第三章1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/05(火) 21:09:47.68 ID:MILrhytz0―3章― ―――――――――――― (*´・ω・`)「きみ・・・ぼくといっしょに、 くんれんがっこうにいかないかい?」 (ヽ'A`)「くんれんがっこう?」 ――――――――― (*´・ω・`)「ここがぼくのいえだよ。ようこそ」 (ヽ'A`)「ここがきみのおウチ? おしろみたいだね」 ―――――――――――― (*´・ω・`)「わぁ。ぼくの好きな料理ばっかりだ」 (*'A`)「こんなにおいしい料理食べてると・・・ おかあさんのグラタン思い出すなぁ」 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/05(火) 21:10:44.97 ID:MILrhytz0 ――――――――― (*´・ω・`)「大きいなぁ・・・あしたからここに住むのかぁ」 (*'A`)「おおきいねぇ。 君のおうちより大きい所なんて初めてだよ」 ―――――――――――― (*´・ω・`)「せんせいの話ながいねぇ・・・つまんないよ」 (*-A-)「Zzz Zzz」 (;*´・ω・`)「・・・ってねてるし」 ――――――――― 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/05(火) 21:12:32.69 ID:MILrhytz0 ドクオが都市ワクテカを目指し、 シャキンと分かれてから1週間が経った。 道中に然したる出来事も無く、 日の出と供に歩き始め、日の入りと供に野営に入る。 そんな生活を続けながら、ドクオはワクテカまで目と鼻の先の距離まで到着する。 ('A`)「・・・さて目が覚めた訳だが」 地面に差し込んだ巨大な盾を背にし、寄りかかり眠っていたドクオが目を覚ます。 周囲を見渡すと・・・・見渡す限りの暗闇。 生き物達は夢の世界へ誘われているのか、辺りに生命の気配は無い ('A`)「はいはい、日の出さんはまだ来てないっと」 目を覚ませば一面の暗闇。 起床後、それを確認する事は、 短い時間しか睡眠をとらないドクオにとっては、もはや日課となっていた。 ドクオは気だるそうに立ち上がると、昨夜の野営の名残であろう焚き木に再び火を燈す。 小さな種火が木々へ燃え移り、次第にパチパチと小さな炸裂音が鳴り始める。 ('A`)「あ、やべ。マッチがもう切れるな。 ワクテカで色々補充しとかねぇと」 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/05(火) 21:13:44.24 ID:MILrhytz0 ('A`)「えーと・・・どれどれ?」 ('A`)「『保存食料』=一食分ギリギリ 『マッチ』=あと3本 『小型時計』=壊れてます 『 医療品』=ございません 『衣服』=全部汚れてます 『水筒』=500ml程度 『煙草』=あと1本 」 (;'A`)「・・・・・・・」 (;'A`)「俺 終 わ っ た な」 ('A`)「絶対・・・・今日中にワクテカに着こう」 一週間の旅により、所持品が瀕死状態に陥っていたのを確認すると、 ドクオは煙草に火をつけながら荷物を鞄の中へ戻していく。 ('A`)「あーやっぱ寝起きの一口目は至極だな」 最後の煙草を存分に堪能した後、 ドクオは立ち上がり背後にある盾の取っ手へと手を伸ばす。 ('A`)「よっこいっせっと」 親父臭い掛け声と供に、ドクオは地面に挿し掛けてあった盾を抜き出す。 そして盾を背中に担ぎ上げると、 足元に転がる 自分が寝ている間に盾を支えていたつっかえ棒を拾い鞄へとしまう。 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/05(火) 21:14:41.57 ID:MILrhytz0 ('A`)「さーて朝の鍛錬と行こうかな。相棒」 盾を両手で支えながらドクオが呟く。 見たところドクオは剣を持っていない。 両手で盾を持っているところから、盾以外の武具は使わないのだろう。 防御専門の盾だけでは殺傷能力は、たかが知れていると思うが・・・ ('A`)「はぁぁああ・・・はあ!!」 盛大な掛け声と供に、ドクオが盾を正面に構える。 そして、その形から左右の足へ交互に体重を移しながら 右向き、左向きと盾を移す。 ゆうに数10キロは有るだろう巨大な鉄塊を動かす度、 ドクオの筋肉が伸縮を繰り返した。 盾を正面に据えたまま推進、後退。 そして突如立ち止まり、裏面の下の取っ手に右手を移すと、 盾を水平にし右手1本で体を盾ごと回転させる。 遠心力の乗った巨大な鉄塊が、風を切り空気を唸ならせる。 なるほど・・・これなら殺傷能力云々は剣にも引けを取らぬだろう。 盾を正面に構え、時には鈍器に変化させながらドクオが舞う。 恐らくこの鍛錬の型は自己流だろう、動きに一定性が見られない。 その後、夜明けまでドクオの舞踊は続いた。 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/05(火) 21:15:20.78 ID:MILrhytz0 (;'A`)「ふぅ・・・良い汗かいた。」 ドクオは空の明るみを確認した後、 鞄から金網、水筒、缶入りの燻製肉、スプーンを取り出す ('A`)「腹が減ってはなんとやら」 ('A`)「さーてクッキング開始」 先ほど取り出した道具を手に抱えこむと、ドクオは焚き木の側へ座り込む。 そして、網と薪を器用に組み合わせ即席コンロを作り出した。 ('A`)「えー今日はアツアツ燻製スープを作ってみたいと思います」 ('A`)「まず、缶の中に燻製肉と水をぶち込みます」 ('A`)「水が沸騰するまで待ちます」 ('A`)「調理工程は以上です。 どうです?とっても簡単でしょう」 誰に教えるでもなく料理工程を丁寧に説明しながら、 ドクオが全工程を終了させる。 ('A`)「・・・」 (;'A`)「・・・・・・虚しい」 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/05(火) 21:16:02.77 ID:MILrhytz0 しばらくすると気泡を泡立てながらスープが沸騰し始める。 早々と最終工程が完了し、 現代のカップラーメンを凌ぐ速さで燻製肉スープが完成した。 (*'A`)「うむ・・・これぞまさに男の料理」 ('A`)「しかと堪能してやるから幸福に思うがよい」 ドクオは、鍋代わりの缶を即席コンロから外し、傍らに置きしばし待つ。 スープが少し冷めたのを確認すると口を付け始めた。 ('A`)「む・・・これは!!」 スープを一口食べるや否や、ドクオは驚愕の表情を浮かべる。 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/05(火) 21:16:49.94 ID:MILrhytz0 (;'A`)「すごく薄い・・・」 燻製肉に僅かに掛けられていた調味料のみの味付けだ・・・ 当然の事だろう。 が、貴重な食料を無駄にすることは出来ず、 しぶしぶながら食べ進めていく。 ('A`)「やっぱり調味料は持っとこ・・・」 思わぬ所で、補給品リストに項目が増える。 ('A`)「もぐ・・・もぐ・・・もぐ」 物憂げな哀愁を漂わせながら、ドクオは朝食を食べ進めていく。 しばらくすると、缶とスプーンがぶつかり合う音が鳴った。 (*'A`)「あー食った食った。今日もご飯をありがとう牛さん」 ドクオは食材に感謝の意を込めながら、食器を片付けていく。 水が残り少ない為か、食器の片付けは軽く布で拭くだけに留め、 ドクオが鞄へと詰め込んでいく。 ('A`)「あーあー・・・・3日前の食器が、 何とも言えぬ香りを醸しだしてるじゃねぇーか」 (;'A`)「夏場の旅は色々と艱難辛苦だから困る」 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/05(火) 21:17:44.35 ID:MILrhytz0 ドクオは立ち上がると、 傍らで燃え滾る焚き木に砂を掛け消火する。 そして、水筒の中身を喉を鳴らしながら飲み干した。 「 ファー…ブルスコ…ファー…ブルスコ…ファ- 」 いつの間にか、頭上では小鳥達のさえずりが聞こえる。 ('A`)「おっと、もうお前らが起きる時間か」 ドクオは空を見上げ、盾を背中に掛ける。 ('A`)「ワクテカ・・荒巻・・カコログ・・神・・覚悟」 そしてドクオは、バーボンハウスで得た情報を羅列しながら、 水平線まで広がる平原を北へ向かって歩み始めた。 ジャンル別一覧
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