第二十六話第二十六話 「激闘!ドッジボール!!」 ノパ△゚) (゚Д゚,,) ('A`) ( ゚д゚ ) ( ^ω^) ヽ(゚ω゚=) (´∨ω・`) 川д川 ξ゚△゚)ξ (´ー` ) ( ><) ζ(゚ー゚*ζ (*‘ω‘ *) (゜3゜) ( ´_ゝ`) (’e’) (´<_` ) (・∀ ・) lw´‐ _‐ノv ハ(ロ -ロ ハハ 負けられない戦いが そこにはあるかも? ( ´∀`)「それではルールの確認をするモナ」 ノパ△゚) (,,゚Д゚) ( ´∀`)「まず顔面に対する投擲。これは対象が男子のときのみアリとするモナ。 もしも、女子に対してこれをしてしまった場合は投げた人がアウト。 しかし、だからと言って狙われた当人がわざと顔面で当たりにいったりした場合、これは適用されんモナ」 ノパ△゚)コクリ (,,゚Д゚)コクリ ( ´∀`)「ノーバウンドで二人以上にボールが当たった場合は全員同時にアウト。 ただ、一度味方に当たったボールをノーバウンドでキャッチした場合はセーフ。 外野の復活はなし。相手チームの内野の人数をゼロにすれば勝利モナ」 ノパ△゚)コクコク (,,゚Д゚)コクリ ( ´∀`)「それじゃ、そろそろ始めるモナ。二人とも準備はいいモナ?」 ノパ△゚)「おう!!」 (,,゚Д゚)「はい!!」 モナーはルールの確認を終えると、右手にボールを抱えたまま二人をコートの中央に呼び寄せる。 各々ジャンプボールの跳び手に自ら志願したことは言うまでもない。 ('A`)(何でモナー先生がいんの?) ξ゚△゚)ξ(またどっから現れたのよあの先生は……) (´∨ω・`)(いつの間にかの内に溶け込んでたな) lw´‐ _‐ノv「きも」 突如体育館内へと現れ場を仕切りだしたモナーに対し、皆疑いの目を向けるものの、それを口に出したりはしなかった(ただしシューは除く)。 突っ込むのが面倒であったと言うのもあるが、それよりも何よりヒートとギコ、この二人が作り出していた異様な空気にあてられたというのが大きい。 彼女らの表情からは勝負に対する純粋すぎるまでの真摯な態度が伺えた。 (*‘ω‘ *) (=゚ω゚)ノ 館内の壁を背に立つ外野の二人。 表情は硬くはないものの、こちらも内野と同じく黙ったまま、事の行く末を見つめている。 ( ´∀`)「それじゃ……いくモナよ?」 ノパ△゚)ゴクリ (,,゚Д゚)ゴクリ ( ><)(やるんです……うまくやるんです。僕ならきっと大丈夫。出来るんです!!) ( ´_ゝ`)「……準備はいいな?弟者」 (´<_` )「……いつでもおーけーだ。兄者」 ( ^ω^)ブンブブーン それぞれが思い思いに試合の開始を待つ。 ( ´∀`) ノパ△゚) (,,゚Д゚) そして、二人の熱い視線が注がれる中 ( ´∀`)「とうっ!!」 モナーが手に持ったボールを、空中へと高く放り上げた。 ノパ△゚)「!!」 (,,゚Д゚)「!!」 上空へと上っていくボールの行方を目で追いながら、二人は両脚に力をこめる。 二人の身長差は約十センチ程。もちろん、ギコが見下ろす形での差だ。 単純に考えれば、ヒートの勝ち目は限りなく薄い。 しかし (,,;゚Д゚)(なっ!!) ノパ△゚)「っぉ!!」 ギコが跳ぶことの出来る限界高度。 ボールがそこへと達する前に、ヒートは両脚にこめた力を一気に解放し、跳躍した。 それを見て、慌ててギコもボール目掛けて跳ぶ。 ノパ△゚)「よっしゃ!もらったぁ!!」 身長差などものともしない様子で、ヒートは悠々ボールを射程距離内へと捉える。 自らの跳躍力の無さを悔やみ、そして、ヒートの驚くべき身体能力に驚愕し、ギコの表情が歪む。 ヒートの掛け声が響いたと同時、キリキリと引き絞られた彼女の右腕が放たれ、 ===○)><)バシン!!「はやっごぶうぇあ!!!!」 弾かれたボールは見事、ビロードの顔面へとクリーンヒットした。 ノハ;゚△゚)「ちょ、ビロード!!」 (#)><)「な……一体何が……」 ジャンプボールでのヒットであったためアウトにはならないものの、彼を襲ったボールの恐るべきスピード故か ビロードは床へと倒れこみ、フラフラと頭を揺らしながらゆっくりと起き上がる。 (;´_ゝ`)「危ないぞ!早く逃げるんだ!!」 (#)><)「ふぇ?」 未だ混濁する意識の中、兄者の声が脳内に響く。 (#)><)「逃げるって……何から…………」 (,,゚Д゚)「一人目ー!!」 コートを二つに分ける中央のライン。 そのすぐ傍に立つ一人の男。彼が何事か叫んだ後 ===○)><)ドブシッ!!「うわっぶがぶふぁぁあ!!!!」 ビロードの顔は再び後ろへと激しく弾かれた。 ( ´∀`)「ビロード君、アウトモナ」 現在の戦況 【三年二組】 8 対 9 【三年四組】 (*゚Д゚)「よっしゃぁ!!」 (=゚ω゚)ノ「ギコ君すごいんだょぅ!」 クピクピ(#)><)ピクピク「初っ端からこんなのって……こんなの……って」 (・∀ ・)「やーい、バーカバーカ」 罵声を浴びながら、ビロードは外野へとトボトボ歩いていく。 ('A`)「これはひどい」 (;^ω^)「ビロード君、運悪すぎだお」 先程の顛末を一言で表すなら、不運、これに尽きる。 多少はビロードの不注意も影響してはいたが、ヒートが弾いたボールの思いがけない速さとビロードの立ち位置、 そして、彼の顔面に当たったボールが跳ね返った先、その全ての要素が不運にも噛み合ってしまったことで、彼は二度も顔面にボールを食らう羽目になってしまった。 (*゚Д゚)(早速一人削ったぞ!こりゃ幸先がいい!!) たまたま転がってきたボールを、床に倒れたビロードに当てたギコは心の内で大いに喜んでいた。 どうやら過程よりも結果を気にするタイプのようだ。 ( ‘ω‘ )「お前何やってんの」 (#)><)「もうほっといてほしいんです……」 外野に着いたビロードはちんぽっぽからの冷たい言葉に肩を落とし、ため息をついた。 ボールの跳ね返り先は運悪く、またもやギコの方向だった。 引き続き、ギコが投球モーションに入る。 (,,゚Д゚)「よっし、この調子でいくぞ!みんな!!」 ノハ;゚△゚)「くっそー、もうちょい手加減しとくべきだったか」 (´;∨ω・`)「ジャンプボールだってのに、お前は強く打ちすぎなんだよ」 ( ´_ゝ`)「二人とも、話している暇はないぞ」 (´<_` )「次の球が来る。集中しろ」 ギコの手から放たれたボールがヒート達目掛けて飛んでくる。 余談ではあるが、彼は野球部に所属しているため、この球もなかなかの速度を持っている。 (;'A`)「おっと」 丁度、彼の放ったボールの軌道上にいたドクオが横へと身を捻り球を避ける。 (=゚ω゚)ノ「まだまだ続くょぅ!」 目標を捉えることの出来なかった球は、しかし、外野のぃょぅに受け止められ、すぐにコート内へと戻ってくる。 球の速度はギコのそれよりは落ちるものの、命中精度は勝るとも劣らない。 向かう先は (´∨ω・`)「!!」 (´∨ω・`)「っと」 ショボンはすぐに身を翻し、外野から放たれた球を受け止めた。 (=゚ω゚)ノ「とられちゃったんだょぅ」 (,,゚Д゚)「しょうがない!ぃょぅ、次だ次!次がんばるぞ!!」 悔しげな表情を浮かべるぃょぅに対し、内野からギコが声をかける。 ノパ△゚)「よーし、ショボン!一発かましてやれ!!」 (´∨ω・`)「……言われなくても投げるよ」 ショボンは敵を目標に定めることなく、適度な速度で外野へとパスを投げた。 (*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」 取りやすい位置へ取りやすい速度で投げられてきたボールをちんぽっぽががっちりとキャッチする。彼女はそのボールを再び内野へとパスする。 ζ(゚ー゚*ζ「いやーん、田中君こわいこわいこーわーいー」 (゜3゜)「大丈夫だっていう。俺がいる限りお前は無敵だっていう」 ( ゚д゚ )「はっはっハーーーーーーッ!!どっからでもかかってきなさい!!」 lw´‐ _‐ノv「やかましいな、あのマッチョ」 文句を垂れながら、シューがボールを受け止める。 lw´‐ _‐ノv「ほいさ、次は君が投げなさいころすてーき」 ( ^ω^)「おっ、僕かお?」 シューから渡されたボールを受け取り、ブーンは相手コートを見渡す。 川д川「呪いの対象には……あの子、なかなか……」 ζ(゚ー゚*ζ「きゃー、田中君ってやっぱりイケメンの中のイケメン、イケメンオブイケメンだね!デレ感激!!」 ハハ ロ -ロ)ハ「Natto oishii」 ( ^ω^)(一応、女の子を狙うのはやめとくお) 九人中三人を占める女性陣を除き、目標を定める。 ( ^ω^)「とぅあ!!」 (’e’)「うわぁぁぁぁぁあぁああああああああ」 右腕から放たれたボールは、何故か直立不動のまま動かないセントジョーンズに直撃する。 ( ´∀`)「セントジョー……何たら君、アウトモナ!」 現在の戦況 【三年二組】 8 対 8 【三年四組】 (;゚Д゚)「おい、セントジョーンズ!避けるくらいしろよ!!」 (’e’)「ぽいんぽいん」 ギコの文句もものともせず、セントジョーンズはすたすたと外野のほうへ歩いていく。 (;^ω^)「な、なんであの子避けないんだお。無抵抗の人に当てるとなんかすっごい罪悪感が……」 ('A`)「きっと、あいつは外野に行きたかったのさ。だから、むしろお前はあいつを助けたんだ。そう気に病むことはない」 ノハ*゚△゚)「いいぞ、ブーン!ナイスショット!!」 ξ;゚△゚)ξ「ナイスショットって、ゴルフじゃないんだから」 (´∨ω・`)「来るぞ」 ショボンがぼそりと呟くと、皆一斉に敵コートの方へと目を向ける。 そこには、ボールを持ったシラネーヨの姿。 ( ´ー`)「とるんじゃネーヨ」 彼の腕から放たれたボールは真っ直ぐ弟者の元へ。 (´<_` )「ふっ、来たな」 それを認め、弟者は不敵な笑みを浮かべる。 (´<_` )「行くぞ、兄者!」 ( ´_ゝ`)「よし来い、弟者!」 弟者は自分の元へと飛来するボールをレシーブの体勢で待ち構える。 そして、球が彼の身体に接する瞬間 (´<_` )「とうりゃ!」 合わせた両腕を振り上げ、上空へとボールを弾く。 軽く後ろへと流れた球を、弟者の背後に控えていた兄者が追いかけ、キャッチする。 ( ´_ゝ`)b「ナイスレシーブだ、弟者!」 d(´<_` )「ナイスキャッチだ、兄者」 互いにガッツポーズを取り、作戦の成功を祝う流石兄弟。 どうやらボールを普通に受け止めるよりも、一度クッションを挟んでいなしたほうがキャッチしやすいとふんだようだ。 ( ´ー`)「取るなら普通に取れーヨ」 (;゚Д゚)「衝撃をいなした……だと?」 ノハ*゚△゚)「すげぇー!何あれ何あれ!!私も真似してみようかな!!」 ( ´_ゝ`)「さて、それでは次はこちらの番だ!」 兄者は受け止めたボールをすぐさま外野へと向け、投げた。 (*‘ω‘ *)「ぽぽ!」 傍で項垂れるビロードをよそに、ちんぽっぽがパスを受け止める。 彼女も兄者に倣い、すぐさま内野へとパスを放つ。 ノパ△゚)「よーし、きたきたきたー!!」 次にボールをキャッチしたヒートの狙いは、外野へのパスではない。 ノハ#゚△゚)「どぅりゃっ!!」 彼女の狙いは内野を逃げ回る大勢の敵。 その中でも比較的反応の鈍かったシラネーヨへと向け、放ったボールは飛んでいく。 ===○)´ー`)デブシッ!!「とれネーヨ」 ノパ△゚)「いよっしゃあ!!」 振り向きざまに顔面にボールを喰らったシラネーヨは、その衝撃で床へと崩れ落ちる。 ヒートはそれを見て、大きくガッツポーズをした。 ( ´∀`)「シラネーヨ君、アウトモナ」 現在の戦況 【三年二組】 8 対 7 【三年四組】 (;゚Д゚)「なんだ、あの球……あいつ本当に女か?」 ヒートの投げたボールの速度に、ギコは驚きの色を隠せない。 先程自分で投げた球の速度を贔屓目に見たとしても、彼女のそれより劣っていたからだ。 ( ^ω^)「ヒート、すごいお!とんでもない球だお!!」 ノハ*゚△゚)「あっははー!まぁそれ程でもあるけどねー」 ('A`)「え、何なのこれ。男は顔面にボール当てられないといけないルールでもあんの?」 (;゚Д゚)「おい、シラネーヨ。大丈夫か?」 (#)´ー`)「めちゃくちゃいてーヨ」 倒れたシラネーヨを起き上がらせ、ギコは声をかける。 シラネーヨは赤く腫れ上がった頬をさすりながら、外野へと歩いていく。 (;゚Д゚)(くそ、あの球はだいぶ厄介だな……) 床に転がったボールを拾い上げながら、ギコは考える。 このままヒートを放置しておくと、こちらの被害は更に増えるだろう。 自分以外のやる気のない奴らは勿論のこと、あの速度を見る限り自分が内野で生き残ることすらも厳しいかもしれない。 (;゚Д゚)(あいつを先に狙うか……) 一度はそう考えたものの、この短時間の間に見せ付けられた彼女の高い身体能力の片鱗 これらを考えると自分の投げる球で彼女を崩せるかどうか、甚だ疑問だった。 しかし、他のクラスメイトに自分以上の球が投げられるとも思えない。 (*゚д゚*) そんな時、ギコの目に入ったのは両頬を染めたままある一点をじっと見つめているミルナの姿だった。 彼はその視線の先を追い、あることに気づく。 (*゚д゚*)ジー lw´‐ _‐ノv (;゚Д゚) (;゚Д゚)ハッ!! 確かにクラスメイトの中でギコ以上の力を持つ者はいないかもしれない。 だが、ミルナは別だ。その容貌から見ても敵味方合わせた中で一番の力を持っていることはほぼ確実。 そして、彼が熱烈な視線をシューに向ける理由を察したとき、ギコは彼に声をかけた。 (,,゚Д゚)「せ、先生」 (*゚д゚*)「ハーーーーーーッ!!なんだ、ギコ。私は今忙しいのだが」 (;゚Д゚)「忙しいってシュー先生を見てるだけじゃないですか……それよりもちょっとお願いしたいことがあるんで聞いてくださいよ」 (;゚д゚ )「ババババババカーーーーーーッ!!な、何を言ってるんだお前は!! 私はシュー先生のことなどこれっぽっちも視姦したりなどしていないぞぞぞぞ」 (;゚Д゚)「(視姦してたのかよ!!)いやまぁ、先生がそう言うならそれでいいですけど。 とりあえず、俺の話を聞いてください」 慌てふためくミルナを宥め、ギコはようやく本題に入ることが出来た。 (,,゚Д゚)「ま、お願いといってもたいしたものではないんです。ただ、先生にボールをヒートに当ててもらいたいだけで」 ( ゚д゚ )「それは無理だな」 (;゚Д゚)「え」 ミルナの即答にギコは不意をつかれたように驚く。 ( ゚д゚ )「今回のドッジボールでは受け止めることだけに徹しようと思っているからな。それは無理な相談だ」 (;゚Д゚)「受け止めるだけって……なんでまたそんな」 ( ゚д゚ )「ハハハーーーーーーッ!!私が本気を出して投げたりしたら勝負にならなくなってしまうからな。 子供達の勝負に水を差すような真似をしたら、教師失格と言うものだ」 ミルナがドクオ達に向かって話していた時、ギコはクラスメイトの皆を呼びに行っていたため、 彼のこの発言については全くの初耳だった。そして、これはギコにとって大きな誤算だった。 (;゚Д゚)「でも、それじゃシュー先生はどうなんですか?あの人もまさか投げないつもりなんですか?」 ( ゚д゚ )「それについてはまだ分からんな。 だから、もしシュー先生が投げたときは私も少しばかり力を出そうかと考えているところだ」 (;゚Д゚)「そんな……」 攻めに転じる可能性がゼロではない分まだマシではあったが、ギコとしては一刻も早くヒートを排除してしまいたかった。 それにあのどうにも掴みどころのないシューが、自ら攻撃に転じることなどなかなか想像出来ない。 理由はどうあれ、ミルナと同じく積極的にゲームに関わろうとはしないようにしか思えなかった。 (;゚Д゚)「そこを何とかお願いできませんか。ヒートだけでいいんです。他は全部俺らで何とかしますから」 ( ゚д゚ )「なんだ、ギコはそんなにヒートに勝つ自信がないのか。お前は男だろ、もっと強気にいかないでどうする」 (;゚Д゚)「くぅ……」 返す言葉も無かった。まだ直接勝負もしていない相手に対し負けを認め、力の強い者にすがろうとする自分を、 ギコも心の中では心底情けないと思っていた。ギリギリと歯噛みしながら視線を泳がす。 lw´‐ _‐ノv と、視界に入ったシューを見て、苦し紛れに言葉を吐く。 (;゚Д゚)「でも、あのヒートもとれないような剛速球を投げたら、シュー先生にかっこいいとこをアピール出来ますよ」 ( ゚д゚ ) (;゚Д゚) ( ゚д゚ ) (;゚Д゚) (;゚д゚ )「……そういう手もあるか」 (;゚Д゚)「あ、あれ」 (;゚д゚ )「なるほど……だが、私が一気にカタをつけてしまってもそれはそれで大人気ないような」 (;゚Д゚)「いや、そんなことないですって!別に全員倒してくださいと言ってるわけではないんですから!!」 (;゚д゚ )「むう、だがなぁ……」 ミルナは顎に手を当てシューへと目をやり、しばらくの間、思案する。 表情から迷いが消え失せた後、彼はギコにこう告げた。 ( ゚д゚ )「……わかった。ならば、素直ヒート、彼女だけを倒すということであれば、その役目引き受けよう」 (,,゚Д゚)「ほ、本当ですか!?」 ( ゚д゚ )「ああ、しかし、私は積極的に攻めるつもりはないからな。 あくまでも私自身が自然な形でボールを受け止めた場合のみしか攻撃はしない。それでもいいな?」 (,,゚Д゚)「はい、それで結構です。ありがとうございます」 ノパ△゚)「おーい、さっきからそっちは何話してんだー。さっさとしようぜー」 lw´‐ _‐ノv「さっさとしろくま」 (;゚Д゚)「あ、ああ悪い。今始めるよ」 (;゚д゚ )「しゅしゅしゅしゅびばぜんシュー先生!!今始めますんでお許しを!!」 lw´‐ _‐ノv「うっせ」 三年四組側の攻撃が再開される。 床に落ちたボールを拾い上げたギコは、それをそのまま外野へとパスする。 (’e’)「ほぅふ」 パスを受け取ったセントジョーンズも同じく内野へとパス。 (・∀ ・)「喰らえや」 中央のラインぎりぎりでボールを手にしたまたんきが相手コート内目掛け投擲する。 ('A`)(俺か!) 投球モーションに入った彼の視線はドクオへと注がれている。 ドクオは自分の方へと球が飛んでくることを予感し、すぐさま身構える。 しかし (;'A`)「あれ?」 ξ;゚△゚)ξ「……えっ!?」 またんきの放った球は視線の方向とは関係なく、ツンに向かって飛んでいく。 不意を衝かれた彼女は、慌てて手を前へと出すが、それは受け止めるためのものではなく、単に顔への衝突を防ぐためのもの。 最早、為す術のない彼女の顔面へと、強烈な横回転を持った球がカーブしながら襲いかかる。 ξ;>△<)ξ「きゃっ!!」 辛うじて手の平で弾くことは出来たものの、やはりボールを受け止めることは出来なかった。 だが、彼女が弾いたボールは未だ空中にあり、その傍には一人の男がいる。 ( ^ω^)「キャーッチ!!」 急速に落下していくボールをブーンは持ち前の俊敏さを生かし難なくキャッチする。 (・∀ ・)「うっぜー」 ξ;゚△゚)ξ「ブ、ブーン」 ( ´_ゝ`)「あの球に反応できるとは……」 (´<_` )「流石だな、内藤君」 ( ^ω^)「おっおっ!」 ノハ*゚△゚)「ブーン、いいぞ!そのまま投げろー!!」 ( ^ω^)「りょーかいだお!!」 不安定な体勢のまま、ブーンは外野へとパスを投げる。 (*‘ω‘ *)「ぽぽ!」 それを受け取ったちんぽっぽが再び内野へパス。 ('A`)「よっし、俺の出番」 ようやくボールの回ってきたドクオは、これ以上パスを回すつもりはなかった。 (・∀ ・)「やーいやーい、引っかかった引っかかった」 先程卑劣な手を使い、ツンを、それも彼女の顔面を狙ってきたまたんきに対し、ドクオは少なからず怒りを覚えていた。 ('A`)「おらっ!!」 彼の放った球は真っ直ぐにまたんき目掛け飛んでいく。 (・∀ ・)「ばーかばーか」 しかし、またんきはそれを見てひらりと身を翻し、 ササッ(・∀ハハ ロ -ロ)ハ「Nameko」 ハローを自らの前へと押しやった。 (;'A`)「あ」 当然のことながら、ボールは途中で曲がることは出来ない。 ドクオの投げた球は真っ直ぐそのまま飛んでいき、ハローの腹へ直撃することとなってしまった。 ハハ ロ -ロ)ハ「オゥフ!!」 (;'A`)「あいつきったねぇ!!」 (´∨ω・`)「……最低な奴だな」 (・∀ ・)「はぁ?何言ってんのか全然聞こえねー」 わざとらしく耳をすますような仕草をしながら、またんきは挑発するように言う。 (;'A`)「くっそ……」 ( ´_ゝ`)「まぁ、落ち着きたまえ、ドクオ君」 (´<_` )「ここで君が怒ってしまっては彼の思う壺だ」 (;'A`)「くぅ……わかったよ」 いくら汚い手を使おうと、味方を盾にしてはいけないと言うルールはない。 彼らのやりとりを一通り見終えた後、モナーはいつものようにゲームを進行する。 ( ´∀`)「ハローさん、アウトモナ」 現在の戦況 【三年二組】 8 対 6 【三年四組】 (;゚Д゚)「またんき……お前なー」 (・∀ ・)「生き残ったんだから別にいいだろーがよー」 (;゚Д゚)「つっ……」 これ以上彼を責めたところで、結局はうまいこと言い返されてしまい、何の功もない。 日ごろのやり取りでそれを学んでいたギコは、そこで言葉を切り、敵陣地へと目を向ける。 ハローに当たった球は弾かれた後、そのままツンの手へと渡っていた。 ξ゚△゚)ξ「……一応、さっきのお返しってことで」 微かな怒気を孕んだ声が響いたかと思うと、すぐにツンの腕からボールが放たれる。 向かう先は彼女の言葉が指し示す通り、にたにたと卑しい笑いを浮かべたまたんきの元。 (・∀ ・)「当たるかよ」 彼女の怒りが込められた球は、しかし、容易く避けられてしまう。 目標を見失ったボールはそのまま外野のビロードの手の中へ。 (#)><)「わわ」 ようやく、ゲーム開始早々のショックから立ち直りつつあったビロードはすぐさま内野へとボールを返そうとする。 が、しかし 川д川「さあさあ早く私にそのボールをよこしなさい呪われたくなかったらさあ早くでないとあなた今よりもっと酷い目にあうわよ 具体的な内容を教えてあげるまずあなたの尻の穴からどす黒いミカンのようなリンゴのようなそれでいて今までに見たことのないような 異様な果実が産み落とされるようになるそれも一日に三百三十三回もあなたの肛門は見る見るうちにおぞましい形へと変貌を遂げるでしょうね どう恐ろしいでしょでも私の呪いと言うのはこれだけにはとどまらないのあなたから生み出されたその異様な果実はね意思を持っているの そしてあなたの肛門から外界へと出た後はあなたが死ぬまであなたの背後を付きまとうようになるわいい?あなたが死ぬまでよ一日に三百三十三回 生み出した果実が死ぬまで付きまとってくるのあなたが死ぬまでにそれはどれほどの数になると思う?途方もない数よ恐ろしいでしょ?だから早く渡しなさい ボールをよこしなさい私に恐ろしいのなら早く渡しなさい私によこせボールを早く早くよこしなさいよこせボールをよこせよこせよこせよこせ」 (#);><)「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」 突如として目の前に現れ、恐るべきスピードで呪いの言葉を紡ぎだした貞子を見て、ビロードは振りかぶった手を下ろす。 そして、手に掴んだボールを貞子へと投げ渡した。 川д川「うふふふふ、ありがとう」 (#);><)「あわわわわわ、呪わないでくださいなんです。嫌なんです怖いんですやめてくださいなんですー!!」 ノハ;゚△゚)「ちょ、ビロード何やってんだ!!」 (;'A`)「あいつ、どんだけ心が弱いんだよ」 ( ‘ω‘ ) 両耳を手で塞ぎ、ぶるぶると肩を震わすビロードを見て、ちんぽっぽはため息を漏らす。 川д川「うふふふふ」 その後、彼女の殺気立った視線が自らの背に当てられていることなどに気づく様子もなく、貞子は外野へとボールを投げた。 (=゚ω゚)ノ「もっかいパスだょぅ!」 内野からのボールを受け取り、ぃょぅもすぐさま内野へボールを戻す。 ( ゚д゚ )「よしきた」 そのボールを受け取ったのはミルナ。 (,,゚Д゚)(よし!!) ( ゚д゚ )「では、いくぞ!!」 (;'A`)「は?」 ミルナの掛け声にドクオ達は一瞬戸惑う。 先程、投げることはしないと宣言したばかりのはずのミルナが、明らかにこちらへと向けボールを投げる気配があったからだ。 そして、彼の視線の注がれる先にいたヒート、彼女がいち早くその予感を確信に変えた。 ノハ*゚△゚)「おお、どんとこい!!」 (#゚д゚ )「どりゃあああぁぁぁっ!!」 (;^ω^)「マジかお!?」 (;'A`)「話が違うぞ!!」 (´;∨ω・`)「……っ!!」 しなる右腕が振り切られた時、凄まじい速度でボールがコート内を奔る。 ひゅっ、と風を切る音がしたかと思った時には既にボールは目の前にあった。 (´<_`;)「なっ!!」 腰を低く落とし、レシーブの体勢を作っていた弟者の目の前に。 またんきの例を踏まえ、例え攻撃側の視線が自分以外の者へと注がれていようとも、防御の姿勢を崩すことはしなかった。 しかし、精神的に身体的にあらかじめ備えていたとしても、どうにもならないことだってある。 (´<_`;)「っあ!!」 襲い来る剛速球を辛うじて上へと跳ね上げることは出来たものの、その速度を落としきることは出来ず ボールは兄者の頭上を超え外野の方へと飛んでいく。 (;´_ゝ`)「くそっ!」 精一杯身を伸ばし、背後へと飛んでいくボールに手を触れる。 だが、その手は僅かに掠るのみで、球を掴み取るには至らない。 結局、ボールは外野のシラネーヨの手に渡った。 ( ´ー`)「ざまぁネーヨ」 (´<_`;)「すまん、兄者……」 (;´_ゝ`)「いや、あれはお前のせいじゃない。取ってやれなくてすまなかった……」 ( ´∀`)「兄者君と弟者君、兄弟揃って仲良くアウトモナ」 現在の戦況 【三年二組】 6 対 6 【三年四組】 ノハ;゚△゚)「あれ、何で?」 (;゚д゚ )「何故……だ?」 狙いを定められていたはずのヒート、狙いを定めていたはずのミルナ。 ヒートは単純に自分の方へとボールが来なかったことから、ミルナはあらぬ方向へと飛んでいってしまった球に対し、それぞれ当惑していた。 (;゚Д゚)「な、ナイスです!先生!!」 (;゚д゚ )「い、いや、私は違う。ちゃんと狙って投げたつもりだったんだ」 ξ;゚△゚)ξ「何よあれ……あんな球取れる人なんているの?」 (;'A`)「だから言ったのに……頼むから投げないでくれって」 (;^ω^)「あばばばばば、怖すぎるお……」 ( ´ー`)「お前ら無警戒すぎダーヨ」 ミルナの剛球におののいているドクオ達の背後から、シラネーヨは容赦なく攻撃を再開する。 ξ;゚△゚)ξ「きゃっ!!」 完全に油断しきっていたツンは、振り向きざまに何とか避けることは出来たものの足を滑らせ転倒してしまう。 (゜3゜)「とうとう俺の活躍するときが来たっていう」 シラネーヨからのボールをキャッチした田中はその隙を見逃さなかった。 ξ;>△<)ξ「ひっ……!!」 すぐ目の前で振り上げられた右腕。 ツンは最早避けることを諦め、目を瞑り両手を前へと突き出して、その衝撃に備えることしか出来なかった。 (´;∨ω・`)「まずい!」 (;^ω^)「ツン!!」 と、ボールが田中の腕から今正に放たれようかと言う瞬間、ブーンがツンの前へと躍り出る。 ( ゚ ω゚ )「ぎゃっ!!」 鈍い音と共にボールがブーンの股間へと深くめり込む。 ξ;゚△゚)ξ「ブーン!」 ルフルフ(゚ ω゚ )=( ゚ω ゚)フルフル「はわわぁぁぁぁぁああわわわあぁぁああぁああ」 ツンは急いで駆け寄り、倒れこんだ彼の身体を抱えあげる。 ブーンは彼女の手の中で、首を左右に振りながら悲痛な呻きを上げていた。 ξ;゚△゚)ξ「大丈夫!?ブーン、しっかりして!!」 ルフルフ(゚ ω゚ )=( ゚ω ゚)フルフル「わわあぁあああああわああぁあぁぁぁはわああぁああ」 ζ(゚ー゚*ζ「きゃーっ、田中君すっごーい!私も頑張っちゃおっと」 そして、そんな二人の様子を見つめながら、デレは地面に落ちたボールを拾い上げ、投げた。 ξ;゚△゚)ξ「痛っ!!」 右肩に走った衝撃に、ツンは顔を上げる。 ζ(゚ー゚*ζ「きゃはっ、やったよ田中君!私も一人当てられたー!!」 (゜3゜)「すごいっていう。それでこそ俺の未来の嫁だっていう」 ζ(//ー//*ζ「もー、田中君たら嫁だなんて……恥ずかしいよぅ」 (゜3゜)「照れてるお前は最高にかわいいっていう。もう一生離さないっていう」 ξ;゚△゚)ξ レデレデ(゜3゜)ζ(//ー//*ζデレデレ ξ;゚△゚)ξ レデレデ(゜3゜)ζ(//ー//*ζデレデレ ξ゚△゚)ξ レデレデ(゜3゜)ζ(//ー//*ζデレデレ ξ゚△゚)ξブチッ (;´∀`)「な、内藤君とツンちゃんも揃って仲良くアウトモナ(何かが切れる音が聞こえたような気が……)」 現在の戦況 【三年二組】 4 対 6 【三年四組】 ノハ;゚△゚)「ブーン大丈夫か?なんかすごい首振ってるけど」 ルフルフ(゚ ω゚ )=( ゚ω ゚)フルフル「あぁあああああああぁあぁぁああぁああ」 ξ゚△゚)ξ「多分、時間が経てば回復すると思うわ。私が外野まで連れてく」 (;'A`)「また一挙に二人やられたか……まじぃなぁ」 ξ゚△゚)ξ「心配いらないわ。叩き潰すから」 (;'A`)「へ?」 聞き返すドクオを置いて、ツンはブーンを連れ足早に外野へと向かう。 (;'A`)「……何かツンの背中から禍々しいオーラが立ち上ってるように見える」 (´;∨ω・`)「冗談言ってる場合じゃないぞ。また来る」 (;゚д゚ )「くそっ……今度こそ」 lw´‐ _‐ノv「ピンチだねぇ。困ったねぇ」 (;゚д゚ )(シュー先生も見てるんだ……やってやる!!) ボールを持った腕を振りかぶるミルナの視線の先には再びヒート。 ノパ△゚)「よっし、今度こそこい!!」 ( ゚д゚ )「どりゃぁっ!!」 丸太のような腕からボールが放たれる。 ひゅっ、と言う風切音が響く。 (;'A`)「うわ――」 しかし、ボールはまたしても見当外れの場所へと飛んでいく。 ドクオが悲鳴を上げたときには、既にボールは彼の目の前へと迫っていた。 ===○)A`)ズゴォン!!「顔面とか流石に死げぶうぇあっ!!!!」 何事かを叫びながら、弾かれる彼の顔面。 そのままの勢いでドクオの身体は地面へと倒れる。 (;゚д゚ )「またか!!」 (;゚Д゚)「ちょ、ちょっとミルナ先生。あんまり減らしすぎても俺の活躍の機会が……」 ノハ;゚△゚)「ドクオー!!」 (´;∨ω・`)「大丈夫か?」 ショボンが倒れた彼の身体を揺さぶるが、返答はない。 目を瞑ったまま、顔を赤く腫らしているだけだ。 ( ´∀`)「ドクオ君、アウトモナー!!」 現在の戦況 【三年二組】 3 対 6 【三年四組】 いくら声をかけても目を覚まさないドクオをモナーが外野へと運んでいく。 ノハ;゚△゚)「あいつ大丈夫かな」 (´;∨ω・`)「というか意識を失ってるんだから、まず保健室に連れて行くべきだと思うのだが」 (;゚д゚ )「くっ、次こそは、次こそはきっと!」 (;゚Д゚)「本当、頼みますよ(これほどまでにミルナ先生がノーコンだとは思わなかった……くそっ、まずいな)」 状況は自チームの圧倒的有利。にも関らずギコは内心焦っていた。 勝つことはそもそもの前提条件ではあったが、自分が活躍しなくては意味がない。 他の皆に自分の評価を改めてもらうことが出来ないのだ。 ( ´_ゝ`)「まずいな、内野がもう三人になってしまったか……」 (´<_` )「まだだ、兄者。まだこれから挽回できる」 ( ゚ ω゚ )「あぁぁぁあぁぁぁぁぁ」 ξ゚△゚)ξボソッ「……顔面……」 (#)><)「うぅ、呪いは嫌なんです……」 (*‘ω‘ *)「……」 一気に七人へと増えてしまった三年二組の外野陣。 戦意を既に喪失してしまった者も中には混じってはいるが、彼らのほとんどは未だ勝負を捨ててはいない。 各々、どうやってこの戦況を覆すか、思考していた。 ノパ△゚)「ちっくしょー、一気に内野の数減ったなー」 ボールを手の中で弄びながらヒートもまた、外野陣と同じことを考えていた。 この劣勢をどう覆すか、ここからどうやって勝利を収めるか。 (´∨ω・`)「ミルナ先生は厄介だな。俺もあの球は流石に取れる自信がない」 ノパ△゚)「なんだよショボン、えらく弱気だな」 (´∨ω・`)「弱気なわけではない。客観的に見てそう判断しただけだ」 ノパ△゚)「ふーん」 人差し指の上でボールを器用に回転させながら、ヒートは相手コート内を見渡す。 ノパ△゚)「さーて、どうしたもんかね」 lw´ _ ノv と、そこで、すぐ傍に立っていたシューの様子がおかしいことに気づく。 ノパ△゚)「あれ、せんせー大丈夫?さっきから何もしゃべらないけど」 シューはヒートの声に顔を上げ、彼女の顔を見据える。 ノパ△゚)「せんせー?」 一拍間を置き、彼女は一言こう言い放った。 lw´ _ ノv lw´ ゚ ー ゚ノv「何も問題はない。さぁ、ゲームを再開しようか」 戻る 目次 次へ ジャンル別一覧
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