第三話3 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:07:55.53 ID:/EG4dqns0僕らは高校3年になった。母親が受験、と騒ぎ始める。 レノ’-’)レ「ショボン、T大以外は母さん認めないわよ。それ以外だったら学費払わないからね」 もはや狂気とも思える双眼で僕をにらみ宣言した。 (;´・ω・`)「・・・・・・」 僕は、焦った。 僕には夢があった。 父親と同じく人の命を救う仕事に携わりたいと思い、趣味の機械いじりを生かして 医療機器の開発をしたいと思っていた。 そのため、僕は最高の環境の整うT大を志望しようと思っていた。 4 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:08:39.13 ID:/EG4dqns0 母親の希望と僕の志望校の一致。 普通なら喜ぶべきことなのだろうが、僕は焦った このままでは母親の思い通りになってしまう。 でも、自分の夢のために妥協したくない。 僕はジレンマに陥った。 考えても考えても答えは浮かんでは来ない。 壁を殴ってみる。が、帰ってくるのは鈍い痛みのみ。 5 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:09:10.44 ID:/EG4dqns0 (´・ω・`)「・・・・・・こういうとき、ドクオやブーンならどうするのだろう」 僕は考えた。 そうだ・・・かれらなら、どう考えるだろうか。 (´・ω・`)「聞いて・・・見るか」 6 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:11:22.67 ID:/EG4dqns0 ('A`)「あ?」 僕たちはいつものように屋上で昼食をとっていた ( ^ω^)「ひょっとしてそれはギャグで言ってるのかお?」 ブーンはサンドイッチを一口ほおばった。 (´・ω・`)「いや、ガチでT大を目指してる」 ('A`)「・・・・・・で、どうしたんだ?」 (´・ω・`)「え?」 ('A`)「お前からそんなことはなすってことは何か俺らに相談したいんだろ?」 すこし驚いた。ドクオは洞察力が鋭い。 そしてその洞察はいつも僕を驚かせ、あっていることが多い。 僕は彼のそんなところを尊敬している。 (´・ω・`)「そうなんだ。よくわかったね」 ( ^ω^)「おっお?」 7 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:13:03.59 ID:/EG4dqns0 (´・ω・`)「・・・・・・というわけなんだ」 僕は彼らに何一つ包み隠さず話した。 自分の夢のこと、母親のこと、そして母親の道に背き生きてきたことを。 ( ^ω^)「・・・・・・単刀直入にいうと間違ってると思うお」 8 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:13:42.91 ID:/EG4dqns0 ( ^ω^)「ショボンは母親に決められたレールを歩かされるのがいやなんだお? だけどショボンのやっていることはレールに沿って歩いているのとそう変わりないと思うお」 (´・ω・`)「え?」 ちがう。 僕は母のレールをすべてことごとく壊してきたはずだ。 ( ^ω^)「ショボンが公立の中学や高校に入ったのはショボンのカーチャンが私立へ行けっていったからだお?」 そうだ。その通りだ 「ショボンは別に公立にいきたいと思っていったわけではないんだお。」 ・・・・・・そうだ、別にいきたくていったわけではない。あいつが私立を受けさせようとしたからだ。 「でもそれは結局ショボンのカーチャンに未来を決められてしまったんじゃないかお?」 10 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:16:07.42 ID:/EG4dqns0 (´・ω・`)「!」 ('A`)「・・・ショボン、お前は特定の小石を踏みたくないたくないがために道を歩くのをためらうか?」 急にドクオが口を開いた。 (´・ω・`)「・・・え?」 ('A`)「道に落ちた小石を踏むのをがいやだから、わざわざ石のない道を選ばざるを得なくなっているんじゃないのか」 ('A`)「もし石のない道がお前の進みたい方向じゃなかったらどうなる?」 (´・ω・`)「・・・・・・」 ('A`)「それで目的にたどり着けないのをお前は小石のせいにするのか?」 12 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:17:08.89 ID:/EG4dqns0 ・・・・・・そうだ。僕はとんだ馬鹿だな、母親は障壁なんかじゃないんだ。障壁にしてたのは僕なんだ。 ああ、なんでこんな簡単なことがわからなかったろう? ガコン 僕はフェンスに頭を打ち付けた。 13 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:20:49.11 ID:/EG4dqns0 ( ;^ω^)「な、何やってんだお!?」 ブーンが僕の急な行動に動揺している (´・ω・`)「僕はブーンの言ったとおり、間接的だけど結局母親の決めた未来を生きてた・・・」 ガコン 心配するブーンをよそに僕はもう一度頭をフェンスに打ち付ける。 (´・ω・`)「それは僕が馬鹿なガキで意地っ張りだったから・・・」 ガコン (´・ω・`)「僕もまだまだだな・・・」 頭が痛い。額が割れて血が出てるみたいだ。 ('A`)「おいおい流血がワイルドすぎだぜ」 ( ^ω^)「ウホッ」 (;'A`)「・・・おい」 (´・ω@`)「ははっははh・・・はひぇ?」 あれ、前が・・・・・・? (;'A`)「お、おい、ショボン!大丈夫か?」 ( ;^ω^)「ショボン!応答しろ!スネェェェェーク!」 ・・・・・・ ・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ 15 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:22:31.01 ID:/EG4dqns0 それで気絶して、気がついたら保健室でねてたんだっけな・・・ ふっ、と自嘲的な笑いをする。 それから僕は無事僕はT大に受かった。 まあ今もそのT大の校門前にいるわけだが 17 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:23:24.66 ID:/EG4dqns0 そういえばT大に受かってからは一度も母親に会ってない。 今度帰ってみようか、きっと驚くぞ さて今日ここにきた理由。 僕はまっすぐ学長質へと向かう。 コンコンとノックをする。向こう側からしわがれた声が「どうぞ」と答えた 18 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:26:10.72 ID:/EG4dqns0 (´・ω・`)「失礼します」 ( ,' 3 )「おお、君は・・・ショボンくんじゃないか。して、何用かね?」 僕を迎えてくれたのは学長の中嶋バルケン先生だ 僕は結構学会などに論文を発表したりしてたので学長とは面識があった。 僕は静かに学長席まで歩き書類を丁重に学長席へと置く。 ( ,' 3 )「これは・・・・・・まさか」 (´・ω・`)「ええ」 僕はにっこりと微笑んだ。鏡を見なくたってわかる。きっと僕の人生最高のスマイルだ (´・ω・`)「大学、や め さ せ て い た だ き ま す」 19 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:29:40.96 ID:/EG4dqns0 ばるけん先生は少しさびしそうな顔を見せ、書類に一通り目を通す。そして口を開いた。 ( ,' 3 )「そうかね・・・だがやめてどうするんだい?」 (´・ω・`)「国立大学は何かと研究に縛りがありますので。起業して独自に研究を進めようと思ってます」 ( ,' 3 )「そうか・・・そうだな、君はそっちのほうが向いてるかもしれんな」 「君を収めるのに大学は少々小さすぎるからな」と乾いた声で笑った 21 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:31:43.17 ID:/EG4dqns0 (´・ω・`)「ご理解、ありがたく思います、中嶋先生。」 僕は深く頭を下げた。 ( ,' 3 )「いつでも訪ねてきなさい。そのときは中嶋バルケンとしてアドバイスさせてもらうよ」 といって先生は右手を差し出した。 (´・ω・`)「・・・・・・ありがとうございます、先生」 そういいながら、僕は先生の手を握った。 先生の言葉は素直にうれしかった。 24 ◆L2jfNrixB. 2006/10/03(火) 01:33:59.63 ID:/EG4dqns0 もうT大生でなくなった僕はT大のキャンパスをしっかりと一歩一歩踏みしめながら歩いた。 しっかりと前を見据え、ずんずんと歩いてゆく。 端から見ればそれはこっけいな光景かもしれない。 ――誰が笑ったってかまうもんか。僕は踏み出したんだから。 僕は僕の道を歩くんだ。 そして僕は自分の未来を生きるんだ。 (´・ω・`)が自分の未来をいきるようです 完 ジャンル別一覧
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