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LOYAL STRAIT FLASH ♪

第六話

121 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 18:01:42.57 ID:xJFHykxJ0
6/6


目の前には滑走路。
私は、愛機のコックピット内にいた。


( ^ω^)「『VIP』総員!これは最重要任務だお!絶対にしくじるなお!」

( ´∀`)「わかってるモナー」

( ,,゚Д゚)「早く飛ぶぞゴルァ!『パロン』の奴等をギャフンといわせてやるぞゴルァ!」

川 ゚ -゚)「……」


そして、私は飛び立った。

滑走路の端で、両手を振っている長岡が見えた。




122 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 18:04:15.37 ID:xJFHykxJ0
川 ゚ -゚)「……」


飛び立って数十分。
いつもの飛行とは明らかに違っていた。

機体が重い。
反応が鈍い。
いつもと異なる機体の振動。

空を、無理やり引き裂きながら飛んでいるようだ。

私はオートパイロットに切り替える。
そして、いつものように空を見る。

空は晴れ。
多少雲があるが、その白さがアクセントとなり、空はかなり蒼い。

これまでの飛行で一番の蒼。
そして、下方には蒼い海。


世界のすべてが、蒼に染まっているみたいだ。



123 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 18:05:47.66 ID:xJFHykxJ0
( ^ω^)「まもなく首都『ニチャン』空域だお!」

( ´∀`)「護衛部隊、しくじるなだモナー」

( ,,゚Д゚)「おらおら!ぶっ飛ばすぞゴラァ!!」

川 ゚ -゚)「……」


皆、いきり立っている。
いくらすべてが蒼くても、こんなうるさい空はいやだ。

私たちは進む。
ひたすらに進む。

やがて、はるか右下方に陸地が見えてきた。
灰色の、幾何学的な建物。

間違いない。


あれは、首都「ニチャン」



124 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 18:06:58.54 ID:xJFHykxJ0
( ^ω^)「目標発見!総員、準備はいいかお!?」

( ´∀`)「オッケーだモナー」

( ,,゚Д゚)「よっしゃこいだゴラァ!!」


そのときだった。
前方の空に浮かぶ、大量の赤い点。


(;´∀`)「すごい数だモナー!」

( ,,゚Д゚)「ブーン、どういうことだゴラァ!?
    メンヘラのこの近辺の基地にはあんな大量な飛行機械は配備されていないはずだゴラァ!!」

(;^ω^)「知らないお!
     今までの偵察任務でも、あんな大量の飛行機械は確認されていないお!」

(;´∀`)「もしかして、社長にはめられたモナー?」

(;^ω^)「ととととにかく、護衛部隊は総員戦闘準備だお!
      ミサイルの射程圏まで、僕達を死守するんだお!!」



134 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 18:46:04.23 ID:xJFHykxJ0
やがて、首都「ニチャン」の周辺海域上空で、
ニーソク軍とメンヘラ軍の今までに類を見ない大規模衝突が始まった。

数ではメンヘラが圧倒的に有利。
しかし、こちらは質で圧倒するニーソク『VIP』

戦力は互角。
そのはずであった。


しかし、誤算が二つ。

一つは、ミサイルを搭載した機体がクーやブーン達『VIP』幹部であったこと。

彼等の機体は、ミサイル搭載状態では運動性能が格段に落ちていた。
そのため、『VIP』の質が格段に低くなっていた。

そしてもう一つ。
それは、メンヘラ軍の中にあった。

空を美しく舞う一機の飛行機械。
それが、次々と『VIP』の護衛部隊を落としていく。



135 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 18:47:53.26 ID:xJFHykxJ0
( ,,゚Д゚)「あの機体は何者だゴラァ!」

(;´∀`)「見たところ、メンヘラの旧式『ラウンジ441』だモナー」

(;^ω^)「あんな旧式が、何であんな動きを……」

川 ゚ -゚)「……」


メンヘラ軍の標準飛行機械は『ラウンジ443』

我々が対面している部隊も、大部分がそれだった。
その中で『ラウンジ441』という旧式の機体は、間違いなく目立っていた。

我々が上記のような会話を無線から交わしている中、
『ラウンジ441』が私を護衛していた飛行機械を落とした。

その時、私は見た。

『ラウンジ441』の機体に描かれた、
タバコを人差し指と中指ではさんだ右手を表すマークを。



136 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 18:48:50.51 ID:xJFHykxJ0
川 ゚ -゚)「……あれはまさか……ドクオか」

( ,,゚Д゚)「馬鹿を言うなゴルァ!!」

(;^ω^)「クー!それは確かかお!?」

川 ゚ -゚)「……ああ」

(;´∀`)「『ラウンジ441』はドクオの『VIP771』と同じ前方にエンジンを搭載したタイプだモナー!
    十分にその可能性はあるモナー!」

( ,,゚Д゚)「チクショーだゴルァ!」


無線から聞こえる叫び声とともに、ギコが編隊から離脱。
空を翔る『ラウンジ441』に向けて進み始めた。


(;^ω^)「ちょwwwおまwwwww」

(;´∀`)「ミサイルを搭載した状態でドクオに挑むなんて無茶だモナー!」

( ,,゚Д゚)「ドクオおおおぉぉぉおおおおおぉ!!」



137 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 19:00:24.23 ID:xJFHykxJ0
ギコが叫び声とともに『ラウンジ441』とすれ違う。
しかし、機体の運動性の違いは明らかだ。

そこで、ギコは雲の中に入る。
雲を隠れ蓑にして奇襲を仕掛けるようだ。

しかし、『ラウンジ441』はこともあろうか同じ雲の中に入る。


(;´∀`)「あいつら、むちゃくちゃだモナー!」



139 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 19:03:54.43 ID:xJFHykxJ0
それから数分


『VIP』の護衛部隊はほぼ壊滅。

残されたミサイル搭載部隊の我々は、目標を間近にしながら、
敵の攻撃をかわすので精一杯だった。


川 ゚ -゚)「……ちっ」


ミサイルを切り離すか?
ダメだ。
それだと任務遂行できない。

しかし、このままだと堕ちる。
長岡の言っていた星になってしまう。


川 ゚ -゚)「……それも悪くないか」


そう思った矢先だった。



140 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 19:05:38.26 ID:xJFHykxJ0
(;´∀`)「え!!ウソだモナ……ドク……」


突如入ったモナーからの通信がすぐに途絶えた。
それと同時に、強大な爆発音。


川 ゚ -゚)「……モナーが……やられた?」


爆発した方向を見ると、そのすぐ側を過ぎ去っていく『ラウンジ441』

まさか。
ギコもモナーも落としたのか?

そうなれば、俄然パイロットの可能性は一つに絞られる。


川 ゚ -゚)「……ドクオ……」


『ラウンジ441』が上昇した。
はるか上空まで上昇すると、こちらに向けて一直線に下降してくる。



141 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 19:07:43.25 ID:xJFHykxJ0
川 ゚ -゚)「……クソッ」


ペダルを思いっきり踏み込む。
機体の速度が上がる。
そのまま右方向に広がる雲の中に突っ込む。

視界が白に染まる。
世界が白に染まる。

その中で体勢を立て直す。
すぐに雲から離脱。

そのまま背面飛行。
下方を確認。

いた。
蒼い海の中にある一つの赤い点。

間違いない。


あれは『ラウンジ441』



142 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 19:09:41.96 ID:xJFHykxJ0
「……ガガ……ミサイルを……捨てろ」


突如、無線から流れる低い声。
聞き覚えのある低い声。


川 ゚ -゚)「……ドクオ……なのか?」

('A`)「……久しぶりだな」


蒼の中の赤い機体が、太陽の光を反射してきらりと光った。


ドクオに気をとられていると、右上方から敵機。

仕方がない。
敵機から放たれる火線をかわすと、私は機首を首都「ニチャン」に向けた。

頼む。

届いてくれ。


143 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 19:12:11.48 ID:xJFHykxJ0
そうつぶやいて、ミサイルを発射する。
途端、機体が急激に軽くなった。
発射した反動で、高度が数フィート上昇する。

そのままきりもみしながら上昇。
周囲を確認。

左下方。
ドクオでは無い敵機『ラウンジ443』

フラップを踏んで減速。
そのまま機首を下に向け、一気に下降。

敵機も私に気づく。
スピードを上げて私の斜線上から離脱していく。

やる。
しかし甘い。

下降からフラップを立て続けに数度踏む。
機体が急激に減速。

体が前のめりになる。

それに耐え、機体を海面に水平に。
そのまま離脱した敵機に向かう。


144 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 19:13:14.31 ID:xJFHykxJ0
後ろを取った。
トリガーを引く。

私の愛機から放たれた火線が、敵機の後部に命中。

エンジンに被弾したのだろう。
強烈な爆風とともに、敵機は空中で爆発した。


('A`)「流石だ!」

川 ゚ -゚)「……」


途端、上空から降下してきたドクオ機が機銃を放つ。
スピードを限界まで上げて加速。

ぎりぎりでかわす。



145 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 19:14:00.29 ID:xJFHykxJ0
('A`)「やるな!!」

川 ゚ -゚)「……」


ドクオは下降したまま、水平線の彼方へ離脱。
首都「ニチャン」と反対方向だ。


('A`)「付いてこい!サシで勝負だ!」


ドクオが無線で私を誘う。



147 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 19:20:38.90 ID:xJFHykxJ0
(´・ω・`)「……どういうこと?」


ニーソク社社長、ショボンは首都「ニチャン」の高層ビルの一部屋にいた。


(´・ω・`)「あれほどのメンヘラ飛行機械部隊……
    なぜだ?この近辺の基地には、あれほどの飛行機械は配備されていないはず……」


さては、半年以上の『VIP』によるメンヘラ基地偵察報告が間違っていたのか?


(´・ω・`)「使えない奴らめ」


そうつぶやいたとき、部屋の扉が開いた。



148 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 19:22:40.51 ID:xJFHykxJ0
(`・ω・´)「残念だったね、ショボン」

(´・ω・`)「……シャキン!」


そこにいたのは、メンへラ社社長の姿だった。


(`・ω・´)「君の計画はすべて筒抜けさ。まったく、とんでもないことをしてくれる」

(´・ω・`)「……なぜだ。なぜこの計画に気づいた?」

(`・ω・´)「……入ってきたまえ」

ξ゚△゚)ξ「失礼します」


扉から、一つの影がシャキンの隣に立つ。
そこには、信頼を置いていた秘書の姿があった。


(´・ω・`)「まいったね。僕は君の手のひらで踊らされていたわけか」



157 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:04:40.60 ID:AjWg4u5W0
(`・ω・´)「そういうことだ。さあ、償いをしていただこう」


シャキンは懐から黒鉄色の塊を取り出す。

銃だ。

それが、ショボンに向けて放たれた。
ショボンの胸から、鮮血が飛び散る。


(´・ω・`)「あいたたた。こりゃ死んだね」
 
(`・ω・´)「まったく、心臓を貫いたというのに君は……」

(´・ω・`)「すぐ死ぬさ。そのまえに一つ言っておくことがある」
 
(`・ω・´)「いいだろう。何かな?」

(´・ω・`)「僕たち『パロン』はいずれ滅ぶ。
    われ等の求める完璧さ故。己の傲慢さ故にね。
    時期に、第二の僕が現れて、君たちを殺すだろう」



158 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:06:24.11 ID:AjWg4u5W0
(`・ω・´)「ご忠告、ありがとう。
     だが、君の予言は外れるだろう。なぜなら我々『パロン』は完璧だからだ」

(´・ω・`)「そうかい。なら、あれをみるといい」


そう言ってショボンは窓の外を指差した。
そこには、巨大な飛行機械の姿。
それが、まっすぐこちらに向かってくる。


(;`・ω・´)「そんな……馬鹿な!」

(´・ω・`)「THE END! 安らかに眠ろう」

(;`・ω・´)「うわあああああああああああああああ」


突っ込んできた飛行機械とともに、
彼等の肉体は四散した。



162 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:10:07.18 ID:AjWg4u5W0
その数分前

メンヘラ軍の飛行機械の群れを抜け、ブーンは首都「ニチャン」上空へきていた


(;^ω^)「滅べ!『パロン』!」


ブーンは首都に向けて、ミサイルを放つ。
それは確かに首都に直撃。
しかし、首都を壊滅させるには遠く及ばない。

その発射の反動で、機体の高度が急激に上がる。
姿勢の制御が利かない。

そこを、後方から追ってきたメンヘラ飛行機械に狙撃される。


(;^ω^)「うああああああああああああああああ!!
     ちくしょおおおおおおおおおおおおおお!!」


両翼に被弾。
これ以上の飛行は不可能。

ブーンの機体は、パイロットもろとも下方にあった高層ビルへと突っ込んだ。


164 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:12:24.09 ID:AjWg4u5W0
その同時刻

ドクオと私。
二機の機体は首都「ニチャン」の海域のかなり奥のほうへ進んだ。

360度海しか見えない。
その空間で、私は問う。


川 ゚ -゚)「……なぜだ。なぜ貴様がメンヘラ軍にいる?」

('A`)「簡単だ!俺は『VIP』と……お前と戦いたかった!」

川 ゚ -゚)「……ふざけるな」

('A`)「すこぶる正常だ。強い奴と戦う!それが俺の生き方だ!」


その言葉とともに、前方の下にいるドクオ機が上昇。
私はトリガーを引く。

だめだ。
当たらない。


165 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:14:06.61 ID:AjWg4u5W0
('A`)「クー!お前もそうだろ!?
  空を駆け、空に生きる!それがおまえ生き方のはずだ!」

川 ゚ -゚)「……」

('A`)「俺とお前は同類だ!
   空での戦いの中でしか、己の存在意義を見出せんのだ!」

川 ゚ -゚)「……違う」

('A`)「何が違う!」


上昇中のドクオ機が急減速。
そのまま背面になる。

そして背面飛行。
下方にいるこちらの様子を探っている。

私はそのまま上昇。
ドクオ機の上に付く。


166 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:17:07.72 ID:AjWg4u5W0
川 ゚ -゚)「……私は戦いが好きではない」

('A`)「ウソだ!それならばなぜ敵を撃つ!?
   その手でいくつの命をあやめた!?」

川 ゚ -゚)「……違う!」


違う。

違うんだ。


私は戦いが好きなのでない。
ただ、空が好きなだけなんだ。

だけど、敵を倒さなければ空へは上がれない。

それなら、戦うしか無いだろう?


168 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:19:39.03 ID:AjWg4u5W0
('A`)「さあ、お前の実力を見せてみろ!
   空で生きる俺たち二人で、最高の『ダンス』をしよう!!」

川 ゚ -゚)「……『ダンス』」

('A`)「そうだ!踊れ!舞え!
  お前の愛するこの空で、俺に最高の『ダンス』を見せてくれ!!」


その言葉を最後に、無線が切れた。

その途端、前方下を飛行するドクオ機が旋回。
こちらに機首を向け、そのまま上昇してくる。

距離が近すぎる。

お互い、機銃を使わぬまま、至近距離ですれ違う。

今度は私が下。
ドクオが上。

こちらが不利。
距離をとって高度を同じにする。

しかし、ドクオはそれを許さない。
器用に背面飛行のまま、こちらを見ながら私との高度を保つ。


170 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:21:30.10 ID:AjWg4u5W0
それならば…。

私はフラップを連続で踏む。

機体が急減速。
そのまま機首を真上へ。

そして上昇。
一気にドクオの上に出る。

その後、さらに減速。
機首を今度は下へ。

いた。
右下方。

一気に下降。
そのまま機銃を放つ。

そのときだった。
急減速したドクオ機が、海面と水平のまま横にスライドした。


176 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:35:33.39 ID:AjWg4u5W0
川 ゚ -゚)「……馬鹿な……低速状態でスライドするだと?」


しかし、聞いたことがあった。

前方にエンジンを搭載した機体は前方に設置されたプロペラから風を受けるため、
低速時での機体のコントロールが可能であり、
熟練のパイロットであれば低速時でのスライドも可能であると。


川 ゚ -゚)「……これが……伝説のパイロット」



178 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:40:36.32 ID:AjWg4u5W0
そうつぶやいて、私はドクオ機の下へ。
一方、スライドしたドクオ機は、低速のまま機首を下に向けた。

まったく、たいした腕だ。
しかし、機体の基本性能はこちらが上。

私は海面スレスレまで降下すると、機首を持ち上げ海面と平行飛行。
そのまま一気にスピードを上げる。

ドクオの放つ機銃が後方を通り過ぎる。

機体の性能差を生かして、ドクオとの距離をとる。
ある程度の距離が取れると、旋回。

機首を後方へ向けて、上昇。
上方にいるドクオに、真下から突っ込む。


川 ゚ -゚)「……ドクオ。覚悟」


私はドクオ機の下から機銃を放つ。

勝った。
そう思った。


179 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:43:57.30 ID:AjWg4u5W0
しかし、ドクオ機は急減速。
私の放った機銃は、ドクオ機の前方を通り過ぎた。

ドクオ機そのまま、前方に搭載されたエンジンの重みを活かし、機首を下に向ける。


川 ゚ -゚)「……化け物め」

('A`)「……終わりだ」


ドクオ機の両翼の機銃から放たれた火線が、私の愛機を貫いた。


川 ゚ -゚)「……被弾箇所……機体後部……エンジンか……終わったな」



182 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:48:06.23 ID:AjWg4u5W0
私はそのまま上昇する。
しかし、エンジンの出力が急激に減少。

機体の高度が落ちていく。
下に広がるのは海。

そこには堕ちたくは無い。
地上に縛られるのは、もうたくさんだ。


頼む。


私を空で散らしてくれ。



184 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:52:03.93 ID:AjWg4u5W0
私がそう願うと同時に、エンジンが息を吹き返す。
エンジンに被弾したのに、これはどういうことだ?


「安心ろ!お前の愛機は俺が完璧にする!!」


ふと、長岡の言葉が頭をよぎる。


…ありがとう。
これ以上完璧な機体は無いよ。


そうつぶやいて、私はペダルを踏みつける。
機体が、天に向けてまっすぐに上昇する。

そして、エンジンの音が止まった。




185 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:56:35.93 ID:AjWg4u5W0



川 ゚ -゚)「……美しい」



エンジン音も機体の振動も無い静かなコックピット。
その中で、私は空を見上げた。


どこまでも広がる蒼。
蒼穹の色。

私の愛した空間。
私を呪縛から解き放つ空間。


ああ。
私は、永遠に空へと還るのだ。



187 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 20:59:25.10 ID:AjWg4u5W0
ひたすらに空に向かって上昇する飛行機械。
ドクオはそれを眺めていた。

いったん減速し、下降したそれは、
再び息を吹き返すと、一気に空に向かって駆け上がった。

やがて、はるか上空で上昇をやめたそれは中空で停止。

一瞬、空に浮かんだ。

それはまるで、無重力の中で浮かんでいるかのようだ。
その時、確かにクーは引力から、地上の呪縛から解き放たれていた。



そして、強烈な閃光とともにそれは砕け散った。



('A`)「……素晴らしいダンスだった」


そうつぶやくと、ドクオはその空域を離脱した。


188 :以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:03:05.57 ID:AjWg4u5W0
  _
( ゚∀゚)「まだかな!みんなまだかな!!」


『VIP』の基地の滑走路で、残されたジョルジュは皆の帰りを待っていた。
太陽は少し前に完全に沈み、夜の帳が下りようとしていた。

  _
( ゚∀゚)「あ!星だ!!」


長岡は西の空、首都「ニチャン」の方角をみた。
そこには、一際輝く一つの星があった。

  _
( ゚∀゚)「みんなが早く帰ってきますように!クーが早く帰ってきますように!!」


長岡の願いにこたえるかのように、その星はきらりと光り輝いた。


おしまい















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189 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:03:06.87 ID:2jLL8Rr20
クー・・・(´;ω;`)

190 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:04:28.38 ID:/2iJFznR0
ちょっと物足りないが、こんな終わりもいいのかも。
乙でした。

191 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[sage] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:06:35.30 ID:AjWg4u5W0
猿さん食らったりと、不手際が多くてすみませんです。
今日一日暇だったので、思いついたままのんびり書いてみました。
付き合ってくださった皆さんありがとうです。
では、さようなら。

192 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:06:36.40 ID:xBYsFsKe0
作者乙。儚いな……

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:08:03.00 ID:KgQiBXyO0


194 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:08:11.58 ID:2jLL8Rr20
                         ,,,,,,_
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          ,,,,,_   .,,,,,,,,,,iiiiiiillllllllllllllllllllllllllllllllllll丶
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              ゙!lllllll!!l゙゙’   .,,illlllllllllllllll!!゙゜
             ^     .,,illllllllllllllll!!゙゜
                  ,,illlllllllllllll!゙°
                 ,,illlllllllllll!l゙゜
                  ,,illllllllllll!l゙゜
                 ,,illllllllll!!゙゜.
                ,,illllllllll!゙゜            liiii,,
             ,,illllllll!゙゜                'llllllli,,
            ,,illllllll!゙                  lllllllllli,,
           ,illlllllll゙                  ,lllllllllllllii,
           llllllllllli,_             ,,,,illlllllllllllllllli,
           !llllllllllllllliiiiiiiiiiiii,,,,,,,,,,,,,,,iiiiiiiiiiiiiillllllllllllllllllllllllllllll
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              ゙゙゙゙!!!!!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!!!!!!!l゙゙゙゜
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195 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[sage] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:10:25.83 ID:BhbTGWmH0
こういう作品、好きだ。
作者乙

196 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[sage] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:11:15.06 ID:Ba1/VvqU0
ジョルジュが泣ける・・・(つдT)

>>1、楽しい一時をありがとう!!!

197 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:16:42.89 ID:8n1zbJ+UO
乙~面白かったよ

198 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[sage] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:22:42.63 ID:/sznb0HSO
乙、ジョルジュに涙してます。

199 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:25:28.56 ID:uGxyfmEMO

すごくよかった

200 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[sage] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:27:49.38 ID:TBzCDc5w0

こういう作品が大好きです

201 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:28:36.26 ID:JgajQiS5O
作者乙です

面白かったよ

202 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:29:11.16 ID:Z+obcxK10
乙。楽しめた

203 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:34:53.21 ID:uMqIbiHhO
乙!良かった!

204 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:38:16.18 ID:UhgTl+d/0
おー・・・・・

前作で予告してたときはクーが踊り子になる話だと思ってたけど
こういう事だったのか・・・・


やはり>>1お前は最高だ・・・・・GJ!!!!


前作読んでやっぱバイクが欲しくなって今教習所通ってるwww


女の教官どころかうざいオッサンしか居ねーよバーローwww

206 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:51:55.45 ID:SiWsc0gP0
エリアVIPを思い出した
そういやあれもドクオがライバルでエースパイロットだったな



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