( ^ω^)の全てが終わったようです 


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:14:08.46 ID:uc+xwIDw0
今あるソレは幻で 
 今あるコレは幻想で 
  今あるアレは理想だと 
   ならば現実どこにある 
    淡い光のように耀くソレは 
        行くも戻るも儚い現実 


【第1話 起】 



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:14:48.58 ID:uc+xwIDw0
始まりは何時だったかなんてことは忘れた。 
思い出しても仕方が無いことだから。 

僕はゆっくりと目の前の彼女にそう告げた 

カランコロンと心地よい音を立てながら前を歩く彼女は 
フフッと悪戯な笑みを浮かべながらなおも続ける 

「全ての出来事には始まりと終りがあるのよ 
 私にもそう、始まりがあって終りもある。 
 今こうして向かってる先は、その終りかもしれない 
 ほら、そう考えると気になるでしょ?お互いの事が」 

まるでどこか遊びにでもいくように、彼女は笑みを浮かべながら話す 



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:15:29.00 ID:uc+
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「だから、気になるのよ、貴方の"始まり"が」 

言いえて妙だと感じる。 
だがソレは僕自身がおかしいだけなのかもしれない。 
知り合った人のことを知れば知るほど情が生まれる。 
ソレは時として判断を鈍らせ、破滅へと導く 

それを身に染みて理解しているのに、何故にこうも目の前の女性には心奪われるのだろうか 
理由は簡単だろう、きっとこの女性も"終わってる"からだ 
僕より先に"終り”を見てる、だからこそそれに引かれる 
自分自身でそう答えを導き出す 

いつの間にか、下駄の音は止み、目の前には彼女の顔が合った 

「で?教えてくれないの?」 
にっこりとはにかむような笑顔を向ける女性 


「わかったお…"始まり"を話すお」 

僕は観念したように、そう呟いた 



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:16:24.29 ID:uc+
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◆ 


思い出したくも無い光景 
脳裏に最初に浮かぶのは赤 
床も赤 壁も赤 天井も赤 窓も赤 
全てが赤 
赤 赤 赤 赤 赤 赤 赤 
紅 紅 紅 紅 紅 紅 紅 

全てはこの赤い世界から"始まった" 


────1Day──── 
   望むものは手に入らなかった 
     手に入れたのは絶望だけだった 



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:18:01.31 ID:uc+
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毎日は変らない 
同じビデオテープを繰り返し再生しているかのような 
無機質な毎日、でもその時はそれが幸せだった 

手に入らなくて悔しい思いもしたけども 
それでも、毎日が耀いてた気がする。 
そう、同じテープの再生だなんて考えつかないほどに 


( ^ω^)「行って来るお!」 
毎朝の光景、ドタドタと大きな足音を鳴らしながら階段を駆け下りる 
そして、そのまま玄関に向かい靴を履きながら声を上げる 

J( 'ー`)し「あらあら、ブーンちょっと待って。お弁当忘れてるわよ」 
パタパタと足音を鳴らしながら近づいてくるカーチャン 
( ^ω^)「ありがとうだお!カーチャンの弁当忘れたら僕しんじゃうお!」 
大げさな表現をしながら弁当を受け取る 
J( 'ー`)し「まぁ・・・ブーンたら。気をつけていくのよー」 
( ^ω^)「「はーいだおー!」 

そういいながらブーンは外へと走り出した 


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:19:45.44 ID:uc+
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空が青い、雲が白い 
( ^ω^)「うん!今日も平和だお」 
一人、誰に告げることなく呟く自分 
その時は全てが幸せだった 

毎朝笑顔で弁当を作ってくれるカーチャン 
塀の上で気だるそうに欠伸をする猫 
チチッチと囀る小鳥の声 
変らない毎日がブーンにとっては幸せだった 


◆ 



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:21:45.87 ID:uc+
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( ^ω^)「おいすー!」 
教室のドアを開くと同時にする掛け声 
コレも毎日の事。 
('A`)「お、やっときたなこのやろう」 
その声に反応する人物が一人 
親友ともいえるドクオだった 
ドクオはこっちに来いと手招きをする 
自分の机に鞄を置くと、そのままドクオの席へと向かう 
そこにはショボもいた 

ドクオとショボ、二人ともかけがえの無い親友だった 
中学に入って以来のまだまだ短い付き合いだけども 
不思議と僕等はウマが合い、意気投合している 
長年連れ添っている友人のような関係だった 



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:23:17.14 ID:uc+
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('A`)「よぉ、今日も元気そうだな」 
( ^ω^)「おっおっおっwいつも僕は元気だお」 
(´・ω・`)「まぁ、ソレしか取り得がないのかもしれないけどね」 
( ^ω^)「おっ・・・傷つくお」 
('A`)「それをいうならショボだって、勉強だけしか取り得がねーじゃないか」 
(´・ω・`)「それをいうかい…学年1番の馬鹿な君が 
 君こそ本当に何にも取り得がないじゃないか」 
(#'A`)「んだとごるぁ!」 
( ^ω^)「おっおっおっwやめるお!ドクオの取り得はあるお! 
 友達を思いやる事のできる優しい気持ちだお! 
 こればっかりはショボにもまねできないお!」 
いつもながらの喧嘩に発展しそうな前に止める 
実際ドクオは近寄りづらい雰囲気を醸し出しているが 
友人のためになら何でもするいい奴だった 



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:24:42.44 ID:uc+
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(´・ω・`)「童貞だけどね」 
(#'A`)「んだとぉ!」 
( ^ω^)「おっwおっwおっwショボもブーンも同じだお」 

ソレと同時に響く笑い声 

ブーンは思った こんな日が何時までも続けばいいのにと 

だけど終りは急に訪れたのだった… 

◆ 

自分で昔のことを語りながら、可笑しなことに気づく 
"始まり"があるなら"終り"がある。 
ならばあの時"終り"と感じたのならば幸せの"始まり"は何時だったのだろう? 
生まれたとき?物心付いたとき? 
"始まり"という明確な境が無い場合、始まりはどうやって定義するのだろう。 
しかしすぐに答えはでた 
つまりアレは"終り"ではなく"始まり"だったのだと 


全てが終わっていく "始まり" 


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:26:36.77 ID:uc+
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◆ 

('A`)「んじゃなー」 
(´・ω・`)「遅刻しないようにね」 

校門での別れ際、いつもの挨拶を交わす 
( ^ω^)「わかってるお!また明日ー」 
ブンブンと手を振りながら走る自分 
一刻も早く家に帰りたかった 
理由は簡単 

J( 'ー`)し「今日はおやつにケーキ作るからね」 

微笑みながら言ったカーチャンの一言 
それだけが楽しみだった 

( ^ω^)「ケーキ楽しみだお!早くかえるお!」 
ドクオたちが見えなくなったのを確認すると方向転換をし 
本格的に走り出す 



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:28:04.47 ID:uc+
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空は蒼い 雲も白い 
( ^ω^)「うん、今日もいい日だお!」 
外に出るたびに、確認する 
まるで自分に言い聞かせるように 
それがブーンの日課だった 



( ^ω^)「ただいまだおー!」 
玄関を開けると同時に靴を脱ぎ散らかしながら家の中へ 
そのままキッチンに向かうが、そこにカーチャンの姿は無かった 

( ^ω^)「・・・この時間におかしいお?」 
時刻は3時を少し過ぎたところ 
いつもなら家にいるはずのカーチャンがいない 
たったそれだけのことだったのに 
心の中になんともいえない不安が広がった 

( ^ω^)「きっと買い物だお!」 
自分に言い聞かせるようにそう言うと 
( ^ω^)「先に宿題するお〜」 
そういいながら自室へ足を運んだのだった 


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:29:14.41 ID:uc+
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◆ 

しかしそれから3時間経過をしてもカーチャンは帰ってこなかった 
( ^ω^)「おかしいおー。おなかへったお…カーチャンまだかお・・・」 
時計を見ながら今か今かとカーチャンの帰りを待つブーン 
すでに宿題は終り、居間で一人TVを見ながら母の帰りを待っていた 
( ^ω^)「そうだお・・・あと1時間すれば父チャンが帰ってくるお」 
時刻は6時過ぎ、大体父チャンは7時ごろに帰ってくる 

テレビから流れるお笑い番組の笑い声 
その明るい声が、少しでもブーンの不安の気持ちを紛らわせていた 
( ^ω^)「おっおっおっwおもすれーw」 



◆ 



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:30:26.86 ID:uc+
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不幸は突然訪れる 
幸せは頑張った結果訪れる 
反対の言葉なのにこの工程はどうかと思う。 

その日ブーンは、その事を深く痛感したのだった 
RRRRRRR 
   RRRRRRR 
      RRRRRRR 
突如鳴り響く電話 
時刻はすでに8時を回ったところ。 
当然、トーチャンもカーチャンも帰ってきていなかった 

( ;^ω^)「うぅ。おなか空いたお…だれだお…」 
よろよろと立ち上がりながらブーンは電話を取る 

そしてソコから狂い始めたブーンの全てが 


「こちら…○○警察ですが…ブーン君?」 
( ;^ω^)「そうですお?警察さんがなんのようですお?」 
「落ち着いて聞いて欲しいんだが…いいかな?」 
( ;^ω^)「「なんですお?」 



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/07(金) 01:31:07.19 ID:uc+
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「君のお父さんが…… 




         交通事故で・・死にました」 


( ゜ω゜)「・・・は?」 
何を言ってるんだろう。警察の人は 
トーちゃんが死んだ? 
何でどうして?どうしてどうしてどうして 
「大丈夫かい?ブーン君。それで君のお母さんがココに居るんだけど余りのショックで 
 放心してしまってるんだ。学生の君にこんな事を言うのはアレだけど 
 今からそちらに迎えを行かせるから、ブーン君も直ぐここにきて欲しいんだ」 


その後の記憶は余りない 
電話で言った通り10分もしないうちに警察の人がきた 
そのまま車にのり、警察署につく 
そしてそこで真っ先に見たのはトーちゃんの死体じゃなく 

何処か壊れたような カーちゃんの姿だった 

第1話 起 終 





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