('A`)ドクオは異世界に召喚されたようです TALE.2
カテゴリ: ブーン系
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('A`)ドクオは異世界に召喚されたようです
('A`)ドクオは異世界に召喚されたようです TALE.3 - TALE.4
9 :できてなかった… ◆0VKhn4lVb22010/11/13(土) 22:23:38.56 ID:x3iJgn.o
昼―王都・カフェ―
( ^ω^)「やっぱり王都っていうのはすごいお。みんなが王都に来たがるのも頷けるお」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、そうね。いろんな物があって飽きないわ」
( ^ω^)「それにしても…」
ξ゚⊿゚)ξ「…遅すぎるわね。全く、人を呼び出しておきながら…」
( ^ω^)「もう遊びに行っちゃうかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。じゃあ」
行きましょうか、と言いかけたところに背後から声が掛かる。
( ^Д^)「いや、ほんと遅れてすみませんでした」
('A`)ドクオは異世界に召喚されたようです
('A`)ドクオは異世界に召喚されたようです TALE.3 - TALE.4
昼―王都・カフェ―
( ^ω^)「やっぱり王都っていうのはすごいお。みんなが王都に来たがるのも頷けるお」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、そうね。いろんな物があって飽きないわ」
( ^ω^)「それにしても…」
ξ゚⊿゚)ξ「…遅すぎるわね。全く、人を呼び出しておきながら…」
( ^ω^)「もう遊びに行っちゃうかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。じゃあ」
行きましょうか、と言いかけたところに背後から声が掛かる。
( ^Д^)「いや、ほんと遅れてすみませんでした」
ξ゚⊿゚)ξ「はあ…」
( ^ω^)「遅すぎるお」
( ^Д^)「悪かったって。いや、言い訳をさせてくれ。俺だって忙しい合間を縫って来たんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「今日のこの時間になら会えそうだからって言ってたのはあんたでしょ。
それまでに仕事終わらせてきなさいよ」
( ;^Д^)「ぐ…おっしゃるとおりで…。だけど、今親衛隊が二人仕事で抜けてるからその穴埋めがだな…」
( ^ω^)「まあ忙しいのはわかったお。で、今日は一体何の用だお?」
( ^Д^)「おう。…例の魔物の件だ」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「…」
( ^Д^)「当事者が知らないのは何かと思ってな。お前らも聞きたいだろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「…ええ、遅いって文句言っちゃってごめんなさい」
( ^ω^)「すまなかったお」
( ^Д^)「気にすんな。んで、結論から言うとだな」
( ^Д^)「俺たちが王都に到着してからというもの、街中に魔物が出現したという報告はない」
( ^ω^)「もうかれこれ1週間近く経つお?全然来ないのかお?」
( ^Д^)「ああ、不思議なことにな。出ないに越したことはないんだが、如何せん不気味すぎる」
ξ゚⊿゚)ξ「今まで通過してきた街では、必ずと言っていいほど出てきたのに…」
( ^Д^)「俺らも身をもって体験しているからな…。俺も信じられん」
( ^ω^)「何か心当たりはないのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…ないわね」
( ^Д^)「ツンに今までこういうことがなかったか訊いてみようと思ったが、それもハズレか」
ξ゚⊿゚)ξ「ごめんなさい…」
( ^Д^)「いや、責めてるわけじゃない。とにかく、これからはこの件について逐次報告するから」
( ^ω^)「わかったお。こっちも何か思い当たることがあったらその時報告するお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。今日は来てくれてありがとう」
( ^Д^)「いいって。…それよりお前ら、この後時間空いてるか?」
( ^ω^)「もちろん暇だお!」
ξ゚⊿゚)ξ「私も予定はないわ」
( ^Д^)「よし、ならいい。…ある人に会わせてやる」
( ^ω^)「誰に会わせてくれるんだお?」
( ^Д^)「聞いて驚け…我らが親衛隊のトップ、フサギコ様だ!」
( ;^ω^)「お…」
ξ゚⊿゚)ξ「…フサギコ様?」
( ;^ω^)「ま、マジかお!?あの親衛隊長に会わせてくれるのかお!?」
( ^Д^)「大マジ。会わせるってか偶然出くわしたことを装う」
ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ」
( ^ω^)「何で装う必要があるお?」
( ^Д^)「いや、ホントは今まで極秘任務で外に出てたんだけどな、ずっと王都にいたことになってる。
昨日の夕方頃に王都入りしたらしい。」
ξ゚⊿゚)ξ「ねぇってば」
( ^ω^)「極秘って…僕たちに言っちゃっていいのかお」
( ^Д^)「もう王都入りしたんだし別にいいだろ。それと、だから偶然を装うんだよ」
( ^ω^)「なるほどだお」
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ!」
( ^Д^)「ん?そんなに大きな声出してどうした」
ξ゚⊿゚)ξ「さっきから呼びかけてたのに聞いてないからよ!」
( ^Д^)「それはすまなかった。で、何だ?」
ξ゚⊿゚)ξ「そのフサギコさんって誰?」
( ^ω^)「…知らないのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「全く」
( ^Д^)「それは驚きだな」
( ^ω^)「フサギコさんといえば、兵士と兵士を志している人たちの憧れだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「へぇ。そんなにすごい人なの?」
( ^Д^)「まあな。史上最年少で隊長になったって言うくらいだし」
( ^ω^)「王立士官学校の武術大会では、1年次にして他を圧倒して優勝した位強いらしいお!」
( ^Д^)「親衛隊入隊後も素晴らしい功績を残しているな」
ξ゚⊿゚)ξ「とにかくすごい人って認識しておけばOKってわけね」
( ^Д^)「それにしてもフサギコさんを知らないやつがいるとはな…。
ま、いいか。それじゃあそろそろ行くぞ」
―王都・大通り―
( ^Д^)「お…グッドタイミングだ」
( ^ω^)「お、あの人かお?」
ミ,,゚Д゚彡
( ^Д^)「ああ、そうだ」
川 ゚ -゚)
( ^ω^)「隣にいる女の子は誰だお?」
( ^Д^)「ん?…さあなぁ。よし、じゃあ行くぞ。あくまで偶然を装って」タッタッタ…
( ^ω^)「わかったお!偶然だお!」タッタッタ…
ξ゚⊿゚)ξ「偶然を装うなら走って行くのはおかしいんじゃないの…?」テクテク…
川 ゚ -゚)「ん?あちらから誰か駆け寄って来てるんだが」
ミ,,゚Д゚彡「む?…あれはプギャーか」
川 ゚ -゚)「ああ」
( ^Д^)「どうも、フサギコさん!こんなところで偶然会うとは!」
( ^ω^)「初めまして、フサギコさん!こんなところで偶然出会えるとは!ブーン、感動しましたお!」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ミ,,゚Д゚彡「…偶然、ね」
~~~~~~~~~~
―フサギコ邸・リビング―
(*゚∀゚)『フサギコ君!プギャー君から手紙を預かってるよ!コレ!』スッ
ミ,,゚Д゚彡『………ふむ』ビッ カサカサッ
(*゚∀゚)『プギャー君は何て?』
ミ,,゚Д゚彡『明日、昼に大通りで飯でもいかがですか』
(*゚∀゚)『それだけ?』
ミ,,゚Д゚彡『ああ』スッ
(*゚∀゚)『…本当だ。つまんなーい!』テクテク…
ミ,,゚Д゚彡『…』ボッ チリチリ…
火の魔法で炙ると、文字が浮き出てきた。
『召喚師を連れて行きます』
ミ,,゚Д゚彡『…召喚師か』
~~~~~~~~~~
( ^Д^)「この二人は今度から王立士官学校に入学することになってまして。
王都の案内をちょうどこの二人にしてたところなんですよ!
紹介します。こっちがブーン。んで、こっちがツン」
( ^ω^)「よろしくお願いしますお!」
ξ゚⊿゚)ξ「…よろしく」
ミ,,゚Д゚彡「…俺はフサギコだ。よろしく頼む」
川 ゚ -゚)「私はクーだ。私も王立士官学校に入学することになってる。よろしく」
( ^ω^)「お!じゃあ同期だお!よろしく頼むお!」
( ^Д^)「そうだ!もう昼だし、どうせなら一緒にランチでも!」
( ^ω^)「それは良いアイディアだお!」
ミ,,゚Д゚彡「…悪いな、用事があってすぐに行かなければならない」
( ^Д^)「それは残念。…っと、俺もそろそろ時間だったか」
( ^ω^)「あれ、もう行くのかお?」
( ^Д^)「悪いな。後は二人でよろしくやってくれ」
ξ*゚⊿゚)ξ「な!どういう事よ!」
( ^Д^)「おっと。それじゃフサギコさん、お先に失礼します!」タッタッタ…
ξ゚⊿゚)ξ「全く…!」
ミ,,゚Д゚彡「さて、済まないが俺らも移動する」
( ^ω^)「そうですかお…。残念ですお…。あれ?クーさんは学校に行くんじゃないのかお?」
川 ゚ -゚)「ああ、私もちょっとした用事があってな。また学校で会おう」
( ^ω^)「心得たお!」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、また…」
( ^ω^)「行っちゃったお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね」
( ^ω^)「クーさん、綺麗な子だったお。学校が楽しみなんだお」
ξ゚⊿゚)ξピク ギリ!
( ;^ω^)「うっ…!…ツンさん、どうして人のお腹をつねってるんだお?」
ξ#゚⊿゚)ξ「さあ、何ででしょうねぇ」ギリギリギリギリギリギリ
( ;゚ω゚)「あ、ちょ、それやばい千切れる千切れるなんだかしらないけどごめんなさいごめんなさい!」
アッーーーーーーーーーーーーー!
スッ…
( ^Д^)「どうでした?」
ミ,,゚Д゚彡「なんともな。まだ会ったばかりからか、俺のことを警戒していたみたいだ」
川 ゚ -゚)「…もしかするとさっきのが?」
( ^Д^)「そうです。女の子の方が召喚師です」
ミ,,゚Д゚彡「ふむ。魔物による街への被害は?」
( ^Д^)「今のところはナシです。引き続き警戒をします」
ミ,,゚Д゚彡「頼む。…では行くか、クー」
川 ゚ -゚)「…ああ」
―王都・フサギコ邸前―
_
( ゚∀゚)「それじゃ、行ってくるぜ!」
('A`)「すみません、色々とお世話になりました」
(*゚∀゚)「気にしなくっていいよ!私は大体暇してるから、いつでも遊びにおいで!」
('A`)「ありがとうございます。じゃあ行ってきます」
(*゚∀゚)「またね!」
―王都・住宅街―
('A`)「それにしても…」
_
( ゚∀゚)「驚いたろ?フサギコに嫁がいるなんて」
('A`)「そりゃまあ…」
_
( ゚∀゚)「俺も用事があって初めて訪ねたとき、何でフサギコん家に女がいるんだと思ったよ」
('A`)「硬派だもんなぁ、フサギコさん」
_
( ゚∀゚)「それと同時に、この世を呪った。地位に嫁にと不公平すぎるだろ」
('A`)「ジョルジュは一人に定めないのがいけないんじゃないのか?」
( ゚∀゚)「何言ってやがる。俺だって心に決めた人がいるんだぞ」
('A`)「ホントかよ。女性の胸を見ちゃー追っかけ回してるヤツの言うことなんか信じられねぇ」
_
( ゚∀゚)「ふふん。その人が持つおっぱいこそ俺の理想であるからな。他のおっぱいなんかもう目に入らん」
('A`)「へぇ。どんな人なんだ?」
_
( ゚∀゚)「その名もデレちゃんだ!」
('A`)「お前学校に来るな。推薦状だけ渡してさっさと帰れ」
_
( ゚∀゚)「嫌だね!意地でも行くぜ!」
―王都・王立士官学校―
('A`;)「結局着いて来やがったか…」
_
( ;゚∀゚)「当たり前だっての。だってそこにデレちゃんが待ってるかも知れないんだぜ?」
('A`)「はぁ、もういいや。来ちゃったもんは仕方ない。にしても随分郊外まできたな」
_
( ゚∀゚)「お前のそういう潔いところ好きだぜ」
('A`)「誉めてんのかそれ」
_
( ゚∀゚)「しかし懐かしいなぁ。よく女子寮覗きに行ったっけ」
('A`)「やっぱ帰れ」
―王立士官学校・受付―
_
( ゚∀゚)「どもー」
受付「はい、どういったご用件でしょう?」
_
( ゚∀゚)「こいつを入学させたいんだけど」
受付「…え?」
('A`)「…こんちは」
_
( ゚∀゚)「とりあえず校長のじーさん呼んでくれ。ジョルジュが来たって言えばわかる」
受付「は、はぁ」スッ
('A`)「なあ、これ大丈夫なのか?さっきの人戸惑ってたぞ」
_
( ゚∀゚)「大丈夫だよ。っと来たな」
( ゚∀゚)「よう、じーさん久しぶり」
/ ,'3 「久しぶりじゃの、ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「相変わらず女子寮覗きに行ってるのか?」
('A`)「は?」
/ ,'3 「客人の前で急に何を言うか。…今日はどういった用件じゃ?」
_
( ゚∀゚)「立ち話もなんだろ?校長室行こうぜ」
/ ,'3 「お前が言う台詞か?」
―王立士官学校・校長室―
/ ,'3 「自己紹介がまだだったの、少年。わしは校長のスカルチノフじゃ」
('A`)「俺はドクオです」
/ ,'3 「ドクオか。さて、自己紹介も終わったところで改めて問おう。今日はどういった用件で来たのじゃ?」
_
( ゚∀゚)「じーさん、何となく察しはついてるんだろ?」
/ ,'3 「ふむ。ドクオのことか?」
('A`)「…」
_
( ゚∀゚)「そうだ。こいつを入学させてやってくれ」
/ ,'3 「ほほう」
校長は、ドクオに注視する。
('A`)「…」
/ ,'3 「日常生活レベルの魔法では入学はさせられんぞ?」
_
( ゚∀゚)「わかってるっての。ドクオ、見せてやれよ」
('A`)「ああ」シュウ
手を前方にかざすと、どこからともなく大剣が出現した。
/ ,'3 「これは…」
( ゚∀゚)「こいつの魔法は、『武器の創造』」
/ ,'3 「…なんと」
_
( ゚∀゚)「そして、創りだした武器に不思議な性質・性能を与える」
/ ,'3 「性能?」
('A`)「これ、持ってみてください」
ドクオは、大剣を校長に差し出す。
('A`)「所持者に重さを感じさせない剣にしました」
/ ,'3 「…ぎっくり腰にさせて女子寮を覗き見させないつもりじゃなかろうな?」
_
( ゚∀゚)「いいから持ってみろって」
/ ,'3 「では…」
('A`)「はい」
/ ,'3 「おお、これは…」
_
( ゚∀゚)「どうだ?これでもまだ不満か?」
/ ,'3 「ふむ…」
校長は大剣をドクオに返す。
('A`)「…」シュン
/ ,'3 「推薦状はあるかの?」
_
( ゚∀゚)「ほれ。フサギコからだ」スッ
/ ,'3 「ほほう、親衛隊長からか」カサカサ
_
( ゚∀゚)「どうよ?」
/ ,'3 「…全ての要項を満たしておる。入学を許可する」
('A`)「よかった…ありがとうございます」
/ ,'3 「この様な飛び入りは偶にある。気にしなくともよい。
それに親衛隊長直々とあってはな」
_
( ゚∀゚)「よし!がんばれよな、ドクオ」
('A`)「ああ」
/ ,'3 「しかし、条件付きじゃ」
('A`)「…どういうことですか?」
/ ,'3 「いやなに、推薦状に添え書きがされておってな」
_
( ゚∀゚)「何て書いてあった?」
/ ,'3 「ドクオ、そなたを魔法を使えない者として扱って欲しいと」
('A`)「…」
_
( ゚∀゚)「なるほどね」
( ゚∀゚)「ドクオ、あまり気にするなよ?良くある措置なんだ」
('A`)「そうなのか?」
_
( ゚∀゚)「ああ。珍しい魔法は狙われやすいってクーから聞いたよな?」
('A`)「ああ、普段は秘密にしておいて争い事を起こさない様にとかなんとか」
_
( ゚∀゚)「それだ。恐らく、クーも回復魔法のことは伏せられてるはずだ。どうだ、じーさん」
/ ,'3 「クーちゃんじゃな?…使用魔法は『氷』となっておるよ」
_
( ゚∀゚)「ということだ。因みに、伏せられた魔法はじーさんくらいしか知らない」
/ ,'3 「指導上、何人かには教えるからの。
しかし伏せているとはいえ、魔法を使えない者を入学させるのは初めてじゃよ。大丈夫かの」
('A`)「え?」
_
( ゚∀゚)「その点に関しては問題ないだろ。ドクオはそこらの兵士並には戦えるからな」
/ ,'3 「ならいいかの」
('A`)「あの、魔法を使えない者をって…。今まではいなかったんですか?」
/ ,'3 「そうじゃの。伏せられる魔法というのは、大体が家系から受け継いだ珍しい魔法でな。
魔法を受け継ぐ者は、同時に火や水といった一般的な魔法も発現するからの。
伏せられても、普通の魔法は使えるのじゃ」
('A`)「なるほど…」
/ ,'3 「どうじゃ?魔法を全く使えない者として入学するのは結構厳しいと思うがの。やっていけるか?」
('A`)「ああ、俺は大丈夫。なんとかなると思う。…!そうだ、召喚師!」
/ ,'3 「ほ?」
_
( ゚∀゚)「すっかり忘れてたぜ。じーさん!今回の入学者に召喚師はいるか?」
/ ,'3 「おお、おるよ。じゃが何でお主らがそれを知って…」
('A`)「召喚師の名前は?」
/ ,'3 「召喚魔法は伏せられてはないみたいだの。教えて差し支えないじゃろ。ツンちゃんじゃ」
('A`)「ツン、か」
_
( ゚∀゚)「つーか良く考えたらプギャーのやつも知ってたんだよな」
('A`)「召喚師と一緒にいた親衛隊員だっけ」
_
( ゚∀゚)「そうそう。別にじーさんに聞かなくてもよかったかもな!」
/ ,'3 「ひどくね?」
_
( ゚∀゚)「はは!さて、それじゃ俺はそろそろお暇するかな」
/ ,'3 「そうか。では達者でな」
_
( ゚∀゚)「その前にじーさん。一つ忠告しておこう」
/ ,'3 「なんじゃ?」
_
( ゚∀゚)「デレちゃんの部屋を覗いたら、ただじゃおかないからな?」
/ ,'3 「ほっほ!肝に銘じておこう」
―王立士官学校・正門―
('A`)「色々ありがとうな、ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「おう!ま、クーの事よろしく頼むわ」
('A`)「それはもちろんだけど…。何でクーをそこまで気に掛けるんだ?」
_
( ゚∀゚)「んー。仮にもここまで一緒に旅をしてきた仲だし!
ドクオも何かあったら遠慮なく俺らに言えよ?」
('A`)「…ああ、サンキュー」
_
( ゚∀゚)「んじゃ、また近いうち会えるからな!それまで元気でな!」タッタッタ…
('A`)「おう!そっちも元気でな!」
('A`)「あ…。俺この後どうすりゃいいんだ?」
かっこ良いぜ、厨二良いぜ
―王立士官学校・受付―
('A`)「あのお…」
受付「はい?あ、あなたはさきほどの…」
('A`)「はい。校長から入学許可はもらえたんですけど、この後どうすればいいですか?」
受付「お話は校長から伺いました。これからあなたが使う部屋まで案内しますので、付いてきてください」
('A`)「あ、はい」
―王立士官学校・寮―
受付「こちらの部屋です。それとコレが鍵です」
('A`)「どうもです」
受付「いえいえ。隣の部屋は…ブーン君ですね。仲良くしてくださいね?」
('A`)「ブーン…?」
受付「どうかしましたか?」
('A`)「いや、どこかで聞いたことあるなと…」
受付「そうですか。それでは私はこれで…」
―寮・ドクオの部屋―
('A`)「それなりに広い部屋だな…」
荷物を置き、一息つく。
('A`)「はあ…。てかすること何もないな…どれ」
本棚を見てみる。
('A`)「一応教科書の類は揃ってるみたいだな…。かといって勉強する気にはなれねぇ。
ちょっと出かけるか」
―王立士官学校・寮―
ガチャ
( ^ω^)「お?」
('A`)「あ」
ドアを開けるとそこにはにやけた面の、おそらく同世代の男が立っていた。
( ^ω^)「その部屋に新しく入った人かお?」
('A`)「…ああ。俺はドクオ。よろしく」
( ^ω^)「僕はブーンだお!隣の部屋同士、よろしく頼むお」
('A`)「そだね。それじゃ(こいつがブーンか)」テクテク…
( ^ω^)「どこか行くのかお?」
('A`)「ん?まあね。暇だしちょっと王都の散策に。何があるのかさっぱりわからんし」
( ^ω^)「王都ははじめてかお?よかったらブーンが街を案内するお?」
('A`)「んー…」
正直助かるかも知れない。
('A`)「んじゃよろしく頼む」
( ^ω^)「把握!」
('A`)「(ブーン。どこで聞いたんだっけ)」
―王都・大通り―
( ^ω^)「ところで何が見たいお?」
('A`)「そうだな。…学校に通うに当たって、必要な物ってわかるか?」
( ^ω^)「学校指定の制服は配給されるし…。普段着とか日用品くらいじゃないかお?」
('A`)「そっか。じゃあ服と日用品だな」
( ^ω^)「それじゃあ商業区に行くお!」
('A`)「商業区…?」
( ^ω^)「王都の商業区と言えば、この国にあるほとんどの品が買える、と言われているほどの場所だお!」
('A`)「ほぉ、それはすごいな」
―王都・商業区―
ワイワイ
ガヤガヤ
( ^ω^)「ここだお!」
('A`)「すごい活気だな…」
石畳の道の左右には、煉瓦造りや石造りの店が多く立ち並んでおり、
さらにたくさんの人がひっきりなしに店を出たり入ったりとしている。
( ^ω^)「店はこの通りだけじゃないお!この区画一帯が店になってるんだお!」
('A`)「そりゃすげぇな。…久しぶりにこんな大量の人を見た」
( ^ω^)「ん?久しぶりに?」
('A`)「いや、なんでもない。服屋はどこだ?」
( ^ω^)「それならこっちだお!」
―商業区・謎の服屋―
('A`)「…これは」
見るからに異質とわかる店構え。変な置物が置いてあったり、謎のカーテンが掛かってたり。
動物の頭蓋骨らしきものも台座に飾られている。
('A`;)「…服屋なのか?」
( ^ω^)「さあ入るお!」
('A`)「ちょっと待て。これは服屋なのかと俺は聞いている」
( ^ω^)「そうだお?何か変かお?」
('A`)「いやいや何か変ってレベルじゃない。全てにおいて変だろ。
客の出入りだって他の店と比べて全くないし」
( ^ω^)「気のせいだお」
('A`)「…とにかくここはパスだ。店は俺が選ぶ」
( ^ω^)「仕方ないおね…」
―商業区・普通の服屋―
('A`)「ここだな」
( ^ω^)「普通の店だお。つまらんお」
('A`)「何事も普通が一番だ。さあ入るぞ」
「あれ…ドクオ君?」
店に入ろうとしたところに声が掛かる。
('A`)「ん?…おお」
ζ(゚ー゚*ζ「お久しぶりです!」
('A`)「久しぶり。えっと、デレさん、だっけ?」
ζ(゚ー゚*ζ「そうです!覚えててくれたんですね!」
('A`)「そりゃまあ会ったのはつい最近だし」
( ^ω^)「…ドクオ、この子は一体誰だお?」
俺の事は既に呼び捨てか、ブーン。まあいい。
('A`)「あー…。デレさん、紹介する。こいつは王立士官学校の寮でたまたま、偶然、
本当にどうしてだか俺の隣の部屋に住んでしまっている少年、ブーンだ」
( ^ω^)「どうもですお!」
ζ(゚ー゚*;ζ「は、はぁ」
よし、掴みは上々だ。良くない印象を植え付けることに成功した。
ブーンはそれに気がついていない。天然か。
('A`)「で、この人はデレさん。港町で知り合ったんだ。
俺らとおなじ、王立士官学校の入学者だ」
ζ(゚ー゚*ζ「よろしくお願いしますね」ペコリ
さっきの説明を物ともしない、この礼儀正しさ。やっぱりいい人だ。
ζ(゚ー゚*ζ「お二人は買い物ですか?」
( ^ω^)「そうだお!ドクオが服を見たいって言ってたから案内をしてあげてたお!」
('A`)「得体の知れない店にな。そうだ、デレさん」
ζ(゚ー゚*ζ「デレ、でいいですよ。何でしょう?」
('A`)「ああ、ちょっと服を見立ててくれないかと思ってな。俺、服のこととか分からなくてさ。
こいつのセンスはさっきの得体の知れない店の件で全く信用出来ないし」
( ^ω^)「ひどいお」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ、構いませんよ」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、似合ってますよ」
( ^ω^)「普通だお」
('A`)「何事も普通が一番って言っただろう」
試着した姿を見てそれぞれ感想を言う。
('A`)「さて、じゃあこんなもんで。さっきの服とこれ買ってくる。ありがとう、デレ」
ζ(゚ー゚*ζ「ふふ、どういたしまして。あれ、ところでクーさんは?」
( ^ω^)「クーさん?」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ、以前会ったときにドクオ君と一緒にいた女性なんですけど」
('A`)「デレ、ブーンに余計な情報は与えなくていい。クーは今用事で別行動中なだけだから」
―王都・商業区―
ζ(゚ー゚*ζ「そうでしたか。学校が始まるまでは会えないと…。残念です」
( ^ω^)「残念だお」
王立士官学校へ帰る道すがら、二人に説明する。
('A`)「と言うわけで学校が始まるまでクーがいなくて暇なんだ。
だから、よかったらまた街を案内してくれないか?」
( ^ω^)「もちろんだお!隣の部屋のよしみだお!」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ、私も暇ですし是非」
('A`)「サンキュー」
―王都・大通り―
( ^ω^)「ところで、二人は何の魔法使いなんだお?」
ζ(゚ー゚*ζ「私は水なんです」
( ^ω^)「ブーンは風の魔法使いだお」
('A`)「(早速来たか)」
二人の視線がドクオに向けられる。
('A`)「俺は魔法使えないんだ、実は」
( ^ω^)「マジかお?よく入学できたおね」
ζ(゚ー゚*ζ「本当に…魔法を使えない人は、もしかしたら初めてなんじゃないですか?」
('A`)「ああ、スカルチノフのじーさんも言ってたよ。初めてだってさ」
ζ(゚ー゚*ζ「と言うことは、武器の扱いがとても上手っていうことですか?」
('A`)「まあ、そうなるのかな…まだまだだけど。一応これまでも武器だけで戦ってきたし」
嘘は言ってはいない。
( ^ω^)「すごいお。魔物相手に武器だけで戦うとか正気の沙汰じゃないお」
ζ(゚ー゚*ζ「得意な武器とかあるんですか?」
('A`)「いや、特には。よく使う武器は剣かな?たまに槍とかボウガンとかハンマーとか」
( ^ω^)「どれか一つに絞った方がいいんじゃないかお?」
('A`)「いや、使ってみると分かるんだけど、どれも状況によっては便利でな」
( ^ω^)「持ち歩くの大変じゃないかお」
('A`)「…ああ。まあね。そこは気合い?うん、気合いでなんとかするんだ」
―王立士官学校・正門―
('A`)「やっと着いたか。遠いな」
ζ(゚ー゚*ζ「あれ?あそこに誰かいますね」
見ると、誰かが正門の柱に背をもたせかけている。
( ^ω^)「お?あれは…」
向こうもこちらに気がついたようで、こちらに小走りで向かってくる。
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!どこに行ってた、の…?」タッタッタ…
何故だか言葉に勢いがなくなっていく。
( ^ω^)「ちょっと買い物に行ってたんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「…その女の子は誰?」ヒュオ
ζ(゚ー゚*ζ「え?」
( ^ω^)「お?」
一瞬で理解した。これが
('A`)「(修羅場というやつか)」
ξ#゚⊿゚)ξ「その女の子は誰?って聞いてるの」ギュッ
音もなく移動したかと思えば、ブーンの腹をつまみ上げた。
( ;^ω^)「ぐおっ…。そこはさっきやられたばかりの古傷だお…」
ξ#゚⊿゚)ξ「わざと掴んでるのよ。で、誰なの?」
ζ(゚ー゚*;ζ「あの、私デレと…」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタには聞いてないの。いい?」
ζ(゚ー゚*;ζ「は、はいぃ…」
('A`)「(大変だな、ブーン。デレもとばっちり食らって可哀相に)」
( ;^ω^)「こ、この子はデレちゃんだお。さっきドクオと一緒に買い物に行ったときに知り合ったお」
ξ#゚⊿゚)ξ「ドクオ?」
('A`)「ども。ブーンとは隣の部屋のよしみです」
ξ#゚⊿゚)ξ「あ、そう。で?アンタはナンパしてノコノコ帰ってきたわけ?」メリメリメリ…
( ;゚ω゚)「ち、違う、お…ちょ、やばいやばいやばい!」
アッーーーーーーーーー!
…
……
………
('A`)「カクカクジカジカシーマシェーン!と言うわけでな」
ζ(゚ー゚*ζ「落ち着いた?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ええ。要は私の勘違いだったってわけね。ごめんねブーン?」
( ^ω^)「気にしないでいいお…。だけどまだヒリヒリするお…」
('A`)「優しいな、ブーン。しかし、愛されてるみたいでなによりじゃないか」
ξ*゚⊿゚)ξ「ちょっと!私とブーンはそんな関係じゃ…!」
('A`)「まあまあ。とりあえず改めて自己紹介するわ。俺はドクオ」
ζ(゚ー゚*ζ「私はデレです」
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオにデレね。よろしく。私はツンよ」
ζ(゚ー゚*ζ「よろしくね、ツンさん」
('A`)「ツン…?」
やっと思い出した。
ブーン。プギャーと言う親衛隊員と、召喚師と一緒に旅をしてるというヤツの名前。
('A`)「なぁ、あんた」
ξ゚⊿゚)ξ「?何よ?」
('A`)「もしかして召喚師、か?」
( ^ω^)「!」
ζ(゚ー゚*ζ「え?」
ξ゚⊿゚)ξ「…どうしてそれを」
('A`)「悪い、色々事情があってな。一つだけ教えて欲しい」
ξ゚⊿゚)ξ「…何?」
('A`)「異世界から召喚された者が、元の世界に戻る方法を教えてくれ」
直球な質問だなあ
ξ゚⊿゚)ξ「…教えるのはいいけど」
('A`)「本当か!」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタはそんなこと知ってどうするつもりなのよ」
('A`;)「…あ。いや…」
( ^ω^)「そういえばそうだお」
('A`;)「えっとだな…。ちょっとした興味本位ってやつだ!」
ξ゚⊿゚)ξ「興味?」
('A`;)「そうそう!召喚なんて珍しい魔法を使える人なんてそうそういないだろ!?
だから、この機会に出来れば聞きたいなぁなんて!」
ξ゚⊿゚)ξ「ふ~ん?」
('A`)「(流石にまずかった。直球過ぎたな…)」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、いいわ。別に教えたところでこちらに害があるわけでもないし」
('A`)「おお、ありがとう」
ξ゚⊿゚)ξ「まず一つ目」
('A`)「ああ(…いくつかあるのか)」
ξ゚⊿゚)ξ「使役が完了した時点で戻る」
('A`)「使役?」
ξ゚⊿゚)ξ「そう。召喚師はある一つの意志のもと、異世界より召喚を行うの」
ζ(゚ー゚*ζ「意志?」
ξ゚⊿゚)ξ「えっと、目的のことね。例えば、魔物がいたとする。その魔物を倒したいと私は思う。
そういった意志のもと、召喚は行われるわけ。別に人助けでもなんでもいいわ」
('A`)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「意志の達成が使役の達成。さっきの例で言うと、魔物の討伐が意志の達成にあたる」
( ^ω^)「要は、召喚主の期待に添えられないと帰れないのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「そういうことになるわね」
('A`)「ちょっと待て。それじゃ、召喚された者が意志とやらを達成出来なかった場合は…」
ξ゚⊿゚)ξ「…帰れない。もちろん召喚する側も、ある程度その意志を緩めるといった対処を行うわ」
ζ(゚ー゚*ζ「これが一つ目ですよね?では次は?」
ξ゚⊿゚)ξ「もう一つは…『死』よ」
( ;^ω^)「『死』…かお」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ…。死を持って意志の清算を行う、といったところかしら」
ζ(゚ー゚*ζ「でも、それじゃ一方的すぎじゃありませんか?
勝手に喚ばれて、最悪死ぬまで帰れないなんて…」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね、私もそう思うわ。けど、向こうもある程度そう言った意識を持ってこちらの世界に来てるのよ」
( ^ω^)「何か利点があるってことかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ。以前喚んだウンディーネに聞いたことがあるんだけど。
この大地はマナに溢れているって」
ζ(゚ー゚*ζ「マナって、私たちが魔法を使う時の媒体だっていう…」
ξ゚⊿゚)ξ「それね。それが、召喚される者にとっては魅力的な物らしいのよ。
で、その異世界にある象徴的な物を通過してこっちの世界に」
「知るか」
ξ゚⊿゚)ξ「…え?」
('A`)「マナ?何も知らずにこっちに来ちまったやつに、そんなもん関係あるもんか」
静かに、だが明らかに怒りをはらんだ声で言い放つ。
( ;^ω^)「ド、ドクオ?」
('A`)「何も知らされずこの世界に連れてこられ、召喚師の意志とやらで扱き使われる。
挙げ句の果てには死んでしまう可能性もある。そんな状況に置かれてみろってんだ」
ζ(゚ー゚*;ζ「ドクオさん…」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
('A`)「…ああ、悪い。何でもない。帰る」スッ
テクテク…
('A`)「あー、ツン?色々教えてくれてサンキュな」
ξ゚⊿゚)ξ「…ええ。どういたしまして」
( ^ω^)「…ドクオ、急にどうしちゃったのかお?」
ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫でしょうか…」
ξ゚⊿゚)ξ「…まさか」
( ^ω^)「?ツン、どうかしたかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「いいえ、何でもないわ…」
( ^ω^)「…そうだお。明日ブーンが様子を見ておくお」
ζ(゚ー゚*ζ「そうですね。心配ですし、お願いしてもいいですか?」
( ^ω^)「もちろんだお!」
二人の会話はもうツンの耳には入らなかった。
ξ゚⊿゚)ξ「まさかね…」
夜―寮・ドクオの部屋―
('A`)「(あー…やっちまった。これでぼっち確定だな)」
盛大にため息をつく。
('A`)「(あ、でもクーがいるか。クーなら俺をぼっちにしなさそうだなぁ。だけど…)」
あそこで声を荒げたのは、どう考えても筋違いとしかいいようがない。
自分は召喚魔法で喚ばれたのかも不明。
そもそも召喚魔法で喚ばれたのだとしても、ツンに喚ばれたわけでもないだろうに、
それをさもツンに全ての責任があるかのように当たって…。
('A`)「一応帰り際謝ったけど…鬱だ…」
また盛大にため息をつく。
('A`)「(だけど、収穫がなかったわけじゃない。このことはクーに報告しなきゃな…。
…クー、お前は今何してるんだ?)」
朝―寮・ドクオの部屋―
ドンドンドンドンドン!
ドアを叩くけたたましい音が室内に響き渡る。
('A`)「なんだ…。うるせー…」ムクッ
ドンドンドンドンドン!
('A`)「こんな朝っぱらから誰だ…」
ガチャ
_
( ゚∀゚)「よう!」
バタン
('A`)「さて、もう一度寝るか」
何事もなかったかのようにドアを閉め、ベッドへ向かう。
「おい!なんで閉めんだよ!」
ドンドンドンドンドン!
('A`#)「うるせー!近所迷惑だ静かにしろ!」
「なら開けろ!今すぐ!このジョルジュ様を忘れたわけじゃないだろおおおぉぉぉぉ」
ドンドンドンドンドン!
('A`#)「ったく!」
ガチャ
('A`)「で?何の用だ?」
_
( ゚∀゚)「仕事だ仕事。ちょっくら仕事を頼みに来た」
('A`)「…もしかして、すぐ会えるって言ってたのは」
_
( ゚∀゚)「おう、この件でだ!」
('A`)「ならあの時言っておけよ…。朝から来られるのは迷惑だ。
…で、仕事って言うのは?」
_
( ゚∀゚)「悪いな!実はアイシス王女の誕生式が近づいててな」
('A`)「アイシス王女?」
_
( ゚∀゚)「そうだ。この国の時期後継者なんだが。
その人の誕生式が一般にも一部公開される予定でな」
('A`)「へぇ。で、それと俺の仕事とどんな関係があるんだ?」
_
( ゚∀゚)「警備だ。盛大な式典っつーことで、防犯に人員をかなり割かなきゃいけなくてな!」
('A`)「なるほどね。…俺はどこに着けばいいんだ?」
_
( ゚∀゚)「話が早くて助かるぜ!ドクオは王都の入り口の担当になる予定だ。
誕生式の時は、人の出入りがないようにするから、それを見張る」
('A`)「つーか俺みたいな一般人にそんなの任せちゃっていいのか?」
_
( ゚∀゚)「大丈夫だよ!ドクオ一人にならないように他の兵士もつけるし」
('A`)「それなら別に良いけどよ。…どうせ暇だし」
( ゚∀゚)「よし、じゃあ早速打ち合わせだ!」ガッ
腕を掴み、ジョルジュは宣う。
('A`)「は?」
_
( ゚∀゚)「こんなところじゃ打ち合わせできないから出かけるぞ!詰め所まで来てもらう!」
ズルズルズルズルズルズル…
('A`;)「ちょ!待て!引っ張るな!自分で歩くからあああああああぁぁぁぁぁぁ…」
コソ…
( ;^ω^)「大変だお…ドクオが兵士に連行されちゃったお…!」
―王立士官学校・正門―
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさんが?」
( ;^ω^)「そうなんだお!兵士がドクオの部屋の前で騒いでいたと思ったら!」
ξ゚⊿゚)ξ「詰め所まで来てもらうって?」
( ;^ω^)「うんうん!」
ξ゚⊿゚)ξ「…なんか犯罪行為でもしたんじゃないの?」
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさんがそんなことをする人とは思えませんし…。
実はそのジョルジュって人が兵士じゃなかったってことは?」
/ ,'3 「ほ?ジョルジュがどうかしたのかの?」
( ^ω^)「お?おじいさんは一体誰なのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「校長よ。校長の顔くらい覚えておきなさい」
( ^ω^)「それはすまなんだお」
/ ,'3 「ほっほ、よいよい。で、ジョルジュがどうしたのかね?」
ζ(゚ー゚*ζ「校長先生はジョルジュさんという方をご存じなのですか?」
/ ,'3 「おお、あやつはわしの戦友《トモ》でもあり良き強敵《ライバル》でもある」
( ^ω^)「校長の?それはすごい人なんだお!」
/ ,'3 「以前は一緒に女子寮を覗きに行ったのぅ。
それで、おっぱいがいいかお尻がいいかで良くもめたものじゃ。懐かしい」
( ^ω^) ξ゚⊿゚)ξ ζ(゚ー゚*ζ「「「…」」」
( ^ω^)「話を戻すお。ジョルジュって人が、ついさっきブーンの友達のドクオを連れていったんだお」
/ ,'3 「ふむ、なるほどのぅ」
ξ゚⊿゚)ξ「今の覗きの話を聞いた限りだとロクでもなさそうな感じだけど」
/ ,'3 「ヤツは親衛隊員じゃよ」
( ^ω^)「…マジかお」
/ ,'3 「大マジじゃ」
ζ(゚ー゚*ζ「とすると、本当にドクオ君は連行されて…」
/ ,'3 「(何か面白そうだし、昨日ドクオとジョルジュが一緒にいたことは内緒にしておくかの)」
( ^ω^)「校長先生、詰め所はどこにあるのかお?」
/ ,'3 「行ってどうするつもりじゃ」
( ^ω^)「ドクオを連れ戻してくるお!」
/ ,'3 「ほほ。中々熱いハートを持つ少年のようじゃの!そうさの。ここからじゃと大通り中程の詰め所かの」
ζ(゚ー゚*ζ「ありがとうございます!」タッタッタ…
( ^ω^)「じゃあ行ってくるお!」タッタッタ…
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと!待ちなさい!」タッタッタ…
/ ,'3 「…どうなったか後でジョルジュに聞くかの」
―王都・大通り詰め所―
バァン!
詰め所のドアが勢いよく開かれる。
( ^ω^)「頼もう!」
( ^Д^)「ん?ブーンにツンか。お前ら、一体どうしたよ?」
ξ゚⊿゚)ξ「はぁ…ここにドクオってヤツ連れてこられなかった?」
( ^Д^)「あ?ついさっきまでここにいたけど」
ζ(゚ー゚*ζ「あの、ドクオ君は逮捕されてしまうのでしょうか?」
( ^Д^)「んん?…!!」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと!黙ってないで何とか言ったらどうなの?」
( ^Д^)「いや、悪い。…そうか、ドクオってのはお前らの友達だったか」
( ^ω^)「お?なんだお…」
( ^Д^)「そのドクオなんだがな…強盗容疑で逮捕が決定された…」
ξ;゚⊿゚)ξ「な…!」
( ;^ω^)ξ;゚⊿゚)ξζ(゚ー゚*;ζ「「「 な ん だ っ て ー !」」」
( ^Д^)「ついさっき詰め所を出たばかりでな。今は王都の入り口に連れて行かれたはずだ(これは…プギャー!!)」
( ;^ω^)「急ぐお!」ダッ
―王都・入り口―
( ^ω^)「!!いたお!」
('A`)
_
( ゚∀゚)
ξ゚⊿゚)ξ「隣にいるのがジョルジュっていう兵士?」
( ^ω^)「そうだお!」
ζ(゚ー゚*ζ「…?あれ…あの人」
( #^ω^)「そこの二人待つおおおおおおおおお!!」ダダダダダッ
('A`)「あれ?ブーンじゃん」
_
( ゚∀゚)「なんだよ、ドクオの友達か?」
('A`)「…いや、ただの隣人」
_
( ゚∀゚)「つか何故かもの凄い速度で突っ込んできてるんだけど…」
('A`)「…は?」
⊂二二二( #^ω^)二⊃ ブーン
ブーンは両腕を鳥の翼のように広げ、こちら目掛けてぐんぐん速度を上げながら走り続け…
ゴシャッ
…
……
………
( ^ω^)「ドクオを連れて行かないでくれお!」
_
( メ゚∀゚)「…どういうこった」
('A`メ)「…さあ」
( ^ω^)「…?ドクオは強盗して連行されてるんじゃないのかお?」
('A`メ;)「は?話が読めない…」
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!一人でさっさと行かないでよね!」
ζ(゚ー゚*;ζ「は、早いですね、ブーンさん…」
_
( メ゚∀゚)「お…」
_
( *゚∀゚)「キ('A`)「ややこしくなるから黙ってろジョルジュ」
('A`)「…要はみんなで俺を疑ってたってわけか」
( ;^ω^)「ご、ごめんだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「悪かったわ…」
ζ(゚ー゚*;ζ「ご、ごめんなさい…。詰め所にいた兵士の方がそう言ったものだからつい…」
_
( ゚∀゚)「プギャーのやつだな、全く。ロクでもねぇな」
ζ(゚ー゚*ζ「…それで、先ほどは顔合わせ、今は誕生式の警備の配置場所の確認を行っていたと…」
('A`)「そういうこと。しかし会って数日とは言え、信用がなさ過ぎて泣きたくなってきた」
ξ;゚⊿゚)ξ「悪かったって言ってるじゃない…」
( ^ω^)「…それで、ドクオ。昨日のことは…」
('A`)「あ…。いや、あの時は悪かったな。みんな、本当にスマン」
もしかして、これを言いに…?
ζ(゚ー゚*ζ「いえ、こちらは大丈夫ですよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「…ええ、こっちも。ところでアンタ」
_
( ゚∀゚)「ところで!そろそろいいかな!?」
('A`;)「はぁ…」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ゚∀゚)「デレちゃん!」
ζ(゚ー゚*;ζ「は、はい!」
_
( ゚∀゚)「多くは語らない…。あなたに一目惚れしました」
ζ(゚ー゚*ζ「え…」
_
( ゚∀゚)「あなたは俺が一生涯をかけて護り抜きます。だから、どうか、お付き合いしていただけませんか?」
('A`) ( ^ω^) ξ゚⊿゚)ξ 「「「…」」」
ζ(////ζ「…」
ζ(////ζ「…私も実は…あなたのことが、好き…だったんです」
('A`) ( ^ω^) ξ゚⊿゚)ξ 「「「…え」」」
('A`;) ( ;^ω^) ξ;゚⊿゚)ξ「「「ええええええええええええええええええええええええええ!?」」」
ドン引きされる可哀想なジョルジュが見られると思ったら予想斜め上を行かれた
朝―寮・ドクオの部屋―
チュンチュン…
チチチ…
('A`)「…」
衝撃の一日が明けた。
('A`)「夢じゃないんだよな…」
一体どこにお互いを好く要素、時間があったというのか。
特にデレtoジョルジュ。
('A`)「…謎だ」
―王都・大通り―
ワイワイガヤガヤ…
('A`)「出店も出てきて何か賑やかになってきたな」
( ^ω^)「だお。王女様の誕生日を祝うだけあって盛大だお」
ξ゚⊿゚)ξ「で、王女様ってどんな人なのよ?」
( ^ω^)「美人でとっても素敵な人らしいお!」
('A`)「へぇ」
ζ(゚ー゚*ζ「あまり興味なさそうですね」
('A`)「まあな。公開スピーチとやらも警備で聞けなさそうだし」
( ^ω^)「ブーンがドクオの分まで聞いておいてやるお!」
('A`)「意味ないだろ。代わりにトイレ行ってやるってレベルと一緒だ」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、仕事引き受けちゃったみたいだし仕方ないわよね」
('A`)「ああ、本当に失敗した…」
ζ(゚ー゚*ζ「まあまあ。当日ほどじゃないにしろ、今も店が出てますし…」
( ^ω^)「そうだお!出来るだけ楽しむお!」
('A`)「(つーか、クーはどこで何やってるんだろうな…)」
( ^ω^)「…何黄昏てるんだお?」
('A`)「…考え事してただけで、何で黄昏れてるなんて言われなきゃならないんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「本人には自覚がないものなんですよね」
('A`)「理不尽というか凹むわ」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ何を考えてたのよ」
('A`)「…黙秘権を行使します」
( ^ω^)「怪しいお」
ζ(゚ー゚*ζ「あ!」
ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの?」
('A`;)「ぬ、悪い予感…」
ζ(゚ー゚*ζ「えへへ!きっとクーさんのことですよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「クー?誰それ?」
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオ君と王都まで一緒に旅をしてきた女性ですよ!」
( ^ω^)「…ドクオも隅に置けないお」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたもちゃっかりしてるわね」
('A`;)「…別に。お前らほどじゃないだろ」
ξ*゚⊿゚)ξ「なっ…」
( ^ω^)「何でそうなるお。ブーンのこの寂しい独り身っぷりをよく見るお!」
('A`)「…何というか…ご愁傷様、ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
夜―王立士官学校・裏庭―
('A`)「さて…。今日も訓練開始っと」シュウ
アイシス王女様とやらの誕生式は明後日らしい。
('A`)「ふんっ!」ブン!
だから、それに備えて急に訓練を始めたわけではない。
旅をしていた時に、ほぼ毎日の様に訓練をしていたから習慣付いてしまったみたいだ。
('A`)「(ま、学校始まったら日中は魔法使えないし、
これからも夜にこっそり武器を創って訓練するのもいいな)」
誕生式当日の警備、何事もありませんように…。
誕生式当日―王都・入り口―
('A`)「…」
( ^Д^)「…」
('A`)「暇だ」
( ^Д^)「ん、まあな。こっちの方は何か催し物があるわけでもなし」
全くと言っていいほど人通りがない。
逆に、こんなところを歩いてたら不審者もいいところだ。
('A`)「…なるほど、正規の人員でない俺に負担が掛からないように、ここに配置されたんですね」
( ^Д^)「ぶっちゃけそうなる」
( ^Д^)「…お」
('A`)「ん?」
プギャーが何かを見つける。視線の先を見てみると……人だ。複数いる。
('A`)「6人か…。メチャクチャ怪しいっすね」
( ^Д^)「十中八九、賊で確定」
('A`;)「マジスか」
( ^Д^)「んじゃ、声掛けに行くぞ」テクテク…
('A`)「(人数的にこっちの分が悪いけど…)」テクテク…
( ^Д^)「おっさん達、こんなところで何してんの?」
(;´W`)「げっ!えー…とですね」
('A`)「あれ?」
(;´W`) 「あ!お前は!」
('A`)「…あー。あの時の野盗か」
( ^Д^)「何?知り合いだったの?」
('A`)「知り合いってか馬車ごと襲われました」
( ^Д^)「何だ、やっぱり犯罪者確定じゃん」
( ´W`) 「フッフッフ!ここで会ったが100年目!」
フラグ立ったな。
( ´W`) 「今回は前回の様には行かないぞ!」
('A`)「あ、ところでさ」
( ´W`) 「ん?何だ?」
('A`)「気のせいかも知れないけど、人、減ってない?」
(;´W`)
(;´W`) 「け、決して逃げられたわけじゃないぞ!」
('A`;)「そうか…」
( ´W`) 「魔法使いの一人や二人!いなくなったところで些末な問題よ!」
やっぱり逃げられたらしい。
( ^Д^)「何でだ」
( ´W`) 「よくぞ聞いてくれた!なぜなら!この俺に魔法が発現したからだ!」
('A`)「へぇ」
( ´W`) 「そして!見たところ今日はあの凶悪な二人はいないと見た!」
( ^Д^)「凶悪な二人?」
('A`)「フサギコさんとジョルジュです」
( ^Д^)「ああ。確かに凶悪だ」
( ´W`) 「またとない勝機!あの時の恨み!今ここでお前に晴らしてやる!行け、お前達!」
盗賊1~5「おおおおおお!」
(^Д^)9m「ほい」
ゴオァッ!
突風。確か…シラヒーゲと言ったか。この一味は捕まえる価値無しと判断したんだろう。
シラヒーゲの子分達が文字通り風で吹っ飛ばされていった。
ドサドサドサッ
盗賊1~5「ぐはっ…」
( ´W`) 「…」
( ^Д^)「…どうする?」
( ´W`) 「あ、はい…。どうもすみませんでした」ソソクサ…
('A`)「…」
こいつら、大丈夫だろうか。
('A`)「あいつら捕まえなくて良かったんですか?」
( ^Д^)「いや、捕まえたら捕まえたで色々面倒なんだよ」
('A`)「…そうですか」
親衛隊員ってどこかしらにムラがあるな。
( ^Д^)「悪い、ちょっとトイレ行ってくる。少し頼んだ」
('A`)「うーぃ」
(゚、゚トソン「…」
兵「…」
('A`)「(…ん?誰か門から入ってくる。止めるか)」テクテク…
(゚、゚トソン「ん?」
こちらに気付いたらしい。女の子が振り返る。
(゚、゚トソン「…何か用?」
兵「…」
鎧に身をつつんだ男が武器に手をかける。
('A`)「ええ。今ちょうど王女様の誕生式の最中でして」
(゚、゚トソン「ふ~ん。で?」
('A`)「…ですので、規定の時刻になるまで王都へは…」
(゚、゚トソン「…アンタ、あたしが誰だか知って言ってるの?」
知らん。
('A`)「…」
(゚、゚トソン「アンタ、兵士でしょ?それなのにあたしのことも知らないわけ?」
兵「フッ」
(゚、゚トソン「ホント、笑っちゃうわ。良くそんなので兵士になれたわね?
ま、いいわ。さっさとそこどいて頂戴。邪魔よ」
('A`)「…兵士じゃないんだけどね」
兵「…」チャキ
剣を抜きやがった。口答えしたのがそんなに気にくわなかったか。
(゚、゚トソン「…」
('A`)「…」スラッ
(゚、゚トソン「フン、何?その妙ちくりんな剣は?
…いいわ、やろうってのね。覚悟しなさ―」
( ^Д^)「はいストップ」
兵「チッ…」チャキ…
(゚、゚トソン「あら、プギャーじゃない。ご機嫌いかが?」
( ^Д^)「お陰様で。俺の後輩が粗相をしたみたいで。すみませんね、お嬢」
(゚、゚トソン「あなたの後輩だったのね?ま、気にするほどのことじゃないわ」
('A`)「…」チン
( ^Д^)「気遣いどうも。それじゃお通りください」
(゚、゚トソン「そうさせてもらうわ。…それじゃまたね」スタスタ…
兵「…」スタスタ…
( ^Д^)「…」
('A`)「…誰あれ」
( ^Д^)「ツムラの家のトソン嬢だ。
王家の重要な役割の一端を担っててな、いわゆる上流階級の貴族のお嬢様だ」
('A`)「ほー」
( ^Д^)「手、出してたらとんでもないことになってたぞ」
('A`;)「…」
( ^Д^)「あ、後は王立士官学校にも入学するらしいな。同期だぞ、よかったな!」
('A`;)「…」
何か理由付けて殺されるんじゃないのか…?
夕方―王都・入り口―
('A`)「夕方か…」
( ^Д^)「もう少しで定刻だな」
('A`)「結局何もなかったですね」
( ^Д^)「良いことだ。例年はもうちょっと何かがあるんだけどな」
('A`)「特に何かがあったわけじゃないんだけど、疲れました」
( ^Д^)「ま、入学後気を付けるんだな」
先ほどのトソンの件だろう。
('A`)「…考えるだけでも鬱になる」
街の中から、誰かが歩いてくるのが見える。
('A`)「…ん?あれは…クーか?」
( ^Д^)「みたいだな」
川 ゚ -゚)「やあ、ドクオ。久しぶりだな」
('A`)「…おう、久しぶり。用事とやらはもういいのか?」
川 ゚ -゚)「ああ、ついさっき終わったところだ」
('A`)「で、どうした?わざわざこんなところまで」
川 ゚ -゚)「私も用事を終えたし、良ければ少しだけ遊びに行けないかと思ったんだ。
ジョルジュがここにいると言ってたんで、誘いに来た」
('A`)「あ、なるほどな。俺も出来れば遊びに行きたいところなんだが…」
( ^Д^)「…行ってこい。どうせ今日はもう何もないだろうしな」
俺らの話を聞いていたらしい。…聞こえていた、の方が正しいか。
('A`)「…良いんですか?」
( ^Д^)「いいって、行ってこい。んじゃ…ホレ、今日の給料だ」ジャラ…
お金の入った皮の小袋を渡される。
('A`)「ありがとうございます。…悪い、待たせたな」
川 ゚ -゚)「大丈夫なのか?」
('A`)「ああ、問題ない。行こうか」
―王都・大通り―
('A`)「俺王都初めてだからさ、どこに行ったらいいかわからないんだけど」
川 ゚ -゚)「奇遇だな。私も小さい頃に来て以来だからわからない」
('A`;)「なんだよ、誘ってきたくらいだから詳しいものだとばかり…」
川 ゚ -゚)「いいじゃないか。フラフラ見て回るのも楽しいぞ、きっと」
('A`)「ま、別にいいけど。…そうそう」
川 ゚ -゚)「なんだ?」
('A`)「俺、例の召喚師に会えたよ」
川 ゚ -゚)「本当か!?帰り方はわかったのか?」
('A`)「ああ、聞いたよ。んじゃ、ちょっと落ち着けるところで話すか」
―王都・広場―
二人はベンチに腰掛ける。
('A`)「よいしょっと」
川 ゚ -゚)「ジジ臭いぞ」
('A`)「かけ声掛けるのは良いことなんだぞ。…それじゃ報告」
川 ゚ -゚)「ああ、頼む」
('A`)「召喚師から聞けた帰り方は二つ」
川 ゚ -゚)「一つ目は?」
('A`)「召喚師の意志を達成すること。目的とも言い換えてたな。
要は召喚師の頼み事を果たせってことらしい」
川 ゚ -゚)「ふむ。…とすると、ドクオを喚んだ者がどこにいるかわからない現状では、
あまり良い手段ではないな」
('A`)「まあな。だけど、実際には今言った方法しか残されてないんだ」
川 ゚ -゚)「何故だ?」
('A`)「もう一つの方法が…」
一瞬、躊躇ってしまう。
('A`)「死ぬこと」
('A`)「死ねば元の世界に戻れるらしい」
川 ゚ -゚)「…なんだ、それは」
クーなら怒ってくれそうな気がした。
川 ゚ -゚)「ふざけてる…」
('A`)「落ち着けよ。俺は死ぬつもりなんか毛頭ない」
川 ゚ -゚)「落ち着いてなどいられるか?
…この広い世界だ。召喚師一人を捜し出すのにどれだけの時間が必要か」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「更にはその召喚師の頼み事を聞いて、目的を果たさなくてはならない。理不尽にも程がある」
俺と同じ理由で。
そんなお前だから
('A`)「…あまりカッカするなよ。何も帰る方法がこの二つだけに限られた事じゃない」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「珍しい魔法なんだろ?召喚魔法は。
なら、召喚師本人にも知らない、何か特別な方法があるかもしれない」
川 ゚ -゚)「…本当に、あるだろうか」
('A`)「さあね。だけど、俺はこの世界を気に入り始めてる。
多少長居したって構わないくらいにはな」
川 ゚ -゚)「本当か…?」
('A`)「ああ。それこそ、魔王を倒した後に帰る方法とか召喚師を探すのでも問題ない。
ひょんなことから召喚師とか帰る方法が見つかるかも知れないし」
川 ゚ -゚)「だが…」
('A`)「…しけた話はここまでにしようぜ。俺がし始めたんだけどな。さ、遊びに行くぞ」
川 ゚ -゚)「……ああ、そうだな」
ベンチから立ち上がる。
('A`)「よっこいしょっと」
川 ゚ -゚)「………ジジ臭いぞ」
('A`)「…かけ声掛けるのは良いことなんだぞ」
川 ゚ー゚)「…フフ」
('A`)「…はは」
―王都・大通り―
('A`)「あれ?」
川 ゚ -゚)「?何だ、顔に何か付いてるか?」
('A`)「ああ。今気がついたんだけど…化粧でもしてるのか?」
川 ゚ -゚)「ん…そうだが」
('A`)「へぇ。女の子の化粧ってのはそれくらいが一番良いよな」
川 ゚ -゚)「あまり濃すぎるのは私も嫌なのでな…。そもそも化粧自体が嫌いだ」
('A`)「なるほどね…。わかった。その化粧はアレだ、用事の一環だな?」
川 ゚ -゚)「そのとおりだ」
('A`)「おお、やっぱりな。化粧が必要な用事となると…パーティーとか?」
川 ゚ -゚)「なかなか鋭いな」
('A`)「今日の俺、冴えてるな」
パーティーか。クーはいいところの出なんだな、きっと。
川 ゚ -゚)「さて、いよいよ明日からだな」
('A`)「え?何が?」
川 ゚ -゚)「学校だよ。まさか知らなかったのか?」
('A`)「…全く知らなかったわけでもなくはないかと思う」
川 ゚ -゚)「意味がわからないぞ。とにかく、私がいてよかったな」
('A`)「ああ、本当にな。助かったよ…」
夜―王立士官学校・寮前―
('A`)「今日はありがとな」
川 ゚ -゚)「こちらこそ。それじゃあ」
('A`)「また明日な」
朝―王立士官学校・寮―
('A`)「ブーン、行くぞー」
隣の部屋の友人に声を掛ける。
「ちょっと待ってくれおー」
('A`)「早くしろよー」
場所が変われば人も変わる。心機一転、今日から新しい一日が始まる。
―王立士官学校・講堂前―
_
( ゚∀゚)「よっ!」
('A`)「…」
( ^ω^)「…」
何故、学校にこいつがいるというのか。
( ゚∀゚)「何故ってそりゃーデレちゃんを守るために決まってるだろうよ」
('A`)「公私混同して良いのかと小1時間問いたい」
( ^ω^)「本気になった親衛隊はこんな事もできるのかお!すげーお!」
_
( ゚∀゚)「ふふん、俺の実力だよ」
('A`)「…で?本当のところは?」コソ
( ^ω^)「?」
_
( ゚∀゚)「相変わらず鋭いな。…魔物の件だ。学校の警備は事のついで」コソ
('A`)「なるほどな」
いつ現れるかわからない魔物の出現に備えてか。
―王立士官学校・講堂―
入学式が始まった。校長のありがたい言葉を賜り、つつがなく式は進む。
/ ,'3 「…であるからして、女性のお尻というものはかくも素晴らしいものであり」
_
( ゚∀゚)「異議あり!おっぱいこそが人類の至高にしてこの世の真理!
偉い人にはそれがわからんのです!」
/ ,'3 「だまらっしゃい青二才が!人体におけるお尻の重要性を理解しておらんとは!
一から出直せ!すかぽんたん!」
ギャーギャー!
('A`) ( ^ω^) ξ゚⊿゚)ξ 川 ゚ -゚)「「「「…」」」」
ζ(゚ー゚*ζ「熱く語ってる姿も素敵…」
つつがなく式は進む。
―王立士官学校・教室―
('A`)「おっす」
川 ゚ -゚)「…騒がしかったな、入学式」
('A`)「ああ…。何でジョルジュまで入学式に参加してたんだ」
川 ゚ -゚)「わからん…」
( ^ω^)「もしかして君がクーさんかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「へぇ、この人がね」
ブーンとツンがこちらへ寄ってきた。
川 ゚ -゚)「その通りだが…キミ達は?」
( ^ω^)「ブーンと申しますお!ドクオの友人をしていますお」
ξ゚⊿゚)ξ「私はツン。よろしく」
('A`)「一応言っておくと、ブーンは風の魔法使い。…ツンは召喚師だ」
川 ゚ -゚)「…そうか」
('A`)「…」
やっぱり昨日の会話が忘れらないらしい。
目的を達するか死か。
ξ゚⊿゚)ξ「?」
川 ゚ -゚)「…よろしく頼む」
簡単な紹介を終えると、教室のドアが開いた。
ガラッ
( ´∀`)「みんな、席に着くモナー」
各々、割り振られた座席へと座る。全員が座り終えたのを確認すると、自己紹介を始めた。
( ´∀`)「初めましてモナ。みんなの担任をすることになったモナーだモナ。
よろしく頼むモナ!それと、入学おめでとうだモナー」
早速だけど、と言葉を継ぐ。
( ´∀`)「みんなにも自己紹介をしてもらうモナ!
これからみんなで仲良く協力して学んでいくには、お互いのことをよく理解する必要があるモナ」
( ´_ゝ`)「アニジャと申す。皆の者、よろしく頼む」
(´<_` )「もっとふつうに話せないのかアニジャは。あ、オトジャといいます」
双子の兄弟と思われるやつらから自己紹介が始まり、
('A`)「(どっちがどっちだ…。見分けがつかねぇ)」
(-_-)「…」
('A`)「(…何も喋らないのか)」
何も話さないのを見かねてか、先生が代弁することになったやつ、
( ´∀`)「ヒッキー君だモナ。みんなよろしく頼むモナ」
( ^ω^)「ブーン・ホライゾンと申しますお!風の魔法使いですお!」
隣人のブーンと、着々と進んでいく。そして
( ´∀`)「じゃ、次行くモナー」
ついに番が回ってきた。
('A`)「はい。…ドクオと言います」
魔法の事は言うべきか。しばし、思案する。
後々の事を考えると、さっさと言ってしまった方が楽な気もする。
('A`)「…俺は、魔法は使えません」
教室が静まりかえった気がした。
「フン」
('A`)「…」
(゚、゚トソン「…笑えない冗談ね」
('A`)「(よりにもよって、同じクラスか…)」
(゚、゚トソン「まさか魔法が使えないのにここに来るなんて。あなた、ここへ何しに来たの?」
('A`)「…魔王を倒せるくらい、強くなりに」
(゚、゚トソン「前言撤回…冗談が上手なようね」
( ;´∀`)「二人とも、やめるモナ…。ドクオ君は魔法は使えないけど、武器の扱いがとても上手いモナ」
(゚、゚トソン「果たしてどんなモノかしらね。怪しいわ」
( ´∀`)「そこまでモナ。…ドクオ君はもう自己紹介はいいモナ?」
('A`)「あ、じゃあ最後にもう一つ」
( ´∀`)「どうぞモナ」
これを言っておかなければ、本当に今後が辛くなるであろう。
('A`)「俺、記憶喪失なんで。特に字を書くのが苦手なんです」
これで筆記テストも安泰だ。
(゚、゚トソン「…さっきから何の冗談よ。字を書けないってホントは貧民の出なんじゃないの?
…いや、記憶喪失なら私を知らなかったのも頷けるわね」
どうやら王都の入り口で会ったことを覚えていたらしい。
('A`)「俺はいつだって真面目だっつーの」
( ;´∀`)「ちょ、それは聞いてないモナ!そういう大事なことは先に言っておいてくれないと困るモナ…」
('A`;)「あ、すみません」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
それはさておき相変わらずの更新量、乙カレー様
どんな学園生活になるのか楽しみだなあ
( ´∀`)「ま、いいモナ。…それじゃ続き行くモナ」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、はい」
椅子から立ち上がる。
ζ(゚ー゚*ζ「デレと言います。将来の夢はジョルジュさんのお嫁さんになることです!キャッ!」
('A`)「(あの時のデレはどこ行った…)」
( ´∀`)「…そうモナか。頑張るモナよ」
ζ(゚ー゚*ζ「はい!」
( ´∀`)「それじゃ次…」
(゚、゚トソン「私はツムラ家のトソン。…私が世界を平和に導いてみせるわ」
不遜な態度で言い終えるや、椅子にかけなおす。
ツムラという名は余程有名なのか、それとも今の発言に反応してか、教室が少しざわめいた。
('A`)「(平和に導くと言うなら、まず俺に絡まないで欲しいな)」
( ´∀`)「みんな静かにするモナ。それじゃ次モナ」
ξ゚⊿゚)ξ「…私はツン。召喚師よ」
ツムラを上回る不遜な態度で、実に簡便な自己紹介をした。
召喚師というキーワードに反応した生徒達が、ツムラの時以上に騒ぎ立てる。
(゚、゚トソン「…」
……
………
( ^ω^)「先が思いやられるお」
先ほどの自己紹介の件で、ブーンが愚痴をこぼしに来た。
('A`)「全くだ…。さっきのデレとツンの自己紹介はなんだ。
つるんでる俺らまで変な目で見られるじゃないか」
( ^ω^)「いや、ドクオも含んでるお。皮肉だお」
('A`)「…皮肉が言えるほど賢かったんだな、ブーン」
( ^ω^)「酷いお」
('A`)「…嫌なら離れてくれてもいいんだぞ」
( ^ω^)「バカ言うなお」
('A`)「それにしても案外緩いんだな」
( ^ω^)「まさか初日が自己紹介だけで終わるなんて思わなかったお」
川 ゚ -゚)「指導者に因るところが大きいらしいぞ」
クーが会話に入ってくる。
('A`)「そうなのか?」
川 ゚ -゚)「ああ、ジョルジュの先生はそれはもう凄まじかったようだ」
( ^ω^)「マジかお。ラッキーだったお」
('A`)「ジョルジュのあの性格はその先生の指導の賜なのか?」
川 ゚ -゚)「…」
( ^ω^)「…」
('A`)「…まさかな」
( ^ω^)「それにしても、凄まじい人気だお」
('A`)「…だな」
ツンは召喚師と言う物珍しさから、クラスの連中から質問攻めにあっている。
川 ゚ -゚)「珍しい魔法を持っているとああなる」
('A`)「…なるほどな」
因みにデレはジョルジュのところへ行った。
川 ゚ -゚)「要らぬやっかみを受ける事にもなりかねんしな」
('A`)「(そういや…)」
ツムラの方を見る。
(゚、゚トソン「…」
('A`)「(意外だな。自分を中心に世界が回ってるって印象受けたんだけど)」
ツンがクラスの連中に囲まれてるのを見て、苛立ってるのかと思えばそうでもない。
我関せずと言った具合だ。
(゚、゚トソン「…?」
('A`;)「ヤベッ」
( ^ω^)「どうしたお?」
('A`)「目があった。殺される」
( ^ω^)「…トソンだったかお。
ドクオに食って掛かってたけど、それは大げさじゃないかお?」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「いや、大げさなんかじゃない」
('A`)「あいつ、いいところのお嬢様なんだろ?」
(゚、゚トソン「…」
チラッと様子をみると、もの凄い睨んできている。
( ^ω^)「ツムラ家と言えば、王に執政の助言を与えているって話だお」
('A`)「かなりいいとこじゃねぇか。…俺、アイツに武器向けちまったんだよ」
( ;^ω^)「マジかお…」
('A`)「正しくは従者か?剣を抜いてきたからこっちも刀抜いたんだけどよ」
( ^ω^)「何がどうなったらそうなったお。刀ってなんだお」
('A`)「俺にもわからんわ。あと刀は刀だ」
(´<_` )「帰るぞ、アニジャ」
( ´_ゝ`)「ちょっと待て、他のクラスのかわいこちゃんをチェックしてからだな…」
(゚、゚トソン「あなたたち、ちょっといいかしら」
(´<_` ;)「へ…?ツムラさん?」
( ´_ゝ`)「何でしょうか、お嬢様」
(´<_` )「何いきなりへりくだってんのお前」
( ´_ゝ`)「この方をお嬢様と呼ばずして誰をお嬢様と呼ぶんだ」
(´<_` )「…まあな」
(゚、゚トソン「で?いいかしらって聞いてるんだけど」
(´<_` )「あ、すみませんでしたお嬢様」
( ´_ゝ`)「てめえも何気なくお嬢様とか言ってるんじゃねぇよ」
(゚、゚トソン「いい加減にしてくれるかしら?」
( ´_ゝ`) 「「はいお嬢様」」 (´<_` )
(゚、゚トソン「…手伝って欲しい事があるのよ。ついてきて」スタスタ…
( ´_ゝ`)「かしこまりました」テクテク…
(´<_` )「…え?強制じゃん。俺、了承してないんだけど。…ま、行くけど」
テクテク…
―王立士官学校・資料室前―
(゚、゚トソン「ここね」
(´<_` )「資料室?」
(゚、゚トソン「そう。ここでアイツの書類を探すのよ」
( ´_ゝ`)「アイツって?」
(゚、゚トソン「ドクオよ」
(´<_` )「探すって言ったって、鍵が掛かってるじゃないか」
オトジャの言うとおり、資料室のノブの横には0~9のナンバーが書かれたボタンが付いていた。
設定されたいくつかの数字を押した後、ノブをひねると鍵が開く特殊なドアだ。
(´<_` )「番号なんて知らないぞ?まさか一つ一つしらみつぶしに探していくんじゃないだろうな」
(゚、゚トソン「あたしも知らない。それにそんな面倒な事はしないわ。ちょっと待ってなさい」
(´<_` )「知らないって…。どうするつもりなんだ」
(゚、゚トソン「…1,3,4,8,9ね」
(´<_` )「…は?」
ポチ、ポチ、と番号の書かれたボタンを押下していく。
(゚、゚トソン「4…8…9…と」
ガチャ
(゚、゚トソン「さ、行くわよ」
(´<_` )「…鍵が開いた」
( ´_ゝ`)「…どうやって鍵の番号を知ったんだ?あいつは」
(´<_` )「あ、いたのか。会話に参加しないからいないのかと思った」
( ´_ゝ`)「…」
―王立士官学校・資料室―
(´<_` )「…すごい量の文書だな。この中から探すのは骨が折れるぞ」
資料室の中は箱にキャビネットにと、大量の紙の束が詰め込まれていた。
(゚、゚トソン「…わかったわ。このあたり…」
そう言うと数あるキャビネットの中から一つを開けて、いくつかの束になった文書を取り出した。
(゚、゚トソン「うん、これね。それじゃ、あなたたちはこっちの束を探して。あたしはこの束を探すから」
( ´_ゝ`)「…これは入学願書」
(´<_` )「…どうしてここにあるのがわかったんだ?」
(゚、゚トソン「どうでもいいでしょ。それより、さっさと探さないと先生が来るわよ」
言われて焦ったのか、二人ともその後は無言で願書を調べ始めた。
( ´_ゝ`)「ない、な」
(゚、゚トソン「こっちもないわ」
(´<_` )「願書はなかったが推薦状ならあったぞ」
(゚、゚トソン「…推薦状だけ?」
(´<_` )「ああ、推薦状だけ。しかし、とびっきりの人物からの推薦状だ」
(゚、゚トソン「見せて」
( ´_ゝ`)「誰からの推薦なんだ?」
(゚、゚トソン「…親衛隊隊長、フサギコ」
( ´_ゝ`)「…マジか」
(´<_` )「武器の扱いが上手いって話も何となく頷けるな」
(゚、゚トソン「どうだか。知り合いだから書いてもらっただけかも知れないじゃない。
本来提出されてなければならないはずの願書がないのよ?怪しいわ」
( ´_ゝ`)「ふむ、しかも魔法が使えないのに入学が許された。これは不正入学の可能性がある」
(´<_` )「いつになく鋭いな、アニジャ。今日は一体どうした?」
( ´_ゝ`)「俺が本気を出せばざっとこんなもんさ」
(´<_` )「で、どうするんだ?ツムラさん」
( ´_ゝ`)「…」
(゚、゚トソン「決まってる。不正入学した可能性があり、」
(´<_` )「…」
(゚、゚トソン「しかも魔法が使えない」
( ´_ゝ`)「…」
(゚、゚トソン「ただの一般人がこの学校にいること自体がおかしいわ。
一般人は一般人らしく私たちに守られてるべきなの」
(゚、゚トソン「ドクオをここから追い出すわ」
さて、どうやってドクオをいびり倒すんだ俺…俺には無理だお…
馴染みの方も初見さんも読んでくださりありがとうございます!
それではノシ
トソンのデレが楽しみだぜ
乙
朝―王立士官学校・教室―
('A`)「…なんじゃこりゃ」
( ^ω^)「どうしたお?ドクオ…って」
見ると、椅子の上に大量の画鋲が仕掛けられていた。
( ^ω^)「地味に嫌な嫌がらせだお」
('A`)「全くだ…」
(´<_` )「おい」コソ
( ´_ゝ`)「何だ」コソ
(´<_` )「あの大量の画鋲はお前の仕業か」
( ´_ゝ`)「まさしく。画鋲に気付かず座ってしまった時の肉体と精神に与えるダメージは計り知れない」
~~~~~~~~~~
( ´_ゝ`)『で、具体的には何をやって追い出すんだ?』
(´<_` )『おい、何で乗り気なんだよ』
(゚、゚トソン『方法は任せる』
(´<_` )『おいおい、せめて何か指示を出してくれ。じゃないと動けないぞ』
( ´_ゝ`)『…お前も乗り気じゃないか』
(´<_` )『いや、不正入学かどうかは俺も気になるところだし…。
直接聞いてもはぐらかされるだろうからな。怪しすぎる』
(゚、゚トソン『……妨害しなさい』
(´<_` )『妨害?』
(゚、゚トソン『そう。演習や訓練であいつを妨害するの。
成績を落とさせて落第させる』
(´<_` )『…随分遠回りで時間が掛かるやり方だな』
(゚、゚トソン『他に良い方法でもあるっていうの?』
( ´_ゝ`)『いじめとか』
(´<_` )『それだな』
(゚、゚トソン『…気が進まないわ』
(´<_` )『逆に聞くぞ?なら他に何か良い方法でもあるのか?…ないよな?』
(゚、゚トソン『それは………』
( ´_ゝ`)『…ま、こっちはこっちで好きにやらせてもらう』
(゚、゚トソン『…ほどほどにお願い』
(´<_` )『ほどほど、ねぇ』
~~~~~~~~~~
(´<_` )「いくら何でもほどほどすぎるだろう」
( ´_ゝ`)「そうか?俺はあれをやられたら1週間は引き籠もり泣き崩れるぞ」
(´<_` )「なるほど、明日からは画鋲をお前の椅子の上に置いておけばいいわけだな」
( ´_ゝ`)「うっそー。ばっかでー」
(´<_` #)「…」ガッシボカ
( ;´_ゝ`)「あ、痛い痛いごめんなさいやめて」
( ´_ゝ`)「それにしても…」
(´<_` )「ああ、やっぱりお嬢様なんだな」
( ´_ゝ`)「いじめが嫌だ、なんて甘っちょろすぎるな」
(´<_` )「…」
( ´_ゝ`)「どうした、オトジャよ」
(´<_` )「いや、後でしっかり今の発言を伝えておこうと思ってな」
( ´_ゝ`)「本当にすみません勘弁してください」
川 ゚ -゚)「…ドクオ、その大量の画鋲は何だ?」
('A`)「おう、クー。俺にも何がなんだか…」
( ^ω^)「きっといじめだお!」
('A`)「…お前もやっぱりそう思うか?」
( ^ω^)「それ以外考えられないお」
('A`)「だよなぁ」
川 ゚ -゚)「ふむ、何か心当たりでもないのか?」
('A`)「…いくつか心当たりがあるから困るな」
( ^ω^)「…一体何をやらかしたお」
('A`)「別に何もやらかしちゃいないが」
( ^ω^)「何かやらかしたから、いじめにあってるんじゃないのかお?」
('A`)「…とりあえず、まだいじめと確定したわけじゃないし話半分に聞いてくれ」
( ^ω^)「わかったお」
川 ゚ -゚)「わかった」
('A`)「まずはツムラの件だな」
( ^ω^)「剣を向けたってやつかお?」
('A`)「そうソレ。案外根に持たれてそうな気がする」
川 ゚ -゚)「…早合点じゃないのか?それは」
('A`)「まあな。俺もあまり人を疑いたくはないけど、昨日あれだけ睨まれちゃな。
何もアイツに限った事じゃなくて、誰かアイツと親しい仲のやつの犯行とか考えられる」
( ^ω^)「で、他には?」
('A`)「俺の自己紹介が気にくわなかったってところか」
川 ゚ -゚)「どういうことなんだ?」
('A`)「ここって本来魔法が使える連中が集まるところなんだろ?」
川 ゚ -゚)「…そうか」
( ^ω^)「…?」
('A`)「俺は魔法が使えないのに入学してる。
それをよく思ってない連中がいるかもしれないってことだ」
( ^ω^)「なるほどだお!」
('A`)「とりあえず可能性が高いのは、この二つくらいか。
ほとんどが俺の妄想だから、さっきも言ったけど話半分に聞いてくれよな」
( ´_ゝ`)「…」
(´<_` )「…」
( ´_ゝ`)「…なあ」
(´<_` )「…何だ」
( ´_ゝ`)「…ばれるの時間の問題じゃね?」
(´<_` )「…奇遇だな。俺も同じ事を考えていたところだ」
…
……
………
(゚、゚トソン「起立、礼」
( ´∀`)「うん。それじゃ、楽しい楽しい魔法学の授業を始めるモナー」
( ´∀`)「みんなは魔法がどうやって発動してるか知ってるモナ?」
( ^ω^)「空気中に漂うマナが、ブーン達のイメージを取り込んで実体化する…だったかお?」
( ´∀`)「一般的にはそう言われてるモナ。
だけど、それだけじゃ魔法を発動できない人がいることが説明できないモナ」
( ^ω^)「わけわからないお」
( ´∀`)「そう、実はコレはまだわからないことなんだモナ。
ただ、多くの人がその説を肯定してるモナ。だから、こうやって教科書に載っているモナ」
ξ゚⊿゚)ξ「…なんだかいい加減ね」
( ´∀`)「世の中なんてそんなものだモナ。その時代の大衆的な意見が常識になるモナ。
その説を覆すほどの有力な手がかりが出ない限りは、モナ」
とにかく魔法の歴史は長いのに、まだまだ課題が多く残っているモナ。
今後の研究の成果に期待を持つしかないモナ」
('A`)「(魔法だからって言うのじゃ駄目なんかな。不思議なことは不思議で済ませればいいのに。
魔法に理論とか求めちゃいけない気がする…)」
( ´∀`)「だから、魔法学の授業はこの時間で終わりモナ」
('A`)「…は?」
クラスが騒然とした。
( ´∀`)「次からの魔法学の授業は全部魔法の訓練に変更モナ」
(゚、゚;トソン「な、なんでですか?」
さしものツムラも困惑している。
( ´∀`)「大したことも分かってないのに、これ以上学んだって仕方ないモナ。
こんな豆知識より役に立つモノはやっぱり実戦モナ」
('A`;)「(言うことはもっともっぽいけど、先生がそれを言ったら駄目だろ…)」
―王立士官学校・訓練場―
( ´∀`)「はい。ここが訓練場モナ。今日はみんなの武器の適正を見てみたいと―」
_
( ゚∀゚)「ドクオ!ここにいたのか!」タッタッタ…
('A`)「ん?ジョルジュ」
( ´∀`)「ジョルジュ、何をしに来たモナ?」
_
( ゚∀゚)「よう、久しぶりだなモナー!悪いけどちょっとドクオ借りるわ!」グイ!
('A`;)「わ、なんだよ!」
( ;´∀`)「ちょ、どこに連れて行くつもりモナ!困るモナ!」
_
( ゚∀゚)「ちょっと手を貸してもらうだけだよ!」
( ;´∀`)「今は授業中モナ!ドクオ君の成績に関わるモナ!」
_
( ゚∀゚)「堅い事言うなって!何なら後でドクオに報告書出させるからよ!」
( ´∀`)「うーん…それならいいモナ」
_
( ゚∀゚)「よし!行くぞ!」グイイイィィィ!
('A`;)「俺の意思は無視か!自分で歩けるってのおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ…」ズルズルズルズル…
(゚、゚トソン「…」
( ´_ゝ`)「…」
(´<_` )「…図らずも妨害したことになるのか?これは」
( ´∀`)「さて、それじゃ授業再開するモナー」
( ^ω^)「おっおっ!楽しみだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「…大丈夫なのかしら」
川 ゚ -゚)「何、ドクオなら心配いらないはずだ。…いや、ジョルジュがいるとはいえ、やはり心配だ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ドクオがどうのこうのじゃなくてこの学校の事言ってるのよ…。アンタも心配だわ」
ζ(゚ー゚*ζ「仕事に一生懸命なジョルジュ様も素敵…」
―王都周辺・森―
ジョルジュに引きずられて来たのは、王都の近くにある森だった。
_
( ゚∀゚)「さて、それじゃよろしく頼むぜ」
('A`)「よろしく…って何をだ?」
_
( ゚∀゚)「何って魔物退治」
('A`)「…まあ予想はついてた。しかし何で俺が…」
_
( ゚∀゚)「これも訓練の一種だ。学校の訓練はお前には退屈すぎるだろうからな」
('A`)「…受けてみないことには分からないだろう?」
_
( ゚∀゚)「何事も実践が大事なんだぜ!」
('A`)「モナー先生と同じ事を…。基礎あっての実践だろうに…」
( ゚∀゚)「どうせ今も基礎練習続けてるんだろ?なら良いだろ。…さて、来たみたいだぜ」
前方を見ると、魔物の群れがこちらに駆け寄って来ていた。
('A`)「はあ…」
_
( ゚∀゚)「安心しろ、ちゃんと給料は出してやるから!」グッ
トンファーを両手に構える。
('A`)「そういう問題じゃないっての」シュウ
_
( ゚∀゚)「ほら、行くぜ!」ダッ
('A`)「全く…」ダッ
…
……
………
夕方―王立士官学校・教室―
( ´∀`)「それじゃ、今日の授業はこれで全部終わりモナ。お疲れ様モナ」
(゚、゚トソン「起立、れ―」
ガチャ!
('A`)「すみません、遅くなりましたー」
(゚、゚トソン「…あなたねぇ。今までフラフラとどこに行ってたのよ?
急に帰ってきたと思ったら、今度は邪魔でもしに来たの?」
('A`;)「へ?あ、いや…」
( ´∀`)「まあまあ、ツムラさん。とりあえずドクオ君は後で報告書の提出モナ」
(゚、゚トソン「…」
('A`)「報告書って言っても何を書けば…」
( ´∀`)「やってきたことをありのままを書けば良いモナ」
('A`)「はぁ。わかりました」
(゚、゚トソン「…何をしてきたか知らないけど、捏造だけはするんじゃないわよ」
('A`)「はいはい…」
(゚、゚トソン「何か文句でもありそうな口ぶりね…」
( ´∀`)「大丈夫モナ。先生がしっかり確認するから心配ないモナ」
(゚、゚トソン「ふん」
( ´∀`)「それと、ドクオ君は今日の授業の板書を誰かに写させてもらうモナ」
('A`;)「やることばかり増えて嫌になるな…」
(゚、゚トソン「あなたが勝手にどこかに行くのが原因でしょ」
('A`)「あれはジョルジュがだなぁ」
( ´∀`)「はいはい、そこまでモナ。みんな帰れなくて困ってるモナ。
続きはまた後でするモナ」
('A`)「続きなんかしませんって…はぁ」
(゚、゚トソン「…」
('A`)「クー、ノート貸してくれない?」
川 ゚ -゚)「ああ構わないぞ」
( ^ω^)「ドクオ、何でブーンに頼まないお?」
('A`)「こういうのは概して、女の子の物の方が綺麗に書き写されているからだ」
( ^ω^)「…納得だお」
自分のノートを開き、その説を認めざるを得ないことを確認した。
川 ゚ -゚)「しかし写すだけで良いのか?」
('A`)「ん?いや、授業を受け直すなんてこと出来ないだろうし仕方ないだろ?」
川 ゚ -゚)「今日の授業は大体頭の中に入ったから教えてやれんことはないと思うぞ?」
('A`)「…すげぇな」
―王立士官学校・屋上―
( ´_ゝ`)「今日の感じだと、こちらから手を打たなくても勝手に落第してくれそうだな」
(´<_` )「ああ。今日の授業は実質1時限目しか受けていないことになる」
(゚、゚トソン「そうね。後はあいつが今日の報告書をどう書いて、先生がどう評価するかだけど」
( ´_ゝ`)「また確認しに行くか?」
(゚、゚トソン「………それは無理ね」
(´<_` )「何でだ?」
(゚、゚トソン「報告書は資料室へ運ばれないからよ」
(´<_` )「…何故わかるんだ?」
(゚、゚トソン「…思いつきよ。成績をつけるための資料なんだから、手元にあるのが普通でしょ」
( ´_ゝ`)「なるほどな。先生の手元にあるとするなら俺らでは確認できない、か」
(゚、゚トソン「そう言うこと」
(´<_` )「…さて、どうなるかね」
( ´_ゝ`)「何、そうしたらこちらでも別の手を打ち続けるだけだ」
(゚、゚トソン「以前も言ったけどほどほどに頼むわよ」
( ´_ゝ`)「くっくっく…」
朝―王立士官学校・教室―
('A`)「…おお」
( ^ω^)「お、またかお」
('A`)「ああ、これで10日連続だぜ」
( ^ω^)「ドクオには悪いけど、一体いつまで続くのか気になるお」
('A`)「実は俺もだ。朝のちょっとした楽しみになってきてな。頑張ってほしいもんだ」
ドクオの椅子の上には大量の画鋲が鎮座していた。
(´<_` )「…」
( ´_ゝ`)「くっくっく…。10日連続での大量の画鋲…。いつ心が折れてもおかしくはないはずだ」
(´<_` )「…別の手を打ち続けるってまさかアレのことか?」
( ´_ゝ`)「そのとおりだが」
(´<_` )「…はあ」
( ´_ゝ`)「何だそのため息は」
(゚、゚トソン「…ちょっとあなた達!」ツカツカ…
( ´_ゝ`)「なんでしょうか、お嬢様」
(´<_` )「ツムラさん、ちょうど良いところに。ツムラさんからも言ってやってくださ―」
(゚、゚トソン「あたしは、ほどほどに頼む。そう言ったわよね?
それなのに何?10日連続で画鋲?明らかにほどほどの度を超えているわ!」
( ;´_ゝ`)「あ、えーと…それはですね…」ゴニョゴニョ…
(´<_` )「…」
(´<_` )「…なんだコイツら」
夕方―王立士官学校・職員室―
( ´∀`)「さて、今日の報告書は…」ペラリ
( ´∀`)「がんせきまじゅう、じんろう、おおかみ、
そのたもろもろを、しんえいたいいんのじょるじゅとともに、たくさんたおしました。いじょう。
…この報告に虚偽はないモナ?」
_
( ゚∀゚)「あたぼうよ」
( ´∀`)「…相変わらずすごいモナ。
まさか武器のみでこれらの魔物と本当に渡り合ってるとは思わなかったモナ」
_
( ゚∀゚)「まあアイツは少しばかり特別でな」
( ´∀`)「魔法が使えないのに入学が許可されたのも頷けるモナ。それにしても…」
_
( ゚∀゚)「どうした?」
( ´∀`)「この報告書はもうちょっとどうにかならないモナ?」
_
( ゚∀゚)「記憶喪失で字とか文章が書けないって言うんだから仕方ないだろ」
( ´∀`)「ま、ある程度書けるようになったみたいでよかったモナ」
_
( ゚∀゚)「だろ?ところで、ここ連日アイツを引きずり回しちまって悪かったな」
( ´∀`)「それについてはもう諦めたモナ」
_
( ゚∀゚)「後少しで落ち着きそうでな。それまでもう少し待ってくれ」
( ´∀`)「…ドクオ君がいないと、どうしてもマズイモナか?」
_
( ゚∀゚)「うんにゃ。アイツの特訓なんだよ特訓!」
( ´∀`)「…学校の授業を差し置いて何を言うモナ」
_
( ゚∀゚)「実戦、大事だろ?」
( ´∀`)「モナ…」
( ゚∀゚)「さっきも言ったように、後少しで落ち着くはずだ。それまで待ってくれ」
( ´∀`)「さっきも言ったように、もう諦めたモナ。好きにするモナ」
_
( ゚∀゚)「ハハッ、教師の言うセリフじゃねぇな!つーかマネすんな」
( ´∀`)「ジョルジュのせいモナ。この特例にはとても困ってるモナ。
だから後できっちり別の形で請求するから覚悟するモナ」
_
( ゚∀゚)「…マジで?」
( ´∀`)「マジモナ。高くつくモナ」
ガラッ
ζ(゚ー゚*ζ「ジョルジュ様!用事はもうお済みですか?」
_
( ゚∀゚)「デレちゃん!ちょうど今終わったところだよ!」
( ´∀`)「まだ終わってないけど…まあいいモナ。上乗せしておくモナ」
_
( ゚∀゚)「聞こえねぇな!それじゃあばよ!」タッタッタ…
ζ(゚ー゚*ζ「ああん!お待ちくださいませ!」タッタッタ…
( ´∀`)「廊下は走っちゃ駄目モナー」
朝―王立士官学校・教室―
('A`)「なん…だと…」
( ^ω^)「ドクオ、一体どうしたお?」
('A`)「どうしたもこうしたも、椅子の上に画鋲が置かれてないんだが…」
学校のある10日間、毎日置かれていた画鋲の姿がそこにはなかった。
( ^ω^)「最長10日かお。挑戦者にはガッカリだったお」
('A`)「まあそう言うな。挑戦者だって金が掛かるんだ。
こんな大した意味を持たない悪戯に金を掛けるのが馬鹿らしくなったんだろ」
( ´_ゝ`)「…なあオトジャよ」
(´<_` )「何だ、アニジャ」
( ´_ゝ`)「金貸してくれないか?」
(´<_` )「…は?」
( ´_ゝ`)「お金がなくなってしまって画鋲が置けなくなってしまってな」
(´<_` )「…お前、まだアレ続けるつもりだったのか?」
( ´_ゝ`)「モチのロン」
(´<_` )「…」チャリン
( ´_ゝ`)「おお!ありがとう!早速買ってくる!」タッタッタ…
(´<_` )「2度と帰ってくるな」
ガラッ
( ´∀`)「みんなおはようモナ!今日も一日頑張るモナ…ってあれ?アニジャ君は?」
(´<_` )「先生、サボりです。こんな授業やってられっか!と言って出て行きました」
( ´∀`)「…後でお仕置きが必要モナ」
( ´∀`)「さて、それじゃ連絡事項モナ。突然だけど、1週間後に筆記テストを行うモナ」
('A`)「…え?」
( ^ω^)「お」
( ´∀`)「そろそろ学校にも馴染んできたはずモナ。
緩んだ気持ちに、ここらでまた一つ緊張を入れ直すモナ」
('A`)「(テストか…。字を早く何とかしないと)」
(゚、゚トソン「(…良い機会だわ。ここで何とか…)」
(´<_` )「(これを利用しない手はないな)」
(゚、゚トソン「チャンスだわ」
(´<_` )「だな」
(゚、゚トソン「ようやくこれで妨害に入れるわね」
(´<_` )「実際の妨害なんだが、どうする?」
(゚、゚トソン「その辺りは私に任せなさい。画鋲の件もあるし、あなたたちじゃ少し心配だわ」
(´<_` )「…さいですか」
(゚、゚トソン「そうすると、あなたたちにやってもらうことがなくなるんだけど…」
(´<_` )「じゃあ俺は保険でも掛けるとするかな」
(゚、゚トソン「保険?」
(´<_` )「ああ。まあ期待しておいてくれ。といってもテストまですることはないんだが」
(゚、゚トソン「そう、ならとにかく任せるわ。…ところで」
( ;´_ゝ`)「…」
(´<_` )「…ああ。アニジャ、なんで尻を押さえてるんだ」
( ゚ _ゝ゚)「!!!怖いやめてモナー先生!助けアッー!」
(´<_` )「…なんだか知らんが放っておこう」
(゚、゚トソン「???そうね」
夕方―王立士官学校・教室―
('A`)「今日もほとんど授業に出られなかった…」
川 ゚ -゚)「じゃあ今日も講義をしてやろう」
('A`)「本当に助かります。クー先生」
(゚、゚トソン「…ちょっと、あなた」
('A`)「ん?…俺?」
(゚、゚トソン「そう、あなた。先生から伝言よ」
('A`)「何て?」
(゚、゚トソン「職員室まで来るように、とのことよ」
川 ゚ -゚)「報告書はもう提出したんだよな?」
('A`)「ああ、そうなんだけど。なんだろうな」
(゚、゚トソン「とにかく、早く行った方が良いのでは?」
('A`)「そうだな。伝言サンキュー、ツムラ」
(゚、゚トソン「…大したことじゃないわ」
('A`)「それじゃちょっと行ってくる」
川 ゚ -゚)「ああ、待ってるよ」
(゚、゚トソン「…」
川 ゚ -゚)「…」
(゚、゚トソン「…あの、お久しぶりです。クー―」
川 ゚ -゚)「クーだ。敬語も出来ればやめてほしい」
(゚、゚トソン「…ごめんなさい。クー、さん」
川 ゚ -゚)「構わない。それで、何か用事でもあるのか?」
(゚、゚トソン「…はい」
(゚、゚トソン「…やはり、あたしのことを恨んでますか?」
川 ゚ -゚)「藪から棒だな」
(゚、゚トソン「…」
川 ゚ -゚)「はっきりと言わせてもらおう」
(゚、゚トソン「はい」
川 ゚ -゚)「迷惑だ」
(゚、゚トソン「…」
川 ゚ -゚)「どうして私がキミを恨む必要がある?」
(゚、゚トソン「…え?」
川 ゚ -゚)「キミが私に何かしたのか?」
(゚、゚;トソン「いいえ、違います!でも…!」
川 ゚ -゚)「そんな考えが迷惑だ、と言っているんだ」
(゚、゚トソン「…」
川 ゚ -゚)「とにかく、私はトソンを恨んでなんかいない。覚えておいてくれ」
(゚、゚トソン「…はい。ありがとうございます」
川 ゚ -゚)「さて、用件はこれだけか?」
(゚、゚トソン「いえ、もう一つだけあります」
川 ゚ -゚)「何だ?」
(゚、゚トソン「彼のことで聞きたいことが…」
川 ゚ -゚)「彼?」
(゚、゚トソン「え…っと。ドクオのことです」
川 ゚ -゚)「ああ、ドクオか。私に答えられることならいいぞ」
(゚、゚トソン「クー、さんと彼はよく一緒に居ますけど、仲が良いのですか?」
川 ゚ -゚)「ふむ、そうだな。仲が良いか悪いかで言ったら、良い方になるのだろうな」
(゚、゚トソン「えっと、それは何故?」
川 ゚ -゚)「何故と聞かれてもな…。強いて言うなら、一緒に旅をしてきたからか?」
(゚、゚トソン「旅、ですか」
川 ゚ -゚)「ああ、ふとしたきっかけでドクオとは知り合ってな」
(゚、゚;トソン「…あ。旅というのは、それは二人きりで、ということですか?」
川 ゚ -゚)「いや、4人でだぞ」
(゚、゚トソン「そ、そうですよね」
川 ゚ -゚)「あ、いや」
(゚、゚トソン「え?」
川 ゚ -゚)「始めの1週間は二人で旅をしたな。懐かしい」
(゚、゚;トソン「…え?」
(゚、゚;トソン「(これって、思っていたより仲が良いの…?
もしかしたら、学校から追い出すのはよした方が…)」
(゚、゚;トソン「あ、あの!最後に一つだけ!」
川 ゚ -゚)「ああ」
(゚、゚;トソン「お二人は、こ…交際されているのですか?」
川 ゚ -゚)「…え?」
(゚、゚;トソン「…」
川 ゚ -゚)「…」
(゚、゚;トソン「…」
川 ゚ -゚)「…ははぁ」
(゚、゚;トソン「え?」
川 ゚ -゚)「わかったぞ、トソン。さてはキミ…」
川 ゚ -゚)「ドクオのことが好きなんだな?」ドヤッ
(゚、゚;トソン「…………ぇ?」
(゚、゚;トソン「え?何がどうして…。え?」
川 ゚ -゚)「そう恥ずかしがるな。なるほど、そう考えると合点がいく」
(゚、゚;トソン「え?え?な、何が…?」
川 ゚ -゚)「キミはドクオに初めて会ったとき、刃を向けられたらしいな」
(゚、゚;トソン「は、はい…」
川 ゚ -゚)「今までドクオの様に反抗してくる者なんていなかったよな?」
(゚、゚;トソン「それはまあ、家が家ですし…」
川 ゚ -゚)「それが、意外や意外。
自分とほとんど年の変わらない少年から刃を向けられてしまったと」
(゚、゚;トソン「あ、あの…それがどういう…」
川 ゚ -゚)「そこに、ビビッと来てしまったわけだな?」
(゚、゚;トソン「え?」
川 ゚ -゚)「詳しくはこうだ。普通なら自分に反抗してくるはずがない。
だがしかし、そういった固定観念をたやすくドクオに壊されてしまった」
(゚、゚;トソン「そ、それはまぁ…」
川 ゚ -゚)「そこに衝撃があったわけだ。あの後、ドクオの事が気になってはいたのではないか?」
(゚、゚;トソン「はい…。次会ったときはどうしてくれようかとか…」
川 ゚ -゚)「そこで更に追い打ちをかけるかのように、学校で運命の再会が待っていたわけだ」
(゚、゚;トソン「ぅ?」
川 ゚ -゚)「気になる男が、まさかの同期だったとは…」
(゚、゚;トソン「んん…?」
川 ゚ -゚)「しかし、気になる男の隣には私が頻繁にいたと。
私とドクオの関係が知りたくて、この際だからもう聞いてしまおう!そういうわけだったんだな?」
(゚、゚;トソン「………あ、あれぇ?」
川 ゚ -゚)「ドクオを見つめていたりしたのも、そういう理由があったんだな」
(゚、゚;トソン「違っ!あれは睨めつけていて!」
川 ゚ -゚)「睨む?…ああなるほど。うむ、わかった」
(゚、゚;トソン「よかった。やっとわかって…」
川 ゚ -゚)「これがドクオの言っていた『つんでれ』の『つん』の部分なんだな。やっとわかった」
(゚、゚;トソン「何かよく分からないけど絶対に違います!」
川 ゚ -゚)「…だけどな、トソン」
急に真剣な眼差しになる。先ほどまでもある意味でとても真剣だったが、その質が違う。
(゚、゚トソン「…はい」
それに気がつき、トソンも自然と背筋が伸びる。
川 ゚ -゚)「ドクオは諦めた方が良い。…ドクオの為にも、トソンの為にも」
(゚、゚トソン「え…?」
川 ゚ -゚)「詳しくは言えないが…」
ドクオは異世界から来た身。
(゚、゚トソン「それは、どういう…」
いずれは元の世界に帰るだろう。
川 ゚ -゚)「…すまない。これ以上は言えないんだ」
(゚、゚トソン「…わかりました」
必要以上の仲になることは、いずれ来る絶対の別れの時に辛くなる。
川 ゚ -゚)「すまない…」
何故だか、胸の奥がちくりと痛んだ。
クーとトソンの関係が気にな
名探偵クーの推理が冴え渡ってるなwwww
―王立士官学校・廊下―
(゚、゚トソン「はぁ…」
二人の関係を確認しようと、訊いてみたのが完璧に裏目に出た。
(゚、゚トソン「あいつのこと好きになること自体がありえない…」
川 ゚ -゚)『あの後、ドクオの事が気になってはいたのではないか?』
(゚、゚トソン「………」
(゚、゚トソン「…ないわね。うん」
(゚、゚トソン「…ん?」
_
( *゚)`*ζ ムチュゥ…
(゚、゚;トソン「…ん!?」
_
( *゚∀゚)「…デレちゃん」
ζ('ー`*ζ「…ジョルジュ様」
(゚、゚;ト|壁「(ちょ…!あんなところでなにやってるの!?あの二人は…)」
(゚、゚;ト|壁「(ここ…学校よ…!?何でこんなところで…)」
_
( *゚∀゚)「もう一度、良いかな?」
ζ(゚ー゚*ζ「はい…」
(゚、゚;ト|壁「(えええ!?また!?)」
_
( *゚)`*ζ ムチュゥ…
(゚、゚ト|壁「…」
(゚、゚*ト|壁「…」ドキドキ…
(゚、゚*ト|壁「…」
Σ(゚、゚;ト|壁「(…ハッ!い、いけない。ボーッとしてたら駄目だわ!)」
(゚、゚;ト|壁「…とにかくあの二人を止めないと。ここは学校。いかがわしいことをする場所じゃないわ」
(゚、゚;トソン ('A`)
(゚、゚;トソン ('A`)
(゚、゚;トソン ('A`)「なあ、なにやってんの?」
(゚、゚;トソン「…静かに…!今良いとこr…」
(゚、゚;トソン「…あれ…?」
(゚、゚トソン「「…」」('A`)
(゚、゚トソン「…いつからそこに?」
('A`)「…いつからって…」
('A|壁「…とにかくあの二人を止めないt」
(゚、゚;トソン「も、もういい!もういいから!」
(゚、゚;トソン「…で、何か用?」
('A`)「いや、別に用はないけどな。職員室の帰りにここを通ったらツムラがいたから」
(゚、゚トソン「そ、そう…。………ん?あたしがいたから?」
('A`)「ああ、帰り道にお前がいたから声かけたんだけど」
(゚、゚*トソン「…そ、そう」
('A`)「あまりにも挙動不審だったからな」
(゚、゚トソン「…一言多いわ」
( ゚∀゚)「よう、お前ら何やってんの?」
Σ(゚、゚;トソン「!!」ビクッ
('A`)「…ジョルジュ達こそ、そんなところで何やってたんだよ」
_
( ゚∀゚)「何って…」
ζ(゚ー゚*ζ「うふふ」
(///トソン「………」
('A`)「…」テクテク…
(゚、゚トソン「…」テクテク…
('A`)「ツムラさぁ」
(゚、゚トソン「…何?」
('A`)「ホントにさっきはあそこで何してたんだ?」
(゚、゚;トソン「な、なんでもいいでしょ…」
('A`)「ふ~ん。ま、いいけど」
(゚、゚;トソン「(…もしかして、さっき覗き見してたのばれてた?)」
(゚、゚;トソン「(そうだ!話題、話題を変えよう!えっと…)」
(゚、゚;トソン「そ、そう!あなたこそ、普段から学校を抜け出して一体何をしてるのよ」
('A`)「…」
(゚、゚トソン「何黙ってるの?もしかしてやましいことでもあるんじゃない?」
('A`)「…秘密だ」
(゚、゚トソン「…ふん」
(゚、゚トソン「そもそも、記憶喪失だって言うのも怪しいものだわ」
('A`)「…」
(゚、゚トソン「おまけに魔法を使えない。それなのに、この学校に入学できてる。怪しすぎるわ」
('A`)「…まあ普通に考えたらそうだよなぁ」
(゚、゚トソン「…」
('A`)「疑って掛かるのは当然だ」
(゚、゚トソン「…あなたは」
('A`)「だけど秘密だ。それでもって、俺にやましいことなんて何一つない」
(゚、゚トソン「…何故?やましいことがなければ秘密にする必要はないじゃない」
('A`)「俺は別に話しても問題ない気はするけど。…ま、ある人からこうするように言われてるんでな」
(゚、゚トソン「(隊長のことかしら…)」
('A`)「だから、これ以上追求されても答える気はさらさらない」
(゚、゚トソン「ふん。別にいいわ」
('A`)「おっと教室だ。それじゃあまたな」
(゚、゚トソン「…」
―王立士官学校・教室―
ガチャ
('A`)「クー、お待たせ」
川 ゚ -゚)「いや、気にするな。それよりも聞いてくれ。コイバナとやらをしたんだ」
('A`)「恋話?誰と?」
川 ゚ -゚)「トソンだ。具体的には恋愛相談を受けていたんだが。
中々に面白いものだな、コイバナとやらは」
('A`;)「ツムラが恋愛相談?嘘だろ?」
川 ゚ -゚)「本当だ。因みに相手は…っと」
('A`)「??相手は誰なんだ?」
川 ゚ -゚)「(危ない危ない。本人に伝えてしまうところだった)」
('A`)「なあ、誰なんだ?あのツムラを落とした猛者は」
川 ゚ -゚)「(何かうまい言い訳を考えなくては…。えっと…そうだ。)
…女の子の秘密をそう簡単に教えられるとでも思っているのか?」
('A`)「その女の子の秘密を、ついさっきポロッと言いそうになってたのはどこのどいつだ?」
川;゚ -゚)「…」
('A`)「ま、教えてくれなくてもいいけどさ」
川 ゚ -゚)「そうか、それはよかった。いや、すまないな」
川 ゚ -゚)「ところで、先生は何の用事だったんだ?」
('A`)「いや、呼んだ覚えはないモナ、だってさ」
川 ゚ -゚)「…どういうことだ?」
('A`)「まあ単純に考えるとツムラが嘘をついたってことになるわな」
川 ゚ -゚)「そうか、なるほど。それほどまでに私に恋愛相談をしたかったと言うわけか」
('A`)「普通に言ってくれれば席外すのに」
川 ゚ -゚)「面と向かって言えるわけないだろう?…この罪作りな男め…」ボソッ
('A`)「え?何?」
川 ゚ -゚)「気にするな、何でもない」
夜―寮・トソンの部屋―
(゚、゚トソン「…そうだ。明日確認しに行こう」
何故、今まで気がつかなかったのか。
(゚、゚トソン「直接この目で確認しに行けばよかったのよ」
いつも学校を抜け出して、あいつは一体何をしているのか。
(゚、゚トソン「見きわめてやる」
この学校にいるだけの価値があるやつなのかを。
(゚、゚トソン「…というか、今日は普通に会話しちゃった…。…調子狂う」
朝―王立士官学校・教室―
( ´∀`)「さて、今日も楽しい授業の始まりモナー」
(´<_` )「先生、ツムラさんがまだ来てないのですが」
( ´∀`)「欠席モナ?珍しいモナ」
( ^ω^)「ドクオもまだ来てないお。
因みに今朝部屋に呼びに行ったときは既にいなかったお」
( ´∀`)「…困ったものモナ。ま、いいモナ。授業始めるモナー」
川 ゚ -゚)「(もしかして、もうドクオを呼びだしての告白か。早いな)」
『ドクオは諦めた方が良い。…ドクオの為にも、トソンの為にも』
…胸が痛んだ。
―王都周辺・森丘―
('A`)「…眠い」
_
( ゚∀゚)「ほら、シャキッとしろよ!」
('A`)「無理だ。日が昇る前から起こされれば、こうなるのは当然だろう」
_
( ゚∀゚)「悪かったっての!とにかく行くぞ」
('A`)「はいはいっと…」
(゚、゚トソン「…」コソコソ
( ゚∀゚)「…」
('A`)「森が終わったと思ったら、また似たようなところだな」
_
( ゚∀゚)「まあな。だが、ここは起伏もあって足場が非常に悪い。
ただの森とは勝手が違う。気を付けろよ?」
('A`)「はいよ…と」ヒョイ
ガッ
ベシャッ
('A`)「なんだ?今の音」
_
( ゚∀゚)「…間抜けな動物が足引っかけて転んだんだろ」
(゚、゚;トソン「あいたた…」
( ゚∀゚)「さて、この辺りだな。…ストーンウォール!」
ゴゴゴゴオン!
木々の間に、背の高い大きな岩がそびえ立った。
('A`)「正午にはこれを目印にここに集合」
_
( ゚∀゚)「ああ。んじゃ、ケガしない程度に頑張れよ?」ダッ
('A`)「了解」テクテク…
(゚、゚トソン「(別行動…?一体何を…)」コソ
(゚、゚トソン「(ドクオに付いて行こう。
…決してあいつが気になるからではない。元からそういう目的だっただけ、うん)」コソコソ
('A`)「…」
(゚、゚トソン「(…さっきからあてもなく森を歩き回って…)」
('A`)「…」
(゚、゚トソン「(これに何の意味が…?)」
('A`)「…」
ふと、ドクオは動きを止めた。
(゚、゚トソン「(止まった。…え?)」
ドクオが足を止めた場所の周囲の木には、大きな爪痕が残されている。
そして、足下には惨たらしい動物の死骸がいくつも横たわっていた。
(゚、゚;トソン「うっ…」
(゚、゚;トソン「…あれは、魔物が…?………!」
あれが魔物の仕業だとしたら、ここは危険じゃないのか?
ならば、取る行動は一つ。
(゚、゚;トソン「(早くここから去るのみ)」
(゚、゚トソン「(まずは、何事もなく帰れるか確認を…)」キン
(゚、゚トソン「はあ、無理なようね…。あいつは…?」
先ほどの場所に、ドクオの姿はもうなかった。
(゚、゚トソン「ま、いても魔法が使えないんじゃ役に立たないか…」
ガサ…
(゚、゚;トソン「…来た」
人浪「グルルルル…」
(゚、゚;トソン「…」キン
人浪「グルル」ググッ
人浪が、足に力を込める。
(゚、゚;トソン「(飛び込み後、右腕でなぎ払い)」
人浪「ガアァッ!」バッ
(゚、゚;トソン「くっ!」ダッ
あえて人浪の右腕に向かって走り出す。
ブオン!
(゚、゚;トソン「~~~~!!」
屈んだトソンの頭上を、豪腕が通過する。
人浪「!!」ザザッ
(゚、゚;トソン「(関門突破…!後は隙を見つけつつ魔法で倒すか逃げ…)」キン
(゚、゚;トソン「!!!」ズザッ
1本の大きい木の横で急停止をする。
ブオン!
木の陰から、上から下へ凶悪な爪が振るわれた。
あのまま走り続けていたら、その爪の餌食となっていたであろう。
人浪B「…」スッ
(゚、゚;トソン「…随分と狡猾ね」
人浪「ガルル…」ザッ
王道展開です
ドックンはやく助けてやりな
だがひとつだけ突っ込ませてくれ!
人狼だよな?
人狼「グルル…」ザッ
人狼B「ガルル…」
(゚、゚;トソン「…」キン
人狼「グル…」
人狼B「…」
(゚、゚;トソン「(後ろ!)」
(゚、゚;トソン「ふっ!」ダッ
人狼「ガァッ!」バッ
トソンが挟撃から逃れるように横に駆け出すと同時、始めに姿を現したワーウルフが飛び掛かってきた。
人狼「!」ブォン!
目標地点にはトソンはおらず、空振り。
人狼B「ガゥッ!」バッ
続けて、2体目のワーウルフが背後から襲いかかる。
が、トソンは振り返らず走り続ける。
(゚、゚;トソン「…ライトニング!」タッタッタ…
ピシャアン!
人狼B「ギャアアアアア!」
まるで飛び掛かってくるのが分かっていたかのように、
振り返らずに前のみを向いてトソンが放った一点集中型の魔法は
見事に命中し、魔物の体を引き裂いた。
(゚、゚;トソン「これで1体…!」ザザッ
人狼「!!…ァオオオオオオオォォォォン!!」
(゚、゚;トソン「次!ライトニ―」キン
(゚、゚トソン「え」
自分には視えていたはずなのに。気がつくことが出来なかった。
完全に周りの景色と同化していたそいつは、大きく腕を振り上げた。
岩石魔獣「…」ブン!
ド
ゴン!
( 、;トソン「か…はっ…!」
強烈な衝撃が体を襲い、吹き飛ばされる。
ドシャァッ…
( 、トソン「…ぁ」
視えていた、分かっていたはずなのに。
こうなる道を選んでしまった。
( 、トソン「(…痛、ぃ…)」キン
岩石魔獣がトドメを刺そうと腕を振り上げるのがわかる。
岩石魔獣「…」スッ
( 、トソン「(死ぬの、かな…やっぱり…無理、なの)」
分かっていても、運命には抗うことはできないのか。
( 、トソン「(…でも…それなら…)」
母様が視た、未来の私は…。
ヒュ
岩石魔獣「…」
( 、トソン「…」キン
岩石魔獣「…」ドサンッ
( 、トソン「(…ぇ…?)」
「大丈夫か?すぐ終わらせる。待ってろ」
( 、トソン「(ド…クオ?)」
魔物達と戦う少年の姿が視えた。
( 、トソン「ぁ…」キン
この人がそうだと言うのだろうか。母様。
('A`)「さて、覚悟しろよ…お前ら」シュウ
私に変革をもたらす人。
人狼「ガル…」
人狼C「ガルルル…」
人狼D「グルル…」
視えたのは、少年が少女を助け起こす、近い未来だった。
…
……
………
―王立士官学校・医療室―
(゚、゚トソン「…ん…」
見慣れない天井。
(゚、゚トソン「(…ここは)」
シャッ
川 ゚ -゚)「…よかった、目が覚めたようだな」
仕切りのカーテンを開けて入ってきたのはクーさんだった。
(゚、゚トソン「…えっと」
川 ゚ -゚)「…何があったか覚えてないか?」
(゚、゚トソン「…あ。…思い出しました」
直接目では見ていないが、視えていた。
(゚、゚トソン「彼に…ドクオに助けてもらいました」
川 ゚ -゚)「ああ、そうだ。ドクオがぐったりしたトソンを学校まで負ぶってきたときは驚いたぞ」
(゚、゚トソン「…そうだったんですか」
川 ゚ -゚)「ところで何をしに森丘まで行っていたんだ?」
(゚、゚トソン「…実は、彼、ドクオが学校を抜け出して何をしているのかを確かめに…」
川 ゚ -゚)「ふむ。てっきり告白の為にどこかへ呼びだしたのかと思ったが」
(゚、゚トソン「告白って…」
川 ゚ -゚)「愛する彼の不思議な行動が気になって、つい追いかけてしまったんだな」
(゚、゚トソン「…」
ガチャ
「クー?…あれ、どこ行った?」
(゚、゚トソン「!」
川 ゚ -゚)「ドクオが来たようだな。…こっちだ。トソンが目を覚ましたぞ」
('A`)「ホントか?…おお、起きてる。元気か?」
(゚、゚*トソン「…」
('A`;)「…あれ?もしかしてまだ痛いところあるのか?」
川 ゚ -゚)「しっかりと魔法で回復したから、それはないと思うが…」
(゚、゚*トソン「…はい。大丈夫、です」
('A`)「なんだ、心配させるなよ」
(゚、゚トソン「クーさん、私の為に魔法を使ってくれてありがとうございます」
川 ゚ -゚)「何、大した事はしていない。…それより、私はお邪魔な様だから退散しよう」コソ
(゚、゚;トソン「え?」
川 ゚ -゚)「ドクオ、私は用事があるので外すが、後はよろしく頼むぞ」スタスタ…
('A`)「おーう」
(゚、゚;トソン「ま、待っ…」
バタン
(゚、゚;トソン「…」
(゚、゚;トソン「…」
('A`)「…あのさ」
(゚、゚;トソン「は、はい!」
('A`;)「何で敬語?」
(゚、゚;トソン「え、えええと…なんでも、ない…」
('A`)「ならいいけど。クーと知り合いなのか?…回復魔法を知ってるような口ぶりだったけど」
(゚、゚トソン「…そうよ。昔、この王都で一緒に遊んでたことがあったの」
('A`)「へぇ。じゃあその時に?」
(゚、゚トソン「うん…」
('A`)「へぇ…」
(゚、゚トソン「…」
('A`)「…」
(゚、゚トソン「…」
('A`;)「(何でこんなに空気重いの…)」
(゚、゚トソン「あの…」
('A`;)「ん?」
(゚、゚トソン「森丘では助けてくれてありがとう」
('A`)「ああ、気にするなよ」
(゚、゚トソン「ドクオはなんであそこに、私のいるところまで来たの?」
('A`)「魔物の遠吠えが聞こえたからな」
(゚、゚トソン「そっか。…今まで学校の外で何をしてたか訊いてもいい?」
('A`)「まあいいけど、別に大した事はしてないんだよな」
(゚、゚トソン「そうなの?」
('A`)「まあな。ただの魔物退治だし」
(゚、゚トソン「…充分大した事だと思うんだけど」
('A`)「そうか?こっちでは今までずっとそんな感じだったからなぁ」
(゚、゚トソン「こっち?」
('A`;)「あ、えっと。王都に来てからって意味で『こっち』ってこと!
ジョルジュにはいっつも引っ張り回されててな。大変なんだ」
(゚、゚トソン「そっか」
('A`)「…ところでホントにもう大丈夫なのか?なんだかいつもの元気さがないぞ?」
(゚、゚*トソン「え?あ、うん。大丈夫…大丈夫」
('A`)「そうか。…だけど病み上がりのところ邪魔しちゃ悪いし、そろそろ行くわ」
(゚、゚トソン「あ、うん。…今日は本当にありがとう」
('A`)「気にするなって。それじゃあまた明日な」テクテク
(゚、゚トソン「うん、また明日…」
小さく手を振り見送る。
ガチャ…バタン
(゚、゚トソン「…ふぅ」
私に変革をもたらす者…。
(゚、゚トソン「(ドクオ、なのかなぁ…)」
まだ、先は視えなかった。
なにこれトソン嬢の胸キュンかわいんだけどwwww
夕方―王立士官学校・教室―
( ´∀`)「ヒッキー君」
(-_-)「…」
( ´∀`)「アニジャ君」
( ´_ゝ`)「はい」
( ´∀`)「ドクオ君」
('A`)「ウツダ…」
( ´∀`)「以上3名は、後日追試するモナ。しっかり勉強するモナ」
―王立士官学校・図書館―
(´<_` )「…なるほど、あいつは魔物と戦っていて、ツムラさんはあいつに助けられたわけか」
(゚、゚トソン「そう。私が視た限りだと、少なくとも3体は人狼を相手にしていたわ」
( ´_ゝ`)「…」カキカキ
(´<_` )「1人で一度に3体かよ、しかも人狼」
(゚、゚トソン「魔法も使わずにね…。決して実力がなかったわけじゃないんだわ」
(´<_` )「訓練の時はあいつ、いつもいなかったもんな。確認のしようもなかったか」
( ´_ゝ`)「…」カキカキ
(゚、゚トソン「それでお願いなんだけど…」
(´<_` )「…例の保険だな?安心してくれ、あれはもう意味がない」
(゚、゚トソン「ならいいんだけど。因みに何をするつもりだったの?」
( ´_ゝ`)「…」カキカキ
(´<_` )「カンニングって知ってるか?」
(゚、゚トソン「ええ。他の人の回答を盗み見たりするやつよね」
(´<_` )「それ。それで濡れ衣を着させるつもりだった。最悪、一発で退学まで持って行ける荒技だ。
結局、今回は追試を受けさせられるわけだから、これが通用しないんだけどな」
(゚、゚トソン「…えげつないわね」
(´<_` )「それじゃ、今後はドクオに余計な手出しはしないってことでいいんだな?」
(゚、゚トソン「うん。あなたたちを振り回すような形になってしまって、本当に申し訳ないけど…」
( ´_ゝ`)「ふん、全くだぜ?誰のお陰で追試を受けるハメになったと思う?」
(´<_` )「自己責任だボケ。さっさと勉強しろ」
( ´_ゝ`)「そうですねすみませんちょっと調子に乗りすぎました」
(゚、゚トソン「…」
―王立士官学校・教室―
('A`)「言語の壁は大きい」
( ^ω^)「いきなり何言ってるお」
('A`)「いや、文章とか書けるようになるのってこんなに大変なんだなぁと」
川 ゚ -゚)「問題自体が分からなかったわけではないんだろう?」
('A`)「そうなんだよなー。寧ろそれが問題だ。何しろ答えが書けない」
ξ゚⊿゚)ξ「何で文字は読めて文は書けないのよ?」
('A`)「…さあ?さっぱりだ。俺が訊きたいくらいだ」
ξ゚⊿゚)ξ「…ふぅん。変な記憶喪失ね」
川 ゚ -゚)「何にしろ、出来るだけのことはやらないとな」
( ^ω^)「構文とかみっちり教えてやるお」
('A`)「ブーン、お前は追試ギリギリだったんだろ?
俺に構ってないで自分の勉強してろ」
( ^ω^)「…それを言われると痛いお」
('A`)「…なぁ」カキカキ
川 ゚ -゚)「ん?」
('A`)「ヒッキーだっけか、あいつも追試だけど点数悪かったのかな?」
( ^ω^)「いや、テスト当日に引きこもって欠席したらしいお」
('A`)「なんでまたテスト当日なんかに引きこもったんだか」
ξ゚⊿゚)ξ「気になるなら直接聞いてみればいいんじゃない?」
('A`)「あいつ、喋ってくれるかなぁ」
ガチャッ
(-_-)「…」
('A`)「あ」
( ^ω^)「お」
川 ゚ -゚)「おお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
(-_-)「…」
しかしヒッキーは、ドアを開けたまま立ちつくしている。
('A`)「…なあヒッキー?」
(-_-)「…」
('A`)「えっと…テスト当日は何で休んだんだ?」
(-_-)「…」
('A`;)「………スマン、答えたくなかったか?」
(-_-)「…」
('A`;)「…」
(-_-)「…」
バタン。…ヒタ…ヒタ
結局教室に入ることなくドアは閉じられ、行ってしまった。
('A`;)「…」
( ^ω^)「…ヒッキーは一体何しに来たんだお」
川 ゚ -゚)「ドクオが話しかけたから驚いてしまったんじゃないか?」
('A`;)「え?そうなのか?まずかったか…」
ξ゚⊿゚)ξ「元々があまり社交性があるように見えないしね」
('A`)「つーかツンが訊いてみれば?なんて言うから…」
ξ゚⊿゚)ξ「人のせいにしないでよ!」
ガチャ
( ^ω^)「お?戻ってきたかお?」
(゚、゚トソン「…え?」
('A`)「なんだ、ツムラじゃん。一瞬焦ったわ」
(゚、゚*トソン「え…ぁ…」
ξ゚⊿゚)ξ「…そんなところで立ってないで入ってきたら?」
(゚、゚;トソン「あ、そうね…」
( ^ω^)「ツムラさんは何しに来たお?」
(゚、゚トソン「忘れ物を取りに来ただけよ。あなたたちこそ何やってるの?」
川 ゚ -゚)「私たちはドクオの勉強を見てたんだ。主に語学だが」
(゚、゚トソン「語学?…ああ、記憶喪失、だったかしら」
( ^ω^)「そうだお。文字は読めるけど書けないんだってお」
(゚、゚トソン「…前から思ってたけど変ね」
(゚、゚トソン「異世界から召喚されたモノと似てるわ」
('A`)「!」
ξ゚⊿゚)ξ「…あなたもそう思う?」
( ^ω^)「??なんなんだお?」
(゚、゚トソン「…召喚師が召喚を行う際、対象者に一つの魔法を掛けるのよ」
ξ゚⊿゚)ξ「正確には、ゲートとなる魔方陣が掛けるのだけど」
( ^ω^)「それとドクオが何の関係があるお?」
ξ゚⊿゚)ξ「これから話すわ。掛けられる魔法は言葉の翻訳よ」
('A`)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「言葉による意思疎通が出来ないと、
何をすればいいかわかないから相手は自分の世界に帰れないし、
こっちは言うこと聞いてもらえないしで色々困るのよ」
( ^ω^)「ほうほう」
ξ゚⊿゚)ξ「で、その魔法の効果のほどなんだけど、以前ウンディーネに訊いたことがあるの」
川 ゚ -゚)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「話すのは当然として、文字を読むのもこなせた。だけど」
( ^ω^)「文字を書くことはできなかったのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「そのとおり」
(゚、゚トソン「私も以前に同じ内容を書物で読んだことがある」
( ^ω^)「で、話すことと読むことはできるのに、書くことが出来ないっていうことが今のドクオに似てるのかお?」
(゚、゚トソン「そうなるわ」
ξ゚⊿゚)ξ「そもそもおかしいのよね。
話すことはともかくとして、何で記憶喪失なのに文字は読めるの?
そもそも文字が読めるのなら、書く事なんて出来て然るべきじゃない?」
( ^ω^)「言われてみればそうだお。だとすると…」
ξ゚⊿゚)ξ「…もしかしてだけど」
('A`)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタ、召喚されてきたの?」
なんとCM的なキリっぷりかww
いいところで終わりやがって続きが気になるぜ
wktkで更新待ってるぜ
('A`)「…」
( ^ω^)「そうなのかお?」
('A`)「(そもそも、こいつらに対して記憶喪失って言い張るメリットって何だ)」
(゚、゚トソン「…」
('A`)「(魔法の事に関してはともかく、異世界から召喚されたかもしれないって言えば何か協力してくれるんじゃ…)」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「…実は―」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、私は人を召喚できるなんて、聞いたことないし知らないんだけどね」
川 ゚ -゚)「…」
( ^ω^)「なんだお、一瞬焦ったお」
ξ゚⊿゚)ξ「あり得ない話でもないと思ったのよ。
この世界に似た世界があっても不思議じゃないわ」
( ^ω^)「…よくわからないお」
ξ゚⊿゚)ξ「そもそも、召喚で利用してる異世界についてもよく分からないし」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…それじゃ、勉強を再開するか」
('A`)「お?おう」
ある意味助かったか。大事な事を忘れてた事に気がつく。
ξ゚⊿゚)ξ「そうね、このままじゃ落第よ?ブーンも」
( ;^ω^)「ブーンは追試じゃないお!」
ξ゚⊿゚)ξ「ほとんど追試の点数と変わらないじゃない。アンタも勉強しなさい」
( ^ω^)「…勉強面倒くさいお」
(゚、゚トソン「…あたしももう行くわ」
('A`)「ああ、またな」
(゚、゚トソン「うん…」
夜―寮・トソンの部屋―
(゚、゚トソン「(今日はあそこで話が終わったけど)」
あの時、ドクオは何か言いかけてた。
(゚、゚トソン「(本当にただの記憶喪失?ただの記憶喪失なら…)」
川 ゚ -゚)『ドクオは諦めた方が良い。…ドクオの為にも、トソンの為にも』
(゚、゚トソン「(あの発言の意図するところは何…?)」
あの人だけは何かを知っている。
(゚、゚トソン「…ん?」
ふと窓から外を見ると、誰かが中庭を歩いているのがわかる。
(゚、゚トソン「あれは…ドクオ?こんな時間に何してるのかな」
朝―王立士官学校・訓練場―
( ´∀`)「それじゃ、今日は試合を行うモナ。二人組をつくるモナ」
('A`)「やっと訓練受けられると思ったら早速試合か。大丈夫かな…」
川 ゚ -゚)「ジョルジュやフサギコ殿を相手にしていたんだ、ドクオなら大丈夫さ」
('A`)「だといいけどな」
「ドクオ」
('A`)「ん?」
( ´_ゝ`)「試合、しようぜ」ニヤニヤ
(´<_` )「…」
( ^ω^)「…」
(-_-)「…」
( ^ω^)「…よろしく頼むお」
(-_-)「…」
( ^ω^)「…」
(-_-)「…」
( ^ω^)「どうしてこうなった」
( ´∀`)「それじゃ、ルールについて説明するモナ。みんなよく聞くモナ」
('A`)「…」
( ´∀`)「危険がないように、試合では木で出来た武器を使ってもらうモナ。
武器種については好きに選ぶモナ」
( ^ω^)「ふんふん」
( ´∀`)「次に魔法モナ。魔法は原則禁止モナ。補助魔法に限り使用可能モナ」
(´<_` )「あれ?このルールって」
( ´∀`)「そうモナ。木の武器以外は武術大会と一緒のルールモナ。
1年の時から出る人は少ないけど、今のうちからこのルールに慣れておくモナ」
('A`)「武術大会、ねぇ。というか補助魔法ってなんだ?」
川 ゚ -゚)「そうだな。例えばフサギコ殿がよく使ってる移動速度を上げたりする魔法だな」
( ^ω^)「補助魔法自体の数が少ないから、みんな大して変わらないお」
('A`)「ならいいけど…。俺は魔法使えないからな」
( ´∀`)「勝敗は決定打を与えるか、参ったと宣言させるかどちらかモナ。
審判はモナーが務めるモナ。それじゃ、まずは君のペアから始めるモナ」
…
……
………
( ´∀`)「はい、そこまでモナー。ご苦労様だモナ」
('A`)「(…確かに、みんなそこまでレベルは高くないのか)」
( ´∀`)「それじゃあ、次は…」
('A`)「(まあ入学してきたばかりだし当然か)」
( ´∀`)「ドクオ君のペア、行くモナ」
( ´_ゝ`)「ふふん、やっと俺の出番か」
('A`;)「(…でも緊張はしちまうな)」
( ´_ゝ`)「お前は武器は何にするんだ?」
('A`)「ん?俺は剣だ」
( ´_ゝ`)「双剣か。奇遇だな、俺もだ」
('A`)「…」
( ´_ゝ`)「いくら防具を着けているとはいえ、
未来の親衛隊員の俺を甘く見ていると痛い目を見るぞ?」
('A`)「…え?」
( ´∀`)「準備はいいモナ?」
お互い武器を手に構え、頷く。
( ´_ゝ`)「おう」スッ
('A`)「はい」スッ
( ´∀`)「それでは…始め!」
dt id="a460">460 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/28(日) 02:17:18.04 ID:qPzf8ZYo
( ´_ゝ`)「覚悟しな!」ダダッ
('A`)「…」
( ´_ゝ`)「ふん!」ブンッ
('A`)「っと」サッ
( ´_ゝ`)「そら!」シュッ
('A`)「アブね…」ガッ
突きを木剣でそらす。
( ´_ゝ`)「ぬ…中々動けるようだな」バッ
('A`)「(こいつも…案外大したことない…のか?)」
('A`)「(いや、油断しちゃ駄目だ。まだ本気じゃないのかもな)」
( ´_ゝ`)「行くぞ!」バッ
('A`)「おう」スッ
( ´_ゝ`)「せいや!」ブォン
('A`)「ほっ」ガッ
振り下ろされた木剣を受け止め、
('A`)「…軽いな」
( ´_ゝ`)「え?」
払いのける。
('A`)「はっ!」ブン!
( ;´_ゝ`)「うおお…!」ヨタ…
('A`)「今だ!」ビュッ!
ドガッ!
( ゚ _ゝ゚)「ぐふぉ…」
('A`;)「え?ガードしないの…?」
ドサリ
( ´∀`)「お見事モナ」
川 ゚ -゚)「ふむ」
( ^ω^)「…ドクオ、強ぇお」
ξ゚⊿゚)ξ「やるわね」
(゚、゚*トソン「…」
( ´∀`)「それじゃ、次のペアは…」
( ´_ゝ`)「まだだ!まだ終わらんよ!」ガバッ
('A`;)「復活早いな…」
( ´∀`)「…悔しい気持ちは分からないでもないけど、もう終わりモナ」
( ´_ゝ`)「そこを何とか!後もう1回!ラストチャァンス!」
(´<_` )「見苦しいぞ、アニジャ」
( ;´∀`)「そう言われても…今ので実力差ははっきりしたモナ」
( ;´_ゝ`)「ぐっ…結構はっきり言うな」
( ´∀`)「ごめんモナ」
( ´_ゝ`)「そしたら次はオトジャが相手をします故」
(´<_` )「何でだよ。嫌だね、勝てる気がしない」
( ´_ゝ`)「じゃあ一緒に!一緒にあいつを倒そう!ね?」
(´<_`; )「卑怯だろそれ」
( ´∀`)「う~ん。ドクオ君、どうするモナ?」
(´<_` )「えっ先生なに乗り気になってるんですか」
('A`)「え?二人一緒にってことですか?」
(´<_` )「あんたもか?あんたも乗り気なのか?」
( ´∀`)「そうモナ。二人相手ならなんとかいい戦いになるかもしれないモナ」
('A`)「(正直、少し物足りなかったし…う~ん)」
(´<_` )「(断れ~断れ~)」ブツブツブツブツ…
( ´_ゝ`)「何やってんのオトジャ」
('A`)「じゃあ一回だけ」
(´<_` )「…」
( ´∀`)「それじゃ、今度は二対一で試合を行うモナ」
( ´_ゝ`)「よっしゃあ!さっきの恨み!あいつボコボコにすっぞ!早くこっち来いオトジャ!」
(´<_` )「ああもういやだなんなの…」
川 ゚ -゚)「頑張れ、ドクオ」
( ^ω^)「頑張るお!」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、ほどほどにね」
(゚、゚*トソン「が、頑張れ」
( ´∀`)「準備はいいモナか?」
('A`)「OKです」
( ´_ゝ`)「こっちはちょっとタンマ」
(´<_` )「…なんだよ、この期に及んでびびったのか?」
( ´_ゝ`)「違う、作戦タイムだ」
(´<_` )「作戦?」
( ´_ゝ`)「そうだ、あいつを確実に仕留めに掛かるぞ」
ヒソヒソ…
ヒソヒソ…
('A`)「…」
( ´∀`)「…まだモナ?」
(´<_` )「…まあ悪くはないんじゃないか?」
( ´_ゝ`)「流石だろ?」
( ´∀`)「今度こそいいモナ?」
('A`)「こっちはさっきからOKです」
( ´_ゝ`)「ああ、待たせたな」
('A`)「…二対一だし、ちょっと本気出すわ」
( ´_ゝ`)「ほざけ。余裕でいられるのも今のうちだ」
( ´∀`)「それでは…始め!」
(´<_` )「…」ダダッ
開始と同時、オトジャがドクオの後ろへ移動する。
(´<_` )「…」ザッ
('A`)「…挟み撃ちか」
( ´_ゝ`)「ククッ。これでお前も終わりだ…行くぞ!オトジャ!」バッ
(´<_` )「おう」バッ
('A`)「…」バッ
ドクオは迫ってくるアニジャに向かって駆けだした。
( ´_ゝ`)「え?」
ドガッ!
( ゚ _ゝ゚)「ぶげらっ!」
まさか自ら飛び込んでくるとは思わなかったのだろう、
完璧に不意を付かれる形となり、アニジャは静かに沈んだ。
( ^ω^)「おお…」
('A`)「…」ザッ
アニジャを沈めたドクオが振り返る。
(´<_`; )「っ…」ダダッ
ビュッ!
('A`)「…」ガッ
先ほどと同様に、振り下ろされた木剣を受け止め、
(´<_`; )「!!(しまっ…さっきのアニジャと同じパターン!)」
ブンッ!
払いのける。
(´<_`; )「くっ…ガード…!」ヨタ…
(´<_`; )「(間に合った!)」サッ
('A`)「…はあっ!」ビュオン!
ガードで前に出された木剣に向かって、力一杯武器を振り抜く。
バキィ!
カランカラン…
(´<_` )「…」
('A`)「…」
オトジャが手に持つ木剣は、腹の部分から先が折れてしまっていた。
(´<_` )「…わざとガードを待ったのか?」
('A`)「…まあ」
(´<_` )「はあ…参った。降参」
( ´∀`)「…お見事モナ。ドクオ君の勝ちモナ」
('A`)「ふう」
( ^ω^)「どくおおおおおおおおおおおお!」ズダダダダッバッ
グオ…
('A`;)「げっ!?フライングボディプレス!」
ドガァ!
( ^ω^)「メチャクチャ強いじゃないかお!?何で黙ってたお!」
('A`メ;)「…いてぇ。自分の強さなんて分かるかよ。ましてや人に言うモノでもないだろ…」
( ^ω^)「そうかお?」
('A`)「そうだよ」
コンドブーンニモケンヲオシエルオ!
ベツニイイケド…キツイゼ?
川 ゚ -゚)「…ドクオも強くなったな」
ξ゚⊿゚)ξ「前からあの強さじゃないの?」
川 ゚ -゚)「ああ。初めて会ったときは今と比べると大分頼りなかったしな」
(゚、゚*トソン「でも、今はあんなに強い…」
川 ゚ -゚)「そうだな。しかもどんどん強くなっていってる」
それこそ、私が守る必要がなくなるくらいに…。
川 ゚ -゚)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ζ(゚ー゚*ζ「…ドクオ君も格好いいなあ」
川 ゚ -゚) ξ゚⊿゚)ξ「「おい」」
(゚、゚トソン「…」
アニジャが残念すぎるwwwwがんばれwwwwww
こういう脇キャラ大好きだww
夕方―王立士官学校・教室―
( ´∀`)「今日の授業はこれで終わりモナ。また明日モナ」
('A`)「(…不完全燃焼だ)」
ジョルジュの言っていた退屈というのはこのことだったのか。
( ^ω^)「何ボーッとしてるお?今日もこのまま勉強だお?」
('A`)「ん、ああ。今日の試合がちょっと物足りなくてな」
( ^ω^)「ドクオが強すぎるんだお。こっちは逆に疲れたお…」
('A`)「ああ、ヒッキーか。あいつ何もしてないのに、全部の攻撃弾かれてたな」
( ^ω^)「あれは一体何の魔法なんだお」
(-_-)「…」
('A`)「さあな…って」
( ;^ω^)「…何故ここに?」
(-_-)「…」
(-_-)「…寝てました」
( ^ω^)「…喋った」
('A`;)「というか…何の話だ?」
(-_-)「テストの日…」
('A`;)「ん…?ああ!昨日の質問の答えか!」
(-_-)「…」コクリ
肯定の合図だろう、頷いて答えた。
( ^ω^)「おお…もしかしてドクオ、ヒッキーとコミュニケーションを取った第一人者なんじゃないかお?」
('A`)「俺もそんな気がしてきた。今まで人と一緒に居るところを見たことないしな」
('A`)「えっと、寝てただけで一日休んじまったのか?」
(-_-)「…」
( ^ω^)「…」
('A`)「…」
(-_-)「…」ヒタヒタ…
('A`)「あ…」
( ^ω^)「行ってしまったお」
('A`)「また明日…なのか?」
( ^ω^)「かも知れないお」
朝―王立士官学校・教室―
( ´∀`)「今日の授業を始める前に、みんなに連絡があるモナ」
( ^ω^)「連絡かお?」
( ´∀`)「モナ。近いうちに実地演習を行うモナ」
(´<_` )「実地演習っていうのは?」
( ´∀`)「校外に出て、兵士が実際に行う様な活動をするモナ。
例えば魔物の討伐なんかが代表的モナ」
ξ゚⊿゚)ξ「魔物の討伐ねぇ」
( ´∀`)「色々不安はあると思うけど、簡単なことから始めるモナ。魔物退治はまだ先モナ」
(゚、゚トソン「…」
( ´∀`)「…それと先に言っておくモナ。
演習中に起こった事故でみんなに何かあっても、こちら側に責は及ばないモナ」
昼―王立士官学校・食堂―
('A`)「…先生何気にすごいことをさらっと言ってたな」
川 ゚ -゚)「毎年、事故で怪我人や死者は出ている。
兵士になろうとする者はそれくらいの覚悟を持って臨め、と言うことなのだろう」
( ^ω^)「みんなで力を合わせれば魔物だって怖くないお!」
ζ(゚ー゚*ζ「そうですね。召喚師のツンさんがいますし、余程のことがない限りは大丈夫でしょう」
ξ゚⊿゚)ξ「召喚魔法だって万能じゃないのよ…」
( ^ω^)「それでも、あの時の召喚魔法はすごかったお!こう、ドドーン!って水の柱が出てきて!」
ξ*゚⊿゚)ξ「そ、そう。ありがと…」
('A`)「そんなにすごいのか、召喚魔法って」
ζ(゚ー゚*ζ「私は古い本でしか知らないんですが、その力は途方もないそうです」
( ^ω^)「そうだお。街の兵士が束になっても倒せなかった魔物をほとんど一撃で倒したんだお」
川 ゚ -゚)「それはすごいな…」
ξ*゚⊿゚)ξ「ま、まああの時は地の利もあったからね」
ζ(゚ー゚*ζ「お二人とも、そんなに強い魔物と戦ってたんですね!すごいです!」
( ^ω^)「そうでもないお!」
ξ゚⊿゚)ξ「確かにそうね。あの時ブーンは何もしてなかったし」
( ^ω^)「…」
ζ(゚ー゚*ζ「もしかして、ドクオ君とクーさんもそんなすごい魔物と戦ったことが?」
('A`)「ん?ああ、俺らは」
川 ゚ -゚)「ドクオ…」
( ^ω^)「?」
('A`)「…ないなぁ」
ζ(゚ー゚*ζ「そうなんですか。ドクオ君はとても強いですし、そういった経験があるのかなって」
('A`)「いや、武器で出来る事なんてたかが知れてるよ」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
―王立士官学校・教室―
('A`)「…さっきはすまん」
川 ゚ -゚)「いや、いい。しかし、どこから魔法の事が漏れるか分からないからな。
それに港町の件はツンにも辛いことだろう」
('A`)「そうだな。フサギコさんも言ってたし…」
川 ゚ -゚)「ところで確か追試は今日だったな?」
('A`)「そうなんだよな…。大丈夫かな」
川 ゚ -゚)「何とかなるだろう。…多分」
('A`)「…そこは言い切ってくれ」
川 ゚ -゚)「…すまない」
('A`)「ん?」
(-_-)「…」
('A`)「来たな」
川 ゚ -゚)「?なんだ?」
(-_-)「本を…読んでた」
('A`)「…先が気になる本でも読んでたのか?」
(-_-)「…」コクリ
無言の肯定。
('A`)「そうか。そしたら完璧にサボりだな?」
(-_-)「…ドクオ君と一緒」
('A`)「いや待て、俺はサボってたワケじゃ…まあいいか」
(-_-)「…」ヒタヒタ…
('A`)「またな」
川 ゚ -゚)「…何だったんだ?」
('A`)「この間の質問の回答だな」
川 ゚ -゚)「質問って…テストを休んだ理由のことか?」
('A`)「そう、それ。実は昨日も俺のところに来たんだよ」
川 ゚ -゚)「ふむ。…懐かれてるんだな」
('A`)「そうなのかなぁ」
夕方―王立士官学校・教室―
( ´∀`)「それじゃ、追試の結果を発表するモナ」
('A`)「(合格しますように…)」
( ´_ゝ`)「(お願いしますお願いしますお願いします…)」
(-_-)「…」
( ´∀`)「…3人とも合格モナー。お疲れ様モナ」
( ´_ゝ`) ('A`)「よ…」
パン!
( ´_ゝ`)人('A`)「っしゃあああああああああ!」
(-_-)「…」
( ´∀`)「これに懲りたらキチンと勉強するモナー」
( ´_ゝ`)「今日は食堂で祝勝会だな」
('A`)「お、いいな。折角だしみんな呼んでいいか?」
( ´_ゝ`)「あたぼーよ。俺もオトジャとツムラ呼ぶし」
('A`)「悪いな。みんなには世話になったんだ。っとそうだ」
( ´_ゝ`)「どうした?」
('A`)「…ヒッキー」
(-_-)「…」
('A`)「お前も来るだろ?」
(-_-)「…」
('A`)「どうだ?」
(-_-)「僕なんかが参加していいの…?」
('A`)「もちろんだ。なあ、アニジャ?」
( ´_ゝ`)「おう、てか元からそのつもりだ」
ガチャ!
( ^ω^)「追試終わったかお!?」
('A`)「ああ、3人とも合格だ。これから食堂で祝勝会するからみんなを食堂に集めてくれ」
( ^ω^)「把握だお!」タッタッタ…
('A`)「…さ、行こうぜ」
(-_-)「……うん」
…ありがとう。
…
……
………
夜―寮・トソンの部屋―
(゚、゚トソン「…ふぅ」
あんなに騒いだのは久しぶりな気がする。少し疲れた。
(゚、゚トソン「(とにかく、3人とも合格してよかった)」
特に誰が、ということは全くない。そう、ないのだ。
(゚、゚トソン「…ん?…あれは」
窓の外を見ると、またドクオが中庭を歩いていた。
(゚、゚トソン「…まただ。何してるんだろう」
以前であれば、そこまで特に気にはしなかったであろう。
しかし、今は些細な情報でも欲しかった。
『ドクオは諦めた方が良い。…ドクオの為にも、トソンの為にも』
―王立士官学校・訓練場―
(゚、゚トソン「(確かこちらの方に…)」コソ
('A`)
(゚、゚トソン「(…いた)」
('A`) ブンッ!ブンッ!
(゚、゚トソン「(…素振り?こんな夜に特訓してたのか)」
つい先日、アニジャを倒したこともあって多少は驕ってる部分もあるんじゃないかと思ったが。
(゚、゚トソン「(慢心を持たずに努力してる。偉いな…)」
この前も、特訓のために中庭を歩いてここまで来ていたのだろうか。
(゚、゚トソン「…」スッ
パキィッ
Σ(゚、゚;トソン「!!」
足をずらしたところで木の枝を踏んでしまった。
小さな音だったが、剣を振る音以外全く無いこの空間の中ではとてもよく響いた。
('A`)「ん…?誰かいるのか?」テクテク…
ドクオが素振りをやめ、こちらに近づいてくる。
(゚、゚;トソン「(えと、こういう時は…!)」
(゚、゚;トソン「に、ニィー」
('A`)「…」
(゚、゚;トソン「(しまったあああああ!動物の鳴き真似なんかで誤魔化せるかあああああ!)」
(゚、゚;トソン「(そもそもあたしはなんで隠れてる?やましいことなんかないんだから早く出れば…)」
('A`)「………なんだ、猫か」
(゚、゚;トソン「(…よかった誤魔化せた)」
ドクオの間抜けさにちょっぴり内心感謝しつつも、疑問に思う。
(゚、゚トソン「(…ねこ、ってなんだろう?)」
('A`)「こっちの世界にもいたんだな、猫」
(゚、゚トソン「!!!」
(゚、゚トソン「(こっちの…世界…?)」
聞き間違いではないかと、己の耳を疑う。
(゚、゚トソン「う、そ…」
昼―王立士官学校・裏山―
('A`)「実地演習の予行でテントの設営ねぇ」
川 ゚ -゚)「旅でこれでもかと言うほど設営したな」
( ^ω^)「ブーンもプギャーと旅をしている時にたくさん立てたお」
ζ(゚ー゚*ζ「私も一緒に旅をした兵士さんのお手伝いで少しばかり…」
ξ゚⊿゚)ξ「…(これ、どうするのかしら)」
('A`)「…ツンはテントのパーツを持って何を突っ立ってるんだ」
ξ;゚⊿゚)ξそ「え、な、なんでもないわ」
川 ゚ -゚)「もしや…」
ξ;゚⊿゚)ξ「な、何を勘違いしてるか知らないけど!
テントの設置の仕方がわからないとかじゃないわよ!?」
( ^ω^)「…」
ξ;゚⊿゚)ξ「な、何よ、ブーン。何でこっち見ながら黙ってるのよ」
( ^ω^)「…そう言えばツンと旅するようになってから、手伝いも含めて一度もツンがテントを立てたところ見たことないお」
('A`)「それは…」
ξ;゚⊿゚)ξ「それは…。ホラ!女の子に力仕事させるのとか、ねぇ?」
ツンは女二人に同意を求めた。
川 ゚ -゚)「さっきも言ったが、私は手伝ったぞ?」
ζ(゚ー゚*ζ「私も…」
ξ;゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「諦めて白状するのがいいお」
川 ゚ -゚)「そうだ、出来ないことは何も恥ずかしいことじゃない」
('A`)「そうそう。俺だって旅するまでは出来なかったし。寧ろ始めはクーに教わってたくらいだからな」
ξ゚⊿゚)ξ「そ、そうなの?」
ζ(゚ー゚*ζ「始めは誰だって出来ないものですよ。そこをどう変えていくかです」
( ^ω^)「そうだお。だから、恥ずかしがらずに言うといいお。みんなで教えてあげるお」
ξ゚⊿゚)ξ「…うん。ありがとう」
('A`)「…しかし、そうするとブーン達に会うまではどうやって過ごしてたんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「それは…」
ζ(゚ー゚*ζ「確かに…。まさか、雨晒しのままでいたりとか」
ξ゚⊿゚)ξ「私もそこまで馬鹿じゃないわ」
( ^ω^)「そうだおね。流石にタープくらい…」
ξ゚⊿゚)ξ「雨の日はウンディーネを喚んで雨水を避けてもらってたし」
( ^ω^)「…」
川 ゚ -゚)「…風が強い日は?」
ξ゚⊿゚)ξ「ジンっていうヤツを召喚して風自体をシャットアウトしてたわ」
('A`)「…不憫だな」
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ…心配してくれてありがとう」
('A`;)「ツンじゃねえよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「??」
( ´_ゝ`)「…あちらは着々と進んでいるな」
(´<_` )「王都まで全員旅してきたから慣れてるんだろうな」
( ´_ゝ`)「人員配置完璧に間違えてるだろう、これ」
(´<_` )「お前に同意する日が来ようとはな。誠に遺憾だが」
( ´_ゝ`)「ありがとう」
(´<_` )「誉めてないんだけど」
( ´_ゝ`)「そうか。ところで…」
(´<_` )「ああ…。…大丈夫?ツムラさん?」
(゚、゚トソン「…」
オトジャの言葉に反応もせず、ただ呆然と立ちつくしている。
( ´_ゝ`)「今回も応答なし、か」
(´<_` )「ここ数日こんな感じだと流石に不安になってくるな」
( ´_ゝ`)「何?惚れたの?」
(´<_` )「…」
( ;´_ゝ`)「…え?マジで?」
(´<_` )「そんなわけあるかボケ。テメェの短絡的思考回路に閉口しただけだ」
( ´_ゝ`)「ごめん難しすぎて何を言っているのか理解出来ない。簡潔に頼む」
(´<_` )「黙っとけ」
( ´_ゝ`)「把握」
(゚、゚トソン「…」
『こっちの世界にも…』
(゚、゚トソン「(こっちの世界…)」
やはり聞き間違いではないだろう。
ドクオが召喚で喚ばれてきたのだとしたら、先日の言語の件も納得がいく話だ。
(゚、゚トソン「(…でも)」
だとしたら、誰が彼を喚んだのか?何の為に?そもそも喚んだ召喚師は何処にいるのか?
(゚、゚トソン「(ドクオは何の為に学校へ…?)」
分からないことだらけだった。
(゚、゚トソン「(分からない…)」
('A`)「よう」
(゚、゚トソン「…ドクオ」
(´<_` )「あ、反応した」
( ´_ゝ`)「流石だなドクオ」
('A`)「偶然だろ?」
(゚、゚トソン「…どうしたんだ?」
('A`)「いや、ツムラ達のテントの設営が捗ってないから、先生に手伝えって言われてきたんだけど」
(゚、゚トソン「そっか。ありがとう」
(´<_` )「じゃあ再開するか。ドクオ、よろしく頼む」
('A`)「おう」
('A`)「…なあ」
(゚、゚トソン「ん?」
('A`)「最近元気ないけど大丈夫か?」
(゚、゚トソン「あたしは普段と変わりないつもり…考え事はしていたけど」
('A`)「考え事?悩みでもあるのか?」
(゚、゚トソン「悩み事とはちょっと違う…な。気になることがある、の方がしっくりくる」
('A`)「へえ。それって何か訊いてもいい?」
(゚、゚トソン「逆に訊いてもいい?」
('A`)「何をだ?」
(゚、゚トソン「…やっぱりやめておく。今は」
('A`)「今は…っていうことは、後で何か俺に訊くのか?」
(゚、゚トソン「そう、かもしれない」
('A`)「ふ~ん。とりあえず悩み事ならいつでも聞いてやるから、あまりため込むなよ?」
(゚、゚トソン「…わかった」
訊こう。
(゚、゚トソン「そのときはよろしくね」
今日の夜に。
('A`)「ああ、任せろ。気の利いたことは何も言えないけどな」
あの場所で。
(゚、゚トソン「安心して、始めから期待はしてないから」
本当の事を。
('A`)「はは、ひでぇ」
(´<_` )「ドクオ、やるなぁ。さっきまでのツムラさんがまるで嘘の様だ。なあアニジャ」
( ´_ゝ`)「………………」ブツブツブツブツ…
(´<_` )「…」
( ´_ゝ`)「コノリアジュウメガコノリアジュウメガコノコノコノコノリアジュウリアジュウリアジュウリアリアリアリアリアリア…」ブツブツ…
(´<_` )「…」
(´<_` )「…卑屈になったら負けだと思うんだ」
( ´_ゝ`)「……………」ブツブツブツブツ…
夜―王立士官学校・訓練場―
('A`)「(さて、今日も始めるか)」シュウ
いつもの通り剣を創造し、素振りの構えに入る。
パキッ
('A`)「ん?」
木の枝が折れる、乾いた音が訓練場内に響く。
('A`)「また猫か…?」
暗い訓練場に誰かが入ってくるのがわかった。
('A`)「…誰だ?」
「ドクオ…」
('A`)「…何だ、クーか」
川 ゚ -゚)「何だとはご挨拶だな」
('A`)「悪い、魔法が見られたかと思ってな」
川 ゚ -゚)「部屋で武器を創ってから来れば見られる心配はないだろう?」
('A`)「あ、なるほど。…ところで今日はどうしたんだ?」
川 ゚ -゚)「何、トソンのことで訊きたいことがあってな」
('A`)「ここ数日の様子が変だった件だな」
川 ゚ -゚)「ああ、今日声を掛けてみてどうだった?」
…
……
………
地べたに腰を下ろし、話し始めてそれなりに時間が経過した。
('A`)「…でさ、俺が訊いてもいいかって尋ねたら、私も訊いてもいいか?だってさ。何のことだろうな」
川 ゚ -゚)「…ふむ、もしや」
('A`)「お?何か心当たりでもあるのか?」
川 ゚ -゚)「…いや全く」
('A`;)「何で分かりかけたような言葉を発したんだよ…」
川 ゚ -゚)「すまない。…とにかく、今日の感じだとある程度は元気が出てきたみたいだな」
('A`)「そうだな。あの後は割と普段通りだったと思うぞ」
川 ゚ -゚)「もう大丈夫そうだな。…それでは私は部屋に戻るよ。邪魔して悪かった」
クーは立ち上がり、訓練場の入り口に向かって歩き始める。
('A`)「気にすんな。また明日な」
川 ゚ -゚)「ああ、また明日」
('A`)「…さて、俺もそろそろ始めるかなっと」
しばしボーッとした後、ドクオも腰を上げる。
ザッ
入り口から、砂と靴底が擦れる音がした。
('A`)「ん?忘れ物か?―」
(゚、゚トソン「…ドクオ」
('A`)「…ツムラか。どうした?こんなところまで」
(゚、゚トソン「昼の事で来たの」
('A`)「昼…訊いてもいいかってやつだよな?」
先ほどクーとの話題に出てきたことでもある。
(゚、゚トソン「そうよ」
('A`)「俺に答えられることだといいんだけどな」
(゚、゚トソン「それは大丈夫だと思う」
('A`)「ん?そうか」
(゚、゚トソン「本当の事を訊かせてくれればいいだけだから」
('A`)「…本当の事?」
(゚、゚トソン「ええ。単刀直入に行くわ」
('A`)「…ああ」
(゚、゚トソン「…ドクオ、あなたは異世界の住人なの?」
('A`)「…」
(゚、゚トソン「ねえ…」
('A`)「…なんの事だ?」
(゚、゚トソン「…この前、今日と同じくらいの時間に、ここで聞いたんだ」
('A`)「…何をだ?」
(゚、゚トソン「…『こっちの世界』…」
('A`)「…あの猫はツムラだったのか」
(゚、゚トソン「教えて。…あなたは何者なの」
('A`)「…」
果たしてドクオはどう返答するのか・・・
(゚、゚トソン「…」
('A`)「…例えばツムラがさっき言ってた様に、もし俺が異世界の住人だとしたら?」
(゚、゚トソン「…特にあたしはどうこうしようって考えてる訳じゃないの」
('A`)「なら知ってどうするんだ?」
(゚、゚トソン「わからない…。わからないけど、あたしは本当の事を知りたい。…それだけ」
('A`)「…そうか」
(゚、゚トソン「…さっきの質問の答えはYESと言うことでいい?」
('A`)「ああ…」
('A`)「…もういいや、この際だから何でも質問してくれ」
(゚、゚トソン「え…いいの?」
('A`)「答えられることだけ答えるから」
(゚、゚トソン「わかった。じゃあ…ドクオは召喚魔法で喚ばれてきたの?」
('A`)「わからん。俺が喚ばれて来たときには周りには誰もいなかった。
普通なら近くに召喚師がいるはずなんだろ?」
(゚、゚トソン「うん、召喚主は通常であれば近くにいるはずだけど」
('A`)「俺の場合はそうでなかった。だから召喚魔法で喚ばれたかどうかはわからない。
だけど、この前言ってた言語がどうのって話を信じるなら、俺は召喚魔法で喚ばれたことになるな」
(゚、゚トソン「うん…」
(゚、゚トソン「…元の世界にはやっぱり帰りたい?」
('A`)「んー、どうだろうな」
(゚、゚トソン「…」
('A`)「以前はすぐにでも帰りたいって考えてたけど、今はそうでもないな。」
(゚、゚トソン「何で?元いた世界に家族がいるんじゃないの?」
('A`)「そりゃあな。少ないけど友人だっていた。寂しくないわけじゃない」
(゚、゚トソン「ならどうして?」
('A`)「…やらなきゃいけないことができたからかな」
(゚、゚トソン「やらなきゃいけないこと…」
('A`)「そう。正確にはやりたいことなんだけどな」
(゚、゚トソン「具体的には?」
('A`)「それは内緒だ」
(゚、゚トソン「むぅ…けちね」
('A`)「誰にだって秘密にしておきたいことの一つや二つあるだろう?」
(゚、゚トソン「それはまあ…」
(゚、゚トソン「…学校に通ってるのも、やりたいことの為?」
('A`)「身を守る術を得る為だな。この世界物騒だし」
(゚、゚トソン「あなたは充分強いじゃない」
('A`)「まだまだ弱いだろ…俺なんて武器でしか戦えないし」
(゚、゚トソン「生き延びるくらいだったら全く問題なさそうだけど」
('A`)「生き延びるだけじゃ駄目なんだよ。もっと強くならなきゃいけない」
(゚、゚トソン「…それってやりたいこと?」
('A`)「一部ではあるな」
(゚、゚トソン「ふうん…」
('A`)「後は帰る方法を探しにな」
(゚、゚トソン「…そっか。…一緒に帰る方法探そうか?」
('A`)「サンキュ。だけど今は大丈夫だ。探すのはやりたいことを達成してからだ。
先に方法を見つけちまうと、決心が揺らぐかもしれないし」
(゚、゚トソン「そのやりたいことっていうのは、そんなに重要なことなの?」
('A`)「もちろんだ。まあ偶然見つかった場合は仕方ないけどな」
(゚、゚トソン「…あの、じゃあ…そのやりたいことが終わったら、あたしも帰る方法一緒に探す。それならいい?」
('A`)「ああ、助かる。ありがとな」
(゚、゚*トソン「ん、気にしないで」
(゚、゚トソン「えっと、じゃあ次」
('A`)「おう」
(゚、゚*トソン「あの、元いた世界に…こ、恋人とか…いたりする?」
('A`)「…」
(゚、゚*トソン「…」
('A`)「…」
(゚、゚トソン「…もしかして、いる…?」
('A`)「…俺にそれを聞くか」
(゚、゚トソン「え?」
('A`)「俺のどこをどう見たら恋人がいる可能性が出てくるんだ」
(゚、゚トソン「え…」
('A`)「生まれてこの方彼女なんて出来たことありません。残念でした。笑えよ」
(゚、゚;トソン「え…えっと…」
('A`)「…ウツダ」
(゚、゚;トソン「ご、ごめんなさい…」
('A`)「イイヨ…ベツニ」
('A`)「…まだ何か質問あるか?」
(゚、゚トソン「あ…もうないかな。ごめん、長々と。そろそろ行くね」
('A`)「大丈夫だよ。暗いし気を付けろよ?」
(゚、゚*トソン「うん…それじゃ」テクテク…
('A`)「おう」
トソンがふと足を止め、振り返る。
(゚、゚トソン「あ…最後に一つだけ、いいかな?」
('A`)「何だ?」
(゚、゚トソン「…また、ここに来ていい?」
('A`)「ん?ああ」
(゚、゚トソン「それで、よければその時に、ドクオが住んでた世界の話聞かせてくれる?」
('A`)「それくらいなら別に構わないけど…」
(゚、゚*トソン「…うん、ありがとう。それと、今日の事は秘密にするから」
('A`)「助かる。みんなには折を見て俺から話すつもりでいるんだ」
(゚、゚トソン「わかった。…それじゃおやすみ」
('A`)「ああ、おやすみ」
ドクオはいい加減もげたほうがいいと思うの
―王立士官学校・食堂―
川 ゚ -゚)「…ふむ、それで異世界から来たということを教えてしまったと」
('A`)「ああ、悪い」
川 ゚ -゚)「遅かれ早かれトソンにはばれてしまう事だとは思う」
('A`)「案外鋭いヤツなのか?」
川 ゚ -゚)「そうだな。…あの人の血をひいてるだけある」
('A`)「あの人?」
川 ゚ -゚)「いや、何でもない。それにしても…」
('A`)「どした?」
川 ゚ -゚)「…折角の私たちだけの秘密が無くなってしまったな」
('A`;)「ブッ」
思わず口の中の物を吹き出してしまった。
川 ゚ -゚)「ああ、散らかってしまったではないか」
('A`;)「悪い…って俺のせいかよ!」
川 ゚ -゚)「違うのか?」
('A`;)「…いや、俺がばらしちまったからか」
川 ゚ -゚)「だろう?」
('A`)「いやいや騙されないぞ。そもそもフサギコさんもジョルジュも周知のことじゃないか」
川 ゚ -゚)「ばれたか」
('A`)「全然二人だけの秘密じゃないじゃん」
川 ゚ -゚)「残念だなぁ」
('A`)「…本当にそう思ってるのか甚だ疑問だな」
川 ゚ -゚)「失礼だなキミは。…私はいつだって本気だ」
('A`;)「…え?」
川 ゚ -゚)「…」
('A`;)「…」
川 ゚ -゚)「…」
('A`;)「あの、クーさん…?」
川 ゚ -゚)「いや、まあ冗談だけどな」
('A`)「…さいですか」
川 ゚ -゚)「ああ。冗談はほどほどにして、私は先に行くよ」ガタ
('A`)「おう、それじゃ」
クーは席から立ち、食器類を下げに行った。
('A`)「…なんだかなぁ」
( ^ω^)「…」
('A`)「…」
( ^ω^)「…さっきから何でクーの方を見てるお?」
('A`)「…おお、いたのか」
( ^ω^)「いたのか、は酷いお…」
('A`;)「スマン。…いやな、クーも随分楽しげにするようになったなって思って」
( ^ω^)「さっきのやりとりかお?」
('A`)「聞いてたのか、趣味悪いぞ」
( ^ω^)「すまんお。だけどブーンには全然そうは見えなかったお」
('A`)「ああ、基本無表情だからなぁ、あいつ」
( ^ω^)「ドクオもそう変わらないお」
('A`;)「やかましいわ。お前なんかいつもニヤニヤしてるじゃないか」
( ^ω^)「元からの顔にケチつけられても治しようがないお」
('A`)「俺も元からなんだよ」
( ^ω^)「それはすまんかったお」
( ^ω^)「だけど、本当にどこを見て楽しげだって判断したんだお?」
('A`)「…なんとなく?」
( ^ω^)「…」
('A`)「いや、前よりテンションが高いな。確実に」
( ^ω^)「…あれでかお?」
('A`)「ああ。入学時と比べてもかなり明るくなったぞ」
( ^ω^)「…全然わからんお」
('A`)「…冗談だろ?」
( ^ω^)「それはこっちのセリフだお」
―王立士官学校・裏門―
( ´∀`)「今日から実地演習を開始するモナ」
( ^ω^)「とうとうかお!何をすればいいんだお?」
( ´∀`)「これから説明するモナ。…君たちがするのは魔物の退治モナ」
(゚、゚トソン「いきなり魔物退治ですか?」
( ´∀`)「モナ。だけどいきなり君たちだけで戦わせたりはしないモナ」
(´<_` )「というと、誰かが随行するのか」
( ´∀`)「そうモナ。今回は兵士さんが協力してくれるモナ」
('A`)「ふ~ん…」
( ´∀`)「今からモナーが言うペアに別れてもらうモナ。
各ペアに一人の兵士さんが付くから、失礼の無いようにするモナ」
( ゚∀゚)「よう!」
('A`)「お前か…」
川 ゚ -゚)「ジョルジュか…」
_
( ゚∀゚)「おい!なんだその反応は!ひでぇじゃねぇか!」
('A`)「だって…なあ?」
川 ゚ -゚)「なあ?」
_
( #゚∀゚)「ムッキィィィィィィィイイイイイ!」
( #゚∀゚)「俺だってデレちゃんのペアの方がよかったわ!
それなのに…くっそ!…マジくっそ!」
('A`;)「…悪かったって。ほんの冗談だから」
_
( #゚∀゚)「あの兵士…デレちゃんに手を出しやがったらただじゃおかねぇ…」
('A`;)「ちょっとキレすぎだろ。悪かったから落ち着けよ…」
川 ゚ -゚)「そうだぞ。こんなことで取り乱してたらデレに見放されるぞ?」
_
( ゚∀゚)「よし、じゃあ巡回経路の説明だけどな」
川 ゚ -゚)「うむ」
('A`)「なるほど、デレを引き合いに出せばいいわけか」
―王都周辺・森―
_
( ゚∀゚)「さて、俺らの担当区域はここらだ」
川 ゚ -゚)「随分と遠くまで来たもんだ」
_
( ゚∀゚)「まあな。因みにドクオは以前連れてきてやったよな」
('A`)「連行の間違いだろう」
_
( ゚∀゚)「なにかなーきこえないなー」
川 ゚ -゚)「ふむ、入学当初はここによく連れていかれてたわけか」
_
( ゚∀゚)「おう、ドクオの特訓の為にな!」
('A`)「しっかり聞こえてるし肯定もしてるじゃないか」
( ゚∀゚)「いいじゃねーか。どうせ学校の訓練はイマイチだったんだろ?」
('A`)「それはまあ…」
川 ゚ -゚)「試合では他の人を圧倒していたくらいだしな」
_
( ゚∀゚)「へえ、やるじゃん。俺の特訓のお陰か」
('A`)「それはまあ…否定はしない」
_
( ゚∀゚)「ふふん!」
川 ゚ -゚)「それはさておいて、具体的には私たちは何をすればいい?」
( ゚∀゚)「え?いや、何にもないけど」
('A`)「は?」
_
( ゚∀゚)「だってよー、今更お前達に魔物退治させてもぶっちゃけ仕方ないだろ?」
川 ゚ -゚)「確かに旅の時に魔物を倒してはいたが…」
_
( ゚∀゚)「そーゆうこと。つーか、ここにいる魔物は俺とドクオでほとんど倒しちまったから、
どのみちすることなんてないんだよ」
('A`)「じゃあ何しにここに来たんだよ」
_
( ゚∀゚)「本題はそれだ」
川 ゚ -゚)「…何か話でもあるのか?」
_
( ゚∀゚)「おう。その前に…誰もいないな?」
ジョルジュは一度、ぐるりと周囲を見渡した。
('A`)「ああ…多分」
ドクオもそれに倣う。
_
( ゚∀゚)「よし…それでな、話って言うのは魔王のことなんだけどよー」
川 ゚ -゚)「魔王…」
('A`)「…随分さらっと言ったなおい」
( ゚∀゚)「話の腰を折るなっての」
('A`)「悪い」
_
( ゚∀゚)「んでよ、魔王が北方に現れたらしい」
川 ゚ -゚)「それは確かか?」
_
( ゚∀゚)「いや、不確かな情報だ」
('A`)「不確かな情報で、何で魔王だとわかるんだ?」
_
( ゚∀゚)「まあな、まだ魔王だと決まったわけじゃないんだが」
( ゚∀゚)「その所業は正に魔王が行うところだろう、っつーのがお上の見解でな」
川 ゚ -゚)「勿体ぶらないでくれないか」
_
( ゚∀゚)「はいよ。北方の砦が消え失せた」
('A`)「消え失せた?」
_
( ゚∀゚)「言葉通りの意味だ。地図にあるはずの砦が、そこから消えたんだよ。砦があった場所はただの荒れ地になってた」
川 ゚ -゚)「…本当か?」
_
( ゚∀゚)「ちょうど人員の入れ替えの時期でな、砦に向かった兵士が異変に気付いた」
( ゚∀゚)「その報告がつい昨日あったんだ。それを聞いた上の連中が、これは魔王の仕業だろうってな」
川 ゚ -゚)「なるほどな。いまいち信じられないが、それが本当だとするなら魔王だと言われても違和感はない」
_
( ゚∀゚)「俺も信じられねーんだけどよ。調査隊が今現地に向かってるから報告待ちだな」
('A`)「なあ、その調査隊がその魔王らしきヤツに出くわしたらどうするんだ?
そんな常識外れなヤツが相手だったら、まず帰ってこられないだろ」
_
( ゚∀゚)「砦を消すなんて常識外れな事をやるヤツだからなー。
今回ばかりは死んじまうかもしれねーな、アイツ…」
川 ゚ -゚)「アイツ…?…もしかして」
_
( ゚∀゚)「…ああ、調査隊の隊員は…フサギコだ」
('A`;)「マジかよ…。しかも一人か?」
_
( ゚∀゚)「流石に一人じゃない。優秀なヤツを何人も引き連れて行ったよ」
川 ゚ -゚)「…だがフサギコ殿なら、見つからずになんとか調査を終えられるのではないか?」
_
( ゚∀゚)「調査なんて言ってるが、こりゃ特務だ。上の連中がそんな脅威を放っておくはずがない。
調査なんて建前で、砦を消した野郎を発見次第討伐せよって命令が下ってるはずだ」
川 ゚ -゚)「…あまり大きな騒ぎには出来ないから、調査と銘打っているわけか」
_
( ゚∀゚)「恐らくな」
('A`;)「…だけど、何でフサギコさんなんだよ」
( ゚∀゚)「決まってるだろ」
('A`)「え?」
_
( ゚∀゚)「この国一番の実力者だからだよ」
('A`)「…それだけか?」
_
( ゚∀゚)「これ以外に理由はないな。寧ろフサギコだからこそ、さっきの話に真実味がより増してくるな」
川 ゚ -゚)「たかが調査にフサギコ殿が駆り出される理由がないからか」
_
( ゚∀゚)「そーゆうこと」
( ゚∀゚)「でだ。今回のが魔王であったにしろそうでないにしろ、正直ここでアイツが負けると色々ヤバイ」
('A`)「この国一番の実力者の負けが意味すること…」
川 ゚ -゚)「その敵に対抗する手段がなくなるということか」
_
( ゚∀゚)「ああ。だからフサギコには頑張ってもらわないと困る。少なくとも生きていてもらわなくちゃいけない」
('A`)「だけど相手は砦一つ丸ごと消したんだろ?」
_
( ゚∀゚)「そーなんだよなぁ。ドクオの魔法で何とかならないか?」
('A`)「何とか出来るなら話を聞いた時点で提案してるよ」
_
( ゚∀゚)「だよな」
川 ゚ -゚)「しかし、なんでこの話を私たちに?」
_
( ゚∀゚)「だってお前ら、魔王を倒しに行くんだろ?」
('A`)「そのつもりだけど…」
_
( ゚∀゚)「魔王に関連しそうな情報は与えておくべきだと思ってな。
それと今回の話を聞いてわかったと思うけど、相手は途方もないくらいに凶悪だぜ?」
川 ゚ -゚)「ああ…。だが、自分の相手の強大さを改めて確認できたのは助かった」
('A`)「そんな相手だったら心の準備くらいはしておきたいもんな…」
_
( ゚∀゚)「とにかく、これについては何か情報が入ったらすぐ連絡いれるからよ」
川 ゚ -゚)「ああ…よろしく頼む」
―王立士官学校・裏門―
( ´∀`)「おかえりモナ。用件は済んだモナ?」
_
( ゚∀゚)「おう、お陰様でな」
川 ゚ -゚)「なんだ、先生も了承済みだったのか」
( ´∀`)「モナ。いくら駄目だと言っても聞かないから仕方なくモナ」
_
( ゚∀゚)「大事な用事があったんだよ、いいじゃねーか」
('A`)「つーかジョルジュは文句言える立場じゃなかったじゃねーか。それと先生、お疲れ様です…」
( ´∀`)「ありがとうモナ。だけど慣れてるから平気モナ。それに…」
川 ゚ -゚)「それに?」
( ´∀`)「この授業の代わりに二人にはレポートを提出してもらうから問題ないモナ」
川 ゚ -゚) ('A`)「「…」」
朝―王立士官学校・教室―
( ´∀`)「みんなおはようモナー。今日も楽しい授業を始めるモナ」
( ^ω^)「今日は何をするんだお?」
( ´∀`)「っとそうそう、その前にみんなに連絡だモナ」
(´<_` )「もしかしてまた実地演習か?」
( ´∀`)「そうモナ」
ξ゚⊿゚)ξ「また魔物退治でもするわけ?」
( ´∀`)「今回はいつもと違うモナ。だけど、やっぱり兵士さんの協力があるモナ」
( ^ω^)「おっおっ。今回も兵士さんがつくのかお?」
( ´_ゝ`)「たまには俺らだけでやらせてくれてもいいだろ」
( ´∀`)「まだみんなだけでは早いモナ。
それに今回は、街の巡回という歴とした兵士さんのお仕事を手伝わせてもらうモナ」
川 ゚ -゚)「ふむ、兵士の厚意の下に今回の演習は成り立っているわけだな」
( ´∀`)「そう言うことモナ。まあいつもの演習ももちろんそうモナ」
(゚、゚トソン「そうしたら、王都の巡回を行うというのが今回の演習の内容ですか?」
( ´∀`)「ちょっとだけ違うモナ」
('A`)「ん?どういう事だ?」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、わかった!別の街に遠征するんですね?」
ξ゚⊿゚)ξ「…え?」
( ´∀`)「そうモナ。今回は東の街まで行ってもらうモナ」
('A`) 川 ゚ -゚) ξ゚⊿゚)ξ ( ^ω^)「「「「!!!」」」」
( ´∀`)「東の街はここから2日ほど掛かるモナ。
いくつかのグループに分かれて、日程をずらして演習を行うモナ」
('A`)「…あの~」
( ´∀`)「ん?どうしたモナ?」
('A`)「今回兵士の人が付くって言ってましたけど、それは王都からってことですかね?」
( ´∀`)「違うモナ。兵士の方が付くのは東の街だけモナ。
今回は街までの移動も演習の内容に含まれてるモナよ」
('A`)「…そうですか」
( ´∀`)「因みに一番始めのグループは明日に出発モナ」
ξ゚⊿゚)ξ「!!」
( ^ω^)「…ちょっと急すぎないかお?」
( ´∀`)「急な事態に対応するのも兵士の務めモナ。
そのかわり、一番目のグループには今日一日は準備の時間を与えるモナ」
川 ゚ -゚)「…で、そのグループ編成はどうなっているんだ?」
( ´∀`)「今から発表するモナ。まずはブーン君」
( ^ω^)「お…ブーンかお」
( ´∀`)「次にドクオ君」
('A`)「…」
( ´∀`)「ツムラさん」
(゚、゚トソン「はい」
( ´∀`)「そして…ツンさんの4名モナ」
ξ゚⊿゚)ξ「…はい」
…
……
………
('A`)「(まずい…非常にまずい)」
まさかの他の街への遠征。
('A`)「(ツンが来るって言うことは…魔物が発生する恐れがある)」
しかも、今回は兵士の王都からの付き添いはないらしい。
('A`)「(とすると、ジョルジュの力は借りられないわけか…)」
また港町でのような戦いがあると考えるとぞっとする。
('A`)「(…いや、力は借りられないわけじゃない)」
ジョルジュならきっと、何かと理由をかこつけて一緒に東の街まで行ってくれるはずだ。
('A`)「(そうだよな。今まで色んな理由で授業サボらせてたくらいだし、今回もきっと大丈夫だろ)」
川 ゚ -゚)「…ドクオ」
('A`)「ん…?おう、クー」
川 ゚ -゚)「まずいことになったな…」
('A`)「まさか遠征で、しかも初っぱなからとは…」
川 ゚ -゚)「どうする?」
('A`)「とりあえずジョルジュに相談してみようかと思うんだが…」
川 ゚ -゚)「そうだな。放課後にでも詰め所を訪ねてみよう」
('A`)「ああ。そうしたら俺は明日の準備をしに行ってくるからまた放課後に」
川 ゚ -゚)「ではまたな」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「ツン…大丈夫かお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…ええ」
( ^ω^)「…ううん。きっと大丈夫だお!」
ξ゚⊿゚)ξ「え…?」
( ^ω^)「王都に着いてからは、まだ一回も魔物は出現してないお!
だから、東の街に行っても何事もなく終わる可能性があるお!」
ξ゚⊿゚)ξ「…うん、そうね。だけど、やっぱり準備はちゃんとしていこうと思う。万が一のために…」
( ^ω^)「うん、きっと大丈夫だお!もし万が一が起こっても、ブーンが付いてるから心配要らないお!」
ξ゚⊿゚)ξ「…ありがとう、ブーン」
―王立士官学校・廊下―
(゚、゚トソン「…いた」
('A`)「…」テクテク…
前方ニ目標発見セリ。
(゚、゚トソン「…よし」タタ…
('A`)「…」
廊下の先に友人を偶然見かけたかのごとくさりげなく…。
(゚、゚トソン「や、やあ、ドクオ」
('A`)「ん?よお、ツムラ」
よし、成功。後は…
(゚、゚トソン「えっと…ドクオもこれから買い物?」
('A`)「いや?俺は大体の物が揃ってるから荷造り程度だけど…」
(゚、゚;トソン「え…」
('A`)「どうした?」
まさか、一緒に買い物に行って親睦を図るという作戦が失敗…?…いや、まだだ!
(゚、゚;トソン「あ、や…えーっ、と……そうだ!
あたし、本格的な旅が始めてだから何から揃えればいいのかわからないんだ。
よかったら買い物に付いてきてくれないかな」
('A`)「あれ?初めて会ったとき王都の外から来てたよな?」
(゚、゚;トソン「あれはホラ、いつも従者任せで私自身何もしてこなかったから…」
('A`)「あ、なるほどな。まあそう言うことならいいけど」
(゚、゚*トソン「よ、よかった。ありがとう」
('A`)「おう」
―王都・雑貨屋―
('A`)「…とまあ、こんなものかな」
(゚、゚トソン「結構あるんだ…」ズシ…
('A`)「共用出来る物は省いたけど、やっぱりこれくらいにはなるよな」
(゚、゚;トソン「東の街まで持つかな…」
('A`)「案外なんとかなるぞ?俺だって始めはきつかったけど、だんだん慣れてきたし。
学校の訓練をちゃんと受けてるならきっと平気だろ」
(゚、゚トソン「そうか…。とにかく足を引っ張らないように頑張る」
('A`)「疲れたらちゃんと言えよ?じゃないと最後まで持たないからな」
(゚、゚トソン「わかった、そうする」
―王立士官学校・寮前―
('A`)「それじゃ、俺も部屋戻って荷造りするわ」
(゚、゚トソン「うん、今日は色々ありがとう。助かった」
('A`)「気にすんなって。それじゃあな」テクテク…
(゚、゚トソン「あ、あの!」
('A`)「ん?」
(゚、゚トソン「…明日から、よろしく!」
('A`)「…ああ、こちらこそ」
(゚、゚*トソン「それじゃ!」
('A`)「またな」
リアジュウメ…(゚Д゚)
夕方―寮・ドクオの部屋―
('A`)「大体こんなものか…」
忘れ物は無いだろうか。
('A`)「…クーの回復薬も入れたし大丈夫だな」
時間もいい頃合いだ。
('A`)「そろそろ教室に向かうか…」
そう言い、立ち上がりかけたところで部屋のドアが開けられた。
ガチャ
('A`)「ん?」
( ^ω^)「ドクオ…」
来訪者は隣人のブーンだった。
('A`)「今日の授業はもう終わったのか…つーかどうした?」
( ^ω^)「…ちょっと相談があるんだお」
('A`)「(相談…)」
ドクオは、恐らくあの件だろうと見当を付けた。
('A`)「…どんな内容だ?」
( ^ω^)「ツンのことなんだお」
('A`)「そうか…やっぱりな」
( ^ω^)「やっぱり?」
('A`)「ああ、何の相談に来たかは何となく想像はついてる。…魔物の件だろ?」
( ^ω^)「!!…何で知ってるんだお?」
('A`)「俺とクーはツンを追いかけるような形で旅してたからな。噂の一つや二つ聞くんだよ」
( ^ω^)「なるほどだお。あの…」
('A`)「安心しろよ。詰め所にツンを突き出すようなことはしない。
短い付き合いだけど、魔物を喚び出すようなマネをするヤツじゃないってわかってるから」
( ^ω^)「…ありがとうだお」
('A`)「で、どうする?何か具体的な案でもあるのか?」
( ^ω^)「それが全くないんだお…」
('A`)「だよな。案があったら俺のところには来ないもんな」
( ^ω^)「ごめんお」
('A`)「別に謝るようなことじゃないだろ。
…一応俺も考えたんだけど、このことはジョルジュに相談しようと考えてるんだが」
( ^ω^)「相談しても大丈夫なのかお?」
('A`)「俺とクーと一緒に旅をしてきたから、事情は把握してる。考えも基本俺と一緒のはずだから心配するな」
( ^ω^)「そっか、わかったお!それじゃあプギャーにも相談する事にするお!」
('A`)「よし、クーも連れて早速行くぞ」
―王都・大通り詰め所―
バァン!
ドアが勢いよく開かれた。
兵士「うおっ!なんだ!」
( ^ω^)「頼もう!」
('A`;)「おい、ちょっと落ち着け」
( ^ω^)「すまんお!」
川 ゚ -゚)「…騒がせて済まない。こちらにジョルジュとプギャーはいるか?」
兵士「え、あ、とと…。ジョルジュさんとプギャーさんなら昨日から王都を離れてますけど…」
( ^ω^)「お…」
('A`)「…本当ですか?」
兵士「ああ、王室の方の公式な査察で他の街まで出てしまったよ」
川 ゚ -゚)「…それは東の街か?」
兵士「いえ、北の街なんですが…」
( ^ω^)「帰りはいつ頃になるお!?」
ブーンが身を乗り出し兵士に詰め寄る。
兵士「は、はい…早ければ明後日くらいには…」
('A`)「間に合わないかもな…」
川 ゚ -゚)「ああ…」
兵士「えと、どうされました?」
( ^ω^)「…なんでもないお。すまんかったお」
兵士「は、はあ」
―王都・大通り―
( ^ω^)「…」トボトボ…
('A`)「結局、何かあったときは俺らで何とかしなきゃいけなくなったわけだ」
川 ゚ -゚)「私も協力したいところだが…」
('A`)「今回ばかりは仕方ないだろ、気にするな」
( ^ω^)「!!そうだお!なにもジョルジュとプギャーに頼ることはなかったんだお!」
('A`)「お?他にアテでもあるのか?」
( ^ω^)「他の兵士に頼むんだお!」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「…」
( ^ω^)「…お?」
('A`;)「あのなあ、ブーン」
( ;^ω^)「?」
('A`)「何の為に俺らはジョルジュとプギャーに相談しに行ったんだよ?」
( ^ω^)「それは…あ」
('A`)「ツンの為だろ?事情を大して知らない兵士に言おうものなら、それこそツンがしょっ引かれるぞ」
( ^ω^)「…失念していたお」
('A`)「ちょっとは落ち着けよ」
( ^ω^)「おっおっ…」
―王立士官学校・正門―
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ
ツンが、いつかと同じように、正門に背をもたせかけていた。まるで誰かを待つように。
('A`)「ツンだな…」
( ^ω^)「何してるんだお、あんなところで…」
川 ゚ -゚)「…きっと不安なんだろう。ブーン、ちょっと行って話でも聞いてやればどうだ?」
('A`)「そうだな、話を聞いてやるくらいでも大分変わると思うぞ?」
( ^ω^)「…うん、わかったお!ちょっと行ってくるお!」
タッタッタ…
川 ゚ -゚)「…ドクオ」
('A`)「ん、なんだ?」
川 ゚ -゚)「明日から気を付けてな」
('A`)「ああ、それはもちろん。…こんなところでくたばってられないし」
川 ゚ -゚)「もし港町の時のような魔物が出てきたとき…いや、危険だと判断したらすぐに逃げるんだぞ?」
('A`)「わかってる」
川 ゚ -゚)「それと…そう、トソンのことをしっかり守ってやってほしい」
('A`)「ツムラを?まあ当然と言えば当然だけど、わかった」
川 ゚ -゚)「…頼んだ」
川 ゚ -゚)「それと…」
('A`;)「まだあるのか?」
川 ゚ -゚)「いや、これはちょっとした実験なんだが…やってみてくれないかと思ってな」
('A`)「実験?」
川 ゚ -゚)「そう、今から言う性質で武器を創ってみてくれないか?」
('A`)「…何を創ればいいんだ?」
川 ゚ -゚)「それは………」
朝―王都・東門―
( ´∀`)「道中気を付けるモナ。忘れ物は無いモナ?あ、生ものや生水にも気を付けるモナ!
それと向こうの兵士さんにくれぐれも粗相の無いようにするモナ。それから…」
(´<_` )「アンタはお母さんか」
( ;´∀`)「…とにかく向こうに着いたら紹介状を詰め所の人に渡すモナよ?」
(゚、゚トソン「はい、わかりました」
川 ゚ -゚)「…ドクオ、気を付けてな」
('A`)「ああ、大丈夫だ。御守りも持ったしな」
川 ゚ -゚)「そうか…。ではまた学校でな」
('A`)「おう」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「…ブーン。…戦うって決めても、やっぱり怖いよ…」
( ^ω^)「大丈夫だお」
ξ゚⊿゚)ξ「…うん」
( ^ω^)「みんな、協力してくれるお」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
( ^ω^)「一人じゃないお」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
「それじゃ」
ξ゚⊿゚)ξ ( ^ω^) ('A`) (゚、゚トソン「「「「行ってきます!」」」」
ぶーんって結構イケメンだな
トソンがかわいくて生きるのが辛い
……
………
―東の街・門―
(゚、゚トソン「…着いた」
('A`)「お疲れさん」
( ^ω^)「その言葉、ドクオにそっくりそのままお返しするお」
ξ゚⊿゚)ξ「そんな馬鹿でかい剣担いで歩いてよく平気だったわね。呆れたわ」
('A`)「いや、武器がないと困るのは俺だし」
そもそもこの大剣に重みはないし。
( ^ω^)「それにしても刀だったかお?それも2本あるし、ちょっと持ち歩きすぎじゃないかお」
('A`)「ないと不安なんだよ」
ブーン達の前で武器を創り出すわけにはいかないからな。
('A`)「じゃあ早速詰め所に行くか」
( ^ω^)「この大荷物を持ってかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「宿に寄って荷物を置いてからにしない?」
('A`)「いや、もしかしたら宿の手配とかされてるかも知れないだろ?
勝手に宿取りに行くのはどうかと思ったんだが…」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、なるほどね」
( ^ω^)「流石ドクオだお!それじゃ詰め所に急ぐお!」ダダッ
ξ゚⊿゚)ξ「あ!ちょっと待ちなさい!」タタッ
(゚、゚トソン「…元気ね」
('A`)「疲れたか?」
(゚、゚トソン「そうね、いつもは馬車だったし、慣れない旅をしたせいで疲れたわ…」
('A`)「そうか。詰め所に着いたら少し休ませてもらおうぜ」
(゚、゚トソン「うん、あと少しね」
('A`)「ああ。…そうだ、荷物少し持つぞ?」
(゚、゚;トソン「え…いいわ、あと少しだもん」
('A`)「遠慮するなって。ほら」
(゚、゚トソン「あ、ありがとう…」
( ^ω^)「…ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「何よ?」
( ^ω^)「魔物が出るまでにどのくらい時間は掛かるお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…アンタ、この話のためにさっき駆けだしたのね」
( ^ω^)「で、どうなんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…私が街に着いてから、いつもは大体3~4時間と言ったところかしら」
( ^ω^)「わかったお。ちょうど夕方くらいだおね。少し前くらいに警戒を始めるお」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ…」
('A`)「二人で先に行くなよな」
( ^ω^)「すまなんだお」
(゚、゚トソン「詰め所は…この通りをまっすぐ行った先ね」テクテク…
ξ゚⊿゚)ξ「さ、行きましょ」テクテク…
('A`)「…」
( ^ω^)「ドクオ」
('A`)「ん?どうした」
( ^ω^)「…大体3~4時間後に現れるらしいお」
('A`)「…わかった。夕方か…」
―東の街・詰め所―
(゚、゚トソン「…ここね」
ξ゚⊿゚)ξ「早速入るわ…」
バァン!
( ^ω^)「頼もう!」
ブーンの手により詰め所のドアが勢いよく開けられ、壁に叩きつけられたドアが悲鳴を上げる。
('A`)「…お前はそんなドアの開け方しか知らんのか」
( ^ω^)「おっおっ!なんとなくだお」
東の街兵「…何だ、うっせーな…」
一人の柄の悪い男が、いかにもかったるそうに奥の部屋から出てきた。
( ^ω^)「…お?」
東の街兵2「討ち入りか?カカカ!いい度胸じゃん…ってガキじゃねーか」
乾いた笑い声を上げつつ出てきた兵士は、ドクオ達を見るとつまらなそうに居直る。
('A`)「(…随分柄が悪いな)」
(゚、゚トソン「…あの、あたし達は王都の王立士官学校から、演習でこちらに参ったのですが」
東の街兵「ん?…ああ、何かこっちにガキを寄越すとか言ってたな」
東の街兵2「カカカ!そう言えばそうだったな。確か働きに来てくれたんだっけ?」
( ^ω^)「そうだお」
東の街兵「そぉかよ。人手が足りなくて困ってたんだよな。じゃ、さっさと働きに行ってくれや」
(゚、゚トソン「え…」
ξ゚⊿゚)ξ「…私たち宿とってないんですけど、どうすれば?」
東の街兵「…あ?宿とってなかったの?…使えねーな」
('A`)「…」
東の街兵2「カカカ!じゃあとっとと行ってこい」
(゚、゚トソン「…あなた達、さっきから何様のつもり?」
東の街兵「…んだ?」
(゚、゚トソン「それでも街を守る兵士?そんな態度で人々をちゃんと守れるの?」
ξ゚⊿゚)ξ「本当ね。街の人達もこんな奴らに守られててさぞかし不安だろうわ」
東の街兵2「カカカ!…言ってくれるねぇ」
そういうと、兵士は剣を抜き放ち肩に担いだ。
( ;^ω^)「お…」
(゚、゚トソン「…何よ」
東の街兵「ふん、公権力に逆らうつもりかよ?」
('A`)「…やめろ、ツムラ」
(゚、゚トソン「…止めないで、ドクオ」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよ、言われっぱなしで悔しくないの?」
('A`)「落ち着けって。…お騒がせしてすみません。すぐに宿をとってくるので少しお待ちください」スッ
ドクオは一歩前へ歩み出ると、兵士の手に数枚の銀貨を握らせた。
東の街兵2「…カカカ!少しは賢いヤツがいたんだな!…さっさと行ってこい」キン
剣を納めつつ兵士は言うと、奥の部屋へ戻っていった。
('A`)「ふぅ…。さて、じゃあ気を取り直して宿をとりに行くぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「…ドクオ、どういうつもりよ」
('A`)「…こんなところで無駄に時間を使ってるつもりか?」
( ^ω^)「お…」
ξ゚⊿゚)ξ「!」
('A`)「悔しいかも知れないけど、こんな事をしてる場合じゃないだろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「…そうね、ごめんなさい」
(゚、゚トソン「?…なんだかよく分からないけど納得いかないわ…」
―詰め所・会議部屋―
東の街兵「…一回しか説明しないからよく聞けよ。…めんどくせえ」
('A`)「はい」
(゚、゚トソン「…」
東の街兵2「今からお前らは、俺らが担当するはずだった場所に行って警邏をするんだ」
( ^ω^)「警邏かお」
東の街兵2「カカカ、そのとおりだ。…そうだな、そこのニヤケ面と巻き毛の女は俺担当の門の周辺だ」
ξ゚⊿゚)ξ「…わかったわ」
東の街兵「お前らは広場周辺だ」
('A`)「はい」
東の街兵2「わかったらさっさと行ってきな!カカカカ!」
―東の街・詰め所―
ξ゚⊿゚)ξ「腹がたつったらないわ…」
( ^ω^)「カリカリしてても仕方ないお」
('A`)「だな。それじゃあ各自持ち場に行こうぜ」
( ^ω^)「わかったお。…それじゃドクオ、夕方頃にそっちに行くお」
('A`)「…ああ」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
(゚、゚トソン「?」
―東の街・広場―
('A`)「(地図で見たらここが街の中心だったな…)」
(゚、゚トソン「…ドクオ、さっきはどういうつもりだったの?」
('A`)「ん?さっきってのは?」
(゚、゚トソン「お金を渡した時のことよ。あんな奴らに見下されて悔しくなかったの?」
('A`)「ああ…あいつらの感じを見ると、もう金渡すくらいしか大人しく引き下がってくれなさそうだったから」
(゚、゚トソン「そうじゃなくて…!あいつらの下手に出ることなんてなかったじゃない!」
('A`)「まあ悔しいのはわかるけどさ、少し落ち着け」
(゚、゚トソン「あたしはドクオがどうして落ち着いていられるのか不思議でしょうがないわ」
('A`)「あー…そうだな…。…ツムラは何であいつらに見下されてるかわかるか?」
(゚、゚トソン「…わからないわ。わかりたくもない」
('A`)「ガキだから舐められてるんだよ」
(゚、゚トソン「子どもだから?」
('A`)「そう。子どもだからロクに仕事も出来ないだろう、足ばかり引っ張るだろう。そう思われてるんだよ」
(゚、゚トソン「あたし達はそんなことないわ!」
('A`)「そうだ。子どもだから仕事ができないなんて思わせないような仕事ぶりを見せればいい」
(゚、゚トソン「…あ」
これだから子どもは…って、きっと思われただろうな」
(゚、゚トソン「…」
('A`)「だから俺らの仕事ぶりを見せてさ、あいつらに認めさせてやろうぜ。挽回だ」
(゚、゚トソン「…そう、そうね」
('A`)「…わかってくれたか?」
(゚、゚トソン「うん…。あたしが間違ってたのね。…うん!きっと見返してみせる」
('A`;)「(おーーーし!無理矢理こじつけられた!セェーーフ!)」
('A`)「(いやいや、ツムラが真面目で素直なヤツで助かった。
どう考えてもただのヤンキーだもんな、あいつら。認めるどうこうの問題じゃないわ)」
(゚、゚トソン「…ねえ、ドクオ」
('A`)「…え?ああなんだ?」
(゚、゚トソン「…さっきは酷いこと言ってごめんなさい」
('A`)「いや、気にするなよ。情けなかったのも事実だからな」
(゚、゚トソン「そんなことない。ドクオはキチンと考えて行動に移してた。
それなのにあたしは、感情にものをまかせて怒鳴ってただけ」
('A`)「(…なんだろう、この罪悪感)」
(゚、゚トソン「やっぱりまだまだだなぁ…。ドクオのお陰で目が覚めたよ」
('A`)「…まあ過ぎた話はいいじゃないか。そうだ、よかったらツムラの事何か教えてくれよ?」
(゚、゚トソン「あたしのこと?」
('A`)「あんまりお互いのこと話したこと無かったろ?だからツムラの事、何でもいいから教えてくれよ」
(゚、゚トソン「そうね…。それじゃ巡回しながら話そうか」
('A`)「おう、頼む」
そして、二人は歩き出した。
('A`)「クーに聞いたんだけど、ツムラっていいところのお嬢様なんだろ?」テクテク…
(゚、゚トソン「そうね。私の親は…王室勤めなんだけど」
('A`;)「…え?マジで?…いや、そういえば誰かがそんなようなことを…」
…
……
………
夕方―
(゚、゚トソン「でね…」
('A`)「(…そろそろか)」
(゚、゚トソン「あたしなんか、母様に比べたらまだまだ大した事…」
('A`)「(…やっぱりツムラにも話しておくべきか)」
(゚、゚トソン「…ドクオ?どうしたの?」
('A`)「ん…ああ、悪い。ちょっと考え事しててな」
(゚、゚トソン「ちゃんと話聞いててよ、もう…」
('A`)「…そうだな。よし」
(゚、゚トソン「ドクオ?」
('A`)「なあツムラ。ちょっと大事な話があるんだけど、聞いてくれるか?」
(゚、゚トソン「大事な話?」
('A`)「そう、大事な話だ」
(゚、゚トソン「(…大事な話。話ってなんだろう…。話…)」
('A`)「ここじゃなんだから、広場の方へ移動するぞ?」
(゚、゚トソン「ええ…」
川 ゚ -゚)『ふむ。てっきり告白の為にどこかへ呼びだしたのかと思ったが』
Σ(゚、゚;トソン「!!」
(゚、゚;トソン「(え…?待って待って…。なんでここであそこでの言葉を思い出すの…)」テクテク
('A`)「…」テクテク
(゚、゚*トソン「(け、けど、だ、大事な話って…)」
('A`)「ここら辺でいいか…」
(゚、゚*トソン「…」
('A`)「…ツムラ、落ち着いて話を聞いてくれるか?」
(゚、゚*トソン「!!は、ははははははい!」
('A`;)「…いや、落ち着いてくれな?」
(゚、゚*トソン「わ、わわわ、わかった…」コクコク
('A`)「…話って言うのは他でもない」
(゚、゚*トソン「…」
('A`)「恐らくだが、これからこの街に魔物が出現する」
(゚、゚*トソン「…」
('A`)「…」
(゚、゚トソン「え?」
('A`)「まあいきなり言って信じてもらえる事じゃないと思うけど…」
('A`)「むしろ今回ばかりはこの予想が当たらずにいてくれて、俺が嘘つきになる方がまだいいんだが」
(゚、゚;トソン「…ちょっと待って、えっとどういう―」
キィン!
(゚、゚トソン
('A`)「?どうした、ツムラ?」
まさか…。
(゚、゚トソン「嘘…」
魔物の群れが、今ドクオ達がいる広場を蹂躙する光景が視えてしまった。
('A`)「ああ、すごい嘘っぽいんだけどな…。残念ながら俺は本気なんだ」
(゚、゚トソン「そうじゃない。…ドクオの言ってることを信じるって事」
('A`)「…え?本当か?」
(゚、゚トソン「…こっちね」キン
トソンは広場のやや外れへ歩き出した。
('A`)「え?」
(゚、゚トソン「…ここ」
('A`)「…わかるのか?」
(゚、゚トソン「うん…」
('A`)「…なあ。話しておいてなんだけどさ、ツムラは戦わなくても…」
(゚、゚トソン「いいの」
('A`)「…」
(゚、゚トソン「あたしも戦わせて欲しい」
('A`)「…大量の魔物が襲ってくるんだぞ?」
(゚、゚トソン「…わかってる」
('A`)「…かなり危険だぞ?」
情けない姿は見せたくはないから。
(゚、゚トソン「それもわかってる。それでも戦わせて欲しい。…一緒に」
広場の中心部分に巨大な魔方陣が出現する。
('A`)「…わかった。なら俺が絶対守るから」チャキ…
大剣と刀を構え、握り込む。
(゚、゚*トソン「…うん」
陣を形作る線が淡く光った。
('A`)「それでも危なくなったら逃げるんだぞ。約束してくれ」
魔方陣から魔物の体の一部が見えてきた。
(゚、゚トソン「…うん、わかった」
魔物が魔方陣から飛び出した。
('A`)「よし…行くぞ!」
トソンかわえぇのう
―東の街・門―
( ^ω^)「…そろそろかお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね、行きましょう」
東の街兵2「おっと、どこに行くんだ?カカ!」
( ;^ω^)「お…」
東の街兵2「ちょっと様子を見に来てみれば…サボりはよくねーぜ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「違うわ!」
東の街兵2「何が違うってんだ、ああ?」
( ;^ω^)「今はそれどころじゃないんだお」
東の街兵2「それどころじゃないだと?大事な仕事を差し置いてどこに行くつもりなんだよ?」
ξ#゚⊿゚)ξ「…大事な仕事を放っておいてサボってたのはどっちよ!?」
東の街兵2「うるせぇなぁ…。演習なんだろ?
俺らの仕事をやらせてやってるんだよ、こっちは。大人しく歩き回ってろ」
ξ#゚⊿゚)ξ「…くっ」
東の街兵2「カカッ、言い返せねえのか?んじゃ、引き続きよろしく頼むわ。サボったりしたら…わかるな?」スタスタ…
( ;^ω^)「お…」
東の街兵2「あー、たまーに様子見に来るかも知れないから。そこんとこよろしく。カカッ!」
ξ#゚⊿゚)ξ「~~っなんなのよ!アイツは!」
( ;^ω^)「ここを離れられないのはマズイお…」
―東の街・広場―
(゚、゚トソン「ライトニング!」
ピシャァン!
紫電が魔物を貫き、絶命させる。
('A`)「せい!はっ!」
スパン!ズバァン!
刀で両断し、大剣で周囲の魔物を一度になぎ払う。
('A`)「(まとめて倒してもどんどん湧いて来やがる…)」
倒す数とおよそ同数の魔物が次々と出現していた。
('A`)「ツムラ!」
(゚、゚トソン「ライトニング!…何!?」
魔物の断末魔、咆吼に声が掻き消されないように大声を張り上げ聞き返す。
('A`)「魔物を一度にまとめて倒せるような魔法はないのか!?」
(゚、゚トソン「ごめん!…ライトニング!殺傷能力がある魔法はこれくらいしかないの!」
('A`)「わかった!サンキュー!」
話しつつも、手を休めずに攻撃を続ける。
('A`)「(…マズイかもな)」
今は魔物を倒す数と出現する数が拮抗しているが、これがいつまでも持つとは限らない。
('A`)「(体力が続くか…或いは出現する数が増えるか…。いや、それ以上に不安なのが…)」
とにかく、出来るだけ魔物の数は減らしておきたい。
( ^ω^)『…魔方陣から魔物が出尽くしたら気を付けるんだお』
('A`)「(ブーンが言ってた例の魔物…)」ヒュン!
( ^ω^)『もの凄く強い魔物が現れるお』
ヒュバ!ザン!
('A`)「(港町で戦った、あの魔物と同じくらい強いヤツが現れるのなら)」
( ^ω^)『…ほぼ、間違いなく』
('A`)「(今のうちにコイツらを潰しておかないと…絶対に勝ち目はない)」
ドシュ!
('A`;)「それにしても…ブーンは何をしてんだ!」
ズバァ!
(゚、゚トソン「ライトニング!…あいつが昼過ぎに言ってた、夕方頃そっちに行くって言葉はこのことだったの!?」
ピシャア!
('A`)「ああ、そうだ!…くそ、明らかに増えてきてやがる!」
先ほどから休まずに攻撃をしていたが、倒している数を上回る勢いで魔物が増えていた。
(゚、゚;トソン「くっ…ライトニング!どうする、ドクオ!?」
('A`;)「(せめて他の武器が創れれば…)」
(゚、゚;トソン「!!住宅地の方へ何体か行ってしまった!」
('A`;)「…異変を兵士達に知らせるのに利用する!放っておくぞ!」
(゚、゚;トソン「…わかった!」
('A`;)「俺らは被害を最小にするために出来るだけここで数を減らす!これ以上はここを通さないつもりでな!」
(゚、゚;トソン「ああ…ライトニング!」
('A`;)「(くそ、キリがない!もう魔法を隠すなんてことにこだわってる場合じゃねえ…!)」
(゚、゚;トソン
('A`;)「(俺だけじゃない。この街の人…それにツムラの命だって掛かってるんだ!)」
('A`)「…ツムラ!少しだけ下がる!援護してくれ!」
(゚、゚;トソン「?…わかった!ライトニング!」
ピシャァン!
囲まれたドクオを逃がすため、ツムラとドクオを繋ぐ一直線上にいる魔物を雷で討ち、
('A`)「ハァッ!」ブォン!
ドッガァ!
そこをドクオが大剣の一撃で切り開く。
('A`)「よし!」タタッ
(゚、゚トソン「…どうするつもりなの?」
('A`)「魔法を使う」ズガッ
大剣を地に突き刺し、言う。
(゚、゚トソン「え…魔法?魔法は使えないはずじゃ…」
('A`)「あれは嘘だ」シュウ
(゚、゚トソン「へ?」
矢のつがえられたボウガンが突如ドクオの手に現れ、
ヒュガガガガガガガガガガガガガッ!
(゚、゚トソン「…」
そして五月雨のごとく魔物に矢が降り注いだ。
(゚、゚トソン「…」
断末魔と魔物を貫く矢の音のみが響く。
(゚、゚;トソン「…なにそれ」
('A`)「おっし!結構倒せたな」
なおも引き金を引き続ける。
(゚、゚トソン「ねえ、ドクオ…」
('A`)「おう、なんだ?」
(゚、゚トソン「それはなんなの?」
('A`)「なんなのって…これはボウガンだけど」
(゚、゚トソン「いや、そういうことじゃなくて…」
('A`)「…冗談だよ。これが俺の魔法だ」
(゚、゚トソン「魔法?」
(゚、゚トソン「ただの武器なのに…。矢が勝手にたくさん出てくるのは確かに不思議だけど」
('A`)「俺はこのボウガンをどこから出してるように見えた?」
(゚、゚トソン「…気が付いたら手に持ってたわ」
('A`)「そう、俺の魔法は武器の創造だ。そして、創りだした武器に特殊な性質を持たすことができる」
(゚、゚トソン「それじゃあこの大量の矢は…」
('A`)「ああ、矢が勝手にリロードされる性質を付与させた…っとひとまずは落ち着いたな」
(゚、゚トソン「…すごい」
視界の先には大量の魔物が横たわっていた。
―東の街・門―
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「…あの二人大丈夫かしら」
( ^ω^)「確かに心配だお…。いくらドクオが強いからと言っても、魔物相手に魔法が使えないんじゃ…」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよね…」
( ^ω^)「…こうなったらもう行くしか…お?」
「ヒィィィヤァァァァアアア!」シュダダダダ…
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「…」
東の街兵2「はぁっ、はあぁっ!ま、魔物が、魔物が出たぞぉぉおおお!…ってあれ?」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「…で?」
東の街兵2「…こほん」
( ^ω^)「…」
東の街兵2「…カカカ!この先で魔物が大量に現れてな!街の人々に危険を知らせるべくこうして走り回ってだな…」
ξ゚⊿゚)ξ「それって街の人達の不安を煽ってるだけじゃないの?」
東の街兵2「うぐっ…。…こ、怖ければ逃げてもいいんだぜ?カカ!」
( ^ω^)「それじゃ遠慮無く…ちょー怖いおー」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。あー怖いわー」
東の街兵2「!!ちょ、ちょっと待て!お前ら!仕事を放っておいて逃げるつもりか!?ああ!?」
( ^ω^)「…怖ければ逃げてもいいって言ったのはそっちだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「それに仕事ならあなたがすればいいじゃない?」
東の街兵2「ぐぅ…!え、演習で来たんだろ、お前らは!だったらその責務を果たせ!」
ξ゚⊿゚)ξ「嫌よ」
東の街兵2「な、何で!」
( ^ω^)「本当に危険だと思ったら、街の兵士さんにお任せして逃げるモナーって言われてるんだお」
東の街兵2「なっ…」
ξ゚⊿゚)ξ「そう言うこと。それじゃ、お仕事頑張ってね」
東の街兵2「…ま、待って!」
ξ゚⊿゚)ξ「…はぁ、まだ用があるの?こっちは忙しいんだけど」
東の街兵2「お、お願いですから…一人にしないでください…」
ξ゚⊿゚)ξ「…本当に何であんたみたいのが兵士やれてんのよ」
東の街兵2「…」
( ^ω^)「ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「ん?何よ?」
( ^ω^)「ブーンはここに残って一般市民の避難誘導にあたるお」
ξ゚⊿゚)ξ「…ブーンってば本当にお人好しなのね」
東の街兵2「じゃあ!」
( ^ω^)「よろしくお願いしますお、兵士さん」
ξ゚⊿゚)ξ「…それじゃあ」
( ^ω^)「悪いけどみんなを任せたお。こっちが終わったらすぐに向かうお」
ξ゚⊿゚)ξ「うん…」
( ^ω^)「ツンならきっと大丈夫だお!」
ξ゚⊿゚)ξ「…行ってくる!」
タッタッタ…
―東の街・広場―
(゚、゚トソン「そんなにすごい魔法を持ってるのに何で隠す必要があるの?」
('A`)「まあ色々と話し合った結果だな…っとツムラ」
(゚、゚トソン「ん?」
('A`)「話は一旦中断するぞ。多分だけど、まだ終わってないはずだ」
(゚、゚トソン「…うん」キン
魔方陣がまた輝き始めた。
今度は淡い光などではなく、力強い、しっかりとした黄色い光を、魔方陣を形作る線が放っている。
('A`)「…さっきまでの魔物とは比較にならない位強いはずだ。気を付けろよ?」
(゚、゚トソン「わかった。…ドクオも気を付けて」
('A`)「ああ…」
巨大な、まるで亀のような魔物が、さらに大きい鎚を手にその姿を現した。
玄武「…」
戦闘部分はやっぱり楽しみだな
玄武「ホウ…こいつらをやったのは貴様か?」
玄武は周囲の倒された魔物を見ると、自分の目の前に立つ一人の人間に確認する。
('A`)「…ああ、そうだ」
玄武「ガハハハハッ!面白い!」スッ
玄武は大鎚を肩に担いだ。
(゚、゚トソン「!!」キン
(゚、゚;トソン「ドクオ!横に走って!」キン
('A`)「?」
玄武「遅い!アースクラック!」ズドォォォオオオン!
振り下ろされた大鎚は、ドクオに向かって地面にヒビを入れた。
メリメリ…
('A`;)「!」
ズドドドドドド!
ヒビがはいった場所から、岩の槍が連続して飛び出してドクオを飲み込んでいく。
ドドドドドォォォオオン!
(゚、゚;トソン「ドクオ!」
玄武「ガハハハハハ!もう終わりか!?」
(゚、゚;トソン「そんな…」
砂埃が舞い、ドクオの姿は確認できない。
玄武「さて、次は貴様か?」
(゚、゚;トソン「!!」
玄武「貴様は楽しませてくれるのだろうな?」スッ
バスバス!
玄武「!」
2本の矢が玄武を襲うが、玄武を覆う砂の鎧がそれを阻む。
('A`)「チッ…。堅そうな外殻にこの砂かよ」
玄武「生きていたか!そうでなくてはなあ!ガハハハハハ!」
(゚、゚トソン「ドクオ!大丈夫!?」
('A`)「ああ、なんとかな…」
玄武「フム…一人ずつ戦ったんじゃ早く終わってしまってつまらんしな…」
玄武は余裕たっぷりに、自分の顎をさすりつつ思案する。
玄武「!!そうだ、貴様ら一緒に掛かってこい!ガハハ!これなら少しは楽しめるだろう!」
('A`)「ふざけやがって…」
(゚、゚トソン「ドクオ…」コソ
('A`)「ん…?」
(゚、゚トソン「私の指示するとおりに動いて。そうすれば、あの魔物の攻撃は当たらないわ」
('A`)「…どういうことだ?」
(゚、゚トソン「…私には少し先の未来が視えるの」
('A`)「…なるほどな。わかった」
(゚、゚トソン「…驚かないのね」
('A`)「まあ、こっちの世界に来て不思議なことはたくさん体験したつもりだし」
(゚、゚トソン「…そっか」
玄武「作戦会議はもういいのか?」
('A`)「…キチンと待ってるなんて律儀なヤツだな」
玄武「ガハハ!…すぐ壊れられては困るのでなあ!」ブォン!
玄武が腕を一振りする。
(゚、゚トソン「…右へ避けて!そのままあいつに向かって走り続けて!」バッ
('A`)「ああ!」バッ
ズドドォォン!
先ほどまでドクオとトソンが立っていた場所から岩の槍が突き出した。
('A`)「…」タタッ…
玄武「そうでなくてはならんな!」ブオン!
大鎚を横になぎ払い、ドクオの接近を阻む。
('A`)「!」ザッ
(゚、゚トソン「ライトニング!」
ピシャァン!
ズバン!
雷の一撃が玄武に降り注いだかと思われたが
(゚、゚;トソン「雷を防いだ…!?」
('A`;)「…また砂か」
玄武「ガハハハ!なかなか楽しませてくれそうだな!」
(゚、゚トソン「!後ろへ下がって!」キン
('A`)「!!」バッ
ドガガン!
後ろへ飛び退ると、左右の足下から岩の槍が飛び出し、ドクオがいた場所で穂先が交差する。
玄武「ホウ!今のを避けるか!」
('A`;)「(危ねぇ…。攻撃の予測が立てられないのはキツイな。ツムラがいて助かった)」
玄武「面白い!さあ!続きと行こうか!」
('A`)「…くそったれ!」シュウ
ドクオはナイフを創りだし、玄武に向かって投擲する。
('A`)「オラ!」ビュッ!
玄武「無駄だ……!?」
ドシュッ!
放たれたナイフは砂の鎧を貫通し、なおも突き進む。
玄武「グッ…!」ヒュッ
ナイフは玄武の腕を掠め飛んでいく。
('A`)「外れたか…」
玄武「……ガハハハハハハハ!」
(゚、゚トソン「…」
玄武「この鉄壁の砂の鎧を貫くとは…。面白い!」
玄武「…だが残念だ。そろそろ終わりにしなければな」
('A`)「何?」
玄武「折角久しぶりに、存分に戦いを楽しめるかと思ったんだが。
ワシにはこの街を潰すという任務があってな。貴様らを排除せねばならぬ」
(゚、゚トソン「!!誰の命令なの!?」
玄武「ガハハ!貴様らが魔王と呼んでいるヤツよ!」
('A`)「!!」
(゚、゚トソン「魔王…!」
('A`)「…魔王は今どこにいるんだ?」
玄武「それをワシが教えると思っておるのか?」
('A`)「ふん、聞いてみただけだよ」
玄武「…フム、そうだな。貴様ら、少し待つつもりはないか?」
('A`)「?どういうことだ」
玄武「ワシがこの街を潰すまでの間、しばし待てと言うておる!
その後、存分に戦おうではないか!何、案ずるな!そう待たせはせぬ、ガハハ!」
(゚、゚;トソン「ふざけないで!」
玄武「ふざけてなどおらんわ。…どうやら交渉決裂のようだな。実に残念だ」
('A`)「当たり前だ!」
玄武「そうか…。そこの小娘」
(゚、゚トソン「…何よ」
玄武「貴様、どういう訳かワシの行動の先読みが出来るらしいな」
(゚、゚トソン「それがどうしたって言うの」
玄武「つまり、貴様を倒してしまえばこの小僧を倒すことも容易いというわけだ」
(゚、゚トソン「ふん、アンタの攻撃なんか当たるわけ無いわ」
玄武「…ホウ、自信たっぷりだな。ならば、これならどうかな?」スッ…
(゚、゚;トソン「な…!」
('A`)「…おい、どうしたツムラ?…おい!ツムラ!」
視えてしまった。岩の槍に貫かれる自分の姿を。
(゚、゚;トソン「いや…」
恐怖で体が動かない。いや、動けたとしても8方向から繰り出される槍を躱せないだろう。
('A`;)「おい!ツムラ!なにボーッとしてんだ!」
…このことを伝えている時間がない。ならばドクオだけでも…。
(゚、゚;トソン「ドクオ、逃げ――――――」
玄武「グレイブ!!」
ドドドドドドドドン!
自分の周囲8方向から岩の槍が突き出し、そして
ドスドスドスドス!
( 、 トソン「か…ぁ…」
トソンの体を貫いた。
いいから俺を二次元に入れろってンだァァァァァ
玄武「…ホウ、自信たっぷりだな。ならば、これならどうかな?」スッ…
キィン
( 、 ;トソン「な…!」
('A`)「…おい、どうしたツムラ?…おい!ツムラ!」
ツムラの様子がおかしい。
(゚、゚;トソン「いや…」
なんでさっきの様に動かない。俺に指示を出しつつ自分もしっかり避けてたじゃないか。
それがなぜ、動こうともしないのか。
('A`;)「おい!ツムラ!なにボーッとしてんだ!」
あの魔物は今回はツムラだけを狙っている。分かっていることなのに。なんで動かない。
…何か理由があるのか?動けない理由。動かない理由。
('A`;)「(くそ!考えてもわからねぇ!)」
今わかっているのは、ツムラが危険な目に遭いそうだということ。それで充分だ。
(゚、゚;トソン「ドクオ―」
('A`)「(間に合え!)」
ドクオは腰に差している短剣に手を伸ばす。
(゚、゚;トソン「逃―」
川 ゚ -゚)『まずは発動する場所を決めるんだ。目で見て、発動したい場所に焦点を合わせると良い』
('A`)『ふむふむ…。近い場所だったら?目の焦点が合わせられないような気がするんだが…』
川 ゚ -゚)『そのあたりは感覚なんだが…そこにあると感じるんだ』
('A`)『抽象的だな』
川 ゚ -゚)『元来感覚で行うものなんだ。抽象的でも問題ない』
('A`)『まあいいや。で、次は?』
川 ゚ -゚)『この場合はもうイメージする必要はないから、後は発動するだけだ』
('A`)『上手くいくと良いけどな…』
川 ゚ -゚)『きっと上手くいくだろう。念のため確認しておくぞ』
『発動のキーは魔法名だ』
短剣に手が触れる。
('A`)「(行け!)」
(゚、゚;トソン「――」
玄武「グレイブ!」「アイスウォール!」('A`)
岩の槍が8方向から襲い、氷の壁がトソンを囲う様に出現し、
ドガッシャアアァァァァン!
岩の槍と氷の壁は激突し、お互いを破砕した。
(゚、゚トソン「え…」
玄武「ぬう!?」
('A`)「ツムラ!」ダッ
(゚、゚トソン「(生きてる…なんで…。あたしの未来は『死』のはずだったのに…)」
('A`)「おい、大丈夫か!?」
(゚、゚トソン「あ…」
玄武「ガハハ!粋なことをしよる!だが次はもう無いぞ!」
('A`;)「く…!ツムラ、しっかりしろ!」
(゚、゚トソン「うん…ごめん。でも何で氷の魔法を?」
('A`;)「説明は後だ。とにかく氷の魔法はもう使えない。後がないんだ」
玄武「さて、終わりにしようかの」
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ!ツムラ!」
玄武「む…?」
('A`)「ツン!遅いっての!」
ξ゚⊿゚)ξ「うるさいわね!こっちだって色々あったの!」
玄武「なんだ貴様は?」
ξ゚⊿゚)ξ「…アンタもうるさいわ。黙ってなさい」
玄武「ム!ガハハハハハ!随分と活きの良い小娘が来たものだ!
しかしこの感じ…そうか!そう言うことか!ガハハ!」
ξ゚⊿゚)ξ「ほんっとにうるさいわね…」
玄武「聞いてはいたが小娘、まさか貴様がそうだとはな!」
ξ゚⊿゚)ξ「…何よ?アンタは私の事を何か知っているの?」
玄武「それは言えんな!ガハハ!安心しろ小娘!貴様だけはまだ生かしておいてやる!」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
玄武「まだまだ利用しなくてはいかんのでな!」
ξ゚⊿゚)ξ「!」
('A`)「…なんだってんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「…知らない。とにかくこいつを叩き潰すわよ」
('A`)「ああ。…ツムラ、大丈夫か?」
(゚、゚トソン「あ…」
('A`)「駄目なら下がってろよ?」
(゚、゚トソン「…うん」
ξ゚⊿゚)ξ「…アイツの特徴は?」
('A`)「攻撃は地面から岩の槍を出現させて行う。それと、あいつの周りに漂ってる砂が厄介だ」
ξ゚⊿゚)ξ「地の魔法みたいなもんね…。砂って言うのは?」
('A`)「魔法も武器での攻撃も通用しない。一部を除いてな。
とにかく岩の槍とハンマーで迂闊に近寄れないんだ。どっちかさえなんとかできればどうにでもなるんだが」
ξ゚⊿゚)ξ「そう。じゃ、なんとかしてみるわ」
('A`)「は?」
玄武「また作戦会議か!一人増えたところで大して変わらんのに無駄な事をしよる…」
ξ゚⊿゚)ξ「フン!吠え面かかせてやるから黙って待ってなさい」
玄武「面白い!なら見せてもらおうか!」
ξ゚⊿゚)ξ「いいわ…」
色は黄色をイメージする。そして想い描くは魔方陣。
ξ゚⊿゚)ξ「見せてあげる」
ツンの前方に魔方陣が浮かび上がり、黄色く輝き始める。
玄武「これは…!」
('A`)「もしかして召喚か!?」
ξ゚⊿゚)ξ「…出でよ!ノーム!」
魔方陣が一層力強く輝いたかと思うと、魔方陣があった場所には小さなモグラが鎮座していた。
土精霊「ここは…」チマッ
('A`)「…モグラだ」
(゚、゚トソン「(…かわいい)」
土精霊「おお、久しぶりじゃのぅ、ツン」チマッ
ξ゚⊿゚)ξ「久しぶりね、ノーム。早速だけどお願いがあるの」
土精霊「気にせずともよい。して、何をすればいい?」チマッ
ξ゚⊿゚)ξ「アイツが地面から岩の槍を出してくるから、それを何とかして欲しいの」
土精霊「なんじゃそんなことか」チマッ
('A`)「ツンさん」
ξ゚⊿゚)ξ「ん、何?」
('A`)「このモグラは一体…?」
ξ゚⊿゚)ξ「何って、異世界の住人よ」
('A`)「それは何となく分かるんだが…。こんな頼りなさそうなので大丈夫か?」
土精霊「侮るなよ、坊主。既にこの周囲一体の大地は儂の支配下にある。あいつはもう岩の槍を出せんはずじゃ」チマッ
('A`)「ホントかよ…」
玄武「ガハハ!そんなまさか…つ、使えん!?」
土精霊「ホレ」チマッ
('A`;)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「ほら、何とかしたわよ」
('A`)「あ、ああ」
土精霊「じゃが油断するなよ。あの者の周囲に俟っている砂だけは、儂の力を持ってしてもどうとも出来なかった。
何か別の、かなり特別な力が作用しているようじゃ」
('A`)「いや、充分だ。サンキュー!」ダッ
玄武「小癪な!貴様などこの大鎚の餌食にしてくれよう!」ブォン!
('A`)「!」
土精霊「アースウォール!」
ドッガァァァアアア!
玄武「ぬう!」
土精霊「ほれ、援護してやるから安心して行ってこい」
('A`)「…ああ!」
('A`)「ツン!ツムラを頼む!」
ξ゚⊿゚)ξ「わかったわ!」
('A`)「行くぞ!」ヒュッ!
玄武「フン!」ブォン!
ズバァ!
刀と大鎚が交差し、大鎚に大きな切れ込みが入る。
玄武「何!?…まさか。貴様その武器、それをどこで手に入れた」
('A`)「…?俺が創ったんだよ」
玄武「貴様が…?先ほどのナイフの時にもしやと思うたが…因果なものよ」
('A`)「何を言って…」
玄武「だがそれ以上の関係はあるまい!ここで叩き潰してやっても問題はない!」ビュオンッ!
('A`;)「!?」
ガゴォォォオン!
玄武「くっ!またか!」
('A`)「ハッ!」ブン!
ズバン!
玄武「ぐ…!?」
持っていた刀を投げると、玄武を覆っていた砂の鎧を貫き、玄武の体を引き裂いた。
('A`)「まだまだ!」シュウ
玄武「グ…オオオオオオオオオオオオオ!」
('A`)「!?」
それまで玄武の周りを俟っていた砂が、突如玄武から離れ出す。
玄武「くらえ!」
砂は瞬時に集まり丸い形を作り出すと、弾丸のごとくドクオに降り注いだ。
土精霊「しまっ…!アース…」
玄武「遅い!」
ヒュババババ!
('A`;)「くっ…!」
ビシビシビシッ!
('A`;)「…!!…あれ?痛くない…」
見るとドクオの前方に氷の壁が立っており、それが全ての砂の弾丸を受け止めていた。
('A`)「これは…」
_
( ゚∀゚)「おらあああああああああ!」ビュゴ!
ドッガァ!
強烈な一撃が玄武の頭部を捕らえる。
玄武「ぐう!?」
('A`)「ジョルジュ!」
_
( ゚∀゚)「おう!さっさとやっちまえ!」
('A`)「…ああ!」
玄武「くっ!」
玄武「おあああ!」ブン!
_
( ゚∀゚)「アースウォール!」
ドゴォ!
玄武はハンマーを振り下ろすが、岩の壁がそれを阻む。
('A`)「せい!」ビュン!
ズパン!
玄武「大鎚が…!」
ハンマーを柄から切り落とし、使用不可とさせる。
('A`)「終わりだ!」バッ
そして砂の鎧が無くなった今、ドクオを遮るものは何もない。
玄武「…」
スパン
玄武は斬り伏せられ、地に落ちた。
トソンが無事でよかったァァ!
玄武「さら、ば…」
('A`)「…」
玄武の体は黄色い光とともに、霞んで消えていった。
_
( ゚∀゚)「…消えたな」
('A`)「ああ…。今回ばかりは流石に死ぬかと思った…。助かったよ」
_
( ゚∀゚)「礼なら俺に言わずにあいつに言うんだな」
('A`)「あの魔法…やっぱり来てるのか?」
_
( ゚∀゚)「おう!あいつが教えてくれたから俺がここにいるんだ」
('A`)「そっか。いつも助けられてばかりだな」
_
( ゚∀゚)「んじゃさっさと礼を言いに行ってきな」
('A`)「ああ」
('A`)「クー」
川 ゚ -゚)「無事だったか?」
('A`)「お陰様でな。…いつも世話になってばかりだな」
川 ゚ -゚)「気にするな。私がしたくてやっていることだ」
('A`)「それでも、ありがとう」
川 ゚ -゚)「いいんだ。…私はドクオを守ると決めたんだから」
('A`)「ああ…」
ξ゚⊿゚)ξ「終わったみたいね。…って、クーじゃない」
川 ゚ -゚)「やあツン。お疲れ様」
ξ゚⊿゚)ξ「何でここにいるの?」
川 ゚ -゚)「何か力になれないかと思って来たんだが、後の祭りだったようだ。因みにジョルジュも来ている。
トソンもお疲れ様。ケガはなかったか?」
(゚、゚トソン「…いえ、あたしは…。ドクオのお陰でなんとか…」
('A`)「いや、俺もツムラのお陰で死なずに済んだ。ありがとな」
(゚、゚*トソン「…うん」
( ^ω^)ノシ「おーいだおー!」ブンブン
少年が手を振りつつ、駆け寄ってくる。
( ^ω^)「お待たせだお!敵は何処にいるお?」
('A`)「…ブーン、遅いぞ。超遅刻だ。全部終わった後に来てどうする」
( ;^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「むしろ欠席ね。ダメダメじゃない」
( ;^ω^)「ちょ!それは酷いお!ブーンだってあいつを放っておけなかったんだお!」
('A`)「あいつ?」
ξ゚⊿゚)ξ「あの兵士よ。魔物が街に現れたとたん、慌てて何もできないんだから」
('A`)「つまり兵士の面倒を見てやってたと」
( ^ω^)「そういうことだお!」
川 ゚ -゚)「それにしても、みんな無事なようでよかったよ」
ξ゚⊿゚)ξ「私のお陰ね!」
('A`)「来るのが少し遅かったけどな」
ξ゚⊿゚)ξ「色々あったんだって言ったでしょうに。しつこいわね」
('A`)「俺とツムラは危うく死にかけたんだぞ。これぐらい良いだろう」
川 ゚ -゚)「まあ落ち着け。とにかく、この処理は街の兵士に任せて宿屋でゆっくりしたらどうだ?」
('A`)「…任せる、ねぇ」
川 ゚ -゚)「後始末くらいしてもらってもバチは当たらないぞ?」
ξ゚⊿゚)ξ「むしろちゃんと仕事してくれるのかしらね」
川 ゚ -゚)「?」
夜―宿屋・ドクオ達の部屋―
_
( ゚∀゚)「さて、あの兵士達は俺からきつく言っておいた。後日処罰も与えられる予定だ」
('A`)「処罰の内容は?」
_
( ゚∀゚)「1ヶ月の無給の奉仕活動」
( ^ω^)「給料無しかお。下手すると死んじゃうお」
_
( ゚∀゚)「それぐらいのことを今までやってたんだ。当然だろ。この宿もお前らがとったんだろ?」
('A`)「そうだけど、何かまずかったか?」
_
( ゚∀゚)「遠地での演習では生徒に負担が掛からないように、街の兵が宿をとることになってんだ。
宿代をあいつらは横領してたんだよ」
('A`)「…妥当な処分だな」
―宿屋・クーの部屋―
川 ゚ -゚)「…」
コンコン…
川 ゚ -゚)「ん…?誰だ?」
「…トソンです」
川 ゚ -゚)「トソンか。入ってくれ」
「失礼します」
ガチャ
(゚、゚トソン「…夜遅くにすみません」
川 ゚ -゚)「いいよ、気にしないでくれ。それで、いきなりどうしたんだ?」
(゚、゚トソン「…ドクオのことで、お話を」
川 ゚ -゚)「ふむ、そうか」
(゚、゚トソン「ドクオから聞いたところによると、あたしを守ってくれたあの氷の壁はクーさんのものだとか」
川 ゚ -゚)「…どこまで聞いた?」
(゚、゚トソン「はい。彼が武器を創造する魔法の使い手だと言うことを聞きました。
それで、氷の壁を出したあの銀の短剣もクーさんのアイディアなのだとか」
川 ゚ -゚)「(…そこまで話したのか)」
(゚、゚トソン「それで、クーさんにお礼を言いたくて…」
川 ゚ -゚)「私にか?」
(゚、゚トソン「はい。クーさんの魔法のお陰で助かったので…。もちろんドクオのお陰でもあるんですけど」
川 ゚ -゚)「私はドクオに御守りを持たせただけだよ。ドクオの身に危険が及ばないように」
(゚、゚トソン「それでも、お礼を言わせてください。…ありがとうございました」
川 ゚ -゚)「…うん、どういたしまして。だけど結局のところ御守りを使ったのはドクオなんだ。
自分よりもトソンを優先したんだし、やはりお礼はドクオにした方がいいだろう」
(゚、゚トソン「わかりました…それと一つお聞きしたいことが」
川 ゚ -゚)「ん?」
(゚、゚トソン「その…以前も聞いたのですが。…彼とクーさんはどの様な関係なのですか?」
川 ゚ -゚)「どの様な…?」
(゚、゚*トソン「やはり本当は、こ、恋人…なのでは…?」
川 ゚ -゚)「私と…ドクオが?何故だ?」
(゚、゚トソン「…先ほど仰っていたではないですか。彼の身に危険が及ばないように、と。
離れていても相手の事を思い遣るその気持ち。恋人、若しくは彼が思い人でないとそこまでは出来ないのではないでしょうか」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「私は…」
(゚、゚トソン「はい…」
川 ゚ -゚)「…わからない」
(゚、゚トソン「…」
川 ゚ -゚)「だけど、大切な人であることは確かなんだ。彼は私に出来た初めての友達だから…」
(゚、゚トソン「…はい」
川 ゚ -゚)「ドクオの為に何かしたい。今はとにかくそれだけなんだ…」
(゚、゚トソン「…」
朝―東の街・門―
ξ゚⊿゚)ξ「はあ、散々な演習だったわね」
_
( ゚∀゚)「まあまあ。その代わり俺がお前らの働きをしっかり報告してやるから」
( ^ω^)「しっかり頼むお!」
('A`)「ブーンは何もしてなくね?」
( ;^ω^)「お…それはないお!ブーンの働きでツンがドクオ達のところに行けたんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「そうだったかしらー」
_
( ゚∀゚)「安心しろって。お前の活躍はあの馬鹿兵士共から聞いたからよ。
ある意味では一番兵士っぽいことしてたしな。悪くはならねーよ」
( ^ω^)「おっおっ!聞いたかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい、よかったわね」
('A`)「クー」
川 ゚ -゚)「ん?どうした?」
('A`)「いや、改めて礼を言いたくてな。サンキューな」
川 ゚ -゚)「昨日も言ったが気にしないでくれ。…まだ短剣は持っているか?」
('A`)「ああ…ほら」スッ
川 ゚ -゚)「なあ…これからも御守りとして持っていてくれるか?」
('A`)「もちろんだ。ありがたく使わせてもらうよ」
川 ゚ ー゚)「そうか。…また後で魔法を入れておかないとな」
(゚、゚トソン「…」
( ゚∀゚)「よっしゃ!それじゃそろそろ王都に戻るぞ!準備はいいか?」
( ^ω^)「OKだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「こっちも」
(゚、゚トソン「こちらも大丈夫よ」
('A`)「…それじゃ行こうか」
川 ゚ -゚)「そうだな」
_
( ゚∀゚)「王都に辿り着くまでが演習だからな!最後まで気ぃ入れてけよ!」
……
………
―雪原―
ミ,,゚Д゚彡「…見つけたぞ」
悪魔「…初めまして、人間の皆さん」
ミ,,゚Д゚彡「砦を消したというのはお前だな?」
悪魔「いかにも。我らを挑発する行動が目立ったものでしてね。目障りなので消えてもらうことにしました」
ミ,,゚Д゚彡「…もう一つ訊かせてもらおう。貴様が魔王か?」
悪魔「フフ。私は魔王の付き人の様な者です」
ミ,,゚Д゚彡「ふん、まあそんなことはどうでも良い。魔王であろうとなかろうと、お前を倒すだけだからな」チャッ
悪魔「ふむ…人間にしては中々やるようですね。マーマン達を倒したのもあなたですか?」
ミ,,゚Д゚彡「…俺だけじゃない。仲間の協力があった」
悪魔「そうですか…。今回も数だけは揃えているみたいですが、果たしてマーマンの時の様にうまくいきますかね」
ミ,,゚Д゚彡「どういうことだ」
悪魔「それは戦ってみてのお楽しみです。あなたの名前は?」
ミ,,゚Д゚彡「フサギコだ」
悪魔「覚えておきましょう。…私は悪魔のソムニオン。さあ始めましょうか」チャキン…
ソムニオンは一振りの大剣を抜き放つ。
ミ,,゚Д゚彡「望むところだ。…かかれ!」
フサギコの号令の下、配下の魔法使い達が魔法を解き放つ。
特務兵1「バーンストライク!」ドドン!
特務兵2「サンダーボルト!」バチバチィ!
悪魔「ダークネス!」オ…ン
魔法使い達が放った魔法は、ソムニオンの前方に発生した『闇』に飲み込まれる。
特務兵1「なっ…!」
悪魔「フフ、何を驚いているのですか?」
ミ,,゚Д゚彡「…砦を消した正体はそれか」
悪魔「そのとおりです。魔法が効かない私相手に、果たして勝ち目があるのでしょうかね?」
特務兵3「なら貴様の立っている場所で魔法を発生させてやるまでだ!食らえ!エアロブラスト!」ドゴアア!
特務兵4「ロックブレイク!」ドッゴオオオン!
パシィ…ン
特務兵2「何…!?」
ソムニオンの周囲に発生した魔法は、彼に触れる直前でかき消えてしまった。
悪魔「フフ…だから私には魔法は効かないと言ったでしょう」
特務兵4「馬鹿な!何故効かない!?」
悪魔「教えて差し上げる義理はありません」
ミ,,゚Д゚彡「魔法が効かないなら直接叩くまでだ」ヒュオ!
悪魔「!!」ジャキッ!
ガキィィィン!
悪魔「不意打ちとは…焦ってるんですか?」
ガチ…!
ミ,,゚Д゚彡「この任務を達成するのに手段など選んでいられないんだよ」
悪魔「フフ!余程焦っているようですね」
ミ,,゚Д゚彡「…」
悪魔「私以上に強い魔王が後ろに控えてることがそんなに恐ろしいのですか?」
ミ,,゚Д゚彡「…俺は与えられた任務を全うするだけだ」
悪魔「…フフ、後ろの方々はすっかり怯えきっているようですが、ね!」
キィン!
ミ,,゚Д゚彡「!」
ソムニオンは鍔迫り合いから脱し、飛翔する。
悪魔「…戦意をなくした者にはこの場から去ってもらいましょうか」バサッ…
ミ,,゚Д゚彡「何をするつもりだ!」
悪魔「言ったでしょう?…消えてもらうんですよ」バサァ…
特務兵1「ひっ…」
悪魔「アビス…」バサッ…
オオオォォ……ン
底が見えない奈落の闇が、魔法使い達の足下に出現し、絡みつく。
特務兵2「な、なんだこれは!?」
特務兵3「う、動けない!」
闇は徐々に魔法使い達の体を浸食していき、やがて顔まで到達する。
特務兵4「た、すけ…!」
悪魔「安心してください。闇に飲まれることに痛みはありません。…それではごきげんよう」バサァ…
オ…ン
奈落の闇は掻き消え、闇が広がった後には何も残らなかった。
悪魔「さて、それでは再開しましょうか。フサギコさん」バサッ…
ミ,,゚Д゚彡「貴様…!」
…
……
………
夜―王立士官学校・訓練場―
('A`)「ハッ!」ビュオッ!
川 ゚ -゚)「…」ペラ…
('A`)「せい!」ビュン!
川 ゚ -゚)「…」カリカリ…
('A`)「おりゃ!」ビッ!
川 ゚ -゚)「…」カリカリ…
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…」ペラ…ペラ…
('A`)「…あのさ」
川 ゚ -゚)「ん?なんだ?」
クーは本のページを繰る手を止める。
('A`)「剣振ってる横で勉強って集中できるのか?」
川 ゚ -゚)「そうだな…特段うるさいわけでもないし、少しくらい音があった方がかえって集中できるくらいだ」
('A`)「そういうものかな」テクテク…
川 ゚ -゚)「私にとっては、だが。…素振りはもう良いのか?」
左隣に腰を掛けてきたドクオに、クーは問う。
('A`)「ちょっと休憩することにした」
川 ゚ -゚)「そうか。では私も休憩しようかな」
('A`)「寒いな…雪でも降りそうだ。体冷えてないか?」
川 ゚ -゚)「私なら大丈夫だ。寒いのは得意な方だし、ちゃんとマントも持って来ている」
('A`)「俺は暑いのも寒いのも両方苦手だ。ふう…体動かしてないとやっぱり冷えるな」
川 ゚ -゚)「よし、じゃあ入れ」バサッ
クーは左腕でマントを広げて言う。
('A`)「…へ?」
川 ゚ -゚)「寒いんじゃないのか?」
('A`;)「…いや、寒いけどさ。何、それ」
川 ゚ -゚)「寒いなら入るといい」
('A`;)「…色々まずいだろ」
川 ゚ -゚)「??何を遠慮しているんだ?」
('A`;)「(…自分が何をやってるか分かってないんだろうな)」
川 ゚ -゚)「ほら、ずっと広げていると冷気が入ってきて冷える。早く入ってくれ」
('A`;)「わかったよ…」スッ
川 ゚ -゚)「うむ」
('A`*)「…おじゃまします」
川 ゚ -゚)「ああ、どうぞ」
('A`*)「(密着しとる…)」
川 ゚ -゚)「…人が隣にいると暖かいな」
('A`*)「ソウダナ。アタタカイナ…」
川 ゚ -゚)「ああ。……なあ、ドクオ」
('A`*)「ナンダ?」
川 ゚ -゚)「東の街での一件以来、不思議と何事もなく過ごせているけど…大丈夫なんだろうか」
('A`)「…そうだな。少し平和すぎる気もする」
川 ゚ -゚)「やはりそう思うか?」
('A`)「んー、旅をしているときに色々ありすぎたせいで、そう感じるだけかもしれないけどな」
川 ゚ -゚)「…そう、かな。ここ数ヶ月何も起こってないのが、何かの前触れのような気がしてならないんだ」
('A`)「…まあ用心するに越したことはないな。最近は平和で少し緩んでたし、気を引き締め直すか」
川 ゚ -゚)「ああ、そうしておいてくれ」
('A`)「おう。…そうだ」
川 ゚ -゚)「ん?」
('A`)「学校、楽しいか?」
川 ゚ -゚)「もちろん楽しいが。急にどうしたんだ?」
('A`)「ほら、初めて会った次の日くらいか?同年代の人と過ごす機会がなかったとか言ってたよな?」
川 ゚ -゚)「よく覚えていたな…」
('A`)「まーな。何せこっちの世界に来て初めてできた友達だからな。しかも一緒に旅をした仲だ。印象にも残る」
川 ゚ -゚)「…そうか。私と一緒だな」
('A`)「何がだ?」
川 ゚ -゚)「実は、ドクオは私の初めての友達なんだよ」
('A`)「え?そうだったのか?トソンのことを知っている風だったから、てっきり友人なのかと思ってたけど」
川 ゚ -゚)「お互いのことは知っていたが、ほとんど会話はしなかった。少し事情があってな…」
川 ゚ -゚)「それに私が小さい頃に辺境の村に越したせいもある。
あのまま王都に残っていれば、トソンとも友達になれたのかもしれないが」
('A`)「そう言えばあの村に子どもはほとんどいなかったな」
川 ゚ -゚)「ああ、それも友達ができなかった要因の一つではあるな」
('A`)「…ん?いやもしかして…」
川 ゚ -゚)「なんだ?」
('∀`)「クーがお堅すぎて、みんな近寄りがたかっただけじゃないのか?」
川 ゚ -゚)「…」
('∀`)「…」
川 ゚ -゚)「…ドクオは私の事をそう思ってたのだな…」
('∀`;)「…あれ?」
川。゚ -゚)「…」ポロリ…
クーの頬を、一筋の涙が伝う。
('A`;)「!!え…ちょ…な、何で…」
川。゚ -゚).「え…?」ポロポロ…
('A`;)「あ、ああああ!!!…ご、ごめん!本当にごめん!」
…
……
………
('A`)「あの、本当にごめん…」
川つ-゚)「…ん。…もう大丈夫」ゴシ…
('A`)「…軽はずみな冗談言って本当にごめん」
川 ゚ -゚)「もう、大丈夫…。ただ…」
('A`)「ただ?」
川 ゚ -゚)「手を握ってほしい」
('A`)「手を?」
川 ゚ -゚)「うん…」スッ
('A`)「…」スッ
ギュ
('A`)「…これでいいのか?」
川 ゚ -゚)「ああ、ありがとう…。落ち着いたよ…」
('A`)「…でも何で急に?いや、俺が悪いのはわかってるんだけどさ…」
川 ゚ -゚)「…なんでだろう。ドクオがそういう風に私を見てるんだなって考えが頭に浮かんだら、
それから頭が真っ白になって、何故だか急に寂しくなって、悲しくなった…」
('A`)「…ごめん」
川 ゚ -゚)「もういいよ。冗談だっていうのはわかったから」
('A`)「けど、酷いこと言ったのには変わりないから…」
('A`)「些細な言葉が人を傷つけることくらい、わかってたつもりなんだけどな…」
川 ゚ -゚)「…ドクオも元の世界で何かあったのか?」
('A`)「まあ少しだけ。大した事じゃなかったけど…。本当にわかってたつもりだったんだな」
川 ゚ -゚)「そっか…。だけど、本当にもう大丈夫だから」
('A`)「そう言われてもな…よし!」
川 ゚ -゚)「ん?」
('A`)「明日休みだろ?買い物に行こう」
川 ゚ -゚)「買い物?別に構わないけど」
('A`)「大したお詫びにはならないだろうけど、俺が何か買ってやるよ」
川 ゚ -゚)「それはプレゼントとかいうやつか?」
('A`)「む…まあそうなるな」
川 ゚ -゚)「そうか…うん。わかった。じゃあ明日を楽しみにしてるよ」
('A`)「ああ。そうしたら、今日はもう寮に戻るか」スク…
川 ゚ -゚)「うん」スク…
('A`)「…手」
川 ゚ -゚)「ん?」
('A`)「離さないのか?」
川 ゚ -゚)「…嫌か?」
('A`)「…嫌じゃないけど」
川 ゚ -゚)「私もだ」
クーを泣かせたか、ドックンちょっとだけ四肢爆発しろ
昼―商業区・謎の服屋―
川 ゚ -゚)「ほう」
('A`)「なあ、本当にここで探すのか?」
変な置物が置いてあったり、謎のカーテンが掛かってたり。
動物の頭蓋骨らしきものも台座に飾られている店の前で、二人は足を止めていた。
川 ゚ -゚)「そのつもりだが?」
('A`)「何かロクでもないものしかなさそうなんだけど…」
川 ゚ -゚)「そうか?こういう店にこそ、真の掘り出し物があるんだ」
('A`)「それにしたって、もうちょっとこう…」
川 ゚ -゚)「私が好きに品物を選んで良いんだろう?それともあれは嘘だったのか?」
('A`)「…スミマセン」
川 ゚ -゚)「では入ろうか」
('A`)「イエスマム」
('A`)「おお…店内は案外まともだな」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「変な物も置いてあるけど、ごく僅かだな…っと、クー?」
川 ゚ -゚)「…ドクオ、コレを見てくれ」
('A`)「ん、コレって…ペンダント?」
不思議な色をした小さな鉱石に、銀細工を施して紐を通したペンダントを指さしていた。
川 ゚ -゚)「ああ。しかもペアらしいぞ。二つある」
('A`;)「ペアって…」
( `ハ´)「いらっしゃいアル」
川 ゚ -゚)「店主か?」
( `ハ´)「似たようなもんアル」
川 ゚ -゚)「そうか。ところでこれはいくらだ?」
( `ハ´)「お客さん、お目が高いアル。それは数百年前の、神と魔王の戦の時代から伝わる骨董的価値がある品アル」
川 ゚ -゚)「ほう…」
('A`)「おいおいおい」
( `ハ´)「しかもしかも!お互いを想い合う者達がそれを身につけると、お互いの身に起こった危険を知らせる効果がアルよ!
正にお客さん達の様なカッポゥにお似合いの一品アル!」
川 ゚ -゚)「ほほう!それはすごいな!」
('A`;)「待て、俺らはカップルじゃない。いや、それはこの際どうでも良い。
…すげー高いんじゃないのか、それ。神と魔王の戦の時代のものなんだろ?骨董品なんだろ?」
( `ハ´)「いくらか聞きたいアルか?」
('A`)「…まあ聞くだけならタダだからな。…聞くのはタダなんだよな?」
( `ハ´)「聞くのはタダアル」
川 ゚ -゚)「いくらなんだ?」
( `ハ´)「…聞いて驚くアル」
('A`;)「…」ゴクリ
川 ゚ -゚)「…」
( `ハ´)「ペンダント2つで銀貨2枚アル」
('A`;)「安っ!」
川 ゚ -゚)「買った!」
( `ハ´)「毎度アル!」
('A`;)「こんな安くて色々と大丈夫なのか!?おい!」
―王都・大通り―
川*゚ -゚)「良い買い物をしたな」ホクホク
('A`)「そうか…?」
川*゚ -゚)「私は気に入ったぞ。早速付けよう」イソイソ…
('A`)「まあ気に入ったようでよかったよ」
川 ゚ -゚)「…よし、どうだ?」
('A`)「…うん、良いな。アリだ」
川 ゚ -゚)「だろう?ではドクオも早速付けようか」
('A`;)「え、俺も?」
川 ゚ -゚)「何の為に2つ買ったと思っているんだ」
('A`;)「ペアはちょっと…」
川 ゚ -゚)「何で嫌がる必要がある?」
('A`)「嫌というか恥ずかしいというかだな…」
川 ゚ -゚)「ドクオの身の危険を知らせてくれるのだぞ?これを付けないと、ドクオの身の危険を察知できないではないか」
('A`)「(…ああ、そっか。その為にクーは…)よし、それなら…」イソイソ…
川 ゚ -゚)「…ふむ、似合ってるな」
('A`)「(これでクーに何かあったとき、駆けつけられるな…。
効果が本当にあるとすればの話だけど。…クーは完璧に信じちゃってるな)」
川 ゚ -゚)「ドクオに何かあったら、すぐに駆けつけるからな」
('A`)「…ああ、サンキュー(…まあいいか)」
川 ゚ -゚)「ところで、もうじき武術大会が開催されるが、ドクオは出るのか?」
('A`)「あー…自分の実力を知るのには良いかも知れないけど…。王族も観に来るんだっけ?」
( ^Д^)「!!…やっと見つけた。おーい!ドクオ!クー!」
('A`)「ん…?プギャーさん?」
川 ゚ -゚)「プギャー、どうしてここに?」
( ^Д^)「ブーンから二人で買い物に行ったって聞いてな。めぼしいところをジョルジュと手分けして探してたところだ」
('A`)「はあ…お疲れ様です。それで何か用事とか?」
( ^Д^)「ちょっとな。…お前らにも関係する話だ」
川 ゚ -゚)「…何かあったのか?」
( ^Д^)「…ちょっとフサギコ隊長の家まで行こう。話はそこでする」
―フサギコ邸・リビング―
(*゚∀゚)「それで?話って?」
( ^Д^)「定刻になったらジョルジュが来るはずなんで、もう少し待っててください。姐さん」
('A`)「…話ってなんだろうな、クー」
川 ゚ -゚)「さあな…なんだか嫌な予感はするが」
ガチャ
_
( ゚∀゚)「…待たせたな。お、ドクオとクー見つかったのか」
( ^Д^)「大通りで捕まえてな。…それじゃ話すとするか」
_
( ゚∀゚)「そうだな」
(*゚∀゚)「やっとか!待ちくたびれたよ!」
( ^Д^)「お待たせしてスンマセンでした、姐さん」
_
( ゚∀゚)「話って言うのは他でもない。
このメンツでここに集まってもらったから、何となく察しはついてるとは思うが…」
(*゚∀゚)「あ、わかった!フサギコ君のことだね!?」
( ^Д^)「正解です、姐さん」
(*゚∀゚)「えへへ!で、なになに?」
( ^Д^)「先に言っちまうと、悪い知らせです。落ち着いて聞いてくださいね?」
まるでつーに向けて発したかの様な言葉だった。それをつーも理解したらしく、ややあった後、
(*゚∀゚)「…うん」
とだけ答えた。
( ゚∀゚)「…気が重てえな-」
( ^Д^)「仕方ないだろ。さっさと言おうぜ」
_
( ゚∀゚)「そだな…」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「…」
(*゚∀゚)「…」
_
( ゚∀゚)「…フサギコを隊長とする調査隊の消息が不明、という連絡が昨夜王都に入った」
(*゚∀゚) 川 ゚ -゚) ('A`)「「「!!!」」」
クー可愛いよクー!ハァハァ
隊ちょーーー!!!
ついに話が次の段階に…wktkk
('A`)「…それは本当か?」
_
( ゚∀゚)「できるなら俺らだって、嘘でしたー!で終わらせたい」
川 ゚ -゚)「…消息を絶った正確な日はわかっているのか?」
( ^Д^)「調査隊からの定時連絡がなくなったのは、今日からちょうど一月程前になる」
(*゚∀゚)「…」
( ^Д^)「…姐さん、大丈夫ですか?」
(*゚∀゚)「うん…いつかはこうなることも覚悟はしてたよ。こんな仕事だもん」
(*゚∀゚)「…だけどさ、やっぱり辛いもんだよね。いくら覚悟はしていたってさ」
_
( ゚∀゚)「当たり前だろ。大事な人がどこに行ったかわからなくなっちまったんだ。辛くないわけがねえ」
('A`)「他に…情報はないのか?」
( ^Д^)「今のところはな。定期的に連絡は来るようになってるから、とにかく連絡待ちだな」
(*゚∀゚)「そっか…。何かわかったら、連絡もらえないかな?」
_
( ゚∀゚)「もちろんだ。王様すっ飛ばして1番に教えてやるよ!」
(*゚∀゚)「あはは!それはマズイよ!…でもありがとう。どんな些細な情報でも構わないから、お願いね」
( ^Д^)「ええ、わかりました姐さん。それじゃ、俺らはそろそろお暇します」
(*゚∀゚)「うん。今日はわざわざありがとうね」
―王都・住宅街―
_
( ゚∀゚)「…最後は平気そうにしてたけど」
( ^Д^)「やっぱり辛そうだったな」
('A`)「…なあ」
_
( ゚∀゚)「んあ?どうした」
('A`)「行方不明になった原因ってのは判明してるのか?」
( ^Д^)「いや、そこら辺もさっぱりだ。砦が消えた事と関連はありそうだがな」
_
( ゚∀゚)「なんでも調査隊の連中の足跡がぱったりと消えていたらしいぞ」
川 ゚ -゚)「足跡が消えていた?」
_
( ゚∀゚)「おう。たまたま雪が降っていない日だったんだが、前日に積もった雪が残っていたんだよ」
( ^Д^)「で、その足跡がある地点を境に途絶えていたんだ。もちろん、先に進んだ足跡も戻った足跡も残っていない」
_
( ゚∀゚)「空を飛ぶでもしない限りは、雪の上に足跡を残さないなんて考えられないからな」
('A`)「だとすると…」
( ^Д^)「砦の様に、隊長達も消された可能性がある」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「…なあ」
_
( ゚∀゚)「なんだ?」
('A`)「…フサギコさんを捜しに行っちゃダメか?」
( ^Д^)「何故捜しに行く?」
('A`)「…フサギコさんの安否を確かめに」
_
( ゚∀゚)「…そうすることがドクオの為になるなら、よろこんで送り出すつもりでいるけど」
( ^Д^)「今回は別だな。完璧に自己満足だ」
('A`)「…!」
( ^Д^)「隊長達が行方不明になって1月、砦付近では毎日捜索が行われているはずだ」
_
( ゚∀゚)「探す人間がドクオ一人増えたところで何も変わりはしない」
('A`;)「…でも、そんな危険な地域なんだ!まだ調査が出来ずにいる場所があってもおかしくはないだろ?だったら!」
_
( ゚∀゚)「確かにな。だけど、ドクオが行って危険でない保証は何処にある?フサギコが見つかる保証もだ」
('A`)「それは…」
_
( ゚∀゚)「ドクオの気持ちも分からないでもない。
だからこそ、ドクオに今できることを全力でしてもらわなくちゃいけない」
('A`)「…俺にできること?」
_
( ゚∀゚)「そうだな。俺が言えるのはここまでだ」
( ^Д^)「…そろそろ時間だ。行くか、ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「おう。それじゃーな、ドクオ、クー!馬鹿なマネだけはするなよ?」
('A`)「…ジョルジュにだけは言われたくないな」
_
( ゚∀゚)「ははっ!…心配するまでもないみたいだな」
川 ゚ -゚)「…どうする?」
('A`)「?どうするって?」
川 ゚ -゚)「フサギコ殿を捜しに行くのか?」
('A`)「…」
川 ゚ -゚)「私は…私としてもフサギコ殿の安否は気になるところだ。
だから、もしドクオが捜しに行くのだとしたら…私も一緒について行くよ」
('A`)「…そうか、ありがとう。…でも、捜しに行くのは止めることにしたよ」
川 ゚ -゚)「…そうか」
('A`)「何もフサギコさんの事を諦めた訳じゃない。確かにジョルジュの言うとおりだったよ。
今の俺が行っても、本当にただの自己満足で終わると思う」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「フサギコさん達が消えたところに行って、捜して、捜して…。
ああ、見つけられなかったね、残念だったねって。これで終わりかもしれないし、まだ探し続けるかもしれない」
川 ゚ -゚)「…見つかるかも知れないじゃないか」
('A`)「そうだな。運良くフサギコさんを見つけられる可能性もある。だけど思ったんだ」
川 ゚ -゚)「…砦の件か?」
('A`)「そうだ。推測でしかないけど、人がぱったりと消えるのはやはりおかしい。
遭難ていう線も考えたけど、あのフサギコさんがそんなことに陥るとは思えない」
川 ゚ -゚)「第一、当日は雪も降ってなかったと言っていたな」
('A`)「ああ。だから今回の砦と人が消えた件は、例の魔王の差し金なんじゃないかと思う」
川 ゚ -゚)「魔王にしろそうでないにしろ、フサギコ殿を退けるほどの強い力を持った何者かの仕業…」
('A`)「…もし今の俺がそんなヤツに出会ったら、まず助からないと思うんだ。
…そんな危険な場所にクーまで連れて行ったら、絶対に俺は後悔する」
川 ゚ -゚)「私の事はどうでもいいんだ。ドクオさえ無事ならな」
('A`)「!…良いわけあるか!」
川;゚ -゚)「!」ビクッ
('A`;)「あ…ごめん」
川 ゚ -゚)「…いや、こちらも軽薄だった。すまない」
('A`)「…うん。だけど本当にフサギコさんを諦めた訳じゃない。今がその時じゃないってだけでさ。
そして探しに行くときはクーも一緒だ。…クーが良いならだけど」
川 ゚ -゚)「当然だ。だが、ならば何時がその時なんだ?」
('A`)「…ありがとう。それは、俺がクーを守れるくらい…」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「そしてフサギコさんを倒したヤツに対抗できるくらい強くなってから」
川 ゚ -゚)「…それは何時のことになるんだろうな」
('A`;)「う…いや、大それた事を言ってるのは分かってるけどさ」
川 ゚ -゚)「…なるべく早くしてくれないと、待ちきれずに一人で先に行ってしまうぞ?」
('A`;)「…努力します」
川 ゚ -゚)「しかし、どうやって強くなったと判断するんだ?」
('A`)「それなんだがな。…武術大会に出ようと思うんだ」
川 ゚ -゚)「武術大会に?」
('A`)「ああ、そこで優勝する。昔のフサギコさんがそうであったように。
優勝すれば、少なくとも往年のフサギコさんと同等の力を手に入れたことになると思うんだ」
川 ゚ -゚)「なるほどな。それぞれが相手した者の力量に差はあるとは言え、一つの判断基準にはなるか」
('A`)「もちろん厳しい戦いになることはわかってる。補助魔法も使えないし。
だけど、絶対に優勝してみせる。だから優勝したら…一緒に来てくれるか?」
川 ゚ -゚)「…もちろんだ」
('A`)「それに、フサギコさんの件は色んな可能性があって分からないことだらけだけど」
川 ゚ -゚)「ああ、諦めるのはまだ早い。この目で確かめよう」
>>1000は作者に取らせるんだ!
いいな!分かったな!
空気読めよ!!!
>>1000ならクリスマスまでに俺に彼女が出来るんだ!
´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
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