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LOYAL STRAIT FLASH ♪

合作第1章

6 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:33:19.61 ID:E2RE4V3X0

   ぎしぎし…

          その物語は終わった筈だった。

                    あんあん…

     彼らは出会い、別れ、それぞれの道を歩いている筈だった。

   ぎしぎし…

       しかしその日。一つの流れ星が空に輝いた夜。

                   あんあん…。

        彼らの物語は一夜限りの復活を遂げる。

   ぎしぎし…。

         ( ^ω^)が世界を巡るようです

                    あんあん…。

       【IN ( ^ω^)が料理人になるようです】




         川 ゚ -゚)が大空を駆けるようです


9 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:35:24.02 ID:E2RE4V3X0


     プロローグ 旅人


ぎしぎし…。

あんあん…。

(主;^ω^)『……』

それは〈彼〉にとって衝撃的な映像だった。
一人のキモメンが全裸の女性の腰を抱え込み、何度も己の腰を突きつけている。
〈彼〉も年頃の青年だ。
裸の男女が抱き合って何をしているか?
経験はなくても知識はある。

(主;^ω^)『さて…これからどうするかお』

〈彼〉は困惑していた。
この空間近辺にDATの気配を感じて転移してみれば、
狭い浴槽に張られたお湯の中。

…そして、なぜか〈彼〉は全裸だった。







13 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:38:03.87 ID:E2RE4V3X0
〈彼〉が所有するDATの欠片。
それは空間転移と、その場に相応しい服装に衣服を変化させる能力を持つ。
確かに浴室という場所を考えれば、全裸こそが最も相応しい服装といえたかもしれない。


だが…しかし…。

(主#^ω^)『この状況からどうやって欠片を探しに行けって言うんだお!!
       空気嫁お!!!』

こうなれば、2人が寝静まった後にこっそり服を頂戴して脱出するしかない。
いつしかベッドが軋む音は静まっている。

〈彼〉は明かりの消えた浴室で
1分でも早く2人が寝入ってしまうのを神に祈った。

その時。











唐突に浴室が明るくなり、扉が開けられた。


17 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:40:06.02 ID:E2RE4V3X0

(;*゚∀゚)『………』(^ω^;主)

見つめあう2人。

     『…こ、こ…』(^ω^;主)

(;*゚∀゚)『…ひ、ひ…』

ちなみに当然の如く2人は 全 裸 である。

     『…こ、こんばんわ素敵なお嬢さん。月が綺麗な夜ですね』(^ω^;主)

(;*゚∀゚)『…ひゃ、ひゃ…』



  『 ひ  ゃ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ  ぁ っ !!!!! 』


夜空に響きわたる金切り声。
そして破壊音。

ともかく、この世界での〈彼〉の物語はこうして始まったのだ。


20 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:42:13.90 ID:E2RE4V3X0


     第一章 シンデレラ(灰の中から)


同時刻。明かりの消えたアパートの一室。
僕は埃臭い布団に胡坐をかいてい座っていた。
トランクスの窓から顔を出したゼニガメは、すでにカメールへと進化。
しっかりと右手でGETしている。

( *^ω^)『…ょぅι゛ょ…/ヽァ/ヽァ』

…誤解がないように言っておくけど、僕にも大切に思うパートナーはいる。
でも、

ξ゚△゚)ξ『あたし今日はあの日だから。鬼平見て寝るわ』

その一言を残してツンは帰ってしまった。
やむなく一人股間のポケモンを可愛がっている…という訳なのだ。

( *^ω^)『…それにしても…ツンは…生理になりすぎだお。
       血の気が…多いから…生理になるんだお…』

そんな事をブツブツ言いながらも、閉じた瞳の奥では妄想は全開状態。
右手は規則正しく上下運動を繰り返す。いい感じだ。
今夜は眠れないぜ…そんな事を考えていると



突然、部屋の天井間近の空間から光の粒が放射された。

21 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:45:20.65 ID:E2RE4V3X0

 ( *^ω^)『…? なんだお…?』

その一部の空間内を舞い踊る、優しく輝く色とりどりの灰の粒。僕はそれに目を奪われた。

やがてその中から裸足の女性の足が姿を現す。
続いて、足首。
ほっそりしたふくらはぎ。
柔らかそうな太もも。
ふわりと宙に舞い上がった白いフリルのついたスカートの奥に見えるひよこパンツ。
それに気付いて慌てた風にスカートを押さえる細い両手。
大きく開いたワンピースの背中から生える白い翼。
緑がかった黒髪。

やがて全身を光の中から現した彼女は重力など存在しないかのように
静かに畳の上に降り立ち、ゆっくり振り向いた。

僕を見据える紫水晶色の瞳。

( ゚ω゚)『……!!』

彼女が全身を現すと共に光は消え、部屋は元の薄暗い空間に戻っている。
月明かりを背にしてその顔はよく見えない。
それでも僕には彼女が誰なのか。すぐに分かった。

川 ゚ ー゚)『久しぶり…でいいのかな?』

二度と会えないはずの人…最大の恩人がそこにいた。


24 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:47:18.37 ID:E2RE4V3X0
 ( ゚ω゚)『…ク、クーさん…』

川 ゚ ー゚)『…内藤…』

思いもしなかった。何度も夢に見た再会。
胸は感動に打ち震え、時間は止ま………らなかった。
僕の右手は煙を上げるほどの高速ピストンを続けている。

川;゚ -゚)『ちょ、ちょっと待て!! お前は何をしているんだ!!』

( ゚ω゚)『僕の…僕の妄想力もついにここまで来たんだおっ!!』

川;゚ -゚)『何だそれはっ!?』

妄想が現実になる…とでも言うべきなのだろうか。
卓越した想像力(インスピレーション)は時としてそれを実体化させる。
ある格闘家が想像で生み出した蟷螂と対決した話は誰もが知っているだろう。

( ゚ω゚)『…っ!! 天使姿のっ…!! 恩人にっ…!! 見られてるっ…!!
      悔しいけどっ…!! こんな興奮初めてっ…!! 感じちゃうっ…!!』

新たに発掘された己の性癖に僕のテンションは最高潮。
目の前の彼女はその場にへたり込んでしまっている。

川;゚ -゚)『や、やめろバカッ!!』

( ゚ω゚)『ビクビクッ…!! アッー!!』

川;゚ -゚)『…!! ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!』


30 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:49:13.14 ID:E2RE4V3X0
 …戦いは終わった。

( ‐ω‐)『人の夢と書いて儚い…虚しいもんだお…』

僕は瞳を閉じて呟いた。
ため息を1つ吐き出すと、あらかじめ準備してあったティッシュを2~3枚引き抜き
共に戦った股間の相棒をいたわる様に汚れを拭き取る。

( ‐ω‐)『…さて、寝るかお。明日も仕事だお』

万年床に倒れこんで、ようやく気がついた。
所謂女の子座りでこちらを睨みつける、顔全体を白い液体で汚した天使の姿に。

( ;^ω^)『…へ?』

何も言わずににじり寄ると、僕には目もくれずティッシュを引き抜き顔を拭う。

( ;^ω^)『おかしいお…まだ妄想が実体化してるみたいだお…』

川#゚ -゚)『…内藤。わたしは今とても怒っている』

顔に飛び散った蛋白質を拭き取り終えると、
天使は手近にあった豚の貯金箱を掴み振りかぶった。

( ;^ω^)『な……何ぃ?』

     バンッ

そのままそれを僕の額に叩きつける。そして僕は気を失った。


32 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:51:06.74 ID:E2RE4V3X0
 ( ‐ω‐)『…ん…』

頭が痛い。
耳元で水を絞る音がする。
冷たいタオルが額に乗せられる。

内藤…すまない。

遠くの方で鈴のように響く声が聞こえた気がして、僕は意識を取り戻した。

( ‐ω‐)『…クーさん…』

やけにリアルな夢だった。
夢じゃなければいいと思う。
でも、現実な筈が無いんだ。
クーさんはあのクリスマスに死んだ。

クーさん。
僕の大切な道標【みちしるべ】。
天国から僕を見守ってくれているであろうクーさんに褒めてもらいたくて、僕は頑張ってきた。
誰にも言えないような弱音を抱え込んでいる時。クーさんは何時でも夢に現れて僕を励ましてくれた。
横でツンが可愛い寝息を立てている時、クーさんの夢を見て軽い自己嫌悪に陥った事も数え切れないほどある。
それにしても…こんなにリアルな夢は久しぶりだ。
僕はゆっくりと瞳を開く。

……そこには窓から差し込む明かりを背にした天使の姿。

川;゚ -゚)『内藤、すまない。力の加減がイマイチ掴めないみたいだ』


37 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:52:56.39 ID:E2RE4V3X0
 クーさんは落ちたタオルを当たり前のように僕の額に戻す。

( ゚ω゚)『……』

夢の中じゃなく、現実の世界で。
会いたかった。
成長した僕を見て欲しかった。

亡くした時に気が狂いそうになったほどの大切な存在。

憧れではない。恋愛でもない。言葉では説明できない。

只ひたすらに僕の人生を…僕の道を照らしてくれる人。

川 ゚ ー゚)『気がついてくれてよかった。心配したぞ』

二度と見ることが出来ない筈の光が、今僕の目の前で輝いていた。

( ゚ω゚)『…ク…』

( ;ω;)『…クーしゃん……』

目の前が真っ暗になる。

気付けば僕はクーさんの膝に顔を埋め号泣していた。



38 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:54:14.67 ID:E2RE4V3X0
 ( ;ω;)『…クーしゃん…クーしゃん…クーしゃん…』

涙が。
鼻水が。
涎が。
これでもかと溢れ出す。
嗚咽ばかりの声は何を言っているのか分からないけど、
何度も恩人の名前を繰り返す。

そんな僕の髪をクーさんはまるで母親のように撫で続けていてくれた。

( ;ω;)『クーしゃん…良かった…また会えて良かったお…』

川 ゚ ー゚)『…そうだな。わたしも会えるとは思わなかったよ』

( ;ω;)『…死んじゃったと…ずっと…思ってたお…』

クーさんの肩が一瞬ピクリと跳ね上がった。

川 ゚ -゚)『…そうだ…わたしは死んだ…あの雪の日…車にはねられて…』

( ;ω;)『え?』

その言葉に僕は顔を上げる。
スカートと僕の鼻の間に、鼻水が一本の橋を作りあげた。

クーさんは…真っ直ぐに目の前の壁を睨みつけていた。


39 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:56:54.68 ID:E2RE4V3X0
川 ゚ -゚)『……』

クーさんの指が僕の肩にきつく食い込む。

川 ゚ -゚)『分からない…何故わたしはここにいるのか…。
     確かにわたしは死んだ。それは間違いない…。
     …覚えている…見ているんだ…。
     雪の中全身の血が流れ出す恐怖も…。
     機能停止した肉体が火葬場で灰になる熱さも…。
     わたしの墓の前で涙を流してくれているみんなの顔も…。
     そして…内藤がわたしの死を乗り越えて立派な料理人になってくれた事も…』

そう言ってクーさんは僕の頭を抱きしめた。

川 ; -;)『…怖かった…寂しかった…悲しかった…でも…でもそれがわたしの最期で…
     なんで…どうして、わたしは今ここにいる…? 何故…死んだ後の記憶があるんだ…?』

首筋にぽたりぽたりと温かい水滴が落ちてくる。

僕は頭を上げるとクーさんを抱きしめた。

( ;ω;)『理由なんて要らないお…クーさんはここにいる…それが全てだお…』

川 ; -;)『…内藤…わたしは怖い…これは夢ではないのか? 何かの間違いではないのか?
     朝になれば…日光に照らされた雪が溶けるように消滅する…それが運命ではないのか…?』

それが運命だというならば。

( ;ω;)『…僕は…僕は運命に喧嘩を売ってやるお…!!』


44 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 19:59:21.53 ID:E2RE4V3X0
僕らは泣きながら抱き合っていた。

不思議と性欲は感じない。
一回出すべき物を出した…って事もあるかもしれない。
でも巨乳貧乳・幼女熟女・白人黒人・二次元三次元(バーボン三姉妹含む)…なんでもありの僕にとって、
おそらく唯一性欲の対象にならないのがクーさんだ。

人生が真っ暗な荒野を歩いているような物ならば、
ツンは横を歩くパートナー。
クーさんは僕らを照らす月明かり…いや、正に天使というべき存在に思える。
いくら僕でも天使を押し倒すほどダメ人間じゃない。

クーさんは泣き止んでからも僕の首に抱きついていたけど、
やがて静かに顔を上げた。
涙を溜めた瞳。
熟れたサクランボの様な唇。
女性特有の甘い香りに頭がクラッとする。

前言撤回してそのまま布団に倒れこもうかと本能が命令しかけた時、
クーさんが口を開いた。








川 ゚ -゚)『内藤。お腹が空いた』


49 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 20:02:11.92 ID:E2RE4V3X0
 ( ;^ω^)『…あの…今なんとおっしゃいました?』

川 ゚ -゚)『お腹がペコペコだ。出来れば酒もあるとなお嬉しい』

( ;^ω^)『……』

正直萎えた。

川 ゚ -゚)『仕方ないだろう。こっちは死んでから何も食べてないんだからな』

おかしい。
クーさんはこんなに空気が読めない人だっただろうか?

( ;^ω^)『…死んでから何も食べてないって…なんかおかしいおwww』

川 ゚ -゚)『ごーはーん!! ごーはーん!!』

はぁ。
僕は溜息を1つついて僕は店から無断で借りた前掛けを手に取る。

( ^ω^)『ありあわせの物で簡単なの作るから、
       ビールでも飲みながらちょっと待ってて欲しいお』

川 ゚ ー゚)『わ~い。でも服は着た方がいいと思うぞ』

…そこでようやく僕は自分が下半身はトランクス一枚なのに気がついた。


50 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 20:04:44.25 ID:E2RE4V3X0


     ( ^ω^)が夜食を作るようです


( ^ω^)『まずは【トマトの卵炒め】だお』

1 トマトを湯剥きして種を取り除き、適当に切ります。

( ^ω^)『面倒だったら切るだけでもいいけど、皮は剥いた方が絶対美味しいお。
       種は取り除かないと水分が出てべっちゃりしちゃうお』

2 フライパンに油を引いてスクランブルエッグを作ります。

( ^ω^)『ここでは超半熟にするのがコツだお
       出来あがったら何でもいいからお皿に移して欲しいお』

3 フライパンに中華固形スープと水を注ぎます。

( ^ω^)『あまり多くなくていいお。ただ、しっかりスープは溶かしてくれお』

4 3のフライパンに1と2をぶち込みます。

( ^ω^)『ぶち込んだら強火で一気に加熱だお。大雑把にかき混ぜてやるお』

5 塩胡椒で味を調え、水溶き片栗粉でとろみをつけて完成。

( ^ω^)『時間をかけると卵が硬くなるし、トマトが崩れちゃうお。
       ちなみに、トマトを苦瓜と豚肉・お豆腐に変えるとゴーヤチャンプルーになるお。
       豆板醤やニンニク、醤油を入れても美味しいお』

55 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 20:06:26.37 ID:E2RE4V3X0
( ^ω^)『次は【なんとなく韓流うどん】だお』

1 小鍋に胡麻油を入れ加熱。粒ニンニクをじっくり揚げます。

( ^ω^)『必ず胡麻油。ニンニクはじっくり焦がさないようにするんだお』

2 ニンニクがホクホクになったら肉をぶち込みます。

( ^ω^)『豚でも牛でもどっちでもいいお』

3 水を注ぎ沸騰したらうどんを投入します。

( ^ω^)『冷凍うどんがあると重宝するお』

4 市販の麺つゆで味付け。最期に胡麻油を一垂らしして完成。

( ^ω^)『たっぷりの油を使ってるのに全然しつこくない味だお。
       葱や卵を落としても美味しいお。
       食欲が無い時や寒い冬に是非食べて欲しい一品だお』







川 ゚ -゚)『…何故説明口調なんだ?』

( ^ω^)『気にしたら負けだお』

62 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 20:08:49.88 ID:E2RE4V3X0
 それから僕達は小さなテーブルを挟んでささやかな夜食を取った。
クーさんはいきなりグラスに注いだ缶ビールを一息に飲み干し、
テーブルに叩きつけるようにグラスを置いた。
口の周りについた泡を手の甲で拭い取る。
背中の真っ白な翼が猫の尻尾のようにぴょこぴょこと動いていた。

川 ゚ -゚)『…旨い。この1杯の為に生きてるって感じだな』

( ;^ω^)『…なんか違和感ありまくりだけど同意だお』

川 ゚ -゚)『何を言うか。一度死ななくてはこの感動は分からん。どうだ? 内藤も一度死んでみては…?』

( ^ω^)『 謹 ん で お 断 り し ま す お 』

川 ゚ -゚)『残念だな。今なら漏れなく花束とお菓子を贈呈するのだが…』

( ^ω^)『…仏花と葬式饅頭はご遠慮させていただきますお』

川〃_ _)σ∥ 『…ノリが悪いヤツめ……』

( ^ω^)『いじけたフリしても駄目ですお。つか、ノリで死にたくありませんお』

そんな事を話しているうちに、テーブル上の料理は跡形も残さず僕らの胃に消え去り
ついでに冷蔵庫にギッシリ詰め込んだばかりのビールの買い置きも1本を残して全て無くなった。
クーさんは自身の風変わりな立場にも慣れたのか受け入れるしかないと達観したのか、
自虐的なジョークを言うまでになっていた。

やがて窓の外から新聞配達のスクーターのエンジン音が聞こえてくる頃、
クーさんが大きなあくびをした。


65 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 20:11:56.16 ID:E2RE4V3X0
 川 ゚ -゚)『…随分夜更かししてしまったな。そろそろ寝るか』

( ^ω^)『把握した。クーさんは布団使うといいですお。
       僕は床にクッションでも敷いて…』

川 ゚ -゚)『何を言っているんだ? ここはお前の部屋だ。そんな事をさせられる筈が無いだろう』

さらにクーさんは続けた。

川 ゚ -゚)『見た所、布団だって小さくない。2人で寝るには十分なスペースがあると思うのだが…』

( ^ω^)『……』

川 ゚ -゚)『……』

( ^ω^)『…mjd?』

川 ゚ -゚)『うむ』

( ^ω^)『……』

川 ゚ -゚)『……』

( ゚ω゚)『!!!!!』

川;゚ ー゚)『…!?』

キタ━━━(^ω^)━( ^ω)━(  ^)━(  )━(  )━(^  )━(ω^ )━(^ω^)━━━!!

67 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 20:14:34.80 ID:E2RE4V3X0
 ( ^ω^)。o○(はたして今クーさんは何歳なのか…そんな疑問は置いといて。
         年頃の女性が。
         年頃の男性の部屋に泊まる。
         しかも同じ布団で寝るという。
         これは

         川 ゚ -゚)『 や ら な い か ? 』

         と言われているも当然。
         ここでやらねば男が廃る…いや、股間の夜王子に申し訳なさ過ぎる!!!)

僕はすばやく枕元に極々自然に置かれた『ポケット式和独辞典』に視線を走らせる。
このどこでも見かける『和独辞典』は、僕独自の工夫によって中に【近藤さん】が収納されているのだ。

落ち着け。
落ち着け………心を平静にして考えるんだ…こんな時どうするか……

2…3、5…7…11…13…17……19。

落ち着くんだ…『素数』を数えて落ち着くんだ…
『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字……

僕に勇気を与えてくれる。




                   (---この間0.2秒)


70 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 20:18:33.92 ID:E2RE4V3X0
( ^ω^)。o○(確か【近藤さん】の残り枚数は…3枚のはずだお。
         ちっ。こんな事ならあと2ダースくらい追加しておくべきだったお…。
         それより問題はクーさんに僕のテクニックが通用するかどうかだお。
         ツンは意外とMだからちょっと乱暴にしたり、
         アダルトな玩具使うと興奮するけど…クーさんは…?
         いや、迷ったら負けだお、ホライゾン!!
         嫌よ嫌よも好きのうち…この名言を信じるんだお!!
         僕はあの頃の僕じゃないお!!
         童貞は捨てたし、ギコさんに連れて行ってもらったおっぱいパブでは
         すでに何人ものおっぱいを見てきたんだお!!
         そう、言うなれば百戦錬磨!!
         二次元で鍛えた妄想力と、3次元で培った経験!!
         これがあれば勝てない相手はいないはずだお!!
         負けるな、僕!!
         歌舞伎町のアイドルマスターの名は伊達じゃないトコを見せてやるんだお!!
         そう言えば、ツンに使った玩具洗わないでそのままクーさんに使ってもだいじょうb)




                   (ーーーこの間0.33秒)

川 ゚ -゚)『あらかじめ言っておくが、付き合いでたまに行く風俗はともかくとして 
     わたしは彼女がいるのに他の女とやっちゃうような男が大嫌いだ。
     君を信頼しているが…こうして再会できた喜びを台無しにしてくれるなよ?』

( ;^ω^)『……』

                                                   ………読まれてた。


76 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 20:24:42.94 ID:E2RE4V3X0
 それから僕とクーさんは1つの布団に入り込んだ。

川 ゚ -゚)『…そう言えば内藤は幼女が好きなのか?』

( *^ω^)『幼女と二次元を語らせたら僕の右に出るものはいませんお』

川 ゚ -゚)『…流石のわたしも引いた』

そんな他愛もない雑談をしながら眠りにつき、朝を迎える…筈だった。



77 名前: 美容師見習い(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/19(月) 20:27:40.62 ID:E2RE4V3X0
…雀の鳴き声が聞こえる。飲みすぎたせいか、膀胱が破裂寸前だった。
トイレに行こうと布団を抜け出すと…
そこにはぶかぶかのワンピースに包まれて呆然と座り込む…クーさん?

川;゚ -゚)『…内藤…こんなになっちゃった…どうしよう…』

( ;^ω^)『……』

どうしよう…言われても困る。
OK。
なんとか解決策を考えようじゃないか。

( ;^ω^)『でも…その前にトイレだお』

僕はトイレに駆け込み、放尿しつつ寝起きの頭をフル回転させる。
落ち着け。 あ ん な 事 はありえない。
いや、死んだはずのクーさんが天使になって僕の前に降り立つ事自体がありえないんだけど…
見間違えただけに違いない。
そう自分に言い聞かせながらトイレのドアを開ける。

川;゚ -゚)『…内藤…』

( ;^ω^)『……』

嗚呼。
残念ながら見間違いではなかったらしい。
立派な翼は、どう見ても玩具のそれに変わりーーーーー
不安げにワンピースの裾を掴んで僕を見上げるーーーーー

幼女がそこに立っていた。


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