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123 名前:料理[] 投稿日:2006/12/29(金) 23:05:15.18 ID:5sbnfksy0
第4章 ひとときの夢 モップがけ。 この作業が単純なようで奥が深いのはやってみないと分からないだろう。 当然のようにツーさんはテーブルや椅子の下。 はたまた通路に飾られた子供一人すっぽり隠れられるサイズの花瓶の下まで拭き取るように説明してきたし、 水切り1つとってもコツを掴まないと通路はただ水をまいただけのような状態になってしまう。 そんなこんなで僕が念願の厨房に呼ばれたのは両腕が軽い筋肉痛を覚え始めた10:50。 開店10分前の事だった。 (*゚∀゚)『いやぁ、今までは今日教えたの全部あたしがやってたんだ!! ホンッッッッッッッッットに大助かりだよ!!』 やたらとハイテンションで見ているだけで疲れるタイプのツーさんだけど、 彼女がひまわりのような笑顔が似合う美人であるのには変わりなく手放しで褒められればそりゃ悪い気はしない。 (*゚∀゚)『今日はさっき言ったように洗い場の仕事から教えるさ!! そんなに難しくないからリラックスして聞いとくれっ!! でもココでしっかりやらないと次のステップに進めないからね!! 油断は禁物だよ!!』 コックコートの袖を丁寧にまくりながら話すツーさん。 もしかしたらこの人はおしゃべりをしながらでないと呼吸が出来ない病気なのかもしれない。 ('A`)『・・・・・・』 その時ドクオは直径50センチ大のボウルに山と詰まれたゆで卵の殻を黙々と剥いていた。 この2人のテンションの落差はどうにかならないもんかね。 125 名前:料理[] 投稿日:2006/12/29(金) 23:12:33.93 ID:5sbnfksy0 そうやってツーさんの生命維持活動に協力しつつ食器洗浄器の電源の場所などを教わっていると 客席から子犬がほえる様なキャイキャイ声が聞こえてきた。 いつどこでだれが任命したのかさっぱり記憶にないが、 自称・僕の専属コーチがそれを聞き逃す筈もなく更に舌の回転数を早めてくる。 (*゚∀゚)『やぁ、ホール組も集まってきたみたいだねっ!! あとで紹介してあげるけど変な事しちゃダメだよっ!! あ、あそこで無愛想にテーブルを拭いているのがツンちゃん!! 雑巾相手に愛想ふりまく必要はないけど、人間相手にする時はもうちょっと愛想良くしたほうがいいよねっ!! せっかく可愛いのにもったいないさ!! もったいないお化けが出るよ!!』 ( *^ω^)(あ・・・あれは募集広告の・・・僕の天職が料理人ならこれはまさに運命の出会い・・・神が与えたフラグ・・・) なんて考えながら「私はまだ眠いの!!話しかけないで!!」的オーラバリバリのツンさんを見つめていた僕だったけど、 ツーさんに無理矢理首を90度ほどねじられて視線を別対象に変えざるをえなかった。 (*゚∀゚)『見て!! あの子可愛いでしょ!! しぃちゃんって言うんだよ!! 小さいでしょー!? 140ないんだって!! 小学生だよね!! でもあのおっぱい!! すごいよね!! 90はあるんじゃない!? 所謂1つのロリ巨乳ってヤツ!? なんか悔しいなぁ!! ブラのサイズFカップだって!! ブーちゃんFカップって見たことある? 男視線的にFカップってどんな感じ!? 今日はまだ来てないけどさ、この店にはおっぱいの専門家、いえ。アレは博士ね!! マスタークラスよ!! ってなんだっけ? そう、ジョルジュさん!! その人はおっぱいには夢が詰まってるって言うんだよ!! あ、今見比べたでしょ!? あたしだってFはないけど・・・』 と、一気にまくしたてたツーさんであるが、自分が勢いに任せて何を言おうとしたのか気付いたらしい。フリーズしてしまった。 ( ^ω^)『Fはないけど・・・?』 (;*゚∀゚)『ないけど・・・。あ・・・誰にも言っちゃダメだよ』 130 名前:料理[] 投稿日:2006/12/29(金) 23:20:55.06 ID:5sbnfksy0 あのスーパーミラクルハイテンション娘が恥ずかしそうに声のトーンを落としている!! 嗚呼。素晴らしき哉、料理人の世界。 お母さん産んでくれてありがとう。 ・・・と思いきや。 ('A`)『・・・働け』 (;*゚∀゚)『にょろ~ん』 ( ;^ω^)(今にょろ~んって言った!?) それだけ言い残してドクオは殻を剥き終えた卵を持ち立ち去っていった。 あの卵は煮卵にするとの事だ。 (*゚∀゚)『ブーちゃん、ゴメンねっ!! ついはしゃぎすぎちゃったよ!! いやぁ、後輩が出来て嬉しくてねっ!! そろそろ真剣に仕事モードに切り替えるさ!!』 そう言ってツーさんは自身の両手の平をパチンと叩き合わせ ありがたい物を拝むかのように頭を下げた。 こうして男のロマンについての話は終わってしまった。 もし機会があればドクオを泣き出すまで殴ってやりたい。 無言で。 淡々と。 135 名前:料理[] 投稿日:2006/12/29(金) 23:31:42.32 ID:5sbnfksy0 (*゚∀゚)『で、ここにホールから汚れたお皿やらがどんどん下げられてくるからさ!! それを種類毎に分けてお湯を張ったシンクに漬け込んでおくわけさ。 そうすると汚れがふやけてくるから、そしたらこのラックに並べて食器洗浄器にGO!! 基本はこれでOK!! 洗浄器は中で高温高圧のシャワーを吹きかける仕組みになってるからそれだけでも汚れはすっ飛んじゃうよっ!! 例外は乾いたご飯粒だね!! こいつだけはスポンジでこすらないとダメなんだ!!』 (*゚∀゚)『グラス類はあまり何度も高温のシャワーにかけるとダメになっちゃうからね!! 手洗いでヨロシク!!』 ドクオに注意された事が応えたのか、 あまり調子に乗りすぎると自身のプライベートまで暴露する可能性に気付いたのか ツーさんは少し大人しくなった。まぁ、これでも十分騒がしいのだけれど。 業務用食器洗浄器といっても特殊な形をしているわけではなく 家庭用のそれを4まわりか5まわりほど大きくしただけなのだけれども、 どこからともなく姿を見せた料理長が (´・ω・`)『昔はガソリンスタンドに置いてあるコイン式洗車機みたいな形でね。 あれは車が固定されていて洗車機が移動していくけど、 ちょうどその逆で洗浄器が固定されていてその中をレールに乗ったラックが移動していくシステムだったんだ。 僕らも若い頃は仕事を終えるとシャワー代わりに使ったもんさ』 それだけ言って立ち去っていった。 ( ;^ω^)『・・・何しに来たんだお』 (;*゚∀゚)『信じちゃダメだよ・・・あの年代の人は初めて食器洗浄器を使う人にあのネタを話したがるのがデフォらしいから』
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Jan 9, 2007 10:00:25 PM
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