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LOYAL STRAIT FLASH ♪

第六話

24 名前:武器屋のじじぃ[] 投稿日:2006/12/06(水) 11:09:34.92 ID:fehsVSTO0

第六話「マイペースババア」



(;・∀・)「な、なになに? どしたのでぃばば?」

でぃばばの異様な空気に、モララーはたじろいだ。

(#゚;;-゚)「モララー……あんたはね、事の重大さがわかっちゃないよ」

(#゚;;-゚)「いや……出現はむしろ必然……」

独りごちて、でぃばばは二人に椅子を勧めた。

(#゚;;-゚)「あたしが生きてるウチに現れるとはねぇ……少しは老体の身を気遣ったらどうだい」

カカカ、と一人笑うでぃばばを三人は呆然と見ていた。

( ^ω^)「基地外乙wwwwwwwwwww」

(`・ω・´)「どういう事だ」


25 名前:武器屋のじじぃ[] 投稿日:2006/12/06(水) 11:09:59.70 ID:fehsVSTO0

(#゚;;-゚)「いつものヒトガタのお友達は一緒じゃないのかい?」

( ・∀・)「え? あ、うん。今日はまだ会ってないよ」

(#゚;;-゚)「そうかい……」

(`・ω・´)「おい」


モララーだけを見つめる瞳に、シャキンの入り込む隙間はなかった。
でぃばばとモララーの間に親密な空気が流れる。

(#゚;;-゚)「悩み事の、答えは出たかい?」

( ・∀・)「……わかんないよ。僕の話を聞いてくれるのはでぃばばだけだし……」

( ・∀・)「皆悩んでもいないよ。ヒトガタと仲良くしようだなんて……」

(#゚;;-゚)「モララー……あんたは本当に賢い子だよ」

でぃばばは、さも満足気に少年の頭を撫でる。
ソレを不満とでもいうようにモララーは身をよじって逃げた。


26 名前:武器屋のじじぃ[] 投稿日:2006/12/06(水) 11:10:23.14 ID:fehsVSTO0

( ・∀・)「か、賢くなんかないや。いっぱい考えてるのに、答えなんて出てこないもん」

(#゚;;-゚)「いや賢い子さ」

(#゚;;-゚)「何にも縛られず、何が正しいか考える力を持ってる」

( ・∀・)「……」

(#゚;;-゚)「それは大事なことだよ、モララー。今の大人は、いや皆考える事を忘れちまってる」

(`・ω・´)「そんなのは生きるのを持て余してるヤツのすることだ」

シャキンが二人の空気に割って入る。
興味なさげに腕を組み、二人に向かって舌打ちをした。


27 名前:武器屋のじじぃ[] 投稿日:2006/12/06(水) 11:10:55.94 ID:fehsVSTO0

(`・ω・´)「おいモララー。このババアがなんなんだ」

(;・∀・)「ば、ばばあ……でぃばば、こちらシャキンさんとブーンさん」

(;・∀・)「サンドワームに襲われてるところを助けてもらったんだ」

モララーはシャキンの暴言を弁護するように、シャキンの活躍を語る。
それを鼻で笑い、シャキンの目を見据えて言った。

(#゚;;-゚)「戦いを求めてここに来たか悪童」

(`・ω・´)「……」

(#゚;;-゚)「……目的はフサギコ、それとヒトガタのリーダーかい?」

(;・∀・)「で、でぃばば……」


28 名前:武器屋のじじぃ[] 投稿日:2006/12/06(水) 11:11:42.78 ID:fehsVSTO0

(`・ω・´)「何故わかる。さっきの言葉はなんだ。必然だと?」

なんのことだと問い詰めるシャキン。

(#゚;;-゚)「一度に聞くんじゃないよ小童が」

(`・ω・´)「このボケババア……」

荒々しい態度には少しも怯む様子無く、でぃばばは手元の茶をすすった。

(#゚;;-゚)「……よくある言い伝えさね。エンの歴史を変える鬼神のお話」

馬鹿馬鹿しい、と言ったでぃばばの目は少しも笑っていなかった。

( ・∀・)「アレ作り話じゃなかったの!?」

二人の様子を見ると、でぃばばが物語としてモララーに話し聞かせていたのだろう。
興味をそそられて、ブーンが身を乗り出した。

( ^ω^)「どんなお話だお?」

( ・∀・)「簡単に言うと、鬼みたいな男が、喧嘩してる二つの民族を叱って一つにしちゃうんだ」

( ・∀・)「二つの民族って、きっとエンとヒトガタだよね。皆からは嫌われてるお話だけど……」

僕は好きなんだ、とモララーは目を輝かせた。


29 名前:武器屋のじじぃ[] 投稿日:2006/12/06(水) 11:14:32.47 ID:fehsVSTO0

( ・∀・)「シャキンさんがその鬼神なの!? でぃばば!!」

(#゚;;-゚)「カッカ、見るからに悪そうな顔したガキだよ」

納得いかない顔でシャキンは続けて尋ねた。

(`・ω・´)「ヒトガタの事だが……」


(#゚;;-゚)「いや、鬼神ていうほどの迫力はないねぇ」

(`・ω・´)「おい」

( ^ω^)「テラマイペースwwwwwっうぇwwwwwwwww」


30 名前:武器屋のじじぃ[] 投稿日:2006/12/06(水) 11:15:09.92 ID:fehsVSTO0

(#゚;;-゚)「いいかいモララー」

終始マイペースなでぃばばは、モララーの肩を抱いてこっそりと呟いた。
シャキンを蚊帳の外に追い出した二人の空気は、やはりとても親密なものだった。

(#゚;;-゚)「この男のやる事をしっかり見ておくんだ」


(#゚;;-゚)「……あたしらエンは、全部ぶっ壊されちまうかもしれないよ」


カッカッカ!!と天井を仰ぎ見て笑うでぃばば。
三人はやはり呆然とその光景を見守るだけだった。


31 名前:武器屋のじじぃ[] 投稿日:2006/12/06(水) 11:15:26.26 ID:fehsVSTO0

(#゚;;-゚)「モララー、あんたはお家にお帰り。お父さん帰ってくるんだろう」

(;・∀・)「ああっ!! そうだった!!」

(#゚;;-゚)「このガキ共はあたしが適当に面倒みるさね」

全く信用出来なさそうな言葉を吐き、モララーにひらひらと手を振る。

(;・∀・)「ごめんでぃばば!! じゃあシャキンさん、また後で!!」

(`・ω・´)「……」


33 名前:武器屋のじじぃ[] 投稿日:2006/12/06(水) 11:16:01.15 ID:fehsVSTO0

(`・ω・´)「ちゃんと屋敷まで送ってやるのか」

(#゚;;-゚)「は? なんのことだい?」

(`・ω・´)「砂漠では一人にさせてた癖に……街中ではちゃんと警戒してるんだな」

(`・ω・´)「まぁ屋敷が襲われたあととなっちゃ当然か」

(#゚;;-゚)「……?」

かみ合わない二人の会話。
溜息混じりにシャキンが呟く。

(`・ω・´)「まぁいい。さて、俺が知りたいことについて答えてもらうぞ」

(#゚;;-゚)「ちょ、ちょっと待ちなよ。送るってなんのことだい?」


34 名前:武器屋のじじぃ[] 投稿日:2006/12/06(水) 11:16:36.90 ID:fehsVSTO0

苛立ったシャキンはでぃばばに言った。

(`・ω・´)「あれはババアのトコのもんじゃないのか?」

(#゚;;-゚)「……あんたさっきから何言ってんだ?」

でぃばばはさっぱり理解できずにシャキンを見やった。

(`・ω・´)「……チッ!!」

シャキンが飛び跳ねる。
未だ分かっていないでぃばばに、シャキンは皮肉たっぷりに吐き捨てた。

(`・ω・´)「エンっていうのは、随分鈍感な民族なんだな」

(#゚;;-゚)「ああ?」

(`・ω・´)「さっきの奴等だな……ヒトガタのがよっぽど俊敏だ」

(#゚;;-゚)「……なんだって!?」

モララーが危ないとでぃばばが理解する頃には、シャキンは館を飛び出していた。


35 名前:武器屋のじじぃ[] 投稿日:2006/12/06(水) 11:16:58.45 ID:fehsVSTO0

(;・∀・)「やばいやばい、遅れちゃうっ!!」

人の間をすり抜けて帰路を急ぐ。
大通りを曲がり、周りに人が少なくなってきた頃、モララーは走るのを止めて考えた。

( ・∀・)「シャキンさんが、あの物語の子供……」

でぃばばの言葉を思い出し、噛み締めるように呟く。


( ・∀・)「……エンなんか、一回ぶっ壊れちゃった方がいいのかもなぁ……」


言い終えた頃、モララーの視界は全て暗闇に変わっていた。



第六話「マイペースババア」

終わり


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