2007/01/21(日)11:16
( ^ω^)が料理人になるようです(第九章上)
244 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:05:36.75 ID:IQMDVcTq0
第9章 なかないで恋人よ
( ´ω`)『僕はツーさんにとても悪い事をしたよね』
ξ;゚△゚)ξ 『な…なによ、急に気持ち悪いわねっ!!』
川 ゚ -゚) 『ツン、気持ち悪いはないだろう。常識で考えて』
あの辞令が張り出された日。
仕事を終えた僕はツンをバースペースに呼び出していた。
( ´ω`)『あの辞令のことだお』
ξ;゚△゚)ξ 『あぁ、それね』
川 ゚ -゚)『話は聞いている。しかし、それはショボンにも考えがあっての事だろうしな』
( ´ω`)『その考えが分からないお』
僕はカウンターテーブルにうつ伏せる。
( ´ω`)『僕なんかよりツーさんの方がずっと腕は上だお。
それにツーさんはずっと麺場に昇格してドクオに追いつくのを目標にしていたんだお。
それなのにツーさんを抜かして僕が麺場担当なんて…いい気分なわけないお』
246 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:06:28.04 ID:IQMDVcTq0
ξ゚△゚)ξ『あぁ、もう!! それでも金玉ついてるの!? そんなの気にしてるなら本人にそう言えばいいじゃない!!』
( ;^ω^)『金玉とか言うなwww そうも考えたけど…ツーさんは僕の顔なんか見たくないはずだお』
それを証明するかのようにツーさんは仕事を終えるとサッと帰ってしまった。
ξ゚△゚)ξ『確かにねぇ…ったく。ツーも男らしくないわね!!』
ツン。ツーさんは女性だお。
ツンはちょっと困ったように髪をいじっている。
川 ゚ -゚)『それならばドクオに相談してみたらどうだ?』
( ^ω^)『ドクオに?』
川 ゚ -゚)『うむ。ドクオはツーにとって憧れの存在なのだろう? ならばドクオに説得してもらうのだ。
この悔しさをバネにして頑張れ。とな』
まさに天恵。
( ^ω^)『それだお!! さっそくドクオに電話して…』
携帯を尻ポケットから取り出しドクオの番号に発信する。
…おかけになった電話番号は相手の方が電波の届かない場所におられるか…
( #^ω^)『圏外だお!! この大事な時に何やってんだお!! これだから童貞はいやなんだお!!』
僕は自分も童貞なのは棚に上げて歯軋りした。
248 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:07:13.46 ID:IQMDVcTq0
ξ゚△゚)ξ『圏外? それならきっと自宅よ。 電波が悪くて困るって言ってた事があるわ』
( #^ω^)『あの野郎!! 人がこんなに急いでるのに自分は自宅でエロゲかお!!
許せん!! 今すぐ乗り込んで天誅を…』
僕は席を立ち走り出…
ξ゚△゚)ξ『落ち着きなさいピザ』
…そうとして足をかけられ派手に転んだ。予想外の攻撃に受身も取れず顔面を床に強打する。
川 ;゚ -゚)『今のは痛いだろう。常識で考えて…』
( #^ω^)『な、なにするんだお、この暴力女!!』
ξ#゚△゚)ξ『 黙 れ 豚 野 郎 』
そもそもあんたドクオの家知ってるの?
そう言われて僕は自分がドクオの家を知らない事に気づいた。
鼻をさすりつつ床にあぐらをかく。
( ;^ω^)『そう言われればそうだお。 クーさん、ドクオの家の場所知ってるかお?』
川 ゚ -゚)『あぁ、あいつは社宅だからな。今地図を描いて…』
ξ゚△゚)ξ『その必要はないわ。 あたしが一緒に行ってあげる』
250 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:08:14.31 ID:IQMDVcTq0
( ;^ω^)『マジで?』
ξ゚△゚)ξ『マジで』
( ^ω^)『そんなに僕と一緒にいたいのかお?』
ξ#゚△゚)ξ『 思 い 上 が る な ピ ッ ツ ァ 』
威嚇するように足を振り上げる。
あ、そんなに短いミニスカートでそんなポーズしたら…
( *^ω^)『…ピンクのチェック』
蹴られた。
ξ#゚△゚)ξ『バカな事言ってないで!!
ついでにドクオに貸してるDVD水戸黄門全集返してもらいたいだけよ!!』
そう言って軽い脳震盪を起こしている僕の腕をつかみ無理矢理立たせる。
ξ#^ー^)ξ『それじゃ、クーさん。お先に失礼します』
川 ;゚ -゚)『あ…ああ。お疲れ』
ξ#゚△゚)ξ『ほら!! ちゃんと歩く!! また蹴っ飛ばすわよ!!』
そう叫ぶツンに僕は引きずられるように店を出た。
だから、僕たちを見送ったクーさんのこんな呟きを聞き取る事は出来なかった。
川 ;゚ ー゚)『やれやれ』
252 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:09:30.45 ID:IQMDVcTq0
ゴール直前の競走馬を煽る騎手のように後頭部を何度もツンに叩かれながら僕はバーボンハウス社宅アパートに到着した。
白壁の3階建てマンションは新しいとは言いがたいものの管理が行き届いているのか、
清潔そうな外見を保っている。
( #^ω^)(バシバシ叩きやがって!! これ以上バカになったら犯してやるお!!)
僕はそう考えたが、どう考えてもツンには勝てそうになかったので
( #^ω^)(…これも全部ドクオが電話でないのが悪いんだお!!)
そう思い直す事にした。
ξ゚△゚)ξ『あそこ…2階の一番隅がドクオの部屋よ。自転車もあるみたいね』
( #^ω^)『よし、乗り込むお!!』
( #^ω^)(怨みはらさでおくべきか…こうなったら必殺【呼び鈴鳴らさずドア開けて乱入攻撃】だお!!
幼馴染の前でエロゲしながらオナヌーな自分の姿を曝け出すといいお!!)
そう考えながら僕は階段を上り、ドクオの部屋の前に到着した。
( ^ω^)『ドクオ、お邪魔するお!!』
予定通りチャイムを鳴らさずドアを開ける。
('A`)『…は?』
そこで見たのは腰にバスタオルを巻いただけの姿で缶ビールを手にしたドクオ。
そして玄関に丁寧に揃えられたどう見ても女性用のサンダルだった。
255 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:10:35.81 ID:IQMDVcTq0
('A`)『……』
( ^ω^)゚△゚)ξ『……』
予想していなかった展開に凍りつく僕ら3人。
( ;^ω^)(なんかちょっと前もこれと同じような事があった気がするお?)
均衡状態を解くかのようにドクオの腰のバスタオルがゆっくりと床に落ちる。
瞬間ツンが動いた。
ξ#゚△゚)ξ『 変 な も の 見 せ る な 』
渾身の右ストレート。相変わらず腰のしっかり入った良いパンチだ。
その一撃で我に返ったドクオがタオルを拾い上げ奥に逃げ込む。
僕らは当然そのまま室内に上がりこんだ。
('A`)『お、お前らなんでここに!!』
( ^ω^)『さぁ?』
ξ^ー^)ξ『大切な用件があったんだけど』
( ^ω^)^ー^)ξ『 忘 れ ち ゃ っ た 』
ツンの顔を見る。良い笑顔だ。今、僕とツンの心は1つ。共通の目的に向けて一直線だ。
('A`)『な、なんだそりゃぁ!?』
必死に前を隠すドクオ。普段より口数が多いのは気のせいではないだろう。
260 名前:料理 ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/03(水) 01:16:34.47 ID:IQMDVcTq0
( ^ω^)『ヘイ、ナンシー。玄関にあった靴を見たかい?』
ξ^ー^)ξ『勿論よ、ジミー。ドクオに彼女がいたなんて初耳よ。友達のあたしに内緒なんて…おしおきが必要ね』
( ^ω^)『おいおいナンシーwwwそれはちょっと早とちりしすぎなんじゃないか?僕はデリヘルでも呼んだんじゃないかと思ってるんだけどね』
('A`)『お、お前ら何をワケの分からんことを…』
自らのお宝を両手を使ってバスタオルで押さえているドクオの言葉を無視してツンは続けた。
ちらと横の円形テーブルを横目で見た。そこには小さなケーキとワイングラスが2つ並んでいる。
ξ#^ー^)ξ『ふふふ。どっちだって構わないわ。
私はドクオが一緒にささやかな昇格祝いをしようとしている方に ご 挨 拶 したいだけだから』
ドクオもそのツンの言葉で僕達の目的に気付いたようだ。その場で床にへたり込む。
('A`)『ちょ…待て、頼む!! 頼むから今日は帰ってくれ!!』
当然の事ながらその希望は却下だ。
( ^ω^)『オゥ、ナンシー。シャワーの音が止んだよ』
ξ^ー^)ξ『あら、耳がいいのねジミー。楽しみに待たせてもらいましょうか』
やがて、浴室の扉が開く音。ドクオは座り込み頭を抱えている。
現れたのは。
(;*゚∀゚)『ただいみ~♪ さっぱりしたぁ!! ドッ君なに一人で大騒ぎして……って、え!?』
髪を薄いピンクのタオルで。体にはやはり薄いピンクのバスタオルを巻きつけただけの姿の…ツーさんだった。
17 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00:01:04.96 ID:c9SnQmJu0
(;*゚∀゚);'A`):^ω^)『……』
鬼がいる。栗色の髪をしたツンという名の鬼。
壁に伸びるその影が人外の者の姿をしているように見えるのは僕だけではない筈だ。
僕ら3人は、その鬼の前で正座をしている状態だ。
本来であれば僕が正座をする必要は無いのだが、空気を読まずツーさんに
( ^ω^)『事前かお? 事後かお?』
と質問したせいでめでたく正座組に名を連ねる事になった。
ξ#゚△゚)ξ『ったく!! 心配して損したわ!!』
ツンは一人悠々とベッドに足を組んで座り、僕らを見下ろしている。
こんなに不機嫌そうなツンを見るのも久しぶりだ。 イライラを解消するかのように手にした携帯を玩んでいる。
(;*゚∀゚)『心配? 誰の?』
ξ#゚△゚)ξ『 あ ん た の よ っ ! ! 』
(;*゚∀゚)『…? とりあえずサーセンwww』
ξ#゚△゚)ξ『で、ドクオ。いつから付き合ってんのよ』
('A`)『え…と…正式に付き合いだしたのは2ヶ月くらい前…』
ξ#^ー^)ξ『 へ ぇ 。 2 人 と も 2 ヶ 月 も あ た し に 内 緒 に し て た ん だ 』
ぎこちなく微笑むツンの右眉がピクピクと痙攣している。握りしめられた携帯は、圧力に負けメリメリと音を立てている様にまで見えた。
19 名前: ◆RDnvhIU7bw [sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00:02:25.97 ID:c9SnQmJu0
('A`)『い、いや、でも、それはツンには関係ないじゃ』
ξ#^ー^)ξ『 関 係 な い ? 』
組んだ足を戻し、ゆっくり立ち上がるツン。
ヤバイ。ツンは本気だ。
ツンの手にかかれば右手に持った携帯は十分立派な凶器になりえる。
よく見ればアレは僕の携帯だ。
(;*゚∀゚)『ちょwww待って!! 今のは言葉のアヤって言うか…』
ξ#゚△゚)ξ『 お 姉 ち ゃ ん は ち ょ っ と 黙 っ て て 』
( ^ω^)
( ゚ω゚)
( ゚ω゚ )
ξ#゚△゚)ξ『こっち見るな』
( ;^ω^)『だ、だって…姉妹? 確かしぃちゃんも…』
ξ゚△゚)ξ『しぃは末っ子よ。バーボン3姉妹って言えばちょっと有名よ。知らなかった?』
( ^ω^)『…全く知らなかったお…そう言えばしぃちゃんとツーさんは顔つきが似てる気がするお』