('A`)ドクオは異世界に召喚されたようです
カテゴリ: ブーン系
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※未完のままHTML化されてしまいました。
過去にもまとめた作品ですが、今回最初からまとめ直しました。
('A`)ドクオは異世界に召喚されたようです TALE.2
('A`)ドクオは異世界に召喚されたようです TALE.3 - TALE.4
1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/09/11(土) 20:44:20.84 ID:ha6BH2Uo ('A`)「…」
('A`)「23時か」
('A`)「やっと今日も終わりか…」
('A`)「相変わらずつまらない一日だった…」
('A`)「学校に行って勉強をして帰って寝るだけの毎日」
('A`)「…くだらねぇ」
('A`)「…さっさと寝るか」
('A`)「…」
('A`)「zzz」
※未完のままHTML化されてしまいました。
過去にもまとめた作品ですが、今回最初からまとめ直しました。
('A`)ドクオは異世界に召喚されたようです TALE.2
('A`)ドクオは異世界に召喚されたようです TALE.3 - TALE.4
('A`)「23時か」
('A`)「やっと今日も終わりか…」
('A`)「相変わらずつまらない一日だった…」
('A`)「学校に行って勉強をして帰って寝るだけの毎日」
('A`)「…くだらねぇ」
('A`)「…さっさと寝るか」
('A`)「…」
('A`)「zzz」
???「タスケテ…」
???「オネガイ…ダレカ…」
???「タスケテ…!」
('A`)「…」
('A`)「…夢か」
('A`)「…女の子だったな」
('A`)「何か目ぇ冴えちまった…コンビニ行くか」
('A`)「着替えてっと…準備完了…行くか」
―コンビニ―
ウィーン
( ゚д゚)「いらっしゃいませぇ」
('A`)「(…こっち見過ぎだろ)」
('A`)「(来たのは良いけど買うもの考えてなかったな)」
('A`)「(スポーツドリンクでも買って帰るか)」
( ゚д゚)「こちら一点で150円になりまぁす」
('A`)「…はい(こっち見過ぎだろ…)」
('A`;)「げっ!もう午前3時じゃねぇか…さっさと寝ないと…」
ヴィィィィーーン
Σ('A`)「!!!」
('A`;)「(な、何だ今の音!)」
('A`;)「…勝手にパソコンが起動しただけか…びっくりした」
('A`)「それにしても何で勝手に…」
('A`)「まさか幽霊とかなーハハハ」
('A`;)「…」
('A`;)「電源落としたらまた起動したりしないよな…」ソーッ
ピカーッ!!
Σ('A`;)「うわっ!何だ!画面が眩し……!」
…
……
………
………
……
…
('A`)「…うぅ…いてて」
('A`)「今のは一体何なんだ…」ムクリ
Σ('A`;)「ってあれ!?ここどこだよ…森か…?」
('A`;)「(なんで森なんかにいるんだよ…さっきまで部屋の中にいたのに…)」
('A`;)「………どうしよう」
タッタッタッタ…
ドカッ!Σ('A`)「うぉお!」
('A`;)ミ「こ、今度は一体なんだ!」クルッ
川 ゚ -゚)「う…すまない、よそ見をしていた」
('A`;)「お、女…?」
川 ゚ -゚)「それよりキミ、早くここから逃げた方がいい。危険だ」
('A`;)「へ?危険って…」
グルルルル…
Σ('A`;)「うわ!なんだコイツら!狼か!?」
川 ゚ -゚)「遅かったか…」
グルルルル…
('A`;)「囲まれてる…」
川 ゚ -゚)「念のため聞いておくが、キミは魔法使いか?」
('A`;)「は?マホウ?マホウって…」
川 ゚ -゚)「どうやら違うようだな、少し厳しいな」
狼?A「ガウゥッ!」バッ
Σ川 ゚ -゚)「…!アイスニードル!」シュシュシュッ!
狼?A「ギャウゥ!」ドスドスドス!
('A`;)「!!!…な、何だ今の…何もない空間から氷の槍が…」
川 ゚ -゚)「後2体か…」
狼?BC「ガルルルル…」
狼?BC「ガウ!」ババッ
川 ゚ -゚)「アイスニードル!」シュシュシュッ!
狼?B「ギャウ!」ドスドス!
川 ゚ -゚)「……??もう1体はどこに…」
狼?C「…」バッ
('A`;)「…」ボーッ
川 ゚ -゚)「!!危ない!」
狼?C「ガアァ!」
('A`;)「へ?うわぁ!」ドカ!
ザシュッ!
('A`)「いたたた…」
('A`;)「あれ?怪我がない…」
川;゚ -゚)「ぐっ…」ダラダラ
('A`;)「ってオイ!う、腕!俺をかばって…!」
川;゚ -゚)「これくらいならなんてことない…早く逃げるんだ…」ダラダラ
('A`;)「こ、こんな大けがしてて大丈夫なわけがないだろ!お前も逃げるぞ!」
狼?C「ガルルルルル!」ジリジリ…
Σ('A`;)「ヒエェッ!」ビクッ
川;゚ -゚)「…早く逃げるんだ」
狼?D「グルルル…」ザッ
('A`;)「後ろから…!」
川;゚ -゚)「…新手か」
狼?CD「グルルル」ジリジリ
('A`;)「…」
川;゚ -゚)「こう挟まれては逃げられないな」
('A`;)「…せめて俺に武器さえあれば…」 シュゥ
川;゚ -゚)「…ないものをねだっても仕方ないさ」
('A`;)「ってあれ?刀?」ズシ
川;゚ -゚)「(これは…)」
川;゚ -゚)「…好都合だ、キミに1体任せよう」
Σ('A`;)「え!は、初めて使うんだけど!」
川;゚ -゚)「このまま死にたくはないだろう?」
('A`;)「…あ、ああ、わかった」
狼?CD「グルルル…」
川;゚ -゚)「…」
('A`;)「…」
('A`;)「(飛び掛かってくる時を狙って…)」
狼?CD「ガア!」ババッ
Σ('A`;)「(き、来た!)」
川;゚ -゚)「アイスニードル!」シュシュシュッ!
狼?C「ギャンッ!」ドスドスドス!
('A`;)「おおお!」ブンッ!
狼?D「キャンッ!」ズバッ! ドサリ
狼?D「…」
('A`;)「お、終わったか…?」ソーッ
川;゚ -゚)「まだ生きているぞ!」
狼?D「ガァァ!」バッ
Σ('A`;)「うわあ!」ブンッ!
狼?D「ギャンッ!」ズバァ! ドササッ
川;゚ -゚)「…今度こそ終わったよ」
('A`;)「た、助かったのか…」
川;゚ -゚)「ああ…」
('A`;)「あ!そ、そういえばお前怪我してたじゃないか!大丈夫か!」
川;゚ -゚)「ああ、これくらいならな…」
('A`;)「かなり血が出てるんだが…ほんとに大丈夫なのかよ…」
川;゚ -゚)「…」
川;゚ -゚)「ヒール!」パアァァァ
('A`;)「!!…傷がふさがっていく…」
川 ゚ -゚)「ふう…これでもう大丈夫だ」
('A`)「(これが、コイツがさっき言っていた魔法ってやつか?)」
('A`)「…今の怪我が治ったのも、さっきの氷の槍も、魔法なのか?」
川 ゚ -゚)「ああ、その通りだ」
('A`)「(マジかよ…現代社会に魔法なんてもんが存在してたなんて)」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「キミ」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「名前をまだ名乗っていなかったな。私はクーだ。キミは?」
('A`)「ああ、俺はドクオだ」
('A`)「そういえば助けてもらった礼がまだだったな…さっきは助かった、ありがとう」
川 ゚ -゚)「お互い様だよ。4体目が現れたとき、キミがいなければ私が危険な目に遭っていた」
('A`)「そうか」
川 ゚ -゚)「ところでキミは何故この森に?」
('A`)「あ!すっかり忘れてた…」
('A`)「さっきまで部屋の中にいたんだが」
川 ゚ -゚)「ふむ」
('A`)「いきなりパソコンが起動して、画面が光ったと思ったらこの森にいたんだ」
('A`)「夜も遅えしそろそろ家に帰りたいんだが、ここって東京のどの辺りなんだ?」
('A`)「しかし、東京にまだ狼が生存してたとは驚いたぜ」
('A`)「そういえばさっきの魔法すごかったなー。狼串刺しにしちまったもんなー」
Σ('A`;)「ってか狼殺しちまったじゃねーか!動物虐待で捕まっちまうんじゃ…」
('A`;)「そもそもこの刀持ってる時点で銃刀法違反じゃねぇか…」
川 ゚ -゚)「…ちょっといいかな」
('A`)「ん?ああ悪い、どした」
川 ゚ -゚)「先ほどから聞き慣れない単語がいくつかあるんだが…パソコン?とかトーキョー?とは一体何のことだ?」
('A`)「」
('A`)「…質問に質問で返してすまないんだが、ここはどこなんだ?」
川 ゚ -゚)「ここは中央大陸東南端の村近辺の森だ」
('A`)「…日本という国名に聞き覚えは?」
川 ゚ -゚)「ないな」
('A`)「…アメリカという国名に聞き覚えは?」
川 ゚ -゚)「ないな」
('A`)「…オーストラリアという国名に聞き覚えは?」
…
……
………
………
……
…
('A`;)「ハアハア」
川 ゚ -゚)「もう訊きたい国名はないか?」
('A`#)「じゃあここは一体何処だって言うんだよ!」
川 ゚ -゚)「さっきも言ったが中央大陸東南端の村近辺の森だ」
('A`)「そーゆうことじゃなくてだなぁ…!」
川 ゚ -゚)「まずは少し落ち着いてくれないか」
('A`)「あ、ああ、すまん…」
川 ゚ -゚)「その事なんだが、ふと思いついた事がある」
('A`)「?」
川 ゚ -゚)「キミは召喚魔法で異世界から喚ばれたのではないか」
('A`)「…そんなものまであるのか」
川 ゚ -゚)「ああ。キミが知らない国名ばかり挙げて、始めは冗談ばかり言ってるのかと思ったが」
川 ゚ -゚)「しかしその真剣さから、とても嘘を並べ立てているようには見えなかった」
川 ゚ -゚)「魔法の存在が当たり前のこの世界に、まるで今まで魔法を見たことがなかったかの様なキミの反応」
('A`)「事実、魔法なんてものは俺は見たことがなかった」
川 ゚ -゚)「ああ。とにかく、キミが異世界の住人であることはほぼ間違いないはずだ」
('A`)「魔法なんてモノ見せられた以上、認めざるを得ないな…ってか薄々気付いてたよ…」
('A`)「で、どうやったら俺は帰れるんだ?」
('A`)「魔法なんて便利なモノがあるんだし、どうせサササーっと帰せるんだろ?」
川 ゚ -゚)「いや、無理だ」
('A`|||)「…」ガーン
川 ゚ -゚)「ここで話し続けるとまたさっきの奴らにまた襲われかねない」
川 ゚ -゚)「私が住んでいるところまで移動しよう」
川 ゚ -゚)「詳しいことはそこで話す」ガッΣ('A`|||)
(((('A`|||)「…」ズルズル
―村はずれの教会―
川 ゚ -゚)「ここだ」
('A`)「(教会ってどこの世界にもあんのな…)」
川 ゚ -゚)「ただ今戻りました」
( ゚Д゚)「よく戻った!首尾はどうだった!?」
('A`;)「(コイツが神父か…なんだか神父っぽくねーな)」
川 ゚ -゚)「魔物の存在を確認、見つけたものは退治しました」
( ゚Д゚)「良くやった!…ところでそいつは誰だゴルァ!」
Σ('A`;)「ヒャァッ!」
川 ゚ -゚)「この者は…」
~~~~
( ゚Д゚)「そうか!クーをよく助けてくれた!礼を言うぞ!」
('A`)「いや、こちらも助けられましたし…」
( ゚Д゚)「で、だ!どうやってお前の住んでた世界に戻るかだが!」
( ゚Д゚)「さっぱりわからん!」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「召喚魔法はかなり珍しい部類の魔法でな、不明な部分が多いんだ」
('A`)「ん?魔法って誰でも使えるもんじゃないのか?」
('A`)「あの狼に囲まれたときに、クーが俺に魔法使いかどうか訊くくらいだから誰でも扱えるもんだとばかり…」
( ゚Д゚)「概ねそうだ!」
( ゚Д゚)「だがしかし!人は基本的に1種類の魔法しか扱うことができないとされる!」
( ゚Д゚)「例えば火なら、火の魔法しか扱えないのだ!」
('A`)「え?でもクーは氷と回復の2種類だったよな」
( ゚Д゚)「…」
川 ゚ -゚)「…遺伝などでな、稀に2種類扱うことができるものが現れる。私がそれだ」
('A`)「なるほどなー」
川 ゚ -゚)「話を戻そう」
川 ゚ -゚)「伝え訊いた話では、召喚師は自分の周囲にしか召喚を行えないという」
川 ゚ -゚)「そもそも、ドクオが召喚魔法で喚ばれたとするなら周囲に召喚師がいないとおかしいんだ」
('A`)「…そんなやつはいなかったと思うが」
( ゚Д゚)「召喚魔法かどうかも怪しくなってきたな!」
( ゚Д゚)「俺らの知らないところで、新たな魔法が発現してるのやも知れん!」
( ゚Д゚)「とにかく今日はもう遅い!部屋はたくさんある!今日は教会で休むといい!」
('A`)「はあ、ありがとうございます」
川 ゚ -゚)「私は神父様にまだ報告することがあるからもう少しここにいる」
('A`)「おう、それじゃおやすみ」
( ゚Д゚)「突き当たりを右にまっすぐ行って一番奥だ!」
( ゚Д゚)「…」
( ゚Д゚)「あいつがそうなのか?」
川 ゚ -゚)「確証は持てませんが…これを」
( ゚Д゚)「見たこともない剣だな」
川 ゚ -゚)「まだ力の一部を見ただけですが」
川 ゚ -゚)「彼がここに喚ばれたのも、あるいは…」
( ゚Д゚)「引き寄せられたか」
( ゚Д゚)「推測はやめにするか」
( ゚Д゚)「お前も明日に備えてもう休め!」
川 ゚ -゚)「はい」
朝 ―村はずれの教会・一室―
チュンチュン…
('A`)「…」ムクリ
('A`)「ここは教会…か」
('A`)「昨日のあれは夢じゃなかったのか…」
('A`)「これからどうすりゃいいんだ…」
ドア「コンコン」
('A`)「ん?」
「クーだ、起きているか?」
('A`)「ああ、今起きたところだ」
「朝ご飯の用意ができたから来てくれ」
('A`)「あいよ」
('A`)「……なるようにしかならんか」
―村はずれの教会・食堂―
('A`)「なあ」モグモグ
川 ゚ -゚)「なんだ」パクパク
('A`)「俺もクーみたいに魔法が使えるようになるのかな」ゴクン
川 ゚ -゚)「…キミはもう魔法使いだよ」ゴク
('A`)「えっ」
川 ゚ -゚)「そこにおいてある剣が何よりの証拠だ」
('A`)「昨夜急に出てきた刀…」
川 ゚ -゚)「キミと出会った時には、その剣を持っていなかった」
川 ゚ -゚)「危機的状況に陥り、キミが魔法を用いて発現させたんだ」
('A`)「俺が魔法使い…」
Σ('A`)「(あれっ、よくよく考えてみれば…)」
('A`)「(これって夢にまでみたファンタジー世界なんじゃね?)」
('A`*)「(しかもこの俺が魔法使い…30サイニナッテナイノニ…)」
('A`*)「…」
川 ゚ -゚)「キミの魔法がどんなものなのか、まだ分からない」
川 ゚ -゚)「朝食後は少し魔法の練習をしてみよう」
('A`*)「おう!」
川 ゚ -゚)「?急に元気になったな?」
('A`*)「そそ、ソンナコトネーヨ!あー早く家に帰りてー!」
―村はずれの教会・前庭―
川 ゚ -゚)「さて、魔法の使い方だが」
('A`*)「wkwk」
川 ゚ -゚)「強くイメージすること、これだけだ」
('A`)「…それだけか?」
川 ゚ -゚)「もう少し具体的に言うと、魔法が出てきて欲しいという願い、そこに魔法があると感じることが重要だ」
('A`)「具体的なんだか抽象的なんだか…」
川 ゚ -゚)「キミが昨夜出したこの剣から察するに、キミは武器を創造する魔法使いなのかもしれない」
川 ゚ -゚)「…私はこのような魔法は知らないんだがな」
('A`)「珍しい部類に入る魔法なのか…」
('A`*)「(俺の時代…来たな!)」
川 ゚ -゚)「それでは早速、武器をイメージしてみてくれ」
('A`)「(昨日は刀だったしな)」
('A`)「(今度は西洋の剣を出してみたいな)」
('A`)「イメージイメージ…」ブツブツ
('A`)「…」
('A`)「出でよ!バスタードソード!」シュウ!
Σ('A`)「おお!出た…」ズシーン
('A`;)「って重い重い重い!」ドシャ!
川 ゚ -゚)「ふむ、さすがだな」
('A`;)「ハアハア…どうすんだこれ…」
川 ゚ -゚)「そこに武器はない、と念じてみるんだ」
('A`)「え?」
川 ゚ -゚)「もしかしたら消えるかも知れない」
('A`)「あ、ああわかった」
('A`)「(ここに武器はない…なくなれー…なくなれー…)」シュン
('A`)「おお、消えた」
川 ゚ -゚)「どうやらキミの魔法は武器の創造・消失のようだな」
('A`)「なるほど…」
( ゚Д゚)「早速やっているようだな!」ズンズン
川 ゚ -゚)「はい、魔法の使用方法について少し」
('A`)「そういえば朝から見なかったな」
( ゚Д゚)「村長のところにな!お前のことについて話しておいた!」
('A`)「はあ」
( ゚Д゚)「お前はこの世界のことに不慣れすぎる!」
( ゚Д゚)「記憶喪失を起こしたと言うことにしておけ!その方が都合が良い!」
川 ゚ -゚)「そうだな、異世界から来た事は伏せておいた方が良い」
('A`)「そうか?ならそうするけど」
( ゚Д゚)「村長にも記憶喪失の少年を保護したと伝えた!」
( ゚Д゚)「早速だが、村長に挨拶してこい!クー、案内してやれ!」
―辺境の村・村長の家―
('A`)「…ここに来るまでにすげージロジロ見られたな」
川 ゚ -゚)「早速キミの噂が広がっているんだろう」
('A`)「小さな村は噂が広がりやすいって言うもんな」
川 ゚ -゚)「では入ろう、失礼します」コンコン
「どうぞ」
ガチャリ
('A`)「お邪魔します」
( "ゞ)「よくぞ参った少年よ」
( "ゞ)「ワシは村長のデルタ、よろしく頼むよ」
('A`)「俺はドクオです、よろしくお願いします」
( "ゞ)「クーもご苦労であったよ」
川 ゚ -゚)「いえ」
( "ゞ)「してドクオくん、キミはどれくらいのことを覚えているんだね?」
('A`)「え…ああ、ええと…名前以外の事はさっぱり…」
( "ゞ)「そうかそうか…」
( "ゞ)「なら、今後の身の振り方を考えねばなるまい」
('A`)「…?」
( "ゞ)「自分の記憶を求めて旅をするもよし」
( "ゞ)「この村で暮らすもよし」
( "ゞ)「神父様が推薦なされた君だ、村の皆もきっと歓迎してくれるだろう」
('A`)「…」
( "ゞ)「何、急いで答えを出す必要はない」
( "ゞ)「しばらくはこの村でゆっくりするといいよ」
( "ゞ)「しばらくは村はずれの教会で暮らすことも、神父様が提案してくれた」
('A`)「ええ、少し考えてみたいと思います」
―辺境の村・広場―
川 ゚ -゚)「…」テクテク
('A`)「…」テクテク
川 ゚ -゚)「…」ピタ
('A`)「…?どした?」ピタ
川 ゚ -゚)「キミに提案がある」
('A`)「…さっきの身の振り方についてってやつか?」
川 ゚ -゚)「ああ、そうだ」
川 ゚ -゚)「私は一週間後、王都に向けて旅に出る」
('A`)「そりゃまたなんでだ?」
川 ゚ -゚)「王都にある国立士官学校に入学するためだ」
('A`)「国立士官学校?」
川 ゚ -゚)「ああ、そこで魔王を討伐するための訓練を受ける」
('A`;)「魔王なんてものもいるのか、この世界には…」
川 ゚ -゚)「昨夜私たちを襲ったやつらは、魔王が生み出した魔物と呼ばれている」
('A`;)「…」
川 ゚ -゚)「国立士官学校では、魔物から民を守るため、国の兵士になる訓練が行われる」
川 ゚ -゚)「魔王討伐兵の志願資格も得られる」
川 ゚ -゚)「そして、国立士官学校には多くの魔法使いが集まる」
('A`)「!!…ということは」
川 ゚ -゚)「召喚師に会えるかも知れない、ということだ」
('A`)「召喚師に会えれば元の世界に戻る方法も見つかるかも知れない…!」
川 ゚ -゚)「あくまで、キミが召喚魔法で召喚されたとするならば…だが」
川 ゚ -゚)「キミの周りに召喚師がいなかった…召喚魔法の条件とは合致しにくい」
川 ゚ -゚)「(あの推測が当たっているならば話は別だが…)」
('A`)「それでも、俺が元の世界に戻れる可能性があるんだろ?」
川 ゚ -゚)「そのとおりだ」
川 ゚ -゚)「私と王立士官学校へ行かないか?」
('A`)「このままここで暮らしていても、元の世界に戻れる可能性は低い…」
('A`)「魔王ってのは、この世界を脅かすような存在なんだよな」
川 ゚ -゚)「ああ、以前はこの辺境の村周辺では魔物は見かけることはなかった」
川 ゚ -゚)「しかし、昨夜は魔物と遭遇した」
川 ゚ -゚)「魔王が人の住まう世界を手に掛けようと、勢力を伸ばしている証拠だろう」
('A`)「どのみち、何処にいても危険からは逃れられないんだよな…」
川 ゚ -゚)「ああ、いずれそうなるだろう」
('A`)「なら、せめて身を守る術だけでも欲しい」
('A`)「俺も連れて行ってくれないか?」
―村はずれの教会・前庭―
川 ゚ -゚)「ただいま戻りました」
( ゚Д゚)「よく戻った!ドクオよ!」
('A`)「はい?」
( ゚Д゚)「クーから国立士官学校入学の件!聞いたか!?」
('A`)「ええ、俺もついて行くことに決めました」
( ゚Д゚)「良く受けてくれた!」
('A`)「いや、自分の為でもあるんで…」
( ゚Д゚)「しかし!少し悪い知らせがある!」
川 ゚ -゚)「なんでしょう?」
( ゚Д゚)「この村まで手配していた馬車が魔物に襲われたという連絡が入った!」
('A`;)「それってもしかして…」
( ゚Д゚)「ああ!お前らが乗るはずだった馬車だ!」
川 ゚ -゚)「乗員の安否は?」
( ゚Д゚)「御者の腕が傷つけられてはいるが、他は問題ない!」
( ゚Д゚)「大事をとって、今は北の街で安静にしている!」
( ゚Д゚)「クーよ!北の街まで行って御者達と合流し、腕を回復!」
( ゚Д゚)「その後!王都に向かえ!」
川 ゚ -゚)「はい」
川 ゚ -゚)「ドクオ、1週間後に出発すると言ったが予定変更だ」
('A`)「馬車が来られなくなったからだな?」
川 ゚ -゚)「ああ、少々急だが明日にでも出発しよう」
川 ゚ -゚)「それでいいか?」
('A`)「こっちは全然構わないぜ」
川 ゚ -゚)「それでは今日は、明日の為の準備を行おう」
('A`)「おう」
―辺境の村・雑貨屋―
('A`)「タープ…はこれでいいか」
川 ゚ -゚)「寝袋はこれでいいな?」
('A`)「ああ、そうだな」
('A`)「(それにしても)」
('A`*)「(女の子との買い物がこんなに楽しかったなんて…)」
Σ('A`)「(ってか明日から二人っきりで北の街まで旅するんじゃねぇか!)」
('A`*)「(ちょっとドキドキしてきた…)」
川 ゚ -゚)「ドクオ、さっきから何をにやついているんだ?」
('A`*)「イ、イヤナンデモナイヨ!?」
('A`*)「そ、そうだ、北の街までどれくらいかかるんだ?」
川 ゚ -゚)「人の足でおよそ1週間といったところか」
('A`)「長いような短いような…」
川 ゚ -゚)「キミは初めての旅なんだろ?きっとこれくらいが丁度良い」
('A`)「確かに…元の世界では運動といった運動はしてなかったからな」
('A`;)「1週間も持つかな…」
川 ゚ -゚)「旅の日用品についてはこんなところか」
('A`)「おう」
川 ゚ -゚)「ところでキミはその格好で行くつもりか?」
('A`)「ん?まあな、他に服なんてないし…」
川 ゚ -゚)「旅をするのに、その格好では些か心許ない」
川 ゚ -゚)「元の世界の品、ということで愛着はあるんだろうが、変えた方がいいだろう」
('A`)「つってもなあ…服なんて買う金もないわけだし…」
川 ゚ -゚)「金なら心配するな、私が出す」
('A`)「もう既に色々買ってもらって申し訳ないんだが…」
川 ゚ -゚)「心配するなと言っている。私がキミと買い物がしたいと言っているんだ」
('A`)「…」
('A`)「え?」
―辺境の村・服屋―
川 ゚ -゚)「うむ、なかなかに似合っているな」
('A`)「…なんかちょっと強くなった気分だな、旅装になっただけなのに」
川 ゚ -゚)「ではこの一式をもらおう。会計をしてくる」スタスタスタ…
('A`;)「(それにしても…俺と買い物がしたいってどーゆう真意なんだろうか…)」
('A`;)「(…さっぱりわからん)」
川 ゚ -゚)「待たせたな」
('A`)「お、おかえり」
川 ゚ -゚)「では教会に戻ろうか」
―辺境の村・村はずれへの道―
('A`)「(むぅ…)」スタスタ…
('A`)「(さっきはどういう意図であんなことを言ったのかすごい気になるな…)」
('A`)「(いっその事聞いてみるか)」
('A`;)「(いやいや!もし聞いてみて気まずくなるような内容だったらどうする!)」
('A`;)「(それこそ1週間持たないぞ!)」
('A`;)「…」ブツブツ
川 ゚ -゚)「…ドクオ」
Σ('A`;)「ヒャイ!」
川 ゚ -゚)「さっきは無理矢理買い物に付き合わせて悪かった」
('A`;)「え?あ、いや、別に楽しかったし悪いことなんか何も…」
川 ゚ -゚)「そうか、ならよかった」
川 ゚ -゚)「私の家はちょっと特殊でな」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「なかなか同年代の者と一緒に過ごす時間がなかったんだ」
川 ゚ -゚)「だから、今日は少しはしゃいでしまった」
('A`)「…」
('A`)「じゃあ楽しみだな」
川 ゚ -゚)「え?」
('A`)「王立士官学校だよ、同年代のヤツもたくさん集まるんだろ?」
川 ゚ -゚)「ああ」
('A`)「今までの分たくさん取り戻せるじゃねーか」
川 ゚ -゚)「!!」
川 ゚ -゚)「そうだな」
('A`;)「つっても戦いの技術学びながらだと味気ないか…」
そして、士官学校…王立と国立がごっちゃになってた…orz
以後、王立で統一したいと思います!
…またごっちゃになってたその時は生暖かい目で見守ってください
―村はずれの教会―
('A`)=3「ただいま戻りましたよーっと」
( ゚Д゚)「よく戻った!」
( ゚Д゚)「晩飯の用意はできている!明日に備えて今日はさっさと食ってさっさと寝ろ!」
('A`)「へ~い」スタスタ…
川 ゚ -゚)「…」
( ゚Д゚)「…」
川 ゚ -゚)「彼を騙して連れて行くみたいで気が引けます」
( ゚Д゚)「なら本当の事を話して協力してもらうか?」
川 ゚ -゚)「いえ、今はまだ」
川 ゚ -゚)「しかし、時が来ればその時は必ず」
………
―村はずれの教会・一室―
('A`)「…明日から旅立ちか」
('A`)「思い返してみれば随分と濃密な時間を過ごした気がする」
('A`)「ある意味、俺が望んでいた生活を送れているのかもな…」
('A`)「…だけどやっぱり、元いた世界の方がいいのかもなぁ」
('A`)「…」
('A`)「寝よう」
翌朝―辺境の村・入り口―
川 ゚ -゚)「それでは行ってまいります」
( ゚Д゚)「気を付けてな!」
川 ゚ -゚)「はい」
('A`)「はい」
( "ゞ)「それにしても随分思いきりの良い決断だったね」
('A`)「何か色々とすみません」
( "ゞ)「謝ることはないよ。無事記憶が戻ることをここで祈っておくよ」
('A`)「…ありがとうございます。神父さんもお世話になりました」
( ゚Д゚)「おう!」
('A`)ノシ 川 ゚ -゚)ノシ「「行ってきます!」」
―北の街への街道―
('A`)「王立士官学校って具体的に何を学ぶところなんだ?魔法の訓練だけか?」テクテク…
川 ゚ -゚)「そうだな…魔法の扱い方についてはもちろんのこと」テクテク…
川 ゚ -゚)「この世界の歴史なども学ぶ」
('A`;)「こっちの世界に来てまで勉強しなきゃならんのか…マンドクセ」
川 ゚ -゚)「それと王国の兵になる者が大多数だからな、礼節についても学ぶ」
('A`)「ほぉ」
川 ゚ -゚)「後、かなり重要なのが武器の扱い方についてだな」
('A`)「武器?魔法が使えるんだし必要ないんじゃないのか」
川 ゚ -゚)「そうとは限らない」
川 ゚ -゚)「魔法を使うには集中力が必要とされる」
川 ゚ -゚)「集中力が乱され魔法が使えなくなった場合、魔法使いは無力となる。ほとんどの場合が死だ」
川 ゚ -゚)「そのような状況に陥っても、武器さえ扱えれば多少なりとも生存確率は上がるからな」
('A`)「なるほどな-」
('A`)「ん…待てよ?」
川 ゚ -゚)「どうした?」
('A`;)「俺の魔法って武器の創造と消失だろ?」
('A`;)「それ以外は普通に武器持って戦ってる兵士と同じじゃねーか…」
川 ゚ -゚)「全くもってその通りだな」
('A`;)「何かすぐ死んじまうような気がしてきた…」
川 ゚ -゚)「いや、利点はあるんじゃないか?」
('A`)「…例えば?」
川 ゚ -゚)「武器を持っていないことで相手が油断するだろう?」
('A`;)「魔物相手に通用すんのか?それ…」
川;゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「…まあ、魔法自体の性質はある程度変化させることができる」
('A`)「へ?」
川 ゚ -゚)「…アイスウォール!」ピキピキ…
('A`)「薄い氷だな」
川 ゚ -゚)「ああ、力を抑えた。ちょっとこれを割ってみてくれ」
('A`)「持っただけでも割れそうなんだが…」
('A`)「冷てぇ…って」
('A`;)「なんだこれ、すげー堅いな」コンコン
川 ゚ -゚)「氷を硬質化させたんだ」
('A`)「へえ、こんな薄っぺらい氷なのにすごいな」
川 ゚ -゚)「限度はあるものの、このように多少の性質は変化させることができる」
川 ゚ -゚)「キミの武器にも、これを応用すればいい」
('A`)「なるほどな」
('A`)「よし、決めた」
川 ゚ -゚)「なにをだ?」
('A`)「この刀の名前だよ」
川 ゚ -゚)「どういう脈絡なんだ」
('A`)「まあ聞け」
('A`)「この刀には斬れぬモノがないという性質を付与した」
川 ゚ -゚)「それは無理なんじゃないのか?限度を軽く超えているだろう。というか飛躍しすぎだ」
('A`)「ただしコンニャクは除く」
川 ゚ -゚)「コンニャク?」
('A`)「その名を」
('A`)「斬 鉄 剣」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「さっきも言ったが、なんでも斬れるというのは無理があるだろう」
('A`)「名前に関しては無視か…」
('A`)「まあ良いだろう…次の魔物との戦闘、心して見ておくんだな…」
('A`)「この刀のあまりの切れ味に腰を抜かさぬように気を付けると良い…」
('A`)「クックック…」
川;゚ -゚)「…」
川;゚ -゚)「ドクオが壊れた…」
('A`)「クックック…」
―北の街への街道・とある大木の根本―
川 ゚ -゚)「このあたりで少し休憩しよう」
('A`;)「…疲れた」
川 ゚ -゚)「いくら何でも疲れるの早すぎないか?」
('A`;)「あまりヒッキーを舐めるな…」
('A`;)「普段から運動しない上に今回はこの大荷物だ、すぐ疲れるのも無理はない…」
川 ゚ -゚)「威張って言うことではないな」
川 ゚ -゚)「せめてその刀とやらを消失した方が楽になるだろうに」
('A`)「それはダメだ」
川 ゚ -゚)「何故だ?」
('A`)「刀を差して歩くのは男のロマンだからだ」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…さっぱりわからん」
川 ゚ -゚)「ではそろそろ出発するか」
('A`)「う~い」
川 ゚ -゚)「疲れはとれたか?」テクテク
('A`)「ある程度は、な」テクテク
('A`)「それにしても魔物って案外いないもんだな」
川 ゚ -゚)「ああ、ここは魔王がいるとされている場所から一番遠い位置にあるからな」
川 ゚ -゚)「それに相まって、王国兵が魔物の掃討も行っている。お陰でこのあたりに到達する魔物自体が少ない」
('A`)「なるほどな」
('A`)「じゃあしばらくは斬鉄剣の出番もお預けか」
川 ゚ -゚)「…そうでもないようだ」
('A`;)「…え?」
川 ゚ -゚)「魔物が出てきたぞ」
岩石魔獣「…」ドシッドシッ
('A`;)「…」
川 ゚ -゚)「この魔物は動きは鈍いが、堅い上に力も強い。気を付けるんだ」
('A`;)「…」ゴクリ
川 ゚ -゚)「行くぞ…アイスニードル!」シュシュシュッ!
岩石魔獣「…」ズドドドッ!
川 ゚ -゚)「アイスニードルでも貫けないか…」
('A`;)「よ、よし…次は俺が行くぞ…」スラ
('A`;)「…」ジリジリ
岩石魔獣「…」ドシッドシッ
('A`;)「…」ジリジリ
岩石魔獣「…」ドシッドシッ
('A`;)「…!」
('A`;)「今だ!」バッ
岩石魔獣「…」ガツッ
('A`;)「………あれ?」
川 ゚ -゚)「(やはり無理だったか)」
岩石魔獣「…」ブォン!
('A`;)「ヒエエェ!」ササッ
ドゴオォ!
('A`;)「こ、こえぇ~…地面が抉れた…」
('A`)「……堅い岩を壊すと言ったら…」
('A`)「……よしっ!」
('A`)「出でよ!ハンマー!」シュウ
川 ゚ -゚)「随分とでかい鎚を作り出したな…操れるのか?」
('A`)「フッフッフ…クーさんよ、このドクオ様に操れない武器はないのだよ…」ブォン!
Σ川;゚ -゚)「あのでかい鎚を片手で振り上げた…!?」
('A`#)「観念しろおおぉぉ!岩石野郎がああああ!」ダダダッ!
('A`#)「どっせえええええええぇぇぇぇい!」グオッ!
ドゴオオオオオォォォォン!
パラパラ…
川;゚ -゚)「すごい…」
('A`)「ふーっ、倒せたか…」シュン
('A`)「またつまらぬものを川 ゚ -゚)「今のは一体…?」
('A`)「…」
('A`)「企業秘密だ」
('A`)「と言いたいところだが、隠しても意味ないモンな」
('A`)「『このハンマーの使い手には、ハンマーの重さをほぼ感じさせない』という性質を付与した」
Σ川 ゚ -゚)「なっ!」
川 ゚ -゚)「…それなら、先ほどの刀はどうして『なんでも斬れる』性質を付与したにも関わらず、
今の魔物を斬ることができなかったんだ?」
('A`)「これは俺の推測なんだが…」
('A`)「武器を創造した時点で性質を付与してやらねーと駄目なんじゃねーかな」
('A`)「こればかりは試してみないとわかんねーしな」
川 ゚ -゚)「そうか…」
('A`)「この刀消すの勿体ねーな…微妙に愛着あるし」
川 ゚ -゚)「(おかげで、これでほぼ確信することができた…)」
…
……
………
夕方―北の街への街道―
川 ゚ -゚)「今日はこの辺りで休もう」
('A`;)「本当に疲れた…」ドサッ
川 ゚ -゚)「この近くに沢がある。水を汲んでくるから少し待っててくれ」スタスタ…
('A`;)ノ「頼んだ…」
('A`;)「…これが後6日続くのか」
('A`;)「厳しいな…」
('A`;)「…」
('A`;)「情けねぇ」
夜―テント前―
('A`)「ふぅ…飯食ったら少し生き返った」
川 ゚ -゚)「大分疲れている様だが大丈夫か?」
('A`)「まあ何とかな」
川 ゚ -゚)「まあ、疲れていても手伝ってもらわなくてはいけないんだがな」
('A`)「何をだ?」
川 ゚ -゚)「見張りだ」
川 ゚ -゚)「魔物は昼夜を問わず襲ってくるからな」
川 ゚ -゚)「魔物がいつ襲ってきても大丈夫なように交代で見張りをする」
('A`)「そーゆうことなら手伝わないわけにはいかないな」
川 ゚ -゚)「疲れている様だし、ドクオは先に寝ててくれ」
川 ゚ -゚)「時間が来たら起こしに行く」
('A`)「うーす」
朝―北の街への街道―
('A`)「……眠い」
川 ゚ -゚)「今日はマメに休憩を入れる、頑張ってくれ」
('A`)「スマンな…」
川 ゚ -゚)「私も始めはそうだったからな、気にするな」
('A`)「そういえば大分旅慣れてる感じだな」
('A`)「昨日も沢の場所知ってたみたいだし」
川 ゚ -゚)「この街道は何度か利用しててな、そのおかげだよ」
('A`)「ほー」
川 ゚ -゚)「もっとも、私も多少は眠いことに変わりないけどな」
('A`)「そういえば、辺境の村は大丈夫なのか?」
('A`)「今までは魔物が出てこなかったらしいけど、この前は出てきたじゃんか」
川 ゚ -゚)「その点は心配ない、神父様がいるからな」
川 ゚ -゚)「ああ見えてとても強いんだ」
('A`)「…見た目そのまんま強そうじゃねーか、ゴツイし」
('A`)「やっぱり剣とか使うのか?」
川 ゚ -゚)「剣も使うが、神父様は魔法使いだ。基本は魔法だな」
('A`)「剣持って振り回してる方が似合ってるな」
川 ゚ -゚)「内緒だが、私もそう思う」
('A`)「…今度会ったとき言いつけちゃおーかなー」ボソッ
川;゚д゚)「…」
('A`)「??おいどうした?」
川;゚ -゚)「…その時は道連れだぞ」
('A`;)「えっ」
('A`)「今日は魔物も出ないし順調だな」
川 ゚ -゚)「そうだな、この調子で街まで行ければいいんだが」
('A`)「大荷物持ったまま魔物と戦うのも一苦労だし」
('A`)「まあ魔法も試してはみたいんだけどな」
川 ゚ -゚)「王立士官学校で嫌と言うほど使わされることになるさ」
('A`)「それもそうなんだけどな」
('A`)「それにしても1種類しか魔法が使えないとは意外だったな」
('A`)「王道ファンタジーみたいなコテコテの魔法も使ってみたかったんだが」
川 ゚ -゚)「ファンタジー?」
('A`)「簡単に言うと、魔法が使えたりする不思議世界のことだ」
川 ゚ -゚)「それにしても不思議なんだが」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「ドクオの世界には魔法がないはずなのに、何故ドクオは魔法のことを知っていたんだ?」
('A`)「ああ、それなら個人の妄想が露見したってところじゃないか?」
川 ゚ -゚)「妄想?」
('A`)「魔法みたいな力があったら楽しいだろうなぁっていう妄想が世間に広まった」
('A`)「概ねそんなところだろ、多分」
('A`)「まあこの世界を見たら、その考えも改める必要が出てきたけどな」
川 ゚ -゚)「ドクオの世界にも魔法は存在していたかも知れない、と?」
('A`)「俺の妄想だけどな」
夜―テント前―
('A`;)「今日も疲れた…」
川 ゚ -゚)「良ければ今日も先に休んでくれ」
('A`;)「悪いけどそうさせてもらうわ…」
川 ゚ -゚)「明日は昼過ぎくらいに、街道途中の湖の畔の宿に着く」
川 ゚ -゚)「明日はそこに泊まってのんびりしよう」
('A`)「マジか!」
川 ゚ -゚)「ああ、だから今夜も見張りを頑張ろう」
('A`)「おう!」
深夜―テント前―
('A`)「だがしかし眠い」
('A`)「前回も思ったんだが見張りの時間は暇だな…」
('A`)「暇すぎて眠気がやばすぎる」
('A`)「クーはこの時間は何をして過ごしてるんだ…」
('A`)「独り言でも言ってないと今にも寝落ちしそうだ」
('A`)「せめて喋る相手でもいればなぁ…」
Σ('A`)「そうだ!喋る剣とか作ってみるか」
('A`)「出でよ!喋る剣!」シュウ
('A`)「さあ何か話そうぜ!」
†「うるせえ黙れks寝かせろ!」
('A`)「」
朝
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「何を落ち込んでいるんだ?」
('A`)「ナンデモナイヨ」
('A`)「(もう二度と作らねぇぞ…)」
('A`)「湖の畔の宿まで後どれくらいなんだ?」
川 ゚ -゚)「後1時間ほどで湖が見える。
街道と湖の岸辺が合流したところから、岸辺に沿って30分ほど歩いたところにある」
('A`)「後もう少しだなー」
('A`)「クーは何をして過ごすんだ?」
川 ゚ -゚)「そうだな…湖の周辺でも軽く散策してみるか」
('A`)「お、いいな」
('A`)「俺もこの機会に自然とふれ合ってみるかな」
川 ゚ -゚)「ならドクオも一緒に行くか?」
('A`)「そうさせてもらうわ」
('A`)「(一人だとちょっと不安だし……俺が)」
―湖の畔の宿―
('A`)「お?これがそうか?」
川 ゚ -゚)「ああ、そうだ」
('A`)「ほー…ログハウスみたいでなかなか趣があっていいじゃねーか」
川 ゚ -゚)「それではチェックインの手続きをしてくる、少し待っててくれ」テクテク…
('A`)「おう」
( ∵)「いらっしゃーい、良いもの揃ってるよー」パンパン
('A`)「…ん?ありゃ行商か?」
―湖の畔の宿・湖畔の木の下―
('A`)「ども」テクテク
( ∵)「やあいらっしゃいお兄さん。良かったら見て行ってよ」
('A`)「金ないから見るだけなら…」
('A`)「!」
('A`)「なあ、武器って買い取ってもらえたりするか?」
( ∵)「質が良ければ買い取らないこともないよ」
('A`)「じゃあ、ちょっと見てくれ…ええっと鞄のどこにやったっけ…」ゴソゴソ …シュウ
('A`)「あったあったこれだ」チャキ
( ∵)「…!これは…」キラ
( ∵)「お兄さん、このナイフはどこで?」
('A`)「残念ながら企業秘密だ」
( ∵)「そうか、それは残念…このナイフはこの金額でどうだい?」ジャラ
('A`)「(こっちの貨幣全くわかんねーや…)じゃあそれで」
( ∵)「はい、毎度!…君独自の流通ルートがあるんだろう?
良ければ次会ったときにでもまた売ってくれないかな?」
('A`)「ああ、いいぜ」
('A`)「(何かちょっと気が咎められるけど…)」
( ∵)「じゃあこれは契約金だよ」ジャララ…
('A`;)「ちょ…さすがにこれは受け取れねーよ」
( ∵)「何故だい?この武器にはそれだけの価値がある。これぐらい安いもんだよ」
('A`)「いや、だって俺が逃げたり二度と会えない可能性だって…」
( ∵)「その時はその時さ」
('A`)「…やっぱりこれは受け取れない」
('A`)「その代わり、次会った時に武器を高く買い取ってくれ」
( ∵)「…そうだね、君がそういうならそうしよう」
('A`)ノシ「それじゃサンキューな!」タッタッタ…
( ∵)ノシ「こちらこそ!」
~~~~~
('A`)「これで旅先では金には苦労しないな…」
('A`)「…クーには世話になってるし、この金で何かプレゼントでもするか」
川 ゚ -゚)「待たせたな」キィ
('A`)「そうでもないよ」
川 ゚ -゚)「?」
ドクオの能力が楽しいってかwktkするな
あんま無理せず続けてなー
―湖の畔の宿・一室―
('A`)「ここか」
川 ゚ -゚)「ここだ」
('A`)「…同じ部屋なのか?」
川 ゚ -゚)「そうだが…何か問題でもあるのか?」
('A`;)「いや、仮にも年頃の男女でしょうよ…ちょっとは気にするだろ普通」
川 ゚ -゚)「?何を言っているんだ?」
('A`;)「……箱入りかよ。気にするのが馬鹿らしくなってくるな」
川 ゚ -゚)「?」
('A`)「さて、荷物も置いたしそろそろ行くか?」
川 ゚ -゚)「ああ、そうしよう」
―湖畔の森―
('A`)「そういえばよー、この世界の教会の神様はどんなやつなんだ?
さっきの宿にも小さな教会みたいなスペースあったよな」
川;゚ -゚)「神様を”やつ”呼ばわりか…」
('A`;)「あ、スマン…悪気はないんだ」
川 ゚ -゚)「まあいいさ…この世界の神は魔王と戦ったんだ」
('A`)「ほお…んじゃその神のありがた~い教えが説かれてたりするのか、あの教会では」
川 ゚ -゚)「教え…まあ当たらずとも遠からじと言ったところか」
('A`)「なんだそりゃ」
川 ゚ -゚)「…少し長くなるかも知れないがいいか?」
('A`)「ああ」
川 ゚ -゚)「何百年も昔、神と魔王がいた」
('A`)「(昔話か…)」
川 ゚ -゚)「神と魔王はほぼ同時期に生まれたと言われている」
川 ゚ -゚)「魔王は世界の破滅を、神は世界の安定を願った」
川 ゚ -゚)「魔王には、神の存在が邪魔だった」
川 ゚ -゚)「魔王が破壊の限りをつくそうとすると、決まって神はそれを妨害した」
川 ゚ -゚)「やがて、その戦いは神と魔王だけのものにとどまらず、人間にも飛び火した」
川 ゚ -゚)「世界の破壊を望む魔王は人間にとって脅威だった」
川 ゚ -゚)「そのため、人々は神に味方した」
川 ゚ -゚)「それに応じ、魔王も魔物を作り出した」
川 ゚ -゚)「しかし、いくら人々が魔法を使えるからと言って、全員が戦えるわけではなかった」
川 ゚ -゚)「それにかわって、魔物は戦うためだけに生み出された」
川 ゚ -゚)「…戦局は魔王が優勢だった」
川 ゚ -゚)「ある日のこと、神は自分の力の半分をとある人間に授けた」
川 ゚ -゚)「その後、神は魔王に戦いを挑んだ」
川 ゚ -゚)「いつもであれば、お互い攻撃はするものの決して深追いはしなかった」
川 ゚ -゚)「魔王は、自分が死ねば世界の破滅がなくなる。神は、自分が死ねば世界の安定はなくなる」
川 ゚ -゚)「そういった考えがあったんだろう、お互い一定以上の危険を冒すことを避けていた」
川 ゚ -゚)「だが、その日は違った」
川 ゚ -゚)「その日、神は危険を顧みず自らの命を賭して戦った」
川 ゚ -゚)「神は自分の力の半分を失いつつも、残る半分の力を用いて魔王に立ち向かった」
川 ゚ -゚)「そして、神は魔王に深手を負わせることに成功した」
川 ゚ -゚)「しかし、魔王との戦いで神自身もまた、重症を負ってしまった」
川 ゚ -゚)「半分の力では、全力の魔王に敵わなかったんだ」
川 ゚ -゚)「神の怪我は人の手に負えるものではなく、人々は神が死にゆく様をただ見ているしかなかった」
川 ゚ -゚)「最後に神は『もう半分の力を世界に託す』と言い残し、死に絶えた」
川 ゚ -゚)「その後、神の戦いと最後の言葉を伝える為に、ある建物が世界各地に建てられた」
川 ゚ -゚)「神の最後の言葉はあらゆる場所で伝わった」
川 ゚ -゚)「話を聞いた人々は魔王を討つため、世界各地で神の力を探し回った」
川 ゚ -゚)「しかし、神が世界に託したとされる力は見つからず終いだった」
川 ゚ -゚)「そして、深手を負わされた魔王は今日に到るまで、回復に専念せざるをえなかった」
川 ゚ -゚)「…これで昔話はお終いだ」
('A`)「…えっと、要は…」
川 ゚ -゚)「この世界の教会は、『神の力を求め、そして魔王と戦え』」
川 ゚ -゚)「…それを伝えるための施設だな」
('A`)「なんだかなぁ」
川 ゚ -゚)「人が生き残るために、魔王の存在を忘れずにいるのには重要なことだからな…」
('A`)「俺がいた世界の教会と違いすぎてちょっと常識がひっくり返った」
('A`)「途中で一つ気になったんだが…
魔王と戦う前、神様は力の半分を一体誰に託したんだ?」
川 ゚ -゚)「…わからないんだ」
('A`)「え?なんでだ?」
川 ゚ -゚)「誰にその力を託したかは王家により秘匿とされている
魔王に狙われる危険性が高くなるからな」
('A`)「ああ、なるほどな」
('A`)「だけど、神様の力の半分を受け継いだのが何処のどいつか不明だったら、
魔王と戦えないんじゃないのか?ってかそいつの子孫いるのかよ」
川 ゚ -゚)「…時期が来たらきっと姿を現すだろう。これだけ教会が展開してるんだ」
川 ゚ -゚)「きっと神の戦いを引き継ぐはずさ」
('A`;)「…そうかぁ?」
('A`)「つーか随分詳しいな」
川 ゚ -゚)「調べたからな」
('A`)「ふーん」
('A`)「…」
('A`)「クーは王立士官学校出た後はどうするんだ?」
川 ゚ -゚)「もちろん魔王の討伐兵に志願する」
('A`)「…神様の力がないと魔王ってのは倒せないんじゃないのか?」
川 ゚ -゚)「…そんなことはない。神の力が大きな助けとなるのに間違いはないが」
('A`)「だとしたら、世界に託した力とやらはともかくとして、
せめて力の半分を受け継いだヤツが出てくるのを待った方が良いだろ」
川 ゚ -゚)「必要ないさ。それに魔物が増加している今、待つほどの時間的猶予なんてほぼないだろう」
('A`)「そりゃそーかもしれんが」
川 ゚ -゚)「…キミに訊きたいんだが」
('A`)「おう?」
川 ゚ -゚)「もし、の話だが」
川 ゚ -゚)「王立士官学校に行って、召喚師がいなければ?
元いた世界への帰り方がわからなかったら?キミはどうするつもりでいるんだ?」
('A`;)「う…なるべく考えないようにしていたことを…」
('A`)「…」
('A`)「城の兵士になるか魔王の討伐兵になるか、どちらかだったか」
川 ゚ -゚)「いや、他の選択肢もある。腕があれば傭兵だろうがなんだろうができるだろう」
('A`)「じゃあ別に無理に兵士にならなくてもいいわけか」
川 ゚ -゚)「ああ」
('A`)「そうか…そしたら…」
('A`)「そうだな…」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「元の世界に帰る方法を探す為に旅にでも出るかな」
川 ゚ -゚)「…!」
川 ゚ -゚)「そう、か」
川 ゚ -゚)「(何を期待していたんだろうな、私は…)」
('A`)「と言うわけで、クーの魔王討伐の旅にしばらくくっついていくことになるな」
川 ゚ -゚)「!……何故だ?」
('A`)「何故ってそりゃあ、帰る方法を探すのにどうせ当てなんてない訳だしな」
('A`)「それならクーの旅について行って、討伐の手助けでもしつつ探した方がずっと有益だろ」
('A`;)「…いや、手助けしてもらうのは俺の方か」
川 ゚ -゚)「…そんなことないさ、キミの魔法はとても強力だ。非常に助かる」
川 ゚ ー゚)「ありがとう、ドクオ」ニコ
Σ('A`*)「!!…よ、よせやい、礼なんか!照れるじゃねーか!」
川 ゚ -゚)「(そして、済まない…)」
川 ゚ -゚)「…ドクオ、止まってくれ」
('A`)「ん?なんだ?」ピタ
川 ゚ -゚)「あの岩場を見てくれ…」
('A`)「岩場?…!!」
大岩石魔獣「…」
('A`;)「魔物…」
川 ゚ -゚)「先日戦った魔物と同一の種だ。しかし以前の数倍の大きさがあるな…」
('A`;)「まだ見つかっていないし逃げるか?」
川 ゚ -゚)「…いや、戦おう。この先には宿がある。ここで倒しておかないと大きな被害が出る恐れがある」
('A`;)「そうか…そうだな」
('A`)「…よし、そうと決まったら先手必勝だ。この前みたいに木っ端微塵に叩き潰してやる」シュウ
川 ゚ -゚)「大丈夫か?」
('A`)「任しとけって!んじゃ行ってくる」コソコソ
('A`)「…」コソコソ
大岩石魔獣「…」
('A`)「(背後…ここだな)」
('A`)「(よし!)」
('A`)「…」タタタタ
('A`#)「…おおおお!明日も…!」タタタタ…グオオ!
大岩石魔獣「!」
('A`#)「ホームランだあああああああああ!」
ブォオオン!
ドッガアアァァァァ……ン
('A`)「フッ…(決まったな)」
('A`)「ラ・ヨダソウ・スティアー…」
大岩石魔獣「…」ギロリ
('A`)「…」
('A`;)「…ア、アルェー?」
効いてねえwwwwww
大岩石魔獣「…」ググッ
川 ゚ -゚)「!!ドクオ!すぐ離れるんだ!」
('A`;)「お、おう!」シュタタタタタタ!
大岩石魔獣「…」ブオオン!
ドッゴオオォォオォン!
('A`;)「ヒエエェェェエ!」ズサー!
川 ゚ -゚)「岩を砕いた…!?」
大岩石魔獣「…」ギロ
('A`;)「うぅ…ハンマーも効かないしどうすりゃ良いんだ…」
川 ゚ -゚)「…」
大岩石魔獣「…」ドシン…ドシン…
('A`;)「き、来た!」 ドシン…ドシン…
川 ゚ -゚)「…一旦退こう」スタタ…
('A`;)「え?ま、待てって!オイ!」スタタ…
川 ゚ -゚)「…」スッ
大岩石魔獣「…」キョロキョロ
川 ゚ -゚)「…私たちを見失ったようだな」
('A`;)「ハア…ハア…さっきは逃げないって言ってたのに何で逃げたんだよ…」
川 ゚ -゚)「作戦があるからだ」
('A`;)「作戦?」
川 ゚ -゚)「ああ」
川 ゚ -゚)「あんなに強力な一撃だったんだ、傷一つ付かないなんてことはない」
川 ゚ -゚)「先ほどのドクオの攻撃で、ヤツの外殻に小さいヒビができたのを確認した」
('A`)「…作戦ってもしかして、俺がまた背後から叩きに行くとか?」
川 ゚ -゚)「叩いては逃げ、という作戦でも倒せるかも知れないが、体力が続かないだろう」
川 ゚ -゚)「次で確実に倒しにかかる」
…
……
………
川 ゚ -゚)「(…準備はいいか?)」チラッ
d('A`)グッ
川 ゚ -゚)「…よし」
川 ゚ -゚)「…アイスニードル!」シュシュシュシュシュッ!
大岩石魔獣「!」ドドドドッド!
川 ゚ -゚)「ヒビに"楔"を打ち込んだ!後は鎚を叩き込んで外殻を崩すんだ!」
('A`#)「ゥオラアアアアア!」ブォン!
ドッガァアアア!
大岩石魔獣「!」ガラガラガラ…
('A`)「よっしゃ!どうだ!」
川 ゚ -゚)「完璧だ…フリーズランス!」ピキピキ…カキーン…
ドシュン!
大岩石魔獣「…!」ズドン!
大岩石魔獣「…」グラッ…
ドドォォオン…!
('A`)「ぅおし!」
川 ゚ -゚)「ふぅ、上手くいったな」
('A`)「それにしてもこんな固い魔物がいるなんてな…もうちょっと武器の種類とか考えてみるか」
川 ゚ -゚)「…腕を擦りむいているな」
('A`)「ん?…ああ、さっき滑り転んだ時だな」
川 ゚ -゚)「……ふむ、ちょっと待っててくれ」
('A`)「お、回復してくれるのか?悪いな」
川 ゚ -゚)「ああ。だが少し実験をさせてくれ」
('A`;)「じ、実験?」
川 ゚ -゚)「なに、大したことじゃないさ。…準備をしておくから先に傷を水で洗い流してくれ」
('A`;)「…わかった」
('A`)「洗ってきたぞ」
川 ゚ -゚)「それでは…これを使ってみてくれ」スッ
('A`)「…塗り薬?」
川 ゚ -゚)「そうだ」
('A`)「回復魔法じゃないのか?」
川 ゚ -゚)「さっきも言ったが、これは実験だ」
川 ゚ -゚)「内容を言ってしまうと、これは回復魔法の応用の実験だ」
川 ゚ -゚)「その塗り薬には、自然治癒能力の向上を促す魔法を掛けてみた」
川 ゚ -゚)「その魔法の効果がきちんと現れるか試したかったんだが…」
('A`)「なるほどな。そういう事だったら塗ってみるか」
('A`)「…」ヌリヌリ
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「何も起きらないか…?」
('A`)「…お?」スゥゥ
川 ゚ -゚)「…傷がどんどん薄くなっていく。成功だ」
('A`)「こりゃ便利だな」
川 ゚ -゚)「後でドクオの塗り薬にも同様の魔法を掛けておこう」
('A`)「だけど薬なんて必要あるのか?クーの魔法があれば大丈夫だろ」
川 ゚ -゚)「いざという時に備えて、だな」
川 ゚ -゚)「キミと私が一緒にいる時はそれでもいいだろう」
川 ゚ -゚)「しかし、キミが一人だけの時に怪我を負ってしまったら回復する術がないだろう」
('A`;)「確かに…」
川 ゚ -゚)「それに、これは私にも役に立つ」
('A`)「集中力が乱された時って魔法が使えないんだっけか…」
川 ゚ -゚)「その通りだ。…しかし塗り薬だけでは利便性に欠けるな」
('A`)「それなら宿に戻ってちょっとアイディアでも出してみるか?」
川 ゚ -゚)「そうだな。宿にも魔物の件を話す必要がある。一旦戻ろう」
('A`)「おう」
―湖の畔の宿・一室―
ドア「ガチャリ」
川 ゚ -゚)「報告してきた」
('A`)「お疲れ」
川 ゚ -゚)「ああ…」
('A`)「?…どした?」
川 ゚ -゚)「いや、魔物退治のお礼として無料で宿泊できることになってしまってな」
川 ゚ -゚)「その様なつもりで魔物を退治したわけではないんだが」
('A`)「なんだ。それなら素直にその好意に甘えておこうぜ」
川 ゚ -゚)「少し気が引けるんだが…むぅ」
('A`)「無料って単語で思い出した」
川 ゚ -゚)「何をだ?」
('A`)「こっちの世界の貨幣について聞きたかったんだよ」
('A`)「良かったら教えてくれ」
川 ゚ -゚)「そうだな、それぐらいは知っておくべきか。この先使う機会もあるだろうしな」
川 ゚ -゚)「まあそんな難しいことでもないが」
川 ゚ -゚)「貨幣はこの三種類だけなんだ」チャリ
('A`)「金と銀と銅…か?」
川 ゚ -゚)「そうだ」
川 ゚ -゚)「金貨1枚は銀貨15枚、銀貨1枚は銅貨30枚に値する」
('A`)「金貨1枚で銀貨15枚、銀貨1枚で銅貨30枚か…」
川 ゚ -゚)「うむ。因みにこの部屋は二人で銀貨14枚だ」
('A`)「…比較対象がないから、高いか安いかイマイチわからん」
川 ゚ -゚)「ふむ、例えば…そうだな、さっきお礼ついでに渡されたこの白パン」
川 ゚ -゚)「これは銅貨3~5枚で店で買えるだろうな」
('A`)「ほうほう」
('A`)「(あのパン1個が100円として、銅貨3枚100円で計算すると…
…銀貨1枚1000円でこの部屋は14000円か)」
('A`)「それなりの宿ってところか?」
川 ゚ -゚)「そうだな」
('A`)「(さっき行商人に売ったナイフは、確か金貨2枚と銀貨数枚だったな)」
('A`)「(日本円に換算すると3万数千円)」
('A`;)「たかがナイフごとき幾らで売るつもりなんだ…」ボソ
川 ゚ -゚)「?」
想像力しだいでチートっぽくなるドクオの能力の今後も楽しみだ
―翌朝―
('A`)「zzz」
('A`)「zzz…」
('A`)「…フガッ」
('A`)「…朝か。ん~、久しぶりにゆっくり寝られたな」
ドア「キィ」
('A`)「ん。おはよう、クー」
川 ゚ -゚)「おはよう、起こしてしまったか?」
('A`)「いや、ちょうど起きたところだ」
('A`)「朝早くからどこに行ってたんだ?」
川 ゚ -゚)「昨日話にでた薬草の採取だ」
('A`)「お、早速取りに行ったんだな。魔法はもう掛けたのか?」
川 ゚ -゚)「これから掛けるところでな…ヒール!」パアァァァ
('A`)「…ちゃんと効果でるかな」
川 ゚ -゚)「やはり使ってみないことにはわからないな」パアァァァ
('A`)「だよなぁ」
川 ゚ -゚)「…よし、できた。これがドクオの分だ」
('A`)「サンキュー」
―北の街への街道―
川 ゚ -゚)「それにしてもキミは不思議だな」テクテク
('A`)「ん?」テクテク
川 ゚ -゚)「実際に物が存在していないにも関わらず、その知識をある程度有している」
川 ゚ -゚)「魔法の知識、さっきの薬草のアイディアだってそうだ」
('A`)「(ゲームで得た知識って言ってもわからないよな)」
('A`)「前にも言ったけど、妄想だな。俺がいた世界の人たちは妄想力が強いんだ、多分」
('A`)「それに、薬草自体はない訳じゃないんだ。
薬草にもっと回復量があったらな~って妄想の結果だよ」
川 ゚ -゚)「なるほど」
('A`)「っと。…もしかしてあそこにいるのって魔物じゃないか?」
川 ゚ -゚)「魔物だな。早速薬草を使う機会ができたかもな」
('A`)「…できれば薬草を使うような状況に陥りたくはないんだが」
川 ゚ -゚)「そうか?」
('A`;)「痛いのは誰だって嫌だろ?」
川 ゚ -゚)「えっ」
('A`)「えっ」
('A`)「…」
('A`)「見たところ、昨日と同じ岩の魔物みたいだな」
川 ゚ -゚)「そのようだな。大きさは…そこまででもないが」
('A`)「出でよランス!」シュウ
川 ゚ -゚)「それは?」
('A`)「これは『どんな堅い物でも貫けぬものはない』槍だ」
('A`)「昨日みたいなでかくて堅いヤツには、ハンマーより一点集中のランスの方が良いような気がしてな」
('A`)「突く場所さえ間違えなければ一撃だろうし」
川 ゚ -゚)「ふむ。しかし、今日のはそこまで大きくない様だが」
('A`)「実際に効果があるか試してみたいんだよ」
('A`)「よし!じゃあ行くか」タッタッタ
川 ゚ -゚)「…私も薬草の効果を試してみたいんだが」ガッカリ
('A`)「…」タッタッタ
川 ゚ -゚)「…先手必勝だ、フリーズ!」タッタッタ
岩石魔獣A「!」カチコチ…ピキーン
川 ゚ -゚)「ヤツの足を凍らせた、今のうちだ」
('A`)「ナイス!…せい!」ブン!
岩石魔獣A「!」ズドン!
岩石魔獣A「…」グッタリ
('A`)「成功だ」シュン
('A`)「さて、後はもう一体」シュウ
川 ゚ -゚)「フリーズ!」
岩石魔獣B「!」カチコチ…ピキーン
川 ゚ -゚)「それは刀とやらか?」
('A`)「ああ、その名も『斬鉄剣・真打ち』」
('A`)「今度こそ何でも斬れる。それこそコンニャクもな」
川 ゚ -゚)「(コンニャク…)それより、なるべく早くしたほうがいい。氷から脱出される」
岩石魔獣B「…」ジタバタ
('A`)「おっと…じゃあいくぜ」
岩石魔獣B「…」ジタバタ
('A`)「………ハッ!」ヒュッカカカカカカッ!
岩石魔獣B「…」ピタリ
('A`)「またつまらぬも川 ゚ -゚)「おお!すごい剣捌きだったな」
('A`;)「…わざとですか?」シュン
川 ゚ -゚)「何が?それにしてもちゃんと斬れてるのか、これは」
('A`)「いや、なんでもない…それならホラ」ゴツ
岩石魔獣B バラバラバラ…
川 ゚ -゚)「おお…」
川 ゚ -゚)「ところで、怪我はないか?どうだ?」ズズイ
Σ('A`;)「(ち、近い!)んな!ネーヨ!今の戦闘に怪我をする要素なんて欠片もなかったろ…」ドキドキ
川 ゚ -゚)「まあそうなんだが…私も薬草の効果を早く試してみたくてだな」ウズウズ
('A`;)「それなら早く北の街へ行って、御者の腕を薬草使って治してやろうぜ」
川 ゚ -゚)「ふむ、それもそうだな!では早いところ出発しよう」テクテク
('A`;)「ふう、全く…」
川 ゚ -゚)「どうした?早く行くぞ」
('A`)「おーう」テクテク
川 ゚ -゚)「…言うのが遅くなってしまったんだが」テクテク
('A`)「なにをだ?」テクテク
川 ゚ -゚)「私の回復魔法とドクオの武器創造の魔法は、この先できるだけ隠しておこう」
('A`)「別に良いけど…何でだ?」
川 ゚ -゚)「回復の魔法はかなり珍しい魔法でな、知られると悪用されかねない」
('A`)「悪用されないように気を付けるとか」
川 ゚ -゚)「面倒事はなるべく避けたい。
知られれば、魔法を利用しようと考える者に狙われる」
('A`)「それだけ危険も増える、か」
川 ゚ -゚)「そういうことだ」
川 ゚ -゚)「特に、ドクオの武器創造の魔法は珍しさの中でも群を抜く」テクテク
('A`)「そうなのか?」テクテク
川 ゚ -゚)「キミがこの世界に来たときも言ったが、私は生まれてこの方そんな魔法を見たことがなかった」
川 ゚ -゚)「それに、キミの魔法は基本的に存在し続ける…その刀の様に」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「強力な武器の量産…これほど悪用しやすい魔法はないだろう」
川 ゚ -゚)「…このことを良く覚えておいて欲しい。別にキミを信じていないわけではないんだ」
('A`)「わかってるさ。肝に銘じておく」
('A`)「(…行商人に会ったら、この金返すか)」
夜―テント前―
('A`)「(もう一度、自分の魔法のことについて考え直した方がいいな)」
川 ゚ -゚)「…ドクオ」
('A`)「お、どうしたクー」
川 ゚ -゚)「いや、昼間は偉そうな口を叩いてしまって悪かったと思ってな…スマン」
('A`)「気にすんな。むしろ色々気付かされたし、礼を言いたいくらいだ」
('A`)「…実はな、既に一度ナイフを作って他の人に渡しちまったんだよ」
川 ゚ -゚)「そうなのか?いつの間に」
('A`)「昨日クーが宿のチェックインしている時にな」
川 ゚ -゚)「あのときか…」
('A`)「渡したって言うよりか売ってしまった」
('A`)「ほら、この金」ジャラ…
川 ゚ -゚)「ナイフ1本でこの金額か…やはり今日言っておいて正解だったな」
('A`;)「サーセン…」
川 ゚ -゚)「まあナイフ1本程度じゃ悪用もできないだろう。今後気を付ければいいさ」
('A`)「ああ…今度会ったらこの金も返そうと思ってる」
川 ゚ -゚)「うむ、それがいい。…結局説教みたいになってしまったな」
('A`)「…なんだかカーチャンみたいだな」
川#゚ -゚)「…」ピク
Σ('A`;)「ス、スイマセンデシタ…」
朝―北の街への街道―
川 ゚ -゚)「ふむ、結構順調に来ているな。この調子なら明後日にでも北の街へ着くだろうな」
('A`)「お、マジか。北の街に着いたらそこから馬車なんだよな?」
川 ゚ -゚)「そうだ」
('A`)「そうしたら大分楽になるなー」
川 ゚ -゚)「歩かないでいいと言う点では同意できるが…」
('A`)「何か問題でもあるのか?」
川;゚ -゚)「乗り心地がな…」
('A`;)「あー…なんとなく想像できた」
川 ゚ -゚)「それに、移動中は魔物にも襲われる。その頻度はここよりも多いだろう」
('A`;)「無事に王都に着けるのか?」
川 ゚ -゚)「それは問題ないと思う。腕利きの護衛付きだからな」
('A`)「けど、御者は腕を怪我しちまったんだよな」
川 ゚ -゚)「…そこなんだ」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「神父様に訊いたところ、その御者もかなりの腕利きらしいんだ」
川 ゚ -゚)「そして、御者に怪我を負わせた魔物はまだ生きているらしい。
このまま進んでいけば、明日にでもその場所を通過することになる」
('A`;)「マジかよ…」
川 ゚ -゚)「その魔物が同じ場所にいるとも限らない
既に他の者に倒されたか、遭遇しないことを祈ろう」
なんか読んでると他の作者のファンタジー系作品も読み返したくなってくるな
異世界で~とか精霊使いとか、もとい武器とか
スレチすまん
⇒('A`)と( ^ω^)は異世界でもう一度出会うようです(ブーン芸VIP様)
⇒(,,゚Д゚)は精霊使いのようです(( ^ω^)フェスティバロスwww様)
⇒('A`)が武器で、もとい('A`)と武器で戦うようです(ななばつ様)
('A`)「因みにどんな魔物なんだ?できれば避けたいし、知っていた方が注意して進めるだろ」
川 ゚ -゚)「それが、詳しい情報はわからないんだ」
('A`;)「え?姿を確認できないほど俊敏な魔物なのか?」
川 ゚ -゚)「いや、攻撃を受けた御者がショック状態に陥ってしまって、話そうとしないらしい」
川 ゚ -゚)「護衛もたまたまその場を外していたらしくてな。姿を見ていないらしい」
('A`;)「よっぽど恐ろしい魔物だったってことか…」
川 ゚ -゚)「かもしれん…」
夜―テント前―
川 ゚ -゚)「今日は会わずに済んだな」
('A`)「ああ…このまま無事に北の街に着けるといいんだけどな」
川 ゚ -゚)「そうだな。とにかく、ここから北の街へ着くまでは注意して進もう」
('A`)「魔物の姿がわからないんじゃ警戒して進むしかないもんな」
川 ゚ -゚)「御者が一人でいるところを襲ったあたり、知恵をもつ魔物の可能性もある。
明日からは一人での行動はなるべく避けよう」
('A`)「そうだな。まあ、いつもと変わんねーけど」
川 ゚ -゚)「まあな。それでは先に休憩させてもらうよ」
('A`)「おう、お休み」
…
……
………
朝―北の街への街道―
川 ゚ -゚)「…今日は例の魔物に襲われたという場所を通過する。気を付けて進もう」
('A`)「…おう」
テクテク…
テクテク…
川 ゚ -゚)「…」テクテク
('A`)「…」テクテク
川 ゚ -゚)「…出てこないな」
('A`)「昼近くになるな。もう倒されたか?」
川 ゚ -゚)「その可能性もあるが、まだ油断しない方がいいだろう」
('A`)「ここまで来て出ないんだし大丈夫なんじゃねーの」ガッ!
Σ('A`;)「ってうわ!」ズテーン!
川 ゚ -゚)「大丈夫か?」
('A`;)「ああ、怪我はない…イテテ」サスリサスリ
川 ゚ -゚)「そこの茂みから蔓が伸びてきていたようだな」
('A`)「随分丈夫な蔓だな…」
川 ゚ -゚)「まあこれで多少は緊張感を持って進めるだろう。敵はなにも魔物だけじゃない」テクテク
('A`)「わかってるよ。俺が油断してましたー」テクテク
('A`)「…しかし何も出てこないな」テクテク
川 ゚ -゚)「ああ…」テクテク
('A`)「もしかしてアレか、ドッキリか」
川 ゚ -゚)「ドッキリ?」
('A`)「俺に緊張感を持って旅をさせるために、嘘の情報を教えたんじゃないのか-?」
川 ゚ -゚)「そんなことをして私に何の得が…」
ガサッ!
('A`) 川 ゚ -゚)「「!」」
('A`;)「……そこの茂みだ」
川 ゚ -゚)「ああ…。何者だ、出てこい」
ガサガサッ
ガサッ!
スッ…
J('ー`)し「ドクオ…」
Σ('A`;)「カ、カーチャン!!!」
('A`;)「な、なんでこんなところに…」
J('ー`)し「ドクオが連絡を寄越さなくなってもう1週間…。
急にいなくなって、心配して探しにここまで来てしまったの」
('A`)「そうだったのか…心配掛けて悪かった」
('A`)「それにしても良くこんな危ないところを一人で歩いて来れたな」
J('ー`)し「可愛い息子のためだもの。これくらい当然よ」
川 ゚ -゚)「…ドクオ、この方はキミの母君か?」
('A`)「ああ、悪い。紹介が遅れたな。俺のカーチャンだ」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「それで、コイツはクーだ。俺を助けてくれた恩人だ」
J('ー`)し「あらあら…ドクオが随分お世話になったみたいで」
川 ゚ -゚)「いや…」
J('ー`)し「だけど、もうここまでで十分ですよ」
川 ゚ -゚)「…」
J('ー`)し「後は私が連れて行きますから」スッ
川 ゚ -゚)「!!」
('A`)「?」
シュッ!
ガキィィィイン!
Σ('A`;)「う、うわ!なにすんだカーチャン!」パラパラ…
J('ー`)し「氷の壁ね。…礼儀がなっていないコねぇ」
川 ゚ -゚)「…」
J('ー`)し「折角気付かずに楽にあの世へ連れて逝かせることができたのに。
友達は選ばないと駄目よ?ドクオ…」
('A`;)「カ、カーチャン…?何を言って…」
川 ゚ -゚)「ドクオ」
('A`;)「な、なんだ…クー?」
川 ゚ -゚)「…こいつはキミの母君ではない。…魔物だ」
('A`;)「!!」
('A`;)「な、何馬鹿なこと言ってんだよ…俺がカーチャンを見間違えるはずが…」
川 ゚ -゚)「見た目はそうなんだろうな。しかし、キミの母君の性格がこんなに醜いわけがない」
J('ー`)し「全く…邪魔をしてくれちゃって」
川 ゚ -゚)「認めるんだ。…ここにキミの母君がいるわけがないんだ」
('A`;)「…」
('A`)「そ、そうだ…。『真実が見える』武器を創れば俺のカーチャンだってことがわか」シュウ
('A`)「…」
植物型魔獣「サア、コッチニキナサイ。ドクオ…」
('A`)「………」 ドサッ シュン
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…ここは私に任せてくれ、ドクオ」
J('ー`)し「あらあら、あなたから先に逝きたいのかしら?」
川 ゚ -゚)「……外道が。ドクオの気持ちを踏みにじったことを後悔するがいい…」ピキピキ…パキ…パキ
J('ー`)し「…」バッ!
川 ゚ -゚)「…」スッ
………
……
…
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…立てるか?ドクオ」
('A`)「…俺は何を期待していたんだろうな」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「カーチャンがいないことなんてわかってたんだ。
いるわけがないんだ…この世界に…来れるわけがないのに…だけど…姿を見てしまったら…」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「…」スク…
('A`)「…先を急ごう。手間を取らせて済まなかった…」テクテク…
川 ゚ -゚)「ドクオ…」
ドクオもカーチャンも大好きだから、今回は色々と辛かった…
というわけで、いつも見てくれてるみんなありがとう!
今は鬱々としてるけど、ハッピーエンド大好きな俺は最後はきっとハッピーエンドにします!
ドクオに幸あれ!
トラウマ製造シチュですなぁ
早く戻れるといいねと言いたいところだが、もっと魔法を見せるんだ
俺もハッピーエンドな物語好きだからハッピーエンド頼むよ
夜―テント前―
パチパチ…パチ…
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「(さすがにまだ立ち直れないか…)」
川 ゚ -゚)「(誰も知る者がいない、見たこともない世界に一人で連れてこられる)」
川 ゚ -゚)「(どの様な気持ちなんだろうか…想像も付かない)」
('A`)「…ふぅ」
川 ゚ -゚)「…ドクオ?」
('A`)「…色々と済まなかったな。とりあえずもう大丈夫だ」
川 ゚ -゚)「無理をしてないか、本当に大丈夫か?」
('A`)「まあ少しは無理してるさ。だけど、本当にもう大丈夫だ」
('A`)「今日の魔物には相当凹まされたけどな…」
('A`)「だが、絶対に元いた世界に帰ってやるって決心が着いた」
('A`)「もう何があっても大丈夫だ」
川 ゚ -゚)「そうか…なら、私も最大限協力しよう。キミを元の世界に絶対に送り返す」
('A`)「…ありがとう。本当に最初から最後まで世話を掛けっぱなしになるな」
川 ゚ -゚)「気にしなくていいさ。あの森で出会ったのも何かの縁だ」
('A`)「俺も帰る方法が見つかるまではクーの旅を手伝うからな。いつまで手伝えるかわからないけど…」
川 ゚ -゚)「ああ、ありがとう。改めて、これからもよろしくな」スッ
('A`)「こちらこそ」スッ
ギュッ
パチパチ…
川 ゚ -゚)「(…やっぱり私には無理だったな)」
川 ゚ -゚)「(ドクオを巻き込むなんてとても…)」
川 ゚ -゚)「(情に絆され、この世界を見捨てるなんて――失格だな)」
川 ゚ -゚)「(…いや、終わらせない。他の方法があるはずだ。それを探し出す…)」
川 ゚ -゚)「(この世界に住んでいる者の問題なんだ。ドクオを巻き込むなんて間違ってる)」
朝―北の街への街道―
('A`)「お、看板だな」テクテク
川 ゚ -゚)「ああ、北の街まで後もう少しで着くよ」テクテク
('A`)「ところで、北の街のどこに御者と護衛がいるんだ?」
川 ゚ -゚)「中央通りの宿にいるらしい。私の名前を伝えればわかるようになってるはずだ」
('A`)「つーかなんでわざわざ馬車で出迎えてくれるんだ?
国も俺らに人員を割いている場合じゃないと思うんだが」
川 ゚ -゚)「王都から遠いと言うのもある。だがやはり、将来重要な戦力となることを見込んでのことだろう。
途中で野垂れ死なれる訳にはいかないからだと思う」
('A`)「すげー期待されてるんだな…」
('A`)「お!街が見えてきた!」テクテク
川 ゚ -゚)「あれが北の街だ」テクテク
('A`)「西洋の街並みっぽいなー」
川 ゚ -゚)「私も何度か滞在したが、良い街だよ」
川 ゚ -゚)「…出発は明後日にしてもらって、明日はのんびりしよう。街を案内する」
('A`)「え?急いでるんじゃないのか?」
川 ゚ -゚)「学校が始まるまでにまだ余裕はある。御者にも念のため一日休んでもらうことにすればいい」
('A`)「そうか。それなら案内を頼む。実はかなり楽しみでな!
外国とか行ったことないからなー西洋の街並みに一度触れてみたかったんだ」
川 ゚ -゚)「ああ、楽しみにしていてくれ」
―北の街・中央通り―
ワイワイ
ガヤガヤ
川 ゚ -゚)「街に入ってすぐのこの通りが中央通りなんだ」
('A`)「おおー。いろんな店が出てるな」
川 ゚ -゚)「一番多く店が建ち並ぶ通りでな、活気もあるだろう?」
('A`)「イイネイイネー」
川 ゚ -゚)「色々と見て回りたいと思うが、まずは宿に荷物を置いてからにしよう」
('A`)「そうだな。御者の怪我も治さなきゃいけないしな」
―北の街・宿屋―
ギィ
('A`)「宿も趣があるなー」
川 ゚ -゚)「まずは人を呼び出そう」チーン!
|(●), 、(●)、|「…お待たせしました。いらっしゃいませ」
('A`)「(宿の主人もこれまたダンディだな…ダンディというかダディって感じか…)」
川 ゚ -゚)「2人なんだが空き部屋はあるかな」
|(●), 、(●)、|「ええ、2階の角のお部屋が空いております」
川 ゚ -゚)「じゃあその部屋を二泊で頼む」サラサラ…
川 ゚ -゚)「それとこれが代金だ」ジャラララ…
|(●), 、(●)、|「クー様ですね。はい。…それではこちらが鍵になります。
…フサギコ様達のお部屋はちょうどお隣になりますので」
川 ゚ -゚)「ああ、ありがとう」
|(●), 、(●)、|「ごゆっくり」
('A`)「さっきのフサギコって言うのは…」テクテク
川 ゚ -゚)「私たちを護衛してくれる人物だよ」テクテク
('A`)「やっぱりそうか」
川 ゚ -゚)「うむ、この部屋だな。まずは荷物を置こう」ガチャリ ギィ…
('A`)「らじゃ」
('A`)「おお…内装も雰囲気ヨーロッパ!これは良い…」
川 ゚ -゚)「フフ、それは良かった」
川 ゚ -゚)「さて、それではフサギコ殿の部屋へ行こう」
('A`)「おう」
―宿屋・フサギコ達の部屋―
コンコン
「誰だ」
川 ゚ -゚)「…クーです」
「おお、少し待ってくれ」
('A`)「…」
ガチャリ
ミ,,゚Д゚彡「…久しぶりだな、クーよ」
川 ゚ -゚)「お久しぶりです、フサギコ殿」
('A`)「(…知り合いか?)」
ミ,,゚Д゚彡「そちらは?」
川 ゚ -゚)「一緒に王立士官学校に入ることになった、例の…」
ミ,,゚Д゚彡「ほう。名前は?」
('A`)「あ、ドクオです」
ミ,,゚Д゚彡「ふむ。俺の名前はフサギコだ。もう既に聞いているかもしれんが」
('A`)「はい、ついさっき…」
ミ,,゚Д゚彡「後もう一人いるんだが、魔物に襲われたショックかベッドの上で丸まったままなんだ」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…怪我の具合は?」
ミ,,゚Д゚彡「少し癒えてきてはいるが、まだ長時間手綱を握るのは無理だな。
クーの魔法で治してやってくれ」
川 ゚ -゚)「ええ」
ミ,,゚Д゚彡「これだ」
布団「…」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…」
ミ,,゚Д゚彡「おい、客人だ。顔ぐらい出せ」
布団「俺はもう駄目だ…。構わないでくれ…」
ミ,,゚Д゚彡「クーだ。お前も久しぶりだろう」
布団「クー…?」
ミ,,゚Д゚彡「そうだ。だから顔ぐらい出せ。いくらなんでも無礼だろう」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「…」
布団「そうか…そうだな…顔くらい出そう」モゾモゾ…
モゾモゾ…
モゾ…ヒョコ
_
( ゚∀゚)「よおクー、久し…ぶ…り…」
川 ゚ -゚)「久しぶりだな、ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「…」
川 ゚ -゚)「ジョルジュ?」
_
( ゚∀゚)「…」
('A`)「?」
ミ,,゚Д゚彡「?」
_
川 ゚ -゚)「?…どうした、ジョルジ( ゚∀゚)「キターーーーーーーーーーーーー!」
川 ゚ -゚)「…本当にどうしたんだ、ジョルジュ?」
_
( ゚∀゚)「どうしたもこうしたも!これは良い」
_
( ゚∀゚)「 お っ ぱ い ! 」
('A`;)「…」
ミ,,;゚Д゚彡「…」
川 ゚ -゚)「…」
_
( ゚∀゚)「少し見ない間にとても立派になられて!」
_
( ゚∀゚)「このジョルジュ!痛く感動いたしました!」
_
( ゚∀゚)「いやこれはもう絶望で病床に伏せっている場合ではありませんねアハハ!」
川 ゚ -゚)=○ヒュッ「…さっきからどこに向かって話しかけているんだ」
_
=○))゚∀゚)ドゴシャッ!
パタリ…
川 ゚ -゚)「さて、程よい怪我のようだし早速これでも飲んでもらおうか」
('A`;)「…そうだな」
ミ,,゚Д゚彡「それは?」
川 ゚ -゚)「回復の魔法を施した薬草です。さあ飲め」グイグイ
_
()゚∀゚)「ウグゥ、ニガマズ…オエッ」ムグムグ…
川 ゚ -゚)「飲め」
_
()゚∀゚)「ハイ」ゴクリ
('A`;)「(…怖ぇ)」
( ゚∀゚)「お、おお!」スゥゥ…
ミ,,゚Д゚彡「腕の怪我がみるみるうちに治っていく…」
川 ゚ -゚)「成功だな」
('A`)「ああ」
_
( ゚∀゚)「すごい…!頬の痛みがまるで嘘の様に…!」
川 ゚ -゚)「…」ギロリ
_
( ゚∀゚)「…」
_
( ゚∀゚)「ウデガナオッタヨ!バンジャーイ!」
ミ,,゚Д゚彡「何にしろ、これで馬車で王都まで向かえる。北の街まで歩かせてしまって済まなかった」
川 ゚ -゚)「いえ、お気になさらず」
('A`)「ところで、さっきまで何でベッドで丸くなってたんだよ。
今は全然平気じゃねーか…」
_
( ゚∀゚)「…ああ。実はな、蔓で触れた人の記憶を読み取って姿を変える魔物と遭遇したんだ」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「ドクオ…」
('A`)「…大丈夫だ。続けてくれ」
_
( ゚∀゚)「フサギコがちょうど水を汲みに行っているときだった…」
~~~~~~~~~~
_
( ゚∀゚)『今日も良い天気だなあ』テクテク…ガスッ
_
( ゚∀゚)『ん、なんだこりゃ?蔓?』
ζ(゚ー゚*ζ『…』ボイーン
_
( ゚∀゚)『!!!』
ζ(゚ー゚*ζ『…』ボヨーン
_
( ゚∀゚)『お…おおおおおおおおおおお!』
ζ(゚ー゚*ζ『…』バイーン
_
( ゚∀゚)『これは良い』
_
( ゚∀゚)『 お っ ぱ い ! 』
~~~~~~~~~~
_
( ゚∀゚)「そして俺がおっぱいに釣られている最中に、魔物は襲いかかってきた」
('A`)「…」
ミ,,゚Д゚彡「…」
川 ゚ -゚)「…」
_
( ゚∀゚)「フサギコが戻ってきた気配を察知したのか、魔物が逃げたので俺は事なきを得ることができた」
川 ゚ -゚)「…で、絶望していた理由とやらはなんなんだ」
_
( ゚∀゚)「あんなに良いおっぱいに巡り会えた奇跡を俺は喜んだ」
_
( ゚∀゚)「だが同時に、あんなに良いおっぱいに巡り会うことはもう二度とないんだと気付くと俺は絶望した」
_
( ゚∀゚)「しかし!神は俺を見放さなかった!絶望の淵にいた俺に!
まさに奇跡とも言える更に素晴らしいおっぱいと巡り会わせてくれたのだから!」
川 ゚ -゚)=○ヒュッ「黙れ」
_
=○))゚∀゚)メゴシャッ!
パタリ…
これはしょうがない。おっぱいは正義だ
川 ゚ -゚)「…どうやら、私たちを襲った魔物とジョルジュを襲った魔物は同一だったみたいだな」
('A`)「…そうだな」
ミ,,゚Д゚彡「何?怪我はなかったか?」
川 ゚ -゚)「ええ、幸いにも。魔物も倒すことができました」
ミ,,゚Д゚彡「ならよかった。コイツがあんな状態だったんで討伐にも行けなくてな。
駐屯している兵士に危険な魔物が出ると言う話はしておいたんだが」
川 ゚ -゚)「油断を誘う魔物だったので、確かに危険でした。兵には私から報告しましょう」
川 ゚ -゚)「さて、用事も済んだことだし、ちょっと街にでも行こうか?ドクオ」
('A`)「このジョルジュってのは放っておいていいのか?」
川 ゚ -゚)「問題ないよ。フサギコ殿もいることだしな」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、コイツは俺が見ておくから行ってくるといい」
川 ゚ -゚)「ありがとう。それと、一応コイツの大事をとって出発は明後日にしようと思うのですが」
ミ,,゚Д゚彡「そうだな。クー達も歩き旅で疲れているだろうし、明日はゆっくりしておけ」
川 ゚ -゚)「ええ、そうします」
―北の街・中央通り―
ワイワイ
ガヤガヤ
('A`)「それにしてもジョルジュは変なヤツだったな」
川 ゚ -゚)「昔会ったときはあんな事言われなかったんだが」
('A`)「(認めずにはいられないほど成長したってことか…)」
('A`)「ところで、さっきの二人とは知り合いだったみたいだけど」
川 ゚ -゚)「うん。私は小さい頃王都に住んでいてな。辺境の村に移住する際、彼らに送ってもらったんだ」
('A`)「??民間人の為に兵士を出してもらえるもんなのか?」
川 ゚ -゚)「神父様とは小さい頃から知り合いでな。
神父様もちょうど辺境の村へ派遣されるところだったから口利きしてもらったんだよ」
('A`)「ほ~」
川 ゚ -゚)「…なあ、先ほどの魔物の話なんだが…。大丈夫か…?」テクテク
('A`)「ん?ああ。…ジョルジュの話を聞いてたら、なんだか悩んでたのが馬鹿らしくなっちまった」テクテク
('A`)「と言うわけで問題ない。ありがとう、心配してくれて」
川 ゚ -゚)「そうか…よかったよ。ジョルジュも偶には役に立つんだな」
('A`)「ハハ。ひでぇ」
川 ゚ -゚)「いやまさかあんな変態だったとは思いもしなかったんだ」
('A`)「確かにあれは一種の変態だな」
―宿屋・フサギコ達の部屋―
_
( ゚∀゚)「へっくしょん!」
_
( ゚∀゚)「へへ、素晴らしいおっぱいを持った誰かが俺の噂をしているな…参るぜ…」
ミ,,゚Д゚彡「(ダメだコイツ。早く何とかしないと…)」
川 ゚ -゚)「さて、何か見たいものでもあるか?」
('A`)「明日も街を見て回れるんだよな?
なら今日は少しぶらぶらしつつ、旅で使った食料とか消耗品でも買い足さないか?」
川 ゚ -゚)「それもそうだな。明日はのんびりできるように、今日のうちに準備を整えておこう」
('A`)「と言うかまた金出させちまうんだよな。すまねえ」
川 ゚ -゚)「あまり気にするな。…そうだ、これを渡そう」ゴソ…ジャラ
('A`)「え?金貨?」ジャラ
川 ゚ -゚)「いざという時にお金を持ってないんじゃ困るだろう。
好きに使ってくれて構わないが、使いすぎないように。お金は無限じゃないのでな」
('A`)「…ああ、ありがとう」
川 ゚ -゚)「ああ。行商人とやらに返す金を使うわけにはいかないだろうしな」
('A`)「そうだな。このお金は大切に使わせてもらうよ」
―北の街・雑貨屋―
川 ゚ -゚)「乾し肉と乾パンはこれくらいかな」ドサ
('A`)「この際だし、薬草をちょっと多めに買っていかないか?嵩張るもんでもないし」
川 ゚ -゚)「ふむ。あって困る物でもないし、買っていくか」ヒョイヒョイ
('A`)「それと、この後に武器屋に行ってもいいか?ちょっと参考までに見ておきたい」
川 ゚ -゚)「ああ、もちろんだ。…こんなものかな」ドッサリ
('A`)「じゃあ会計に行くか。よいしょっと」グッ
…
……
………
―北の街・武器屋―
川 ゚ -゚)「ここが北の街で一番大きな武器屋だな」
('A`)「おお、色々あるなー。…あんな大剣誰が扱えるんだ」
川 ゚ -゚)「私は外で待ってるよ」
('A`)「了解。あまり時間は掛からないと思うから」
('A`)「ボウガンに弓かぁ。扱えれば便利かもな」
('A`)「お?こりゃトンファー?琉球発祥だったよなぁ確か」
('A`)「…物干し竿?」
('A`)「槍に短剣、剣。オーソドックスだな」
('A`)「これは…ガントレットか。…」
('A`)「お待たせ、クー」
川 ゚ -゚)「随分早かったな?もういいのか?」
('A`)「もう十分だ。そろそろ宿に戻ろう」
夕方―宿屋・ドクオ達の部屋―
('A`)「よいしょっと」ドササッ
川 ゚ -゚)「お疲れ様。私も半分持っても良かったのに」
('A`)「いつも世話になってるからな。それに女の子に重い物を持たせたら男が廃る」
川 ゚ -゚)「よくわからないな…。そろそろ夕飯の時間だ、フサギコ殿達を誘って食堂に行こう」
('A`)「おう」
―宿屋・食堂―
_
( ゚∀゚)「ところでそこの少年。名前はなんだ?」
('A`)「(そう言えば名乗ってなかったな…)…俺はドクオ。クーと王立士官学校に入ることになった」
_
( ゚∀゚)「おお、君が例の!さっきもしかして部屋に来てた?
ぶっちゃけおっぱいに夢中であまり覚えてないんだよな。ハハh」
川 ゚ -゚)「…」
_
( ゚∀゚)「…」
ミ,,゚Д゚彡「…ところでドクオの出身はどこなんだ?」
('A`)「…実は記憶喪失で」
川 ゚ -゚)「…ドクオ、フサギコ殿達には話しても大丈夫だ」
('A`)「そうなのか?じゃあ…」
ミ,,゚Д゚彡「なるほどな、異世界からか」
_
( ゚∀゚)「そりゃ大変だったな!」
('A`)「いや、クーに助けてもらえたからな。お陰でなんとかなってる」
川 ゚ -゚)「大したことはしてないんだがな。…それではお先に失礼しよう」
_
( ゚∀゚)「俺らはもう少しここでのんびりしていくぜ」
ミ,,゚Д゚彡「…」
_
( ゚∀゚)「確定的だな」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。なんとしてでも無事に王都に送り届けるぞ」
夜―宿屋・ドクオ達の部屋―
川 ゚ -゚)「む、しまった」
('A`)「ん?どうした」
川 ゚ -゚)「魔物の件をここの駐屯地の兵に伝えるのを忘れてしまってな」
川 ゚ -゚)「少し行ってくる」
('A`)「俺もついて行こうか?もう夜だし…」
川 ゚ -゚)「ありがとう。しかし駐屯地はすぐそこだから心配はいらないよ」
('A`)「そうか。でも気を付けろよ?」
川 ゚ -゚)「ああ。では行ってくる」
ギィ…バタン
('A`)「さて、それじゃ作ってみるかな」
('A`)「イメージイメージっと…」
('A`)「…」
('A`)「…」シュウ
('A`)「おお、できたできた。かなり細かい作りにしたからちょい苦労したけど中々の出来だな!」
('A`)「物自体も軽いし…」シュウ
('A`)「…せい!」ブン!
ガキィィィイイン!
('A`)「傷も付かない。耐久性も抜群だな」シュン
('A`)「…あ」
('A`;)「性質付与させるの忘れちまった…。多分次は同じの作れねーぞ」
('A`;)「…作り直しはイメージに時間掛かっちまうし」
ガチャリ…ギィ
川 ゚ -゚)「ただいま」
('A`)「…あ、おかえり」
('A`)「(まあこれでいいか)」
('A`)「(なんかいざ渡すとなると緊張するな…)」
('A`)「(まずは軽い会話からだな)」
('A`)「…えっと、報告はどうだった?」
川 ゚ -゚)「うむ、お礼を言われたよ。また謝礼を渡されそうになった」
('A`)「受け取ればいいんじゃないのか?」
川 ゚ -゚)「そういう目的で倒したわけではないからな…。報奨金が設定されていたならともかく貰いづらい」
('A`)「そういうもんかねぇ」
('A`;)「(……話を切り出すタイミングが掴めねぇ!)」
('A`)「(ていうか何をさっきから俺は悩んでるんだよ。ただ渡せば良いだけの話じゃねーか)」
('A`)「(ジョルジュの話並にくだらない悩みだったな)」
('A`#)「(よっしゃ!いくぞ!)」フンス
('A`;)「…あ、あのぅ、クーさん?」
川 ゚ -゚)「どうした?さっきから挙動不審だぞ」
Σ('A`;)「えっ。…そんなに?」
川 ゚ -゚)「ああ。…何か企んでいるのか?」
\('A`;)ノシ「いやいや!何も企んでないって!」ブンブン
川 ゚ -゚)「ん?その手に持ってる物は?」
('A`;)「…あ」
('A`;)「…いやな?普段からクーにはお世話になってるからな?
何かお返しができないかなーと思ってですね?お作りした次第でして…」
川 ゚ -゚)「ふむ。とするとさっきまでの挙動不審な行動の数々は、
私にそれをいつ渡すのかタイミングが掴めずにいたと言う訳か」
('A`)「ソノトオリデス」
川 ゚ -゚)「…良ければ見せてくれないか?」
('A`)「え?ああ…」
川 ゚ -゚)「ガントレットか…綺麗だな。…本当に私が貰っていいのか?」
('A`)「ああ、その為に作ったからな。元は殴るための武器だし、
女の子向きじゃないけど俺は武器しか作れないから…」
('A`)「防具代わりにでも使ってくれると嬉しいんだがな…」
川 ゚ -゚)「そうか、ありがとう。私は気に入ったぞ、これが」
('A`)「え?本当か?」
川 ゚ -゚)「ああ、見た目も綺麗だしとても軽い。指も動かしやすい様になっているな」
('A`)「おお、実は作るときもそこのイメージに苦労してだな…」
('A`)「まあそれで性質は付与し忘れちまったんだがな」
川 ゚ -゚)「いや、性能も良さそうだしこれで十分だよ。ありがとう」
('A`)「いや、いつも世話になってる礼だ、気にしないでくれ」
朝―北の街・中央通り―
ワイワイ
ガヤガヤ
川 ゚ -゚)「さて、今日はどこに行きたい?」
('A`)「そうだなー。何か旨いものでも食いに…」
ミ,,゚Д゚彡「よう、二人とも。これからお出かけか?」
川 ゚ -゚)「はい、そうです」
ミ,,゚Д゚彡「そうか…実は北の街付近に魔物が出たらしい」
('A`)「魔物?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、それなりに厄介な魔物だ。街をふらつくのはいいが街の外には出ないようにな」
川 ゚ -゚)「わかりました。フサギコ殿は?」
ミ,,゚Д゚彡「ちょっと加勢に行ってくる。それじゃあな」
('A`)「…フサギコさんって王国の兵士なんだよな?」
川 ゚ -゚)「ああ、王族の親衛隊長をやっておられる」
('A`)「マジかよ。なんで俺らを向かえに来る人がそんなすごい人なんだよ」
川 ゚ -゚)「さあな…。私たちのとは別件で、密命でこちらに来たのかも知れないな」
('A`)「なるほど。とすると、さっきの魔物の件は問題なさそうか?」
川 ゚ -゚)「全く問題ないだろう」
('A`)「親衛隊長ともなるとやっぱり強いんだな…」
('A`)「それにしても、何だかんだでこっちの食べ物は俺がいた世界のと似てるよ」
川 ゚ -゚)「そうなのか?」
('A`)「パン、ピザ、サラダ、ポトフ、ポタージュスープ、魚のムニエル…」
川 ゚ -゚)「ふむ」
('A`)「色々あったけどやっぱり米と味噌汁はなさそうなんだよなあ」
川 ゚ -゚)「ドクオがいた世界の料理か?」
('A`)「ああ、俺がいた国の代表的な料理だな」
('A`)「料理の話してたら腹減ってきた…」
川 ゚ -゚)「そろそろいい時間になるな。昼ご飯にしようか」
―北の街・とあるレストラン―
('A`)「ところで、フサギコさんとジョルジュは何の魔法が使えるんだ?」
川 ゚ -゚)「フサギコ殿は風と火、ジョルジュは地だったかな」
('A`)「2種類使えるのか?やっぱりすげえな」
川 ゚ -゚)「と言っても、二人とも武器を使った戦闘の方が得意みたいだが。
ドクオの参考にはなるんじゃないのか?」
('A`)「そうだな。この先魔物との戦闘の機会もあるだろうし、技が盗めるといいな」
川 ゚ -゚)「言い忘れていたが、ジョルジュもアレで実は親衛隊員なんだ」
('A`)「なん…だと…。…大丈夫なのか、アレで」
川 ゚ -゚)「…とてつもなく心配なのは確かだ」
―北の街・中央通り―
ミ,,゚Д゚彡「よう二人とも」
('A`)「チィッス」
川 ゚ -゚)「フサギコ殿。魔物の討伐は?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、俺が出張るまでもなかったな。この街の兵士は強いよ」
('A`)「…その2本の剣がフサギコさんの武器ですか?」
ミ,,゚Д゚彡「そうだが?」
('A`)「二刀流か…。いや、参考になります」
ミ,,゚Д゚彡「?」
('A`)「インスピレーションが…!」
ミ,,゚Д゚彡「ところでドクオ、お前は何の魔法が使えるんだ?」スッスッス…
('A`)「武器の創造です」テクテク…
ミ,,゚Д゚彡「武器の創造?始めて聞く魔法だが…。
腰に妙な剣を提げているが扱えるのか?」
('A`)「ぶっちゃけ握ったこともなかったけど、多分達人級です」
ミ,,゚Д゚彡「?どういうことだ。扱ったことがないのに達人?」
川 ゚ -゚)「…ドクオはちょっと変わってまして。いずれ分かるかと思います」
ミ,,゚Д゚彡「???」
('A`)「クックックックック…」
夜―宿屋・ドクオ達の部屋―
('A`)「明日からまた旅立ちか」
川 ゚ -゚)「ああ。…旅先でも召喚師がいないか注意しよう。重要な情報が手に入るかも知れない」
('A`)「つっても、召喚師かどうか見た目じゃ判断がつかないんじゃないか?」
川 ゚ -゚)「まあそうなんだが。以前、召喚魔法は珍しいと言ったよな?」
('A`)「うん、覚えてる」
川 ゚ -゚)「概して、珍しい魔法は権力者に囲われやすいものだ。
自分の力を誇示せんとばかりにな」
川 ゚ -゚)「そして、本人達もそれを理解して権力者を利用していることが多い」
('A`)「と言うことは、街の金持ちをあたれば…」
川 ゚ -゚)「召喚師に会える可能性があるな」
('A`;)「ん?じゃあ今日はこの街の金持ちを探れば良かったんじゃ…」
川 ゚ -゚)「安心してくれ。この街には召喚師はいない」
('A`)「何でそんなことが分かるんだ?」
川 ゚ -゚)「この街に自分の力を誇示する様な輩はいなかったろ?」
('A`)「あ、なるほどね…。力を誇示するために囲ってんのに、ここはなんの噂も聞かなかったな」
川 ゚ -゚)「そういうことだ。そういう者がいる街なら、嫌でもそういった話は耳にするだろう」
('A`)「それじゃあ次の街から召喚師探しか」
('A`)「ところで次はどこの街に行くんだ?」
川 ゚ -゚)「北の街より北東に、馬車で3日ほど進んだところにある【麓の街】へ向かう」
('A`)「麓の街って言うくらいだから山越えでもするのか?」
川 ゚ -゚)「昔は山道を通ったみたいだが、今はその必要はないんだ」
('A`)「…まさかトンネルでも開通してんのか?」
川 ゚ -゚)「その通りだ」
('A`)「マジかよ…。こっちの技術を侮ってた」
川 ゚ -゚)「開通したのは20年ほど前になるらしいな。
国王が色々な街の有力者の協力を得て、地の魔法使いを集めてトンネルを開通させた」
('A`)「ほお。改めて思ったけど魔法ってすげーんだな…」
川 ゚ -゚)「まあそんなわけで昔は1週間掛かってた山道も、今では半日ほどで越えられる」
('A`)「サクサク進めそうだなー」
川 ゚ -゚)「魔物にさえ出会わなければな」
朝―北の街・宿屋の前―
ミ,,゚Д゚彡「おはよう、二人とも」
('A`)「おはようさん」
川 ゚ -゚)「おはよう。…ジョルジュは?」
ミ,,゚Д゚彡「先に街の北門に行ってるよ。何故か旅に出るときは決まって調子にのりだす」
('A`)「旅が好きなんじゃないか?」
川 ゚ -゚)「だと良いが…」
―北の街・北門―
_
( ゚∀゚)「(まだ見ぬおっぱいが俺を待っている!)」ウキウキ!
('A`)「おお、これが馬車…」
_
( ゚∀゚)「お!やっと来たな。遅えよ、早くいこうぜ!」
川 ゚ -゚)「本当に調子が良いな」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。それじゃ荷物を積み込んで行くか」
('A`)「ウイース」
('A`)「(…馬車、楽しみだ)」
―麓の街への街道・馬車―
ガラガラガラガラ…
('A`)「…」ガタッガタン
川 ゚ -゚)「…」ガタガタッ
('A`)「確かにあまり乗り心地良くないな…」
川 ゚ -゚)「だろ?段々とお尻が痛くなってくる」
ミ,,゚Д゚彡「コラ、あんまり文句言うな」
('A`)「スンマセン」
川 ゚ -゚)「と言うわけで敷き布を私は持って来た」スッ
Σ('A`)「あ!ずりぃ!」
川 ゚ -゚)「フフ、ドクオには一度この辛さを味わって貰わないと不公平になるのでな」
('A`;)「なんだよそれ、子供じゃあるまいし…」
川 ゚ -゚)「あー、多少は楽になったな」
('A`;)「クソッ、俺も何かないか…」ゴソゴソ…
('A`)「お、良いのがあるじゃん」
川 ゚ -゚)そ「何!?」
('A`)「寝袋~」(だみ声)ピカピカピカーン
('A`)「この程よい厚み!最高じゃあないか!フフン」フカフカ
('A`)「おや?クーさんは布ですか?そうですか」
川;゚ -゚)「むむむ!」
川;゚ -゚)「ふん、私には敷き布で十分なんだ。寝袋を使う必要などはない」
ミ,,゚Д゚彡「(何やってるんだか…)」
―麓の街への街道・道外れ―
_
( ゚∀゚)「さて、ここで一旦休憩に入るぞ」
川;゚ -゚)「いたた…助かった…」
('A`;)「意地を張らずに寝袋使えばいいのに」
ミ,,゚Д゚彡「見張りは俺がする。ジョルジュも少し休んでろ。
運転に魔物にと大変だったろう」
_
( ゚∀゚)「おう、そうするぜ!」
('A`)「魔物?一度も襲われなかったよな?」
_
( ゚∀゚)「ああ。邪魔になりそうな魔物は遠くから魔法で倒したからな!」
('A`)「…なんつーかレベルが違うな」
川 ゚ -゚)「親衛隊員なんてやつらはみんなこんなもんだ」
( ゚∀゚)「ところでドクオ、フサギコに聞いたんだけど珍しい魔法が使えるんだって?」
('A`)「ん?ああ、武器が作れるんだ」
_
( ゚∀゚)「本当か!?ちょっと見せてくれよ!」
('A`)「んー…」
川 ゚ -゚)「別に問題はないだろう」
('A`)「そうか。それなら…出でよ大剣!」シュウ
_
( ゚∀゚)「おお!すげー!こりゃまたでけー剣だな!そんなでけーの扱えるのか!?」
('A`)「ああ、この通り」ブン!ブォン!
_
( ゚∀゚)「やるなぁ!お前も将来親衛隊員になっちまえよ!」
('A`)「…まあ考えておくよ」
('A`)「ところでジョルジュは武器は何を使ってるんだ?」
_
( ゚∀゚)「俺はこれだ、トンファーだ」
('A`)「なんでまたそんな珍しい武器を選んだんだ?」
_
( ゚∀゚)「だってみんなが使わない武器の方が格好良いだろ?」
('A`)「そういうもんかね。クーはジョルジュがこの武器使ってるところ見たら格好良いと思うか?」
川 ゚ -゚)「全然」
_
( ゚∀゚)「ガーン!!」
―麓の街への街道・馬車―
ガラガラガラガラ…
('A`)「ほれ、寝袋。もう意地張るなって」
川 ゚ -゚)「うむ、そうする…お尻の痛さには代えられん」
ミ,,゚Д゚彡「…ドクオよ」
('A`)「え?はい」
ミ,,゚Д゚彡「魔物との戦闘経験はどのくらいだ?」
('A`)「えーと…数えるくらいしか」
('A`)「狼と岩の魔物だけかな、俺が倒したのは」
川 ゚ -゚)「後は大きい岩の魔物もだな」
('A`)「ありゃトドメはクーだろ」
川 ゚ -゚)「ドクオの武器の活躍があってこそだ」
ミ,,゚Д゚彡「ふむ。それで本題なんだが、俺とジョルジュで訓練をつけてやろうと思ってな」
('A`)「訓練?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、旅を続ける限り、この先魔物に襲われ続けることになる」
ミ,,゚Д゚彡「そう言ったときのために訓練をしてやろうと思ってな。まあ無理強いはしないが」
('A`)「訓練か…」
('A`)「(元いた世界に帰る方法が見つかるまで旅は続けるつもりでいるし…)」
('A`)「(これは良い機会かもな)」
川 ゚ -゚)「どうするんだ、ドクオ?」
('A`)「…ああ、決めた。是非お願いします」
夕方―麓の街への街道・道外れ―
_
( ゚∀゚)「よっしゃ、夕飯の前に軽く訓練すっか!」
('A`)「はい」
ミ,,゚Д゚彡「その前に、ドクオはどの武器が得意なんだ?以前は達人級だと言っていたが」
_
( ゚∀゚)「マジか?」
('A`)「ええ、恐らくは。フサギコさん、ちょっとその剣で剣舞でもやってみてくれませんか?」
ミ,,゚Д゚彡「(恐らく…?)ああ、構わないが」チャキッシャキッ
ミ,,゚Д゚彡「…ハッ」ヒュッ
フォン!ヒュヒュヒュッ!ヒュババッ!シュババババッ!
_
( ゚∀゚)「おお!相変わらずすげーな!」
ミ,,゚Д゚彡「…これでいいか?」
('A`)「はい、ありがとうございます…出でよ、双剣!」シュウ
ミ,,゚Д゚彡「これが武器創造の魔法か。初めて見る」
('A`)「…ハッ」ヒュッ
_
( ゚∀゚)「何!?」
フォン!ヒュヒュヒュッ!ヒュババッ!シュババババッ!
ミ,,゚Д゚彡「これは…俺と全く同じ剣舞…」
('A`;)「…はあ、はあ」シュン
( ゚∀゚)「今のは一体…」
('A`;)「…これが、俺の魔法です」
ミ,,゚Д゚彡「今のが魔法だと…?」
('A`)「…ふう。はい、俺の魔法は武器の創造」
('A`)「そして、創造した武器に性質を付与することです」
ミ,,゚Д゚彡「性質?どうゆうことだ?」
('A`)「実際に体験してもらった方が早いですね。…これを」シュウ…ドズン!
ミ,,゚Д゚彡「何だ、そんなでかい剣人間に扱えるわけが…」
('A`)「よっと」ヒョイ
ミ,,゚Д゚彡「!!」
('A`)「これは、『所持者に重さをほとんど感じさせない』性質を付与した大剣です。試しにどうぞ」スッ
ミ,,゚Д゚彡「なんと…」ヒョイ
_
( ゚∀゚)「…そうか!休憩の時に扱ってた大剣もその性質を付与していたんだな!」
('A`)「ああ、その通り」
('A`)「そしてさっきの双剣は『フサギコさんと同じ剣舞ができる』性質を付与しました」シュン
ミ,,゚Д゚彡「それで先ほどのあの動きか」
_
( ゚∀゚)「あれ?そんなことができるんだったら訓練いらなくね?」
('A`)「いや、武器にはある程度の動きをトレースできるだけで、
ぶっちゃけ大したことはできないみたいなんだ」
('A`)「試しに他の動きもやってみようとしたけど上手く体が動かなかった。
確認したことがなかったから、恐らく達人級って言ったんだ。
真似だけの達人だ。それに…」
ミ,,゚Д゚彡「体力や身体能力が追いついてなかったようだな」
('A`)「そうです。なので、訓練では体力作りや武器の扱い方なんかを今後教えてもらえると助かります」
_
( ゚∀゚)「おっしゃ!そしたらトンファーの使い方みっちり教えてやるよ!」
('A`)「あ、トンファーには興味ないから大丈夫」
_
( ゚∀゚)「ガーン!!」
('A`;)「冗談だよ…」
トンファーキックする場面しか思い浮かばない
>>309-312
('A`;)「つ、疲れた…」
_
( ゚∀゚)「なんだ、これぐらいでへこたれんなよ!」
('A`;)「トンファーを振り続ける特訓にどんな意味があるんだよ…」
_
( ゚∀゚)「そりゃトンファー振ってれば腕力つくだろ」
('A`)「いや、それなら剣の素振りでもいいんじゃね?」
_
( ゚∀゚)「腕力ももちろんだが、それより何より格好いいじゃねーか」
('A`)「いや、トンファーが格好いいとはとても思えないんだけど」
_
( ゚∀゚)「…」スッ
('A`)「?」
_ トンファーキ~ック!
_(# ゚∀゚ )
/ ) ドゴォォォ _ /
∩ / ,イ 、 ノ/ _ ―= ̄ `ヽ, _
| | / / | ( 〈 ∵. ・( 〈__ > ゛ 、_
| | | | ヽ ー=- ̄ ̄=_、 (/ , ´ノ \
| | | | `iー__=―_ ;, / / /
| |ニ(!、) =_二__ ̄_=;, / / ,'
∪ / / / /| |
/ / !、_/ / 〉
/ _/ |_/
ヽ、_ヽ
_
( ゚∀゚)「…フン。トンファー(を持つことによって体術の向上を促し、
それに伴い上がったキック)の威力・格好良さを思い知ったか」
('A`)「…フッ、まだまだ甘いな」ムクリ
_
( ゚∀゚)そ「何!?今のを喰らって何故立ち上がれる!?」
('A`)「持ってて良かったPSP」スッ
アンカー抜けてないよね…
それでは投下ー
ミ,,゚Д゚彡「よう」
川 ゚ -゚)「フサギコ殿。もう訓練はいいのですか?」
ミ,,゚Д゚彡「それなら今はジョルジュが見ている」
川 ゚ -゚)「そうですか」
ミ,,゚Д゚彡「…」
川 ゚ -゚)「…彼の魔法を見ましたか?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ…初めてみたよ、あんな魔法」
ミ,,゚Д゚彡「…クー。もしかしてとは思うが、ドクオがそうなのか?」
川 ゚ -゚)「…確証は持てません」
ミ,,゚Д゚彡「ふむ…そうでないとしても期待せずにはいられないな。
魔王に打ち勝てる存在かもしれない」
川 ゚ -゚)「……ええ」
('A`;)「つ、疲れた…」ペタリ
_
( ゚∀゚)「体力ねぇなあ。まあこれを毎日繰り返してたら嫌でも体力つくぜ!」
('A`;)「え?これ毎日すんの?」
_
( ゚∀゚)「おう。そのうち慣れるから大丈夫だ」
('A`;)「…なんか早速後悔してきた」
_
( ゚∀゚)「おっと、飯の前に素振りな!」
('A`)「…トンファーとか言わないよな?」
_
( ゚∀゚)「トンファーはまだ先だな!まずは剣から扱えるようにならねーと」
('A`)「よかった…。トンファーキックにやられるかわいそうな人はいないんだ…」
_
( ゚∀゚)「?とにかく早いところ剣を作りな!剣の重さは軽くしないように確認させてもらうからな」
('A`)「へいへいっと」
夜―テント―
('A`;)「もうだめぽ…」ドサ
川 ゚ -゚)「訓練お疲れ様。見張りはフサギコ殿とジョルジュが交代でしてくれるらしい」
('A`)「そうか…それならゆっくり休めるな」
川 ゚ -゚)「ご飯を食べた後も訓練だったな」
('A`)「これから毎日これが続くと思うと鬱になるな…」
川 ゚ -゚)「…ドクオは何故訓練を受けようと思ったんだ?」
('A`)「んー」
川 ゚ -゚)「王立士官学校でもどのみち訓練は受けることになるんだぞ」
('A`)「そうなのか?」
('A`)「ま、あれだな。自分の身を守るための術を得るためかな」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「俺の魔法は、武器を創造すること。他は武器を持って戦う兵士と何ら変わりはない」
('A`)「だから、強い人たちがいる今のこの恵まれた環境で、できるだけ学んでおこうと思った」
川 ゚ -゚)「なるほどな。しかし、強い人から教えを受けたからといって必ず強くなるわけでもあるまい」
('A`;)「凹むこと言うなよ…。一応強くなろうと努力はしてるんだから」
川;゚ -゚)「あ、すまない」
('A`)「まあ、やらないよりかはやった方がマシってことで。学校でもリードできるかもしれないし」
('A`)「(それに、クーの旅の足手まといになるのは嫌だしな)」
―麓の街への街道・馬車―
ガラガラガラガラ…
('A`)「今日も順調だな」
川 ゚ -゚)「そうだな…ん?」
ガラ…ガラ…
ミ,,゚Д゚彡「…減速しているな」
ガラ…
('A`)「なんだ?止まった…」
… … …
_
( ゚∀゚)「よう、野盗に囲まれたぜ!」ヒョイ
川 ゚ -゚) ('A`)「は?」
('A`;)「野盗って…どーすんだ?」
ミ,,゚Д゚彡「倒すしかあるまい。何人だ?」
_
( ゚∀゚)「8人だ。チョロい」
川 ゚ -゚)「私は?」
ミ,,゚Д゚彡「ここで待っていろ。ただ油断はするな。魔法を放てるように準備しておけ」ダッ
_
( ゚∀゚)「いくぞ!ドクオ!」
('A`;)「え!?俺も?」
_
( ゚∀゚)「特訓の成果を見せるときが来た!」グイィ!
('A`;)「まだ一日しか特訓してないんだけどおおぉぉぉぉぉ…」ズルズル…
川 ゚ -゚)「頑張れ、ドクオ」
………
……
…
( ´W`) 「俺は頭領のシラヒーゲ!観念してさっさと出てこーい!」
ミ,,゚Д゚彡「…」ザッ
( ´W`) 「出てきたか」
_
( ゚∀゚)「ホラホラ!」グイィィ
('A`;)「ぅぉおお…」ズルズル…
( ´W`) 「これで全員か?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。…お前らの目的は?」
( ´W`) 「…何、積み荷ごと馬車をちょっと頂こうと思ってな。それと有り金全部な」
|iミ,,゚Д゚彡|i|「飲めない要求だな」ヒュッ ブン!
盗賊1「なっ!はy」
バキィ!
盗賊1「がはっ!」 ドサリ
(;´W`) 「な、なにしやがる!てめえら、やっちまえ!」
_
三( ゚∀゚)「っしゃあ!」ダダッ
(;´W`) そ「お前に言ったんじゃねーよ!」
_
( ゚∀゚)「オラオラ!」ブンブォン!
ドガゴッ!
盗賊2「ごぁ!」
_
三( ゚∀゚)「次々!」ブンブン! ドゴゴッ!盗賊3「ぎゃあ!」
ミ,,゚Д゚彡「ふん」ヒュオ! バキィ!
盗賊4「ぐぉ…」ドサッ
('A`;)「…」
('A`;)「…俺いらないんじゃね?」
(;´W`) 「なにやってんだ!そこの丸腰のガキを狙え!人質にでもしろ!」
('A`;)「え?」
盗賊5「おらああああああ!」ダダダダダ!
チャキ!
Σ('A`;)「げ!ナイフ持ってる…!…出でよ大剣!」シュウ
Σ盗賊5「は!?てめぇどこからそんなモン…!!」
('A`#)「喰らえ!平打ちフルスイングだあああああああああああ!」ブオオン!
ベキャッ!
盗賊5「あべし!」
バタリ…
('A`#)「よっしゃ!」シュン
(;´W`) 「こ、こいつらやべぇ…!」
ミ,,゚Д゚彡「後3人だな」
盗賊6「か、頭…逃げましょう!」ダダッ
盗賊7「うわああああ!」ダダダッ
(;´W`) 「あ、ああ!」ダッ
_
( ゚∀゚)「させねぇ…よっ!!!」ズダン!
ドゴゴゴゴォォォオオオオン!!
(;´W`) 「うおおお!」グラグラグラ
盗賊7「ひいいいぃぃぃい!」グラグラグラ
盗賊6「な、なんだ、この揺れ、は!」グラグラ
('A`;)「ヒエエェエ!」グラグラ
_
( ゚∀゚) ミ,,゚Д゚彡「「はっ!」」ドヒュッ!
盗賊6・7「「ぐえっ!」」バキバキィィ!
…ドサドサッ
ミ,,゚Д゚彡「…後1人、だな」スッ…
(;´W`) 「…!てめえら…一体何モン…!」
ミ,,゚Д゚彡「ただの旅人だ」ヒュッ
バキャッ
…ドサリ
―馬車内―
川 ゚ -゚)「大丈夫だったか?」
ミ,,゚Д゚彡「全く問題ない」
_
( ゚∀゚)「余裕!」
('A`;)「俺もなんとか…」
川 ゚ -゚)「そうか、怪我もなさそうだしよかった」ホッ
_
( ゚∀゚)「無駄な時間過ごしちまったな。んじゃ出発するぜ!」
ピシッ
ガラガラガラ…
川 ゚ -゚)「ところで、野盗どもはどうしたんだ?」
('A`)「あいつらが持ってた縄で木に繋いでおいたよ」
ミ,,゚Д゚彡「街に戻って兵士に連絡する時間が勿体ないからな。
このまま麓の街まで行ってそこで連絡することにした」
ガラガラガラガラ…
('A`)「しかし、魔物が出てくるようなところに放置してしまって大丈夫なんですかね?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、8人もいたんだ。一人くらい魔法使いがいるだろうし魔法でなんとか抜け出るだろう」
('A`)「え、でもさっきの戦闘では魔法使ってませんでしたよね?
しかも逃がしちゃっていいんですか?」
ミ,,゚Д゚彡「恐らく俺が一番始めに倒したヤツがそうだな。
一人だけやや後方に距離を置いていたから、先に叩いておいた。
逃げられるのは良くないが、この馬車にも乗せられんし放置もやむを得ないだろう」
('A`)「なるほど…。それにしてももの凄い早さでしたね、アレ」
ミ,,゚Д゚彡「風の魔法を利用したんだ。追い風になるように」
('A`)「へえ、便利だなあ」
('A`)「じゃあジョルジュが足を踏みならした時のアレも…」
ミ,,゚Д゚彡「あれも魔法だな。しかしアレは見境がなくて困る」
('A`;)「ですね、俺も巻き込まれましたし…」
夕方―麓の街への街道・道外れ―
_
( ゚∀゚)「よし!今日は実際に打ち込みをするぞ!」
('A`)「え?もう打ち込み練習?」
_
( ゚∀゚)「ああ。今日のへっぴり腰はちょっと見ていられなかったからな!」
('A`*)「う…」
_
( ゚∀゚)「なに、場数さえ踏んじまえば慣れる!その為の訓練だ。さあ、木剣を作れ!」
('A`*)「おう!」シュウ
_
( ゚∀゚)「よっしゃ!掛かってきな!」
('A`)「…とおりゃ!」ブン!
_
( ゚∀゚)「あめえ!」ガシィ!
('A`)「せい!」ブオン!
_
( ゚∀゚)「闇雲に振っても当たらねーぞっ!」ガッ!
('A`;)「む、そりゃそーだよな」
_
( ゚∀゚)「戦ってる最中にボーッとすんな!」ヒュッ
Σ(#)'A`)「ほあ!」ガツン!
(メ'A`;)「いって…」ヒリヒリ
('A`#)「ちっくしょ!殴ってくるなんて聞いてねーぞ!」
_
( ゚∀゚)「戦闘中に敵が攻撃してこないことなんてあると思うか?」
('A`#)「オノレ…」
('A`)「…」スッ
_
( ゚∀゚)「お?ちょっと隙がなくなったな」
('A`)「(見よう見まね剣道だ…!どこまで通じるかわかんねーけど)」
_
( ゚∀゚)「初めて見る構えだが…俺には関係ないね!」ダッ
('A`;)「(きたっ!)」サッ
_
( ゚∀゚)「どおりゃ!」ブオン!
ガゴッ!
('A`;)「つおお…!」ビリビリ…
_
( ゚∀゚)「お、今のを受けるとは中々やるじゃねーか!
時には防御に徹することも大事だぜ!ってことでもういっちょ!」ブン!
ドヒュ!
('A`;)「うおお!…鼻先掠めた。容赦ねーな…」ズサッ
_
( ゚∀゚)「当たり前だぜ!敵はいつだって全力だ!そりゃ!」ブォ!
('A`;)「くっ!」ガッ!ダダッ
( ゚∀゚)「お、いいね!距離を取って冷静に観察するのもアリだな」
('A`;)「…」
_
( ゚∀゚)「…相手が魔法使いじゃなければ…なぁっ!!」ズダン!
ドゴゴォオオン!
('A`;)「うおおおお!」グラグラ…
_
( ゚∀゚)「オラオラ!いくぜ!」ブブン!
('A`;)「くっそ!」ガガッ!
_
( ゚∀゚)「今のを防ぐか!」
('A`;)「(くそ!さっきから防戦一方じゃねーか!一体どうすれば…)」
('A`;)「…待てよ、あれなら」
_
( ゚∀゚)「何か思いついたみたいだが、これで終わりだぜ!沈めてやる!」ダダン!
('A`;)「(やるなら今だ!)」
('A`;)「あ、あんなところで!」
_
('A`;)「クーが上半身裸になって( ゚∀゚)「なんだとーーーーーーーー!!」クルッ!
('A`;)「(今だ!)どりゃああああああああ!」ブオン!
ドッガァ!
_
( ゚∀゚)「…」
('A`;)「や、やったか?」
_
( ゚∀゚)「わが人生に一片の、悔い…なし…」…グラ
ドサ…!
('A`;)「か、勝った…」ペタン
( ゚∀゚)「…なんてな!」ムクリ
('A`;)「げえっ!なんで…!」
_
( ゚∀゚)「実はこっそりガードさせてもらったんでな。
俺はいつだっておっぱいに臨戦態勢だ!」
('A`;)「意味わからん…」
_
( ゚∀゚)「それにしてもやるなぁドクオ!」
('A`)「え?」
_
( ゚∀゚)「まさか初めての打ち合いでここまで持つとは思わなかったぞ!
しかも相手の弱点を見抜いてそれを利用してきた!筋がいいな、ドクオは!」
('A`;)「そりゃどうも…(弱点って自覚あったんだ…)」
―テント前―
('A`)「ただいま~」
_
( ゚∀゚)「戻ったぜー」
川 ゚ -゚)「お疲れ様。訓練はどうだった?」
('A`)「いや、疲れた…。まさか殴りかかってくるなんてな。
と言うか魔法まで使ってくるなんて聞いてなかったし…」
ミ,,゚Д゚彡「ほう…。ジョルジュに魔法まで使わせるとはな」
_
( ;゚∀゚)「んな!ちょっと手を抜いてやっただけだし!
筋がいいのは認めるけどよー」
川 ゚ -゚)「…怪我はしてないか?ドクオ」
('A`)「んー、ちょっと口の中切ったかな…」
川 ゚ -゚)「どれ…ヒール!」パアアァァ…
('A`)「…ん、治った。ありがとうな、クー」
川 ゚ -゚)「ああ、どういたしまして」
川 ゚ -゚)「ところで、ドクオ」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「なにやら訓練中に名前を呼ばれた気がしたんだが…私のことを呼んだか?」
('A`;)「あ、そ、それはだな…」
_
( ゚∀゚)「いやー、あれは良い気の引き方だったよな!」
('A`;)「ば、ばか!」
川 ゚ -゚)「?」
_
( ゚∀゚)「まさかクーのおっぱいで釣ってくるとは思わなかったぜ!
流石の俺も振り返って確認せざるを得ない!」
川 - )「…ほう」
('A`;)「(お、終わった…)」orz
_
( ゚∀゚)「あの不意の突き方は…ってどうしたドクオ?……あ」
川#゚ -゚)「……とりあえず二人とも。そこに直れ…」
_
( ;゚∀゚)人('A`;)「ひ、ひいいいいい!」
メゴシャ! ズドン!
ドサッ ドサッ
ミ,;゚Д゚彡「(…何をしているんだか)」
朝―麓の街への街道・馬車―
ガラガラガラ…
('A`)「麓の街へは後どのくらいで着くんですか?」
ミ,,゚Д゚彡「到着は今日の夕方頃といったところだな」
川 ゚ -゚)「到着後はすぐ出るのですか?」
ミ,,゚Д゚彡「一泊してからの予定だが。…何か用事でもあるのか?」
川 ゚ -゚)「…いえ、特には」
川 ゚ -゚)「(街の噂話を聞くのには少し時間が短いな…。いるとも限らないが…)」
ミ,,゚Д゚彡「…」
ガラガラ…
('A`)「今日は本当に順調だなー。ずっとこの調子だといいなー」
川 ゚ -゚)「そう何度も野盗に襲われてはたまったものではないだろう」
('A`)「クーは戦わないでいいんだから俺よりマシだろ」
川 ゚ -゚)「みんなを危険な目に遭わせてしまうのが忍びないんだ」
ミ,,゚Д゚彡「何、俺とジョルジュがいるから危険な目に遭うことはあるまい。…単独行動をとらなければな」
川 ゚ -゚)そ「!」
ミ,,゚Д゚彡「何かあるときは俺に言え。悪い様にはしない」
川 ゚ -゚)「…ええ、わかりました」
('A`)「?」
_
( ゚∀゚)「おーい!山が見えてきたぞ!」
('A`)「…お、本当だ。」
ミ,,゚Д゚彡「ふむ、以外と早く着くかもな」
('A`)「今日はのんびりできるかなー」
ミ,,゚Д゚彡「街に着いて一息ついたらドクオはジョルジュと特訓だ」
('A`)「…はい」
川 ゚ -゚)「…安心しろ、ドクオ。召喚師の噂話は私が集めておく」コソコソ
('A`)「…ん?お…」
Σ('A`)「……ああ!よろしく頼んだぞ!」
川 ゚ -゚)「…今のは忘れていたろ、完璧に」
('A`)「…ソ、ソンナコトナイヨ?」
川 ゚ -゚)「…はぁ(わかりやすい…)」
―麓の街―
_
( ゚∀゚)「よし、到着だ!」
('A`)「おお、周りは山だらけだな」
ミ,,゚Д゚彡「この通りをまっすぐに抜けると山の向こう側へ出られるトンネルだ」
川 ゚ -゚)「…」
_
( ゚∀゚)「俺はこの街の兵の馬屋番に馬車を預けてくる。荷物を持って先に宿に向かっててくれ」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。ついでに野盗の報告も頼む」
…
……
………
―麓の街・宿屋―
ミ,,゚Д゚彡「待たせたな、お前達の部屋の鍵だ」チャリ
('A`)「あれ?4人一部屋じゃないんですか?」
ミ,,゚Д゚彡「クーがジョルジュのヤツに襲われる」
川;゚ -゚)「それは勘弁願いたいな」
('A`;)「納得」
ミ,,゚Д゚彡「ドクオは訓練の準備をしておけ。ジョルジュはすぐ来るぞ」
('A`)「はい」テクテク…
ミ,,゚Д゚彡「…クーも行くところがあるんだろ?荷物を置いたら買い出しついでに行くぞ」
川 ゚ -゚)「…はい」
―麓の街・雑貨屋―
ミ,,゚Д゚彡「…何を、探しているんだ?」
川 ゚ -゚)「…」
ミ,,゚Д゚彡「…ドクオに関係することか?」
川 ゚ -゚)「…」
ミ,,゚Д゚彡「悪いようにはしない、と言ったはずだぞ。何の為に俺がいると思っている」
川 ゚ -゚)「…そうだったな」
ミ,,゚Д゚彡「…」
川 ゚ -゚)「…召喚師を探している」
ミ,,゚Д゚彡「召喚師?何故だ?」
川 ゚ -゚)「彼を…ドクオを元いた世界へ送り返すためだ」
ミ,,゚Д゚彡「!!」
ミ,,゚Д゚彡「…正気か?ドクオがいれば魔王を倒せるかも知れないんだぞ」
川 ゚ -゚)「わかっている。だが、異世界の住人である彼を巻き込むわけにはいかない」
ミ,,゚Д゚彡「言いたいことは分からないでもないが…」
川 ゚ -゚)「他にも方法があるはずだ。それを探す」
ミ,,゚Д゚彡「…」
川 ゚ -゚)「さあ、私は話したぞ。…悪いようにはしない、と言ったな?」
ミ,,゚Д゚彡「…」
ミ,,゚Д゚彡「……ふぅ。…ああ、わかったよ」
川 ゚ -゚)「…恩に着る」
ミ,,゚Д゚彡「まあ、まだ召喚師がドクオを喚びだしたとは限らないんだよな」
川 ゚ -゚)「ああ…」
ミ,,゚Д゚彡「里も相変わらず見つからん。
…元の世界へ帰る方法が見つかるまで、魔王討伐を手伝ってもらえたりはしないのか?」
川 ゚ -゚)「ドクオはそう言ってくれてるのだがな…」
ミ,,゚Д゚彡「…あまり嬉しそうじゃないな」
川 ゚ -゚)「できれば無事に、元の世界に戻って欲しいからな」
ミ,,゚Д゚彡「そうか…」
ミ,,゚Д゚彡「…とにかく、無駄足を踏まない様に教えておこう」
川 ゚ -゚)「?」
ミ,,゚Д゚彡「この麓の街には召喚師はいない」
川 ゚ -゚)「本当か?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、北の街へ行く際もここを通ったが、それらしい話は全く聞かなかったな」
川 ゚ -゚)「…」
ミ,,゚Д゚彡「…そう焦るな」
川 ゚ -゚)「…うん」
「ガシャーン!」
ミ,,゚Д゚彡 川 ゚ -゚)「「!」」
―麓の街・広場―
_
( ゚∀゚)「さて!今日も楽しい特訓の始まりだ!」
('A`)「ウィース」
_
( ゚∀゚)「その前に…注意しておくことがある」
('A`)「ん、何?」
_
( ゚∀゚)「この街の兵士に聞いたんだが、近頃、魔物が群れで近辺の街やら村やらを襲っているらしい」
('A`)「!」
_
( ゚∀゚)「一応、街や村には兵士や自警団がいるから大した被害は出てないらしいんだけど」
_
( ゚∀゚)「万が一って事があるからな! とりあえず、俺やフサギコから離れないようにしろよ!」
('A`)「…そうするわ」
_
( ゚∀゚)「よっしゃ!注意も終わったところでだ!」
('A`)「おし、早速訓練か」
_
( ゚∀゚)「おう!魔物と実戦訓練だ」ババッ
('A`)「…」
狼型魔獣A・B「「グルルルル」」ザッザッ
岩石魔獣A・B・C「…」ドスッドスッ
('A`)「…は?」
トンネル番兵「…おや?こんな時間からこのトンネルを通るのかい?もう暗いけど…」
???「…ええ、そうよ。はい、身分証」
トンネル番兵「お、これは王立士官学校の…。もしかして学校に入学するのかい?」
???「ええ。もう返して貰っても?」
トンネル番兵「おっと、すまない。…はい、それじゃトンネルは暗いし気を付けて」
???「どうも…」
トンネル番兵「あ、キミ!」
???「…」ピク
トンネル番兵「いや、呼び止めてすまない。
…よければ何の魔法使いか教えてもらってもいいかな?ちょっと興味があってね」
???「…ふぅ。…まあいいわ、教えてあげる」
???「私の魔法は火。…それと」
???「召喚よ」
これがヒキってやつでしょうか?
何となく使ってみましたよ!
それはさておき、みんないつも読んでくれてありがとう!
それではノシ
無理はすんなよー
無理はすんなよー
新たなおっぱ……魔術師か…胸熱だな
―麓の街・雑貨屋―
ミ,,゚Д゚彡「ふん」ヒュン
ズバン!
狼型魔獣「ギャゥ!」ドシャ
川 ゚ -゚)「街中に魔物…?」
ミ,,゚Д゚彡「…たまたま紛れ込んだわけでもなさそうだな」
川 ゚ -゚)「何?…!!外にも!」
ミ,,゚Д゚彡「それなりにいるようだ。これから、街に進入した魔物の殲滅に向かう」
川 ゚ -゚)「私も手伝おう」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、俺の側を離れるなよ」ダッ
川 ゚ -゚)「…」ダッ
―麓の街・広場―
('A`;)「実戦訓練て…まんま実戦じゃん」
_
( ゚∀゚)「まずは素早いヤツから叩く!逃げ回られると被害がでかくなる可能性があるからな!
相手は常に全力だ!気を付けろよ!」
('A`;)「くそ!」スラ
ドクオが刀を抜くと同時、狼型魔獣が疾駆してきた。
狼型魔獣A「…」ダダッ
狼型魔獣B「…」ダッ
_
( ゚∀゚)「来るぜ!」
狼型魔獣A「ガアアア!」バッ
_
( ゚∀゚)「…」スッ…
ジョルジュは左足を後ろに大きく下げ、飛び込んできた狼型魔獣の攻撃を避ける。
それと同時に、右手に持ったトンファーで敵を地面に叩きつけた。
フォン!
狼型魔獣A「!」ガゴ…
ドッオオオオオォォォォン!
_
( ゚∀゚)「おせえよ!」
('A`;)「すげぇ…」
_
(;゚∀゚)「おいおい、ボーッとすんなって!後ろだ!」
狼型魔獣B「ガァア!」シュバッ
('A`;)「うおおっと!」サッ
シュタッ
狼型魔獣B「グルルル…」
_
(;゚∀゚)「ヒヤヒヤさせやがる…」
('A`;)「わりい…」
狼型魔獣は着地後、体の方向をドクオに向けるとすぐに飛び掛かった。
狼型魔獣B「ガウ!」バッ
('A`)「(来た…!)」スッ
_
( ゚∀゚)「(お、あの構えは…)」
先日のジョルジュとの訓練で見せた構え。
ドクオは刀を上段に振りかぶり、狼型魔獣を袈裟斬りにする。
('A`)「ハッ!」ヒュン
ズバァ!
狼型魔獣B「ギャウ!」
ドサッ
_
( ゚∀゚)「やるじゃねーか!後はあのウスノロな魔物だけだ!」
('A`)「既に戦ったことあるし…。あいつら堅いんだよな」チン…シュウ
納刀後、ドクオは右手に槍を創造した。
『貫けぬ物はない槍』を構え、敵に向かって走る。
('A`)「…」ダッ
シュッ!
ザン!
_
( ゚∀゚)「こいつらを貫けるのか!すげーな!
流石のトンファーでもコイツらにはヒビぐらいしかいれらんねー!」
_
( ゚∀゚)「…アースランス!」
ゴゴゴ…
若干の集中の後、ジョルジュが魔法名を唱えると
軽い揺れとともに、地中より出でし岩の槍が残りの魔物を貫いた。
ズガガン!
―麓の街・大通り―
ミ,,゚Д゚彡「ウインドカッター」
フサギコが事も無げにぽつりとその名を告げると、目の前にいた魔物が次々と切り裂かれていった。
スパパパパ…
ミ,,゚Д゚彡「魔物の質は大したことないが、多いな」
狼型魔獣「ギ…」ヨロヨロ
川 ゚ -゚)「…アイスニードル!」シュシュ!
辛うじて生き延びた魔物をクーがトドメを刺す。先ほどからこれの繰り返しだ。
ドスス!
狼型魔獣「…」ドサッ…
川 ゚ -゚)「この大量の魔物は一体…」
ミ,,゚Д゚彡「兵士がヘマをやらかして、街の中に入れたにしては多すぎる」
川 ゚ -゚)「まるで、街の中からわき出したかの様だ…」
ミ,,゚Д゚彡「ああ…。だが、今考えたところで答えは出ない。次行くぞ」ザッザッザ
川 ゚ -゚)「…」ザッザッザッ
―麓の街・入り口―
('A`;)「ハア…ハア…。お、多すぎる!」
_
( ゚∀゚)「近接戦闘しかできない魔法ってのは辛いな!」
('A`;)「全くだ…。…お?」
_
( ゚∀゚)「次来たぞ!また狼だ!」
('A`)「(別に近接にこだわる必要はないじゃねーか)」
('A`)「出でよ!ボウガン!」シュウ
_
( ゚∀゚)「おお!ボウガンか!俺に当てるなよ!」
('A`)「とりあえずここは俺に任せな」スチャッ
こちらの様子をうかがっている狼型魔獣の群れ、その一体に焦点を合わせ、引き金を弾いた。
しかし、外れ。地面に刺さった矢の音をスタートの合図に、一斉に襲いかかってきた。
ザン!
狼型魔獣の群れ「…」ダダダダ!
(;゚∀゚)そ「いくら何でも俺でもこれはまずいぞ!」
('A`)「任せろって言ったろ?」
見ると、ドクオのボウガンには既に次の矢が装填されていた。
『自動装填』のボウガンである。ドクオは無理に目標を定めようとはせず、矢鱈滅多らと引き金を弾いた。
('A`#)「オラオラオラオラオラァァァアアア!」
ガガガガガガガガガガガガガ!
狼型魔獣に矢の暴風雨が降り注ぐ。
あらかた撃ち終えた後、引き金を弾くのをやめて様子を見たが、もう立ち上がる魔物はいなかった。
_
(;゚∀゚)「すげぇ…」
('A`;)「指痙りそう…」
('A`)「これで街の南区の半分ぐらいか」
_
( ゚∀゚)「ああ…。にしても、入り口でやり合った様子はねーな。
色々不自然だ」
('A`)「どーゆうことだ?」
_
( ゚∀゚)「街の入り口はここの南門、北門、それと西のトンネルだけだ」
('A`)「ふむ」
_
( ゚∀゚)「俺らは南門近くの広場で魔物の群れと遭遇した」
('A`)「…」
_
( ゚∀゚)「北門や西のトンネルから侵入したとすると、
魔物が広場に到達するときにはもっと騒ぎになっててもおかしくはない」
('A`)「確かに…。避難の誘導とかあってもよさそうだな」
_
( ゚∀゚)「そうだ。広場から比較的近い南門から侵入したと考えれば、
あまり騒ぎになってなくてもおかしくないんだが…」
('A`)「入り口には魔物と戦った形跡がない、と」
( ゚∀゚)「ああ。そこで、俺は二つの推測を立てた」
_
( ゚∀゚)「一つは、街の兵士が魔物を招き入れた」
('A`)「どうやって?」
_
( ゚∀゚)「わからん!」
('A`)「…おい」
_
( ゚∀゚)「しかも大量にだからな。俺ら人間にそんなたくさんの魔物を操れるとも考えにくい。
そうすると、もう一つの推測の方がまだ現実味があるんだよな」
('A`)「…もしかして」
_
( ゚∀゚)「ドクオも思いついたか?やるな!…そうだ、召喚魔法だよ」
( ゚∀゚)「南門で争った形跡がない。大量の魔物が街中に現れたにもかかわらず騒ぎになっていない」
_
( ゚∀゚)「これらを踏まえると、街中で魔物を大量に召喚したと考えるのがしっくり来るんだよなー」
('A`)「…だけど、召喚魔法ってのは魔物を呼び出す魔法なのか?」
_
( ゚∀゚)「いや、わからん。何せ召喚魔法は超珍しいからなー。調べがついてないんだよ」
('A`)「何で珍しいんだ?」
_
( ゚∀゚)「忘れた」
('A`)「…」
_
( ゚∀゚)「まあ詳しいことは学校で習えよ。そろそろ宿に戻ろうぜ」
('A`)「え?まだ魔物残ってるだろ?」
_
( ゚∀゚)「もう十分だろ。旅人にほとんどの魔物を倒されたとあっちゃ、
この街の兵士の立つ瀬がないだろ」
('A`)「そんなもんかね…」
('A`)「…」
('A`)「(この街に召喚師がいるかもしれないのか…)」
夜―宿屋・ドクオ達の部屋―
ガチャリ
('A`)「ただいま」
川 ゚ -゚)「おかえり。怪我はないか?」
クーはベッドの端に腰掛け、ドクオを足下から頭まで体の隅々まで見やった後、
確認の意味を込めて言った。
('A`)「何とかな。クーは買い物途中で魔物に襲われなかったか?」
川 ゚ -゚)「襲われたがフサギコ殿がいたからな。問題なかったよ」
('A`)「そうか、ならよかった。それにしても帰り早かったな?
ジョルジュが、フサギコさんは魔物を殲滅するまでやめないぞって言ってたから遅くなるのかと」
川 ゚ -゚)「ああ、それなら街の兵士に止められてしまってな。残りは任せてくださいとな」
('A`)「なるほどな…」
ドクオは窓辺においてあるテーブルセットの椅子に腰を掛けた。
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…どうした、ドクオ?」
('A`)「…」
('A`)「この街に…召喚師がいるかもしれない」
川 ゚ -゚)「…ドクオもそう思ったか?」
('A`)「も…てことはクーも?」
川 ゚ -゚)「うん、今回の件は色々不自然すぎる」
('A`)「突然街中に湧き出した大量の魔物…」
川 ゚ -゚)「そうだ。まあ、確証はないんだが。…これから探しに行くのか?」
('A`)「…いや、やめておく」
('A`)「クーも今言ったように、召喚師がやったことだという確証がない。…それに」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「仮に召喚師の仕業だとしても、この街にはもういないんじゃないかな」
川 ゚ -゚)「…それもそうか。これだけの騒ぎを起こしたんだもんな」
('A`)「ああ。それにしても何でこんなことをしたんだろう」
川 ゚ -゚)「それこそ推測の域を出ないな…」
('A`)「…人に恨みがあるとか」
川 ゚ -゚)「…どうだろうな」
朝―麓の街・トンネル―
ガラガラガラ…
トンネル番兵「止まってください」
_
( ゚∀゚)「おう」
ガララ…
トンネル番兵「すみません、身分証明書のご呈示をお願いします」
_
( ゚∀゚)「馬車の中にも人いるんだけど」
トンネル番兵「あ、ではみなさん出てきてもらって良いですか?」
_
( ゚∀゚)「よし、ちょっと待ってな!」
ジョルジュは頭を馬車の幌へ向けた。
―馬車―
_
( ゚∀゚)「みんな、身分証明書持って外出てくれ!」
ミ,,゚Д゚彡「ああ」
川 ゚ -゚)「わかった」
('A`)「…身分証明書?」
('A`;)「…俺、そんなの持ってないんだけど」
川 ゚ -゚)「そう言えばそうだったな」
_
( ゚∀゚)「…まあ平気じゃね?とりあえずさっさと外出てくれよ」
('A`;)「ちょっ!捕まったりしないよな?俺…」
ミ,,゚Д゚彡「安心しろ、俺が話をつけてやる」
('A`)「はぁ…」
―麓の街・トンネル―
トンネル番兵「それでは、身分証明書のご呈示をお願いします」
ミ,,゚Д゚彡「ああ」スッ
_
( ゚∀゚)「ほら」スッ
トンネル番兵「…これは!親衛隊の方々でしたか。大変失礼を…」
ミ,,゚Д゚彡「気にするな。お前は職務を全うしているだけだ」
トンネル番兵「ハハッ。…それでは、そちらの方も?」
川 ゚ -゚)「私は違うんだ」スッ
トンネル番兵「…ん?あなたも王立士官学校入学生ですか?」
_
( ゚∀゚)「何だ?他にも最近ここを通った入学生がいるのか?」
トンネル番兵「はい、昨日の夕方になるんですが。とても印象的だったので覚えていますよ」
_
( ゚∀゚)「印象的?」
トンネル番兵「ええ、何せ自分のことを『召喚師』だと言ったのですから」
('A`) 川 ゚ -゚)「「!」」
ミ,,゚Д゚彡「昨日の推測の可能性が高くなってきたな…」
('A`)「…容姿は覚えてますか?」
トンネル番兵「いえ、フードを目深にかぶっていたのでチラリとしか…。
ローブを着ていて…あ、そう言えば綺麗な金色の髪の毛でしたよ」
川 ゚ -゚)「金髪か…」
トンネル番兵「彼女、歩きでしたので馬車であれば追いつけるのではないでしょうか?
同期となる人ですからね、見かけたら王都まで一緒に向かっては?ハハ」
川 ゚ -゚)「…そうだな」
トンネル番兵「…さて、では最後ですね。身分証明書をお願いします」
('A`;)「(…きた!)」
ミ,,゚Д゚彡「…すまない。この者は記憶喪失なんだ」
トンネル番兵「記憶喪失、ですか」
ミ,,゚Д゚彡「自分の出身もわからないらしい」
トンネル番兵「ふむふむ」
ミ,,゚Д゚彡「旅の途中この者を偶然見つけてな。保護した。」
ミ,,゚Д゚彡「それでだ。コイツは腕に多少覚えがあってな。今後の身の振り方を考える必要もある。
そこで、俺の推薦で王立士官学校へ入れようと思ってな」
トンネル番兵「おお!親衛隊のお墨付きとあれば入学は堅いでしょう」
ミ,,゚Д゚彡「そういった事情でな、今は身分証明書を持っていない。ここは通してくれないか?」
トンネル番兵「う~む…」
('A`;)「…」
ミ,,゚Д゚彡「どうだ?」
トンネル番兵「…親衛隊の方の頼みとあれば、断るわけにもいかないでしょう。お通ししますよ」
('A`;)「…ホッ」
トンネル番兵「念のため、識別番号とお名前を控えさせて貰います。
後日王都まで報告書を提出しますので…」スッ
ミ,,゚Д゚彡「済まないな、面倒を掛ける」サラサラ…
トンネル番兵「いえ、これも仕事ですから!」
―トンネル―
ガラガラガラ…
('A`)「あー…なんか生きた心地しなかった」
川 ゚ -゚)「まあ無事通過できたんだ。良かったじゃないか」
ミ,,゚Д゚彡「それにしても召喚師…か」
川 ゚ -゚)「昨日の大量の魔物は本当に金髪の召喚師の仕業なんでしょうか?」
ミ,,゚Д゚彡「さあな。次の街に着いたら分かるんじゃないのか」
('A`)「…そうか。麓の街付近の村や街でも似たような事件があった。
それらもその召喚師の仕業だとしたら…」
川 ゚ -゚)「私たちと行き先は同じはずだ。…次の街で何か掴めるかもな」
ガラガラ…
('A`)「所々松明が設置されてるとは言えやっぱり暗いな」
川 ゚ -゚)「まあ、言ってみれば洞窟と変わらないからな」
('A`)「こう暗いと魔物に襲われたとき、とっさに対応できないな…」
ミ,,゚Д゚彡「それなら問題ない。今向かってる出口にも兵士はいる」
('A`)「そうなのか。と言うことは出口にも街が?」
川 ゚ -゚)「ああ、昔は山道を時間を掛けて通っていたからな。
山道を越える準備を整えるための街として発展した」
ミ,,゚Д゚彡「山道の街という名だ。トンネルが出来てからは更に店が建ち並ぶようになった」
('A`)「ほー」
ミ,,゚Д゚彡「昼過ぎくらいには到着するだろう。一泊してから出発する」
川 ゚ -゚)「…いいのですか?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。魔物の件もある。一日様子を見ることにした」
川 ゚ -゚)「…ありがとうございます。ドクオ、折角だし市場を見て回ろう」
('A`)「市場があるのか?」
川 ゚ -゚)「うん、トンネルが出来てからは交通量が増えてな。
商売のために商人も良く訪れる様になったんだ」
('A`)「ほ~。そりゃ楽しみだ」
ミ,,゚Д゚彡「買い物も良いが、くれぐれも魔物には気を付けろよ」
昼―山道の街・トンネル―
ミ,,゚Д゚彡「着いたみたいだな」
トンネルを抜けると、太陽がほぼ一番高いところに位置していた。
先ほどまでの暗さに慣れてしまったせいか、陽光が目に眩しい。
('A`)「うお、眩し…」
川 ゚ -゚)「ずっと暗いところにいたせいで目が少し痛いな…」
ミ,,゚Д゚彡「すぐ宿をとりにいく。そこからは自由行動だ。
出歩くのは良いが、さっきも言ったとおり魔物には注意しろ」
('A`)「ウイッス」
川 ゚ -゚)「はい」
―山道の街・宿屋―
('A`)「それで市場はどこにあるんだ?」
川 ゚ -゚)「少し歩いたところに市場通りというのがある。
その通り全体でみんな店を出している。では早速行こうか」
―山道の街・市場通り―
ワイワイ…
ガヤガヤ…
通りの両端に、所狭しと店が並んでいる。
それは屋台であったり、地面にただの布を置いただけのものであったりと様々だ。
('A`)「おお、すげー数の出店と人…」
川 ゚ -゚)「私も初めて見たときは驚いた。王都の商業区に引けをとらない」
('A`)「よっしゃ、見て回ろうぜ」テクテク
('A`)「…ん?」テクテク…
( ∵)「さあ、いらっしゃーい。良い物揃ってるよー」パンパン
('A`)「…あの人は!」
川 ゚ -゚)「知り合いか?」
('A`)「俺がナイフを売った行商人だよ。ちょっと行ってくる」
川 ゚ -゚)「…私も行こう」
('A`)「…こんにちは」
( ∵)「いらっしゃい…っと君は湖の岬の宿で会った…」
('A`)「ドクオです。あのときは名乗ってませんでしたね」
( ∵)「そうだったね。僕はビコーズと言う名前だよ、以後よろしく。
そちらの女の子は?」
川 ゚ -゚)「私はドクオと一緒に旅をしている。名前をクーと言う」
( ∵)「そうか、ドクオくんの友達だね。君もよろしくね」
('A`)「それで、突然なんですけど…武器の事で相談があって」
( ∵)「お、早速売ってくれるのかい?」
('A`)「いえ、実は…」
…
……
………
( ∵)「ふむ、止ん事無き事情があって武器を提供出来なくなってしまったと」
('A`)「はい、本当に申し訳ないんですが」
( ∵)「いや気にすることはない。…それにしても困ったな」
川 ゚ -゚)「?」
( ∵)「ナイフを返したいのは山々なんだけどね…。実はさっき譲ってしまったんだよ」
('A`)「売ったのではなく譲った?」
( ∵)「ああ、なにやらとても困っていたみたいでね。ついあげてしまったよ」
('A`;)「それじゃあ利益が…」
川;゚ -゚)「ちょっと優しすぎるのではないか?商人に向いてない気が…」
( ∵)「アハハ、全くだ」
('A`)「じゃあ、せめて以前もらったお金だけでも…」
( ∵)「そのお金は受け取れないよ。それは、僕とドクオ君との間で取り交わした商談だからね。
今回のナイフ譲渡の件とは全く関係ない」
('A`)「でも…!」
川 ゚ -゚)「ドクオ、これはありがたく頂いておこう」
('A`)「何で?いつものクーらしくねーじゃんか」
( ∵)「ここはクーさんの言ったとおり、受け取ってくれないかな?」
('A`)「……わかりました。すみません…」
( ∵)「いや、こちらも済まなかったね。…その代わり、僕の商品を見て行ってくれないかな」
('A`)「はい!」
川 ゚ -゚)「…ところで、先ほど言っていたナイフを譲った相手というのは?」
( ∵)「そうだね、可愛らしい女の子だったよ。年は君たちと同じか、2~3くらい下と言ったところかな」
川 ゚ -゚)「…髪の色や服装は?」
( ∵)「髪は茶色だったかな。服装はワンピースを着ていたよ」
川 ゚ -゚)「そうか…どうもありがとう」
( ∵)「いいえ、どういたしまして」
('A`)「色々と世話になったし、この解毒薬を買っていくよ」
川 ゚ -゚)「ふむ、そうだな」
( ∵)「毎度!」
………
……
…
川 ゚ -゚)「召喚師ではない、か…。ナイフは一般人に渡したようだし、今回は心配はいらないだろう」
('A`)「そうだな。ところで、フサギコさんとジョルジュは?」
川 ゚ -゚)「なにやらすることがあるとかで、兵の駐屯所に向かったな」
('A`)「そうか。それで今回は二人ともついてこなかったのか……ん?」ピク
川 ゚ -゚)「今度はなんだ?」
('A`)「今、誰かに呼ばれた様な気がしたんだけど…助けてって」
川 ゚ -゚)「?私は何も聞こえなかったが。…もしや魔物か?」
('A`)「………。こっちだ!」タタッ
川 ゚ -゚)「…」タタッ
―山道の街・とある路地―
狼型魔獣「グルルルルル…!」
从;'ー'从「何でここに魔物が…」
1体の狼型魔獣と少女が対峙している。
幸い袋小路ではないが、背を見せると今にでも襲ってきそうな勢いだ。
人通りは全くない。
狼型魔獣「ガルル!」ジリッ
从;'ー'从「ヒッ!…誰か、助け…」ビクッ
「ここだ!」タタタッ
狼型魔獣「!」
从;'ー'从「!?」
後ろから聞こえた声に、狼型魔獣は振り返る。
怯える少女も、声の主を確認するため魔物の後ろを見てみると、そこには少年と少女の姿があった。
('A`)「…!魔物」スラ
少年は見たこともない剣を抜き放った。
川 ゚ -゚)「でかしたぞ、ドクオ」
('A`)「女の子もいるけど…無事みたいだな」
从;'ー'从「良かった…助けが来たんだ」
安堵する少女に、ドクオと呼ばれた少年は魔物越しに声を掛ける。
('A`)「えーと、そこのキミ!ここは俺らに任せて逃げてくれ!」
从;'ー'从「は、はい…!」タタ…
狼型魔獣は逃げていった少女には既に興味を持っていなかった。
なぜなら、明らかな敵意を持った存在が目の前に現れたから。
狼型魔獣「ガルル!」ダッ
('A`)「…来いよ!」スッ
…
……
………
―山道の街・大通り―
从;'ー'从「ハッ、ハァッ、ハァッ」タタタタ…
大通りに走り出ると、少女は手を膝につき息を整えた。
从'ー'从「ハァ…ハァ………フゥ」
从'ー'从「ここまで来れば大丈夫かな…」
从'ー'从「…そういえばさっきの人、私とあまり年変わらない感じだったな。大丈夫かな…」
从'ー'从「逃げろって言われたけど…ちょっと様子見てみようかな」
少しの間逡巡する。
折角助けてもらったのに、また危険な場所に舞い戻るのは
先ほどの少年達に申し訳が立たないのではないか、と。
すると、一人の巡回兵士が目の前を通る。
从'ー'从「あ、兵士さん!」
巡回兵士「はい、何でしょう」
从'ー'从「実はさっき、そこの路地で魔物に襲われたんです。
その時、知らない人に助けてもらって逃げられたんですが…」
巡回兵士「ふむ、先ほど逃げ出した魔物ですね…。わかりました。案内してもらえますか?」
―山道の街・とある路地―
从'ー'从「(あれ?いない…)」
巡回兵士「…どうやら、魔物はその人が倒したようですね」
そこには少年達の姿はなかった。代わりに路地の中央、
先ほどドクオと呼ばれていた少年が立っていた辺りに、狼型魔獣が倒れていた。
みると、一刀のもとに斬り捨てられている。
巡回兵士「ふむ、これで逃げ出したのは全部かな。報告ありがとう」
从'ー'从「いえ…」
巡回兵士「ところで、君を助けてくれた人はどんな人でしたか?
それらしい人に会ったとき、私からもお礼を伝えておきますよ」
先ほどの光景を思い出す。
見たこともない剣を持つ黒髪の少年。
从'ー'从「…反った刃の、珍しい剣を持っていました。
旅装で黒髪の…私と同じくらいの年齢だと思います」
巡回兵士「反った刃の剣、旅装、黒髪、年は君くらい…。わかりました。
見かけたら、あなたがお礼を言っていたと伝えておきますね」
从'ー'从「はい、お願いします」
路地から立ち去る兵士。そういえば、と少女は思い出す。
さっき商人から譲って貰ったナイフ、少年が持っていた剣と少しだけ似ているなぁと。
このわくわく感がたまらない
夕方―山道の街・宿屋―
ドクオとクーは宿屋に戻ると、ロビーの椅子にフサギコとジョルジュが腰掛けているのを見つけた。
川 ゚ -゚)「フサギコ殿、戻っていたんですか」
('A`)「二人とも今までどこに?」
ミ,,゚Д゚彡「魔物の件で少しな」
_
( ゚∀゚)「念のため先手を打っておいたんだよ」
('A`)「と言うと、大量の魔物の討伐をしてたのか」
ミ,,゚Д゚彡「そうだ。麓の街で聞いたんだが、魔物は街の中心部から湧いたらしい」
_
( ゚∀゚)「他の街や村でも、出現場所は決まって中心部からみたいでな!
だから今回も、街の中心部付近で魔物が現れるんじゃないかってことで警戒してた」
ミ,,゚Д゚彡「兵士にも協力してもらってな。念のため兵力を分散したが必要なかったみたいだ」
_
( ゚∀゚)「俺らの読み通り、街の中心部から魔物がわらわら出てきたぜ!」
('A`)「大量に出てきて大変じゃなかったのか?」
_
( ゚∀゚)「あいつら固まって出てきたからな、魔法でまとめてイチコロにしてやった!」
ミ,,゚Д゚彡「何体か逃げていったが、倒されるのも時間の問題だろう」
川 ゚ -゚)「…じゃあ、あの時路地にいた魔物は」
('A`)「逃げ出した魔物だったか」
_
( ゚∀゚)「お?ドクオ達が魔物を倒してくれたのか?」
('A`)「1体だけだけどな」
ミ,,゚Д゚彡「ふむ、だとするとそろそろ報告が入るかもしれん」
フサギコが言い終わるとほぼ同時に、宿屋の入り口のドアが開かれた。
ガチャ!
巡回兵士「失礼します!報告に参りました」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、早速だが頼む」
巡回兵士「ハッ!逃走した魔物は全部で3体。広場、住宅街にて兵士が魔物をそれぞれ討伐。
残る1体は、路地にて民間人が討伐したようです」
('A`)「あ、それか」
巡回兵士「ん…?黒髪に旅装、反った刃の剣…?」
('A`)「?」
巡回兵士「…もしかして君が路地の魔物を?」
('A`)「ええ…まあ」
巡回兵士「そうかそうか!あの時君が助けた少女がお礼を言っていたよ」
('A`*)「え…」
川 ゚ -゚)「あの少女か。可愛らしい子だったな。よかったじゃないか」
( ゚∀゚)「おお!やるじゃねーか!ドクオも隅に置けねーな!」
_
( ゚∀゚)「で、おっぱいはどうだった!?」
('A`)「えーとだな…」
('A`;)「(ってジョルジュはまたあのクーによる惨劇を繰り返すつもりか!)」
('A`;)「覚えてるわけないだろ!すぐに逃がしたんだから」
_
( ゚∀゚)「なんだ勿体ねーな!兵士さんよ、その子の名前は?」
巡回兵士「…すみません、名前までは聞いてませんでした」
_
( ゚∀゚)「ちぇっ、つまらん!」
ミ,,゚Д゚彡「…雑談はその辺にしておけ。お前もまだ仕事が残っているだろう」
巡回兵士「ハッ、そうでした!大変失礼しました!それでは」
_
( ゚∀゚)「じゃーなー」
ミ,,゚Д゚彡「…さて、肝心な話に移ろう」
川 ゚ -゚)「召喚師と大量の魔物の関連性だな」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。始めに言っておくと、魔物が出現した際、それらしき人物は街の中心部にはいなかった」
('A`)「ローブ着用の、金髪にフードをかぶった女だっけか」
_
( ゚∀゚)「魔物討伐後に街の門番に聞いてみたんだが、
今朝方には北の門からそんななりをしたヤツが出て行ったらしいぜ!」
川 ゚ -゚)「では、魔物の件は召喚師の仕業ではないと?」
ミ,,゚Д゚彡「まだ断定はできん。俺らが次に向かう街でも、同様の事件が起こらないとも限らない。
何にしろ、また様子見になるな」
('A`)「じゃあ、念のため次の街に連絡とかしておいた方が良いんじゃないか?」
_
( ゚∀゚)「それなら俺が既にしておいた。伝令を走らせたぜ」
('A`)「なん…だと…」
川 ゚ -゚)「ジョルジュにしては随分と気が利くな…」
_
( ゚∀゚)「…お前ら」
川 ゚ -゚)「それにしても、トンネル番兵が言うには召喚師は歩きだったはずだが、随分移動が速いな」
_
( ゚∀゚)「そう言えばそうだったな。馬かそれ以上の速さだぜ」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。俺は召喚魔法の力だと考えている。
馬以上に足の速い生物を召喚したと考えれば不思議ではない」
('A`)「なるほど…」
ミ,,゚Д゚彡「できれば追いつきたいところだが、無理はできん。
召喚師はほぼ休みを取っていないことを考えると、それも難しいがな」
('A`)「昨日の夕方に麓の街を出て、今朝にはこの街を出て行ったんだよな」
_
( ゚∀゚)「良く考えるとすげえよな…」
ミ,,゚Д゚彡「かといって、こちらものんびりとはしていられない。
次の街も気になる。明日の朝は早く出るぞ」
朝―森林の道―
周囲では草木が鬱蒼と生い茂っている。しかしこれでも交通の要所なのだろう、
大きめの馬車2台が余裕ですれ違えるほどの大きさの道が整備されていた。
ガラガラガラ…
('A`)「次の街まではどれくらいなんだ?」
川 ゚ -゚)「2日ほどかな。この森林の道を抜けた先に宿場町があるんだ」
ミ,,゚Д゚彡「この道は魔物がよく出る。木々に姿を隠しているからジョルジュの魔法では倒しきれない。
戦闘の準備は怠るなよ」
('A`)「はい。…でも、俺らを迎えに来るときは二人だったんですよね?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、そうだ。俺とジョルジュでも十分すぎるくらいだが、
ドクオの訓練を兼ねようと思ってな」
('A`)「ナルホド、ソウデスカ…」
('A`)「因みにどんな魔物が?」
ミ,,゚Д゚彡「植物系の魔物が多いな。後は獣型の魔物もそれなりだ」
('A`)「狼みたいなヤツとかか…」
ミ,,゚Д゚彡「うむ。植物系の魔物には火が有効なんだが、流石にこんな森の中では使えない。
ドクオとクーの活躍に期待してるぞ」
川 ゚ -゚)「私も、ですか?」
ミ,,゚Д゚彡「まさかドクオだけに戦わせるつもりか?」
川;゚ -゚)「いえ…そんなつもりは」
ミ,,゚Д゚彡「魔王討伐の旅に出るのなら出来るだけ経験を重ねておけ。お前の為だ」
川 ゚ -゚)「…はい」
ミ,,゚Д゚彡「俺は今回はゆっくりさせてもらう。
危険だと感じたら手助けはするから安心しろ」
('A`)「…まあ頑張ろうぜ、クー」
川 ゚ -゚)「そうだな」
ミ,,゚Д゚彡「ジョルジュもなるべく手を出すなよ?」
「おーう」
今の今まで馬車での会話に参加してこなかったので、聞こえていないと
思っていたが、実はしっかり聞いていたらしい御者が大きめの声で返事をした。
「怪我には気を付けろよー」
とても軽い言葉だった。転んで怪我をしないようにと、まるで子どもに注意するかのようである。
( ゚∀゚)「っと、来やがったか」
遠くに見えるは人型狼魔獣”ワーウルフ”。
手綱を操り馬車の減速を行う。馬車の車輪の音に気がついたのか、ワーウルフはこちらに顔を向ける。
_
( ゚∀゚)「おい、早速来たぜ!ワーウルフだ!」
ジョルジュは幌に向けて大きく声を出す。
それを威嚇と取ったか挑発と取ったかこちらを攻撃目標と認識。
人狼は普通の狼と何ら変わらない速度でジョルジュに向かって駆けだした。
_
( ゚∀゚)「悪いな、お前の相手は俺じゃねーんだわ。…ストーンウォール!」
ドゴゴォォオオン!
人狼「!」ザッ
轟音とともに突如出現した岩の壁に人狼は驚き、その勢いを緩めた。
―馬車―
「おい、早速来たぜ!ワーウルフだ!」
ジョルジュの声が幌の外から聞こえた。
('A`)「ワーウルフって?」
ミ,,゚Д゚彡「人型の狼だな。狼のような素早さと、鋭い爪での攻撃に長けた魔物だ、気を付けろ」
('A`;)「…なんかメチャクチャ強そうだな」
ドゴゴォォオオン!
馬車の外から轟音が響き渡った。
ミ,,゚Д゚彡「…ジョルジュが足止めをしている。今のうちに外へ出ておけ」
川 ゚ -゚)「行こう、ドクオ」
('A`)「ああ…覚悟を決めるか」
―森林の道―
_
( ゚∀゚)「お、やっと来たか」
二人が外に出てみると、馬車の前には大きな岩の壁がそびえ立っていた。
('A`)「…なんだこれ」
_
( ゚∀゚)「襲われそうだったし、魔法でちょっと足止めしてたんだよ」
川 ゚ -゚)「そうか、すまない」
_
( ゚∀゚)「気にすんな。んじゃ、今引っ込めるからすぐ準備しろ」
('A`)「わかった。…出でよ大剣」シュウ
川 ゚ -゚)「…よし、いいぞ」
ドクオの手には『重さを感じない大剣』が握られている。
クーも魔法のイメージを完了し終えると、それをジョルジュに伝えた。
ゴゴゴゴゴ…
軽い揺れとともに、岩の壁は地面へと戻っていく。
('A`)「コイツがワーウルフ…」
ドクオ達と魔物を隔てるものが次第になくなり、壁の向こう側にいた魔物の姿を確認することができた。
まず見えたのが、狼の顔。
人間の大人の男性とあまり変わらぬ背に、先ほどの見事な疾駆を見せた、しなやかながら強靱な筋肉。
それと、一つ一つがナイフほどもある鋭い爪。
川 ゚ -゚)「アイスニードル!」シュシュシュッ!
岩の壁が地面に完全に隠れる前に、クーは氷の槍を放った。
人狼「!」ヒュッ!
バキキィィイン!
ワーウルフは飛んでくる氷の槍を確認すると、爪でそれを粉砕。
川;゚ -゚)「何!?」
人狼「ガァ!」ダダッ!
驚き戸惑うクーに狙いを定め、人狼は襲いかかってきた。
('A`;)「危ねぇ!」ズシャン!
ドクオは襲いかかる人狼の前に立ちはだかり、手に持つ大剣を地面に思い切り突き立て、
更に柄と刀身を押さえる。人狼はそれに構わず大きく腕を振りかぶる。
ガキキイィィイイイン!
まるで金属の剣同士がぶつかった様な音。
人狼は腕をそのまま振り抜き、ドクオはそれに大剣ごと持って行かれそうになる。
('A`;)「ぅおおお!」ズザザザ!
川 ゚ -゚)「…アイスニードル!」シュシュシュッ!
何とか気を取り直したクーは、大きく振り抜いた腕に目掛けて氷の槍を再度撃ち出した。
ズドドド!
人狼「ギャアアアァァァァ!」
('A`)「やったか!?」
川 ゚ -゚)「いや、まだだ!」
人狼「ガルルルル!」
人狼は片腕をほぼ失ったにも関わらず、寧ろ失ったからなのか、怒りを露わに唸り声をあげる。
('A`)「クソッ!」ブオン!
大剣による横薙ぎ一閃。難なくバックステップで躱されてしまう。
バックステップの着地後、人狼はドクオとの距離を一足で詰めてきた。
怪我のないほうの腕で大きく振りかぶる人狼。
('A`;)「しまっ…!」
川 ゚ -゚)「…アイスウォール!」ビキビキ!
ガガガガガ!
人狼「!」ググッ
人狼とドクオとの間にできた氷の壁。
今度は腕を振り抜けず、爪が壁に突き立ったままとなり、引き抜くことができない。
川 ゚ -゚)「今だ!ドクオ!」
('A`)「…ああ!…出でよ!」シュン…シュウ
大剣を消滅、代わりにその手に握られたのは『貫けぬ物はない槍』。
('A`)「せい!」ヒュッ!
ズガシュッ!
人狼の心臓部と思われる場所に狙いを定め、ドクオは人狼を氷の壁ごと貫いた。
人狼「ガッ…」グラリ
絶命し、体の力が抜けて倒れ込む人狼だったが、氷の壁に刺さったたままの爪がそれを許さなかった。
…
……
………
―馬車―
ガラガラガラ…
('A`;) 川;゚ -゚)「「本当に申し訳ありませんでした」」
声を揃えて謝るドクオとクー。
ミ,,゚Д゚彡「そんなに死に急ぎたかったか」
対するはフサギコ。先ほどの人狼との戦闘の件だ。
('A`;) 川;゚ -゚)「「滅相もございません」」
また、声が揃う。
ミ,,゚Д゚彡「…ふん。まあ過ぎたことをいつまでも言っても仕方がない。
さっきも言ったが、二人とも焦りすぎだ」
ミ,,゚Д゚彡「魔法が砕かれたからと言って、クーは動揺した。
その結果、魔物に付けいる隙を与えることになった」
川 ゚ -゚)「…はい」
ミ,,゚Д゚彡「ドクオはただ闇雲に武器を振るった。
それが当たらないのは、ジョルジュとの訓練で学んだことではないのか?」
('A`)「…はい」
ミ,,゚Д゚彡「戦闘は命が掛かっているんだ。もう少し慎重になっても良いくらいだ」
ミ,,゚Д゚彡「だが、悪い点ばかりではなかった」
('A`) 川 ゚ -゚)「…」
ミ,,゚Д゚彡「ドクオとクー、それぞれがお互いをフォローしあった結果、無事ワーウルフを倒すことができた。
この点は褒めても良いだろう」
('A`*) 川*゚ -゚)「…」
ミ,,゚Д゚彡「始めからワーウルフでは荷が重いと思って、途中から手を貸そうと思っていたが…。
その必要はなかったみたいだな」
ミ,,゚Д゚彡「次からはもっと慎重に戦い、そしてフォローしあえ。
そうすれば奴程度、滅多なことでは負けないだろう。精進しろよ」
('A`*) 川*゚ -゚)「ハイ!」
フサギコもいい先生だな
夜―森林の道・テント前―
パチパチ…パチ…
ミ,,゚Д゚彡「今日はご苦労だった」
('A`)「1日でこんなに戦闘したことなかったからすげー疲れた…」
川 ゚ -゚)「…私もだ。今日だけで8回か?」
('A`)「途中で数えるのもマンドクサくなったからわかんね…」
ミ,,゚Д゚彡「今回も、夜は俺とジョルジュが交代で見張り番をする。二人は休んでおけ」
('A`) 川 ゚ -゚)「「はい」」
二人は同じタイミングで返事をすると、のそのそとテントの中へ入っていった。
ミ,,゚Д゚彡「…今日一日、あの二人の戦闘を見てどう思った?」
_
( ゚∀゚)「二人ともまだまだ荒削りだけど、かなりの上玉だな。フサギコもそう感じたんだろ?」
ミ,,゚Д゚彡「まあな。特にドクオの成長速度には驚かされる」
_
( ゚∀゚)「ドクオのいた世界じゃ魔物はいなかったらしいしな。
フサギコはワーウルフと渡り合えるようになったのはいつ頃だった?」
ミ,,゚Д゚彡「そうだな。…ドクオと大体同じ年の頃だったか」
_
( ゚∀゚)「はえーな!でも、ドクオは戦闘経験が今までない上に、
つい最近この世界に来たばかりでもうこれだぜ!
これはひょっとしたらひょっとするかもだ!」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。だが、あまり過度の期待を掛けるのはやめておけ。
負担になりかねんからな」
_
( ゚∀゚)「わかってるって!んじゃ、先に休んでるぜ」スッ
ミ,,゚Д゚彡「…後は、本格的に魔王討伐の旅に出る気になってくれればいいのだが」
朝―森林の道―
………
……
…
川 ゚ -゚)「来たぞ」
('A`)「ああ…出でよ!斬鉄剣!大剣!」シュウ
ワーウルフ「ガウウッ!」バッ!
('A`)「…」ザンッ
ドクオは地面へ大剣を突き刺し、盾にするかのように後ろへ隠れる。
ワーウルフ「ガアッ!」ブオオン!
ガキキィィィイイイン!
ズボォッ!
人狼はそれを邪魔だと言わんばかりに腕を振りかぶり、そして大きく振り抜く。
自慢の爪と衝突した大剣はあっさりと引き抜かれた。
('A`)「…隙だらけだぜ」ヒュン!
スパァ!
ワーウルフ「ギャアアアアァァァ!」
人狼の右腕は切り落とされ、あまりの痛みに耐えきれず叫び声を上げる。
川 ゚ -゚)「…フリーズランス!」カキーン…シャッ!
ドスン!
ワーウルフ「ガッ…ァ…」グラ
ドシャア…
('A`)「…ふぅ、大分慣れてきたな」
川 ゚ -゚)「何度か戦うと、対処法が何となくわかってくるな」
('A`)「ああ。2体同時に出てこられたら厳しいけどな」
川 ゚ -゚)「なに、その時は落ち着いて1体ずつ撃破すればいい」
( ゚∀゚)「二人とも大分余裕が出てきたじゃねーか」
('A`)「まあね。これだけ同じ魔物とばかり戦ってきたら、嫌でも慣れるっていうか」
_
( ゚∀゚)「でもまあ、油断だけはするなよ?魔物もどんな奥の手を出してくるかわかんねーからな!」
川 ゚ -゚)「ああ、肝に銘じておく。…それにしても」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「この森は植物系の魔物も出るんじゃなかったのか?
昨日から出てくるのは、ワーウルフが大半じゃないか」
('A`)「そう言えばそうだったな」
_
( ゚∀゚)「植物系は毒をもってたりと厄介だからな。出ないに越したことはないだろ!」
川 ゚ -゚)「それはそうなんだが…。考えてても仕方ないか」
ミ,,゚Д゚彡「…」
―馬車―
ガラガラガラ…
('A`)「…?なんだかこの辺りの植物枯れかかってねーか?」
川 ゚ -゚)「…本当だ」
ミ,,゚Д゚彡「魔物、か」
('A`)「え?」
ミ,,゚Д゚彡「戦闘の準備を怠るな」
('A`) 川 ゚ -゚)「…」
ガラガラガラ…
('A`)「(この辺は完璧に枯れてるな)」
周囲の植物は完全に枯れ果て、茶色く変色してしまっている。
「うお、なんだありゃ!」
ミ,,゚Д゚彡「…」
川 ゚ -゚)「どうした?」
「道の真ん中に木が立ってやがる。一旦止めるぞ!」
―森林の道―
('A`)「こりゃまた随分とでかいな…」
道の真ん中に、周囲の木々を突き抜けるように1本の大木が鎮座していた。
遠目にみても、波の大きさではないことがわかる。
川 ゚ -゚)「…この辺りの植物が枯れていたのはこれの影響か?」
ミ,,゚Д゚彡「恐らくな」
_
( ゚∀゚)「でかいけど横は何とか通り抜けられそうだな。よっしゃ、行こうぜ!」
ミ,,゚Д゚彡「待て。いくら何でも不自然だろう。
俺らが辺境の村へ向かう途中にはこんな木はなかったはずだ」
_
( ゚∀゚)「…あれだ、急成長したんだ。周りの植物の栄養を吸い取って」
川 ゚ -゚)「馬鹿なことを言ってる場合か」
ミ,,゚Д゚彡「危険がないか、まずは調べるぞ。馬車はこの辺りに繋ぎ止めておけ」
_
( ゚∀゚)「へいへい」テクテク
('A`)「…もしかしてあれも魔物なのか?」
ミ,,゚Д゚彡「…そう考えて差し支えはないだろう。慎重に行くぞ」
('A`)「あれが魔物だとして、あんなでかいのに勝てんのか…?」
ミ,,゚Д゚彡「さあな、何せ初めて見る。植物の様だし火の魔法が使えればなんてことはないだろうが、
周囲が枯れた植物だらけではな。迂闊には使えない」
('A`)「…あの木は迂回して行くとか」
川 ゚ -゚)「無理だろうな…。枯れ木が邪魔をして馬車が通れる道がない」
('A`)「なんてこったい」
―森林の道・大木―
_
( ゚∀゚)「かーっ!近くで見ると更にでけえな!」
ミ,,゚Д゚彡「…」
川 ゚ -゚)「見た感じ特に何もなさそうだが…」
('A`)「ホッ。それじゃさっさと行こうぜ。枯れた植物だらけでちょっと薄気味悪い…」スタスタ
ゴゴ…
ミ,,゚Д゚彡「!! …待て、ドクオ」
_
( ゚∀゚)「…今のは」
ズガガガガガガガガガガガン!!!!
大木とドクオ達を取り囲むかの様に、突然地中より何かが飛び出してきた。
川;゚ -゚)「くっ!」
('A`;)「うおおおっ!……これは、木の根っこ?」
ミ,,゚Д゚彡「…ああ、逃げ道はないようだな」
大木を見上げると、まるで生きているかのようにそれは動いていた。
( ゚∀゚)「コイツにはトンファー効きそうにねーなぁ」
ミ,,゚Д゚彡「ジョルジュは地中からの攻撃に備えろ。全ての根を使って退路を塞いでいる様には思えん。
攻撃と防御のフォローを頼む」チャキ
_
( ゚∀゚)「おうよ!」
川 ゚ -゚)「私もフォローに回ろう」
('A`)「ああ、任せた…斬鉄剣!」シュウ
ミ,,゚Д゚彡「行くぞ!」ヒュッ
('A`)「おうっ」ダッ
魔樹「…」ゴゴ…
ミ,,゚Д゚彡「!」ザッ
('A`)「!」ザッ
_
( ゚∀゚)「!!ストーンウォール!」ドゴン!
川 ゚ -゚)「アイスウォール!」ピキーン
ドガゴ!
フサギコ達を貫こうと出てきた根の進路を岩と氷の壁が立ち塞ぐ。
('A`)「サンキュー!」
ミ,,゚Д゚彡「よし、行くぞ」ヒュッ
('A`)「はい!」ダダッ
魔樹「…」ゴゴゴ…
_
( ゚∀゚)「またか!ストーンウォール!」ドゴン!
先行するフサギコを目掛け、またも根が突き出す。
ドガッ!
魔樹「…」ヒュッ
_
( ;゚∀゚)「なっ!」
岩の壁で防御したと思うのも束の間、右手より追撃の一撃が迫る。
ミ,,゚Д゚彡「横か!」シュッ
ズバン!
('A`)「後ろ!」ヒュン
スパァ!
ミ,,゚Д゚彡「済まん、行くぞ!」ヒュッ
ミ,,゚Д゚彡「根元だ。…ハッ!」ドヒュ!
ガツッ!
ミ,,゚Д゚彡「…チッ、傷が少し付く程度か」
('A`)「ここは俺が!せいっ!」ヒュン!
スパァン!
川 ゚ -゚)「よし、その調子で斬り倒してしまえ!」
('A`)「把握!…ってあれ?」
魔樹「…」メキメキメキ…
ドクオとフサギコが斬りつけた部分を塞ぐように、みるみるうちに木の皮が覆っていった。
_
( ;゚∀゚)「再生した!?」
魔樹「…」グオオォォ…
川 ゚ -゚)「枝が来るぞ!」
ミ,,゚Д゚彡「ウィンドカッター!」
スパパパパパ!
丸太のように太い枝がなぎ払ってくる直前、
風の刃が枝を切り刻んだ。切り刻まれた残骸が飛んでくる。
('A`;)「うわっぷ!」バササッ
ミ,,゚Д゚彡「ウィンドカッター!」
ガガガガガ!
ミ,,゚Д゚彡「…チッ」
風の刃が木の幹に付けた傷は、どれも浅かった。
川 ゚ -゚)「木の幹だけ、他の部分と比べて堅いようですね…」
_
( ゚∀゚)「かなり厄介だな…!」
魔樹「…」ゴゴ…
('A`)「!」
川 ゚ -゚)「アイスウォール!」ピキピキ
ガギィ!
('A`)「…俺がひたすらこいつの再生能力を上回る勢いで斬るしかないのか!?」ヒュン!
スパァ!
魔樹「…」…メキメキメキ
ミ,,゚Д゚彡「…いや」
魔樹「…」ゴゴゴ…
_
( ゚∀゚)「何か手でもあるのか!?」ドゴン!
ガゴォ!
ミ,,゚Д゚彡「ああ、ドクオはそのままグルッと一周そいつを斬り続けろ」
('A`)「?わかった」ヒュン
ミ,,゚Д゚彡「そしてクーは、ドクオが斬り付けた部分を氷で覆え。脆くて構わない」
川 ゚ -゚)「わかりました」ピキピキ…
魔樹「…」
_
( ゚∀゚)「お!再生しねぇ!」
ミ,,゚Д゚彡「ジョルジュは更に防御に専念するんだ。
再生に使ってた時間を攻撃に回してくるぞ」
_
( ゚∀゚)「了解!」
('A`)「おらあ!」ヒュ!スパァン!
魔樹「…」ゴゴゴゴゴ…
川 ゚ -゚)「来るぞ!」
魔樹「…」ドヒュヒュヒュ!
('A`;)「クソッ!」
_
( ゚∀゚)「させっか!」ズガガガガン!
ドゴゴゴゴ!
('A`)「…よっし!後もうちょい!」ヒュ!スパァン!
川 ゚ -゚)「…」ピキピキ…
('A`)「ラスト!」スパァ!
ミ,,゚Д゚彡「よくやった。次は周りの根で一斉に攻撃してくるはずだ、防御に専念しろ」
魔樹「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
_
( ゚∀゚)「…マジか」ガゴゴゴゴン!
川 ゚ -゚)「本気のようだな…」ピキピキピキ…
ミ,,゚Д゚彡「…ふん」ヒュオオオオオォォォ…
('A`)「…」
('A`)「…あれっ、俺は?」
魔樹「…」ヒュヒュヒュヒュヒュヒュ…!
_
( ;゚∀゚)「ぐっ…」ズガガガガガガ…!
川;゚ -゚)「くっ…」ガガガガガガ…!
ミ,,゚Д゚彡「…」スパパパパパパ…!
('A`;)「うおおおおおおおおおお!大剣大剣大剣大剣大剣!」ヒュガガガガガガガガ…!
ミ,,゚Д゚彡「…後もう少し耐えろ。根と枝葉全て切り刻む」スパパパパパパ…!
そう言うと、風の刃の範囲を目の前から周囲へと徐々に広げていった。
('A`;)「なるべく早めでお願いします!」ガガガガガガ!
ミ,,゚Д゚彡「…」スパパパパパパ…!
ミ,,゚Д゚彡「これで終わりだ」スパァン!
('A`;)「…助かった」シュシュン
_
( ゚∀゚)「大丈夫か?」
川 ゚ -゚)「危なかったな、ドクオ」
ミ,,゚Д゚彡「さて次だ。枝と根に再生の時間を費やしている間にコイツを倒すぞ」
_
( ゚∀゚)「どうやって倒すんだ?」
ミ,,゚Д゚彡「クー、氷は脆くしているか?」
川 ゚ -゚)「はい、凍結状態を維持することに重きを置いているので」
ミ,,゚Д゚彡「よし。ジョルジュ、お前の出番だ」
_
( ゚∀゚)「俺?何するんだ?」
ミ,,゚Д゚彡「あいつの上部分を狙って岩石を放て。かなり大きいのをな」
_
( ゚∀゚)「mjsk」
ミ,,゚Д゚彡「mjd。本気でやれよ?岩であいつを叩き折る」
_
( ゚∀゚)「…ちょっとイメージに時間をくれ」
ミ,,゚Д゚彡「さっさとしろ。そしてクー、あいつが折れたら再生出来ないように
さっきと同じく氷で傷口を覆え。念のためな」
川 ゚ -゚)「わかりました」
('A`)「…俺がすることは?」
ミ,,゚Д゚彡「ない」
('A`)「ソデスカ…」
( ゚∀゚)「よっしゃ!行くぜ!…ロックフォール!」ズゴオオオオォォォ…!
('A`)「…でけぇ。始めからこれで倒しておけば良かったんじゃ…」
川 ゚ -゚)「確実に倒すには先ほどのが良いんだろう」
_
( ゚∀゚)「おらああああああああ!」ゴオオッ!
ドッガアアアアァァァアアアアアア!バキバキメキボキ…!
ズドオオオオオオン…!
ミ,,゚Д゚彡「…上手くいったな。クー、次だ」
川 ゚ -゚)「はい」ピキピキピキピキ…
('A`)「…これで完了か」
ミ,,゚Д゚彡「流石にもう再生するとは思えないが、念のためここで一泊するか…」
ドッくんナイス大剣ウォールwwwwww
夜―森林の道・テント―
('A`)「それにしても」
川 ゚ -゚)「ん?」
('A`)「フサギコさんの的確な状況判断や指示には驚いたな」
_
( ゚∀゚)「あー。まあアレでも親衛隊長やってるくらいだからな」
('A`)「アレでもって何だよ」
川 ゚ -゚)「それを言うなら、私はジョルジュが親衛隊にいること自体が不思議なんだが」
('A`)「あ、俺も俺も」
_
( ゚∀゚)「ひどっ!」
川 ゚ -゚)「では訊くが、何で親衛隊に入ったんだ?」
_
( ゚∀゚)「俺は別に親衛隊じゃなくても良かったんだがな」
('A`)「兵士なら何でも良かったのか?」
_
( ゚∀゚)「おう、まあな!」
川 ゚ -゚)「では何の為に兵士になったんだ?」
_
( ゚∀゚)「何でってそりゃあ決まってんだろ。世界を魔物から守るためだ」
('A`)「おお…随分とまぁ大きく出たな」
川 ゚ -゚)「私はどうやらジョルジュを見誤っていた様だ。済まない、見直したよ」
_
( ゚∀゚)「わかってくれりゃいいんだよ。なんせ」
_
( ゚∀゚)「世界のおっぱいの命運が俺の手に掛かってるからな!本気にならざるを得ないだろう」
川 ゚ -゚)「前言撤回だ。やっぱりダメだコイツ」
( ゚∀゚)「いーじゃねーか別に。俺が何を守ろうと、結果として人は助かってるんだから」
川 ゚ -゚)「む…まあな」
_
( ゚∀゚)「つーわけでよ、さっさと魔王を倒しちゃってくれや!俺が存分におっぱいと戯れられるように!」
川 ゚ -゚)「断る…わけにいかないのが悔しい」
_
( ゚∀゚)「ドクオだっているんだ、チョロいだろ?」
('A`)「え?」
川 ゚ -゚)「…」
_
( ゚∀゚)「んぁ?ドクオは行かないのか?魔王退治」
川 ゚ -゚)「…ドクオは元の世界へ帰る方法が見つかるまでだ」
('A`)「ああ、悪いけどな」
_
( ゚∀゚)「マジかー。ドクオがいれば魔王も倒せそうな気がしたんだが。
ま、しょうがないか。ってか、要は帰る方法が見つからなければいいのか」
('A`;)「ちょっ!いや間違っちゃいないけど!」
_
( ゚∀゚)「冗談だよ!まあ方法がわかるまでは、クーの旅に付き合ってやってくれや」
('A`)「寧ろ勝手に付いて行かせてもらう。ところで、何でクーは魔王討伐に志願したいんだ?」
川 ゚ -゚)「…私もジョルジュと一緒だ」
('A`*)「えっ。お…」
川#゚ -゚)「そっちじゃない」
('A`)「スンマセン…」
川 ゚ -゚)「私も、みんなを守りたいからだ。魔王を倒すことが人々を守ることに繋がると思っている」
_
( ゚∀゚)「過程というか方法が違うだけで、俺とあまり変わらないよな」
('A`)「…」
年上のジョルジュはまだしも、さして年の変わらないクーにも大きい志があったことに驚く。
自分には何もない。ただ、自分が居た安穏とした世界に帰りたいだけ。
('A`)「…二人ともすげーな」
川 ゚ -゚)「何がだ?」
_
( ゚∀゚)「いいぞよくわかんねーけどもっと誉めろ」
川 ゚ -゚)「黙れ」
('A`)「(…俺もそーゆうの、見つかるといいなぁ)」
この世界にしろあっちの世界にしろ、何かが…。
昼―宿場町―
ミ,,゚Д゚彡「着いたな」
_
( ゚∀゚)「ここから次の街まで少し長いからしっかり準備していくぞ」
('A`)「どのくらい?」
ミ,,゚Д゚彡「1週間と言ったところか。因みに王都まではまだ結構ある」
('A`)「うへ…」
ミ,,゚Д゚彡「とりあえず、準備の前に魔物の件を確認しにいくぞ」
川 ゚ -゚)「そうですね。召喚師の動向も気になります」
_
( ゚∀゚)「見たところ被害はなさそうだけどな」
―宿場町・兵士詰め所―
ミ,,゚Д゚彡「先日、こちらの街に伝令を飛ばしたフサギコとジョルジュだ」
_
( ゚∀゚)「伝令の件、魔物の出現等について訊きたい」
詰め所兵士「ハッ!…伝令にありましたとおり、魔物の群れは町の中心部に出現しました」
川 ゚ -゚)「やはりか…」
詰め所兵士「お陰様で、先手を打つことが出来たので町への被害は微少でした」
ミ,,゚Д゚彡「ふむ。次の街へは?」
詰め所兵士「はい、指示にあったとおり、至急伝令を飛ばしました」
_
( ゚∀゚)「んじゃ次だ。西の門からフードをかぶった金髪の女の子が出て行くのを見たヤツは?」
詰め所兵士「それについても確認済みです。昨日、魔物が出現する少し前に西の門に現れたそうです。
特に何の問題もなさそうでしたので通してしまったのですが。魔物の件はもしや…」
ミ,,゚Д゚彡「確証はない。この件については、むやみに触れ回らないように。以上だ」
詰め所兵士「ハッ!」スッ
('A`)「…それにしても更に離されたな」
_
( ゚∀゚)「森林の道のあの木で一泊様子見したのが響いたな」
川 ゚ -゚)「…あの木を回避してこの町へ?」
ミ,,゚Д゚彡「もしくは召喚師が喚びだしたか」
('A`)「アレを?召喚師ってすげぇな…」
川 ゚ -゚)「ああ、かなり厄介だな。…今後も襲われることを想定していかなければ」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、警戒を怠らないようにしていくぞ」
訳分からんオタアニメでキャラ固定されるより、ブーン系の方が読み手に優しいな。
読み易くてワクテカ止まらん。いいぞもっとやれwww
そうか、おっぱいは世界を救うがテーマか・・・
朝―湖上の街への街道・馬車―
ガラガラガラ…
('A`)「湖上の街?」
川 ゚ -゚)「ああ、その名の通り湖の上に街がある。
通路の脇に水路があったり、街の中を船で移動したりもする」
('A`)「へぇ、ベネツィアみたいな街だな。楽しみだ」
川 ゚ -゚)「ドクオの世界にも似たような街が?」
('A`)「おお、水の都って呼ばれてる。割れにくいガラスの器とか祭りなんかでも有名かな。
街の中を船で移動するっていうのも似てる」
川 ゚ -゚)「なかなか興味深いな」
ミ,,゚Д゚彡「そう言えばドクオのいた世界では魔法がなかったそうだな?」
('A`)「はい。でも、それに変わる別の技術が発展しています」
川 ゚ -゚)「どんな技術なんだ?」
('A`)「えーと、どう説明すればいいか。例えば馬車に代わる乗り物で車っつーのがありまして」
ミ,,゚Д゚彡「クルマ?」
('A`)「はい。鉄で出来た乗り物で、その速度は馬車の比ではありません」
川 ゚ -゚)「ほう、便利なものだな」
('A`)「馬車を走らせるのには馬が必要ですけど、車は燃料さえあれば走ります。
要はこういった、生活への利便性を突き詰める技術とでも言えばいいのかな」
ミ,,゚Д゚彡「…すごい世界にいたのだな」
('A`)「まーもちろん便利なものばかりじゃありませんよ。兵器だって存在します」
川 ゚ -゚)「…どの世界にも争い事は存在するということか」
('A`)「まーね。すごいのだと大きな街が一瞬で消し飛ばされるくらいの兵器とか」
川;゚ -゚)「なに!?それこそ魔法などの比ではないな…」
('A`)「かもね。便利さの代償とでも言うのかな」
ミ,,゚Д゚彡「なかなか壮絶だな。ドクオがいた世界は」
('A`;)「いや、今話した車と兵器だけが全てじゃないですよ?」
夕方―湖上の街への街道・道外れ―
('A`)「今日は訓練の前に、二人の組み手を見せてくれませんか?」
_
( ゚∀゚)「おう、俺は別に良いけど。フサギコは?」
ミ,,゚Д゚彡「俺も構わん。良い機会だ、お前の根性を鍛え直してやろう」
_
( ;゚∀゚)「ちょ!あまり厳しいのは勘弁な!」
ミ,,゚Д゚彡「ドクオ、木製の剣2本とトンファー2つ出してくれ」
('A`)「はい。…」シュウ
ミ,,゚Д゚彡「…よし、準備はいいか?本気で行くぞ」スッ
_
( ゚∀゚)「ったく、いーぜ。こうなったら何が何でも負かしてやる!」バッ
二人は武器を手に、互いを正面に据えて構えた。
…
……
………
………
……
…
_
(#)゚∀メ)「…参りまひた」
ミ,,゚Д゚彡「良い運動にはなったな」
('A`)「二人ともありがとう。ほれ、薬草だジョルジュ」スッ
_
(#)゚∀メ)「さんきゅー」ムグムグ
ミ,,゚Д゚彡「ところで…俺とジョルジュを戦わせたのには何か理由があるんだろう?」
('A`)「いやあ…ただ単に二人の本気を見てみたかったっていうか…」
_
( ゚∀゚)「ふ~ん?けどま、こっちも良い訓練にはなったな」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、ジョルジュ。お前もまだまだ実力不足ということがわかって良かったじゃないか」
_
( ;゚∀゚)「ぐっ」
夜―湖上の街への街道・テント前―
_
( ゚∀゚)「今日からドクオも見張りに?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、ドクオからの申し出でな」
_
( ゚∀゚)「それまたなんで?」
ミ,,゚Д゚彡「さあな。考え無しでの行動とは思えないが」
_
( ゚∀゚)「それじゃ、一人の時間を延ばして俺の後に入れるか。ドクオがラストで」
ミ,,゚Д゚彡「それでいいだろう。では時間になったら起こしに行く」
_
( ゚∀゚)「おう、じゃーな」スッ
ミ,,゚Д゚彡「…ふむ」
深夜―湖上の街への街道・テント前―
('A`)「…」
('A`)「…こうやって見張りするのも結構久しぶりに感じるな」
('A`)「…そろそろジョルジュも寝付いた頃か」
('A`)「よし。早速秘密の訓練でも開始するか」
('A`)「寝る前に創っておいた…」ゴソゴソ
('A`)「あったあった。これとこれ」チャッ
ドクオは鞄から2つの武器を取り出し、1つを手に取った。
('A`)「まずはこっちだ。バテねーように気をつけなきゃな」シュウ
早朝―湖上の街への街道・テント前―
川 ゚ -゚)「…ドクオ、なにやら少し疲れていないか?」モグモグ
('A`)「え?そ、そうか?」
_
( ゚∀゚)「だな」モグモグ
ミ,,゚Д゚彡「…久しぶりに夜の見張りをしたせいだろう」
('A`)「あ、はい。慣れないことをするのはやっぱり疲れますね!」
_
( ゚∀゚)「あー、俺も慣れるまでは辛かったな。
ま、辛かったらいつでも抜けて良いんだぜ。本来は俺らの仕事だからな」
('A`)「サンキュー。本当に辛くなったら頼むわ」
川 ゚ -゚)「無理はするなよ?」
('A`)「ああ」
('A`)「(訓練してたなんて恥ずかしくて言えねぇ…)」
昼―湖上の街への街道・馬車―
「魔物だぜ!」
馬車の外より、ジョルジュの声が響き渡る。
川 ゚ -゚)「行くか」
('A`)「おう」
('A`)「(訓練の成果がすぐにでるとは思えねーけど…やってみるか)」
―湖上の街への街道―
人狼A「グルルルル!」
人狼B「ガルル!」
川 ゚ -゚)「森林の道以来だな、ワーウルフは」
('A`)「だな。2体同時は初めてだけど」
川 ゚ -゚)「1体ずつ確実に行こう」
('A`)「おう、まず俺が攻撃に回るからフォローよろしく」
('A`)「出でよ、双剣!」シュウ
かけ声とともに出現したのは1対の剣。
川 ゚ -゚)「何の性質を?」
('A`)「つけてない」キッパリ
川 ゚ -゚)「何?」
('A`)「ちょっと危険かもしれない。でも、少しくらい枷をかけないと強くなれないんじゃないかと思ってな」
人狼A・B「ガルルル!」ババッ
2体の人狼が駆けだした。
川 ゚ -゚)「…わかった。行くぞ!」
('A`)「悪いな!」
川 ゚ -゚)「アイスニードル!」シュシュシュッ!
人狼B「!」ザッ バキャキャ!
クーが氷の槍で1体を牽制し、足止めする。
人狼A「ガウ!」ブオン!
('A`)「…」バッ
バックステップで大振りした相手の右腕を躱す。
次いで、ガラ空きとなった右脇へ走り抜けつつ斬りかかる。
一振りは胴体へ、もう一振りは右足へ。
バシュッ!ズバッ!
人狼A「ギャアアア!」ドサッ!
足への激痛に耐えかね、崩れ落ちる人狼。
川 ゚ -゚)「アイスニードル!」シュシュシュッ!
ズドドド!
人狼A「ガ…」
('A`)「…よし」
人狼B「…アオオオォォォオオン!」
川 ゚ -゚)「来るぞ」
('A`)「おう」
もう1体の人狼が、怒りに身を任せ襲い来る。
人狼B「…」バッ
川 ゚ -゚)「アイスニードル!」シュシュシュッ!
人狼B「…」バキャキャ! ドス!
氷の槍が1つ突き刺さるが、ものともせず突き進む。
川 ゚ -゚)「くっ!」
('A`)「ふんっ!」ブオン!
人狼B「グガッ…!」ドスッ!
ドクオは右手に持つ剣を投げつけると、胸に深く突き刺さった。
人狼の動きが鈍る。
川 ゚ -゚)「…アイスニードル!」シュシュシュッ!
ズドドン!
人狼B「グ…」…ドサリ
人狼A・B「…」
2体の人狼は、もう動く気配がない。
('A`)「…ふう。まさか魔法を食らったのを気にせず突っ込んでくるとは思わなかったな」シュン
川 ゚ -゚)「ああ、助かったよ」
('A`)「キニスンナ」
川 ゚ -゚)「しかし、本当に性質を付与せずに戦いきったのか?」
('A`)「なんとかな。最後に襲ってきた奴には何か創ろうかと思ったけど踏みとどまった。
投げた剣が刺さらなかったら多分人生終わってたね。アハハ」
川 ゚ -゚)「…笑い事ではないな」
自発的にこっそり訓練するなんてドッくんは偉いね。
―湖上の街への街道・馬車―
('A`)「いやいやぶっちゃけすげー怖かった。
怖いことがあった後、何故か笑ってしまう現象あるよね?アレが起こった」
川 ゚ -゚)「…まあお互い無事で済んで良かったな」
ミ,,゚Д゚彡「中々やるようになったみたいだな。短いながらも訓練の成果も徐々に出つつあるようだ」
('A`)「まだまだなんですけどね。
やっぱりどんなに良い武器を持ってても使い手がヘボいと駄目な気がするんで…」
ミ,,゚Д゚彡「まあその通りなんだがな。今は仕方がないだろう。その為に訓練もしている。
戦闘では命が掛かっているんだ。くれぐれも無理だけはするな」
('A`)「そうします。本当に怖かったんで」
夕方―湖上の街への街道・道外れ―
_
( ゚∀゚)「よう、今日はなかなか様になってたじゃんか!」
('A`)「たまたまだよ。…それより、今日の訓練の前に体術でも見せてくれよ。
一応あるんだろ?そーいうの」
_
( ゚∀゚)「おう、あるぜ。例えばどんなのを見てみたいんだ?」
('A`)「相手の攻撃の捌き方とか?」
_
( ゚∀゚)「おう、そんじゃ早速始めるか!」
('A`)「待った。とりあえずこれを着けてくれ」シュウ
_
( ゚∀゚)「なんだ?ガントレットとレガースか」ガチャガチャ
('A`)「俺がこの木剣で攻撃するから、適当に避けたり捌いたりしてくれ」シュウ
_
( ゚∀゚)「おっし!今度こそ始めっか!」パシ!
…
……
………
( ゚∀゚)「…ま、こんなもんか?」
('A`;)「ふぃー…サンキュ。それ、もう外していいぞ」シュン
_
( ゚∀゚)「おう。ところでこれって何なんだ?」ガチャガチャ
('A`)「…内緒ってのはダメか?」
_
( ゚∀゚)「ダメ」
('A`)「…」
_
( ゚∀゚)「良いじゃねーか!絶対内緒にするからよ!」
('A`)「まあ付き合わせておいて秘密っていうのもな。わかったよ、教える」
( ゚∀゚)「よっしゃ!で、何なんだこれは?」
('A`)「ジョルジュの動きをその武器に情報として入れた」
_
( ゚∀゚)「…んん?」
('A`)「要はな、その武器を装着すると、さっきジョルジュがした動きを再現できるんだ」
_
( ゚∀゚)「…んで?」
('A`)「それ着けて俺が動きの練習をする。ひたすら反復だ」
_
( ゚∀゚)「…ああ、なるほどな!動きを体に覚えさせるのか」
('A`)「そーゆうこと。それを着けてれば、指導者がいなくても型の練習とかできるわけだ」
( ゚∀゚)「考えたなぁ!…ん?ってことは…」
('A`;)「…」ギクッ
_
( ゚∀゚)「夜の見張り番をやりたいって急に言い出したのも、これを使って訓練する為か!?」
('A`;)「…そうだよ。秘密にするつもりだったのに…」
_
( ゚∀゚)「いや~、頑張るねぇ!ってあれ?もしかして昨日の俺とフサギコの一戦も?」
('A`)「ん?ああ、あの後再現用の武器を創ったよ」
_
( ゚∀゚)「じゃあ、今日これ付けて新たに動きを入れた訳は?」
('A`)「……訊きたいか?」
_
( ;゚∀゚)「なんだよ、気になる言い方すんじゃねーよ!」
('A`)「…わかった。じゃあ話す」
_
( ゚∀゚)「…」
('A`)「昨日のトンファーなんだけどな」
_
( ゚∀゚)「…ゴクリ」
('A`)「…ほとんどフサギコさんに吹き飛ばされる動きしか再現されなくて使い物にならんかった」
_
( ゚∀゚)「…」
('A`)「俺は夜中に一人で宙を舞った」
_
( ゚∀゚)「…なんかすまん」
('A`)「いや、いいけど…。んで、ジョルジュは体術とか得意そうだし、この際新しく創っちゃおうかなーと」
_
( ゚∀゚)「ほうほう。何ならトンファーの動きも新しくしようか!?」
('A`)「あ、トンファーはあまり使わなさそうだし別にいいよ」
_
( ゚∀゚)「泣くぞ」
Σ('A`;)「あ、いやいや!一度にあまり詰め込みすぎるのもあれかなーって!な!?」
_
( ゚∀゚)「…それもそーだな!じゃあまた近いうちにな!」
('A`)「おう!(…何でだろう心が痛い)」
( ゚∀゚)「…因みにさっきの動きだけどよ、あれがそのまんま魔物に通じるとは思わない方がいいぜ」
('A`)「ああ、わかってる。あくまで参考というか、自分の基礎を作るためのものと考えてるから」
_
( ゚∀゚)「ならいいけどな。魔物それぞれに対して応用していかなきゃダメだぜ」
('A`)「おう。とりあえず今日はサンキューな。後、絶対に秘密だからな」
_
( ゚∀゚)「えー!どーしよっかなー。あれ、クー?クーはどこだ-?」
('A`)「…泣くぞ」
_
( ;゚∀゚)「ちょ!若干本気で泣きそうなんだけど!
冗談だって!誰にも言わないから!涙目になるなって!」
早いもので、このスレを立ててからもう一月が経過してるんだぜ…
初期から読んでくれてる人も、途中から読んでくれてる人も、いつも本当にありがとう!
みんなに変わらぬ感謝をー!それでは!
本当にドッくんの超前向き姿勢には感心しますな。 前どころか後ろ向きな私は見習わないと。
朝―湖上の街への街道・馬車―
ガラガラガラ…
('A`)「しかし馬車で1週間か…徒歩じゃなくてよかったよ、ほんとに」
川 ゚ -゚)「本当だな。歩きだったら何日かかる事か」
ミ,,゚Д゚彡「歩きだと持ち運べるものに限りがあるしな。
水や食糧などの配分、確保が重要になる」
('A`)「なるほど。魔王討伐の旅に出るときは馬車なのか?」
川 ゚ -゚)「そのつもりではいるんだが。
…もしかしたら歩きになる可能性もある。いや、その時は馬車を買うか…」
('A`)「?」
('A`)「お、道が分かれてる」
ミ,,゚Д゚彡「俺達が進むのは右手の道だな」
川 ゚ -゚)「左の道は、少し進んだ先に村があるんだ。」
('A`)「村か。辺境の村みたいなところか?」
ミ,,゚Д゚彡「いや、あそこほど田舎ではない。
遺跡調査の為に作られた、派遣兵士の村だからな。それなりのモノはある」
('A`)「遺跡調査か…ロマンを感じるな」
川 ゚ -゚)「ただ、遺跡調査と言っても肝心の遺跡は見つかっていないんだ」
('A`)「え?どこにあるかもわからない遺跡を探すためだけに、その村はたてられたのか?」
ミ,,゚Д゚彡「正確にはそこにあったとされる里を探す為だな」
川 ゚ -゚)「王都に残る歴史書によると、何百年も昔には確かに里が存在していたらしい」
ミ,,゚Д゚彡「しかし、ある時を境に里はその姿を忽然と消した、とある」
('A`)「その歴史書のでまかせってオチは?なんかすごい胡散臭いんですけど」
川 ゚ -゚)「確かにその可能性も捨てきれないんだ」
ミ,,゚Д゚彡「しかし例えそれが嘘だとしても、
そこに存在したとされる可能性があるなら、探しだす価値がある里なんだよ」
('A`)「へえ?どんな価値なんだ?」
川 ゚ -゚)「…召喚師の一族が住んでいたとされる里なんだ」
('A`)「!!!」
川 ゚ -゚)「召喚魔法は今でも謎が多い。
いや、年月を経るにつれて、召喚魔法を知るものが減っていっただけなのかもな」
ミ,,゚Д゚彡「謎が多いからこそ、魔王討伐の鍵になるものが有るのではないか。
その考えに対して、兵士を派遣する村の設立には賛否両論あった」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「以前、神と魔王の戦いの話をしたのを覚えてるか?」
('A`)「…ああ、神が力の半分を世界に託したってやつだよな」
川 ゚ -゚)「そう。魔王が深手を負って、傷が癒えるのに現在まで何百年も経つ。
その間、世界はくまなく人の手によって探された。
しかし、神が残したとされる力はどこにもなかった」
ミ,,゚Д゚彡「だが、1つだけ探していない場所があった。それが…」
('A`)「…召喚師の一族が住んでいたとされる、消えた里」
川 ゚ -゚)「その通り」
('A`)「じゃあ、その里に神の力が…」
ミ,,゚Д゚彡「あくまで可能性の話だ。もちろん、そんなものは無い可能性もある」
川 ゚ -゚)「記述を見ると、神が死んだとされる時期と里が消えたとされる時期は意外と近い。
もっとも、昔の書物も結構いい加減なものでな、昔の人が時期の辻褄合わせを行ったり、
ドクオの言ってたでまかせという線もある」
('A`)「何百年っていう長い期間だし、書物を信じるにしても
数十年の時期の誤差は見ておいた方が良いってことか…」
ミ,,゚Д゚彡「しかし、そのまま魔王の傷が癒えるのを、ただ手をこまねいて見ているわけにもいかない」
川 ゚ -゚)「残されたその可能性にすがり、里を調査する村が設立されることになった」
ミ,,゚Д゚彡「それと同時に、魔王を討伐するための兵を育成するための機関、
お前達がこれから通うことになる王立士官学校が設立された」
('A`)「へぇ…」
川 ゚ -゚)「王立士官学校が出来たのはおおよそ30年ほど前か」
('A`)「意外と王立士官学校の歴史って浅いのな」
ミ,,゚Д゚彡「だが、本当にそんな里があるのか、と言う疑問の声が上がるには十分すぎる期間だ」
('A`)「え?」
川 ゚ -゚)「もうかれこれ30年はその里が探されている」
ミ,,゚Д゚彡「少し前までは里の発見に伴う報奨金を目当てに、
大勢の冒険者達があの村に訪れたんだがな」
川 ゚ -゚)「それも今となっては、ほとんどが村民と兵士だけになった」
('A`)「…さっき言った、でっち上げの説が信じられるようになってきたのか」
('A`)「けどさ、神の力はなくても魔王は倒せるんだろ?確かそうも言ってたよな」
川 ゚ -゚)「ああ。…これも歴史書の記述なんだが」
('A`;)「信用できるのかよ、その歴史書…」
川 ゚ -゚)「里の話がまだ嘘と決まったわけではないからな。
仮に嘘だとしても、嘘ばかりを載せるわけがないと思うんだ」
('A`)「無駄にポジティブだな…」
川 ゚ -゚)「神亡き後、一人の勇者が単身魔王へと挑み、その身に傷を負わせた。
…それが決定打となって、現在まで傷を癒すほかなくなったのでは、とな」
ミ,,゚Д゚彡「深手を負っていたお陰というのもあるとは思うが、魔王の力はそれでも強大だ。
勇者はただの人間であったという。そのただの人間に深手を負わせることができたんだ」
川 ゚ -゚)「それならば、例え私たちに神の力がなくとも魔王は倒せるはずだ」
('A`)「…魔王に傷を負わせたという、その具体的な方法は?」
川 ゚ -゚)「…残念ながら詳しい記述はなかった」
('A`;)「ますます胡散臭っ!大丈夫なのかよ…」
………
……
…
昼―裏路地―
そこは昼であってもあまり光が届かない、薄暗くとても狭い路地だった。
フードを目深にかぶった少女とおぼしき人物、その向かいから二人の男が話に夢中になりながら歩いてくる。
???「…」テクテク…
( `ハ´)「…アルよ」スタスタ…
<ヽ`∀´>「ホルホルホル!」スタスタ…
「アイタ」( `ハ´)ドンッΣ???「…」
??? チラッ
???「…」スッ テクテク…
少女は二人を軽く一瞥すると、さして興味を持たなかったのか、また歩き出す。
<ヽ`∀´>「…そこの女、ちょっと待つニダ」
???「…」ピタッ
<ヽ`∀´>「お前がウリの友達にぶつかったから、友達が大けがした」
( `ハ´)「…ん?あ、アイタタタアル。腕が折れたアル」
???「…ハァ」
フードを目深にかぶった少女は、これ見よがしに大きくため息をつく。
<ヽ`∀´>「謝罪と賠償を請求するニダ!」
???「…ぶつかってきたのはどっちよ?
こんな狭い路地で無駄に大きい男が二人して並んで」
( `ハ´)「…アイター」
<ヽ`∀´>「うるさいニダ!さっさと謝罪と賠償をするニダ!
場合によってはその体をもって賠償してもらうニダよ!」
そう言い放つと、男は少女のフードを乱暴に引っ掴み、それをどかした。
<ヽ`∀´>「…フフン、なかなか良い女ニダ。これは体で支払ってもらった方が良さそうニダ」
( `ハ´)「アルアル」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
金髪の少女は微動だにせず、二人の男を睨み付けた。
<ヽ`∀´>「そんなに見つめられたら照れるニダ」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( `ハ´)「お前、名前はなんて言うアル?」
ξ゚⊿゚)ξ「…アンタらに名乗る名前なんてないわ」
<ヽ`∀´>「随分と気が強い女ニダ。だけどそこがまた良いニダ」スッ
やや骨張った頬を持つ男が少女の腕を掴もうとする。が、
パシン!
乾いた音とともにその手ははじかれた。
ξ゚⊿゚)ξ「…触らないで。気色悪い」
<ヽ`∀´>「…痛いニダ」
( `ハ´)「大丈夫アルか?」
<ヽ`∀´>「こりゃーもう駄目ニダ。右手の骨が粉々ニダ。粉砕骨折ニダ」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
<ヽ`∀´>「大人しくしていれば良いものを。もう謝罪と賠償だけでは済まさないニダ。
ちょっと痛い目に遭ってもらうニダ…」スッ
ξ゚⊿゚)ξ「…」
再度、男は少女に手を伸ばす。
少女にその手が触れるその直前。
「なにしてるんだお!」
<ヽ`∀´>「ニダ?」
( `ハ´)「何者アル?」
ξ゚⊿゚)ξ「…?」
皆一斉に、声の主の方へと顔を向ける。
(#^ω^)「女の子一人に、大の男二人が寄ってたかって何してるんだお!」
( `ハ´)「何って」
<ヽ`∀´>「謝罪と賠償を請求してたアル」
( ^ω^)「…」
( ^ω^)「………お?」
( ^ω^)「謝罪かお?」
<ヽ`∀´>「そうニダ。ウリの友達がぶつかって怪我したニダ。ウリも粉砕骨折したニダ」
( ^ω^)「その割にはとても元気そうだお」
( `ハ´)「とても痛いアル。だから体で癒しを支払ってもらって誠意を見せてもらおうとしたアル」
( ^ω^)「体で…かお?」
<ヽ`∀´>「…余計なこと言ったら駄目ニダ」
( `ハ´)「スマンアル」
( ^ω^)「やっぱりお前らの方が悪いんじゃないかお」
ξ゚⊿゚)ξ「…ところで誰なのよアンタは」
( ^ω^)「ん?安心するお!悪い奴はブーンが成敗してくれるお!」
ξ;゚⊿゚)ξ「いや、そうじゃなくて…ブーン?」
言うや否や、自分のことをブーンと名乗る少年は、
少女を自分の後ろへと引き寄せ男二人の前に立ちはだかる。
ξ;゚⊿゚)ξ「キャッ」
( ^ω^)「さあ覚悟するお!女の子に悪さをする悪漢はブーンがやっつけてやるお!」
( `ハ´)「成敗?」
<ヽ`∀´>「やっつける?…ホルホルホルホル!」
( ^ω^)「…何笑ってるんだお」
<ヽ`∀´>「ホルホル…。これは笑わずにいられないニダ」
( `ハ´)「魔法使い二人を相手にどう戦うつもりアルか?ただのガキ二人で」
( ^ω^)「お?」
( ;^ω^)「…魔法使い?」
<ヽ`∀´>「…良いこと考えたニダ。二人ともウリの住処に連行して強制労働させるニダ。
こいつらの一生を持って謝罪と賠償をさせるニダ」
( `ハ´)「拉致アル。早速捕まえるアル」
二人は少年へと向きなおす。
( ;^ω^)「こうなったら…」
ξ゚⊿゚)ξ「…ちょっと」
( ^ω^)「ん?安心するお。ちょっと目を閉じててくれお」
ξ;゚⊿゚)ξ「だからそうじゃな…やっぱりもういいわ」
少年は、二人の男の眼前に両の手の平をつき出す。
( `ハ´)「アル?」
<ヽ`∀´>「ニダ?」
( ^ω^)「フラッシュ!」カッ
手の平から眩い閃光が放たれる。
ξ;゚⊿゚)ξ「…え?魔法使い…」
( ハ )「ギャアアアアアアアア!」
<ヽ ∀ >「ニダアアアアァァァ!」
( ^ω^)「さ、今のうちだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「う、うん」
少年は少女の手を取り、駆けだした。
「目がくらんだアル!」
「更に謝罪と賠償を請求するニダ!高くつくニダ!」
( ^ω^)「まだ何か言ってるお」タッタッタ…
ξ゚⊿゚)ξ「…」タッタッタ…
「……アル!」
「………ダ!」
段々と声は遠ざかり、大通りに出る頃にはもう聞こえなくなっていた。
―大通り―
ワイワイ
ガヤガヤ
( ^ω^)「ここならもう大丈夫だお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「怪我はないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…何で」
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「何で私を助けたの?」
( ^ω^)「何でって…」
ξ゚⊿゚)ξ「…因みに私も魔法使いよ。
助けてもらわなくても、油断してたあいつらなら簡単に倒せたわ」
( ;^ω^)「お…そうだったのかお。それは済まなかったお」
ξ゚⊿゚)ξ「謝る必要はないわよ。
とにかく、お礼は言っておくわ。…助けてくれてありがとう」
( ^ω^)「…どういたしましてだお!」
少年と少女は、二人連れだって混雑した通りを歩く。
( ^ω^)「そうすると、キミは一人で旅をしてるのかお?」テクテク
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、そうよ」テクテク
( ^ω^)「一人旅格好良いお!ブーンは連れと二人で旅してるお!」
ξ゚⊿゚)ξ「この街へは食糧を買いに寄っただけなんだけど、とんだ目に遭ったわ…」
( ^ω^)「この街に泊まらないのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「うん。大体いつもそうよ。食糧の買い出しが終わったらすぐに旅に出るわ」
( ^ω^)「そんなに急いでどこに向かってるんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…王都よ」
( ^ω^)「キミも王都に向かってるのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「キミも?」
( ^ω^)「実はブーンも王都に向かってる途中なんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「そう」
( ^ω^)「良かったら一緒に王都に行かないかお?
初めて乗ったんだけど、馬車の旅はなかなか快適なんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」ピタ…
( ^ω^)「一人旅も格好良いけど、旅はみんなでした方が…お?」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「急に立ち止まってどうしたお?」タッタッタ…
ブーンは少女へと駆け寄る。
ξ ⊿ )ξ「…一緒には行けないわ」
( ^ω^)「なんでだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「私と一緒に居たら、不幸になるからよ」
( ^ω^)「お…」
ξ゚⊿゚)ξ「最悪、死んでしまうかも知れないわ」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「だから、アンタとは一緒に旅はできない」
ξ゚⊿゚)ξ「ごめん…」
( ^ω^)「…そういえば、さっきの質問にまだ答えてなかったお」
ξ゚⊿゚)ξ「……質問?」
( ^ω^)「何でキミを助けたか、だお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「理由は簡単だお!」
ξ゚⊿゚)ξ「…どんな理由なの?」
( ^ω^)「キミが困ってる様に見えたからだお」
ξ゚⊿゚)ξ「困ってた…?」
( ^ω^)「困ってる人がいたら、助けずにはいられないんだお」
( ^ω^)「…何で一緒に旅をしたら不幸になるのかとか、
ブーンにはわからないけど」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「それは、一人で旅をしてることに何か関係があるんだお?困ってるんだお?
だけど、そんな理由で一人でいるなんて、それはきっと寂しいことなんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「そんな理由って…よく知りもしないくせに」
( ^ω^)「そうだお。だから、一緒に旅するお!みんなで旅するのはきっと楽しいお!
一緒に旅をして、何に困ってるのか、話したくなったときに話すお!
それにブーンは不幸なんかには絶対負けないんだお!ブーンがキミを助けるお!」
ξ゚⊿゚)ξ「…一人は寂しい、みんなと一緒にいれば楽しい。
困ってる人は放っておけない。
死にそうになるような不幸にも負けない」
( ^ω^)b「exactory!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ハァ…」
「ブーン、ここにいたのか」
二人の背後から男の声が聞こえた。
( ^ω^)「お?…プギャーかお」
( ^Д^)「一体どこに行ってたんだ…って」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^Д^)「ナンパか」
( ;^ω^)「ちげーお」
ξ゚⊿゚)ξ「…私を旅に誘ったくらいなんだから、ナンパと変わらないんじゃない?」
( ;^ω^)「ぐっは!」
m9(^Д^)「やっぱりナンパじゃねーか」
( ;^ω^)「…ところで何か用かお?」
( ^Д^)「っとそうだ。忘れるところだった」
とっさに話題を切り替えるブーン。
( ^Д^)「魔物退治の仕事だ。お前も来るだろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「魔物退治かお!もちろんだお!場所はどこだお?」
( ^Д^)「場所はこの街だ」
ξ゚⊿゚)ξ「!!」
( ^ω^)「お?この街、かお?」
( ^Д^)「そうだ。この街の兵士宛に確かな情報筋から連絡が来たらしい」
ξ゚⊿゚)ξ「…その情報、確かなの?」
( ^Д^)「お?ああ、そうだな。ちょうど手紙が来たところに居たんだが、
差出人をみたらかなり驚いてたからな」
( ^ω^)「何者なんだお?」
( ^Д^)「さあね。興味なかったから訊かなかった」
( ^ω^)「普通そんな場面に出くわしたら訊いてみたくなるもんだお。
…プギャーは本当にどうしようもないお」
ξ゚⊿゚)ξ「ホントね」
( ^Д^)「うっせ!」
( ^ω^)「で、魔物の詳しい所在を教えるお」
( ^Д^)「ああ、それがだな…」
ξ゚⊿゚)ξ「…街の中心部」
( ^ω^)「お?」
( ^Д^)「何で分かったんだ?嬢ちゃん」
ξ゚⊿゚)ξ「ただの勘よ…」
( ^Д^)「ふーん」
( ^ω^)「何で魔物が街の中心部にいるんだお?
兵士は門のところにいるから入れないはずだお」
( ^Д^)「ああ、それなんだが。…魔物はこれから突如大量に現れるらしいぞ」
( ^ω^)「…どういうことだお?」
( ^Д^)「さあな。だが、確かな情報だっつーことで俺まで手伝わされるんだ。
街中に大量の魔物が現れるっていうのは意味不明だが、よっぽど信用おけるんだろ」
ξ゚⊿゚)ξ「…そろそろ街の中心部に移動した方がいいんじゃない?」
( ^Д^)「そうだな。んじゃ行くぞ、ブーン」
( ^ω^)「はあく!キミも一緒に来るお!」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
( ^Д^)「ナンパは後にしろよ」
( ^ω^)「今じゃなきゃ駄目なんだお!
じゃないと、キミは一人で先に行ってしまうような気がするお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^Д^)「ってか魔物が出るところに一般人連れて行くわけにはいかないだろ」
( ^ω^)「大丈夫だお。この子は魔法使いらしいお」
( ^Д^)「…マジか?」
ξ゚⊿゚)ξ「…ええ」
( ^ω^)「一緒に王都に行かないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^Д^)「お荷物にならないんなら俺は構わないぞ」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^Д^)「…まだか」
( ^ω^)「…静かにするお」
( ^Д^)「悪い」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ξ゚⊿゚)ξ=3「…ハァ。わかったわ、一緒に行く。これでいいでしょ?」
( ^ω^)「お!」
( ^Д^)「やったなブーン。ナンパ成功だ」
( ^Д^)「よし、道連れも増えたことだしさっさと中心部へ行くぞ。
…と、その前に。この子の名前は何て言うんだ?」
( ^ω^)「…そう言えばまだ訊いてなかったお」
( ^Д^)「名前も聞かずにナンパしてたのかよ、バカス」
ξ゚⊿゚)ξ「…私はツンよ」
( ^Д^)「ツンだな、把握した。俺はプギャー。ブーン共々よろしく頼むわ」
( ^ω^)「ブーンだお。よろしくだお、ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、こちらこそよろしく」
( ^Д^)「んで早速で悪いんだが、魔物退治にちょっくら付き合ってもらうからな」
( ^ω^)「ツンはブーンが守るから安心するお」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫よ、これでも私は魔法使いなんだから」
( ^ω^)「でも、いざと言うときは任せるお!じゃあ行くお!」タッタッタ…
m9(^Д^)9m「プギャップギャにしてやんよ!」タッタッタ…
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ξ゚⊿゚)ξ「…うん、これはきっと良い機会なんだわ」
ξ゚⊿゚)ξ「結局アレは失敗に終わっちゃったし、やっぱり自分で何とかしないと…」
ξ゚⊿゚)ξ「それに、今の情報…どうやって?」
ξ゚⊿゚)ξ「わかんない…。…行こう」
タッタッタ…
―教会前広場―
( ^Д^)「プギャーだ、支援に来た」
隊長「ありがとうございます。…そちらの二人は?」
( ^Д^)「そっちの男はブーン、さっき話してたやつだ」
( ^ω^)「よろしくお願いしますお」
( ^Д^)「で、そっちの女がツン。こちらも魔法使いだ」
ξ゚⊿゚)ξ「よろしく」
隊長「はい、よろしくお願いします。プギャーさん達は人数が少ないので、
魔法で各隊の援護に回ってください。トドメを刺しきれなかったものの退治も併せてお願いします」
( ^Д^)「りょーかい」
隊長「魔物はいつ出現するかわからないので、警戒は怠らないようにしてください」
( ^Д^)「つーワケで、今回は終始援護に回る」
( ^ω^)「今回はそこまで危なくないおね」
( ^Д^)「まあ最前線は普通その街の兵士に任せるものだからな」
ξ゚⊿゚)ξ「要は後ろから魔法で魔物をやっつければいいのね」
( ^Д^)「そゆこと。ただ、深追いだけはするな。他にも援護する隊がいるはずだ。
そいつらに任せておけ。倒せるやつだけキッチリ倒す。
魔法の味方への誤射なんてとんでもないからな」
( ^ω^)「はあくだお!」
( ^Д^)「まあ誤射なんて言ったけど、深追いなんかして怪我をしたり死んだりっていう
のを避けるためでもあるからな。身の安全が第一だ、気を付けろよ?」
ξ゚⊿゚)ξ「わかったわ」
( ^ω^)「ところで、ツンは何の魔法が使えるんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「私は火の魔法が使えるわ」
( ^Д^)「火か、ここが煉瓦造りで助かったな」
( ^ω^)「ブーンは風の魔法使いだお!」
( ^Д^)「俺は重力と風の2種類だ」
ξ゚⊿゚)ξ「重力か。珍しいわね」
( ^Д^)「だろ?扱いは難しいんだが、なかなか便利だぜ」
ξ゚⊿゚)ξ「…あれ?」
( ^ω^)「どうしたお?」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタ、さっきは路地裏で風の魔法使ってなかったじゃない」
( ^Д^)「なんだ?お前あの魔法使ったの?」
( ;^ω^)「必要に駆られてだお」
ξ゚⊿゚)ξ「あれはどうみても風の魔法じゃないわ」
( ^ω^)「…あれは光の魔法なんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「なるほどね」
( ^ω^)「だけど、まだ閃光を放つくらいしかできないんだお」
( ^Д^)「光の魔法ってイメージが難しいらしくてな。
光でどうやって攻撃するんだ、だっけか?」
( ^ω^)「そうそう。無理言うなって感じだお。
大した魔法も扱えないから、光の魔法使いは名乗ってないんだお」
( ^Д^)「一般人が扱えるか扱えない程度の魔法じゃあな」
ξ゚⊿゚)ξ「ふーん」
隊長「全然警戒してない…大丈夫かな…」
兵士「…ん?あれは…」
兵士「陣…?」
突如、広場の中心部分に巨大な魔方陣が出現する。
( ^Д^)「なんだありゃ?あそこから出てくるのかね」
( ^ω^)「一応警戒しておくお」
ξ゚⊿゚)ξ「(こんなに大きい陣は…)」
陣を形作る線が淡く光ったかと思うと、魔物の群れが次々と飛び出してきた。
( ^Д^)「来たな。行くぞ、戦闘開始だ」
( ^ω^)「頑張るお!」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^Д^)「グラビティ!」ゴッ
プギャーの重力の魔法に足を取られた魔物が体勢を崩す。
そこに他の隊が魔法を放ち、魔物が次々と倒されていく。
( ^Д^)「ちょろいな」ゴッ
ξ゚⊿゚)ξ「ファイア!」ボウ!
( ^ω^)「ストーム!」ゴッ
ツンが火を放ち、ブーンが合わせて追い風を作り出し後押しをしたそれは、
広範囲の魔物を焼き払う。
ξ゚⊿゚)ξ「…なかなかね」
( ^ω^)「ツンが火の魔法使いと聞いてさっき思いついたんだお」
( ^Д^)「以外と相性いいかもな、お前ら」ゴッ
( ^ω^)「だお」
ξ*゚⊿゚)ξ「なっ!」
プギャーは茶々を入れつつも、
手を休めることなく重力場を魔物の足下に発生させて、足を取らせる。
…
……
………
( ^Д^)「こんなもんかね」
およそ十数分の攻防。しかし倒された魔物の数は膨大。
( ^Д^)「怪我はないか?
( ;^ω^)「大丈夫だお。とんでもない数だったお…」
( ^Д^)「だな。後始末が大変だわ、これは」
ξ゚⊿゚)ξ「…まだ」
( ^Д^)「ん?どういうことだ」
魔方陣が再度光り出す。
しかし先ほどの淡い光と比べ、今回のそれはとても強く、紅く輝いていた。
( ^Д^)「ちっ、まだ出てくるのかよ」
( ^ω^)「…何か、さっきと雰囲気が違うお」
( ^Д^)「ああ。ま、出てきたヤツを叩きのめせば良いだけだ」
紅く輝き続ける魔方陣の中から、巨大な手の形をした炎が出てくる。
( ^ω^)「…ありゃなんだお」
( ^Д^)「火で出来てる…右手か?随分でけぇな」
続いて腕、頭部、左腕、胴体と、次第にその姿を現してくる。
( ゚ω゚)「な」
( ω ) ゚ ゚「なんじゃこりゃあああああああああああああ!」
出てきた人型の炎は、優に10メートルを超えていた。
( ;^Д^)「とんでもねーもんが出てきたな…」
( ;^ω^)「あんなの倒せるのかお!?」
( ^Д^)「ばっか、倒せる倒せないじゃねーんだ。倒すんだよ。
ここは街中だ。俺らがコイツを倒さなかったらどうなる」
( ^ω^)「お…そうだったお」
先ほどのブーンの叫び声に反応したのか、人型の炎はこちらを見やる。
( ;^ω^)「熱がここまで来るお」
( ^Д^)「…来るぞ」
炎人「…」スッ
炎人が腕を前方に差し出すと、広範囲を炎が襲ってきた。
ボオオォッ!
( ;^Д^)「!!ストーム!」ゴオォォ!
向かってくる炎を突風でとっさに上空へずらす。
( ;゚ω゚)「し、死ぬかと思ったお…」
( ^Д^)「水だ!水の魔法使いは前に!」
プギャーの呼びかけに、10人ほどの魔法使いが応じる。
( ^Д^)「ヤツを水の魔法で倒すんだ!
他の魔法使いは、水の魔法使いの援護だ!防御壁の展開!」
水魔法使い「アクアリップ!」ヒュ!
炎人「…」ジュウゥ…
炎人の右手が、水で火の勢いを弱める。
水魔法使い「どうだ!」
炎人「…」ゴオゥ!
が、すぐにその勢いを取り戻す。
水魔法使い「何…!?」
( ^Д^)「チッ。…おい、一人一人バラバラに攻撃しても無駄だ!
全員で一斉に畳み掛けろ!」
水魔法使い「…」
水魔法使い「…あんた」
( ^Д^)「ん?どうした?」
水魔法使い「さっきから指示出してるけど、一体どこの誰なんだよ?
どうせ、たかが雇われ傭兵風情なんだろ?」
(#^Д^)「んなっ…!そんなこと言ってる場合か!さっさと動けよ!」
炎人「…」ボボオオオ!
炎人が炎の息を吹きかける。
( ^Д^)「くそ!」ゴオオオ!
( ;^ω^)「おっおっ!」ゴオ!
水魔法使い「隊長はどこに行ったんだよ」
( ^Д^)「一般人の避難誘導にさっき向かわせたよ」
水魔法使い「…は?」
( ^Д^)「おい、ブーン、ツン。お前らもここから避難しろ」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ;^ω^)「お?…ブーンも残って戦うお!」
( ^Д^)「ばっか。もう一般人が出る幕じゃねーんだよ。
さっさとツンを連れて逃げろ。ここはかなり危険だ」
( ^ω^)「…僕はみんなのためにも逃げるわけにはいかないお」
( ^Д^)「ここに残って何ができるんだよ。…ならこう言おう。
…ツンを守れ」
( ^ω^)「!!」
( ^ω^)「…わかったお」
( ^Д^)「よし。んじゃさっさと済ませるわ。また後でな」
( ^ω^)「把握だお!…ツン、行くお」スッ
ξ゚⊿゚)ξ「…うん」ギュッ
タッタッタ…
( ^Д^)「とは言ったものの、これどうすっかな…」
炎人「…」ボボボボボッ
( ^Д^)「(水の魔法使い達はさっきから自分勝手に魔法を撃ってばっかり。
そんなに自分の魔法に自信があるなら、一撃で倒して見せろっつーの)」
炎人「…」ボボウッ
水魔法使い2「くそ!」
( ^Д^)「仕方ねーな。…おい、てめーら!」
水魔法使い「あ?」
( ^Д^)「良く聞け馬鹿野郎共!
俺様は!かの王室直属の親衛隊員!プギャー様だ!」
水魔法使い「何!?」
( ^Д^)「ここの指揮権も一時的に委譲してもらった!
てめーらの隊長は今は俺だ!」
水魔法使い2「ハッ。どうせただのハッタリだろ!?」
兵士「いえ」
水魔法使い「ん?」
兵士「彼は本当に、本物の親衛隊員のプギャーさんですよ」
水魔法使い2「何だと…?」
水魔法使い「ってお前はさっきまでどこに行ってたんだよ」
兵士「隊長と先ほどまで一般人の避難誘導を。
隊長は各地域の状況報告を受けているところです」
水魔法使い「…じゃあ」
( ^Д^)「わかったか。わかったらキリキリ動け」
先ほどまでバラバラだった攻撃を、一つにまとめる為に指示を出す。
( ^Д^)「ったく。ちゃんと伝言くらいしていけよ、あの隊長。
てか俺の采配ミスか?でも避難させるなんて柄じゃねーしな」
兵士「配置完了しました」
( ^Д^)「よし、各自最大出力の水魔法の準備だ!」
兵士「ハッ」
炎人「…」ボゴゴゴッ!
( ^Д^)「うまくいくかね…ストーム!」
兵士達に迫り来る巨大な炎弾の軌道を突風でずらす。
( ^Д^)「うまくいかなかったらお終いだな」
―大通り―
タッタッタ…
( ;^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ほとんどの住民は避難済みなのか、大通りに人影は見あたらなかった。
閑散とした通りを二人は走る。
ξ゚⊿゚)ξ「…待って」ピタ
( ;^ω^)「お?どうしたんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…ブーンはさっきの炎の魔物、倒せると思う?」
( ^ω^)「当然だお!プギャーが負けるわけがないお!」
ξ゚⊿゚)ξ「随分と彼を信頼してるのね。
だけど、さっきの水の魔法使い達の魔法を見た?」
( ^ω^)「見たお!炎の一部を消してたお!」
ξ゚⊿゚)ξ「あんな威力じゃ倒せっこないわ。
力を合わせても、なんとか半身を消せるかどうかって言ったところね」
( ;^ω^)「お…で、でも連続で放てば…」
ξ゚⊿゚)ξ「あいつの再生力、見た?
強い魔法を放つには、とんでもない集中力とイメージが必要なのよ?
あいつが再生する前に、そんなの連続で放てないわ」
( ;^ω^)「そういえばそうだったお。…そしたら倒せないじゃないかお」
ξ゚⊿゚)ξ「私も駄目そうな気がするわ…」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「と言うわけで戻るわよ、ブーン」
( ;^ω^)「お?で、でも戻るのは危険だお!
ブーンはツンを守らなきゃいけないのに、危険な目には遭わせられないお!」
ξ゚⊿゚)ξ「…もう逃げるのは止めにするの。これは私の責任だから…。
ブーンが私を守るって言ってくれたように、私がみんなを守るの」
( ^ω^)「お…」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「…わかったお」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!」
( ^ω^)「大丈夫だお。何があっても、僕はツンを守るお」
ξ゚⊿゚)ξ「…ありがとう!」
( ^ω^)「でも、何の策も無しに戻るのも…」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫よ。私が何とかする。私なら、できる」
―教会前広場―
( ^Д^)「…これは本格的にヤバイかもな」
炎人「…」ムクッ
前方には、ちょうど起き上がろうとする炎人。
( ^Д^)「体の半分は消せたけど…なんちゅー再生力」
場に漂う空気は絶望感に包まれていた。
( ^Д^)「分かってはいたんだけどなぁ。何か良い策は…」
「プギャー!」9m
( ^Д^)「誰だよ、俺をプギャーするのは…って」
( ^ω^)「おっす」
( ^Д^)「何戻ってきてるんだよ、バカタレ!」
ξ゚⊿゚)ξ「おっす」
( ^Д^)「ツンもかよ!」
( ^Д^)「…で、何しに戻ってきた?」
( ^ω^)「みんなを助けに来たお!」
( ^Д^)「ま、言うことの察しくらいはついてたけど。何か策でもあるんだろうな」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ。私の魔法でヤツの体の半分を消します」
( ^Д^)「消すって…お前は火の魔法使いだろ?
火の魔法使いは火を消す魔法でも使えるのか?聞いたこともねーぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「火を消す魔法と言えば、火を消す魔法とも言えますね」
( ^Д^)「ワケワカラン。とりあえず、だ。残りの半分は俺らで消せってこったな?」
ξ゚⊿゚)ξ「話が早くて助かるわ」
( ^Д^)「兵士」
兵士「ハッ」
( ^Д^)「再度、一斉に水魔法を仕掛けるぞ」
兵士「ハッ。…しかし、先ほどの攻撃で魔法使い達の士気が」
( ^Д^)「秘策ができた。次の攻撃で全てを終わらせる、と伝えておけ」
兵士「ハッ。…聞け!皆…」
兵士は、魔法使い達に指示を与える。
( ^Д^)「次がラストチャンスだ。…期待しても良いんだな?」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、もちろん」
( ^ω^)「…大丈夫かお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…ええ」
( ^ω^)「ブーンが一緒にいるお。心配いらないお」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
深呼吸を行う。心を落ち着かせる。
ξ-⊿-)ξ「…」
イメージをする。色は水色。形は複雑な模様を描いた円。
ξ゚⊿゚)ξ「…来たれ」
( ^ω^)「…」
前方の地面に、魔方陣が浮かび上がる。
ξ゚⊿゚)ξ「…ウンディーネ!」
魔方陣は水色に強く輝きだした。
楽しいねえブーン系は
しかし、ドっくんどこいったww
魔法使い「なんだ…?あれは?」
( ^Д^)「これは…」
魔方陣から出てきたのは、女性の姿を象った水だった。
水精霊「…久しぶりですね」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、久しぶり」
( ^ω^)「なんだお、この人」
水精霊「私はウンディーネ。以後、お見知りおきください」
( ^ω^)「質問の答えになってない気がするお…。でも、よろしくだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「悪いけど、のんびり自己紹介している場合じゃないの」
水精霊「…あの魔物ですね」
ξ゚⊿゚)ξ「あいつを倒す為に、あなたの力を貸して頂戴」
水精霊「もちろんです」
炎人「…」
炎人は己と似通った異質な気配を感じたのか、こちらへと向きをかえる。
狙いをウンディーネへと定め、火炎を吐きかけた。
炎人「…」ゴオォォォォ!
水精霊「…」スッ
ドドオォォォン!
地面より水の柱が立ち上り、火炎の行く手を阻む。
更に周囲の魔法使い達を水の膜で保護する。
( ^ω^)「お!さっきまでの熱が嘘の様だお」
炎人「…」ブォン!
炎人が巨大な腕を振るう。
ジュゥゥゥゥゥ!
水魔法使い「うおお!」
水魔法使い2「…この水の膜のお陰で命拾いしたな」
水魔法使い「…全くだ。だが、これで集中してイメージができる」
水魔法使い2「ああ。しかも心なしか、いつもよりイメージがしやすくなってる気がするんだが」
水魔法使い「お前もか?…あの女。あいつは一体何者なんだ…?」
水精霊「幸いにも、この場所は水にも恵まれている様です。
こちらの世界でこれだけの力を扱えるのは久しぶりですね」
ξ゚⊿゚)ξ「え?そうなの?」
( ^ω^)「ここは湖上の街だから、水ならいっぱいあるお。水路が張り巡らされていたお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「…気がつかなかったわ」
( ;^ω^)「…」
水精霊「逆に水がない環境では、少々厳しかったでしょうね」
( ^ω^)「あいつを倒せるかお?」
水精霊「地の利は完璧にこちらにあります。問題ないでしょう」
水精霊「倒さないことにはこちらも困りますからね」
( ^ω^)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「水の魔法使いが何人かいるんだけど、協力は要るかしら?」
水精霊「環境が整ってますからね。特には必要ないでしょう」
( ^Д^)「まあそう言わずに頼むぜ。協力受けてやってくれよ」
ξ゚⊿゚)ξ「?なんでよ?」
( ^Д^)「あいつらにもプライドってもんがあってだな。
よそ者に良いところ持って行かれちゃ立つ瀬がないんだよ」
水精霊「そういうことでしたら、先に攻撃してもらいましょう」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなに気を遣うことかしら?」
( ^Д^)「色々問題があるんだよ。その後の統治にも影響があるからな」
ξ゚⊿゚)ξ「良くわかんないけど面倒そうね…」
兵士「準備完了しました!」
( ^Д^)「よし。じゃあそろそろあいつを叩くとするぞ。
ウンディーネとやら、準備はいいか?」
水精霊「ええ、万端整っております」
( ^Д^)「んじゃ早速いくぜ」
プギャーは手で軽く合図を送る。
兵士「ハッ!かかれ!」
炎人の上空に水塊が集まり、半身を飲み込むくらいの大きさとなる。
複数人のイメージが重なった魔法は制御をなくし、やがて自然と落下する。
ザザザー…
( ^ω^)「お!すごいお!上半身が消えたお!」
( ^Д^)「まあこんなもんだろ」
( ^Д^)「よし!ツン、行け!」
ξ゚⊿゚)ξ「ウンディーネ!」
水精霊「…カルナシオン!」
キン…ドドドドドド!
炎人「!」
一条の細い水の柱が天空へと伸び炎人を貫いた刹那、水の奔流がその体を飲み込んだ。
( ;^ω^)「…すごすぎだお。さっきの魔法が地味すぎる位だお」
( ;^Д^)「確かに協力なんていらねぇな、これじゃ」
水精霊「普段は水を生み出す作業が必要なのですが、
今回は周囲に水があったため、操作することに集中できました」
( ^Д^)「なるほどね。それにしてもあいつ、炎そのものだったみたいだな。何にも残ってねーわ」
( ^ω^)「火に意志があるなんて不思議な魔物だったお」
水精霊「それでは、これで今回の私の役目は終わりですね」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ。…ありがと、助かったわ」
水精霊「…また困ったことが出来たときは、是非喚んでください」
ξ゚⊿゚)ξ「うん…。またね」
ウンディーネの体は水色の光とともに、その姿を霞ませて消えていった。
( ^Д^)「お」
( ^ω^)「消えたお…。今の人はなんだったんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…私が喚びだした異世界の住人よ」
( ^ω^)「異世界?」
( ^Д^)「召喚魔法か」
ξ゚⊿゚)ξ「…知ってたのね」
( ^Д^)「ま、なんとなく想像はつくわな」
( ^Д^)「だけど、さっき聞いたときは何で召喚魔法のこと黙ってたんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「それは…」
水魔法使い「…おい」
( ^ω^)「どうかしたかお?」
水魔法使い「さっきはお前らのお陰で助かった」
水魔法使い2「…と、本来なら礼を言いたいところなんだが」
水魔法使い「お前は召喚師だな?」
ξ゚⊿゚)ξ「…そうよ」
水魔法使い「やはりな…初めて見たぜ」
( ^Д^)「だからどうした」
水魔法使い2「何、さっきお前が作った魔方陣なんだがな」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
水魔法使い2「あの魔物が出てきた魔方陣と似てないかってことを言いたかったんだよ」
( ^ω^)「!!!」
( ^Д^)「…何が言いたい?さっさと言えよ」
水魔法使い「あの大量の魔物はそこの女が召喚したんじゃないかってことだよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
水魔法使い2「どうした?図星で声も出ないってか?」
( ^ω^)「…証拠はあるのかお?」
水魔法使い「あの魔方陣が何よりの証拠だろうが」
( ^Д^)「…確かに似ていたが、お前らにあれが同一のものだったか、
なんてことは判断できるのか?」
水魔法使い「!!それは…」
( ^Д^)「恐らく、あの模様には何かしらの意味があるもんなんだろう」
( ^ω^)「そうなのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…そうよ。模様が持つ具体的な意味までは分からないけど。
こんな事言っても言い訳程度にしか聞こえないでしょうね」
水魔法使い「そうだ!あの魔方陣は、結局はお前の想像でしかないんだ!何とでも言える!」
( ^Д^)「言わせてけば…」
ξ゚⊿゚)ξ「…言い訳程度にもう一つ言っておくわ。
召喚魔法は、一つの魔方陣から一体しか召喚できないわ」
水魔法使い2「何…」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、これも嘘か本当か証明する手立てなんてないんだけどね。
小娘の戯言程度に思っておけばいいわ」
水魔法使い「…フン」
ξ゚⊿゚)ξ「…いきましょ、ブーン、プギャー」
( ^ω^)「おっおっ!」
テクテク…
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「…プギャー」
( ^Д^)「何だ?」
( ^ω^)「さっさとこの街から出ることにするお」
( ^Д^)「奇遇だな。俺も今日のうちにこの街を出ようと考えてたんだ」
( ^ω^)「お!奇遇だおね!そうと決まれば早速準備にいくお!」
ξ゚⊿゚)ξ「…あんた達」
( ^ω^)「お?」
( ^Д^)「どうした?腹でも痛いのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「さっきあたしが言ったこと、本当に信じてるの?」
( ^Д^)「何をおっしゃるかと思えば」
( ^ω^)「確かに、さっき言ったことが全て本当かどうかなんて、僕らには判断はつかないお」
ξ゚⊿゚)ξ「なら…!」
( ^ω^)「だけど、僕らはこれから一緒に旅をする仲間だお!仲間を信じないでどうするお?」
ξ゚⊿゚)ξ「!」
( ^Д^)「そういうこと。そもそも、街を壊滅させようとするならお前があの時戻ってきた意味がわからん」
ξ゚⊿゚)ξ「…例えば、名声を得るためにこの街を利用したとか」
( ^Д^)「おっと。それは思いつかなかったな。だが、その線も可能性は薄いな」
ξ゚⊿゚)ξ「…なんでよ」
( ^Д^)「お前、今までの街は少し寄っただけで、すぐに旅に出てたろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「!」
( ^Д^)「やっぱりな、図星か」
( ^ω^)「どういうことだお?」
( ^Д^)「例の情報だよ。それには魔物と、ツンに似た外見の少女との関連性も示唆されていた」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^Д^)「その情報によれば、ツンが寄った街には、どの街にも魔物が出現していた。
しかし、街に寄ってもすぐ旅に出ていたらしい」
( ^ω^)「…」
( ^Д^)「名声目当てであるとするなら、なぜ魔物を退治していかない?
なぜ、この街だけ留まった?」
ξ゚⊿゚)ξ「…何者よ、その情報提供者は」
( ^Д^)「さるお方の情報、とだけ言っておこう」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「…さっきから聞いてると、まるでツンのことを疑ってる様な口ぶりだお。
プギャーはツンのことを信じてるんじゃなかったのかお?」
( ^Д^)「おっと、すまん。俺が言いたかったのはだな、お前が今まで街に留まらなかったのは、
さっきの魔物達が原因なんじゃないのかっつーことなんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「全く…鋭いわね」
( ^ω^)「じゃあもしかして、一緒にいると不幸になる、死ぬかも知れないっていうのは…」
ξ゚⊿゚)ξ「…その通りよ」
ξ゚⊿゚)ξ「私が行く先々の街には魔物が出るの」
( ^ω^)「何でツンの行く先には魔物が出るんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「わからない。それが分かってればとっくにどうにかしてるわ」
( ^Д^)「だよな。んで、結局魔物が出ることに変わりはないのに
何で今まで寄った街はスルーしてたんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「魔物の量と規模に関係するから…。
私が長くその街に滞在すると、さっきの様な強力な魔物が出るとわかったからよ」
( ^ω^)「なるほどだお」
ξ゚⊿゚)ξ「だから今までの街はすぐに出発した。
弱い魔物であれば小さな町の兵士でもどうにかできるけど…」
( ^Д^)「さっきみたいなやつだとそうは行かないか」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ…」
ξ゚⊿゚)ξ「…なかなか割り切れないモノよ。
何度命を絶とうと思ったか」
( ^ω^)「!!…そんなこと言うもんじゃないお」
ξ゚⊿゚)ξ「でも私が死ぬことで、魔物による被害がなくなるのよ?」
( ;^ω^)「それは…!」
ξ゚⊿゚)ξ「私だって生きたい。だから、最後に一つの可能性に賭けることにしたの」
( ^Д^)「王立士官学校か」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよ。そこでなら、何か理由がわかるかもしれない」
( ^ω^)「…ツンも王立士官学校に行くのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「も…ってことは、あんたも?」
( ^ω^)「そうだお!…うん、そしたらブーンも一緒に学校で原因を探すお!」
ξ;゚⊿゚)ξ「それはありがたいんだけど…。でも、旅は一人でするわ」
( ^Д^)「そりゃ駄目だ」
ξ;゚⊿゚)ξ「な…なんでよ!?」
( ^Д^)「被害が出ると分かってて、お前を一人にできるかよ」
ξ゚⊿゚)ξ「一緒にいたら魔物と戦うことになる。死ぬかも知れないのよ?」
( ^Д^)「俺は王を、民を守る親衛隊員だぜ?魔物と戦うのは当然のことなんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンだって…!」
( ^ω^)「ブーンもだお。この国に住む人たちを守りたいから魔物と戦うお。
それが、学校に行って兵士になる前か後かの違いだお」
ξ*゚⊿゚)ξ「…もう知らない!…勝手にすれば?」
( ^ω^)「おっおっ!それじゃあ、改めてこれからよろしくだお!」
( ^Д^)「よろしくな~」
ξ゚⊿゚)ξ「フンだ…」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ξ゚ー゚)ξ「…ありがとう」
―湖上の街・門―
ミ,,゚Д゚彡「やっと着いたな」
('A`)「これ、本当に湖の上に街があんの?」
川 ゚ -゚)「ああ。岸壁に寄り添うように建物が建っているが、全ての建物は湖の上にあるんだ」
('A`)「一見すると普通の街だな-」
_
( ゚∀゚)「さて、フサギコと俺は街の詰め所に行くけどお前らはどうする?」
川 ゚ -゚)「そんなに時間の掛かるものでもないだろうし、私たちも付いて行かないか?」
('A`)「そうだな。やっぱり気になるし」
ミ,,゚Д゚彡「決まりだな。では行くぞ」
―湖上の街・詰め所―
ガチャ ギィ…
ミ,,゚Д゚彡「誰かいるか?」
兵士「はい、どなたでしょうか?」
_
( ゚∀゚)「伝令を飛ばしたフサギコとジョルジュと言えばわかるか?」
兵士「ハッ!これは失礼を…」
ミ,,゚Д゚彡「構わんよ。早速だが報告を頼む」
兵士「かしこまりました。そちらの方々は…?」
_
( ゚∀゚)「こいつらも関係者だ。気にしなくていいぜ」
兵士「そうでしたか。それでは…」
兵士「ご連絡いただいた通り、4日前にこの街は魔物の大群に襲われました」
川 ゚ -゚)「これは予想通りだな」
兵士「ですが、ご連絡いただいた内容と一点だけ違うことが起こりました」
('A`)「?」
_
( ゚∀゚)「何が起こったんだ?」
兵士「大量の魔物を討伐した後、巨大な炎の魔物が出現しました」
ミ,,゚Д゚彡「なんだと…?」
兵士「しかし、とある方達の協力により、これを撃破することができました」
川 ゚ -゚)「…被害は?」
兵士「奇跡と言っても差し支えないでしょう。広場に魔法による大きな穴が空いたくらいですね」
_
( ゚∀゚)「とある方達っつーのは?」
兵士「親衛隊員のプギャー様とそのお連れ様方です」
ミ,,゚Д゚彡「プギャーもこの街を訪れていたのか。それで、その連れの詳細は分かるか?」
兵士「もちろんです。お一人が、王立士官学校入学予定者のブーンさん」
('A`)「ブーン…ね」
兵士「もう一人が…」
ミ,,゚Д゚彡「…どうした?」
兵士「いえ、それがですね…お伝えいただいた情報の、
例の金髪の召喚師の少女でした」
川 ゚ -゚)「なに…?」
_
( ゚∀゚)「プギャーと召喚師が一緒に居た?」
兵士「ほぼその少女の手柄と言って良いでしょう。我々は手も足も出なかったのに、
その少女が召喚魔法の圧倒的な力でもって魔物を倒しました」
ミ,,゚Д゚彡「ではその少女が魔物を呼び寄せていたわけではないのか?」
兵士「100%とは言えませんが…。
やはり兵士の中には、彼女が魔物を喚びだしたと考えている者がいるようです」
('A`)「…何か、その考えに到るような出来事でもあったんですか?」
兵士「はい。大量の魔物と炎の魔物は魔方陣から出てきたんです。
そして少女が召喚魔法を行った際、似たような魔方陣が出てきたので」
ミ,,゚Д゚彡「…また分からなくなってきたな。少女の仕業だと決めつけるのは早計だな」
川 ゚ -゚)「魔物を喚んだとするならば、何故自身も残って戦ったのか…」
兵士「以上で報告は終了です。それと、プギャー様からフサギコ様宛に手紙を預かっています」スッ
_
( ゚∀゚)「あいつから手紙?気になるな」
ミ,,゚Д゚彡「済まんな。これは宿に行ってから確認させてもらうとしよう」
兵士「いえ、長旅お疲れ様です!それでは!」
―宿屋・フサギコ達の部屋―
ミ,,゚Д゚彡「…フム」
_
( ゚∀゚)「何て書いてあるんだ?」
ミ,,゚Д゚彡「どうやらプギャーと召喚師は一緒に行動をすることになったらしい」
川 ゚ -゚)「どういう事でしょうか?」
ミ,,゚Д゚彡「プギャーは、例の魔物は少女の仕業ではないと考えているみたいだな」
('A`)「じゃあ何で今まで、その少女が訪れる街に魔物が現れてたんだろう」
ミ,,゚Д゚彡「それについては、詳しくは王都で…とあるな」
_
( ゚∀゚)「何だよ気になるじゃねーかあの野郎め!」
ミ,,゚Д゚彡「それと、これから出現する魔物についてはこちらに任せて欲しい、と」
川 ゚ -゚)「もう街に湧く魔物達に躍起にならなくて良くなるのか」
('A`)「これまで通り旅を続けるだけだけどな」
_
( ゚∀゚)「ま、これで憂いもなくなったことだし訓練にも集中できるな!」
('A`)「ところで、そのプギャーって人はどんな人なんだ?」
_
( ゚∀゚)「ん?あー…そうだな」
川 ゚ -゚)「…」
_
m9(゚∀゚)「プギャー!」
('A`;)「…え?」
_
( ゚∀゚)「こんな感じのやつだ」
('A`;)「意味が分からないんだけど!」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、まさしくそんなヤツだな」
('A`;)「フサギコさんまで!?」
ワーワー!
ギャーギャー!
川 ゚ -゚)「(…変わらないな)」
早くドッくん、ブーン、クー、ツーの絡みが読みたいな。
か、絡みって言ってもいやらしい意味じゃ無いんだからね!
そういえば主人公はドクオだったね
学校で強くなって活躍するドクオに期待
夜―宿屋・ドクオ達の部屋―
('A`)「ところでさ、すごい今更なんだけど訊きたいことがある」
川 ゚ -゚)「ふむ、言ってみてくれ」
('A`)「王立士官学校の入学金とか学費ってどうするんだ?俺無一文なんだけど」
川 ゚ -゚)「入学金?」
('A`)「あー…要は入学にあたっての手数料金とかそんな感じ。
学費は施設の維持とか教員の給料に充てられたりする金だな」
川 ゚ -゚)「いや、そういった類の金は全く必要ない」
('A`)「マジか、安心した。これ以上クー達の世話になるわけにもいかないしな」
川 ゚ -゚)「金銭は心配しなくても良いと言ったろう?」
('A`)「いや、流石に申し訳ないだろ…」
川 ゚ -゚)「むぅ…そんなドクオに朗報だ」
('A`)「お、何だ?」
川 ゚ -゚)「在学中は僅かではあるが給与が支給される」
('A`)「おお!職業訓練校みたいなもんか」
川 ゚ -゚)「衣食住全て王国から提供される」
('A`)「至れり尽くせりだな」
川 ゚ -゚)「まあ才能を持つ一部の人間だけなんだが」
('A`)「才能?」
川 ゚ -゚)「ああ。全ての民が魔法に目覚めるわけではない。
また目覚めても、力をちゃんと引き出せるわけではない」
('A`)「例えばどんな?」
川 ゚ -゚)「相手を攻撃する威力に到らなかったりだな。
氷の魔法であれば…この程度の氷しか出せなかったり」ピキ…
クーは手の平に直径2センチ程度の氷を作って見せた。
川 ゚ -゚)「こんなのは訓練次第でどうにでもなるのは確かだが、このご時世だ。
なるべく短い期間で即戦力となる人材が必要なんだよ」
('A`)「ふーん。一から育てる余裕は流石にないか」
川 ゚ -゚)「魔法に目覚めている人は結構多いからな。
それらの人全てを育成する余力は、残念ながら今の王国にはないんだ」
('A`)「じゃあ、魔法について学べるところは王都にしかないのか?」
川 ゚ -゚)「街や村単位で魔法を教えていたりはしている。
なかでも優秀な人物が、王都の王立士官学校に送り出されることになっている」
('A`)「優秀かぁ。俺なんかが入ってしまっていいのかね」
川 ゚ -゚)「魔法としてはかなり特殊だが問題ないだろう」
('A`)「そうか?戦い方はただの兵士と一緒だぞ。魔法と呼んでも良いのか怪しいくらいだ」
川 ゚ -゚)「まあ、魔法の種類なんて様々さ。戦闘訓練もあるんだ、一番実用的かもしれない。
…もっとも、フサギコ殿達の訓練を受けている方が良いのかも知れないが」
('A`)「強くなってる実感はまだ無いんだけどな」
川 ゚ -゚)「それと、王立士官学校では年に一度、一大イベントがある」
('A`)「ほうほう。どんな?」
川 ゚ -゚)「武術大会だよ。在学者から参加者を募って、トーナメント方式で戦い抜くんだ」
('A`)「ほー」
川 ゚ -゚)「これは王族も観に来る大会でな、親衛隊入隊の登竜門とも言われている」
('A`)「ほほーん」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「ん?どした?」
川 ゚ -゚)「いや…さっきから気のない返事ばかりだが、興味なかったか?」
('A`)「あ、悪い。興味ないわけじゃないんだけど。何かピンとこなくてな」
川 ゚ -゚)「どうして?ドクオが参加したなら、私はかなり良い線行くと思うぞ」
('A`)「んー。俺には王族がどんな人たちかも分からないし、親衛隊に入りたいわけでもないし。
縁がないっつーか…。俺より強い人はいっぱいいるだろうし、俺には無理だろ」
川 ゚ -゚)「むぅ、そうか…。少し期待していたんだが」
('A`)「ま、それについては入学してから考えてみるよ」
川 ゚ -゚)「ああ、楽しみにしているよ」
―湖上の街・教会前広場―
ミ,,゚Д゚彡「この穴か」
_
( ゚∀゚)「…これまた随分とでかい穴を開けたな。しかもこの分厚い床に」
ミ,,゚Д゚彡「ただの魔法ではこうは行くまい。召喚魔法の強さが伺えるな」
_
( ゚∀゚)「いや、ホントおっかねぇな。でもこの力があれば魔王も倒せそうな気がするな」
ミ,,゚Д゚彡「うむ。まだ敵か味方かはわからんが…」
_
( ゚∀゚)「ま、何とかなるだろ。駄目でもクーとドクオがいるんだ」
( ゚∀゚)「そう言えば昼に兵士が言ってたブーンってよ、やっぱアレか」
ミ,,゚Д゚彡「ホライゾン家の末裔。光の魔法使いの一族だったな」
_
( ゚∀゚)「だよな。入学資料だと風の魔法使いらしいけど、光の魔法が発現したのかね」
ミ,,゚Д゚彡「いや、それに関わらず風の魔法が優秀らしいな」
_
( ゚∀゚)「へぇ。これで光の魔法も発現したら、ひょっとするかもな」
ミ,,゚Д゚彡「光の魔法がホライゾン家から途絶えて久しい。どうなるやらな」
朝―港町への街道・馬車―
ガラガラ…
('A`)「港町?」
川 ゚ -゚)「北に断崖があってな。馬車では通れないような道なんだ」
ミ,,゚Д゚彡「その断崖を避けるために港があるんだ」
川 ゚ -゚)「越えるだけなら断崖の道を通った方が早いかもしれないな。
断崖は海の方まで飛び出していて、かなり迂回しなければならない」パラリ
クーは地図を広げ、指し示す。
('A`)「…ホントだ。行き先はこの北西の港町か?」
川 ゚ -゚)「うん。王都に向かうのであれば、こちらの航路を使う方が早いんだ」
('A`)「北西の港町から…王都は北か」
ミ,,゚Д゚彡「北西の港町に着けば、王都まであと少しだ」
('A`)「そっか。この旅ももう少しで終わりか…」
川 ゚ -゚)「…長いようで短かったな」
ミ,,゚Д゚彡「旅はまだ終わっていないぞ。特にドクオ、お前にはまだまだ教えることがたくさんある。
お前らの言うとおり日も少なくなってきた。今日からみっちりと訓練するからそのつもりでな」
('A`;)「は、はい…お手柔らかに…」
ドクオ謙虚すなぁ、かなり反則な魔法だというのに
ドクオの武術大会に期待しています
('A`)「そう言えばさ、一つ致命的なことに気がついたんだ」
川 ゚ -゚)「何に気がついたんだ?」
('A`)「どういうワケか知らないけど、俺ってこっちの文字は読めるし会話もできるんだよね」
川 ゚ -゚)「ふむ。こちらと共通の言語だったわけではないんだよな?」
('A`)「ああ、全く別だな。で、読めることは読めるんだけど、字が書けない」
川 ゚ -゚)「ほう」
('A`)「学校って、もちろん筆記テストあるよな?」
川 ゚ -゚)「うむ、あるな」
('A`)「…致命的じゃね?」
川 ゚ -゚)「…勉強しようか」
('A`)「…よろしくお願いします」
('A`)「しかし、何で言葉が通じるんだろうなー。全く別の言語なのに」カキカキ…
川 ゚ -゚)「どうなんだろうな。仮にドクオは召喚でこちらの世界に来た事にする。
召喚した者に指示を与えるのに、意思疎通ができないと困るからじゃないのか?」
('A`)「あー、まあ確かにな。中途半端に便利だなー召喚魔法。
どうせなら文字も書けるようにしてくれればいいのに」カキカキ…
川 ゚ -゚)「あ、そこ違う。そこは右上にはねるんだ」
('A`)「お、こうか」
川 ゚ -゚)「ま、よっぽどの事がない限り留年なんてことはないと思うけど」
('A`)「ん?学校って何年制なんだ?」
川 ゚ -゚)「3年制だな」
('A`)「3年もか…。通ってる間に魔王が襲ってきたりってのはないよな?」
川 ゚ -゚)「その危険性はあるな…」
('A`)「…マジか。因みに魔王の居場所はわかってるのか?」
川 ゚ -゚)「…王都の遙か北に位置する遺跡にいるらしい」
('A`)「らしいって言うのは?」
川 ゚ -゚)「今まで何度も討伐隊がその地に向かった。
しかし、王都まで帰り着いたのは…0だ。それが意味するところは…」
('A`)「…北の遺跡までたどり着けなかった。あるいは魔王にやられたってわけか」
川 ゚ -゚)「おそらくな…」
('A`)「3年も悠長に学校に通ってて良いのかって気がしてくるな」
川 ゚ -゚)「いや、この際仕方ないだろう。熟練者でさえも王都に帰り着くことは出来なかったんだ。
しっかり通って、力を付けるほかない。王都に向かってるこの最中にでも襲ってくる可能性はあるんだ」
('A`)「そりゃそうだな…」
川 ゚ -゚)「場合によっては学校を出てすぐにでも北に向かうさ」
('A`)「最悪それしかないよな」
('A`)「(3年か…。もしかすると3年、若しくはそれ以上、俺は元いた世界に帰れない…)」
('A`)「…長いな」
夜―港町への街道・道外れ―
ミ,,゚Д゚彡「さて、今日からは俺との組み手もやってもらおうか」
('A`;)「え…マジっすか?」
ミ,,゚Д゚彡「日ももう無いことは確かだ。できるだけお前に色々と叩き込んでやりたい」
('A`;)「いや、ジョルジュにでさえ手が出ないのにフサギコさんとか致死レベル…」
_
( ゚∀゚)「いや、手は抜くはずだから安心しろよ」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、そのつもりだ。時間が勿体ない。…早速行くぞ」ガチャチャ
フサギコは鞘から刀身が抜けないように固定された双剣を手に取る。
('A`)「…」シュウ
対し、ドクオも鞘に納められたままの双剣を創りだした。
ミ,,゚Д゚彡「ほう…。参る」スッ…
ミ,,゚Д゚彡「…」ヒュッ
眼前にフサギコが迫る。双剣をクロスさせ、防御の姿勢を取るドクオ。
('A`;)「(この速度…!マジ反則!)」チャッ
ガギィン!
('A`;)「ぐお…!重…」
たったの一振りでガードを崩される。
ミ,,゚Д゚彡「どうした?その剣には何も力が付いてないのか?」
('A`;)「えっ?」
('A`)「(…本気で来いってことか)」
('A`)「駄目で元々だ。…やってやる」シュン
('A`)「…」シュウ
新たに双剣を創り出し、構え直す。
ミ,,゚Д゚彡「行くぞ」ヒュッ
('A`)「…」スッ
ミ,,゚Д゚彡「(右手の剣だけでガード…?)」ヒュン
ガキィン!
('A`)「…くっ!」
ミ,,゚Д゚彡「!…俺の攻撃が弾かれただと?」
_
( ゚∀゚)「お、どうなってんだこりゃ!」
ミ,,゚Д゚彡「一体どんな力を付与したかはわからないが…」
('A`)「…」
ミ,,゚Д゚彡「少しは楽しめそうだな?来い」
('A`;)「…まだまだ余力がありそうですね」スッ
ミ,,゚Д゚彡「フン」スッ
('A`)「(…いけるか?)」グッ
('A`)「はっ!」ヒュッ
足に力を込めて、先ほどのフサギコの攻撃時と変わらぬ速度で駆け出した。
ミ,,゚Д゚彡「!」スッ
フサギコを右手の剣で攻撃する。
('A`)「ふん!」ブォン!
ガギィイン!
ミ;,,゚Д゚彡「(また弾かれただと?)」
('A`)「うおお!」フォン!
続け様に左手に持つ剣での攻撃。
ミ,,゚Д゚彡「(体勢が…躱し切れん…防御!)」
キィィン!
金属が合わさり高い音が辺りに響く。今度は、拮抗。
('A`;)「くっ!」ググッ
ミ,,゚Д゚彡「(…どういうことだ?)」ググッ
ミ,,゚Д゚彡「むっ」
('A`;)「せい!」ブォン!
ドクオが右手に持つ剣で再度攻撃を撃つ。
フサギコが飛び退ることで拮抗は崩れ、二人は距離を取って向かい合った。
ミ,,゚Д゚彡「ふむ…」
('A`;)「(ばれたか…?)」
ミ,,゚Д゚彡「どれ…行くぞ」ヒュッ
フサギコは更に速度をあげ、ドクオに迫る。迫るフサギコにドクオは攻撃を放つ。
('A`;)「…」フォン!
ミ,,゚Д゚彡「フン」ガギィン!
ミ,,゚Д゚彡「(こちらの攻撃は耐えられる…問題は右手だ)」
('A`;)「ハァ!」ブォン!
大きな縦振りを打ち下ろすが、難なく避けられる。
ミ,,゚Д゚彡「…」バッ
ズガァ!
地面に刃が深く突き刺さった。
('A`;)「ぜっ…ハァッ…ハァッ…」ズボッ
ミ,,゚Д゚彡「なるほどな」
('A`;)「ハァ…ばれましたか…」
ミ,,゚Д゚彡「一旦組み手は終わりにする。これ以上はドクオが心配だな」
_
( ゚∀゚)「ん?どういうことだ?」
ミ,,゚Д゚彡「どうやって扱っているかは知らないが、右手のその剣。
見た目以上のとんでもない重さを持っている」
_
( ゚∀゚)「マジか?」
('A`;)「ハァ…ああ、その通り…」ズシャ
_
( ゚∀゚)「…長剣以上の重量だな、こりゃ」
ミ,,゚Д゚彡「俺の攻撃が弾かれたのは、その重量でだな」
('A`)「はい」
ミ,,゚Д゚彡「わからないのはその左手の剣だ。
ただ力を強くするためだけの剣なのか?」
('A`)「ほぼ、当たりです」
( ゚∀゚)「ほぼっつーのは?」
('A`)「その剣が持つ力は『所持者のリミッターを一段階上に設定する』というものです」
ミ,,゚Д゚彡「リミッター?」
('A`)「…人間の脳にはリミッターというのが設けられています」
_
( ゚∀゚)「脳って頭の事か…」
('A`)「普段使える筋力は、その人が持つ筋力のおよそ3割だと、俺の世界では言われています。
必要以上の力は過負荷を体に与えて壊してしまうから、リミッターがそういった制限をしています」
ミ,,゚Д゚彡「なるほどな。それでは、その剣は…」
('A`)「通常なら出せるはずのない力を、リミッターの制限を緩くして出せるようにしてしまう剣です」
('A`)「…」
_
( ゚∀゚)「体を壊しかねない剣か」
ミ,,゚Д゚彡「ふむ、訓練で使うような代物ではないな」
('A`)「すみません…」
_
( ゚∀゚)「気にすんなって!そもそも、今回けしかけたのはフサギコの方だぜ」
ミ,,゚Д゚彡「全く持ってそのとおりだ。済まなかったな」
('A`)「いえ…」
ミ,,゚Д゚彡「…今日のところはこれまでにしておこう。ドクオの体が心配だ」
_
( ゚∀゚)「ま、クーに回復してもらおうぜ!」
('A`;)「いたたた…さっきまでは平気だったのに…」
川 ゚ -゚)「全く、無茶をする。…どこが痛いんだ?」
('A`;)「何かもう全身…ぐぅっ!…あかん筋肉切れたかもしらん泣きたい…」
川 ゚ -゚)「今からこんな無茶するようじゃ、無事に元の世界に帰れないぞ?」
('A`;)「返す言葉もない…」
クーは手の平をドクオに向け、治癒の言葉を呟く。
川 ゚ -゚)「…ヒール!」パアァァァ…
('A`)「あ…暖か気持ちいい」
川 ゚ -゚)「…どうだ?」
('A`)「…うん、痛みも全然ない。サンキュー、クー」
川 ゚ -゚)「どういたしまして」
('A`)「そう言えば回復魔法使われたのこれで2回目か」
川 ゚ -゚)「まさか筋肉痛なんかで使わされるとは思いもしなかったよ」
('A`;)「サーセン…」
川 ゚ -゚)「別にいいさ。ただ、さっきも言ったように無茶してばかりじゃ無事に帰るなんて難しいぞ」
('A`)「まあ無茶してるつもりはなかったんだけど…」
川 ゚ -゚)「無自覚なのが一番痛い目を見る」
('A`)「左様でございまする」
昼―港町への街道・馬車―
('A`)「ん…潮の匂い」
川 ゚ -゚)「海に近づいて来たか」
ミ,,゚Д゚彡「船旅は荒れないといいのだがな」
川 ゚ -゚)「ああ…あの揺れは凄まじい」
('A`)「…船酔いだけはしたくないなぁ。どのくらいの間船に乗ることになるんだ?」
ミ,,゚Д゚彡「3~4日と言ったところか」
('A`)「ん~。その間暇だな」
ミ,,゚Д゚彡「たっぷりと訓練できるじゃないか」
('A`;)「ほどほどにお願いします…」
―港町・入り口―
_
( ゚∀゚)「おーし着いたぞー」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。では早速明日の便の確保をしておくか」
('A`)「あ、俺も行きたい」
川 ゚ -゚)「では私も」
_
( ゚∀゚)「おっし!じゃあ行こうぜ!」
―港町・船着き場―
ミ,,゚Д゚彡「ここだ」
('A`)「おおー。これが帆船か…」
川 ゚ -゚)「ドクオの世界には帆船以外の船があるのか?」
('A`)「あるよ。機械仕掛けの船でな、エンジンっつーのでプロペラ回して推進力を得るんだ」
川 ゚ -゚)「よく分からないな」
('A`)「実のところ、説明してる俺も詳しいことはわからん」
_
( ゚∀゚)「受付行ってるからなー」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、たのんだ」
―港町・事務所受付―
受付「ようこそ。どういったご用件ですか?」
_
( ゚∀゚)「明日の北西の港町行き定期便の発券を頼む。4人分な」
受付「はい、承りました。身分証明書はお持ちですか?」
_
( ゚∀゚)「ああ…ほれ!」スッ
受付「…はい、ありがとうございます。王都の出納局へ後日請求という形で?」
_
( ゚∀゚)「それで頼むわ」
受付「かしこまりました。それではこちらが乗船券となります」
_
( ゚∀゚)「サンキュー」
―港町・船着き場―
_
( ゚∀゚)「さて、それじゃあいつらのところに戻る…か…」
_
( ゚∀゚)「お…おおおおおおおおおおおお!!」
ミ,,゚Д゚彡「さて…」
川 ゚ -゚)「どこに行かれるんですか?」
ミ,,゚Д゚彡「詰め所にな。プギャーがいるとは言え、魔物の件が気になる。
ジョルジュと合流したら町の宿屋に向かってくれ」
('A`)「なるほど。いてら~」
川 ゚ -゚)「いってらっしゃい」
('A`)「ちょっと気になったんだけど、クーはさ」
川 ゚ -゚)「ん?」
('A`)「どうして人々を守りたいと考えたんだ?」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「俺も魔王討伐に付いて行こうと思ってる。
だけどさ、俺にはクーみたいに何か守りたいモノがあるわけじゃなくてさ。
することも行く当てもないから、ただそれに付いて行くだけ」
川 ゚ -゚)「…うん」
('A`)「魔王討伐なんて、俺みたいな生半可な覚悟じゃ出来ないと思うんだ。
だから、前に言ってた人々を守りたいって思った理由、良ければ教えてくれないかな」
川 ゚ -゚)「…何、大したことじゃないさ」
('A`)「え?」
川 ゚ -゚)「それが私に課せられた使命だから、かな」
('A`)「…クーの意志じゃないのか?」
川 ゚ -゚)「私の意志…。いや、どうだろうな」
('A`)「クー…?」
「キターーーーーーーーーーーーー!!」
川 ゚ -゚)「今の声は…」
('A`;)「…嫌な予感がする」
~~~~~~~~~~
_
( ゚∀゚)「キターーーーーーーーーーーーー!!」
Σζ(゚ー゚*;ζ「えっ?」ボイーン
_
( ゚∀゚)「これは何という良い」
_
( ゚∀゚)「 お っ ぱ い ! 」
ζ(゚ー゚*;ζ「え?あ、あのぅ…」バイーン
_
( ゚∀゚)「お初にお目に掛かりますお嬢さん。私(おっぱい)紳士のジョルジュと申します。いやまさかこの腐敗しきった大地であなたのような女神と巡り会うことが出来るなんて夢にも思いませんでした。今まで様々な地を渡り歩いて来ましたが未だかつて貴女のような素晴らしい女性に会うことはかないませんでしたからね」
ζ(゚ー゚*;ζ「は、はぁ…」
_
( ゚∀゚)「事実貴女のそのお姿は私の目いやいや私の心を掴んで離そうとしないいや手で掴んでしまいそうな魅力に溢れています私はもう貴女の虜です。そこでどうでしょうこれから私と一緒に幸せを見つけるための旅に出ませんか?おっと突然ですみませんではちょっとそこのバーでカクテルでもいかがでsy」
ζ(゚ー゚*;ζ「…………?」
_
( ゚∀゚)「ぐっ…」
_
( ゚∀゚)「…ふ、不覚」
ドサリ
ジョルジュは倒れる間際、鬼を見た。
川 - )
('A`;)「ジョルジュに気配を感じさせないとは…」
ζ(゚ー゚*;ζ「えっ?えっ?えっ?」
('A`;)「えっと…何というか驚かせてすみませんでした」
ζ(゚ー゚*;ζ「は、はぁ」
川 ゚ -゚)「本当に申し訳ない。こいつには後で死んで詫びさせますので」
ζ(゚ー゚*;ζ「いえ、大丈夫ですよ。というかそれはやり過ぎでは…」
川 ゚ -゚)「いえ、こちらの監督不行き届きのせいでご迷惑を…。ではなにかお詫びを」
ζ(゚ー゚*ζ「気になさらないでください。それと、そろそろ定期便の乗船時間になるので…」
('A`)「定期便?君も北西の港町へ?」
ζ(゚ー゚*ζ「はい。私、王都にある王立士官学校へ入学するんです」
川 ゚ -゚)「では私たちと一緒だな」
ζ(゚ー゚*ζ「では、あなたたちも?」
('A`)「ああ、俺たちも入学予定なんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「わあ!それじゃあ同級生ってことになりますね!
…そうだ、私はデレと言います。よろしくお願いします」
('A`)「俺はドクオ。よろしく」
川 ゚ -゚)「私はクーだ。よろしく頼む」
川 ゚ -゚)「因みに足下で伸びているコイツは兵士でな」
ζ(゚ー゚*ζ「あなたたちに付くことになった兵士さんなんですね?楽しそうな方ですね」
('A`)「今みたいな目に遭ってもこの言葉…」
川 ゚ -゚)「ああ、素晴らしい人だな…」
('A`)「そうだ、時間。大丈夫?」
ζ(゚ー゚*ζ「あっ、そうだ。折角会えたのに、もう行かなきゃ…」
川 ゚ -゚)「学校に行けばまた会えるさ」
ζ(゚ー゚*ζ「そうですね。…それでは、学校で会ったら仲良くしてくださいね!」
川 ゚ -゚)「もちろんだ」
('A`)「こっちこそよろしく」
ζ(゚ー゚*ζ「はい!」
('A`)「それじゃあ、コイツが目を覚ます前に早く行った方が良いよ」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ、それでは、また学校で!」タッタッタ…
川 ゚ -゚)「…優しくていい人だな」
('A`)「ああ、そうだな…」
川 ゚ -゚)「…惚れたか?」
('A`;)「な、何でそうなる!ジョルジュじゃあるまいし!」
―船着き場・ドクオとクーの足下―
_
( ∀ )「(…王立士官学校入学者、か。フッフッフ…。)」
_
( ゚∀゚)「(待っててね!デレちゃん!)」
乙
―港町・宿屋―
カランカラン…
宿屋のロビーにドアベルの音が響く。一人の男が入ってきた。
('A`)「あ、おかえり」
川 ゚ -゚)「お帰りなさい」
_
( ゚∀゚)「よう、どうだった?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、魔物は出現したものの、特に問題はなさそうだな」
川 ゚ -゚)「また強力な魔物が出たりということは?」
ミ,,゚Д゚彡「なかったみたいだな。その辺りもプギャーが出現させない為の対策をとったらしい」
_
( ゚∀゚)「とすると、もう心配はいらねーかな」
ミ,,゚Д゚彡「油断は出来ないだろうな。と言っても、俺らが次の街に着くときには全て終わってしまっているが」
('A`)「プギャーさんって人達次第か」
ミ,,゚Д゚彡「そうなるな。まあ、あいつは信頼の出来るやつだ。なんとかするだろう」
_
( ゚∀゚)「あいつ賢しいからな~」
川 ゚ -゚)「何もなければ良いが…」
夜―港町・事務所受付―
事務所の入り口からけたたましい音が響く。
ドンドンドン!
受付「…ん?こんな夜中に誰だろう…。どなたですか?」
船番「俺だ!船番だ!大変なことが起こった!すぐに船着き場まで来てくれ!」
受付「大変なこと?」
船番「…5日前に北西の港町に向かった船の物と思われる木片が流れ着いた!」
受付「何だって!?」
―港町・船着き場―
ザザー…ン
ザザーン
船番「…ここだ」
受付「これは…」
見ると、船着き場には大小様々な木片が流れ着いていた。
船番「これが船名の書かれた…木片です」
受付「…確かに。これは本港から5日前に出て行った船ですね…」
船番「戻りの便の途中だったのでしょうか…」
受付「おそらくは…。それにしても…まるで何者かに船を壊された様な壊れ方ですね」
船番「ええ。それにこのところ時化なんかありませんでしたし…」
受付「波風にやられて、という線は薄そうですね」
受付「とにかく、この件については、至急詰め所と運行商へ連絡します」
船番「それでは、私が詰め所へ連絡します!」
受付「お願いします。私は運行商へ」
タッタッタ…
受付「…おや?」
灯台の光に照らされ、暗い海の向こうに一瞬船影が見えたような気がした。
受付「気のせい…か?」
朝―港町・宿屋―
ザワザワ…
ミ,,゚Д゚彡「…外がやけに騒がしいな」
川 ゚ -゚)「何かあったんでしょうか」
_
( ゚∀゚)「ちょっと訊いてくるわ!」
カランカラン
宿屋のドアを開け、一番に視界に入った者に声を掛ける。
_
( ゚∀゚)「なあなあ!騒がしいけど何かあったのか?」
町人「ん?ああ、なにやら港の方に壊れた船体とか流れ着いたらしいよ」
_
( ゚∀゚)「…へぇ。わかった、サンキューな!」
―港町・宿屋―
カランカラン
_
( ゚∀゚)「よう」
('A`)「どうだった?」
ミ,,゚Д゚彡「…」
_
( ゚∀゚)「どうやら一大事っぽいぜ」
川 ゚ -゚)「何…?」
_
( ゚∀゚)「港の方で事は起こってるらしい」
ミ,,゚Д゚彡「…よし、すぐに向かうぞ」
―港町・船着き場―
_
( ゚∀゚)「港に船体の一部が流れ着いたらしいんだけどな…」テクテク
ミ,,゚Д゚彡「ふむ」
港町兵士「あ、ちょっと!現在一般の方の立ち入りは禁止させてもらってます!」
_
( ゚∀゚)「堅い事いうなよ、ケチ!それよりデレちゃんは無事なのか!?」
('A`;)「な!何で名前を!?あの時気絶してたはずじゃ!」
_
( ゚∀゚)「俺を舐めんな!デレちゃんの為ならたとえ火の中水の中だ!」
ミ,,゚Д゚彡「少し黙ってろ。俺たちはこういう者だ」スッ
港町兵士「…あ、これは大変失礼しました!」
ミ,,゚Д゚彡「良ければ話を聞かせてくれないか?」
港町兵士「はい…」
…
……
………
ミ,,゚Д゚彡「なるほどな」
川 ゚ -゚)「5日前に出て行った船…か」
('A`)「それじゃあ…」
ミ,,゚Д゚彡「(何者かに壊されていた、か。例の召喚師が乗っていた可能性が高いな…)」
港町兵士「それと、壊された船ですが」
_
( ゚∀゚)「何だ?まだあんのか?」
港町兵士「はい。マストが折られたはずの船なのに、この港町に徐々に近づいて来ているのです」
港には、折れたマストが引き上げられていた。
_
( ゚∀゚)「…潮の流れでじゃないのか?」
港町兵士「我々も始めはそう思ったのですが…。どうも流されている感じではなく、
一直線にこちらへ向かってきているようなのです」
ミ,,゚Д゚彡「……すぐに最低限の守備を残して、船着き場に兵士を集めるんだ」
港町兵士「ご指示されたとおり、配置を完了しました」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。次は、あの船を避難してくれ」
港町兵士「はい。運行商へ連絡します」
ミ,,゚Д゚彡「俺らが乗る船が無くなったら困るからな…」
港町兵士「え?」
ミ,,゚Д゚彡「何でもない。では説明を始める」
ミ,,゚Д゚彡「さて、諸君らに集まってもらったのは他でもない。
件の壊された船について、この俺から説明させていただこう」
兵士達「…」
ミ,,゚Д゚彡「既に聞いているかもしれんが、俺は王室の親衛隊長を務めているフサギコだ。
今回に関しては状況説明だけ行わせてもらう。実際の指揮権は各隊長に帰属する」
兵士1「親衛隊!?」
兵士2「どうしてここに…」
ミ,,゚Д゚彡「…何故俺がここにいるのか疑問に思っている者もいるようだな。
とある任務でこの港町に寄らせてもらっただけだ。これについては機密事項扱いで頼む」
ミ,,゚Д゚彡「脱線したな。率直に言おう。あの船上及び周囲には魔物の群れがいる」
兵士達「!!」
ミ,,゚Д゚彡「つい最近、この港町も魔物に襲われたと思う。俺らが通った街などでも同様の事が起きた。
今回の船の件は、それが船上で起きたものと思われる」
兵士達「…」
ミ,,゚Д゚彡「そこで、諸君らに集まってもらった。
これから出現するであろう魔物の討伐及び町民の避難をお願いしたい」
兵士達「ハッ!」ザッ
ミ,,゚Д゚彡「俺らも隊長の指揮下に入って動く。よろしく頼む、以上だ」
( ゚∀゚)「おっす、お疲れ」
ミ,,゚Д゚彡「何度やっても慣れんな、これは」
('A`)「それなら直接演説みたいなことしなくても、
この町の兵士に情報として与えれば良かったんじゃないんですか?」
川 ゚ -゚)「それでも問題はないだろう。ただ、短い期間に大規模な魔物騒ぎがこれで2件目だ」
_
( ゚∀゚)「兵の士気とか色々あってだな。ま、親衛隊長の名は伊達じゃないんだよ」
('A`)「なるほど…今まで何となく一緒に居たけど、親衛隊ってすごいんだな」
_
( ゚∀゚)「そうだ!尊敬しろよ!」
('A`)「…ジョルジュはちょっと無理」
_
( ゚∀゚)そ「なんでだよ!」
港町兵士「皆さん!」
ミ,,゚Д゚彡「さて、俺らはどこで動けばいい?」
港町兵士「皆さんには、シャキン隊長の下で動いていただくことになりました」
(`・ω・´)「…初めまして、親衛隊長殿。隊長のシャキンと申します」
ミ,,゚Д゚彡「俺は親衛隊長のフサギコだ。こちらは同じく親衛隊のジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「おっすよろしく!んで、こっちは親衛隊予備候補生のドクオね」
('A`;)「何でだよ…」
川 ゚ -゚)「クーと申します」
(`・ω・´)「皆さん、よろしくお願いします」
(`・ω・´)「今回皆さんには私の隊と一緒に、船着き場中央を守っていただくことになります」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、迷惑を掛ける。迷惑ついでなんだが、クーは前線から外して衛生兵として扱ってくれ」
川 ゚ -゚)「…」
(`・ω・´)「…わかりました」
ミ,,゚Д゚彡「その代わり、怪我をした兵士はどんどんこいつに任せてくれ。
すぐになんとかしてくれるだろう。他の隊へも伝えてくれ」
(`・ω・´)「??わかりました」
ミ,,゚Д゚彡「忙しくなるぞ?クー」
川 ゚ -゚)「はい」
(`・ω・´)「それでは、戦力の把握をしたいので、魔法の種別を教えてくれませんか?」
ミ,,゚Д゚彡「俺は風と火だ」
_
( ゚∀゚)「俺は地」
('A`)「俺は武…」
_
( ゚∀゚)「ドクオはちょっと特殊でな!教えてもよく分からないと思う。
隊で動くのも初だし、今回は好きに動いてもらった方がいい」
('A`;)「好きにって…」
ミ,,゚Д゚彡「…そうだな。下手に指揮下に置いておくより良いかもしれん」
(`・ω・´)「ではその様に。それでは具体的な作戦ですが…」
('A`)「どうすりゃええねん…」
ドクオ無双の予感…!
ミ,,゚Д゚彡「…そろそろか」
件の船は、もう港に接触しそうなほど近づいていたが、勢いを緩めず突き進んでくる。
_
( ゚∀゚)「腕が鳴るぜ」
('A`)「…」
船は船着き場の一部を削り、ようやく停止する。
(`・ω・´)「…来ます!」
ザバッ!ザババァッ!
船上・海中に姿を潜めていた魔物の群れが、その姿を現す。
巨大烏賊「キュルルルル…」ヒタ…ヒタ…
雄人魚「…」
出た。初めて見るタイプの魔物。数は20といったところか。
相手がどの様な行動を取るかは全くの不明だ。なら、することは一つ。
先手を取り、相手に行動する隙を与えない。
(`・ω・´)「シャキン隊!魔法じゅん…」
ヒュオオオオオオオオッ!
(`・ω・´)「び…」
ヒュガガガガガガッ!
命令を言い終える直前、もの凄い勢いで私の横を何かが通り過ぎていった。
その何かは、目の前に現れた魔物の半数以上を絶命させていた。
命令違反も甚だしいが、この様なことができる者は私の隊にはいない。とすると…
(`・ω・´;)「…!今のは!?」
('A`)「やっぱ駄目だこれ、指が痙る…」
(`・ω・´;)「ボウガン…!?」
少年は2丁のボウガンを携え、気怠げに呟いた。
(`・ω・´;)「君は一体…」
ミ,,゚Д゚彡「ドクオに続け!ウィンドスラスト!」ヒュォォォォオオオオ!
(`・ω・´)「!!…フレアゴースト!」ボボボッ…
_
( ゚∀゚)「ちょろいな!アースランス!」ズガガガガッ!
ミ,,゚Д゚彡「ドクオ!他の隊へ援護射撃だ!」
('A`)「了解っす!」ヒュオオオオオオ!
兵士「すごい…なんだあいつは…」
兵士2「こりゃぁ今回は案外楽にいけるかもな!…ライトニング!」ビシャァ!
チュイン
兵士「そうだと良い、が…!?」
兵士2「どうした?…お、お前!?腹から血が…!」
兵士「…く、そ……!」ガクッ
雄人魚長「フン…やっテクれタな、ニンゲン共ガ…」
( ゚∀゚)「…?おい!」
ミ,,゚Д゚彡「どうした?」
_
( ゚∀゚)「左翼の様子がおかしい!陣形が乱れてる!」
ミ,,゚Д゚彡「…シャキン!」
(`・ω・´)「ハッ!…3名の左翼への援護を許可します!」
ミ,,゚Д゚彡「行くぞ!ジョルジュ!ドクオ!」ヒュッ
('A`)「ハイ!」タッタッタ…
_
( ゚∀゚)「ここは任せたぞ!シャキン!」スタタタタ…
(`・ω・´)「お任せあれ。…各員手を緩めるな!」
兵士4「ウインドスラッシュ!」ヒュオオン!
雄人魚長「…」スゥ…
兵士3「!魔法が効かない!?」
雄人魚長「我ガ纏いし水鎧を破れるトデも…?食らえ」チュイン!
マーマンの指先より、圧縮された水が弾となり兵士を穿つ。
兵士4「ぐ…!?」
兵士3「おい!?…くそっ!」チャキ…
雄人魚長「面白い…我に武器デ挑むカ…。
魔法デ傷も付ケられぬのに、ドうやッテ我を倒す?」ガチャ
マーマンは三叉戟を構える。
兵士3「くっ…!」
「ほう、なかなか手応えがありそうだな?」ヒュッ
雄人魚長「何!?」
兵士3「親衛隊長殿!」
ミ,,゚Д゚彡「フン!」ヒュオッ!
ガッ!
雄人魚長「…!!」
ミ,,゚Д゚彡「…その身の回りを包んでいる水、想像以上に厄介だな」
雄人魚長「…不意打チトは卑怯な真似を…」
ミ,,゚Д゚彡「悪いがそうは言ってられんのでな。
…そこの、怪我人を連れて衛生兵のところまで行け」
兵士3「は、はい!」
雄人魚長「…我も舐められタものダな。一人デ我を倒せるトデも?」
ミ,,゚Д゚彡「誰も一人で戦うなんて言ってないだろう」
_
( ゚∀゚)「…ったく!走るのはえぇんだよ!」ザッ!
('A`;)「いやいやちょっと待ってこいつは見た目からして明らかにヤバイだろ…」
雄人魚長「フン…1人デも3人デも一緒ダ!まトめテ地獄へ送っテクれる!」ズバババババ!
_
( ゚∀゚)「アースウォール!」ゴゴゴゴゴン!
ガガガガガガガガ!
掌より、水鉄砲を撃ちつつなぎ払う。
水鉄砲に触れた地面は抉られ、舗装はめくりあげられた。
雄人魚長「…チィッ!」
('A`;)「…こ、怖ぇぇぇぇえええええ!」
看護室
ガチャ!
兵士2「すまない!こいつを診てくれ!」
兵士「く、ぅ…」ダラダラ…
川 ゚ -゚)「ふむ、これは酷いな。すぐ手当を行う。そこに寝かせてくれ」
兵士2「あ、ああ。見たところ道具は何もないみたいだが、包帯等は…」
川 ゚ -゚)「…ヒール!」パァァァ…
兵士2「!?傷が…ふさがっている?」
兵士「…あ、れ?痛みが止まった…?」
兵士2「一体何が…?」
川 ゚ -゚)「さあ、これで治療は終了だ。もう怪我をしないよう気をつけてな」
兵士「あ、ああ。助かった、ありがとう」
ガチャ!
連絡兵「お、おい!大変だ!」
川 ゚ -゚)「騒がしいな…一体どうしたんだ?」
連絡兵「す、すまん。何やら、魔法も武器も通じない敵が現れたらしい!」
兵士「…!」
兵士2「あいつか!」
川 ゚ -゚)「知っているのか?」
兵士「知っているも何も、俺の怪我はそいつの仕業だ…」
連絡兵「今は、親衛隊長殿達が相手をしてくれているが…」
川 ゚ -゚)「…何故魔法や武器が通じない?」
連絡兵「何でも、そいつが纏う水は全ての衝撃を和らげるらしくてな、
火も風も地も魔法が効かなかった。もちろん武器もだ」
川 ゚ -゚)「ふむ…水か。…雷はどうだ?」
連絡兵「!!…雷の魔法使いを探して援軍を寄越すぞ!」
兵士2「それなら探す必要はない。…俺が雷の魔法使いだ」
(#゚∀゚)「くそったれ!!」ズガガン!
雄人魚長「無駄ダ」スゥ
_
(#゚∀゚)「だあああ!何で効かねぇんだ!」
('A`#)「おおお!食らええええ!」ブン!
雄人魚長「フン、無駄ダト言うのガ…」
ズズッ!
雄人魚長「!?クッ…!」サッ
ドクオが投げた槍はマーマンの水鎧を打ち破り突き進む。
_
( ゚∀゚)「ああああ!惜しい!後少しだったのに!」
雄人魚長「…クククッ」
('A`)「え?」
雄人魚長「ココまデ侮辱されタのは初めテダぞ…」
雄人魚長「まずはそコの目障りなガキカら殺しテやる!」
('A`;)「え、ちょ!マジ勘弁!」
ミ,,゚Д゚彡「死ぬのはお前だよ…」ヒュッ
_
( ゚∀゚)「お!」
フサギコは先ほどのドクオが投げた槍を携え、マーマンの背後に構える。
雄人魚長「な…!?」
ズンッ!
『あらゆるモノを貫く槍』は、マーマンを水鎧ごと貫いた。
('A`;)「やったか…?」
雄人魚長「…ククッ」
ミ,,゚Д゚彡「…チッ」
雄人魚長「まさカ我の水鎧を貫クとは恐れ入っタよ…」
ミ,,゚Д゚彡「フン…」
雄人魚長「ダガ、タカガ槍の一突キデ我ガ死ぬトデも思ッタカ…?」
_
( ゚∀゚)「てめぇの生命力に驚きだよ、全く」
('A`;)「…」シュン
雄人魚長「貴様らに敬意を表し、本気デ相手をしテやろう…」ジャキン
マーマンは三叉戟を手に構える。
('A`;)「まだ本気じゃなかった…?」
ミ,,゚Д゚彡「…予想以上だったな」
_
( ゚∀゚)「ああ」
雄人魚長「今更恐れを成しタカ?ダガ、もう遅い!」
ミ,,゚Д゚彡「…恐れ?バカ言え」
_
( ゚∀゚)「俺らは恐れねぇよ。相手がたとえ何であろうともな!」
('A`;)「…!」
雄人魚長「強ガりを…。食らえ!」ゴッ!
マーマンの三叉戟の一突きが、激しい水流を伴い迫り来る。
_
( ゚∀゚)「アースウォール!」ゴゴゴゴゴゴゴン!
ゴッガアアアァァァ!
_
( ;゚∀゚)「ぐおっ!」
ミ,,゚Д゚彡「ドクオ!武器だ!」
('A`;)「は、はい!」シュウ
ミ,,゚Д゚彡「…まずはその武器からだ!」ヒュオンッ!
フサギコが『斬れぬモノはない刀』で、三叉戟を柄から切り落とす。
雄人魚長「何!?」
雄人魚長「…トデも言うト思ッタカ?」ニタリ
口の端を歪に曲げ、笑う。
ミ,,゚Д゚彡「…しくじったか」
雄人魚長「ハァッ!」
マーマンは柄だけを握り、水流を伴う突きを見舞う。
ゴアアアアッ!
…
……
………
_
( ∀ )
ミ,, Д 彡
雄人魚長「フン、ニンゲンにしテは良ク戦ッタよ。さテ…」
('A`;)「…!!」
雄人魚長「後一人…」
(`・ω・´;)「これは…!」
_
( ∀ )
ミ,, Д 彡
('A`;)「シャキンさん…」
雄人魚長「…フン、雑魚ガ増えタカ。悪いガもう貴様らの相手は飽キタ。始めカら全力で行カせテもらう」
(`・ω・´)「………ドクオ君と言ったね」
('A`)「は、はい…」
(`・ω・´)「ここは我々に任せて逃げるんだ」
('A`;)「え…?で、でも!」
(`・ω・´)「兵士でもない君がこれ以上ここに留まる理由はない。…行くんだ」
('A`;)「………」
(`・ω・´)「各員、前へ。…さあ」
兵士達がドクオを守る様に、マーマンの前に立ちはだかる。
('A`;)「くっ…!」ダッ…
雄人魚長「…死ぬ覚悟は出来タカ?」
(`・ω・´)「…彼を追いかけなくていいのか?」
雄人魚長「戦場に立ツ覚悟のないあんなガキ、命を奪うダケ時間の無駄ダ」
「本当だな…。だが、足下をすくわれるかもしれんぞ…?」
雄人魚長「…生キテいタカ」
ミメ,゚Д゚彡「…大人しく攻撃を食らってやる道理などないからな」
雄人魚長「ククッ、面白い…!」
…ゴガァッ!
('A`;)「ハッ…ハァッハァッ…!」タッタッタ…
背後よりまるで岩が砕ける様な音がしたが、誰もいない通りを振り返らずにひた走る。
('A`;)「(逃げなきゃ…もっと、もっと遠くに…!)」タッタッタ…
「…ん?ドクオ!」
('A`;)「!!この声…クー!?」
走るのに夢中で、横をすれ違っていったクーに気がつかなかったらしい。
クーが方向を変え、こちらに向かってくる。
川 ゚ -゚)「こんなところで一体どうしたんだ?」
('A`;)「…!…クーこそ、どうしてこんなところへ?」
川 ゚ -゚)「何、そこの兵士達と戦いにな。相手は水を纏っているんだろう?
場合によっては私の魔法が役に立つかも知れない」
('A`;)「駄目だ!…行ったら殺されるぞ!」
川 ゚ -゚)「やってみなければ分からないだろう?ところでフサギコ殿やジョルジュはどうした?」
('A`)「…っ!」
言葉を紡ごうとしたが、出なかった。詰まってしまった。
しかし、その沈黙が何を意味するのか、クーにはそれで十分理解出来てしまった。
川 ゚ -゚)「…そうか。…ドクオ、キミはこのまま逃げるんだ」
('A`)「…クーは、どうするつもりなんだ?」
川 ゚ -゚)「さっきも言ったように、私はこれから戦いに赴く」
('A`;)「な、何で!」
先ほどの沈黙が、クーには理解出来なかったわけじゃ無いはずだ。
フサギコとジョルジュでも敵わなかった相手なのに、
行けば自分がどんな目に遭うか想像に難くない。
それなのに、
川 ゚ -゚)「ここは私が住む国で、魔王の手からみんなを守ることは私の使命だからだ」
('A`;)「…」
川 ゚ -゚)「それにこれから魔王を倒しに行くというのに、
魔王ですらない者に恐れてはいられないからな」
『恐れ』という単語に、先ほどのフサギコとジョルジュの言葉がフラッシュバックする。
『…恐れ?バカ言え』
『俺らは恐れねぇよ。相手がたとえ何であろうともな!』
('A`;)「…!!」
川 ゚ -゚)「できるだけのことをやって来るよ。ドクオは来なくていいぞ?
元よりこの世界の住人ではないのだからな、当然だ」
川 ゚ -゚)「帰る手伝いが出来なくなってしまうのが心残りではあるが…」
('A`)「(俺は尻尾を巻いて逃げてきたというのにクーは…)」
川 ゚ -゚)「…では、行ってくる」スッ…
('A`)「(何やってるんだろう…)」
川 ゚ -゚)「待たせて済まない。行こう」
('A`)「(俺には目の前の女の子を引き留めることも…)」
川 ゚ -゚)「…」ザッ…
('A`)「…クー」
川 ゚ -゚)「…何だ?」
('A`)「前にも聞いたけど、使命って…そこにクーの意志はないのか?」
川 ゚ -゚)「…ない、のかもな。だが、少なくとも」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「キミを元いた世界に無事に送ること。
これだけは何ものにも譲るつもりのない、私の意志だ」
('A`)「どうして…?」
川 ゚ -゚)「さあな…。理由は分からない。だけど、私はキミを守るよ。キミが無事に帰れるように」
( A )「…」
川 ゚ -゚)「…では、今度こそ行くよ」ザッ…
( A )「待ってくれ」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「俺も、戦う。…力を貸してくれ」
今、決めた。俺のささやかな誓い。戦うことの覚悟。
雄人魚長「やはり貴様ダケは連中トは違うようダ。やりおる」
たくさんいた兵も、フサギコとシャキンを除く全員が倒れ伏していた。
ミメ,-Д-彡「フン…」
雄人魚長「ダガ、ドコまデ持ツカな?」スッ
折れた三叉戟を手に構える。
(`・ω・´;)「…くっ」
雄人魚長「ハッ!」ゴッ!
ピシン…バキィィィン!
放たれた水流が突如宙で凍り付き、砕け散った。
雄人魚長「何…?」
(`・ω・´;)「…一体何が」
ミメ,゚Д゚彡「来たか…ドクオ」
('A`)「…」
左手にガントレットと大剣、右手に刀を携え、一人佇んでいる。
なんだかドクオがかっこいいぞ
('A`)「フサギコさん、シャキンさん…無事だったんですね」
ミメ,゚Д゚彡「まあな。ジョルジュも伸びてるだけで問題はない。
しかし、良く戻ってくる気になったな」
('A`)「それは…」
雄人魚長「…貴様、何をしタ」
('A`)「…」
雄人魚長「答えるツもりは無いようダな。…なら死ぬガいい!」ゴッ!
('A`)「…」ヒュン ヒュバ!
刀を振るい氷塊へ変え、大剣を振り下ろし打ち砕く。
パキン…ガシャァァァン!
('A`)「…」
雄人魚長「…どういう原理カ知らぬガ、その奇妙な剣の影響カ」
('A`)「…まぁね」
雄人魚長「ぬケぬケと…。ココに戻ッテ来タ事を後悔させテやる」
('A`)「…」ガチャ
ドクオは刀と大剣を持つ手を入れ替える。
ミメ,゚Д゚彡「…シャキンは下がってろ。そのケガでは満足に動けないだろう」チャキ
フサギコは刀を構える。
(`・ω・´;)「くっ…。かたじけない…」
('A`)「フン!」ヒュッ
人が走る速度の限界を超え、ドクオは駆け出す。
ミメ,゚Д゚彡「!」ヒュッ!
雄人魚長「この速さ…!」
雄人魚長「しカし、その剣に気をツケればいいダケの事!」
('A`)「ハッ!」ヒュン!
左手の刀を振るう。が、水鎧には触れられず、表面を微かに凍結させるのみ。
ミメ,゚Д゚彡「…果たして本当にそうか?」ヒュオン!
雄人魚長「!」サッ
スパン!
マーマンの水鎧を大きく切り裂くが、マーマンには届かない。
水鎧もすぐに元の形状へ戻る。
ミメ,゚Д゚彡「チッ」
雄人魚長「(厄介な武器ばカり持チおッテ…!)」
('A`) ブン!
刀での攻撃後、大剣での攻撃に移る。
雄人魚長「(コの大剣もカ?この距離、少しカする程度か…問題はない)」バッ!
ガッ!
('A`)「くっ!」
水鎧を大剣の剣先が掠める。それを見てマーマンは、ドクオとフサギコから一度距離をとる。
雄人魚長「…ドうやらその大剣はタダの剣のようダな」
('A`)「ただの剣じゃねーよ。…簡単に言えば身体能力を上げる剣だ」ガチャ
刀と大剣をまた持ち替える。右手に刀を、左手に大剣を持つ。
ミメ,゚Д゚彡「…」
雄人魚長「…それデ先ほドの速度カ。フン、中々面白いデはないカ」
('A`)「そりゃどーも」
雄人魚長「要は、貴様の氷の剣ト、貴様の水鎧を切り裂いタ剣に我は気を付ケれば良いダケの事」
('A`)「…」
雄人魚長「分カッテしまえば容易い…」
ミメ,゚Д゚彡「…」ヒュッ
('A`)「ハッ!」ヒュッ
雄人魚長「させるカ!」チュインチュインチュイン!
ミメ,゚Д゚彡「くっ!」ザッ
('A`)「せいっ!」ヒュン!
雄人魚長「甘い!」ズバン!
('A`;)「!!ぐあああっ!」
右腕を目掛け水鉄砲が放たれる。腕が貫かれ、刀を取り落とす。
ミメ,゚Д゚彡「ドクオ!」
雄人魚長「コれデ終わりダ!」スッ
('A`;)「こ…の…!」ブン!
マーマンが水流を放つよりも早く、左手に持つ大剣を水鎧へ振り下ろす。
雄人魚長「無駄な足掻きを…」
ガッ
大剣が水鎧を捕らえると同時、
バチバチバチバチィ!
雄人魚長「ガッ…!?」
雷光がマーマンを襲う。
バチバチバチ…!
雄人魚長「大、剣…!?何、故…!」ガクッ
('A`;)「…何で今回に限って大剣が雷を放ったか…知りたいか…?」
雄人魚長「クッ…」
('A`;)「そこの刀の氷の様に…このガントレットには雷が付いてんだ…」
左手に装着されたガントレットを見やる。
('A`;)「カモフラージュのためにわざわざ武器を持ち替えて油断を誘ってみたが…。
まんまと掛かってくれたな…。ま、こっちは氷漬けでも雷でも、どっちでも良かったんだがな…」
雄人魚長「ダガ…雷、如キ…!我ガ水鎧の敵デは…ないはずダ…!」
('A`;)「どうせ、今まで食らってきた雷ってのは一瞬だったんだろ…?
間断なく浴びる、初めての感覚はどうだ…」
雄人魚長「グ…コれ、しキ!」
バチバチバチバチ…!
('A`;)「…そうか。なら…」
雄人魚長「…?」
('A`;)「大剣という抵抗がなくなり、直接雷が流れ続けたら…」
大剣を水鎧から離さないように気を付けつつ、ガントレットを近づける。
雄人魚長「…!」
('A`;)「果たして、耐えられるか…?」スッ…
バババババババ…!
…
……
………
雄人魚長「…」グラ…
ドシャア
地に崩れると、マーマンが纏っていた水鎧はただの水のように流れていく。
ザザァァァァ…
('A`;)「ぅ…」グラ…
ドサッ
腕を貫かれた激痛、限界を超えた体の酷使に耐えきれず、ドクオは気を失った。
('A`)「…」
雄人魚長「……コの、我、が…ニンゲンに…負ケ…る、なドトは…」
ザッ…
ミメ,゚Д゚彡「…フン、完全に足下をすくわれる結果になったな」
雄人魚長「ク…」
ミメ,゚Д゚彡「…それじゃあな」スッ
ザン…
これでドクオもやっと主人公っぽくなてきたな
おつ
タッタッタ…
川;゚ -゚)「ハァ…ハァ…」
迂闊だった。
『この刀に魔法を掛けてくれ。出来れば凍結させるようなやつ』
川;゚ -゚)「ハッ…ハァッ…」
今思うと、明らかに様子が変だった。
少し前までは怯えていたというのに、その時は驚くほど落ち着いていた。
『兵士さん、あんたは…そうか、雷か。良ければあんたの力も貸して欲しい』
川;゚ -゚)「ハァッ…!」
『…これで完璧だな。クー達の力があれば絶対負けない』
川 ゚ -゚)『では行こうか』テクテク
『ああ』シュウ
バチバチッ
兵士『が…!?』
兵士2『くっ…』
ドサッ ドサッ
川 ゚ -゚)『?どうした…』
バチッ
川;゚ -゚)「つっ…何、を」
ドサ…
('A`)『…ごめん』
タッタッタッ…
川;゚ -゚)「ハァッ…ハッ…!」
思い出すのは、気絶させられる前の光景。
あの時のドクオの様子からして、魔物の下へ戻ったのは明白だ。
…だが、解せない。何故一人で行ったのか?
川;゚ -゚)「(…駄目だ、嫌な想像ばかりしてしまう)」
ドクオが戻ってきたと言うことは、フサギコ殿とジョルジュがドクオを逃がしたか。
…或いは二人とも魔物にやられて倒れてしまったか。
だが、あの時のドクオの沈黙から察するに…そう言うことなのだろう。
川;゚ -゚)「(船着き場が見えてきた)」
おびただしい数の魔物の亡骸と、負傷した兵士達が見える。
川;゚ -゚)「(あれは…)」
一際大きな魔物の亡骸の近くに誰かいる。
川;゚ -゚)「(ドクオか?…いや、違う。フサギコ殿だ)」
ミメ,゚Д゚彡
よかった。フサギコ殿は無事だった。
彼はシャキン殿だったか。怪我をしているようだが、彼も無事の様だ。
じゃあ、ジョルジュは、…ドクオは?
(`・ω・´)「…」
_
( ‐∀‐)
シャキン殿がしゃがみ込んで誰かに声を掛けてる。
ジョルジュだ。むくりと上体を起き上がらせた。どうやら何ともないようだな。
一番ケロッとしてる。心配をさせておきながら…。
ミメ,゚Д゚彡「…」
…?フサギコ殿も誰かに声を掛けてる。
寝たままで起き上がる気配がない。
フサギコ殿の足下に広がる、紅い、何か。
…何だ、あれは。…血だまり?
川;゚ -゚)「…まさか」
嫌な想像が頭をよぎる。
…心臓が痛い。走りすぎたせいか。
…早くみんなのところに行って確認しなければ。
ザッ!
ミメ,゚Д゚彡「…クー?」
(`・ω・´)「クーさん?」
_
( ゚∀゚)「んお?」
( A )
川;゚ -゚)「…」
「ドクオ!!」
…
……
………
夜―港町・宿屋―
('A`)「…ん」
ムクリ
('A`)「…どこだ、ここ。…宿屋か?」
ガチャリ
ミ,,゚Д゚彡「む。目が覚めたようだな。具合はどうだ」
('A`)「フサギコさん。特には…って、あれ?そう言えば何かしてたような」
ミ,,゚Д゚彡「船着き場の魔物退治のことだろう」
('A`;)「あ!…どうなりました?」
ミ,,゚Д゚彡「お陰様でな、死傷者ゼロだ」
('A`)「ゼロ?」
ガチャ
_
( ゚∀゚)「お、起きたか!よっす!」
('A`)「よっす。…死者はともかく、怪我人がゼロっていうのは?
確か俺も怪我した覚えがあるんですけど。…傷がないな」
_
( ゚∀゚)「それはクーの回復魔法だ。みんな治しちまったんだよ」
('A`)「あ、なるほ…」
言いかけて思い出す。
('A`;)「…お」
ミ,,゚Д゚彡「?どうした」
('A`;)「いえ…(そう言えば気絶させたんだった…)」
('A`;)「…クーはどこに?」
ミ,,゚Д゚彡「…さあな」
_
( ゚∀゚)「あれだけ取り乱してたからな。恥ずかしがって会えないんじゃねーの?」
('A`)「取り乱す?」
_
( ゚∀゚)「おう!それがもう大変でよー。お前が倒れてるのを見るやいきなr」
川 ゚ -゚)「何の話をしているんだ?ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「ナンデモゴザイマセン」
('A`;)「…?」
川 ゚ -゚)「…ドクオ、体に異常はないか?」
('A`)「ん…特にはなさそうだ。ケガ、治してくれたんだよな?サンキュ」
川 ゚ -゚)「大したことはしてないさ。それより…」
('A`;)「(まさか…)」
川 ゚ -゚)「どうして一人で戦いに行ったんだ…?」
('A`;)「(…やっぱりな)」
川 ゚ -゚)「…」
('A`;)「あー、それはだなぁ…」
ミ,,゚Д゚彡「…」
_
( ゚∀゚)「…」
('A`)「…」
('A`)「なんとなく?」
( ゚∀゚)「なんだそりゃ」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「気がついたら体が勝手にというか何というか…。
…とにかくごめん。電撃痛かったろ?」
川 ゚ -゚)「…まあ理由を話したくないのならそれでも良い。
痛みは残っていないから気にしなくて大丈夫だ」
('A`)「すまん」
川 ゚ -゚)「だが、私はキミを守ると決めたんだ。
それなのに、一人で勝手にどこかに行ってしまっては守れるものも守れないではないか」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「約束してくれ。これからは一人で勝手にどこかに行かないと」
('A`)「…ああ、わかった」
( ゚∀゚)「…」
ミ,,゚Д゚彡「…」
_
( ゚∀゚)「…なあ」
ミ,,゚Д゚彡「何だ」
_
( ゚∀゚)「これって愛の告白ってやつか?」
ミ,,゚Д゚彡「知るか」
川;゚ -゚)そ「はうっ!」Σ('A`;)
_
( ゚∀゚)「お熱いな!」
('A`;)「ところで、みんなでどこに行ってたんだ?」
ミ,,゚Д゚彡「魔物が乗ってきた船の調査だ」
_
( ゚∀゚)「まあ、当然と言えば当然なんだが」
川 ゚ -゚)「…生存者はゼロだった」
('A`)「…そうか」
ミ,,゚Д゚彡「プギャーもそうだが、俺も完全に油断していた」
_
( ゚∀゚)「まさか船にまで魔物が出るとは思わないからな…」
ミ,,゚Д゚彡「ドクオ、クー。今回の船の件だが、召喚師に会っても今回の件は…」
川 ゚ -゚)「…秘密にしておくよ」
('A`)「俺も」
ミ,,゚Д゚彡「…ならいい。今回の件、故意であれば情報を与えずに済むし、
そうでない場合は余計な心労を与えずに済む」
_
( ゚∀゚)「わざわざ辛い思いさせるのもなんだしな」
('A`)「わかってる。だけど、外からの情報は…」
ミ,,゚Д゚彡「そうだな。王立士官学校への情報に一部規制をかける。
本来は良くないことだが、生徒の為だ。校長も理解してくれるだろう」
('A`)「そう言えば、俺ってどのくらい寝てたんですか?」
ミ,,゚Д゚彡「3時間と言ったところか」
川 ゚ -゚)「因みに今日の定期便だが、1日遅れで運行されるらしい」
_
( ゚∀゚)「まあとにかく色々あって疲れたし、今日はもうお開きにしようぜ」
ミ,,゚Д゚彡「そうだな。それでは失礼する」
朝―港町・船着き場―
ザザーン…
ザザーン…
船乗り「お名前と乗船券を確認させてください」
_
( ゚∀゚)「ジョルジュだ。ほら、4人分」
船乗り「…はい、ジョルジュ様とお連れの方ですね。名簿と一致します。ではどうぞ」
ミ,,゚Д゚彡「行くぞ」テクテク…
_
( ゚∀゚)「おう!」タッタッタ…
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「どうした、ドクオ」
('A`)「ん、ああ。…例の船って結局どうなったんだ?」
川 ゚ -゚)「…修復は無理そうでな、壊されることになった。船の犠牲者は供養される」
('A`)「そっか…」
川 ゚ -゚)「船の犠牲者は惨いものだった…。戦場の、みんなが痛みに苦しんでいる姿も…。
…私はもうあんな光景は見たくない。こんな思いをするのはもう嫌なんだ」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「だから、私は絶対に魔王を倒す」
('A`)「…俺も魔王討伐、協力するよ」
何よりもキミを守るために
そう誓ったから
展開が凄く楽しみ
そろそろ本格的な戦闘シーンが多くなるのかね?
―北西の港町・船着き場―
川 ゚ -゚)「やっと着いたか」
ミ,,゚Д゚彡「何事もなく着いてよかったな」
_
( ゚∀゚)「ホントだな。船でまで魔物に襲われちゃたまらん」
('A`)「それで、これからどうするんです?馬車は港町に置いて来ちゃったし」
ミ,,゚Д゚彡「大した距離はないからな。ここからは歩いて王都まで向かう」
_
( ゚∀゚)「今日のところは足りない物の買いだしをして明日出発だな」
川 ゚ -゚)「それなら、買い物は私とドクオで行こう」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。俺とジョルジュは詰め所へ行ってくる。また後でな」
―北西の港町・雑貨屋―
('A`)「もうすぐ王都か…」
川 ゚ -゚)「…王都に着いたら、私は少しの間ドクオと離れることになる」
('A`)「そうなのか?」
川 ゚ -゚)「ああ。どうしても外せない用事があってな…」
('A`)「そっか…。どれくらいの間なんだ?」
川 ゚ -゚)「学校が始まるまでかな…」
('A`)「具体的には何日くらいなんだ?」
川 ゚ -゚)「このまま順調に王都に着いたとすると、5~6日と言ったところか」
('A`)「5~6日か。…港町でもそうだったけどさ。何があるかわからないからな。気を付けろよ?」
川 ゚ -゚)「ドクオもな。…できれば用事なんかすっぽかしたいのだが」
('A`)「大事な用事なんだろ?俺の事は気にしなくていいよ」
川 ゚ -゚)「まあそうなんだが…」
('A`)「ところで、王都に着いたら俺はその間どこで寝泊まりすればいいんだ?」
川 ゚ -゚)「ドクオにはジョルジュと一緒に王立士官学校まで行ってもらうことになる。
まだ入学の手続きが済んでないからな。済み次第、寮で暮らせることになる」
('A`)「なるほどね。入学手続きの時に何かすることはあるのか?」
川 ゚ -゚)「特にはないな。入学許可は、基本的にはみんな誰かしらから推薦をもらうものなんだが、
それもフサギコ殿が行うと言っていたし問題はないだろう」
('A`)「飛び入りにも結構寛大なのな。まあよかったよ」
('A`)「…だけど」
川 ゚ -゚)「何だ?」
('A`)「例の召喚師のこと。召喚師も王立士官学校に通うって言ってたよな」
川 ゚ -゚)「そうだったな」
('A`)「と言うことは、召喚師は王都に留まり続けることになるんだよな…?」
川 ゚ -゚)「あ…」
('A`)「今までの魔物の件が召喚師の仕業にしろ、そうでないにしろ。
…また、魔物に街が襲われたりするのかな…」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「まあ、それは行ってみないことには分からないよな。
…今までのことは、みんな偶然だったとかさ!」
川 ゚ -゚)「…確かに、心配しても仕方がない、か」
('A`)「おう。それじゃ、そろそろ会計済ませて行くか?」
川 ゚ -゚)「ああ。それじゃ、宿屋へ向かおう」
―北西の港町・宿屋―
ガチャ
('A`)「あ」
川 ゚ -゚)「おかえり」
_
( ゚∀゚)「おう!買い物は済んだみたいだな」
('A`)「ああ。詰め所は召喚師の件で?」
ミ,,゚Д゚彡「そうだ。やはりこの町でも魔物は出現したらしいな」
( ゚∀゚)「港町みたいに規模がでかくて強い魔物じゃなかったみたいだが」
川 ゚ -゚)「港町のことは報告を?」
ミ,,゚Д゚彡「俺からした。ショックはかなり大きいようだったな…」
_
( ゚∀゚)「ま、無理もねぇよな」
('A`)「…あのさ、魔物のことで二人に話があるんだけど」
ミ,,゚Д゚彡「何だ?」
…
……
………
ミ,,゚Д゚彡「ふむ…」
_
( ゚∀゚)「言われてみればそうだよな。召喚師は王都に長いこと滞在することになる。
そうすると、俺らは何度もあんな凶悪なやつらと戦わなきゃならないってことか」
川 ゚ -゚)「まだ決まったことじゃない。もしかしたら何も起こらない可能性だってある」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。だが、用心するに越したことはないだろう。できるだけ警備の強化はするようにしておく」
_
( ゚∀゚)「だな。…俺も本気で訓練に取りかかるか。もうあんな魔物に負けてられねぇ」
ミ,,゚Д゚彡「そうだな。…ドクオ、クー」
川 ゚ -゚) ('A`)「「はい」」
ミ,,゚Д゚彡「この旅でお前達はかなりの成長を見せた」
川 ゚ -゚)「…」
ミ,,゚Д゚彡「それこそ、そこらの街に兵士として配属されても、それなりに動けるくらいにはな」
('A`)「…だけど」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、まだまだ力が足りない」
_
( ゚∀゚)「特にクーは魔王を倒しに行こうってんだ」
川 ゚ -゚)「…ああ」
('A`)「…俺もな」
( ゚∀゚)「お?ドクオも行くのか?帰る方法探しに行くのかと思ってたよ」
('A`)「ま、色々思うところがあってね…。もちろん帰る方法も探すけどな」
ミ,,゚Д゚彡「そうか。何にしろ、魔王は先日港町で戦ったヤツとは比較にならんくらい強いだろう」
_
( ゚∀゚)「だから、お前らは今よりももっともっと強くなれ」
ミ,,゚Д゚彡「魔王を倒せるくらい強くなるまで、俺らがお前達を守ってやる」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「…」
_
( ゚∀゚)「お前達ならなんとかできそうな気がするんだ。期待してるぜ?」
川 ゚ -゚) ('A`)「「はい!」」
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