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LOYAL STRAIT FLASH ♪

第四話

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:25:43.77 ID:HqlmDBkI0
ヒキは誰かに見られないように、素早くフロッピーをカバンに入れそそくさと帰途についた。
家に帰り部屋に閉じこもった。
ヒキは混乱していた。

(-_-)(どういうことだ・・・?あの噂は事実にしてもなんで僕が選ばれる・・?)

気が付くと椅子に座ってフロッピーと終わりの無いにらめっこをしていた。

(-_-)(やっぱり置いてあったからには見るしかないよな・・)

しかし彼の中の何か、言うなれば第六感がヒキに警告をしていた。
見たら今の世界には戻れなくなる。
どこか遠い所に行ってしまうような気がしていた。
ヒキは頭の中で好奇心と理性を必死で戦わせていた。
だが考えすぎ、そう思うことであっさり理性は引き下がってしまった。

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:26:15.57 ID:HqlmDBkI0
ヒキはパソコンの電源を入れ、フロッピーを挿入した。
かすかに重低音のような音がして文字がでる。

「セキュリティの警告
 発行元を確認できませんでした。このプログラムを実行しますか?
 名前:空波とイリラス
 発行元:不明                        」

もしかしたらウイルスかもしれないとヒキはこの時初めて思った。
だがウイルスだったら彼の想像する得体の知れない恐怖より何倍もいい。
この文章に僕の好奇心を止めることはできなかった。
それにそんなことはどうでもいいほどヒキはある一点に目が釘付けになっていた。


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:27:13.84 ID:HqlmDBkI0

空波とイリラス

名前がしっかりと載っていた。
ヒキの驚きは口から言葉に形を変えて出る。

(-_-)「なんだ・・・?そらなみ?くうは?イリラス?」

しかし意味不明であっても、名前が載っていた事でヒキの恐怖は減った。
わずかではあるが得体の知れなさが薄くなったのである。
ヒキは内容が早く見たくて「実行」に矢印を合わせてクリックをした。

ディスプレイが真っ暗になった。

これからおよそ2時間後、彼はウイルスだったらどんなによかっただろうと後悔することになるだろう。


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:27:59.64 ID:HqlmDBkI0
真っ黒な画面の中央に白い光が現れる。
それが徐々に拡大していき画面が真っ白になる。
そして点滅しながら赤や青、緑に画面がめまぐるしく変化していく。

(-_-)「ちょ・・・これポケモンのアレ・・・www」

最初のうちはバカにしていたヒキだったが次第に目を離せなくなっていた。
光の点滅がしばらく続くと今度は判別することのできない文字も同時に点滅していく。
そして電灯や机の上に置いてあったフィギュア等がガタガタゆれ始めたのである。

まるで地震が起きたかのように。
だがヒキは騒ぐことはせず、取り付かれたようにディスプレイを見つめていた。


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:28:31.80 ID:HqlmDBkI0
どれくらいそれが続いたのだろう。
ヒキは1分にも思えたし1時間にも思えた。
光と文字の点滅が終わると振動もピタッと終わった。

画面はまた真っ暗に変わる。

中央にに「GAME START」という文字が浮き出た。

ヒキは何も考えずそれをクリックした。


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:29:12.98 ID:HqlmDBkI0
ディスプレイはポリゴンの街を映し出した。

レースゲームでコックピットの中から見ているような視点だ。ただレースゲームとは違い自動的に街を進んでいく。

ヒキは呆然とディスプレイをみている。

その時ふっと横からバイオハザードに出てくるようなゾンビが飛び出してきた。
ただ、街もゾンビも本家バイオハザードとは違いちゃちなものだった。

画面には「push enter key!!」と出ている。

そっと押してみる。

画面の右からナイフが出てきて、ゾンビを切り裂く。
ゾンビから血が溢れ出す。
その血は妙にリアルな赤だった。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:30:01.55 ID:HqlmDBkI0
(-_-)「・・・ww」

ヒキは笑った。
そしてゲームにはまっていた。
古今東西あらゆるゲームをやってきたヒキにとっては単純すぎてなんの面白みもない物のはずだったが。

ひたすらゾンビが現れたら切るという行動を繰り返して1時間以上はたっただろう。
あっさりゲームはエンディングを迎えた。

「the end」その文字が画面に映り見慣れた壁紙に戻った時、ヒキは正気に戻った。

(-_-)「あ・・・あれ・・僕何してたんだっけ・・?」

ふとフロッピーケースを見て思い出した。

(-_-)「そうだ!あのフロッピー!!チカチカ光出てきて僕は気を失ったのか・・やっぱポケモンこええww
    あの後どうなったんだ?」
ヒキはフロッピーの中身を呼び出してみる。

無常にも「中身がありません」という文字が出るだけだった。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:30:32.66 ID:HqlmDBkI0
なんでだ・・・。

さっきは確かに見れた。いやあれはもしかして夢だったのか。
ヒキは急激に現実感の無さに襲われた。

(-_-)「うっ・・・なんか変だ。頭がぼーっとする。僕が僕じゃないみたいだ」

深く考えることをやめてベッドに寝転んだ。壁の時計を見る。

小学校のとき買ってもらった真っ赤な時計だ。

深呼吸するとその時計を部屋にあったバッドで粉々に破壊した。

その後ヒキは部屋にある赤い物を全て壊した。


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