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LOYAL STRAIT FLASH ♪

第三話

5 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:11:51.68 ID:n4wCB0tE0

第三話「空飛ぶ豚」



(`・ω・´)「遅効性の毒だな」

(;・∀・)「毒!? そんな……!!」

モララーの腕の中でぐったりとしている女を見て、シャキンは溜息をついた。

(`・ω・´)「(あの男……全て計算済みか)」

即効性の毒では、追手は地の底まで自分を追ってくるだろう。
足止めを喰らった際に、追手の気を逸らす程度の罠。

シャキンは怒りよりも男の計算された段取りに素直に感心した。


7 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:12:41.60 ID:n4wCB0tE0

(;・∀・)「どうしよう!! ねぇどうしよう!? かあさん!!」

シャキンの拳を受けて、気絶しているはずの二人の男も姿が見えない。
リーダー格の男を追っているわずかな間に目を覚ましたらしい。

(;・∀・)「誰かいないの!? お医者さんを……!!」

モララーの呼びかけに誰も答えない。
屋敷の者が全て出払っているとは考えにくいので、
既に黒尽くめの男達の手にかかっていると考えたほうが自然だろう。


8 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:13:23.27 ID:n4wCB0tE0

(`・ω・´)「落ち着けモララー。全くお前はつくづく運がいい」

(;・∀・)「どこがさ!! このままじゃかあさん死んじゃうよ!!」

シャキンはおもむろに懐からこぶし大の小型の機械を出す。
それを見つめるモララーの目には答えず、シャキンはボタンを押した。

(;・∀・)「? 何それ……うわっ?」

真っ黒だった液晶画面に光が点る。
シャキンはポチポチと操作した後、ソレを耳に当てた。

(`・ω・´)「……」

空間に女の荒い息遣いと、呼び出し音だけが響く。
それを破るかのように、機械からけたたましい声が流れた。



「おっおっおwwwww」





10 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:15:38.00 ID:n4wCB0tE0

「やっと電源入れたのかおwwww遅いおwwwwwww」

(`・ω・´)「いいから早く来い。この星の毒にやられた」

「ちょwwwwmjkwwwwww

やたら陽気な電話の相手に、シャキンは構うことなく通話を終えた。
機械を懐に戻し、窓から外を見つめている。

(;・∀・)「な、ななな何ソレ? 今喋ってなかった?」

(`・ω・´)「……結構文明は遅れているんだな」

モララーが初めて見る「機械」に仰天していると、程なくしてシャキンが呟いた。

(`・ω・´)「来た」

(;・∀・)「き、来たって何が……」


11 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:17:38.77 ID:n4wCB0tE0

           ‐-;-.,_ "''=;- .,_\ \\
             "‐ニ‐-> "`"'-' \
      ______二)          ヽ
         ̄"'''─-、             ヽ
__   ____-─        /⌒ヽ   ヽ,
   ̄ ̄ ̄ ̄    三  ⊂二二二( ^ω^)二⊃ ヽおっおっおっwwwww
  ――=                  |    /      |
        ――         ( ヽノ         |
    _____          ノ>ノ       !
 ̄ ̄ ̄ ̄     ̄ ̄ ̄ ̄ヾ、 _、 レレ         |
                 ヾ./_     _   //
                、ー`、-、ヾ、、,  、, /i/
                 // ./// /
                 /  / / /


12 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:17:58.90 ID:n4wCB0tE0

空から飛来してきた物体は、屋敷の庭に降り立ち、すぐに窓から部屋に入ってきた。

( ^ω^)「よっこらセックス」

ヘラヘラとにやついた顔、軽くピザ気味な体型。
背中には重たそうなリュック。

文字通り空から舞い降りた男は、シャキン達を見渡すと陽気に手を振った。

( ^ω^)「おいすーwwwwwwwwww」

(`・ω・´)「この女だ」

( ^ω^)「ちょwwww何の情報も無しかおwwwww」

(`・ω・´)「情報なんざお前にはいらんだろう。もったいぶらずに早くしろ」

(;^ω^)「テラヒドスwwwwwww」


13 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:21:08.12 ID:n4wCB0tE0

言われながらもリュックを下ろし、中から小箱を出すにやついた男。

(;・∀・)「だ、誰? 今、空飛んでなかった……?」

シャキンと男の顔を交互に見つめるモララー。
話すのも面倒くさそうな顔でシャキンが答えた。

(`・ω・´)「……ただの空飛ぶ豚だ」

( ^ω^)「飛べる豚をなめんなおwwww」

小箱から注射器を出し、女の腕をめくる。

(;・∀・)「ちょ、かあさんに何すんだよ!! なんだよソレ!!」

(`・ω・´)「落ち着け。あれは万能薬だ。かあさんはあれで助かる」

(;・∀・)「薬……!?」

( ^ω^)「プスっとなwwwwwww」


14 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:22:15.42 ID:n4wCB0tE0

必死にシャキンの腕の中で暴れるモララー。
やがて表情が和らぐ母の顔を見て、大人しくなった。

( ^ω^)「これで多分大丈夫だお。ブーン印の万能薬はどんな毒にも効くおwwww」

(;・∀・)「……」

(`・ω・´)「胡散臭い話だが本当なんだ。存在も胡散臭いが作る薬は折り紙つきだ」

自分の母がこの二人に助けられたことを理解し、モララーは頭を下げた。

( ^ω^)「このオッサンが代金払ってくれるから大丈夫だおwww」

(`・ω・´)「貴様、今何て言った……?」

( ^ω^)「/(´^┏o┓^`)\オッジサーン」

(`・ω・´)「……」

( ゚ω゚)「アッー!」


15 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:23:10.99 ID:n4wCB0tE0

(;^ω^)「っていうか今まで何やってたんだお!! ずっと待機してたブーンの身にもなれお!!」

(`・ω・´)「別にお前と行動を共にするつもりはない」

(`・ω・´)「お前が勝手についてきてるだけだろうが」

( ^ω^)「砂漠に不時着したときは干乾びるかと思ったおwwwwww」

(`・ω・´)「死ぬ前に道具だけはよこせよ」

( ^ω^)「だが断るwwwwwwww」


17 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:23:56.71 ID:n4wCB0tE0

母親を別室に寝かせ、何やら話し込んでいる二人にモララーは声をかけた。

( ・∀・)「あの……」

( ^ω^)「お?」

( ・∀・)「あの、ふ、二人は……何者なの?」

シンプルに核心をつくモララーの質問に、シャキンは答えあぐねた。

(`・ω・´)「何者……う~ん……」

( ・∀・)「見たこと無い道具いっぱい持ってるし、空飛ぶし……」

( ・∀・)「本当にここらの出身じゃないんだね」

(`・ω・´)「出身……まさか空から来たなんて言っても……なぁ?」

シャキンはにやついた男に視線を送る。

( ^ω^)「ブーンの名前はブーンだお!! 何でも屋やってるおwwww」


18 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:24:35.16 ID:n4wCB0tE0

( ・∀・)「……?」

( ^ω^)「宇宙をまたにかけて商売してるおwwww銀河商人wwwカッコヨスwwwwww」

( ・∀・)「ウチュウ……? ギンガ……?」

( ^ω^)「このオッサンについていくと儲かるんだお!!」

(`・ω・´)「あ~……まぁ、なんだ」

突飛過ぎるブーンの説明に、シャキンは頭を抱える。
モララーはこの男のここまで困った顔を初めて見た。

(`・ω・´)「自分の星……いや、国を飛び出してな。色々と旅しているわけだ」

(`・ω・´)「ここいらとは文明が違うんだよ」

ぶっきらぼうな答えに、モララーはうーんと腕を組んで唸り、続けて質問した。

( ・∀・)「なんで国を出たの?」


19 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:26:55.96 ID:n4wCB0tE0

( ^ω^)「ブーン達は犯罪者なんだおwwwwwシャキンは国家反逆罪wwwwww」

(`・ω・´)「お前ちょっと黙ってろ」

( ゚ω゚)「アッー!」


(;・∀・)「……ブーンさんの罪は?」

(`・ω・´)「存在」

( ^ω^)「生まれてきてサーセンwwwwwwww」


20 名前:VIP村人y[] 投稿日:2006/12/04(月) 02:30:40.46 ID:n4wCB0tE0

納得できるはずのない説明に、モララーは真剣に耳を傾けている。
そういえば、と前置きしてシャキンの目をまっすぐ見た。

( ・∀・)「なんでこんなに助けてくれるの? 今日会ったばかりなのに……」

(`・ω・´)「俺の大事な情報提供者だからな」

(;・∀・)「じょ、情報……?」

(`・ω・´)「ああ……」



(`・ω・´)「フサギコってのは、どこに行けば会える?」



モララーの体が一瞬強張ったのを、シャキンは見逃さなかった。


第三話「空飛ぶ豚」

終わり



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