2009年06月22日
- 1 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:24:43.92 ID:w7N5fIIu0
- 女なんて、信用できるか。
みんな、僕から離れていく。
信じて裏切られるくらいなら。
最初から、関わりたくなんてない。
そう、思っていた。
( ・∀・)告白したかったようです
関連作:( ^ω^)告白のその後のようです 玉兎の夢様
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/blog-entry-1884.html#1884
( ^ω^)告白からしばらくしたようです ブーンがまとめブログを武器に様
http://boon-fiare.seesaa.net/article/121713612.html
こんな捻くれた考えに至ったのは、もちろん理由がある。
ありがちな話だが、両親の離婚だ。
原因は、父親の浮気。
- 2 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:27:14.41 ID:w7N5fIIu0
- 父親の浮気でなんでそんな考えに至ったかって?
確かに、離婚の直接の原因は父親だ。
だが、僕が一番懐いていたのは、母親だった。
母親の家族すべてが好きだった。
おばあちゃんも、おじいちゃんも、おばさんも、おじさんも、従姉も。
だからこそ、離婚の際、父親の元に残された時、
裏切り、と感じたのだと思う。
もちろんこれだけなら、母親一人を嫌うだけで済む。
父の連れてきた、継母もまた、嫌いだった。
なぜなら、父と彼女の間には、腹違いの兄弟がいたからだ。
ここまで話せばわかるだろう?
父と継母は、そいつばかりを可愛がった。
それが、嫌で嫌で仕方なかった。
我慢できなくなった僕は、中学に進学する際、父親の実家の学区に引っ越し、そちらの学校に通うことにした。
完全にかかわりが切れたわけではないが、それでも少しはマシだった。
- 3 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:29:27.44 ID:w7N5fIIu0
- ( ・∀・)「いってきます」
小学校の友達と離れるのは辛かったが、それよりも家での生活のほうが辛かった。
中学校でも、二か月も経てば、それなりに友達も出来た。
事件は、三年生の夏休みに行っていた塾で起こった。
( ^Д^)「なあ、この問題どうやんの?」
(;・∀・)「お前まだ二年生の内容だぞそこ……」
一年生からずっと同じクラスのプギャーもいたし、塾は辛くなかった。
('A`)「やべえそれ俺もわかんねえや」
塾での新しい友達もできたし。
(;・∀・)「ドクオも少しは危機感持てよ……」
('A`)「まだ半年もあるし余裕だって」
( ^Д^)「だよなー、半年もあるもんなー」
(;-∀-)「……志望校どこだっけ」
( ^Д^)('A`)「VIP高だけど。」
( ・∀・)「だいぶ点数足りてないよねえ、大丈夫じゃないよねえ」
- 6 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:31:23.37 ID:w7N5fIIu0
- ('A`)「安心しろ」
('A`)「俺には進研ゼミがついてる!」
( ・∀・)「どーせ夏休み特別号だけやっちゃうタイプだろ」
(;^Д^)「俺もだ……」
むしろ、楽しかった。
─
──
────
────────
( ^Д^)「なあ、腹減ったしマックでも行こうぜ」
('A`)「ああ、たまにはいいな」
( ・∀・)「そうだね」
事件はこの時に起こった。
( ^Д^)「涼しいwwwwwwっうぇwwwwwwwww」
('A`)「あるあるwwwwwwwwww」
( ・∀・)「とりあえずテーブルに鞄だけ置いちゃおうか」
('A`)「おk」
- 7 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:33:22.85 ID:w7N5fIIu0
- どんっ
('A`)「おっと、すいません」
「い、いえ、こちらこそすいません」
そこには、天使がいた。
('A`)「あ、でもジュースが……」
「これくらい大丈夫ですよw」
ここは天国なのかと錯覚するくらい
('A`)「まあ、ほんとすいませんでした」
「いえいえwではでは」
その人は、他に比べて、光り輝いて見えた。
( ・∀・)
('A`)「モララー、いこうぜ」
( ・∀・)
('A`)「モララー?」ヒラヒラ
( ・∀・)
- 8 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:35:17.11 ID:w7N5fIIu0
- ('A`)「死んでる……」
(;^Д^)「なわけあるかよ、どうしたモララー」
( ・∀・)ハッ
( ・∀・)「ここは……?」
('A`)「大丈夫かモララー?」
( ・∀・)「え、あれ?」
( ^Д^)「どうしたんだ、ボーっとしてお前らしくもない」
( ・∀・)「……?」
なんだったんだ、今の。
('A`)「まあテーブルの確保が優先だ」
その時の、味も注文した内容も覚えていない。
ただ、あの光り輝いて見えた天使だけは、いつまでも記憶に残っていた。
ξ゚听)ξ
- 9 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:37:12.14 ID:w7N5fIIu0
- 気になる。
ξ゚听)ξ
あの人は誰なんだろう。
ξ゚听)ξ
勉強が、手に付かなくなった。
('A`)「なぁ、モララー今日このあと暇か?」
( ^Д^)「カラオケいかね?」
( ・∀・)「ん、ああ、そだね、たまには」
……見つけた。
((( ξ゚听)ξ
( ・∀・)「……いた」
まさか同じ塾の中にいたとは。
('A`)「え?」
( ・∀・)「ごめん用事できた。今日無理」ダッ
( ^Д^)「え、どこいくんだよモララー、おい!」
- 11 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:40:08.46 ID:w7N5fIIu0
- ξ゚听)ξ
やっと見つけた天使。
僕の、天使。
l∀・)
どこにいくんだろう。知りたい。彼女のことをもっと。
後をつけることにした。
l∀・) ξ゚听)ξ
( ・∀・)「……駅?」
まさか、この塾まで電車で通ってるのか?
困ったな、所持金が足りるかどうか……。
ξ゚听)ξ
と思ったら、改札の前で止まってしまった。
l∀・)「……」
誰かと待ち合わせかな。誰だろう。
そう思っていると、一人の男がホームから改札を通ってきた。
- 12 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:42:22.86 ID:w7N5fIIu0
- ( ^ω^)「お? ツンじゃないかお」
ツン? 彼女の名前か?
ξ゚听)ξ「よっす、どうだった? 模試」
……ずいぶんと親しそうだな、あいつ。
( ^ω^)「まあまあだお。どうしたんだお?」
ξ゚听)ξ「ちょうどいい時間だったから。何か食べて帰ろうよ」
( ^ω^)「お、ちょうど腹減ってたんだおw」
……どういう、関係だろう、あの二人。
l∀・)「……」
気になるなあ。
……でも、収穫はあった。
彼女の名前を知れたから。
ツン。
ツン。
あぁ、いい名前だなあ。ツン。
- 13 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:44:18.77 ID:w7N5fIIu0
- その後も、いろいろと調べてみた。
そしたら、彼女の志望校はVIP高だってわかった。
(;'A`)「は? お前もっといいとこ行けるだろ」
(;^Д^)「もったいねーなおい……」
( ・∀・)「いいだろ、校風自由そうだし、ちょっと惹かれたんだよね」
僕の志望校も、VIP高に決めた。
( ・∀・)「だから、お前らも頑張れよ!」
('A`)「お前来たら倍率上がるじゃん死ねよ……」
(;・∀・)「えぇー……」
それと、あのちょっと太めの男は、別に彼氏でもなんでもなかった。
ただの、幼馴染らしい。
よかった、天使はまだ穢されていない。
僕の天使、ツン。
- 14 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:46:13.23 ID:w7N5fIIu0
- その後も僕はツンを見守り続けた。
高校も無事合格した。
……ドクオとプギャーも、ちゃんと合格した。
( ;A;)「数学全滅したとおもったのに受かった……よかった……」
(;^Д^)「おぉぉ……受かった……」
( ・∀・)「良かったなお前ら!」
もちろん、自分のよりも先にツンの受験番号を先に確認した。
合格だった。
発表の時にもツンを見ていた。
……隣に、あの男もいたけど。
('A`)「あ、中学の奴見つけたからちょっと行ってくるわ」
( ^Д^)「おう、行ってら」
( ・∀・)「……」
あの男も受かったのかな。
くそ、離れろよ、僕のツンから。
( ^Д^)「なあ、合格祝いにカラオケでも行こうぜwwww」
( ・∀・)「そうだな、後からドクオ呼べばいいかwwww」
- 16 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:48:20.79 ID:w7N5fIIu0
- (;^Д^)「……ちょっとはしゃぎすぎたな」
( ・∀・)「ドクオ来る前に力尽きるなよ……」
( ^Д^)「そういや、すぐ来るって言ってたのになかなか来ないな」
( ・∀・)「そうだなぁ……」
(;'A`)「すまん遅れた!」
(;^Д^)「噂をすれば、だな」
( ・∀・)「どしたの?」
(;'A`)「いや、その……」
渋るドクオの後ろから、人が現れた。
川 ゚ -゚)ノ「どーも初めまして、ドクオの親友のクーです」
(;^Д^)(;・∀・)
絶句、である。
(;'A`)「どうしても来たいって……」
(;^Д^)「いや、それはいいけど……」
川 ゚ -゚)「あ、親友じゃなくて彼女だった☆」
- 17 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:50:21.90 ID:w7N5fIIu0
- (;'A`)「お、おいクー、それはないs」
川 ゚ -゚)「むぅ、私が彼女というのがそんなに嫌なのか、ドクオは」
(;'A`)「そうじゃなくてだな……」
( ^Д^)「……なあモララー」
( ・∀・)「……なんだいプギャー」
( ^Д^)「世の中って、不公平だな……」
( ・∀・)「そうだな……」
川 ゚ -゚)「誰も入れないならくーにゃんがさくらんぼキッスうたっちゃうぞ☆」
(;'A`)「最初からそれ!?」
その後もしばらく、主にクーさんとプギャーが歌っていたが、一時間くらいした頃に、ドクオの携帯が鳴った。
川 ゚ -゚)「誰から?」
('A`)「ん、ブーンだ。ちょっと出てくる」
……ブーン?
ξ゚听)ξ『ねぇ、ブーン』
……あの、男?
- 18 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:52:16.94 ID:w7N5fIIu0
- トイレ、といって抜け出して、外のドクオと話すことにした。
('A`)「あぁ、そっか、おめでとさん」
('A`)「おう、んじゃな」
会話が終わったようだ。
( ・∀・)「なぁ」
(;'A`)「うおぉ、なんだよモララー」
( ・∀・)「ブーン、て?」
('A`)「ん、あぁ」
('A`)「中学の友達だよ、VIP高受かったって」
( ・∀・)「ツン、って子と一緒にいるよね」
('A`)「……そういえばたまに名前が出てくるな、あいつと話してると」
('A`)「実際に会ったことはないけど」
('A`)「でも、なんでそれを?」
( ・∀・)「ん、いや」
( ・∀・)「聞き覚えのある名前だったから、それだけ」
- 19 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:54:12.21 ID:w7N5fIIu0
- 天使は、意外と近かった。
運は、僕に味方してるのかもしれない。
─
──
────
─────────
入学式当日。
早くも前言を撤回しなくてはならなかった。
( ・∀・)「……っ」
ツンと、違うクラスになってしまった。
('A`)「何で俺だけ……」
ドクオも。
( ^Д^)9m「プギャーwwwwwwwwwwwwwwwwww」
プギャーは一緒だった。
しかしこれで、天使は遠くなった。と、思った。
( ^ω^)「おっおwwwwwwwwwwツンと同じクラスだおwwwwwwwwww」
死ねばいいのに。
- 21 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:56:20.34 ID:w7N5fIIu0
- とはいえ、始まったばかりの高校生活に心を躍らせていたのは確かではある。
( ・∀・)「初めまして、モララーです」
遠くなったといっても、所詮同じ学校の中だ。
( ・∀・)「オオカミ中学からきました」
いくらでも、会う機会はある。
( ・∀・)「よろしくお願いします」
ゆっくりと近づこう。
待っててくれよ、僕の天使。
- 23 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 19:58:42.02 ID:w7N5fIIu0
- 一組の前を通る時は大体覗き込んでいた。
_
( ゚∀゚)川 ゚ -゚)('A`)( ^ω^)ξ゚听)ξ(´・ω・`)
どうやら、ドクオは僕よりも早く天使とお近づきになれたらしい。
うらやましい限りだ。
下校時も、下駄箱から少し離れた場所で天使を見守っていた。
ξ゚听)ξ( ^ω^)
なぜかいつもこの男まで付いてくる。
むかつく。
帰り道も、少し離れて見守った。
l∀・) ( ^ω^)ξ゚听)ξ
そんなことを、誰にも見つからずに繰り返せていたのは、奇跡だと思う。
だから、これは必然だったのかもしれない。
(;'A`)「……お前、何してるの?」
- 25 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:00:16.54 ID:w7N5fIIu0
- (;・∀・)「!」
('A`)「モララーだよな? 何してんだ?」
(;・∀・)「や、いや」
('A`)「あれはツンとブーンだし……」
(;・∀・)「ち、ちがう、僕はただ天使を」
(;'A`)「お、おい、いいからちょっと落ちつけよ」
(;'A`)「天使? 何の話だ?」
( ∀ )「〜〜〜〜っ!!」
─
──
────
────────
('A`)「……なるほどねぇ」
( ・∀・)「……笑いたければ笑うがいいさ」
あのあと、ドクオがコンビニで缶コーヒーを二つ買ってきてくれた。
それを飲みながら、すべてを話した。
- 26 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:02:25.68 ID:w7N5fIIu0
- ( ・∀・)「でもね、僕は本気だよ」
( ・∀・)「彼女は僕と会うためにいる、そう思っている」
( ・∀・)「……母親以外で、唯一信じてもいいと思った女性だ」
('A`)「……一目ぼれでそこまでなるか」
( #・∀・)「そんな単純なのじゃない!!」
( #・∀・)「僕と彼女は出会うべくして出会ったんだ!」
('A`)「……」
('A`)「ま、別に水を差すこともしねーけど」
('∀`)「さすがに電柱に隠れるのは怪しいぞ、気をつけろよ」
( ・∀・)「……そうだな」
('A`)「しかしツンねぇ……」
('A`)「どうもわかんねーや」
そう呟いて、傍らのゴミカゴに缶を投げ入れたドクオは、じゃーな、と短く残して去って行った。
( ・∀・)「……」
次の日、事件が起こった。
- 27 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:04:12.22 ID:w7N5fIIu0
- ξ゚听)ξ
彼女が一人で、玄関を出て行った。
( ・∀・)「……?」
しかも、校門には向かわず、人気のない旧校舎の裏へと。
訝しがりつつも、気になったので後をつけてみた。
そこには──……
( ^ω^)
……──あの男が待っていた。
(;・∀・)「……!」
反射的に壁に体を寄せ、息をひそめる。
「こん……用よ」
- 28 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:06:20.06 ID:w7N5fIIu0
- 「すま……いじな……しがある……お」
(;・∀・)
会話が断片的にしか聞こえない。
しかし、放課後、人気のない場所、二人きり。
このシチュエーションを考えれば、答えは一つ。
「ツン!僕と、付き合ってくださいお!」
一際大きな声が、響いた。
それははっきりとした声で。
僕の予想を、裏切ってはくれなかった。
……沈黙。
気がつくと僕は、そっとその場を離れ、走り出していた。
( ・∀・)「……くそ」
( ・∀・)「くそっ」
( ;∀;)「くそぉぉぉぉっぉぉおおおお!」
- 29 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:08:17.47 ID:w7N5fIIu0
- 先を、越された。
手を拱いているうちに。
( ∀ )
あれだけ仲がいいんだ。
断るはずが、ない。
天使は、奪われてしまった。
────────
────
──
─
( ^Д^)「……なんか最近元気ないな」
( ・∀・)「ん? そう?」
数日後の昼、プギャーが僕にそう言った。
( ^Д^)「なんか覇気がねーっていうか」
( ^Д^)「どうかしたのか?」
( ・∀・)「……」
- 30 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:10:11.09 ID:w7N5fIIu0
- ( ・∀・)「別に、何もないけど」
( ^Д^)「ならいいや」
一瞬、言ってしまおうか迷ったが。
もう、終わったことだと思い、誰にも言わずに終わらせようと、思いなおした。
その日の放課後である。
( ・∀・)「……」
目前に迫った体育祭の、実行委員会に選ばれてしまったため、遅くまで作業をするはめになった。
( ・∀・)「……ちっ」
単純作業は嫌いだ。頭の中がおかしくなる。
サボって帰ろうか、そう思った時、教室のドアが開いた。
川 ゚ -゚)「おや、君だったのか、三組の実行委員」
( ・∀・)「あれ、クーさんじゃないですか」
現れたのは、ドクオの彼女であるクーだった。
川 ゚ -゚)「クーでいいよ、同い年だし」
( ・∀・)「一組の実行委員なの? クー」
- 31 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:12:13.51 ID:w7N5fIIu0
- 川 ゚ -゚)「あぁ、その日たまたま体調不良で休んだら、このザマだよ」
記入用紙をひらひらさせながら彼女は言う。
( ・∀・)「で、どうしたの?」
川 ゚ -゚)「ん」
カツカツと靴音を鳴らせて、僕の前に来た彼女は、机の上に記入用紙をたたきつけるように置き、
川 ゚ -゚)「どこに出すのか、忘れた」
なんて抜かした。
(;・∀・)「……えー?」
川 ゚ -゚)「二組に行ったらもう誰もいないし、よかったよ、君がいてくれて」
結局女なんて、自分の都合なんだな。
( ・∀・)「……まぁ、こっちももうちょっとで終わるし、そしたら一緒に出しに行こうよ」
自分は、お人よしのようだ。
川 ゚ -゚)「あぁ、すまないな」
作業が終わりそうになった時、無言で本を読んでいた彼女が口を開いた。
- 33 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:14:20.05 ID:w7N5fIIu0
- 川 ゚ -゚)「ドクオから聞いたぞ」
何を?
川 ゚ -゚)「ツンが、好きなんだって?」
( ・∀・)「……だったら何?」
川 ゚ -゚)「いや、別に」
ふう、と短く息をつく。
( ・∀・)「大体、もうツンさんはあの男と付き合ってるんでしょう」
( ・∀・)「僕が入る余地なんて」
川 ゚ -゚)「ブーンとツンは、付き合ってなんていないぞ?」
( ・∀・)「……え?」
暗くなった高校生活に、再び光が差した。
(;・∀・)「だって、この前旧校舎のところで……」
川;゚ -゚)「うわ、そんなのまで見てたのか……」
(;・∀・)「あ、いや……」
川 ゚ -゚)「断ったらしい」
- 34 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:16:19.32 ID:w7N5fIIu0
- 川 ゚ -゚)「その日の夜にな、ツンから電話がきて」
川 ゚ -゚)「いろいろと相談されたんだ」
なんで断ったんだ?
川 ゚ -゚)「友達のままが良かったんだってさ」
川 ゚ -゚)「というか、そういう感情自体もう無いみたいだけどな、ブーンには」
( ・∀・)「……ふーん」
( ・∀・)「なんでそれを僕に?」
川 ゚ -゚)「んー……」
川 ゚ ー゚)「君が昔の私に似ていた、からかな」
( ・∀・)「え? それ、どういう」
川 ゚ -゚)「さて、さっさと出して帰ろうじゃないか」
( ・∀・)「え、あ、うん」
はぐらかされた。
でも、この人も意外と信用できるのかもしれない。
なんとなくだけど、そう思った。
- 37 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:18:15.48 ID:w7N5fIIu0
- ( ・∀・)「よし、と」
川 ゚ -゚)「なんだ、ここでよかったのか」
( ・∀・)「ていうかここ以外どこに出すんだよって話だけどね」
川 ゚ -゚)「まあそう言うな」
校門
( ・∀・)「クー帰りどっちなの?」
川 ゚ -゚)「ん、あぁ、右のほうだな」
( ・∀・)「反対か……。だいぶ暗いけど大丈夫?」
川 ゚ ー゚)「ほう、心配してくれるのか」
( ・∀・)「社交辞令ってやつだよ」
川;゚ -゚)「はっきり言うな……」
川 ゚ -゚)「何、結構近いからなんとかなるはずさ」
( ・∀・)「そっか」
川 ゚ -゚)「……頑張れよ」
( ・∀・)「……ありがとう」
- 38 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:20:12.80 ID:w7N5fIIu0
- クーと別れ、僕は走って帰った。
彼女は、まだ僕の天使でいてくれた。
きっと、僕を待ってくれてる。
そう考えると、楽しくて仕方がなかった。
……日々は、瞬く間に過ぎて行った。
────────
────
──
─
( ・∀・)「そんなこんなで体育祭当日なのですが」
( ^Д^)「かったりーなぁ」
( ・∀・)「そういうなよ、この日のために僕は結構頑張ったんだぜ?」
僕は、当日の班分けでは救護班に回された。
要するに、熱中症やケガを負った人をなんとかして保健室まで運ぶって役目。
( ・∀・)「ま、めんどくさいことに変わりはないけどさ」
( ^Д^)「ですよねー」
( ・∀・)「んじゃそろそろ担当の時間だから行くわ」
- 39 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:22:12.13 ID:w7N5fIIu0
- ( ^Д^)「しっかり働いてこいよ」
( ・∀・)「当たり前だろ、誰かと違って僕は真面目なんだ」
( ^Д^)「へーへー、どうせ不真面目ですよ」
( ・∀・)「まあ、行ってくるよ」
( ^Д^)「おう」
この時、僕は初めて神に感謝をした。
ξ><)ξ「きゃっ!」
二人三脚の際、天使が足を挫いたのだ。
( ・∀・)「!」
(;゚ー゚)「ツンちゃん、大丈夫?」
チャンス、とばかりに走ってその場へと向かう。
( ・∀・)「救護班です。歩けますか?」
ξ )ξ「……!」
( ・∀・)「……無理みたいですね、肩失礼します」
天使に、触れた。
- 40 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:24:12.49 ID:w7N5fIIu0
- 肩を組んだまま、引きずるように歩く。
天使は、僕にすべてを委ねてくれている。
( ・∀・)「もうちょっとで保健室着くよ」
ξ;゚听)ξ「……ありがとう」
これ以上ない、幸せだ。
感謝するのは、僕のほう。
( ・∀・)「まあ、仕事だから」
保健室がもっと遠かったらいいのに。
カララ
( ・∀・)「先生、けが人です」
いない。
( ・∀・)「シュール先生?」
ホワイトボードに何か書いてある。
『急に農作業がしたくなったので、魚沼まで行ってきます lw´‐ _‐ノv』
ξ;゚听)ξ「……」
- 41 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:26:16.15 ID:w7N5fIIu0
- (;・∀・)「……困ったな」
嘘です。感謝してます。
( ・∀・)「とりあえず、応急処置だけしようか」
ξ;゚听)ξ「うん、おねがい」
天使の、足。
腫れあがっている、足。
すべすべの、足。
─
──
────
────────
一通りの処置を済ませた。
( ・∀・)「……こんな感じかな?」
ξ゚听)ξ「うん、だいぶ楽になったわ」
( ・∀・)「なら、よかった」
終わってしまった。
- 42 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:28:14.52 ID:w7N5fIIu0
- ( ・∀・)「戻れる?」
ξ゚听)ξ「うーん……」
( ・∀・)「まぁ、無理ならしばらく休んでからでいいと思うよ」
ξ゚听)ξ「あなた、名前は?」
( ・∀・)「えっ」
そういえば、天使は僕のことを知らないんだった。
( ・∀・)「モララーです。三組の」
ξ゚听)ξ「モララー……」
ξ゚听)ξ「あたしはツン、一組よ」
ξ゚听)ξ「もしよかったら、しばらくお話しない?」
喜んで。
( ・∀・)「仕事あるけど……まあいいか」
ξ*゚ー゚)ξ「炎天下に行きたくないのよ」
( ・∀・)「奇遇だね、僕もそう思っていたところだよ」
幸せだなあ。
- 44 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:30:13.98 ID:w7N5fIIu0
- あっという間に時間は過ぎた。
もう閉会式も終わり、生徒たちが引き揚げていく。
ξ゚听)ξ「ごめんね、ひきとめちゃって」
( ・∀・)「いやいやこちらこそ」
( ・∀・)「面白い話、ありがとうね」
ξ゚听)ξ「あなたの話も面白かったわよw」
( ・∀・)「それは何より」
ξ゚听)ξ「あ、そうだ」
( ・∀・)「ん?」
ξ゚听)ξ「よかったら、アドレス教えてくれない?」
( ・∀・)「喜んで」
やった
やった!!!!
ピピッ
ξ*^ー^)ξ「ありがとう!」
- 45 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:32:21.77 ID:w7N5fIIu0
- 天使と別れた後、一応グラウンドへと戻った。
なんか、委員長が結構怒ってたような気がするけど。
そんなの、どうだっていい。
今日は、最高の一日だった。
(´<_`#)「だからどこいってたのか聞いてんだって!」
( ・∀・)「天使と……」
(´<_`#)「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁああもうなんなのこいつ!!!!」
(;´_ゝ`)「落ち着け」
( ・∀・)「とりあえず、片付けますよ。僕の担当、テントでしたよね」
(´<_`#)「おいまだ話はおわってな(;´_ゝ`)「ああうん、ちゃちゃっとやっちゃって、ほら」
仕事が終わると、携帯にメールが入っていたことに気付いた。
一件はプギャー。どこにいったのか、というメール。
もう一件は、天使だった。
- 46 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:34:28.05 ID:w7N5fIIu0
- From ツン
件名 今日は
本文 すごく楽しかった!
また機会があったらお話したいな!
これからもよろしくねモララーくん!
( ・∀・)「……」
To ツン
件名 僕も
本文 楽しかったよー!
機会なんか、いくらでも作れるじゃん(笑)
こちらこそ、よろしくね、ツン
カチカチ
( ・∀・)「……ふふっ」
いままでで一番幸せなんじゃないかと思えた。
こうして、天使とかかわりを持てるだなんて。
世界で一番幸せなんじゃないかと思えた。
こうして、天使とつながりが持てるだなんて。
しかし、それから数日後。
上には、上があることを知った。
- 48 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:36:27.66 ID:w7N5fIIu0
- ────────
────
──
─
(;・∀・)「……へぇ?」
耳を疑わざるを得ない。
『ちょ、そんな気の抜けた声……』
『ダメ、かな』
(;・∀・)「や、いや、そうじゃ、な、く」
どういうこと? これ
ξ゚听)ξ『あたしと、付き合ってください』
なんて言われたんだけど?
え、これ、どういう意味?
ξ゚听)ξ『どっち……かな』
(;・∀・)「ももももちろんOKだよ!」
言葉通りにとって良かったのかな?
天使が、恋人になった。
- 49 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:38:19.60 ID:w7N5fIIu0
- でも、そんな、まだ一週間かそこらのはずなのに。
そんな、簡単に。
ξ*゚听)ξ『ほんと!?』
あぁ、そうか。
ξ*゚听)ξ『よかったーぁ……』
神様が、味方してくれたんだね。
ξ*゚ー゚)ξ『突然すぎたよね、ごめん』
神様は、僕の味方なんだ。
( ・∀・)「ううん、全然」
( ・∀・)「むしろ、すごい嬉しいよ」
( ・∀・)「ま、できたら」
( ・∀・)「僕から告白、したかったなぁ」
神様は、ちょっと気が利かないみたいだ。
ξ///)ξ『そ、それって……』
でも、感謝してるよ。ありがとう、神様。
- 50 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:40:18.52 ID:w7N5fIIu0
- そのあとも、電話を続けていた。
明日は、天使が弁当を作ってくれるらしい。
話題は尽きなかったが、時間が時間なので、名残惜しいが、切ることにした。
ξ゚听)ξ『じゃあ、また明日ね』
( ・∀・)「うん、また明日」
ξ゚听)ξ『……』
( ・∀・)「……」
ξ゚听)ξ『……?』
( ・∀・)「どしたの?」
ξ*゚听)ξ『モララーから切ってよw』
( *・∀・)「やだよ、ツンから切ってw」
ξ*゚ー゚)ξ『じゃあ、一緒に切ろうよ』
( *・∀・)「ん、わかった」
ξ*゚ー゚)ξ『せーの!』( *・∀・)
( *・∀・)「……」
- 51 名前:VIPがお送りします[書いてて死にたくなった1レス]:2009/06/21(日) 20:42:31.20 ID:w7N5fIIu0
- *゚ー゚)ξ『切ってよーwww』
( *・∀・)「やーだよーwww」
幸せだった。
天使との会話を終えた後は、すぐに眠ってしまった。
すごく、安らかな気持ちだった。
この世界じゅうに、僕より幸せな奴なんているわけがない。
つまり、僕が世界の頂点なんだ。
そんな気分で、床に就いた。
- 53 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:44:15.31 ID:w7N5fIIu0
- 翌日。
昼休みが楽しみで楽しみで仕方がなかった。
天使が僕のためにお弁当を。
その事実が、少し怖い。
寒気さえ、した。
(;^Д^)「顔はにやけてるのに青ざめてる……何があったんだ」
( ・∀・)「うへへ……」
そして、昼休みが、きた。
( ^Д^)「モララー、昼飯たべyξ*゚听)ξ「モララーっ!! お弁当たべましょ!!」
( ^Д^)
(^Д^ )
( ^Д^ )
天使が、騒々しく登場した。
( ・∀・)「うん、食べよっか、ツン」
- 54 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:46:17.86 ID:w7N5fIIu0
- 背後からものすごい邪気を感じるが、敢えて無視することにした。
ξ*゚听)ξ「もう、早起きして頑張ったんだから!」
(#^Д( ・∀・)「へえ、そりゃ楽しみだなあ」
ξ*゚ー゚)ξ「じゃあ、開けるわよ!」
(#^Д( *・∀・)「うん、お願い!」
ξ*^ー^)ξ「じゃーん!」
(;^Д( ・∀・)「……わぁ」
……さすが天使。天界の食べ物を持ってきてくれたようだ。
Д^;)( ・∀・)「……これは、なんだい?」
ξ*゚ー゚)ξ「それ、特に自信作の、ハンバーグ!」
<うげぇぇぇぇええ!おげぇぇぇぇええ!
( ・∀・)「そうなんだ、じゃあ、これから食べようかな」
天界の、ハンバーグの味は
( ・∀・)「……」パク
人知を、超えていました。
ぱたん
- 55 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:48:15.96 ID:w7N5fIIu0
- ……──気がつくと、放課後で。
場所は、保健室で。
ほのかに、炊きたてのご飯の香りが漂っていた。
( ・∀・)「……んー?」
体を、起こす。
カーテンを開けると、炊飯器から直接炊きたてご飯を食らうシュール先生が見えた。
lw´‐ _‐ノv「ひょうはくほひらか」
( ・∀・)「飲みこんでからもう一度お願いします」
lw´‐ _‐ノv もぐもぐ
lw´‐ _‐ノv もぐもぐ
lw´‐ _‐ノv ごくん
lw´‐ _‐ノv がつがつ
( ・∀・)「帰っていいですか?」
lw´‐ _‐ノv「そんだけ言えれば問題ないね、帰っていいよ」
( ・∀・)「え、あ、はい」
- 56 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:50:23.27 ID:w7N5fIIu0
- あの人と話すと調子が狂う。
あまり、得意な人ではない。
( ・∀・)「あ、そうだ」
天使に、言わなきゃ。
( ・∀・)「もしもし、ツン?」
ξ;゚听)ξ『モララー!? 大丈夫なの!?』
天使を心配させてしまったらしい……。
( ・∀・)「あぁ、もちろん大丈夫だよ」
ξ;゚听)ξ『ほんと? ほんとに大丈夫?』
( *・∀・)「あぁ、大丈夫だよ、だからそんなに心配しないで」
ξ゚听)ξ『よかった……』
( *・∀・)
あぁ、かわいいなぁ。
みなさん、この天使、今は僕の彼女なんですよ。
なんて、誰かに言いたくなった。
- 58 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:52:28.17 ID:w7N5fIIu0
- 帰路につきながら、ずっと天使と話していた。
勉強の話、学校の話、友達の話、お互いの話。
話題は、尽きなかった。
( *・∀・)
ξ*゚ー゚)ξ
楽しかった。
夕飯時になり、仕方なく切ることになった。
本当に、この瞬間は嫌いだ。
そんなはずはないのだが、永遠の別れのような気分になる。
そう、天使に言ってみたところ、同じ気持ちだったそうだ。
また一つ天使と共有することが増えた。
嬉しい。
夕飯はハンバーグだったが、味はしなかった。
- 59 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:54:26.15 ID:w7N5fIIu0
- 食後、携帯を見ると、ドクオからメールが来ていた。
( ・∀・)「……?」
話によれば、天使の様子を訝しがり、友人数名で三組へと雪崩れ込んだとのことらしい。
そこに、僕が倒れていたことで、ちょっとしたパニックになったようだ。
( ・∀・)「……」
あの男も来たのだろうか。
聞いてみようかと思ったが、なんとなく憚られた。
見ていたのなら見ていたので、好都合である。
あの男から、天使を守ることができたことを、あの男に見せつけたのだから。
( ・∀・)「ふふ……」
今すぐにでもどんな気持ちか聞いてみたいところだ。
こう、彼のまわりを片足立ちで飛びまわりながら。
( ・∀・)「ふふふ……」
本当にいい気分だ。
( ・∀・)「あははははははははははははははははははははははははははは」
- 61 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:56:14.67 ID:w7N5fIIu0
- ────────
────
──
─
暫く経った。
あれからも、毎日メール、電話、会話は欠かしていない。
ξ*゚听)ξ『でね、今日は……』
ただ、少し気になることがある。
ξ*゚听)ξ『ブーンったら、音楽の時間にね……』
彼女が、やたらあの男の名を口にすることだ。
( ・∀・)「ははは、本当にブーンってのは馬鹿なんだね」
ξ*゚ー゚)ξ『そうなのよ、もうずっと前から馬鹿だったんだけどね』
( ・∀・)「そうなのかい?」
ξ*゚听)ξ『そうよ、小学校の時だって……』
少し、嫌な気分だ。
( ・∀・)「……へぇ」
いや、結構、かな。
- 62 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 20:58:12.94 ID:w7N5fIIu0
- それとなく、言ってみたほうがいいのかな。
ξ*゚听)ξ『そしたら今度はブーンがね……』
( ・∀・)「ねぇ、ツン」
ξ゚听)ξ『? なぁに?』
( ・∀・)「……ブーンの話、やめない?」
ξ゚听)ξ『……なんで?』
( ・∀・)「いや……」
ξ゚听)ξ『一応友達だし、あんまり悪く言わないでほしい、かな……』
( ・∀・)「そんなつもりじゃ……」
( ・∀・)「……ごめん」
やっぱり、天使に強くは言えないや。
でも、これで少しは、天使も気を使ってくれるだろう。
そう、信じることにした。
- 63 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:00:16.71 ID:w7N5fIIu0
- ξ*゚听)ξ『でね、ブーンが……』
なんで
ξ*゚听)ξ『その後もブーンが……』
なんでだよ……
( ∀ )「……」
( ∀ )「やめろよ」
ξ゚听)ξ『え?』
( ∀ )「やめろって言ってるの」
ξ゚听)ξ『モララー……?』
( #・∀・)「あの男のことを事細かに話すのをやめろって言ってるんだよ!!!!」
ξ;゚听)ξ『ちょっ、どうしたのモララー、落ち着いt』
( #・∀・)「落ち着いてられるかよ、話すたびに毎度毎度ブーンブーンって」
( #・∀・)「あの男がそんなにいいのかよ!!!」
ξ;゚听)ξ『ち、ちが』
( #・∀・)「違わないだろ!!!!!」
- 66 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:02:14.65 ID:w7N5fIIu0
- ( #・∀・)「君との電話の話にブーンが出なかった日なんて、片手で数えられるくらいじゃないか!!」
( #・∀・)「君は僕の彼女だろ!!! 僕だけを見ていてくれよ!!!」
( #・∀・)「何かおかしいこと言ってるか!!?」
ξ;凵G)ξ『ご、ごめ』
( ・∀・)「頼むよ……」
ξ;凵G)ξ『そんな、ひどい、こと、いわな』
( ・∀・)「……言いすぎたよ、ごめん」
ξ;凵G)ξ『ブーン、は、とも、だちなの』
( ・∀・)「……うん」
埒が明かないや。
( ・∀・)「頭冷やしてくる。一回切るよ」
……やってしまった、かな。
その後、何度かけなおしても、彼女が電話に出ることはなかった。
仕方なく、その日は寝ることにした。
- 68 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:04:25.54 ID:w7N5fIIu0
- あまり、眠れなかったけど。
( ∀ )
今日、学校に行ったら、ちゃんと謝ろう。
そう決意し、ドアを開けた。
小路に差しかかったとき、後ろから呼び止められた。
「ちょっといいですかお?」
……来たか。
振り向くと、憎い顔が立っていた。
( ^ω^)
( ・∀・)「ん? えーと……」
とりあえず知らないふりをした。
( ^ω^)「初めまして、内藤ですお」
知ってる。
- 70 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:06:35.49 ID:w7N5fIIu0
- ( ・∀・)「内藤……?」
( ・∀・)「あぁ、ツンの幼馴染の内藤君か」
男の眉間がピク、と動いた。
( ・∀・)「僕に何か用かい?」
わかってるけど。
大方、ツンから話を聞いたんだろう。
……なんで、あんな話をしたすぐ後に、こいつに話すんだ。
( ^ω^)「……ちょっとお話がしたくて、朝早くからすみませんお」
話、ときたか。
( ・∀・)「話? ……まあ、まだ時間があるからいいけど」
( ^ω^)「ありがとうだお。じゃあ、ちょっとそこの公園まで来てほしいお」
話をするのに公園、だと?
なるほど、そういうわけか。
……付いてってやるか、仕方ない。
- 71 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:08:13.56 ID:w7N5fIIu0
- ( ・∀・)「……で、何の用なんだい?」
( ^ω^)「……昨日、ツンに何をしましたか?」
ずいぶん遠まわしだな。
煽ってみるか。
( ・∀・)「んー……? 覚えてないな、何かしたっけ?」
( ω )「は?」
単純だなこいつ。
( ω )「ツンを……泣かせましたおね」
おいおい、やっぱり僕のせいなのか。
( ・∀・)「……あぁ、そういえばちょっと喧嘩したな」
( ω )「何で喧嘩したんですお?」
( ・∀・)「……君には関係ないだろ、僕とツンの問題だ」
いや、関係あるけど。
(#゚ω゚)「その口でツンを呼ぶなお!」
拳が飛んできた。
- 74 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:10:22.48 ID:w7N5fIIu0
- ( ・∀・)「っと、殴るなんて平和的じゃないな。話がしたい、って言ってたじゃないか」
さらりとかわす。
(#゚ω゚)「うるさい!」
再度殴りかかる男。
( ・∀・)「おい、危ないじゃないか」
カウンター。
遅いんだよ、この馬鹿。
(;゚ω゚)「かはっ……」
きたねえ。むかつく。
( ・∀・)「大体前から気に食わなかったんだよねぇ」
この際、もう全部ぶつけてしまおう。
( ・∀・)「ツンと話してても内藤内藤内藤内藤ブーンブーンブーンブーン」
死ね。
( ・∀・)「ヒトの彼女に何してんの、お前」
死ね!
- 75 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:12:23.56 ID:w7N5fIIu0
- ( ・∀・)「目障りなんだよ」
……本当に死にそうだな、これじゃ。
( ・∀・)「昨日喧嘩した理由もそれだよ」
( ・∀・)「ああ、そうすると君にも関係があるね」
( ・∀・)「さっきのはて・い・せ・いするよ」
まあ、あと一発くらいいいだろ。
( ・∀・)「じゃ、遅れるからそろそろいくよ」
……気が晴れないな。
笑ってみるか。
……やっぱり、晴れない。
一組の前でずっと待ってたが、ツンは来なかった。
- 76 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:14:33.14 ID:w7N5fIIu0
- To ツン
件名 ごめん
本文 話がしたい。
前のことは謝るから。
リダイヤル ツン 249回
( ・∀・)「……くそ」
毎日一組の前で張っているが、何故かツンと会えない。
クーなら何度も見たのに。
メールも、電話も何回もした。
でも、出てくれない。
返事をしてくれない。
( ・∀・)「……いやだ」
このままツンと関われなくなるのは、嫌だ。
ツンは僕のものだ。誰にも渡したくない。
( ・∀・)「……ツン」
- 77 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:16:21.40 ID:w7N5fIIu0
- その日も、早くから一組に張るために、ずいぶん早く家を出た。
( ・∀・)「……」
今日、会えなければ、直接家に乗り込もうと思った。
もう、それ以外に、関係を治す方法が見当たらなかった。
( ・∀・)「ツン……」
半ば放心状態だったからかもしれない。
最近、ロクに寝てなかったからかもしれない。
食欲もわかなかったからかもしれない。
……──後ろから来る、気配に気がつかなかった。
がん
後頭部に、衝撃が走り、頭に金属音が響いた。
- 81 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:18:16.79 ID:w7N5fIIu0
- ( ∀ )「カはっ……」
次は、脇腹。
( ∀ )「だ、れ」
( ^ω^)「おはようだお、モララー」
足。
霞んで見える視界には、長い棒のようなものをもった悪魔がいた。
( ∀ )「な、に」
( ^ω^)「それと、ごめんだお」
脳天。
視界が、暗くなった。
悪魔って、鎌を持ってるんじゃないんだな。
( ^ω^)「僕が悪いのは認めるけど」
もう、どこを殴られているのかもわからない。
ていうか、鎌は死神か。
( ^ω^)「ツンを、僕以外に渡したくないんだお」
- 83 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:20:15.58 ID:w7N5fIIu0
- 何言ってんだ、こいつ。
ツンは、僕のものだぞ。
( ^ω^)「だから、お前には死んでもらうお」
ふざけるな、お前なんかに
( ^ω^)「さよなら」
渡してたまr
( ・∀・)告白したかったようです 了
- 82 名前:VIPがお送りします[sage]:2009/06/21(日) 21:18:53.62 ID:BGsMSE8FO
- こないだのブーン編も読んだよ
鬱になったよ…
- 85 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:22:25.01 ID:w7N5fIIu0
- と、いうわけで三作目終了です
>>82
ありがとー!
今回のコンセプトはさらにツンを嫌いになってもらうことと、
結局狂った人間同士のお話だったってことを理解してもらうことです
では、感想、意見、罵倒、質問などありましたらよろしくお願いします
- 84 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:21:17.89 ID:WOQjy18aO
- 俺も読んだ……
やっぱブーン死ぬ前に……
- 86 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:22:44.06 ID:/+40FvU0O
- あああ…乙でした。
- 87 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:23:22.49 ID:MOBovPY90
- おつでした・・・
- 88 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:23:57.40 ID:WOQjy18aO
- うわ終わった………乙
ブーン編でやたらブーンうれしそうだったから
「あ、こいつモララー殺してきたな」
と思ったら飛び下りたから、違うのか、って思ってたのに………
ブーン……
- 89 名前:VIPがお送りします[sage]:2009/06/21(日) 21:26:18.29 ID:BGsMSE8FO
- >>85
ここまでウザいツンは珍しい
また新作期待してるよ
- 90 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:26:27.00 ID:/+40FvU0O
- >>85
まだ続きますか?
続くならツンをどん底に突き落としてください。
- 91 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:27:06.27 ID:fr1pdQJL0
- 乙
やっぱツンデレってロクなの居ないな
- 92 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:30:38.71 ID:w7N5fIIu0
- >>84
ありがとうございます
死ぬとは言え、やはり許せないものは許せないんですよ。
結局、自分勝手なんですね
>>86-87
ありがとうです
>>88
うれしそうなのはそれが原因、ではないですね
まあ間接的な原因ですが。
>>89
嫌いになってくれてうれしいです
>>90
続けたいです、が
主人公をどうするか、という問題がありますね。
>>91
その通りです。惨事のツンデレとかほんとに死ねばいいと思います
- 93 名前:VIPがお送りします[]:2009/06/21(日) 21:35:26.63 ID:w7N5fIIu0
- では、これで失礼します。
支援、乙、ありがとうございました。
( ・∀・)告白したかったようです
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1245579883/
ドックンドックン〜!ふぅん!クーにゃーんにゃーん
リアルにこんなスイーツン(笑)がいるから困るw