└1_|. <ノ  ̄ rリ くノ └^ー'′
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:02:00.91 ID:L68hZqHk0
('A`)「ほらブーンは町の修復作業だぞ」
ブーンは隅っこのほうに追い詰められた。
さすがの俊足ブーンもこれでは逃げ切れない。
( ^ω^)「僕は新必殺技の練習をしたいんだお」
ブーンは新必殺技の練習をしたかったのだがギコのせいでできなくなった。
なぜならば町が壊されたからである。
ξ゚⊿゚)ξ「やらないとビップリンゴなしらしいわよ」
( ^ω^)「ふ!ふっざけるなあああ!」
大好きなビップリンゴを立てに取られたらブーンは仕方なかったのである
今日もブーンは逃げ切ることができなかったのである。
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:02:58.48 ID:L68hZqHk0
カーンカーン!
( ^ω^)「家を作るお」
ブーンは家を直している。
ギコを恨んだ。(ギコは逃げた)
( ^ω^)「『インペリアルブレード』!!」
ズギャアアア!
( ^ω^)「ふう!やっとできたお!」
ブーンは家を作り上げた。
しかし・・・・・・
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:04:24.57 ID:L68hZqHk0
▲
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ジャジャーン!
( ◎ -◎)「な!なんだこれはー!」
( ~j~)「まるで東京タワーだ!」
住人はすごく驚いた。
ブーンの匠の技は駄目だったのだ。
( ^ω^)「つ!つくりなおしますおー!」
ブーンは結局日が暮れるまで家を作ったのであった。
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:04:50.38 ID:L68hZqHk0
ガチャンバタン!
( ^ω^)「ふー疲れたお」
家に帰ってきたブーンはゆっくりと休んでいる。
その姿はまさに戦士の休息である。
( ^ω^)「そうだ!この瞬間に新技の練習をするお」
ブーンは燃え上がった。
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:05:16.77 ID:L68hZqHk0
( ^ω^)「はっはっ!」
ドォーン!
( ^ω^)「はっはっ!」
ドォーン!
ブーンは調子のよい手応えを感じた。
このぶんならイケる!
( 隣д人)「うるさーい!何時だと思ってるんだー!」
( ^ω^)「ひええええ!すみませんおー!」
ブーンは困ってしまったのでもう寝た。
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:05:32.98 ID:L68hZqHk0
朝である。
(,,゚д゚)「うはーついてねえぜ」
ギコは今日もギャンブルでお金が一文無しになってしまった。
(,,゚д゚)「うおおおお!暴れてやるー!」
ガッグアアアアアアン!
ドッグアアアアアン!
キャーワー!
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:08:23.84 ID:L68hZqHk0
( δzδ)「こらー!」
( +-+)「今日という今日は!」
( のへの)「許さんぞー!」
ビップ騎士団の登場である!
(,,゚д゚)「さすがの俺もあの大量の騎士団を相手にしてると日が暮れる!」
ギコは逃げた。
夜にはまたギャンブルがあるからそれに参加したいのである。
(,,゚д゚)「うおおおおお!」
( のへの)「待てー!」
ギコがすごい逃げるので町中が大騒ぎになってしまった。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:08:39.22 ID:L68hZqHk0
ワーキャーワーワー!
('A`)「さわがしいなあ」
ドクオは騎士団のお仕事をしていた。
ブーンとギコが戦ったりしたせいで色々と出費が凄くてヤバイのである。
窓の外はお祭り騒ぎになっていた。
('A`)「なんなんだ?」
ドクオはビップ騎士団タワーの下を窓で見た。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:08:56.78 ID:L68hZqHk0
(,,゚д゚)「うおおおおお!」
スカーン!
(,,゚д゚)「いてえ!」
ギコの頭に空き缶が直撃した。
(,,゚д゚)「お前か!降りて来い!」
ギコはビップタワーの上のほうにドクオが居るのを見つけた。
('A`)「やだよ。しずかにしろ」
(,,゚д゚)「くそ-!くそー!」
ギコは騎士団に追いかけられていたのでドクオに文句も言えずに走り去った。
これは悔しそうである。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:09:16.91 ID:L68hZqHk0
('A`)「悪い奴じゃないんだけどなー」
ドクオはめんどくさそうにしていた。
そして仕事に戻ったのだった。
ξ゚⊿゚)ξ「ひゃー」
('A`)「なにかよう?」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンはどこ?」
('A`)「今日はみてないなあ。たぶん後で来るよ」
ツンデレはブーンラブだった。
ブーンの正義に惚れているのである。
ξ゚⊿゚)ξ「ざんねん。ブーンラブ」
ツンデレはドクオの部屋から出て行ってしまった。
('A`)「俺も彼女が欲しいな!黒髪ロングの可愛い子!」
ドクオは涙した。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:10:04.48 ID:L68hZqHk0
――ビップ騎士団本拠地ビップワターの高い壁の外
( 衛0兵)「ここはビップ騎士団の本拠地タワーだから入れないんだ」
川 ゚ -゚)「それは困った」
ビッピ騎士団本拠地タワーの近くで話している。
どうやらクーはビップタワーに入りたいらしいが駄目である。
( 衛0兵)「機密事項や謎と秘密があるから一般の方は入れません」
川 ゚ -゚)「私は実はブーンの親戚なのだが」
( 衛0兵)「それならブーンさんと一緒にいらしてください」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:10:17.74 ID:L68hZqHk0
ズ
川 ゚ -゚)「そうか。ならば仕方がない」
ズズズ
川 ゚ -゚)「仕方がないな」
( 衛0兵)「!?」
ズズズズズ
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:10:29.34 ID:L68hZqHk0
(,,゚д゚)「うおおおおおお!」
ギコである。まだ逃げているのである。
( 衛0兵)「あ!ギコとまれ!」
(,,゚д゚)「やーだぞ!」
( 衛0兵)「くそー!俺もこの門番の役目がなければギコも捕まえてやるのにー」
川 ゚ -゚)「・・・」
クーは歩き去った。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:10:42.84 ID:L68hZqHk0
(,,゚д゚)「ヘイ彼女!なにしてるの?」
ギコはビップタワー周辺にてくてく歩いていたクーに声を掛けた。
意外と灯台下暗しだから騎士団本拠地の方が手薄だったのである。
川 ゚ -゚)「騎士団タワーにはいりたくってな」
(,,゚д゚)「いや無理だぞ?ビップ騎士団のとこははいるのも出るのも難しい」
ギコはよく捕まったりしていたのでそこらへんよく知っていた。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:11:50.25 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「実は親戚がここで働いているから会いにきたわけなんだ」
(,,゚д゚)「そうだったのか。親戚も入れてくれないとか酷いな騎士団は」
ギコはブラック企業騎士団を憎んだ
労働基準法が守られないせいで社畜が生まれるのだ
(,,゚д゚)「俺のことも追いかけるし。文無しになるしもう怒った!」
ギコは特別の出入り口に案内した。
そこはギコがよく出入りする時に使う
秘密の場所で詳しくは割愛する。
(,,゚д゚)「こっちだ」
川 ゚ -゚)「感謝する」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:12:13.34 ID:L68hZqHk0
――ビップ騎士団本拠地 ビップタワー敷地内
(,,゚д゚)「な?入れたろ?」
川 ゚ -゚)「まさかあんなところから入れるとは」
ギコの手並みは詳しくは割愛するが大したものである。
川 ゚ -゚)「しかしバレて追い出されないだろうか」
(,,゚д゚)「あとは騎士団っぽくしてれば大丈夫だ」
(,,゚д゚)「あいつら侵入されるとは思ってないから意外とイケるんだよ」
ギコは堂々としたものであった。
でもよいこは不法侵入は駄目ゾ?
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:12:20.38 ID:L68hZqHk0
(,,゚д゚)「さあ後は親戚に好きなだけ挨拶してくれ」
川 ゚ -゚)「そうか」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:12:35.55 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「なら」
ズズズ
川 ゚ -゚)「もう必要ないわけだ」
ズズズズズズ
(,,゚д゚)「!?」
川 ゚ -゚)「君は」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:12:47.07 ID:L68hZqHk0
――ザシュッ
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:13:13.55 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「てくてく」
クーがてくてく歩いているとむこうから走ってきた。
( TvT)「こんちわー」
川 ゚ -゚)「こんにちわ、どちらまで?」
( TvT)「実はギコが中々捕まらないものだからみんなで捕まえるそうです
川 ゚ -゚)「そうですか。健闘を祈ります」
( TvT)「ありがとう」
たったった。騎士の人はいってしまった。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:13:58.76 ID:L68hZqHk0
( TvT)「あの日とは誰だっけ?グランツの人かな?」
クーが知らない人だとは気がつかなったのである。
それもそのはず騎士団はとてもおおい人の数だったため中々全員の顔と名前を一致させることはむつかしいのである。
あとグランツというのは魔法の組織で騎士団と仲がよい
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:14:13.68 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「てくてく」
クーは騎士団のタワー入り口まで来た。
タワーは超でかいけど南向きのため明るくてぽかぽかと暖かい。
('A`)「こんにちは。どちら様ですか?」
ドクオが玄関にいた。
川 ゚ -゚)「こんにちわ、私はこのタワーの騎士の人の親戚です。クーです」
('A`)「そうだったのか。いや、でもこのタワーは関係者じゃないと入れないんですよ」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:14:24.60 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「そこをなんとかお願いします」
クーの目はウルウルしていた。
('A`)「マブいぜ」
ドクオは困った。
クーはストライクゾーンど真ん中だったのである。
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:14:35.69 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「実はその親戚の人はブーンっていうんだが?」
('A`)「ブーン!?」
ドクオは驚いた。
川 ゚ -゚)「ご存知なのですか?」
('A`)「ご存知も何もブーンは僕の親友です」
ドクオはかっこつけてキリっとした顔でいった。
クーに近しいものを感じたのである。
これって運命?いやあ参ったなあテヘヘ。
ドクオはデレた。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:14:48.50 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「そうなんですか?わあ素敵」
('A`)「いいでしょう。ここは私が預かりましょう」
('A`)「タワーの中へご案内します」
ドクオはクーをタワーの中に入れようとした風になった。
そのときである。
('A`)「あ、ブーン来た」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:16:11.56 ID:L68hZqHk0
( ^ω^)「ドクオ。おはすー」
ξ゚⊿゚)ξ「ひゃー」
ブーンが来た。
ツンも一緒である。
('A`)「おはよう。いいタイミングだ」
('A`)「ブーン。このクーさんがお前に会いに来てくれたみたいだぞ?」
川 ゚ -゚)「こんにちわ」
( ^ω^)「ん?」
('A`)「親戚なんだろ?」
('A`)「あとで紹介してくれ改めて!ボソボソ
ドクオはボソボソいった。
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:16:53.35 ID:L68hZqHk0
( ^ω^)「ああ、うん。そうそう・・・」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・」
( ^ω^)「・・・」
((ξ;゚⊿゚)ξ)) ガタブル。。
(;^ω^)「え、親戚? 誰が?」
('A`)「は?」
川 ゚ -゚)「・・・」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:17:16.60 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「ふっ・・・」
ξ;゚⊿゚)ξ「お前っ!!」
ツンは杖を取り出した。
雷を先端に集約し、そして・・・
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:17:27.16 ID:L68hZqHk0
――ドバッ
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:17:39.37 ID:L68hZqHk0
ブーンの隣に立っていたツンは何の前触れもなく吹き飛んだ。
ξ ⊿ )ξ「きゃああああああああああああああ!!」
(;^ω^)「ツンッ!!」
ブーンは瞬間的に回りこんでツンが地面に叩き付けられる前に受け止めた。
(;^ω^)「―――――っ!!?」
びしゃりと音を立て、ブーンの顔が真っ赤に染まった。
血である。
ツンの全身に夥しい切り傷が生じていた。
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:17:57.18 ID:L68hZqHk0
ξ ⊿ )ξ「けふっ・・・」
ツンは口元から血を垂らして痙攣を起こした。
血塗れで既に意識はない。
(;^ω^)「ツンーーー!!」
青ざめたブーンがツンを抱きしめる。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:18:29.79 ID:L68hZqHk0
(;'A`)「ブーン!揺らすな!俺が回復させっ―――」
川 ゚ -゚)「邪魔を」
ツンへと走りかけたドクオの鼻面にクーの裏拳が刺さった。
殴られたドクオは騎士団本拠地の玄関をぶち破って轟音とともに奥へと吹き飛んだ。
川 ゚ -゚)「するんじゃない」
クーはドクオから興味なさそうに視線を外すと腰の刀に手を掛けた。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:18:58.58 ID:L68hZqHk0
(;^ω^)「ドクオーーー!!!」
散ったガラスと石材が宙を舞う。
川 ゚ -゚)「奴は魔導士だったか」
(;^ω^)「お前っ・・・」
クーとブーンに破片が降り注ぐ。
川 ゚ -゚)「これで回復役は消えた」
(#^ω^)「お前は誰だお!!」
川 ゚ -゚)「私か? 私は・・・」
クーが半歩踏み込むと、
その周囲に飛び散っていた破片が一つ残らず撥ね飛んだ。
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:19:11.73 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「ソウサク帝国最高幹部『クール=バニシングソードマン』」
川 ゚ -゚)「目障りな騎士団に引導を渡しに来た」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:19:29.42 ID:L68hZqHk0
(# ω )「そうかお」
ブーンはすっと立ち上がり木陰にツンを抱き下ろした。
(# ω )「ツン、少し待っててお。すぐ戻るから」
川 ゚ -゚)「ん? それはまだ生きているのか? ははあ、頑丈な奴だ」
ブーンはクーへと進む。
川 ゚ -゚)「しかしなあ、一対一の方が好みだから誘い出すか忍び込みたかったんだが」
川 ゚ -゚)「こうも簡単に忍び込めるとは少々驚いたよ」
川 ゚ -゚)「案内してくれたギコとやらも」
(# ω )「ギコが・・・?」
川 ゚ -゚)「私の足元に倒れる前には警備が手薄だと随分ナメきっていたぞ?」
ブーンが盾を構えた。
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:19:41.73 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「聞いていた程でもないこんな騎士団では、さして気にすることもなかっただろうけどな」
川 ゚ -゚)「あの陰気臭い魔導士も隙だらけで貧弱だったよ」
川 ゚ -゚)「国防のためにあれが何の役目を負えるんだ? 想像すらできないのだが」
(# ω )「黙れ」
ブーンが剣を抜く。
川 ゚ -゚)「怒るなよ」
(# ω )「・・・」
川 ゚ -゚)「怒ったところでどうせお前も弱いんだろう?」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:20:02.36 ID:L68hZqHk0
(# ω )「その減らず口を二度と開かないようにしてやるお」
川 ゚ -゚)「なんだキスでもしてくれるのか?」
(# ω )「ああ、させてやるお」
(#^ω^)「幾らでも好きなだけっ、地ベタとなっ!!」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:20:16.27 ID:L68hZqHk0
ブーンが盾を構えてクーへと突進した。
クーは腰を落とす。
ブーンが勢いのままに盾を突き出す。
クーは半歩引いて身を躱した。
が。
川;゚ -゚)「!?」
クーの首筋に銀の閃光が噛み付いた。
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:20:55.10 ID:L68hZqHk0
川;゚ -゚)「むっ!?」
刺突。
躱したところには既にブーンの剣が突き出されていたのだ。
深々と食い破られたクーの首から真っ赤な血が吹く。
(#^ω^)「おおおおおおおおお!」
追撃。
勢いのままにブーンが膝を食らわせた。
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:21:14.02 ID:L68hZqHk0
(#^ω^)「おおおおおおおおお!」
追撃。
勢いのままにブーンが膝を食らわせた。
川;゚ -゚)「―――っ!」
肘で受けるクー。
しかし、踏みとどまれない。
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:21:29.07 ID:L68hZqHk0
川;゚ -゚)「ぐうっ」
クーが手を付いて倒れこむ。
(#^ω^)「おおおおおおおおおっ!」
すかさずブーンが蹴り上げた。
クーは地面を転がって辛くも避ける。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:21:54.79 ID:L68hZqHk0
(#^ω^)「おらあっ!!」
追って大きく踏み込んでブーンが剣を振り下ろす。
しかし、
川 ゚ -゚)「『シャドウ』!」
倒れこんだクーの下から帯状の影が伸びる。
影はブーンの体と腕を縛り、その動きを止めた。
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:22:10.87 ID:L68hZqHk0
(#^ω^)「こんなものぉっ!!」
ブーンの全身から白い光が瞬間的に放射された。
眩い光の前に影は立ち消えた。
ご存知、正義の力である。
ブーンが自由を取り戻す間隙を縫ってクーは距離を取っていた。
片手を首の傷に当てている。
川 ゚ -゚)「ふう」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:22:28.49 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「危うい危うい」
その指先から漏れる黒いシャボンのような影でブーンはそれが回復魔法だと気付いた。
川 ゚ -゚)「結構速いじゃないか。見直したぞ」
(#^ω^)「補助と回復に魔法も使える、かお」
(#^ω^)「でもそんな貧弱な魔法でよくドクオを馬鹿にできたものだお」
(#^ω^)「ドクオなら初めの魔法だけで僕の首を獲れていただろうお」
川 ゚ -゚)「私にとって魔法は牽制と補助に過ぎない」
川 ゚ -゚)「本命はこれだ」
と、クーは刀の柄を叩いてみせた。
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:23:03.98 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「そこで死に掛けている裏切り者もこれで狩った」
クーがツンを指差して言う。 口元に冷笑を浮かべる。
(#^ω^)「じゃあ僕も狩ってみせろお」
(#^ω^)「できるっていうのならば、な」
ブーンは進み出る。
川 ゚ -゚)「いいだろう」
川 ゚ -゚)「遊びは終わりだ」
クーも応じた。 して一歩踏み出す。
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:23:33.29 ID:L68hZqHk0
ブーンが剣を前にして構えた。
剣先を揺らし、誘う。
鯉口を切ってクーが半身を取る。
呼吸を断ち、沈んだ。
ブーンが摺り足で距離を詰める。
クーは動かない。
ブーンの剣が下段に沈み上体を晒す。
それでもクーは動かない。
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:24:05.48 ID:L68hZqHk0
ブーンの眼前で微動だにしないクー。
固定された風景の中にブーンは動く存在を察知した。
(#'A`)「―――っ!」
クーの背後、遠くに杖を構えたドクオがいる。
ドクオは歯噛みした怒りの形相であった。
(#^ω^) (・・・相棒っ!)
気合十分なドクオの姿にブーンは勝利を確信した。
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:24:55.36 ID:L68hZqHk0
ドクオの杖に炎が灯る。
ブーンが踏み込み、下段から剣を振り上げた。
それと同時、ドクオより見る間に膨れ上がった炎が飛んでくる。
(#^ω^)「『インペリアルブレード』!!」
ブーンの狙いは小手。 クーの刀の出鼻を押さえる。
剣で狩れればよし。
縦しんば受けられるとも炎で焼けばよし。
互いの呼吸を知り尽くしたブーンとドクオの連携は完璧であった。
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:25:13.95 ID:L68hZqHk0
川 - )
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:25:25.91 ID:L68hZqHk0
ブーンの剣がクーの小手に届こうかという瞬間。
(#^ω^)「!?」
感じ取れる筈もない刹那の交錯に於いてブーンは見た。
川 -゚)
横目で自分を見抜くクーの口元が動く様を。
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:25:39.83 ID:L68hZqHk0
―――お前は速い。 だが・・・
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:26:16.36 ID:L68hZqHk0
(# ω )「ぐああああああああああっ!!」
重機で捻じ切られたかに金属の悲鳴が鳴り渡った。
鎧のあちこちから噴き出される鮮血と共にブーンが宙を舞っている。
ブーンは何の前触れもなく撥ね飛んていたのだ。
(;'A`)「ブーン・・・」
力なく杖を下ろしたドクオが虚空に手を伸ばす。
川 -゚)「お前は速い。 だが・・・」
頭上へ大きく刀を掲げたクーが翻る。
そして悠々とドクオの炎をも斬り飛ばした。
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:26:44.27 ID:L68hZqHk0
(;'A`)「う、うわああああああ!わあああああ!」
クーの脇を抜けてドクオがブーンへ走り寄る。
ドクオは完全に取り乱していた。
( ω )「・・・」
ドクオの先で、ブーンは受身一つ取れずに地面に堕ち、崩れた。
ハ ヤ
川 -゚)「私は『超神速い』のだ」
川 -゚)「到底及ぶものではない」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:27:04.50 ID:L68hZqHk0
(;'A`)「ブーン・・・」
仰のけのブーンはドクオの問い掛けに答えない。
呼気はある。 しかし弱弱しい。
金属製の鎧が無数にばっくりと斬られていてそこから血が流れていた。
ドクオは鎧の上からブーンへ手を添えた。
そこを・・・
川 ゚ -゚)「回復魔法が使えるんだったっけな」
('A`)「うぐっ・・・」
造作なくクーが蹴り飛ばした。
ドクオは地ベタに顔から滑り込んだ。
川 ゚ -゚)「だからと言って猪口才な真似をするんじゃない」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:28:20.29 ID:L68hZqHk0
地面に座り込んだドクオは目の前の剣士に恐怖を覚えた。
騎士団と行動を共にして今まで一度たりともここまで圧倒された経験は無かった。
数々の戦いの中では強敵もいたし苦戦もあった。
しかし常に勝利し続けてきたのだ。
(;'A`)「はあっ、はあっ・・・」
こんな状況は始めてであった。
緊張から胸が苦しくなり呼吸が散々に乱れる。
何故自分はたった一人でこんな化物と対峙しているのかと、恐怖から起こる不満を覚えた。
そして同時に疑問も浮かぶ。
――他の騎士たちはどこに?
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:28:50.74 ID:L68hZqHk0
('A`)「はっ!」
ドクオは壁の外を見遣ると幾つも火の手が上がっていた。
あちらこちらから大声や悲鳴が聞こえる。
それはギコが追われていた時のものとはまるで違う。
川 ゚ -゚)「たった一人で来るはずがあるまい」
ドクオは空を見上げた。
遠くの空で何体もの羽の生えた魔物が飛んでいる。
それらは街中へ魔法を撃ち込んでいた。
川 ゚ -゚)「後詰めだよ」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:29:19.54 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「内外からの挟撃はもう成功している」
川 ゚ -゚)「この街と騎士団はもう終わりだ」
(;'A`)「終わり!?」
川 ゚ -゚)「そう、終わりだ。 誰一人として逃げられんぞ」
ドクオの心にクーが冷たく放つ一言一句が深く突き刺さる。
それは疲弊した身体と精神から希望を根こそぎ奪っていった。
もはやドクオに戦意を保つことは不可能になってしまっている。
(; A )「アア・・・」
圧倒的な戦力差を前にして強く誓った正義も思い出すことができない。
絶望と怯懦がドクオの心を支配していた。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:29:51.20 ID:L68hZqHk0
ドカーン。
不意にドクオとクーの前に雷電が落ち、地面を抉る程の爆発が起こった。
ドクオは無防備に爆風で吹き飛び、クーは飛び退いて躱した。
川 ゚ -゚)「馬鹿が。 どこを狙っている」
クーは中空を飛ぶ一体の魔物に狙いをけるとにわかに刀を鞘走らせた。
放たれた真空の刃。
真っ二つに切り裂かれた魔物は無残にも落下していった。
本拠地に近い空を飛ぶ魔物たちが散るように離れていく。
川 ゚ -゚)「雑魚は雑魚に相応しい舞台で踊ればいいんだ」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:30:39.77 ID:L68hZqHk0
一方、雷火の衝撃に飛ばされたドクオは幾ばくかの正気を取り戻していた。
幸運にも目の前の爆発が死を避けようとする生存意識を芽生えさせたのだ。
(;'A`)「・・・」
後退るようにクーから離れるドクオ。
正義や勇ましさなどを考える余裕は今の彼には残っていなかった。
死にたくない。 その一念が彼を突き動かしている。
そして、ドクオの動きに気が付いたクーがやや面白げに声を張り上げた。
川 ゚ -゚)「おい、お前!」
('A`)「!?」
川 ゚ -゚)「さっき得意気に言ってたよな? 『ブーンは俺の親友だ』って」
川 ゚ -゚)「逃げるのか? 親友を捨てて」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:31:05.31 ID:L68hZqHk0
(;'A`)「うううっ・・・ うううううっ!!」
ここに来てドクオの混乱は極まった。
逃げたい。 死にたくない。
しかし、ブーンを見捨てたくない。
でも逃げたい。
(;A;)「うわああああっ・・・」
己の弱さと友情の板挟みになったドクオはどこへ向かうこともできず、ただ涙を流し立ち尽くした。
クールは泣きじゃくるドクオを見て、さも滑稽だ、愉快だと言わんばかりに笑った。
川 ゚ -゚)「はははっ! 腰抜けがっ!」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:31:17.27 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「はははっ! 腰抜けがっ!」
川 ゚ -゚)「人間っ!? 所詮そんなものだろう?」
川 ゚ -゚)「愛だの友情だの言っても死を前にして一歩も動けない」
川 ゚ -゚)「プライドも命も捨てられない。 そんなに傷付くのが恐いか」
川 ゚ -゚)「自分が大好き。 人間」
川 ゚ -゚)「はははははっ!」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:31:28.76 ID:L68hZqHk0
(# ω )「黙れ」
川;゚ -゚)「なっ!?」
(;A;)「ブー、ン?」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:31:51.71 ID:L68hZqHk0
クーが声のする方へと振り返る。
そこにはブーンが満身創痍の体で立ち上がっていた。
呼気荒く、ふらつきながらも、己の足で踏み止まっていたのだ。
川;゚ -゚)「馬鹿な・・・ 立てるわけが・・・」
川;゚ -゚)「直撃だぞ? 逆寄せに斬り刻んでやったんだぞ?」
(# ω )「弱者を救うべき騎士が己を守れずして、どうする・・・」
(# ω )「騎士を、ナメるな・・・!」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:32:16.79 ID:L68hZqHk0
(# ω )「よく聞け、クー。 人間は確かに自分が大好きだお」
(# ω )「心も体も傷付きたくなくって動けなくなってしまうこともあるお」
(# ω )「でも人間はっ! 正義を胸に誰かのため戦うこともできるんだおっ!」
川 ゚ -゚)「そこの腰抜け魔法使いがか?」
(# ω )「今その役目は僕だっ!」
ブーンはクーへと剣を向けた。
切っ先を微動だにさせないその剣にはブーンの全身全霊の気力が込められている。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:32:41.53 ID:L68hZqHk0
(# ω )「ドクオッ!行けっ!」
(;'A`)「えっ!?」
(# ω )「行ってくれっ! 頼むっ!」
(;'A`)「ブーン、俺・・・ 俺・・・」
ドクオにはわかっていた。
行け。 その言葉に含まれた意味。
ブーンはドクオへ『逃げろ』と言っているのだった。
しかし、ドクオの心を気遣ってか直接そうは言わない。
騎士ブーンはここまで来てどこまでも優しい男だった。
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:33:21.79 ID:L68hZqHk0
(# ω )「ドクオッ! 早く行けおっ!」
(# ω )「市民と他の騎士をまとめて・・・ そしてツンを助けて、逃がしてくれ・・・」
ブーンは顎で指し示した。
その先には傷付き倒れたツンがいる。
そして騎士団本拠地からの出口があるのだ。
(;'A`)「でもっ!」
(# ω )「早くっ! もうそれしかないんだおっ!」
(# ω )「早く、早く・・・」
ブーンは己の限界を悟っていた。
さらにこの街と騎士団の限界をも感じ取っていた。
この場に増援が来ないこと。
それは騎士団の仲間達が苦境に陥っていることを意味する。
騎士団員としてのブーンにとって仲間の苦しみは何よりも耐えがたかったのだ。
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:33:41.52 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「それを見逃す私だと思ったか」
クーが剣を鞘に収め、ブーンから顔を背ける。
そしてドクオへ狙いを定めて向き直った。
(# ω )「見逃すだけじゃ足りねえおっ! 身動き一つ取らせねえおっ!!」
川 ゚ -゚)「その自信、興味深い。 十秒やろう。 果たしてどうやってだ?」
主導権を握っている余裕からかクーは僅かの間だけブーンの言に耳を貸した。
それを聞いたブーンは少し息を整えて言葉を選んでから話し始める。
( ω )「お前の技は・・・ 超高速の連続居合い抜きだお」
川 ゚ -゚)「ほう・・・」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:34:06.68 ID:L68hZqHk0
( ω )「確かに速い。でもリズムは一定」
( ω )「総ての斬撃が鞘から放たれる上に足を止めて打つから軌道も・・・」
( ω )「その技を出させさえ、出し続けさせさえすればお前は一歩も動けない」
川 ゚ -゚)「ふむ、私の『エヴォリュートラッシュ』をよく初見でそこまで見切れたものだ」
正解。 クーの言葉にはその意味が含まれている。
川 ゚ -゚)「しかし、その理想に体が付いて来るかな? 満身創痍のその成りで」
川 ゚ -゚)「そして、そもそも私に必殺技を出し続けさせるだけの技をお前は持っているのか?」
(# ω )「・・・」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:34:30.79 ID:L68hZqHk0
クーの問いにブーンは答えない。
しかし、
(# ω )「オオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!」
光り輝く正義の波動と徒ならぬ気迫を以って示した。
理想を現実のものとする手段を。
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:35:38.71 ID:L68hZqHk0
川 ゚ -゚)「ふ、ふふっ! ふはははっ!」
川 ゚ -゚)「ここへ来てその闘気が出せるか。 いいじゃないか!」
上機嫌で喋るクーの言葉をもうブーンは聞いてはいなかった。
川 ゚ -゚)「私が来て正解だった。 お前は強い」
川 ゚ -゚)「ここでお前を叩けた幸運に感謝する」
彼女がこの先にどう動くかも深く考えることもしなかった。
(A )
霞む視界の端に、ツンを抱えて離れていくドクオの姿を捉えたためにだ。
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:36:08.26 ID:L68hZqHk0
ブーンは喜んだ。
ドクオならきっと騎士団を再びまとめてくれるだろう。 ツンを守ってくれるだろうと。
確信はないけれどブーンには去り行くドクオが泣いていたように見えた。
ブーンは遠くてよくわからなかった。
申し訳ないなあと思った。 また会ったら謝ろうと思った。
( ^ω^)
張り詰めた緊張感の中でブーンは少しだけ笑った。 笑えた。
また会えたら、だなんておかしいなあ、と。
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:36:40.72 ID:L68hZqHk0
(# ω )「はおおおおおおおおおおっ!!」
ブーンが気勢を上げた。
川 - )「―――っ!」
クーも今までにないほどの気迫で応じた。
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:36:52.04 ID:L68hZqHk0
後はブーン自身がどこまで事を成せるかに掛かっている。
余すところのない全力へどれだけ近づけるか。
盾を前に、剣は後ろにブーンが構える。
ブーンの全身から白い強い光が放たれた。
光は剣へ、そして盾へと収束する。
盾より守護の風がブーンを包み、剣より破邪の閃光が迸った。
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:37:34.43 ID:L68hZqHk0
ブーンの気力の充実を受けてクーが刀把を強く握り締める。
川 -゚)
目にも留まらぬ超神速の連続斬りが放たれようとしていた。
(# ω )
そして、ブーンは技を出す。
――願わくば、覇王の斬撃を越える一撃を。
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:37:50.96 ID:L68hZqHk0
川 -゚)
(# ω )「『サイクロンインペリアルブレード』!!」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:38:07.95 ID:L68hZqHk0
―――
――
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:38:15.85 ID:L68hZqHk0
( ^ω^)
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:38:26.12 ID:L68hZqHk0
(^ω^ )
( ^ω^)
(;^ω^)「・・・」
('A`)「よう。 地図なんか広げちゃってどうしたい?」
――??
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:38:36.00 ID:L68hZqHk0
(;^ω^)「実は道に迷っちゃって・・・」
('A`)「ふうん。こっちだよ」
(;^ω^)「おっ? おっ?」
('A`)「君、ブーンだろ? 知ってるぜ」
('A`)「有名だもんよ。 実力派の大型新人が来るって」
――これはなに?
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:38:50.16 ID:L68hZqHk0
('A`)「俺ドクオ。 騎士じゃないけど魔道組織グランツから出向して来てる」
('A`)「迎えに来たんだ。 こっから俺ら色々関わるだろうし」
(;^ω^)「ありがとだお。 その、ドクオくん」
――ああ、そうか
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:39:01.28 ID:L68hZqHk0
('A`)「はははっ! 堅っ苦しいのはやめようぜ」
('A`)「ドクオって呼んでくれよ」
('A`)「俺たち正義のために戦う仲間なんだからさ」
(*^ω^)「あ、ありがとだお! よろしくだおドクオ!」
――これ、あれだ
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:39:15.11 ID:L68hZqHk0
('A`)「なんでアリガトなんだよ?」
(*^ω^)「だ、だって正義のために戦うって僕も心に決めてたから・・・」
(*^ω^)「それで、ドクオが同じセリフを言ってくれたから嬉しくって・・・」
('A`)「へへっ。 やっぱ見込んだとおりいい奴だぜ、お前」
('A`)「これからよろしく。 ブーン!」
――走馬灯だ
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:39:31.52 ID:L68hZqHk0
('A`)「一緒に、正義のために戦おうぜ!」
――バイバイだお。ドクオ
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:39:53.54 ID:L68hZqHk0
( ;ω;)「もういっしょにたたかえなくなっちゃって・・・ ゴメン、お・・・」
ブーンは膝を付いた。
盾は粉々に砕け散って、剣は折れていた。
そして前に倒れ伏してそれきり二度と動くことはなかった。
川 ゚ -゚)「・・・」
刀を鞘に納めたクーは暫らくブーンを見つめていたが、
その死を確認してからどこかへ去っていった。
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/09(月) 01:40:10.33 ID:L68hZqHk0
∥第四話 大混乱!超美人剣士クーの見えない刃!の巻き∥
The end.
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