第四話5 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:19:15.18 ID:4LGqKNOgO( ^ω^)「おっ?ツンはどこ行ったんだお?」 夕食も食べ、お風呂から上がった ブーンはジョルジュに問い掛ける。 ( ゚∀゚)「ツン?あぁ、あいつなら外にいったよ」 ( ^ω^)「外かお?」 ( ゚∀゚)「あぁ、ほらあそこだ」 そう言って 窓から身を乗り出し小高い丘を指差す。 ( ゚∀゚)「なんでもあそこから見える海は最高なんだってよ。ツンは海を眺めるのが好きらしい。俺眺めるより泳ぐ方が好きだがな」 ( ^ω^)「…ジョルジュらしいおw」 ( ゚∀゚)「なんだよwお前はどうなんだよ」 ( ^ω^)「僕は…海がすきだお。泳ぐのも、見るのも。すべてが好きだお」 6 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:20:09.08 ID:4LGqKNOgO ( ゚∀゚)「すべてか。なんか…らしいな。みんな大好きって顔してるぜ。のほほん面」 ははっ と ジョルジュは笑う。 ( ^ω^)「そうかお?…というかジョルジュ、それは褒めてるのかお?」 (*゚∀゚)「ほめてるほめてる」 (;^ω^)「ジョルジュ…酔ってるのかお?」 (;゚∀゚)「酔ってない酔ってない、ただ今日は…」 ブーンに無邪気な笑みを見せながらこう言った。 ( ゚∀゚)「最高に気分がいいだけさ」 7 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:22:17.09 ID:4LGqKNOgO ―ザザン…― 波音が聞こえる。 空には、星が降ってきそうなほどたくさん キラキラと輝いている。 ξ゚△゚)ξ「ゆ~きやこんこん あ~られやこんこん」つい口ずさんでしまう思い出の曲。 ξ゚△゚)ξ「ふってもふっても」 ( ^ω^)「ずんずんつもる」 ツンが驚き振り向くと そこにはブーンが居た。 ( ^ω^)「それは冬の曲だお」 そう言って ツンの隣りに腰を下ろす。 ξ゚△゚)ξ「悪かったわね」 ( ^ω^)「別に悪くなんかないおっ。ここは雪は降るのかお?」 ξ゚△゚)ξ「ぜ~んぜん」 ツンは ため息をつく。 9 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:24:18.27 ID:4LGqKNOgO ξ゚△゚)ξ「私ね、小さい頃雪がみたくって、この歌唄ったら降って来るかなぁと思って、毎日この丘で唄ってたの」 ( ^ω^)「おー」 ξ゚△゚)ξ「だからこの丘に来ると、つい唄っちゃうのよ『ゆ~きやこんこん』ってね」 (*^ω^)「じゃあ一緒に唄おうお、二人で唄ったら降って来るかもだお」 ξ゚△゚)ξ「ふるわけないわよ。一度も降ったことないもの」 (*^ω^)「二人で唄うと違うかもしれないお」 ブーンがニコニコとツンを見つめる。 ツンはくすっと笑い、言った。 ξ゚△゚)ξ「貴方ほんと、内藤にそっくりね」 10 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:25:24.51 ID:4LGqKNOgO ( ^ω^)「ブーンさんのことかお?」 ええ、とツンは頷く。ξ゚△゚)ξ「あいつもね、同じ事言ったの。二人で唄うと降って来るかも、ってね」 と、懐かしそうに目を瞑る。 ξ゚△゚)ξ「内藤はね、いじめられっこで、小学生の頃とかジョルジュと私がよく助けに行っていたわ。 殴られても反撃しない内藤に、どうして反撃しないの?って聞いたら、あいつなんて言ったと思う?」 ブーンは首を振る。 ξ゚△゚)ξ「『殴られたら痛いのわかってるから。痛いのは自分だけで十分』ですって。どんだけ優しいのよって感じよね??」 11 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:27:37.71 ID:4LGqKNOgO ブーンは頷く。 ツンはさらに続ける。ξ゚△゚)ξ「そんな内藤はね、中学生のころ両親を亡くしたの。不慮の事故で。そして中学卒業後こう言ったわ。」 『僕はトウキョウに行って軍にはいる』 ξ゚△゚)ξ「私とジョルジュは当然驚いたわ。だって高校に進むか働くものだとばかり思ってたんだから。 あんな優しい性格で軍でやってけるのかって、私達は心配したわ。でも内藤はこう言った。」 『僕は強くなりたい。二人に助けられてばかりだったから。今度は僕が二人を助けられるようになりたい。』 馬鹿よね、ツンはそう呟いた。 12 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:28:33.86 ID:4LGqKNOgO ξ゚△゚)ξ「私達は…私は内藤がそばに居るだけで良かった。 ドジだけど優しくて…私達は内藤の存在にどれだけ救われてたか。 その事を知らないまま内藤はトウキョウへ行ってしまった。 なくして気がつく大切な存在…私は今もどうして止めなかったのか、後悔しているわ」 ( ^ω^)「連絡は…ないのかお?」 うん とツンは頷いた。 ξ゚△゚)ξ「私…内藤好きだったのかも知れないな…。ううん…今も好きなのかも…もう五年も会って無いのにね」 ツンは寂しそうに俯いた。 ( ^ω^)「羨ましいお」 ξ゚△゚)ξ「え…?」 13 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:30:53.08 ID:4LGqKNOgO ( ^ω^)「面白くて優しいジョルジュと、美人でかわいいツンと幼馴染みで、 さらにこんな美人のツンには好きって言ってもらえるなんて。 ブーンさんは幸せ過ぎるおっ」 ξ゚△゚)ξ「………」 ( ^ω^)「ツン、笑うお。」 『笑ってツン』 ξ゚△゚)ξ「!」 ( ^ω^)「ツンは笑ってる時が一番かわいいお」 『ツンは笑ってる時が一番かわいいね』 ξ゚△゚)ξ「………」 ブーンが内藤にダブって見える。 昔かけられた言葉が蘇る。 『「笑ってる顔が一番好きだよ』」 ξ*゚ー゚)ξ「…うん」 ツンはニッコリと微笑んだ。 14 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:31:28.86 ID:4LGqKNOgO ( ^ω^)「笑ったお、やっぱりツンはかわいいお」 ξ゚△゚)ξ「バカ」 とブーンを コツン と殴る。 ξ*゚ー゚)ξ「でも…ありがとうね」 ツンは満面の笑みをうかべた。 15 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:33:25.95 ID:4LGqKNOgO ブーンは一人 丘の上にいた。 ツンは先に家へと帰った。 ( ^ω^)「なんか…変だぉ…」 妙な胸騒ぎがする。心なしか海までざわついているような気がする。 夜の海は美しい。しかし 今日夜の海は 美しさと共に不気味さを感じられた。 ( ^ω^)「きっと気のせいだお」 そう思い込もうとしたが、軍にいた身体は、どうにも納得できない様だった。 (;^ω^)「何の音だお…?」 波音に混じって聞こえる微かな音。 ( ^ω^)「!?」 それはブーンが聞き慣れたものであった。 17 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:34:35.91 ID:4LGqKNOgO (;゚ω゚)「あ…れは…VIP」 ブーンは凍り付いた。 空に浮かぶのは黒色の艦隊 VIP軍のヘリだったのだ。 (#゚ω゚)「ショボン博士…貴方って人はまた…」 ブーンは走り出した。 一刻も早く二人を逃がさなければ。 18 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:36:40.07 ID:4LGqKNOgO バタン!!! 肩で息をし家に飛び込んで来たブーンをみて ジョルジュは目を丸くして言った。 (;゚∀゚)「どっどうしたんだよっブーン!?」 (;^ω^)「げる…っお…はっ…やく」 (;゚∀゚)「はぁ?」 ξ;゚△゚)ξ「一体どうしたの?落ち着いて?」 ブーンは空気を思い切り吸い、叫んだ。 ( ^ω^)「二人とも早くにげるお!!!!」 (;゚∀゚)「はっ?何言って…」 (;^ω^)「いいから逃げるお!ここにいたら殺されちゃうお!」 ξ゚△゚)ξ「どういう事なの?ブーン説明して頂戴」 19 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:39:19.19 ID:4LGqKNOgO ( ^ω^)「とにかく逃げるおっ!軍隊がここにくるんだおっ! ここに居たら確実に殺されてしまうお!」 ( ゚∀゚)「軍隊??馬鹿な事言ってんじゃね…」 ブーンはジョルジュの襟繰りを掴み窓の外へと突き出した。 ( ^ω^)「嘘だと信じたいが…あれが現実だおっ!!」 (;゚∀゚)「…まじかよ…」 窓から見える海には 黒色のヘリが3隊止まっていた。 ツンも続いて外を眺め、息を飲む。 ξ;゚△゚)ξ「何なのあれ…」 ( ^ω^)「取りあえず逃げるおっ!ここは海より遠いから、逃げ切れるおっ!!」 ξ゚△゚)ξ「ブーンが言うなら…本当かも…」 20 : ◆FuRRIqgrB2 :2006/06/21(水) 00:40:53.96 ID:4LGqKNOgO (;゚∀゚)「ちょ…俺の家海に近いんだよ…」 ジョルジュが呟く。 ( ゚∀゚)「俺…家族んとこいって…」 ( ^ω^)「ジョルジュは危険だおっ、僕が行くお」 (;゚∀゚)「何馬鹿いっ…」 (#^ω^)「いいから行けっつってんだろ!何度も言わせんなこの馬鹿が!!」 ブーンがいつに無い形相で怒鳴る。 さすがのジョルジュも納得せざる得ない。 ( ゚∀゚)「…わかった」 ( ^ω^)「良い子だお。ちゃんと逃げるんだお」 ブーンは 家から出ようとする。 ( ゚∀゚)「…ちゃんと後から来いよっ!死ぬなんて許さねぇからなっ!」 ブーンはニッコリと微笑んで頷いた。 ジャンル別一覧
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