2009年10月10日
('A`)と怪異のようです
- 1 : ◆99h3F/ntn. :2009/10/08(木) 19:37:28.13 ID:tIZuQffE0
- ネカフェから
まとめはブーンがまとめブログを武器にさん
tp://boon-fiare.seesaa.net/article/122814016.html
前の投下で酉出すの忘れてた
- 2 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 19:38:50.93 ID:tIZuQffE0
-
久々なので人物紹介
Q.落ちてる財布があったらどうするか
A.以下解答
('A`) 『拾わない』、拾う勇気がない
「拾った瞬間JKが飛び出してきて俺が窃盗したとか叫ぶんだ、きっとそうだ」
( ^ω^) 拾ったら亜光速ダッシュでその場を離れる
「カードは限度額まで使い切るのが礼儀だおwwwwwwwww」
(・∀ ・) 落ちてる財布に興味がいかない
「ジュース買ってーあと棒付きのぐるぐるした飴も欲しいー」
( ´_ゝ`) 札だけ抜いて警察に届け、持ち主が見つかれば礼金を請求
「お礼は三割でいいですよ、これ以上は引き下がれません」
_
( ゚∀゚) 札だけ抜いて警察に届ける
「拾った財布からお金を抜いてはいけない法律でもあるんですか?」
(-_-) 『拾えない』、拾う勇気がない
「こんな所に落ちてるなんて、この財布の中身は爆弾に違いない…! いやでも」
(゚、゚トソン むしろ財布を落とす(がまぐち)
(´<_` ) 財布を持たない(素手)
- 4 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 19:42:21.92 ID:tIZuQffE0
-
('A`)「前回のあらすじ三行で」
┌──────────┐
│・犬鳴峠にレッツゴー!!|
│・コンビニで殺人を犯す |
│・実は夢オチでした │
└───────v-──┘
(\ 、 ブーン
\ \/⌒ヽ,ヽ
ヽ( ^ω^)ノ ワー
) ノ ヽ(;'A`)ノ
⌒i 、(⌒) _( )
゙ヽ__,ノ ,ノ , ' ┘
( / 从/
"
- 7 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 19:45:26.54 ID:tIZuQffE0
-
コートの下は猥褻物陳列罪のピザデブ親友。
ノーブラ短パンランニングの家出幼女。
紺色の甚平を着た背が高くひょろい木偶の坊。
ネグリジェを身に纏う体躯のいい従兄弟。
真っ赤なジャージに身を包む嫉妬深い隣人。
そして黴が生えた服を着る俺こと主人公。
('A`)「こんなパァテェじゃ、魔王どころかスライムベスも倒せない」
スライムくらいなら、みんなで袋叩きをしたらギリギリ倒せるかもしれない。
そんなLv1にも満たない弱小PTの俺達は、軽トラに乗り旅館を目指している。
('A`)「はいよシルバー!」
所々塗装が剥げて銀色が露出している軽トラには、俺含む六人が乗っている。
明らかな定員オゥバァだが、荷台に四人隔離しているので無問題だ。
当たり前だけど、高速道路は使わず、遠回りをしている。バレたら豚箱行きだからだ。
ちなみに、荷台にはブルゥシートを被せているので、俺達の姿は見えない。
たまにブルーシィトがもっこりするのは、風だと思ってくれるだろう。
- 8 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 19:48:39.10 ID:tIZuQffE0
-
振動対策だって万全だ。
尻が痛くならないよう、荷台の床には布団を敷いてある。
俺の策に穴はない。布団に虫食い穴はあるが。
('A`)「まさにぱーぺき!」
( ^ω^)「装備がズタボロだお」
感動に浸っていると、荷台の中央で体育座りをしているデブが話しかけてきた。
こいつが端に寄ると体重の所為で軽トラが傾くので、荷台中央に設置している。
('A`)「わざわざ装備を外している奴が何言ってんだよ、布の服くらい着ろよ」
( ^ω^)b+「フッ…軽量化だ」
('A`)d「そうか」
親指を立てて歯を輝かせる内藤が気に障ったので、中指で返した。
そのまま互いに腕を突き出し、指相撲に突入する。結果は俺の惨敗だった。
( ^ω^)「ウインナー」
(;A;)「普通に無理だろ! 中指が逆パカするかと思ったわ!」
(-_-)「クックック…鍛え方が足りん」
('A`)「テメェと一緒にすんな」
- 9 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 19:51:43.33 ID:tIZuQffE0
- _
( ;゚∀゚)「フゥ…そろそろ誰か運転変わってくれ」
俺が怒りに布団を焦がしていると、ハンドルを握っているジョルジュが音をあげた。
コンビニでテロする夢を見てから、かれこれ六時間近く経っている。
つまりジョルジュは六時間ぶっ通しで運転しているのだ。とてもお疲れ様である。
心優しい俺は、お婆ちゃんに座席を譲る気持ちでジョルジュに話しかけた。
('A`)「免許持ってません」
俺は自転車通学派なのだ。そりゃ就活近くなったら流石に取るけどね。
そして、ゴミ共(一人除く)が俺に続く。
( ´_ゝ`)「ごめん上に同じ」
(・∀ ・)「免許取れる年じゃないぞー」
(-_-)「仮免止まりです」
( ^ω^)「ペーパードライバーなめんなお」
('A`)「使えねえ奴らだ」
( ^ω^)「お前が言うなお」
_
( ;゚∀゚)「俺、このままだと冗談じゃなく事故るぞ…」
- 10 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 19:54:46.34 ID:tIZuQffE0
-
そして、ジョルジュが言葉通り冗談じゃなく事故った。
ハンドルが手汗で滑り、ガードレールをぶち破って急斜面へ。
ハリウッドもびっくりの軽トラアクションは、前転でまず突出した岩を飛び越えた。
次に横転を空中で二回決めてから、そのまま川を飛び越える。
樹木をぶち折り、熊を倒し、シシガミを殺し、アシタカをヤックルごと轢く。コダマは砕けた。
(゚A゚)「うひょおおおおおおおおおおああああああああああ!!!!!!」
視界が回転する。ブルゥシィトなのか青空なのかわからない。
出来ればこれは夢で、起きた時は乾燥機の中という事にしてほしい。
\(゚A゚)/「\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^p^)/\(^o^)/」
がしゃあんと軽トラが何かの上に四つ足で落ちた。ついでに背後で爆発。
着地点は旅館の駐車場だった。十点満点を超して百点満点だ。∞だ。
松の木の剪定をしていた庭師のおっさんが、山から降ってきたトラックを見て旅館に逃げ込んだ。
俺は内藤を自分の下に敷き、クッションにする事で生きていた。
('A`)と怪異のようです
『送る狼はしょうがない』の巻lw´‐ _‐ノv
- 12 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 19:58:11.05 ID:tIZuQffE0
-
と言うか全員生きていた。
( ;´_ゝ`)「いやー流石にヤバかったな」
(・∀ ・)「それでも生きてる俺ら流石だな」
('A`)「こらまたんき」
立ち昇るきのこ雲を背景に、俺らはトラックから降りて行く。
山火事になったらどうしよう。今すぐ雨でも降らせてくれませんか神様。
(-_-)「あ、雨降ってきた」
('A`)「俺すげぇ」
(-_-)「え?」
グッドなタイミングで雨も降った事だし、目の前の旅館で雨でも凌ごう。
そういやあのおっさん、高枝切り鋏が胸に突き刺さっていたが、大丈夫なんだろうか。
人は意識を極度に一方向へ奪われると、痛みや寒さなんかを感じにくくなるという。
('A`)「おっさん俺達に意識向け過ぎだろ」
俺はちょっとだけ照れながら旅館へ向かった。
- 15 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:01:44.92 ID:tIZuQffE0
-
【旅館〜米俵〜】
('A`)「そんなこんなで旅館です」
幽霊屋敷にでもありそうな、ぼろぼろの布をくぐる。
夜に玄関をライトアップしたら、曰くつきの旅館として心霊マニア受けしそうな外観だ。
('A`)「今は昼だから怖くないんだけどね」
履き物を脱いで揃えて、豪快に脱ぎ散らかしたまたんきの靴も揃える。
自分とまたんき以外の奴のはやりたくない。自分で整えろ。
( ^ω^)「僕のはやってくれないのかお?」
('A`)「自分でやれよ、他人にやらせようとすんな」
( ^ω^)「僕らは友達じゃないかお!」
(#'A`)「尚更だっつーの!」
特に、内藤のは水虫菌が繁殖してそうだ。
例えゴム手袋越しに触れたとしても、合成樹脂くらいすり抜けてくるだろう。
( ^ω^)「男女差別だお…」
('A`)「水虫差別だよ」
- 20 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:05:14.82 ID:1GA02/DQ0
-
内藤の非水虫アピィルを聞いてると、奥からアジアンビュゥティを体現した女の人が現れる。
その美しさと言えば素晴らしすぎて筆舌に尽くし難いので、筆舌に尽くせない。
lw´‐ _‐ノv「ようこそ『米俵』へ」
_
( ゚∀゚)「俺の従姉妹のシュールだ、よろしくな」
ジョルジュが馴れ馴れしくシュールさんの方に手を置いた。
シュールさんは、体を捻ってそれを払った。ジョルジュが泣き崩れる。
lw´‐ _‐ノv「料金は半額でいいよ、そっちの赤い人は三倍頂くけど」
(-_-)「なにそれひどい」
冗談なのか本気なのかよくわからないシュールさんの案内で、結構いい部屋に案内された。
桂(かつら)の間と名前がついている部屋だ。
(・∀ ・)「ベッドがなーい」
lw´‐ _‐ノv「そりゃ和風ですから」
ふっと思ったんだけど、こういう部屋の名前ってなんか意味あんの?
それとも、この中の誰かがハゲという暗示か何かか?
lw´‐ _‐ノv「では、お食事ができたら運んで来ますね」
- 21 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:05:47.36 ID:j1QZfEVMO
- ID…
- 22 : ◆99h3F/ntn. :2009/10/08(木) 20:06:34.44 ID:1GA02/DQ0
- な、なんでだ
ID変わったけど本人です
- 26 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:09:56.72 ID:1GA02/DQ0
-
取りあえず、トラックの荷台で精神的に疲れたので横になる。
まだ日が昇っているから布団を敷かずに、畳みの上で雑魚寝だ。
( ^ω^)「畳みいい匂い…」
_
( ゚∀゚)「夕食いい匂い…」
('A`)「またんきいい匂い…」
( ´_ゝ`)「通報しました…」
こんな感じで、全員で小休憩。
一時間たっぷり寝たら、流石に目が覚めてきた。
けど、起き上がる気にはなれないので雑談する。
折り畳んだ座布団を枕に、畳みに大の字になったまま横のヒッキーに話し掛けた。
('A`)「なあ…お前最近どんなジャンルのエロゲやってる?」
(-_-)「最近ちょっと感動系にハマっててさ…でも何買おうか迷ってんだよね」
('A`)「言ってみろよ」
- 28 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:13:26.76 ID:1GA02/DQ0
-
(-_-)「Kanonってどんな感じ?」
('A`)「奇跡が起きて女の子が目覚めるお話」
(-_-)「AIRはどんな?」
('A`)「奇跡が起きて女の子が亡くなるお話」
(-_-)「CLANNADは?」
('A`)「奇跡が起きて女の子が蘇生するお話」
(-_-)「僕らは?」
('A`)「奇跡が起きなかった男の子達のお話」
(;_;) ブワッ
(;A;) ブワワッ
- 31 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:15:35.95 ID:1GA02/DQ0
-
そして俺らは抱きあって泣いた。人目も気にせず啼いて喚いて吠えまくった。
三文芝居を見るような目で見る兄者も気にはならなかった。
その演劇に早々に飽きた内藤がTVをつける。
下のほうに『VIP市プラス町でコンビニ爆破炎上』『死者八人』『犯人は北か』
『行方不明者が一名、現在捜索を…』とテロップが流れていた。
ミセ*゚ー゚)リ『現場では未だに緊張が漂っております。犯人の見当はついておりません。
専門家によると、某国のテロリストか、幸福○現党なのではないかと…』
('A`)「物騒な世の中だ」
ニュースキャスターの言葉を最後まで聞かずに、率直な感想を述べる。
暫くそれを無言で見ていた内藤が、「つまらん」と言って番組を切り替える。
切り替えた先はテレホンショッピングだった。
( ^ω^)「ちっ」
また切り替える。今度は手話のアレだ。
( ^ω^)「いいのがないおー」
また切り替える。次は女の人達が三人で体操してるやつだった。
内藤は「これは!」と叫んで寝転ぶと、その女の人達の動きをトレェスする。
既に腹の肉が動きを邪魔しているので、これ以上邪魔しないほうがよさそうだ。
- 34 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:19:08.25 ID:1GA02/DQ0
- _
( ゚∀゚)「それじゃ、明日の予定を言うぞー」
ジョルジュの号令を聞いて、エアロビクスに励むデブを除く全員でちゃぶ台を取り囲む。
取り囲むと言ったからには、四方ではなく全方位だ。
入口を下に俺、TVに釘付けになっている内藤が左、またんきが右、上座がジョルジュ。
ちゃぶ台下で、みんなの蒸れた靴下の悪臭に耐える兄者。電灯にぶら下がるヒッキー。
('A`)「完璧だ」
何が完璧なのか俺自身もよくわからないが、とにかく完璧だ。
その後、割と早く力尽きて落ちてきたヒッキーを受け止める。腕が限界らしい。
不安になって下を覗くと、悪臭で瀕死状態になった兄者と目が合った。
普通に怖かったので、引っ張り出して布団に寝かせた。安らかに眠ってくれ。
('A`)「さあ本題へ」
_
( ゚∀゚)「うむ、明日の昼にここを出発して犬鳴峠に向かう、以上」
('A`)「帰らないの?」
_
( ゚∀゚)「ここまで何しに来たか忘れたの? ばかなの? しぬの?」
喋り方がムカついたので殴っておいた。
- 37 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:22:17.23 ID:1GA02/DQ0
-
あの稲川淳二も絶賛する、富士の樹海に次ぐ超有名心霊スポット犬鳴峠。
わからないって奴は、取りあえずググレばいいと思うよ。
_
(;メ)∀゚)「なんだかんだ言って、お前もノリノリでついてきたじゃんか」
('A`)「忘れてたんだよ」
_
(;メ)∀゚)「忘れたとは言わせねーぞ」
('A`)「もう言ったよ」
不毛なやり取りをしつつ、運ばれて来た夕食を口に運ぶ。
番組の食べ歩きグルメリポォタァ的に言うなら、素材の味を生かしてるって感じだ。
つまりは、生なのだ。
('A`)「まさかこんな方向から来るとはな…」
俺が頑張って生肉を噛み切ろうとしていると、シュールさんに肩を叩かれた。
これが会社なら、今の時代はリストラフラグだ。
lw´‐ _‐ノv「鍋ですよ、煮て下さい」
('A`)「あ、そうなんですか」
どうやら、俺が勘違いしてフライングしただけみたい。
みんな俺の事を可哀想な人を見るような目で見ている。
やめろ、そんな目で俺を見ないで。
- 41 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:25:22.91 ID:1GA02/DQ0
-
……
∧ ∧
(・∀ ・)
ノ( )ヽ
< >
|
\ __ /
_ (m) _ ピコーン
|ミ|
/ `´ \
∧ ∧
(・∀ ・)
ノ( )ヽ
< >
\ /
_ `゙`・;`' _ バチュ--ン
`゙`・;`
/ `´ \
∧ ∧
(・∀ ・)
ノ( )ヽ
< >
- 43 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:28:10.87 ID:1GA02/DQ0
-
(・∀ ・)「何だったっけ」
(;'A`)「どうしたまたんき」
(・∀ ・)「なーんか思い出しそうだったんだけどなー…ど忘れしたー」
またんきの思考回路には追い付きたくても追い付けないので、適当な相槌を打って黙る。
ジョルジュと兄者は、先に風呂を見て来ると言って出て行った。
きっと、目的地の風呂の隣にある風呂が本当の目的なんだろう。
生き急ぐ奴らだ。老婆と言う名の地雷に当たっても、俺は知らん。
(-_-)「二人とも布団敷くの手伝ってよ」
('A`)「あー悪い悪い」
こういうのは、みんなが風呂でも入ってる間に女将さんなんかがやってくれるもんなんだろう。
が、俺らは待てない子だった。
あと、二人が戻って来てから「なんで布団敷かないんだよ」と愚痴を聞くのが嫌だからだ。
そんな細かい事を言わない奴らだと信じてるが、なんとなくだ。予防線だ。
それと、体積が三倍くらい肥大化した(ちなみに赤くはないので速くはない)内藤の為に敷くのだ。
( ^ ω ^ )「もーくえん」
('A`)「もう食うな」
- 47 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:31:24.10 ID:1GA02/DQ0
-
内藤を横から押して、ごろごろと布団の上まで転がす。
持つのは無理だからせめて引き摺ろうとしたのだが、重過ぎてアウトだった。
もうこいつデ部に入れるんじゃないだろうか。優勝するぞこの重さ。
( ;^ ω ^ )「あんまり腹を押さないでくれお、吐くお」
('A`)「それじゃあ少しでも自分で動く努力をしろよ」
( ^ ω ^ )「他人に全てを押し付けるこの快楽よ…」
('A`)「堕落の権化め」
俺は布団の代わりに座布団を顔の上にかけてあげた。
濡れた雑巾ではないのは、せめてもの情けだ。
流石に、知り合いが俺のせいで窒息死したとかは嫌だからな。
(-_-)「疲れたから僕も寝るよ…」
('A`)「お前、力強いのか弱いのかどっちなんだ」
(-_-)「握力と腕力は別物さ、おやすみ…」
ヒッキーは掛け布団に包まって、内藤の横までごろごろと転がっていった。
そのまま「んごー、ぐがー」と鼾を掻き始める。
デブに添い寝出来るその神経が理解できない。
もしもピザが寝返りをうって、押し潰されたらどうするんだ。
- 51 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:34:36.37 ID:1GA02/DQ0
-
( ;^ ω ^ )「添い寝されるんだったら、可愛い女の子のほうがよかったお」
('A`)「お前の隣に柔らかい女の子なんかが寝たら、朝にはミンチだ」
内藤はくくくと笑って腹の肉を震わせた。きもい。
隣に寝るヒッキーの眉間に皺が寄っていく。
( ^ ω ^ )「ふふん、負け犬の遠吠えだおね」
('A`)「童貞王の言葉と言え」
DOUTEIOU(どうていおう)はそこかしこにいる。
しかし、その成長過程でdouteiを失った者は、二度とそれに戻る事を許されない。
今この地球では、一秒間に四人もの命が生まれている。
(ダイヤモンド社発行『一秒の世界』より)
つまり、この地球ではその倍の奴らがセクロスをしていると言う事だ。
言いかえれば、女性器に男性器が入っていない瞬間などない。
もっとストレェトに言ってしまえば、まんこにちんぽがインしてない時間なんてないのだ。
( ^ ω ^ )「自分で童貞とか言っちゃう男の人って…」
そんな時空間の中で、生まれてからこの時まで経験がない男ってのは奇跡に等しい。
つーかもう奇跡だ。童貞とは奇跡の産物だ。その奇跡を大切にして生きよう。
('A`)「ちなみに俺が末代」
- 55 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:37:44.22 ID:1GA02/DQ0
-
( ^ ω ^ )「ふぁーすとちゅっちゅもした事ない奴の言葉なんて、僕には届かないお」
気持ち悪い言い方には、敢えて突っ込まない。
('A`)「俺にはファーストキスよりファーストデスのほうが先にやってくる」
非童貞の戯言など、童貞王である俺には届かないのだ。
なんか内藤が「うわぁ……」みたいな顔でこっちを見てるけど気にならない。
ヒッキーが「山田君一枚持ってって」と虚空に向かって寝言で呼びかけている。
部屋に備え付けられてあるマッチで遊んでいたまたんきが、唐突に振り返る。
火遊びはやめなさいと叱るタイミングを見失った。
(・∀ ・)「死ぬのは一回しなないぞー」
('A`)「ですよねー」
(・∀ ・)「人生は一回しかないから大事にするんだぞー」
('A`)「はーい」
まるで俺が子供みたいだ。
まあ、後一年程は未成年なのですが。
( ^ ω ^ )「幼女に説教されて悔しくないのかお?」
('A`)「むしろ興奮する」
- 57 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:41:13.43 ID:1GA02/DQ0
-
間
/⌒ヽ
__ ( ^ω^) ソイヤ!
|\  ̄ ̄ヽつとノ ̄\(ノ'A)ノ
|\\ ( )ヘ
\\ く \ ∧ ∧ 、
\\ _(・∀ ・ )ノ i|! ベシベシ
\\ ヽ )ヾ从/
\| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(_-;)そ
|_| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|_|∩∩)゙
- 58 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:42:14.10 ID:1GA02/DQ0
-
阿波踊りを終えた俺は、座布団に座り茶を啜る。
内藤も食物を消化し終え、体積が元に戻る。
またんきもようやくヒッキーを叩き終えた。
区切りを見出した俺は、茶を飲み干して話題を振る。
('A`)「さて、ジョルジュと兄者が帰って来ないワケだが」
( ^ω^)「神隠し、発狂、死亡、実は僕らが異世界へ、どれだと思うお?」
オカルトなら、どれも有り得る。
一番有り得てほしくないのが、最後の『実は俺らが異世界へ』だ。
友人や従兄弟のほうが大切じゃないのか、とでも思うか?
残念ながら、俺は自分が一番だ。
んで、二番にまたんきとカーチャン、三番がこいつら。
四、五番はどうでもいいその他大勢。
義務教育時代に俺をいじめた奴らは、早く苦しんで死ねばいいと思うよ。
('A`)「女湯に美人がいたから、粘ってるの…かな?」
(-_-)「垂れ乳の婆さんを見て失神中かもね」
( ^ω^)「真理だお」
何事もないと判断した俺らは、暇になって机の上にあるメニューを開いた。
- 62 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:45:16.38 ID:1GA02/DQ0
-
('A`)「山菜和え鮎スパゲティ山の幸盛り沢山だと…」
まさか洋メニュゥがあるとは驚きだ。
食事だけ和洋折衷なのか、ここは。
('A`)「ハッ!?」
( ^ω^)「どうしたお?」
('A`)「今一瞬、ペペロンチーノがペロペロチンコに見えた」
( ^ω^)「氏ね」
酷い奴だ。
(-_-)「ハッ!?」
( ^ω^)「氏ねお」
(-_-)「いや早いよ」
( ^ω^)「付き合ってやるから早く言えお」
(-_-)「カルボナーラをボラギノールと読み間違えた」
( ^ω^)「病院へお行き…」
- 64 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:49:07.00 ID:1GA02/DQ0
-
そんなこんなで日も落ちる。
食事も下げられる。
_
( ∀( ´_ゝ`)「やっほー」
精神的にズタボロになったジョルジュが、兄者に担がれて来た。
('A`)「おい大丈夫か?」
_
( ∀ )「……」
('A`)「へんじがない」
(・∀ ・)「ただのしかばねのようだ」
きっと、名状しがたいおぞましきものでも見てしまったんだろう。
風呂場で華々しく散った彼を称え、布団にゆっくりと横たえさせた。
胸の上で両手をクロスさせるのも忘れない。
('A`)「ところで兄者、お前なんで平気なんだよ?」
( ´_ゝ`)「いや、なんか…」
('A`) ゴクリ
( ´_ゝ`)「目覚めた」
('A`)
- 69 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:52:15.52 ID:1GA02/DQ0
-
一体何に目覚めたのか、一体何があったのか。
聞きたくないし、知りたくもない。
( ´_ゝ`)「「……」」('A`)
なんか、碌な事じゃなさそうだ。気まずい。
俺は、この空気を変える為によさこいを
( ´_ゝ`)「歯のない口でフェラされるってのも(゚A゚)「うわああああああ! キコエナーイ!」
( ;´_ゝ`)「え、ちょっと待て俺は別に(゚A゚)「ピーリカピリララポポリナペーペルト!!」
( ;´_ゝ`)「オイ! 誤解だって俺は(゚A゚)「ハッサンよ美少女、美幼女にな〜れ!!!」
( ;´_ゝ`)「いやだか(゚A゚)「五回もしたのかよこの変態うわああああああああ!!!!」
( #゚_ゝ゚)「うるっせー! いい加減黙れ!」 (メ)A゚);∵’,「あべし!」
- 70 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:53:30.45 ID:1GA02/DQ0
-
そして庭の池まで吹っ飛んだ俺は、そこを泳いでいる鴨達の上に落ちた。
つーか、あいつが目ぇ見開いたの初めて見たわ。
(゚∈゚# )「クックルドゥドゥドゥ!」
(;'A`)「うお、すみません避けます」
('A`)「あれ? お前って鶏 (゚∈゚# )「ンドゥ!」
,’∵;(゚A(メ)「ひでぶ!」
な、何この鴨強い。
カモの癖に。
つーかこいつあいつに似て
(゚∈゚# )「デュワッ!」
(メ)A(キ);∵’,「たこす!」
- 75 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 20:56:41.08 ID:1GA02/DQ0
-
(メ)A(キ)「…」
(-_-)「…」
( ^ω^)「………クッwww」
( ´,_ゝ`) プッ
_
( ∀ )「…」
(・∀ ・)「(ひでー顔…)」
( ^ω^)「フツメンになったおね、ドクオ」
(メ)A(キ)「黙れよ」
- 77 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:00:20.11 ID:1GA02/DQ0
-
俺は気を取り直して、顔を元に戻した。
そして、話の流れを本筋へ戻した。
('A`)「全然怪異が起きないんだけど」
起きてるっちゃ起きてるけど、何か違うと言うか。
いや、本当は怪異なんて起こってほしくないけど。
仕方なくと言うか、見切りをつけられそうだとか。
お前は何をしたいんだとか、お前は何をしたいんだとか。
( ^ω^)「ふぅむ」
内藤が右手を顎にあてて上を向く。
天井の染みでも数えてるんだろうか。
あ、あの染みちょっと角度変えると人の顔に見える。
やだ怖い。
( ^ω^)「あ、そうだお」
('A`)「ん?」
- 79 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:03:33.58 ID:1GA02/DQ0
-
( ^ω^)「僕が、怖い話でもしてやろうかお?」
('A`)「えー?」
何これ、いくらネタが思い付かないからってこれはないだろ。
どうせ、ネットかどっかでコピペしてきた話なんだろ?
( ^ω^) +
しかし、輝いてるデブを放置するわけにもいくまい。
どすうる? >>
1.話したまへ
2.やめて
3.実は俺、妖怪ふくわらい男だったんだ!
4.そんな事より、日本人として箸の使い方をマスターしようぜ!
上記以外の場合はkskst
- 83 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:05:26.22 ID:1GA02/DQ0
- やべぇ安価できてなかった
>>88
どすうるはどうするに脳内変換して下さい
- 88 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:11:52.47 ID:j1QZfEVMO
- 4
- 91 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:13:56.97 ID:1GA02/DQ0
- 4.そんな事より、日本人として箸の使い方をマスターしようぜ!
('A`)「そんな事より、日本人として箸の使い方をマスターしようぜ!」
( ^ω^)「は?」
内藤が頭をおかしい人を見るような目で見てくる。
俺は必死になって弁解していると、いきなり障子ががらりと開いた。
lw´‐ _‐ノv「握り箸、拝み箸、横箸、突き箸、刺し箸、指し箸、持ち箸、受け箸、空箸、迷い箸」
( ;^ω^)「え、あ、え?」
lw´‐ _‐ノv「涙箸、重ね箸、仏箸、叩き箸、寄せ箸、探り箸、もぎ箸、銜え箸、掻き箸、噛み箸」
シュールさんは、ぶつぶつと呪文を唱えるようにしながら内藤に迫って行く。
すり足で。
( ;^ω^)「お、おぉう」
流石の内藤も圧され気味だ。
lw´‐ _‐ノv「渡し箸、移り箸、洗い箸、直箸、込み箸、せせり箸、合わせ箸」
シュールさんの呪文詠唱はまだ止まらない。
lw´‐ _‐ノv「すかし箸、違い箸、揃え箸、撥ね箸、舐り箸」
ささやき いのり えいしょう ねんじろ。
- 93 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:15:05.57 ID:1GA02/DQ0
-
lw´‐ _‐ノv「たかが箸の使い方でこれだけ禁忌事項作れる日本人舐めんな」
( ^ω^)「ごめんなさい」
('A`)「…」
そしてシュールさんの説教は終わった。
俺達はなんとも言えない気分になりながら帰路につくのだった。
BAD END. 「箸の使い方」
- 95 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:16:51.81 ID:JaOn8viZO
- ある意味怪異だwww
1が見たい
- 96 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:18:18.07 ID:1GA02/DQ0
- >>95
1.話したまへ
('A`)「話したまへよ」
( ^ω^)「ははっ」
内藤は片膝をついて、拳を床につけた。
( ω )「私めがこれから話すのは、ある男の物語でございます…」
( ω )「全略」
- 101 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:20:16.11 ID:1GA02/DQ0
-
('A`)「え?」
( ω )「んお?」
('A`)「ちょっと待って、『前』略じゃなくて『全』略?」
( ^ω^)「うんだお」
('A`)「『うんだお』じゃねーよ、期待してくれた人いたらどうするんだ」
( ^ω^)「そんなん零だお」
('A`)「失礼だと思わんのかね」
( ^ω^)「全く」
('A`)「少しでも期待した俺がバカだったよ」
( ^ω^)「ひねくれた僕ならこの選択肢で話さない事くらい予想しとけお」
('A`)「よーしわかった殴らせろ」
( ^ω^)「くっくっく、当たるかバカめが」
(メ#)゙ω゚);∵’,「アミバ!」
- 102 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:23:41.70 ID:1GA02/DQ0
-
吹っ飛んだ内藤は、柱に頭をぶつけたきり動かなくなった。
不安に駆られた俺は、内藤に駆け寄り肩を掴んで揺さぶる。
「お…おい内藤、内藤! 内藤っ!」
懸命な呼び掛けにも起き上がる気配はない。
脳内に最悪のイメージが去来する。
口内に溜まった唾をごくりと飲み下し、俺は恐る恐る脈を取った。
「し、死んでる…!」
ざわつく室内。まるでこの世の終わりが掲示されたように。
「どうする…?」
誰が言ったのかわからない。
それでも、それは誰の頭の中にもあった疑問だ。
「…埋めちまおうぜ」
いつの間にか部屋の照明は消え、顔の判別がつかなくなっている。
声の位置から言葉を発した人物がわかりそうなものだが、それすらわからない。
まるで部屋そのものから発された言葉。
それに、全員が頷いたのだった。
BAD END. 「共犯者」
- 106 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:27:29.41 ID:1GA02/DQ0
- 再安価
>>110
2.やめて
3.実は俺、妖怪ふくわらい男だったんだ!
- 110 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:28:13.06 ID:rlYbzgVu0
- 3
- 113 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:31:54.41 ID:1GA02/DQ0
- 3.実は俺、妖怪ふくわらい男だったんだ!
('A`)「実は俺、妖怪ふくわらい男だったんだ!」
( ;^ω^)「なん…だと…?」
俺の発した言葉に、内藤は一歩退いた。
しかし、今までどうしてわからなかったのか不思議でならない。
この俺の顔面崩壊具合を見ろ。
これはもう芸術の域だ。
人ではない。人の成せる技ではない。
( ^ω^)「まさか、ドクオも僕と同じだったなんて…」
('A`)「え?」
今度は、俺が内藤の言葉に一歩退く番だった。
( ^ω^)「よく見るお、この肉を、贅肉を、太り具合を」
俺は内藤の腹をまじまじと観察する。
( ^ω^)「このメタボリッ具合を見るお、これはもうアァトの域だお
人間の為せる業じゃあないお、最早神か悪魔の域だお」
('A`)「内藤…」
- 115 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:34:56.31 ID:1GA02/DQ0
-
俺はその言葉に、自然と震えていた。
内藤の腹の肉も、ぶよんぶよんと震える。
( ´ω`)「妖怪だと知られたら、きっと嫌われると思って…」
そんな事ない。
そう言おうとしたけど、俺も全く同じ事を内藤に思っていたのだった。
( ´ω`)「だから、今まで常識を超えたデブって事で通してたんだお
ドクオが妖怪だとカミングアウトしてくれて、嬉しくなってつい…」
('A`)「…それ以上言うな、内藤」
はっとした顔で内藤が俺を見上げる。
部屋にいる全員が、息を飲んだ。
('A`)「俺も…俺も怖かったんだ、妖怪だって知られる事が、恐れられる事が」
言いながら、頬を水のようなものが流れ落ちて行くのを感じる。
('A`)「だから、顔面障害者のグロメンとして生きてきたんだ…
カミングアウトしたのだって、ただのノリなんだよ、内藤」
( ;ω;)「ドクオ…」
どちらからともなく抱き合った。
- 117 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:38:04.17 ID:1GA02/DQ0
-
内藤の腹の肉が邪魔をして、俺が内藤の胸に顔をうずめる形になる。
まるでクッションに包まれているようだ。つーか足が浮く。
だが、それを笑う物の怪はいない。
誰もが涙し、両手を打ち鳴らしていた。
(・∀ ・)「俺もなんだ! こんなショタっぽいつるぺたロリっこ見た事あるか?
ロリコンの妄想が具現化して生まれた存在が俺だったんだよ!」
( ´_ゝ`)「俺もだよ! こんな高身長見た事あるか…? ギネスだってびっくり
その身長なんと三メートルさ! お陰で家族以外誰も寄ってこない!
実はウドの木の生まれ変わりだったのさ! 日光いらないけどな」
lw´‐ _‐ノv「じゃあ私は箸の九十九神で」
_
( ゚∀゚)「俺、人間なんだけど…えーと、んじゃ、送り狼で」
(-_-)「ドックン、僕、実は妖怪スネかじりって言うんだ! 僕も妖怪なんだよ!
ちなみに犬に似た四足歩行のスネこすりってのとは全くの別物だよ!
社会に出れない引き篭もりが、自室で三十年過ごすと変化するのさ
夜な夜な親のスネをかじりしゃぶり、骨の髄まで啜る妖怪なんだ!
それでいて家に大金を授けるといった事は全くしない! やらない!
まさに貧乏神の権化とも言うべき存在なんだよ! 最近急増中!」
最後に、ヒッキーが己の正体を外道っぷりと共に吐露した。
この妖怪は、実は日本が一番多いと言う。
( ;ω;)「みんな…」
- 122 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:42:09.17 ID:1GA02/DQ0
-
内藤は俺の服で鼻水と涙をぬぐい、きっと前を向く。
( ^ω^)「…これだけいるんだお、もう人間なんて怖くないお!」
(・∀ ・)「おー!」
( ^ω^)「七人中七人が妖怪だったんだお、探せばもっと仲間が見つかる筈だお!」
_
( ゚∀゚)「俺人間だけどな!」
( ^ω^)「もっと仲間を集めて集めて、百鬼夜行してやろうぜお!」
( ´_ゝ`)「俺に小便をかけてくれた人間共に復讐してやるぜ!」
('A`)「下記に同じ!!!」
(-_-)「僕を虐めて不登校に追い込み、妖怪に落とした奴らをぶち殺してやんぜ!」
lw´‐ _‐ノv「箸の使い方も碌に覚えない日本人共を徹底的に調教してやんよ!」
部屋にいる全員の士気が上がる。
それと共に、部屋に呻き声や絶叫や悲鳴が響く。
彰子の一つ一つには目が浮き出て、その向こうには歪な影が躍る。
襖ががたがたと揺れ、誰もいないのに倒れた。
天井がぎしぎしと鳴り、ドアがぶち壊れるんじゃないかってくらい開閉する。
みんな、俺達の覚悟につられて出て来たらしい。
へへっ、ノリのいい奴らじゃねーか。
- 124 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:45:13.98 ID:1GA02/DQ0
-
( `ω´)「それじゃ行くおおおおおおおおおお!!!!!」
俺達は、内藤の掛け声を背に夜空へ向かって飛び出した。
『うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!11111』
空には、大きく真っ赤な月が輝いている。
まるで、俺達の夜を後押しするかのように。
HAPPY END? 「百鬼夜行」
- 126 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:50:18.05 ID:1GA02/DQ0
- 2.やめて
('A`)「やめて」
( ^ω^)「そう、それはある暑い夏の日…」
('A`)「やめて」
( ^ω^)「日差しを避けて森の中へ入った二人の男女は、川の畔を歩いていました」
('A`)「やめてってば」
( ^ω^)「川の水があまりにも綺麗だったので、二人は足だけでも浸かる事にしました」
('A`)「読めた、川に引きずり込まれるんだろ」
( ^ω^)「黙ってろチビ」
('A`)「ずんどこべろんちょ」
( ^ω^)「あー…(やべー先越された)」
( ^ω^)「二人は沢蟹を見つけたり、鳥が魚を獲る瞬間を見たりして楽しんでいました」
( ^ω^)「時間を忘れて、楽しんでいました」
( ^ω^)「すると、いつの間にか日が暮れかけていました」
- 128 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:53:20.36 ID:1GA02/DQ0
-
川の畔でいくらか上が空けているとは言え、山奥の日暮れ。
歩いて来た道は、誘い込むように森の中に暗い穴を空けています。
開けている川の畔を歩こうにも、人が歩ける道ではない。
それに、さっきまでは綺麗に見えた川面も、おどろおどろしい色に変わっている。
何処を通っても、こわいこわい。
だからと言って、帰らないわけにはいかない。
男は怯えて震える女の手をしっかりと掴みます。
女は、そんな男の手をぎゅっと握り返しました。
そうして、二人で少しだけ開けた森の中を歩きだしました。
山の中は暗く、まるで夜中のようです。
懐中電灯を持って来ていない二人は、携帯電話の灯りを頼りにしました。
携帯を開いてみると、表示されていた時間は八時半。
二人とも、もうそんな時間だったのかと驚き、焦りました。
山が、時間の感覚を狂わせてしまったのでしょうか。
携帯の充電が心配だったので、まずは男の携帯を使う事にしました。
女は、自分の携帯の電源を切りました。消費を抑える為にです。
男は、明度を最大にする代わり、消費を抑える為に電波を切ります。
頭上からほぅと梟の鳴き声が聞こえて、男女はびくりと肩を震わせました。
英語圏では、梟の声は恐れられるもののようです。
何故なら、鳴き声のほぅがWho?(誰?)に聞こえるから。
「誰? 誰?」
そんないらない雑学を思い出した男の足は、自然と震えてきました。
- 129 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 21:55:48.86 ID:1GA02/DQ0
-
「誰? 誰?」
羽音は聞こえず、問い掛けだけが頭上に木霊します。
彼を正気に戻したのは、手を繋いだ恋人の手の暖かさです。
もう、格好をつけるとかそういった事ではありません。
一人の男として、彼女を守らなければ。
彼は使命感にも似たものを胸に抱きました。
「誰? 誰?」
二人の手は、焦りや恐怖から汗で湿っていきます。
それでも、二人とも絶対に手を離そうとしませんでした。
森林独特の、夏の熱気と湿気を孕んだ空気が二人を撫でます。
その度に二人は互いの手を握りました。
茂みががさっと音を立てるのは風だと思い込み。
木々の枝がざわつくのも風だと思い込み。
後ろから来る何かは追い風だと思い込む。
辺りはどんどん暗くなり、月の光も差さない。
追う物から逃げるように、自然と早足になる。
遭難しているのではないか、という思考に押し潰されないように。
- 131 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 22:00:54.13 ID:1GA02/DQ0
-
彼女が何かに足を取られ、体勢を崩す。
それを支える為に踏み出した一歩が、思ったよりも固かった。
二人で確かめるように地面を踏みしめ、下を見る。
土よりも固い地面は、アスファルトで舗装された道路だった。
ピーという甲高い充電切れの音に、同時に顔をあげて頭をぶつける。
繋いだ手を離して、自分の額をさする。
それが少しだけおかしくなって、男女は笑った。
道路には羽虫が集る街灯が頼りなく道路を照らしていたが、何もないよりはいい。
この道を真っ直ぐ下って行くと、麓の村に着く筈。
二人はまた手を繋いで、その道を歩き出した。
民家の明かりは相変わらず見えない。
民家の明かりが見えない。
おかしい。
今は何時だろうと心配した彼女が、携帯で時刻を確認しようとする。
しかし、何度電源のボタンを押しても起動しない。
腕時計もしていない若者二人には、携帯以外で時間を確認する事ができない。
また新たな不安に駆られた男は早く歩こうとするが、女の足が限界だった。
- 133 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 22:03:08.42 ID:1GA02/DQ0
-
おぶる体力も気力もなかった男は、ただしっかりと手を握る。
女が頑張って早く歩こうとするが、息が切れている。
男は女に無理をするなと言って、彼女の歩く速さに合わせた。
それでも、彼女は息を切らしている。
やはりここはおぶってやったほうがいいかと彼女のほうを見た。
だが、彼女は息を切らしている様子はない。
どうしたのと言いたげな目で見て来るその視線が、ふと恐怖に染まった。
少し遅れて、男もそれを理解する。
荒く息を吐く音は、後ろからしている。
- 134 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 22:06:25.72 ID:1GA02/DQ0
-
男と女は恐ろしくなって、前を向いた。
後ろに何かいる。複数なのか単体なのかはわからない。
逃げ出したくなったが、頭の中で走り出すのは危険だと警告が響く。
棒のような足に力を入れて、歩き出す。
後ろにいるのは、一定の速度でついてくる。
生臭い匂い。獣の臭い。
息切れではない、犬のあの呼吸のような。
山犬はこの辺りにはいない。
まさか狼か?
だとすると、何故飛びかかって来ないんだ。
男は恐怖から逃げようと、頭を高速回転させる。
麓は少しずつ近付いてきている。
後ろの何かが遠退く気配はない。
変質者の類か何かなら、家まで来させるのは不味い。
だが、そうであってほしいと願う自分がいる。
- 135 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 22:07:38.32 ID:1GA02/DQ0
-
彼女の足取りに合わせていた筈が、早足になってしまったようだった。
彼氏の速さに追い付くように駆け足気味になっていた彼女が転んでしまう。
すると、その瞬間後ろにいたものの気配が膨れ上がった。
彼女を起き上がらせる為に、視線を後ろに向けてしまう。
男が見たものは、狼とも、犬とも言えない。
彼が知る動物の中にはない、名も知らぬモノの姿だった。
口からは腐臭と汚濁を吐き、濁り曇る目は二人へ注がれ…
( ω )「…さて、」
- 137 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 22:12:06.57 ID:1GA02/DQ0
-
部屋の電気はいつの間にか消えている。
顔を上げた内藤の顔は見えない。
動いていい雰囲気じゃなかったので、俺はその場で黙って内藤の話を聞く。
「送り狼と言う話があるお」
遠くで、狼の遠吠えが聞こえた気がした。
「夜中に山道を歩くと、後ろからぴたりとついてくる狼が送り狼と呼ばれ
地方によっては犬とされたり、単に山犬や狼と呼ばれるものもある
呼び方も地方によって異なれば、送り狼の行動も地方によって違う」
窓の外に、何かがいる。
「ただ、どの地方にも少し共通している送り狼の行動がある」
『何かの拍子で転んでしまうと食い殺されてしまうが、「どっこいしょ」と座ったように見せたり
溜め息交じりに座り転んだのではなく、少し休憩をとる振りをすれば襲いかかってこない』
「…ある地域によっては、送り狼が旅人を突き飛ばしたり、体当たりをしてくるとか
そして、旅人が転ぶよう仕向ける事もあり、襲いかかって来るのが群れだと言うのもある」
俺は、ゆっくりと肺に溜まった空気を押し出した。
- 138 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 22:13:31.79 ID:1GA02/DQ0
-
「振り返って姿を見た者を食ってしまうとあれば、家に帰るまで守ってくれるともある」
「家まで着いて来た時は、一言お礼を行ったり、何か食べ物をやると帰るともある」
「それか、草履の片方とやると満足していなくなるともある」
「これに似たモノで、送りいイタチは草履の片方をやると咥えて帰って行くそうだ」
「送り狼の小便が目に入ると、失明してしまうと言う話もある」
( ^ω^)「…さあて」
内藤の顔が、月明かりに照らされて露わになる。
いつも浮かべているその柔和な笑みに、俺は心底安堵した。
( ^ω^)「送り狼は、振り返った男を襲ったのかね?
それとも、転んだ女を食ったのかねえ?」
('A`)「さあ…」
あまり、考えたくない自分がいる。
内藤はその柔和な微笑みを嘲笑に変え、長岡のほうを向いた。
( ^ω^)「ねえ、どっちだお?」
- 139 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 22:15:55.24 ID:1GA02/DQ0
-
____________________________
藁が敷かれた地面に、一人の人がガソリンを被って座っていました。
それを見た通りすがりは、まさか命を捨てる気なのか、と思いました。
引き留めようと声をかけます。
それに人は応えました。
「俺ってばメタセコイア」
そう言って、人は藁に火を着けました。
通りすがりは、人を引き留める事が出来ませんでした。
____________________________
5” 『送る狼はしょうがない』
おしまい
- 141 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 22:19:32.98 ID:rlYbzgVu0
- 乙
前回の縦読みというのが全く分からん。
- 142 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 22:19:38.70 ID:1GA02/DQ0
- まさか選択肢全部やる事になるとは思わなかった
お陰でもう時間がない、書き溜めたハズレ選択肢もない
質問とか多分ないだろうけど、あった場合は次の投下で答えさせていただきます
支援ありがとうございました!
- 143 :VIPがお送りします:2009/10/08(木) 22:21:58.85 ID:j1QZfEVMO
- 乙!
>>141
まとめの4話コメント欄にある
('A`)と怪異のようです
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1254998248/
ドックンドックン〜!ふぅん!にゃーんにゃーん
ニホンオオカミ…