2009年08月08日
【ξ゚听)ξ好き閲覧注意】
- 1 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 20:53:29.97 ID:49zoM1UC0
- お久しぶりです。
むしろ初めまして。
次のレスより投下したいと思います。
日付変更、鯖落ちに備え、念のためですがトリップを付けさせていただきます。
ではよろしくお願いします。
- 2 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 20:54:26.61 ID:49zoM1UC0
- ブーンが、私を好きだって言ってくれた。
(;^ω^)
あたしも好き、だけど。
ξ゚听)ξ「……」
ブーンが言う、好きとは違うと思う。
……だから。
ξ゚听)ξ「悪いけど……」
ごめんね、ブーン。
( ^ω^)「……そう、かお」
ξ゚听)ξ告白し、されたようです
関連作:( ^ω^)告白のその後のようです 玉兎の夢様
ttp://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/blog-entry-1884.html#1884
( ^ω^)告白からしばらくしたようです ブーンがまとめブログを武器に様
ttp://boon-fiare.seesaa.net/article/121713612.html
( ・∀・)告白したかったようです ブーンがまとめブログを武器に様
ttp://boon-fiare.seesaa.net/article/121967714.html
本当に、ごめんなさい、ブーン。
でも、ずっと友達だよ。
- 3 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 20:55:37.60 ID:49zoM1UC0
- 川 ゚ -゚)『……で、断ったのか?』
ξ゚听)ξ「うん……」
川 ゚ -゚)『なんでだ? あんなに仲いいのに』
ξ゚听)ξ「わかんない、けど」
ξ゚听)ξ「ブーンと付き合う、っていうのがよくわかんなかったって言うか……」
ξ゚听)ξ「別に、今のままでいいかな、って」
川 ゚ -゚)『ふぅん』
相談するような事があると、いつもブーンに電話してた。
ブーンなら、私のこと、わかってくれると思ってるから。
川 ゚ -゚)『で、明日からどうするんだ?』
ξ゚听)ξ「どうする、って?」
川 ゚ -゚)『なんて言うか……気まずく、ないか?』
ξ゚听)ξ「まあ、そりゃ多少はね……」
でも。
ξ゚听)ξ「いつも通りで、いいと思う」
- 4 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 20:57:09.70 ID:49zoM1UC0
- 川 ゚ -゚)『……できるのか?』
ξ゚听)ξ「……多分、ね」
川 ゚ -゚)『そうか』
ブーンも、それを望んでると思うし。
あたしも、それを望んでる。
川 ゚ -゚)『じゃあ、また明日な』
ξ゚听)ξ「うん、ありがとね、聞いてくれて」
川 ゚ ー゚)『なに、このくらいお安いご用さ』
また何かあったら言ってくれ、とクーは明るく言って、電話を切った。
ξ゚听)ξ「……」
できるかなあ、いつも通り。
ξ゚听)ξ「……ちがう」
やらなきゃ、いけないんだ。
抱き枕をぎゅっと握りしめて、そう誓った。
ξ゚听)ξ「……がんばらないと」
- 5 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 20:59:22.51 ID:49zoM1UC0
- ────────
────
──
─
ξ^ー^)ξ「おはよう、ブーン」
できた、かな。
できたかな、いつも通り。
できたよね。
いつもの、私だったよね。
川 ゚ ー゚)『ああ、完全にいつものツンだった』
ξ;゚听)ξ「よかった……」
とりあえず、これで一安心だ。
クーの意見は、参考になる。
……本当はブーンに相談したいんだけどさ。
川 ゚ -゚)『ところでツン、体育祭のアンケート、出してないぞ』
ξ゚听)ξ「……あったっけ、そんなの」
川 ゚ -゚)『うん、昨日までだった』
- 6 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:01:28.39 ID:49zoM1UC0
- ξ゚听)ξ「あー……」
ξ゚听)ξ「めんどくさいし、いいや」
でも、なんでクーがそんなことわかるんだろう?
川 ゚ -゚)『いや、リレーの順番決めるから出してもらわないと困るんだが』
ξ;゚听)ξ「あ、クーが委員だったっけ?」
川 ゚ -゚)『……休んでる間に私に押し付けたのは、君らだと聞いているが』
……忘れてた。
そういえばそんなこともあったなあ……。
ξ;゚听)ξ「ごめん……。紙見つからないし、アンケート内容教えてくれない?」
川 ゚ ー゚)『だと思ったよ。一回しか言わないぞ』
ξ゚听)ξ「うん、おっけー」
全部で五問くらい、聞かれたかな。
体育祭に関係してることだけじゃなかったけど。
なんか、心理テストみたいだった。
川 ゚ -゚)『うん、ありがとう、これでやっと集計できるよ』
ξ゚听)ξ「いやいや、忘れてたのは私だし、ごめんね」
- 7 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:03:11.21 ID:49zoM1UC0
- 川 ゚ -゚)『うん……あ、すまんもう一問』
ξ゚听)ξ「まだあるの……」
川 ゚ -゚)『まあそう言わずに。行くぞ』
ξ゚听)ξ「うん」
川 ゚ -゚)『……第六問』
川 ゚ -゚)『あなたを見ている存在を、知っていますか?』
ξ゚听)ξ「……なにそれ?」
川 ゚ -゚)『どうなんだ?』
ξ゚听)ξ「たぶん、知らないかな」
川 ゚ -゚)『ふむ……そうか』
川 ゚ -゚)『質問は以上だ、すまなかったな』
ξ゚听)ξ「いえいえ」
見ている存在、って。なんだろ。
- 8 名前:VIPがお送りします[sage]:2009/08/07(金) 21:04:16.45 ID:k1XaKoWLO
- 久しぶり
今思い返してもムカムカする
支援
- 9 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:05:17.90 ID:49zoM1UC0
- たまにクーはわけのわからないことを言う。
今回もそんな感じのものだろう、と思ったが。
何故か、今回のは
強く、頭に残った。
ξ゚听)ξ「見ている、か」
何を見てるってことなんだろう。
姿? それとも、本心?
やっぱり、よくわからない。
ξ゚听)ξ「……うん」
寝よう。
明日もまた、いつも通りだ。
……そのつもりだったけど。
翌日、『見ている存在』を、見つけてしまった。
- 10 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:07:17.15 ID:49zoM1UC0
- 朝。
昼
放課後。
同じ人と、三回も目があった。
すぐ目を逸らすけど、多分、あの人が
『見ている存在』なんだろう。
( ・∀・)
……誰だろう。
( ^ω^)「お、ツン、聞いてるかお?」
ξ゚听)ξ「ん? 聞く価値ないだろうから聞いてないわよ」
(;^ω^)「ひでーお……」
私はあの人を知らない。
でも、あの人は私を知ってる。
だから、見てるんだろう。
( ^ω^)「……そしたらドクオが……」
私も、あの人を知りたい。
- 11 名前: ◆luT3ip0mCo [>>8 ありがとー!]:2009/08/07(金) 21:09:21.78 ID:49zoM1UC0
- ξ゚听)ξ「クーに聞けばすぐわかるだろうけど……」
なんとなく、それは卑怯な気がした。
やっぱり、自分の力で何とかしないと、いけないと思う。
ξ゚听)ξ「うーん……」
中学校に、あんな顔の子、いたかな。
卒業アルバムを引っ張り出してみた。
( ´∀`)
ξ゚听)ξ「違う……」
< `∀´>
ξ゚听)ξ「これも違う」
(*゚∀゚)
ξ゚听)ξ「これは女の子っぽいわね」
ξ゚听)ξ「……おっと」
もう最後のページだった。
結局、見つからなかった。
ξ゚听)ξ「明日、学校で調べるしか無いわね……」
- 12 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:11:42.73 ID:49zoM1UC0
- 珍しく、誰とも電話をせずに床に就く。
ξ゚听)ξ「……」
かちゃっ
ξ゚听)ξ「……」
ぱたん
ξ゚听)ξ「……」
かちゃっ
ξ゚听)ξ「……」
かちかち
……寝付けない。
人と話してから寝る、という習慣が身についてしまったからかな。
……それとも、やっぱりあの人が気になるからだろうか。
携帯でお気に入りサイトの更新を確認していると、自然と瞼は落ちていた。
ξ--)ξ「……」
- 13 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:13:45.89 ID:49zoM1UC0
- 翌朝。
少し早めに学校に行く。
ξ゚听)ξ「……まだ来てないみたいね」
昨日の朝、見たあの顔はまだ見当たらなかった。
なんとなく、下駄箱の影に隠れるようにして立ってみる。
l听)ξ
……あの人も、こんな気持ちで待ってたのかな。
そのまま五分が経った。
少しずつ人が増え始め、周囲からの視線が痛くなってきたころ。
あの人が来た。
一限英語ジャネ( ・∀・)( ^Д^)マジカヨダリィ
あの人は真っ直ぐ、三組の下駄箱に向かった。
下駄箱に沿って滑るように移動する。
知らない女生徒が短く「きゃっ」と悲鳴を上げた。
ξ;゚听)ξ「ごめん」
と小声で謝りつつも、あの人からは視線を外さない。
……下駄箱の位置を確認。
あの人が行ってから、名前を確認しよう。
- 14 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:15:12.90 ID:49zoM1UC0
- そう思っていたのに。
( ・∀・)「ん?」
あの人がこっちを向いた。
ξ;゚听)ξそ 「!」
とっさに隠れる。
どっどっどっ
心臓の音がうるさい。
( ^Д^)「どうした? 行こうぜ」
( ・∀・)「ん、あぁ」
……危なかった、かな。
注意深く辺りを確かめ、振り向く。
あの人は、いなかった。
ξ゚听)ξ「あ、名前……」
下駄箱へ行き、名前を確認する。
ξ゚听)ξ「モラ、ラー」
- 15 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:17:16.57 ID:49zoM1UC0
- モララー。
私を見ていた人の名前。
ξ*゚听)ξ
何故か顔が熱くなった。
─────────
────
──
─
川;゚ -゚)「それで、突き止めたのか?」
ξ゚听)ξ「うん、まあ、気になったし」
休み時間にトイレに行ったとき、クーに今朝のことを話した。
川 ゚ -゚)「何か話したのか?」
ξ゚听)ξ「ううん、名前見ただけ」
ξ゚听)ξ「向こうが知ってるのに、あたしが知らないなんて不公平じゃない」
川 ゚ -゚)「ふーん……」
ξ゚听)ξ「んじゃあたしの番」
ξ゚听)ξ「モララーって、誰?」
- 16 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:19:10.94 ID:49zoM1UC0
- 川 ゚ -゚)「……うーん」
川 ゚ -゚)「私も、よく知らないな」
川 ゚ -゚)「ドクオから得た情報しかないし、これを君に言うのはそれこそフェアではない」
川 ゚ ー゚)「だから、何も言わないでおくよ」
ξ゚听)ξ「何よそれ」
ξ゚听)ξ「見ている存在、とか仰々しく言っておいてそれなの?」
川 ゚ -゚)「まあな」
ξ゚听)ξ「……つまんない」
川 ゚ -゚)「むぅ、逆効果だったか」
ξ゚听)ξ「え?」
川 ゚ -゚)「いや、なんでも。授業始まるし、戻ろう」
つまんないなんて言ったけど。
気になることに変わりはない。
ξ゚听)ξ「……」
モララー、ね。
面白い名前。
- 17 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:21:10.42 ID:49zoM1UC0
- それからしばらくして、忘れもしない体育祭が来た。
ξ゚听)ξ「だるいなぁ……」
('A`)「メンドクセ」
( ^ω^)「短距離だけならいいのに……」
川 ゚ -゚)「君たちより私は数倍めんどくさいんだがな?」
(;'A`)「まだ怒ってるのかよ……終わったことだろ」
川 ゚ -゚)「む、なら私が君のゲームディスクを踏んで割ったこと、許してくれるのか?」
(#'A`)「おい今度は何壊したんだ、おい! 限定盤だったら泣くぞ!」
(;^ω^)「相変わらず仲いいおね……」
ξ゚听)ξ「……」
いいなあ、と思えた。
私にも、あんなふうにふざけ合える彼氏が欲しいなあ、って。
( ^ω^)「どしたお? ボーっとして」
あんたじゃないのよ。
- 18 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:23:38.34 ID:49zoM1UC0
- ────────
────
──
─
川 ゚ -゚)「ツンとしぃ、次の二人三脚、出番だぞ」
ξ゚听)ξ「あれ、もう?」
(*゚ー゚)「がんばろうね!」
まさかこの、めんどくさかっただけの行事が。
ξ><)ξ「きゃっ!」
こんなに素晴らしい
(;゚ー゚)「ツンちゃん、大丈夫?」
チャンスをくれるだなんて。
( ・∀・)「救護班です。歩けますか?」
ξ )ξ「……!」
( ・∀・)「……無理みたいですね、肩失礼します」
あの人の、声が、ものすごく近くで聞こえた。
- 19 名前:VIPがお送りします[]:2009/08/07(金) 21:23:47.63 ID:9EzBFrUyO
- スイーツ臭いな…
ネタじゃなかったらブーン系バカにすんな死ね
新ジャンル(失笑)でやれ
- 20 名前: ◆luT3ip0mCo [>>19(笑)に見えるなら嬉しい]:2009/08/07(金) 21:25:25.72 ID:49zoM1UC0
- ( ・∀・)「……もうちょっとで保健室着くよ」
ξ;゚听)ξ「……ありがとう」
これ以上ない、幸せ。
( ・∀・)「まあ、仕事だから」
保健室がもっと遠かったらいいのにな、って思った。
カララ
( ・∀・)「先生、けが人です」
返事は、何故かない。
( ・∀・)「シュール先生?」
ホワイトボードに何か書いてあった。
『急に農作業がしたくなったので、魚沼まで行ってきます lw´‐ _‐ノv』
ξ;゚听)ξ「……」
魚沼って、どこ? どうでもいいけど。
(;・∀・)「……困ったな」
あの人は困っていたけど、私は嬉しかったな。
- 21 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:27:21.90 ID:49zoM1UC0
- ( ・∀・)「とりあえず、応急処置だけしようか」
ξ;゚听)ξ「うん、お願い」
あの人が、私の足に触ってる。
あの人に触られてる。
何故か、どきどきして、ぞくぞくした。
それは……あっという間に終わってしまった。
( ・∀・)「……こんな感じかな」
軽くぽん、と足を叩き、そう言った。
ξ゚听)ξ「うん、だいぶ楽になったわ」
終わっちゃった。
( ・∀・)「なら、よかった」
行っちゃうのかな。
やだな。
もっと一緒に、いたいな。
( ・∀・)「戻れる?」
そうだ、会話を引き延ばそう。
- 22 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:29:13.28 ID:49zoM1UC0
- ξ;゚听)ξ「うーん……」
( ・∀・)「まあ、無理ならしばらく休んでからでもいいと思うよ」
続かない。そうだ。
ξ゚听)ξ「あなた、名前は?」
一応面と向かって話すのは、初めてだし。
聞いても、おかしくない内容だよね。
( ・∀・)「モララーです。三組の」
うん、知ってる。
ξ゚听)ξ「あたしはツン、一組よ」
ああ、これで終わっちゃうじゃない!
あたしの馬鹿!
どうしよどうしよどうしよ!!!
うん、ストレートに行こう。
ξ゚听)ξ「しばらく、お話ししない?」
……うーん。
不自然よね……。ダメだなぁあたし。
( ・∀・)「……うーん、仕事あるけど、まぁいいか」
- 23 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:31:14.47 ID:49zoM1UC0
- ……やった? のかな。
ξ*゚听)ξ「炎天下に行きたくないのよ」
もっともらしい理由を付け足す。
( ・∀・)「奇遇だね、僕もそう思っていたところだよ」
……こんな小さい共通点でも、嬉しい。
あぁ、あたし今すごい幸せかもしれない。
このまま死んだっていいくらい、幸せ。
でも、そんな時間は長く続かないのは、必然。
外から、優勝、青軍、なんて声が聞こえてくる。
それは、同時にこの楽しい時間が終わることも示していた。
ξ゚听)ξ「ごめんね、引きとめちゃって」
素直にそう思っていた。
仕事があるって、言ってたのに。
あたしのわがままで、モララーをここにつなぎとめてしまった。
( ・∀・)「いやいやこちらこそ、面白い話ありがとうね」
……やさしいなあ。
- 24 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:33:23.69 ID:49zoM1UC0
- ξ゚听)ξ「あなたの話も面白かったわよw」
あなたと話すことが、の間違い。
( ・∀・)「それは何より」
どうしよ、今度こそ本当に終わってしまう。
やだよ。
もっと話したい。
ξ゚听)ξ「そうだ」
ξ゚听)ξ「アドレス、教えてくれない?」
……だからさ、不自然だろって。
ほんっとに駄目だな、あたし。
( ・∀・)「喜んで」
……何もかもうまくいく日って、あるんだね。
気がついたら、およそ一カ月ぶりに、携帯の電話帳の件数が増えていた。
ξ*゚听)ξ「あ、ありがとう!」
その後は、よく覚えてない。
- 26 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:35:15.67 ID:49zoM1UC0
- 家に帰ってから、モララーにメールを送った。
ξ゚听)ξ「よろしくね、と」
自然と顔がにやける。
( ・∀・)
あの顔が浮かぶ。
ξ*゚ー゚)ξ「ふふふ……」
そんな思いに浸っていたら、携帯が鳴った。
ξ;゚听)ξ「わ、わ」
何故だか慌てる。
ξ゚听)ξ「……なんだ」
表示されていた名前はブーン。
しかもメールじゃなくて電話。
……着信音で気付くべきだった。
ぴっ
( ^ω^)『もしもし?』
ξ゚听)ξ「何の用か五秒以内に言いなさい」
- 27 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:37:16.78 ID:49zoM1UC0
- (;^ω^)『ちょ、ま』
ξ゚听)ξ「切るわよ」
(;^ω^)『いや待てお』
ξ゚听)ξ「だから何よ」
( ^ω^)『足は大丈夫なのかお?』
……足?
ξ゚听)ξ「……あぁ」
包帯を巻かれた方の、あの人が触れた方の足を見る。
ξ゚听)ξ「思いだしたら痛くなってきたわ。ぶっ飛ばすわよ」
(;^ω^)『お、すまんお、大丈夫なのかお?』
すっかり忘れていた、といった方が正しいが、本当に思いだしたら痛くなってきた。
ξ゚听)ξ「まあ、歩いて帰ってこれたし多分大丈夫よ」
( ^ω^)『そうかお』
心底安心したかのような声でブーンは言った。
ホントに心配性なんだから。
まあ、それがブーンの良いところでもあるけど。
- 29 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:39:13.59 ID:49zoM1UC0
- ξ゚听)ξ「まあ、心配してくれてありがとうね」
( ^ω^)『べっべつにそんなんじゃ』
ξ゚听)ξ「前言を撤回するわ」
( ^ω^)『冗談だお』
( ^ω^)『まあ明日は振り替え休日だし、ゆっくり休むといいお』
ξ゚听)ξ「言われなくてもそうするわよ」
( ^ω^)『お』
ξ゚听)ξ「じゃ、また明日、じゃないわ、明後日ね」
( ^ω^)『お、またおー』
……考えると、ブーンと電話したのって久しぶりな気がする。
学校とかじゃ普通に話してるのになあ……。
ξ゚听)ξ「……無意識のうちに、引きずっちゃってるのかなあ……」
お互いに。
……元通りに、しないとなあ。
ξ゚听)ξ「うーん……」
考えてみると、今まではよく用事もないのに話が続いてたなあと思う。
- 30 名前:VIPがお送りします[]:2009/08/07(金) 21:39:57.53 ID:HSju4zDWO
- あ、前の作者と同一人物か
- 31 名前: ◆luT3ip0mCo [>>30紛らわしくてゴメン]:2009/08/07(金) 21:41:54.24 ID:49zoM1UC0
- 中学まではクラスが違ったし、話題もそれぞれがあったけれど。
高校になってからは、ずっと同じクラスだし、ほとんど行動も一緒にしている。
それなのに、何故か話題は尽きなかった。
ξ゚听)ξ「……なんでだろ」
ぼふん、とベッドに身を投げ出し、無意識に足を庇いながら寝転がる。
ξ゚听)ξ「……全然覚えてないや」
何を話していたか。
あのことの前、私たちにとっての「正常」の時。
本当に「無意識」に話していたからだろうか。
ξ゚听)ξ「……」
ちゃっ
かち
待ち受け画面で右にキー入力する。
リダイヤル ブーン 999回
この回数、何を話したのだろう。
本当に全く何一つ覚えてない。
ちょっとだけ、悲しくなった。
- 32 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:44:35.77 ID:49zoM1UC0
- しばらくぼーっと天井を見上げていた。
程よい睡魔が意識を狩りとろうとしたその時。
本当にちょうどいいタイミングで携帯電話がメールの受信を知らせた。
ξ;゚听)ξ「おわ、っわわわ」
今日だけで二度もこいつに脅されている。
非常に許し難いことだ。
送ってきた相手を確認する。
ξ#゚听)ξ「またブーンだったらこっちから……」
MailComing Fromモララー
ξ゚听)ξ「……」
ξ;゚听)ξ「おぉぉぉおおお……」
わけもなく変な声が出る。
待ちわびていたはずの返事が来たというのに。
From ツン
Sub 僕も
本文 楽しかったよー!
機会なんか、いくらでも作れるじゃん(笑)
こちらこそ、よろしくね、ツン
ξ゚听)ξ「……いくらでも」
- 33 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:46:22.84 ID:49zoM1UC0
- 機会は、作るモノだった。
待つモノじゃなかった。
自分から、作らないと。
ξ゚听)ξ「……うん」
差し障りのない文章を打ち込みながら、頭では違うことを考えていた。
ξ゚听)ξ「……自分から、作る」
ξ゚听)ξ「自分から、動かないと」
ブーンのことも同じ。
壊そうとしたのはブーンでも、日常の維持を望んだのは私。
なら、私が日常を、また作りださないと。
ξ゚听)ξ「いつも通りを、作る」
簡単じゃないかもしれない。
いや、きっと難しいだろう。
それでも、私は
ξ゚听)ξ「作らなくちゃ、いけないんだ」
ξ゚听)ξ「私が望んだ『いつも通り』を」
私が望んだ、結果だから。
- 34 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:48:13.82 ID:49zoM1UC0
- 振替休日は、モララーとメールしているうちにあっという間に過ぎた。
翌火曜日には、既に足の腫れは引いていた。
ξ゚听)ξ「……よし」
その夜、私はベッドに正座し、携帯電話と向き合っていた。
新たな日常であり、以前の日常であった一つ。
ブーンに電話するため。
ξ;゚听)ξ「うぅ……」
久々すぎて、怖い。
……だから、話す内容までメモした。
ξ;゚听)ξ「……我ながら、馬鹿みたいよね」
たかが友達に電話するだけじゃない。
何を大げさに考えているんだろう。
ξ;>凵)ξ「ああ、もう!」
目をつぶりキーを操作する。
右、決定、コール。
とぅるるるるるる……
- 36 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:50:12.89 ID:49zoM1UC0
- ξ;>凵)ξ「……」
とぅるるるるるる……
ξ;゚听)ξ「……?」
とぅるるるるるる……
画面を確認する。
間違いなく表示されていた名前は、ブーン。
とぅるるるるるる……
ξ゚听)ξ「おかしいわね……」
とぅるるるるるる……
ξ゚听)ξ「……」
とぅるるるるるる……
ξ#゚听)ξ「……」
だんだん腹が立ってきた。
私があんな思いでボタンを押したっていうのに。
ξ#゚听)ξ「どういうつもりよ……」
ぴっ
- 37 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:52:10.66 ID:49zoM1UC0
- ( ^ω^)『お、遅れてすまんお。どしたおツン?』
だからだろうか。
こののんきな声を聞いた瞬間に、頭からすべてのものが吹き飛んでしまった。
ξ#゚听)ξ「くぉぉぉおおおるぁぁぁあああ!!!!!!!」
久々に出した、大声。
戻ってきた日常。
(;゚ω゚)『ごごごごごごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいいいいいいいいいいい!!!』
……すっきりした。
同時に、今までのもやもやも吹き飛んだ。
話す内容も、吹き飛んだ。
やっべどうしよう。
ξ゚听)ξ「まあいいわ。遅れた理由も聞かないでおいてあげる」
何話すんだったっけ……。
( ^ω^)『まあすまんかったお。それで、どうかしたかお? 電話なんて』
えっと……。
( ^ω^)『話しづらいなら無理に話さなくても……』
話すこと、話すこと……。
- 38 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:54:12.41 ID:49zoM1UC0
- ξ゚听)ξ「すきなひとが、できたの」
……あたし今何言った?
好きな人ができた? え?
なんでブーンにこんなこと言ったんだろ?
え、どうしよう……。
ブーンも黙っちゃったし……。
……あれ?
( ^ω^)『…………』
まさか聞いてないんじゃ……。
ξ#゚听)ξ「ちょっと、聞いてるの? ブーン!」
聞いてない方が好都合だけど……。
(;^ω^)『っお!?』
ξ#゚听)ξ「聞いてるの?」
(;^ω^)『お、お、すまんお、もう一回頼むお』
……頼まれたら言わないわけには、行かないわよね……。
ちょうど誰かに相談したかったし、この際……──
- 39 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:56:17.77 ID:49zoM1UC0
- ──……言っちゃった。
ξ*゚听)ξ「うん、じゃ、また明日ねブーン」
( ^ω^)『おー、おやすみだおー』
ぴっ
ξ*゚听)ξ「……はー」
すっきり、した。
ブーンとも、前の感じに戻れた気がするし。
もやが晴れた気分、ってやつかな。
ξ゚ー゚)ξ「……ありがと」
面と向かってなんて言えないから。
ひとりごとみたいに、天井の、あいつに似た木目に向かって、言う。
ξ゚听)ξ「あんたも、大好きよ」
友達として、だけどね。
……久々に今夜はよく眠れそう。
- 41 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 21:58:13.62 ID:49zoM1UC0
- 翌朝、携帯にはメール受信を知らせるランプがチカチカしていた。
ξ-听)ξ「ん……?」
三件。
すべて、モララーから。
ξ゚听)ξ「……あぁ」
そういえば、あの後すぐ寝ちゃったもんなあ……。
「暇なら話さないかい?」
「寝ちゃったかな?」
「おやすみー」
ξ*゚ー゚)ξ「……ふふ」
かわいいことするなぁ。
かちかち
「ごめん>_<昨日は疲れてすぐ寝ちゃったのぉ」
ξ゚听)ξ「送信……と」
そのまま携帯を投げ、着替えに取り掛かる。
- 43 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:00:04.61 ID:49zoM1UC0
- 今日もいい天気だなぁ。
────────
────
──
─
特になんということもなく、日は過ぎた。
違うことと言えば、あれからブーンと電話していないこと。
ξ;゚听)ξ「……うぅ」
どうしても、他愛のない会話をするために電話をかけることが、できない。
前はできていたことだというのに。
とはいえ、前だってそんな毎日ってわけじゃなかったんだし、なんて考えて、延ばし延ばしにしてきた。
その結果が、これである。
ξ;--)ξ「もー……」
自分自身にイライラする。
ξ゚听)ξ「何か、変わった話題を……」
話題、話題さえあれば。
ξ゚听)ξ「……作るか」
- 44 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:02:11.91 ID:49zoM1UC0
- そう、無ければ作ればいいのだ。
ξ゚听)ξ「話題……話題……」
学校では話せないことで
わたしとブーンが共通して知っていることで
これからも話題になり得そうなこと。
ξ゚听)ξ「……あった」
一個だけ見つかった。
でもそのためには、もうひとつ違う勇気を出さないといけない。
ξ;゚听)ξ「でも、なぁ……」
……一石二鳥、そんな言葉が頭をよぎった。
ξ゚听)ξ「……よし」
やるしか、ない。
そう、うまくいけば一石二鳥なのだ。
──モララーに、告白する。
ξ゚听)ξ「……がんばれ、私」
- 45 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:04:15.31 ID:49zoM1UC0
- 翌日の夜。
モララーに電話をかけた。
ξ;゚听)ξ「がんばれ……がんばれ……」
自己暗示を繰り返す。
ぴっ
( ・∀・)「もしもしー?」
ξ;゚听)ξ「あああああああのねモララー!」
(;・∀・)「わっ! な、なんだい? いきなり大声出して」
ξ;゚听)ξ「あああああのあのあのの!!」
(;・∀・)「ちょっと落ち着いてくれよツン! 何言ってるかわかんないよ!」
あああもう!
言いたいことが口から出てこない!
もどかしい!
ξ; )ξ「───っ!!」
(;・∀・)「どうしたんだい、ツン、何かあったのなら落ち着いてはなしてk」
- 46 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:06:10.09 ID:49zoM1UC0
- 「あたしと付き合ってください!!!!!!」
言えた。
さっきまでのもどかしさが嘘のように、はっきりと、大きな声で。
……なのに帰ってきた答えは
(;・∀・)「……へぇ?」
だってさ。ひどい。
ξ;゚听)ξ「ちょ、そんな気の抜けた声……」
ひどい、けど。
何故かそれで冷静になれた。
言ってしまった、という後悔と言ってやったという達成感の共存。
不安は、何故か無かった。
どんな答えでも冷静に受け止められる。
でも。
ξ゚听)ξ「どっち、かな」
答えが気にならないわけじゃない。
でもドキドキして答えを待ってるわけでもない。
不思議な、気持ち。
( ・∀・)「もちろん、OKだよ」
- 47 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:08:19.21 ID:49zoM1UC0
- その後もいろいろ話した。
モララーから、告白したかったなんて言われた。
ちょっとだけ悪いことしちゃったかななんて後悔。
でも、私が言いたかったから、残念だけど早い者勝ち。なんてね。
それと、明日お弁当を作る約束もした。
付き合い始めていきなりなんて思ったけれども、昼休みに彼氏と二人でお弁当、
なんて誰もが憧れるシチュエーション、断るはずもなかった。
ξ*゚听)ξ「気合い入れますかねー!」
なんて、もう外も暗いのに一人で興奮してる私。
ξ*゚听)ξ「そうだ、ブーン」
そう、せっかく話題を作れたんだ。
また前みたいに、電話して報告したりしないと。
いつも通り、に。
とぅるるるる……
ぴっ
- 48 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:10:10.98 ID:49zoM1UC0
- ( ^ω^)「もしもし」
ξ*゚听)ξ「あ、ブーン? 聞いて聞いて!」
────────
────
──
─
まるで自分のことのように喜んでくれた。
何かあったら手伝う、だってさ。
いざという時頼りにならない癖に、良く言うわね。
でも、その言葉は素直にありがたかった。
だから、今日は素直に
ξ*^ー^)ξ「うん、ありがとう、ブーン!」
なんて言葉が出てきたんだろう。
ちょっとこれはいつもの私とは違ったかもしれない、けど。
でも、これは言っておきたかった。
いつも通りに戻れたお礼、みたいな意味も含まれてるのかもしれない。
とりあえず、これで話題が無くて戸惑う、みたいなことはもう無くなった、と思う。
- 50 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:12:25.05 ID:49zoM1UC0
- 翌日、早起きしてお弁当を拵える。
ξ*゚听)ξ「……」
じゅぅー……
喜んで、くれるかな。
おいしいって、言ってくれるかな。
みたいに、ドキドキしながらお弁当を作る私。
キャラじゃねー、なんて思いながらも終始顔がにやけていた。
ξ*゚ー゚)ξ「……よし、」
上出来。
まだ温かいうちにお弁当箱に詰める。
少しは保温されるかな、なんて思って。
ξ*^ー^)ξ「えへへ……」
楽しみだな。
まだ学校にすら行ってないのに、昼休みが待ち遠しかった。
- 51 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:14:17.01 ID:49zoM1UC0
- 昼休み。
クーたちに呼び止められたけど、そんなことより重大なことがある。
まっすぐに隣の隣の教室へと向かう、のだが。
ξ;゚听)ξ「うーん……」
扉をあけるのに少し躊躇。
他のクラスに一人で入る、ってのは結構勇気がいるもので。
ξ゚听)ξ「……よし」
なんて気合いを入れて、勢いよく扉を開く。
ξ*゚听)ξ「モララーっ!お弁当食べましょ!」
( ^Д^( ・∀・)「うん、食べよっか、ツン」
その後は、よく覚えてない。
- 53 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:16:22.35 ID:49zoM1UC0
- モララーが、ハンバーグを食べたと思ったら、みんながやってきて。
そしたら、モララーが倒れて。
保健室まで運んで。
教室に戻れば、ブーンはいなくて。
あんなに楽しみだった一日が、よくわからなかった。
ξ゚听)ξ「……」
川 ゚ -゚)「ツン、帰らないのか?」
ξ゚听)ξ「……」
川 ゚ -゚)「……ツン?」
('A`)「午後からずっとボーっとしてるなこいつ」
('A`)「しかし驚いたぜ、まさか相手がモララーとはな」
ξ゚听)ξ「あ」
ξ゚听)ξ「そうよ、モララーはどうなったの?」
(;'A`)そ 「なんだよいきなり反応しやがって……」
('A`)「保健室に送ったきりだからなあ、よくわからんぜ」
- 54 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:18:14.33 ID:49zoM1UC0
- ξ゚听)ξ「そう……」
('A`)「……なぁ、ツン、お前ブーンに」
川 ゚ -゚)「ドクオ、帰ろう」
('A`)「え、でも……」
川 ゚ -゚)「早く行かないと、例のCDが売り切れてしまうかもしれないぞ?」
(;'A`)「うぉぉぉおやっべぇぇぇぇぇぇ忘れてたぁぁぁあ!!」
その後すぐ、ドクオがクーの手を取り、疾風の如く去って行った。ドップラー効果を残しながら。
それからどれくらい時間が経ったのか分からないけど、ジョルジュの声がした。
_
( -∀゚)「……んぁ、授業終わったのか」
_
( ゚∀゚)「……何してんの、お前」
ξ゚听)ξ「……何、してんのかしら、私」
ξ゚听)ξ「がんばって早起きして、楽しみにしてたのに空回りで」
ξ゚听)ξ「結局ほとんど何があったのか覚えてない」
ξ゚听)ξ「何してんのかしら、私」
- 55 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:20:26.93 ID:49zoM1UC0
- _
( ゚∀゚)「……よくわかんねーけど」
_
( ゚∀゚)「わかる範囲で伝えると」
_
( ゚∀゚)「ブーン体調不良で保健室
お前の彼氏も体調不良で保健室
今は放課後」
ξ゚听)ξ「……そう」
_
( ゚∀゚)「まあなんだ、邪魔してすまなかったな」
ξ゚听)ξ「別に、あんたたちのせいじゃないわよ」
_
( ゚∀゚)「そうだな」
さっ、とジョルジュが鞄を顔の前に上げた。
_
(;゚∀■「……あれ?」
_
( ゚∀゚)「なんだよ調子狂うな……」
帰るわ、と一言残してジョルジュは教室という空間から消えた。
後に残ったのは、私と、私の荷物。
ξ゚听)ξ「……帰ろう」
- 56 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:22:15.77 ID:49zoM1UC0
- モララーは怒ってるだろうか。
倒れた彼に対し、なにも出来なかった自分。
それどころか、よく覚えてすらいない。
ξ゚听)ξ「はぁ……」
なんて言ったらいいんだろう。
ξ゚听)ξ「というかなんで倒れたんだろう……」
……こういうときこそブーンに相談したいのに。
ξ゚听)ξ「……」
……。
ξ#゚听)ξ「……」
だんだん腹が立ってきた。
ξ#゚听)ξ「何でこういう時にいないかな……」
そんなことを考えていたら、コンビ二が見えた。
ξ゚听)ξ「……体調不良、って言ってたわね、ジョルジュ」
……文句言うついでに、お見舞いでも行ってやるか、なんて思った。
捻くれた考えで、間違ってることだってわかってる。けど。
- 57 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:24:17.34 ID:49zoM1UC0
- 栄養ドリンクなどを見て、財布と相談しつつカゴに投げ入れていると、
ξ゚听)ξ「あら」
( ^ω^)「お」
獲物が現れた。
ξ゚听)ξ「どうしたのよ、昼もいなかったし、午後もいなかったからてっきり早退したのかと」
( ^ω^)「保健室でずっと寝てたおw」
ξ゚听)ξ「なぁんだ、心配して損した」
心配とは言えないかもしれないけど。
( ^ω^)「お?」
ξ゚听)ξ「早退したならトドメ刺すためにお見舞いにいってやろうかとおもったのに」
(;^ω^)「ちょ、トドメはひでーお」
……何故かこいつと話すときは落ち着く。
さっきまでの気分も、吹き飛んでしまった。
結局何も買わずコンビニを後にして、ブーンと肩を並べて帰る。
かろうじて覚えてる午後の授業の内容を、ブーンに伝えた。
- 58 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:26:44.95 ID:49zoM1UC0
- ( ^ω^)「お」
ξ゚听)ξ「ん? どうしたのよ変な声出して」
( ^ω^)「僕なんかと一緒に帰ってていいのかお?」
ξ゚听)ξ「どゆこと?」
( ^ω^)「いや、ほら、なんだっけ、モラなんとか君は」
ξ゚听)ξ「ああ……」
あんまり思い出したくなかったんだけどなぁ。
ξ゚听)ξ「あんたと同じで、昼から行方不明よ」
( ^ω^)「……は?」
ξ゚听)ξ「お昼にあたしのお弁当食べて、倒れちゃった」
ξ゚听)ξ「卒倒するほどおいしかったのかしら……」
実際、それ以外には理由が思い当たらない。
だが、彼は苦しそうだったというのが、若干引っかかるところではある。
( ^ω^)「じゃあ、次から手抜きすればいいと思うお」
……なるほど、確かにそうかもしれない。
- 60 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:28:14.02 ID:49zoM1UC0
- その後も無駄な話をして、普通に帰宅した。
ξ゚听)ξ「……ふぅ」
着替えもせず、そのままベッドに横たわる。
ξ゚听)ξ「だいじょぶかな、モララー……」
そう呟いたとたん、制服のスカートに入れたままだった携帯が震えた。
何ともなしに取り出し、開く。
またどっかの業者メールかな、と思いながら。
Calling! モララー
ξ;゚听)ξ「!」
ぴっ
( ・∀・)『もしもし、ツン?』
ξ;゚听)ξ「モララー!? 大丈夫なの!?」
つい口をついて出た必死の言葉。
( ・∀・)『あぁ、もちろん大丈夫だよ』
ξ;゚听)ξ「ほんと? ほんとに大丈夫?」
( ・∀・)『あぁ、大丈夫だよ、だからそんなに心配しないで』
- 63 名前: ◆luT3ip0mCo [誤爆しそうだった危ない]:2009/08/07(金) 22:30:16.67 ID:49zoM1UC0
- よかった……。
本当によかった。
多少記憶に差異が生じていたのが気になるが、おそらく誤差の範囲だろう。
暫く会話した後、モララーが夕飯だということで切ることになった。
ブーンとの電話の時もそうだが、電話を切る瞬間は一番さみしい時だと思う。
なんて思っていたら、モララーからそんなことを言ってきた。
偶然にしては、出来すぎている気がする。
……嬉しいけど。
偶然というのは重なるもので、電話を切った途端、お母さんが夕飯だ、と呼びに来た。
メニューはハンバーグで、後に確認したことだが、モララーの家でもハンバーグだったらしい。
流石ここまでくると驚きを通り越して恐怖さえ感じるが、
母が嬉しそうに、近所のスーパーでひき肉が安かったと語っているのを考えればそこまで運命的なものでもないようだ。
いや、特売そのものが偶然と考えれば……。
やめよう、きりがなかった。
こんなことを長く考えているのもまた、理由がある。
私が見てるのはいつもと同じ、携帯電話。
- 64 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:32:15.42 ID:49zoM1UC0
- ξ*゚听)ξ
興奮さめやらぬ自分。
なぜ携帯を持っているかと言えば、だが、もちろんブーンに報告するためである。
早くこの嬉しさを伝えたい、けど。
ξ*゚听)ξ「……何から話せばいいのかしら」
今、電話をかけても、話が整理できていないのは間違いない。
……結局、話を整理するまで予想以上に時間をとってしまった。
時刻は午前十時。
まだ、ブーンも起きてる……はず。
ξ゚听)ξ「……よし」
簡潔に話したいことはまとめたし、これで完璧。
あとは電話をかけるだけ。
ξ゚听)ξ「……」
かちかち ぴっ とぅるるるるる……
- 65 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:34:12.76 ID:49zoM1UC0
- ξ゚听)ξ「……」
とぅるるるるる……
ξ゚听)ξ「……」
とぅるるるるる……
ξ゚听)ξ「あら……?」
ぴ ルスバンサービスセンターニセツゾk
ぴっ
ξ#゚听)ξ「……」
かちかち ぴっ とぅるるるるるる……
とぅるるるる……
とぅるるるる……
ξ# )ξ「……」ルスバンデンワs
ぴ かちかち ぴ とぅるるるるる……
ξ# )ξ「どういうつもりなのかしら……」
その後、さらに五回ほど繰り返しても、ブーンが電話に出ることはなかった。
- 66 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:36:19.78 ID:49zoM1UC0
- ξ;゚听)ξ
おかしい。
仮に寝てたとしても、いつもなら二回目のコールではほとんど起きていたのに。
何かあったのかな。
本当に具合が悪くて、電話にも出ることができないほどなんだろうか……。
ξ;゚听)ξ「一応、もう一回だけ……」
とぅるるるる……
ぴ
( −ω+)『もしもひ……』
間の抜けた寝ぼけ声が聞こえた。
瞬間、心配なんて全部吹き飛ぶ。
整理してた話したいことなども全部吹き飛ぶ。
そして代わりに飛んできたのは、怒り。
ξ# )ξ「どぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!11」
- 68 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:38:26.64 ID:49zoM1UC0
- 一喝。
おびえた声。
クリアになる頭。
ξ;゚听)ξ(あ、やべ)
とか今頃思うが時すでに遅し。
既に口からは素晴らしい罵倒の山が飛び出た後であった。
(;゚ω゚)『ごごごごごごごめんなささささっさささささいいいい!!!!!!』
「謝るくらいなら」なんて理不尽な言葉が飛び出しそうになったが、辛うじて口を閉じる。
むしろこっちが謝るべきだろう。
ξ゚听)ξ「ま、いいわ。寝てたんでしょ、悪かったわね」
(;^ω^)『お、いや構わんお』
もちろん構ったらぶっ飛ばすけどね。
( ^ω^)「で、何か用かお?」
……あれ、何から話すんだったっけ?
- 69 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:40:12.61 ID:49zoM1UC0
- ξ;゚听)ξ「……」
ダメ、思い出せない。
何をどう話すのか、あんなに時間をかけてまとめたのに……!
ξ゚听)ξ「あのね……」
こうなったら思いついたことから順に言っていくことしか……──
───ツン!!!
ξ;゚听)ξ「っえ? 何?」
「ツン、もう一時だお」
ξ゚听)ξ「え? 嘘……」
確認のため耳から離した携帯電話には、しっかりとAM01:00との表示があった。
ξ゚听)ξ「……あっれぇ?」
「まぁ、そんなわけで、続きは明日聞くから、今日はお互いに寝ないかお?」
ξ゚听)ξ「……ん、わかった」
本当はまだ喋り足りないけれど。流石にこの時間は、ね。
- 70 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:42:14.66 ID:49zoM1UC0
- 電話が切れた後、すぐにベッドに身を投げ出した。
くしゃ、と背中に何かが当たる感触。
身を起して確認すると、電話の前に書いておいた「話すことリスト」であった。
ξ;゚听)ξ「こんなとこに……」
……今更、だけどさ。
再度身を投げ出すと、途端に睡魔が襲ってきた。
翌朝。
ξ>凵)ξ「どぇっくしゃぁぁぁぁぁぁい!!!!」
自分の盛大なくしゃみの音で起きた。
ξ;゚听)ξ「……あー」ズビ
ξ゚听)ξ「……あぁ」
昨晩、睡魔に身を任せてしまったため、エアコンも点けっ放しであり、
その上布団さえかけていなかったことに気付いた。
ξ゚听)ξ「やっちゃったなぁ」
- 71 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:44:18.61 ID:49zoM1UC0
- とりあえずベッドから降り、エアコンのリモコンを操作する。
ピ、という電子音の後、ごぉ、という音が止んだ。
ξ゚听)ξ「さむ……」
電波時計に内蔵されている温度計が差していたのは、20.8℃。
エアコンの影響だろうが、夏の朝とは思えない寒さだった。
ξ゚听)ξちーん
鼻をひとかみし、そのまま寝まきを脱ぎ、制服へと着替える。
ξ゚听)ξ「ちょっと熱っぽいかしら……?」
とはいえ
ξ゚听)ξ「まぁ、病は気からって昔からよく言うし」
気にしなければどうということはない、と自己暗示をかける。
着替えが終わると、階段を降りつつモララーにメールで朝の挨拶を済ませ、
台所へと向かい、朝食をとった。
その後は学校へ行き、ブーン達と話して、モララーとも話して、帰る。
帰ってからは宿題を済ませ、モララーと話して、ブーンと話して、寝る。
これが、私の手に入れた、新しい「いつも通り」だった。
- 72 名前:VIPがお送りします[]:2009/08/07(金) 22:45:01.09 ID:49zoM1UC0
- ξ゚听)ξ「ああああああたしも保守るんだから!!!」
- 73 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:45:41.49 ID:49zoM1UC0
- ごめん間違えた死ぬ
- 75 名前: ◆luT3ip0mCo [ここから僕快感]:2009/08/07(金) 22:48:12.86 ID:49zoM1UC0
- ……そんないつもを遂行していたはずだったのだが。
ξ>凵)ξ「けほ、けほ」
少しずつ、咳が出るようになってきた。
ξ゚听)ξ「やっぱり、風邪かなぁ……」
今度病院に行こう、なんて決意していたのだが。
────♪
携帯電話が、あの人だけ特別に設定した着信音を鳴らし始めた。
ぴ
ξ*゚听)ξ「もしもしー?」
( ・∀・)『こんばんは、ツン』
ξ*゚听)ξ「こんばんはモララー」
いつも通りの時間が始まった。
はずだったんだけど、ね。
ξ*゚听)ξ「その後もブーンが……」
( ∀ )『やめろよ』
- 77 名前:VIPがお送りします[]:2009/08/07(金) 22:50:16.74 ID:isCT5DpqO
- 前作?のまとめサイトない?
- 79 名前: ◆luT3ip0mCo [>>77>>2にありまふ]:2009/08/07(金) 22:50:51.00 ID:49zoM1UC0
- 突然、モララーが変なことを言い始めた。
ξ゚听)ξ「え?」
( ∀ )『やめろって言ってるの』
ξ゚听)ξ「モララー……?」
( #・∀・)『あの男のことを事細かに話すのをやめろって言ってるんだよ!!!!』
ξ;゚听)ξ「ちょっ、どうしたのモララー、落ち着いt」
( #・∀・)『落ち着いてられるかよ、話すたびに毎度毎度ブーンブーンって』
( #・∀・)『あの男がそんなにいいのかよ!!!』
ξ;゚听)ξ「ち、ちが」
( #・∀・)『違わないだろ!!!!!』
怖い。
( #・∀・)『君との電話の話にブーンが出なかった日なんて、片手で数えられるくらいじゃないか!!』
怖い!
( #・∀・)『君は僕の彼女だろ!!! 僕だけを見ていてくれよ!!!』
怖いよ!!
- 80 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:53:03.40 ID:49zoM1UC0
- ( #・∀・)『何かおかしいこと言ってるか!!?』
ξ;凵G)ξ「ご、ごめ」
いつの間にか鼻声になる。
( ・∀・)『頼むよ……』
ξ;凵G)ξ「そんな、ひどい、こと、いわな」
いつの間にか声が出せなくなる。
( ・∀・)『……言いすぎたよ、ごめん』
ξ;凵G)ξ「ブーン、は、とも、だちなの」
何を言っているのか分からなくなる。
( ・∀・)『……うん』
( ・∀・)『頭冷やしてくる。一回切るよ』
ξ;凵G)ξそ 「まっ……」
もう、電話機からは、電子音が聞こえるだけだった。
- 83 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 22:59:31.59 ID:0iJW7+HMO
- さるさん来ました
10分程度お待ち下さい
- 85 名前:VIPがお送りします[]:2009/08/07(金) 23:06:52.98 ID:KC2HNczx0
- >>83 寸止め悔しいのうwww
- 86 名前: ◆luT3ip0mCo [>>85苦痛すぎる]:2009/08/07(金) 23:09:54.65 ID:49zoM1UC0
- なんで怒ったのかもわかんない。
なんで自分が泣いてるのかもわかんない。
なんであんなに怖かったのかもわかんない。
助けて。
誰か。
助けて!
助けて……!
─────どれほど時間が経ったのかわからない。
気がつくと私は、電話をかけていた。
『……もしもし、誰だおこんな時間に』
- 87 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 23:12:06.23 ID:49zoM1UC0
- 何かあったときには真っ先に相談して。
そしたら後先考えず助けてくれて。
あたしが何を言ってもいつもニコニコしていて。
『ツ、ツン……? どうしたんだお?』
「ふぇぇ……ブー、ン……」
『お、ブーンだお、大丈夫かおツン……』
あたしより弱いくせに、誕生日が一月早いからって兄貴面して。
『ツン、今からあそこの公園まで来れるかお?』
「う、ん……だいじょ、ぶ……」
『じゃあ来てくれお、そこで話聞くお』
でも、どんなときでもほんとに頼りになる奴で。
……あたしが、本当の本当に大好きな人で。
- 88 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 23:14:10.78 ID:49zoM1UC0
- 公園で、全部話した。
モララーと喧嘩したことを。
原因、ていうか。
モララーが言ってたことは、言わなかった。
言ったら、ブーンが自分のせいだって、言うだろうから。
ブーンが、住所を教えてくれって言うから教えた。
ブーンなら、全部解決してくれるはずだったから。
いつもそうだったから。
ずっとそうだったから。
これからも、そうなるから。
だから、全部ブーンに任せて、あたしは家に帰って、寝た。
全部忘れようと思って。
モララーのことも忘れようと思って。
翌朝、私は高熱を出した。
- 91 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 23:16:21.01 ID:49zoM1UC0
- 熱で朦朧とする頭の中で、夢を見ていた。
幼いころの夢。
あの公園で、おままごとをしてて。
お父さんはブーン、お母さんはあたし。
ふたりだけのおままごと。
記憶なのか、夢なのか。わからなかったけれど。
気がついたときには、日付が更に変わっていた。
お母さんが寝ずに看病してくれていたおかげで、熱は下がったけれど
まだ体はだるかったので、学校は休むことにした。
それだけが原因ではないけれど。
携帯電話には、クーやドクオから心配するメールが来ていた。
その中には、気になる一文も入っていた。
「ブーンも、学校に来ていない」
見て、すぐにメールを打った。
しかし、返事は来ない。
- 92 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 23:18:20.26 ID:49zoM1UC0
- 反面、モララーからの着信は後を絶たなかった。
あまりにも頻繁で、出るのが怖かった。
また、出たとたんに大声で怒鳴られるんじゃないかって。
メールの内容を見る限りやさしそうだったけれども、どうしても信じることができなかった。
ξ゚ -゚)ξ「……」
見るたびに、自然と表情が凍りつく。
怖かった。
だから、ブーンに助けてもらおうと電話もした。
……でも、出てくれなかった。
いつも助けてくれたブーンが、助けてくれない。
それが、さらに恐怖を増強させた。
……それからしばらく、学校を休んだ。
- 93 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 23:20:08.86 ID:49zoM1UC0
- 数日後、クーが家にやってきた。
川 ゚ -゚)ノ 「よう」
ξ゚听)ξ「いらっしゃい」
親にも病気と言ってあるため、ベッドの上でのお話し。
きしむ音を立てて、クーが端のほうに腰かける。
川 ゚ ー゚)「なんだ、案外元気そうだな」
ξ゚听)ξ「まぁ、ね」
川 ゚ -゚)「何日も休むもんだから、よほどの重病かと思ったが」
ξ゚听)ξ「……」
川 ゚ -゚)「おっと、ズル休みを咎めに来たわけじゃないんだ」
そう一言前置きして、やさしく私に問いかけた。
川 ゚ -゚)「何があったんだ? ツン」
ξ゚听)ξ「……」
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「学校に来たくない、ってわけじゃないんだろ」
- 94 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 23:22:09.11 ID:49zoM1UC0
- こくり、と頷く。
川 ゚ -゚)「つまり誰か会いたくない人がいる、ってことだな」
もう一度頷き、口を開く。
ξ゚听)ξ「……実は」
川 ゚ -゚)「いや、言わないでくれ」
川 ゚ ー゚)「当てて見せる」
そう言って、不敵にほほ笑んだクーは、ふむ、と一つ唸って顎に手を当てた。
川 ゚ -゚)「休む前の君は、楽しそうだった」
川 ゚ -゚)「そうだな、例のモララー君と付き合いだしてから、か」
川 ゚ -゚)「いや、弁当騒ぎの翌日からかな? それにも増して本当に楽しそうだったな」
川 ゚ -゚)「なんというか、自分はやることをやっている、という、自信に満ちた表情だった」
川 ゚ -゚)「あるいは、何かを新しく手に入れて満足している、とも取れたな」
川 ゚ -゚)「そうだなぁ……」
川 ゚ -゚)「具体的にはわからないが、『やること』ってのと『新しく手に入れた何か』ってのは」
───ブーンに関係しているんじゃないか?
- 97 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 23:24:49.13 ID:49zoM1UC0
- ぴくり、と小さく体が跳ねる。
川 ゚ -゚)「一見するとキーワードはモララーにも思えるが」
川 ゚ -゚)「このモララーと関係すること全てにブーンが関係している」
川 ゚ -゚)「まず第一にブーンから告白を受けたことだ」
川 ゚ -゚)「君は断ったな? 何故だかは前にも聞いたが」
川 ゚ -゚)「そのすぐ後、モララーと付き合い始めた」
川 ゚ -゚)「何が理由かはわからないが、ブーンとの付き合いを渋ったにも関わらず、いまだ関係の薄いモララーとは付き合うというのがどうしても不思議でな」
川 ゚ -゚)「……言い方は悪いが、あてつけのようなものにも思えた」
違う、と否定しようとした口を、クーは手で制する。
川 ゚ -゚)「しかし、だ」
川 ゚ -゚)「やはり、君の性格上、そんなことをするようには考えられないのだよ」
川 ゚ -゚)「……つまり、だ」
川 ゚ -゚)「何か、他の考えがあったんじゃないか?」
川 ゚ -゚)「……たとえば、話題作り」
- 98 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 23:26:40.44 ID:49zoM1UC0
- ξ;゚听)ξ
川 ゚ -゚)「中学の頃の話なんだがな、ドクオが羨ましそうに話していたんだ」
川 ゚ -゚)「ブーンが、毎晩電話した内容を逐一報告してくる、ってな」
川 ゚ -゚)「相手のことは私は当時知らなかったが、多分ツン、君なんだろう?」
川 ゚ -゚)「幼いころからの習慣だったんじゃないか? 電話というのが」
川 ゚ -゚)「しかしそれが、ブーンからの告白、というアクシデントで途絶えた」
川 ゚ -゚)「……当然だろうな、気まずいだろうし」
川 ゚ -゚)「しかし君は、それを何とかして復活させたかったんだろう」
川 ゚ -゚)「心情はよくわからないが、な」
首筋を、何か冷たいものが流れた。
川 ゚ -゚)「しかし、以前のように何ともなしに駄弁ることが出来ない」
川 ゚ -゚)「どことなくぎくしゃくしてしまう」
川 ゚ -゚)「そこで君は、話題を欲した」
川 ゚ -゚)「……顔色が悪いぞ、大丈夫か?」
- 100 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 23:29:07.38 ID:49zoM1UC0
- 川 ゚ -゚)「恐らく『やること』というのがブーンとの以前のような対話、であり」
川 ゚ -゚)「『手に入れたもの』がブーンとの修復された関係、もしくは新たな日常なんじゃないか?」
ξ; )ξ「……」
川 ゚ -゚)「……当たり、か」
ξ; )ξ「どうして……」
川 ゚ -゚)「……何、仮説と実体験、それに小説などから得た知識を適当に並べただけさ」
川 ゚ -゚)「こうも当たるとは思ってはいなかったがな」
川 ゚ -゚)「……でも、ブーンに会いたくないわけじゃぁ無いんだろう?」
ξ; )ξ「……」
川 ゚ -゚)「会いたくないのはモララー、違うか?」
川 ゚ -゚)「理由は、そうだな……」
川 ゚ -゚)「怖いから」
ξ;゚听)ξそ
川 ゚ -゚)「やはりか」
川 ゚ ー゚)「私のところにもメールが来たんだよ」
- 102 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 23:34:31.21 ID:0iJW7+HMO
- ぎゃあまたさるさん
10分下さい………
- 106 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 23:47:04.70 ID:0iJW7+HMO
- 10分経過したけど書けぬ………
すいませんあと10分……
何度もすいませんほんとに
- 111 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/07(金) 23:58:23.49 ID:49zoM1UC0
- 川 ゚ -゚)「……少し、常軌を逸していたな」
川 ゚ -゚)「目も虚ろだった」
ξ;゚听)ξ「……」
川 ゚ -゚)「……改めて何があったのか、教えてくれるか?」
……全てを話した。
ξ;凵G)ξ
泣きながらだったから、聞き取りにくかったかもしれない。
川 ゚ -゚)
それでも、クーはゆっくりと、やさしく、話を聞いてくれた。
ξ;凵G)ξ「……なの」
- 114 名前: ◆luT3ip0mCo [よしきた!]:2009/08/08(土) 00:00:05.10 ID:Z6FB0+7Z0
- 川 ゚ -゚)
ξ;凵G)ξ
暫く無言の時間が流れる。
怒られるのだろうか。
当然だろう。それだけの馬鹿なことを、私はして、そしてその報いから逃げているのだから。
そう思っていたのに。
川 ゚ -゚)「……馬鹿だな」
川 ゚ -゚)「……本当に馬鹿だ」
川 ; -;)「馬鹿……」
抱きしめてくれた。
やさしく、私を、全て、受け入れてくれた。
ξ;凵G)ξ
一緒に泣いてくれた。
諭してくれた。
……嬉しかった。
- 116 名前: ◆luT3ip0mCo [00無理だた]:2009/08/08(土) 00:02:47.91 ID:Z6FB0+7Z0
- 川 ゚ -゚)「……じゃあ、明日は必ず来いよ」
ξ゚听)ξ「……うん」
クーの話によれば、ブーンの方にもドクオやショボンが説得に行っているらしい。
ショボンがやたら自信満々だったことから、おそらくショボンは全部を知っているのだろう、ということだった。
ξ゚听)ξ「ありがと、ね」
川 ゚ ー゚)「……お安いご用さ」
……明日、ブーンとモララーに謝る。
それが、クーの出してくれた解決策だった。
なんといっても悪いのは私だし、この関係を引きずるわけにはいかないからだ。
二人は、クーが呼び出してくれるらしい。
明日の朝、HR前の、どこかに。
ξ゚听)ξ「……」
そのはずだったのに。
- 119 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/08(土) 00:05:03.65 ID:Z6FB0+7Z0
- 朝、学校に行ったらもうブーンがいて。
(*^ω^)「ツン!!!!!!!」
なんて大声あげて走ってきて。
( ^ω^)「そうだお、ツン」
( ^ω^)「泣かせて、ごめんお」
( ^ω^)「もう、ツンは泣かなくて済むお」
変なこと言い出して。
( ^ω^)「ぼくのせいで、ツンは泣いてたんだお」
違うのに
( ^ω^)「だから、ぼくが」
違うって言いたいのに
( ^ω^)「いなくなれば」
声が出なかった。
( ^ω^)「ツンは泣かないお」
- 122 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/08(土) 00:07:34.51 ID:Z6FB0+7Z0
- やっと出た声は
ξ;゚听)ξ「ブーン!!!!」
何にもならない、ただの叫び声。
もう、何もかもが遅かった。
遅すぎた。
ξ;凵G)ξ「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!」
ξ゚听)ξ告白し、されたようです 前編了
- 125 名前: ◆luT3ip0mCo []:2009/08/08(土) 00:10:34.78 ID:Z6FB0+7Z0
- と、いうわけで今日はここまで。
ξ゚听)ξはどうしても脳内で動いてくれない。
一人称がコイツだからホントに困る。スイーツビッチ風味にしようとしたけどはたしてどうだったでしょうか?
後編は今急いで書いてます。
今日中に投下できれば万々歳、って感じです。
では、感想、罵倒、質問等をどうぞ。多少遅れ気味になりますが。
ξ゚听)ξ告白し、されたようです 前編 その二
ξ゚听)ξ告白し、されたようです
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1249646009/
ドックンドックン〜!ふぅん!クーにゃーんにゃーん
やはりスイーツン(笑)