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LOYAL STRAIT FLASH ♪

第一話

1 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 01:02:40.51 ID:q8xd/I0lO
-サザン…-
ここはどこだろう…水…海?
どうでもいいか…だが安心する…
ずっと ここに居たい…
ずっと…ずっと…


2 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 01:04:34.36 ID:DI9t9WsyO
( ^ω^)「おっ」
ブーンは目を覚ました
( ^ω^)「ここは何処だお…」
辺りを見渡すとちゃぶだいがポツンと一つ置かれている 畳に襖どうやら誰かの部屋のようだ。ブーンは布団に寝かされていた。
ーと、突然ふすまが開いた。ブーンは起き上がり咄嗟に身構えようとしたが、体がひどくだるく動かない。
ξ゚△゚)ξ「あら、気が付いたみたいね」
スッと現れたのは巻き毛の女性。その姿にブーンの体の力は一気に抜けてしまった。
( ^ω^)(な…何て綺麗なんだお…)
肌は白く顔立ちもしっかりしており、気が強そうだがとても美しい。歳は20くらいだろうか。


3 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 01:07:50.67 ID:DI9t9WsyO
ブーンが ぼーっとその女性を見つめていると
ξ;゚△゚)ξ「ちょ…貴方大丈夫!?何とか言いなさいよっ!」
(;^ω^)「だっ大丈夫だおっ!!」
と、ブーンは慌てて両手を振り回す。
ξ゚△゚)ξ「そう…なら良かったわ」
( ^ω^)「ここはどこなんだお?」
ブーンが不安そうに訊くと 女性は机の前に腰を下ろしながら言った。
ξ゚△゚)ξ「ここ?ここは私の家よ。でも本当に大変だったんだから」
(;^ω^)「な…何が大変だったのかお?まさか…」
追っ手が…と言いかけるが、それは彼女の言葉によって書き消される。



4 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 01:12:43.79 ID:DI9t9WsyO
ξ#゚△゚)ξ「なにがって…あんたをここまで運ぶのがよっ!!」
(;^ω^)「おおっ!?」
女性はため息をつき続ける。
ξ゚△゚)ξ「貴方って本当体型通りの重さしてるのね、私とジョルジュ二人でここまで運ぶのにどんだけ苦労したか…」
(;^ω^)「おー…」
ブーンは190cmの大柄でおまけにガタイも良い。
(;´ω`)「ごっごめんだお…」
ξ#゚△゚)ξ「えっ?べっ別に責めてるわけじゃないんだからっ謝らなくていいわよっ!!」
(;^ω^)「そっそうかお?」(こわいお)
ブーンは女性のツンツンした態度に少々怯えながらも 再び口を開いた。


5 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 01:15:27.51 ID:DI9t9WsyO
( ^ω^)「貴女の名前はなんていうお?」
ξ゚△゚)ξ「私?私はツンデレ。ツンって呼んで頂戴」
( ^ω^)「ツンさんかお」
ξ゚△゚)ξ「さんはいらないわ」
( ^ω^)「わかったお ツンさん」
ξ#゚△゚)ξ「さんはいいって言ってるでしょっ!」
(;^ω^)「おっおっごめんだお!!」
ξ゚△゚)ξ「いいわ…で、貴方の名前は?」
( ^ω^)「僕は…ブーン。ブーンだお」
ξ゚△゚)ξ「ブーン?」
ツンは少し驚いた顔をした。
?「ブーンか、珍しい事もあるもんだ」
すっとふすまを開けて入って来たのは180cmくらいの男性。
ξ゚△゚)ξ「あら、いたの」
(;゚∀゚)「いたの とは失礼だな」
ξ゚△゚)ξ「紹介するわ、こちら友人のジョルジュ長岡」


7 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 01:19:02.42 ID:DI9t9WsyO
( ゚∀゚)「どーも、ジョルジュって呼んでくれ」
( ^ω^)「ブーンだお、よろしくお願いしますお」
ブーンはぎこちなく ジョルジュはしっかりと手を握り握手をする。
( ゚∀゚)「そうか、ブーンていうのか」
( ^ω^)「ブーンがどうしたんだお?」
ジョルジュがあまりに『ブーン』にこだわるのでブーンはたまらず気になり聞いてみる。( ゚∀゚)「ああ。ブーンてのは俺たちの幼馴染みなんだ」
( ^ω^)「幼馴染みかお」
( ゚∀゚)「そう、本当は内藤ホライゾンて名前なんだが、両手をひろげてブーンつ走るんだよ。だからブーン」
こんな風に、と言ってジョルジュはやって見せた。


8 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 01:20:12.26 ID:DI9t9WsyO
⊂ニニニ( ゚∀゚)ニ⊃「ブー――ン」
ξ゚△゚)ξ「ちょwww家の中で走り回らないでよっ」
(;゚∀゚)「あっすまん」
と言ってすまなさそうにジョルジュは小さくなる。
ブーンは構わず話を進める。
( ^ω^)「そのブーンさんは今どうしてるのかお?」
ピタッと空気がとまった。
沈黙…ブーンは焦った。
(;^ω^)(なっなんか聞いてはいけない事だったのかお?)
ξ゚△゚)ξ「トウキョウ…トウキョウにね」
ツンが口を開く。


9 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 01:22:14.14 ID:DI9t9WsyO
ξ゚△゚)ξ「トウキョウに行ったきり……帰って来ないの」
とうつむく。
(;゚∀゚)「まっ…まぁ、あいつも向こうで元気にやってるさ、なぁ?ツン」
ジョルジュはポンとツンの肩を叩く。
しかしツンの返事は無い。肩がふるえている。
( ゚∀゚)「じゃあブーン、俺たちはそろそろ行くから、また何かあったら呼んでくれ」
( ^ω^)「わかりましたお、ありがとうだおっ」
( ゚∀゚)「ゆっくりやすめよ」と言ってジョルジュはツンの手を引きそそくさと出て行った。



12 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 01:32:45.99 ID:DI9t9WsyO
( ゚∀゚)「お前…泣くなよ」
ξ;△;)ξ「って…だって」
ツンはへたりこんですすり泣いて居る
ξ;△;)ξ「だって…体格も違うし、名前だって違う…でも」
ツンは はぁ っと一呼吸置いて続ける
ξ;△;)ξ「でも雰囲気が似てて、なんか暖かそうで、内藤思い出しちゃって…」
( ゚∀゚)「……」
ジョルジュは腰を下ろし優しくツンを抱き締めた。
ξ゚△゚)ξ「ジョルジュ…なんで内藤はトウキョウにいっちゃったのかな…」
ツンは弱々しく呟く



13 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 01:37:01.08 ID:DI9t9WsyO
ξ゚△゚)ξ「どうして私…止めなかったんだろ…力ずくで…」
と ジョルジュの胸におでこを押しつける
ξ;△;)ξ「会いたいよ…内藤…ブーン…」
ぼろぼろと 涙を落とす
ξ;△;)ξ「会いたい…」
( ゚∀゚)「会えるさ」
ジョルジュはツンを強く抱き寄せる
( ゚∀゚)「会えるとも…」
とジョルジュは静かに しっかりと呟いた



15 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 01:45:15.80 ID:DI9t9WsyO
ブーンは部屋に一人になった
そして目を瞑りあの日のことを思い出す






('A`)「敬礼」
ブーンは国の特別秘密部隊に居た
通称VIP
実体は公にされておらず、国とショボン博士が極秘に進めている軍養成プロジェクトだ。(´・ω・`)「諸君今回の任務は重要だから落ち着いて聞いて欲しい」
ショボン博士は落ち着いた口調で話始めた



16 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 01:51:29.70 ID:DI9t9WsyO
(´・ω・`)「我々には多くのサンプルが必要だ、君達のような志願者だけでは正確な研究結果が出せない」
一息ついて続ける
(´・ω・`)「そこでだ、DQN村の人々をサンプルとして持って来て欲しい」
どよめきがはしる
( ^ω^)(どういうことだお?)
(´・ω・`)「人々を連れて来るのではないぞ」
ショボン博士がドクオ隊長に目で合図をする
するとドクオは何やら液体の入ったカプセルを皆に見えるよう 高々と持ち上げた



17 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 02:00:28.40 ID:DI9t9WsyO
(´・ω・`)「このカプセルに人々から頭部を採取し、入れてサンプルとして私の元へ持って来て欲しい」
( ^ω^)「!?」
何をいってるんだこの人は
(´・ω・`)「若い奴だけで良い、あとは…皆殺しだ」
('A`)「全員理解したな、それでは解散」
一同は敬礼をすると バラバラ去っていった
(#^ω^)「ドクオ隊長っドクオ、一体どういうことだおっ!!」
ブーンはドクオに詰め寄る
('A`)「ブーン…俺はお前と同期だが、一応今は隊長だぞ?」
(#^ω^)「どうして民間人を巻き込むおっ!!DQN村の人々は悪いことをしてないおっ!!」
('A`)「お前は…」
ドクオはあきれたようにブーンをみる


20 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 02:06:16.39 ID:DI9t9WsyO
('A`)「俺たちの立場を忘れたか?我々はただショボン博士に従うのみ。俺たちはそのために生まれたんだ」
(´・ω・`)「君はこの任務を聞いた時言葉では言い表せない怒りを感じただろう」
ブーンはショボンの方を振り向く
ショボンは淡々と続ける
(´・ω・`)「だがこの軍の中で君は存在しているのだ、と言う事を忘れないで欲しい…それじゃあドクオ、軍議を始めようか」
('A`)「はっ」
ドクオはショボンとその場を立ち去ろうとした


22 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 02:12:57.03 ID:DI9t9WsyO
( ^ω^)「でも…僕も人なんだおっ 怒りも…悲しみも感じるんだおっ!!」
ブーンの叫びにドクオは足を止めた
( ^ω^)「僕は…罪のない人を殺したくはないんだおっ!!」('A`)「綺麗事を言うなっ!」
ドクオはブーンの方へ振りかえる
('A`)「俺たちは人じゃないんだよ、ただ動かされるままに動かされたらいい。駒に感情はいらない」


23 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 02:17:48.03 ID:DI9t9WsyO
人じゃない
その言葉はブーンに突き刺さった
空気を吸い 呼吸をし
地上を両足で踏み締め
両手で自分を抱き締めることもできる
自分は存在しているのに
自分の考え感情を表に出す事が許されない
人とは違う力を得たために
人として存在が認められない
人としての禁忌を犯したために
ブーンの頬を涙がつたった


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:27:03.34 ID:DI9t9WsyO
( ,,゚Д゚)「ブーンっおいブーンっ!」
(;^ω^)「はっ、なんだおギコ」
( ,,゚Д゚)「お前…任務移動中に寝るとはどんな神経してんだよ」
ここはDQN村に向かうヘリの中である
(#^ω^)「ねてないおっ、ちょっと目を瞑って考えごとをしてただけだおッ」
( ,,゚Д゚)「ほんとかゴルァ」
( ^ω^)「第一人を殺しに行くのに寝れるわけないおっ」
( ,,゚Д゚)「人殺し?ちがうな」
ブーンはギコを見やる
ギコはつづける


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/16(金) 02:34:41.13 ID:DI9t9WsyO
( ,,゚Д゚)「俺たちは研究材料をだな取りに行くんだよ」
(#^ω^)「ギコまでそんなこというのかお…?この任務を正当化するのかおっ!」
( ,;゚Д゚)「なんでそんなに怒るんだよ?」
( ^ω^)「なんでって…僕らも人だったお」
ブーンは言葉を詰まらせる
ギコは不思議そうにブーンをみつめる
( ,,゚Д゚)「俺たちが人だったってのは過去の話だろ?それに過去の記憶だって消されてるしよ」


26 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 02:42:23.17 ID:DI9t9WsyO
ブーンは俯く
確かにそうだ ブーンの記憶はここに来てからのものしかない
( ,,゚Д゚)「だからそんなに深く考えることは無いって、今や俺たちは兵器だし」
( ^ω^)「兵器…」
( ,,゚Д゚)「お前やさしすぎんだよ、向いて無いんじゃね?」
ははっ とギコは笑いながら言った
( ^ω^)「―そうだお」
すくっとブーンは立ち上がる
( ,,゚Д゚)「あ?」
( ^ω^)「僕は向いて無いんだおっ人殺しなんて出来ないおっ!!!」
( ,,゚Д゚)「何を今更―…」



27 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 02:43:05.85 ID:DI9t9WsyO
ブーンは俯く
確かにそうだ ブーンの記憶はここに来てからのものしかない
( ,,゚Д゚)「だからそんなに深く考えることは無いって、今や俺たちは兵器だし」
( ^ω^)「兵器…」
( ,,゚Д゚)「お前やさしすぎんだよ、向いて無いんじゃね?」
ははっ とギコは笑いながら言った
( ^ω^)「―そうだお」
すくっとブーンは立ち上がる
( ,,゚Д゚)「あ?」
( ^ω^)「僕は向いて無いんだおっ人殺しなんて出来ないおっ!!!」
( ,,゚Д゚)「何を今更―…」



28 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 02:46:59.75 ID:DI9t9WsyO
と フッと ブーンの姿が消える
あわててギコが振り向くとブーンは走り出していた
( ,;゚Д゚)「おっおい! ブーンっ空の上だぞっブーン!!!」
ブーンはそんな叫びも気にも止めずただ 出口扉を目指す
もうすぐ と言う時にドクオが目の前に立ちはだかった


29 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 02:54:04.31 ID:DI9t9WsyO
('A`)「何をやっている早く自分の場所へ戻れ」
( ^ω^)「…そこを退くおドクオ」
('A`)「ヘリから脱出するつもりか…馬鹿だな」
( ^ω^)「馬鹿で結構だお、人を殺すぐらいなら海に落ちて死んだほうがましだお」
ブーンがそう言うとドクオは フッと笑った
('A`)「いや、それくらいでお前は死なねえよ」
( ^ω^)「!!」
('A`)「傷さえ負わないだろうな…なんせ人じゃないからな」
( ;ω;)「…っ黙るおーっ!!」



30 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 02:59:08.05 ID:DI9t9WsyO
ブーンは拳をドクオにふりかざした
ドクオはそれを軽々と避ける
( ;ω;)「だまるおっだまるおおっ!!」
ブーンは叫び がむしゃらに拳をはなつ
しかしそれはどれも空をきるばかりであった
そして出口扉前に来た時 ドクオは 顔に飛んで来たブーンの足を 腕で受け止めた


31 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/16(金) 03:08:07.57 ID:DI9t9WsyO
('A`)「いい加減にしろブーン」
ドクオが静かに口を開く
('A`)「ここを出て一体何処へ行く?」
ブーンは足を下ろす
('A`)「無いんだよ帰る場所は、ここしかないんだ」
ブーンは拳を強く握った
しばらく俯いていたがやがて キッと顔を上げて言い放った
( ^ω^)「それでもいくお」
('A`)「何を馬鹿な」
( ^ω^)「記憶も何もない、力を手に入れ人でも無くなったお、でも
僕は人の心は捨てたくないんだお」
ゴウンッ とブーンは出口の扉を蹴破る
('A`)「おまっ…馬鹿!!」
ドクオはブーンに手を伸ばしたが
ブーンは既に身をなげていた
('A`)「馬鹿な奴だ…」
海に落ちてゆくブーンを見つめながら
ドクオは大きなため息をついた




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