LOYAL STRAIT FLASH ♪

2006/12/30(土)20:31

( ^ω^)ブーンはユメクイのようです(第五話一)

5 名前:猪(甘党)[] 投稿日:2006/12/23(土) 20:21:09.56 ID:vbwFTNTZ0 第五話 「彼女」 僕は再び白い壁を眺めていた。 いつの間にか足の傷は何事もないように治っている。 しかし、僕の頭は、それとは違う思考でいっぱいだった。 そもそも、一体この白い部屋は何処なんだろうか? そんなことを僕は考えていた。 しかし、謎を解くにはここには材料が無さ過ぎる。 とりあえず、ここから出ないと… しかしこの部屋には、どこにも出られるところは無い。 だったら、壁でも壊してやろうか…? と思った瞬間。僕の手にはハンマーが握られていた。 ( ^ω^)「…やってみるお」 僕は壁の前に立ち、思いっきりそれを振りかぶる。 しかし、次の瞬間、僕は予想とは違った感覚を手に覚えた。 6 名前:猪(甘党)[] 投稿日:2006/12/23(土) 20:21:48.10 ID:vbwFTNTZ0 ぼよよん。 そんな擬音がぴったりであろうか? 幾ら叩いても、跳ね返るばかりで、ヒビすら入らない。 その後、ドリルやつるはし、斧やチェンソーなど、 もっと強力な道具を思い浮かべ、それを手に取ったが、 結果はやはり同じだった。 (;^ω^)「なんなんだおこれは?」 さっぱりわけわかめである。 そうこうしているうちに、また目の前の空間は真っ白になる。 8 名前:猪(甘党)[] 投稿日:2006/12/23(土) 20:22:19.94 ID:vbwFTNTZ0 しかし、今回はいつもとは違う変化だった。 その眩しさはいつまで経っても、消える事は無かったのだ。 眩しさに目が眩みつつも、僕は薄目になりながら目の前を見る。 そこには、今までと同じく、ドアがそびえ立っていた。 しかしその色は、一番最初の黄色よりも、 この部屋の色の白よりも眩しく、 それでいてなお、金色のように鮮やかだった。 僕はゆっくりと足を進める。 そして、そのドアノブに手を伸ばす。 いつもならば、違和感と吸い込まれる感覚、 その二つを感じていたが、今回はそれが無かった。 むしろ、暖かくて何か懐かしい感じ。 僕は迷わずドアを開けた。 9 名前:猪(甘党)[] 投稿日:2006/12/23(土) 20:22:53.36 ID:vbwFTNTZ0 しかし僕はドアを、思わず閉めるのを忘れてしまった。 それくらい、その光景は美しかったから。 空は黒に染まっていたのにも関わらず、辺りは明るかった。 そこは大きな門の前。 その門には電飾が所狭しと並べられている。 もしかしたらこの世の全ての鮮やかな色が、 そこには有ったのかもしれない。 それが、天井の黒との対比で鮮やかに浮かぶ。 ( ^ω^)「………はっ!?」 僕は慌てて後ろのドアをようやく閉める。 そして振り返ると、一人の男が立っていた。 10 名前:猪(甘党)[] 投稿日:2006/12/23(土) 20:23:25.71 ID:vbwFTNTZ0 頭はアフロへアーでその色はまぶしいほど赤く、 顔は白く塗られていて、その中心には赤い玉があった。 服は、赤白青の三色の布を縫い合わせたような変な形をしている。 (;^ω^)「ドッ…ドナルド!?」 では無くピエロのようだった。 彼はなにやら左手に何かを持っていた。 それは上に伸びた数本の紐のようなもの。 その一本一本の先にはちょっぴり細長い球体。 それらの色は一つ一つ違っている。 そして彼はそのうちの一つを僕に手渡してきた。 反射的に僕はそれを受け取る。 そして彼は頭を下げ、右手の肘を曲げ、 手の平を胸に当てて、深くお辞儀をした。 その後、彼は右腕を門の方に地面と平行に伸ばす。 11 名前:猪(甘党)[] 投稿日:2006/12/23(土) 20:23:59.23 ID:vbwFTNTZ0 (;^ω^)「入れ…ってことかお?」 彼は無言で頷いた。 それと同時に閉ざされた門は開く。 すると地面から、色とりどりの光が、 レーザーのように真っ直ぐと、ばらばらに伸びる。 それは門を照らし、その色をさらに鮮やかにする。 (;^ω^)「おお~~すげ~~」 もはや、その言葉しか出てこない。 というか、その美しさを形容する言葉が出てこなかった。 僕の足はゆっくりと門に吸い込まれていく。 12 名前:猪(甘党)[] 投稿日:2006/12/23(土) 20:24:38.56 ID:vbwFTNTZ0 (;^ω^)「うわあ…」 門を抜けたとき、もはや言葉らしい言葉を出すのが躊躇われた。 思わず風船を放してしまう。 僕の目の前を横切るのは一つの隊列。 その先頭にはシンバルを持ったサルのぬいぐるみ。 着ぐるみではなく、ぬいぐるみである。 それが生き生きと動いている。 その後ろには、ラッパを吹くネコのぬいぐるみ。 さらに、太鼓を叩くイヌのぬいぐるみ。 ライオンのぬいぐるみが雄々しく歩いている思えば、 その上をカエルのぬいぐるみが飛び跳ねている。 ニワトリのぬいぐるみが美しい声で歌えば、 ウサギのぬいぐるみがダンスで応える。 それは、不思議で別世界のような光景だった。 そして、その隊列の行進が通り過ぎた頃、 僕の目に一つの人影が写っていた。 14 名前:猪(甘党)[] 投稿日:2006/12/23(土) 20:25:14.09 ID:vbwFTNTZ0 ξ゚ー゚)ξ 「いらっしゃい」 それは、僕と同じ位の年頃だろうか? 背丈は僕より頭一つ小さい位。 服装は、純白のワンピース。 髪は、少し茶色く、毛先はくるりと渦巻いている。 肌は、そのワンピースに負け無いくらい白く、 透き通っているように見えた。 (;^ω^)「………」 先程の赤い扉の中の出来事もあり、少し身構えたものも、 彼女はただ、優しく微笑んでいるだけだった。 その笑顔を見ていると、なぜだか分からないけど癒される。 そしてどこかしら、懐かしい感じがした。 15 名前:猪(甘党)[] 投稿日:2006/12/23(土) 20:25:35.89 ID:vbwFTNTZ0 ξ゚ー゚)ξ「…?…どうしたの?」 (;^ω^)「あっ!?いや、なんでもないですお」 ξ゚ー゚)ξ「ふふふっ。別にそんなにかしこまらなくていいわよ」 (;^ω^)「そうですかお…」 ξ゚ー゚)ξ「別に敬語じゃなくていいわ」 (;^ω^)「…んじゃ、お言葉に甘えて…」 ξ゚ー゚)ξ「…相変わらずね」 その言葉に僕は何か引っかかった。 彼女は、僕と会った事があるのか? いや、というかむしろ僕が彼女に見覚えがあった。 しかし、誰だったかは上手く思い出せない。 17 名前:猪(甘党)[] 投稿日:2006/12/23(土) 20:26:06.00 ID:vbwFTNTZ0 (;^ω^)「…つかぬことを伺いますが…何処かでお会いしましたかお?」 ξ♯゚△゚)ξ「ああ~っ!!もうまどろっこしいわね!!        タメ語でいいって言ってんの!!」 Σ(;゜ω゜)「はうあっ!!…はっ…はいですお!!」 彼女の天使のような微笑が、急に修羅の顔へと変わっていく。 そのギャップに僕は驚いた。 ξ゚△゚)ξ「まったくもう…キャラ変えるのも疲れるわ」 (;^ω^)「…で何処かで会いましたかお?」 ξ♯゚△゚)ξ「うっさい!!次敬語で喋ったら、鉄拳喰らわすわよ!!」 Σ(;゜ω゜)「ひいっ!!…イ…イエッサー!」 彼女の迫力には何故か逆らえないものがあった。 なぜか反射的に返事をしてしまう。 18 名前:猪(甘党)[] 投稿日:2006/12/23(土) 20:26:45.55 ID:vbwFTNTZ0 ξ゚△゚)ξ「んじゃあ、行くわよ。付いてらっしゃい」 (;^ω^)「はい…」 僕の質問は何処へいったのだろうか? 疑問をよそに、彼女は僕の手を引っ張り、駆け出していく。 (;^ω^)「何処に行くんでs…だお?」 ξ゚△゚)ξ「ジェットコースターに乗るわよ!!」 その視線の先には、赤色に輝く巨大なレールがあった。 次第に、そのレールは大きくなっていく。 そして、その根元には無骨な鉄でできた階段。 しかし、その色は照明のせいか鮮やかに輝いている。 彼女はハイヒールを履いているにも関わらず、 器用に階段に駆け上がっていく。 そして、その先にはジェットコースター。見てみると、 それの先頭にはネコの顔が彫られた可愛らしいものだった。 19 名前:猪(甘党)[] 投稿日:2006/12/23(土) 20:27:23.26 ID:vbwFTNTZ0 ξ゚△゚)ξ「安全器具つけた~?」 ( ^ω^)「はいだお」 僕は首元に厚いスポンジのようなものが巻かれたパイプを固定して、 横に座る彼女に返事をする。 ξ゚△゚)ξ「んじゃ、レッツゴ~!!」 その掛け声とともに、ジェットコースターは出発する。 (;^ω^)「おおおおおおおお!!」 体に急激なGを感じる。 ジェットコースターってレベルじゃねえぞ!!

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