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LOYAL STRAIT FLASH ♪

第二章

36 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/21(月) 23:56:18.69 ID:H8N0wyty0

第10話 ~紙一重~


3人、もとい2人はゆっくり歩き始めた。
ショボンの背中におぶさりブーンは夢を見ていた。

~~~~~~~~~~~~~

('∀`)「フヒヒwwwwまた釣れたぜwww」

(# ^ω^)「荒巻の野郎・・・。餌選んでやがるお・・・。」

(´・ω・`)「お、僕も釣れた。」

(# ^ω^)(ビキビキ)

('∀`)「俺は満足するくらい釣ったし、先に帰ってるからなー」

(# ^ω^)「チクショー!ブーンは1匹釣るまでは帰らないんだお!」

('∀`)「そうか、ほどほどにしとけよ?・・・また・・・後…で・・・な。」


~~~~~~~~~~~~~




37 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/21(月) 23:59:05.09 ID:H8N0wyty0

( ^ω^)スヤスヤ

ξ*゚ー゚)ξ「フフ・・・可愛い顔しちゃって。」

(*´・ω・`)(可愛い顔しちゃって)


( ^ω^)「・・・・おっ!ふぉぉぉぉお(アクビ)」

ξ゚△゚)ξ「あ、ブーン、おはよ」

( ^ω^)「おっ。ツンおはようだお。」

・僕は寝ぼけながら、ショボンの背中から周りを見渡したんだお。
見慣れない光景。20秒ほど考えてようやく現状を思い出したんだお。



39 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/21(月) 23:59:39.83 ID:H8N0wyty0

(; ^ω^)「って・・・また嵐が来るんじゃ無かったかお?」

(´・ω・`)「ブーン・・・もう・・・大丈夫なのかい?」

( ^ω^)「ドクオに・・・・ドクオに会ったんだお。
あいつは「また後で」って言ってたんだお。あいつは・・・嘘を付くような奴じゃないお!」

(´・ω・`)「そうか・・・。」


・ショボンに現状を説明してもらったんだお。
どうやら僕は20分ほどしか寝てなかったらしく、今はあの洞窟に避難するところだったんだお。
ショボンが言うには・・・ほぼ十中八九、嵐が来る・・・らしい。




40 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:00:24.02 ID:RsSFAdRz0

( ^ω^)「あの洞窟なら大丈夫だお!またブーン達を助けてくれるお!」

(´・ω・`)「そうだね。あそこなら・・・。」

・それから15分ほど歩いて、僕らは再び湖があった場所に戻ってきたんだお。
そう・・・始まりの場所に・・・。


ξ;゚△゚)ξ「はぁ、はぁ、結構疲れるわね・・・。」

( ^ω^)「・・・・・・。」

(´・ω・`)「・・・・・・。」

ξ;゚△゚)ξ「ねぇ・・・空もちょっとずつ暗くなってきたし、
早くその洞窟に隠れよう?」





44 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:08:21.26 ID:RsSFAdRz0

・愕然?いや違うもっとふさわしい言葉は・・・そう。




\(^o^)/ 人生オワタ


(´゚ω゚`)「洞窟が・・・。」

( ゚ω゚)「崩れてるお・・・。」

(゚∀゚)(´゚∀゚`)「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」

ξ;゚△゚)ξ「え?え?嘘でしょ?」




46 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:09:20.19 ID:RsSFAdRz0

(;´・ω・`)「もう・・・もう万策尽きた・・・終わりだ・・・。」

ξ;△;)ξ「そっ、そんな・・・。ここまで来て・・・。」

( ´ω')(短い人生だったお・・・。せめて・・・ツンには生きてて欲しかったお・・・。)

生ぬるい風がちっぽけな3人をあざ笑うかのように吹いている。
まだ、夕方前なのに辺りも暗くなり始めていた・・・。



47 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:10:17.41 ID:RsSFAdRz0

(;´・ω・`)(もう本当に・・・打つ手無しだな。)

ショボンの思考回路は、もはや足掻く事を辞めていた。

ξ゚△゚)ξ(これも・・・運命なのね・・・。)

ツンは元々ブーン達が来なかったら、消えていた自分の灯火。
「死」を受け入れつつあった。

( ^ω^)(空を飛ぶのが夢だったお・・・とうとう叶えられなかったお。)

ブーンもショボンが諦めた時点で、自力で生き残ることは不可能と悟っていた。




48 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:11:07.45 ID:RsSFAdRz0

(´・ω・`)「・・・・・・ククク。」

ξ゚△゚)ξ「・・・・・フフフ。」

( ^ω^)「・・・・・おっおっおっ」

「あはははははははは」

・別に気が狂った訳じゃ無かったんだお。
ただ、自分たちのちっぽけさとどうにもならない状況で、ただ、ただ笑っていたかったんだお。

(´・ω・`)「ふぅ、僕らもこれまでかw」

ξ゚△゚)ξ「そうみたいねww」

( ^ω^)「これなったら派手にぶっ飛んでやるお!!www」

ξ゚△゚)ξ「はいはい!私も私も~!」



51 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:14:00.84 ID:RsSFAdRz0

(´・ω・`)「散々悪あがきしたけど、吹っ切れると楽になれるね。」

ξ゚△゚)ξ「まだ、死にたくはないけどしょうがないよねw」

( ^ω^)「ショボンも派手に弾けてみるといいんだお!」

(´・ω・`)「フフフ・・・そうだね、僕も今回ばっかりは飛べ・・・・・(飛ぶ?)」


何かがショボンの脳裏によぎる。




53 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:15:14.04 ID:RsSFAdRz0

なんだろう・・・・この感じ・・・・。



(´・ω・`)(・・・・・飛ぶ・・・・・飛ぶ・・・・・弾け・・・?)

(´・ω・`)(・・・・・!!!!!!!!!!!)

( ^ω^)「どうしたお?また得意の考え事かお?ww」

(´・ω・`)「ブーン!君は馬鹿でどうしようも無くて、救いようが無いとも思った事もあったけど・・・。」

(# ^ω^)(ビキビキ)

(´・ω・`)「天才かもしれない!!!」



55 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:15:57.70 ID:RsSFAdRz0
・ショボンは当たり前の事を大袈裟に言ってたんだお。
何を今更と不思議に思ったけど、やっぱり僕は天才だと再認識したんだお。

ところで邂逅ってどんな意味だっけかお?


第10話 ~完~


98 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:33:56.52 ID:RsSFAdRz0


第11話 ~希望~


ξ゚△゚)ξ(やっぱりショボンは狂っちゃったのかしら?)

あのブーンを「天才」呼ばわり始めたショボン。
どう考えても、狂ってるとしか思えない。





102 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:38:12.52 ID:RsSFAdRz0

(´・ω・`)「クククク・・・・これはいい・・・・www」

( ^ω^)「お?」

(´・ω・`)「ねぇ、ブーン。僕らはこの状況で何が出来る?」

( ^ω^)「何もできないお?だから、最後くらいは飛んでやるんお!」

(´・ω・`)「そう!そうなんだ。飛ぶことしかできないなら、飛んでしまえばいいんだよ!」

ξ;゚△゚)ξ(ショボン・・・気の毒に・・・。ブーン色に染まっちゃったのね。)




103 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:38:55.47 ID:RsSFAdRz0

(´・ω・`)「僕は今まで、どうすれば巻き込まれないかをずっと考えてたんだ。
だけど、それが無理なら巻き込まれてしまえばいい!」

( ^ω^)「?」

・さっきから同じ事を何度もこのショボヅラが。
と、正直思ってたんだお。ただ次の一言を聞くまでは。


(´・ω・`)「何も、巻き込まれたから死ぬわけじゃない。
恐らく、その後に地面に叩きつけられて初めて死が訪れる。」

ξ;゚△゚)ξ「そ、それって、まさか?」





105 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:40:51.49 ID:RsSFAdRz0
(´・ω・`)「パラシュートを作ろう!!!!!!」      ┓
                                     ┃ 同時に
( ^ω^)「手で羽ばたけばいいのかお!!!!!!」   ┛


ξ;゚△゚)ξ(´・ω・`)「・・・・・・。」




106 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:42:38.85 ID:RsSFAdRz0

   ∩               
   | | /⌒',ノ ̄ ̄`ヽ、―ニ  
   ヽ(゜ω/ ´`ヽ _  三,:三ー三,:
    ノ .ノヽ--/ ̄ ,    `   ` ̄ ̄ ̄
   .(  }.  ...|  /!        
    \ }、ー‐し'ゝL _      
      \_jr--‐‐'´}    ;ーー------
        `ヾ---‐'ーr‐'"==


           ..:/⌒ヽ:
        .:(⌒、;-ω-):
        .:|\ ヽ' /:   
        .:( ヽ.ソ:    
        ::ノ>ノ:
        .レレ :





107 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 00:43:28.92 ID:RsSFAdRz0

(´・ω・`)「さぁ!時間が無い!本当の馬鹿は放っておいて急いで街に戻ろう!」

ξ゚△゚)ξ「そうね!街にはビニールやボロボロになった材料があったわ!
つなぎ合わせればなんとかなるかもしれない!本当の馬鹿は無視して急ぎましょ!」


.:(⌒、;-ω-):「ま、待ってくれだお・・・。」

一度は死を受け入れた3人だったが、また「生」かすかな望みを見つけた。
受け入れた分、悲観的な考えは消えより前向きに生きられる。

3人は再び「生」に向かって走り出した。

第11話 ~完~



14 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 23:32:20.28 ID:RsSFAdRz0
前回までのあらすじ

     ミミ:::::::::::::::::::il   /          ヽ、         .|:::::::::::::::::::::
     ミ::::::::::::::::::::::::ノ  /    ,.-,        ',        ,..,,.l,.-、::::::::::::::
     ミ:::::::::::::,.__,,.../,. --===/:::::ヽ--- ...,,,,、  ',    ,.r- 、'::::::`ヽ j:::::::::::
     -=..,,___l,..ィ:::::ll ̄   ./::::::::ll´ ̄ `'' ‐ミ,.、 ', '´:`ヽ:::::::::::`ヽ::::::::',''‐--ミ
         i:::::-‐:|l、   .l:::::::::::|l   | | .|| l l''l:::::::::::::ヽ::::::::::::::l:::::::ノ
         .ヽi::::::::ヽ__‐--l:::::::::::lヽ---‐‐‐‐'__/-l:::::::::::彡:::::::::::::/,.r '
          l,::::i::::::l.l`''r‐、:::::,.r '' ‐,.ニ-'、''i l´l.l,l::::_::::::::::/:::::::ノ
           ヽl::::::,.ソ' ' ・ '"  ‐'"・ `' - l |.|/ノ´ `ヽノ.ニ.,´    竜の巣だ~!
          ,.r‐''/:.:.{ 、`ニ /  、ヽ''ニ' ;////        `' ‐、
         / :::::::l:.:.:.:.:l `'' .l   ,.`' ‐ ';i .l / /   ,.       `ヽ、_
        ,. ' :::::::::l:.:.:.l:.:.:.l .l ヽ__, '_,..   /.///  ,.r'     ,,.. -‐'' ´ `ヽ、
       / ::::::::::::l:.:.:.:.l:.:.:.ヽ、 ゝ_..,ヽ   ,.r ' ' ,. r '   ,. -‐'´
      / :::::::::::::::l:.:.:.:.ヽ:.:.:.:l,  __   ノ - '´  ,.r '´ /
    / ::::::::::::/::::::l:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:. ̄ ` ''' ´   ,. r '´  ./
    ,.' :::::::::::::::/:::::::::::',:.:.:.:.:....       ,,.. ‐ '     /
  / ::::::::::::::::/::::::::::::::::ヽ‐-....,,,,.... -‐ ''"      i.  l  /
 ./::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::.               .l .l/




15 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 23:32:58.16 ID:RsSFAdRz0
第12話 ~伸るか反るか~


・僕らは急いで街に向かって走ったんだお。
生暖かい風も徐々に強さを増して、あの時の記憶が蘇る。


(;´・ω・`)「はっ・・・はっ・・・はっ」

(; ^ω^)「はぁはぁはぁ」

ξ;´△')ξ「あぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・もう・・・ダメ」

(; ^ω^)「ツ、ツン!大丈夫かお?僕の背中におぶさるお!」

ξ;´△')ξ「ごめんね・・・アタシ・・・足手まといだね。」

(; ^ω^)「そ、そんなことないお!缶詰見つけたのもツンだお!
僕なんかより全然役に立ってるお!(事実)」




19 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 23:34:25.79 ID:RsSFAdRz0

ξ;´ー')ξ「ブーン・・・ありがと。」

ツンが背中におぶさる。

あれ・・・背中にやわらかい感触が・・・・。

(;  ゚ω゚)「!!!!!!!!」


           ‐-;-.,_ "''=;- .,_\ \\
             "‐ニ‐-> "`"'-' \
      ______二)         ヽ
         ̄"'''─-、     ξ゚△゚)ξ  ヽ
__   ____-─     γ  つ⌒ヽ   ヽ,
   ̄ ̄ ̄ ̄    三  ⊂二二二( ゜ω゜)二⊃ ヽ
  ――=                `J    /      |
        ――         ( ヽ♂        |
    _____          ノ>ノ       !
 ̄ ̄ ̄ ̄     ̄ ̄ ̄ ̄ヾ、 _、 レレ         |
                 ヾ./_     _   //
                、ー`、-、ヾ、、,  、, /i/
                 // ./// /
                 /  / / /



(;´・ω・`)「あっ、お~い待ってくれよ~」



21 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 23:35:35.60 ID:RsSFAdRz0

・僕らが再び街に着いた頃には、周りも暗くなり始めて雷鳴も聞こえてきたんだお。


(;´・ω・`)「よし!とにかくパラシュートの材料になりそうなものは、
片っ端から集めるんだ!」

( ^ω^)「分かったお!」


思ったより、材料は見つけることができた。
ロープ・布・ビニール、使えそうなものは何でも集めた。

ブーンとショボンが材料を集めては、ツンができるだけ隙間のないように繋ぎ合わせて行く。
そして、予想していたよりも遥かに大きいパラシュートが3つ完成した。




22 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 23:36:37.67 ID:RsSFAdRz0

ξ゚△゚)ξ「っし!できたわ!」

(´・ω・`)「どうしても隙間はできちゃうから、できるだけ大きい物を、と思ってたけど
これなら、なんとかなるかもしれない。」

( ^ω^)「助かるんだお!?」

(´・ω・`)「いや・・・。どっちにしてもこの作戦は乱暴なものだ。
むしろ危険のほうが大きいだろう。」

ξ゚△゚)ξ「竜巻みたいな、台風に飲み込まれるんだものね・・・。」

(´・ω・`)「そう・・・。どっちにしてもタダじゃ済まないと思う。
でも、僕らは一度「死」を受け入れた身だ。開き直って伸るか反るか!だよ。」

( ^ω^)「ブーンは飛べるんだお!」


風も出てきた。いよいよ運命の刻が近づいてきたのだろう。
雷鳴は3人を迎え撃つかのように轟いていた。




23 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 23:37:19.98 ID:RsSFAdRz0

ξ゚△゚)ξ「アンタはもうお帰り。」


                       ))
         (\    。 。     /)
        (_(_(\   ∨    /)_)_)
         (_(_(_\( ゚д゚ )/_)_)_)  「・・・・・・・。」
           (_(_(_( 《 ?》)_)_)_)
         (_(_(_/ 《ii》\_)_)_)
         (_(_/   JJ  \_)_)
        (_/          \_)
      ミ          *     


ξ゚△゚)ξ「ほら、早く行きなさいよ。アンタまで巻き込まれちゃうわよ。」

( ゚д゚ )「・・・・・・・・バイバイ」

ξ゚ー゚)ξ「台風が消えたら、ちゃんと脱出するのよ?元気でね。」


ミンナアゲハはまた台風の目の中心部に飛んで行った。


第12話 ~完~


33 名前:◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 23:50:16.19 ID:RsSFAdRz0

第13話 ~神への反逆~



ゴォォ・・・・


(´・ω・`)「いよいよか・・・。」

ξ゚△゚)ξ「皆無事でいてね・・・。」

(; ^ω^)(ドックン、ドックン)

3人は、さすがに身一つで吸い込まれるわけにも行かず、
半壊したコンテナのようなものの中に隠れていた。ミシミシ音を立てて揺れている。




34 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 23:51:22.55 ID:RsSFAdRz0

(;´・ω・`)(腹をくくっても怖いものは怖いな・・・・。)

ξ゚△゚)ξ「・・・・ねぇ、ブーン?」

( ^ω^)「ツン、大丈夫だお。僕がついてるお」

ξ゚△゚)ξ「ううん・・・。違うの・・・。もし・・・もしよ?生きてこの台風から脱出できたら・・・。」

( ^ω^)「お?」

ξ////)ξ「い、いやっ・・・なんでもないわ」


その時だった、風が今までの比にならないくらい強くなり
いよいよコンテナもガタガタ揺れる。壊れたコンテナのドアから見える景色は
以前にも見た景色。相変わらず常軌を逸していた。


( ^ω^)「ドクオもこんな気分だったのかお・・・?
でも・・・大丈夫・・・僕らはまた会えるお」




36 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/22(火) 23:53:42.47 ID:RsSFAdRz0

とうとうコンテナが重力を無視して浮き上がる。

(;´・ω・`)「うっ・・・。」

ξ;゚△゚)ξ「あっ・・・。」


なんとも言えない、奇妙な感覚が3人を襲う。
と同時に、コンテナは勢いを増し渦に飲み込まれて行く。
まるでジェットコースターのようにすさまじいスピードで・・・。


(; ^ω^)「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

(;´・ω・`)(すごい・・・。本当にこんな中から生きて戻れるのか・・・。
僕の選択は本当に正しかったのか?・・・教えてくれよ・・・ドクオ。)


周りの巻き上げられたものが、コンテナにぶつかる。
もの凄い騒音と地獄絵図のような景色に、気が狂いそうになる。




41 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/23(水) 00:01:33.27 ID:Y0UgrCpw0

(;  ゚ω゚)「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

(;´・ω・`)「絶対にパラシュートは手放すな!?巻き上げられるとこまで巻き上がって
台風から放り・・・出された・・・ら・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・コンテナから出るん・・・・だ」

ξ;´△')ξ「はー・・・・はー・・・・く、苦しい・・・」

(;´・ω・`)(この気圧だ・・・。酸素も・・・薄いのか・・。)


3人がコンテナの中で、恐怖と空気と戦っているとき、
遠くから巻き上がっきた暴走車が、一直線に向かってきていることを
3人は知る由も無かった。




42 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/23(水) 00:02:08.27 ID:Y0UgrCpw0

(;  ´ω')(く、苦しい・・・お)

(;´・ω・`)「が・・・・んばれ・・・。」


ξ;´△')ξ「ブー・・・・ン」

・そう・・・本当に苦しかったんだお。でも苦しいのは皆同じだったんだお。
僕はツンを抱きしめ、できるだけ息をしないようにジッとしてたんだお。


今でも・・・覚えてる・・・あの時の・・・ツンの・・・小さな体の・・・感触を・・・。


第13話 ~完~
45 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/23(水) 00:06:33.18 ID:Y0UgrCpw0

第14話 ~悪夢再び~


もはや、叫び声も出せない・・・。
3人はコンテナの中で、うずくまっているしかなかった。


(;  ´ω')(;´・ω・`)ξ;´△')ξ


無事に帰れたら、ご飯をお腹いっぱい食べるんだお
ポーションをガブ飲みするんだお
カ~ちゃんに親孝行いっぱいしてあげるんだお

そして

ツンと、いつまでも幸せに・・・・。





46 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/23(水) 00:07:14.50 ID:Y0UgrCpw0

ガガガン!!!

今までにない衝撃がコンテナに走る。
暴走車がコンテナ目掛けて突っ込んできたのだ。

(((;  ´ω')))「ぅわぉ!」

(((;´・ω・`)))「わわっ!」

((ξ;´△')ξ))「・・・・・・・・。」


ブーンは中にあった取っ手を掴みなんとか踏ん張ったが、ショボンとツンが衝撃で転がる。
ズルズルとコンテナの割れ目に向かって・・・。


(;  ゚ω゚)「ツン!ショボン!」


2人は割れ目から放り出されそうになるが、寸でのところで
片手でコンテナのくぼみに手をかける。




48 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/23(水) 00:08:07.49 ID:Y0UgrCpw0

(;´・ω・`)「うっ・・・・くっ・・・・。」

ξ;´△')ξ「あぁ・・・・あ・・・あ」


ショボンもツンも最後の力を振り絞ってくぼみを掴んでいる。
ブーンは同時に2人とも同じ状況になったために、一瞬固まってしまった。
外は荒れ狂う悪魔が手招きしているように見えた。


(;  ゚ω゚)「あぁ・・・・う」

(;´・ω・`)「ブーン!ツンちゃんの手を掴め!
僕は自力で戻れる。ツンチャンはもう・・・限界だ。」


(;  ゚ω゚)「わ、分かったお!」




51 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/23(水) 00:10:16.09 ID:Y0UgrCpw0

・僕はツンの腕を掴んだ途端、ツンの手がくぼみから外れる。
ツンの体は完全に宙に浮いた。


(;  ゚ω゚)(あれ・・・・この光景はどこかで見覚えがあるお・・・。)


ブーンの脳裏にダブる記憶。


( (;'A`)「・・・・・・。」 )


(;  ゚ω゚)「・・・・かお。・・・ブーンをもう一度試そうって訳かお!
上等だお!やってやるお!絶対に!絶対に離さないんだお!」


(;´・ω・`)「ぐ・・・ぐ・・・そうだ・・・。絶対に・・・離すな・・・。」


(;´・ω・`)(くそ・・・片手じゃもう・・・限界だ・・・・。でもパラシュートを捨ててしまったら・・・。
その後は・・・・どうする・・・?)




52 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/23(水) 00:12:22.68 ID:Y0UgrCpw0

ガガン!

その時、再びコンテナを衝撃が襲う。
今度は舞い上がった岩がコンテナを直撃したのだ・・・・。


(((;  ゚ω゚)))「うおお!なめるなお!」

((ξ;´△')ξ))「ああぅ・・・。」

(((;´・ω・`)))「あっ・・・・しまっ・・・。」


限界のきていたショボンの手が・・・。
3人はその時、スローモーションのように外れるショボンの手を見つめていた。


(((;  ゚ω゚)))

((ξ;゚△')ξ))

(((;´・ω・`)))


時が一瞬止まる・・・。




55 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/23(水) 00:13:17.26 ID:Y0UgrCpw0

と同時にブーンとツンの視界からショボンが消えた。


(((;  ゚ω゚)))「・・・・・。」

((ξ;゚△')ξ))「・・・・・。」


もはや叫び声も出なかった。
今、目の前で起こったことを理解しようとすることが限界だった。




56 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/23(水) 00:14:24.08 ID:Y0UgrCpw0

・僕は馬鹿で、まぬけで、救いようがない奴だお。
いつも冗談まじりでショボンに言われていたんだお。

その度に僕は怒っていたけど、でも・・・でも・・・いつも最後にショボンはこう言ってくれてたんだ。


(´・ω・`)「で も 僕 は 君 を 親 友 と 思 っ て い る よ」



・・・
・・




58 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/23(水) 00:16:20.10 ID:Y0UgrCpw0

僕はツンに向かってニッコリ笑った。


( ^ω^)「大丈夫・・・・。これも・・・・ショボンが・・考えた・・・作戦・・・なんだお。
僕の使命は・・・この手を離さないこと・・・。」

ξ;゚△')ξ「・・・・。」


ショボンは生きてる。あいつが死ぬところは想像できない。
したがって結果的に生きてる。そう答えを出した。

だが、ブーンも限界が近かった。
何もかも吸い上げてしまうような力と腕一本で戦っていたからだ。
パラシュートを足で踏み、片手で取っ手を掴み、もう片手でツンを掴む。


(; ^ω^)(体が・・・・引き裂かれそう・・・・だお)


少しずつ、繋いだ手が滑り出すのをお互いに感じる。


ξ;△;)ξ「いやっ・・・・嫌よ!死ぬことはいいの。
ブーンと離れるのだけは・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

(; ^ω^)「ツン・・・・。」



64 名前: ◆dcA562FVRg :2006/08/23(水) 00:30:18.41 ID:Y0UgrCpw0

火事場の馬鹿力。ド根性。精神論。
どれを使っても、どうにもならないことも世の中には・・・・・・ある。


(; ^ω^)「くっぉぉぉぉぉ・・・・・。」

(; ^ω^)(は、離れてしまうお・・・・。ツンが・・・ツンが・・・。
嫌だお・・・ダメだお・・・僕は2度は負けないんd・・・・)


ズルッ


手は・・・・離れた



第14話 ~完~


4 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 18:42:02.01 ID:S5lTOCAe0
前回までのあらすじ




    _______  ヽ
   /    ::::::::::::::::\ つ
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::| わ
  |  、_(o)_,:  _(o)_, :::|ぁぁ
.   |    ::<      .::|あぁ
   \  /( [三] )ヽ ::/ああ
   /`ー‐--‐‐―´\ぁあ

      に尽きる


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      に尽きる



6 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 18:43:27.12 ID:S5lTOCAe0

第15話 ~人~


・僕は高校3年生。受験生だけど遊び呆けていたんだお。
勉強しなきゃダメなのは、理解していたけど3人で遊ぶことが面白すぎて・・・。


( ^ω^)「勉強しに図書館に行ってくるお!」


親にはこう言っておけば、何も口うるさく言われることは無かった。


('A`)「ゲーセン行こうぜww」

(´・ω・`)「僕は推薦決まってるからいいけど、君らは勉強しなくていいのかい?」

( ^ω^)「なんとかなるおww」

('A`)「俺、大学いかねーしww」




7 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 18:44:50.73 ID:S5lTOCAe0

・そんな調子で残りの高校ライフを満喫していたんだお。


( ^ω^)「お?ツンだお。お~いツ~ン」

ξ゚△゚)ξ「ん?なんだブーンか・・・。何か用?」

(*'A`)(ツンちゃん・・・・。)

( ^ω^)「今から、ゲーセンに行くんだお。ツンも来ないかお?」

ξ;゚△゚)ξ「あんたねぇ・・・この時期によくゲーセンとか行ってられるわね・・・。
とりあえず、学校で勉強するからパスだわ。」

( ^ω^)「そうかお。たまには気分転換するといいお?」

ξ;゚△゚)ξ「毎日が気分転換のあなたに言われても、説得力ないわ・・・。」




9 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 18:50:00.35 ID:S5lTOCAe0

(´・ω・`)「バロスwww」

( ^ω^)「ヒドスwww」

ξ゚△゚)ξ「じゃぁ、またね」


ツンは何故かスキップで学校のほうに向かって行った。




10 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 18:51:33.63 ID:S5lTOCAe0

(*'A`)「はぁ・・・いいよなぁブーンは。」

( ^ω^)「お?」

(*'A`)「幼馴染ってだけで、あのツンちゃんに話しかけれるんだもんなぁ。
どうみても釣合い取れてないぜ。」

(# ^ω^)「話すだけで釣合いとか言われたくないお!」

(´・ω・`)(でも、ドクオは自殺まで考えるだろうけど、
多分ツンちゃんは・・・。)




11 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 18:52:49.33 ID:S5lTOCAe0

・・・
・・


手が・・・手が・・・離れてしまった。



( ゚ω゚)「・・・・・。」

ξ゚ω゚)ξ「・・・・・。」


再び時が止まる。




12 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 18:53:22.24 ID:S5lTOCAe0

( ゚ω゚)(あぁ・・・ツン・・・ツン・・・。
さっきと同じだお・・・こんなハッキリ目の前に・・・いるのに)

ξ゚△゚)ξ(あぁ・・・あたし・・・死ぬのね。こんなにゆっくり・・・。
どうせなら、このまま時が止まってて頂戴・・・ブーンの前で・・・。)


2人は色々考えているが、なかなか時は動かない。




15 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 18:55:20.56 ID:S5lTOCAe0

( ^ω^)「・・・・・・。ツン?」

ξ゚△゚)ξ「・・・・・。何?」

( ^ω^)「ツンは・・・空を飛べるのかお?」

ξ゚△゚)ξ「・・・・そんな・・・・馬鹿な・・・。」




16 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 18:55:59.09 ID:S5lTOCAe0

( ゚д゚ )「グオァァァァァオオオオ!!」


(; ^ω^)「!!!!!!」

ξ;゚△゚)ξ「!!!!!!」


そこには、羽をボロボロにしたミンナアゲハがツンを押さえていた。

ξ;゚△゚)ξ「あ、あんた、なんでこんな所に・・・。
羽もボロボロじゃない、死んじゃうわよ!」

( ゚д゚ )「グゥ・・・・オォ」

(; ^ω^)「と、と、と、とにかく助かったお!ツン手を!」

ξ;゚△゚)ξ「う、うん・・・。」




17 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 18:56:35.83 ID:S5lTOCAe0

再びブーンとツンの手が繋がり、今度は一気に引き寄せる。
ツンがブーンの腕の中に収まる。


( ゚д゚ )「・・・・・。」

それを確認すると、ミンナアゲハは力尽きたように渦に巻き込まれていった。


ξ;△;)ξ「あぁ・・・ああぁぁぁぁぁぁぁぁ」

(; ^ω^)(良くやったお。お前のことは一生忘れないお・・・。)




18 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 18:59:01.05 ID:S5lTOCAe0

・良く「人」という字はお互い支えあって生きている、というのを聞くと思うんだお。
でも今僕に言えることは、「人」とは誰かの犠牲の上に成り立っている。
としか思えないんだお。間違ってると言われるかもしれないけど・・・。


( `ω´)「ツン!空が見えてきたお!もうすぐ台風から放り出されるはずだお!」

ξ゚△゚)ξ「ええ、もう諦めない!皆のためにも必ず生きてやるわ!」

( `ω´)「だお!パラシュートの準備はいいかお?」

ξ゚△゚)ξ「うん、大丈夫!」




19 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 19:02:37.51 ID:S5lTOCAe0

もはや、ボロボロになったコンテナが上空で台風から放り出される。
今しかない!ブーンとツンは「生」へ向かってダイブする!


( `ω´)「今こそ・・・空を飛ぶ時だお!」

ξ゚△゚)ξ「うん!」


2人は空に向かって迷う事無く飛び出すと同時に、両手でパラシュートを開く。
そしてパラシュートが風を受け止め、2人はゆっくり風に乗った。




20 : ◆dcA562FVRg :2006/08/24(木) 19:03:44.42 ID:S5lTOCAe0

( ^ω^)(ショボン・・・お前の・・・考えは正しかったお!)

2人は風に流され、ゆっくりと下降する。
だが、気流の違いか2人は少しずつ離れていく。

ξ;゚△゚)ξ「あっ・・・ブ、ブーン・・・。」

( ^ω^)「ツン!良く聞けお!必ず・・・必ずまた会うお!
僕らの・・・生きた・・・この街で!」

ξ゚△゚)ξ「・・・分かったわ。ブーン・・・待ってる。」


・ツンがだんだんと遠くなり、そして・・・見えなくなったんだお。
でも・・・不安は無かったんだお。僕らは・・・・うん、理屈じゃないけど大丈夫。


・・・
・・



第15話 ~完~


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