第十八話3 :試合のデータ ◆azwd/t2EpE :2006/06/26(月) 23:04:55.72 ID:R/ukwRUl0スコア |1|2|3|4|5|6|7|8|9|10||R|H|E| ROK|1|0|0|0|1|0|0|0|2| 0.||4|13|0| VIP .|1|0|0|0|0|2|0|0|1|--||4|10|1| 投手成績(個人成績は試合開始前のもの) 内藤( ^ω^) -勝 -敗 防御率-.-- 奪三振-- 投球回--- 完封-- 完投-- 投球回:10 打者:44 被安打:13 被本塁打:1 奪三振:7 四死球:5 失点:4 自責点:2 畑(^・J・^) 21勝 3敗 防御率2.15 奪三振191 投球回213 1/3 完封4 完投9 投球回:9 2/3 打者:41 被安打:10 被本塁打:1 奪三振:16 四死球:5 失点:4 自責点:4 4 :試合のデータ ◆azwd/t2EpE :2006/06/26(月) 23:06:22.86 ID:R/ukwRUl0 野手成績(個人成績は試合開始前のもの) ヴィッパーズ 一番センター 長岡( ゚∀゚) 8年目 26歳 .306 11HR 54打点 1.右安 2.三振 3.空振 4.四球 5.遊安 二番レフト 荒巻/ ,' 3 17年目 37歳 .288 15HR 65打点 1.犠打 2.三ゴロ 3.空振 4.右安 5.三ゴロ 三番ライト 毒田('A`) 10年目 31歳 .329 28HR 111打点 1.中安 2.空振 3.右二塁打 4.中直 5.左安 四番ファースト ニダ<ヽ`∀´> 3年目 29歳 .280 35HR 107打点 1.左安 2.四球 3.右飛 4.空振 5.三振 五番キャッチャー ショボン(´・ω・`) 9年目 30歳 .312 18HR 115打点 1.四球 2.一ゴロ 3.中本 4.空振 5.空振 六番サード 笑野( ^Д^) 13年目 36歳 .256 21HR 69打点 1.投併 2.四球 3.空振 4.空振 七番セカンド 椎名(*゚ー゚) 5年目 26歳 .275 6HR 43打点 1.二ゴロ 2.犠打 3.四球 4.空振 八番ショート 津村ξ゚△゚)ξ 5年目 26歳 .246 8HR 31打点 1.三振 2.空振 3.空振 4.中安 九番ピッチャー 内藤( ^ω^) 1年目 18歳 .--- --HR --打点 1.空振 2.空振 3.空振 4.中二塁打 7 :試合のデータ ◆azwd/t2EpE :2006/06/26(月) 23:07:48.41 ID:R/ukwRUl0 ロケッターズ 一番ショート 井蓋(◎´∵`◎) 14年目 32歳 .328 8HR 31打点 1.右本 2.中安 3.左安 4.中飛 5.空振 二番ライト 高掛(['][,]) 10年目 28歳 .276 26HR 75打点 1.左飛 2.空振 3.右二塁打 4.一ゴロ 5.二失 三番センター 近城( ´金`) 9年目 30歳 .316 18HR 61打点 1.遊ゴロ 2.左安 3.右飛 4.左飛 5.四球 四番レフト 榊彡 ´ー`) 19年目 40歳 .309 45HR 124打点 1.空振 2.二併 3.左安 4.四球 5.三振 五番サード 村者(ムΘラ) 8年目 26歳 .284 36HR 106打点 1.中飛 2.中安 3.中安 4.四球 5.右二塁打 六番ファースト 古者[`↓´] 7年目 25歳 .268 34HR 98打点 1.右飛 2.空振 3.四球 4.中飛 5.右飛 七番セカンド マムウェイ(0´く`0) 4年目 29歳 .298 21HR 89打点 1.四球 2.遊併 3.遊ゴロ 4.一ゴロ 5.左二塁打 八番キャッチャー 哀歌(^亮^) 12年目 30歳 .241 9HR 42打点 1.右二塁打 2.投内安 3.三振 4.三直 5.空振 九番ピッチャー 畑(^・J・^) 13年目 31歳 .205 2HR 8打点 1.三振 2.犠打 3.空振 4.左安 8 :第18話 ◆azwd/t2EpE :2006/06/26(月) 23:09:48.75 ID:R/ukwRUl0 【第18話『明朗』】 スイングの鋭さは全盛期と何ら変わりない。 むしろ、技術を身につけた今は、昔より確実性が増している。 眼さえ、まともであれば。 (実・Д・)『ツーアウトランナー一塁、打席には元三冠王・笑野!』 (解´Д`)『今日は全くいいところがありませんね……畑が完全に上回っています』 (実・Д・)『やはり、乱視の影響が大きいのでしょうか……』 (解´Д`)『色んな治療を試したそうですが……どれも完治には至らなかったみたいですね』 (実・Д・)『昨年42を記録した本塁打数が今季は何と半減。打率も何と2割5分台にまで落ち込みました』 (解´Д`)『大したもんですよ。ボールがブレてるのに、まだ21本もホームランが打てるとは……』 (実・Д・)『40本塁打以上を四度記録した天性のスラッガー……今年は、視界に悩まされています』 球審が、見難くなったホームベースの上の土を払う。 それでも、笑野には五角形が見難かった。 (;^Д^)(今年打ったホームランは……ほとんど、闇雲だ……) 9 :第18話 ◆azwd/t2EpE :2006/06/26(月) 23:11:28.26 ID:R/ukwRUl0 真芯で捉えられる、と自信を持って振れたのは、わずかに数球。 21本のホームランは、偶然の賜物といっていい打球が多かった。 (実・Д・)『畑、初球を投げた――――シンカー外れてボール!』 やはり、ボールは霞んでいた。 (;^Д^)(今日はまだ良い方だったのに……いきなり悪化してきやがった……) ボールの縫い目など、ほとんど見えない。 球の回転も分からないままバットを振らざるを得ない。 (;^Д^)(何なんだよ……なんで俺がこんな苦境を味わわなきゃいけねーんだよ……!) 去年までは、当然のようにヒットやホームランが生まれていた。 10 :第18話 ◆azwd/t2EpE :2006/06/26(月) 23:13:10.24 ID:R/ukwRUl0 小さい頃からバットを持った上での勝負で、負けたことがなかった。 中学校や高校でも常に四番に座り、皆を圧倒するような飛距離の打球を飛ばした。 大学で更に体を鍛えて、プロに入ってからもルーキーイヤーから活躍。 通算で、350本以上のホームランを放った。 しかし、突然だった。 今季開幕戦、初打席、初球。 ムービングボールだと思った球で、内野ゴロを打たされた。 ベンチに戻って、監督に、どうしたんだと問われた。 あれほど甘い球を打ち損じるとは、と失望混じりの言葉が笑野の心を突いた。 次の打席、今度は変化球がブレていた。 それからの日々は思い出したくもないような苦境。 治療を試し、いろんな人に相談し、そして挫折を味わった。 今まで当たり前のように出ていたホームランも出なくなり、失意と絶望に打ちひしがれた。 自分が従来どおりの成績であれば、ロケッターズに一時逆転を許すこともなかった、という責任感にも押しつぶされそうだった。 そして、ここ数年不動だった四番の座を、シーズン途中で剥奪された。 打順を落とせば何かが変わるかも知れない、という喪名の考えによるものだったが、六番でも成績が上がることはなかった。 11 :第18話 ◆azwd/t2EpE :2006/06/26(月) 23:15:11.08 ID:R/ukwRUl0 (;^Д^)(ダメなのか……? 俺は……俺は、もう……限界なのか……?) 畑が二球目を投じる。 インローのストレート。ボールだと笑野は思ったが、審判のコールはストライクだった。 (実・Д・)『カウントはワンストライクワンボール。三球目が大事ですね、野布良さん』 (解´Д`)『えぇ。ここでストライクを取れば、畑は攻めやすくなりますからね』 三球目。 カーブが甘めに入ってきたが、笑野はタイミングを合わせられず、空振った。 追い込まれた。 (;^Д^)(……くそっ……!) 打席を外した。 手の汗でバットが滑る。ユニフォームでバットの汗を拭って、笑野が素振りした。 スコアボードを一度見て、笑野は一瞬だけ、ベンチを見た。監督とは眼を合わせないようにしながら。 内藤が視界に入った。 (;^ω^)「頑張ってだおー!!」 枯れかけた声で必死に応援していた。 ショボンが内藤に声をかけ、そして内藤がベンチ前に出て行く。 キャッチボールを始めた。 12 :第18話 ◆azwd/t2EpE :2006/06/26(月) 23:17:46.38 ID:R/ukwRUl0 (;^Д^)(11回表も投げるつもりなのか……) ルーキーのプロ初登板が、優勝決定戦。 ただでさえ緊張し、まともに投げられない初登板なのに、誰でも緊張する優勝決定戦。 内藤にかかった重圧は計り知れない。 (;^Д^)(スゲー苦しかったはずだ……いや、今もかなり……それなのに、あいつは……) 再三ピンチに見舞われた。 しかし、脱してきた。内藤の自責点は、わずかに2。10イニングを投げて、2失点だった。 あの球界の大エースである畑でさえ、自責点は4。結果では、内藤が上回っている。 誰もが賞賛するであろう、好投だった。 ( ^Д^)(……とんでもない苦境を……あいつは、切り抜けてきてるんだ……) 笑野が、力強くバットを握り締めた。 (実・Д・)『笑野が打席に戻りました。カウントはツーストライクワンボール。畑は勝負球を投げますかね?』 (解´Д`)『そうですねぇ。あまり球数をかけたくはないでしょう。今日の笑野は全くいいところがありませんし』 薄れかけた白線の中で、笑野がフォームを構える。 哀歌が、背中に汗を感じていた。 (;^亮^)(何だ……? ちょっと雰囲気が違うような……?) 哀歌は一瞬サインを迷った。 13 :第18話 ◆azwd/t2EpE :2006/06/26(月) 23:18:49.54 ID:R/ukwRUl0 ここでフォークを投げるのがセオリー。そう哀歌は考えていた。 しかし、読まれている気もした。 (^亮^)(フォークの落ちが鈍っているわけじゃないし……読まれていても打たれはしないと思うが……) ただでさえ笑野は今日、畑に全く合っていない。 ここでシンカーを投げさせる選択肢もあるにはあるが、今日はシンカーのコントロールがさほど良くない。 やはり、フォークしかないと哀歌には思えた。 (実・Д・)『哀歌、サインを出して……畑、頷きました。セットポジションから、第四球――――』 人差し指と中指で挟まれた白球が、投じられた。 ( ^Д^)(ッ……!!!) 見えた。 白球が、くっきりと。 確かに、笑野の眼に、判然と映っていた。 自然にバットが反応していた。 14 :第18話 ◆azwd/t2EpE :2006/06/26(月) 23:20:44.28 ID:R/ukwRUl0 (実*`・Д・)『打ったァァァァァァァァァァァァァ――――――――――――――――――――!!!!!!!!』 完璧だった。 レフトへ、ボールが高々と舞い上がった。 スタンドイン、間違いなかった。 しかし、切れた。 (実`・Д・)『あぁぁぁぁ――――っとぉぉぉ!!! ファ――――――――――――ル!!!!』 レフトポールの僅か左を、打球が通過した。 15 :第18話 ◆azwd/t2EpE :2006/06/26(月) 23:22:19.47 ID:R/ukwRUl0 無情にも、あまりに無情にも、打球が切れた。 ファールボール。当たりは完璧だった。しかし、飛んだ場所が悪かった。 運に、天に、笑野は見放された。 第18話 終わり ~to be continued ジャンル別一覧
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