( ФωФ)冷血非道ロマネスクのようです 40話
カテゴリ: ブーン系
( ФωФ)冷血非道ロマネスクのようです 目次
406 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/07/16(土) 01:02:48 ID:4YHjGSC20
第四十話「ロストナンバーズ」
かつて魔王軍にはロストナンバーズと呼ばれる者たちがいた。
彼らの主な仕事は情報収集と内偵、そして暗殺である。
表舞台には決して出られないはずの彼らは、部隊の解散と共に
他のタナトスと同じように一兵士となった。
彼らにとってそれは喜ばしいことであったはずだった。
実際の所、最初のうちはどんな仕事でも楽しく感じられた。
第四十話「ロストナンバーズ」
かつて魔王軍にはロストナンバーズと呼ばれる者たちがいた。
彼らの主な仕事は情報収集と内偵、そして暗殺である。
表舞台には決して出られないはずの彼らは、部隊の解散と共に
他のタナトスと同じように一兵士となった。
彼らにとってそれは喜ばしいことであったはずだった。
実際の所、最初のうちはどんな仕事でも楽しく感じられた。
ところが元々ロストナンバーズであった者たちは、一人、また一人とタナトスを辞めていった。
そもそも彼らは通常の魔族とは全く違う思考を持ち、同族殺しを生き甲斐とする者たちだった。
一般の魔族と共に闘うなど、馴染めるはずが無いのだった。
現在、元ロストナンバーズで、魔王軍に在籍しているのはたったの二人である。
|::━◎┥ 話とは何だ?
歯車王:タナトス5番隊隊長
[ Д`] そう気構えるな。大したことじゃない
エンジン王:タナトス8番隊隊長
|::━◎┥ 世間話なら結構だ。俺は忙しいのだ
[ Д`] 本当に忙しいのか?
|::━◎┥ 何?
[ Д`] 交戦が少なくなってきている。お前もわかっているだろう
|::━◎┥ ああ…確かにな。でもそれは魔王様が好戦的な性格ではおられないからだ
[ Д`] 俺もそう思っていた。しかし本当にそうだろうか?
|::━◎┥ 何が言いたい
[ Д`] 戦争が終結に向かっている。そうは思わないか?
|::━◎┥ いいや。暁は好戦的な魔族を次々に吸収していっている
これから大きな戦いが始まるはずだ
[ Д`] 本当にそう思っているのか
|::━◎┥ 違うというのか
[ Д`] まあ、いい。俺の考えはまだ断定できない、推測の話になる
お前も同じ考えであったのなら、まだ自分の推測に自信が持てたんだがな
|::━◎┥ 推測?興味深いな。聞かせてみろ
[ Д`] いや、いい
|::━◎┥ 勿体ぶるなよ
[ Д`] 別に勿体ぶっている訳ではない。ただ、自信が無いだけだ
というより、違っていて欲しいとさえ思っている。杞憂であって欲しいとな
二人は元々ロストナンバーズであった。
闇の中で生まれ、闇から闇へと行き移り、そして闇の中で生きた者たち。
友人でも戦友でもない、もっと特殊な絆で結ばれた二人である。
その日、エンジン王は最後まで「推測」を語らず、会話はそこで止まった。
―――魔王の間
|::━◎┥ 出撃許可をお願いします
( ФωФ) しかし、今交戦している地域は無いぞ
|::━◎┥ 暁の拠点を叩きます。私の隊だけで不安ならば、8番隊も連れて行きましょう
( ФωФ) ん~、不安というか、何というかな
|::━◎┥ 何を悩んでおられるのですか。敵の動きが静かならば、こちらから叩くのみです
( ФωФ) 今までこちらは受け身の姿勢で闘っていた
接触を避けるのが一番安全だからだ。何もこちらから出向く必要は無いだろう
|::━◎┥ いえ、敵の戦力は拡大を続けております
このまま放置しておけば、いずれ魔王軍の戦力を越すかもしれない
そうなってからでは遅いでしょう
( ФωФ) ん~難しいな
|::━◎┥ 魔王様
( ФωФ) とりあえず、この話は保留にしておく
|::━◎┥ 保留、ですか…わかりました。出過ぎた真似をしました
申し訳ありません。…失礼します
(´・_ゝ・`) 最近、歯車王さんがよくこちらに来られますね
( ФωФ) どうしても戦場に出たいらしいな
(´・_ゝ・`) 交戦も静かになっていますし、どうせならタナトスにお休みを出されては?
仕事中なのに何もしていない、というのが不安になるタイプの方かもしれません
( ФωФ) いや、たぶん違うよ
(´・_ゝ・`) そうでしょうか?
( ФωФ) 真面目というより、戦闘狂みたいな感じだからな~
いや、それよりももっと特殊なタイプだ
(´・_ゝ・`) 確かロストナンバーズという部隊の方だったんですよね
( ФωФ) ああ。元々あそこは少し変わった人が集まる部隊でな
ただ魔王軍から大多数の批判が出て、部隊が消滅してしまったから
今でもそれを根に持っているのかもしれん
(´・_ゝ・`) 大多数の批判とは、どういうものですか?
( ФωФ) 彼らは任務であれば同じ魔王軍が相手でも決して躊躇しなかった
単純に彼らを恐れている者たちが多かったという訳だ
生殺与奪の権利を持っている内偵という存在が
出撃命令が出ないまま、数日が過ぎた。
歯車王はエンジン王の言葉を考えていた。
どうして交戦が少なくなったのか、その答えについて彼は何らかの推測を立てている。
そしてその推測は、エンジン王―――いや、自分たちにとってとても都合が悪い推測である。
|::━◎┥(戦いが集結に向かっている。彼はそう言った。
今では俺もそう思えてきた。でも理由は何故だ?)
戦争が終わるのを、歯車王は何よりも恐れていた。
闘いたい。殺したい。命の取り合いをしたい。
そのぎりぎりの境界線上でしか自分は生きられない。
彼は殺しに対して強い欲求を持っていた。
腹が空いたら食べたいように、夜になったら眠るように、
生理現象と同じように殺したくなるのだ。
犯罪者になるのは嫌だった。
だから彼はロストナンバーズに入った。
ロストナンバーズは彼にとって安住の地であった。
殺しを正当化できる居場所であり、自分がいて許される場所だと思った。
|::━◎┥ 戦争が終わったら…俺は何をして生きるのだ
彼にとっての平穏とは、死と腐敗の中に他ならない。
一度居場所を奪われた彼は、今もう一度居場所を奪われ(ロスト)ようとしていた。
―――タナトス3番隊本部
|::━◎┥ 失礼。5番隊隊長の歯車王である。渋澤殿はおられるかな
_、_
( ,_ノ` )y━・~ 運がよかった。今帰る所だったんですよ
|::━◎┥ む、それは失礼した
_、_
( ,_ノ` )y━・~ いえ。どうしました?
|::━◎┥ 署名を集めている
色々と要項があるが、要は進軍するべきであるという署名だ
_、_
( ,_ノ` )y━・~ へえ。交戦地域を拡大するつもりなんですか
|::━◎┥ そうだ。貴殿も最近は暇だろう
_、_
( ,_ノ` )y━・~ 暇といえば暇かな。しかし暇は平和の賜という言葉もありますよ
|::━◎┥ それは…そうだ。しかし今敵に攻め込まなければ、敵側の総攻撃が始まる
_、_
( ,_ノ` )y━・~ ああ、そういう考えを唱える者はいますね
何とかっていう戦争科学者とか、色々とテレビで言っていたなあ
|::━◎┥ 渋澤殿は気乗りしないようだな
_、_
( ,_ノ` )y━・~ ええ。俺はこのまま戦争が終わるんじゃないかって思ってるんです
|::━◎┥ かもしれないな
_、_
( ,_ノ` )y━・~ だったら別に、わざわざ戦争をけしかける必要も無いでしょう
|::━◎┥ …正論だ
_、_
( ,_ノ` )y━・~ すみませんが、署名にサインは出来ません。他を当たって下さい
|::━◎┥ ああ、そうしよう
|::━◎┥ お帰りになるところ、失礼した。では
_、_
( ,_ノ` )y━・~フゥー
( ゚д゚) 隊長、歯車王様はとても真面目な方なんですね。隊長とは大違い
_、_
( ,_ノ` )y━・~ 真面目なだけなら、署名活動なんてしないさ
( ゚д゚) はぁ…
_、_
( ,_ノ` )y━・~ (戦い以外に、大切なものでもあればいいんだがな)
自分が異常だという自覚はあった。
しかしどうすることも出来ないだろう。
彼は“そういう”魔族としてこの世に生まれ、“そういう”生き方をして今までやってきた。
|::━◎┥(このまま、戦争が終わるのか。俺はもう用済みなのか)
歯車王は昔を思い出していた。
ロストナンバーズにいた頃だ。
あの頃は誰もが目を血走らせ、死と隣り合わせに必死に生き抜いていた。
よだれが垂れそうになるほど懐かしく、愛おしい日々だった。
署名活動はすぐに辞めた。
どの隊長も署名してくれなかった。
クルウだけはチョコレートをくれたら署名してあげると言ったが、
彼女の名前にどれほどの価値があるか考えた所、歯車王から断った。
平和な日々が続いた。
彼にとって絶望といえるような、乾いた日々だった。
|::━◎┥ 教えてくれ。エンジン王
[ Д`] どうした。急に
歯車王は限界だった。
いくつもの限界を通り越した先にある、
物理的な障壁に体ごとめり込むような臨界点に来ていた。
|::━◎┥ なぜ、戦争が終わるのかということだ
[ Д`] まだ戦争は続いている
|::━◎┥ 以前言っていただろう。このままでは戦争が終結すると
何故だ?かつて戦争の渦中にいた残党は山ほど残っていた
待っていれば自然発生的に戦争が始まるような状態だったはずだ
[ Д`] そうだよ。待っていればそうなっていたんだ
|::━◎┥ どういうことだ
[ Д`] そこに母者の本当の狙いがあると俺は踏んでいる
|::━◎┥ 本当の狙い…魔王軍に対してのレジスタンスではなく
戦争を終結させること―――いや、いずれ始まるはずだった戦争を
早期に、最小の犠牲にして終わらせるのが母者のもくろみ、そういうことか?
[ Д`] そうだ。おかしいと思っていたんだよ。元魔王軍の母者がレジスタンスなんてな
|::━◎┥ そうか…そういうことか!
[ Д`] 魔王様は戦場で誰も殺さなかった。だからこそ大勢の残党がばらばらに点在し
独自に勢力を保ってしまっていた。偽りの平和の時代に、奴らは力をつけ
時限爆弾のように決起する機会を伺っていた
|::━◎┥ そこに「月下の暁」を作る。残党をまとめ上げ、ばらばらになった勢力を一つにし
そして…どうするつもりなんだ?
[ Д`] それで終わりだ。暁は暁として、永遠に月の下で日の出を見ない
いつかやってくるだろう大戦争を目前にしたまま動かない
つまり平和だ。極限の緊張状態ではあるが、交戦が無くなれば事実上戦争は終わる
|::━◎┥ 母者の実力と組織力で、魔王軍と同程度の勢力を作り上げ
バランスを保ったという訳か
[ Д`] 母者たちは永遠に攻めてこない。小さな交戦があるだけだ
|::━◎┥ これが、母者の思い描いた図という訳か…………………
[ Д`] 戦争はいずれ終結すると言ったが、それは嘘かもしれない
本当はもう、終わっているのかもしれない
母者が「月下の暁」を立ち上げたそのときからな
母者が戦争を終わらせるためにテロ組織を起こし、戦争を始めた。
終わらない戦争は、そのまま終わらない平和へと繋がる。
|::━◎┥ もう、全て終わったことだったのか
体から魂が抜け出ていくような虚無感を覚えた。
この世界に自分が生きる場所が無くなったのだ。
[ Д`] どうする?魔王様にこのことを報告してみてもいいが
|::━◎┥ それでどうなる?俺たちはどうなる!?
[ Д`] どうにもならんな
|::━◎┥ 終わりだ。全て終わりだ。いや、終わったんだ
[ Д`] 歯車王。お前、俺と初めて会ったときを覚えているか?
|::━◎┥ あ、ああ。覚えているとも
[ Д`] 俺は死刑囚で、お前は執行官役だったな
|::━◎┥ あの頃は執行官なんていう仕事がそもそも無かったから
ロストナンバーズがやっていたんだ
[ Д`] 司法取引で俺がロストナンバーズに入ることになる前に、俺はこう言った
「生きてて面白くない世界なら、喜んで地獄を選ぶ」と
|::━◎┥ ああ。覚えているぞ
[ Д`] アウトサイダーが生きるには、この世界は優しすぎる
どうせこのまま朽ち果てるなら、俺たちが革命を起こさないか?
最初、その言葉の意味を理解できなかった。
数秒後、ようやく理解した革命の意味とは、「本物のテロを起こす」ということだ。
|::━◎┥ 具体的にどうするんだ
[ Д`] 一つだけ案がある。簡単なことだ。とてもシンプルだ。説明のしようがないくらいに
|::━◎┥ 俺たちだけでやれることなのか?
[ Д`] やれるさ。俺たちならやれる。俺たちは誰よりも「冷血非道」だからな
魔王ロマネスクの暗殺。
エンジン王が提案したのは、かつて先代魔王に行われ、未遂に終わったものであった。
歯車王は特別驚きはしなかった。予想できるものがそれしか無かったからだ。
考えさせて欲しい、歯車王はそう言って、エンジン王に背を向けた。
[ Д`] 蒸気王のことは知っているか?
部屋から退出する直前にエンジン王は言った。
|::━◎┥ 知らない。彼はどうしたんだ?
[ Д`] 死んだよ。自殺した。遺書は無かったらしい
かつてロストナンバーズにいた彼は、
度々の不始末を重ねた末に魔王軍を強制的に辞めさせられていた。
|::━◎┥ 電気王と、原子王は?
[ Д`] 病院にいる。頭のな。彼らとは暗号文でずっと連絡のやり取りをしていた
今回の案には既に参加すると言っている
|::━◎┥ そうか。そうだろうな
例え俺がいなくても、実行するつもりなのか?
エンジン王は何も答えなかった。
どうせやるんだろ、とその目が言っていた。
気が狂いそうなほどの平和が続いた。
いや、既に狂っていたのかもしれない。
ロストナンバーズに入り、暗殺を生業にしていた頃からか。
他人とのズレを露骨に感じ始めた成長期の頃からか。
それとも初めて生き物の命を奪った年少の頃からか。
この世界に生まれた瞬間からか。
満天の星空を綺麗だと思ったことはない。
豪勢な食事を前につばを飲み込んだことはない。
気軽に何でも話せる友人はいない。
胸をときめかせるような女と出会ったことがない。
誕生日に気持ちを踊らせたことはない。
下らない洒落に口をほころばせたことはない。
趣味は無い。
夢は無い。
何も無い。
時折考える。
自分はどうして、この世界に生まれてきたのだろうと。
生まれたときから、“普通”を持っていない(ロスト)者は、どうやって生きていけばいいのだろう。
|::━◎┥ エンジン王。話がある
[ Д`] ……待っていた
数週間の間、ずっと眠れない日々が続いた。
心身共に衰弱した彼がすがりついたのは、結局の所、狂気だった。
|::━◎┥ 手伝う。しかし条件がある
[ Д`] 実は俺も、まだ話していないことがあったんだ
おそらく同じことだろう
|::━◎┥ そうか。それは―――よかったよ
[ Д`] 原子王と電気王は今夜病院を脱走する
作戦は明日の深夜、24時に行う。細かいことは今夜四人で話し合おう
|::━◎┥ 明日か。早いな
[ Д`] 俺も、原子王も電気王も、もう限界なんだよ
―――決行の夜
その日は新月で、辺りは暗闇だった。
(´・_ゝ・`)(遅くなってしまったな)
デミタスは街灯の少ない道を早足で歩いていた。
彼の後ろに二人の人影があるのを、彼は気がついていなかった。
時を同じくして、あさぴーラボに侵入者がいた。
(//‰ ゚) 誰だ!
横堀と一時交戦状態になり、戦いは一時間弱にまで及んだ。
戦闘用のパーツを装備していなかった彼女は、燃料が切れると同時に床に倒れ込んだ。
また徹夜で作業に当たっていた数人の研究者たちが、その光景を一部始終目撃している。
研究者たちに危害は加えられなかったが、大量破壊兵器である反陽子爆弾が盗まれた。
魔王城が跡形もなくなるほどの量であった。
爆弾を盗んだのが歯車王とエンジン王だということは、
目撃した研究者たちの証言でわかった。
タナトスは一時混乱状態に陥ったが、ショボーンと渋澤の活躍もあり
すぐさま第一種戦闘態勢に入ることができた。
犯行声明が届いたのは、襲撃の次の日の夜。
ロマネスクがいなくなったデミタスのことを不審に思っていた矢先であった。
短い声明文には、次のことが書かれていた。
「
例の廃鉱で待つ。デミタスの命はまだある。魔王一人で来い。
約束を破ればデミタスは土の肥料になり、魔王城はガレキになる。 」
すぐさま部屋を飛び出そうとした彼を、タナトスの隊長たちと零番隊で引き留めた。
圧倒的だった魔王軍は今、たった4人の男たちに大きく揺さぶられていた。
―――魔王軍幹部会議
_、_
( ,_ノ` )y━・~ 魔王様はどういう状態だった?
(´・ω・`) クックルさんとネーノで羽交い締めにして
貞子さんとシュールさんの結界で封印してます
(゚A゚* ) けど、あの様子じゃいずれ飛び出してしまうで
(//‰ ゚) タナトスで総攻撃をかければいいだろう
元ロストナンバーズというのがどの程度のものか知らんが
我々が全力を出せば即座に制圧できる
/ ,' 3 しかしそうすると、魔王城に仕掛けられたはずの爆弾が気がかりじゃ
(//‰ ゚) 爆弾を探して解除すればいい
(-@∀@) 今探している所だが、おそらく結界を張っているか
別次元に隠して設置してある可能性が高い
前者ならともかく、後者なら探すのは相当時間がかかるぞ
∬;´_ゝ`) デミタスさんが人質になっている以上、時間はかけられませんわ
_、_
( ,_ノ` )y━・~ とにかく爆弾は探し続けよう。デミタスくんは…我々が救出するしかない
(´・ω・`) 最悪、彼には犠牲になってもらうかもしれない
∬;´_ゝ`) そんな!あんまりです!
(´・ω・`) 申し訳ありませんが、彼も魔王軍です
死ぬ覚悟はしていてもらわないといけない
/ ,' 3 今大事なのは魔王軍の存続。つまり魔王様を護りきることじゃな
(゚A゚* ) それは、わかるんやけどさ…
川 ゚ 々゚) デミタス死んじゃ嫌です…
(゚A゚* ) ウチも、そう思うで
( ,_ノ` )y━・~ 魔王軍は避難させたか?
(´・ω・`) 大体7割っていう所ですね。反陽子爆弾の威力がどの程度がわかりませんが
(-@∀@) 魔王城の敷地内にいたら木っ端微塵だ
数キロは離れないと
(´・ω・`) それなら、あと数時間で全員危険圏内からは脱出できる
(゚A゚* ) 最悪の事態は無いっちゅうことか
_、_
( ,_ノ` )y━・~ 拠点が無くなるのは相当痛いが、城はまた作ればいい話だからな
/ ,' 3 その通り
会議で有意義な話は出なかった。
魔王軍そのものは何とかなるが、魔王城の大破は避けられないかもしれない。
ましてや人質となったデミタスは、絶望的かと思われた。
( ФωФ) おい。離せ。大丈夫。部屋からは出ないから
( ;`ー´) ぜんっっぜん信用出来ないっすよ!めっちゃ力入れてるじゃん!
川;д川 魔王様、お願いです……魔力をお収め下さい………
( ФωФ) いや、マジ。マジで。絶対言うこと聞くから。命賭けるわ
lw´‐ _‐ノv そうか。ならちょっと結界を弱めて…
( ;ФωФ) うおおおおおおおおおおおお!!!
( ;`ー´) やっぱり行く気まんまんだ!!結界を強くしろ!
lw´‐ _‐ノv 元から弱めて無いから大丈夫
( ;ФωФ) クソ!ブラフか!
(#ФωФ) 魔王命令だ!さっさとワシを離せ!
( ;`ー´) んなこと言われても…我慢して下さい。あんたは俺たちのボスなんだから
( ФωФ) 部下を護れんボスなどいない方がマシだ
( ;`ー´) ボスを護れない部下だって、同じことっすよ
lw´‐ _‐ノv いいこと言うね~メモっとくわ
「どうやら、お困りのようですね」
( ФωФ) お…お前
【+ 】ゞ゚) 報告したいことがあって来たのですが、どうやらそれどころじゃないようで
( ;ФωФ) オサムくん!助けて!友達がピンチだよ!
( ;`ー´)(オサムって、「ハイルランドの悪魔」棺桶死オサムか!)
【+ 】ゞ゚) 事情を話して頂けますか?
川;д川 えっと、じゃあ私からお話します……
【+ 】ゞ^) ありがとう、可愛いお嬢さん
【+ 】ゞ゚) …なるほど。ロストナンバーズですか
確か原子王さんと、歯車王さん、電気王さん、エンジン王さん、蒸気王さん、でしたっけ
川д川 ご存じなんですか…?
【+ 】ゞ゚) ええ。私が魔王軍に勤めていた頃は、まだその部隊がありましたからね
あまり交友もありませんでしたが、印象はかなり強かった
彼らは相当強い。そして躊躇が無い。敵に回したくは無いと思いましたね
( ;ФωФ) ワシは行かねばならんのだ!
( ;`ー´) だから駄目だってば!
【+ 】ゞ゚) 何よりも強い印象だったのは、闇に生きる者。そして闇に苦しむ者―――
とても悲しい方たちだった。そう記憶しています
【+ 】ゞ゚) 行きましょう、“ロマネスクくん”
( ФωФ) オサムくん…
【+ 】ゞ゚) 私はまた、君の可能性に賭けてみたい。友人としてね
( ;`ー´) 何てこと言うんですか!そそのかさないで下さいよ!
【+ 】ゞ゚) しかし、その結界は大変強力ですね
偶然、彼と出会っていてよかったです
( ^ω^) おーす、元気かお?
( ФωФ) ブーンちゃん!
( ^ω^) 魔王城が騒がしいから、ちょっと見に来たんだお
【+ 】ゞ゚) 聞けば、勇者だそうで。さあこれならどうでしょうか?
我々が協力すれば、これくらいの結界なら―――
lw´‐ _‐ノv 貞子ちゃん、どうすんべ?私?私はもう今日の夕食のこと考えてる
カレーにすっかな…
川;д川 えぇ~っ、どうでもいい……ていうか、駄目ですっ……絶対に……
【+ 】ゞ゚) 強情だね
川;д川 だって……死んじゃうかもしれないんですよっ!
魔王様が………私そんなの…嫌……嫌ですっ!絶対いやっ!
( ФωФ) 貞子さん
川;д川 あっ、はい!!
( ФωФ) 必ず戻ってくる。ワシを信じて欲しい
川;д川 でもっ…でもっ……
( ФωФ) 頼む。お願いだ
川;д川 …………………………
川д川 ……わかりました
( ;`ー´) 貞子~!ちょっと、クックルも何か言ってやれよ!
( ゚∋゚)
( `ー´) お前に少しでも期待した俺が悪かったよ
( ФωФ) よし、行ってくる!
【+ 】ゞ゚) 私も行きます
( ^ω^) 俺も行くお。事情を聞きたいし
( ФωФ) 駄目だ。一人で来いと言われている
【+ 】ゞ゚) 途中までならいいでしょう
( ^ω^) 一人だけで行くなんて足臭いお
( ФωФ) うむ…わかった。臭くないっ!水くさいだろそこは!
川д川 オサム様………魔王様をどうか、よろしくお願いいたします
【+ 】ゞ゚) ええ。約束します
川д川 ……………
【+ 】ゞ^) 大丈夫。私は女性との約束を破ったことはない
特に、可愛らしい素敵な女性が相手だとね
( ФωФ) 部下を口説くな。行くぞ
【+ 】ゞ゚) ええ
( ^ω^) おう!
三人はすぐさま廃鉱へと向かった。
既に日が沈んでおり、廃鉱につく頃には月が空高く昇っていた。
新月が過ぎ、鋭利に尖った月が空に張り付いている。
( ФωФ) オサムくん。お願いがある。一生のお願いだ
【+ 】ゞ゚) 何でしょう
( ФωФ) ワシが死んだら、君が代わりに魔王になってくれ
【+ 】ゞ゚) 嫌です
( ;ФωФ) えぇ~~~~?想定外の即答だった
ブーンちゃんでもいいんだけど(チラ チラ
( ^ω^) 嫌だ
( ;ФωФ) えぇ~~~~?ワシの一生を賭けたのに。ワシの人生安っ
【+ 】ゞ゚) では私の一生のお願いです。生きて帰ってきて下さい
( ^ω^) 俺も同じこと頼むお
( ФωФ) それが出来そうにないから言ってんのに~~
もういいよ。ふんだ
【+ 】ゞ^) ここでポエムでも作りながら待っていますよ
( ^ω^) 帰ってきたら酒付き合えお。奢ってはやらんけど
( ФωФ) 何か落ち込んできた…行ってきます
【+ 】ゞ゚) さて
( ^ω^) 俺は他に入れそうな場所を探してみるお
あんたはどうする?
【+ 】ゞ゚) 眷属を見えなくして飛ばします。もしものときはすぐに飛び込めるように
( ^ω^) 二手に分かれようか
【+ 】ゞ゚) ええ。敵に悟られないようにお気を付けて
( ^ω^) わかったお
廃鉱に入っていくと、昔と少し変わっていることに気がついた。
( ФωФ)(昔―――か。そういえばモナー様のときも、強引にここまで来たんだったな)
懐かしい記憶だった。しかしあのときとは大きく様相が違う。
捕らえられているのはただの事務員だ。
要求はおそらく魔王の命そのもの。
( ФωФ)(帰ったら、タナトスのみんなに怒られるんだろうな~~~やだな~~~~)
生きて帰れる保証は何一つ無いのに、考えることは魔王軍のことばかりだった。
廃鉱は所々修復したような痕があった。
とても真新しい柱などは、つい最近取り替えたのではないかと思える。
この日のために、この廃鉱を修復していたのだろうか。
しばらく行くと開けた場所に出た。
電気が通っていて、さほど眩しくない程度の照明が土溜まりとトロッコ、
それから4人の男たちを照らしていた。
[ Д`] /▽▽ (十) |::━◎┥
( ФωФ) デミタスは何処だ
エンジン王が後ろを指さした。
ξ ⊿ )ξ
生きているのか、死んでいるのか、柱に縛り付けられたデミタスは、
ぴくりとも動いていない。
/▽▽ ま、ま、魔力を吸い取って、動けなく、し、した
そしたら、おとっ、男から女になった。両性種族、らしいな
( ФωФ) お前は確か―――電気王
/▽▽ おぼぼ、覚えていた、とはな。ふっ、ふふ
[ Д`] 電気王。喋りづらいだろう。あとは俺たちに任せてくれ
/▽▽ すす、すまん
|::━◎┥ 本当に一人で来るとはな。半信半疑だった
こうすれば高確率でお前を一人に出来るとは思っていたが
いざ実現すると目の前の光景を疑ってしまう
タナトスの5番隊隊長として接してきた歯車王と全く違う、
淡泊で軽々しい口調だった。
( ФωФ) 要求はなんだ
|::━◎┥ まあ、待て。その前に話をしよう。話をしたいんだ
本当は電気王や原子王も、話をしたがってる
「魔界最強」を目の前にして、伝えたいことが色々とあるのだ
[ Д`] でも彼らは会話が上手くできない
電気王は「薬」のせいで頭の一部が常に麻痺している
( ФωФ) 薬?病気だったのか
[ Д`] ああ。俺たちは生まれたときから、ずっと病気だった
ロマネスクは深く訊こうとはせず、彼らの話に耳を傾けた。
|::━◎┥ 原子王はもっと酷い。自分で舌を噛みきった
(十)
|::━◎┥ 彼はもう話せない。自分から会話をすることを捨ててしまった
[ Д`] 一番可哀想なのは蒸気王だ
|::━◎┥ 彼は命を噛みきった―――もう話せない。何も見えない。聞こえない
[ Д`] 彼らの分まで、俺たちは話そうと思う
( ФωФ) 何の話だ
|::━◎┥ さあ、何だろうな。でも、とにかく、話したいんだよ
気持ちだけが前に出ているようだった。
歯車王は興奮した調子で続けた。
|::━◎┥ 作戦を決行した日、ようやく熟睡することが出来た
どうして今までこれをしなかったのか、自分でもわからない
[ Д`] 俺たちは知らず知らずの間、崖から落ちるギリギリまで追い詰められていた
( ФωФ) どうしてそこまで…
[ Д`] 平和は好きかい、冷血非道?
( ФωФ) ああ。好きだ。戦争なんて無くなってしまえばいい
[ Д`] それが「普通」だ。至って「普通」の「感覚」で、「感情」だ
|::━◎┥ 俺たちにはそれが無い
( ФωФ) 無い?
|::━◎┥ そうだ。戦争が好きだ。戦いが好きだ。屍が好きだ
命が終わる瞬間が好きだ
[ Д`] 平和とは「平穏」であり「日常」であるのが「普通」だ
でも俺たちの場合は「地獄」にして「非日常」なんだ
( ФωФ) ……
|::━◎┥ 俺たちは異常なんだ。自覚しているだけマシだと思っているがな
( ФωФ) 平和な世界に、何か、生き甲斐を…
|::━◎┥ それは無理だ。わかってしまった
いや、ずっと昔から、俺はわかっていたのだ
わかっていて、それでも隠し、自分に嘘をつき、そうして生きてきた
[ Д`] それが出来ないと、電気王みたいに薬漬けにされる
/▽▽
|::━◎┥ 原子王のように自分を拒絶してしまう
(十)
|::━◎┥ 蒸気王のように、存在から消滅してしまう
[ Д`] だがいつまでも隠し通したまま生きるのも無理な話だ
だってそうだろう?夜が来たら眠るし、腹が減れば食う
|::━◎┥ 俺たちはただ、「異常者」として生まれただけ…
どうしようもないんだ。どうすることも出来ない
( ФωФ) ワシに…何が出来る…?
(十) ひゃ…ひゃひゃかへ……!
/▽▽ げ、げ、原子王?
(十) おれひゃひほ…ひゃひゃかへ…!ひゃひゃかへ!へんよくへ!ひゃひゃかへ!
( ФωФ) たたか…え?全力で?
|::━◎┥ あの悪夢のような、いや俺たちにとっては天国のような
魔界大戦で、お前は誰一人として殺さなかった
そのせいで、平和に…平和になろうとしている
[ Д`] 俺たちはいつも闇の中に生きてきた
|::━◎┥ いつか最前線で闘うことを夢見て
[ Д`] 最強と殺し合うことを夢見て
/▽▽ お、おお、おお俺たた、たちは、死を感じなければば、い、生きられ、ない
( ФωФ) ……
|::━◎┥ 爆弾というのはただの口実だ。実際は魔王城に爆弾など仕掛けていない
[ Д`] 全ては「冷血非道」という魔界最高の戦場で戦うために
( ФωФ) もういい
( ФωФ) もう……わかった
/▽▽ [ Д`] (十) |::━◎┥
( ФωФ) 闘おう。今までワシは、一度しか全力を出したことは無かった
けれども、今ひとたび、全力でやってみせよう
|::━◎┥ 感謝する。冷血非道
/▽▽ も、もももう、我慢出来ない!
(十) ほれもひゃ
[ Д`] それと一つ、約束してくれ
( ФωФ) 何だ
[ Д`] 誰もが幸せな世界なんてのは、絵空事だっていうのを忘れないでいてくれ
( ФωФ) ……わかった。お前の言葉も、お前たちのことも、絶対に忘れない
|::━◎┥ さあ、始めよう。いや―――終わらせよう
ロマネスクは魔力を解き放った。
ぴりぴりと肌を焦がす殺気を放つ彼を見て、4人は安らかに微笑み、そして駆けだした。
|::━◎┥ うおおおおおおおおおおおお!!!!
[ Д`] おおおおおおおおおおお!!!
(十) ひゃああああああああああ!!
/▽▽ おおおおおおおおおおおおおおおお!!!
昔、母親に手作りのカバンをプレゼントしたことを思い出した。
忘れていたはずのあのときの母親の笑顔を、何故かこのとき、歯車王は思い出した。
( ;^ω^) 何だお!?
外にいたブーンは異常なほどの魔力の気配に立ち止まった。
ちょうどそのとき、空からオサムが舞い降りてくる。
【+ 】ゞ゚) ロマネスクくんです
( ^ω^) あいつ、こんなに強かったっけ?
【+ 】ゞ゚) 彼は私の認める唯一の最強ですよ
( ^ω^) 中で戦闘しているのかお
【+ 】ゞ゚) おそらく
( ^ω^) 行かなくていいのかお?
【+ 】ゞ゚) 私が行けば邪魔になるかもしれない
あなたは?
( ^ω^) そうだな…やめとくお
【+ 】ゞ゚) そうですか。それがいいと思います
僅かな月明かりを見上げると、厚い雲の層が月の周りだけ途切れていた。
小さな希望の光が、闇の海の中で必死に輝いているように見えた。
歯車王たちは強かった。
ロマネスクは圧倒的な魔力を持っているため、本来は全力で敵と戦うことが許されない。
同じ部隊の者を傷つけてしまうし、民間人に危害が及ぶ可能性もある。
それから動植物を傷つけるのも彼は嫌がった。
敵ですら身を案じてしまう性格の彼が、本気を出すことなんてあり得ないのだ。
そんな彼の本気に対し、歯車王たちは拮抗して闘っていた。
魔力が尽きれば命も尽きる。
それを承知の上で魔力を使い切るつもりで闘っていた。
それでも尋常でない差は埋まりようが無かった。
一人、また一人と倒れていき、最後になった歯車王が地面に伏すまで、
とても長い時間がかかったように思えたが、実際は十分にも満たなかった。
|::━◎┥ 殺せ
息も絶え絶えで地面に転がっていたはずの4人の中で
まるで疲れを感じさせない声で歯車王が言った。
強い意志を感じた。
( ФωФ) 断る
即座に答えたロマネスクの方も
断固として意見を変えないという強い意志が見えた。
|::━◎┥ ふんっ……やはりお前は、冷血非道…………
( ФωФ) ワシは救いたい。お前たちを
|::━◎┥ 無理、だ。それはもう、ずっと前から、決まっていた、ことなのだ
( ФωФ) それでもワシは……絵空事を信じたい
会話はそこで終わった。
ロマネスクはデミタスの方に歩み寄り、体を縛っている縄を解いた。
デミタスを背中に軽く背負うと、歯車王たちから離れていった。
( ФωФ) 出来るなら、もう一度やり直そう
それだけ言って、廃鉱の出口に戻っていった。
|::━◎┥ ぐっ…
[ Д`] 歯車王。起き上がれるか?
|::━◎┥ 無理だ。針のむしろを着たみたいに体中が痛い
[ Д`] 奇遇だな。俺もだ
/▽▽ お、お、俺は、大丈夫…だ…ど……
|::━◎┥ 寝てろ
/▽▽ そうする…
[ Д`] 懐かしいなー。まだよわっちかった頃、戦いが終わったらいつもこんな感じだった
|::━◎┥ 俺は最初から強かったから初体験だな
[ Д`] 抜かせアホ
/▽▽ と、トイレ、行きたい、よぉ~
[ Д`] だーから闘う前にトイレは済ましとけっつったろー?
/▽▽ い、いつも、かか、看護婦さんに、や、やってもももらってったっから
|::━◎┥ あー城下町のミックミクアイス食べたい
[ Д`] 急に何なんだよ
|::━◎┥ 実はな、あそこの店に可愛い女の子バイトが入ったらしいんだ
獣人族で耳ついてて尻尾もあってさ。一度見てみたかったなー
[ Д`] お前そういうキャラだったのか…何かがっかりした
|::━◎┥ お前だって隠れて深夜アニメ見てた癖に
[ Д`] 何で知ってんだよ死ね
|::━◎┥ お前が死ね
(十) う…お………
|::━◎┥ 原子王、動けるのか?
(十) おぅ
[ Д`] ちょうどよかった。そろそろいい頃合いだろ。お前がスイッチ押してくれ
(十) う、おぅ
|::━◎┥ これでやっと、解放されるんだな
[ Д`] 今まで長かったな
/▽▽ お、お、俺、トイレ行ってからに、し、したいんだけど
|::━◎┥ 諦めろ
―――それと、作戦を言う前に伝えたいことがある
―――もしもロマネスクが俺たちを生かした場合
―――盗んだ爆弾で廃鉱ごと爆発させる
―――い、い、いいよ、異議無し!
―――歯車王。お前が言っていた条件って、こういうことだろ?
―――ああ。そうだ
―――ほれほ、おなひはんはへはっは
―――何だ、結局みんな同じこと考えたのかよ
―――え、えへへ、へへへ、俺たちち、似たもの同士
|::━◎┥ 俺は、何だかんだで、結構楽しかったよ
[ Д`] ああ。俺もだ
/▽▽ じ、じ、地獄で、も、友達で、いてね
(十) あ、ぉうおぉ
ロマネスクが廃鉱から出て行った直後、閃光と爆発音が背後から襲ってきた。
( ω ) ……
背中に抱えていたデミタスを前に回し、抱きかかえるような格好で粉塵を防いだ。
気配を察知したオサムとブーンがすぐさまロマネスクに駆け寄る。
デミタスを抱えたまま俯く彼に、二人はしばらく声をかけられなかった。
【+ 】ゞ゚) 終わりましたね
粉塵が降り積もったロマネスクの頭を、オサムが優しくはたいた。
( ФωФ) ああ。終わった
【+ 】ゞ゚) こうなることを予想していたのですか?
( ФωФ) いや。でも頭の奥では、わかっていたのかもしれんな
( ^ω^) デミタスは?
( ФωФ) 無事だ。眠っている。傷一つ無かったよ
( ^ω^) そうか……
( ФωФ) ワシはおそらく、間違っていた
【+ 】ゞ゚) ロマネスクくん
( ФωФ) 考えを改めねばならん
【+ 】ゞ゚) 反省会はほどほどにして、今は魔王城に帰るのが先です
あなたのことを案じていた部下に、無事を報告しなければ
( ФωФ) ああ、そうだな
廃鉱を振り返ると、天井が押しつぶされ、幾分か平坦になった土の塊になっていた。
彼らはまた失った(ロスト)のか、それとも―――。
【+ 】ゞ゚) それと、今からが大変なのですよ
( ^ω^) そういえばロマに何か用事があったんだよな
【+ 】ゞ゚) ええ。私の眷属を使って暁を調べていたのです
( ФωФ) き、君勝手にそんな危険なこと…
【+ 】ゞ゚) 魔王様、覚悟してお聞き下さい
( ФωФ) どうしたのだ
【+ 】ゞ゚) 暁に追放された竜族たちが加入しました
そして彼らは―――
( ´_ゝ`) 幹部が全員揃うのは久々じゃないかな
(´<_` ) うーん圧巻だな
<_プー゚)フ
o川*゚ー゚)o
( <●><●>)
( ><)
(*‘ω‘ *)
|(●), 、(●)、|
( ´ー`)
N| "゚'` {"゚`lリ
l从・∀・ノ!リ人 今日集まってもらったのは他でも無いのじゃ!
妹者:「月下の暁」特攻隊長
< あんたはちょっと黙っときな
l从・∀・;!リ人 えー!今日くらいは仕切らせて欲しいのじゃ!
ζ(゚ー゚*ζ えーと、あたしが母者だ。会うのは初めてって奴いるかな
o川*゚ー゚)o 可愛い!本当に子供四人も産んだの?
(´<_` )(こっちの方か)
ζ(゚ー゚*ζ まーいるみたいだが、どうでもいい
今日集まってもらったのは、あたしから直々に命令を出したかったからだ
( <●><●>) つまり、重要な指令が下るという訳ですね
ζ(゚ー゚*ζ その通り
ζ(゚ー゚*ζ 魔王軍に総攻撃をかける。狙いは奴らの中枢に当たるタナトスのナンバーズ
零番隊、そして冷血非道ロマネスクだ!
――――本格的に全面戦争を起こすつもりです。母者はあなたの命を狙っている
to be continued…
うぇ? え?
母者そんな嘘だろじゃあ歯車王達って一体
そんな……
ちょっと質問なんだけど
>暁に追放された竜族たちが加入しました
この追放された、っていうのは誰に追放されたの?
>>532
書き方が悪かったですね。竜族たちから追放された竜族、っていう意味です
里を追い出されたとかそういう解釈でいいです
マジどうなるんだ…
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