第二十話第二十話 「多分に多分」 ξ#゚△゚)ξ (#)^ω^) ξ#゚△゚)ξ「何で殴られたかは……分かってるわね?」 (#)^ω^)「……はいですお」 ξ#゚△゚)ξ (#)^ω^) ξ#゚△゚)ξ「私、言ったはずよね?」 (#)^ω^) ξ#゚△゚)ξ「戻ってこれそうな距離に連れて行っても意味がないって」 (#)^ω^)「……言いましたお」 ξ#゚△゚)ξ「で」 (#)^ω^) ξ#゚△゚)ξ「その時、あんた何て言ったっけ?」 (#)^ω^)「多分、大丈夫……って言いましたお」 ξ#゚△゚)ξ「そうよね。言ったわよね」 (#)^ω^) ξ#゚△゚)ξ「多分とは言え、大丈夫って私に保障したわよね」 (#)^ω^)「……保障しましたお」 ξ#゚△゚)ξ (#)^ω^) ξ#゚△゚)ξ「じゃあ、何であの犬がまたここに戻ってきたのか分かる?」 (#)^ω^) ξ#゚△゚)ξ (#)^ω^)「何でって」 ξ#゚△゚)ξ (#)^ω^)「走ってじゃ」 (#)^ω^(#) ξ#゚△゚)ξ「次またつまんない冗談言ったら目を潰すわよ。いいわね?」 (#)^ω^(#)「……心得ましたお」 ξ#゚△゚)ξ (#)^ω^(#) ξ#゚△゚)ξ「全く……」 (#)^ω^(#) ξ#゚△゚)ξ「あんたのせいでどんだけ私が醜態晒したと思ってるの?」 (#)^ω^(#)「……すいませんお」 ξ#゚△゚)ξ「はぁ……謝れば済むって問題じゃないんだからね」 (#)^ω^(#)「本当ごめんお……ツンがこんなに犬を怖がるなんて思わなくて……」 ξ#゚△゚)ξ「はぁ!?誰が怖がったって!?」 (#)^ω^(#)「おっ?違うのかお?」 ξ#゚△゚)ξ「そ、そんなわけないでしょ!私はただ単に犬が嫌いなだけなの!怖いだなんてこれっぽっちも思ってないわ!!」 (#)^ω^(#) ξ#゚△゚)ξ「……何よその目」 (#)^ω^(#)「いや、別に……」 ξ#゚△゚)ξ「また殴ってほしいの?今度は蹴りも混ぜてみようかしら」 (#)^ω^(#)「サ、サーセン!!」 ξ#゚△゚)ξ「ふん、分かったらさっさと練習再開する!このままじゃお昼までに終わらないわよ!!」 (#)^ω^(#)「それはツンの説教が長いせいじゃ……」 ξ#゚△゚)ξ「そう言えば私、最近カポエィラを習い始めてね」 (#)^ω^(#)「サ、サーセン!!!!」 ξ#゚△゚)ξ「謝ってる暇があったらさっさと行く!!」 ⊂二二(#)^ω^(#)二二つ「い、いってきまーすお!!!」 ξ#゚△゚)ξ ξ#゚△゚)ξ「ったくもう……鶏冠に来るわね」 ξ#゚△゚)ξ ▼・ェ・▼ ξ#゚△゚)ξ ▼・ェ・▼ ξ゚△゚)ξ ▼・ェ・▼ ξつ△⊂)ξ ▼・ェ・▼ ξ゚△゚)ξ ▼・ェ・▼ ξつ△⊂)ξ ▼・ェ・▼ ξ;゚△゚)ξ ▼・ェ・▼「ワξ;゚△゚)ξ「g打緒後エゴ顔vばおうhぼえbヴぉえおうあbヴぉあdbkjbど!!!!!!!」 ――――――――夢―――――――― (;'A`)「ん、誰だあれ?なんかこっちにくるけど」 (;*゚∀゚)「ええっ!!」 怪訝な顔でテレビを見つめるドクオの隣で少女が突然驚きの声をあげる。 (;'A`)「な、何?どしたの?」 (;*゚∀゚)「え、いや、だって……ええっ!?」 二人の視線が注がれている先に映っていたのは ミ,,゚Д゚彡 (;*゚∀゚)「な、何でフサギコ君がテレビに……」 (;'A`)「え、もしかして知り合いなの?」 (;*゚∀゚)「え!?……いや、知り合いって訳ではないんですけど」 ドクオが聞くと、少女は気まずそうに視線をそらす。 (;'A`)「……?」 (;*゚∀゚)「でも……何で……?」 (;'A`) (;*゚∀゚) (;'A`)(知り合い……じゃないのか?) (;*゚∀゚) (;'A`)(名前は知ってるけど、そこまで仲良くないってことなのかな?) (;*゚∀゚) (;'A`)(それとも、あんまり人には話したくないような複雑な関係……とか?) (;*゚∀゚) (;'A`) (;*゚∀゚) (;'A`)「まぁ、どうでもいいか」 ドクオが呟くと同時、画面へと貼りついていた少女の視線が剥がれる。 (;*゚∀゚)「どうかしましたか?」 (;'A`)「いやね、もう一度聞くけどさ。とりあえず、君はあのテレビに映ってる子を知ってるってことでいいんだよね?」 (;*゚∀゚)「え?……えぇ……まぁ」 (;'A`)「じゃあ、決まり」 (;*゚∀゚)「な、何がですか?」 少女の問いに返答しないまま、ドクオは重い腰を上げトイレの方へと歩き出す。 扉の前まで来ると少女の方を振り向き、手招きをしながら呼びかける。 (;'A`)「ちょっとこっち来て」 (;*゚∀゚)「何ですか?もしかして、やっぱりトイレに隠し扉が?」 (;'A`)「いいからいいから」 急かすような言葉に少女は素直に従い、扉の前まで小走りでやってくる。 (;'A`)「中入って」 (;*゚∀゚)「私だけですか?」 (;'A`)「うん。で、そこの便座に座って」 ドクオの妙な要求に対し、少女の顔が初めて強張る。 (;*゚∀゚)「な、何させるつもりですか……ま、まさか……」 (;'A`)「ち、違う違う!そんな変なこと考えてないって!!」 (;*゚∀゚)「じゃあ、いったい何を?」 (;'A`)「何をって……君をここから出してあげようと思って」 (;*゚∀゚)「ここから出す?」 (;'A`)「そう。だからとりあえずそこに座ってさ、俺の言うとおりにしてよ」 (;*゚∀゚)「ちょ、ちょっと待ってください」 (;'A`)「ん、何?」 (;*゚∀゚) (;'A`) (;*゚∀゚) (;'A`) (;*゚∀゚)「それって……おかしくないですか?」 (;'A`)「え?」 (;*゚∀゚)「最初見た時から若干怪しいとは思ってましたけど、やはり……」 そう思案するように呟きながら、少女が後ずさる。 (;'A`)「怪しいって……もしかして、俺のこと?」 (;*゚∀゚)「他に誰がいるんですか」 突き放すように言われ、ドクオの顔が微かに歪む。 (;'A`)「だ、だからそれは誤解だって!俺は別にやましい事なんて考えてないし……」 (;*゚∀゚)「では、何故あなたはここが出口だと知っていたんですか?」 (;'A`)「何故って……それは説明すると長くなるんだけど」 (;*゚∀゚)「そもそもここが出口だと初めから分かっていたなら、どうしてすぐに教えてくれなかったんです?」 (;'A`)「それもまた……いろいろあってだね」 (;*゚∀゚)「私を騙して罠にかけようとしていたからじゃないんですか?」 (;'A`)「わ、罠!?」 (;*゚∀゚)「つまり、あなたはここが出口だと私に嘘をついて油断させ、 その隙に薬か何かで眠らせいかがわしいことをするつもりだった……そんなところでは?」 (;'A`)「ちょ……話がおかしな方向に行きすぎだろ」 (;*゚∀゚)「おかしい?当然の流れだと思いますけど」 (;'A`)「だからね、俺はそんな罠にかけるとか全く考えてないから。ただ単に君をここから出してあげようと思っただけ」 (;*゚∀゚)「なら、あなたが先に行ってください」 (;'A`)「へ?」 (;*゚∀゚)「あなたの言うここから出る方法とやらで、あなたが先に脱出してください」 (;'A`)「そ、それは……」 (;*゚∀゚)「もしそれであなたが無事脱出したのを確認することが出来たら、私もその方法でここから出ましょう」 (;'A`) (;*゚∀゚)「ここから出すと言うくらいですから、それぐらい出来ますよね?」 (;'A`) (;*゚∀゚) (;'A`) (;'A`)「……はぁ」 (;'A`)「分かったよ」 (;*゚∀゚)「では、お願いします」 そう言って促す少女に、ドクオは首を振り答える。 (;'A`)「いいや、ちがう」 (;*゚∀゚)「はい?」 予想と違う返答に、少女が困惑の表情を浮かべる。 (;'A`)「説明するのも面倒だし、どうやら知り合いと関わっちまったようだから、何も言わずこのまま帰してあげようと思ったんだけどなぁ」 (;*゚∀゚)「?」 (;'A`)「まぁ、一番の要因は俺がしんどいからなんだけど」 (;*゚∀゚)「さっきから……何を言ってるんですか?」 少女の問いを背に受けたまま、ドクオは布団の方へ戻っていく。 (;'A`)「とりあえず、立って話すの疲れるからさ。こっち来てくれ」 (;'A`)「今から君の置かれている状況を説明するからさ」 ――――――――現実―――――――― ミ;,,゚Д゚彡「ちょ、ちょっと!」 (*゚ -゚)「む?」 首横から跳ね広がるように伸びた襟足を揺らしながら、こちらへ向け駆けてくる少年。 クーは首だけを動かし、視界の端で捕らえていたその影を正面に見据える。 ミ;,,゚Д゚彡「あれ!」 フサギコはクーから数メートル離れた場所で止まると、後ろに転がる空き缶を指差し叫ぶ。 ミ;,,゚Д゚彡「あの缶倒したの君!?」 (*゚ -゚)「そうだが」 ミ;,,゚Д゚彡「マ、マジで!?」 (*゚ -゚)「もしや、倒してはマズかったか?ならば謝るが……」 ミ;,,゚Д゚彡「いや、別にそれはいいんだけどさ」 言いながら、クーと転がる空き缶との距離を見定める。 ミ;,,゚Д゚彡「これ……30メートル近くあるんじゃないか……」 ミ;,,゚Д゚彡「ねぇ!何投げて当てたの!?」 (*゚ -゚)「何を投げて?」 ミ;,,゚Д゚彡「そう!」 フサギコがそう聞くと、クーは地面へと目をやる。 しばらく周囲を見回した後 (*゚ -゚)「これだが」 手頃な大きさの石を拾い上げ、答えた。 ミ;,,゚Д゚彡「石で……当てたの?」 (*゚ -゚)「何かおかしいか?」 ミ;,,゚Д゚彡「ちょっと、それ貸して」 そう言ってフサギコはクーの方へと歩み寄る。 そして、小さな手のひらの上に乗った石をひょいと掴み取ると、遊具も何もない開けた場所へと向かいそれを投げた。 ミ;,,゚Д゚彡「うわ……ダメだ。握りづらいから全然狙ったところへ投げられない……」 ミ;,,゚Д゚彡「……」 (*゚ -゚) ミ;,,゚Д゚彡「あ、あのさ」 (*゚ -゚)「何だ?」 ミ;,,゚Д゚彡「もしよかったら、もう一度あの缶に向かって石を投げてもらえないかな?」 (*゚ -゚)「別に、私は構わないが」 ミ,,゚Д゚彡「じゃ、じゃあ今缶を元の所に立ててくるからさ!ちょっと待ってて!」 そう言い置くと、フサギコは後ろを振り返り勢いよく駆け出していく。 来た時と同じように、長く伸びた襟足を風に揺らしながら。 その後姿を見送り、クーは再び地面へと目をやる。 (*゚ -゚) 程無くして石を拾い上げ顔を上げると、遠くでフサギコが手を振っていた。 どうやら準備が整ったと言う合図らしい。 (*゚ -゚) それを確認し、クーは両手を振り被る。 お世辞にも綺麗とは言えないフォームで投げられた石は、さながら狙撃手の放った銃弾のように、標的目掛け一直線に飛んでいった。 ――――――――夢―――――――― (;*゚∀゚)「――それ本気で言ってるんですか?」 (;'A`)「まぁ、普通はそう思うよなぁ」 信じられないと言ったような表情でそう問いかける少女に対し、ドクオは苦笑いを浮かべ答える。 ここが自らの夢の中であること。そして、少女の身体は今クーによって乗っ取られているということ。 必要最低限の情報だけを選り抜き、ドクオは少女が今置かれている状況を簡潔に伝えた。 (;*゚∀゚)「でも、普通ありえないでしょう?人の体を乗っ取るなんてこと……」 (;'A`)「俺だって最初は信じられなかったさ。だけど実際に今起きてるんだよ、君の言うそのありえないことがさ」 (;*゚∀゚)「……」 (;'A`)「んー……口だけで信用してくれつっても無理があるかね」 はぁ、と面倒くさそうに一息つき布団から出ると、ドクオは黒電話の方へ向かう。 (;'A`)「君さ、自分の体の一部分でここを見れば自分だって特定出来るとこってある?」 (;*゚∀゚)「え?自分だって特定出来るところですか?」 (;'A`)「そう。まぁ一番は顔なんだろうけど、それだと鏡使わなくちゃいけないからさ。出来れば顔以外だと嬉しい」 (;*゚∀゚)「それはまた……どういった理由でですか?」 (;'A`)「今から君の体使ってる奴にそれを伝えてテレビに映してもらう。そうすれば君も俺の話を信じてくれるだろうと思ってね」 (;*゚∀゚)「テレビって、これのことですか?」 そう言って少女が指差すブラウン管の中央には、こちらに向かって大げさに手を振る少年が小さく映っている。 (;'A`)「そ。言い忘れてたけど、これ外の君が見てる景色をそのまま映してるんだよ。だから」 (;*゚∀゚)「え!?い、いいい今なんて!??」 (;'A`)「へ?いや、だからこのテレビは外の君が見てる景色をそのまま映してるって」 (;*゚∀゚)「外の私って……今乗っ取られてる私の体のことですか!?」 (;'A`)「そうだけど」 (;*゚∀゚)「じゃ、じゃあ、さっきフサギコ君と話をしてたのって……」 (;'A`)「君だね。まぁ正確に言えば君ではないんだけど」 (;*゚∀゚) (;'A`) (;*゚∀゚)「何でそれを早く言ってくれないんですかぁぁぁぁ!?!?」 (;'A`)「ご、ごめん……って言うか、これは信じてくれるの?」 (;*゚∀゚)「信じるとか信じないとかもうそんなのどうでもいいですよ!! テレビにフサギコ君が映ってるから何かと思えばそういうことだったなんて……」 (;'A`)「どうでもいいって……じゃあ、さっきまでの俺の説明はなんだったんだよ」 (;*゚∀゚)「と、とにかく早く何とかしてください!!」 ドクオが一人ごちると、少女はすくっと立ち上がりそう叫ぶ。 (;'A`)「……まぁ信じてもらえたんならいいか、余計な手間省けたし。 じゃ、もっかいこっち来てよ。元の体に戻してあげるからさ」 (;*゚∀゚)「も、戻すって、私があの場所に行くってことですか!?」 (;'A`)「行くって言うと何か変な感じするけど、そういうことだね」 (;*゚∀゚)「むむむむ無理ですよそんなの!!私があそこに!?無理無理!絶対無理!!」 (;'A`)「え、何それ。だってあの子君の知り合いなんでしょ?」 (;*゚∀゚)「だから知り合いじゃないんですってば!私はあっちを知ってるけどあっちは私のこと知らないんです!!」 (;'A`)「……さっきもそんなこと言ってたけどそれは一体どういうことなの? っていうか別にいいじゃん。あっちが知らなくてもこれを機に知り合いになっちゃえばいいじゃん」 (;*゚∀゚)「だからそれが無理だって言ってるんですよ!それをせずに何とかする方法を考えてください!!」 (;'A`)「んな面倒な……」 (;*゚∀゚)「いいから早く!!」 ――――――――現実―――――――― ミ;,,゚Д゚彡「すげえええええええええええええええええ!!!!」 石を弾き、音をたて崩れ落ちる空き缶。 その光景を間近で目にしたフサギコが目を見開き、驚嘆の表情で叫ぶ。 ミ;,,゚Д゚彡 と、すぐさま視線を遠くにいるクーの方へと向ける。 (*゚ -゚)「おお、また当ミ;,,゚Д゚彡「すげええええええええええええええええええ!!!!」 クーの言葉を遮ると共に走り出すフサギコ。 あっという間にその身はクーの元へ。 ミ;,,゚Д゚彡「やっぱり偶然じゃなかったんだ!!」 (;*゚ -゚)「な、何だ……そんなに騒いで」 ミ;,,゚Д゚彡「君、野球やってるの!?それとも何か他のスポーツを!?」 (;*゚ -゚)「野球?やったこともないし見たこともないが」 ミ;,,゚Д゚彡「嘘、マジで!?それであんな距離投げられたの!?」 (;*゚ -゚)「そんなに驚くことなのか?」 ミ;,,゚Д゚彡「驚くも何もあり得ないでしょ普通!!」 ミ;,,゚Д゚彡「本当に……本当に何もやったことないの?」 (;*゚ -゚)「だから言ってるじゃないか。私は嘘はつかない」 ミ;,,゚Д゚彡「……そっかぁ」 (;*゚ -゚)「……」 ミ,,゚Д゚彡「ま、それならそれでいいや!君、名前は!?」 (;*゚ -゚)「な、名前?」 ミ,,゚Д゚彡「そう、君の名前。君って呼ぶの俺あんま好きじゃないからさ、教えてよ」 (;*゚ -゚) ミ,,゚Д゚彡「あ、ちなみに俺の名前はフサギコ。呼び方は別に気にしないから好きに呼んで」 (;*゚ -゚) ミ,,゚Д゚彡 (;*゚ -゚)「な」 ミ,,゚Д゚彡 (;*゚ -゚)「何だった……かな」 ミ;,,゚Д゚彡「え?」 (;*゚ -゚)「いや、ちょっと名前をど忘れしてしまってな。思い出せないんだよ」 ミ;,,゚Д゚彡「ど忘れって……そんなに複雑な名前なの?」 (;*゚ -゚)「あ、ああ、そうなんだよ。覚えづらくて困っててね」 ミ;,,゚Д゚彡「忘れちゃう程複雑な名前なんてあるんだ……余計気になるな」 (;*゚ -゚)「すまないな、思い出したら教える。だから、今は――」 「つーだよ、つー。どこが思い出せないほど複雑な名前なんだか」 必死に無理矢理な言い訳を吐くクーの頭に、突如声が響く。 (;*゚ -゚)(む、ドクオか。何だ、今日は一日中寝ているのではなかったのか?) 「寝てるよ、現実の俺の方はな。誰かさんのせいで」 (;*゚ -゚)(……何か怒ってるのか?) 疲れきった声に含まれる僅かな怒気を感じ取り、クーがそれとなく尋ねる。 「当たり前だろバカ!俺病人だよ!?なのになんでお前はそんな時にこんな面倒なこと押し付けるわけ!? ひどくない?ねぇ、ひどくないですか!?あ な た は ひ ど い と 思 い ま せ ん か ?」 (;*゚ -゚)(ちょ、ちょっと落ち着け。何故そんなに怒る必要がある? 私はただ君が一日中寝ていると言ったからその間少し出かけていようかと思って) 「だから寝てるのは現実の俺の体だけで、今ここにいる俺は寝れてないんだってば!」 (;*゚ -゚)(寝てればよかったじゃないか。この体の持ち主がそっちに行っても、放っておいてそのまま) 「放っておいてって……」 (;*゚ -゚)(戻る時は私が電話で君を起こせば済む話だろう?それを見越してのことだったのだが) 「……」 (;*゚ -゚) 「起きちゃったんだからしょうがないじゃない!第一、そんなこと先に言ってくれなきゃわかんねーよ!!」 (;*゚ -゚)(す、すまん) (;*゚ -゚)(わかったよ。今回はこちらにも非があるようだから、もうこの身体は解放しよう) 「も?も、じゃないだろ。非があるのはお前だけ。俺全然悪くない。ていうかモロ被害者」 (;*゚ -゚)(だから、そんなに怒るなって) 「……確かに、怒鳴ったらまた頭痛くなってきた」 (;*゚ -゚)(じゃあ、こっちはいつでも大丈夫だから、そっちはそっちでいつも通り頼んだぞ) 「いや、ちょっと待て」 (;*゚ -゚)(む?) 「それがどうも、これまた面倒なことになっててさ。 そのフサギコって少年がいるところにはどうしても戻りたくないって、この子言い張って聞かないんだよ」 (;*゚ -゚)(……どういうことだ?) 「だから、お前がそこにいる限りこの子は自分の体に戻ろうとしてくれないってわけ」 (;*゚ -゚)(……それはまた面倒な話だな。だが、何故そんなことを?この少年はもしや知り合いだったのか?) 「さぁ?そこまで詳しく聞いてる暇なかったからな。 とにかく、そういうわけだから。変な誤解はなるべく解いた上でさっさとそのフサギコ君とやらから離れておいてくれ」 (;*゚ -゚)(ふむ。よくはわからんがとりあえず把握した) 「出来るだけ早く頼むぞ、もうしんどくてたまらんよ俺は」 (;*゚ -゚)(ああ、わかった。出来るだけ頑張ってみる) 「じゃ、そゆことで」 ミ;,,゚Д゚彡「ちょっと君!大丈夫!?」 ドクオの声が途切れ、代わりに耳に響いたのは快活な少年の声。 (;*゚ -゚)「あ……ああ、すまない。ちょっと考え事をしていてな」 ミ;,,゚Д゚彡「余りに何の反応もないもんだからびっくりしたよ……。 そこまで無理に名前思い出さなくても大丈夫だよ?忘れちゃったんならしょうがないしね」 (;*゚ -゚)「あ、そう、そうだ。名前を思い出したんだ」 ミ,,゚Д゚彡「え、思い出せたの?」 (*゚ -゚)「ああ、私の名前はつー」 ミ,,゚Д゚彡「つー?」 (*゚ -゚)「そう、つーだ」 ミ,,゚Д゚彡「つー?」 (*゚ -゚)「そうだ」 ミ,,゚Д゚彡 (*゚ -゚) ミ,,゚Д゚彡「え、終わり?」 (*゚ -゚)「む、何がだ?」 ミ;,,゚Д゚彡「いや、忘れちゃうくらいの名前だから、その後もずらーっと続くのかと思って……」 (*゚ -゚)「いや、続かないな。私の名前はつーだ」 ミ;,,゚Д゚彡「そ、そっか。まぁ短い名前でもど忘れしちゃう時はあるよね」 (*゚ -゚)「うむ。どうもタ行は苦手でな」 ミ,,゚Д゚彡「そうなんだ……そういうのもあるんだね」 (*゚ -゚)「次からは気をつける」 ミ,,゚Д゚彡「うん、頑張って」 (*゚ -゚) ミ,,゚Д゚彡 話に区切りがつき、二人の間に沈黙が広がる。 (*゚ -゚)(区切りも丁度いいし、ここら辺で離れるとするか) そうクーが思った矢先 ミ,,゚Д゚彡「で、さっきの話の続きなんだけどさ!」 フサギコが再び口を開いた。 ――――――――夢―――――――― (;'A`)「あー……今いいタイミングだったのになぁ」 (;*゚∀゚) こちらに向かい再度話し始めるフサギコを見て、そう零すドクオ。 その隣では、つーがウズウズと落ち着かない様子で画面を見つめている。 (;'A`)「こりゃあまだまだ当分かかりそうだな……」 (;*゚∀゚)ウズ (;'A`) (;*゚∀゚)ウズウズ (;'A`)「……」 (;*゚∀゚)ウズウズウズ (;'A`)「……ねぇ」 (;*゚∀゚)「は、はい?」 (;'A`)「そんなに落ち着かないんだったら、やっぱ自分の体戻れば?」 (;*゚∀゚)「……」 ドクオの提案につーは口を噤んだまま沈黙を守る。 右へ左へ泳ぐ視線が、それは無理だという否定の意を暗に示していた。 (;'A`)「……さっきから、つーかテレビつけた時から気になってたんだけどさ。 結局、君とあのフサギコって子との間にはどんな関係があるわけ?」 (;*゚∀゚)「……だから、言ってるじゃないですか。関係なんて呼べるほどのものは私達の間にはないんです」 (;'A`)「じゃあいいよ。関係じゃないにしても君があの子を避ける理由ってのはちゃんとあるんだろ?それでいいから教えてよ」 (;*゚∀゚)「それは……でも……」 俯いたまま口ごもるつーに、ドクオはテレビを指差し言う。 (;'A`)「あっちもあんな状態だ。さっきも言ったようにまだまだ時間はかかる」 (;*゚∀゚)「……」 (;'A`)「詳しい事情は分からないにしても、君とあの子の間にあるのが余り良くない問題だってことくらいは俺にも分かるし 君の話の内容如何によっちゃ俺も少しは手を貸せるかもしれない。まぁ、期待はしないでおいてほしいけど……」 (;*゚∀゚)「……」 (;'A`)「だからさ、話しちゃいなよ。問題から逃げるよりは、苦しくてもさっさと解決しちまった方が楽になるよ?」 (;*゚∀゚)「……」 (;*゚∀゚)「問題……ってわけでもないんです」 数秒の間を置き、つーがやっとその重い口を開いた。 (;*゚∀゚)「ただ本当、人からしてみればくだらない話で……」 (;'A`)「いいよ、それでも。大した問題じゃないんならそれはそれでいいことだし」 ドクオの言葉につーは少し自嘲めいた微笑みを浮かべ、そして呟く。 (;*゚∀゚)「……私、怖いんです」 (;'A`)「怖い?」 (;*゚∀゚)「あ、別にフサギコ君が怖いって訳じゃありませんよ? ただ、何ていうか……嫌われるのが怖いって言うのかな……」 そこまで言って、つーは再度口を閉ざす。 しかし、それは先程までの沈黙とは違い、言い渋ると言うよりは言葉を選んでいると言った印象を受ける。 少女が自らに伝えようとしている何か。ドクオは黙ってそれを待つ。 (;*゚∀゚)「つまり……えーっと……」 (;*゚∀゚)「私、フサギコ君のことが好きなんだと思います……多分」 戻る 目次 次へ ジャンル別一覧
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