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LOYAL STRAIT FLASH ♪

十九章



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 22:57:35.27 ID:qlsj4VnR0


十九章 贖罪


( ><)「おら! お前達、さっさとこの部屋に入るんです!」

広い割にあまり人が居らず、すっからかんな状態の警察署内。
いつもは整理され清潔なのだろうが、その時ばかりは乱雑で汚れていた。

『スクランブル交差点にて、異能者による大殺戮が発生。直ちに現場へと向かえ』

どこかの机から舞い落ちたのだろうその紙には、そうあった。
ラウンジ交差点に向かったであろう紙の受け取り主は、果たして、この世に存在するだろうか。
それを知る術は、今はない。

署内にいる少数の人間は、とある部屋で一人残らず慌しく動き回る。
ある者は電話を手に、苛立ちを抑えつけながら喋る。
ある者はうず高く積まれた書類に、次々とペンを走らせた。

その表情は怒りや悲しみ、疲労などがごちゃ混ぜになったひどいものであった。

( ><)「早くするんです!!」

そんな中で、まるで周りに聞かせるかのように叫ぶ警官。

警官達が動き回っている部屋は、廊下との仕切りに曇りガラスを一枚挟んでいる。
それでも声が聞こえたのか、電話の応対をしている男が、その警官の方を睨みつけた。

叫ぶ警官は、パトカーの中での会話で、ビロードという男だと分かった。
ブーン達にはよく分からなかったが、少しばかり偉い位置にいる人間らしい。


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 22:59:20.69 ID:qlsj4VnR0


(*‘ω‘ *)「ぐだぐだするんじゃないっぽ」

ビロードと同じように、四人を急がせる彼女はちんぽっぽ。
ビロードのパートナーのような存在だ。

(;^ω^)「す、すいませんお!」

(;゚Д゚)「ちくしょう、掴まっちまったな」

(メメ;゚∀`)「…………………」

('A`)「…………………」

四人はパトカー内で指示された通りに、掴まった演技をしつつ指示された部屋に入る。
とは言っても、ジョルジュは喋る余裕なぞなく、ドクオはめんどくさがって喋らなかったが。


( ><)「ったく! 無駄な抵抗しやがって! なんです!」

一際大きく叫んで、一番後ろを歩いていたドクオを部屋に乱暴に押し込む。
それに次いで自分も中に入り、思いきりドアを閉めた。

( ><)「……さて、と。なんです」

ドアを閉めたビロードは、声色を変えた。
いや、戻した、といった方が正しいか。



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:01:08.21 ID:qlsj4VnR0


( ><)「とりあえず、そこにある椅子に適当に掛けてほしいんです」

( ^ω^)「お」

短く返事をして、それぞれパイプ椅子に腰掛ける。
ジョルジュは身体が痛むのか、座る時に短い呻き声を発した。

(,,゚Д゚)「よし……。じゃあとりあえず、何で俺達を助けたのか、聞こうか」

警戒は解いたのか、ギコの声に緊張はない。

( ><)「君達は、人間を殺していなかったんです。
      むしろ、殺している異能者を止めようとしていたんです」

( ^ω^)「とは言っても、僕達は異能者だお?
      異能者であれば、普通それだけで……」

その言葉に、ふっとビロードの表情に影が差す。
いや……表情は変わらなかったが、眼に光がなくなった、というべきか。

( ><)「……異能者だから、っていうのはダメなんです。
       そういう考えは、悲しむ人を生むだけなんです」

深い闇をたたえたドクオの眼が、ピクリと反応する。

('A`)「何か含みがある言い方だな。何かあるのか?」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:03:53.08 ID:qlsj4VnR0


( ><)「……それが、君達を助けたもう一つの理由なんです」

( ^ω^)「お?」

( ><)「君達と戦っていたミンナ君。……彼がああなってしまったのは、僕のせいなんです」

ビロードの顔が、歪む。悲壮とも取れるし、悔しさとも取れる表情に。
後悔の表情、というのがベストか。

そんな表情のまま、それでもビロードは懺悔するように言葉を紡ぐ。
その言葉の中に、明るさは皆無であった。

( ><)「僕は昔、ミンナ君に命を助けられたんです。
      絶対絶命の状況の事故から、彼がそれまでずっと隠してきた、彼の“力”で。
      それでも僕は、彼が異能者だからといって逃げ出してしまったんです」

眼を、伏せる。

( ><)「もちろん彼は追われました。……僕を助けたせいで。
      彼は生きる為に人を殺しました。たくさん、たくさん。生きる為に必要な殺人を繰り返しました」

「でも」ビロードは続ける。

( ><)「時が経った今、久しく見付けた彼は“管理人”でした。
      生きる為ではなく……自分の為に人を殺すようになってしまっていました」

(,,゚Д゚)「…………………」

( ><)「彼が追われるようになったのも、人を簡単に殺めるようになってしまったのも―――僕のせいなんです」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:06:17.54 ID:qlsj4VnR0


('A`)「……へぇ」

彼の話に、表情をピクリとも変えなかったドクオは人形のように力なく頷く。
そこに同情や憤怒などの表情は見えない。まったくどうでも良さそうな、無表情だ。

('A`)「そこまでは把握した」

「が」とドクオは続ける。

('A`)「……それで、何?」

(;><)「!?」

(;^ω^)「ド、ドクオ? お前、今度は何を言い出すつもりだお?」

困惑する周囲をよそに、それでもドクオは表情を変えない。
ただストレートに、己の心の内を吐露する。

('A`)「ビロード。お前の過去なんざ聞きたくないんだよ。聞いたって俺達には意味ないしな。
    俺達は『何で俺達を助けたのか』を聞いてるんだ。さっさと質問にだけ答えろ。無駄に喋るなめんどくさい」

ブーンとギコの顔が、一変する。
慌てたような、怒ったような表情に。

彼が物事をストレートに言うという事が既知の事でも、今のドクオの発言は流石に流せなかったようだ。


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:08:53.84 ID:qlsj4VnR0


ギコは勢い良く立ち上がり、ドクオの胸倉を掴み上げる。
ドクオは特に抵抗もせず、ただうっとおしそうにギコを睨んだ。

(#゚Д゚)「ドクオ! てめぇ、何考えてんだ!?」

('A`)「それは質問か? 考えてる事は一通り吐いたつもりだが」

(#゚Д゚)「言うべき事とそうじゃない事があるだろうが! 何でそれを考えて発言する事が出来ない!?」

('A`)「……あぁ? 何だ、また説教か? 
    当然の事を言ったまでだろ。自分の道徳心を押しつけるな馬鹿」

(#゚Д゚)「……てめぇっ!」

(;^ω^)「ちょ、待ておギコ!」

ブーンは振り上げられたギコの拳を抑えつけ、それから首だけをドクオに向ける。

(;^ω^)「ドクオ! お前は人の気持ちを少しは……!」

言いかけたブーンを、ビロードはゆるりと制する。
ブーンと同じように、ギコも制した。




14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:11:26.04 ID:qlsj4VnR0


(#゚Д゚)「止めるなビロード! こいつには、一度言ってやらねぇと……!!」

( ><)「良いんです」

(;^ω^)「お?」

( ><)「確かに、ドクオ君の言う通りなんです。その通りなんです。
      だから、こんな時に争わないでください」

(#゚Д゚)「…………………」

舌打ち。
それからゆっくりと、振り上げた拳を下ろした。

(,,゚Д゚)「……分かったよ」

押し退けるように、ギコはドクオを離す。
ドクオは乱れた襟元を直すと、「ふん」とつまらなそうに鼻を鳴らした。

( ><)「じゃあ、話を再開するんです」

(,,゚Д゚)「あぁ」



( ><)「僕が君達を助けたもう一つの理由。
      それは、君達にミンナ君を殺してもらう為なんです」



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:13:27.64 ID:qlsj4VnR0


(;^ω^)「お!?」

('A`)「……ほぅ?」

(;゚Д゚)「あぁ!? お前、何言ってんだ!?」

( ><)「ミンナ君を、殺してください」

今度はしっかりと、ストレートに言い放った彼に、ギコは言葉を失う。
ブーンはギコの気持ちを代弁するかのように、困惑しながらも言葉を紡ぐ。

(;^ω^)「ちょ、ちょっと待ってほしいお。
       ミンナを救えって言うのなら分かるけど……殺せって?」

( ><)「僕には、分かるんです。彼は、本心では殺人を望んでなんかいない。
       でも、様々な要因から、殺人から抜けられない。きっと辛いと思うんです」

(;゚Д゚)「……その辛さから解放、か?」

( ><)「それもあるけど……もっと色々な理由があるんです。
      このままじゃどんどん犠牲者が増えるばかりだし、抜けられない彼を止めるには殺すしかない。他にも……」

続けようとしたビロードの言葉を遮るように、ドクオが声をあげる。

('A`)「言わなくて良いぞ。面倒臭い」

( ><)「……はい」


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:15:43.49 ID:qlsj4VnR0


(,,゚Д゚)「しかし―――殺せ、なぁ」

( ><)「はい」

(,,゚Д゚)「俺は殺しはしたくないんだがな」

(;^ω^)「同じく、だお。説得って方法はないのかお?」

( ><)「説得が、成功すると思いますか? 残念ながら、おそらく成功はしません」

( ^ω^)「お? 何でだお?」

( ><)「……説得出来るような状態であれば、そもそも“管理人”には参加しないでしょう」

(,,゚Д゚)「……なるほどな」

ギコは溜め息を吐きつつ、後頭部をポリポリと掻く。
どうしたものかと思案しているようだ。

(;゚Д゚)「しっかし、殺人、なぁ。……俺には出来ないぞ。どうするんだ」

('A`)「そこは問題ない」

(,,゚Д゚)「? 何でだ?」



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:17:57.65 ID:qlsj4VnR0


('A`)「簡単な事。俺がミンナを殺せば良い事だからだ。
    お前達が殺さなくとも―――俺がミンナを殺してやるよ。
    あのクソ野郎を殺せんのなら大歓迎だ。喜んで請け負ってやる」

(;゚Д゚)「なっ!?」

('A`)「何を驚いてんだ? ギコ、お前は俺がこういう奴だって知ってるだろ?」

ギコは何か言い返そうとしたが、想う節があったのか、黙り込んだ。

ドクオは「ふん」と鼻を鳴らすと、ギコから視線を外してビロードに戻す。
気だるげな暗い眼に映り込んだ彼の顔は、しかし困惑に歪んではいなかった。

('A`)「そういう事だ。ビロード、俺がミンナを殺してやる」

( ><)「……ありがとう、なんです」

('A`)「さて、ここで質問」

( ><)「何ですか?」

('A`)「あの場所から救い出してもらえたのはありがたいが、この後、俺達はどうすれば?」

( ><)「どうすれば、とは?」




26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:20:34.52 ID:qlsj4VnR0


('A`)「ここから普通に出て行ったって、すぐに捕まるだろ? 
   かといって隠れて出て行ったって、俺達は顔が割れてるから、見付かり次第捕まる。
   どうすりゃ良いんだ? 逃げ隠れしながら生きろってのか?」

(;^ω^)「考えてみりゃそうだお……どうするんだお?」

( ><)「分かんないんです!」

(;^ω^)「ちょwww」

('A`)「……あぁ? 笑えないジョークなんて望んでねぇわけだが」

( ><)「そういう事はちんぽっぽちゃんに任せているんです!」

ビロードは隣にちょこんと座るちんぽっぽを見やる。
小柄な彼女が座るその椅子は、他よりもワンサイズ大きく見えた。

しかし彼女は、その可愛らしい外見に反して、しっかりと筋の通った声で言った。

(*‘ω‘ *)「それについては心配いらないっぽ。
      周りの人間は総じてパニック状態だったから、ほとんど君達の顔は見られていないっぽ。
      君達と“管理人”との戦闘については、“削除人”と“管理人”の抗争だった、という事にするっぽ。
      君達の顔はほぼ見られていない。見られていたとしても、遠くから一瞬だけ、といったものだっぽ」

(,,゚Д゚)「つまり?」



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:22:49.29 ID:qlsj4VnR0


(*‘ω‘ *)「君達はこれからも、普通の学生として生活が出来るっぽ」

( ^ω^)「おっ! やったお!」

('A`)「だが、異能者が捕獲されたって事は他の警官に知られてるんだろ? どうすんだ?」

(*‘ω‘ *)「“管理人”を四人捕獲して、力ずくで逃げられたって事にするっぽ」

(,,゚Д゚)「良いのか?」

その質問に、ちんぽっぽは眼を細める。
どこか不機嫌そうな表情のまま、彼女は答えた。

(*‘ω‘ *)「……私は、ビロード君のしたい事を手伝っただけだっぽ。
       その質問は、ビロード君にしてくれっぽ」

( ><)「僕はまったくもって構わないんです。
       ミンナ君への自分の間違いに気付いてから、異能者の差別が大嫌いになりましたから。
       それに―――お願いも、聞いてもらえた事ですし」

(,,゚Д゚)「……殺せってお願いは、あまり良く思えないがな」

( ><)「あっ!!」

(;゚Д゚)「なっ!?」

(;><)「危ない危ない! 一番大切なお願いを忘れていたんです!!」

(;゚Д゚)「…………………」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:25:41.47 ID:qlsj4VnR0


( ^ω^)「何だお?」

( ><)「ミンナ君に、『助けてくれたのに、ゴメン』と伝えてほしいんです」

('A`)「自分で伝えろよ」

( ><)「殺されちゃうんです」

('A`)「謝罪の気持ちは自分で伝えるのが一番だろうがよ」

( ><)「殺されちゃうんです」

('A`)「殺されてでも……とは思わないのか」

( ><)「……僕が死ねば、ちんぽっぽちゃんが悲しむんです」

(*‘ω‘ *)「ぽ」

( ><)「それに、僕が死んでも、きっと何も変わらないんです。
      僕は生きて……今の社会の、異能者への見方を変えたいんです」

('A`)「っは。殊勝なこって」

( ^ω^)「……ビロードさんの考え、ミンナにしっかりと伝えておくお」

( ><)「ありがとうなんです」

言って、ビロードは立ち上がる。ちんぽっぽもそうした。


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:28:38.71 ID:qlsj4VnR0


( ><)「ちんぽっぽちゃん。今この警察署内には何人の人間が?」

(*‘ω‘ *)「さっき見た限りでは、十人いないっぽ。いた人間も、大慌てで動き回ってたっぽ。
      いないみんなは、おそらくラウンジスクランブル交差点だっぽ。
      あの騒ぎの大きさだと、当分の間は帰ってこないと思われるっぽ」

( ><)「だったら……今がチャンスなんです」

彼はブーン達に向き直す。
そして、ドアを開けつつ言った。

( ><)「姿勢を低くして行けば、署内にいた人間には見付かりません。
      今なら外部から人が来る事もないから、このまま外に出てもバレないんです。行くんです!」

(;^ω^)「おっ!?」

('A`)「OK、把握した」

(,,゚Д゚)「おい、ブーン。チンタラすんな。行け」

(;^ω^)「ちょ、待ってほしいお! ジョルジュは!?」

ジョルジュを見やる。
彼は疲労と損傷からか、眠ってしまっていた。



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:31:19.67 ID:qlsj4VnR0


(,,゚Д゚)「ジョルジュは俺が背負う。お前はさっさと行け」

( ^ω^)「……おっ!」

既に出て行ったドクオの後を追うようにして、ブーンは部屋を出る。
ギコも同じく、ジョルジュを背負うと、ブーンを追うようにして部屋を出た。

後に部屋に残ったのは、ビロードとちんぽっぽのみ。

(*‘ω‘ *)「……行ったっぽね」

( ><)「そうなんです」

(*‘ω‘ *)「ミンナの殺害……あの四人に託して良かったっぽ?
       その為にあなたは警察になって、身体を鍛えて……」

( ><)「……身体は強くなっても、心は強くならなかったんです」

(*‘ω‘ *)「っぽ?」

( ><)「人の心は壁を乗り越える度に強くなるんです。
      僕は最初に乗り越えるべきだった壁を乗り越えなかったんです。心が、弱すぎるんです。
      ミンナ君を殺せる力を付けたとして。ミンナ君の前に立てたとしても、きっと僕は彼を殺せないんです」

(*‘ω‘ *)「ビロード……」

( ><)「この手で彼を止めたいと思っても、それは出来ないと思うんです」




38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:33:40.16 ID:qlsj4VnR0


(*‘ω‘ *)「だから、あの四人に託したっぽ?」

( ><)「そうなんです」

ビロードはひょいとドアの外を見やる。
もう四人は完全に外へ出て行ったようで、彼の眼には何も映らなかった。

ふっと、彼は微笑む。
その眼には光が射していた。

( ><)「それに……彼等には、何だか期待してしまう何かがあったんです」

(*‘ω‘ *)「っぽ?」

( ><)「あの元気な姿に、車の中で聞いた彼らの心意気。
       あの熱さは、何だか強そうに見えるんです」

(*‘ω‘ *)「それには確かに賛同するっぽ」

( ><)「彼等だったら、きっとやってくれる。そう思えたんです」

(*‘ω‘ *)「……なるほど、っぽ」

( ><)「さて!」

そこで、ビロードは気合を入れるかのように声をあげた。



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:35:59.23 ID:qlsj4VnR0


( ><)「そろそろ行くんです!」

(*‘ω‘ *)「把握っぽ!」

少しだけ微笑んで、二人は外に走り出る。
その表情は焦燥。

白い廊下を駆けて、他の警官達が仕事をしている部屋に飛び込む。
そして、大声で叫んだ。

(;><)「ほ、捕獲していた四人の“管理人”が、脱走したんです!!」

その言葉に、署内にいた数人の人間が一斉に振り向いた。

「何だって!?」

(*‘ω‘ *)「四人はさきほど、ラウンジスクランブルで人間を大量に殺戮しているっぽ。極めて危険だっぽ!
       四人の顔はこんな感じだったっぽ! すぐに見付けないと、もしかしたら大変な事に……!!」

ちんぽっぽが四枚の紙を机の上に叩きつける。
いつ描いたのか、その紙には、兄者、弟者、ミンナ、モララーにそっくりな似顔絵。

「今すぐこれをコピーしろ! そして全警官に配れ!」

一人が叫び、残りの人間がわたわたと動き出す。

それを見てビロードとちんぽっぽは安堵の溜め息を吐いた。


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 23:37:23.97 ID:qlsj4VnR0


(*‘ω‘ *)「騙されてくれたっぽ……」

( ><)「これで、警察は“管理人”を探すのに必死になる。 
       あの四人に手がかかる事はまずなくなるんです」

(*‘ω‘ *)「そうなるっぽね」

( ><)「……さ! 僕達も“管理人”を探している振りをするんです!」

(*‘ω‘ *)「っぽ!」


安堵の表情を一変、焦燥の表情へ。
二人は四人を助ける為、慌しく動きまわった



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