2007/02/01(木)21:50
( ^ω^)が料理人になるようです(第十四章中)
47 名前:川 ◆uPhA0ssuTA [] 投稿日:2007/01/25(木) 01:02:24.92 ID:8GeQtqWk0
(;*゚∀゚)『ヤバイ…こりゃ本格的に殺されそうだよ!!』
現在時刻深夜2時。
所謂草木も眠る丑三つ時ちょっと前。
あたしは約16時間ぶりの全力疾走を強いられていた。
理由は今日の仕事終了直後にさかのぼる…。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
ξ゚△゚)ξ『お姉ちゃん、今日あたしの部屋に来て。 大 事 な 話があるの』
不機嫌な表情を隠そうともせず、それだけわたしに告げるとツンはさっさと帰っていった。
(;*゚∀゚)(…ついに来たか)
愛しのダーリンとブーちゃんを命ある肉片に変えた妹。
当然わたしにも何らかの制裁がくだる覚悟はしていた。
瞬時にツンの部屋を思い浮かべる。
合羽橋で購入した鉄鍋。
修学旅行のお土産で買ってきた木刀。
天狗舞大吟醸の一升瓶。
それらは十分にわたしの命を奪い去る凶器となりえる。
いや。彼女の手にかかれば例え一枚のビスケットですら凶器となるのだ。
(;*゚∀゚)(…こりゃ、一分一秒でも早く行かないとね…ツンが大好きなイチゴ大福でも買っていくか…)
わたしはそう考えた。
にも関わらず、今走っているのにはワケがある。
66 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 01:17:16.06 ID:8GeQtqWk0
誰がなんと言おうと。
わたしのダーリンは世界一の美男子だ。
そりゃ猫背だし、ひょろひょろだし、無口だし、どことなく草食昆虫を思わせる顔つきだけど、
わたしにとっては最高の人だ。
その彼が
('A`)『いてて…全く今日は散々な目に会ったぜ』
とか言ってれば心配で家まで一緒に行きたくなるってのが女心。
で、家まで一緒に行けば
(*゚∀゚)『ちょっとだけ休んでいこうかな』
ってのが普通の流れだし、
1つの部屋に好きあってる年頃の男女が閉じこもれば当然の如く
('A`)『ぎしぎし』
(*゚∀゚)『あんあん(はぁと』
って事になる。
疲れた体で『Oh Yeah come on』すれば行為終了後、
寝入ってしまうのが人間の本能であって…。
まぁ、兎に角そんな事があってわたしは今本気ダッシュをしなければ自分の命が危うい。
そんな状況に追い込まれてしまったわけだ。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
74 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 01:21:57.65 ID:8GeQtqWk0
(;*゚∀゚)『ただいま帰りましたよ…と』
わたしは出来るだけ音を立てないようにドアを開き、
爪先立ちで廊下を進む。
今最も好ましい状況はツンが待ち疲れて寝てしまっている事だ。
ツンの性格的に怒りを翌日まで持ち越すことはあまり考えられない。
(*゚∀゚)(唯一神又吉イエス様…どうか哀れな子羊に御加護を…)
口の中で神に祈りつつ階段を登る。
…がいとも簡単にわたしの願いは却下されてしまった。
私の目に入ったのは、開け放たれたツンの部屋の扉。
明かりを消した部屋で、ツンは床に直接座り込みこちらに背を向けてテレビを見ている。
水玉模様のパジャマを着たツンの背中越しに、
お馴染みのテーマソングをBGMに白馬にまたがり砂浜を駆ける将軍様の姿がブラウン管に映っていた。
ξ )ξ『…お姉ちゃんお帰り。待ってたよ』
テレビ画面から顔を背けずツンが言う。
(*゚∀゚)『…寝てても良かったんだけどね』
言いながらツンのベッドに腰を下ろす。
こうなれば後は流れに身を任せるしかなさそう。
ツンの右手に握られた一升瓶がテレビの明かりで怪しく光っていた。
78 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 01:26:08.89 ID:8GeQtqWk0
時代劇ってのは普段見る機会が少ないけど、いざ見始めると悪くないもんだ。
シンプルな勤善懲悪ストーリーは展開が丸分かりで心踊る事はないけど、
だからこそ『待ってました!!』的爽快感がある。
結局1つのストーリーがお約束のハッピーエンドを迎えるまでツンは終始無言で、
わたしもテレビに見入ってしまう。
エンディングテーマが流れ出す頃にはわたしも次の話が楽しみにまでなっていたのだが…。
ξ゚‐゚)ξ『で、お姉ちゃん。大事な話があるんだけどさ…』
その言葉で現実に引き戻された。
(;*゚∀゚)『あ、いや、朝の件はちょっとしたジョークって言うか…』
ξ゚‐゚)ξ『ううん。その事じゃないの』
(;*゚∀゚)『違うの?』
じゃあなんだろう。
ツンが大事に飲んでる大吟醸を勝手に飲んで料理酒を代わりに入れておいた事?
出会い系サイトにツンの名前を冗談で登録したらいたずらメールが殺到した事?
VIPの顔晒しスレにツンの顔を晒した事?
それとも、それとも…。
ξ#゚△゚)ξ『…犯人は全部お姉ちゃんだったのね』
(*゚∀゚)『…あはは』
ξ゚△゚)ξ『その話は今度ゆっくり聞くわ。あたしが聞きたいのはね…』
どうしてお姉ちゃんはドクオが好きなの?
80 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/25(木) 01:27:24.16 ID:8GeQtqWk0
(*゚∀゚)『は…?』
わたしは最初、ツンが何を言ってるのか。
全く理解できなかった。
『好き』に理由なんかあるもんか。
例え理由があったとしても所詮それは後付け設定。
それを全て否定されようとも変わらないからこそ『好き』と言う感情は大切なんだと思う。
ξ゚△゚)ξ『だってさ、お姉ちゃんって昔っから超ミーハーじゃない?』
確かにそれは否定できない。
わたしの部屋の壁には、韓流スター・ポ=ヨンジュウやブタコム(人気アイドル豚村コムヤ)
のポスターが所狭しと貼り付けてあるのだ。
ξ゚△゚)ξ『それに比べてドクオってば正反対のタイプでしょ?
どちらかと言えば人間より昆虫とか宇宙人に好かれそうなフェロモン全開じゃない』
その言葉にわたしはカチンとくる。
(#*゚∀゚)『ちょっとお待ち!! そりゃちょっと言い過ぎってもんだ!!
確かにドッ君は普通にしててもムンクの叫びな顔つきだし、
服装だってわたしと付き合うまではシュールレアリズム一直線の秋葉系だったし、
むっつりスケベで、早漏で短小でついでに皮も被ってて、
幼女をジッと視姦しててもおかしくないタイプさ!!
でも、厨房に立ってる時のドッ君は…ドッ君は…』
わたしはそこまで一気に口を回転させてゼェゼェと肩で息をする。
ツンが差し出したコーラを一息に飲み干した。