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異能者@ お知らせ 問題の方はどうなりましたでしょうか
☆こうさま@ Re[1]:お知らせ(12/05) ご意見有難うございます。 よくよく考え…
異能者@ Re:お知らせ(12/05) いつもまとめてくださり、本当にありがと…
☆こうさま@ Re:メリークリヌマス(12/25) よく考えたら昨日この記事を書いておけば…
*DELAY*@ メリークリヌマス クリスマスは終わってしまったので 来年…

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☆こうさま

Dec 30, 2006
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カテゴリ:カテゴリ未分類
2 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:38:50.77 ID:jC9iK4Vk0
第四話 「少年」


いつの間にか僕の目の前にはまた新しいドアがあった。
それは先程のドアの中で見た彼女の血よりも濃い赤色。
もう、迷うまい。と思い、あっさりと扉に手を掛ける。
また変な感情が湧いてきたが気にしない。
この表現は決して作者がめんどくさくなったわけじゃないぞ。うん。

そして、そのまま扉を閉めると、
目の前には、今度は思ったより平凡な光景が浮かんできた。

それは僕にも見覚えのある光景だった。

無機質さを剥き出しにした、金属で出来たパイプ、そして、金属の板、
その上に、それとは対照的である物質で出来た茶色い板が乗っている。
なんだか見覚えがある物体。
そして、それが、6列6行の規則的な形で並ぶ。
その隊列の一番前には、一番大きいそれが陣取っている。
さらにその奥の壁には深緑色の大きな板が貼り付けてあり、
その両脇には四角い縁に囲われたガラス板が並んでいた。

そうだ、ここは学校の教室。

3 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:39:20.28 ID:jC9iK4Vk0
僕は懐かしい思いに惹かれ、すっと、机の上を撫でてみる。
なんだか硬いようで柔らかい感触がした。
そしておもむろに椅子を引き、机との間に出来た隙間に腰を落ち着ける。

ここは、中学校だろうか、高校だろうか?
残念ながら、それを判別できるものは無かったが、
それでもノスタルジーを感じるには充分の場所だった。


「おい」


不意に僕は誰かに呼ばれる。
その声は冷たく、何か敵意のようなものを感じた。
そして、教卓のほうに視線を上げるとそこには一人の少年がいた。

4 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:40:00.98 ID:jC9iK4Vk0
('A`)「お前だよ。そこの口がニヤけてるお前」

服装は学ランで、上着の下には白シャツではなく、
派手なプリントのTシャツ。
そして、ズボンは本来の腰の位置よりも深くずり下がっていた。
さらにその上を見ると、
その髪は金色に輝き天を指すかのように尖っている。
その目は細かったが、全てのものを威嚇するかのように鋭い。
しかし、その表情は幼くも見えた。
彼は椅子ではなく、机の上に直接だらしなくあぐらを書いている。

5 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:40:37.61 ID:jC9iK4Vk0
(;^ω^)(DQNだお…)

そう思うと僕は額に冷や汗を感じる。こういうタイプの人間はどうも苦手だ。

(;^ω^)「…な、何か用ですかお?」

どうみても年下の彼に、僕は思わず敬語になってしまった。

('A`♯)「あ゛っ!?…喧嘩売ってんのかコラ!!シメるぞ!!」

こういうタイプは会話が成り立たないから嫌いだ。

('A`♯)「人のホームに勝手に足踏み入れやがってよぉ!!」

DQNに足りないもの。それはカルシウムである。と僕は思った。

('A`♯)「どう落とし前つけてくれるんじゃコラ!!」

(;^ω^)「…別に僕は何もしてないですお」

('A`♯)「ハァ!?ボコすかこのガキ!?」

ガキなのはお前である。

6 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:41:05.87 ID:jC9iK4Vk0
('A`)「…まぁいい。これからお前にやってもらう事がある」

そう言うと彼は教卓から降り、
黒板の一番下についている引き出しを強引に開ける。
そしてそこから一本の白い棒を取り出した。
次におもむろにその棒を黒板に叩きつける。
途中、棒が折れてしまったが、それでも彼は気にしない。
そしてその行為が終る頃にはこう書かれていた。

『粉し会い』

7 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:41:41.55 ID:jC9iK4Vk0
(;^ω^)「『こな…し…あい』?って何ですかお…?」

('A`♯)「『こなしあい』じゃねぇ~~~ッツ!!!」

しかし、次に彼の口から驚愕の言葉が出てきた。




('A`♯)「『殺し合い』だ!!『コ!ロ!シ!ア!イ!』」

(;^ω^)「なんだってー!!(AA略)」

と、叫びつつ、『合い』が『会い』であることを突っ込もうとしたが、
話がこじれるのでやめておいた。


8 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:42:19.51 ID:jC9iK4Vk0

('A`♯)「テメェ頭悪ィだろ!!」

頭が悪いのは(ry

('A`)「とゆうわけで、みんなには殺し合ってもらいます」

どこぞのヤクザ教師が吐いたような台詞をそっくり吐き出した。
しかも、『ゆう』ではなく『いう』で(ry

9 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:43:07.68 ID:jC9iK4Vk0
しかし、その言葉とは裏腹に、表情には寒気の走るものがあった。
目の前にあるものは全て殺す。
そんな意志があるようかのように、残酷な笑みをうすら浮かべる。

('A`)「というわけだ。お前、10秒以内にこの教室から出ろ。
   それがスタートだ」

彼がそう言うと、僕の表情は凍りついた。

('A`)「とっとと出ていかねえと、お前を



   殺す」

その手には鈍く、黒く、輝く銃が握られていた。

10 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:44:12.02 ID:jC9iK4Vk0
彼の目に本気を感じ取った僕は急いで教室を後にした。
本能が生命の危険を叫ぶ。決してこれは冗談の類ではない。
その証拠に、彼の口元こそ醜く歪んでいたが、目は笑っていなかったから。

(;^ω^)「おっ!?」

僕の目に映ったのは深緑色のワックスで怪しく輝く廊下。
そして、その上を歩く、彼と同じ服を着た生徒達だった。
しかし、僕はすぐに異変に気づく。
彼らの僕を見る目。それはまさに教室にいた少年と同じものだった。

11 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:44:38.67 ID:jC9iK4Vk0
「……殺せ」

不意に誰かが呟く。

「……殺せ……殺せ」

他の誰かがそれに合わせて呟く。

「……殺せ……殺せ……殺せ」

「殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!
 殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!
 殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!」

その声はまるで何かの生物みたいに生々しく、
言葉と言葉が絡み合い、無気味な音を生み出していく。

12 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:45:11.41 ID:jC9iK4Vk0
(;゜ω゜)「うわあああああああああああああああああっ!!!」

そこには、今までかつて感じた事のない恐怖があった。
そう、一言で言えば『壊れている』。
その言葉がもっとも今の状況に相応しい。

僕は本能的に、無造作に床に落ちていたモップを拾い上げる。
それを必死に振り回しながら、走っていく。

走る。飛ぶ。転ぶ。起き上がる。
ただ、夢中で体を動かしていた。

何度この行為を繰り返しただろうか?
気がつけば僕は校門の前まで出ていた。
そして、そのままアスファルトの上を駆け出す。
周りは閑静な住宅街であるようだった。


14 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:45:55.39 ID:jC9iK4Vk0
(;゜ω゜)「ハァ…ハァ…」

学校が見えなくなると僕は、その場にへたれこんだ。
そして、気が付くと、モップを持つ右手が軽くなっていることに気づく。
腕から先のほうへ視線を動かしてみると、そこにあるはずの、
ふわふわとした、柔らかい部分がごっそりとなくなっていた。
いや、モップの頭すらない。
握ったところの30センチ上の方では棒が鋭く、ささくれ立っていた。
その切っ先を見て、さらに僕は青くなる。

赤、赤、赤。

その折れてしまった部分は赤く染まっていた。

15 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:47:02.67 ID:jC9iK4Vk0
(;゜ω゜)「うあああああああああっ!!」

僕は急いで、それを投げ捨てる。

誰かを殴ってしまったのか、刺してしまったのか、
どうしてそうなったかは覚えていなかった。
だが、その事実はどうであれ、戦慄を感じずにはいられなかった。
そうだ、これでは彼らと同じだ。
このまま、殺し合いを続けていたら僕も狂ってしまう。
心の中に、彼らと同じ、どろどろとした、どす黒いものがあるなんて、
絶対に信じたくはない。
…そうだ。この世界から抜け出せばいいんだ。
いつもみたく、ドアを通って。

(;^ω^)「…絶対に…僕は…抜け出してやる」

無理矢理、そう結論づけたのを、僕は口に出し確認する。
いや、そうしなければ、自分を保ってはいられなかったのだ。

しかし、次の瞬間。

16 名前:猪(音速)[] 投稿日:2006/12/22(金) 19:47:34.13 ID:jC9iK4Vk0
目の前に、大きな鉄の塊が猛スピードで向かってきた。
それは、正面から見ると、正方形に近い四角。
その真ん中には、ガラスでできた長方形の壁。
その壁の向こうには、血走った目をした男が何か叫んでいるように見えた。
そして、その口元は裂けるようにして歪んでいた。

(;゜ω゜)「おおおおおおおおおおっ!!!!!」

僕は反射的に慌てて頭から飛び込んだ。
その先には胸ほどの灰色のブロックでできた塀。
それを超えると、次に緑色の茂みが近づいてくる。

一方その鉄の塊―――トラックは、塀に吸い込まれるように進み、
そのままそれ自身と、灰色を削っていく。
二つの接触点からガリガリッ、と火花を散らす。
そして、100mほど進んだあと、そのまま電柱に衝突し、
僕の小さな耳には入りきらないほどの轟音を立て、黒いもやを吐き出した。







Last updated  Dec 30, 2006 08:26:50 PM
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