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LOYAL STRAIT FLASH ♪

第五話

18 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 21:01:17.76 ID:zFeeZu5W0
第5話 ねむりたいかもしれない

空はすっかり宵闇に落ちたようだ。
光を失った室内は、さらに暗くなる。

どこかのネオンサインが、わずかな光を供給してくれている。

( ^ω^)(もう、こんな時間かお……)

携帯を覗いたブーンは唖然とする。

しぃは相変わらず眠っているし、ギコとクーは瞑想でもしているかのように動かない。
三体の人形に囲まれているような気分だ。それも、リアルすぎて気持ち悪い。

( ^ω^)「……僕も、眠るかお」

眠気は一切襲ってこないが。

だが、そのとき、クーが口を開いた。

19 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 21:02:46.01 ID:zFeeZu5W0
川 ゚ -゚)「きた」
( ^ω^)「え……」

川 ゚ -゚)「ミッションだ……しぃ、起きてくれ」

その声に、先ほどまでは全く反応しなかったしぃがむくりと起き上がる。

(*゚ー゚)「時間?」
川 ゚ -゚)「ああ」
(*゚ー゚)「そう……さってと、何が起きるのかなあ」

大きく伸びをしたしぃは、嬉々とした表情で机から降りる。

(*゚ー゚)「背中が痛い……ブーン、ギコにも伝えてあげてよ」

言われて、ブーンはギコのところに向かう。
これだと、どちらが主人公かわかったものではない。

22 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 21:07:57.86 ID:zFeeZu5W0
( ^ω^)「ギコ!」

半ばヤケクソ気味に呼びかける。
ギコは首を上げて、ブーンを見上げた。

( ,,゚Д゚)「……どうした?」
( ^ω^)「何か、始まるみたいだお!」
( ,,゚Д゚)「……そうかい」

異色の両目を一度伏せてから、ギコは立ち上がる。

( ,,゚Д゚)「何が起きるのやら」

期待など皆無だ。

23 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 21:11:49.79 ID:zFeeZu5W0
そんな矢先、悲鳴が聞こえてきた。
若い女のものらしい、甲高い悲鳴。

(*゚ー゚)「またありがちな……」

しぃがため息をつく。
この雑居ビルから近しい場所から発せられているようだ。

川 ゚ -゚)「……行くのか?」
(*゚ー゚)「うん」
( ,,゚Д゚)「女が関わっているとなると、放ってはおけねえな」

どうやら、ギコは紳士的キャラ担当らしい。

( ,,゚Д゚)「行くぞ!」
(*゚ー゚)「ん……ブーン、クーをよろしく」

ギコが真っ先に部屋から出て行き、しぃがその後に続く。

24 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 21:15:34.02 ID:zFeeZu5W0
( ^ω^)「……」
川 ゚ -゚)「目の見えない人間を連れて行くべきではない、と考えているのか?」
( ^ω^)「お……」

図星である。

川 ゚ -゚)「……まぁ、連れて行きたくなければいいさ。私はここに残っている」
( ^ω^)「……連れて行くお」

独り残すのもためらわれる。
それに何より、しぃが怖い。

・・・

・・



25 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 21:20:10.21 ID:zFeeZu5W0
ーーー路地裏ーーー

大通りのすぐ傍といえど、壁に囲まれた路地は薄暗かった。

<ヽ`∀´>「姉ちゃん……いい身体してるニダ」

たどたどしい日本語で迫る一人の男。
喋り方が関西の社長風である。

ξ゚△゚)ξ「な、なんか用なの……」

若い女性は後ずさる。

<ヽ`∀´>「ホルホル……こんなところで声をかける理由といえば、一つしかないニダ」

言いながら、男は巧みに女を大通りから資格となっている場所に追い込む。

28 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 21:30:25.80 ID:zFeeZu5W0
そのとき、ヒーローは臆面も無く現れた。

( ,,゚Д゚)「おい!」

<ヽ`∀´>「?」

ギコはその男の肩を背後から掴んだ。

ξ゚△゚)ξ「あ……」
( ,,゚Д゚)「何やってんだゴルァ!」
<ヽ`∀´>「ゲ……」

ギコにすごまれた男は途端に覇気を失う。

( ,,゚Д゚)「……」
<ヽ`∀´>「あ、その、ニダ……」

男は顔を強張らせ、しばらくどうすべきか考えていたようだが。
やがて、凄まじい速度でギコの手を振り払い、地面を蹴った。

( ,,゚Д゚)「おい!」

そしてそのまま、男は大通りに消えた。

29 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 21:34:36.72 ID:zFeeZu5W0
( ,,゚Д゚)「張り合いのねえ野郎だ」

そう呟きながらもギコは心の中で胸をなでおろした。

ξ゚△゚)ξ「あ、あの……」

女性の声は当然ながら、ギコには届かない。

(*゚ー゚)「……やるじゃん!」
( ,,゚Д゚)「おう?」

後から来たのはしぃ。
おざなりの拍手と共にギコを祝福する。

(*゚ー゚)「ま、アンタ結構怖い顔してるもんね!」
( ,,゚Д゚)「……」

ξ゚△゚)ξ「え、えっと」
(*゚ー゚)「あ、あんた被害者?」

しぃは、自分より少し年上であろう女になれなれしく話しかける。

30 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 21:39:39.81 ID:zFeeZu5W0
(*゚ー゚)「あんた、この辺の人?」
ξ゚△゚)ξ「え、ええと、違う……」
(*゚ー゚)「そう。夜道は危険だよ」
ξ゚△゚)ξ「は、はい」

目の前で移り変わる場景に対応しきれないらしく、女性は何度も頷いていた。

(*゚ー゚)「……にしても、これだけ? なんかつまんないんだけど」

何もしていないしぃが不満げに頬を膨らませた。

ξ゚△゚)ξ「あ、ええと、私は」
(*゚ー゚)「あ、うん。帰っていいわよ」
ξ゚△゚)ξ「……」
(*゚ー゚)「? どうしたの?」
ξ゚△゚)ξ「い、いえ。なんでも……ありがとうございました」

逡巡していた女だが、すぐに我に返ってしぃに礼を告げる。
そして、その場を立ち去ろうとしたが。

川 ゚ -゚)「待ってくれ」

そんなクーの声に、足が止まる。

31 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 21:45:49.94 ID:zFeeZu5W0
(*゚ー゚)「クー?」

ブーンに支えられ、クーはゆっくりと歩いてくる。

川 ゚ -゚)「……貴方、名前は?」
ξ゚△゚)ξ「え……ツン、だけど」
川 ゚ -゚)「そうか」
(*゚ー゚)「どういうこと?」
川 ゚ -゚)「……彼女も、私たちの『仲間』だ」
(*゚ー゚)「え……『パーティー』って4人じゃなかったの?」
川 ゚ -゚)「私の知識ではそのはずだ……しかし、この人も間違いなく」
(*゚ー゚)「ふーん……」
ξ゚△゚)ξ「あの……?」
(*゚ー゚)「あの、さ」

髪の毛を触りながら、しぃはツンに向き直った。

(*゚ー゚)「あんた、私たちと一緒に来てほしいんだけど」

しぃの言葉は直線的だった。

ξ゚△゚)ξ「……」
(*゚ー゚)「どうも、あんたと私たち、同じ境遇みたいなの。詳しいことは後で説明するから、とにかく来てくれない?」

直接的すぎてとても理解し、同意できるものではない。
だが、ツンはあっさりと頷いたのだ。

32 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 21:49:01.20 ID:zFeeZu5W0
(*゚ー゚)「……話のわかる人ね」

さすがに、しぃにとっても意外だったらしい。

ξ゚△゚)ξ「……」
川 ゚ -゚)「同意してくれたのか?」
(*゚ー゚)「うん……じゃあ」

(*゚ー゚)「来て」

今度は、しぃが先頭に立つ。

(*゚ー゚)「仲間と遭遇イベントってわけね……」

33 名前: ◆xh7i0CWaMo [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 21:51:05.48 ID:zFeeZu5W0
( ^ω^)「ギコの能力はなんなんだお?」
( ,,゚Д゚)「あ?」

帰路。
ブーンがギコに話しかけた。

( ^ω^)「知らないのかお?」
( ,,゚Д゚)「いや……一応、クーに教えてはもらった」
( ^ω^)「なんなんだお?」

( ,,゚Д゚)「……ん」
( ^ω^)「?」

( ,,゚Д゚)「……邪気眼」

・・・

・・



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