( ^ω^) の母ちゃんが奇跡を起こすようです 


( ^ω^) の母ちゃんが奇跡を起こすようです 
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:12:52.54 ID:r5uNQd+
n0
ブーン小説初体験。 
それで、読む前の注意事項を言っておくが、この小説は、あくまでフィクション。 
一応いろいろと調べて書いたが俺が考えて作ったとこも数多くある。 
よって、全てを鵜呑みにしないでほしい。 
では、次から投下する。 


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:13:26.50 ID:r5uNQd+
n0
ブーンの家は母子家庭である。そしてオンボロアパートに住んでいる。 
父親はブーンが生まれて少しして事故で他界してしまったらしい。 
母ちゃんは女手一つでブーンを育ててきた。 
ブーンは母ちゃんは毎日働いていて大変だろうなぁ、悪いなぁ、とは思いつつバイトも何もしな
かった。 
そんなことしている時間があったら友達と遊びたかったのだ。 

―6月の下旬。毎日雨が降って人々はうんざりした顔で傘を差し歩いている。 
僕とドクオとショボンは幼稚園のころからの大親友だ。何をするにも三人で行動していたの
だ。 
今日も三人は傘を差しVIP高校から自宅へ下校していた。 

( ^ω^) 「あーーーーー、雨ばっかでやんなっちゃうお」 
('A`) 「ホントにな」 
(´・ω・) 「こーゆージメジメが一番嫌いなんだよね」 
( ^ω^) 「よし、ここはアイスを食べるお!もちろんドクオの奢りで」 
('A`) 「はぁ!?おまっ、ふざk(ry」 
(´・ω・) 「それはいい案だ。ほら、駄菓子屋が目の前にあるよ」 
('A`) 「ちょっ、誰もいいとは言tt(ry」 
( ^ω^) 「おばちゃーーん、アイスちょーだーい」 
(´・ω・) 「僕もちょーだいー」 
(オバ・∀・チャン) 「あいよー、二人合わせて210円だよー」 
('A`) 「・・・俺も食べます」 

僕とショボンは無理矢理ドクオに奢らせ、アイスを食べながら下校した。 


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:15:18.59 ID:r5uNQd+
n0
―ブーン宅 
ガチャッ 

( ^ω^) 「ただいまーって誰もいるわけないか」 

母ちゃんはまだ仕事から戻ってきていない。夕日が寂しく家の中を照らしていた。 
僕はテレビの前に座りPS2を取り出しゲームに没頭した。 

―ふと時計を見ると8時になっていた。2時間近くゲームに集中していたらしい。そろそろ母ち
ゃんが帰ってくる時間だ。 
そう思い、ゲームを中断した。 
PS2を片付けてちょうどテレビのチャンネルを回し始めたときに買い物袋を下げた母ちゃんが
帰ってきた。 

ガチャッ 

J('ー`)し  「ただいまー」 
( ^ω^) 「(あぶねーwww危うくゲームしてんの見つかって怒られるとこだったwww)おかえり
ーだお」 
J('ー`)し  「・・・・・ゲームしてたでしょ」 
Σ(;^ω^) 「うっ、えっ、そそそそんなことないおおおwwww」 

母ちゃんにはすぐにバレてしまう。母ちゃんパワーは侮れない。 

J('ー`)し  「ちゃんと宿題ややることやってから好きなことしなさいっていつも言ってるでしょ
ー?」 
(;^ω^) 「はっ、はい」 

母ちゃんには勝てない。 



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:17:12.33 ID:r5uNQd+
n0
J('ー`)し  「ほら、ご飯の支度するから手伝って」 
( ^ω^) 「はーーいっ。今日のご飯何だおー?」 

何気ない、いつものこの会話が始まりだった。 

J('ー`)し  「・・・あら、何だったかしら」 
( ^ω^) 「ちょwwwwwwボケktkrwww」 
J('ー`)し  「失礼ねwwwwあぁ、そうそう、トンカツよ」 
( ^ω^) 「わーいwwwwwトンカツ大好きww」 

僕は母ちゃんのちょっとした物忘れに全然気にも止めず、平和な一日を終わらせていった。 
そう、ずっと、ずーっとこの幸せで平和な日々が続くと思っていた。 

―数日後の夜 

ガチャッ 

J('ー`)し  「ただいまー」 
( ^ω^) 「おかえ・・・あれ、買い物袋は?」 
J('ー`)し  「あらやだ!買い物し忘れちゃったわwww買い物してくるから待ってて!」 
(;^ω^) 「ちょっ・・・母ちゃん大丈夫かお・・・」 
J('ー`)し  「何が?大丈夫よ?」 
(;^ω^) 「そ、そう・・・」 

このことが、ちょっと気になった…。 


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:19:38.78 ID:r5uNQd+
n0

僕は翌日親友であるドクオとショボンにこのことを相談してみた。 

( ^ω^) 「なんか・・・すごいいやな予感がするんだお」 
(´・ω・) 「うーん、なんなんだろう。たんなる老化によるボケなんじゃないかなぁ」 
('A`) 「俺もさっぱわかんね。ボケじゃね?」 
(;^ω^) 「(なんか適当に答えられたような・・・)そうか・・・なら心配することないかな」 

まだ三人の頭の中には真の病名は思い浮かんでいなかった。この病気は老化によるボケと間
違われやすいのだ。 

家に帰って僕は母ちゃんのことを考えつつもゲームに没頭していた。 
時計を見ると8時半を回っていた。僕は慌ててゲームを片付けた。だが、母ちゃんがまだ帰っ
てきていない。 

( ^ω^) 「おかしいな、いつもはもう帰ってきてるのに」 

僕は母ちゃんの携帯に電話してみた。 
トゥルルル・・・トゥルルル・・・ いくらコール音が鳴っても母ちゃんは出なかった。 
僕はいよいよ不安になって母ちゃんを探そうと思い外に出ようとした。と、そのとき 
ガチャッ 

J('ー`)し  「ただいまー」 
( ^ω^) 「かっ、母ちゃん、遅いお・・・心配したジャマイカ・・・」 
J('ー`)し  「あら、遅いかしら?変ねぇ」 
( ^ω^) 「遅いおwwww何言ってんだお、最近母ちゃんなんかおかしいお」 
J('ー`)し  「またボケとか言うんでしょー、失礼な子ねぇ、まったく。ほら、そんなことよりご飯の
支度手伝って!」 
(;^ω^) 「う、うん」 

何か、何かがおかしい・・・でも本人はなんともないって言うし・・・。僕は不安を感じはじめてい
た。 
ここで病院につれていっていれば・・・。 


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:21:26.82 ID:r5uNQd+
n0
・テレビを見ていて母ちゃんが大好きなはずのタレントが出てきて母ちゃんが「あっ、この人好
きなのよねぇ。えーっと名前なんだったかしら?」 
・僕と買い物をしているとき「今日はカレーにしましょうね」と言っていたのに全く違う商品をカゴ
に入れ「あら、カレーだなんて言ったかしら」と言った。おまけにサイフを入れてあるバッグを持
ってくるのすら忘れていた。 
こんな感じの『ど忘れ』みたいな症状が数週間続いた。僕は次第に慣れ始め、やはり老化から
くるボケだと思っていた。 

―やがて梅雨の季節が終わり、もうすこしで夏休みだ。夏休みに入ったら三人で思い切り遊ぼ
う、と約束した。 

ある日曜日、この日は久しぶりに母方のじいちゃん家に行こう、ということになり僕は10時に
起きた。 
じいちゃん家に行くときは11時半に家を出ているのだ。10時に起きると支度がちょうどよく時
間に間に合う。 
だが、10時に起きても母ちゃんはまだ寝ていた。 
いつもは母ちゃんは9時ころには起きているはずなのに・・・。 
僕は母ちゃんの部屋のドアをそっと開けてみた。やはり母ちゃんは寝ていた。 



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:23:03.73 ID:r5uNQd+
n0
( ^ω^) 「母ちゃーん、いつまで寝てるの?もう10時過ぎたおー」 
J('ー`)し  「んっ・・・んん?あら、ブーン、おはよう。どうしたの?」 
(;^ω^) 「どうしたのって・・・今日はじーちゃん家に行くんだって昨日母ちゃん言ってたジャマ
イカ」 
J('ー`)し  「あら、そんなこと言ったかしら・・・」 
(;^ω^)「(母ちゃんまたボケかお・・・)とにかく、支度するお!」 

母ちゃんもボケる年になったんだな、としみじみ僕は思った。 
10時半になり朝ご飯を食べ、支度に取り掛かった僕はまだ母ちゃんが部屋から出てきてない
ことに気づいた。 
母ちゃんの部屋のドアを開ける。寝てた。僕はヤレヤレ、と思いながら母ちゃんに声をかけ
た。 

( ^ω^) 「母ちゃん!起きるお!!」 
J('ー`)し  「何よ、もう、うるさいわね」 

相当眠かったのか、と僕は思った。 
やっと母ちゃんは渋々とだが支度をはじめた。僕が用意した朝ご飯を食べて髪のセットをして
いる。 
と、なにやら母ちゃんがボソボソと誰かと話している。…母ちゃんの声しか聞こえないが。 
電話でもしてんのかな、と思いチラっと洗面所を覗いた。 


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:25:27.92 ID:r5uNQd+
n0
母ちゃんは携帯を持っていなかった。自分と話していた。いや、鏡に映った自分と話していた。 

J('ー`)し  「えぇ、そうね、これから出かけるらしいのよ。・・・あら、お宅も?大変ねぇ」 

恐ろしい光景だった。まるで鏡の中に誰かがいるかのように母ちゃんは一人でボソボソと喋っ
ていたのだ。 

( ^ω^) 「かあ・・・ちゃん?・・・誰と喋ってるお?」 

母ちゃんはゆっくりと僕を見て口を開いた。 

J('ー`)し  「あら、おはよう。ご飯まだだったわよね?支度しなくちゃね」 
( ^ω^) 「・・・」 

僕はわかった。わかってしまった。これはボケなんかじゃない。なんでもっと早く気づかなかった
んだ。 
・・・病院、病院に母ちゃんを早く連れて行かないと。 

( ^ω^) 「母ちゃん・・・病院に行くお」 
J('ー`)し  「病院?何言ってるの?」 

僕は携帯を取り出しタクシーを呼び、母ちゃんを無理矢理乗せて病院に向かった。母ちゃんは
驚いていた。 
自分はなんともない、と。何かで聞いたことがある。『'あの病気’に自覚症状はない』 


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:27:56.09 ID:r5uNQd+
n0
母ちゃんはタクシーの中で怒鳴っている。 
運転手さんは困ったような顔でチラチラとルームミラーから母ちゃんを見ながら運転していた。 
僕は・・・――。 

数十分後タクシーは病院に着いた。 
母ちゃんはまだ怒鳴っている。僕は代金を運転手さんに渡すと病院のなかに母ちゃんを強引
に連れて行った。 

J('ー`)し  「私はなんともないわよ!!なんで病院なんてつれてくるのよ!!!?」 

僕は母ちゃんに何も答えないまま受け付けを済まして名前を呼ばれるのを待った。 
患者や見舞いに来た人達が僕たちを迷惑そうに、もしくは同情の目で見ている。 

川´∀`) 「内藤さん、どうぞ中にお入りください」 

看護士に名前を呼ばれ僕は母ちゃんの手をひっぱりながら中に入った。 


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:30:10.35 ID:r5uNQd+
n0
(*'ω'*) 「こんにちわ、内藤さん。どういたしました?」 
( ^ω^) 「母ちゃんが・・・」 
J('ー`)し  「私はなんともないって言ってるでしょ!?早く帰して!!」 
( ^ω^) 「母ちゃんが、最近物忘れがひどいんです。それに・・・じ、自覚症状がないんです・・・
それに今朝も(ry」 
J('ー`)し  「ブーン、お願いだからもう帰りましょ?お母ちゃんはなんともないから」 

先生は真剣な眼差しで母ちゃんを見たあと看護士と何か小さな声で話していた。 

(*'ω'*) 「わかりました、検査をしましょう」 
( ^ω^) 「・・・お願いしま(ry」 
J('ー`)し  「先生!!私はなんともないです、ホントに。だから帰してください」 
( ^ω^) 「・・・」 

明らかに母ちゃんは性格が変わっていた。母ちゃんはもっと優しかった。人の話をちゃんと聞
いてくれた。 



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:33:14.78 ID:r5uNQd+
n0
1,2時間が経っただろうか、検査は終わったらしい。母ちゃんがウンザリしたような顔で戻って
きた。 

( ^ω^) 「・・・か、母ちゃん、気分はどう?」 
J('ー`)し  「なんともないって言ってるでしょ!!?」 
(;^ω^) 「ご、ごめんお・・・」 

十数分後、看護士にさきほどの先生の部屋にはいるように促された。だが、呼ばれたのは僕
だけだった。 
どうか、違いますように、と祈っていたがこれで確信に変わってしまった。 

(*'ω'*) 「さて、ブーン君、だったね。落ち着いて聞いてほしいんだ」 
( ^ω^) 「・・・はい」 
(*'ω'*) 「恐らく、気づいていたとは思うが、お母さんは認知症、つまりアルツハイマー病だ
った」 
( ^ω^) 「・・・」 
(*'ω'*) 「アルツハイマー病についてはよくご存知かな?」 
( ^ω^) 「・・・ボケの症状に似ていて・・・自覚症状がない・・・ってだけしか・・・」 
(*'ω'*) 「そっか。今日病院につれてきたきっかけは何かな?」 
( ^ω^) 「あっ・・・はい。今朝、出かける用事があって母ちゃんが洗面所で準備してるとき話し
声が聞こえたから行ってみたら・・・母ちゃんが・・・一人で鏡に向かって喋ってたんです。それ
で・・・あきらかにおかしいと思って・・・」 
(*'ω'*) 「そうか・・・。もっと早く連れてきていれば・・・」 
(;^ω^) 「えっ・・・母ちゃんは・・・死んでしまうんですか?」 
(*'ω'*) 「いや、そんなことはさせないよ。安心してくれたまえ」 
(;^ω^) 「お、お願いします・・・」 
(*'ω'*) 「ただ、今日から入院することになるが・・・」 
( ;ω;) 「うっ・・・はい、母ちゃんを・・・助けてください」 



20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:36:31.42 ID:r5uNQd+
n0
それから僕は先生からアルツハイマー病について教えられた。 
初期症状は主に[住所などを書き間違える・つじつまが合わない文章を書くようになる・人の名
前を忘れる・物をしまった場所を忘れる・約束を忘れる・体験そのものを忘れる・自覚に乏しい]
等だった。 
やはりほとんどの人は最初はボケだと思ってしまい、そのため発見に遅れ症状がだいぶ進行
してから病院に来るという人がいるらしい。 
まさに僕と母ちゃんの状態だ。 

今日から緊急入院だと聞かされた母ちゃんは僕が聞いたことも無いくらい大きな声で怒鳴り、
拒否した。 
僕は、こんな母ちゃんを見たくなかった。早く、先生、早く母ちゃんをもとに戻して・・・。 
先生は、最後の一言を言わなかった。いや、ブーンの様子を見ていたら言えなかった。 
いずれ言わなくてはいけないのはわかっていた。 
『アルツハイマー病は一時的に進行を止めることはできても完治はしない』 

僕は母ちゃんの入院の手続きを終え、母ちゃんが入院する病室に入った。 
一人部屋だ。トイレもちゃんと付いている。母ちゃんは疲れたのか、病院のパジャマに着替え
寝ていた。 

僕は母ちゃんの着替えを取りに行く為、一旦自宅に戻ることにした。 


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:39:50.73 ID:r5uNQd+
n0
家に向かいトボトボと歩いているとポケットの中から振動が伝わってきた。携帯のバイブだ。誰
からか電話がかかってきている。 
僕は母ちゃんが僕の携帯の着うたが鳴るとビックリしていたので悪いと思い、常にマナーモード
にしていたのだ。 
そういや病院の中にいたのに電源入れっぱなしだったな、とそんなことを思いながら電話に出
た。 

( ^ω^) 「・・・はい」 

電話の相手はドクオだった。 

('A`) 「おいすー。暇だからショボンも誘って遊ぼうぜー。新しい格ゲー買ったんだwwww」 
( ^ω^) 「・・・ドクオかお。ごめん、そんな気分じゃないんだ」 
('A`) 「え、どうしt(ry」 

ブツッ― 
ドクオが言い終わらないうちに一方的に電話を切ってしまった。 
携帯を手に持ったまままたトボトボと歩き出した。携帯のバイブがまた鳴っている。 
確認しなくてもおそらくドクオだとわかった。出る気はなかった。 

自宅に着いた。鍵を開けてノブを回す。 
―ガチャッ・・・ 
薄暗くなった部屋に入った。当然、母ちゃんの姿はない。 
僕は母ちゃんがいつも座っている座椅子の向かいに座った。母ちゃんがまたこの座椅子に座
れる日は来るのだろうか・・・。 

ドンドンッ!ピンポーンピンポーン!! 

( ^ω^) 「・・・お?」 

僕はいつのまにか母ちゃんの座椅子を枕代わりにして眠っていたらしい。 


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:43:24.37 ID:r5uNQd+
n0
ドンドンドン!!!!ピンポピピピンポーン!!!! 

うるさい・・・こんなときにいったい誰だお、まったく・・・。 
僕はゆっくり起き上がり鍵を開けノブを回した。ドアは勢い良く開き、ショボンとドクオが入って
きた。 

('A`) 「あっ!いた!!!お前何したんだよ!!!あれから電話でねーし家電にもでねーし」 
(´・ω・) 「いきなり押しかけてきてすまない。だが僕らも心配したんだよ」 
( ^ω^) 「・・・おー」 

家電鳴っていたのか…。気づかなかった。 
僕はこんなに心配してくれる親友を持っているのに、このときばかりは疎ましく感じた。 
だが追い出すわけにもいかないのでとりあえず家の中に入れた。 

('A`) 「おじゃすー」 
(´・ω・) 「お邪魔します。・・・あれ、おばさんは?」 

ショボンのこの一言で僕はピクッと反応した。 

( ^ω^) 「あー・・・いや、ちょっと出かけてるんだお」 

僕はとっさに嘘をついてしまった。なぜ嘘をついたのか、わからなかった。 
でも、言ってしまったら、母ちゃんがもう戻らないような、そんな気がした。 


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:46:31.55 ID:r5uNQd+
n0
(´・ω・) 「そっか。・・・あ、そういや前言ってたおばさんが物忘れひどくなったっての、どうなっ
たの?」 
( ^ω^) 「・・・あっ、あぁ、いや、なんでもないお。気にするなお」 
('A`) 「つーかさっき何で電話切ったんd(ry」 
( ^ω^) 「ただ単に寝ぼけてたんだお。また二度寝しちゃって電話出れなかったんだお。気に
するなお」 
('A`) 「・・・そっか」 
(´・ω・) 「・・・なぁ、どうしたんだい?いつものブーンっぽくないよ」 
(;^ω^) 「そっ、そんなことないお?いつもどおりだお?なんも心配ないお?」 
(´・ω・) 「・・・僕ら親友だろ?隠し事なんてやめようよ」 
('A`) 「・・・」 
( ^ω^) 「・・・」 
(´・ω・) 「・・・話してごらん」 
( ;ω;) 「ウッ・・・うぅ・・・か、母ちゃんが・・・」 

僕は堪えきれず、涙を流しながらショボンとドクオに母ちゃんのことを話した。 
二人は僕の涙声で聞き取りずらい話を静かに、真剣に聞いてくれた。 
全て話し終わるのに30分くらいはかかった。 


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:49:31.32 ID:r5uNQd+
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( ;ω;) 「ぐずっ・・ぐしゅっ・・・うっ・・・」 
(´・ω・) 「そっか、そんなことがあったんだね。辛かっただろうね。話してくれてありがとう」 
('A`) 「あれ、でも、たしかアルツハイマー病って治らないんじゃなかtt(ry」 
(´・ω・) 「ドクオ!!!!」 
(;'A`) 「えっ・・・?」 
( ;ω;) 「・・・・・・なっ、なん・・・今、なんて言ったお・・・?」 
(´・ω・) 「ブーン、なんでもないよ。ドクオはバカだから勘違いしてんだよ」 
(;'A`) 「ちょwwwwいや、うん、俺勉強不足なんd(ry」 

ドクオが言いかけた言葉に僕は絶望を感じた。 

( ;ω;) 「かあちゃんは・・・なおらないのかお・・・?」 

母ちゃんは・・・治らない。ずっと、ずーっと、死ぬまであの状態だ。 
ドクオの珍しく慌てた顔とショボンの罪悪感を感じた顔がそう語っていた。 

( ;ω;) 「あ、ぼ、僕、母ちゃんの着替え、わ、渡しに行かなきゃいけないんだお・・・帰って
お」 

ドクオとショボンは一言「ごめんね・・・」と謝って帰っていった。 
真実を知り、一人残された僕は悲しくて悔しくて涙が止まらなかった。 


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:52:05.36 ID:r5uNQd+
n0
僕は泣きながら着替えを用意した。・・・母ちゃんのとこに行くのが怖かった。 
でも、先生はなんで僕に本当のことを言わなかったんだろう。なんで「治るよ」なんて真っ赤な嘘
を言ったんだろう。 
そんなことを考えながら支度を済ませた。・・・行かなきゃ。 
重い足取りでドアを開け外に出た。 
外は薄暗くなっていた。時計を見ると7時半ごろだった。ずいぶん時間かけちゃったな。 

( ^ω^) 「・・・母ちゃんまだ寝てるのかな。あ、でも病院でご飯のとき起こされるのかな」 

母ちゃんを今一人にするのは不安だ。僕はなるべく急いで病院に行った。 
走ったせいで息が切れる。母ちゃんの病室にはいる。 

J('ー`)し 「あら、ブーン。どこ行ってたの?」 

・・・いつもどおりの母ちゃんだった。 

( ^ω^) 「あ…お、起きてたのかお。母ちゃんの着替えとか、いろいろ持ってきたお」 
J('ー`)し 「あらそう、ごめんね、そんなことさせて。ところで母ちゃんはどうして入院しなきゃいけ
ないの?」 

・・・話すべきなのか?母ちゃんがアルツハイマー病だって。言ったとして、正常でいられるだろ
うか。 
僕は・・・迷った。 

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 21:56:18.22 ID:r5uNQd+
n0
(;^ω^) 「あ、うー・・・ん、あのね、なんかよくわかんないけど検査するんだって」 

僕はとっさに嘘をついてしまった。言えなかった。 
・・・先生も・・・言えなかったのか。 

J('ー`)し 「そうなの。でも母ちゃんなんともないのよ?・・・それに、入院費どうするの?母ちゃん
このままじゃ働けないじゃない」 
( ^ω^) 「あっ・・・」 

忘れてた。そうだ、ウチにはお金の余裕は無いのだ。やっぱり、バイトか何かしなくちゃいけな
いのか。 
入院費はいくらくらいかかるのだろうか。そういうのに僕はまったく鵜頓着だった。興味すら持
たなかった。 
しかもいつまで続くかもわからない。高額な給料をもらえるバイト…なんだろう? 
どんなにつらいバイトでもいい。僕が母ちゃんの世話をしなきゃいけないんだ。 


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:00:19.10 ID:r5uNQd+
n0
帰りにコンビニに寄って弁当を買い、バイト情報が載っている雑誌を持って帰った。 

(;^ω^) 「うーん、いっぱいありすぎてよくわかんないお…」 

ドクオとショボンに相談しようか…でもさっきあんなこと言っちゃったのに相談なんて嫌がられる
かな…。 
と、そんなことを考えているとショボンから電話がきた。 

( ^ω^) 「も、もしもし…」 
(´・ω・) 「やあ。出ると思ったよ。この通話料金は僕持ちだから気にせず相談してほしいん
だ」 
( ^ω^) 「…ショボンはすごいお。いつも悩んでるときに連絡してくれるお」 
(´・ω・) 「フフフ・・・」 
(;^ω^) 「(な、なんだこの不気味な笑いは)あ、そ、そんなことより相談いいかお…?」 
(´・ω・) 「あぁ、いいよ。なんだい?」 
( ^ω^) 「実は…カクカクシカジカ。そんなわけで高額収入なバイトを探してるんだお。何がい
いのかなぁ」 
(´・ω・) 「なるほどね。僕もバイトとかしてないからそんなに詳しいってわけじゃないんだけ
ど、土木工事とかだと高額なんじゃないかなぁ?」 
( ^ω^) 「おー、工事現場のバイトかぁ。大変そうだけどそれなりに高そうだお。ありがとうだ
お!それでバイト探してみるお!!」 
(´・ω・) 「あ、そうだ。それなら僕も一緒のバイトするよ。そんで給料はブーンにあげるよ。そ
のほうがいいだろ?」 
(;^ω^) 「えっ、そんなのダメだお!悪いお!!」 
(´・ω・) 「でもそのほうが助かるだろ?」 
(;^ω^) 「あ、う、うん、助かるけど…でも…」 
(´・ω・) 「よし、決まり。一応ドクオにも聞いてみるよ。無理強いはしないがね。じゃ、また何
かあったら電話してね」 
(;^ω^) 「あっ、ちょっ!!」 

プツッ、ツーッツーッツー 

( ^ω^) 「・・・」 
( ;ω;) 「ぅっ・・・ありがとう・・・」 

―僕は、本当に素晴らしい親友を持った。心の底からそう思った。 


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:03:30.26 ID:r5uNQd+
n0
しばらく僕は情報誌とにらめっこしていた。 
○BIP建設 @@作業センター・・・時給1000円 うーん、微妙だお 
○有限会社おっぱお興業・・・日給1万円 もうちょぃ…。 
○PIV会社 ・・・月給45万〜  これだ!!!!!! 

( ^ω^) 「PIV会社…ここだ。よし、電話するお!どんなに辛くてもがんがるんだ!!!!母ち
ゃんのために!!」 

僕は張り切って携帯を手に持ち、PIV会社に電話しようとした…が、今はもう夜の10時半だ。 
こんな時間に電話したら常識知らずと思われてしまう。明日にしよう。 
そう思い、僕は床に着いた。 

翌日。7時に目覚ましが鳴った。僕は寝ぼけ眼で目覚ましのスイッチを切った。 

( -ω-) 「ぅー、ねむいお・・・そっか、母ちゃんは入院中か。母ちゃん一人で大丈夫かな…」 

僕は独り言を言いながらご飯の支度をした。と言ってもパンだが。 

( ^ω^) 「ハムッ!ハフハフッ!ハムッ!」 

僕はキモイ食べ方で早々と朝食を平らげた。片づけをしながらいつPIV会社に電話しようか考
えていた。 
昼休みに電話すればいいかな。来週から夏休みだから夏休み入ってから始めよう。 


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:06:40.99 ID:r5uNQd+
n0
シャコシャコシャコ…僕はイーッをしながら歯磨きをしていた。その時… 
ピンポポピピピピピンンポーン!!!!!     

Σ(;^ω^) 「ぐゎぼっ!!?」 

このチャイムの押し方は…ドクオだ。 
僕は歯ブラシをくわえたままドアを開けた。ドアが外側から勢い良く開かれた。 
やっぱりドクオだった。走ってきたらしく息が切れている。 

(;'A`) 「ハァハァ…、俺もするから!!!!」 
(;^ω^) 「(シャコシャコ)…ふぁ?(は?)」 
(;'A`) 「だからっ、バイトッ!!ハァハァ…俺もショボンもするから!!!」 
(´・ω・) 「やあ、おはよう。ドクオにも事情話してバイトするかどうか聞いてみたら即答で『す
る』って答えたんだ」 
(;^ω^) 「!!!!!ひょっほはっへへ!!(ちょっと待ってて!!)」 
(;'A`) 「・・・へ?」 

僕は急いで洗面所に行き口をすすいで戻ってきた。 


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:08:58.22 ID:r5uNQd+
n0
(;^ω^) 「ちょっっ、ドクオまで何言うんだお!!!」 
('A`) 「だってお前とショボンだけじゃやっぱ大変じゃん?どおせ夏休みにやる予定なんだろ?
一人より二人。二人より三人。ってことで俺もするから」 
(´・ω・) 「なんでそんなにブーンは遠慮するんだい?迷惑かい?」 
( ^ω^) 「めっ、迷惑なわけないお。すっごいありがたいし助かるお…。で、でもそれこそ二人
にとっちゃ迷惑だお!これは僕の家の問題なんだお!!巻き込んじゃダメだお!!!」 
(´・ω・) 「僕達はこれっぽっちも迷惑なんて思ってないよ?なぁ、ドクオ」 
('A`) 「おう。迷惑だったら首つっこまねえしな、俺の性格上。それに頼られたほうが逆に嬉し
いしな」 
( ^ω^) 「でもっ…でもっ…」 
(´・ω・) 「困ったときはお互い様、だろ?一人で頑張ることないよ」 
('A`) 「俺たちちっちゃいころからの親友じゃん。その親友の一人が困ってんだから助けるほ
かないだろ」 
( ;ω;) 「い、いいのかお…?一緒に働いてもらってもいいのかお?」 

ショボンは優しく微笑みうなずき、ドクオは『おう!』と力強く答えた。 
こんなに心強い親友は他には絶対いないだろう。嬉しさとありがたさのせいで涙が止まらなか
った。 
最近はいろんなことがありすぎて涙腺が緩みまくっているみたいだ。 
僕はずっと『ありがとう…ありがとう…』とつぶやいた。 


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:11:26.53 ID:r5uNQd+
n0
昼休み。僕ら三人は昼食をさっさと食べ終え、先生に見つからないように(教室がうるさいせい
もあるが)ベランダに行きPIV会社に電話した。 
返事は軽くおk。明日の夕方、学校が終わってから履歴書を持って面接に来てくれ、とのこと。 
僕らは学校が終わったあとコンビニへ行き履歴書を買ってドクオん家で書くことになった。 

―ガチャッ 

( ^ω^) 「おじゃましまーす!」 
(´・ω・) 「おじゃまします」 
('A`) 「…ただいま」 
J(@A@)し 「おかえりー、あら、お二人さんいらっしゃい。久しぶりねー!」 
( ^ω^) 「お久しぶりです、だお!!」 
(´・ω・) 「ご無沙汰しております。あまり騒がないようにします」 
J(@A@)し 「フフ、ブーンちゃんは相変わらず元気でショボン君は相変わらず礼儀正しいのね
ww」 
('A`*) 「もー、母ちゃんいいって!ほら、二人とも俺の部屋行こうぜ」 
J(@A@)し 「あらあら、久しぶりなんだからいいじゃないの、せっかちね」 

ドクオに連れられ僕とショボンはドクオの部屋へ行った。久しぶりだ。 
相変わらず汚れていた。ドクオの家に来たのは半年振りくらいだろうか。 
だいたい遊ぶと言ったら街のほうへ行ってゲーセンで遊んだりブラブラしたりしていたのだ。 


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:13:46.16 ID:r5uNQd+
n0
( ^ω^) 「えーっと、名前…、住所…と」 
('A`) 「特技っつったってなぁ…なんだろ」 
(´・ω・) 「趣味は僕の場合はドクオいじり、かな」 
('A`*) 「や、やめれっ」 
(;^ω^) 「きめえwwwwwwww」 

こんな変(態)なやつらだけど三人でいると落ち着くお。この二人と親友になれてホントによかっ
た。 
僕らは談笑しあいながらも履歴書を書き終えた。 
この日は7時ころまでドクオの家でゴロゴロしていた。そしてショボンと僕はドクオの家を出た。 

(´・ω・) 「これからおばさんのとこ行くのかい?」 
( ^ω^) 「お?うん、そのつもりだおー。バイトのことも話すつもりだおwww」 
(´・ω・) 「そっか。僕もお見舞いに行ってもいいかい?」 
( ^ω^) 「いいお!一緒に母ちゃんのお見舞い行くお!!」 

7時半ころ病院に着いた。 

(´・ω・) 「僕この病院独特の薬品のにおいが好きなんだよね」 
(;^ω^) 「変わってるお」 
(´・ω・) 「そうかなぁ」 

母ちゃんの病室の扉の前に着いた。 


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:16:39.05 ID:r5uNQd+
n0
コンコン。ガラガラ…。 

( ^ω^) 「母ちゃーん、ショボンがお見舞いに来てくれたおww」 
(´・ω・) 「こんばんわ、おばさん、お久しぶりです」 
J('ー`)し  「あらぁ、ショボン君、久しぶりねぇ〜。ちょっと見ない間にすっかり大きくなっちゃって
www」 
(´・ω・) 「エヘヘ。おばさんはお変わりなくお綺麗ですよ」 
J('ー`)し  「フフwww相変わらずお世辞がうまいのねwwww」 
( ^ω^) 「母ちゃん、調子はどうだお?変なこととかないかお?」 
J('ー`)し  「だから、もー、なんともないって言ってるじゃないの〜」 
( ^ω^) 「フヒッwwよかったお、なんともなくて。あ、そうそう、聞いてお!あのね、実はドクオと
ショボンがカクカクシカジカ」 

バイトのことを母ちゃんに話し終わった途端に母ちゃんの態度が豹変した。 

J(#`д´)し  「あんたらはそんなに私をここに閉じ込めたいのか!!!私は帰りたいの
よ!!!帰らせろ!!!」 
(;^ω^) 「かっ、母ちゃん、違うお、ショボンとドクオは助けてくれてるんだお」 
J(#`д´)し  「うるさい!!もうこんなとこいやだ!!!」 

僕は母ちゃんが怒るなんて思わなかった。困り果てているとショボンが口を開いた。 


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:22:10.96 ID:r5uNQd+
n0
(´・ω・) 「おばさん、いきなりこんな話されても困るだけだよね、ごめんね。でも、よく聞いてほ
しいんだ」 
(;^ω^) 「ショボン…?何言うんだお?」 
J(#`д´)し  「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい…!!」 
(´・ω・) 「ブーンはね、おばさんのことがすっごく好きなんだよ。そして、おばさんの様子が最
近おかしいっていうんだ。だから心配になって病院に連れてきたんだよ。 
ここまではわかるよね?おばさんが不快に感じてるのはなんで入院してるか、だよね?」 
J(#`д´)し  「……」 
(´・ω・) 「おばさんはね、疲れてるんだよ。毎日毎日一生懸命ブーンのために働いてあげてる
から。だから、ブーンは恩返しがしたいって言っておばさんにここでゆっくりしてもらってるんだ
よ。 
家にいたらおばさん家事とかやっぱりしちゃうじゃん? 
家事も、掃除も一切、今はブーンが一人でやってるんだよ。だから、何も心配しなくていいんだ
よ。おばさんはゆっくり休んでいいんだよ」 

ショボンはゆっくりと、子供をあやすような優しい口調で母ちゃんに話した。 

J('ー`)し  「…ブーンが一人で?だって、今まで一度もそんなことしなかったじゃない…」 
( ^ω^) 「で、できてるお!ちゃんとやってるお!!母ちゃんがいるときはやっぱり甘えちゃっ
て家事とか全然しなかったんだお!!ごめんだお…」 
J('ー`)し  「…そうなの。母ちゃん休んでいいのね…?でも、お金は…」 
(´・ω・) 「お金も心配いらないよ。ブーンは誰にも迷惑をかけずにしっかりやってるから」 

ショボンがそう言いおわると母ちゃんは落ち着いて眠ってしまった。 


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:24:35.54 ID:r5uNQd+
n0
( ^ω^) 「…ありがとう。ごめんだお、こんなことになっちゃって」 
(´・ω・) 「いや、僕は平気だよ。仕方ないことなんだよ」 
( ^ω^) 「何から何まですまないお…」 
(´・ω・) 「いいってww今日はもう帰ろうか」 
( ^ω^) 「うん…」 

僕とショボンはトボトボと家路に着いた。 
帰る最中、ショボンはボソリと「思ったより重症だね…」と言った。 
僕は、それに対して何も言えなかった。 

その日、僕は夢を見た気がする。…母ちゃんが…泣いてる。母ちゃん、なんで泣いてるの? 
母ちゃんがもう一人現れた。現れた母ちゃんが最初にいた母ちゃんの頭を撫でてる…。 
そして、最初にいた母ちゃんの頭のてっぺんから灰色のもやもやしたのが出てきた…。母ちゃ
んはもう泣いてない…。 

(;^ω^) 「…はっ!」 

そこで僕は目を覚ました。なんだお、今の夢は…。意味がわからない…。 

( ^ω^) 「はぁ・・・なんか変に後味悪い夢だお…」 

僕はのっそり起き上がって学校に行く支度をした。今日バイトの面接に行くことを思い出し、履
歴書をバッグの中に入れた。 
支度を整え、家を出た。 
ドクオとショボンがもう待ち合わせの場所にいた。 


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:26:45.16 ID:r5uNQd+
n0
('A`) 「そういえばさ、担任に事情話せばブーンは明日からでも学校休んで仕事できるんで
ね?」 
( ^ω^) 「え、どうしてだお?」 
(´・ω・) 「そっか、ブーンの場合は片親だからその親が入院してるとなると収入源がなくなっ
ちゃうからブーンが働くしかないんだよね。 
だからそのこと話せば担任納得してくれるかも。話してみたらどうだい?」 
( ^ω^) 「おー、なるほど。うん、今日担任に話してみるお」 

学校に着いた僕は早速担任に話してみた。それでは仕方が無いからおk、といわれた。 
とりあえず、明日から休んでいい、ということになり今日は授業に出ることになった。 
…それにしても今朝の夢はなんだったんだろう…。 


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:30:11.64 ID:r5uNQd+
n0
―放課後 

( ^ω^) 「さぁー、面接行くお!」 
(´・ω・) 「まぁ、バイトだし、たいしたことは聞かれないだろうね。見た目も僕ら真面目だし」 
('A`) 「よっしゃー、ガンガルぞー!!」 

僕らは履歴書を見せ合いながら面接場所まで急いだ。 
会社は3階建てでそんなに新しくはなかった。 
チャイムがあったので押した。 
ピンポーン…あれ、誰も出てこない。 
だが、そわそわしていると一人の女性が出てきた。 

川・ー・) 「いらっしゃい。どうなさいました?」 

美人だった。 

(*^ω^) 「おっおっwwwあ、こんにちわ、今日面接に来たブーンとドクオとショボンです」 
川・ー・) 「あら、あなたたちが。どうぞ、あがってこちらでお待ちください」 

「会議室」と札がついた部屋に通され、お茶を出された。 
社長が来るらしく、「少々お待ちくださいね」と言い、女性は部屋を出て行った。 


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:33:20.29 ID:r5uNQd+
n0
('A`) 「どんなこと聞かれるんだろーなぁ」 
(´・ω・) 「まぁ、ハキハキと答えることが一番だろうね」 
(*^ω^) 「さっきの人綺麗だったおwwwww」 
(*'A`) 「おう、事務員さんかな。ここでバイトできたら毎日会えるんだろうなwwwww」 
(*^ω^) 「wktkwwwwww」 
(´・ω・) 「シッ、誰か来たよ」 
( ^ω^) 「おっおっ」 

社長らしき人が部屋に入ってきた。第一印象はネクタイが派手。でもニコニコと優しそうな笑顔
だ。 

( ´∀`) 「こんにちわ、そんなに構えなくてもイインダヨww」 
( ^ω^) 「(グリーンだよ)」 
( ´∀`) 「ん?何か言ったかい?」 
( ^ω^) 「いえ、なんでもないです」 
( ´∀`) 「それでは、面接をはじめようか。と言ってもそんな大それた質問はしないから安心し
てくれ」 

こうして、三人一斉の面接が始まった。 
ただ、面接と言っても世間話のようなもんだった。学校ではどんな感じだ、とか家はどの辺にあ
るか、通勤方法は、など。 


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:36:20.11 ID:r5uNQd+
n0
( ´∀`) 「そういえば、どうしてここでバイトしようと思ったんだい?ここは給料はいいが仕事は
わりと厳しいよ?」 
( ^ω^) 「はい、それは承知です。実は、私の母がカクカクシカジカ」 

僕は正直に家庭の事情を社長に話した。 

( ^ω^) 「だから、ここで働きたいんです!仕事が厳しくても弱音は吐かず一生懸命働きたい
です!!」 
( ´∀`) 「そうだったのか、それは辛いな。それで、えーっと、ドクオ君とショボン君は?」 
('A`) 「はい、私はカクカクシカジカ」 
(´・ω・) 「私もカクカクシカジカ」 

と、二人も正直に話した。 
社長はえらく僕らを気に入ってくれたようだ。 

( ;∀;) 「イイハナシダナー。わかった、君等を採用しよう!ただし、甘えは禁物だぞ!」 
( ^ω^)(´・ω・)('A`) 「はい!ありがとうございます!」 
( ^ω^) 「あ、僕、学校の先生に明日から働いてもいいと許可いただいたので明日から来ても
いいですか?」 
( ´∀`) 「おぉ!それは助かるよ。ぜひとも頼んだ」 
( ^ω^) 「ありがとうございます!」 

無事、面接が終わり、僕らはウキウキしてPIV会社を出た。 


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:40:14.10 ID:r5uNQd+
n0
( ^ω^) 「やったおー!働けるお!これで母ちゃん安心してくれるwww」 
('A`) 「よし、ブーンは明日からだけど来週から俺らも行くからな!」 
(´・ω・) 「明日8時半に出勤だってね。遅刻しないようにね、ブーン」 
( ^ω^) 「うん、目覚ましちゃんとセットしとくお!」 

僕はドクオとショボンとバイバイしたあと病院へ向かった。朝見た夢のことはすっかり忘れてい
た。 
そうだ、ケーキでも買っていこうかな。母ちゃん喜ぶだろうな、と思い、ケーキ屋に寄って母ちゃ
んが大好きなモンブランと自分用のショートケーキを買っていった。 
母ちゃんの病室の前まで来て、ドアの取っ手に手をかけた…と、一瞬何か嫌な予感がした。 

(;^ω^) 「…お?なんだお、この感じ…。き、気のせいだおね…」 

ガラガラ…と戸を開ける。母ちゃんは起き上がってテレビを見ていたらしい。母ちゃんがゆっく
りとこちらを振り向く。 

( ^ω^) 「(やっぱ気のせいだおwwww僕バカスwww)母ちゃーん、元気かおー?ww母ちゃ
んの大好きなモンブラン買って来たおーwwww」 

母ちゃんはニコリと微笑みながら口を開いた。 

J('ー`)し  「…こんばんわ、あの…失礼ですがどちら様でしたっけ?」 


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:42:51.77 ID:r5uNQd+
n0
僕の笑顔が凍りついた。 

(  ω ) 「…えっ、え、母ちゃん…な、何変なこと言って…」 

母ちゃんは困ったような微笑みでこちらを見ている。 
冗談を言っているような顔ではなかった。 
ボトンッと音を立ててケーキが入っている箱が僕の手から滑り落ちた。 

今朝の夢がフラッシュバックした…。あの灰色のモヤモヤしたのは…母ちゃんの記憶だったの
かな。 

(  ω ) 「え、か、母ちゃん…僕のこと…わかんない…?うそ・…だろ…?」 
J('ー`)し 「…あら、会ったことあったかしら?ごめんなさいねぇ、よく覚えてないわ。ところで『母
ちゃん』って?」 
( ;ω;) 「う…あ・・・あ…かあ…ちゃ…」 

母ちゃんは僕のことを忘れていた。 
先生に呼ばれ、説明を受けた。症状が思ったより早く進んでいる、と。それは、同時に死が近
づいている、ということなのだろうか。 
答えを聞くのが怖くて僕は何も言えずに頷いただけだった。と言うか、ショックで言葉が出なか
った。 
先生が他にもいろいろと言っていたが頭に入ってこなかった。僕はただ、頷いた。 


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:45:52.36 ID:r5uNQd+
n0
病室に戻ってきた。ケーキの箱が落ちたままになっている。母ちゃんはボーっとテレビを見てい
る。 
箱を開けてみた。中はグチャグチャになっていて到底食べれそうにない。胸がギュっと締め付
けられる感じがしてまた涙が出てきた。 
ポトッポトッと涙が箱に当たって音を立てる。 
顔をあげると母ちゃんがこちらを見ている。 

J('ー`)し  「あの…なにか辛いことでもあったんですか?」 
( ;ω;) 「母…ちゃん」 
J('ー`)し  「あなたのお母さんがどうしたのですか?」 

母ちゃんは…優しい人だ。それはどんな状況になっても変わらないんだ。 

僕が何も言えずただボロボロと泣いていると母ちゃんがベッドから出て僕のそばに来た。 
そしてそっと抱きしめてくれた。…母ちゃんの匂いがする…。懐かしい匂い…。 


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:49:11.77 ID:r5uNQd+
n0
J('ー`)し  「私にもね、あなたと同じくらいの子供がいるのよ」 
( ;ω;) 「……」 
J('ー`)し  「バカで、一人じゃ何もできなくて、どうしようもない子なの。でも…とても優しくて素直
な子なのよ。自慢の息子なの」 
( ;ω;) 「かっ、母ちゃん…」 
J('ー`)し  「でも、最近会ってないのよ。元気でやってるのかしらね」 
( ;ω;) 「うっ…あっ…」 

母ちゃんは僕の存在自体を忘れたわけではなかったのだ。僕の顔を忘れたのだ。僕は何も言
えなかった。 
母ちゃん、僕バイト頑張るから、母ちゃんの自慢の息子でいつづけるから…死なないで。 

( ;ω;) 「母ちゃん、僕ね、今日バイトの面接行ったんだお!それで受かったんだ!!月給な
んと40万だお!!頑張り次第で月給うpするかもしれないお!!!僕がんがるお!!!母ち
ゃんのためにがんがるから!!だから…っっ!!」 

僕はここまで一気に言葉を発して詰まってしまった。 

J('ー`)し  「…あなただあれ?」 
( ;ω;) 「……が、頑張る…から…だから…母ちゃんも…頑張ってお…」 

母ちゃんは、もはやまともな会話をできる状態ではなかった。 
立ち上がった母ちゃんはゆっくりした足取りでベッドに戻り、テレビを見ている。 
僕は、こんなときに明日朝早いのを思い出した。 

( ;ω;) 「母ちゃん…僕明日早いから…帰るお…」 
J('ー`)し  「……」 


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:52:22.88 ID:r5uNQd+
n0
ドアの取っ手に手をかけた。と、その時 

J('ー`)し  「ブーン…ごめんねぇ…」 

僕は即座に振り向き、ベッドに駆けつけた。 

( ;ω;) 「えっっ、母ちゃん!!記憶が戻ったのかお!!!??」  

でも、母ちゃんは相変わらずテレビを見ていた…。今のはなんだったのか…。 
先生に聞いてみたら、一時的に記憶が戻っただけで回復したわけではない、と言われた。 
治らないの?母ちゃんはもう治らないの?ねえ、先生。治してよ。医者でしょ?ねぇ…。 


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:55:36.00 ID:r5uNQd+
n0
――あれから数ヶ月の月日が流れた。そろそろ雪が降る季節だろうか…。 
僕はいまだにPIV会社で働いている。というか、高校はやめた。 
社長が『ブーンはよく頑張っている。社員にしてやるぞ』と言ってくれたんだ。 
ドクオとショボンは夏休みの間だけ働いてくれた。僕と、母ちゃんのために。 
そして、バイトの最終日に給料をもらい約80万手渡された。頑張れ、と力強く言われた。僕は
涙を堪えながら深く頷いた。 
二人は当然高校に通いつづけている。たまに会ったりしている。 

母ちゃんは…衰弱しきっていた。今はもう寝たきりになっている。 
今日も仕事帰りのお見舞いに来た。 
ガラッ― 

( ^ω^) 「母ちゃーん、今日も外は寒いおー!」 
J(ヽ'ー`)し  「…誰だい?」 
( ^ω^) 「(イスに座る)よいしょっと。ほら、息子のブーンだお!母ちゃん、母ちゃんの大好き
なモンブランだお!」 

と、僕はモンブランを取り出し、ご飯を食べるときの台に乗せ、母ちゃんを抱き起こした。 
母ちゃんは軽くなっていた。 
母ちゃんは自分で食べることさえできなくなっていたので僕がフォークを持って食べさせてあげ
た。 
モグモグと口を動かしながら僕を見ている。 


 63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 22:58:21.24 ID:r5uNQd+
n0 
と、いきなり母ちゃんが怒鳴りだした。 

J(#ヽ`д´)し  「貴様!!!こんなもの食べさせて私を殺すつもりなんだろ!!貴様は誰
だ!!!帰れーー!!!」 
(;^ω^) 「母ちゃん!これはケーキだお、変なものじゃないお。あんま大きな声だすと注意さ
れちゃうお」 
J(#ヽ`д´)し 「黙れ!!私を殺すつもりだろ!!!?出てけーー!!!!」 

と、叫び、モンブランが入った皿を壁に投げつけよろけた。よくこうやって皿を投げるのでプラス
チックの皿にしてあるのだ。 
こういうときだけ力が出るらしい。 
よろけた母ちゃんを支えようとしたら思い切りたたかれた。 
僕はヤレヤレ、と肩を落とし、病室から出て行った。 
こういうときは下手に刺激を与えないで素直に目の前から消えるのが一番いいのだ。 
廊下でボーっとしていると、ふとヒソヒソ声が聞こえた。 
声のするほうを見ると女性の患者さん同士がパッとこちらから目をそらした。 
僕は理解し、俯いた。 
母さんの怒鳴り声がするといつもあの人達がヒソヒソと話をしている。 
恐らく陰口だろう。仕方ないんだ、母ちゃんは病気なんだから。恥じることはない、といつも自分
に言い聞かせている。 

64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 23:01:37.91 ID:r5uNQd+n0 
しばらくして病室に入った。さっきの癇癪は嘘のように母ちゃんは静かにベッドから窓の外を眺
めている。 
僕も、何事もなかったかのように話し掛ける。 

( ^ω^) 「…母ちゃん、月が綺麗だね。もう少しで満月かな。今年は雪降るのかなぁ」 
J('ー`)し  「…あなただあれ?」 
( ^ω^) 「息子のブーンだお」 
J('ー`)し  「あら、ブーンなの」 
( ^ω^) 「そうだお。母ちゃん、寒くないかい?布団ちゃんとかぶるんだお」 

と言って僕は布団を母ちゃんの肩までそっとかけた。 

( ^ω^) 「じゃあ、また来るからね」 

僕はそのまま病室を出て行った。 
外に出ると寒さのあまり身震いした。早く家に帰ろう。僕は、チャリで全力疾走した。 

 66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 23:04:28.69 ID:r5uNQd+
n0 
次の日から、母ちゃんは喋れなくなった…。 
最初は口をパクパクとわずかに動かしていたが、喋れないと自分でわかったのか、食べるとき
以外は、もう口を開けなかった。 
先生は『そろそろ覚悟を決めといたほうがいいよ』と言った。 
そんな…、そんな話ってあるかよ。先生言ったじゃないか、治すって…。 
…僕は何も言えず俯いていた。 
 
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 23:08:27.43 ID:r5uNQd+n0 
数週間後……… 
チュン…チュンチュン… 

コトコトコト…何の…音だ?…いい匂い…。味噌汁…? 
懐かしいな、この感じ…。あぁ、1年前は何もなく平和だった…。 
『ブーン―いつまで寝てるの。起きなさい』 
どこからともなく声がした。…この声も口調も懐かしい。 
これは…夢?やけに…リアルだな…。 
と、ここで僕は目を開けた。 

( ^ω^) 「ん…。…やっぱ…夢?」 

台所に行って見る。昨日片付けたはずの鍋がコンロの上に乗っかっている…しかもかすかに
湯気が…。 
恐る恐る近づいて僕は蓋を開けてみた…。やっぱり味噌汁ができていた。 
誰が作ったんだ???まさか母ちゃん…?いや、そんなはずはない。 
母ちゃんはもう動けないし口もきけないんだ…。ふと、炊飯器を見るとご飯も炊けていた。 
これが、何かの罠だとしても別にいいや、と僕は思い味噌汁とご飯を食べることにした。 
残念ながらおかずはなかった。味噌汁をすする…。ズズズズ… 

( ^ω^) 「…この味…やっぱり母ちゃんが作った味噌汁だお…」 

母ちゃんは冬の味噌汁には生姜を入れるのだ。体の芯まで温まるように、と。 
この味噌汁には確かに生姜が入っている…。 
僕は何かモヤモヤした気持ちになっていたときに、電話が鳴った。  
 
 
 
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 23:10:59.03 ID:r5uNQd+n0 
「至急、病院に来てください」 

僕は、すべてを察し、病院に向かった。 
病院に着くと、母ちゃんの病室に看護士と、担当医師がいた。 
母ちゃんはかろうじてまだ息があるが、時間の問題だろう。 
先生は、恐らく最後になるだろうから、と僕と母ちゃんを二人きりにしてくれた。 
僕は母ちゃんの手を握り「母ちゃん…息子のブーンだよ…会いに来たよ」とずっと言いつづけ
た。 
僕はいつの間にか涙をポロポロと流していた。母ちゃん、こんなにやつれちゃった…。 

と、その時、母ちゃんの口がパクパクとかすかに動いた。僕は自分の目を疑った。 
そして、懐かしい、母ちゃんの声が聞こえた。 

J(ヽ'ー`)し  「ブーン…そこにいるのかい?」 

母ちゃんは目を瞑ったまま口を動かした。 


 69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 23:14:09.42 ID:r5uNQd+
n0 
( ;ω;) 「…!!!!か、母ちゃん…僕はここにいるお…」 

僕はなぜかこのとき看護士と先生を呼ばなかった。 
母ちゃんの言葉を最後まで聞いてあげたかったからかもしれない。 

J(ヽ'ー`)し  「ブーン…ごめんね、辛い思いさせたね…」 
( ;ω;) 「そんなこと…ないお…」 
J(ヽ'ー`)し  「あんたには本当に悪かったと思ってるよ。ダメな母ちゃんでごめんね」 
( ;ω;) 「何言ってんだお…母ちゃんは僕の自慢の母ちゃんだお…」 

僕は母ちゃんが前、僕のことを自慢の息子だと言ってくれたことに対してすごく嬉しかったこと
を思い出した。 

J(ヽ'ー`)し  「ありがとう…。今朝ね、ブーンのために朝ご飯を作った夢を見たんだよ。あんた
は訝しげながらもちゃんと食べてくれてたね」 
( ;ω;) 「母ちゃん…ありがとう…ちゃんと、食べたお」 

やっぱり今朝のは母ちゃんが作った料理だったんだ。捨てなくてよかった。 
どうやって作ったかなどどうでもいい。もしかしたら、あれが母ちゃんの最後の料理かもしれな
い…。 
 

70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 23:17:34.10 ID:r5uNQd+n0 
J(ヽ'ー`)し  「…ブーン、仕事はどうだい?ドクオ君やショボン君とは仲良くしてるかい?学校は
…やめたらしいね。ごめんね」 
( ;ω;) 「母ちゃんが謝ることなんかじゃないお…!仕事はちゃんとうまくやってるお! 
社長も優しいし、仕事仲間とも仲良くやってるお!!ドクオやショボンとは最近会ってないけ
ど、大親友だから大丈夫だお!」 
J(ヽ'ー`)し  「そうかい、よかった…。それを聞いて安心したよ…立派になったね、ブーン…」 

その言葉で別れが近づいているということを予想させた。 

( ;ω;) 「かあちゃ…い、いやだ…死なないで…母ちゃん…いかないで、一人にしないで…」 
J(ヽ'ー`)し  「一人じゃないだろ…?大親友もいるし、お世話をしてくれている社長さんだってい
るじゃないか…」 
( ;ω;) 「母ちゃん…いかないで…」 
J(ヽ'ー`)し  「ブーン、母ちゃんの子供に生まれてきてくれてありがとう。一生懸命生きてくれて
ありがとう。 
あなたはもう、母ちゃんがいなくても立派な大人よ…。母ちゃんも、寂しいけど…さよならしなく
ちゃね…ごめんね、ありがとう…」 
( ;ω;) 「そん…な…そんな、いやだ…母ちゃん………   か、母ちゃん?母ちゃん!??
う、うあ・・・… 
うああああああああああああ!!!!いやだあああああああ!!!!!!!」 

僕の叫び声を聞いて先生と看護士が病室に入ってきた。 

( ;ω;) 「母ちゃん!!!いやだよ!!!一人にしないでよ!!!うああああああああああ
あ!!!」 

母ちゃんの心拍数は0になっていた。 

74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 23:20:13.34 ID:r5uNQd+n0 
先生の話によると、僕と母ちゃんが二人きりになってすぐに母ちゃんは息を引き取ったらし
い。 
つまり、僕と話していたときにはすでに死んでいたのだ。 
先生にはさっきの母ちゃんとの会話のことは言わなかった。 
どうせ信じてもらえないだろうから。幻覚症状を見たと言われるだろうから。 
でも、あれは幻覚なんかじゃない。夢でもない。母ちゃんは、奇跡を起こしたんだ。 

母ちゃん、ありがとう、ごめんね。謝らなきゃいけないのは僕のほうなのに…。 
一生懸命僕のことを愛してくれてありがとう。育ててくれてありがとう。 
もっと、僕が早くバイトをしていればもしかしたらこんなことにはなんなかったかもしれないのに
…。 

この日、今年の初雪が降った―。 
母ちゃんにも雪、見せてあげたかったな。きっと喜んでただろうに。  

76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/01(火) 23:23:02.21 ID:r5uNQd+n0 
あれから、10年が経った…。僕は今年で26歳を向かえる。ドクオとショボンとは今でも大親友
だ。 
PIV会社の仕事はまだ続けている。意外と僕に合っている仕事らしい。 

今日は母ちゃんと父ちゃんの墓参りだ。 
父ちゃんの墓参りは昔、母ちゃんと毎年来ていた。 

今、僕の隣には、今年結婚をした妻がいる。名前はツンだ。 
彼女のお腹には僕との子供を宿している。とても幸せだ。 
母ちゃんと父ちゃんの墓の前に来て僕らはしゃがんだ。 

ζ ゚听)ζ 「ここがブーンのご両親のお墓ね…?」 
( ^ω^) 「そうだお。ツンと来るのは始めてだね」 
ζ ゚听)ζ 「ええ」 

そう言い、ツンと僕はお墓に手を合わせた…。 
どこからか母ちゃんの声がした気がした。 
『ブーン。おめでとう、しっかり彼女と子供を守りなさいよ。あなた達のことずっと、見守ってるか
らね…』と――。 




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