二十三章二十三章 鍛錬 ニューソク高校。僕の教室。 僕がそこに辿り着いた時、いつもは騒がしくて敵わないその教室が、今日はやけに物静かだった。 男子のいつもの馬鹿騒ぎが、静かだ。 女子の声さえ、まばら。笑い声なんてほとんど聞こえない。 不気味だ。何か違和感がある。 何かが足りないような。何かが抜け落ちているような。 (=゚ω゚)「……ょぅ? どうなってんだょぅ?」 思わず口をついて出た言葉に、小柄な男子が振り返る。 本当に、どこまでも楽しそうな笑顔を浮かべるそいつ―――なおるよは、男子にしては高い声で言った。 ('(゚∀゚∩「あ! おはよう銃狂い!」 (=゚ω゚)「ん。おはよう、だょぅ。なぁ、なおるよ」 ('(゚∀゚∩「んにゃ?」 (=゚ω゚)「この静けさは一体どうしたんだょぅ? みんな総じておかしなもんでも食ったのかょぅ?」 ('(゚∀゚∩「違う違う! 今日みんなが静かな理由はねー!」 なおるよは指を四本立てる。 そして、それを一本ずつ折っていきながら何故か得意げに言った。 ('(゚∀゚∩「おひとよし。低血圧。ピエロ。熱血馬鹿。このクラスの主要四人が今日はいないんだなー!」 (=゚ω゚)「あぁ、なるほど……ょぅ」 あの四人がいないのか。 なるほど。この静けさにも、納得がいく。 問題はあの四人が休んだ理由だ。 おそらく、病気ではない。 ブーンもドクオもジョルジュもギコも、病気の予兆のようなものなどなかったはずだ。 それが急性のものだとしても、四人が同時にかかる事などよほどの感染病でない限りないはずだし、 逆にそれだけ強い感染病ならあの四人だけというのはおかしい。 (=゚ω゚)「あの四人は何で休んでるんだょぅ?」 ('(゚∀゚∩「知らない!」 即答かよ役立たずめ。 知ってたけどさ。 あの四人が休んだ理由……。 まぁ大方、ジョルジュがサボってた理由、そんで『アイツ』が僕から銃を借りた理由だろう。 となれば、『僕が入り込めるレベルの問題じゃない』―――僕が首を突っ込むべき話じゃないわけだ。 (=゚ω゚)「ところでなおるよ。お前、人の名前くらいちゃんと呼べょぅ。 その呼び方で何度トラブル起こしたと思ってるんだょぅ? まだ懲りてないのかょぅ?」 ('(゚∀゚∩「もう癖になっちゃったんだ! 直そうにも直せないよ! 病気だったら美味しい物食べてうんこして寝たら治るけど、癖はどうしようもないよ!」 それだけ言って、なおるよは男子の塊へと走っていった。 ……まぁすぐに高田に追い駆けられて、廊下に逃げていったが。 どうせまた「おいオタクフェイス!」とか言ったんだろう。 せめてもう少しオブラートに包んで言えよ。本当に懲りないな。 と、それよりも…… (=゚ω゚)「でぃさん」 (#゚;;-゚)「ん?」 (=゚ω゚)「あの本、読み終えたかょぅ?」 僕はでぃさんに本を貸していたのだった。 その本というのは、銃関係のちょっとアレな本。 何でそれを貸して欲しがったかは分からないし、何で僕がそういうのを持っているのかを知ってたのかも分からない。 聞いても教えてくれなかったし、無理矢理聞き出してまで知りたいとも思わない。 (#゚;;-゚)「あー、うん。読み終えたよ。ちょっと待ってね」 ごそごそとバッグを探る。 数秒して、そこから貸した本が顔を出した。 ……その本を出す瞬間に見えた何冊もの妖しげな本は、見なかった事にしよう。 (#゚;;-゚)「はい。ありがとう。面白かったよ」 (=゚ω゚)「ょぅ」 本を受け取る。 この本の感想が『面白かった』というのはおかしいと思うが、まぁどうでも良い。 でぃさんは色々と妙だ。いちいち気にしてたら接する事なんて出来ない。 ('、`*川「んー、ぃょぅ君」 (=゚ω゚)「ょぅ?」 でぃさんから離れると、ペニサスさんが寄って来た。 いつも通り、のほほんとしている。んー、癒されるな。 ('、`*川「ぃょぅ君って、でぃさんと普通に接するんだね」 (=゚ω゚)「それはペニサスさんもだょぅ?」 ('、`*川「んー、まぁねー」 軽く笑い、ペニサスさんは間延びした声で続ける。 ('、`*川「でぃさん、ちょっと変わってるからねー。みんなちょっと避けちゃってるよねー」 (=゚ω゚)「変わり者って点じゃ、ペニサスさんも変わらないと思うょぅ?」 ('、`*川「何だよそれー。ぃょぅ君だって十分変わり者じゃんかー」 二人一緒に笑って、短い会話を終えた。 ペニサスさんとの会話は癒される。何故かは分からないけれど。 それから僕は、僕の特等席―――窓へと向かい、空を眺める。 本日はいつもと同じく、快晴なり。ただ風が少しだけ強い模様。 ……いつしか遠くに行ってしまったアイツの街にも、雲はかかりませんように。 そして、僕の親友や、その仲間達には優しい風が吹きますように。 ……いや。アイツならどんな強い風が吹いても、物陰に隠れるどころかその風を撃ち殺すだろうけど。 何せ僕の最高傑作の二挺を持ってるんだ。……それくらいしてもらわないと。 (=゚ω゚)「……死ぬなょぅ? ドクオ」 流れる白い雲に、想いを馳せた。 子供の頃からやっている、馬鹿らしい行動。 でも何かをお願いする時にはいつもやってしまう。 『癖は直せない』か。案外間違いでもないかもな。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 一方、その頃。 街の外れにあるショボン邸。その広大な庭で、四人はショボンを相手に訓練していた。 ( ゚ω゚)「おぉおぉぉおぉっ!!」 白銀の異形の足で地面を蹴る。 そこから生まれた爆発的な勢いに乗って、大振りな右ストレートを放った。 足の速度・腰の回転を利用した遠心力・そして純粋な腕力を足した異速の拳が、ショボンの頬に伸びる。 だが。 (´・ω・`)「―――まだ遅いっ!」 ショボンは身体をわずかに傾ける。 それだけでブーンの拳はショボンの頬を掠るに留まり、後ろに抜けた。 (´・ω・`)「隙ありっ!」 (;゚ω゚)「おぶっ!?」 一瞬の隙に胸を殴り飛ばされ、地面を転がる。 それを見ていたギコとジョルジュは唾を飲み込んだ。 対してドクオはコーヒーを飲み込んだ。 (´・ω・`)「はい、次!」 ブーン達はショボンと一対一で模擬戦闘をしていた。 一人が終われば次の順番の者がショボンと戦う。ローテーションだ。 戦闘が終わった者は、次の戦闘まで見学・休憩。 その戦闘は、限りなく実戦に近い。そうしなければ、成長など望めないからだ。 しかしそれは負傷なども招く。それすらも、ショボンは「負傷している状態の戦闘もありうる」とした。 まだ朝も早い時間帯だというのに、彼らは模擬戦闘を既に何度か繰り返している。 ブーンの身体もギコの身体も、ジョルジュの身体でさえも傷だらけ。痣だらけだ。 対して、ドクオの身体には汚れ一つ付いていないが。 (;゚Д゚)「次って……もう俺か?」 (;゚∀゚)「少なくとも俺っちはまだ休みだよ」 (;^ω^)「おー」 (;゚Д゚)「……俺か」 (;゚∀゚)「そういう事になるかな」 軽く舌打ち。 それから己の頬を軽く叩くと、ギコは奮い立たせるように声をあげる。 (,,゚Д゚)「よし! 行くぞ!」 ( ^ω^)「おぉ! 頑張れお!」 ( ゚∀゚)「そろそろショボンに一発入れてやってよ!」 (,,゚Д゚)「あぁ、任せろ!」 ('A`)「……ズズー」 (,,゚Д゚)「…………………」 ( ^ω^)「…………………」 ('A`)「……ア゛-、美味ぇ。やっぱボスだな」 ( ゚∀゚)「……ドックン?」 ('A`)「ん? 何だ? コーヒーはやらねぇぞ」 (;゚∀゚)「いやいらないけどさ」 そこで、ドクオの後頭部を狙って飛んでくるギコの拳。 ドクオはそれをしゃがんで楽々と回避した。 (,,゚Д゚)「おいクソガキ」 ('A`)「同い年だろうが馬鹿。何だよ」 (#^ω^)「何だよじゃねぇお」 ('A`)「あ?」 (,,゚Д゚)「お前一回も戦ってねぇだろ! 戦ってこい!」 ('A`)「まだ眼ぇ醒めきってねぇんだよ」 (;^ω^)「それニ時間半前から言ってるお」 ('A`)「低血圧なめんな」 そこで、待ちかねたようにショボンが口を開く。 (´・ω・`)「で? 誰が戦うんだい?」 ( ゚∀゚)ノ「ドックンが戦うってさー」 (´・ω・`)「ほぅ、ドクオ君か。……面白そうだ」 笑いはしないものの、楽しんでいるような眼をして、闘気をみなぎらせる。 それを見て、ドクオは辟易とした表情で呟いた。 ('A`)「……おい」 ( ゚∀゚)「良いじゃんよ。一発戦って、眼ぇ醒ましてきなー?」 ('A`)「ッチ……」 残ってるコーヒーを一気に飲んで、缶を後ろに投げ捨てる。 そして、首を鳴らしつつショボンに向けて歩き出した。 ('A`)「OK。一発、ぶちかましてきてやんよ」 そんな事を呟きながら。 ドクオの背を見やって、ギコは感心したように言う。 (,,゚Д゚)「お前、アイツの扱い方上手ぇな」 ( ゚∀゚)「そうかなー?」 ( ^ω^)「普通ドクオは扱えないお」 ( ゚∀゚)「え? 何で?」 (;^ω^)「あいつ人の話聞かねぇんだお」 ( ゚∀゚)「だったら話をしなきゃ良いんじゃねー?」 ( ^ω^)「……あ」 ( ゚∀゚)「さっきの俺っちはドックンとほとんど会話してないよー。 ただドックンが戦いに行くように仕向けただけだよー。 言葉じゃのらりくらりとかわされるってんなら、そうせざるを得ない状況にすれば良いんじゃねー?」 (;^ω^)「な、なるほど……」 (,,゚Д゚)「お前多才だな」 ( ゚∀゚)「そんな事ないよーw ほら、そんな事よりもさ……」 声と同時、鈍い音が響く。 音の方向を見てみれば、ショボンの蹴りをドクオが防御していた。 (´・ω・`)「……ふぅん。今のを防御出来るのか」 ('A`)「動きが見えるからな」 (´・ω・`)「視覚の強化、かい?」 ('A`)「その通り」 (´・ω・`)「……なるほど。だったらこうしようか」 防御された足を引いて、今度はドクオの足を狙って振るう。 ('A`)「見えるっつってんだろうが」 対するドクオはそれを軽くバックステップで避けようとした。 だが。 振るわれたショボンの足は、振り抜かれる事なく唐突に地面に落ちる。 そしてショボンは―――その足を支えとしてドクオに一歩踏み込んだ。 (;'A`)「ッ!?」 ドクオはショボンの動きを予測出来るが、もはやどうする事も出来ない。 無防備にバックステップしたものだから、体勢を立て直す事も、防御する事も出来ないのだ。 (´・ω・`)「油断したね」 (;'A`)「がっ!!」 ショボンの声に続くように響く苦鳴。 見れば、ショボンの抉るような拳がドクオの腹を捉えていた。 ドクオは吹き飛び、地面を転がる。 (;'A`)「チィィッ!!」 暴れ出す痛覚を抑え込んで、すぐに上半身を起こそうとする。 だが、その行動はショボンに胸を踏まれて遮られた。 (;'A`)「ゲッ!」 後頭部を地面に打ちつけ、軽い脳震盪を起こす。 踏みつけられた胸が苦しい。 (´・ω・`)「はん。何だ、こんなものなの?」 (;'A`)「ど……どけよっ!」 (´・ω・`)「……分かってるの? いや、その口振りじゃ、きっと分かってないね。 ねぇ、ドクオ君。これが戦闘だったら、君は死んでいたんだよ?」 (;'A`)「クッ……」 (´・ω・`)「……いい加減、余裕振るのを辞めなよ。そんなんじゃ、勝てっこないよ? 君は誰も護れない。自分の命すら護れない君は、何かを護る権利すらないよ」 (#'A`)「てめぇ、ふざけた事を……っ!」 (´・ω・`)「むしろ、護ってもらった方が良いんじゃないの? ……ブーン君達を護るだなんて、今の君にはおこがまし過ぎる考えだよ」 (;'A`)「がはっ!」 無理矢理にでも立ち上がろうとするドクオの胸を爪先で蹴り飛ばして、ショボンは向きを変える。 そして、咳き込むドクオの方を見る事なく、静かに呟いた。 (´・ω・`)「……悔しかったら、強くなりなよ。余裕振るのを辞めてさ。 もう一度言おう。今の君じゃあ、誰も護れない。強くも、なれない」 (#'A`)「――――――ッ!!」 ドクオは立ち上がる。 込み上げる咳を無理矢理飲み込んで、ショボンの背中に向けて言った。 (#'A`)「散々言ってくれたな、ショボン。良いだろう。お前の言った事を全てこなしてやる。 そんでもって、てめぇのそのすかした顔、泣きっ面に変えてやるよ。覚悟しやがれ」 (´・ω・`)「…………………」 ('A`)「はん……」 ドクオもショボンに背を向けて、ブーン達の方へと戻ってくる。 彼に話しかけようとしたブーン達は、彼の表情を見て、一瞬息を呑んだ。 冷た過ぎた。それなのに、内側からはマグマよりも熱い何かが滲み出ている。 その眼は、ボーッと見ていれば飲み込まれてしまいそうなほどの深い闇色だ。 (;^ω^)「ド、ドクオ……?」 恐る恐るかけた声は、直後に凍結する。 ギロリ、と、剣呑な輝きを灯すドクオの瞳がブーンを刺し貫く。 その視線は一瞬のものだったが、それをぶつけられたブーンは確かな怒気を感じ取った。 ('A`)「……今の俺に、話しかけるな」 (;^ω^)「おっ……!?」 (,,゚Д゚)「ドクオ?」 ('A`)「ギコ。次はてめぇだろ。さっさと行け。……早く俺に順番を回せ」 (;゚Д゚)「お? お、おう」 ドクオの言動に困惑を隠しきれないまま、ギコは“力”を解放しつつ歩み行く。 まもなく始まった戦闘を、ドクオは一時たりとも眼を離さず観察した。 (;^ω^)「ド、ドk」 今までに見た事のないドクオを見て、ブーンは思わず声をかけようとしてしまう。 だが、そんなブーンをジョルジュの腕が制した。 ( ゚∀゚)「お……っと、ストップ。ブーン」 (;^ω^)「……ジョルジュ?」 仕方ないな、とでも言いたげな笑みを浮かべて、ジョルジュは小声で呟く。 ( ゚∀゚)「あーなったドックンには話しかけない方が無難だって知ってるでしょ?」 (;^ω^)「で、でもっ! 何だか様子がおかしいお!」 ( ゚∀゚)「大丈夫、大丈夫」 ( ^ω^)「お?」 ( ゚∀゚)「ドックンは今、一つの壁を乗り越えようとしてるだけなんだよ。 ……ドックンなら、すぐに元に戻れる。分かるでしょ?」 その言葉に、ドクオを見やる。 ギコの戦闘を見詰めるドクオの眼は、しかし死んではいなかった。 むしろ、いつもよりもずっと輝いている。 その輝きは剣呑な怒気溢れる輝きだったが、その輝きこそが彼が「やる気」だという事を示していた。 ( ^ω^)「……お! 何となくだけど、分かるお!」 ( ゚∀゚)「よし。じゃあ、俺達も戦闘を見学するとしましょうか」 ( ^ω^)「お!」 響くは、炎を纏った咆哮。 (#゚Д゚)「うぉるぁぁああぁあぁ!!」 朱の異形―――ギコの右腕は、天高く炎を吹き上げていた。 炎は右腕にかけられた灯油を餌として猛威を振るう。 よって爬虫類を思わせるその腕は、超高温だ。 空気を焼いて突き出された拳を、ショボンは身体を半回転させて後ろへと流す。 そしてギコの伸びきった腕―――変化していない二の腕を掴むと、そのまま背負い投げした。 (;゚Д゚)「がっは!」 受身も取れずに背中を芝生に叩きつけられ、体内から空気が抜け出る。 一瞬頭が真っ白になるが、すぐに回復。体勢を立て直した。 (´・ω・`)「一撃の速度と狙う所は中々良い線行ってるんだけどね。 その分、一撃が大振りになって、反撃を受けやすいかな」 (,,゚Д゚)「……む。把握」 (´・ω・`)「よし、じゃあ―――行くよっ!」 言って、飛び出す。 ―――それから、わずか二分後。 (;゚Д゚)「えぼはぁっ!」 ギコは再度、芝生の上を転がっていた。 (´・ω・`)「自分の機動力や状況適応能力以上の事をしないの。それは単なる自爆でしかないんだから。 攻撃と後退のタイミングを見極めて、状況に応じた動きをしないと」 (;゚Д゚)「う。は、把握……」 よろよろと立ち上がるギコ。 まだやる気のようだが、どう見てもその身体は続行不可能だ。 それを見て、ショボンは眼を細めた。 (´・ω・`)「……次!」 その声に、次の順番であるジョルジュは力なく一歩踏み出した。 (;゚Д゚)「次は……」 (;゚∀゚)「俺、ね。OK。行くよ」 だが、二歩目を踏み出そうとした時――― ('A`)「俺に行かせろ」 ドクオが、ジョルジュを押しのけて前に出た。 (;゚∀゚)「ん? ドックン?」 ('A`)「とろいんだよ。どいつもこいつも。やる気がないなら、俺にやらせろ」 (;゚∀゚)「いや、え、ちょ……」 歩き出したドクオ。 ジョルジュはそれでもドクオを制そうと、肩目掛けて手を伸ばした。 くるり、とドクオの首だけがジョルジュを振り返る。 その眼を見て、ジョルジュは伸ばした手をそれ以上伸ばせなくなった。 ('A`)「……身体が疼いてんだ。暴れさせろ」 それだけ言って、ドクオはショボンへと歩み寄って行く。 ジョルジュは声をかけない。―――かけられない。 顔に張り付けていた軽い笑顔の仮面も、気付けば剥がされていた。 ('A`)「自分の能力以上の事はしない、ね……」 対するドクオは、先程の戦闘を思い出すかのように呟く。 ショボンはそれを見て、少しだけ、楽しそうに眼を細めた。 結局十分足らずで、ドクオはその身体を地面に横たえた。 しかし――― ('A`)「……どうも足元に油断が生まれやすいな、俺は」 彼の中には、それまでにはなかった『何か』が生まれていた ドクオを見ていた四人の背筋に、ゾクリと冷たい何かが走る。 その原因は恐怖でなく、闘志でもなく―――ただこみ上げる、言葉では表せない熱い想い。 あのドクオが、あそこまで本気になっているんだ。 ならば、自分もやらねばなるまい。 アイツだけ先には、行かせない。 本気になったアイツに並ぼう。追い抜かしてやろう。 ―――やってやる。 ( ゚∀゚)「ドックンが本気になってる、かぁ―――」 ジョルジュの口角が、不敵に釣り上がる。 眼は鋭くなり、剣呑な光が灯った。 ( ゚∀゚)「じゃあ、俺も頑張っちゃうかな」 軽い口調のそれは、言葉の中に鋭い刃を隠していた。 ジョルジュの右腕は鮮やかな橙色へと色を変える。 そして、その腕からはまもなく異音が響く。 その腕は形状を変化させ始めたが、それはあのブレード状ではない。 前腕の途中から、その腕は急激に折れ、湾曲。 そして湾曲した箇所が鋭く長くなり―――数秒後、そこには鎌があった。 プギャーのあの鎌をワンサイズ小さくしたような腕だ。 ( ゚∀゚)「ちょいと趣を変えて―――戦ってみようか」 ヒュン、と風を一薙ぎ。ジョルジュは歩き出す。 立ち上がったドクオを押し退け、ショボンの前に立った。 (´・ω・`)「……来なよ」 ( ゚∀゚)「言われなくとも?」 言うや否や、鎌を下から上へ振り上げる。 残像が残るような橙の一閃を、ショボンは左に一歩移動するだけで回避。 鎌を振り抜いた体勢のジョルジュに、拳を突き出した。 しかし。 ( ゚∀゚)「当たるかよ!」 ジョルジュはそれを軽いステップで難なく避け、更に伸びきったショボンの腕を引っ張る。 ショボンの瞳がすっと細められたのが、戦闘を見ていたドクオの眼に映った。 ( ゚∀゚)「っらぁ!」 体勢を崩したショボン目掛けて、鎌を振るった。 対するショボンは、崩れかけた体勢をそのまま崩してその鎌を回避。 ジョルジュの腕を捻って無理矢理その手を外し、バックステップでジョルジュから距離を取った。 (´・ω・`)「……やるね」 呟くショボンの頬には、一筋の紅。 間を置いて、その一筋の紅からは更なる紅が噴き出した。 ( ゚∀゚)「うひゃ。初めて傷付けちゃったよ」 鋭い笑みを浮かべたまま、血振りをして、再度鎌を構える。 ショボンは手で頬の紅を拭うと、それを払い飛ばした。 (´・ω・`)「……行くよ」 ( ゚∀゚)「来なっさーい」 静かな口調と、軽い口調。 それが交差するのと同時に、二人は走り出した。 (;^ω^)「す、すごいお……」 ('A`)「……はん」 (;^ω^)「な、何であんなに戦えてるんだお?」 (,,゚Д゚)「アイツが、本気を出したからだろ」 (;^ω^)「え?」 (,,゚Д゚)「本気を出さないと、と思ったかどうかは分からないけどな。 まぁ大方、コイツに触発されたんだろ」 ギコはちらりとドクオを見やる。 ドクオはその視線に気付いているのかいないのか、「ふん」と鼻を鳴らした。 (,,゚Д゚)「本気を出して戦わなきゃ、ショボンに相手してもらう意味がないからな。 ドクオもジョルジュも、最初から本気出してろってんだ」 (;^ω^)「僕は本気出しても歯が立たなかったお……」 (,,゚Д゚)「お前はどこか手加減してんだよ。多分な」 ('A`)「お前h」 (,,゚Д゚)「うるせぇ」 ギコは苦々しげに表情を歪ませる。 (;゚Д゚)「あぁそうさ。俺にはお前達みたいな運動能力もセンスも何もねぇよ。凡人だ」 「だがな」と、ギコは表情を一変。 獰猛な笑顔を浮かべ、獣のように鋭い八重歯を覗かせた。 (,,゚Д゚)「努力する事で、凡人だって才人についていける」 ('A`)「……あぁ?」 訳が分からない。そう言いたげに眼を細めたドクオを、ギコは指差す。 (,,゚Д゚)「てめぇみたいな奴に、先を歩かれて溜まるか。俺は“管理人”を潰すんだ。 てめぇなんかにゃ敗けねぇぞ。絶対に、だ」 ドクオを指差していたギコの右腕が、異形へと変化し始めた。 その変化が終わると同時にギコは腕を下げ、そして叫ぶ。 (,,゚Д゚)「さっさと終わらせろジョルジュ! 俺にも戦わせろ!」 (;゚∀゚)「ちょっと待っててくれるか―――なっ!」 戦闘を止めぬまま、ジョルジュはギコに反応する。 だが鋭い笑顔を浮かべる彼の頬には、一筋の汗が流れていた。 ( ゚∀゚)「っるぁ!」 鎌を上から斜めに斬り下ろす。 ショボンはそれを表情一つ変えず回避。 すぐに、大きく隙の出来たジョルジュの腹に拳を捻じ込もうとして――― (,,゚Д゚)「っしゃあ! 選手交代だ、ショボン!」 彼の拳は、駆け寄ったギコの腕によって止められた。 (;゚∀゚)「いやいや、何で勝手に交代してんだよ!」 (;^ω^)「ちょっ……ギコ! 次は僕の番だお!!」 ギコの勝手な行動に、二人は驚愕。 しかしギコは、やはり顔に獰猛な笑みを浮かべて返す。 (,,゚Д゚)「うるせぇ! 俺にやらせろ!!」 (;^ω^)(;゚∀゚)「ちょwwwwww」 (,,゚Д゚)「っつーわけだ、ショボン。俺が相手だ。」 ショボンの腕を弾いて、引き裂くように腕を振るう。 (´・ω・`)「……やれやれ」 対するショボンは、地面を蹴って大きく後ろに下がって回避。 そして垂れ下がっている眉を、一瞬だけピクリと吊り上げた。 (´・ω・`)「ようやく鍛えがいが出てきたってところかな……」 (,,゚Д゚)「っは! 言ってやがれ!」 二人同時に走り出して、そして戦闘が始まった。 (#^ω^)「何なんだお。意味分からねぇお。順番守れお」 ( ゚∀゚)「何ブツブツ呟いてんのさー」 (#^ω^)「みんなが戦る気まんまんになってんのに、僕だけ乗れてないんだお。 乗ろうとしたらギコが勝手に戦り始めちゃったお。これじゃいつまで経っても乗れないお」 ( ゚∀゚)(……ギコに触発されたか? もう十分戦る気まんまんじゃね?) (#^ω^)「ブツブツブツブツ……」 不気味にブーンが呟いていると、彼の足は「待てない」とでも言いたげに、少しずつ異形へと変化し始めた。 いつもよりもいくらか遅い変化。 その変化が終わるのと同時に、ギコがショボンに蹴り飛ばされた。 (#゚ω゚)「僕の番だお!」 カッと眼を見開き、腕を広げる。 そして、地面が大きく抉れるほどに、強く地面を蹴った。 ⊂ニ二(#゚ω゚)ニ⊃「ブーーーーンッ!!」 (;゚∀゚)「……え?」 (´・ω・`)「……ほう」 (;゚Д゚)「てめっ、ブーン! まだ俺の番d……ぶわっ!?」 ブーンの足に舞い上げられた土を被って、ギコは沈黙する。 ブーンは驚くほどのスピードでショボンに接近。 その勢いをそのままに、ラリアットを仕掛けた。 (´・ω・`)「動きが単調」 ショボンは慌てる事もなく、ただしゃがんでそれを回避。 だがブーンは、回避されたと認知するとすぐに停止。振り返る。 強靭な脚力で、そのまま蹴り上げるように足を振るった。 (´・ω・`)「お、中々……いや、まだ単調だな」 ショボンは誰にでもなく呟くと、ブーンの足をやすやすと避けて見せる。 そして、蹴り上げた足の反対側―――軸となっている方の足に、強烈な蹴りを叩き込んだ。 (;゚ω゚)「おぉっ!?」 ぐらり、とブーンの身体が揺れる。 彼はすぐに体勢を立て直そうとした。 しかし、その動作は一瞬。次の瞬間には何を思ったか、慣性に従うままに身体を倒れさせていった。 (;゚Д゚)「ちょっ、ブーン……!」 ブーンの動作に、焦るギコ。 しかし。 身体が地面に倒れる瞬間。 ブーンは両手を地面に置き、そしてその両手を軸として蹴りを放った。 ブレイクダンスの要領だ。 (;゚Д゚)「おぉっ!?」 (;゚∀゚)「うぉう!? やるじゃん!」 ('A`)「ほぅ」 二人は驚愕し、ドクオは感嘆する。 しかしショボンは、迫り来る異速の銀光を前に、笑っていた。 ( ゚ω゚)「おぉおぉおぉっ!!」 (´・ω・`)「こういうのを待っていたんだよ……!」 腰の辺りを吹き飛ばそうと迫る足。 そのまま当たれば、間違いなく腰の骨は粉々に粉砕されるだろう。 だがショボンはそれを、跳んで避けた。 (;゚ω゚)「なっ……!?」 何故今のに反応出来たのか。何故そこまで跳べるのか。 そんな疑問は頭に浮かびきる前に消えてしまう。 足を振り抜くと、今度こそブーンはバランスを崩してしまって、芝生にその身を転がす。 対するショボンは何事もなかったかのように着地。その表情は、楽しそうだ。 (´・ω・`)「ようやく本気を出せるようになってきたよ。 良い具合に集中出来るようになってきたじゃないか」 それだけ言うと、ショボンは顔を上げる。 そして、さっきまでと同じ調子で、「次!」と叫んだ。 ( ゚∀゚)「よーっしゃ! 俺行くぞー!」 (,,゚Д゚)「いや! 俺がアイツをぶちのめす!」 (;^ω^)「もっかい僕にやらせてくれお!」 ( ゚∀゚),,゚Д゚)「「ねぇよ!!」」 ('A`)「お前等もねぇよ」 騒ぐ三人を押し退けて、ドクオが一歩歩み出る。 ('A`)「何の為に順番を決めたと思ってるんだ、馬鹿共」 (#゚Д゚)「最初に順番無視したのてめぇだろうが!」 ('A`)「あーあー。聞こえない聞こえない」 左腕を解放しつつ、ドクオは歩み寄って行く。 そしてまもなく、ドクオとショボンの戦闘が始まった。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (;^ω^)「……ぐえ。もう、さすがに、動けないお」 空に開いた穴のような満月が、ショボン邸の庭を照らしていた。 その庭には、三人が倒れている。ギコに、ジョルジュに、ブーンだ。 (;'A`)「ぐぁっ……!」 そしてそれはたった今、四人になった。 低い、疲労しきった呻き声と共に、ドクオが芝生に倒れ込んだのだ。 (´・ω・`)「……ふぅ。みんな、思ったよりずっと成長が早いね。良い事だ」 ショボンはやはり表情を変えず、芝生に倒れる四人を見下ろす。 そして何を思ったか、四人を放置したままで、家の中に入っていった。 残された四人はショボンに声をかける事も、痛む身体を動かす事も出来ず、ただ仰向けに倒れたまま。 (;^ω^)「……疲れたお」 (;゚Д゚)「同じく」 (;゚∀゚)「でも何発かは入れられたよね」 ('A`)「……その何発を入れるのに、俺達はこれだけのダメージを受けるのか」 (;゚Д゚)「まだまだ努力が必要だな」 (;゚∀゚)「ですねー」 (;^ω^)「おー。身体が痛いおー。足が特に痛いおー」 ('A`)「“力”がダメージと疲労を処理しきれなくなってるんだろうな」 (;゚∀゚)「形態変化させ過ぎたかなー。右腕、ほとんど動かないんですけどー」 ('A`)「我慢しろ。俺は眼と耳と左腕が痛いんだぞ」 (;゚Д゚)「……頭が痛いのだが、どういう事だ」 ('A`)「アレじゃね? パイロキネシスの“力”は脳の深部を使うとか、そんなんじゃね?」 (;゚Д゚)「あー、なるほど」 四人の溜め息が、まるで合わせたかのように重なる。 三人はそこで苦笑を漏らした。 だが、ブーンだけが嬉しそうに笑っていた。 (*^ω^)「……おっおっお」 ( ゚∀゚)「んー? ブーン、どうしたのさー?」 (*^ω^)「月と星が綺麗だお」 すっ、と目の前に広がるプラネタリウムを指して、ブーンは更に微笑む。 三人は―――特にドクオは一瞬、馬鹿にしたような表情を作ったが、夜空を見た瞬間にその表情は消えた。 (,,゚Д゚)「……確かに、綺麗だな」 ( ゚∀゚)「この辺じゃ珍しいね、こんな綺麗に見えるなんて」 ('A`)「…………………」 そこでまた、四人の溜め息が重なる。 それは先ほどの、疲労からの溜め息ではなかった。 四人に、微笑みが生まれた。 (,,゚Д゚)「……久々かもしれねぇな。こんなゆっくり、星空を見上げるなんざ。な、ドクオ?」 ('A`)「あぁ」 (,,゚Д゚)「たまにはこんなんも良いな。な?」 ('A`)「……あぁ」 しばし、会話が止んだ。 耳を済ますと、色々な音が聞こえる。 そろそろと鳴き始めた、虫達の声。 遠くで響く、犬の遠吠え。 吹き抜ける風が揺らす木々のざわめき。 心が、落ち着く。 戦いの中に身を置いてるという事が信じられないほどの平和だ。 この平和を取り戻す為に、僕達は戦うんだ。 瞳に満月を映したブーンは、そう思って、拳を握り締めた。 「はいはい、みんな起きてー」 突然響く、間延びした声。 そちらを見ずとも、ショボンの声だと分かる。 ( ゚∀゚)「起きれないっすー」 (,,゚Д゚)「身体痛いっすー」 ( ^ω^)「おっおー」 ('A`)「……おい、ショボン」 「ん?」 ('A`)「この匂いは何だ?」 「僕特製の料理だけど」 ガバッ、とギコとブーンが跳ね起きた。 ( ゚∀゚)「んー? 何々、ご飯ー?」 続いて、ジョルジュがのろのろと起き上がる。 (´・ω・`)「そ。僕特製で、栄養満点のね」 ( ゚ω゚),,゚Д゚) 「「ご、ご飯っ!」」 ブーンとギコは、我先にとドアへ駆ける。 だがよほど疲労が溜まっているのか、その足取りはぎこちない。 ( ゚∀゚)「おー! ご飯かー! 嬉しいね!」 ジョルジュも二人の後を追うように、ゆっくりと歩いていく。 そんな中、ドクオはいつまでも起き上がらなかった。 虚ろな眼は、目の前の闇を見詰めるだけ。 ('A`)「…………………」 (´・ω・`)「どうしたのさ。お腹減ってないの?」 歩み寄ったショボンが、ドクオを見下ろして聞く。 ('A`)「そりゃ減ってるさ」 (´・ω・`)「じゃあ何で?」 ('A`)「……動くのがダルいんだよ」 (´・ω・`)「本当は?」 ('A`)「心を覗いたんなら、聞くなよ」 (´・ω・`)「悪いね」 ポン、とドクオの手に何かが乗せられる。 見てみれば、それは缶コーヒーだった。 (´・ω・`)「んしょ。隣、失礼」 ショボンはドクオの隣に座る。 そして、自分の分の缶コーヒーを開けると、一度傾けた。 一口分のコーヒーを嚥下して、ショボンはそのまま空を見上げる。 (´・ω・`)「……こんな綺麗な星空、もうちょっと見ていたいって思うのも分かるよ」 ('A`)「……っは」 ドクオもコーヒーを開けて、一口飲み込む。 ('A`)「とある馬鹿な知り合いの影響でな、空を見上げる癖が付き始めてんだよ」 (´・ω・`)「親友とは得てして影響されやすい存在だからね」 ('A`)「くだらねぇな」 (´・ω・`)「本当はそんな事思ってないくせに」 ('A`)「…………………」 しばし沈黙。 その沈黙を破ったのは、ドクオだった。 ('A`)「俺達は、強くなってるか?」 (´・ω・`)「うん。強くなってるよ。驚くくらいのスピードで、成長してる」 ('A`)「“管理人”には、勝てそうか?」 (´・ω・`)「難しいだろうね」 ('A`)「そうか……」 (´・ω・`)「人数でも経験でも劣っているからね」 ('A`)「じゃあ……もう一つ質問」 (´・ω・`)「どうぞ」 ('A`)「俺は……アイツらを、護れるか?」 (´・ω・`)「…………………」 ('A`)「勝てなくても良い。“管理人”から、そして“削除人”からアイツらを、護る事が出来るか?」 (´・ω・`)「どうしたんだい? いきなり」 ('A`)「……別に。ただ……」 (´・ω・`)「ただ?」 言葉を途切れさせて、ドクオは左腕を夜空へと伸ばす。 そして、一番眩しかった星の光を握り込むようにすると、その掌を虚ろに見詰めた。 ('A`)「……さっきアイツらとこの空を見上げてた時間が、ちょっと良いと思えたんでな」 (´・ω・`)「……なるほどね」 握り込んだ手を、すとんと胸の上に落とす。 その手は、握った光を優しく包み込むようにしていた。 ('A`)「……俺は、アイツらを護れるか?」 (´・ω・`)「その答えは、君次第だね」 ('A`)「…………………」 (´・ω・`)「君が頑張れば頑張るほど、護れる可能性は高まる。例え勝てないとしても、ね」 ('A`)「そうか」 (´・ω・`)「……頑張るかい?」 ('A`)「頑張るさ。俺は、さっきの瞬間を―――アイツらを、なくしたくない。 俺は、この“力”で、あいつ等を護る。そして、もう一度―――こんな夜空を、見上げるんだ」 彼は、手を強く握り込む。 手に握られていた光は、いつのまにかドクオの瞳の中へ移動していた。 強い明かりを灯した瞳は、まるで夜空のようだった。 (´・ω・`)「だったら、その傷もさっさと治さないとね」 ショボンは立ち上がる。 そして、倒れたままのドクオに手を差し伸べた。 (´・ω・`)「栄養を摂取して、疲労を取らないと。じゃないと、ろくに訓練も出来ないよ」 ('A`)「……オーケー」 答えて、ドクオはその手を掴んで、立ち上がる。 そして尻を軽くはたくと、家に向かって歩み行った。 (´・ω・`)「…………………」 家に入るドクオの背を、ショボンはじっとみつめる。 そしてその顔に、今までにないような笑顔を浮かべた。 「やっと楽しめそうだ」 戻る 目次 次へ ジャンル別一覧
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