876284 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【お気に入りブログ登録】 【ログイン】

LOYAL STRAIT FLASH ♪

合作第4章下

475 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:06:03.14 ID:VAWkGF9I0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー( ^ω^)sideーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

( ^ω^)『昨日は僕がクーさんにご馳走しましたお。
       だから今度はクーさんが僕にご馳走してほしいですお』

僕がそう言うとクーさんは涼やかに笑い、バックバーの前に立った。
慣れた手つきで氷をアイスピックで丸く削り、ロック・グラスにそれとスコッチ。アマレットを注ぐ。
その両手は透き通って今にも存在を失おうとしていて、
僕は溢れそうになる涙を必死に堪えた。

川 ゚ -゚)『ゴッドファーザーと言うカクテルだ。今の君に最も相応しいカクテルだと思う』

僕の前のコースターにそっと置く。

( ^ω^)『クーさんも一緒に飲むお。乾杯するお』

そう言うとクーさんは悪戯っぽくニヤリと笑った。

川 ゚ ー゚)『それではお言葉に甘えようかな。我が人生最後の1杯だ。
     君が選んでくれ。わたしの後継者を彼女に持つ男のセンスを見せてもらおうか』

( ;^ω^)『責任重大だおwwwオーガズムとか、セックスオンザビーチってカクテルなら知ってるけど…。
       そうだ!! カルーア・ミルクみたいな…チェリーが飾ってあるカクテルがあった筈だお!!』

それを聞いたクーさんはグラスにカカオ・リキュールを注ぎ、生クリームをフロートしてからチェリーを飾った。

川 ゚ ー゚)『おそらくお前が言っているカクテルはこれの事だろう。
     それにしても、このカクテルをチョイスしてくるとは驚いたな。
     なるほど、わたしの最後に相応しいカクテルかもしれん』


476 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:07:40.57 ID:VAWkGF9I0
 カクテルを作り終えたクーさんはバーカウンターから出ると、僕の隣に腰を下ろした。

( ^ω^)『…なんか不思議な気分ですお』

川 ゚ -゚)『そうだな。でも、一度こうしてみたかったんだ』

本当に不思議な気分だ。
話したい事はたくさんあるはずなのに、その水のように透き通った手を見ていると何も言葉が出てこない。
ただ悪戯に何よりも貴重な時間が過ぎていく。

( ^ω^)『…あと何時間残っていますかお?』

川 ゚ -゚)『…2時間といった所か。力を残した状態でブタ君に返さなくてはいけないから、
     そう考えると1時間がせいぜいだろうな』

あと1時間。
たったそれだけの時間でクーさんはまた消えてしまう。
僕はそれが悲しくて、できる限りの抵抗を試みた。

( ^ω^)『…僕は…少しでも長い時間一緒にいたいですお』

川 ゚ -゚)『…それは出来ない』

( ^ω^)『…安価で決めませんかお? 1、1時間 2、2時間 で』

川 ゚ -゚)『絶対 3、おっぱいうp になるから断る』

( ;^ω^)『ですよねー』


478 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:08:49.21 ID:VAWkGF9I0
 クーさんは目の前のカクテルグラスを見つめている。
その瞳にグラスの中のチェリーが写っていて、とても綺麗だった。

         川 ゚ -゚)『わたしはあと一時間で死ぬ』

クーさんは妙にさっぱりした顔で言う。
なんで…なんでこの人はこんなに強いんだろう。
なんで目前に迫った死を怖れないんだろう。

川 ゚ -゚)『そんな事は無いぞ。わたしだって死ぬのは怖い』

突然答えられてびっくりしたけど、すぐに気がついた。

( ^ω^)『【欠片】かお…びっくりさせないでほしいお』

川 ゚ -゚)『あぁ。ショボンにも同じ事をしたよ。これが中々面白いんだ』

( ;^ω^)『極悪非道だお』

僕は頬杖をついて非難の言葉を口にしながらロック・グラスを口元に運ぶ。

( ;^ω^)『お?』

川 ゚ -゚)『む? どうした?』

( ^ω^)『これ…美味しいですお。杏仁豆腐の味がしますですお』

川 ゚ -゚)『当然だろう。わたしが作ったんだぞ。このゴッドファーザーこそ、わたしから君に送る最後のメッセージだ』

クーさんは曇りひとつ無い目で僕を見据えて言った。

479 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:10:00.05 ID:VAWkGF9I0
 ( ^ω^)『最後の…メッセージ…』

そう言われると、この金色の液体が同量の純金よりも貴重なものに思えてくる。

( ^ω^)『ゴッドファーザーってあれですおね? ぽぺぺぽぺぺぺぽぺぺぺぺ~…って』

僕はDQNがバイクのクラクションで鳴らしているお馴染みの音楽を口にする。

川 ゚ -゚)『そうだ。だが本来、ゴッドファーザーとは【祖父】【名付け親】の意味だ。
     そしてもう1つ。マフィアの【ボス】に対する敬称でもある』

そう言ってクーさんはカウンターテーブル越しに缶ビールを探し当て、引っ張り出す。
『ビールは太る』って人がいるけど、それは絶対に嘘だ。
少なくとも、僕の目の前のこの人はあんなに浴びる様に毎晩毎晩ビールを飲んでも
一切太っていなかったのだから。

( ^ω^)『僕に…【ボス】と言われるような存在になれって事ですかお?』

川 ゚ -゚)『一言で言ってしまうとそうなる。
     これはわたしの解釈なのだが、はみ出し者であるマフィアにとって【ボス】とは
     己の全て。護るべき光だ。
     その言葉どおり、名前すら持たない浮浪少年に名前を与えた者だっていただろう。
     誰もが持つ【名前】すら持たない彼にとって、
     その与えられた【名前】は本当に神聖な物だったとわたしは思う。
     わたしはな…内藤に全ての人に希望の光を与え、その暗闇の人生を照らす。
     そんな人間になってもらいたいんだ』




481 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:11:02.54 ID:VAWkGF9I0
 ( ^ω^)『……』

あまりにも過ぎた要求であるように思えた。
全ての人に希望の光を与え、その暗闇の人生を照らす存在。
それは僕にとっての道標【みちしるべ】。
クーさんの存在そのものだったからだ。

( ^ω^)『僕に…出来ますかお…』

川 ゚ -゚)『出来るさ』

クーさんはそう言ってビールの缶を口元で傾ける。
それを30秒ほどで空にすると、またカウンターテーブルの奥に手を伸ばした。

川 ゚ -゚)『わたしが君に伝えた全てを。君が引き継いでくれればいいだけだよ』

それが難しいんだけどなぁ。僕は苦笑する。

川 ゚ -゚)『そんな事は無いさ』

クーさんはさらりと言ってのけた。

川 ゚ -゚)『お前もバカショボンと同じで難しく考えすぎなんだ。
     どれ。目を瞑ってみろ。そして、君がこの店で経験した全てを思い出すんだ』



483 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:12:35.17 ID:VAWkGF9I0
僕は言われたとおり目を閉じ、今までの事を思い出す。

ドクオの包丁をダメにしかけてしまった事。
   …あの時は本当に悪い事をしたなぁ。

ギコさんに包丁の使い方を教わった事。
   …厳しかったけど…今では本当に感謝している。

ツーさんと麺場で毎日のようにランチタイムを乗り切った事。
   …ツーさん。本当は自分が麺場を担当したかった筈なのに…
   僕に自分が知る全てのテクニックを教え込んでくれた。

ショボンさんと炒飯を作った事。
   …あの頃は毎日食事が炒飯だったっけ。

そして、勿論。仕事後にこのバースペースで過ごした無駄話だらけだったけど何より貴重な時間。

それだけじゃない。
ツン。しぃ。ジョルジュさん。アルバイトのイヨゥ。味にうるさい常連のお客さん。青果業者のおじさんまで。

ここで僕の回りにいてくれたみんなの顔が瞳の奥に現れる。

( -ω-)『…本当に色々な人に会って…色々な人に助けられて…色々な事がありましたお…。
      こんなに短い時間だったのに…こんなにたくさんの事があったなんて嘘みたいですお』

川 ゚ -゚)『そうだろう。しかし、それは何も特別な事じゃないんだ』

( ^ω^)『え?』

裏返った声を上げて僕は目を開いた。

488 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:14:13.39 ID:VAWkGF9I0
 川 ゚ -゚)『誰かが誰かの光になる。それは何も特別な事ではない。
      真剣に誰かを思いやり、時には本音をぶつけあって衝突する。
      それだけでいい。そうする事で人は誰かの道を少しだけ照らす事が出来る。
      それが集まればやがて大きな光になる。
      なにも難しくないんだ』

( ^ω^)『僕に…出来ますかお…』

僕は2度目の疑問を口にする。

川 ゚ -゚)『出来るさ』

クーさんは2度目の即答を返す。

川 ゚ -゚)『なぜならば…』

言いながらクーさんはその透き通る両手で僕の頬を包み込んだ。
その掌からはすでに存在感を感じなくなっていた。
頬に触れる感触もまるで無い。

川 ゚ -゚)『お前は…みんなからの光を全身に浴びて…こんなにも輝いているではないか。
     わたしには内藤。お前が全ての人を優しく照らす太陽のように感じられる。
     今だってお前はわたしを照らしてくれているんだ』

…でも、僕は忘れないだろう。
この悲しいまでに優しい掌の温もりを。




492 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:16:48.39 ID:VAWkGF9I0
 ( ^ω^)『僕が…クーさんの光…?』

考えた事もなかった。
だって、クーさんは僕にとっての道標【みちしるべ】で…永遠に手が届かない筈の存在だったから。

川 ゚ -゚)『内藤。わたしは思うんだ』

クーさんは僕の瞳をじっと覗き込みながら言う。

川 ゚ -゚)『光とは…一方通行では決して無い。
     誰かが誰かを照らす時。その彼もまた誰かの光を浴びている。
     そうやって誰かと誰かが導きあって、その輝きを増していくんだ』 

クーさんは真剣な表情でそう言った。

正直、僕には荷が重いと思う。
今まで僕は助けられてばっかりの存在だったし、誰かの為になんて考えた事もなかった。

でも…。
それでも、僕はやってみようと思う。
全ての人に希望の光を与え、その暗闇の人生を照らす。
そんな道標【みちしるべ】になってやろうと思う。

この人が僕を光だと言ってくれたから。
消えゆくその身を顧みず、僕に伝えてくれた最後のメッセージだから。

( ^ω^)『クーさん…分かりましたお。僕は…誰かの光として…これから生きていきますお』



498 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:18:09.41 ID:VAWkGF9I0
 川 ゚ -゚)『分かってくれたか』

そう言ってクーさんは満足したように笑った。
まるで、全てをなし終えた…一日の仕事を終えた皆が見せるあの笑顔だった。

川 ゚ -゚)『これでようやく…全て終わったな』

それは奇跡の時間が終わる事を告げる一言。
再び、永久の別れが始まる事を告げる一言。

( ;ω;)『…行ってしまうんですかお…?』

僕の問いかけにクーさんは小さくコクリと頷く。

川 ゚ -゚)『もう…力が…残っていないんだ。これから少しの時間だけ…一人にしてくれないか?』

その言葉に僕は首をこれでもかと横に振った。

( ;ω;)『僕は…僕は最後の瞬間までクーさんと一緒にいたいですお』

そんな僕を見てクーさんはいつも見せてくれていた微笑みを浮かべ、それでも僕と同じ様に首を振った。

川 ゚ -゚)『ダメだ…もうダメなんだよ』

そう言ってクーさんは立ち上がると、スカートの裾をそっと持ち上げる。

( ;ω;)『…え?…』

504 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:19:40.37 ID:VAWkGF9I0
 川 ゚ -゚)『見ろ内藤。
     わたしの終わりはもうここまで進行してしまっている。
     私自身全く想像していなかったのだが、
     消滅の進行を制御するにはとんでもない痛みが…
     そうだな。傷跡に焼けた鉄を押し当てられるような痛みを伴ってな。
     正直、今こうして話しているだけでも痛みで気を失いそうなんだ』

たくし上げられたスカートの奥。
そこには、本来あるべき細い足がすでに存在していなかった。
ちょうど膝から下が完全に消滅していて、
その切断部分(?)も流れ落ちる砂時計のようにゆっくりと消え去っていく。

( ;ω;)『…これは…ひどい…あんまりだお…』

薄い灯りのせいでよく分からなかったけど、
よく見ればその顔は心なしか青ざめ、額には玉の様な汗が浮かんでいる。

川 ゚ -゚)『内藤。
     死んでいる身とは言え、わたしだって女だ。
     惚れた男の前で痴態は晒したくない。
     どうか…わかってくれないか?』

それでもクーさんは顔をピクリとも歪めず、そこに立っていた。



506 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:20:44.06 ID:VAWkGF9I0
( ;ω;)『…分かりましたですお』

その確固たる決意と嘆願を織り交ぜた表情を見て、僕は席を立つ。

あぁ。
こんな時でも。
いや、こんな時だからこそなのか?
やっぱり、クーさんはクーさんだ。
どこまでも真っ直ぐで。
どこまでも凛々しくて。
どこまでも格好いい。

クーさんは向かい合って立つ僕の頬をすでに存在しない掌でそっと撫でると、
ゆっくりと顔を近づけてきた。

川 ゚ -゚)『これはカクテルの礼だ。
     ツンには言ってくれるなよ』

僕の唇にクーさんの柔らかいそれが押しあてられ、
1・2・3・4・5とちょうど数え終わったところで静かに…名残を惜しむように離れた。

川 ゚ -゚)『さよならは言わないぞ、内藤ホライゾン!!
     さぁ、行け!! わたしが照らした君の道をどこまでも駆けて行け!!』

その言葉を背に受けながら、僕は一人バースペースを後にした。
扉を閉じると、そこに背を預けて膝を抱えて座り込む。


そして、静かにその時が訪れるのを待った。


509 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:21:58.77 ID:VAWkGF9I0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー川 ゚ -゚)sideーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

わたしは内藤が扉を出るのを確認すると、倒れこむように椅子に座り込んだ。
全身が酷く痛む。
時間はもう残っていなかった。
消滅は波が岩を削り取るようにゆっくりと。
だが、確実に体を侵食していく。

川 ゚ -゚)『っ!!』

わたしが命じると【欠片】はその姿を変え、元の結晶に姿を変えた。
宝石に例えるならばアメジスト。
それが【欠片】の正体。
だが、それはすでに色を失いただの白い石のように見えた。

余談だが、背中の翼は崩れ消え去ろうとしているがまだそこにある。
ひよこがプリントされた下着。
それこそが【欠片】だった。

川 ゚ -゚)『…なんだかスースーするな…高校時代、水溜りに尻餅をついたとき以来の感覚だ』

もし、あの時わたしの持つ【欠片】が下着だと教えてやったらギコはどんな顔をしただろう。
そう考えてわたしは一人吹きだしてしまった。

川 ゚ -゚)『…色々な事がありすぎた一日だったな』

わたしは想う。
わたしの人生とは一体なんだったのだろうか。


514 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:24:15.98 ID:VAWkGF9I0
 死にたくないのに殺され、気付いたら死の記憶を全て持って生き返った。

愛する人と再会しいきなり顔射され、幼女になり、空を駆けた。

親友と拳を交え、戻れない過去を語り、別れを告げた。

ライバルと雌雄を決し、愛する人と唇を交わし、そしてまたこの世を去ろうとしている。

それでもわたしは断言できる。
奇妙な…それでも最高の人生だったと。

川 ゚ -゚)『もし、生まれ変われるならばもう一度彼らとともに…』

そう言いかけて苦笑する。未練だな。

わたしは全く口をつけていなかったカクテル【エンジェル・キッス ~天使の口づけ~】を高く掲げた。

川 ゚ ー゚)『素晴らしい人生と…その仲間達に乾杯』

一息に飲み干した瞬間。
その時が訪れた。

慣れ親しんだバースペース内を白光が静かに弾ける。



その光が消え去った時。
わたしは完全にこの世界から消滅していた。

         飲み終えたグラスと、主を失った白い小石がカウンターテーブルに寂しく転がっていた。

522 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:27:00.30 ID:VAWkGF9I0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(主^ω^)sideーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

( ^ω^)『みんな…終わりましたお』

扉が静かに開けられ、彼が姿を現した。
その右手には小さな白い小石が乗せられている。
僕はそれを受け取ろうとして手を止めた。

間接的とは言え、僕はこの世界の人達をひどく傷つけたのだろう。
愛する人を失う痛みを2度も味あわせてしまった僕に、これを受け取る資格はあるのか?
そう考えると、これ以上手が動かなかった。

( ^ω^)『バカな事考えてるんじゃないお。
       クーさんも僕らも…感謝こそしてるけど恨んでなんかいないお』

(主^ω^)『おっ?』

僕は彼の顔を見る。
彼もまた、僕の顔を見てニヤニヤと笑っていた。

(´・ω・`)『…!! そうか!! 【欠片】の…!!』

( ^ω^)『はい。そのとおりですお』

彼はしょぼくれさんから僕のほうに振り返ると、彼なりに真剣であろう表情で言った。


527 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:28:48.84 ID:VAWkGF9I0
 ( ^ω^)『…この一日。僕らはとても幸せだったお』

(*゚ー゚)『クーさんが死んじゃった時…とても悲しかった』

('A`)『あまりに突然すぎて…ここにいる全員がずっと心の奥底でそれを受け入れられずにいたんだ』

(*゚∀゚)『でも、クーさんは今日…わたしらにたくさんの贈り物をくれた…
     また消えちゃったのは悲しいけど…なんだか今はとても暖かい気分さっ!!』

( ^ω^)『ホントはお前なんかに渡したくないけど…受け取ってほしいお。
       クーさんもそれを望んでいたんだお』

彼はそう言って僕の手に無理矢理【欠片】を握らせる。

(主^ω^)『……!! なんだお…これ…』

【欠片】の世界の住人である僕には分かる。
力の大半を失ったはずのそれからは、溢れるほどの…何か別の力を感じる。
とても熱くて…重い。

( ^ω^)『…当然だお。この【欠片】にはクーさんの…僕らの想いが詰まっているんだお』

彼はそう言って【欠片】から手を離した。


533 名前: DJ(埼玉県)[] 投稿日:2007/03/20(火) 00:30:39.07 ID:VAWkGF9I0
 ( ,,゚Д゚)『過ぎ去った時は戻らねぇ。
      絶対に後悔する道を選ぶんじゃねぇぞゴルァ』

(´・ω・`)『…想う心は力になる。
      不可能を可能にし、可能を不可能にするほどの力だ。
      それを忘れないでくれよ』

ξ゚△゚)ξ『悩む前に走りなさいっ!! 
     そんなあんたを支えてくれる人が必ずいるはずよっ!!』

(主^ω^)『……っ!!』

僕は顔を上げる。
もう僕は迷わない。
どんなに苦しくても、辛くても。
必ずFOXを倒し、僕の世界を取り戻してみせる。

僕は自分の欠片を握り締め、意識を集中した。
体が光に包まれる。

主^ω^『僕は行くお…FOXを倒したら必ずまたここに来る…
     そして、あの人のお墓にお礼を言いに行くお』

さようなら。この悲しくも美しい世界。そういい残して僕の体は別世界に飛翔した。
最後に僕にそっくりな声が叫ぶ声が聞こえた。



         さよならは言わないお!!
         僕達の想いを手にして君の道をどこまでも駆けて行けお!!


Copyright (c) 1997-2017 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.