ノパ⊿゚)が若返るようです作者:◆4br39aou.g
形態:祭短編
投下日:2011/12/30
ジャンル:ドラマ・シリアス
誰にでも大切な思い出はある
それは例えば学校の行事だったり
家族で旅行した時のことだったり
母親に叱られた時のことだったり
恋人が出来たときのことだったり
楽しかったことや、辛く苦しかったこと
様々な思い出があるだろう
年末紅白祭の短編。いくつか読みましたが、とりあえずこれを。
まずは驚いた。読み進める中、クライマックスで自然と涙がこぼれてきたことに。
僕は元々、人に比べるとあまり感動をしないタチで(その分好きなものには執着するが)、
何かに触れて涙を流すということはほとんどない。あったとしても一年に一度くらいだ。
今まで記憶にある中では、「ジョジョ2部でシーザーが死んだシーン」「サンサーラナーガ2のエンディング」
だけは泣いた記憶がはっきりとある。二つとも古すぎて友達に理解してもらえない。
それらにしたって、シーンに至るまでの長い道程があるからこそ泣いてしまうのだ。
これほど短い時間で感涙したのは初めてだったりする。
まあ
僕が泣いたか泣いてないかはどうでもいいので、気持ち悪い話はこの辺にして。
しかしこれは、とんでもない小説を書かれたものです。
ストーリーラインやアイデアは奇抜なものではなく、むしろ普遍的。
だからといって「ありきたりだな」と感じる人はいないだろう。読者はそれぞれに様々な思いを抱えるはず。
それはきっとこの作品の中に「
思い」が詰め込まれているから。たくさんの「
思い」に触れられるからだ。
登場人物それぞれには、描かれず語られない世界が繋がっている。
ショボンにも、ヒートにも、モララーにも、ブーンにも、全ての人に世界はある。
たくさんの世界が一点で交差し摩擦するとき、彼らは何を考えてどのように行動するのか?
それは誰かが考えるものじゃない。「キャラクタが勝手に動く」とはよく言ったものだ。
「何かがある」から動くのではない。「何かがない」から動く。
人は完全なものでは決してない。間違えるし、後悔するし、正しいことのほうが少ない。
でも、その「
欠けている」ところから思念が生まれ、人はそこに惹きつけられる。
ショボンは妻を思う気持ちが欠けていた。モララーは素直さが欠けていた。
日々ヒートは記憶を失くし、どんどんと欠け落ちていく。
完全でないからこそ中身が露呈する。「
思い」に触れることができる。
ロボットに感情が存在しないのは、あまりにも完璧すぎるからだ。
人間には欠点がある。
たくさんの不完全な自己と不完全な世界が重なり合って、不完全な作品が生まれた。
どうしようもなく惹きつけられてしまう僕(たち)は、どうしようもなく欠けているのだろう。
(なんか真面目なこと書きすぎて恥ずかしくなってきたのでもう終わります)
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