えてる?」
(-@∀@)「うん。…って君も?」
(,,゚Д゚)「うん。隣の貞子さんだね」
ギコール・ハニャーン。記憶喪失で親がいない。
朝比奈そよ。捨て子で親がいない。
そして、両者共普通ではない。
…そんな似た境遇のこともあってか、すぐに仲良くなった2人。
- 8 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 22:49:13.35 ID:vR7fO2MS0
- (-@∀@)「それでお兄ちゃんがさ、『俺を好きにならない奴は邪魔なんだよ』って言って殴っちゃったんだよね」
(,,^Д^)「ギコハハハ!アサピーのお兄ちゃんは過激な人だなー」
(-@∀@)「僕の前では優しいんだけどねー。お姉ちゃんのこと好きなのに言えないとか、可愛いところもあるし」
やがて親友となり同じ高校に進むこととなる。
…ただ、学力の問題でクラスは違ったが。
無論ギコール・ハニャーンが馬鹿だったせいである。
なので、せめて一緒の部活に入ろう、ということになった。
元よりギコに特技など何もない。
しかも、当時の彼は「ヘタレで馬鹿で動物と会話する変なんだけど憎めない奴」として認識されていた。
…まぁ、今と大体同じだ。
そんなわけで2人は仲良く「文芸部」に入部した。
そこで何をしていたかと言えば。
- 10 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 22:52:12.94 ID:vR7fO2MS0
- (,,゚Д゚)「アサピー、ホワイトボードで何計算してるの?」
(-@∀@)「…ふふ。学生服におけるスカートの最適な長さだよ」
(;-Д゚)「それって…、なんて言うかさ……、役に立つの?」
(-@∀@)「お兄ちゃんは言ってました。『学生服こそ女性の正装。あれに勝るものはない』って」
(;゚Д゚)「…うわぁ……」
…ほとんど遊んでいた。
もう看板に偽りありも甚だしい。
「文芸部」ではなく「雑談部」だ。
そんなこんなで月日は流れ……
色々(たとえばギコの留年騒ぎなど)あったがとりあえず、
…彼等は2年生となった。
- 11 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 22:55:11.80 ID:vR7fO2MS0
- ……………
…2年になった春。
文芸部に劇的な変化が訪れる。
ミセ*゚ー゚)リ「入部希望者です!」
(,,゚Д゚)「……マジで?」
ミセ*゚ー゚)リ「マジもマジで大マジです!」
…なぜか、後輩が出来たのだ。
これにはよく忘れられる顧問の杉浦紀行先生、通称「ロマ先」も吃驚したそうで。
思わず「…え、釣りであるか?」とか言っちゃったらしい。
教育者としてあるまじき態度。
(,,゚Д゚)「…なんでこんな部に?」
ミセ*゚ー゚)リ「それは……」
- 14 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 22:58:19.38 ID:vR7fO2MS0
- ガチャ
(-@∀@)「…いやー、遅れてごめん。掃除が長引いて……、…ってミセリ!?」
ミセ*^ー^)リ「この朝比奈先輩と一緒にいるためです!」
(,,゚Д゚)「…はぁ?」
…そのミセリ・M・ツリーという美少女は、まぁ、つまり、アサピー狙いで入部してきた。
元よりギコもアサピーもモテるのだ。特にギコ。
タイプ的には真逆で、
ギコ…スペックはダメダメなんだけど、何故か守ってあげたくなる。超モテる。正直いまいましい。のび太タイプ。
アサピー…スペックは高いけど、そこまでモテない。出来杉君タイプ。
…こんな感じ。
アニメでたとえると至極分かりやすいね!
(,,゚Д゚)「アサピー、この人とどういう関係なのよ!説明して頂戴!!」
(;-@∀@)「なんで乙女言葉…?」
- 16 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:01:17.28 ID:vR7fO2MS0
- (,,;Д;)「ぎこーん…。ひどいわ!私との関係は遊びだったのね!!」
(;-@∀@)「えっ、いやいやいやいや!!」
ミセ*;ー;)リ「朝比奈先輩、二股かけてたんですね!ミセリというものがありながらっ!!」
(;-@∀@)「待って!なんかおかしい!色々おかしいから!!」
…プギャーがいないことをいいことに、ここぞとばかりにボケに回るギコ。
普段ボケボケの人間がボケに回ると悲惨だ。
手がつけられない。もっとも、ギコール・ハニャーンは普段から手がつけられないが。
(-@∀@)「…と、いうわけなんだよ」
(,,゚Д゚)「なるほど。つまり、ただの後輩というわけか!」
(;-@∀@)「最初からそう言ってたのに……」
…まぁ、よくある話で「一目惚れ」というやつだ。
特に面白い話でもないので、語る必要もない。
…そんなわけで、文芸部には部員が1人増えた。
- 17 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:04:19.97 ID:vR7fO2MS0
- ……………
季節は進み、梅雨。
外では鬱陶しい雨が続く中、ミセリがこんなことを言いだした。
まるで繰り返す夏休みが全然終わらない某アニメの団長様のように。
…いつ終わるんだ?あれ。
ミセ*^ー^)リ「不思議探しに行きましょう!」
(,,゚Д゚)「…へ?」
ミセ*゚ー゚)リ「だから、不思議探し。七不思議とか、そんなやつですよ!」
…唐突に。
本当に、唐突に。
そんなめんどくさい提案を却下するため、アサピーの「お兄ちゃん語録」発動。
天道様も吃驚の、歪んだ言葉が勢揃いだ。
(-@∀@)「お兄ちゃんが言ってました。『当たり前とは失くして初めて当たり前と分かるもの。人生は退屈ぐらいでちょうどいい』」
(,,゚Д゚)「分かるような、分からないような…」
- 19 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:07:16.14 ID:vR7fO2MS0
- ミセ*゚ー゚)リ「私の生き別れた家族は言ってました。『NOシゲキ、NOライフ!シゲキ的じゃない人生なんて人生じゃない!』って」
(,,゚Д゚)「あ、そうなんだ……」
ミセ*゚ー゚)リ「はい。お兄ちゃんの言葉です」
…会ってみたいものである、そのお兄ちゃん。
十中八九ろくでもない人だろうが。
…だがしかし、どんなに正論を並べたところで女性の、しかも年下の意見には勝てまい。
ギコはへタレだし、アサピーは腐っても朝比奈家の人間だ。
そんな2人が彼女をないがしろにできるだろうか、いやできない。
ミセ*^ー^)リ「…私的にはですねー、第2体育館の『すすり泣く壺』ってやつが気になってるんですよー」
(-@∀@)「へぇ…、そうなんだ……」
ミセ*゚ー゚)リ「夜の体育館に、男の泣く声が聞こえるらしいんですよー」
(;゚Д゚)「…恐くない?なんか、嫌な予感するよね?」
ミセ*^ー^)リ「なーんか、それがある壺から出ているらしくてですねー…」
- 20 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:10:12.19 ID:vR7fO2MS0
- ミセリはご機嫌に話を続ける。
夢中になる彼女を尻目に、2人はコッソリ会話する。
(;゚Д゚)「ねぇ、アサピー」
(-@∀@)「なにかな、ギコ君」
(;゚Д゚)「物凄く嫌な予感がするんだけど」
(-@∀@)「奇遇だね、僕もだよ」
(;゚Д゚)「しかも、七不思議とか…、……滅茶苦茶恐いんだけど」
(-@∀@)「…召喚師なのに?」
(,,;Д;)「関係ない!恐いものは恐いの!」
半泣きのギコ。それを見てアサピーは、
「いや、関係あるだろ。世界中の魑魅魍魎が仲間にいるくせに今更何恐がってんのコイツ」
…とか思ったのだが、言わない。
なぜなら彼もまた、優しい人間だったのです。
- 21 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:13:11.25 ID:vR7fO2MS0
- ( ^Д^)「まぁ、ご主人はいわゆる『ヘタレ』ですからねぇ…」
(,,゚Д゚)「ぬぉ!いつからいたの?」
( ^Д^)「今し方通りかかったところです。…朝比奈さん、こんにちは」
(-@∀@)「こんにちは、烏さん。あなたがいてくださると凄く心強いです」
( ^Д^)「正直朝比奈家の人間全般的に嫌いなんだけどなぁ…(勿論です。このプギャー、死力を尽くし頑張ります)」
(-@∀@)「…逆にですよ、逆」
( ^Д^)「安心してください。わざとです」
本日はどこから調達してきたのか知らないが、学生服のプギャー。
安心してください、って何を安心しろというのか。
あれか、敵アピールか。もしくはツンデレアピールか。
- 22 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:16:14.82 ID:vR7fO2MS0
- (#゚;;-゚)「まったく…。謝りなさい、謝るのです」
(,,゚Д゚)「ぬぉ!でぃちゃん、いつの間に…」
(#゚;;-゚)「ご主人様は知らないことでしょうが、皆貴方様が心配で常に学校の近くにいますよ」
(,,^Д^)「ギコハハハ!なんかありがとうね」
(#゚;;-゚)「いえいえ…。そんなことより、謝りなさい」
( ^Д^)「自分は事実を言ったまで。謝る必要性は感じない」
(#゚;;-゚)「頭が高いです!この方は、こんなのでも、当主様の弟様ですよ!」
(;-@∀@)「…こんなの?」
…賢明な読者諸君はよく分かったであろう。
ギコの愉快な仲間達が、どれほどアサピーを気に入っているか。
あのプギャーやでぃが挨拶代わりに冗談を言うほどの仲なのだ。
…ま、半分本気だが。
- 23 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:19:14.72 ID:vR7fO2MS0
- ミセ*^ー^)リ「それでですねー……、…っていつの間にやら人増えてる!」
(#゚;;-゚)「どうもお久しぶりです」
( ^Д^)「ご主人がお世話になってます」
ミセリは普通の人間だ。
「魔術師」でも「超能力者」でもなければ、もちろん「特異点」でもない。
おそらくプギャーやでぃは、ギコの従者として認識されていることだろう。
ミセ*゚ー゚)リ「ほら!そうこうするうちに第2体育館につきましたよ!部活は休みらしいですし、今すぐ調査に行きましょう!」
(,,;Д;)「いやだー。恐いよー」
(;-@∀@)「僕を掴むんじゃない!体格的に考えて、僕が倒れるだろ!」
アサピーは165と少しで痩せ型。
割と体躯のいいギコが掴まれば、倒れてしまう。
…ちなみに中性的な顔立ちのアサピー。
あれだ、眼鏡取ると美形になるキャラだ。
( ^Д^)「安心してくださいご主人。いざとなれば、この朝比奈が盾になりましょう!」
- 25 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:22:10.31 ID:vR7fO2MS0
- (;-@∀@)「何言ってるの!?逃げるよ、逃げるからね僕は!」
(#゚;;-゚)「まったく…。それでも当主様の弟様ですか」
(;-@∀@)「ぐっ…」
幼少の頃、捨て子だったのを拾われ朝比奈家の養子になったアサピー。
家の名前を出されると、弱い。
ナメクジに塩かける感じ。
(#゚;;-゚)「当主様は、いざとなれば自らの命など構わず…構わず……構わず………」
( ^Д^)「構わず?」
(;#゚;;-゚)「…と、とにかく!当主様は偉大な方だったのです!凄いのです!」
(;-@∀@)「凄い嘘っぽい!!」
嘘である。
件の当主様、他人の考え全否定。
女子供でも容赦せず、他人の気持ちなど微塵も考えない人物であった。
…プギャーが知る限りはそんな人物だ。
- 26 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:25:09.94 ID:vR7fO2MS0
- ミセ*^ー^)リ「まぁまぁ、発案者が言っちゃうのもなんですけど、どうせ嘘ですよ」
(,,;Д;)「…ほんとに?」
ミセ*゚ー゚)リ「ええ。こういうのはムードが大事なんです。真偽は関係ありません」
…もっともらしいことを言い、ミセリは扉を開ける。
体育館の重苦しい扉の向こう。
…お約束である。賢明な読者諸君なら、先は読めたであろう。
『うぅ…ううう……』
(;-@∀@)「(滅茶苦茶聞こえてきてるー!!)」
(,,;Д;)「だから嫌だって言ったのにぃぃいい!!」
…男に二言は無い。
ここまで来て、帰ることもできない。
…いや、できるけどしたくない。
故に彼等は(嫌がるギコを引き摺りながら)体育館に入っていく。
恐さと、好奇心をごちゃまぜにして。
- 29 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:28:10.82 ID:vR7fO2MS0
-
四日目 午前 終
学校の七不思議というやつは、7割が事実無根の戯言だ。
…残りの3割?2割が真実で、最後の1割は陰謀。
無論それは冗談だが、火の無い所に煙は立たない。
…さて今回の怪談。絵空事か血塗れの真実か、それとも……
…それはまた、次のお話であるのだが。
- 30 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:31:11.40 ID:vR7fO2MS0
- おまけ
四日目 夕刻
…神様達と世界は仲が悪い。
遥か昔、具体的に言えば神様達が世界を創った頃からだ。
世界は代理人を召喚する。
神様達は部下の魔術師を操る。
両者は相容れず、潰し合う。
永遠に。どちらかが倒れるまで。
…無論、人々の迷惑など誰も考えない。
- 32 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:34:11.39 ID:vR7fO2MS0
- ……………
(゚、゚トソン「つまり…、そういった者達から国民を守るのがFOXの使命ってわけです」
VIP州西部のある一戸建て。
そのリビングで、物騒な話をする新妻トソン。
…いや、彼女が地球上のどの人間より危ない気がするので、もうどうでもいいが。
|゚ノ ^∀^)「よくわかりました」
(゚ー゚トソン「それは良かったです」
|゚ノ ^∀^)「はい」
綺麗な髪を揺らし、そう答えたのはレモナ・イロウエル。
少し前に第0部隊に配属になった新兵だ。
役は「ラルク」で、今年15になる。
…FOXの常軌を逸したところが垣間見える少女。
- 33 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:37:11.92 ID:vR7fO2MS0
- ( φ∀・)「さぁ、私の姫様。紅茶が入りましたよ」
|゚ノ ^∀^)「ありがとう、お兄様」
紅茶の乗ったトレイを持ってきたのは、帝都最強(自称)の特異点、モララー。
…なぜ(自称)なのかと言えば、現時点で「最強」を名乗ってる人間が7人ばかりいる為だ。
物騒な世の中である。
…そもそも、彼の能力名「絶対拒絶」自体、片目に眼帯をつけている時点で撤回すべきだ。
それか「絶対拒絶(自称)」か。
言うのは自由なので別にいいけど。
(゚、゚;トソン「ああ、もう、モララー。そういったことは私がやると言っているじゃないですか」
( φ∀・)「淑女は敬い、愛で、大切にするものだ」
(゚、゚トソン「それを言えば私は貴方に尽くす義務があります」
( φ∀・)「…愛は義務じゃない。義務となってしまった愛は、もはや管理さ」
- 34 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:40:13.86 ID:vR7fO2MS0
- (゚、゚;トソン「くっ…、減らず口を…。しかも地味に納得……」
|゚ノ ^∀^)「(…そーかな?意味わかんないケド)」
ラブラブだ。
夫婦漫才である。
止めるモノがいないので、どんどん続く。
( φ∀・)「だがしかし、愛し方はもっと自由なものだ」
(-、-トソン「なら奉仕させてくださいよ。一応、奥さんなんですから」
( φ∀-)「…そうだな。明日は仕事がないから…、な……」
|゚ノ;^∀^)「(下ネタだー!!)」
ドン引きのレモナ。
思春期真っ盛りの子供の前でそんなこと言うか?普通。
…ああ、いや、違った。
彼等は例外だから仕方ないな、うん。
- 36 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:43:11.88 ID:vR7fO2MS0
- ( φ∀・)「…ま、冗談はそれぐらいにして」
|゚ノ;^∀^)「(冗談だったのか…)」
(゚、゚;トソン「ええ!?冗談だったのですか!?」
|゚ノ;^∀^)「(この人分かってなかったー!)」
「一心同体」と言い続けても、結局相手の心なんて分からない。
悲しいことだが、それでこそ面白い。
( φ∀・)「…まぁ、結論から言えば自分の力に溺れるなってこと」
|゚ノ;^∀^)「(そんな結論が出る要素あったかな…?)」
安心したまえ。全然なかったから。
どこかのラブストーリーみたいに突然だった。
レモナは心を落ち着けるためとりあえず紅茶を飲んでみた。
…悔しいかな、美味しかった。
- 38 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:46:11.56 ID:vR7fO2MS0
- (-、-トソン「次の時代を背負って立つ、あなたへのお願いです」
|゚ノ;^∀^)「(あれ?いきなりシリアスな雰囲気に…)」
( φ∀・)「『ラルク』、君ならできるさ。なんと言っても私の姫様だからね」
|゚ノ ^∀^)「…はい。期待に副えるよう頑張ります」
今の第0部隊NGにはそれぞれ「役」がある。
グレイブ、ランス、ラルク……等々。
作戦名であり武器の名前でもある、それ。
ちなみに決めているのはトソンだ。
…賢明な読者諸君は元ネタが分かっただろう。裏切り者が出そうである。
( φ∀・)「…ギコ君も、頑張ってくれるといいんだが」
|゚ノ ^∀^)「ギコ君?」
- 39 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:49:13.33 ID:vR7fO2MS0
- (゚、゚トソン「最近のモララーのお気に入りです」
|゚ノ ^∀^)「…そうですか」
モララーの、あの帝都最強(自称)のモララーのお気に入り。
…普通であるわけがない。
同じく「お気に入り」である彼女が普通でないのだから。
|゚ノ ^∀^)「…じゃあ、その人もワケありですか?」
( φ∀・)「んー、そういうことになるのかなー?」
…気になる。
あのモララー、誰よりも優しい殺戮者モララー(トソン談)のお気に入り。
…普通でないどころか、うっかり人間でない可能性も捨てきれない。
宇宙人の可能性も異世界人の可能性も、ある。
それが冗談にならないのがモララーだ。
(゚、゚トソン「いい機会ですし、さわりだけでも説明しましょうか?」
|゚ノ ^∀^)「…お願いします」
- 40 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:52:13.12 ID:vR7fO2MS0
- ……………
夜道をレモナは歩いていた。
モララーは送っていくと言って聞かなかったが、なんとか説き伏せた。
…こういう時にレモナは、
「自分って大切にされてるなぁ」と思って嬉しくなる。
|゚ノ*^∀^)「なんて言っても、『私の姫様』だもんな〜」
モララーという人間は、女性が嫌いである。
だからと言って男性が好きかと言えばそうではない。
彼にとっては性別など関係ない。
それでもあえて言っての、女嫌い。相当嫌い。
|゚ノ*^∀^)「それでも僕のことを気に入ってるってことは、もしかしたら…」
純真な僕っ娘、レモナ。
ブレザーのスカートをひらひらさせながらスキップ。
ご機嫌だ。
- 42 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:55:14.58 ID:vR7fO2MS0
- |゚ノ ^∀^)「…それにしても、ギコ…。ギコール・ハニャーンか……」
――レモナ・エルシールは考える。
「FOX」という、問題の多い組織の構成員として。
あの召喚師兼助け屋、ギコール・ハニャーンの秘密を知ってしまったモノとして。
|゚ノ ∀)「…あれ?……あれあれ?」
道の真ん中で立ち止まる。
一回転。栗色のセミロングの髪が揺れた。
そして、彼女はにっこりと笑みを浮かべる。
…もしトソンが彼女を見たならこう言っただろう。
「昔のモララーによく似ている」と。
それがどういうことかは、ご自由に想像してほしい。
とりあえず良い意味ではないことだけは確かだが。
|゚ノ ∀)「ギコール・ハニャーン……」
- 44 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/04(土) 23:58:13.56 ID:vR7fO2MS0
- 呟く。
月明かりに彩られ輝く姿。
微かに笑う彼女には、真っ白な翼が生えているようでもあった。
モララー風に言えばこのような感じだろうか。
――それはまるで、下界に降り立った天使のようで。
その微笑は、優美で、壮大で、高潔で、純粋で、そして……
|゚ノ*^∀^)「…壊したく、なってきちゃったな♪」
……なによりも、残酷な笑みだった。
四日目 夕刻 終
- 45 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/05(日) 00:01:15.18 ID:TJ9OGeNN0
- 以上で終わりです
ご支援ありがとうございました
自分の作品の世界観は某特撮を参考にしています
あと、これからちょくちょく番外編をやっていきたいと思います
おまけとの違いは本筋への関係性の違いです
ギコだけでは神様サイドの話しかできないので
最初のシーンは超名作「隣の貞子さんのようです」のパロディ
…質問はしばらく受け付けます
来週もできたら投下したいなー……
ではこれより番外編を投下します
本編にはほとんど関係ないので、興味ない方はスルーしちゃってください
- 46 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/05(日) 00:04:16.49 ID:TJ9OGeNN0
- 補足説明的番外編
―――日目 暁9つ 子の刻
『The People with no name!何だっけ僕ら、夢見たこと?』
――世界が間違っていることに気づいたのはいつだ。
自分がその世界の例外だということに気づいたのはいつだ。
そして
この世界を切に守りたいと このままであって欲しいと 奪われたくないと思ったのは――
- 47 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/05(日) 00:07:19.35 ID:TJ9OGeNN0
- ……………
…今から約十年前。
VIP州西部のある街。
平日の朝の電車の中。
(゚、゚トソン「モララー、また私の知らないところで喧嘩ですか?」
( -∀・)「喧嘩ではない。一方的な暴力行為だ」
(-、-トソン「はぁ…。あなた絶対いつか捕まりますよ」
( ・∀・)「俺は選ばれているからな。捕まらないし、死なないさ」
学生らしき2人が会話していた。
女の方は都村トソン。男の方は朝比奈もらの。
2人は幼馴染で親友だ。
- 48 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/05(日) 00:10:15.16 ID:TJ9OGeNN0
- ( ・∀・)「ところでトソン。将来の夢とかあるか?」
(゚、゚トソン「…3つほどありますけど、1つはまず不可能っぽいですね」
彼女の夢。
1つ目。父親と同じようにFOXに入り、人々を守ること。
2つ目。隣にいる馬鹿な幼馴染をどうにか昔みたいに戻すこと。
3つ目……は、言わなくてもいいだろう。
極めて一般的で、普通で、それでいて実現がとても難しい。
ある意味狂気の沙汰。そんな願い。
(゚、゚トソン「そういうあなたはどうなんですか」
( ・∀・)「夢、か…。昔は沢山あったんだがな。もう全部捨ててしまったよ」
…都村トソンの幼馴染、朝比奈もらのは不幸な人間だ。
たとえが思い浮かばないほど不幸。
とりあえずデフォで両親はいない。
- 49 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/05(日) 00:13:13.66 ID:TJ9OGeNN0
- (゚、゚トソン「……本当に?」
( -∀-)「…本当に、さ。俺はお兄ちゃんやお姉ちゃんと違って、何かが決定的に欠けている」
かっこつけて言う。
中二馬鹿の彼に欠けているモノ。
人間として必要な、あるモノ。
( ・∀・)「…っと、ついた」
電車が駅につく。
今日も学校が始まる。
少し鬱々とした気分になる彼に、トソンが話しかける。
(゚、゚トソン「モララー」
( -∀・)「…なんだ」
- 50 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/05(日) 00:16:14.34 ID:TJ9OGeNN0
- 彼女は軽く左手を出す。
綺麗な手だ。
…ああ、エロゲっぽい雰囲気。
(゚、゚トソン「…手、繋ぎましょう」
( ・∀・)「なんで」
普通美少女にそんなこと言われたらホイホイ了承してしまうものだ。
しかし、モララーは違う。
やはりイケメンには余裕がある。……死ね、マジで。
(゚、゚トソン「あなたが手を繋いでくれるだけで、私は自分の夢に一歩近づきます」
( -∀-)「……」
軽く目を瞑り、考える。
そして……
- 51 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/05(日) 00:19:19.03 ID:TJ9OGeNN0
- ( ・∀・)「…いいだろう。精々俺と手を繋げることを光栄に思え」
(゚ー゚*トソン「はいはい。とても幸せでございますよー」
馬鹿な2人だ。本当に、どこまでも。
だが、ま、世界中の誰が否定しようとも、本人達がそれで良ければ万事OKなのだ。
彼等はこの瞬間、間違いなく幸せだった。
その幸せが一時的なものであろうと、はたまた永遠に続くものであろうと……
…幸せなのには変わりは無い。
さっきまでより少しだけ良くなった気がする、電車から見える外の景色。
さて、そろそろ進もうか。
今日も一日が――
- 52 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/05(日) 00:22:15.14 ID:TJ9OGeNN0
- プシュー ガシャン
『発車いたします』
(゚、゚トソン「……」
( ・∀・)「……」
――始まらなかった。
青春物っぽいやり取りをやってるうちに扉はあっさりしまった。
人間風情が何を思おうと、何を感じようと、時間は止まらない。…残念ながらね。
( -∀-)「ふぅー……」
(゚、゚;トソン「…なんか、すいません……」
溜息。
とりあえず遅刻は確定した。
さて遅れてでも行くか、それとも……
- 53 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/05(日) 00:25:15.17 ID:TJ9OGeNN0
- ( ・∀・)「…トソン」
(゚、゚;トソン「はい」
おっかなびっくりの彼女。
なにぶん良い人なので、責任を感じているらしい。
そんなことなど気にかけず言う。
( ・∀・)「今日はサボりだ。…それでいいか?」
(゚ー゚トソン「…はい」
…モララーは自分の右手を見てみる。
幼馴染の手が繋がれている、その手。
( ・∀・)「(この手で誰かを壊し、この手で誰かを守る、か…)」
どこかで聞いた言葉を反芻する。
夢も、想いも、友達も、恋人も、家族も、そして自分でさえもなくした。
残ってるモノは何もない。
…そう思っていた彼。
- 54 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/05(日) 00:28:14.40 ID:TJ9OGeNN0
- ( -∀-)「…考えてみれば結構、残ってるもんだな」
(゚、゚トソン「……?」
( ・∀・)「夢、だよ」
はてさて。
彼の見る夢は、どのようなものであろうか。
そして、それは叶うのであろうか。
…無論それはまた別のお話である。
今ではもう、とっくの昔に終わってしまった……、彼等の物語だ。
―――日目 暁9つ 子の刻 終
- 55 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/05(日) 00:30:17.04 ID:TJ9OGeNN0
-
はい、番外編終了です
当主様がFOXに入ろうと決意したキッカケの日を書きました
あっち未読の人へのちょっとした配慮
…蛇足でしたね、すいません
…てかこれやっぱ、あっちでやるべきでした
ミスは罪だ……
- 56 名前:VIPがお送りします[]:2009/07/05(日) 00:33:42.80 ID:c01KtceG0
- 乙でしたー
そういう配慮してもらえると凄く助かるよ
ありがとう
- 59 :VIPがお送りします:2009/07/05(日) 00:57:49.01 ID:sG0k212t0
- あっちとか言われてもさっぱりわからん
- 60 :VIPがお送りします:2009/07/05(日) 01:03:38.96 ID:rTt3uJBh0
- >>59
俺も
- 61 :VIPがお送りします:2009/07/05(日) 01:05:25.11 ID:Nel2t8Yk0
- >>60
「2+1(リンク先:7xさん)」のほうだろ多分
(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」〜助け屋ギコ〜のようです
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1246714809/
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