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('A`)が約束を果たすようです

('A`)が約束を果たすようです
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 21:59:24.44 ID:
QOlKI5Cq0
生まれ出でた時、人は迷い込む。
人生という迷路に。
正しい道なんて誰も知らない。
出口が存在するのかすら解らない。
様々な選択肢を絶えず選びながら進む、終わり無き闇に支配された旅。
たとえ順調に道を進んでいたとしても、
ふと、曲がり角を過ぎればそこは行き止まりだったりする。
突然訪れた絶望に、そこで立ち止まってしまう人も居るかもしれない。
でもこれだけは覚えていて居て欲しい。
大きな壁が俺達の行く手を阻んだとしても、
壁をぶち破やぶってやれば、そこは新しい道になる事を。
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:01:45.08 ID:
QOlKI5Cq0
( )「やぁ、おはよう。
早く起きないと朝食抜きになるよ」
ああ・・それは困る、部屋の連帯責任だからな
( )「うっ・・・あ、足が熱い・・・」
なんで俺が生きてるんだよ
( )「まったく本当に君はビビりだな
剣もろくに振れない様じゃ偉くなれないぞ」
大丈夫、俺だってやる時はやる男だぜ
( )「これで多分、君との手合わせも最後だ。
戦績は僕の96勝敗0敗3引き分け・・・
丁度、これで100戦ピッタリ。全力で頼むよ」
とうとうラストか・・・寂しくなるな
( )「聞くれ!!僕、上級学校へ進級が決まったんだ」
流石は上流の実力派、飛び級とはね
( )「寒い・・・このまま僕は死ぬのかな?」
死ぬな!!お前が死んだら・・・
( )「おーいコラ!!目覚ませ!!朝だぞー!!!」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:03:37.70 ID:
QOlKI5Cq0
(;'A`)「うをしまった!!もう朝か?」
相当な築年数だろう古ぼけた宿屋の一角で、
少年が大声を発する。
が、その問いに答える者は誰も居ない。
(;'A`)「・・・」
('A`)「・・・ああ」
('A`)「なんだ、あいつの夢か」
年は17.8辺りだろうか?
まだ顔には幼さが残るが、何か重たいふいんき(なぜryを感じさせる。
寝汗の為だろう、ラフなTシャツが、
引き締まった筋肉質な体にベットリと張り付いていた。
少年はしばらくの間、もの鬱気に塞ぎ込む。
そして、枕元にあった皮水筒に手をを伸ばし
発汗により失われた水分を補給する為、中身を一気に飲み干す。
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:05:28.22 ID:
QOlKI5Cq0
('A`)「午前3時半・・・3時間しか寝れてねぇのか。
まぁ、もう眠くないから別にいいけど」
ショートスリーパーか不眠症か、
目の薄いクマから察するにおそらく後者だろう。
少年は手馴れた手つきで枕元にある小箱から煙草を取り出し、
マッチで火をつける。
('A`)「ハフゥ・・・旨い」
窓から差す僅かな光に紫煙が照らされ、
天井へと吸い込まれていく。
口に煙草を咥えたまま、少年はおもむろに立ち上がると
壁に立て掛けて置いた盾を手に取る。
('A`)「日が上がるまで・・・大体3時間って所か。
コイツの手入れでもしといてやるかな」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:07:37.21 ID:
QOlKI5Cq0
('A`)「よぉ相棒。もうすぐ終わらせてやるからな、待ってろよ」
相棒と呼ばれた盾はヒーターシールドと呼ばれる代物で、
盾の上面は水平、下面が丸みを帯びている一般的な形の盾だ。
が、一般的な盾と大きく変わるのは、
その大きさが人ひとりをすっぽり覆い隠せる程ある点と、
目線の高さが半透明な材質になって正面が見える点だろうか。
裏面にも、中央に一列4個、上下に2個取っ手と思われるものが付いてる。
相当使い込まれているのだろう、全面鉛色の盾には
あちらこちらに傷が目立つ。
少年は、サンドバック型の鞄から布を取り出すと
それで盾の表面を丁寧に拭いていく。
('A`)「まったく・・・お前は食い過ぎなんだよ。
手入れの度にオイル1缶食うってどんな大食漢だよ」
友人に話しかける様に、盾へ喋り続けながら少年は作業を進める。
('A`)「ふぅ、大体古い油と汚れは落とせたな。
ほら次はメジの時間だぞ」
鞄から手のひら程のオイル缶を取り出し、再び盾へ姿勢を向けた。
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:09:48.50 ID:
QOlKI5Cq0
('A`)「この野郎、聞いて驚くなよ。
このオイル缶、魔道都市キタコレ産100%収納の超高級品だぜ」
('A`)「付属のマジッククロスも付いて・・・なんと一缶たったの2500リタ!!
送料、金利はジャパンネッド鷹田負担の超目玉賞品!!」
盾を、オイル缶について色々と説明を垂れながら丁寧に拭いていく。
('A`)「いやー自分の買い物上手さに自画自賛しちゃうね。
俺って意外と商売センスあるんじゃね?
こりゃー商人になるって道も大丈夫だな・・・」
喋りながら、手馴れた手つきで前面のオイル掛けを完了させると
裏面へと取り掛かる。
('A`)「大丈夫だって・・・俺が商人になっても
ソバイオンは売ったりしねぇよ」
愛盾の名前が『ソバイオン』・・・どうやらこの男、ネーミングセンスは悪いようだ。
そして一通り盾の手入れが終わった所で、再び時計へ目を向けた。
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:11:33.28 ID:
QOlKI5Cq0
('A`)「4時半か、まだ時間があるな」
思いのほか時間が掛からなかった為、どの様にして日の出までの
余った時間を潰そうか悩みながら、少年は窓の外を覗く。
眼下には、街灯以外に全く光源が無い町並みが広がる。
('A`)「さ・・・流石は田舎、見事に開いてる店が無い」
人気の無い町並みにうな垂れながら、少年は腰を上げる。
('A`)「まぁ、こんな時間でも酒場なら開いてんだろ。」
少年は、鞄から新しいTシャツと財布を取り出す。
そして、汗ばんだTシャツを新しい物に変えると町へと繰り出した。
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:13:54.33 ID:
QOlKI5Cq0
('A`)「うへ・・・最高に蒸し暑い。
何で夏なんて季節があるかね」
時折、9月の生温い風が吹きじっとりと湿った体を撫でる。
まるで世界に自分しか存在してないかの様な
闇に包まれた町のふいんき(ryの中、
酒場を探しふらふらと歩き回るが、目当ての建物は見つからない。
('A`)「あれれー?まさかこの町酒場ないとか言うオチは無いよな」
他の町に比べるとここは、町と言うより広い村程度の広さだ。
『直ぐに酒場位見つかるだろう』と言う少年の思いは見事に裏切られた。
('A`)「やれやれ・・・まいったね。」
目指す場所に中々たどり着けないフラストレーションを紛らわそうと、
空を見上げ星を眺める。
夜空に幾つもの小さな光が広がる様は、タールまみれになった地面に
ダイヤモンドをばら撒いたみたいだ。
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:18:04.38 ID:
QOlKI5Cq0
('A`)「そういえばどっかの学者さんが言ってたな。
今空に広がる星の輝きは、昔に星が放った物だって」
(-A-)「あの中に、あの時の光もあったりしてな・・・・」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:21:13.15 ID:
QOlKI5Cq0
――――――
( )「それを返してくれないか?
父上の大切な物が入ってるんだ」
( )「僕は自衛科で訓練受けてるお!!これからも宜しくだお」
( )「此処なんて良いんじゃないかな?
緊張感があって、最後の手合わせには打って付けじゃないか」
( )「べ・・・別にあんた達のために教えてあげた訳じゃ無いわよ!!」
( )「まったく、お前は相変わらずテンションが低いな。
男前が台無しだ」
( )「今日から君は私達の息子だと思ってくれて構わないよ」
( )「危ない!!」
( )「来月は武術大会だ。決勝で会えるといいね」
( )「此処は今、上級訓練生が使用している。他を当たりなさい」
( )「人殺しがウリに生意気な口叩くなニダ!!」」
( )「残念だが・・・君は放校処分になった。すまない、私の力不足だ。
恨んでくれても結構だが・・・強く生きて欲しい。」
――――――少年は目を閉ざし、昔を思い出す。
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:24:06.30 ID:
QOlKI5Cq0
暗闇の世界の中で、風の音がBGMのように鳴き、
記憶の欠片が目の前に浮かんでは消えていく。
(-A-)「ああ・・・懐かしい」
少年は一言だけ呟くと目を開ける。
その時、視界の端の看板に「BAR」の文字を捕らえた。
('A`)「え?バー?どこよ?」
慌てて少年が360°見渡すが、
明かりの付いている建物は見当たらない。
('A`)「やっぱり無いじゃねぇか。虚偽広告で訴えるぞこの野郎」
少年は、自分の目の錯覚で、何かの単語が『BAR』に見えたのではないかと思い
直し、
再びBARの単語が見えた頭上の看板に視線を移す。
【B1−BAR Bourbon house】
('A`)「・・・」
(;'A`)「ち・・・地下ね・・・道理で見つからねぇ訳だ」
地下ならば光源が無い理由も解かる。
何か負けたような気持ちになりながら、少年が地面付近を見回していると、
酒場へと続くであろう螺旋階段を遠目に見つけた。
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/03(日) 22:25:56.10 ID:
QOlKI5Cq0
(#'A`)「あ・・・あの野郎・・・手こずらせやがって。
今から踏みつけてカンカン言わせてやるからな後悔すんなよ」
金属の階段を若干強めに踏みつけながら降りていくと、
この町を象徴する様な、
古ぼけ色あせた木製の扉が目の前に立ちはだかった。
('A`)「おうおう、良い感じ醸し出してるねぇ」
少年が扉に手を掛け手前に引き込む。
案の定、扉は軋んだ音を立てながら開いた。
チリリーン♪
鐘の音が静かに少年を迎え入れた。

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