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LOYAL STRAIT FLASH ♪

第六章

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/09/06(水) 21:11:15.47 ID:joauIQPw0
―6章―

(;'A`)「あの爺さんあの後ジョッキ10杯も飲みやがって・・・」

ドクオは、度重なる出費でやせ細った財布を見ながら、
街の外れにある暗がりの細い路地を、ため息交じりに進む。

右に左に曲がりながらながらしばらく進むと、ドクオは歩みを止める。

('A`)「で、たしか教えてもらった場所がここら辺な訳だが」

ドクオが辺りを見回してみるが、辺りにそれらしき物は無く、
目の前には3mはあるであろう壁が行く手を阻む。

('A`)「・・・」

(#'A`)「家がねぇ!」

あまりの叫び声の大きさに、
先ほどまでゴミ箱を漁っていた猫達が一目散に立ち去る。

('A`)「はぁ・・・」

目の前にそびえ立つ壁に体を預け、ドクオは腰を下ろす。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/09/06(水) 21:12:28.72 ID:joauIQPw0
('A`)「あーくそ、騙されたかも・・・。
    ふりだしに戻る・・・か?」

煙草を吸いながら、もう一度どの様にして荒巻を探そうかドクオが考える。

(;'A`)「あの爺さんにもう一度聞こうにも・・・もう家へ帰っちまったしなぁ。
    酒場にもそれらしい人居なかったし」

正に八方塞がり。
ドクオは、今日はもう諦めて明日また探そうと思い立つ。

とりあえず当面の宿を探そうと、ドクオは立ち上がり
煙草を足の裏に擦りつけて消していく。

そして、先程まで猫に漁られていたゴミ箱へそれを投げ落とした。

('A`)「・・・ん?」

ドクオが、ゴミ箱の裏をよく見てみると
一人がようやく潜れそうな鉄の扉があった。

そして扉には、煤けて汚れた表札が掛かっている。

    【―ARAMAKI― Laboratory】
御用の方はこちらのボタンを押してください→■

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/09/06(水) 21:13:27.22 ID:joauIQPw0
('A`)「・・・」

(;'A`)「なにこの隠しステージ」

表札が掛かっていなければ、傍目にはどう見てもゴミ置き場の入り口だろう扉に、
ドクオは呆気に取られながらもボタンを押す。

(-_-)「ハイハイ・・・どちら様で?」

ドクオがしばらく待っていると、扉が軋んだ音をたてながら開き、
中から能面のような顔をした若者が覗き出てくる。

白衣を纏っている所を見ると彼も研究者だろう。

('A`)「あー夜分遅くすいません。
    荒巻さんに会いたいんですが・・・良いですか?」

(-_-)「へぇ・・・博士にお客さんなんて珍しいね。
    会えるかどうか聞いてくるよ・・・ちょっと待ってて」

二言、三言ドクオへ向かってボソボソ呟くと、
男は再び扉の向こうへと消えて行った。

5分ほど間を置き、再び扉が開く。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/09/06(水) 21:15:19.63 ID:joauIQPw0
(-_-)「会えるみたいだよ・・・僕についてきて」

('A`)「どもども。お手数かけてすいませんね」

ドクオが、扉の中へ入るとそこには薄暗い一本道が続いていた。
研究員の後を少し屈みながら歩いていく。

('A`)「しかし・・なんでまたこんなところに研究所を?」

(-_-)「さぁねぇ・・・博士ちょっと変わった人だから。
    慣れれば結構快適だよ・・・滅多に誰も来ないし」

30mほどだろうか、入り口から続いた道を進むと、
前方に上へと伸びる梯子が見えた。

(-_-)「この上が研究室だよ・・・」

ドクオは研究員に続き、梯子へと手を掛けて上っていく。

梯子に手を掛けるだび、
何か・・・掌にベトベトした感触をドクオは覚えたが、
あえて不問にしておく事にした。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/09/06(水) 21:17:06.04 ID:joauIQPw0
ドクオ達が梯子を昇って行くと、徐々に頭上の光源が強くなる。

(-_-)「もう着くよ・・・。
    ここから下に落ちたら間違いなく死ぬからね。
    気を付けて・・・」

研究員が、さらりと身の毛がよだつ言葉を呟く。

ドクオ達が、無事梯子を昇りきると、
棚と机のみが在る少し埃っぽい部屋へと出た。

部屋の大きさから見るに、おそらくここは資料室だろう。

棚の中には様々な書物が乱雑に置かれ、
机の上には開きっぱなしの書物が散乱している。

('A`)「うわ・・・研究室って感じですね」

乱雑とした部屋を見てドクオが呟く。

(-_-)「ここ2.3年まともな掃除なんてして無いからね・・・。
    博士はこの先の部屋だ・・・」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/09/06(水) 21:18:38.99 ID:joauIQPw0
ドクオは研究員に手を引かれ、
資料室とあまり代わり映えしない部屋へ連れていかれた。

たどり着いた部屋には、
常人には無いようなふいんき(ryを漂わせ
一人の男が椅子に腰掛け背を向けている。

(    )「・・・・・・」

(-_-)「こちらが荒巻博士だよ。」

研究員は改まった様子でドクオへと紹介する。

('A`)「カコログを探して旅をしている、
    ドクオって言う者ですが・・・
    貴方が、この辺りで一番カコログ精通していると噂の人物で?」

(    )「・・・・・・」

男は、ドクオの質問に直ぐには答えず、
おもむろに椅子を回転させこちらに体を向ける。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/09/06(水) 21:19:51.04 ID:joauIQPw0
( ,' 3 )「やっほー♪」

('A`)「・・・」

('A`)「・・・・・・」

(;'A`)「アッー!!!」

( ,' 3 )「びっくりした?w
      そうです、私が荒巻です♪」

荒巻の顔は赤く火照り、呂律も怪しい・・・どう見てもただの酔っ払いだ。

先程まで放っていた不思議なふいんき(ryはこの為だろう。

( ,' 3 )「いやーーwwご馳走になったねww
      ありがとねドクオ君ww」

( ,' 3 )「今月ちょっと金欠でさぁ困ってたんだよねww」

( ,' 3 )「飲み貯めしちゃってサーセンwww」

(;'A`)「ああ・・・どういたして」

荒巻の老体に似合わぬ言葉遣いとテンションにドクオがたじろぐ。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/09/06(水) 21:20:57.80 ID:joauIQPw0
(-_-)「だから博士はちょっと変わってるっていったのに・・・」
  
(;'A`)「ちょっとじゃねーよ」

( ,' 3 )「・・・今、何か言ったかね?」

(;'A`)「な、なんでもないです。気にしないでください」

( ,' 3 )「ふむwまぁいいやw
      で、カコログがなんたらで噂がだーだーのカクカクシカシカだね?」

(;'A`)「なに言ってるのか良く解かりませんが・・・三行で纏めると」

('A`)「俺、カコログ探して旅してる。
   シャキンさんと言う元考古学者の紹介された。
    荒巻さんはカコログについて良く知ってるみたいだから教えて」

( ,' 3 )「把握したww」

( ,' 3 )「でも、もう眠いから明日ねww
     空いてる部屋あるから、
     宿とって無いようなら勝手に使っていいよww」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/09/06(水) 21:22:05.90 ID:joauIQPw0
荒巻の相変わらずのハイテンションに流され、
ドクオは言われるがまま空き部屋に案内された。

(-_-)「ごめんね・・・博士・・・酒乱入ってるから」

('A`)「まぁそれは大丈夫ですが・・・。
   荒巻さんって本当にカコログに詳しいんですかね?」

先程の、インテリの欠片も見られない荒巻の様子に不安を抱き、
ドクオはたまらず研究員へと尋ねる。

(-_-)「それは大丈夫・・・博士は30年来カコログ研究してるからね」

(-_-)「朝になれば博士も元に戻ると思うから・・・
    その時もう一度聞いてみれば良いよ。」

そう研究員は答えると、足早に立ち去っていった。 

('A`)「朝ねぇ・・・」

新調した時計を見ると、時刻は既に0時を指している。

('A`)「まぁ・・・今日は色々な意味で疲れたからな・・寝よ」

そう言うや否やドクオは一週間ぶりのベットに寝転ぶと、
そのまま眠りの世界へ落ちていった・・・


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