( ゚∀゚)人はその男を『決闘』と呼ぶようです 最終章
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( ゚∀゚)人はその男を『決闘』と呼ぶようです 目次
307 : ◆JVjG3YnSSw:2011/02/21(月) 18:19:53 ID:tAHANt8g0 最終章:海賊達のマスカレード
( ・∀・)「フィレンクト卿」
(‘_L’)「何だ」
( ・∀・)「出港の準備が整いました。直ちに出発します」
(‘_L’)「そうか。ご苦労」
( ・∀・)「もう間もなくですね……」
(‘_L’)「フフフ……ついに私も秘宝を手にすることが出来るのだ」
(‘_L’)「モララー……よくぞ見つけてくれたな」
( ・∀・)「いえいえ…フィレンクト卿が秘宝を求めるならどこへでもついて行きましょう」
(‘_L’)「お前には…何か褒美をやらないとな」
( ・∀・)「ありがたきお言葉を…………」
(‘_L’)「何が欲しい?地位か?金か?」
( ・∀・)「では……フィレンクト卿が本国に帰還した際に、この島の自治を任せて下さいませ」
( ・∀・)「フィレンクト卿」
(‘_L’)「何だ」
( ・∀・)「出港の準備が整いました。直ちに出発します」
(‘_L’)「そうか。ご苦労」
( ・∀・)「もう間もなくですね……」
(‘_L’)「フフフ……ついに私も秘宝を手にすることが出来るのだ」
(‘_L’)「モララー……よくぞ見つけてくれたな」
( ・∀・)「いえいえ…フィレンクト卿が秘宝を求めるならどこへでもついて行きましょう」
(‘_L’)「お前には…何か褒美をやらないとな」
( ・∀・)「ありがたきお言葉を…………」
(‘_L’)「何が欲しい?地位か?金か?」
( ・∀・)「では……フィレンクト卿が本国に帰還した際に、この島の自治を任せて下さいませ」
(‘_L’)「……?こんなゴミ山のような島にか」
( ・∀・)「ええ」
(‘_L’)「構わんが………理解に苦しむな。何故だ?」
( ・∀・)「嫌いだからですよ。海賊というゴミが」
( ・∀・)「人は生まれ持った地位があります。生まれたからにはその運命に従わなければならない」
( ・∀・)「皇帝なら皇帝に。伯爵なら伯爵に。市民なら市民に」
( ・∀・)「奴隷なら………奴隷に」
(‘_L’)「………………」
( ・∀・)「そんな当たり前の事すら受け入れられずに海賊はあの町にのさばり、船を襲い、揚句には貴族を平気で殺す」
( ・∀・)「私の夢は海賊の撲滅、ただそれだけです。そのためならば、どんな手を使っても構わない」
( ・∀・)「私にこの島を任せて下さい。必ずしや2年までに島の海賊を撲滅させて見せましょう」
(‘_L’)「フッ……流石だな…モララー…いや『駆除」よ」
(‘_L’)「いいだろう。その願い承ろうか」
( ;゚∀゚)「どういう事だ……?」
('A`)「あっ、キャプテン!おはようございます!!」
( ><)「遅いんです!!」
/ ゚、。 /「もう出港の準備はできてますよ船長」
/ ,' 3「…………………」
_
( ;゚∀゚)「……………………」
早朝。
俺はデレに指定された港に向かうとありえない光景を見た。
なぜかデレの船に、俺のクルーが乗っている。
それも全員。
_
( ;゚∀゚)「お、お前らどうしたんだよ!体は大丈夫なのか?」
(#'A`)「キャプテン!どういうことですか!!」
_
( ;゚∀゚)「……は?」
(#'A`)「あの女性ですよ!!3日前の人ですよね!!」
( ;゚∀゚)「知らねえよ!たまたま協力してくれるって言ったんだよ!それより…」
( #><)「見損なったんです!ツンさんがいながらそんなこと……やらしっ!!」
_
( ;゚∀゚)「そんなんじゃねえよ!!だから…」
/ ゚、。 /「流石に僕も性病は……治せないですよ」
_
( ;゚∀゚)「人の話を聞け!!殴るぞ!!」
/ ,' 3「……………………」
どういうことだ?
こいつらは『海底』に半殺しにされていたんじゃないのか?
袖の隙間からちらちらと包帯が見えるから、無理しているのは明白だが…。
/ ゚、。 /「ツンさんの具合…どうだったんですか?」
_
( ;゚∀゚)「あ、ああ。一応命に別状はないそうだが…」
/ ゚、。 /「僕達も行くんですよね?『メデューサの瞳』に」
_
( ;゚∀゚)「…………知っていたのか?」
/ ゚、。 /「分かりますよ…。あなたの考えていることなんて」
/ ゚、。 /「自分ひとりで抱え込まないでください。僕達はクルーなんですから」
( ;゚∀゚)「だが…お前ら、体の方は大丈夫なのか?」
/ ゚、。 /「ええ。ここに来る前にちゃんと診断しておきました。全員、航海に支障はありません」
/ ゚、。 /「それにほら」
ダイオードが船上にいるドクオ達を指さす。
('A`)「この船の操舵室はどこだ?」
( ><)「甲板の裏に入り口があるんです!」
('A`;)「ちょっ!水漏れしてんじゃねか!スカルチノフさーん!板ー!」
/ ,' 3「…………?」
('A`;)「いや…だからえーっとね?こう…ITA?状の物……持ってきて?」
_
( ;゚∀゚)「………………………」
一人で抱え込むな…か。
確かに俺は全ての問題を自分ひとりの力で何とかしようと思っていたのかも知れない。
_
( ゚∀゚)「……………………ああ、悪かったよ」
/ ゚、。 /「しっかりして下さいよ船長。あの宝石でツンさんにプロポーズするんでしょう?」
( ゚∀゚)「ああ。やっぱもう一度挑戦して……ん?」
_
( ゚∀゚)「なんでお前知ってんだ?ツンのこと」
/ ゚、。 /「ああ……ドクオさんから聞きました」
('A`;)「ダイオードてめえ!!」
_
( ゚∀゚)「ドクオ後でこっち来い」
('A`;)「ちょっ……勘弁して下さいよ……」
俺は一息つけてダイオードを見る。
俺はこいつらを過小評価しすぎていたのかもしれない。
_
( ゚∀゚)「すまねえな。ダイオード。心配掛けた」
/ ゚、。 /「何かあったら僕に言って下さい。なんでも治しますから」
/ ゚、。 /「あっ………恋の病以外なら」
_
( ゚∀゚)「ぶっ殺す」
ζ(゚ー゚*ζ「皆さん……もうお揃いでしたか」
これで全員が揃った。
_
( ゚∀゚)「どこ行ってたんだ?」
ζ(゚ー゚*ζ「ちょっと調合しておりまして……」
_
( ゚∀゚)「調合?なんだ、薬でも持っていくのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「いえ……大したものではありませんわ」
_
( ゚∀゚)「ふうん……そうかい」
俺は適当にデレの話を流し、船を見る。
ドクオ。
ダイオード。
ビロード。
スカルチノフ。
デレ。
このメンバーで、『メデューサの瞳』が眠る洞窟まで向かう。
これからは俺達全員の力で決着をつけるんだ。
_
( ゚∀゚)「それじゃあ、行くか」
俺は勢いよく船に乗り込んだ。
( `ー´)「………………」
( `ハ´)「……………」
( `ー´)「ジョルジュがいないといまいち盛りあがれネーノ」
( `ハ´)「なんだかんだ言ってアイツが一番この酒場にいたアルネ…」
( `ー´)「アイツ……生きてんのかなあ」
( `ハ´)「さあ……『巨人』に目を着けられちゃあ……おしまいアルヨ」
<*ヽ`∀´>「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!傑作ニダ!」
<*ヽ`∀´>「最高ニダ!馬鹿ニダ!メシウマニダ!」
( `ー´)「………………」
( `ハ´)「…………………」
<*ヽ`∀´>「アホニダ!強欲だからこうなるニダ!ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
<*ヽ`∀´>「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」
<ヽ`∀´>「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ……」
( `ハ´)「……………………………」
<;ヽ`∀´>「ヒャ……ヒャヒャ…ヒャヒャヒャ………ヒャ」
( `ー´)「テンション高いな」
<;ヽ`∀´>「なんかごめん」
( `ハ´)「どうかしたアルか?」
<ヽ`∀´>「そ、そうニダ!とっても面白いことになったニダ!!」
<ヽ`∀´>「たった今、カルベに海獣危険警報が発令されたニダ!」
( `ー´)「カルベに…?………あっ!!」
<ヽ`∀´>「フィレンクトとそれを追っかけた奴ら全員が餌食ニダ!!」
( `ー´)「そいつはまたドンマイな話じゃネーノ…」
<ヽ`∀´>「ただでさえ渦潮の激しい海なのに…きっと誰も帰ってこれないニダ!」
<ヽ`∀´>「ああ、なんでも群れで海に現れたらしいニダ」
(;`ハ´)「む、群れで!?」
<ヽ`∀´>「あんな化け物…一匹でもお腹いっぱいなのに数十匹もいるらしいニダ!!」
(;`ハ´)「もう駄目かもわからんね」
ミ;,,゚Д゚彡「………………」
<ヽ`∀´>「まぁ、帰ってこれたら凄いニダ」
( `ー´)「もしかしたら結局だれも『メデューサの瞳』を手に入れられないんじゃネーノ?」
( `ハ´)「その可能性はあるアルネ」
ミ;,,゚Д゚彡(大丈夫だろうな……ジョルジュ…)
ミ;,,゚Д゚彡(無事……帰ってこいよ…)
( ゚∀゚)「静かだな……」
ζ(゚ー゚*ζ「そうですね……」
空は快晴。
波も穏やか。
嵐の前触れのように能天気な海の上を俺達は進む。
風も強くはないので突然の時化に警戒することもない。
ζ(゚ー゚*ζ「こんなに陸から離れた海に来たのは初めてです」
_
( ゚∀゚)「……?じゃあこの船は何なんだよ」
俺達が使っている船は明らかに性能が良く耐久性に優れている長距離用の帆船だ。
そもそも女性が一人で船を所有しているだけでもずいぶん驚きだが。
ζ(゚ー゚*ζ「ああ、これも盗品ですよ」
_
( ゚∀゚)「………………」
ああ、そう。
ζ(゚ー゚*ζ「ところで……この船の指針は大丈夫なのですか?」
_
( ゚∀゚)「ああ。大丈夫だ」
デレは何だか分からないような顔をしながらも望遠鏡を受け取り、レンズを覗く。
_
( ゚∀゚)「前に船がいるのがわかるだろう?」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ。ですがフィレンクト卿の船ではなさそうですが……」
_
( ゚∀゚)「それでいいんだ」
俺は遠くにいる船に指をさし、デレにわかりやすく説明する。
_
( ゚∀゚)「俺達にも『メデューサの瞳』を狙ってる奴がいるのは知っているな?」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ、私が調べただけでも30以上はいます」
_
( ゚∀゚)「あの船もその一つだ」
ζ(゚、゚*ζ「え…?」
デレはもう一度望遠鏡を覗き船を見る。
船のマストに掲げられた海賊期を確認した後、俺の顔を見た。
_
( ゚∀゚)「あれも宝石を奪おうとしているなら、フィレンクトの船を追っているはずだ」
_
( ゚∀゚)「あたり」
実際、海上でフィレンクト卿と当たるのは避けたい。
どんなに戦術や経験があろうとも、向こうの船の設備の方が上だ。
こればかりは怒りに任せるほど馬鹿な俺じゃない。
負けるもんは負ける。
これを理解しているかどうかで戦況は大きく変わる。
俺達は上陸した後を狙う作戦でフィレンクト卿に挑む事にした。
/;゚、。 /「船長!!大変です!!」
その時、突然マストに登っていたダイオードが叫ぶ。
何やらただ事では無いようだ。
ダイオードは進行方向をまっすぐ見つめていた。
_
( ゚∀゚)「どうした!敵か?」
/;゚、。 /「目の前に渦潮が現れました!!しかもかなり大きめの!!」
_
( ゚∀゚)「何?」
ζ(゚ー゚*;ζ「う、渦潮…!?……………きゃっ!!」
俺はデレから望遠鏡を取り上げ海を見る。
その円の中にははっきりと大きな2つの渦が映っていた。
( ゚∀゚)「ビロード!!」
( ><)「はい!」
_
( ゚∀゚)「ドクオに指示を頼む」
( ><)「了解なんです!!」
ビロードは船首に乗り、コンパスを開く。
そのまま海を真剣に見つめ、ブツブツと何かを呟きだした。
( ;><)「………………」ブツブツ
ζ(゚ー゚*;ζ「……彼は何をやっているんですか?」
_
( ゚∀゚)「いいから黙ってろ」
この船から渦までの時間はざっと10分といったところか。
カルベの海は不規則に渦が現れる事で知られている。
とくに一度渦が発生すると、そのエリアに集中的にうじゃうじゃと現れる。
まるで船を飲み込もうという意思でもあるかのように。
( ;><)「わかったんです!!」
突然、ビロードは立ち上がり振り返った。
どうやらビロードの読解が終わったようだ。
('A`)「おーらいっと……」
ドクオは操舵輪を寸分狂わぬ正確さで回す。
船は少しだけ進路を変え、先へ進む。
( ><)「…………うん、ピッタリなんです!」
ビロードは船の進路を確認した後、ドクオにわかるように両手で大きな丸を作った。
どうやら進路は確定したらしい。
ζ(゚ー゚*;ζ「た、たったこれだけですか!?」
_
( ゚∀゚)「なんだよ」
ζ(゚ー゚*;ζ「だって……この角度では渦に巻き込まれてしまいますよ!」
_
( ゚∀゚)「うるせえな。うちの航海士と操舵手を信じろ」
/ ゚、。 /「前方右手と左手に新たな渦が一つずつ出現しました!!」
見張りのダイオードが声を張った。
よくみると今まで何も無かった海に新しい渦が出現していた。
だが俺達の乗った船は全く影響を受けず、渦の隙間をかい潜り、そのまま真っ直ぐに進んだ。
_
( ゚∀゚)「どうだ?うちの航海士と操舵手の腕は」
ζ(゚ー゚*;ζ「………恐れ入りました」
ビロードは波のスペシャリスト。
渦だろうと、荒波だろうと奴に読めない波は無い。
波の動きから魚がいる場所まで特定することができる。
そしてドクオは人間分度器。
こいつは何も見なくても正確な角度を図ることができる。
こいつに好きな方向を指示すれば針の太さレベルで正確に船を走らせる事も可能だ。
俺の船はコイツラがいる限り、遭難はおろか漂流さえも許さないのだ。
/;゚、。 /「前方…さらに渦が増えてきました!!2時に1つ、11時に2つ、正面に2つです!」
( ;><)「了解なんです!」
('A`)「とりあえず1時に向けとくぞ!!変更はあるか?」
( ><)「1時は渦が発生する可能性が高いです!!進路は……10時40分の方角で!!」
('A`)「あいよ~!!」
あれ程大量に現れた渦も障害とは思えない程にすいすいと避けていった。
まるで渦の方が逃げているようだ。
/ ゚、。 /「……?船長!!後方から船がやって来ます!!」
_
( ゚∀゚)「船だあ?」
俺は後方甲板まで走り、背後の海を見渡す。
望遠鏡を使うまでも無く、肉眼で捕らえる距離で船は迫ってきていた。
俺は望遠鏡を取り出し、旗と乗組員を見た。
旗は海賊旗。
どうやらあの船は海賊船らしい。
そして、甲板には覚えのある顔が2つあった。
【( ,,^Д^) (^Д^ )】
_
( ゚∀゚)「あいつら……生きていたのか」
ζ(゚ー゚*ζ「誰ですか?」
_
( ゚∀゚)「俺がデレと初めて会った時にあんたを襲ってた……」
ζ(゚ー゚*ζ「ああ、貴方の気を引かせる為にわざと私から挑発したあの二人組ですね」
_
( ;゚∀゚)「………………」
( ;><)「え……………………?」
( ;><)「…………………」
( ;><)「…………何だろう」
( ;><)「………波がおかしいんです」
奴らは運よく渦に遭遇せず俺達の元へたどり着いた。
最初は逃げようかと考えたりもしたが、あいつらの為に進路変更するのもめんどくさかったので、結局何もせず進む事にした。
( ,,^Д^)「何処の三流海賊かと思えば……この前の卑怯野郎じゃねえか」
( #^Д^)「ああ!?あの女……やっぱりお前らグルだったのか!!」
( ,,^Д^)「何処までも汚え野郎だな!!」
_
( ゚∀゚)「…………俺達はグルだったのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「まあ…………そうなんですかね?」
( ,,^Д^)「いくら戦闘で強くても…海上で俺らに勝てるかな…?」
( ^Д^)「許しを請いたってもう遅えんだよ!!」
向こうの甲板でワイワイと騒ぐ連中。
正直だいぶストレスが溜まる。
無視できないのが辛いところだ。
_
( ゚∀゚)「……どうする?戦うか?」
('A`)「まあ……どっちでも」
/ ゚、。 /「弾の無駄じゃないですかね」
ζ(゚ー゚*ζ「でも……しつこそうですよ?」
( ;><)「……………………まずい」
俺達があれこれ相談している中に、ビロードが大声を上げた。
( ;><)「船長!大変です!」
_
( ゚∀゚)「ん?どうした?」
( ;><)「海獣が迫ってきているんです!!」
( ゚∀゚)「何だって……?」
( ;><)「すぐそこまで来ているんです!!」
俺は海を見る。
しかし、なにか動物がいるような気配はない。
だがビロードの波を読む力は絶対だ。
従わなければならない。
_
( ;゚∀゚)「どこへ逃げればいい!?」
( ;><)「えーっと……このまま前進で大丈夫です!なので全速力でお願いします!!」
_
( ゚∀゚)「よし!前進だな!」
俺は帆を全開にし、風の有効範囲を広げた。
これで先ほどよりもスピードは上がる。
( ,,^Д^)「おい!逃げるのか!?」
( ^Д^)「この腰ぬけが!!」
連中がなにかわめいているが聞いている暇はない。
( ;゚∀゚)「悪いな!!生きて帰れたら相手してやるよ!」
俺は軽く挨拶だけ済ますと、すぐに逃げる準備をした。
(#,,^Д^)「おい!何を言って……!!」
( ;^Д^)「お、おい兄貴!!」
( ,,^Д^)「ああ?どうした」
( ; Д )「し……………下、下…」
2人組の一人が血相を変えた目で海を指さした。
まさかもう来たのか…?
( ,,^Д^)「ああ?下?」
もう一人も怪訝そうな顔で海を見た。
するとその瞬間、巨大な物体が飛び上がった。
('A`;)「は?……………え?な、何?」
その物体は船を噛み砕いた。
( ;><)「え……………………」
バキバキと音を立てる船体。
/;゚、。 /「あ……あああ……あ…」
それは生物というよりも、壁に近かった。
ζ(゚ー゚*;ζ「こ……これが…海獣……!」
巨大肉食ザメ……通称、海獣。
/ ,' 3「…………………………」
_
( ;゚∀゚)「……………………に」
( ;゚∀゚)「逃げろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
俺は大声で叫んだ。
('A`;)「うわああああああああああああああ!!」
俺は帆を前回まで広げ、風を最大限に受け止める。
( ;><)「なんですかあれ!なんですかあれ!!わかんないんです!!」
_
( ;゚∀゚)「いいから急いで逃げるぞ!!どこへ向かえばいい!」
( ;><)「えっ!?あ、…あああ!前進で大丈夫です!」
_
( ;゚∀゚)「前進で良いんだな!!おい漕ぐぞ!」
俺は倉から緊急用のオールを数本取り出し、甲板に放り投げた!
_
( ;゚∀゚)「暇な奴は漕げ!今のうちにできるだけアイツから遠ざけるぞ!!」
俺の号令にハッとなり、手の余った奴はすぐさまオールを掴ん漕ぎ始めた。
通常の倍以上のスピードでその場を後にする。
アイツらには申し訳ないが囮になってもらおう。
( ;゚∀゚)「ハァ……ハァ……ハァ……」
('A`;)「うう…ゲホッ!ゴホッ!!ああ…ああああ」
ζ(゚ー゚*;ζ「ハァ……ハァ……」
/;,' 3「…………………」
( ;><)「…………えっと、なんとか進路も無事元に戻りました」
俺達は何とか海獣のいた海からだいぶ遠くまで離れることができた。
大海原を右往左往。
迷子もびっくりな逃走劇だ。
_
( ;゚∀゚)「糞っ……無駄な体力を使っちまった……」
ここで寝転んでいたいがそうしている場合ではない。
俺は甲板に倒れこみ、大の字になって寝そべった。
/;゚、。 /「あの……………船長」
_
( ;゚∀゚)「大丈夫だ。すぐに起きる」
/;゚、。 /「いえ、そうではないんですが……」
/;゚、。 /「何か聞こえませんか?」
( ゚∀゚)「聞こえる?……もしかしてまた海獣か?」
/;゚、。 /「いやそういう類の音じゃなく…もっとこう……音楽みたいな…」
_
( ;゚∀゚)「音楽だあ?」
なんでこんな何もない海の上で音楽が聞こえるんだよ。
波の音しか聞こえないような世界で。
/;゚、。 /「あっ、ほら聞こえますよ……よく聞いてみて下さい」
_
( ゚∀゚)「何だよ一体……」
最初はダイオードの冗談かと思っていたが、あまりにも聞こえると言うので真剣に耳を澄ましてみた。
そんな…音楽なんて俺が一番聞きた……
~♪~~~♪♪~~♪~~♪~
_
( ゚∀゚)「……………」
/ ゚、。 /「ね?聞こえましたよね」
そんな馬鹿な。
しかもこれは交響曲。
弦楽器、金管楽器、木管楽器、打楽器、鍵盤楽器が合わさり美しい音色を奏でている。
だが何故こんなところで聞こえてくるんだ…?
('A`;)「船長!大変です!3時の方角より海賊船が迫ってきてます!!」
_
( ゚∀゚)「…………何?」
俺は走ってドクオが指した海を見る。
もはや望遠鏡など必要のないほどの距離に、その船はいた。
俺らに用があるのかは知らないが、近付いている事だけは事実だ。
その時、あることに気付いた。
音楽もだんだんと大きくなっている。
この音楽はあの船から聞こえてきたのだ。
_
( ゚∀゚)「どうなってやがる…!」
俺は望遠鏡で件の船を見る。
よく見ると、その船の甲板に音楽隊がいた。
指揮者は熱烈と指揮を振り、それに合わせて演奏者たちが音色を奏でている。
ドクオの見間違いかと思ったが、確かに海賊旗は掲げられていた。
( ゚∀゚)「……………お?」
そうこうしていると、演奏が終わった。
そのうち、指揮をしていた一人の男がこっちへ歩いてきた。
船の手摺まで付くと、奴は大きくこっちに向けて手を振った。
_
( ;゚∀゚)「………………なっ!!」
望遠鏡を見なくてもその男の正体がわかった。
そいつは俺にとってとても馴染みのある顔だった。
( ;><)「あ…あの人は…!!」
_
( ;゚∀゚)「来ていたのか………ここに」
爪'ー`)「よう『決闘』。元気にしていたかい?」
音楽家とは聞いていたが、まさかここまでするとは。
爪'ー`)「楽しんでくれたかい?オーディエンスの皆さま」
_
( ;゚∀゚)「後ろの音楽隊は…お前の部下か?」
爪'ー`)「ああ、そうさ。全員プロ並みの技術を持ち合わせているぜ」
_
( ;゚∀゚)「ああ…驚いた」
こんな危険な海でそんなことすんなよ。
フォックスがタクトを振ると、音楽隊連中はぞろぞろとどこかへ去って行った。
爪'ー`)「……無事だったのか」
_
( ゚∀゚)「……ああ、おかげさまでな」
この数日間、こいつには色々と借りを作ってしまった。
こいつがいてくれたから今の俺がいると言っても過言ではないだろう。
_
( ゚∀゚)「礼を言う。お前と出会えて良かったよ」
爪'ー`)「何だい急に…照れるじゃねえか」
_
( ゚∀゚)「いや、これはけじめだ、本当にありがとう」
爪'ー`)「なんだよ。礼を言われたらダイアでもくれんのかい?」
『楽譜』はクスクスと笑いながら俺に向かってこう告げた。
爪'ー`)「何か願い事を聞いてくれるってんなら…そうだな」
爪'ー`)「俺の言葉を一つだけ思い出してくれ」
_
( ゚∀゚)「お前の……?」
コイツは何か言ったっけか?
俺はこいつと出会ってから今までのことを思い返す。
爪'ー`)「言っただろ?戦うのは海上でってな」
( ゚∀゚)「………………」
爪'ー`)「おいおい…まさか忘れたわけじゃあ…ねえよな」
_
( ゚∀゚)「ああ…。はっきりと覚えてるぜ」
そうだ。
街でいくら恩の着せ合いをしても海に出れば話は別だ。
互いの目的は同じ。
ならば俺達は互いに全力で潰し合わなければならない。
爪'ー`)「なあ『決闘』。俺が何故『楽譜』って呼ばれているか知っているかい?」
_
( ゚∀゚)「……楽譜のように無機質だからか?」
爪'ー`)「違う」
爪'ー`)「……穴を空け過ぎて…相手の船が楽譜みたいになっちまうからだよ」
_
( ;゚∀゚)
その瞬間、奴の船のありとあらゆる場所から砲台が現れた。
その数二十……いや三十はあるか。
全てが俺らの船に向いていた。
_
( ;゚∀゚)「すげえな……金の使い方間違ってるんじゃねえのか?」
爪'ー`)「そんなことはない。まあこれの為に少々船を軽くする必要があったがな」
重々しい威圧感が俺達の船にのしかかる。
あんな要塞みたいなのと俺らは戦わなければならないのか。
ζ(゚ー゚*;ζ「ど、どう言うことですか…?まさか…」
_
( ;゚∀゚)「悪いことは言わねえ。最悪のシナリオをイメージしておけ」
爪'ー`)「…さて、まもなく開演します。ごゆるりとお楽しみを」
爪'ー`)「狂騒交響組曲より、序曲、狂詩曲、円舞曲、そして最終楽曲をどうぞ」
そう言うと『楽譜』はタクトを大きく上に上げた。
その棒が振り下ろされた瞬間、一斉に大砲から砲弾が飛び出してきた。
('A`;)「うわっうわっうわああああああああああああああああああ!!」
ドクオは操舵輪を極限まで回し、船を旋回させた。
大砲は当たることはなかったが、海に落ちて水面下で爆発した。
高い水柱が船の傍でいくつも起きた。
このままでは俺達は海の藻屑になってしまう。
なんとか手を打たなければ。
俺はうろうろ慌てふためいているクルーに怒鳴りつけた。
_
( ;゚∀゚)「手が空いている奴は砲台をセットしろ!!」
( ;><)「は、はいなんです!!」
ζ(゚ー゚*;ζ「ど、どうするつもりですか!?」
_
( ;゚∀゚)「俺らも撃つに決まってんだろ!!やられっぱなしでたまるか!」
俺はビロードを連れて砲台室に入った。
素早く、弾をセットしマッチで火をつける。
大砲数は明らかに俺らの方が下だが、何もしないよりはましだ。
('A`;)「きゃあああああああああああああああああああああああ!!」
_
( ;゚∀゚)「うおああ!!」
( ;><)「ど、ドクオ!?急にどうしたんですか!?」
船が急激なカーブを切り、俺達は壁に叩きつけられた。
放った砲弾は全く見当違いな場所に飛んでいってしまった。
_
( ;゚∀゚)「!?」
俺達が慌てふためいている間に、『楽譜』の船に変化があった。
甲板の大砲の首が高く上がっている。
まるで空に向かって撃つかのように。
爪'ー`)「さあ!存分に狂え!」
大砲が一気に発射する。
しかし今度と違う点は、タイミングをずらして真上から降ってくるということだ。
_
( ;゚∀゚)「おおおおおおおおお!?」
('A`;)「ずあああああああああああああ!!」
前からだけではなく上空からも降ってくる。
2方向の攻撃を防ぐのは相当な至難の業だ。
前からの襲撃を避けるので精いっぱいだったドクオもついにパニックに陥り、何も考えずに舵を切るようになってしまった。
('A`;)「ウミコワイイイイイイイイイイイイイヨオオオオオオオオオオ!!」
_
( ;゚∀゚)「おい!ドクオ落ち着け!!」
その瞬間、傍で大きな音がした。
_
( ;゚∀゚)「な、何だと!?」
俺は急いで甲板に戻る。
そこには燃え盛るサブマストの姿があった。
_
( ;゚∀゚)「糞っ…!!」
俺は剣を抜き、マストを根元から切り裂いた。
マストは倒れ、そのまま海へと着水し、沈んでいく。
流石にこんな状態で無傷で助かろうと思う方が無理か。
爪'ー`)「そして。ワルツ……。華麗なる舞曲をお楽しみください」
『楽譜』の指揮の合図に、奴らの船が動きだした。
俺達の船を中心に、弧を描くように回る。
しかし、その間も砲撃は続いていた。
_
( ;゚∀゚)「全方向から撃ってくるってか!!」
奴らの船が移動したことにより、ついに攻撃が2方向どころではなくなった。
様々な角度から攻撃は続く。
その後も、2度砲撃にあったが幸運にも船が沈むような致命的な攻撃は避けられた。
ただでさえ砲台の数は少ないのに、ドクオの不規則運転、奴らの移動により俺らの砲台の軌道は読めなくなってしまったのだ。
俺はドクオに何度も目を覚ますよう叫んだが、パニックに陥って俺の声が届いていない。
ζ(゚ー゚*;ζ「ど、どうするんですか!?」
_
( ;゚∀゚)「待ってろ!今考えてる!!」
俺まで判断に冷静さが欠けてしまっている。
頭を掻き回し、無い知恵を振り絞る。
( ;><)「うう~…全然当たらないんです……」
/ ,' 3「……………」チョイチョイ
( ;><)「え…?なんですかスカルチノフさん…」
/ ,' 3「………………」クルクル
( ;><)「え?か、代わりたいんですか?」
/ ,' 3「……………………」コクコク
_
( ;゚∀゚)「!!」
爪;'ー`)「な、なんだ!?」
見ると、甲板の砲台から大きな煙が出ている。
どうやら砲台付近で爆発が起き、そこから他の砲台に誘発して爆発を引き起こしたのだ。
_
( ;゚∀゚)「整備が悪かったのか…?」
そう思っていた矢先、俺の船から一発の砲弾が飛び出した。
その弾は『楽譜』の船の側面に見事に命中し爆破した。
_
( ;゚∀゚)「おい!誰だ撃ったのは!!すげえぞ!」
俺が砲台室に戻ると、大砲を構えているスカルチノフの姿があった。
( *><)「スカルチノフさん…すごいんです!!」
_
( ;゚∀゚)「お前かスカルチノフ!!」
/ ,' 3「………………………」
なんて隠れた才能だ。
まさか異国の地で見つけた船大工が砲撃のセンスを兼ねそろえているとは。
ドクオが荒々しい運転をしているおかげであっちの攻撃もそんなに当たらない。
俺はこいつらを部下にして本当によかったと思っている。
爪;'ー`)「糞!……あんな優秀な人材がいたとはな…」
爪;'ー`)「そろそろ頃合いか……」
爪'ー`)「お前ら!!フィナーレに移るぞ!!」
『楽譜』がまたタクトを振り上げた。
すると、奴らの船は向きを変え、俺達の船に迫ってきた。
今まで一定の距離を保っていた連中が攻めてくる。
_
( ;゚∀゚)「アイツ…一気に攻める気か」
ζ(゚ー゚*;ζ「どうします…?近寄られたら勝ち目はありませんよ?」
分かっている。
アイツらに足りないのは命中力だ。
それは近付いてしまえば簡単に補える問題だ。
_
( ;゚∀゚)「待ってろ……今考える」
考えろ。
この窮地…どうやったら挽回できる?
( -∀-)「………………」
_
( ゚∀゚)「よし………」
ζ(゚ー゚*ζ「決まったんですか?」
_
( ゚∀゚)「ああ。決まった」
アイツらがアイツらの戦い方をしているのなら、俺は俺の戦い方をすればいい。
_
( ゚∀゚)「おい、みんな聞け!」
('A`;)「!!」
俺の号令にあのドクオまでも耳を傾けた。
これで、全てを終わらせる。
_
( ゚∀゚)「今から最後の作戦に移る。よく聞け」
爪'ー`)(船の動きが止まった……?)
爪'ー`)「おい、砲撃を止めろ」
爪'ー`)「……………こりゃあ何かあるな」
爪'ー`)「さあ……………どう出る?『決闘』」
_
( ゚∀゚)「準備は良いか?」
ζ(゚ー゚*;ζ「ほ、本当に大丈夫なんですか?」
_
( ゚∀゚)「あ?大丈夫に決まってんだろ?子供のころやらなかったか?」
ζ(゚ー゚*;ζ「やってませんよ!」
( ;><)「船長!!準備おっけーです!」
_
( ゚∀゚)「よし!じゃあスカルチノフ頼んだ!」
/ ,' 3「…………………」コクコク
爪;'ー`)「……………………」
爪;'ー`)「飛んできたのは砲弾……………じゃ…ない」
爪;'ー`)「まさか………………………」
_
( ゚∀゚)「うおおあああああああああああああああああああああああああああ!!」
爪;'ー`)「に……人間大砲!?」
俺は大砲によって『楽譜』の船の甲板まで飛んだ。
空中で宙返りをし、ピタッと足を甲板に付けた。
爪;'ー`)「……………はっ…最高だよあんた…」
_
( ゚∀゚)「よう『楽譜』。元気にしてたかい?」
これは俺が単身で敵船に乗り込むことだった。
別にここで全員と戦うのもかまわないが、俺には考えがあった。
『楽譜の』部下が一斉に武器を構える。
しかし、奴はそれをタクトの一振りで制した。
爪'ー`)「まだ演奏は終わってないんだ。席から立たないでもらいたいね」
_
( ゚∀゚)「気にすんな。俺は独奏だ」
爪'ー`)「…………あんたがここに来た真意を聞きたいね。……まあ大方見当はつくが」
_
( ゚∀゚)「だろうな」
たった1日だが、俺はこいつとともに街を掛け回った。
それだけで相手の考えてることなんてわかるもんさ。
_
( ゚∀゚)「別にお前ら全員を相手にしてもいいんだが…」
_
( ゚∀゚)「どうせ決着をつけるなら被害は最小限に抑えたい……そう思わないか?」
爪'ー`)「だとしたら……どうなる?」
もちろん答えは一つだ。
_
( ゚∀゚)「決闘だ」
_
( ゚∀゚)「そうか?俺は誰でも構わず申し込むが」
爪'ー`)「………………いいぜ。受けて立つよ」
『楽譜』は腰に掛けられた2丁の銃を取り出す。
俺も剣を抜こうとしたら、『楽譜』はそれを制した。
爪'ー`)「あんたが決闘を申し込んだんだ。ならルールは俺が決めてもいいだろう?」
_
( ゚∀゚)「ああ、構わねえよ。何がいい?」
奴は拳銃を前に突き出し、俺に見せる。
爪'ー`)「このどちらかを選んでくれ。この決闘ではこの2つの拳銃だけ使う」
_
( ゚∀゚)「……撃ちあいか」
爪'ー`)「その通り。互いに背を向けあい1つカウントするごとに一歩前に前進する」
爪'ー`)「5つのカウントが0になった瞬間、振りかえり引き金を引く……立っていられた方が勝者だ」
面白い。
手っ取り早く、且つコストが少ない。
理想の決闘方法だ。
( ゚∀゚)「この銃……どっちかは弾が出ないなんてことはねえよな」
爪'ー`)「それは無い。あったとしても選ぶのはあんただ」
_
( ゚∀゚)「まあ…そりゃあそうか」
ここで銃を不平等にするのは所有者側の方が辛いだろう。
もし俺が弾の入っている王を選んだ場合、そいつはただの的になるからだ。
俺は2つの拳銃をじっと見比べる。
特に性能にも変化はなさそうだ。
_
( ゚∀゚)「じゃあ…俺はこいつを選ぶ」
俺は『楽譜』左手に握られている拳銃を手に取った。
爪'ー`)「そっちでいいんだな?」
_
( ゚∀゚)「ああ、構わない」
俺達は拳銃をしっかりと握ると、所定の位置についた。
爪'ー`)「もう一度ルールを確認する」
爪'ー`)「カウントは5つ。1つ数えるたびに一歩進む」
爪'ー`)「カウントは…そうだな、おいそこのお嬢さん」
そう言うと『楽譜』はデレに向かって声をかけた。
爪'ー`)「ちょっとカウント係を頼んでくれねえかな。5つ」
ζ(゚ー゚*ζ「え、ああ……わかりました」
でれは困惑しながらも、その役目を受け入れた。
爪'ー`)「そして彼女が0と言った瞬間に振りかえり、拳銃の引き金を引く」
_
( ゚∀゚)「後は生きるか死ぬかか……いいぜ。質問はねえ」
爪'ー`)「……………そうか。それじゃあ始めよう」
俺達は振り返り、背と背を合わせた。
一昨日、『駆除』に襲われたあの日を思い出す。
爪'ー`)「おそらく……あんたも同じことを考えてるんだろうな…」
_
( ゚∀゚)「お前もか」
この決闘は俺が生きていた中でもっとも価値のある決闘になるかもしれない。
爪'ー`)「それでは始めよう」
俺と『楽譜』は一歩ずつ前に出た。
触れた背中が解かれる。
相手の気配はまだ肌で感じられる。
ζ(゚ー゚*ζ「4………」
_
( ゚∀゚)「……………………」
爪'ー`)「……………………」
また一歩。
これで奴がどのようにしているのか分からなくなった。
ギャラリーは息を飲む。
ζ(゚ー゚*ζ「3………」
一歩。
俺達は進む。
相手を撃つ距離を求めて。
爪'ー`)「………………………」
爪'ー`)(すまねえ『決闘』……)
爪'ー`)(俺はこう見えても臆病者でね……できる限り敵を自分の陣地に入れたくないんだよ)
爪'ー`)(だから俺は長距離の向く武器を選んだ。これで俺は安心できるからな)
爪'ー`)(この船に入ってきた時点であんたの勝ちは決まってるようなもんだよ)
ζ(゚ー゚*ζ「1………」
爪'ー`)(だが俺は部下の前ではどうしても負けられねえんだ)
爪'ー`)(だからあんたに罠を張った。許してくれ)
爪'ー`)(この銃には安全装置が付いていてそれを外さないと弾は出ない仕組みになっている)
爪'ー`)(装置のレバーはかなり見分けのつかないところだ。知らない奴が見たってほぼ確実に分からないだろう)
爪'ー`)(あんたの銃は……弾が出ないんだよ)
爪'ー`)(この勝負は……勝たせてくれ。悪いな)
_
( ゚∀゚)「!!」
爪'ー`)「!!」
その瞬間、俺達は一斉に振り向き、銃を構え、引き金を引いた。
しかし、鳴った銃声は1つだけだった。
鳴り響く銃声。
動きが止まる俺と『楽譜』。
傍から見ればどっちが撃ったのかさえ分からない。
_
( ゚∀゚)「………………………」
爪'ー`)「………………………」
爪;'ー`)「が…………………っ!」
次の瞬間、『楽譜』は腹を押さえて膝をついた。
しかし、『楽譜』はそれを払う様に手を振り、部下を近寄らせなかった。
爪;'ー`)「流石だ……!!恐れ入ったよ……」
_
( ゚∀゚)「……何の話だ?」
爪; ー )「そんな……とぼけちゃってさあ…!!」
奴は俺の手に握られた銃を見る。
それは右手に握られた奴の銃では無く、左手に握られた俺の銃だった。
爪; ー )「確かに……他の銃を使っちゃいけないとは…言ってなかったな」
そう言うと奴はその場に倒れこんだ。
今度こそ部下が集まり、『楽譜』に肩を貸し、船の中へと引っ込んで行った。
爪; ー )「楽しかったよ……ありがとうな」
_
( ゚∀゚)「馬鹿。それは俺のセリフだ」
奴は俺の方を振り向かず、大きく手を上げると最後にこう言った。
爪; ー )「あばよ。ジョルジュ」
俺もその言葉に返した。
_
( ゚∀゚)「じゃあな。フォックス」
( ・∀・)「ええ…。これが『メデューサの瞳』です」
(*‘_L’)「なんという美しさだ…。恐ろしい……」
( ・∀・)「どうぞ。フィレンクト卿。貴方様の手でお納めになって下さい」
(*‘_L’)「あ、ああ……」
(‘_L’)「………………………」
(‘_L’)「………………素晴らしい。持っているだけで威圧感を感じるよ」
( ・∀・)「これで…その秘宝はフィレンクト卿の物でございます」
(*‘_L’)「やった……やったぞ…!!これで…これでこの宝石は私の物だ!!」
( ・∀・)「おめでとうございます。フィレンクト卿それでは早々に立ち去り…」
「待てゴルァ!!」
(‘_L’)「誰だアイツらは……」
(,,゚Д゚)「どうやら俺が一番乗りのようだな…」
( ・∀・)「あれは……『金欠』」
(,,゚Д゚)「おう!糞役人共!!今すぐその宝石をよこせ!!」
(‘_L’)「ふん……品の無い奴だ」
( ・∀・)「フィレンクト卿……危険ですので下がって下さい」
(,,゚Д゚)「どうする!?命を選ぶか!!宝石を選ぶか!さあ答えろ」
(‘_L’)「こうなる事であれば先発隊にクックルを連れて来るべきだったな」
( ・∀・)「ご安心を……。あの程度の海賊……私一人の手で何とかしましょう」
(,,゚Д゚)「ああ!?何だお前……」
( ・∀・)「身分を弁えましょう。私は貴方のようなゴミと話すつもりはありませんので」
(,,゚Д゚)「あぁ…?てめえ潰されてえのかゴルァ!!」
( ・∀・)「宝石は渡しません。そのかわり相手はしてあげますよ」
(,,゚Д゚)「て、てめぇ!!うるあああああああああああ!!」
( ・∀・)「ああ……一つ言い忘れていました…」
( ・∀・)「そこから3歩先より前に近寄らない方がいい」
(,,゚Д゚)「はっ!!今更命乞いか!?てめえら!!殺せ!」
( ・∀・)「……馬鹿な真似を……」
(;,,゚Д゚)「!!」
(;,,゚Д゚)「なっ……!!」
( ゚∀゚)「……ここだな」
( ;><)「距離や方角から判断して……ここで間違い無いんです!」
/ ゚、。 /「向こうにフィレンクト卿の船がありました!!」
岩場の奥から岩と岩を飛び移りながらダイオードが帰ってきた。
なるほど。
フィレンクト達は向こうに船を停めたのか。
_
( ゚∀゚)「じゃあ確定だな」
カルベの海のど真ん中にひっそりとたっていた巨大な岩の数々。
島と呼ぶには小さく、岩と呼ぶには広過ぎた。
その中に明らかに人工的に作られたであろう穴が存在した。
この中に『メデューサの瞳』はあるようだ。
今のところ見つけた船は3つ。
つまりそれ以外の船は全て途中で頓挫したようだ。
('∀`)「さあ、行きましょうキャプテン!」
意気揚々とはしゃぐドクオ。
確かにこの洞窟の中にはロマンが詰まっていると思うが……。
_
( ゚∀゚)「………いや、お前達はここで残れ」
('A`;)「え……?ど、どういう事ですか!?」
_
( ゚∀゚)「無理すんな。まだ完治はしていないんだろ?」
ただでさえ重傷なのに、フォックスの時にさらに体力を駆使しているんだ。
正直、こいつらは戦力にはならないだろう。
_
( ゚∀゚)「この中には俺とデレで行く。お前らには船を任せる」
( ;><)「で、でもここまで来ておいて…!!」
_
( ゚∀゚)「駄目だ。……それにいざ船を襲われた時に、お前ら4人がいれば確実に船の安全は確保できる」
これは間違いなくそうだと言える。
ドクオとビロードがいれば例えどんなに船が離れてもここに帰ってくることができる。
スカルチノフが大砲を担当すれば敵を撃退することも可能で、万が一にやられてもうちの優秀な船医ダイオードが付いている。
こいつらだけでも世界旅行ができるだろう。
/;゚、。 /「……………………」
/ ゚、。 /「……わかりました。船長命令ならしかたありませんね」
('A`;)「むう………………」
_
( ゚∀゚)「悪いな……」
('A`#)「持ってこなかったら乗せませんよ!!」
( ><)「留守は任せるんです!!」
/ ,' 3「………………」コクコク
_
( ゚∀゚)「………ああ。ありがとよ」
俺は拳を高々と挙げ、クルー達に見せる。
俺はこいつらから元気を貰った。
その代償を持ち帰る必要がある。
ζ(゚ー゚*ζ「それじゃあ…行きましょうか」
_
( ゚∀゚)「ああ…」
俺とデレは洞窟の中にゆっくりと入る。
この闇に…挑むんだ。
ξ゚⊿-)ξ「ん…………………」
ξ゚⊿゚)ξ「……………」
ξ゚⊿゚)ξ「あ…………寝てたんだ…………私」
ミ;,,゚Д゚彡「ツン…!!起きたのか」
ξ゚⊿゚)ξ「!……お父さん…」
ミ;,,゚Д゚彡「ど、どうだ?体調の方は…」
ξ゚ー゚)ξ「うん……大丈夫……それよりもお店は?」
ミ;,,゚Д゚彡「大丈夫!大丈夫!一人でも何とかやってけてるよ」
ξ゚⊿゚)ξ「そう………ごめんなさい」
ミ,,゚Д゚彡「いやいや!気にしなくていい!むしろ生きていてくれてよかったくらいだ!」
ミ;,,゚Д゚彡「…………………」
ミ;,,゚Д゚彡「あっ……そ、そういえばさっき港で凄いことがあってさ!」
ミ;,,゚Д゚彡「『巨人』の奴が急に現れて海に飛び込んだんだよ!波がブアーってなってさ!」
ミ;,,゚Д゚彡「それで飛び込んだ後、何をしたと思う?なんと…『巨人』がいきなり泳ぎ始めたんだよ!クロールで!」
ミ;,,゚Д゚彡「そして、そのまま沖の方へ泳いでいっちゃってさあ!それが面白いのなんの……」
ξ゚⊿゚)ξ「お父さん……」
ミ,,゚Д゚彡「!…………ゴホン……な、なんだい…?」
ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジュは……?」
ミ,,゚Д゚彡「……………………」
ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジュは……どうしたの…?」
ξ゚⊿゚)ξ「…………そう」
ミ;,,゚Д゚彡「………………」
ξ#⊿ )ξ「あの馬鹿……何で私の言うことが聞けないのよ……」
ミ,,゚Д゚彡「……………」
ξ;⊿;)ξ「幼なじみの……言うことくらい……聞きなさいよ…!!」
ミ,,゚Д゚彡「……………大丈夫だよ」
ξ;⊿;)ξ「……え?」
ミ,,゚Д゚彡「アイツはちゃんと帰ってくる。今までだってそうだったろう?」
ミ,,゚Д゚彡「アイツはツンがここにいる限り……ちゃんと帰ってくるさ。必ずね」
ξ;⊿;)ξ「…………………」
ミ,,゚Д゚彡「だから胸を張って堂々とジョルジュの帰りを待ってなさい」
ミ,,゚Д゚彡「アイツが帰って来たときに心配してたんだと思われるのは癪だξ゚⊿゚)ξ「それは絶対に嫌」
ミ;,,゚Д゚彡「………………うん」
ミ,,゚Д゚彡「だ、だから安心して待っていなさい。ね?」
ξ゚⊿゚)ξ「…………………………」
ξ゚ー゚)ξ「うん………………」
_
( ;゚∀゚)「酷えなこりゃ……」
俺達はランプの明かりを頼りに、どんどん奥へと進む。
既に日の光りは届かず、暗闇だけが支配していた。
入口からしばらく進んだ所であるものを見かけた。
バラバラに切り刻まれた無数の死体。
血の臭いが洞窟中に漂っており、吐き気がする。
傷は新しく、つい数時間前のように思える。
服装や身なりから推測して、どうやらこいつらは海賊のようだ。
おそらくは岩陰に停泊していた船の持ち主達だろう。
どうしとこんな目にあったのか分からないが、俺達もこうなる可能性がある。
慎重に慎重を重ねて進まねば。
その時、遠くの方から大きな悲鳴が聞こえてきた。
低くがなった男の声だ。
声は洞窟中に反響し、やがて消えた。
_
( ;゚∀゚)「なっ………なんだ?」
ζ(゚、゚*;ζ「この先から聞こえましたね……」
俺達は少しだけ速度を上げて歩きはじめる。
この先で何かが起こっているんだ。
こんな洞窟の奥深くで何故明かりが…?
_
( ゚∀゚)「デレ………行くぞ」
ζ(゚ー゚*ζ「……はい」
俺達は意を決して光りの元へ駆け出した。
最初は眩しくて目を開けることができなかったが、次第に慣れ、はっきりと見えるようになった。
_
( ;゚∀゚)「!!」
ζ(゚ー゚*ζ「!!」
俺達の目に飛び込んで来たのはコロッセオ程の広さの空洞に大量に転がる死体の山だった。
夥しい程の血が一面に飛び散り、中には人の形を留めていない死体もあった。
ζ(゚、゚*;ζ「これは一体……」
_
( ゚∀゚)「…………………アイツの仕業だ」
ζ(゚、゚*;ζ「え?」
死体よりも俺は目につく者がいた。
そいつは巨大な血まみれの男の上に立っていた。
( ・∀・)「やはり来ましたか…ジョルジュ・キッド」
( ;゚∀゚)「モララーぁ………!!」
その男は顔を血で赤く染め、ニタリと笑った。
蘇るゴミのような目。
害虫を彷彿とさせる口。
俺が会いたかった男、モララー。
やはりフィレンクト卿と共にここに来ていたか……。
( ・∀・)「この男が誰だか分かりますか?」
_
( ゚∀゚)「ああ?」
そう言ってモララーは足元に落ちていた肉の塊を蹴った。
( ・∀・)「これは3日前に貴方と戦った男……『金欠』です」
_
( ;゚∀゚)「なっ……!」
『金欠』は俺が戦った時とはまったくもって別の物のように、無残な姿をしていた。
( ・∀・)「さっきまでしぶとく足掻いていたんですがね……たった今絶命しました」
_
( ゚∀゚)「ああ?」
空洞の中には他にも人間がいた。
モララーが率いている十数人の兵士。
そして、際立って身分の高そうな男が一人いた。
(‘_L’)「君が話してくれたジョリーの事…大変為になったよ…」
_
( #゚∀゚)「てめぇ……!!」
こいつが元凶。
モララーの上司であり、ドゥルトゥーガ島の支配者。
フィレンクト卿。
こいつを殴りたい気持ちを懸命に抑え、俺は奴を睨みつけた。
奴の手には『メデューサの瞳』が握られている。
(‘_L’)「まさか…彼の生涯にそんな秘話があったとはな…」
_
( #゚∀゚)「お前が俺の親父の何を知ってるんだって?ああ?」
(‘_L’)「まあいい。もうこれ以上君から得られる情報もないだろう」
そう言って、フィレンクトは宝石を手に取り別の穴に向かった。
あの穴に何があるというのか。
(‘_L’)「モララー。あのゴミ共を掃除しておきなさい」
( ・∀・)「かしこまりました」
_
( #゚∀゚)「待て!逃げるなフィレンクト!!」
まずい。あそこからも脱出できるのか。
俺は腰から銃を取り出し、フィレンクトに向ける。
( ・∀・)「それはさせないよ」
_
( ;゚∀゚)「!!」
その瞬間。脇から銃弾が飛んできた。
俺はとっさに避け、銃を引っ込めた。
( ・∀・)「……私はここに初めて来た時に、念を入れて罠を仕掛けておいたんですよ…」
_
( ;゚∀゚)「糞っ……!!」
フィレンクトは穴の中に入り、見えなくなった。
( ・∀・)「他の者も全員フィレンクト卿をお守りしろ!」
その掛け声と共に、兵士は全員フィレンクトを追って行った。
( ;゚∀゚)「デレ!!フィレンクトを追え!」
ζ(゚ー゚*;ζ「は、はい!!」
デレは駆け出してフィレンクトの入った穴に向かった。
しかし、その行動をモララーは見逃さなかった。
( ・∀・)「誰が言ってもいいと許可したんですか?」
モララーが手を上に挙げ、指を構えた。
奴の罠の発動を止められるのは俺しかいない。
_
( ゚∀゚)「俺が言ったが…文句あるか?」
俺はモララーに銃を向け引き金を引く。
モララーは俺が引き金を引く寸前に気付き、さっと身を引いた。
( ・∀・)「!!……小賢しいですね」
_
( ゚∀゚)「お前にだけは言われたくねーな」
その隙に、デレは向こう側の穴に到達した。
_
( ゚∀゚)「デレ!そのまま頼んだぞ」
ζ(゚ー゚*ζ「分かりました……貴方の健闘……祈っています」
空洞の中に取り残された俺とモララー。
ようやくあの日の約束が果たせそうだ。
( ・∀・)「まったく……めんどくさいことになりましたね」
_
( ゚∀゚)「悪いな。生まれつきこうなんだ」
( ・∀・)「脱走も成功し、『暗闇』も倒してさぞ調子に乗ってるようですね」
_
( ゚∀゚)「今日の俺はなんでも行ける気がするんだ」
( ・∀・)「そうですか……それはついてない」
そう言うとモララーは俺の手袋を取り出した。
( ・∀・)「どうします?始めますか」
その問いに俺は一言で返した。
_
( ゚∀゚)「決闘だ」
(‘_L’)「急ぐぞ。一刻も早く島に帰る」
(‘_L’)「……………………」
(‘_L’)「………………………?」ピタッ
(‘_L’)「こんな壁……さっきまであったか?」
「おっおっおっwそこまでだお」
(‘_L’)「!!……誰だ?」
( ^ω^)「おはよう。フィレンクト卿」
(‘_L’)「…………?……封じた、だと?」
( ^ω^)「岩場の穴を埋める楽な仕事だったお」
(‘_L’)「………下らん」
( ^ω^)「おっおっおっwやけに強がるおねw」
( ^ω^)「でも今この状況で誰が助けてくれるお?」
( ^ω^)「人数的にも僕らの方が有利ですぐに潰せちゃうお?」
(‘_L’)「つまり何が言いたいんだ?」
( ^ω^)「その宝石を大人しく渡すお。半殺しで許してやるお」
(‘_L’)「本当に貴様ら海賊は人が簡単に宝石を手放すと本気で思っているようだな……」
( ^ω^)「この状況でそう言えるのは見事だお」
(‘_L’)「この状況?一体何のことだ?」
(‘_L’)「壁?壁なんか何処にある?」
( ;^ω^)「何を言って……」ピシッ
( ^ω^)(ピシッ……?)
(‘_L’)「ふん……こっちの戦力はこれだけでは無いことを忘れるな」
( ;^ω^)「!!……い、岩にヒビが……!?」
(‘_L’)「随分と遅かったな……『巨人』」
( ゚∋゚)「……………」
( ゚∋゚)「スグニ コノカベヲ ハカイシマス」
( ;゚ω゚)「!!……う」
( ;゚ω゚)「うおおおおおおおおおお!?」
(‘_L’)「……ふん。屑が……」
(;;#;ωメ)
ζ(゚ー゚*;ζ「あれは……『酒樽』!!」
( ゚∋゚)「コイツ ドウシマスカ」
(‘_L’)「殺せ。その後……あそこにいる女もだ」
ζ(゚ー゚*;ζ「き……『巨人』!?」
( ゚∋゚)「リョウカイ シマシタ」
ζ(゚ー゚*;ζ「うっ……!まずい…フィレンクトを逃がしてしまう…!!」
( ゚∋゚)「ドコニモ イカセナイ」
ζ(゚ー゚*;ζ「!!」
ζ(゚ー゚*;ζ(……殺される…!!)
_
( ゚∀゚)「関係ねえよ。俺とアイツはそれぞれの目的があるからな」
デレも俺もそれぞれの目的に命を掛けてここまで来た。
こんなところで、誰かの助けを求めることなどしない。
( ・∀・)「つまり……貴方の目的というのが…私ということですね?」
_
( ゚∀゚)「なんだ?罪悪感でも感じてんのか?」
( ・∀・)「まさか。悪は貴方達の方でしょう?」
正義か悪か。
こんなものは水かけ論でしかない。
歴史を辿っても、正義を決める権利をもつものは全て勝者だ。
海賊が世界を征服すればそれが正義となる。
_
( ゚∀゚)「残念だが……殺すぜ?」
( ・∀・)「私が仕掛けた罠を攻略ができなかった貴方がですか?」
( ゚∀゚)「甘いな。今と今までは状況が違う」
俺の道具はできる限り人の目に触れさせたくなかった。
何故ならこれらは全て俺が作りだした道具ではない。
全て、発明家の父であるジョリー・キッドの作品である。
今までこの島で戦ってきた勝負は誰かが見ているものだった。
しかし、ここには現在俺とこいつしかいない。
今ならいくらでも七ツ道具を使うことができる。
俺はコートを開き、くの字の板を3枚取り出した。
】海賊の七ツ道具その五:ブーメラン【
( ・∀・)「……?何ですか?それは……」
どうやらモララーはブーメランを知らないようだ。
それも仕方がないだろう。
奴は貴族という檻の中で暮らしていたのだから。
_
( ゚∀゚)「これを舐めていると……痛い目にあうぜ」
そしてためらいもなく引き金を引いた。
( ・∀・)「舐めてかかっているのは貴方の方じゃありませんか?」
その瞬間、どこからともなく飛んできた矢が、モララーの目の前に出現した。
矢は俺の放った銃弾とタイミング良く接触し、弾け飛んだ。
銃弾も軌道が代わり、モララーに当たることなく脇に逸れていった。
( ・∀・)「この空洞にはまだまだ罠が仕掛けられています」
( ・∀・)「君が何をしようか分かれば、その瞬間に対策を練ることができる」
_
( ゚∀゚)「へぇ…俺は包囲されたのか?」
( ・∀・)「包囲されていなければこの男達はこんな血まみれにはならなかったでしょうね」
_
( ゚∀゚)「!!」
モララーが指を弾くと、天井の壁から銃口が現れ、突然銃弾が発射された。
俺はとっさに転がり、銃弾を避けた。
天井から降り落ちる銃弾の雨。
無差別な威力は人の意志を感じさせることのない無情な攻撃だった。
( ゚∀゚)「…………………」
( ・∀・)「それだけで避けたつもりになってるんですか?」
またモララーが指を弾くと、今度は壁から拳銃が飛び出た。
なぜか、奴が立っている場所だけには銃弾が注がれることはなかった。
当たり前と言えば当たり前なのだが。
街中で遭遇した『駆除』の攻撃が、空からも警戒しなくければならなくなったに過ぎない。
状況は今までと何も変わっていない。
_
( ゚∀゚)「……3度は喰らわねえよ」
( ・∀・)「!!」
俺は3枚のブーメランを構え、全て壁に向かって投げつける。
ブーメランは銃に当たり、銃口を綺麗に切り裂いて俺の元に戻ってきた。
( ・∀・)「銃が……切れた…?」
奴は己の目を疑ったに違いない。
まさかこんな武器で銃を仕留めることができるとは思わなかっただろう。
3枚全てが狙った銃を切り裂き、俺の手元に戻ってきた。
_
( ゚∀゚)「こいつは盾と同じ硬度の金属で作られている」
_
( ゚∀゚)「切れ味はそこらの剣とは比にならないぜ」
ジョルジュ格好良すぎる
_
( ゚∀゚)「ああ。軌道が読めない武器は…苦手だろ?」
( ;・∀・)「………………」
大当たりだ。
コイツは直線の攻撃しか防ぐことができない。
そもそも曲がる武器にコイツは出くわしたことが無いんじゃないのか?
この道具はこいつを攻略する唯一の手段だ。
_
( ゚∀゚)「さあ……これを受け取ってみろよ」
俺はモララーにブーメランを投げつけた。
曲線を描いた攻撃に奴はたじろいだ。
( ;・∀・)「ぐっ!!」
モララーは剣を構えブーメランを弾く。
しかし、投げたのは1枚だけではない。
全てを弾くのは、剣に自信がある俺でも厳しいだろう。
( ;・∀・)「うわあっ!!」
向きを変えたブーメランにモララーが当たりそうになり、モララーはとっさに転倒し、事無きこと得た。
( ゚∀゚)「そんなにゆっくりと構えていていいのか?」
( ;・∀・)「!!」
俺はモララーに詰め寄り、剣を振りかざす。
モララーは反射的に剣を構え、俺の攻撃を防ぐ。
_
( ゚∀゚)「………どうした?俺の攻撃を全て防ぐんじゃなかったのか?」
( ;・∀・)「随分と調子に乗っていますね…!!」
_
( ゚∀゚)「わかるか?俺はぶちギレてんだよ」
ツンの痛み。
全てを踏みにじったこいつを俺は絶対に許さない。
( ・∀・)「はっ!!まだ貴方はそんな子供のようなことを言っているのですか?」
モララーはまたあの不気味な笑顔を見せた。
その笑い方にまたストレスが蓄積されていく。
( ・∀・)「いいですか?貴方達のようなゴミは政府の靴裏を舐めて生きるしかないんですよ!」
( ・∀・)「私はその身分の違いを教えたに過ぎない!!」
( ・∀・)「むしろ感謝をして欲しいくらいだ!」
( ゚∀゚)「悪いな。お前らのように数カ国語を教わったわけじゃねーんだ。意味のわかるように話せよ」
( ・∀・)「今に分かりますよ。君達が如何に愚かだったのかを」
_
( ゚∀゚)「!!」
モララーの足元から銃口が顔を出した。
その向きは俺の顔に向いている。
_
( ;゚∀゚)「くそっ!!」
俺はモララーを突き飛ばし、サッと後ろに引く。
銃弾は1発だけ飛び出し、天井に当たった。
( ・∀・)「その程度の覚悟で私を殺すなんてよくもまあ言えたものですね」
_
( ;゚∀゚)「ワンパターンで攻めるお前もお前だがな」
気付けばモララーは俺との間隔を十分に空けていた。
俺が銃に気を取られている間にモララーも下がったようだ。
( ・∀・)「……貴方はここに来た時点で罠に嵌っていたのですよ」
_
( ゚∀゚)「……何が言いたい」
( ・∀・)「見せてあげますよ。私のお気に入りをね」
モララーがそう言った時、モララーの足元か何か黒い立方体のようなものが現れた。
( ゚∀゚)「…………?なんだそりゃ」
奴がとりだしたのは金属製の箱。
大きさにすると砲弾2つ分だ。
( ・∀・)「ご存じないとは思いますが…この中にはメタンと呼ばれる気体が入っています」
_
( ゚∀゚)「めたん?」
( ・∀・)「天然ガスですよ。まあ貴方に言っても無駄でしょう」
意味不明な言葉を言いながらモララーはその箱を構えた。
その箱には取っ手が付けられており、別の面には細い筒があった。
まるでジョウロのような形。
……と言うことは、その筒から何か……メタンとやらが出てくるのか?
( ・∀・)「知っておくと良いことはメタンは非常に燃えやすいということです」
モララーはその筒を俺の方に向けた。
何か嫌な予感がする。
( ・∀・)「そしてこの筒の根元には発火装置が仕掛けられている。…もうお分かりでしょう」
_
( ;゚∀゚)「……まさか……炎が飛ぶのか…?」
( ・∀・)「飛ぶ?違いますよ」
( ・∀・)「放射するんです」
すると摩擦により火花が散り、筒の根元で小さな発火が起こる。
筒の中から炎の渦が勢いよく飛び出してきた。
_
( ;゚∀゚)「うおおおあああ!!」
俺はとっさに脇に飛び込み、地を転がった。
炎は俺の後ろの壁まで大蛇のように飛んできた。
( ・∀・)「全ての攻撃で最も優れているのは、物体ではない攻撃です」
モララーが箱の向きを変えると、その方向に連なって炎は鞭のように軌道を描く。
攻撃の恐ろしさは重々承知しているが何よりも恐ろしいのはその攻撃範囲だ。
この大きな空洞の直径を全て焼き尽くすことができる。
_
( ;゚∀゚)「くそっ!逃げ切れねぇ!」
コートから盾を取り出し、右手で握って炎から俺の身をガードする。
炎は盾にぶつかり、俺の身を守った。
しかし、火の危険からは守れても、熱をガードすることはできなかった。
_
( ;゚∀゚)「!!あ、熱っ!!」
盾の金属は直ぐに熱を伝達させ、俺の盾の取っ手を焦がした。
俺はもう一度飛び避け、盾をその場に捨てた。
_
( ;゚∀゚)「はっ!政府の金の使い方は理解に困るな」
( ・∀・)「強がるのは大いに結構。しかし、私に一歩も近づけないのが現状」
_
( ;゚∀゚)「ぐっ…!!」
情けないが、モララーの言っていることは正しい。
これ以上の距離を縮めると、炎の振り幅が狭くなり、走っても逃げ切れなくなってしまう。
そしてそれは同時に奴に攻撃をすることができないことも意味していた。
( ・∀・)「分かりますか?これが貴方と私の距離です。そして……」
_
( ;゚∀゚)「!!」
モララーはさらに指を鳴らした。
今まで静かになっていた銃や弓矢が一斉に稼働した。
俺は避けるべき対象が増えたが、モララーの炎はそのそれらを妨害することなく放つことができた。
どこを見ればいい?
どこに避ければいい?
_
( ; ∀ )「ぐあっ!!……がっ!!……」
背中に矢が刺さる。
銃が足に当たる。
炎が服を掠める。
もはや、何をしても地獄だった。
( ゚∋゚)「…………………」
( ゚∋゚)「オマエ オンナカ?」
ζ(゚ー゚*;ζ「!!……そ、そうですが……何か?」
( ゚∋゚)「ハジメテダ オレニ タチムカッテキタ オンナハ」
( ゚∋゚)「ミンナ ニゲルカ アヤマルカ……マア ミナゴロシニ シタガナ」
ζ(゚ー゚*;ζ「そ、そうですか……貴方の初めてになれて光栄に思います…」
( ゚∋゚)「フン キサマモ ケッキョクハ シヌダケダ」
ζ(゚ー゚*ζ「あら……そうでしょうか?もしかしたらもう一つくらい初めてを貰えるかもしれませんよ?」
( ゚∋゚)「ナンダ ソレハ」
ζ(゚ー゚*ζ「簡単です。……『貴方が初めて殺された人』」
( ゚∋゚)「…………タワゴトヲ」
ζ(゚ー゚*;ζ「!!(正拳突き…!?)」
( ゚∋゚)「ハアッ!!」
ζ(゚ー゚*;ζ「きゃあ!!」
( ゚∋゚)「ホウ…………………ウマク サケタナ」
ζ(゚ー゚*;ζ(あ、危ない……避けていなければ確実に一撃で……)
ζ(゚ー゚*;ζ(……彼に普通の毒は効くのでしょうか……)
ζ(゚ー゚*;ζ(……とにかく、攻撃をしないと……)
( ゚∋゚)「ウウウウウウウアアアアアアアアア!!」
ζ(゚ー゚*;ζ「なっ!!(あんなに大きな岩を片手で軽々と…!!)」
( ゚∋゚)「ツブレロ!」
ζ(゚、゚*;ζ「うわっ!!あ、危ない!!」
( ゚∋゚)「チョロチョロト ニゲマワル オンナダ」
ζ(゚ー゚*;ζ(……………おかしい…)
ζ(゚ー゚*;ζ(…………確かに針は5本も刺したはず……)
ζ(゚ー゚*;ζ(普通の成人なら失神していてもおかしくない量なのに…)
( ゚∋゚)「……………………?」
ζ(゚ー゚*;ζ(まったく…効いている気配は無し…か)
( ゚∋゚)「サッサト ケリヲ ツケヨウ」
ζ(゚ー゚*;ζ「!!ボディーブロー…!!」
( ゚∋゚)「ザンネン ケリダ」
ζ(゚、゚*;ζ「えっ……………あっ!!」
( #゚∋゚)「あああああああああああああああああああああああああ!!」
ζ( д *;ζ「がっ!!あああ…っ!」
( #゚∋゚)「マダ オワッテ イナイ!!」
ζ( д *;ζ(に……逃げなきゃ!!)
( #゚∋゚)「アアアイイイイイイッ!!」
ζ( д *;ζ「あああああ!!……カハッ!」
( ゚∋゚)「フン……ヤハリ タダノオンナカ」
ζ( д *;ζ(……い、意識が……飛びそう……!)
ζ( - *;ζ(ここは……諦めるしかないようですね……)
ζ( - *;ζ(このままじゃあ……どうしようもない)
( ゚∋゚)「……!オドロイタ マダ タチアガル チカラガ アルトハナ」
ζ( ー *;ζ(こうなったら……これに賭けましょう……)ゴソゴソ
( ゚∋゚)「………?ナンダ ソレハ」
ζ( ー *;ζ「見てわかりませんか?」
ζ(゚ー *;ζ「羽根ペンですよ」
( ゚∋゚)「ハネペン……?ソンナモノ ナニニツカウ?」
ζ(゚ー *;ζ「普通の人はこの状況であれば……遺書でも書くのですかね?」
( ゚∋゚)「コンナトコロデ イショナドカイテ ダレガヨム」
ζ(゚ー *;ζ「私は違いますよ。遺書なんか書きません」
ζ(゚ー *;ζ「これは貴方を殺す道具なのです」
ζ(゚ー *;ζ(もう…短時間で相手を倒すことは止めましょう)
ζ(゚ー゚*;ζ(狙うは耐久戦……どちらかが倒れるまでのサドンデス)
( ゚∋゚)「ソンナ ペンデ オレヲ コロス ツモリナノカ?」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ。ペンは剣よりも強しと言いますからね」
( ゚∋゚)「………………ヤッテミロ」
ζ(゚ー゚*ζ(……とにかく投げ続けましょう。いつか必ず勝機は訪れる)
( ゚∋゚)「!!……ペンガ アシニ……」
ζ(゚ー゚*ζ「気を着けて下さいね?私のペンは容赦なく飛んでくるので」
( ゚∋゚)「ナニガ シタイノカ ワカランガ オレハ オマエヲ ソウキュウニ ツブス」
( #゚∋゚)「オオオアッ!!」
ζ( ー *;ζ「うっ!!(……ビンタだけでも…この威力ですか!!)」
( #゚∋゚)「ガアッ!!」
ζ(;;д#;;ζ「あぐっ!!……ゲホッ!!(これで……5本!)」
( #゚∋゚)「ホネガ クダケルマデ ナグリ ツヅケル!」
ζ(;;д#;;ζ「あああああああああああああああああああああああああっ!!」
( #゚∋゚)「アアアアアアアアアッ!!」
ζ(;;д#;;ζ「ガフッ!!……ゲボッ!!……グガッ!!」
( ゚∋゚)「フン!!」
ζ(;;д#;;ζ「あ……あああ……」
( ゚∋゚)「コレデ キサマモ タテマイ」
ζ(;;-#;;;ζ(まだ…回らないのですか……)
( ゚∋゚)「……!ナンダ コノビンハ……」
ζ(;;-#;;;ζ(!!……私の毒液……)
( ゚∋゚)「オマエノ ダナ……? ナンテ キタナイ イロヲ シテイルンダ」
ζ(;;-#;;;ζ(あれは……体内に入れないと意味がない毒……)
ζ(;;-#;;;ζ(あの様子では…飲もうとはしないですよね)
( ゚∋゚)「キミノワルイ エキタイダ ミタクモナイ」 バシャッ
ζ(;;-#;;;ζ(!!……中身を捨てた……?)
ζ(;;-#;;;ζ(……………………)
ζ(;;-#;;;ζ(もしかするとこれは………)
ζ(゚ー#*;ζ(勝機かもしれない……!!)
ζ(゚ー#*;ζ「ええ……私としても……譲れないので」
( ゚∋゚)「シブトイ ヤツハ キライダ」
( #゚∋゚)「ツギハ カクジツニ シヌマデ ナグリツヅケテ ヤル」
ζ(゚ー#*;ζ「ええ。私も長引かせるつもりはありませんよ」
ζ(゚ー#*;ζ(ここから3歩左…この位置に行けば…!!)
( ゚∋゚)「!!ドコヘ ニゲル!!」
ζ(゚ー#*;ζ「戦略的撤退と言って下さい」
( #゚∋゚)「ニガスカ!!」
ζ(゚ー#*;ζ(来たっ!!)
( ;゚∋゚)「ウオオオッ……!?」
( ;゚∋゚)「シマッタ!!スベッテ……!!」
ζ(゚ー#*;ζ「貴方が捨てた液体……あの液体にオイルをふんだんに使っているのを思い出しました」
( ;゚∋゚)「!!」
( ;゚∋゚)「アノオンナ……ドコニ…!?」
ζ(゚ー#*;ζ「こんなに大きな背中に乗ったのは初めてですよ」
( #゚∋゚)「ソコカ!!」
ζ(゚ー#*;ζ「もう私がどこにいようかなど…関係ありませんよ」
( #゚∋゚)「ダマレ! イマスグ コロシ…………」
( ;゚∋゚)「…………………?」
( ;゚∋゚)「………………カ、カラダガ ウゴカン」
ζ(゚ー#*;ζ「貴方にずっと刺していたペンのインク芯には毒が入っていました」
( ;゚∋゚)「ド……ドクダト!?」
ζ(゚ー#*;ζ「あの毒は2回以上刺さると確実に死に至る毒です」
ζ(゚ー#*;ζ「1回では何も起りませんが、複数の毒が体に混ざると反応を起こし毒となります」
ζ(゚ー#*;ζ「しかし貴方は死ななかった。体の構造上から違うせいなのかもしれませんが……」
( ; ∋ )「グッ!!……ガアッ!!アアアアアアアアアアアア!!」
ζ(゚ー#*;ζ「貴方に刺した本数は全部で23本。定量の11倍です」
( ; ∋ )「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!ゴォ!ゲェッ!」
ζ(゚ー#*;ζ「……流石に効いたようですね」
(;# ∋゚)「コ……コロシテ…コロシテヤル!!」
ζ(゚ー#*;ζ「!!」
(;# ∋゚)「コ、コノオレガ コンナ コムスメ ナンカニ……!!」
ζ(゚ー#*;ζ「ど、毒の進行が遅い……うわっ!!」
(;# ∋゚)「キサマ クライ……!ニギリ ツブセルン………!!」
( ; ∋ )「グッ!!…………………ア…アア…」
ζ(゚ー#*;ζ「…………………?」
( ; ∋ )「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
( ; ∋ )「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
( ; ∋ )「コ………カ………………………」
( ∋ )
ζ(゚ー#*;ζ「………………………」
ζ(゚ー#*;ζ「………………し、死んだようです……ね」
ζ(゚ー#*;ζ「………………」
ζ(゚ー#*;ζ「フィレンクト………………!」
ζ(゚ー#*;ζ「………………」
ζ(゚ー#*;ζ「追いかけないと………!!」
(;;#д )「ハァ……ハァ……」
背中に5本の刺さった矢。
体中のいたるところに食い込んだ銃弾。
火傷、焦げ跡。
満身創痍もいいところだった。
( ・∀・)「フフフ……これで『決闘』も終わりですか?」
_
(;;#∀ )「ば、馬鹿言うな……。俺…俺は……お前を……」
( ・∀・)「あ~あ…完全にうわ言になってしまいましたね」
モララーは銃火器全てを止め、俺を遠くから眺めている。
今が奴を打ち取るチャンスなのに、俺は何もすることができない。
しかし、もう少しなのだ。もう少しで……。
( ・∀・)「あなたを見ている生活はとても楽しかったです。久しぶりに退屈を忘れることができました」
( ・∀・)「しかし、所詮は屑の中の一人。最後の最後でツメが甘いんですよ」
_
(;;#∀ )「ハァ……ハァ……屑は……お前だろ?」
( ・∀・)「この状況を見て誰が私を屑だと言うんです?」
もう少し。
もう少しなんだ。
俺は尽きそうな体力の中、少しずつ前進する。
(;;#∀ )「お前は怖いんだよ……。俺達海賊がな」
( ・∀・)「!!」
_
(;;#∀ )「俺達が怖いから……罠なんか張るんだ。まともに立ち向かうことができないからな」
( #・∀・)「ち、挑発をするだけの元気はあるようですね!」
_
(;;#∀ )「罠を張って引っ掛かった海賊たちを見て喜ぶクズ野郎だ」
_
(;;#∀ )「自分の部下に強姦をさせてそれを見ることしかできないクズ野郎だ」
_
(;;#∀ )「自分の上司を絶対だと思い込んでいる、命令しか聞けないクズ野郎だ」
( #・∀・)「だ、黙れ!!黙れえ!!」
( #・∀・)「私がお前ら屑を恐れているだと!?見当違いなことを言うな!!」
その時、俺の足に一枚のブーメランが当たった。
これだ。俺が待ち望んでいたものは。
モララーはまた箱を構えた。
しかし、奴が構えるよりも先に、俺がブーメランを投げた。
クルクルと回転しながらブーメランは曲線を描き、モララーの元へと向かった。
モララーは剣を取り出し、迫るブーメランに対して構えた。
無駄だ。
お前にはその攻撃を防ぐことはできない。
( ;・∀・)「え!?……ふ、増えただと!?」
ブーメランは奴の元に届く前に、2つに分裂し、襲いかかった。
1つでは確実に防がれていたが、2つあれば回避は困難だろう。
ブーメランの特徴として、ブーメラン自体を隠せるところにある。
モララーは迫ってきた一つを上手く剣で弾いたが、分裂した2つ目を弾くことはできなかった。
2つ目はモララーではなく、箱に目掛けて飛んでいった。
( ;・∀・)「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
_
(;;#∀ )「その炎も終わりか?」
ブーメランは箱を真っ二つに切り裂き、地面に刺さった。
( #・∀・)「ぐっ……ジョルジュ・キッドぉ……!!」
_
(;;#∀゚)「こいよモララー。これでケリを着けてやる」
透明の液体が入った注射器。
ここぞという時にしか使えないとっておきだ。
】海賊の七ツ道具その六:麻酔針【
俺は針を腕に刺し、液体を注入する。
これでしばらくの間は痛みを感じない。
その代わり、意識が朦朧とするなど、様々な副作用があるので俺はめったに使わないのだが。
俺は剣を握りしめ、モララーを睨みつける。
( ・∀・)「お前には俺の全ての罠で相手をしてやる」
モララーが指を弾くと、天井、壁、床、全ての場所から銃や弓矢が顔を出した。
コイツはこんな誰も来ないような空洞によくもまあここまで仕掛けたものだ。
これはフィレンクトに対する忠誠心なのか。
それとも盗られることを恐れた臆病者の行為なのか。
_
(;;#∀゚)「はっ!これだけか?足りないんじゃねえのか?」
( #・∀・)「骨すら残らない程に八つ裂きにしてやる…!!」
嵐とも呼ぶべき銃弾、矢、爆弾、投石。
じわじわと麻酔が効いてくるのが分かる。
これで痛みに恐れる心配はない。
( #・∀・)「さあ!今度はどこへ逃げる!?」
_
(;;#∀゚)「逃げるなんてとんでもねぇ……正面突破だ」
俺は右手に銃を、左手に剣を構えて走り出した。
銃弾が体に当たるが気にしない。
矢が背に刺さるが気にしない。
血がどんなに出ようとも気にしない。
_
(;;#∀゚)「これが俺の戦い方だ…!!」
( ;・∀・)「!!う、嘘だろ……!?」
俺とモララーの距離はどんどんと縮まる。
どんなに攻撃を受けてもびくともしない俺の姿を奴は怯えた目で見ていた。
どうだ。やっぱりお前は怯えていただろう?
_
(;;#∀゚)「モララあああああああああああああああああああああ!!」
(;;#∀゚)「ああああああああああああああああああああああああああ!!」
距離30m。
右手に握っていた銃が銃弾によって弾かれた。
しかし、俺は拾うことなく先へ進む。
( ;・∀・)「う、うわああ!!……く……くっ!」
距離20m。
流石のモララーも危機感を感じずには居られなかったようだ。
剣を構え、俺を睨む。
それでも俺は前へ進む。
( ;・∀・)「く…来るなあああああああああああ!!」
距離10m。
気付けば銃弾によって俺の剣はボロボロになっていた。
それでも構わない。
奴を斬れるスペースがあれば構える。
_
(;;#∀゚)「あばよ!!『駆除』!!」
俺は剣を思い切り振り上げ、素早く振り下ろした。
_
(;;#∀゚)
( ;・∀・)
( ;・∀・)「…………………あ」
( ;・∀・)「あ…あっ、ああああ!」
モララーの剣と俺の剣が再び交わったその瞬間。
ついに耐えきれなかった俺の剣がモララーの攻撃によって折れた。
刃先は弾け飛び、モララーの頭上を越えて地面に突き刺さった。
( ;・∀・)「あーっはっはっはっはっはっはっは!!」
( *・∀・)「折れた!!折れたよお前の剣!!」
( *・∀・)「そんな剣で俺を殺すって言うのか?あっはっはっはっはっはっはっはっは!!」
_
(;;#∀゚)「………………………」
( *・∀・)「コイツは傑作だあ!!『決闘』の剣が折れた!!」
よっぽどこいつのツボに入るものがあったのだろう。
( ・∀・)「おい!何とか言ったらどうなんだ!?丸腰海賊!!」
_
(;;#∀゚)「………………………」
俺は逆にとても落ち着いていた。
それは『海底』との勝負に決着がついた時のような感覚に似ていた。
( ・∀・)「出す手が無くて悔しいのか!?それとも剣が折れて悲しいのか!?」
_
(;;#∀゚)「…………………………モララー」
俺は声を出す。
それと同時に、俺は折れた剣を投げ捨てた。
( ・∀・)「何だ!?『調子に乗ってすみません』か!?命乞いか!?」
_
(;;#∀゚)「親父の航海に言った時の話……その続きを話してやるよ」
( ・∀・)「ああ?今さら何をいっ…………」
俺はモララーに近付き、モララーの腹に左手を当てた。
モララーの体はえらく震えていた。
(;;#∀゚)「あの時、俺が怪我を負った場所は左腕だった」
_
(;;#∀゚)「俺の左腕は綺麗に海獣に喰われ、9歳で俺は肘から下を失った」
_
(;;#∀゚)「しかし、その時発明家の父が早急に作ってくれたんだ。俺の義手をな」
( ;・∀・)「う………ああ……ああ……!!」
モララーの口から血が溢れる。
奴は握っていた剣を落とし、俺の左手を掴んだ。
_
(;;#∀゚)「義手の接合は上手くできたがその義手には2つの技術が組み込まれていた」
_
(;;#∀゚)「一つは義手の掌にだけ、強力な磁石を埋め込んだ」
_
(;;#∀゚)「こうすることにより、俺は鉄ならば左手で掴むことができるようになった」
俺の七ツ道具…。
鉤爪ロープも、盾も、パチンコも、ブーメランも。
そして剣にも全てのグリップに金属が埋め込まれていた。
俺が道具を持ち歩くのは、左手でできる握れるものがそれしかないからだ。
_
(;;#∀゚)「そしてもう一つ」
( ; ∀ )「あ……あああああ………ああ…」
_
(;;#∀゚)「この手には………仕込み剣が隠されている」
】海賊の七ツ道具その七:仕込み剣【
俺が義手のある取っ手を引くと、その剣は現れる。
長さはそこまで無いが、身を守るだけならば十分だ。
弱かった俺に父が与えてくれた最後の武器だ。
_
(;;#∀゚)「悪かったなモララー……これが海賊の決闘なんだ」
( ; ∀ )「くそっ……!!おのれぇ……!!」
その剣は今、モララーの体内に深く刺さっている。
俺の左手袋を突き破り、モララーの腹を裂いた。
血がドクドクと溢れだし、足元に何滴も零れ落ちた。
モララーは俺を突き飛ばし、剣を抜いた。
( ; ∀ )「殺す……殺してやる……!」
( ; ∀ )「海賊を潰すのは私の仕事だ……私の仕事なんだ……!!」
モララーは落とした自分の剣を拾い、大きく振り上げた。
( ; ∀ )「死ね……ジョルジュ……!!」
_
(;;#∀゚)「だから………言っただろう?」
_
(;;#∀゚)「俺の手には強力な磁石が入っているって」
もちろん、その進行方向にいたモララーは障害となり、もららーに刃は当たった。
剣がモララーの左胸を背中から貫き、体を貫通した。
( ・∀・)「………………………」
( ・∀・)「あ…………れ……………………」
( ∀ )
その後、モララーはフラフラと体を揺らしながら倒れた。
モララーは立ち上がることはなかった。
その瞬間、あれほど騒がしく飛び交っていた罠がピタリと止んだ。
おそらく、モララーがこの安全地帯から離れたら自動で止まるように仕掛けられていたのだろう。
_
(;;#∀゚)「………………………」
_
(;;#∀゚)「じゃあな。嘘つき野郎」
_
(;;#∀゚)「俺は正直者だから正直に答えてやるよ」
_
(;;#∀゚)「お前を見ている生活はとても楽しかった。久しぶりに退屈を忘れることができたよ」
モララーの服から俺の右手袋を探し出し、手にはめる。
俺は戦利品として、モララーの剣を拾い、その場を後にした。
残す目的はあと一つ。
『メデューサの瞳』だ。
(;#∀゚)「!!…デレ!!」
フィレンクトが通った穴を進む途中、横たわったデレを見つけた。
体中を酷く打ち付けており、骨もところどころ折れていた。
その横には、『巨人』の死体があった。
ζ(;;ー#*ζ「う………ジョルジュさんですか?」
_
(;#∀゚)「おお!大丈夫か!?」
デレは生きていた。しかしその声はとても掠れている。
ζ(;;ー#*ζ「すいません……フィレンクトを追おうと思ったのですが、足の骨を折っており……」
_
(;#∀゚)「ああ、気にするな。それよりも…お前が倒したのか?」
町の絶対的暴力と恐れられていた『巨人』。
まさかこいつを倒したのがこんな女性だとは。
ζ(;;ー#*ζ「おそらく……フィレンクトはまだこの傍にいます。ですから……」
_
(;#∀゚)「ああ、わかった。後は俺に任せろ」
俺はデレを担ぎ、洞窟を出た。
残す敵はあと一人、フィレンクト卿だけだ。
(‘_L’)「遅い………………」
(‘_L’)「モララーの奴は何をやっているんだ……」
(‘_L’)「クックルもそんなにかかる相手ではないだろう……」
(‘_L’)「…………もういい。先に行くぞ」
(‘_L’)「船を出せ。アイツらなら上手いことやって帰ってこれるだろう」
「待ってくれよ。まだ俺が乗るぜ」
(‘_L’)「!!誰だ……………」
(;‘_L’)「何故お前がここに………も、モララーは……」
_
(;;#∀゚)「『メデューサの瞳』……奪いに来たぜ」
フィレンクトは俺を殺すよう、部下に命令を下した。
船は出港し、後戻りのできない状況だ。
それでも構わない。
_
(;;#∀゚)「来いよ……相手してやるぜ…!」
俺はすかさず近くにいた兵士を斬りつけた。
一人、二人……。
とにかく戦闘態勢に入ろうとする奴から斬りかかる。
銃を構える奴は好都合だ。
その銃を俺が拾い上げ、使うことができる。
今は痛みを全く感じない。
死んでいないということは致命傷に当たる攻撃は喰らっていないということだ。
_
(;;#∀゚)「おら!!もっと手ごたえのある奴はいないのか!?」
剣を交えても、2回以上当ててしまうとすぐに隙が見えてしまう。
いくら近距離から銃で狙われても、緊張してしまい、全く俺まで当らない。
気付けば船は海の真ん中まで来ていた。
(;‘_L’)「おい!何をやっている!!」
(;‘_L’)「相手は怪我を負った海賊一人だぞ!?」
(;‘_L’)「何故……何故殺せないんだ!!」
_
(;;#∀゚)「じゃあお前がかかってこいよ」
(;‘_L’)「は?…………え、え?」
船に乗ってわずか数分、俺は船員を全滅にした。
本当に手ごたえのない奴らだ。
この船にはもう俺とフィレンクト卿しか乗っていない。
_
(;;#∀゚)「残念だが……あんたは殺す。宝石がどうなろうとな」
(;‘_L’)「ば、馬鹿な!そんなことをして許されると思っているのか!?」
_
(;;#∀゚)「あんたは許可を得て貴族の船を襲った海賊を見たことがあるのか?」
俺は銃を構えながらフィレンクトの元へ近づく。
その瞬間だった。
(;;#∀゚)「!!」
(;‘_L’)「!?なっなんだ!」
大きな揺れが俺達の船を襲う。
なんだ?砲撃か?
しかし、この船以外に周りに船など見当たらなかった。
じゃあいったい、この衝撃は何だ…?
その瞬間、俺の目の前に大きな影が現れた。
(;‘_L’)「あああああああ……ああ」
_
(;;#∀゚)「で…でけぇ…………!」
揺れの正体は砲撃ではなかった。
まさか1日に2匹も出会うとは…。
俺達の目の前に出現したのは
1匹の
巨大な海獣。
_
(;;#∀゚)「うわああああああああああああああ!!」
さっき見た海獣とは比較にならない程の大きさ。
体長は10mを優に超えている。
血の匂いにつられてやって来たのだろう。
海獣は船の半分ほどの口を大きく開き、もう一度海に潜りこんだ。
(;‘_L’)「わわわわかった!!私があの宝石を持ち出したのが悪かったんだな!!」
(;‘_L’)「海の神よ!!私の罪をお許し下され!!」
フィレンクトは発狂し、宝石を取り出すと、海に向かって腕を振り被った。
まずい。こいつ海に宝石を捨てるつもりだ。
俺はフィレンクトを押さえつけ、宝石を奪う。
_
(;;#∀゚)「おい!馬鹿な真似はやめろ!!」
(;‘_L’)「は、離せ!!死にたくない!!」
_
(;;#∀゚)「馬鹿か!もう俺達は海獣の!!」
その時、船の両側から同時に無数の牙が生えた物体が海から現れた。
誰が見たってその存在は明らかだ。
海獣の上顎と下顎に挟まれたのだ。
(;;#∀゚)「うわあああああああああああああああ!!」
俺はとっさに飛び上がり船首にしがみつく。
船の中央は噛み砕かれ、文字通り船は真っ二つになった。
船は傾き沈み始めた。
俺に残された時間はこの半分になった船の浮力に頼るばかりとなった。
(;‘_L’)「誰か!!誰かあ!!た、助けてくれ!!助けてくれえ!!」
よく見ると、沈みかけた船にフィレンクトが必死にしがみついていた。
足は海にどっぷりと浸かっており、上体だけでなんとか船に残っていた。
こいつ…なかなかの強運だ。
_
(;;#∀゚)「助かりたきゃ自分で這い上がってきな!!」
この時点で俺は自分の命を救うだけでやっとだってのに、こいつのことなど構っていられるか。
(;‘_L’)「頼む!!さっきの攻撃で足を喰われてしまったんだ!!」
_
(;;#∀゚)「何だって?」
よく見ると、フィレンクトの周りだけ、海の色が赤かった。
なるほど、下半身はもう無いのか。
それでは一人で這い上がってこれないだろう。
別にこいつを助ける義理はないが、この緊急時の中で無視するわけにもいかなかったので俺は助けることにした。
_
(;;#∀゚)「……おい!今からそっちに行くからちょっと待って……」
その時、俺の目の前でフィレンクトは海獣に攫われていった。
(;;#∀゚)「…………………え?」
本当に一瞬の出来事だった。
あっという間に海獣はフィレンクトを飲み込み、海に潜っていった。
何たる暴虐。
これが同じ生物だと言うのか。
_
(;;#∀゚)「くそっ!!どうする!?」
ここまでくれば落ちは読める。
次に狙われるのは俺だ。
だが、全ての目的を俺は達成したのだ。
こんなところで死ぬわけにはいかないんだ。
_
(;;#∀゚)「……………………来たか…」
俺の前に大きな顔を出した。
まるで大きな岩を見ているかのような大きさ。
俺の存在が如何にちっぽけなのかがよくわかる。
奴は大きな口を開け、俺に近付いてきた。
_
(;;#∀゚)「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
どうする!?
何ができる!?
しかし、対策などなにも思いつかない。
俺は死を覚悟した。
その瞬間までは。
海獣は驚いて海に潜る。
俺は一命を取り留めた。
_
(;;#∀゚)「なっ……砲弾…!?」
俺は辺りを見渡す。
するとそこには頼れる面々がいた。
('A`;)「キャプテン!!大丈夫っすか!?」
( ;><)「スカルチノフさんがまたやってくれたんです!!」
/ ゚、。 /「めっちゃ怪我してるじゃないですか!!直ぐに戻って手当てをしましょう!!」
/ ,' 3「………………」グッ
ζ(;;ー゚#*ζ「ジョルジュさん……!」
ドクオ、ビロード、ダイオード、スカルチノフ、デレ。
出港メンバーが船に乗り、すぐ側まで来てくれた。
おそらくデレがクルー達に教えてくれたのだろう。
_
(;;#∀゚)「お、お前ら………!!」
まさかこいつらが来てくれるとは…。
しかし、それはそれで大変な問題になった。
(;;#∀゚)「直ぐに逃げろ!!お前らまで狙われるぞ!!」
俺は大声で奴らに向かって叫ぶ。
まずい。俺の次はアイツらが喰われてしまう。
急いでここを離れてくれ。
('A`;)「だ、駄目ですよ!!何を言ってるんすか!」
( ;><)「皆で島に帰るんです!!」
_
(;;#∀゚)「馬鹿言ってんじゃねえ!これは遊びじゃねえんだぞ!」
/;゚、。 /「でも…船長を連れて帰らないと…!」
_
(;;#∀゚)「俺にかまうな!!いいから先に……」
その時、3度目の影が現れた。
今度は砲撃などでは引かないだろう。
_
(;;#∀゚)「ははっ……俺を喰うってのか?」
覚悟を決めろよジョルジュ・キッド…『決闘』
お前はクルーを守るために戦うんだ。
_
(;;#∀゚)「来いよ……相手してやるぜ……」
大切な者の為……それがお前の戦う理由だろう?
_
(;;#∀゚)「決闘だ」
もうここまできたら後には引けない。
('A`;)「キャプテン!!ちょっと!!」
クルーの声はもう聞こえない。
後は俺とこいつだけだ。
_
(;;#∀゚)「こいよ!お前は俺が殺してやる!!」
牙が沈みかけた船を覆い、日の光を閉ざした。
俺を喰えばお前はきっと満足するはずさ。
( ;><)「船長!!逃げて下さい!!」
/;゚、。 /「船長!!船長!!」
俺の誇りを。
俺の命を。
賭けてやる。
.
.
( ;><)「せ……船長?」
/;゚、。 /「そ……そんな…」
/;,' 3「………………………」
ζ(;;ー゚*;ζ「……………………」
(;A;)「きゃ……キャプテン………嘘だろ…?」
(;A;)「キャプテン……う…ううう…」
(;A;)「うわあああああああああああああああああああああ!!」
(;A;)「わあああああああああああああああああああああ!!」
/;゚、。 /「………………………ん?」
/;゚、。 /「何だ?なにか海から…飛んで……」
( ;><)「うわああああ!何かがマストに巻き付いたんです!!」
ζ(;;ー゚*;ζ「な、何ですか!?…ロープ?」
(;A;)「そ、それ……………!!キャプテンの鉤爪ロープじゃねえか!!」
(;;#∀゚)「おい!誰か引き上げてくれ!!」
(;A;)「きゃ……キャプテン!!」
俺は海面から顔を出し、大声で船員に声をかける。
俺の存在に気付いたクルーは大急ぎでロープを引き上げた。
( ;><)「船長!だ、大丈夫だったんですか!?」
/;゚、。 /「確実に喰われて海に沈んだじゃないですか!」
_
(;;#∀゚)「ああ、まあそうなんだけどな」
喰われた瞬間、俺は飲みこまれる前に、銃で3発口内を攻撃し、
その後ブーメランで皮膚を切断。そのわずかな隙間から剣で切り裂いた。
口をぱっくり裂き、そこから脱出、最後に鉤爪ロープを使い、船に戻ることができた。
海獣は相当深手を負ったしあの口ではしばらくは何も噛むことができないだろう。
俺は何とか生き延びた。
(;A;)「キャプテエエエエエエエエエエン!!死んじゃったのかと思いましたよおおおお!」
ドクオが俺に抱きついてきた。
それと同時ぐらいに俺は麻酔が切れたので体のあちこちが痛みだした。
_
(;;#∀゚)「やめろおおおおおおおおおおおおお!マジで死ぬわ!」
ダイオードが担架を用意し、俺を船内に運ぶ。
ビロードとドクオに運転は頼み、俺はゆっくりと休むことにする。
ζ(゚ー゚*ζ「宝石……しっかり持って来たんですね」
_
(;;#∀゚)「ああ…まあな」
俺はどんな状況でもこれだけは手放さなかった。
『メデューサの瞳』。
いろいろ慌ただしくて見ることができなかったがよくよく見てみるととても美しい。
確かに秘宝と呼ばれるだけの価値はある。
_
(;;#∀゚)「分け前は…半々だったか?」
ζ(゚ー゚*ζ「その件ですが……私は受け取るわけにはいきません」
_
(;;#∀゚)「ああ?どうしたよ急に…」
ζ(゚ー゚*ζ「ここまでこれたのは全て貴方達の挑戦の結果です。私は何もしていない」
_
(;;#∀゚)「何言ってんだよ『巨人』を倒したのはお前だぜ?」
ζ(゚ー゚*ζ「それだけです。私は何としてもフィレンクトから宝石を取り戻したかった」
しかし、船まで借りといてこれでは俺も後味が悪い。
俺も何か彼女の為にしてやりたい。
_
(;;#∀゚)「なあ、デレ」
ζ(゚ー゚*ζ「………何ですか?」
_
(;;#∀゚)「お前…俺の海賊団に入らないか?」
ζ(゚ー゚*;ζ「え……!?」
_
(;;#∀゚)「今回の航海……。やっぱりお前の力もあっての成功だ。お前は単独で生きるのには惜しい」
ζ(゚ー゚*;ζ「……………………」
_
(;;#∀゚)「無理にとは言わねえ。ただ一つだけ言わせてくれ」
_
(;;#∀゚)「俺はお前のシチューがもう一度食べてえな」
ζ(゚ー゚*ζ「……………………」
ζ(゚ー゚*ζ「私……あまりバストが無いんですけど」
_
(;;#∀゚)「俺が誘う分には問題なしだ」
ζ(゚ー゚*ζ「………なんですかそれw」
デレはクスッと頬笑んだ。
俺の海賊団に5人目の仲間ができた瞬間である。
しかし、怪我で体が動かなかったのでダイオードのドクターストップがかかり、結局面会は1週間後になった。
ドクオ達に俺の安否だけ伝えてもらい、俺はその間一生懸命練習した。
何の練習かって?
言わせんな恥ずかしい。
そして待ちに待った一週間後、俺はツンの家に出向いた。
('A`;)「大丈夫です!その宝石を見せて落ちない女はいません!」
_
( ;゚∀゚)「マジ!?本当!?」
( ;><)「深呼吸です!深呼吸!」
_
( ;゚∀゚)「ビッ!ビッ!ブー!ビッ!ビッ!ブー!」
/;゚、。 /「キザは今日日流行んないですよ!狙うはクール一択です」
_
( ;゚∀゚)「おっけ!まかせろやあ!!」
/ ,' 3「………………」ニヤニヤ
ζ(゚ー゚*ζ「落ち着いてくださいよ!船長!」
_
( ;゚∀゚)「どどど、どこをどう見たらお、お、俺が落ち着いてないんだよ!」
( ;゚∀゚)「よし……行ってくるわ」
俺は拳を握りしめ、ツンの元へ行く。
さあ、今日こそは言うんだ。
あの言葉を。
ξ゚⊿゚)ξ「いらっしゃいま……………」
ξ゚⊿゚)ξ「あ………………」
_
( ゚∀゚)「……………………おう」
久しぶりのツンは相変わらず美しかった。
特に顔色が悪いわけでもなく、普段の日常を取り戻しつつあるようだ。
店は賑わっていたが気にすることはない。
_
( ゚∀゚)「久しぶりだな……体は大丈夫か?」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたこそ…結構怪我したって聞いたわよ?」
_
( ゚∀゚)「まあ、な」
はじめは気楽な世間話から入る。
その次が最大の問題だ。
_
( ;゚∀゚)「あのさ…実は…ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ……」
_
( ;゚∀゚)「え?あ、ああおう、何だよ」
俺はプロポーズを中断し、ツンの話を聞くことにする。
ξ゚⊿゚)ξ「モララー様……は?」
_
( ゚∀゚)「………………………」
俺はどう答えればいいか迷った。
騙されていたとはいえ、ツンが一度は愛した男だ。
アイツのことは俺しか知らない。
_
( ゚∀゚)「モララーは…………俺が殺した」
考えた末、俺は正直に伝えることにした。
もしかしたらツンはそこまで望んではいなかったのかもしれない。
しかし、俺はアイツを殺さないわけにはいかなかった。
ξ゚⊿゚)ξ「そう……………………」
ツンはそれだけしか返さなかった。
それ以上の言葉は彼女の口からは出ることはなかった。
ξ゚⊿゚)ξ「私ね…………偽物の恋愛をしていたみたい」
ξ゚⊿゚)ξ「モララー様と過ごした日は確かに楽しかった。でも……」
ξ゚ー゚)ξ「空っぽだった……」
( ゚∀゚)「ツン………………」
ξ゚ー゚)ξ「私は自分で自分に嘘をついてたの」
ξ゚ー゚)ξ「私はモララー様が好きなんだー、愛しているんだ―って」
ξ゚ー゚)ξ「でも違った。心のどこかで否定している自分を受け入れようとはしなかった」
ξ゚ー゚)ξ「ごめんねジョルジュ…わたしのせいでこんなことになって…」
_
( ;゚∀゚)「気にすんなよ!俺は…気にしてねえから」
ξ゚ー゚)ξ「うん……私は気付かなかったの。本当の幸せなんて一番近い場所にあるんだって」
_
( ;゚∀゚)「ツン!!それって……」
ξ゚ー゚)ξ「うん……私………」
ξ゚ー゚)ξ「常連のイトーイさんと結婚する!!」
.
以`゚益゚以「すごおおおおおお…ぶしゅううううううう…」
ξ*゚⊿゚)ξ「イトーイさん!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ぶうぶうぶおおおおおおおおお…」
ξ*゚⊿゚)ξ「そんなやだあ……」
_
( ゚∀゚)
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ごごごごううううううう……」
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚)
( ゚∀゚)「え?……あ………あれ?」
ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジュ!そう言うことだから!」
_
( ゚∀゚)「え?え?な、何、え?」
ミ;,,゚Д゚彡(あーあ………)
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ…ジョルジュには紹介してなかったね」
ξ゚⊿゚)ξ「この人…私の恋人のイトーイさん!」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ぶしゅうううううううううう…!」
ξ*゚ー゚)ξ「ジョルジュもよろしくね!」
_
( ∀ )
以`゚益゚以「しゅうううううごおおおおおおううう…?」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、ただの知り合い。子供の頃によく遊んだ」
_
( ∀ )
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「ぢゅぢゅぢゅううう……ごふっごふっ…・」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「すぽぽぽぽぽぽぽぽぽぅ………」
_
( ∀ )「……………………ヶ」
ィ'ト―-イ、
以`゚益゚以「……………………………け?」
.
_
( #゚∀゚)「決闘だあああああああ!!」
.
完
】人はその男を『決闘』と呼ぶようです【
.
】人はその男を『決闘』と呼ぶようです【
完
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とにかく乙だ! ずっと張ってた甲斐があった!
音楽祭り最初から投下してたのにまにあわなかった…
くそっ!!長過ぎんだよ!
あとがきとしましては
ここの登場人物は全て子供のような思考の人たちだけで構成しました。
・珍しいものを使って好きな子の気を引こうとする男の子
・嫌いな子がいるから間接的にいじめる子
・好きな子にすぐ結婚とか言っちゃう子
・一番最初に触らなきゃ気が済まない子……etc
それを海賊とミックスした形になります。
テーマとなる曲から子供じみた感情を受け取ったもので。
本酉はフェスのあとがきスレ公開します。
楽しかったぜ
面白かった
最高だった
これだけ長いのに一気に読めた
面白かったよ
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カテゴリ: ブーン系
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