|
カテゴリ:カテゴリ未分類
15 名前: ◆R38CE/IWYU [] 投稿日:2006/12/26(火) 09:46:59.28 ID:X/Q5Ug+v0
拳も脚も出さない。 その代わりドクオの襟元にはモララーの手。 掴まれた。捕まえられた。 殴り蹴りだけがモララーだと思っていたのが誤算。 (;'A`)(この形は……まさか……) ドクオの身体が浮く。 地をついていた足は、間抜けに宙をもがくだけだ。 (#・∀・)「パンチだのキックだの……チマチマしたもんは終わりだ!!」 ドクオは声を出す暇も無かった。 強引に一本背負いに持っていかれたのだから。 気づけば床に叩きつけられていたのだから。 何かが破裂したような音が響く。 悲鳴も呻き声も出ないドクオを代弁するように、音は廊下で鳴り続けた。 16 名前: ◆R38CE/IWYU [] 投稿日:2006/12/26(火) 09:47:37.78 ID:X/Q5Ug+v0 大の字になって動かなくなるドクオ。 意識はまだある……が、とても立ち上がって反撃できる余力は無いであろう。 (;'A`) (;・∀・)「辛そうだな」 その辛そうな顔をモララーは上から覗き込む。 眼には涙が浮かんでいた。 痛みの涙じゃない、悔し涙だ。 ( ・∀・)「泣くな、お前は良くやったよ…… そんなお前に先人のありがた~い言葉を授けてやるよ」 (;'A;) …………何だってんだよ…… ( ・∀・)『人間が存在する限りいじめは無くならない モララー(日本)1992~3130』 17 名前: ◆R38CE/IWYU [] 投稿日:2006/12/26(火) 09:52:52.56 ID:X/Q5Ug+v0 ( ・∀・)「学校ってのはな、勉強をするためにあるもんじゃねぇ…… いかに早く上に立ち、他人を下に陥れるかの生存競争の場なんだよ」 (;'A;)(…………んだと……) (;・∀・)「時間を無駄にし過ぎた、早く本物の内藤を潰さねーと……」 焦り出したモララーはそのまま階段を降りていく。 今のドクオにそれを止める力は無い。 反対に見える世界から、黙ってモララーの背中を追う事しか出来なかった。 『人間が存在する限りいじめは無くならない』 (;'A;)「違う…………そんな…………」 『無くならないわけがない』 ドクオの頭の中はそれで埋め尽くされていた。 『いじめは撲滅できる』 『理想論じゃない、人間一人一人が他人を認めればいいだけの話じゃないか』 『それが難しい?何を言ってるんだ、人を信じられなくなったら終わりだ』 (;・∀・)(ドクオ…………クソ、ここまでやられるとは……) 顔面の負傷が酷い、多少霞んだ視界が死を予期しているようにも思えてきた。 19 名前: ◆R38CE/IWYU [] 投稿日:2006/12/26(火) 09:57:19.39 ID:X/Q5Ug+v0 (;'A;)「こ…………が……………けな………」 内藤 正直すまんかった。 (;'A;)「こんな…校が…………いけな………」 これまでも今も……そしてこれからも俺はお前に何もしてやれないだろう。 (;'A;)「こんな学校が………らいけな……だ」 でも安心しろよ。 (;'A;)「こんな学校が…る…らいけな…んだ」 お前を苦しめたこの糞学校は……。 (;'A;)「こんな学校がある…らいけな…んだ」 今なくなるから。 (#'A;)「こんな学校があるからいけないんだ!!」 俺が全部片付けてやる、だからもう復讐なんてのはやめてくれ。 21 名前: ◆R38CE/IWYU [] 投稿日:2006/12/26(火) 10:01:04.74 ID:X/Q5Ug+v0 身体の体勢を変える。 目の前に広がる世界は180度回転して、通常版に戻った。 それでも立てない、ならば這いつくばって進むまでだ。 足に頼らなくても人は前に進む事が出来る。 聳え立つ扉を開くと、そこは理科室。 既に誰かの手によって物色された跡があるが、興味は無い。 棚には良く分からない名前のラベルが張ってある薬品、実験道具、 せいぜい正式名称をはっきり言えるのはアルコールランプくらいか。 それでも何をどうすればどんな事になるのかは、今の中学生は大体把握している。 理科室なんてのは武器倉庫となんら変わりは無い。 考えてみれば学校なんて凶器だらけだ。 (;'A;)「内藤……今……消してやるから……」 全部終わらせてやるから―――――― 23 名前: ◆R38CE/IWYU [] 投稿日:2006/12/26(火) 10:08:27.65 ID:X/Q5Ug+v0 二階 ―― 一階間階段 川 ゚ -゚)「……上で凄い音がしたぞ」 川 ゚ -ω^;)「ドクオ……?まさか……」 思えば内藤が最後に見たドクオは、すっかり壊れきった姿だった。 我を忘れて何をしで出すか分からないのが人間だ。 そして不安要素はそれだけではない。 モララーの存在……奴には恐れというものが無い。 そういった輩は一番やり易い敵でもあり、厄介な相手でもある。 川 ゚ -ω^)(やっぱあの時、意地でも潰しておくべきだったかお……) モララー、そしてモナーとの一戦が思い出される。 川 ゚ -ω^)(僕を呼ぶ……人間か……お) その時――――――「内藤ッ!?」――――――渇いた声。 川 ゚ -゚)(っ!この男!!) 川 ゚ -ω^)「……お前は」 ( ・∀・)「よぅ……また会ったな」 24 名前: ◆R38CE/IWYU [] 投稿日:2006/12/26(火) 10:09:48.90 ID:X/Q5Ug+v0 川 ゚ -ω^)「あの時は仕留め損ねたお……今回は……」 (;・∀・)「テメェが内藤かよ!!」 川 ゚ -ω^)「!!??」 微妙に成り立っていない会話に疑問を持った瞬間、もう遅い。 クー兼内藤の顔に学ランが被さる。 その顔面目掛け、飛び蹴りがクリーンヒットした。 視界を閉ざしただけでなく、感染の危険を最小限に留めた。 川 ゚ -ω^#)「クソ……あのクソにしちゃ賢いお……!!」 そして最初の「内藤ッ!?」「また会ったな」の台詞、あれは『確認』だ。 自分だと分かって言ったのではない。 自分だと確かめるために言ったのだ。 おそらく、他の人間が目の前に現れても同じ事を言っただろう。 (;・∀・)「じゃあな!」 モララーは下の階へと足を進めていく。 川 ゚ -ω^#)「逃がすか……お…………?」 身体が動かない、直ぐにでも追いかけなければならないのに。 川#゚ -゚)「殺しはするなと言ったはずだ!」 26 名前: ◆R38CE/IWYU [] 投稿日:2006/12/26(火) 10:14:46.23 ID:X/Q5Ug+v0 川 ゚ -ω^#)「お前……邪魔すんなお!! 奴は……殺されて当然の人間だお!!」 川 ゚ -゚)「邪魔?これは私の身体だ!寧ろ私からしてみればお前が邪魔だ! それに殺されて当然の人間がいたとしても、お前がそいつを 殺していい事があるか!!」 邪魔だ……邪魔だ……邪魔だ…… ( ゚ω゚)「どいつもこいつも僕の邪魔をすんじゃね――――お――――――!!!」 川;゚ -゚)「……!!?」 黒の世界が裂ける。 憎悪は負けない。 憎しみが濃くなっていく、怒りと、苦しみが混ざっていく。 『全部全部弱かったんだお!だから今の僕は強いんだお!』 『何も出来なかった僕が何か出来るから強くなったんだお!!』 クーが掴んでいた内藤の腕は……軽く、『するり』 簡単に抜けてしまった。 ( ゚ω゚)「モララァァァァァァァ!!!!」 (;・∀・)「――――――――――――――――――――――――――――――――」 27 名前: ◆R38CE/IWYU [] 投稿日:2006/12/26(火) 10:15:30.56 ID:X/Q5Ug+v0 川;゚ -゚)「……え?」 クーは自分の立ち位置を確認する。 一階と二階の間の階段だ。 自分はここにいる、ここにいるんだ。 ガタガタ……ガタァンッ! 下の階から物音、クーは確かめに後戻りをする。 そこには……二人。 緑に染まるモララーの姿と、無言で立っているだけの男。 川;゚ -゚)「……内……藤?」 ( ゚ω゚) 僕は僕かお?
Last updated
Jan 5, 2007 10:03:23 AM
コメント(0) | コメントを書く |