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LOYAL STRAIT FLASH ♪

第七話

52 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:12:03.46 ID:1j8JWEGn0

第七話「暴君」



その男の体躯は他のエンに比べ、一回りも二回りも大きかった。

全身を覆う筋骨隆々な肉体、金色の体毛。
エンを統括足るに相応しい威厳を漂わせ、屋敷の大部屋に座していた。

ミ,,゚Д゚彡「……」

女中「お帰りなさいませフサギコ様。革命軍討伐の疲れもあるでしょう、早速湯治の用意を……」

ミ,,゚Д゚彡「警備兵を呼べ」

女中「は?」

ミ,,゚Д゚彡「二度言わせんな。くびり殺すぞゴルァ」

女中「ひぃっ!! た、只今……」


53 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:13:41.00 ID:1j8JWEGn0

フサギコに凄まれ、女中はそそくさと部屋を出て行った。
入れ替わりに、青い顔をしたエンの兵士達が数人入ってくる。

警備兵「申し訳、ございません……」

ミ,,゚Д゚彡「ククッ……クックック……」


ミ,,゚Д゚彡「なんだよそんな時化たツラして!! いいからよ、とりあえず説明してくれよ!!」

警備兵「こ、この度の襲撃は、我々の責任が……」

ミ,,゚Д゚彡「なんでかなぁ?」

警備兵「は……?」

ミ,,゚Д゚彡「俺さぁ、革命だなんだって増長するヒトガタが面白くってよ!!
      わざわざだーれもいない地方に遠征とかしちゃったんだぜ!?」

笑っちゃうよな、と腹を抱えるフサギコ。
まるで無垢な子供のように振舞っていたが、
その巨躯のせいで警備兵達はビリビリと揺れを感じた。


54 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:16:10.44 ID:1j8JWEGn0

ミ,,゚Д゚彡「今回だってあいつ等がココを襲うことは容易に想像出来たよなぁ?」

ミ,,゚Д゚彡「なのに……あれ? あれれ?」

首をかしげながら警備兵達に歩み寄る。
警備兵達は思わず後ずさりした。

ミ,,゚Д゚彡「なーんで俺の妻は倒れちゃってんの???」

警備兵「も……申し訳ありません!!」

恐怖から逃れようとするが、警備兵達の背には壁が立ち塞がった。

眉を吊り上げ、楽しいクイズでも出しているかのようにフサギコは詰め寄る。
あまりの恐怖に中には泣き出す者もいた。


55 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:18:01.66 ID:1j8JWEGn0

ミ,,゚Д゚彡「なんだよーお前ら泣くなよー」

警備兵「申し訳ございません……!! おゆ、お許し下さいぃ……!!」

跪いて許しを請う者。
ブツブツと祈りを捧げる者。

ミ,,゚Д゚彡「あははっ、あっはっはっは!!」


その様が、フサギコの怒りに油を注いだ。


ミ,,゚Д゚彡「……なんでか聞いてんだろうがゴルァ」

警備兵「ひいいいいいっ!! っぅぐ!!」

フサギコの右手が、手前に居た兵の胴体を鎧ごと掻っ切った。
ピンク色の臓物が床にこぼれ、それを手で庇うようにして兵は前のめりに倒れた。


56 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:20:44.33 ID:1j8JWEGn0

ミ,,゚Д゚彡「クソ共が!! 虫けらめ!!」

警備兵「あっ、ああああああああっ!!」

警備兵達は完全に無抵抗だった。
にもかかわらず、血に飢えた暴君は急かされるように手を伸ばす。

警備兵「ぎゃ!!」

ミ,,゚Д゚彡「死ね!! 死ね!! 死ね!! 死ね!!」

無骨な指が眼球に突き刺さる。
そのまま天井に持ち上げられた兵は、指が脳髄に達した時点で事切れていた。

仰向けに倒れた兵の両足は、運悪くフサギコの両手に捕まり、
そのまま左右に引き裂かれた。

その狂乱は全て素手で行われた。
文字通り、順番に解体されていく警備兵達。


57 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:21:40.37 ID:1j8JWEGn0

女中「いやぁ……いやぁぁぁっ……!!」

台所で耳を塞ぎ、うずくまる女中達。
警備兵達の断末魔が屋敷中に響き渡る中で女中は、
せめてモララーと婦人の耳には届いていない事を天に祈っていた。


ミ,,゚Д゚彡「ゴルァ!!」

女中「ひっ、はいぃ!! た、只今ぁっ!!」

部屋の惨劇を見た女中は、気が狂いそうになるのを必死に堪えた。
若い女中は吐き気を抑えきれずに床に突っ伏して、肉塊となった兵の上に汚物をばら撒いた。


58 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:22:36.01 ID:1j8JWEGn0

ミ,,゚Д゚彡「どいつもこいつも……」

その後頭部に足を乗せる。
若い女中の端整な顔は、兵の肉塊と自らの汚物にまみれた。

若い女中「お許しくださいぃっ!! お許しくださいぃぃぃっ!!」

フサギコは後頭部に乗せた足に、ゆっくりと体重をかけていく。

若い女中「ァぁ……が……」

くぐもった声と乾いた破砕音が部屋に響き、肉塊の海はまた質量を増した。


59 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:24:42.11 ID:1j8JWEGn0

ミ,,゚Д゚彡「……モララーはどこだ」

女中「は、あ、あの……」

つまらなそうに肉塊を蹴飛ばす。
舞った血飛沫が女中たちの顔に降り注いだ。

ミ,,゚Д゚彡「あいつがコレ見る前に片付けておけよ」

女中「はい!! あ、いやあの……モララー様は……」

ミ,,゚Д゚彡「あ?」


ミ,,゚Д゚彡「なんだ? どこ行ったのかわかんねぇのかゴルァ」

女中「ひぃいっ!!」

ミ,,゚Д゚彡「……」

フサギコは反射的に窓の外を見た。

ミ,,゚Д゚彡「……まさか……!!」


60 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:26:22.17 ID:1j8JWEGn0

(;^ω^)「ちょ、どういうことだお!! kwsk!!」

でぃばばの館を飛び出し、走りながらブーンは必死にシャキンに話しかけた。

(`・ω・´)「お前はあのババアより鈍感だな……!!」

(;^ω^)「ついにババアを超えたおwwwwwww」

横目でシャキンは呆れたように呟いた。

(`・ω・´)「あのババア、最初っからヒトガタにチェックされてやがった」

(;^ω^)「???」

(`・ω・´)「俺らはノコノコと、奴らが張ってた場所に行っちまったんだよ」

(;^ω^)「もっとkwsk」

(`・ω・´)「……」


61 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:26:47.24 ID:1j8JWEGn0

( ゚∀゚)「どっこいしょ」

二人が屋敷の角を曲がった時、ネーヨの右腕・ジョルジュが大きな布袋を担いでいるところに遭遇した。
肉付きのいい体格に、幼さが抜け切れていない顔のアンバランスさは、
どこかいたずら盛りの少年を連想させた。

( ゚∀゚)「よっしゃ作戦成功!! ちょろいもんよ~」

(`・ω・´)「(モララー……!!)」

陰からこっそりうかがう二人。
布袋は暴れる様子もない。
どうやら気絶させられているようだ。

( ^ω^)「人さらいktkrwwwwいや、エンさらいかお?」

(`・ω・´)「……」

(^ω^ )「お? 助けに行かないでいいのかお?」

(`・ω・´)「待てブーン……いい事を思いついたぞ」


62 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:27:21.86 ID:1j8JWEGn0

(゚∀゚=゚∀゚)「誰も見てない……よな」

自ら怪しい空気を振りまき、こっそり泥棒ウォークで立ち去ろうとするジョルジュ。
そしてその後ろから、それを更に上回る二人が声をかけた。

ぐるぐる巻き「作戦成功ですね」

( ゚∀゚)「うわっ!? だ、誰だお前ら?」

ぐるぐる巻き「……リーダーから作戦を手伝うように言われてきました」

( ゚∀゚)「ああ!?」

ぐるぐる巻き「(……やっぱり無理があったか……?)」


63 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:27:51.28 ID:1j8JWEGn0

( ゚∀゚)「んだよカシラのヤツ~。やっぱバレてたのかよ~」

ぐるぐる巻き「……は?」

( ゚∀゚)「俺を監視するよう言われてきたんだろ? 確かに今勝手な行動取ってるけどよ~」

( ゚∀゚)「クソガキ捕まえたんだからいいじゃねえかよ」

ぐるぐる巻き「(気付いてないな……)」

ぐるぐる巻き「テラバカスwwwwwwww」

(゚∀゚ )「あん?」

ぐるぐる巻き「い、いや何でもない……です」

ぐるぐる巻き「wwwwwwwwwww」


64 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:28:21.44 ID:1j8JWEGn0

( ゚∀゚)「なんだ変な奴らだな……あ、わかったぞ」

ぐるぐる巻き&ぐるぐる巻き「!?」

( ゚∀゚)「どうも変だと思ったんだよな……俺に敬語使うヤツなんていねぇしよ~」

ぐるぐる巻き「チッ……!!」



( ゚∀゚)「……お前ら、新入りだな? オラ、荷物持ちしろよ」

ぐるぐる巻き「……はい」

ぐるぐる巻き「ベタすぎるおwwwwwww」


65 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:29:00.04 ID:1j8JWEGn0

三人がアホな会話をしている最中、恐怖は確実に近づいていた。
獣臭を撒き散らしながら、屋敷から一直線に迫る狂気。

( ゚∀゚)「!?」

ぐるぐる巻き「!!」

ぐるぐる巻き「お?」

三者三様ながらも、一様に背後を振り向いた。
屋敷を囲う高い塀の一部が、一瞬盛り上がったのをシャキンは見た。


66 名前:1[] 投稿日:2006/12/06(水) 20:30:23.30 ID:1j8JWEGn0



ミ,,゚Д゚彡「うおおおあああああっ!!」



( ゚∀゚)「!? ちぃっ!!」

塀を突き破り、がむしゃらに放たれた暴君の一撃。
それは直撃こそしなかったものの、地面に大きな穴を穿った。


飛びのく三人。

見上げるエンの暴君。

惨劇を知らぬモララーは、皮袋の中で一人夢を見ていた。



第七話「暴君」

終わり




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