( ^ω^)ブーンがトランプに参加するようです 


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:20:04.76 ID:32Ybi/2N0

( ^ω^)「……こちらこそだお」 

内藤ホライゾン 
(スペード 7) 

借金返済の為に「トランプ」に参加した主人公。 


('A`)「まさかしょっぱなからお前に会えるとはな」 

ドクオ 
(ダイヤ 13) 

ブーンの旧友。 
見た目によらず運動能力は高い。 
所持する首はスペードの3。 


/ ,' 3「やるしか……ないのか……」 

荒巻スカルチノフ 
(??) 

真面目で働き者。見た目ひよわ。中身小心者。 
妻と息子を助ける為に参加。 


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:21:19.19 ID:32Ybi/2N0

(,,゚Д゚)「ついてねぇ……ホントについてねぇ……」 

ギコ 
(??) 

ヤクザの下っ端。 
人数あわせで強制参加させられた。 


(*゚ー゚)「ねぇ……これからどうするの?」 

しぃ 
(??) 

ギコの彼女。 
人数あわせで強制参加させられた。 


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:21:38.76 ID:32Ybi/2N0

( ´_ゝ`)「……貴様余計なコト喋るな。殺すぞ」 

兄者 
(スペード 13) 

流石兄弟・兄。 
「トランプ」の舞台で一番大きいグループのリーダー。 


(´<_` )「大丈夫だ。たかが10万の首には興味はない」 

弟者 
(クローバー 4) 

流石兄弟・弟。 
所持する首はスペードの4・ハートの4。 
つーに持たせている。 


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:22:02.80 ID:32Ybi/2N0

<ヽ`∀´>「13だったら兄者に殺されてたニダ!!」 

ニダー 
(??) 

兄者に脅されてグループに入った一人。 
所持する首はダイヤの3。 


( ´∀`)「わ、わかった、協力するモナ。だから殺さないでほしいモナ……」 

モナー 
(??) 

ニダーと同じく強制的に入れられた。 


(*゚∀゚)「えへへ、えへへへ……」 

つー 
(??) 

ヤク中の女。ヤクを買う金欲しさに「トランプ」に参加。 
チームの中で一番基地外じみている。 
弟者から預かった首で常に遊んでいる。 


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:22:36.03 ID:32Ybi/2N0

ξ゚听)ξ 

ツン 
(??) 

ブーンの旧友。 
大教室でその姿を見かけたが、まだ見つけ出せずにいる。 
いまだ生死もわからない。 


(;><)「いっ、痛いんです!!」 

わかんないんです 
(ハート 4) 

ピアノ線の罠を張ったが、ドクオの反撃に合う。 
逃げたところをつーに殺された。 


狂った女「いぃいいぃいいいいいいいぃぃいいいい!!」 
(スペード 3) 

ブーン達が最初に出会った敵。 
すでに精神は崩壊していた。 
ブーンを追い詰めるものの、ドクオに首を切られる。 



8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:27:31.80 ID:32Ybi/2N0

ブーンは走り続けた。 
ドクオという頼れる存在がいなくなった今、また最初の頃に戻ってしまった。 

何度か追いかけられもしたが、持ち前の足の速さで振り切ってきた。 
途中、首なし死体が転がっているのを何度も見た。 
「トランプ」は順調に進んでいるのである。 

ドクオと一緒にいたときは、余裕もあってかツンのことを思い出していた。 
しかし彼は走り続けるだけで精一杯だった。 

疲れては物影で休み、人の気配を感じては逃げ続けていたそのとき、 

ピンポンパンポーン 

というまぬけなチャイムが響いた。 



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:28:09.69 ID:32Ybi/2N0

『あ〜あ〜、テステス……んんっ!!』 

殺伐とした空気に似合わないテンション。咳払いひとつ。 
大教室で説明をしたあの黒服の声だ。 

『え〜、皆さんお疲れ様です。作業中の方もそのままでお聞きください』 

『こちらのミスでですね、ルールを一つ伝え忘れていました』 

(;^ω^)「……!?」 

『まことに申し訳ございません。こちらといたしましても今後このようなミスのないよう万全の…
…』 

しばらくどうでもいい話が続く。 
放送を聞き逃すわけにはいかないし、周りから注意を逸らすわけにもいかない。 
ブーンは苛立った。 



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:28:31.21 ID:32Ybi/
2N0

『え〜失礼しました。本題に入りましょう。お伝えし忘れたルールというのはですね』 

『ゲーム終了の際に、皆様には最低でも一つ首を所持していただきたいというものです』 

(;^ω^)「なんだって……!!」 

『これはゲームをより円滑に、エキサイティングに進行してもらうというもので……』 

『なお、この条件を満たしていない方には当方で首を回収させていただきます』 

わざとらしく語尾をあげる黒服。 
伝えるのが嬉しくてしょうがないとでもいうような声。 
無情にも放送はブツリと切れた。 

首を回収。 
それはつまり……。 

(;^ω^)「逃げてるだけじゃダメなのかお……」 

ブーンは目の前が暗くなる錯覚を覚えた。 

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:30:42.57 ID:32Ybi/
2N0

(´<_` )「実にどうでもいい話だな兄者」 

( ´_ゝ`)「そんなことはないぞ弟者。これで逃げ回るだけの小心者も減るだろう」 

流石兄弟は元は死刑囚だった。 
このゲームに参加することを条件に、死刑を免れたのだった。 
それは流石兄弟にとっては願ってもない条件だった。 

この二人、元々は普通のサラリーマンとして生活していた。 

酒の付き合いも多くなってきた年末、千鳥足で歩いていた弟者が「オヤジ狩り」にあったのだ。 
大人数に囲まれ、抗うすべもなく身包みを剥がされ袋叩きにあう弟者。 

そのことを聞いた兄者が怒り奮闘し、犯人の身元を調べ上げた。 
白昼堂々犯人の高校に侵入した流石兄弟は、弟者の身包みを剥がした男子高校生12人を
次々と刺し殺していったのだ。 

まもなく警察が駆けつけ、無抵抗の二人を取り押さえる。 
事情聴取の際、兄者は平然として「やられたことをやりかえしただけ」と言い放った。 



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:32:42.62 ID:32Ybi/
2N0

( ´∀`)「モナー達にとっては都合のいいルールモナ」 

<ヽ`∀´>「追いかける手間も省けるニダ!!」 

「ねーねー見て見てー」 

<ヽ`∀´>「?」 

川*゚∀゚)「ばぁっ!!」 

<;ヽ`∀´>「うわっ!! 何かぶってるニダ!!」 

川*゚∀゚)「えへへ。さっき殺した女の髪〜似合う似合う?」 

<;ヽ`∀´>「あ、頭の皮ごと剥いだニダか……」 

(´<_` )「おい、あんまりいじくりまわすなよ。首の数字までわからなくなったらたまったもんじゃ
ない」 

川*゚∀゚)「はーい。えへ、えへへへ……」 



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:33:03.01 ID:32Ybi/
2N0

(;^ω^)「喉渇いたお……」 

ゲーム開始から何時間たったのだろうか。 
そろそろ日が出てきてもおかしくはない。 
しかし校舎の窓という窓は全て塞がれており、外の様子は全くわからない。 

慎重に進む道の先に、冷水機が見えた。 
周りを警戒し、ゆっくりと近づいていく。 

ごくりと喉を鳴らす。 
音を聞かれたんじゃないかと再度周りを見渡した。 

( ^ω^)「……?」 

丁度冷水機の位置から見える教室の窓。 
教室の中には苦しそうに壁にもたれる女と、それを覗き込むようにしゃがむ男の姿が見えた。 



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:33:28.61 ID:32Ybi/
2N0

(;^ω^)「!!」 

ブーンは頭が真っ白になった。 
同時に血が引いていく感覚を覚えた。 

(;^ω^)「ツン!?」 

ブーンは勢いよくドアを開けた。 
中の二人がはねるようにこちらを見る。 

(,,゚Д゚)「!!」 

(;゚ー゚)「!!」 

(;^ω^)「ツン!!……じゃないお」 


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:34:11.83 ID:32Ybi/
2N0

(,,゚Д゚)「来やがったな……コイツは絶対に殺させねぇぞゴルァ!!」 

(;^ω^)「ちょ、待ってお!! 違っ、誤解!! 違うお!!」 

(,,゚Д゚)「何が違うんだゴルァ!!」 

ギコはナイフを右手に持ち、ブーンに突き出すように構えた。 
勇んで教室に足を踏み入れたブーンだったが、助けようとした女がツンじゃないと知り、後ずさ
りした。 

じりじりと詰まる二人の距離。 
しぃのうめき声が聞こえ、ギコがブーンから目を逸らす。 
それを合図にブーンは踵を返して教室の出口に走り出した。 

(,,゚Д゚)「あっ!! 待て!!」 

待てと言われて待つほどまぬけではない。 
しかし生き死にのかかったこの場面で、 

(;^ω^)「!!」 

ブーンは足がもつれて転んだ。 


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:36:59.52 ID:32Ybi/
2N0

(,,゚Д゚)「ははっ!! 馬鹿が!!」 

すぐにギコが馬乗りになった。 
左手をブーンの顔に乗せ、ナイフを頭上高くかかげる。 
振り下ろさんとしたその時、 

(;゚ー゚)「ダメ!!」 

(,,゚Д゚)「!?」 

(;^ω^)「!?」 


(,,゚Д゚)「ダメって……しぃ……」 

(;゚ー゚)「ダメ……人殺しはダメ……」 

(,,゚Д゚)「しぃ……」 


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:44:17.96 ID:32Ybi/
2N0

ブーンは信じられないといった顔でしぃを見た。 
この殺すか殺されるかのゲームの中で、初めて人間的、道徳的な言葉を聞いた気がする。 

(;゚ー゚)「お願い……やめ……」 

(,,゚Д゚)「しぃ!!」 

しぃの声から力が消えていく。 
ギコはブーンから飛びのいてしぃの背中をさすった。 

(,,゚Д゚)「大丈夫か!? しっかりしろ!!」 

(;^ω^)「お……?」 


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:44:36.14 ID:32Ybi/
2N0

見れば女の子はとても苦しそうな表情を浮かべている。 
ブーンは起き上がり、そのままの位置で尋ねた。 

(;^ω^)「その子……怪我したのかお?」 

(,,゚Д゚)「うるせえ!! 黙ってろゴルァ!!」 

(;゚ー゚)「持病が……あってね……」 

(;゚ー゚)「薬……飲まないといけないんだけど……落としちゃったんだ」 

(,,゚Д゚)「しぃ!! 無理して喋るな!!」 

(;゚ー゚)「きみさ……首、欲しいと思うけど……あたしたちのは勘弁してくれないかな……?」 

ブーンはもちろん二人の首を狙ってきたわけではない。 
しかし、続けて話そうとするしぃの言葉を黙って聞いていた。 


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:45:01.48 ID:32Ybi/
2N0

(;゚ー゚)「あたしはきっともうもたないけど……あたしの首はギコにあげたいの……」 

(,,゚Д゚)「なっ!! 何言ってんだ馬鹿野郎!!」 

(;゚ー゚)「首は……一人一つ持ってないといけないんだよ……だから……」 

(,,゚Д゚)「そんなこと出来るか!! いいからもう喋るな!!」 

(;゚ー゚)「ギコ……」 

( ^ω^)「薬……探しに行かないのかお?」 

(,,゚Д゚)「うるせえ!! しぃはこうなっちまったら動かしちゃいけないんだ!! 無理に動くとひき
つけを起こすんだよ!!」 

(,,゚Д゚)「しぃを置いて……探しに行けないだろうが……!!」 

しぃは動かせない。 
しぃを一人にして薬を探しに行ったらしぃが危ない。 
だからといってこのままでは死ぬのを待つだけだ。 

ギコはそう言って歯噛みした。 


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:45:19.18 ID:32Ybi/
2N0

( ^ω^)「……俺が探してくるお」 

(,,゚Д゚)「……は!?」 

( ^ω^)「二人ともこの場を動けないなら、俺が探してくるしかないお」 

(;゚ー゚)「きみ……」 

二人は呆気にとられた。 
自分たちの首を狙ってきたと思った男が、助けてあげると言ってきているのだ。 

(,,゚Д゚)「だ、騙されるか!! そんなこと言って、仲間を連れてくる気だな!!」 

(;^ω^)「そ、そんなコトしないお!!」 


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:46:24.21 ID:32Ybi/
2N0

(,,゚Д゚)「うるせえ!! 信じられるか!! 大体なんで赤の他人、しかもこのゲームのプレイヤー
がそんなコトするんだ!!」 

(;^ω^)「……」 

頑なに自分を敵視するギコに、ブーンはだんだん腹が立ってきた。 

( ^ω^)「……その子を助けたいからだお」 

(,,゚Д゚)「なに!?」 

( ^ω^)「その子を助けたいからって言ったんだお」 

(,,゚Д゚)「な……っ!! 信じられるかこの野郎!! 仲間を呼ばれる前に殺してやる!!」 

(;゚ー゚)「やめてギコ!!」 


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:46:53.54 ID:32Ybi/
2N0

ギコがブーンの首にナイフを突きつける。 
しかしブーンは動じずに言った。 

( ^ω^)「お前はその子を助けたくないのかお?」 

(,,゚Д゚)「なんだとぉ……っ!?」 

( ^ω^)「このままじゃその子は助からないお。だからってこのまま死ぬのを待ってるわけには
いかないお」 

( ^ω^)「俺を殺したいなら殺せばいいお!! そしてその子も見捨てればいいお!!」 

(,,゚Д゚)「てめえ……!!」 

(;゚ー゚)「ダメ、ダメだよギコ……!!」 


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:47:21.95 ID:32Ybi/
2N0

(,,゚Д゚)「……ちっ」 

ギコは突きつけたナイフを下ろした。 

(,,゚Д゚)「……下手糞な命乞いだな」 

(;^ω^)「ち、違うお!!」 

(,,゚Д゚)「まぁいい。行けよ。見逃してやる」 

( ^ω^)「!! じゃ、じゃあどの辺で薬落としたか教えてほしいお」 

(,,゚Д゚)「……お前マジで言ってんのか?」 

( ^ω^)「マジで言ってんだお」 



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:47:43.45 ID:32Ybi/
2N0

ギコの目にまっすぐ応えるブーン。 
その目に強い意志を感じてギコはたずねた。 

(,,゚Д゚)「なんでだ? なんで赤の他人を、しかもこの状況で助けようなんて考えるんだ」 

その問いにブーンはほんの数秒沈黙した。 
考えて言ったわけじゃない。 
ただ勢いで「助けたい」と言った。 
そこに大した理由はなかった。 

( ^ω^)「その子が……俺の好きな子に似てると思ったからだお」 

しかしその理由がブーンにとっては大事だったのだ。 


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:48:03.68 ID:32Ybi/
2N0

(,,゚Д゚)「なに……?」 

( ^ω^)「大教室で見たんだお。ツンもこのゲームに参加してるんだお」 

二人は黙ってブーンの話を聞いていた。 

( ^ω^)「別に彼女とかじゃないけど……しばらく会ってないけど……俺が助けなきゃいけない
んだお」 

ブーンの話はいまいち要点を得てなかったが、ギコはこの目は嘘をついていないと思った。 
そして本人も気づかなかったが、ギコはすっかりブーンに対する警戒を解いていた。 


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:48:31.85 ID:32Ybi/
2N0

(,,゚Д゚)「……俺の名前はギコだ。こいつはしぃ」 

(;^ω^)「お? ……あ、ブーンだお」 

(,,゚Д゚)「すまないが……薬を頼んだ。なるべく早く見つけてきてほしい」 

( ^ω^)「任せろお!!」 

(;゚ー゚)「ごめんなさい……ありがとう……」 

( ^ω^)「すぐに……戻ってくるお!!」 


ブーンは二人に背を向け、慎重に教室を出た。 

(;^ω^)「……どの辺で落としたか聞くの忘れてたお」 

そしてすぐに引き返した。 



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:49:53.22 ID:32Ybi/
2N0

('A`)「ふぅ……ふぅ……」 

ブーンはうまく逃げられただろうか。 
見てる限りじゃ、あいつはやる気がない。 
このゲームに参加した以上人殺しがどうとか甘い事は言ってられないのだが。 

('A`)「あいつらしいけどな……」 

こういう状況下では、人はその醜い本性をいとも簡単にさらけ出しそうなものだ。 
それでもまだ躊躇できるのは、つまりそういうことなんだろう。 


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:50:19.49 ID:32Ybi/
2N0

「うあああああああっ!!」 

('A`)「!? ちっ!!」 

廊下の曲がり角から襲い掛かってきた男にバックを投げつける。 
男はそれを右腕で払いのけ、ドクオの姿を探す。 

その一瞬のやり取りの間にドクオは男の胸に深くナイフを突き立てていた。 

「ひっ、ぎいいい!!」 

('A`)「あんまり大きな声出すなよ……」 


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:50:41.25 ID:32Ybi/
2N0

返り血を浴びないよう、男の正面からどいてナイフを一息に抜く。 
そのまま後ろに回って男の首を掻っ捌いた。 

「……!!」 

('A`)「またはずれだ……」 

バックに三つ目の首を詰めてドクオは呟く。 

('A`)「首って意外と重いんだなぁ……」 

取引にでも使えるかもしれない。 
そう考えながら男のナイフを奪い取った。 
死が蔓延する校舎内で、ドクオの精神と技術は確実にゲームに馴染んでいった。 


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:51:18.96 ID:32Ybi/
2N0

「う、ああ……」 

('A`)「!?」 

うめき声を聞いて、クオは咄嗟に物陰に体を隠した。 
声はこの先の曲がり角から聞こえる。 

('A`)「(交戦中かね)」 

さっきの集団が頭に浮かぶ。 
多勢に無勢……どう考えても勝ち目がない。 

あわよくば漁夫の利を狙って、ドクオは曲がり角から顔を出した。 


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:54:40.14 ID:32Ybi/
2N0

ξ゚听)ξ「ん、……よいしょ……」 

('A`)「(ツン!?)」 

血塗れになって床に寝転ぶ男に、ツンが跨っていた。 
丁度騎乗位のような格好で、しかし男の首はツンのナイフによって切断されようとしていた。 

ξ゚听)ξ「ン……固い……」 

('A`)「……」 

ドクオはその光景に魅入られていた。 
そのせいで、背後に忍び寄る影に気づけなかった。 


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 15:55:32.68 ID:32Ybi/
2N0

ξ゚听)ξ「……ッ!!」 

首を切る手を止めて、ツンがドクオを見た。 

しまった、ばれた――― 

思うより先に体を引く。 

「あっ!!」 

そのおかげで背後の男の狙いがそれた。 

('A`)「いって!!」 

ξ゚听)ξ「!! ドクオ……」 


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 16:08:20.29 ID:32Ybi/
2N0

('A`)「野郎っ!!」 

ナイフはドクオの肩をかすめた。 
すぐにバックで応戦する。 

「うおあっ!!」 

がむしゃらにナイフを振り回す男。 
間合いを見極め、ドクオは慎重に距離をとろうとした。 
が……。 

('A`)「あっ!?」 

バックステップがうまくとれず、ドクオはバランスを崩して転倒してしまった。 

「ひひ!!」 

('A`)「く、そ……っ!!」 


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 16:08:39.57 ID:32Ybi/
2N0

ここまでか……と、きつく目をとじる。 
しかしいつまで待っても体に痛みは来ず、男の悲鳴が聞こえてきた。 

「あっ!! ぎゃあ!!」 

ξ゚听)ξ「……」 

('A`)「ツン……!?」 

目をあけると、男の横腹にナイフを突き立てているツンがいた。 
ツンはそのままナイフを横に引いた。 

「いでででででえええっ!!」 

男の大声を聞いたドクオは反射的に止めをさした。 
喉仏に深くナイフが突き刺さった男は、二三度痙攣した後、動きを止めた。 



38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 16:08:55.62 ID:32Ybi/
2N0

('A`)「はあっ、はあっ……た、助かったよツン」 

ξ゚听)ξ「別に……アンタを助けるつもりじゃ……」 

ドクオが体を起こす。 
ツンは警戒しているのか、ドクオと距離を置いたまま俯き加減で呟いた。 

('A`)「おいおい、ブーン以外にもツンデレかよ」 

ξ゚听)ξ「……ブーン……ブーンは?」 

('A`)「あ、ああ……さっきまで一緒にいたんだけど、はぐれちまった……」 

ξ゚听)ξ「一緒に……? そう……」 



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 16:22:23.89 ID:32Ybi/
2N0

('A`)「お前もやる気満々なんだな」 

ξ゚听)ξ「……」 

ツンの手はさっきの男の生首を掴んでいた。 

('A`)「おいツン。ブーンもそのうち見つけるからよ、一緒に行こうぜ」 

ξ゚听)ξ「は……?」 

('A`)「信頼できる仲間が必要なんだよ」 

ξ゚听)ξ「仲間……」 

('A`)「会わなかったか? 4・5人のグループ組んでるやつらがいるぜ。あんなの一人じゃかな
いっこねぇ」 



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 16:26:19.28 ID:32Ybi/
2N0

('A`)「ブーンも、喜ぶしな」 

ξ゚听)ξ「……!! そう……そうね……でも」 


ツンは表情を変えた。 
それはドクオに対し、あからさまな敵意を含んでいた。 


ξ゚听)ξ「あんた数字はいくつなの?」 



42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 16:26:41.56 ID:32Ybi/
2N0

('A`)「……!! 俺は……」 

しまった。順番を間違えた。 
まず、数字を聞いておくべきだった。 
ドクオは心の中で舌打ちをした。 

('A`)「(仕方ない……それに数字がかぶる可能性なんて13分の1だろ)」 

('A`)「……俺はダイヤ、ダイヤの13だ」 


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/22(土) 16:27:27.17 ID:32Ybi/
2N0

数秒の沈黙。 

('A`)「……?」 

ツンの表情がまた変わった。 
穏やかな表情で近づいてくる。 

ξ゚ー゚)ξ「……残念ね」 




ξ゚ー゚)ξ「あたしは、ハートの13よ」 




ツンはナイフを高々と振り上げた。 





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