- 1 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 18:40:06.31 ID:px9wSHpv0
- (;^ω^)「おっ? 今なんて言ったんだお?」
ξ;゚听)ξ「何回目よそれ……」
ξ゚听)ξ「ま、いいわ。仏の顔も三度まで、だし」
ξ゚听)ξ「あと一回だけだから、よく聞くのよ」
(;^ω^)「お、わかったお」
ξ゚听)ξ「あのね……──」
( ^ω^)告白からしばらくしたようです
前作:( ^ω^)告白のその後のようです
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/blog-entry-1884.html#1884
ξ゚听)ξ「──……なのよ」
( ω )「──っ」
いつか来るとは、思っていた。
でも、なんで。よりにもよって。
- 2 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 18:42:14.31 ID:px9wSHpv0
- 昨日、言われたセリフ。
それは、特に何ともない、日常会話のヒトコマ。
微笑ましい、青春の、日常。
僕の願った、日常に割り込んだ、ヒトコマであった。
その時、僕は明日に迫った数学の小テストのために、珍しく机に向かおうとしていた。
風呂上りでほてった体のため、部屋の温度が少し暑苦しく感じ、寝床に向かっていた扇風機を机のほうに向けた時、
寝床の上で電源に接続された携帯電話が、お気に入りの着信音を奏で始めた。
( ^ω^)「お、メールかお?」
無視して勉強を始めようと思い、鞄から筆箱と教科書を取り出したのだが、
それでもなお五月蠅く鳴る携帯電話に不信感を覚え、再び寝床の上に投げられているものに目を向けてみた。
着信 ツン
( ^ω^)「……?」
なんだろう、こんな時間に。
とはいえ、既に十数コールを過ぎている。
出なければジャイアントスイングから垂直落下へのコンボ、出ても片方の鼓膜は持って行かれそうな予感がしたが、
生命の危機よりは一次的障害を選ぶべきだろうと思い、携帯電話の通話ボタンを押した。
( ^ω^)「お、遅れてすまんお。どしたおツン?」
- 3 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 18:44:40.35 ID:px9wSHpv0
- ξ#゚听)ξ『くぉぉぉおおおるぁぁぁあああ!!!!!!!』
(;゚ω゚)「ごごごごごごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいいいいいいいいいいい!!!」
ξ゚听)ξ『まあいいわ。遅れた理由も聞かないでおいてあげる』
(;^ω^)「おっ?」
おかしい。いつものツンなら罵詈雑言を数十は並びたて、完膚なきまでに叩きのめすはずだ。
何かあったのだろうか? とも思ったが、別に罵倒されたいわけではないので、スルーを決め込むことにした。
( ^ω^)「まあすまんかったお。それで、どうかしたかお? 電話なんて」
ξ゚听)ξ『うん、ちょっとね……』
歯切れが悪い。やはりいつものツンではない。
( ^ω^)「……? 何か話しづらいことかお?」
ξ゚听)ξ『あー……』
( ^ω^)「話しづらいなら無理に話さなくても……」
ξ゚听)ξ『いや、あのね』
( ^ω^)「うん」
ξ゚听)ξ『すきなひとが、できたの』
- 5 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 18:46:57.15 ID:px9wSHpv0
- 思考停止。
このプログラムは応答していません。
強制終了します。
Winboonsはこの問題の解決策を探しています。 [キャンセル]
───ン!ブーン!
(;^ω^)「っお!?」
ξ#゚听)ξ『聞いてるの?』
(;^ω^)「お、お、すまんお、もう一回頼むお」
ξ;゚听)ξ『っちょ……』
ξ--)ξ『まあいいわ、よく聞きなさいよ』
ξ゚听)ξ『すきn』
思考停止。
このプログラムは応答していません。
強制終了します。
再起動まで 12 秒。。。
ξ;゚听)ξ『ねえちょっとブーン? だいじょうぶ?』
(;^ω^)『お、お?』
そして冒頭に至る、というわけだ。
- 6 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 18:49:06.91 ID:px9wSHpv0
- ( ω )「……」
なんで、僕に。
ξ゚听)ξ『うん、そう。三組の、モララー君』
なンで、僕に。
ξ*゚听)ξ『や、まあなんとなくっていうか……』
なンで、僕ニ。
ξ*゚ー゚)ξ『前の体育祭の時にさ、あたし足ひねったじゃない』
ナンデ、僕ニ。
ξ*^ー^)ξ『そのとき助けてくれたのがモララー君なんだ』
ナンデ、ボクニ。
結局、一睡もせず、小テストの勉強も手につかず、朝を迎えた。
- 7 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 18:51:08.44 ID:px9wSHpv0
- ('A`)「よう、ブーンおは……」
(;゚A゚)「ってお前なんだその顔!びっくりした!」
(ヽ゚ω゚)「お、ドクオおはようだお」
(;'A`)「や、いやおはようだけどお前どうしたんだよ……」
('A`)「……また、ツン絡みか?」
( ゚ω゚)
( ^ω^)「んなわけないおwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
( ^ω^)「小テストの勉強忘れただけだおwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
('A`)「……」
('A`)「……そうか」
('∀`)「実は俺もだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(´・ω・`)「やれやれ、君たちは本当にどうしようもないね」
(;'A`)「うぉお!ショボンいつからいたんだよ!」
(´・ω・`)「君がブーンと合流する前からいたけど……」
(;'A`)「気配消すなよ気持ち悪いな!!」
- 10 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 18:53:04.96 ID:px9wSHpv0
- ツンはいつもと変わらない笑顔で登校し、挨拶してきた。
僕はそれにそつなく返せただろうか。
笑顔はひきつっていなかっただろうか。
自分で確かめることは叶わない。
─────
それから、数日後のことだ。
ツンから、また、電話がきた。
( ^ω^)「……もしもし」
ξ*゚听)ξ『あ、ブーン? 聞いて聞いて!』
聞きたくない。
( ^ω^)「なんだお?」
ξ*゚听)ξ『あのね、モララー君に……』
やめろ。
( ^ω^)「お」
ξ*゚听)ξ『そしたら……』
やめてくれ。
ξ*゚听)ξ『OK、だって』
- 12 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 18:55:03.75 ID:2XgPrWW9O
- 支援
振った相手に恋愛相談なんて無神経だろ…
- 13 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 18:55:28.36 ID:px9wSHpv0
- ( ^ω^)「お、よかったじゃないかお」
何がだ。
( ^ω^)「ツンが喜んでるようで僕も嬉しいお」
どこがだ。
( ^ω^)「まあ、おめでとうだお」
めでたくない。
( ^ω^)「何か手伝えることがあったら、言ってくれお」
あってたまるか。
( ^ω^)「全力で手伝うお」
どうだか。
ξ*^ー^)ξ『うん、ブーン、ありがとう!』
- 14 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 18:57:02.85 ID:px9wSHpv0
- もう、僕のツンじゃない。
見たこともない、モララーという奴のツンなんだ。
なんて、わけのわからない考え。
仮にそうなっても、友達は友達だろ。
ξ゚听)ξ「おはよ、ブーン」
( ^ω^)「ツンおいすー」
そうだよ、何が変わるってわけでもない。
何も変わらないだろ。
そう思っていた、昼休みだった。
川 ゚ -゚)「ブーン、ツン、ご飯にしようじゃないか」
( ^ω^)「お、すぐ行くお」
ξ゚听)ξ「あ、ごめん、あたしパス」
( ^ω^)川 ゚ -゚)「?」
そういうとツンは、少し大きな四角い包みを持って、教室を出て行った。
('A`)「……なんだぁ? ツンのやつ」
(´・ω・`)「どうかしたのかな」
_
( ゚∀゚)「……お前ら、おかしいと思わないか」
- 15 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 18:59:12.94 ID:px9wSHpv0
- (´・ω・`)('A`)「……?」
_
( ゚∀゚)「時は昼。そしてツンは包みを持って出て行った」
_
( ゚∀゚)「そうなれば、包みの中身は……」
(;´・ω・`)(;'A`)「!!!!!」
川;゚ -゚)「史上最強の……兵器……!!」
_
( ゚∀゚)「あ、うんそうだけど。ツンいなくてよかったね」
_
( ゚∀゚)「改めて言えば、あの中身は」
(;´・ω・`)(;'A`)「手作り弁当(殺戮兵器)!」
_
( ゚∀゚)「そしてそれを届ける相手がほかの教室にいるってことだ……」
川;゚ -゚)(;´・ω・`)(;'A`) ゴクリ……
_
( ゚∀゚)「君たちは……」
_
( ゚∀゚)「これから殺される相手が見てみたくないかね……?」
川 ゚ -゚)「殺人は未然に防ぐべきだから、致し方ないな」
('A`)「だな、不可抗力だ」
_
(*゚∀゚)「よぉぉぉしツンをつけるぞおお!」
- 16 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:01:08.11 ID:px9wSHpv0
- (´・ω・`)「……ターゲットが三組に侵入するのを確認」
_
(*゚∀゚)「さーて、どんな奴だろうねぇ、ツンのカ、レ、シってのは」
( ^ω^)「……」
この、扉の向こうに、モララーがいる。
見たくない。
怖い。
('A`)「……」
('A`)「おい、ブーン、トイレいこうぜ」
(;^ω^)「お? でも……」
('∀`)「すぐ戻るからちょっと待っててくれよ、ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「えー、もう早くしろよー」
('∀`)「わりいわりいwwwwww」
トイレ
( ^ω^)「どうかしたのかお?」
('A`)「こっちのセリフだ」
小便器に向かったままドクオは話す。
- 18 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:03:28.92 ID:px9wSHpv0
- ('A`)「何が、あった」
( ^ω^)「……なにも」
('A`)「嘘だな」
( ^ω^)「……嘘だお」
( ^ω^)「ツンに、すきなひとができたって言われたお」
( ^ω^)「……そのあとに、それが彼氏になったって言われたお」
('A`)「何も言わなかったのか」
( ^ω^)「……何を言えるんだお」
( ^ω^)「僕は、一度振られた、ただの友達だお」
( ^ω^)「ただの友達が、その報告に、何を言えるんだお」
( ;ω;)「言えるものなら、言いたいお」
( ;ω;)「……でも何も言えないお」
('A`)「……」
ドクオは僕のほうに向きなおり、フゥ、と大きなため息を吐いた。
('A`)「お前、それでいいの?」
- 21 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:05:24.23 ID:px9wSHpv0
- ( ;ω;)「……」
('A`)「ただの友達だからって好きに自分勝手なこと言われて」
('A`)「それを甘んじて受けるだけでいいの?」
('A`)「お前がそれでいいって言うなら、これでその話は終わりだ」
('A`)「どうなんだ? ブーン」
いいわけがない。
いいわけがないだろう。
ツンのことは、僕が一番知っている。
ツンのことを、一番好きなのは僕だ。
だが。
だけど。
( ;ω;)「何ができるっていうんだお!!!」
( ;ω;)「ツンの恋路の邪魔でもしろっていうのかお!!!!」
( ;ω;)「それこそ僕にはできないお!!!!!」
( ;ω;)「ツンが悲しむのはいやだお……」
(#'A`)「お前……!」
短く舌打ちしたあと、ドクオは出て行った。
手も洗わずに。
- 22 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:07:09.54 ID:px9wSHpv0
- 「おう、戻ったかドクオ」
「あれ?ブーンはどうしたの?」
「ああ、気分が悪いってさ」
「む、大丈夫なのか?」
「さあな、保健室に向かったみたいだし大丈夫だろ」
「まあそれより早く見ようぜwwww」
「おkwwwwwwww」
ガラッ!
「おぉぉぉぉぉぉいツンはどこだぁぁぁぁぁぁ!」
「殺人未遂の容疑で逮捕するwwwwwwwwwwwww」
「っちょ、アンタたちなんでここに!?」
「デカチョー!すでに遅かったようです!重傷者一名!」
「なにぃ!ツン!おまえってやつは……!」
そんな声を背中に聞きながら、僕は涙を拭き取り、
とぼとぼど保健室へと向かうのであった。
- 23 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:09:18.78 ID:px9wSHpv0
- カララ
(ヽ´ω`)「お、シュール先生こんにちはだお」
lw´‐ _‐ノv「ん、内藤君か」
白米をおかずに白米を食べている。
異常としか思えないが、それを指摘すれば殺されるだけだ。
lw´‐ _‐ノv「さてはこのコシヒカリを嗅ぎつけて……」
(ヽ´ω`)「違いますお」
lw;´‐ _‐ノv「なっ……? まさかこのあきたこまちを……!」
(ヽ´ω`)「それも違いますお」
lw´‐ _‐ノv「なら何をしに……」
保健室に来る用事なんざひとつだけだ。具合が悪い、それだけ。
まあ、僕はただあそこに戻れないからって理由だけだが。
(ヽ´ω`)「休みにきたに決まってますお。ちょっと頭が痛いんですお」
lw´‐。_‐ノv「なんだ、そういうことか。ならこの紙に……」
ご飯粒を頬につけたまま、先生の動きが止まった。
じっと僕の目を見つめてくる。泣いたばかりで赤いから、不審がられたのだろうか。
澄んだ瞳が、すべてを見透かされているようで、不快だった。
- 24 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:11:07.11 ID:px9wSHpv0
- lw´‐ _‐ノv「……」
ぺろり、と頬のご飯粒をなめとり、先生は僕から視線を外した。
lw´‐ _‐ノv「……相談に乗ろうか?」
( ω )「っ!」
lw´‐ _‐ノv「何、話すことで楽になるなら、だがね」
( ω )「遠慮、しますお」
lw´‐ _‐ノv「そうかい」
lw´‐ _‐ノv「どのベッドも空いてるよ、好きなところで落ち着くまで寝て、気が変わったら言いな。いくらでも聞いてやる」
( ω )「ありがとう、ござ、いますお」
優しさに甘えたくなかった。
それよりも不快感が強かった。
一番奥に陣取り、カーテンを閉め、毛布を被った。
それ越しに、微かに声が聞こえた気がした。
「──せい!食───」
「だれ────よ!」
「しっか────ラー!」
- 26 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:13:17.88 ID:px9wSHpv0
- 結局、起きたのは放課後だった。
隣で男子生徒が寝息を立てていることと、夕陽が差し込んで全体的に赤く染まっていること以外は、先ほどと同じだった。
直後、腹がぐぅ、と鳴く。
そういえば昼は何も食べてなかったなぁ、と気づく。
カーテンを開けると、ワッフルコーンの上にご飯を乗せたものを食べている先生が見えた。
lw´‐ _‐ノv「ん、ライスクリームの匂いに釣られて起きたかね、内藤君」
(;^ω^)「ちがいますお」
lw´‐ _‐ノv「……落ち着いたようだね」
( ^ω^)「……はい」
lw´‐ _‐ノv「どうする?」
( ^ω^)「……やっぱり遠慮しますお」
lw´‐ _‐ノv「ん、わかった」
lw´‐ _‐ノv「何かあったら来るといい、ここはそういう場所だ」
( ^ω^)「ありがとうございますお」
( ^ω^)「でも、できるだけ自分で考えようと思いますお」
lw´‐ _‐ノv「まあ、それもいいだろう。無理しないようにな」
- 27 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:15:08.90 ID:px9wSHpv0
- 保健室を後にし、部活の声だけが響く校舎を歩き、教室まで鞄を取りに行った。
その間も腹の虫は鳴き続け、収めるために帰りにコンビニに寄ろうと決意した。
ぐぅー
(;^ω^)「誰もいないとわかっていても恥ずかしいおね」
コンビニにたどり着くと、そこには一番会いたくなかったひとがいた。
ξ゚听)ξ「あら」
( ^ω^)「お」
ξ゚听)ξ「どうしたのよ、昼もいなかったし、午後もいなかったからてっきり早退したのかと」
( ^ω^)「保健室でずっと寝てたおw」
ξ゚听)ξ「なぁんだ、心配して損した」
じゃあこれもいらないわね、とツンはコンビニのカゴの中に入っている栄養ドリンクやバランス栄養食などを見せてくれた。
( ^ω^)「お?」
ξ゚听)ξ「早退したならトドメ刺すためにお見舞いにいってやろうかとおもったのに」
(;^ω^)「ちょ、トドメはひでーお」
なんで、こんなに優しくしてくれるんだ。
僕は君に、遊ばれているのかい。
- 28 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:17:24.53 ID:px9wSHpv0
- 結局コンビニでカロリーメイトや菓子パンを買い、齧りながらツンと一緒に帰ることになった。
ξ゚听)ξ「ああ、そういえば午後の古典、課題でたわよ」
(;^ω^)「げ、まじかお」
ξ゚听)ξ「そ、現代語訳。しかもあんたの席の前で今日の授業終わったわね」
(;^ω^)「踏んだり蹴ったりじゃねえかお……」
( ^ω^)「お」
ξ゚听)ξ「ん? どうしたのよ変な声出して」
( ^ω^)「僕なんかと一緒に帰ってていいのかお?」
ξ゚听)ξ「どゆこと?」
( ^ω^)「いや、ほら、なんだっけ、モラなんとか君は」
ξ゚听)ξ「ああ……」
ξ゚听)ξ「あんたと同じで、昼から行方不明よ」
( ^ω^)「……は?」
ξ゚听)ξ「お昼にあたしのお弁当食べて、倒れちゃった」
ξ゚听)ξ「卒倒するほどおいしかったのかしら……」
- 29 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:19:31.62 ID:px9wSHpv0
- それはない。口に出したかったが、出せば良くて半殺しだろう。
( ^ω^)「……じゃあ、次から少し手抜きしたらいいと思うお」
だが、それが僕の知っているツンでもある。
ξ゚听)ξ「むぅ、確かにちょっと気合い入れすぎたかもしれないわね……」
僕の知っている日常である。
ξ゚听)ξ「でもあたし、手抜きって苦手だからなあ……」
言うべきか?
( ^)「それがツンのいいところじゃないかお?」
顔を背ける。
ξ*゚ー゚)ξ「ふふん、わかってるじゃない」
当然だ。僕はツンのすべてを知っている。
ξ゚听)ξ「それはそうと、明日古典あるんだからちゃんと勉強しなさいよ」
( ^ω^)「お、もちろんだお」
すべてを知った上で、ツンが好きなんだ。
そう、世界中のだれよりも。
- 32 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:21:40.81 ID:px9wSHpv0
- ξ゚听)ξ「じゃ、あったかくして寝なさいよ」
( ^ω^)「お、わかったお」
お互いの家の分かれ道に差し掛かり、別れのあいさつを済ませる。
僕がツンと、二人きりになれたのもここまでだ。
ξ;゚听)ξ「明日休んだらあたしから古典かかるんだから、やめてよね」
(;^ω^)「しつこいお、休まないから安心するお」
ξ゚听)ξ「じゃ、また明日ね」
( ^ω^)「お」
行って、しまう。
僕の、ツンが。
( ^ω^)「……」
夕焼けに向かって歩くツンの背中が、眩いオレンジに溶けるまで僕は見ていた。
いや、溶けてからも、僕は見ていた。
( ^ω^)「……」
無限ループの思考の渦に落ちていく。
目から涙が落ちる。
眩しさの、せいだろう。きっと、そうだ。
- 33 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:23:44.91 ID:px9wSHpv0
- ( ^ω^)「ただいま、だお」
おかえり、と台所のほうから声が聞こえた。
階段を上り、自室へと行き、机にカバンを置く。
その後、別の机に向いている椅子に座り、向かった机に置かれたパソコンのスイッチを入れた。
( ^ω^)「……」
この起動までの時間が、嫌いだ。
余計な事を考えるから。
OSの起動音が聞こえ、見慣れたデスクトップを映す。
迷わずショートカットをダブルクリックすると、画面が暗転した。
もう、続けてから何カ月だろうか。
帰宅すると、このオンラインゲームを起動していた。
半ば流れ作業のように。
ここで仲間と話している間は、すべてを忘れられた。
それはテストだったり、失恋の悲しみだったりした。
今も、何かを忘れたかったのかもしれない。
ログイン。
ブーン:おいすー
シャキ:おいう
- 34 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:25:14.50 ID:px9wSHpv0
- こいつにはいろいろ相談に乗ってもらった。
前に、ツンに告白した時もそうだ。
的確にアドバイスしてくれたり、時には叱ってくれたり。
兄貴のような存在だった。
シャキ:ひまなら狩りいかね?
ブーン:んー
ブーン:宿題があるから遠慮しとくお
シャキ:そっか
シャキ:ならぽぽさん行こうよ
ぽぽ:私もパスだっぽ
シャキが次々にメンバーを誘うが、断られ続ける姿を見て、少しにやけていた。
そのあと、シャキに個人チャットを申し込んだ。
ブーン:ちょっと、いいかお
シャキ:ん?
シャキ:どしたの、珍しい。
シャキ:宿題があるんじゃなかったのかい?
ブーン:ああ、まあそうなんだけど……──
- 35 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:27:12.08 ID:px9wSHpv0
- シャキにすべてを話したあと、また頼ってしまったという後悔と、すっきりした満足感が残った。
ブーン:──……というわけなんだお
しばらく、シャキからの返事はなかった。
( ^ω^)「やっぱり、何も言えるわけないおね」
シャキ:僕は何も言えないな
呟いた独り言に重なるように、チャットが入った。
シャキ:だってブーン、君はどうしたいんだい?
シャキ:それが答えだろう?
( ^ω^)「……?」
ブーン:僕に何ができるんだお?
ドクオと同じ。
僕が、したいこと。
ブーン:何も、できるわけないお。
シャキ:なら、それが君の答えなんだろう。
シャキ:それとも、僕に都合のいい逃げ道を聞こうとしたのかい?
- 37 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:29:10.23 ID:px9wSHpv0
- ( ^ω^)「……」
そのとおりだった。シャキなら何かいい答えを教えてくれると思っていたのに。
シャキ:すまないが、僕に言えることはこれだけだよ。
シャキ:また、何かあったら言ってくれ、できる限り、相談に乗るつもりでいるよ
ブーン:わかったお、こっちこそすまんかったお
シャキ:ああ、じゃあ宿題がんばれよ
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「訳だけして、寝よう……」
すべてを忘れるなら、寝るのが一番だった。
夕飯の時間になっても降りてこないことに心配した母親が、部屋の前まで来たが、食欲がない、とだけ伝えて追い払った。
自分はなんて勝手なんだろう。
自分の行動を他人に言ってもらえなきゃできないなんて。
人間のクズだ。
- 39 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:31:08.82 ID:px9wSHpv0
-
けたたましい着信音が、耳に届いた。
暗闇に慣れたねぼけ眼には、着信を知らせる光が痛い。
しかし、出ないのは失礼だろう、と思い、通話ボタンを押した。
( −ω+)「もしもひ……」
その電話の向こうから聞こえたのは
- 40 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:33:06.57 ID:px9wSHpv0
- ξ# )ξ『どぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!11』
一瞬で目が覚めた。
(;゚ω゚)「ぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉおおお」
ξ#゚听)ξ『何回鳴らせば気が済むのよ!!!!11このバカ!クズ!カス!!!!!』
(;゚ω゚)「ごごごごごごごめんなささささっさささささいいいい!!!!!!」
何。
なんで。
なんでツンがこんな時間に。
と思いあわてて時計を確認したがまだ十時、確かに寝るには早かったかもしれない。
ξ゚听)ξ『ま、いいわ。寝てたんでしょ、悪かったわね』
(;^ω^)「お、いや構わんお」
というかそう思うなら何度もかけるな。
もちろん、口には出さないが。
( ^ω^)「で、何か用かお?」
ξ゚听)ξ『あ、うんそうなのよ』
何だろう、こんな時間に。
ξ゚听)ξ『あのね──』
- 41 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:35:12.76 ID:px9wSHpv0
- ─
──
────
────────
('A`)「おう、おはようブーン、元気出たか?」
(;゚A゚)「ってわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあああああ!!!!」
(ヽ゚ω゚)「お……」
(ヽ゚ω゚)「ド……ク……」
(;゚A゚)「やめろ!無理してしゃべるんじゃない!!」
昨晩、ツンから聞かされたのは、
モララーが元気になって、自分に電話をくれたこと
その電話の内容を事細かに
それに関するツンの感想
すべてを、およそ三時間ぶっ続けである。
(ヽ゚ω゚)「お……お……」
あの女は僕を弄んでいるのだろうか……。
- 43 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:37:31.79 ID:px9wSHpv0
- そんな日々が続いた。
ある日はのろけ、ある日は愚痴る。
ツンは満足だろうなあ。そりゃ。
でも僕は、結構疲れるんだよ?
とは言えども、ツンから電話が来るということはとても嬉しいことではある。
まして彼氏の愚痴などを話してくれるというのは、結構信頼されてる証ではないだろうか?
なんて考えてるからこそ、徐々に自分の精神は蝕まれていたのだろう。
でも、それでも満足だったのかもしれない。
もしくは、そんな自分に酔ってたのだろうか。
……有りうるな。
……──そんなある日のことだった。
- 45 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:40:08.39 ID:gF9UYM+1O
- 追いついた
ツンの意図は別にある希ガス
っていうかそうあって欲しい
- 46 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:40:20.28 ID:px9wSHpv0
- 午後十時過ぎ。
いつも電話が鳴る時刻だ。
しかし、半を過ぎてもかかってこなかった。
( ^ω^)「……?」
珍しいな、とは思ったが、その日は宿題も多く、正直助かったと思っていた。
十一時過ぎまで処理に時間がかかったものの、少しだけネトゲもでき、日付が変わる前に床に就いた。
久々に満足した眠りを手に入れた。
……──はずだった。
午前二時過ぎ。
僕を起こしたのは、携帯電話。
満足した眠りを手に入れたと思ったのに、邪魔されたことに悪態をつきつつ、通話ボタンを押す。
( −ω+)「……もしもし、誰だおこんな時間に」
『っく……うぅ……』
( −ω^)「……? だれだお?」
『うぇぇ……っくぅ……』
きりがない。仕方なく携帯のディスプレイを見ると──……
- 47 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:40:50.96 ID:6DLHQ+9a0
- これでツンに裏も何もなければうざすぎるwwwwwwww
- 48 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:42:18.70 ID:px9wSHpv0
- 通話中 ツン
( ゚ω゚)そ 「!?」
『ふぇぇ……うぅ……』
( ゚ω゚)「──っ!?」
何で? どうしてツンが泣いているんだ?
(;゚ω゚)「ツ、ツン……? どうしたんだお?」
ξ;凵G)ξ『ふぇぇ……ブー、ン……』
(;^ω^)「お、ブーンだお、大丈夫かおツン……」
ξ;凵G)ξ『うっ……えぐっ……』
(;^ω^)
埒が明かないな。
( ^ω^)「ツン、今からあそこの公園まで来れるかお?」
ξ;凵G)ξ『う、ん……だいじょ、ぶ……』
( ^ω^)「じゃあ来てくれお、そこで話聞くお」
ξ;凵G)ξ『う、ん……ごめ……』
- 52 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:44:11.54 ID:px9wSHpv0
- ─
──
────
────────
それからすぐに僕は家を飛び出した。
十分もしないうちに、フラフラとした足取りでツンが現れた。
ξ;凵G)ξ「ひっく……うぅ……」
(;^ω^)「お、ツン、こっちだお」
ξ;凵G)ξ「ブー、ン……」
とりあえずベンチに座らせ、さっき買ったばかりのミルクティーを差し出す。
( ^ω^)「とりあえず飲んで落ち着くお、そしたらゆっくりでいいから話してくれお」
コクリ、と頷く涙目のツン。
小さな肩を震わせている彼女を見て、ツンをこんなにした奴を絶対に許さないと誓った。
……十数分後、真っ赤な目のツンは、震える声でぽつりぽつりと話し始めた。
ξ゚听)ξ「……モララーとね、喧嘩したの」
ξ゚凵G)ξ「最初は、いつもみたいな感じだったけど、だんだん向こうがひどく罵るようになって……」
ξ;凵G)ξ「なんでこんなひどいこと言うんだろうって……」
( ω )「……」
- 53 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:46:13.48 ID:px9wSHpv0
- 許さない。
許さない。
許さない。
許さない。
許さない。
許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな
許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな
許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな許さな
許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許
許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許許
( ω )
どんなに謝っても、許してやるもんか。
ツンを
僕のツンをこんナに泣かせテ
タダで済ムとオもウナよ。
( ω )「そいつの、電話番号わかるかお?」
( ω )「いや、もう寝てるだろうから」
( ω )「やっぱり住所で頼むお」
- 58 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:48:10.37 ID:px9wSHpv0
- ツンに住所を聞いた僕は、ツンを家へ送った後、その場所へと向かった。
─
──
────
────────
着いた。中学の学区が違うからか、やはり遠かった。
でも、これもツンを思えば苦ではない。
ツンをあんなにした奴を、許せるわけがない。
( ^ω^)「……」
玄関は、開いてない。
部屋は?
だめだ、位置が分からない
( ^ω^)「……」
大体、二階だったら窓から入ることも出来ない。
(#^ω^)「くそっ!」
塀を殴る。痛みが自分に跳ね返る。
馬鹿か僕は。
この手は、あいつを殴るためなんだ。
( ^ω^)「くそ……」
……──仕方なく、朝まで待つことにした。
- 61 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:50:14.18 ID:px9wSHpv0
- ─
──
────
────────
朝が、来た。
( ^ω^)「……」
いよいよ、あいつと顔を合わせるのか。
ツンとの話でしか聞いたことのない、モララー。
許されざる悪、モララーと。
「いってきます」
来た。
声が、聞こえた。
平然とした、声が。
昨晩ツンを苦しめた声が。
けして低いわけではなく、むしろ男声では高いほうといえるだろう。
普通なら、好感を抱くような声だろうと
……僕には、悪魔の声にしか聞こえなかった。
- 66 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:52:06.85 ID:px9wSHpv0
- ──ちょっといいですかお?
( ・∀・)「ん? えーと……?」
( ^ω^)「はじめまして、内藤ですお」
( ・∀・)「内藤……?」
悪魔はしばし考え、ふと思いついたように言った。
( ・∀・)「ああ、ツンの幼馴染の内藤君か」
お前がツンの名前を呼ぶんじゃない。
( ・∀・)「僕に何か用かい?」
この期に及んでこいつは。
何か用か? だと?
一つしかないだろ。
( ^ω^)「……ちょっとお話がしたくて、朝早くからすいませんお」
( ・∀・)「話? ……まあ、まだ時間あるからいいけど」
( ^ω^)「ありがとうだお。じゃあ、ちょっとそこの公園まで来てほしいお」
- 67 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:54:08.94 ID:px9wSHpv0
- ( ・∀・)「……で、何の用なんだい?」
( ^ω^)「……昨日、ツンに何をしましたか?」
( ・∀・)「んー……? 覚えてないな、何かしたっけ?」
( ω )「は?」
覚えてない? 覚えてないだと?
あれだけツンを泣かせたのに、覚えてないだと?
さすが悪魔だな。
( ω )「ツンを……泣かせましたおね」
( ・∀・)「……あぁ、そういえばちょっと喧嘩したな」
( ω )「何で喧嘩したんですお?」
( ・∀・)「……君には関係ないだろ、僕とツンの問題だ」
(#゚ω゚)「その口でツンを呼ぶなお!」
( ・∀・)「っと、殴るなんて平和的じゃないな。話がしたい、って言ってたじゃないか」
(#゚ω゚)「うるさい!」
( ・∀・)「おい、危ないじゃないか」
ごっ
- 70 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:56:14.21 ID:px9wSHpv0
- (;゚ω゚)「かはっ……」
( ・∀・)「大体前から気に食わなかったんだよねぇ」
がっ
( ・∀・)「ツンと話してても内藤内藤内藤内藤ブーンブーンブーンブーン」
ごっ
( ・∀・)「ヒトの彼女に何してんの、お前」
げしっ
( ・∀・)「目障りなんだよ」
ぬるぽっ
( ・∀・)「昨日喧嘩した理由もそれだよ」
( ・∀・)「ああ、そうすると君にも関係があるね」
( ・∀・)「さっきのはて・い・せ・いするよ」
がっ
( ・∀・)「じゃ、遅れるからそろそろいくよ」
薄れゆく意識の中、高い笑い声だけが頭に残った。
- 75 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 19:58:08.45 ID:px9wSHpv0
- ……目が覚めたのは、太陽がまだ登りきらない時刻だった。
( ω )「……おぇ」
まだ、痛い。
そして、結局ツンを泣かせた相手を倒すことは叶わなかった。
二重に、痛い。
( ω )「……くそ」
なんて弱いんだ、僕は。
( ω )「……くそ!」
少し曇ってきたようだ。視界が、暗い。
雨も、降ってきたのかな。視界が、滲む。
( ;ω;)「くそぉぉぉぉぉおおお!!!」
その日から何日か、学校を休んだ。
- 79 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:00:08.30 ID:px9wSHpv0
- 毎日、ツンはメールも、電話もくれた。
もちろん、ドクオやショボン、ジョルジュもだ。
その間、僕はずっと部屋に籠り、パソコンを弄るか寝るかの生活だった。
シャキ:ブーン、今日も学校いかなかったのかい?
ブーン:ほっといてくれお
シャキ:……ごめん
シャキ:でも、友達とか心配してるんじゃないかな、やっぱり
ブーン:うるさいお
シャキ:……わかったよ
この会話の数時間後、ドクオとショボン、ジョルジュが見舞いに来た。
('A`)「よーす」
(´・ω・`)「やあ、調子はどうだい」
_
( ゚∀゚)「おっす」
( ^ω^)「……なんだお」
( ^ω^)「ただ、体調がすぐれないだけで、なにもないお」
- 81 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:02:51.97 ID:px9wSHpv0
- ('A`)「ダウト」
( ^ω^)「……は?」
(´・ω・`)「ひぐらし風に言えば嘘だっ!!!!かな、かな」
( ^ω^)「いや意味はわかるお。……何の用だお」
_
( ゚∀゚)「そういうなって。いいもの持ってきたからさ」
( ^ω^)「エロ本ならいらんお」
_
( ;∀;)
(´・ω・`)「……で、何があったんだい」
( ^ω^)「だから体調がすぐれないだけだって……」
(´・ω・`)「だからダウト」
(´・ω・`)「何日も休んでるくせにネトゲはできるのかい?そんな都合のいいこと言うなよ」
( ^ω^)「……なんでそれを」
(´・ω・`)「僕の兄さん、シャキンって言うんだよね」
( ^ω^)「え……」
(´・ω・`)「まあ、動かしてるのは僕だけど。 全部、知ってるんだ」
- 82 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:04:39.15 ID:px9wSHpv0
- ( ^ω^)「ドクオとジョルジュも……」
('A`)「まあ、な」
_
( ゚∀゚)「あ、すまんちょっとバンブレ読んでて聞いてなかった」
('A`)「もうお前帰れよ」
('A`)「まあ、あれだな」
('A`)「お前がそこまで悩んでたとは、思ってなかった」
('A`)「それに気付けなかったおれらも悪い。すまん」
(´・ω・`)「うん、ごめんねブーン」
( ^ω^)「みんなは……悪くないお」
( ^ω^)「僕が、馬鹿みたいに悩んだ結果だお」
( ^ω^)「だから、謝らないでほしいお」
('A`)「……そうか」
('A`)「じゃあ、もう一度聞くぞ」
('A`)「お前は、これからどうしたい」
- 84 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:06:14.70 ID:px9wSHpv0
- ( ^ω^)「どう……」
( ^ω^)「……わからんお」
( ^ω^)「でも、僕とツンが話すことで、モララーが不快になって」
( ^ω^)「それによってツンが悲しむなら……」
('A`)「……本当か」
( ^ω^)「……うそだお」
( ^ω^)「ぼくは、ツンと一緒にいたいお」
( ^ω^)「でも、それはできないんだお」
( ^ω^)「だって、ツンはモララーの彼女だから」
( ^ω^)「下手に僕が口を出すから、ツンが泣くんだお」
( ^ω^)「……それだけは、我慢ならんお」
('A`)「……そうか」
(´・ω・`)「……」
_
( ゚∀゚)「……お前がそう思うならそれでいいんじゃねーの」
_
( ゚∀゚)「それで、後悔すんなよ」
- 89 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:08:20.14 ID:px9wSHpv0
- ('A`)「明日は学校来いよ」
( ^ω^)「お、当たり前だお」
(´・ω・`)「じゃ、また明日ね」
_
( ゚∀゚)「じゃーなー」
────────────────
────────
────
──
─
('A`)
('A`)「なんだよ、これ……」
朝の教室は、けして爽やかではなかった。
- 92 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:10:18.44 ID:px9wSHpv0
- その日は、いつもと同じ時間に登校したのだが、なぜだか途中でブーンに会わなかった。
大方、久々の登校が恥ずかしくて早めに行ったのだろう。
教室に着くと、予想通りブーンはいた。
ショボンと話していたが、こちらに気づくと、手を振り、いつもの笑顔で
( ^ω^)「ドクオ、おはよーだお!」
なんて言うもんだから、つい俺も笑っちまって
('∀`)「おう、おはよ」
って返した。
( ^ω^)「きめえwwwwwwww」
お約束だけどな。
そのすぐ後に、ジョルジュもやってきて、しばらく四人で談笑してたんだ。
そうしたら、ブーンがいきなり
( ^ω^)「みんな、昨日はほんとにありがとうだお」
なんて言うもんだから
('A`)「おい、どうしたんだ、今度はほんとに熱でも出したか」
_
( ゚∀゚)「医者いくなら先生に言っておくぞ」
( ^ω^)「ひでーおwwwwwww本心だおwwwwwwww」
- 94 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:12:12.56 ID:px9wSHpv0
- ( ^ω^)「ほんとに、ありがとだお」
('A`)「……おい、ほんとに、どうしたんだ?」
言い終わる前に、教室の後ろの引き戸が開いた。
ξ゚听)ξ「おはよう……」
(*^ω^)「ツン!!!!!!!」
ξ;゚听)ξ「ブーン? え、なんで?」
ξ゚听)ξ「メールも返さないし電話もしないし……」
( ^ω^)「おっおwwwwwすまんおwwwwwww」
ξ*゚ー゚)ξ「もう……元気になったのね、良かったわ」
( ^ω^)「もちろん元気だおwwwwwwww」
変だな。
( ^ω^)「そうだお、ツン」
( ^ω^)「泣かせて、ごめんお」
ξ゚听)ξ「ブーン?」
( ^ω^)「もう、ツンは泣かなくて済むお」
- 96 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:14:26.68 ID:px9wSHpv0
- ξ゚听)ξ「どうしたの、ブーン?」
( ^ω^)「ぼくのせいで、ツンは泣いてたんだお」
なぜ、窓を開けるんだブーン。
( ^ω^)「だから、」
なぜ、窓枠に足を。
( ^ω^)「ぼくが」
そんなことしたら。
( ^ω^)「いなくなれば」
落ちるじゃないか。
( ^ω^)「ツンは泣かないお」
ξ;゚听)ξ「ブーン!!!!」
(;´・ω・`)「おいブーン!!!!!」
( ^ω^)「……みんな、ありがとう、んでバイバイだお」
(;゚A゚)「やめろぉぉぉぉぉおおおお!!!!」
視界から、ブーンが、消えた。
- 103 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:16:37.49 ID:px9wSHpv0
- ぐしゃ、という音が、聞こえたような。
いや、この悲鳴の中じゃ、聞こえるわけがないよな。
なあ、ブーン、お前、ツンを泣かせないんじゃなかったのかよ。
ツンを泣かせないために、飛んだんだろ。
ξ;凵G)ξ
泣いてるじゃないか。
お前、全然有言実行じゃないのな。
誰が泣かせたんだ? お前だろ?
早く戻ってきて、謝れよ。
ほら、早く。
いまなら、ツンに半殺しにされるだけで済むかもしれないぜ?
帰って、来いよ。
( ^ω^)告白からしばらくしたようです 了
- 105 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:18:09.65 ID:wUlrvmfMO
- ここで終わりかよ……乙
- 106 名前:VIPがお送りします[sage]:2009/06/17(水) 20:18:16.58 ID:6DLHQ+9a0
- 乙。
一番いい終わりだった。と思う。
- 107 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:18:30.77 ID:kDGn9/FtO
- 救われねえ
- 108 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:18:52.75 ID:px9wSHpv0
- と、いうわけで二作目終了です。
オチが見えただのありきたりだのは聞きあきた。
支援してくださってありがとうございました。
だから実話じゃねーっていってるだろ!
この作品を通じてツンが嫌いになってくれたらうれしいなとおもいます。
感想、指摘、罵倒などありましたらよろしくおねがいします。
- 109 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:19:03.99 ID:p/l9AMZEO
- 欝ENDか……乙
- 114 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:22:01.01 ID:+52SpGiaO
- 乙
- 110 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:20:10.52 ID:p076o62EO
- あああ…
あんなツンの為に死ぬなんて…
とりあえず乙
- 111 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:21:09.72 ID:duQWvr2JO
- ねぇ続くのこれ?
- 112 名前:VIPがお送りします[sage]:2009/06/17(水) 20:21:36.42 ID:oyaTQG8vO
- このツンは死んでいいレベル。
周りの奴らが、ブーンを心配する前にツンを責めてたら違った結末だったかな
- 113 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:21:53.59 ID:kk5rj3fvO
- 乙
まさかモララー殺してから学校行ったとか?
- 116 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:24:41.30 ID:px9wSHpv0
- >>104>>105>>106>>109>>114
ありがとう
>>107
救われてないかなぁ
一番の救済措置だったと思うけど
>>110
ね、馬鹿でしょ?
>>111
どうしようかなあ、と
続けられるように一応してあるのですが。
>>112
ツンを責めたら違う意味で教室が爽やかじゃなくなりますね。
>>113
うふふ
- 115 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:24:31.36 ID:wUlrvmfMO
- >>108
え?あびび?
- 117 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:25:35.95 ID:px9wSHpv0
- >>115
ごめん、あの人好きだけど、この作品私の二作目なの……
あの人とは違った形でツンを嫌わせたかった、みたいなのがあります。
- 118 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/17(水) 20:28:15.78 ID:px9wSHpv0
- では、そろそろお暇させていただきます。
ありがとうございました。
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( ^ω^)告白からしばらくしたようです
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1245231606/
このツンはスイーツン(笑)だな
ツンうぜえwwww