2007/02/06(火)23:19
( ^ω^)が料理人になるようです(第十六章下)
45 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/26(金) 00:48:48.03 ID:CWRlad7X0
12月24日。
いわゆるクリスマス・イブ。
しかも金曜日。
忘年会の予約客と押し寄せるカップル客の波状攻撃に厨房は混乱の渦の真っ只中にあった。
( ;^ω^)『ド、ドクオッ!! すまないがローストビーフのスライスを頼みたいお!!』
(;'A`)『無茶言うんじゃねぇ!! こっちだってケツ叩かれっぱなしなんだ!!
熱っ!! クソッ!! 誰だ!! 海老の尻尾切ってないじゃねーか!!』
(*゚∀゚)『ブーちゃん!! こっちに貸しな!! イヨゥ君頼んだよっ!!』
(;=゚ω゚)ノ『何言ってるよぅ!! 僕だってドクオさんのフォローで手一杯だよぅ!!』
(*゚∀゚)『さっきドサクサ紛れにわたしのお尻触った人がいます』
(#'A`)『あんだと…?』
(;=゚ω゚)ノ『ローストビーフでも何でもやってやるよぅ!!』
( ;^ω^)『それと!! 裏の冷蔵庫から細麺2ケースと太麺1ケース!! 大至急だお!!』
(;'A`)『俺にはXO醤を缶ごとだ!! こんなに混むと補充がおいつかねぇ!!』
(,,゚Д゚)『牡蠣は解凍されてるか!? 無いだと!! ポリバケツにぶち込んで水かけとけ!!』
その状況にホールからの催促が拍車をかける。
46 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/26(金) 00:50:38.61 ID:CWRlad7X0
ξ゚△゚)ξ 『ギコさん!! 座敷卓の宴会料理前菜まだですか!?』
(,,゚Д゚)『…!! 17名分の料理なんかそんなすぐ出せるか!!
ドリンクで繋いでくれ!! おい、ツー!! そこの水菜切ってくれ!!』
(*゚∀゚)『3分後ならOKだよっ!!』
(,,゚Д゚)『チッ!! それなら自分でやる!!』
(*゚∀゚)『すまないねっ!! それより4番も前菜出ないと次がつっかえてるよ!!』
(*゚ー゚)『ジョルジュさん!! 9番デザートまだですか!!』
( ゚∀゚)『あとは仕上げだ!! ちょっと待て!!』
そう言ってジョルジュさんはプレートにホイップクリームを搾り出す。
幸せそうなカップルを祝福する言葉をつぶやきながら。
( #゚∀゚)『馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね
馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね
馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね
馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね馬鹿ップルども死ね』
(,,゚Д゚)'A`)*゚ー゚)*゚∀゚)『いや、お前がちょっと待てwww』
( #゚∀゚)『あぁ!! うるせぇぞ!! テメェラはいいよな!!
仕事終わったらサンタプレイだもんな!!
こっちはハインが妊娠してっからクリスマスなのにヤレねぇんだよ!!』
(,,゚Д゚)'A`)*゚ー゚)*゚∀゚)(…また孕ませたのかよ)
48 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/26(金) 00:54:48.16 ID:CWRlad7X0
終電がなくなる時間。
それは近辺のラブホが満室になる時間でもある。
この頃になるとようやく客足は収まり、早番のスタッフは仕事を終えた者から帰路に着く。
嵐のようなクリスマスも終焉を迎えようとしていた。
( ^ω^)『ドクオ、ツーさんお疲れだおwwwちょっとクーさんのトコで飲んでから帰らないかお?』
('A`)『いや、止めとくわ。今日はクリスマスだしな』
そう言ってドクオは手にした小箱を掲げ見せる。
中にはジョルジュさんが作ったケーキが入っているはずだ。
(*゚∀゚)『ゴメンネ~!! 今日はエッチなトナカイさんの角に襲われる予定なのさっ!!』
( ;^ω^)『そ、そうかお…つか、そんな予定教えなくてもいいおwww』
なんか今日はクーさんが話があるから来てくれって言うから2人も一緒にって思ったのに。
僕がそう言うと2人は顔を見合わせ言った。
(;'A`);*゚∀゚)『いや、それはダメだろ…常識で考えて』
( ^ω^)『え? なんでだお?』
本気で首をかしげる僕。
ため息をつく2人。
そして、僕に近づく栗色の髪をした女性。
ξ゚△゚)ξ 『内藤、ちょっと話があるんだけどいいかしら?』
49 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/26(金) 00:56:17.91 ID:CWRlad7X0
(*゚∀゚)'A`)『お疲れさん、また明日』
そう言ってツーさんとドクオは店を後にした。
(*゚∀゚)『ブーちゃん、ちゃんと結論出さなきゃ許さないよ。
2人ともわたし達にとって大事な2人なんだからね!!』
ツーさんの言葉は全く意味が分からない。
( ^ω^)『おっwwwちょーど良かったおwwwツンも一緒に悲しい一人身同士飲むおwww
飲みながら話せばいいおwww』
そう言って歩き出した僕のコートの袖をツンが掴んだ。
普段の荒々しさはどこにもなく、今にも離れてしまいそうな力で。
ξ゚-゚)ξ 『…ここでいい』
それっきりツンは俯き黙っていたがやがて意を決したように顔を上げ
ξ゚-゚)ξ『内藤。あたしはあなたが好き』
はっきりとそう言った。
51 名前: ◆RDnvhIU7bw [] 投稿日:2007/01/26(金) 00:57:45.72 ID:CWRlad7X0
( ;^ω^)『え? は? お?』
何だ?なんて言ったんだ?
ツンが僕を好き?
ありえない。こんな可愛い子が僕を好きなんて…。
そうか、これはなんかの罰ゲームだ。隠れてみんなで見てるに違いない…。
ξ゚△゚)ξ 『罰ゲームでもなんでもないわよ』
僕の心が読めるのかっ!?
ξ゚-゚)ξ 『いや、あなた声に出してるし。
これが今のあたしの気持ち。ううん。あたしの気持ちの一部分。
もっともっと言葉にしたい気持ちがあって、それを伝えたい。
…VIP駅の大時計の下で待ってるから…来てね』
それだけ言うとツンは僕に背を向け歩き出す。
( ;^ω^)『ちょ…待つお!! 実は今日クーさんから大事な話があるって言われてて…』
知ってる。
歩みを止めずツンが答えた。
ξ゚-゚)ξ 『その話が終わってからでいいの。あなたの答えを知りたい。
もし来なくても…それがあなたの出した答えなら何も言わないわ』
( ;^ω^)『……』
そしてツンはスタッフ専用出入り口の扉の奥に消えた。
一生忘れる事が出来ない。本当の意味での嵐のクリスマスが始まろうとしていた。