第三話31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:12:20.97 ID:HqlmDBkI0第三話 5時間目を保健室でさぼったが6時間目はちゃんと出た。何事も適度なのがいい。 2時間も休むと大山先生に病院に連れてかれるかもしれない。 6時間目が終わり担任のモナー先生が連絡事項を言うためやってきた。 (´∀`)「おまえら静かにするモナ。今日の連絡事項言うモナ」 (´∀`)「今日は――――――以上モナ」 ヒキは考え事をしていて先生の話等ちっとも聞いていなかった。 (´∀`)「じゃあ今日はこれで終わりモナ。とっとと帰れモナ」 この一声が帰宅OKの合図だ。みんなぞろぞろと教室を出て行く。ヒキも教室を出た。 例のカウンセリング室へ向かう。 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:12:55.85 ID:HqlmDBkI0 1号館の1階の東の一番端の部屋にそれはあった。 普段生活していればこっちには来ないので知らなかったのも当然と言えば当然だった。 一見普通の教室と変わりなさそうだが良く見ると掲示板が壁にかかっている。 「どんなささいな相談もかまいません。相談内容が部外者にもれることはありません。名前等名乗らなくても結構です。」 勇気を振り絞ってドアを引く。誰もいなかった。 だが部屋の中にもう一つ部屋がある。そこからかすかに声が聞こえる。 (-_-)(なんだ・・?取り込み中かな・・?やっぱり帰ろうかな・・) ヒキは決心がゆらいだ。 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:13:36.69 ID:HqlmDBkI0 (-_-)(いや!ここしか話を聞いてもらうチャンスはないんだ!) とりあえずノックをしてみる。 コンコン・・・。ドア越しに声をかける。 (-_-)「すいません。相談をしに・・」 本当は「相談をしに来たんですけど」と言おうとしたが後半部分は返事でかき消された。 「あ、ごめん!ちょっとそこで待っててくれる?」 今ヒキがいる部屋は待合室なのだろう。そして奥が相談室。 ヒキはイスに座ってどういう風に相談しようか考えていた。 5分たったかたたないうちに相談室のドアが開いた。 小柄な少年が出てきてカウンセラーに一言礼を述べて去っていった。 一瞬彼と目があった。どこかで見た顔だったが今は思い出そうともしなかった。 「どうぞー」中から声がしたのでヒキは相談室へ入った。 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:14:53.36 ID:HqlmDBkI0 相談室は待合室に比べて小ぢんまりしていた。 真ん中に小さいテーブル。その両脇にパイプ椅子。部屋の隅にファイルが入った棚。 置いてある 物はその三つだけだった。 カウンセラーはさらさらの髪をした女性だった。年は26,7歳といったところだろう。 彡´ー`)「どうぞ、座って」 ヒキはカウンセラーの対面の椅子に座った。 彡´ー`)「はじめまして。私は流(ながれ)ハルカ。ハルカさんって呼んでねwww」 ごめんね。待たせちゃって。いつもは待つ人が出るほど人が来ないんだけどw」 (-_-)「は・・はじめまして。」 緊張してそれしか言えなかった。 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:15:29.89 ID:HqlmDBkI0 彡´ー`)「お名前おしえてもらってもいいかな?あ、本名じゃなくて偽名で全然いいんだけどねww」 (-_-)「・・・ヒキ・・・です」 偽名が思いつかなかったので本名を教えた。 彡´ー`)「ヒキ君ね。じゃあお互いの事もうちょっと話そっか?趣味とかそんなことでいいからさww」 そういうとハルカは話し出した。趣味は読書やネット。 (-_-)(インドアな感じだな・・仲良くなれるかも) そんなことをぼんやり考えていたら唐突に話をふられた。 彡´ー`)「ヒキ君の趣味はなに?」 (-_-)「僕もネット・・・あとゲームも好きです」 彡´ー`)「へぇーゲーム私もやるよ?どんなの好き?」 (-_-)「アクション系ですね・・ホラーっぽいやつ・・バイオハザードとかサイレントヒルとか」 彡´ー`)「あぁーあたしそういう怖いのだめwwwびびりだからさwww」 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:16:10.08 ID:HqlmDBkI0 それを聞いてヒキはふと思った。違う。現実ではびびりだからやるんだ。 それからしばらくゲームの雑談をし始めた。 ファイナルファンタジーのこと。一日何時間くらいやってるか。次世代ハードは何を買うか。 ヒキはいつのまにか笑っていた。 笑ったのなんて久しぶりだ。笑い方がぎこちないんじゃないかと妙な心配をしてしまった。 彡´ー`)「それにしてもプレステ3は高すぎるわよねwwばかじゃないww」 (-_-)「そうですよね・・w」 ヒキは今度こそ決心した。 この人になら話せる。 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:18:17.27 ID:HqlmDBkI0 彡´ー`)「かといってWiiもどうかと思うし・・」 (-_-)「あのっ!」 (;-_-)(声がおっきくなっちゃった・・しかも切り出すタイミングおかしかったかな・・」 ハルカはきょとんとしている。 彡´ー`)「どしたの?」 (-_-)「あの・・・今日は相談があってきたんです。・・・僕・・・いじめられてるんです」 ハルカの雰囲気が変わった。どうやらカウンセラーへのスイッチがはいったのだろう。 ヒキは詳しく事情を説明した。もう死ぬしか道がないと考えている事も。だが三人の名前は言わなかった。 ハルカも聞かなかった。 ヒキはただ話しを聞いてもらいたかっただけだから。 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:22:12.51 ID:HqlmDBkI0 彡´ー`)「そっか・・。つらかったね・・。でも死ぬのは絶対ダメよ・・」 (-_-)「でも・・・他に方法はないんです・・・転校だって親が簡単にさせてくれるはずがない・・」 彡´ー`)「転校もあまりお勧めしないな・・。今逃げても新たな環境でそういう事にならないとは限らない。 今その問題に対応できる力をつけておくのがいいと思う。逆に考えれば今はヒキ君が一歩成長 するための壁なのよ。ヒキ君が強くなるための」 (-_-)「そんなこといわれたって・・・どうすれば・・」 彡´ー`)「ちょっと反抗するだけでいいの。話によるとその三人は普段は 優等生でおとなしいって言ってたじゃない?そういう奴らはこっちが言われるままにしてるから調子のるのよ。 呼び出された時に口でいいから反抗してみて。それだけでもうやめるわよ」 (-_-)「そうかな・・・もっとひどくなるかも・・」 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:22:43.19 ID:HqlmDBkI0 彡´ー`)「大丈夫よ。そういう奴らはヒキ君の事を自分たちと同じ人間だと思ってないの。おもちゃだと思ってるわ。 反抗してくるかもっていう感覚がないのよ。だからヒキ君が意思を見せた時驚くでしょうね。ヒキ君も ちゃんとした人間だったって。いつか切れて暴れだすかもしれないって。そしたらもうびびってやって来ないわ」 (-_-)「でも・・僕チキンだからできないかも・・」 彡´ー`)「ヒキ君・・・逃げてばっかりじゃ生きていけないわ。時には勝負しなきゃ。 万が一それでエスカレートしたら 私が先生に直訴するわ。私はヒキ君の見方よ」 (-_-)「・・・・・」 彡´ー`)「ヒキ君・・怖いのはわかる・・でもヒキ君は死ぬ事まで考えてたんだもん。それを考えたら簡単よ。 男の子でしょ?そんな卑怯な三人組に負けたくないでしょ?」 ( -_-)「・・・うん・・・やってみるよ・・」 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:23:29.69 ID:HqlmDBkI0 ハルカに相談した効果は期待以上だった。 とにかく話だけしてすっきりしたいと思っていたのが、 意外にもいいアドバイスをしてもらった。 不思議と彼には勇気が湧いてきていた。 まれに異様に説得力を持つ話し方のできる人間がいる。 それは努力でどうこうなるレベルではない天性のもの。 まさにハルカはそれを持っていた。ハルカの言葉にはパワーがあったのである。 帰宅してヒキはwktkしながら昨日の続きのゲームをやった。 バイオハザードの最新作だ。 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:24:14.11 ID:HqlmDBkI0 次の日もその次の日も、結局一週間三人から呼び出しがかからなかった。 ヒキは妙な気分でいた。 (-_-)(せっかくあいつらに一矢報いる気になっていたのになんか肩透かしをくらったみたい・・) だがこの一週間は毎日ハルカの元に行っていたので楽しかった。 最初の頃はやる気より不安や恐怖のほうが大きかった。 だが毎日ハルカの話を聞いているうちに今では勇気が出てやる気のほうが強くなっていた。 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2006/10/07(土) 22:24:48.16 ID:HqlmDBkI0 その頃学校では変な噂が流行っていた。 「開運の黒いフロッピー」というものだ。 そのフロッピーは突然ランダムに特定の生徒の下駄箱に置かれる(この置かれる事を選ばれると呼んでいるらしい)。 そのフロッピーを見ると幸運がふりかかるというのだ。 もっともこれはよくある七不思議まがいの噂ではなく、実際に選ばれて見た生徒が何人かいる。 だがヒキは実際に選ばれた生徒の話を聞いたわけでもないし、 自分と関係ない世界の話という程度にしか思っていなかった。 放課後、ヒキが自分の下駄箱で黒いフロッピーを見るまでは。 |