第七話第七話 「片眼の理由」 空を切り裂く高速音と ノパ△゚)「90!91!92!93!94!」 若さ溢れる二つの声 (´∨ω・`)「95!96!97!98!99!」 朝の空気に三つの音が交じり合い ノパ△゚)(´∨ω・`)「100!!!」 化学反応を起こし爆発する lw´‐ _‐ノv「よくできましたんくろーんこうたい」 VIP高校剣道部。総部員数二名。 旧三年生が卒業してしまった今、後輩のいないヒート達はたったの二名で活動を続けていた。 普通なら廃部の危機と慌てふためいて、部員勧誘に全力を注ぐのだろうが 顧問であるシューを含めた三人はそんなこともお構い無しに、ひたすら稽古に打ち込んでいる。 ノハ;゚△゚)「ふぅーやっと終わった」 竹刀を床に置き、大の字に寝転ぶ。 火照った体を冷たい床が冷やしていく心地よさに、思わず目を瞑る。 ノハ-△-)「せんせー、タンクローンコウタイって何ですかー?」 lw´‐ _‐ノv「単クローン抗体。 唯一つの抗原決定基だけを認識している抗体産生細胞をクローン化し それから得た抗体。生態が普通に産生する抗体と異なり、特定の一種類の抗原決定基 だけに反応する。その性質を利用し、目指す特定のペプチドの選択・消去・標識など あるいは治療に利用する。以上、広辞苑より引用」 ノパ△゚)「全く分かりません!!」 (´∨ω・`)「ふん、俺はすぐに理解できたがな」 ノパ△゚)「へー!じゃあもっかいおんなじこと説明してみろよ」 (´∨ω・`)「もう一度説明した所で貴様には理解できないだろう」 ノパ△゚)「説明できないの?」 (´∨ω・`)「聞こえなかったのか?もう一度説明した所で貴様に――」 ノハ*゚△゚)「ショボンもわかんないんだろ!?見栄張ってないで正直に言えよ!!」 (#´∨ω・`)「くっ……人の話を最後まで聞かないやつは嫌いだ……」 ノハ*゚△゚)「おーい!ショーボンくーん!逃げるのー?」 からかうような声を背に受けながら、ショボンは足早に更衣室へと入っていった。 ノハ*゚△゚)「あははは!やっぱり分からないんだ! だったら最初からそう言えばいいのに、ねーせんせー?」 lw´‐ _‐ノv「……こうじえん、逆から読んだら、んえじうこ」 ノハ*゚△゚)「訳が分かりません!!」 (#´∨ω・`)「くそ……もう少し音量を下げて話すことはできないのか」 ドア越しにでも爆音で聞こえるヒートの声に苛立つショボン。 自然と着替えのスピードも上がる。 (#´∨ω・`)「そもそもあんな騒がしい奴が剣道をやってること自体おかしいんだ。ああいう女はもっと――」 (;´∨ω・`)「う……うおっ!?」 文句を言うのに集中しすぎたのか制服を履こうとした右足が引っかかる。 左足一本で体を支えようとするが、健闘空しく顔から壁へと激突。 (;´∨ω・`)「がふっ!」 (;´∨ω・`)「くっ……がぁぁ……うぐっ」 壁で顔を擦ったせいか右目にかかっていた前髪が今度は左目を覆い隠す。 (;´・ω∨`)「うぐぁ……ダメだ……抑えろ……こんなところで解放しては……」 慌てて右目を手で抑え、左目に移動した前髪を元の位置へと戻す。 (;´∨ω・`)「はぁ……はぁ……畜生」 「おーい!独り言もほどほどになー」 (#´∨ω・`)「ちくしょおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 ノハ*゚△゚)「はぁーいい汗かいた。朝練はやっぱり気持ちいいなー!!」 (#´∨ω・`)「…………」 先に着替え終わり教室に戻ろうとしたショボンだったが ヒートの強引な引き止めにより、結局一緒に教室に戻ることになってしまった。 ノハ*゚△゚)「ショボンももっと気持ちよさそうな顔しろよー。 せっかくこんなに良い天気なんだしさ!」 見れば、空は雲一つない快晴。 暖かな陽気と涼しい風が肌に染み渡り、心まで晴れやかになっていく。 (#´∨ω・`)「…………」 だが、どうやらこの少年は例外のようだ。 ノパ△゚)「もー何怒ってんだよ。 そんなにムスッとしてたらみんなに嫌われちゃうぜ?」 (#´∨ω・`)「……誰のせいだと思ってるんだ」 ノパ△゚)「誰のせい?」 (#´∨ω・`)「……もういい、貴様と話すと疲れるだけだ」 ノパ△゚)「おーい!待てよショボン!」 逃げるように歩く速度を上げるショボンをヒートは小走りで追いかけた。 ノパ△゚)「そんなことよりさ!ショボンはもう友達出来たか?」 (#´∨ω・`)「貴様はまだ俺を怒らせ足りないのか」 自分の怒りの原因を「そんなこと」呼ばわりされ更に怒りは深まるばかり。 そんな様子に全く気づかず、ヒートは話をどんどん進めていく。 ノパ△゚)「お前まだブーンとは話してないか?あいつはいいぞ!話が分かる!!」 (#´∨ω・`)「騒がしい奴は嫌いだ」 ノパ△゚)「そんなこと言ってたらまた一人ぼっちになっちゃうぞ?」 (#´∨ω・`)「別にそれで――」 (´∨ω・`)「……いや……一人いたな」 ノパ△゚)「は?誰が?」 (´∨ω・`)「ふん、貴様には関係のないことだ」 ノパ△゚)「あー!またそうやってごまかす!!」 さらにペースをあげるショボンをヒートも意地になって追いかける。 二つの足音と耳障りながなり声だけが、静かな廊下に響いていた。 ('A`)「ふぇ……」 ( ^ω^)「ふぇ?」 ('A`)「ふぇぇ……ぶえっくしょぉぅおぅおぅおん!!!」 ( ^ω^)「ぬわーーーーーーっ!!!」 ドクオの口から放たれる無数の弾丸。 前の席に座り話していたブーンはそれを全て被弾してしまった。 (;^ω^)「これはひどい……くしゃみするなら手で押さえるくらいの配慮はしてほしいお!!」 ('A`)「すまんすまん」 ( ^ω^)「全く、次からは気をつけてくれお」 ('A`)「ふぁ……ふぁっくしょおうおうぉうぉうん!!!!」 ( ^ω^)「ぐわああああああああああ!!!」 いつもなら登校時間ギリギリに来るドクオだったが 今日はブーンと如何にしてツンと話をするかの作戦を練るため、早めに登校していた。 ('A`)「ああダメだ、やっぱ昨日長い間外にいたのがまずかったか……」 (;^ω^)「か、顔がベットベトだお」 ノハ*゚△゚)「おっはよおおおおおおおおお!!!」 勢い良くドアが開き、教室中が視線を向ける。 ( ^ω^)「おっ!おはようだお!!」 昨日とまるで逆の構図。 もちろんブーンの他に挨拶を返す者はいない。 ノハ*゚△゚)「いやー、やっぱり元気の良い挨拶が返ってくると気持ちいいなぁ」 その横を無言で通り過ぎるショボン。 (´∨ω・`)「…………」 ('A`)「…………」 ドクオと目が合い数秒立ち止まる。 (´∨ω・`)「……ふ……」 不敵な笑みを残すとそのまま席へと向かっていった。 ('A`)「……何なんだよ」 ( ^ω^)「この時間に登校ってことは朝練でもしてたのかお?」 ノハ*゚△゚)「あったりー!そこのショボンと一緒にな」 と、指差しながら答える。 自分の名前が呼ばれたにも関わらず、ショボンは何の反応も示さない。 ( ^ω^)「おー!君はショボン君と言うのかお。僕は内藤ホライゾン!よろしくだお!!」 ブーンの呼びかけにもやはり反応はない。 (;^ω^)「あれ?聞こえなかったかお?」 ノハ*゚△゚)「ああ、気にしないでくれ。 こいつ極度の恥ずかしがり屋だから返事できないんだ」 (#´∨ω・`)「誰が恥ずかしがり屋だ!!」 怒声と共に立ち上がる。 またも教室中の視線が一点へと集まる。 (#´∨ω・`)「くっ……くそ……」 突き刺さる視線を感じたのか慌てて席へと着きなおす。 (;^ω^)「お、怒っちゃったお」 ノハ*゚△゚)「いいのいいの!照れてるだけだから!」 机に顔を伏せるショボン。 外界からの音を全て遮断するかのようにそびえるその背中からは 耳を澄ましても聞き取れない言葉が、まるで呪詛のように流れ続けていた。 (;^ω^)「そうなのかお?」 ノハ*゚△゚)「そうなのだお!だから気にしない気にしない!!」 (;^ω^)「ならいいんだけ――」 ξ゚△゚)ξ (;^ω^)「あ」 ノハ*゚△゚)「それよりさ!ブーン聞いてくれよ!!」 (;^ω^)「え、あ!ちょちょっちょ!!」 教室に入ってきたツンの姿を見て、慌てて追いかけようとする。 しかし、その足はヒートによって引き止められてしまう。 ノハ*゚△゚)「今日の朝学校来る途中に子犬がいてさ、それがもうかわいいのなんのって!!」 (;^ω^)「ああ!ヒートちょっと待……」 ξ △ )ξ ツンは一度ブーンの方を見た後、わざとらしく視線をそらし自分の席の方へと行ってしまった。 ( ´ω`)「…………」 ノハ*゚△゚)「それでさ!あまりにかわいいもんだから抱き上げてみたのよ! そしたらクゥーンクゥーンって甘えて来ちゃってもう私」 ノパ△゚)「……ってあれ?ブーン?」 ヒートの言葉はもうブーンの耳には届いていなかった。 うつろな表情を浮かべたまま立ち尽くしている。 ノハ;゚△゚)「お、おいブーン!どうしたんだよ!?」 ( ´ω`) そのまま席へと歩いていく。 ヒートの言葉では最早その足を止めることは出来なかった。 ('A`)「おい、ブーン」 ( ´ω`)「…………」 ('A`)「もう昼休みだぞ!しっかりしろ!」 ( ´ω`)「……おっ?」 辺りを見回すと仲の良い友達同士で机を寄せ合い弁当を食べている。 お昼の放送もいつの間にか流れ始めていた。 ('A`)「お前……昨日言ったこともう忘れたのか?」 ( ´ω`)「昨日言ったこと……」 ('ω`)「明日ツンに直接聞いてみるお!何言われても諦めずに何度でも!!」 ('ω`)「それで、絶対にツンを笑わせてみせるお!!」 ('A`)「って言ってただろ?」 ( ´ω`)「……もちろん覚えてるお。 だけど、朝のツンはやっぱりどうみても僕を怒ってたお……」 弱気なブーンを見てため息をつくドクオ。 ('A`)「……ったく、だからそれはお前の勝手な思い込みだって言ってるだろ。弱気になるな。 何としてもツンに直接聞くんだろ?何言われても諦めないんだろ? 笑わせてあげるじゃなくて笑わせてやるくらいの気持ちで行け。わかったか?」 ( ´ω`)「でも……」 ('A`)「でももへちまもない!! このままツンと話せないままでいいのか!?」 ( ´ω`)「それは……いやだお」 ('A`)「ならさっさと飯食って元気出せ。 そんな面してたらせっかく話しかけてもまた逃げられるだけだぞ」 ( ^ω^)「……わかったお!」 ドクオの説得によりブーンはようやく元気を取り戻した。 立ち直るやいなやバッグから弁当を取り出しおいしそうに食べ始める。 ('A`)「んじゃ、俺はトイレ行ってくるから」 ( ^ω^)「ハムッハいってはうあっしゃいだお!!」 (;'A`)「食いながらしゃべるなよ……」 既に昼食を食べ終えていたドクオはブーンを教室へ残し、一人トイレへと向かった。 (´∨ω・`) ドアを開けるとそこには長髪の少年。 今朝、机で呪いの言葉を唱えていたショボンがいた。 ('A`)「……おっす」 (´∨ω・`)「…………」 ('A`)(無視っすか……) とりあえず一番奥の便器へ行き、ショボンと距離を置く。 しばし二人だけの空間を排出音が支配する。 (´∨ω・`)「君も……中にいるんだろ?」 ('A`)「……へ?」 唐突過ぎる質問に気の抜けた返事を返してしまう。 頭の中で投げかけられた問いを復唱してみる。 (;'A`)(君も中にいるんだろ?……どういうことだ?) 彼の発言した『中』とは一体何の『中』なのだろうか。 頭の『中』 体の『中』 心の『中』 (;'A`)(夢の……中?) にわかには信じがたい話だったが、そうだとしたら何か情報が得られるかもしれない。 ドクオはそう思った。 (;'A`)「もしかして……お前もなのか?」 自分の中で立てた仮説を確かめるため意を決し聞いてみる。 前を向いたまま無言で頷くショボン。ドクオの中の予感は確信へと変わった。 (;'A`)「俺の他にも同じ状況の奴がいたとはな……詳しく話を聞かせてもらえないか?」 (´∨ω・`)「……ここは人が来る可能性がある。屋上へ行こう。 詳しい話はそこでする」 (;'A`)「……わかった」 言われるがままに屋上へと付いていく。 階段を上り終えドアを開くと、そこには見渡す限りの青空が広がっていた。 (´∨ω・`)「それじゃまずは見せてもらおうか。君の中にいるヤツを」 (;'A`)「は?……見せるって?」 (´∨ω・`)「なんだ?ここまで来て見せられないとでも言うのか?」 (;'A`)「いや、言ってる意味がよくわかんないんだけど」 (´∨ω・`)「ふん、ならばしょうがない。俺から先に見せてやる」 そう言うと、ショボンは手で顔を覆いうなり声をあげ始めた。 (;´∨ω・`)「……うっ……がぁぁ……」 顔を覆っていた手が小刻みに震える。 そして、その震えは体全体へと伝導していく。 (;´∨ω・`)「ぐぁぁ……がぁ!……っはぁ!!」 震えは最高潮に達し、手で覆われていた顔が天空を仰ぐ。 晴れ渡る空にショボンの咆哮が響いた。 (;'A`)「え!?なに!?なんなの!?」 震えが止まり、顔がこちらを向く。 見ると、さっきまで右目を隠していた前髪が左目の方へと移動している。 (`・ω∨´)「ククク……ハーッハッハッハッハ!!」 突然高笑いを始め、両手を頭に擦らせながら頭上高く掲げる。 手と擦れた部分の髪だけが上へと跳ね上がったショボンは少しだけ別人のように見えた。 (`・ω∨´)「俺の名はシャキン。こいつショボンの中のもう一つの人格だ」 (;'A`)「…………」 突然のことに何が何だか分からなくなる。 パニックを起こす頭を必死で落ち着かせようとするが考えがまとまらない。 と、シャキン?に変化が現れた。 (´・ω∨`) 跳ね上がった髪が重力に従うかのように次第に下りてきたのである。 (;'A`)(……ワックス?) それを見て沸騰していた頭が急速に冷えていくのが分かった。 冷静になった頭で出した結論。それは―― ('A`)(こいつはひどい厨二病患者……) (´・ω∨`)「さぁ次は貴様の番だ。早くもう一つの人格を見せてみろ」 ('A`)「……わりぃ、俺の勘違いだったみたいだわ」 (;´・ω∨`)「何!?き、貴様……俺を騙したのか!?」 ('A`)「騙したわけじゃない。ただ俺の予想が外れただけだ、すまんな」 スタスタと出口へ向かうドクオ。 (;´・ω∨`)「……ま……待て!!」 すかさずショボンが呼び止める。 ('A`)「他人に言いふらしたりなんかしないから安心しろ。俺はそこまで鬼畜じゃない」 (;´・ω∨`)「ふざけるな!! ……よくもこの俺を侮辱するような真似をしてくれたな。この罪決して軽いものとは思うなよ」 すると、ショボンは背中から長さ五十センチほどの木刀を取り出した。 いや、木刀ではなく木製の小太刀と言うべきか。 (;'A`)「そんなもんどこに隠し持ってたんだ!?」 (´・ω∨`)「ククク、こんな時のためにいつも持ち歩いていたのさ。 長さは短いが刀には変わりない……」 (;'A`)「こんな時ってどんな時だよ!!」 (#´・ω∨`)「覚悟はいいか?」 (;'A`)「ちょ!バカ!!危ないからやめろって!!」 (#´・ω∨`)「その身に刻め!!」 (;'A`)「うわああああああああ!!」 慌てて出口へと駆け出す。 後ろから聞こえる足音が心臓の鼓動を早くする。 (#´・ω∨`)「神技!!」 出口へと到達。ドアを開く。 (;'A`)「間に合った……!?」 と、何もない所で転倒。 すぐさま立ち上がろうとするが、足が滑り言うことを聞かない。 振り向けば、迫る狂人。 (;'A`)「う……うわあああああああああああ!!!」 誰もいない踊り場、断末魔が響き渡り、そして途絶えた。 キンコンカンコン (;^ω^)「ドクオの奴遅すぎるお。もう昼休み終わっちゃったお」 ( ´_ゝ`)「ドクオならさっきショボンって奴と」 (´<_` )「一緒に屋上へ向かってたぞ」 突然現れる同じ顔。ブーンの前にお決まりのポーズで立つと 打ち合わせでもしていたのかと疑いたくなるような連携を見せる。 (;^ω^)「え!?なんでドクオとショボン君が一緒に?」 ( ´_ゝ`)「そこまでは、いくら流石な俺たちでも」 (´<_` )「分からないな」 ハハハハハ、と耳につく笑いを残し二人は立ち去っていった。 (;^ω^)「……変な人達だお」 ( ><)「君も人のこと言えないんです!!」 またも予告無しに現れる二つの顔。 視点の位置が一気に下へとズレる。 (*^ω^)「おっ!ちんぽっぽちゃん!!」 (*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ」 (;><)「こ、こら!最初に話しかけたのは僕なんです!! 無視するななんです!!」 ( ^ω^)「ちんぽっぽちゃんはドクオのこと見てないかお?」 (*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ」 ( ^ω^)「そうかお……やっぱり知らないかお……」 ( ^ω^)「わかったお!わざわざ聞いちゃってごめんだお」 (;><)「ちょっと!どこ行くんですか!!」 ちんぽっぽの話を聞き終えるとブーンは立ち上がり教室から出て行った。 (;><)「また無視されたんです!許せないんです!」 (;><)「ちんぽっぽちゃんはもう僕が話してる時に話――」 言葉を遮る痛みが踵周辺に走る。 ちんぽっぽの方を見てその痛みの原因がようやく分かった。 (;><)「い、痛!!やめ!アキレス腱狙うのはやめてほしいんです!!」 ( ‘ω‘ )「…………ノロマが」 ひとしきり蹴り終えるとちんぽっぽはいつものように席へと戻っていってしまう。 ( ><)「ちょっと……泣きそうなんです」 滲み出る涙を手で拭き取り、彼もまた席へと戻っていった。 (;^ω^)「あ!先生」 从'ー'从「あれれー?ブーン君、もう授業開始の時間だよー? 何でこんなとこほっつき歩いてるのかなー?」 廊下を出て屋上へと続く階段に向かう途中、渡辺と出くわしてしまった。 どうやら次の授業は渡辺の受け持つ英語だったらしい。 (;^ω^)「ドクオがトイレ行ったきり戻らなくて……それで探しに行こうかと」 从'ー'从「あら、そうなのー? でももう授業始まる時間なんだから教室に戻りなさーい」 (;^ω^)「う……はいですお」 先生に見つかってはどうしようもない。 ブーンは渋々踵を返し、渡辺と一緒に教室へと戻っていった。 从'ー'从「はーい、会長さん挨拶お願いねー」 渡辺が教卓の後ろに立つと騒がしかった教室内が徐々に静まっていく。 全員が席へ戻ったのを確認してから ノパ△゚)「きりーつ!れー!ちゃくせーき!」 会長であるヒートが号令をかける。 从'ー'从「えーっと……あれれー?ショボンくんもいないのかなー?」 出席簿を持ち教室内を見回しながら渡辺が呟く。 空席を二つ見つけ、ドクオだけでなくショボンもいないことにようやく気づいた。 从'ー'从「二人ともどうしたのかしらねー?」 从'ー'从「まぁ、その内戻ってくるでしょ。じゃあ授業始めまーす」 と、教科書をペラペラとめくりながら「今日はどこからだったかなー?」と生徒達に尋ねる渡辺。 微笑ましいその光景に教室中も授業中とは思えないリラックスした雰囲気に包まれる。 ガラガラ、と扉が開く音。 (´ ω∨`)「…………」 扉を開いた主が姿を現す。 从'ー'从「あら?ショボンくん?」 (;^ω^)(あれ?何でドクオはいないんだお?) 渡辺の呼びかけにも答えずそのまま自分の席へと向かう。 从'ー'从「一応何で遅れたかの理由を聞きたいんだけどなー」 (´ ω∨`)「……ちょっと保健室まで行ってました」 从'ー'从「そっかー。ドクオくんはどこ行ったか知らないかなー?」 続けざまに放たれる質問。 またも沈黙を挟む。 ノパ△゚)(あれ……あいつ) (´ ω∨`)「ドクオは今……」 (´゚ω∨`)「保健室で寝ています」 戻る 目次 次へ ジャンル別一覧
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